JP2022529199A - 異なる負荷のアンテナアレイに対する電力を制御するシステム - Google Patents

異なる負荷のアンテナアレイに対する電力を制御するシステム Download PDF

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Abstract

本開示による1つの例において、アンテナシステムを説明する。アンテナシステムは、アンテナのアレイを含む。各アンテナは、電磁波を放出し、アレイにおける他のアンテナと異なる負荷が、各アンテナにかけられている。アンテナシステムは、制御システムを更に含む。制御システムは、アンテナセットを順次駆動する単一送信器と、有効化シーケンスにおける有効化期間ごとに、駆動されるべきアンテナセットを選択する切り換えデバイスと、制御器とを含む。制御器は、各アンテナの実際の電力出力を判定し、各アンテナの出力が、アンテナに対する負荷にかかわらず、そのアンテナに対する目標電力に一致するように制御されるように、単一送信器に対する調整制御信号を生成する。

Description

背景
[0001] 世界中で誰かが、3秒毎にアルツハイマー病(AD)を患っている。最も多く見られる認知症であるADは、衰弱性神経変性疾患であり、混乱状態、記憶障害、言語障害、及び身体機能の低下を経験し、診断後4~5年以内に、他人に完全に依存するようになることが多い。ADは、老人の3分の1の死亡の原因であり、乳癌及び前立腺癌の組み合わせよりも多い人々の命を奪う。今日、世界中で5千万人を超える人々が、ADを抱えて生きていると推定され、患者数は、驚くべき速度で増加しており、今後30年間に2倍になると予想されている。
[0002] 従来、製薬会社は、ADの研究努力を注いでいる。しかし、数百億ドルの研究の後に、ADは、予防できない、治癒できない、又は更に遅らせることができないままである。ADに対する効果的な治療又は治癒は、年間2百億ドルを超える値打ちがあると推定されている。悲しむべきことに、病気を治癒する又は更に病気の進行を遅らせることが証明されている製品は発売されていない。
[0003] 同様に、他の神経変性疾患及び神経学的状態は、現在の治療及び/又は効果がないことが分かっている治癒によって、社会を悩ませている。
図面の簡単な説明
[0004] 添付図面は、本明細書に記載の原理の様々な例を示し、明細書の一部である。図示の例は、例示のためだけに与えられ、特許請求の範囲を限定しない。
[0005]ここに記載の原理の例による、アンテナシステムのブロック図である。 [0006]ここに記載の原理の別の例による、アンテナシステムのブロック図である。 [0007]ここに記載の原理の例による、アンテナシステムを示す。 [0008]ここに記載の原理の別の例による、アンテナシステムを示す。 [0009]ここに記載の原理の例による、アンテナシステムを制御する方法のフローチャートである。 [0010]ここに記載の原理の例による、アンテナの選択、電力及び位相を制御する切り換えデバイスの例を示す。 [0011]ここに記載の原理の別の例による、アンテナシステムを制御する方法のフローチャートである。 [0012]ここに記載の原理の例による、アンテナシステムを有する電磁治療デバイスを示す。
[0013] 図面全体にわたって、同一の参照符号は、同様の(但し、必ずしも同一とは限らない)要素を示す。図面は、必ずしも原寸に比例しているとは限らず、図示の例をよりはっきりと示すために、幾つかの部品のサイズを強調してもよい。更に、図面は、明細書と一致する例及び/又は実装形態を与える。しかし、明細書は、図面で与えられる例及び/又は実装形態に限定されない。
詳細な説明
[0014] 上述のように、ADは、数百万という数の命に影響を与え、薬品治癒又は治療が見付けられていない神経変性疾患である。薬学的解決策が機能していない場合、経頭蓋電磁治療(TEMT)を使用する、ここに記載のような革新的な医療デバイスが解決策を提供する。このデバイスは、ADの作用を遅らせる及び/又は逆行させる可能性を秘めている。本デバイスは、腕に着用された制御ボックスに接続された複数の電波送信アンテナが固定された頭蓋キャップを含む。幾つかの例において、アンテナは、高周波を送信してもよい。しかし、他の例において、電磁波を、他の周波数で加えてもよい。これらの他の例において、システムは、他の構成要素(例えば、アンテナの代わりに、コイル又は接触パッチ)を含んでもよい。制御システムは、更に異なる構成要素を含んでもよく、患者の身体上の異なる場所に配置されてもよい。外来患者施設によってではなく、患者の介護士によって在宅で、治療を施してもよい。本明細書のデバイスは、ADの考えられる原因の両方(小さいβアミロイド(Aβ)オリゴマー及び神経細胞内のタウオリゴマーの蓄積)を対象にする臨床開発下での唯一の技術である。広範囲の前臨床研究は、毒性タンパク質オリゴマー(特に、Aβ)の分解、及びアルツハイマーの動物モデルにおける脳ミトコンドリアの向上に関連している有益な認知的効果をTEMTデバイスが有することを示す。
[0015] ADについて具体的に説明しているが、更に、本システムは、他の神経変性疾患又は神経学的状態(例えば、軽度認知障害(MCI)、混合型AD/血管性認知症、脳アミロイド血管症、脳出血、多発脳梗塞性認知症、パーキンソン病、レヴィー小体認知症、ダウン症候群、外傷性脳損傷、前頭側頭葉認知症、外傷性脳症、ハンチントン病、又はプリオン病(遺伝性海綿状脳症、クールー、及びクロイツフェルト・ヤコブ病)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、精神遅滞、脳卒中、自閉症、双極性障害、統合失調症、不安障害、ミトコンドリア脳筋症、てんかん、片頭痛、大うつ病、ジストニー、及び片側バリスム、加齢による記憶障害(AAMI)、正常/非低下認知機能、又は正常以下の認知機能)の治療のためである。
[0016] 全脳TEMTを行うために、デバイスは、1つのアンテナだけが任意の所与の時に有効になるように、頭部ユニット内に位置決めされた複数のアンテナの順次有効化を提供する。アンテナが連続的に有効である場合、治療を施してもよい。しかし、幾つかの例において、パルスエネルギーがより効果的である場合がある。このより効果的な治療に基づいて、脳の複数の領域に対する治療を最大化するために、本アレイシステム及び電磁治療デバイスは、患者の頭部の周りに分布された複数のアンテナにエネルギーをパルス化する。パルス治療は、有効送信期間及びアイドル期間を含むので、アンテナシステムは、1つのアンテナに対するアイドル時間を利用して、別のアンテナを有効化する。特定の例として、N個のアンテナを有するアンテナシステムに対して、各アンテナの有効時間が1/Nである場合、この有効時間外のアイドル時間を使用して、他のアンテナを有効化することができ、同じ治療セッションで治療可能な脳の領域にNを掛ける。この方法でアンテナシステムを動作させると、脳の範囲が最大化される。しかし、脳の特定の領域でより集中的なより深部の治療が必要であることがある。同じ波形を送信している2つ以上のアンテナを同時に有効化するだけで、このより深部の侵入を達成することができる。複数のアンテナが有効に同じ波形を送信している場合、伝搬波は放射場で合計され、放射場内の特定の領域にピークを生成する。従って、治療エネルギーを脳の特定の領域に集束させることができる。各有効アンテナに対する信号の位相を変更する場合、ピークの場所を、特定の場所に移動させる、操縦する、又は集束させることができる。これは、ビーム形成と呼ばれる。複数のアンテナ及びビーム形成能力の組み合わせにより、脳のすべての領域を完全にカバーできる。
[0017] 記載のような治療デバイスの実用のために、治療に使用される治療波形を生成する制御システムは、患者がデバイスを着用し、デバイスを着用しながら動き回ることができるように、出来るだけ小さくすべきである。より低コストの治療デバイスは、より多くの患者に治療の選択肢を広げる。
[0018] より小さい及びより低コストという目的を達成するために、制御ユニット内の電子回路の一体化及び再利用が望ましい。これは、製品設計のあらゆる側面に影響するが、TEMTユニットの要件を有するデバイスの実施から生じる独自の問題に対処する現在の回路設計は存在しないので、途中で課題を提示する。
