JP2022533019A - 繊維強化プラスチックの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、繊維強化プラスチックを製造する引抜成形方法、コンピュータ支援シミュレーションによる該方法の実施、及び適切な基礎的熱力学モデルに関する。【選択図】図1

Description

本発明は、繊維強化プラスチックを製造する引抜成形方法に関し、そのプロセスの実施は、コンピュータ支援シミュレーションを介して及び適切な基礎的熱力学モデルによって改善される。
生産性は、引抜成形プロセスにおいて該方法のコスト効率に関して非常に重要な役割を果たす。製造速度の増大により、単位時間あたりのより高い生産量を達成し、したがって製造コストを低減することができる。したがって、プロセスの最適化のためには、どのようにして製造速度を増大させ得るかを理解し、そのために、対応する化学的、技術的、又はプロセスに関する手段を特定して実施することが不可欠である。
引抜成形プロセスでは、熱硬化性マトリクスで繊維強化したプロファイルを連続的に製造する。このために、一方向性繊維ストランド(ロービングとして知られている)、及び、場合により追加的な強化織物、例えば、ランダム繊維マット又は織布(ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維又は玄武岩繊維製)をロールから引き出し、まず射出ボックス又は樹脂浴を通して引き、ここで繊維を未反応の液体反応混合物で飽和する。飽和した繊維ストランドを、次に加熱した金型を通して引き、その中で反応混合物を成形し、硬化させる。取出ユニットによって、繊維ストランド及び各々プロファイルの連続的な動きが保証される。
繊維の飽和は、本質的に製造速度を制限する効果を有する。特許文献1及び特許文献2は、繊維の飽和を改善する引抜成形方法に関する。
これとは異なり、本願では、以下で、引抜成形金型内での反応混合物の硬化、及び製造速度の影響について考慮する。
引抜成形金型は、通常、その全長にわたって同一形状の断面を有しており、その長さは通常約1mであり、引抜方向に、温度を個別に調整可能な3つ~6つの加熱ゾーンを有する。加熱ゾーンは、例えばプレート状の電気抵抗加熱要素からなり、これらは、金型の上方及び下方、必要に応じて側方にも押し付けられる。加熱プレートは、熱流を金型内に伝導し、次いでそこから、移動する飽和した繊維ストランド中に伝導する。繊維ストランド中の温度の上昇によって、マトリクス樹脂の化学反応が促進される。目的は、安定したプロファイルを提供するために十分に高い硬度レベルを、引抜成形金型の終端で達成することである。しかし、製造速度が増大すると、加熱した金型内での繊維ストランドの滞留時間が短くなるため、反応に使用可能な時間がより短くなり、金型の終端において達成される硬度レベルがより低下する傾向がある。そのため、より短い滞留時間を補うために、製造速度によって必要とされるように加熱プレートの温度を調整する(より高い製造速度についてより高温)。しかし、繊維ストランド内では伝導性熱伝達が比較的小さく、同様に加熱しなければならない強化繊維の割合が大きいため、繊維ストランドの断面内及び各々プラスチックプロファイルの断面内の温度及びしたがって硬化レベルには局所的な差が存在する。これは、厚肉のプロファイルの場合に特に顕著に見られる。繊維ストランド内の温度プロファイル及び反応転化率プロファイルの不均一性が増大するほど、部材欠陥例えば反り又は割れの発生確率が増大する。この影響は、金型外側の温度が更に増大すると、更に増幅される。さらに、マトリクスの分解を避けるためには、或る特定の内部温度を超えないことが不可欠である。その上、例えば取出力のレベルに関連して、所謂ゲル化ゾーンの長さ及び位置も、プロセス安定性にとって重要である。これらの2つの基準は、引抜速度及び金型温度にも影響される。そのため、一方で製造速度と、他方で製品品質及び各々プロセス品質との間に、目的の対立がある。
この目的の対立は、通常、製造試験における反復プロセスにおいて、満足のいくプロセス点が見出されるまで、引抜速度及び金型温度を変更することによって解決される。この手順は、多大な時間及び材料コストを伴い、新たな化学系毎、プロファイルジオメトリ毎、及び金型構成毎に繰り返さなければならない。さらに、要求される部材品質を提供する引抜速度の上限を見つけることは困難である。さらに、部材欠陥の中には製造後いくらかの時間が経過しないと明らかにならないものもあり、これは製品廃棄の増大をもたらし得る。
したがって、上記のような欠点のない、十分に高い部材品質での最大化された製造速度に関して理想的な金型温度を特定することができる方法を開発することが望まれている。
欧州特許出願公開第0712716号 欧州特許出願公開第3466659号
本発明の目的は、簡単なやり方で製造速度を最大化し、同時に、得られる製品の良好な品質を維持することが可能な引抜成形方法を提供することであった。
驚くべきことに、引抜成形プロセスの時間及び温度に依存した反応性プラスチック系の反応経過のモデル化に基づいて、特に、金型内の伝導性熱伝達過程をシミュレートし、さらに繊維ストランド内の任意の所望の位置について、得られる温度状態及び反応状態をシミュレートするシミュレーション支援方法によって、この目的を達成することが可能であった。本発明によって用いられるシミュレーションにより、製造速度と金型温度との任意の所望の組合せについて、要求される部材品質、最小転化率、最大温度、及びさらにプロファイル内で許容される温度差及び転化率差が維持されるか否かを予測することができる。さらに、上記の手段により、異なる加熱プレート、及び、プロファイル内に中空室を形成するために金型内に必要とされ得る中子を有する金型の熱的な設計をチェックし、最適化することができる。上述の反復プロセスは、金型の構築段階が終了するより前に、コンピュータシミュレーションによって実行することができる。上記手段により、驚くべきことに、例えば自己学習アルゴリズムに基づく、最新の最適化ソフトウェアを用いることにより、理想的な解を見出し、所与のプロファイル-金型構成に関して最大可能な製造速度を見出すことが可能であった。本発明による方法によって決定した解を、その後の製造に簡単なやり方で適用することが可能であった。さらに、以下に記載のシミュレーション支援方法によって、あり得る製造速度の大きさを事前に仮想的に保証することができ、したがって、引抜成形プロファイルについてのより良いコスト見積もりを提供することができる。
