JP2022521501A - プライマリーケア環境において神経学的疾患を検出するための、血液ベースのスクリーニング法 - Google Patents

プライマリーケア環境において神経学的疾患を検出するための、血液ベースのスクリーニング法 Download PDF

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Abstract

本発明は、プライマリーケア環境において、神経学的疾患を有するヒト対象から分離された試料中の、IL1、IL7、TNFα、IL5、IL6、CRP、IL10、TNC、ICAM1、FVII、I309、TNFR1、A2M、TARC、アディポネクチン、MIP1、エオタキシン3、sVCAM1、TPO、FABP、IL18、B2M、SAA、PPY、DJ1、α-シヌクレイン、Ab40、Ab42、タン(tan)、α-syn、およびNfLから選択される4種以上のバイオマーカーのレベルを、核酸、イムノアッセイ、または酵素活性アッセイを用いて測定するための、方法およびキットを含む。TIFF2022521501000028.tif95128

Description

連邦政府の助成を受けた研究についての声明
本発明は、国立衛生研究所(National Institutes of Health)によって授与されたAG054073、AG051848、AG058252、AG016574、およびAG058537のもとで、政府の支援を受けてなされた。政府は、本発明において一定の権利を有する。
発明の分野
本発明は概して、プライマリーケア環境内で神経学的疾患をスクリーニングする、該疾患を検出する、および該疾患間を判別する分野に関連し、かつより具体的には、神経学的疾患を有する患者を検出する、スクリーニングする、および判別するためのバイオマーカーに関連する。
本発明の背景
本発明の範囲を限定するものではないが、本発明の背景が、神経学的疾患に関連して説明される。
ヒトゲノムを配列決定すること、およびバイオインフォマティクスのツールが利用可能になったことにより、病態の検出および評価は大幅に向上してきている。そのようなシステムの1つは米国特許第8,430,816号(特許文献1)に教示されており、これは、複数の疾患および重篤度の解析のためのシステムならびに方法(a system and method for analysis of multiple diseases and severities)に関してAvinashらに発行されている。手短に述べると、該特許の発明者らは、複数の疾患タイプについての基準偏差マップにアクセスするための、コンピューターにより遂行される方法を含む、データ処理技術を教示している。基準偏差マップは、それぞれの疾患タイプの重篤度レベルに関連付けられたマップのサブセットを含み得、かつ疾患重篤度スコアは、各重篤度レベルに関連付けられ得る。該方法はまた、基準偏差マップのサブセットに基づいて、複数の疾患タイプについて患者の重篤度レベルを選択する段階をも含むとのことである。また、該方法は、患者の選択された重篤度レベルに関連付けられた疾患重篤度スコアに少なくとも部分的に基づく、患者の組み合わせられた疾患重篤度スコアを自動的に算定する段階を含み得、かつ、患者の組み合わせられた疾患重篤度スコアに少なくとも部分的に基づく、レポートをアウトプットする段階を含み得る。
別のそのような発明は米国特許第8,008,025号(特許文献2)に教示されており、これは、Zhangらに発行されており、かつ神経変性障害のバイオマーカー(biomarkers for neurodegenerative disorders)に対してのものである。手短に述べると、該特許の発明者らは、脳脊髄液試料における遺伝子産物発現のパターンを検出する段階、および該試料の遺伝子産物発現のパターンを、神経変性疾患の存在または非存在を示すことが知られている遺伝子産物発現パターンのライブラリーと比較する段階によって、神経変性疾患、たとえばアルツハイマー病、パーキンソン病、およびレビー小体病を伴う認知症などを診断するための方法を教示している。神経変性疾患の進行をモニタリングするための方法、および治療処置の効果を評価するための方法もまた、提供されるとのことである。対象となる方法を実施するためのキット、システム、および装置もまた提供される。
Huにより提出された米国特許出願公開第2013/0012403号(特許文献3)は、自閉症スペクトラム障害を識別するための組成物および方法(Compositions and Methods for Identifying Autism Spectrum Disorders)に対してのものである。この出願は、マイクロRNAチップに対してのものであり、該チップは、自閉症スペクトラム障害に関連する遺伝子に対して特異性を有する、異なるオリゴヌクレオチドを複数有する。該発明は、自閉症スペクトラム障害を含む神経学的状態および精神医学的状態についてのマイクロRNAプロファイルを識別する方法、そのような状態を処置する方法、ならびにそのような神経学的状態および精神医学的状態を処置するための治療法を識別する方法を、提供するとのことである。
さらなる別の出願は、Schlossmacherらによって提出された、神経変性疾患を診断するための方法およびキット(Methods and Kits for Diagnosing Neurodegenerative Disease)に関する米国特許出願公開第2011/0159527号(特許文献4)である。手短に述べると、該出願は、対象が神経変性疾患を発症し得るかどうか、または対象が該疾患と診断され得るかどうかを決定するための方法および診断キットを教示するとのことである。該方法は、以下の段階を含むとのことである:対象から得られた脳脊髄液(CSF)試料中のα-シヌクレインおよび総タンパク質の量を定量し、そしてα-シヌクレイン対総タンパク質の含量の比率を算定する段階;CSF試料中のα-シヌクレイン対総タンパク質の含量の比率を、健康で神経変性疾患を有さない対象から得られたCSF試料中のα-シヌクレイン対総タンパク質の含量の比率と、比較する段階;ならびに該比較から、対象が神経変性疾患を発症する可能性を有するかどうかを決定するか、または対象における神経変性疾患の診断を下す段階。α-シヌクレイン対総タンパク質の含量の比率における差異は、対象が神経変性疾患を発症する可能性を有するか、または対象が神経変性疾患を発症していることを示す、とのことである。
米国特許第8,430,816号 米国特許第8,008,025号 米国特許出願公開第2013/0012403号 米国特許出願公開第2011/0159527号
本発明の概要
1つの態様において、本発明は、プライマリーケア環境内でバイオマーカーを検出するための方法を含み、該方法は以下の段階を含む:プライマリーケア環境において、神経学的疾患を有するヒト対象から分離された試料中の、IL1、IL7、TNFα、IL5、IL6、CRP、IL10、TNC、ICAM1、FVII、I309、TNFR1、A2M、TARC、アディポネクチン、MIP1、エオタキシン3、sVCAM1、TPO、FABP、IL18、B2M、SAA、PPY、DJ1、およびα-シヌクレインから選択される4種以上のバイオマーカーのレベルを、核酸、イムノアッセイ、または酵素活性アッセイを用いて測定する段階。1つの局面において、バイオマーカーの最初の4種、すなわちIL1、IL7、TNFα、およびIL5が、解析に使用される。1つの局面において、神経学的疾患は、アルツハイマー病、パーキンソン病、ダウン症候群、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症からなる群より選択される。別の局面において、神経学的疾患は、アルツハイマー病またはパーキンソン病からなる群より選択される。別の局面において、神経学的疾患は、アルツハイマー病またはレビー小体型認知症からなる群より選択される。別の局面において、神経学的疾患は、パーキンソン病またはレビー小体型認知症からなる群より選択される。別の局面において、神経学的疾患は、アルツハイマー病、パーキンソン病、またはレビー小体型認知症からなる群より選択される。別の局面において、方法は、神経学的疾患の、5、6、7、8、9、10、11、12、または13種のバイオマーカーを検出する。別の局面において、試料は血清または血漿である。別の局面において、方法は、以下のパラメーター:患者の年齢、および神経認知スクリーニング検査、を得る段階をさらに含み、神経学的疾患または神経学的障害を有さない対照の対象と比較してのアルツハイマー病の決定に関して、プライマリーケア環境において、4種以上のバイオマーカーの組み合わせ(たとえば、血清ベースのものまたは血漿ベースのもの、年齢、および神経認知スクリーニング検査)は、少なくとも90%正確である。別の局面において、プロファイルは、年齢、ならびに、sVCAM1、IL5、B2M、IL6、IL1、アディポネキシン(adiponexin)、エオタキシン、MIP1、およびIL10から選択される1種または複数種のバイオマーカーを含む。1つの局面において、バイオマーカーの最初の4種、すなわちsVCAM1、IL5、B2M、およびIL6が、解析に使用される。別の局面において、プロファイルは、NFL、PPY、FABP3、IL18、IL7、TARC、TPO、α-syn、エオタキシン3、およびIL5を含み、かつAb40、Ab42、タウ、α-syn、およびNfLをさらに含む。別の局面において、レビー小体型認知症を他の神経変性疾患から識別するためのプロファイルは、sVCAM1、IL5、B2M、およびIL6を含み、かつ該プロファイルは、IL1、アディポネキシン、エオタキシン、MIP1、およびIL10から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。別の局面において、パーキンソン病を他の神経変性疾患から識別するためのプロファイルは、ICAM1、VCAM1、Aβ42、およびB2Mを含み、かつ該プロファイルは、テネイシンC、Aβ40、TNF-α、PPY、TARC、およびIL6から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。別の局面において、方法は、以下のパラメーターのうちの1種または複数種を決定する段階をさらに含む:睡眠障害(有り/無し)、幻視(有り/無し)、精神的変化/人格変化(有り/無し)、年齢、神経認知スクリーニング、ならびに正確に神経変性疾患を検出および該疾患間を判別するための4種以上のバイオマーカー。別の局面において、核酸、イムノアッセイ、または酵素活性アッセイによって識別される発現のレベルは、蛍光検出、化学発光検出、電気化学発光検出およびパターン化アレイ、逆転写酵素-ポリメラーゼ連鎖反応、抗体結合、蛍光活性化ソーティング、検出可能なビーズによるソーティング、抗体アレイ、マイクロアレイ、酵素アレイ、受容体結合アレイ、対立遺伝子特異的プライマー伸長法、標的特異的プライマー伸長法、固相結合アレイ、液相結合アレイ、蛍光共鳴移動、または放射性標識法から選択される。別の局面において、方法は、94、95、96、97、98、99、もしくは100%の全体精度(感度(SN)、特異度(SP)は(SN = 0.94、SP = 0.83))で、軽度AD(CDRグローバルスコア <= 1.0)か、または、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%の全体精度(SN = 0.97、SP = 0.72)で、超早期AD(CDRグローバルスコア = 0.5)の、少なくとも1つをスクリーニングするために使用される。別の局面において、方法は、プライマリー環境においてスクリーニングするために使用され、感度よりも高い特異度を使用し、ここで特異度は0.97~1.0の範囲であり、かつ感度は0.80~1.0の範囲である。別の局面において、レビー小体型認知症を他の神経変性疾患から識別するためのプロファイルは、sVCAM1、IL5、B2M、およびIL6を含み、かつ該プロファイルは、IL1、アディポネキシン、エオタキシン3、MIP1、およびIL10から選択されるバイオマーカーか、または図7のバイオマーカーの、1種もしくは複数種をさらに含み得る。別の局面において、パーキンソン病を他の神経変性疾患から識別するためのプロファイルは、ICAM1、VCAM1、Aβ42、およびB2Mを含み、かつ該プロファイルは、テネイシンC、Aβ40、TNF-α、PPY、TARC、およびIL6から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。別の局面において、パーキンソン病を陰性対照から識別するためのプロファイルは、NFL、PPY、FABP3、およびIL18を含み、かつ該プロファイルは、IL7、TARC、TPO、α-syn、エオタキシン3、およびIL5から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。別の局面において、神経学的疾患は、図7~11に見出されるバイオマーカーから決定され、該バイオマーカーは、しばしば順に使用され得る。
別の態様において、本発明は、神経学的疾患を有するヒト患者におけるバイオマーカーを検出するための方法を含み、該方法は以下の段階を含む:プライマリーケア環境において、神経学的疾患を有するヒト対象から分離された試料における、試料中に含まれるタンパク質、および分子マーカーを、電気泳動によって分離することによって、IL7、TNFα、IL5、IL6、CRP、IL10、TNC、ICAM1、FVII、I309、TNFR1、A2M、TARC、エオタキシン3、VCAM1、TPO、FABP、IL18、B2M、SAA、PPY、DJ1、およびα-シヌクレインから選択される4種以上のタンパク質のレベルを検出する段階;分離されたタンパク質を、IL7、TNFα、IL5、IL6、CRP、IL10、TNC、ICAM1、FVII、I309、TNFR1、A2M、TARC、エオタキシン3、VCAM1、TPO、FABP、IL18、B2M、SAA、PPY、DJ1、およびα-シヌクレインから選択される4種以上のタンパク質にそれぞれ特異的に結合する4種以上の抗体と接触させ、そしてその後、二次抗体と接触させる段階;ならびに次に、分子量マーカーに照らして、IL7、TNFα、IL5、IL6、CRP、IL10、TNC、ICAM1、FVII、I309、TNFR1、A2M、TARC、エオタキシン3、VCAM1、TPO、FABP、IL18、B2M、SAA、PPY、DJ1、およびα-シヌクレインの存在を検出する段階。別の局面において、パーキンソン病を陰性対照から識別するためのプロファイルは、NFL、PPY、FABP3、およびIL18を含み、かつ該プロファイルは、IL7、TARC、TPO、α-syn、エオタキシン3、およびIL5から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。1つの局面において、バイオマーカーの最初の4種、すなわちIL7、TNFα、IL5、およびIL6が、アルツハイマー病を検出するための解析に使用される。1つの局面において、二次抗体は、蛍光標識、化学発光標識、電気化学発光標識を含み、分離は、パターン化アレイ、抗体アレイ、蛍光共鳴移動標識、または放射性標識による。1つの局面において、神経学的疾患は、アルツハイマー病、パーキンソン病、ダウン症候群、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症からなる群より選択される。別の局面において、神経学的疾患は、アルツハイマー病またはパーキンソン病からなる群より選択される。別の局面において、神経学的疾患は、アルツハイマー病またはレビー小体型認知症からなる群より選択される。別の局面において、神経学的疾患は、パーキンソン病またはレビー小体型認知症からなる群より選択される。別の局面において、神経学的疾患は、アルツハイマー病、パーキンソン病、またはレビー小体型認知症からなる群より選択される。別の局面において、方法は、神経学的疾患の、5、6、7、8、9、10、11、12、または13種のバイオマーカーを検出する。別の局面において、試料は血清または血漿である。別の局面において、方法は、以下のパラメーター:患者の年齢、および神経認知スクリーニング検査、を得る段階をさらに含み、神経学的疾患または神経学的障害を有さない対照の対象と比較してのアルツハイマー病の決定に関して、プライマリーケア環境において、4種以上のバイオマーカーの組み合わせ、年齢、および神経認知スクリーニング検査)は、少なくとも90%正確である。別の局面において、プロファイルは、年齢、sVCAM1、IL5、B2M、IL6、IL1、アディポネキシン、エオタキシン、MIP1、およびIL10を含む。1つの局面において、バイオマーカーの最初の4種、すなわちsVCAM1、IL5、B2M、およびIL6が、解析に使用される。別の局面において、プロファイルは、NFL、PPY、FABP3、IL18、IL7、TARC、TPO、α-syn、エオタキシン3、およびIL5を含み、かつAb40、Ab42、タウ、α-syn、およびNfLをさらに含む。別の局面において、レビー小体型認知症を他の神経変性疾患から識別するためのプロファイルは、sVCAM1、IL5、B2M、およびIL6を含み、かつ該プロファイルは、IL1、アディポネキシン、エオタキシン、MIP1、およびIL10から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。別の局面において、パーキンソン病を他の神経変性疾患から識別するためのプロファイルは、ICAM1、VCAM1、Aβ42、およびB2Mを含み、かつ該プロファイルは、テネイシンC、Aβ40、TNF-α、PPY、TARC、およびIL6から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。別の局面において、方法は、以下のパラメーターのうちの1種または複数種を決定する段階をさらに含む:睡眠障害(有り/無し)、幻視(有り/無し)、精神的変化/人格変化(有り/無し)、年齢、神経認知スクリーニング、ならびに正確に神経変性疾患を検出および該疾患間を判別するための4種以上のバイオマーカー。別の局面において、核酸、イムノアッセイ、または酵素活性アッセイによって識別される発現のレベルは、蛍光検出、化学発光検出、電気化学発光検出およびパターン化アレイ、逆転写酵素-ポリメラーゼ連鎖反応、抗体結合、蛍光活性化ソーティング、検出可能なビーズによるソーティング、抗体アレイ、マイクロアレイ、酵素アレイ、受容体結合アレイ、対立遺伝子特異的プライマー伸長法、標的特異的プライマー伸長法、固相結合アレイ、液相結合アレイ、蛍光共鳴移動、または放射性標識法から選択される。別の局面において、方法は、94、95、96、97、98、99、もしくは100%の全体精度(感度(SN)、特異度(SP)は(SN = 0.94、SP = 0.83))で、軽度AD(CDRグローバルスコア <= 1.0)か、または、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%の全体精度(SN = 0.97、SP = 0.72)で、超早期AD(CDRグローバルスコア = 0.5)の、少なくとも1つをスクリーニングするために使用される。別の局面において、方法は、プライマリー環境においてスクリーニングするために使用され、感度よりも高い特異度を使用し、ここで特異度は0.97~1.0の範囲であり、かつ感度は0.80~1.0の範囲である。別の局面において、レビー小体型認知症を他の神経変性疾患から識別するためのプロファイルは、sVCAM1、IL5、B2M、およびIL6を含み、かつ該プロファイルは、IL1、アディポネキシン、エオタキシン、MIP1、およびIL10から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。別の局面において、パーキンソン病を他の神経変性疾患から識別するためのプロファイルは、ICAM1、VCAM1、Aβ42、およびB2Mを含み、かつ該プロファイルは、テネイシンC、Aβ40、TNF-α、PPY、TARC、およびIL6から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。別の局面において、パーキンソン病を陰性対照から識別するためのプロファイルは、NFL、PPY、FABP3、およびIL18を含み、かつ該プロファイルは、IL7、TARC、TPO、α-syn、エオタキシン3、およびIL5から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。別の局面において、神経学的疾患は、図7~11に見出されるバイオマーカーから決定され、該バイオマーカーは、しばしば順に使用され得る。
