JP2022526254A - Mems利用のために内部共振を実施するマイクロ共振器の設計 - Google Patents

Mems利用のために内部共振を実施するマイクロ共振器の設計 Download PDF

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Abstract

周波数安定化は、調整可能な内部共振(IR)によって微小電気機械システム(MEMS)発振器にもたらされる。デバイスは薄層構造であるステップビーム構造を含むMEMS共振器を備える。共振器はIRを実施するように構成され得る。ステップビーム構造は、モード周波数をn:mの比(n及びmは整数)に調節する順応性をもたらすように構成され得る。薄層構造は、印加されたDCバイアスで中央平面伸張効果を制御することによって、周波数整調性をもたらす。薄層構造は製作誤差によるn:mの比との周波数ミスマッチを補償する。MEMS共振器は発振器であり得る。【選択図】図3

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2019年3月14日に出願された、名称「MICRO-RESONATOR DESIGN IMPLEMENTING INTERNAL RESONANCE FOR MEMS APPLICATIONS」の米国仮特許出願第62/818,234号の利益を主張するものであり、該出願の開示が、参照によりその全体が本明細書に明確に組み込まれる。
本発明は、DARPA(国防高等研究計画局)によって授与されたYFA16_D16AP00110の下、政府支援を受けて作成された。政府は本発明の特定の権利を有する。
微小電気機械システム(MEMS)は、そのコンパクトな寸法、高速応答、高感度、及び低消費電力のために大きな関心を集めており、多くの産業利用、商業利用、及び科学的利用で広く使用されている。マイクロメカニカル共振器は、共振周波数またはそれに近い周波数で動作するように設計されるMEMSの1つのカテゴリのものである。これらの共振器は、多くの場合、ビームまたはディスク構造に製作される。超低減衰と低有効質量とが組み合わされると、高いQ値のかなり高い共振周波数で動作することが可能になる。さらに、それらは色々な作動/検出機構を有する。これらの属性は、基準周波数及び高感度を提供するためにマイクロメカニカル発振器及びマイクロメカニカルセンサの重要な要素にマイクロメカニカル共振器を利用する。
共振器の最も重要な属性の1つは、感度及び信頼性のパフォーマンスを決定する周波数安定性である。しかしながら、寸法がマイクロスケール、さらにはナノスケールに縮小すると、熱ノイズ、吸収/脱着分子、作動回路及び変換回路からの付加ノイズ等の小さなエネルギーでも、様々なノイズ源によって周波数が変動する可能性がある。言い換えれば、マクロスケールのデバイスで無視できる不安定性は、発振器の寸法がマイクロスケール及びナノスケールに縮小すると著しく影響を受ける。温度変動、湿度変化、吸収/脱着分子、光子数の変動でさえ、全て、周波数安定性に影響を与える可能性がある。さらに、マイクロメカニカル発振器は、多くの場合、大きな信号対ノイズ比を取得するために強く駆動すると、非線形領域に陥ることがある。非線形動作の望ましくない結果は、発振器に広範囲の周波数変動が誘導され、それが発振器の性能をさらに低下させることである。計時デバイスとしての発振器の重要な役割は、安定した基準周波数を提供することであるが、これらの全ての不安定性によりマイクロメカニカル発振器の進歩を妨げている。
超高Q値の実現及び発振器の同期等の周波数安定化のための様々な手順が以前の研究で提案されている。しかしながら、公開されている周波数安定性の測定値は熱機械ノイズによって設定された制限に達しておらず、さらに、熱機械ノイズ制限よりも数桁高くなっている。
内部共振(IR)の機構により、MEMS発振器とMEMSセンサの周波数安定性が向上することが知られている。しかしながら、IRは、2つ(または3つ以上)の関連モード間の整合条件を満足するときだけトリガできるため、プリズム構造で実現するのは簡単ではない。本開示の様々な態様及び実施形態が提示されるのは、これら及び他の検討事項に関するものである。
本開示の特定の態様は、調整可能な内部共振(IR)によって微小電気機械システム(MEMS)発振器の周波数安定化に関する。本開示の実施形態のいくつかの非限定的な例は以下の説明を含む。
一実施態様は、薄層構造であるステップビーム構造を有するMEMS非プリズム共振器を備える。共振器はIRを実施するように構成され得る。ステップビーム構造はモード周波数をn:mの比(m及びnは整数)に調節する順応性をもたらすように構成され得、実施態様によって、m及びnは同じ整数であり得るまたは互いに異なる整数であり得る。薄層構造は、印加されたDCバイアスで中央平面伸張効果を制御することによって、周波数整調性をもたらす。薄層構造は製作誤差によるn:mの比との周波数ミスマッチを補償する。MEMS共振器は発振器であり得る。
いくつかの態様に従って、MEMS共振器の2つの曲げモード間の離調は、DCバイアスを調整することによって正確に制御でき、2つの曲げモード間の強い結合によって、広範囲の周波数安定化はIRによって実現する。
いくつかの実施態様では、デバイスはステップクランプ-クランプ型シリコンマイクロビームを含み得る。ステップクランプ-クランプ型シリコンマイクロビームはIR機構を実装するためにMEMS製作フローによって製作され得る。
いくつかの態様では、本発明は、IRを容易に実施できる薄層ステップビームMEMS共振器用のシステム及び技術に関する。薄層ステップビーム構造により、2つの振動モード間で整合条件の達成を可能にする。さらに、その薄い構造によって実現する高周波整調性は、印加されるDC電圧を調節することによってIRをその最適条件に調整することを可能にする。
