JP2022513606A - 宿主の生理機能を形成する微生物叢代謝産物 - Google Patents

宿主の生理機能を形成する微生物叢代謝産物 Download PDF

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Abstract

Gタンパク質共役型受容体などの融合タンパク質に結合する微生物叢からの試験化合物または試験化合物の混合物を同定する方法が記載される。また、Gタンパク質共役型受容体を活性化することができる微生物叢代謝産物のハイスループットスクリーニングの方法も記載される。

Description

関連出願の相互参照
この出願は、2018年12月10日に出願された米国仮出願第62/777,480号の優先権を主張し、その出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
政府の支援
連邦政府が支援する研究に関する声明
本発明は、米国国立衛生研究所によって授与された助成金AI123477の下で政府の支援を受けてなされた。政府は本発明に一定の権利を有する。
微生物叢(マイクロバイオータ)メタボロームは、多様な微生物種および株と、環境入力(例えば食事など)と、宿主因子との間の複雑に絡み合う相互作用から生じる。高度なメタボローム、メタゲノムおよび機能ゲノムのアプローチは、ヒト微生物叢が数万のユニークな小分子を生成できることが明らかにした(非特許文献1~3)。しかしながら、腸内微生物叢のメタボロームの規模と複雑さは、種内および種間の微生物化学が宿主の生理機能にどのように影響するかを分析するのに大きな課題を生じさせる可能性がある(非特許文献1および4)。ヒト宿主に対する微生物叢のメタボロームの潜在的影響の理解はまだ未成熟のままである。
MAOIは、FDAが承認した最初の抗うつ薬であった(非特許文献5)。しかしながら、それらは潜在的に致命的な食事とのおよび薬物間の相互作用のせいで支持を失ってきた(非特許文献6)。それにもかかわらず、MAOIは、難治性うつ病やその他の精神障害(非特許文献6)、ならびにパーキンソン病(非特許文献7)の患者にとって重要な治療選択肢であり続けている。
ヒスタミンは、L-Hisの脱炭酸によって生成される(非特許文献8)。ヒスタミンは炎症反応に関与しており、腸の生理学的機能を調節することができる。
Donia and Fischbach, 2015, Science 349, 1254766 Milshteyn et al., 2018, Cell Host Microbe 23, 725-736 Nicholson et al., 2012, Science 336, 1262-1267 Fischbach, 2018, Cell 174, 785-790 Ramachandraih, 2011, Indian J Psychiatry 53, 180-182 Fiedorowicz, 2004, J Psychiatr Pract 10, 239-248 Riederer and Laux, 2011, Exp Neurobiol 20, 1-17 Tannase, 1985, The Journal of Biological Chemistry 260, 6738-6746
一態様では、試験化合物がin vivoで第1のタンパク質の活性を調節(modulate)するかどうかを決定するための方法が提供され、その方法は、
(a)(i)第1のタンパク質と、プロテアーゼの切断部位と、細胞におけるレポーター遺伝子の転写を活性化するタンパク質とを含む第1の融合タンパク質をコードする第1の核酸分子;(ii)前記第1のタンパク質が活性化されると該第1のタンパク質と相互作用する第2のタンパク質と、前記第1の融合タンパク質内のプロテアーゼ切断部位を切断することができるプロテアーゼまたはそのフラグメントとを含む第2の融合タンパク質をコードする第2の核酸分子;および(iii)レポーター遺伝子を含む第3の核酸分子であって、前記レポーター遺伝子は、その転写を活性化するタンパク質に応答するエレメントに作動可能に連結されたバーコード配列である、第3の核酸分子;を含む細胞に、前記化合物を接触させること、および
(b)前記バーコード配列の転写レベルを決定すること
を含む。
いくつかの実施形態において、第1の核酸分子、第2の核酸分子、および第3の核酸分子は、特定の受容体の個々のバーコードへの連結を可能にするようにクローン的に発現される(clonally express)。いくつかの実施形態において、第1の核酸分子、第2の核酸分子、および第3の核酸分子は、コトランスフェクションを介してクローン的に発現される。いくつかの実施形態において、第1の核酸分子、第2の核酸分子、および第3の核酸分子は、安定発現を介してクローン的に発現される。いくつかの実施形態では、バーコード配列は4~50塩基を含む。
いくつかの実施形態では、この方法は、
(c)試験化合物が存在しない対照と比較して、試験化合物の存在下で前記バーコード配列の転写レベルが上昇した場合に、試験化合物が第1のタンパク質を活性化すると結論付けることをさらに含む。
いくつかの実施形態では、この方法は、
(c)未処理の細胞と比較して、試験化合物の存在下で前記バーコード配列の転写レベルが上昇した場合に、試験化合物が第1のタンパク質を活性化すると結論付けることをさらに含む。
いくつかの実施形態では、この方法は、
(c)第1のタンパク質のアンタゴニストと組み合わせて第1のタンパク質のアゴニストの単回投与で処理された細胞と比較して、試験化合物の存在下で前記バーコード配列の転写レベルが上昇した場合に、試験化合物が第1のタンパク質を活性化すると結論することをさらに含む。
いくつかの実施形態では、第1のタンパク質は膜貫通タンパク質である。いくつかの実施形態において、第1のタンパク質は、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)である。いくつかの実施形態において、GPCRは、非嗅覚GPCRである。いくつかの実施形態では、GPCRはオーファンGPCRである。いくつかの実施形態において、GPCRはヒトGPCRである。
様々な実施形態において、前記細胞におけるレポーター遺伝子の転写を活性化するタンパク質は、tTA、cas9融合タンパク質、gal4/VP16、エストロゲン受容体、アンドロゲン受容体、鉱質コルチコイド受容体、またはグルココルチコイド受容体である。いくつかの実施形態において、cas9融合タンパク質はcas9-vp64である。
様々な実施形態において、前記細胞におけるレポーター遺伝子の転写を活性化するタンパク質はtTAである。いくつかの実施形態において、第1のタンパク質が活性化されると第1のタンパク質と相互作用する第2のタンパク質は、β-アレスチン、Gタンパク質受容体キナーゼ(GRK)、またはG-アルファ(Gα)である。いくつかの実施形態において、第2のタンパク質は、β-アレスチンである。いくつかの実施形態において、プロテアーゼは、タバコエッチウイルス核内封入体Aプロテアーゼ(Tobacco Etch Virus nuclear inclusion A protease)(TEVプロテアーゼ)である。いくつかの実施形態において、細胞は、非接着性哺乳動物細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、Expi 293T細胞、Jurkat、Hela T4、raji、ramos、cho-s、またはthp1細胞である。
様々な実施形態において、前記バーコード配列の転写レベルは、cDNAのシーケンシング(配列決定)によって決定される。いくつかの実施形態において、cDNAは、ポリdTプライマーを使用した細胞から単離されたmRNAの逆転写によって生成される。いくつかの実施形態において、試験化合物は、対象の微生物叢内に含まれる細菌分類群によって産生される代謝産物である。いくつかの実施形態において、試験化合物は、対象の微生物叢内に含まれる細菌株によって産生される代謝産物である。いくつかの実施形態において、微生物叢(マイクロバイオータ)は、消化管内(GI)微生物叢である。いくつかの実施形態において、細菌株は、クローン的に配置され(arrayed)、in vitroで培養される。いくつかの実施形態では、この方法は、細菌株を同定することをさらに含む。いくつかの実施形態において、細菌株は、16S rRNA遺伝子シーケンシングまたは全ゲノムシーケンシングを使用して同定される。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。
いくつかの実施形態では、この方法はハイスループットフォーマットで実施され、
(i)トランスフェクトまたは形質導入された各細胞が第1のタンパク質とバーコード配列との特定の組み合わせを有するように、マルチウェルプレートの個々のウェルに分けられた複数の細胞に、第1、第2および第3の核酸分子をトランスフェクトまたは形質導入すること;
(ii)トランスフェクトされた細胞を混合すること;
(iii)混合された細胞をマルチウェルプレートの個々のウェルに再配置すること;
(iv)再配置された細胞混合物を1つまたは複数の試験化合物に曝すこと;
(v)バーコードをシーケンシングすること;および
(vi)試験化合物が存在しない対照と比較して、試験化合物の存在下でどのバーコード配列が増加するかを決定すること
を含む。
いくつかの実施形態では、この方法はハイスループットフォーマットで実施され、
(i)第2の核酸分子(Barr-TEV)を安定発現する複数の細胞に、第1および第3の核酸分子(受容体およびバーコード)をトランスフェクトまたは形質導入すること;
(ii)トランスフェクトされた細胞を混合すること;
(iii)混合された細胞をマルチウェルプレートの個々のウェルに再配置すること;
(iv)再配置された細胞混合物を1つまたは複数の試験化合物に曝すこと;
(v)バーコードをシーケンシングすること;および
(vi)試験化合物が存在しない対照と比較して、試験化合物の存在下でどのバーコード配列が増加するかを決定すること
を含む。
いくつかの実施形態では、第1の核酸分子はGPCRをコードし、第2の核酸分子はBarr-TEVをコードし、第3の核酸分子はバーコードを含む。
別の態様では、複数のGタンパク質共役型受容体(GPCR)の活性を調節することができる微生物叢代謝産物のハイスループットスクリーニングのための方法が提供され、この方法は、
a)複数の非接着性哺乳動物細胞を提供することであって、各細胞は、(i)タバコエッチウイルス核内封入体Aプロテアーゼ(TEVプロテアーゼ)の切断部位を介して転写因子tTAに連結されたGPCRを含む第1の融合タンパク質をコードする第1の核酸分子、(ii)β-アレスチンと、第1の融合タンパク質のTEVプロテアーゼ部位を切断するように構成されたTEVプロテアーゼとを含む第2の融合タンパク質をコードする第2の核酸分子、および(iii)tTA転写因子によって特異的に活性化されるプロモーターに作動可能に連結されたバーコード配列を含む第3の核酸分子を含み、それによって各バーコード配列が個々のGPCRに特異的に連結される、前記細胞を提供すること、
b)前記複数の細胞を1つまたは複数の微生物叢代謝産物あるいは1つまたは複数の化合物と接触させること;
c)バーコードをシーケンシングすること;および
d)代謝産物が存在しない対照と比較して、代謝産物の存在下でどのバーコード配列の転写レベルが上昇または低下するかを決定すること;
を含む。
いくつかの実施形態において、GPCRは非嗅覚GPCRである。いくつかの実施形態では、GPCRはオーファンGPCRである。いくつかの実施形態において、GPCRはヒトGPCRである。いくつかの実施形態では、細胞はExpi 293T細胞である。いくつかの実施形態において、前記バーコード配列の転写レベルは、cDNAのシーケンシングによって決定される。いくつかの実施形態において、cDNAは、細胞から単離されたRNAの逆転写によって生成される。いくつかの実施形態において、微生物叢は、消化管内(GI)微生物叢である。いくつかの実施形態では、この方法は、特定のGPCRを活性化する特定の代謝産物を産生する細菌株を同定することをさらに含む。いくつかの実施形態において、細菌株は、16S rRNAシーケンシングを使用して同定される。
別の態様では、対象におけるモノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)誘発毒性を予防または処置する方法が提供され、この方法は、フェネチルアミン産生遺伝子をコードする核酸配列を含む細菌株を標的とするのに有効な抗生物質を投与することを含む。さらに別の態様では、モルガネラ属菌種(Morganella spp)を標的とするのに有効な抗生物質を投与することを含む、対象におけるMAOI誘発毒性を予防または処置する方法が提供される。
別の態様では、対象におけるMAO活性の低下によって引き起こされる疾患または状態を処置する方法が提供され、この方法は、フェネチルアミン産生遺伝子をコードする核酸配列を含む生物を標的とするのに有効な抗生物質を投与することを含む。
いくつかの実施形態では、生物は細菌株である。上記の態様のいくつかの実施形態では、細菌株はフェネチルアミンを産生する。いくつかの実施形態では、細菌株はフェネチルアミンを分泌する。いくつかの実施形態では、疾患はブルンナー症候群である。いくつかの実施形態では、状態は自閉症または反社会的行動である。いくつかの実施形態において、対象は、MAOA-L変異体を発現する。いくつかの実施形態において、抗生物質は、モルガネラ・モルガニー(Morganella morganii)を標的とするのに有効である。いくつかの実施形態において、抗生物質は、セフェピム、ピペラシリン、タゾバクタム、セフタジジム、セフォタキシム、セフチブテン、メロペネム、ドリペネム、エルタペネム、フルオロキノロン、またはアミノグリコシドである。
別の態様では、対象におけるうつ病を処置する方法が提供され、この方法は、フェネチルアミン産生遺伝子をコードする核酸配列を含む細菌株を投与することを含む。いくつかの実施形態では、この方法は、対象に抗うつ剤を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態では、抗うつ剤はMAOIである。いくつかの実施形態では、細菌株はフェネチルアミンを産生する。
別の態様では、対象におけるモノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)の潜在的毒性を評価するための方法が提供され、この方法は、
a)対象から消化管内微生物叢サンプルを取得すること;および
b)フェネチルアミン産生遺伝子を含む細菌分類群または細菌株の存在についてサンプルをアッセイすること
を含む。
いくつかの実施形態において、フェネチルアミン産生酵素の量は、微生物叢によって産生される酵素の規定された割合(defined fraction)を超える。いくつかの実施形態において、消化管内微生物叢サンプルは糞便サンプルである。
別の態様では、対象におけるMAOIの潜在的有効性を評価するための方法が提供され、この方法は、
a)対象の糞便サンプルまたは胃腸管からのサンプルを採取すること、および
b)フェネチルアミン産生遺伝子をコードする核酸配列を含む細菌株の存在についてアッセイすること
を含む。
いくつかの実施形態では、この方法は、胃腸管に存在する細菌株の量についてアッセイすることをさらに含む。いくつかの実施形態では、この方法は、MAOIで対象を処置することをさらに含む。いくつかの実施形態では、この方法は、細菌株の存在および/または存在する細菌株の量に基づいてMAOIの投与量を調整または決定することをさらに含む。いくつかの実施形態において、細菌株は、モルガネラ属菌種の細菌である。いくつかの実施形態において、細菌株はモルガネラ・モルガニー(M.morganii)である。
別の態様では、対象におけるヒスタミン誘発性胃腸疾患を予防または処置する方法が提供され、この方法は、ヒスタミン産生遺伝子をコードする核酸配列を含む細菌株を標的とするのに有効な1つまたは複数の抗生物質を投与することを含む。いくつかの実施形態において、ヒスタミン産生遺伝子は、ヒスチジンデカルボキシラーゼ(ヒスチジン脱炭酸酵素)である。いくつかの実施形態において、ヒスチジンデカルボキシラーゼの存在量は、炎症性腸疾患のない対象と比較して、クローン病の患者において多い。いくつかの実施形態において、ヒスチジンデカルボキシラーゼの存在量は、炎症性腸疾患のない対象と比較して、潰瘍性大腸炎を有する患者において多い。いくつかの実施形態において、細菌株は、ラクトバチルス・ロイテリ(L.reuteri)、またはモルガネラ属菌種の細菌である。いくつかの実施形態では、胃腸疾患は下痢である。
別の態様では、対象におけるアレルギーを予防または処置する方法が提供され、この方法は、ヒスタミン産生遺伝子をコードする核酸配列を含む細菌株を標的とするのに有効な1つまたは複数の抗生物質を投与することを含む。いくつかの実施形態において、細菌株は、ラクトバチルス・ロイテリ(L.reuteri)、またはモルガネラ属菌種の細菌である。
別の態様では、対象における喘息を予防または処置する方法が提供され、この方法は、ヒスタミン産生遺伝子をコードする核酸配列を含む細菌株を標的とするのに有効な1つまたは複数の抗生物質を投与することを含む。いくつかの実施形態において、細菌株は、ラクトバチルス・ロイテリ(L.reuteri)、またはモルガネラ属菌種の細菌である。いくつかの実施形態において、抗生物質は、セフェピム、ピペラシリン、タゾバクタム、セフタジジム、セフォタキシム、セフチブテン、メロペネム、ドリペネム、エルタペネム、フルオロキノロン、またはアミノグリコシドである。いくつかの実施形態では、この方法は、ヒスチジンデカルボキシラーゼ阻害剤を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態において、ヒスチジンデカルボキシラーゼ阻害剤は、ルゴシンD、ルゴシンAメチルエステル、テリマグランジンII、ルゴシンA、ピノセムブリン、α-フルオロメチルヒスチジン、ブロクレシン、レカノール酸、2-ヒドロキシ-5-カルボメトキシベンジルオキシアミン、およびヒスタミンのアミノオキシ類似体である。