別の態様において、本発明は、神経学的疾患を処置するのに有用であると考えられる候補薬物を評価する臨床試験のために、対象を選択する方法を含み、該方法は以下の段階を含む:プライマリーケア環境において、神経学的疾患を有するヒト対象から分離された試料中の、IL7、TNFα、IL5、IL6、CRP、IL10、TNC、ICAM1、FVII、I309、TNFR1、A2M、TARC、エオタキシン3、VCAM1、TPO、FABP、IL18、B2M、SAA、PPY、DJ1、およびα-シヌクレインから選択される4種以上のバイオマーカーのレベルを、核酸、イムノアッセイ、または酵素活性アッセイを用いて測定する段階;ならびに段階(a)から得られた、対象の神経変性疾患プロファイルの識別の結果に基づいて、対象が臨床試験に参加すべきかどうかを決定する段階であって、神経変性疾患プロファイルの場合、候補薬物が神経学的疾患を処置するのに有用である可能性がある場合のみに、対象が選択される、段階。1つの局面において、バイオマーカーの最初の4種、すなわちIL7、TNFα、IL5、およびIL6が、解析に使用される。別の局面において、レビー小体型認知症を他の神経変性疾患から識別するためのプロファイルは、sVCAM1、IL5、B2M、およびIL6を含み、かつ該プロファイルは、IL1、アディポネキシン、エオタキシン、MIP1、およびIL10から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。別の局面において、パーキンソン病を他の神経変性疾患から識別するためのプロファイルは、ICAM1、VCAM1、Aβ42、およびB2Mを含み、かつ該プロファイルは、テネイシンC、Aβ40、TNF-α、PPY、TARC、およびIL6から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。別の局面において、パーキンソン病を陰性対照から識別するためのプロファイルは、NFL、PPY、FABP3、およびIL18を含み、かつ該プロファイルは、IL7、TARC、TPO、α-syn、エオタキシン3、およびIL5から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。別の局面において、神経学的疾患は、図7~11に見出されるバイオマーカーから決定され、該バイオマーカーは、しばしば順に使用され得る。
別の態様において、本発明は、神経学的疾患に関する処置の効果を評価する方法を含み、該方法は以下の段階を含む:神経学的疾患に関して患者を処置する段階;プライマリーケア環境において、神経学的疾患を有するヒト対象から分離された試料中の、IL7、TNFα、IL5、IL6、CRP、IL10、TNC、ICAM1、FVII、I309、TNFR1、A2M、TARC、エオタキシン3、VCAM1、TPO、FABP、IL18、B2M、SAA、PPY、DJ1、およびα-シヌクレインから選択される4種以上のバイオマーカーのレベルを、核酸、イムノアッセイ、または酵素活性アッセイを用いて測定する段階;ならびに処置を受けていない患者の第2のサブセットにおいて生じる任意の減少と比較して、または患者から得られた以前の試料から、統計学的に有意に、該処置が、1種または複数種のバイオマーカーの発現を減少させるかどうかを決定する段階であって、統計学的に有意な減少が、該処置が神経学的疾患を処置するのに有用であることを示す、段階。1つの局面において、バイオマーカーの最初の4種、すなわちIL7、TNFα、IL5、およびIL6が、解析に使用される。別の局面において、レビー小体型認知症を他の神経変性疾患から識別するためのプロファイルは、sVCAM1、IL5、B2M、およびIL6を含み、かつ該プロファイルは、IL1、アディポネキシン、エオタキシン、MIP1、およびIL10から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。別の局面において、パーキンソン病を他の神経変性疾患から識別するためのプロファイルは、ICAM1、VCAM1、Aβ42、およびB2Mを含み、かつ該プロファイルは、テネイシンC、Aβ40、TNF-α、PPY、TARC、およびIL6から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。別の局面において、パーキンソン病を陰性対照から識別するためのプロファイルは、NFL、PPY、FABP3、およびIL18を含み、かつ該プロファイルは、IL7、TARC、TPO、α-syn、エオタキシン3、およびIL5から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。別の局面において、神経学的疾患は、図7~11に見出されるバイオマーカーから決定され、該バイオマーカーは、しばしば順に使用され得る。
1つの態様において、本発明は、プライマリーケア環境内で神経学的疾患についてスクリーニングするための方法、および/または機器を含み、それらは以下の段階を含む:プライマリーケア環境において、対象から血液検査試料を得る段階;IL7、TNFα、IL5、IL6、CRP、IL10、TNC、ICAM1、FVII、I309、TNFR1、A2M、TARC、エオタキシン3、VCAM1、TPO、FABP、IL18、B2M、SAA、PPY、DJ1、および/またはα-シヌクレインから選択される2種以上のバイオマーカーを、血液試料において測定する段階;バイオマーカーの1種または組み合わせのレベルを、正常な血液試料における、対応するバイオマーカーの1種または組み合わせのレベルと比較する段階;血液検査試料中の2種以上のバイオマーカーのレベルの、正常な血液試料のそれと比較しての増加を測定する段階であって、該増加が、対象が神経学的疾患を有する可能性があることを示す、段階;測定された2種のバイオマーカーに基づいて、神経学的疾患を識別する段階;ならびに予測された神経学的疾患に基づいて、対象のための処置方針を選択する段階。1つの局面において、少なくとも1種のバイオマーカーの測定値は、イムノアッセイおよび酵素活性アッセイからなる群より選択される方法によって得られる。1つの局面において、バイオマーカーの最初の4種、すなわちIL7、TNFα、IL5、およびIL6が、解析に使用される。別の局面において、方法は、算定されたリスクの変化について該個体またはプライマリーヘルスケア従事者に助言する段階をさらに含む。別の局面において、方法は、算定されたリスクの変化について該個体またはプライマリーヘルスケア従事者に助言する段階をさらに含む。別の局面において、神経学的疾患間を区別するために、方法はバイオマーカーを3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13種使用する。別の局面において、単離された生物学的試料は、血清または血漿である。別の局面において、試料は血清試料であり、かつ、プライマリーケアクリニック内での神経学的疾患の初回の決定時に、該プライマリーケア提供者に、該特定の血液スクリーニング結果に対して適切な、特定のタイプの専門家の紹介に関する情報を提供し、そして、該神経学的疾患および該疾患に応じた処置の専門家の元へと、個体を向かわせる。別の局面において、神経学的疾患は、アルツハイマー病、パーキンソン病、ダウン症候群、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症、および神経変性疾患から選択される。別の局面において、方法は、以下のパラメーター:患者の年齢、および神経認知スクリーニング検査、を含有させることによって、解析を精緻化する段階をさらに含み、神経学的疾患または神経学的障害を有さない対照の対象と比較してのアルツハイマー病の決定に関して、プライマリーケア環境において、血清ベースの2種以上のマーカーの組み合わせ、年齢、および神経認知スクリーニング検査は、少なくとも90%正確である。別の局面において、方法は、以下のパラメーターのうちの1種または複数種を決定する段階をさらに含む:睡眠障害(有り/無し)、幻視(有り/無し)、精神的変化/人格変化(有り/無し)、年齢、神経認知スクリーニング、ならびに正確に神経変性疾患を検出および該疾患間を判別するための血清ベースの2種以上のバイオマーカー。別の局面において、さまざまなタンパク質の発現のレベルが、蛍光検出、化学発光検出、電気化学発光検出およびパターン化アレイ、逆転写酵素-ポリメラーゼ連鎖反応、抗体結合、蛍光活性化ソーティング、検出可能なビーズによるソーティング、抗体アレイ、マイクロアレイ、酵素アレイ、受容体結合アレイ、対立遺伝子特異的プライマー伸長法、標的特異的プライマー伸長法、固相結合アレイ、液相結合アレイ、蛍光共鳴移動、または放射性標識法の、少なくとも1つによって測定される。別の局面において、方法は、94、95、96、97、98、99、もしくは100%の全体精度(感度(SN)、特異度(SP)は(SN = 0.94、SP = 0.83))で軽度AD(CDRグローバルスコア <= 1.0)か、または、91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%の全体精度(SN = 0.97、SP = 0.72)で超早期AD(CDRグローバルスコア = 0.5)の、少なくとも1つをスクリーニングするために使用される。別の局面において、方法は、感度よりも高い特異度を使用して、プライマリー環境においてスクリーニングするために使用され、ここで特異度は0.97~1.0の範囲であり、かつ感度は0.80~1.0の範囲である。別の局面において、レビー小体型認知症を他の神経変性疾患から識別するためのプロファイルは、sVCAM1、IL5、B2M、およびIL6を含み、かつ該プロファイルは、IL1、アディポネキシン、エオタキシン、MIP1、およびIL10から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。別の局面において、パーキンソン病を他の神経変性疾患から識別するためのプロファイルは、ICAM1、VCAM1、Aβ42、およびB2Mを含み、かつ該プロファイルは、テネイシンC、Aβ40、TNF-α、PPY、TARC、およびIL6から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。別の局面において、パーキンソン病を陰性対照から識別するためのプロファイルは、NFL、PPY、FABP3、およびIL18を含み、かつ該プロファイルは、IL7、TARC、TPO、α-syn、エオタキシン3、およびIL5から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。別の局面において、神経学的疾患は、図7~11に見出されるバイオマーカーから決定され、該バイオマーカーは、しばしば順に使用され得る。
本発明の別の態様は、1種または複数種の神経学的疾患の病態間を区別するための方法および機器を含み;該方法は以下の段階を含む:神経学的疾患を有することが疑われる個体から単離された生物学的試料の少なくとも1つから、バイオマーカーIL-7およびTNFαを含むバイオマーカーの測定値を得る段階;対象の年齢、および対象からの1種または複数種の神経認知スクリーニング検査の結果(時計描画、言語流暢性、リスト学習、睡眠障害、幻視、行動障害、運動障害)を追加する段階;神経学的疾患の発症に関する個体のリスクを、モデルのアウトプットから算定する段階であって、モデルへのインプットが、2種のバイオマーカーの測定値、対象の年齢、および1種または複数種の認知検査の結果を含み、かつさらに、モデルが、個体の選択された集団の縦断研究由来のデータを適合させることによって開発されたものであり、かつ、適合させたデータが、個体の選択された集団における、バイオマーカーのレベル、対象の年齢、および1種または複数種の認知検査の結果、および神経学的疾患を含む、段階;ならびに個体について算定されたリスクを、該個体由来のより早期の試料の少なくとも1種から得られた、以前に算定されたリスクと、比較する段階。1つの局面において、バイオマーカーの少なくとも1種の測定値は、蛍光検出、化学発光検出、電気化学発光検出およびパターン化アレイ、逆転写酵素-ポリメラーゼ連鎖反応、抗体結合、蛍光活性化ソーティング、検出可能なビーズによるソーティング、抗体アレイ、マイクロアレイ、酵素アレイ、受容体結合アレイ、対立遺伝子特異的プライマー伸長法、標的特異的プライマー伸長法、固相結合アレイ、液相結合アレイ、蛍光共鳴移動、または放射性標識法の少なくとも1つから選択される方法によって得られる。別の局面において、バイオマーカーを測定するための2種以上の方法が、神経学的疾患を交差検証するために使用される。別の局面において、方法は、算定されたリスクの変化について該個体または医療従事者に助言する段階をさらに含む。別の局面において、方法は、算定されたリスクの変化について該個体または医療従事者に助言する段階をさらに含む。別の局面において、バイオマーカーは、IL7、TNFα、IL5、IL6、CRP、IL10、TNC、ICAM1、FVII、I309、TNFR1、A2M、TARC、エオタキシン3、VCAM1、TPO、FABP、IL18、B2M、SAA、PPY、DJ1、および/またはα-シヌクレインから選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含む。1つの局面において、バイオマーカーの最初の4種、すなわちIL7、TNFα、IL5、およびIL6が、解析に使用される。別の局面において、神経学的疾患を区別するために、方法はバイオマーカーを3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13種使用する。別の局面において、単離された生物学的試料は、血清または血漿である。別の局面において、試料は血清試料であり、かつ神経学的疾患の初回の決定時に、該神経学的疾患の専門家の元へと個体を向かわせる。別の局面において、神経学的疾患は、アルツハイマー病、ダウン症候群、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症、パーキンソン病、および認知症から選択される。別の局面において、方法は、アルツハイマー病、ダウン症候群、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症、パーキンソン病、および認知症から選択される神経学的疾患の1つまたは複数を除外するために使用される。別の局面において、方法は、感度よりも高い特異度を使用して、プライマリー環境においてスクリーニングするために使用され、ここで特異度は0.97~1.0の範囲であり、かつ感度は0.80~1.0の範囲である。
別の態様において、本発明はまた、神経学的疾患を処置するのに有用であると考えられる候補薬物を評価するために、臨床試験を実施する方法をも含み、該方法は以下の段階を含む:(a) 神経学的疾患を有することが疑われる患者から得られた1種または複数種の血液試料からの、IL7、TNFα、IL5、IL6、CRP、IL10、TNC、ICAM1、FVII、I309、TNFR1、A2M、TARC、エオタキシン3、VCAM1、TPO、FABP、IL18、B2M、SAA、PPY、DJ1、および/またはα-シヌクレインから選択される2種以上のバイオマーカーと、患者の年齢と、1種または複数種の神経認知スクリーニング検査の患者の結果とを、測定する段階;(b) 患者の第1のサブセットに候補薬物を投与し、かつ患者の第2のサブセットにプラセボを投与する段階;(c) 候補薬物またはプラセボの投与の後で、段階(a)を繰り返す段階;ならびに(d) 患者の第2のサブセットにおいて生じる任意の減少と比較して、統計学的に有意に、該候補薬物が、1種または複数種のバイオマーカーの発現を減少させるかどうかを決定する段階であって、統計学的に有意な減少が、該候補薬物が神経学的疾患を処置するのに有用であることを示す、段階。別の局面において、方法は、所定の長さの期間後に患者から1種または複数種の追加の血液試料を得る段階、および疾患進行を決定するために、1種または複数種の追加の試料からのバイオマーカーのレベルを比較する段階を、さらに含む。別の局面において、方法は、所定の長さの期間にわたり患者を処置する段階、所定の長さの期間後に患者から1種または複数種の追加の血液試料を得る段階、および疾患進行を決定するために、1種または複数種の追加の試料からのバイオマーカーのレベルを比較する段階を、さらに含む。1つの局面において、バイオマーカーの最初の4種、すなわちIL7、TNFα、IL5、およびIL6が、解析に使用される。別の局面において、レビー小体型認知症を他の神経変性疾患から識別するためのプロファイルは、sVCAM1、IL5、B2M、およびIL6を含み、かつ該プロファイルは、IL1、アディポネキシン、エオタキシン、MIP1、およびIL10から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。別の局面において、パーキンソン病を他の神経変性疾患から識別するためのプロファイルは、ICAM1、VCAM1、Aβ42、およびB2Mを含み、かつ該プロファイルは、テネイシンC、Aβ40、TNF-α、PPY、TARC、およびIL6から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。別の局面において、パーキンソン病を陰性対照から識別するためのプロファイルは、NFL、PPY、FABP3、およびIL18を含み、かつ該プロファイルは、IL7、TARC、TPO、α-syn、エオタキシン3、およびIL5から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。別の局面において、神経学的疾患は、図7~11に見出されるバイオマーカーから決定され、該バイオマーカーは、しばしば順に使用され得る。
別の態様において、本発明はまた、神経学的疾患を処置するのに有用であると考えられる候補薬物を評価する臨床試験のために、対象を選択する方法をも含み、該方法は以下の段階を含む:(a) 神経変性疾患プロファイルを決定するために、対象から得られた血液試料におけるIL7、TNFα、IL5、IL6、CRP、IL10、TNC、ICAM1、FVII、I309、TNFR1、A2M、TARC、エオタキシン3、VCAM1、TPO、FABP、IL18、B2M、SAA、PPY、DJ1、および/またはα-シヌクレインから選択される2種以上のバイオマーカーと、患者の年齢と、1種または複数種の神経認知スクリーニング検査の結果とを、測定する段階;ならびに(b) 段階(a)から得られた、対象の神経変性疾患プロファイルの識別の結果に基づいて、対象が臨床試験に参加すべきかどうかを決定する段階であって、神経変性疾患プロファイルの場合、候補薬物が神経学的疾患を処置するのに有用である可能性がある場合のみに、対象が選択される、段階。1つの局面において、バイオマーカーの最初の4種、すなわちIL7、TNFα、IL5、およびIL6が、解析に使用される。
