JP2022512126A - ニコチノイルリボシド及びその誘導体の結晶形態、並びにその調製方法 - Google Patents

ニコチノイルリボシド及びその誘導体の結晶形態、並びにその調製方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、ニコチン酸リボシドの結晶形態II、ニコチン酸リボシドトリアセテートの結晶形態II、及びその調製方法を提供する。一実施形態では、本開示は、ニコチノイルリボシド、その誘導体、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグの結晶形態に関する。別の実施形態では、本開示は、ニコチノイルリボシド、その誘導体、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグの結晶形態の効率的な生成を可能とする合成配列又はプロセスに関する。【選択図】図1

Description

本開示は、ニコチノイルリボシド及び還元型ニコチノイルリボシド、その修飾された誘導体、そのリン酸化類似体、そのアデニリルジヌクレオチドコンジュゲート、その結晶形態、並びにその調製のための合成プロセスに関し、合成プロセスは、溶媒をベースとするプロセス、液体支援混合、粉砕、細砕、溶媒支援細砕、押出、及び/又は再結晶化による試薬の加工を含む。
ビタミンB3、並びに他のB-ビタミン、例えば、チアミン(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、及びピリドキシン(ビタミンB6)は、食料品からそれらのコエンザイム形態で抽出される。消化の間に、コエンザイムは、遊離循環ビタミンへと異化し、これは次いで、膜を横切って受動的又は能動的に輸送され、細胞内でそれらのそれぞれの補因子へとサルベージされる。哺乳動物は、ビタミンB1の食事由来源に完全に依存しており、ビタミンB2、B3、及びB6の食事由来の供給に重く依存している。注目すべきは、ビタミンB1及びビタミンB3における急性の欠乏は、処置しないまま放置すると、同一の結果を伴って同一の器官に影響を与える:認知症及び死亡。糖尿病及び肥満、アルコール依存、高脂肪食などの状態、及び治療が栄養に影響を及ぼす状態は、これらのビタミンの適切な吸収を損ない得る。
ニコチンアミド(「Nam」又は「NM」)、ニコチン酸(「NA」)、及びニコチンアミドリボシド(「NR」)を包含する食事由来のビタミンB3は、コエンザイムであるニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(「NAD」)、そのリン酸化親(「NADP」又はNAD(P)」)、並びにそれらのそれぞれの還元形態(それぞれ、「NADH」及び「NADPH」)の前駆体である。
真核生物は、トリプトファンからのキヌレニン経路を介してNADをde novoで合成することができる。それぞれが参照により本明細書中にその全体が組み込まれている、W.A.Krehl et al.,Growth-retarding Effect of Corn in Nicotinic Acid-Low Rations and its Counteraction by Tryptophane,101 Science 489(1945);Gunther Schutz & Philip Feigelson,Purification and Properties of Rat Liver Tryptophan Oxygenase,247 J.Biol.Chem.5327(1972)を参照されたい。キヌレニン経路は、トリプトファンに由来するde novo経路である。トリプトファン2,3-ジオキシゲナーゼ(「TDO」)、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(「IDO」)、キヌレニンホルムアミダーゼ(「KFase」)、キヌレニン3-ヒドロキシラーゼ(「K3H」)、キヌレニナーゼ、及び3-ヒドロキシアントラニル酸3,4-ジオキシゲナーゼ(「3HAO」)の連続的な酵素作用によって、トリプトファン(「Trp」)は、キノリン酸(「QA」)に変換される。参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、Javed A.Khan et al.,Nicotinamide adenine dinucleotide metabolism as an attractive target for drug discovery,11 Expert Opin.Ther.Targets 695(2007)を参照されたい。キノリン酸(QA)は、キノリン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ(「QAPRTase」)の作用によってニコチン酸モノヌクレオチド(「NaMN」)へと変換される。Khan et al.,2007を参照されたい。
キノリン酸(QA)からニコチン酸モノヌクレオチド(NaMN)を生成するde novoキヌレニナーゼ経路は、確立したPreiss-Handler経路へと流れ、ここでは、ニコチン酸モノヌクレオチド(NaMN)は中間体である。Preiss-Handler経路は、酵素ニコチン酸ホスホリボシルトランスフェラーゼ(「NAPRT」又は「NAPRTase」)によって触媒された、ニコチン酸モノヌクレオチド(NaMN)へのニコチン酸(NA)の変換から始まるサルベージ経路である。ニコチン酸モノヌクレオチド(NaMN)は次いでアデニリル化され、酵素ニコチン酸/ニコチンアミドモノヌクレオチドアデニリルトランスフェラーゼ(「NMNAT」)によって触媒されて、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(「NaAD」)が形成される。ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)は、酵素ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドシンテターゼ(「NADS」)によって触媒されて、アミド化され、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)を形成する。NADの分解産物であるニコチンアミド(Nam若しくはNM)は、酵素ニコチンアミドデアミダーゼ(「NMデアミダーゼ」)によって触媒されて、ニコチン酸(NA)へと変換されることができる。参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、Jack Preiss & Philip Handler,Biosynthesis of Diphosphopyridine Nucleotide,233 J.Biol.Chem.493(1958)を参照されたい。また、Khan et al.,2007を参照されたい。
別のサルベージ経路は、酵素ニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(「NMPRT」又は「NMPRTase」)の作用によって、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)の分解産物であるニコチンアミド(Nam若しくはNM)をニコチンアミドモノヌクレオチド(「NMN」)へと変換することができる。ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)は次いで、ニコチン酸/ニコチンアミドモノヌクレオチドアデニリルトランスフェラーゼ(NMNAT)によって、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)へと直接変換することができる。代わりに、ニコチンアミド(Nam若しくはNM)は、脱アミド化されて、ニコチン酸(NA)を形成することができ、これは次いで、Preiss-Handler経路に入ることができる。ゲノム配列の分析は、上記の2つのサルベージ経路が相互排他的であることが多いことを示唆する。多くの生物は、NMデアミダーゼ又はNMPRTaseを含有する。Khan et al.,2007を参照されたい。
ニコチンアミドリボシド(NR)はまた、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)生合成のための前駆体として使用することができ、ニコチンアミドリボシドキナーゼ(「NRK」)は、ニコチンアミドリボシド(NR)のリン酸化を触媒し、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)を生成する。Khan et al.,2007を参照されたい。
特に、ニコチンアミドリボシド(NR)は、Preiss-Handlerサルベージ経路を介した、又は中間体としてニコチン酸モノヌクレオチド(NaMN)若しくはニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)への変換を介した、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)の前駆体と考えてこられなかった。代わりに、ニコチン酸リボシド(NAR)についての生合成経路は、ニコチン酸モノヌクレオチド(NaMN)、次いで、ニコチン酸アデニンジヌクレオチド(NaAD)へと直接進行し、最終的に、NADが形成されることが公知である。
ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)は、酵素補因子、並びに還元-酸化反応及び細胞のエネルギー代謝に関連するいくつかの酵素の機能のために不可欠である中心的な還元-酸化コエンザイムである。それぞれが参照により本明細書中にその全体が組み込まれている、Peter Belenky et al.,NAD metabolism in health and disease,32 Trends in Biochemical Scis.12(2007);Katrina L.Bogan & Charles Brenner,Nicotinic Acid,Nicotinamide,and Nicotinamide Riboside: A Molecular Evaluation of NAD Precursor Vitamins in Human Nutrition,28 Annual Rev.of Nutrition 115(2008)を参照されたい。ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)は、細胞代謝において電子担体又は水素化物基アクセプターとして機能し、炭水化物、アミノ酸、及び脂肪に由来する代謝物の同時に起こる酸化と共に、還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)が形成される。Bogan & Brenner,2008を参照されたい。NAD/NADH比は、このような反応が還元的方向に対して酸化的方向に進む程度を制御する。一方、燃料酸化反応は、水素化物アクセプターとしてNADを必要とし、糖新生、酸化的リン酸化、ケトン体生成、活性酸素種の解毒、及び脂肪生成のプロセスは、水素化物ドナーとしての役割を果たす還元型補因子、NADH及びNADPHを必要とする。
コエンザイムとしてのその役割に加えて、NADは、酵素、例えば、ポリ-ADP-リボースポリメラーゼ(「PARP」);下等動物における代謝機能及び寿命の延長において関係付けられてきたタンパク質デアセチラーゼのファミリーであるサーチュイン;及び環状ADP-リボースシンテターゼの消費される基質、したがって、活性化剤である。参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、Laurent Mouchiroud et al.,The NAD/Sirtuin Pathway Modulates Longevity through Activation of Mitochondrial UPR and FOXO Signaling,154 Cell 430(2013)を参照されたい。また、Belenky et al.,2006を参照されたい。その生合成及びバイオアベイラビリティーの厳しいレギュレーションと一緒に、NADのコエンザイム活性は、老化過程に明らかに関与する重要な代謝モニタリングシステムとなっている。
細胞内でNAD(P)及びNAD(P)Hに変換されると、ビタミンB3代謝物は、多数の必要不可欠なシグナル伝達事象(例えば、アデノシン二リン酸のリボシル化及び脱アセチル化)を制御する複数の細胞内タンパク質修飾プロセスにおける補助基質として、及び400超の酸化還元酵素反応における補因子として使用され、このように代謝を制御する。これは、一連の代謝のエンドポイントによって示され、これは、ミトコンドリアの活性及び酸素消費の回復をもたらす重要な調節代謝酵素の脱アシル化を含む。決定的に、ミトコンドリア機能障害及び細胞の機能低下は、NAD(P)(H)-補因子のプールが最適未満の細胞内濃度で存在するとき、NAD(P)(H)-補因子のプールの枯渇と相互的に関連付けされてきた。ビタミンB3欠乏は、NAD(P)枯渇による証明されている損なわれた細胞活性に屈し、NA、Nam、NR、及びニコチンアミドモノヌクレオチド(「NMN」)補給によるさらなるNAD(P)のバイオアベイラビリティーの有益な効果は、代謝及びミトコンドリア機能が損なわれてきた細胞及び組織において主に観察されている。
還元-酸化反応において、NAD、NADH、NADP、及びNADPHのヌクレオチド構造は保存される。対照的に、PARP、サーチュイン、及び環状ADP-リボースシンテターゼ活性は、ニコチンアミド(Nam若しくはNM)及びNADのADP-リボシル部分の間のグリコシド連結を加水分解して、DNA損傷をシグナル伝達し、遺伝子発現を変化させ、翻訳後修飾を制御し、カルシウムシグナル伝達をレギュレートする。
動物において、NAD消費活性及び細胞分裂は、トリプトファンを端緒とするde novo経路を介して、又はNAD-前駆体ビタミンであるニコチンアミド(Nam若しくはNM)、ニコチン酸(NA)、及びニコチンアミドリボシド(NR)からのサルベージ経路を介して、進行中のNAD合成を必要とする。Bogan & Brenner,2008を参照されたい。トリプトファン及び3つのNAD-前駆体ビタミンを含む食事由来のNAD前駆体は、皮膚炎、下痢、及び認知症によって特徴付けられる疾患であるペラグラを予防する。ニコチンアミド(Nam若しくはNM)、ニコチン酸(NA)、及びニコチンアミドリボシド(NR)補給によるさらなるNADのバイオアベイラビリティーの有益な効果は、代謝及びミトコンドリア機能が損なわれている細胞及び組織において主に観察されている。
興味深いことに、ニコチン酸(NA)及びニコチンアミド(Nam若しくはNM)の補給は、急性のビタミンB3欠乏において重大である一方、細胞のレベルで、3つの代謝物全てはNAD生合成に関与しているにも関わらず、ニコチンアミドリボシド(NR)補給のそれと比較して同じ生理学的結果を示さない。これは、B3-ビタミン構成要素の薬物動態及び体内分布の複雑さを強調する。細胞内の大量のNADは、ニコチンアミド(Nam若しくはNM)の効率的なサルベージを介して再生されると考えられており、一方、de novo NADは、トリプトファンから得られる。参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、Anthony Rongvaux et al.,Reconstructing eukaryotic NAD metabolism,25 BioEssays 683(2003)を参照されたい。決定的に、これらのサルベージ及びde novo経路は、ホスホリボシドピロリン酸中間体を介してNADを生じさせるビタミンB1、B2、及びB6の機能的形態によって決まる。ニコチンアミドリボシド(NR)は、ビタミンB1、B2、及びB6と無関係である様式でそこからNADが生じることができるビタミンB3の唯一の形態であり、NADの生成のためのNRを使用したサルベージ経路は、大部分の真核生物において発現している。