別の態様では、対象における胃腸の状態もしくは疾患、アレルギーまたは喘息を処置するための抗生物質の潜在的有効性を評価するための方法が提供され、この方法は、
a)対象の糞便サンプルまたは胃腸管からのサンプルを採取すること、および
b)ヒスタミン産生遺伝子をコードする核酸配列を含む細菌株の存在についてアッセイすること
を含む。
いくつかの実施形態では、この方法は、胃腸管に存在する細菌株の量についてアッセイすることをさらに含む。いくつかの実施形態では、この方法は、対象を1つまたは複数の抗生物質で処置することをさらに含む。いくつかの実施形態において、抗生物質は、セフェピム、ピペラシリン、タゾバクタム、セフタジジム、セフォタキシム、セフチブテン、メロペネム、ドリペネム、エルタペネム、フルオロキノロン、またはアミノグリコシドである。いくつかの実施形態では、この方法は、細菌株の存在および/または存在する細菌株の量に基づいて抗生物質の投与量を調整または決定することをさらに含む。いくつかの実施形態において、細菌株はモルガネラ属菌種の細菌である。いくつかの実施形態において、細菌株はモルガネラ・モルガニー(Morganella morganii)である。
別の態様では、フェネチルアミンの産生に起因する疾患または状態を予防または処置する方法が提供され、この方法は、L-フェニルアラニンを産生する細菌株を標的とするのに有効な1つまたは複数の抗生物質を投与することを含む。さらに別の態様では、対象におけるフェニルケトン尿症(PKU)を予防または処置する方法が提供され、この方法は、L-フェニルアラニンを産生する細菌株を標的とするのに有効な1つまたは複数の抗生物質を投与することを含む。
別の態様では、フェネチルアミンの産生に起因する疾患または状態を予防または処置する方法が提供され、この方法は、シキミ酸経路阻害剤、または芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼのアンタゴニストを投与することを含む。さらに別の態様では、対象におけるフェニルケトン尿症(PKU)を予防または処置する方法が提供され、この方法は、シキミ酸経路阻害剤、または芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼのアンタゴニストを投与することを含む。
いくつかの実施形態において、アンタゴニストは、カルビドパ、ベンセラジド、メチルドパ、3’,4’,5,7-テトラヒドロキシ-8-メトキシイソフラボン(DFMD)、3-ヒドロキシベンジルヒドラジン、3-アミノ-1-メチル-5H-ピリド[4,3-b]インドール(Trp-P-2)、またはα-ジフルオロメチルDOPAである。いくつかの実施形態において、細菌株は、バクテロイデス・テタイオタオミクロン(B.thetaiotaomicron)である。いくつかの実施形態において、細菌株は、B.thetaiotaomicronのC34菌株である。
いくつかの実施形態において、抗生物質は、アンピシリン、クラブラン酸塩、タゾバクタム、セファマイシン、チカルシリン、ピペラシリン、セファロスポリン、カルバペネム、クリンダマイシン、リンコマイシン、クロラムフェニコール、ニトロイミダゾール、フルオロキノロンである。
いくつかの実施形態において、抗生物質は、(a)アンピシリンとスルバクタムの組み合わせ、(b)チカルシリンとクラブラン酸塩の組み合わせ、または(c)ピペラシリンとタゾバクタムの組み合わせを含む。
上記の様々な実施形態において、この方法は、プロバイオティクス組成物(probiotic composition)を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態において、プロバイオティクス組成物は、抗生物質の投与後に投与される。
いくつかの実施形態において、抗生物質の投与およびプロバイオティクス組成物の投与は、周期的に繰り返される。
別の態様では、対象におけるMAOIの潜在的毒性を評価するためのキットが提供され、キットは、細菌株によって発現されるヌクレオチドまたはタンパク質に特異的に結合することができる核酸、抗体、または他の試薬を含み、細菌株は、フェネチルアミン産生遺伝子をコードする核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、細菌株は、モルガネラ属菌種の細菌である。いくつかの実施形態において、細菌株はモルガネラ・モルガニー(M.morganii)である。
別の態様において、対象における胃腸の状態もしくは疾患、アレルギーまたは喘息を処置するための抗生物質の潜在的有効性を評価するためのキットが提供され、キットは、細菌株によって発現されるヌクレオチドまたはタンパク質に特異的に結合することができる核酸、抗体、または他の試薬を含み、細菌株は、ヒスタミン産生遺伝子をコードする核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、細菌株は、ラクトバチルス・ロイテリ(L.reuteri)、またはモルガネラ属菌種の細菌である。
PRESTO-Tango技術を示す図である。 GPCRの活性化を、ルシフェラーゼの産生ではなく特定の核酸バーコードの転写にリンクさせる、PRESTO-Tangoアッセイの変更を示す。 特定のGPCR-バーコードペアをクローン的に発現する細胞をプールすることにより、Presto-SalsaがNGSを介して単一チューブ内で300以上のGPCRの同時評価を可能にすることを示す。 PRESTO-Salsaがプールされたライブラリでのバーコードカウントを介してGPCRの活性化を正確に検出することを示すヒートマップである。 5つの門(phyla)、9つの網(class)、11の目(order)、および20の科(family)にまたがる144のユニークなヒト腸内細菌で実施したPRESTO-Tango実験を説明する図である。 図3-1の続き。 ヒト腸内微生物叢から分離された144の細菌株からのメタボロームによるGPCRの活性化を示すチャートである。 図4-1の続き。 図4-2の続き。 図4-3の続き。 図4-4の続き。 図4-5の続き。 PRESTO-Tangoによって測定された144のヒト腸内細菌によるアミン作動性GPCRの活性化を示す図である。 PRESTO-Tangoによって測定された、144のヒト腸内細菌からの代謝産物によるアミン作動性GPCRの活性化を示すヒートマップである。 PRESTO-Tangoによって測定された、選択された種および株によるDRD2-4およびHRH2-4の活性化を示す棒グラフを表す(分離株あたりn=3の技術的複製)。 モルガネラ・モルガニー(M.morganii)によるドーパミン、フェネチルアミンおよびチラミンの産生の定量化を示す棒グラフである。 ヒト腸内細菌の144の分離株によるヒスタミン産生の定量化を示すプロットである。 L-PheとL-Hisをそれぞれフェネチルアミンとヒスタミンに直接変換できるM.morganiiによる代謝産物の生成の質量分析トレースを示す。 M.morganii由来のフェネチルアミンとヒスタミンがそれぞれDRD2-4とHRH2-4を活性化することを示すヒートマップである。 多様なヒト腸内細菌がDRDを活性化することを表す棒グラフを示す。 多様なヒト腸内細菌がHRHを活性化することを表す棒グラフを示す。 PRESTO-Tangoによって測定された、アセチルコリンとドーパミンの用量を滴定することによるCHRMとDRDの活性化を示すチャートである。 図7A-1の続き。 PRESTO-Tangoによって測定された、定義済みのGPCRリガンドによるGPCRの活性化を示すヒートマップである。 図7B-1の続き。 図7B-2の続き。 哺乳類のドーパミン代謝を説明する。 フェネチルアミンとチラミンが選択的DRD2/DRD3/DRD4アゴニストとして機能することを表すデータを示す。 ESI-QQQ-MS装置でのフェネチルアミンとチラミンの検量線である。 ESI-QQQ-MS/MSを介したM.morganii株によるフェネチルアミン産生の定量化を示すチャートである。 チラミン、ドーパミン、およびフェネチルアミンの用量を滴定することによるDRD1-5の活性化をPRESTO-Tango(8D)によって測定したことを示す。 L-Phe、L-Tyr、L-DOPA、またはL-Hisを含むまたは含まない最小培地(MM)において増殖させたM.morganiiの24時間培養物のOD値を示す。 M.morganiiおよびL.reuteriによるヒスタミンの産生が追加のL-Hisによって増強されることを示す。 in vivoでのヒスタミン産生、および結腸運動に対するヒスタミン産生細菌の影響を試験するための実験計画を示す。 無菌C57Bl/6マウスの群に、9または10の系統発生的に多様なヒト腸内細菌のMock(モック)コミュニティ(MockコミュニティAまたはB)を定着させた(colonized)、あるいはM.morganii、L.reuteri C88またはC93を単独定着させた(monocolonized)結果の棒グラフを示す。 M.morganiiまたはL.reuteri C93由来のヒスタミンが結腸運動を高めることを示す棒グラフである。 M.morganiiがin vivoでフェネチルアミンを産生することを示すトレースである。 M.morganiiを定着させたマウスが、MAOIフェネルジンでの処置後に致死的なフェネチルアミン中毒を示すことを表す。 フェネルジンで処置されたM.morganii定着マウスが、盲腸、結腸、血清、および脳にフェネチルアミンを蓄積したことを示す。 フェネルジンで処置されたM.morganii定着マウスが、盲腸、結腸、血清、および脳にフェネチルアミンを蓄積したことを示す。 無菌C57Bl/6マウスの群に、9または10の系統発生的に多様なヒト腸内細菌のmock(モック)コミュニティ(MockコミュニティAまたはB)を定着させるか、あるいはM.morganii、L.reuteri C88またはC93を単独定着させた。マウスに、1%のL-Hisを添加したまたは添加していない通常の食餌を自由に与えた。血清中のヒスタミン濃度をELISAによって測定した。 M.morganiiが主に盲腸と結腸に生息していることを示す。 M.morganiiが主に盲腸と結腸に生息していることを示す。 M.morganiiが主に盲腸と結腸に生息していることを示す。 M.morganiiを単独定着させてフェネルジン(MAOI)有りまたは無しで処置したマウスの盲腸、結腸、および血清中のフェネチルアミン(PEA)のESI-QQQ-MS/MSによる定量化を示す。 ESI-QQQ-MS/MSにより測定した、M.morganiiを定着させてフェネルジン(MAOI)有りまたは無しで処置したマウスの血清および脳におけるフェネチルアミン(PEA)の蓄積を示す。 PRESTO-Tangoで測定した、腸内微生物叢培地で増殖させた144の多様なヒト腸内細菌からの上清によるオーファンGPCRの活性化を示す図である。 図11A-1の続き。 PRESTO-Tangoで測定した、Gifu培地で増殖させた144の多様なヒト腸内細菌からの上清によるオーファンGPCRの活性化を示す図である。 図11B-1の続き。 Bacteroides thetaiotaomicron種に割り当てられた単一の分離株C34が、腸内微生物叢培地(GMM)またはGifu培地で培養したときにGPR56/AGRG1を活性化することを表す棒グラフを示す。 B.theta C34株がGPR56/AGRG1を独自に活性化することを示す棒グラフである。 B.theta C34が産生したL-PheがGPR56/AGRG1を活性化することを示す棒グラフである。 図11E-1の続き。 L-Pheがオーファン受容体GPR56/AGRG1を優先的に活性化することを示すグラフである。 GPR56/AGRG1の細胞外ドメインが、L-PheによるGPR56/AGRG1の活性化に不可欠であることを示すグラフである。 腸内微生物叢培地(GMM)で24時間培養した、指定のバクテロイデス属およびパラバクテロイデス属の菌株のOD600値を示す。 MeODでの活性画分11のH NMRスペクトルを示し、Pheが主成分であることを明らかにした。 画分11中のPheの立体化学がL-Pheであることを確認した改良Marfey法分析の結果を示す。 L-Pheがオーファン受容体GPR56/AGRG1を立体選択的に活性化することを示す。 L-PheがGPR56/AGRG1およびGPR97/AGRG3を活性化することを示すヒートマップである。 図13A-1の続き。 L-PheがGPR97/AGRG3を特異的に活性化することを示すグラフである。 GPR97/AGRG3の細胞外ドメインが、L-PheによるGPR97/AGRG3の活性化に不可欠であることを示すグラフである。 GPR56/AGRG1とGPR97/AGRG3が進化的に関連していることを示す系統樹である。 図13D-1の続き。 B.theta C34がL-Pheを直接合成できることを示すデータである。 B.theta C34がL-Pheを直接合成できることを示すデータである。 B.theta C34がin vivoでL-Pheを産生することを示すグラフである。 M.morganiiがB.theta C34由来のL-Pheを消費して、in vitroでフェネチルアミンを産生することを示すトレースである。 B.theta C34およびM.morganiiが活発な代謝交換に参加してin vivoでフェネチルアミンを産生できることを示すグラフである。 クローン病患者が腸内マイクロバイオームにおいてヒスチジンデカルボキシラーゼ遺伝子の存在および相対存在量(relative abundance)の増加を示すことを表すグラフである。 クローン病患者がその腸内マイクロバイオームにおいてM.morganii(Morganella属)によってコードされるヒスチジンデカルボキシラーゼ遺伝子の存在および相対存在量の増加を示すことを表すグラフである。 新しい超ハイスループットコンビナトリアルGPCRスクリーニング技術であるPRESTO-Salsaが96ウェルプレートの単一ウェルで数百ものGPCRを同時にスクリーニングすることを可能にする実験の結果を示すグラフである。
図1A~1Cは、単一チューブ内で数百のGPCRに対し代謝産物混合物を並行してスクリーニングするための新しいハイスループット技術であるPRESTO-Salsaを示す図である。図1Aは、PRESTO-Tango技術を示す図である。簡単に説明すると、GPCRにリガンドが結合すると、β-アレスチン-タバコエッチウイルス核内封入体エンドペプチダーゼ(Barr-TEV)融合体の動員が、転写因子tTAの放出とルシフェラーゼの産生を引き起こす。図1Bは、GPCRの活性化を、ルシフェラーゼの産生ではなく特定の核酸バーコードの転写にリンクさせる、PRESTO-Tangoアッセイの変更を示す。図1Cは、特定のGPCR-バーコードペアをクローン的に発現する細胞をプールすることにより、Presto-SalsaがNGSを介して単一チューブでの300以上のGPCRの同時評価を可能にすることを示す。この例では、in vitroで培養した細菌株は「GPCR2」のリガンドを産生しており、それが対応するGPCR2バーコードの転写の増加をもたらす。
図2は、PRESTO-Salsaがプールされたライブラリでのバーコードカウントを介してGPCRの活性化を正確に検出することを示すヒートマップである。GPCR-バーコードペアを発現するプールされたExpi 293細胞の活性化は、既知のGPCRリガンドで刺激され、活性化は次世代シーケンシングとバーコードカウントによって決定された。
図3は、5つの門(phyla)、9つの網(class)、11の目(order)、および20の科(family)にまたがる144のユニークなヒト腸内細菌で実施したPRESTO-Tango実験を説明する図である:これらの細菌は、11人の炎症性腸疾患患者の糞便サンプルからハイスループット嫌気性カルチュロミクス(anaerobic culturomics)によって分離され、大規模バーコード付け16S rRNA遺伝子シーケンシング(massively barcoded 16S rRNA gene sequencing)によって同定された。各分離株を、ヒト腸内細菌の培養に特化した培地(腸内微生物叢培地)において単培養で増殖させた。個々の細菌単培養からの上清を、ハイスループットアッセイParallel Receptor-ome Expression and Screening via Transcriptional Output-Tango(PRESTO-Tango)を使用して、ほぼ完全な非嗅覚GPCRome(314の従来のGPCR)に対してスクリーニングした。
図4は、ヒト腸内微生物叢から分離された144の細菌株からのメタボロームによるGPCRの活性化を示すチャートである。データは、クラス、リガンドタイプ、および受容体ファミリー毎に編成されたGPCRの階層ツリーに表示される。陰影の強さは、データセット全体にわたるバックグラウンドを超える活性化の最大の大きさ(log2)、すなわち、コレクション内の任意の微生物メタボロームによる所与のGPCRの最大の活性化を表す。
図5Aは、PRESTO-Tangoによって測定された144のヒト腸内細菌によるアミン作動性GPCRの活性化を示す図である。スクリーニング結果は、アミン作動性GPCRの系統樹に表示される。5-HT受容体は、5HT1A、5HT1B、5HT1D、5HT1E、5HT1F、5HT7R、5HT5A、5HT2B、5HT2C、5HT2A、および5HT6Rである。アセチルコリン受容体は、ACM2、ACM4、ACM3、ACM1、およびACM5である。アドレナリン受容体は、ADRB3、ADRB2、ADRB1、ADA2A、ADA2C、ADA2B、ADA1D、ADA1A、およびADA1Bである。ドーパミン受容体は、DRD1、DRD5、DRD3、DRD2、およびDRD4である。ヒスタミン受容体はHRH2、HRH1、HRH3およびHRH4である。微量アミン受容体はTAAR1である。陰影の強さは、培地のみを超える活性化の大きさを表し、円の半径は、培地のみよりも所与のGPCRを2倍超活性化した細菌の数を表す。