本発明は、連続繊維、連続繊維束(ロービング)又は半完成織物製品と、液体反応性樹脂混合物(反応性プラスチック系)とをベースとした繊維強化プラスチックプロファイルを製造する引抜成形方法であって、
i) 連続繊維、連続繊維束又は半完成織物製品を、射出ボックス又は樹脂浴の中を通して引く工程と、
ii) 連続繊維、連続繊維束又は半完成織物製品を飽和させるために、液体反応性樹脂混合物を射出ボックス又は樹脂浴中に投入する工程と、
iii) 繊維強化プロファイルを形成しつつ反応性樹脂混合物を硬化させるために、飽和した連続繊維、連続繊維束又は半完成織物製品を射出ボックス又は樹脂浴から、温度制御可能な金型の室中に引く工程と、
iv) 室から繊維強化プロファイルを引き出す工程と、
を含み、
a) 少なくとも1回の予備実験において、反応性樹脂混合物の成分を、時間tにおいて、開始温度Tにおいて混合し、少なくとも2つの更なる時間t及びtにおいて、対応する温度T及びT並びにさらに反応転化率r及びrを、反応性樹脂混合物中の成分の反応中に決定し、
b) 用いた反応性樹脂混合物の任意の所望の開始条件に対する温度及び反応転化率の時間に関連した変化を表す、設定した熱力学計算モデルのパラメータの決定のために、a)で決定した測定値を用い、
c) 有限要素法(FEM)シミュレーションソフトウェア(例えば、ABAOUS(商標))において、b)で決定したパラメータと、熱力学計算モデルと、プラスチックプロファイル及びさらに引抜成形金型のジオメトリデータとを用いて、工程iii)に記載の硬化方法をシミュレートし、
d) c)で行ったシミュレーションを用いて、反復方法において、室の入口及び室の更なるセクションにおける、設定した品質特性を満たしつつ最大可能な生産速度を可能とする最適化された金型温度を決定し、
e) 室内の最適化された金型温度を用いて、引抜成形を行う、
ことを特徴とする、引抜成形方法を提供する。
設定される品質特性は、好ましくは、
プラスチックプロファイルにおいて室の終端で達成されるべき目標とされる最小転化率rmin、及び/又は、
プラスチックプロファイルにおいて室の終端で平均して存在するべき目標とされる平均転化率raverage、及び/又は、
プラスチックプロファイルにおいて室内の全ての点で超えるべきではない目標とされる最大温度Tmax、及び/又は、
プラスチックプロファイルにおいて室の終端で超えることが許されない最大温度差ΔTmax、及び/又は、
プラスチックプロファイルにおいて室の終端で超えることが許されない最大転化率差Δrmax、及び/又は、
超えるべきではない目標とされる金型内のゲル化ゾーンの長さLgel、及び/又は、
或る特定の領域内にあるべき目標とされる金型内のゲル化ゾーンの位置xgel
である。
図1は、本発明によってFEM計算をどのように行うかを示すフロー図である。
本発明による方法の個々の工程について、以下に詳細に説明する。
まず、用いる反応性プラスチック系(反応性樹脂混合物)の発熱反応挙動を表す必要がある。反応系を表すための既知のアプローチから出発して、発熱性の反応性プラスチック系を表す半経験的なアプローチを、以下の微分方程式に基づいて展開した:
(1) dr/dt=ktot・(1-r)
(2) 1/ktot=1/kkin+1/kdiff
(3) kkin=k・exp[-E/RT]+kauto,0・exp[-Eauto/RT]・r
(4) kdiff=kdiff,0・exp[-Ediff/RT]・(xdiff+(1-xdiff)/(1+(exp[r-rinfl])))
(5) dT/dt=ΔTad・dr/dt
定義は以下の通りである。
rは反応転化率(工程a)で計算及び/又は測定され、熱力学モデルにおけるパラメータ決定のために用いられ、工程c)でシミュレートされる)であり、
tは時間(工程a)で測定され、工程c)で設定される)であり、
totは全体の速度定数(式(2)に従って工程b)及びc)で計算される)であり、
nは反応次数(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
kinは動的速度定数(それぞれの場合、式(3)に従って工程b)及びc)で計算される)であり、
diffは拡散速度定数(それぞれの場合、式(4)に従って工程b)及びc)で計算される)であり、
は動的前指数因子(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
は動的活性化エネルギ(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
Rは一般気体定数であり、
Tは反応性樹脂混合物の温度(工程a)で測定され、工程c)で計算される)であり、
auto,0は自己触媒前指数因子(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
autoは自己触媒活性化エネルギ(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
mは自己触媒指数(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
diff,0は拡散前指数因子(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