別の態様において、本発明はまた、神経学的疾患に関する処置の効果を評価する方法をも含み、該方法は以下の段階を含む:神経学的疾患に関して患者を処置する段階;神経学的疾患を有することが疑われる患者から得られた血液試料からの2種以上のバイオマーカーと、患者の年齢と、1種または複数種の認知検査の患者の結果とを、測定する段階;および処置を受けていない患者の第2のサブセットにおいて生じる任意の減少と比較して、または患者から得られた以前の試料から、統計学的に有意に、該処置が、1種または複数種のバイオマーカーの発現を減少させるかどうかを決定する段階であって、統計学的に有意な減少が、該処置が神経学的疾患を処置するのに有用であることを示す、段階。
別の態様において、本発明はまた、神経学的疾患の診断を補助する方法をも含み、該方法は以下の段階を含む:ヒト個体から血液試料を得る段階;個体の血液試料からのバイオマーカーIL-7およびTNFαの正規化された測定レベルを、神経学的疾患の診断バイオマーカーそれぞれの基準レベルと比較する段階であって;神経学的疾患の診断バイオマーカーの群がIL-7およびTNFαを含む、段階;ならびに患者の年齢、および1種または複数種の認知検査の患者の結果を得る段階;ここで、神経学的疾患の診断バイオマーカーそれぞれの基準レベルは、神経学的疾患を有さないヒト個体の1種または複数種の血液試料からの、神経学的疾患の診断バイオマーカーの、正規化された測定レベルを含み;かつ、神経学的疾患の診断バイオマーカーそれぞれの基準レベルよりも高い、神経学的疾患の診断バイオマーカーのレベル、患者の年齢、および1種または複数種の認知検査の患者の結果は、個体が神経学的疾患を有する可能性がより高いことを示す。1つの局面において、本発明はまた、基準レベルと比較して血中のIL-7およびTNFαの発現のレベルが上昇していると、個体が神経学的疾患を有する可能性がより高いことを示す方法をも含む。別の局面において、方法は、IL7、TNFα、IL5、IL6、CRP、IL10、TNC、ICAM1、FVII、I309、TNFR1、A2M、TARC、エオタキシン3、VCAM1、TPO、FABP、IL18、B2M、SAA、PPY、DJ1、および/またはα-シヌクレインから選択される1種または複数種のバイオマーカーの血液レベルを決定する段階をさらに含む。別の局面において、神経学的疾患を区別するために、方法はバイオマーカーを3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13種使用する。別の局面において、基準レベルと比較してCRPおよびIL10のレベルが低下していると、個体が神経学的疾患を有する可能性がより高いことを示す。別の局面において、方法は、所定の長さの期間後に患者から1種または複数種の追加の血液試料を得る段階、および疾患進行を決定するために、1種または複数種の追加の試料からのバイオマーカーのレベルを比較する段階を、さらに含む。別の局面において、単離された血液試料は、血清試料である。別の局面において、血液試料は血清試料であり、かつ神経学的疾患の初回の決定時に、該神経学的疾患の専門家の元へと個体を向かわせる。別の局面において、神経学的疾患は、アルツハイマー病、パーキンソン病、および認知症から選択される。別の局面において、方法は、感度よりも高い特異度を使用して、プライマリー環境においてスクリーニングするために使用され、ここで特異度は0.97~1.0の範囲であり、かつ感度は0.80~1.0の範囲である。
別の態様において、本発明はまた、プライマリーケア環境における神経学的疾患の診断を補助するための迅速スクリーニングキットをも含み、該キットは:ヒト個体から得られた血液試料においてIL-7およびTNFαの発現のレベルを検出するための試薬の1種または複数種、ならびに、1種または複数種の神経学的スクリーニング検査シート;ならびに、個体の血液試料からの、バイオマーカーIL-7およびTNFαの正規化された測定レベルの、基準レベルとの比較、患者の年齢、および神経学的スクリーニング検査の患者の結果についての指示書;を含み、神経学的疾患の診断バイオマーカーそれぞれの基準レベルは、神経学的疾患を有さないヒト個体の血液試料の1種または複数種からの、神経学的疾患の診断バイオマーカーの、正規化された測定レベルを含み;かつ、神経学的疾患の診断バイオマーカーそれぞれの基準レベルよりも低い、神経学的疾患の診断バイオマーカーのレベルは、個体が神経学的疾患を有する可能性がより高いことを示し、検査は少なくとも90%正確である。別の局面において、基準レベルと比較して血中のIL-7およびTNFαの発現のレベルが上昇していると、個体が神経学的疾患を有する可能性がより高いことを示す。別の局面において、キットは、IL7、TNFα、IL5、IL6、CRP、IL10、TNC、ICAM1、FVII、I309、TNFR1、A2M、TARC、エオタキシン3、VCAM1、TPO、FABP、IL18、B2M、SAA、PPY、DJ1、および/またはα-シヌクレインから選択される発現マーカーのレベルを検出するための試薬の1種または複数種をさらに含む。別の局面において、基準レベルと比較してCRPおよびIL10のレベルが低下していると、個体が神経学的疾患を有する可能性がより高いことを示す。別の局面において、試料は血清試料であり、かつ神経学的疾患の初回の決定時に、該神経学的疾患の専門家の元へと個体を向かわせる。別の局面において、神経学的疾患は、アルツハイマー病、ダウン症候群、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症、パーキンソン病、および認知症から選択される。別の局面において、さまざまなタンパク質の発現のレベルは、核酸において、タンパク質レベルにおいて、またはタンパク質レベルにおいて機能的に、のうちの少なくとも1つにおいて測定される。別の局面において、さまざまなタンパク質の発現のレベルが、蛍光検出、化学発光検出、電気化学発光検出およびパターン化アレイ、逆転写酵素-ポリメラーゼ連鎖反応、抗体結合、蛍光活性化ソーティング、検出可能なビーズによるソーティング、抗体アレイ、マイクロアレイ、酵素アレイ、受容体結合アレイ、対立遺伝子特異的プライマー伸長法、標的特異的プライマー伸長法、固相結合アレイ、液相結合アレイ、蛍光共鳴移動、または放射性標識法の、少なくとも1つによって測定される。別の局面において、レビー小体型認知症を他の神経変性疾患から識別するためのプロファイルは、sVCAM1、IL5、B2M、およびIL6を含み、かつ該プロファイルは、IL1、アディポネキシン、エオタキシン、MIP1、およびIL10から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。別の局面において、パーキンソン病を他の神経変性疾患から識別するためのプロファイルは、ICAM1、VCAM1、Aβ42、およびB2Mを含み、かつ該プロファイルは、テネイシンC、Aβ40、TNF-α、PPY、TARC、およびIL6から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。別の局面において、パーキンソン病を陰性対照から識別するためのプロファイルは、NFL、PPY、FABP3、およびIL18を含み、かつ該プロファイルは、IL7、TARC、TPO、α-syn、エオタキシン3、およびIL5から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。別の局面において、神経学的疾患は、図7~11に見出されるバイオマーカーから決定され、該バイオマーカーは、しばしば順に使用され得る。
別の態様において、本発明はまた、患者のプロファイルに最も整合する1つまたは複数の神経学的疾患プロファイルを決定する方法をも含み、該方法は以下の段階を含む:(a) 患者のプロファイルと基準プロファイルのそれぞれとの間の類似度の程度を決定するために、1種または複数種の神経学的疾患を有することが疑われる患者からの血液試料におけるIL-7およびTNFαの発現のレベルを、基準データベース中の基準プロファイルと、適切にプログラムされたコンピューター上で比較する段階;(b) 段階(a)において決定された類似度の程度のうちの最大の類似度に基づいて、患者のプロファイルに最も整合する、基準データベース中の基準プロファイルを、適切にプログラムされたコンピューター上で識別する段階;ならびに(c) 最大の類似度を、または患者のプロファイルに最も整合する、基準データベース中の基準プロファイルの疾患細胞試料の疾患を、ユーザーインターフェース装置、コンピューターで読み取り可能なストレージ媒体、またはローカルもしくはリモートのコンピューターシステムにアウトプットする;あるいは表示する段階。1つの局面において、方法は、順に、IL5、IL6、CRP、IL10、TNC、ICAM1、FVII、I309、TNFR1、A2M、TARC、エオタキシン3、VCAM1、TPO、FABP、IL18、B2M、SAA、PPY、DJ1、および/またはα-シヌクレインからさらに選択される1種または複数種のマーカーの発現のレベルを血液試料から決定する段階を、さらに含む。別の局面において、神経学的疾患を区別するために、方法はバイオマーカーを3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13種使用する。別の局面において、方法は、感度よりも高い特異度を使用して、プライマリー環境においてスクリーニングするために使用され、ここで特異度は0.97~1.0の範囲であり、かつ感度は0.80~1.0の範囲である。1つの局面において、バイオマーカーの最初の4種、すなわちIL7、TNFα、IL5、およびIL6が、解析に使用される。別の局面において、レビー小体型認知症を他の神経変性疾患から識別するためのプロファイルは、sVCAM1、IL5、B2M、およびIL6を含み、かつ該プロファイルは、IL1、アディポネキシン、エオタキシン、MIP1、およびIL10から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。別の局面において、パーキンソン病を他の神経変性疾患から識別するためのプロファイルは、ICAM1、VCAM1、Aβ42、およびB2Mを含み、かつ該プロファイルは、テネイシンC、Aβ40、TNF-α、PPY、TARC、およびIL6から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。別の局面において、方法は、IL7、TNFa、IL5、IL6、CRP、IL10、TNC、ICAM1、FVII、I309、TNFR1、A2M、TARC、エオタキシン3、VCAM1、TPO、FABP、IL18、B2M、SAA、PPY、DJ1、および/またはa-シヌクレインから選択される1種または複数種のマーカーの発現のレベルを血液試料から決定する段階を、さらに含む。別の局面において、神経学的疾患を区別するために、方法は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13種のバイオマーカーを測定する段階をさらに含む。別の局面において、方法は、感度よりも高い特異度を使用して、プライマリー環境において患者をスクリーニングする段階をさらに含み、ここで特異度は0.97~1.0の範囲であり、かつ感度は0.80~1.0の範囲である。別の局面において、方法は、レビー小体型認知症を他の神経変性疾患から識別するための4種のバイオマーカーを使用する段階をさらに含み、sVCAM1、IL5、B2M、およびIL6を含み、かつIL1、アディポネキシン、エオタキシン、MIP1、およびIL10から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。別の局面において、方法は、パーキンソン病を他の神経変性疾患から識別するための4種のバイオマーカーを使用する段階をさらに含み、ICAM1、VCAM1、AB42、およびB2Mを含み、かつテネイシンC、AB40、TNF-a、PPY、TARC、およびIL6から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。別の局面において、方法は、IL7、TNFa、IL5、およびIL6から選択される、アルツハイマー病を識別するための4種のバイオマーカーを使用する段階を、さらに含む。別の局面において、パーキンソン病を陰性対照から識別するためのプロファイルは、NFL、PPY、FABP3、およびIL18を含み、かつ該プロファイルは、IL7、TARC、TPO、α-syn、エオタキシン3、およびIL5から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る。別の局面において、神経学的疾患は、図7~11に見出されるバイオマーカーから決定され、該バイオマーカーは、しばしば順に使用され得る。
本発明の特徴および利点のより完全な理解のため、添付の図面とともに、本発明の詳細な説明がここに参照される。
MSDプラットフォームにおいて2名の対照参加者からのTHPO、FABP3、PPY、IL18、およびI309を2連でアッセイする、神経変性パネル1からのデータを示す。理解され得るように、アッセイは高度な信頼性を有する。 AD 対 正常対照(NC)についてのランダムフォレストリスクスコアのボックスプロットである。 血清バイオマーカープロファイルの受信者操作特性(ROC)プロットである。 ランダムフォレストバイオマーカーモデルからのジニプロットである。 血清バイオマーカープロファイルの受信者操作特性(ROC)プロットである。 神経変性疾患間を区別する相対的プロファイルの重要性に注目するものである。病態間での相対的プロファイルは異なっていた。 段階1 - レビー小体病の正常対照からの判別についての、ROC曲線および変数重要度プロットを示す。 ROC曲線および変数重要度プロットを示す。 神経変性疾患を検出するためのプロテオミクスプロファイルについての、ROC曲線および変数重要度プロットを示す。 PDを他の神経変性疾患から区別するためのプロテオミクスプロファイルについての、ROC曲線および変数重要度プロットを示す。 PDを他の神経変性疾患から区別するためのプロテオミクスプロファイルについての、サポートベクターマシン(SVM)の重要度スコアを示す。
本発明の説明
本発明のさまざまな態様の作製および使用が以下に詳細に論じられるが、本発明は、広く多様な特定の状況において具現化することができる、多数の適用可能な発明の概念を提供していることが、認められるべきである。本明細書において論じられる特定の態様は、本発明を作製および使用するための特定の手段を単に例示するものであって、本発明の範囲を定めるものではない。
本発明の理解を促進するため、いくつかの用語が以下に定義される。本明細書において定義される用語は、本発明が関連する分野の当業者によって通常理解されている意味を有する。たとえば、「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」などの用語は、単数の物事のみを指すことが意図されるわけではなく、その特定の一例が例証のために使用される、そのクラスの全体を含む。本明細書における用語は、本発明の特定の態様を説明するために使用されるものであるが、それらの使用は、特許請求の範囲において記述される場合を除き、本発明の範囲を定めるものではない。
本明細書において使用される場合、「プライマリーケアクリニック」、「プライマリーケア環境」、「プライマリーケア提供者」との表現は、ヘルスケアシステム内において、患者が接触する/診察を受ける主たる場を指すために、互換性をもって使用され、かつ患者が必要とし得る専門家と連携する。
本明細書において使用される場合、「専門家」との表現は、特定の疾患を、たとえば、神経学的障害、精神障害、または、さらに具体的には運動障害もしくは記憶障害などを専門とする、医療行為または医療従事者を指す。
本明細書において使用される場合、以下の略称が使用され、かつ該略称は、これらの遺伝子の哺乳動物バージョンを含み得るものであるが、ある態様においては、該遺伝子はヒト遺伝子である:IL7 - インターロイキン-7、TNFα - 腫瘍壊死因子α、IL5 - インターロイキン-5、IL6 - インターロイキン-6、CRP - C-反応性タンパク質、IL10 - インターロイキン-10、TNC - テネイシンC、ICAM1 - 細胞内接着分子(intracellular adhesion molecule)1、FVII - 第VII因子、I309 - ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド1、TNFR1 - 腫瘍壊死因子受容体1、A2M - α-2-ミクログロブリン(alpha-2-microglobulin)、TARC - ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド 17、エオタキシン3、VCAM1 - 血管細胞接着分子1、TPO - トロンボポエチン、FABP3 - 脂肪酸結合タンパク質3、IL18 - インターロイキン-18、B2M - β-2-ミクログロブリン(beat-2-microglobulin)、SAA - 血清アミロイドA1クラスター、PPY - 膵臓ポリペプチド、DJ1 - パーキンソンタンパク質7、α-シヌクレイン。
本明細書において使用される場合、「神経学的疾患」との表現は、中枢神経系の疾患または障害を指し、かつ、多くは、たとえば神経変性障害を、たとえばAD、パーキンソン病、軽度認知障害(MCI)、および認知症などを含み、かつ神経学的疾患は、多発性硬化症、ニューロパチーを含む。本発明は、初回のスクリーニングまたは完全なスクリーニングとしての、ADの検出における特定の用途、ならびにADを他の神経変性障害から、たとえば、パーキンソン病、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症、およびダウン症候群から区別するための特定の用途を見出す。
本明細書において使用される場合、「アルツハイマー患者」、「AD患者」、および「ADと診断された個体」との用語はすべて、ADと診断されているか、またはアルツハイマー病(AD)がほぼ確実(probable)との診断を受けている個体を指す。
本明細書において使用される場合、「パーキンソン病患者」、および「パーキンソン病と診断された個体」との用語はすべて、PDと診断されているか、またはパーキンソン病との診断を受けている個体を指す。
本明細書において使用される場合、「前頭側頭型認知症」、および「前頭側頭型認知症と診断された個体」との用語はすべて、FTDと診断されているか、またはFTDとの診断を受けている個体を指す。
本明細書において使用される場合、「レビー小体型認知症」(DLB)、および「DLBと診断された個体」との用語はすべて、DLBと診断されているか、またはDLBとの診断を受けている個体を指す。
本明細書において使用される場合、「ダウン症候群」(DS)、および「ダウン症候群と診断された個体」との用語はすべて、DSと診断されているか、またはDSとの診断を受けている個体を指す。
本明細書において使用される場合、「神経学的疾患のバイオマーカー」との表現は、神経学的疾患の診断バイオマーカーを指す。
本明細書において使用される場合、「神経学的疾患のバイオマーカータンパク質」との用語は、以下のいずれかを指す:機能的にタンパク質バイオマーカーのレベルにある、バイオマーカータンパク質または物質。
