JP2022533145A - 生体分子を標識するためのタグ - Google Patents

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Abstract

ポリマー主鎖、1つまたは複数のペンダント部分、および生体分子に結合することが可能な末端基を含む、生体分子を標識するためのタグであって、ペンダント部分の各々が、ポリマー主鎖に結合しており、元素とキレート形成することが可能である、タグが提供される。さらに、タグに共有結合によりカップリングされている生体分子を含む、コンジュゲートが提供される。本開示の一部の実施形態では、タグは生体適合性である。一部の実施形態では、タグのポリマー主鎖は、ポリペプチド、ポリペプトイド、ポリβ-ペプチド、ポリγ-ペプチド、ポリδ-ペプチドおよびそれらの誘導体からなる群から選択される。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、ホモポリマーまたはコポリマーである。

Description

生体分子の定量は大きな難題であるが、臨床検査および診断検査を含めた、生物学的および生物医学的用途にとって有望な機会も提供する。MS(質量分析法)、とりわけICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析法)は、元素の超高感度定量が可能であり、これは、元素がタグ付けされた生体分子の分析のための革新的な手法を提供する。
一態様では、本開示は、生体分子を標識するためのタグであって、生体分子に化学量論的に結合することが可能な末端基で終わるポリマー主鎖、およびポリマー主鎖にそれぞれが結合しており、かつ元素とキレート形成することが可能な1つまたは複数のペンダント部分を含む、タグに関する。
本開示の一部の実施形態では、タグは生体適合性である。一部の実施形態では、タグのポリマー主鎖は、ポリペプチド、ポリペプトイド、ポリβ-ペプチド、ポリγ-ペプチド、ポリδ-ペプチドおよびそれらの誘導体からなる群から選択される。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、ホモポリマーまたはコポリマーである。
本開示の一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、NCA(N-カルボキシ無水物)、NTA(N-チオカルボキシ無水物)、α-アミノ酸、β-アミノ酸、γ-アミノ酸、δ-アミノ酸、N-置換アミノ酸およびそれらの誘導体からなる群から選択されるモノマーの重合によって形成される。一部の実施形態では、N-置換アミノ酸は、N-置換グリシンである。
本開示の一部の実施形態では、ポリマー主鎖の重合度は、10~1000の間である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の重合度は、50~300の間である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、1.4未満の多分散指数(PDI)を有する。
本開示の一部の実施形態では、ペンダント部分は、金属またはその同位体とキレート形成することが可能である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖に結合しているペンダント部分の数は、10~1000の間である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖に結合しているペンダント部分の数は、50~300の間である。
本開示の一部の実施形態では、ペンダント部分は、EDTA、DTPA、DCTA、DOTA、TETA、NOTAおよびそれらの誘導体からなる群から選択される。一部の実施形態では、ペンダント部分は、DOTAまたはDTPAから選択される。
本開示の一部の実施形態では、1つまたは複数のペンダント部分はそれぞれ、ポリマー主鎖に直接、結合している。本開示の一部の実施形態では、1つまたは複数のペンダント部分はそれぞれ、リンカーを介して、ポリマー主鎖に結合している。本開示の一部の実施形態では、リンカーは、1,2,3-トリアゾール基を含む。一部の実施形態では、リンカーは、スペーサーを介して、ポリマー主鎖またはペンダント部分に結合している。一部の実施形態では、スペーサーは、アルキル基またはポリエチレン(polyelthylene)グリコール(PEG)基である。
本開示の一部の実施形態では、末端基は、ポリマー主鎖のN末端に結合している。一部の実施形態では、末端基は、アジド反応性基を含む。一部の実施形態では、アジド反応性基は、シクロオクチンまたはその誘導体である。
本開示の一部の実施形態では、末端基は、スペーサーを介して、ポリマー主鎖に結合している。一部の実施形態では、スペーサーは、アルキル基またはポリエチレングリコール(PEG)基である。
さらに別の態様では、本開示は、生体分子を標識するためのタグであって、生体分子に結合することが可能な末端基で終わるポリマー主鎖、およびポリマー主鎖にそれぞれが結合しており、かつ元素とキレート形成することが可能な1つまたは複数のペンダント部分を含み、生体適合性であるタグを提供する。
一部の実施形態では、タグのポリマー主鎖は、ポリペプチド、ポリペプトイド、ポリβ-ペプチド、ポリγ-ペプチド、ポリδ-ペプチドおよびそれらの誘導体からなる群から選択される。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、ホモポリマーまたはコポリマーである。
本開示の一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、NCA(N-カルボキシ無水物)、NTA(N-チオカルボキシ無水物)、α-アミノ酸、β-アミノ酸、γ-アミノ酸、δ-アミノ酸、N-置換アミノ酸およびそれらの誘導体からなる群から選択されるモノマーの重合によって形成される。一部の実施形態では、N-置換アミノ酸は、N-置換グリシンである。
本開示の一部の実施形態では、ポリマー主鎖の重合度は、10~1000の間である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の重合度は、50~300の間である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、1.4未満の多分散指数(PDI)を有する。
本開示の一部の実施形態では、ペンダント部分は、金属またはその同位体とキレート形成することが可能である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖に結合しているペンダント部分の数は、10~1000の間である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖に結合しているペンダント部分の数は、50~300の間である。
本開示の一部の実施形態では、ペンダント部分は、EDTA、DTPA、DCTA、DOTA、TETA、NOTAおよびそれらの誘導体からなる群から選択される。一部の実施形態では、ペンダント部分は、DOTAまたはDTPAから選択される。
本開示の一部の実施形態では、1つまたは複数のペンダント部分は、それぞれ、ポリマー主鎖に直接、結合している。本開示の一部の実施形態では、1つまたは複数のペンダント部分は、それぞれ、リンカーを介して、ポリマー主鎖に結合している。本開示の一部の実施形態では、リンカーは、1,2,3-トリアゾール基を含む。一部の実施形態では、リンカーは、スペーサーを介して、ポリマー主鎖またはペンダント部分に結合している。一部の実施形態では、スペーサーは、アルキル基またはポリエチレングリコール(PEG)基である。
さらに別の態様では、本開示は、生体分子を標識するためのタグであって、生体分子に結合することが可能な末端基で終わるポリマー主鎖、およびポリマー主鎖の繰り返し単位にそれぞれが化学量論的に結合しており、かつ元素とキレート形成することが可能な1つまたは複数のペンダント部分を含む、タグを提供する。
本開示の一部の実施形態では、ペンダント部分は、金属またはその同位体とキレート形成することが可能である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖に結合しているペンダント部分の数は、10~1000の間である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖に結合しているペンダント部分の数は、50~300の間である。
本開示の一部の実施形態では、ペンダント部分は、EDTA、DTPA、DCTA、DOTA、TETA、NOTAおよびそれらの誘導体からなる群から選択される。一部の実施形態では、ペンダント部分は、DOTAまたはDTPAから選択される。
本開示の一部の実施形態では、1つまたは複数のペンダント部分は、それぞれ、ポリマー主鎖に直接、結合している。本開示の一部の実施形態では、1つまたは複数のペンダント部分は、それぞれ、リンカーを介して、ポリマー主鎖に結合している。本開示の一部の実施形態では、リンカーは、1,2,3-トリアゾール基を含む。一部の実施形態では、リンカーは、スペーサーを介して、ポリマー主鎖またはペンダント部分に結合している。一部の実施形態では、スペーサーは、アルキル基またはポリエチレングリコール(PEG)基である。
別の態様では、本開示は、上記の本開示のタグを含む、生体分子を標識するための元素タグであって、ポリマー主鎖に結合しているペンダント部分が元素とキレート形成する、元素タグを提供する。
本開示の一部の実施形態では、元素は、金属またはその同位体である。一部の実施形態では、金属は、60より大きな質量を有する。一部の実施形態では、金属は、La、Lu、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、At、Rn、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Es、Fm、Md、No、Lr、Rf、Db、Sg、Bh、Hs、Mt、Ds、Rg、Cn、Nh、Fl、Mc、Lv、Ts、Ogおよびそれらの同位体からなる群から選択される。一部の実施形態では、金属は、ランタニド金属またはその同位体である。一部の実施形態では、ランタニド金属は、La、Lu、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luまたはそれらの同位体である。
別の態様では、本開示は、上記の本開示のタグとカップリングされている生体分子を含む、元素分析のためのコンジュゲートを提供する。
一部の実施形態では、生体分子は、タグとのカップリング前に、タグとの共有結合に好適な基で事前官能基化されている。一部の実施形態では、生体分子は、1つまたは複数のアジド基で事前官能基化されている。
本開示の一部の実施形態では、生体分子は、ペプチド、タンパク質、アプタマー、抗体、酵素、炭水化物、核酸、デオキシリボ核酸、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、組換えタンパク質、リボ核酸脂質およびそれらの誘導体からなる群から選択される。一部の実施形態では、抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体断片、Fab断片、Fc断片、軽鎖、重鎖、免疫グロブリン(immunoglobin)および免疫グロブリン断片からなる群から選択される。
一部の実施形態では、コンジュゲートは、1つまたは複数の元素とキレートをさらに形成する。一部の実施形態では、コンジュゲートとキレート形成する元素の数は、10~1000の間である。一部の実施形態では、コンジュゲートとキレート形成する元素の数は、50~300の間である。
本開示の一部の実施形態では、元素は、金属またはその同位体である。一部の実施形態では、金属は、60より大きな質量を有する。一部の実施形態では、金属は、ランタニド金属またはその同位体である。一部の実施形態では、ランタニド金属は、La、Lu、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luまたはそれらの同位体である。
別の態様では、本開示は、元素分析に使用するための前記コンジュゲートに関する。一部の実施形態では、元素分析は、MSである。一部の実施形態では、MSは、ICP-MSまたはICP-TOF-MSである。
別の態様では、本開示は、上記の本開示のタグを調製する方法であって、ポリマー主鎖を得るステップ、元素とキレート形成することが可能な1つまたは複数のペンダント部分をポリマー主鎖に結合させるステップ、および生体分子に結合することが可能な末端基をポリマー主鎖の一方の末端に結合させるステップを含む、方法を提供する。
一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、ホモポリマーまたはコポリマーとして得られる。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、10~1000個のモノマーの重合によって得られる。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、50~300個のモノマーの重合によって得られる。
本方法の一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、NCA、NTA、α-アミノ酸、β-アミノ酸、γ-アミノ酸、δ-アミノ酸、N-置換アミノ酸およびそれらの誘導体からなる群から選択されるモノマーの重合によって得られる。本方法の一部の実施形態では、N-置換アミノ酸は、N-置換グリシンである。
本方法の一部の実施形態では、モノマーは、重合前に事前官能基化される。一部の実施形態では、モノマーは、アジド基で事前官能基化される。一部の実施形態では、モノマーは、アルキニル基で事前官能基化される。
本方法の一部の実施形態では、ペンダント部分は、EDTA、DTPA、DCTA、DOTA、TETA、NOTAおよびそれらの誘導体からなる群から選択される。本方法の一部の実施形態では、ペンダント部分は、DOTAまたはDTPAである。
本方法の一部の実施形態では、ペンダント部分は、アジド基で事前官能基化される。本方法の一部の実施形態では、ペンダント部分は、アルキニル基で事前官能基化される。
一部の実施形態では、本開示の方法は、ペンダント部分をポリマー主鎖に結合させるステップの前に、ペンダント部分を保護するステップをさらに含む。一部の実施形態では、ペンダント部分は、メチルエステル、ベンジルエステル、tert-ブチルエステル、2,6-二置換フェノールのエステル、シリルエステル、オルトエステルまたはオキサゾリンから選択される基によって保護される。
本方法の一部の実施形態では、ペンダント部分は、クリック反応により、ポリマー主鎖に結合される。一部の実施形態では、クリック反応は、銅触媒クリック反応である。
一部の実施形態では、本開示の方法は、ペンダント部分をポリマー主鎖に結合させるステップの前に、元素をペンダント部分とキレート形成させるステップをさらに含む。一部の実施形態では、本開示の方法は、ペンダント部分をポリマー主鎖に結合させるステップの後に、元素をペンダント部分とキレート形成させるステップをさらに含む。一部の実施形態では、本開示の方法は、末端基をポリマー主鎖に結合させるステップの前に、元素をタグのペンダント部分とキレート形成させるステップをさらに含む。一部の実施形態では、本開示の方法は、末端基をポリマー主鎖に結合させるステップの後に、元素をタグのペンダント部分とキレート形成させるステップをさらに含む。
本方法の一部の実施形態では、ペンダント部分とキレート形成する元素の数は、10~1000である。一部の実施形態では、ペンダント部分とキレート形成する元素の数は、50~300である。
一部の実施形態では、本開示の方法は、元素とキレート形成させるステップの前に、ペンダント部分を脱保護するステップをさらに含む。
さらに別の態様では、本開示は、(i)生体分子を事前官能基化するステップ、および(ii)本開示のタグを生体分子に接触させるステップを含む、元素分析のためのコンジュゲートを調製する方法を提供する。
コンジュゲートを調製するための方法の一部の実施形態では、生体分子は、銅不含クリック反応によってタグの末端基とカップリングされる。一部の実施形態では、生体分子は、1つまたは複数のアジド基で事前官能基化される。
一部の実施形態では、生体分子は、ペプチド、タンパク質、アプタマー、抗体、酵素、炭水化物、核酸、デオキシリボ核酸、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、組換えタンパク質、リボ核酸脂質およびそれらの誘導体からなる群から選択される。
一部の実施形態では、生体分子は抗体であり、事前官能基化は、1つまたは複数のGalNAz基を抗体の1つまたは複数のグリカン鎖に組み込むことによって行われる。一部の実施形態では、事前官能基化は、4つのGalNAz基を抗体のグリカン鎖に組み込むことによって行われる。
一部の実施形態では、生体分子はオリゴヌクレオチドであり、事前官能基化は、1つまたは複数のアジド修飾されているホスホロアミダイトをオリゴヌクレオチドに組み込むことによって行われる。
さらに別の実施形態では、生体分子はペプチドであり、事前官能基化は、1つまたは複数のアジド修飾されているアミノ酸をペプチドに組み込むことによって行われる。
一部の実施形態では、コンジュゲートを調製する方法は、元素をコンジュゲートとキレート形成させるステップをさらに含む。一部の実施形態では、キレート形成は、タグを生体分子とカップリングさせる前に行われる。一部の実施形態では、キレート形成は、タグを生体分子とカップリングさせた後に行われる。
別の態様では、本開示は、(i)試料を本開示のコンジュゲートに接触させるステップであって、コンジュゲートの生体分子が試料中の分析物に特異的に結合するステップ、および(ii)コンジュゲート中の元素の量を元素分析により求めることによって分析物を定量するステップを含む、試料中の分析物を定量する方法を提供する。試料中の分析物を定量する方法の一部の実施形態では、元素分析は、ICP-MSまたはICP-TOF-MSを用いて行われる。
一部の実施形態では、コンジュゲートの生体分子は、別のタグによりさらに標識される。一部の実施形態では、試料中の分析物を定量する方法は、分析物に結合しているコンジュゲートを分離するステップをさらに含む。
試料中の分析物を定量する方法の一部の実施形態では、試料は被験体から得られる。一部の実施形態では、試料は、体液または組織である。一部の実施形態では、体液は、全血、血漿、血清、尿、滲出液、腹水、唾液、脳脊髄液、子宮頸分泌物、膣分泌物、子宮内膜分泌物、羊水、消化管分泌物、痰を含む気管支分泌物、乳汁および分泌物からなる群から選択される。一部の実施形態では、組織は腫瘍組織である。
一部の実施形態では、分析物は、細胞、核酸およびタンパク質からなる群から選択される。一部の実施形態では、細胞は腫瘍細胞である。
別の態様では、本開示は、(i)本開示のタグ、および(ii)キットを使用するための指示書を含むキットを提供する。一部の実施形態では、本キットは、生体分子を事前官能基化するためのアジド試薬をさらに含む。一部の実施形態では、本開示のキットは、生体分子を含む。一部の実施形態では、本キットは、タグを生体分子とカップリングさせるための触媒をさらに含む。一部の実施形態では、キットは金属溶液を含む。
参照による組込み
本明細書において明記されている、刊行物、特許および特許出願はすべて、あたかも個々の刊行物、特許または特許出願のそれぞれが、具体的かつ個々に、参照により組み込まれるように示されているかのごとく、同じ程度にその全体が参照により本明細書に組み込まれている。
図1は、本開示のタグ、元素タグおよびコンジュゲートの例示的な構造を示す。図1Aは、ポリペプチドがポリマー主鎖として使用されている、本開示の例示的なタグを記載している。ポリペプチドは、そのN末端において、生体分子に結合することが可能な末端基で終わった。ペンダント部分はそれぞれ、ポリマー主鎖の繰り返し単位に結合しており、Rは、ペンダント部分とポリマー主鎖との間の任意の構造を含むよう意図されている。図1Bは、図1Aのタグを含む、本開示の例示的な元素タグを記載しており、ペンダント部分はそれぞれ、元素とキレート形成している。図1Cは、本開示の例示的なコンジュゲートを記載しており、コンジュゲートは、図1Bの元素タグに共有結合によりカップリングされている生体分子を含み、生体分子は、分析物に特異的に結合する。コンジュゲートは、分析物の存在または量を検出するため、元素分析を受けることができる。
図2は、本開示のタグを合成するための例示的なスキームを示す。
図3は、本開示の元素タグによりIgGを標識することを例示的に示す。
図4は、本開示の元素タグとコンジュゲートされている抗体を使用することによる、細胞表面マーカーの定量を例示的に示す。
本開示は、元素タグに基づいた分子の分析のための技術が必要であることを認識しており、分析される分子は、最初に元素を結合させて、次にMS分析の対象となる。さらに、本開示は、臨床的状況における、生物学的適合性、定量の効率および利用可能性が改善されたタグが必要であることを認識している。最後に、本開示は、改善されたタグ、および使用の一層有効な方法が必要であることを認識している。