チアミン(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ナイアシン(ビタミンB3)、及びピリドキシン(ビタミンB6)は食物からサルベージされ、細胞内でそれらのそれぞれの生理活性形態であるチアミン二リン酸(「ThDP」);フラビンアデニンジヌクレオチド(「FAD」);ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD);及びピリドキサールリン酸(「PLP」)へと再度変換される。それぞれ、ThDP、FAD、及びPLPへのビタミンB1、B2、及びB6の変換は、ATP依存性である。ビタミンB3をNADに変換する3つのサルベージ経路の2つは、ThDP(B1)に依存しており、トリプトファンからのNADのde novo産生は、ビタミンB1、B2、及びB6の生理活性形態に依存している。ビタミンB1依存性は、ThDP(B1)が、これらの上記のNADサルベージ及びde novo経路における必要不可欠な基質であるホスホリボシドピロリン酸の生合成に関与しているトランスケトラーゼについての補因子であるという事実から生まれる。ごく最近同定されたが、これまでは冗長であると考えられている第3のNADサルベージ経路であるニコチンアミドリボシド(NR)依存性NAD生合成経路は、ホスホリボシドピロリン酸を必要とせず、ビタミンB1、B2、及びB6には依存しない。
ニコチンアミドリボシド(NR)は、乳中に存在するが、NAD、NADH、NADP、及びNADPHの細胞内濃度は、任意の他のNAD代謝物の細胞内濃度より非常に高く、食事由来のNAD前駆体ビタミンは、NADの酵素による分解に大部分は由来する。それぞれが参照により本明細書中にその全体が組み込まれている、Pawel Bieganowski & Charles Brenner,Discoveries of Nicotinamide Riboside as a Nutrient and Conserved NRK Genes Establish a Preiss-Handler Independent Route to NAD in Fungi and Humans,117 Cell 495(2002);Charles Evans et al.,NAD metabolite levels as a function of vitamins and calorie restriction:evidence for different mechanisms of longevity,10 BMC Chem.Biol.2(2010);Samuel A.J.Trammell & Charles Brenner,Targeted,LCMS-Based Metabolomics for Quantitative Measurement of NAD Metabolites,4 Computational & Structural Biotech.J.1(2013)を参照されたい。言い換えれば、乳はニコチンアミドリボシド(NR)の源であるが、ニコチンアミドリボシド(NR)、ニコチンアミド(Nam若しくはNM)、及びニコチン酸(NA)のより豊富な源は、細胞のNADがこれらの化合物に分解される任意の全体食品である。ヒトの消化及びミクロビオームは、完全に特性決定されない方法で、これらのビタミンの供給において役割を果たしている。
異なる組織は、異なる生合成経路の依存を介してNADレベルを維持する。それぞれが参照により本明細書中にその全体が組み込まれている、Federica Zamporlini et al.,Novel assay for simultaneous measurement of pyridine mononucleotides synthesizing activities allows dissection of the NAD biosynthetic machinery in mammalian cells,281 FEBS J.5104(2014);Valerio Mori et al.,Metabolic Profiling of Alternative NAD Biosynthetic Routes in Mouse Tissues,9 PLoS One e113939(2014)を参照されたい。NAD消費活性は細胞のストレスに応じて頻繁に起こり、ニコチンアミド(Nam若しくはNM)を生成するため、N-メチルニコチンアミド(「MeNam」)へのニコチンアミド(Nam若しくはNM)のメチル化に対して、ニコチンアミドホスホリボシルトランスフェラーゼ(「NAMPT」)活性を通してニコチンアミド(Nam若しくはNM)を生産的なNAD合成へとサルベージする細胞の能力は、NAD依存性プロセスの効率をレギュレートする。それぞれが参照により本明細書中にその全体が組み込まれている、Charles Brenner,Metabolism:Targeting a fat-accumulation gene,508 Nature 194(2014);Veronique J.Bouchard et al.,PARP-1,a determinant of cell survival in response to DNA damage,31 Experimental Hematology 446(2003)を参照されたい。NAD生合成遺伝子はまた、概日性制御下であり、NAMPT発現及びNADレベルの両方は、老化及び栄養過剰に応じていくつかの組織において低下することが報告されている。それぞれが参照により本明細書中にその全体が組み込まれている、Kathryn Moynihan Ramsey et al.,Circadian Clock Feedback Cycle Through NAMPT-Mediated NAD Biosynthesis,324 Science 651(2009);Yasukazu Nakahata et al.,Circadian Control of the NAD Salvage Pathway by CLOCK-SIRT1,324 Science 654(2009);Jun Yoshino et al.,Nicotinamide Mononucleotide,a Key NAD Intermediate Treats the Pathophysiology of Diet- and Age-Induced Diabetes in Mice,14 Cell Metabolism 528 (2011);Ana P.Gomes et al.,Declining NAD Induces a Pseudohypoxic State Disrupting Nuclear-Mitochondrial Communication during Aging,155 Cell 1624(2013);Nady Braidy et al.,Mapping NAD metabolism in the brain of ageing Wistar rats:potential targets for influencing brain senescence,15 Biogerontology 177(2014);Eric Verdin,NAD in aging,metabolism,and neurodegeneration,350 Science 1208(2015)を参照されたい。
高用量のニコチンアミド(Nam若しくはNM)ではなく高用量のニコチン酸(NA)は、異脂肪血症を処置及び予防するために人々によって数十年間使用されてきているが、その使用は、有痛性の潮紅によって制限されている。それぞれが参照により本明細書中にその全体が組み込まれている、Joseph R.DiPalma & William S.Thayer,Use of Niacin as a Drug,11 Annual Rev.of Nutrition 169(1991);Jeffrey T.Kuvin et al.,Effects of Extended-Release Niacin on Lipoprotein Particle Size,Distribution,and Inflammatory Markers in Patients With Coronary Artery Disease,98 Am.J.of Cardiology 743(2006)を参照されたい。1日当たり概ね15ミリグラムのみのニコチン酸(NA)又はニコチンアミド(Nam若しくはNM)がペラグラを予防するために必要とされるが、ニコチン酸(NA)の治療的用量は、2~4グラムでよい。ペラグラ予防及び異脂肪血症の処置の間の有効用量の100倍超の差異にも関わらず、血漿脂質に対するニコチン酸(NA)の有益な効果は、NAD-ブースティング化合物としてのニコチン酸(NA)の機能に依存している。Belenky et al.,2007を参照されたい。この見解によると、ニコチンアミド(Nam若しくはNM)は、大部分の細胞においてNAD前駆体であるが、高用量ではサーチュイン阻害剤であるため、サーチュイン活性化は、この機序の部分であると思われる。参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、Kevin J.Bitterman et al.,Inhibition of Silencing and Accelerated Aging by Nicotinamide,a Putative Negative Regulator of Yeast Sir2 and Human SIRT1,277 J.Biol.Chem.45099(2002)を参照されたい。また、Zamporlini et al.,2014;Mori et al.,2014を参照されたい。
NADは、オキシドレダクターゼのためのコエンザイムとして最初に特性決定された。NAD、NADH、NADP、及びNADPHの間の変換は、全コエンザイムの喪失に付随して起こらないが、NADはまた、未知の目的のために細胞において代謝回転することが発見された。参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、Morelly L.Maayan,NAD-Glycohydrolase of Thyroid Homogenates,2014 Nature 1169(1964)を参照されたい。サーチュイン酵素、例えば、出芽酵母(S.cerevisiae)のSir2及びその相同体は、当量のNADの消費を伴ってリシン残基を脱アセチル化し、この活性は、転写サイレンサーとしてSir2機能のために必要とされる。参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、S.Imai et al.,Sir2:An NAD-dependent Histone Deacetylase That Connects Chromatin Silencing,Metabolism,and Aging,65 Cold Spring Harbor Symposia on Quantitative Biology 297(2000)を参照されたい。遺伝子発現における改変のためだけでなく、リボソームDNA組換えの抑制及びカロリー制限に応答した寿命の延長のためにも、NAD依存性脱アセチル化反応が必要とされる。それぞれが参照により本明細書中にその全体が組み込まれている、Lin et al.,Requirement of NAD and SIR2 for Life-Span Extension by Calorie Restriction in Saccharomyces cerevisiae,289 Science 2126(2000);Lin et al.,Calorie restriction extends Saccharomyces cerevisiae lifespan by increasing respiration,418 Nature 344(2002)を参照されたい。NADは、Sir2によって消費され、2’-及び3’-O-アセチル化ADP-リボースの混合物に加えてニコチンアミド(Nam若しくはNM)及び脱アセチル化ポリペプチドを生成する。参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、Anthony A.Sauve et al.,Chemistry of Gene Silencing:the Mechanism of NAD-Dependent Deacetylation Reactions,40 Biochemistry 15456(2001)を参照されたい。ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(「PARP」)及びcADP-リボースシンターゼを含めたさらなる酵素はまたNAD依存性であり、ニコチンアミド(Nam若しくはNM)及びADP-リボシル生成物を生成する。それぞれが参照により本明細書中にその全体が組み込まれている、Mathias Ziegler,New functions of a long-known molecule,267 FEBS J.1550(2000);Alexander Burkle,Physiology and pathophysiology of poly(ADP-ribosyl)ation,23 BioEssays 795(2001)を参照されたい。
NADの非コエンザイム特性は、NAD生合成における関心を再生させてきた。ニコチンアミドリボシド(NR)がNAD合成を高め、サーチュイン活性を増加させ、酵母における寿命を延長させる能力に基づいて、ニコチンアミドリボシド(NR)は、マウスにおいて用いられて、NAD代謝を高め、且つ代謝ストレスのモデルにおいて健康が改善されてきた。参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、Peter Belenky et al.,Nicotinamide Riboside Promotes Sir2 Silencing and Extends Lifespan via Nrk and Urh1/Pnp1/Meu1 Pathways to NAD,129 Cell 473(2007)を参照されたい。また、Bieganowski & Brenner,2004を参照されたい。特に、ニコチンアミドリボシド(NR)は、マウスが高脂肪食での重量増加に抵抗し、騒音性聴力損失を防止することを可能とする。それぞれが参照により本明細書中にその全体が組み込まれている、Carles Canto et al.,The NAD Precursor Nicotinamide Riboside Enhances Oxidative Metabolism and Protects against High-Fat Diet-Induced Obesity,15 Cell Metabolism 838(2012);Kevin D.Brown et al.,Activation of SIRT3 by the NAD Precursor Nicotinamide Riboside Protects from Noise-Induced Hearing Loss,20 Cell Metabolism 1059(2014)を参照されたい。データは、ニコチンアミドリボシド(NR)が、ミトコンドリアにおいて好まれるNAD前駆体であることを示しており、実際に、ニコチンアミドリボシド(NR)のin vivoでの活性は、ミトコンドリアのサーチュイン活性によって決まると解釈されてきたが、ヌクレオサイトゾル標的を除外しない。それぞれが参照により本明細書中にその全体が組み込まれている、Andrey Nikiforov et al.,Pathways and Subcellular Compartmentation of NAD Biosynthesis in Human Cells,286 J.Biological Chem.21767(2011);Charles Brenner,Boosting NAD to Spare Hearing,20 Cell Metabolism 926(2014);Carles Canto et al.,NAD Metabolism and the Control of Energy Homeostasis:A Balancing Act between Mitochondria and the Nucleus,22 Cell Metabolism 31(2015)。同様に、ニコチンアミドリボシド(NR)のリン酸化形態であるニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)は、栄養過剰及び老化のマウスモデルにおける低下するNADを処置するために使用されてきた。J.Yoshino et al.,2011;A.P.Gomes et al.,2013を参照されたい。NAD依存性プロセスの豊富さのために、どの程度までNAD-ブースティング戦略が特定の分子、例えば、SIRT1又はSIRT3に機構的に依存しているかについては公知ではない。さらに、NADメタボロームに対するニコチンアミドリボシド(NR)の定量的効果は、いかなる系において報告されてきていない。
