JP2022530982A - 流量計のための流管とハウジング - Google Patents

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Abstract

超音波流量計のための流量計において、入口と出口との間に流体を通過させるための通過開口を有する流管であって、前記入口と前記出口との間に延在する金属などの第1の材料の流路パイプと、前記入口と前記出口との間で前記流路パイプの内面に沿って延在するポリマー系材料などの第2の材料のライナとを備える流管と、変換器及び計測電子機器用の区画を提供するハウジングであって、ハウジングが前記ライナの一体化された部分である界面上に取り付けられることによってライナに接続されるハウジングとを備える、超音波流量計のための流量計。【選択図】図1

Description

本発明は、ハウジングと、オーバーモールド加工された流路パイプを有する流管とを有する、超音波流量計に関する。
超音波流量計は、超音波変換器を利用して、超音波信号を流路を通して伝送し、流量を測定する。超音波変換器の動作は、変換器に電気的に接続された電子回路によって制御される。流量計は、水又は地域暖房などの水道の流量及び消費量を測定するために使用することができる。
種々のタイプの超音波流量計が存在する。金属又は真鍮製の流管に基づくものもあり、他にはポリマーのみで作られるものある。金属製の流管は、強固で水密であるという利点があり、熱い液体と共に使用することができる。しかしながら、金属製の流管は、また、製造するのに比較的に高価であり、好ましくないとしばしば考えられる鉛を含み得る。他方、ポリマー系の流管は、通常、比較的に安価であるが、それほど強くないという欠点を被る可能性がある。また、ポリマー製流管は、給水機の金属製パイプが互いに隔離されるという効果を有する場合があり、これは、給水機の金属製パイプが電気設備の接地システムとして使用される場合があるので、望ましくない場合がある。被覆された内面を有する金属製パイプに基づく流管が知られているが、このような流管に基づく流量計は、特に金属製流路パイプのコストに起因して依然として高価である。
変換器が流管にどのように取り付けられるかに関しては、異なる超音波流量計の概念も存在する。流量計の中には、変換器を受け入れるための開口が設けられた流管に基づいているものもあれば、変換器が外面に取り付けられた切れ目のない流管を使用しているものもある。しかし、外面に変換器を取り付けた流量計は、特に流管径が5mm~15mm(DN5~DN15)の範囲の小型流管径を有する流量計が流管がポリマーから作られている場合にのみ、実用的に可能である。このような流量計では、超音波信号がポリマー製流管の壁を通して伝送され、それによって、流管の封止を必要としない。DN10及びDN25~DN50などの比較的に大きな寸法の流量計の場合、比較的に大きな流管が、典型的には、金属から作られかつ変換器のための開口を有する。特に、金属製の流管を有する流量計は、金属製の流路パイプの内面を覆うライナを有しうる。
流量計は、測定回路、バッテリー及び選択任意の流量変換器を封入するためのハウジングを有する。ハウジングは、ハウジングによって封入された要素を湿度から保護しなければならず、特にハウジング内への水の侵入は防止又は最小限に抑えなければならない。ハウジングはしばしばポリマーから作られ、超音波信号はハウジングの壁を通って流管内に伝送され得る。ポリマーは水拡散のために開口しており、水がハウジングのポリマー壁を通して拡散し、ハウジングによって封入された要素を損傷させる可能性がある。
したがって、金属製の流管及びポリマー製の流管の両方の利点を提供し、かつ、水の侵入からの十分な保護を提供するハウジングと組み合わせることができる、流管を有する流量計が必要とされる。
欧州特許出願公開第1387149号明細書
本発明の目的は、従来技術の上述の課題を解決し、特に、水の浸入を防止するハウジングと、金属製の流管及びポリマー製の流管の両方の利点を利用した流管とを備え、材料を用いてコスト効率が高く汎用的な方法で作製することができる、流量計を提供することである。本発明のさらなる目的は、周囲の測定された流体及び水からの電子部品の遮蔽を改良しかつ流管の腐食、加水分解及び摩耗を防止することによって、寿命が延長される流量計を提供することである。
本発明の第1の態様によれば、超音波流量計が提供される。流量計は、入口と出口の間の流体の通過のための貫通開口を有する流管であって、流管は、前記入口と前記出口との間に延在する、金属材料製の流路パイプと、前記入口と前記出口との間に前記流路パイプの内面に沿って延在する、第1のポリマー系材料のライナとを備える、流管と、変換器及び計測電子機器用の区画を提供するハウジングであって、前記ハウジングが、前記ライナの一体化された部分である界面上に取り付けられることによって前記ライナに接続される、ハウジングとを備える。