[0019] 小さい低コストのTEMTユニットは、制御ユニットが単一送信器を使用し、その送信器の出力を適切な時に、又は適切な電力レベル及び位相の組み合わせで各アンテナに分配する必要性を促進する。このアーキテクチャは、より小さいサイズ及びより低コストの設計目的を考慮する場合、各アンテナに対して専用送信器を使用するアーキテクチャより好ましい。
[0020] しかし、単一送信器から異なるアンテナを駆動することは、それ自体の課題を提示する。最大の課題は、送信器の電力制御である。送信システムは、アンテナにかかる負荷にかかわらず、アンテナから所定の電力レベルを放射するように設計されている。アンテナに対する負荷が変化すると、送信器に対する負荷も変化し、同じ出力電力レベルを維持するために、送信器はいくつかの負荷条件下ででよりよく動作する必要がある。単一アンテナのシナリオの例において、制御ループが送信器の出力電力を監視し、出力電力を一定に保ちながら送信器に対する電力レベル制御を調整する。この制御ループは、減衰応答を有し、出力電力レベルが振動しないように防止してもよい。一般的に、アンテナに対する負荷は、要素がアンテナの近くで空間的に変化するため、比較的ゆっくりと変化する。従って、出力電力レベルの安定性を維持するために、電力制御をゆっくりと変化させることが有利である。
[0021] 多くのアンテナを同じ送信器によって駆動する場合、各アンテナは、アンテナにかけられる異なる負荷を有してもよく、これは、送信器の電力出力制御が、送信器がアンテナを駆動する時にアンテナ毎に変化する必要があることを意味する。他のアンテナアレイでは、アレイ内のアンテナは一般的に一緒に取り付けられ、1つのアンテナに近接している任意の材料は、アレイ全体に近接しているので、アレイ内のアンテナの負荷は非常に似ているので、問題ない。
[0022] 頭部ユニットにおける各アンテナは、各アンテナが患者の頭部、頭皮及び毛髪に対してどのように位置するかに基づいて、非常に異なる負荷を有するので、本システムのTEMTデバイスは、独特の課題を提示する。特定の例として、多量の毛髪を有する患者は、患者の頭部の後部がリクライニングチェアに押圧した状態で、リクライニングチェアに座りながら、TEMTデバイスの頭部キャップを着用していることができる。このシナリオにおいて、頭部の後部におけるアンテナは、リクライニングチェアにおける物質に非常に近く、その結果、それらのアンテナに対する負荷は変化する。同時に、リクライニングチェアに押圧する圧力が患者の毛髪を圧迫し、それらのアンテナを頭皮に一層近付ける。従って、頭部の後部におけるアンテナは、一方の側に頭皮を有し、極めて近接して他方の側にリクライニングチェアを有する。対照的に、頭部の前部上のアンテナは、患者の毛髪によって頭皮から若干離れて保持され、、頭部の前部には何もないので、アンテナの外側に自由空間がある。従って、この例において、前部アンテナと後部アンテナとの間のアンテナ負荷は、著しく異なり、送信器は、負荷の差にかかわらず、アンテナ間で同じ出力電力を生成するために、異なるレベルで動作すべきである。TEMTデバイスにおける負荷は、他のアンテナアレイシステムで見られる負荷よりも非常に著しく異なることがある。現在の実装では、TEMTデバイスで発生するような、アレイ内のアンテナ間の著しく異なる負荷は考慮されていない。
[0023] アンテナの順次の有効化において、送信器の出力電力レベルを調整する時間は、アンテナが切り換えられている短い期間の間に来る。次に、一旦切り換えが完了すると出力電力レベルを安定にしておくために、電力制御は再度、減衰応答を有すべきである。この組み合わせは、実装回路に大幅な複雑さを加えない安価な方法で達成することが困難である。
[0024] 従って、本明細書は、各アンテナに対する負荷が大幅に異なる可能性があるアンテナアレイで用いるために、単一送信器からの電力出力及び位相を調整することができる小さい低コストのシステムを説明する。
[0025] 本明細書は、上述の問題などに対処するシステム、方法及びデバイスを説明する。詳細には、本明細書は、アンテナ負荷が異なる時でも、順次切り換えられるアンテナに加えられる電力量を一定に保つことができる電力制御の方法を説明する。
[0026] 詳細には、本明細書は、アンテナシステムを説明する。アンテナシステムは、電磁波を各々が放出するアンテナのアレイを含む。この例において、各アンテナに、アレイ内の他のアンテナと異なる負荷がかけられている。アンテナシステムは、制御システムを更に含む。制御システムは、1)アンテナセットを順次駆動する単一送信器と、2)有効化シーケンスにおける有効化期間ごとに、駆動されるアンテナセットを選択する切り換えデバイスと、3)制御器とを含む。制御器は、有効化シーケンスごとに、各アンテナの実際の電力出力を判定し、アンテナに対する負荷にかかわらず、少なくとも1つのアンテナの電力出力が平均値と同じであるように、単一送信器に対する調整制御信号を生成する。
[0027] 更に、本明細書は、方法を説明する。方法によれば、アンテナのアレイにおける各アンテナに対して、各アンテナに対する実際の電力出力とアンテナのアレイにわたる平均電力出力との間の差を判定する。アンテナに対する負荷にかかわらず、少なくとも1つのアンテナの電力出力がアレイにわたる平均電力出力と同じであるように、アレイにおける各アンテナに結合される単一送信器に対する制御信号を調整する。少なくとも1つのアンテナを、第1の調整制御信号に基づいて単一送信器によって駆動する。
[0028] 更に、本明細書は、電磁治療デバイスを説明する。電磁治療デバイスは、頭部に対する所定の位置にアンテナを保持する頭部ユニットを含む。頭部ユニットは、電磁波を各々が放出するアンテナのアレイを更に含む。この例において、各アンテナが頭部の対応する部分にどのようにインターフェースするかにより、アレイ内の他のアンテナと異なる負荷が各アンテナにかけられている。電磁治療デバイスは、1)アンテナセットを駆動する単一送信器と、2)有効化シーケンスにおける有効化期間ごとに、駆動されるべきアンテナセットを選択する切り換えデバイスと、3)制御器とを含む制御システムを更に含む。有効化シーケンスごとに、制御器は、1)各アンテナを駆動する場合、実際の電力出力を判定し、2)アンテナに対する負荷にかかわらず、少なくとも1つのアンテナの電力出力がアレイにわたる平均電力出力と同じであるように、単一送信器に対する調整制御信号を生成する。
[0029] 本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、用語「有効化期間」は、特定のアンテナ又はアンテナのグループが有効である異なる時点を意味する。
[0030] 更に、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、用語「有効化シーケンス」は、有効化期間のシーケンス又はパターンを意味する。有効化シーケンス全体にわたって、各アンテナを、1度有効化してもよい。幾つかの例において、単一の有効化シーケンスに対して、1つの有効化期間だけが、調整制御信号を有し、他の有効化期間は、調整制御信号を有しない。
[0031] 更に、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、用語「治療セッション」は、順次実行される複数の有効化シーケンスを意味する。治療セッションの長さを、介護士によって判定してもよい。
[0032] 更に、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、用語「目標値」は、治療パラメータに基づくアンテナの所望の出力電力値を意味する。
[0033] 更に、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用されるように、用語「平均電力」は、アンテナのアレイにわたる平均電力出力を意味し、各有効化シーケンスで変化してもよい。有効化シーケンス毎に、少なくとも1つのアンテナの電力出力が、平均電力に一致するように調整される。
[0034] 説明されているように、アンテナシステムは、所与の時刻に1つ又は複数のアンテナを有効化してもよい。場合によっては、複数又は単一のアンテナの位相及び/又は電力を変更することによって、システムは、特定の脳領域にエネルギーのビームを集束させることができる。複数のアンテナを、順次グループとして又は同時に有効化することによって、より集束された強力な治療を行う。
