JP2022518893A - フェーズドアレイアンテナを較正するためのシステム及び方法 - Google Patents

フェーズドアレイアンテナを較正するためのシステム及び方法 Download PDF

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Abstract

【解決手段】 少なくとも第1及び第2のフェーズドアレイアンテナを含むアンテナアレイを有するアンテナシステム、及びアンテナアレイを現場較正するための方法。ハンドオーバ期間の前後において、第1及び第2のアンテナの両方を用いて、それぞれの第1及び第2の外部衛星又は他の通信システムとの通信が行われる。第1のビームは、ハンドオーバ期間の前に形成される。ハンドオーバ期間の第1の部分の間に、第1のアンテナを使用して第1の衛星との通信のために第2のビームが形成され、外部通信用の第2のアンテナが、非アクティブにされ、第2のアンテナは較正される。ハンドオーバ期間の第2の部分の間に、第1のアンテナが第2のビームを介して第1の衛星とのその通信を維持しながら、第2のアンテナを使用して第3のビームを形成することによって、第2の衛星とのハンドオーバ通信のために第2のアンテナがアクティブにされる。【選択図】図1A

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年1月18日に出願された米国仮特許出願第62/794,478号に対する優先権を主張するものであり、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
(発明の分野)
本開示は、概してフェーズドアレイアンテナに関し、より詳細には、現場較正能力を有するフェーズドアレイベースのアンテナシステムに関する。
関連技術の考察
フェーズドアレイアンテナは、数百又は数千のアンテナ素子を含むことができ、各々は、送信方向信号(「送信信号」)信号及び/又は受信方向信号(「受信信号」)を搬送するそれぞれの信号経路に接続される。いくつかの「アクティブ」フェーズドアレイ、数百又は数千の低ノイズ増幅器(LNA)及び/又は電力増幅器(PA)のフロントエンドにおいて、可変位相シフタ及び他の集積回路構成要素は、アンテナ素子のうちの1つ又は複数を通ってルーティングされた送信信号/受信信号を増幅及び位相シフトするための信号経路においてアンテナアレイにわたって分散される。正確なビームを形成するために、信号経路間の位相及び振幅(利得/損失)関係は、多くの場合、アンテナシステムの製造及び設定中に正確に設定される必要がある。アンテナが、ビーム指向精度及びサイドローブレベルなどの任意の必要な性能要件を満たすことを確実にするために、現場でのアンテナ動作中にそのような位相及び振幅関係を維持することが望ましい。
しかしながら、経時的に、LNA、PA、及び他の信号経路構成要素の劣化は避けられない。したがって、アンテナシステムは、位相シフタの位相シフト及び増幅器(及び含まれる場合は可変減衰器)の利得/損失を調節することによって、現場において信号経路を周期的に較正するための組み込み較正回路を含んでもよい。1つのタイプの較正回路は、衛星又は他の外部システムとの無線通信のためにアンテナシステムが非アクティブにされる所定のメンテナンス期間中にのみ動作する。別のタイプの較正回路は、このような通信と同時に較正を実行することを可能にするが、このタイプの電流回路は非常に複雑であることが知られている。
本開示の態様では、フェーズドアレイを有するアンテナシステムは、ハンドオーバ期間中にフェーズドアレイのアンテナ素子への信号経路の現場較正を実行するための制御及び較正回路により構成される。「いつでも較正」が可能な現在のシステムと比較して、本明細書に開示される制御及び較正回路は、それほど複雑ではないが、同じ全体的な目的を達成することができる。
本開示の技術の一態様は、少なくとも第1のアンテナ及び第2のアンテナのアンテナアレイを含むアンテナシステムを較正する方法を含む。アンテナシステムとの通信が第1の通信システムから第2の通信システムにハンドオーバされるハンドオーバ期間の前に、第1のアンテナ及び第2のアンテナを介して第1の通信システムと通信するための第1のビームが形成される。ハンドオーバ期間の第1の部分の間に、第1のアンテナを使用して第1の通信システムと通信するために第2のビームが形成され、外部通信用の第2のアンテナが、非アクティブにされ、第2のアンテナは較正される。ハンドオーバ期間の第2の部分の間に、第1のアンテナが第2のビームを介して第1の通信システムとの通信を維持しながら、第2のアンテナを使用して第3のビームを形成することによって、第2の通信システムとのハンドオーバ通信のために第2のアンテナがアクティブにされる。ハンドオーバ期間の後、第1のアンテナ及び第2のアンテナの両方を介して、第2の通信システムと通信するための第4のビームが形成される。
別の態様では、アンテナシステムは、第1及び第2のアンテナを含むアンテナアレイと、較正回路と、第1のアンテナ及び第2のアンテナに接続された交差結合スイッチと、コントローラとを含む。コントローラは、上述した方法の動作を実行するために、第1のアンテナ及び第2のアンテナ、較正回路、並びに交差結合スイッチを制御するように構成される。
開示された技術の上記及び他の態様及び特徴は、同様の参照符号が同様の素子又は特徴を示す添付の図面と併せて、以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。同じ又は類似のタイプの様々な素子は、参照ラベルを第2のラベルと、又は同じ/類似の素子を区別するダッシュ及び第2のラベル(例えば、-1、-2)と直接結合することによって区別することができる。しかしながら、所与の説明が第1の参照ラベルのみを使用する場合、第2の参照ラベルに関係なく、同じ第1の参照ラベルを有する同じ/類似の素子のいずれか1つに適用可能である。図面のうち:
図1Aは、本技術の一実施形態によるアンテナシステムの例示的な回路を概略的に示す。
図1Bは、図1Aのアンテナシステムの追加の例示的な回路を概略的に示す。
図1Cは、図1Aのアンテナシステムの追加の例示的な送信及び受信回路を概略的に示す。
図2Aは、アンテナシステムの例示的なアンテナアレイを概略的に示す。
図2Bは、図2Aのアンテナアレイのアンテナ素子に接続されたRFIC内の例示的な送信及び受信経路回路を示す。
図2Cは、アンテナシステムで使用され得るアンテナアレイの代替構成を概略的に示す。
図3Aは、アンテナシステムにおける例示的な受信経路較正ループ及び較正回路を示す。
図3Bは、アンテナシステムにおける例示的な送信経路較正ループ及び較正回路を示す。
図4Aは、アンテナシステム内の例示的な較正回路のブロック図である。
図4Bは、アンテナシステム内の較正回路の別の例を概略的に示す図である。
図4Cは、アンテナシステム内の較正回路の更なる例を概略的に示す図である。
図5Aは、現場においてアンテナシステムを動作及び較正する例示的な方法のフローチャートである。
図5Bは、例示的な方法の間のビーム形成及び較正動作の例示的なタイミングを示すタイミング図である。
図6Aは、ハンドオーバ期間の第1の部分の前、及びその間にアンテナシステムによって形成される例示的な第1及び第2のビームをそれぞれ示す。
図6Bは、ハンドオーバ期間の第2の部分の間及び後にアンテナシステムによって形成される例示的な第3及び第4のビームをそれぞれ示す。
図7Aは、アンテナシステムにおける例示的な交差結合スイッチ、及びハンドオーバ期間の直前のアンテナシステムの例示的な動作状態を示す図である。
図7Bは、ハンドオーバ期間の第1の部分の間の、例示的な交差結合スイッチを有するアンテナシステムの動作状態を示し、アンテナシステムの、外部通信用の第2のアンテナが、非アクティブにされる。
図7Cは、ハンドオーバ期間の第1の部分の間の、例示的な交差結合スイッチを有するアンテナシステムの動作状態を示す図であり、スイッチ内の交差結合が遮断され、第2のアンテナが較正される。
図7Dは、ハンドオーバ期間の第2の部分の間の、例示的な交差結合スイッチを有するアンテナシステムの動作状態を示し、アンテナシステムの第1のアンテナ及び第2のアンテナは、それぞれ第1の衛星及び第2の衛星と通信する。
図7Eは、ハンドオーバ期間の第3の部分の間の、例示的な交差結合スイッチを有するアンテナシステムの動作状態を示し、アンテナシステムの第1のアンテナが較正される。
図7Fは、ハンドオーバ期間の第3の部分の間の、例示的な交差結合スイッチを有するアンテナシステムの動作状態を示し、スイッチの交差結合が再接続される。
図7Gは、ハンドオーバ期間の直後の、例示的な交差結合スイッチを有するアンテナシステムの動作状態を示す。
図8は、開示された技術によるアンテナシステムの代替的な実施形態を示す。
以下の説明は、添付の図面を参照して、例示目的のために本明細書に開示される技術の特定の例示的実施形態の包括的な理解を支援するために提供される。本明細書は、技術を理解する当業者を支援するための様々な具体的な詳細を含むが、これらの詳細は単なる例示であると見なされるべきである。簡潔さ及び明瞭さのために、周知の機能及び構造の説明は、当業者が技術を理解することを不明瞭にし得る場合には、周知の機能及び構造の説明を省略することができる。
本明細書において、用語「受信する」及び「送信する」は、形容詞として使用されるとき、「受信方向」及び「送信方向」を意味する。例えば、「受信信号」は、アンテナの受信方向に伝搬する信号である。同様に、「受信時」は「受信動作中」を意味し、「送信時」は「送信動作中」などを意味する。「ビーム信号」は、集合的にアンテナビームを形成する複数のアンテナ素子から受信されるか、又はアンテナ素子に提供される合成信号エネルギーを表す信号を指す。「素子信号」は、受信時に単一のアンテナ素子によって提供されるか、又は送信時に単一の素子信号に供給されて放射される信号を指す。
