JP2022520797A - 半導体処理における異常プラズマ事象の検出および軽減 - Google Patents

半導体処理における異常プラズマ事象の検出および軽減 Download PDF

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Abstract

【解決手段】特定の実施形態では、半導体処理チャンバ内での電気アークの形成を含み得る異常プラズマ事象を検出し、軽減することができる。特定の実施形態では、方法は、プラズマによって放出された光信号を検出することと、光信号を電圧信号に変換することと、調整された電圧信号を形成することとを含み得る。調整された電圧信号に関連する変化が閾値を超えるとの決定に応答して、チャンバに結合されたRF信号の出力電力は、調整することができる。このような調整は、チャンバ内で発生する異常プラズマ事象の形成を軽減することができる。【選択図】図1

Description

[参照による援用]
本出願の一部として、本明細書と同時にPCT出願願書が提出される。この同時出願されたPCT出願願書に明記され、本出願が利益または優先権を主張する各出願は、参照によりその全体があらゆる目的で本明細書に組み込まれる。
半導体処理では、製作チャンバでプラズマを使用することが頻繁にあり、このような動作中、プラズマを生成するために使用される電気的条件に応答して、異常プラズマ事象が発生する場合がある。異常プラズマ事象には、例えば、電気アークの形成、またはプロセスステーション内の2つ以上の局所プラズマ領域間の放電によって生成される他のタイプの可視事象が含まれ得る。異常プラズマ事象は、過度の加熱および/または過度の電流を引き起こし得、処理中の半導体ウエハに損傷を与えることがある。場合によっては、異常プラズマ事象は、半導体プロセスステーションへの損傷をもたらす場合がある。
一実施態様は、半導体処理チャンバ内の異常プラズマ事象を検出する方法を含み得る。そのような実施態様は、半導体処理チャンバ内のプラズマによって放出された光信号を検出することを含み得、プラズマは、RF発生器からのRF信号に応答して形成される。方法はまた、光信号を電圧信号に変換することと、電圧信号を調整して調整された電圧信号を形成することとを含むことができる。方法は、調整された電圧信号に関連する変化が閾値を超えるかどうかを決定することと、決定に少なくとも部分的に基づいて、RF発生器からのRF信号の出力パラメータを調整することとをさらに含むことができる。
特定の実施態様では、方法は、ローパスフィルタで電圧信号をフィルタリングすることによって、電圧信号を調整して調整された電圧信号を形成することを含んでもよい。調整された電圧に関連する変化が閾値を超えるかどうかを決定することは、調整された電圧信号への電圧信号の変化を比較することを含んでもよい。電圧信号を調整して調整された電圧信号を形成することは、オフセットを調整された電圧信号に適用することを含んでもよい。電圧信号を調整して調整された電圧信号を形成することは、電圧信号の一次導関数をとることを含んでもよい。RF発生器の出力パラメータの調整は、第1の電力レベルから第2の電力レベルにRF発生器の出力電力を下げることを含んでもよい。方法は、第1の電力レベルから第2の電力レベルにRF発生器の出力電力を下げた後、第1の期間にわたって第2の電力レベルにRF発生器の出力電力を維持することをさらに含んでもよい。方法はまた、維持することの後、第2の期間にわたって第2の電力レベルから第1の電力レベルにRF発生器の出力電力を上げることを含んでもよい。第2の電力レベルは、ゼロ以外の電力レベルにすることができる。あるいは、第2の電力レベルは、ゼロにすることができる。方法は、半導体処理チャンバ内の光強度またはプロセスパラメータに少なくとも部分的に基づいて、RF電力削減の第1の量を決定することと、第1の量だけRF発生器の出力電力レベルを削減することとをさらに含んでもよく、プロセスパラメータは、DC電力レベル、RFバイアス電力レベル、ステーション間のRF電力変動、周波数調節パラメータ、圧力、および温度からなる群から選択される1つまたは複数のプロセスパラメータを含んでもよい。
1つまたは複数の実施態様では、半導体処理ツールは、半導体処理チャンバを含むことができる。半導体処理ツールは、RF電力を半導体処理チャンバに提供してプラズマを生成および維持するように構成されたRF発生器を含むことができる。半導体処理ツールはまた、半導体処理チャンバ内のプラズマの発光を示す光信号を検出するように構成された光検出器を含み得る。光検出器は、傾斜変化検出ユニット(slope change detection unit)を利用して、光信号を電圧信号に変換するように構成することができる。半導体処理ツールはまた、電圧信号を受信することと、電圧信号を調整して調整された電圧信号を形成することとを含むことができる。半導体処理ツールは、調整された電圧信号に関連する変化が閾値を超えるかどうかを決定するように構成することができる。一実施態様では、決定に応答して、半導体処理ツールは、RF発生器に対する調整を引き起こすように構成された信号をRF発生器に送信することができる。
いくつかの実施態様では、半導体処理ツールは、半導体処理チャンバ上のレンズであって、半導体処理チャンバ内の光がレンズを通過することを可能にするように構成されたレンズをさらに含んでもよい。半導体処理ツールはまた、レンズと光検出器との間に光ファイバケーブルを含んでもよく、レンズを通過して光検出器に達する光の少なくとも一部を伝送するように構成されてもよい。半導体処理ツールの傾斜変化検出ユニットは、電圧信号をフィルタリングして電圧信号を調整された電圧信号に変換するフィルタをさらに含んでもよい。半導体処理ツールはまた、調整された電圧信号と電圧信号との間の変化を比較するコンパレータを含み得る。半導体処理ツールのコンパレータは、トランジスタ-トランジスタ論理(TTL)信号をRF発生器に送信するように構成されたTTLを含んでもよい。RF発生器は、傾斜変化検出ユニットからの信号を受信することに応答して、第1の電力レベルから第2の電力レベルにRF電力を削減するように構成されてもよい。傾斜変化検出ユニットは、電圧信号の導関数をとり、電圧信号を調整された電圧信号に変換するように構成された微分器を含んでもよい。半導体処理ツールはまた、調整された電圧信号の変化が閾値を超えるかどうかを決定するように構成されたコンパレータを含み得る。半導体処理ツールは、半導体処理チャンバと光検出器との間にあり、半導体処理チャンバ内のプラズマによって生成された光を透過して光検出器に達するように構成された光ファイバケーブルをさらに含んでもよい。光検出器は、RF発生器に電気的に接続されてもよく、半導体処理チャンバからの光信号は、半導体処理チャンバからRF発生器に供給される。光検出器および傾斜変化検出ユニットは、半導体処理チャンバの外側に位置決めされてもよい。あるいは、光検出器および傾斜変化検出ユニットは、半導体処理チャンバとRF発生器の間に位置決めさてもよい。光検出器および傾斜変化検出ユニットは、半導体処理チャンバ上に位置決めされてもよい。
特定の実施態様では、異常プラズマ事象を検出する方法は、RF発生器からの信号を利用してプラズマを形成することと、プラズマによって生成された変動する光信号を検出することとを含むことができる。検出する方法は、変動する光信号のスペクトル密度を計算することと、変動する光信号のスペクトル密度が、プラズマによって生成された変動する光信号の1つまたは複数の参照スペクトル密度と閾値量だけ異なることを決定することとを含むことができる。
特定の実施態様では、変動する光信号のスペクトル密度を計算することは、高速フーリエ変換(FFT)を利用してもよい。方法は、公称条件下で維持されたプラズマによって生成された変動する光信号のスペクトル密度に対応する変動する光信号の1つまたは複数の参照スペクトル密度を含んでもよい。閾値量は、公称条件下で維持されたプラズマからの変動する光信号のスペクトル密度に対する1つの標準偏差に対応し得る。閾値量は、公称条件下で維持されたプラズマからの変動する光信号のスペクトル密度に対する2つの標準偏差に対応し得る。変動する光信号のスペクトル密度は、約400kHzの周波数で変動する光信号のスペクトル密度を決定することを含んでもよい。変動する光信号のスペクトル密度を計算することは、約400kHz~約4MHzの周波数で変動する光信号のスペクトル密度を決定することを含んでもよい。変動する光信号のスペクトル密度を計算することは、1つまたは複数のRF発生器によって生成された複数の周波数で変動する光信号のスペクトル密度を決定することを含んでもよい。
特定の実施態様では、装置は、マルチステーション処理ツールから光信号を受信する光検出器からの出力信号を分析するように構成された信号プロセッサを含み得る。信号プロセッサは、半導体製作チャンバで形成されたプラズマによって生成された変動する光信号を検出し、変動する光信号のスペクトル密度を計算し、変動する光信号のスペクトル密度が、プラズマによって生成された変動する光信号の1つまたは複数の参照スペクトル密度と閾値量だけ異なることを決定するようにさらに適合させることができる。
特定の実施態様では、変動する光信号の1つまたは複数の参照スペクトル密度は、プラズマが公称条件下に維持されている間に計算されたスペクトル密度に対応し得る。閾値量は、公称条件下で維持されたプラズマからの変動する光信号のスペクトル密度に対する1つの標準偏差に対応し得る。あるいは、閾値量は、公称条件下で維持されたプラズマからの変動する光信号のスペクトル密度に対する2つの標準偏差に対応してもよい。変動する光信号のスペクトル密度は、約400kHzの周波数を有するRF信号がマルチステーション処理ツールに結合されている間に計算することができる。変動する光信号のスペクトル密度は、400kHz~4MHzの周波数での変動する光信号のスペクトル密度を決定するために計算されてもよい。変動する光信号のスペクトル密度は、マルチステーション処理ツールに結合されたRF信号の周波数で計算されてもよい。
本明細書に開示される様々な実施態様は、限定ではなく例示として添付の図面の図に示されており、類似の参照番号は、同様の要素を指す。
図1は、異常プラズマ事象検出装置の第1の例を図示する図である。
図2は、異常プラズマ事象を検出することが可能な第1の例示的な傾斜変化検出ユニットを図示する図である。
図3Aは、傾斜変化検出ユニットの例示的な検出応答を表す波形を図示する図である。 図3Bは、傾斜変化検出ユニットの例示的な検出応答を表す波形を図示する図である。
図4は、異常プラズマ事象を検出することが可能な例示的な電気回路の概略図である。
図5は、時間の関数として、製作チャンバのプロセスステーションに結合されたRF電力を表す波形を示す図である。
図6Aは、傾斜変化検出ユニットの信号出力と共にRF電力出力を表す別の波形を示す図である。
図6Bは、プロセスステーション内の公称動作条件下での光エネルギー変動のスペクトル密度を表すプロファイルのグループを図示する図である。
図6Cは、プロセスステーション内の公称動作条件下での光エネルギー変動のスペクトル密度を表すプロファイルのグループ、ならびに異常プラズマ事象がプロセスステーション内で発生する間の光エネルギー変動のスペクトル密度を表すプロファイルを図示する図である。
図6Dは、図1の第1の例示的な異常プラズマ事象検出装置の代替の構成を図示する図である。 図6Eは、図1の第1の例示的な異常プラズマ事象検出装置の代替の構成を図示する図である。
図7Aは、異常プラズマ事象を検出し、その影響を軽減する第1の例示的な技術のフローチャートである。
図7Bは、異常プラズマ事象を検出し、その影響を軽減する第2の例示的な技術のフローチャートである。
図8は、開示された実施形態を実施するために使用され得る例示的な装置のブロック図である。
図9は、マルチステーション処理ツールの一実施形態の概略図である。
図10は、半導体基板上に膜を堆積するための基板処理装置を示す図である。
図11は、マルチステーション処理ツールの一実施態様を図示する図である。
図12は、ヘリウムガスのパッシェン曲線を図示する図である。
以下の説明では、提示された実施形態の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細が記載されている。開示された実施形態は、これらの特定の詳細の一部またはすべてがなくても実施され得る。他の例では、開示された実施形態を不必要に不明瞭にしないために、周知のプロセス動作は詳細に説明されていない。開示された実施形態は、特定の実施形態と併せて説明されているが、開示された実施形態を限定することを意図するものではないことが理解されよう。
本出願では、「半導体ウエハ」、「ウエハ」、「基板」、「ウエハ基板」、および「部分的に製作された集積回路」という用語は、互換的に使用される。当業者は、「部分的に製作された集積回路」という用語が、集積回路を製作するための多くの段階のいずれかにあるシリコンウエハを指すことができることを理解するであろう。半導体デバイス業界で使用されるウエハまたは基板は、200mm、または300mm、または450mmの直径を有し得る。以下の詳細な説明は、本発明がウエハ上で実施されることを想定している。しかし、本発明は、そのように限定されない。ワークピースは、様々な形状、サイズ、および材料のものであり得る。半導体ウエハに加えて、本発明を利用することができる他のワークピースとしては、プリント回路基板、ガラスパネルなどの様々な製品が挙げられる。
多くの半導体プロセスは、処理の1つまたは複数の側面においてプラズマを使用する。プラズマは、典型的には、2つの電極間の処理チャンバで生成され、一方の電極は無線周波数(RF)電源に接続され、もう一方の電極はRFアースに接続される。電極に供給されるRF電力は、約200ワット~約3000ワットの範囲であり得る。プラズマ形成を駆動するために使用される周波数は、高周波(HF)成分、低周波(LF)、またはHFおよびLF成分の両方を含み得る。HF周波数は、約13.56MHzまたは約27MHzであり得、LF周波数は、約300~400kHzであり得る。「高」周波数は、一般に、「低」周波数よりも数桁高い信号周波数、例えば、キロヘルツと比較してメガヘルツを示すが、高周波または低周波RF電力の他の周波数も使用することができる。
プラズマ形成中に発生する可能性のある異常プラズマ事象の1つのタイプは、高電圧絶縁破壊、「ライトアップ」、またはシャワーヘッドの周囲の領域や静電チャック(ESC)などの基板支持構造などの処理チャンバ内のアーク放電である。電極として機能し得る2つの構造がギャップによって分離されている場合、特定の状況下でアーク放電または高電圧絶縁破壊が発生する可能性がある。これらの状況は、典型的には、電極間の電圧差、電極間のガスの組成、電極間のガスの圧力、および電極間の分離のサイズに依存する。これらの要因間の相互作用は、圧力、ギャップ距離、および2つのガス依存パラメータの関数として高電圧絶縁破壊電圧を提供するパッシェンの法則によって特徴付けることができる。ライトアップやアークなどの異常プラズマ事象を開始するために必要な電圧は、「絶縁破壊電圧」と呼ばれることがあり、2つの電極間の体積を満たすガス、そのガスの圧力、および電気アークの潜在的な端点間の距離などの関数である。この関係は、