diffは拡散活性化エネルギ(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
diffは拡散速度定数の減少に関する値(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
inflはゲル化率(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
pは拡散指数(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
ΔTadは断熱温度上昇(好ましくは工程a)で測定される)である。
また、代替の熱力学計算モデルとして、以下の連立微分方程式、すなわち、
(1) dr/dt=ktot・(1-r)
(2) 1/ktot=1/kkin+1/kdiff
(3) kkin=kT/h・exp[-ΔHkin/RT+ΔSkin/R]+kT/h・exp[-ΔHauto/RT+ΔSauto/R]・r
(4) kdiff=kT/h・exp[-ΔHdiff/RT+ΔSdiff/R]・(xdiff+(1-xdiff)/(1+(exp[r-rinfl])))
(5) dT/dt=ΔTad・dr/dt
を用いることもでき、
式中、
rは反応転化率(工程a)で計算及び/又は測定され、工程b)で熱力学モデルにおけるパラメータ決定のために用いられ、工程c)でシミュレートされる)であり、
tは時間(工程a)で測定され、工程c)で設定される)であり、
totは全体の速度定数(式(2)に従って工程b)及びc)で計算される)であり、
nは反応次数(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
kinは動的速度定数(それぞれの場合、式(3)に従って工程b)及びc)で計算される)であり、
diffは拡散速度定数(それぞれの場合、式(4)に従って工程b)及びc)で計算される)であり、
はボルツマン定数であり、
hはプランク定数であり、
ΔHkinは動的活性化エンタルピー(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
ΔSkinは動的活性化エントロピー(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
Rは一般気体定数であり、
Tは反応性樹脂混合物の温度(工程a)で測定され、工程c)で計算される)であり、
ΔHautoは自己触媒活性化エンタルピー(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
ΔSautoは自己触媒活性化エントロピー(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
mは自己触媒指数(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
ΔHdiffは拡散活性化エンタルピー(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
ΔSdiffは拡散活性化エントロピー(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
diffは拡散速度定数の減少に関する値(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
inflはゲル化率(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
pは拡散指数(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
ΔTadは断熱温度上昇(好ましくは工程a)で測定される)である。
工程b)の実行前に、計算すべきパラメータに関する値の範囲を、物理的に達成可能な値に制限する必要がある。これらの値の範囲は、一般に入手可能な文献に見出すことができる。上記の値の範囲からの値を微分方程式に用いることができ、こうして計算した反応転化率及び温度を工程a)で測定した値と比較し、計算した反応転化率及び温度と、測定した反応転化率及び温度とが最大限一致するまで反復を続ける。このようにして、微分方程式を工程a)で測定したデータに合わせる。
上述のパラメータのほとんどは、最初に一般的なモデルを、例えば特定の反応性プラスチック系に合わせるために、或る特定の限界値内で変化させることができる。これは、様々な開始温度(例えば、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃)を用いた予備実験において、表される反応性プラスチック系の反応中の温度及び転化率の複数回の測定によって達成する。モデルのパラメータの変化により、測定した温度経過及び転化率経過を最もよく表す値を特定することができる。パラメータ値の可能な組合せは無限に近い大きい数になるため、例えば、Microsoft Excelの所謂Excel Solverを使って理想的な解を求めることができる。複数の開始値及びそれに関連する勾配法を用いて、モデルと測定値との差を残差平方和(sum-of-squared-errors)法によって最小化するパラメータ値の組合せをExcel Solverによって求めることができる。準断熱的予備実験において、様々な開始温度(材料温度及び環境温度の両方)について温度経過及び転化率経過を測定する。このために、反応混合物を一緒にし、混合し、断熱容器内に投入し、反応中に容器の中央部で温度を測定する。様々な時間でのスポット測定を、反応中の反応転化率の変化をモニタする目的で好ましく用い得る(例えば、反応性ポリウレタン系の場合、NCO含有量を決定するためにIR測定によって)。代替で、転化率は、例えば、式(5)に従って、温度上昇ΔTadから決定し得る。
