JP2022536366A - 太陽光発電所用のハイブリッド放射吸収器、およびそのような吸収器を調製する方法 - Google Patents

太陽光発電所用のハイブリッド放射吸収器、およびそのような吸収器を調製する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、集光型太陽光発電所用の太陽光放射吸収器に関し、吸収器は、炭化ケイ素の一体片から形成され、その吸収面は、例えば、タングステンデン樹枝状結晶でコーティングされていることを特徴とし、太陽光発電所用の熱吸収装置またはシステムの製造に適したものである。本発明はまた、そのような吸収器を調製するための方法に関する。

Description

本発明は、その特性が黒体の挙動に類似しているエネルギー吸収器の分野に関する。
黒体は、反射したり通過させたりすることなく、受け取ったすべての電磁エネルギーを完全に吸収する理想的な物体である。黒体は、熱運動の影響下で電磁放射線を放出する。熱平衡状態では、放出と吸収のバランスが取れており、実際に放出される放射線は温度(熱放射)のみに依存する。
非限定的な典型的な用途:ガス状流体:スターリング/エリクソン型外燃機関、熱風タービン(タービン発電機)、工業プロセス、調理など、液体流体は、加熱したい水、滅菌する液体とすることができ、標準的なタービン発電機供給するための蒸気の生成、DHW(家庭の温水/暖房)、さまざまな流体など。
本発明は、より具体的には、理想的にはHHO(家庭用灯油)または再生可能火炎である火炎によって補完される、太陽熱発電所による太陽熱放射からのエネルギーの生成を目的とする吸収器の分野に関する。太陽熱による方法は、太陽光発電の方法よりも30%程度効率が良いが、かさばり、より大量の電力生産に適したものである。
スターリングエンジンと集光装置を結合した新しい装置は、現在、電流を生成するために開発されている。しかしながら、熱力学的効率は入力温度と相関しており、最大の効率を得るには入力温度が十分に高くなければならない。既存の装置は650/800度Cに制限されているため、40%の効率を超えることはできない。本発明は、入力温度が1200℃に到達することを可能にし、その結果、60%の正味効率に到達し、それを超えることを可能にする。
さらに、本発明による吸収器は、異なる熱源、例えば、太陽と“太陽燃料”=HHO(またはバイオガス、石油派生物など)の混成を可能にし、そのようにして、太陽束の変動または欠如にかかわらず全出力での装置の連続運転を可能とする。
先行技術
太陽熱の放射を集中させるため、熱を輸送し、場合によっては貯蔵するため、そして熱を電気に変換するためのさまざまな技術がある。いずれにせよ、集光型太陽熱発電所の重要な要素の1つは、受光器の一部を形成する太陽熱放射の吸収要素である。吸収器の効率を最大化するために、吸収要素は一般に、選択的コーティングまたは選択的処理と呼ばれるコーティングを含んでいる。選択的コーティングは、可能な限り少ない赤外線放射を再放射しつつ(黒体の法則)、入射太陽エネルギーの最大吸収を可能にすることを目的としている。特に、そのような選択的コーティングは、カットオフ波長より短い総ての波長を吸収し、この同じカットオフ波長より長い総ての波長を反射する場合、完全であると見なされる。最適なカットオフ波長は、考慮される吸収器要素の動作温度に依存し、一般に1.5pmから2.5pmの間である。例えば、650Kのオーダーの温度では約1.8pmである。
特許文献1には、太陽光受光器であって、
・最大2気圧の圧力で動作するように構成され、流体入口、流体出口、および集光された太陽熱放射を受け取るための開口部を含む低圧流体チャンバと、
・低圧流体チャンバ内に収容されたソーラー吸収器と、
・低圧流体チャンバの仕切られた壁を規定する複数の透明な物体と、を備え、
・開口部を通して受け取られた、集光太陽熱放射は、仕切られた壁を通過し、透明な物体の間を通過して、低圧流体チャンバに入り、ソーラー吸収器に作用する、太陽光受光器が記載されている。