本開示の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に具体的に記載されている。本開示の特徴および利点の一層良好な理解は、本開示の原理を利用する例示的な実施形態を説明する以下の詳細説明を参照することによって得られる。特に定義されない限り、本明細書において使用される技術的用語および科学的用語はすべて、この開示が属する当業者に一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものと類似のまたは等価な方法、デバイスおよび物質のいずれも、本開示の実施または試験に使用することができるが、好ましいタグ、コンジュゲート、方法および使用がこれより記載される。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用する場合、単数形「a」、「および(and)」および「the」は、文脈が特に明白に示さない限り、複数の参照対象を含む。したがって、例えば、「1つの基」と述べる場合、複数のこのような基を含み、「1種のモノマー」と述べる場合、複数のこのようなモノマーを含み、「ペンダント(pendent)部分」と述べる場合、1つまたは複数のペンダント部分(または複数のペンダント部分)および当業者に公知のその等価物を述べることを含むなどとなる。
用語「約」は、数または数値範囲に言及する場合、言及されているその数または数値範囲が、実験のばらつき(または統計学的な実験誤差の範囲内)の範囲内の概数であること、したがって、この数または数値範囲は、明記した数または数値範囲の1%~15%の間で様々になり得ることを意味する。
分子量などの物理特性または化学式などの化学的特性に関する範囲が、本明細書において使用されている場合、範囲およびその中の特定の実施形態のすべての組合せおよび部分組合せが含まれることが意図されている。値の範囲が提示されている場合、文脈が別途明確に指示しない限り、下限値の単位の10分の1までの各介在値、その範囲の上限値と下限値との間、およびその明記された範囲における任意の他の明記された値または介在値が、本明細書において提示されている本開示の範囲内に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限値および下限値は、より小さな範囲に独立して含まれてもよく、明記されている範囲におけるいずれかの具体的に除外されている境界値に従うことを条件として、本開示の範囲内にやはり包含される。明記された範囲が境界値の一方または両方を含む場合、それらの含まれている境界値のどちらか一方または両方を除外している範囲が、本明細書において提示されている本開示にやはり含まれる。
用語「および/または」は、本明細書で使用する場合、2つの用語または表現が、一緒に採用されること、または個別に採用されることを示す機能語である。例えば、Aおよび/またはBは、A単独、B単独、およびAとBの両方を包含する。
用語「含むこと(comprising)」(および、「含む(comprise)」または「含む(comprises)」または「有すること(having)」または「含むこと(including)」などの関連用語)は、他の実施形態において、例えば、本明細書に記載されている、物質の組成物(composition of matter)、組成物、方法またはプロセスなどのいずれかの実施形態が、記載されている特徴「からなる(consist of)」または「から実質的になる(consist essentially of)」ことができることを除外することを意図するものではない。
本明細書で使用する場合、用語「タグ」とは、結合されている標的生体分子を特定して分析するための手段を提供する分子を指す。例えば、タグは、結合している標的生体分子の特定、認識、および/または分子的もしくは生化学的操作を可能にする元素を含むことができる。生体分子にタグを結合するプロセスは、時として、本明細書において、「タグ付け」と称され、タグ付けを受けるまたはタグを含む生体分子は、「タグ付けされた」(例えば、「タグ付けされた生体分子」)と称される。
用語「ポリマー」とは、本明細書で使用する場合、共有結合によって接続されている、「繰り返し」モノマー単位から構成される分子(または高分子)を指す。任意の好適なポリマーを使用して、本開示を行うことができる。一部の実施形態では、本開示のポリマーは、同一のモノマー単位からなるポリマーを指し、これは「ホモポリマー」とも称される。一部の実施形態では、本開示のポリマーは、ポリマー主鎖に沿って分布されている2種の異なるタイプのモノマーまたは3種の異なるタイプのモノマーまたはより多くのタイプのモノマーからなるポリマーを指し、これは「コポリマー」とも称される。本明細書において提示されているポリマーは、以下に限定されないが、直線状ポリマー、および星形ポリマー、くし形ポリマー、ブラシ形ポリマー、はしごおよびデンドリマーなどの分岐状ポリマーが含まれる。用語「主鎖」とは、本明細書で使用する場合、ペンダント基を必要に応じて含むポリマーを構成する構造を指す。
この開示の目的のための「重合度」という用語は、単一ポリマー主鎖中のモノマーの数を指す。この開示の目的のための用語「多分散指数(PDI)」は、所与のポリマー試料における分子質量の分布の尺度を指し、それは、重量平均分子量(M)を数平均分子量(M)によって除することにより算出することができる。本明細書で使用する場合、用語「重量平均分子量」とは、一般に、そのサイズによるポリマー分子の寄与に依存する分子量の測定値を指す。本明細書で使用する場合、用語「数平均分子量」とは、一般に、試料中のポリマー分子の総数で試料中の全ポリマー分子の総重量を除することによって算出される分子量測定値を指す。
用語「ペンダント部分」とは、本明細書で使用する場合、元素と錯体を形成することもできる、ポリマー主鎖に共有結合により連結されてぶら下がった部分を指す。例えば、ペンダント部分は、金属またはその同位体を含めた元素とキレート形成することが可能である。特に、ペンダント部分は、遷移金属イオンと少なくとも2つの同時の配位結合を作ることが可能な少なくとも2種のルイス塩基を有してもよい。この開示の一部の実施形態では、この部分は、主鎖へのその結合には無関係の、少なくとも2つの配位結合を形成するその能力を維持することが可能である。キレート形成した金属は、ペンダント部分の少なくとも2個の電子対に配位したまたは配位結合した金属イオンである。通常、ペンダント部分の電子対は、単一の金属イオンと配位結合を形成する。しかし、一部の実施形態では、ペンダント部分は、1個より多い金属イオンと配位結合を形成することができ、様々な結合様式が可能である。
本開示の目的に関すると、用語「ペンダント基」は、「ペンダント部分」と同じであり、金属イオンに供与することができる2個以上の電子対を含有する分子の単一ペンダント部または末端部のことである。主鎖のペンダント部分は、主鎖から切り離された場合でさえも、そのキレート形成機能を維持することが予期される。
用語「リンカー」および「リンカー基」とは、本明細書で使用する場合、2つの実体、例えば、ポリマー主鎖およびペンダント部分を連結または結合するが、個々の連結された実体のどちらの部分でもない、分子のことである。本開示の目的に関すると、用語「リンカー」および「リンカー基」は、互換的に使用されて、一方の末端でポリマー主鎖に、およびもう一方の末端でペンダント基に結合可能な部分または基を指す。
用語「化学量論量の」とは、本明細書で使用する場合、化学反応に関与する分子または化合物などの反応物質の、約0.9~約1.1となるモル比を指す。「化学量論的に結合する」とは、本明細書で使用する場合、本開示の基または部分が約0.9:1~約1.1:1の比で反応することを意味する。
用語「末端基」とは、本明細書で使用する場合、ポリマー主鎖の末端に結合することができ、その結果、ポリマー主鎖が生体分子に結合することが可能となる、任意の部分または基を指す。
用語「元素」とは、本明細書で使用する場合、本開示のタグのペンダント部分とキレート形成することができる任意の化学元素を指す。例えば、元素は、La、Lu、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、At、Rn、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Es、Fm、Md、No、Lr、Rf、Db、Sg、Bh、Hs、Mt、Ds、Rg、Cn、Nh、Fl、Mc、Lv、Ts、Ogまたはそれらの同位体を含めた、金属またはその同位体とすることができる。
用語「コンジュゲート」とは、本明細書で使用する場合、本開示のタグおよび生体分子を含む複合体を指し、この場合、タグおよび生体分子は、共有結合を介して互いに接続されている。用語「共有結合」とは、少なくとも一対の電子を共有することによって形成される2個の原子間の結合を指し、イオン結合、水素結合、化学的吸着および物理吸着を含む吸着によって形成される結合、ファンデルワールス結合から形成される結合、および分散力を明示的に除外する。本開示の一部の実施形態では、タグと生体分子との間の「共有結合」は、タグの末端基と生体分子の官能基との間に形成される。
用語「生体分子」とは、本明細書で使用する場合、様々な生物学的分子のいずれかを指す。生体分子の例には、以下に限定されないが、ペプチド、タンパク質、アプタマー、抗体、酵素、炭水化物、核酸、デオキシリボ核酸、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、組換えタンパク質、リボ核酸脂質およびそれらの誘導体が含まれる。より詳細には、この用語は、非限定的に、RNA、DNA、オリゴヌクレオチド、修飾または誘導体化ヌクレオチド、酵素、受容体、受容体リガンド(ホルモンを含む)、抗体、抗原および毒素、ならびに血液細胞および組織細胞を含む細胞を含むことが意図されている。
本明細書において互換的に使用されている用語「官能基」、「反応性基」および「反応性部分」は、分子の特徴的な化学反応を担う、それらの分子内の特定の置換基または部分を指す。同じ官能基は、それが一部である分子のサイズに関わりなく、同一または類似の化学反応(単数または複数)を受ける。
用語「アジド反応性基」とは、本明細書で使用する場合、アジド基と反応して、共有結合を形成する化学部分を指す。アジド反応性基の例には、以下に限定されないが、アルキン、ホスフィン(例えば、トリアリールホスフィン)、シクロオクチン基などの環式アルキンが含まれる。
用語「アルキン反応性基」とは、本明細書で使用する場合、アルキン基と反応して、共有結合を形成する化学部分を指す。アルキン反応性基の例には、以下に限定されないが、アジド基が含まれる。
用語「チオール反応性基」とは、本明細書で使用する場合、チオール基と反応して、共有結合を形成する化学部分を指す。チオール反応性基の例には、以下に限定されないが、アルケン基およびアルキン基が含まれる。
用語「アルキン反応性基」とは、本明細書で使用する場合、アルキン基と反応して、共有結合を形成する化学部分を指す。アルキン反応性基の例には、以下に限定されないが、チオール基が含まれる。
用語「アルケン反応性基」とは、本明細書で使用する場合、アルケン基と反応して、共有結合を形成する化学部分を指す。アルケン反応性基の例には、以下に限定されないが、チオール基が含まれる。
用語「テトラジン反応性基」とは、本明細書で使用する場合、テトラジン基と反応して、共有結合を形成する化学部分を指す。テトラジン反応性基の例には、以下に限定されないが、シクロオクテン基が含まれる。
用語「シクロオクテン反応性基」とは、本明細書で使用する場合、シクロオクテン基と反応して、共有結合を形成する化学部分を指す。シクロオクテン反応性基の例には、以下に限定されないが、テトラジン基が含まれる。
用語「MS」(質量分析法)とは、化学種をイオン化し、その質量対電荷比に基づいてそれらのイオンを分別する分析技法のことである。様々なタイプのMSが、本開示によって使用することができ、以下に限定されないが、飛行時間型質量分析器によるマトリックス支援レーザー脱離/イオン化源(MALDI-TOF)、誘導結合プラズマ-質量分析法(ICP-MS)、加速器質量分析法(AMS)、原子吸光分光学(AAS)、熱イオン化-質量分析法(TIMS)、四重極質量分析器、イオントラップ分析器、オービトラップ分析器、エレクトロスプレーイオン化質量分析法(ESI)、フーリエ変換質量分析法(例えば、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴)、タンデム質量分析法(MS/MS)、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC/MS)およびスパーク光源質量分析法(SSMS)を含む。
「ICP-MS」(誘導結合プラズマ質量分析法)は、非干渉低バックグラウンド同位体において、1015分の1部(千兆分率、ppq)という低濃度で金属といくつかの非金属を検出することが可能な質量分析法のタイプである。これは、誘導結合プラズマを用いて試料をイオン化し、次に、質量分析計を使用してそれらのイオンを分離して定量することによって達成される。
「ICP-TOF-MS」(飛行時間型誘導結合プラズマ-質量分析法)もまた、高精度で信頼性高い微量元素の分析検出を実現する。この方法の検出限界は、百万分率(ppm)(工業製品用途の場合の慣用的分析)から、研究および開発目的の場合の十億分率(ppb)または1兆分率(ppt)のレベルまでの範囲となる。ICP-TOF-MSは、微量混入物および未知の化学化合物を特定することもできる。
ICP-MSおよびICP-TOF-MSは、元素タグにより標識されたタンパク質を分析するために応用される。元素タグ標識タンパク質は、ICP-MSまたはICP-TOF-MSによって、他の質量分析法に基づく定量方法よりも少なくとも2~3桁高い感度となる、一層低い量まで正確に定量することができる。異なる元素を使用することによって、多重化を、生体試料中の複数のタンパク質(プロテオミクス)の分析に使用することができる。
用語「クリック反応」とは、バイオコンジュゲートに一般に使用される生体適合性低分子反応のクラスを指し、特定の生体分子との選択基質の結合が可能となる。クリック反応とは、単一の特定の反応ではなく、自然の例に従う生成物を生成する方法のことを言い、小さなモジュール単位を結合することによって物質をやはり生成する。クリックケミストリー手法は、モジュール形式で、小さなサブユニットを互いに結合することによる、複雑な物質を迅速に生成する方法と元々見なされた(例えば、Kolb et al., 2004, Angew Chem Int Ed 40:3004-31; Evans, 2007, Aust JChem 60:384-95を参照されたい)。
銅(I)触媒アジド-アルキン環化付加(CuAAC)(Tornoe et al., 2002, J Organic Chem 67:3057-64)などのクリック反応の様々な形態が、本開示の目的に好適である。他の選択肢は、ディールス-アルダーなどの環化付加、求核置換反応(とりわけ、エポキシおよびアジリジン化合物のような小さなひずみのある環に対するもの)、ウレア化合物のカルボニル化学形成、およびチオールイン反応におけるアルキンなどの炭素-炭素二重結合を含む反応を含む。
銅(I)触媒アジド-アルキン環化付加(CuAAC)は、還元剤の存在下で銅触媒を使用し、第1の分子に結合した末端アルキン基の反応を触媒する。アジド部分を含む第2の分子の存在下で、アジドは、活性化アルキンと反応して、1,4-二置換1,2,3-トリアゾールを形成する。銅触媒反応は室温で起こり、反応生成物の精製を多くの場合、必要としないほど十分に特異的である。(Rostovstev et al., 2002, Angew Chem Int Ed 41:2596; Tornoe et al.,2002, J Org Chem 67:3057)。アジドおよびアルキン官能基は、水性媒体中では、生体分子に対してかなり不活性であり、これにより、複雑な溶液中で反応を行うことが可能となる。形成されたトリアゾールは、化学的に安定であり、酵素による開裂を受けず、生物系において、クリックケミストリー生成物を高度に安定化する。
Figure 2022533145000002
チオール-エン反応およびチオール-イン反応は、それぞれ、二重結合または三重結合へのS-H結合の付加を含むクリック反応である。一部の実施形態では、チオール-エン反応および/またはチオール-イン反応は、ラジカル開始剤によって開始され、開始工程、成長工程および停止工程を含む過程を経る。チオール-エン反応(アルケンのヒドロチオール化としても公知)とは、チオールとアルケンとの間でアルキルスルフィドを形成する反応のことである。チオール-イン反応(アルキンのヒドロチオール化としても公知)とは、チオール-エン反応におけるアルケンの代わりに、チオールとアルキンとの間でアルケニルスルフィドを形成する反応のことである。
Figure 2022533145000003
「銅不含クリック反応」は、生体系における、生体分子の共有結合による修飾に適用されている。(例えば、Agard et al., 2004, J Am Chem Soc 126:15046-47を参照されたい。)一部の実施形態では、この反応は、触媒の代わりに、環ひずみを使用して反応を促進させる。一部の実施形態では、銅不含クリック反応は、[3+2]アジド-アルキン環化付加および[4+2]ディールス-アルダー反応を含む。
例えば、シクロオクチンは、[3+2]アジド-アルキン環化付加に使用することができる、内部アルキン結合を含む炭素8個の環構造を有する。閉環構造は、アセチレンの結合角度のかなりの変化を引き起こし、これはアジド基との反応性が高く、この反応によりトリアゾールを形成する。同様に、シクロオクチン誘導体は、銅触媒なしにアジド-アルキン環化付加に使用することができる。
Figure 2022533145000004
以下に例示されている非限定的な[4+2]ディールス-アルダー反応では、ひずみのあるシクロオクテンまたは他の活性化アルケンは、逆電子要求ディールス-アルダーにおいてテトラジンと反応して二環式中間体を形成し、この中間体は、触媒を必要とすることなく、1当量の窒素を放出すると、レトロ-ディールス-アルダー反応を受けて、対応する4,5-ジヒドロピリダジン化合物を与える。
Figure 2022533145000005
タグ
一態様では、生体分子に結合することが可能な末端基で終わるポリマー主鎖、ポリマー主鎖にそれぞれが結合しており、かつ元素とキレート形成することが可能な1つまたは複数のペンダント部分を含む、生体分子を標識するためのタグが、本明細書において開示されている。
本開示のタグに使用することができるポリマー(ploymer)の例には、以下に限定されないが、ポリカルボン酸、セルロースポリマー、タンパク質、ポリペプチド、ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸ポリマー、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、グリコサミノグリカン、多糖、ポリエステル、ポリウレタン、ポリスチレン、コポリマー、シリコーン、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ビニルモノマーのコポリマー、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレートバレレート、ポリアクリルアミド、ポリエーテル、ポリウレタン分散体、ポリアクリレート、アクリルラテックス分散体、ポリアクリル酸およびそれらの誘導体が含まれる。
本開示のポリマーは、由来が天然であってもよく、または合成であってもよく、ゼラチン、キトサン、デキストリン、シクロデキストリン、ポリ(ウレタン)、ポリ(シロキサン)、シリコーン、ポリ(アクリレート)(ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸ブチル)およびポリ(メタクリル酸2-ヒドロキシエチル)を含む)、ポリ(ビニルアルコール)およびその誘導体、ならびにTeflon(登録商標)製品として一般に販売されているものを含めたコポリマー、ポリ(フッ化ビニリデン)、ポリ(酢酸ビニル)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(アクリル酸)、ポリアクリルアミド、ポリ(エチレン-co-酢酸ビニル)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(メタクリル酸)およびそれらの誘導体を含む。
一部の実施形態では、ポリマーには、以下に限定されないが、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PGA)、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)(PLGA)、ポリ酸無水物、ポリオルトエステル、ポリ(N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド)、ポリ(l-アスパルトアミド)およびそれらの誘導体を含めた、吸収可能なポリマーおよび/または再吸収可能なポリマーが含まれる。
一部の実施形態では、本開示は、生体分子を標識するためのタグであって、生体分子に結合することが可能な末端基で終わるポリマー主鎖、およびポリマー主鎖にそれぞれが結合しており、かつ元素とキレート形成することが可能な1つまたは複数のペンダント部分を含み、生体適合性であるタグを提供する。
