JP2022512062A - 電子タバコ - Google Patents

Abstract

電子タバコ（１００）は、別個のカートリッジ（１４０ａ）として各々設けられる複数の液体リザーバ（１２２）であって、各々が単一の液体リザーバ（１２２）を収容する複数の液体リザーバ、を含むカートリッジアセンブリ（１４０）と、上記カートリッジアセンブリ（１４０）に取り外し可能に接続可能であるように構成されるカートリッジ着座部（１４５）を有する本体（１１０）と、を備え、上記本体（１１０）は、細長い形状を有し、電源（１１２）と、少なくとも１つの液体リザーバ（１１２）から電子タバコ（１００）の少なくとも１つのヒータ（１８０）への液体の送達を選択的に可能にするように構成された調整機構（１６０）と、を備え、上記カートリッジ着座部（１４５）は、管状受入空洞を備え、上記別個のカートリッジは、それらを組み合わせた軸方向断面が上記管状受入空洞の軸方向断面に対応するように成形される。

Description

本発明は、電子タバコに関し、特に、エアロゾル発生液から蒸気を発生させる電子タバコに関する。

電子タバコ（electronic cigarette）、すなわちｅタバコという用語は、通常、従来のタバコで煙草（tobacco）を吸う感覚又は体験をシミュレートする手持ち式の電子デバイスに適用される。電子タバコは、エアロゾル発生液を気化点まで加熱して、一般的に蒸気と呼ばれるエアロゾルを発生させることにより動作し、そしてエアロゾルはユーザにより吸入される。

よって、ｅタバコの使用は、「蒸気吸入（vaping）」と称されることもある。電子タバコ内のエアロゾル発生液は、「ｅリキッド」と呼ばれることがあり、通常は、ニコチン、プロピレングリコール、グリセリン及び風味料を含む。

ほとんどのｅタバコは、単一のｅリキッド風味を有するリザーバを含む。このリザーバは、１回又は複数回の蒸気吸入セッション用のｅリキッドを含むカートリッジの形態で、使い捨て可能であってもよく、また、使い捨て部分に加熱要素を組み込んでいてもよい。代替的に、タンクは、ユーザにより補充可能であり、電子タバコの恒久的な部分として構成されてもよい。

国際公開第２０１３／１５２８７３号パンフレットは、複数の液体リザーバと、ユーザが所望の風味の混合を設定することを可能にする混合手段とを有する電子タバコを開示している。しかしながら、蒸気の風味を変更するために、ユーザは、手動で設定を変更する必要がある。ユーザがデバイスを校正して、ユーザ自身で風味の所望の設定を作成し、満足のいく結果を得ることは困難である可能性がある。

上記を考慮して、本発明の目的は、簡単且つ正確な風味混合能力を提供する電子タバコを提供することである。

電子タバコには、従来のタバコと比較して喫煙行為に明確な始まりと終わりがないという欠点もある。従来のタバコの場合、始まりと終わりは、タバコの長さと喫煙中のタバコの視覚的変化とにより定義される。それゆえ、ユーザに明確な喫煙行為を提供することが可能な電子タバコを提供し、ユーザがデバイスを正しく動作させるのを補助する（例えば、喫煙後に電子タバコをいつオフにできるかユーザに通知する）ことが有利である。

さらに、ユーザがいつでも新たな風味の使い捨てパックを購入できる伝統的な既製の煙草シガレットと比較して、電子タバコは、概して、マルチユースの構成要素であって、そのためにユーザを通常ある種類の風味又は風味の組み合わせに制約する構成要素を備える。

上記目的は、請求項１に記載の電子タバコと、請求項１５に記載の消費材（consumable）とにより達成される。

第１の態様によれば、電子タバコが提供され、上記電子タバコは、
相異なる液体を貯蔵するように構成された複数の液体リザーバと、
少なくとも１つのヒータであって、上記液体リザーバの各々が少なくとも１つのヒータに流体的に結合される、少なくとも１つのヒータと、
少なくとも１つの液体リザーバから少なくとも１つのヒータへの液体の送達を選択的に可能にするように構成された調整機構と、
少なくとも１つのヒータへの液体送達のためにどの液体リザーバが有効化されるか及びその作動の持続時間を規定する少なくとも１つのプログラムを記憶するように構成されたメモリと、
上記メモリ上の少なくとも１つのプログラムに従って各液体リザーバの有効化を選択的に制御するように構成されたコントローラと、各液体リザーバが有効化される時間を調整するように構成されたタイマと、
を備え、
これにより、上記電子タバコは、蒸気をその組成における経時的な変化と共に生成するように構成される。

液体リザーバは、補給可能かつ再利用可能となるよう、電子タバコに一体化した部分であってもよい。また、液体リザーバは、電子タバコに挿入でき且つ少なくとも１つの液体リザーバ又は液体リザーバの全てが空になったときに電子タバコから取り出すことができる、カートリッジなどの、消費材の一部であってもよい。また、液体リザーバは、ユーザが、所望の種類及び組成の異なる液体リザーバを電子タバコに挿入でき、これにより、新たな蒸気組成を可能にするように、電子タバコに個別に挿入可能であり且つ電子タバコから取り出し可能であってもよい。そのような個別に挿入可能且つ取り出し可能な液体リザーバの各々はまた、カートリッジ自体として機能してもよく、電子タバコは、複数のカートリッジを受け入れるように構成されてもよい。

「カートリッジ」という用語は、本明細書では広義に使用され、消費材の外形を限定するものではなく、むしろ、少なくとも部分的に、好ましくは完全に、電子タバコに挿入されてもよく又は電子タバコに取り付け可能であってもく、及び取り外しが望まれるときに、特にカートリッジの液体リザーバの１つ又は複数が空になったときに、電子タバコから取り外され得る消費材を表すように意図されている。本明細書では、多くの実施形態をカートリッジに関して説明する。しかしながら、他の任意の好適な種類の消費材がいずれの場合にもカートリッジの代わりに使用され得ることを理解すべきである。

蒸気組成の変化は、液体組成の変化した液体を気化させた結果であってもよく、且つ／又は同時に気化される相異なる液体により混合比の変化した蒸気が生成された結果であってもよい。

タイマは、秒単位（若しくはミリ秒単位など）及び／又はパフ数で時間量を測定するように構成されてもよい。

本発明の第２の態様によれば、電子タバコ用のカートリッジが提供され、上記カートリッジは、別々の区画として形成された複数の液体リザーバを有し、上記カートリッジは、少なくとも１つのプログラムを記憶するように構成されたメモリをさらに備え、上記プログラムは、蒸気をその組成における経時的な変化と共に電子タバコ内の調整機構によって生成することを可能にする命令群を含む。

本発明の第３の態様によれば、電子タバコが提供され、上記電子タバコは、各々が少なくとも１つの液体リザーバを有する複数のカートリッジ（又はカートリッジアセンブリ）と、
上記複数のカートリッジに取り外し可能に接続可能であるように構成されるカートリッジ着座部を有する本体と、
を備え、
上記本体は、細長い形状を有するとともに、電源と、少なくとも１つの液体リザーバから上記電子タバコの少なくとも１つのヒータへの液体の送達を選択的に可能にするように構成された調整機構と、を備え、
上記カートリッジ着座部は、管状受入空洞を備え、
上記複数のカートリッジは、組み合わせた複数のカートリッジの軸方向断面が上記管状受入空洞の軸方向断面に対応するように成形される。

本発明の第４の態様によれば、電子タバコ用の消費材であって、上記消費材は、ヒータと液体リザーバとを備え、上記消費材のハウジングは、円の一区分の形状、好ましくは半円状の軸方向断面を有する、消費材が提供される。

さらなる有利な変形例及び修正形態については、図との組み合わせでの説明に加えて、従属クレームに関して以下で説明する。

いくつかの有利な実施形態では、上記調整機構は、少なくとも１つの弁を備える。この手法では、液体の移送をより厳密に制御することができる。

いくつかの有利な実施形態では、上記弁は、複数の液体リザーバからの液体供給を可能にし且つ修正するように構成された弁本体をさらに備える。これにより、液体をより柔軟に組み合わせて、相異なる風味の組み合わせを達成することが可能となる。

いくつかの有利な実施形態では、上記弁は、液体リザーバからの出口に（又は出口に対して）選択的に位置合わせされ（aligned）及び選択的にずらされる（disaligned）ように構成された複数の流路を有する回転体である。

いくつかの有利な実施形態では、上記調整機構は、複数の弁を備える。それらの実施形態のいくつかでは、各弁は、各液体リザーバからの液体の流れを調整するように構成される。

いくつかの有利な実施形態では、上記調整機構は、複数のヒータを備え、液体リザーバの各々は、少なくとも１つのヒータに流体的に結合される。このように、各ヒータは、例えば、異なる蒸気吸入温度などを考慮に入れて、特定の液体を加熱して気化させるように、特別に適合されるか又は制御されてもよい。

いくつかの有利な実施形態では、各液体リザーバは、専用のヒータに接続される。換言すれば、上記電子タバコは、具備する液体リザーバの数と同数のヒータを備えてもよい。これにより、各液体リザーバからの各液体を個別の最適な蒸気吸入温度に個別に加熱すること及び／又は各液体リザーバからの液体を個別に加熱する（又は加熱しない）ことが可能となる。液体リザーバが、上記電子タバコの外部にある、すなわち消費材上に配置される場合、上記電子タバコは、好ましくは、エアロゾル発生液を液体リザーバからヒータに誘導するように構成される、具備する流体移送要素の数と同数のヒータを備え、各流体移送要素は、それぞれの専用のヒータに流体的に接続されてもよく、その逆も然りである。

