JP2022530289A - 酵素消化を用いて情報価値があるdna断片を濃縮するためのライブラリー調製のための方法 - Google Patents
酵素消化を用いて情報価値があるdna断片を濃縮するためのライブラリー調製のための方法 Download PDFInfo
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Abstract
本開示は、核酸ライブラリーの調製のための方法および組成物を提供する。いくつかの態様において、核酸はセルフリーDNAを含み、これには、例えばシーケンシングによる解析を必要としているcfDNAが含まれる。方法は、制限酵素消化、アダプター連結、およびその後の増幅を含んでよく、工程の進行時に生成されるアダプターダイマーの数を減らすための改良されたアプローチを提供し得る。ある局面において、核酸のライブラリーを調製するための方法は、DNA断片を作製するためにDNA分子を制限酵素で消化する工程;アダプターが連結されたDNA断片とアダプターダイマーとの混合物を生成するために、リガーゼと共にインキュベーションすることによってDNA断片にアダプターを連結する工程;増幅された、アダプターが連結されたDNA断片を作製するために、アダプターが連結されたDNA断片を増幅する工程;および、アダプターとDNA断片の間の連結部と、アダプターと別のアダプターの間の連結部とを区別することにより、アダプターダイマーの量を減少させる工程を含み得る。TIFF2022530289000002.tif98128
Description
相互参照
本出願は、参照により全体が本明細書に組み入れられる2019年4月28日に出願された米国特許仮出願第62/839,719号の恩典を主張する。
本出願は、参照により全体が本明細書に組み入れられる2019年4月28日に出願された米国特許仮出願第62/839,719号の恩典を主張する。
技術分野
本開示の態様は、少なくとも、核酸の調製および解析、シーケンシング、分子生物学、細胞生物学、および医学の分野を含む。
本開示の態様は、少なくとも、核酸の調製および解析、シーケンシング、分子生物学、細胞生物学、および医学の分野を含む。
背景
次世代シーケンシング(NGS)技術の急速な発展に伴い、デオキシリボ核酸(DNA)におけるゲノム改変の解析は、疾患(例えば癌)または他の健康(例えば、母体血中の胎児遺伝物質)状態についての診断的情報を提供するためのルーチンな解析となった。典型的なシーケンシングライブラリー調製技術は、1つまたは複数の作業、例えば、DNA断片化、断片の末端修復、dAテーリング、アダプター連結、およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)濃縮、ならびに1つまたは複数の精製ステップを含み得る。
次世代シーケンシング(NGS)技術の急速な発展に伴い、デオキシリボ核酸(DNA)におけるゲノム改変の解析は、疾患(例えば癌)または他の健康(例えば、母体血中の胎児遺伝物質)状態についての診断的情報を提供するためのルーチンな解析となった。典型的なシーケンシングライブラリー調製技術は、1つまたは複数の作業、例えば、DNA断片化、断片の末端修復、dAテーリング、アダプター連結、およびポリメラーゼ連鎖反応(PCR)濃縮、ならびに1つまたは複数の精製ステップを含み得る。
ある種の健康状態、例えば癌または感染症は、血流またはリンパ系へのDNAの遊離を引き起こす場合があり、そこで、腫瘍DNAまたはマイクロバイオームDNAは、血漿または尿などの体液中で循環するセルフリーDNA(cfDNA)の一部となり得る。このようなcfDNAは、癌スクリーニング、微生物検出、または出生前検査などの臨床応用のためのゲノムプロファイリングまたはエピゲノムプロファイリングに供され得る。例えば、全ゲノムバイサルファイトシーケンシング(WGBS)は、DNAメチロームの包括的見解を与えることができるが、ゲノム全体をディープシーケンシングすることには高額の費用がかかり得る。セルフリーDNAの情報価値がある領域を濃縮するための方法は、有利なことに、臨床診断用途のためのゲノムプロファイリングまたはエピゲノムプロファイリングを可能にし得る。制限酵素、規則的な間隔をもってクラスター化された短鎖反復回文配列(CRISPR)、トランスポザーゼ、または他の技術を使用することにより、サイズに基づく選択によって情報価値がある断片を濃縮できるように、完全なDNAを断片化することができる。例えば、MspI酵素消化では、メチル化プロファイリングのために使用できる、より小さな断片を生成することにより、CpGリッチ領域を濃縮することができる。
166塩基対(bp)あたりに特徴的なピークを示し得るセルフリーDNAの、断片化された種は、制限酵素消化に基づく典型的な濃縮アプローチにとって難題となる。情報価値があるDNAを選択するための任意のサイズ選択プロセスは、cfDNA集団のすべてまたはほぼすべてを選択し、したがって、低レベルの濃縮に終わる可能性がある。
本開示は、核酸ライブラリー調製のための方法および組成物についての改善をもたらす。
概要
本開示は、制限酵素およびアダプターを用いて核酸ライブラリーを調製する方法を提供し、このような調製方法は、技術の改良に相当する。いくつかの態様において、これらの方法は、減量したアダプターダイマーを有することを伴うライブラリー調製を含む。ひとたび調製されると、核酸ライブラリーは、例えば次世代シーケンシングを含む任意の目的のために利用され得る。いくつかの態様において、本開示は、情報価値があるデオキシリボ核酸(DNA)断片からライブラリーを調製する方法に関し、該情報価値があるデオキシリボ核酸断片の配列、改変状態、および/またはレベルは、医学的状態またはそのリスクもしくはそれへの易罹患性を示唆している。本明細書において使用される場合、「情報価値がある断片」とは、制限酵素を用いて切断することにより作製された断片(例えば、MspI制限酵素消化後の多数のCpG部位)を意味する。核酸は任意の種類のものであってよいが、いくつかの態様において、核酸は、セルフリーDNA(cfDNA)を含む、DNAを含む。いくつかの態様において、ライブラリーは、cfDNAのメチル化プロファイリングのために利用される。
本開示は、制限酵素およびアダプターを用いて核酸ライブラリーを調製する方法を提供し、このような調製方法は、技術の改良に相当する。いくつかの態様において、これらの方法は、減量したアダプターダイマーを有することを伴うライブラリー調製を含む。ひとたび調製されると、核酸ライブラリーは、例えば次世代シーケンシングを含む任意の目的のために利用され得る。いくつかの態様において、本開示は、情報価値があるデオキシリボ核酸(DNA)断片からライブラリーを調製する方法に関し、該情報価値があるデオキシリボ核酸断片の配列、改変状態、および/またはレベルは、医学的状態またはそのリスクもしくはそれへの易罹患性を示唆している。本明細書において使用される場合、「情報価値がある断片」とは、制限酵素を用いて切断することにより作製された断片(例えば、MspI制限酵素消化後の多数のCpG部位)を意味する。核酸は任意の種類のものであってよいが、いくつかの態様において、核酸は、セルフリーDNA(cfDNA)を含む、DNAを含む。いくつかの態様において、ライブラリーは、cfDNAのメチル化プロファイリングのために利用される。
ある局面において、本開示は、(例えば、対象の複数のデオキシリボ核酸(DNA)分子に由来する)核酸のライブラリーを(例えば、シーケンシングによるものを含む解析のために)調製するための方法であって、片方または両方の端にオーバーハングを有するDNA断片を作製するために、DNA分子の少なくとも1つのサブセットを断片化する酵素消化に複数のDNA分子を供する工程;複数のタグ付きDNA分子を作製するために、該DNA断片のオーバーハングを補完するオーバーハングを有するアダプターを連結する工程;アダプターダイマーの数を減少させる前または減少させた後に、該複数のタグ付きDNA分子(本明細書において、アダプターが連結されたDNA分子または断片と呼ばれ得る)を濃縮する工程;および任意で、複数のシーケンスリードを得るために、該複数のタグ付きDNA分子またはその誘導体を核酸シーケンシングに供する工程、を含む方法を提供する。
いくつかの態様において、BspDI、ClaI、AclI、NarI、Xhol、SmlI、HpyF30I、PaeR71、Sfr274Iなどの制限酵素、またはそれらの組合せは、アダプターを連結する間および/または連結した後に、アダプターダイマーを消化するために使用される。いくつかの態様において、供する工程および連結する工程は、(1)1種または複数種の制限酵素、例えば、MspIおよび/またはHpaIIおよび/またはTaqα1、ならびに(2)リガーゼ、例えばT7リガーゼおよび/またはT4リガーゼを用いる同じ反応で実施される。いくつかの態様において、供する工程、連結する工程、および減少させる工程は、(1)1種または複数種の制限酵素、例えば、MspI、および/またはHpaII、および/またはTaqαI、および/またはBspD1、および/またはClaI、および/またはAclI、および/またはNarI、および/またはXhoI、および/またはSmlI、および/またはHpyF30I、および/またはPaeR7I、および/またはSfr274I、ならびに(2)リガーゼ、例えばT7リガーゼおよび/またはT4リガーゼを用いる同じ反応で実施される。いくつかの態様において、複数のタグ付きDNAを濃縮する工程は、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いる増幅段階を含む。いくつかの態様において、複数のタグ付きDNAを濃縮する工程は、標的化捕捉を含む。いくつかの態様において、複数のタグ付きDNAは、バイサルファイト変換を受ける。いくつかの態様において、PCRのためのプライマーは、アダプターと標的DNAの間の連結部を認識するが、アダプターとアダプターの間の連結部は認識しないように、設計されている。
ある局面において、本開示は、対象の複数のcfDNA分子から複数のDNA断片を濃縮するための方法であって、関心対象の1つまたは複数の領域を含む断片を生じさせるために、cfDNA分子の少なくとも1つのサブセットを断片化する酵素消化に複数のcfDNA分子を供する工程;複数のタグ付きDNA分子を提供するために、該複数の断片化されたcfDNA分子のオーバーハングに相補的なオーバーハングを有するアダプターを連結する工程;アダプターダイマーの数を減少させる工程;任意で、複数のシーケンスリードを得るために、該複数のタグ付きDNA分子またはその誘導体を核酸シーケンシングに供する工程;および、1つまたは複数の臨床応用を実現するために、該複数のシーケンスリードを処理する工程、を含む方法を提供する。
別の局面において、本開示は、核酸のライブラリーを調製するための方法であって、(a)複数のDNA分子を提供する工程;(b)第1の1種または複数種の制限酵素を用いる消化に該分子を供する工程であって、該工程がDNA断片を作製する、工程;(c)該DNA断片をアダプターの影響下に置く(例えば連結する)工程であって、該工程が、アダプターが連結されたDNA断片とアダプターダイマーとの混合物を生成する、工程;および(d)増幅された、アダプターが連結されたDNA断片を作製するために、アダプターが連結されたDNA断片を増幅する工程を含む、方法を提供し、任意で、この方法は、いくつかの態様において、同じ作業において(b)および(c)を実施する工程をさらに含み、この方法は、生成したアダプターダイマーを減少させる工程をさらに含み、該減少させる工程は、(c)の間もしくは後および/または(d)の後に実施され、該減少させる工程は、アダプターとDNA断片の間の連結部と、アダプターと別のアダプターの間の連結部とを区別することを含む。
別の局面において、本開示は、核酸のライブラリーを調製するための方法であって、(a)複数のDNA分子を提供する工程;(b)第1の1種または複数種の制限酵素を用いる消化に該分子を供する工程であって、該工程がDNA断片を作製する、工程;(c)該DNA断片をアダプターの影響下に置く(例えば連結する)工程であって、該工程が、アダプターが連結されたDNA断片とアダプターダイマーとの混合物を生成する、工程;および(d)増幅された、アダプターが連結されたDNA断片を作製するために、アダプターが連結されたDNA断片を増幅する工程を含む、方法を提供し、この方法は、以下のうちの1つまたは複数を条件とする:(1)DNA断片の末端とアダプターの間の連結部に結合するが1つのアダプターの末端と別のアダプターの末端の間の連結部には結合しないプライマーを用いて、(d)を実施すること;(2)アダプターが連結されたDNA断片とアダプターダイマーとの混合物を、1つのアダプターの末端と別のアダプターの末端の間の連結部を消化するがDNA断片の末端とアダプターの間の連結部は消化しない第2の1種もしくは複数種の制限酵素の影響下に置くこと;(3)1つのアダプターの末端と別のアダプターの末端の間の連結部を消化するがDNA断片の末端とアダプターの間の連結部は消化しない第2の1種もしくは複数種の制限酵素の存在下で、(c)と同じ反応において(b)を実施すること;(4)アダプターが、設計によるアダプターダイマーであり、かつ第3の1種もしくは複数種の制限酵素が、1つのアダプターの末端と別のアダプターの末端の間の連結部を消化するがDNA断片の末端とアダプターの間の連結部は消化しないこと;および/または(5)増幅する工程によって、1つのアダプターの末端と別のアダプターの末端の間の連結部を消化する第4の1種もしくは複数種の制限酵素によって消化される、増幅されたアダプターダイマーもまた生成すること。
いくつかの態様において、複数のcfDNA分子を酵素消化に供する工程は、複数のセルフリーDNA分子に対して1種または複数種の制限酵素による消化を実施することを含む。いくつかの態様において、方法は、AcII、HindIII、MluCI、PciI、AgeI、BspMI、BfuAI、SexAI、MluI、BceAI、HpyCH4IV、HpyCH4III、BaeI、BsaXI、AflIII、SpeI、BsrI、BmrI、BglII、BspDI、PI-SceI、NsiI、AseI、CspCI、MfeI、BssSαI、DraIII、EcoP15I、AlwNI、BtsIMutI、NdeI、CviAII、FatI、NlaIII、FspEI、XcmI、BstXI、PflMI、BccI、NcoI、BseYI、FauI、TspMI、XmaI、LpnPI、AclI、ClaI、SacII、HpaII、MspI、ScrFI、StyD4I、BsaJI、BslI、BtgI、NciI、AvrII、MnlI、BbvCI、SbfI、Bpu10I、Bsu36I、EcoNI、HpyAV、BstNI、PspGI、StyI、BcgI、PvuI、EagI、RsrII、BsiEI、BsiWI、BsmBI、Hpy99I、AbaSI、MspJI、SgrAI、BfaI、BspCNI、XhoI、PaeR7I、EarI、AcuI、PstI、BpmI、DdeI、SfcI、AflII、BpuEI、SmlI、AvaI、BsoBI、MboII、BbsI、BsmI、EcoRI、HgaI、AatII、PflFI、Tth111I、AhdI、DrdI、SacI、BseRI、PleI、HinfI、Sau3AI、MboI、DpnII、TfiI、BsrDI、BbvI、BtsαI、BstAPI、SfaNI、SphI、NmeAIII、NgoMIV、BglI、AsiSI、BtgZI、HhaI、HinP1I、BssHII、NotI、Fnu4HI、MwoI、BmtI、NheI、BspQI、BlpI、TseI、ApeKI、Bsp1286I、AlwI、BamHI、BtsCI、FokI、FseI、SfiI、NarI、PluTI、KasI、AscI、EciI、BsmFI、ApaI、PspOMI、Sau96I、KpnI、Acc65I、BsaI、HphI、BstEII、AvaII、BanI、BaeGI、BsaHI、BanII、CviQI、BciVI、SalI、BcoDI、BsmAI、ApaLI、BsgI、AccI、Tsp45I、BsiHKAI、TspRI、ApoI、NspI、BsrFαI、BstYI、HaeII、EcoO109I、PpuMI、I-CeuI、I-SceI、BspHI、BspEI、MmeI、TaqαI、Hpy188I、Hpy188III、XbaI、BclI、PI-PspI、BsrGI、MseI、PacI、BstBI、PspXI、BsaWI、EaeI、HpyF30I、Sfr274I、およびそれらの組合せからなる群より選択される1種または複数種の制限酵素を利用する。特定の態様において、これらのうちの1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、もしくはそれより多く、またはその中で導き出せる任意の範囲が除外されてよいことが意図される。
いくつかの態様において、複数のcfDNA分子を酵素消化に供する工程は、CRISPR(clustered regularly interspaced short palindromic repeats)-Cas9系またはその機能的誘導体を用いてセルフリーDNA分子を切断することを含む。いくつかの態様において、複数のcfDNA分子を酵素消化に供する工程は、1種もしくは複数種のトランスポザーゼまたはその機能的誘導体を用いてcfDNA分子を切断することを含む。
いくつかの態様において、方法は、複数のタグ付きDNA断片またはその誘導体を、該タグ付きDNA断片中のメチル化核酸塩基と非メチル化核酸塩基の区別を可能にするのに十分な条件に供する工程を、さらに含む。いくつかの態様において、複数のタグ付きDNA断片またはその誘導体を、メチル化塩基と非メチル化塩基を区別するための条件に供する工程は、複数のタグ付きDNA断片に対してバイサルファイト変換を実施することを含む。いくつかの態様において、複数のタグ付きDNA断片またはその誘導体を、メチル化塩基と非メチル化塩基を区別するための条件に供する工程は、メチル化シトシン核酸塩基および/またはヒドロキシメチル化シトシン核酸塩基を酸化するための酵素反応および/または化学反応と、それに続く、酸化反応生成物の還元および/または脱アミノ化を含む。
いくつかの態様において、BspDI、ClaI、AclI、NarI、Xhol、SmlI、HpyF30I、PaeR7I、および/またはSfr274Iなどの制限酵素は、アダプターを連結する間および/もしくは後、ならびに/またはPCR増幅段階の後、ならびに/またはバイサルファイト変換とPCR増幅の両方の後に、アダプターダイマーを消化するために利用される。
いくつかの態様において、酵素消化にcfDNAを供する工程とアダプターの連結は、同じ反応において行われる。さらに、いくつかの態様において、使用される酵素はMspIおよび/またはBspDIであり、リガーゼは、T7 DNAリガーゼおよび/またはT4 DNAリガーゼを含む、任意のリガーゼであってよい。
いくつかの態様において、複数のタグ付きDNAを濃縮する工程は、PCRなどの増幅を含む。いくつかの態様において、PCRのためのプライマーは、アダプターと標的DNAの間の連結部を認識する(例えば、結合することができる)が、互いに結合した2つのアダプター間の連結部は認識しないように、設計されている。いくつかの態様において、PCRのためのプライマーは、バイサルファイト変換後にアダプターと標的DNAの間の連結部を認識するが、バイサルファイト変換後にアダプターとアダプターの間の連結部は認識しないように、設計されている。いくつかの態様において、PCRのためのプライマーは、メチル化シトシン核酸塩基および/またはヒドロキシメチル化シトシン核酸塩基を酸化するための酵素反応および/または化学反応と、それに続く、酸化反応生成物の還元および/または脱アミノ化の後に、アダプターと標的DNAの間の連結部を認識するが、酵素反応および/または化学反応の後にアダプターとアダプターの間の連結部は認識しないように、設計されている。
作製されたライブラリーは、任意の種類のものであってよい関心対象の1つまたは複数の領域を含んでよい。さらに、いくつかの態様において、それらのライブラリーは、1つまたは複数のCpG部位も含む。
DNA断片に連結するためのアダプターは、例えば長期の安定性を得るために、アダプター-アダプターダイマーとしてそれら自体が設計されてよい。
いくつかの態様において、本開示は、DNA断片化およびアダプター連結を簡易にし、かつアダプターダイマーを減少させる、シーケンシングライブラリー調製方法を提供する。本開示の方法の用途の例は、本開示のライブラリー調製方法の後に、癌の診断およびスクリーニングのためにcfDNAメチロームをプロファイリングすることである。
