JP2022511975A - 細菌株を含む組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、対象におけるグラム陽性細菌感染症の治療または予防に使用するための細菌の菌株を含む組成物を提供し、その際、菌株は吉草酸を産生する。【選択図】なし

Description

本発明は、哺乳動物の消化管から単離された細菌株を含む組成物、及び疾患の治療におけるそのような組成物の使用の分野にある。
ヒトの腸管は子宮内では無菌状態にあると考えられているが、出生直後は、多種多様な母体及び環境の微生物にさらされる。その後、微生物の定着と受継ぎのダイナミックな期間が発生し、それは、分娩の方法、環境、食事、及び宿主遺伝子型のような因子の影響を受け、そのすべては特に出生後間もない時期に腸内微生物叢の組成に影響を及ぼす。その後、微生物叢は安定し、成人のようになる[1]。ヒトの腸内微生物叢は、バクテロイデス(Bacteroidetes)及びフィルミクテス(Firmicutes)の2つの主要な細菌の門に本質的に属する500~1000を超えるさまざまな系統型を含有する[2]。ヒトの腸の細菌定着から生じる共生関係の成功は、多岐にわたる代謝上の、構造上の、保護的な、及びその他の有益な機能をもたらした。定着がある腸での強化された代謝活性は確実に、それがなければ消化できない食事成分が分解されるようにし、これは宿主にとって重要な栄養源を提供する副産物の放出を伴う。同様に、腸内微生物叢の免疫学的重要性はよく認識されており、共生細菌の導入後に機能的に再構成される損傷した免疫システムを有する無菌動物で実証されている[3~5]。
微生物叢組成の劇的な変化は、炎症性腸疾患(IBD)のような消化器障害で報告されている。例えば、IBD患者ではクロストリジウム(Clostridium)クラスターXIVa細菌のレベルが低下している一方で、大腸菌(E.coli)の数は増加しているということは、腸内の共生生物と病原性共生生物のバランスの変化を示唆している[6~9]。
特定の細菌株が動物の腸に対して有し得る潜在的なプラスの効果を認識して、種々の疾患の治療に使用するために種々の菌株が提案されている(例えば、[10~13]を参照のこと)。また、主にラクトバシラス(Lactobacillus)菌株とビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)菌株を含む特定の菌株は、腸管に直接関係しない種々の炎症性疾患や自己免疫性疾患の治療に使用することが提案されている(概説については[14]及び[15]を参照のこと)。しかしながら、さまざまな疾患とさまざまな細菌株との関係、ならびに特定の細菌株の腸管への及び全身レベルでの、及び特定の種類の疾患への正確な影響は十分に特徴付けられていない。
「健全な」マイクロバイオームは、病原性グラム陽性細菌による腸管でのコロニー形成を抑制することでも知られている。グラム陽性細菌はグラム染色試験で陽性の結果を出すことを特徴とする[16]。それらは一般に、細胞質の脂質膜と、硬い細胞壁を形成するために架橋された太いペプチドグリカンの外側の鎖とを有することを特徴とする。ヒトや他の対象にてさまざまな感染症を引き起こすグラム陽性細菌の多数の病原性菌株が特定されている。特に、グラム陽性細菌C.ディフィシル(C. difficile)は、病院やその他の医療施設における抗生物質関連の下痢の最も一般的な原因である。高齢者は、C.ディフィシル感染症の結果として、特に影響を受けやすく、有害な結果のリスクが高くなる[17]。
C.ディフィシルは人口の2%~5%にて無症状で消化管に存在するが、高齢者または免疫システムが弱っている人または抗生物質療法を受けたことがあるもしくは受けている人のようなリスクがある対象では、C.ディフィシルの病的拡大が発生し、それは軽度の下痢から重度の大腸炎及び中毒性巨大結腸に及ぶ種々のC.ディフィシル関連疾患(CDAD)につながり得る。
C.ディフィシルのようなグラム陽性細菌の病的拡大の根底にあるメカニズムは不明なままであるが、C.ディフィシル感染症は抗生物質で治療することができ、ある程度までは糞便移植(FMT)療法によって治療することができる。対象は再発性感染症に罹患しやすいままであり、FMTは再発性感染症を抑える効果的な治療選択肢としてもてはやされているが、FMTは標準化されていない手順であり、ドナーの糞便を宿主の消化管に移植することによる長期的な結果は不明のままである[18]。したがって、C.ディフィシル感染症のようなグラム陽性細菌感染症の治療のための治療法を開発する必要がある。
本発明者らは、対象におけるグラム陽性細菌感染症を治療する及び予防するための新しい治療法を開発した。特に、本発明者らは、吉草酸を産生する細菌がグラム陽性細菌を殺傷するのに有効であることを確認した。さらに、吉草酸は病原性グラム陽性細菌の生存率を低下させることが示されている[19]。したがって、本発明の組成物は病原性グラム陽性細菌感染症の治療または予防に使用するのに特に有効であり得る。
実施例は、吉草酸を産生する共生細菌株がグラム陽性細菌枯草菌(Bacillus subtilis)を殺傷することを示している。したがって、いくつかの実施形態では、本発明の組成物はグラム陽性細菌感染症の治療または予防にてグラム陽性細菌の生存率を低下させるのに使用するためのものである。言い換えれば、組成物は、感染症の原因となるグラム陽性細菌に対して細胞傷害活性を有する。実施例は、吉草酸を生産する共生細菌株がグラム陽性細菌枯草菌の増殖を阻害することを示している。したがって、いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、グラム陽性細菌感染症の予防の治療においてグラム陽性細菌の増殖を阻害するのに使用するためのものである。言い換えれば、組成物はグラム陽性細菌に対する細胞増殖抑制活性である。
本発明の細菌を使用して、病原性グラム陽性細菌のレベルを無症状レベルに戻してもよく、または病原性グラム陽性細菌を対象から完全に排除し、それによって、グラム陽性細菌のレベルの上昇に関連する症状を軽減することに加えてグラム陽性細菌感染症を治療してもよい。
いくつかの実施形態において、本発明の組成物は、クロストリジウム属、スタフィロコッカス(Staphylococcus)属、エンテロコッカス(Enterococcus)属種、バチルス(Bacillus)属、エリシペロスリックス(Erysipelothrix)属、またはリステリア(Listeria)属から成るリストから選択される属のグラム陽性菌の感染症の治療または予防に使用するためのものである。いくつかの実施形態では、治療または予防のためのグラム陽性細菌感染症はクロストリジウム ディフィシル(Clostridium difficile)感染症である。いくつかの実施形態では、治療または予防のためのグラム陽性細菌感染症は炭疽菌(Bacillus anthracis)感染症である。いくつかの実施形態では、治療または予防のためのグラム陽性細菌感染症はウェルシュ菌(Clostridium perfringens)感染症である。いくつかの実施形態では、治療または予防のためのグラム陽性細菌感染症はリステリア感染症である。いくつかの実施形態では、治療または予防のためのグラム陽性細菌感染症はブドウ球菌(Staphylococcus aureus)感染症である。
いくつかの実施形態では、吉草酸を産生する細菌は対象の消化管におけるグラム陽性細菌感染症の治療または予防に有用であり得る。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、グラム陽性細菌感染症の治療に使用するために抗生物質を対象に投与する必要性を排除し得る、または低減し得るので、特に有利である。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、広域スペクトル抗生物質を対象に投与する必要性を排除し得る、または低減し得る。これらの実施形態は、感染症を治療し、共生細菌の非特異的標的化のせいで発生し得る抗生物質療法に関連する有害な副作用の発症を防止するので、特に有利である。言い換えれば、抗生物質の投与は非病原性細菌の殺傷につながり得る。そのような非特異的標的化は、治療を受けている対象にとって有害な副作用を引き起こし得る。したがって、本発明の組成物は、グラム陽性細菌感染症を治療する過程で対象に抗生物質を投与する必要性を減らすことによってこれらの副作用を軽減するのに効果的であり得る。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物はC.ディフィシル感染症の治療または予防に使用するためのものである。吉草酸はC.ディフィシルの生存率を低下させることが示されている[19]。したがって、本発明の組成物は、C.ディフィシル感染症の治療または予防の間に対象にてC.ディフィシルの生存率を低下させ得る。C.ディフィシル及び枯草菌は、実施例で調べられたように、双方とも芽胞を形成するグラム陽性細菌である。いくつかの実施形態では、細菌感染症の治療または予防は、抗生物質療法のような従来の療法に関連する的外れ効果(例えば、マイクロバイオームにおける非病原性細菌の殺傷)なしで達成されてもよい。他の非病原性細菌を殺傷することなくC.ディフィシルの生存率を低下させることは、当該技術の治療法の使用中に他の非病原性細菌が殺傷されると発生し得る対象におけるC.ディフィシル感染症の再発を減らし得るので、特に有利である。したがって、いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、再発性C.ディフィシル感染症の治療または予防に使用するためのものである。
発明の実施形態
(1)対象におけるグラム陽性細菌感染症の治療または予防に使用するための細菌の菌株を含む組成物であって、前記菌株が吉草酸を産生する、前記組成物。
(2)前記グラム陽性細菌感染症が消化管にある、実施形態1に記載の使用のための組成物。
(3)前記グラム陽性細菌感染症が病原性グラム陽性細菌感染症である、実施形態1または2に記載の使用のための組成物。
(4)前記対象に投与されると、前記組成物がグラム陽性細菌の生存率を低下させる、実施形態1~3のいずれかに記載の使用のための組成物。
(5)前記対象に投与されると、前記組成物がグラム陽性細菌の増殖を抑制する、実施形態1~4のいずれかに記載の使用のための組成物。
(6)前記組成物が再発性感染症の発症を遅らせる、実施形態1~5のいずれかに記載の使用のための組成物。
(7)前記組成物が再発性感染症を予防する、実施形態1~6のいずれかに記載の使用のための組成物。
(8)前記対象がグラム陽性細菌感染症を発症するリスクがある、実施形態1~7のいずれかに記載の使用のための組成物。
(9)前記対象がグラム陽性細菌の無症状キャリアである、実施形態1~8のいずれかに記載の使用のための組成物。
(10)前記対象が、1または2以上の抗生物質を投与されたことがある、または投与されており、その際、任意で、前記1または2以上の抗生物質が広域スペクトル抗生物質を含む、実施形態1~9のいずれかに記載の使用のための組成物。
(11)前記抗生物質が、バンコマイシン、バクトリウム、ドキシサイクリン、セフトビプロール、セフタロリン、クリンダマイシン、ダルババンシン、ダプトマイシン、フシジン酸、リネゾリド、ムピロシン、オリタバンシン、テディゾリド、テラバンシン、チゲサイクリン、アミノグリコシド、カルバペネム、セフタジジム、セフェピム、セフトビプロール、セフトロザン/タゾバクタム、フルオロキノロン、ピペラシリン/タゾバクタム、チカルシリン/クラブラン酸、リネゾリド、ストレプトグラミン、チゲサイクリン、及びダプトマイシンから成るリストから選択される、実施形態10に記載の使用のための組成物。
(12)前記対象が前記グラム陽性細菌感染症の治療または予防のための同じ治療計画の一部として、抗生物質を同時に、別々に、または連続して投与されるべきではない、実施形態1~9のいずれかに記載の使用のための組成物。
(13)グラム陽性細菌が抗生物質療法に耐性である、実施形態1~12のいずれかに記載の使用のための組成物。
(14)グラム陽性細菌が、クロストリジウム属、スタフィロコッカス属、エンテロコッカス属種、バチルス属、エリシペロスリックス属、またはリステリア属から成るリストから選択される属のものである、実施形態1~13のいずれかに記載の使用のための組成物。
(15)前記グラム陽性細菌感染症がクロストリジウム ディフィシル感染症である、実施形態1~14のいずれかに記載の使用のための組成物。
(16)前記組成物が、C.ディフィシル感染症に関連する以下の状態:下痢、腹痛、発熱、血便、脱水症、体重減少、中毒性巨大結腸、胃腸穿孔、腹部膨満、結腸膨満、吐き気、偽膜性大腸炎、多臓器機能不全症候群または敗血症の1または2以上を予防する、または治療する、実施形態15に記載の使用のための組成物。
(17)前記グラム陽性細菌感染症が炭疽菌感染症である、実施形態1~16のいずれかに記載の使用のための組成物。
(18)前記グラム陽性細菌感染症がウェルシュ菌感染症である、実施形態1~17のいずれかに記載の使用のための組成物。
(19)前記グラム陽性細菌感染症がリステリア感染症である、実施形態1~18のいずれかに記載の使用のための組成物。
(20)前記グラム陽性細菌感染症がリステリア モノサイトゲネス(Listeria monocytogenes)感染症である、実施形態1~19のいずれかに記載の使用のための組成物。
(21)前記グラム陽性細菌感染症がブドウ球菌感染症である、実施形態1~20のいずれかに記載の使用のための組成物。
(22)前記菌株がメガスファエラ(Megasphaera)属のものである、実施形態1~21のいずれかに記載の使用のための組成物。
(23)前記細菌株が、メガスファエラ属の細菌株の16S rRNA配列と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%同一である16S rRNA配列を有する、実施形態1~22のいずれかに記載の使用のための組成物。
(24)前記細菌株が、配列番号3、4、5、6、または7のいずれか1つと少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%同一である16S rRNA遺伝子配列を有する、または前記細菌株が配列番号3、4、5、6、または7のいずれか1つによって表される16S rRNA遺伝子配列を有する、実施形態1~23のいずれかに記載の使用のための組成物。
(25)前記菌株がメガスファエラ マシリエンシス(Megasphaera massiliensis)種のものである、実施形態1~24のいずれかに記載の使用のための組成物。
(26)前記細菌株が配列番号1または2と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%同一である16S rRNA配列を有する、実施形態1~25のいずれかに記載の使用のための組成物。
(27)前記細菌株が配列番号2と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%同一である16S rRNA配列を有する、実施形態1~26のいずれかに記載の使用のための組成物。
(28)前記細菌が、受託番号NCIMB42787としてNCIMBに寄託された菌株である、実施形態1~27のいずれかに記載の使用のための組成物。
(29)前記細菌株が吉草酸を産生するように操作されている、実施形態1~28のいずれかに記載の使用のための組成物。
(30)前記組成物が、いずれの他の属由来の細菌も含有しない、または僅少な量もしくは生物学的に無関係な量の別の属由来の細菌を含む、実施形態22に記載の使用のための組成物。
(31)前記細菌株が、酪酸塩及びヘキサン酸の一方または双方も産生する、実施形態1~30のいずれかに記載の使用のための組成物。
(32)前記細菌株が、酢酸塩及びプロピオン酸塩の一方または双方を消費する、実施形態1~31のいずれかに記載の使用のための組成物。
(33)前記細菌株が、酪酸塩及びヘキサン酸も産生し、且つ酢酸塩及びプロピオン酸塩を消費する、実施形態1~32のいずれかに記載の使用のための組成物。
(34)前記組成物が経口投与用である、実施形態1~33のいずれかに記載の組成物。
(35)前記組成物が1または2以上の薬学的に許容される賦形剤または担体を含む、実施形態1~34のいずれかに記載の組成物。
(36)前記細菌株が凍結乾燥される、実施形態1~35のいずれかに記載の組成物。
(37)前記細菌株が生存可能であり、腸管に部分的または全体的に定着することができる、実施形態1~36のいずれかに記載の組成物。
(38)前記組成物がメガスファエラ属の単一菌株を含む、実施形態1~37のいずれかに記載の組成物。
(39)微生物コンソーシアム(consortium)の一部としてメガスファエラ細菌株を含む、実施形態1~38のいずれかに記載の組成物。
(40)実施形態1~39のいずれかに記載の使用のための、実施形態1~39のいずれかに記載の組成物を含む食品。
(41)抗生物質であって、対象にてグラム陽性細菌感染症の治療に使用するために、バンコマイシン、バクトリウム、ドキシサイクリン、セフトビプロール、セフタロリン、クリンダマイシン、ダルババンシン、ダプトマイシン、フシジン酸、リネゾリド、ムピロシン、オリタバンシン、テディゾリド、テラバンシン、チゲサイクリン、アミノグリコシド、カルバペネム、セフタジジム、セフェピム、セフトビプロール、セフトロザン/タゾバクタム、フルオロキノロン、ピペラシリン/タゾバクタム、チカルシリン/クラブラン酸、リネゾリド、ストレプトグラミン、チゲサイクリン、及びダプトマイシンから成るリストから選択され、前記対象は実施形態1~36のいずれかに記載の組成物を投与されることになっている、前記抗生物質。
(42)対象にてグラム陽性細菌感染症の治療または予防に使用するための、実施形態1~36のいずれかに記載の組成物と、バンコマイシン、バクトリウム、ドキシサイクリン、セフトビプロール、セフタロリン、クリンダマイシン、ダルババンシン、ダプトマイシン、フシジン酸、リネゾリド、ムピロシン、オリタバンシン、テディゾリド、テラバンシン、チゲサイクリン、アミノグリコシド、カルバペネム、セフタジジム、セフェピム、セフトビプロール、セフトロザン/タゾバクタム、フルオロキノロン、ピペラシリン/タゾバクタム、チカルシリン/クラブラン酸、リネゾリド、ストレプトグラミン、チゲサイクリン、及びダプトマイシンから成るリストから選択される抗生物質との併用。
(43)対象にてグラム陽性細菌感染症の治療に使用するための抗生物質であって、前記対象は実施形態1~36のいずれかに記載の組成物を投与されたことがある、または投与されることになっている、前記抗生物質。
(44)実施形態1~36のいずれかで定義される方法で使用するための、NCIMB42787として寄託されたメガスファエラ マシリエンシス菌株またはその派生物(derivative)の細胞。
(45)実施形態1~36のいずれか1つで定義される方法で使用するための、メガスファエラ マシリエンシス種の1または2以上の細菌株を含む組成物。
(46)グラム陽性細菌感染症を治療するまたは予防する方法であって、実施形態1~45のいずれかに記載の組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、前記方法。
(47)治療法で使用するための細菌株であって、前記細菌株が配列番号3、4、5、6または7のいずれか1つと少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%同一である16S rRNA配列を有する、前記細菌株。
(48)治療法で使用するための、配列番号3、4、5、6または7のいずれか1つによって表される16S rRNA配列を有する細菌株。
以下の添付図面を参照して本発明を説明する。
グラム陽性細菌感染モデルのアッセイの例を示す図である。 菌株42787が枯草菌の増殖を減少させることを示す図である。 枯草菌の増殖を阻害する菌株42787の第2の複製を示す図である。 菌株42787が吉草酸を産生することを示す図である。 上清における代謝物産生(吉草酸)のレベルを示す図である。 上清における代謝物産生(有機酸)のレベルを示す図である。 NCIMB42787、NCIMB43385、NCIMB43388、及びNCIMB43389による有機酸の産生及び消費を示す図である。 NCIMB42787の投与は生体外でのConA刺激後にマウス脾細胞によって産生されるTNFαのレベルを有意に低下させることを示す図である(A-非刺激;B-ConA刺激)。 NCIMB43385及びNCIMB43389の上清がHCT116細胞にてオクルディン(上)及びE-カドヘリン(下)のレベルを高めることを示す図である。 NCIMB43385の上清がHT29細胞にてオクルディン(上)及びE-カドヘリン(下)のレベルを有意に高めることを示す図である。
