JP2022515282A - 回転ヘッド付きヘアスタイリング装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022515282000001
本発明は、空気流を発生させるために搭載された送風機モジュール(5)と、吹出しヘッド(6)がその先に延びるグリップハンドル(2)とを備える携帯型ヘアスタイリング装置(1)であって、吹出しヘッド(6)は第1の空気出口と第2の空気出口(8)とを少なくとも具備し、第1の空気出口と第2の空気出口(8)は別個で、異なる幾何学形状の開口部を有しており、吹出しヘッド(6)は、少なくとも、空気流が第1の空気出口を通して吹出しヘッド(6)から吹き出される第1の位置と、空気流が前記第2の空気出口(8)を通して吹出しヘッド(6)から吹き出される第2の位置との間で、ハンドル(2)に対して回転可能に取り付けられている装置(1)に関する。

Description

本発明は、家庭用などのヘアスタイリング装置の一般技術分野に関し、より詳細には、髪を乾燥させ、かつ/または頭髪の整形を容易にするために空気流が吹き出されるように設計された携帯型の電気ヘアスタイリング装置の分野に関する。
ハンドルおよび吹出しヘッドを備える手持ち式ヘアドライヤー型のヘアスタイリング装置であって、吹出しヘッドは、高温または低温の強制空気流をユーザーの頭髪に向かわせる空気吹出し口を有するヘアスタイリング装置が知られている。こうしたヘアドライヤーは、湿った頭髪をヘアドライヤーから吹き出される空気流の作用による水の蒸発によって乾燥させる(乾燥機能)ために主に使用されるが、一方で、頭髪の整形を容易にする(セット支援機能)ように設計された取外し可能な幾つかの付属品と組み合わせて使用することもできる。ヘアドライヤーのヘッドに固定して、吹出しヘッドから出る空気流が通り抜けるようにされたそれら付属品 - たとえば、拡散型または収束型であることができるもの - は、ヘアドライヤーの吹出しヘッドから吹き出される空気流の形を変化させるエンドピースを形成する。
こうした既知のヘアドライヤーは、おおむね満足できるものではあるが、それだからと言って何らかの欠点がないわけではない。とりわけ、ヘアドライヤーを乾燥用の使用モードからセット支援用の使用モードに移行させるためには、付属品の取付け/取外し作業がユーザーに求められる。このような作業はしばしば面倒なものとなる可能性があり、それ以外にも、付属品の取扱い時に火傷を負うリスクや、付属品がただ単に手の届かないところに収められているわけではなく、ユーザーが使いたいと思うときにユーザーが利用できる状況にない場合には、付属品紛失のリスクも少なからずある。
したがって、本発明に課せられた目的としては、とりわけ実用的でシンプルに使用できる新しい携帯型の多機能ヘアスタイリング装置を提案することを目指す。
本発明の別の目的としては、人間工学的でとりわけ直感的に使用できる設計の新しい携帯型ヘアスタイリング装置を提案することを目指す。
本発明のさらに別の目的としては、とりわけシンプルでコンパクトな設計の新しい携帯型ヘアスタイリング装置を提案することを目指す。
本発明のさらに別の目的としては、とりわけ堅牢で信頼性の高い新しい携帯型ヘアスタイリング装置を提案することを目指す。
本発明のさらに別の目的としては、快適な使用条件のもとでとりわけ効率的な頭髪の乾燥および整形を得ることができる新しい携帯型ヘアスタイリング装置を提案することを目指す。
本発明に課せられた目的は、空気流を発生させるために装備された送風機モジュールと、吹出しヘッドがその先に延びるグリップハンドルとを備える携帯型ヘアスタイリング装置であって、前記吹出しヘッドは少なくとも第1の空気出口と第2の空気出口とを具備し、前記第1の空気出口と前記第2の空気出口は別個で、異なる幾何学形状の開口部を有しており、前記吹出しヘッドは、少なくとも、前記空気流が前記第1の空気出口を通して吹出しヘッドから吹き出される第1の位置と、前記空気流が前記第2の空気出口を通して吹出しヘッドから吹き出される第2の位置との間で、ハンドルに対して回転可能に取り付けられている装置によって達成される。
本発明のその他の特徴および利点は、添付の図面を参照しながら、あくまでも説明のための限定的でない例として行う以下の説明を読むことによってより詳細にわたって明らかとなろう。
ヘアドライヤーを形成する本発明による第1の実施形態のヘアスタイリング装置の斜視図である。 図1のヘアスタイリング装置の背面図である。 図1のヘアスタイリング装置の正面図である。 図1のヘアスタイリング装置の側面図である。 図1から図4のヘアスタイリング装置の長手方向断面による側面図である。 カールドライヤーを形成する本発明による第2の実施形態のヘアスタイリング装置の斜視図である。 図6のヘアスタイリング装置の背面図である。 図6のヘアスタイリング装置の正面図である。 図6のヘアスタイリング装置の側面図である。 図6から図9のヘアスタイリング装置の長手方向断面による側面図である。
本発明に従ったヘアスタイリング装置1、1’は、手で把持され、操作されるように設計される。したがって、これは、手持ち式の携帯型ヘアスタイリング装置であって、好ましくは、ヘアスタイリングに関して、すなわち頭髪の整形のための頭髪の乾燥およびセットに関して、特別な専門技能を持ち合わせないユーザーによる家庭での使用のためのヘアスタイリング装置である。
好ましくは、図1から図5に示された第1の実施形態によれば、ヘアスタイリング装置1は、ユーザーが高温または低温の強制空気流を頭髪の方向に吹き出させることによって濡れた、または湿った頭髪を乾かし、頭髪の整形を容易にするヘアドライヤー(頭髪乾燥機)を形成する。しかし、本発明はそうした具体的な実施形態に制限されるものではなく、図6から図10に示された第2の実施形態のように、ヘアスタイリング装置1’がカールドライヤーを形成するもの、またはユーザーの頭髪に対する空気流の吹出しを伴う機能を与えられたそれ以外のあらゆる携帯型ヘアスタイリング装置であって、頭髪と直接接触する(ブラッシングする、ストレートにするなど)などの形で、セット目的に一段と特化された形で使用され得るヘアスタイリング装置を形成することなども十分に考えられる。
しかし、簡単にするため、以下では、ヘアドライヤー型(図1から図5)のヘアスタイリング装置1およびカールドライヤー型(図6から図10)のヘアスタイリング装置1’に主に焦点を合わせて説明する。別段の明示的指示がある場合を除き、第1の実施形態によるヘアスタイリング装置と関連づけて説明する技術的特徴は、当然の相違点は別として、第2の実施形態によるヘアスタイリング装置に移し替えることが有利にはなお可能である(その逆もまた可能)。以下の説明では、図示された2つの実施形態の間で同一または類似の要素には、同じ符号が与えられる。
本発明によるヘアスタイリング装置1、1’は、ヘアスタイリング装置1、1’を操作するためにユーザーが把持するようにされたグリップハンドル2(または握り)を備える。ハンドル2は、第1の端部3と、反対側の第2の端部4との間に延び、好ましくは第1の軸A-A’沿いに長手方向に延びる。図示した各実施形態では、ハンドル2は、ユーザーの手に馴染むように成形され、寸法を定められた全体的に(一定のまたは一定でない円形または楕円形などの平均断面の)筒形の部品 - または部品の集合体 - によって形成される。
ヘアスタイリング装置1、1’は、(強制)空気流を発生させるように設計され、装備された送風機モジュール5と、ハンドル2から延伸する吹出しヘッド6とをさらに備え、送風機モジュール5によって発生した空気流は吹出しヘッド6を通してヘアスタイリング装置1、1’の外に導かれて、ユーザーの頭髪の方へ吹き付けられることができる。
より詳細には、吹出しヘッド6は少なくとも第1の空気出口7と第2の空気出口8とを具備し、それぞれは別個(したがって相異なるものであり、一体化していない)である。有利には一体化されたサブアセンブリを形成する吹出しヘッド6は、少なくとも、送風機モジュール5によって発生した空気流が第1の空気出口7を通して吹出しヘッド6から吹き出される第1の位置と、その空気流が吹出しヘッド6の第2の空気出口8を通して吹出しヘッド6から吹き出される第2の位置(図5および図10)との間で、ハンドル2に対して回転可能に取り付けられる。換言すれば、吹出しヘッド6は、ハンドル2に対して枢動連結によって取り付けられて、ハンドル2に対して回転できるようにされ、本発明によるヘアスタイリング装置1、1’は、ユーザーが、ハンドル2に対する吹出しヘッド6の枢動によって、吹出しヘッド6から空気流が吹き出される吹出しヘッド6の第1の空気出口7および第2の空気出口8のいずれか一方を交互に選択できるように設計され、構成される。吹出しヘッド6は、ヘアスタイリング装置1、1’のハンドル2と常に連動性を保つように設計されることが好ましく、吹出しヘッド6が(通常用途で)ユーザーによってヘアスタイリング装置1、1’のハンドル2から切り離されることは予定されない。