本要約は、下記の発明を実施するための形態にさらに説明される簡略化された形式で一連の概念を紹介するために提供される。本要約は、主張される主題の重要な特性または本質的特性を識別することを意図せず、また、主張される主題の範囲を制限するために使用することも意図していない。
前述の概要及び以下の例示的な実施形態の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むとき良く理解される。実施形態を示す目的のために、実施形態の図面の例示的な構成が示される。しかしながら、実施形態は開示される特定の方法及び器具に限定されない。
第2のモードと第3のモードとの整合性を満足できる共振器の寸法を予測するために使用されるモード解析の図である。 バッチ製作された薄層ステップビーム共振器の実施態様の走査電子顕微鏡(SEM)の画像である。 静電アクチュエーション及び光検出による閉ループ構成システムの図である。 異なるDCバイアス電圧下における主要な3つの曲げモードのモード周波数を示す。 異なるDCバイアス電圧下における第3の曲げモード周波数と第2の曲げモード周波数との比を示す。 別の例示的なマイクロメカニカル共振器及び電極の図である。 1835kHzのモード周波数を有する第2のモードの有限要素解析(FEA)予測モード形状を示す。 3671kHzのモード周波数を有する第3のモードの有限要素解析(FEA)予測モード形状を示す。 RF/LOの混合測定設定の実施態様の概略図である。 FFTベースのスペクトル応答における高調波成分の比較図を示す。 FFTベースのスペクトル応答における高調波成分の比較図を示す。 非線形IR周波数応答の実験的特性評価を示す。 非線形IR周波数応答の実験的特性評価を示す。 非線形IR周波数応答の実験的特性評価を示す。 対称構成を有する主要な3つの曲げモード形状を示す。 非対称構成を有する主要な3つの曲げモード形状を示す。
この説明は、添付の請求項の範囲を限定することを意図しない例を提供する。図は概して例の特徴を示し、同様の参照番号が同様の要素を参照するために使用されることが理解及び認識される。本明細書での「一実施形態」または「実施形態」または「例示的な実施形態」への言及は、説明される特定の特性、構造、または特徴が、本明細書に説明される少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味し、特性、構造、または特徴は、本明細書に説明される全ての実施形態に存在することを含意しない。
内部共振(IR)を容易に実施できる非プリズム(例えば、様々な寸法を有する)マイクロメカニカル共振器またはナノメカニカル共振器が説明されている。いくつかの実施態様では、非プリズム共振器はステップビーム共振器であり得る。2つ以上の共振モードの周波数が整合可能またはほぼ整合可能であるとき、IRは非線形システムで発生する可能性がある(例えば、n:mの比について、m及びnは整数であり、実施態様によって、m及びnは同じ整数であり得るまたは互いに異なる整数であり得る)。IRが発生するとき、整合状態のエンゲージモードは内部でエネルギーを効果的に交換できる。係る「内部」エネルギー移送は、構造と環境との間で発生する「外部」エネルギー移送よりもかなり高速に発生する(例えば、システムから環境へのエネルギー散逸、駆動力からシステムへのエネルギーポンピングが発生する)。
周波数安定性は微小電気機械(MEM)共振器の性能を決定するための主要パラメータである。MEM共振器が単一周波数作動によって駆動し、IRの条件を満足すると、2つのエンゲージモードは、強い効果的なモード間のエネルギー移送によって一緒にロックされる単一周波数の位相と同時に共振する。これらの2つのアクティブな共振モードの慣性の増加により、両方の周波数出力の周波数安定化につながる。開ループ実験設定では、IRは周波数安定性の6倍の改善を実現した。
本明細書で提供される共振器設計で実施されるように、IRの機構を使用することから多くの利点がもたらされる。その利点として、例えば、(1)MEMS発振器及びナノ電気機械システム(NEMS)発振器の周波数安定化、(2)微小共振器及びナノ共振器のエネルギー移送を制御する手順、(3)マルチモード検知能力の複数モード、及び(4)無線周波数(RF)MEMSの周波数制御が挙げられる。
本明細書では、(i)非プリズムビーム、(ii)クランプ-クランプ型ビーム、及び/または(iii)IRを容易に実施できるプラットフォームとしてのビーム(または他の2D構造)設計の薄層が説明される。クランプ-クランプ型プリズム構造が一般的にn:mの比を提供しないため、IRはプリズム(一定寸法)構造では容易に実現しない。ステップビーム構造は、モード周波数をn:mの比に調節する十分な順応性をもたらし、設計プロセス中、m及びnは整数である。システムが非対称共振モード形状を有するとき、内部結合を大幅に強めることができる。第2のモード及び第3のモードを結合することは、他のモードを結合するよりも効果的である。クランプ-クランプ型構造は、本質的に、中央平面伸張によってモード間の非線形結合を提供する。薄い構造のモード周波数は、様々な機構を使用することによって簡単に調整される(例えば、DCバイアスを印加することによって中央平面伸張を静電的に調整する)。
本明細書でさらに説明するように、1:2のIRは、第2の曲げモード及び第3の曲げモードで実施される。この強い結合により、広いIR範囲を実現し、IRが機械的領域から周波数を安定化させるため、周波数安定性がその熱機械ノイズ制限の近くまで改善される。
図1は、第2のモードと第3のモードとの整合性を満足できる共振器の寸法を予測するために使用されるモード解析100の図である。第2のモード周波数110及び第3のモード周波数120は、各々、236.49kHz及び473.75kHzである。言い換えれば、図1に示されるように、第2の曲げモード及び第3の曲げモードのモード解析予測は、各々、236.49kHz及び473.75kHzであり、1:2の整合条件を満足する。薄層構造はDCバイアスによって決定される中央平面伸張に対してより敏感であり、ひいては、製作のばらつきを補償するための高い整調性を有する。クランプ-クランプ型ビーム構造も使用し得、その構造は同様の寸法を有する他の構造と比較して高い共振周波数を有する。