図1Aは、本技術の一実施形態によるアンテナシステム10の例示的な回路を概略的に示す。アンテナシステム10は、アンテナアレイ21と、コントローラ30と、受信交差結合スイッチ(RCC)40と、送信交差結合(TCC)スイッチ41と、送信/受信(T/R)素子18-1及び18-2と、可変遅延線(VDL)65-1及び65-2と、較正回路50と、方向性結合器60-1及び60-2と、単極多投(SPMT)スイッチSW1及びSW2(以下で更に説明する)と、単極双投(SPDT)スイッチSW3及びSW4とを含む。アンテナアレイ21は、第1のアンテナ20-1及び第2のアンテナ20-2を含み、これらの各々は、各アンテナ素子22の下流又はアンテナ素子22の小グループの下流に分散増幅器及び位相シフタを有するアクティブフェーズドアレイアンテナであってもよい。様々な例において、アンテナシステム10は、地上位置にある固定されたアンテナシステムであってもよく、地上ベースの移動車両又は船舶に搭載されていてもよく、又は航空機、宇宙船若しくは衛星に搭載されていてもよい。
本明細書では、2つのエンティティ間の「通信」は、任意の適切なプロトコルを使用した、エンティティ間のRF信号(データトラフィック及び/又は制御信号)の双方向通信を指す。第1の衛星91又は第2の衛星92などの外部通信システムは、アンテナシステム10と通信する。他の実施例では、外部通信システムは地上通信システム又は航空機ベースの通信システム又は宇宙ベースの通信システムである。以下の説明では、衛星との通信を例にして説明する。
以下では、アンテナシステム10を伴う「通常の通信動作」は、第1のアンテナ20-1及び第2のアンテナ20-2を使用してペンシルビームを形成するアンテナシステム10による、アンテナシステム10と単一の衛星との間の通信を指す。通常の通信動作は、アンテナシステム10との通信セッションが第1の衛星91から第2の衛星92にハンドオーバされるハンドオーバ期間中の通信とは区別することができる。例えば、第1の衛星91との通信セッションの一方側でアンテナシステム10がエンドユーザ機器に接続されている場合、第2の衛星92への通信セッションのハンドオーバが成功すると、エンドユーザ機器は、アンテナシステム10を介して適切な衛星の位置を特定しようと試みることにより通信セッションを再開する必要がなくなる。例えば、音声通話又はライブビデオストリームを含むハンドオーバ中、エンドユーザはハンドオーバ期間中に品質の低下を知覚しないことがある。アンテナシステム10によって処理されるハンドオーバは、第1の衛星から第2の衛星への「メイク・ビフォア・ブレーク」ハンドオーバと呼ばれることがある。このようなメイク・ビフォア・ブレーク・ハンドオーバでは、第1の衛星及び第2の衛星は、アンテナシステム10と現在の通信セッションに関する情報を共有し得る。短いハンドオーバ期間の間、例えば約30秒未満の間、第1及び第2の衛星の両方は、異なる周波数、異なる擬似ランダムコード、異なる変調、又はそれらの信号を区別するための別のやり方を使用するが、ビデオ又はオーディオデータなどの同じ情報信号を、冗長にアンテナシステム10に通信することができる。この方法は、「ソフトハンドオーバ」と呼ばれることもある。択一的に、第2の衛星は、制御ビットのみを通信し、ハンドオーバ期間中に情報信号を通信せず、ハンドオーバ期間の直後に、第1の衛星によって交換された情報信号に直接追従することを意図した通信セッションの情報信号を正確に送信する(「ハードハンドオーバ」と呼ばれることもある)。制御ビットは、情報信号の後続の通信を管理するために使用され、通信に使用される周波数、タイミング、プロトコル、変調、パケット構造などの制御情報を伝達することができる。メイク・ビフォア・ブレーク・ハンドオーバのためのソフトハンドオーバ又はハードハンドオーバのいずれの場合も、通信セッションにおける識別可能な不連続を、ハンドオーバを完了するために第1の衛星との通信が脱落した後に回避することができる。以下で更に説明するように、ハンドオーバ期間を通して、アンテナシステム10は、第1のアンテナ20-1及び第2のアンテナ20-2の一方のみを使用して第1の衛星91と通信し、アンテナ20-1及び20-2の他方のみを使用して第2の衛星92と通信する。
コントローラ30は、制御線CLを介して制御信号をアンテナ20-1、20-2、較正回路50、RCC及びTCCスイッチ40、41、スイッチSW1~SW4、可変遅延線65の各々に、場合によってはT/R素子に送信することによって、アンテナシステム10の全体的な動作を制御することができる。コントローラ30によって出力される制御信号は、RCCスイッチ40及びTCCスイッチ41内のスイッチの切り替え状態を制御し、各アンテナ20-1,20-2内の増幅器のバイアス及びオン/オフ状態を制御し、ビームステアリングのために各アンテナ20-1、20-2内の位相シフタの位相シフトを制御し、アンテナ20-1と20-2との間の位相整合のためにVDL65-1及び65-2内の可変遅延経路を設定し、較正回路50及びスイッチSW1~SW4の制御を介して較正動作を制御することができる。例えば、通常の通信動作中、コントローラ30は制御信号を出力して、第1のアンテナ20-1及び第2のアンテナ20-2が互いに接続され、衛星91、92のうちの一方のみと通信するためのビームを集合的に形成させる。ハンドオーバ期間の第1の部分の間、コントローラ30は、任意の外部通信のためのアンテナ20-2を非アクティブにすることによって、アンテナ20-1に対してのみ衛星91と通信させるための制御信号を出力することができ、一方、他の制御信号は、較正回路50の制御を介してアンテナ20-2の較正動作を開始する。(較正のために、コントローラ30は、後述する位相及び振幅参照データ並びに補正データを記憶することができるメモリ31を含む。)ハンドオーバ期間の第2の部分の間、又は異なるハンドオーバ期間において、コントローラ30は、同様のやり方でアンテナ20-1の較正を開始することができる。ここで、第1のアンテナ20-1及び第2のアンテナ20-2の較正は、「真の時間遅延ユニット」(TTDU)と区別なく呼ばれるVDL65-1、65-2の較正を含むことに留意されたい。各VDL65-1、65-2は、長さが異なり、したがって挿入位相が異なる複数の選択可能な遅延線セクションを含む。各VDL65内の複数のスイッチは、コントローラ30によって制御可能であり、信号経路に対して遅延線のうちの1つ又は複数を選択し、それによって、それぞれのVDL65を通して所望の挿入位相を設定する。このようにして、アンテナシステム10の二つの半部分の間の目標とする位相関係(典型的には等しい挿入位相、すなわち位相整合)を達成することができる。代替的な実施形態では、VDL65の一方を固定遅延線により置き換えてもよく、他方のVDL65を調整することによって、二つの半部分の間の位相関係が設定される。更に他の実施形態では、他のタイプのタイムシフタがVDL65の代わりに用いられる。別の実施形態(図2Cに関連して以下で説明する)では、複数の内部VDL65が各アンテナ20-1、20-2内に設けられ、それらの遅延はコントローラ30によって個別に制御される。
ここで、コントローラ30は、制御線CL上の制御信号を較正回路30に出力して、アンテナシステム10と任意の外部通信システムとの間の、ハンドオーバ期間を除く全ての通信期間中、較正動作のために制御線CLを非アクティブにすることができることに留意されたい。
以下に詳述する方法により、アンテナ20-1及び20-2の較正は、通常の通信動作中には回避され、ハンドオーバ期間中に実行される。この方式では、アンテナシステム10には、同様の目的を達成しながら、「いつでも」現場で較正するように構成された従来のアンテナシステムで利用可能であるように、較正を実行するためのより単純な較正回路を装備することができる。例えば、通信が中断されない現場操作の特定の期間にわたる信号経路の位相及び振幅整合における必要な許容範囲を、アンテナシステム10によって満たすことができるが、従来のシステムは、著しくより複雑な較正回路を用いなければそのような許容範囲を満たすことができない。
引き続き図1Aを参照すると、第1のアンテナ20-1及び第2のアンテナ20-2は各々、N個のアンテナ素子22-1~22-Nを有する平面フェーズドアレイであってもよいが、他の例では、素子の数は2つのアンテナ間で異なってもよい。第1のアンテナ20-1及び第2のアンテナ20-2は各々、それらの境界内に、典型的には図示のように中央位置に配置されたそれぞれの較正素子25-1,25-2を有してもよい。較正素子25-1,25-2はスイッチSW2を通して較正回路50にそれぞれ選択的に接続され、アンテナ素子22に類似する放射素子であってもよい。他の実施形態では、単一の較正素子25のみが両方のアンテナ20-1,20-2に使用され、他方のアンテナ20に隣接する一方のアンテナ20の縁部付近に取り付けられる。更に他の例では、各アンテナ20-1,20-2は複数の較正素子25を含み、各較正素子25は、それぞれのアンテナ内のその較正素子を取り囲むM個のアンテナ素子のグループの較正のために割り当てられ、M<Nである。
第1の衛星91との通常の通信動作中、受信方向において、受信信号SR1が各アンテナ20-1及び20-2によって受信され、各アンテナは、受信信号SR1から「受信ビーム信号」SRB1及びSRB2をそれぞれ導出して出力する。通常の通信中、(送信交差結合スイッチ41から提供される)「送信ビーム信号」STB1及びSTB2は、T/R素子18-1及び18-2を介してアンテナ20-1及び20-2にそれぞれルーティングされる。送信/受信(T/R)素子は、送信信号と受信信号の両方が同じアンテナ及び他の回路構成要素/信号経路(例えば、各アンテナ20-1,20-2内のコンバイナ/ディバイダ網の経路)を共有することを可能にするように、受信信号から送信信号を分離するための素子である。例えば、T/R素子18-1及び18-2は、半二重通信の場合にはT/Rスイッチであってもよく、送信対受信で異なる周波数チャネルを用いる全二重通信の場合にはダイプレクサであってもよい。(以下に説明するように、各アンテナ20-1,20-2内に追加のT/R素子が含まれてもよい。)ここで、アンテナ素子22が送信動作と受信動作とで共有されない他の実施形態では、T/R素子18を省略することができることに留意されたい。送信信号STB1及びSTB2は、T/R素子18-1及び18-2のポートp2及びp3からアンテナアレイ21にルーティングすることができる。同時に又は交互に、受信信号SRB1,SRB2は、アンテナアレイ21からT/R素子18-1,18-2のポートp1及びp4にそれぞれルーティングすることができる。通常の通信中、受信信号SRB1及びSRB2は、結合器60-1,60-2、VDL65-1,65-2、スイッチSW3,SW4を介して更に、それぞれRCCスイッチ40にルーティングされる。RCCスイッチ40は、これらの信号を交差結合して、実質的に振幅の等しい出力信号SOUT1及びSOUT2を出力する。出力信号SOUT1及びSOUT2は、アンテナシステム10の状態に応じて、後述する1つ又は複数の復調器にルーティングされる。ここで、図8に関連して後述する代替の実施形態では、SPDTスイッチSW3及びSW4が省略され、SPMTスイッチSW1への入力は、RCCスイッチ40及びTCCスイッチ41内の結合器から発生することに留意されたい。この場合、受信上の較正経路は、RCCスイッチ40内の経路を含む。