本明細書において使用される場合、「診断を補助する」ための方法とは、神経学的疾患(たとえば、AD、PD、DLB、FTD、DS、もしくはMCI)の存在または性質に関して臨床的決定を下すのに役立つ方法を指し、かつ確定診断について最終的なものであってよく、またはそうでなくてもよい。したがって、たとえば、神経学的疾患の診断を補助する方法は、個体からの血液試料において、1種または複数種の神経学的疾患バイオマーカーの量を測定する段階を含み得る。
本明細書において使用される場合、「階層化する」との用語は、神経学的疾患の特徴に基づいて、異なるクラスまたは階層へと個体を区分けすることを指す。たとえば、アルツハイマー病を有する個体の集団の階層化は、疾患の重篤度(たとえば、軽度、中等度、重度等)に基づいて、個体を割り当てることを伴う。
本明細書において使用される場合、「予測する」との用語は、ある神経学的疾患を発症する有意に高まった確率を個体が有することを、発見することを指す。
本明細書において使用される場合、「生物学的液体試料」とは、個体から得られる広く多様なタイプの液体試料を指し、かつこれは、診断アッセイまたはモニタリングアッセイに使用することができる。生物学的液体試料は、たとえば、血液、脳脊髄液(CSF)、尿、および生物学的起源の他の液体試料を含む。一般的には、試料は、安定化試薬での処理か、可溶化か、または、ある種の成分、これはたとえばタンパク質もしくはポリヌクレオチドなどであるが、それらが試料中でマーカーの解析を妨害しない限り、それらの富化である。
本明細書において使用される場合、「血液試料」とは、血液に由来する、好ましくは末梢血(または循環血)に由来する、生物学的試料を指す。血液試料は、たとえば、全血、血清、または血漿であり得る。ある態様においては、バイオマーカーの供給源として血清が好ましい、なぜならば、該試料は、容易に利用可能であり、かつ他の試料採取の際にしばしば得られ、安定であってかつ多くの処理を必要としないので、冷却装置や電力がほとんどない場所にとって理想的なものとなっており、容易に輸送可能であり、かつ医療支援スタッフによって通常処理されているからである。
本明細書において使用される場合、「正常」な個体、または「正常」な個体からの試料とは、疾患を、たとえば、神経学的疾患を有さないことが医師によって評価されているか、または評価され得る個体由来の、定量的データ、定性的データ、または両方を指す。「正常」な個体についてはまた、しばしば、評価されようとする個体の試料と、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10年の範囲内で、年齢を一致させる。
本明細書において使用される場合、「処置」との用語は、特定の障害の症状の緩和、改善、および/または安定化を指すとともに、特定の障害の症状進行における遅延を指す。たとえば、ADの「処置」は、以下のいずれか1つまたは複数を含む:(1) ADの症状の1種または複数種の消失、(2) ADの症状の1種または複数種の低減、(3) ADの症状の安定化(たとえば、ADのより進行したステージへの進行の停止)、および(4) ADの症状の1種または複数種の発症における遅延、ADの症状の1種または複数種の進行(すなわち悪化)における遅延;および(5) ADの症状の1種または複数種の進行(すなわち悪化)における遅延。
本明細書において使用される場合、「差の倍率(fold difference)」との用語は、たとえば、ADバイオマーカー、パーキンソン病バイオマーカー、認知症バイオマーカーの、測定値と基準値との間の差異の大きさか、または、1種または複数種の神経学的疾患を区別することを可能にする値間の差異の大きさの、数値表現を指す。典型的には、差の倍率は、測定された数値を基準の数値で割ることによって、数学的に算定される。たとえば、ADバイオマーカーについて測定された値が20 ナノグラム/ミリリットル(ng/ml)であり、かつ基準値が10 ng/mlである場合、差の倍率は2である(20/10 = 2)。あるいは、ADバイオマーカーについて測定された値が10 ナノグラム/ミリリットル(ng/ml)であり、かつ基準値が20 ng/mlである場合、差の倍率は10/20か、または-0.50か、または-50%である)。
本明細書において使用される場合、「基準値」とは、絶対値、相対値、上限および/もしくは下限を有する値、値の範囲;平均値(average value)、中央値、平均値(mean value)、または特定の対照もしくはベースラインの値と比較した値であり得る。一般的には、基準値は、個体の試料の値に基づいており、これはたとえば、たとえば神経学的疾患を有する、たとえばAD、パーキンソン病、もしくは認知症などを有する個体由来の試料から、好ましくはより早期の時点で、得られた値か、または、検査を受ける個体以外の、神経学的疾患の患者由来か、もしくはADや、パーキンソン病や、認知症と診断されていない個体である、「正常」な個体由来の試料から得られた値である。基準値は、たとえば、AD患者、パーキンソン病患者、認知症患者、または正常な個体などからの、多数の試料に基づくものであり得、または検査されようとする試料を含有もしくは除外する、試料のプールに基づくものであり得る。
本明細書において使用される場合、「所定の長さの期間」との表現は、統計学的に有意な結果をもたらし得る測定間の期間を記述するために使用され、これは、神経学的疾患の疾患進行の場合には、7日、2週間、1か月、3か月、6か月、9か月、1年、1年3か月、1年6か月、1年9か月、2年、2年3か月、2年6か月、2年9か月、3、4、5、6、7、8、9、またはさらに10年であり得、かつそれらの組み合わせであり得る。
本明細書において使用される場合、「神経認知スクリーニング検査」、または「認知検査」との表現は、認知状態または認知障害を測定するための、当業者に公知の検査の1種または複数種を記述するために使用されるものであり、かつ以下を含み得るが、これらに限定されない:4ポイント時計描画検査、言語流暢性検査、トレイルメイキング検査、リスト学習検査等。当業者は、これらの検査をどのように改変できるか、同様の認知機能を測定する新しい検査を、本発明とともに使用するためにどのように開発および実施できるかを認識および理解している。
神経変性疾患の臨床的な処置および管理、ならびにその治療および予防のための治験の設計の、決定的な重要性にもかかわらず、神経変性疾患を区別する診断は困難なものである (1-4)。より高度な評価および処置の実施のための専門クリニックへと患者を紹介するために、プライマリーケア提供者から適切に紹介を行うことが、通常要求される。しかしながら、神経変性疾患の評価および管理は、プライマリーケア環境においては不十分であり 5-8、しばしば不適切な療法が施されている (9)ことを、先の研究は示している。65歳以上の人々に関し、外来環境での平均受診時間がおよそ18分間であること (10)を考慮すると、プライマリーケア提供者は、専門家への適切な紹介を保証されたように実施することができるよう、該提供者の高齢の患者中で神経学的疾患をスクリーニングするための、迅速かつコスト効果の高い方法を、切実に必要としている。
プライマリーケアクリニック環境内で実施することができる血液ベースのスクリーニングツールが利用可能であることは、非常に意義深い。臨床の観点から見て、調査された医師の半分未満しか、神経変性疾患のスクリーニングが重要であると考えていなかった一方で、一般の人々および介護者の大多数は、そのようなスクリーニングが極めて重要であると考えていた (11)。加えて、高齢の患者に関し、外来環境での平均受診時間は20分未満であり (10)、簡単な神経学的評価および認知評価ですら、そのために利用可能な時間は厳しく制限される。したがって、プライマリーケア提供者は、可能性のある神経変性疾患のより高度な臨床的評価のための専門家に、どの患者を紹介すべきかを決定するための方法を、切実に必要としている。神経変性疾患の診断においては、より高度なニューロイメージング技術(MRI、fMRI、DTI、PET)の有用性を証明する、膨大な量の研究が完了しているが、それらは、多段階型の診断プロセスにおける最初の段階としては極めて高コストである。コストおよび利用しやすさのために、血液ベースのバイオマーカーは、神経変性疾患のリスクがある「大集団の、将来的な高感度スクリーニング法の必須条件となる可能性が非常に高い(will most likely be the prerequisite to future sensitive screening of large populations)」旨、および診断フローアプローチにおけるベースライン「となる可能性が非常に高い」旨が提唱されている (12)。たとえば最近、PETアミロイド-β(Aβ)スキャンは、アルツハイマー病の診断プロセスにおける使用に関して、FDAにより承認された。PET Aβイメージングが、検査1回につき1,000ドル程度(実際のコストの1/3~1/10未満)で利用可能になったとして、かつわずか100万人の高齢者のみが、プライマリーケア環境内で毎年スクリーニングを受けたとしても(65歳以上のアメリカ人は4000万人である)、神経変性スクリーニングについてのコストは、年間10億ドル(米ドル)となるであろう。血液ベースのスクリーニング法が、100ドル/人で利用可能であるならば、そのコストは年間1億ドルとなるであろう。スクリーニングを実際に必要とする人々の1/40未満をスクリーニングするとして、もし、検査した15%が陽性であって、かつPET Aβイメージング(1億5000万ドル)に進むとすると、このスクリーニング~経過観察手順のコスト削減は、年間7億5000万ドルとなり得る。
血液ベースのツールは、神経変性疾患のための多段階型の診断プロセスにおける、最初の段階としての役割に容易に適合させることができ、確認診断および処置開始のための専門家に、スクリーニング陽性者を紹介する。実際、これは、がん、心臓病学、感染性疾患、および他の多くの医学分野において、すでに利用されているプロセスである。
専門クリニックベースのスクリーニング法をプライマリーケア環境に適用することは容易のように思われるが、これは真実ではなく、かつ、以下に証明されるように、以前の手順は、プライマリーケア環境内では機能しない。多段階型の診断プロセスにおける最初の段階として、血液ベースのスクリーニングを実施する能力は重要であるにも関わらず、専門クリニックと比較して、疾患が存在する基準率が実質的に低いために、該能力は相当悪化することとなり 13、かつこのより低い基準率は、検査結果の予測精度に対する大きな影響を有する。
実施例1. 神経変性疾患についての患者のスクリーニング
本手順から、別の実質的な発展がもたらされる。具体的には、該手順はまた、臨床試験への登録の前に患者をスクリーニングするためにも、利用され得る。ADを予防する、進行を遅らせる、および/または処置することを目的とする治験に対する、主な障害は、該疾患を検出するのに利用可能なバイオマーカーの欠如である 14,15。ADのための血液ベースのスクリーニングツールの検証は、試験の登録プロセスを精緻化することによって、そのような治験のコストを著しく減少させ得る。試験の登録にイメージング診断(たとえば、Aβニューロイメージング)が必要とされる場合、血液検査におけるスクリーニング陽性者のみに、第2段階のスクリーニング(すなわち、PETスキャン)を受けさせることとしてよく、これは、患者を識別かつスクリーニングするためのコストを劇的に減少させ得る。本発明である、スクリーニングするための新規な方法は、より広い範囲の集団および/またはクリニック環境からの、患者の募集、スクリーニング、および/または選択を容易にし、それにより、十分なサービスを受けていない患者集団に、臨床試験に参加する機会を提供するものであり、これは、以前に実施された臨床試験の大多数では大きく制限されていた 16。
本発明者らは初めて、以下を証明するデータを提供する:新規な手順が、高精度で、神経変性疾患を検出でき、かつ該疾患間を識別できること。プライマリーケア環境内における第一選択スクリーニング法としての実施に利用することができ、専門家である、疾患の確認および処置の開始の提供者への、具体的な紹介をもたらす、新規な本手順。
方法。神経変性疾患の患者。ADの患者および対照の患者。300名のTARCC参加者(150名のAD症例、150名の対照)からの非空腹時血清試料が解析された。加えて、同じ対象群からの、200件の血漿試料(100名のAD症例、および100名の対照)が解析された。TARCCプロトコルの方法論は、他で説明されている 21,22。手短に述べると、各参加者は、TARCCに参加している5か所の拠点のうち1か所において、年1回の標準化された評価であって、医学的評価、神経心理学的検査、および採血を含む評価を受ける。ADの診断は、NINCDS-ADRDA基準 23に基づいており、かつ対照は、心理測定学的検査において正常範囲内のパフォーマンスを示す。治験審査委員会(Institutional Review Board)の承認は各拠点において得られており、かつ全参加者について文書のインフォームドコンセントを得る。
非AD患者。ダウン症候群の試料。血清試料は、カリフォルニア大学サンディエゴ校(University of California San Diego)(UCSD)におけるアルツハイマー病共同研究コア(Alzheimer's Disease Cooperative Studies core)より、ダウン症候群(DS)と診断されている11名の男性患者から得られた。パーキンソン病の試料。パーキンソン病(PD)と診断されている49名の患者(男性28名および女性21名)からの血清試料は、テキサス大学サウスウェスタンメディカルセンター(University of Texas Southwestern Medical Center)(UTSW)の運動障害クリニック(Movement Disorders Clinic)によりもたらされた。レビー小体型認知症(DLB)の試料および前頭側頭型認知症(FTD)の試料。11件のDLB試料、および19件のFTD試料からの血清試料は、UTSWのアルツハイマー病コーディーネートセンター(Alzheimer's Disease Coordinating Center)(ADCC)から得られた。
血清試料の採取。TARCCおよびUTSW ADCの血清試料は、以下のように採取された:(1) 非空腹時血清試料は、10 mlのタイガートップチューブに採取され、(2) 室温で30分間立てておいて凝血させ、(3) 採取から1時間以内に、1300 x gで10分間遠心分離され、(4) 血清の1.0 mlアリコートがクライオバイアルチューブに移され、(5) Freezerworks(商標)のバーコードラベルが各アリコートにしっかりと貼り付けられ、そして(6) 試料は-80度のフリーザーに入れられて、アッセイに使用されるまで保管された。ダウン症候群の血清試料は、分注する前に3000 rpmで10分間遠心分離され、そして-80度のフリーザーで保管された。
血漿:(1) 非空腹時血液は、10 mlのラベンダートップチューブ中に採取され、そして10~12回穏やかに転倒混和され、(2) 採取から1時間以内に、チューブは1300 x gで10分間遠心分離され、(3) 1 mlアリコートがクライオバイアルチューブに移され、(4) Freezerworks(商標)のバーコードラベルが貼り付けられ、そして(5) -80度のフリーザーに入れられて保管された。
ヒト血清アッセイ。すべての試料は、Meso Scale Discovery(MSD; www.mesoscale.com)のSECTOR Imager 2400Aにおける、電気化学発光(ECL)を用いたマルチプレックスバイオマーカーアッセイプラットフォームにより、2連でアッセイされた。MSDプラットフォームは、ADを含むさまざまなヒト疾患に関連するバイオマーカーをアッセイするために、広く使用されている (24-28)。ECL技術は、電気化学的に刺激された際に光を放出する標識を使用し、これは、きわめて低濃度の多くの被検体を検出する感度を改善する。ECL測定は、多くのアッセイにおいてゴールドスタンダードである慣用のELISAよりも高感度で、かつより少ない量しか必要としないという、十分に確立された特性を有する (26)。アッセイされたマーカーは、以前に作製され、そして交差検証されたADアルゴリズム(17,19,29)に由来するものであり、かつ以下を含んでいた:脂肪酸結合タンパク質(FABP3)、β2ミクログロブリン、膵臓ポリペプチド(PPY)、sTNFR1、CRP、VCAM1、トロンボポエチン(THPO)、α2マクログロブリン(A2M)、エキソタキシン3(exotaxin 3)、腫瘍壊死因子α、テネイシンC、IL-5、IL6、IL7、IL10、IL18、I309、第VII因子、TARC、SAA、およびICAM1、α-シヌクレイン。図1は、本発明のMSDアッセイの信頼性を示す。
統計学的解析。解析は、R(V 2.10)統計ソフトウェア (30)、およびIBM SPSS19を用いて実施された。カイ二乗検定およびt検定は、カテゴリー変数(APOE ε4対立遺伝子の出現頻度、性別、人種、民族性、心血管リスク因子の存在)、ならびに連続変数(年齢、教育歴、ミニメンタルステート検査[MMSE]、および臨床認知症評価尺度の項目の合計のスコア(clinical dementia rating sum of boxes scores)[CDR-SB])のそれぞれに関して、症例と対照とを比較するために使用された。バイオマーカーのデータは、ボックス-コックス変換を用いて変換された。ランダムフォレスト(RF)予測モデルは、RパッケージのrandomForest (V 4.5)(31)を使用し、すべてソフトウェアのデフォルトの設定で実施された。ROC(受信者操作特性)曲線は、Rパッケージを用いて解析され、AUC(曲線下面積)は、RパッケージのDiagnosisMed(V 0.2.2.2)を用いて算定された。試料は、血清マーカーおよび血漿マーカーで別々に、訓練試料とテスト試料とに無作為に分割された。RFモデルは訓練セットにおいて生成され、そして次にテスト試料へと適用された。本発明者らの先の研究 (17,19,29,32)においてなされたように、人口統計上のデータ(すなわち、年齢、性別、教育歴、およびAPOE4の存在[有り/無し])をRFリスクスコアと組み合わせるために、ロジスティック回帰が使用された。臨床的変数は、ADにおけるそのような変数と認知機能不全との間の関連性を記述する先の研究 (33-36)を考慮して、より堅固な診断アルゴリズムを生成するために追加された。アルゴリズムをさらに精緻化するため、バイオマーカーリスクスコアは、経過観察解析として最適な診断精度を保持する、マーカー数の最も少ないセットに限定された。これらの試験の第2の目的のため、サポートベクターマシン(SVM)解析が、すべての診断群の多クラス分類のために利用された。解析の第1のセットにおいて利用された、100件のAD症例および対照(ADはn = 51;NCはn = 49)由来のデータの無作為な試料が選択され、そして、12件の追加の正常対照(NC)(NCは全62件)とともに、11件のDS症例、49件のPD症例、19件のFTD症例、および11件のDLB症例由来の血清データと組み合わせられた。SVM解析は、5重の交差検証を用いて、組み合わせられた全試料上で行った。SVMは、決定境界を定義する決定平面という概念に基づいており、かつ元来、異なるクラス標識の事例を分離する多次元空間において超平面を構築することにより、クラス分類タスクを実施する方法である。組み合わせられた試料のためのクラス分類器を開発するために、SVMベースの方法が、5重の交差検証を用いて使用され、そして次に該クラス分類器が、組み合わせられた試料を予測するために適用された。