図2は、バッチ製作された薄層ステップビーム共振器210の実施態様の走査電子顕微鏡(SEM)の画像200である。共振器210は従来の微細加工プロセスによって製作され得る。スケールバーは100μmである。薄層ステップビームマイクロメカニカル共振器210は、1:2のIRによって、その第2の曲げモード及び第3の曲げモードを結合するために提供される。プリズマティック構造はモード周波数の間にそれ自体の固有値比を有し、これは、多くの場合、整合していない。この目的を達成するために、設計された構造は、L=187μm、W=8.9μmの幅広部と、均一な厚さT(500nm)があるL=68μm、W=4μmの幅狭部とを含む。
共振器210等のMEMS共振器は従来のフローによって製作され得る。簡潔に説明すると、マイクロビームは、フォトリソグラフィー技術を使用して、500nmのデバイス層及び2μmのボックス層を有するシリコンオンインシュレータ(SOI)ウェーハでパターン化されたものである。次に、反応性イオンエッチング(RIE)を使用して、露光領域をエッチングし、次に、ウェーハをフッ化水素酸溶液に浸してビームを放出する。デバイスは約3mTorrの圧力で真空室に取り付けられる。ロックイン増幅器(チューリッヒインスツルメントHF2LI)の内部関数発生器によって生成されたAC信号を利用して、マイクロビームを駆動し得る。関連する振動振幅は、それが面外曲げモードであるため、レーザードップラー振動計(LDV、Polytec OFV-534センサ及びOFV-5000コントローラ)によって光学的に検出され得る。LDVはマイクロビームの変位に比例する電圧信号を出力する。結果として生じるこの信号は、ロックイン増幅器及びスペクトラム分析器(Tektronix RSA603A)に同時に誘導され、スペクトラム分析器は、高調波または低調波を測定するだけではなく、IRの全スペクトルも検出する。
マイクロメカニカル共振器はIRを実施できる。DCバイアスを制御することによって、IRの前提条件である第2の曲げモードと第3の曲げモードとの整合関係を実現できる。IRを実験的に特性評価し、周波数安定性を調査するために、寄生フィードスルー電流の影響を回避し、遮断されていない運動信号を取得するためのRF/LO混合測定システムを設定する。この設定では、IRがステップビーム共振器で発生し、その周波数安定性が6倍向上することを検証する。IRの機構は周波数変動の主な原因である機械的領域からの周波数を安定させる。
これらのバッチ製作された共振器は、静電的に作動され、図3に示される閉ループ実験構成によって光学的に検出されたものである。図3は、共振器305のための静電アクチュエーション及び光検出による閉ループ構成システム300の図である。DCバイアス電圧(Vdc302)を変化させることによって、モード周波数は必要なIR条件を満足するように静電的に調整された。LDV310(LDVコントローラ315によって制御される)による光検出は小さい動きを正確に測定し、動きの変位に比例する電圧を出力する。LDV測定の別の利点として、寄生フィードスルー信号等の不要な電気信号を回避することが挙げられる。位相調整器320、位相ロックループ(PLL)325、及びデジタル周波数カウンタ330を使用して、周波数安定性を調査し得る。PLL325の出力は駆動制御335に提供され、駆動制御335はVac337を共振器に提供し、周波数カウンタ330にも出力を提供する。
閉ループ特性評価に関して、閉ループ構成の機器接続は開ループ構成と同じであるが、内蔵の位相調整器320、PLL325、及びロックイン増幅器のデジタル周波数カウンタ330がここで使用される。LDV310の出力信号は、位相調整器320によって位相シフトされ、次に、PLL325に誘導される。PIDコントローラを使用することによって、PLL325はロックイン増幅器の入力と出力との位相差を維持する。内蔵の信号発生器を使用して、出力信号の振幅を設定する。したがって、一定の振幅及びロック位相を有する結果として生じる信号は、ロックイン増幅器によって生成され、MEMS共振器305を励起するために使用される。PLL325は周波数対振幅の曲線の所望の点で発振器をロックする。次に、この共振器305の周波数変動は、デジタル周波数カウンタ330を用いて振動周波数を測定することによって検出できる。
図3の環境は、適切なコンピューティング環境の一例に過ぎず、使用範囲または機能に関するいずれかの制限が提案されることを意図しない。図3のデバイスは、当技術分野で周知されており、ここで詳細に議論する必要はない。他の多くの汎用または特殊用途のコンピューティングデバイス環境または構成を使用し得る。使用に適し得る周知のコンピューティングデバイス、環境、及び/または構成は、限定ではないが、パーソナルコンピュータ、サーバーコンピュータ、ハンドヘルドデバイスまたはラップトップデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースシステム、ネットワークパーソナルコンピュータ(PC)、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、埋め込みシステム、上記のシステムまたはデバイス等のいずれかを含む分散コンピューティング環境を含む。
コンピュータによって実行されるプログラムモジュール等のコンピュータ実行可能命令を使用し得る。概して、プログラムモジュールは、特定のタスクを行うまたは特定の抽象データ型を実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造等を含む。タスクが通信ネットワークまたは他のデータ伝送媒体を経由してリンクされるリモート処理デバイスによって行われる分散コンピューティング環境を使用し得る。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュール及び他のデータは、メモリストレージデバイスを含むローカルコンピュータストレージ媒体及び遠隔コンピュータストレージ媒体の両方に位置し得る。