本発明によれば、第1の空気出口7と第2の空気出口8は、異なる幾何学形状の開口部を有する。つまり、第1の空気出口7の開口部の空気の有効通過断面積は、第2の空気出口8の開口部の空気の有効通過断面積を画定する輪郭(または複数の輪郭)の形状とは異なる形状の輪郭(または複数の輪郭)によって画定される。そのため、吹出しヘッド6から吹き出される空気流は、選択される空気出口7、8によって異なるプロファイルをなし、ユーザーはそれによってヘアスタイリング装置1、1’を少なくとも2つの異なる吹出し構成で利用できることになる。そのため、第1の空気出口7および第2の空気出口8は、有利には、異なる2つのプロファイルの空気流 - それぞれ第1の空気流と第2の空気流 - を吹き出し、吹き付けるように設計され、その各々の空気流がユーザーによる頭髪に対する異なる作業の実施を可能にする。たとえば、第1の空気流は、幅の広い拡散したプロファイルで大きな流量(たとえば70m3/h程度)の乾燥用空気流に相当するものであることができ、それによってユーザーが迅速に頭髪を乾かすことができるようにする。第2の空気流は、集束形で幅が狭く、流量も少なめ(たとえば50m3/h程度)の整形用空気流に相当するものであることができ、それによって毛髪のどの部位に向けて第2の空気流を吹き出させるかをユーザーが正確に選ぶことができるようにする。その結果、ユーザーは、たとえばウェーブ、または反対にくせ取りのような毛髪の整形を手際よく容易に行うことができる。
たとえば、ヘアスタイリング装置1がヘアドライヤーをなす、図1から図5に示した第1の実施形態では、第1の空気出口7は全体がほぼ円形の形状をなす開口部を有し(図2)、第2の空気出口8(図1および図3)は全体がほぼ長円を引き延ばした形状をなす開口部を有する。そのため、吹出しヘッド6がハンドル2に対して第1の位置を占めるときには、ヘアスタイリング装置1は従来のように濡れた頭髪を乾かすために使用することができ、吹出しヘッド6から吹き出される第1の空気流は、第1の空気出口7近辺でほぼ円筒形または円錐形のプロファイルを有する。吹出しヘッド6がハンドル2に対して第2の位置を占めるときは、ヘアスタイリング装置1は、頭髪を乾かすと同時にその整形を容易にする(たとえば、「ブラッシング」を行う)ために使用することができ、吹出しヘッド6から吹き出される第2の空気流は、第2の空気出口8近辺で、整形を行うための空気流を当てるべき毛髪の部位をユーザーが正確に選ぶことを可能にする空気の薄層をなす。
説明目的の非限定的な内容として、第1の乾燥用空気流を作り出すためのものであることが好ましい第1の空気出口7の開口部は、面積が有利には707mm2から1,963mm2の間、たとえば962mm2(これは、円形の第1の空気出口7の開口部の場合、好ましくは30から50mm、好ましくは35mmの直径に相当する)である第1の空気の有効通過断面積を有することができる。第2の空気出口8の開口部は、有利には第1の空気出口7の開口部の第1の空気の有効通過断面積の面積に満たない面積の第2の空気の有効通過断面積を有することができる。たとえば、第2の空気の有効通過断面積は240mm2から640mm2の間、たとえば360mm2であることができる(これは、長円形の第2の空気出口8の開口部の場合、長さ約60mmから80mmで幅約4mmから8mm、好ましくは長さ約60mmで幅約6mmに相当する)。
ヘアスタイリング装置1’がカールドライヤーをなす、図6から図10に示した第2の実施形態では、第1の空気出口7はたとえば全体がほぼ長円を引き延ばした形状の開口部(図7)をなし、一方、第2の空気出口8(図6および図8)は、たとえば、ブラシの毛(またはピン)の並びの間に配分された複数の孔からなる開口部をなし、その孔の各々は全体に円形である。そのため、吹出しヘッド6がハンドル2に対して第1の位置を占めるときには、ヘアスタイリング装置1’は、たとえば、幅の広い拡散したプロファイルで大きな流量の第1の空気流の吹出しによって頭髪の予備乾燥を行うためなどに使用することができる。吹出しヘッド6がハンドル2に対して第2の位置を占めるときは、ヘアスタイリング装置1’は、たとえば、ブラシの毛(またはピン)でブラッシングする頭髪の直近で、より集束形のプロファイルの、ただし流量は少なめの第2の空気流の吹出しによって、頭髪の乾燥を仕上げながら頭髪のブラッシングを行うためなどに使用することができる。
このように、本発明によるヘアスタイリング装置1、1’は、有利には、頭髪に対して行う作業に応じて適切な空気流のプロファイルをとりわけシンプルかつ迅速に選べるようにする吹出しヘッド6のハンドル2に対する回転だけで、ユーザーがヘアスタイリング装置1、1’の少なくとも第1の使用形態(たとえば乾燥)と第2の使用形態(たとえば頭髪の整形)との間で選択を行うことを可能にする。
また、第1の空気出口および/または第2の空気出口が、ハンドルに対して回転可能に取り付けられた吹出しヘッドの他の部分に、取外し可能な形(ロック機構、ねじ留め、締りばめなど)で取り付けられた付属部品によって形成されること(変形形態は図示せず)も考えられ、そうすることによって本発明の枠組みを外れることもない。実際、そうすることによって、ユーザーはヘアスタイリング装置1、1’に異なる幾何学形状の断面を有する別個の2つの(従来の乾燥装置の場合のように単一でない)空気出口を与えることができて、そのうちの一方または他方を、部品の取外し/再取付けのための中間作業なしに順次使うことができながらも、ユーザーがヘアスタイリング装置で行うことを望む特定の用途に応じてそれら付属部品の交換を行う自由もまた残しておくことができよう。
しかし、吹出しヘッド6をユーザーによって取り外されるものとするのでなく、一体をなすアセンブリとして形成し、第1の空気出口7および第2の空気出口8は、吹出しヘッド6に属する(通常用途では)取外し不能な1つまたは複数の構成要素によって形成されるようにすることは有利である。そうすることで、ユーザーは、ヘアスタイリング装置1、1’のハンドル2に対する吹出しヘッド6の回転によって、第1の空気出口7または第2の空気出口8のいずれかを実に注目すべき形で選択することができ、したがって、ヘアスタイリング装置1、1’に対して何らかの付属要素を取り付けたり、取り外したりする必要なしに、ユーザー自らが望む空気流のプロファイルを有利に選ぶことができる。それにより、ユーザーは、装置1、1’の容易かつ迅速な利用という恩恵に浴するとともに、装置1、1’のいかなる要素もなくさないという安心を得ることができる。
より詳細には、吹出しヘッド6は、図示した各実施形態のように、ハンドル2の延長軸である第1の軸A-A’と一体化することが好ましい第2の軸B-B’を中心としてハンドル2に対して回転するように取り付けられる。ただし、第2の回転軸B-B’は、その第1の軸A-A’と平行(かつ第1の軸A-A’に対しては多少なりともオフセット)であることができる。そのため、吹出しヘッド6の運動学的な動きはシンプルで信頼性のあるものであり、ユーザーによるヘアスタイリング装置1の直感的な取扱いが可能となる。さらにあるいは、第2の軸B-B’について、典型的には5°から15°の角度で第1の軸A-A’と交わるようにすることもできよう。
いかなる状況でも、とりわけユーザーの後頭部の頭髪の扱いで、ヘアスタイリング装置1、1’の容易な利用が可能となるようにするため、第1の空気出口7および第2の空気出口8は、好ましくは、送風機モジュール5から発生する空気流がハンドル2の長手方向の延長軸である第1の軸A-A’と交わる平均的な方向、好ましくはほぼ直交する方向に沿って吹出しヘッド6から吹き出されるようにレイアウトされ、構成されることが好ましい。特に有利には、ヘアスタイリング装置1、1’は、吹出しヘッド6がハンドル2に対して第1の位置または第2の位置のいずれを占めるかにかかわらず、ほぼ同一の平均的な方向および向きに吹出しヘッド6が空気流を吹き出すように設計され、構成されることができよう。そのため、ユーザーは、ハンドル2に対する手の握りを変えたり、ヘアスタイリング装置1、1’全体の空間的な方位を変えたりする必要なしに、ヘアスタイリング装置1、1’を吹出しヘッド6の第1の位置および第2の位置の一方、続いて他方で交互に使用することができることになる。