別の局面において、本開示は、核酸のライブラリーを調製するための方法であって、(a)複数のDNA分子を提供する工程;(b)第1の1種または複数種の制限酵素を用いる消化に該分子を供する工程であって、該工程がDNA断片を作製する、工程;(c)該DNA断片をアダプターおよびリガーゼの影響下に置く(例えば連結する)工程であって、該工程が、アダプターが連結されたDNA断片とアダプターダイマーとの混合物を生成する、工程;ならびに(d)増幅された、アダプターが連結されたDNA断片を作製するために、アダプターが連結されたDNA断片を増幅する工程を含む、方法を提供し、この方法は、生成したアダプターダイマーの量を減少させる工程をさらに含み、この方法は、(c)および/または(d)の間または後に、該減少させる工程を実施する工程をさらに含み、該減少させる工程は、アダプターとDNA断片の間の連結部と、アダプターと別のアダプターの間の連結部とを区別することを含む。
第1の1種または複数種の制限酵素は、AcII、HindIII、MluCI、PciI、AgeI、BspMI、BfuAI、SexAI、MluI、BceAI、HpyCH4IV、HpyCH4III、BaeI、BsaXI、AflIII、SpeI、BsrI、BmrI、BglII、BspDI、PI-SceI、NsiI、AseI、CspCI、MfeI、BssSαI、DraIII、EcoP15I、AlwNI、BtsIMutI、NdeI、CviAII、FatI、NlaIII、FspEI、XcmI、BstXI、PflMI、BccI、NcoI、BseYI、FauI、TspMI、XmaI、LpnPI、AclI、ClaI、SacII、HpaII、MspI、ScrFI、StyD4I、BsaJI、BslI、BtgI、NciI、AvrII、MnlI、BbvCI、SbfI、Bpu10I、Bsu36I、EcoNI、HpyAV、BstNI、PspGI、StyI、BcgI、PvuI、EagI、RsrII、BsiEI、BsiWI、BsmBI、Hpy99I、AbaSI、MspJI、SgrAI、BfaI、BspCNI、XhoI、PaeR7I、EarI、AcuI、PstI、BpmI、DdeI、SfcI、AflII、BpuEI、SmlI、AvaI、BsoBI、MboII、BbsI、BsmI、EcoRI、HgaI、AatII、PflFI、Tth111I、AhdI、DrdI、SacI、BseRI、PleI、HinfI、Sau3AI、MboI、DpnII、TfiI、BsrDI、BbvI、BtsαI、BstAPI、SfaNI、SphI、NmeAIII、NgoMIV、BglI、AsiSI、BtgZI、HhaI、HinP1I、BssHII、NotI、Fnu4HI、MwoI、BmtI、NheI、BspQI、BlpI、TseI、ApeKI、Bsp1286I、AlwI、BamHI、BtsCI、FokI、FseI、SfiI、NarI、PluTI、KasI、AscI、EciI、BsmFI、ApaI、PspOMI、Sau96I、KpnI、Acc65I、BsaI、HphI、BstEII、AvaII、BanI、BaeGI、BsaHI、BanII、CviQI、BciVI、SalI、BcoDI、BsmAI、ApaLI、BsgI、AccI、Tsp45I、BsiHKAI、TspRI、ApoI、NspI、BsrFαI、BstYI、HaeII、EcoO109I、PpuMI、I-CeuI、I-SceI、BspHI、BspEI、MmeI、TaqαI、Hpy188I、Hpy188III、XbaI、BclI、PI-PspI、BsrGI、MseI、PacI、BstBI、PspXI、BsaWI、EaeI、HpyF30I、Sfr274I、またはそれらの組合せを含み得る。特定の態様において、これらのうちの1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、またはそれより多くが除外されてよいことが意図される。いくつかの態様において、(b)および(c)は、同じ反応混合物中で実施される。いくつかの態様において、(b)は、(c)とは異なる温度または(c)と同じ温度で実施される。
いくつかの態様において、アダプターとDNA断片の間の連結部と、アダプターと別のアダプターの間の連結部とを区別することは、二量体化された立体配置の状態のときは第2の1種または複数種の制限酵素によって消化されるように設計されているがアダプターが該DNA断片の末端に連結されているときは該第2の1種または複数種の制限酵素によって消化されることが不可能である該アダプターを用いることをさらに含む。アダプターとDNA断片の間の連結部と、アダプターと別のアダプターの間の連結部とを区別することは、増幅のためのプライマーが、アダプターとDNA断片の間の連結部においては重合を開始できるがアダプターと別のアダプターの間のファンクションにおいては重合を開始できないように設計されている、アダプターを用いることをさらに含んでよい。
別の局面において、本開示は、核酸のライブラリーを調製するための方法であって、(a)複数のDNA分子を提供する工程;(b)第1の1種または複数種の制限酵素を用いる消化に該分子を供する工程であって、該工程がDNA断片を作製する、工程;DNA断片を作製する工程;(c)該DNA断片をアダプター(例えば、アダプターは、公知の配列、独特な配列、またはランダム配列を含んでよい)の影響下に置く(例えば連結する)工程であって、該工程が、アダプターが連結されたDNA断片とアダプターダイマーとの混合物を生成する、工程;および(d)増幅された、アダプターが連結されたDNA断片を作製するために、アダプターが連結されたDNA断片を増幅する工程を含む、方法を提供し、この方法は、以下のうちの1つまたは複数を条件とする:(1)DNA断片の末端とアダプターの間の連結部に結合するが1つのアダプターの末端と別のアダプターの末端の間の連結部には結合しないプライマーを用いて、(d)を実施すること;(2)アダプターが連結されたDNA断片とアダプターダイマーとの混合物を、1つのアダプターの末端と別のアダプターの末端の間の連結部を消化するがDNA断片の末端とアダプターの間の連結部は消化しない第2の1種もしくは複数種の制限酵素の影響下に置くこと;(3)同じ反応混合物中で(b)と(c)を実施し、かつ第2の1種もしくは複数種の制限酵素が、1つのアダプターの末端と別のアダプターの末端の間の連結部を消化するがDNA断片の末端とアダプターの間の連結部は消化しないこと;(4)アダプターが、設計によるアダプターダイマーであり、かつ第2の1種もしくは複数種の制限酵素が、1つのアダプターの末端と別のアダプターの末端の間の連結部を消化するがDNA断片の末端とアダプターの間の連結部は消化しないこと;および/または(5)増幅する工程によって、1つのアダプターの末端と別のアダプターの末端の間の連結部を消化する第3の1種もしくは複数種の制限酵素によって消化される、増幅されたアダプターダイマーもまた生成すること。
いくつかの態様において、方法は、アダプターが連結された断片を、メチル化核酸塩基を非メチル化核酸塩基と区別できるようにするのに十分な条件の影響下に置く工程をさらに含む。メチル化核酸塩基を非メチル化核酸塩基と区別できるようにするのに十分な条件は、アダプターが連結された断片をバイサルファイト変換に供することを含んでよい。メチル化核酸塩基を非メチル化核酸塩基と区別できるようにするのに十分な条件は、アダプターが連結された断片を、例えばメチル化シトシン核酸塩基および/またはヒドロキシメチル化シトシン核酸塩基を酸化するための1つまたは複数の酵素反応および/または化学反応と、それに続く、酸化反応生成物の還元および/または脱アミノ化に供することを含んでよい。酸化反応生成物の脱アミノ化は、シトシン核酸塩基を脱アミノ化するアポリポタンパク質B mRNA編集酵素触媒ポリペプチド様(APOBEC)を用いて実施してよい。酸化反応生成物の還元および/または脱アミノ化は、ピリジンボランを用いて実施してよい。いくつかの態様において、方法は、1つまたは複数の酵素反応および/または化学反応の前にβ-グルコシルトランスフェラーゼ処理を実施する工程をさらに含む。
いくつかの態様において、増幅された、アダプターが連結されたDNA断片の一部分またはすべては、解析、改変、またはその両方にさらに供される。解析は、次世代シーケンシングなどのシーケンシングを含んでよい。いくつかの態様において、アダプターが連結された断片をさらに濃縮するために、標的化捕捉が次世代シーケンシングの前に実施される。いくつかの態様において、アダプターが連結された断片をさらに濃縮するために、サイズ選択が次世代シーケンシングの前に実施される。解析は、増幅された、アダプターが連結されたDNA断片のメチル化パターンを解析することを含んでよい。アダプターは、GC(3’から5’方向)オーバーハングを含んでよい。第1の1種または複数種の制限酵素は、MspI、HpaII、TaqαI、もしくはその機能的類似体、またはその混合物を含んでよい。第2の1種または複数種の制限酵素は、BspD1、ClaI、AclI、NarI、XhoI、SmlI、HpyF30I、PaeR7I、Sfr274I、もしくはその機能的類似体、またはその混合物のうちの、1つまたは複数を含んでよい。いくつかの態様において、リガーゼは、T7 DNAリガーゼ、T4 DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼ、もしくはその機能的類似体、またはその混合物である。
いくつかの態様において、複数のDNA分子は、セルフリーDNAを含む。いくつかの態様において、方法は、対象または個体から取得された試料または由来する試料などから、cfDNAを取得する工程をさらに含む。cfDNAは、1つまたは複数のCpG部位を有する分子について濃縮してもよい。試料は、任意の種類のものでよく、例えば、血漿、血清、骨髄、脳脊髄液、胸膜液、唾液、大便、または尿に由来してよい。いくつかの態様において、方法は、対象または個体から試料を取得する工程をさらに含む。
別の局面において、本開示は、以下の工程を含む、核酸のライブラリーを調製するための方法を提供する:(a)複数のDNA分子を提供する工程;(b)第1の1種または複数種の制限酵素を用いる消化に該分子を供する工程であって、該工程がDNA断片を作製する、工程;(c)該DNA断片をアダプターの影響下に置く(例えば連結する)工程であって、該工程が、アダプターが連結されたDNA断片とアダプターダイマーとの混合物を生成する、工程;および(d)増幅された、アダプターが連結されたDNA断片を作製するために、アダプターが連結されたDNA断片を増幅する工程であって、該工程が、DNA断片の末端とアダプターの間の連結部に結合するが1つのアダプターの末端と別のアダプターの末端の間の連結部には結合しないプライマーのセットを用いる、工程。いくつかの態様において、第1の1種または複数種の制限酵素は、MspI、HpaII、TaqαI、もしくはその機能的類似体、またはその混合物のうちの、1つまたは複数を含む。
いくつかの態様において、方法は、同じ反応混合物中で(b)および(c)を実施する工程をさらに含む。いくつかの態様において、方法は、アダプターが連結された断片を、メチル化核酸塩基を非メチル化核酸塩基と区別できるようにするのに十分な条件の影響下に置く工程をさらに含む。メチル化核酸塩基を非メチル化核酸塩基と区別できるようにするのに十分な条件は、アダプターが連結された断片をバイサルファイト変換に供すること、またはアダプターが連結された断片を1つもしくは複数の酵素反応および/もしくは化学反応(例えば、メチル化シトシン核酸塩基および/もしくはヒドロキシメチル化シトシン核酸塩基を酸化するためのものと、それに続く、酸化反応生成物の還元および/もしくは脱アミノ化)に供することを含んでよい。
いくつかの態様において、酸化は、テンイレブン転座(TET)酵素を用いて実施される。いくつかの態様において、酸化は、過ルテニウム酸カリウムを用いて実施される。いくつかの態様において、酸化反応生成物の脱アミノ化は、シトシン核酸塩基を脱アミノ化するAPOBECを用いて実施されるか、または酸化反応生成物の脱アミノ化は、ピリジンボランを用いて実施されてよい。いくつかの態様において、方法は、1つまたは複数の酵素反応または化学反応の前にβ-グルコシルトランスフェラーゼ処理を実施する工程をさらに含む。いくつかの態様において、アダプターは、GCオーバーハングを含む。
別の局面において、本開示は、以下の工程を含む、核酸のライブラリーを調製するための方法を提供する:(a)複数のDNA分子を提供する工程;(b)第1の1種または複数種の制限酵素を用いる消化に該分子を供する工程であって、該工程がDNA断片を作製する、工程;(c)該DNA断片をアダプター(例えば、GCオーバーハングを含んでよい)の影響下に置く(例えば連結する)工程であって、該工程が、アダプターが連結されたDNA断片とアダプターダイマーとの混合物を生成する、工程;(d)アダプターが連結されたDNA断片とアダプターダイマーとの混合物を、1つのアダプターの末端と別のアダプターの末端の間の連結部を消化するがDNA断片の末端とアダプターの間の連結部は消化しない第2の1種または複数種の制限酵素の影響下に置く工程;および(e)増幅された、アダプターが連結されたDNA断片を作製するために、アダプターが連結されたDNA断片を増幅する工程。いくつかの態様において、方法は、同じ反応混合物中で(b)、(c)、および(d)を実施する工程をさらに含む。
いくつかの態様において、第1の1種または複数種の制限酵素は、MspI、HpaII、TaqαI、もしくはその機能的類似体、またはその混合物のうちの、1つまたは複数を含む。第2の1種または複数種の制限酵素は、BspDI、ClaI、AclI、NarI、XhoI、SmlI、HpyF30I、PaeR7I、Sfr274I、もしくはその機能的類似体、またはその混合物のうちの、1つまたは複数を含んでよい。
いくつかの態様において、方法は、アダプターが連結された断片を、メチル化核酸塩基を非メチル化核酸塩基と区別できるようにするのに十分な条件の影響下に置く工程、例えば、アダプターが連結された断片を、バイサルファイト変換に供する工程、またはアダプターが連結された断片を、例えばメチル化シトシン核酸塩基および/もしくはヒドロキシメチル化シトシン核酸塩基を酸化するための1つもしくは複数の酵素反応および/もしくは化学反応と、それに続く、酸化反応生成物の還元および/もしくは脱アミノ化(例えば、APOBECもしくはピリジンボランを用いて実施される)に供する工程、をさらに含む。いくつかの態様において、酸化は、テンイレブン転座(TET)酵素を用いて実施される。いくつかの態様において、酸化は、過ルテニウム酸カリウムを用いて実施される。いくつかの態様において、方法は、1つまたは複数の酵素反応または化学反応の前にβ-グルコシルトランスフェラーゼ処理を実施する工程をさらに含む。いくつかの態様において、アダプターは、GCオーバーハングを含む。
別の局面において、本開示は、以下の工程を含む、核酸のライブラリーを調製するための方法を提供する:(a)複数のDNA分子を提供する工程;(b)第1の1種または複数種の制限酵素を用いる消化に該分子を供する工程であって、該工程がDNA断片を作製する、工程;(c)アダプターを作製するためにアダプターダイマーを第2の1種または複数種の制限酵素の影響下に置くことを含む、設計によるアダプターダイマーであるアダプターの影響下に該DNA断片を置く(例えば連結する)工程であって、該工程が、アダプターが連結されたDNA断片とアダプターダイマーとの混合物をさらに生成し、その際、該第2の1種または複数種の制限酵素が、1つのアダプターの末端と別のアダプターの末端の間の連結部を消化するがDNA断片の末端とアダプターの間の連結部は消化しない、工程;および(d)増幅された、アダプターが連結されたDNA断片を作製するために、アダプターが連結されたDNA断片を増幅する工程。いくつかの態様において、方法は、同じ反応混合物中で(b)および(c)を実施する工程をさらに含む。
いくつかの態様において、第1の1種または複数種の制限酵素は、MspI、HpaII、TaqαI、もしくはその機能的類似体、またはその混合物のうちの、1つまたは複数を含む。第2の1種または複数種の制限酵素は、BspDI、ClaI、AclI、NarI、XhoI、SmlI、HpyF30I、PaeR7I、Sfr274I、もしくはその機能的類似体、またはその混合物のうちの、1つまたは複数を含んでよい。いくつかの態様において、方法は、同じ反応混合物中で(b)および(c)を実施する工程をさらに含む。
いくつかの態様において、方法は、アダプターが連結された断片を、メチル化核酸塩基を非メチル化核酸塩基と区別できるようにするのに十分な条件の影響下に置く工程をさらに含む。該条件は、アダプターが連結された断片をバイサルファイト変換に供すること、またはアダプターが連結された断片を、例えばメチル化シトシン核酸塩基および/もしくはヒドロキシメチル化シトシン核酸塩基を酸化するための1つもしくは複数の酵素反応および/もしくは化学反応と、それに続く、酸化反応生成物の還元および/もしくは脱アミノ化(例えば、APOBECもしくはピリジンボランを用いる)に供することを含んでよい。いくつかの態様において、酸化は、テンイレブン転座(TET)酵素を用いて実施される。いくつかの態様において、酸化は、過ルテニウム酸カリウムを用いて実施される。いくつかの態様において、方法は、1つまたは複数の酵素反応または化学反応の前にβ-グルコシルトランスフェラーゼ処理を実施する工程をさらに含む。いくつかの態様において、第2の1種または複数種の制限酵素による、第2のアダプターのアダプターダイマーの消化により、GCオーバーハングが作製される。
別の局面において、本開示は、以下の工程を含む、核酸のライブラリーを調製するための方法を提供する:(a)複数のDNA分子を提供する工程;(b)第1の1種または複数種の制限酵素を用いる消化に該分子を供する工程であって、該工程がDNA断片を作製する、工程;(c)アダプターの影響下に該DNA断片を置く(例えば連結する)工程であって、該工程が、アダプターが連結されたDNA断片とアダプターダイマーとの混合物を生成する、工程;ならびに(d)増幅された、アダプターが連結されたDNA断片、および増幅されたアダプターダイマーを作製するために、アダプターが連結されたDNA断片を増幅する工程であって、該増幅されたアダプターダイマーが、1つのアダプターの末端と別のアダプターの末端の間の連結部を消化する第2の1種または複数種の制限酵素によって消化される、工程。いくつかの態様において、方法は、同じ反応混合物中で(b)および(c)を実施する工程をさらに含む。
いくつかの態様において、第1の1種または複数種の制限酵素は、MspI、HpaII、TaqαI、もしくはその機能的類似体、またはその混合物のうちの、1つまたは複数を含む。第2の1種または複数種の制限酵素は、BspDI、ClaI、AclI、NarI、XhoI、SmlI、HpyF30I、PaeR7I、Sfr274I、もしくはその機能的類似体、またはその混合物のうちの、1つまたは複数を含んでよい。
いくつかの態様において、方法は、アダプターが連結された断片を、メチル化核酸塩基を非メチル化核酸塩基と区別できるようにするのに十分な条件の影響下に置く工程をさらに含み、例えば、アダプターが連結された断片を、バイサルファイト変換に供する工程、またはアダプターが連結された断片を、1つもしくは複数の酵素反応および/もしくは化学反応に供する工程、を含む。該1種または複数種の酵素反応は、メチル化シトシン核酸塩基および/またはヒドロキシメチル化シトシン核酸塩基を酸化するためのものと、それに続く、酸化反応生成物の還元および/または脱アミノ化、例えばAPOBECもしくはピリジンボランを用いるものであってよい。いくつかの態様において、酸化は、テンイレブン転座(TET)酵素を用いて実施される。いくつかの態様において、酸化は、過ルテニウム酸カリウムを用いて実施される。いくつかの態様において、方法は、1つまたは複数の酵素反応または化学反応の前にβ-グルコシルトランスフェラーゼ処理を実施する工程をさらに含む。いくつかの態様において、アダプターは、GCオーバーハングを含む。