図5Bは、PRESTO-Tangoによって測定された、144のヒト腸内細菌からの代謝産物によるアミン作動性GPCRの活性化を示すヒートマップである。細菌培地のみでの刺激に対する倍数誘導をlog2スケールで示す。
図5Cは、PRESTO-Tangoによって測定された、選択された種および株によるDRD2-4およびHRH2-4の活性化を示す棒グラフを表す(分離株あたりn=3の技術的複製)。
図5Dは、モルガネラ・モルガニー(M.morganii)によるドーパミン、フェネチルアミンおよびチラミンの産生の定量化を示す棒グラフである。腸内微生物叢培地でのM.morganiiの24時間培養からの上清を、エレクトロスプレーイオン化-トリプル四重極-質量分析(ESI-QQQ-MS)によって分析し、培地対照と比較した。
図5Eは、ヒト腸内細菌の144の分離株によるヒスタミン産生の定量化を示すプロットである。すべての細菌を腸内微生物叢培地で48時間増殖させた後、ELISAにより上清のヒスタミン産生を調べた。
図5Fは、L-PheとL-Hisをそれぞれフェネチルアミンとヒスタミンに直接変換できるM.morganiiによる代謝産物の生成の質量分析トレースを示す。ただし、L-Tyrからチラミンへの変換またはL-DOPAからドーパミンへの変換は観察されなかった。追加のL-Phe、L-His、L-Tyr、またはL-DOPAを含むまたは含まない最小培地(MM)でM.morganiiを48時間培養した。代謝産物の生成は、液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS)によって分析した。
図5Gは、M.morganii由来のフェネチルアミンとヒスタミンがそれぞれDRD2-4とHRH2-4を活性化することを示すヒートマップである。M.morganiiを図5Fに記載のように培養し、PRESTO-TangoによってDRDおよびHRHに対する活性について上清をスクリーニングした。
図6Aおよび6Bは、多様なヒト腸内細菌がDRDおよびHRHを活性化することを表す棒グラフを示す。チャートは、PRESTO-Tangoによって測定された、腸内微生物叢培地(MM)で培養した144のヒト腸内細菌からの上清によるDRD1-5(図6A)およびHRH1-4(図6B)の活性化を示す。
図7Aは、PRESTO-Tangoによって測定された、アセチルコリンとドーパミンの用量を滴定することによるCHRMとDRDの活性化を示すチャートである。
図7Bは、PRESTO-Tangoによって測定された、定義済みのGPCRリガンドによるGPCRの活性化を示すヒートマップである。活性化は、リガンドに対する314のGPCRのヒートマップとしてlog2スケールで表される。
図8A~8Fは、DRDおよびHRHを活性化するM.morganii由来の化合物の同定を示す。データは、少なくとも2つの独立した実験を表す。図8Aは、哺乳類のドーパミン代謝を説明する。図8Bは、フェネチルアミンとチラミンが選択的DRD2/DRD3/DRD4アゴニストとして機能することを表すデータを示す。哺乳類のドーパミン代謝経路の代謝産物によるDRD1-5の活性化をPRESTO-Tangoにより測定した。図8Cは、ESI-QQQ-MS装置でのフェネチルアミンとチラミンの検量線である。図8Dは、ESI-QQQ-MS/MSを介したM.morganii株によるフェネチルアミン産生の定量化を示すチャートである。図8Eは、チラミン、ドーパミン、およびフェネチルアミンの用量を滴定することによるDRD1-5の活性化をPRESTO-Tango(8D)によって測定したことを示す。図8Fは、L-Phe、L-Tyr、L-DOPA、またはL-Hisを含むまたは含まない最小培地(MM)において増殖させたM.morganiiの24時間培養物のOD値を示す。
図9A~9Hは、常在菌(commensal)由来のヒスタミンが結腸運動を促進し、MAOIと組み合わせたM.morganii由来のフェネチルアミンが致死的なフェネチルアミン中毒を引き起こすことを示す。すべてのパネルのデータは、少なくとも2つの独立した実験を表す。
図9Aは、M.morganiiおよびL.reuteriによるヒスタミンの産生が追加のL-Hisによって増強されることを示す。L.reuteriの4つの菌株およびM.morganiiの1つの菌株を、補給的なL-Hisを含むまたは含まないGifu培地で培養し(群あたりn=3)、48時間後に上清中のヒスタミン濃度をELISAで測定した。L-Hisを追加すると、L.reuteri C93、C94、およびM.morganii C135(すべてヒスタミン産生菌)によるヒスタミン産生が増加したが、L.reuteri C88およびC89では増加しなかった。図9Bは、in vivoでのヒスタミン産生、および結腸運動に対するヒスタミン産生細菌の影響を試験するための実験計画を示す。
図9Cは、無菌C57Bl/6マウスの群に、9または10の系統発生的に多様なヒト腸内細菌のMock(モック)コミュニティ(MockコミュニティAまたはB)を定着させた(colonized)、あるいはM.morganii、L.reuteri C88またはC93を単独定着させた(monocolonized)結果の棒グラフを示す。マウスに、1%L-Hisを添加したまたは添加していない通常の食餌を自由に与えた。盲腸および結腸の抽出物ならびに糞便中のヒスタミン濃度をELISAにより測定した。図9Dは、M.morganiiまたはL.reuteri C93由来のヒスタミンが結腸運動を高めることを示す棒グラフである。Bに記載のように処置されたマウスの糞便排出量を、1時間に1匹のマウスによって生成された糞便ペレットの数を数えることによって測定した。
図9Eは、M.morganiiがin vivoでフェネチルアミンを産生することを示すトレースである。無菌マウスにM.morganiiを定着させ、MAOIフェネルジン有りまたは無しで処置した。ESI-QQQ-MS/MSを使用して結腸抽出物中のフェネチルアミン濃度を調べた。図9Fのグラフにおいて、M.morganiiを定着させたマウスは、MAOIフェネルジンでの処置後に致死的なフェネチルアミン中毒を示す。無菌C57Bl/6マウスに、飲料水中のフェネルジンでの処置前1週間、M.morganiiを単独定着させた。生存はカプランマイヤー曲線で表される。群あたりn=4匹のマウス。図9Gおよび9Hでは、フェネルジンで処置されたM.morganii定着マウスが、盲腸、結腸、血清、および脳にフェネチルアミンを蓄積した。モルガネラ・モルガニー(M.morganii)およびバクテロイデス・テタイオタオミクロン(B.theta)を定着させたC57Bl/6マウスを、飲料水中にMAOIフェニルジンを含めてまたは含めないで処置した。ESI-QQQ-MS(図9G)またはDRD2 PRESTO-Tango(図9H)により、盲腸、結腸、血清、または脳でフェネチルアミンを検出した。
図10A~10Fは、図9A~9Hに関連して、M.morganiiの局在性と、in vivoでの全身性フェネチルアミンの産生および蓄積を示す。データは、少なくとも2つの独立した実験を表す。図10Aでは、無菌C57Bl/6マウスの群に、9または10の系統発生的に多様なヒト腸内細菌のmock(モック)コミュニティ(MockコミュニティAまたはB)を定着させるか、あるいはM.morganii、L.reuteri C88またはC93を単独定着させた。マウスに、1%のL-Hisを添加したまたは添加していない通常の食餌を自由に与えた。血清中のヒスタミン濃度をELISAによって測定した。図10B~10Dは、M.morganiiが主に盲腸と結腸に生息していることを示す。無菌マウスに、M.morganiiと共にまたは無しで、9または10の系統発生的に多様な腸内微生物のMockコミュニティ(それぞれMockコミュニティAおよびB)を定着させた。M.morganiiのCFUは、改変Niven寒天培地に播種した場合、紫色のハロー(halo)に基づいて他の細菌と区別できる。MockコミュニティAまたはB、およびM.morganiiを定着させたマウスの胃、小腸、盲腸、および結腸の内容物を、改変Niven寒天培地に播種して、様々な腸の位置でのM.morganiiの定着レベル(colonization level)を決定した。図10Eは、M.morganiiを単独定着させてフェネルジン(MAOI)有りまたは無しで処置したマウスの盲腸、結腸、および血清中のフェネチルアミン(PEA)のESI-QQQ-MS/MSによる定量化を示す。図10Fは、ESI-QQQ-MS/MSにより測定した、M.morganiiを定着させてフェネルジン(MAOI)有りまたは無しで処置したマウスの血清および脳におけるフェネチルアミン(PEA)の蓄積を示す。
図11A~11Gは、B.thetaiotaomicron C34のユニークな菌株がL-Pheの大量産生菌であり、GPR56/AGRG1を活性化することを示す。図11A、11Bおよび11Eを除いて全ての図面のデータは、少なくとも3つの独立した実験を示す。
図11Aおよび11Bは、PRESTO-Tangoで測定した、腸内微生物叢培地(図11A)またはGifu培地(図11B)で増殖させた144の多様なヒト腸内細菌からの上清によるオーファンGPCRの活性化を示す図である。スクリーニング結果は、gpcrdb.org、PHYLIP、およびjsPhyloSVGを使用して、等しい枝の長さで構築および視覚化されたオーファンGPCRの系統樹に表示される。クラスAオーファンは、GPR21、GPR52、GP143、GPR32、GPR1、GPR152、MAS、MRGRF、MRGX2、MRGX4、MRGX1、MRGX3、MRGRD、MAS1L、MRGRE、MRGRG、GP182、GPR15、GPR25、GPR82、GPR34、GPR87、GP171、GP183、GP132、PSYR、GPR4、OGR1、GPR17、GPR174、GPR35、GPR20、GPR31、GPR88、MTR1L、GPR84、GP148、GP142、GPR19、GPR82、GPR27、GP172、GPR85、GP150、GPR6、GP146、GPR26、GPR78、GP135、GP161、GP101、GPR12、GPR3、GPR6、TAAP2、TAAP5、TAAP9、TAAP6、TAAP8、GP151、ETBR2、GPR37、GPR39、GPR75、GPR45、GPR63、GPR22、GP141、GP160、GP153、GP162、およびGP149である。クラスCオーファンは、GP156、GP158、GPC6A、GPC5B、GPC5C、GPC5D、およびRAI3である。ADGRA群は、AGRA1、AGRA2、およびAGRA3である。AGRGD群は、AGRD1およびAGRD2である。ADGRG群は、AGRG1、AGRG2、AGRG3、AGRG5、およびAGRG6である。ADGRF群は、AGRF1、AGRF2、AGRF3、AGRF4、およびAGRF5である。他のGPCRオーファンはGP157である。陰影の強さは培地を超える活性化の大きさを表し、円の半径は所与のGPCRを2倍超活性化した細菌の数を表す。図11Cは、Bacteroides thetaiotaomicron種に割り当てられた単一の分離株C34が、腸内微生物叢培地(GMM)またはGifu培地で培養したときにGPR56/AGRG1を活性化することを表す棒グラフを示す。GPR56PRESTO-Tangoにより、144のヒト腸内分離株からの上清によるGPR56/AGRG1の活性化を測定した。
図11Dは、B.theta C34株がGPR56/AGRG1を独自に活性化することを示す棒グラフである。GPR56 PRESTO-Tangoにより、GMMでのバクテロイデス属およびパラバクテロイデス属の多様な種および株の培養物からの上清によるGPR56/AGRG1の活性化を測定した。図11Eは、B.theta C34が産生したL-PheがGPR56/AGRG1を活性化することを示す棒グラフである。B.theta C34の上清を逆相HPLCで分画し、GPR56 PRESTO-TangoによりGPR56/AGRG1の活性化について画分を評価した。活性画分(F11)は、LC-MS、HRMS-ESI-QTOF、NMR、および改良Marfey法分析(advanced Marfey’s analysis)によってL-Pheとして同定された主成分を含んでいた。図11Fは、L-Pheがオーファン受容体GPR56/AGRG1を優先的に活性化することを示すグラフである。純粋なL-Phe、L-Tyr、L-Trp、およびL-Hisの用量を滴定することによるGPR56/AGRG1の活性化を、GPR56 PRESTO-Tangoにより測定した。図11Gは、GPR56/AGRG1の細胞外ドメインが、L-PheによるGPR56/AGRG1の活性化に不可欠であることを示すグラフである。L-Pheの用量を滴定することによるGPR56またはGPR56-ΔNT(細胞外ドメインを欠く変異体)の活性化を、PRESTO-Tangoにより測定した。
図12A~12Dは、図11A~11Gに関連して、細菌の増殖およびGPR56/AGRG1の活性化に対する様々な細菌および培地の影響、ならびにB.theta C34のアゴニストL-Pheの構造特性を示す。図12Aは、腸内微生物叢培地(GMM)で24時間培養した、指定のバクテロイデス属およびパラバクテロイデス属の菌株のOD600値を示す。図12Bは、MeODでの活性画分11のH NMRスペクトルを示し、Pheが主成分であることを明らかにした。図12Cは、画分11中のPheの立体化学がL-Pheであることを確認した改良Marfey法分析の結果を示す。活性画分中にD-Pheは検出されなかった。FDAAは、1-フルオロ-2,4-ジニトロフェニル-5-L-アラニンアミド(Marfey試薬)(Marfey’s Reagent)である。図12Dは、L-Pheがオーファン受容体GPR56/AGRG1を立体選択的に活性化することを示す。純粋なL-Phe、L-Tyr、L-Trp、L-His、D-Phe、D-Tyr、D-Trp、およびD-Hisの用量を滴定することによるGPR56/AGRG1の活性化を、GPR56 PRESTO-Tangoにより測定した。
図13A~13Dは、L-PheがGPR56/AGRG1の近縁種であるGPR97/AGRG3を活性化することを表すデータを示す。データは、少なくとも3つの独立した実験を表す。図13Aは、L-PheがGPR56/AGRG1およびGPR97/AGRG3を活性化することを示すヒートマップである。L-PheによるすべてのオーファンGPCR、細胞接着型GPCR(adhesion-GPCR)、およびその他の潜在的なアミノ酸感知性GPCR(amino acid-sensing GPCR)の活性化を、PRESTO-Tangoにより評価した。図13Bは、L-PheがGPR97/AGRG3を特異的に活性化することを示すグラフである。L-Phe、L-Tyr、L-Trp、およびL-Hisの用量を滴定することによるGPR97/AGRG3の活性化を、GPR97 PRESTO-Tangoにより測定した。図13Cは、GPR97/AGRG3の細胞外ドメインが、L-PheによるGPR97/AGRG3の活性化に不可欠であることを示すグラフである。L-Pheの用量を滴定することによるGPR97またはGPR97-ΔNT(細胞外ドメインを欠く変異体)の活性化を、PRESTO-Tangoにより測定した。図13Dは、GPR56/AGRG1とGPR97/AGRG3が進化的に関連していることを示す系統樹である。すべての細胞接着型GPCRを含むGPCRのサブセットの系統樹が、gpcrdb.org、PHYLIP、およびjsPhyloSVGを使用して等しい枝の長さで構築および視覚化された。
図14A~14Eは、2つの常在菌間の活発な代謝交換がフェネチルアミンの産生を支援することを表すデータを示す。データは、少なくとも2つの独立した実験を表す。図14Aおよび14Bは、B.theta C34がL-Pheを直接合成できることを示すデータである。L-Pheを欠く最小培地(SACC)で増殖させたC34の上清中のL-Pheの濃度を、LC-MS(図14A)で評価し、ESI-QQQ-MS/MS(図14B)で定量化した。図14Cは、B.theta C34がin vivoでL-Pheを産生することを示すグラフである。通常の食餌またはL-Pheを欠く定義された食餌を与えた無菌C57Bl/6マウスの群に、B.theta C34を定着させたまたはさせなかった。糞便中のL-Phe濃度を、定着の1週間後にESI-QQQ-MS/MSによって測定した。図14Dは、M.morganiiがB.theta C34由来のL-Pheを消費して、in vitroでフェネチルアミンを産生することを示すトレースである。B.theta C34培養物をL-Pheを欠くSACC培地で増殖させた。C34培養物の上清を、後でM.morganiiとインキュベートした。これらの培養物におけるL-Pheおよびフェネチルアミン(PEA)のレベルのESI-QQQ-MS/MSトレースをここに示す。図14Eは、B.theta C34とM.morganiiが活発な代謝交換に参加してin vivoでフェネチルアミンを産生できることを示すグラフである。無菌C57Bl/6マウスの群に、M.morganiiを単独定着させるか、あるいはB.theta C34およびM.morganiiを共定着させ、L-Pheを含まない食餌を与え、さらにMAOIフェネルジンで処置した。盲腸および結腸の抽出物中のフェネチルアミンによるDRD2の活性化を、PRESTO-Tangoにより測定した。
図15Aは、クローン病患者が腸内マイクロバイオームにおいてヒスチジンデカルボキシラーゼ遺伝子の存在および相対存在量の増加を示すことを表すグラフである。健康な対照(nonIBD)、クローン病(CD)、および潰瘍性大腸炎(UC)から収集した糞便サンプルのメタゲノムデータを、NIHが資金提供したヒトマイクロバイオームプロジェクト(NIH-funded Human Microbiome Project)からダウンロードし、ヒスチジンデカルボキシラーゼ遺伝子の存在および相対存在量について分析した。検出可能なヒスチジンデカルボキシラーゼ遺伝子を含んでいた全サンプル数と、サンプル中に検出可能な遺伝子を含む患者の数が表示される(すべての参加者が異なる時点で複数のサンプルを提供した)。