各図に例示されているように、第1の位置から第2の位置への吹出しヘッド6の移行は、第2の軸B-B’を中心とした吹出しヘッド6の180°の角度の回転に相当するものであることが好ましい。言い換えれば、ヘアスタイリング装置1、1’の吹出しヘッド6は、吹出しヘッド6の第1の空気出口7と第2の空気出口8が、ハンドル2に対して吹出しヘッド6の回転軸である第2の軸B-B’の両側にレイアウトされるように設計され、構成される。このレイアウトは、ユーザーによるヘアスタイリング装置1、1’の実用的かつとりわけ直感的な操作に寄与する。
吹出しヘッド6の第1の位置および第2の位置は、ユーザーが意図的に操作することなしに吹出しヘッド6が不意にその位置を変えることができないように、安定した位置であることが好ましい。そこで、ヘアスタイリング装置1、1’は、ハンドル2に対する第1の位置および第2の位置における吹出しヘッド6の割出し手段(図示せず)として、たとえば対の磁石、「鶏の尻」、またはその他既知のあらゆる手段であって適合されたものなどを含むことが有利である。
ただ、各図に示された好ましい実施形態では、ハンドル2に対する吹出しヘッドの回転軸である第2の軸B-B’に関して互いが特に180°の向きをなす2つの空気出口7、8のみを備える吹出しヘッド6の実装が想定されているものの、本発明がそれだけに限定されるものでないことは理解されるところである。実際、吹出しヘッド6はより多くの別個の(たとえば3つまたは4つの)、異なる幾何学形状の断面の空気出口を備えるものであって一向に差し支えなく、ユーザーは、吹出しヘッドをハンドルに対して回転させることによって、対応するだけの個々の位置に吹出しヘッドを位置決めすることによって、それらを選ぶことができよう。
その場合、その3つまたは4つ(またはそれ以上)の空気出口は、第2の回転軸B-B’の周りに、好ましくは規則的に、空気出口の数に応じて同等の角領域に従って配分されよう。そこで、たとえば、異なる幾何学形状の開口部を有する別個の3つの空気出口を実装し、第1の位置から第2の位置へ、次いでその第2の位置から第3の位置への吹出しヘッドの移行が、たとえば第2の軸B-B’を中心とした120°の角度の吹出しヘッドの回転に相当するようにそのそれぞれをレイアウトすることが考えられよう。さらに、たとえば、異なる幾何学形状の開口部を有する別個の4つの空気出口を実装し、ある所与の位置から別の位置への吹出しヘッドの移行が、たとえば第2の軸B-B’を中心とした90°の角度の吹出しヘッドの回転に相当するようにそのそれぞれをレイアウトすることが考えられよう。また、吹出しヘッドをある所与の位置から別の位置へ移行させるための第2の軸B-B’を中心とした吹出しヘッドの回転は、360°を位置または個別空気出口の総数で割った比率の分だけ異なる回転角に言うまでもなく相当しよう。
ヘアスタイリング装置1、1’の送風機モジュール5は、電動機11が組み込まれた電動ファン10を備えることが好ましい。電動ファン10は、従来型のプロペラ式またはらせん形軸流ファンを備えることができる。あるいは、電動ファン10は、有利にはらせん形遠心ファンまたは遠心ファンを備えることができる。こうしたらせん形遠心ファンまたは遠心ファンは、プロペラ式またはらせん形ファンと比べて、サイズは同等なまま、ほぼ同程度の空気流量で高い内部圧力を得ることができるが、それを、低めの回転速度で、したがって電動ファン10が発する騒音も低めに実現することができる。好ましくは、電動ファン10の電動機11は、ブラシレス電動機(いわゆる「ブラシレス」モータ、または自己制御型永久磁石同期電動機)である。こうしたブラシレス電動機は、一般に従来型のブラシ付き電動機よりも堅牢で、なおかつ軽量である。騒音が小さく、省エネ性能に優れたこの電動機は、フレキシビリティもきわめて高く、回転速度の調節を高精度で行うことができる。
送風機モジュール5は、ハンドル2内または吹出しヘッド6内にレイアウトすることができる。しかし、より好ましくは、各図に示す実施形態のように、ヘアスタイリング装置1の送風機モジュール5は、ハンドル2の第1の端部3でハンドル2に取り付けられ、吹出しヘッド6は、ハンドル2の第2の端部4でハンドル2に対して回転可能に取り付けられる。そのため、吹出しヘッド6はハンドル2の第2の端部4から延び、送風機モジュール5はハンドル2の第1の端部3から延伸する。好ましくは、送風機モジュール5はハンドル2の第1の端部3でハンドル2に固定され、送風機モジュール5がハンドル2に対して回転する可能性はない。また、送風機モジュール5は、図6から図10に示すように、それ自体が電源コード9によって延伸することができる。そのため、ヘアスタイリング装置1、1’の送風機モジュール5は、ヘアスタイリング装置1、1’の吹出しヘッド6およびグリップハンドル2から外れた位置にあることが好ましい。そうすることで、空気流を大流量で経済的に発生できるように送風機モジュール5の寸法を定めつつも、それによって吹出しヘッド6およびハンドル2の全体的なサイズに影響を与えないようにすることが可能となる。そうした送風機モジュール5のレイアウトには、その他、ハンドル2の両側への重量配分によってヘアスタイリング装置1の重量バランスをよりよいものとすることができるという利点があり、それによってその使用時の快適性に資する。
送風機モジュール5がハンドル2内にレイアウトされるか、またはハンドル2の第1の端部3でハンドル2に取り付けられる場合は、ハンドル2は、有利には送風機モジュール5で発生した空気流を吹出しヘッド6へと導く案内路12を備えることができる。この案内路12は、有利には空気流を、ハンドル2を通して、典型的にはハンドル2の第1の端部3からハンドル2の第2の端部4へと導く。また、ヘアスタイリング装置1、1’は、有利には、吹出しヘッド6が第1の位置を占めるときは、送風機モジュール5で発生した空気流をハンドル2の案内路12から第1の空気出口7へ、また、吹出しヘッド6が第2の位置を占めるときは、第2の空気出口8へ、それぞれ案内するように設計され、構成されたデフレクタ13をさらに備えることができる。
図1から図5の第1の実施形態では、電動ファン10は有利には遠心型のファン14を備え、送風機モジュール5は渦巻き形の内部機能チャンバ15を備え、その中に電動ファン10が収まる。機能チャンバ15は、図5に示すように、互いが(ねじ留めなどによって)組み立てられ、ハンドル2の第1の端部3でハンドル2に固定された2つのハーフシェル16、17の内壁によって画定されることができる。送風機モジュール5は、周囲空気をファン14によって機能チャンバ15内に軸方向に吸い込む空気取入れ口18と、有利にはハンドル2の空気案内路12に連結された空気出口であって、吸い込んだ空気がそこから径方向に機能チャンバ15の外に吐き出される空気出口とを具備する。送風機モジュール5は、好ましくは機能チャンバ15の空気取入れ口18の保護格子(場合によって取外しおよび位置変更が可能なもの)をさらに備える。特に図5に示すように、送風機モジュール5は、電動ファン10の遠心ファン14のシャフトがハンドル2の長手方向の延長軸である第1の軸A-A’とほぼ直交するように設計され、構成されることが好ましい。一方、機能チャンバ5の空気取入れ口18は、好ましくは周囲空気が吹出しヘッド6による空気流の平均的な吹出し方向とほぼ平行な方向に、さらにより好ましくは同じ向きで、機能チャンバ15内に吸い込まれるようにレイアウトされる。しかし、周囲空気を、吹出しヘッド6による空気流の平均的な吹出し方向と交わる方向で、たとえばほぼ直交する方向で、機能チャンバ内に吸い込むことも、本発明の枠組みから外れないものとして、考えることができよう。