別の局面において、本開示は、以下の工程を含む、核酸のライブラリーを調製するための方法を提供する:(a)複数のDNA分子を提供する工程;(b)リガーゼの存在下で第1の制限酵素を用いる消化に該分子を供する工程であって、該消化によってDNA断片を作製する、工程;(c)アダプターの影響下に該DNA断片を置く(例えば連結する)工程であって、該工程が、アダプターが連結されたDNA断片とアダプターダイマーとの混合物を生成し、その際、第2の1種または複数種の制限酵素が、1つのアダプターの末端と別のアダプターの末端の間の連結部を消化するがDNA断片の末端とアダプターの間の連結部は消化しない、工程;および(d)増幅された、アダプターが連結されたDNA断片を作製するために、アダプターが連結されたDNA断片を増幅する工程。
いくつかの態様において、方法は、同じ反応混合物中で(b)および(c)を実施する工程をさらに含む。いくつかの態様において、該方法は、アダプターが連結された断片をバイサルファイト変換に供する工程をさらに含む。アダプターは、GCオーバーハングを含んでよい。
本明細書において提供される方法のいくつかの態様において、1つのアダプターの末端と別のアダプターの末端の間の連結部を消化する制限酵素は、CRISPR関連エンドヌクレアーゼおよび特異的に設計されたガイドRNAと交換される。
本発明の1つの態様に関して考察される任意の制限は、本発明の他の任意の態様にも適用され得ることが、特に企図される。さらに、本発明の任意の組成物は、本発明の任意の方法において使用されてよく、かつ本発明の任意の方法は、本発明の任意の組成物を生成または利用するために使用されてよい。実施例において説明する1つの態様の局面はまた、別の実施例の別の箇所または本出願の別の箇所、例えば「発明の概要」、「態様の詳細な説明、「特許請求の範囲」、および「図の凡例の説明」において考察される態様との関連で実行され得る態様でもある。
上記の記載は、以下に記載する詳細な説明がより良く理解され得るように、本開示の特徴および技術的利点をかなりおおまかに概説したものである。本発明の特許請求の範囲の主題を形成する付加的な特徴および利点を、以下に説明する。開示される概念および特定の態様は、本発明の設計の同じ目的を実施するために他の構造体を改変または設計するための基礎として容易に利用できることが、当業者には理解されるべきである。このような等価な構築物が添付の特許請求の範囲において説明される精神および範囲から逸脱しないこともまた、当業者によって理解されるべきである。さらなる目的および利点と共に、その構成および実施方法の双方についての、本発明において開示される設計の特徴であると考えられる新規な特徴は、添付図面と共に以下の説明を考察することにより、より良く理解されるであろう。しかし、各図面は例証および説明のためだけに提供され、本開示の制限の定義として意図されないことが明確に理解されるべきである。本発明のさらなる目的、特徴、局面、および利点について、一部は、以下の記載において説明され、一部は、該記載から明らかになるか、または本発明を実践することにより知られ得る。本開示の様々な態様は、当業者が本発明を実践できるようにするのに十分な詳しさで説明され、他の態様が利用されてよいこと、および本発明の範囲から逸脱することなく変更を加えてよいことが、理解されるべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されず、本発明の発明は、添付の特許請求の範囲によって最も良く定義される。
本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲において、詳細に説明される。本開示の特徴および利点についての、より深い理解は、本発明の原理が利用される例示的な態様を説明する下記の詳細な説明ならびに添付図(本明細書において「図(Figure)」および「図(FIG.)」も同義)を参照することにより得られるであろう。添付図は以下のとおりである:
本開示の様々な態様を本明細書において示し説明してきたが、このような態様は単なる例として提供されるに過ぎないことが、当業者には明らかであろう。多数の変形、変更、および代用が、本発明から逸脱することなく、当業者には思い浮かぶ可能性がある。本明細書において説明する本開示の態様に対する様々な代替案を使用してよいことが、理解されるべきである。
詳細な説明
I 定義の例
長年にわたる特許法の慣例に合わせて、「1つの(a)」および「1つの(an)」という単語は、特許請求の範囲を含めて本明細書において単語「含む(comprising)」と共に使用される場合、「1つまたは複数の」を意味する。本開示のいくつかの態様は、本開示の1つもしくは複数の要素、方法の工程、および/もしくは方法からなり得、または本質的になり得る。本明細書において説明する任意の方法または組成物は、本明細書において説明する他の任意の方法または組成物に対して実行され得ること、および様々な態様が組み合わせられ得ることが企図される。
I 定義の例
長年にわたる特許法の慣例に合わせて、「1つの(a)」および「1つの(an)」という単語は、特許請求の範囲を含めて本明細書において単語「含む(comprising)」と共に使用される場合、「1つまたは複数の」を意味する。本開示のいくつかの態様は、本開示の1つもしくは複数の要素、方法の工程、および/もしくは方法からなり得、または本質的になり得る。本明細書において説明する任意の方法または組成物は、本明細書において説明する他の任意の方法または組成物に対して実行され得ること、および様々な態様が組み合わせられ得ることが企図される。
本明細書において使用される場合、用語「または」および「および/または」は、組み合わせたまたは互いに排他的な複数の構成要素を説明するために使用される。例えば、「x、y、および/またはz」は、「x」のみ、「y」のみ、「z」のみ、「x、y、およびz」、「(xおよびy)またはz」、「xまたは(yおよびz)」、あるいは「xまたはyまたはz」を意味することができる。x、y、またはzが、ある態様から特に除外され得ることが、特に企図される。
本出願の全体を通して、用語「約(about)」は、細胞生物学および分子生物学の分野におけるその明瞭かつ普通の意味に従って使用され、ある値が、その値を決定するために使用される装置または方法についての誤差の標準偏差を含むことを示す。
用語「含む(comprising)」は、「含む(including)」、「含む(containing)」、または「を特徴とする(characterized by)」と同義であり、包括的または非限定的であり、付加的な挙げられていない要素も方法工程も除外しない。語句「からなる(consisting of)」は、明記されていない任意の要素、工程、または成分を除外する。語句「から本質的になる(consisting essentially of)」は、説明される主題の範囲を、明記された材料または工程、ならびにその基本的および新規の特徴に実質的に影響を及ぼさないものに限定する。用語「含む(comprising)」の文脈で説明される態様は、用語「からなる(consisting of)」または「から本質的になる(consisting essentially of)」の文脈で実行されてもよいことが企図される。
「1つの態様(one embodiment)」、「ある態様(an embodiment)」、「特定の態様(a particular embodiment)」、「関係する態様(a related embodiment)」、「一定の態様(a certain embodiment)」、「追加の態様(an additional embodiment)」、もしくは「別の態様(a further embodiment)」、またはそれらの組合せへの、本明細書の全体を通しての言及は、その態様に関連して説明される特定の特徴、構造、または特質が、本発明の少なくとも1つの態様に含まれることを意味する。したがって、本明細書の全体を通して様々な場所で前述の語句が現れるが、必ずしもすべてが同じ態様に言及しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特質は、1つまたは複数の態様において任意の適切な様式で組み合わせられてよい。
本発明の様々な局面は、範囲形式で示すことができる。範囲形式での説明は、便宜および簡潔さのためにすぎず、本開示の範囲に対する融通のきかない制限と解釈されるべきではないことを理解すべきである。したがって、範囲の説明は、存在し得る部分範囲すべてならびにその範囲内の個々の数値を、明示的に全部書き出したかのように、具体的に開示したとみなされるべきである。例えば、1~6のような範囲の説明は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲、ならびにその範囲内の個々の数、例えば、1、2、3、4、5、および6を具体的に開示したとみなされるべきである。このことは、範囲の広さに関わらず、当てはまる。範囲が存在する場合、それらの範囲は、範囲の両端の値を含み得る。
用語「アダプターダイマー」は、本明細書において使用される場合、第1のアダプター分子が第2のアダプター分子に連結すると生じる分子を意味する。
本明細書において使用される場合、用語「対象」は、加工処理または解析を受けることになる生物試料を有している個体を通常は意味する。対象は、動物または植物であることができる。対象は、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ブタ、またはげっ歯動物などの哺乳動物であることができる。対象は、例えば、疾患もしくは障害を有しているか、または有していると推測されるか、または有するリスクがある患者であることができる。これらの疾患または障害は、例えば、1種もしくは複数種の癌(例えば、脳癌、乳癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、肝胆道癌、白血病、肝臓癌、肺癌、リンパ腫、卵巣癌、膵臓癌、皮膚癌、尿路癌、精巣癌、腎臓癌、肉腫、胆管癌、甲状腺癌、胆嚢癌、脾臓癌、もしくは前立腺癌であり、癌は、固形腫瘍を含んでも含まなくてもよい)、1種もしくは複数種の感染症、1種もしくは複数種の遺伝性障害、または1種もしくは複数種の腫瘍、あるいはそれらの任意の組合せである。1種もしくは複数種の腫瘍を有しているか、または有していると推測される対象について、該腫瘍は、1種または複数種のタイプのものでよい。対象は、疾患もしくは障害を有していてもよく、または該疾患もしくは障害を有していると推測されてもよい。対象は、疾患もしくは障害を有していなくてもよく、または該疾患もしくは障害を有していると推測されなくてもよい。対象は、健康な対照であってもよい。対象は、特定の疾患または障害について無症候性であってよい。
本明細書において使用される場合、用語「試料」は、通常は生物試料を意味する。試料は、組織および/もしくは細胞から、または組織および/もしくは細胞の環境から採取されてよい。いくつかの例において、試料は、組織生検材料、細胞生検材料、血液(例えば全血)、血漿、血清、骨髄、脳脊髄液、胸膜液、唾液、大便、尿、細胞外液、乾燥血液スポット、培養細胞、培地、廃棄された組織、植物質、合成タンパク質、細菌試料および/もしくはウイルス試料、真菌組織、古細菌、もしくは原生動物を含んでよいか、またはそれらに由来してよい。試料は、採取前に供給源から単離されていてもよい。試料は、法医学的証拠を含んでよい。非限定的な例には、採取前に一次供給源から単離された、指紋、唾液、尿、血液、大便、精液、または他の体液が含まれる。いくつかの例において、試料は、試料調製時に、その一次供給源(細胞、組織、血液などの体液、環境試料など)から単離される。試料は、絶滅種に由来してよく、限定されるわけではないが、化石に由来する試料を含む。試料は、その一次供給源から精製されるか、もしくは別の方法で濃縮されてもよく、またはされなくてもよい。いくつかの態様において、一次供給源は、さらに加工処理する前にホモジナイズされる。試料は、ろ過または遠心分離して、バフィコート、脂質、または粒子状物質を除去してよい。また、試料は、核酸について精製もしくは濃縮してもよく、またはRNアーゼもしくはDNアーゼで処理してもよい。試料は、完全な、断片化された、または部分的に分解された、組織および/または細胞を含んでよい。
試料は、疾患または障害を有している対象から取得してよく、該対象は、該疾患または障害の診断を受けていても受けていなくてもよい。対象は、セカンドオピニオンを必要としていてもよい。疾患または障害は、感染症、免疫障害もしくは免疫疾患、癌、遺伝性疾患、変性疾患、生活習慣病、または傷害であってよい。感染症は、細菌、ウイルス、真菌、および/または寄生虫に起因し得る。癌の非限定的な例には、膵臓癌、肝臓癌、肺癌、結腸直腸癌、白血病、膀胱癌、骨癌、脳癌、乳癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌、黒色腫、卵巣癌、精巣癌、腎臓癌、甲状腺癌、胆嚢癌、脾臓癌、および前立腺癌が含まれる。遺伝性疾患または遺伝性障害のいくつかの例には、嚢胞性線維症、シャルコー・マリー・トゥース病、ハンチントン病、ポイツ・ジェガーズ症候群、ダウン症候群、関節リウマチ、およびテイ・サックス病が含まれるが、それらに限定されるわけではない。生活習慣病の非限定的な例には、肥満、糖尿病、動脈硬化症、心疾患、脳卒中、高血圧、肝硬変、腎炎、癌、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、聴力の問題、および慢性背部痛が含まれる。傷害のいくつかの例には、擦過傷、脳損傷、挫傷、熱傷、振盪症、鬱血性心不全、建設労働傷害、脱臼、動揺胸郭、骨折、血胸、椎間板ヘルニア、腸骨稜打撲、低体温症、裂傷、神経の圧迫、気胸、肋骨骨折、坐骨神経痛、脊髄損傷、腱・靭帯・筋膜傷害、外傷性脳損傷、およびむち打ち症が含まれるが、それらに限定されるわけではない。試料は、疾患または障害を有する対象の治療前および/または後に採取されてよい。試料は、対象の疾患または障害の治療前および/または後に採取されてよい。試料は、治療期間中または治療計画の期間中に採取されてよい。対象から複数の試料を採取して、治療開始前からの始めを含む、ある期間にわたる治療効果をモニターしてよい。試料は、診断用抗体が利用可能であってもなくてもよい感染症に罹患していることが公知であるか、または推測される、対象から採取されてよい。試料は、異常な組織特異的細胞死または臓器移植をモニターするために、対象から採取されてよい。
試料は、疾患または障害を有すると推測される対象から採取されてよい。試料は、疲労、悪心、体重減少、疼痛、痛み、虚弱、または記憶力減退など未解明の症状を経験している対象から採取されてよい。試料は、説明がついている症状を有している対象から採取されてよい。試料は、1つまたは複数の因子、例えば、家族歴および/もしくは個人歴、年齢、環境曝露、ライフスタイルリスク因子、他の公知のリスク因子の存在、またはそれらの組合せが原因で、疾患または障害を発症するリスクがある対象から採取されてよい。
試料は、健康な対象または個体から採取されてよい。いくつかの態様において、試料は、同じ対象または個体から長期間にわたって採取されてよい。いくつかの態様において、長期間にわたって獲得された試料は、個々の健康状態のモニタリングおよび健康問題の早期発見(例えば、癌の早期診断)を目的として解析されてよい。いくつかの態様において、試料は、家庭でまたは治療現場で採取され、その後、郵送、宅配便、または他の輸送方法によって解析前に輸送されてよい。例えば、自宅で利用する者は、指先を刺すことによって血液スポット試料を採取してよく、その血液スポット試料は、乾燥され、その後、郵送によって解析前に輸送されてよい。いくつかの態様において、長期間にわたって獲得された試料は、健康状態、運動能力、または認知能力に影響すると予想される刺激に対する応答をモニターするために使用されてよい。非限定的な例には、薬物療法、ダイエット、および/または運動療法に対する応答が含まれる。いくつかの態様において、個々の試料は、多用途であり、臨床的意義がある情報を得るためのメチル化プロファイリングを可能にするが、個体の個人または家族の祖先についての情報のためにも使用される。いくつかの態様において、試料は、妊婦および/またはその胎児から採取されてよい。
いくつかの態様において、生物試料は、1つまたは複数の核酸分子を含む核酸試料である。核酸分子は、セルフリーまたは実質的にセルフリーの核酸分子、例えば、セルフリーDNA(cfDNA)もしくはセルフリーRNA(cfRNA)またはその混合物であってよい。核酸分子は、ヒト、哺乳動物、非ヒト哺乳動物、類人猿、サル、チンパンジー、爬虫類、両生類、またはトリといった供給源を含む様々な供給源に由来してよい。さらに、試料は、限定されるわけではないが、血液、血清、血漿、骨髄、硝子体液、痰、大便、尿、涙、汗、唾液、精液、粘膜排出物、粘液、脳脊髄液、胸膜液、羊水、およびリンパ液を含む、セルフリー配列を含む様々な動物体液から抽出されてもよい。試料は、胚、胎児、または妊婦から採取されてよい。いくつかの例において、試料は、母親の血漿から単離されてよい。いくつかの例において、試料は、(妊娠中の対象から取得された身体試料を介して)胎児に由来しているか、または対象それ自体の組織もしくは細胞に由来している、セルフリー核酸(例えばcfDNA)を含んでよい。
(核酸を含む)試料の構成成分は、例えば、試料のマルチプレックス化を可能にするために、例えば同定可能なタグでタグ化されてよい。同定可能なタグのいくつかの非限定的な例には、蛍光体、磁性ナノ粒子、および核酸バーコードが含まれる。蛍光体には、蛍光タンパク質、例えば、GFP、YFP、RFP、eGFP、mCherry、tdtomato;FITC、Alexa Fluor 350、Alexa Fluor 405、Alexa Fluor 488、Alexa Fluor 532、Alexa Fluor 546、Alexa Fluor 555、Alexa Fluor 568、Alexa Fluor 594、Alexa Fluor 647、Alexa Fluor 680、Alexa Fluor 750、パシフィックブルー、クマリン、BODIPY FL、パシフィックグリーン、オレゴングリーン、Cy3、Cy5、パシフィックオレンジ、TRITC、テキサスレッド、フィコエリトリン、アロフコシアニン(Allophcocyanin)、または他の蛍光体が含まれてよい。1つまたは複数のバーコードタグが、シーケンシングの前に、試料中のセルフリー核酸(例えばcfDNA)に(例えば、カップリングまたは連結によって)結合されてよい。バーコードは、試料中のcfDNA分子を一意的にタグ化してよい。あるいは、バーコードは、試料中のcfDNA分子を非一意的にタグ化してもよい。cfDNA分子から得られる付加的な情報(例えば、cfDNA分子の内在性配列についての少なくとも1つの部分)が、非一意的タグと組み合わせて得られると、試料中のcfDNA分子についての(例えば、他の分子と比較して一意的に同定するための)一意的な識別子として機能し得るように、バーコードは、試料中のcfDNA分子を非一意的にタグ化してよい。例えば、(例えば所与の鋳型分子に由来する)、独自のアイデンティティを有するcfDNA配列リードは、該配列リードの片方もしくは両方の端に1つもしくは複数の連続的塩基領域を含む配列情報、該配列リードの長さ、および/または該配列リードの片方もしくは両方の端に結合されたバーコードの配列に、少なくともある程度基づいて、検出され得る。DNA分子は、増幅されたDNA分子がDNAについてのそれぞれ個々のインプット分子に由来するものとして一意的に区別および同定できるように、増幅前に多数の(例えば、少なくとも約50個、少なくとも約100個、少なくとも約500個、少なくとも約1000個、少なくとも約5000個、少なくとも約10000個、少なくとも約50000個、または少なくとも約100000個)の様々な個別のサブユニット(例えば、区画、ウェル、または液滴)中にDNA(例えばcfDNA)試料を分割することにより、タグ化せずに一意的に同定することができる。
任意の数の試料が、マルチプレックス化されてよい。例えば、マルチプレックス解析は、少なくとも約2個、約3個、約4個、約5個、約6個、約7個、約8個、約9個、約10個、約11個、約12個、約13個、約14個、約15個、約16個、約17個、約18個、約19個、約20個、約25個、約30個、約35個、約40個、約45個、約50個、約55個、約60個、約65個、約70個、約75個、約80個、約85個、約90個、約95個、約100個、もしくはそれより多い試料、またはその中で導き出せる任意の範囲を含んでよい。同定可能なタグは、各試料をその起源について調べる方法を提供し得るか、または様々な試料を、互いに異なる領域または固体支持体に分かれるように誘導し得る。