本発明は、金属製流路パイプが機械的安定性を提供しかつポリマーライナが加水分解及び拡散に対して高い抵抗力を提供する点で有利である。金属製流路パイプによってもたらされる機械的安定性の増大に起因して、ライナ用のポリマー系の材料に提供する充填材を少なくすることができる。また、強度を提供する金属製の流路パイプとポリマーライナとの組み合わせを使用することによって、ライナに使用されるポリマー系の材料は、より広範囲の安価なポリマーから作ることができる。
ライナは、流管内を流れる流体から金属製の流路パイプを保護し、これにより、流路パイプの腐食を防止する。同時に、流路パイプから金属が流路パイプ内を流れる流体中に溶解することが防止される。
ライナの一部である界面は、別個の予め作製されたハウジングをポリマーライナ上に取り付けることができ、すなわち、ハウジングを金属製の流路パイプ上に取り付けるための要素が必要ないという利点を有する。さらに、ハウジングは、金属又はポリマーとしうる、界面を有するライナとは異なる材料から作られうる。ハウジング用のポリマー系材料は、ライナに使用されるポリマー系材料とは異なってもよい。これは、異なる条件下で異なる流体を測定するために最適化された異なる流量計が、異なる予め作製された流管及びハウジングの集合体から提供され得るという利点を有する。
一例として、ハウジングを、水の拡散に対してより抵抗力のあるポリマー系の材料から作ることが有利であり、それによって、ハウジングによって封入された要素がより良好に保護される。ハウジング内に拡散する水は、流管内を流れる水に限らず、ハウジングの周囲の水も拡散開計ハウジング(diffusion open meter housing)の壁を通って拡散することになるという点に留意すべきである。水道メータなどの流量計が水没したり、流量計の外面に水が結露したりすることがある。
本発明の主旨において、ライナは、さもなければ流体に曝されるであろう、流管の内面のカバーとして理解されるべきである。この界面は、ライナの一体化された部分であり、ライナの一部として理解されるべきものである。
流路パイプは、真鍮、鋼、ステンレス鋼、鋳鉄、アルミニウム、又は、任意の他の適切な金属又は合金で作ることができ、ライナは、ポリマーを含むポリマー系の材料及び充填材から作ることができる。
充填材を有するポリマー系材料は、複合材料とも呼ばれる。本発明の主旨では、ポリマー系の材料又は単なるポリマーは、1つ又は複数のポリマーと選択任意の1つ又は複数の充填材の組成物を有するものと解釈されるべきである。
ポリマー及びポリマーに基づく複合材料は、ポリマーの主鎖を構成する官能基の性質と、その中で使用される任意の充填材の量に応じて変化する、拡散及び加水分解に対する抵抗を有する。ポリマー構造に炭素繊維などの充填材を加えて、その機械的安定性を改良すると、拡散と加水分解に対する安定性が低下する傾向がある。したがって、ポリマー構造に充填材を加えることによって、また、さもなければ水密とみなされるポリマー構造にも充填材を加えることによって、微視的又は原子レベルでの構造への水のアクセスルートを提供し、加水分解及び拡散作用を促進する。
本発明の流路パイプ及びライナを有する流管は、機械的安定性を提供する金属製流路パイプと、ポリマー系の材料により少ない充填材が提供され得るような、加水分解及び拡散に対して高い抵抗性を提供するポリマーライナとによって、この課題に対処する。また、強度を提供する金属製の流路パイプとポリマーライナとの組み合わせを使用することによって、ライナに使用されるポリマー系の材料は、より広範囲の安価なポリマーから作ることができる。
ライナ用のポリマー系材料は、w/w比が1~20%、1~10%、又は1~5%の範囲の充填材を備えうる。このような小さな相対量の充填材により、ライナ材料の優れた機械的特性及び化学的特性を提供する。
ライナは、射出成形によって作製されかつ流路パイプがライナ上に成形されて流管を作成するように、熱可塑性材料で提供することができる。
従って、第1のポリマー系の材料の適切な選択によって、取り扱い及び使用に十分な強度を有する流量計が安価な方法で得ることができる。
このようないわゆるオーバーモールド加工を適用することにより、流管を非常にコスト効率の良い方法で製造することができる。ライナの一体化された部分である界面は、製造コストを低減するライナと同じオーバーモールド加工で界面を設けることができるので、製造を簡素化できるという利点がある。