いくつかの有利な実施形態では、上記コントローラは、メモリ上の少なくとも１つのプログラムに従って各ヒータの作動を選択的に制御するように構成される。

いくつかの有利な実施形態では、上記タイマは、各ヒータを作動させる時間を調整するように構成される。

いくつかの有利な実施形態では、少なくとも２つのヒータを、別々の時間に作動させることができる。これにより、例えば、まず第１のヒータを作動させ、次いで、時間的にずらして、第２のヒータを作動させることにより、経時的に変化する蒸気組成をより厳密に生成することが可能となる。特に、それにより、際立った変わり目又はコントラストなしに、ある風味から別の風味に徐々に変わるように風味をブレンドすることが可能となる。

いくつかの有利な実施形態では、少なくとも２つのヒータを、同時に作動させることができる。これにより、少なくとも２つの異なる液体リザーバからの少なくとも２つの異なる液体から同時に複合蒸気組成物を生成することが可能となる。

いくつかの有利な実施形態では、液体リザーバの少なくとも２つは、ニコチンなどの活性成分を含む。いくつかの有利な実施形態では、それら液体リザーバは、活性成分の強度又は濃度が異なる、例えばニコチン強度が異なる液体を含む。いくつかの有利な実施形態では、液体リザーバの少なくとも２つは、それぞれの強度又は濃度を有する同じ活性成分、例えばニコチン以外の、同一の組成を有する液体を含む。好ましくは、蒸気組成の経時変化は、活性成分の強度又は濃度の変化、例えばニコチン強度の変化を含むか、又はその変化からなる。このように、電子タバコは、所定の投薬計画に従って、薬物又は薬物の活性成分を厳密に投薬するために使用されてもよい。

いくつかの有利な実施形態では、上記複数の液体リザーバは、少なくとも２つの風味の異なる液体を含む。好ましくは、（例えば、メモリに記憶された少なくとも１つのプログラムに従う）蒸気組成の変化は、風味の変化を含むか、又はその変化からなる。

いくつかの有利な実施形態では、少なくとも１つの液体リザーバは、風味を有しないか又は無風味である（すなわち風味のない）液体を含む。そのような無風味の液体は、薄めなければ強すぎる風味を薄めるために、又は電子タバコにより提供できる任意の考えられる風味組成物に添加可能である例えば薬物の活性成分を効率的に担持するために使用されてもよい。

いくつかの有利な実施形態では、上記プログラムは、活性成分の異なる風味強度及び／又は異なる濃度強度を達成するための異なる加熱プロファイルを含む。

いくつかの有利な実施形態では、上記複数の液体リザーバは、単一体のカートリッジを形成する支持体上に設けられ、且つ少なくとも１つのプログラムは、カートリッジにおけるメモリに位置する。

いくつかの有利な実施形態では、上記少なくとも１つのプログラムは、電子タバコの本体におけるメモリに位置する。

いくつかの有利な実施形態では、上記少なくとも１つのプログラムは、異なる風味強度を達成するための異なる加熱プロファイルを含む。そのような加熱プロファイルは、固有の時間長にわたり固有の加熱温度で作動されるヒータのシーケンスを含んでもよい。

いくつかの有利な実施形態では、少なくとも１つのプログラムは、相異なる加熱プロファイルのセットを含み、且つ各加熱プロファイルは、特定の組成物及び／又は風味に関連付けられてもよい。

いくつかの有利な実施形態では、プログラムは、例えば、電子タバコのユーザインターフェースを使用して、又は無線若しくは有線インターフェースを介して電子タバコに接続可能なモバイルデバイス上で動作するアプリケーションを使用して、ユーザにより作成及び／又は適用することができる。

いくつかの有利な実施形態では、（例えば、少なくとも１つのプログラムの）風味の組み合わせ及びタイミングを、ユーザにより設定することができる。

いくつかの有利な実施形態では、少なくとも１つのプログラムは、センサ入力に、例えば、食品分子センサなどの粒子センサの入力に基づく。この手法で、蒸気組成を、例えば、ユーザの以前の消費量及び／又はユーザの口内の化学的バランス（例えば酸性／塩基性）に基づいて自動的に設定することができる。例えば、蒸気のいくつかの成分は、ある分子又はある化学的バランスとの組み合わせで、特に美味しい味若しくは特にまずい味がすることがあるか、又は吐き気若しくは他の望ましくない作用を誘発することさえある。このような場合、センサ入力は、蒸気組成を自動的に調節してそのような作用を少なくとも相殺するために使用されてもよい。

また、上記センサは、ユーザの概日リズム（circadian rhythm）を検出するように構成されたセンサであってもよく、上記コントローラは、検出された概日リズムに基づいて、好ましくは現在の時間及び／又は現在の日付にさらに基づいて、プログラムを適用及び／又は選択するように構成されてもよい。

いくつかの有利な実施形態では、上記プログラムは、相異なる加熱プロファイルのセットを含む。各加熱プロファイルは、特定の組成物及び／又は風味に関連付けられてもよい。前述したように、特定の蒸気組成物が、活性成分の味及び／又は送達を最適化するために特定の加熱プロファイルを要してもよい。

いくつかの有利な実施形態では、上記ヒータは、毛細管を有する針を備えるか、又は毛細管を有する針の形態である。針は、毛管効果により流体移送部材として機能するように構成されてもよい。

いくつかの有利な実施形態では、上記ヒータは（共に若しくは各々個別に、又はヒータ群が個別に）、後退位置と延出位置との間で移動可能である。これは、内部に貯蔵されたエアロゾル発生液にアクセスするためにヒータを消費材上のシール又はパッケージを穿刺する延出位置まで移動させ得るので、ヒータが針などの穿刺部材として形成されるか、又は穿刺部材を含むように形成される場合に特に有利である。

本発明の第２の態様によるカートリッジのいくつかの有利な実施形態では、上記カートリッジは、各々が専用の液体リザーバに接続された複数のヒータをさらに備える。

本発明の第３の態様による電子タバコのいくつかの有利な実施形態では、組み合わせた複数のカートリッジの軸方向断面は、管状受入空洞の軸方向断面に実質的又は厳密に等しい。

いくつかの有利な実施形態では、上記カートリッジ着座部は、アトマイザアセンブリに接続するように構成された複数の電気コネクタを備える。

いくつかの有利な実施形態では、上記カートリッジは、ヒータと流体移送要素とを備える一体型アトマイザを備え、上記カートリッジ着座部は、各カートリッジに接続するように構成された複数の電気的コネクションを備える。

いくつかの有利な実施形態では、上記電気的コネクションは、弾性接点として構成される。

いくつかの有利な実施形態では、上記アトマイザアセンブリは、複数の穿刺部材を備える。

いくつかの有利な実施形態では、上記カートリッジ着座部は、流体移送要素として構成された穿刺部材をさらに備える。好ましくは、流体移送要素は、多孔質部材である。

いくつかの有利な実施形態では、上記カートリッジ着座部は、上記カートリッジを上記カートリッジ着座部内のコネクタに合わせるように上記カートリッジをある角度位置に位置決めするように構成された案内要素を備える。

いくつかの有利な実施形態では、上記細長い本体は、エアロゾルを発生させるために各液体リザーバから使用される液体の量をユーザが制御することを可能にするように構成されたユーザコントロールをさらに備える。

いくつかの有利な実施形態では、上記ユーザコントロールは、スクロールホイール、２つのボタンのセット、ロッカーボタン、及び回転ダイヤルを含む群から選択される。

いくつかの有利な実施形態では、上記ユーザコントロールは、上記電子タバコのマウスピース又はマウスピースコネクタとは反対側の細長い本体の遠位端部に位置する回転ダイヤルである。

いくつかの有利な実施形態では、上記電子タバコは表示部をさらに備え、上記表示部は、蒸気中の風味の割合を表示するように構成される。

いくつかの有利な実施形態では、上記表示部は、異なる色により又は異なる色強度により風味又はニコチン強度を表すように構成された光源（例えば、ＲＧＢ ＬＥＤ）である。

いくつかの有利な実施形態では、上記表示部は、上記カートリッジ着座部の遠位側にある本体の端部分に位置し、上記回転ダイヤルは、遠位端部の端部分の周囲に配置される。

いくつかの有利な実施形態では、上記液体リザーバの少なくとも１つは、風味剤（flavorant）を含む。

いくつかの有利な実施形態では、少なくとも２つの液体リザーバは、ニコチン強度の異なるエアロゾル生成組成物を含む。

いくつかの有利な実施形態では、上記液体リザーバの１つは、ニコチンを含まないエアロゾル生成組成物を含む。

いくつかの有利な実施形態では、上記電子タバコは、液体リザーバを取り囲んで液体リザーバを一緒に保持するように構成されたスリーブをさらに備える。

いくつかの有利な実施形態では、上記スリーブは、マウスピース部分又はマウスピースコネクタをさらに備える。

第２の態様又は第４の態様による消費材のいくつかの有利な実施形態では、上記液体リザーバは、気化室と、気化室からの蒸気出口流路の第１の部分と、溝とを備え、少なくとも２つの液体リザーバの溝は、蒸気出口流路を形成する。

いくつかの有利な実施形態では、上記消費材は、連結コネクタを備える。

いくつかの有利な実施形態では、上記消費材は、蒸気流路内に乱流を発生させるように構成された、気流ダイバータを備える。

本発明及びその利点のより完全な理解のために、類似の参照符号が類似の部分を指す、添付図面を参照しながら、本発明の例示的な実施形態について以下の説明でより詳細に説明する。