任意の数の試料が、タグ化もマルチプレックス化もせずに、解析の前に混合されてよい。例えば、マルチプレックス解析は、少なくとも約2個、約3個、約4個、約5個、約6個、約7個、約8個、約9個、約10個、約11個、約12個、約13個、約14個、約15個、約16個、約17個、約18個、約19個、約20個、約25個、約30個、約35個、約40個、約45個、約50個、約55個、約60個、約65個、約70個、約75個、約80個、約85個、約90個、約95個、約100個、もしくはそれより多い試料、またはその中で導き出せる任意の範囲を含んでよい。試料は、コンビナトリアルプーリング設計を用いて、タグ化せずにマルチプレックス化されてよく、その際、コンピューターによる多重分離を用いて、個々の試料からのシグナルを解析されるプールから分離することを可能にするような様式で試料がプールに混合される。
試料は、シーケンシングの前に濃縮されてよい。例えば、cfDNA分子は、対象のゲノムまたはトランスクリプトームに由来する1つまたは複数の領域を選択的に濃縮されるかまたは非選択的に濃縮されてよい。例えば、cfDNA分子は、標的配列捕捉(例えば、パネルを用いる)、選択的増幅、または標的化増幅により、対象のゲノムまたはトランスクリプトームに由来する1つまたは複数の領域を選択的に濃縮されてよい。別の例として、cfDNA分子は、全般的増幅により、対象のゲノムまたはトランスクリプトームに由来する1つまたは複数の領域を非選択的に濃縮されてよい。いくつかの態様において、増幅は、全般的増幅、全ゲノム増幅、または非選択的増幅を含む。cfDNA分子は、所定の範囲の長さを有する断片を求めてサイズ選択されてよい。例えば、サイズ選択は、アダプター連結の前に、40塩基対(bp)~250bの範囲またはその中で導き出せる任意の範囲の長さを求めて、DNA断片に対して実施することができる。別の例として、サイズ選択は、アダプター連結の後に、160bp~400bpの範囲またはその中で導き出せる任意の範囲の長さを求めて、DNA断片に対して実施することができる。
本明細書において使用される場合、用語「核酸」または「ポリヌクレオチド」は、通常、1つまたは複数の核酸サブユニットまたはヌクレオチドを含む分子を意味する。核酸は、アデノシン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)、およびウラシル(U)、またはそのバリアントより選択される1つまたは複数のヌクレオチドを含んでよい。通常、ヌクレオチドは、ヌクレオシドおよび少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、もしくはそれより多い、またはその中で導き出せる任意の範囲の、リン酸(PO3)基を含む。ヌクレオチドは、核酸塩基、五炭糖(リボースまたはデオキシリボースのいずれか)、および1つまたは複数のリン酸基を、個別にまたは組み合わせて含み得る。
本明細書において使用される場合、用語「核酸分子」、「核酸配列」、「核酸断片」、「オリゴヌクレオチド」、および「ポリヌクレオチド」は、通常、ポリヌクレオチド、例えば、デオキシリボヌクレオチド(DNA)もしくはリボヌクレオチド(RNA)、またはその類似体および/もしくは組合せ(例えば、DNAとRNAの混合物)を意味する。核酸分子は、様々な長さであってよい。核酸分子は、少なくとも5塩基、10塩基、20塩基、30塩基、40塩基、50塩基、60塩基、70塩基、80塩基、90、100塩基、110塩基、120塩基、130塩基、140塩基、150塩基、160塩基、170塩基、180塩基、190塩基、200塩基、300塩基、400塩基、500塩基、1キロベース(kb)、2kb、3、kb、4kb、5kb、10kb、もしくは50kb、またはその中で導き出せる任意の範囲の長さであることができ、あるいは核酸分子は、前述した値のうちの任意の2つの間の任意の数の塩基を有してよい。オリゴヌクレオチドは、典型的には、4種のヌクレオチド塩基:アデニン(A);シトシン(C);グアニン(G);およびチミン(T)(ポリヌクレオチドがRNAである場合、チミン(T)の代わりにウラシル(U))の特定の配列から構成される。したがって、用語「核酸分子」、「核酸配列」、「核酸断片」、「オリゴヌクレオチド」、および「ポリヌクレオチド」は、少なくともある程度、ポリヌクレオチド分子のアルファベット表記であることが意図される。あるいは、これらの用語は、ポリヌクレオチド分子それ自体に適用されてもよい。このアルファベット表記は、中央処理装置を有するコンピューター中のデータベースに入力することができ、かつ/または機能ゲノミクスおよびホモロジー検索などのバイオインフォマティクス用途のために使用することができる。オリゴヌクレオチドは、1つまたは複数の非標準型ヌクレオチド、ヌクレオチド類似体、および/または修飾ヌクレオチドを含んでよい。
本明細書において使用される場合、用語「セルフリーDNA」または「cfDNA」は、通常、体の液体、例えば、血流またはそれに由来する血漿中を遊離状態で循環しているDNAを意味する。本明細書において利用される方法のいくつかの態様において、cfDNAは、特定のタイプのcfDNA、例えば、細胞と結合していない、血流中の腫瘍由来断片化DNAである循環腫瘍DNA(ctDNA)を包含する。cfDNAは、二本鎖でも一本鎖でもよく、または両方の特徴を有してよい。
本明細書において使用される場合、用語「CpG部位」は、5'から3'の方向に、隣接したシトシン(C)とグアニン(G)とを含む、核酸分子上の位置を通常は意味する。核酸分子は、少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、20個、30個、40個、50個、100個、500個、1000個、10000個、もしくはそれより多い、またはその中で導き出せる任意の範囲の個数のCpG部位を含んでよい。核酸分子の3'から5'の方向におけるこのようなCpG部位は、「GpC部位」と呼ばれ得る。
本明細書において使用される場合、用語「CpGアイランド」は、次の判定基準を満たす、ゲノムDNAの近接領域を通常は意味する:(1)「観察値と期待値の比」に相当するCpGジヌクレオチドの出現率が約0.6より大きいこと;(2)「GC含有量」が約0.5より大きいこと;および(3)長さが少なくとも約0.2キロベース(kb)であること。ただし、これらの判定基準に合う反復領域は除外されるかまたは無視されるという例外があり得る。CpGアイランドを特定するための判定基準は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み入れられるGardiner-Gardenら(J. Mol. Biol., 196:262-282, 1987)によって説明されている。
本明細書において使用される場合、用語「CpGリッチ」は、CpG含有率が高いゲノム領域を通常は意味し、DNAメチル化の大部分がこの場所で起こり得る。CpG含有率が高い領域は、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、もしくはその中で導き出せる任意の範囲、またはそれより高いCpG含有率を有し得る。いくつかの態様において、このようなCpG含有率は、1%より高い。いくつかの態様において、CpGリッチ領域は、CpGアイランドおよびプロモーター領域を含んでよい。CpGリッチ領域は、任意の長さを含んでよい(例えば、長さを限定するわけではないが、少なくとも0.2kbである)。
本明細書において使用される場合、用語「バイサルファイト変換」は、非メチル化塩基(例えばシトシン塩基)をウラシル塩基に変換するための生化学的プロセスを通常は意味し、その際、メチル化情報(例えばメチル化シトシン)は保存される。バイサルファイト変換のための試薬の例には、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸マグネシウム、および重亜硫酸トリアルキルアンモニウムが含まれる。
II 方法の例
本開示は、情報価値がある断片を濃縮し、ライブラリー調製の効率を低め得るアダプターダイマーを減らすための改良を有する、核酸ライブラリーを調製するための方法を提供する。いくつかの態様において、ライブラリーが作られる元となるDNAの供給源は、任意の種類のDNA、特にセルフリーDNA(cfDNA)を含む。いくつかの態様において、ライブラリーは、手作業で引き起こされるDNA断片化の後に作られる。しかしながら、いくつかの態様においては、出発核酸材料それ自体が、断片を含み得る((癌細胞DNA由来を含む、細胞アポトーシスまたはネクローシス由来の)天然供給源の断片化など)。
本開示は、情報価値がある断片を濃縮し、ライブラリー調製の効率を低め得るアダプターダイマーを減らすための改良を有する、核酸ライブラリーを調製するための方法を提供する。いくつかの態様において、ライブラリーが作られる元となるDNAの供給源は、任意の種類のDNA、特にセルフリーDNA(cfDNA)を含む。いくつかの態様において、ライブラリーは、手作業で引き起こされるDNA断片化の後に作られる。しかしながら、いくつかの態様においては、出発核酸材料それ自体が、断片を含み得る((癌細胞DNA由来を含む、細胞アポトーシスまたはネクローシス由来の)天然供給源の断片化など)。
本開示は、所望のライブラリーを作製するために一連の作業を使用する方法を提供する。いくつかの態様において、方法は、DNAを消化する作業、消化されたDNAの末端にアダプターを連結する作業、アダプターが連結されたDNAを増幅する作業、および、増幅された、アダプターが連結されたDNAをシーケンシングする作業を含み、その際、方法の工程の何らかの時点に、段階の副生成物としてアダプターダイマーが生成され、アダプターダイマーはまた、方法の効率を高めるために、(例えば、それらを消化または他の手段によって破壊することにより)数が減らされる。方法はまた、例えば、メチロームが生成されることが望まれる場合を含む、核酸のメチル化状態を測定することが望まれる場合には、バイサルファイト変換も含んでよい。
いくつかの態様において、例えば、現行の次世代シーケンシング(NGS)シーケンサーのリード長は限定されているため、DNA断片化が、シーケンシングライブラリー調製のために実施される。NGSライブラリー調製のための以前の方法では、断片化されたDNAは、アダプターに連結する前に末端修復されるか、かつ/またはdAテールを付加されてよく、典型的なアダプターは、平滑末端であるか、またはオーバーハングを有してよい。
図1に示すように、以前のライブラリー方法は、1種または複数種の制限酵素の使用などの酵素的アプローチを利用して、両端にオーバーハングを有するDNAを断片化する。特異的に設計されたアダプターが、断片に連結される。続いて、アダプター除去作業を伴うまたは伴わないPCRによって、NGS方法で使用するために十分な量になるまで、アダプタータグ付き(アダプターが連結された、とも呼ばれ得る)断片を増幅することができる。
これらの方法の最初または初期の作業としての、制限酵素によるDNAの消化は、DNAを断片化するだけではなく、関心対象のDNAを濃縮するための一般的アプローチとしても利用され得る。例えば、簡約表示バイサルファイトシーケンシング(RRBS)においてMspI酵素を使用すると、メチル化プロファイリングのためのCpG部位を有するDNA断片が濃縮される。ゲノムDNA(gDNA)から作られるほとんどの断片は、サイズ選択後に制限酵素によって2回切断された可能性があるが、これはcfDNA断片には当てはまらない可能性がある。典型的には、セルフリーDNAは、166塩基対あたりを中心とするサイズ分布を有するDNA分子を含む。図1に示すように、一部の断片は、制限酵素認識部位をまったく含まず、一部の断片は、制限酵素認識部位を1つしか含まず、したがって、このような断片は、情報価値がないか、または複数の制限酵素認識部位を有する標的断片と比べて、それほど情報価値がない。一部の制限酵素は、消化後に3'オーバーハングまたは5'オーバーハングを作製する。図1では、2種の制限酵素による切断によって生じた2つの代表的なオーバーハング(「PQ」、「NM」)およびそれらの相補的配列(「pq」、「nm」)を示している。
いくつかの態様において、本開示は、酵素によって消化されたDNA断片に連結するように特異的に設計されたアダプターをライブラリー調製のために提供して、特に、ゲノム解析およびエピゲノム解析のために、複数の制限酵素認識部位を有する断片をcfDNAから濃縮する。図1に例示したように、これらのアダプターは、制限酵素によって消化された断片のオーバーハングに対する相補的配列のオーバーハング(例えば、「MN」、「pq」)を用いて設計される。アダプターが標的断片に連結された後、PCRなどのそれ以降のライブラリー調製工程は、特異的に設計されたアダプターに両端が連結されている断片のみを選択的に増幅し、したがって、シーケンシングを含む後続の解析のために情報価値がある断片をcfDNAから濃縮することができる。
図1に示す例などの以前のライブラリー調製方法および他のライブラリー調製方法に生じる1つの問題は、多数のアダプターダイマーが望まないにもかかわらず形成されることであり、本開示の方法は、少なくともこのような問題を克服する。オーバーハングが互いに相補的ではなく、したがって容易にはダイマーを形成できない従来のアダプターとは異なり、制限酵素によって消化された断片に連結するために使用されるアダプターは、互いに連結してアダプターダイマーを形成することができる。最終のライブラリー中のアダプターダイマーがシーケンシングされる可能性があり、したがって、これは、標的断片についてのシーケンシングされたリードの収量に悪影響を与える場合があり、かつアダプターダイマーから生じる、偽のシーケンシングされたリードをもたらす場合がある。作製されたライブラリー中のアダプターダイマーは、大量に存在する場合があり、Ampureビーズ精製などの単純な精製段階では容易に除去できない。
本開示は、シーケンシングのために作製されたライブラリーを含む、核酸ライブラリー中のアダプターダイマーを回避するか、またはアダプターダイマーの量を減らすための方法を提供する。いくつかの態様において、本開示の方法は、両端にアダプターを有するDNA断片を選択的に増幅するために特異的に設計されたPCRプライマー、および/またはアダプター連結の間もしくは後にアダプターダイマーを切断するための、1種もしくは複数種の制限酵素の使用を用いる。これらの方法は、核酸ライブラリーを作製するために本開示の方法を使用する際の、以下の具体的な用途において例示される。調製作業後、ライブラリーは、任意の目的、例えば、cfDNAメチロームを含むcfDNAのプロファイリングのために、使用されてよい。
図2は、制限酵素で消化されたcfDNAから情報価値がある断片を濃縮するために使用できる、設計されたアダプターの例を例示する。情報価値があるcfDNA断片を作るために、様々な制限酵素を使用することができ、限定されるわけではないが、AcII、HindIII、MluCI、PciI、AgeI、BspMI、BfuAI、SexAI、MluI、BceAI、HpyCH4IV、HpyCH4III、BaeI、BsaXI、AflIII、SpeI、BsrI、BmrI、BglII、BspDI、PI-SceI、NsiI、AseI、CspCI、MfeI、BssSαI、DraIII、EcoP15I、AlwNI、BtsIMutI、NdeI、CviAII、FatI、NlaIII、FspEI、XcmI、BstXI、PflMI、BccI、NcoI、BseYI、FauI、TspMI、XmaI、LpnPI、AclI、ClaI、SacII、HpaII、MspI、ScrFI、StyD4I、BsaJI、BslI、BtgI、NciI、AvrII、MnlI、BbvCI、SbfI、Bpu10I、Bsu36I、EcoNI、HpyAV、BstNI、PspGI、StyI、BcgI、PvuI、EagI、RsrII、BsiEI、BsiWI、BsmBI、Hpy99I、AbaSI、MspJI、SgrAI、BfaI、BspCNI、XhoI、PaeR7I、EarI、AcuI、PstI、BpmI、DdeI、SfcI、AflII、BpuEI、SmlI、AvaI、BsoBI、MboII、BbsI、BsmI、EcoRI、HgaI、AatII、PflFI、Tth111I、AhdI、DrdI、SacI、BseRI、PleI、HinfI、Sau3AI、MboI、DpnII、TfiI、BsrDI、BbvI、BtsαI、BstAPI、SfaNI、SphI、NmeAIII、NgoMIV、BglI、AsiSI、BtgZI、HhaI、HinP1I、BssHII、NotI、Fnu4HI、MwoI、BmtI、NheI、BspQI、BlpI、TseI、ApeKI、Bsp1286I、AlwI、BamHI、BtsCI、FokI、FseI、SfiI、NarI、PluTI、KasI、AscI、EciI、BsmFI、ApaI、PspOMI、Sau96I、KpnI、Acc65I、BsaI、HphI、BstEII、AvaII、BanI、BaeGI、BsaHI、BanII、CviQI、BciVI、SalI、BcoDI、BsmAI、ApaLI、BsgI、AccI、Tsp45I、BsiHKAI、TspRI、ApoI、NspI、BsrFαI、BstYI、HaeII、EcoO109I、PpuMI、I-CeuI、I-SceI、BspHI、BspEI、MmeI、TaqαI、Hpy188I、Hpy188III、XbaI、BclI、PI-PspI、BsrGI、MseI、PacI、BstBI、PspXI、BsaWI、EaeI、HpyF30I、Sfr274Iが含まれる。特定の態様において、これらのうちの1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、もしくはそれより多く、またはその中で導き出せる任意の範囲が除外されてよいことが意図される。
本開示の方法においてアダプター連結のために利用されるアダプターは、任意の種類のものでよいが、いくつかの態様において、アダプターは、それらが連結され得る断片の末端に対応するように特異的に設計されている。いくつかの態様において、アダプターは、酵素によって消化された核酸分子に連結されるように構成される。例えば、出発核酸材料(例えば、試料に由来するcfDNA)が取得されると、核酸は、1つまたは複数の特定の酵素で消化される。この(これらの)酵素は、特定のタイプの核酸分子(例えばCpGリッチ)を濃縮する目的、特定のサイズ範囲に実質的に含まれる断片を作る目的、またはそれらの組合せの目的のために、選択されてよい。例として、最初のcfDNAは、MspIで消化されてよい。このような場合、これらのアダプターは、消化された末端にCG(5'から3'の方向)オーバーハングを含む、DNAのMspIで消化されたDNA末端に対応する。このような態様において、これらのアダプターは、MspIで消化されたDNA末端に相補的であり、連結されることが可能であるように、末端にGC(3'から5'の方向)オーバーハングを有する。
図2のアダプターは、本開示の方法において使用され得るアダプターの例にすぎない。本開示の方法のためのアダプターは、制限酵素によって消化された断片のオーバーハングに対して相補的な配列のオーバーハングを有する標準的アダプター(例えば、図2A、図2B、図2C、図2D、および図2E)、または制限酵素によって消化された断片のオーバーハングに対して相補的な配列に加えてランダム配列および/もしくは固定配列を有する標準的アダプター(例えば、図2F、図2G、図2H、図2I、図2J、図2K、図2L、図2M、図2N、および図2O)を含んでよい。いくつかの態様において、アダプターは、例えば上記のアダプター(例えば、図2P、図2Q、および図2R)のものを含む、アダプター-アダプターダイマーの形態であることができ;このタイプのアダプターは、本開示の方法のような方法の副産物として生成されるものとは対照的に、アダプターダイマーとなるように特異的に設計される。
いくつかの態様において、アダプターは、アダプターの2分子を有するアダプターダイマーが生じた際に制限酵素で消化できるように設計される。この特徴に加えて、アダプターは、cfDNA断片の末端にアダプターが連結された場合に、アダプターダイマー自体を消化する制限酵素が、アダプターと消化されたcfDNA断片の末端との間の連結部は消化できなくなるように、設計されてよい。図3A~3Eは、制限酵素によって消化できるいくつかのアダプターダイマーの例を示す。