細菌株
本発明の組成物は、グラム陽性細菌感染症を治療するまたは予防するのに有用な細菌株を含む。本発明の細菌株は吉草酸を産生する独特な特性を示す。吉草酸(ペンタン酸としても知られる)は、グラム陽性病原菌C.ディフィシルの生存率を低下させることが示されており[19]、実施例は、吉草酸を産生するM.マシリエンシスの菌株がグラム陽性細菌の生存率を低下させるのに効果的であることを示している。
本発明者らは、本発明の細菌がグラム陽性細菌の増殖を阻害し、及び/またはその生存率を低下させることを見いだした。例えば、本発明者らは、特定の細菌株が試験管内のグラム陽性細菌感染モデルにおいてグラム陽性細菌枯草菌の増殖を阻害し、及び/またはその生存率を低下させることを見いだした。したがって、本発明の細菌株は、グラム陽性細菌感染症の治療または予防における使用に有効であり得る。特に、本発明の組成物は病原性グラム陽性細菌感染症の治療または予防に使用するのに有効であり得る。
本発明の組成物は吉草酸を産生する細菌株を含む。いくつかの実施形態では、本発明の細菌株は共生細菌株である。共生細菌株は、ヒトのような哺乳動物の消化管に由来する共生生物である。共生細菌株が由来してもよい属の例には、バクテロイデス(Bacteroides)、エンテロコッカス、エシェリキア(Escherichia)、クレブシエラ(Klebsiella)、ビフィドバクテリウム、スタフィロコッカス、ラクトバシラス、メガスファエラ、クロストリジウム、プロテウス(Proteus)、シュードモナス(Pseudomonas)、サルモネラ(Salmonella)、フェカリバクテリウム(Faecalibacterium)、ペプトストレプトコッカス(Peptostreptococcus)またはペプトコッカス(Peptococcus)が挙げられる。いくつかの実施形態では、共生細菌株はメガスファエラ属のものである。好ましくは、本発明で使用する細菌株は配列番号1または2と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%同一である16S rRNA配列を有する。好ましくは、配列同一性は配列番号2である。好ましくは、本発明で使用する細菌株は配列番号2によって表される16S rRNA配列を有する。好ましくは、本発明で使用するメガスファエラ種には、メガスファエラ エルスデニイ(Megasphaera elsdenii)、メガスファエラ セレビシエ(Megasphaera cerevisiae)、メガスファエラ マシリエンシス、メガスファエラ インディカ(Megasphaera indica)、メガスファエラ パウシボランス(Megasphaera paucivorans)、メガスファエラ スエシエンシス(Megasphaera sueciensis)及びメガスファエラ ミクロヌシフォルミス(Megasphaera micronuciformis)が挙げられる。本発明で使用するメガスファエラ種のさらなる例はメガスファエラ ヘキサノイカ(Megasphaera hexanoica)である。メガスファエラは反芻動物及びヒトを含む非反芻動物の偏性嫌気性、乳酸発酵性の消化管微生物である。好ましくは、細菌株は組成物が投与されることが意図される種に由来する。本発明のあらゆる態様の好ましい実施形態では、組成物はメガスファエラ マシリエンシス種の菌株を含む。
M.マシリエンシスの基準株はNP3(=CSUR P245=DSM26228)である[20]。M.マシリエンシス菌株NP3の16S rRNA遺伝子配列のGenBank受託番号はJX424772.1である(本明細書では配列番号1として開示されている)。
実施例で調べたメガスファエラ マシリエンシス細菌は本明細書では菌株42787と呼ばれている。調べた42787菌株についての16S rRNA配列は配列番号2に提供されている。好ましくは、本発明で使用する細菌は、メガスファエラ マシリエンシス種、特に菌株42787のものである。
菌株42787は、2017年7月13日、4D Pharma Research Ltd.((Life Sciences Innovation Building,Cornhill Road,Aberdeen,AB25 2ZS,Scotland)によって国際寄託機関NCIMB,Ltd(Ferguson Building,Aberdeen,AB21 9YA,Scotland)に寄託され、受託番号NCIMB42787が割り当てられた。
実施例で調べた菌株に近縁の細菌株もグラム陽性細菌感染症を治療するまたは予防するのに有効であると予想される。特定の実施形態では、本発明で使用する細菌株はメガスファエラ マシリエンシスの細菌株の16S rRNA配列と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%同一である16S rRNA配列を有する。好ましくは、本発明で使用する菌株は配列番号2と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%同一である16S rRNA配列を有する。好ましくは、本発明で使用する細菌株は配列番号2によって表される16S rRNA配列を有する。
菌株42787のバイオタイプである細菌株もグラム陽性細菌感染症を治療するまたは予防するのに有効であると予想される。バイオタイプは、生理学的及び生化学的な特性が同じまたは非常に類似する密接に関連した菌株である。
42787のバイオタイプであり、本発明での使用に好適である菌株は、菌株42787由来の他のヌクレオチド配列を配列決定することによって同定されてもよい。例えば、実質的に全ゲノムが配列決定されてもよく、本発明で使用するバイオタイプ株は、全ゲノムの少なくとも80%にわたって(例えば、少なくとも85%、90%、95%または99%、またはその全ゲノムにわたって)少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%の配列同一性を有してもよい。バイオタイプ株を同定するのに使用する他の好適な配列には、hsp60または例えば、BOX、ERIC、(GTG)もしくはREPのような反復配列が挙げられてもよい[21]。バイオタイプ株は、42787菌株の対応する配列と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%の配列同一性がある配列を有してもよい。
本発明にて有用な細菌株は、吉草酸を産生し、且つ実施例に開示されている方法に従ってグラム陽性細菌の増殖を減少させるものである。そのような特性は、当該技術分野において細菌を分類するこれまでは稀な手段である。さらに、吉草酸を産生する細菌株の特性はグラム陽性細菌感染症の治療に関してこれまで認識されていなかった利点である。
そのような細菌は、細菌株の代謝産物の産生を日常的にプロファイリングすることによって同定されてもよい。実施例1に提示した方法を用いた代謝産物プロファイリングは、吉草酸を産生する候補細菌株を同定するのに使用することができる。この方法によって、吉草酸を産生する有利な特性を持つ他のいくつかのメガスファエラ マシリエンシス菌株が同定されている(図5;参照1、参照2及び参照3の菌株を参照のこと)。次いで、実施例2に開示されているアッセイを使用して、グラム陽性細菌感染症の治療または予防に使用するための候補細菌株を検証することができる。
本発明者らは、実施例で使用される細菌株が酪酸塩及びヘキサン酸を産生し、酢酸塩及びプロピオン酸塩を消費することを見いだした(図4を参照のこと)。メガスファエラ マシリエンシス菌株参照1、参照2、参照3もこれらの代謝物を消費し、産生することが見いだされた(図5及び6)。したがって、いくつかの実施形態では、本発明の細菌株も酪酸塩及びヘキサン酸の一方または双方を産生する。いくつかの実施形態では、本発明の細菌株は酢酸塩及びプロピオン酸塩の一方または双方を消費する。好ましい実施形態では、本発明の細菌株は、酪酸塩、吉草酸及びヘキサン酸を産生し、酢酸塩及びプロピオン酸塩を消費する。
さらに、吉草酸を産生することができる好適なバイオタイプは吉草酸を生成する代謝経路を含有するものである。そのような菌株は、ゲノム分析によって、例えば、細菌株が吉草酸の生合成に必要な酵素をコードしているかどうかを決定することによって同定することができる。
あるいは、菌株42787のバイオタイプであり、本発明での使用に好適である菌株は、菌株42787及び制限酵素断片分析及び/またはPCR分析を用いることによって、例えば、蛍光増幅断片長多型(FAFLP:fluorescent amplified fragment length polymorphism)及び反復DNAエレメント(rep)-PCRフィンガープリンティング、またはタンパク質プロファイリング、または16Sまたは23S rDNAの部分配列決定を用いることによって同定されてもよい。好ましい実施形態では、そのような技法を使用して他のメガスファエラ マシリエンシス菌株を同定してもよい。
特定の実施形態では、菌株42787のバイオタイプであり、本発明での使用に好適である菌株は、増幅リボソームDNA制限分析(ARDRA:amplified ribosomal DNA restriction analysis)によって分析した場合、例えばSau3AI制限酵素(例示的な方法とガイダンスについては、例えば、[22]を参照のこと)を用いた場合、菌株42787と同じパターンを提供する菌株である。あるいは、バイオタイプ株は、菌株42787と同じ炭水化物発酵パターンを有する菌株として同定される。
42787のバイオタイプのような、本発明の組成物及び方法で有用である他の細菌株は、実施例に記載されているアッセイを含む、任意の適切な方法または戦略を用いて同定されてもよい。特に、42787に類似する増殖パターン、代謝型及び/または表面抗原を有する細菌株は本発明において有用であり得る。有用な菌株は42787に匹敵する免疫調節活性を有するであろう。特に、バイオタイプ株は、実施例に記載されている培養及び投与のプロトコールを使用することにより同定され得る、実施例に示すようなグラム陽性細菌の増殖減少アッセイに対して匹敵する効果を引き出すであろう。
本発明の特に好ましい菌株は、メガスファエラ マシリエンシス菌株42787である。これは、実施例で調べられ、且つ試験管内での枯草菌感染症を治療するまたは予防するのに有効であることが示された例示的な菌株である。したがって、本発明は、メガスファエラ マシリエンシス菌株42787またはその派生物の細胞、例えば単離細胞を提供する。本発明は、メガスファエラ マシリエンシス菌株42787またはその派生物の細胞を含む組成物も提供する。本発明はまた、メガスファエラ マシリエンシス菌株42787の生物学的に純粋な培養物を提供する。本発明はまた、治療法、特に本明細書に記載されている疾患の治療法に使用するためのメガスファエラ マシリエンシス菌株42787またはその派生物の細胞も提供する。
本発明の菌株の派生物は、娘菌株(子孫)であってもよく、または元の菌株から培養(サブクローニング)された菌株であってもよい。本発明の菌株の派生物は、生物活性を取り除くことなく、例えば遺伝子レベルで修飾されてもよい。特に、本発明の派生菌株は治療上活性がある。派生菌株は42787菌株に匹敵する治療活性を有するであろう。特に、派生菌株は、実施例に記載されている培養及び投与のプロトコールを使用することにより同定され得る、実施例に示すようなグラム陽性細菌の感染モデルに対して匹敵する効果を引き出すであろう。42787菌株の派生物は一般に42787菌株のバイオタイプである。
メガスファエラ マシリエンシス42787菌株の細胞への言及は、菌株42787と同じ安全性及び治療効果の特性を有する任意の細胞を包含し、そのような細胞は本発明に包含される。
好ましい実施形態では、本発明の組成物における細菌株は生存可能であり、腸管に部分的または全体的に定着することができる。
特定の実施形態では、本発明の組成物は、メガスファエラ マシリエンシス菌株42787の細胞を含まない。
加えて、さらなる細菌株がメガスファエラ マシリエンシス(受託番号NCIMB43388及びNCIMB43389)及びメガスファエラ種(受託番号NCIMB43385、NCIMB43386及びNCIMB43387)として2019年5月6日、4D Pharma Research Ltd.(Life Sciences Innovation Building,Cornhill Road,Aberdeen,AB25 2ZS,Scotland)によって国際寄託機関NCIMB,Ltd.(Ferguson Building,Aberdeen,AB21 9YA,Scotland)に寄託された。したがって、代替の実施形態では、本発明の組成物はこれらの細菌株、またはそのバイオタイプまたは派生物の1または2以上を含む。疑義を避けるため、上述した参照1は受託番号NCIMB43385として寄託された菌株、上述した参照2は受託番号NCIMB43388として寄託された菌株、及び上述した参照3は受託番号NCIMB43389として寄託された菌株である。
実施例で調べた菌株に近縁の細菌株もグラム陽性細菌感染症を治療するまたは予防するのに有効であると予想される。
特定の実施形態では、本発明で使用する細菌株は、受託番号NCIMB43388として寄託されたメガスファエラ マシリエンシス菌株である。特定の実施形態では、本発明は、治療法に使用するために、受託番号NCIMB43388として寄託された菌株またはその派生物の細胞を提供する。特定の実施形態では、本発明は、グラム陽性細菌感染症を治療するまたは予防するために、受託番号NCIMB43388として寄託された菌株またはその派生物の細胞を提供する。特定の実施形態では、本発明は、本明細書に記載されている疾患のいずれか1つで使用するために、受託番号NCIMB43388として寄託された菌株の細胞を提供する。
好ましい実施形態では、本発明は、好ましくはグラム陽性細菌感染症の治療または予防に使用するために、受託番号NCIMB43388としてNCIMBに寄託された菌株、またはその派生物またはバイオタイプを含む組成物を提供する。
特定の実施形態では、本発明の組成物は、受託番号NCIMB43388として寄託されたメガスファエラ マシリエンシス菌株の細胞を含まない。いくつかの実施形態では、本発明の組成物における細菌株は、メガスファエラ属の細菌株であり、この細菌株は受託番号NCIMB43388として寄託された菌株ではない。いくつかの実施形態では、本発明の組成物における細菌株はメガスファエラ マシリエンシス種の細菌株であり、この細菌株は、受託番号NCIMB43388として寄託された菌株ではない。
したがって、特定の実施形態では、本発明で使用する細菌株は、受託番号NCIMB43389として寄託されたメガスファエラ マシリエンシス菌株である。特定の実施形態では、本発明は、治療法に使用するために、受託番号NCIMB43389として寄託された菌株またはその派生物の細胞を提供する。特定の実施形態では、本発明は、グラム陽性細菌感染症を治療するまたは予防するのに使用するために、受託番号NCIMB43389として寄託された菌株またはその派生物の細胞を提供する。特定の実施形態では、本発明は、本明細書に記載されている疾患のいずれか1つで使用するために、受託番号NCIMB43389として寄託された菌株の細胞を提供する。
好ましい実施形態では、本発明は、好ましくはグラム陽性細菌感染症の治療または予防に使用するために、受託番号NCIMB43389としてNCIMBに寄託された菌株、またはその派生物またはバイオタイプを含む組成物を提供する。
特定の実施形態では、本発明の組成物は、受託番号NCIMB43389として寄託されたメガスファエラ マシリエンシス菌株の細胞を含まない。いくつかの実施形態では、本発明の組成物における細菌株はメガスファエラ属の細菌株であり、この細菌株は受託番号NCIMB43389として寄託された菌株ではない。いくつかの実施形態では、本発明の組成物における細菌株は、メガスファエラ マシリエンシス種の細菌株であり、この細菌株は、受託番号NCIMB43389として寄託された菌株ではない。
特定の実施形態では、本発明で使用する細菌株は配列番号4と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%同一である16S rRNA配列を有する。特定の実施形態では、本発明で使用する細菌株は配列番号4によって表される16S rRNA配列を有する。特定の実施形態では、本発明は治療法で使用するために、配列番号4と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%同一である16S rRNA配列を有する細菌株を提供する。特定の実施形態では、本発明は治療法で使用するために、配列番号4によって表される16S rRNA配列を有する細菌株を提供する。
特定の実施形態では、本発明で使用する細菌株は配列番号5と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%同一である16S rRNA配列を有する。特定の実施形態では、本発明で使用する細菌株は配列番号5によって表される16S rRNA配列を有する。特定の実施形態では、本発明は治療法で使用するために、配列番号5と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%同一である16S rRNA配列を有する細菌株を提供する。特定の実施形態では、本発明は治療法で使用するために、配列番号5によって表される16S rRNA配列を有する細菌株を提供する。
特定の実施形態では、本発明で使用する細菌株はメガスファエラ属の細菌株の16S rRNA配列と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%同一である16S rRNA配列を有する。特定の実施形態では、本発明で使用する細菌株はメガスファエラ属のものである。
特定の実施形態では、本発明で使用する細菌株は、受託番号NCIMB43385として寄託されたメガスファエラ菌株である。特定の実施形態では、本発明は、治療法に使用するために、受託番号NCIMB43385として寄託された菌株またはその派生物の細胞を提供する。特定の実施形態では、本発明は、グラム陽性細菌感染症を治療するまたは予防するために、受託番号NCIMB43385として寄託された菌株またはその派生物の細胞を提供する。特定の実施形態では、本発明は、本明細書に記載されている疾患のいずれか1つで使用するために、受託番号NCIMB43385として寄託された菌株の細胞を提供する。
好ましい実施形態では、本発明は、好ましくはグラム陽性細菌感染症の治療または予防に使用するために、受託番号NCIMB43385としてNCIMBに寄託された菌株、またはその派生物またはバイオタイプを含む組成物を提供する。
特定の実施形態では、本発明の組成物は、受託番号NCIMB43385として寄託されたメガスファエラ マシリエンシス菌株の細胞を含まない。いくつかの実施形態では、本発明の組成物における細菌株は、メガスファエラ属の細菌株であり、この細菌株は受託番号NCIMB43385として寄託された菌株ではない。いくつかの実施形態では、本発明の組成物における細菌株はメガスファエラ マシリエンシス種の細菌株であり、この細菌株は、受託番号NCIMB43385として寄託された菌株ではない。
特定の実施形態では、本発明で使用する細菌株は受託番号NCIMB43386として寄託されたメガスファエラ菌株である。特定の実施形態では、本発明は、治療法に使用するために、受託番号NCIMB43386として寄託された菌株またはその派生物の細胞を提供する。特定の実施形態では、本発明は、グラム陽性細菌感染症を治療するまたは予防するために、受託番号NCIMB43386として寄託された菌株またはその派生物の細胞を提供する。特定の実施形態では、本発明は、本明細書に記載されている疾患のいずれか1つで使用するために、受託番号NCIMB43386として寄託された菌株の細胞を提供する。
好ましい実施形態では、本発明は、好ましくはグラム陽性細菌感染症の治療または予防に使用するために、受託番号NCIMB43386としてNCIMBに寄託された菌株、またはその派生物またはバイオタイプを含む組成物を提供する。
特定の実施形態では、本発明の組成物は、受託番号NCIMB43386として寄託されたメガスファエラ マシリエンシス菌株の細胞を含まない。いくつかの実施形態では、本発明の組成物における細菌株は、メガスファエラ属の細菌株であり、この細菌株は受託番号NCIMB43386として寄託された菌株ではない。いくつかの実施形態では、本発明の組成物における細菌株は、メガスファエラ マシリエンシス種の細菌株であり、この細菌株は、受託番号NCIMB43386として寄託された菌株ではない。