要するに、ビタミンB1、B2、B3、及びB6は、それらの生合成経路において密接に絡み合っており、NADPH細胞内プールの維持及び再生は、ATPの利用可能性と共に、ThDP(ビタミンB1)、FAD(ビタミンB2)、及びPLP(ビタミンB6)の利用可能性によって決まる。決定的に、後者は、NAD依存性OXPHOS及び解糖を通して生成され、それぞれ、ThDP、FAD、及びPLPへのビタミンB1、B2、及びB6の機能付与のために必要である。これらのビタミンのいずれかの不足は、他の生物学に対してネガティブに影響を与える。これらのビタミンのバイオアベイラビリティーを最大化することは、NR、NAR、NRH、若しくはNARH、又はそれらの関連する誘導体へとこれらのビタミンをコンジュゲートすることによって、及び改善されたビタミンのバイオアベイラビリティーを達成するためのNR/NAR取込みを使用することによって達成される。
参照によりその全体が本明細書に組み込まれている国際公開第2016/014927A2号パンフレットは、ニコチンアミドリボシドクロリドの形態Iを含めたニコチンアミドリボシドの結晶形態について記載している。また開示されているのは、ニコチンアミドリボシドクロリドの結晶形態Iを含む医薬組成物、及びこのような医薬組成物を生成する方法である。
参照によりその全体が本明細書に組み込まれている国際公開第2016/144660A1号パンフレットは、ニコチンアミドリボシドクロリドの形態IIを含めたニコチンアミドリボシドの結晶形態について記載している。また開示されているのは、ニコチンアミドリボシドクロリドの結晶形態IIを含む医薬組成物、及びこのような医薬組成物を生成する方法である。
参照によりその全体が本明細書に組み込まれている米国特許第9,975,915号明細書は、ニコチンアミドリボシドクロリドのNRメタノレート形態IIを含めたニコチンアミドリボシドの結晶形態について記載している。また開示されているのは、ニコチンアミドリボシドクロリドのNRメタノレート形態IIを含む組成物、及びニコチンアミドリボシドクロリドのNRメタノレート形態IIの調製方法である。また開示されているのは、ニコチン酸リボシド(NAR)の形態Iを含めたニコチン酸リボシド(NAR)の結晶形態である。また開示されているのは、ニコチン酸リボシド(NAR)の形態Iを含む組成物、及びニコチン酸リボシド(NAR)の形態Iの調製方法である。また開示されているのは、ニコチンアミドリボシドトリアセテート(NRTA)の形態Iを含めたニコチンアミドリボシドトリアセテート(1-(2’,3’,5’-トリアセチル-ベータ-D-リボフラノシル)-ニコチンアミド、「NRトリアセテート」又は「NRTA」)の結晶形態である。また開示されているのは、ニコチンアミドリボシドトリアセテート(NRTA)の形態Iを含む組成物、及びニコチンアミドリボシドトリアセテート(NRTA)の形態Iの調製方法である。また開示されているのは、ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)の形態Iを含めた、ニコチン酸リボシドトリアセテート(1-(2’,3’,5’-トリアセチル-ベータ-D-リボフラノシル)-ニコチン酸、「NARトリアセテート」又は「NARTA」)の結晶形態である。また開示されているのは、ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)の形態Iを含む組成物、及びニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)の形態Iの調製方法である。また開示されているのは、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)の形態III、及びニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)の形態IVを含めた、ニコチンアミドモノヌクレオチド(「NMN」)の結晶形態である。また開示されているのは、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)の形態IIIを含む組成物、及びニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)の形態IVを含む組成物、並びにニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)の形態IIIの調製方法、及びニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)の形態IVの調製方法である。
上記を考慮して、ニコチノイルリボシドコンジュゲート、又はその誘導体、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグ、又はその結晶形を含む、新規な化合物及び誘導体を見出すことができる場合、これは、当技術分野への有用な貢献を意味する。さらに、ニコチノイルリボシドコンジュゲート、又はその誘導体、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグ、又はその結晶形を含む、化合物及び誘導体を調製する新規な方法が見出すことができる場合、これはまた、当技術分野への有用な貢献を意味する。
上記を考慮して、試薬及び溶媒当量に関して原子効率的であり、極性のGRAS(「一般に安全と認められる」)ではない溶媒の必要性を迂回し、溶解度及び試薬混合と関連する制限に関して融通が利き、時間及びエネルギー効率的であり、且つニコチノイルリボシドの調製のための効率的、実用的、及び拡張性のある方法を実現するプロセスが必要とされている。
上記を考慮して、ニコチノイルリボシドの新規な誘導体及び新規な結晶形態が必要とされている。
一実施形態では、本開示は、ニコチノイルリボシド、その誘導体、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグの結晶形態に関する。
別の実施形態では、本開示は、ニコチノイルリボシド、その誘導体、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグの結晶形態の効率的な生成を可能とする、合成配列又はプロセスに関する。
さらに別の実施形態では、本開示は、ニコチン酸リボシド(NAR)、及びその誘導体、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグの結晶形態の拡張性のある調製方法に関する。
さらに別の実施形態では、本開示は、ニコチン酸リボシドトリアセテート(「NARTA」)、及びその誘導体、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグの結晶形態の拡張性のある調製方法に関する。
さらに別の実施形態では、本開示は、これらに限定されないが、ニコチン酸リボシド(NAR)の「形態II」を含めた、ニコチン酸リボシド(1-(ベータ-D-リボフラノシル)-ニコチン酸、NAR)の結晶形態、及びその調製方法に関する。
さらに別の実施形態では、本開示は、これらに限定されないが、ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)の「形態II」を含めた、ニコチン酸リボシドトリアセテート(1-(2’,3’,5’-トリアセチル-ベータ-D-リボフラノシル)-ニコチン酸、「NARトリアセテート」又は「NARTA」)の結晶形態、及びその調製方法に関する。
一実施形態では、本開示は、式(I):
Figure 2022512126000002
によるニコチン酸リボシド(NAR)の新規な結晶形態IIを提供する。
別の実施形態では、ニコチン酸リボシド(NAR)の上記の結晶形態IIは、16.9、17.7、及び26.6度2シータ±0.2度2シータにおいてピークを有する粉末X線回折パターンによって特性決定することができる。さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシド(NAR)の上記の結晶形態IIは、8.5、15.8、16.9、17.7、及び26.6度2シータ±0.2度2シータにおいてピークを有する粉末X線回折パターンによって特性決定することができる。さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシド(NAR)の上記の結晶形態IIは、8.5、13.9、15.8、16.9、17.7、21.7、22.0、26.1、26.6、及び27.9度2シータ±0.2度2シータにおいてピークを有する粉末X線回折パターンによって特性決定することができる。さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシド(NAR)の上記の結晶形態IIは、実質的に図1に示すようなピークを有する粉末X線回折パターンによって特性決定することができる。さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシド(NAR)の上記の結晶形態IIは、表1において実質的に提供するようなピーク±0.2度2シータを有する粉末X線回折パターンによって特性決定することができる。
さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシド(NAR)の上記の結晶形態IIは、754.0、775.3、867.8、923.8、及び1641.2cm-1±0.2cm-1においてピークを有するIRスペクトルによって特性決定することができる。さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシド(NAR)の上記の結晶形態IIは、754.0、775.3、867.8、923.8、1054.9、1087.7、1114.7、1135.9、1184.1、及び1641.2cm-1±0.2cm-1においてピークを有するIRスペクトルによって特性決定することができる。さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシド(NAR)の上記の結晶形態IIは、ピーク754.0、775.3、867.3、867.8、923.8、1054.9、1087.7、1114.7、1135.9、1184.1、1309.5、1322.9、1359.6、1641.2cm-1±0.2cm-1を有するIRスペクトルによって特性決定することができる。さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシド(NAR)の上記の結晶形態IIは、ピーク754.0、775.3、867.8、923.8、1054.9、1087.7、1114.7、1135.9、1114.7、1135.9、1184.1、1309.5、1322.9、1359.6、1579.4、1612.2、1641.2、3043.2、及び3259.2cm-1±0.2cm-1を有するIRスペクトルによって特性決定することができる。さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシド(NAR)の上記の結晶形態IIは、実質的に図2に示すようなIRスペクトルによって特性決定することができる。
さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシド(NAR)の上記の結晶形態IIは、実質的に図3に示すようなDSCサーモグラムによって特性決定することができる。さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシド(NAR)の上記の結晶形態IIは、153.0℃±2℃の開始温度を有する吸熱的事象を含む、10℃/分の加熱速度を使用して得たDSCサーモグラムによって特性決定することができる。さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシド(NAR)の上記の結晶形態IIは、155.9℃±2℃のピーク温度を有する吸熱的事象を含む、10℃/分の加熱速度を使用して得たDSCサーモグラムによって特性決定することができる。さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシド(NAR)の上記の結晶形態IIは、153.0℃±2℃の開始温度及び155.9℃±2℃のピーク温度を有する吸熱的事象を含む、10℃/分の加熱速度を使用して得たDSCサーモグラムによって特性決定することができる。
一実施形態では、ニコチン酸リボシド(NAR)の上記の結晶形態IIは、
(a)ニコチン酸リボシド(NAR)とヘキサフルオロイソプロパノールの質量(mg)対容量(mL)比が約36:1であるように、ある容量のヘキサフルオロイソプロパノールをある質量のニコチン酸リボシド(NAR)に加えるステップと;(b)ニコチン酸リボシド(NAR)のヘキサフルオロイソプロパノール溶液を生成するために、その質量のニコチン酸リボシド(NAR)をその容量のヘキサフルオロイソプロパノールに溶解するステップと;任意選択で、(b1)ニコチン酸リボシド(NAR)のヘキサフルオロイソプロパノール溶液を濾過するステップと;(c)ニコチン酸リボシド(NAR)のヘキサフルオロイソプロパノール溶液を蓋のない容器に加えるステップと;(d)ニコチン酸リボシド(NAR)のヘキサフルオロイソプロパノール溶液を含有する蓋のない容器を、ニコチン酸リボシド(NAR)のヘキサフルオロイソプロパノール溶液の容量と概ね等しいある容量の酢酸エチルを含有するより大きな容器の内側に置くステップと;(e)より大きな容器を密封するステップと;(f)ニコチン酸リボシド(NAR)の結晶形態IIを結晶化するために、ニコチン酸リボシド(NAR)のヘキサフルオロイソプロパノール溶液を周囲温度にて維持するステップと;任意選択で、(f1)より大きな容器を開封するステップと;任意選択で、(f2)ステップ(d)によるより大きな容器中に含有される酢酸エチルの容量の概ね半分であるさらなる容量の酢酸エチルを、より大きな容器に加えるステップと;任意選択で、(f3)ニコチン酸リボシド(NAR)のヘキサフルオロイソプロパノール溶液を周囲温度にて少なくとも7日間維持するステップと;(g)より大きな容器を開封するステップと;(h)蓋のない容器をより大きな容器から取り出すステップと;(i)ニコチン酸リボシド(NAR)の結晶形態IIを単離するステップとを含むことができる方法によって調製することができる。
本明細書の上に記載するプロセスは、ニコチン酸リボシドの上記の結晶形態IIの調製をもたらす。
別の実施形態では、ニコチン酸リボシド(NAR)の上記の結晶形態IIは、
(a)ニコチン酸リボシド(NAR)とヘキサフルオロイソプロパノールの質量(mg)対容量(mL)比が約36:1であるように、ある容量のヘキサフルオロイソプロパノールをある質量のニコチン酸リボシド(NAR)に加えるステップと;(b)ニコチン酸リボシド(NAR)のヘキサフルオロイソプロパノール溶液を生成するために、その質量のニコチン酸リボシド(NAR)をその容量のヘキサフルオロイソプロパノールに溶解するステップと;任意選択で、(b1)ニコチン酸リボシド(NAR)のヘキサフルオロイソプロパノール溶液を濾過するステップと;(c)ニコチン酸リボシド(NAR)のヘキサフルオロイソプロパノール溶液を蓋のない容器に加えるステップと;(d)ニコチン酸リボシド(NAR)のヘキサフルオロイソプロパノール溶液を含有する蓋のない容器を、ニコチン酸リボシド(NAR)のヘキサフルオロイソプロパノール溶液の容量と概ね等しいある容量の酢酸エチルを含有するより大きな容器の内側に置くステップと;(e)より大きな容器を密封するステップと;(f)ニコチン酸リボシド(NAR)の結晶形態IIを結晶化するために、ニコチン酸リボシド(NAR)のヘキサフルオロイソプロパノール溶液を周囲温度にて少なくとも7日間維持するステップと;任意選択で、(f1)より大きな容器を開封するステップと;任意選択で、(f2)ステップ(d)によるより大きな容器中に含有される酢酸エチルの容量の概ね半分であるさらなる容量の酢酸エチルを、より大きな容器に加えるステップと;任意選択で、(f3)ニコチン酸リボシド(NAR)のヘキサフルオロイソプロパノール溶液を周囲温度にて少なくとも7日間維持するステップと;(g)より大きな容器を開封するステップと;(h)蓋のない容器をより大きな容器から取り出すステップと;(i)ニコチン酸リボシド(NAR)の結晶形態IIを単離するステップとを含むことができる方法によって調製することができる。