図4は、例えば、癌診断などの用途向けにcfDNAをメチル化プロファイリングするための、本開示のライブラリー調製のための方法の例の使用を例示している。例として、制限酵素MspIは、認識部位CCGGの位置でcfDNAを消化するために使用される。両端がMspIによって切断された断片は、メチル化プロファイリングに有用であるCpGリッチ部位を含む。GC(3’から5’方向)オーバーハングを有する設計されたアダプターは、MspIによって切断された末端に連結することができる。次いで、消化された断片は、バイサルファイト処理に供されて、メチル化核塩基を非メチル化核塩基と区別できるようにされる。バイサルファイト変換後、PCRを実施して、シーケンシングおよびメチル化プロファイリングのために特異的に設計されたアダプターに両端が連結された断片を濃縮してよい。
図4の例では、GCオーバーハングを有するアダプターは、アダプターダイマーの連結部の位置に5'-CTCGAG-3'配列を有するアダプターダイマーを形成することができる。しかし、制限酵素消化(この例ではMspI)の産物としての、アダプターと標的DNA断片の末端の間の連結部は、別の配列、すなわち5'-CTCGG-3'(または、中央のCがメチル化されていない場合、バイサルファイト変換後に5’-CTTGG-3’)などを含む。いくつかの態様において、PCRプライマーは、アダプターと標的DNAの間の連結部を認識するが、アダプターダイマー中のアダプター分子間の連結部を認識しないように設計されている。この設計では、アダプター間に標的DNA断片の挿入物を有する連結産物のみを、例えばシーケンシングのために増幅し濃縮することができる。
図5は、例えばcfDNAメチロームプロファイリングを目的とする、酵素的ライブラリー調製のための方法の例を例示している。この例では、MspI消化後、5'末端にGCオーバーハングを有する標的DNA断片が、5'末端にGCオーバーハングを有するアダプターに直接的に連結される。アダプターとアダプターの間の連結部配列を認識するが、アダプターと標的DNAの間の連結部配列を認識しない他の制限酵素(例えば、Xhol、SmlI、およびTaqαI)が、連結反応の後にアダプターダイマーを切断するために使用される。次いで、制限酵素によって消化された連結産物をバイサルファイト変換およびPCR濃縮に供してよい。
図6は、例としてcfDNAメチロームプロファイリングのためを含む、酵素的ライブラリー調製のための方法の例を例示している。この例では、酵素消化およびアダプター連結は、同じ反応において行われる。この反応において、例として制限酵素MspIは、5'末端にGC(3’から5’方向)オーバーハングを有する標的DNA断片を生じさせる。5'末端にGCオーバーハングを有するアダプターは、同じ反応においてDNAリガーゼの存在下で、標的DNA断片に連結される。アダプターとアダプター、またはMspIで消化された断片もまた、互いに連結される場合がある。アダプターダイマー生成をもたらすアダプター-アダプター連結を回避するために、アダプターとアダプターの間の連結部を認識し切断できる制限酵素BspDIを反応に加える。一方、混合物中のMspIは、連結された標的DNA断片を消化することができる。しかし、アダプターと標的DNA連結産物の間の連結部は、BspDIまたはMspIなどの制限酵素によって消化できる認識部位を有していない。この反応における制限酵素消化およびアダプター連結は、同じ温度または異なる温度で実施することができる。
図7は、cfDNAメチロームプロファイリングのための酵素的ライブラリー調製のための方法の例を例示している。図6で例示した方法と同様に、酵素消化およびアダプター連結は、同じ反応において行われる。この反応で使用されるアダプターは、長期にわたって安定させるために、例えば、図2P、図2Q、および図2Rに示したように、アダプター-アダプターダイマーの形態で合成される。本開示の方法において、方法の工程を実施する目的で使用されるアダプターダイマーであるアダプターは、(方法の工程の一環として作製されるのではなく)手作業で特異的に設計されている。BspDI制限酵素は、このタイプのアダプターを消化して、標的DNA断片に連結するために使用できるアダプター産物を形成させることができる。
アダプターダイマーの酵素消化は、バイサルファイト変換後またはPCR増幅後に実施することができる。図8に示したように、制限酵素SmlI(例として)は、PCR濃縮工程後にアダプターダイマーを切断するために利用され得る。
図9A~9Cは、本開示の方法に基づく、cfDNAからの典型的な簡約表示バイサルファイトシーケンシング(RRBS)ライブラリーの調製の例を例示する。この例では、酵素的ライブラリー調製を実施して、患者血漿から抽出したcfDNAから3つのRRBSライブラリーを作った。完全なプロトコールは以下を含む:
1 酵素反応:酵素反応溶液は、10ナノグラム(ng)のcfDNA、H2O、10×CutSmart、ATP、DTT、PEG、アダプター、MspI、BspDI、およびリガーゼを含み得る。混合後、溶液をサーマルサイクラーに入れて、次のプログラムを実行する:(37℃ 30分、25℃ 30分)を17サイクル、37℃ 90分、4℃ 時間無限大。酵素反応生成物を、Ampure XPビーズ(Beckman Coulter)を用いて精製する。
2 バイサルファイト変換:バイサルファイト変換は、製造業者のプロトコールに従ってEpiTectバイサルファイトキット(Qiagen)を用いて実施することができる。
3 PCR増幅:バイサルファイト変換産物を増幅して、最終ライブラリー中のアダプター含有断片を濃縮する。PCR反応溶液は、バイサルファイト変換産物、NEBインデックスプライマー、NEBユニバーサルプライマー、KAPA HiFIウラシルレディーミックス、およびH2Oを含み得る。混合後、溶液をサーマルサイクラーに入れて、次のプログラムを実行する:98℃ 45分、(98℃ 15分、60℃ 30分、72℃ 30分)を15サイクル、72℃ 60分、4℃ 時間無限大。PCR反応産物は、Ampure XPビーズ(Beckman Coulter)を用いて精製され、精製されたライブラリーは、Illumina HiSeq 2000などのプラットフォームでのシーケンシングにそのままで使える。
1 酵素反応:酵素反応溶液は、10ナノグラム(ng)のcfDNA、H2O、10×CutSmart、ATP、DTT、PEG、アダプター、MspI、BspDI、およびリガーゼを含み得る。混合後、溶液をサーマルサイクラーに入れて、次のプログラムを実行する:(37℃ 30分、25℃ 30分)を17サイクル、37℃ 90分、4℃ 時間無限大。酵素反応生成物を、Ampure XPビーズ(Beckman Coulter)を用いて精製する。
2 バイサルファイト変換:バイサルファイト変換は、製造業者のプロトコールに従ってEpiTectバイサルファイトキット(Qiagen)を用いて実施することができる。
3 PCR増幅:バイサルファイト変換産物を増幅して、最終ライブラリー中のアダプター含有断片を濃縮する。PCR反応溶液は、バイサルファイト変換産物、NEBインデックスプライマー、NEBユニバーサルプライマー、KAPA HiFIウラシルレディーミックス、およびH2Oを含み得る。混合後、溶液をサーマルサイクラーに入れて、次のプログラムを実行する:98℃ 45分、(98℃ 15分、60℃ 30分、72℃ 30分)を15サイクル、72℃ 60分、4℃ 時間無限大。PCR反応産物は、Ampure XPビーズ(Beckman Coulter)を用いて精製され、精製されたライブラリーは、Illumina HiSeq 2000などのプラットフォームでのシーケンシングにそのままで使える。
この例では、制限酵素MspIが、cfDNA断片を消化するための酵素反応において使用される。バイサルファイト変換およびPCR増幅の後、この方法例により、完全なDNAから調製された従来のRRBSライブラリーと同等のシーケンシングライブラリーが作られる。図9A~9Cに示すように、ライブラリーサイズのTBE-尿素-ポリアクリルアミドゲル解析(図9A)とシーケンシングデータに基づく断片サイズ解析(図9B)のどちらも、Aluリピートに関連する3つの特徴的なピークを68bp、135bp、および202bpあたりに有する、典型的なRRBSライブラリーという結果を示している。図9Cは、以下を含む、シーケンシング結果の要約を示している:シーケンシングリードの総数;QCパイプラインにおいてトリミングされずに残るシーケンシングリードのパーセンテージ;重複のパーセンテージ;CGG配列で始まるR1シーケンシングリード;CGG配列で始まるR2シーケンシングリード;特徴的なRRBS領域にマッピングされるシーケンシングリードのパーセンテージ。
本開示の態様には、少なくとも、核酸ライブラリーを調製するための方法、複数のポリヌクレオチドを作るための方法、二本鎖DNAを作るための方法、ライブラリーを作り出すためのヌクレオチドの使用、シーケンシングライブラリーを調製するための方法、シーケンシングライブラリーを適用する方法、などが含まれる。
態様には、以下の工程のいずれかのうちの、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個もしくはそれより多く、またはその中で導き出せる任意の範囲を含む方法が含まれる:複数のDNA分子を提供する工程、DNA分子を単離する工程、DNA断片をアダプターに連結する工程、複数のDNA分子を消化する工程、DNA分子を増幅する工程、アダプターをDNA断片に連結する工程、任意の種類のDNA分子を解析する工程、リガーゼを使用する工程、DNA分子の混合物を生成する工程、連結された分子の混合物を生成する工程、アダプターが連結された分子または断片の混合物を生成する工程、特定のDNA分子(一例として、アダプターダイマーではない分子を含む)の集団を濃縮する工程、特定の1つまたは複数の段階を実施する工程、特定のDNA分子を識別する工程、メチル化塩基と非メチル化塩基を区別する工程、特定のDNA分子をバイサルファイト変換、酵素反応、および/または化学反応に供する工程など。
III シーケンシングライブラリー調製のための核酸分子
いくつかの態様において、シーケンシングライブラリーを調製する材料となる核酸分子はDNAであり、いくつかの態様において、該DNAはセルフリーDNA(cfDNA)である。cfDNAは、哺乳動物を含む対象または個体から取得することができる。cfDNAは、例えば、疾患状態またはそれに対するリスクもしくは易罹患性の検出など、健康状態に関する判定を与えるためにcfDNAの解析を必要とする、対象または個体に由来してよい。cfDNAは、個体に由来する1つもしくは複数の試料から取得してもよく、またはそれに由来してもよい。試料は、血漿、血清、骨髄、脳脊髄液、胸膜液、唾液、大便、もしくは尿から取得してもよく、またはそれに由来してもよい。ライブラリーが調製される材料になるcfDNAは、二本鎖、一本鎖(方法の前に実施される作業が、第2の鎖の重合を含んでよい)、またはそれらの混合物であってよい。
いくつかの態様において、シーケンシングライブラリーを調製する材料となる核酸分子はDNAであり、いくつかの態様において、該DNAはセルフリーDNA(cfDNA)である。cfDNAは、哺乳動物を含む対象または個体から取得することができる。cfDNAは、例えば、疾患状態またはそれに対するリスクもしくは易罹患性の検出など、健康状態に関する判定を与えるためにcfDNAの解析を必要とする、対象または個体に由来してよい。cfDNAは、個体に由来する1つもしくは複数の試料から取得してもよく、またはそれに由来してもよい。試料は、血漿、血清、骨髄、脳脊髄液、胸膜液、唾液、大便、もしくは尿から取得してもよく、またはそれに由来してもよい。ライブラリーが調製される材料になるcfDNAは、二本鎖、一本鎖(方法の前に実施される作業が、第2の鎖の重合を含んでよい)、またはそれらの混合物であってよい。
いくつかの態様において、ライブラリーが調製されることが望ましい核酸分子は、本開示の方法における利用の前に、改変されてよい。例えば、核酸分子は、特定のタイプの核酸分子、特定のサイズの核酸分子、またはそれらの組合せについて濃縮されてよい。いくつかの態様において、核酸分子は、例えば、特定のサイズの分子について、かつ/または1つもしくは複数の特定の特徴を有する分子、例えば1つもしくは複数のメチル化部位を含むものについて濃縮されたcfDNAである。
IV シーケンシングライブラリーの応用
本開示は、シーケンシングのため、メチル化の質または量の測定のためなどを含む、任意の種類の解析のための分子の調製に関係する方法、系、および組成物を提供する。いくつかの態様において、分子はcfDNAを含み、いくつかの態様において、該cfDNAは、個体から取得されるか、または個体に由来する(例えば、対象または個体に由来する血液もしくは血漿または尿(またはそれらの組合せ)試料)。いくつかの態様において、ライブラリー調製後、本開示は、cfDNA分子における、例えばcfDNA分子のCpGリッチ領域におけるDNAメチル化を評価するための方法および系を提供する。
本開示は、シーケンシングのため、メチル化の質または量の測定のためなどを含む、任意の種類の解析のための分子の調製に関係する方法、系、および組成物を提供する。いくつかの態様において、分子はcfDNAを含み、いくつかの態様において、該cfDNAは、個体から取得されるか、または個体に由来する(例えば、対象または個体に由来する血液もしくは血漿または尿(またはそれらの組合せ)試料)。いくつかの態様において、ライブラリー調製後、本開示は、cfDNA分子における、例えばcfDNA分子のCpGリッチ領域におけるDNAメチル化を評価するための方法および系を提供する。
本開示は、cfDNAに関するメチル化情報を提供するための方法の様々な局面に関する。いくつかの態様には、cfDNAのCpGリッチ領域におけるDNAメチル化を評価するための方法が含まれる。
癌などの疾患に関する本開示の態様の場合、適切な試料中のcfDNAの検出および特徴付けが、情報を得るための有効な方法になり得る。例えば、ライブラリー調製後、調製されたシーケンシングライブラリーは、ある個体が特定の疾患もしくは医学的状態を有しているか、またはそのリスクがあるか、もしくはそれに対する易罹患性を有するかを判定するために利用され得る。1つの例では、個体が癌を有しているか、または有していると推測されるか、もしくは有するリスクがあり、調製されたcfDNA分子のライブラリーを解析することが、該個体が癌を有しているか、または有していると推測されるか、もしくは有するリスクがあるかどうかを判定する助けとなる。
いくつかの態様において、ライブラリー調製後の方法は、腫瘍の起源組織を特定することを含む、非侵襲的な癌スクリーニングを含む。リキッドバイオプシー(液体生検または液相生検とも呼ばれ得る)、例えば採血は、従来の組織生検とは違って、様々な異なる悪性腫瘍を特定するのに有用であり、本開示の方法において利用され得る。
いくつかの態様において、複数のDNA断片の少なくとも部分集団は、メチル化核酸塩基を有している。いくつかの態様において、出発cfDNA分子は、0個、1個、または複数のCpG部位を有する場合があり、方法は、2個もしくは3個もしくは4個またはそれより多いCpG部位を有するセルフリーDNA分子を同定する工程を含む。いくつかの態様において、方法は、cfDNA分子またはその誘導体(アダプターが連結されたDNA断片、または、増幅された、アダプターが連結されたDNA断片)を、分子中のメチル化核酸塩基を非メチル化核酸塩基と区別できるようにするのに十分な条件の影響下に置く工程をさらに含む。いくつかの態様において、複数のcfDNA分子、複数のDNA断片、またはその誘導体を十分な条件の影響下に置く工程は、該複数のDNA断片に対してバイサルファイト変換を実施することを含む。いくつかの態様において、複数のcfDNA分子、複数のDNA断片、またはその誘導体を十分な条件の影響下に置く工程は、メチル化シトシン核酸塩基および/またはヒドロキシメチル化シトシン核酸塩基を酸化するための酵素反応および/または化学反応と、それに続く、酸化反応生成物の還元および/または脱アミノ化を実施することを含む。
いくつかの態様において、方法は、複数のDNA断片についての少なくとも1つの部分のメチル化プロファイルを提供するために、複数のDNA断片についての少なくとも1つの部分またはアダプターが連結された複数のDNA断片についての少なくとも1つの部分のメチル化状態を測定する工程をさらに含む。いくつかの態様において、方法は、cfDNAのメチル化プロファイルを提供するために、アダプターが連結されたDNA断片または、増幅された、アダプターが連結されたDNA断片についての少なくとも一部のメチル化状態を測定する工程をさらに含む。いくつかの態様において、方法は、1種または複数種の参照と対比してメチル化プロファイルを処理する工程をさらに含む。メチル化プロファイルは、任意の数のCpG部位、CpGリッチ配列、および/またはCpGアイランドについての情報(特定のメチル化部位の存在および/または非存在を含む)を含み得る。いくつかの態様において、参照は、1名または複数名の追加の対象に由来するcfDNA分子の参照メチル化プロファイルを含む。cfDNAの参照メチル化プロファイルを入手するもととなる対象は、例えば、健康でもよく、癌がない状態でもよく、癌を有していてもよく、または癌を有するリスクが高まっていてもよい。
いくつかの態様において、複数のcfDNA分子は、前記対象の身体試料から取得される。いくつかの態様において、身体試料は、血漿、血清、骨髄、脳脊髄液、胸膜液、唾液、大便、痰、乳頭吸引液、生検材料、口腔擦過標本、尿、およびそれらの組合せからなる群より選択される。いくつかの態様において、方法は、複数のcfDNA分子のメチル化プロファイルを作るために、1つまたは複数のCpG部位を有する分子を処理する工程をさらに含む。いくつかの態様において、方法は、対象が疾患もしくは障害を有する可能性または対象が疾患もしくは障害を有すると推測される可能性を明らかにするために、メチル化プロファイルを解析処理する工程をさらに含む。ある個体の試料から得たメチル化プロファイルを1つまたは複数の参照と比較する場合、該1つまたは複数の参照の試料の供給源は、該個体の試料と同じ供給源であっても、そうでなくてもよい。
いくつかの態様において、情報が望まれる疾患または障害は、癌、多発性硬化症、外傷性または虚血性の脳損傷、糖尿病、膵炎、アルツハイマー病、および胎児異常からなる群より選択される。いくつかの態様において、該疾患または障害は、膵臓癌、肝臓癌、肺癌、結腸直腸癌、白血病、膀胱癌、骨癌、脳癌、乳癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌、黒色腫、卵巣癌、精巣癌、腎臓癌、肉腫、胆管癌、甲状腺癌、胆嚢癌、脾臓癌、および前立腺癌からなる群より選択される癌である。
いくつかの態様において、前記対象の身体試料から取得されるcfDNA分子のメチル化パターンを用いて、異常な組織特異的細胞死または臓器移植をモニターすることができる。
いくつかの態様において、cfDNA中のCpGリッチ領域またはCpGアイランドを濃縮するための本明細書に包含される方法または系を用いて作られるライブラリーは、何らかの用途に利用される。いくつかの態様において、ライブラリーは、1つまたは複数の特徴について調べられる。ライブラリーは、該ライブラリーの分子のいくつかまたはすべてにおけるメチル化部位の量および/または位置を明らかにするために調べられてもよい。いくつかの態様において、メチル化パターンは、1つまたは複数の特定の部位を含む、ライブラリーの分子のいくつかまたはすべてにおける少なくとも一部について明らかにされる。メチル化プロファイリングは、ライブラリーの分子のいくつかまたはすべてのうちの少なくとも一部に対して実施されてよい。
いくつかの態様において、1つまたは複数のメチル化部位またはマーカーには、癌を含む様々な特定の疾患または障害についての血漿メチル化バイオマーカーが含まれ得る。差次的にメチル化されたバイオマーカーは、ある種の疾患特徴または障害特徴(癌のタイプ、病期、予後、治療応答など)を有する患者から得られたメチル化プロファイルデータを健康な対照から得られたメチル化プロファイルデータと比較することにより、特定することができる。種々の癌または組織型に固有の様々なメチル化プロファイルを特定することにより、本明細書において開示される態様では、多くのタイプの癌を検出し、かつ簡易な非侵襲性のリキッドバイオプシーに基づくさらに詳細な臨床調査のために腫瘍位置情報を提供することができる。メチル化プロファイルを用いて、例えば非侵襲性のリキッドバイオプシーに基づいて、任意の疾患または障害を検出することができる。