結果。本発明者らの先の研究と同様に、AD患者は、有意により高齢であり(p < 0.001)、より短い年数の教育歴を有しており(p < 0.001)、MMSEにおいてより低いスコアを有しており(p < 0.001)、かつCDR-SBにおいてより高いスコアを有していた(p < 0.001)(表1を参照されたい)。群の間で、性別に関して有意な差異は無く、脂質異常症、糖尿病、高血圧の存在に関しても有意な差異は無かった。AD群には、APOE4キャリアが有意に多く、一方でNC群には、肥満にクラス分類された個体(BMI >= 30)が有意に多かった。
(表1)コホートの人口統計上の特徴
Figure 2022521501000002
ECLアッセイからの血清ベースRFバイオマーカープロファイルがテスト試料に適用された場合、得られた感度(SN)は0.90であり、特異度(SP)は0.90であり、かつROC曲線下面積(AUC)は0.96であった(図2および3、ならびに表2を参照されたい)。
(表2)ADバイオマーカーの感度および特異度、ならびに受信者操作特性曲線下面積(AUC)についての統計学的結果
Figure 2022521501000003
図3は、21種の血清バイオマーカーを用いた血清バイオマーカープロファイルについての、ROCプロットを示す。血漿ベースのアルゴリズムは、SN、SP、およびAUCがそれぞれ0.65、0.79、および0.76という、はるかに低い推定精度をもたらした。したがって、残りの解析は血清のみに注目した。年齢、性別、教育歴、およびAPOE4を、RFバイオマーカープロファイルを用いるアルゴリズムに包含させると、SN、SP、およびAUCは、それぞれ0.95、0.90、および0.98に増加した(表2)。次に、最も少ない数の血清バイオマーカーを用いる最適化されたアルゴリズムを決定するため、RFが再度行われた。バイオマーカープロファイルからマーカーの最上位8種(図4を参照されたい)のみを使用すると、それぞれ0.88、0.92、および0.95というSN、SP、およびAUCがもたらされた(図5および表2を参照されたい)。年齢、性別、教育歴、およびAPOE4遺伝子型を追加すると、SN、SP、およびAUCは、それぞれ0.92、0.94、および0.98に増加した。
図4は、変数重要度および差異のある発現を示す、ランダムフォレストバイオマーカーモデルからのジニプロットを示す。図5は、ADアルゴリズムに最上位8種のバイオマーカーのみを使用した、ROCプロットを示す。
ADの血液ベースのバイオマーカープロファイルが、ADを他の神経学的疾患から判別するために利用され得るかどうかを決定するための、SVM多クラス分類器解析に関し、解析は、203名の参加者(ADはn = 51、PDはn = 49、DSはn = 11、FTDはn = 19、DLBはn = 11、NCはn = 62)由来のタンパク質アッセイにおいて実施された。この試料の人口統計上の特徴は表3に提供される。
(表3)多変量クラス分類のための第2のコホートの、人口統計上の特徴
Figure 2022521501000004
注:PDおよびDSの症例に関しては、教育歴に関する情報は利用可能ではなかった。略称:AD、アルツハイマー病。PD、パーキンソン病。DS、ダウン症候群。FTD、前頭側頭型認知症。DLB、レビー小体型認知症。NC、正常対照。
図6は、神経変性疾患間を区別する相対的プロファイルの重要性に注目するものである。病態間での相対的プロファイルは異なっていた。たとえば、A2MおよびFVIIは、DLBおよびFTDにおいて他とは異なって上昇しており、一方でTNFαは、他とは異なって、ADにおいて上昇しており、かつPDおよびDLBにおいて最も低く、一方でPPYは、PDにおいて最も低く、かつDLBにおいて最も高い。全参加者を同時にクラス分類するため、すべてのタンパク質を組み合わせたバイオマーカープロファイルが、SVMベースのアルゴリズムを用いて生成された。驚くべきことに、SVMの全体精度は100%(SN = 1.0、SP = 1.0)であり、すべての個体は、それらそれぞれのカテゴリー内に正確にクラス分類された。
コミュニティベースの環境における、血液スクリーニングの実施。1998年の、作業部会におけるコンセンサスレポート:「アルツハイマー病の分子マーカーおよび生化学マーカー」(Consensus Report of the Working Group on: "Molecular and Biochemical Markers of Alzheimer's Disease")37は、ADについての推定上のバイオマーカーの、最低限許容されるパフォーマンスの標準についてのガイドラインを提供した。該レポートは、感度(SN)および特異度(SP)は0.80以上であるべきであり、陽性適中率(PPV)は80%以上であって、PPVを90%に近づけることが最適である旨を述べた。該レポートはまた、「高い陰性適中率[NPV]は極めて有用であろう(high negative predictive value [NPV] would be extremely useful)」との旨を述べている。このグラントに関するPIおよびバイオインフォマティクスチームは、PPVおよびNPVを含む診断精度の統計値の算定に、幅広い経験を有する 17-20,38-43。SN/SPとPPV/NPVとの間の重要な差異は、後者が予測精度の統計値であること(すなわち、検査に基づいて患者を診断する際に、臨床医がどの程度正確であるか)である。PPV/NPVは、疾患が存在する基準率によって変わる 44。ADに関し、コミュニティにおいて疾患が存在する基準率は、65歳以上の人々の11%であると推定され 13、これは、専門クリニック環境においては50%以上であることと対比される。PPVおよびNPVはベイズ統計学に基づいており、かつ以下にまとめられるように算定される:
Figure 2022521501000005
PPV = 陽性適中率、SN = 感度、BR = 基準率、RC = 残余の症例、NPV = 陰性適中率、SP = 特異度。タンパク質8種のスクリーニングまたはアルゴリズムにおいて、SPが0.98に保持された際、SNは0.86に低下した。PPVおよびNPVの算定結果を、コミュニティ内で11%というADの推定基準率 13に適用すると、本発明のスクリーニング法および/またはアルゴリズムは非常に正確であり、かつコミュニティベースの環境内で、つまりプライマリーケアの場で、使用することができる。これは、PPVが35%未満であった、1998年のコンセンサスレポートに基づいて許容される最低限の条件と比較される(表4を参照されたい)。
(表4)プライマリーケア環境におけるアルツハイマー病についての血液ベースのスクリーニングの診断精度
Figure 2022521501000006
BR = 基準率、SN = 感度、SP = 特異度、PPV = 陽性適中率、NPV= 陰性適中率
本発明者らの先の研究の結果、および他の研究グループの結果もまた、比較のために含めている。上に明確に説明されるように、新規な本手順は、専門クリニックへの紹介において許容される精度をもたらすためにプライマリーケア環境において利用可能であろう、唯一の手順である。専門家の紹介が必要であり得ると、プライマリーケア提供者に示す場合、他の試みでチャンスレベル(すなわち、50%)を超えるものは、ペプトイドアプローチを除いて無いであろう。
(表5)プライマリーケア環境における神経変性疾患についての血液ベースのスクリーニングの診断精度
Figure 2022521501000007
BR = 基準率、SN = 感度、SP = 特異度、PPV = 陽性適中率、NPV= 陰性適中率
本アプローチは、全体的プロファイルを用いる神経変性疾患の識別において100%である。母集団においてこれらの疾患の有病率が非常に低いことを考慮すると、プライマリーケア従事者によって行われる、専門家への適切な紹介には、高い精度が必要とされる。
特定のバイオマーカーの、選抜された認知検査との組み合わせ。本発明者らは、神経心理学的検査の実施のために、分子プロファイルが生成され得ること、およびこれらのプロファイルは、検査スコアにおいて分散の50%超を占めていたことを証明している 48。評価プロセスを精緻化するために、および診断精度を増加させるために、血清ベースの特定のバイオマーカー、および選抜された認知検査が組み合わせられ得ることが、さらに証明された。一例として、マーカーの最上位2種のみが血清アルゴリズムから選択され(TNFαおよびIL7)、単一の、容易に適用できる認知検査と併用された(この実施例においては4ポイント時計描画検査であるが、他の短くかつ容易な検査、たとえば、言語流暢性、トレイルメイキング、リスト学習等も使用可能である)。これらの3項目が、単一のロジスティック回帰へと組み合わせられた場合、すべてのAD(n = 150)をNC(n = 150)から区別する際に、92%の精度が得られた(SN = 0.94、SP = 0.90)。軽度AD(CDRグローバルスコア <= 1.0)のみに試料を限定した場合には、94%の全体精度(SN = 0.94、SP = 0.83)が得られた。最後に、そして重要なことに、超早期AD(CDRグローバルスコア = 0.5)のみに試料を限定すると、これは91%の全体精度(SN = 0.97、SP = 0.72)をもたらした。これらの結果は、アルゴリズム全体を精緻化するために、特定のバイオマーカーを選抜された認知検査と組み合わせることの有望性を、明確に証明する。
要約すると、本アプローチは:(1) アルツハイマー病の検出において高度に正確であり;(2) 神経変性疾患の検出および該疾患間の判別において高度に正確であり;(3) 多段階型の診断プロセスにおける最初の段階として、プライマリーケア環境内で遂行され得;かつ(4) 特定の血清バイオマーカーと、選抜された神経認知スクリーニング評価との組み合わせは、優れた精度でスクリーニングプロセスを精緻化し得る。
表6は、プライマリーケアセンターまたはプライマリーケアの場において測定された2種以上のバイオマーカーのスクリーニング結果に基づく、紹介する専門家の選択、およびそれによる処置方針を示す。
Figure 2022521501000008
実施例2. レビー小体型認知症についてのプロテオミクスシグネチャー
本発明者らは、アルツハイマー病を検出するために開発したプロテオミクスプロファイルアプローチが、レビー小体病を有する患者を正常対照から区別し得るかどうか、およびレビー小体型認知症(DLB)をパーキンソン病(PD)から区別し得るかどうかを決定することを試みた。
保管されていた血漿試料は、145名の患者(DLBはn = 57、認知症を伴わないPDはn = 32、正常対照はn = 56)から得られたものであり、フロリダ州にあるメイヨークリニック(Mayo Clinic)の行動神経学クリニック(Behavioral Neurology clinic)または運動障害クリニック(Movement Disorders clinic)において接触した患者から登録されたものであった。プロテオミクスアッセイは、上述のプロトコルを用いて実施および解析された。
本明細書に記載されるプロテオミクスプロファイルは、0.97の診断精度、0.91の感度、および0.86の特異度で、DLB-PD群を対照から区別した。第2の段階において、プロテオミクスプロファイルは、0.92の診断精度、0.94の感度、および0.88の特異度で、DLBをPD群から区別した。
レビー小体病は2番目に多い神経変性疾患であり、かつ臨床的には、レビー小体型認知症(DLB)として、認知症を伴って出現し得、またはパーキンソン病(PD)として、認知症を伴わずに出現し得る。DLBは、Kosaka [1]によって認知症として最初に特徴付けられ、そして運用可能な診断基準が、McKeith [2]によって1992年に初めて提示された。DLBに関してコンセンサス基準を満たす患者は、剖検において通常レビー関連病変 [3]を有しており、かつ大規模な認知症連続剖検において [4]、25%はレビー関連病変を有することが見出された。DLBの中核となる臨床的特徴は、パーキンソニズム、変動する認知機能、有形幻視、およびレム行動障害と推定される病歴を含む[5, 6] [7]。DLBを有することが臨床的にあまり認識されていない、レビー関連病変を有する患者のサブセットが存在しており [8]、その大部分は、アルツハイマー(AD)関連病変が同時に生じているためである。さらに、より広範なタウ病変が、DLB表現型を認識することをより困難にしている。マルチモダリティイメージングは、DLBをADから区別するのに役立つが、コミュニティの試料における疾患検出方法としては、高価であり、かつ実行可能性の低い手法である [9]。したがって、最前線での、最小侵襲性であってかつコスト効果の高いスクリーニング方法は、当技術分野において大きな価値を有するものであり得る。
神経変性疾患についての療法開発および臨床試験に対する主な障害は、高感度でかつ容易に入手できる診断バイオマーカーの、欠如である [10-14]。神経変性疾患の診断上および予測上の有用性を有するバイオマーカーの検索は、指数関数的に増大してきており、研究の大多数は、ニューロイメージングの手法 [15-18]、および脳脊髄液(CSF)の手法 [11, 15, 17-19]に焦点を合わせている。有望な新しい証拠のいくつかは、α-シヌクレインに関してCSFが潜在的なバイオマーカーを産生し得ることを示唆するが、大規模な試料を用いた反復が必要であろう [20]。高度なイメージングおよびCSFの手法は、神経変性疾患の確認診断バイオマーカーとして巨大な潜在性を有しているが、それらをこのプロセスにおける最初の段階として利用することは、入手容易性およびコスト障壁が阻んでいる [12, 13, 21]。DLBの信頼性を有するバイオマーカーは、早期診断および前臨床診断、疾患進行の追跡、ならびに疾患のエンドフェノタイプの識別を含む、多くの用途を有し得る [14, 21]。加えて、バイオマーカーの発展は、治療アウトカムの測定値のための、および疾患修飾療法の開発のためのサロゲートを識別しようとする精密医療アプローチに向かう道を切り開くのに、役立ち得る [22]。
DLBについては、検証済みのバイオマーカーは現時点で存在しない [23]。DLBに関連する臨床状態の生物学的マーカーは、「安価で、信頼性および再現性を有し、かつ入手が容易な生物学的試料を用いる(cheap, reliable and reproducible, and make use of biological samples that are easy to obtain)」べきである旨が提唱されている (pg. 1) [13]。血液ベースのバイオマーカーは、提唱されたこれらの基準を満たし得る。加えて、プロテオミクス的なバイオマーカープロファイリングは、DLBのバイオマーカーを発見するための有望な方法である旨が提唱されており [21, 23]、これは、そのような複合型の障害の必要性に対処するために、生物学的プロセスのある範囲をカバーするマーカーのバッテリーが必要とされ得るからである [24]。実際、複数の疾患に関連する被検体のプロファイリングは、認知症候群における治療的介入に関する新規な生物学的経路に、注目を集めさせるものとなり得る [25]。アルツハイマー病(AD)およびPDについての血液ベースのバイオマーカーに関する本発明者らの研究は、疾患の存在のバイオマーカープロファイルを識別する多マーカーアプローチが優れた結果をもたらすことができることを、一貫して示している [26-28]。本発明者らの血液ベースのバイオマーカープロファイルは、DLBを含む神経変性疾患を検出するための、迅速にスケール変更可能な多段階型の神経学的診断プロセスを確立するための、コスト効果が高くかつ時間効率の良い方法 [29, 30]を、提供する。この初回のスクリーニングアプローチを用いて、がんを診断するために使用される多段階型モデル [31]のように、その後に続く専門的検査(specialty exanimation)、および確認診断バイオマーカー(イメージング、CSF)のために、適切な紹介がなされ得る。たとえば、Grovemanら [20]は最近、α-シヌクレインを検出するための、迅速かつ超高感度なシード増幅技術の精度を証明した。提唱されるこのような状況において、血液ベースのスクリーニングツールは、バイオマーカー確認診断のための腰椎穿刺を受ける必要のない大多数の患者を除外するために、利用することができる。このアプローチはまた、臨床試験でも容易に採用することができ、それにより、(1) より多数の患者への接近手段を増加させ、かつ(2) そのような新規な臨床試験に投じられるスクリーニングコストを顕著に減少させる。
本明細書において上述した研究において、本発明者らは、プラットフォーム [26, 32]、コホート [26, 28, 29, 33, 34]、種 (ヒト、マウス) [32]、組織 (脳、血清、血漿) [32]、および民族性(非ヒスパニック系白人、メキシコ系アメリカ人) [26, 35]にわたって、ADプロテオミクスプロファイルを生成および交差検証した、これは現在、プライマリーケア環境において前向き研究が行われている。この同じアプローチは、PDのADからの判別においても高度に正確であった。本明細書において、本発明者らは、ADを検出するためのプロテオミクスプロファイルアプローチ [29, 32]が、(1) シヌクレイノパチーに起因する神経変性疾患を成功裏に検出できること(DLBおよびPD 対 対照)、ならびに(2) シヌクレイノパチーに起因する神経変性疾患同士を成功裏に判別できること(すなわち、DLB 対 PD)を、さらに示す。この試験は、ジャクソンビルにあるメイヨークリニックからの血漿試料を検査することによって実施された。上述の方法にしたがって、本発明者らはまた、プロテオミクスプロファイルに対する人口統計上の因子(年齢、性別、教育歴)の影響も検査した。本明細書において、本発明者らは、このアプローチが、神経変性疾患をさらに区別することができるかどうか、およびDLBをPDから判別することができるかどうかを決定するために多段階型アプローチを用いることにより、発見段階から開始される上述の方法を利用した。
対象。試験の試料は、フロリダ州にあるメイヨークリニックのアルツハイマー病研究センター(Alzheimer's Disease Research Center)(ADRC)および運動障害センター(Movement Disorders Center)を通じて接触した、145名の患者(DLBはn = 57、PDはn = 32、正常対照はn = 56)を含んでいた。全参加者は神経学的検査、ミニメンタルステート検査(MMSE)を受け、かつ診断は、最近の基準に基づくものであった [5, 36]。DLB患者はまた、神経心理学的検査を受け、びまん性のまたは移行型のレビー小体病の病理学的確認を受け、かつコリンエステラーゼ阻害剤に応答することの証拠書類を有する場合に、上述の研究に基づき、この試験のために特別に選択されていた、ここで上述の研究は、該医薬に応答するDLB症例が、イメージングベースのAD併発病変を有する可能性が低いことを示している [18]。正常対照はADRCを通じて募集され、そして神経心理学的検査に基づき、すべて認知機能は正常であった。認知症を伴うPD(PDD)の症例はすべて、この試験には含めなかった。