本明細書の上に記載するプロセスは、ニコチン酸リボシドの上記の結晶形態IIの調製をもたらす。
一実施形態では、本開示は、式(II):
Figure 2022512126000003
によるニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)の新規な結晶形態IIを提供する。
別の実施形態では、ニコチン酸リボシドトリアセテートの上記の結晶形態IIは、8.0、9.7、及び19.4度2シータ±0.2度2シータにおいてピークを有する粉末X線回折パターンによって特性決定することができる。さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシドトリアセテートの上記の結晶形態IIは、8.0、9.7、11.7、19.0、19.4、及び23.5度2シータ±0.2度2シータにおいてピークを有する粉末X線回折パターンによって特性決定することができる。さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシドトリアセテートの上記の結晶形態IIは、8.0、9.7、11.7、12.6、14.7、16.8、19.0、19.4、22.4、23.5、及び25.1度2シータ±0.2度2シータにおいてピークを有する粉末X線回折パターンによって特性決定することができる。さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシドトリアセテートの上記の結晶形態IIは、実質的に図4に示すようなピークを有する粉末X線回折パターンによって特性決定することができる。さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシドトリアセテートの上記の結晶形態IIは、表3において実質的に提供するようなピーク±0.2度2シータを有する粉末X線回折パターンによって特性決定することができる。
さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシドトリアセテートの上記の結晶形態IIは、599.3、659.6、683.2、694.3、710.7、770.0、809.0、856.7、893.4、922.8、948.8、1638.7、及び1738.5cm-1±0.2cm-1においてピークを有するIRスペクトルによって特性決定することができる。さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシドトリアセテートの上記の結晶形態IIは、599.3、659.6、683.2、694.3、710.7、770.0、809.0、856.7、893.4、922.8、948.8、1026.4、1060.7、1097.3、1215.4、1358.2、1473.2、1483.0、1638.7、及び1738.5cm-1±0.2cm-1においてピークを有するIRスペクトルによって特性決定することができる。さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシドトリアセテートの上記の結晶形態IIは、599.3、659.6、683.2、694.3、710.7、770.0、809.0、856.7、893.4、922.8、948.8、1026.4、1060.7、1097.3、1215.4、1358.2、1473.2、1483.0、1579.0、1612.2、1638.7、及び1738.5cm-1±0.2cm-1においてピークを有するIRスペクトルによって特性決定することができる。さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシドトリアセテートの上記の結晶形態IIは、表4において実質的に提供するようなピーク±0.2cm-1を有するIRスペクトルによって特性決定することができる。さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシドトリアセテートの上記の結晶形態IIは、実質的に図5に示すようなIRスペクトルによって特性決定することができる。
さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシドトリアセテートの上記の結晶形態IIは、実質的に図6に示すようなDSCサーモグラムによって特性決定することができる。さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシドトリアセテートの上記の結晶形態IIは、92.2°±2℃の開始温度を有する吸熱的事象を含む、10℃/分の加熱速度を使用して得たDSCサーモグラムによって特性決定することができる。さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシドトリアセテートの上記の結晶形態IIは、159.2℃±2℃の開始温度を有する吸熱的事象を含む、10℃/分の加熱速度を使用して得たDSCサーモグラムによって特性決定することができる。さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシドトリアセテートの上記の結晶形態IIは、92.2℃±2℃及び159.2℃±2℃での開始温度を有する吸熱的事象を含む、10℃/分の加熱速度を使用して得たDSCサーモグラムによって特性決定することができる。
一実施形態では、ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)の上記の結晶形態IIは、
(a)ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)とエタノールの質量(mg)対容量(mL)比が約67:1であるように、容器中である容量のエタノールをある質量のニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)に加えるステップと;(b)ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)のエタノール溶液を生成するために、概ね50℃にてその質量のニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)をその容量のエタノールに溶解するステップと;(c)ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)の結晶形態IIを結晶化するために、ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)のエタノール溶液を-20℃にて冷却するステップと;(d)ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)の結晶形態IIを単離するステップと
を含むことができる方法によって調製することができる。
本明細書に記載されているプロセスは、ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)の結晶形態IIの調製をもたらす。
別の実施形態では、ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)の上記の結晶形態IIは、
(a)ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)とエタノールの質量(mg)対容量(mL)比が約67:1であるように、容器中である容量のエタノールをある質量のニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)に加えるステップと;(b)ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)のエタノール溶液を生成するために、概ね50℃にてその質量のニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)をその容量のエタノールに溶解するステップと;(c)ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)の結晶形態IIを結晶化するために、ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)のエタノール溶液を-20℃にて少なくとも24時間冷却するステップと;(d)ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)の結晶形態IIを単離するステップと
を含むことができる方法によって調製することができる。
本明細書に記載されているプロセスは、ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)の結晶形態IIの調製をもたらす。
ニコチン酸リボシド(NAR)の結晶形態の調製のための現在開示されている方法の実施形態によって調製した、式(I)を有する化合物である結晶性ニコチン酸リボシド(NAR)の現在開示されている形態IIについてのX線粉末回折パターンを提供する。 ニコチン酸リボシド(NAR)の結晶形態の調製のための現在開示されている方法の実施形態によって調製した、式(I)を有する化合物である結晶性ニコチン酸リボシド(NAR)の現在開示されている形態IIについての固体IRスペクトルを提供する。 10℃/分の速度で加熱した結晶性ニコチン酸リボシド(NAR)の現在開示されている形態IIの試料についてのDSCサーモグラムを提供する。 ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)の結晶形態の調製のための現在開示されている方法の実施形態によって調製した、式(II)を有する化合物である結晶性ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)の現在開示されている形態IIについてのX線粉末回折パターンを提供する。 ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)の結晶形態の調製のための現在開示されている方法の実施形態によって調製した、式(II)を有する化合物である結晶性ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)の現在開示されている形態IIについての固体IRスペクトルを提供する。 10℃/分の速度で加熱した結晶性ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)の現在開示されている形態IIの試料についてのDSCサーモグラムを提供する。
一実施形態では、本開示は、ニコチノイルリボシド、その誘導体、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグの結晶形態に関する。
別の実施形態では、本開示は、ニコチノイルリボシド、その誘導体、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグの結晶形態の効率的な生成を可能とする合成配列又はプロセスに関する。
さらに別の実施形態では、本開示は、ニコチン酸リボシド、及びその誘導体、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグの結晶形態の拡張性のある調製方法に関する。
さらに別の実施形態では、本開示は、ニコチン酸リボシドトリアセテート(「NARTA」)、及びその誘導体、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグの結晶形態の拡張性のある調製方法に関する。
さらに別の実施形態では、本開示は、これらに限定されないが、ニコチン酸リボシド(NAR)の「形態II」を含めた、ニコチン酸リボシド(1-(ベータ-D-リボフラノシル)-ニコチン酸、NAR)の結晶形態、及びその調製方法に関する。
さらに別の実施形態では、本開示は、これらに限定されないが、ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)の「形態II」を含めた、ニコチン酸リボシドトリアセテート(1-(2’,3’,5’-トリアセチル-ベータ-D-リボフラノシル)-ニコチン酸、「NARトリアセテート」又は「NARTA」)の結晶形態、及びその調製方法に関する。
さらに別の実施形態では、本開示は、還元型ニコチンアミドリボシド(NRH、IV)、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはプロドラッグの結晶形態、及びその調製方法に関する。
さらに別の実施形態では、本開示は、還元型ニコチン酸リボシド(NARH、V)、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはプロドラッグの結晶形態、及びその調製方法に関する。
さらに別の実施形態では、本開示は、ニコチンアミドリボシドトリアセテート(NRTA、VI)、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはプロドラッグの結晶形態、及びその調製方法に関する。
さらに別の実施形態では、本開示は、還元型ニコチンアミドリボシドトリアセテート(NRH-TA、VII)、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはプロドラッグの結晶形態、及びその調製方法に関する。
さらに別の実施形態では、本開示は、還元型ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARH-TA、VIII)、又はその塩、溶媒和物、水和物若しくはプロドラッグの結晶形態、及びその調製方法に関する。
本発明の化合物及び誘導体、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグ、又はその結晶形は、前記ビタミン又は生物活性化合物を特定のB3ビタミンにコンジュゲートすることによって、公知の治療的価値及び栄養補助食品としての価値のビタミン又は生物活性化合物の吸収をモジュレートすることを目指す。
本発明の化合物及び誘導体、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグ、又はその結晶形は、それらのバイオアベイラビリティーをモジュレートすることに関して、個々の栄養素及びB-ビタミンに対する改善を実現する。
本発明の化合物及び誘導体、又はその塩、水和物若しくは溶媒和物、又はその結晶形は、ビタミンB3欠乏と関連するか、又はビタミンB3欠乏が関与する病因を有するか、且つ/又はミトコンドリアの活性の増加から恩恵を受ける、症状、疾患、障害、又は状態を発生する危険性を低減させるために使用することができる。これは、重要な構成要素が、ニコチン酸リボシド(NAR)であるからである。