[0035] 上述の問題に対処するために、本明細書は、単一送信器(RF又は他のタイプの送信器であってもよい)からの出力電力を、互いに比較して出力負荷が大幅に変化する可能性があるアンテナのアレイに加える電力及び位相制御機構について説明する。このような電力制御機構は、あるアンテナ(又はアンテナのグループ)から次のアンテナへの高速順次切り換え時間でも、異なる負荷がかけられる可能性のあるアンテナから、一貫した放射出力電力レベルを提供する。
[0036] 本システムを組み込むアルツハイマー病及び他の疾病及び状態の治療用のTEMTデバイスは、電子制御システム、及び脳に電磁波(例えば、高周波)を放射する複数の個々のアンテナを有する頭部ユニットを含むデバイスである。これらのアンテナを、順次及び/又は組み合わせて有効化し、脳に対する治療として使用される放射パターンを生成することができる。各アンテナから放射される電力量は、適用される治療が処方されたものと一致し、望ましいものと比較して少な過ぎず又は多過ぎないように制御することができる。
[0037] アンテナからの制御された出力電力レベルを達成するために、システムは、可変出力送信器を含んでもよい。送信器の出力電力は、電力制御信号を介して制御してもよく、この信号の変化の結果、送信器の出力電力への対応する変化が得られる。この制御信号を一定に保持した場合、アンテナによって送信器にかけられる負荷が同じままである限り、送信器の出力電力も一定のままである。
[0038] しかし、例えば、吸収又は反射物質への物理的近接のためにアンテナの負荷が変化すると、送信器にかけられる負荷も変化し、制御信号を一定に保持した場合、出力電力は、この負荷によって変化する。これは、ある負荷を駆動するために、送信器は、一定の制御信号を与えられた他の負荷に駆動する場合とは異なる電力レベルを出力するからである。従って、アンテナ出力を一定に保つために、送信器は、この制御信号を使用して、負荷の変化に応じて送信器が駆動される強さを変更することができる。この動作モードを達成するために、システムは、送信器から出てくる電力量を検知し、目標出力電力に達するまで制御信号を変化させる電力結合器又は検出器を使用してもよい。この方式では、アンテナの負荷が変化し、負荷によって出力電力が変化すると、出力電力が目標レベルに保たれるように制御信号が調整される。
[0039] しかし、このようなシステムでは、送信器は、制御信号の変化に非常に速く応答することができるので、制御信号の変化が出力電力の変化を大きくしすぎる状況を作り出すことは非常に容易である。電力検出器はこれを検出して制御信号を変化させ、その結果、電力出力レベルの振動を引き起こす。このようなシナリオを防止するために、回路は、調整が、目標出力電力をオーバーシュートすることなく、その代わりに振動することなく目標出力に向かって整定することを保証する減衰機能を含んでもよい。制御信号を駆動するフィードバックループに低域フィルターを追加することによって、この減衰機能を達成することができる。
[0040] しかし、このような制御フィードバックは、ここに記載のようなTEMTデバイスの動作状態に対処できないかもしれない。この問題は、単一送信器及び電力制御ループを使用して、駆動されているアンテナを迅速に変更しながら一定の電力出力レベルを維持する場合に生じる。即ち、非TEMTアンテナアレイでは、アレイ内のアンテナが同じ方法で負荷がかけられるため、1つのアンテナの送信中に使用される電力制御信号によってアレイ内の全アンテナに対して正しい電力出力が生成され、アンテナ毎ではなくアレイ全体にわたる電力制御が可能になる。
[0041] さて、図面について説明する。図1は、ここに記載の原理の例によるアンテナシステム(100)のブロック図である。アンテナシステム(100)は、アンテナ(104)のアレイ(102)を含む。各アンテナ(104)は、電磁波を放出する。上述のように、ここに記載のようなTEMTデバイスは、アンテナ(104)が患者の頭の様々な位置に配置され、ある位置では頭皮に非常に近い一方、他の位置では毛髪量のために頭皮から離れた状態で、独特の方法で動作する。従って、各アンテナ(104)にかけられる負荷は、アレイ(102)内の他のアンテナ(104)と非常に異なり、各アンテナ(104)を有効化する時に、非常に異なる制御信号を、送信器(108)に与えるべきである。
[0042] 更に、アンテナシステム(100)は、アンテナ(104)のセットを順次駆動する単一送信器(108)と、有効化シーケンスにおける有効化期間ごとに、駆動されるべきアンテナセットを選択する切り換えデバイス(110)とを含む制御システム(106)を含む。更に、アンテナシステム(100)は、1)現在の負荷が与えられた場合に各アンテナ(104)の実際の電力出力を判定し、2)少なくとも1つのアンテナの出力が、アンテナ(104)に対する負荷にかかわらず、アレイにわたる平均電力出力と同じになるように、単一送信器(108)に対する調整された制御信号を生成する制御器(112)を含む。制御器(112)は、各アンテナ(104)の実際の電力出力を順次判定し、アレイ(102)内の各アンテナ(104)が、アンテナ(104)に対する負荷にかかわらず、目標値に一致する電力出力を有するまで、単一送信器(108)に対する調整された制御信号を生成してもよい。
[0043] 1つの特定の例において、TEMTデバイスは、8つのアンテナ(104)を有するアンテナシステム(100)を有し、217Hzの速度で各アンテナ(104)を循環する。これは、各アンテナ(104)が、4.6ミリ秒(mS)毎に有効化され、576マイクロ秒(μS)の継続時間の間、オンであることを意味する。治療セッションの効果を最大化するために、あるアンテナ(104)を99%の時間有効にすることが望ましい場合があり、これは約5μSでアンテナ(104)を切り換える必要があることを意味する。一般的な制御器に存在するフィルタリングを用いて、このタイミングで標準的な制御ループを実行し、それでも安定性を維持し、出力電力の振動を防止することは困難である。しかし、制御システム(106)によって生成される調整制御信号は、アンテナ(104)の負荷を説明し、有効化シーケンスの間の切り換え中に調整制御信号を生成する。
[0044] 高速な順次有効化で個々のアンテナ(104)に対する異なる電力制御を達成するために、本制御システム(106)は、電力制御ループを2つのループに分けてもよい。これらの制御ループを、送信器(108)、制御器(112)又はこれらの組み合わせに設けられた構成要素によって実行してもよい。第1のループにおいて、全駆動アンテナ(104)にわたって検出された平均電力に基づいて、電力制御信号を調整する。即ち、制御器(112)は、第1のループに目標電力値を与え、このループは、平均電力を目標電力に一致させるように電力制御信号を調整する。この第1のループは、例えば、アンテナ(104)が患者の頭部に対する位置を変化させることに起因する、全電力レベルの変化に対して調整する比較的遅く変化するループである。
[0045] 第2の電力制御ループは、より速く動作し、各アンテナ(104)に対して検出された電力を第1の制御ループで検出された平均電力と比較し、どのアンテナ(104)が平均から最も遠い電力レベルを生成するかを識別する。次に、第2の電力制御ループは、その識別されたアンテナ(104)の有効化期間中に使用される電力制御信号を微調整して、その電力レベルを平均に一層近付ける。1つの例において、各有効化シーケンス中に1つの調整だけが行われ、その調整は、全アンテナ(104)の平均検出電力から最も遠い電力を生成するアンテナ(104)に対してのみ行われる。多くの有効化シーケンス及び調整の後、全アンテナ(104)は最終的に安定して、平均電力レベルにできるだけ近い出力を生成する。この時点で、微調整がまだ行われる可能性があり、アンテナ(104)が1つの治療サイクルで一方の方向に調整され、次の治療サイクルで他方の方向に戻るパターンに陥る可能性がある。別の例では、制御システム(106)は、アンテナの検出電力が平均電力から離れた閾値の範囲内に入るまでアンテナ(104)を調整することができ、その時点でそれ以上の調整は行われない。
[0046] この第2の制御ループを実施するために、電力制御信号オフセットを、各アンテナ(104)に対して維持する必要がある。従って、この第2の制御ループを実行する過程で、アンテナ(104)が選択されると、第1のループに対する電力制御値は、第2の制御ループからオフセットされたそのアンテナ(104)の電力制御信号によって調整され、その値は、このアンテナ(104)が有効である時間、即ち、アンテナの有効化期間の間、送信器(108)に適用される。その後、この制御を、各アンテナ(104)に対して繰り返す。