用語「生体適合性」は、その物質が、最終的には、身体への有害作用なしに、身体によって「生体吸収される」または排出されることを意味する。同様に、用語「生体吸収可能な」とは、患者における物質の長期蓄積が低減または回避されるような期間にわたり、in vivoで生体吸収を受ける物質から作製されている物質を指す。本開示の生体適合性ポリマーの例には、以下に限定されないが、ポリペプチド、ポリペプトイド、ポリβ-ペプチド、ポリγ-ペプチド、ポリδ-ペプチドおよびそれらの誘導体が含まれる。
一部の実施形態では、本開示のポリマーは、ホモポリマーである。一部の実施形態では、ポリマーは、コポリマーである。一部の実施形態では、本開示のポリマーは、2種、3種、4種またはそれより多い異なるホモポリマーおよび/またはコポリマーなどの、2種、3種、4種またはそれより多い異なるポリマーを含む。
本開示のポリマー主鎖は、モノマーの重合によって形成することができる。重合して本開示のポリマー主鎖を形成することができるモノマーの例には、以下に限定されないが、カルボン酸、セルロース系モノマー、ビニルピロリドン、無水マレイン酸、アミド、ビニルアルコール、エチレンオキシド、単糖、エステル、ウレタン、スチレン、オルトエステル、無水物、ビニルモノマー、カーボネート、エチレン、プロピレン、乳酸、グリコール酸、カプロラクトン、ヒドロキシブチレートバレレート、アクリルアミド、エーテル、ウレタン分散体、アクリレート、アクリルラテックス分散体、アクリル酸およびそれらの誘導体が含まれる。
一部の実施形態では、重合して本開示のポリマー主鎖を形成することができるモノマーには、以下に限定されないが、NCA(N-カルボキシ無水物)、NTA(N-チオカルボキシ無水物)、α-アミノ酸、β-アミノ酸、γ-アミノ酸、δ-アミノ酸、N-置換アミノ酸およびそれらの誘導体が含まれる。例えば、N-置換アミノ酸は、N-置換グリシンとすることができる。
一部の実施形態では、重合して本開示のポリマー主鎖を形成することができるモノマーには、以下に限定されないが、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンおよびそれらの誘導体が含まれる。
一部の実施形態では、重合して本開示のポリマー主鎖を形成することができるモノマーには、以下に限定されないが、Ala-NCA、Arg-NCA、Asn-NCA、Asp-NCA、Cys-NCA、Glu-NCA、Gln-NCA、Gly-NCA、His-NCA、Ile-NCA、Leu-NCA、Lys-NCA、Met-NCA、Phe-NCA、Pro-NCA、Ser-NCA、Thr-NCA、Trp-NCA、Tyr-NCA、Tyr-NCAおよびそれらの誘導体が含まれる。
一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、同一モノマーにより重合したホモポリマーである。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、異なるモノマーにより重合したコポリマーである。
上に定義される通り、「重合度」は、ポリマー主鎖中のモノマーの数を意味する。本開示の一部の実施形態では、ポリマー主鎖の重合度は、10~1000の間である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の重合度は、20~1000の間である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の重合度は、30~1000の間である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の重合度は、40~1000の間である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の重合度は、50~1000の間である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の重合度は、100~1000の間である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の重合度は、200~1000の間である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の重合度は、50~900の間である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の重合度は、50~800の間である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の重合度は、50~700の間である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の重合度は、50~600の間である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の重合度は、50~500の間である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の重合度は、50~400の間である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の重合度は、50~300の間である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の重合度は、50~200の間である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の重合度は、50~100の間である。
上で定義される通り、「多分散指数(PDI)」は、ポリマー主鎖中の分子質量の分布の尺度を意味する。一部の実施形態では、本開示のポリマー主鎖は、2.0未満のPDIを有する。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、1.9未満のPDIを有する。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、1.8未満のPDIを有する。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、1.7未満のPDIを有する。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、1.6未満のPDIを有する。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、1.5未満のPDIを有する。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、1.45未満のPDIを有する。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、1.4未満のPDIを有する。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、1.35未満のPDIを有する。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、1.3未満のPDIを有する。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、1.25未満のPDIを有する。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、1.2未満のPDIを有する。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、1.15未満のPDIを有する。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、1.1未満のPDIを有する。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、1.09未満のPDIを有する。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、1.08未満のPDIを有する。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、1.07未満のPDIを有する。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、1.06未満のPDIを有する。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、1.05未満のPDIを有する。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、1.04未満のPDIを有する。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、1.03未満のPDIを有する。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、1.02未満のPDIを有する。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、1.01未満のPDIを有する。一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、1となるPDIを有する。
本開示のタグの「末端基」とは、ポリマー主鎖の末端に結合することができることにより、ポリマー主鎖が生体分子に結合することを可能にする、任意の部分または基を指す。一部の実施形態では、末端基は、ポリマー主鎖のN末端に結合している。一部の実施形態では、末端基は、ポリマー主鎖の1つまたは複数のN末端に結合している。
一部の実施形態では、本開示は、生体分子を標識するためのタグであって、生体分子に化学量論的に結合することが可能な末端基で終わるポリマー主鎖、およびポリマー主鎖にそれぞれが結合しており、かつ元素とキレート形成することが可能な1つまたは複数のペンダント部分を含む、タグを提供する。
「化学量論的に」とは、本明細書で、生体分子の反応性基または官能基に対する末端基のモル比が、約0.9~約1.1であることを意味する。特に、一部の実施形態では、生体分子の反応性基または官能基に対する末端基のモル比は、約0.9である。一部の実施形態では、生体分子の反応性基または官能基に対する末端基のモル比は、約0.91である。一部の実施形態では、生体分子の反応性基または官能基に対する末端基のモル比は、約0.92である。一部の実施形態では、生体分子の反応性基または官能基に対する末端基のモル比は、約0.93である。一部の実施形態では、生体分子の反応性基または官能基に対する末端基のモル比は、約0.94である。一部の実施形態では、生体分子の反応性基または官能基に対する末端基のモル比は、約0.95である。一部の実施形態では、生体分子の反応性基または官能基に対する末端基のモル比は、約0.96である。一部の実施形態では、生体分子の反応性基または官能基に対する末端基のモル比は、約0.97である。一部の実施形態では、生体分子の反応性基または官能基に対する末端基のモル比は、約0.98である。一部の実施形態では、生体分子の反応性基または官能基に対する末端基のモル比は、約0.99である。一部の実施形態では、生体分子の反応性基または官能基に対する末端基のモル比は、約1である。一部の実施形態では、生体分子の反応性基または官能基に対する末端基のモル比は、約1.01である。一部の実施形態では、生体分子の反応性基または官能基に対する末端基のモル比は、約1.02である。一部の実施形態では、生体分子の反応性基または官能基に対する末端基のモル比は、約1.03である。一部の実施形態では、生体分子の反応性基または官能基に対する末端基のモル比は、約1.04である。一部の実施形態では、生体分子の反応性基または官能基に対する末端基のモル比は、約1.05である。一部の実施形態では、生体分子の反応性基または官能基に対する末端基のモル比は、約1.06である。一部の実施形態では、生体分子の反応性基または官能基に対する末端基のモル比は、約1.07である。一部の実施形態では、生体分子の反応性基または官能基に対する末端基のモル比は、約1.08である。一部の実施形態では、生体分子の反応性基または官能基に対する末端基のモル比は、約1.09である。一部の実施形態では、生体分子の反応性基または官能基に対する末端基のモル比は、約1.1である。化学量論量の結合は、約0.9~約1.1のモル比を好ましくは有しているが、0.8未満および1.2を超える結合比もまた、化学量論的結合と見なしてもよいことを理解すべきである。化学量論的結合は、とりわけ、1つの生体分子上に1つより多い反応性基または官能基が存在する場合、生体分子に対する末端基のモル比は約1:1となることを意味するものではないことも理解すべきである。
一部の実施形態では、末端基は、アジド反応性基を含む。本開示のアジド反応性基の例には、以下に限定されないが、アルキンおよびホスフィン、例えば、トリアリールホスフィンが含まれる。
一部の実施形態では、アジド反応性基は、環式アルキン、例えば、シクロオクチンまたはその誘導体を含む。本開示のシクロオクチンまたはその誘導体の例には、以下に限定されないが、DIFO(ジフルオロ化シクロオクチン)、BCN(ビシクロノニン)、DIBAC(ジベンゾアザシクロオクチン)、DIBO(ジベンゾシクロオクチン)、ADIBO(アザジベンゾシクロオクチン)またはそれらの誘導体が含まれる。
一部の実施形態では、本開示のタグは、シクロオクチンで終わるポリペプチド主鎖を含み、シクロオクチンには、以下に限定されないが、DIFO、BCN、DIBAC、DIBO、ADIBOおよび/またはそれらの誘導体が含まれる。一部の実施形態では、本開示のタグは、シクロオクチンで終わるポリペプトイド主鎖を含み、シクロオクチンには、以下に限定されないが、DIFO、BCN、DIBAC、DIBO、ADIBOおよび/またはそれらの誘導体が含まれる。一部の実施形態では、本開示のタグは、シクロオクチンで終わるポリβ-ペプチド主鎖を含み、シクロオクチンには、以下に限定されないが、DIFO、BCN、DIBAC、DIBO、ADIBOおよび/またはそれらの誘導体が含まれる。一部の実施形態では、本開示のタグは、シクロオクチンで終わるポリγ-ペプチド主鎖を含み、シクロオクチンには、以下に限定されないが、DIFO、BCN、DIBAC、DIBO、ADIBOおよび/またはそれらの誘導体が含まれる。一部の実施形態では、本開示のタグは、シクロオクチンで終わるポリδ-ペプチド主鎖を含み、シクロオクチンには、以下に限定されないが、DIFO、BCN、DIBAC、DIBO、ADIBOおよび/またはそれらの誘導体が含まれる。
一部の実施形態では、末端基は、アルキン反応性基を含む。アルキン反応性基の例には、以下に限定されないが、アジド基およびその誘導体が含まれる。
一部の実施形態では、末端基は、テトラジン反応性基を含むことができる。テトラジン反応性基の例には、以下に限定されないが、シクロオクテン基およびその誘導体が含まれる。
一部の実施形態では、末端基は、シクロオクテン反応性基を含むことができる。シクロオクテン反応性基の例には、以下に限定されないが、テトラジン基およびその誘導体が含まれる。
一部の実施形態では、本開示の末端基は、スペーサーを介して、ポリマー主鎖に結合している。用語「スペーサー」または「スペーサー基」とは、本明細書で、その末端基を、ポリマー主鎖の末端、例えばポリマー主鎖のN末端に接続させる分子断片を指す。スペーサーの例には、以下に限定されないが、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエチレンオキシド、グリコサミノグリカン、多糖、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリエステルスルホン、ポリフェニルエーテル、ポリフェニル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、およびそれらの任意の誘導体が含まれる。一部の実施形態では、スペーサーは、エステル、アミド、オレフィン、エチレンオキシド、単糖、ウレタン、スルホン、エステルスルホン、フェニルエーテル、フェニル、エーテルエーテルケトン、イミド、エーテルイミドおよびそれらの任意の誘導体から選択され得る。一部の実施形態では、スペーサーは、アルキル基またはポリエチレングリコール(PEG)基である。
本開示のタグのペンダント部分は、ポリマー主鎖に共有結合により結合しており、そこにぶら下がっている部分を指し、金属またはその同位体を含むがこれらに限定されない元素とキレート形成することが可能である。この開示の一部の実施形態では、この部分は、主鎖へのその結合には無関係の、少なくとも2つの配位結合を形成するその能力を維持することができる。
一部の実施形態では、本開示は、生体分子を標識するためのタグであって、生体分子に結合することが可能な末端基で終わるポリマー主鎖、およびポリマー主鎖の繰り返し単位にそれぞれが化学量論的に結合しており、かつ元素とキレート形成することが可能な1つまたは複数のペンダント部分を含む、タグを提供する。
「化学量論的に」とは、本明細書で、ポリマー主鎖の繰り返し単位に対するペンダント部分のモル比が、約0.9~約1.1であることを意味する。特に、一部の実施形態では、ポリマー主鎖の繰り返し単位に対するペンダント部分のモル比は、約0.9である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の繰り返し単位に対するペンダント部分のモル比は、約0.91である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の繰り返し単位に対するペンダント部分のモル比は、約0.9である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の繰り返し単位に対するペンダント部分のモル比は、約0.91である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の繰り返し単位に対するペンダント部分のモル比は、約0.92である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の繰り返し単位に対するペンダント部分のモル比は、約0.93である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の繰り返し単位に対するペンダント部分のモル比は、約0.94である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の繰り返し単位に対するペンダント部分のモル比は、約0.95である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の繰り返し単位に対するペンダント部分のモル比は、約0.96である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の繰り返し単位に対するペンダント部分のモル比は、約0.97である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の繰り返し単位に対するペンダント部分のモル比は、約0.98である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の繰り返し単位に対するペンダント部分のモル比は、約0.99である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の繰り返し単位に対するペンダント部分のモル比は、約1である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の繰り返し単位に対するペンダント部分のモル比は、約1.01である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の繰り返し単位に対するペンダント部分のモル比は、約1.02である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の繰り返し単位に対するペンダント部分のモル比は、約1.03である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の繰り返し単位に対するペンダント部分のモル比は、約1.04である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の繰り返し単位に対するペンダント部分のモル比は、約1.05である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の繰り返し単位に対するペンダント部分のモル比は、約1.06である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の繰り返し単位に対するペンダント部分のモル比は、約1.07である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の繰り返し単位に対するペンダント部分のモル比は、約1.08である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の繰り返し単位に対するペンダント部分のモル比は、約1.09である。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の繰り返し単位に対するペンダント部分のモル比は、約1.1である。化学量論量の結合は、約0.9~約1.1のモル比を好ましくは有しているが、0.8未満および1.2を超える結合比もまた、化学量論量の結合と見なしてもよいことを理解すべきである。