特許文献2には、その外部からその内部スロート部分までの収束構造に配置された複数の細長い羽根構造を備えた放射エネルギー受け器が記載され、外部から羽根までの中間面は、反射面の少なくとも一部にあり、羽根の中間から内部面は、小さな入射角で選択面に作用する放射エネルギーを吸収するが、より大きな入射角で作用する放射エネルギーを反射する、選択面の少なくとも一部にあり、これらによって、羽根の外部部分に作用する放射エネルギーは羽根の収束スロートに向かって反射し、内部部分の放射エネルギーは、比較的小さな入射角で選択面に作用し、羽根に対する放射エネルギーの進行方向の初期または実際の反転が吸収される一方、比較的大きな入射角での選択面への作用は羽根のスロートに反射されて羽根のスロートに隣接して高温を生じさせる。
米国特許公開2015/033740号公報 米国特許明細書第4047517号
先行技術の問題点
当該技術分野の状態に対する解決策を実行しても、それが吸収器のエネルギー変換能力によって制限され、効率が限定されることになる。また、公知の吸収器は外気にさらされ、それによってかなりの熱損失が生じる。公知の吸収器は、滑らかで、吸収性が低い、放射性の高い集光面を有している。公知の吸収器の材料は、高温での使用が不可能であり、過度の圧力または応力に耐えることができない。
本発明による解決
これらの問題点を改善するために、本発明は、その最も一般的な意味で、炭化ケイ素の一体片が形成され、その吸収面が、例えばタングステン樹枝状結晶(または他の基板)でコーティングされていることを特徴とする、集光型太陽熱発電所用の太陽熱放射線吸収器に関する。本発明はまた、炭化ケイ素の一体片によって形成され、その吸収面が理想的には、タングステン(または他の)樹枝状結晶でコーティングされている、本発明の吸収器が配置された透明な入口窓を備えた空洞、例えばグラファイト空洞によって形成されることを特徴とする、集光型太陽熱発電所用の熱吸収装置に関する。
有利には、熱吸収装置は、前記空洞内に配置され、前記吸収器の方向に火炎を向けるバーナーを備える。
一変形例によれば、熱吸収装置は、太陽エネルギーを前記吸収器に運ぶ光ファイバを含む。
有利には、空洞の内面の少なくとも一部は、光トラップ(円錐状のハニカム)のように振る舞う空洞を有する。
本発明はまた、熱機械の入口に熱的および機械的に結合された集光型太陽熱発電所の熱吸収装置からなるシステムに関し、熱吸収装置は、グラファイトの空洞によって形成されて、透明な入口窓を備え、前記入口窓には、炭化ケイ素の一体片によって形成された吸収器が配置され、吸収器の吸収面はタングステン樹枝状結晶でコーティングされていることを特徴とする。
有利には、膨張機は上部が炭化ケイ素でできている。
本発明はまた、本発明による吸収器を調製するための方法に関し、方法は、例えば、一体の炭化ケイ素片表面上のタングステン樹枝状結晶の薄層であって、集光された太陽流束からなる放射線を吸収する薄層をプラズマスプレーで堆積させるステップを含むことを特徴とする。前記層はまた、有利には、成形型から出されると直ちに堆積することができ、成形によって得られるペーストは比較的粘着性があり、したがって、樹枝状結晶を、簡単な機械的噴霧または粉末化によって容易に固定することができる。
一変形例によれば、方法は、炭化ケイ素で作られた一体部品の表面にタングステンの樹枝状結晶をレーザー投射するステップを含む。
他の変形例によれば、本発明は、集光型太陽熱発電所の熱吸収装置であって、真空下で隔離された空洞、例えばグラファイト空洞によって形成され、透明な入口窓を備え、この窓には、高純度の炭化ケイ素一体片によって形成された吸収器が配置されて、その吸収面はタングステンの樹枝状結晶でコーティングされていることを特徴とする熱吸収装置に関する。
有利には、集光型太陽熱発電所用の熱吸収装置は、
-セルが中央の高さがより高い円錐形/フレア状で微小空洞を呈するハニカム構造と、
-組み立て/密封フランジとして機能する、密封された球形の、上部/下部の支持接合部であって、支持物がハニカムおよびフィンを有するとともに、熱力学装置におけるパイプにねじ接続する、支持接合部と、
-ロゼット形態の、流体と熱交換するためのフィンであって、中央がより高い高さの微小空洞を有するフィンと、
-密封円盤および流体通路口と、
-90°の戻り角でフレア状/円錐形の形を持つ、中央のらせん状円錐台の部分と、
-前記空洞内に配置され、吸収器の方向に火炎を向けるバーナーと、
-微小空洞を備える交換表面と、を有する。本発明はまた、管(高温流体出口)または熱機械の入口に熱的および機械的に結合された前述の集光型太陽熱発電所用の熱吸収装置からなるシステムに関し、前記熱吸収装置は、吸収面がタングステン樹枝状結晶でコーティングされた、炭化ケイ素の一体片で形成された吸収器が配置された、透明な入口窓を備えたグラファイトの空洞によって形成されることを特徴とする。