Figure 2022520797000002
であるパッシェンの法則によって決定され、「VB」は絶縁破壊電圧、「p」は圧力、「d」は距離、「a」および「b」は関係するガスに関連する経験的に導出された定数である。
図12(実施形態1200)は、ヘリウムガスのパッシェン曲線を図示する。対数目盛の縦軸は、ボルト単位の絶縁破壊電圧(例えば、アークまたは他のタイプの異常プラズマ事象をもたらすために必要な電圧)を表し、横軸(同様に対数目盛り付き)は、圧力にTorr-cm単位の距離を掛けたものを表す。図12に示すように、約150Vの最低または最小の絶縁破壊電圧は、パッシェン曲線の最低点にあり、約4Torr-cmで発生する。この特性により、最低の絶縁破壊電圧に達する前に半導体処理が行われる可能性のある2つの領域が形成され、それは、曲線の最低点の「左側」と、曲線の最低点の「右側」である。図12の垂直の破線は、これら2つの辺の間の分割線を近似している。
一部の半導体プロセスは、より高いRF電力を利用して、堆積時間の短縮と2つの基板スループットの向上をもたらす。しかし、より高いRF電力を使用すると、処理チャンバ内での電圧絶縁破壊、アーク放電、または他のタイプの異常プラズマ事象のリスクが高まる可能性がある。このような事象は、基板、電極(シャワーヘッドや基板支持構造など)、およびチャンバ自体に損傷を与える可能性がある。基板への許容できない損傷は、基板のスクラップをもたらす可能性があり、かつ/または電極に損傷をもたらす可能性がある。加えて、損傷したチャンバは、電極の時間のかかる、高価な、および/または大規模な修理(例えば、シャワーヘッドまたは台座の交換)を必要とする場合があり、これは、半導体処理チャンバの追加のコストならびに追加のダウンタイムを生じさせ得る。
したがって、処理チャンバ内のアークまたは他のタイプの異常プラズマ事象を検出し、次にそのような事象を軽減することが望ましい。多くの従来の異常プラズマ事象検出技術は、見逃される、または誤ったアーク検出をもたらす可能性がある。例えば、1つの従来の方法は、プラズマを生成するために駆動電極に送給されるRF電圧を測定し、その電圧が閾値電圧に達したか、または閾値電圧の特定の量内に接近したかどうかを決定する電圧検出方法を含み得、その場合、このようなシステムは、アーク放電が処理チャンバ内で発生する可能性があると想定する。閾値電圧の検出に応答して、RF電力が低下するか、完全に遮断され、これにより処理チャンバ内の電圧が低下し、異常プラズマ事象の発生が防止される。この閾値電圧は、一般に、実験測定を使用して得られた所定の値である。しかし、この検出方法には、単一の所定の電圧閾値に制限されるなどの欠点がある。加えて、この検出方法は、計算集約的であり、異常プラズマ事象のリアルタイムの発生を正確に反映することができない可能性がある非常に高速な電圧監視速度を必要とし得るため、実装が難しい場合がある。異常プラズマ事象のリアルタイムの発生を正確に反映することができないことは、アーク事象の発生と測定された電圧との間の潜在的な時間変位が原因であり得る。加えて、検出方法は、小さなアーク事象に鈍感である可能性があり得、システムノイズを受け、適切な閾値電圧を決定および最適化するために多大な時間と実験を必要とし得る。
閾値電圧検出方法は、他の検出制限がある場合がある。例えば、そのような方法は、一般に、測定された電圧が特定の閾値を超えて増加したかどうかを検出する。しかし、RF駆動信号は、様々な周波数(例えば、13.56MHzで動作する正弦波信号などの周期波形)で駆動される時変電圧を含み、プラズマによって放出された光の強度は、RF信号に応答してプラズマによって放出された光の通常の強度がその公称ピークにあることに起因する検出器出力信号の同様の周波数成分で振動する可能性があり、次に、閾値電圧が適切に設定されている場合、追加の光が放出される原因となる異常プラズマ事象が検出可能であり得る。しかし、異常プラズマ事象が電圧サイクルの連続するピークの間に発生した場合、特に異常プラズマ事象に起因する検出器出力信号の成分が、RF信号に起因する検出器出力信号の成分の振幅よりも小さい大きさを有する場合、異常プラズマ事象は検出されない可能性がある。例えば、検出器出力信号の測定された電圧が0.2Vのピーク振幅(平均2V)を有すると想定すると、RF駆動信号の適用により、電圧はピークで2.2Vに増加し、次にボトムで1.8Vに減少し得る(ピークツーピークが0.4Vになるように)。電圧が2.2Vのピークにあるサイクル中、検出器出力信号が0.3V増加するアークが発生した場合、測定された電圧は2.5Vになり、2.4Vの閾値を上回る(この閾値は、実験結果から決定されるように、アークの発生を示し得る)。しかし、電圧が1.8Vのボトムにあるサイクル中にアークが発生した場合、測定された電圧は2.1V(1.8V+0.3V)になり、2.4Vの閾値を下回る。このようなシステムの閾値は、通常のRF駆動信号の適用によって発生されるピーク出力信号の大きさよりも低く設定することはできない。したがって、この検出方法は、交流(例えば、正弦波)電圧サイクルの特定の部分の間に発生する小電圧異常プラズマ事象を検出するのに有用ではない場合がある。
別の同様の技術は、光学的に異常プラズマ事象を監視することができる。ここでは、上述の方法と同様に、電圧を測定する。しかし、電圧は、チャンバ内の光強度を測定し、その光強度を示す電圧信号を生成するように構成された光検出器の出力から得ることができる。例えば、チャンバ内に形成されたプラズマは、プラズマの挙動に応じて様々な量の光を放出し得る。したがって、光検出器は、プラズマによって放出される光の強度を表す電圧出力信号を発生することができる。しかし、アーク事象は、追加の光を生成する可能性があり、その結果、光検出器によって発生される電圧が対応する電圧の増加をもたらす。次に、この電圧は、直接電圧監視について上で説明したのと同様の方式で監視することができまる。しかし、この技術には、特に光検出器信号の極小値の間に発生した場合に検出することができない可能性のある小強度の放電事象に鈍感であるという点で、上記の直接電圧監視と同じ多くの欠点が存在する。
これらの検出方法のもう1つの制限は、ピーク電圧と閾値電圧との間の差よりも小さい異常プラズマ事象を検出することができない可能性があることである。例えば、閾値電圧は、特定の量だけピーク電圧より上にオフセットされ得、それにより各ピーク電圧、および/またはわずかな重要度が低い電圧偏差は、閾値電圧に接近せず、その結果、警報または他の是正措置をもたらす。しかし、有害な異常プラズマ事象は、ピーク電圧と閾値との間のオフセットよりも低い電圧で発生する可能性がある。したがって、ピーク電圧と閾値電圧との間の差よりも小さい異常プラズマ事象は検出されない場合がある。例えば、0.15Vの異常プラズマ事象が2.0Vのピーク電圧で発生した場合、測定された電圧は2.2Vの閾値を下回り、その結果、検出も軽減もされないままである。
これらの従来の検出方法はまた、処理チャンバ内で発生する処理のパラメータ設定に不利に敏感である。例えば、処理パラメータが変更されるたびに(例えば、RF電力、RF周波数、ガス種、チャンバ圧力など)、例えば、アーク放電が発生する電圧閾値に対する修正された処理パラメータの影響に応答して、複数の新しい閾値電圧が必要になる場合がある。したがって、パラメータ設定の修正には、追加の実験および最適化時間が必要になることがあり、これもまた、半導体処理ツールの望ましくないダウンタイムをもたらす可能性がある。
したがって、本開示は、半導体処理における異常プラズマ事象検出のための新規の技術および装置を含む。一般に、プラズマは、光検出器などの光検出器によって検出可能な光を放出することができる。プラズマによって放出される光は、化学種、RF電力パラメータ(電圧など)、RF周波数成分(例えば、高周波成分、低周波成分、またはその両方)などのプラズマパラメータに基づいて、様々な周波数で振動または変動する可能性がある。いくつかの例示的なプラズマ照明発振周波数は、20ミリ秒あたり約1サイクルなど、数十ミリ秒あたり1サイクルのオーダであり得る。対照的に、異常プラズマ事象の発生は、一般に、例えば、数ナノ秒で1サイクルのオーダでプラズマによって放出される他の光と比較して、比較的高速かつ高周波で発生する。
以下で説明する技術は、公称プラズマ動作中に発生する光エネルギー変動と比較した場合に、異常プラズマ事象周波数中に発生する光エネルギー変動間の違いを活用する。このような違いは、異常プラズマ事象を識別するために利用することができる。いくつかの実施態様では、異常プラズマ事象は、そのはるかに高い周波数のために、光検出器出力信号の傾きに突然の(例えば、高周波の)変化を引き起こす可能性があるため、ある瞬間の光検出器信号の傾きの変化に関して決定を行うことができる。他の実施態様では、光検出器信号は、信号の低周波数部分を除去することによって正規化され、異常プラズマ事象を示し得る高周波数部分のみを残すことができる。さらに他の実施態様では、光検出器信号は、例えば、フーリエ分析(例えば、高速フーリエ変換)に供され得るか、または様々な周波数成分の強度の大きさを決定するために他のタイプの周波数スペクトル分析に供され得る。特定の実施態様では、分析された光検出器信号が特定の大きさよりも大きい高周波成分を示す場合、これらの周波数成分は異常プラズマ事象を示している可能性がある。これらの異常プラズマ事象検出技術は、特定の実施態様では、異常プラズマ事象検出技術が光信号の変化率を考慮するので、上述のような従来の技術とは異なり得る。これは、検出された信号の大きさに単純に依存する従来の手法とは対照的である。
図1は、実施形態100による、第1の例示的な異常プラズマ事象検出装置を図示する。示すように、実施形態100は、半導体処理チャンバ102と、レンズ104(特定の実施形態では省略され得る)と、レンズ104および信号プロセッサ108に結合された光ファイバケーブル106と、RF発生器110とを含む。半導体処理チャンバ102については以下でより詳細に説明するが、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)、原子層堆積(ALD)、原子層エッチング(ALE)など、プラズマを利用する半導体処理に使用することができる。RF発生器110もまた以下でより詳細に説明され、LF発電機、HF発電機、またはその両方を含むことができる。レンズ104は、半導体処理チャンバ102内に位置決めされ、半導体処理チャンバ102内の任意の処理ステーション内に含まれるチャンバ内で生成された光が、レンズ104を通過し、光ファイバケーブル106を通り、信号プロセッサ108に到達することを可能にする。
信号プロセッサ108は、半導体処理チャンバ102から光信号を受信し、受信した光信号を電圧信号に変換することができる、光検出器112(フォトダイオードを含むことができる)などの光検出器を含むことができる。光検出器112は、赤外線、可視光、および/または紫外線の様々な波長でエネルギーを伝送するあらゆる数の光子を検出することが可能な任意の他のタイプの光検出電子機器を含み得、例えば、分光計を含み得る。信号プロセッサ108はまた、傾斜変化検出ユニット114を含み得、これは、光検出器と傾斜変化検出ユニット114との間の破線によって表されるように、光検出器112から電圧信号を受信するように構成される。信号プロセッサ108は、光検出器112からの電圧信号の変化を決定し、電圧信号の変化が半導体処理チャンバ102内で発生する異常プラズマ事象の発生を示しているかどうかを決定するようにさらに構成され得る。
いくつかの実施態様では、傾斜変化検出ユニット114は、生の光検出器信号をその同じ信号のフィルタリングされたバージョンと比較し、生の信号とフィルタリングされた信号との間の高周波変化を決定することができる。生の信号とフィルタリングされた信号を比較することで、異常プラズマ事象が発生したと決定することが可能になり得る。いくつかのそのような実施態様では、異常プラズマ事象によって引き起こされた高周波成分を含む信号は、高周波成分を有さない信号(特に、生の電圧信号に適用されるローパスフィルタの使用のため)と比較される。そのような比較は、信号のフィルタリングされたバージョンとフィルタリングされていないバージョンとの間の相対的な変化の決定を可能にし得る。
図2は、実施形態200による、第1の例示的な傾斜変化検出ユニットを図示する。ここでは、光検出器112が、破線の長方形によって囲まれた第1の例示的な傾斜変化検出ユニット214と共に示されている。光検出器112からの生の電圧信号215は分割され、フィルタに送信され、フィルタは、いくつかの実施形態では、バッファ増幅器216と、ローパスフィルタ218と、閾値/イネーブル信号222を有するフィードバック増幅器220とを含み得る。次に、このフィルタリングされた信号は、生の電圧信号215と共に、高速コンパレータ224に送信される。バッファ増幅器216は、ローパスフィルタ218から生のアナログデータを分離するように動作することができ、ローパスフィルタ218は、高周波信号をフィルタリングし、閾値/イネーブル信号222は、フィルタリングされた信号のオフセットをもたらす。
図2の実施形態では、高速コンパレータ224は、生の光検出器電圧信号とフィルタリングされた光検出器電圧信号とを比較し、信号間に変化があったかどうかを決定するように動作する。例えば、所与の瞬間における2つの信号間の差が閾値量を超えるかどうかに関して決定を行うことができる。フィルタリングされた信号とフィルタリングされていない信号との間の差が閾値量よりも大きいことに応答して、これは生の信号に傾きの変化があることを示すことができ、したがって異常プラズマ事象を示している。特定の実施形態では、フィルタリングされた信号は、上記のように、フィルタリングされていない信号から所定のオフセット量だけオフセットされ得、これは、2つの信号が互いに交差する可能性があるシナリオを回避するように動作し得る(異常プラズマ事象による場合を除く)。高速コンパレータ224はまた、第1の閾値よりも大きいフィルタリングされた信号とフィルタリングされていない信号との間の検出された変化に応答して、第1の電圧から第2の電圧に出力信号226を変化させることができるトランジスタ-トランジスタ論理(TTL)を含み得る。