ヘアスタイリング装置1がカールドライヤーをなす、図6から図10に示す第2の実施形態の場合、電動ファン10は好ましくはらせん型のファン14をなす。ハンドル2の第1の端部3でハンドル2に固定された送風機モジュール5は、ほぼ円筒形の内部機能チャンバ15を備え、その中に電動ファン10が収まる。電動ファン10は、らせん型ファン14のシャフトがハンドル2の長手方向の延長軸である第1の軸A-A’と平行となる、好ましくは一体化するように取り付けられる。送風機モジュール5は、周囲空気をファン14によって機能チャンバ15内に径方向に吸い込む格子付きなどの空気取入れ口18と、有利にはハンドル2の空気案内路12に連結された空気出口であって、吸い込んだ空気が軸方向に機能チャンバ15の外に吐き出される空気出口とを具備する。このレイアウトは、有利には、ハンドル2および送風機モジュール5によって形成されるヘアスタイリング装置1’の部位の径方向の大きさを抑えることができる。
好ましくは、吹出しヘッド6は、吹出しヘッド6の形状および外側輪郭、有利には、ヘアスタイリング装置1、1’のハンドル2から延伸するヘアスタイリング装置1、1’の終端部の形状および外側輪郭を画定する外装20を備える。有利には、外装20は、ユーザーが手で把持することができるように形作られ、ユーザーが外装20に対して(したがって吹出しヘッド6に対して)吹出しヘッド6の回転軸である第2の軸B-B’を中心にハンドル2に対する吹出しヘッド6の枢動運動を直接手で与えることで、吹出しヘッドの第1の空気出口7および第2の空気出口8のいずれか一方を、したがってヘアスタイリング装置1、1’のそれに対応する動作モードを選択できるようにされる。
有利には、吹出しヘッド6は、空気流をユーザーの頭髪に向けてヘアスタイリング装置1の外へと案内するためのノズルボディ19を備える。図1から図5に示した第1の実施形態では、ノズルボディ19は、ロック機構またはねじ留めによって組み立てられたハーフシェルなどからなる外装20(またはカウリング)内にはめこまれるのが有利である。ユーザーが第2の軸B-B’の周りに吹出しヘッド6の外装20を回転させることにより、ノズルボディ19も第2の軸B-B’の周りに一緒に回転する。外装20は、吹出しヘッド6に対して特に美しい外観、たとえば図1から図5に例示したような全体が円筒形の外観を与えるように形作ることができる。
有利には、吹出しヘッド6の外装20は、吹出しヘッド6の正中面と直交する第3の軸C-C’に沿って全体が長手方向に延び、吹出しヘッド6は、吹出しヘッド6の回転軸である第2の軸B-B’がハンドル2の長手方向の延長軸である第1の軸A-A’と一体化するように、かつ第1の軸A-A’と第2の軸B-B’が吹出しヘッド6の正中面内に内接するように、ハンドル2に対してレイアウトされる。そのため、外装20は有利には、ハンドル2の長手方向の延長軸である第1の軸A-A’とも、吹出しヘッド6の回転軸である第2の軸B-B’とも直交する第3の軸C-C’に沿って、第1の軸A-A’および第2の軸B-B’の両側にほぼ同じ平均長さにわたって延びる。
そうして得られる対称形または準対称形の審美的効果の他、このような特定のレイアウトは、ヘアスタイリング装置1の全体的なバランスのよさや、ユーザーによるその操作性のよさに有利に寄与する。
図5の断面図に特に示すように、有利には一体構造をなすノズルボディ19は、それ自体、好ましくは、吹出しヘッド6の第1の空気出口7を形成する第1のノズル端部(有利には、その端部は、前述のように全体がほぼ円形の開口部を有する)と、吹出しヘッド6の第2の空気出口8を形成する反対側の第2のノズル端部(有利には、その端部は、全体が、吹出しヘッド6の第2の軸B-B’と垂直な方向に引き延ばしたほぼ長円の開口部を有する)との間で、吹出しヘッド6の長手方向の延長軸である第3の軸C-C’に沿って延びる。
この第1の特定の実施形態においては、ヘアスタイリング装置1は、送風機モジュール5で発生する空気流を、吹出しヘッド6が占める位置に応じて、ハンドル2の案内路12から第1の空気出口7および第2の空気出口8のいずれか一方へ交互に案内するために、上で企図したようなデフレクタ13も備える。図5に示すように、デフレクタ13は、ハンドル3に固定して取り付けられた曲管要素21であって、ハンドル2の延長軸である第1の軸A-A’に沿ってハンドル2の空気案内路12を延ばす曲管要素21を備えることが好ましい。それにより、吹出しヘッド6は、吹出しヘッド6が第1の位置および第2の位置の一方から他方に移行したとき、有利にはデフレクタ13の曲管要素21の周りに回転する。
とりわけ好ましくは、曲管要素21は、ハンドル2とともに一体構造の部品(図5)を形成することで特にヘアスタイリング装置1の部品数を抑え、それによって製造を容易にすることを可能にする。
図5に示すように、ノズルボディ19は、デフレクタの曲管要素21の寸法に合わせた寸法の空気流入口22を備えることが有利であり、曲管要素21はその空気流入口22を通して、吹出しヘッド6の回転軸である第2の軸B-B’に沿ってノズルボディ19内に入り込む。有利には、曲管要素21とノズルボディ19は、吹出しヘッド6が第1の位置を占めるときは、曲管要素21がノズルボディ19内の空気流を吹出しヘッド6の第1の空気出口7を形成する第1のノズル端部の方向に向ける一方で、好ましくは反対側の第2のノズル端部の方向への一切の空気漏れを阻止するように互いに対して構成され、レイアウトされる。逆に、曲管要素21とノズルボディ19は、有利には、吹出しヘッド6が第2の位置を占めるとき(この場合は、第2の軸B-B’を中心に吹出しヘッド6を180°回転させた後)は、曲管要素21がノズルボディ19内の空気流を吹出しヘッド6の第2の空気出口8を形成する第2のノズル端部の方向に向ける一方で、好ましくは反対側の第1のノズル端部の方向への一切の空気漏れを阻止するように互いに対して構成され、レイアウトされる(図5)。図示されているように、デフレクタ13(特に、その曲管要素21)およびノズルボディ19は、ハンドル2の空気案内路12から来る空気流に対して第1の空気出口7および第2の空気出口8のいずれか一方の方向に90°の偏向を与えるように形作られ、レイアウトされるのが有利である。
ヘアスタイリング装置1の吹出しヘッド6について、たとえば、本発明のヘアスタイリング装置1、1’の好ましい第2の実施形態に関連するものとして図6から図10に示したもののように、別の設計を考えることは当然可能である。
図7から図10に示したヘアスタイリング装置1’はカールドライヤーをなしており、有利なこととして、その吹出しヘッド6はここでは、従来型のカールブラシの外形とほぼ同様の外形を有している。そのため、吹出しヘッド6は、ハンドル2に対するヘッドの回転軸である第2の軸B-B’と平行な、好ましくは一体化した、第4の軸D-D’に沿って長手方向に延びる。図示されているように、吹出しヘッド6はまた、吹出しヘッド6の回転軸である第2の軸B-B’がハンドル2の長手方向の延長軸である第1の軸A-A’と一体化するように、ハンドル2に対してレイアウトされる。
特に図10に図示されているように、吹出しヘッド6は、この場合は吹出しヘッド6の外装20に取り付けられた別個の部品の形はとらず、逆に外装20の内壁として直接画定されている、ノズルボディ19を備えることができる。その外装20は、第1の実施形態と同様に、互いの間を(ロック機構またはねじ留めによって)組み立てられた複数のシェル要素によって形成されることができる。その場合、ノズルボディ19は、吹出しヘッド6の第1の空気出口7を形成する第1のノズル端部と、吹出しヘッド6の第2の空気出口8を形成する反対側の第2のノズル端部との間で、吹出しヘッド6の長手方向の延長軸である第4の軸D-D’と直交する第5のE-E’軸に沿って延びることが有利である。
変形実施形態によれば、外装20は、外装20の縁に配置された少なくとも1つの棒状体(図示せず)であって、セット作業の際に頭髪と接触するようにされた棒状体を備えることができる。この棒状体は、好ましくは加熱体であるか、または少なくとも、吹出しヘッド6内を流れる乾燥用空気流からの熱の一部を頭髪に伝達することができるものである。たとえば、棒状体は、金属材料(鋼、アルミニウムなど)のような熱伝導性材料で製作することができ、ノズル19の内側を流れる乾燥用空気流と直に接触することができる。たとえば、棒状体は外装20の厚さ全体を貫いて、乾燥用空気流と接触するためにノズル19の内側に突き出る一方、頭髪と接触するように外側にも突き出ることができる。その場合、こうした棒状体は、セット作業時に頭髪に接触する突起部であって、好ましくは加熱能力を持つ突起部を形成し、それによって頭髪にボルデュック効果を与えることができる。ボルデュック効果とは、髪の房に流麗なウェーブを形成することをいい、ギフトボックスを飾るために、ボルデュックリボンをハサミの刃にこすりつけて付けるウェーブになぞらえたものである。好ましくは、外装は、第4の軸D-D’の両側に配置されて互いに対向するほぼ平行な2つの棒状体を備えることで、ヘアスタイリング装置を使用する向きにかかわらずボルデュック効果を実現できるようにする。