[0047] 代替の実施形態において、第2の制御ループは、有効化期間内の初期に正確な電力制御を可能にするために、有効化期間の初めに電力制御信号の調整を行うのに十分速く動作する。更に別の実施形態において、第2の制御ループは、有効化期間の初めに一層速く動作することが可能であるが、現在のアンテナセットの出力電力が平均電力に近づくと遅くなる。ループの速度の調整は、ループの低域フィルター又はループの減衰応答の調整である。
[0048] 一実施形態において、第1の制御ループは実行せず、第2の制御ループは、主電力制御ループになり、アンテナセットの有効化期間中に各アンテナセットの電力出力を直接制御する。この実施形態において、アンテナセットに対する電力出力を、結合器(328)によって測定し、制御器(112)によって目標出力と比較する。実際の電力と目標電力との間の差は、オフセットを判定するために使用され、オフセットは、次回の有効化シーケンスにおいてアンテナセットがセットアップされるときに有効化シーケンス電力制御信号を調整するために使用される。この工程を、有効化シーケンスにおける有効化期間ごとに繰り返し、次に、治療セッションにおける有効化シーケンスごとに繰り返す。
[0049] 一実施形態において、第2の制御ループを使用して、切り換えデバイス(110)を通り、各アンテナ(104)に出る送信経路損失の差を説明する工場較正を実施することができる。これは、各アンテナ(104)への経路における特定の経路損失を測定した後に製造時に計算された値で負荷がかけられている各アンテナ(104)に対する初期オフセット値を用いて実施可能である。別の例において、製造時に計算された較正値を、各アンテナ(104)に対する電力検出器によって測定された値に対する追加オフセットとして使用することができる。
[0050] 更に別の例において、各アンテナ(104)を、異なる送信電力レベルで駆動することが望ましい。異なる電力レベルは、異なる治療レベルの必要性を示す解剖学的データ又は実験データに基づく所望の治療領域に対するそのアンテナ(104)の場所に基づいていることが望ましい。この実施形態において、全アンテナ(104)にわたる平均値、即ち、第1の制御ループを計算せず、第2の制御ループを使用して、各アンテナ(104)の電力出力を、そのアンテナ(104)の目標出力レベルと比較して制御する。
[0051] 更に別の例において、第1の制御ループを使用して、アレイ(102)にわたる平均出力電力値を判定する。しかし、第2の制御ループは、計算平均値よりも高い又は低い電力レベルで送信する幾つかのアンテナ(104)を保つために、調整を行う。
[0052] ここに記載のように、第2の制御ループの出力は、第1の制御ループの電力制御電圧を左右又は変更してもよい。1つの特定の例において、第2の制御ループの出力を、回路の異なる部分に供給することができる。このような場合の1つの特定の例において、第1の制御電圧を、送信器(108)の最終電力増幅器に供給し、第2の制御ループの出力を使用して、最終電力増幅器に対するRF入力電力レベルを変更する。
[0053] この点までの説明は、アンテナ(104)の順次有効化に集中している。このモードにおいて、単一アンテナ(104)は、ある時に有効である。即ち、有効化されるアンテナセットは、単一アンテナを含む。この例において、アンテナ(104)の選択を、1対Nの切り換えデバイス(110)で行うことができる。このような切り換えデバイス(110)において、N個のスイッチは各々、アンテナアレイ(102)における各アンテナ(104)に共通入力を接続する。切り換えデバイス(110)に来る制御信号は、どの出力が有効であるべきかを識別し、そのスイッチを近い位置に設定し、選択出力に共通入力を接続する。切り換えデバイス(110)の例は、PINダイオード、トランジスタ、微小電気機械システム(MEMS)、又はRF信号を選択的に通す又は阻止する他のデバイスを含む。
[0054] 他の例において、アンテナセットは、複数のアンテナ(104)を含む。複数のアンテナ(104)を同時に駆動して、RF治療を特定の場所に向けるために、切り換えデバイス(110)は、1つを超えるスイッチが同時に有効であることができ、送信器(108)からの電力を有効アンテナ(104)の間で分割する。後述のように、このような例において、切り換えデバイス(110)は、送信器(108)に与えられる適切なインピーダンスを維持するために、インピーダンス整合を実行してもよい。この例において、個々のアンテナ(104)の順次有効化の代わりに、アンテナ(104)のグループの順次有効化がある。この例において、アンテナセットにおけるアンテナ(104)の数量及び索引のうち少なくとも1つは、有効化シーケンス毎に変わってもよい。例えば、シーケンスは、最初にアンテナ1及び3、次にアンテナ2及び4、次にアンテナ1及び2及び3、次にアンテナ5、次にアンテナ6及び7、次にアンテナ5及び7、次にアンテナ5及び6、最後にアンテナ8を有効化することであってもよい。
[0055] 順次有効化アンテナセットの各ステップ中に、上述の両方の電力制御ループは、平均電力を維持する第1の制御ループ、及び各アンテナセットに対して調整する第2の制御ループを用いて、実行中であってもよい。
[0056] 単一アンテナ(104)のシーケンシングと同様に、複数のアンテナセットのシーケンシングは、各アンテナセットに対して異なる目標出力レベルを有してもよい。これは、所望の効果を得るために、アンテナ(104)のセットを単一アンテナと異なる電力レベルで駆動することができるからである。更に、電力を、セットにおける複数のアンテナ(104)の間で分割する場合、各アンテナ(104)における電力は減少する。従って、制御器(112)は、送信器(108)の電力を増加して、この電力損失を補ってもよい。従って、1つの例において、各アンテナセットを、異なる目標出力レベルの方へ調整してもよい。
[0057] アンテナシステム(100)は、アレイ(102)における各アンテナ(104)の間の独立電力制御を可能にするので、制御システム(106)によって実行される電力制御は、アレイ(102)における単一アンテナ(104)に関する問題があるかどうかを検出することができ、適切な措置を講じることができる。一実施形態において、制御システム(106)は、例えば、適切に接続されていないアンテナ(104)のうち1つを検出してもよく、一例として、アンテナ(104)がシーケンスに現れる場合、そのアンテナ(104)を使用せず、アレイ(102)における他のアンテナ(104)を使用し続けてもよい。これは、損傷又は切断アンテナ(104)に入る場合、高出力送信器が損傷を受けることがあるので、有益である。
[0058] 幾つかの例において、電力制御パラメータの周りに許容動作限界を置くだけで、誤りを検出することができ、それらの限界を超えた場合、誤りを報告する。この誤り状態を、ユーザインターフェースを介してユーザに示してもよく、誤り状態を、誤りとしてログを取ってもよく、又は他の方法で処理してもよい。代わりに、制御システム(106)は、単一アンテナ(104)の誤りの検出時に、全治療を中断し、記載の手法のうち何れかで問題を示すことができる。
[0059] 別の例において、アンテナ(104)と並列に電力を駆動するのではなく、同じ電力レベルで、セットにおける各アンテナ(104)が放射していることを保証するのが望ましく、放射電力がアンテナ(104)の間で同じであることを望む。この例において、制御システム(106)は、各アンテナ経路に対する切り換え後の専用電力検出器、及び可変減衰デバイスを含んでもよい。この例において、制御システム(106)は、各アンテナ(104)における電力レベルを監視し、全アンテナが同じ電力で送信するまで、より高い電力出力のアンテナ(104)を減衰させる。この制御ループは、電力制御信号を送信器(108)に与える上述の制御ループと併せて動作してもよい。
[0060] セットにおける幾つかのアンテナ(104)を駆動する送信器(108)を用いて、セット内の全アンテナ(104)は、同じ電力レベルで放射しており、治療エネルギーを、脳内の所望の領域に集束させている。幾つかの例において、脳内の集束の場所を移動させるために、制御器(112)は、アンテナのうち1つ又は複数のアンテナに供給されている治療の位相を変更して、ビームを操縦する。各アンテナに対する専用移相ネットワークを用いて、各アンテナ(104)に供給されている信号の位相を変更することができる。