図15Bは、クローン病患者がその腸内マイクロバイオームにおいてM.morganii(Morganella属)によってコードされるヒスチジンデカルボキシラーゼ遺伝子の存在および相対存在量の増加を示すことを表すグラフである。健康な対照(nonIBD)、クローン病(CD)、潰瘍性大腸炎(UC)から収集した糞便サンプルのメタゲノムデータを、NIHが資金提供したヒトマイクロバイオームプロジェクトからダウンロードし、M.morganiiのヒスチジンデカルボキシラーゼ遺伝子の存在および相対存在量について分析した。検出可能なヒスチジンデカルボキシラーゼ遺伝子を含む全サンプル数と、サンプル中に検出可能な遺伝子を含む患者の数が表示される(すべての参加者が異なる時点で複数のサンプルを提供した)。
図16は、新しい超ハイスループットコンビナトリアルGPCRスクリーニング技術であるPRESTO-Salsaが96ウェルプレートの単一ウェルで数百ものGPCRを同時にスクリーニングすることを可能にする実験の結果を示すグラフである。データは、実施例9に記載されたプロトコルに従って作製された。
一態様では、単一チューブ内で複数のGPCR(例えば、300以上の従来のGPCRすべて)の並行スクリーニングを可能にする方法が提供される。この方法の例示的な実施形態は、本明細書ではPRESTO-Salsaと呼ばれ、ルシフェラーゼレポーターの代わりに、一意の(unique)核酸バーコードをコードするレポータープラスミドが使用される。
理論に縛られることを望まないが、ヒトの腸に構成的に定着する何兆もの細菌(腸内微生物叢)は、腸内の免疫の調節から気分や行動の形成まで、人体の生理機能のほぼすべての側面に影響を与える可能性のある数万のユニークな小分子を産生する。しかしながら、この複雑さは、他の化学物質の海に隠されている生物学的に関連する微生物叢(マイクロバイオータ)代謝産物を特定することを困難にする可能性がある。言い換えれば、微生物叢メタボロームに何万ものユニークな注釈のない代謝産物が存在することを考えると、詳細な調査および特性評価のためにどの特徴を優先すべきかを決定するのは困難であり得る。
本発明者らは、これらの問題に対する革新的な新しいアプローチを提案する。理論に拘束されることを望まないが、本発明者らは、生物活性微生物叢メタボロームの大部分を構成する「暗黒物質(dark matter)」を照らすレンズとしての微生物叢代謝産物の宿主センシング(host sensing)について説明する。本発明者らは、ヒトゲノムにコードされている何百ものGタンパク質共役型受容体(GPCR)を使用して、複雑な混合物から新規の生物活性微生物叢代謝産物を同定できると仮定する。
個々の腸内微生物によって産生される生物活性代謝産物を照らすレンズとして宿主GPCRによる微生物叢代謝産物のセンシングを使用した、生物活性微生物叢メタボロームを調査するための新しいアプローチが本明細書に記載されている。本明細書に記載の例は、そのアプローチが、潜在的な生理学的に重要である多数の新規微生物叢代謝産物-GPCR相互作用をどのように明らかにしたかを説明する。例えば、本発明者らは、ヒスタミンの微生物産生を介して腸の運動性に影響を与える食事-微生物-宿主軸および強力な微量アミンであるフェネチルアミンの産生をもたらす微生物-微生物-宿主軸を明らかにした。これらの軸は両方とも、局所および全身の宿主生理機能に重大な影響を与える可能性がある。本明細書に記載の人体の生理機能への微生物叢(マイクロバイオータ)の寄与を理解するための機能的プロファイリングベースのアプローチは、生物活性微生物叢メタボロームの多様な特徴を理解および明らかにすることに広く適用可能であり得る。
本発明者らは、既存の低スループットGPCRスクリーニング技術(PRESTO-Tango)を使用して、発がん、気分調整および免疫に関与するGPCR、ならびに天然リガンドが何十年もの間発見を逃れてきた「オーファン」GPCRを活性化した、個々のヒト腸内細菌からの代謝産物混合物を特定した。しかしながら、固有の技術的制限により、PRESTO-Tangoは、大量に容易に入手できる比較的少数の代謝産物混合物(たとえば、in vitroで培養できる細菌株によって産生される代謝産物)にのみ適用可能である。したがって、PRESTO-Tangoは、生物活性微生物叢メタボローム全体のごく一部しか捕捉できず、これは通常、多様な微生物と、食事性化合物と、宿主自体との間の複雑なin vivo相互作用に起因する。
本発明者らは、次世代シーケンシングおよび核酸バーコード分析における最近の開発を活用して、PRESTO-Salsaを開発した。
一態様では、複数のGタンパク質共役型受容体(GPCR)を活性化することができる微生物叢代謝産物のハイスループットスクリーニングのための方法が提供される。複数の非接着性哺乳動物細胞が提供される。各細胞は、(i)タバコエッチウイルス核内封入体Aプロテアーゼ(TEVプロテアーゼ)の切断部位を介して転写因子tTAに連結されたGPCRを含む第1の融合タンパク質をコードする第1の核酸分子、(ii)β-アレスチンと第1の融合タンパク質のTEVプロテアーゼ部位を切断するように構成されたTEVプロテアーゼとを含む第2の融合タンパク質をコードする第2の核酸分子、および(iii)tTA転写因子によって特異的に活性化されるプロモーターに作動可能に連結されたバーコード配列を含み、各バーコード配列が個々のGPCRに特異的である、第3の核酸分子を含む。複数の細胞を複数の微生物叢代謝産物と接触させる。バーコードの配列が決定される(シーケンシング)。代謝産物が存在しない対照と比較して、代謝産物の存在下でどのバーコード配列が増加するかについての決定がなされる。
バーコードの転写は、GPCRの活性化を示すことができる。理論に縛られることを望まないが、GPCRが活性化されると、GPCRのコンフォメーション(立体配座)が変化し、β-アレスチンとTEVプロテアーゼを含む融合タンパク質が動員される。次に、TEVプロテアーゼは、tTA転写因子とGPCRを連結しているプロテアーゼ部位を切断して、tTA転写因子を放出し、これは次に、プロモーターに作動可能に連結されたバーコードの転写を駆動する。
様々なGPCRを使用できる。GPCRは、非嗅覚GPCR、オーファンGPCR、またはヒトGPCRであり得る。好ましい実施形態において、GPCRは、本明細書に記載される314の従来のGPCRのうちの1つである。
微生物叢代謝産物は、糞便サンプルまたは胃腸管からのサンプルなど、任意の数のサンプルに由来し得る。糞便サンプルまたは胃腸管からのサンプルは、特定の微生物叢代謝産物の産生を増強するように培養されおよび/または栄養素に曝露され得る。たとえば、追加のL-PheおよびL-Hisを供給して、L-PheとL-Hisをそれぞれフェネチルアミンとヒスタミンに直接変換できるM.morganiiの検出感度を高めることができる。サンプルは、例えば逆相HPLCによって、化学的特性に基づいて分画され得る。
理論に縛られることを望まないが、バーコードの使用は、検出感度を大幅に改善し、ハイスループットスクリーニングを可能にすることができる。多種多様な一意のGPCR-バーコードペアを発現する多数の細胞を使用できる。例えば、実施例1に記載のように、高感度の定量的方法を使用してすべてのバーコードの発現についてアッセイすることができる。
図1Aに示すように、従来のPRESTO-Tangoアプローチは、リガンド結合後のβ-アレスチンの動員を、対象GPCRにつながれた転写因子(tTA)の放出にリンクさせることにより、GPCRの活性化をルシフェラーゼ発現に結び付ける。本発明者らは、図1Bに示されるように、ルシフェラーゼレポーターを、一意の核酸バーコードをコードするレポータープラスミドで置き換えることにより、このシステムを改変した。PRESTO-Salsaの主な目新しさは、一意のバーコードの転写を使用して、単一ウェルでの数百ものGPCRの多重化を可能にすることである。これは、潜在的なスループットを数桁増加させ、かつ以前の少量サンプルの検査を可能にすることにより、PRESTO-Tango技術に改良を加える。実施例1ならびに図3および4に示すようにPRESTO-Salsaをテストした。
一意のGPCR-バーコードペアを発現する細胞をプールし、刺激後の特定バーコードの発現を定量化することにより、単一チューブ内で数百のGPCRの活性化または阻害を同時にスクリーニングすることができる。図1Cを参照されたい。
この方法は、特定のGPCRを活性化する特定の代謝産物を産生する細菌株を同定することをさらに含んでいてよい。細菌株は、たとえば16S rRNAシーケンシング、または全ゲノムシーケンシングによって分類できる。
個々の細菌株は、目的の特定サンプルから分離および培養することができ、各培養株からの代謝産物を、本明細書に記載の様々なPRESTO-Salsaの実施形態でさらに試験する。あるいは、細菌株を微生物叢サンプルに添加して、所与のマイクロバイオームの状況下でその細菌株によって産生される代謝産物を評価することができる。次に、微生物叢サンプルを培養して、添加された細菌株が追加の代謝産物を産生することを可能にする。PRESTO-Salsa法によって生成されたバーコードの差異分析(differential analysis)が行われ得る。
多様な門、科、種、および株からの数十のヒト腸内細菌が、十分に特徴付けられたGPCRとオーファンGPCRの両方を含む様々なGPCRを活性化する小分子を産生することがわかった。系統発生ならびに所与の種内の菌株固有の違いに基づいて大部分が予測可能であった代謝産物生成のパターンが観察された。いつおよびなぜ特定経路が異なる種および株で保存されているかまたはされていないかを判断するには、将来の研究が必要である。所与の微生物に不可欠なコア代謝プロセスから生じる代謝産物は高度に保存される可能性があるが、競合プロセスに関与する代謝産物は、占有されるニッチ(niche)、ならびに他の細菌種、非細菌微生物、または宿主と競合する必要性に依存し得るかなりの菌株変動(strain variation)を示す可能性がある。微生物代謝産物発現の最初の誘発要因に関係なく、本明細書に記載のデータは、ヒト関連微生物が印象的な調節能力を示し、ヒト生物学に影響を与える小分子の最も豊富な供給源の1つである可能性が高いという考えを支持する。
PRESTO-Salsaのハイスループットは、すべてのサンプルについて、生物学的または技術的な複製を容易に検査したり、用量反応曲線を実行したりすることを可能にする。最後に、PRESTO-Salsaは、ルシフェラーゼの安定性に対する特定の化学物質のよく知られたオフターゲット効果に抵抗性であり得るため、擬陽性を減らすこともできる。
PRESTO-Salsaは、少量のサンプル投入量を使用して、単一チューブ内で数百の受容体を同時にスクリーニングできるという大きな技術的利点をもたらす。PRESTO-Salsaはモジュール式で柔軟性があるため、他の受容体ファミリーを含めるように拡張できる。また、PRESTO-Salsaは、同じ受容体の下流にある複数のシグナル伝達出力(たとえば、Gタンパク質ベースのシグナル伝達とβ-アレスチンベースのGPCRによるシグナル伝達)を同時にモニターして、バイアス型(biased)アゴニストおよびアンタゴニストの同定を可能にするように簡単に変更できる。PRESTO-Salsaは、数百のセンサーに対して貴重な少量サンプルをスクリーニングすることを可能にするが、PRESTO-Tangoで使用される同様のサンプル量は、1つまたは2つの受容体への影響を調べるのに十分であるにすぎない。PRESTO-Salsaは、差し迫ったスケーラビリティと自動化を提供できる。PRESTO-Salsaの主な経済的利点は、PRESTO-Salsaが、少ない投入量を用いて単一チューブ内で数百の受容体を同時にスクリーニングできることである:以前の技術では、これと同じ目標を達成するために、複数の細胞プレートと大量の投入サンプルが必要であった。PRESTO-Salsaでの最終読み出しとしての次世代シーケンシングの使用は、以前のルシフェラーゼベースのスクリーニングよりもかなり安価である(特に次世代シーケンシングのコストが下がり続けているため)。PRESTO-Salsaを使用したスクリーニングのコストは、確立されたアッセイのコストよりも少なくとも1桁低い可能性がある。
微生物叢(マイクロバイオータ)メタボロームは、多様な微生物種および株と、環境入力(例えば食事など)と、宿主因子との間の複雑に絡み合う相互作用から生じる。還元主義的アプローチを使用して、発明者らは、同じ小分子を交換する(traffic in)2つの細菌分離株を発見した:L-Pheの豊富な産生菌であるB.thetaのユニークな菌株とL-Pheをフェネチルアミンに効率的に変換するM.morganiiである。本明細書に記載のアプローチは、複雑な微生物の混合物(例えば、完全な腸内微生物コミュニティ)によって産生されるエンドポイント微生物叢メタボロームを調べるときに見逃される得る代謝交換を明らかにすることができる。
本明細書に記載の方法の様々な実施形態において、例えば、特定の微生物によるGPCRアゴニストの産生がin vivoで宿主の生理機能を形成する可能性を調べるために、任意のGPCRアゴニストをin vivoでさらに試験することができる。実施例のデータは、M.morganiiまたはL.reuteriによるヒスタミン産生が結腸運動性の増加を促進し、外因性ヒスチジンを与えるとヒスタミンの微生物産生および結腸運動性がさらに増加することを示す。ヒスチジンを与えられたM.morganii単独定着マウスは、全身性ヒスタミンのレベルの上昇を示し、微生物叢由来のヒスタミンも全身性免疫応答を形成し得ることを示す。
本発明者らの研究はまた、高レベルの必須アミノ酸L-Pheを独自に産生する特定のバクテロイデス属の菌株を明らかにし、L-PheがオーファンGPCR、GPR56およびGPR97を活性化できることを明らかにした。GPR56は小腸およびヒト膵島で高発現され(Amisten et al., 2013; Duner et al., 2016)、空腸のL-Phe濃度は食後に最大2mMの濃度に達することができる(Adibi, 1973)。したがって、GPR56は消化と満腹感を調節する栄養素センサーとして機能し得る。
血清中のL-Pheレベルは通常、GPR56/97を活性化するのに必要なレベルをはるかに下回っているが、L-Pheを分解できないフェニルケトン尿症(PKU)の患者は、1mMを超えるL-Pheの血清濃度を示す(Williams, 2008)。したがって、GPR56および/またはGPR97の活性化は、PKUの症状のいくつかに寄与する可能性がある。特に、GPR56は神経前駆細胞、オリゴデンドロサイト(または希突起膠細胞)、アストロサイト(または星状膠細胞)、ミクログリア(または小膠細胞)で高発現しており(Giera et al., 2018; Haitina et al., 2008)、GPR56/AGRG1欠損症は両側性前頭頭頂多小脳回(BFPP)などの重度の神経発達障害を引き起こし得る(Sotnikova et al., 2004)。
理論に縛られることを望まないが、食事性アミノ酸の利用可能性は、宿主の生理機能を形作ることができる生体アミンの産生において重要であり得る。本明細書での研究は、主に食事に由来すると考えられることが多い基質(例えば、必須アミノ酸)の代替供給源としての微生物叢の他のメンバーを強調することができる。微生物により産生されるアミノ酸は、微生物変換(microbial biotransformation)における食事性アミノ酸を補うかあるいは置き換える可能性さえある。微生物由来のL-Pheは、L-Pheを欠く単純化され高度に人工的な食事を使用して、M.morganiiによる微生物変換の基質として使用され得る。しかしながら、細菌性L-Pheは生理学的条件下でも重要であり得る。たとえば、食事性アミノ酸は主に小腸で吸収される(Adibi, 1973);したがって、M.morganiiなどの結腸微生物は、小腸生物と比較して、食事性アミノ酸へのアクセスが比較的制限されている。また、低タンパク食は、食事性アミノ酸への微生物のアクセスを自然に減少させ、絶食は腸内アミノ酸の利用可能性をさらに低下させる可能性がある(Pezeshki et al., 2016)。したがって、結腸でのアミノ酸の微生物産生は、様々な生理学的に適切な条件下での様々な生物活性微生物叢代謝産物の産生において重要な役割を果たし得る。
様々な治療および診断方法も提供される。
一態様では、対象におけるモノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)誘発毒性を予防または処置する方法が提供される。フェネチルアミン産生遺伝子をコードする核酸配列を含む細菌株を標的とするのに有効な抗生物質が投与される。
関連する態様では、対象におけるモノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)誘発毒性を予防または処置する方法が提供される。細菌のフェネチルアミン合成酵素の小分子アンタゴニストが投与される。
様々な実施形態において、対象におけるMAOI誘発毒性を予防または処置する方法は、モルガネラ属菌種を標的とするのに有効な抗生物質を投与することを含む。
モルガネラ・モルガニー(M.morganii)がドーパミンを産生することは以前に報告されているが、本発明者らは、M.morganiiのすべての分離株が、ドーパミンまたはチラミンではなく、強力な微量アミンであるフェネチルアミンを主に産生することを見出した。本発明者らはまた、M.morganiiの単独定着マウスをMAOIで処置すると、フェネチルアミンの全身蓄積および死亡がもたらされることを見出した。フェネチルアミンは、ドーパミンやチラミンとは異なり、血液脳関門を容易に通過できる強力な神経活性化学物質である(Oldendorf, 1971)。フェネチルアミンの効果は、主に微量アミン関連受容体の活性化とそれに続くノルエピネフリンとドーパミンの放出によって媒介されると考えられている((Borowsky et al., 2001; Bunzow, 2001; Sotnikova et al., 2004)。ただし、ここでのデータは、フェネチルアミンがDRD2-4の選択的アゴニストとしても作用できることを示唆する。微生物叢由来のフェネチルアミンが局所的および全身的に宿主生物学に影響を与えることができる細胞および分子メカニズムを詳細に分析することは魅力的である。