ペンダント部分またはペンダント基の例には、以下に限定されないが、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、PDCA(2,6-ピリジン二カルボン酸)、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、DCTA(ジアミノシクロヘキサン四酢酸)、DOTA(1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸)、TETA(N,N’-ビス(2-アミノエチル)エタン-1,2-ジアミン)、NOTA(1,4,7-トリアザシクロノナン-N,N’,N”-三酢酸)およびそれらの誘導体が含まれる。一部の実施形態では、ペンダント部分は、DOTAまたはDTPAである。
一部の実施形態では、本開示のタグは、DIFO、BCN、DIBAC、DIBO、ADIBOおよび/またはそれらの誘導体を含めたシクロオクチンで終わるポリペプチド主鎖、ならびにその各々がポリマー主鎖の繰り返し単位に化学量論的に結合している、EDTA、PDCA、DTPA、DCTA、DOTA、TETA、NOTAおよび/またはそれらの誘導体を含めた1つまたは複数のペンダント部分を含む。一部の実施形態では、本開示のタグは、DIFO、BCN、DIBAC、DIBO、ADIBOおよび/またはそれらの誘導体を含めたシクロオクチンで終わるポリペプトイド主鎖、およびその各々がポリマー主鎖の繰り返し単位に化学量論的に結合している、EDTA、PDCA、DTPA、DCTA、DOTA、TETA、NOTAおよび/またはそれらの誘導体を含めた1つまたは複数のペンダント部分を含む。一部の実施形態では、本開示のタグは、DIFO、BCN、DIBAC、DIBO、ADIBOおよび/またはそれらの誘導体を含めたシクロオクチンで終わるポリβ-ペプチド主鎖、およびその各々がポリマー主鎖の繰り返し単位に化学量論的に結合している、EDTA、PDCA、DTPA、DCTA、DOTA、TETA、NOTAおよび/またはそれらの誘導体を含めた1つまたは複数のペンダント部分を含む。一部の実施形態では、本開示のタグは、DIFO、BCN、DIBAC、DIBO、ADIBOおよび/またはそれらの誘導体を含めたシクロオクチンで終わるポリγ-ペプチド主鎖、およびその各々がポリマー主鎖の繰り返し単位に化学量論的に結合している、EDTA、PDCA、DTPA、DCTA、DOTA、TETA、NOTAおよび/またはそれらの誘導体を含めた1つまたは複数のペンダント部分を含む。一部の実施形態では、本開示のタグは、DIFO、BCN、DIBAC、DIBO、ADIBOおよび/またはそれらの誘導体を含めたシクロオクチンで終わるポリδ-ペプチド主鎖、およびその各々がポリマー主鎖の繰り返し単位に化学量論的に結合している、EDTA、PDCA、DTPA、DCTA、DOTA、TETA、NOTAおよび/またはそれらの誘導体を含めた1つまたは複数のペンダント部分を含む。
一部の実施形態では、本開示のタグは、生体分子に結合することが可能な末端基で終わるポリマー主鎖、およびその各々がポリマー主鎖の繰り返し単位に化学量論的に結合している、1つまたは複数のEDTAを含む。一部の実施形態では、本開示のタグは、生体分子に結合することが可能な末端基で終わるポリマー主鎖、およびその各々がポリマー主鎖の繰り返し単位に化学量論的に結合している、1つまたは複数のPDCAを含む。一部の実施形態では、本開示のタグは、生体分子に結合することが可能な末端基で終わるポリマー主鎖、およびその各々がポリマー主鎖の繰り返し単位に化学量論的に結合している、1つまたは複数のDTPAを含む。一部の実施形態では、本開示のタグは、生体分子に結合することが可能な末端基で終わるポリマー主鎖、およびその各々がポリマー主鎖の繰り返し単位に化学量論的に結合している、1つまたは複数のDCTAを含む。一部の実施形態では、本開示のタグは、生体分子に結合することが可能な末端基で終わるポリマー主鎖、およびその各々がポリマー主鎖の繰り返し単位に化学量論的に結合している、1つまたは複数のDOTAを含む。一部の実施形態では、本開示のタグは、生体分子に結合することが可能な末端基で終わるポリマー主鎖、およびその各々がポリマー主鎖の繰り返し単位に化学量論的に結合している、1つまたは複数のTETAを含む。一部の実施形態では、本開示のタグは、生体分子に結合することが可能な末端基で終わるポリマー主鎖、およびその各々がポリマー主鎖の繰り返し単位に化学量論的に結合している、1つまたは複数のNOTAを含む。
本開示のポリマー主鎖に結合しているペンダント部分の数は、10~1000の間である。一部の実施形態では、本開示のポリマー主鎖に結合している、EDTA、PDCA、DTPA、DCTA、DOTA、TETA、NOTAおよび/またはそれらの誘導体の数は、10~1000の間である。一部の実施形態では、本開示のポリマー主鎖に結合しているペンダント部分の数は、20~1000の間である。一部の実施形態では、本開示のポリマー主鎖に結合しているペンダント部分の数は、30~1000の間である。一部の実施形態では、本開示のポリマー主鎖に結合しているペンダント部分の数は、40~1000の間である。一部の実施形態では、本開示のポリマー主鎖に結合しているペンダント部分の数は、50~1000の間である。一部の実施形態では、本開示のポリマー主鎖に結合しているペンダント部分の数は、100~1000の間である。一部の実施形態では、本開示のポリマー主鎖に結合しているペンダント部分の数は、50~900の間である。一部の実施形態では、本開示のポリマー主鎖に結合しているペンダント部分の数は、50~800の間である。一部の実施形態では、本開示のポリマー主鎖に結合しているペンダント部分の数は、50~700の間である。一部の実施形態では、本開示のポリマー主鎖に結合しているペンダント部分の数は、50~600の間である。一部の実施形態では、本開示のポリマー主鎖に結合しているペンダント部分の数は、50~500の間である。一部の実施形態では、本開示のポリマー主鎖に結合しているペンダント部分の数は、50~400の間である。一部の実施形態では、本開示のポリマー主鎖に結合しているペンダント部分の数は、50~300の間である。一部の実施形態では、本開示のポリマー主鎖に結合しているペンダント部分の数は、50~200の間である。一部の実施形態では、本開示のポリマー主鎖に結合しているペンダント部分の数は、50~100の間である。
一部の実施形態では、本開示のペンダント部分は、ポリマー主鎖に直接、結合している。本開示の一部の実施形態では、本開示のペンダント部分は、リンカーを介して、ポリマー主鎖に結合している。リンカーの例には、以下に限定されないが、1,2,3-トリアゾール部分、アルキル-スルフィド部分およびアルケニル-スルフィド部分が含まれる。
一部の実施形態では、リンカーは、スペーサーを介して、ポリマー主鎖またはペンダント部分に結合している。用語「スペーサー」または「スペーサー基」とは、本明細書で、リンカーを、ポリマー主鎖またはペンダント部分に接続させる分子断片を指す。一部の実施形態では、スペーサーは、アルキル基またはポリエチレングリコール(PEG)基である。一部の実施形態では、スペーサーには、以下に限定されないが、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリエチレンオキシド、グリコサミノグリカン、多糖、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリエステルスルホン、ポリフェニルエーテル、ポリフェニル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、およびそれらの任意の誘導体が含まれる。一部の実施形態では、スペーサーは、エステル、アミド、オレフィン、エチレンオキシド、単糖、ウレタン、スルホン、エステルスルホン、フェニルエーテル、フェニル、エーテルエーテルケトン、イミド、エーテルイミドおよびそれらの任意の誘導体から選択され得る。一部の実施形態では、スペーサーは、以下に限定(limted)されないが、アルカン、シクロアルカン、アルケン、シクロアルケン、エーテル、チオエーテル、ケトン、スルホン、エステル、チオエステル、アミド、フェニル、ピリジン、フラン、チオフェン、ベンゾイミダゾール、ベンゾイルピリジン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ビフェニル、ナフタレンおよびそれらの任意の誘導体が含まれる。
元素タグ
別の態様では、本開示は、上記の本開示のタグを含む、生体分子を標識するための元素タグであって、タグのペンダント部分が元素とキレート形成する、元素タグを提供する。
用語「元素」とは、本明細書で使用する場合、本開示のタグのペンダント部分とキレート形成することができる任意の化学元素を指す。一部の実施形態では、元素は、金属またはその同位体である。一部の実施形態では、金属は、60より大きな質量を有する。一部の実施形態では、金属は、La、Lu、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、At、Rn、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Es、Fm、Md、No、Lr、Rf、Db、Sg、Bh、Hs、Mt、Ds、Rg、Cn、Nh、Fl、Mc、Lv、Ts、Ogおよびそれらの同位体からなる群から選択される。
ランタニド金属は、環境における存在量が少ないために好ましい。一部の実施形態では、金属はランタニド金属であり、La、Lu、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luまたはそれらの同位体から選択される。
本開示のタグとキレート形成する元素の数は、10~1000の範囲にあることができる。一部の実施形態では、本開示のタグとキレート形成する元素の数は、20~1000の間である。一部の実施形態では、本開示のタグとキレート形成する元素の数は、30~1000の間である。一部の実施形態では、本開示のタグとキレート形成する元素の数は、40~1000の間である。一部の実施形態では、本開示のタグとキレート形成する元素の数は、50~1000の間である。一部の実施形態では、本開示のタグとキレート形成する元素の数は、100~1000の間である。一部の実施形態では、本開示のタグとキレート形成する元素の数は、50~900の間である。一部の実施形態では、本開示のタグとキレート形成する元素の数は、50~800の間である。一部の実施形態では、本開示のタグとキレート形成する元素の数は、50~700の間である。一部の実施形態では、本開示のタグとキレート形成する元素の数は、50~600の間である。一部の実施形態では、本開示のタグとキレート形成する元素の数は、50~500の間である。一部の実施形態では、本開示のタグとキレート形成する元素の数は、50~400の間である。一部の実施形態では、本開示のタグとキレート形成する元素の数は、50~300の間である。一部の実施形態では、本開示のタグとキレート形成する元素の数は、50~200の間である。一部の実施形態では、本開示のタグとキレート形成する元素の数は、50~100の間である。
コンジュゲート
別の態様では、本開示は、本開示の上記のタグとカップリングされている生体分子を含む、元素分析のためのコンジュゲートを提供する。
用語「コンジュゲート」とは、本明細書で使用する場合、本開示のタグおよび生体分子を含む複合体を指し、タグおよび生体分子は、共有結合を介して互いに接続されている。一部の実施形態では、タグと生体分子との間の「共有結合」は、タグの末端基および生体分子の官能基によって形成される。
本開示のコンジュゲートの用語「生体分子」とは、様々な生体物質のいずれかを指す。生体分子の例には、以下に限定されないが、ペプチド、タンパク質、アプタマー、抗体、酵素、炭水化物、核酸、デオキシリボ核酸、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、組換えタンパク質、リボ核酸脂質およびそれらの誘導体が含まれる。
用語「抗体(単数)」または「抗体(複数)」とは、本明細書で使用する場合、免疫グロブリン(Ig)分子および免疫グロブリン分子の抗原結合部分、すなわち抗原に特異的に結合する抗原結合部位を含有する分子を指す。構造上、単純な天然抗体(例えば、IgG)は、4つのポリペプチド鎖:ジスルフィド結合によって相互に接続されている、2つの重(H)鎖および2つの軽(L)鎖を含む。天然の免疫グロブリンは、IgD、IgG、IgA、IgMおよびIgEを含めた、いくつかのタイプの分子を含む、分子の大きなファミリーを表す。
「抗体」は、本明細書で使用する場合、ハイブリッド抗体または改変抗体も指す。抗体の抗原結合機能は、天然の抗体の断片によって発揮されることができ、したがって、用語「抗体」はまた、以下に限定されないが、Fab断片(単数または複数)およびFv断片を含む、抗体、改変抗体またはハイブリッド抗体の断片を包含する。これらの断片は、「抗原結合性断片」としても公知である。用語「抗原結合性断片」内に包含される結合断片の例には、以下に限定されないが、(i)VL、VH、CLおよびCHIドメインからなるFab断片、(ii)VHおよびCHIドメインからなるFd断片、(iii)抗体の単一アームのVLドメインおよびVHドメインからなるFv断片、(iv)(Ward et al, (1989) Nature 341 :544- 546)によって記載されているVHドメインからなるdAb断片、(v)単離された相補性決定領域(CDR)、および(vi)ヒンジ領域において、ジスルフィド架橋によって連結された2つのFab断片を含む二価断片であるF(ab’)2断片が含まれる。さらに、Fv断片の2つのドメインは、個別の遺伝子によって一般にコードされるが、組換え法によって単一タンパク質鎖(単鎖Fv(scFv)として公知;Birdet al. (1988) Science 242:423-426; and Huston et al. (1988) PNAS 85:5879-5883)としてドメインを作製可能な合成リンカーが作製され得る。このような単鎖抗体もまた、用語「抗原結合性断片」内に包含される。好ましくは、抗体断片は、例えば、F(ab’)2断片などの二価断片などのその標的抗原に架橋することが可能なものである。代替的に、その標的抗原にそれ自体、架橋しない抗体断片(例えば、Fab断片)は、抗体断片を架橋するように働く二次抗体と連携して使用することができ、それにより標的抗原を架橋する。
一部の実施形態では、「抗体」は、本明細書で使用する場合、以下に限定されないが、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体断片、Fab断片、Fc断片、軽鎖、重鎖、免疫グロブリンおよび免疫グロブリン断片を含む。
生体分子の「官能基」とは、生体分子の特徴的な化学反応を担う、生体分子内の特定の置換基または部分を指す。一部の実施形態では、本開示の生体分子は、タグとの共有結合に好適な官能基を元々有することができる。一部の実施形態では、生体分子は、タグとのカップリング前に、タグとの共有結合に好適な官能基で事前官能基化または修飾されている。本開示のコンジュゲートの生体分子は、1つまたは複数の官能基を元々有していてもよく、あるいは本開示のコンジュゲートの生体分子は、1つまたは複数の官能基により修飾されてもよい。例えば、本開示のコンジュゲートの生体分子は、1つ、2つ、3つ、4つもしくはそれより多くの官能基を元々有していてもよく、または本開示のコンジュゲートの生体分子は、1つ、2つ、3つ、4つもしくはそれより多くの官能基により修飾されてもよい。
一部の実施形態では、生体分子の官能基は、アルキン反応性基を含む。アルキン反応性基の例には、アジド基およびその誘導体が含まれる。
一部の実施形態では、生体分子の官能基は、アジド反応性基を含む。アジド反応性基の例には、以下に限定されないが、シクロオクチン基およびその誘導体などのアルキン基が含まれる。
一部の実施形態では、生体分子の官能基は、テトラジン反応性基を含む。テトラジン反応性基の例には、以下に限定されないが、シクロオクテン基およびその誘導体が含まれる。
一部の実施形態では、生体分子の官能基は、シクロオクテン反応性基を含む。シクロオクテン反応性基の例には、以下に限定されないが、テトラジン基およびその誘導体が含まれる。
一部の実施形態では、本開示のコンジュゲートは、1つまたは複数の元素とキレートをさらに形成する。一部の実施形態では、本開示のコンジュゲートとキレート形成する元素の数は、10~1000の間である。一部の実施形態では、本開示のコンジュゲートとキレート形成する元素の数は、20~1000の間である。一部の実施形態では、本開示のコンジュゲートとキレート形成する元素の数は、30~1000の間である。一部の実施形態では、本開示のコンジュゲートとキレート形成する元素の数は、40~1000の間である。一部の実施形態では、本開示のコンジュゲートとキレート形成する元素の数は、50~1000の間である。一部の実施形態では、本開示のコンジュゲートとキレート形成する元素の数は、100~1000の間である。一部の実施形態では、本開示のコンジュゲートとキレート形成する元素の数は、50~900の間である。一部の実施形態では、本開示のコンジュゲートとキレート形成する元素の数は、50~800の間である。一部の実施形態では、本開示のコンジュゲートとキレート形成する元素の数は、50~700の間である。一部の実施形態では、本開示のコンジュゲートとキレート形成する元素の数は、50~600の間である。一部の実施形態では、本開示のコンジュゲートとキレート形成する元素の数は、50~500の間である。一部の実施形態では、本開示のコンジュゲートとキレート形成する元素の数は、50~400の間である。一部の実施形態では、本開示のコンジュゲートとキレート形成する元素の数は、50~300の間である。一部の実施形態では、本開示のコンジュゲートとキレート形成する元素の数は、50~200の間である。一部の実施形態では、本開示のコンジュゲートとキレート形成する元素の数は、50~100の間である。
一部の実施形態では、コンジュゲートとキレート形成する元素は、金属またはその同位体である。一部の実施形態では、金属は、60より大きな質量を有する。一部の実施形態では、金属は、La、Lu、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、At、Rn、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Es、Fm、Md、No、Lr、Rf、Db、Sg、Bh、Hs、Mt、Ds、Rg、Cn、Nh、Fl、Mc、Lv、Ts、Ogおよびそれらの同位体からなる群から選択される。
一部の実施形態では、金属はランタニド金属またはその同位体であり、例えば、La、Lu、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luまたはそれらの同位体である。
別の態様では、本開示は、元素分析に使用するための前記コンジュゲートに関する。一部の実施形態では、元素分析は、MSを用いて行われる。一部の実施形態では、元素分析は、ICP-MSまたはICP-TOF-MSを用いて行われる。
用途
別の態様では、本開示は、(i)試料を本開示のコンジュゲートに接触させるステップであって、コンジュゲートの生体分子が試料中の分析物に特異的に結合するステップ、および(ii)コンジュゲート中の元素の量を元素分析により求めることによって分析物を定量するステップを含む、試料中の分析物を定量する方法を提供する。一部の実施形態では、元素分析は、ICP-MSまたはICP-TOF-MSを用いて行われる。
本開示の別の態様は、試料中の2つまたはそれより多くの分析物の多重分析の方法であって、(i)試料を本開示の2つまたはそれより多くのコンジュゲートに接触させるステップであって、2つまたはそれより多くのコンジュゲートの生体分子が、試料中の2つまたはそれより多くの分析物に特異的に結合するステップ、および(ii)元素分析により、2つまたはそれより多くのコンジュゲートに結合した2つまたはそれより多くの分析物を分析するステップを含む、方法を提供することである。
用語「試料」とは、本明細書で使用する場合、本開示の方法によって定量される分析物(anlyte)を含む任意の試料を指す。例えば、試料は、体液または組織を含む、被験体から得た生体試料とすることができる。一部の実施形態では、体液は、被験体から採取した全血、血漿、血清、尿、滲出液、腹水、唾液、脳脊髄液、子宮頸分泌物、膣分泌物、子宮内膜分泌物、羊水、消化管分泌物、気管支分泌物(痰を含む)、乳汁、および/または分泌物とすることができる。一部の実施形態では、組織は、乳房組織、子宮組織、子宮頸部組織、腸組織、結腸直腸組織、食道組織、前立腺組織、肺組織、心臓組織、筋組織、皮膚組織、腎臓組織、角膜組織、肝臓組織、リンパ組織、脳組織、結合組織、軟部組織、上皮組織、内皮組織および骨とすることができる。一部の実施形態では、組織は腫瘍組織である。一部の実施形態では、試料は、乳房、子宮、子宮頸部、腸、結腸、食道、前立腺、肺、心臓、筋肉、皮膚、腎臓、肝臓、リンパ節、脳および骨に由来する腫瘍組織である。一部の実施形態では、分析物は、細胞、核酸およびタンパク質からなる群から選択される。一部の実施形態では、細胞は腫瘍組織である。