吹出しヘッド6の第1の空気出口7は、有利には、吹出しヘッド6の長手方向の延長軸である第4の軸D-D’と平行な全体方向に沿って引き延ばされたほぼ長円形の全体形状の開口部を有する(図7)。一方、第2の空気出口8は、たとえば、吹出しヘッド6に与えられることが有利なブラシの毛(またはピン)の列の間に配分された複数の孔からなる開口部を有し、各々の孔は全体が円形をなす(図6および図8)。
この第2の特定の実施形態では、ヘアスタイリング装置1’は、送風機モジュール5で発生する空気流を、吹出しヘッド6が占める位置に応じて、ハンドル2の案内路12から第1の空気出口7および第2の空気出口8のいずれか一方に交互に案内するために、デフレクタ13も備える。図15に示すように、デフレクタ13は、この場合は一端が閉ざされ、側壁には軸方向に開口部が設けられた円錐台形管の一部によって構成される曲管要素21を備えることが好ましい。ハンドル2に対して固定された曲管要素21は、ハンドル2の空気案内路12をハンドル2の延長軸である第1の軸A-A’に沿って第2の端部3の先まで延伸する。
図5に示すように、ノズルボディ19は、デフレクタ13の曲管要素21の寸法に合わせた寸法の空気流入口を備えることが有利であり、曲管要素21はその空気流入口を通して、吹出しヘッド6の回転軸である第2の軸B-B’に沿ってノズルボディ19内に入り込む。図6から図10の第2の実施形態によるヘアスタイリング装置1’の曲管要素21およびノズルボディ19のそれぞれの構成およびレイアウトは、有利には図1から図5の第1の実施形態によるヘアスタイリング装置1の対応する曲管要素21およびノズルボディ19に関連してすでに記したものと同様であるか、さもなければ同一であり、ほぼ同一の効果をもたらす。
有利には、吹出しヘッドの第1の空気出口7および/または第2の空気出口8は、多少傾斜した、好ましくは固定式の1つまたは複数のデフレクタフラップであって、関係する空気出口を通して吹き出される空気流の速度/流量の空間プロファイルを必要に応じて均質化するように設計され、構成されたデフレクタフラップをさらに具備する。たとえば、図示された各実施形態では、開口部の幾何学形状が頭髪の乾燥/予備乾燥のためのヘアスタイリング装置1、1’の用途に適合されていることが有利な第1の空気出口7は、そうしたデフレクタフラップ23を具備する。図1から図5の第1の実施形態では、デフレクタフラップ23は、ノズルボディ19と一体成形であることが有利である。あるいは、デフレクタフラップ23は、図6から図10の第2の実施形態のように、別個の付加的部品によって形成されることができる。第2の空気出口8の場合、その開口部の幾何学形状は、頭髪のセット支援またはセットを目的としたヘアスタイリング装置1、1’の用途に適合されることが好ましく、第2の空気出口8はデフレクタフラップを具備しない。
好ましくは、ヘアスタイリング装置1、1’は、送風機モジュール5で発生する空気流の温度を上げるように設計された加熱要素24を備える。ヘアスタイリング装置1、1’内に装備される加熱要素24は、ヘアスタイリング装置1、1’の吹出しヘッド6内またはハンドル2内(すなわちその内部)にレイアウトすることができる。有利には、加熱要素24は(少なくとも部分的に)ハンドル2内(すなわちその内部)に、さらに有利には、図示された実施形態のように、ハンドル2の案内路12それ自体の中に、送風機モジュール5で発生する空気流の間に割り込むようにレイアウトされる。このような構成は、特に吹出しヘッド6の大きさや重量を抑え、吹出しヘッド6の設計をシンプルにすることができる。加熱要素は典型的にはジュール効果の原理で働く電気加熱要素であり、その出力は好ましくは500W超である。好ましくは、加熱要素24は、絶縁芯の周りの導体金属線(ニクロム線など)の巻線によってなる少なくとも1つの発熱電気抵抗体を備える。図示した好ましい実施形態では、加熱要素24は、より詳細には、十字形断面で端部に固定用フィンが付いた絶縁芯25(マイカなど)の周りの導体金属線(図示せず)の巻線の形をなす。有利には、ヘアスタイリング装置1、1’は、断熱材26、たとえば円形の台座を有する管状部品26、であって、そこに加熱要素24が取り付けられることでハンドル2の昇温を抑えて特にユーザーを火傷のリスクから守る断熱材をさらに備える。図示するように、断熱材26の内壁は、有利には前述の空気流の案内路12の全体または一部を画定することができる。
好ましくは、ヘアスタイリング装置1、1’は電子モジュール27をさらに備える。ユーザーが直接操作するようにされることも、ユーザーがアクセスできるようにされることも必要とされるものではないが、電子モジュール27は、有利には、ヘアスタイリング装置1が備える可能性のある様々な機能機構のすべてまたは一部と(直接または間接的に)相互作用を果たすように設計される。それは、典型的には、ヘアスタイリング装置1、1’に内蔵されたチップであり、電子回路であり、プリント回路(「PCB」)であり、または電気的、電子的もしくは電気機械的デバイスからなるアセンブリである。電子モジュール27は、特定の給電モード(フィルタリング、変圧、整流の機能を伴うものなど)を実現すること、ヘアスタイリング装置1、1’のいずれか1つまたは複数の機能機構の動作の制御、操作もしくは調節を果たすことを目的としたものであることができる。場合によっては、電子モジュール27は、バッテリ、ディスプレイ、1つまたは複数のマイクロコントローラなどの構成要素を含むことができる。場合により、電子モジュール27は、ヘアスタイリング装置1、1’内に配分された幾つかのセンサおよび検出器であって、ヘアスタイリング装置1、1’の様々な機能機構の動作を最適な形でフィードバック制御するためにヘアスタイリング装置1、1’の動作に関係する物理量(温度、電圧および電流、空気流の速度/流量、送風機モジュール5のファン14の回転速度など)の測定、監視を行うようにされたセンサおよび検出器に連結されることができる。
より好ましくは、電子モジュール27は、ヘアスタイリング装置1、1’の送風機モジュール5および/または加熱要素24の動作を制御するように設計された電子モジュールである。実際、ヘアスタイリング装置1、1’の送風機モジュール5および/または加熱要素24は、それぞれの動作のために、またどのような工学技術が用いられるかによって、特定の制御のための1つ(または複数)の電子モジュールまたは電子チップの実装を必要とする可能性がある。
たとえば、電子モジュール27が加熱要素24の動作を制御するように設計される場合は、電子モジュール27は、その加熱要素24のための電源操作回路および/または専用調整(出力、温度など)回路を備えることができる。送風機モジュール2が、すでに見たようなブラシレス電動機11を備える好ましい場合には、そのブラシレス電動機11の制御は、有利には電子モジュール27によって行うことができる。そこでは、電子モジュール27は、位置センサ(ホール効果センサなど)からのデータに応じて電動機11の固定子巻線内の電流切換え(位相制御)、回転速度自動調整などを行うように設計することができる。
好ましくは、図1から図5に示した好ましい第1の実施形態のように、そのような電子モジュール27は、有利には吹出しヘッド6内に、好ましくは吹出しヘッド6内を流れる空気流の外にレイアウトされる。有利には、吹出しヘッド6は、電子モジュール27を受けることのできる専用区画28を備える。
こうしたレイアウトは、ヘアスタイリング装置1、1’の全体的なサイズを抑えるのに役立つ。とりわけ電子モジュール27が送風機モジュール5および/または加熱要素24の動作を制御するように設計され、送風機モジュール5および/または加熱要素24が吹出しヘッド6の外にレイアウトされるのであればなおさらである。そのため、前述のように、加熱要素24がハンドル2内にレイアウトされ、かつ/または送風機モジュール5がハンドル2内もしくはハンドル2の端部に取り付けられるときは、電子モジュール27は、加熱要素24から、および/または電子モジュール27の制御対象である送風機モジュール5から、外れたところにあることが有利であり、そうすることでハンドル2および/またはハンドル2に連結された送風機モジュール5のサイズを最大限抑えることができる。