第1のポリマー系の材料は、ポリプロピレン、すなわちPP、ポリカプロラクタム、すなわちPA6、ポリエチレン、すなわちPE、架橋ポリエチレン、すなわちPEXの内の1つ又は複数に基づきうる。これらのポリマーは、低コストで、オーバーモールド加工での使用が容易であるという利点を有する。しかし、これらのポリマーは、高い機械的強度を有しておらず、水に開放されたある程度の拡散である。第1のポリマー系材料は、グラファイト、カーボン、カーボン繊維、ガラス繊維及び金属粉末の内の1つ又は複数の充填材によって強化された複合材料としうる。充填材により、機械的強度を増加させるが、拡散に対する抵抗を減少させる。
流量計は、第1のポリマー系の材料とは異なる第2のポリマー系の材料で作られたハウジングを有しうる。ハウジングはライナの一体化された部分ではないので、ハウジングは、ライナの製造に使用される材料及び加工以外の材料及び加工を使用して別個の成形加工で製造することができる。したがって、第2のポリマー系の材料から作られたハウジングを有する流量計を有することが有利である。PPS製のハウジングを提供することは特に有利である。PPSは水の拡散に対する抵抗が高く、機械的強度が高いという利点があるが、PP、PA6、PE又はPEXよりも高価である。したがって、PP、PA6、PE又はPEXの内の1つ又は複数を有する第1のポリマー系の材料から作られたライナと、PPSを備える第2のポリマー系の材料から作られたハウジングとの組合せからなる流量計は、PP、PA6、PE又はPEXを使用することによってライナのコストが低減され、PPSを使用することによって、ハウジングが強度に関して最適化されかつハウジング内への水の侵入が最小化される、最適化された解決策を提供する。第2のポリマー系材料は、グラファイト、カーボン、カーボン繊維、ガラス繊維及び金属粉末の内の1つ又は複数の充填材によって強化された複合材料としうる。特に、上記の充填材と組み合わせたPPSは、水拡散に対して非常に抵抗性があることが示されている。このような流量計は、水中に沈めたり、流量計の表面上に水が凝縮したりする、水道メータとして使用するのに特に有利である。また、この組合せは、その外面上に水が凝縮することがあるクーリングメータ(cooling meter)にも有利である。
ヒートメータの場合、材料の組成は、ライナが、いくつかの化学薬品を有する高温流体に適している必要があるのに対し、ヒートメータは、水没せず、水の凝縮を受ける可能性が低いので、ハウジングの水密性は、それほど重要ではない。従って、PES、PSU、PPUの1つ又は複数に基づくポリマーから作られたライナと、PA12、PPA又は代替的にPPSに基づくポリマーから作られたハウジングとを有するヒートメータは、PES、PSU、PPSUが加熱システム内を流れる暖かい流体から流路パイプを保護するのに適しており、特にPA12及びPPAはライナに使用されるポリマーよりも低コストのポリマーであるという点で有利であり得る。
より攻撃性のある化学薬品を備える流体の流れを測定することを目的とした流量計の場合、材料の組成は、より攻撃性のある化学薬品から流路パイプを保護するのに適したライナの必要性が異なりうる。したがって、PEEK、PEK又はPEKに基づくポリマーから作られたライナと、PA12、PPA又は代替的にPPSに基づくポリマーから作られたハウジングとを有する流量計は、PEEK、PEKK又はPEKが攻撃性のある化学薬品に抵抗することができ、特にPA12及びPPAは、ライナに使用されるポリマーよりも低コストのポリマーであるという点で有利であり得る。
ライナは、吸音特性を有し、及び/又は、超音波を偏向させる音響インピーダンスを有し、これにより、望ましくない反射が最小化され、測定精度が向上する。このような特性を有するライナ材料の選択については、特許文献1(欧州特許出願公開第1387149号明細書)を参照されたい。
ライナは、流管の入口及び出口に配置された封止面を備えうる。封止面の領域を増加させるために、ライナ及び流路パイプがそれぞれ入口及び出口において円錐形状を有する場合に有利である場合がある。流路パイプの内面に円錐形が作られる。流路パイプがオーバーモールド加工されると、ライナは、流路パイプの円錐形の内面に合致する円錐形の形状を有することになる。これは、流路の断面積を減少させずに封止面を増加させる利点がある。さらに、円錐形状により、ライナが流管に押し戻されるのを防止するためにライナを支持する。パイプ端部に近い流路パイプの非常に薄い壁は、ライナの金属接合部が流管の周囲に向かって移動し、それによって、それは流管内を流れる流体の機械的力から保護され、流体がライナと流路パイプの間に圧入されることによって生じる流管の層間剥離を防止する利点を有する。