IRを実験的に実現するために、最初にシステムを調整して、第2の曲げモードと第3の曲げモードとの整合条件を満足する。測定は室温及び真空下(3mTorr未満の圧力)で行われ得る。図4は、異なるDCバイアス電圧下における主要な3つの曲げモードのモード周波数を示す。モード周波数は、異なるDCバイアス下での熱機械ノイズから特性評価されたものである。挿入図はDCバイアス電圧が19.1Vのときの熱機械ノイズを示す。
したがって、主要な3つの曲げモード周波数は、図4の挿入図に示されるように、熱機械的応答を測定することによって取得されたものであり、その間、DCバイアス電圧を基板に印加して、周波数を静電的に調整したものである。DCバイアスがマイクロビーム構造の中央平面伸張に影響を与えるため、そのモード周波数は図4に示されるように調整された。一般的な静電駆動式共振システムでは、静電力の軟化効果により、モード周波数はDCバイアス電圧とともに減少する。システムでは、逆に、モード周波数はDCバイアス電圧とともに増加する。共振器の厚さはわずか500nmであったが、共振器と基板との間のギャップは2μmであった。この大きなギャップ対厚さの比により、モード周波数がDCバイアス電圧とともに増加し、システムの整調性が向上した。
図5は、約1:2の整合条件に微調節され、最終的に、DCバイアスが19.1Vであったときに正確に1:2の比に実現したときの異なるDCバイアス電圧の下での第3の曲げモード周波数と第2の曲げモード周波数との比を示す。DCバイアス電圧が約19.1Vであったとき、比はほぼ整合している。整合性は、DCバイアス電圧を調整することによって微調整できる。
IRの前提条件は整合性であり、本明細書では、妥当な製作のばらつきの範囲内で整合性を満足するためのDC調整手順が提供される。他の調整方法も様々な発振器に適用できる。例えば、ダフィング振動子では、非線形性の硬化効果により、駆動振幅とともに共振周波数が増加する(振幅周波数効果)。したがって、2つのモードがほぼ整合しているとき、この振幅周波数効果を使用して、駆動力を増加または減少させ、整合性を満足する。別の調整方法は熱電調整である。クランプ-クランプ型ビームの2つのアンカー間にDC電圧を印加することによって、電流がビームを通過してビームを加熱する。ジュール熱効果によりビームの剛性が増し、ひいては、ビームのモード周波数が変化する。これらの調整方法を高度な製作技術と組み合わせることで、IRはマイクロメカニカル発振器及びナノメカニカル発振器に広く適用し得る。
したがって、本明細書で設計及び製作されるのは、薄層ステップビーム構造を有するマイクロメカニカル共振器である。DCバイアス調整手順によって、1:2の整合関係は、第2の曲げモードと第3の曲げモードとの間で実現する。この強い非線形結合により、曲線を単純に硬化または軟化する代わりに、固有のM字型の共振振幅曲線が発生し、広いIR範囲が実現する。周波数安定性はこのIR機構によって改善され、安定化後、測定されたアラン偏差はその熱機械ノイズ制限に近づく。
別の実施態様は、図6~図8に関して説明される。図6は、例示的なマイクロメカニカル共振器605及び電極610,615,620,625の図である。共振器605及び電極610、615、620、625はそれ自体の真空室内に密封され、環境外乱から共振器を保護している。共振器605の共振ビームは横方向に曲げモードで振動する。L=172μm、W=5μmの幅広部と、均一な厚さ(40μm)があるL=50μm、W=3μmの幅狭部との寸法を有するステップビームは、各々、1835kHzの第2のモード周波数及び3671kHzの第3のモード周波数が与えられ、それらのモード形状は図7及び図8に示されている。
各々、図7は1835kHzのモード周波数を有する第2のモードの有限要素解析(FEA)予測モード形状を示し、図8は3671kHzのモード周波数を有する第3のモードの有限要素解析(FEA)予測モード形状を示す。
第2の振動モード及び第3の振動モードを内部に結合するために、ステップビーム共振器の寸法を最初に決定して、これらのモード周波数の間で1:2の比で実施した。線形モード解析は、ビームの幅及び長さの様々なセットに、二重クランプステップビームで市販の有限要素解析(FEA)ソフトウェアCOMSOLによって実行された。
図9は、本明細書に記載される実施態様による、共振器905と共に使用するためのRF/LO混合測定設定900の実施態様の概略図である。DC電源920からのDCバイアス電圧はバイアスT915を介して共振器905のバイアス電極に印加される一方、AC電圧はロックイン増幅器925を介して共振器905の作動電極に印加され、共振器905のビームを横方向に作動させる静電力が生じる。次に、ビームの動的な動きにより、ビームと検出電極との間に時間的に変化する静電容量が導入される。最後に、運動信号を含むAC電流は、トランスインピーダンス増幅器(TIA)930によって出力電極から感知され、電流信号を電圧信号に変換及び増幅する。
係る容量性変換では、動作電流を遮断する可能性のある寄生フィードスルー容量を排除することが必須である。したがって、図9に示されるように、混合測定システム(いわゆるRF/LO混合測定設定900)を使用する。ロックイン増幅器925は共振器905の作動電極に掃引RF信号を提供する一方、関数発生器910によって提供される局部発振器(LO)信号はバイアスT915を介して共振器905のバイアス電極に接続される。RF信号及びLO信号を混合すると、RF信号及びLO信号の周波数差に等しい周波数の正弦波力が生じる。RF及びLO信号の周波数差をモード周波数近傍に設定されているとき(すなわち、
Figure 2022526254000002