本発明の実施形態による、電子タバコ、消費材、及び喫煙システムの概略図を示す。 図１ａの電子タバコの概略断面図を示す。 本発明の別の実施形態による電子タバコの一部の概略図を示す。 本発明のなお別の実施形態による電子タバコの一部の概略図を示す。 本発明のさらに別の実施形態による電子タバコの一部の概略分解図を示す。 本発明の実施形態によるカートリッジの概略図を示す。 本発明の実施形態によるカートリッジの概略図を示す。 本発明の実施形態によるカートリッジの概略図を示す。 本発明の実施形態によるカートリッジの概略図を示す。 本発明の実施形態によるカートリッジの概略分解図を示す。 本発明のいくつかの実施形態において使用されるヒータの概略図を示す。 本発明の実施形態によるカートリッジの概略断面図を示す。 本発明の実施形態による電子タバコの概略図を示す。 本発明の実施形態による電子タバコの概略図を示す。 本発明の実施形態による電子タバコの概略図を示す。

添付の図面は、本発明のさらなる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれるとともに本明細書の一部を構成する。図面は、本発明の特定の実施形態を図示しており、本説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たす。本発明の他の実施形態及び本発明に付随する利点の多くは、以下の詳細な説明を参照してより良く理解されるようになると、容易に分かるであろう。

実施形態のより抽象的な見方を容易にするために、商業的に実現可能な実施形態において有用又は必要であり得る一般的な及び／又は十分に理解された要素は、必ずしも描かれていないことが分かるであろう。図面の要素は、必ずしも互いに対して一定の縮尺で図示されているわけではない。本明細書で使用される用語及び表現は、本明細書に具体的な意味が別途明記されていない限り、対応するそれぞれの調査及び研究の分野に関するそのような用語及び表現に一致するような通常の意味を有することが理解されるであろう。

図面の図１ａ及び図１ｂを参照すると、電子タバコ１００が図示されている。

電子タバコ１００は、本体１１０と、マウスピース部分１１１とを備える。マウスピース部分１１は、マウスピース自体を形成してもよく、又はマウスピースに接続するためのコネクタ構造（「マウスピースコネクタ」）を備えてもよい。電子タバコ１００により発生させたエアロゾル又は蒸気は、マウスピース部分１１１を通して吸入され得る。

エアロゾルは、以下に説明するように、少なくとも１つのエアロゾル発生液を加熱することにより生成される。加熱のための電気エネルギーは、電子タバコ１００の電源１１２、例えばバッテリー、好ましくは充電式バッテリーにより提供される。図１ｂに図示するように、電子タバコ１００は、複数の液体リザーバ１２２と、調整機構１６０と、少なくとも１つのヒータ１８０（図１ｂには図示せず）と、コントローラ１３６と、タイマ１３４とを備える。

複数の液体リザーバ１２２は、相異なる液体を貯蔵するように構成される。液体は、異なるニコチン強度、酸味又はその他などの、異なる風味又は異なる活性成分を含んでもよい。よって、エアロゾル発生液は、風味が異なってもよく（例えば、１つのエアロゾル発生液は風味がないか又は無風味であってもよく、他のエアロゾル発生液はメントールの芳香を含んでもよく）、物理的特性（例えば気化温度）が異なってもよく、及び／又は活性成分の強度若しくは濃度が異なってもよい。液体リザーバ１２２は、交換可能な／使い捨てカートリッジ１２２として構成されてもよい。電子タバコ１００はまた、カートリッジ１２２が電子タバコ１００に挿入されたときに提供される液体リザーバ１２２に加えて、少なくとも１つの一体型液体リザーバを有してもよい。

例えば、一体型液体リザーバは、活性成分（例えば、ニコチン）を含む風味のないエアロゾル発生液を含んでもよく、それに対して、液体リザーバ１２２は、活性成分をほとんど又は全く含まないエアロゾル発生液を含んでもよい。このように、例えば、ある量の活性成分を定期的又は常に吸入しようとするユーザは、活性成分を提供するように電子タバコ１００内の一体型液体リザーバを満たしてもよく、そして、所望の様々な風味を含む液体リザーバ１２２のアセンブリをカートリッジ１４０内に配置し、活性成分を含む気化した液体と一緒に混合される形でそれらから蒸気を生成させてもよい。

図３に図示するように、電子タバコ１００は、複数の液体リザーバ１２２、例えば、図示のように３つの液体リザーバ１２２、を備えるか、又はそれらからなるカートリッジアセンブリ１４０を受け入れるように構成された単一のカートリッジ着座部１４５を備えてもよい。カートリッジ着座部１４５は、電子タバコ１００の本体（例えば、バッテリー部分）の遠位端部に位置してもよく、且つ中空管として構成されてもよい。

一実施形態では、カートリッジアセンブリ１４０は、図４ａ～図４ｄに示すように構成されてもよい。したがって、カートリッジアセンブリ１４０は、ハウジング１４３と、液体リザーバ１２２とを備えてもよく、及び流体移送要素１２０を含んでもよい。液体リザーバ１２２は、各々が単一の液体リザーバ１２２を収容する、別個のカートリッジ１４０ａとして設けることができる。カートリッジの軸方向断面は、カートリッジ着座部１４５に対し、好ましくは、複数の（少なくとも２つの）カートリッジ１２２の軸方向断面がカートリッジ着座部１４５の軸方向断面に対応するように成形される。

カートリッジアセンブリ１４０は、少なくとも２つのカートリッジ１４０が一緒に取り付けられたときにカートリッジ着座部１４５の内部の空隙を占めるように構成される。それゆえ、カートリッジ１４０のハウジング１４３は、円の一区分、好ましくは半円又は四分円の形状の軸方向断面を有してもよい。２つの四分円を組み合わせて、二重のカートリッジアセンブリ１４０を単一のユニットとして形成することも可能である。

図５は、例示的な実施形態によるカートリッジ１４０を分解視して示す概略詳細図である。

図５に図示するように、カートリッジ１４０は、（例えば、球体の形態の）弁閉鎖部材１５２と、弁座１５３とを備える弁１５０を備えてもよい。弁閉鎖部材１５２は、弁座１５３により付勢されて、液体リザーバ１２２からの液体供給が閉止されるように流路１５１を遮断する。カートリッジ着座部１４５には、流体移送要素１２０が設けられる。流体移送要素１２０は、流路の外周により画定された弁座に接触するように構成される。別の実施形態では、ヒータ１８０は、液体リザーバから液体を受け取って液体を気化させ蒸気にするように構成された毛細管とすることができる。

図２ａ、図２ｂ及び図６に図示する代替的な実施形態に見られるように、液体リザーバ１２２とヒータ１８０との流体連通は、毛細管の形態のヒータ１８０の一部分との直接接触により確立されてもよい。

よって、図６に図示するように、ヒータ１８０は、毛細管１８０ａの形状を有することができ、吸収部分１８０ｂと加熱部分１８０ｃとを備えた細長い形状を備えてもよい。したがって、吸収部分１８０ｂは、液体リザーバ１２２から加熱部分１８０ｃに流体を移送するための流体移送要素１２０としての役割を果たしてもよい。電子タバコ１００の使用中の吸収部分１８０ｂの温度は、好ましくは、使用中の加熱部分１８０ｃの温度よりも低い。それゆえ、液体を、毛管作用により液体リザーバ１２２からヒータ１８０に運ぶことができる。

さらに別の実施形態では、図７に図示するように、カートリッジ１４０は、複数の液体リザーバ１２２を備えることができる。よって、液体リザーバ１２２の軸方向断面は、液体リザーバ１２２の形状が組み立てられてカートリッジ着座部１４５の形状に対応するように成形することができる。この文脈における「対応する（corresponding）」とは、互いに並んで配置された軸方向断面がカートリッジ着座部１４５の軸方向断面を実質的に満たすことを意味するように理解されてもよい。

例えば、液体リザーバ１２２の断面は、半円として、四分円などとして成形されてもよい。好ましくは、ヒータ１８０には、カートリッジ着座部１４５の構成上任意の時点で収容されるカートリッジ１４０の最大数と同程度に多い毛細管１８０ａ（並びに対応する吸収部分１８０ｂ及び加熱部分１８０ｃ）が設けられる。代替的に、最大数のカートリッジ１４０の各々に対して１つのヒータ１８０が設けられてもよい。

図６には、各々が対応する吸収部分１８０ｂと加熱部分１８０ｃと備えた、４つの毛細管１８０ａを備える、一実施形態によるヒータ１８０が示されている。有利には、個別の加熱部分１８０ｃは、対応する吸収部分１８０ｂにより吸収された液体を加熱するように個別に制御可能である。このように、異なる液体リザーバ１２２からの液体は、異なる時間に且つ／又は異なる温度に加熱されてもよい。

そのヒータ１８０は、有利には、最大で４つの異なるカートリッジ１４０を同時に収容する（その時点で、各吸収部分１８０ｂがそれぞれ４つの異なるカートリッジ１４０の１つに流体接触する）ように構成されるカートリッジ着座部１４５と共に使用されるように構成される。

同じカートリッジ着座部１４５が、例えば、３つの異なるカートリッジ１４０を含む場合に、ヒータ１８０の同じ構成が同様に好適であり、１つのカートリッジ１４０が、図４ａ～図４ｃ及び図５に示すように半円断面を有し、２つカートリッジが四分円断面を各々有することが理解されるであろう。当然ながら、カートリッジ着座部１４５が２つのカートリッジ１４０のみを含む（例えば、両方とも半円断面を有するように成形されるか、若しくは一方が四分円断面を有し、もう一方が四分の三の円断面を有する）場合、又はカートリッジ着座部１４５が、完全な円の形態の断面を有する１つのカートリッジ１４０のみを含む場合にも同じことが当てはまる。