しかし、吹出しヘッド6の回転可能性を考えると、吹出しヘッド6の外にレイアウトされた加熱要素24および/または送風機モジュール5(または電子モジュール27に連結されるヘアスタイリング装置1、1’のその他あらゆる機能機構であって、吹出しヘッド6の外にレイアウトされるもの)と、吹出しヘッド6内にレイアウトされた電子モジュール27との間に単純かつ強固な電気接続を果たすのは難しいという場合も起こり得る。
そこで、図1から図5に示した好ましい第1の実施形態のように、吹出しヘッド6の回転の際、電子モジュール27は、送風機モジュール5および/または加熱要素24に対して不動のままとなるように吹出しヘッド6内に取り付けられるようにするのが好ましいのはそのためである。その意味で、たとえば図5に示されるように、ノズルボディ19には、デフレクタ13の曲管要素21がノズルボディ19に入り込む部分に当たる空気流入口の反対側に追加の孔29が設けられてもよい。その追加の孔29のレベルで曲管要素21の一部分がノズルボディ19に対して面一となるか、またはそこから突き出すようにすれば、その一部分に電子モジュール27を直接、または専用の支持体30を介して、固定することができる。言うまでもなく、別の妥当な取付け構成を考えることもできる。たとえば、電子モジュール27は、それ自体のサイズによっては、デフレクタ13の曲管要素21の背側に取り付けることもできよう。
そうすることで、加熱要素24および/または送風機モジュール5と吹出しヘッド6内にレイアウトされた電子モジュール27との電気接続は、従来型の導電線(図示せず)などによって、有利にはごくシンプルな形で、電線がねじれによって傷むリスクも、複雑な可動式の(回転コネクタによる接続などの)電気接続手段を用いる必要もなしに行うことができる。それにより、ヘアスタイリング装置1の製造コストは抑えられ、その信頼性も高まる。
吹出しヘッド6内に収められた電子モジュール27は、好ましくは吹出しヘッド6を通して流れる空気流の外にレイアウトされるものの、送風機モジュール5で発生する空気流が吹出しヘッド6からヘアスタイリング装置1の外に吹き出される前に加熱要素24によって加熱される際に、その温度が大きく上昇し得る。また、加熱要素24が有効になっていないとき、またはヘアスタイリング装置がそのような加熱要素を備えていない場合であっても、電子モジュール27はその通常動作の過程でそこを通る電流の作用などによってそれ自体熱くなる可能性がある。そのため、いずれの場合であっても、電子モジュール27の温度が抑え込まれずに許容される一定の閾値を超えると、電子モジュール27の動作不良や全面的な故障のリスクが高まる。
そこでヘアスタイリング装置1、1’は、特に有利には、電子モジュール27の冷却を行うために送風機モジュール5で発生する空気流の一部を取り込むように設計された分岐路31を備えることができる。そのため、分岐路31は、送風機モジュール5で作り出される強制空気流の一部を - その空気流が場合に応じて加熱要素24によって加熱される前に - 集めて迂回させ、そうしてあらかじめ取り入れた分の空気流を案内して電子モジュール27の直近に吹き付けることで電子モジュール27の強制冷却を行うように設計され、構成される。
送風機モジュール5がハンドル2内にレイアウトされるか、またはハンドル2の第1の端部3でハンドル2に取り付けられる場合は、分岐路31は、好ましくはハンドル2の少なくとも一部まで延びる。したがって、分岐路31は、有利にはハンドル2の中に組み込まれる。なお好ましくは、ヘアスタイリング装置1、1’は、案内路12および分岐路31がハンドル2内を互いに平行に、有利にはハンドル2の延長軸である第1の軸A-A’に沿って、延びるように設計することができる。
たとえば、図1から図5に示した好ましい第1の実施形態では、分岐路31が開口するのは、一方は、送風機モジュール5で発生する空気流(冷風、すなわち加熱要素24によってまだ加熱されていないもの)の一部を取り込むことを目的に、送風機モジュール5の機能チャンバ15の空気出口であり、他方は、吹出しヘッド6内にレイアウトされた電子モジュール27の直近位置である。
図5に例として示すように、分岐路31は、ハンドル2の長さの全体または一部に沿って、ハンドル2の内壁と管状断熱材26の外壁との間に設けられた自由空間によって形成されることができる。このような設計は、有利にはハンドル2を冷却することもでき、それによってヘアスタイリング装置1、1’の使用の快適性が向上する。分岐路31は、有利には、吹出しヘッド6で曲管要素21の背側を形成する二重壁32の中まで延び、さらに電子モジュール27を曲管要素21に固定するための前述の支持体30を通ることができる。
有利には、ヘアスタイリング装置1、1’は、取り込んだ分の空気流を吹出しヘッド6から吹き出される空気流(の主要部分)に再注入する回路をさらに含むことができ、それによって、分岐路31によって取り込まれた分の空気流は、電子モジュール27の冷却に寄与した後、吹出しヘッド6の空気出口7,8を通してユーザーの頭髪の方へと吹き出されることができる。そのため、電子モジュール27の冷却が、送風機モジュール5で発生し、吹出しヘッド6から吹き出される空気流の流量に顕著に影響することはない。たとえば、吹出しヘッド6のノズルボディ19は取り込まれた分の空気流をノズルボディ19内部に直接再注入する孔(図示せず)を備えることができ、その位置はデフレクタ13の曲管要素21の下流側であることが好ましい。
代替的(または補完的)には、吹出しヘッド6の外装20は、取り込まれた分の空気流のすべてまたは一部が吹出しヘッド6の外に、したがってヘアスタイリング装置1、1’の外に抜け出ることができる抜け孔(またはその等価物)を備えることができる。そのため、電子モジュール27の冷却に用いられた分の空気流は、吹出しヘッド6からユーザーの頭髪の方に吹き出される空気流(の主要部分)の温度に影響を与えることなく(または少なくとも著しい影響を与えることなく)ヘアスタイリング装置1、1’の外に排出されることができる。
典型的には、電子モジュール27の効率的な冷却が可能となるように、分岐路31は、その中を1から10m3/hの空気流量が通り抜けることができるように寸法を定めることができる。
図示されている実施形態で採り入れられている変形形態によれば、ヘアスタイリング装置1、1’は、ユーザーによる送風機モジュール5および/または加熱要素24の動作の手動調整手段33を備える。それは、たとえばタンブラースイッチ型、押しボタン型、および/またはスライダ式もしくはローレットノブ式のボリュームスイッチ型などの調整手段であって、ヘアスタイリング装置1、1’の電気的な有効化/無効化を行うため、さらに送風機モジュール5のファン14の回転速度を、したがって吹出しヘッド6から吹き出される空気流の速度/流量、および/または加熱要素24の加熱温度を変更するために、ユーザーが直接働きかけることができる手段である。そのようなものとして知られる手動調整手段は、送風機モジュール5が、各図に示されるように、それの第1の端部3に取り付けられるときには、たとえばハンドル2または送風機モジュール5に配置されることができる。
別の変形形態(図示せず)によれば、ヘアスタイリング装置1、1’は、送風機モジュール5および/または加熱要素24の動作の自動調整手段であって、吹出しヘッド6がハンドル2に対して占める位置に合わせて送風機モジュール5および/または加熱要素24の動作を(自動的に)制御する自動調整手段を備える。つまり、この場合、それは、ユーザーが、直接にではなく、吹出しヘッド6をハンドル2に対して回転させることを通して間接的に働きかける調整手段である。そのため、この自動調整手段は、送風機モジュール5および加熱要素24と(場合によっては、前述の電子モジュール27を通して)協働し、ユーザーの操作による吹出しヘッド6のハンドル2に対する位置の変更に応じて、それぞれの動作の変更を自動的に行う。