化学系についてモデルのパラメータが目的とされる場合、該モデルは、断熱条件下での任意の所望の温度経過についての純粋な反応系の反応の進行を表す。しかし、実際の引抜成形プロセスは何倍も複雑である。反応性プラスチック系を強化繊維と混合し、様々な温度ゾーンを有する加熱金型の中を通して引くため、境界条件が常に変化し、金型から/金型への熱伝達が生じる。
この複雑なプロセスを表すために用いるシミュレーションモデルは、技術的に広く使われている有限要素法(FEM)である。以下、図1を参照して、シミュレーションのシーケンスの基本をより詳細に説明する。図1は、本発明によってFEM計算をどのように行うかを示すフロー図である。
工程101において、引抜成形プロファイルのジオメトリを用い、CAD(コンピュータ支援設計)ソフトウェアにおいて、様々な加熱プレート、及びプロファイル内に中空室を形成するために用いられ得る中子を有する、これに必要な金型を構築する。
工程102において、FEMネットワークを生成するために、慣用従来技術に従ってCADデータを用いる。熱計算のために、金型、加熱プレート、及び存在し得る中子の材料に関するデータ(例えば熱容量、熱伝導性、密度)を定義する。さらに、熱交換が生じる全ての面について、対応する境界条件(例えば温度、熱流値、熱伝導率)を定義する。勿論、考慮すべき更に別の因子は、構成要素間の相互の熱交換であり、例えば、加熱プレートと金型との間、及び金型と引抜成形プロファイルとの間の熱交換である。
工程103において、開始条件、例えば、様々な加熱プレートの温度又は加熱能力、金型、及び引抜速度を定義する。
工程iii)に記載したように、半完成製品を、繊維強化プロファイルの形成を伴う反応性樹脂混合物の硬化のために、射出ボックス又は樹脂浴から、温度制御可能な金型の室中に引く。そのために、工程105において、金型の室中を通る繊維強化プロファイルの材料の輸送を、静止した金型内を通る対流物質輸送としてシミュレートする。物質輸送速度を、工程103では引抜速度の定義によって定義する。
熱流は加熱プレートから金型内に伝導し、そこから、移動する飽和した繊維ストランド内に伝導する。繊維ストランド内の温度上昇が、マトリクス樹脂の化学反応を促進し、その反応は発熱性であるために熱を放出し、繊維ストランド内の更なる温度上昇をもたらす。そのために、反応性プラスチック系の反応経過の熱力学モデルが、工程104における数学的記述に必要となる。式(1)~(5)の半経験的なアプローチが特に有利であることが明らかとなった。工程105において、該アプローチは市販のFEMソフトウェア、例えばABAQUS(商標)に統合されている。ABAQUS(商標)において、これらの式は、繊維ストランドの対流物質輸送を考慮して、所謂「User Subroutines」においてモデル化することができ、これらは、プラスチックマトリクスの化学反応のみを表す。繊維自体は反応に関与しないが、繊維及びマトリクスの総体積におけるその体積割合に比例して、その密度、熱容量、熱伝導性に従って熱を吸収する。
工程106において、工程105で定義した金型内を通る繊維ストランドの動きを特に考慮して、熱輸送プロセス及び加熱プロセスを表すための既知の物理法則を用いて、寄与する構成要素(加熱プレート、金型、用いられ得る中子、及び繊維ストランド)の熱交換の実際のFEM計算を行う。
シミュレーションによって、金型に沿った繊維ストランド内の特定(例えばプロファイルの中心、プロファイルの角)の点についての反応転化率r及び温度Tの経過だけでなく、引抜方向における特定の位置についてのプロファイルの断面内のその分布も得られる。特に、製造方向における特定の位置(例えば、繊維ストランドが室に入ってから0.5m)では、存在する反応転化率及び温度はプロファイル断面全体内で同じではなく、代わりに、存在する温度及び反応転化率はプロファイルの中心よりもプロファイルの端でより高くなる、又はその逆である場合があることに留意すべきである。
繊維ストランド/プラスチックプロファイル部分内の温度及び反応転化率について計算した値は、以下に定義する品質特性を決定するために用いることができ、それに基づいてプロセスの品質、さらには製造されるプロファイルの品質をも評価し、比較することが可能である。引抜方向における特定の位置での反応転化率及びさらに温度の値の他に、重要な別の因子は、所謂ゲル化ゾーンの長さ及び位置である。ゲル化率rinflに達すると、反応混合物は液体から固体状態に変化する。ゲル化ゾーンとは、反応混合物がゲル化率を達成する引抜成形金型内の領域のことである。ゲル化率は引抜成形金型の長さに沿った異なる位置でのプロファイル断面内の様々な位置で達成されるため、ゲル化ゾーンは細長い三次元の領域である。ゲル化ゾーンの長さは、この領域が引抜方向にどれだけ延在しているかを示す。また、ゲル化ゾーンの位置は、この領域が引抜成形金型内のどこにあるかを示す。
シミュレーションモデルを、基礎的な材料モデルとともに用いて、上記のように、プロセスパラメータの最適化を行うことができる。最適化のために、その特性のうちの少なくとも1つ又は複数が達成されるべき目標とされる品質特性を定義する。これらは例えば、以下のものであり得る:
プラスチックプロファイルにおける断面内の全ての点において室の終端で少なくとも達成されるべき目標とされる最小転化率rmin
プラスチックプロファイルにおける室の終端で平均して存在するべき目標とされる平均転化率raverage。平均転化率は、プラスチックプロファイルの断面内の全ての反応転化率値の平均値である;
プラスチックプロファイルにおける室の終端で超えることが許されない最大転化率差Δrmax。転化率差は、プロファイル断面内の最大の転化率値と最小の転化率値との差である;
室内の全ての点で超えるべきではない目標とされる最大温度Tmax
プラスチックプロファイルにおける室の終端で超えることが許されない最大温度差ΔTmax。温度差は、プロファイル断面内の最大温度値と最低温度値との差である;