好ましくは、膨張機は上部が炭化ケイ素でできている。
有利には、それは、炭化ケイ素で作られた一体片の表面にタングステン樹枝状結晶をプラズマ溶射するステップ、および/または一体の炭化ケイ素片の表面に、そのペースト状相での製造中に、タングステン樹枝状結晶の粉末化によって堆積するステップを含む。
本発明の非限定的例の詳細な説明
本発明は、添付の図面を参照して、以下の本発明の非限定的な例の詳細な説明を読むことにより、よりよく理解される。
図1は、断面図で見た吸収器を示しており、最上部(太陽/炎)を向いた、ハニカムを含む上部、中央部の密封された接合部(3)、および下部の流体交換器であるフィンが示されている。 図2は、中央にらせん状の円錐を備えた交換器の底面図を示している。 図3は接合部と下部のみの断面図を示している。 図4にハニカムの図を示す。 図4Aは、樹枝状結晶の図を示している。 図5は、ハニカムマトリックスの簡略化された表現を示している。 図6は、拡大されたタングステン樹枝状結晶の最初の形態を示している。 図6Aは、拡大されたタングステン樹枝状結晶の別の形態を示している。 図7は、CSi支持体上の融合樹枝状結晶の拡大図を示している。 図8は、外部格納筺体(太陽熱吸収装置用ユニット)を示す。 図9は、らせん状円錐の詳細断面図を示している。 図10は、装置を理解するためのらせん円錐の3D表現を示している。
本発明による吸収器の使用状況の説明
熱吸収装置は太陽放射を吸収して熱に変換する。そして、この熱は熱伝導流体に伝達される。熱吸収装置は、吸収器、熱伝導流体、断熱材、場合によっては装着ガラスと反射器によって構成される。
吸収器は、熱吸吸収装置の最も重要な部分の1つであり、吸収器は太陽放射を熱に変換する。
吸収器は以下の2つのパラメータによって特徴付けられる:
-太陽吸収係数a*(または吸収率):入射光放射のうちの吸収される光放射の比率;
-赤外線放射係数e(または放射率):吸収器が高温のときに赤外線で放射されるエネルギーと、黒体が同じ温度で放射するエネルギーとの比率;
太陽熱暖房用途では、目的は最大の太陽吸収係数/赤外線放射係数比を得ることである。この比率は選択性と呼ばれる。
吸収器の構成材料は、一般的に銅またはアルミニウムでできているが、プラスチックでできている場合もある。いくつかの材料の特性が吸収器として用いられる。
吸収器の構造が、図1、図2、図3および図8に示される。
吸収器は、窓(10)を介して太陽放射にさらされるハニカム構造(1)を含む。ハニカム構造はフランジ(2)によって筺体に固定される。膜(3)は密封された接合部を形成する。シール(4)は、フランジ(2)と筺体の内部ショルダとの間の気密性を確保する。構造(6、12)には、下部のフィン(5)を備えた中央らせん状円錐台部分がある。構造はネジ(7)で固定される。
密封盤(11)が構造(12)の下側に延在している。
窓(10)とハニカム構造(1)の間の領域で、バーナーが高温ガスを注入する。この領域には、排出口(14)も有る。
ハニカム構造は、熱の流れを受け取り、中央に密封された接合部があり、側部にフランジがあり、高さ全体にわたるフィンがあり(高圧に耐えることができる)、中央下部のらせん状の円錐がある(流体を90°で戻す)、底部の密封盤=流体回路を密封し、周辺から中心へまたはその逆の循環を可能にする(元に戻せる/選択可能)、を備える。
Figure 2022536366000002
従って、より高い効率を得るために、一定のシステムは特定のコーティングで構成される。
熱伝導流体によって、吸収器によって蓄えられた熱を放出し、その熱をそれが消費される場所に運ぶことが可能となる。良好な熱伝導流体は、次の条件を考慮に入れる必要がある:
-流体が高温に達したとき、特に、熱吸収装置で流れが停滞しているときに、化学的に安定していること;
-地域の気象条件に関連付けられた不凍特性を備えていること;
-熱吸収装置の回路に存在する材料の性質に応じた防食特性を備えていること;
-熱を効率的に輸送するために、高い比熱および熱伝導率を備えていること;
-無毒であり、環境に優しいこと;
-循環ポンプの仕事を容易にするために低粘度であること;
-容易に入手でき、安価であること.