[0061] この最後の例において、スイッチ/減衰器/移相器の組み合わせを介して、切り換えデバイス(110)の機能を増加してもよい。一実施形態では、特定のアンテナ経路に対する電力レベル検出をそれぞれのスイッチに更に組み合わせてもよく、その結果、各アンテナ経路に対して、スイッチ/減衰器/移相器/電力検出器の組み合わせがある。
[0062] 図1は、特定の構成を示すけれども、ユニット内の回路の場所及び他の実装形態の詳細を含むこれらの方式の実装形態における変型例を、ここに記載のような全原理に更に含むことが、当業者に明らかである。
[0063] 図2は、ここに記載の原理の別の例によるアンテナシステム(100)のブロック図である。上述のように、アンテナシステム(100)は、経頭蓋電磁治療(TEMT)デバイスで実施されてもよく、治療を受ける患者によって着用された頭部キャップにおける8つのアンテナ(104)のアレイ(102)を駆動する制御システム(106)を含む。この図面は、アンテナシステム(100)の3つの構成要素を示し、これらの構成要素は、制御システム(106)、アンテナアレイ(102)、及び壁にプラグで接続され、制御システム(106)を充電するAC-DCアダプター(222)である。治療中に、アレイ(102)を設けた頭部ユニットを、患者によって着用し、制御システム(106)を、例えば、フック及びファスナーの帯片を用いて、患者の腕に取り付けてもよい。治療の間に、制御システム(106)を、充電用のAC-DCアダプター(222)に接続する。
[0064] 制御システム(106)は、治療、スケジュール、及びユーザインターフェースを管理する制御器(112)を含む。治療中に、制御器(112)により、送信器(108)は、治療パラメータに従って所望のRF波形を生成して増幅することができる。次に、送信器の電力増幅器(PA)は、治療に求められるレベルまでRF信号を増幅する。PA出力を、切り換えデバイス(110)に供給し、頭部ユニットに設置されたアンテナアレイ(102)内の適切なアンテナ(104)にRF信号を向ける。上述のように、切り換えデバイス(110)は、純粋な切り換え機能を有することができるけれども、電力を制御することもでき、アンテナアレイ(102)における異なるアンテナに対する位相を制御することもできる。即ち、制御器(112)は、アンテナセット内の各アンテナに対するRF治療の位相のうち少なくとも1つを変更してもよく、アンテナセット内の各アンテナに対するRF治療の電力のうち少なくとも1つを変更して、各アンテナセットの間の相対電力を制御してもよい。制御システム(106)は、治療を開始又は停止するために使用されるインターフェースをユーザに与え、フィードバック及び情報(例えば、治療状態及びバッテリーレベル)をユーザに与える制御パネル(214)を含んでもよい。
[0065] 制御システム(106)を実行し、治療を完了するのに十分な電力を与える内部バッテリー(220)によって、制御システム(106)に電力を供給してもよい。充電デバイス(218)は、AC-DCアダプター(222)が存在する場合、バッテリー(220)を充電する。1つの例において、制御器(112)は、充電デバイス(218)から充電状態及びAC-DCアダプター(222)の存在を取得し、状態を制御パネル(214)に表示する。
[0066] 図3は、ここに記載の原理の例によるアンテナシステム(100)を示す。この例において、送信器(図1、108)は、RF信号を生成する発振器(324)を含む。1つの例において、発振器(324)は、所望の変調で変調される位相ロックループ、又はPLLである。次に、RF信号を、送信器(図1、108)の可変利得増幅器(VGA)(326)に供給し、アナログ又はデジタルモードで制御可能である。例において、送信集積回路(IC)内の電力制御レジスタに値を設定することによって、可変利得増幅器(326)をデジタル制御する。次に、可変利得増幅器(326)の出力を、送信器の電力増幅器(316)に供給する。この電力増幅器(316)は、治療に求められる高出力レベルで駆動することができる高出力電力デバイスであってもよい。電力増幅器(316)の出力レベルを、有効電力制御システム(330)によって正確に制御すべきであり、送信器(図1、108)にかけられる負荷にかかわらず、送信器(図1、108)は、一定のレベルを常に出力していることを保証する。これは、電力増幅器(316)に対する負荷が変化し、それに応じて電力が調整されない場合、電力増幅器(316)は、電力増幅器の定格を超える電力レベルを出力し、すぐに損傷することがあるので、有利である。電力増幅器(316)の出力は、空中に放射された場合、結合器(328)を介してアンテナ(104)に供給される。
[0067] 電力制御システム(330)は、結合器(328)を介して出力電力を測定し、結合電力を整流して、出力電力に比例する電圧を生成することによって、電力増幅器(316)の出力電力を制御する(回路は図示せず)。次に、この電圧を、増幅器(334)で増幅し、第1の低域フィルター(336)を介してフィルタリングし、差動増幅器(338)によって制御電圧と比較する。比較用の制御電圧は、制御器(112)における制御電圧生成器(340)から生じ、制御電圧生成器(340)は、電力制御デジタル/アナログ変換器(DAC)であってもよい。基準出力電力と制御電圧との間の差を、第2の低域フィルター(344)を介してフィルタリングし、2次増幅器(328)の制御入力に供給する。図3は、電力制御システム(330)用の特定のアーキテクチャを示すけれども、この電力制御デバイスの詳細を、実際の実装形態で、統合し、結合し、又は互いに分離してもよい。例えば、第1の低域フィルター(336)を、増幅器(334)と統合して、低域フィルタリング応答を有する増幅器を生成してもよい。更に、電力制御システム(330)を、送信器(図1、108)又は制御器(112)に設けてもよい。
[0068] 制御器(112)は、VGA制御信号生成器を更に含む。図3における制御器(112)は、特定の電力出力レベルで送信する送信器(図1、108)を設定する。特定の出力レベルに対して、制御器(112)は、可変利得増幅器(326)を既知の出力レベルに設定する。従って、この例において、VGA制御信号生成器は、可変利得増幅器(326)に電力制御を行う固定値制御信号生成器(342)である。この例において、制御器(112)は、ループを閉じるフィードバックがなく、出力を所望の目標出力レベルに維持することを保証するという点で、開ループ電力制御を行う。代替の実施形態は、固定値制御信号生成器(342)によって設定される出力に対して可変利得増幅器(326)を駆動する閉電力制御ループを有してもよい。アンテナ(104)における所望の出力レベル、及び電力増幅器(316)の利得及び効率性能に基づいて、可変利得増幅器(326)の出力を、特定の出力レベルに設定する。更に、制御器(112)は、制御電圧生成器(340)、即ち、電力制御DACを用いて、差動増幅器(338)に対する制御電圧を設定する。較正を介して、制御器(112)は、どの制御電圧がアンテナ(104)におけるどの出力電力に対応するかを知る。
[0069] 動作中に、制御器(112)は、アンテナ(104)における目標出力レベルをセットアップし、電力制御デバイス(330)は、アンテナ(104)におけるその電力レベルを維持する。アンテナ(104)の負荷が変化するにつれて、電力増幅器(316)にかけられる負荷が変化し、かけられる負荷、及び送信器(図1、108)の特性に基づいて、電力増幅器(316)が出力する電力レベルを変更する。その電力が変化するにつれて、電力結合器(328)からのレベルが変化し、差動増幅器(338)に入る検出電圧を供給して変更し、次に、送信器(図1、108)に対する電力制御を変更し、この新しいアンテナ(104)の負荷で、送信器の出力電力を目標レベルに戻す。
[0070] 図4は、ここに記載の原理の例によるアンテナシステム(100)を示す。この図面は、図3に見付けられる要素に加えた要素を示す。図3と同様に、RF信号を、発振器(324)によって生成し、可変利得増幅器(326)に供給し、次に、電力増幅器(316)に供給する。最終送信器(図1、108)の出力電力を、結合器(328)を介して結合し、電力制御システム(330)に供給し、図3に記載のように同様に動作する。即ち、結合出力を、整流し、増幅器(334)によって増幅し、第1の低域フィルター(336)を介して送り、差動増幅器(338)に供給し、第2の低域フィルター(334)によってフィルタリングされた制御電圧と比較し、電力増幅器(316)の制御入力に供給する。