いくつかの態様において、cfDNAメチル化プロファイルは、ある疾患または障害を示唆するcfDNAメチル化プロファイルを対象が有するかどうかの判定に少なくともある程度基づいて対象または患者を診断するために、使用することができる。いくつかの局面において、本開示は、患者が癌を有するかどうか、癌を示唆するcfDNAメチル化プロファイルを作る工程を含む、cfDNAメチル化プロファイルに基づいて対象を診断する方法を提供する。いくつかの態様において、cfDNAメチル化プロファイルは、本明細書に包含される方法、組成物、および系を用いて、セルフリーDNAを含む患者由来の生物試料を処理することにより、作られる。
いくつかの態様において、cfDNAメチル化プロファイルは、癌の症状を有する患者、癌の症状がない患者、癌の家族歴もしくは患者歴を有する患者、癌のリスクを有する患者、または癌と診断された患者を診断するために使用することができる。患者は、哺乳動物患畜であってよいが、ほとんどの態様において患者はヒトである。癌は、悪性、良性、転移性、または前癌であってよい。さらに別の態様において、癌は、黒色腫、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、肺癌、肝細胞癌、網膜芽細胞腫、星状細胞腫、神経膠芽腫、歯肉癌、舌癌、白血病、神経芽細胞腫、頭部癌、頸部癌、乳癌、膵臓癌、前立腺癌、腎臓癌、骨癌、精巣癌、卵巣癌、肝臓癌、中皮腫、子宮頸部癌、胃腸癌、リンパ腫、脳癌、結腸癌、肉腫、胆嚢甲状腺癌、脾臓癌、または膀胱癌である。癌には、腫瘍細胞から構成される腫瘍が含まれ得る。
いくつかの局面において、本開示は、癌診断のためにCpGアイランドを含むDNAまたはCpGリッチDNAを濃縮する本明細書の方法および系に基づいて、治療の必要を判定した後に、癌患者の癌を治療するための方法を提供する。このような治療方法は、本明細書において開示する方法に基づいて患者が癌を有すると判定した後に、有効量の化学療法、放射線療法、ホルモン療法、標的療法、もしくは免疫療法(またはそれらの組合せ)を患者に施す工程を含み得る。癌の発生箇所を明らかにしてよく、その場合、治療は、そこから発生した癌に合わせられる。いくつかの態様において、腫瘍切除が、治療として実施されるか、または他の治療のうちの1つと併用される治療の一部であってよい。化学療法薬の例には、二官能性アルキル化薬(例えば、シクロホスファミド、メクロレタミン、クロラムブシル、メルファラン)または単官能性アルキル化薬(例えば、ダカルバジン(DTIC)、ニトロソ尿素、テモゾロミド(経口ダカルバジン))などのアルキル化剤;アントラサイクリン(例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、およびバルルビシン);細胞骨格を妨害するタキサン類(例えば、パクリタキセル、ドセタキセル、アブラキサン、タキソテール);エポチロン類;ヒストンデアセチラーゼ阻害剤(例えば、ボリノスタット、ロミデプシン);トポイソメラーゼI阻害剤(例えば、イリノテカン、トポテカン);トポイソメラーゼII阻害剤(例えば、エトポシド、テニポシド、タフルポシド);キナーゼ阻害剤(例えば、ボルテゾミブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、ベムラフェニブ、およびビスモデギブ);ヌクレオチド類似体およびヌクレオチド前駆物質類似体(例えば、アザシチジン、アザチオプリン、カペシタビン、シタラビン、ドキシフルリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、メトトレキサート、チオグアニン(tioguanine)(以前はthioguanine);ペプチド抗生物質(例えば、ブレオマイシン、アクチノマイシン);プラチナベースの抗悪性腫瘍剤(例えば、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン);レチノイド類(例えば、レチノイン(retinoin)、アリトレチノイン、ベキサロテン);ならびにビンカアルカロイド類(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビン)が含まれるが、それらに限定されるわけではない。免疫療法薬の例には、樹状細胞療法薬などの細胞療法薬(例えば、キメラ抗原受容体を使用する);抗体療法薬(例えば、アレムツズマブ、アテゾリズマブ、イピリムマブ、ニボルマブ、オファツムマブ、ペムブロリズマブ、リツキシマブ、またはこれらの抗体のうちの1つと同じ標的、例えば、CTLA-4、PD-1、PD-L1、もしくは他のチェックポイント阻害剤を有する他の抗体);およびサイトカイン療法薬(例えば、インターフェロンまたはインターロイキン)が含まれるが、それらに限定されるわけではない。
いくつかの態様において、対象を診断するためにcfDNAメチル化プロファイリングを使用する方法は、患者のメチル化プロファイルの測定の前または後に、生検を実施する工程、CATスキャンを行う工程、マンモグラムを行う工程、超音波診断を実施する工程、またはその他の方法で、癌性と疑われる組織を評価する工程をさらに含み得る。いくつかの態様において、発見される癌は、癌の分類または病期分類(例えば、ステージI、ステージII、ステージIII、またはステージIV)において分類される。
いくつかの態様において、cfDNA中のCpGアイランドを濃縮する方法および系によって得られたcfDNAメチル化プロファイルは、治療法をモニターするために、かつ/または治療中および/もしくは治療後を含めて、腫瘍の進行をモニターするために、利用される。例えば、採血は、1種または複数種の治療計画の間に腫瘍進行をモニターするために様々な時点に行われてよく、それに由来するcfDNAが分析されてよい。
いくつかの態様において、本開示の方法および系によって得られたcfDNAメチル化プロファイルは、例えば、組織生検が不可能である場合または保管された腫瘍試料を遺伝子解析のために入手することができない場合に、病期の判定のためにまたは予後バイオマーカーとして利用され得る。
いくつかの態様において、本明細書において提供されるcfDNA中のCpGリッチ領域を濃縮する方法および系によって得られたcfDNAメチル化プロファイルは、癌のスクリーニングおよび早期発見のために使用され得る。例えば、採血は、癌を早期に発見するために、または癌の素因を突き止めるために、癌の症状が何もない個体において定期的に行われてよい。
いくつかの態様において、本明細書において提供されるcfDNA中のCpGリッチ領域を濃縮する方法および系によって得られたcfDNAメチル化プロファイルは、胎児のダウン症候群および他の染色体異常を同定するための、母親の血漿または血清から得た胎児DNAの出生前検査のために使用され得る。
いくつかの態様において、本明細書において提供されるcfDNA中のCpGリッチ領域を濃縮する方法および系によって得られたcfDNAメチル化プロファイルは、臓器移植のモニタリングのために使用され得る。
いくつかの態様において、本明細書において提供されるcfDNA中のCpGリッチ領域を濃縮する方法および系によって得られたcfDNAメチル化プロファイルは、多発性硬化症、外傷性/虚血性の脳損傷、糖尿病、膵炎、もしくはアルツハイマー病、または感染症など他のタイプの疾患の診断のために使用され得る。
本明細書において考察される任意の態様は、本発明の任意の方法、系、キット、コンピューター可読媒体、または装置に関して実行できること、および逆もまた同様であることが企図される。さらに、本開示において使用される装置は、本開示の方法を実現するために使用することができる。
いくつかの態様において、1つまたは複数のCpG部位は、2個もしくはそれより多い、3個もしくはそれより多い、または4個もしくはそれより多いCpG部位を含む。いくつかの態様において、方法は、レポートを作成する工程、例えば、メチル化プロファイルを示すレポートを電子的に出力する工程をさらに含む。いくつかの態様において、方法は、対象が少なくとも1つの疾患もしくは障害を有する可能性もしくはリスクまたは対象が少なくとも1つの疾患もしくは障害を有すると推測される可能性もしくはリスクを明らかにするために、メチル化プロファイルを解析処理する工程をさらに含む。いくつかの態様において、該疾患または障害は、癌、多発性硬化症、外傷性または虚血性の脳損傷、糖尿病、膵炎、アルツハイマー病、および胎児異常からなる群より選択される。いくつかの態様において、該疾患または障害は、膵臓癌、肝臓癌、肺癌、結腸直腸癌、白血病、膀胱癌、骨癌、脳癌、乳癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌、黒色腫、卵巣癌、精巣癌、腎臓癌、肉腫、胆管癌、甲状腺癌、脾臓癌、胆嚢癌、および前立腺癌からなる群より選択される癌である。
いくつかの態様において、1つまたは複数のCpG部位は、2個またはそれより多いCpG部位を含む。いくつかの態様において、1つまたは複数のコンピュータープロセッサーは、メチル化プロファイルを示すレポートを電子的に出力するように、個別にまたは集合的にプログラムされている。いくつかの態様において、1つまたは複数のコンピュータープロセッサーは、メチル化プロファイルを解析処理して、対象が1つもしくは複数の疾患もしくは障害を有する可能性もしくはリスクまたは対象が1つもしくは複数の疾患もしくは障害を有すると推測される可能性もしくはリスクを明らかにするように、個別にまたは集合的にプログラムされている。いくつかの態様において、該疾患または障害は、癌、多発性硬化症、外傷性または虚血性の脳損傷、糖尿病、膵炎、アルツハイマー病、および胎児異常からなる群より選択される。いくつかの態様において、該疾患または障害は、膵臓癌、肝臓癌、肺癌、結腸直腸癌、白血病、膀胱癌、骨癌、脳癌、乳癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌、黒色腫、卵巣癌、精巣癌、腎臓癌、肉腫、胆管癌、甲状腺癌、脾臓癌、胆嚢癌、および前立腺癌からなる群より選択される癌である。
別の局面において、本開示は、機械実行可能コードを含む非一時的なコンピューター可読媒体であって、該機械実行可能コードが、1つまたは複数のコンピュータープロセッサーによって実行されると、本開示のライブラリー調製方法に供される複数のcfDNA分子を解析処理または解析するための方法を遂行する、非一時的なコンピューター可読媒体を提供し、該方法は、以下の工程を含む:(a)シーケンサーによって作られた複数の配列リードを回収する工程であって、該複数の配列リードの少なくとも1つのサブセットが、(i)前記複数のcfDNA分子に由来する配列および(ii)前記個々の配列リードのそれぞれの両端に位置する、前記複数のセルフリーDNA分子に由来しないアダプター配列を含む個々の配列リードを含む、、工程;(b)(i)前記アダプター配列を両端に有する、前記複数の配列リードに由来する1つまたは複数の配列リードを同定するためおよび(ii)該1つまたは複数の配列リードが前記複数のセルフリーDNA分子の1つまたは複数のCpG部位に関連していることを確認するために、前記複数の配列リードを解析処理する工程;ならびに(c)前記複数のセルフリーDNA分子のメチル化プロファイルを作るために、(b)で同定された前記1つまたは複数のCpG部位を用いる工程。
対象に由来するcfDNA試料から調製したライブラリーは、例えば腫瘍または非固形癌についてのスクリーニング、診断、予後、治療選択、または治療モニタリングのために、メチル化プロファイリングを含む任意の種類の解析に供することができる。例えば、解析は、ある種のメチル化プロファイルを有する患者が、外科手術、化学療法、放射線療法、標的療法、ホルモン療法、免疫療法、またはそれらの組合せに最も良く応答し得るかを示唆することができる。cfDNA試料を正確にメチル化プロファイリングすることにより、効果のない可能性がある治療が患者に指示され施されることを防ぐことができる。
V シーケンシングライブラリーのメチル化プロファイリング
本明細書に包含される方法を用いて分子ライブラリーを調製した後、濃縮されたDNA分子に対してメチル化プロファイリングを実施してよい。例えば、シーケンシングリードは、任意の適切なシーケンシング方法を用いて、濃縮したDNA分子から作られてよい。シーケンシング方法は、マクサム・ギルバートシーケンシングもしくはサンガーシーケンシングなどの第一世代シーケンシング方法、またはハイスループットなシーケンシング(例えば、次世代シーケンシングもしくはNGS)方法であることができる。ハイスループットなシーケンシング方法は、少なくとも1万個、10万個、100万個、1000万個、1億個、10億個、またはそれより多いポリヌクレオチド分子を同時に(または実質的に同時に)シーケンシングし得る。シーケンシング方法には、パイロシーケンシング、合成によるシーケンシング、単一分子シーケンシング、ナノポアシーケンシング、半導体シーケンシング、連結によるシーケンシング、ハイブリダイゼーションによるシーケンシング、デジタル遺伝子発現(Helicos)、超並列シーケンシング、例えばHelicos、クローン単一分子アレイ(Solexa/Illumina)、PacBio、SOLiD、Ion Torrent、もしくはNanoporeのプラットフォームを用いるシーケンシング、BGISEQ、またはそれらの組合せが含まれ得るが、それらに限定されるわけではない。
本明細書に包含される方法を用いて分子ライブラリーを調製した後、濃縮されたDNA分子に対してメチル化プロファイリングを実施してよい。例えば、シーケンシングリードは、任意の適切なシーケンシング方法を用いて、濃縮したDNA分子から作られてよい。シーケンシング方法は、マクサム・ギルバートシーケンシングもしくはサンガーシーケンシングなどの第一世代シーケンシング方法、またはハイスループットなシーケンシング(例えば、次世代シーケンシングもしくはNGS)方法であることができる。ハイスループットなシーケンシング方法は、少なくとも1万個、10万個、100万個、1000万個、1億個、10億個、またはそれより多いポリヌクレオチド分子を同時に(または実質的に同時に)シーケンシングし得る。シーケンシング方法には、パイロシーケンシング、合成によるシーケンシング、単一分子シーケンシング、ナノポアシーケンシング、半導体シーケンシング、連結によるシーケンシング、ハイブリダイゼーションによるシーケンシング、デジタル遺伝子発現(Helicos)、超並列シーケンシング、例えばHelicos、クローン単一分子アレイ(Solexa/Illumina)、PacBio、SOLiD、Ion Torrent、もしくはNanoporeのプラットフォームを用いるシーケンシング、BGISEQ、またはそれらの組合せが含まれ得るが、それらに限定されるわけではない。
いくつかの態様において、シーケンシングは、全ゲノムシーケンシング(WGS)を含む。いくつかの態様において、シーケンシングは、例えば参照DNA試料に対する、全ゲノムバイサルファイトシーケンシング(WGBS)を含む。いくつかの態様において、シーケンシングは、例えば参照DNA試料に対する、簡約表示バイサルファイトシーケンシング(RRBS)を含む。いくつかの態様において、シーケンシングは、複数の遺伝子座を含むパネルを用いる標的シーケンシングを含む。シーケンシングは、対象において所望の性能(例えば、精度、感度、特異性、陽性的中率(PPV)、陰性適中率(NPV)、または受信者操作特性(ROC)の曲線下面積(AUC))でメチル化プロファイリングを行うのに十分な深度で実施されてよい。いくつかの態様において、シーケンシングは、少なくとも約5×、少なくとも約10×、少なくとも約20×、少なくとも約50×、少なくとも約75×、少なくとも約100×、少なくとも約125×、少なくとも約150×、少なくとも約175×、もしくは少なくとも約200×、またはその中で導き出せる任意の範囲の深度で実施される。
いくつかの態様において、複数の遺伝子座は、あるゲノムのコード性ゲノム領域および/または非コード性ゲノム領域、例えば、CpGアイランド、高メチル化領域および/もしくは低メチル化領域、ならびに/またはそのような高メチル化領域および/もしくは低メチル化領域に近接する領域に対応し得る。これらのゲノム領域は、あるゲノムの癌関連(もしくは腫瘍関連)コード性ゲノム領域および/または非コード性ゲノム領域、例えば、癌ドライバー変異または遺伝子バリアントに対応し得る。遺伝子バリアントには、例えば、一塩基バリアント(SNV)、コピー数バリアント(CNV)、挿入または欠失(インデル)、融合遺伝子、高メチル化、および低メチル化が含まれ得る。
いくつかの態様において、対象のメチル化プロファイリングを実施する工程は、cfDNAシーケンシングリードを参照ゲノムにアラインすることを含み得る。参照ゲノムは、あるゲノム(例えばヒトゲノム)についての少なくとも1つの部分を含み得る。参照ゲノムは、あるゲノムの全体(例えばヒトゲノムの全体)を含み得る。いくつかの態様において、参照ゲノムは、あるゲノムのコード性ゲノム領域および/または非コード性ゲノム領域、例えば、CpGリッチ領域、CpGアイランド、高メチル化領域および/もしくは低メチル化領域、ならびに/またはそのような高メチル化領域および/もしくは低メチル化領域に近接する領域に対応する複数の遺伝子座を含み得る。これら複数のゲノム領域は、あるゲノムの癌関連(もしくは腫瘍関連)コード性ゲノム領域および/または非コード性ゲノム領域、例えば、癌ドライバー変異または遺伝子変異体に対応し得る。遺伝子バリアントには、例えば、一塩基バリアント(SNV)、コピー数バリアント(CNV)、挿入または欠失(インデル)、融合遺伝子、高メチル化、および低メチル化が含まれ得る。アライメントは、例えば、バローズ・ホイーラーのアルゴリズムまたは(例えば、バイサルファイト変換されたリードに適した)他のアライメントアルゴリズムを用いて実施され得る。
いくつかの態様において、対象においてメチル化プロファイリングを実施する工程は、複数の遺伝子座のそれぞれについてcfDNAシーケンシングリードの定量的指標を作ることを含み得る。cfDNAシーケンシングリードの定量的指標を作ることができ、例えば、所与の遺伝子座(例えば、CpGリッチ領域、CpGアイランド、高メチル化領域、低メチル化領域、高メチル化領域に近接する領域、または低メチル化領域に近接する領域)とアラインされるDNAシーケンシングリードの総数である。例えば、所与のCpGリッチ領域またはCpGアイランドとアラインしているシーケンシングリードの一部またはすべてを有するcfDNAシーケンシングリードは、そのCpGリッチ領域またはCpGアイランドについての定量的指標の計算に入れてよい。
特異的なCpGリッチ領域および/またはCpGアイランドならびに非特異的なCpGリッチ領域および/またはCpGアイランドのパターンの組合せが、対象のメチル化プロファイルを形成し得る。CpGリッチ領域および/またはCpGアイランドのこれらのパターンの経時的変化が、対象のメチル化プロファイルの変化を示している場合がある。このような変化は、1つまたは複数の特定のCpG部位のメチル化の非存在の存在、特定のCpGリッチ部位またはCpGアイランドのメチル化レベルの上昇、特定のCpGリッチ部位またはCpGアイランドのメチル化レベルの低下などを含み得る。
いくつかの態様において、メチル化プロファイリングのために結合測定が実施されてよく、結合測定は、複数の濃縮されたcfDNA断片中の複数のCpGリッチ領域および/またはCpGアイランドに対して選択的であるプローブを用いて、濃縮されたcfDNA断片をアッセイすることを含み得る。いくつかの態様において、プローブは、CpGリッチ領域および/またはCpGアイランドの核酸配列に対する配列相補性を有する核酸分子である。いくつかの態様において、核酸分子は、プライマーまたは濃縮配列である。いくつかの態様において、前記アッセイすることは、アレイハイブリダイゼーションもしくはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、または核酸シーケンシングの使用を含む。
いくつかの態様において、ライブラリーは、複数の遺伝子座の少なくとも一部について濃縮され得る。いくつかの態様において、前記濃縮は、複数のライブラリー分子を増幅することを含み得る。例えば、複数のcfDNA分子は、(例えば、CpGアイランドの核酸配列に対する配列相補性を有する核酸分子を含むプライマーまたはプローブのセットを用いることによる)選択的増幅によって増幅され得る。あるいは、または組み合わせて、複数のcfDNA分子は、(例えばユニバーサルプライマーを用いることによる)ユニバーサル増幅によって増幅され得る。いくつかの態様において、前記濃縮は、複数のcfDNA分子の少なくとも一部を選択的に単離することを含む。