)、この正弦波の力を使用して、共振器905のビームを作動できる。TIA930によって、出力電流は増幅した電圧信号に変換され、スペクトルアナライザ935またはロックイン増幅器925のいずれかによって測定できる。寄生信号が駆動力の周波数ではなくRF周波数及びLO周波数に存在するため、このRF/LO混合測定の原理は寄生フィードスルー信号を回避するためのものである。
ここで、DCバイアス電圧は、共振器のビームの中央平面伸張に影響を与える可能性があり、ひいては、そのモード周波数を変化させる。DCバイアスを調整することによって、第2の曲げモード周波数と第3の曲げモード周波数との間で要求される1:2の周波数の整合条件を満足するIR範囲を達成できる。このDC調整手順を使用して、デバイスの製作のばらつきを克服し得る。
IR機構のモード間結合は周波数安定性に直接影響する。2つのモードが結合され、それらの位相が一緒にロックされて共振するとき、機械的領域の慣性、静止状態を維持する傾向が増加し、ひいては、同じエネルギーレベルのノイズでその変動が減る。
一実施態様では、共振器は、小さなポリマー成分によって堅い基板にまたがるシリコンマイクロカンチレバーを含む。一実施態様では、構造コンポーネントの寸法は、第2のモード周波数と第3のモード周波数とに所望の1:2の比を生成するように選ばれる。シリコンマイクロカンチレバー(下付き文字1)及びポリマー結合(下付き文字2)の長さ(L)、幅(b)、及び厚さ(h)はL=500μm、b=100μm、h=2μm、及びL=40μm、b=12μm、h=3μmである。これらの寸法及び本明細書で提供される他の寸法は限定することを意図しなく、実施態様によっていずれかの適切な寸法を使用し得ることが想到される。
LDVによって測定された熱機械的応答は、主要な3つの線形化モード周波数が
Figure 2022526254000003

Figure 2022526254000004
、及び
Figure 2022526254000005
であり、第2のモード周波数及び第3のモード周波数の値は、システムの第2のモードと第3のモードとの1:2の整合関係を満足する。モード周波数の間で1:2の比と組み合わされた不均一な非プリズム設計における強い幾何学的非線形性は動的応答でIRをトリガする。これは、システムが非線形領域に十分に強く駆動している場合、第2のモード応答及び第3のモード応答を内部に結合できることを含意する。したがって、第2のモード応答及び第3のモード応答は、これらのモードの1つがモード周波数の付近に単一周波数の励起を利用することによって外部から駆動したときに監視される。
図10及び図11は、IRがない場合(左欄)及びIRがある場合(右欄)の高速フーリエ変換ベース(FFTベース)のスペクトル応答における高調波成分の比較図であり、IRがERMからのエネルギーをトンネリングすることによって、駆動していないIRMを増幅する機構として働くことを示す。略語LM及びHMを使用して、低周波数モード(すなわち、第2のモード)及び高周波数モード(すなわち、第3のモード)を示し、ERM及びIRMを使用して、外部共振モード(すなわち、直接駆動モード)及び内部共振モードを示す。LME(LM励起)及びHME(HM励起)は、どのモードが外部励起されるかを示す。
図10に示されるようなfdrive=106.04kHzのLMEに関して、IRがトリガされると、IRMの振幅は1.34nmから36.35nmに増加する一方、ERMの振幅は30.17nmから242.5nmに増加する。図13に示されるようなfdrive=258.28kHzのHMEに関して、IRMの振幅は1.35nmから825.8nmに増加する一方、ERMの振幅は7.1nmから99.78nmに増加する。非駆動IRMは、HMEの直接駆動ERMよりも高い振動振幅であることに留意されたい。
非線形動的応答における分数調波及び/または超高調波の存在は珍しい現象ではないが、IRは、エンゲージモード間の強いモード間のエネルギー移送により、これらの高調波の振幅を大幅に上げる。図10及び図11に示されるFFT応答から、これらの高調波の振幅は、IRがトリガされた場合(右欄)と、IRがトリガされなかった場合(左欄)とが比較されたものである。入力エネルギーが臨界値よりも高い場合だけIRがアクティブになるため(図14参照)、駆動電圧の振幅はIRの範囲に入るまたはIRの範囲から出るように調整された。
図12~図14は、LM(左欄)及びHM(右欄)が外部から駆動したときの非線形IR周波数応答の実験的特性評価を示す。図12では、ERMの周波数応答は、3つの異なるレベルの励起における上向き(円で)及び下向き(アスタリスクで)の周波数掃引中に示される。LM(左欄)及びHM(右欄)が駆動するときの1:2及び2:1のIRの実験的特性評価である。図12では、駆動周波数の関数としてERMの振幅が、3つの異なる励起振幅におけるM字型のIR曲線が記号で示される。上向き及び下向きの周波数掃引中の振幅は、各々、円及びアスタリスクで示される。励起振幅が増加するにつれて、IRの活動範囲が拡大し、ヒステリシスが現れる。図13は、ERM(fdrive)の振幅を示し、IRM(fIRM=2fdrive)または(fIRM=1/2fdrive)は、IRがアクティブになるときのシステムにおける2つのモードの共存を示す。IRの活動範囲は掃引方向によって異なり、黒い矢印でマークされたヒステリシス及びジャンプ現象が生じる。図14は、駆動電圧の関数としてERM及びIRMの定常振幅を示し、IRの開始のための閾値エネルギーがあることを示す。いったんIRMがアクティブになると、ERMに大量に送られた外部エネルギーがIRMに移送されることが明確に示される。ERMからIRMへのエネルギー移送は2:1のIRの振幅の飽和現象につながる。