[0071] 図4は、切り換えデバイス(110)に供給されている結合器(328)の出力を示す。制御器(112)の制御下の切り換えデバイス(110)は、アンテナアレイ(102)におけるアンテナ(図1、104)のうち1つにRFを向ける。別の例において、更に、切り換えデバイス(110)は、同時に複数のアンテナ(図1、104)に電力を向けることができ、複数のアンテナ(図1、104)の各々に電力を調整することができ、複数のアンテナ(図1、104)の各々に供給される信号の位相を調整することができる。
[0072] 制御器(112)は、アンテナ(図1、104)を内外に切り換えるので、電力制御システム(330)は、全アンテナ(図1、104)にわたる平均電力が一定のままであることを維持する。しかし、これは、より高い出力電力を有するアンテナ(図1、104)の一部で行われることがある一方、全アンテナ(図1、104)の平均を、制御電圧生成器(340)によって出力される制御に対応するレベルに調節するという条件で、他のアンテナ(図1、104)は、より低い出力電力を有する。これは、第1の低域フィルター(336)及び第2の低域フィルター(344)における低域フィルタリングが、アンテナシーケンスを完了するのにかかる時間よりも遅い応答を生じるからであり、その結果、電力制御システム(330)は、アンテナシーケンス全体の電力レベルの平均化を行う。
[0073] この例において、制御器(112)は、追加構成要素を含み、全アンテナ(図1、104)が、多少高い及び多少低い電力レベルではなく、同じ電力レベルを出力しているように調整を行う。制御器(112)は、各アンテナ(図1、104)用の電力検出アナログ/デジタル変換器(ADC)(444)などの電圧検出器を用いて検出電力を読み取ることによって、これを達成する。特定のアンテナ(図1、104)の検出出力が、高過ぎる又は低過ぎる場合、そのアンテナ(図1、104)に対して可変利得増幅器(326)を調整して、その検出出力を他のアンテナ(図1、104)に近付ける。アンテナ(図1、104)が有効である毎に、検出電力をADC(444)によって読み取り、そのアンテナ(図1、104)に対するオフセット値を、計算し、そのアンテナ(図1、104)用のオフセットメモリ記憶デバイス(448)に記憶する。図4で簡単にするために、丁度1つのオフセットメモリ記憶デバイス(448)を参照符号で示す。アンテナ(図1、104)が有効である次回に、VGA制御信号生成器(446)は、そのアンテナ(図1、104)用のオフセットメモリ記憶デバイス(448)に記憶されたオフセットによって、可変利得増幅器(326)に対する制御信号をオフセットする。アンテナ(図1、104)の各サイクルを介して、オフセットメモリ記憶デバイス(448)における1つ又は複数のオフセット値を、計算して調整する。この工程を介して、幾つかの反復後、オフセット値は、最終値に整定し、アンテナ(図1、104)にわたる電力出力は等しい。
[0074] 一旦この第2の電力制御ループが整定すると、単一アンテナ(図1、104)に対する負荷が変化した場合、電力検出ADC(444)は、対応する電力変化を測定し、制御器(112)は、そのアンテナ(図1、104)の出力電力を他のアンテナ(図1、104)と同じレベルに戻すまで、そのアンテナ(図1、104)に対するオフセット値を調整する。
[0075] ある理由で、切り換えデバイス(110)を介して、又は印刷回路基板(PCB)上の経路設定のために、2つの異なるアンテナ経路間の損失の差がある場合、制御器(112)は、この損失を追加オフセット値として記憶することができ、そのオフセットによってその特定のアンテナ(図1、104)に対する電力検出ADC(444)の全読み取り値をオフセットすることができる。これを行うと、各アンテナ(図1、104)に対する経路損失が異なる場合でも、電力出力がアンテナ(図1、104)に対して同じであることを保証することができる。
[0076] 図5は、ここに記載の原理の例によるアンテナシステム(図1、100)を制御する方法(500)のフローチャートである。方法(500)によれば、アンテナ(図1、104)のアレイ(図1、102)における各アンテナ(図1、104)に対して、各アンテナ(図1、104)に対する実際の電力出力とアレイにわたる平均電力出力との間の差を判定する(ブロック501)。幾つかの例において、単一アンテナにおける実際のアンテナ電力出力を比較する平均値は目標値でないことに留意されたい。即ち、目標値は、制御器(図1、112)が、治療パラメータに基づいて出力電力を調節しようとするものである。次に、制御器(図1、112)は、制御ループをセットアップして、目標電力の方へアンテナ(図1、104)を駆動する。設定が単一アンテナシステムを含む場合、それだけのことである。しかし、マルチアンテナシステムの場合、まず、どのアンテナを調整すべきかを判定し、従って、各アンテナの出力を、全アンテナの平均電力出力と比較し、目標電力と比較しない。換言すれば、目標電力は、治療パラメータに基づく所望の出力であり、平均電力(ループが整定している時に目標電力に等しくないかもしれない)から最も遠いアンテナに対して任意の調整を行う。
[0077] 数回の有効化シーケンスの後、平均電力出力は、目標電力と一致するはずである。しかし、調整が行われているので、平均電力が目標電力と等しくない場合がある。従って、第1の調整制御信号に基づいて少なくとも1つのアンテナ(図1、104)を駆動した後に、方法は、アンテナ(図1、104)のアレイ(図1、102)にわたる新しい平均電力出力を判定することを含んでもよい。再度、制御器(図1、112)は、アレイ(図1、102)における各アンテナ(図1、104)に対して、各アンテナ(図1、104)に対する実際の電力出力とこの新しい平均電力出力との間の差を判定し、少なくとも1つのアンテナ(図1、104)の電力出力が新しい平均電力出力と同じであるように単一送信器(図1、108)に対する制御信号を調整する。第2の有効化シーケンスで調整されたアンテナ(図1、104)は、第1の有効化シーケンスで調整されたアンテナと同じでないかもしれない。次に、第2の調整制御信号に基づいて単一送信器を介して、第2のアンテナ(図1、102)を駆動する。アレイ(図1、102)内の各アンテナ(図1、104)における電力出力が目標値と同じになるまで、この工程を繰り返す。
[0078] 目標電力でなく平均電力の方へ少なくとも1つのアンテナ(図1、104)を調整すると、有効化シーケンスの数及び長さが減少し、アンテナアレイ(図1、102)の電力出力を安定化する。これは、図1~図4に記載のアンテナシステム(図1、100)によって行ってもよい。
[0079] 次に、有効化期間中に、判定された差に基づいて、アンテナ(図1、104)に対する負荷にかかわらず、少なくとも1つのアンテナ(図1、104)の出力が平均値と同じになるように、単一送信器(図1、108)に対する制御信号を調整する(ブロック502)。この工程は、全てのアンテナの出力が平均電力出力と一致するまで繰り返すことができ、平均電力出力は、安定化された場合に目標値と一致する可能性がある。
[0080] 上述のように、幾つかの例において、制御信号を調整する少なくとも1つのアンテナ(図1、104)は、最大差を有するアレイ(図1、102)内のアンテナ(図1、104)であってもよい。この例において、この最大オフセットアンテナ(図1、104)に対して制御信号を調整する有効化期間は、調整制御信号を有する有効化シーケンスの唯一の有効化期間である。後の有効化シーケンス中に、異なる有効化期間は、調整信号を含んでもよい。次に、少なくとも1つのアンテナ(図1、104)を、調整制御信号に基づいて単一送信器(図1、108)によって駆動する(ブロック503)。即ち、調整制御信号を、電力増幅器(図3、316)に渡し、アンテナに供給されるRF治療の出力電力を調整する。