図3Aおよび図3Bは、一実施形態による、傾斜変化検出ユニットの例示的な検出応答を表す波形を図示する。図3A(実施形態300A)では、シミュレートされた生の光検出器電圧信号(305)は破線で表され、フィルタリングされオフセットされた電圧信号(310)は点線で表され、出力されたTTL信号315は実線で表される。縦軸はボルトで目盛りが付けられ、横軸は時間(秒単位)で目盛りが付けられる。示すように、プラズマの検出された発光は、約0.2Vの振幅を有する正弦波として振動する。図3Bの例では、図3Aの一部の詳細図が図示されている。ここでは、異常プラズマ事象が発生し、高周波アーク信号がフィルタで除去されているため、フィルタ処理された信号は一定のままである。しかし、この場合はアークに対応し得る異常プラズマ事象により、光検出器電圧信号が変化している。この場合、光検出器出力電圧信号の変化は、光検出器出力電圧信号の傾きの増加に対応する。シミュレートされた生の光検出器信号305と、第1の閾値(例えば、図3Bの約0ボルト)によって互いにオフセットされているフィルタリングされた出力信号310との間の比較に応答して、高速コンパレータにより、出力されたTTL信号315が約0.2Vから約3.8Vに変化する。図3B(実施形態300B)にさらに示すように、発生する異常プラズマ事象(例えば、アーク)に応答して、シミュレートされた生の光検出器電圧信号305が再び変化する(例えば、傾きが減少する)。シミュレートされた生の光検出器信号305とローパス信号310が第1の閾値よりも大きい値によって互いにオフセットされないように、傾斜が減少するシミュレートされた生の光検出器信号305に応答して、高速コンパレータにより、出力されたTTL信号315が約3.8Vから約0.2Vに戻るように変化する。
図4は、実施形態400による、異常プラズマ事象を検出することが可能な例示的な電気回路を図示する。実施形態400のこの回路は、図1の信号プロセッサ108および図2の第1の例示的な傾斜変化検出ユニット214の態様を表すことができる。図4の実施形態では、「シミュレートされた光検出器入力」は、図2の光検出器112によって生成された光電圧信号を表すことができる。加えて、図4の「イーサネット入出力コントローラ(EIOC)からの閾値」(V3)は、図9のシステムコントローラ950によって実行される制御プログラムの一部としてEIOCから送信され得る閾値/モニタイネーブル信号222を表すことができる。さらに、図4の「バッファ」は、図2のバッファ増幅器216を表すことができる。フィードバック増幅器220(図4に「フィードバック増幅器」として図示されている)は、EIOC(V3)信号からの閾値を図4のバッファからの出力信号に追加(または合計)する。図4のバッファからの出力信号は、R1/C1/C2の組み合わせによってフィルタリングされ、これにより、図2のローパスフィルタ218に対応するローパスフィルタが形成される。図4のバッファからの出力信号は、図4のコンパレータ(図2のコンパレータ224に対応)を介して、シミュレートされた光検出器入力(V2)信号と正弦波入力(V4)信号の組み合わせと比較される。シミュレートされた光検出器入力と正弦波入力を組み合わせた集合体とフィードバック増幅器からの出力信号の比較に応答して、図4のコンパレータは、異常プラズマ事象を検出する。特定の実施形態では、シミュレートされた光検出器入力と正弦波を組み合わせた集合体の大きさが、フィードバック増幅器からの出力信号よりも閾値量だけ大きいと、異常プラズマ事象の検出が生じる。
図2の傾斜変化検出ユニットの機能は、図4のアナログ電子回路を利用して実施することができるが、いくつかの他の実施態様では、図2の機能は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などを介してデジタルで実装されてもよい。いくつかの他の実施態様では、傾斜変化検出ユニットは、光検出器112からの光データ信号などの生の光データ信号の導関数をとるように動作することができる微分器を使用し、光検出器からの出力信号の傾きに変化が生じたかどうかを決定することができる。微分器からの出力信号は、入力信号電圧の変化率(例えば、時間に関する導関数)に比例し得る。光検出器などからの生の光データ信号の導関数は、高速コンパレータ224などのコンパレータの入力ポートに伝送することができる。高速コンパレータは、生の光データ信号の傾きの差が閾値を超えるかどうかを決定するために、生の光データ信号と閾値との間の比較を行うことができる。場合によっては、誤警報を回避するために、堆積中のプロセスの変化に応じて閾値感度を調整してもよい。変化が変化閾値を超えた場合、コンパレータ224は、第1の電圧に対して増加した大きさを有する第2の電圧でTTL信号を再び出力することができる。
いくつかの実施態様では、傾斜変化検出ユニットは、高速フーリエ変換(FFT)を使用して、生の光電圧信号を周波数ドメインに変換することができる。周波数ドメインで表される信号を利用して、アーク放電(または他の異常プラズマ事象)に関連するものなどの特定の周波数成分が特定の閾値量よりも大きい強度で存在するかどうかを決定することができる。いくつかの実施態様では、異常プラズマ事象の発生に応答して予期しない周波数が検出された(または閾値を超えるレベルで検出された)場合、出力信号が生成され得る。
TTL信号の生成などによる異常プラズマ事象の検出に応答して、製作チャンバに結合されたRF電力を調整するなど、様々な応答および措置をとることができる。場合によっては、調整には、RF電力(例えば、LF、HF、またはその両方)を減少させる(または完全に停止する)ことが含まれ得る。いくつかのそのような場合では、RF電力の大きさが0に減少した後、アーク放電(または製作チャンバ内の他の異常プラズマ事象)が停止するのを可能にするのに十分な期間が経過した後、RF電力を前のレベルに増加させることができる。RF電力のそのような増加は、線形または非線形の増加に対応し得る。いくつかの他の場合では、RF電力の調整は、RF電力(例えば、LF、HF、またはその両方)を一定期間にわたってゼロ以外のレベルに減少させ、次に電力を元のレベルに対応するレベルに増加させることを含み得る。
図5は、時間の関数として、チャンバのプロセスステーションに結合されたRF電力を表す波形500を示す。図5に示すように、時間t1のRF電力(例えば、図1のRF発生器110によって供給される電力)は、電力レベルP1に対応する。時間t1において、異常プラズマ事象の検出に応答して、RF電力は電力レベルP2に下げられ、時間t1から時間t2までの期間にわたって維持される。時間t2において、RF出力電力がレベルP1に達するまで、RF電力は、時間t2とt3との間で徐々に増加する(例えば、傾斜する)。いくつかの実施形態では、RF電力削減は、例えば、10%または30%の削減などのパーセンテージ削減であり得る。しかし、開示された実施態様は、そのような例に限定されず、5%、10%、20%、30%などの任意のパーセンテージのRF電力削減を包含することを意図していることが理解されよう。
いくつかの実施態様では、例えば、対応するフィルタリングされていないデータポイントから光検出器信号のローパスフィルタリングされたデータポイントを差し引くことによって異常プラズマ事象の強度を決定することによって、検出された異常プラズマ事象の大きさに関して決定を行うことができる。対応するフィルタリングされていないデータポイントからローパスフィルタリングされたデータポイントを差し引くことは、例えば、アーク光強度の推定をもたらすことができる。そのような決定(または異常プラズマ事象の強度の何らかの指標を提供し得る他の決定)は、そのような実施態様では、異常プラズマ事象に応答するRFシステム調整の程度を決定するために使用され得る。例えば、検出された異常プラズマ事象の大きさが減少した場合、システムは、RF発生器を第1のレベルにあるより低い電力モードに切り替える可能性がある。しかし、検出されたRF事象の大きさが特定の閾値の大きさに達すると、システムは、RF発生器を第1のレベルよりも低い第2のレベルにある別の低電力モードに切り替える可能性がある。このようなシステムでは、複数の電力レベルがサポートされている場合があり、サポートされている電力レベルは、異常プラズマ事象強度の異なる閾値の大きさに対応し得る。これらの場合、システムは、検出されたアーク事象が含まれるアーク強度の大きさの範囲に関連する電力レベルを選択することができる。
図6Aは、実施形態600Aによる、傾斜変化検出ユニットの出力信号と共にRF電力を表す別の波形を示す。示すように、RF発生器のRF電力出力は振動し、傾斜変化検出ユニットの出力信号は、比較的平坦な一定の線に対応する。異常プラズマ事象が検出されると、傾斜変化検出ユニットの出力信号の振幅が大きくなり、RF電力ユニットがRF電力出力信号を遮断する。場合によっては、傾斜変化検出ユニットの信号増加とRF電力出力の調整との間の応答時間は、約2マイクロ秒に対応し得る。
異常プラズマ事象(例えば、電気アークの形成)が半導体ウエハのエッジ部分の上または下で発生するいくつかの実施形態では、アーク強度およびプロセスパラメータは、RF電力が減少されるべき量を定義することができる。例えば、いくつかの実施形態では、高RF電力は、より分散性のRFプラズマをもたらす。したがって、プロセスステーションに結合されたRF電力を下げることにより、プラズマを電極間の領域に閉じ込めるように動作し得る。例えば、半導体ウエハのエッジ部分での電気アークの発生に応答して、RF電力を減少させると、ウエハエッジ上のプラズマ密度が減少し、したがって、生成されたプラズマが電極間の領域に、よりウエハの中心に向かって集中する可能性がある。RF電力を下げることはまた、電極の電圧を下げるように動作し得、これは、異常プラズマ事象(例えば、アーク放電)がウエハの中心に向かって(エッジ部分から離れて)発生したとしても、その発生を減らすのに役立つ。異常プラズマ事象の強度およびプロセスパラメータを使用して、RF電力を下げる量を定義することも可能である。例えば、アーク強度が大きいほど、RF電力の減少が大きくなる。加えて、非常に低圧のプロセスの場合、プラズマは高圧のプロセスと比較して分散性である可能性がある(同じ電力、ガス、および他のパラメータの場合)。したがって、そのような場合、プラズマのより大きな閉じ込めをもたらすために、電力をさらに下げる必要がある場合がある。
上述の装置などの異常プラズマ事象検出機器は、代替の構成で配置されてもよい。より具体的には、信号プロセッサ108は、異なる位置に位置し得、異なる構成を含み得る。上記のように、図1では、信号プロセッサは、ツールの異なる部分など、処理チャンバ内とは異なる場所に位置決めされ得る。いくつかの実施態様では、光信号は、光ファイバケーブル106などを介して、処理チャンバ102内の場所から信号プロセッサの光検出器に送信され得る。
図6Bは、一実施形態による、プロセスステーション内の公称動作条件下での光エネルギー変動のスペクトル密度を表すプロファイル600Bのグループを図示する。図6Bの縦軸は、スペクトル密度の測定値(例えば、全スペクトルのパーセンテージ)を示し、図6Bの対数目盛の横軸は、周波数を示す。したがって、プロファイル600Bのグループのプロファイルは、約400kHz(すなわち、±10%)および約13.56MHz(すなわち、±10%)の周波数で結合されたRF電力に応答して、所定の期間にわたる光エネルギー変動のスペクトル密度を表す。図6Bの特定の例では、光エネルギー変動のスペクトル密度が4つのサンプリング期間にわたって示され、各プロファイルは、4つのサンプリング期間のうちの1つにわたる光エネルギー変動のスペクトル密度を表す。したがって、製作チャンバへのRF電力(例えば、400kHzおよび13.56MHzの周波数を含む)の結合に応答して、プラズマからの光信号は、400kHzの基本周波数(±10%)に対応する第1のピークで変動または振動するだけでなく、400kHz、例えば約800kHz(±10%)、および1600kHz(±10%)の高調波で変動または振動し得る。加えて、プラズマからの変動する光信号のスペクトル密度は、約100kHz~約50MHzの周波数でわずかにしか変化しないことが理解され得る。例えば、約100kHzの周波数では、プラズマによって生成される光信号のスペクトル密度は、プラズマからの変動する光信号の全スペクトルの約0.8%~約1.2%の範囲であり得る。
図6Cは、実施形態600Cによる、プロセスステーション内の公称動作条件下での光エネルギー変動のスペクトル密度を表すプロファイルのグループ、ならびに異常プラズマ事象がプロセスステーション内で発生する間の光エネルギー変動のスペクトル密度を表すプロファイルを図示する。図6Bと同様に、図6Cの縦軸は、スペクトル密度の測定値(例えば、総光エネルギーのパーセンテージ)を示し、図6Cの対数目盛の横軸は、周波数を示す。
プロファイル610のグループのプロファイルは、製作チャンバへのRF電力(例えば、400kHzおよび13.56MHz)の結合に応答して、所定の期間にわたる変動するプラズマの光エネルギーのスペクトル密度を表す。図6Cの特定の例では、光エネルギー変動のスペクトル密度が3つのサンプリング期間にわたって示され、各々がプロファイル610のうちの1つに対応する。製作チャンバへのRF電力(例えば、400kHzおよび13.5MHz)の結合に応答して、プラズマによって生成された光信号は、400kHzの基本周波数に対応する第1のピーク周波数で変動または振動し得る。プラズマによって生成された光信号は、約800kHzおよび(1600kHz)1.6MHzなどの高調波でさらに変動または振動する場合がある。加えて、プロファイル610の各々のスペクトル密度は、約100kHz~約50MHzの周波数でわずかにしか変化しないことが理解され得る。
しかし、プロファイル610に加えて、図6Cは、製作チャンバ内で発生する異常プラズマ事象(例えば、アーク)に応答する光エネルギー変動のスペクトル密度を表すプロファイル620をさらに図示する。したがって、図6Cに示すように、異常プラズマ事象中、光エネルギー変動のスペクトル密度は、約600kHzから約3.6MHzの間で著しく増加する。他の実施形態では、異常プラズマ事象中、光エネルギー変動のスペクトル密度は、約400kHz(±10%)~約4MHz(±10%)などの異なる周波数範囲で著しく増加し得る。例えば、約1MHz(1000kHz)では、チャンバ内の異常プラズマ事象中に観察され得るプロファイル620のスペクトル密度は、約2%の値に対応する。これは、プロファイル610によって示されるような公称条件下で観察されるスペクトル密度と比較することができ、約1%の値に対応する。したがって、図6Cに示すように、異常プラズマ事象(例えば、プロファイル620によって証明されるように)は、特定の周波数範囲の間のプラズマ変動のスペクトル密度の有意な増加を観察することによって示され得る。
図6Cの特定の例では、異常プラズマ事象は、特定の周波数または周波数範囲にわたる製作チャンバの公称プラズマ条件に関連して(例えば、約1%のスペクトル密度から約2%のスペクトル密度まで)、特定の周波数におけるまたは特定の周波数範囲にわたって、約100%のスペクトル密度の増加を観察または検出することで示されている。加えて、スペクトル密度のそのような増加は、約400kHz(±10%)~4MHz(±10%)の周波数で観察され得るが、開示された実施態様は、そのような例に限定されず、約400kHz未満の周波数ならびに約4MHzを超える周波数などの他の周波数範囲で観察されるスペクトル密度および/またはスペクトル密度プロファイルを包含し得ることが理解されよう。加えて、他の実施態様では、異常プラズマ事象は、公称動作条件と比較して、プラズマからの変動または振動信号のスペクトル密度のわずかな増加によって示される可能性がある。例えば、特定の実施態様では、異常プラズマ事象は、100%、例えば75%、50%未満のスペクトル密度の増加に応答して識別され得、開示された実施態様は、そのような例に限定されず、スペクトル密度の他の増加を包含し得る。