また、理解されるであろうこととして、ヒータ１８０は、異なる数の毛細管１８０ａ、例えば、２つ、３つ、５つ、６つ又はそれ以上の毛細管１８０ａを、対応する数の吸収部分１８０ｂ及び加熱部分１８０ｃと共に有するように構成されてもよい。

別の例示的な実施形態では、カートリッジを、図５の実施形態と同様に構成することができるが、カートリッジは、弁１５０の代わりに、カートリッジの液体リザーバ１２２を封止する穿刺可能な膜又は隔壁を備えることができる。それゆえ、このようなカートリッジは、カートリッジ着座部１４５内で穿刺部材の形態の流体移送要素に接続されるように構成される。膜は、好ましくは、カートリッジ１４０を穿刺部材から後退させたときに膜が再封止できるように高い弾性を有する。

図５に見られるように、カートリッジ１４０には、接続部分１５４と蒸気出口部分１５５とがさらに設けられる。接続部分１５４は、本体１１０と接続するように構成される。蒸気溝１４７は、接続部分と蒸気出口部分とから延びる。各カートリッジ１４０の蒸気溝１４７は、少なくとも２つのカートリッジ１４０がカートリッジ着座部１４５内に位置するときに、閉じた蒸気流路を形成する。すなわち、複数のカートリッジ１４０の蒸気溝１４７は一緒になって、閉じた蒸気流路を形成してもよい。したがって、蒸気流路は、ヒータ１８０に近接して位置する気化室１４６からの蒸気の流れを可能にするように構成される。気化室１４６は、一部がカートリッジ１４０内に位置し、且つ一部がカートリッジ着座部１４５内に位置するか、又は完全にカートリッジ１４０内に位置するか、又は完全に本体１１０のカートリッジ着座部１４５内に位置してもよい。

カートリッジ１４０は、カートマイザとして提供されてもよく、よって一体型ヒータ１８０を備えてもよい。そのような実施形態では、液体を液体リザーバ１２２からヒータに移送するための、吸収材などの、流体移送要素１２０もカートリッジ１４０に一体化される。カートリッジの接続部分１５４に電気接点を設けることができる。この趣旨で、カートリッジ着座部１４５は、各カートリッジヒータに個別に電力を供給するように構成された複数の電気接点対を備えてもよい。カートリッジ１４０の底面（すなわち、遠位端部又は近位端部表面）に位置する第１の接点と、カートリッジ１４０の周囲に設けられた第２の電気接点とを有する、電気接点対が設けられてもよい。

カートリッジ着座部１４５内の電気接点は、カートマイザカートリッジの第１の電力端子に接続するように構成された弾性接点として設けることができる。弾性接点は、カートリッジをカートリッジ着座部１４５における可変の挿入深さにわたって接続できるように、カートリッジと端子との間に良好な接触を確立する。

ヒータ１８０は、カートリッジに一体化させることができる。このようなカートリッジは、「カートマイザ」と呼ばれることがある。代替的に、図６に図示するのと同様に、ヒータ１８０は、複数のヒータ（例えば、加熱部分１８０ｃ）と対応する流体移送要素（例えば、吸収部分１８０ｂ）とを含む個別のアトマイザ部分として形成されてもよい。各流体移送要素は、カートリッジ内の１つの液体リザーバと１つの対応するヒータとの流体接続を確立するように構成される。

流体移送要素１２０は、カートリッジ着座部に配置された穿刺部材であって、液体リザーバ１２２とヒータ１８０との流体接続が確立されるようにカートリッジ１４０内に入り込むように構成された穿刺部材であってもよい。

異なるヒータからの蒸気の混合を一層向上させるために、蒸気溝１４７（及びさらに、結果として、多数の蒸気溝１４７により形成された蒸気流路）は、蒸気流路内に乱流を生み出すように構成された気流ダイバータ１４８を備えてもよい。図４ｃに見られるように、気流ダイバータ１４８は、蒸気溝１４７に対して横方向に延びる突出部１４８とすることができる。突出部１４８は、半球形状を備えることができる。乱れを一層向上させるために、相異なる液体を有するカートリッジ１４０に、それらカートリッジの異なる軸方向長さで突出部１４８が設けられてもよい。

カートリッジ１４０とカートリッジ着座部１４５の内壁には、カートリッジ１４０をカートリッジ着座部１４５内に正確に位置決めするための協働案内部１４９ａ、１４９ｂが設けられてもよい。それら案内部は、カートリッジ１４０上のキー溝１４９ａ、並びに、カートリッジ着座部１４５の例えばその内面におけるレール部材１４９ｂ及び／又はマウスピース部分１１１のレール部材１４９ｃとして設けられてもよい。それら協働案内部は、カートリッジ着座部１４５へのカートリッジ１４０の挿入方向に延伸する。これにより、カートリッジ１４０の電気接点をカートリッジ着座部１４５内の電気接点に位置合わせすることが可能となる。

カートリッジ１４０はまた、図７に図示するように、連結コネクタ１５０ａ、１５０ｂを備えてもよく、その結果、液体リザーバは、一様なマウスピース部分１１１を形成するか又は一様なマウスピース部分１１１に接続することができる。連結コネクタは、キー溝１５０ａとレール部材１５０ｂとを備えてもよい。連結コネクタは、構成されたカートリッジに安定性を与える。追加的に、連結コネクタにより、カートリッジをマウスピースとして直接使用することが可能となる。

追加的又は代替的に、図３に見られるように、電子タバコ１００は、カートリッジ１４０の周囲にスリーブとして形成されたマウスピース部分１１１をさらに備えてもよい。スリーブは、カートリッジ１４０を囲んでカートリッジ１４０を抱き込むように構成される。この目的で、スリーブは、例えばねじ山により、カートリッジ着座部１４５に挿入可能であるか、又は接続可能であってもよい。

以下の図８ａ、図８ｂ、図９、及び図１０に図示するように、電子タバコ１００は、電子タバコ１００のユーザが液体の混合を制御することを可能にするように構成されたユーザコントロール１７０をさらに備えてもよい。それら液体は、既に説明したように、相異なる風味又は相異なる濃度のニコチンなどの成分を含んでもよい。例えば、上記コントロールは、各液体リザーバ１２２から使用される液体の量を制御してエアロゾルを発生させることを可能にしてもよい。図８ａ、図８ｂ、図９、及び図１０において、図示した実施形態は、２つの異なる液体リザーバ１２２を備えた単一のカートリッジ１４０を受け入れるか、異なる液体を各々含み得る２つの別個のカートリッジ１４０を受け入れるかのいずれかなどにより、電子タバコ１００が２つの異なる液体を含む。

図９ａ及び図９ｂに見られるように、ユーザコントロール１７０は、ロッカーボタン１７１の形態、又は、図８に示すように２つの別個のボタン１７２、１７３からなるか若しくはそれらを備えるセットの形態とすることができる。電子タバコ１００は、ロッカーボタン１７１の揺動端部の一方又は２つの別個のボタン１７２、１７３の一方を操作することにより、２つの異なる液体の対応する一方の量及び／又はパーセンタイルを、ユーザにより吸入されるべき発生した蒸気混合物中で増加させ、それに対し、他方の揺動端部又は２つの別個のボタン１７２、１７３の他方のボタンをそれぞれ操作することにより、２つの異なる液体の他方の液体の量及び／又はパーセンタイルを混合物中で増加させるように構成されてもよい。

理解されるべきこととして、ボタン１７２、１７３のセットは、３つより多くのボタン、又は２つより多くの揺動端部を備えたロッカーボタン１７１が設けられてもよく、いずれの場合にも、ボタン／揺動端部の数が、好ましくは、電子タバコ１００に挿入可能である相異なる液体及び／又は相異なるカートリッジの最大数に対応する。そのようにして、ユーザが好む混合を直接設定することができる。

電子タバコ１００は、ディスプレイ１７５、すなわち、蒸気中の風味（すなわち、結果として得られる気化される液体中の液体の風味）の比率を表示する（又は指し示す）ように構成された、視覚インジケータをさらに備えてもよい。ディスプレイ１７５は、選択された複数の液体の相対的な比率を示す照明バーとして形成されてもよい。

代替的に、図１０に示すように、ユーザコントロール１７０は、回転ダイヤル１７４を備えるか、又は回転ダイヤル１７４の形態とすることができる。回転ダイヤル１７４は、マウスピース部分１１１とは反対側の電子タバコ１００の遠位端部に位置してもよい。回転ダイヤル１７４が使用される場合、ディスプレイ１７５は、回転ダイヤル１７４の中央部に位置してもよい。例えば、図９に示すように、ディスプレイ１７５は、環状に、好ましくは回転ダイヤル１７４と同心に配置された多数の照明要素（バー、ドット、スタートなど）を備えてもよい。これは、コンパクトなユーザコントロール１７０及びディスプレイ１７５を生み出し、その位置は通常ユーザが指を当てる領域の外とされ、それにより、蒸気吸入中にユーザコントロール１７０による誤った修正が起こらないようになる。

しかしながら、より単純な実施形態では、上記ディスプレイは、異なる色及び／又は色強度により蒸気の風味、風味混合比又はニコチン強度を表すように構成された光源（例えばＲＧＢ ＬＥＤ）とすることができる。任意選択的に、複数の光源を使用することができる。