その結果は一般的なM字型の1:2のIR応答曲線を示す。システムへのより高いエネルギー入力は、システムをさらに非線形領域に駆動し、IRの活動範囲を拡大する。最終的に、複数の安定した分岐が共存するため、ヒステリシス現象が現れる。図13は、最高の励起電圧における駆動周波数に対するERM及びIRMの振幅を示す。駆動周波数が低周波数からモード周波数に近づくにつれて、ERM振幅は徐々に増加する。ERMのエネルギーレベルが臨界値を超えると、システムでIR機構がアクティブになり、ERM及びIRMの両方の振幅が増幅する。このモード間の非線形相互作用により、ドロップジャンプ現象が発生するまで、エンゲージモード間で活発なエネルギー交換が生じる。これらのIRの活動範囲は掃引方向によって異なり、1:2及び2:1の両方のIR応答でヒステリシスが生じる。ヒステリシス範囲は2:1のIRで広くなり、ドロップダウン推移の直前に、上部分岐への1つの追加推移が存在する。
図14は、固定駆動周波数(LMEでfdrive=107.5kHz、HMEでfdrive=214.2kHz)における励起レベルに関するERM振幅及びIRM振幅を示す。LMが10V未満の低電圧で駆動するとき、ERM振幅は強制レベルに対して線形に増加し、IRM振幅はほぼゼロになる。システムの固有の幾何学的非線形性により、IRがトリガされていないときでも、より高次の(2次)高調波が存在する。いったん約10Vの駆動電圧でIRがアクティブになると、エネルギーが直接駆動したERMから非駆動のIRMに継続的に移送する間に、IRM振幅の突然のジャンプが発生する。HMが外部から駆動するとき、いわゆる振幅飽和現象が約5Vの閾値強制レベルを超えて発生し、ERMに印加される余分なエネルギーは、非駆動のIRMに直接送られ、ERMの振幅は一定に保たれる。1:2のIR及び2:1のIRを比較すると、IRMの振幅がERMの振幅を1桁超えるため、HMEの場合、IRMからERMへのモード間のエネルギー移送がより活発で効果的であると結論付けできる。
非線形1:2及び2:1のIRシステムの基礎ダイナミクスをさらに理解するために、エネルギー方式に基づいた分析モデルを提供する。分析結果は、複雑なIRダイナミクス及びモードエネルギー移送のより詳細な知識を提供する。IRシステムの非線形共振のパターンは、非線形結合(すなわち、2次または3次)のタイプ、結合強度、内部離調パラメータ、及び強制レベルに応じて大幅に変化する。したがって、固有の共振挙動の原因となる有効パラメータを調査することは、所望の共振機能を有する実用的なシステムでIRを調べるために必須である。
解析モデルを取得するために、最初に、LM及びHMの両方が基礎励起によって励起される共振器のビームの横方向変位を定義する。基礎励起周波数(Ω)がLM周波数に近いとき(すなわち、Ω=ω+ησ、ηは小スケールパラメータ、σは外部周波数離調パラメータである)、LMはΩの励起周波数で高調波的に駆動し、HMは2Ωの周波数で内部共振する。同様に、HMEの場合、HMはΩで外部励起される一方、LMは1/2Ωで内部共振する。また、製作誤差及びパラメータのランダム性の結果として意図された設計からの潜在的な偏差が原因で、LM周波数とHM周波数との比(正確に1:2の比)との内部周波数の不一致が生じる。これに関して、モード周波数の間の関係は、式ω=2ω+ησで表され、ここで、σは内部周波数離調パラメータである。これらの設定に基づくビームの横方向変位を使用して、平均ラグランジアン方程式とラグランジュ方程式を取得し、最終的にモード振幅を決定する一連のリーディングオーダー非線形方程式を推定する。クランプ-クランプ型構造は、本質的に、中央平面伸張によって、モード間の非線形結合を提供する。
リーディングオーダー決定方程式は、LMまたはHM自体のそれぞれが、軸ひずみ(εxx)が起源である2次非線形結合を有する線形調和振動子としてモデル化されることを示す。軸伸張は、ひずみエネルギーのA及びA(例えば、A ,A ,A ,A ))のモード振幅間の3次の結合項をもたらすが、A の項だけが、時間平均ラグランジュ方程式でだけ有効な非線形項として残る。定常状態条件でこれらの方程式を解くと、結果として生じる動的挙動は、システムパラメータの様々なセットの下で分析的に特性評価され、複雑なIRダイナミクスを調整するための手順が提案される。
非線形結合項は純粋な幾何学的(伸張)効果によって生成されるため、ひいては、連結したLM及びHMの幾何学的パラメータ及び線形モード形状によって決定される。したがって、幾何学的パラメータを調整することによって、標的の共振挙動をもたらす1:2のIRシステムを設計できる。マイクロメカニカル共振器及びナノメカニカル共振器にIRを効果的に統合できる設計パラメータを提案するために、対称モード形状及び非対称モード形状の2つのセットを考慮することによってモード形状の影響を調査する。これらの対称モード形状及び非対称モード形状は、各々、図15及び図16に示されるように、試験関数
Figure 2022526254000006
及び
Figure 2022526254000007
(n=1,2,3)の族によって表される。図15及び図16は、各々、対称構成
Figure 2022526254000008
及び非対称構成
Figure 2022526254000009
(n=1,2,3)を有する主要な3つの曲げモード形状を示す。
結合係数を表Iに示し、他のシステムパラメータは同じ値に設定されている。1:2のIRシステムの非線形係数は対称曲げモード及び非対称曲げモードを有する。モード形状以外の幾何学的パラメータは
Figure 2022526254000010
として一定に設定されている。
Figure 2022526254000011
表Iにまとめられた結果により、注目すべき2つの事実が提案される。まず、非対称モードの形状は、対称モードの形状と比較して、3つのモードのいずれかの間でより強いモード間結合を提供する。両端で同一の境界条件を有するプリズムビームでは、モード周波数の間で整数n:mの比を実現するのが難しいだけではなく、結合は非対称モードの構造よりも弱くなることにも留意されたい。次に、最強の結合は、実際には比較的容易に実現可能な最低の3つの曲げモードの中で第2のモードと第3のモードとの間で発生する。この調査では、これらの2つの属性により、機械共振器の設計の妥当性を確認し、不均一な非プリズムビームの第2のモードと第3のモードとの比が1:2で実施される。