特定の実施態様では、異常プラズマ事象は、公称動作条件下で観察されたスペクトル密度の標準偏差に関するスペクトル密度の増加に応答して識別され得る。したがって、一例では、異常プラズマ事象は、最初に、公称(または参照)プラズマ条件を表すプロファイル610などのプロファイルのグループについてのスペクトル密度の標準偏差を計算することによって識別され得る。別の例では、移動平均(移動標準偏差と共に)を特定の期間にわたって計算することができる。別の例では、標準偏差は、時間の関数としてサイズが拡大する時間ウィンドウを使用して連続的に計算され得る。標準偏差、または他の統計的尺度を計算するための方法論は、プロセスステーションで実施されている特定のプロセスに依存する可能性があり、ウエハの処理中に変化することがある。
参照スペクトル密度を利用して標準偏差を計算することに応じて、異常プラズマ事象は、計算された標準偏差(例えば、スペクトル密度の参照を利用する標準偏差)よりも(例えば)1標準偏差大きい振幅を有するスペクトル密度プロファイルによって特徴付けられるプラズマからの変動信号の観察に応答して識別することができる。別の例では、異常プラズマ事象は、計算された標準偏差(例えば、参照スペクトル密度を利用する標準偏差)よりも2標準偏差大きい振幅を有するスペクトル密度プロファイルの観察に応答して識別され得る。しかし、開示された実施態様は、公称条件下で動作するプラズマからの変動信号のスペクトル密度プロファイルに関して、任意の数の標準偏差によって異なる異常プラズマ事象を示すスペクトル密度プロファイルを包含することを意図している。
簡単に図1に戻ると、特定の実施形態では、信号プロセッサ108は、光検出器112からの生の出力信号に対して分析を実施するようにプログラムされ得る。そのような実施形態の1つまたは複数では、光検出器112からの出力信号の分析を利用して、プロセスステーション内の様々な動作条件下での光エネルギー変動のスペクトル密度を決定することができる。したがって、図6Cを参照して、所定の期間にわたるプラズマエネルギー変動を表すプロファイルを分析し、プラズマ源の光エネルギー変動の全スペクトルの割合またはパーセンテージとして、様々な周波数でのスペクトル密度を決定することができる。場合によっては、信号プロセッサ108によって実施されるそのような分析は、光検出器112からの出力信号に対して高速フーリエ変換(FFT)を実施することを含み得る。1つまたは複数の所定の期間にわたる光検出器112からの出力信号に対するFFTの性能に続いて、光エネルギー変動のスペクトル密度を、図6B/6Cのスペクトル密度と同様の方式でプロットすることができる。光エネルギー変動のスペクトル密度の分析に応答して、信号プロセッサ108は、異常プラズマ事象が発生したと決定することができる。特定の実施形態では、異常プラズマ事象は、約400kHz~約4MHzなどの光エネルギー変動の特定の周波数でのスペクトル密度の増加を検出することに応答して識別され得る。異常プラズマ事象は、公称プラズマ条件の間に観察されたスペクトル密度と比較して閾値量よりも大きい振幅を有するスペクトル密度の観察に応答して識別され得る。特定の実施形態では、閾値量は、例えば、公称プラズマ条件の間に計算されたスペクトル密度を参照して、1つまたは2つの標準偏差に対応し得る。異常プラズマ事象は、公称プラズマ条件の間に計算されたスペクトル密度を参照して、1つまたは2つの標準偏差以外の振幅を有するスペクトル密度の観察に応答して識別され得、開示された実施態様は、そのような例に限定されない。加えて、異常プラズマ事象は、約400kHz~約4MHz以外の周波数でスペクトル密度の増加を検出することによって識別され得、開示された実施態様は、そのような例に限定されない。むしろ、実施態様は、プラズマの光エネルギーの任意の範囲の振動または変動にわたるスペクトル密度の検出を包含することを意図している。
図6Dおよび図6Eは、図1の第1の例示的な異常プラズマ事象検出装置の代替の構成を図示する。図6Dでは、異常プラズマ事象検出装置600Dは、光ファイバケーブルを含まない場合がある。むしろ、異常プラズマ事象検出装置600Dは、光検出器が処理チャンバ602Aでプラズマの光信号を得るように、処理チャンバ602Aにまたは処理チャンバ602A上に位置決めされた信号処理ユニット608Aを含み得る。光検出器612Aからの出力信号は、高速コンパレータ614Aを利用して処理することができる。次に、高速コンパレータ614Aからの出力信号は、RF発生器610Aに送信される。いくつかの実施形態では、装置は、処理チャンバ602Aと光検出器612Aとの間にレンズ604を含み得る。図6Eでは、異常プラズマ事象検出装置600Eは、光ファイバケーブル606Bを介してRF発生器610Bの一部として信号処理ユニット608Bに結合されたレンズ604Bを含む。そのような場合、光検出器612Bはまた、RF発生器610Bの構成要素であり得る。いくつかのそのような例では、RF発生器610Aは、追加の高速コンパレータが利用されないように、高速コンパレータ614Bを含み得る。異常プラズマ事象検出装置600Eの利点は、処理チャンバ602Bおよび信号処理ユニット608Bの周りのノイズが、信号処理ユニット608Bによって利用および生成される信号に影響を及ぼし得ないことである。
処理チャンバ内のアーク事象を検出および軽減するために、様々な技術を使用することも可能である。図7Aは、実施形態700Aによる、異常プラズマ事象を検出し、その影響を軽減する第1の例示的な技術のフローチャートを図示する。この技術は701から始まり、703ではプラズマの変動する発光によって生成された光信号が検出される。上記のように、プラズマは様々な波長の光を放出し、光センサまたは光検出器(光検出器112など)は、プラズマによって放出された光を検出するように構成される。加えて、705において、その光信号は電圧信号に変換され、この変換は、光センサまたは光検出器によって実施され得る。707において、電圧信号は、調整された電圧信号を形成するように調整される。この調整は、図2に関して説明したように生の光電圧信号をフィルタリングおよび/もしくはオフセットする、生の光電圧信号の導関数をとる、または生の光電圧信号のFFT分析を使用するなど、上述の技術のいずれかに従うことができる。
調整されている生の光電圧信号に応答して、709は、調整された電圧信号に関連する変化が閾値を超えるかどうかを決定する。決定は、フィルタリングされたおよび/またはオフセットされた電圧信号(すなわち、調整された電圧信号)を生の光電圧信号と比較し、これらの2つの信号間の変化が閾値を超えるかどうかを決定するなど、上述の比較のいずれかであり得る。上記のように、いくつかの実施形態では、これらの2つの信号間の変化が閾値を超えるかどうかの決定が行われ、閾値は、処理チャンバ内で発生しているアークまたは他のタイプの異常プラズマ事象を示し得る。これらの実施形態(すなわち、フィルタリングされた光信号を利用する実施形態)における決定は、フィルタリングされたおよび/またはオフセットされた信号自体の変化だけに基づくのではなく、フィルタリングされたおよび/またはオフセットされた信号に関する生の電圧信号の変化に基づいている。例えば、図3Bに示すように、フィルタリングされた信号に対する生の電圧信号の変化は、アークまたは他のタイプの異常プラズマ事象の発生を示す。両方の信号を利用することに応答して、この比較は、調整された電圧信号に関連する決定である。閾値は、例えば、変化率および変化の大きさなどの様々なパラメータに従って選択することができる。
709の他のいくつかの実施形態では、異常プラズマ事象が発生していることを決定することは、導関数および/またはFFT法を利用するなど、閾値に関する調整された電圧信号の変化に基づくことができる。ここでは、決定は、調整された電圧信号の変化に基づくことができる。例えば、導関数技術の出力信号は、この調整された電圧信号の決定がアークの発生を直接示すことができるように、光信号の変化率との直接的な相関を含み得る。
711において、調整された電圧信号に関連する変化が閾値を超えると決定された場合、軽減措置が取られ得る。これらの軽減措置は、上述のように、RF電力出力を一定期間にわたってより低い電力レベルに削減し、次にRF電力出力を初期電力レベルに戻すことなどによって、RF発生器の出力パラメータを調整することを含み得る。
図7Aには図示されていないが、上記のように、この技術はまた、709の決定がTTL信号を生成し、RF発生器に送信することを示すことを含み得る。いくつかの実施形態では、RF発生器は、TTL信号を受信し、RF発生器の出力電力を削減するなど、RF発生器の1つまたは複数のパラメータへの応答を引き起こすように構成される。この技術の追加の態様はまた、703の前に、または703と同時に、RF電力を処理チャンバに結合することによって処理チャンバ内にプラズマを生成することを含み得る。
図7Bは、実施形態700Aによる、異常プラズマ事象を検出し、その影響を軽減する第2の例示的な技術のフローチャートを図示する。この技術は751から始まり、752において、RF発生器からの十分な振幅の信号に応答してプラズマが形成される。いくつかの実施形態では、RF発生器は、例えば、約400kHz(±10%)および約13.56MHz(±10%)の信号を生成することができる。開示された実施態様は、そのような例に限定されず、様々な追加の周波数を包含し得ることが理解されよう。754において、プラズマによって生成された変動する光信号が検出され得る。検出は、光学センサまたは光検出器によって実行され得る。755において、信号プロセッサは、変動する光信号のスペクトル密度を計算することができる。特定の実施形態では、そのような計算は、プラズマが公称条件下で動作している間に発生する可能性があり、いくつかの期間にわたって発生する可能性がある。特定の実施形態では、756において、変動する光信号のスペクトル密度が、変動する光信号の1つまたは複数の以前に計算されたスペクトル密度とは異なるという決定を行うことができる。しかし、特定の他の実施形態では、756は、変動する光信号のスペクトル密度が参照スペクトル密度とは異なることを決定することを含み得る。多くの場合に閾値量によって、以前に計算されたスペクトル密度または他のタイプの参照スペクトル密度とは異なる変動する光信号のスペクトル密度に応答して、信号プロセッサは、異常プラズマ事象が発生したことを示し得る。
いくつかの実施形態では、半導体処理チャンバは、以下に記載されるように、2つ以上の処理ステーションを含み得、各ステーションの発光は、別々に監視され得る。例えば、処理チャンバは4つの処理ステーションを含み得、それらの処理ステーションの各々は、対応する処理ステーションからの光学を検出するように構成された別個の光検出器を利用し得る。
本明細書に記載の装置および技術は、従来の異常プラズマ事象検出技術に勝る多くの利点を提供する。場合によっては、これらの説明された技術は、光信号が、その信号に応答し得るRF発生器に直接信号を生成することができるアナログ回路で処理され得るので、より速い検出時間および軽減応答時間を可能にする。RF発生器と光信号との間のこの直接接続により、高速で効率的な応答時間が可能になる。対照的に、従来の技術は、分析するためにプロセッサに送信される検出された信号、および次にプロセッサによってRF発生器に送信される別の信号を必要とし得る。電気アークなどの特定の異常プラズマ事象がすぐに形成される可能性があるため、一部の従来の技術による遅延は、ウエハおよび/または他の機器に望ましくない損傷をもたらす可能性がある。加えて、上述のように、これらの記載された技術および装置は、従来の方法では検出することができない小さな大きさの異常プラズマ事象を検出することができる。
上記のように、本明細書に記載の装置および技術は、プラズマを使用する任意の半導体プロセス、およびプラズマが生成される任意の半導体処理チャンバに適用可能である。これらのプロセスおよび装置の例を、以下に説明する。
プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)装置
いくつかの実施形態では、ウエハ製作機器は、プロセスツールに含まれる1つまたは複数のPECVDプロセスステーションを含み得る。プロセスツールは、例えば以下に説明する他の特徴と共に、図1、図6A、および図6Bに上述した特徴を含むことができる。
図8は、開示された実施形態を実施するために使用され得る例示的な装置のブロック図を提供する。示すように、図8のリアクタ800は、リアクタの他の構成要素を取り囲み、例えば、接地されたヒータブロック820と連動して作動するシャワーヘッド814を含むコンデンサ型システムによって生成されるプラズマを収容するように機能するプロセスチャンバ824を含む。整合ネットワーク806に接続された高周波RF発生器802、および低周波RF発生器804は、シャワーヘッド814に接続される。整合ネットワーク806によって供給される電力および周波数は、プロセスガスからプラズマを生成するのに十分であり、例えば、400~700Wの総エネルギーである。本発明の一実施態様では、HFRF発生器とLFRF発生器の両方が堆積中に使用され得るが、いくつかの他の実施態様では、LFRF発生器のHFRF発生器のみが使用される。典型的なプロセスでは、高周波RF成分は、一般に約2~60MHzであり、少なくとも1つの実施形態では、HF成分は、約13.56MHzである。低周波LF成分は、一般に約250~400kHzである。いくつかの実施形態では、RF発生器は、HFRF発生器とLFRF発生器の両方、および場合によっては整合ネットワークを有すると見なすことができる。
リアクタ内で、ウエハ台座818が、基板816を支持する。台座は、典型的には、堆積および/またはプラズマ処理反応の間に基板を保持および移送するためのチャック、フォーク、またはリフトピンを含む。チャックは、静電チャック、機械的チャック、または産業および/もしくは研究で使用可能である様々な他のタイプのチャックであり得る。
プロセスガスは、入口812を介して導入される。複数のソースガスライン810が、マニホールド808に接続される。ガスは、予混合されていてもいなくてもよい。適切な弁およびマスフロー制御メカニズムを用いて、プロセスの堆積および堆積後の段階で正しいガスが確実に送給されるようにする。化学前駆体が液体の形で送給される場合、液体の流れ制御メカニズムが用いられる。次に、液体は気化され、堆積チャンバに達する前にその気化ポイントを超えて加熱されたマニホールド内で搬送中に他のプロセスガスと混合される。
プロセスガスは、出口822を介してチャンバ824を出る。真空ポンプ826(例えば、1段または2段の機械式ドライポンプおよび/またはターボ分子ポンプ)が、典型的には、プロセスガスを引き出し、スロットル弁や振り子弁などの閉ループ制御された流量制限デバイスによってリアクタ内の適切な低圧を維持する。
本発明は、マルチステーションまたはシングルステーションツールで実施することができる。特定の実施形態では、4ステーション堆積スキームを有する300mm Novellus Vector(商標)ツール、または6ステーション堆積スキームを有する200mm Sequel(商標)ツールが使用される。