電子タバコ１００は、少なくとも１つの液体リザーバ１２２から少なくとも１つのヒータ１８０への液体の送達を選択的に可能にするように構成された調整機構１６０をさらに含む。よって、調整機構は、相異なる液体リザーバ１２２からの液体送達を開閉するように構成される。

上記調整機構は、弁を備えてもよい。弁は、複数の液体リザーバからの液体供給を可能にし且つ修正するように構成された弁本体を備えてもよい。弁本体は、液体リザーバからの出口に対して位置合わせされ及びずらされるように構成された複数の流路を有することができ、各弁は、各液体出口からの液体の流れを調整するように構成される。例えば、弁本体は、回転可能とすることができる。調整機構は、少なくとも１つの弁とコントローラとに接続される、アクチュエータをさらに備える。

代替的に、調整機構１６０は、複数の弁を備えてもよい。各弁は、一意な液体リザーバに、又はある数のリザーバにリンクされてもよい。

図２ｂ及び図６に図示する別の実施形態では、調整機構１６０は、複数のヒータを備えてもよい。ヒータは、例えば、オーム加熱要素として、例えば、電熱線として実現されてもよい。複数のヒータの個別のヒータは、ヒータとして多数の個別に制御可能なセグメントに分割される単一のヒータ構造の一部であってもよい。

各ヒータ１８０は、エアロゾル発生液を液体リザーバ１２２から流体移送要素１２０に接続されたヒータ１８０に誘導するように構成された少なくとも１つの流体移送要素１２０に接続される。流体移送要素１２０は、例えば毛管作用によりエアロゾル発生液を送達する芯又は針を備えてもよい。ヒータ１８０は、流体移送要素１２０と一体に形成されてもよく、すなわち、ヒータ１８０は、流体移送要素１２０としても機能するように形成されてもよい。

液体リザーバ１２２は、いくつかの実施形態では、少なくとも１つの、好ましくはより多くの、エアロゾル発生液で満たされる、好ましくはエアロゾル発生液を補充可能である、電子タバコ１００のハウジング１１０内の区画であってもよい。

電子タバコ１００は、制御回路１３０をさらに備える。制御回路１３０は、液体送達のためにどの液体リザーバ１２２が有効化されるか及びその作動のための時間長のシーケンスを定義する少なくとも１つのプログラムを記憶するように構成されたメモリ１３２を備える。それゆえ、複数の専用のヒータ１８０が使用される実施形態では、制御回路１３０は、ヒータ作動時間、すなわち、どのヒータをいつ作動させるか及び作動の持続時間を制御することができる。調整機構において弁が使用される場合、制御回路１３０は、選択された液体リザーバ１２２からの液体送達を有効化して所望の蒸気組成を達成するために弁を定位する目的で、当該弁のアクチュエータを制御することができる。

メモリ１３２は、電子タバコ１００の本体に固定的に統合されてもよく、且つ／又は、部分的若しくは完全に、電子タバコ１００から取り外し可能であってもよい。例えば、メモリ１３２は、ＳＩＭカードなどのメモリチップのようなソリッドステートメモリなどのコンピュータメモリとして、又はメモリを収容する他の任意の既知の方法で実現されてよい。したがって、新たな及び／又は更新されたプログラムを含むメモリ１３２が、ユーザにより電子タバコ１００に挿入されてもよい。プログラムは、加熱プロファイル、すなわち、どのヒータをどの温度までいつどのくらい長く加熱すべきかについての情報を含んでもよく、又はメモリ１３２内に別々に記憶された１つ又は複数の加熱プロファイルと共に使用可能であってもよい。

一実施形態では、カートリッジには、相異なる電気抵抗を有する複数の加熱要素（例えば、加熱コイル）が設けられ、少なくとも２つの相異なる電気抵抗はそれぞれの異なる液体の種類を表す。本体の制御回路１３０は、各加熱要素の電気抵抗を測定し、測定された電気抵抗に基づいて液体の種類を判定するように構成されてもよい。

また、メモリ１３２（特に、メモリ１３２に記憶された少なくとも１つのプログラム）は、ユーザインターフェースを介してユーザにより更新されてもよい。例えば、電子タバコ１００は、ユーザインターフェース（タッチスクリーン、ボタン及び／又はダイヤルなどの多数のマニピュレータなど）を備えてもよく、ユーザは、このユーザインターフェースを用いて、メモリ１３２に記憶されたプログラムのうちの１つ又は複数のプログラムのパラメータのいくつか又は全てを変更してもよい。

好ましくは、電子タバコ１００は、有線又は無線インターフェースを備え、このインターフェースを通じて、１つ若しくは複数の記憶されたプログラムのパラメータを変更するために、メモリ１３２からプログラムを除去するために、及び／又はメモリ１３２に新たなプログラムを追加するために、携帯電話、タブレット、ラップトップなどの、ユーザのコンピュータデバイスが、好ましくは無線で、メモリ１３２に接続されてもよい。インターフェースは、好ましくは、ユーザが、パラメータを変更するときに、１つ若しくは複数のヒータのヒータ作動時間長を延長し若しくは短縮し及び／又は少なくとも１つのヒータのヒータ作動時間を少なくとも１つの他のヒータ作動時間に対して時間的に前方若しくは後方にシフトさせることを可能にするように構成される。インターフェースは、代替的に、「より強い味」又は「より鮮度の高い」などの選択肢の一覧をユーザに与えてもよく、そして、ユーザの設定を少なくとも１つのプログラム及び／又は加熱プロファイル内の適切な設定に変えてもよい。

上記インターフェースにより、液体リザーバ１２２の各々にどの種類のエアロゾル発生液が存在するか、又は、より直接的には、どの種類のエアロゾル発生液が現時点でどのヒータに供給されるように配置されているかを表すデータが、コンピュータデバイスに送信されてもよい。この手法で、ユーザは、対応するヒータのヒータ作動時間を任意の方法で変更したときに、どの種類のエアロゾル発生液が影響を受けるかを知得する。

また、制御回路１３０は、メモリ１３２から選択されたプログラムに従って各液体リザーバ１２２の有効化を制御するように構成されたタイマ１３４を備える。したがって、タイマ１３４は、弁が各位置にある時間を制御するか、又は、特に、各ヒータをどのくらい長く作動させるかを監視して（すなわち、ヒータの作動時間を測定して）対応するヒータ作動時間信号を出力するように、各ヒータを作動させる時間を調整することができる。ヒータ作動時間信号は、例えば秒単位（若しくはミリ秒単位など）又はパフ数で時間量を表してもよい。

制御回路１３０は、メモリ１３２上の少なくとも１つのプログラムに従って及び／又は少なくとも１つの加熱プロファイルに従って各ヒータの作動を選択的に制御するように構成されたコントローラ１３６をさらに含む。タイマ１３４はまた、コントローラ１３６に一体化されてもよい。

プログラムは、２つ以上のヒータを同時に作動させること及び／又は２つ以上のヒータを異なる時間に作動させることを含んでもよい。２つ以上のヒータの作動時間は、特に、いずれかの作動時間の少なくとも１０％、少なくとも３０％、少なくとも５０％、少なくとも７０％、又は少なくとも９０％重なり合ってもよい。各ヒータについてのヒータ作動時間は、同じ持続時間を有してもよい。代替的に、いくつかのヒータ作動時間は、互いに異なる持続時間を有してもよい。いくつかの実施形態では、ヒータの全てが、異なるヒータ作動時間を有してもよい。

電子タバコの重要な特徴の１つは、エアロゾルを発生させるために消費材が加熱される温度である。この温度は「蒸気吸入温度」とも称される。蒸気吸入温度は、複数の理由からユーザの蒸気吸入体験に大きな影響を及ぼす可能性がある。過度の加熱は、吸入される蒸気の温度を不快レベルまで上昇させ、消費材の、特にエアロゾル発生液の消費を早める可能性があり、電子タバコの構成要素をより急速に劣化させることがある。さらに、最適な蒸気吸入温度は、ｅリキッドの異なる成分が異なる温度で気化し且つ／又は風味を放出するので、組成の異なる消費材に対しては相違するであろう。

各ヒータには、ヒータの温度を感知して、それに応じたヒータ温度センサ信号をコントローラ１３６へ提供するように構成される温度センサが設けられてもよい。そのヒータ温度センサ信号に基づいて、コントローラ１３６は、互いに相違し得るヒータの個別の蒸気吸入温度を制御してもよい。電子タバコ１００は、ヒータの蒸気吸入温度が、少なくとも部分的に相違し且つ修正されるように構成されてもよい。その場合、エアロゾル発生液を、以下に説明するように、カートリッジ１４０内でのそれぞれの蒸気吸入温度に従って配置することができる。他の実施形態では、例えば、その時点で各個別のヒータに供給されているエアロゾル発生液に関する情報に基づいて、具体的には、例えば、カートリッジ１４０のデータ記憶装置に関して後に説明するように、前記エアロゾル発生液の蒸気吸入温度に関する情報に基づいて、各ヒータの蒸気吸入温度を、コントローラ１３６により個別に制御可能であってもよい。

ヒータを異なる時間に及び／又は異なるヒータ作動時間にわたって作動させたときに、有利には、蒸気の蒸気組成は、メモリ１３２に記憶されたプログラムに従って時間と共に変化する。