本発明の第2の態様において、前記第1の態様による流量計を作製する方法において、1つ又は複数の開口と円錐形の内面とを有する金属製の流路パイプを入口及び出口に設ける工程と、オーバーモールド加工用の装置の射出成形用金型内に前記流路パイプを配置する工程と、一体化された界面を有するライナを有する、本発明による流管を作成するために、ポリマー系の材料を前記射出成形用金型内に注入する工程と、ハウジングを前記ライナの前記界面上に取り付ける工程とを備える。
この製造方法は、ハウジングのための界面を単純に成形することによりオーバーモールド加工が単純化され、ライナの一体部品としてハウジングを成形しない点で特に有利である。更に、流路パイプの円錐形状の内面は、冷却時にライナの収縮による流管内の機械的応力を低減するという利点を有する。ライナ用のポリマー系材料のポリマーは、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンサルホン(PPSU)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリプロピレン(PP)及びポリカプロラクタム(PA6)からなる群から選択することができる。あるいは、ライナにおいてより強さが望まれる場合、ポリマーは、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリスチレン(PS)、ポリフタルアミド(PPA)及びポリアミド樹脂(PA)、特に1,12-ドデカン二酸からのポリアミド樹脂12(PA12)からなる群から選択されうる。
ハウジング用のポリマー系材料は、上述のポリマーの群、特にPPS、PA12及びPPAから選択することができ、ハウジングに有利である。
ポリスルホンは、スルホン基(-S(O2)-)がポリマーの主鎖構造の一部を構成するポリマーとして定義される。例としては、ポリスルホン(PSU)、ポリフェニルスルホン(PPSU)及びポリエーテルスルホン(PES)が挙げられるが、これらに限定されない。
ポリスルフィドは、スルフィド基(-S-)がポリマーの主鎖構造の一部を構成するポリマーとして定義される。本明細書の例は、ポリフェニレン・スルフィド(PPS)である。
ポリアリールエーテルケトンは、エーテル基(-O-)及びケトン基(-C(O)-)の組合せがポリマーの主鎖構造の一部を構成するポリマーとして定義される。例としては、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、及びポリエーテルケトンケトン(PEKK)が挙げられるが、これらに限定されない。
ライナ及びハウジングの両方のための充填材料は、グラファイト、カーボン、カーボン繊維、ガラス繊維及び金属粉末からなる群から選択することができる。充填材は、強化剤を構成し、それぞれ、ライナ及びハウジングに機械的安定性を提供する。
流量計は、消費量計又はユーティリティ流量計とすることができ、例えば、冷水及び/又は温水用の水道メータ、ガスメータ、ヒートメータ、クーリングメータ、エネルギーメータ又はスマートメータとしうる。消費量計は、地域暖房、地域冷房及び/又は分散給水に関連して使用することができる。消費量計は適法のメータ、すなわち、規制上の要求に沿った流量計としうる。このような規制上の要求は、測定の精度についての要求としうる。第1及び第2の態様のさらなる有利な実施形態が実施形態の記載において開示される。
一般に、本発明の態様は、本発明の範囲内で可能な任意の方法で組み合わせて結合することができる。本発明のこれら及び他の態様、特徴及び/又は利点は、後述する実施形態を参照して明らかになりかつ解明されるであろう。
本発明は、特定された実施形態に関連して説明されてきたが、提示した実施例に限定されたいかなる方法でもあると解釈すべきではない。本発明の技術的範囲は、添付の請求項に照らして解釈される。請求項の文脈において、「備える(comprising)」又は「備える(comprises)」という用語は、他の可能性のある要素又は段階を排除するものではない。また、「a」又は「an」等の冠詞は、複数を排除するものと解釈されるべきではない。図面に示されている要素に関する請求項における参照符号の使用も、本発明の範囲を限定するものと解釈してはならない。さらに、異なる請求項において言及された個々の特徴は、できる限り有利に組み合わせることができ、異なる請求項におけるこれらの特徴の言及は、これらの特徴の組み合わせが不可能で有利であることを除外しない。