したがって、いくつかの実施態様に従って、幾何学的に非線形の非プリズムIRシステムは、第2のモード周波数と第3のモード周波数との比が1:2で組み込まれたシリコンマイクロカンチレバー及びポリマー結合とを含む。非線形システムの中央平面伸張と組み合わされたモード間の整合関係は、強いモード結合によるIRダイナミクスを実現する。分析モデルは、低モードと高モードが外部から駆動するときの両方のシナリオのエネルギー方式に基づいて2次IRシステムに使用される。このモデルを使用して、有効パラメータを一定範囲で変化しながら、IR応答の特徴的挙動を調査し得る。モードエネルギー移送のメカニズムは、内部離調係数及び非線形係数の異なる値で調査され得る。解析モデルは、以下の(i)~(iv)のIR機構に関する貴重な見識を提供し、クランプ-クランプ型ビーム構造でIRを実施するための設計手順を提案することが可能である。(i)制約された境界条件による中央平面伸張は、それ自体のモードの伸長により3次の幾何学的非線形性よりも有力である2つの曲げモード間の非線形(2次)結合メカニズムを提供し、(ii)結合が高くなるほど、より低い活動閾値でより広いIRダイナミックレンジが得られ、(iii)エンゲージモードのモード形状により、結合強度が決定され、(iv)非対称構造における第2の曲げモード及び第3の曲げモードの結合は、IRを増大するための実際に効果的な方法である。
所望のIR応答を標的にすることはシステムパラメータの正確な割り当てに強く依存しているため、パラメータの小さな摂動により、IR、非線形共振、及び分岐点の活動が大幅に変わる可能性がある。IRは、IR条件を満足するように幾何学的パラメータを修正することによって、クランプ-クランプ型ビーム構造で統合できる。実験証明は2つの材料(シリコン及びポリマー)を用いた非プリズムビームで行われるが、様々な寸法のシリコンビーム(例えば、ステップビーム、テーパービーム)を同様に使用できる。クランプ-クランプ型ビーム構造、MEMS/NEMS利用は、IRが起源である動的特性から利益を得る実用的なプラットフォームを提供する。本明細書で提案される手順は、同様に、2次元プレート構造にも容易に拡張できる。
MEMS/NEMSは、設計及び製作の順応性により、IRダイナミクスを実際に実施するための優れたプラットフォームである。その上、製作のランダム性は、マイクロ共振器及びナノ共振器の周波数整調性(例えば、ゲートDC電圧によって張力をかけること、温度変化)によってかなり簡単に克服できる。
従来の微細加工技術を使用して、シリコンオンインシュレータウェーハのデバイス層にマイクロカンチレバーパターンを生成し得る。ポリイミドビームは、シリコンハンドル基板のブランケット転写、次に行われるパターニング、それに続く、深掘り反応性イオンエッチング(DRIE)によって事前定義されたシリコンビーム上に設置及び描写され、自立型の不均一な微細構造全体を明らかにする。
本明細書に説明されるまたはそうでなければ想到される実施形態の利点は、(1)ステップビーム構造は設計プロセス中にモード周波数をn:mの比に調節する十分な順応性をもたらすこと、(2)薄層構造は、印加されたDCバイアスで中央平面伸張効果を制御することによって周波数整調性をもたらし、ひいては、製作誤差によるn:mの比との周波数ミスマッチを簡単に補償できることを含む。
いくつかの態様に従って、IRは、MEMS発振器で容易にトリガ及び制御できる。また、このIR機構により周波数安定性が30倍以上向上する。
工業利用に関して、MEMS発振器は、補助電気部品との高い統合性の利点により、従来の機械発振器(例えば、水晶発振器)に取り代わっている。したがって、実施形態によって実現する低位相ノイズは、PNTに適用されるMEMSデバイス(位置決め、ナビゲーション、及びタイミング)を改善できる。さらに、安定した周波数動作は、共振器ベースのMEMSセンサの感度を改善するために必須であり、ひいては、実施形態は感知技術に広く適用できる。
一実施態様では、デバイスは、モード周波数をn:mの比(n及びmは整数)に調節する順応性をもたらすように内部共振(IR)を実施するように構成される非プリズム共振器と、共振器に電圧を提供するように構成される複数の電極とを含む。
実施態様は次の機能の一部または全てを含み得る。共振器は、マイクロメカニカル共振器またはナノメカニカル共振器の1つである。共振器は微小電気機械システム(MEMS)共振器である。MEMS共振器は発振器である。MEMS共振器の2つの曲げモード間の離調はDCバイアスを調整することによって正確に制御でき、2つの曲げモード間の強い結合によって、広範囲の周波数安定化は内部共振(IR)によって実現する。共振器は、薄層構造であるステップビーム構造またはクランプ-クランプ型ビーム構造の少なくとも1つを含む。共振器は、IRを実施し、モード周波数をn:mの比に調節するように構成され、m及びnは異なる整数であり、それぞれ1よりも大きい。共振器は単一周波数作動によって駆動し、IRの条件を満足すると、2つのエンゲージモードは、モード間のエネルギー移送によって一緒にロックされる単一周波数の位相と同時に共振するように構成される。DCバイアス調整手順によって、1:2の整合関係は、第2の曲げモードと第3の曲げモードとの間で実現する。共振器は非プリズムビームを含む。デバイスは、さらに、ステップクランプ-クランプ型シリコンマイクロビームを含む。ステップクランプ-クランプ型シリコンマイクロビームはIR機構を実装するためにMEMS製作フローによって製作される。
一実施態様では、本システムは、マイクロカンチレバーの第2のモード周波数と第3のモード周波数との比が1:2で組み込まれたマイクロカンチレバーを含む。