プロテオミクス。血液試料は、NACC - アルツハイマーセンター(Alzheimer's Center)ガイドラインにしたがって採取された、該ガイドラインもまた、国際作業部会により発表された最近のガイドライン [37]と協調している。手短に述べると、非空腹時試料は、21gの針を用いて座位の参加者からEDTAチューブ中に採取され、5~10回穏やかに転倒混和され、そして、クライオバイアル(ポリプロピレン)チューブへと分注する前に、2000 x gで10分間遠心分離され、そして-80度で保管された。すべての処理は、2時間という時間枠内で完了した。試料は、アッセイのためにO'Bryant laboratoryに発送されるまで、保管庫に留め置かれた。市販のキットを用いる、本発明者らの以前に発表された方法にしたがい、Meso Scale DiscoveryのQuickPlexを用いた電気化学発光(ECL)実験を用いて、マルチプレックスバイオマーカーアッセイプラットフォームにより、血漿試料はアッセイされた [29, 32]。MSDプラットフォームは、ADを含むさまざまなヒト疾患に関連するバイオマーカーをアッセイするために、広く使用されている [38-41]。ECL技術は、電気的に刺激された際に光を放出する標識を使用し、これは、きわめて低濃度の多くの被検体を検出する感度を改善する。ECL測定は、多くのアッセイにおいてゴールドスタンダードである慣用のELISAよりも高感度で、かつより少ない量しか必要としないという、十分に確立された特性を有する [40]。本発明者らは最近、複数のコホートおよび複数の診断(正常認知、MCI、AD)にわたる>1,300件の試料に関して、これらのマーカーのそれぞれの解析パフォーマンスを報告した [29]。該アッセイは信頼性を有するものであり、かつ、これらのアッセイを用いた本発明者らの経験において、再度、優れた添加回収率、希釈直線性、変動係数(coefficient of variation)、および検出限界を示す。アッセイ間およびアッセイ内の変動性は、優れたものであった。内部QCプロトコルは、調製プロトコルに加えて実施され、バッチ間にわたり一貫した対照をアッセイすること、およびロット間にわたるプールされた標準品のアッセイを含む。アッセイのパフォーマンスをさらに改善するため、アッセイの調製は、カスタマイズされたHamilton Robotics StarPlusシステムを用いて自動化された。全量500μlの血漿が、以下のマーカー(CVおよび検出の最低レベル(lowest level of detection)を含む)をアッセイするために利用され、ここでCVおよびLLODは、MSDプレートを用いるこの自動化されたシステムにより算定された:脂肪酸結合タンパク質(CV = 2.2、LLOD = 13,277 pg/mL)、β2ミクログロブリン(CV = 7.4、LLOD = 32.5 pg/mL)、膵臓ポリペプチド(CV = 4.1、LLOD = 390 pg/mL)、CRP (CV = 2.4;LLOD = 2.41 pg/mL)、ICAM-1(CV = 4.6;LLOD = 1.8 pg/mL)、トロンボポエチン(CV = 2.2;LLOD = 33.1 pg/mL)、α2マクログロブリン(CV = 2.8;LLOD = 5886 pg/mL)、エキソタキシン3(exotaxin 3)(CV = 18.74、LLOD = 3.25 pg/mL)、腫瘍壊死因子α(CV = 3.5;LLOD = 0.077 pg/mL)、テネイシンC(CV = 3.7;LLOD = 17 pg/mL)、インターロイキン(IL)-5(CV = 12.1;LLOD = 0.108 pg/mL)、IL6(CV = 4.6;LLOD = 0.081 pg/mL)、IL7(CV = 12.3;LLOD = 0.206 pg/mL)、IL10(CV = 6.7;LLOD = 0.071 pg/mL)、IL18(CV = 3.1;LLOD = 6.07 pg/mL)、I309(CV = 6.9;LLOD = 1.22 pg/mL)、第VII因子(CV = 2.7;LLOD = 49.9 pg/mL)、VCAM 1(CV = 2.3;LLOD = 6.13 pg/mL)、TARC(CV = 5.9;LLOD = 0.21 pg/mL)、SAA(CV = 4.4;LLOD = 19 pg/mL)。理解され得るように、解析のパフォーマンスは優れたものであり、各被検体についての全プレートにわたる平均CVは、研究使用のみアッセイの標準を十分に下回っていた;すべてのCVは<10であり、かつ62%は<5%であった。
統計学的解析。統計学的解析は、R(V 3.3.3)統計ソフトウェア [42]、SPSS 24(IBM)、およびSASを用いて実施された。サポートベクターマシン(SVM)解析は、対照とレビー小体病とを対比し、および次にDLBとPDとを対比するプロテオミクスプロファイルを特異的に生成するために実施された。SVMは、決定境界を定義する決定平面という概念に基づいており、かつ元来、異なるクラス標識の事例を分離する多次元空間において超平面を構築することにより、クラス分類タスクを実施する、クラス分類方法である。診断精度は、受信者操作特性(ROC)曲線によって算定された。最初にSVM解析は、対照をレビー小体病(すなわちDLB/PD)から判別するために利用され、結果として診断精度の統計値が生成された(段階1)。次にSVM解析は、DLBをPDから判別するために、レビー小体病を有する人々のみに限定され(段階2)、結果として診断精度の統計値が生成された。アルゴリズム全体をより堅固にすることを可能にし、かつ同時の多レベルの解析を回避することを可能にするために、この2段階プロセスが利用された、これは、誤り、および試料の過剰識別のリスクを減少させる。加えて、本明細書において上述したように、本発明者らは、全体的なプロファイルが神経変性疾患同士で異なることを証明しており、かつしたがって、多段階プロセスは、これらの全体的なプロファイルの変動を活用するものである。最後に、n = 53のAD症例からの試料は、(1) 神経変性疾患(アルツハイマー病[AD]/DLB/PD)を対照から検出する、(2) 認知症(AD/DLB)をPDから判別する、および(3) ADをDLBから判別する、という3段階アプローチについての予備的な解析を提供するために解析された。これらのAD症例は、メイヨーのADRCによっても評価され、そして臨床診断されたものであった。AD症例の人口統計上の特徴は表7に提供される。
試料の記述統計は表7に提供される。他の2つの群と比べて、PD群はより若齢であり、かつより多数の女性を含んでいた。予想されたように、DLB群はMMSEにおいてより低いスコアを有していた。
(表7)コホートの人口統計上の特徴
Figure 2022521501000009
DLB = レビー小体型認知症、PD = パーキンソン病、MMSE = ミニメンタルステート検査
SVM解析に関し、2段階の解析アプローチが採用された。第一に、SVMプロファイルは、レビー小体病(DLBおよびPD)を対照から区別するために使用された。第二に、SVM解析は、DLBをPDから区別するために使用された。上に示すように、この2段階アプローチは、「神経変性疾患」一般の検出においてプロテオミクスプロファイルが高度に正確であり得ることを示すために利用されたものであり [29]、かつしたがって、神経変性疾患同士を判別するためのこの解析は、正常対照を解析へ混入させずに、さらに解析を精緻化する。
段階1において、SVMベースのプロテオミクスプロファイルは、レビー小体病(DLBおよびPD)の、正常対照と比較しての検出において、高度に正確であった。プロテオミクスプロファイルの全体AUCは0.94であり、感度(SN)は0.99、かつ特異度(SP)は0.64であった。発明者らの先の研究と同様に、人口統計上の変数(年齢、性別、教育歴)を包含させると、全体精度はいくらか増加し、全体AUCは0.97であり、SNは0.91に減少したが、SPは0.86に増加した。表8は正確な予測および不正確な予測のすべてを示し、一方で変数重要度プロットおよびROC曲線は図7に示される。
表8:段階1 - 対照のレビー小体病からの判別における、血液検査の診断精度
(表8)レビー小体病を正常対照から判別するためのSVMクラス分類に関する混同行列
Figure 2022521501000010
段階2においても、全体的SVMプロテオミクスプロファイルは、DLBのPDからの区別において優れた精度を示した。このモデルにおいて、AUCは0.84であり、SN = 0.95、かつSN = 0.68であった。人口統計上の変数を包含させると、精度は、AUC = 0.92、SN = 0.94、およびSP = 0.88へと改善された。表9はすべてのクラス分類(正確および不正確)を示し、一方で変数重要度プロットおよびROC曲線は図8に示される。
次に本発明者らは、3段階アルゴリズムアプローチについての予備的な解析を実施した。ここでは、完全なアルゴリズムが適用された(タンパク質 + 人口統計上の変数)。本発明者らは、該モデルの第1の段階において、神経変性疾患(AD/DLB/PD)を対照と対比して検出することを試みた。-0.753という、最適化されたSVMリスク閾値カットオフを用いると、AUCは0.96であり、SN = 0.90、かつSP = 0.89であった。第2の段階において、本発明者らは、認知症(AD/DLB)をPDから判別することを試み、これはAUC = 0.98、SN = 0.96、およびSP = 0.97をもたらした。第3の段階において、本発明者らは、認知症同士(DLB 対 AD)を判別することを試み、そしてAUC = 0.96、SN = 0.96、SP = 0.97を得た。
表9は、段階 2 - レビー小体型認知症とパーキンソン病との判別における、血液検査の診断精度を示す。
(表9)DLBをPDから判別するためのSVMクラス分類に関する混同行列
Figure 2022521501000011
この実施例は、血液ベースの多段階型のプロテオミクスプロファイルが、シヌクレイノパチーに起因する神経変性疾患(DLBおよびPD)を正常対照から正確に区別できること(AUC = 0.97)、およびDLBをPDから正確に区別できること(AUC = 0.92)を、証明する。最近の研究は、CSFベースのα-シヌクレインのシーディング技術もまた、シヌクレイノパチーに起因する神経変性疾患の検出において、高い診断精度(93%の感度および100%の特異度)を達成できることを証明している。該研究は、より大規模な試験における交差検証を必要とするが、それとともに本研究を発展させることは、前向き研究、臨床試験、および通常の臨床業務に関して、DLBをブロードベース(broad-based)でスクリーニングするための、感度および特異度が高く、時間効率が良くかつコスト効果の高い多段階型のアプローチをもたらすのに有望である。
本発明を限定するものではなく、説明のためであるが、該アプローチの精度は、異なる全体的プロファイルに直接的に起因するものであり、これは高度なSVM解析を用いて取得される。具体的には、図7および8から理解することができるように、変数重要度プロットは、段階1と段階2とで異なる。したがって、シヌクレイノパチーに起因する神経変性疾患、および利用可能なプロテオミクスの数の複雑性を活用することにより、本発明者らは、バイオインフォマティクスプロファイルを生成することができる。変数重要度プロット(図7および8)を検討してみると、DLB/PDを対照から判別するための全体的プロファイルは、DLBをPDから判別するためのプロファイルとは異なっていた。DLB/PDを対照から判別するためのマーカーの最上位10種は、以下のものであった:年齢、sVCAM1、IL5、B2M、IL6、IL1、アディポ、エオタキシン、MIP1、およびIL10。バイオマーカーの最上位4種はsVCAM1、IL5、B2M、IL6であり、それらにIL1、アディポ、エオタキシン、MIP1、およびIL10が順に続いた。驚くことでないが、両方のモデルにおいて、変数の最上位は年齢であった。しかしながら、このプロファイルにおけるタンパク質の最上位2種は、DLBをPDから判別するためのプロファイルにおける、最下位の2種であった。実際、年齢、B2M、IL6、アディポネクチン、およびエオタキシンのみが、アルゴリズムの最上位10種のマーカーにおいてオーバーラップしていた(最上位10種のうち5種)。全体的に見て、プロファイルは、炎症性、代謝機能不全、および血管機能不全の混合であったが、カテゴリー間で異なるレベルであった。本発明者らは、PDおよび対照と比較して、ADプロファイルが高度に炎症性の性質であることを見出した。実際、ダウン症候群を有する成人におけるADもまた、高度に炎症性の性質である。したがって、この研究において示される、疾患同士でオーバーラップする病理学的プロセスは確かに存在しているが、プロファイルはカテゴリー同士で異なる。先の研究は、多数の神経変性疾患にわたる、ある範囲の生物学的機能不全が存在することを証明している。タウおよびAβがDLBに存在する場合、それらは、ADにおいて典型的に観察されるものよりもはるかに低い密度で存在する傾向がある。最近の研究は、DLBにおいて、α-シヌクレインが、単独で、かつタウおよびAβと相乗的に、罹患期間の重要な予測因子であることを示した [Ferman et al., 2018]。α-シヌクレイン、アミロイド、およびタウ病変の異なるレベルに起因する、生物学的機能不全の異なるレベルを、本明細書におけるプロテオミクスプロファイルが検知することは可能である。これらの全体的なプロテオミクスプロファイルの病理学的関連性を解明するには、さらなる研究が必要である。
本明細書において上に示されるように、本発明者らは、コホート、種(ヒト、マウス)、および組織(血清、血漿、脳)にわたって、ADを検出するためのプロテオミクスシグネチャーを生成および検証した [26, 28, 29, 32]。続いて本発明者らは、血液ベースのバイオマーカーを用いて、プライマリーケアクリニックにおいて開始される、神経変性疾患を検出するための、多段階型の神経学的診断プロセスを提唱した [29, 30]、これは現在、プライマリーケア環境において前向き研究が行われている(すなわち、プライマリーケアにおけるアルツハイマー病(Alzheimer's Disease in Primary Care)[ADPC]試験)。本発明者らはまた、本発明者らの多タンパク質アルゴリズムアプローチが、ADをPDから判別することができる [32]とともに、対照を「神経変性疾患」(すなわち、AD、PD、DLB、ダウン症候群)から判別することができる [29]ことをも証明している。ADと比較してみると、シヌクレイノパチープロファイル、およびDLB 対 PDプロファイルは、ADプロファイルとは異なっている。多マーカー型で多段階型のプロファイルが、DLBおよびPDをADから判別することもできる、との見解を裏付けるために、追加の予備的な解析が、本明細書において提供された。試料のサイズを考慮すると、これらの結果は予備的なものではあるが、さらなる研究を強固に支援するものである。したがって、本研究が、多数の神経変性疾患にわたって疾患特異的プロファイルを考慮に入れた、大規模な多レベルのプロテオミクスバイオインフォマティクスモデルのための土台を作るものである点で、この研究は、神経変性疾患を検出する血液バイオマーカーの分野における大きな前進である。本チームは現在、このモデルを試験するために、病態間にわたって多数の試料をアッセイしている。
実施例3. パーキンソン病に関する2段階プロテオミクスシグネチャー
次に本発明者らは、アルツハイマー病を検出するためのプロテオミクスプロファイルアプローチが、パーキンソン病(PD)を検出し得ること、および該アプローチが、PDを、本明細書において上述される他の神経変性疾患から区別し得ることを、さらに検証することを試みた。
血漿試料は、ハーバードバイオマーカースタディ(Harvard Biomarkers Study)の150名の患者(PDはn = 50;他の神経変性疾患はn = 50;健康な対照はn = 50)から、電気化学発光およびSimoaプラットフォームを用いてアッセイされた。
第1の段階のプロテオミクスプロファイルは、0.94の診断精度で、神経変性疾患を対照から区別した。第2の段階のプロファイルは、0.98の診断精度で、PD症例を他の神経変性疾患から区別した。プロテオミクスプロファイルは段階1と段階2とで異なっていたが、これは、神経変性疾患を検出および該疾患間を区別するための多段階型のプロテオミクスプロファイルアルゴリズムが最適であり得ることを示唆する。
この実施例は、神経変性疾患を有する個体を検出し、そして次にPDを他の神経変性疾患から区別するための、多段階型の血液ベースのプロテオミクススクリーニング方法の有用性を、証明する。
パーキンソン病(PD)は、米国において65歳以上の人々の1%超に影響を及ぼす、2番目に多い神経変性疾患である[1]。PDが社会にもたらすコストは米国において年間230億ドルであると、2005年に報告されている [2]。この10年の間に、米国の高齢人口が推定で15%増加したことを考慮すると、人口が高齢化するにしたがって、これらのコストは劇的に増加すると予想され得る。神経病理学的にはPDは、複数の神経伝達系に影響を及ぼす未知の原因による、進行性の障害である。該疾患の一般的な非運動症状は、自律神経不全、尿失禁、幻覚、および認知症を含む [3]。「ドパミン欠乏」を改善するためのいくつかの治療法が開発されているが、黒質ニューロンのニューロン変性を遅らせることが証明されている治療法は無い。新しい疾患修飾療法(DMT)を用いる新規な治療アプローチが必要とされており、これは現在、患者のアウトカムを最終的に改善し得る点について試験されている。
神経変性疾患についての療法開発および臨床試験に対する主な障害は、高感度で容易に入手できる、疾患の存在についてのバイオマーカーの、欠如である [4-8]。PDにおいて新規なDMTを開発するための「礎石」は、疾患の存在および進行のバイオマーカーの、識別および検証である [9]。ここ数10年間にわたって、神経変性疾患の診断上および予測上の有用性を有するバイオマーカーの検索は、指数関数的に増大してきており [5, 10, 11]、研究の大多数は、ニューロイメージングの手法および脳脊髄的(CSF)手法(CSF) [5, 10-14]に焦点を合わせており、かつ臨床遺伝学的アルゴリズムも増大している [15, 16]。実際、Aβ PETスキャニングのトレーサー、およびCSFアッセイは、アルツハイマー病(AD)についての診断プロセスにおける使用が、食品医薬品局(FDA)によって承認されており、かつドパミントランスポーター単一光子放射CT[DaT-SPECT][17]が、PDに関して確立している。最近の研究は、CSFマーカーもまた、神経変性疾患を区別する診断において有用であり得ることを示唆している [18]。高度なイメージングおよびCSFの手法は、PDおよび他の神経変性疾患のバイオマーカーとして巨大な潜在性を有しているが、それらを初回の検出手順として利用することは、侵襲性、入手容易性、およびコスト障壁が阻んでいる [6, 7, 19, 20]。したがって、血液ベースの方法は、さらなる調査を必要としており [21-23]、かつがんにおいて使用されるモデル [24]と同様に、多段階型検出プロセスにおける最初の段階として役立ち得る [6, 19]旨が、提唱されている。
PDのための血液ベースのバイオマーカーの検索は急増している [25-27]。血液ベースのバイオマーカーは、プライマリーケア環境での大規模スクリーニングにおいて使用される神経学的診断プロセスの、初めの段階として [19]、および新規な臨床試験に向けたスクリーニングとして、役立ち得る潜在性を有しており、後者は、臨床試験それ自体全体の、実質的なコスト削減をもたらす。初回のスクリーニング検査のすべての事例でそうであるように、最初の段階の目標は、より高価かつ侵襲性の確認診断手順を受けさせるべきではないそれら患者を、スクリーニングで除外することである [19]。これは、規制および償還の両方の承認を受けている、がんバイオマーカーによって利用されているものと同じモデルである [24]。アルツハイマー病(AD)についての血液ベースのバイオマーカーに関する本発明者らの研究は、疾患の存在のバイオマーカープロファイルを識別する多マーカーアプローチが、優れた結果をもたらすことができることを、一貫して示している [28-30]。この血液ベースのバイオマーカープロファイルアプローチは、PDを含む神経変性疾患を検出するための、迅速にスケール変更可能な多段階型の神経学的診断プロセスを確立するための、コスト効果が高くかつ時間効率の良い方法 [19, 31]を、提供する。この初回のスクリーニングアプローチを用いて、がんを診断するために使用される多段階型モデル [24]のように、その後に続く専門的検査(specialty exanimation)、および確認診断バイオマーカー(イメージング、CSF)のために、適切な紹介がなされ得る。