ビタミンB1、B2、B3、及びB6の間の相乗作用についての理論的根拠を、本明細書において説明する。ビタミンB1、B2、又はB6とニコチンアミドリボシド(NR)とを組み合わせることは、NAD生合成経路に対して相乗的に作用し、且つプラスの効果を有すると仮定される。これは、ビタミンB1、B2、及びB6が、NAMPT依存性経路を通してNAD生合成のために必要とされ、NRによって生成されるNADから生じるニコチンアミド(Nam若しくはNM)のさらなる再循環を可能とするという事実のためである。全てのB3-ビタミンのうち、NRのみは、モル対モルの観点においてNAD合成のためのNAMPTとは無関係に機能する。Penberthy & Kirkland,2012を参照されたい。また、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている、Yuling Chi & Anthony A.Sauve,Nicotinamide riboside,a trace nutrient in foods,is a vitamin B3 with effects on energy metabolism and neuroprotection,16 Curr.Opinion in Clin.Nutrition & Metabolic Care 657(2013)を参照されたい。さらに、ビタミンB2(FAD前駆体)は、ミトコンドリアの脂肪酸酸化及びOXPHOSプロセスのために重要なビタミンである。ミトコンドリア機能障害は、FAD/FADHの不均衡又は欠乏に起因し得、ビタミンB2をビタミンB3NAD-前駆体と組み合わせることは、ミトコンドリア機能障害の複数の経路に対処すると仮定されている。
本発明の化合物及び誘導体、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグ、又はその結晶形の1つの実施形態は、NR及びNARの5’-ヒドロキシにおけるニコチン酸(NA)エステル、並びにその対応する還元型形態を結合する結果として形成される生成物によって表される。ニコチネート及びNR(又はその誘導体)の相乗効果が予測される。ニコチン酸(NA)及びニコチンアミドリボシド(NR)は、異なる経路を使用して、両方とも最終的にNADレベルを誘発する。
本発明の化合物及び誘導体、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグ、又はその結晶形の別の実施形態は、これらのニコチノイルリボシドコンジュゲート及び還元型ニコチノイルリボシドコンジュゲートの全ての誘導体、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグによって表される。
ニコチノイルリボシド、例えば、ニコチンアミドリボシド(NR)及びニコチン酸リボシド(「NAR」)、ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)、並びにNADは、広範囲の非伝染病、特に、ミトコンドリア機能障害及び損なわれた細胞代謝と関連するものを対処及び処置する、NAD(P)(H)プールの有用な生物が利用可能な前駆体と見なされている。したがって、これらのビタミンB3誘導体の大規模な合成を最適化することは、栄養補助食品及び医薬品実体の両方に関してこれらの化合物を社会がより広く利用可能なものとし高度に価値がある。
有用な分子の結晶形態は、このような分子のそれぞれのアモルファス形態に対して有利な特性を有することができる。例えば、結晶形を含む組成物を調製するとき、結晶形は、取り扱いをし、加工することがより容易であることが多い。結晶形態は典型的には、より大きな保存安定性を有し、精製をより受け入れられる。薬学的に有用な化合物の結晶形態の使用はまた、化合物を含む医薬製品の性能特性を改善させることができる。結晶形態を得ることはまた、例えば、異なる特性、例えば、より良好な加工若しくは取扱適性、改善された溶解プロファイル、又は改善された保存寿命を有する生成物を提供することによって、配合最適化のために配合科学者が利用可能な材料のレパートリーを拡大することに役立つ。
定義
ニコチン酸リボシド(NAR)は、式(I):
Figure 2022512126000004
を有するピリジニウム化合物である。
ニコチン酸リボシド(NAR、I)のリボース部分上のヒドロキシル基の遊離水素は、アセチル基(CH-C(=O)-)で置換されて、NAR誘導体、特に、式(II)を有する1-(2’,3’,5’-トリアセチル-ベータ-D-リボフラノシル)-ニコチン酸(「NARトリアセテート」又は「NARTA」)を形成することができる。代替名は、全て式(II)
Figure 2022512126000005
を有する、1-(2’,3’,5’)-トリアセチル-ベータ-D-リボフラノシル)-ニコチン酸、又は1-(3-カルボキシル-ピリジン-1-イル)-ベータ-D-リボシド-2’,3’,5’-トリアセテート(「NARトリアセテート」又は「NARTA」)を含む。
ニコチンアミドリボシド(「NR」)は、式(III):
Figure 2022512126000006
を有するピリジニウム化合物である。
還元型ニコチンアミドリボシド(「NRH」)は、式(IV):
Figure 2022512126000007
を有する1,4-ジヒドロピリジル還元型ニコチニル化合物である。
還元型ニコチン酸リボシド(「NARH」)は、式(V):
Figure 2022512126000008
を有する1,4-ジヒドロピリジル還元型ニコチニル化合物である。
ニコチンアミドリボシド(NR、IV)のリボース部分上のヒドロキシル基の遊離水素は、アセチル基(CH-C(=O)-)で置換されて、式(VI):
Figure 2022512126000009
を有する1-(2’,3’,5’-トリアセチル-ベータ-D-リボフラノシル)-ニコチンアミド(「NRトリアセテート」又は「NRTA」)を形成することができる。
還元型ニコチンアミドリボシド(NRH、IV)のリボース部分上のヒドロキシル基の遊離水素は、アセチル基(CH-C(=O)-)で置換されて、式(VII):
Figure 2022512126000010
を有する1-(2’,3’,5’-トリアセチル-ベータ-D-リボフラノシル)-1,4-ジヒドロニコチンアミド(「NRHトリアセテート」又は「NRH-TA」)を形成することができる。
還元型ニコチン酸リボシド(NARH、V)のリボース部分上のヒドロキシル基の遊離水素は、アセチル基(CH-C(=O)-)で置換されて、式(VIII):
Figure 2022512126000011
を有する1-(2’,3’,5’-トリアセチル-ベータ-D-リボフラノシル)-1,4-ジヒドロニコチン酸(「NARHトリアセテート」又は「NARH-TA」)を形成することができる。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるように、「a」、「an」及び「the」の単数形は、文脈によって明らかにそれ以外のことの指示がない限り、複数の指示対象を含む。
本明細書において使用する場合、用語「溶媒」は、これらに限定されないが、水、イオン化合物が溶解している水、酢酸、アセトン、アセトニトリル、ベンゼン、1-ブタノール、2-ブタノール、t-ブチルアルコール(「TBA」)、2-ブタノン、四塩化炭素、クロロベンゼン、クロロホルム、シクロヘキサン、1,2-ジクロロエタン(「DCE」)、ジエチレングリコール、ジエチルエーテル(「EtO」)、ジグリム(ジエチレングリコールジメチルエーテル)、1,2-ジメトキシエタン(「DME」)、N,N-ジメチルホルムアミド(「DMF」)、ジメチルスルホキシド(「DMSO」)、1,4-ジオキサン、エタノール、酢酸エチル(「EtOAc」)、エチレングリコール、グリセリン、ヘプタン、ヘキサメチルホスホルアミド(「HMPA」)、ヘキサメチルリントリアミド(「HMPT」)、ヘキサン、メタノール(「MeOH」)、メチルt-ブチルエーテル(「MTBE」)、塩化メチレン(「DCM」、「CHCl」)、N-メチル-2-ピロリジノン(「NMP」)、ニトロメタン、ペンタン、石油エーテル、1-プロパノール(「n-プロパノール」、「n-PrOH」)、2-プロパノール(「イソプロパノール」、「iPrOH」)、ピリジン、テトラヒドロフラン(「THF」)、トルエン、トリエチルアミン(「TEA」、「EtN」)、o-キシレン、m-キシレン、及び/又はp-キシレンなどを含めた化合物又は化合物の混合物を指す。溶媒クラスは、炭化水素、芳香族、非プロトン性、極性、アルコール及びこれらの混合物を含み得る。
特定の実施形態によると、本開示の方法の実施形態によって調製される化合物若しくは誘導体は、一般に、溶媒若しくは他の副生成物、又は特定の溶媒若しくは副生成物が実質的に非含有である、化合物若しくは誘導体、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグ、又はその結晶形態を含み得る。ある特定の実施形態では、「実質的に非含有」とは、溶媒若しくは副生成物が約80%超非含有、又は特定の溶媒若しくは副生成物が約80%超非含有、より好ましくは、溶媒若しくは副生成物が約90%超非含有、又は特定の溶媒若しくは副生成物が約90%超非含有、さらにより好ましくは、溶媒若しくは副生成物が約95%超非含有、又は特定の溶媒若しくは副生成物が約95%超非含有、さらにより好ましくは、溶媒若しくは副生成物が98%超非含有、又は特定の溶媒若しくは副生成物が約98%超非含有、さらにより好ましくは、溶媒若しくは副生成物が約99%超非含有、又は特定の溶媒若しくは副生成物が約99%超非含有、さらにより好ましくは、溶媒若しくは副生成物が約99.99%超非含有、又は特定の溶媒若しくは副生成物が約99.99%超非含有、最も好ましくは、溶媒若しくは副生成物が定量的に非含有、又は特定の溶媒若しくは副生成物が定量的に非含有を意味する。
特定の実施形態によると、本開示の方法の実施形態によって調製される化合物若しくは誘導体は、一般に、溶媒若しくは他の副生成物、又は特定の溶媒若しくは副生成物が実質的に非含有である、化合物若しくは誘導体、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグ、又はその結晶形態を含み得る。ある特定の実施形態では、「実質的に非含有」とは、約10,000ppm未満の溶媒若しくは副生成物、又は約10,000ppm未満の特定の溶媒若しくは副生成物、さらにより好ましくは、約1,000ppm未満の溶媒若しくは副生成物、又は約1,000ppm未満の特定の溶媒若しくは副生成物、さらにより好ましくは、約100ppm未満の溶媒若しくは副生成物、又は約100ppm未満の特定の溶媒若しくは副生成物、さらにより好ましくは、約10ppm未満の溶媒若しくは副生成物、又は約10ppm未満の特定の溶媒若しくは副生成物、さらにより好ましくは、5ppm未満の溶媒若しくは副生成物、又は5ppm未満の特定の溶媒若しくは副生成物、最も好ましくは、検出不能な量の溶媒若しくは副生成物、又は検出不能な量の特定の溶媒若しくは副生成物を意味する。
ニコチン酸リボシド(NAR、I)及びニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグの結晶形態の調製
一実施形態では、ニコチン酸リボシド(NAR、I)の結晶形態IIを作製する方法は、
(a)任意選択で、ニコチン酸リボシド(NAR、I)とヘキサフルオロイソプロパノールの質量(mg)対容量(mL)比が約36:1であるように、容器中である容量のヘキサフルオロイソプロパノールをある質量のニコチン酸リボシド(NAR、I)に加えるステップと;
(b)ニコチン酸リボシド(NAR、I)のヘキサフルオロイソプロパノール溶液を生成するために、その質量のニコチン酸リボシド(NAR、I)をその容量のヘキサフルオロイソプロパノールに溶解するステップと;
任意選択で、(b1)ニコチン酸リボシド(NAR、I)のヘキサフルオロイソプロパノール溶液を濾過するステップと;
(c)ニコチン酸リボシド(NAR、I)のヘキサフルオロイソプロパノール溶液を蓋のない容器に加えるステップと;
(d)ニコチン酸リボシド(NAR、I)のヘキサフルオロイソプロパノール溶液を含有する蓋のない容器を、ニコチン酸リボシド(NAR、I)のヘキサフルオロイソプロパノール溶液の容量と概ね等しいある容量の酢酸エチルを含有するより大きな容器の内側に置くステップと;
(e)より大きな容器を密封するステップと;
(f)ニコチン酸リボシド(NAR、I)の結晶形態IIを結晶化するために、ニコチン酸リボシド(NAR、I)のヘキサフルオロイソプロパノール溶液を周囲温度にて維持するステップと;
任意選択で、(f1)より大きな容器を開封するステップと;
任意選択で、(f2)ステップ(d)によるより大きな容器中に含有される酢酸エチルの容量の概ね半分であるさらなる容量の酢酸エチルを、より大きな容器に加えるステップと;
任意選択で、(f3)ニコチン酸リボシド(NAR、I)のヘキサフルオロイソプロパノール溶液を周囲温度にて維持するステップと;
(g)より大きな容器を開封するステップと;
(h)蓋のない容器をより大きな容器から取り出すステップと;
(i)ニコチン酸リボシド(NAR、I)の結晶形態IIを単離するステップと
を含むことができる。
本明細書に記載されているプロセスは、ニコチン酸リボシド(NAR、I)の結晶形態IIの調製をもたらす。ニコチン酸リボシド(NAR、I)とヘキサフルオロイソプロパノールの許容される質量(mg)対容量(mL)比は、約1:1~約50:1でよい。
別の実施形態では、ニコチン酸リボシド(NAR、I)の結晶形態IIを作製する方法は、
(a)任意選択で、ニコチン酸リボシド(NAR、I)とヘキサフルオロイソプロパノールの質量(mg)対容量(mL)比が約36:1であるように、容器中である容量のヘキサフルオロイソプロパノールをある質量のニコチン酸リボシド(NAR、I)に加えるステップと;
(b)ニコチン酸リボシド(NAR、I)のヘキサフルオロイソプロパノール溶液を生成するために、その質量のニコチン酸リボシド(NAR、I)をその容量のヘキサフルオロイソプロパノールに溶解するステップと;
任意選択で、(b1)ニコチン酸リボシド(NAR、I)のヘキサフルオロイソプロパノール溶液を濾過するステップと;
(c)ニコチン酸リボシド(NAR、I)のヘキサフルオロイソプロパノール溶液を蓋のない容器に加えるステップと;
(d)ニコチン酸リボシド(NAR、I)のヘキサフルオロイソプロパノール溶液を含有する蓋のない容器を、ニコチン酸リボシド(NAR、I)のヘキサフルオロイソプロパノール溶液の容量と概ね等しいある容量の酢酸エチルを含有するより大きな容器の内側に置くステップと;
(e)より大きな容器を密封するステップと;
(f)ニコチン酸リボシド(NAR、I)の結晶形態IIを結晶化するために、ニコチン酸リボシド(NAR、I)のヘキサフルオロイソプロパノール溶液を周囲温度にて少なくとも7日間維持するステップと;
任意選択で、(f1)より大きな容器を開封するステップと;
任意選択で、(f2)ステップ(d)によるより大きな容器中に含有される酢酸エチルの容量の概ね半分であるさらなる容量の酢酸エチルを、より大きな容器に加えるステップと;
任意選択で、(f3)ニコチン酸リボシド(NAR、I)のヘキサフルオロイソプロパノール溶液を周囲温度にて少なくとも7日間維持するステップと;
(g)より大きな容器を開封するステップと;
(h)蓋のない容器をより大きな容器から取り出すステップと;
(i)ニコチン酸リボシド(NAR、I)の結晶形態IIを単離するステップと
を含むことができる。
本明細書に記載されているプロセスは、ニコチン酸リボシド(NAR、I)の結晶形態IIの調製をもたらす。ニコチン酸リボシド(NAR、I)とヘキサフルオロイソプロパノールの許容される質量(mg)対容量(mL)比は、約1:1~約50:1でよい。
一実施形態では、ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の結晶形態IIを作製する方法は、
(a)任意選択で、ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)とエタノールの質量(mg)対容量(mL)比が約67:1であるように、容器中である容量のエタノールをある質量のニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)に加えるステップと;
(b)ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)のエタノール溶液を生成するために、概ね50℃にてその質量のニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)をその容量のエタノールに溶解するステップと;
(c)ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の結晶形態IIを結晶化するために、ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)のエタノール溶液を-20℃にて冷却するステップと;