実施態様は次の機能の一部または全てを含み得る。マイクロカンチレバーはシリコンを含む。本システムは、幾何学的に非線形の非プリズム内部共振(IR)システムである。システムで中央平面伸張と組み合わされたカンチレバーのモード間の整合関係は強いモード結合で内部共振(IR)を実現する。マイクロカンチレバーは、モード周波数をn:mの比(n及びmは整数)に調節する順応性をもたらすように構成されるステップビーム構造を含む。マイクロカンチレバーはモード周波数をn:mの比に調節するように構成され、m及びnは異なる整数であり、それぞれ1よりも大きい。マイクロカンチレバーは、印加されたDCバイアスで中央平面伸張効果を制御することによって、周波数整調性をもたらすように構成される薄層構造を含む。薄層構造は製作誤差によるn:mの比との周波数ミスマッチを補償するように構成される。
本明細書に説明される様々な技術は、ハードウェアコンポーネントもしくはソフトウェアコンポーネントに関連して、または適切な場合には、両方の組み合わせで実装され得ることを理解されたい。使用できるハードウェアコンポーネントの実例となるタイプは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け標準製品(ASSP)、システムオンチップシステム(SOC)、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)等を含む。本発明に開示される主題の方法及び装置またはその特定の態様または一部は、フロッピーディスク、CD-ROM、ハードドライブ、またはその他の機械可読ストレージ媒体等の有形媒体に具体化されたプログラムコード(すなわち、命令)の形態をとり得、プログラムコードがマシン(コンピュータ等)にロードされマシンによって実行されるとき、マシンは本発明に開示される主題を実装するための装置になる。
例示的な実施態様は、1つ以上のスタンドアロン型コンピュータシステムに関連して本発明で開示される主題の態様を利用することに言及し得るが、主題はそのように限定されず、むしろ、ネットワークまたは分散コンピューティング環境等のいずれかのコンピューティング環境に関連して実装され得る。さらに、本発明に開示される主題の態様は、複数の処理チップもしくはデバイスの中またはそれらにわたって実装され得、ストレージは複数のデバイスにわたって同様に適用され得る。係るデバイスは、例えば、パーソナルコンピュータ、ネットワークサーバー、及びハンドヘルドデバイスを含み得る。
主題は構造的特性及び/または方法論的行為に特有の言語で説明されているが、添付の特許請求の範囲で定義される主題が必ずしも上述の特定の特性または行為に限定されないことを理解されたい。むしろ、上述の特定の特性及び行為は、特許請求の範囲を実施する例示的形態として開示される。

Claims (20)

  1. 内部共振(IR)を実施し、モード周波数をn:mの比(n及びmは整数)に調節する順応性をもたらすように構成される非プリズム共振器と、
    電圧を前記共振器に提供するように構成される複数の電極と、
    を備える、デバイス。
  2. 前記共振器はマイクロメカニカル共振器またはナノメカニカル共振器の1つである、請求項1に記載のデバイス。
  3. 前記共振器は微小電気機械システム(MEMS)共振器である、請求項1に記載のデバイス。
  4. MEMS共振器は発振器である、請求項3に記載のデバイス。
  5. 前記MEMS共振器の2つの曲げモード間の離調はDCバイアスを調整することによって正確に制御でき、前記2つの曲げモード間の強い結合によって、広範囲の周波数安定化は内部共振(IR)によって実現する、請求項3に記載のデバイス。
  6. 前記共振器は薄層構造であるステップビーム構造またはクランプ-クランプ型ビーム構造の少なくとも1つを含む、請求項1に記載のデバイス。
  7. 前記共振器は、前記IRを実施し、前記モード周波数をn:mの比に調節するように構成され、m及びnは異なる整数であり、それぞれ1よりも大きい、請求項1に記載のデバイス。
  8. 前記共振器は単一周波数作動によって駆動し、IRの条件を満足すると、2つのエンゲージモードは、モード間のエネルギー移送によって一緒にロックされる前記単一周波数の位相と同時に共振するように構成される、請求項1に記載のデバイス。
  9. DCバイアス調整手順によって、1:2の整合関係は第2の曲げモードと第3の曲げモードとの間で実現する、請求項1に記載のデバイス。
  10. 前記共振器は非プリズムビームを含む、請求項1に記載のデバイス。
  11. ステップクランプ-クランプ型シリコンマイクロビームをさらに含む、請求項1に記載のデバイス。
  12. 前記ステップクランプ-クランプ型シリコンマイクロビームは、IR機構を実装するためにMEMS製作フローによって製作される、請求項11に記載のデバイス。
  13. マイクロカンチレバーの第2のモード周波数と第3のモード周波数との比が1:2で組み込まれた前記マイクロカンチレバーを含む、システム。
  14. 前記マイクロカンチレバーはシリコンを含む、請求項13に記載のシステム。
  15. 前記システムは幾何学的に非線形の非プリズム内部共振(IR)システムである、請求項13に記載のシステム。
  16. 前記システムで中央平面伸張と組み合わされた前記カンチレバーのモード間の整合関係は強いモード結合で内部共振(IR)を実現する、請求項13に記載のシステム。
  17. 前記マイクロカンチレバーは、モード周波数をn:mの比(n及びmは整数)に調節する順応性をもたらすように構成されるステップビーム構造を含む、請求項13に記載のシステム。
  18. 前記マイクロカンチレバーは前記モード周波数をn:mの比に調節するように構成され、m及びnは異なる整数であり、それぞれ1よりも大きい、請求項17に記載のシステム。
  19. 前記マイクロカンチレバーは、印加されたDCバイアスで中央平面伸張効果を制御することによって、周波数整調性をもたらすように構成される薄層構造を含む、請求項13に記載のシステム。
  20. 前記薄層構造は製作誤差によるn:mの比との周波数ミスマッチを補償するように構成される、請求項19に記載のシステム。
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