特定の実施形態では、本発明で使用する細菌株は、受託番号NCIMB43387として寄託されたメガスファエラ菌株である。特定の実施形態では、本発明は、治療法に使用するために、受託番号NCIMB43387として寄託された菌株またはその派生物の細胞を提供する。特定の実施形態では、本発明はグラム陽性細菌感染症を治療するまたは予防するために、受託番号NCIMB43387として寄託された菌株またはその派生物の細胞を提供する。特定の実施形態では、本発明は、本明細書に記載されている疾患のいずれか1つで使用するために、受託番号NCIMB43387として寄託された菌株の細胞を提供する。
好ましい実施形態では、本発明は、好ましくはグラム陽性細菌感染症の治療または予防に使用するために、受託番号NCIMB43387としてNCIMBに寄託された菌株、またはその派生物またはバイオタイプを含む組成物を提供する。
特定の実施形態では、本発明の組成物は受託番号NCIMB43387として寄託されたメガスファエラ マシリエンシス菌株の細胞を含まない。いくつかの実施形態では、本発明の組成物における細菌株はメガスファエラ属の細菌株であり、この細菌株は受託番号NCIMB43387として寄託された菌株ではない。いくつかの実施形態では、本発明の組成物における細菌株はメガスファエラ マシリエンシス種の細菌株であり、この細菌株は受託番号NCIMB43387として寄託された菌株ではない。
特定の実施形態では、本発明で使用する細菌株は配列番号3と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%同一である16S rRNA配列を有する。特定の実施形態では、本発明で使用する細菌株は配列番号4と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%同一である16S rRNA配列を有する。特定の実施形態では、本発明で使用する細菌株は配列番号6と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%同一である16S rRNA配列を有する。特定の実施形態では、本発明で使用する細菌株は配列番号7と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%同一である16S rRNA配列を有する。特定の実施形態では、本発明で使用する細菌株は配列番号3、4、6または7と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%同一である16S rRNA配列を有する。特定の実施形態では、本発明は治療法で使用するために、配列番号3、4、6または7と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%同一である16S rRNA配列を有する細菌株を提供する。
特定の実施形態では、本発明で使用する細菌株は配列番号3によって表される16S rRNA配列を有する。特定の実施形態では、本発明で使用する細菌株は配列番号4によって表される16S rRNA配列を有する。特定の実施形態では、本発明で使用する細菌株は配列番号6によって表される16S rRNA配列を有する。特定の実施形態では、本発明で使用する細菌株は配列番号7によって表される16S rRNA配列を有する。特定の実施形態では、本発明で使用する細菌株は配列番号3、4、6または7によって表される16S rRNA配列を有する。特定の実施形態では、本発明は治療法で使用するために、配列番号3、4、6または7によって表される16S rRNA配列を有する細菌株を提供する。
受託番号NCIMB43385、NCIMB43386、NCIMB43387、NCIMB43388及び/またはNCIMB43389として寄託された菌株の1または2以上のバイオタイプである細菌株もグラム陽性細菌感染症を治療するまたは予防するのに有効であると予想されている。バイオタイプは、生理学的及び生化学的な特性が同じまたは非常に類似する密接に関連した菌株である。
特定の実施形態では、本発明は治療法で使用するために、受託番号NCIMB43385、NCIMB43386、NCIMB43387、NCIMB43388及び/またはNCIMB43389として寄託された細菌株またはそのバイオタイプを提供する。
受託番号NCIMB43385、NCIMB43386、NCIMB43387、NCIMB43388及び/またはNCIMB43389として寄託された菌株の1または2以上のバイオタイプであり、且つ本発明での使用に好適である菌株は、受託番号NCIMB43385、NCIMB43386、NCIMB43387、NCIMB43388及び/またはNCIMB43389として寄託された菌株の1または2以上について他のヌクレオチド配列を配列決定することによって同定されてもよい。例えば、実質的に全ゲノムが配列決定されてもよく、本発明で使用するバイオタイプ株は、全ゲノムの少なくとも80%にわたって(例えば、少なくとも85%、90%、95%または99%、またはその全ゲノムにわたって)少なくとも85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%の配列同一性を有してもよい。バイオタイプ株を同定するのに使用する他の好適な配列には、hsp60または例えば、BOX、ERIC、(GTG)もしくはREPのような反復配列が挙げられてもよい。バイオタイプ株は、受託番号NCIMB43385、NCIMB43386、NCIMB43387、NCIMB43388及び/またはNCIMB43389として寄託された菌株の1または2以上の対応する配列に対して少なくとも85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%の配列同一性を持つ配列を有してもよい。
あるいは、受託番号NCIMB43385、NCIMB43386、NCIMB43387、NCIMB43388及び/またはNCIMB43389として寄託された菌株の1または2以上のバイオタイプであり、且つ本発明での使用に好適である菌株は、受託番号NCIMB43385、NCIMB43386、NCIMB43387、NCIMB43388及び/またはNCIMB43389として寄託された菌株の1または2以上と制限酵素断片分析及び/またはPCR分析とを使用することによって、例えば、蛍光増幅断片長多型(FAFLP)及び反復DNAエレメント(rep)-PCRフィンガープリンティング、またはタンパク質プロファイリング、または16Sもしくは23S rDNAの部分配列決定を使用することによって同定されてもよい。好ましい実施形態では、そのような技法を使用して他のメガスファエラ マシリエンシス菌株を同定してもよい。
特定の実施形態では、受託番号NCIMB43385、NCIMB43386、NCIMB43387、NCIMB43388及び/またはNCIMB43389として寄託された菌株の1または2以上のバイオタイプであり、且つ本発明での使用に好適である菌株は、増幅リボソームDNA制限分析(ARDRA)によって分析された場合、例えば、Sau3AI制限酵素を使用した場合、受託番号NCIMB43385、NCIMB43386、NCIMB43387、NCIMB43388及び/またはNCIMB43389として寄託された菌株の1または2以上と同じパターンを提供する菌株である。あるいは、バイオタイプ株は、受託番号NCIMB43385、NCIMB43386、NCIMB43387、NCIMB43388及び/またはNCIMB43389として寄託された菌株の1または2以上と同じ炭水化物発酵パターンを有する菌株として同定される。
本発明の組成物及び方法で有用である他の菌株、例えば受託番号NCIMB43385、NCIMB43386、NCIMB43387、NCIMB43388及び/またはNCIMB43389として寄託された菌株の1または2以上のバイオタイプは、実施例に記載されているアッセイを含む、適切な方法または戦略を使用して同定されてもよい。
特定の実施形態では、本発明の好ましい菌株は、受託番号NCIMB43385、NCIMB43386、NCIMB43387、NCIMB43388及び/またはNCIMB43389として寄託された菌株である。したがって、本発明は、受託番号NCIMB43385、NCIMB43386、NCIMB43387、NCIMB43388及び/またはNCIMB43389として寄託された菌株またはその派生物の1または2以上の単離細胞のような細胞を提供する。本発明はまた、受託番号NCIMB43385、NCIMB43386、NCIMB43387、NCIMB43388及び/またはNCIMB43389として寄託された菌株またはその派生物の1または2以上の細胞を含む組成物も提供する。本発明はまた、受託番号NCIMB43385、NCIMB43386、NCIMB43387、NCIMB43388及び/またはNCIMB43389として寄託された菌株の1または2以上の生物学的に純粋な培養物を提供する。本発明はまた、治療法で使用するために、特に本明細書に記載されている疾患のために、受託番号NCIMB43385、NCIMB43386、NCIMB43387、NCIMB43388及び/またはNCIMB43389として寄託された菌株またはその派生物の1または2以上の細胞も提供する。
本発明の菌株の派生物は、娘菌株(子孫)であってもよく、または元の菌株から培養(サブクローニング)された菌株であってもよい。本発明の菌株の派生物は、生物活性を取り除くことなく、例えば遺伝子レベルで修飾されてもよい。特に、本発明の派生菌株は治療上活性がある。派生菌株は、受託番号NCIMB43385、NCIMB43386、NCIMB43387、NCIMB43388及び/またはNCIMB43389として寄託された菌株の1または2以上に匹敵する治療活性を有するであろう。特に、派生菌株は、吉草酸を産生し、実施例に記載されている培養及び投与のプロトコールを使用することにより同定され得る、実施例に示されるグラム陽性細菌の感染モデルに対して匹敵する効果を引き出すであろう。寄託番号NCIMB43385、NCIMB43386、NCIMB43387、NCIMB43388及び/またはNCIMB43389として寄託された菌株の1または2以上の派生物は一般に、それぞれ受託番号NCIMB43385、NCIMB43386、NCIMB43387、NCIMB43388及び/またはNCIMB43389として寄託された菌株の1または2以上のバイオタイプである。
受託番号NCIMB43385、NCIMB43386、NCIMB43387、NCIMB43388及び/またはNCIMB43389として寄託された菌株の1または2以上の細胞への言及は、それぞれ受託番号NCIMB43385、NCIMB43386、NCIMB43387、NCIMB43388及び/またはNCIMB43389として寄託された菌株の1または2以上と同じ安全性及び治療効果の特徴を有する任意の細胞を包含し、そのような細胞は本発明に包含される。
本発明者らは、実施例で使用した細菌株が2-メチル-プロパン酸及び3-メチル-プロパン酸を産生し、ギ酸を消費することを見いだした(図7を参照のこと)。受託番号NCIMB43385、NCIMB43388及びNCIMB43389として寄託された菌株も2-メチル-プロパン酸及び3-メチル-プロパン酸を産生することが見いだされた。加えて、受託番号NCIMB43385及びNCIMB43388として寄託された菌株もギ酸を消費することが見いだされた。したがって、いくつかの実施形態では、本発明の細菌株は代謝産物2-メチル-プロパン酸及び3-メチル-プロパン酸の1または2以上を産生する。いくつかの実施形態では、本発明の細菌株はギ酸を消費する。いくつかの実施形態では、本発明の細菌株は2-メチル-プロパン酸及び3-メチル-プロパン酸を産生し、ギ酸を消費する。好ましい実施形態では、本発明の細菌株は酪酸塩、吉草酸、ヘキサン酸、2-メチル-プロパン酸及び3-メチル-プロパン酸を産生し、酢酸塩、プロピオン酸塩及びギ酸を消費する。
特定の実施形態では、本発明の菌株による、または本発明で使用する菌株によるSCFA、例えば吉草酸の産生はガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)を用いて決定することができる。特定の実施形態では、ガスクロマトグラフィー/質量分析を用いて、本発明のまたは本発明で使用する細菌株を培養した後に単離された無細胞上清にてSCFA、例えば吉草酸の含量を分析する。特定の実施形態では、無細胞上清におけるSCFAの試料はGC/MS分析の前に塩酸を使用して酸性化する。特定の例示的な実施形態では、GS/MS分析は、四重極検出器と併用したガスクロマトグラフに取り付けられた高極性カラムを用いて実施される。特定の実施形態では、重水素標識内部標準はGS/MS分析の前に添加される。好ましい実施形態では、本発明の菌株または本発明で使用する菌株は吉草酸を産生し、吉草酸の産生はガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)を用いて測定される。ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)は、特に小分子の検出及び分析に関して当業者にとって日常的な技術である。
特定の実施形態では、本発明で使用するメガスファエラ(Megasphaera)種には、メガスファエラ セレビシエ、メガスファエラ マシリエンシス、メガスファエラ インディカ、メガスファエラ パウシボランス、メガスファエラ スエシエンシス、メガスファエラ ミクロヌシフォルミス及びメガスファエラ ヘキサノイカが挙げられる。特定の実施形態では、本発明で使用する細菌株は、メガスファエラ セレビシエ、メガスファエラ マシリエンシス、メガスファエラ インディカ、メガスファエラ パウシボランス、メガスファエラ スエシエンシス、メガスファエラ ミクロヌシフォルミスまたはメガスファエラ ヘキサノイカ種のものである。特定の実施形態では、本発明で使用する細菌株は、メガスファエラ セレビシエ、メガスファエラ マシリエンシス、メガスファエラ インディカ、メガスファエラ パウシボランス、メガスファエラ スエシエンシス、メガスファエラ ミクロヌシフォルミスまたはメガスファエラ ヘキサノイカ種の細菌株の16S rRNA遺伝子配列と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%同一である16S rRNA遺伝子配列を有する。
特定の実施形態では、本発明の組成物はメガスファエラ エルスデニイを含まない。特定の実施形態では、本発明の組成物及び方法において有用な細菌株はメガスファエラ エルスデニイではない。
特定の実施形態では、本発明の細菌株はヒトから単離される。特定の実施形態では、本発明で使用する細菌株はヒトから単離される。
治療上の使用
実施例に示されるように、本発明の細菌組成物はグラム陽性細菌感染症を治療するまたは予防するのに有効である。特に、本発明の組成物による治療はグラム陽性細菌の生存率を低下させ、及び/またはその増殖を阻害する。病原性グラム陽性細菌のレベルの上昇は感染症に関連している。したがって、本発明の組成物は、病原性グラム陽性細菌感染症の治療または予防に使用するためのものである。著名な病原性グラム陽性細菌はクロストリジウム ディフィシルである。したがって、いくつかの実施形態では、本発明の組成物はC.ディフィシル感染症(CDI)の治療または予防に使用するためのものである。いくつかの実施形態では、本発明の組成物はCDIに関連する症状の治療及び/または予防に使用するためのものである。
本発明者らはまた、本発明の細菌を使用して、グラム陽性細菌感染症のリスクがある対象にてグラム陽性細菌感染症を予防してもよいことを確認した。本発明の組成物は、対象がグラム陽性細菌感染症を発症する確率が減少するように「リスクがある」対象に投与されてもよい。したがって、本発明の組成物はグラム陽性細菌感染症の予防に有用であり得る。
「リスクがある」対象は、一般の人々と比較してグラム陽性細菌感染症を発症しやすい人である。「リスクがある」対象には、高齢者、免疫不全患者、または病原性グラム陽性細菌の無症状キャリアである対象が挙げられるが、これらに限定されない。特定のグラム陽性細菌感染症に罹りやすい亜群は、グラム陽性細菌感染症の種類に応じて異なるであろう。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、グラム陽性細菌感染症のリスクがある対象におけるグラム陽性細菌感染症の予防または治療に有用であってもよい。例えば、抗生物質療法、化学療法、ステロイド療法、または免疫系を弱める他のそのような療法を受けている、または最近受けたことがある者を含む、リスクがある高齢者または免疫不全の対象では、本発明の組成物は対象がC.ディフィシルのようなグラム陽性細菌感染症に罹るリスクを低下させることにおいて有用であり得る。したがって、本発明の組成物は、グラム陽性細菌感染症を治療するまたは予防するためにこれらの対象にて有用であってもよい。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、グラム陽性細菌感染症の治療に使用するために抗生物質を対象に投与する必要性を排除し得る、または低減し得るので、特に有利である。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、広域スペクトル抗生物質を対象に投与する必要性を排除し得る、または低減し得る。これらの実施形態は、感染症を治療し、抗生物質療法に関連する有害な副作用の発症を防止するので、特に有利である。これは、感染症を治療するために抗生物質療法が対象に投与されないからである。したがって、いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、対象に抗生物質を投与することによってグラム陽性細菌感染症を治療または予防する必要性を失わせ得る。言い換えれば、いくつかの実施形態では、抗生物質が対象に投与されないので、抗生物質療法に関連する有害な副作用はグラム陽性細菌感染症の治療中に回避される。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、グラム陽性細菌感染症の治療または予防に使用するためのものであり、その際、対象は、抗生物質を同時に、別々に、または連続して投与されることがない、または投与されたことがない。本明細書で使用されるとき、「同時の」は、抗生物質及び本発明の組成物が同じ治療計画の一部として同じ時に投与されることになっている、または投与されたことがあることを意味し;「連続して」は、抗生物質及び本発明の組成物の用量が、同じ治療計画の一部として同時に投与されることになっている、または同時に投与されたことがあることを意味し;「別々に」は、抗生物質及び本発明の組成物の完全な投与量が同じ治療計画の一部として連続して投与されることになっている、または、投与されたことがあることを意味する。これらの実施形態の文脈では、「治療計画」は、対象への抗生物質と本発明の組成物の双方の投与を含む治療プログラムの処方を指し、すなわち、グラム陽性細菌感染症の治療または予防のために同時に医師が抗生物質と本発明の組成物の双方を積極的に処方する場合を指す。「治療計画」は、対象が最初に、例えば抗生物質を処方され、その後続いて、抗生物質によるグラム陽性細菌感染症の最適以下のクリアランスに対応して本発明の組成物を処方される状況を対象としない。