理論に拘束されることを望まないが、本発明者らの発見は、フェネチルアミンの微生物産生の個体間変動が、うつ病に対するMAOIの可変的な効果(variable effect)の一部を説明し得ることを示唆する:この可能性は、気分に対するフェネチルアミンの報告された有益な効果と、血液脳関門を通過するフェネチルアミンの能力を考えると、特に興味深いものである(Irsfeld et al., 2013)。さらに、腸内微生物による生体アミンの産生は、MAOIの副作用の一部を説明する可能性がある。
MAOIに関連する最も重要な有害事象の1つは「チラミン中毒」であり、これは通常、特定のチーズなど、高レベルのチラミンを含む食品の摂取に起因する(Fiedorowicz, 2004)。本明細書のデータは、特定の腸内微生物が、宿主の生理機能に同様の影響を与え得る生体アミンの供給源としても機能し、また特定部位(例えば、脳)で作用することが意図された生体アミン受容体の薬理学的阻害剤が、自然の宿主-微生物叢相互作用にも影響を与える可能性があることを示す。
対象におけるMAO活性の低下によって引き起こされる疾患または状態を処置する方法も提供される。フェネチルアミン産生遺伝子をコードする核酸配列を含む細菌株を標的とするのに有効な抗生物質が投与される。
関連する態様では、対象におけるMAO活性の低下によって引き起こされる疾患または状態を処置する方法が提供される。細菌フェネチルアミン合成酵素の小分子アンタゴニストが投与される。
細菌株は、モルガネラ・モルガニー(M.morganii)などのように、フェネチルアミンを産生し得る。細菌株はフェネチルアミンを分泌し得る。ブルンナー症候群、自閉症、反社会的行動など、MAO活性の低下によって引き起こされる様々な疾患または状態を処置することができる。対象はMAOA-L変異体を表現し得る。
セフェピム、ピペラシリン、タゾバクタム、セフタジジム、セフォタキシム、セフチブテン、メロペネム、ドリペネム、エルタペネム、フルオロキノロン、またはアミノグリコシドなど、M.morganiiを標的とするのに有効な様々な抗生物質を使用することができる。
フェネチルアミン産生遺伝子をコードする核酸配列を含む細菌株を投与することを含む、対象におけるうつ病を処置する方法も提供される。MAOIなどの抗うつ剤も対象に投与することができる。
対象におけるモノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)の潜在的毒性を評価するための方法も提供される。消化管内微生物叢のサンプルを対象から取得する。モルガネラ・モルガニー(M.morganii)などのフェネチルアミン産生遺伝子を含む細菌株の存在についてサンプルをアッセイする。潜在的MAOI毒性のリスクをさらに評価するために細菌株のレベルを定量的に分析することもできる。細菌株の存在および/またはレベルを使用して、MAOI毒性のリスクを評価することができる。この情報から、MAOIの他に異なる抗うつ薬または治療薬を投与することができる。あるいは、MAOIの投与量レベルを調整または低減してもよい。
対象におけるMAOIの潜在的有効性を評価するための方法も提供される。この方法は、対象の糞便サンプルまたは胃腸管からのサンプルを採取し、フェネチルアミン産生遺伝子をコードする核酸配列を含む細菌株(例えば、モルガネラ・モルガニー(M.morganii))の存在についてアッセイすることを含む。細菌株の量の定量的アッセイも実施することができる。その後、対象をMAOIで処置してもよい。MAOIの投与量またはタイプを、細菌株の存在および/または量に基づいて調整することができる。
対象におけるヒスタミン誘発性胃腸疾患を予防または処置するための方法も提供される。特に、本発明者らは、モルガネラ・モルガニー(M.morganii)のヒスチジンデカルボキシラーゼなどのヒスチジンデカルボキシラーゼが、健康な対照またはUC患者と比較してクローン病の患者で富んでいることを発見し(図15Aおよび15Bを参照)、これは、CDでの細菌によるヒスタミン産生を暗示し得る。ヒスタミン産生遺伝子をコードする核酸配列を含む細菌株を標的とするのに有効な1つまたは複数の抗生物質が対象に投与される。関連する態様では、対象におけるヒスタミン誘発性胃腸疾患を予防または処置することが提供され、ヒスタミン合成酵素の小分子アンタゴニストが投与される。ヒスタミン合成酵素の例示的な小分子アンタゴニストには、例えば、ルゴシンD、ルゴシンAメチルエステル、テリマグランジンII、ルゴシンA、ピノセンブリン、α-フルオロメチルヒスチジン、ブロクレシン、レカノール酸、2-ヒドロキシ-5-カルボメトキシベンジルオキシアミン、およびヒスタミンのアミノオキシ類似体などの、ヒスチジンデカルボキシラーゼ阻害剤が含まれるが、これらに限定されない。M.morganiiのヒスチジンデカルボキシラーゼは、ルゴシンD、ルゴシンAメチルエステル、テリマグランジンII、およびルゴシンAによって阻害され得る。関連する側面では、一般的なまたは特定のヒスタミン受容体アンタゴニストが投与される。
代表的な疾患はヒスタミン不耐症であり、それは食物アレルギーの症状を模倣し得る。もう一つは下痢である。ヒスタミン誘発性胃腸疾患は、酵素DAOおよびHNMTの活性への干渉によって引き起こされるかまたは悪化し得る。理論に拘束されることを望まないが、ラクトバチルス・ロイテリ(L.reuteri)、またはモルガネラ属菌種の細菌の存在または過剰量は、腸疾患を引き起こすかまたは悪化させる可能性がある。これら細菌はL-Hisを直接ヒスタミンに変換することができる。
別の例示的な疾患は炎症性腸疾患である。ヒスチジンデカルボキシラーゼをコードするモルガネラ属菌種の存在量(abundance)は、健康な対照および潰瘍性大腸炎と対比してクローン病で増加している(図15B)。理論に拘束されることを望まないが、モルガネラ属菌種またはヒスチジンデカルボキシラーゼの存在または過剰量は、クローン病を引き起こすまたは悪化させる可能性がある。モルガネラ属菌種またはヒスチジンデカルボキシラーゼをコードする他の細菌あるいはヒスチジンデカルボキシラーゼをコードする過剰量の細菌を保有する患者を処置する方法も提供される。ヒスタミン産生遺伝子をコードする核酸配列を含む細菌株を標的とするのに有効な1つまたは複数の抗生物質が投与される。関連する態様では、対象において、ヒスタミン誘発性胃腸疾患を予防または処置することが提供され、ヒスタミン合成酵素の小分子アンタゴニストが投与される。関連する態様において、一般的なまたは特定のヒスタミン受容体アンタゴニストが投与される。
対象におけるアレルギーまたは喘息を予防または処置する方法も提供される。ヒスタミン産生遺伝子をコードする核酸配列を含む細菌株を標的とするのに有効な1つまたは複数の抗生物質が投与される。細菌株は、ラクトバチルス・ロイテリ(L. reuteri)、またはモルガネラ属菌種の細菌であり得る。理論に拘束されることを望まないが、いずれかまたは両方の菌株の存在は、対象における全体的なヒスタミンレベルを上昇させる可能性があり、それはアレルギーまたは喘息を誘発または悪化させるであろう。例示的な抗生物質には、セフェピム、ピペラシリン、タゾバクタム、セフタジジム、セフォタキシム、セフチブテン、メロペネム、ドリペネム、エルタペネム、フルオロキノロン、またはアミノグリコシドが含まれる。
抗生物質は、対象における胃腸の状態もしくは疾患、アレルギーまたは喘息を処置するための抗生物質の潜在的有効性を評価するための方法のアウトカムに基づいて選択され得る。この方法は、a)対象の糞便サンプルまたは胃腸管からのサンプルを採取すること、およびb)ヒスタミン産生遺伝子をコードする核酸配列を含む細菌株(例えば、モルガネラ属菌種の細菌)の存在についてアッセイすることを含む。この方法は、胃腸管に存在する細菌株の量についてアッセイすることを含んでいてよい。対象は抗生物質で処置され得る。いくつかの実施形態において、抗生物質の投与量の調整または決定は、存在する細菌株の存在および/または量に基づいて行われる。
フェネチルアミンの産生に起因する疾患または状態を予防または処置する方法も提供され、この方法は、L-フェニルアラニンを産生する細菌株を標的とするのに有効な1つまたは複数の抗生物質を投与することを含む。関連する態様では、フェネチルアミンの産生に起因する疾患または状態を予防または処置する方法が提供され、この方法は、フェネチルアミン合成酵素の小分子アンタゴニストを投与することを含む。小分子アンタゴニストは、シキミ酸経路阻害剤であり得る。小分子アンタゴニストは、カルビドパ、ベンセラジド、メチルドパ、3’,4’,5,7-テトラヒドロキシ-8-メトキシイソフラボン(DFMD)、3-ヒドロキシベンジルヒドラジン、3-アミノ-1-メチル-5H-ピリド[4,3-b]インドール(Trp-P-2)、およびα-ジフルオロメチルDOPAなどの芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼ(AADCまたはAAAD)のアンタゴニストであり得る。
対象におけるフェニルケトン尿症(PKU)を予防または処置する方法がさらに提供され、この方法は、L-フェニルアラニンを産生する細菌株を標的とするのに有効な1つまたは複数の抗生物質を投与することを含む。対象におけるフェニルケトン尿症(PKU)を予防または処置する関連方法も提供され、この方法は、L-フェニルアラニンの過剰産生に起因する疾患の処置または予防のために、L-フェニルアラニンを分泌する細菌株の細菌性フェニルアラニン合成酵素を標的とする小分子を投与することを含む。
例示的な細菌株には、バクテロイデス・テタイオタオミクロン(B.thetaiotaomicron)(例えば、株C34)が含まれる。この方法は、アンピシリン、クラブラン酸塩、タゾバクタム、セファマイシン、チカルシリン、ピペラシリン、セファロスポリン、カルバペネム、クリンダマイシン、リンコマイシン、クロラムフェニコール、ニトロイミダゾール、フルオロキノロンなどの、細菌株を標的とするのに有効な抗生物質の投与を含み得る。あるいは、(a)アンピシリンとスルバクタムの組み合わせ、(b)チカルシリンとクラブラン酸塩の組み合わせ、または(c)ピペラシリンとタゾバクタムの組み合わせなどの抗生物質の組み合わせが投与され得る。
抗生物質の投与を含む上記の方法の様々な実施形態において、プロバイオティクス組成物を投与してもよい。プロバイオティクス組成物は、例えば、一連の抗生物質が投与された後に投与され得る。理論に縛られることを望まないが、プロバイオティクス組成物は、腸に異なる細菌を定着させて標的細菌がそれ自体を迅速に再確立するのを防ぐのに有効であり得る。追加の実施形態では、抗生物質は、プロバイオティクス組成物と共に周期的に投与され得る。抗生物質は、プロバイオティクス組成物と同時に投与してもよい。
対象におけるMAOIの潜在的毒性を評価するためのキットも提供される。キットは、細菌株によって発現されるヌクレオチドまたはタンパク質に特異的に結合することができる核酸、抗体、または他の試薬を含むことができ、細菌株は、フェネチルアミン産生遺伝子をコードする核酸配列を含む。
対象における胃腸の状態もしくは疾患、アレルギーまたは喘息を処置するための抗生物質の潜在的有効性を評価するためのキットも提供される。キットは、細菌株によって発現されるヌクレオチドまたはタンパク質に特異的に結合することができる核酸、抗体、または他の試薬を含み、細菌株は、ヒスタミン産生遺伝子(図15Aおよび15Bに示されるデータに従ってクローン病患者で検出されるものなど)をコードする核酸配列を含む。キットは、ヒスタミン産生遺伝子の酵素産物の小分子阻害剤(例えば、ヒスタミンデカルボキシラーゼ阻害剤)での処置から利益を得るであろう患者を選択するために使用され得る。
本発明はまた、以下の実施例によって説明および実証される。しかしながら、本明細書のどこかでこれらおよび他の例を使用することは例示にすぎず、本発明または任意の例示された用語の範囲および意味を決して限定するものではない。同様に、本発明は、本明細書に記載の特定の好ましい実施形態に限定されない。実際、本発明の多くの修正および変形は、本明細書を読むと当業者に明らかであり、そのような変形は、精神または範囲において本発明から逸脱することなく行うことができる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲と、それら請求項が権利を有する同等物の全範囲によってのみ限定されるべきである。
次の表は、以下の実施例で使用される試薬を示す:
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実施例1.PRESTO-Salsaのテスト
GPCR-バーコードペアのプールを容易にするために、Barr-TEV融合タンパク質を安定発現するExpi 293T細胞株を作製した。これら細胞は、所与のGPCR-tTA融合体をコードするプラスミド、およびtet応答エレメントの下流に定義されたバーコードをコードするレポータープラスミドで効率的にコトランスフェクトすることができる。すべてのGPCRの同時スクリーニングを可能にするために、96ウェルプレートの個々のウェルにおいて、安定なExpi 293T細胞株を、314個すべての定義済みGPCR-バーコードレポータープラスミドペアでコトランスフェクトした。約24時間後、すべての細胞を単一チューブ内で混合した後、細胞混合物を約4枚の96ウェルプレートに再分配した。重要なことに、Expi 293T細胞は非接着性であり、それによって細胞のプールおよび再分配が容易になる。
再分配後、各ウェルを所与の代謝産物混合物で刺激した後、RNAを回収し、cDNAを合成し、イルミナアンプリコンシーケンシングを介してバーコードの配列を決定する。所与のバーコードの相対的発現レベルを対照サンプルと比較することにより、その代謝産物または代謝産物混合物による所与のGPCRの相対的活性化を表す。PRESTO-Salsaの感度および特異性を評価するために、本発明者らは、図2に示すように、既知のGPCRリガンド、または既知のGPCRアゴニストを含む微生物代謝産物混合物を使用して、このシステムを最初に確立した。
これらのデータは、PRESTO-Salsa技術の特異性および感度を実証する。重要なことに、ルシフェラーゼ発現と対比したシーケンシングの相対的感度を考えると、PRESTO-Salsaに使用されるシーケンシングベースの読み出しは、PRESTO-Tangoよりもかなり感度が高かった。
実施例2.フォワードケミカル遺伝子スクリーニングは、GPCRを活性化するヒト腸内微生物を特定する
5つの門、9つの網、11の目、および20の科にまたがる144のユニークなヒト腸内細菌を、11人の炎症性腸疾患患者から、ハイスループット嫌気性カルチュロミクスによって分離し、大規模バーコード付け16S rRNA遺伝子シーケンシングによって同定した。すべての菌株を、腸内微生物叢培地(Goodman et al., 2011)またはGifuブイヨンにおいて37℃で嫌気性条件下において培養し、すべての菌株の同一性を16S rRNA遺伝子シーケンシングによって確認した。分離されたヒト腸内細菌を表1に示す。各分離株は、ヒト腸内細菌の培養に特化した培地(腸内微生物叢培地;GMM)において単培養で増殖させた。
個々の細菌単培養物からの上清を、ハイスループットアッセイParallel Receptor-ome Expression and Screening via Transcriptional Output-Tango(PRESTO-Tango)を使用して、ほぼ完全な非嗅覚GPCRome(314の従来のGPCR)に対してスクリーニングした。
PRESTO-Tangoアッセイは次のように実施した。β-アレスチン-TEVおよびtTA-ルシフェラーゼを安定発現するHEK293細胞株であるHTLA細胞(ブラウン大学のGilad Barneaから親切に贈られたもの)を、10%FBSおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシンを含むDMEM中、96ウェル組織培養プレート(Eppendorf)に播種した。播種の1日後(約90%コンフルエンスに達した後)、ポリエチレンイミン(Polysciences社)を使用してTangoプラスミドをHTLA細胞にトランスフェクトした。トランスフェクションの16~24時間後、1%ペニシリン/ストレプトマイシンおよび10mM HEPESを含む180μlの新鮮なDMEM+20μlの細菌培地のみまたは細菌上清で培地を交換した。PRESTO-Tangoスクリーニングでは、すべての常在菌を腸内微生物叢培地またはGifuブイヨンにおいて嫌気性チャンバー(Coy)で2日間培養した。常在菌培養上清(commensal supernatant)を、高速遠心分離およびそれに続く滅菌ろ過(0.22μm)によって滅菌した。in vitro研究のために、モルガネラ・モルガニー(M.morganii)を最小培地(MM)、あるいは10mM L-Phe、2.5mM L-Tyr、10mM L-DOPA、または10mM L-Hisを含むMMで24時間培養した。細菌上清をLC-MSで分析した。
刺激の16~24時間後、20mM HEPESを含むPBSで20倍に希釈したBright-Glo溶液(Promega社)をウェルあたり50μlずつ各ウェルに添加した。室温で20分間インキュベートした後、Spectramax i3x(Molecular Devices社)を使用して発光を定量した。各サンプルの活性化倍率は、各条件での相対発光単位(RLU)を培地のみ対照のRLUで割ることによって計算した。