これらの基準に関する正しい妥協策は、水とグリコールの混合物(自動車の冷却液に使用)であるが、用途に応じて純水または単に空気で動作するシステムを見出すことはまれなことではない。
ガラス装着は、熱吸収装置の内部を環境の影響から保護し、温室効果によってシステムの効率を改善する。
効果的なガラス装着が必要な場合、それには次の特性が必要となる:
-傾斜に関係なく、光放射の反射を最小限とする;
-光放射の吸収を最小限とする;
-赤外線放射を最大限に保つことによって良好な断熱性を有する;
-時間が経過しても、環境の影響(雨、雹、日射など)や大きな温度変化に耐える。
熱吸収装置に用いられる主なガラス装着は、非鉄ガラスまたはアクリルガラスをベースにしており、多くの場合、反射防止コーティングが施されたものである。
断熱によって、熱損失を制限でき、その特性は、熱伝導率係数が小さいほど断熱性が高くなる、という伝導率係数である。熱吸収装置に用いられる主な材料は、ロックウール、グラスウール、ポリウレタンフォーム、またはメラミン樹脂である。
熱吸収装置に用いられる絶縁体:
Figure 2022536366000003
ガラスが施された熱吸収装置の場合、ガラスと吸収器の間の断熱材を空気に置き換えることは興味深いことである。実際、空気は優れた断熱力を持っており、そのため二重ガラスに用いられている。それでも、より高い効率を得ることを目的として、一部のメーカーはアルゴンやキセノンなどの他のガスを用いており、可能であれば、真空を用いることさえも好ましいものである。以下は、絶縁体として用いられるガスの絶縁係数である:
Figure 2022536366000004

本発明による吸収器の説明
本発明による吸収器は、CSiに対して、タングステン樹枝状結晶が、CSiがペースト状相で作成される間に堆積されるか、またはレーザーまたはプラズマによって投射されるCSiであって、タングステン樹枝状結晶が赤外線放射を98%吸収し3,400度C以上の温度で溶融する結晶形態である、CSiの一体片からなる。
本特許の目的のために、“樹枝状結晶”という用語は、固化によって得られ、樹枝状の形状を有する結晶形を意味すると理解されるものである。例えば、雪の結晶は樹枝状構造を有している。上記樹枝状結晶は、好ましくは、工業的な残留物または細粉であるか、または高温で太陽経路によって生成されるものである。
CSi上のタングステン樹枝状結晶の凝集は、薄層でかつ高温下で、または他の任意の方法によって実施することができる。
以上のようにして、吸収器は、特に成形中に生成された微小空洞を用いて光トラップを形成し、黒体に近い特性を有するものである。
発明の詳細な説明
吸収器の主な性質は次のとおりある:
a)最大量のエネルギーを受け取り、伝達することができる。
b)非常に優れた熱伝導体である。
c)IR(赤外線)を反射または放射しない。
d)非常に高いエネルギー密度をサポートする。
e)熱衝撃に耐え、化学的不活性を維持する。
f)時間が経過しても劣化しない。
g)可能な限り低い製造コストである。
h)容易に工業化できる。
i)著しい機械的特性を有している。
吸収器の一番の性質は、放射(太陽光/炎)を受け取り、それを可能な限り最大の効率で流体に移す能力である。
吸収器は真空室内にあり、これによって完全な断熱が可能になり、この真空室は理想的にはグラファイトでできており、日射を透過する窓で覆われ、光損失を制限する反射防止コーティングで覆われている。真空空洞にはバーナーが装備されており、バーナーによって、太陽束がないときに必要なエネルギーを供給することができ、このバーナーの燃焼残留物を排出するための出口が備え付けられている。
公知の吸収器の大部分は、吸収剤/選択的コーティングの有無にかかわらず、ステンレス鋼などの材料を用いている。この材料は吸収率が極めて限られており、赤外放射のかなりの部分を再拡散するものである。さらに、その熱伝導率は約20W/mkと非常に制限的であり、吸収器の性質に重要な特性である、熱導体として20倍優れていることが証明されている、銅=386W/mkなどの他の認識されている材料と比較して極めて小さい。その場合、ステンレス鋼は800°Cまでしか用いることができず、高温範囲で熱力学的効率の利点が制限される。本発明で提供され、例として引用される適切な材料の1つは、比較的純粋な形態のCSi(炭化ケイ素)である。