図１と後続の図２ａ及び図２ｂには、一実施形態が図示されており、この実施形態によれば、電子タバコ１００は、少なくとも１つの液体リザーバ１２２、好ましくは少なくとも２つの液体リザーバ１２２を備える消費材、特にカートリッジ１４０、を受け入れるように構成される。より好ましくは、カートリッジ１４０の少なくとも２つの液体リザーバ１２２は、２つの異なるエアロゾル発生液、すなわち、組成の異なるエアロゾル発生液を含む。

それゆえ、電子タバコ１００に一体化される（少なくとも１つの）液体リザーバは、カートリッジ１４０の液体リザーバの１つ若しくは全てよりも大きくてもよく、又はさらには、カートリッジ１４０自体よりも大きくてもよい。

以下では、液体リザーバが電子タバコ１００に一体化されない場合についてより詳細に説明する。図１の実施形態を図２ａ及び図２ｂに関しても説明する。

図２ａは、電子タバコ１００の流体移送要素１２０と、液体リザーバ１２２を備える封止されたカートリッジ１４０の概略斜視図を示している。液体リザーバ１２２を、複数のリザーバ１２２を一群にするように構成される支持体１２３上に提供することができる。

図２ａは、エアロゾル発生液がこぼれないように封止される、各々が同じ大きさを有する、３つの異なる液体リザーバ１２２を備えたカートリッジ１４０を示している。３つの異なる液体リザーバ１２２は、互いに隣接して配置され、それぞれの分割壁により隔てられ、且つ矩形状である。好ましくは、カートリッジ１４０がこの例では３つの異なるエアロゾル発生液を有する形で、各液体リザーバ１２２が他の液体リザーバ１２２とは異なるエアロゾル発生液を含む。

図２ａからも明らかであるように、カートリッジ１４０が電子タバコ１００に完全且つ正確に挿入又は取り付けられたときに、流体移送要素１２０はカートリッジ１４０に対し予め定義された形で位置合わせされる。好ましくは、各流体移送要素１２０は、カートリッジ１４０の厳密に１つの液体リザーバ１２２と位置合わせされる。このようにして、最大限多様な風味がユーザに提供され得る。

したがって、本発明はまた、カートリッジ１４０が予め定義された形で電子タバコ１００に挿入されるか又は取り付けられたときに、カートリッジ１４０の液体リザーバ１２２の各々が、電子タバコ１００の少なくとも１つの、好ましくは厳密に１つの流体移送要素１２０と予め定義された形で位置合わせされるように配置され構成された複数の液体リザーバ１２２を備えるカートリッジ１４０を提供する。

図２ｂは、ヒータ１８０各々が、穿刺部材、特に、カートリッジ１４０の液体リザーバ１２２を保護するシール又は膜を穿刺部材が穿刺した後に、毛管作用により流体移送要素１２０としての役割を果たす、毛細管を含む針を有して形成され得ることを図示している。

したがって、本発明はまた、本発明による電子タバコ１００と、既に説明した形で互いに位置合わせされように構成される本発明によるカートリッジ１４０と、を備える喫煙システム１０００を提供する。

図１及び図２ａの例では、カートリッジ１４０は、各液体リザーバ１２２が流体移送要素１２０のうちの６つと位置合わせされるように配置される液体リザーバ１２２を３つのみ有する。同じ電子タバコ１００の他のカートリッジ１４０では、割り当てが異なってもよい。

図１及び図２ａに示す例では、カートリッジ１４０には、カートリッジ１４０の液体リザーバ１２２の１つ又は複数を封止して漏れを防止するように構成され配置されるシール１４２又はパッケージがさらに設けられる。例えば、カートリッジ１４０は、複数の液体リザーバ１２２を有して形成されてもよく、それらに少なくとも２つの異なるエアロゾル発生液が満たされてよく、そして、それら液体リザーバ１２２を封止するために封止用箔が液体リザーバ１２２上に配置され固定され得る。

図１及び図２ａの実施形態では、電子タバコ１００の流体移送要素１２０は、カートリッジ１４０の個別の液体リザーバ１２２を封止する、シール又はパッケージを穿刺できるように構成された穿刺部材１２４を備えるか、又は穿刺部材１２４からなるものとして実現される。液体リザーバ１２２の穿刺は、カートリッジ１４０が電子タバコ１００の受入空洞に十分且つ正確に挿入されるのと同時に行われてもよい。穿刺部材は、エアロゾル発生液が毛管作用により液体リザーバ１２２から吸引される、尖端部を備えた中空管として（例えば、中空針として）構成されてもよい。いくつかの実施形態では、流体移送要素１２０、穿刺部材１２４、及び対応するヒータは、単一の要素として実現されてもよく、すなわち、ヒータは、ヒータとして、流体移送要素として及び穿刺部材として機能してもよい。

電子タバコ１００の受入空洞は、ユーザがカートリッジ１４０を受入空洞に最初に挿入するときに、穿刺部材１２４がカートリッジ１４０の液体リザーバ１２２のシール又はパッケージを穿刺するまでユーザがカートリッジ１４０のシール又はパッケージを穿刺部材１２４に押し付けるために配置される、穿刺部材１２４を備えてもよい。他の実施形態では、穿刺部材１２４は、後退位置と延出位置との間で移動可能であってもよく、穿刺部材１２４は、穿刺部材１２４が延出位置にあるときにのみカートリッジ１４０のシール１４２を穿刺する。次いで、カートリッジ１４０は、そのシール１４２が自動的に穿刺されずに、電子タバコ１００に挿入されてもよい。したがって、カートリッジ１４０の内容物は、より長期間にわたって、すなわち、ユーザが蒸気吸入セッションを実際に開始しようとする（その時点で、ユーザは、押しボタン又はレバーなどの作動部材を使用して穿刺部材１２４を延出させる）まで鮮度を維持し得る。

穿刺部材１２４が液体リザーバ１２２のシール１４２又はパッケージを穿刺したときに、流体移送要素１２０は、蒸気を発生させるために加熱されるように液体リザーバ１２２内のエアロゾル発生液をそれぞれのヒータに誘導する。

カートリッジ１４０には、カートリッジ１４０の液体リザーバ１２２の各々にどの種類のエアロゾル発生液が収容されているかに関する情報を含むデータ記憶装置が設けられてもよい。換言すれば、その情報は、カートリッジ１４０のどのエアロゾル発生液が、どの液体リザーバ１２２内に貯留されるか及び／又はどんな組成を有するかを表してもよい。この情報はまた、各エアロゾル発生液の最適な蒸気吸入温度、又はデータベース、ルックアップテーブル、インターネットリンクなどを介してコントローラ１３６が各エアロゾル発生液の蒸気吸入温度を決定することを可能にする情報を表してもよい。その場合、コントローラ１３６は、それぞれの蒸気吸入温度で機能するように各ヒータを制御してもよい。

この情報は、カートリッジ１４０の液体リザーバ１２２の１つに収容されたあるエアロゾル発生液から蒸気を生成する目的で、コントローラ１３６がどのヒータを作動させるべきかを知るために、カートリッジ１４０のデータ記憶装置から電子タバコ１００に、例えばコントローラ１３６又はメモリ１３２に送信されてもよい。このように、例えば、２種類のカートリッジ１４０が、特に、同じエアロゾル発生液を含むが、当該エアロゾル発生液を収容する液体リザーバ１２２がカートリッジ１４０の相異なる位置に配置されている場合、コントローラ１３６は、エアロゾル発生液の真の位置を認識し、それに応じて、少なくとも１つのプログラム及び／又は加熱プロファイルに基づいてヒータを制御する。

カートリッジ１４０からの情報が、例えばＲＦＩＤ若しくはＢｌｕｅｔｏｏｔｈなどにより、カートリッジ１４０から電子タバコ１００に無線送信されてもよく、又は接触インターフェースが設けられてもよく、接触インターフェースにより、コントローラ１３６は、カートリッジ１４０の液体リザーバ１２２に収容されたエアロゾル発生液の内容及び／又は位置を決定してもよい。

カートリッジ１４０についての情報は、カートリッジ１４０の表面になど、カートリッジ１４０の一部にコードセグメントとして印刷されてもよい。そのようにして、当該コードセグメントが、カートリッジ１４０のデータ記憶装置としての役割を果たしてもよい。コードセグメントは、電子タバコ１００により電気的及び／又は光学的に、すなわち、電子タバコ１００の電気的及び／又は光学的読取デバイスにより、読み取られてもよい。

代替的に、カートリッジにおけるデータ記憶装置は、複数のプログラムを記憶するように構成された、メモリの形態であってもよい。プログラムは、カートリッジ内の液体の異なる組み合わせ及びシーケンスを含んでもよい。この趣旨で、本体は、メモリに含まれるプログラムの１つを選択するように構成することができる。カートリッジは、ユーザにプログラムの風味特性に関する情報を与えるためにカートリッジで利用可能なプログラムの標識（indicia）又は記述（description）をさらに含んでもよい。

よって、カートリッジ１４０のデータ記憶装置はまた、コントローラ１３６が従うべき完全なプログラムを含んでもよい。したがって、コントローラ１３６は、データ記憶装置からプログラムを自動的に選択してそのプログラムに従うように構成されてもよい。例えば、特定のカートリッジ１４０は、注意深くブレンドした経時的に変化する蒸気組成により、複数コースの食事に似た、風味を味わう行程（journey）をユーザに提供するように設計されてもよい。このような風味を味わう行程のための単一のプログラムが、カートリッジ１４０内に記憶され、電子タバコ１００のコントローラ１３６により自動的に追跡されてもよく、又は、以下でより詳細に説明するように、コントローラ１３６が、例えば、ユーザの好み、電子タバコ１００の設定（例えば、ユーザインターフェースを介してユーザにより示された風味を味わう行程の所望の時間長さ）、時刻、ユーザの概日リズムの時間、処方薬用量、センサデータ及び／若しくは個人データに基づいて１つのプログラムを自動的に選択する、複数のプログラムがカートリッジ１４０に記憶されてもよい。