ヒト腸内微生物叢から分離された144の細菌株からのメタボロームによるGPCRの活性化をPRESTO-Tangoによって測定した。データは、ヒートマップ(図3)として、あるいは、クラス、リガンドタイプ、および受容体ファミリー毎に編成されたGPCRの階層ツリー(図4)に表示される。陰影の強さは、データセット全体にわたるバックグラウンドを超える活性化の最大の大きさ(log2)、すなわち、コレクション内の任意の微生物メタボロームによる所与のGPCRの最大の活性化を表す。各先端の円の半径は、所与の受容体または受容体ファミリーを活性化した菌株の数(すなわち、完全なデータセット全体のヒット数)に基づいてスケーリングされている。ヒットは、バックグラウンドの2倍を超える所与の受容体の活性化として定義される。図形は、d3.jsを使用してVisavisllcと共同で作製した。
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カルチャーコレクションは、系統発生的に多様な分類群の影響を調べることを可能にすると同時に、同じ種のメンバー間の潜在的な菌株特異的差異への洞察を提供することができる。
上記の培養物の分析は、ヒト腸内微生物が、十分に特徴付けられたGPCRとオーファンGPCRの両方を活性化する化合物を産生することを示した。PRESTO-Tangoスクリーニングは、十分に特徴づけられたGPCRを活性化した細菌由来の代謝産物混合物、ならびにオーファン受容体を活性化した混合物を含めて、多種多様なヒットを明らかにした。図4のデータによると、少なくとも1つの代謝産物混合物によるすべてのクラスの少なくとも1つのGPCRの活性化が完全なデータセット全体で観察された。
GPCR活性化の具体的パターンが全体の系統発生に基づいて明らかになった。表2および表3は、それぞれGMM培地とGifu培地の各培地でのPRESTO-Tango分析による各細菌の受容体活性化の程度を示す。たとえば、バクテロイデス門(Bacteroidetes)およびプロテオバクテリア門(Proteobacteria)に属するほとんどの菌株はコハク酸受容体(Sucr1)を強力に活性化したが、フィルミクテス門(Firmicutes)、フソバクテリウム門(Fusobacteria)、およびアクチノバクテリア(放線菌)門(Actinobacteria)に属する菌株はこの受容体をほとんど活性化しなかった(表2および3)。しかしながら、同じ種に割り当てられているにもかかわらず、独自のGPCRアゴニスト活性を示した細菌株の複数の例を含め、多くの活性化パターンは系統発生と相関しなかった(表2および3)。
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実施例3.ヒト腸内細菌はアミン作動性受容体を活性化する化合物を産生する
コハク酸受容体に加えて、腸内常在菌(gut commensal)によって活性化される次に最も一般的なGPCRのクラスはアミン作動性受容体であり、これは多様な組織や細胞タイプで発現され、神経伝達から免疫に至るまでの多種多様なコアの生理的プロセスを調節する。図4を参照されたい。(Albuquerque et al., 2009; Beaulieu and Gainetdinov, 2011; Thurmond et al., 2008)。これらのヒットには、ドーパミン(DRD)、ヒスタミン(HRH)、およびアドレナリン受容体ファミリーの細菌由来活性化因子が含まれていた。図5A、6A、および6Bに示すように、12を超える常在菌上清がDRD2-4またはHRH2-4を活性化した。たとえば、プロテオバクテリア門からの10株は、モルガネラ・モルガニー(M.morganii)菌種からの8株を含めて、DRDとHRHの両方を活性化した。図5B、5C、6A、および6Bを参照されたい。結果は、DRDおよびHRHアゴニストの産生がM.morganiiの保存された特徴であることを示唆する。
対照的に、ラクトバチルス・ロイテリ(L.reuteri)の2つの菌株はHRHを活性化することがわかったが、L.reuteriの2つの別の菌株は、同様の増殖速度を示したにもかかわらず、HRHを活性化できなかった。図5C、6A、および6Bを参照されたい。ストレプトコッカス属の1つの菌株はDRD2-4を活性化したが、2つの関連する分離株は活性化せず、一方、腸内細菌科の2つの未分類の菌株はHRH1-4およびDRD2を活性化したが、他のDRDは活性化しなかった。図5C、6A、および6Bを参照されたい。
モルガネラ・モルガニー(M.morganii)は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定して、ドーパミンを産生することが以前に報告されている(Ozogul, 2004)。しかしながら、図5A、5B、6A、および6Bに示すように、すべてのM.morganiiの上清が、DRD2-4を強力に活性化したが、DRD1およびDRD5は活性化しないことが観察された。これに対して、PRESTO-Tangoで測定したところ、ドーパミン自体は5つのドーパミン受容体すべてを効率的に活性化した。図7Aを参照されたい。したがって、M.morganiiは、むしろ、ドーパミンに構造的に関連しかつDRD2-4の選択的リガンドとして機能できるがDRD1またはDRD5のリガンドとしては機能しない代謝産物を産生する可能性がある。図8Aを参照されたい。
次に、本発明者らは、PRESTO-Tangoにより、哺乳動物のドーパミン経路におけるすべての潜在的な上流および下流の代謝産物がDRD1-5を活性化する能力について調べた(図8A、8B)。この経路における様々な化合物が、様々なドーパミン受容体を活性化することがわかった:特に、フェネチルアミンとチラミンは、M.morganiiの上清と同じ活性化パターンを示した。図8Bおよび8Eを参照されたい。M.morganiiの上清中のドーパミン、フェネチルアミン、およびチラミンの濃度についてアッセイした。M.morganiiは微量のドーパミンしか産生せず、検出可能なチラミンを産生しないことがわかった。代わりに、M.morganiiは、ドーパミンやチラミンとは異なり血液脳関門を容易に通過できる強力な微量アミンであるフェネチルアミンを大量に分泌した。図5D、8C、および8Dを参照されたい(Oldendorf, 1971)。
以前の報告は、モルガネラ・モルガニー(M.morganii)がヒスタミンも産生することを示唆している(Ozogul,2004)。ELISAで確認されたように、M.morganii株は確かにかなりの量のヒスタミンを分泌した(図5E)。ヒスタミンELISAは以下のように行った。すべての菌株を1%L-Hisを含むまたは含まない腸内微生物叢培地で24時間培養し、高速遠心分離により上清を回収した。盲腸内容物、結腸内容物、および糞便サンプルを収集し、秤量した;すべてのサンプルを1:2(w/v)の比率でPBSに懸濁し、ボルテックスでホモジナイズした。血清および脳を採取し、秤量し、1:2(w/v)の比率でPBSに懸濁した。脳を21Gの針に50回通すことにより均質化した。製造元のプロトコルに従ってヒスタミンELISA用にすべてのサンプルを遠心分離して上清を収集した。
同様に、ラクトバチルス・ロイテリ(L.reuteri)の2つの菌株とヒスタミン受容体を活性化した腸内細菌科の2つの菌株もヒスタミンを分泌した(図5E)。まとめて、これらのデータは、モルガネラ・モルガニー(M.morganii)が、ドーパミン受容体の定義済みサブセットに対する強力かつ選択的なアゴニストとして作用する高レベルのフェネチルアミンを分泌すること、およびM.morganiiとL.reuteriの選択株とがヒスタミンを分泌することを明らかにする。
哺乳動物では、フェネチルアミン、ドーパミン、およびチラミンは、芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼによる、L-Phe、L-DOPA、およびL-Tyrの脱炭酸によってそれぞれ産生される(AADC;図8A)(Lovenberg, 1962)。本発明者らは、モルガネラ・モルガニー(M.morganii)がこれら3つのアミノ酸を対応する生体アミンに同様に加工するかどうかを試験した。L-Phe、L-DOPA、L-Tyr、およびL-Hisを欠く定義済みの最小培地(MM)を使用して、M.morganiiを培養した。正常なM.morganiiの増殖にもかかわらず、発明者らは、液体クロマトグラフィー-質量分析(LC-MS)によって、フェネチルアミン、チラミン、ドーパミン、またはヒスタミンの産生を検出できなかった(図5F)。
ただし、図5Fおよび5Gに示すように、L-PheまたはL-Hisの補給により、高レベルのフェネチルアミンまたはヒスタミンの産生、ならびにDRD2-4またはHRH2-4の活性化がもたらされた。対照的に、図8Fに示すように、L-DOPAまたはL-Tyrの補給は、すべての条件における同様の細菌増殖にもかかわらず、ドーパミンまたはチラミンの産生も、M.morganiiの上清によるDRDの活性化も引き起こさなかった。この結果は、哺乳動物のAADCとは異なり、M.morganiiは、L-Pheを選択的にフェネチルアミンに変換し、L-DOPAまたはL-Tyrをドーパミンまたはチラミンに効率的に変換することはできないことを示唆する。
実施例4.微生物叢由来のヒスタミンは結腸の運動性の増加を促進する
ヒスタミンは、L-Hisの脱炭酸によって生成される(Tannase, 1985)。モルガネラ・モルガニー(M.morganii)の8つの菌株とラクトバチルス・ロイテリ(L.reuteri)の2つの菌株はin vitroでヒスタミンを産生した。L-Hisの補給は、これらの菌株によるヒスタミン産生を有意に増加させた。対照的に、図9Aに示す結果によると、L.reuteriの2つの別の菌株は、L-Hisの補給に関係なくヒスタミンを産生できなかった。M.morganiiを好気的または嫌気的に複数の培地で培養した場合、M.morganiiの上清は培養条件に関係なくDRDおよびHRHを活性化した。
モルガネラ・モルガニー(M.morganii)とラクトバチルス・ロイテリ(L.reuteri)がin vivoでもヒスタミンを産生できるかどうかを試験するために、無菌マウスに、(i)9または10の多様なヒト腸内微生物を含む2つの異なるMockコミュニティ、あるいは(ii)M.morganiiを定着させ、その際にL-Hisが豊富な食事(たとえば肉が多い食事)の効果に近づけるために、1%のL-Hisを補給したまたは補給していない飲料水を自由にとらせた。雌雄の6~12週齢の無菌野生型C57Bl/6マウスをすべての実験で使用した。無菌のC57Bl/6マウスに、200μlの個々の細菌培養物または混合細菌共生体(mixed bacterial consortia)を強制経口投与することにより定着させた。MockコミュニティAおよびBは、次の分類群で構成されていた:コミュニティA:ストレプトコッカス属(または連鎖球菌属)菌種(Streptococcus spp);ウェルシュ菌(C.perfringens);バクテロイデス・フラジリス(B.fragilis);エリュシペロトリクス綱菌種(Erisipelotrichaceae spp);コリンセラ・アエロファシエンス(C.aerofaciens);バクテロイデスUC(Bacteroides UC);ブラウティア・プロダクタ(B.producta);アロバキュラム属菌種(Allobaculum spp)、およびオシロスピラ属菌種(Oscillospira spp);コミュニティB:バクテロイデス属菌種(Bacteroides spp);パラバクテロイデス・ディスタソニス(P.distasonis);ペプトニフィラス属菌種(Peptoniphilus spp);バクテロイデス・オバツス(B.ovatus);クロストリジウム目(Clostridiales UC/UC);ラクノスピラ科(Lachnospiraceae UC/UC);コリンセラ・ステルコリス(C.stercoris);バクテロイデス・ ユニフォルミス(B.uniformis)、およびパラバクテロイデス属菌種(Parabacteroides spp)。実験期間中、すべてのノトバイオートマウスをTechniplast P Isocagesで維持し、無菌的に操作した。
データを図9Bに示す。さらに、本発明者らは、異なるヒスタミン産生能力を有するラクトバチルス・ロイテリ(L.reuteri)の2つの株、すなわち、in vitroで有意なヒスタミンを産生したL.reuteri C93、およびin vitroでヒスタミンを産生しなかったL.reuteri C88をマウスに単独定着させた。図9Cに示すように、M.morganiiまたはL.reuteri C93を定着させたマウスは、高レベルの腸ヒスタミン産生を示したが、2つのMockコミュニティまたはL.reuteri C88を定着させたマウスはほとんど検出できない腸ヒスタミンを示した。さらに、M.morganiiの単独定着マウスにおけるヒスタミン産生は、食餌性L-Hisの補給により有意に増加した。図9Cを参照されたい。図10Aに示すように、追加のL-Hisの供給の有無にかかわらず、M.morganii定着マウスの血清においてヒスタミンの増加が検出された。
次に、M.morganiiの所在位置をin vivoで決定した。改変Niven寒天培地を使用して、9または10の多様なヒト腸内微生物の2つのMockコミュニティ+M.morganiiを定着させたノトバイオートマウスにおいてM.morganiiのCFUを数えた(Mavromatis, 2002)。本発明者らは、M.morganiiが主に盲腸および結腸に生息し、小腸にはほとんど存在しないことを見出した。図10B~10Dを参照されたい。ヒトでの以前の研究では、M.morganiiが結腸の組織または粘液に関連するニッチ(niche)に優先的に局在することも示されている(Eun et al., 2016)。
ヒスタミンの強制経口投与は、げっ歯類において結腸運動性を高めることが報告されている(Kim et al., 2011; Tyagi et al., 2009)。したがって、本発明者らは、腸内微生物由来のヒスタミンも腸の運動性を高め得ると仮定した。本発明者らは、水中の1%のL-Hisの投与ありまたはなしで、系統発生的に多様なヒト腸内微生物を含む2つのMockコミュニティ、またはモルガネラ・モルガニー(M.morganii)を定着させたマウスの腸の運動性を評価した。腸の運動性は、以下のように糞便排出量を測定することによって評価した。個々のマウスを空の容器(1/4ガロン)に1時間収容し、その後、糞便ペレットを数え、秤量した。L-Hisを与えたマウスの場合、糞便排出量を測定する前に、マウスに1%のL-Hisを含む水を2週間自由に与えた。
M.morganiiの定着は、糞便排出量の有意な増加をもたらし、それはL-Hisの補給によりさらに増加した。図9Dを参照されたい。同様に、L.reuteri C93を定着させたマウスは、L.reuteri C88を定着させたマウスと比較して、糞便排出量の増加を示した。図9Dを参照されたい。これらのデータは、微生物叢由来のヒスタミンが腸の運動性を制御できること、および食事性のヒスチジンがこれらの効果を高めることができることを示す。
実施例5.モルガネラ・モルガニー(M.morganii)はモノアミンオキシダーゼ阻害と組み合わせた場合に「フェネチルアミン中毒」を引き起こす可能性がある
M.morganiiによる豊富なヒスタミン産生がin vitroおよびin vivoの両方で検出されたが、M.morganii定着マウスの結腸で低レベルのフェネチルアミンしか検出されなかった(図9E)。この観察結果の考えられる説明は、ドーパミン、チラミン、フェネチルアミンなどの生体アミンが、哺乳類のモノアミンオキシダーゼ(MAO)によって腸内で急速に分解されることである(Glover, 1977)。in vivoでのフェネチルアミンの潜在的産生を明らかにするために、本発明者らは、無菌マウス、あるいはM.morganiiまたはDRDアゴニストを産生しないバクテロイデス・テタイオタオミクロン(B.theta)株を単独定着させたマウスを、不可逆的MAO阻害剤(MAOI)フェネルジンで処置した。
トリプル四重極MSにより、M.morganii定着マウスの結腸でフェネチルアミンの増加が観察された(図9E);対照的に、無菌マウスおよびB.thetaを定着させかつMAOIで処置したマウスでは結腸のフェネチルアミンは検出できなかった(図9E)。トリプル四重極(QQQ)MSは次のように実施した。エレクトロスプレーイオン化-トリプル四重極-タンデム質量分析ESI-QQQ-MS/MSは、マルチプルリアクションモニタリング(MRM)モードを使用して実行した。Phenomenex Kinetex 1.7μm C18 100Å(100x2.10mm)カラムを備えたAgilent 6490 ESI-QQQ-MS/MS装置を定量および較正に使用した。Agilent Mass Hunter Optimizerを使用して各標準(L-フェニルアラニン、フェネチルアミン、ヒスタミン、チラミン、ドーパミン)を最適化した。三重で様々な濃度(0~25μMの範囲)を使用して各標準の検量線を作成した。グラジエントは、ddHO(0.1%ギ酸を含む)中の10~100%のアセトニトリル、その後に100%アセトニトリルでの洗浄ステップで構成された。次に、三重のデータを線形回帰分析にかけ、線形検量線を作成した。実験サンプルの処理は、サンプルを注入する前に、凍結乾燥および100%MeOH(元の培養物体積の20%体積)での抽出を伴う。サンプルの吸光度を線形較正(liner calibration)にかけて濃度を計算した。
他の多くの不可逆的MAOIとは異なり、フェネルジンは依然として大うつ病性障害、ならびにパニック、社会不安、心的外傷後ストレス障害などの他の様々な精神障害の処置に臨床的に使用されている(Fiedorowicz, 2004)。本発明者らは、M.morganii定着マウスが、MAOIでの処置後数日以内に無気力になり、M.morganii定着マウス全体の半数より多くが処置後7日目より前に死亡したことが分かった。図9Fを参照されたい。対照的に、バクテロイデス・テタイオタオミクロン(B.theta)を定着させ、さらにMAOIで処置したマウスは健康に見えた。