図1は、流管のライナの界面に取り付けられたハウジングを有する超音波流量計の一実施形態を示す。 図2は、流路パイプを有する流路パイプと、ハウジングを取り付けるための界面を提供するライナとを示す。 図3は、図2の流管の断面を示す。 図4は、流管の内側において測定パイプを有する、図1の流量計の断面を示す。 図5は、図2の流管の断面の別の図である。 図6は、流路パイプを示す。 図7は、ライナの一体化された部分として作られたハウジングを有する、超音波流量計の実施形態を示す。 図8は、図7の流量計の断面を示す。 図9は、流管のライナの界面に取り付けられたハウジングを有する、別の実施形態の超音波流量計を示す。 図10は、図9の流量計の長手方向における断面を示す。 図11は、図9の流量計の横断方向における断面を示す。 図12Aは、流管の入口及び出口に封止面を作成するライナを備えた流管の断面を示す。 図12Bは、図12Aの流管の入口側や出口側の拡大図を示し、ライナは、オーバーモールド加工後に冷却されず、収縮はまだ生じていない様子を示す。 図12Cは、図12Aの流管の入口側や出口側の拡大図を示し、オーバーモールド加工後にライナが冷却され、収縮が生じて流管に機械的応力及びライナの変形を生じさせた様子を示す。 図13Aは、流管の入口及び出口において流路パイプの端部における円錐形の内面を有する流管であって、流管の入口及び出口に封止面を作成するライナを有する流管の断面を示す。 図13Bは、図13Aの流管の入口側や出口側の拡大図を示し、ライナは、オーバーモールド加工後に冷却されずかつ収縮はまだ生じていない様子を示す。 図13Cは、図13Aの流管の入口側や出口側の拡大図を示し、オーバーモールド加工後にライナが冷却され、流管における機械的応力やライナの変形を生じることなく収縮が生じている様子を示す。 図14は、ハウジングと、流管と、測定パイプとを有する流量計の断面を示す。
本発明の実施の形態を、単なる例として、図面を参照して説明する。
図1、図2及び図3を参照すると、流管2に取り付けられたハウジング5を備える流量計1が示されている。流管2は、入口21と出口22の間で流体を通過させるための貫通開口を備える。貫通開口は、流路23とも呼ばれる。流管は、さらに、ハウジング5を取り付けるための界面25を備えている。この界面には、ハウジングの内側に配置された超音波流量計の変換器と位置合わせされるように配置された2つの貫通開口24が設けられている。
流管2は、流路パイプ3と、流路パイプの内面に沿って延在するライナ4とを備える。流路パイプは、鋼、ステンレス鋼、鋳鉄、アルミニウム又は真鍮などの金属材料から作られ、図5及び図6から最もよく分かるように、複数の貫通開口31を備える。流路パイプは、図示の開口、ねじ山及び他の幾何学的形状を有するように、鋳造されうるし又は標準長さのパイプから機械加工されて作られうる。流路パイプは、流管を配水システムの接続パイプに接続するためのねじ山32又はフランジ(図示せず)を備えうる。
ライナは、流路パイプの内面を覆い、かつ、流路パイプの外面にハウジング5を取り付けるための界面25を提供するために、流路パイプの周囲に、公知のオーバーモールド加工などを通して、鋳造又は成形される。オーバーモールドは、少なくとも流路パイプの外面の一部を覆う。界面には、ハウジングを取り付けるためのねじ山251を設けることができる。このようなねじ山は、界面に成形された金属製要素によって設けることができる。界面25は、ライナ4の一体化された部分であり、ライナと同じ材料から作られる。界面は、ライナの残りの部分と共に1つのオーバーモールド加工で成形されうる。界面25を有するライナ4は、流路パイプ3の内面から流路パイプの1つ又は複数の穴31を通って流路パイプの外側に延び、ここで、界面25が配置され、ライナの一部と一体化されている。界面は、ハウジングと界面との間にOリング又はガスケット(図示せず)などの封止手段を配置するための1つ又は複数の表面を備える。封止手段は、好ましくは、界面に設けられた2つの貫通開口24の周囲に配置されうる。界面における2つの貫通開口は、ライナ及び流路パイプの穴31を貫通して延在し、これにより、界面25から流路23への直接的なアクセスが可能となる。ハウジングが界面に取り付けられると、ハウジングは、流路と、流路内を流れる流体に直接的に接触する。ハウジング5と界面25の間の封止手段は、流体が流管から逃げるのを防止するように配置されている。