純粋なCSiは、1,200°Cまでの優れた熱導体であり、最大伝導率は銅のそれに近い約350W/mkであり、それによって、IR(赤外線)を完璧に伝えることに加え、CSiに格別の特性を与えている。CSiは大きな熱衝撃に耐え、またその極めて高い硬度と機械的強度により、非常に高い応力に耐えられる部品を設計できるため、優れた熱伝導率の薄い部品を製造できる。CSiは、化学的に不活性であり、極めて高い温度に耐え、時間が経過しても劣化しない。
逆に、純粋なCSiは、太陽放射をほぼ透過し、ガラスに似ており、そのため集中した太陽束を吸収しないことによるいくつかの問題によって損なわれる。さらに、ほぼ完全な吸収器を製造するために必要な複雑な形状の部品を製造することは非常に困難なことである。最後に、その実装には非常に大量のエネルギーと非常に高い温度が必要となる。
これを改善するために、本発明による吸収器は、熱源に曝される面がタングステン樹枝状結晶の薄層で覆われている。タングステン樹枝状結晶は、太陽放射または炎からの放射を完全に捕捉し、98%の効率でそれを支持基板に伝えるという特性を有している。これを実施するために、樹枝状結晶は、例えば、プラズマトーチまたは他の適切な方法の手段によって、特にCSiが成形段階から出るときに、その粘着性のあるペーストの粘度が完全な凝集を可能にすることによって堆積される。
可能な限り最大の効率で入射束を吸収するために、入射放射線を捕捉してトラップすることができる特定の形状を生成する必要がある。公知の吸収器は一般に、放射の大部分を反射する滑らかな表面を有している。本発明は、光トラップとして機能し、黒体と比較される形状を有する。このため、吸収器の表面は、断面が円錐形で、上部が薄く、下部が広いハニカム構造で構成されている。このようにして、入射する放射線は逃げることができず、樹枝状結晶によって完全に捕捉され、従って太陽束をCSi基板に伝えることから、可能な限り最大の効率で入射する放射線を捕捉することが可能となる。また、製造に関して、ハニカムの円錐形は簡単に除去することが可能である。特に、良好な吸収器のために可能な限り厚さを制限する必要があることを考えると、現在最先端技術では、その強度を損なうことになる複雑な形状の部品の製造は可能でなく、これは、機械的な理由で直径と長さが制限されている工具を使用して機械加工する必要があることから、現在の最先端技術では現在のところ可能ではない。
本発明は、2つの革新的な方法によってこれらの問題を解決することを可能にする。1つは高圧静水圧プレス成形であり、2つ目は3Dプリンタによる積層造形である。本発明者が開発した高圧静水圧プレス成形によって、プラスチックや金属の射出成形とほぼ同じように、一つ目は上部用で2つ目は下部用で、場合により3番目はねじ込み/ねじ込み解除機能または2つの独立した成形ハーフシェルを必要とする中央のらせん状錐体の、2つ以上の部品で形成された型にCSiペーストを送ることができる。従って、ミリメートルのオーダーとすることができ得、非常に薄い厚さの複雑な形状の部品を得ることが可能であり、部品の幾何学的構造により、このタイプの製造が可能になる。密封盤を直に加えて、一体片を得ることができる。
発明者によって首尾よくテストされた第2の方法は、積層造形ないし3Dプリントである。ノズルまたはノズルのセットは、CSiペーストをそれがプレート上を移動するように堆積し、複雑さがほぼ無限に近い形状の部品を徐々に形成する、すなわち実現不可能な形状を得る。
ハニカム表面は、理想的には、有利には光を吸収し、樹枝状結晶のより容易な付着を可能にする微小空洞を有した粗い表面からなる。同様に、下部のフィンは、一方では熱交換係数を増加させ、他方では全体的な効率を増加させる表面の摩擦を減少させることに寄与する微視的乱流を生成する微小空洞を有することができる。