この実施例は、本明細書において上述される、ADを検出するための、検証済みのプロテオミクスプロファイルアプローチ [31, 32]を発展させるものであり、これは、(1) 神経変性疾患を成功裏に検出し(PDおよび他の神経変性疾患 対 対照)、かつ(2) PDを他の神経変性疾患から成功裏に判別する。この試験は、ハーバードバイオマーカースタディ(HBS)からの血漿試料を検査することによって実施された。
対象。試験試料は、ハーバードバイオマーカースタディ(HBS)からの150名の患者(PDはn = 50;他の神経変性疾患はn = 50、対照はn = 50)を含んでいた。他の神経変性疾患のカテゴリーは、AD(n = 12)、前頭側頭型認知症(FTD、n = 25)、進行性核上性麻痺(n = 7)、および大脳皮質基底核変性症(n = 6)を含んでいた(表10を参照されたい)。HBSは臨床的表現型を追跡する縦断的な症例対照研究であり、かつ神経変性疾患を有する個体、および神経学的疾患を有さない対照の、連続した生物検体である。高品質な生物試料、および高解像度の臨床的表現型が、経時的かつ縦断的に追跡される。HBSは、疾患進行を追跡し、かつ第II相臨床試験を進める/進めない決定を可能にするバイオマーカーを開発することを最初の目標として、計画された。HBSは、神経変性疾患全体にわたる研究、たとえば本明細書に記載される概念実証研究などを、特に育成している。HBSに関しては、広く文献が発行されている [15, 33-40]。
(表10)試料の記述的特徴
Figure 2022521501000012
プロテオミクス。血漿試料は、2種の技術プラットフォームを用いてアッセイされた。プロテオミクスアッセイは、2種の自動化システムを用いて実施された。本明細書における研究での電気化学発光(ECL)アッセイは、以前に検証されたAD血液スクリーニング法であり、これは、Hamilton Robotics StarPlusシステムを用いて自動化により調製されたアッセイ調製物を用いて、Meso Scale DiscoveryのマルチプレックスプラットフォームであるQuickPlexにより、捕捉するものであった。本発明者らは、複数のコホートおよび複数の診断(正常認知、MCI、AD)にわたる>1,300件の試料に関して、これらのマーカーのそれぞれについてこの解析パフォーマンスを検討した。結果は、該アッセイが信頼性を有することを示すものであり、かつ、これらのアッセイを用いた本発明者らの経験は、優れた添加回収率、希釈直線性、変動係数、および検出限界を示す。アッセイ間およびアッセイ内の変動性は、優れたものであった。全量250 μlの血漿が、以下のマーカーをアッセイするために利用された:脂肪酸結合タンパク質、β2-ミクログロブリン、膵臓ポリペプチド、CRP、CAM-1、トロンボポエチン、α2-マクログロブリン、エキソタキシン3(exotaxin 3)、腫瘍壊死因子α、テネイシンC、インターロイキン(IL)-5、IL6、IL7、IL10、IL18、I309、第VII因子、VCAM 1、TARC、SAA。自動化を用いた、本発明者らの研究室での>1,000件の試料におけるこれらのアッセイについての平均CVは、優れたものであり、ほぼすべてが<10%のCVを有しており、かつ62%が<5%のCVを有していた。神経変性疾患における神経病理学的マーカーのうちの超高感度な血液ベースのマーカーを検査する文献が最近急増していることを考慮して、本明細書においては、Aβ40、Aβ42、タウ、α-シヌクレイン、およびNfLについてのSimoaアッセイが、Quanterixの自動化されたHD-1アナライザーを用いて実施された。本発明者らの研究室における、>1,000個の試料からのアッセイのパフォーマンスは優れたものであり、すべてCV <= 5%を有していた。
プロテオミクスプロファイル。本明細書において上に示されるように、本発明者らは、プラットフォーム [28, 32]、コホート [28, 30, 31, 41, 42]、種(ヒト、マウス) [32]、組織(脳、血清、血漿) [32]、および民族性(非ヒスパニック系白人、メキシコ系アメリカ人) [28, 43]にわたって、ADプロテオミクスプロファイルを生成および交差検証した。固定化された参照コホート(locked-down referent cohort)は、AD血液スクリーニング(AD Blood Screen) [31]の前向き適用のために作られたものであり、かつ該AD血液スクリーニングは、プライマリーケアにおけるADについての血液スクリーニング法として、現在公に前向き研究が行われている(プライマリーケアにおけるアルツハイマー病[ADPC]試験;R01AG058537)。該先の研究において、本発明者らはまた、本発明者らのプロテオミクスプロファイルが、人口統計上の因子のみよりも優れたパフォーマンスを示すことを確実にするため、かつ容易に入手できる単純な人口統計上の特徴を、何らかの形でアルゴリズムに追加し得るかどうかを決定するため、プロテオミクスプロファイルに対する人口統計上の因子(年齢、性別、教育歴)の影響も検査した。本明細書において、本発明者らは、発見段階から開始される、上述のものと同じアプローチを利用した。具体的には、本発明者らは、本発明者らのAD血液検査アルゴリズムにおいて使用されるのと同じタンパク質被検体が、PDの検出に関して同じ感度および特異度を達成できるかどうかを決定するために、上述の研究を発展させることを試みた。
統計学的解析。統計学的解析は、R(V 3.3.3)統計ソフトウェア [44]、およびSPSS 24(IBM)を用いて実施された。診断精度は、受信者操作特性(ROC)曲線によって算定された。最初にSVM解析は、対照を神経変性疾患(すなわちPD/他)から判別するために利用され、結果として診断精度の統計値が生成された(段階1)。次にSVM解析は、PDと他の神経変性疾患の対比のみに限定された(段階2)。SVM解析は、内部の5重の交差検証を用いて実施された。上述の研究において、全体的なプロテオミクスプロファイルは、異なる神経変性疾患の間で変化する。したがって、これらの差異を活用して精度を増加させ、そしてまた、アルゴリズム全体をより堅固にすることを可能にし、かつ同時の多レベルの解析を回避することを可能にするために、2段階アプローチが使用された。後者は、誤り、および試料の過剰識別のリスクを減少させる。
試料の記述統計は表10に提供される。試料の平均年齢は71.37歳(SD = 9.9)であった。3つの群すべてにわたって、男性と女性は同数であった。分散分析は、パーキンソン病群、健康な対照群、および他の神経変性障害群の間で、有意な年齢の差異は存在しないことを示した(F(2,147) = 2.04、p = .13)。ミニメンタルステート検査(MMSE)のスコアにおいては、3つの群の間で有意な群の差異が存在していた(F(2,118) = 39.9、p =.< .001)。テューキーHSD事後解析は、パーキンソン病の参加者(M = 26.5、SD = 3.7)が、健康な対照(M = 29.2、SD = 1.6)よりも有意に低いスコアを有するが、他の神経変性疾患を有する参加者(M = 20.4、SD = 6.7)よりもよりも有意に高いスコアを有することを明らかにした。
段階1において、SVMベースのプロテオミクスプロファイルは、神経変性疾患(PDおよび他)の、正常対照と比較しての検出において、高度に正確であった。全体AUCは0.94であり、観察された感度(SN)は0.92、かつ特異度(SP)は0.65であった。表11は正確な予測および不正確な予測のすべてを示し、一方で変数重要度プロットおよびROC曲線は図1に示される。人口統計上の因子を包含させても、AUCに有意な変化は無かった。
(表11)神経変性疾患の検出における、段階1の精度
Figure 2022521501000013
段階2においても、全体的SVMプロテオミクスプロファイルは、PDの他の神経変性疾患からの区別において優れた精度を示した。このモデルにおいて、AUCは0.98であり、SN = 0.94であり、かつSP = 0.89であった。表3はすべてのクラス分類(正確および不正確)を示し、一方で変数重要度プロットおよびROC曲線は図10に示される。人口統計上の因子を包含させても、AUCに有意な変化は無かった。
(表12)PDを他の神経変性疾患から区別するためのプロテオミクスプロファイルの、クラス分類精度
Figure 2022521501000014
変数重要度プロット(図9および10)を検討してみると、上述の事例においてそうであったように、PD/他の神経変性疾患を対照から判別するための全体的プロファイルは、PDを他の神経変性疾患から判別するためのプロファイルとは異なっていた。神経変性疾患を対照から判別するためのマーカーの最上位10種は、以下のものであった:NFL、PPY、FABP3、IL18、IL7、TARC、TPO、α-syn、エオタキシン3、およびIL5。しかしながら、PDを他の神経変性疾患から判別するための変数の最上位10種は、ICAM1、VCAM1、Aβ42、B2M、テネイシンC、Aβ40、TNF-α、PPY、TARC、およびIL6であった。
図11は、pdを他の神経変性疾患から区別するためのプロテオミクスプロファイルについての、サポートベクターマシン(SVM)重要度スコアを示す。グラフには年齢および性別が含まれるが、これらは、本発明とともに使用するためのバイオマーカーの一部というわけではない。これらの結果において最も重要なマーカーは、以下である:SAA、IL6、IL10、およびsICAM1。この解析において、これらはバイオマーカーの最上位4種である。1種または複数種の追加のバイオマーカーもまた、評価に使用され得、これは以下の順である:I309、IL5、sVCAM1、TARC、TNFa、PPY、エオタキシン3、IL7、A2M、CRP、B2M、IL18、TPO、FABP3、第VII因子、およびテネイシンC。同じ解析が、図のそれぞれに適用される。バイオマーカーの最初の4種を、初回の決定を得るために使用することができる。該決定のさらなる精緻化は、グラフ上の1種または複数種の追加のバイオマーカーのそれぞれを追加することによって提供され得、グラフにおいて提供される、上位から下位への順は、決定における優先性および/またはより大きな影響を有する。
本研究は、ADに関して本明細書に示される結果を発展させ、これは以下を用いる;(1) 本発明者らのADプロテオミクスアルゴリズム、(2) Simoaアッセイのみ、および(3) この試料において、PDをADから判別するために、そしてPDを対照から判別するために組み合わせられた、全マーカー。PD 対 ADに関し、Simoaアッセイ単独では、1.0という優れたSNをもたらしたものの、SPはわずか0.25であった。その一方で、本発明者らの標準的なECLプロテオミクスプロファイル(本明細書において上述される);は、優れたバランスのSN(同様に1.0)およびSP(0.75)をもたらした。Simoaアッセイが、本発明者らの標準的なECLプロテオミクスパネルと組み合わせられた場合、SPは0.80へとわずかに増加した。PDを対照から区別する場合、SimoaアッセイはSN = 0.74、およびSP = 0.83をもたらした。本発明者らの標準的なECLプロファイルは、SN = 0.92、およびSP = 0.90という改善をもたらした。本発明者らのECL、およびSimoaアッセイが組み合わせられたアルゴリズムは、SPを0.94に増加させた。
本試験は、本発明のプロテオミクスプロファイルアプローチが、PDを検出するために適用され得ること、およびPDを他の神経変性疾患から区別するために適用され得ることを、さらに証明する。神経変性疾患 対 対照の検出において、この試験のAUCは0.94であり、観察されたSNは0.92、かつSPは0.65であった。PDを他の神経変性疾患から区別する場合、全体精度は、AUC = 0.98、SN = 0.94、およびSP = 0.89へと改善された。
これらのマーカーのいくつかが、PDと関連するものとして識別されることが予想される。たとえば、複数の炎症性マーカー、たとえばTNFαおよびIL6などは、以前にPDと関連付けられており [45]、かつ炎症は、PDを有する個人における運動介入の後で改善することが示されている [46, 47]。Mollenhauerらは、対照と比較して、PDおよびレビー小体型認知症(DLB)においては、FABPが差異を有して発現していることを見出しており [48]、かつ本発明者らの先の研究において、FABPは、PDをADから判別するマーカーの最上位10種に含まれていた(上述)。Scherzerおよび共同研究者ら [40]は、PDにおける、パーキンソン病遺伝子であるα-シヌクレイン(SNCA)の差異のある発現を見出し、かつPDにおける認知低下が、SNCA転写物の低い存在量から長期的に予測されることを見出した [40]。したがって、これらのマーカーがPDで変化していることについての根本的理由を裏付ける、相当な量の文献が存在する。しかしながら先の研究は、本明細書において開示される特異度および感度を達成していない。
これらの推定SNおよびSPを、特定のコンテキストオブユース(COU)に関連する観点から大局的にとらえることが重要である。第一選択スクリーニングツールはすべて、疾患を除外するように設計されており、集団で疾患が存在する基準率を考慮して、疾患を含めているわけではない。したがって、65歳以上の人々の集団において、神経変性疾患の基準率を20%と仮定すると、適切な算定のためにベイズ統計学を用いて、SN = 0.92、およびSP = 0.64は、0.97の陰性適中率とともに0.39の陽性適中率をもたらし得る。これは、特定の患者が、腰椎穿刺や、PETスキャンや、追加の臨床評価を受けるべきでないと97%の確率で言えるほどに、試験が正確であり得ることを意味し、それにより、実質的に減少したコストで大規模なスクリーニングを行うことを可能にする。実施例1において、本発明者らのグループは、ADの臨床試験に関する同種の算定を示す。
この研究はまた、他のプロテオミクスマーカーとともに、アミロイド、タウ、α-シヌクレイン、およびNfLについての新しく設計された超高感度なアッセイを実施した場合の新規なデータを提供する。本明細書で上に教示された研究においては、ADおよびPDの両方の検出において、アルゴリズムは高度に正確であった。本明細書において、独立したコホート(HBS)においてPDを検出するためのアプローチの精度をさらに交差検証する。加えて本発明者らは、これらの新しいマーカーを追加すると、精度が増加することを証明する。一方で、かつ驚くべきことに、これらの新しいマーカーは、PDを検出する場合においても、PDをADのみから区別する場合においても、非常に正確というわけではなかった。両方のアプローチによって得られた1.0というSNは、試料サイズのアーティファクトの可能性があり、かつより大きい試料においては保持されないであろう。
全体的に見て、これらの結果は、本明細書に教示されるプロテオミクスプロファイルを実証かつ検証する。非限定的な一例において、本発明は、患者のアウトカムを改善するための新規な臨床試験の利用可能性(コストもさらに含む)を合理化しかつ増加させることのできる、迅速にスケール変更可能なツール(または該ツールの複数)を、臨床医および企業に提供する。本発明は、わずか4種のバイオマーカーから、神経変性疾患のプロファイルの迅速な識別を可能にするものであり、続くバイオマーカーの1種または複数種を追加することによって、感度が増加する。さらに、追加のバイオマーカーがそれぞれ、解析の特異度および/または感度を増加させ得ることを、当業者は図面から理解するであろう。いくつかの場合においては、次のバイオマーカーは、必ずしも順に使用しなくてもよく、むしろ、リストから選択される追加のバイオマーカーの任意のものを、任意の組み合わせおよび個数で、(最初の4種の後に)含有させることができる。加えて、バイオマーカーの分野における当業者に公知であるように、他の因子、たとえば年齢および/または性別などもまた、解析に追加することができる。いくつかの場合においては、正常な細胞における発現と比較した場合に、または状況に応じて、別の神経変性疾患における発現と比較され得る場合に、バイオマーカーの発現が増大または低下し得ることもまた、バイオマーカーの分野における当業者に公知である。本明細書における教示に基づく、バイオマーカーの相対的発現解析は、過度な実験無しに当業者に理解されるであろう。
本発明の特別な技術的効果は、たとえば患者の後ろ向き解析から得られる、新規なバイオマーカーの識別および使用であり、ここで、該患者に関してその生物学的試料が、神経学的疾患を有する前に得られており、それに続いて、疾患のその後の発症と関係付けられ、それから、以前に得られていたものよりも高い特異度および/または感度を有する新規なバイオマーカーが識別されている。この解析は、プライマリーケア環境においてなされ得、これは、神経学的分野における専門家であってもそうでなくてもよい医療従事者との、最初の接触であるが、ここから患者を、初めて識別された神経学的疾患に基づいて、専門家の元へと向かわせることができる。本発明の別の特別な技術的効果は、したがって、できるだけ早い時期に、正確な処置を開始すること(または特定の神経学的疾患に禁忌である処置を回避すること)を可能にしていることである。さらに別の特別な技術的効果は、高価な手順(CAT、MRI、もしくは他の非侵襲性スキャン)や、たとえば神経学的バイオプシーを得ることなどの、侵襲性の手順や、またはそれらの両方を必要とすること無しに、可能性のある疾患の、堅固な初回の識別を利用可能にしていること、およびプライマリーケア環境においてそれを利用可能にしていることである。
本明細書において論じられる態様はいずれも、本発明のいかなる方法、キット、試薬、または組成物に関しても実施されることができ、かつ逆もまた同様であることが、企図される。さらに、本発明の組成物は、本発明の方法を実行するために使用され得る。
本明細書に記載される特定の態様は、例証のために示されているのであって、かつ本発明を限定するものとして示されているのではないことが、理解される。本発明の主要な特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、さまざまな態様において利用することができる。当業者は、本明細書に記載される具体的な手順の同等物を多数認識するであろう、または当業者は、通常実施している程度の実験法を用いて、それら同等物を確認することができるであろう。そのような同等物は、本発明の範囲内であるとみなされ、かつ特許請求の範囲に包含される。
本明細書において言及されるすべての刊行物および特許出願は、本発明が関連する技術分野の当業者のレベルを示す。すべての刊行物および特許出願は、個々の刊行物または特許出願がそれぞれ、参照により組み入れられるように具体的にかつ個々に示された場合と同程度に、参照により本明細書に組み入れられる。