いくつかの実施形態では、組成物は、抗生物質療法に反応していない対象で使用するためのものである。したがって、組成物は、対象における抗生物質耐性グラム陽性細菌感染症の治療に特に有利である。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、無症状レベルのグラム陽性細菌を排除するのに使用されてもよく、その際、「無症状」は、感染を引き起こすのに必要な濃度閾値未満である対象に存在するグラム陽性細菌のレベルを指す。したがって、本発明の組成物は、病原性グラム陽性細菌の無症状キャリアにおける感染の潜在的出現を防ぐので、グラム-陽性細菌感染症の予防に使用するためのものであってもよい。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、1または2以上の抗生物質が投与されたことがある、または投与されている対象で使用するためのものである。1または2以上の抗生物質は広域スペクトル抗生物質を含んでもよい。「広域スペクトル抗生物質」は、複数の疾患の原因細菌を標的とする抗生物質である。そのような抗生物質は、例えば、複数の細菌感染症が存在する場合、または細菌感染症が疑われるが、病原性細菌の正体が不明である場合に使用される。広域スペクトル抗生物質は効果的であるが、幅広い細菌を標的とするので、非病原性細菌も排除し得、または減少させ得る。広域スペクトルではない他の抗生物質でも、マイクロバイオームにおける非病原性細菌のレベルを排除または減少させる可能性がある。したがって、本発明の組成物は、抗生物質の投与中または投与後に非病原性細菌で対象の腸を再構成するので、抗生物質と併用する場合特に有利である。いくつかの実施形態では、組成物の細菌株は、対象に投与されたことがある、または投与されている抗生物質に対して耐性がある。このことは、抗生物質が細菌株の治療活性を阻害することなく、抗生物質と本発明の組成物とを併用して投与することができることを意味するので、有利である。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、対象に投与されている、または投与されることになっている抗生物質に対する耐性を獲得するように操作される。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は1または2以上の抗生物質を含む併用療法として投与される。いくつかの実施形態では、併用療法は1または2以上の抗生物質の投与期間を短縮し得る。理論に束縛されることを望まないが、本発明の組成物は、抗生物質の投与期間を短縮する可能性があり、または抗生物質の治療期の最後に残り得る病原性グラム陽性細菌の残留プールを排除することによって、抗生物質による治療後の感染の再発を減らす可能性があり、それによって、グラム陽性細菌感染症の再発または再出現を軽減するまたは防止する。いくつかの実施形態では、本発明の組成物の菌株は併用療法の抗生物質に対して耐性がある。このことは、組成物の菌株が抗生物質の存在下で生存できるので、重複(すなわち、併用療法の双方の要素が対象に投与される期間)をさらに長くすることができるため、有利である。
本明細書で使用されるとき、「本発明の組合せ」、「本発明の治療上の組合せ」及び「治療上の組合せ」という用語は相互交換可能に使用されてもよく、(a)本発明の細菌株を含む組成物と(b)本明細書で開示されている抗生物質との治療上の組合せを指す。治療上の組合せという文脈での「組合せ」という用語は、必ずしも同じ組成物にある及び/または同時に投与される組合せの成分(a)及び(b)を指すものではないことを理解すべきである。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、バンコマイシン、バクトリウム、ドキシサイクリン、セフトビプロール、セフタロリン、クリンダマイシン、ダルババンシン、ダプトマイシン、フシジン酸、リネゾリド、ムピロシン、オリタバンシン、テディゾリド、テラバンシン、チゲサイクリン、アミノグリコシド、カルバペネム、セフタジジム、セフェピム、セフトビプロール、セフトロザン/タゾバクタム、フルオロキノロン、ピペラシリン/タゾバクタム、チカルシリン/クラブラン酸、リネゾリド、ストレプトグラミン、チゲサイクリン、及びダプトマイシンから成るリストから選択される1または2以上の抗生物質を投与されたことがある、または投与されている対象に投与されてもよい。
好ましくは、本発明の組成物は、1または2以上の抗生物質に対して耐性があり、これにより、治療用の併用としての1または2以上の抗生物質及び本発明の組成物の投与期間にてさらに大きな重複が可能になる。
治療または予防は、例えば、症状の重症度の緩和、または患者にとって問題となる悪化の頻度または誘因の範囲の減少を指し得る。
クロストリジウム ディフィシル感染症(CDI)
クロストリジウム ディフィシル(C.ディフィシルまたはC.ディフ(C diff)とも呼ばれる)感染症は、対象の消化管にC.ディフが定着したときに現れる一連の病理学的症状を指す。CDIは、C.ディフ関連疾患(CDAD)と呼ばれることが多い。
CDIは通常、C.ディフィシルの芽胞が対象の消化管(「腸管」とも呼ばれる)に入り、その後定着するときに発生する。C.ディフの芽胞が腸管に定着する傾向は、対象の微生物学的及び代謝学的なプロファイルに依存する。この理由で、共生マイクロバイオームを根絶する抗生物質で治療された対象はCDIを発症するリスクが高くなり、これは、共生マイクロバイオームの排除(一時的であっても)はC.ディフのコロニー形成が繁栄できる環境を提供するためである。他の「リスクがある」対象群(すなわち、CDIの発症をさらに生じやすい群)には、高齢者(少なくとも65歳の対象)、栄養学的にバランスの取れていない食事をしている対象、または免疫不全の個人、例えば、免疫療法、化学療法もしくは放射線療法を受けているもしくは受けたことがあるものまたはステロイド治療を受けているもしくは受けたことがある者が挙げられる。CDIはまた、例えば、無症状レベルのC.ディフを保有する対象にて自然に発現し得る。本発明の組成物は、任意の対象群におけるCDIの治療または予防に使用するためのものであってもよい。
CDIは、軽度の下痢から中毒性巨大結腸または重度の結腸炎に及ぶ一連の症状を指す。例えば、CDIの対象は、下痢、腹痛、発熱、血便、脱水症、体重減少、中毒性巨大結腸、胃腸穿孔、腹部膨満、結腸膨満、吐き気、偽膜性大腸炎、多臓器不全症候群または敗血症から成るリストから選択される1または2以上の状態を患い得る。この非網羅的なリストは本明細書では「CDIに関連する症状」と総称される。本発明の組成物は、CDIに関連するこれらの症状のいずれか1つまたは組合せの治療または予防に使用するためのものであってもよい。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、C.ディフのレベルの上昇と診断された対象におけるCDIに関連する症状の1または2以上の治療または予防に使用するためのものである。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、CDIに関連する症状の1または2以上の治療または予防において対象にてC.ディフのレベルを低下させることに使用するためのものである。
CDIは移りやすく、リスクがある対象の群がごく接近して時間を過ごすと広がる可能性がある。例えば、CDIの発生率は老人ホームに居住している対象及び入院している対象でさらに高い。本明細書で使用されるとき、「さらに高い」は、一般集団における発生率のレベルと比較した任意の対象亜群における発生率のレベルを指す。したがって、本発明の組成物は、CDIを予防するために、またはCDIに関連する症状の1または2以上の発症を予防するためにCDIのリスクがある対象に有利に投与されてもよい。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、対象におけるC.ディフのレベルの上昇を防止して、対象におけるCDIに関連する1または2以上の症状の発症を防止するのに使用するためのものである。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物はCDIと診断された対象に投与するためのものであってもよい。CDIは、対象由来の試料にて1または2以上のC.ディフの毒素のレベルを検出する診断キットを用いて診断することができる。診断は発症前であってもよい(すなわち、C.ディフの無症状キャリアを診断することが可能である)ということは、CDIに関連する1または2以上の症状が現れる前に本発明の組成物を対象に投与することができることを意味する。
対象の血漿におけるC.ディフの毒素(例えば、毒素A及び/またはB)の検出はCDIを示す。例えばC.ディフに特異的な遺伝子配列(例えばC.ディフの16S RNA配列)の核酸増幅、C.ディフの生成物(例えば、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ(GDH)、芳香族脂肪酸、TcdA及び/またはTcdB)の検出及び/または毒性を生じる培養のような他の診断検査を使用することができる。上記の方法のすべてがC.ディフの「無症状キャリア」とCDIがある者とを区別し得るわけではないが、上記の診断方法のいずれかを使用して、対象が少なくともC.ディフの無症状キャリアであるかどうかを判定し得る。少なくともC.ディフの無症状キャリアと診断された対象は、CDIの治療または予防における本発明の組成物の投与に好適であり得る。無症状キャリアと診断された対象、ならびに「リスクがある」対象群の対象における組成物の使用は、CDIに関連する症状が現れる前の対象にてC.ディフのレベルを有利に低下させ、それによってCDIに関連する症状の1または2以上についての追加の治療の必要性を回避する。
CDIの再発率は高い。言い換えれば、対象がCDIにいったん罹患すると、またはCDIの最初のエピソードが治療されていると、約8週間で再発する可能性は15~25%である。再発を経験した対象については、さらなる再発の可能性は60~80%である。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は再発性CDIの予防に使用するためのものである。言い換えれば、本発明の組成物は再発性CDIの遅延または予防に使用するためものであってもよい。理論に束縛されることを望まないが、本発明の組成物は、感染後に残存する無症候レベルのC.ディフの増殖を抑制して消化管の正常な微生物叢がそれ自体を再確立できるようにすることによって、再発性感染を予防するために特に有益であり得る。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、再発性CDIを予防するために対象にてC.ディフのレベルを低下させるのに対象において使用するためのものである。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、再発性CDIを遅延させるために対象にてC.ディフのレベルを低下させるのに対象において使用するためのものである。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物の投与後に対象の糞便中にてC.ディフのレベルが低下する。いくつかの実施形態では、C.ディフのレベルは対象由来の糞便試料にて低下する。いくつかの実施形態では、C.ディフのレベルは対象の遠位腸管にて低下する。いくつかの実施形態では、C.ディフのレベルは盲腸にて低下する。いくつかの実施形態では、C.ディフのレベルは結腸にて低下する。いくつかの実施形態では、C.ディフのレベルは直腸にて低下する。いくつかの実施形態では、C.ディフのレベルは小腸にて低下する。
好ましい実施形態では、対象におけるC.ディフィシル感染症の治療または予防に使用するための組成物はメガスファエラ マシリエンシス種の菌株を含む。
炭疽菌感染症
炭疽菌は、1.0~1.2μmの幅及び3~5μmの長さでグラム陽性の内生芽胞形成性の桿菌である[23]。炭疽菌のレベルの上昇は炭疽病に関連している。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、炭疽病の治療または予防のために対象の消化管にて炭疽菌のレベルを低下させることに使用するためのものである。
炭疽病は、摂取した芽胞が対象の腸管に定着すると消化管で発生する。消化管の炭疽病は稀であるが、症例のおよそ25%は致命的である。したがって、本発明の組成物は、消化管炭疽病の治療にて炭疽菌レベルを低下させることに使用するためのものであってもよい。好ましい実施形態では、対象における炭疽菌感染症の治療または予防に使用するための組成物はメガスファエラ マシリエンシス種の菌株を含む。
消化管炭疽病に関連する症状には、発熱と悪寒、首の腫れ、嚥下痛、声のかすれ、吐き気と嘔吐(特に血性嘔吐)、下痢、紅潮と赤目、腹部の腫れが挙げられる。本明細書では、症状のこの非網羅的なリストを「消化管炭疽病に関連する症状」と呼ぶ。
本発明の組成物は、消化管炭疽病に関連する1または2以上の症状の治療または予防に使用するためのものであってもよい。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、消化管における炭疽菌のレベルが上昇している対象での消化管炭疽病に関連する症状の1または2以上の治療または予防に使用するためのものである。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、消化管炭疽病に関連する1または2以上の症状の治療または予防において対象にて炭疽菌のレベルを低下させることに使用するためのものである。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は消化管炭疽病と診断された対象に投与するためのものであってもよい。炭疽病は炭疽菌の存在を検出する培養技術を使用して診断することができる。炭疽菌は5%ヒツジ血液寒天培地及びその他の通常の培地でよく増殖する。ポリミキシン-リゾチーム-EDTA-酢酸タリウムは、汚染された検体から炭疽菌を分離するのに使用することができる。重炭酸塩寒天は、カプセル形成を誘導するための同定法として使用することができる。炭疽菌はふつう、35℃にて周囲空気(室温)または5%CO2でのインキュベートの24時間以内に増殖する。重炭酸塩寒天を同定に使用するのであれば、培地は5%CO2で培養する必要がある。炭疽菌のコロニーは中程度から大きく、灰色で、平らで、渦巻き状の突起があり、不規則である。それらは5%ヒツジ血液寒天にて溶血性ではない。炭疽菌は運動性がなく、ペニシリンの影響を受けやすく、卵黄寒天上で広い領域のレシチナーゼを生成する。炭疽菌を同定するための確認検査には、ガンマバクテリオファージ検査、間接赤血球凝集反応、及び抗体を検出するための酵素結合免疫吸着アッセイが挙げられる[24]。炭疽病についての最良の確認沈殿検査は、炭疽病の血清学的診断に使用される周知の沈降検査であるAscoli検査である。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物の投与後に対象の糞便中にて炭疽菌のレベルが低下する。いくつかの実施形態では、炭疽菌のレベルは対象由来の糞便試料にて低下する。いくつかの実施形態では、炭疽菌のレベルは対象の遠位腸管にて低下する。いくつかの実施形態では、炭疽菌のレベルは盲腸にて低下する。いくつかの実施形態では、炭疽菌のレベルは結腸にて低下する。いくつかの実施形態では、炭疽菌のレベルは直腸にて低下する。いくつかの実施形態では、炭疽菌のレベルは小腸にて低下する。
ウェルシュ菌感染症
ウェルシュ菌は、自然界に常に存在し、哺乳類の消化管で見られることが多い、グラム陽性桿状の芽胞形成病原性細菌である。ウェルシュ菌はヒトの食中毒の最も一般的な原因の1つである。ウェルシュ菌食中毒は消化管で発生する。食中毒につながる消化管のウェルシュ菌感染症は本明細書では「ウェルシュ菌食中毒」と呼ばれる。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は対象におけるウェルシュ菌感染症の治療で使用するためのものである。いくつかの実施形態では、本発明の組成物はウェルシュ菌食中毒の治療で使用するためのものである。ウェルシュ菌による食中毒は、提供する前に調理され、長時間保温された食品によって引き起こされることが多い。この環境によって、ウェルシュ菌は急速に増殖し、摂取すると対象の消化管に毒性を引き起こす細菌毒素を生成することが可能になる。食中毒の原因となる毒素は耐熱性があるので、生存できないウェルシュ菌を摂取しても、対象で毒性を引き起こすことができる。これは、汚染された食品を再加熱したときに発生することが多い。しかしながら、生存可能なウェルシュ菌も摂取される可能性があり、その場で毒素を産生し得る。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、ウェルシュ菌食中毒の症状が24時間を超えて持続している、対象におけるウェルシュ菌食中毒の治療で使用するためのものである。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、ウェルシュ菌食中毒の症状が48時間を超えて持続している、対象におけるウェルシュ菌食中毒の治療に使用するためのものである。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、ウェルシュ菌食中毒の症状が72時間を超えて持続している、対象におけるウェルシュ菌食中毒の治療に使用するためのものである。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、ウェルシュ菌食中毒の症状が1週間を超えて持続している、対象におけるウェルシュ菌食中毒の治療で使用するためのものである。
ウェルシュ菌食中毒の症状は通常24時間以内に消えるが、症状がこの期間より長く持続する対象では、これは生存可能なウェルシュ菌が摂取され、その場で毒素を産生していることを示し得る。その場合、本発明の組成物は、ウェルシュ菌食中毒の治療におけるウェルシュ菌の生存率を低下させるために、これらの対象に投与されてもよい。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、ウェルシュ菌食中毒の治療においてウェルシュ菌の増殖を阻害するためにこれらの対象に投与されることになっている。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、ウェルシュ菌感染症を有すると診断された対象に使用するためのものである。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、ウェルシュ菌食中毒を有すると診断された対象で使用するためのものである。ウェルシュ菌感染症は、疑わしい微生物を卵黄培地プレートで培養するナグラー(Nagler)反応によって診断されてもよい。プレートの片面は抗α毒素を含有する一方で、他方の片面は含有しない。疑わしい生物の画線を両側に配置する。抗α毒素を有さない側の周りに濁りの領域が形成され、抑制されていないレシチナーゼ活性を示す。さらに、検査室では、糞便中の細菌数を測定することによって細菌を診断することができる。疾患が始まってから48時間以内に、個体が糞便1グラムあたり106を超える細菌の芽胞を有する場合、その疾患はウェルシュ菌食中毒と診断される。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物の投与後に対象の糞便中にてウェルシュ菌のレベルが低下する。いくつかの実施形態では、ウェルシュ菌のレベルは対象由来の糞便試料にて低下する。いくつかの実施形態では、ウェルシュ菌のレベルは対象の遠位腸管にて低下する。いくつかの実施形態では、ウェルシュ菌のレベルは盲腸にて低下する。いくつかの実施形態では、ウェルシュ菌のレベルは結腸にて低下する。いくつかの実施形態では、ウェルシュ菌のレベルは直腸にて低下する。いくつかの実施形態では、ウェルシュ菌のレベルは小腸にて低下する。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、ウェルシュ菌食中毒の1または2以上の症状の治療または予防に使用するためのものである。ウェルシュ菌食中毒の症状には、下痢、吐き気、腹痛、脱水、発熱、食欲不振、及び体重減少が挙げられるが、これらに限定されない。症状のこの非網羅的なリストは本明細書では「ウェルシュ菌食中毒に関連する症状」と呼ばれる。
本発明の組成物は、ウェルシュ菌食中毒に関連する1または2以上の症状の治療または予防に使用するためのものであってもよい。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、消化管におけるウェルシュ菌のレベルが上昇している対象にてウェルシュ菌食中毒に関連する症状の1または2以上の治療または予防に使用するためのものである。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、ウェルシュ菌食中毒に関連する1または2以上の症状の治療または予防において対象にてウェルシュ菌のレベルを低下させることで使用するためのものである。
好ましい実施形態では、対象におけるウェルシュ菌感染症の治療または予防に使用するための組成物はメガスファエラ マシリエンシス種の菌株を含む。好ましい実施形態では、対象におけるウェルシュ菌食中毒の治療または予防に使用するための組成物はメガスファエラ マシリエンシス種の菌株を含む。
リステリア感染症
リステリア感染症、または「リステリア症(Listeriosis)」は、グラム陽性細菌リステリア モノサイトゲネスによって最も一般的に引き起こされる細菌感染症であるが、それはリステリア イバノビイ(Listeria ivanovii)及びリステリア グレイ(Listeria grayi)によって引き起こされ得る。リステリア症は通常、低温殺菌されていない食品または汚染された土壌で栽培された洗浄されていない野菜のような汚染された食品を介してリステリアが摂取された場合に発生する。したがって、いくつかの実施形態では、本発明の組成物はリステリア感染症の治療または予防に使用するためのものである。