[0081] 図6は、ここに記載の原理の例による、アンテナ(図1、104)の選択、電力及び位相を制御する切り換えデバイス(110)の例を示す。この例において、切り換えデバイス(110)は、複数のアンテナ(図1、104)を同時にオンに切り換え、同時にオンに切り換えられたアンテナ(図1、104)の間の電力を調整し、同時にオンに切り換えられたアンテナ(図1、104)の間の位相を調整する。この図面において、1つの入力及び8つの出力を示すけれども、実装形態を、任意の数の出力に拡大縮小することができる。更に、ある場合において、切り換えデバイス(110)は、図示の要素のサブセットを含んでもよい。例えば、切り換えデバイス(110)は、電力レベルを調整する構成要素でなく、移相ネットワークを含んでもよい。
[0082] 切り換えデバイス(110)の前端は、並列に8つのスイッチ(650-1、650-2、650-3、650-4、650-5、650-6、650-7、650-8)に分配される単一入力を含む。これらのスイッチ(650)の各々は、機械的、電気機械的、又は電気的であってもよい。スイッチ(650)を並列接続するので、RF電力を、比較的同等にスイッチ(650)の出力にわたって分配する。例えば、2つのスイッチ(650)が有効である場合、各スイッチ(650)の出力における出力電力レベルは、分割される電力、及びスイッチ(650)自体から受ける損失のために、切り換えデバイス(110)への入力電力の約半分である。従って、電力が複数のアンテナ(図1、104)の間で分配されている場合、切り換えデバイス(110)への入力電力を調整して、より小さい電力が各アンテナ(図1、104)に入っていることをオフセットする必要があることがある。有効である複数のスイッチ(650)のインピーダンス変化のために、静的又は動的なインピーダンス整合器(652)を使用して、このバンクを駆動するデバイスに対する負荷を一定に保ってもよい。
[0083] スイッチ(650)をオンにした後、各経路は、各分岐上の出力電力を調整する可変減衰器(654-1、654-2、654-3、654-4、654-5、654-6、654-7、654-8)である。幾つかの例において、調整増加は、能動利得回路を必要とするので、電力調整は、減少だけであり、増加がない。大幅な電力減少は、切り換えデバイス(110)の回路によって許容されないことがある大量の熱を発生するので、可変減衰器(654)を用いた電力減少調整は制限される。しかし、図6に示すアーキテクチャを用いて、切り換えデバイス(110)に対する全電力を増加することができ、選択的アンテナ経路を設定して、それらの経路上の電力を減少することができ、アンテナ(図1、104)の間の相対出力電力を制御することができる。
[0084] 減衰器(654)をオンにした後、各経路は、制御信号に従って特定の経路上の位相をシフトすることができる移相器(656-1、656-2、656-3、656-4、656-5、656-6、656-7、656-8)である。アンテナ(図1、104)の間の相対位相をシフトすると、放射信号のビーム形成又は操縦が可能になる。
[0085] 図7は、ここに記載の原理の別の例によるアンテナシステム(図1、100)を制御する方法(700)のフローチャートである。ユーザ又は医療専門家は、治療が始まるべきであるように指示した場合、方法(700)は開始する。この指示は、頭部ユニットが患者に着用されており、TEMTデバイスを準備した後、発生すべきである。治療が始まる前の治療の開始時に、制御電圧を、目標値に設定する(ブロック701)。個々のアンテナに対するデフォルトオフセットを、オフセットメモリ記憶デバイス(図4、448)にロードし(ブロック702)、アンテナカウンターを、第1のアンテナセットに設定する(ブロック703)。
[0086] この例において、治療が完了するまで、各アンテナ(図1、104)のセットを、順次循環させる。複数のアンテナ(図1、104)を、脳内の集中治療に対して同時に有効化している場合、フローチャートは同じである。しかし、「N」は、単一アンテナ(図1、104)ではなく、有効アンテナ(図1、104)のグループを意味する。1つの例において、全シーケンスが完了し、各シーケンスの終わりに、1つのアンテナオフセットのみが更新される。他の例において、シーケンスが完了するたびに、複数のアンテナオフセットが更新されてもよい。幾つかの例において、全治療セッションは、1時間であってもよく、有効化シーケンスを、4.6mS(217Hzのアンテナ繰り返し率に対応する)で完了する。これは、治療セッションで発生する781,200個のシーケンス(及びオフセット調整の機会)になる。
[0087] 有効化シーケンスを循環させるので、フローは、第1のアンテナ(図1、104)、又はアレイ(図1、102)におけるアンテナ(図1、104)のグループから開始する。まず、切り換えデバイス(図1、110)を、そのアンテナ(図1、104)、又はアンテナ(図1、104)のグループNに対して設定する(ブロック704)。アンテナ(図1、104)のグループの場合、減衰及び位相を、切り換えデバイス(図1、110)に更に設定する(ブロック705)。次に、アンテナセットNに対するオフセットを、オフセットメモリ記憶デバイス(図4、448)から読み取り、このオフセットを使用して、可変利得増幅器(図3、326)の出力電力を設定する(ブロック706)。この時点で、利得経路はセットアップされており、その結果、制御器(図1、112)は、送信器(図1、108)を使用可能にして(ブロック707)、適切な継続時間に対するRFパルスを生成する。
[0088] RFパルスを完了する前に、制御器(図1、112)は、結合器(図3、328)から検出電力を読み取り(ブロック708)、電力検出ADC(図4、444)に供給されるものを増幅する。他のアンテナ(図1、104)と比較した任意の異なる経路損失のために、アンテナ(図1、104)のセットNに対する任意の工場較正がある場合、較正オフセットを調整する(ブロック709)。次に、読み取り値が制御器(図1、112)によって局所的に記憶され(ブロック710)、その結果、シーケンス内の全アンテナ(図1、104)の平均が計算され、その読み取り値を電力制御アルゴリズムで使用することができる。
[0089] この時点で、これが、有効化シーケンスで最後のアンテナ(図1、104)であるかどうかを見る確認を行う(ブロック711)。有効化シーケンスで最後のアンテナ(図1、104)でない場合(ブロック711、判定ノー)、アンテナカウンターを増分し(ブロック712)、次のアンテナシーケンスを処理する。有効化シーケンスで最後のアンテナであった場合(ブロック711、判定イエス)、治療セッションが完了であるかどうかを見る確認を行う(ブロック713)。治療セッションが完了でない場合(ブロック713、判定ノー)、制御器(図1、112)は、全アンテナの記憶電力読み取り値を使用して、アンテナ(図1、104)にわたる平均検出電力を計算する(ブロック714)。次に、制御器(図1、112)は、個々のアンテナ読み取り値を平均と比較し、平均から最も遠い電力読み取り値をどのアンテナ(図1、104)が有するかを判定する(ブロック715)。アンテナ又はアンテナグループMと呼ばれるこのアンテナは、この有効化シーケンスで調整される。アンテナセットMに対する電力読み取り値が平均よりも大きい場合(ブロック716、判定イエス)、アンテナセットMが有効である次回に、可変利得増幅器(図3、326)の電力を低下させるべきであり、従って、オフセットを、小さい値だけ減少し(ブロック718)、アンテナセットMに対するオフセットメモリ記憶場所(図4、448)に記憶する(ブロック718)。オフセット調整は、小さい。即ち、電力レベルのこの変更は、全アンテナ(図1、104)の平均電力を変更し、システムにおける第1の電力制御ループを調整する。従って、システム安定性のために、小さい変更を行うべきである。アンテナセットMに対する電力読み取り値が平均よりも小さい場合(ブロック716、判定ノー)、アンテナセットMに対するオフセット値を、小さい量だけ増加して記憶する(ブロック717)。上述のように、幾つかの例において、方法(700)は、有効化シーケンス毎に行われる1つの調整を含むけれども、平均からの最大のずれがある閾値を超えた場合、代替の例は、調整を単に行ってもよい。この時点で、アンテナカウンターを、第1のアンテナにリセットし(ブロック703)、有効化シーケンスを繰り返す。有効化シーケンスの終わりに、治療が完了であると判定した場合(ブロック713、判定イエス)、増幅器の電源を切って、治療を終了する。