部品は、さまざまな適切な処理を経て、その後、従来のようにガスまたは電気が供給される高温炉で焼結されるが、理想的には集光型太陽熱手段で焼結して製造コストを大幅に削減することもできる。太陽源がない場合それは、理想的にはHHO混合物の燃焼によって補われ、この燃焼は、2800°Cの非常に高品質の炎を生成し、その残留物は無限にリサイクルできる水蒸気だけである。“太陽燃料”とも呼ばれるHHO混合物は、理想的には太陽手段で製造でき、それに応じてエネルギーコストを削減できる。この太陽方法の別の利点は、制御されたアニーリングが張力を解放すると見なすことができ、このアニーリングは非常に安価なことである。
従って、炭素指数がゼロに近いかゼロに等しく、従って環境への影響がないと同時に、非常に高速で製造コストが極めて小さい複雑な形状の部品の工業生産を想定することができる。
吸収器は、一体型であるが、説明を理解するために、本明細遺書では3つの部分に分けられている。1つ目の部分は、熱流を受け取る上部であり、2つ目の部分は2つの主要な部分を支持し、気密性を保証しながら圧力下で、構造内で組み立てを実行できるようにする接合部である。
3つ目の部分は、下部であり、流体内の熱エネルギーの伝達を担う。組み合わせたものは、形状が凹状であり、それによって、エネルギーの捕捉と伝達を最適化するだけでなく、エネルギーの流れと表面に加えられる機械的な力を均一にすることによって最高の機械的強度を確保するようにすることができる。
上述の上部は、温度勾配を均一にするためにそれぞれが反対側に向かって広がった円錐形のハニカム構造であり(図4)、その表面はタングステン樹枝状結晶の薄層で覆われている。これらの錐体は、太陽束または炎が常にその中心でより大きく、結果として、伝導によって周囲の要素に伝達する、より高密度の物質を必要とするという事実によって、中心でより高くそしてより広い。
CSiの優れた特性と本発明による実施の方法によって、上部にミリメートル程度の厚さの対流フィン(ハニカム)を製造することが可能である。直射日光または炎を受け取る“先端”(従って、上部)は、壊れやすい鋭角を避け、取り去ることができるように丸みを帯びている。
ハニカム構造の他の利点は、熱応力と機械的応力の両方を完全に分散できることである。ハニカム構造の高さは周辺よりも中心の方が高いことから、熱応力と機械的応力の両方が表面全体に均一に分散され、従って、構造は中心ではるかに大きな圧力を受けることができ、それによって、例えばステンレス鋼で作られ、その表面が滑らかな、球形で、一定の厚さの、公知の吸収器とは異なり、最も極端なエネルギーと機械的密度に耐えることができる。
ハニカム構造の連続体には、上下の2つの交換部分を受ける“接合部”(下部と上部を分離する密封された凹状盤)が存在する。この接合部によって、2つの対向する部分間の密封の連続性と、その表面全体に均一に分散される適切なエネルギー伝達が確保される。その形状は球形であることが好ましく、その凹面は(流れを受け入れる)上部に向けられており、これにより吸収器は可能な限り薄い厚さで極めて高い圧力に耐えることができ、結果として熱効率に寄与する。この薄い厚さはまた、吸収器の耐久性と信頼性を確保するために不可欠である、大きな厚さの機械的応力または公知の分子欠陥、ならびに焼結の品質を制限することを可能にする。
吸収器が熱装置のさまざまな構成要素の間にしっかりと取り付けられるようにするために、その外周は、外部装置と組み合わされたフランジと同様の周辺ベアリング面で構成されている。この面は、それが受ける応力に適合した厚さであり、吸収器が配置されているわずかに大きい部分の円筒に適合し、緊密な組付けを保証するように設計されている。
これを実施するために、フランジの範囲として定義された限られた表面に圧力を加えるよう、外縁中央に生成されるシールと同一のリングを想定することが可能であり、極めて高い圧力が加えられる状況において理想的である。この隆起したリングは、標準のシールを受け入れる溝に置き換えることも、特定の平面シール、特に金属タイプの平面シールの平面とすることもできる。例えばグラファイト製の絶縁シールも、高温に耐えると理想的に考えることができ、このタイプのガスケットの他の利点として、それが熱の逃げ道を構成し、それによって外部支持体への熱の伝達を回避することがある。