こうした自動調整手段は、そのようなものとしてすでに他で知られており、そうした自動制御機能に適合されたあらゆる手段によって形成されることができる。たとえば、その自動調整手段は、1つもしくは複数のスイッチもしくは接触器(電気、光学、機械または磁気式のもの)、および/または1つもしくは複数の電位差計、および/またはハンドル2に対する吹出しヘッド6の1つもしくは複数の位置センサを備えることができる。典型的には、吹出しヘッド6とハンドル2との境界にレイアウトされて送風機モジュール5および/または加熱要素24に(必要に応じて、前述の電子モジュール27を介して)電気的に連結されるそうした自動調整手段は、吹出しヘッド6がハンドル2に対して占める位置に応じて有効化または無効化されるようにして、送風機モジュール5および加熱要素24の動作をフィードバック方式で変更することができる。そのため、有利には、吹出しヘッド6の第1の位置および第2の位置のそれぞれに対して、送風機モジュール5および/または加熱要素26の動作についてあらかじめ定められた異なる調整が対応するように、好ましくは送風機モジュール5のものであると同時に加熱要素24のものである動作についてあらかじめ定められた異なる調整が対応するように予定することができる。
自動調整手段は、吹出しヘッド6の第1の位置には、好ましくは、吹出しヘッド6から(したがって吹出しヘッド6の第1の空気出口7を通して)吹き出される空気流の第1の速度F1と第1の温度T1が対応するように設計され、構成されることができる。一方、自動調整手段は、吹出しヘッド6の第2の位置には、好ましくは、吹出しヘッド6から(したがって、この場合は、吹出しヘッド6の第2の空気出口8を通して)吹き出される空気流の第2の速度F2と第2の温度T2が対応するように設計され、構成されることができる。
さらにより好ましくは、吹出しヘッド6から吹き出される空気流の第1の速度F1と第2の速度F2はそれぞれ異なり、吹出しヘッド6から吹き出される空気流の第1の温度T1と第2の温度T2はそれぞれ異なるものであることができる。もっとも、自動調整手段は、吹出しヘッド6の位置にかかわらず、したがって、選ばれる空気出口7、8およびその開口部の幾何学形状にかかわらず、吹き出される空気流の速度または温度を自動的に同一に保つように送風機モジュール5および加熱要素24と協働するように設計され、構成されてよいものとすることも考えられる。
その場合、吹出しヘッド6の第1の位置および第2の位置のそれぞれに対して、有利にはヘアスタイリング装置1、1’の特定の用途のためにあらかじめ定め、最適化することができる吹出し空気流の速度-温度のセットを自動的に関連づけることができてもよい。吹出しヘッド6から吹き出される空気流の第1の速度F1および第1の温度T1は、有利には頭髪乾燥の目的でのヘアスタイリング装置1の利用のためにあらかじめ定め、最適化することができてもよい。そのため、吹出しヘッド6の第1の位置は、有利には頭髪乾燥位置と呼ぶ位置に対応することができてもよい。反対に、吹出しヘッド6から吹き出される空気流の第2の速度F2および第2の温度T2の方は、有利には頭髪の整形支援の目的でのヘアスタイリング装置1の利用のためにあらかじめ定め、最適化することができてもよい。そのため、吹出しヘッド6の第2の位置は、有利には頭髪の整形(セット)位置と呼ぶ位置に対応することができてもよい。
その場合、限定的でない参考として、吹出しヘッド6から吹き出される空気流の第1の温度T1は、有利には64℃から104℃の間、より有利には84℃であることができてもよい。吹出しヘッド6から吹き出される空気流の第1の速度F1の方は、有利には35.7km/hから99.0km/hの間、さらにより有利には72.8km/hであることができてもよい。吹出しヘッド6から吹き出される空気流の第2の温度T2は、有利には60℃から100℃の間、さらにより有利には80℃であることができてもよい。吹出しヘッド6から吹き出される空気流の第2の速度F2の方は、有利には78.1km/hから208.3km/hの間、さらにより有利には138.9km/hであることができてもよい。
有利には、自動調整手段は、吹出しヘッド6の第1の位置には、加熱要素24の第1の動作出力P1および送風機モジュール5の電動ファン10のファン14の第1の回転速度V1が対応するように設計され、構成されてもよい。第1の出力P1および第1の回転速度V1は、有利には頭髪乾燥目的でのヘアスタイリング装置1、1’の利用のためにあらかじめ定め、最適化することができてもよい。
その場合、限定的でない参考として、加熱要素24の第1の動作出力P1は、有利には1,000Wから2,000Wの間、さらにより有利には1,500Wであることができてもよい。ファン14の第1の回転速度V1は、有利には13,000rpm(毎分回転数)から17,000rpmの間、さらにより有利には15,000rpmであることができてもよい。送風機モジュール5の寸法によっては、ファン14のその第1の回転速度V1は、有利には、50m3/hから90m3/hの間、さらにより有利には70m3/hである吹出しヘッド6から吹き出される第1の空気流の流量Q1に相当するものであることができる。
一方、自動調整手段は、吹出しヘッド6の第2の位置には、有利には、加熱要素24の第2の動作出力P2および電動ファン10のファン14の第2の回転速度V2が対応するように設計され、構成されてもよい。第2の出力P2および第2の速度V2は、有利には頭髪の整形支援の目的でのヘアスタイリング装置1の利用のためにあらかじめ定め、最適化することができてもよい。その場合、限定的でない参考として、加熱要素24の第2の動作出力P2は、有利には500Wから1,500Wの間、さらにより有利には1,000Wであることができてもよい。ファン14の第2の回転速度V2は、有利には14,000rpm(毎分回転数)から18,000rpmの間、さらにより有利には16,000rpmであることができてもよい。送風機モジュール5の寸法によっては、ファン14のその第2の回転速度V2は、有利には、30m3/hから70m3/hの間、さらにより有利には50m3/hである吹出しヘッド6から吹き出される第2の空気流の流量Q2に相当するものであることができてもよい。
場合により、ヘアスタイリング装置1’が本発明の第2の実施形態に従ってカールドライヤーをなす場合には、速度、出力および流量に関して上に記した値は60%減らすことができよう。ただし、温度に関する上記の数値はほぼ同じであってもよい。
そのため、本発明のこの変形形態によるヘアスタイリング装置は、ハンドル2に対する吹出しヘッド6の位置に応じて送風機モジュール5および/または加熱要素24の動作が有利にはこうしてあらかじめ定められ、あらかじめ調整されるため、その利用法は一段とシンプルであり、ユーザーにとって直感的である。そのため、ヘアスタイリング装置1、1’の製造時に、吹出しヘッド6の位置に応じたヘアスタイリング装置1、1’の最良の調整を事前に定めることが可能である。それにより、有利には、スタイリングに関する経験のレベルにかかわりなく、ヘアスタイリング装置1、1’のユーザーにとって最適化された結果が得られる。
また、有利には、ヘアスタイリング装置1、1’は、その吹出しヘッド6が、第1の位置および第2の位置とは別個の第3の位置であって、送風機モジュール5および/または加熱要素24の動作の自動調整手段がヘアスタイリング装置1、1’の動作を止めるように設計された位置を、ハンドル2に対して占めることができるように設計されることを想定することができる。そうすることで、ヘアスタイリング装置1、1’の動作停止は、有利には、ユーザーの操作による吹出しヘッド6の回転によって、必ずしもユーザーが何らかの主オン/オフスイッチに直接働きかける必要なしに得ることができる。
好ましくは、ヘアスタイリング装置1、1’は、第3の位置(または停止位置)が、吹出しヘッド6のハンドル2に対する第1の位置と第2の位置の中間に当たる位置に相当するように設計され、構成される。たとえば、第1の位置から第2の位置への吹出しヘッド6の移行が第2の軸B-B’を中心とした吹出しヘッド6の180°の角度の回転に相当するようにヘアスタイリング装置1、1’が設計される場合は、第3の位置は、有利には、ユーザーにとってとりわけ直感的なものとなるように、第1の位置および/または第2の位置からの第2の軸B-B’を中心とした90°の角度の吹出しヘッド6の回転に相当するものであることができる。