図示の実施形態では、ライナは、水密膜を提供し、流路パイプの内面を完全に覆う。したがって、流管を通して流れる流体は、流路パイプと接触しない。ライナにより、流管内を流れる流体から流路パイプを保護し、流路パイプの腐食を防止する。さらに、ライナにより、流路パイプからの金属が流体に溶解することを防止する。しかしながら、流量計が設置される給水機に使用可能である金属製流路パイプは、ねじ山32を介して金属流路パイプに接続されうる。このようにして、流量計の各側面におけるパイプの電気接続が達成される。一部の設備では、ガルバニック絶縁が望ましくない。別の実施形態では、ライナは、流路パイプの一部のみを覆うように構成されうる。ライナは、流量計が図13A~図13Cに示すように設置されている給水機のパイプへの接続部を封止するために使用される封止面を作成するために、入口及び出口に配置されうる。
界面を有するライナは、ポリマー系の材料から作られる。ポリマー系の材料は、充填材を備える複合体とすることができ、これにより、ポリマー系の材料の強度を増加させる。ポリプロピレン(PP)、ポリカプロラクタム(PA6)、ポリエチレン(PE)及び架橋ポリエチレン(PEX)は、安価で、オーバーモールド加工での使用が容易なため、ライナに好ましいポリマーである。ライナは、これらのポリマーの内の1つ又は複数を備えうる。
ハウジング5は、上述したように界面25に取り付けられている。ハウジングは、蓋52を設けたカップ状要素51を有する。蓋には、透明な窓を設けることができる。ハウジングは、圧電変換器と、プリント回路基板(PCB)上に設けられた制御回路と、無線周波数通信のための通信装置と、電源を提供するバッテリパックとを有する、超音波流量計の電気構成要素を収容するようになっており、ハウジングは、さらに、透明窓及び他の要素を通して見ることができるディスプレイを収容しうる。変換器は、超音波信号を流路を通して伝送し、流管を流れる流体の流速(流量)を示す信号又は値を生成するように、ハウジングの内側に配置される。ハウジングの内側に配置された変換器は、ハウジングの壁を通って流管内の流体と接触し、界面の貫通開口を通過し、これにより、超音波信号を流管内の流体を通して送受信することができる。ハウジングは、ハウジングの内部に収容される電気構成要素から水を遠ざけるようになっている。蓋とカップの間に封止手段が設けられている。ハウジングは、ポリマー系の材料から作られる。ポリマー系の材料は、ポリマーの強度を増加させるために充填材を備える複合体としうる。ポリマーは水に開放された拡散である。ハウジングの外側からハウジングの壁を通ってハウジングの内側に拡散する水を吸収するために、乾燥剤がハウジングの内側に収容されうる。ポリフェニレンスルファイド(PPS)系のポリマーは、拡散が少なく、ハウジングを作るのに適している機械的性質を有している。PPSは、ハウジングに好ましいポリマー材料である。
ライナ及びハウジングの両方のための充填材料は、グラファイト、カーボン、カーボン繊維、ガラス繊維及び金属粉末からなる群から選択することができる。充填材は、強化剤を構成し、ライナ及びハウジングそれぞれに機械的安定性を提供する。
図4及び図14では、流量計は、流路内に配置された測定パイプ6を有するように示されている。ライナには、測定パイプを流管の内部に固定するための凹部又は突出部が設けられうる。代替例として、ライナは、測定パイプがライナの一体化された部分として成形される点で測定パイプを提供することもできる。
測定パイプは、例えば、旋回、非対称の流れプロファイル又は他の不慮の流れ特性を低減させるために、流管を流れる流体を調整するように設けられた整流器61を有しうる。ライナには、流管の内側の整流器を固定するための凹部又は突出部が設けられうる。
また、流量計は、超音波信号が流れ管の方向と平行に、すなわち、流れ管の中心軸線と平行に伝播するように、発信用の圧電変換器から受信用の圧電変換器に超音波信号を導くように、流路内に配置された2つ以上の反射器を備えるフローインサート(図示せず)を有しうる。フローインサートの代替として、反射器は、ライナによってオーバーモールド加工することができ、又は、ライナ内に成形されうる。さらに別の代替案として、反射器が省かれ、超音波信号は、流路パイプの金属製壁によって反射されうる。反射器が省かれる場合、超音波変換器を流れ管の長手方向に関して斜めの角度に傾斜させることが有利となりうる。これを図14に示す。
図7及び図8を参照すると、別の実施形態の流量計が示されている。この実施形態では、ハウジング5はライナ4の一体部分として作られ、すなわち、ライナはハウジングと一体的に形成されている。したがって、ライナは、ハウジングを取り付けるための界面25を提供しない。ハウジングをライナの一体部分として作ることにより、入口21及び出口22を除いて、流管には開口が設けられない。