送信方向において、第1の衛星91又は第2の衛星92に送信信号ST1,ST2の一方のみが送信される通常の通信中に、信号SIN1又はSIN2の一方のみが入力されてもよい。この場合、入力された信号SIN1,SIN2の一つから送信ビーム信号STB1,STB2が導出される。信号ST1,ST2が第1及び第2の衛星91,92に同時に送信されるハンドオーバ期間の一部において、信号SIN1,SIN2の両方が入力されてもよい。
第1の衛星91との通常の通信動作中、アンテナシステム10は、第2の衛星92から送信された信号を処理しなくてもよく、第2の衛星92との通常の通信中、その逆も同様である。例えば、第1の衛星91は、第1の周波数チャネルを介して送信/受信することができ、第2の衛星92は、第1の周波数チャネルとは異なる第2の周波数チャネルを介して送信/受信し、アンテナシステム10は、第1の衛星91と正常に通信する場合、第1の周波数チャネル外の信号をろ波除去することができる。第1の衛星91との通常の通信について上述したのと同様に、アンテナシステム10は、ハンドオーバ期間後に、アンテナ20-1及び20-2の両方を使用して第2の衛星92との間で通信された信号SR2/ST2を受信/送信することによって第2の衛星92と正常に通信することができ、第1の衛星91との間の信号を処理しない。このハンドオーバ期間後では、単一の変調器に由来する信号SIN1、SIN2のうちの1つがアンテナシステム10に入力されてもよく、両方の信号SOUT1及びSOUT2は、上述したのと同様のやり方でアンテナシステム10から出力される。
ハンドオーバ期間中、一方又は両方の結合器60-1,60-2の結合経路出力端子は、スイッチSW2を介して較正回路50に選択的に接続されるが、結合経路を通る結合信号は、通常の通信動作中に使用されなくてもよい。簡潔には、一実施形態による受信経路較正では、一度に2N個の可能な受信経路のうちの1つが較正され、複数のそのような受信経路が順次較正される。任意の所与の時点において、受信信号経路は、アンテナ素子22iのうちの選択された1つ(i=1からNのいずれか1つ)から参照点まで較正される。一例では、ハンドオーバ期間中に十分な時間が利用可能である場合、アンテナ20-2から参照点までのN個の受信経路の全てをハンドオーバ期間の一部で較正してもよい。更に十分な時間が利用可能である場合、アンテナ20-1からのN個の受信経路の一部又は全部を較正してもよい。例示的な較正動作について以下に説明する。
図1Bは、アンテナシステム10の追加の例示的な回路及び接続経路を概略的に示す。特に、送信交差結合(TCC)スイッチ41と、アンテナアレイ21と、較正回路50との間に接続された例示的な回路素子が示されている。TTCスイッチ41と第1のアンテナ20-1との間の第1の送信信号経路は、SPDTスイッチSW3’、結合器60-1’、及びT/R素子18-1の直列接続を含む(なお、送信信号STB1はポートp2に印加される)。TTCスイッチ41と第2のアンテナ20-2との間の第2の送信信号経路は、SPDTスイッチSW4’、結合器60-2’、及びT/R素子18-2の直列接続を含む(送信信号STB2はポートp3に印加される)。したがって、この例では、TTCスイッチ41とアンテナアレイ21との間の送信信号経路は、VDLを省略する。代替の構成では、1つ又は複数のVDLが含まれる。ここで、SPMTスイッチSW1は入力ポートh及び4つの出力ポートf,g(図1Aに見られる),f’及びg’を有し、SPMTスイッチSW2は入力ポートa及び6つの出力ポートb,c,d,e(図1A),d’及びe’を有することに留意されたい。較正中、送信較正経路は、図1Bに示すように、スイッチSW2のポートd’及びe’並びにスイッチSW1のポートf’及びg’を介して選択的にルーティングする点で、図1Aの受信較正経路とは異なる。図1Bに示す構成の代替構成では、較正測定においてTCCスイッチ41内に送信経路を含めることが所望される場合、SPDTスイッチSW3’及びSW4’は省略してもよく、SPMTスイッチSW1への送信経路較正入力は、TCCスイッチ41内の結合器から発生しもよい。
図1Cは、図1Aのアンテナシステムの追加の例示的な送信及び受信回路を概略的に示す。アンテナシステム10は、第1の低ノイズブロック(LNB)72-1及び第2の低ノイズブロック(LNB)72-2と、第1の復調器74-1及び第2の復調器74-2と、第1の変調器78-1及び第2の変調器78-2と、信号プロセッサ770とを更に含み得る。第1及び第2の低ノイズブロック72-1及び72-2は各々、受信信号の更なる低ノイズ増幅を提供する。
RCCスイッチ40の交差結合が意図的に遮断されるハンドオーバ期間の一部(図7A~図7Gに関連して後述する)の間、第1及び第2の復調器74-1及び74-2は、それぞれ信号SOUT1及びSOUT2を受信及び復調する。復調された出力は、更なる処理のために信号プロセッサ770に提供される。例えば、信号プロセッサ770は、I/Oインタフェース(図示せず)に接続してもよく、エンドユーザデータ、例えば、復調信号から導出されたオーディオ/ビデオデータを出力してもよい。上述のようなソフトハンドオーバ中、信号プロセッサ770は、異なる衛星91及び92からの受信信号SR1,SR2から発生した信号SOUT1及びSOUT2から冗長情報信号を復元することができる。信号プロセッサ770は、冗長情報信号に基づいて、単一のオーディオ/ビデオ出力データストリームをI/Oインタフェースに出力してもよい。
第1及び第2の変調部78-1及び78-2は、信号処理部770から変調対象の入力信号を受け取る。例えば、変調器78-1及び78-2のうちの一方のみを単一の変調器として選択して、信号プロセッサ770から受信したデータストリームを変調する変調信号を出力することができる。通常の通信中、変調信号は、TCCスイッチ41によって分割され、アンテナアレイ21を介してそれぞれ衛星91又は92への送信信号ST1又はST2を生成する。TCCスイッチ41の交差結合が遮断されるハンドオーバ期間の一部の間、第1及び第2の変調器78-1及び78-2の両方は、受信方向について本明細書で説明したハンドオーバ動作と同様のやり方で、それぞれ第1の衛星91及び第2の衛星92に送信するための信号を個別に変調する。
図2Aは、アンテナシステム10の例示的なアンテナアレイ21を概略的に示す。アンテナアレイ21は、並置されたアンテナ20-1及び20-2を含むことができ、その各々は、共通表面F、例えば誘電体基板の上面を基準にして同形に配置された複数のN個のアンテナ素子22-1~22-Nを含むフェーズドアレイであり得る。アンテナ素子22の各々は、表面F上の印刷パッチアンテナであってもよい。あるいは、アンテナ素子22は、表面Fから均一に離間されたダイポール、モノポール、又は他のアンテナタイプである。いずれの場合も、1つ又は複数の較正素子25は、各アンテナ20-1、20-2の開口周縁内に同様に取り付け又は印刷してもよい。較正素子25の好都合な位置は、その較正素子25の使用によって較正されるように指定されたアンテナ素子22のグループに関して中心の位置である。各較正素子25は、それぞれの信号線55-1又は55-2及びスイッチSW2内のスイッチング経路を介して較正回路50に直接接続することができる放射素子である。各アンテナ20-1及び20-2は、N個のRF集積回路(RFIC)80と、N:1コンバイナ/ディバイダ29とを更に含んでもよく、N個のアンテナ素子22-1~22-NとN:1コンバイナ/ディバイダ29との間にそれぞれ接続される。アンテナ素子22の各々は、送信動作及び受信動作の両方に使用することができる。他の実施形態では、アンテナ素子22は、送信動作及び受信動作のために共有されない。代わりに、各アンテナ20内の複数のK<N個のアンテナ素子22は、アンテナシステム10から信号を送信するために専用であり、残りの複数のP=N-1個のアンテナ素子は、衛星からアンテナシステム10に送信された信号を受信するために専用である。K個の素子は、K個及びP個のアンテナ素子の各々が共通の形成因子によって定義され、同じ有効開口部を有するように、P個のアンテナ素子と共に散在してもよい。あるいは、K個の送信アンテナ素子22のサブアレイは、P個の受信アンテナ素子22のサブアレイに隣接して存在してもよい。上記の方式のいずれにおいても、各アンテナ20は、場合によっては、受信信号の全てを結合受信ビーム信号に結合することと、入力送信ビーム信号をN個又はK個のアンテナ素子22に出力されるN個又はK個の分割送信信号に分割することとの両方のために、単一のコンバイナ/ディバイダ網29を使用することができる。別の例では、別個のディバイダ網が送信信号に使用される。
以下の説明では、説明を簡単にするために、アンテナ素子22の各々が送信動作及び受信動作の両方に使用されると仮定する。この目的のために、送信時に、アンテナ20-1のN:1コンバイナ/ディバイダ29は、ディバイダとして動作するとき、アンテナ20-1のポート85-1で受信された「送信ビーム信号」STB1をN個の「送信素子信号」STE-1~STE-Nに分割する。後者の信号は、RFIC80によってそれぞれ調整され、アンテナ20-1のアンテナ素子22-1~22-Nによって放射されて、アンテナアレイ21によって生成された送信アンテナビームの少なくとも一部を形成する。同様に、アンテナ20-2のポート85-2における入力送信ビーム信号STB2は、アンテナ20-2によってそのアンテナ素子22を介して分割され、送信される。受信方向において、アンテナ20-1のアンテナ素子22-1~22-Nによって受信された信号は、それぞれのRFIC80によって調整されて、コンバイナとして動作するN:1コンバイナ/ディバイダ29のN個のそれぞれの入力ポートに印加される「受信素子信号」SRE-1~SRE-Nを生成する。これらの信号を組み合わせて受信ビーム信号SRB1を生成する。同様の動作がアンテナ20-2によって行われ、受信ビーム信号SRB2が生成される。