(d)ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の結晶形態IIを単離するステップと
を含むことができる。
本明細書に記載されているプロセスは、ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の結晶形態IIの調製をもたらす。ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)とエタノールの許容される質量(mg)対容量(mL)比は、約50:1~約100:1でよい。
別の実施形態では、ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の結晶形態IIを作製する方法は、
(a)任意選択で、ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)とエタノールの質量(mg)対容量(mL)比が約67:1であるように、容器中である容量のエタノールをある質量のニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)に加えるステップと;
(b)ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)のエタノール溶液を生成するために、概ね50℃にてその質量のニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)をその容量のエタノールに溶解するステップと;
(c)ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の結晶形態IIを結晶化するために、ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)のエタノール溶液を-20℃にて少なくとも24時間冷却するステップと;
(d)ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の結晶形態IIを単離するステップと
を含むことができる。
本明細書に記載されているプロセスは、ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の結晶形態IIの調製をもたらす。ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)とエタノールの許容される質量(mg)対容量(mL)比は、約50:1~約100:1でよい。
本開示のニコチン酸リボシド(NAR、I)及びニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の結晶形態は、それらの反応混合物から単離し、標準的な技術、例えば、濾過、液-液抽出、固相抽出、蒸留、再結晶化、又はフラッシュカラムクロマトグラフィー、分取TLC、HPTLC、HPLC、若しくはrp-HPLCを含めたクロマトグラフィーによって精製し得る。本開示のニコチン酸リボシド(NAR、I)及びニコチン酸リボシド(NARTA、II)の結晶形態の調製のための1つの好ましい方法は、化合物、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグを溶媒から結晶化し、好ましくは、化合物若しくは誘導体、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグの結晶形態を形成させることを含む。結晶化に続いて、結晶化溶媒を蒸発以外のプロセス、例えば、濾過又はデカントによって除去し、次いで、結晶を好ましくは、純粋な溶媒(又は純粋な溶媒の混合物)を使用して洗浄する。結晶化のための好ましい溶媒は、水;アルコール、特に、4個までの炭素原子を含有するアルコール、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタン-1-オール、ブタン-2-オール、及び2-メチル-2-プロパノール;エーテル、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t-ブチルメチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、及び1,4-ジオキサン;カルボン酸、例えば、ギ酸及び酢酸;炭化水素溶剤、例えば、ペンタン、ヘキサン、及びトルエン;並びにこれらの混合物、特に、水性混合物、例えば、水性メタノール、エタノール、イソプロパノール、及びアセトンを含む。純粋な溶媒、好ましくは、少なくとも分析用、より好ましくは、医薬品グレードを好ましくは使用する。本発明の方法の好ましい実施形態では、結晶形態は、このように単離される。
本開示の方法によるニコチン酸リボシド(NAR、I)及びニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の塩として単離した結晶形態
本開示の方法によって調製されたニコチン酸リボシド(NAR、I)及びニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の結晶形態は、塩の形態をとり得る。用語「塩」は、本開示の方法によって調製されたニコチン酸リボシド(NAR、I)及びニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の結晶形態である、遊離酸又は遊離塩基の付加塩を包含する。用語「薬学的に許容される塩」は、医薬品用途における有用性をもたらす範囲内の毒性プロファイルを有する塩を指す。
適切な薬学的に許容される酸付加塩は、無機酸又は有機酸から調製し得る。無機酸の例は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸、及びリン酸を含む。適当な有機酸は、脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族、複素環式、カルボン酸、及びスルホン酸クラスの有機酸から選択し得、その例は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、マレイン酸、フマル酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、4-オキシ安息香酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パントテン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、スルファニル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、ステアリン酸、アルギン酸、β-ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、ガラクタル酸、及びガラクツロン酸を含む。ニコチン酸リボシド(NAR、I)及びニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグの結晶形態、すなわち、アミノ基、ピリジン、又は還元型ピリジンを含有する化合物の本例において、前記化合物は、無機酸又は強有機酸、例えば、塩酸又はトリフルオロ酢酸の塩として単離することができる。
適切な薬学的に許容される塩基付加塩は、例えば、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、並びに遷移金属塩、例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、及び亜鉛塩を含めた金属塩を含む。さらに、塩基付加塩は、例えば、アンモニウム塩を含む。薬学的に許容される塩基付加塩はまた、塩基性アミン、例えば、N,N-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N-メチルグルカミン)、トロメタミン(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン)、及びプロカインから作製された有機塩を含む。
好ましくは、ニコチン酸リボシド(NAR、I)、又はニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の適切な薬学的に許容される塩には、これらに限定されないが、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、ギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、酪酸イオン、グルタミン酸イオン、アスパラギン酸イオン、アスコルビン酸イオン、安息香酸イオン、炭酸イオン、クエン酸イオン、カルバミン酸イオン、グルコン酸イオン、乳酸イオン、コハク酸イオン、硝酸イオン、及び硫酸イオンからなる群から選択されるアニオンを含有する塩を含み得る。
これらの塩の全ては、例えば、適当な酸又は塩基と、ニコチン酸リボシド(NAR、I)、又はニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグとを反応させることによって、ニコチン酸リボシド(NAR、I)若しくはニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグから通常の手段によって調製し得る。好ましくは、塩は、結晶形態であるか、又は代わりに、乾燥若しくは凍結乾燥形態である。当業者は、例えば、P.H.Stahl & C.G.Wermuth,Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use(Wiley-VCH 2002)において記載されているように、どのように適切な塩の形態を調製及び選択するかを知っている。
本開示の栄養補助食品組成物は、栄養補助食品的に許容される担体と組み合わせて投与し得る。このような配合物中の活性成分は、1重量%~99重量%、又は代わりに、0.1重量%~99.9重量%を構成し得る。「栄養補助食品的に許容される担体」は、配合物の他の成分と適合性であり、且つ使用者に対して有害ではない、任意の担体、賦形剤、又は添加剤を意味する。一実施形態によると、適切な栄養補助食品的に許容される担体は、エタノール、水性エタノール混合物、水、果物、及び/又は野菜汁、並びにこれらの組合せを含むことができる。
送達系
適切な剤形は、錠剤、カプセル剤、溶液剤、懸濁剤、散剤、ガム、及び糖菓を含む。舌下送達系には、これらに限定されないが、舌下及び舌上の溶解可能な錠剤、液滴、及び飲料が含まれる。食用フィルム、親水性ポリマー、溶解可能な経口フィルム、又は溶解可能な経口ストリップを使用することができる。他の有用な送達系は、口腔若しくは鼻用スプレー又は吸入器などを含む。
経口投与のために、ニコチン酸リボシド(NAR、I)若しくはニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグの結晶形態は、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、顆粒剤、又は他の適切な剤形調製のための1種若しくは複数の固体不活性成分とさらに合わせ得る。例えば、活性剤は、少なくとも1種の添加剤、例えば、充填剤、結合剤、保湿剤、崩壊剤、溶解遅延剤、吸収促進剤、湿潤剤、吸収剤、又は滑沢剤と合わせ得る。他の有用な添加剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、マンニトール、キシリトール、甘味剤、デンプン、カルボキシメチルセルロース、微結晶性セルロース、シリカ、ゼラチン、二酸化ケイ素などを含む。
本開示の方法によって調製されるニコチン酸リボシド(NAR、I)若しくはニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグの結晶形態は、通常のアジュバント、担体、又は賦形剤と一緒に、医薬組成物及びその単位投与量の形態へと配置し得る。このような形態は、固体、特に、錠剤、充填されたカプセル剤、散剤、及びペレット剤形態、並びに液体、特に、水溶液又は非水溶液、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤、及びこれらを充填したカプセル剤(全て、経口使用のため)、直腸投与のための坐剤、及び非経口使用のための無菌の注射剤を含む。このような医薬組成物及びその単位剤形は、さらなる活性化合物又は成分を伴って又は伴わずに、通常の成分を通常の割合で含み得、このような単位剤形は、用いる意図する1日投与量範囲と釣り合った任意の適切な有効量の活性成分を含有し得る。
本開示の方法によって調製されるニコチン酸リボシド(NAR、I)若しくはニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の結晶形態は、多種多様の経口及び非経口剤形で投与することができる。下記の剤形は、活性構成要素として、本開示の方法によって調製したニコチン酸リボシド(NAR、I)若しくはニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の結晶形態、又は本開示の方法によって調製したニコチン酸リボシド(NAR、I)若しくはニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、若しくはプロドラッグの結晶形態を含み得ることは当業者には明らかであろう。
本開示の方法によって調製したニコチン酸リボシド(NAR、I)若しくはニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグの結晶形態からの医薬組成物の調製のために、薬学的に許容される担体は、固体又は液体でよい。固形調製物は、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、及び分散性顆粒剤を含む。固体担体は、賦形剤、香味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤、又はカプセル化材料としてまた作用し得る1種若しくは複数の物質でよい。
散剤において、担体は、微粉化した固体であり、これは、微粉化した活性構成要素との混合物中にある。錠剤において、活性構成要素は、適切な割合で必要な結合能力を有する担体と混合し、望ましい形状及びサイズに圧縮する。
散剤及び錠剤は好ましくは、本開示の方法によって調製された、約5パーセント又は10パーセントから約70パーセントのニコチン酸リボシド(NAR、I)若しくはニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグの活性結晶形態を含有する。適切な担体は、微結晶性セルロース、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、カカオバターなどであり、他の添加剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、二酸化ケイ素などを含み得る。用語「調製物」は、担体としてカプセル化材料を伴う活性化合物の配合物を含むことを意図し、担体を有するか若しくは有さない活性構成要素が担体で囲まれており、担体はこのように活性構成要素と関連している、カプセル剤を提供する。錠剤、散剤、カプセル剤、丸剤、サシェ剤、及びロゼンジ剤が含まれる。錠剤、散剤、カプセル剤、丸剤、サシェ剤、及びロゼンジ剤は、経口投与に適した固体形態として使用することができる。
液体調製物は、溶液剤、懸濁剤、及び乳剤、例えば、水又は水-プロピレングリコール溶液を含む。例えば、非経口注射液調製物は、ポリエチレングリコール水溶液中の溶液として配合することができる。本開示の方法によって調製されたニコチン酸リボシド(NAR、I)若しくはニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)、又はその塩、水和物、溶媒和物、若しくはプロドラッグの結晶形態は、非経口投与(例えば、注射、例えば、ボーラス注射又は連続注入による)のためにこのように配合し得、単位用量、例えば、アンプル、事前充填したシリンジ、低容量注入物中で、又は加えられた保存剤を有する複数用量容器中で提示し得る。組成物は、油性若しくは水性ビヒクル中の懸濁剤、溶液剤、又は乳剤などの形態をとってもよく、配合剤、例えば、懸濁化剤、安定化剤、及び/又は分散化剤を含有し得る。代わりに、活性成分は、使用前に適切なビヒクル、例えば、無菌の発熱物質を含まない水との構成のための、無菌の固体の無菌的単離によって、又は溶液からの凍結乾燥によって得られる粉末形態であり得る。