リステリア症は妊娠中に発生し得、その際、感染後、リステリアは膣や子宮にて無症状に増殖することができる。したがって、いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、妊娠中の対象にてリステリア感染症の治療に、特に、まだ膣または子宮に広がっていないリステリア感染症の治療に使用するためのものである。
妊娠中の感染は、新生児リステリア感染症(「新生児リステリア症」)を引き起こし得、それは早産、新生児対象の早期発症敗血症及び/または遅発性髄膜炎の原因となり得る。したがって、いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、妊娠した対象の消化管におけるリステリア菌のレベルを低下させることによって、新生児リステリア症の予防に使用するためのものであってもよい。
リステリア症はまた、対象にて胃腸炎を引き起こし得る。したがって、本発明の組成物は、リステリア症の対象における胃腸炎の治療または予防に使用するためのものであってもよい。リステリア感染症によって引き起こされる胃腸炎の患者は、以下の症状:発熱、筋肉痛、胃腸の吐き気または下痢、頭痛、斜頚、錯乱、平衡感覚の喪失、または痙攣の1または2以上の症状を示し得る。本明細書では、これらの症状を「消化管におけるリステリア感染症に関連する症状」と呼ぶ。
本発明の組成物は、消化管におけるリステリア感染症に関連する1または2以上の症状の治療または予防に使用するためのものであってもよい。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、消化管におけるリステリア菌のレベルが上昇している対象にて消化管でのリステリア感染症に関連する1または2以上の症状の治療または予防に使用するためのものである。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、リステリア消化管感染症に関連する1または2以上の症状の治療または予防において対象にてリステリア菌のレベルを低下させることに使用するためのものである。
いくつかの実施形態では、リステリア感染症はL.モノサイトゲネス(L.monocytogenes)によって引き起こされる。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、リステリア感染症と診断された対象に使用するためのものである。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、リステリア菌の高いレベルで診断された対象にて使用するためのものである。いくつかの実施形態では、組成物は無症状である対象に使用するためのものである。いくつかの実施形態では、組成物は症状がある対象に使用するためのものである。
リステリア症はふつう、細菌培養が、血液、髄液、または胎盤のような体組織または体液からL.モノサイトゲネスのようなリステリア菌を増殖させるときに診断される。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物の投与後に対象の糞便中にてリステリア菌のレベルが低下する。いくつかの実施形態では、リステリア菌のレベルは対象由来の糞便試料にて低下する。いくつかの実施形態では、リステリア菌のレベルは対象の遠位腸管にて低下する。いくつかの実施形態では、リステリア菌のレベルは盲腸にて低下する。いくつかの実施形態では、リステリアのレベルは結腸にて低下する。いくつかの実施形態では、リステリアのレベルは直腸にて低下する。いくつかの実施形態では、リステリア菌のレベルは小腸にて低下する。
好ましい実施形態では、対象におけるリステリア感染症の治療または予防に使用するための組成物はメガスファエラ マシリエンシス種の菌株を含む。
黄色ブドウ球菌感染症
黄色ブドウ球菌感染症は、汚染された食べ物または飲み物が対象によって摂取されたときに引き起こされ得る。黄色ブドウ球菌の感染は黄色ブドウ球菌腸炎を引き起こして得、それは、黄色ブドウ球菌の腸毒素によって引き起こされる小腸の炎症である。したがって、いくつかの実施形態では、本発明の組成物は黄色ブドウ球菌感染症の治療または予防に使用するためのものである。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、黄色ブドウ球菌感染症の対象における黄色ブドウ球菌腸炎の治療または予防に使用するためのものである。
黄色ブドウ球菌感染症の他の症状には、吐き気、嘔吐、腹痛、頭痛、脱力感、下痢、及び発熱が挙げられる。症状のこの非網羅的なリストは、本明細書では「黄色ブドウ球菌感染症に関連する症状」と呼ばれる。
本発明の組成物は、黄色ブドウ球菌感染症の対象における黄色ブドウ球菌感染症に関連する任意の1または2以上の症状の治療または予防に使用のためのものであってもよい。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、消化管における黄色ブドウ球菌のレベルが上昇している対象にて黄色ブドウ球菌感染症に関連する1または2以上の症状の治療または予防に使用するためのものである。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、黄色ブドウ球菌感染症に関連する1または2以上の症状の治療または予防において対象にて黄色ブドウ球菌のレベルを低下させることに使用するためのものである。
黄色ブドウ球菌感染症は、対象の糞便試料中の黄色ブドウ球菌を検出することによって診断されてもよい。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、黄色ブドウ球菌感染症と診断された対象に使用するためのものである。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物の投与後に対象の糞便中にて黄色ブドウ球菌のレベルが低下する。いくつかの実施形態では、黄色ブドウ球菌のレベルは対象由来の糞便試料にて低下する。いくつかの実施形態では、黄色ブドウ球菌のレベルは対象の遠位腸管にて低下する。いくつかの実施形態では、黄色ブドウ球菌のレベルは盲腸にて低下する。いくつかの実施形態では、黄色ブドウ球菌のレベルは結腸にて低下する。いくつかの実施形態では、黄色ブドウ球菌のレベルは直腸にて低下する。いくつかの実施形態では、黄色ブドウ球菌のレベルは小腸にて低下する。
好ましい実施形態では、対象にて黄色ブドウ球菌感染症の治療または予防に使用するための組成物はメガスファエラ マシリエンシス種の菌株を含む。
投与の方法
好ましくは、本発明の組成物は、腸管への送達及び/または、本発明の細菌株による腸管での部分的または全体的な定着を可能にするために、消化管に投与されることになっている。一般に、本発明の組成物は経口投与されるが、直腸に、鼻腔内に、または頬側または舌下の経路を介して投与されてもよい。
特定の実施形態では、本発明の細菌株を含む組成物は泡状物として、スプレーまたはゲルとして投与されてもよい。
特定の実施形態では、本発明の組成物は、直腸坐薬のような坐薬として、例えばテオブロマ油(ココアバター)、合成硬質脂肪(例えば、サポシレ、ウィテプソル)、グリセロゼラチン、ポリエチレングリコール、または石鹸グリセリン組成物の形態で投与されてもよい。
特定の実施形態では、本発明の組成物は、経鼻胃チューブ、口腔胃チューブ、胃チューブ、経皮空腸瘻チューブ(Jチューブ)のようなチューブ、経皮内視鏡的胃瘻造設術(PEG)、または胃、空腸へのアクセスを提供する胸壁ポートのようなポート、及びその他の好適なアクセスポートを介して消化管に投与される。
本発明の組成物は、一度投与されてもよいし、治療計画の一部として連続して投与されてもよい。特定の実施形態では、本発明の組成物は毎日投与されることになっている。
本発明の特定の実施形態では、本発明に係る治療は患者の腸内微生物叢の評価を伴う。本発明の菌株の送達及び/または本発明の菌株による部分的または完全な定着が達成されないので、有効性が観察されないならば、治療は反復されてもよく、または、本発明の菌株の送達及び/または本発明の菌株による部分的または完全な定着が上手く行き、有効性が観察されるならば、治療を停止してもよい。
特定の実施形態では、本発明の組成物は、子宮内で及び/または出生後、子供に発生するグラム陽性菌感染症を予防するために、妊娠中の動物、例えば、ヒトのような哺乳動物に投与されてもよい。
本発明の組成物は、グラム陽性細菌感染症と診断されている、またはグラム陽性細菌感染症を発症するリスクがあると特定されている、またはグラム陽性細菌感染症の無症状キャリアとして特定されている患者に投与されてもよい。組成物は、健常な患者にてグラム陽性細菌感染症の発症を予防するための予防手段として投与されてもよい。
本発明の組成物は、異常な腸内微生物叢を有すると特定されている患者に投与されてもよい。例えば、患者は、メガスファエラ、特にメガスファエラ マシリエンシスによる定着が減少していてもよく、または定着していなくてもよい。
本発明の細菌を含む組成物は、栄養補助食品のような食品として投与されてもよい。
いくつかの実施形態では、細菌株を含む組成物及び抗生物質組成物は同時に、別々に、または連続して投与されるべきである。異なる組成物のそれぞれは、本明細書に記載されている投与様式の任意の組合せによって投与されてもよい。一般に、本発明の組成物は、家禽、ブタ、ネコ、イヌ、ウマまたはウサギのような単胃哺乳動物を含む動物を治療するのに使用されてもよいが、それはヒトの治療のためのものである。本発明の組成物は、動物の成長及び能力を増強するために有用であってもよい。動物に投与する場合は、強制経口投与が使用されてもよい。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は糞便微生物移植組成物として投与されない。
特定の実施形態では、本発明の組成物はヒトに投与するためのものである。特定の実施形態では、本発明で使用する組成物はヒトに投与するためのものである。
組成物
一般に、本発明の組成物は細菌を含む。本発明の好ましい実施形態では、組成物は凍結乾燥形態で処方される。例えば、本発明の組成物は、本発明の細菌株を含む顆粒剤またはゼラチンカプセル剤、例えば、硬質ゼラチンカプセル剤を構成してもよい。いくつかの実施形態では、別個の組成物のそれぞれは凍結乾燥形態で処方される。本発明の組成物の処方に関する一般的な手引きは、例えば、Aulton’s Pharmaceutics:The Design and Manufacture of Medicinesに見いだすことができる。
好ましくは、本発明の組成物は凍結乾燥細菌を含む。細菌の凍結乾燥は十分に確立された手順であり、関連するガイダンスは、例えば、参考文献[25]、[]、[27]で入手できる。
あるいは、本発明の組成物は、生きている活性がある細菌培養物を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物における細菌株は不活化されておらず、例えば、熱不活化されていない。いくつかの実施形態では、本発明の組成物における細菌株は殺傷されておらず、例えば、熱殺傷されていない。いくつかの実施形態では、本発明の組成物における細菌株は弱毒化されておらず、例えば、熱弱毒化されていない。例えば、いくつかの実施形態では、本発明の組成物における細菌株は殺傷されておらず、不活化されておらず、及び/または弱毒化されていない。例えば、いくつかの実施形態では、本発明の組成物における細菌株は生きている。例えば、いくつかの実施形態では、本発明の組成物における細菌株は生存能力がある。例えば、いくつかの実施形態では、本発明の組成物における細菌株は腸管に部分的または全体的に定着することができる。例えば、いくつかの実施形態では、本発明の組成物における細菌株は生存可能であり、且つ腸管に部分的または全体的に定着することができる。
いくつかの実施形態では、組成物は生きている細菌株と殺傷されている細菌株との混合物を含む。
好ましい実施形態では、本発明の組成物は腸管への細菌株の送達を可能にするためにカプセル化される。カプセル化は、標的位置での送達まで組成物を分解から、例えば、圧力、酵素活性、またはpHの変化によって誘発され得る物理的崩壊のような化学的刺激または物理的刺激で破裂することから組成物を保護する。任意の適切なカプセル化法が使用されてもよい。例示的なカプセル化技術には、多孔質マトリックス内への封入、固体担体表面への付着または吸着、凝集または架橋剤による自己凝集、及び微孔性膜またはマイクロカプセルによる機械的封じ込めが挙げられる。本発明の組成物を調製するのに有用であってもよいカプセル化に関するガイダンスは、例えば、参考文献[28]及び[29]で入手可能である。
組成物は経口投与されてもよく、錠剤、カプセル剤または粉剤の形態であってもよい。メガスファエラは嫌気性生物であるのでカプセル化された製品が好まれる。他の成分(例えば、ビタミンCなど)は、脱酸素剤及びプレバイオティック基質として含まれて、送達及び/または部分的または完全な定着及び生体内での生存を改善してもよい。あるいは、本発明のプロバイオティック組成物は、牛乳または乳清に基づく発酵乳製品のような食品もしくは栄養製品、または医薬品として経口投与されてもよい。
組成物はプロバイオティクスとして処方されてもよい。
本発明の組成物は治療有効量の本発明の細菌株を含む。本発明の細菌株の治療有効量は患者に有益な効果を及ぼすのに十分である。治療有効量の細菌株は、患者の腸管への送達及び/または患者の腸管の部分的もしくは全体的な定着をもたらすのに十分であり得る。
例えば成人について、細菌の好適な1日用量は、約1×10~約1×1011コロニー形成単位(CFU);例えば、約1×10~約1×1010CFU;別の例では、約1×10~約1×1010CFU;別の例では、約1×10~約1×1011CFU;別の例では、約1×10~約1×1010CFU;別の例では、約1×10~約1×1011CFUであってもよい。
特定の実施形態では、細菌の用量は、1日あたり少なくとも10個の細胞、例えば、1日あたり少なくとも1010、少なくとも1011、または少なくとも1012個の細胞である。
特定の実施形態では、組成物は、組成物の重量に関して約1×10~約1×1011CFU/g;例えば、約1×10~約1×1010CFU/gの量で細菌株を含有する。用量は、例えば、1g、3g、5g、及び10gであってもよい。
特定の実施形態では、本発明は上記の医薬組成物を提供し、その際、細菌株の量は、組成物の重量に対してグラムあたり約1×10~約1×1011コロニー形成単位である。
通常、本発明の組成物のようなプロバイオティクスを、少なくとも1つの好適なプレバイオティック化合物と任意で組み合わせる。プレバイオティック化合物はふつう、オリゴ糖や多糖、または糖アルコールのような非消化性炭水化物であり、それは上部消化管で分解または吸収されない。既知のプレバイオティクスには、イヌリン及びトランスガラクトオリゴ糖のような市販製品が挙げられる。
特定の実施形態では、本発明のプロバイオティック組成物は、組成物の総重量に対して約1~約30重量%(例えば、5~20重量%)の量でのプレバイオティック化合物を含む。炭水化物は、フルクトオリゴ糖(またはFOS)、短鎖フルクトオリゴ糖、イヌリン、イソマルトオリゴ糖、ペクチン、キシロオリゴ糖(またはXOS)、キトサンオリゴ糖(またはCOS)、ベータ-グルカン、栽培可能なガム改質及び難消化性のデンプン、ポリデキストロース、D-タガトース、アカシア繊維、イナゴマメ、オート麦、及び柑橘類繊維から成る群から選択されてもよい。一態様では、プレバイオティクスは短鎖フルクトオリゴ糖である(簡単にするために、本明細書では以下にFOSs-c.cとして示す);該FOSs-c.cは消化可能な炭水化物ではなく、一般にテンサイ糖の変換によって得られ、3つのグルコース分子が結合するサッカロース分子を含む。
本発明の組成物は薬学的に許容される賦形剤または担体を含んでもよい。そのような好適な賦形剤の例は、参考文献[30]にて見いだされ得る。治療上の使用に許容される担体または希釈剤は、製薬技術分野で周知であり、例えば、参考文献[31]に記載されている。好適な担体の例には、ラクトース、デンプン、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、ソルビトールなどが挙げられる。好適な希釈剤の例には、エタノール、グリセロール及び水が挙げられる。薬学的な担体、賦形剤または希釈剤の選択は、意図する投与経路及び標準的な薬務に関して選択することができる。医薬組成物は、担体、賦形剤または希釈剤として、またはそれらに加えて、任意の好適な結合剤(複数可)、滑沢剤(複数可)、懸濁剤(複数可)、コーティング剤(複数可)、可溶化剤(複数可)を含んでもよい。好適な結合剤の例には、デンプン、ゼラチン、グルコースのような天然糖、無水ラクトース、流動性ラクトース、ベータラクトース、トウモロコシ甘味料、アカシア、トラガント(tragacanth)またはアルギン酸ナトリウムのような天然及び合成のゴム、カルボキシメチルセルロース及びポリエチレングリコールが挙げられる。好適な滑沢剤の例には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。保存剤、安定剤、染料、さらには香味剤さえも医薬組成物にて提供されてもよい。保存剤の例には、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、及びp-ヒドロキシ安息香酸のエステルが挙げられる。酸化防止剤及び懸濁化剤も使用されてもよい。
本発明の組成物は食品として処方されてもよい。例えば、食品は、栄養補助食品におけるように、本発明の治療効果に加えて栄養上の利益を提供してもよい。同様に、食品は、本発明の組成物の味を増強するように、または医薬組成物よりもむしろ一般的な食品により類似することによって、組成物を消費するのにさらに魅力的にするように処方されてもよい。特定の実施形態では、本発明の組成物は乳系製品として処方される。「乳系製品」という用語は、さまざまな脂肪含量を有するいずれかの液体または半固体の乳系または乳清系の製品を意味する。乳系製品は、例えば、牛乳、山羊乳、羊乳、脱脂粉乳、全乳、粉末乳及び乳清を加工せずに再結合した乳、またはヨーグルト、凝固した乳、凝乳、サワーミルク、サワー全乳、バターミルク及びその他のサワーミルク製品のような加工製品であることができる。別の重要な群には、乳清飲料、発酵乳、練乳、乳児用または新生児用ミルクのような乳飲料;フレーバーミルク、アイスクリーム;菓子など乳含有食品が含まれる。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、メガスファエラ属の1または2以上の細菌株を含み、いずれの他の属由来の細菌も含有しない、または別の属由来の僅少なもしくは生物学的に無関係な量の細菌のみを含む。したがって、いくつかの実施形態では、本発明は治療法で使用するために、メガスファエラ属の1または2以上の細菌株を含み、いずれの他の属由来の細菌も含有しない、または別の属由来の僅少なもしくは生物学的に無関係な量の細菌のみを含む組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物はメガスファエラ マシリエンシス種の1または2以上の細菌株を含み、いずれの他の種由来の細菌も含有しない、または他の種由来の僅少なもしくは生物学的に無関係な量の細菌のみを含む。したがって、いくつかの実施形態では、本発明は治療法で使用するために、メガスファエラ マシリエンシス種の1または2以上の細菌株を含み、いずれの他の種由来の細菌も含有しない、または別の種由来の僅少なもしくは生物学的に無関係な量の細菌のみを含む組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物はメガスファエラ マシリエンシス種の1または2以上の細菌株を含み、いずれの他のメガスファエラ種由来の細菌も含有しない、または別のメガスファエラ種由来の僅少なもしくは生物学的に無関係な量の細菌のみを含む。いくつかの実施形態では、本発明は治療法で使用するために、メガスファエラ マシリエンシス種の1または2以上の細菌株を含み、いずれの他のメガスファエラ種由来の細菌も含有しない、または別のメガスファエラ種由来の僅少なもしくは生物学的に無関係な量の細菌のみを含む組成物を提供する。
特定の実施形態では、本発明の組成物は、単一の細菌株または細菌種を含有し、いずれの他の細菌株または細菌種も含有しない。そのような組成物は、僅少なまたは生物学的に無関係な量の他の細菌株または細菌種のみを含んでもよい。そのような組成物は、他の種の生物を実質的に含まない培養物であってもよい。