特許請求の範囲および/または明細書において、「含む」との用語とともに用いられる場合の「1つ(a)」または「1つ(an)」との単語の使用は、「1つ」を意味し得るが、「1つまたは複数」、「少なくとも1つ」、および「1つ以上」の意味とも矛盾しない。特許請求の範囲における「または」との用語の使用は、選択肢のみを指すことが明確に指定されているか、または選択肢が相互排他的である場合を除き、「および/または」を意図するために使用されるが、本開示は、選択肢のみ、ならびに「および/または」を指す定義を裏付けるものである。本出願の全体を通して、「約」との用語は、装置の誤差や、値を決定する為に利用される方法の誤差の、元々備わっている変動性、または試験の対象間に存在する変動性を、値が含むことを示すために使用される。
本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、「含む(comprising)」との単語(および含む(comprising)の任意の形、たとえば「含む(comprise)」および「含む(comprises)」など)、「有する(having)」との単語(および有する(having)の任意の形、たとえば「有する(have)」および「有する(has)」など)、「含む(including)」との単語(および含む(including)の任意の形、たとえば「含む(includes)」および「含む(include)」など)、または「含む(containing)」との単語(および含む(containing)の任意の形、たとえば「含む(contains)」および「含む(contain)」など)は、包括的であるかまたはオープンエンド型であり、かつ、列挙されていない追加の要素や方法の段階を除外するものではない。
「またはそれらの組み合わせ」との用語は、本明細書において使用される場合、該用語に先行して列挙された項目の、すべての順列および組み合わせを指す。たとえば、「A、B、C、またはそれらの組み合わせ」とは、A、B、C、AB、AC、BC、またはABCのうちの少なくとも1つを含むことが意図され、かつ、特定の文脈において順が重要である場合には、BA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC、またはCABをも含むことが意図される。この例の続きとして、項目または用語の1つもしくは複数の反復を含む組み合わせも、たとえば、BB、AAA、AB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABBなども、明示的に包含される。文脈から他の意図が明らかでない限り、典型的には、いかなる組み合わせにおいても項目または用語の数に制限は無いことを、当業者は理解している。ある態様において、本発明はまた、「から本質的になる」または「からなる」との移行句もまた使用され得る方法および組成物をも含み得る。
本明細書において使用される場合、近似値の単語、たとえば、限定するものではないが、「約」、「実質的」、または「実質的に」などは、それらの語で修飾されたある状態が、必ずしも絶対的なものまたは完全なものではないと理解されるが、指定された状態が存在すると認められるのに十分に近いと当業者にみなされ得る、状態を指す。該表現が変動し得る範囲は、どれほど大きな変化がなされ得るかに応じて変わり得、かつ、該修飾された特徴が、要求されるとおりの特徴をいまだに有しており、かつ未修飾の特徴の能力をいまだに有していることを、依然として当業者に認めさせ得る。一般的には、しかし前述の議論の対象としては、近似値の単語、たとえば「約」などによって修飾される、本明細書における数値は、指定された値から、少なくとも±1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または15%変動し得る。
本開示から見て、本明細書において開示され、そして特許請求される組成物および/または方法のすべては、過度な実験無しに作製することができ、かつ実施することができる。本発明の組成物および方法は、好ましい態様に関して説明されているが、本発明の概念、精神、および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される組成物および/または方法に変化を付け得ること、ならびに本明細書に記載される方法の段階または一連の段階に変化を付け得ることは、当業者には明らかである。当業者に明らかであるそのような類似の置換および改変のすべては、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の精神内、範囲内、および概念内であるとみなされる。
参考文献 - 実施例1
Figure 2022521501000015
Figure 2022521501000016
Figure 2022521501000017
Figure 2022521501000018
Figure 2022521501000019
参考文献 - 実施例2
Figure 2022521501000020
Figure 2022521501000021
Figure 2022521501000022
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参考文献 - 実施例3
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Claims (37)

  1. プライマリーケア環境内でバイオマーカーを検出するための方法であって、以下の段階を含む、方法:
    プライマリーケア環境において、神経学的疾患を有するヒト対象から分離された試料中の、IL1、IL7、TNFα、IL5、IL6、CRP、IL10、TNC、ICAM1、FVII、I309、TNFR1、A2M、TARC、アディポネクチン、MIP1、エオタキシン3、sVCAM1、TPO、FABP、IL18、B2M、SAA、PPY、DJ1、およびα-シヌクレインから選択される4種以上のバイオマーカーのレベルを、核酸、イムノアッセイ、または酵素活性アッセイを用いて測定する段階。
  2. 神経学的疾患が、アルツハイマー病、パーキンソン病、ダウン症候群、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 神経学的疾患が、アルツハイマー病またはパーキンソン病からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 神経学的疾患が、アルツハイマー病またはレビー小体型認知症からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  5. 神経学的疾患が、パーキンソン病またはレビー小体型認知症からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  6. 神経学的疾患が、アルツハイマー病、パーキンソン病、またはレビー小体型認知症からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  7. 神経学的疾患の、5、6、7、8、9、10、11、12、または13種のバイオマーカーを検出する、請求項1に記載の方法。
  8. 試料が血清または血漿である、請求項1に記載の方法。
  9. 以下のパラメーター:
    患者の年齢、および
    神経認知スクリーニング検査
    を得る段階をさらに含み、
    神経学的疾患または神経学的障害を有さない対照の対象と比較してのアルツハイマー病の決定に関して、プライマリーケア環境において、血清ベースの2種以上のマーカーの組み合わせ、年齢、および神経認知スクリーニング検査)が、少なくとも90%正確である、
    請求項1に記載の方法。
  10. レビー小体型認知症を他の神経変性疾患から識別するためのプロファイルが、sVCAM1、IL5、B2M、およびIL6を含み、かつ該プロファイルが、IL1、アディポネキシン(adiponexin)、エオタキシン、MIP1、およびIL10から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る、請求項9に記載の方法。
  11. パーキンソン病を他の神経変性疾患から識別するためのプロファイルが、ICAM1、VCAM1、Aβ42、およびB2Mを含み、かつ該プロファイルが、テネイシンC、Aβ40、TNF-α、PPY、TARC、およびIL6から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る、請求項9に記載の方法。
  12. パーキンソン病を陰性対照から識別するためのプロファイルが、NFL、PPY、FABP3、およびIL18を含み、かつ該プロファイルが、IL7、TARC、TPO、α-syn、エオタキシン3、およびIL5から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る、請求項9に記載の方法。
  13. 核酸、イムノアッセイ、または酵素活性アッセイによって識別される発現のレベルが、蛍光検出、化学発光検出、電気化学発光検出およびパターン化アレイ、逆転写酵素-ポリメラーゼ連鎖反応、抗体結合、蛍光活性化ソーティング、検出可能なビーズによるソーティング、抗体アレイ、マイクロアレイ、酵素アレイ、受容体結合アレイ、対立遺伝子特異的プライマー伸長法、標的特異的プライマー伸長法、固相結合アレイ、液相結合アレイ、蛍光共鳴移動、または放射性標識法から選択される、請求項1に記載の方法。
  14. 94、95、96、97、98、99、もしくは100%の全体精度(感度(SN)、特異度(SP)は(SN = 0.94、SP = 0.83))で、軽度AD(CDRグローバルスコア <= 1.0))、または
    91、92、93、94、95、96、97、98、99、もしくは100%の全体精度(SN = 0.97、SP = 0.72)で、超早期AD(CDRグローバルスコア = 0.5)
    の少なくとも1つをスクリーニングするために使用される、請求項1に記載の方法。
  15. プライマリー環境においてスクリーニングするために使用され、感度よりも高い特異度を使用し、
    特異度が0.97~1.0の範囲であり、かつ感度が0.80~1.0の範囲である、
    請求項1に記載の方法。
  16. 神経学的疾患を有するヒト患者におけるバイオマーカーを検出するための方法であって、以下の段階を含む、方法:
    プライマリーケア環境において、神経学的疾患を有するヒト対象から分離された試料における、試料中に含まれるタンパク質、および分子マーカーを、電気泳動によって分離することによって、IL7、TNFα、IL5、IL6、CRP、IL10、TNC、ICAM1、FVII、I309、TNFR1、A2M、TARC、エオタキシン3、VCAM1、TPO、FABP、IL18、B2M、SAA、PPY、DJ1、およびα-シヌクレインから選択される4種以上のタンパク質のレベルを検出する段階;
    分離されたタンパク質を、IL7、TNFα、IL5、IL6、CRP、IL10、TNC、ICAM1、FVII、I309、TNFR1、A2M、TARC、エオタキシン3、VCAM1、TPO、FABP、IL18、B2M、SAA、PPY、DJ1、およびα-シヌクレインから選択される4種以上のタンパク質にそれぞれ特異的に結合する4種以上の抗体と接触させ、そしてその後、二次抗体と接触させる段階;ならびに次に、
    分子量マーカーに照らして、IL7、TNFα、IL5、IL6、CRP、IL10、TNC、ICAM1、FVII、I309、TNFR1、A2M、TARC、エオタキシン3、VCAM1、TPO、FABP、IL18、B2M、SAA、PPY、DJ1、およびα-シヌクレインの存在を検出する段階。
  17. 二次抗体が、蛍光標識、化学発光標識、電気化学発光標識を含み、分離が、パターン化アレイ、抗体アレイ、蛍光共鳴移動標識、または放射性標識による、請求項16に記載の方法。
  18. 神経学的疾患が、アルツハイマー病、パーキンソン病、ダウン症候群、前頭側頭型認知症、レビー小体型認知症からなる群より選択される、請求項16に記載の方法。
  19. 神経学的疾患が、アルツハイマー病またはパーキンソン病からなる群より選択される、請求項16に記載の方法。
  20. 神経学的疾患が、アルツハイマー病またはレビー小体型認知症からなる群より選択される、請求項16に記載の方法。
  21. 神経学的疾患が、パーキンソン病またはレビー小体型認知症からなる群より選択される、請求項16に記載の方法。
  22. 神経学的疾患が、アルツハイマー病、パーキンソン病、またはレビー小体型認知症からなる群より選択される、請求項16に記載の方法。
  23. 神経学的疾患の、5、6、7、8、9、10、11、12、または13種のバイオマーカーを検出する、請求項16に記載の方法。
  24. 試料が血清または血漿である、請求項16に記載の方法。
  25. レビー小体型認知症を他の神経変性疾患から識別するためのプロファイルが、sVCAM1、IL5、B2M、およびIL6を含み、かつ該プロファイルが、IL1、アディポネキシン、エオタキシン、MIP1、およびIL10から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る、請求項16に記載の方法。
  26. パーキンソン病を他の神経変性疾患から識別するためのプロファイルが、ICAM1、VCAM1、Aβ42、およびB2Mを含み、かつ該プロファイルが、テネイシンC、Aβ40、TNF-α、PPY、TARC、およびIL6から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る、請求項16に記載の方法。
  27. パーキンソン病を陰性対照から識別するためのプロファイルが、NFL、PPY、FABP3、およびIL18を含み、かつ該プロファイルが、IL7、TARC、TPO、α-syn、エオタキシン3、およびIL5から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る、請求項16に記載の方法。
  28. プライマリー環境においてスクリーニングするために使用され、感度よりも高い特異度を使用し、
    特異度が0.97~1.0の範囲であり、かつ感度が0.80~1.0の範囲である、
    請求項16に記載の方法。
  29. 神経学的疾患を処置するのに有用であると考えられる候補薬物を評価する臨床試験のために、対象を選択する方法であって、以下の段階を含む、方法:
    プライマリーケア環境において、神経学的疾患を有するヒト対象から分離された試料中の、IL7、TNFα、IL5、IL6、CRP、IL10、TNC、ICAM1、FVII、I309、TNFR1、A2M、TARC、エオタキシン3、VCAM1、TPO、FABP、IL18、B2M、SAA、PPY、DJ1、およびα-シヌクレインから選択される4種以上のバイオマーカーのレベルを、核酸、イムノアッセイ、または酵素活性アッセイを用いて測定する段階;ならびに
    段階(a)から得られた、対象の神経変性疾患プロファイルの識別の結果に基づいて、対象が臨床試験に参加すべきかどうかを決定する段階であって、神経変性疾患プロファイルの場合、候補薬物が神経学的疾患を処置するのに有用である可能性がある場合のみに、対象が選択される、段階。
  30. 神経学的疾患に関する処置の効果を評価する方法であって、以下の段階を含む、方法:
    神経学的疾患に関して患者を処置する段階;
    プライマリーケア環境において、神経学的疾患を有するヒト対象から分離された試料中の、IL7、TNFα、IL5、IL6、CRP、IL10、TNC、ICAM1、FVII、I309、TNFR1、A2M、TARC、エオタキシン3、VCAM1、TPO、FABP、IL18、B2M、SAA、PPY、DJ1、およびα-シヌクレインから選択される4種以上のバイオマーカーのレベルを、核酸、イムノアッセイ、または酵素活性アッセイを用いて測定する段階;ならびに
    処置を受けていない患者の第2のサブセットにおいて生じる任意の減少と比較して、または患者から得られた以前の試料から、統計学的に有意に、該処置が、1種または複数種のバイオマーカーの発現を減少させるかどうかを決定する段階であって、統計学的に有意な減少が、該処置が神経学的疾患を処置するのに有用であることを示す、段階。
  31. 患者のプロファイルに最も整合する1つまたは複数の神経学的疾患プロファイルを決定する方法であって、以下の段階を含む、方法:
    (a) 患者のプロファイルと基準プロファイルのそれぞれとの間の類似度の程度を決定するために、1種または複数種の神経学的疾患を有することが疑われる患者からの血液試料におけるIL7、TNFα、IL5、IL6、CRP、IL10、TNC、ICAM1、FVII、I309、TNFR1、A2M、TARC、エオタキシン3、VCAM1、TPO、FABP、IL18、B2M、SAA、PPY、DJ1、および/またはα-シヌクレインの発現のレベルを、基準データベース中の基準プロファイルと、適切にプログラムされたコンピューター上で比較する段階;
    (b) 段階(a)において決定された類似度の程度のうちの最大の類似度に基づいて、患者のプロファイルに最も整合する、基準データベース中の基準プロファイルを、適切にプログラムされたコンピューター上で識別する段階;ならびに
    (c) 最大の類似度を、または
    患者のプロファイルに最も整合する、基準データベース中の基準プロファイルの疾患細胞試料の疾患を、
    ユーザーインターフェース装置、コンピューターで読み取り可能なストレージ媒体、またはローカルもしくはリモートのコンピューターシステムにアウトプットする、あるいは
    表示する段階。
  32. IL7、TNFα、IL5、IL6、CRP、IL10、TNC、ICAM1、FVII、I309、TNFR1、A2M、TARC、エオタキシン3、VCAM1、TPO、FABP、IL18、B2M、SAA、PPY、DJ1、および/またはα-シヌクレインから選択される1種または複数種のマーカーの発現のレベルを血液試料から決定する段階をさらに含む、請求項31に記載の方法。
  33. 神経学的疾患を区別するために、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13種のバイオマーカーを測定する段階をさらに含む、請求項31に記載の方法。
  34. 感度よりも高い特異度を使用して、プライマリー環境において患者をスクリーニングする段階をさらに含み、
    特異度が0.97~1.0の範囲であり、かつ感度が0.80~1.0の範囲である、
    請求項31に記載の方法。
  35. レビー小体型認知症を他の神経変性疾患から識別するための4種のバイオマーカーを使用する段階をさらに含み、sVCAM1、IL5、B2M、およびIL6を含み、かつIL1、アディポネキシン、エオタキシン、MIP1、およびIL10から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る、請求項31に記載の方法。
  36. パーキンソン病を他の神経変性疾患から識別するための4種のバイオマーカーを使用する段階をさらに含み、ICAM1、VCAM1、Aβ42、およびB2Mを含み、かつテネイシンC、Aβ40、TNF-α、PPY、TARC、およびIL6から選択される1種または複数種のバイオマーカーをさらに含み得る、請求項31に記載の方法。
  37. IL7、TNFα、IL5、およびIL6から選択される、アルツハイマー病を識別するための4種のバイオマーカーを使用する段階をさらに含む、請求項31に記載の方法。
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