一部の実施形態では、生体分子は抗体であり、分析物は、抗原などの、抗体に特異的に結合する分子である。本開示の方法により、抗原は、ICP-MSまたはICP-TOF-MSなどによる元素分析により、抗体コンジュゲート中の元素の量を求めることによって定量することができる。
一部の実施形態では、コンジュゲートの生体分子は、Hisタグ、HAタグ、ERKタグ、GFPタグ、Mycタグ、FLAGタグ、GSTタグ、Strepタグ、β-Galタグおよび/またはMBPタグを含めた、別のタグでさらに標識されている。このようなタグは、本開示のタグとは対照的に、「別のタグ」または「他のタグ」と呼ばれ、これらは、コンジュゲートの生体分子を単離する、精製する、検出するまたは分析するために使用することができる。
一部の実施形態では、試料中の分析物を定量する方法は、例えば、生体分子の別のタグによって、分析物に結合しているコンジュゲートを単離するステップをさらに含む。
本明細書に記載されている本開示のタグまたはコンジュゲートは、医療的診断、医療的予後予測、生物学的研究、ならびに水および土壌検査を含めた、幅広い様々な用途に使用することができる。同様に、本開示のタグまたはコンジュゲートは、細胞、微生物、細菌、ウイルス、タンパク質、ペプチド、炭水化物、核酸またはそれらの一部を含めた、幅広い様々な分析物を検出するために使用されてもよい。
本開示のタグまたはコンジュゲートは、多数の検出および/またはイメージング用途にも有用である。検出および/またはイメージング用途には、以下に限定されないが、単一細胞標識、多細胞標識、組織標識、器官標識、in vitro標識およびin vivo標識が含まれる。細胞の検出および/またはイメージングは、細胞外分子または細胞内分子などの、細胞によって発現される分子の検出および/またはイメージングを含むことができる。細胞の検出および/またはイメージングは、タンパク質、糖、微粒子などの細胞に結合した分子の検出および/またはイメージングを含むことができる。
一部の実施形態では、本開示は、混合試料などの試料中の分析物を検出するために、本開示のタグまたはコンジュゲートを使用するための方法を提供する。一部の実施形態では、試料は、流体試料とすることができる。流体試料は、生物学的液体試料、例えば血液試料、血漿試料、唾液試料、尿試料、リンパ試料または脊髄液試料とすることができる。一部の実施形態では、試料は、例えば、湖、河川、海、池、小川、泉、湿原または貯水池に由来する、環境流体試料であってもよい。一部の実施形態では、試料は、例えば、脱塩工場、水処理工場、貯水池、泉、小川、氷河の流水、給水塔、または飲料水源として企図され得る他の水源に由来する、水試料であってもよい。
一部の実施形態では、細胞などの分析物によって発現された分子は、本明細書において提供される本開示のタグまたはコンジュゲートを用いて検出され得る。例えば、細胞は、細胞の別の分子(例えば、細胞表面マーカー、細胞内マーカーなど)を認識する生体分子(例えば、抗体)を有する本開示のコンジュゲートと接触させることができる。細胞の非限定例には、哺乳動物細胞、ヒト細胞、非ヒト哺乳動物細胞、真核細胞、原核細胞、動物細胞、昆虫細胞、細菌細胞、微生物細胞、真菌細胞、両生類細胞および魚類細胞が含まれる。細胞は、以下に限定されないが、神経堤組織、内胚葉性組織、外胚葉性組織、中胚葉性組織および間葉組織を含む、様々な組織に由来することができる。細胞タイプは、以下に限定されないが、乳房細胞、脳細胞、神経細胞、膵臓細胞、肝臓細胞、胆嚢細胞、胃腸管細胞、胃細胞、腎細胞、生殖系の細胞、心臓細胞、皮膚細胞、結腸細胞、尿道細胞、中胚葉細胞、筋細胞、線維芽細胞、脂肪細胞、腫瘍細胞、がん細胞、ウイルス感染細胞、細菌感染細胞、幹細胞、分裂細胞、アポトーシス細胞、壊死細胞、血液細胞、白血球および間質細胞を含むことができる。
一部の実施形態では、細胞は、コンジュゲートによって検出され得る、抗原を発現することがある。例えば、生体分子は抗体であってもよく、抗体は、MCF-7細胞を含めた、いくつかのがん性細胞上に発現する、EpCAMに特異的なことがある。タグにコンジュゲートされ得る抗体の他の例には、以下に限定されないが、汎サイトケラチン抗体A45B/B3、AE1/AE3、CAM5.2(サイトケラチン8(CK8)、サイトケラチン18(CK18)またはサイトケラチン19(CK19)を認識する汎サイトケラチン抗体)、および乳がん抗原NY-BR-1(B726P、ANKRD30A、アンキリンリピートドメイン30Aとしても公知)に対する抗体;B305DアイソフォームAまたはC(B305D-A~B305D-C;抗原B305Dとしても公知);Hermes抗原(抗原CD44、PGP1としても公知);E-カドヘリン(ウボモルリン、カドヘリン-1、CDH1としても公知);癌胎児性抗原(CEA;CEACAM5または癌胎児性抗原関連細胞接着分子5としても公知);β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン(chorionic gonadotophin)(β-HCG;CGB、慢性ゴナドトロピン、βポリペプチドとしても公知);カテプシン-D(CTSDとしても公知);神経ペプチドY受容体Y3(NPY3Rとしても公知;リポ多糖関連タンパク質3、LAP3、フュージョン;ケモカイン(CXCモチーフ、受容体4);CXCR4;発がん遺伝子ERBB1(c-erbB-1、上皮成長因子受容体、EGFRとしても公知);Her-2Neu(c-erbB-2またはERBB2としても公知);GABA受容体A、パイ(π)ポリペプチド(GABARAP、GABA-A受容体、パイ(π)ポリペプチド(GABA A(π)、γ-アミノ酪酸タイプA受容体パイ(π)サブユニット)またはGABRPとしても公知);ppGalNac-T(6)(β-1-4-N-アセチル-ガラクトサミニル-トランスフェラーゼ6、GalNAcトランスフェラーゼ6、GalNAcT6、UDP-N-アセチル-d-ガラクトサミン:ポリペプチドN-アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼ6またはGALNT6としても公知);CK7(サイトケラチン7、サルコレクチン、SCL、ケラチン7またはKRT7としても公知);CK8(サイトケラチン8、ケラチン8またはKRT8としても公知);CK18(サイトケラチン18、ケラチン18またはKRT18としても公知);CK19(サイトケラチン19、ケラチン19またはKRT19としても公知);CK20(サイトケラチン20、ケラチン20またはKRT20としても公知);Mage(メラノーマ抗原ファミリーAサブタイプまたはMAGE-Aサブタイプとしても公知);Mage3(メラノーマ抗原ファミリーA3またはMAGA3としても公知);肝細胞成長因子受容体(HGFR、乳頭状腎細胞癌(Renalcell carninoma papillary)2、RCC P2、癌原遺伝子metまたはMETとしても公知);ムチン-1(MUC1、癌抗原15.3、(CA15.3)、癌抗原27.29(CA27.29);CD227抗原、エピシアリン、上皮膜抗原(EMA)、多形性上皮ムチン(PEM)、ピーナツ反応性尿ムチン(PUM)、腫瘍関連グリコタンパク質12(TAG12)としても公知);総嚢胞性疾患液タンパク質(GCDFP-15、プロラクチン誘導性タンパク質、PIPとしても公知);ウロキナーゼ受容体(uPR、CD87抗原、プラスミノーゲン活性化因子受容体ウロキナーゼ-タイプ、PLAURとしても公知);PTHrP(副甲状腺(parathyrold)ホルモン関連タンパク質;PTHLHとしても公知);BS106(B511S、小乳房上皮ムチンまたはSBEMとしても公知);プロスタテイン様リポフィリンB(LPB、LPHB;抗原BU101、セクレトグロビンファミリー1-Dメンバー2、SCGB1-D2としても公知);マンマグロビン2(MGB2;マンマグロビンB、MGBB、ラクリグロビン(LGB)リポフィリンC(LPC、LPHC)、セクレトグロビンファミリー2Aメンバー1またはSCGB2A1としても公知);マンマグロビン(MGB;マンマグロビン1、MGB1、マンマグロビンA、MGBA、セクレトグロビンファミリー2Aメンバー2またはSCGB2A2としても公知);乳腺セリンプロテアーゼ阻害剤(マスピン、セリン(またはシステイン)プロテイナーゼ阻害剤クレードB(オボアルブミン)メンバー5またはSERPINB5としても公知);前立腺上皮特異的Ets転写因子(PDEF;無菌アルファモチーフ指向性ドメイン含有ets転写因子またはSPDEFとしても公知);腫瘍関連カルシウムシグナル伝達因子1(直腸結腸癌抗原CO17-1A、上皮グリコタンパク質2(EGP2)、上皮グリコタンパク質40kDa(EGP40)、上皮細胞接着分子(EpCAM)、上皮特異的抗原(ESA)、胃腸管腫瘍関連抗原733-2(GA733-2)、KS1/4抗原、染色体4表面マーカー1の膜構成成分(M4S1)、MK-1抗原、MIC18抗原、TROP-1抗原またはTACSTD1としても公知);テロメラーゼ逆転写酵素(テロメラーゼ触媒サブユニットまたはTERTとしても公知);トレフォイル因子1(乳がんエストロゲン誘導配列、BCEI、胃腸管トレフォイルタンパク質、GTF、pS2タンパク質またはTFF1としても公知);フォレート;またはトレフォイル因子3(腸トレフォイル因子、ITF、p1.B;またはTFF3としても公知)が含まれる。
一部の実施形態では、本明細書において提供される方法は、本開示のタグまたはコンジュゲートをインキュベートするステップを含む。例えば、本開示のタグは、生体分子(抗体など)と共にインキュベートされてもよい。コンジュゲート(タグにコンジュゲートされている生体分子を含む)は、分析物(例えば、細胞)と共にインキュベートされ得る。インキュベートは、100時間、75時間、60時間、50時間、24時間、20時間、15時間、10時間、5時間、3時間、2時間または1時間未満またはこれらの間、続いてもよい。一部の実施形態では、インキュベートは、5分間、10分間、30分間、1時間、2時間、5時間、10時間、24時間、30時間、50時間、60時間、75時間または100時間を超えてもよい。一部の実施形態では、インキュベートは、5分間、10分間、30分間、1時間、2時間、5時間、10時間、24時間、30時間、50時間、60時間、75時間または100時間であってもよい。一部の実施形態では、インキュベートは、約5分間、10分間、30分間、1時間、2時間、5時間、10時間、24時間、30時間、50時間、60時間、75時間または100時間であってもよい。
一部の実施形態では、分析物を含む試料は、検出のために事前処理されている。本明細書において提供されている方法の任意の段階で、分析物(例えば、細胞)をブロッキング緩衝液と共にインキュベートして、コンジュゲートの生体分子の非特異的結合を防止または低減することができる。
本明細書において提供されている方法の任意の段階で、分析物(例えば、細胞)は、好適な緩衝溶液により洗浄されてもよい。本明細書において提供されている方法の任意の段階で、分析物(例えば、細胞)は、好適な方法で濃縮されてもよい。例えば、細胞は、例えば、遠心分離またはろ過によって濃縮されてもよい。
一部の実施形態では、本開示のタグまたはコンジュゲートを使用する検出の前に、分析物は、クロマトグラフィー法、ろ過法、キャピラリー電気泳動法、ゲル電気泳動法、液体抽出法、沈殿法または免疫沈降法によって単離され得る。一部の実施形態では、複数のアッセイを並行して行い、分析処理能を改善することができる。
一部の実施形態では、本開示は、分析物を検出する方法を提供し、本方法は、混合物から分析物を単離するステップ、単離した分析物に、単離した分析物を特異的な生体分子にコンジュゲートされているタグを含む溶液に接触させるステップ、およびタグの量を検出して、分析物の量を得るステップを含む。一部の実施形態では、本方法は分析物を定量する。
一部の実施形態では、分析は、1種または複数の生物学的細胞、組織、流体または試料に由来する試料に行われる。一部の実施形態では、分析は、細胞、組織、流体または試料から採取した後の試料に行うことができる。一部の実施形態では、分析は、多重分析物を含む試料に行うことができる。一部の実施形態では、分析は、精製済み分析物に行うことができる。
方法
タグの調製
別の態様では、本開示は、本開示のタグを調製する方法であって、ポリマー主鎖を得るステップ、元素とキレート形成することが可能な1つまたは複数のペンダント部分をポリマー主鎖に結合させるステップ、および生体分子に結合することが可能な末端基をポリマー主鎖の一方の末端に結合させるステップを含む、方法に関する。
一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、ホモポリマーまたはコポリマーとして得られる。特に、ポリマー主鎖は、同一モノマーによって合成されるホモポリマー、または異なるモノマーによって合成されるコポリマーとすることができる。任意の好適なポリマーを使用して、本開示を行うことができる。
重合してポリマー主鎖を形成することができるモノマーには、以下に限定されないが、カルボン酸、セルロース系モノマー、ビニルピロリドン、無水マレイン酸、アミド、ビニルアルコール、エチレンオキシド、単糖、エステル、ウレタン、スチレン、オルトエステル、無水物、ビニルモノマー、カーボネート、エチレン、プロピレン、乳酸、グリコール酸、カプロラクトン、ヒドロキシブチレートバレレート、アクリルアミド、エーテル、ウレタン分散体、アクリレート、アクリルラテックス分散体、アクリル酸およびそれらの誘導体が含まれる。
一部の実施形態では、重合してポリマー主鎖を形成することができるモノマーには、以下に限定されないが、NCA(N-カルボキシ無水物)、NTA(N-チオカルボキシ無水物)、α-アミノ酸、β-アミノ酸、γ-アミノ酸、δ-アミノ酸、N-置換アミノ酸およびそれらの誘導体が含まれる。例えば、重合してポリマー主鎖を形成することができるN-置換アミノ酸は、N-置換グリシンである。
一部の実施形態では、重合してポリマー主鎖を形成することができるモノマーには、以下に限定されないが、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンおよびそれらの誘導体が含まれる。一部の実施形態では、重合してポリマー主鎖を形成することができるモノマーには、以下に限定されないが、Ala-NCA、Arg-NCA、Asn-NCA、Asp-NCA、Cys-NCA、Glu-NCA、Gln-NCA、Gly-NCA、His-NCA、Ile-NCA、Leu-NCA、Lys-NCA、Met-NCA、Phe-NCA、Pro-NCA、Ser-NCA、Thr-NCA、Trp-NCA、Tyr-NCA、Tyr-NCAおよびそれらの誘導体が含まれる。
一部の実施形態では、ポリマー主鎖は、10~1000個のモノマーの重合によって得られる。例えば、ポリマー主鎖は、20~1000個のモノマー、30~1000個のモノマー、40~1000個のモノマー、50~1000個のモノマー、100~1000個のモノマー、200~1000個のモノマー、50~900個のモノマー、50~800個のモノマー、50~700個のモノマー、50~600個のモノマー、50~500個のモノマー、50~400個のモノマー、50~300個のモノマー、50~200個のモノマーまたは50~100個のモノマーの重合によって得られる。
本方法の一部の実施形態では、モノマーは、重合される前に事前官能基化される。用語「官能基化」および「官能基化する」は、「官能基」、「反応性基」または「反応性部分」で分子を修飾することを意味する。モノマーは、ペンダント基がモノマーに結合することができるように官能基化されることができる。モノマーに導入される官能基は、重合条件と適合可能である。
本開示の一部の実施形態では、モノマーは、アジド反応性基、例えばアルキニル基により事前官能基化されている。本方法の一部の実施形態では、モノマーは、アルキニル反応性基、例えば、アジド基により事前官能基化されている。一部の実施形態では、モノマーは前駆体に事前官能基化され、その結果、この前駆体は、アジド反応性基、例えばアルキニル基によりさらに官能基化され得るか、またはアルキニル反応性基、例えばアジド基によりさらに官能基化され得る。一部の実施形態では、モノマーは、チオール反応性基、例えばアルケン基またはアルキン基により事前官能基化されている。一部の実施形態では、モノマーは、アルケン反応性基またはアルキン反応性基、例えばチオール基により事前官能基化されている。
一部の実施形態では、モノマーまたはポリマー主鎖の繰り返し単位に結合しているペンダント部分は、EDTA、DTPA、DCTA、DOTA、TETA、NOTAおよびそれらの誘導体からなる群から選択される。一部の実施形態では、ペンダント部分は、DOTAまたはDTPAである。
一部の実施形態では、ペンダント部分は、モノマーまたはポリマー主鎖の繰り返し単位に結合するよう事前官能基化されている。一部の実施形態では、ペンダント部分は、アジド反応性基、例えばアルキニル基により事前官能基化されている。本方法の一部の実施形態では、ペンダント部分は、アルキニル反応性基、例えば、アジド基により事前官能基化されている。一部の実施形態では、ペンダント部分は、チオール反応性基、例えばアルケン基またはアルキン基により事前官能基化されている。一部の実施形態では、ペンダント部分は、アルケン反応性基またはアルキン反応性基、例えばチオール基により事前官能基化されている。
一部の実施形態では、本開示のペンダント部分は、例えば、クリック反応により、モノマーまたはポリマー主鎖の繰り返し単位に化学量論的に結合している。
一部の実施形態では、ペンダント部分とモノマーまたはポリマー主鎖の繰り返し単位との間の「クリック反応」は、アジドとアルキニルとの間のHuisgen環化付加を指し、この環化付加は、1,2,4-トリアゾールを形成し、クリック反応は、銅触媒によって触媒される。
一部の実施形態では、銅触媒は、硝酸銅、ギ酸銅、亜硝酸銅、窒化銅、シアン化銅、フェロシアン化銅、塩化銅、臭化銅、過塩素酸銅、臭素酸銅、ヨウ化銅、硫化銅、硫酸銅、チオシアン酸銅、炭酸銅、酢酸銅、シュウ酸銅、酪酸銅、クエン酸銅、安息香酸銅、ホウ酸銅、リン酸銅、炭化銅、クロム酸銅、タングステン酸銅およびそれらの任意の混合物からなる群から選択される。
一部の実施形態では、銅触媒は、硝酸第一銅、ギ酸第一銅、亜硝酸第一銅、窒化第一銅、シアン化第一銅、フェロシアン化第一銅、塩化第一銅、臭化第一銅、過塩素酸第一銅、臭素酸第一銅、ヨウ化第一銅、硫化第一銅、硫酸第一銅、チオシアン酸第一銅、炭酸第一銅、酢酸第一銅、シュウ酸第一銅、酪酸第一銅、クエン酸第一銅、安息香酸第一銅、ホウ酸第一銅、リン酸第一銅、炭化第一銅、クロム酸第一銅、タングステン酸第一銅および任意のそれらの混合物からなる群から選択される。
一部の実施形態では、本開示のタグを調製するための方法は、ペンダント部分をモノマーまたはポリマー主鎖の繰り返し単位に結合させるステップの前に、ペンダント部分を保護するステップをさらに含むことができる。
用語「保護する」とは、本明細書で使用する場合、ある特定の反応条件下、化学的に反応性の官能基の反応を防止する「保護」基または部分を付加することを指す。保護基は、保護される化学的反応性基のタイプに応じて、様々となり得る。例えば、本開示のペンダント部分は、メチルエステル、ベンジルエステル、tert-ブチルエステル、2,6-二置換フェノールのエステル、シリルエステル、オルトエステルまたはオキサゾリンから選択される基によって保護され得る。
一部の実施形態では、本開示のタグを調製するための方法は、生体分子に結合することが可能な末端基を、ポリマー主鎖の一方の末端に結合させるステップをさらに含む。一部の実施形態では、末端基は、ポリマー主鎖のN末端に結合している。一部の実施形態では、1つまたは複数の末端基は、ポリマー主鎖の1つまたは複数の末端に結合させてもよい。
一部の実施形態では、末端基は、シクロオクチンまたはその誘導体などのアジド反応性基を含む。アジド反応性基の例には、以下に限定されないが、DIFO、BCN、DIBAC、DIBO、ADIBOおよびそれらの誘導体が含まれる。
一部の実施形態では、末端基は、アルキン反応性基を含む。アルキン反応性基の例には、以下に限定されないが、アジド基およびその誘導体が含まれる。
一部の実施形態では、末端基は、テトラジン反応性基を含む。テトラジン反応性基の例には、以下に限定されないが、シクロオクテン基およびその誘導体が含まれる。
一部の実施形態では、末端基は、シクロオクテン反応性基を含む。シクロオクテン反応性基の例には、以下に限定されないが、テトラジン基およびその誘導体が含まれる。
一部の実施形態では、末端基は、スペーサーを介して、ポリマー主鎖の末端に結合しており、スペーサーの例には、以下に限定されないが、アルキル基またはポリエチレングリコール(PEG)基が含まれる。