図2Bは、任意のアンテナ素子22iとの間で信号を送受信するためのRFIC80の構成例を示している。RFIC80は、受信回路(「受信チェーン」)81及び送信回路(「送信チェーン」)82を含むことができ、各々がT/Rスイッチ又はダイプレクサであり得るT/R素子83と84との間に接続される。T/R素子83は、アンテナ素子22iに接続されたノード87における入力ポートと、受信チェーン81の一端に接続された第1の出力ポートと、送信チェーン82の一端に接続された第2の出力ポートとを有する。受信チェーン81及び送信チェーン82の他端は、T/R素子84のそれぞれの第1及び第2の出力ポートに接続され、T/R素子84の入力ポートは、N:1コンバイナ/ディバイダ29のN個の出力ポートのうちの1つに接続される。T/R素子83及び84がT/Rスイッチである場合、これらは、半二重動作における異なるタイムスロット中に信号を送信及び受信するための別個のルートを提供し得る。異なる周波数チャネルが送信及び受信に使用される場合、T/R素子はダイプレクサであり、不要な周波数を除去することによって送信信号が受信チェーン81と干渉することを防止することができ、逆もまた同様である。
受信チェーン81は、振幅調整器23、位相シフタ24、及びバンドパスフィルタ(BPF)26の直列接続を含むことができる。図示の直列接続の順序は、他の例では異なっていてもよい。各振幅調整器23は、低ノイズ増幅器(LNA)27のみから、又は可変減衰器28と直列のLNA27から構成してもよい。送信チェーン82は、位相シフタ34、BPF36、及び振幅調整器33の直列接続を含むことができ、振幅調整器は、可変減衰器38と直列の電力増幅器(PA)37又はPA37のみで構成することができる。アンテナアレイ21内の振幅調整器23,33、位相シフタ24,34及びBPF26の各々は、コントローラ30によって生成され、それぞれの制御線CL又は共有制御線CLを介して送信されるそれぞれの又はグループ化された制御信号によって個別に制御することができる。位相シフタ24又は34に送られる制御信号は、その位相シフタの挿入位相を設定する。振幅調整器23又は33に送られる第1の制御信号は、振幅調整器内のLNA27又はPA37のバイアス電圧を制御し、それによってその利得を制御することができ、又は第1の制御信号がバイアス電圧自体を搬送してもよい。振幅調整器23又は33内のLNA又はPAへの第1の制御信号はまた、PA又はLNAのオンオフ状態を設定し得る。振幅調整器23又は33内の可変減衰器28又は38に出力される第2の制御信号は、可変減衰器の挿入損失を設定する。BPF26又は36に出力される制御信号は、そのBPFの通過帯域を設定することができる。
アンテナアレイ21が送信方向に所望のアンテナビームを形成するために、各アンテナ素子22の給電点87における送信信号の振幅及び位相は、一般に、所定の値の特定の範囲内にある必要があり得る。したがって、各アンテナ20-1,20-2について、ポート85(又はアンテナシステム10内の他の参照点)と各アンテナ素子22の給電点87との間の信号経路の挿入位相及び挿入損失(後者はしばしば経路利得又は順方向電圧利得S21と呼ばれる)は、アンテナシステム10が製造中に設定されたときに決定された値の所定の許容範囲内にあるべきである。このような公差は、例えばビーム指向精度、ビーム幅、アンテナ利得、サイドローブなどの必要な特性を有する送信アンテナビームを生成するために、大部分の信号経路について満たされるべきである。受信経路についても同様である。製造プロセス中に、信号経路の超大部分(例えば、90%超又は95%超)についてそのような公差が満たされることを保証するための較正手順が、較正回路50及び較正素子25を使用して実行されている場合がある。しかしながら、アンテナシステム10が現場操作されると、信号経路特性は、様々な要因に起因して変化することがあり、較正回路50は、信号経路を周期的に再較正するために使用することができる。
図2Cは、アンテナシステム10のアンテナアレイ21の代替的な構成を概略的に示す。アンテナアレイ21aは、各々がコントローラ30によって制御される選択可能な可変遅延を各アンテナ内のアンテナ素子22のグループに提供するための複数の可変遅延線(VDL)を含む第1のアンテナ20a-1及び第2のアンテナ20a-2を含む。したがって、単一のN:1コンバイナ/ディバイダを含む代わりに、各アンテナ20aは、複数のK:1コンバイナ/ディバイダ280と(N/K):1コンバイナ/ディバイダとの間に接続された複数の(N/K)個のVDL65-1又は65-2を含む。したがって、K個のアンテナ素子22の(N/K)個のグループに関連付けられた信号経路は、各々、較正手順の一部として、それぞれのVDL65-1又は65-2によって効果的に位相シフトされ得る。例えば、K個のアンテナ素子22-1~22-Kの第1のグループに関連付けられた信号経路は、第1の遅延を有するように制御される第1のVDL65-1によって遅延され、K個のアンテナ素子22-(N+1-K)~22-Nの第2のグループに関連付けられた信号経路は、第2の遅延を有するように制御される別のVDL 65-1によって遅延される。
図3Aは、アンテナシステム10における例示的な受信経路較正ループ及び較正回路を示す。図3Bは、アンテナシステム10における例示的な送信経路較正ループ及び較正回路を示す。例えば、図1A~図3Bをまとめて参照すると、本明細書の実施形態によれば、ハンドオーバ期間の一部の間、アンテナ20-2は衛星と通信し、アンテナ20-1に対して較正動作が実行される。図3Aに示すように、アンテナ20-1の個々のアンテナ素子22と参照点85-1との間の受信経路を現場較正するために、最初に参照経路測定が行われ得る。その後、参照経路測定を基準にして受信経路測定を行うことができる。参照経路測定では、アンテナ20-1の全てのLNA27を最初にオフにして、測定中のノイズを制限する。スイッチSW2は、入力ポート「a」を出力ポートdに接続するように制御され、ポートdは結合器60-1の結合ポートに接続される。次いで、試験信号TSOUTが、スイッチSW2、結合器60-1,VDL65-1、スイッチSW3(スイッチSW1に向かって閉じるようにそのスイッチ経路が制御される)、及びスイッチSW1(図1Aに見られるように、そのスイッチ経路が入力ポートhと出力ポートgとの間で閉じられた状態で)を含む直列経路を通って送られる。したがって、較正回路50のポートp5における帰還信号TSINは、参照経路における試験信号TSOUTのフィードバック部分を表す。次いで、較正回路50は、TSIN対TSOUTの相対振幅及び位相を測定して、参照経路測定値(例えば、参照経路の挿入損失及び挿入位相)を獲得することができる。次いで、アンテナ素子22を含む受信経路の測定を開始することができる。
例えば、アンテナ素子22-1と参照点85-1との間の受信経路を測定するために(T/R素子18-1及び結合器60-1内の経路が測定全体を通して一定のままであるという仮定の下で)、アンテナ素子22-1に接続されたLNA27はオンに切り替えられ、一方でアンテナ20-1の残りのLNAはオフのままである。同時に、制御信号は、スイッチSW2の切り替え経路を信号線55-1に設定することができ(経路a-cは閉じられている)、較正回路50は同じ試験信号TSOUTを出力する。なお、試験信号TSOUTの周波数は、アンテナ20-2と衛星との間の現在の通常の通信に用いられる周波数と異なっていてもよい。試験信号TSOUTは較正素子25-1にルーティングされ、較正素子25-1は試験信号TSOUTを放射する。放射された信号は、アンテナ20-1のアンテナ素子22-1によって取り込まれ、アンテナ素子22-1に接続されたRFIC80の受信経路を通り、次いでアンテナ20-1のN:1コンバイナ/ディバイダ29を通り、残りの受信経路チェーンを通って較正回路50のポートp5、すなわち、T/R素子18-1、コンバイナ60-1、VDL65-1、並びにスイッチSW3及びSW1に送られる。これにより、アンテナ素子22-1で受信された近接場信号TSOUTは、入力信号TSINの別の一例として、スイッチSW1を介して較正回路50にフィードバックされる。次いで、較正回路50は、TSIN対TSOUTの相対振幅及び位相を再び測定して試験経路測定値を獲得し、試験経路測定値を参照経路測定値と比較して最終的な受信経路測定値を獲得することができる。
次いで、較正回路50は、測定結果をデータ線52上のコントローラ30に報告することができる。次いで、コントローラ30は、測定結果を予想結果、例えば、アンテナシステム10の製造セットアップ中に行われ、メモリ31に記憶された同じ測定の結果と比較することができる。いくつかの例では、コントローラ30又は較正回路50のコントローラは、例えば、結果の一方を参照として使用し、他の結果をこの参照と比較することによって、測定結果の相対位相及び相対振幅を互いに比較する。いずれの場合も、比較が、信号経路全体の振幅及び/又は位相が閾値を超えて変化したこと、又は参照結果の振幅及び/又は位相と閾値を超えて異なることを示す場合、コントローラ30は調整を実行することができる。調整は、測定されたばかりのアンテナ素子22iに接続された受信経路80内の位相シフタ24の位相オフセット及び/又はLNA26の利得及び/又は減衰器28の損失の調整を含むことができる。調整後、較正試験を繰り返して、調整が成功したことを確実にすることができる。次いで、このプロセスは、ハンドオーバ期間中に時間が許せば、残りのアンテナ素子(アンテナ素子22-1が最初に測定された場合は22-2~22-N)について順次繰り返してもよい。ハンドオーバ期間の別の部分において、又は次のハンドオーバ期間において、アンテナ20-1が衛星と通信している間にアンテナ20-2の受信経路を較正するために、類似の較正プロセスが実行してもよい。