超えるべきではない目標とされる金型内のゲル化ゾーンの長さLgel。ゲル化ゾーンの長さは、プロファイル断面内の各点がゲル化率を達成した三次元領域が、引抜方向にどれだけ延在しているかを示す;及び/又は、
金型内の、特定の領域内にあるべき目標とされるゲル化ゾーンの位置xgel
ゲル化ゾーンの位置は、プロファイル断面内の各点がゲル化率を達成する三次元領域の、引抜成形金型内の位置を示す。
個々の、又は全ての品質特性について、反応性プラスチック系に依存した数値を設定することが可能であり、これは、経験によれば必要な部材品質及び各々プロセス安定性に導くことが示されている。これらの値は、シミュレーション及び各々最適化のための目標値を形成する。
工程107は、工程106における結果が目標値とどの程度合っているかを示す比較を含む。目標値が達成されない場合、工程103において、特に加熱プレート温度の定義を変更して計算を繰り返す。
計算した温度変化のいずれによっても目的が達成されない場合、直近に成功した引抜速度を、それに伴う加熱ゾーンに沿った温度分布とともに、工程108から工程109に渡し、これらの値を製造開始に用いることができる。
工程107において目標値を満たす温度の組合せがある場合、工程108において引抜速度を増大させ、点103から計算を繰り返す。
記載した最適化(工程c)によるシミュレーション、及び工程d)による反復)は、少なくとも2通りのモードで実現することができる:
i) 手動モード:このモードは、個々のプロセスパラメータの変更(例えば、ゾーン2における加熱プレート温度の上昇)、及びさらに複数のプロセスパラメータの同時変更がシミュレーション結果に与える影響を検討することから始まる。これ(This load)は、様々な製造速度に対して実施することができる。工程107におけるシミュレーション結果と目標値との連続的な比較に基づいて、目標値に好影響を与える特にそれらのパラメータを特定して変更することができる。したがって、反復を繰り返して、製造速度を最大化するための少なくとも1つの有利な解を見出す。
ii) 自動化及びソフトウェア支援モード:市販のソフトウェア(例えばoptiSLang)を、i)に記載の手動の反復及び最適化を実行するために用いることもできる。該ソフトウェアは、以下の工程のシーケンスを自動的に実行する:「プロセスパラメータの定義(103)」-「シミュレーションモデルを用いた転化率及び温度の計算(106)」-「目標値との比較(107)及び引抜速度の増大(108)」-「次のシミュレーションのための新たなプロセスパラメータの定義(103)」。ソフトウェアによっては、例えば自己学習アルゴリズムを用いて、プロセスパラメータとシミュレーション結果との関係を自動的に決定し、理想的な解を見出すことができるものもある。
FEMシミュレーションから、他の重要な知見、例えば加熱ゾーンの能力、数及び長さが十分であるかどうかを得ることもできる。同様に、非定常計算を用いて、製造開始時の起動状態から定常状態の製造動作を達成するまでに必要な時間を推定することもできる。したがって、該起動状態の短縮に対する技術的手段の有効性、例えば、加熱能力の増大、金型表面及び加熱プレート表面からの熱損失の減少を評価することができる。
上記の計算及びシミュレーションの後、繊維強化プラスチック引抜材を製造するために、以下のやり方で引抜プロセスを行う:
連続繊維、連続繊維束又は半完成織物製品を、射出ボックス又は樹脂浴の中を通して引く。連続繊維、連続繊維束又は半完成織物製品を飽和させるために液体反応性樹脂混合物を、射出ボックス又は樹脂浴に投入する。飽和した連続繊維、連続繊維束又は半完成織物製品を、繊維強化プロファイルの形成を伴う反応性樹脂混合物の硬化のために、射出ボックス又は樹脂浴から温度制御可能な金型の室中へと引く。この間、金型の長さに沿った温度を、計算した温度に従って調整し、計算した引出速度を設定する。繊維強化プロファイルを、室から引き出し、冷却後、所望の長さに切断する。
本願の目的のために、「連続繊維」の表現は、当業者に知られている繊維を意味し、例えば、無機繊維、有機繊維、金属繊維、天然繊維、好ましくはガラス繊維及び炭素繊維、特に好ましくはガラス繊維を意味する。「連続繊維」の表現は、少なくとも数メートルの長さを有する繊維材料を意味する。該繊維は、例えば、ロール又はスプールから巻き出される。ここで使用可能な繊維材料は、単繊維、所謂繊維ロービング、編組繊維、繊維マット、敷設繊維スクリム、及び繊維織布を含む。特に、繊維複合材料、例えば編組繊維、撚糸繊維又は繊維織布の場合、これらの繊維複合材料中に存在する複数の単繊維の中に、より短い単繊維も存在してもよい。しかし、繊維複合材料自体は、連続材料の形態を取らなければならない。本発明の好ましい実施形態において、ガラス繊維は繊維ロービングの形態で用いられる。
プラスチックプロファイルの製造には、反応性ポリウレタン混合物又はポリイソシアヌレート混合物ベースの液体反応性樹脂混合物を用いることが好ましい。このような反応性ポリウレタン混合物は、好ましくは、
ポリイソシアネート成分(A)と、
以下のもの、すなわち、
b1)ポリオール、
b2)任意選択で、鎖延長剤及び/又は架橋剤、
b3)任意選択で、触媒、
b4)任意選択で、助剤及び/又は添加剤、
から構成されるポリオール成分(B)と、
内部離型剤(C)と、
を含む。
ポリウレタン引抜材は、好ましくは、40体積%~80体積%の連続繊維を含む。ポリウレタン樹脂の密度は、好ましくは1.05g/cm超である。
引抜成形法に使用可能な反応性ポリウレタン混合物は、文献から既知であり、これに詳細に記載されている。
引抜成形法に使用可能な液体ポリイソシアヌレート混合物は、例えば、有機脂肪族及び/又は芳香族ポリイソシアネートであり得る。
本発明を、以下の実施例を参照してより詳細に説明する。
以下の反応性ポリウレタン系を用いた:
プロピレンオキシドベースの28.5重量%のグリセロール開始ポリエーテル(OH価235mgKOH/g)、プロピレンオキシドベースの26重量%グリセロール開始ポリエーテル(OH価1050mgKOH/g)、プロピレンオキシドベースの23.8重量%のグリセロール開始ポリエーテル(OH価400mgKOH/g)、プロピレンオキシドベースの9.8重量%のプロピレングリコール開始ポリエーテル(OH価28mgKOH/g)、及び、プロピレンオキシドベースの9.3重量%のプロピレングリコール開始ポリエーテル(OH価515mgKOH/g)、並びにさらに、2重量%のMOLSIV(商標)L-粉末(UOP社製、ゼオライトタイプAのアルミノケイ酸カリウムカルシウムナトリウム)、及び0.67重量%のジイソオクチル2,2’-[(ジオクチルスタニレン)ビス(チオ)]ジアセテート(例えば、Formrez UL-29)(触媒として)から構成される、100重量部のポリエーテルポリオール混合物。
20℃で約290mPa・sの粘度、2.9の官能価、及び31.4%のNCO含有量を有する、モノマー及びポリマーのジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)から構成される、135重量部の混合物。
4重量部のTech-Lube HB-550-D(内部離型剤)。
連続繊維として以下のものを用いた:線密度4800texの一方向性ガラス繊維ロービング。シミュレートしたプロファイルの重量ベースの繊維含有率は80%であった。
上述したように、用いたポリウレタン系の化学反応中の温度、及びさらに反応転化率の時間に関係した変化を、開始温度30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、及び80℃での予備実験で測定した。反応性樹脂混合物中の温度及び反応転化率の時間に関係した変化を最もよく表す、予め定義した熱力学モデルのパラメータを決定するために、Excel Solverを用いた。
用いたポリウレタン系を表すための理想的なパラメータは以下のものである:
Figure 2022533019000002
次いで、電気加熱要素を含む引抜成形金型を、ABAQUS(商標)FEMシミュレーションソフトウェアでモデル化した。該モデルは以下の詳細を含む:
引抜成形金型の長さ:1000mm
引抜成形金型の高さ:90mm
引抜成形金型の幅:220mm
引抜成形金型によって製造するプロファイルのジオメトリ:幅115mm及び厚さ3mmの矩形プロファイル
各長さ75mmの加熱要素12個を、上方に6個及び下方に6個互いに対向させて、引抜成形金型の長さにわたって均等に配置した。製造試験では同一の長手方向位置にある加熱プレートの温度は同一となるように設定し、これにより、互いに独立した6つの発熱ゾーン温度が得られる。
引抜成形金型のFEMシミュレーションモデル、決定し設定された熱力学モデル、及び特定の加熱プレート温度、得られるプロファイルの体積当たりの繊維含有量、及びさらに引抜速度を用いて、繊維ストランドが引抜成形金型内を通る間の温度及び反応転化率の時間に関係する変化、及び各々位置に関係する変化を計算した。
シミュレーションモデルの評価のために、プロファイル内の様々な位置に関する温度、及びさらに、2つの異なる引抜速度について計算した曲線を、実際のプロセスにおける温度の測定値と比較した。
比較によって、シミュレーションと測定との間にはわずかな差しかないことが明らかにとなり、シミュレーションモデルが現実を十分に正確に表していると推測することができる。
合計3回の上記のようなシミュレーションを、例えばDassault Systemes社(仏国)のABAQUS(商標)R2016x HotFix 9 FEMソフトウェアを用いて、異なるプロセスパラメータを用いて実施した。そのパラメータは以下のものであった:
Figure 2022533019000003
値HT1は、繊維ストランドが金型の室に入る、金型の入側端部に位置する加熱プレートの温度である。HT2は、製造方向における次の加熱プレートの温度であり、以下も同様である。HT6は、繊維ストランドが金型の室から吐出される、金型の終端にある加熱プレートの温度である。
シミュレーション#2における製造速度は、#1よりも高かった。シミュレーション#3における加熱ゾーンの温度は、#2よりも高かった。目的は、設定された品質特性に悪影響を与えずに製造速度を最大化可能とすることであった。
金型の室内に入るときの繊維ストランドに関する設定した初期温度は25℃であり、設定した初期反応転化率は0であった。
以下の値を目標値として設定した:
吐口断面における平均転化率raverage>0.8
金型内の全ての点においてプロファイル断面内で超えるべきではない目標とされる最大温度:Tmax<200℃
シミュレーション#1における0.5m/分の製造速度での吐口断面で計算した平均転化率raverage,1は0.9であった。金型内の最大温度Tmax,1は178.9℃であった。したがって、いずれの目標値も達成した。しかし、加熱ゾーンの温度を同じ温度として製造速度を1.5m/分に上げた場合(シミュレーション#2)、平均転化率raverage,2は0.76しか達成されなかった。この転化率は設定した目標値を下回った。最大温度Tmax,2は181.1℃であった。それでも製造速度1.5m/分で設定した転化率を達成するために、シミュレーション#3では加熱ゾーンの温度を上昇させた。これにより、計算した転化率raverage,3は0.84となり、したがって設定した目標値を達成した。最大温度Tmax,3は195.7℃であり、上限の200℃を下回った。したがって、本発明による手順により、目標値を満たしつつ製造速度の向上が可能な、この金型の最適な温度設定が特定可能であった。最適化した金型温度により、良好な引抜成形を実現でき、高品質の引抜成形品を得ることができた。

Claims (7)