カートリッジ１４０の内容物に関する情報は、電子タバコ１００の表示部を介して、及び／又は、前述で説明した任意選択のインターフェースを介して、ユーザのモバイルデバイスにより、例えば、スマートフォンのアプリケーションにおいて、ユーザに表示されてもよい。したがって、ユーザは、例えば自動的に決定されるか、又はユーザインターフェースによりユーザが電子タバコ１００に入力した、ある種類のカートリッジ１４０から利用可能なエアロゾル発生液から選択する、独自の風味プログラムを構成することができる。電子タバコ１００は、単一のカートリッジ１４０ではなく、複数のカートリッジ１４０を受け入れるように構成されてもよく、各カートリッジは、その内容物に関する情報を前述の方法の１つでコントローラ１３６に提供する。

同様に、電子タバコ１００は、例えば、ユーザインターフェースを使用して、例えば、サーバから選択肢として提示された風味からの選択により、ユーザが体験したい風味プログラムの種類をユーザに入力させるように構成されてもよい。次いで、ユーザは、電子タバコ１００が所望の風味プログラムを生成できるように、ユーザがどのカートリッジを電子タバコ１００に挿入しなければならないかに関する情報を、電子タバコ１００の表示部により、及び／又はインターフェースにより電子タバコ１００に接続されたモバイルデバイスにより、得てもよい。

風味プログラムはまた、部分的又は完全に自動的に設定されてもよい。電子タバコ１００は、環境条件及び／又はユーザの特性又は状態を感知し、それに応じて電子タバコ１００のプログラムを決定し又は調節するように構成される少なくとも１つのセンサを備えてもよい。

例えば、センサ及び／又はコントローラ１３６の決定ルーチンは、ユーザの概日リズムを決定して、当該リズムに関するデータをコントローラに送信してもよい。次いで、コントローラは、概日リズムのセクションを蒸気組成物のパラメータに関連付けるデータベースを含み得るメモリ１３２を参照してもよい。データベースは、全てのユーザのための一般的なデータベースであってもよく、又は１人若しくは複数の個々のユーザのための個人向けのものであってもよい。

概日リズムの決定は、時間を記録し且つコントローラ１３６をユーザの概日リズムに同期させるのに役立つ情報をユーザが提供することを可能にし得る、コントローラ１３６上で動作する決定ルーチンにより、補助され及び／又は実行されてもよい。決定ルーチンは、コントローラ１３６により決定されメモリ１３２内に記憶され得るデバイスの以前の使用にも基づいて概日リズムを決定するように構成されてもよい。また、決定ルーチンは、ユーザのモバイルデバイスから、例えば、スマートウォッチ又はスマートフォンなどから、測定値及び／又は個人データを受信し、当該測定値及び／又は個人データに基づいて概日リズムを決定してもよい。個人データは、例えば、ユーザの睡眠パターン又は他の活動パターンを含んでもよい。

例えば、ユーザは、朝目覚めた後では「刺激が強くない」と感じられる蒸気組成を好むかもしれず、日中にはより強い味を好むかもしれず、また、夜にはよりバランスの取れた蒸気組成を好むかもしれない。電子タバコ１００は、コントローラ１３６に時刻を提供するように構成された時計を備えてもよく、コントローラ１３６は、プログラムの蒸気組成を適用し及び／又は時刻に基づいてプログラムを選択するように構成されてもよい。

ユーザの概日リズムを決定するためのセンサ及び／又はルーチンとの組み合わせで、電子タバコ１００は、ユーザが電子タバコ１００を作動させるときは常に最も望ましい蒸気組成物をユーザに提供することができる可能性がある。例えば、風味及び／又は匂いに対する大部分のユーザの感度は、経時的に、特に概日リズムと共に変化する。プログラムは、例えば、風味及び／又は匂いに対するユーザの感度が比較的低いときに、風味のない又は無風味のエアロゾル発生液に対する風味を有するエアロゾル発生液の比率を高め、ユーザの感度が高いときに、当該比率を引き下げることにより、ユーザが知覚する風味体験が経時的に一定であるように構成されてもよい。

電子タバコ１００は、ユーザに対してテストを行うように構成されてもよく、そのテストでは、電子タバコ１００は、（好ましくは、ユーザの概日リズムに対して異なる時刻及び／又異なる時間に）異なる風味強度をユーザに提供し、知覚した風味強度の特徴を表現するユーザ入力を要求する。コントローラ１３６は、テストの結果に基づいてメモリ１３２に記憶されたプログラムを選択し及び／又は適用するように構成されてもよい。

別の例として、電子タバコ１００を使用して不快な臭い及び／又は味を有する薬物を投与する場合、蒸気組成物は、臭い及び／又は味がユーザから隠されるか又は蒸気組成により中和されるように構成されてもよい。

概日リズムを決定するための内部クロック及び／又はセンサはまた、投薬計画に従ってユーザへの薬物の処方を確実又は容易にするために使用されてもよい。例えば、ユーザは、午前中（及び／又は起床後の数時間の間）に比較的低用量の薬物の処方を受け、午後（及び／又は前回期間の後の数時間の間、又は就寝前）に比較的高用量の薬物の処方を受けてもよい。したがって、電子タバコ１００は、予め設定された薬物用量をユーザに時間をかけて送達するためのデバイスとして用いられてもよい。蒸気組成物への薬物の添加を制御するプログラムは、医師により作成されるか又は承認されてもよく、好ましくは、ユーザが改変できないものであってもよい。

また、内部クロックは、現在の日付を提供するように構成されてもよく、プログラムは、薬物の用量が例えば１日毎に低減されるような、薬物を断つためのプログラムを含んでもよい。対応するプログラムは、蒸気組成物の別の成分の対応する変化により薬物の減少量を補償するように構成されてもよい。例えば、ニコチンの減少量を、煙草の風味を有するか又は実際の煙草を吸う感覚に近い感覚をもたらすエアロゾル発生液の増加量により補償することができる。同様に、ある活性成分が吸入されたときにユーザにある感覚がもたらされる場合、その活性成分の減少量を、ユーザに同じ感覚をもたらすエアロゾル発生液の増加量により補償することができる。それゆえ、ユーザは、薬物含量が全く減少しないという印象を受けるかもしれない。

また、電子タバコ１００は、いくつかの有利な実施形態では、食品分子センサなどの粒子センサを備える。このように、蒸気組成は、例えば、ユーザの以前の消費量及び／又はユーザの口内の化学的バランス（例えば酸性／塩基性）に基づいて、コントローラ１３６により自動的に設定されてもよい。好ましくは、粒子センサは、電子タバコ１００のマウスピース１１１に、又はマウスピースを電子タバコ１００に接続するためのコネクタに配置される。粒子センサは、好ましくは、例えば分子インプリントポリマーを使用して、ユーザの唾液中の分子を検出するように配置され構成される。

対応する設定は、ユーザの好みに従ってユーザによりメモリ１３２に記憶されてもよい。例えば、ユーザは、スパイスの効いた食事を摂取した後に、冷却効果又は冷却感覚をもたらす蒸気組成物を好むかもしれない。粒子センサは、ユーザの呼気及び／又は唾液中のカプサイシンを検出して、「スパイスの効いた食事の後」というプログラムを選択するか又はプログラム内の「スパイスの効いた食事の後」という設定を選択するように構成されてもよい。同様に、ユーザの味覚及び／又は嗅覚は、特に風味の強い食事の後に鈍くなることがあり、結果として、その作用を打ち消すために、蒸気組成物が、より強い風味も含むように適合される必要がある場合がある。

また、カートリッジ１４０は、吸入された後にユーザが風味をより良好に感じるのを助ける口蓋洗浄剤としての役割を果たすエアロゾル発生液を含んでもよい。コントローラ１３６は、粒子センサのセンサ信号に基づいて全てのプログラムの前に口蓋洗浄エアロゾル発生液を加熱するために配置されたヒータのためのヒータ作動時間を自動的に追加するように構成されてもよい。追加的又は代替的に、メモリ１３２は、口蓋洗浄エアロゾル発生液のためのヒータ作動時間を含む特別な口蓋洗浄プログラムを含んでもよい。コントローラ１３６は、粒子センサのセンサ信号に基づいて口蓋洗浄プログラムを自動的に選択するように構成されてもよく、及び／又は、ユーザは、口蓋洗浄プログラムを手動で作動させることができてもよい。

また、粒子センサは、ユーザの呼気中又は口内の悪臭を検出し、検出された悪臭を特に相殺し又は低減する蒸気組成又はプログラムを選択するように構成されてもよい。具体的には、他の基準（例えば、個人的好み、時刻及び／又はカートリッジ１４０の内容物など）に従って設定された蒸気組成物は、ユーザの呼気中の検出された悪臭又は臭気を中和するように設計された薬剤をさらに含むように適合されてもよい。蒸気組成物への呼気改善剤のそのような添加は、所定の閾値を超える特定の化学物質の濃度を測定することにより誘発されてもよく、第１の閾値と同じであるか又は異なってもよい（特により低くてもよい）閾値を測定濃度が下回るまで続いてもよい。