ここで、第1のアンテナ20-1と第2のアンテナ20-2との間の位相整合は、最初に2つのアンテナの較正における参照経路測定値を互いに比較し、次いで結果をコントローラ30に報告することによって実行できることに留意されたい。次に、コントローラ30は、VDL65-1,65-2の一方又は両方において遅延調整を行って、2つのアンテナ20-1,20-2に至る受信経路の位相を整合させることができる。図2Cの構成における1つ又は複数のVDL65に対する遅延調整は、異なるVDL65に接続された信号経路において測定が行われた後に行ってもよい。別の例示的なシーケンスでは、上述の構成のいずれかにおけるVDL65は、RFIC80内の位相シフタ及び/又は増幅器の較正の前に較正してもよい。
図3Bは、類似の較正手順が、各アンテナ20-1及び20-2内の送信経路を較正するために実行され得ることを例示する。例えば、アンテナ20-1の送信経路較正では、アンテナ20-1が任意の衛星との通信のために非アクティブにされるように、アンテナ20-1の全ての電力増幅器37が最初にオフにされてもよい。参照経路測定は、スイッチSW1及びSW3’の信号経路が信号TSOUTを結合器60-1’に送るように制御され、スイッチSW2の信号経路がポートa~ポートd’に接続されている間に、較正回路50のポートp5から試験信号TSOUTを出力することによって行うことができる。これにより、試験信号TSOUTは、帰還信号TSINとして較正回路50のポートp6に戻って伝播することができる。次に、信号TSIN及びTSOUTを比較して、参照経路「S21」のSパラメータ測定値(挿入損失及び位相)を取得する。次いで、アンテナ素子22への送信経路測定値は、一度に一つのPA37をオンにすることによって開始してもよい。アンテナ素子22-1への送信経路を測定するために、例えば、試験信号TSOUTは、ポートp5から接続されたRFIC80を通る送信経路チェーンを介してアンテナ素子22-1にルーティングされる。アンテナ素子22-1は試験信号を放射し、試験信号は較正素子25-1によって受信され、帰還信号TSINとして較正回路50に戻される。次いで、TSINは、TSOUTと比較される。これは、試験経路測定値を獲得するために参照経路測定値に対して行われたのと同様に行われ、試験経路測定値が参照経路測定値と比較され、試験経路測定値を獲得する。測定結果はコントローラ30に送信してもよく、コントローラはその後、受信経路の場合に行われたのと同様に送信経路素子の振幅及び位相の調整を行うことができ、それによって送信経路較正を完了する。次いで、このプロセスは、アンテナ素子22-2~22-Nについて繰り返してもよい。図3BにはVDLが示されていないが、(RFIC位相シフタ34によって提供される)位相シフトに加えて、(VDLによって提供される)タイムシフトを送信時に使用してもよいことが理解される。
図4Aは、アンテナシステム10の較正回路50の一例である較正回路50aのブロック図である。較正回路50aは、SPDTスイッチSW7及びSW8と、RF源51と、コントローラ55と、RF受信器53と、I/Oインタフェース57とを含む。上述のような受信経路較正測定中、RF源51は試験信号TSOUTを生成し、スイッチSW7はコントローラ55によって制御され(コントローラ30から較正手順のためのコマンドを受信する)、その切り替え状態を位置「A」に設定し、それによって信号TSOUTをポートp6にルーティングする。スイッチSW8は同様に、ポートp5で帰還信号TSINを受信し、それを受信器53にルーティングするためにその位置「A」に制御される。コントローラ55及び受信器53は、信号TSOUTとTSINとの間、及び参照経路信号と試験経路信号との間で上記の比較を一緒に又は個別に実行し、測定結果をI/Oインタフェース57を介してデータ線52上のコントローラ30に送信することができる。上述のような送信経路較正測定中、スイッチSW7及びSW8のスイッチ位置が各々位置「B」に切り替えられ、同じ又は同様の動作が実行される。このようにして、帰還信号TSINがポートp6で受信されている間、試験信号TSOUTはポートp5にルーティングされる。
図4Bは、アンテナシステム内の較正回路の別の例を概略的に示す図である。このアーキテクチャの利点は、低周波ノイズを低減又は最小化できることである。較正回路50bは、RF源51aと、RF受信器53aと、コントローラ55aとを含み、上記のやり方と同様に制御されるスイッチSW7、SW8及びI/Oインタフェース57(両方とも図4Bには示されていない)を更に含んでもよい。RF源51は、第1の局部発振器(LO)402と、RF電力ディバイダ406と、アップコンバータ408と、第2の局部発振器404とを含む。一例では、第2のLO404は、第1のLO402よりも低いノイズLOを生成する。受信器53aは、RF電力ディバイダ410と、ピーク検出器412と、ダウンコンバータ414と、位相検出器416とを含む。コントローラ55aは、第1及び第2のアナログデジタル変換器(ADC)420-1,420-2と、デジタル信号分析器422とを備える。
受信経路又は送信経路較正測定を実行するために、第1のLO402は比較的低い周波数のRF信号を生成し、これはディバイダ406によって第1及び第2の分割LO信号に分割される。第1の分割LO信号は、第2のLO404で生成された第2のLO信号を用いてアップコンバータ408でアップコンバートされ、試験信号TSOUTとして出力される。帰還信号TSINは、ディバイダ410によって、ピーク検出器412に印加される第1の分割帰還信号と、ダウンコンバータ414に印加される第2の分割帰還信号とに分割される。ピーク検出器412は、第1の分割帰還信号のピーク振幅を検出し、包絡線信号をADC420-1に出力し、ADC420-1は、包絡線信号のデジタルサンプルを生成する。デジタルサンプルは、分析器422によって解析され、分析器は、そこから第1及び第2の振幅結果信号A1,A2を生成する。結果信号A1はサンプルの平均μを表し、結果信号A2はサンプルの標準偏差
Figure 2022518893000002
を表し、これは振幅ノイズを示す。結果信号A1及びA2は、データ線52を介してコントローラ30に出力される。コントローラ30は、結果信号を使用して、測定された関連する受信経路又は送信経路における振幅の調整に関する決定を行う。
ダウンコンバータ414は、ディバイダ406から出力された第1の分割LO信号である第1の参照信号REF1を用いて、第2の分割帰還信号を受信してダウンコンバートする。ダウンコンバータ414のダウンコンバートされた出力信号は、第2の参照信号REF2(第2のLO信号)を使用して信号の位相を検出する位相検出器416に適用される。位相検出器416は、検出された位相を示す位相信号を出力し、位相信号は、ADC420-2によってデジタル化され、位相サンプルのストリームを提供する。位相サンプルは分析器422によって分析され、分析器はそこから、位相サンプルの平均μを表す第1の位相結果信号と、位相サンプルの標準偏差
Figure 2022518893000003
を表す第2の位相結果信号H2とを生成する。これらの結果信号H1,H2は同様に、データ線52を介してコントローラ30に出力される。コントローラ30は、結果信号を使用して、測定された関連する受信経路又は送信経路における位相の調整に関する決定を行う。
図4Cは、アンテナシステム内の較正回路の更なる例を概略的に示す図である。このアーキテクチャの利点は、コスト及び空間占有の両方を低減又は最小化し得ることである。較正回路50cは、コントローラ55b、RF源51b、及びRF受信器53bを含む。コントローラ55bは、第1及び第2のADC420-1,420-2及び分析器440を含む。RF源51bは、単一のLO402と、LO402からのLO信号を、試験信号TSOUTとしての第1の分割出力信号と第2の分割LO信号とに分割するディバイダ406とを含む。受信部53bは、ハイブリッド結合器450と、同相/直角位相(I/Q)復調器452とを備える。ハイブリッド結合器450は、帰還信号TSINを、90°だけ互いに位相がずれた第1及び第2の出力信号に分割する。I/Q復調器は、これらの出力信号をI及びQ出力信号に復調する。ADC420-1は、ADC420-2がQ信号をサンプリングしている間にI信号をサンプリングする。分析器440は、I及びQサンプルを分析して、測定された経路における挿入損失(S21振幅)の第3及び第4の振幅結果信号A3,A4をそれぞれ生成する。分析器440は、I及びQサンプルを更に分析して、測定された経路における挿入位相の平均及びSD(標準偏差)を表す位相結果信号H3,H4を生成する。これらの結果信号A3,A4,H3,H4は、データ線52を介してコントローラ30に出力される。コントローラ30は、結果信号を使用して、測定された関連付けられた受信経路又は送信経路内の振幅及び位相を調整するための判定を行う。
図5Aは、現場においてアンテナシステム10を動作及び較正する例示的な方法500のフローチャートである。図5Bは、方法500の間のビーム形成及び較正動作の例示的なタイミングを示すタイミング図である。図6Aは、方法500によって指定されたハンドオーバ期間の第1の部分の間にアンテナシステム10によって形成され得る例示的な第1及び第2のビームを示す。図6Bは、ハンドオーバ期間の第2の部分の間及び後にアンテナシステム10によって形成される例示的な第3及び第4のビームをそれぞれ示す。図6A~図6Bでは、簡略化のために主ビーム(サイドローブではない)のみが示されており、そのアンテナパターンは単一の平面に示されているが、ビームは全ての平面においてほぼ等しい特性を有するペンシルビームであってもよい。
図1~図6Bを全体的に参照すると、方法500では、ハンドオーバ期間の前に、アンテナアレイ21を介して第1の衛星91との通常の通信のために第1のビームB1が形成される(S502)。図5Bの時点t0の前に発生するこの状態では、コントローラ30は、両方のアンテナが通信のために完全にアクティブにされるように、アンテナアレイ21のアンテナ20-1及び20-2内の全ての増幅器をオンにすることができる。したがって、アンテナアレイ21は、各アンテナ20-1、20-2のN個のアンテナ素子を組み合わせた2次元平面にまたがる2N個のアンテナ素子を有する有効口径を有し、それによって第1のペンシルビームB1が高利得G1で形成される。位相シフタ24の位相は、アンテナアレイ21の有効口径にわたって、均一な位相、又は必要に応じて位相勾配のいずれかを生成するように制御される。このようにして、第1のビームB1のピークは、図6Aに見られるように、衛星91に向かって走査角θで指向する。走査角θは、所定の参照軸、例えばアンテナアレイ21の平面Fの法線に対する角度である。