一部の実施形態では、本開示の方法は、元素をペンダント部分とキレート形成させるステップをさらに含む。一部の実施形態では、元素は、金属またはその同位体である。一部の実施形態では、金属は、60より大きな質量を有する。一部の実施形態では、金属は、La、Lu、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、At、Rn、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Es、Fm、Md、No、Lr、Rf、Db、Sg、Bh、Hs、Mt、Ds、Rg、Cn、Nh、Fl、Mc、Lv、Ts、Ogおよびそれらの同位体からなる群から選択される。
一部の実施形態では、金属はランタニド金属であり、La、Lu、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luまたはそれらの同位体から選択される。一部の実施形態では、タグのペンダント部分とキレート形成する元素の数は、10~1000である。一部の実施形態では、ペンダント部分とキレート形成する元素の数は、50~300である。
本開示のタグを調製する方法の一部の実施形態では、ペンダント部分をモノマーまたはポリマー主鎖の繰り返し単位に結合させる前に、元素が、ペンダント部分とキレート形成する。一部の実施形態では、ペンダント部分をモノマーまたはポリマー主鎖の繰り返し単位に結合させた後に、元素が、ペンダント部分とキレート形成する。一部の実施形態では、末端基をポリマー主鎖に結合させる前に、元素が、タグのペンダント部分とキレート形成する。一部の実施形態では、末端基をポリマー主鎖に結合させた後に、元素が、タグのペンダント部分とキレート形成する。一部の実施形態では、本開示の方法は、元素とキレート形成させるステップの前に、ペンダント部分を脱保護するステップをさらに含む。
本開示のタグを調製する方法の一部の実施形態では、モノマーまたはポリマー主鎖の繰り返し単位に結合させる前に、ペンダント部分を、元素とキレート形成させる。一部の実施形態では、モノマーまたはポリマー主鎖の繰り返し単位に結合させた後に、ペンダント部分を、元素とキレート形成させる。一部の実施形態では、本方法は、元素とキレート形成させるステップの前に、ペンダント部分を脱保護するステップをさらに含む。一部の実施形態では、モノマーを重合する前に、ペンダント部分を、モノマーに結合させる。一部の実施形態では、モノマーを重合した後に、ペンダント部分を、ポリマー主鎖の繰り返し単位に結合させる。一部の実施形態では、末端基をポリマー主鎖の末端に結合させる前に、ペンダント部分を、ポリマー主鎖の繰り返し単位に結合させる。一部の実施形態では、ペンダント部分は、末端基をポリマー主鎖の末端に結合させた後に、ポリマー主鎖の繰り返し単位に結合させる。
本開示のタグを調製する方法の一部の実施形態では、モノマーを重合する前に、モノマーをペンダント部分に結合させる。一部の実施形態では、モノマーの重合後に、ポリマー主鎖の繰り返し単位を、ペンダント部分に結合させる。一部の実施形態では、ペンダント部分を元素とキレート形成させる前に、モノマーをペンダント部分に結合させる。一部の実施形態では、ペンダント部分を元素とキレート形成させた後に、モノマーをペンダント部分に結合させる。一部の実施形態では、ペンダント部分を元素とキレート形成させる前に、ポリマー主鎖の繰り返し単位をペンダント部分に結合させる。一部の実施形態では、ペンダント部分を元素とキレート形成させた後に、ポリマー主鎖の繰り返し単位をペンダント部分と結合させる。一部の実施形態では、本方法は、元素とキレート形成させるステップの前に、ペンダント部分を脱保護するステップをさらに含む。
本開示のタグを調製する方法の一部の実施形態では、ペンダント部分をポリマー主鎖の繰り返し単位に結合させる前に、末端基をポリマー主鎖の末端に結合させる。一部の実施形態では、ペンダント部分をポリマー主鎖の繰り返し単位に結合させた後に、末端基をポリマー主鎖の末端に結合させる。一部の実施形態では、ペンダント部分を元素とキレート形成させる前に、末端基をポリマー主鎖の末端に結合させる。一部の実施形態では、ペンダント部分を元素とキレート形成させた後に、末端基をポリマー主鎖の末端に結合させる。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の末端は、ポリマー主鎖の1つまたは複数のN末端である。一部の実施形態では、本方法は、元素とキレート形成させるステップの前に、ペンダント部分を脱保護するステップをさらに含む。
図2は、本開示の一実施形態による、タグを合成するための非限定的なスキームを図示している。図2の工程1は、タグに使用される官能性ブロックの合成手順を記載しており、前記官能性ブロックは、ポリマー主鎖のモノマーおよびペンダント部分を含む。モノマーは、アジド-NCA、アルキニル-NCAおよび官能性前駆体NCAなどの、本明細書に記載されているN-カルボキシ無水物誘導体(NCA-誘導体)とすることができる。ペンダント部分は、アルキニル-DOTAおよびアジド-DOTAなどの、本明細書に記載されている、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸誘導体(DOTA-誘導体)とすることができる。DOTA-誘導体は、本明細書に記載されている、採用される反応の特定のタイプに応じて、必要に応じて、例えばtert-ブチルにより保護されていてもよい。事前官能基化の後、工程2において、モノマーを重合し、ポリペプチド主鎖を形成させる。工程3において、DOTA誘導体は、クリック反応により主鎖と結合されて、ポリペプチド-(DOTA)を形成する。クリック反応の特定タイプに応じて、ポリペプチド-(DOTA)は、本明細書に記載されている手順に準拠して、必要に応じて脱保護されてもよい。工程4では、ポリペプチド主鎖のN末端は、シクロオクチン(cyclootyne)誘導体などの末端基と結合される。
一部の実施形態では、DOTA部分におけるカルボキシル基は、CuAACクリック反応手順の間に、tert-ブチルまたは他の保護基を使用して保護し、触媒イオンの早すぎる、不可逆的な封鎖を回避または低減させる。
コンジュゲートの調製
別の態様では、本開示は、(i)生体分子を事前官能基化するステップ、および(ii)本開示のタグを生体分子に接触させるステップを含む、元素分析のためのコンジュゲートを調製する方法を提供する。
タグとカップリングされる生体分子は、本開示の分析に好適な任意の生体分子とすることができる。特に、コンジュゲートを調製するための生体分子は、ペプチド、タンパク質、アプタマー、抗体、酵素、炭水化物、核酸、デオキシリボ核酸、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、組換えタンパク質、リボ核酸脂質およびそれらの誘導体からなる群から選択することができる。
一部の実施形態では、本開示のコンジュゲートを調製する方法は、本開示のタグの末端基に共有結合することができる反応性基により生体分子を事前官能基化するステップを含む。
一部の実施形態では、本開示のコンジュゲートを調製する方法は、アルキン反応性基により生体分子を事前官能基化するステップを含む。アルキン反応性基の例には、以下に限定されないが、アジド基およびその誘導体が含まれる。
一部の実施形態では、本開示のコンジュゲートを調製する方法は、シクロオクチン基またはその誘導体などの、アジド反応性基により生体分子を事前官能基化するステップを含む。アジド反応性基の例には、以下に限定されないが、DIFO、BCN、DIBAC、DIBO、ADIBOおよびそれらの誘導体が含まれる。
一部の実施形態では、本開示のコンジュゲートを調製する方法は、テトラジン反応性基により生体分子を事前官能基化するステップを含む。テトラジン反応性基の例には、以下に限定されないが、シクロオクテン基およびその誘導体が含まれる。
一部の実施形態では、本開示のコンジュゲートを調製する方法は、シクロオクテン反応性基により生体分子を事前官能基化するステップを含む。シクロオクテン反応性基の例には、以下に限定されないが、テトラジン基およびその誘導体が含まれる。
一部の実施形態では、生体分子は、銅不含クリック反応によってタグの末端基とカップリングされる。
一部の実施形態では、コンジュゲートを調製する方法は、本開示のタグを調製するステップを含む。一部の実施形態では、コンジュゲートを調製する方法は、本開示のタグを調製するステップ、生体分子を事前官能基化するステップ、および事前官能基化された生体分子を本開示のタグとカップリングさせるステップを含む。
本開示のコンジュゲートを調製する方法の一部の実施形態では、ペンダント部分をモノマーまたはポリマー主鎖の繰り返し単位に結合させる前に、元素を、ペンダント部分とキレート形成させる。一部の実施形態では、ペンダント部分をモノマーまたはポリマー主鎖の繰り返し単位に結合させた後に、元素を、ペンダント部分とキレート形成させる。一部の実施形態では、末端基をポリマー主鎖に結合させる前に、元素を、タグのペンダント部分とキレート形成させる。一部の実施形態では、末端基をポリマー主鎖に結合させた後に、元素を、タグのペンダント部分とキレート形成させる。一部の実施形態では、生体分子をポリマー主鎖とカップリングさせる前に、元素を、ペンダント部分とキレート形成させる。一部の実施形態では、生体分子をポリマー主鎖とカップリングさせた後に、元素をペンダント部分とキレート形成させる。一部の実施形態では、本方法は、元素とキレート形成させるステップの前に、ペンダント部分を脱保護するステップをさらに含む。
本開示のコンジュゲートを調製する方法の一部の実施形態では、モノマーまたはポリマー主鎖の繰り返し単位に結合させる前に、ペンダント部分を、元素とキレート形成させる。一部の実施形態では、モノマーまたはポリマー主鎖の繰り返し単位に結合させた後に、ペンダント部分を、元素とキレート形成させる。一部の実施形態では、本方法は、元素とキレート形成させるステップの前に、ペンダント部分を脱保護するステップをさらに含む。一部の実施形態では、モノマーを重合する前に、ペンダント部分をモノマーに結合させる。一部の実施形態では、モノマーの重合後に、ペンダント部分を、ポリマー主鎖の繰り返し単位に結合させる。一部の実施形態では、末端基をポリマー主鎖の末端に結合させる前に、ペンダント部分をポリマー主鎖の繰り返し単位に結合させる。一部の実施形態では、末端基をポリマー主鎖の末端に結合させた後に、ペンダント部分をポリマー主鎖の繰り返し単位に結合させる。ある特定の実施形態では、末端基は、ポリマー主鎖の1つまたは複数のN末端に結合させる。一部の実施形態では、生体分子をポリマー主鎖とカップリングさせる前に、ペンダント部分をポリマー主鎖の繰り返し単位に結合させる。一部の実施形態では、生体分子をポリマー主鎖とカップリングさせた後に、ペンダント部分をポリマー主鎖の繰り返し単位に結合させる。
本開示のコンジュゲートを調製する方法の一部の実施形態では、モノマーを重合する前に、モノマーをペンダント部分に結合させる。一部の実施形態では、モノマーを重合した後に、ポリマー主鎖の繰り返し単位をペンダント部分に結合させる。一部の実施形態では、ペンダント部分を元素にキレート形成させる前に、モノマーをペンダント部分に結合させる。一部の実施形態では、ペンダント部分を元素とキレート形成させた後に、モノマーをペンダント部分に結合させる。一部の実施形態では、ペンダント部分を元素とキレート形成させる前に、ポリマー主鎖の繰り返し単位をペンダント部分に結合させる。一部の実施形態では、ペンダント部分を元素とキレート形成させた後に、ポリマー主鎖の繰り返し単位をペンダント部分に結合させる。一部の実施形態では、ペンダント部分をポリマー主鎖の繰り返し単位に結合させる前に、ポリマー主鎖を末端基と結合させる。一部の実施形態では、ペンダント部分をポリマー主鎖の繰り返し単位に結合させた後に、ポリマー主鎖を末端基と結合させる。一部の実施形態では、ペンダント部分をポリマー主鎖の繰り返し単位に結合させる前に、ポリマー主鎖を生体分子とカップリングさせる。一部の実施形態では、ペンダント部分をポリマー主鎖の繰り返し単位に結合させた後に、ポリマー主鎖を生体分子とカップリングさせる。
本開示のコンジュゲートを調製する方法の一部の実施形態では、ペンダント部分をポリマー主鎖の繰り返し単位に結合させる前に、末端基をポリマー主鎖の末端に結合させる。ある実施形態では、ペンダント部分をポリマー主鎖の繰り返し単位に結合させた後に、末端基をポリマー主鎖の末端に結合させる。一部の実施形態では、ペンダント部分を元素とキレート形成させる前に、末端基をポリマー主鎖の末端に結合させる。一部の実施形態では、ペンダント部分を元素とキレート形成させた後に、末端基をポリマー主鎖の末端に結合させる。一部の実施形態では、ポリマー主鎖の末端は、ポリマー主鎖の1つまたは複数のN末端である。一部の実施形態では、ペンダント部分をポリマー主鎖の繰り返し単位に結合させる前に、末端基を生体分子とカップリングさせる。一部の実施形態では、ペンダント部分をポリマー主鎖の繰り返し単位に結合させた後に、末端基を生体分子とカップリングさせる。一部の実施形態では、ペンダント部分を元素とキレート形成させる前に、末端基を生体分子とカップリングさせる。一部の実施形態では、ペンダント部分を元素とキレート形成させた後に、末端基を生体分子とカップリングさせる。一部の実施形態では、本方法は、元素とキレート形成させるステップの前に、ペンダント部分を脱保護するステップをさらに含む。
本開示のコンジュゲートを調製する方法の一部の実施形態では、ペンダント部分をポリマー主鎖の繰り返し単位に結合させる前に、生体分子をポリマーの末端基とカップリングさせる。一部の実施形態では、ペンダント部分をポリマー主鎖の繰り返し単位に結合させた後に、生体分子をポリマーの末端基とカップリングさせる。一部の実施形態では、ペンダント部分を元素とキレート形成させる前に、生体分子をポリマーの末端基とカップリングさせる。一部の実施形態では、ペンダント部分を元素とキレート形成させた後に、生体分子をポリマーの末端基とカップリングさせる。一部の実施形態では、本方法は、元素とキレート形成させるステップの前に、ペンダント部分を脱保護するステップをさらに含む。
一部の実施形態では、生体分子は抗体であり、事前官能基化は、1つまたは複数のGalNAz(アジド修飾されているガラクトサミン)基を抗体の1つまたは複数のグリカン鎖に組み込むことによって行うことができる。例えば、事前官能基化は、4つのGalNAz基を抗体のグリカン鎖に組み込むことによって行うことができる。
IgG抗体は、抗体の重鎖Fcドメインに位置する特異的に保存されたアスパラギン残基に結合した2つのN-連結グリカンを含有する。IgG抗体は、化学酵素手法を使用することによって、アジド基で事前官能基化され得る。特に、β-ガラクトシダーゼは、抗体上のグリカン鎖の末端Gal残基を除去するために使用される。N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)残基が曝露されて、活性化の準備が整えられる。GlcNAc残基は、GalT(Y289L)酵素を使用して、GalNAzの酵素的結合によって官能基化される。
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチド、合成ペプチドおよび組換えタンパク質を含めた生体分子は、事前官能基化され得る。一部の実施形態では、生体分子はオリゴヌクレオチドであり、アジド修飾されているホスホロアミダイトが使用されて、合成オリゴヌクレオチドにアジド修飾を直接組み込む。一部の実施形態では、アジド修飾されているアミノ酸を使用して、合成ペプチドにアジド基を組み込むことができる。一部の実施形態では、アジド基は、組換え手法、酵素手法および化学手法によって、組換えタンパク質に組み込まれ得る。
キット
別の態様では、本開示は、(i)本開示のタグ、および(ii)キットを使用するための指示書を含むキットを提供する。
本明細書で使用する場合、用語「キット」とは、一緒に使用するために包装された、または上市されている構成成分を指す。例えば、本開示のキットは、例えば、2つの容器中に、本開示のタグおよびキットを使用するための指示書を含むことができる。
一部の実施形態では、本開示のキットは、生体分子を事前官能基化するためのアジド試薬、および事前官能基化を行うための指示書をさらに含む。一部の実施形態では、キットは、ペプチド、タンパク質、アプタマー、抗体、酵素、炭水化物、核酸、デオキシリボ核酸、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、組換えタンパク質、リボ核酸脂質、および/またはそれらの誘導体を事前官能基化するためのアジド試薬、ならびにペプチド、タンパク質、アプタマー、抗体、酵素、炭水化物、核酸、デオキシリボ核酸、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、組換えタンパク質、リボ核酸脂質、および/またはそれらの誘導体の事前官能基化を行うための指示書をさらに含むことができる。
一部の実施形態では、本開示のキットは、生体分子を含む。一部の実施形態では、本開示のキットは、ペプチド、タンパク質、アプタマー、抗体、酵素、炭水化物、核酸、デオキシリボ核酸、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、組換えタンパク質、リボ核酸脂質、および/またはそれらの誘導体、ならびにキットのタグとカップリングさせるための、ペプチド、タンパク質、アプタマー、抗体、酵素、炭水化物、核酸、デオキシリボ核酸、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、組換えタンパク質、リボ核酸脂質、および/またはそれらの誘導体の事前官能基化を行うための指示書を含む。
一部の実施形態では、本キットは、タグを元素とキレート形成させる触媒をさらに含んでもよい。例えば、本キットは、タグと元素とのキレート形成を触媒する銅溶液などの、金属溶液をさらに含むことができる。
一部の実施形態では、金属溶液は、硝酸銅、ギ酸銅、亜硝酸銅、窒化銅、シアン化銅、フェロシアン化銅、塩化銅、臭化銅、過塩素酸銅、臭素酸銅、ヨウ化銅、硫化銅、硫酸銅、チオシアン酸銅、炭酸銅、酢酸銅、シュウ酸銅、酪酸銅、クエン酸銅、安息香酸銅、ホウ酸銅、リン酸銅、炭化銅、クロム酸銅、タングステン酸銅およびそれらの任意の混合物を含む銅溶液である。
本開示は、以下の実施例によってさらに例示される。実施例は、説明目的のために提示されているに過ぎず、本開示の範囲または内容を決して限定するものと解釈されるべきではない。
(実施例1)
官能性ブロックの合成
1.1. NCA-誘導体(アジド-NCA、アルキニル-NCAおよび官能性前駆体NCA)の合成
主鎖の調製に使用するNCAモノマーは、事前官能基化されているNCAモノマー(アジド-NCA、アルキニル-NCA)および官能性前駆体NCAの2つの種類を含むことができる。各NCAモノマーの合成手順は、以下に個別に例示されている。
1.1.1. アジド-NCAの合成
Figure 2022533145000006
工程1:N-α-カルボキシベンジル-L-アジドノルロイシンの合成
CO(2.66g、19.3mmol)をTHF/HO(1:1、80mL)に溶解した。この撹拌溶液にCuSO・5HO(18mg、0.072mmol)を添加し、次いでN-α-カルボキシベンジル-L-リジン(6.48g、24.2mmol)を添加した。イミダゾール-l-スルホニル-アジド・HCl(1.78g、8.57mmol)を加え、この反応混合物を室温で12時間、撹拌した。THFを減圧下で除去し、10%HClを用いてこの反応混合物をpH5に中和した。水層をEtOAc(3×50mL)により抽出し、有機層を合わせて無水MgSOにより乾燥し、ろ過して濃縮した。生成物を透明な油状物として単離した。さらなる精製を必要としなかった。1H-NMR (500MHz, CDCl3): δ=7.41-7.37(m. 5H), 5.37 (s, 1H), 5.13 (m, 2H), 4.44 (m, 2H), 3.29-3.27 (m, 2H), 1.91-1.76(m, 2H), 1.76-1.65 (m, 2H), 1.63-1.61 (m, 2H).
工程2:L-アジドノルロイシンNCAの合成
Teflon(登録商標)撹拌子を備えた125mLのシュレンクフラスコにN-α-カルボキシベンジル-L-アジドノルロイシン(650mg、2.12mmol)を加え、次に50mLのTHFに溶解した。N下、この撹拌溶液にシリンジからGhosez試薬(439μL、3.32mmoL)を加えた。完了するまで(48時間)この反応物を、室温で撹拌した。この溶液を減圧下で除去し、10mLの冷EtOAcに溶解して、冷5%炭酸水素ナトリウム溶液(3×10mL)により抽出した。有機層を分離し、冷EtOAc(10mL)に希釈し、無水MgSOで乾燥した。この溶液を減圧下で除去し、さらに精製するためにグローブボックス(N雰囲気)に移した。この残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中の10%~75%のTHF)によって精製し、10×10mLのフラクションに採集した。合わせたフラクションからTHFおよびヘキサンの蒸発後に、280mgのNCAを透明な油状物として単離した。1H-NMR (500MHz, CDCl3): δ=6.40(s, 1H), 4.37-4.34 (t, J=5.5, 1H), 3.40-3.33 (t, J=2.0, 2H), 1.99-1.81 (m, 2H),1.67-1.58 (m, 2H), 1.55-1.49 (m, 1H).