いくつかの態様において、対象においてメチル化プロファイリングを実施する工程は、ライブラリーに由来するシーケンスリードを解析処理して偏差の定量的指標を得ることを含む。いくつかの態様において、偏差の定量的指標は、1種または複数種の参照cfDNA試料を基準とするzスコアである。参照cfDNA試料は、特定のメチル化プロファイルを有する対象から、かつ/または特定のメチル化プロファイルを有していない対象から取得されてよい。参照cfDNA試料は、あるタイプの癌に罹患している対象またはあるタイプの癌に罹患していない対象(例えば、膵臓癌、肝臓癌、肺癌、結腸直腸癌、白血病、膀胱癌、骨癌、脳癌、乳癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、頭頸部癌、黒色腫、卵巣癌、精巣癌、腎臓癌、肉腫、胆管癌、甲状腺癌、胆嚢癌、脾臓癌、および前立腺癌)から取得されてよい。参照cfDNA試料は、特定の病期の癌に罹患している対象または特定の病期の癌に罹患していない対象(ステージI、ステージII、ステージIII、またはステージIVを含む)から取得されてよい。参照cfDNA試料は、異常な組織特異的細胞死が起こっている対象から取得されてもよい。
いくつかの態様において、対象においてメチル化プロファイリングを実施する工程は、偏差の定量的指標が所定の判定基準を満たす場合に、対象の、ずれたcfDNAメチル化プロファイルを測定することを含む。いくつかの態様において、所定の判定基準は、対象のメチル化プロファイルのzスコア(または複数のzスコアから算出された定量的指標)が所定の数値より大きいか、または小さいことである。所定の数値は、約0.1、約0.2、約0.5、約1、約1.5、約2、約2.5、約3、約3.5、約4、約4.5、約5、または約5より大きい数値であってよい。
いくつかの態様において、調製されたシーケンシングライブラリーは、1つまたは複数の特定の遺伝子座について解析される。いくつかの態様において、複数の遺伝子座は、CpGリッチ領域、CpGアイランド、高メチル化領域および/もしくは低メチル化領域、ならびに/またはそのような高メチル化領域および/もしくは低メチル化領域に近接する領域を含む。複数の遺伝子座は、少なくとも約10個の異なる遺伝子座、少なくとも約20個の異なる遺伝子座、少なくとも約30個の異なる遺伝子座、少なくとも約40個の異なる遺伝子座、少なくとも約50個の異なる遺伝子座、少なくとも約75個の異なる遺伝子座、少なくとも約100個の異なる遺伝子座、少なくとも約500個の異なる遺伝子座、少なくとも約1000個の異なる遺伝子座、少なくとも約5000個の異なる遺伝子座、少なくとも約1万個の異なる遺伝子座、少なくとも約5万個の異なる遺伝子座、少なくとも約10万個の異なる遺伝子座、少なくとも約50万個の異なる遺伝子座、少なくとも約100万個の異なる遺伝子座、少なくとも約200万個の異なる遺伝子座、少なくとも約300万個の異なる遺伝子座、少なくとも約400万個の異なる遺伝子座、少なくとも約500万個の異なる遺伝子座、少なくとも約1000万個の異なる遺伝子座、少なくとも約2500万個の異なる遺伝子座、少なくとも約5000万個の異なる遺伝子座、少なくとも約7500万個の異なる遺伝子座、少なくとも約1億個の異なる遺伝子座、もしくは1億個より多くの異なる遺伝子座、またはその中で導き出せる任意の範囲を含み得る。互いに異なる遺伝子座の位置は、同じ遺伝子中、同じ染色体上、または互いに異なる染色体上に存在してもしなくてもよい。
いくつかの態様において、対象の、ずれたcfDNAメチル化プロファイルを測定することは、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%、またはその中で導き出せる任意の範囲の感度で実施される。
いくつかの態様において、対象の、ずれたcfDNAメチル化プロファイルを測定することは、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%、またはその中で導き出せる任意の範囲の特異度で実施される。
いくつかの態様において、対象の、ずれたcfDNAメチル化プロファイルを測定することは、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%、またはその中で導き出せる任意の範囲の陽性的中率(PPV)で実施される。
いくつかの態様において、対象の、ずれたcfDNAメチル化プロファイルを測定することは、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%、またはその中で導き出せる任意の範囲の陰性適中率(NPV)で実施される。
いくつかの態様において、対象の、ずれたcfDNAメチル化プロファイルを測定することは、少なくとも約0.5、少なくとも約0.6、少なくとも約0.7、少なくとも約0.75、少なくとも約0.8、少なくとも約0.85、少なくとも約0.9、少なくとも約0.95、少なくとも約0.96、少なくとも約0.97、少なくとも約0.98、もしくは少なくとも約0.99、またはその中で導き出せる任意の範囲の、受信者操作特性(ROC)の曲線下面積(AUC)で、実施される。
いくつかの態様において、対象においてメチル化プロファイリングを実施する工程は、偏差の定量的指標が所定の判定基準を満たす場合に、対象の正常なcfDNAメチル化プロファイルを測定することを含む。いくつかの態様において、所定の判定基準は、対象のメチル化プロファイルのzスコア(または複数のzスコアから算出された定量的指標)が所定の数値より大きいか、または小さいことである。所定の数値は、約0.1、約0.2、約0.5、約1、約1.5、約2、約2.5、約3、約3.5、約4、約4.5、約5、もしくは約5より大きい数値、またはその中で導き出せる任意の範囲であってよい。
いくつかの態様において、対象の正常なcfDNAメチル化プロファイルを測定することは、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%、またはその中で導き出せる任意の範囲の感度で実施される。
いくつかの態様において、対象の正常なcfDNAメチル化プロファイルを測定することは、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%、またはその中で導き出せる任意の範囲の特異度で実施される。
いくつかの態様において、対象の正常なcfDNAメチル化プロファイルを測定することは、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%、またはその中で導き出せる任意の範囲の陽性的中率(PPV)で実施される。
いくつかの態様において、対象の正常なcfDNAメチル化プロファイルを測定することは、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、もしくは少なくとも約99%、またはその中で導き出せる任意の範囲の陰性適中率(NPV)で実施される。
いくつかの態様において、対象の正常なcfDNAメチル化プロファイルを測定することは、少なくとも約0.5、少なくとも約0.6、少なくとも約0.7、少なくとも約0.75、少なくとも約0.8、少なくとも約0.85、少なくとも約0.9、少なくとも約0.95、少なくとも約0.96、少なくとも約0.97、少なくとも約0.98、もしくは少なくとも約0.99、またはその中で導き出せる任意の範囲の、受信者操作特性(ROC)の曲線下面積(AUC)で、実施される。
いくつかの態様において、対象は、癌と診断されたか、または癌に罹患していると推測されるか、もしくは癌に罹患するリスクがある。例えば、癌は、脳癌、乳癌、子宮頸癌、結腸直腸癌、子宮内膜癌、食道癌、胃癌、肝胆道癌、白血病、肝臓癌、肺癌、リンパ腫、卵巣癌、膵臓癌、皮膚癌、精巣癌、腎臓癌、肉腫、胆管癌、前立腺癌、甲状腺癌、胆嚢癌、脾臓癌、または尿路癌を含む、1種または複数種のタイプであってよい。
いくつかの態様において、対象の(例えば、ずれたcfDNAメチル化プロファイルまたは正常なcfDNAメチル化プロファイルを測定して)得られたcfDNAメチル化プロファイルに基づいて、本開示の方法は、対象の疾患または障害(例えば癌)を治療するために治療的有効量の1種または複数種の治療を施す工程を含む。いくつかの態様において、治療は、化学療法、放射線療法、標的療法、免疫療法、またはそれらの組合せを含む。得られた対象のメチル化プロファイルに基づいて、対象に対する既存の治療を中止してよく、かつ別の治療を該対象に施してよい。あるいは、得られた対象のメチル化プロファイルに基づいて、対象に対する既存の治療を継続してよく、かつ/または別の治療を該対象に施してよい。ある個体は、メチル化プロファイルの結果に基づく1種または複数種の治療に反応しないとみなされる場合があり、結果として、該治療は一度も行われないか、もしくは行われるが、同一個体のその後のメチル化プロファイルの結果に基づいて中止されるか、または特定の回数および/または一定期間が過ぎた後に中止される。
対象の得られたcfDNAメチル化プロファイルを評価して、対象の癌の診断、癌の予後、または腫瘍の進行もしくは退縮の徴候を明らかにすることができる。さらに、cfDNAメチル化プロファイル評価または(例えば、2つまたはそれより多い時点のcfDNAメチル化プロファイル間の差異の)モニタリングに基づいて、1つまたは複数の臨床転帰を割り当てることもできる。このような臨床転帰には、次のうちの1つまたは複数が含まれ得る:1つもしくは複数のタイプの腫瘍を含む癌に罹患している対象を診断すること;1つもしくは複数のタイプおよび/もしくは病期の腫瘍を含む癌に罹患している対象を診断すること;癌に罹患している対象の予後を判定すること(例えば、臨床的な治療コース(例えば、外科手術、化学療法、放射線療法、ホルモン療法、標的療法、免疫療法、もしくは他の治療)を対象に示すか、指示するか、もしくは施すこと);別の臨床的行動方針を対象に示すか、指示するか、もしくは施すこと(例えば、治療をしないこと、例えば定められた時間間隔で引き続きモニターすること、現在行っている治療を止めること、別の治療に切り換えること);または予想される生存期間を対象に示すこと。
いくつかの態様において、対象のcfDNAメチル化プロファイルを測定する工程は、1つまたは複数の遺伝子座(例えば、複数のCpGリッチ領域および/またはCpGアイランド)について、1つまたは複数の所定の閾値を測定することを含む。(例えば、複数のCpGリッチ領域および/またはCpGアイランドのそれぞれについての)所定の閾値は、1名または複数名の対照対象(例えば、特定の疾患もしくは障害を有していることまたは有していないことが公知である患者、特定の腫瘍型を有していることまたは有していないことが公知である患者、特定の病期の特定の腫瘍型を有していることまたは有していないことが公知である患者、あるいは疾患もしくは障害と診断されていないかまたは疾患もしくは障害のいかなる臨床的症状も示していない健康な対象)に由来する1つまたは複数の試料に対してcfDNAメチル化プロファイリングを実施し、かつ対照試料のcfDNAメチル化プロファイリングに基づいて、適切な所定の閾値を特定することによって、定めることができる。
所定の閾値は、対象の、ずれたcfDNAメチル化プロファイルを測定することまたは正常なcfDNAメチル化プロファイルを測定することについての所望の感度、特異度、陽性的中率(PPV)、陰性的中率(NPV)、または精度に基づいて調整されてよい。例えば、対象の、ずれたcfDNAメチル化プロファイル状態を測定することについて高感度が望まれる場合、所定の閾値は、より低い値に調整されてよい。あるいは、対象の、ずれたcfDNAメチル化プロファイルを測定することについて高特異度が望まれる場合、所定の閾値は、より高い値に調整されてよい。所定の閾値は、対照対象から取得された対照試料の受信者操作特性(ROC)の曲線下面積(AUC)を最大にするように調整されてよい。所定の閾値は、対象の、ずれたcfDNAメチル化プロファイルを測定する際に、偽陽性(FP)と偽陰性(FN)の望ましいバランスが実現するように調整されてよい。
いくつかの態様において、対象のcfDNAメチル化プロファイルを測定する工程は、もっと後の第2の時点にcfDNAメチル化プロファイリングを繰り返すことをさらに含む。第2の時点は、第1の時点と比べてcfDNAメチル化プロファイルを適切に比較するために選ばれてよい。第2の時点の例は、外科的切除後の時間、治療の効率をモニターするための対象において疾患もしくは障害(例えば癌)を治療するために治療を施している間の時間もしくは治療を施した後の時間、または例えば対象における残存疾患もしくは癌再発をモニターするための、治療後に対象において疾患もしくは障害(例えば癌)が検出不可能になった後の時間に相当し得る。
いくつかの態様において、対象のcfDNAメチル化プロファイルを測定する工程は、対象の腫瘍の進行または退縮を示す、第1のcfDNAメチル化プロファイルと第2のcfDNAメチル化プロファイルの差異を明らかにすることをさらに含む。あるいはまたは組み合わせて、方法は、コンピュータープロセッサーによって、第1の時点および第2の時点の関数として第1のcfDNAメチル化プロファイルおよび第2のcfDNAメチル化プロファイルのプロットを作成する工程をさらに含み得る。このプロットは、対象の腫瘍の進行または退縮を示し得る。例えば、コンピュータープロセッサーは、2つまたはそれより多いcfDNAメチル化プロファイルに対応するデータの収集時間に相当する時間をx軸にとり、2つまたはそれより多いcfDNAメチル化プロファイルをy軸にとったプロットを作成し得る。
測定された差異または第1のcfDNAメチル化プロファイルと第2のcfDNAメチル化プロファイルの差異を例示するプロットは、対象の腫瘍の進行または退縮を示すことができる。例えば、第2のcfDNAメチル化プロファイルの偏差が第1のcfDNAメチル化プロファイルの偏差よりも大きい場合、その差異は、例えば、腫瘍の進行、ある治療法が対象の腫瘍に無効であること、進行中の治療法に対する腫瘍の抵抗性、対象の他の部位への腫瘍の転移、または対象における残存疾患もしくは癌再発を示唆し得る。あるいは、第2のcfDNAメチル化プロファイルの偏差が第1のcfDNAメチル化プロファイルの偏差よりも小さい場合、その差異は、例えば、腫瘍退縮、対象の腫瘍の外科的切除が有効であること、ある治療法が対象の疾患もしくは障害(例えば癌)に有効であること、または対象において残存疾患もしくは癌再発がないことを示唆し得る。
cfDNAメチル化プロファイルを評価および/またはモニターした後、cfDNAメチル化プロファイル評価または(例えば、2つまたはそれより多い時点のcfDNAメチル化プロファイル間の差異の)モニタリングに基づいて、1つまたは複数の臨床転帰を割り当てることができる。このような臨床転帰には、次のうちの1つまたは複数が含まれ得る:1つもしくは複数のタイプの腫瘍を含む癌に罹患している対象を診断すること;1つもしくは複数のタイプおよび/もしくは病期の腫瘍を含む癌に罹患している対象を診断すること;癌に罹患している対象の予後を判定すること(例えば、臨床的な治療コース(例えば、外科手術、化学療法、放射線療法、標的療法、免疫療法、もしくは他の治療)を対象に示すか、指示するか、もしくは施すこと);別の臨床的行動方針を対象に示すか、指示するか、もしくは施すこと(例えば、治療をしないこと、例えば定められた時間間隔で引き続きモニターすること、現在行っている治療を止めること、別の治療に切り換えること);または予想される生存期間を対象に示すこと。
VI キット
本明細書において説明される組成物のうちのいずれかが、キットに含まれてよい。非限定的な例において、cfDNA;cfDNAを採取するための1つまたは複数の装置;酵素;アダプター;プライマー;dNTP;緩衝液;およびATP、DTT、重亜硫酸ナトリウムなどを含む他の化学物質が、キットに含まれてよい。
本明細書において説明される組成物のうちのいずれかが、キットに含まれてよい。非限定的な例において、cfDNA;cfDNAを採取するための1つまたは複数の装置;酵素;アダプター;プライマー;dNTP;緩衝液;およびATP、DTT、重亜硫酸ナトリウムなどを含む他の化学物質が、キットに含まれてよい。
キットの構成要素は、水性媒体に溶かされた形態または凍結乾燥された形態のいずれかで包装されてよい。キットの容器手段には、その中に構成要素を入れる、好ましくは適切に等分することができる、少なくとも1つのバイアル、試験管、フラスコ、瓶、または他の容器手段が含まれ得る。キット中に複数の構成要素が存在する場合、キットはまた、追加の構成要素を別々に入れることができる第2、第3、または他の追加の容器も含み得る。しかし、構成要素の様々な組合せが、1つのバイアルに含まれてもよい。本開示のキットはまた、商用販売のために、厳重に閉じ込めた状態で構成要素を含むための手段も含み得る。このような容器には、所望のバイアルがその中に保持される中空成形プラスチック容器が含まれ得る。
本開示のキットは、本明細書において提供される方法、例えば、cfDNAを消化し濃縮するための方法および該濃縮されたcfDNAをさらなる解析(例えば、PCR、核酸アレイ、次世代シーケンシング)に供するための方法を実施するための説明書を含み得る。このような説明書は、物理的形態(例えば、印刷された説明書)または電子的形態であってよい。
本開示のキットは、該キットを用いて調製されたシーケンシングライブラリーから作られたシーケンシングデータを解析するための、ソフトウェアパッケージまたはサーバーもしくはクラウドコンピューティングプラットフォームへのウェブリンクを含み得る。解析により、消化効率、バイサルファイト変換効率など、キットの品質管理に関する情報を得ることができ、かつ濃縮されたcfDNAのメチル化プロファイルが得ることができる。
本開示のキットは、キットと共に提供されるソフトウェアパッケージによって、またはサーバーもしくはクラウドコンピューティングプラットフォームによって作成されるレポートを含み得る。このレポートは、(1)医学的状態の診断および/または予防法;(2)医学的状態に対する療法;(3)療法モニタリングなどのための情報を提供し得る。例えば、レポートは、特定のタイプの癌を含む、癌の存在またはリスクについての情報を提供し得る。
本開示およびその利点を詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲によって定義される設計の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、および改変を本明細書において実施できることが理解されるべきである。さらに、本出願の範囲は、明細書中で説明されるプロセス、機械、製造物、組成物、手段、方法、および工程の特定の態様に限定されるものではない。当業者は本開示から容易に理解するように、本明細書において説明する対応する態様と同じ機能を実質的に果たすか、または同じ結果を実質的に達成する、現存するまたは後に開発されるプロセス、機械、製造物、組成物、手段、方法、または工程は、本開示に従って利用され得る。したがって、添付の特許請求の範囲は、このようなプロセス、機械、製造物、組成物、手段、方法、または工程をその範囲内に含むものとする。
Claims (90)
- 以下の工程を含む、核酸のライブラリーを調製するための方法:
(a)DNA断片を作製するために、複数のDNA分子を第1の1種または複数種の制限酵素で消化する工程;
(b)アダプターが連結されたDNA断片とアダプターダイマーとの混合物を生成するために、リガーゼと共にインキュベーションすることによって該DNA断片にアダプターを連結する工程;
(c)増幅された、アダプターが連結されたDNA断片を作製するために、該アダプターが連結されたDNA断片を増幅する工程;ならびに