この場合、吸収器は、図8のように外側の受け入れ円筒に直接取り付けられるが、十分なガス圧が加えられるため、特に吸収器を受け入れる空洞の窓が理想的には真空下にあることを考慮すると、チューブレスタイヤのように、迅速かつ簡単に取り付けることができる。これにより、シールされた表面での吸収器の自己調整と変位が可能になるため、装置のさまざまな構成要素の膨張の差によって機械的応力が発生するのを回避できる。
“フランジ”の下部には追加の構成要素やデバイスを装着することが可能であり、この意味で、ねじ山や適切な組付けシステムなど機械的結合を可能とする要素、特に、1/4回転タイプの組付けにより、迅速で経済的な組付けが可能になる。上記ねじ山または組付けデバイスは、シール装置/シールに加えられる圧力の完全な維持を可能にしながら、耐久性があり安全な機械的アセンブリを可能にするために両側にあり得る。
図2および図3に示す下部は、ロゼットを形成する細いフィンで構成されており、これにより、熱エネルギーを熱伝導流体または作動流体/流体に伝えて加熱することができる。フィンは、その高さ全体にわたって“フランジ”部分に入れ子になっており、それによって、高圧に特に耐性があり、力を均一に分散する一体片を得ることができる。
集光された太陽束はガウス曲線に似ている。つまり、中心で最大強度となる。その結果、流体は理想的には周辺から中心に向かって流れて、密封フランジでの熱損失を回避することができる。この目的のために、“出入口”(通路)がフィンの入口の全周の周りに作られて、流体の通過を可能にしている。この出入口は、フィンに取り付けられた密封盤によって押し付けられ、その変位や振動を防ぐためにラグを取り付けるなどの方法で固定される。そのアセンブリはまた、有利には製造方法に応じて一体形態とすることができ、この形態は、機械的な固定/保持装置の追加を回避することができる。
円(ロゼット)の一部が互いに入れ子になっているこの配置によって、いくらかの乱流を生成して、流体を極めて正確な方向に導くことができる。さらに、求心力によって、フィンの表面での流体の相互作用を高めることができ、それによって熱交換係数を向上させることができる。この独自の配置によって、交換面を増やし、吸収器の熱効率を高めることもできる。フィン間のスペースは、表面で実現されるエネルギー密度との完全な相関関係のために、中心よりも周辺の方が大きくなっている。
さらに、フィンは周辺よりも中心の方が高く、それによって、一方では、熱交換を最適化することができ、最大のエネルギー密度が中心にあり、他方では、特にスターリングタイプなどの熱力学的装置で必要とされる極めて高い圧力を受けるときにアセンブリの機械的強度に寄与する。従って、極めて高い圧力に対する最大の機械的抵抗を確保しながら、非常に薄い接合部を持つことが可能となる。
フィンの特定の形状によって、下部構造の中央に高速渦が形成され、その渦は、垂直方向のまたは配管に向かう最初の流れの方向をとるらせん状の円錐台部分によって吸収器の外側または特定の熱力学的装置のピストンに向かって方向付けられる。上記円錐台部分はらせん状のフィンを含み、それによって、一方では新しい垂直軸に流れを向けることを可能にし、他方では、ベンチュリ効果による流速の増加に起因して入射熱放射に最もさらされる中央領域での過熱を回避することを可能にする。円錐の中心は比較的厚く、端は薄くなっている。円錐台部分の下部ベースは、有利には、全体的な効率に有害な過度の乱流および圧力降下を回避するために湾曲している。このらせん形状は、好ましくは流体の一方向において漏れまたは誘導障害に関連する損失を回避するために、密封盤に近接している。