[0090] 図8は、ここに記載の原理の例によるアンテナシステム(図1、100)を有する電磁治療デバイスを示す。電磁治療デバイスは、人間の対象の頭部に対する所定の位置にアンテナを保持する頭部ユニット(858)を含む。頭部ユニット(858)は、アンテナ(104)のアレイ(図1、102)を更に含む。上述のように、各アンテナ(104)は、電磁波を放出し、アレイ(図1、102)における他のアンテナ(104)と異なる負荷が、各アンテナ(104)にかけられている。図8は、頭部の部位の一方の側にアンテナ(104)を示していることに留意されたい。頭部の部位の反対側は、同様に位置決めされたアンテナ(104)を含んでもよい。
[0091] 電磁治療デバイスは、図1に示すような制御システム(図1、106)を更に含む。即ち、制御システム(図1、106)は、アンテナセット(104)を駆動する単一送信器(図1、108)と、有効化シーケンスにおける有効化期間ごとに、駆動されるべきアンテナ(図1、104)のセットを選択する切り換えデバイス(図1、110)とを含む。制御システム(図1、106)は、各アンテナ(図1、104)に対する実際の電力出力を判定し、アンテナ(図1、104)に対する負荷にかかわらず、少なくとも1つのアンテナ(図1、104)の出力が第1の調整電力値と同じであるように、単一送信器(図1、108)に対する調整制御信号を生成する制御器(図1、112)を更に含む。
[0092] ここに提示の主題を例示して説明するために、上述の説明は、単に提示されている。網羅的であるように、又は開示の任意の正確な形態に主題を限定するように意図されていない。上述の教示に照らして、多くの修正及び変更が可能である。
[0093] 主題の原理及び実用化を最も良く説明するために、ここに記載の例を、選択して説明した。上述の説明は、当業者が、様々な実施形態で、及び考えられる特定の用途に適しているような様々な修正を用いて、主題を最も良く利用することができるように意図されている。

Claims (21)

  1. 電磁波を各々が放出するアンテナのアレイであって、前記アレイにおける他のアンテナと異なる負荷が各アンテナにかけられているアンテナのアレイと、
    制御システムであって、
    アンテナセットを順次駆動する単一送信器と、
    有効化シーケンスにおける有効化期間ごとに、駆動されるべきアンテナセットを選択する切り換えデバイスと、
    各アンテナの実際の電力出力を判定し、
    各アンテナの前記電力出力が、前記アンテナに対する負荷にかかわらず、そのアンテナに対する目標電力に一致するように制御されるように、前記単一送信器に対する調整制御信号を生成する
    制御器と
    を含む制御システムと
    を含むアンテナシステム。
  2. 前記アンテナセットは、
    所与の時刻に有効である単一アンテナと、
    前記所与の時刻に有効である複数のアンテナであって、前記単一送信器からの駆動信号が前記複数のアンテナの間で分割されている複数のアンテナと
    のうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載のアンテナシステム。
  3. 前記アレイにおける複数のアンテナは、対象内の特定の方向にビームを集束させる、請求項1に記載のアンテナシステム。
  4. 前記制御器は、各アンテナの実際の電力出力を順次判定し、前記アンテナに対する負荷にかかわらず、前記アレイ内の少なくとも1つのアンテナが、全アンテナセットにわたる平均電力出力に一致する電力出力を有するまで、前記単一送信器に対する調整制御信号を有効化シーケンス毎に生成する、請求項1に記載のアンテナシステム。
  5. 前記制御器は、有効化期間の間の切り換え中に調整制御信号を生成する、請求項1に記載のアンテナシステム。
  6. 前記制御器は、有効セット内の少なくとも1つのアンテナ出力の位相を変更して、ビームを操縦する、請求項1に記載のアンテナシステム。
  7. 前記制御器は、有効セット内の少なくとも1つのアンテナ出力の電力を変更して、各アンテナセットの間の相対電力を制御する、請求項1に記載のアンテナシステム。
  8. 前記制御器は、前記調整制御信号を減衰させて、順次調整がオーバーシュートしないことを保証する、請求項1に記載のアンテナシステム。
  9. 前記切り換えデバイスは、
    それぞれのスイッチに結合されているアンテナ毎の可変減衰器と、
    それぞれの可変減衰器に結合されているアンテナ毎の移相器と、
    インピーダンス整合器と
    のうち少なくとも1つを含む、請求項1に記載のアンテナシステム。
  10. 前記制御システムは、
    充電デバイスと、
    内部バッテリーと、
    制御パネルと
    のうち少なくとも1つを更に含む、請求項1に記載のアンテナシステム。
  11. 前記送信器及び前記制御器のうち少なくとも1つに設けられている電力制御システムを更に含み、
    前記送信器は、
    発振器と、
    可変利得増幅器(VGA)と、
    電力増幅器と、
    結合器と
    を含み、
    前記制御器は、
    制御電圧生成器と、
    (VGA)制御信号生成器と
    を含む、請求項1に記載のアンテナシステム。
  12. 前記VGA制御信号生成器は、固定値制御信号生成器を含む、請求項11に記載のアンテナシステム。
  13. 前記制御器は、
    電圧検出器と、
    オフセットメモリ記憶デバイスと
    を含み、
    前記VGA制御信号生成器は、検出電圧及びオフセットに基づいてVGA制御信号を生成するためである、請求項11に記載のアンテナシステム。
  14. アンテナのアレイにおける各アンテナに対して、各アンテナに対する実際の電力出力と全アンテナセットの平均電力出力との間の差を判定することと、
    各アンテナの電力出力が、前記アンテナに対する負荷にかかわらず、そのアンテナに対する目標電力に一致するように制御されるように、前記アレイ内の各アンテナに結合される単一送信器に対する制御信号を調整することと、
    前記単一送信器を介して、第1の調整制御信号に基づいて前記少なくとも1つのアンテナを駆動することと
    を含む方法。
  15. 前記少なくとも1つのアンテナは、最大オフセットを有する前記アンテナのアレイ内のアンテナであり、
    前記制御信号を調整する有効化期間は、調整制御信号を有する有効化シーケンス内の唯一の有効化期間である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記オフセットに基づいて欠陥アンテナを検出することを更に含む、請求項14に記載の方法。
  17. 前記アンテナセットにおける各アンテナに対する出力の位相を調整して、対象上の特定の場所に電磁波を集束させることを更に含む、請求項14に記載の方法。
  18. 頭部に対する所定の位置にアンテナを保持する頭部ユニットであって、電磁波を各々が放出するアンテナのアレイを含み、前記アレイにおける他のアンテナと異なる負荷が各アンテナにかけられている頭部ユニットと、
    制御システムであって、
    アンテナセットを駆動する単一送信器と、
    有効化シーケンスにおける有効化期間ごとに、駆動されるべきアンテナセットを選択する切り換えデバイスと、
    各アンテナの電力出力を判定し、
    前記アンテナに対する負荷にかかわらず、少なくとも1つのアンテナの前記電力出力がそのアンテナに対する目標電力に一致するように制御されるように、前記単一送信器に対する調整制御信号を生成する
    制御器と
    を含む制御システムと
    を含む電磁治療デバイス。
  19. 前記制御システムを充電するAC-DCアダプターを更に含む、請求項18に記載の電磁治療デバイス。
  20. 神経変性疾患及び状態の治療又は防止、及び非低下認知機能の向上のためである、請求項18に記載の電磁治療デバイス。
  21. 頭部に対する所定の位置にアンテナを保持する頭部ユニットであって、電磁波を各々が放出するアンテナのアレイを含む頭部ユニットと、
    制御システムであって、
    アンテナセットを駆動する単一送信器と、
    有効化シーケンスにおける有効化期間ごとに、駆動されるべきアンテナセットを選択する切り換えデバイスと、
    前記アンテナセットにおける各アンテナに対する出力の位相を調整して、対象上の特定の場所に前記電磁波を集束させる制御器と
    を含む制御システムと
    を含む電磁治療デバイス。
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