経口使用に適した水溶液は、活性構成要素を水に溶解し、適切な着色剤、香味剤、安定化剤及び増粘剤を所望の通り加えることによって調製することができる。経口使用に適した水性懸濁液は、微粉化した活性構成要素を、粘稠材料、例えば、天然若しくは合成ガム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、又は他の周知の懸濁化剤を有する水に分散させることによって作製することができる。
口における局所投与に適した組成物は、香味を付けた基剤、通常、スクロース及びアカシア又はトラガカント中に活性剤を含むロゼンジ剤;不活性な基剤、例えば、ゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアカシア中に活性成分を含む香錠;並びに適切な液体担体中に活性成分を含む口腔洗浄剤を含む。
溶液剤又は懸濁剤は、例えば、スポイト、ピペット、又はスプレーによる通常の手段によって鼻腔に直接適用される。組成物は、単回用量又は複数用量形態で提供し得る。鼻腔内組成物を含めた気道への投与を意図する組成物中で、結晶形態は一般に、例えば、ほぼ5ミクロン又はそれ未満程度の小さな粒径を有する。このような粒径は、当技術分野において公知の手段によって、例えば、微粒子化によって得てもよい。
医薬調製物は、好ましくは、単位剤形である。このような形態で、調製物は、適当な量の活性構成要素を含有する単位用量へと細分される。単位剤形は、パッケージ化された調製物でよく、パッケージは、別個の量の調製物、例えば、パッケージ化された錠剤、カプセル剤、及びバイアル又はアンプル中の散剤を含有する。また、単位剤形は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤、若しくはロゼンジ剤自体でよいか、又はこれは、パッケージ化された形態の適当な数のこれらのいずれかでよい。
経口投与のための錠剤、カプセル剤、及びロゼンジ剤、並びに経口使用のための液体は、好ましい組成物である。鼻腔又は気道への適用のための溶液剤又は懸濁剤は、好ましい組成物である。表皮への局所投与のための経皮パッチが好ましい。
配合及び投与のための技術についてのさらなる詳細は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Co.、Easton、PA)の最新版において見出し得る。
経口投与のための固体栄養組成物は、上記の列挙した栄養組成物の成分又は化合物に加えて、担体材料、例えば、トウモロコシデンプン、ゼラチン、アカシア、微結晶性セルロース、カオリン、第二リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、アルギン酸など;アカシア、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロースなどを含めた結合剤;及び滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、シリコーン油、タルク、ワックス、油、コロイド状シリカなどを任意選択で含有し得る。このような添加剤の有用性は、当技術分野で周知である。
炎症、感冒、及び/又はインフルエンザを予防及び/又は処置するための方法に関連した経口投与のための液体栄養組成物は、水又は他の水性ビヒクル中で調製することができる。上記の列挙した成分又は化合物に加えて、液体栄養組成物は、懸濁化剤、例えば、メチルセルロース、アルギネート、トラガカント、ペクチン、レギン、カラギーナン、アカシア、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールなどを含むことができる。液体栄養組成物は、上記の列挙した成分又は化合物と一緒に、湿潤剤、甘味剤、及び着色剤及び香味剤を含むか、又は含有する、溶液剤、乳剤、シロップ剤、ゲル剤、又はエリキシル剤の形態でよい。様々な液体及び粉末の栄養組成物は、従来の方法によって調製することができる。様々なそのまま飲める配合物(「RTD」)が意図される。
投与経路
組成物は、これらに限定されないが、経口、舌下、口腔内頬側、眼、肺、直腸、及び非経口投与を含めた任意の適切な経路によって、又は経口若しくは鼻用スプレー(例えば、霧状の蒸気、液滴、又は固体粒子の吸入)として投与し得る。非経口投与は、例えば、静脈内、筋内、動脈内、腹腔内、鼻腔内、膣内、膀胱内(例えば、膀胱への)、皮内、経皮的、局所、又は皮下投与を含む。本発明の範囲内でまた意図されるのは、患者の体への制御された配合物中の医薬組成物の設置であり、薬物の全身的又は局所放出が後で起こる。例えば、薬物は、循環への制御放出のために、又は局所部位への放出のために、デポー中で局在化し得る。
本開示の医薬組成物は、経口、直腸、気管支、経鼻、肺、局所(口腔内頬側及び舌下を含めた)、経皮的、膣、又は非経口(皮膚、皮下、筋内、腹腔内、静脈内、動脈内、脳内、眼球内の注射、若しくは注入を含めた)投与に適したもの、或いは粉末及び液体エアゾール投与を含めた吸入若しくは吹送による投与に適した形態のもの、或いは持続放出系によるものでよい。持続放出系の適切な例は、本開示の方法によって調製したニコチン酸リボシド(NAR、I)若しくはニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)、又はその塩、水和物、溶媒和物若しくはプロドラッグの結晶形態を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスを含み、このマトリックスは、成形された物品、例えば、フィルム又はマイクロカプセルの形態でよい。
上記の方法は、下記の実施例に関連してさらに理解し得る。さらに、下記の非限定的実施例は、本発明を例示するために提供する。例示された調製手順は、本発明の他の実施形態に適用可能である。一般的方法として記載されている調製手順は、示した調製を行うのに何が典型的には効率的であると考えられるかについて説明する。しかし、本発明の任意の所与の実施形態のための手順は変化し、例えば、順序又はステップ及び/又は使用する化学試薬は変化することが必要であり得ることを当業者は認識する。生成物は、例えば、本発明の方法によって調製した結晶形態の物理的特性によって変化する従来の技術によって精製し得る。
実施例1
逆溶剤として酢酸エチル(「EtOAc」)を有するヘキサフルオロイソプロパノール(「HFIPA」)中の蒸気拡散によるニコチン酸リボシド(NAR、I)の結晶形態IIの調製。
ニコチン酸リボシド(NAR、I、182.5ミリグラム)のヘキサフルオロイソプロパノール(HFIPA、5ミリリットル)溶液(1.5ミリリットル)を、0.2μmのPTFEシリンジフィルターを通して清潔な1ドラムバイアル中へと濾過した。蓋を取ったバイアルを、2.0ミリリットルの酢酸エチル(EtOAc)を含有する20ミリリットルのバイアル中に入れた。20ミリリットルのバイアルに蓋をかぶせ、周囲条件にて7日間静置した。さらなる1.0ミリリットルのEtOAcを、20ミリリットルのバイアルに加えた。20ミリリットルのバイアルに蓋をかぶせ、周囲条件にてさらに6日静置した。透明な溶液中の1ドラムバイアルの底面及び側面上の白色の固体を観察した。溶液を使い捨てのピペットでデカントし、手短に言えば、窒素(「N」)雰囲気下で残りの固体を乾燥させた。
ニコチン酸リボシド(NAR、I)の結晶形態IIは、16.9、17.7、及び26.6度2シータ±0.2度2シータにおいてピークを有する粉末X線回折パターンによって特性決定し得る。ニコチン酸リボシド(NAR、I)の結晶形態IIは、また若しくは代わりに、8.5、15.8、16.9、17.7、及び26.6度2シータ±0.2度2シータにおいてピークを有する粉末X線回折パターンによって特性決定し得る。ニコチン酸リボシド(NAR、I)の結晶形態IIは、また若しくは代わりに、8.5、13.9、15.8、16.9、17.7、21.7、22.0、26.1、26.6、及び27.9度2シータ±0.2度2シータにおいてピークを有する粉末X線回折パターンによって特性決定し得る。
他の実施形態では、ニコチン酸リボシド(NAR、I)の結晶形態IIは、実質的に図1に示されているような粉末X線回折パターンによって特性決定し得る。ニコチン酸リボシド(NAR、I)の結晶形態IIは、また若しくは代わりに、下記の表1において実質的に提供するようなピーク、±0.2度2シータを有する粉末X線回折パターンによって特性決定し得る。
Figure 2022512126000012
X線回折パターンは、Optix長距離高精度焦点源を使用して生じさせたCu照射の入射ビームを使用してPANalytical X’Pert Pro MPD又はEmpyrean回折計で収集した。楕円傾斜型多層鏡を使用して、標本を通して、検出器上へとCu Kα X線の焦点を合わせた。入射ビーム及び回折ビームのためのソーラースリットを使用して、軸発散からの広がりを最小化した。回折パターンは、標本から240ミリメートルに位置した走査型位置敏感検出器(X’Celerator)及びData Collectorソフトウェアを使用して収集した。
ニコチン酸リボシド(NAR、I)の結晶形態IIは、また若しくは代わりに、754.0、775.3、867.8、923.8、及び1641.2cm-1±0.2cm-1においてピークを有する固体IRスペクトルによって特性決定し得る。ニコチン酸リボシド(NAR、I)の結晶形態IIは、また若しくは代わりに、754.0、775.3、867.8、923.8、1054.9、1087.7、1114.7、1135.9、1184.1、及び1641.2cm-1±0.2cm-1においてピークを有する固体IRスペクトルによって特性決定し得る。ニコチン酸リボシド(NAR、I)の結晶形態IIは、また若しくは代わりに、754.0、775.3、867.8、923.8、1054.9、1087.7、1114.7、1135.9、1184.1、1309.5、1322.9、1359.6、及び1641.2cm-1±0.2cm-1においてピークを有する固体IRスペクトルによって特性決定し得る。ニコチン酸リボシド(NAR、I)の結晶形態IIは、また若しくは代わりに、754.0、775.3、867.8、923.8、1054.9、1087.7、1114.7、1135.9、1184.1、1309.5、1322.9、1359.6、1579.4、1612.2、1641.2、3043.2、及び3259.2cm-1±0.2cm-1においてピークを有する固体IRスペクトルによって特性決定し得る。ある特定の実施形態では、ニコチン酸リボシド(NAR、I)の結晶形態IIは、また若しくは代わりに、実質的に図2に示されているような固体IRスペクトルによって特性決定し得る。さらなる実施形態では、ニコチン酸リボシド(NAR、I)の結晶形態IIは、また若しくは代わりに、下記の表2において実質的に提供するような透過率ピーク、±0.2cm-1を有する固体IRスペクトルによって特性決定し得る。
Figure 2022512126000013
IRスペクトルは、Ever-Glo中/遠IR源、臭化カリウム(「KBr」)ビームスプリッター、及び重水素化硫酸トリグリシン(「DTGS」)検出器を備えたNicolet6700フーリエ変換赤外(「FT-IR」)分光光度計(Thermo Nicolet)を使用して取得した。ゲルマニウム(「Ge」)結晶を備えた減衰全反射法(「ATR」)アクセサリー(Thunderdome(商標)、Thermo Spectra-Tech)を、データ収集のために使用した。各スペクトルは、4cm-1のスペクトル分解で収集した256の同時スキャンを表す。
別の実施形態では、ニコチン酸リボシド(NAR、I)の結晶形態IIは、153.0℃±2℃の開始温度を有する吸熱的事象を含む、10℃/分の加熱速度を使用して得たDSCサーモグラムによって特性決定される。
さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシド(NAR、I)の結晶形態IIは、155.9℃±2℃のピーク温度を有する吸熱的事象を含む、10℃/分の加熱速度を使用して得たDSCサーモグラムによって特性決定される。
さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシド(NAR、I)の結晶形態IIは、153℃±2℃の開始温度、155.9℃±2℃のピーク温度、又は両方を有する吸熱的事象を含む、10℃/分の加熱速度を使用して得たDSCサーモグラムによって特性決定される。
さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシド(NAR、I)の結晶形態IIは、実質的に図3に示されているようなDSCサーモグラムによって特性決定し得る。
示差走査熱量測定は、Mettler-Toledo DSC3+分析器を使用して行った。試料を、10℃/分で温度範囲(-30℃~250℃)に亘りスキャンした(上向きが発熱で示す)。
実施例2
ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の結晶形態IIの調製。
200ミリグラムのニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)をシンチレーションバイアルに加え、3ミリリットルのエタノールを加えた。混合物を熱水浴に50℃にて加え、ニコチン酸リボシドトリアセテートがエタノールに溶解するまで連続的に撹拌した。溶液をフリーザー中に-20℃にて24時間置いた。固体を真空濾過し、次いで、真空オーブン中に40℃にて24時間置いた。
ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の結晶形態IIは、8.0、9.7、及び19.4度2シータ±0.2度2シータにおいてピークを有する粉末X線回折パターンによって特性決定し得る。ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の結晶形態IIは、8.0、9.7、11.7、19.0、19.4、及び23.5度2シータ±0.2度2シータにおいてピークを有する粉末X線回折パターンによって特性決定し得る。ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の結晶形態IIは、8.0、9.7、11.7、12.6、14.7、16.8、19.0、19.4、22.4、23.5、及び25.1度2シータ±0.2度2シータにおいてピークを有する粉末X線回折パターンによって特性決定し得る。
他の実施形態では、ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の結晶形態IIは、実質的に図4に示されているような粉末X線回折パターンによって特性決定し得る。ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の結晶形態IIは、また若しくは代わりに、下記の表3において実質的に提供するようなピーク、±0.2度2シータを有する粉末X線回折パターンによって特性決定し得る。
Figure 2022512126000014
X線回折パターンを、Cu照射の入射ビームを使用してRigaku MiniFlex回折計で収集した。連続スキャンを、0.02度2シータのステップ幅を伴って毎分2.0度2シータで行った。
ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の結晶形態IIは、また若しくは代わりに、599.3、659.6、683.2、694.3、710.7、770.0、809.0、856.7、893.4、922.8、948.8、1638.7、及び1738.5cm-1±0.2cm-1においてピークを有する固体IRスペクトルによって特性決定し得る。ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の結晶形態IIは、また若しくは代わりに、599.3、659.6、683.2、694.3、710.7、770.0、809.0、856.7、893.4、922.8、948.8、1026.4、1060.7、1097.3、1215.4、1358.2、1473.2、1483.0、1638.7、及び1738.5cm-1±0.2cm-1においてピークを有する固体IRスペクトルによって特性決定し得る。ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の結晶形態IIは、また若しくは代わりに、599.3、659.6、683.2、694.3、710.7、770.0、809.0、856.7、893.4、922.8、948.8、1026.4、1060.7、1097.3、1215.4、1358.2、1473.2、1483.0、1579.0、1612.2、1638.7、及び1738.5cm-1±0.2cm-1においてピークを有する固体IRスペクトルでよい。ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の結晶形態IIは、また若しくは代わりに、599.3、659.6、683.2、694.3、710.7、770.0、809.0、856.7、893.4、922.8、948.8、1026.4、1060.7、1097.3、1215.4、1358.2、1473.2、1483.0、1579.0、1612.2、1638.7、1738.5、2941.9、2972.7、2997.4、3074.0、及び3392.71cm-1±0.2cm-1においてピークを有する固体IRスペクトルによって特性決定し得る。ある特定の実施形態では、ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の結晶形態IIは、また若しくは代わりに、図5に示されているような固体IRスペクトルによって特性決定し得る。さらなる実施形態では、ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の結晶形態IIは、また若しくは代わりに、下記の表4において実質的に提供するような透過率ピーク、±0.2cm-1を有する固体IRスペクトルによって特性決定し得る。
Figure 2022512126000015
IRスペクトルは、ダイヤモンドATRアクセサリーを有するThermo iS50FT-IR分光計を使用して得た。
別の実施形態では、ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の結晶形態IIは、92.2℃±2℃の開始温度を有する吸熱的事象を含む、10℃/分の加熱速度を使用して得たDSCサーモグラムによって特性決定される。
さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の結晶形態IIは、159.2℃±2℃の開始温度を有する吸熱的事象を含む、10℃/分の加熱速度を使用して得たDSCサーモグラムによって特性決定される。
さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の結晶形態IIは、92.2℃±2℃の開始温度、159.2℃±2℃の開始温度、又は両方を有する吸熱的事象を含む、10℃/分の加熱速度を使用して得たDSCサーモグラムによって特性決定される。
さらに別の実施形態では、ニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA、II)の結晶形態IIは、実質的に図6に示されているようなDSCサーモグラムによって特性決定し得る。
TA Instruments DSC Q20を使用して示差走査熱量測定を行った。試料を、10℃/分で温度範囲(20℃~300℃)に亘りスキャンした(上向きが発熱で示す)。
DSC開始温度及びピーク温度、並びにエネルギー値は、例えば、試料の純度及び試料サイズによって、並びに機器のパラメーター、特に、温度スキャン速度によって変化し得ることは周知である。したがって、提示するDSCデータは、絶対値として受け取らない。当業者は示差走査熱量計についての機器のパラメーターを設定することができ、それゆえここで提示するデータに相当するデータは、標準的な方法、例えば、G.W.H.Hohne et al.,Differential Scanning Calorimetry(Springer 1996)に記載されているものによって収集することができる。
本発明を説明することとの関連で(特に、特許請求の範囲との関連で)、用語「a」、「an」、「the」及び同様の指示対象の使用は、本明細書において他に示さない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方をカバーすると解釈される。本明細書において値の範囲の列挙は、本明細書において他に示さない限り、範囲内に入るそれぞれの別々の値を個々に指す簡単明瞭な方法としての役割を果たすことを単に意図し、それぞれの別々の値は、それが個々にここで列挙されているかのように本明細書中に組み込まれている。用語「約」の使用は、概ね±10%の範囲の記述した値の上若しくは下の値を説明することを意図する;他の実施形態では、値は、概ね±5%の範囲の記述した値の上若しくは下の値内に亘り得る;他の実施形態では、値は、概ね±2%の範囲の記述した値の上若しくは下の値内に亘り得る;他の実施形態では、値は、概ね±1%の範囲の記述した値の上若しくは下の値内に亘り得る。前述の範囲は、文脈によって明らかにされることを意図し、さらに限定することを意味しない。本明細書に記載されている全ての方法は、本明細書において他に示さない限り、又は他に文脈によって明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で行うことができる。本明細書において提供するありとあらゆる例、又は例示的な言語(例えば、「など」)の使用は、本発明をより良好に解明することを単に意図し、他に特許請求しない限り、本発明の範囲に対して限定することを提起しない。本明細書における言語は、任意の特許請求されていない要素を本発明の実施にとって絶対必要であることを示すとは解釈すべきではない。
上記の明細書において、本発明をその特定の実施形態と関連して説明してきており、多くの詳細を例示の目的のために提示してきた一方で、本発明は、さらなる実施形態を受け入れることができ、本明細書に記載されている特定の詳細は、本発明の基本原理から逸脱することなく相当に変化させることができることは当業者には明らかであろう。
本明細書において引用したすべての参照は、その全体が参照により組み込まれている。本発明は、その精神又は本質的な特性から逸脱することなく他の特定の形態において実施し得、したがって、本発明の範囲を示すものとして、上記の明細書よりむしろ添付の特許請求の範囲を参照すべきである。

Claims (32)

  1. 式(I):
    Figure 2022512126000016
    によるニコチン酸リボシド(NAR)の結晶形態II。
  2. 請求項1に記載の結晶形態IIにおいて、16.9、17.7、及び26.6度2シータ±0.2度2シータにおいてピークを有する粉末X線回折パターンであることを特徴とする結晶形態II。
  3. 請求項1に記載の結晶形態IIにおいて、8.5、15.8、16.9、17.7、及び26.6度2シータ±0.2度2シータにおいてピークを有する粉末X線回折パターンであることを特徴とする結晶形態II。
  4. 請求項1に記載の結晶形態IIにおいて、8.5、13.9、15.8、16.9、17.7、21.7、22.0、26.1、26.6、及び27.9度2シータ±0.2度2シータにおいてピークを有する粉末X線回折パターンであることを特徴とする結晶形態II。
  5. 請求項1に記載の結晶形態IIにおいて、実質的に図1に示すようなピークを有する粉末X線回折パターンであることを特徴とする結晶形態II。
  6. 請求項1に記載の結晶形態IIにおいて、表1において実質的に提供するようなピーク±0.2度2シータを有する粉末X線回折パターンであることを特徴とする結晶形態II。
  7. 請求項1に記載の結晶形態IIにおいて、754.0、775.3、867.8、923.8、及び1641.2cm-1±0.2cm-1においてピークを有するIRスペクトルであることを特徴とする結晶形態II。
  8. 請求項1に記載の結晶形態IIにおいて、754.0、775.3、867.8、923.8、1054.9、1087.7、1114.7、1135.9、1184.1、及び1641.2cm-1±0.2cm-1においてピークを有するIRスペクトルであることを特徴とする結晶形態II。
  9. 請求項1に記載の結晶形態IIにおいて、754.0、775.3、867.8、923.8、1054.9、1087.7、1114.7、1135.9、1184.1、1309.5、1322.9、1359.6、及び1641.2cm-1±0.2cm-1においてピークを有するIRスペクトルであることを特徴とする結晶形態II。
  10. 請求項1に記載の結晶形態IIにおいて、754.0、775.3、867.8、923.8、1054.9、1087.7、1114.7、1135.9、1184.1、1309.5、1322.9、1359.6、1579.4、1612.2、1641.2、3043.2、及び3259.2cm-1±0.2cm-1においてピークを有するIRスペクトルであることを特徴とする結晶形態II。
  11. 請求項1に記載の結晶形態IIにおいて、実質的に図2に示すようなIRスペクトルであることを特徴とする結晶形態II。
  12. 請求項1に記載の結晶形態IIにおいて、実質的に図3に示すようなDSCサーモグラムであることを特徴とする結晶形態II。
  13. 請求項1に記載の結晶形態IIにおいて、153.0℃±2℃の開始温度を有する吸熱的事象を含む、10℃/分の加熱速度を使用して得られるDSCサーモグラムであることを特徴とする結晶形態II。
  14. 請求項1に記載の結晶形態IIにおいて、155.9℃±2℃のピーク温度を有する吸熱的事象を含む、10℃/分の加熱速度を使用して得られるDSCサーモグラムであることを特徴とする結晶形態II。
  15. 請求項1に記載の結晶形態IIにおいて、153.0℃±2℃の開始温度及び155.9℃±2℃のピーク温度を有する吸熱的事象を含む、10℃/分の加熱速度を使用して得られるDSCサーモグラムであることを特徴とする結晶形態II。
  16. 請求項1に記載の結晶形態IIにおいて、
    (a)ある容量のヘキサフルオロイソプロパノールをある質量のニコチン酸リボシドに加えるステップと;
    (b)ニコチン酸リボシドのヘキサフルオロイソプロパノール溶液を生成するために、その質量のニコチン酸リボシドをその容量のヘキサフルオロイソプロパノールに溶解するステップと;
    (c)前記ニコチン酸リボシドのヘキサフルオロイソプロパノール溶液を蓋のない容器に加えるステップと;
    (d)前記ニコチン酸リボシドのヘキサフルオロイソプロパノール溶液を含有する前記蓋のない容器を、前記ニコチン酸リボシドのヘキサフルオロイソプロパノール溶液の容量と概ね等しいある容量の酢酸エチルを含有するより大きな容器の内側に置くステップと;
    (e)前記より大きな容器を密封するステップと;
    (f)ニコチン酸リボシドの前記結晶形態IIを結晶化するために、前記ニコチン酸リボシドのヘキサフルオロイソプロパノール溶液を周囲温度にて維持するステップと;
    (g)より大きな容器を開封するステップと;
    (h)ニコチン酸リボシドの前記結晶形態IIを単離するステップと
    を含む方法によって調製されることを特徴とする結晶形態II。
  17. 式(II):
    Figure 2022512126000017
    によるニコチン酸リボシドトリアセテート(NARTA)の結晶形態II。
  18. 請求項17に記載の結晶形態IIにおいて、8.0、9.7、及び19.4度2シータ±0.2度2シータにおいてピークを有する粉末X線回折パターンであることを特徴とする結晶形態II。
  19. 請求項17に記載の結晶形態IIにおいて、8.0、9.7、11.7、19.0、19.4、及び23.5度2シータ±0.2度2シータにおいてピークを有する粉末X線回折パターンであることを特徴とする結晶形態II。
  20. 請求項17に記載の結晶形態IIにおいて、8.0、9.7、11.7、12.6、14.7、16.8、19.0、19.4、22.4、23.5、及び25.1度2シータ±0.2度2シータにおいてピークを有する粉末X線回折パターンであることを特徴とする結晶形態II。
  21. 請求項17に記載の結晶形態IIにおいて、実質的に図4に示すようなピークを有する粉末X線回折パターンであることを特徴とする結晶形態II。
  22. 請求項17に記載の結晶形態IIにおいて、表3において実質的に提供するようなピーク±0.2度2シータを有する粉末X線回折パターンであることを特徴とする結晶形態II。
  23. 請求項17に記載の結晶形態IIにおいて、599.3、659.6、683.2、694.3、710.7、770.0、809.0、856.7、893.4、922.8、948.8、1638.7、及び1738.5cm-1±0.2cm-1においてピークを有するIRスペクトルであることを特徴とする結晶形態II。
  24. 請求項17に記載の結晶形態IIにおいて、599.3、659.6、683.2、694.3、710.7、770.0、809.0、856.7、893.4、922.8、948.8、1026.4、1060.7、1097.3、1215.4、1358.2、1473.2、1483.0、1638.7、及び1738.5cm-1±0.2cm-1においてピークを有するIRスペクトルであることを特徴とする結晶形態II。
  25. 請求項17に記載の結晶形態IIにおいて、599.3、659.6、683.2、694.3、710.7、770.0、809.0、856.7、893.4、922.8、948.8、1026.4、1060.7、1097.3、1215.4、1358.2、1473.2、1483.0、1579.0、1612.2、1638.7、及び1738.5cm-1±0.2cm-1においてピークを有するIRスペクトルであることを特徴とする結晶形態II。
  26. 請求項17に記載の結晶形態IIにおいて、表4において実質的に提供するようなピーク±0.2cm-1を有するIRスペクトルであることを特徴とする結晶形態II。
  27. 請求項17に記載の結晶形態IIにおいて、実質的に図5に示すようなIRスペクトルであることを特徴とする結晶形態II。
  28. 請求項17に記載の結晶形態IIにおいて、実質的に図6に示すようなDSCサーモグラムであることを特徴とする結晶形態II。
  29. 請求項17に記載の結晶形態IIにおいて、92.2℃±2℃の開始温度を有する吸熱的事象を含む、10℃/分の加熱速度を使用して得たDSCサーモグラムであることを特徴とする結晶形態II。
  30. 請求項17に記載の結晶形態IIにおいて、159.2℃±2℃の開始温度を有する吸熱的事象を含む、10℃/分の加熱速度を使用して得たDSCサーモグラムであることを特徴とする結晶形態II。
  31. 請求項17に記載の結晶形態IIにおいて、92.2℃±2℃及び159.2℃±2℃での開始温度を有する吸熱的事象を含む、10℃/分の加熱速度を使用して得たDSCサーモグラムであることを特徴とする結晶形態II。
  32. 請求項17に記載の結晶形態IIにおいて、
    (a)ある容量のエタノールをある質量のニコチン酸リボシドトリアセテートに加えるステップと;
    (b)ニコチン酸リボシドトリアセテートのエタノール溶液を生成するために、概ね50℃にてその質量のニコチン酸リボシドトリアセテートをその容量のエタノールに溶解するステップと;
    (c)ニコチン酸リボシドトリアセテートの前記結晶形態IIを結晶化するために、前記ニコチン酸リボシドトリアセテートのエタノール溶液を-20℃にて冷却するステップと;
    (d)ニコチン酸リボシドトリアセテートの前記結晶形態IIを単離するステップと
    を含む方法によって調製されることを特徴とする結晶形態II。
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