送風機モジュール5および/または加熱要素24の動作の調整手段が手動または自動のいずれであろうと、ヘアスタイリング装置1、1’は、その調整手段の他に、加熱要素24の手動有効化/無効化手段を備えることが好ましい。そうすることにより、吹出しヘッド6の位置(したがって、選択された空気出口7、8)にかかわらず、また送風機モジュール5および/または加熱要素24の動作に関してどのような調整が選ばれるかにかかわらず、ユーザーはいつでも加熱要素24のみの動作を任意に停止することが可能で、それによって冷たい(すなわち加熱要素24によって加熱されていない)空気流だけが頭髪に吹き付けられるようにすることができる。
たとえば、加熱要素24のこうした手動有効化/無効化手段は、タンブラースイッチ型または押しボタン型の従来からの電気スイッチであって、ヘアスタイリング装置1、1’のハンドル2に配置され、加熱要素24と電源回路との間に接続されたスイッチからなることができる。代替法として、またより有利には、図1から図5に例として示すように、加熱要素24の手動有効化/無効化手段は、ハンドル2から突出する形で取り付けられたタンブラー型機械式セレクタ34であって、ハンドル2の第1の端部3に取り付けられた送風機モジュール5内にレイアウトされた小型スイッチ35との間を、ハンドル2内に収められたロッド(図示せず)によって機械的に連結されたセレクタを備える。手動有効化/無効化手段の一部をそうして加熱要素24から引き離すことにより、加熱要素24をレイアウトするためなどに利用できる空間をハンドル2内に得ることができる。
各図に示すとともにここまで説明してきた実施形態では、ヘアスタイリング装置1、1’は、ある位置から別の位置への吹出しヘッド6の移行は好ましくはユーザーによって行われるように設計され、ユーザーは、一方の手でヘアスタイリング装置1、1’のハンドル2を持ち、もう一方の手で吹出しヘッド6をつかんでその回転軸B-B’を中心にハンドル2に対する回転運動を与える。もっとも、図示しない変形形態によれば、吹出しヘッド6の回転が、ハンドル2に位置した専用のスイッチによって操作される電気モータなどによって動力化されることも、または、トリガとカムのシステムを用いるなどして単純に機構化されることも当然考えられる。その場合、ハンドル2の把持および吹出しヘッド6の回転が、ユーザーによって簡易に片手だけで行われるようにすることもできる。
ヘアスタイリング装置1、1’の動作および使用はたとえば以下のようになる。
ヘアスタイリング装置1、1’の吹出しヘッド6が最初はハンドル2に対して第1の位置にある状態から、ユーザーは、ヘアスタイリング装置1、1’をその吹出しヘッド6の第1の空気出口7が自らの湿った頭髪の方に向く位置となるように準備しつつ、片手でヘアスタイリング装置1、1’のハンドル2をつかむ。次いでユーザーはヘアスタイリング装置1、1’の送風機モジュールの動作の、好ましくはさらに加熱要素の動作の手動調整手段33を作動させることによって、好ましくは高温の、強制空気流が吹出しヘッド6の第1の空気出口7を通して自分の頭髪に向けて吹き付けられるようにする。
次いで、希望するだけの時間、たとえば自らの頭髪の乾燥または予備乾燥が一定のレベルに達するまでの間、そうやってヘアスタイリング装置1、1’を使用した後、ユーザーはもう一方の手で吹出しヘッド6をつかんで、ハンドル2に対するその回転軸B-B’を中心とした回転動作を与え、吹出しヘッド6をその第2の位置に位置させる。すると、吹出しヘッド6の第2の空気出口8を通して空気流が吹き出される。ユーザーは、ヘアスタイリング装置1、1’を、吹出しヘッド6の第2の空気出口8が自分の頭髪の方に向く位置にすることで、今度はたとえば頭髪の整形のためにヘアスタイリング装置1、1’を使用することができる。

Claims (16)

  1. 空気流を発生させるために搭載された送風機モジュール(5)と、吹出しヘッド(6)がその先に延びるグリップハンドル(2)とを備える携帯型ヘアスタイリング装置(1、1’)であって、前記吹出しヘッド(6)は少なくとも第1の空気出口(7)と第2の空気出口(8)とを具備し、前記第1の空気出口(7)と前記第2の空気出口(8)は、別個で、異なる幾何学形状の開口部を有しており、前記吹出しヘッド(6)は、少なくとも、前記空気流が前記第1の空気出口(7)を通して前記吹出しヘッド(6)から吹き出される第1の位置と、前記空気流が前記第2の空気出口(8)を通して前記吹出しヘッド(6)から吹き出される第2の位置との間で、前記ハンドル(2)に対して回転可能に取り付けられている装置(1、1’)。
  2. 前記ハンドル(2)は第1の軸(A-A’)沿いに長手方向に延び、前記吹出しヘッド(6)は前記第1の軸(A-A’)と平行な、または一体化した第2の軸(B-B’)を中心に前記ハンドル(2)に対して回転可能に取り付けられている請求項1に記載の装置(1、1’)。
  3. 前記第1の空気出口(7)および前記第2の空気出口(8)は、前記第1の軸(A-A’)と交わる、好ましくは直交する平均方向に沿って前記空気流が前記吹出しヘッド(6)から吹き出されるように配置され、構成されている請求項2に記載の装置(1、1’)。
  4. 前記吹出しヘッド(6)の前記第1の位置から前記第2の位置への移行は、前記第2の軸(B-B’)を中心とした前記吹出しヘッド(6)の180°の角度の回転に相当する請求項2または3に記載の装置(1、1’)。
  5. 前記送風機モジュール(5)は前記ハンドル(2)の第1の端部(3)で前記ハンドル(2)に取り付けられ、前記吹出しヘッド(6)は前記ハンドル(2)の第2の端部(4)で前記ハンドル(2)に対して回転可能に取り付けられている請求項1乃至4のいずれか一項に記載の装置(1、1’)。
  6. 前記ハンドル(2)は、前記送風機モジュール(5)で発生した前記空気流を前記吹出しヘッド6へと導く案内路(12)を備える請求項5に記載の装置(1、1’)。
  7. 前記送風機モジュール(5)で発生した前記空気流の温度を上げるように設計された加熱要素(24)であって、前記ハンドル(2)内または前記吹出しヘッド(6)内に配置された加熱要素(24)を備える請求項1乃至6のいずれか一項に記載の装置(1、1’)。
  8. 前記加熱要素(24)は前記ハンドル(2)内に配置されている請求項7に記載の装置(1、1’)。
  9. 前記送風機モジュール(5)および/または前記加熱要素(24)の動作を制御するように設計された電子モジュール(27)であって、前記吹出しヘッド(6)内に配置された電子モジュール(27)を備える請求項7または8に記載の装置(1、1’)。
  10. 前記電子モジュール(27)は、前記吹出しヘッド(6)の回転時に前記送風機モジュール(5)および/または前記加熱要素(24)に対して不動のままとなるように取り付けられている請求項9に記載の装置(1、1’)。
  11. 前記送風機モジュール(5)で発生した前記空気流の一部を取り込んで前記電子モジュール(27)の冷却を果たすように設計された分岐路(31)を備える請求項9または10に記載の装置(1、1’)。
  12. 前記送風機モジュール(5)および/または前記加熱要素(24)の動作の自動調整手段であって、前記吹出しヘッド(6)が前記ハンドル(2)に対して占める位置に合わせて、前記送風機モジュール(5)および/または前記加熱要素(24)の動作を制御する自動調整手段を備える請求項1乃至11のいずれか一項に記載の装置(1、1’)。
  13. 前記吹出しヘッド(6)は、前記送風機モジュール(5)および/または前記加熱要素(24)の動作の前記自動調整手段が前記ヘアスタイリング装置(1、1’)の動作を止めるように設計される第3の位置を前記ハンドル(2)に対して占めることができる請求項12に記載の装置(1、1’)。
  14. 前記第3の位置は、前記第2の軸(B-B’)を中心とした前記第1の位置および/または前記第2の位置からの90°の角度の前記吹出しヘッド(6)の回転に相当する請求項4または13に記載の装置(1、1’)。
  15. ヘアドライヤーを形成する請求項1乃至14のいずれか一項に記載の装置(1)。
  16. カールドライヤーを形成する請求項1乃至14のいずれか一項に記載の装置(1’)。
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