図9~図11は、ハウジングがライナの界面に接続されておりかつロック機構8によって適所に保持される、別の実施形態の超音波流量計を示す。ロック機構は、ライナ界面の開口に受け入れられるようになっているいくつかのロックピン81を有している。ハウジングがライナの界面25上に取り付けられると、ロックピンは、ライナの開口とハウジングの開口とを貫通して延び、それによって、ハウジングがライナの界面に固定される。代替として、ハウジング5は、ハウジングの穴を通して界面の穴に延びているねじ251を使用することによって界面に固定されうる。
流量計は、好都合には、通過時間流量計のための既知の動作原理を用いることによって、すなわち、一方の変換器によって超音波信号が発信されかつ他方の変換器によって受信され、反対方向に伝播する信号同士の間の到達時間の差が測定され、流量に変換される、流路23内を流れる流体の流量を測定するように配置された通過時間流量計などの超音波流量計としうる。
上述した流管は、押出し加工されたパイプ、シームレスパイプ又は溶接されたパイプなどの標準パイプから作られた流路パイプに基づいて製造されるのが有利である。標準パイプは、ねじ山及び複数の開口を有する、図6に示されるような流路パイプに切断及び機械加工される。流路パイプはオーバーモールド加工のために準備され、オーバーモールド加工のために設計された射出成形用金型内で配置される。オーバーモールド加工のためにパイプを準備する段階は、パイプを加熱する段階と、パイプを洗浄する段階と、パイプコーティングをサンドブラストで仕上げる段階と、又は、他の方法でパイプを表面処理し、特にライナの付着性を改良する段階の1つ又は複数の段階を有しうる。ライナは射出成形用金型によって作られ、溶融物は、射出成形用金型内、及び、流路パイプの下壁に設けられた貫通開口31を介して流路パイプ内に注入される。別の実施形態では、溶融物を流路パイプに注入するために他の又は複数の開口を使用しうる。射出成形用金型は、流路23が設けられるように、1つ又は複数の内部コアで設計される。一実施形態では、射出成形用金型は、ハウジングを取り付けるための界面25が、ライナの一体化された部分として作成されるように設計される。他の実施形態では、射出成形用金型は、ライナ及びハウジングが一体化された部分として作られるように設計される。このようにして、場合によりハウジングを有するライナは、流路パイプ上に成形される。
ライナは、流管の入口及び出口において封止面201を作成するように配置されており、これは図12~図13に示されている。封止面は、流路パイプの端部と位置合わせされなければならず、また、端部に直接押し付けるときに接続パイプ又は封止面と接続パイプの端部との間の圧縮封止手段に十分な封止を提供するのに十分な大きさの表面積を有していなければならない。封止面の表面積を増加させるために、流路23の断面積を減少させることなく、拡大された封止面201の面積を作成するために、流路パイプの寸法は、パイプの端部において減少される。ライナは、流路パイプ上にオーバーモールド加工され、冷却されると収縮する。ライナが流路パイプの端部の周りに延びる場合(図12B)、又は、流路パイプの各端部の鋭い端部の周りに延びる場合、ライナが冷却して硬化するときに、パイプ応力が流管内に生じ得る(図12C)。上記の応力を回避するために、流路パイプ及びライナは、流管の入口及び出口において互いに対向する円錐形状の表面202を各々有することができ、それによって、流管に応力を発生させることなく、オーバーモールド加工において、表面積が増した封止面が作成されうる(図13B及び13C)。特に、流路パイプは、円錐形の内面を有し、流管の入口と出口で端部を有しうる。円錐形の形状は、オーバーモールド加工中にライナが冷却して収縮すると、ライナが流路パイプ内に滑り込み、流管内に機械的応力が発生することなく流路パイプの端部と位置合わせされるという効果を有するであろう。
本発明は、特定された実施形態に関連して説明されてきたが、提示された実施例に限定されるようないかなる方法で解釈すべきではない。本発明は、任意の適切な手段によって実施することができ、本発明の技術的範囲は、添付の請求項に照らして解釈されるべきである。請求項におけるいかなる参照符号も、その範囲を限定するものと解釈すべきではない。本発明は、特定された実施形態に関連して説明されてきたが、提示された実施例に限定されるようないかなる方法で解釈すべきではない。本発明は、任意の適切な手段によって実施することができ、本発明の技術的範囲は、添付の請求項に照らして解釈されるべきである。請求項におけるいかなる参照符号も、請求項の範囲を限定するように解釈すべきではない。

Claims (15)

  1. 超音波流量計(1)において、