(d)(b)の後もしくは最中および/または(c)の後のいずれかに該アダプターダイマーの量を減少させる工程であって、該減少させる工程が、アダプターとDNA断片の間の連結部と、アダプターと別のアダプターの間の連結部とを区別することを含む、工程。 - 第1の1種または複数種の制限酵素が、AcII、HindIII、MluCI、PciI、AgeI、BspMI、BfuAI、SexAI、MluI、BceAI、HpyCH4IV、HpyCH4III、BaeI、BsaXI、AflIII、SpeI、BsrI、BmrI、BglII、BspDI、PI-SceI、NsiI、AseI、CspCI、MfeI、BssSαI、DraIII、EcoP15I、AlwNI、BtsIMutI、NdeI、CviAII、FatI、NlaIII、FspEI、XcmI、BstXI、PflMI、BccI、NcoI、BseYI、FauI、TspMI、XmaI、LpnPI、AclI、ClaI、SacII、HpaII、MspI、ScrFI、StyD4I、BsaJI、BslI、BtgI、NciI、AvrII、MnlI、BbvCI、SbfI、Bpu10I、Bsu36I、EcoNI、HpyAV、BstNI、PspGI、StyI、BcgI、PvuI、EagI、RsrII、BsiEI、BsiWI、BsmBI、Hpy99I、AbaSI、MspJI、SgrAI、BfaI、BspCNI、XhoI、PaeR7I、EarI、AcuI、PstI、BpmI、DdeI、SfcI、AflII、BpuEI、SmlI、AvaI、BsoBI、MboII、BbsI、BsmI、EcoRI、HgaI、AatII、PflFI、Tth111I、AhdI、DrdI、SacI、BseRI、PleI、HinfI、Sau3AI、MboI、DpnII、TfiI、BsrDI、BbvI、BtsαI、BstAPI、SfaNI、SphI、NmeAIII、NgoMIV、BglI、AsiSI、BtgZI、HhaI、HinP1I、BssHII、NotI、Fnu4HI、MwoI、BmtI、NheI、BspQI、BlpI、TseI、ApeKI、Bsp1286I、AlwI、BamHI、BtsCI、FokI、FseI、SfiI、NarI、PluTI、KasI、AscI、EciI、BsmFI、ApaI、PspOMI、Sau96I、KpnI、Acc65I、BsaI、HphI、BstEII、AvaII、BanI、BaeGI、BsaHI、BanII、CviQI、BciVI、SalI、BcoDI、BsmAI、ApaLI、BsgI、AccI、Tsp45I、BsiHKAI、TspRI、ApoI、NspI、BsrFαI、BstYI、HaeII、EcoO109I、PpuMI、I-CeuI、I-SceI、BspHI、BspEI、MmeI、TaqαI、Hpy188I、Hpy188III、XbaI、BclI、PI-PspI、BsrGI、MseI、PacI、BstBI、PspXI、BsaWI、EaeI、HpyF30I、Sfr274I、またはそれらの組合せを含む、請求項1記載の方法。
- (a)および(b)を同じ反応混合物中で実施する工程をさらに含む、請求項1または2記載の方法。
- (b)とは異なる温度で(a)が実施される、請求項3記載の方法。
- (b)と同じ温度で(a)が実施される、請求項3記載の方法。
- アダプターとDNA断片の間の連結部と、アダプターと別のアダプターの間の連結部とを区別することが、二量体化された立体配置の状態のときは第2の1種または複数種の制限酵素によって消化されるように設計されているが該アダプターが該DNA断片の末端に連結されているときは該第2の1種または複数種の制限酵素によって消化されることが不可能であるアダプターを用いることをさらに含む、請求項1~5のいずれか一項記載の方法。
- (d)が、アダプターとDNA断片の間の連結部においては重合を開始できるがアダプターと別のアダプターの間の連結部においては重合を開始できないプライマーを、増幅する工程の際に利用することを含む、請求項1~6のいずれか一項記載の方法。
- 核酸のライブラリーを調製するための方法であって、
(a)複数のDNA分子を第1の1種または複数種の制限酵素で消化してDNA断片を作製する工程;
(b)アダプターが連結されたDNA断片とアダプターダイマーとの混合物を生成するために、リガーゼと共にインキュベーションすることによって該DNA断片にアダプターを連結する工程;および
(c)増幅された、アダプターが連結されたDNA断片を作製するために、該アダプターが連結されたDNA断片を増幅する工程
を含み、
以下のうちの1つまたは複数を条件とする、方法:
(1)DNA断片の末端とアダプターの間の連結部に結合するが1つのアダプターの末端と別のアダプターの末端の間の連結部には結合しない1つもしくは複数のプライマーを用いて、(c)を実施すること;
(2)アダプターが連結されたDNA断片とアダプターダイマーとの混合物を、1つのアダプターの末端と別のアダプターの末端の間の連結部を消化するがDNA断片の末端とアダプターの間の連結部は消化しない第2の1種もしくは複数種の制限酵素で消化すること;
(3)同じ反応混合物中で(a)および(b)を実施することと、1つのアダプターの末端と別のアダプターの末端の間の連結部を消化するがDNA断片の末端とアダプターの間の連結部は消化しない第2の1種もしくは複数種の制限酵素で該混合物を消化する工程をさらに含むこと;
(4)アダプターが、設計によるアダプターダイマーであることと、アダプターが連結されたDNA断片とアダプターダイマーとの混合物を、1つのアダプターの末端と別のアダプターの末端の間の連結部を消化するがDNA断片の末端とアダプターの間の連結部は消化しない第2の1種もしくは複数種の制限酵素で消化する工程をさらに含むこと;ならびに/または
(5)1つのアダプターの末端と別のアダプターの末端の間の連結部を消化する第3の1種もしくは複数種の制限酵素によって消化される、増幅されたアダプターダイマーが、(c)によって生成されること。 - アダプターが連結された断片中のメチル化核酸塩基と非メチル化核酸塩基を区別する工程をさらに含む、請求項8記載の方法。
- アダプターが連結された断片をバイサルファイト変換に供する工程をさらに含む、請求項9記載の方法。
- アダプターが連結された断片を1つまたは複数の酵素反応および/または化学反応に供する工程をさらに含む、請求項9または10記載の方法。
- 酸化反応生成物を生成するためにメチル化シトシン核酸塩基および/またはヒドロキシメチル化シトシン核酸塩基を酸化する工程と、それに続く、該酸化反応生成物を還元および/または脱アミノ化する工程をさらに含む、請求項11記載の方法。
- 酸化する工程が、テンイレブン転座(TET)酵素を用いて実施される、請求項12記載の方法。
- 酸化する工程が、過ルテニウム酸カリウムを用いて実施される、請求項12記載の方法。
- 酸化反応生成物を脱アミノ化する工程が、アポリポタンパク質B mRNA編集酵素触媒ポリペプチド様(APOBEC)を用いて実施される、請求項12記載の方法。
- 酸化反応生成物を還元および/または脱アミノ化する工程が、ピリジンボランを用いて実施される、請求項12記載の方法。
- 1つまたは複数の酵素反応および/または化学反応の前にβ-グルコシルトランスフェラーゼ処理を実施する工程をさらに含む、請求項11~16のいずれか一項記載の方法。
- 増幅された、アダプターが連結されたDNA断片の、一部分またはすべてが解析されるか、改変されるか、またはその両方である、請求項8~17のいずれか一項記載の方法。
- 解析がシーケンシングを含む、請求項18記載の方法。
- シーケンシングが次世代シーケンシングである、請求項19記載の方法。
- アダプターが連結された断片をさらに濃縮するために、次世代シーケンシングの前に標的化捕捉を実施する工程をさらに含む、請求項20記載の方法。
- アダプターが連結された断片をさらに濃縮するために、次世代シーケンシングの前にサイズ選択を実施する工程をさらに含む、請求項20または21記載の方法。
- メチル化プロファイルを作成するために、増幅された、アダプターが連結されたDNA断片を解析する工程をさらに含む、請求項18~22のいずれか一項記載の方法。
- (1)、(2)、(3)、または(5)において、アダプターが、GC(3’から5’方向)オーバーハングを含む、請求項8~23のいずれか一項記載の方法。
- 第1の1種または複数種の制限酵素が、MspI、HpaII、TaqαI、もしくはその機能的類似体、またはその混合物を含む、請求項8~24のいずれか一項記載の方法。
- 第2の1種または複数種の制限酵素が、BspD1、XhoI、SmlI、HpyF30I、PaeR7I、Sfr274I、もしくはその機能的類似体、またはその混合物のうちの、1つまたは複数を含む、請求項8~25のいずれか一項記載の方法。
- リガーゼが、T7 DNAリガーゼ、T4 DNAリガーゼ、T3 DNAリガーゼ、Taq DNAリガーゼ、もしくはその機能的類似体、またはその混合物である、請求項8~26のいずれか一項記載の方法。
- 複数のDNA分子がセルフリーDNAを含む、請求項8~27のいずれか一項記載の方法。
- cfDNAを取得する工程をさらに含む、請求項28記載の方法。
- cfDNAが、対象または個体に由来する試料から取得されるかまたはそれに由来する、請求項29記載の方法。
- 試料が、血漿、血清、骨髄、脳脊髄液、胸膜液、唾液、大便、または尿から取得されるかまたはそれに由来する、請求項30記載の方法。
- 対象または個体に由来する試料を取得する工程をさらに含む、請求項30または31記載の方法。
- アダプターが、公知の配列を含む、請求項8~32のいずれか一項記載の方法。
- アダプターが、ユニーク配列を含む、請求項8~32のいずれか一項記載の方法。
- 核酸が、1つまたは複数のCpG部位を有する分子について濃縮される、請求項8~34のいずれか一項記載の方法。
- 以下の工程を含む、核酸のライブラリーを調製するための方法:
(a)DNA断片を作製するために、複数のDNA分子を第1の1種または複数種の制限酵素で消化する工程;
(b)アダプターが連結されたDNA断片とアダプターダイマーとの混合物を生成するために、リガーゼと共にインキュベーションすることによって該DNA断片にアダプターを連結する工程;および
(c)増幅された、アダプターが連結されたDNA断片を作製するために、DNA断片の末端とアダプターの間の連結部に結合するが1つのアダプターの末端と別のアダプターの末端の間の連結部には結合しない1つまたは複数のプライマーを利用することにより、該アダプターが連結されたDNA断片を増幅する工程。 - 第1の1種または複数種の制限酵素が、MspI、HpaII、TaqαI、もしくはその機能的類似体、またはその混合物のうちの、1つまたは複数を含む、請求項36記載の方法。
- (a)および(b)を同じ反応混合物中で実施する工程をさらに含む、請求項36または37記載の方法。
- アダプターが連結された断片中のメチル化核酸塩基と非メチル化核酸塩基を区別する工程をさらに含む、請求項36~38のいずれか一項記載の方法。
- アダプターが連結された断片をバイサルファイト変換に供する工程をさらに含む、請求項39記載の方法。
- アダプターが連結された断片を1つまたは複数の酵素反応および/または化学反応に供する工程をさらに含む、請求項39または40記載の方法。
- 酸化反応生成物を生成するためにメチル化シトシン核酸塩基および/またはヒドロキシメチル化シトシン核酸塩基を酸化する工程と、それに続く、該酸化反応生成物を還元および/または脱アミノ化する工程をさらに含む、請求項41記載の方法。
- 酸化する工程が、テンイレブン転座(TET)酵素を用いて実施される、請求項42記載の方法。
- 酸化する工程が、過ルテニウム酸カリウムを用いて実施される、請求項42記載の方法。
- 酸化反応生成物を還元および/または脱アミノ化する工程が、APOBECを用いて実施される、請求項42記載の方法。
- 酸化反応生成物を還元および/または脱アミノ化する工程が、ピリジンボランを用いて実施される、請求項42記載の方法。
- 1つまたは複数の酵素反応または化学反応の前にβ-グルコシルトランスフェラーゼ処理を実施する工程をさらに含む、請求項41~46のいずれか一項記載の方法。
- アダプターがGCオーバーハングを含む、請求項36~47のいずれか一項記載の方法。
- 以下の工程を含む、核酸のライブラリーを調製するための方法:
(a)DNA断片を作製するために、複数のDNA分子を第1の1種または複数種の制限酵素で消化する工程;
(b)アダプターが連結されたDNA断片とアダプターダイマーとの混合物を生成するために、リガーゼと共にインキュベーションすることによって該DNA断片にアダプターを連結する工程;
(c)アダプターが連結されたDNA断片とアダプターダイマーとの該混合物を、1つのアダプターの末端と別のアダプターの末端の間の連結部を消化するがDNA断片の末端とアダプターの間の連結部は消化しない第2の1種または複数種の制限酵素で消化する工程;および
(d)増幅された、アダプターが連結されたDNA断片を作製するために、該アダプターが連結されたDNA断片を増幅する工程。 - 第1の1種または複数種の制限酵素が、MspI、HpaII、TaqαI、もしくはその機能的類似体、またはその混合物のうちの、1つまたは複数を含む、請求項49記載の方法。
- 第2の1種または複数種の制限酵素が、BspDI、ClaI、AclI、NarI、XhoI、SmlI、HpyF30I、PaeR7I、Sfr274I、もしくはその機能的類似体、またはその混合物のうちの、1つまたは複数である、請求項49または50記載の方法。
- (a)、(b)、および(c)を同じ反応混合物中で実施する工程をさらに含む、請求項49~51のいずれか一項記載の方法。
- アダプターが連結された断片中のメチル化核酸塩基と非メチル化核酸塩基を区別する工程をさらに含む、請求項49~52のいずれか一項記載の方法。
- アダプターが連結された断片をバイサルファイト変換に供する工程をさらに含む、請求項53記載の方法。
- アダプターが連結された断片を1つまたは複数の酵素反応および/または化学反応に供する工程をさらに含む、請求項53記載の方法。
- 酸化反応生成物を生成するためにメチル化シトシン核酸塩基および/またはヒドロキシメチル化シトシン核酸塩基を酸化する工程と、それに続く、該酸化反応生成物を還元および/または脱アミノ化する工程をさらに含む、請求項55記載の方法。
- 酸化する工程が、テンイレブン転座(TET)酵素を用いて実施される、請求項56記載の方法。
- 酸化する工程が、過ルテニウム酸カリウムを用いて実施される、請求項56記載の方法。
- 酸化反応生成物を還元および/または脱アミノ化する工程が、APOBECを用いて実施される、請求項56記載の方法。
- 酸化反応生成物を還元および/または脱アミノ化する工程が、ピリジンボランを用いて実施される、請求項56記載の方法。
- 1つまたは複数の酵素反応および/または化学反応の前にβ-グルコシルトランスフェラーゼ処理を実施する工程をさらに含む、請求項55~60のいずれか一項記載の方法。
- アダプターがGCオーバーハングを含む、請求項49~61のいずれか一項記載の方法。
- 以下の工程を含む、核酸のライブラリーを調製するための方法:
(a)DNA断片を作製するために、複数のDNA分子を第1の1種または複数種の制限酵素で消化する工程;
(b)第2のアダプターを作製するためおよびまた該第2のアダプターに連結されたDNA断片と該第2のアダプターのアダプターダイマーとの混合物を生成するために、DNA断片および設計によるアダプターダイマーである第1のアダプターをリガーゼと共にインキュベーションすることにより連結する工程と、該設計によるアダプターダイマーを第2の1種または複数種の制限酵素の影響下に置く工程であって、該第2の1種または複数種の制限酵素が、1つの第2のアダプターの末端と別の第2のアダプターの末端の間の連結部を消化するがDNA断片の末端と第2のアダプターの間の連結部は消化しない、工程;ならびに
(c)増幅された、アダプターが連結されたDNA断片を作製するために、該第2のアダプターに連結されたDNA断片を増幅する工程。 - 第1の1種または複数種の制限酵素が、MspI、HpaII、TaqαI、もしくはその機能的類似体、またはその混合物のうちの、1つまたは複数を含む、請求項63記載の方法。
- 第2の1種または複数種の制限酵素が、BspDI、ClaI、AclI、NarI、XhoI、SmlI、HpyF30I、PaeR7I、Sfr274I、もしくはその機能的類似体、またはその混合物のうちの、1つまたは複数を含む、請求項63または64記載の方法。
- (a)および(b)を同じ反応混合物中で実施する工程をさらに含む、請求項63~65のいずれか一項記載の方法。
- 第2のアダプターに連結されたDNA断片中のメチル化核酸塩基と非メチル化核酸塩基を区別する工程をさらに含む、請求項63~66のいずれか一項記載の方法。
- 第2のアダプターに連結されたDNA断片をバイサルファイト変換に供する工程をさらに含む、請求項67記載の方法。
- 第2のアダプターに連結されたDNA断片を1つまたは複数の酵素反応および/または化学反応に供する工程をさらに含む、請求項67記載の方法。
- 酸化反応生成物を生成するためにメチル化シトシン核酸塩基および/またはヒドロキシメチル化シトシン核酸塩基を酸化する工程と、それに続く、該酸化反応生成物を還元および/または脱アミノ化する工程をさらに含む、請求項69記載の方法。
- 酸化する工程が、テンイレブン転座(TET)酵素を用いて実施される、請求項70記載の方法。
- 酸化する工程が、過ルテニウム酸カリウムを用いて実施される、請求項70記載の方法。
- 酸化反応生成物を還元および/または脱アミノ化する工程が、APOBECを用いて実施される、請求項70記載の方法。
- 酸化反応生成物を還元および/または脱アミノ化する工程が、ピリジンボランを用いて実施される、請求項70記載の方法。
- 1つまたは複数の酵素反応または化学反応の前にβ-グルコシルトランスフェラーゼ処理を実施する工程をさらに含む、請求項69~74のいずれか一項記載の方法。
- 第2の1種または複数種の制限酵素による、第2のアダプターのアダプターダイマーの消化により、GCオーバーハングが作製される、請求項63~75のいずれか一項記載の方法。
- 以下の工程を含む、核酸のライブラリーを調製するための方法:
(a)DNA断片を作製するために、複数のDNA分子を第1の1種または複数種の制限酵素で消化する工程;
(b)アダプターが連結されたDNA断片とアダプターダイマーとの混合物を生成するために、該DNA断片にアダプターを連結する工程;
(c)増幅された、アダプターが連結されたDNA断片と、増幅されたアダプターダイマーとの混合物を生成するために、該アダプターが連結されたDNA断片を増幅する工程;および
(d)増幅された、アダプターが連結されたDNA断片と、増幅されたアダプターダイマーとの該混合物を、1つのアダプターの末端と別のアダプターの末端の間の連結部を消化するがDNA断片の末端とアダプターの間の連結部は消化しない第2の1種または複数種の制限酵素で消化する工程。 - 第1の1種または複数種の制限酵素が、MspI、HpaII、TaqαI、もしくはその機能的類似体、またはその混合物のうちの、1つまたは複数を含む、請求項77記載の方法。
- 第2の1種または複数種の制限酵素が、BspDI、ClaI、AclI、NarI、XhoI、SmlI、HpyF30I、PaeR7I、Sfr274I、もしくはその機能的類似体、またはその混合物のうちの、1つまたは複数を含む、請求項77または78記載の方法。
- (a)および(b)を同じ反応混合物中で実施する工程をさらに含む、請求項77~79のいずれか一項記載の方法。
- アダプターが連結されたDNA断片中のメチル化核酸塩基と非メチル化核酸塩基を区別する工程をさらに含む、請求項77~80のいずれか一項記載の方法。
- アダプターが連結された断片をバイサルファイト変換に供する工程をさらに含む、請求項81記載の方法。
- アダプターが連結された断片を1つまたは複数の酵素反応および/または化学反応に供する工程をさらに含む、請求項81記載の方法。
- 酸化反応生成物を生成するためにメチル化シトシン核酸塩基および/またはヒドロキシメチル化シトシン核酸塩基を酸化する工程と、それに続く、該酸化反応生成物を還元および/または脱アミノ化する工程をさらに含む、請求項83記載の方法。
- 酸化する工程が、テンイレブン転座(TET)酵素を用いて実施される、請求項84記載の方法。
- 酸化する工程が、過ルテニウム酸カリウムを用いて実施される、請求項84記載の方法。
- 酸化反応生成物を還元および/または脱アミノ化する工程が、APOBECを用いて実施される、請求項84記載の方法。
- 酸化反応生成物を還元および/または脱アミノ化する工程が、ピリジンボランを用いて実施される、請求項84記載の方法。
- 1つまたは複数の酵素反応および/または化学反応の前にβ-グルコシルトランスフェラーゼ処理を実施する工程をさらに含む、請求項83~88のいずれか一項記載の方法。
- アダプターがGCオーバーハングを含む、請求項77~89のいずれか一項記載の方法。
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