MAOI処置後の罹患率および死亡率は、QQQ MSで測定して、フェネルジンで処置したM.morganii単独定着マウスの結腸、血清、および脳のフェネチルアミンレベルの上昇と相関していた。結果を図9G、10E、および10Fに示す。最後に、本発明者らは、MAOIで処置したM.morganii定着マウスからの盲腸および結腸の内容物および血清が、DRD2を活性化することを見出した。図9Hを参照されたい。これらのデータは、M morganii由来のフェネチルアミンが全身に蓄積し、MAOIで処置されたマウスにおいて劇的な生物学的効果を発揮できることを示す。
実施例6.ユニークなバクテロイデス分離株がGPR56/AGRG1を活性化する
特定の細菌上清が選択オーファンGPCRを活性化することが観察された(図11A)。確認するために、発明者らは、我々のカルチャーコレクション中のヒト腸内微生物のほとんどのより堅牢な増殖を支援する富栄養培地(Gifu培地)を使用して、我々のPRESTO-Tangoスクリーニング手順を繰り返した。この改変手順により、オーファンGPCRに対するポジティブヒットの数が大幅に増加した:図11Bに示すように、17のオーファンGPCRが、少なくとも1つの細菌上清に応答して培地のみの対照よりも4倍を超える活性化を示した。B.theta種に割り当てられた菌株(B.theta C34)からの代謝産物は、両方の培養条件下でGPR56/AGRG1を活性化した(図11C)。対照的に、B.thetaの市販株および他の多様なバクテロイデス属の菌種を含むB.thetaの他の菌株は、同様の細菌増殖(図12A)にもかかわらず、GPR56/AGRG1を活性化できなかった(図11D)。
実施例7.必須アミノ酸L-PheはGPR56/AGRG1およびGPR97/AGRG3を活性化する
GPR56/AGRG1の既知の内因性小分子リガンドがないため(Purcell,2018)、本発明者らは次に、GPR56/AGRG1を活性化するB.theta C34によって産生される特定の代謝産物を同定することを試みた。B.theta C34の上清を凍結乾燥し、メタノールで抽出し、逆相HPLCで分画した。得られたすべての画分をGPR56 PRESTO-Tangoによって活性について分析し、画分11を活性画分として同定した。図11Eを参照されたい。
メタボロミクスアッセイは以下のように実施した。NMRスペクトルは、クライオプローブを備えたAgilent 600 MHz NMRシステムを使用して取得した。高分解能MSおよびタンデムMS(MS/MS)データは、Phenomenex Kinetex 5μm C18 100Å(4.6x250mm)カラムでAgilent iFunnel 6550 ESI-HRMS-QTOF(エレクトロスプレーイオン化-高分解能質量分析-四重極飛行時間型(Electron Spray Ionization-High Resolution Mass Spectrometry-Quadrupole Time-of-Flight))装置を使用して取得した。Phenomenex Kinetex 5μm C18 100Å(4.6x250mm)カラムまたはAgilent Poroshell 120 EC-C18 2.7μm(3.0x50mm)カラムとフォトダイオードアレイ(PDA)検出器を備えたAgilent 1260 Infinityシステムをルーチンサンプル分析に使用した。サンプルの分画および精製には、Agilent Polaris C18-A 5μm(21.2x250mm)カラムを備えたAgilent Prepstar HPLCシステムを使用した。
F11の高分解能質量分析、NMR、および同時注入分析により、必須アミノ酸であるフェニルアラニン(Phe)がF11の主成分であることが示された(図11Eおよび12B)。最後に、改良Marfey法分析を使用した構造の特性評価により、L-Pheが生物活性リガンドである可能性が高いことが確認された(図12C)(Bhushan and Bruckner, 2011)。
次に、本発明者らは、GPR56-Tangoを使用して、純粋なL-Pheまたは構造的に関連するアミノ酸が、GPR56/AGRG1を活性化できるかどうかを試験した。バクテロイデス・テタイオタオミクロン(B.thetaiotaomicron)株C11を、10mLの腸内微生物叢培地中において37℃で24時間嫌気性条件下において増殖させた。上清を回収し、凍結乾燥し、2mLのメタノールで抽出した。次に、粗抽出物を乾燥し、分取C18 HPLCシステムを使用して分画した。使用したグラジエントは、水中の10~50%アセトニトリル(0.01%トリフルオロ酢酸を含む)で30分間、その後100%で5分間であった。1分ごとに収集された画分を乾燥させ、PBSバッファーに再懸濁し、PRESTO-Tangoを使用して生物活性を試験した。活性画分を、ESI-HRMS-QTOFおよびNMR分析を使用して特徴付けした。立体化学は、改良Marfey法分析によって確認した(図12D)(Bhushan and Bruckner, 2011)。
L-Pheおよび程度は低いがL-TyrはGPR56/AGRG1を立体選択的に活性化したが、L-TrpおよびL-His、D-Phe、D-Trp、D-HisおよびD-Tyrは活性を示さなかった。図11Fおよび12Dを参照されたい。
GPR56/AGRG1は、接着型GPCRファミリー(adhesion GPCR family)のメンバーである。接着型GPCRは、細胞外マトリックスの成分などの様々なタンパク質リガンドとの相互作用を媒介する大きな細胞外ドメインを特徴的に有している(Purcell, 2018)。本発明者らは、GPR56/AGRG1のトランケーション変異体を構築することにより、GPR56/AGRG1の細胞外ドメインが小分子L-Pheによる活性化に必要であるかどうかを評価した。この変異体は正常に発現される(Kishoreetak, 2016)が、L-Pheに応答しなかった。図11Gを参照されたい。データは、GPR56/AGRG1の細胞外ドメインがL-Pheによる活性化に重要であり、B.thetaのユニークな株が高レベルのL-Pheを分泌し、L-Pheが接着型GPCR(GPR56/AGRG1)の新規アゴニストであることを示唆する。
次に、本発明者らは、他のオーファンGPCRもL-Pheに応答し得るどうかを調べた。L-Pheで刺激されたすべての接着型GPCRおよびオーファンGPCRでPRESTO-Tangoスクリーニングを実施した。図13Aに示すように、GPR97/AGRG3もこの化合物によって活性化されることがわかった。さらに分析すると、GPR97/AGRG3は、GPR56/AGRG1-L-PheよりもL-Pheに対して高い選択性を示したが感度はより低く、L-Tyr、L-Trp、またはL-HisはGPR97/AGRG3を活性化しなかった(図13B)。この結果は、B.theta C34の上清によるGPR97/AGRG3の有意な活性化が最初に観察されなかった理由を説明している可能性がある。GPR56/AGRG1と同様に、GPR97/AGRG3の細胞外ドメインは、L-Pheに応答する能力に必要であった(図13C)。特に、GPR56/AGRG1とGPR97/AGRG3は両方とも接着型GPCRのGファミリーに属し、図13Dに示すように、進化的に密接に関連している。これは、必須アミノ酸L-Pheを検出する共通の能力を説明している可能性がある。
実施例8.細菌の代謝交換はフェネチルアミンのin vivo産生に寄与することができる
上記の還元主義的研究は、B.theta C34は大量のL-Pheを産生するが、一方、M.morganiiはL-Pheを微量アミンのフェニルアラニンに加工できることを明らかにした。次に、本発明者らは、これらの2つの細菌がin vivoで活発な代謝交換に参加し得るかどうかを検討するためのアッセイを実施した。この仮説を調査する最初のステップは、B.theta C34がL-Pheを直接合成できるかどうかを決定することであった。L-Pheを欠く定義済み最小培地(SACC)を使用して、本発明者らは、B.theta C34がin vitroでかなりの量のL-Pheを直接合成できることを観察した(図14A、14B)。したがって、本発明者らは、B.theta C34を単独定着させたマウスにL-Phe欠乏食を与え、QQQMSを介してL-Pheのin vivo産生を評価した。L-Phe欠乏食を与えたGFマウスは、通常の食餌を与えたGFマウスと比較して、糞便中のL-Phe濃度の低下を示した(図14C)。対照的に、B.theta C34を定着させ、L-Phe欠乏食を与えたマウスは、L-Phe欠乏食を与えたGFマウスと比較して有意に高められたL-Pheレベルを示した。
次に、本発明者らは、M.morganiiがB.theta C34由来のL-Pheをフェネチルアミンに直接加工するかどうかを調べた。B.theta C34をSACC培地で培養した後、B.thetaの上清をM.morganii培養物に移した。図14Dに示すように、B.theta C34由来のL-Pheは、M.morganiiによって効率的にフェネチルアミンに変換された。C34とM.morganiiとの間の代謝交換がフェネチルアミンのin vivo産生に寄与するかどうかを試験するために、GFマウスに(i)M.morganii単独、または(ii)B.theta C34とM.morganiiの両方を定着させた。そのマウスに、L-Pheを欠く単純化された食餌を与えた。
次に、これらのマウスをフェネルジンで処置して、フェネチルアミンの潜在的産生を明らかにした。M.morganiiのみを定着させ、L-Phe欠乏食を与えたマウスは、MAOI処置にもかかわらず、健康を維持し、最小限のフェネチルアミン(盲腸および結腸抽出物によるDRD2活性化によって測定)を生成した(図14E)。対照的に、C34とM.morganiiを定着させ、L-Phe欠乏食を与え、MAOIで処置したマウスは、4日目までに無気力になり、盲腸および結腸抽出物によるDRD2活性化によって測定した場合に、有意なレベルのフェネチルアミンを生成した(図14E)。これらの結果は、C34およびM.morganiiがin vivoで活発な代謝交換に参加できること、およびこの交換が宿主の生理機能に強力な影響を与える生物活性微量アミンの生成に寄与できることを示す。
実施例9.新規の超ハイスループットコンビナトリアルGPCRスクリーニング技術PRESTO-Salsaにより、96ウェルプレートの単一ウェルで数百のGPCRを同時にスクリーニングできる
100μLのDMEM+10%FBS+1%ペニシリン/ストレプトマイシンを有するポリ-D-リジン前処理96ウェルプレートに、Salsaレポーター細胞(β-アレスチンとTEVプロテアーゼの融合タンパク質を発現する安定細胞株)を播種した。細胞密度が90%に達したときに、各ウェルにおいて、各GPCRをコードする100ngのプラスミドと100ngのユニークなSalsaレポータープラスミドを細胞にトランスフェクトした(GPCRあたり1ウェル、合計314ウェル)。トランスフェクションの6時間後、細胞培地を捨て、続いて50μlのトリプシンを添加し、37℃で10分間インキュベートした。消化後、さらに50μLの細胞培地を加え、細胞を15回ピペッティングして、細胞クラスターを単細胞に分離した。次に、トランスフェクトされた細胞すべてを1本の15mLチューブにプールして混合細胞ライブラリを作製し、3,000rpmで5分間遠心分離した。
上清を捨て、細胞を同量の新鮮な細胞培地に再懸濁した。細胞ペレットを15回ピペッティングして細胞を再懸濁させ、次にポリ-D-リジン前処理96ウェルプレートに100μL/ウェルで細胞を再播種した。再播種の12時間後、細胞培地を捨て、100μLの新鮮なDMEM+1%ペニシリン/ストレプトマイシンと交換し、その後、示されたGPCRリガンドの段階希釈物で刺激した。リガンド刺激の9時間後、mRNAを各ウェルから抽出し、次世代シーケンシング用のアンプリコンDNAライブラリを調製するために使用した。リガンド刺激後のバーコード読み取りをリガンド刺激なしのバーコード読み取りで割った値を計算し、各GPCRおよび各サンプルの活性化倍率を算出した。
データを図16に示す。
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本出願は、本発明のいくつかの例および実施形態を説明する。それでもなお、原則として本発明の範囲および本質から逸脱することなく、記載された実施例および実施形態の様々な修正を開発することができることに留意しなければならない。これを念頭に置いて、他の実施形態が以下に列挙された項目の範囲に含まれる。その際、本明細書に記載のすべての数値範囲は、そこに含まれるすべてのサブ範囲、ならびにこれらの範囲の範囲内の任意の個々の値を含む。本明細書に記載されているすべての刊行物、特許、および特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (104)

  1. 試験化合物がin vivoで第1のタンパク質の活性を調節するかどうかを決定するための方法であって、
    (a)(i)第1のタンパク質と、プロテアーゼの切断部位と、細胞におけるレポーター遺伝子の転写を活性化するタンパク質とを含む第1の融合タンパク質をコードする第1の核酸分子;(ii)前記第1のタンパク質が活性化されると該第1のタンパク質と相互作用する第2のタンパク質と、前記第1の融合タンパク質内のプロテアーゼ切断部位を切断することができるプロテアーゼまたはそのフラグメントとを含む第2の融合タンパク質をコードする第2の核酸分子;および(iii)レポーター遺伝子を含む第3の核酸分子であって、前記レポーター遺伝子は、その転写を活性化するタンパク質に応答するエレメントに作動可能に連結されたバーコード配列である、第3の核酸分子;を含む細胞に、前記化合物を接触させること、および
    (b)前記バーコード配列の転写レベルを決定すること
    を含む、方法。
  2. 前記第1の核酸分子、第2の核酸分子、および第3の核酸分子が、特定の受容体が個々のバーコードに連結することを可能にするようにクローン的に発現される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の核酸分子、第2の核酸分子、および第3の核酸分子が、コトランスフェクションを介してクローン的に発現される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記第1の核酸分子、第2の核酸分子、および第3の核酸分子が、安定発現を介してクローン的に発現される、請求項2に記載の方法。
  5. 前記バーコード配列が4~50塩基を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. (c)試験化合物が存在しない対照と比較して、試験化合物の存在下で前記バーコード配列の転写レベルが上昇した場合に、前記試験化合物が前記第1のタンパク質を活性化すると結論付けることをさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. (c)未処理の細胞と比較して、試験化合物の存在下で前記バーコード配列の転写レベルが上昇した場合に、前記試験化合物が前記第1のタンパク質を活性化すると結論付けることをさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  8. (c)前記第1のタンパク質のアンタゴニストと組み合わせて前記第1のタンパク質のアゴニストの単回投与で処理された細胞と比較して、試験化合物の存在下で前記バーコード配列の転写レベルが上昇した場合に、前記試験化合物が前記第1のタンパク質を活性化すると結論づけることをさらに含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記第1のタンパク質が膜貫通タンパク質である、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記第1のタンパク質がGタンパク質共役型受容体(GPCR)である、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記GPCRが非嗅覚GPCRである、請求項10に記載の方法。
  12. 前記GPCRがオーファンGPCRである、請求項10または11に記載の方法。
  13. GPCRがヒトGPCRである、請求項10~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記細胞におけるレポーター遺伝子の転写を活性化するタンパク質が、tTA、cas9融合タンパク質、gal4/VP16、エストロゲン受容体、アンドロゲン受容体、鉱質コルチコイド受容体、またはグルココルチコイド受容体である、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. cas9融合タンパク質がcas9-vp64である、請求項14に記載の方法。
  16. 前記細胞におけるレポーター遺伝子の転写を活性化するタンパク質がtTAである、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記第1のタンパク質が活性化されると該第1のタンパク質と相互作用する前記第2のタンパク質が、β-アレスチン、Gタンパク質受容体キナーゼ(GRK)、またはG-アルファ(Gα)である、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記第2のタンパク質がβ-アレスチンである、請求項17に記載の方法。