    前記超音波流量計(1)は、
    入口(21)と出口(22)の間の流体の通過のための貫通開口を有する流管(2)であって、前記流管(2)は、
    前記入口(21)と前記出口(22)との間に延在する、金属材料製の流路パイプ(3)と、
    前記入口と前記出口との間で前記流路パイプ(3)の内面に沿って延在する、第1のポリマー系材料のライナ(4)とを備える、流管(2)と、
    変換器及び計測電子機器用の区画を提供するハウジング(5)であって、前記ハウジング(5)は、前記ライナ(4)の一体化された部分である界面(25)上に取り付けられることによって前記ライナ(4)に接続されている、ハウジング(5)とを備える、超音波流量計(1)。
  2. 前記第1のポリマー系材料が、ポリプロピレン、すなわちPP、ポリカプロラクタム、すなわちPA6、ポリエチレン、すなわちPE、架橋ポリエチレン、すなわちPEXの内の1つ又は複数に基づく、請求項1に記載の流量計。
  3. 前記第1のポリマー系材料が、グラファイト、カーボン、カーボン繊維、ガラス繊維及び金属粉末の内の1つ又は複数の充填材によって強化された複合材料である、請求項1又は2に記載の流量計。
  4. 前記ハウジング(5)が、前記第1のポリマー系材料とは異なる第2のポリマー系材料からなる、請求項1~3のいずれか一項に記載の流量計。
  5. 前記第2のポリマー系材料がPPSを備える、請求項4に記載の流量計。
  6. 前記第2のポリマー系材料が、グラファイト、炭素、炭素繊維、ガラス繊維及び金属粉末の内の1つ又は複数の充填材によって強化された複合材料である、請求項4又は5に記載の流量計。
  7. 前記ライナの一体化された部分である前記界面(25)が、前記ハウジング(5)を取り付けるためのねじ山(251)を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の流量計。
  8. 前記ねじ山(251)は、前記界面(25)に成形された金属製要素によって提供される、請求項7に記載の流量計。
  9. 前記ハウジング(5)は、前記界面(25)の開口に受け入れられた1つ又は複数のロックピン(81)によって、前記ライナ(4)の一体化された部分である前記界面(25)に係止される、請求項1~8のいずれか一項に記載の流量計。
  10. 前記ライナの一体化された部分である前記界面(25)と前記ハウジング(5)の間に1つ又は複数の封止手段が配置されている、請求項1~9のいずれか一項に記載の流量計。
  11. 前記ライナ(4)が、前記流管(2)の前記入口(21)と前記出口(22)に配置された封止面(201)を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の流量計。
  12. 前記ライナ及び前記流路パイプは、それぞれ、前記流管(2)の前記入口(21)及び前記出口(22)において円錐形状(202)を有する、請求項11に記載の流量計。
  13. 前記第1のポリマー系材料が、PES、PSU、PPSUの群から選択される1つ又は複数のポリマーを備え、前記第2のポリマー系材料が、PA12、PPA、PPSの群から選択される1つ又は複数のポリマーを備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の流量計。
  14. 前記第1のポリマー系材料が、PEEK、PEK、PEKの群から選択される1つ又は複数のポリマーを備え、前記第2のポリマー系材料が、PA12、PPA、PPSの群から選択される1つ又は複数のポリマーを備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の流量計。
  15. 請求項1~14のいずれか一項に記載の流量計を作製する方法において、
    前記方法は、
    入口(21)及び出口(22)において1つ又は複数の開口(31)及び円錐形の内面(202)を備える金属製の流路パイプ(3)を提供する段階と、
    オーバーモールド成形機の射出成形用金型内において流路パイプ(3)を配置する段階と、
    一体化された界面(25)を有するライナ(4)を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の流管(2)を作成するために、ポリマー系材料を前記射出成形用金型の中に注入する段階と、
    ハウジング(5)を前記ライナ(4)の前記界面(25)上に取り付ける段階とを備える、方法。
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