下部の気密性を確保するために、密封盤は、加熱する流体を閉じ完全に方向付けることができる。この密封盤は、その中心に開口部を備えており、それによって配管の円筒部分またはピストンの送りによる接続が可能であり、外径はフィンの直径よりもわずかに小さいため、周辺からの流体を通すことを可能としている。
吸収器本体を備えた取り付け装置は、密封盤上に製造され、これは、ラグ、切り欠き、または他の任意の組み立て方法などのいくつかの方法で行われるか、付加印刷の場合は一体のアセンブリを構成する。別の有利な方法は、吸収器の本体が成形から外されると直ぐに盤を組み立て、接着が容易に行われるか、または付加的な印刷による製造中にさえ行われることである。
一般に、流体の動きを妨げる鋭角は総て、乱流やその他の有害な圧力降下の発生を避けるために丸められる。
下部はまた、例えばFPSE過程(自由ピストンスターリング機関、これは毎秒数十サイクルである周波数)の場合において、外に向かう方向および戻り方向において流体圧の損失が無い速い往復の通過が可能とするよう設計されている。

Claims (12)

  1. 集光型太陽熱発電所用の熱吸収装置であって、高純度炭化ケイ素の一体片によって形成された吸収器が配置され、前記吸収器の吸収面がタングステン樹枝状結晶でコーティングされている、透明な入口窓を備えた、真空下で隔離された空洞、例えばグラファイトの空洞によって形成されることを特徴とする熱吸収装置。
  2. 請求項1に記載される、集光型太陽熱発電所用の太陽熱放射の吸収器であって、前記吸収器は、セルが中央の高さがより高い円錐形/フレア状で、微小空洞を呈するハニカム構造を有することを特徴とする吸収器。
  3. 請求項1に記載される、集光型太陽熱発電所用の太陽熱放射の吸収器であって、前記吸収器は、組み立ておよび密封フランジとして機能する、密封された球形の上部および下部の支持接合部であって、支持物がハニカムおよびフィンを有するとともに、熱力学装置におけるパイプにねじ接続する、支持接合部を有することを特徴とする吸収器。
  4. 請求項1に記載される、集光型太陽熱発電所用の太陽熱放射の吸収器であって、前記吸収器は、ロゼット形態における流体と熱交換するためのフィンであって、中央がより高い高さの微小空洞を有するフィン有することを特徴とする吸収器。
  5. 請求項1に記載される、集光型太陽熱発電所用の太陽熱放射の吸収器であって、前記吸収器は、密封円盤および流体通路口を有することを特徴とする吸収器。
  6. 90°の戻り角でフレア状の円錐の形を持つ、中央のらせん状円錐台の部分を備えることを特徴とする請求項1に記載の集光型太陽光発電所用の熱吸収装置。
  7. 前記空洞内に配置され、前記吸収器の方向に火炎を向けるバーナーを備えることを特徴とする請求項1に記載の集光型太陽光発電所用の熱吸収装置。
  8. 微小空洞を持つ交換表面を含むことを特徴とする請求項1に記載の集光型太陽光発電所用の熱吸収装置。
  9. 管(高温流体出口)または熱機械の入口に熱的および機械的に結合された、請求項1に記載の集光型太陽熱発電所用の熱吸収装置を含むシステムであって、前記熱吸収装置は、吸収面がタングステン樹枝状結晶でコーティングされた、炭化ケイ素の一体片で形成された吸収器が配置された、透明な入口窓を備えたグラファイトの空洞によって形成されることを特徴とするシステム。
  10. 膨張機は上部が炭化ケイ素でできていることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
  11. 請求項1に記載の吸収器を調製するための方法であって、炭化ケイ素で作られた一体片の表面にタングステン樹枝状結晶をプラズマ溶射するステップを含むことを特徴とする方法。
  12. 炭化ケイ素の一体片の表面に、前記一体片がペースト状相にある製造中に、タングステン樹枝状結晶を、粉末化することによって堆積するステップを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
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