図9は、実施形態900による、インバウンドロードロック902およびアウトバウンドロードロック904を備え、これらのいずれかまたは両方がリモートプラズマ源を利用し得るマルチステーション処理ツール900の一実施形態の概略図を示す。ロボット906は、大気圧において、ポッド908を通してロードされたカセットから、大気圧ポート910を介してインバウンドロードロック902にウエハを移動させるように構成される。ウエハは、ロボット906によって、インバウンドロードロック902の台座912上に載置され、大気圧ポート910が閉じられ、ロードロックがポンプダウンされる。インバウンドロードロック902がリモートプラズマ源を利用する場合、ウエハは、処理チャンバ914に導入される前にロードロックにおいてリモートプラズマ処理を受けてもよい。さらに、ウエハはまた、例えば、水分および吸着したガスを除去するためにインバウンドロードロック902においても加熱されてよい。次に、処理チャンバ914へのチャンバ搬送ポート916が開かれ、別のロボット(図示せず)が、ウエハをリアクタ内に移動させ、リアクタ内に示す第1のステーションの台座上に処理のために載置する。なお、図9に図示される実施形態はロードロックを含んでいるが、いくつかの実施形態では、プロセスステーションにウエハを直接進入させてもよいことが理解されるであろう。
図示の処理チャンバ914は、図9に示す実施形態において1から4まで番号が付けられた4つのプロセスステーションを含む。各ステーションは、加熱台座(ステーション1に対して918で示す)と、ガスライン入口とを有する。いくつかの実施形態では、各プロセスステーションは、異なる目的または複数の目的を有し得ることが理解されるであろう。図示の処理チャンバ914は4つのステーションを含むが、本開示による処理チャンバは、任意の適切な数のステーションを有してもよいことが理解されよう。例えば、いくつかの実施形態では、処理チャンバは、5つ以上のステーションを有してもよく、他の実施形態では、処理チャンバは、3つ以下のステーションを有してもよい。
図9はまた、処理チャンバ914内でウエハを搬送するためのウエハハンドリングシステム990の一実施形態を図示する。いくつかの実施形態では、ウエハハンドリングシステム990は、様々なプロセスステーション間および/またはプロセスステーションとロードロックとの間でウエハを搬送することができる。任意の適切なウエハハンドリングシステムが用いられてもよいことが理解されるであろう。非限定的な例として、ウエハカルーセルおよびウエハハンドリングロボットが挙げられる。図9はまた、プロセスツール900のプロセス条件およびハードウェア状態を制御するために用いられるシステムコントローラ950の一実施形態を図示する。システムコントローラ950は、1つまたは複数のメモリデバイス956と、1つまたは複数の大容量記憶デバイス954と、1つまたは複数のプロセッサ952とを含むことができる。プロセッサ952は、CPUまたはコンピュータ、アナログおよび/またはデジタル入出力接続、ステッピングモータコントローラボードなどを含み得る。
図9には示されていないが、ツール900は、上述の各ステーションのガスおよび配管、ならびに真空ポンプなどのリアクタ800の任意の特徴を含み得る。
いくつかの実施形態では、システムコントローラ950は、プロセスツール900の活動のすべてを制御する。システムコントローラ950は、大容量記憶デバイス954に記憶され、メモリデバイス956にロードされ、プロセッサ952で実行されるシステム制御ソフトウェア958を実行する。システム制御ソフトウェア958は、タイミング、ガスの混合、チャンバ圧力および/またはステーション圧力、チャンバ温度および/またはステーション温度、パージ条件およびパージタイミング、ウエハ温度、RF電力レベル、周波数、基板、台座、チャック位置および/またはサセプタ位置、ならびにプロセスツール900によって実施される特定のプロセスの他のパラメータを制御するための命令を含み得る。システム制御ソフトウェア958は、任意の適切な方法で構成され得る。例えば、様々なプロセスツール構成要素サブルーチンまたは制御オブジェクトは、開示される方法に従って様々なプロセスツールプロセスを実行するために必要なプロセスツール構成要素の動作を制御するために書かれてもよい。システム制御ソフトウェア958は、任意の適切なコンピュータ可読プログラミング言語でコード化され得る。
いくつかの実施形態では、システム制御ソフトウェア958は、上述の様々なパラメータを制御するための入力/出力制御(IOC)シーケンス命令を含み得る。例えば、各PECVDプロセスは、システムコントローラ950によって実行するための1つまたは複数の命令を含み得る。PECVDプロセス段階に対するプロセス条件を設定するための命令は、対応するPECVDレシピ段階に含まれてもよい。いくつかの実施形態では、PECVDレシピ段階は、PECVDプロセス段階に対するすべての命令がそのプロセス段階と同時に実行されるように、順に配置されてもよい。
いくつかの実施形態では、システムコントローラ950に関連する大容量記憶デバイス954および/またはメモリデバイス956に記憶された他のコンピュータソフトウェアおよび/またはプログラムが用いられてもよい。この目的のためのプログラムの例またはプログラムのセクションの例は、基板位置決めプログラム、プロセスガス制御プログラム、圧力制御プログラム、ヒータ制御プログラム、およびプラズマ制御プログラムを含む。
基板位置決めプログラムは、基板を台座918上にロードし、基板とプロセスツール900の他の部分との間隔を制御するために使用されるプロセスツール構成要素のプログラムコードを含むことができる。
プロセスガス制御プログラムは、プロセスステーションの圧力を安定化するために、ガス組成と流量を制御するためのコード、および任意で堆積前にガスを1つまたは複数のプロセスステーションに流すためのコードを含むことができる。プロセスガス制御プログラムは、開示されたいずれかの範囲内にガス組成および流量を制御するためのコードを含むことができる。圧力制御プログラムは、例えば、プロセスステーションの排気システムのスロットル弁、プロセスステーションへのガス流などを調節することによってプロセスステーションの圧力を制御するためのコードを含み得る。圧力制御プログラムは、開示されたいずれかの圧力範囲内にプロセスステーションの圧力を維持するためのコードを含むことができる。
ヒータ制御プログラムは、基板を加熱するために使用される加熱ユニットへの電流を制御するためのコードを含むことができる。あるいは、ヒータ制御プログラムは、基板への熱伝達ガス(ヘリウムなど)の送給を制御することができる。ヒータ制御プログラムは、開示されたいずれかの範囲内に基板の温度を維持するための命令を含むことができる。
プラズマ制御プログラムは、例えば本明細書に開示されるRF電力レベルのいずれかを使用して、1つまたは複数のプロセスステーションのプロセス電極に供給されるRF電力レベルおよび周波数を設定するためのコードを含むことができる。プラズマ制御プログラムは、各プラズマ曝露期間を制御するためのコードを含むこともできる。
システムコントローラ950は、いくつかの実施態様では、システムと統合または結合されるか、他の方法でシステムにネットワーク接続されるコンピュータの一部であってもよく、またはそのようなコンピュータに結合されてもよく、またはそれらの組み合わせであってもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってもよいし、ファブホストコンピュータシステムの全てもしくは一部であってもよい。これにより、ウエハ処理のリモートアクセスが可能となる。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製作動作の現在の進捗状況を監視し、過去の製作動作の履歴を検討し、複数の製作動作から傾向または性能基準を検討し、現在の処理のパラメータを変更し、現在の処理に続く処理ステップを設定するか、または新しいプロセスを開始してもよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ネットワークを通じてプロセスレシピをシステムに提供することができる。そのようなネットワークは、ローカルネットワークまたはインターネットを含んでいてもよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを含んでもよく、そのようなパラメータおよび/または設定は、その後リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例では、システムコントローラ950は命令をデータの形式で受信する。そのようなデータは、1つまたは複数の動作中に実施される各処理ステップのためのパラメータを特定するものである。パラメータは、実施されるプロセスのタイプ、およびコントローラが連動または制御するように構成されるツールのタイプに特有のものであってもよいことを理解されたい。したがって、上述したように、システムコントローラ950は、例えば、互いにネットワーク接続され共通の目的(本明細書で説明されるプロセスおよび制御など)に向けて協働する1つまたは複数の個別のコントローラを含むことによって分散されてもよい。このような目的のための分散型コントローラの例として、チャンバ上の1つまたは複数の集積回路であって、(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)遠隔配置されておりチャンバにおけるプロセスを制御するよう組み合わせられる1つまたは複数の集積回路と通信するものが挙げられるであろう。
いくつかの実施形態では、システムコントローラ950に関連するユーザインターフェースが存在してもよい。ユーザインターフェースは、ディスプレイ画面、装置および/またはプロセス条件のグラフィカルソフトウェアディスプレイ、ならびにポインティングデバイス、キーボード、タッチスクリーン、マイクロフォンなどのユーザ入力デバイスを含むことができる。
いくつかの実施形態では、システムコントローラ950によって調整されたパラメータは、プロセス条件に関係するものであってもよい。非限定的な例として、プロセスガス組成および流量、温度、圧力、プラズマ条件(RF電力レベル、周波数、および曝露時間など)などが挙げられる。これらのパラメータは、レシピの形態でユーザに提供されてもよく、ユーザインターフェースを利用して入力することができる。
プロセスを監視するための信号は、様々なプロセスツールセンサからシステムコントローラ950のアナログおよび/またはデジタル入力接続によって提供されてもよい。プロセスを制御するための信号は、プロセスツール900のアナログおよびデジタル出力接続で出力することができる。監視することができるプロセスツールセンサの非限定的な例は、マスフローコントローラ、圧力センサ(圧力計など)、熱電対などを含む。適切にプログラムされたフィードバックおよび制御アルゴリズムをこれらのセンサからのデータと共に使用して、プロセス条件を維持することができる。
開示される実施形態の実施には、任意の適切なチャンバを使用することができる。例示的な堆積装置は、各々カリフォルニア州フリーモントのLam Research Corporationから入手可能なALTUS(登録商標)製品ファミリー、VECTOR(登録商標)製品ファミリー、および/またはSPEED(登録商標)製品ファミリーの装置、または様々な他の市販の処理システムのうち任意のものを含むが、これに限定されない。2つ以上のステーションが、同じ機能を実施してもよい。同様に、2つ以上のステーションが、異なる機能を実施してもよい。各ステーションは、所望に応じて特定の機能/方法を実施するように設計/構成することができる。
PECVD処理
多くの半導体製作プロセスは、プラズマ強化化学気相堆積(「PECVD」)を使用して材料を堆積する。典型的なPECVD反応では、基板は、1つまたは複数の揮発性前駆体に曝され、これらは反応および/または分解し、基板表面上に所望の堆積物をもたらす。
PECVDプロセスは通常、1つまたは複数の反応剤を反応チャンバに流すことから始まる。反応剤の送給は、基板表面が曝されるプラズマが生成されると継続し得、これにより、基板表面上に堆積が起こる。このプロセスは、所望の膜厚に達するまで続き、その後、プラズマは一般に消滅し、反応剤の流れは終了する。次に、反応チャンバをパージし、堆積後のステップを実施することができる。
上記のように、いくつかの実施態様では、PECVD中にプラズマ形成を駆動するために使用される周波数は、高周波(「HF」)成分、低周波(「LF」)成分、またはその両方を含み得る。HF周波数は、約13.56MHzまたは約27MHzであり得る。プラズマ形成を駆動するために使用されるHF RF電力は、約200~3,000Wであり得る。これらの電力レベルは、送給される総電力を表し、マルチステーション処理チャンバ内のステーション間で分割することができる。プラズマは、この範囲内の電力であり得る第1の電力レベルで生成され得、例えば、シングルステーションの場合は600W、または4ステーション処理チャンバの場合は2,400Wであり、結果として4ステーションの各々について600Wになる。プラズマ曝露の期間は、堆積された膜の所望の厚さに依存する。いくつかの実施形態では、パルスPECVD法が使用されてもよい。これらの方法は、パルス前駆体および/またはRF電力レベルを含み得る。いくつかの実施形態では、PECVD中にプラズマ形成を駆動するために使用される周波数は、LF成分とHF成分の両方を含み得る。LF周波数は、約300~400kHzであり得る。プラズマ形成を駆動するために使用されるLF RF電力は、約200~2,500Wであり得る。
原子層堆積
いくつかの実施形態では、いくつかの半導体処理は、複数の膜堆積サイクルを含み、各々が「離散的な」膜厚をもたらす。原子層堆積(ALD)はそのような膜堆積法の1つであるが、膜の薄層を堆積し、繰り返しの連続的な物質で使用される技術は複数の堆積サイクルを伴うと見なすことができ、本明細書に開示される方法および装置はまた、そのようなマルチサイクル堆積動作において膜厚を制御するために一般的に使用され得る。
半導体業界でデバイスおよびフィーチャのサイズが縮小し続けるにつれて、また3Dデバイス構造(例えば、IntelのTri-Gateトランジスタアーキテクチャ)が集積回路(IC)設計で普及するにつれて、薄い共形膜(非平面であっても、下にある構造の形状に対して均一な厚さを有する材料の膜)を堆積する機能は引き続き重要性を増す。ALDは、ALDの1サイクルで材料の単一の薄層のみが堆積されるため、共形膜の堆積に適した膜形成技術であり、厚さは、膜形成化学反応自体の前に、基板表面に吸着する(すなわち、吸着制限層を形成する)ことができる1つまたは複数の膜前駆体反応剤の量によって制限される。次に、複数の「ALDサイクル」を使用して、所望の厚さの膜を構築することができ、各層は薄くて共形であるため、得られる膜は下にあるデバイス構造の形状に実質的に一致する。特定の実施形態では、各ALDサイクルは、以下のステップを含む:
1.第1の前駆体への基板表面の曝露。
2.基板が位置する反応チャンバのパージ。