  1. 連続繊維、連続繊維束(ロービング)又は半完成織物製品と、液体反応性樹脂混合物とをベースとした繊維強化プラスチックプロファイルを製造する引抜成形方法であって、
    i) 連続繊維、連続繊維束又は半完成織物製品を、射出ボックス又は樹脂浴の中を通して引く工程と、
    ii) 前記連続繊維、前記連続繊維束又は前記半完成織物製品を飽和させるために、前記液体反応性樹脂混合物を前記射出ボックス又は前記樹脂浴中に投入する工程と、
    iii) 前記繊維強化プロファイルを形成しつつ前記反応性樹脂混合物を発熱硬化させるために、飽和した前記連続繊維、前記連続繊維束又は前記半完成織物製品を前記射出ボックス又は前記樹脂浴から、温度制御可能な金型の室中に引く工程と、
    iv) 前記室から前記繊維強化プロファイルを引き出す工程と、
    を含み、
    a) 少なくとも1回の予備実験において、前記反応性樹脂混合物の前記成分を、時間tにおいて、開始温度Tにおいて混合し、少なくとも2つの更なる時間t及びtにおいて、対応する温度T及びT並びにさらに反応転化率r及びrを、前記反応性樹脂混合物中の前記成分の前記発熱反応中に決定し、
    b) 用いた前記反応性樹脂混合物の任意の所望の開始条件に対する温度及び反応転化率の時間に関連した変化を表す、設定した熱力学計算モデル(104)のパラメータの決定のために、a)で決定した前記測定値を用い、
    c) 有限要素法(FEM)シミュレーションソフトウェア(102、103、105)において、b)で決定した前記パラメータと、前記熱力学計算モデル(104)と、前記プラスチックプロファイル及び前記引抜成形金型(101)のジオメトリデータとを用いて、工程iii)に記載の前記発熱性硬化方法(106)をシミュレートし、
    d) c)で行った前記シミュレーションを用いて、反復方法(107、108)において、前記室の入口及び前記室の更なるセクションにおける、設定した品質特性を満たしつつ最大可能な生産速度を可能とする最適化された金型温度を決定し、
    e) 前記室内の前記最適化された金型温度を用いて、前記引抜成形を行う(109)、
    ことを特徴とする、引抜成形方法。
  2. 工程a)において、
    a1) 前記反応性樹脂混合物の前記成分の前記温度を前記温度Tに制御し、この温度で前記時刻tにおいて前記成分を混合し、
    a2) 少なくとも2つの更なる時間t及びt、好ましくは3つ以上の更なる時間t~tにおいて、対応する温度T及びT、好ましくは3つ以上の更なる温度T~Tを測定し、
    a3) 2つの転化率r及びr、好ましくは3つ以上の転化率r~rを、前記反応中、a2)で特定した時間又は更なる時間において、計算及び/又は測定し、
    前記予備実験のための前記測定データを得るために、前記工程a)を、Tとは異なる開始温度について少なくとも1回、好ましくは2回~5回行う、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の引抜成形方法。
  3. 工程b)において熱力学計算モデル(104)として、以下の連立微分方程式、すなわち、
    (1) dr/dt=ktot・(1-r)
    (2) 1/ktot=1/kkin+1/kdiff
    (3) kkin=k・exp[-E/RT]+kauto,0・exp[-Eauto/RT]・r
    (4) kdiff=kdiff,0・exp[-Ediff/RT]・(xdiff+(1-xdiff)/(1+(exp[r-rinfl])))
    (5) dT/dt=ΔTad・dr/dt
    を用い、
    式中、
    rは反応転化率(工程a)で計算及び/又は測定され、工程b)で前記熱力学モデルにおけるパラメータ決定のために用いられ、工程c)でシミュレート(106)される)であり、
    tは時間(工程a)で測定され、工程c)で設定される)であり、
    totは全体の速度定数(式(2)に従って工程b)及びc)で計算される)であり、
    nは反応次数(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
    kinは動的速度定数(それぞれの場合、式(3)に従って工程b)及びc)で計算される)であり、
    diffは拡散速度定数(それぞれの場合、式(4)に従って工程b)及びc)で計算される)であり、
    は動的前指数因子(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
    は動的活性化エネルギ(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
    Rは一般気体定数であり、
    Tは反応性樹脂混合物の温度(工程a)で測定され、工程c)で計算される)であり、
    auto,0は自己触媒前指数因子(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
    autoは自己触媒活性化エネルギ(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
    mは自己触媒指数(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
    diff,0は拡散前指数因子(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
    diffは拡散活性化エネルギ(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
    diffは拡散速度定数の減少に関する値(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