第1の衛星91から第2の衛星92へのアンテナシステム10による通信のハンドオーバが差し迫っている場合、時点t0から始まるハンドオーバ期間がコントローラ30又は外部システムによって設定される。時点t0から時点t1までのハンドオーバ期間の第1の部分(動作S504)では、第2のアンテナ20-2の関与なしで、第1のアンテナ20-1を用いて第1の衛星91と通信するための第2のビームB2が形成される。第2のビームB2を形成するために、コントローラ30は、その全ての増幅器をオフにすることによって外部通信用の第2のアンテナ20-2を非アクティブにする(前述したように較正手順中に一度に1つずつオンにすることができる場合を除く)。このようにしてアンテナ20-2が非アクティブにされた状態で、上述のように較正回路50を用いて時点t0~t1の間に較正手順が実行される。第2のビームB2は、アンテナ20-1のアンテナ素子だけにより形成されるため、アンテナアレイ21の有効口径が半分になり、その結果得られるビームB2はビームB2よりも広く、利得G2が低くなる。
時点t1から時点t2までのハンドオーバ期間の第2の部分(動作S506)では、第1の衛星91との通信のためにアンテナ20-1によってビームB2が形成され続け、第2の衛星92との通信のために第2のアンテナ20-2が再びアクティブにされ、第1の衛星91から第2の衛星92への通信のシームレスなハンドオーバが開始される。第2のアンテナ20-2が再びアクティブにされると、第2のアンテナは、第2のビームB2とほぼ同じ利得G2を有する第3のビームB3を形成する。したがって、この期間中、アンテナ20-1及び20-2は独立して動作し、独立した信号を送信/受信する。例えば、アンテナ20-2は、衛星92によって使用されるものとは異なる周波数及び/又はプロトコルの信号により第2の衛星92と通信し、それによって各通信における干渉が最小限に抑えられる。第2の衛星92がアンテナアレイ21の参照軸を基準にして異なる方向に位置する場合、第3のビームB3は、第2の衛星92のこの異なる方向を指向するよう形成される。このシナリオは図6Bに示されており、図6Bは、走査角θを指向する第3のビームB3のピークを示す。この走査角θは、角度θからオフセットされており、第2の衛星92への視線方向に対応することができる。第3のビームB3を走査角θに再指向させるために、コントローラ30は、アンテナ20-2の位相シフタ24に制御信号を印加して、その有効口径にわたって位相勾配が生成されるようにそれらの位相を設定する。更に、各アンテナ素子22に接続される信号経路の振幅は、LNA及びPAの利得並びに可変減衰器の損失を制御することによって、ビーム特性を微調整するように個別に制御してもよい。このように位相を設定して振幅を調整する処理は、アンテナ素子22のビーム重みを調整することであると称してもよい。
事前定義された動作要件に従ってハンドオーバ期間に十分な時間が依然として利用可能である場合、図5Bの時点t2と時点t3との間のハンドオーバ期間の第3の部分を動作S508に割り当てることができる。この期間中、外部通信のための第1のアンテナ20-1は、第1のアンテナ20-1の全ての増幅器(最初に較正されるアンテナ素子22に接続された1つ又は複数の増幅器を除く)をオフにすることによって、非アクティブにされる。この非アクティブ化により、第1の衛星91との通信が終了する。一方、第2のアンテナ20-2は、第2の衛星92との通信を継続する。第1のアンテナ20-1が非アクティブにされている間、ハンドオーバ期間の第1の部分の間に第2のアンテナ20-2を較正するために使用されたのと同様の較正手順が、第1のアンテナ20-1を較正するために使用される。
一方、アンテナアレイ21内の全てのアンテナ素子22への全ての信号経路の較正を完了するにはハンドオーバ期間に十分な時間が残っていない場合、残りのアンテナ素子22の較正は次のハンドオーバ期間中に実行してもよい。
ハンドオーバ期間(図5Bの時点t3の後)の後、第1のアンテナ20-1及び第2のアンテナ20-2の両方を用いて第2の衛星92と通信するための第4のビームB4が形成される(S510)。第4のビームB4を形成するために、アンテナ20-1の位相シフタ24を制御して、第2のアンテナ20-2と同じ位相勾配を形成させてもよく、これにより、第4のビームB4は、図6Bに示すように、角度θ1を指向し、第1のビームB1とほぼ同じ利得G1を有するように形成される。
図7Aは、アンテナシステム10の他の構成要素に関連して示される、受信交差結合(RCC)スイッチ40aの機能ブロック図を示す。RCCスイッチ40aは、上述したRCCスイッチ40の一実施形態である。図7Aはまた、例えば、図5Bの時点t0の前の、第1の衛星91との通常の通信中のアンテナシステム10の状態を示す。交差結合スイッチ40aは、第1の、第2の、第3、及び第4の3dBハイブリッド結合器70-1,70-2,70-3及び70-4と、単極双投(SPDT)スイッチSW11,SW12,SW13及びSW14と、交差結合信号線701及び703と、直線経路信号線705及び707と、結合器70及びスイッチSW11~SW14の様々なポートに接続された複数の終端部Rとを含む。アンテナシステム10の他の図示された例示的な構成要素は、アンテナアレイ21と、較正チェーン(CC)790-1及び790-2と、第1及び第2の低ノイズブロック(LNB)72-1,72-2と、第1及び第2の復調器74-1,74-2と信号プロセッサ770とを含む。スイッチSW11~SW14の切り替え状態は、制御線CL上の制御信号を介してコントローラ30(図7Aには示されず)によって制御される。較正チェーン790-1は、図1Aに示すように、T/R素子18-1と、結合器60-1と、VDL65-1と、スイッチSW3とを含む。CC790-2は、T/R素子18-2と、結合器60-2と、VDL65-2と、スイッチSW4とを含む。
各3dBハイブリッド結合器70について、任意のポートa、b、c又はdに印加される信号は、等しく分割されるが、対向する出力ポート間で直角位相シフトされる。したがって、ポート「a」に印加された信号は、ポートbの信号と、ポートbの信号から90°遅れたポートcの信号とに等しく分割されるが、ポートb及びcの反射電力はほとんどポートdに現れ、接続された終端部Rに終端する。他の実施形態では、ハイブリッドリング(「ラットレース」)結合器又はウィルキンソン電力ディバイダなどの他のタイプの3dB結合器を、他の実施形態で置換してもよい。
衛星91との通常通信時には、第1のアンテナ20-1及び第2のアンテナ20-2の全ての増幅器をオンにして、第1のアンテナ20-1及び第2のアンテナ20-2がそれぞれ出力する第1の受信ビーム信号SRB1及び第2の受信ビーム信号SRB2を交差結合するように、スイッチSW11-SW14の切り替え状態を制御してもよい。RCCスイッチ40aの2つの半部分と、第1及び第2のアンテナ20-1,20-2をRCCスイッチ40aに接続する2つの信号経路とを位相平衡させることにより、受信信号エネルギーは実質的に、振幅の等しい位相平衡信号SOUT1及びSOUT2として現れる。信号線705,703,701及び707の電気的長さ、並びに結合器70-1~70-4及びスイッチSW11~SW14の電気的長さは全て、アンテナシステム10の製造及び初期設定中に正確に較正しておいてもよい。例えば、結合器70-1のポート「a」から結合器70-2のポート「a」までの信号経路の第1の電気的長さは、結合器70-3のポート「a」から結合器70-4のポート「a」までの信号経路の第2の電気的長さと等しく設定してもよい。しかしながら、結合器70-3のポートaから結合器70-2のポートdまでの電気的長さは、第1の電気的長さを90°だけ「位相先行」するように設定してもよい。このようにして、結合器70-2のポート「a」及びポート「d」に現れる2つの入力信号の信号エネルギーkSRB1及びkSRB2(k≒0.5)を構造的に加算することができ、その結果、これらの信号の実質的に全ての信号エネルギーは、信号SOUT1として結合器70-2のポートcに現れる。信号エネルギーの類似の構造的加算を、出力信号SOUT2を生成するために結合器70-4において適用可能である。したがって、ビームB1は、第1の衛星91との通常の通信のために形成される。送信交差結合器41の類似の構成は、送信時にビームB1に対して実質的に同じアンテナパターンを生成するように実現することができる。
図7Bは、図5Bの時点t0とt1との間のハンドオーバ期間の上述の第1の部分の間の、受信交差結合スイッチ40aを有するアンテナシステム10の動作状態を示す。この状態では、第2のアンテナ20-2は、全ての増幅器(LNA及びPA)をオフにすることで、非アクティブにされる。(増幅器のそのようなオフは、ランプダウン方式で実現してもよい。)したがって、衛星信号は、回線701及び707で送受信されない。これにより、第1のアンテナ20-1は、第1のアンテナ20-2の関与を受けずに第2のビームB2を生成する。復調器74-1は、出力信号SOUT1を復調して復調信号SOUT1’を提供する。RCCスイッチ40aの2つの半部分は、図示のようにスイッチSW11~SW14の以前の切り替え状態を維持することによって、信号線701及び703を介して交差結合されたままであり得る。
図7Cは、図7Bの動作状態の時間に続くハンドオーバ期間の第1の部分における、RCCスイッチ40aを有するアンテナシステム10の動作状態を示す。図7Cの状態では、第2のアンテナ20-2内の全ての増幅器はオフのままであり、RCCスイッチ40a内の交差結合は、図示のように、スイッチSW11-SW14の各々における切り替え位置を交換することによって遮断される。交差結合が遮断されると、第2のアンテナ20-2は、第1のアンテナ20-2が第2のビームB2を形成することによって第1の衛星91と通信し続ける間に、上述のように較正することができる。