1.1.2. アルキニル-NCAの合成
Figure 2022533145000007
工程1:γ-プロパルギルL-グルタメート塩酸塩の合成
L-グルタミン酸(10g、68mmol)をAr下、プロパルギルアルコール(330mL)に懸濁させた。この懸濁液にクロロトリメチルシラン(17.27mL、136mmol)を滴下して加えた。得られた懸濁液を50℃まで加熱し、均一になるまで撹拌した。溶媒を真空下、60℃で除去した。反応溶液をジエチルエーテルに入れて沈殿させると、白色固体が得られた。1H-NMR (400MHz, D2O) δ=2.20 (m, 2H,CH2), 2.63 (dt, 2H, CH-CO), 2.86 (t, 1H, C≡CH), 4.05 (t, 1H, CH), 4.69 (d, 2H,CH2CO).
工程2:γ-プロパルギル-L-グルタメートのNCAの合成
γ-プロパルギル-L-グルタメート塩酸塩(1.35g、6.13mmol)を乾燥酢酸エチル(50mL)に懸濁させて、この溶液を加熱して還流した。トリホスゲン(triphosegene)(0.61g、2.04mmol)を加え、この反応物をN下で4~5時間、還流した。反応溶液を室温まで冷却し、あらゆる未反応のγ-プロパルギル-L-グルタメート塩酸塩をろ過によって除去した。次に、この反応溶液を5℃まで冷却し、50mLの水、50mLの飽和炭酸水素ナトリウムおよび50mLのブラインにより、すべて5℃で洗浄した。次に、この溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥してろ過し、濃縮すると粘稠な油状物になった。1H-NMR(400MHz, CDCl3) δ=2.20 (dm, 2H, CH2), 2.49 (t, 1H, C≡CH), 2.58 (t,2H, CHCO), 4.39 (t, 1H, CH), 4.68 (d, 2H, CH2CO), 6.5 (s, 1H, NH).
1.1.3. 官能性前駆体NCAの合成
官能性前駆体NCAは、重合後にアジドまたはアルキニルを使用してさらに官能基化して、さらなる官能基化後にクリック反応を行うことができるモノマーである。
Figure 2022533145000008
工程1:γ-クロロプロパニル-L-グルタメートの合成
L-グルタミン酸(11.04g、75mmol)および3-クロロプロパノール(80mL、0.96mol)を丸底フラスコ(250mL)中で混合し、次いで、シリンジによりクロロトリメチルシラン(10.5mL、83mmol)を添加した。得られた懸濁液を50℃まで加熱し、均一になるまで撹拌した。溶媒を真空下、60℃で除去した。残留物にジエチルエーテル(40mL)を添加すると、白色固体が得られ、これをろ過によって採集した。エタノール/ジエチルエーテル中での再結晶によるさらなる精製により、最終生成物が白色固体として得られた。
工程2:γ-3-クロロプロパニル-L-グルタミン酸NCA(γ-3-Chloropropanyl-L-glutamic NCA)
窒素下で丸底フラスコ(25mL)にγ-クロロプロパニル-L-グルタメート2(1.0g、4.5mmol)、トリホスゲン(0.8g、2.7mmol)および無水THF(15mL)を投入した。この混合物を室温で24時間、撹拌し、この期間にγ-クロロプロパニル-L-グルタメートが徐々に溶解した。真空下で溶媒を除去すると、油性液体が得られ、これを次に、酢酸エチル(20mL)に溶解して冷飽和NaHCO/HO溶液により洗浄した。有機層を分離して、0℃で無水MgSOにより乾燥した。ろ過、蒸発、ディープフリーザー内でCHCl/ヘキサン中、-85℃での再結晶により、最終生成物が白色固体として得られた。
1.2. 官能基化DOTA-誘導体(アルキニル-DOTA-(tBu)およびアジド-DOTA-(tBu))の合成
1.2.1. アルキニル-DOTA-(tBu)の合成
Figure 2022533145000009
DO-3tBu(0.100g、0.194mmol)、N-(2-プロピニル)-クロロアセトアミド(0.026g、0.194mmol)およびKCO(0.028g、0.194mmol)のDMF(2ml)溶液を窒素下、室温で2時間、撹拌した。真空で溶媒を除去した後、クロロホルム-メタノール(98:2)を使用するシリカゲルカラムによってこの残留混合物を精製すると、無色固体(0.092g、78%)が得られた。
DO-3tBu(1.48g、2.48mmol)、N-(2-プロピニル)-ブロモアセトアミド(1.29g、7.33mmol)およびKCO(2.78g、20.1mmol)を500mLのフラスコに入れて、次に、この混合物をCHCN(HPLCグレード、150mL)に溶解した。この反応混合物を48時間、加熱して還流し、室温まで冷却し、溶媒を回転蒸発によって除去した。CHCl(50mL)を加え、この混合物をろ紙でろ過し、次に、蒸発乾固すると、粗製DOTA-アルキニルが金色の油状物として得られた。クロロホルム-メタノール(98:2)を使用するシリカゲルカラムによってこの残留混合物を精製すると、無色固体が得られた。
1.2.2. アジド-DOTA-(tBu)の合成
Figure 2022533145000010
DO-3tBu(257mg、0.5mmol)およびN-クロロアセチル-2-アジドエチルアミン(89mg、0.55mmol)をMeCN(4ml)に溶解し、次いで、KCO(180mg、1.3mmol)を加えた。この混合物を60℃で18時間、撹拌した。この溶媒を蒸発させて、残留物を水(20ml)とEtOAc(2×20ml)との間に分配した。合わせた有機抽出物を乾燥して濃縮し、残留物をヘキサンにより摩砕すると、アジド修飾された配位子アジド-DOTA-(tBu)が得られた。1H-NMR (CDCl3) δ=9.24 (s, D2O交換,1H), 3.42-2.23 (m, 28H), 1.45(m, 27H).
(実施例2)
主鎖の調製
ペプチドをベースとする主鎖をNCA重合により調製した。
Figure 2022533145000011
2.1. アルキニル-NCAからのアルキニル-ポリペプチドの合成
アルキニル-NCA(γ-プロパルギル-L-グルタメートNCA、800mg、4.37mmol)および無水LiBr(190mg、2.2mmol)の溶液をシュレンク管中、28mlの乾燥DMFに溶解した。NCAおよびLiBrを完全に溶解した後、ベンジルアミン(2.2mg、20μmol)の乾燥DMF溶液2mlを加えた。この反応物を不活性雰囲気下、0℃で5日間、維持した。この反応混合物を過剰のジエチルエーテルに入れて沈殿させてろ過し、真空下で乾燥すると、淡黄色固体が得られた。PDI=1.36。
代替的に、ドライボックス中、アルキニル-NCA(γ-プロパルギル-L-グルタメートNCA、20.7mg、0.1mmol)を乾燥DMF(0.5ml)に溶解した。次に、N-TMSベンジルアミンを含有するDMF溶液(10μL、0.1mmol/mL)に、アルキニル-NCA溶液を加えた。この反応混合物を室温で24時間、撹拌した。アルキニル-NCAが完全に消費された後に(FT-IRを使用して1790cm-1におけるNCA無水物のバンドを確認することによってモニタリングした)、反応混合物を過剰のジエチルエーテルに入れて沈殿させて、ろ過し、真空下で乾燥させると、淡黄色固体が得られた。PDI=1.21。
代替的に、ドライボックス中、アルキニル-NCA(γ-プロパルギル-L-グルタメートNCA、20.7mg、0.1mmol)を乾燥DMF(0.5ml)に溶解した。次に、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)を含有するDMF溶液(10μL、0.1mmol/mL)に、アルキニル-NCA溶液を添加した。この反応混合物を、室温で24時間、撹拌した。空気に曝露させることによって反応をクエンチした後、この溶液を真空下、40℃で除去した。この生成物をCHClに溶解し、メタノールから沈殿させることによってさらに精製した。ろ過、および40℃で48時間、真空下で乾燥すると、PDI=1.21を有する最終生成物が白色固体として得られた。
Figure 2022533145000012
a).DMF中、開始剤としてHMDSを使用し、室温で24時間、重合([M]=0.2M)を行った。
b).計算された分子量は、[M]/[I]の比および変換率に従い計算した。
c).ポリマーの絶対分子量およびPDIは、溶媒としてDMFを使用するGPCから求めた。
d).変換率は、H-NMR分光法から求めた。
2.2. アジド-NCAからのアジド-ポリペプチドの合成
重合反応は、二窒素を充填したグローブボックス中で行った。アジド-NCA(アジドノルロイシン-NCA)(20mg、0.10μmol)の乾燥THF(500μL)溶液に、シリンジから乾燥THF中の(PMeCoの溶液(120μL、6.8μmol)を迅速に加えた。この反応物を室温で、撹拌した。重合反応は一般に、1時間以内に完了した。この反応物をドライボックスから取り出し、THFをすべて除去し、ポリペプチドを100mMのHCl(2×15mL)により洗浄し、3000rpmで5分間、遠心分離し、上清を除去した。白色固体のポリペプチドを10mLの水により洗浄し、次に、凍結乾燥すると、アジド-ポリペプチドが白色固体として得られた。1H-NMR (500MHz,TFA-d): δ=5.87 (s, 1H),5.27 (s, 2H), 4.60 (s, 3H),3.36 (s, 2H), 2.70 (s, 2H), 2.16 (s, 3H), 1.87-1.63(s, 2H), 1.62-1.48 (s, 3H).
2.3. 官能性前駆体NCAからのアジド-ポリペプチドの合成
工程1:γ-3-クロロプロパニル-L-グルタミン酸NCAの重合
グローブボックス中で、γ-3-クロロプロパニル-L-グルタミン酸NCA(107mg、0.429mmol)をDMF(1.4mL)に溶解した。続いて、シリンジを用いてHMDS/DMF保存溶液の測定容積(C=57.4mM、75μL、4.29μmol)を添加した。この反応混合物を室温で24時間、撹拌し、空気への曝露によってクエンチした。DMFを真空下、40℃で除去すると、ポリマーフィルムが得られた。このポリマーフィルムをCHCl(2mL)に溶解し、メタノール(20mL)から沈殿させることによってさらに精製した。ろ過、および60℃で8時間、真空下で乾燥すると、最終生成物が白色固体として得られた。1H-NMR (CDCl3-d) δ=4.22 (brs, 3H, ClCH2CH2CH2-およびCHNH), 3.61 (s, 2H, ClCH2CH2CH2-),2.67 (brs, 2H, -COCH2CH2-), 2.38 (br s, 2H, -COCH2CH2-),2.09 (s, 2H, ClCH2CH2CH2-).
工程2:ポリ(γ-3-アジドプロパニル-L-グルタメート)の合成
ポリ(γ-3-クロロプロパニル-L-グルタメート)(0.1g、0.49mmol)およびアジ化ナトリウム(0.3g、4.6mmol)のDMF(5mL)溶液を60℃で2日間、撹拌し、室温まで冷却した。この反応混合物を中性アルミナカラムに通し、いかなる無機塩も除去した。DMFを60℃で真空蒸留することによって除去し、ポリマーフィルムが得られた。このポリマーフィルムをCHClに溶解し、メタノール中で沈殿させることによってさらに精製した。得られたポリマーをろ過により採集し、真空下、60℃で乾燥した。1H-NMR (CDCl3-d): δ=4.18(s, 2H, N3CH2CH2CH2-), 3.95 (br s,1H, CHNH), 3.40 (s, 2H, N3CH2CH2CH2-),2.68 (br s, 2H, -COCH2CH2-), 2.39 (br s, 2H, -COCH2CH2-),1.92 (s, 2H, N3CH2CH2CH2-).
(実施例3)
ペンダント基の修飾
以下の表2に示されている組合せとして、CuAACクリック反応により、アルキニル-ポリペプチドおよびアジド-ポリペプチドから個別にDOTA修飾したポリペプチド-(C-N)-DOTA-(tBu)およびポリ-ペプチド-(N-C)-DOTA-(tBu)を合成し、ポリペプチド-DOTA-(tBu)を形成した。この実施例では、DOTA部分におけるカルボン酸基は、CuAACクリック反応手順の間、tert-ブチルまたは他の保護基を使用して保護し、触媒イオンの早すぎる不可逆的な封鎖を回避した。
Figure 2022533145000013
グローブボックス中で、ポリ(γ-プロパルギル-L-グルタメート)(18.3mg)およびアジド-DOTA-(tBu)(128mg、0.2mmol)をDMF(5ml)に溶解した。次に、この撹拌溶液に、200μLのPMDETA(10μmol、50mMのDMF溶液)および200μLのCu(I)Br(10μmol、50mMのDMF溶液)を順番に添加した。反応物質のモル比は、アルキン/アジド/CuBr/PMDETAが1:2:0.1:0.1であった。この反応混合物を室温で24時間、撹拌し、空気への曝露によってクエンチした。反応が完成した後、この反応溶液を短い酸化アルミニウムカラムに通して触媒を除去した。官能基化ポリペプチドを透析により精製し、凍結乾燥して固体にした。
(実施例4)
脱保護
混合物TFA/TIPS/H2O 95:2.5:2.5を脱保護試薬として使用し、ポリペプチド-DOTA-(tBu)上のt-Bu基を除去した。
TFA/TIPS/HO 95:2.5:2.5中、室温で3時間、ポリペプチド-DOTA-(tBu)を撹拌した。氷冷エーテルを用いてこの生成物を沈殿させて、半分取高速液体クロマトグラフィーによって精製した。
(実施例5)
末端基修飾
最終生成物は、アミド化反応によって、シクロオクチン誘導体を使用する末端アミノ基の修飾によって合成した。
Figure 2022533145000014
グローブボックス中で、ポリペプチド-DOTA(50mg)およびイソプロピルエチルアミン(200μl)をDMF(2ml)に溶解した。続いて、この溶液に200μlのジベンゾシクロオクチン-N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル(10μmol、50mMのDMF溶液)を加えた。氷冷エーテルを用いてこの生成物を沈殿させて、半分取高速液体クロマトグラフィーによって精製した。
(実施例6)
金属タグの調製
元素タグに使用した金属は、DOTAとキレート形成することが可能な任意の元素とすることができる。ランタニドは、環境における存在量が少ないために好ましい。
手短に述べると、ポリマー(200μg)を水(95μL)に溶解し、50mMの金属溶液(5μL)と混合した。この混合溶液を室温で1時間、撹拌した。Amicon Ultra遠心ろ過器(3kDカットオフ)を使用することによって、遊離金属イオンを洗い流した。
(実施例7)
生体分子のアジドによる事前官能基化
抗体:IgG抗体は、抗体の重鎖Fcドメインに位置する特異的に保存されたアスパラギン残基に結合した2つのN-連結グリカンを含有する。IgG抗体は、化学酵素手法を使用することによって、アジドで事前官能基化され得る。
手短に述べると、β-ガラクトシダーゼを使用して、抗体上のグリカン鎖の末端Gal残基を除去した。N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)残基を曝露させて、活性化の準備を整えた。GlcNAc残基は、GalT(Y289L)酵素を使用して、GalNAz(アジド修飾されているガラクトサミン)の酵素的結合によって官能基化した。平均上で、各抗体は2つの重鎖を有し、4つのGalNAz残基を結合させた。
抗体に加えて、オリゴヌクレオチド、合成したペプチドおよび組換えタンパク質を含めた、他の事前官能基化されている生体分子も使用することができる。例えば、アジド修飾されているホスホロアミダイトを使用し、アジド修飾物が合成オリゴヌクレオチドに直接、組み込まれ、アジド基もまた、組換え手法、酵素手法および化学手法による組換えタンパク質の修飾に首尾よく使用された。
(実施例8)
銅不含クリック反応によるアジドで事前官能基化されている生体分子との金属標識したポリペプチドのコンジュゲート
ペプチドをベースとする金属タグを、以下に示されている通り、銅不含クリック反応により、生体分子と化学量論的に接続させた。
Figure 2022533145000015
手短に述べると、実施例7において調製した事前官能基化されているIgGは、上記の通り、ペプチドをベースとする金属タグとの銅不含クリック反応を受けた。反応後、生成物およびコンジュゲートを行っていないIgG分子をSDS-PAGEゲルにどちらもロードし、IgGがペプチドをベースとする金属タグとコンジュゲートされたかどうかを判定した。図3から見てとれるように、ペプチドをベースとする金属タグは、IgGの重鎖に首尾よくコンジュゲートされ、このコンジュゲートは矢印で注釈を付けたバンドの部分である。
(実施例9)
本開示の元素タグとコンジュゲートされている抗体を使用することによる、細胞表面マーカーの定量
実施例8の方法に準拠して、抗CD56抗体、抗CD19抗体、抗CD16抗体、抗CD14抗体、抗CD8抗体、抗CD4抗体、抗CD3抗体および抗CD45抗体を、それぞれ150Nd、165Ho、145Nd、175Lu、168Er、173Yb、169Tmおよび142Ndとキレート形成した元素タグとコンジュゲートさせた。得られたコンジュゲートを、表面にCD56、CD19、CD16、CD14、CD8、CD4、CD3および/またはCD45を発現するヒト末梢血液単核細胞と共にインキュベートした。インキュベート後、細胞を採集して、元素分析を行った。各細胞表面マーカーの定量は、対応する元素タグの各元素の相対シグナル強度に基づいて行った。これらの結果は、図4に示されている通りである。
本開示は、好ましい実施形態を強調して記載されているが、本開示の範囲または主旨から逸脱することなく、様々な修正および変形が本開示に行われ得ることは、当業者に明白である。本開示の他の実施形態は、本明細書の考慮、および本明細書において開示されている本開示の実施から当業者には明らかであろう。本明細書および実施例は、例示と見なされるに過ぎないことが意図されており、本開示の真の範囲および主旨は、以下の特許請求の範囲によって規定される。

Claims (125)

  1. 生体分子を標識するためのタグであって、前記生体分子に化学量論的に結合することが可能な末端基で終わるポリマー主鎖、および前記ポリマー主鎖にそれぞれが結合しており、かつ元素とキレート形成することが可能な1つまたは複数のペンダント部分を含む、タグ。
  2. 前記タグが生体適合性である、請求項1に記載のタグ。
  3. 前記ポリマー主鎖が、ポリペプチド、ポリペプトイド、ポリβ-ペプチド、ポリγ-ペプチド、ポリδ-ペプチドおよびそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項1または2に記載のタグ。
  4. 前記ポリマー主鎖が、ホモポリマーまたはコポリマーである、請求項1から3のいずれか一項に記載のタグ。
  5. 前記ポリマー主鎖が、NCA、NTAα-アミノ酸、β-アミノ酸、γ-アミノ酸、δ-アミノ酸、N-置換アミノ酸およびそれらの誘導体からなる群から選択されるモノマーの重合によって形成される、請求項1から4のいずれか一項に記載のタグ。
  6. 前記N-置換アミノ酸が、N-置換グリシンである、請求項5に記載のタグ。
  7. 前記ポリマー主鎖の重合度が、10~1000の間である、請求項5または6に記載のタグ。
  8. 前記ポリマー主鎖の重合度が、50~300の間である、請求項7に記載のタグ。
  9. 前記ポリマー主鎖が、1.4未満の多分散指数を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載のタグ。
  10. 前記ペンダント部分が、金属またはその同位体とキレート形成することが可能である、請求項1から9のいずれか一項に記載のタグ。