    inflはゲル化率(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
    pは拡散指数(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
    ΔTadは断熱温度上昇(好ましくは工程a)で測定される)であり、
    このようにして計算した値を工程a)で測定した値と比較し、前記計算した値と前記測定した値とが最大限一致するまで、この手順を繰り返す、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の引抜成形方法。
  4. 工程b)において熱力学計算モデル(104)として、以下の連立微分方程式、すなわち、
    (1) dr/dt=ktot・(1-r)
    (2) 1/ktot=1/kkin+1/kdiff
    (3) kkin=kT/h・exp[-ΔHkin/RT+ΔSkin/R]+kT/h・exp[-ΔHauto/RT+ΔSauto/R]・r
    (4) kdiff=kT/h・exp[-ΔHdiff/RT+ΔSdiff/R]・(xdiff+(1-xdiff)/(1+(exp[r-rinfl])))
    (5) dT/dt=ΔTad・dr/dt
    を用い、
    式中、
    rは反応転化率(工程a)で計算及び/又は測定され、工程b)で前記熱力学モデルにおけるパラメータ決定のために用いられ、工程c)でシミュレート(106)される)であり、
    tは時間(工程a)で測定され、工程c)で設定される)であり、
    totは全体の速度定数(式(2)に従って工程b)及びc)で計算される)であり、
    nは反応次数(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
    kinは動的速度定数(それぞれの場合、式(3)に従って工程b)及びc)で計算される)であり、
    diffは拡散速度定数(それぞれの場合、式(4)に従って工程b)及びc)で計算される)であり、
    はボルツマン定数であり、
    hはプランク定数であり、
    ΔHkinは動的活性化エンタルピー(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
    ΔSkinは動的活性化エントロピー(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
    Rは一般気体定数であり、
    Tは反応性樹脂混合物の温度(工程a)で測定され、工程c)で計算される)であり、
    ΔHautoは自己触媒活性化エンタルピー(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
    ΔSautoは自己触媒活性化エントロピー(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
    mは自己触媒指数(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
    ΔHdiffは拡散活性化エンタルピー(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
    ΔSdiffは拡散活性化エントロピー(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
    diffは拡散速度定数の減少に関する値(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
    inflはゲル化率(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
    pは拡散指数(工程b)で計算されるパラメータ)であり、
    ΔTadは断熱温度上昇(好ましくは工程a)で測定される)であり、
    このようにして計算した値を工程a)で測定した値と比較し、前記計算した値と前記測定した値とが最大限一致するまで、この手順を繰り返す、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の引抜成形方法。
  5. 設定される前記品質特性は、
    前記プラスチックプロファイルにおいて前記室の終端で達成されるべき目標とされる最小転化率rmin、及び/又は、
    前記プラスチックプロファイルにおいて前記室の終端で平均して存在するべき目標とされる平均転化率raverage、及び/又は、
    前記プラスチックプロファイルにおいて前記室内の全ての点で超えるべきではない目標とされる最大温度Tmax、及び/又は、
    前記プラスチックプロファイルにおいて前記室の終端で超えることが許されない最大温度差ΔTmax、及び/又は、
    前記プラスチックプロファイルにおいて前記室の終端で超えることが許されない最大転化率差Δrmax、及び/又は、
    超えるべきではない目標とされる前記金型内の前記ゲル化ゾーンの長さLgel、及び/又は、
    或る特定の領域内にあるべき目標とされる前記金型内の前記ゲル化ゾーンの位置xgel
    であることを特徴とする、請求項1に記載の引抜成形方法。
  6. 前記液体反応性樹脂混合物は、有機脂肪族及び/又は芳香族ポリイソシアネートと、イソシアネート基に対して反応性の少なくとも2つの基を有する化合物とをベースとする反応性ポリウレタン混合物であることを特徴とする、請求項1に記載の引抜成形方法。
  7. 前記液体反応性樹脂混合物は、有機脂肪族及び/又は芳香族ポリイソシアネートをベースとする反応性ポリイソシアヌレート混合物であることを特徴とする、請求項1に記載の引抜成形方法。
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