  19. 前記プロテアーゼがタバコエッチウイルス核内封入体Aプロテアーゼ(TEVプロテアーゼ)である、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記細胞が非接着性哺乳動物細胞である、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記細胞が、Expi 293T細胞、Jurkat、Hela T4、raji、ramos、cho-s、またはthp1細胞である、請求項20に記載の方法。
  22. 前記バーコード配列の転写レベルが、cDNAのシーケンシングによって決定される、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
  23. cDNAが、ポリdTプライマーを使用した細胞から単離されたmRNAの逆転写によって生成される、請求項22に記載の方法。
  24. 前記試験化合物が、対象の微生物叢内に含まれる細菌分類群によって産生される代謝産物である、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記試験化合物が、対象の微生物叢内に含まれる細菌株によって産生される代謝産物である、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記微生物叢が消化管内(GI)微生物叢である、請求項24または25に記載の方法。
  27. 細菌株がクローン的に配置され、in vitroで培養される、請求項25または26に記載の方法。
  28. 細菌株を同定することをさらに含む、請求項24~27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 細菌株が、16S rRNA遺伝子シーケンシングまたは全ゲノムシーケンシングを使用して同定される、請求項28に記載の方法。
  30. 前記対象がヒトである、請求項25~29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記方法がハイスループットフォーマットで実施され、
    (i)トランスフェクトまたは形質導入された各細胞が第1のタンパク質とバーコード配列との特定の組み合わせを有するように、マルチウェルプレートの個々のウェルに分けられた複数の細胞に、第1、第2および第3の核酸分子をトランスフェクトまたは形質導入すること;
    (ii)トランスフェクトされた細胞を混合すること;
    (iii)混合された細胞をマルチウェルプレートの個々のウェルに再配置すること;
    (iv)再配置された細胞混合物を1つまたは複数の試験化合物に曝すこと;
    (v)バーコードをシーケンシングすること;および
    (vi)試験化合物が存在しない対照と比較して、試験化合物の存在下でどのバーコード配列が増加するかを決定すること
    を含む、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記方法がハイスループットフォーマットで実施され、
    (i)前記第2の核酸分子(Barr-TEV)を安定発現する複数の細胞に、前記第1および第3の核酸分子(受容体およびバーコード)をトランスフェクトまたは形質導入すること;
    (ii)トランスフェクトされた細胞を混合すること;
    (iii)混合された細胞をマルチウェルプレートの個々のウェルに再配置すること;
    (iv)再配置された細胞混合物を1つまたは複数の試験化合物に曝すこと;
    (v)バーコードをシーケンシングすること;および
    (vi)試験化合物が存在しない対照と比較して、試験化合物の存在下でどのバーコード配列が増加するかを決定すること
    を含む、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記第1の核酸分子がGPCRをコードし、前記第2の核酸分子がBarr-TEVをコードし、前記第3の核酸分子がバーコードを含む、請求項32に記載の方法。
  34. 複数のGタンパク質共役型受容体(GPCR)の活性を調節することができる微生物叢代謝産物のハイスループットスクリーニングのための方法であって、
    a)複数の非接着性哺乳動物細胞を提供することであって、各細胞は、(i)タバコエッチウイルス核内封入体Aプロテアーゼ(TEVプロテアーゼ)の切断部位を介して転写因子tTAに連結されたGPCRを含む第1の融合タンパク質をコードする第1の核酸分子、(ii)β-アレスチンと、前記第1の融合タンパク質のTEVプロテアーゼ部位を切断するように構成されたTEVプロテアーゼとを含む第2の融合タンパク質をコードする第2の核酸分子、および(iii)tTA転写因子によって特異的に活性化されるプロモーターに作動可能に連結されたバーコード配列を含む第3の核酸分子を含み、それによって各バーコード配列が個々のGPCRに特異的に連結される、前記細胞を提供すること、
    b)前記複数の細胞を1つまたは複数の微生物叢代謝産物あるいは1つまたは複数の化合物と接触させること;
    c)バーコードをシーケンシングすること;および
    d)代謝産物が存在しない対照と比較して、代謝産物の存在下でどのバーコード配列の転写レベルが上昇または低下するかを決定すること;
    を含む、方法。
  35. 前記GPCRが非嗅覚GPCRである、請求項34に記載の方法。
  36. 前記GPCRがオーファンGPCRである、請求項34または35に記載の方法。
  37. 前記GPCRがヒトGPCRである、請求項34~36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記細胞がExpi 293T細胞である、請求項34~37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記バーコード配列の転写レベルが、cDNAのシーケンシングによって決定される、請求項34~38のいずれか一項に記載の方法。
  40. cDNAが、細胞から単離されたRNAの逆転写によって生成される、請求項39に記載の方法。
  41. 微生物叢が消化管内(GI)微生物叢である、請求項34~40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 特定のGPCRを活性化する特定の代謝産物を産生する細菌株を同定することをさらに含む、請求項34~41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記細菌株が、16S rRNAシーケンシングを使用して同定される、請求項42に記載の方法。
  44. 対象におけるモノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)誘発毒性を予防または処置する方法であって、フェネチルアミン産生遺伝子をコードする核酸配列を含む細菌株を標的とするのに有効な抗生物質を投与することを含む、方法。
  45. 対象におけるMAOI誘発毒性を予防または処置する方法であって、モルガネラ属菌種を標的とするのに有効な抗生物質を投与することを含む、方法。
  46. 対象におけるMAO活性の低下によって引き起こされる疾患または状態を処置する方法であって、フェネチルアミン産生遺伝子をコードする核酸配列を含む生物を標的とするのに有効な抗生物質を投与することを含む、方法。
  47. 前記生物が細菌株である、請求項46に記載の方法。
  48. 前記細菌株がフェネチルアミンを産生する、請求項44、46または47に記載の方法。
  49. 前記細菌株がフェネチルアミンを分泌する、請求項48に記載の方法。
  50. 前記疾患がブルンナー症候群である、請求項44および46~48のいずれか一項に記載の方法。
  51. 前記状態が自閉症または反社会的行動である、請求項44および46~48のいずれか一項に記載の方法。
  52. 前記対象がMAOA-L変異体を発現する、請求項44~51のいずれか一項に記載の方法。
  53. 前記抗生物質がモルガネラ・モルガニー(M.morganii)を標的とするのに有効である、請求項44~52のいずれか一項に記載の方法。
  54. 前記抗生物質が、セフェピム、ピペラシリン、タゾバクタム、セフタジジム、セフォタキシム、セフチブテン、メロペネム、ドリペネム、エルタペネム、フルオロキノロン、またはアミノグリコシドである、請求項44~53のいずれか一項に記載の方法。
  55. 対象におけるうつ病を処置する方法であって、フェネチルアミン産生遺伝子をコードする核酸配列を含む細菌株を投与することを含む、方法。
  56. 抗うつ剤を前記対象に投与することをさらに含む、請求項55に記載の方法。
  57. 前記抗うつ剤がMAOIである、請求項56に記載の方法。
  58. 前記細菌株がフェネチルアミンを産生する、請求項56または57に記載の方法。
  59. 対象におけるモノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)の潜在的毒性を評価するための方法であって、
    a)対象から消化管内微生物叢サンプルを取得すること、および
    b)フェネチルアミン産生遺伝子を含む細菌分類群または細菌株の存在について前記サンプルをアッセイすること
    を含む、方法。
  60. フェネチルアミン産生酵素の量が、微生物叢によって産生される酵素の量の規定された割合を超える、請求項59に記載の方法。
  61. 前記消化管内微生物叢サンプルが糞便サンプルである、請求項59または60に記載の方法。
  62. 対象におけるMAOIの潜在的有効性を評価するための方法であって、
    a)対象の糞便サンプルまたは胃腸管からのサンプルを採取すること、および
    b)フェネチルアミン産生遺伝子をコードする核酸配列を含む細菌株の存在についてアッセイすること
    を含む、方法。
  63. 胃腸管に存在する細菌株の量についてアッセイすることをさらに含む、請求項59~62のいずれか一項に記載の方法。
  64. 前記対象をMAOIで処置することをさらに含む、請求項59~63のいずれか一項に記載の方法。
  65. 細菌株の存在および/または存在する細菌株の量に基づいてMAOIの投与量を調整または決定することをさらに含む、請求項59~64のいずれか一項に記載の方法。
  66. 前記細菌株がモルガネラ属菌種の細菌である、請求項59~65のいずれか一項に記載の方法。
  67. 前記細菌株がモルガネラ・モルガニー(M.morganii)である、請求項59~65のいずれか一項に記載の方法。
  68. 対象におけるヒスタミン誘発性胃腸疾患を予防または処置する方法であって、ヒスタミン産生遺伝子をコードする核酸配列を含む細菌株を標的とするのに有効な1つまたは複数の抗生物質を投与することを含む、方法。
  69. 前記ヒスタミン産生遺伝子がヒスチジンデカルボキシラーゼである、請求項68に記載の方法。
  70. ヒスチジンデカルボキシラーゼの存在量が、炎症性腸疾患のない対象と比較して、クローン病の患者において多い、請求項69に記載の方法。
  71. ヒスチジンデカルボキシラーゼの存在量が、炎症性腸疾患のない対象と比較して、潰瘍性大腸炎の患者において多い、請求項69に記載の方法。
  72. 前記細菌株がラクトバチルス・ロイテリ(L.reuteri)、またはモルガネラ属菌種の細菌である、請求項68に記載の方法。
  73. 前記胃腸疾患が下痢である、請求項68~72のいずれか一項に記載の方法。
  74. 対象におけるアレルギーを予防または処置する方法であって、ヒスタミン産生遺伝子をコードする核酸配列を含む細菌株を標的とするのに有効な1つまたは複数の抗生物質を投与することを含む、方法。
  75. 前記細菌株が、ラクトバチルス・ロイテリ(L.reuteri)、またはモルガネラ属菌種の細菌である、請求項74に記載の方法。
  76. 対象における喘息を予防または処置する方法であって、ヒスタミン産生遺伝子をコードする核酸配列を含む細菌株を標的とするのに有効な1つまたは複数の抗生物質を投与することを含む、方法。
  77. 前記細菌株が、ラクトバチルス・ロイテリ(L.reuteri)、またはモルガネラ属菌種の細菌である、請求項76に記載の方法。
  78. 前記抗生物質が、セフェピム、ピペラシリン、タゾバクタム、セフタジジム、セフォタキシム、セフチブテン、メロペネム、ドリペネム、エルタペネム、フルオロキノロン、またはアミノグリコシドである、請求項68~77のいずれか一項に記載の方法。
  79. ヒスチジンデカルボキシラーゼ阻害剤を投与することをさらに含む、請求項68~78のいずれか一項に記載の方法。
  80. 前記ヒスチジンデカルボキシラーゼ阻害剤が、ルゴシンD、ルゴシンAメチルエステル、テリマグランジンII、ルゴシンA、ピノセンブリン、α-フルオロメチルヒスチジン、ブロクレシン、レカノール酸、2-ヒドロキシ-5-カルボメトキシベンジルオキシアミン、またはヒスタミンのアミノオキシ類似体である、請求項79に記載の方法。
  81. 対象における胃腸の状態もしくは疾患、アレルギーまたは喘息を処置するための抗生物質の潜在的有効性を評価するための方法であって、
    a)対象の糞便サンプルまたは胃腸管からのサンプルを採取すること、および
    b)ヒスタミン産生遺伝子をコードする核酸配列を含む細菌株の存在についてアッセイすること
    を含む、方法。
  82. 胃腸管に存在する細菌株の量についてアッセイすることをさらに含む、請求項81に記載の方法。
  83. 前記対象を1つまたは複数の抗生物質で処置することをさらに含む、請求項81または請求項82に記載の方法。
  84. 前記抗生物質が、セフェピム、ピペラシリン、タゾバクタム、セフタジジム、セフォタキシム、セフチブテン、メロペネム、ドリペネム、エルタペネム、フルオロキノロン、またはアミノグリコシドである、請求項83に記載の方法。
  85. 細菌株の存在および/または存在する細菌株の量に基づいて抗生物質の投与量を調整または決定することをさらに含む、請求項81~84のいずれか一項に記載の方法。
  86. 前記細菌株がモルガネラ属菌種の細菌である、請求項81~85のいずれか一項に記載の方法。
  87. 前記細菌株がモルガネラ・モルガニー(M.morganii)である、請求項81~86のいずれか一項に記載の方法。
  88. フェネチルアミンの産生に起因する疾患または状態を予防または処置する方法であって、L-フェニルアラニンを産生する細菌株を標的とするのに有効な1つまたは複数の抗生物質を投与することを含む、方法。
  89. 対象におけるフェニルケトン尿症(PKU)を予防または処置する方法であって、L-フェニルアラニンを産生する細菌株を標的とするのに有効な1つまたは複数の抗生物質を投与することを含む、方法。
  90. フェネチルアミンの産生に起因する疾患または状態を予防または処置する方法であって、シキミ酸経路阻害剤、または芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼのアンタゴニストを投与することを含む、方法。
  91. 対象におけるフェニルケトン尿症(PKU)を予防または処置する方法であって、シキミ酸経路阻害剤、または芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼのアンタゴニストを投与することを含む、方法。
  92. 前記アンタゴニストが、カルビドパ、ベンセラジド、メチルドパ、3’,4’,5,7-テトラヒドロキシ-8-メトキシイソフラボン(DFMD)、3-ヒドロキシベンジルヒドラジン、3-アミノ-1-メチル-5H-ピリド[4,3-b]インドール(Trp-P-2)、またはα-ジフルオロメチルDOPAである、請求項90または91に記載の方法。
  93. 前記細菌株がバクテロイデス・テタイオタオミクロン(B.thetaiotaomicron)である、請求項88~92のいずれか一項に記載の方法。
  94. 前記細菌株がバクテロイデス・テタイオタオミクロン(B.thetaiotaomicron)のC34株である、請求項93に記載の方法。
  95. 抗生物質が、アンピシリン、クラブラン酸塩、タゾバクタム、セファマイシン、チカルシリン、ピペラシリン、セファロスポリン、カルバペネム、クリンダマイシン、リンコマイシン、クロラムフェニコール、ニトロイミダゾール、フルオロキノロンである、請求項88~94のいずれか一項に記載の方法。
  96. 前記抗生物質が、(a)アンピシリンとスルバクタムの組み合わせ、(b)チカルシリンとクラブラン酸塩の組み合わせ、または(c)ピペラシリンとタゾバクタムの組み合わせを含む、請求項88~94のいずれか一項に記載の方法。
  97. プロバイオティクス組成物を投与することをさらに含む、請求項44~54および請求項68~96のいずれか一項に記載の方法。
  98. 前記プロバイオティクス組成物が抗生物質の投与後に投与される、請求項97に記載の方法。
  99. 抗生物質の投与およびプロバイオティクス組成物の投与が周期的に繰り返される、請求項97または98に記載の方法。
  100. 対象におけるMAOIの潜在的毒性を評価するためのキットであって、細菌株によって発現されるヌクレオチドまたはタンパク質に特異的に結合することができる核酸、抗体、または他の試薬を含み、前記細菌株はフェネチルアミン産生遺伝子をコードする核酸配列を含む、キット。
  101. 前記細菌株がモルガネラ属菌種の細菌である、請求項100に記載のキット。
  102. 前記細菌株がモルガネラ・モルガニー(M.morganii)である、請求項100に記載のキット。
  103. 対象における胃腸の状態もしくは疾患、アレルギーまたは喘息を処置するための抗生物質の潜在的有効性を評価するためのキットであって、細菌株によって発現されるヌクレオチドまたはタンパク質に特異的に結合することができる核酸、抗体、または他の試薬を含み、前記細菌株はヒスタミン産生遺伝子をコードする核酸配列を含む、キット。
  104. 前記細菌株が、ラクトバチルス・ロイテリ(L.reuteri)、またはモルガネラ属菌種の細菌である、請求項103に記載のキット。
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