3.典型的にはプラズマおよび/または第2の前駆体との基板表面の反応の活性化。
4.基板が位置する反応チャンバのパージ。
各ALDサイクルの期間は、典型的には25秒未満または10秒未満である。ALDサイクルのプラズマ曝露ステップ(1つまたは複数のステップ)は、1秒以下の期間などの短い期間であり得る。期間が短いため、プラズマの一貫性を制御することで、プロセスの均一性を高めることができる。プラズマインピーダンスと送給電力の変動は、プロセスの均一性に影響を及ぼす可能性のある2つの要因である。
RF電源を共有する複数の処理ステーションを備えた半導体ツールでのマルチサイクル堆積動作で使用されるRF電力を制御するための、装置および方法が提供される。RF電力の周波数と、RF電源を共有する個々のステーションに適用される電力が制御される。
図10は、一実施形態による、半導体基板上に膜を堆積するための基板処理装置を示す。図10の処理装置1000は、真空ポンプ1018によって真空下に維持され得る内部体積内に単一の基板ホルダ1008を備えた単一の処理チャンバ1002を有する。また、ガス送給システム1001およびシャワーヘッド1006が、(例えば)膜前駆体、キャリアおよび/またはパージおよび/またはプロセスガス、二次反応剤などを送給するためにチャンバに流体的に結合される。処理チャンバ内でプラズマを生成するための機器もまた、図10に示されている。図10に概略的に示されている装置は、半導体基板上で化学気相堆積(CVD)またはALDなどの膜堆積動作を実施するための基本的な機器を提供する。
簡略化のため、処理装置1000は、低圧環境を維持するためのプロセスチャンバ本体を有する独立型プロセスステーションとして図示されている。しかし、本明細書に記載されるように、複数のプロセスステーションが共通のプロセスツール環境に、例えば、共通の反応チャンバ内に含まれていてもよいことが理解されよう。例えば、図11は、実施形態1100による、マルチステーション処理ツールの一実施態様を図示する。さらに、いくつかの実施態様では、処理装置1000の1つまたは複数のハードウェアパラメータ(以下で詳細に説明されるものを含む)を、1つまたは複数のシステムコントローラによってプログラム的に調整することができることが理解されよう。
処理装置1000は、プロセスガスを分配シャワーヘッド1006に送給するための反応剤送給システム1001と流体的に連通している。反応剤送給システム1001は、シャワーヘッド1006に送給するプロセスガスをブレンドおよび/または調整するための混合容器1004を含む。1つまたは複数の混合容器入口弁1020は、混合容器1009へのプロセスガスの導入を制御することができる。
いくつかの反応剤は、気化およびその後のプロセスチャンバ1002への送給の前は、液体の形で保存することができる。図10の実施態様は、混合容器1009に供給される液体反応剤を気化させるための気化ポイント1003を含む。いくつかの実施態様では、気化ポイント1003は、加熱液体注入モジュールであってもよい。いくつかの他の実施態様では、気化ポイント1003は、加熱気化器であってもよい。さらに他の実施態様では、気化ポイント1003は、プロセスステーションから排除されてもよい。
いくつかの実施態様では、気化されて処理チャンバ1002に送給される液体の質量流量を制御するために、液体流コントローラ(LFC)を気化ポイント1003の上流に設けることができる。
シャワーヘッド1006は、プロセスガスおよび/または反応剤(例えば、膜前駆体)をプロセスステーションの基板1012に向けて分配し、その流れは、シャワーヘッドの上流の1つまたは複数の弁(例えば、弁1020)によって制御される。図10に示す実施態様では、基板1012は、シャワーヘッド1006の下に位置し、台座1008上に載置された状態で示されている。シャワーヘッド1006は、任意の適切な形状を有することができ、プロセスガスを基板1012に分配するための任意の適切な数および配置のポートを有することができる。
体積1007が、シャワーヘッド1006の下に位置する。いくつかの実施態様では、台座1008は、基板1012を体積1007に曝露するために、および/または体積1007の体積を変化させるために、上昇または下降させることができる。任意選択で、台座1008は、堆積プロセスの一部の間に下降および/または上昇させ、体積1007内のプロセス圧力、反応剤濃度などを調整することができる。
図10では、シャワーヘッド1006および台座1008は、プラズマに電力を供給するためのRF電源1014および整合ネットワーク1016に電気的に接続される。いくつかの実施態様では、プロセスステーション圧力、ガス濃度、RF源電力、RF源周波数、およびプラズマ電力パルスタイミングの1つまたは複数を制御することによって(例えば、適切な機械可読命令を有するシステムコントローラを介して)、プラズマエネルギーを制御してもよい。例えば、RF電源1014および整合ネットワーク1016は、ラジカル種の所望の組成を有するプラズマを形成するために任意の適切な電力で動作されてもよい。同様に、RF電源1014は、任意の適切な周波数のRF電力を提供し得る。
いくつかの実施態様では、1つまたは複数のプラズマモニタによって、プラズマをin situで監視してもよい。1つのシナリオでは、1つまたは複数の電圧、電流センサ(例えば、VIプローブなどの負荷センサ)によって、プラズマ電力を監視してもよい。このようなセンサの例には、MKS VI-Probe-4100および350が挙げられる。このようなセンサは、電圧、電流、および位相差を測定することができる。特定の実施態様では、センサは、RF電源に電気的に接続され得、シャワーヘッドにまたはその近くに位置し得る。そのような実施態様では、RF発生器の出力ポートに提示されるインピーダンスは、プラズマのインピーダンスを表し得る。別のシナリオでは、1つまたは複数の発光分光センサ(OES)によって、プラズマ密度および/またはプロセスガス濃度を測定してもよい。いくつかの実施態様では、そのようなin situのプラズマモニタからの測定値に基づいて、1つまたは複数のプラズマパラメータをプログラム的に調整することができる。例えば、負荷センサは、プラズマ電力のプログラム制御を提供するためのフィードバックループで使用されてもよい。いくつかの実施態様では、プラズマおよび他のプロセス特性を監視するために他のモニタが使用されてもよいことが理解されるであろう。このようなモニタは、赤外線(IR)モニタ、音響モニタ、および圧力トランスデューサを含んでもよいが、これらに限定されない。
いくつかの実施態様では、プラズマは、入力/出力制御(IOC)シーケンス命令を介して制御されてもよい。一例では、プラズマ活性化のためのプラズマ条件を設定するための命令を、プロセスレシピの対応するプラズマ活性化レシピに含めることができる。場合によっては、プロセスレシピが順に配置されてもよく、それによりプロセスのすべての命令がそのプロセスと同時に実行される。いくつかの実施態様では、1つまたは複数のプラズマパラメータを設定するための命令は、プラズマプロセスに先行するレシピに含まれ得る。例えば、第1のレシピは、不活性ガス(例えば、ヘリウム)および/または反応剤ガスの流量を設定するための命令、プラズマ発生器を電力設定点に設定するための命令、ならびに第1のレシピの時間遅延命令を含み得る。続く第2のレシピは、プラズマ発生器を有効にするための命令、および第2のレシピの時間遅延命令を含み得る。第3のレシピは、プラズマ発生器を無効にするための命令、および第3のレシピの時間遅延命令を含み得る。これらのレシピは、本開示の範囲内で、任意の適切な方法でさらに細分化および/または反復されてもよいことが理解されるであろう。
いくつかの堆積プロセスでは、プラズマストライクが数秒以上のオーダの期間で持続する。本明細書に記載の特定の実施態様では、処理サイクル中にはるかに短いプラズマストライクが適用され得る。これらは50ミリ秒未満のオーダである可能性があり、25ミリ秒が特定の例である。このような短いRFプラズマストライクには、プラズマの迅速な安定化および調節が必要である。プラズマの迅速な安定化および調節を達成するために、プラズマ発生器は、粗同調成分および微同調成分を含む2段階調節プロセスを通じて構成され得る。粗同調成分では、インピーダンス整合を特定のインピーダンスに事前設定することができる。粗同調成分は、インピーダンスの大きさが、例えば、50オームの値になるように事前設定することができる。特定の実施態様では、粗同調成分は、インピーダンスの大きさに影響を及ぼす調整に制限される場合がある。微同調成分では、位相をゼロの位相値などの目標値に一致させようとするために、RF周波数をベースライン周波数からフロートさせることができる。従来、高周波プラズマは、約13.56MHzの周波数で生成されていた。本明細書に開示される様々な実施態様において、周波数は、位相を目標値に一致させるために、この標準値とは異なる値にフロートすることができる。特定の実施態様では、微同調成分は、インピーダンスの位相に影響を及ぼす調整に制限される場合がある。インピーダンス整合を所定のインピーダンスに固定しながら周波数をフロートさせることによって、プラズマははるかに迅速に安定化することができる。ALDまたは原子層エッチング(ALE)サイクルに関連するストライクなど、非常に短いプラズマストライクは、プラズマの迅速な安定化の恩恵を受けることができる。
典型的な堆積サイクルの最初の1~2ミリ秒は、プラズマの点火を伴う。プラズマの点火後、RF周波数の微同調が実行され、プラズマの位相が目標値に一致する。
上述のように、1つまたは複数のプロセスステーションは、マルチステーション基板処理ツールに含まれ得る。図11は、プラズマバランシングハードウェアを利用し得るマルチステーション基板処理装置の一例を示す。図11に示すようなマルチステーション処理装置を使用することで、機器コストと運用費用の両方に関して様々な効率を達成することができる。例えば、単一の真空ポンプを使用して、4つのプロセスステーションすべての使用済みプロセスガスなどを排気することによって、4つのプロセスステーションすべてに単一の高真空環境を形成することができる。実施態様に応じて、各プロセスステーションはガス送給専用のシャワーヘッドを有することができるが、同じガス送給システムを共有してもよい。同様に、プラズマ発生機器の特定の要素は、プロセスステーション(例えば、電源)間で共有され得るが、実施態様に応じて、特定の側面がプロセスステーション固有になる場合がある(例えば、シャワーヘッドを使用してプラズマ生成電位を適用する場合)。繰り返しになるが、処理チャンバごとにより多くのまたはより少ない数のプロセスステーション(例えば、反応チャンバごとに2、3、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、または16以上のプロセスステーション)を使用することによって、そのような効率は多かれ少なかれ達成され得ることも理解されるべきである。
図9の基板処理装置はまた、ALD処理を実施するために用いられ得る。ここでは、単一の基板処理チャンバ914は、複数の基板プロセスステーションを含み、それらの各々は、そのプロセスステーションのウエハホルダに保持された基板上で処理動作を実施するために使用され得る。この特定の実施態様では、4つのプロセスステーション1、2、3、および4を有するマルチステーション基板処理ツール900が示されている。他の同様のマルチステーション処理装置は、実施態様および、例えば、並列ウエハ処理の所望のレベル、サイズ/スペースの制約、コストの制約などに応じて、より多くのまたはより少ない数の処理ステーションを有してもよい。
図9では、RF電力は、RF電力システム913で生成され、ステーション1~4の各々に分配される。RF電力システムは、1つまたは複数のRF電源、例えば、高周波(HFRF)および低周波(LFRF)電源、インピーダンス整合モジュール、およびフィルタを含み得る。特定の実施態様では、電源は、高周波または低周波電源のみに制限され得る。特に明記しない限り、説明されている堆積プロセスは高周波電力のみを用いると仮定する。RF電力システムの分配システムは、リアクタに対して対称であり、高いインピーダンスを有する。この対称性とインピーダンスにより、各ステーションにほぼ等しい量の電力が送給される。RF電力のわずかな違い(5~15%程度)は、分配システム構成要素、ステーションの配置、温度差、およびプロセス条件の許容誤差から生じる可能性がある。
RF電力のわずかな違いにより、様々な膜特性、例えば、組成、厚さ、密度、架橋の量、化学物質、反応完了点、応力、屈折率、誘電率、硬度、エッチング選択性、安定性、気密性などにおいてウエハ間の不均一性が発生する場合がある。個々のステーションでプラズマ電力を微調節し、ステーション条件の変化に動的に応答する能力により、ウエハ間の不均一性を減らすことができる。本発明の方法および装置は、マルチステーションリアクタに限定されないことに留意されたい。本明細書に開示される方法および装置は、複数の処理領域がRF電源を共有する他のRF電力システムに適用される。
システムコントローラ950はまた、ALDを実施するためのプロセスツール900およびそのプロセスステーションのプロセス条件およびハードウェア状態を制御するために用いられ得る。システムコントローラ950は、堆積プロセスを実施するための機械可読命令を提供することができる。命令は、DC電力レベル、RFバイアス電力レベル、RF電力パラメータ変動などのステーション間の変動、周波数調節パラメータ、圧力、温度などのような様々なプロセスパラメータを制御することができる。命令は、本明細書に記載の様々な実施態様に従って、膜スタックのin situ堆積を動作させるためのパラメータを制御することができる。
図11は、RF周波数調節を利用してRF電源を共有する複数のステーションを備えた例示的なマルチステーションプラズマリアクタの様々な構成要素を示す概略図である。示すように、高周波RF電源であり得るRF電源1101は、分配ネットワーク1121を介して複数のステーション1151に分配される。HFRFは、約2~60MHz、または約13.56MHzの周波数を有し得る。他の実施態様では、高周波RF電源に加えて、または高周波RF電源の代わりに、低周波RF電源を使用することができる。低周波RF電源は、約100kHz~約1MHz、または約400kHzの周波数を有し得る。特定の市販のRF電源は、RF電力の周波数を調節する能力を含む。このようなRF電源の例には、Advanced EngineerのParamountシリーズ、MKSのSurePowerシリーズ、ComdelのCB、CLX、およびCDXシリーズ、ならびにHuettingerのTruPlasmaシリーズが挙げられる。
RF電源1101からの電力は、固定整合モジュール1103を含み得るインピーダンス整合システムを介してルーティングされ得る。高周波と低周波の両方のRF電源を含む特定の実施態様では、ハイパスフィルタおよび/またはローパスフィルタも存在する場合がある。加えて、特定の実施態様では、RF電源からの電力は、自動整合モジュールを介してルーティングされ得る。高周波RF電源に加えて、または高周波RF電源の代わりに、低周波RF電源を含む実施態様では、低周波電力は固定または自動整合のいずれかを介してルーティングされ得る。特定の実施態様では、自動整合モジュールを使用して、RF電力周波数をプラズマの負荷の設定インピーダンスに整合させることができる。他の実施態様では、RF電力周波数をプラズマの負荷の設定インピーダンスに自動的に整合させない固定整合モジュールを使用することができる。