図7Dは、上述した時点t1~t2の間のハンドオーバ期間の第2の部分の間の、RCCスイッチ40aを有するアンテナシステム10の動作状態を示す。この状態では、第2のアンテナ20-2内の増幅器がオンに復帰され、第2のアンテナ20-2が再びアクティブにされる。更に、コントローラ30は、第2のアンテナ20-2に第3のビームB3を形成させ、その主ローブが衛星92を指向するように、第2のアンテナ20-2内の位相シフタの位相を調整する。一方、RCCスイッチ40aにおける交差結合は遮断されたままであり、第1のアンテナ20-1及び第2のアンテナ20-2はそれぞれ個別に第1の衛星91及び第2の衛星92と通信する。したがって、第1の復調器74-1は、衛星91からの復調受信信号を表す第1の復調信号SOUT1’を信号プロセッサ770に出力し、第2の復調器74-2は、衛星92からの復調受信信号を表す第2の復調信号SOUT2’を出力する。
図7Eは、図5Bの時点t2~t3のハンドオーバ期間の第3の部分における、RCCスイッチ40aを有するアンテナシステム10の動作状態を示す。この状態では、第1のアンテナ20-1の増幅器をオフにすることで、第1のアンテナ20-1を非アクティブにし、第1の衛星91との通信を停止する。一方、RCCスイッチ40aの交差結合状態は遮断されたままであり、第2のアンテナ20-2は、第2の衛星92と通信するためのビームB3を形成し続ける。結果として、信号プロセッサ770への復調出力信号は、第2の衛星92の受信信号SR2から導出された、第2の復調器74-2によって出力される信号SOUT2’だけである。したがって、アンテナシステム10との通信セッションのハンドオーバは、第2の衛星92に効果的にハンドオーバされる。この状態で、必要なハンドオーバ期間内にまだ時間がある場合、第1のアンテナ20-1の上述の較正を実行することができる。
図7Fは、図7Eと同様に、第1のアンテナ20-1の較正に続く、ハンドオーバ期間の第3の部分における、RCCスイッチ40aを有するアンテナシステム10の動作状態を示す。図7Fは、スイッチSW11~SW14の切り替え状態を変化させることによって、RCCスイッチ40aの交差結合が再接続されることを示す。これは、第1のアンテナ20-1が非アクティブにされたままであり、第2のアンテナがビームB3を形成することによって衛星92と通信している間に行われる。
図7Gは、ハンドオーバ期間直後の、RCCスイッチ40aを有するアンテナシステム10の例示的な動作状態を示す。この状態では、第1のアンテナ20-1が再びアクティブにされ、その位相シフタ24は、第1のアンテナ20-1の有効口径にわたって第2のアンテナ20-2の位相勾配を継続するように調整されており、結果として生じるビームB4は、第2の衛星92を指向し続け、通常の通信動作が再び実行される。
図8は、現場較正回路を含むアンテナシステムの代替実施形態を概略的に示す図である。アンテナシステム10aは、較正経路内に交差結合スイッチを含めるための手段を提供する点でアンテナシステム10とは異なる。したがって、アンテナシステム10aは、図1A~図1BのSPDTスイッチSW3,SW3’,SW4及びSW4’を省略する(したがって、較正チェーン890-1及び890-2は、それに応じてチェーン790とは異なる)。受信交差結合(RCC)スイッチ40bはRCCスイッチ40aとは、結合器70-2及び70-4のポートbをスイッチSW1の異なる入力ポートに接続し、終端部を省略する点で異なる。同様の接続が、送信交差結合スイッチ(図示せず)において行われる。したがって、受信側の較正経路は、RCCスイッチ40b内の経路を含み、送信側の較正経路は、送信側交差結合スイッチ内の類似の較正経路を含む。
したがって、アンテナシステム10aは、較正回路50の入力ポートp5に接続された出力ポートを有し、複数の入力ポートを有する単極多投(SPMT)スイッチSW1を含む。結合器70-2の出力ポートは、SPMTスイッチSW1の第1の入力ポートに接続され、結合器70-4の出力ポートは、スイッチSW1の第2の入力ポートに接続され、コントローラ30は、スイッチSW1を制御して、その第1の入力ポートと出力ポートとの間の第1の切り替え経路を閉鎖させて第1のアンテナ20-1を較正し、受信時に第1の入力ポートと出力ポートとの間の第2の切り替え経路を閉鎖させて第2のアンテナ20-2を較正する。送信経路を較正するために同様の動作が実行される。
本明細書で使用される場合、「コントローラ」は、プロセッサ及びメモリを含むことができる装置である。コントローラは、汎用又は専用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)若しくは他のプログラマブルロジック装置、離散ゲート若しくはトランジスタロジック、離散ハードウェア構成要素、又は本明細書に記載のその動作を実行するためのそれらの任意の組み合わせの形態であり得る処理回路で具現化され得る。例えば、コントローラ30又はコントローラ55は、その動作を実行するために、その中のメモリから読み出された命令を読み出して実行することができる。メモリは、任意の適切な非一時的コンピュータ可読記憶媒体とすることができる。本明細書で使用される「プロセッサ」という用語は、例えば、中央処理装置(CPU)及び/又は他の処理回路を含むものなどの任意の処理装置を含むことを意図している。更に、「プロセッサ」は、計算ハードウェアを含み、コンピューティング装置内に複数の処理コアを含むマルチコアプロセッサを指すことができる。処理装置に関連する様々な素子は、他の処理装置によって共有してもよい。
本明細書に記載の技術は、その例示的な実施形態を参照して特に示され説明されているが、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって定義される特許請求の範囲に記載の主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細の様々な変更を行うことができることが当業者には理解されよう。

Claims (22)

  1. 少なくとも第1のアンテナ及び第2のアンテナのアンテナアレイを含むアンテナシステムを較正する方法であって、前記方法は、
    前記アンテナシステムとの通信が第1の通信システムから第2の通信システムにハンドオーバされるハンドオーバ期間の前に、前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナを介して前記第1の通信システムとの通信のための第1のビームを形成することと、
    前記ハンドオーバ期間の第1の部分の間に、前記第1のアンテナを使用して前記第1の通信システムとの通信のための第2のビームを形成することと、
    外部通信のための前記第2のアンテナを非アクティブにし、前記第2のアンテナを較正することと、
    前記ハンドオーバ期間の第2の部分の間に、前記第1のアンテナが前記第2のビームを介して前記第1の通信システムとの通信を維持しながら、前記第2のアンテナを使用して第3のビームを形成することによって、前記第2の通信システムとのハンドオーバ通信のために前記第2の通信システムをアクティブにすることと、
    前記ハンドオーバ期間の後、前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナの両方を介して、前記第2の通信システムとの通信のための第4のビームを形成することと、
    を含む方法。
  2. 前記ハンドオーバ期間の第3の部分の間に、前記第1の通信システムとの通信のために前記第1のアンテナを非アクティブにし、前記第1のアンテナを較正すること
    を更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の通信システム及び前記第2の通信システムは、前記アンテナアレイを基準にして異なる方向に配置されており、前記第3のビームは、前記第1のビームとは異なる方向を指向するように形成される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1の通信システム及び前記第2の通信システムの各々は衛星である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナの各々は、複数の増幅器及び複数の位相シフタに接続された複数のアンテナ素子を備えるフェーズドアレイであり、
    前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナの較正は、前記位相シフタのそれぞれの位相シフト及び/又は前記増幅器のそれぞれの利得を較正することを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記複数のアンテナ素子は、複数の可変遅延線に更に接続されており、前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナの較正は、前記可変遅延線の遅延を調整することを更に含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記第2のアンテナの非アクティブ化は、前記第2のアンテナ内の前記複数の増幅器をオフにすることを含む、請求項5に記載の方法。
  8. 前記ハンドオーバ期間の前、及び前記ハンドオーバ期間の後に、単一の受信ビーム信号を単一の第1の復調器に出力することと、
    前記ハンドオーバ期間の前記第2の部分の間に、前記第1の通信システムから前記第1の復調器への受信信号に対応する第1の受信ビーム信号を出力し、前記第2の通信システムから第2の復調器への受信信号に対応する第2の受信ビーム信号を出力することと、
    を更に含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記ハンドオーバ期間の前、及び前記ハンドオーバ期間の後に、交差結合スイッチを制御して、前記第1のアンテナからの第1の受信信号及び前記第2のアンテナからの第2の受信信号を前記第1の復調器に向けて交差結合することと、
    前記ハンドオーバ期間の前記第2の部分の間に、前記交差結合スイッチを制御して、前記第1の受信信号及び前記第2の受信信号の交差結合を防止し、前記第1の受信信号を前記第1の復調器に向けてルーティングし、前記第2の受信信号を前記第2の復調器に向けてルーティングすることと、
    を更に含む、請求項8に記載の方法。
  10. アンテナシステムであって、
    第1のアンテナ及び第2のアンテナを備えるアンテナアレイと、
    較正回路と、