  11. 前記ポリマー主鎖に結合している前記ペンダント部分の数が、10~1000の間である、請求項1から10のいずれか一項に記載のタグ。
  12. 前記ポリマー主鎖に結合している前記ペンダント部分の数が、50~300の間である、請求項11に記載のタグ。
  13. 前記ペンダント部分が、EDTA、DTPA、DCTA、DOTA、TETA、NOTAおよびそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項1から12のいずれか一項に記載のタグ。
  14. 前記ペンダント部分が、DOTAまたはDTPAから選択される、請求項13に記載のタグ。
  15. 前記1つまたは複数のペンダント部分がそれぞれ、前記ポリマー主鎖に直接、結合している、請求項1から14のいずれか一項に記載のタグ。
  16. 前記1つまたは複数のペンダント部分がそれぞれ、リンカーを介して、前記ポリマー主鎖に結合している、請求項1から14のいずれか一項に記載のタグ。
  17. 前記リンカーが、1,2,3-トリアゾール基を含む、請求項16に記載のタグ。
  18. 前記リンカーが、スペーサーを介して、前記ポリマー主鎖または前記ペンダント部分に結合している、請求項16または17に記載のタグ。
  19. 前記スペーサーが、アルキル基またはポリエチレングリコール基である、請求項18に記載のタグ。
  20. 前記末端基が、前記ポリマー主鎖のN末端に結合している、請求項1から19のいずれか一項に記載のタグ。
  21. 前記末端基がアジド反応性基を含む、請求項1から20のいずれか一項に記載のタグ。
  22. 前記アジド反応性基が、シクロオクチンまたはその誘導体である、請求項21に記載のタグ。
  23. 前記末端基が、スペーサーを介して、前記ポリマー主鎖に結合している、請求項1から22のいずれか一項に記載のタグ。
  24. 前記スペーサーが、アルキル基またはポリエチレングリコール基である、請求項23に記載のタグ。
  25. 生体分子を標識するためのタグであって、前記生体分子に結合することが可能な末端基で終わるポリマー主鎖、および前記ポリマー主鎖にそれぞれが結合しており、かつ元素とキレート形成することが可能な1つまたは複数のペンダント部分を含み、生体適合性である、タグ。
  26. 前記ポリマー主鎖が、ポリペプチド、ポリペプトイド、ポリβ-ペプチド、ポリγ-ペプチド、ポリδ-ペプチドおよびそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項25に記載のタグ。
  27. 前記ポリマー主鎖が、ホモポリマーまたはコポリマーである、請求項25または26に記載のタグ。
  28. 前記ポリマー主鎖が、NCA、NTA、α-アミノ酸、β-アミノ酸、γ-アミノ酸、δ-アミノ酸、N-置換アミノ酸およびそれらの誘導体からなる群から選択されるモノマーの重合によって形成される、請求項25から27のいずれか一項に記載のタグ。
  29. 前記N-置換アミノ酸が、N-置換グリシンである、請求項28に記載のタグ。
  30. 前記ポリマー主鎖の重合度が、10~1000の間である、請求項28または29に記載のタグ。
  31. 前記ポリマー主鎖の重合度が、100~300の間である、請求項30に記載のタグ。
  32. 前記ポリマー主鎖が、1.4未満の多分散指数を有する、請求項25から31のいずれか一項に記載のタグ。
  33. 前記ポリマー主鎖に結合している前記ペンダント部分の数が、10~1000の間である、請求項25から32のいずれか一項に記載のタグ。
  34. 前記ポリマー主鎖に結合している前記ペンダント部分の数が、50~300の間である、請求項33に記載のタグ。
  35. 前記ペンダント部分が、EDTA、DTPA、DCTA、DOTA、TETA、NOTA、およびそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項25から34のいずれか一項に記載のタグ。
  36. 前記ペンダント部分が、DOTAまたはDTPAから選択される、請求項35に記載のタグ。
  37. 前記1つまたは複数のペンダント部分がそれぞれ、前記ポリマー主鎖に直接、結合している、請求項25から36のいずれか一項に記載のタグ。
  38. 前記1つまたは複数のペンダント部分がそれぞれ、リンカーを介して、前記ポリマー主鎖に結合している、請求項25から36のいずれか一項に記載のタグ。
  39. 前記リンカーが、1,2,3-トリアゾール基を含む、請求項38に記載のタグ。
  40. 前記リンカーが、スペーサーを介して、前記ポリマー主鎖または前記ペンダント部分に結合している、請求項25から39のいずれか一項に記載のタグ。
  41. 前記スペーサーが、アルキル基またはポリエチレングリコール基である、請求項40に記載のタグ。
  42. 生体分子を標識するためのタグであって、前記生体分子に結合することが可能な末端基で終わるポリマー主鎖、および前記ポリマー主鎖の繰り返し単位にそれぞれが化学量論的に結合しており、かつ元素とキレート形成することが可能な1つまたは複数のペンダント部分を含む、タグ。
  43. 前記ペンダント部分が、金属またはその同位体とキレート形成することが可能である、請求項42に記載のタグ。
  44. 前記ポリマー主鎖に結合している前記ペンダント部分の数が、10~1000の間である、請求項42または43に記載のタグ。
  45. 前記ポリマー主鎖に結合している前記ペンダント部分の数が、50~300の間である、請求項44に記載のタグ。
  46. 前記ペンダント部分が、EDTA、DTPA、DCTA、DOTA、TETA、NOTA、およびそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項42から45のいずれか一項に記載のタグ。
  47. 前記ペンダント部分が、DOTAまたはDTPAから選択される、請求項46に記載のタグ。
  48. 前記1つまたは複数のペンダント部分がそれぞれ、前記ポリマー主鎖に直接、結合している、請求項42から48のいずれか一項に記載のタグ。
  49. 前記1つまたは複数のペンダント部分がそれぞれ、リンカーを介して、前記ポリマー主鎖に結合している、請求項42から48のいずれか一項に記載のタグ。
  50. 前記リンカーが、1,2,3-トリアゾール基を含む、請求項49に記載のタグ。
  51. 前記リンカーが、スペーサーを介して、前記ポリマー主鎖または前記ペンダント部分に結合している、請求項49または50に記載のタグ。
  52. 前記スペーサーが、アルキル基またはポリエチレングリコール基である、請求項51に記載のタグ。
  53. 請求項1から52のいずれか一項に記載のタグを含む、生体分子を標識するための元素タグであって、前記ポリマー主鎖に結合している前記ペンダント部分が元素とキレート形成する、元素タグ。
  54. 前記元素が金属またはその同位体である、請求項53に記載の元素タグ。
  55. 前記金属が、La、Lu、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、At、Rn、Fr、Ra、Ac、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Es、Fm、Md、No、Lr、Rf、Db、Sg、Bh、Hs、Mt、Ds、Rg、Cn、Nh、Fl、Mc、Lv、Ts、Ogおよびそれらの同位体からなる群から選択される、請求項54に記載の元素タグ。
  56. 前記金属が、60より大きな質量を有する、請求項54または55に記載の元素タグ。
  57. 前記金属がランタニド金属またはその同位体である、請求項54から56のいずれか一項に記載の元素タグ。
  58. 前記ランタニド金属が、La、Lu、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luまたはそれらの同位体である、請求項57に記載の元素タグ。
  59. 請求項1から52のいずれか一項に記載のタグとカップリングされている生体分子を含む、元素分析のためのコンジュゲート。
  60. 前記生体分子が、前記タグとのカップリング前に、前記タグとの共有結合に好適な基で事前官能基化されている、請求項59に記載のコンジュゲート。
  61. 前記生体分子が、1つまたは複数のアジド基により事前官能基化されている、請求項60に記載のコンジュゲート。
  62. 前記生体分子が、ペプチド、タンパク質、アプタマー、抗体、酵素、炭水化物、核酸、デオキシリボ核酸、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、組換えタンパク質、リボ核酸脂質およびそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項59~61のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
  63. 前記抗体が、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、抗体断片、Fab断片、Fc断片、軽鎖、重鎖、免疫グロブリンおよび免疫グロブリン断片からなる群から選択される、請求項62に記載のコンジュゲート。
  64. 前記コンジュゲートが、1つまたは複数の元素とさらにキレート形成している、請求項59から63のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
  65. 前記コンジュゲートとキレート形成する前記元素の数が、10~1000の間である、請求項64に記載のコンジュゲート。
  66. 前記コンジュゲートとキレート形成する前記元素の数が、50~300の間である、請求項65に記載のコンジュゲート。
  67. 前記元素が金属またはその同位体である、請求項64から66のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
  68. 前記金属が、60より大きな質量を有する、請求項67に記載のコンジュゲート。
  69. 前記金属が、ランタニド金属またはその同位体である、請求項67または68に記載のコンジュゲート。
  70. 前記ランタニド金属が、La、Lu、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luまたはそれらの同位体である、請求項69に記載のコンジュゲート。
  71. 元素分析に使用するための、請求項64から70のいずれか一項に記載のコンジュゲート。
  72. 前記元素分析がMSである、請求項71に記載のコンジュゲート。
  73. 前記MSが、ICP-MSまたはICP-TOF-MSである、請求項72に記載のコンジュゲート。
  74. ポリマー主鎖を得るステップ
    元素とキレート形成することが可能な1つまたは複数のペンダント部分を前記ポリマー主鎖に結合させるステップ、および
    生体分子に結合することが可能な末端基を前記ポリマー主鎖の一方の末端に結合させるステップ
    を含む、請求項1から52のいずれか一項に記載のタグを調製する方法。
  75. 前記ポリマー主鎖が、ホモポリマーまたはコポリマーとして得られる、請求項74に記載の方法。
  76. 前記ポリマー主鎖が、10~1000個のモノマーの重合によって得られる、請求項74または75に記載の方法。
  77. 前記ポリマー主鎖が、50~300個のモノマーの重合によって得られる、請求項76に記載の方法。
  78. 前記ポリマー主鎖が、NCA、NTA、α-アミノ酸、β-アミノ酸、γ-アミノ酸、δ-アミノ酸、N-置換アミノ酸およびそれらの誘導体からなる群から選択されるモノマーの重合によって得られる、請求項74から77のいずれか一項に記載の方法。
  79. 前記N-置換アミノ酸が、N-置換グリシンである、請求項78に記載の方法。
  80. 前記モノマーが、重合前に事前官能基化される、請求項76から79のいずれか一項に記載の方法。
  81. 前記モノマーが、アジド基で事前官能基化される、請求項80に記載の方法。
  82. 前記モノマーが、アルキニル基で事前官能基化される、請求項80に記載の方法。
  83. 前記ペンダント部分が、EDTA、DTPA、DCTA、DOTA、TETA、NOTAおよびそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項74から82のいずれか一項に記載の方法。
  84. 前記ペンダント部分が、DOTAまたはDTPAである、請求項83に記載の方法。
  85. 前記ペンダント部分が、前記ポリマー主鎖に結合させる前に事前官能基化される、請求項74から84のいずれか一項に記載の方法。
  86. 前記ペンダント部分が、アジド基で事前官能基化される、請求項85に記載の方法。
  87. 前記ペンダント部分が、アルキニル基で事前官能基化される、請求項85に記載の方法。
  88. 前記ペンダント部分を前記ポリマー主鎖に結合させるステップの前に、前記ペンダント部分を保護するステップをさらに含む、請求項74から87のいずれか一項に記載の方法。
  89. 前記ペンダント部分が、メチルエステル、ベンジルエステル、tert-ブチルエステル、2,6-二置換フェノールのエステル、シリルエステル、オルトエステルまたはオキサゾリンから選択される基によって保護される、請求項88に記載の方法。
  90. 前記ペンダント部分が、クリック反応により、前記ポリマー主鎖に結合される、請求項74から89のいずれか一項に記載の方法。
  91. 前記クリック反応が、銅触媒クリック反応である、請求項90に記載の方法。
  92. 前記ペンダント部分を前記ポリマー主鎖に結合させるステップの前に、元素を前記ペンダント部分とキレート形成させるステップをさらに含む、請求項74から91のいずれか一項に記載の方法。
  93. 前記ペンダント部分を前記ポリマー主鎖に結合させるステップの後に、元素を前記ペンダント部分とキレート形成させるステップをさらに含む、請求項74から91のいずれか一項に記載の方法。
  94. 前記末端基を前記ポリマー主鎖に結合させるステップの前に、元素を前記タグの前記ペンダント部分とキレート形成させるステップをさらに含む、請求項74から91のいずれか一項に記載の方法。
  95. 前記末端基を前記ポリマー主鎖に結合させるステップの後に、元素を前記タグの前記ペンダント部分とキレート形成させるステップをさらに含む、請求項74から91のいずれか一項に記載の方法。
  96. 前記ペンダント部分とキレート形成する前記元素の数が、10~1000である、請求項92から95のいずれか一項に記載の方法。
  97. 前記ペンダント部分とキレート形成する前記元素の数が、50~300である、請求項96に記載の方法。
  98. 前記元素とキレート形成させるステップの前に、前記ペンダント部分を脱保護するステップをさらに含む、請求項92から97のいずれか一項に記載の方法。
  99. (i)生体分子を事前官能基化するステップ、および
    (ii)請求項1から52のいずれか一項に記載のタグを前記生体分子に接触させるステップ
    を含む、元素分析のためのコンジュゲートを調製する方法。
  100. 前記生体分子が、銅不含クリック反応によって前記タグの前記末端基にカップリングされる、請求項99に記載の方法。
  101. 前記生体分子が、1つまたは複数のアジド基により事前官能基化される、請求項99または100に記載の方法。
  102. 前記生体分子が、ペプチド、タンパク質、アプタマー、抗体、酵素、炭水化物、核酸、デオキシリボ核酸、オリゴヌクレオチド、ポリペプチド、組換えタンパク質、リボ核酸脂質およびそれらの誘導体からなる群から選択される、請求項99から101のいずれか一項に記載の方法。
  103. 前記生体分子が抗体であり、前記事前官能基化が、1つまたは複数のGalNAz基を前記抗体の1つまたは複数のグリカン鎖に組み込むことによって行われる、請求項99から102のいずれか一項に記載の方法。
  104. 前記事前官能基化が、4つのGalNAz基を前記抗体の前記グリカン鎖に組み込むことによって行われる、請求項103に記載の方法。
  105. 前記生体分子がオリゴヌクレオチドであり、前記事前官能基化が、1つまたは複数のアジド修飾されているホスホロアミダイトを前記オリゴヌクレオチドに組み込むことによって行われる、請求項99から102のいずれか一項に記載の方法。
  106. 前記生体分子がペプチドであり、前記事前官能基化が、1つまたは複数のアジド修飾されているアミノ酸を前記ペプチドに組み込むことによって行われる、請求項99から102のいずれか一項に記載の方法。
  107. 元素を前記コンジュゲートとキレート形成させるステップをさらに含む、請求項99から106のいずれか一項に記載の方法。
  108. 前記タグを前記生体分子とカップリングさせる前に、前記キレート形成が行われる、請求項107に記載の方法。
  109. 前記タグを前記生体分子とカップリングさせた後に、前記キレート形成が行われる、請求項107に記載の方法。
  110. (i)試料を請求項64から73のいずれか一項に記載のコンジュゲートに接触させるステップであって、前記コンジュゲートの前記生体分子が、前記試料中の分析物に特異的に結合する、ステップ、および
    (ii)前記コンジュゲート中の前記元素の量を元素分析により求めることによって前記分析物を定量するステップ
    を含む、試料中の分析物を定量する方法。
  111. 前記元素分析が、ICP-MSまたはICP-TOF-MSを用いて行われる、請求項110に記載の方法。
  112. 前記コンジュゲートの前記生体分子が、別のタグによりさらに標識される、請求項110または111に記載の方法。
  113. 前記分析物に結合している前記コンジュゲートを分離するステップをさらに含む、請求項110から112のいずれか一項に記載の方法。
  114. 前記試料が被験体から得られる、請求項110から113のいずれか一項に記載の方法。
  115. 前記試料が体液または組織である、請求項114に記載の方法。
  116. 前記体液が、全血、血漿、血清、尿、滲出液、腹水、唾液、脳脊髄液、子宮頸分泌物、膣分泌物、子宮内膜分泌物、羊水、消化管分泌物、痰を含む気管支分泌物、乳汁および分泌物からなる群から選択される、請求項115に記載の方法。
  117. 前記組織が、乳房組織、子宮組織、子宮頸部組織、腸組織、結腸直腸組織、食道組織、前立腺組織、肺組織、心臓組織、筋組織、皮膚組織、腎臓組織、角膜組織、肝臓組織、腹部組織、リンパ組織、脳組織、結合組織、軟部組織および骨からなる群から選択される、請求項115に記載の方法。
  118. 前記組織が腫瘍組織である、請求項115に記載の方法。
  119. 前記分析物が、細胞、核酸およびタンパク質からなる群から選択される、請求項110から118のいずれか一項に記載の方法。
  120. 前記細胞が腫瘍細胞である、請求項119に記載の方法。
  121. (i)請求項1から52のいずれか一項に記載のタグ、および
    (ii)キットを使用するための指示書
    を含むキット。
  122. (i)請求項1から52のいずれか一項に記載のタグ、
    (ii)生体分子を事前官能基化するためのアジド試薬、および
    (iii)キットを使用するための指示書
    を含むキット。
  123. 前記生体分子をさらに含む、請求項122に記載のキット。
  124. 前記タグを前記生体分子とカップリングさせるための触媒をさらに含む、請求項121から123のいずれか一項に記載のキット。
  125. 金属溶液を含む、請求項121から124のいずれか一項に記載のキット。
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