図11に示す実施態様では、RF電源1101は、分配ネットワーク1121に接続される。分配ネットワーク1121は、RF電源1101によって生成されたRF電力を複数のステーション1151の各々に分配することができる。分配ネットワーク1121は、複数のステーション1151の各々のRFアジャスタ1123に接続される。複数のステーション1151の各々について、RFアジャスタ1123は、シャワーヘッド1153の前の電力パラメータセンサ1133に接続される。電力パラメータセンサ1133は、負荷センサまたはOESセンサなど、以前に開示された任意のタイプのセンサであり得る。RF電源1101は、RFコントローラ1143から命令を得て、ステーションに分配されるRF電力の周波数を変化させることができる。命令は、1つまたは複数の電力パラメータセンサ1133によって検出されるインピーダンスに応じた周波数調整であり得る。他の実施態様では、追加のセンサが、すべてのステーション1151におけるプラズマの位相を表す最終位相を測定することができる。次に、RFコントローラ1143は、追加のセンサによって測定された最終位相に従って、ステーションに分配されるRF電力の周波数を変化させることができる。特定の実施態様では、RFコントローラ1143は、インピーダンスの位相がゼロまたはほぼゼロになるようにRF電力の周波数を変化させるための命令、例えば、コードを含み得る。図11に示す実施態様では、RFコントローラ1143は、個々のステーションの上流のRF電源1101からのRF電力の周波数を変化させることができる。
RFアジャスタ1123は、RFコントローラ1143によって制御される。RFコントローラ1143は、各ステーション1151のセンサ1133からの測定に基づいて、決定された量だけ個々のステーションのRF電力を変更することができる。特定の実施態様では、RFアジャスタ1123は、可変コンデンサであり得る。RFコントローラ1143は、可変コンデンサの静電容量を変化させることができるステッピングモータ(図示せず)を制御することができる。静電容量を変化させる他の方法がまた、使用されてもよい。例えば、RFアジャスタ1123はまた、個々のスイッチを備えたコンデンサのバンクであり得る。
RF電力は、指定された値を有するいくつかのコンデンサをアクティブ化(オン)することによって制御することができる。例えば、コンデンサは、ステーションに1pF、2pF、4pF、8pF、および16pFのシャント静電容量を追加するように選択することができる。この例では、アクティブ(オン)コンデンサと非アクティブ(オフ)コンデンサのすべての組み合わせが、1pFの分解能で0pF~31pFの範囲をカバーしている。アクティブ化されるコンデンサを選択することによって、コントローラは、ステーションへのRF電力を変更することができる。このデジタル制御は、特に広範囲の静電容量をカバーする必要がある場合、ステッピングモータを使用して可変コンデンサを制御するよりも高速になる。利用可能なスペースおよび必要な制御の量に応じて、当業者は、1つまたは複数のコンデンサを使用してRF電力を特定の量だけ変更するRFアジャスタを設計することができるであろう。
他の実施態様では、RFアジャスタ1123は、可変コイルインダクタであり得る。RFコントローラ1143は、ステーションに送給されるRF電力に影響を及ぼすように可変コイルインダクタを制御することができる。特定の実施態様では、RFアジャスタは、コンデンサおよびインダクタに限定されない。特定の実施態様では、他のRFアジャスタ1123は、共振器回路または抵抗回路など、RF電力を変更するために異なるメカニズムを利用することができる。
センサ1133は、少なくとも1つのRF電力パラメータを測定する。測定されるRF電力パラメータは、電圧、電流、インピーダンス、位相、または負荷電力であり得る。市販のプローブを使用して、RF電力パラメータを測定し、測定値をRFコントローラ1143に提供することができる。非RFパラメータを測定し、それをRFコントローラ1143のソース信号として使用することも可能である。例えば、ステーションプラズマまたは基板温度センサからの発光は、ステーション特性を測定し、それらをRFコントローラ1143に供給することができる。ステーションプラズマによって放出された光を収集するために、発光システムを各ステーションの近くに設置することができる。基板温度センサは、基板の下に構築されたリモート赤外線検出システムを使用する場合がある。センサ1133はまた、複数のRF電力パラメータを測定することができ、または複数のセンサを特定の実施態様で使用して、複数のRF電力パラメータを測定することができる。
いくつかの実施態様では、RFアジャスタは、マルチサイクルALDプロセスなどのマルチステッププロセスにわたって固定値または値の範囲に設定され得る。そのような実施態様では、RF電力パラメータをリアルタイムで検知し、RF電力のステーション間の分配を調整する必要はほとんどまたは全くない。
各ステーション1151は、接地された台座1157と連動して機能するシャワーヘッド1153を含む。供給される電力および周波数は、プロセスガスからプラズマを生成するのに十分であり、例えば、ステーションあたり約50W~約6000Wの範囲内である。電力レベルは、実施態様によって異なり得る。RF電力は、シャワーヘッド1153を介してステーション処理領域に接続され、RF電力が適用されるとプラズマを生成または維持する。プラズマにより、様々なメカニズムによって材料が基板上に堆積する。例えば、プラズマは、プロセスガスを分解して基板表面上で反応させることができる。図示の実施態様では、RF電流は、接地1131に接続された台座1157において接地されている。特定の他の実施態様では、RF電流は、シャワーヘッドなどのチャンバ内の異なる場所で接地され得る。
サイクル期間が短い多段階堆積プロセスのプラズマ活性化ステップは、短い場合がある。
プラズマ活性化ステップの期間は、約150ミリ秒以下(例えば、約50ミリ秒)であり得る。期間が短いため、プラズマ一貫性の制御は、プロセスの均一性に影響を及ぼす。プラズマバランシングを、プラズマ一貫性を制御するために使用することができる。
図8~図11には示されていないが、これらの図のツールのいずれかは、コントローラ950などの他のツールの任意の特徴を含むことができ、コントローラは、リアクタ800について本明細書に記載される任意の命令を実行するように構成され得る。加えて、図8~図10の実施形態800、900、1000でそれぞれ識別されたチャンバは、それぞれ、図1のチャンバ102、ならびに図6Dおよび図6Eのチャンバ602Aおよび602Bと見なされ得る。加えて、RF発生器110、610A、および610Bはまた、図8~図11のHFRFおよびLFRF発生器のいずれか、または両方と見なされ得る。
本開示の文脈が明確に要求しない限り、特許請求の範囲全体を通して、「備える」、「備えている」などの単語は、排他的または網羅的な意味ではなく、包括的な意味で、すなわち「~を含むがこれに限定されない」という意味で解釈されるべきである。単数形または複数形を使用する単語は、一般に、それぞれ複数形または単数形も含む。加えて、「ここに」、「以下に」、「上に」、「下に」という単語、および同様の意味の単語は、本出願全体を指し、本出願の特定の部分を指すものではない。「または」という単語が2つ以上の項目のリストを参照して使用されている場合、その単語は、単語の以下の解釈のすべて:リスト内の項目のいずれか、リスト内のすべての項目、およびリスト内の項目の任意の組み合わせをカバーする。「実施態様」という用語は、本明細書に記載の技術および方法の実施態様、ならびに構造を具現化する、ならびに/または本明細書に記載の技術および/もしくは方法を組み込む物理的物体を指す。「実質的に」、「およそ」、および「約」という用語は、示された量の±10%を含むと理解される。
本開示の文脈が明確に要求しない限り、特許請求の範囲全体を通して、「備える」、「備えている」などの単語は、排他的または網羅的な意味ではなく、包括的な意味で、すなわち「~を含むがこれに限定されない」という意味で解釈されるべきである。単数形または複数形を使用する単語は、一般に、それぞれ複数形または単数形も含む。加えて、「ここに」、「以下に」、「上に」、「下に」という単語、および同様の意味の単語は、本出願全体を指し、本出願の特定の部分を指すものではない。「または」という単語が2つ以上の項目のリストを参照して使用されている場合、その単語は、単語の以下の解釈のすべて:リスト内の項目のいずれか、リスト内のすべての項目、およびリスト内の項目の任意の組み合わせをカバーする。「実施態様」という用語は、本明細書に記載の技術および方法の実施態様、ならびに構造を具現化する、ならびに/または本明細書に記載の技術および/もしくは方法を組み込む物理的物体を指す。「実質的に」、「およそ」、および「約」という用語は、示された量の±10%を含むと理解される。
本発明は、たとえば、以下のような態様で実現することもできる。
適用例1:
半導体処理チャンバ内の異常プラズマ事象を検出する方法であって、
前記半導体処理チャンバ内のプラズマによって放出された光信号を検出することであって、前記プラズマは、RF発生器からのRF信号に応答して形成されることと、
前記光信号を電圧信号に変換することと、
前記電圧信号を調整して調整された電圧信号を形成することと、
前記調整された電圧信号に関連する変化が閾値を超えるかどうかを決定することと、
前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記RF発生器からの前記RF信号の出力パラメータを調整することと
を含む、方法。
適用例2:
請求項1の方法であって、
前記電圧信号を調整して前記調整された電圧信号を前記形成することは、ローパスフィルタで前記電圧信号をフィルタリングすることを含み、
前記決定することは、前記調整された電圧信号への前記電圧信号の変化を比較することを含む、
方法。
適用例3:
請求項2の方法であって、
前記電圧信号を前記調整して調整された電圧信号を前記形成することは、オフセットを前記調整された電圧信号に適用することをさらに含む、方法。
適用例4:
請求項1の方法であって、
前記電圧信号を前記調整して調整された電圧信号を前記形成することは、前記電圧信号の一次導関数をとることを含む、方法。
適用例5:
請求項1の方法であって、
前記RF発生器の前記出力パラメータの前記調整は、第1の電力レベルから第2の電力レベルに前記RF発生器の出力電力を下げることを含む、方法。
適用例6:
請求項5の方法であって、
前記第1の電力レベルから前記第2の電力レベルに前記RF発生器の前記出力電力を下げた後、第1の期間にわたって前記第2の電力レベルに前記RF発生器の前記出力電力を維持することと、
前記維持することの後、第2の期間にわたって前記第2の電力レベルから前記第1の電力レベルに前記RF発生器の前記出力電力を上げることと
をさらに含む、方法。
適用例7:
請求項5の方法であって、
前記第2の電力レベルは、ゼロ以外の電力レベルである、方法。
適用例8:
請求項5の方法であって、
前記第2の電力レベルは、ゼロである、方法。
適用例9:
請求項1の方法であって、
前記半導体処理チャンバ内の光強度またはプロセスパラメータに少なくとも部分的に基づいて、RF電力削減の第1の量を決定することと、
前記第1の量だけ前記RF発生器の出力電力レベルを削減することと
をさらに含み、
前記プロセスパラメータは、DC電力レベル、RFバイアス電力レベル、ステーション間のRF電力変動、周波数調節パラメータ、圧力、および温度からなる群から選択される1つまたは複数のプロセスパラメータを含む、
方法。
適用例10:
半導体処理ツールであって、
半導体処理チャンバと、
RF電力を前記半導体処理チャンバに提供してプラズマを生成および維持するように構成されたRF発生器と、
前記半導体処理チャンバ内のプラズマの発光を示す光信号を検出するように構成された光検出器であって、前記光検出器は、前記光信号を電圧信号に変換するように構成される光検出器と、
傾斜変化検出ユニットであって、
前記電圧信号を受信し、
前記電圧信号を調整して調整された電圧信号を形成し、
前記調整された電圧信号に関連する変化が閾値を超えるかどうかを決定し、
前記決定に応答して、前記RF発生器に対する調整を引き起こすように構成された信号を前記RF発生器に送信するように構成された傾斜変化検出ユニットと
を備える、半導体処理ツール。
適用例11:
請求項10の半導体処理ツールであって、
前記半導体処理チャンバ上のレンズであって、前記半導体処理チャンバ内の光が前記レンズを通過することを可能にするように構成されたレンズと、
前記レンズと前記光検出器との間にあり、前記レンズを通過して前記光検出器に達する前記光の少なくとも一部を伝送するように構成された光ファイバケーブルと
をさらに備える、半導体処理ツール。
適用例12:
請求項10の半導体処理ツールであって、
前記傾斜変化検出ユニットは、
前記電圧信号をフィルタリングして前記電圧信号を前記調整された電圧信号に変換するフィルタと、
前記調整された電圧信号と前記電圧信号との間の変化を比較するコンパレータと
をさらに備える、半導体処理ツール。
適用例13:
請求項12の半導体処理ツールであって、
前記コンパレータは、トランジスタ-トランジスタ論理(TTL)信号を前記RF発生器に送信するように構成されたTTLを含む、半導体処理ツール。
適用例14:
請求項10の半導体処理ツールであって、
前記RF発生器は、前記傾斜変化検出ユニットからの前記信号を受信することに応答して、第1の電力レベルから第2の電力レベルに前記RF電力を削減するように構成される、半導体処理ツール。
適用例15:
請求項10の半導体処理ツールであって、
前記傾斜変化検出ユニットは、
前記電圧信号の導関数をとり、前記電圧信号を前記調整された電圧信号に変換するように構成された微分器と、
前記調整された電圧信号の前記変化が前記閾値を超えるかどうかを決定するように構成されたコンパレータと
をさらに備える、半導体処理ツール。
適用例16:
請求項10の半導体処理ツールであって、
前記半導体処理チャンバと前記光検出器との間にあり、前記半導体処理チャンバ内の前記プラズマによって生成された光を透過して前記光検出器に達するように構成された光ファイバケーブル
をさらに備える、半導体処理ツール。
適用例17:
請求項10の半導体処理ツールであって、
前記光検出器は、前記RF発生器に電気的に接続され、
前記半導体処理チャンバからの前記光信号は、前記半導体処理チャンバから前記RF発生器に供給される、
半導体処理ツール。
適用例18:
請求項10の半導体処理ツールであって、
前記光検出器および前記傾斜変化検出ユニットは、前記半導体処理チャンバの外側に位置決めされる、
半導体処理ツール。
適用例19:
請求項18の半導体処理ツールであって、
前記光検出器および前記傾斜変化検出ユニットは、前記半導体処理チャンバと前記RF発生器の間に位置決めされる、
半導体処理ツール。
適用例20:
請求項10の半導体処理ツールであって、
前記光検出器および前記傾斜変化検出ユニットは、前記半導体処理チャンバ上に位置決めされる、
半導体処理ツール。
適用例21:
異常プラズマ事象を検出する方法であって、
RF発生器からの信号を利用してプラズマを形成することと、
前記プラズマによって生成された変動する光信号を検出することと、
前記変動する光信号のスペクトル密度を計算することと、
前記変動する光信号の前記スペクトル密度が、前記プラズマによって生成された変動する光信号の1つまたは複数の参照スペクトル密度と閾値量だけ異なることを決定することと
を含む、方法。
適用例22:
請求項21の方法であって、
前記変動する光信号の前記スペクトル密度を計算することは、高速フーリエ変換を利用することを含む、方法。
適用例23:
請求項21の方法であって、
変動する光信号の前記1つまたは複数の参照スペクトル密度は、公称条件下で維持されたプラズマによって生成された変動する光信号のスペクトル密度に対応する、方法。
適用例24:
請求項23の方法であって、
前記閾値量は、公称条件下で維持された前記プラズマからの前記変動する光信号の前記スペクトル密度に対する1つの標準偏差に対応する、方法。
適用例25:
請求項23の方法であって、
前記閾値量は、公称条件下で維持された前記プラズマからの前記変動する光信号の前記スペクトル密度に対する2つの標準偏差に対応する、方法。
適用例26:
請求項21の方法であって、
前記変動する光信号の前記スペクトル密度を計算することは、約400kHzの周波数で前記変動する光信号の前記スペクトル密度を決定することを含む、方法。
適用例27:
請求項21の方法であって、
前記変動する光信号の前記スペクトル密度を計算することは、約400kHz~約4MHzの周波数で前記変動する光信号の前記スペクトル密度を決定することを含む、方法。
適用例28:
請求項21の方法であって、
前記変動する光信号の前記スペクトル密度を計算することは、1つまたは複数のRF発生器によって生成された複数の周波数で前記変動する光信号の前記スペクトル密度を決定することを含む、方法。
適用例29:
装置であって、
マルチステーション処理ツールから光信号を受信する光検出器からの出力信号を分析するように構成された信号プロセッサであって、前記信号プロセッサは、
半導体製作チャンバで形成されたプラズマによって生成された変動する光信号を検出し、
前記変動する光信号のスペクトル密度を計算し、
前記変動する光信号の前記スペクトル密度が、前記プラズマによって生成された前記変動する光信号の1つまたは複数の参照スペクトル密度と閾値量だけ異なることを決定する
ようにさらに構成される信号プロセッサを備える、装置。
適用例30:
請求項29の装置であって、
前記変動する光信号の前記1つまたは複数の参照スペクトル密度は、前記プラズマが公称条件下に維持されている間に計算されたスペクトル密度に対応する、装置。
適用例31:
請求項30の装置であって、
前記閾値量は、公称条件下で維持された前記プラズマからの前記変動する光信号の前記スペクトル密度に対する1つの標準偏差に対応する、装置。
適用例32:
請求項30の装置であって、
前記閾値量は、公称条件下で維持された前記プラズマからの前記変動する光信号の前記スペクトル密度に対する2つの標準偏差に対応する、装置。
適用例33:
請求項29の装置であって、
約400kHzの周波数を有するRF信号が前記マルチステーション処理ツールに結合されている間に、前記変動する光信号の前記スペクトル密度が計算される、装置。
適用例34:
請求項33の装置であって、
前記変動する光信号の前記スペクトル密度は、400kHz~4MHzの周波数での前記変動する光信号の前記スペクトル密度を決定するために計算される、装置。
適用例35:
請求項34の装置であって、
前記変動する光信号の前記スペクトル密度は、前記マルチステーション処理ツールに結合された前記RF信号の周波数で計算される、装置。

Claims (35)

  1. 半導体処理チャンバ内の異常プラズマ事象を検出する方法であって、
    前記半導体処理チャンバ内のプラズマによって放出された光信号を検出することであって、前記プラズマは、RF発生器からのRF信号に応答して形成されることと、
    前記光信号を電圧信号に変換することと、
    前記電圧信号を調整して調整された電圧信号を形成することと、
    前記調整された電圧信号に関連する変化が閾値を超えるかどうかを決定することと、
    前記決定に少なくとも部分的に基づいて、前記RF発生器からの前記RF信号の出力パラメータを調整することと
    を含む、方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、
    前記電圧信号を調整して前記調整された電圧信号を前記形成することは、ローパスフィルタで前記電圧信号をフィルタリングすることを含み、
    前記決定することは、前記調整された電圧信号への前記電圧信号の変化を比較することを含む、
    方法。
  3. 請求項2に記載の方法であって、
    前記電圧信号を前記調整して調整された電圧信号を前記形成することは、オフセットを前記調整された電圧信号に適用することをさらに含む、方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、
    前記電圧信号を前記調整して調整された電圧信号を前記形成することは、前記電圧信号の一次導関数をとることを含む、方法。
  5. 請求項1に記載の方法であって、
    前記RF発生器の前記出力パラメータの前記調整は、第1の電力レベルから第2の電力レベルに前記RF発生器の出力電力を下げることを含む、方法。
  6. 請求項5に記載の方法であって、
    前記第1の電力レベルから前記第2の電力レベルに前記RF発生器の前記出力電力を下げた後、第1の期間にわたって前記第2の電力レベルに前記RF発生器の前記出力電力を維持することと、
    前記維持することの後、第2の期間にわたって前記第2の電力レベルから前記第1の電力レベルに前記RF発生器の前記出力電力を上げることと
    をさらに含む、方法。
  7. 請求項5に記載の方法であって、
    前記第2の電力レベルは、ゼロ以外の電力レベルである、方法。
  8. 請求項5に記載の方法であって、
    前記第2の電力レベルは、ゼロである、方法。
  9. 請求項1に記載の方法であって、
    前記半導体処理チャンバ内の光強度またはプロセスパラメータに少なくとも部分的に基づいて、RF電力削減の第1の量を決定することと、
    前記第1の量だけ前記RF発生器の出力電力レベルを削減することと
    をさらに含み、
    前記プロセスパラメータは、DC電力レベル、RFバイアス電力レベル、ステーション間のRF電力変動、周波数調節パラメータ、圧力、および温度からなる群から選択される1つまたは複数のプロセスパラメータを含む、
    方法。
  10. 半導体処理ツールであって、
    半導体処理チャンバと、
    RF電力を前記半導体処理チャンバに提供してプラズマを生成および維持するように構成されたRF発生器と、
    前記半導体処理チャンバ内のプラズマの発光を示す光信号を検出するように構成された光検出器であって、前記光検出器は、前記光信号を電圧信号に変換するように構成される光検出器と、
    傾斜変化検出ユニットであって、
    前記電圧信号を受信し、
    前記電圧信号を調整して調整された電圧信号を形成し、
    前記調整された電圧信号に関連する変化が閾値を超えるかどうかを決定し、
    前記決定に応答して、前記RF発生器に対する調整を引き起こすように構成された信号を前記RF発生器に送信するように構成された傾斜変化検出ユニットと
    を備える、半導体処理ツール。
  11. 請求項10に記載の半導体処理ツールであって、
    前記半導体処理チャンバ上のレンズであって、前記半導体処理チャンバ内の光が前記レンズを通過することを可能にするように構成されたレンズと、
    前記レンズと前記光検出器との間にあり、前記レンズを通過して前記光検出器に達する前記光の少なくとも一部を伝送するように構成された光ファイバケーブルと
    をさらに備える、半導体処理ツール。
  12. 請求項10に記載の半導体処理ツールであって、
    前記傾斜変化検出ユニットは、
    前記電圧信号をフィルタリングして前記電圧信号を前記調整された電圧信号に変換するフィルタと、
    前記調整された電圧信号と前記電圧信号との間の変化を比較するコンパレータと
    をさらに備える、半導体処理ツール。
  13. 請求項12に記載の半導体処理ツールであって、
    前記コンパレータは、トランジスタ-トランジスタ論理(TTL)信号を前記RF発生器に送信するように構成されたTTLを含む、半導体処理ツール。
  14. 請求項10に記載の半導体処理ツールであって、
    前記RF発生器は、前記傾斜変化検出ユニットからの前記信号を受信することに応答して、第1の電力レベルから第2の電力レベルに前記RF電力を削減するように構成される、半導体処理ツール。
  15. 請求項10に記載の半導体処理ツールであって、
    前記傾斜変化検出ユニットは、
    前記電圧信号の導関数をとり、前記電圧信号を前記調整された電圧信号に変換するように構成された微分器と、
    前記調整された電圧信号の前記変化が前記閾値を超えるかどうかを決定するように構成されたコンパレータと
    をさらに備える、半導体処理ツール。
  16. 請求項10に記載の半導体処理ツールであって、
    前記半導体処理チャンバと前記光検出器との間にあり、前記半導体処理チャンバ内の前記プラズマによって生成された光を透過して前記光検出器に達するように構成された光ファイバケーブル
    をさらに備える、半導体処理ツール。
  17. 請求項10に記載の半導体処理ツールであって、
    前記光検出器は、前記RF発生器に電気的に接続され、
    前記半導体処理チャンバからの前記光信号は、前記半導体処理チャンバから前記RF発生器に供給される、
    半導体処理ツール。
  18. 請求項10に記載の半導体処理ツールであって、
    前記光検出器および前記傾斜変化検出ユニットは、前記半導体処理チャンバの外側に位置決めされる、
    半導体処理ツール。
  19. 請求項18に記載の半導体処理ツールであって、
    前記光検出器および前記傾斜変化検出ユニットは、前記半導体処理チャンバと前記RF発生器の間に位置決めされる、
    半導体処理ツール。
  20. 請求項10に記載の半導体処理ツールであって、
    前記光検出器および前記傾斜変化検出ユニットは、前記半導体処理チャンバ上に位置決めされる、
    半導体処理ツール。
  21. 異常プラズマ事象を検出する方法であって、
    RF発生器からの信号を利用してプラズマを形成することと、
    前記プラズマによって生成された変動する光信号を検出することと、
    前記変動する光信号のスペクトル密度を計算することと、
    前記変動する光信号の前記スペクトル密度が、前記プラズマによって生成された変動する光信号の1つまたは複数の参照スペクトル密度と閾値量だけ異なることを決定することと
    を含む、方法。
  22. 請求項21に記載の方法であって、
    前記変動する光信号の前記スペクトル密度を計算することは、高速フーリエ変換を利用することを含む、方法。
  23. 請求項21に記載の方法であって、
    変動する光信号の前記1つまたは複数の参照スペクトル密度は、公称条件下で維持されたプラズマによって生成された変動する光信号のスペクトル密度に対応する、方法。
  24. 請求項23に記載の方法であって、
    前記閾値量は、公称条件下で維持された前記プラズマからの前記変動する光信号の前記スペクトル密度に対する1つの標準偏差に対応する、方法。
  25. 請求項23に記載の方法であって、
    前記閾値量は、公称条件下で維持された前記プラズマからの前記変動する光信号の前記スペクトル密度に対する2つの標準偏差に対応する、方法。
  26. 請求項21に記載の方法であって、
    前記変動する光信号の前記スペクトル密度を計算することは、約400kHzの周波数で前記変動する光信号の前記スペクトル密度を決定することを含む、方法。
  27. 請求項21に記載の方法であって、
    前記変動する光信号の前記スペクトル密度を計算することは、約400kHz~約4MHzの周波数で前記変動する光信号の前記スペクトル密度を決定することを含む、方法。
  28. 請求項21に記載の方法であって、
    前記変動する光信号の前記スペクトル密度を計算することは、1つまたは複数のRF発生器によって生成された複数の周波数で前記変動する光信号の前記スペクトル密度を決定することを含む、方法。
  29. 装置であって、
    マルチステーション処理ツールから光信号を受信する光検出器からの出力信号を分析するように構成された信号プロセッサであって、前記信号プロセッサは、
    半導体製作チャンバで形成されたプラズマによって生成された変動する光信号を検出し、
    前記変動する光信号のスペクトル密度を計算し、
    前記変動する光信号の前記スペクトル密度が、前記プラズマによって生成された前記変動する光信号の1つまたは複数の参照スペクトル密度と閾値量だけ異なることを決定する
    ようにさらに構成される信号プロセッサを備える、装置。
  30. 請求項29に記載の装置であって、
    前記変動する光信号の前記1つまたは複数の参照スペクトル密度は、前記プラズマが公称条件下に維持されている間に計算されたスペクトル密度に対応する、装置。
  31. 請求項30に記載の装置であって、
    前記閾値量は、公称条件下で維持された前記プラズマからの前記変動する光信号の前記スペクトル密度に対する1つの標準偏差に対応する、装置。
  32. 請求項30に記載の装置であって、
    前記閾値量は、公称条件下で維持された前記プラズマからの前記変動する光信号の前記スペクトル密度に対する2つの標準偏差に対応する、装置。
  33. 請求項29に記載の装置であって、
    約400kHzの周波数を有するRF信号が前記マルチステーション処理ツールに結合されている間に、前記変動する光信号の前記スペクトル密度が計算される、装置。
  34. 請求項33に記載の装置であって、
    前記変動する光信号の前記スペクトル密度は、400kHz~4MHzの周波数での前記変動する光信号の前記スペクトル密度を決定するために計算される、装置。
  35. 請求項34に記載の装置であって、
    前記変動する光信号の前記スペクトル密度は、前記マルチステーション処理ツールに結合された前記RF信号の周波数で計算される、装置。
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