いくつかの実施形態では、本発明は治療で使用するために、メガスファエラ属の単一の細菌株を含み、いずれの他の菌株由来の細菌も含有しない、または別の菌株由来の僅少なもしくは生物学的に無関係な量の細菌のみを含む組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明は治療で使用するために、メガスファエラ マシリエンシス種の単一の細菌株を含み、いずれの他の菌株由来の細菌も含有しない、または別の菌株由来の僅少なもしくは生物学的に無関係な量の細菌のみを含む組成物を提供する。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は1を超える細菌株を含む。例えば、いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、同じ種内由来の1を超える菌株(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40または45を超える菌株)を含み、且つ任意で、いずれの他の種由来の細菌も含有しない。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、同じ種内由来の50未満の菌株(例えば、45、40、35、30、25、20、15、12、10、9、8、7、6、5、4、3未満の菌株)を含み、且つ任意で、いずれの他の種由来の細菌も含有しない。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、同じ種内由来の1~40、1~30、1~20、1~19、1~18、1~15、1~10、1~9、1~8、1~7、1~6、1~5、1~4、1~3、1~2、2~50、2~40、2~30、2~20、2~15、2~10、2~5、6~30、6~15、16~25、または31~50の菌株を含み、且つ任意で、いずれの他の種由来の細菌も含まない。本発明は前述のものの任意の組合せを含む。
いくつかの実施形態では、組成物は微生物コンソーシアムを含む。例えば、いくつかの実施形態では、組成物は微生物コンソーシアムの一部としてメガスファエラ細菌株を含む。例えば、いくつかの実施形態では、メガスファエラ細菌株は、一緒にそれが腸管にて生体内で共生的に生活できる他の属由来の1または2以上(例えば、少なくとも2、3、4、5、10、15または20)の他の細菌株と組み合わせて存在する。例えば、いくつかの実施形態では、組成物は、異なる属由来の細菌株と組み合わせて本発明のメガスファエラの細菌株を含む。いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは単一の生物、例えば、ヒトの糞便試料から得られる2以上の細菌株を含む。いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは自然界で一緒には見られない。例えば、いくつかの実施形態では、微生物コンソーシアムは少なくとも2つの異なる生物の糞便試料から得られる細菌株を含む。いくつかの実施形態では、2つの異なる生物は同じ種、例えば、2人の異なるヒトに由来する。いくつかの実施形態では、2つの異なる生物はヒト幼児及びヒト成人である。いくつかの実施形態では、2つの異なる生物はヒト及び非ヒト哺乳動物である。
代替の実施形態では、本発明の組成物は16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5またはそれより少ない異なる細菌種を含む。特定の実施形態では、組成物は4以下の異なる細菌種を含む。特定の実施形態では、組成物は3以下の異なる細菌種を含む。特定の実施形態では、組成物は2以下の異なる細菌種を含む。特定の実施形態では、組成物はメガスファエラの種、特にメガスファエラ マシリエンシスを含み、且つ他の細菌種を含まない。好ましい実施形態では、本発明の組成物はメガスファエラの単一菌株、特にメガスファエラ マシリエンシスの単一菌株を含み、且つ他の細菌株または細菌種を含まない。そのような組成物は、僅少なまたは生物学的に無関係な量の他の細菌株または細菌種のみを含んでもよい。際立って、実施例は、本発明の単一菌株のみを含む組成物が、他の菌株または種に依存することなく、強力な効果を有することができることを実証している(例えば、実施例1及び3を参照のこと)。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、菌株42787と同じ安全性及び治療効果の特性を有するが、42787ではない、またはメガスファエラ マシリエンシスではない細菌株をさらに含む。
本発明の組成物が1を超える細菌株、細菌種または細菌属を含むいくつかの実施形態では、個々の細菌株、細菌種または細菌属は、別個の、同時のまたは連続する投与のためのものであってもよい。例えば、組成物は、1を超える細菌株、細菌種もしくは細菌属のすべてを含んでもよいし、または細菌株、細菌種もしくは細菌属は別々に保存され、別々に、同時に、もしくは連続して投与されてもよい。いくつかの実施形態では、1を超える細菌株、細菌種または細菌属は別々に保存されるが、使用の前に一緒に混合される。
いくつかの実施形態では、本発明で使用する細菌株はヒト成人の糞便から得られる。本発明の組成物が1を超える細菌株を含むいくつかの実施形態では、細菌株のすべてがヒト成人の糞便から得られる、または他の細菌株が存在する場合、それらは僅少な量でのみ存在する。細菌はヒトの成人の糞便から得られた後に培養されたものであってもよく、本発明の組成物で使用されてもよい。
上述のように、いくつかの実施形態では、1または2以上のメガスファエラ細菌株は本発明の組成物における唯一の治療活性剤(複数可)である。いくつかの実施形態では、組成物における細菌株(複数可)は本発明の組成物における唯一の治療活性剤(複数可)である。
本発明に従って使用するための組成物は販売承認を必要としてもよいし、または必要としなくてもよい。
特定の実施形態では、本発明は上記の医薬組成物を提供し、その際、該細菌株は凍結乾燥されている。特定の実施形態では、本発明は上記の医薬組成物を提供し、その際、該細菌株は噴霧乾燥されている。特定の実施形態では、本発明は上記の医薬組成物を提供し、その際、細菌株は凍結乾燥または噴霧乾燥されており、且つそれは生きている。特定の実施形態では、本発明は上記の医薬組成物を提供し、その際、細菌株は凍結乾燥または噴霧乾燥されており、且つそれは生存可能である。特定の実施形態では、本発明は上記の医薬組成物を提供し、その際、細菌株は凍結乾燥または噴霧乾燥され、且つそれは腸管に部分的または全体的に定着することができる。特定の実施形態では、本発明は上記の医薬組成物を提供し、その際、細菌株は凍結乾燥または噴霧乾燥され、且つそれは生存可能であり、腸管に部分的または全体的に定着することができる。
場合によっては、凍結乾燥された細菌株は投与に先立って再構成される。場合によっては、再構成は本明細書に記載されている希釈剤の使用による。
本発明の組成物は薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体を含むことができる。
特定の実施形態では、本発明は、本発明の細菌株と薬学的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤とを含む医薬組成物を提供し、その際、細菌株は、それを必要とする対象に投与された場合グラム陽性細菌感染症を治療または予防するのに十分な量である。
特定の実施形態では、本発明は、本発明の細菌株と薬学的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤とを含む医薬組成物を提供し、その際、細菌株はグラム陽性細菌感染症を治療または予防するのに十分な量である。
特定の実施形態では、本発明は上記の医薬組成物を提供し、その際、細菌株の量は組成物の重量に対してグラムあたり約1×10~約1×1011コロニー形成単位である。
特定の実施形態では、本発明は上記の医薬組成物を提供し、その際、組成物は1g、3g、5gまたは10gの用量で投与される。
特定の実施形態では、本発明は上記の医薬組成物を提供し、その際、組成物は経口、直腸、皮下、経鼻、頬側、及び舌下から成る群から選択される方法によって投与される。
特定の実施形態では、本発明はラクトース、デンプン、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール及びソルビトールから成る群から選択される担体を含む、上記の医薬組成物を提供する。
特定の実施形態では、本発明は、エタノール、グリセロール及び水から成る群から選択される希釈剤を含む、上記の医薬組成物を提供する。
特定の実施形態では、本発明は、デンプン、ゼラチン、グルコース、無水ラクトース、流動性ラクトース、ベータラクトース、トウモロコシ甘味料、アカシア、トラガント、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、及び塩化ナトリウムから成る群から選択される賦形剤を含む、上記の医薬組成物を提供する。
特定の実施形態では、本発明は、保存剤、抗酸化剤及び安定剤のうちの少なくとも1つをさらに含む、上記の医薬組成物を提供する。
特定の実施形態では、本発明は、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸及びp-ヒドロキシ安息香酸のエステルから成る群から選択される保存剤を含む、上記の医薬組成物を提供する。
特定の実施形態では、本発明は上記の医薬組成物を提供し、その際、該細菌株は凍結乾燥されている。
特定の実施形態では、本発明は上記の医薬組成物を提供し、その際、組成物は約4℃または約25℃で密閉容器に保存され、容器が50%相対湿度を有する大気中に置かれたとき、コロニー形成単位で測定される細菌株の少なくとも80%は少なくとも約1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、1年、1.5年、2年、2.5年、または3年の期間後に残存する。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は本明細書に記載されているような組成物を含む密閉容器にて提供される。いくつかの実施形態では、密閉容器はサシェまたはボトルである。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は本明細書に記載されているような組成物を含むシリンジにて提供される。
本発明の組成物は、いくつかの実施形態では、医薬製剤として提供されてもよい。例えば、組成物は錠剤またはカプセル剤として提供されてもよい。いくつかの実施形態では、カプセル剤はゼラチンカプセル剤(「ゲルキャップ」)である。
いくつかの実施形態では、本発明の組成物は経口で投与される。経口投与は嚥下を伴ってもよいので化合物は消化管に入る、及び/または、頬側投与または舌投与または舌下投与はそれによって化合物が口から直接血流に入る。
経口投与に好適な製剤には、錠剤のような固体プラグ、固体微粒子、半固体及び液体(複数の相または分散系を含む);多粒子またはナノ粒子、液体(例えば、水溶液)、エマルションまたは粉末を含む軟質または硬質カプセル剤;トローチ剤(液体入りを含む);チューズ;ゲル;高速分散剤形;薄膜;腔坐剤;噴霧剤;及び頬側/粘膜接着性の貼付剤が挙げられる。
いくつかの実施形態では、医薬製剤は、経口投与による本発明の組成物の腸への送達に好適である腸溶性製剤、すなわち、胃耐性製剤(例えば、胃のpHに耐性)である。腸溶性製剤は、細菌または組成物の別の成分が酸に敏感である場合、例えば、胃条件下で分解しやすい場合に特に有用であり得る。
いくつかの実施形態では、腸溶性製剤は腸溶コーティングを含む。いくつかの実施形態では、製剤は腸溶コーティング剤形である。例えば、製剤は、腸溶コーティング錠剤または腸溶コーティングカプセル剤などであってもよい。腸溶コーティングは、従来の腸溶コーティング、例えば、経口送達用の錠剤、カプセル剤などのための従来のコーティングであってもよい。製剤は、膜コーティング、例えば、腸溶性ポリマー、例えば、酸不溶性ポリマーの薄膜層を含んでもよい。
いくつかの実施形態では、腸溶性製剤は本質的に腸溶性であり、例えば、腸溶性コーティングを必要としないで胃耐性である。したがって、いくつかの実施形態では、製剤は腸溶コーティングを含まない腸溶性製剤である。いくつかの実施形態では、製剤は熱ゲル化材料から作られたカプセル剤である。いくつかの実施形態では、熱ゲル化材料は、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)のようなセルロース系材料である。いくつかの実施形態では、カプセル剤は成膜ポリマーを含有しないシェルを含む。いくつかの実施形態では、カプセル剤はシェルを含み、シェルはヒドロキシプロピルメチルセルロースを含み、いかなる成膜ポリマーも含まない(例えば、[32]を参照のこと)。いくつかの実施形態では、製剤は本質的に腸溶性カプセル剤(例えば、CapsugelのVcaps(登録商標))である。
いくつかの実施形態では、製剤は軟質カプセル剤である。軟質カプセル剤は、カプセル剤シェルに存在する、例えば、グリセロール、ソルビトール、マルチトール及びポリエチレングリコールのような柔軟剤の添加のせいで特定の弾性及び柔らかさを有し得るカプセル剤である。軟質カプセル剤は、例えばゼラチンまたはデンプンに基づいて製造することができる。ゼラチン系の軟質カプセル剤は種々の供給業者から市販されている。例えば、経口または経直腸のような投与方法に応じて、軟質カプセル剤は種々の形状を有することができ、例えば、円形、卵形、楕円形、または魚雷形であることができる。軟質カプセル剤は、従来のプロセス、例えば、Schererプロセス、Accogelプロセス、または液滴プロセスまたは発泡プロセスによって製造することができる。
培養方法
本発明で使用する細菌株は、例えば参考文献[33]、[]及び[35]に詳述されているような標準的な微生物学技術を使用して培養することができる。
培養に用いられる固体または液体の培地はYCFA寒天培地またはYCFA培地であってもよい。YCFA培地(100mlあたり、概算値)は:カシトン(1.0g)、酵母エキス(0.25g)、NaHCO(0.4g)、システイン(0.1g)、KHPO(0.045g)、KHPO(0.045g)、NaCl(0.09g)、(NHSO(0.09g)、MgSO・7HO(0.009g)、CaCl(0.009g)、レサズリン(0.1mg)、ヘミン(1mg)、ビオチン(1μg)、コバラミン(1μg)、p-アミノ安息香酸(3μg)、葉酸(5μg)、及びピリドキサミン(15μg)を含んでもよい。
ワクチン組成物に使用する細菌株
本発明者らは、本発明の細菌株がグラム陽性細菌感染症を治療するまたは予防するのに有用であることを確認している。これは、本発明の細菌株が宿主の免疫系に及ぼす影響の結果であってもよい。したがって、本発明の組成物はワクチン組成物として投与される場合、グラム陽性細菌感染症を予防するのにも有用であり得る。そのような特定の実施形態では、本発明の細菌株は殺傷されてもよく、不活化されてもよく、または弱毒化されてもよい。そのような特定の実施形態では、組成物はワクチンアジュバントを含んでもよい。特定の実施形態では、組成物は皮下注射のような注射による投与用である。
概要
本発明の実践は、特に指示されない限り、当業者の範囲内での化学、生化学、分子生物学、免疫学及び薬理学の従来の方法を採用するであろう。そのような技法は文献で十分に説明されている。例えば、参考文献[36]及び[37、43]などを参照のこと。
「含む(comprising)」という用語は「からなる(consisting)」と同様に「含む(including)」を包含し、例えば、Xを含む(comprising)組成物は専らXから成ってもよく、または、追加の何か、例えば、X+Yを含んでもよい。
数値xに関連する「約」という用語は任意であり、例えば、x±10%を意味する。
「実質的に」という単語は「完全に」を排除するものではなく、例えば、Yを「実質的に含まない」組成物はYを完全に含まない可能性がある。必要に応じて、「実質的に」という単語は本発明の定義から除外されてもよい。
2つのヌクレオチド配列間の配列同一性パーセンテージへの言及は、並べた場合、2つの配列を比較することにおいてそのパーセンテージのヌクレオチドが同一であることを意味する。この配列比較及び相同性パーセントまたは配列同一性は、当該技術分野で既知のソフトウェアプログラム、例えば、参考文献[44]のセクション7.7.18に記載されているものを使用して決定することができる。好ましい配列比較は、12のギャップオープンペナルティと2のギャップ拡張ペナルティ、62のBLOSUM行列によるアフィンギャップ検索を使用するSmith-Waterman相同性検索アルゴリズムによって決定される。Smith-Waterman相同性検索アルゴリズムは、参考文献[45]に開示されている。
特に明記しない限り、多数の工程を含むプロセスまたは方法は、方法の開始または終了で追加の工程を含んでもよく、または追加の介在工程を含んでもよい。また、適切な場合、工程を組み合わせてもよく、省いてもよく、または別の順序で実行してもよい。
本発明の種々の実施形態が本明細書に記載されている。各実施形態で指定された特徴を他の指定された特徴と組み合わせて、さらなる実施形態を提供してもよいことが十分に理解されるであろう。特に、本明細書で好適である、典型的であるまたは好ましいとして強調された実施形態を互いに組み合わせてもよい(それらが相互に排他的である場合を除く)。
発明を実施するための様式
実施例1―菌株42787はグラム陽性枯草菌の増殖を減らす
前書き
本発明者らは、菌株42787が試験管内感染モデルにおいてグラム陽性細菌の増殖を減少させることができるかどうかを決定しようとした。
材料及び方法
概要
寒天プレートと一晩培養ブロスは、嫌気性菌株で使用する前に、嫌気性キャビネットにて最低24時間あらかじめ平衡化した。
好気性菌株に使用するための寒天プレート及び液体培地は使用前にあらかじめ温めた。
感染モデル
10μlの菌株42787培養物を、あらかじめ温めておいたYCFA寒天プレートの上面にスポット播種した(図1に示すような「試験菌株」)。10μlのYCFAの陰性対照スポットも加えた。播種したYCFAプレートを嫌気性フード内で24~48時間インキュベートして菌株42787を増殖させた。
続いて、1%の溶融したLBA(55℃)の試験管にグラム陽性菌(枯草菌)の一晩培養液200μlを植菌した。試験管を10秒間ボルテックスした。次に、植菌物をYCFA寒天プレート(「指示菌株の菌叢」-図1)の表面に注いだ。次に、プレートを好気性条件下にて30℃でさらに48時間インキュベートした。
結果
枯草菌に対する抗菌活性は菌株42787のスポットの周囲での増殖阻害ゾーンの存在によって視覚化された(図1を参照のこと)。対照ウェルの周囲に増殖阻害は検出されなかった(図3を参照のこと)。他の試験菌株(図1-菌株12、41、40、39など)は最小限の抗菌活性を示した。結果は、菌株42787がグラム陽性細菌の増殖を阻害することを示している(図2及び3)。
実施例2―M.マシリエンシス菌株NCIMB42787は吉草酸を産生する
前書き
計り知れない多様性と代謝能力を持つ腸内微生物叢は多種多様な分子の産生のための莫大な代謝宝庫を意味する。本発明者らは、M.マシリエンシス菌株NCIMB42787によってどんな短鎖脂肪酸及び中鎖脂肪酸が産生されるのかを決定しようとした。
材料及び方法
細菌培養及び無細胞上清の回収
細菌の純粋培養物を、それが定常増殖期に達するまでYCFAブロスにて嫌気的に増殖させた。培養物を5,000×gで5分間遠心分離し、0.2μmのフィルター(Millipore,UK)を使用して無細胞上清(CFS)を濾過した。CFSの1mLアリコートを使用するまで-80℃で保存した。酪酸ナトリウム、ヘキサン酸、及び吉草酸はSigma Aldrich(英国)から入手し、YCFAブロスで懸濁液を調製した。
細菌上清のSCFA及びMCFAの定量
細菌の上清由来の短鎖脂肪酸(SCFA)及び中鎖脂肪酸(MCFA)を以下のようにMS Omics APSによって分析し、定量した。塩酸を用いて試料を酸性化し、重水素標識内部標準を追加した。試料はすべて無作為な順序で分析した。四重極検出器(59977B、Agilent)と結合したGC(7890B、Agilent)に取り付けられた高極性カラム(Zebron(商標)ZB-FFAP、GC Cap.カラム30m×0.25mm×0.25μm)を用いて分析を実施した。システムはChemStation(Agilent)によって制御された。生データはChemstation(Agilent)を使用してnetCDF形式に変換した後、[46]に記載されているPARADISeソフトウェアを用いてデータをMatlab R2014b(Mathworks,Inc.)に取り込み、処理した。