    前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナに接続された交差結合スイッチと、
    コントローラと、を備え、
    前記コントロ―ラは、前記アンテナシステムとの通信が第1の通信システムから第2の通信システムにハンドオーバされるハンドオーバ期間の前に、前記交差結合スイッチの切り替え状態を制御して、前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナの両方を使用して形成された第1のビームを介して前記第1の通信システムと通信された信号を出力させ、
    前記ハンドオーバ期間の第1の部分の間に、前記交差結合スイッチの切り替え状態を制御して、外部通信のための前記第2のアンテナを非アクティブにしながら、前記第1のアンテナを使用して形成された第2のビームを介して、前記アンテナシステムと前記第1の通信システムとの間で通信される信号を出力させ、前記較正回路に命令して、前記第2のアンテナに対して較正手順を実行させ、
    前記ハンドオーバ期間の第2の部分の間に、前記第1のアンテナを制御して前記第2のビームを介して前記第1の通信システムとの通信を維持させながら、前記第2のアンテナを制御して第3のビームを形成させることによって、前記第2の通信システムとのハンドオーバ通信のために前記第2のアンテナをアクティブにし、
    前記ハンドオーバ期間の後、前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナを制御して、前記第2の通信システムとの通信のために第4のビームを集合的に形成させる
    ように構成されている、
    アンテナシステム。
  11. 前記第1の通信システム及び前記第2の通信システムは、それぞれ第1の衛星及び第2の衛星である、請求項10に記載のアンテナシステム。
  12. 前記ハンドオーバ期間の第2の部分の間に、前記コントローラは、前記交差結合スイッチの切り替えを更に制御して、前記第1のアンテナを非アクティブにしながら、前記第2のアンテナを使用して形成される第3のビームを介して前記アンテナシステムと前記第2の通信システムとの間で通信される信号を出力させ、前記較正回路と協働して前記第1のアンテナを較正する、請求項10に記載のアンテナシステム。
  13. 前記コントローラは、ハンドオーバ期間を除く、前記アンテナシステムと任意の外部通信システムとの間の全ての通信期間中、較正動作のために前記較正回路を非アクティブにするように更に構成されている、請求項10に記載のアンテナシステム。
  14. 前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナの各々は、複数の増幅器及び複数の位相シフタに接続された複数のアンテナ素子を備えるフェーズドアレイであり、前記コントローラは、前記位相シフタのそれぞれの位相シフト及び/又は前記増幅器のそれぞれの利得を較正することによって、前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナを較正するために、前記較正回路と協働する、請求項10に記載のアンテナシステム。
  15. 前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナナのうちの少なくとも一方は、複数の可変遅延線に更に接続されるか、又はこれを含み、前記コントローラは、前記遅延線のそれぞれの遅延を較正することによって、前記前記第1のアンテナ及び前記第2のアンテナを較正するために前記較正回路と協働する、請求項10に記載のアンテナシステム。
  16. 前記交差結合スイッチによって出力される信号は、前記第1の通信システム又は前記第2の通信システムから前記アンテナシステムによって受信された信号であり、
    前記アンテナシステムは、前記交差結合スイッチに各々接続された第1の復調器及び第2の復調器を更に備え、
    前記ハンドオーバ期間の前、及び後に、前記コントローラは前記交差結合スイッチの切り替えを制御して中の交差結合部を接続させ、前記第1の復調器のみが前記交差結合スイッチによって出力された前記信号を復調し、
    前記ハンドオーバ期間の前記第2の部分の間に、前記コントローラは、前記交差結合スイッチの切り替えを制御して、前記交差結合を遮断させ、
    前記第1の復調器のみが、前記第1の通信システムから受信された信号に対応する、前記交差結合スイッチによって出力された信号を受信及び復調し、前記第2の復調器のみが、前記第2の通信システムから受信された信号に対応する、前記交差結合スイッチによって出力された信号を受信及び復調する、請求項10に記載のアンテナシステム。
  17. 前記交差結合スイッチは、
    前記第1のアンテナに接続された第1の入力ポートと、第1の出力ポートと、第2の出力ポートとを有する第1の方向性結合器と、
    前記第1の方向性結合器の前記第1の出力ポートに接続された第1の入力ポートと、第2の入力ポートと、第1の復調器に接続された第1の出力ポートとを有する第2の方向性結合器と、
    前記第2の方向性結合器の前記第2の入力ポートに接続された入力ポートと、終端部に接続された第1の出力ポートと、第2の出力ポートとを有する第1の単極双投(SPDT)スイッチと、
    終端部に接続された入力ポートと、前記第1のSPDTスイッチの前記第2の出力ポートに接続された第1の出力ポート及び第2の出力ポートとを有する第2のSPDTスイッチと、
    前記第2のアンテナに接続された第1の入力ポートと、第1の出力ポート及び第2の出力ポートとを有する第3の方向性結合器と、
    前記第3の方向性結合器の前記第1の出力ポートに接続された第1の入力ポートと、第2の入力ポートと、第2の復調器に接続された第1の出力ポートとを有する第4の方向性結合器と、
    前記第4の方向性結合器の前記第2の入力ポートに接続された入力ポートと、終端部に接続された第1の出力ポートと、第2の出力ポートとを有する第3のSPDTスイッチと、
    終端部に接続された入力ポートと、前記第3のSPDTスイッチの前記第2の出力ポートに接続された第1の出力ポート及び第2の出力ポートとを有する第4のSPDTスイッチと、
    を備え、
    前記第1のSPDTスイッチの前記第2の出力ポートは、前記第3の方向性結合器の前記第2の出力ポートに接続されており、
    前記第3のSPDTスイッチの前記第2の出力ポートは、前記第1の方向性結合器の前記第2の出力ポートに接続されている、請求項10に記載のアンテナシステム。
  18. 前記較正回路の入力ポートに接続された出力ポートを有し、かつ複数の入力ポートを有する単極多投(SPMT)スイッチを更に備え、
    前記第1の方向性結合器から第4の方向性結合器までの各々は、3dBハイブリッド結合器であり、
    前記第3の方向性結合器の第2の出力ポートは、前記SPMTスイッチの第1の入力ポートに接続されており、前記第4の方向性結合器の第2の出力ポートは、前記SPMTスイッチの第2の入力ポートに接続されており、
    前記コントローラは、前記SPMTスイッチを制御して、当該SPMTスイッチの前記第1の入力ポートと前記出力ポートとの間の第1の切り替え経路を閉鎖させて前記第1のアンテナを較正し、前記第1の入力ポートと前記出力ポートとの間の第2の切り替え経路を閉鎖させて前記第2のアンテナを較正する、請求項17に記載のアンテナシステム。
  19. 前記交差結合スイッチによって出力される信号は、前記アンテナシステムによって、前記第1の通信システム又は前記第2の通信システムに送信された信号であり、
    前記アンテナシステムは、前記交差結合スイッチに各々結合された第1の変調器及び第2の変調器を更に備え、
    前記ハンドオーバ期間の前記第1の部分の間に、前記第1の変調器のみが、前記交差結合スイッチに変調信号を送信し、前記交差結合スイッチは、前記変調信号をその出力ポートにルーティングして、出力される信号を提供し、
    前記ハンドオーバ期間の前記第2の部分の間に、前記第1の変調器と前記第2の変調器の両方が、前記交差結合スイッチに変調信号を送信し、前記交差結合スイッチは、前記変調信号をその出力ポートにルーティングして、出力される信号を提供する、請求項10に記載のアンテナシステム。
  20. 前記アンテナシステムは、SPMT(単極多投)スイッチと、前記SPMTスイッチの第1の出力ポートに接続された放射素子とを更に備え、
    前記較正回路は、前記SPMTスイッチの入力ポートに接続されており、RF(無線周波数)出力信号を提供する出力ポートを備え、
    前記アンテナシステムは、前記第1のアンテナ又は前記第2のアンテナに接続された受信経路に接続された入力ポートを有する結合器と、前記SPMTスイッチの第2の出力ポートに接続された結合ポートと、前記較正回路の入力ポートに接続された送信ポートとを更に備え、前記RF出力信号に対応する帰還信号が、前記送信ポートから前記較正回路の前記入力ポートに提供される、請求項10に記載のアンテナシステム。
  21. 前記較正回路は、前記帰還信号を受信する入力ポートを有する電力ディバイダと、第1の出力ポート及び第2の出力ポートと、前記第1の出力ポートに接続されたピーク検出器と、前記第2の出力ポートに接続されたダウンコンバータと、前記ダウンコンバータに接続された位相検出器と、前記ピーク検出器の出力端に接続された第1のアナログデジタル変換器(ADC)と、前記位相検出器の出力端に接続された第2のアナログデジタル変換器(ADC)とを備える、請求項20に記載のアンテナシステム。
  22. 前記較正回路は、前記帰還信号を受信するハイブリッド結合器と、前記ハイブリッド結合器に接続された同相/直角位相(I/Q)復調器と、前記同相/直角位相(I/Q)復調器のI出力ポートに接続された第1のアナログデジタル変換器(ADC)と、前記同相/直角位相(I/Q)復調器のQ出力ポートに接続された第2のアナログデジタル変換器(ADC)と、局部発振器と、前記局部発振器(LO)によって出力されたLO信号の第1の部分を前記同相/直角位相(I/Q)復調器に結合し、前記LO信号の第2の部分を結合して前記RF出力信号を提供する結合器とを備える、請求項20に記載のアンテナシステム。
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