典型的な蒸気吸入セッションは、流体移送要素１２０がエアロゾル発生液をカートリッジ１４０から電子タバコ１００のヒータに誘導できる又は誘導するように、ユーザがカートリッジ１４０を電子タバコ１００に完全且つ正確に挿入すること（例えば、その後電子タバコ１００を閉鎖すること）から開始されてもよい。次いで、ユーザは、電子タバコ１００の電源を入れてマウスピースをくわえる。

次に、コントローラ１３６は、風味選択アルゴリズムを適用して、初期プログラム、すなわち、使用する初期蒸気組成及び温度設定を決定してもよい。初期蒸気組成は、単一のエアロゾル発生液からの蒸気のみを含み得るが、カートリッジ１４０から利用可能なエアロゾル発生液の複数又はさらには全てからの蒸気をも含み得る。

蒸気吸入セッションの最中に、コントローラ１３６は、選択された風味プログラムに及び／又は上記で説明した入力のいずれかに基づいて、例えば、センサデータ及び／又はユーザに関する個人データ（概日リズム、ユーザの呼気又は唾液の組成、時刻、現在の日付など）及び／若しくはカートリッジ１４０のデータ記憶装置からのデータに基づいて、異なるヒータを作動させ、作動停止させ並びに／又はヒータを異なる蒸気吸入温度で機能するように制御することにより、蒸気組成を調節してもよい。当然ながら、ユーザはまた、電子タバコ１００のユーザインターフェースを使用してプログラムの設定の一部又は全部を手動で変更することが可能であってもよい。例えば、ユーザコントロールが、ユーザが好まない風味をスキップして次の風味まで進むために使用されてもよい。メモリ１３２は、ユーザがそのシーケンスを好まないことを登録して、そのシーケンスをプログラムから削除することができる。

本発明の具体的な実施形態が本明細書において例示され説明されているが、当業者であれば、様々な代替及び／又は同等の実装形態が存在することが分かるであろう。１つ又は複数の例示的な実施形態は単なる例に過ぎず、範囲、適用可能性、又は構成を決して限定することを意図しないことが分かるはずである。むしろ、前述の概要及び詳細な説明は、少なくとも１つの例示的な実施形態を実施するための便利なロードマップを当業者に提供し、添付の特許請求の範囲及びその法的同等物に記載される範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態で説明する要素の機能及び配置に種々の変更が加えられ得ることが理解される。概して、本出願は、本明細書で考察した具体的な実施形態のあらゆる適応形態又は変更形態を網羅することが意図されている。

また、本文書では、「備える（comprise）」、「備える（comprising）」、「含む（include）」、「含む（including）」、「収容する（contain）」、「収容する（containing）」、「有する（have）」、「有する（having）」という用語、及びこれらの任意の派生は、本明細書で説明した処理、方法、装置、機器又はシステムが、列挙されているこれらの特徴又は部分又は要素又はステップに限定されるものではなく、明示的に列記されていないか又はそのような処理、方法、物品、若しくは機器に固有のものである他の要素、特徴、部分又はステップを含み得るように、包括的（すなわち、非排他的）な意味で理解されることが意図されていることが分かるであろう。さらに、本明細書で使用される「１つの（ａ）」及び「１つの（an）」という用語は、明示的に別段の定めがない限り、１つ又は複数を意味すると理解されることが意図されている。そのうえ、「第１の」、「第２の」、「第３の」などの用語は、単に標示として使用され、それら用語の対象に数値要件を課すこと又はそれら用語の対象の重要度に特定の順位付けを行うことを意図するものではない。

１００ 電子タバコ
１１０ 本体
１１１ マウスピース部分
１１２ 電源
１２０ 誘導部材
１２２ 液体リザーバ
１２３ 支持体
１２４ 穿刺部材
１３０ 制御回路
１３２ メモリ
１３４ タイマ
１３６ コントローラ
１４０ カートリッジ
１４２ シール
１４３ ハウジング
１４５ カートリッジ着座部
１４６ 気化室
１４７ 蒸気溝
１４８ 気流ダイバータ
１４９ａ キー溝
１４９ｂ レール部材
１４９ｃ レール部材
１５０ 弁
１５０ａ レール部材
１５０ｂ キー溝
１５１ 流路
１５２ 閉鎖部材
１５３ 弁座
１５４ 接続部分
１５５ 蒸気出口部分
１６０ 調整機構
１７０ ユーザコントロール
１７１ ロッカーボタン
１７２ ボタン
１７３ ボタン
１７４ 回転ダイヤル
１７５ 表示部
１８０ ヒータ
１８０ａ 毛細管
１８０ｂ 吸収部分
１８０ｃ 加熱部分
１０００ 喫煙システム

Claims (18)

1. 電子タバコ（１００）であって、
   別個のカートリッジ（１４０ａ）として各々設けられる複数の液体リザーバ（１２２）であって、各々が単一の液体リザーバ（１２２）を収容する複数の液体リザーバ、を含むカートリッジアセンブリ（１４０）と、
   前記カートリッジアセンブリ（１４０）に取り外し可能に接続可能であるように構成されるカートリッジ着座部（１４５）を有する本体（１１０）と、
   を備え、
   前記本体（１１０）は、細長い形状を有し、電源（１１２）と、少なくとも１つの液体リザーバ（１１２）から前記電子タバコ（１００）の少なくとも１つのヒータ（１８０）への液体の送達を選択的に可能にするように構成された調整機構（１６０）と、を備え、
   前記カートリッジ着座部（１４５）は、管状受入空洞を備え、
   前記別個のカートリッジ（１４０）は、それらを組み合わせた軸方向断面が前記管状受入空洞の軸方向断面に対応するように成形される、
   電子タバコ（１００）。
2. 前記カートリッジ着座部（１４５）は、アトマイザアセンブリに接続するように構成され、前記アトマイザアセンブリは複数の区画を備え、各区画は、ヒータ（１８０）と流体移送要素（１２０）とを備える個別のアトマイザを含む、請求項１に記載の電子タバコ（１００）。
3. 前記カートリッジ着座部（１４５）は、前記アトマイザアセンブリに接続するように構成された複数の電気コネクタを備える、請求項２に記載の電子タバコ（１００）。
4. 前記カートリッジアセンブリ（１４０）は、ヒータ（１８０）と流体移送要素（１２０）とを備える一体型アトマイザを備え、前記カートリッジ着座部（１４５）は、前記カートリッジアセンブリ（１４０）内の各液体リザーバ（１２２）に接続するように構成された複数の電気的コネクションを備える、先行する請求項に記載の電子タバコ（１００）。
5. 前記電気的コネクションは、弾性接点として構成される、先行する請求項に記載の電子タバコ（１００）。
6. 前記アトマイザアセンブリは、複数の穿刺部材を備える、先行する請求項のいずれか一項に記載の電子タバコ（１００）。
7. 前記カートリッジ着座部（１４５）は、流体移送要素として構成された穿刺部材をさらに備える、先行する請求項のいずれか一項に記載の電子タバコ（１００）。
8. 前記カートリッジ着座部（１４５）は、前記カートリッジアセンブリ（１４０）を前記カートリッジ着座部（１４５）内のコネクタに合わせるように、前記カートリッジアセンブリ（１４０）をある角度位置に位置決めする、ように構成された案内要素（１４９ｂ）、を備える、先行する請求項のいずれか一項に記載の電子タバコ（１００）。
9. 前記本体（１１０）は、エアロゾルを発生させるために各液体リザーバ（１２２）から使用される液体の量をユーザが制御することを可能にするように構成されたユーザコントロール（１７０）、をさらに備える、先行する請求項のいずれか一項に記載の電子タバコ（１００）。
10. 前記ユーザコントロール（１７０）は、スクロールホイール（１７４）、２つのボタン（１７２、１７３）のセット、ロッカーボタン（１７１）、及び回転ダイヤル（１７４）を含む群から選択される、先行する請求項に記載の電子タバコ（１００）。
11. 前記ユーザコントロール（１７０）は、前記電子タバコ（１００）のマウスピース部分（１１１）又はマウスピースコネクタとは反対側の前記本体（１１０）の遠位端部に位置する回転ダイヤル（１７４）である、先行する請求項に記載の電子タバコ（１００）。
12. 表示部（１７５）は、前記カートリッジ着座部（１４５）の遠位側にある、前記本体（１１０）の端部分に位置し、前記回転ダイヤル（１７４）は、前記遠位端部の前記端部分の周囲に配置される、先行する請求項に記載の電子タバコ（１００）。
13. 前記液体リザーバ（１２２）の少なくとも１つは、風味剤を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の電子タバコ（１００）。
14. 少なくとも２つの液体リザーバ（１２２）は、ニコチン強度の異なるエアロゾル生成組成物を含む、先行する請求項のいずれか一項に記載の電子タバコ（１００）。
15. 電子タバコ（１００）用の消費材（１４０）であって、前記消費材（１４０）は、ヒータ（１８０）と液体リザーバ（１２２）とを備え、前記消費材（１４０）のハウジングは、円の一区分の形状、好ましくは半円状の軸方向断面を有する、消費材（１４０）。
16. 前記液体リザーバ（１２２）は、気化室（１４６）と、前記気化室からの蒸気出口流路の第１の部分と、溝（１４７）とを備え、少なくとも２つの液体リザーバ（１２２）の前記溝（１４７）は、蒸気出口流路を形成する、先行する請求項に記載の消費材（１４０）。
17. 前記消費材（１４０）は、連結コネクタ（１５０ａ、１５０ｂ）を備える、先行する請求項に記載の消費材（１４０）。
18. 前記消費材（１４０）は、前記蒸気流路内に乱流を発生させるように構成された、気流ダイバータ（１４８）を備える、先行する請求項に記載の消費材（１４０）。

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