結果
菌株42787は吉草酸を産生する。
菌株42787はそれぞれ5.08mM及び1.60mMの平均濃度で吉草酸及びヘキサン酸を産生した(図4)。吉草酸はC.ディフィシルの生存率を低下させることが示されている[19]。本発明者らはまた、M.マシリエンシス種の他の菌株が、同等のレベルの吉草酸、ヘキサン酸、酪酸を産生し、同様の量の酢酸塩及びプロピオン酸塩を消費することも見いだした(図5及び6)。
実施例3―菌株42787はグラム陽性クロストリディオイデス ディフィシル(Clostridioides difficile)超病原性RT027の増殖を減らす
病原性グラム陽性細菌に対する吉草酸産生菌の潜在的な阻害活性を検討するために、本発明者らは、菌株42787が試験管内感染モデルにてクロストリディオイデス ディフィシル超病原性RT027の増殖を減少させることができるかどうかを調べた。
モデルについては、公衆衛生イングランド培養コレクションの凍結乾燥ストック(NCTC13366)から再生された第1世代のブロス培養物によって菌叢を作り出した。病原体がブレインハートインフュージョンとYCFA寒天の上に均一に広げられたら、菌株42787由来の定常期の上清で少量(10μL)にてプレートにスポットを作った。
結果は、菌株42787に由来する上清がクロストリディオイデス ディフィシル超病原性RT027の増殖を抑えるのに効果的であることを示した。これは、菌株42787が病原性グラム陽性種に対して抗菌活性を有することを示している。
実施例4―代謝産物の分析
実施例2で提供されたデータに付け加えて、図7は、M.マシリエンシス菌株NCIMB42787ならびに受託番号NCIMB43385、NCIMB43388及びNCIMB43389として寄託された他の株によってどんな他の短鎖脂肪酸が産生され、且つ消費されるのかを示している。
M.マシリエンシス菌株NCIMB42787はギ酸を減らす一方で、2-メチル-プロパン酸及び3-メチル-プロパン酸のレベルを高める(図7)。したがって、菌株NCIMB42787は2-メチル-プロパン酸及び3-メチル-プロパン酸を産生し、且つギ酸を消費する。本発明者らはまた、寄託された菌株のその他が、同等のレベルの2-メチル-プロパン酸及び3-メチル-プロパン酸を生成し、且つ同様の量のギ酸を消費することも見いだした。
実施例5―試験管内での短鎖脂肪酸産生に対するメガスファエラ マシリエンシス菌株DSM26228、メガスファエラ エルスデニイ菌株NCIMB8927及びメガスファエラ マシリエンシス菌株NCIMB42787の影響
要約
この試験は、試験管内での短鎖脂肪酸(SCFA)の産生に対するDSM26228、NCIMB8927及びNCIMB42787の影響を調べた。酢酸塩、プロピオン酸塩、吉草酸塩、イソ酪酸塩及びイソ吉草酸塩を含むSCFAは食物繊維の微生物副産物である。いずれかのSCFAの増加は微生物叢の生産性の増加を示唆しており、望ましい形質である。
材料及び方法
DSM26228、NCIMB8927、NCIMB42787の純粋培養物をそれらが定常増殖期に達するまで、YCFA+ブロス[リットルあたり:カゼイン加水分解物10.0g、酵母エキス2.5g、炭酸水素ナトリウム4.0g、グルコース2.0g、セロビオース2.0g、可溶性デンプン2.0g、リン酸水素二カリウム0.45g、リン酸二水素カリウム0.45g、レサズリン0.001g、L-システインHCl 1.0g、硫酸アンモニウム0.9g、塩化ナトリウム0.9g、硫酸マグネシウム0.09g、塩化カルシウム0.09g、ヘミン0.01g、SCFA3.1ml(酢酸2.026ml/L、プロピオン酸0.715ml/L、n-吉草酸0.119ml/L、イソ吉草酸0.119ml/L、イソ酪酸0.119ml/L)、ビタミンミックス1:1ml(ビオチン1mg/100ml、シアノコバラミン1mg/100ml、p-アミノ安息香酸3mg/100ml、ピリドキシン15mg/100ml)、ビタミンミックス2:1ml(チアミン5mg/100ml、リボフラビン5mg/100ml)、ビタミンミックス3:1ml(葉酸5mg/100ml)]にて嫌気的に増殖させた。培養物を5,000×gで10分間遠心分離し、最初に0.45μm、次に0.2μmのフィルター(Millipore,UK)を使用して無細胞上清(CFS)を濾過し、その後、CFSの1mLアリコートを使用するまで-80℃で保存した。
細菌の上清由来の短鎖脂肪酸(SCFA)及び中鎖脂肪酸(MCFA)をMS Omics APS、Denmarkによって分析し、定量した。塩酸を用いて試料を酸性化し、重水素標識内部標準を追加した。試料はすべて無作為な順序で分析した。四重極検出器(5977B、Agilent)と結合したガスクロマトグラフ(7890B、Agilent)に取り付けられた高極性カラム(Zebron(商標)ZB-FFAP、GC Cap.カラム30m×0.25mm×0.25μm)を用いて分析を実施した。システムはChemStation(Agilent)によって制御された。生データはChemstation(Agilent)を使用してnetCDF形式に変換した後、参考文献[46]に記載されているPARADISeソフトウェアを用いてデータをMatlab R2014b(Mathworks,Inc.)に取り込み、処理した。
結果
各細菌株について以下のパターンが観察された。
Figure 2022511975000001
これらのデータは、メガスファエラの3つの菌株すべてが酪酸塩(ブタン酸)と吉草酸(ペンタン酸)を増加させることを示している。
上記で概説したように、吉草酸は病原性グラム陽性細菌の生存率を低下させる。したがって、吉草酸を増加させる細菌株はグラム陽性細菌感染症を治療するまたは予防するのに有用である。メガスファエラ マシリエンシス菌株及びメガスファエラ エルスデニイ菌株双方が吉草酸の有益な増加を誘発する。したがって、特定の実施形態では、本発明の組成物は、吉草酸の増加の観点から、グラム陽性細菌感染症、特に病原性グラム陽性細菌感染症を治療するまたは予防することにおける有効性を示す。
酪酸塩は、例えば、上皮細胞密着結合の成分の発現を(HIF-1転写因子の活性化を介して)上昇させることによって腸管の炎症を減弱し、腸管のバリア機能を改善する。したがって、酪酸塩は、腸管のバリアを安定化させることによってグラム陽性細菌毒素が原因で生じる損傷から腸上皮細胞を保護し、局所の炎症反応及びグラム陽性細菌感染症の全身性の帰結を緩和する。したがって、酪酸塩のレベルを高める細菌株は、グラム陽性菌感染症、例えば、C.ディフィシル感染症に関連する症状の治療及び/または予防に有用である。メガスファエラ マシリエンシス菌株及びメガスファエラ エルスデニイ菌株双方が酪酸塩の有益な増加を誘発する。特定の実施形態では、本発明の組成物は、酪酸塩の増加の観点から、グラム陽性細菌感染症を治療するもしくは予防すること、またはグラム陽性細菌感染症に関連する症状を治療するもしくは予防することにおいて治療効果を示す。
実施例6―受託番号NCIMB42787として寄託されたメガスファエラ マシリエンシス菌株は抗原負荷に応答したBALB/cマウスの脾細胞にてTNFα産生の有効性を有意に低減する
材料及び方法
BALBc(Envigo,UK)の成熟オスマウスを12時間の明暗周期のもとで群飼育し、標準のげっ歯類用飼料及び水は自由に摂取させた。実験はすべて欧州ガイドラインに従って行われた。実験開始時、動物は8週齢であった。
動物は、動物ユニットに到着してから1週間、飼育室に慣れさせた。マウスは、1×10CFUの用量で15:00と17:00の間に6日間連続して生の生物治療薬としてのNCIMB42787の強制経口投与(200μL用量)を受けた。7日目に動物で断頭を行い、実験のために組織を採取する。脾臓を摘出し、5mLのRPMI培地(L-グルタミン及び重炭酸ナトリウム、R8758 Sigma+10%FBS(F7524,Sigma)+1%Pen/Strep(P4333,Sigma))に回収し、生体外免疫刺激のための選別の直後に処理した。
脾臓サイトカインアッセイを用いて炎症誘発性マーカー、例えば、TNFαの末梢レベルを定量化した。脾臓は、屠殺後すぐに5mLのRPMI培地に回収し、すぐに培養した。脾臓細胞は先ずRPMI培地にてホモジネートした。ホモジネート工程に続いて、細胞を1mlのRBC溶解緩衝液(11814389001 ROCHE,Sigma)にて5分間インキュベートするRBC溶解工程を行った。10mlの培地を加えて溶解を停止し、続いて200gで5分間遠心分離した。これに続いて、細胞を40μmのストレーナーに通す最終工程を行った。次に、ホモジネートを40μmのストレーナーで濾過し、200gで5分間遠心分離し、培地に再浮遊させた。細胞を数え、播種した(4,000,000個/mL培地)。適応の2.5時間後、細胞をコンカナバリンA(ConA-2.5μg/ml)で24時間刺激した。刺激後、上清を採取し、TNFαについての炎症誘発性パネル1(マウス)V-PLEXキット((Meso Scale Discovery,Maryland,USA)を用いてサイトカイン放出を評価した。分析は、MESO QuickPlex SQ 120、SECTOR Imager 2400、SECTOR Imager 6000、SECTOR S 600を使用して実行した。
結果
図8Bは、NCIMB42787を投与されたマウスから単離された脾細胞が、ビヒクル対照で処理したマウスと比べてConA刺激後に有意に低下したレベルのTNFαを産生したことを実証している。加えて、NCIMB42787のみの投与は、刺激の非存在下での脾細胞によるTNFα産生の有効性を変化させる(図8A)。
結論
メガスファエラ マシリエンシス菌株NCIMB42787は特に脾細胞によるTNFα産生の有効性を低下させることによって、脾細胞により引き起こされる炎症誘発性応答を抑制する。C.ディフィシル感染症には、局所及び全身の炎症過程の双方が関与し、後者は臨床的に発熱として現れる。TNFαはC.ディフィシル感染症における全身性炎症反応に重要なプレーヤーとして関与しており、C.ディフィシル感染症の患者における予後不良と関連している。したがって、メガスファエラ マシリエンシスの投与がTNFα産生を減らし、全身性炎症反応が抑制するということは、C.ディフィシル感染症の患者に治療上の利益を提供する。
したがって、本発明の菌株または本発明で使用する菌株はC.ディフィシル感染症を治療するまたは予防する殺菌特性を有するだけでなく、感染症患者の症状を改善することができる。したがって、いくつかの実施形態では、本発明の組成物はC.ディフィシル感染症(CDI)の治療または予防に使用するためのものである。いくつかの実施形態では、本発明の組成物はCDIに関連する症状の治療及び/または予防に使用するためのものである。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、特にTNFαの産生を減らすことによって炎症反応を減らすことによりCDIに関連する症状を治療するまたは予防する。
実施例7―メガスファエラ マシリエンシス菌株NCIMB43389及びメガスファエラ種菌株NCIMB43385は、結腸上皮細胞株にてE-カドヘリン及びオクルディンのレベルを上昇させる。
材料及び方法
細胞(HT29及びHCT116)を10,000個/ウェルの密度で黒色の96ウェルプレートに一晩播種し、10%細菌上清で24時間処理した。その後、室温(RT)にて20分間、PBS(pH7.3)中の4%パラホルムアルデヒドによって細胞を固定した。固定した細胞をPBSで洗浄し、PBS中0.5%Triton X-100で10分間透過処理した。PBSで洗浄した後、プレートをブロッキング緩衝液(4%BSA/PBS)とともに室温で1時間インキュベートした後、一次抗体(1%BSA/PBSで1:200希釈した抗オクルディン(71-1500;ThermoFisher)を4℃で12時間、または1%BSA/PBSで1:1000希釈した抗E-カドヘリン(13-1700、ThermoFisher)を4℃で1時間)を加えた。次に、それらをPBSで2回洗浄し、その後、Alexa Flour 488を結合した抗ウサギ(Molecular Probes Inc)及びAlexa Flour 594((Molecular Probes Inc)を結合したものとともにRTで1時間インキュベートした。PBSで3回洗浄した後、プレートをDAPIで標識し、PBSで3回洗浄した。20倍の対物レンズと使用した蛍光色素の検出に好適なフィルターセットを備えたImageExpress PIco顕微鏡(Molecular Devices)を用いて、プレートを評価した。保管されていた画像をTIFFファイルとして保存した。PICO分析モジュールによって生成された生の分析データは、GraphPad Prism 7ソフトウェアを使用してプロットし、分析した。代表的な画像を選択して、調べたタンパク質の存在量と位置の差異を説明した。
結果
図9aは、HCT116細胞について、メガスファエラ種菌株NCIMB43385またはメガスファエラ マシリエンシス菌株NCIMB43389の上清で処理した細胞が、未処理細胞及びYCFA+培地のみで処理した細胞の双方と比較してさらに高いレベルのオクルディン及びE-カドヘリンを有することを示す。図9bは、HT29細胞について、メガスファエラ種菌株NCIMB43385の上清で処理した細胞が、未処理細胞及びYCFA+培地のみで処理した細胞の双方と比較してさらに高いレベルのオクルディン及びE-カドヘリンを有することを示す。
結論
E-カドヘリン及びオクルディンは双方とも細胞間接着(adhesion)に関与する膜貫通タンパク質であり、オクルディンは特に上皮密着結合の成分である[47、48]。結果は、メガスファエラ菌株の上清が、双方ともヒト結腸上皮細胞株であるHCT116細胞及びHT29細胞にてこれらのタンパク質を上方調節することができることを示している。実施例5と併せて、これらの結果は、メガスファエラ菌株が、例えば、酪酸塩シグナル伝達を介して、腸管のバリア機能を改善することができるという結論を支持している。したがって、これは、メガスファエラ菌株がグラム陽性細菌毒素によって引き起こされる損傷から腸上皮細胞を保護するのに有用であり得るというさらなる証拠を提供する。
実施例8―メガスファエラ マシリエンシス菌株NCIMB43389及びメガスファエラ種菌株NCIMB43385の短鎖/中鎖脂肪酸産生のプロファイル。
材料及び方法
メガスファエラ マシリエンシス菌株NCIMB43389及びメガスファエラ種菌株NCIMB43385の純粋培養物をYCFA+ブロスにて嫌気的に増殖させた。細菌の上清由来の短鎖脂肪酸(SCFA)及び中鎖脂肪酸(MCFA)をMS Omics APS、Denmarkによって分析し、定量した。塩酸を用いて試料を酸性化し、重水素標識内部標準を追加した。試料はすべて無作為な順序で分析した。四重極検出器(5977B、Agilent)と結合したガスクロマトグラフ(7890B、Agilent)に取り付けられた高極性カラム(Zebron(商標)ZB-FFAP、GC Cap.カラム30m×0.25mm×0.25μm)を用いて分析を実施した。システムはChemStation(Agilent)によって制御された。生データをChemstation(Agilent)を使用してnetCDF形式に変換した後、PARADISeソフトウェアを用いてデータをMatlab R2014b(Mathworks,Inc.)に取り込み、処理した。
結果
Figure 2022511975000002
結果は、メガスファエラ マシリエンシス菌株NCIMB43389及びメガスファエラ種菌株NCIMB43385について実施例5(及び図5~7)で報告された結果と一致するということは、これらの菌株の短鎖/中鎖脂肪酸プロファイルをさらに裏付けている。
配列
配列番号1(16SリボソームRNAについてのメガスファエラ マシリエンシス遺伝子、部分配列、系統:NP3-JX424772.1)
1 agagtttgat cctggctcag gacgaacgct ggcggcgtgc ttaacacatg caagtcgaac
61 gagaagagat gagaagcttg cttcttatca attcgagtgg caaacgggtg agtaacgcgt
121 aagcaacctg cccttcagat ggggacaaca gctggaaacg gctgctaata ccgaatacgt
181 tctttccgcc gcatgacggg aagaagaaag ggaggccttc gggctttcgc tggaggaggg
241 gcttgcgtct gattagctag ttggaggggt aacggcccac caaggcgacg atcagtagcc
301 ggtctgagag gatgaacggc cacattggga ctgagacacg gcccagactc ctacgggagg
361 gagaagagat gagaagcttg cttcttatca attcgagtgg caaacgggtg agtaacgcgt
421 tgacggcctt cgggttgtaa agttctgtta tatgggacga acagggcatc ggttaatacc
481 cggtgtcttt gacggtaccg taagagaaag ccacggctaa ctacgtgcca gcagccgcgg
541 taatacgtag gtggcaagcg ttgtccggaa ttattgggcg taaagggcgc gcaggcggca
601 tcgcaagtcg gtcttaaaag tgcggggctt aaccccgtga ggggaccgaa actgtgaagc
661 tcgagtgtcg gagaggaaag cggaattcct agtgtagcgg tgaaatgcgt agatattagg
721 aggaacacca gtggcgaaag cggctttctg gacgacaact gacgctgagg cgcgaaagcc
781 aggggagcaa acgggattag ataccccggt agtcctggcc gtaaacgatg gatactaggt
841 gtaggaggta tcgactcctt ctgtgccgga gttaacgcaa taagtatccc gcctggggag
901 tacggccgca aggctgaaac tcaaaggaat tgacgggggc ccgcacaagc ggtggagtat
961 gtggtttaat tcgacgcaac gcgaagaacc ttaccaagcc ttgacattga ttgctacgga
1021 aagagatttc cggttcttct tcggaagaca agaaaacagg tggtgcacgg ctgtcgtcag
1081 ctcgtgtcgt gagatgttgg gttaagtccc gcaacgagcg caacccctat cttctgttgc
1141 cagcacctcg ggtggggact cagaagagac tgccgcagac aatgcggagg aaggcgggga
1201 tgacgtcaag tcatcatgcc ccttatggct tgggctacac acgtactaca atggctctta
1261 atagagggac gcgaaggagc gatccggagc aaaccccaaa aacagagtcc cagttcggat
1321 tgcaggctgc aactcgcctg catgaagcag gaatcgctag taatcgcagg tcagcatact
1381 gcggtgaata cgttcccggg ccttgtacac accgcccgtc acaccacgaa agtcattcac
1441 acccgaagcc ggtgaggcaa ccgcaaggaa ccagccgtcg aaggtggggg cgatgattgg
1501 ggtgaagtcg taacaaggt

配列番号2(メガスファエラ マシリエンシス菌株42787についてのコンセンサス16S rRNA配列)
TGAGAAGCTTGCTTCTTATCGATTCTAGTGGCAAACGGGTGAGTAACGCGTAAGCAACCTGCCCTTCAGATGGGGACAACAGCTGGAAACGGCTGCTAATACCGAATACGTTCTTTCCGCCGCATGACGGGAAGAAGAAAGGGAGGCCTTCGGGCTTTCGCTGGAGGAGGGGCTTGCGTCTGATTAGCTAGTTGGAGGGGTAACGGCCCACCAAGGCGACGATCAGTAGCCGGTCTGAGAGGATGAACGGCCACATTGGGACTGAGACACGGCCCAGACTCCTACGGGAGGCAGCAGTGGGGAATCTTCCGCAATGGACGAAAGTCTGACGGAGCAACGCCGCGTGAACGATGACGGCCTTCGGGTTGTAAAGTTCTGTTATATGGGACGAACAGGACATCGGTTAATACCCGGTGTCTTTGACGGTACCGTAAGAGAAAGCCACGGCTAACTACGTGCCAGCAGCCGCGGTAATACGTAGGTGGCAAGCGTTGTCCGGAATTATTGGGCGTAAAGGGCGCGCAGGCGGCATCGCAAGTCGGTCTTAAAAGTGCGGGGCTTAACCCCGTGAGGGGACCGAAACTGTGAAGCTCGAGTGTCGGAGAGGAAAGCGGAATTCCTAGTGTAGCGGTGAAATGCGTAGATATTAGGAGGAACACCAGTGGCGAAAGCGGCTTTCTGGACGACAACTGACGCTGAGGCGCGAAAGCCAGGGGAGCAAACGGGATTAGATACCCCGGTAGTCCTGGCCGTAAACGATGGATACTAGGTGTAGGAGGTATCGACTCCTTCTGTGCCGGAGTTAACGCAATAAGTATCCCGCCTGGGGAGTACGGCCGCAAGGCTGAAACTCAAAGGAATTGACGGGGGCCCGCACAAGCGGTGGAGTATGTGGTTTAATTCGACGCAACGCGAAGAACCTTACCAAGCCTTGACATTGATTGCTACGGAAAGAGATTTCCGGTTCTTCTTCGGAAGACAAGAAAACAGGTGGTGCACGGCTGTCGTCAGCTCGTGTCGTGAGATGTTGGGTTAAGTCCCGCAACGAGCGCAACCCCTATCTTCTGTTGCCAGCACCTCGGGTGGGGACTCAGAAGAGACTGCCGCAGACAATGCGGAGGAAGGCGGGGATGACGTCAAGTCATCATGCCCCTTATGGCTTGGGCTACACACGTACTACAATGGCTCTTAATAGAGGGAAGCGAAGGAGCGATCCGGAGCAAACCCCAAAAACAGAGTCCCAGTTCGGATTGCAGGCTGCAACTCGCCTGCATGAAGCAGGAATCGCTAGTAATCGCAGGTCAGCATACTGCGGTGAATACGTTCCCGGGCCTTGTACACACCGCCCGTCACACCACGAAAGTCATTCACACCCGAAGCCGGTGAGGCAACCGCAAG

配列番号3(受託番号NCIMB43385として寄託されたメガスファエラ菌株のコンセンサス16S rRNA配列)
GGCTGGTTCCTTGCGGTTGCCTCACCGGCTTCGGGTGTGAATGACTTTCGTGGTGTGACGGGCGGTGTGTACAAGGCCCGGGAACGTATTCACCGCAGTATGCTGACCTGCGATTACTAGCGATTCCTGCTTCATGCAGGCGAGTTGCAGCCTGCAATCCGAACTGGGACTCTGTTTTTGGGGTTTGCTCCGGATCGCTCCTTCGCTTCCCTCTATTAAGAGCCATTGTAGTACGTGTGTAGCCCAAGCCATAAGGGGCATGATGACTTGACGTCATCCCCGCCTTCCTCCGCATTGTCTGCGGCAGTCTCTTCTGAGTCCCCACCCTTAGTGCTGGCAACAGAAGATAGGGGTTGCGCTCGTTGCGGGACTTAACCCAACATCTCACGACACGAGCTGACGACAGCCGTGCACCACCTGTTTTCTTGTCTTCCGAAGAAGAACCGGAAATCTCTTTCCGTAGCAATCAATGTCAAGGCTTGGTAAGGTTCTTCGCGTTGCGTCGAATTAAACCACATACTCCACCGCTTGTGCGGGCCCCCGTCAATTCCTTTGAGTTTCAGCCTTGCGGCCGTACTCCCCAGGCGGGATACTTATTGCGTTAACTCCGGCACAGAAGGAGTCGATACCTCCTACACCTAGTATCCATCGTTTACGGCCAGGACTACCGGGGTATCTAATCCCGTTTGCTCCCCTGGCTTTCGCGCCTCAGCGTCAGTTGTCGTCCAGAAAGCCGCTTTCGCCACTGGTGTTCCTCCTAATATCTACGCATTTCACCGCTACACTAGGAATTCCGCTTTCCTCTCCGACACTCGAGCTTCACAGTTTCGGTCCCCTCACGGGGTTAAGCCCCGCACTTTTAAGACCGACTTGCGATGCCGCCTGCGCGCCCTTTACGCCCAATAATTCCGGACAACGCTTGCCACCTACGTATTACCGCGGCTGCTGGCACGTAGTTAGCCGTGGCTTTCTCTTACGGTACCGTCAGGGATAACGGGTATTGACCGCTATCCTGTTCGTCCCATATAACAGAACTTTACAACCCGAAGGCCGTCATCGTTCACGCGGCGTTGCTCCGTCAGACTTTCGTCCATTGCGGAAGATTCCCCACTGCTGCCTCCCGTAGGAGTCTGGGCCGTGTCTCAGTCCCAATGTGGCCGTTCATCCTCTCAGACCGGCTACTGATCGTCGCCTTGGTGGGCCGTTACCCCTCCAACTAGCTAATCAGACGCAAGCCCCTCCTCCAGCGAAAGCCCGAAGGCCTCCCTTTCTTCATCCCGTCATGCGGCGGAAAGAACGTATTCGGTATTAGCAGCCGTTTCCAGCTGTTGTCCCCATCTGAAGGGCAGGTTGCTTACGCGTTACTCACCCGTTTGCCACTCGAATTGATAAGAAGCAAGCTTCTCATC

配列番号4(受託番号NCIMB43388として寄託されたメガスファエラ マシリエンシス菌株についてのコンセンサス16S rRNA配列)
GGCTGGTTCCTTGCGGTTGCCTCACCGGCTTCGGGTGTGAATGACTTTCGTGGTGTGACGGGCGGTGTGTACAAGGCCCGGGAACGTATTCACCGCAGTATGCTGACCTGCGATTACTAGCGATTCCTGCTTCATGCAGGCGAGTTGCAGCCTGCAATCCGAACTGGGACTCTGTTTTTGGGGTTTGCTCCGGATCGCTCCTTCGCTTCCCTCTATTAAGAGCCATTGTAGTACGTGTGTAGCCCAAGCCATAAGGGGCATGATGACTTGACGTCATCCCCGCCTTCCTCCGCATTGTCTGCGGCAGTCTCTTCTGAGTCCCCACCCGAGGTGCTGGCAACAGAAGATAGGGGTTGCGCTCGTTGCGGGACTTAACCCAACATCTCACGACACGAGCTGACGACAGCCGTGCACCACCTGTTTTCTTGTCTTCCGAAGAAGAACCGGAAATCTCTTTCCGTAGCAATCAATGTCAAGGCTTGGTAAGGTTCTTCGCGTTGCGTCGAATTAAACCACATACTCCACCGCTTGTGCGGGCCCCCGTCAATTCCTTTGAGTTTCAGCCTTGCGGCCGTACTCCCCAGGCGGGATACTTATTGCGTTAACTCCGGCACAGAAGGAGTCGATACCTCCTACACCTAGTATCCATCGTTTACGGCCAGGACTACCGGGGTATCTAATCCCGTTTGCTCCCCTGGCTTTCGCGCCTCAGCGTCAGTTGTCGTCCAGAAAGCCGCTTTCGCCACTGGTGTTCCTCCTAATATCTACGCATTTCACCGCTACACTAGGAATTCCGCTTTCCTCTCCGACACTCGAGCTTCACAGTTTCGGTCCCCTCACGGGGTTAAGCCCCGCACTTTTAAGACCGACTTGCGATGCCGCCTGCGCGCCCTTTACGCCCAATAATTCCGGACAACGCTTGCCACCTACGTATTACCGCGGCTGCTGGCACGTAGTTAGCCGTGGCTTTCTCTTACGGTACCGTCAAAGACACCGGGTATTAACCGATGTCCTGTTCGTCCCATATAACAGAACTTTACAACCCGAAGGCCGTCATCGTTCACGCGGCGTTGCTCCGTCAGACTTTCGTCCATTGCGGAAGATTCCCCACTGCTGCCTCCCGTAGGAGTCTGGGCCGTGTCTCAGTCCCAATGTGGCCGTTCATCCTCTCAGACCGGCTACTGATCGTCGCCTTGGTGGGCCGTTACCCCTCCAACTAGCTAATCAGACGCAAGCCCCTCCTCCAGCGAAAGCCCGAAGGCCTCCCTTTCTTCTTCCCGTCATGCGGCGGAAAGAACGTATTCGGTATTAGCAGCCGTTTCCAGCTGTTGTCCCCATCTGAAGGGCAGGTTGCTTACGCGTTACTCACCCGTTTGCCACTAGAATCGATAAGAAGCAAGCTTCTCATGTCTTCT

配列番号5(受託番号NCIMB43389として寄託されたメガスファエラ マシリエンシス菌株についてのコンセンサス16S rRNA配列)
CGACGGCTGGTTCCTTGCGGTTGCCTCACCGGCTTCGGGTGTGAATGACTTTCGTGGTGTGACGGGCGGTGTGTACAAGGCCCGGGAACGTATTCACCGCAGTATGCTGACCTGCGATTACTAGCGATTCCTGCTTCATGCAGGCGAGTTGCAGCCTGCAATCCGAACTGGGACTCTGTTTTTGGGGTTTGCTCCGGATCGCTCCTTCGCTTCCCTCTATTAAGAGCCATTGTAGTACGTGTGTAGCCCAAGCCATAAGGGGCATGATGACTTGACGTCATCCCCGCCTTCCTCCGCATTGTCTGCGGCAGTCTCTTCTGAGTCCCCACCCGAGGTGCTGGCAACAGAAGATAGGGGTTGCGCTCGTTGCGGGACTTAACCCAACATCTCACGACACGAGCTGACGACAGCCGTGCACCACCTGTTTTCTTGTCTTCCGAAGAAGAACCGGAAATCTCTTTCCGTAGCAATCAATGTCAAGGCTTGGTAAGGTTCTTCGCGTTGCGTCGAATTAAACCACATACTCCACCGCTTGTGCGGGCCCCCGTCAATTCCTTTGAGTTTCAGCCTTGCGGCCGTACTCCCCAGGCGGGATACTTATTGCGTTAACTCCGGCACAGAAGGAGTCGATACCTCCTACACCTAGTATCCATCGTTTACGGCCAGGACTACCGGGGTATCTAATCCCGTTTGCTCCCCTGGCTTTCGCGCCTCAGCGTCAGTTGTCGTCCAGAAAGCCGCTTTCGCCACTGGTGTTCCTCCTAATATCTACGCATTTCACCGCTACACTAGGAATTCCGCTTTCCTCTCCGACACTCGAGCTTCACAGTTTCGGTCCCCTCACGGGGTTAAGCCCCGCACTTTTAAGACCGACTTGCGATGCCGCCTGCGCGCCCTTTACGCCCAATAATTCCGGACAACGCTTGCCACCTACGTATTACCGCGGCTGCTGGCACGTAGTTAGCCGTGGCTTTCTCTTACGGTACCGTCAAAGACACCGGGTATTAACCGATGCCCTGTTCGTCCCATATAACAGAACTTTACAACCCGAAGGCCGTCATCGTTCACGCGGCGTTGCTCCGTCAGACTTTCGTCCATTGCGGAAGATTCCCCACTGCTGCCTCCCGTAGGAGTCTGGGCCGTGTCTCAGTCCCAATGTGGCCGTTCATCCTCTCAGACCGGCTACTGATCGTCGCCTTGGTGGGCCGTTACCCCTCCAACCAGCTAATCAGACGCAAGCCCCTCCTCCAGCGAAAGCCCGAAGGCCTCCCTTTCTTCTTCCCGTCATGCGGCGGAAAGAACGTATTCGGTATTAGCAGCCGTTTCCAGCTGTTGTCCCCATCTGAAGGGCAGGTTGCTTACGCGTTACTCACCCGTTTGCCACTAGAATCGATAAGAAGCAAGCTTCTCATGTCTTCTCGTTCGACTTGCAT

配列番号6(受託番号NCIMB43386として寄託されたメガスファエラ菌株のコンセンサス16S rRNA配列)
CGACGGCTGGTTCCTTGCGGTTGCCTCACCGGCTTCGGGTGTGAATGACTTTCGTGGTGTGACGGGCGGTGTGTACAAGGCCCGGGAACGTATTCACCGCAGTATGCTGACCTGCGATTACTAGCGATTCCTGCTTCATGCAGGCGAGTTGCAGCCTGCAATCCGAACTGGGACTCTGTTTTTGGGGTTTGCTCCGGATCGCTCCTTCGCTTCCCTCTATTAAGAGCCATTGTAGTACGTGTGTAGCCCAAGCCATAAGGGGCATGATGACTTGACGTCATCCCCGCCTTCCTCCGCATTGTCTGCGGCAGTCTCTTCTGAGTCCCCACCCTTAGTGCTGGCAACAGAAGATAGGGGTTGCGCTCGTTGCGGGACTTAACCCAACATCTCACGACACGAGCTGACGACAGCCGTGCACCACCTGTTTTCTTGTCTTCCGAAGAAGAACCGGAAATCTCTTTCCGTAGCAATCAATGTCAAGGCTTGGTAAGGTTCTTCGCGTTGCGTCGAATTAAACCACATACTCCACCGCTTGTGCGGGCCCCCGTCAATTCCTTTGAGTTTCAGCCTTGCGGCCGTACTCCCCAGGCGGGATACTTATTGCGTTAACTCCGGCACAGAAGGAGTCGATACCTCCTACACCTAGTATCCATCGTTTACGGCCAGGACTACCGGGGTATCTAATCCCGTTTGCTCCCCTGGCTTTCGCGCCTCAGCGTCAGTTGTCGTCCAGAAAGCCGCTTTCGCCACTGGTGTTCCTCCTAATATCTACGCATTTCACCGCTACACTAGGAATTCCGCTTTCCTCTCCGACACTCGAGCTTCACAGTTTCGGTCCCCTCACGGGGTTAAGCCCCGCACTTTTAAGACCGACTTGCGATGCCGCCTGCGCGCCCTTTACGCCCAATAATTCCGGACAACGCTTGCCACCTACGTATTACCGCGGCTGCTGGCACGTAGTTAGCCGTGGCTTTCTCTTACGGTACCGTCAGGGATAACGGGTATTGACCGCTATCCTGTTCGTCCCATATAACAGAACTTTACAACCCGAAGGCCGTCATCGTTCACGCGGCGTTGCTCCGTCAGACTTTCGTCCATTGCGGAAGATTCCCCACTGCTGCCTCCCGTAGGAGTCTGGGCCGTGTCTCAGTCCCAATGTGGCCGTTCATCCTCTCAGACCGGCTACTGATCGTCGCCTTGGTGGGCCGTTACCCCTCCAACTAGCTAATCAGACGCAAGCCCCTCCTCCAGCGAAAGCCCGAAGGCCTCCCTTTCTTCATCCCGTCATGCGGCGGAAAGAACGTATTCGGTATTAGCAGCCGTTTCCAGCTGTTGTCCCCATCTGAAGGGCAGGTTGCTTACGCGTTACTCACCCGTTTGCCACTCGAATTGATAAGAAGCAAGCTTCTCATCTCTTCTCGTTCGACTGCA

配列番号7(受託番号NCIMB43387として寄託されたメガスファエラ菌株のコンセンサス16S rRNA配列)
TCGAACGGCTGGTTCCTTGCGGTTGCCTCACCGGCTTCGGGTGTGAATGACTTTCGTGGTGTGACGGGCGGTGTGTACAAGGCCCGGGAACGTATTCACCGCAGTATGCTGACCTGCGATTACTAGCGATTCCTGCTTCATGCAGGCGAGTTGCAGCCTGCAATCCGAACTGGGACTCTGTTTTTGGGGTTTGCTCCGGATCGCTCCTTCGCTTCCCTCTATTAAGAGCCATTGTAGTACGTGTGTAGCCCAAGCCATAAGGGGCATGATGACTTGACGTCATCCCCGCCTTCCTCCGCATTGTCTGCGGCAGTCTCTTCTGAGTCCCCACCCTTAGTGCTGGCAACAGAAGATAGGGGTTGCGCTCGTTGCGGGACTTAACCCAACATCTCACGACACGAGCTGACGACAGCCGTGCACCACCTGTTTTCTTGTCTTCCGAAGAAGAACCGGAAATCTCTTTCCGTAGCAATCAATGTCAAGGCTTGGTAAGGTTCTTCGCGTTGCGTCGAATTAAACCACATACTCCACCGCTTGTGCGGGCCCCCGTCAATTCCTTTGAGTTTCAGCCTTGCGGCCGTACTCCCCAGGCGGGATACTTATTGCGTTAACTCCGGCACAGAAGGAGTCGATACCTCCTACACCTAGTATCCATCGTTTACGGCCAGGACTACCGGGGTATCTAATCCCGTTTGCTCCCCTGGCTTTCGCGCCTCAGCGTCAGTTGTCGTCCAGAAAGCCGCTTTCGCCACTGGTGTTCCTCCTAATATCTACGCATTTCACCGCTACACTAGGAATTCCGCTTTCCTCTCCGACACTCGAGCTTCACAGTTTCGGTCCCCTCACGGGGTTAAGCCCCGCACTTTTAAGACCGACTTGCGATGCCGCCTGCGCGCCCTTTACGCCCAATAATTCCGGACAACGCTTGCCACCTACGTATTACCGCGGCTGCTGGCACGTAGTTAGCCGTGGCTTTCTCTTACGGTACCGTCAGGGATAACGGGTATTGACCGCTATCCTGTTCGTCCCATATAACAGAACTTTACAACCCGAAGGCCGTCATCGTTCACGCGGCGTTGCTCCGTCAGACTTTCGTCCATTGCGGAAGATTCCCCACTGCTGCCTCCCGTAGGAGTCTGGGCCGTGTCTCAGTCCCAATGTGGCCGTTCATCCTCTCAGACCGGCTACTGATCGTCGCCTTGGTGGGCCGTTACCCCTCCAACTAGCTAATCAGACGCAAGCCCCTCCTCCAGCGAAAGCCCGAAGGCCTCCCTTTCTTCATCCCGTCATGCGGCGGAAAGAACGTATTCGGTATTAGCAGCCGTTTCCAGCTGTTGTCCCCATCTGAAGGGCAGGTTGCTTACGCGTTACTCACCCGTTTGCCACTCGAATTGATAAGAAGCAAGCTTCTCATCTCTTCTCGTTCGACTTGCA
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Claims (23)

  1. 対象におけるグラム陽性細菌感染症の治療または予防に使用するための細菌の菌株を含む組成物であって、前記菌株が吉草酸を産生する、前記組成物。
  2. 前記菌株による吉草酸の前記産生が、ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)を用いて測定される、請求項1に記載の使用のための組成物。
  3. 前記グラム陽性細菌感染症が消化管にある、請求項1または2に記載の使用のための組成物。
  4. 前記グラム陽性細菌感染症が病原性グラム陽性細菌感染症である、請求項1~3のいずれかに記載の使用のための組成物。
  5. 前記対象に投与されると、前記組成物がグラム陽性細菌の生存率を低下させる、請求項1~4のいずれかに記載の使用のための組成物。
  6. 前記対象に投与されると、前記組成物がグラム陽性細菌の増殖を抑制する、請求項1~5のいずれかに記載の使用のための組成物。
  7. 前記組成物が、再発性グラム陽性細菌感染症の発症を遅らせるか、またはそれを予防する、請求項1~6のいずれかに記載の使用のための組成物。
  8. 前記対象が1または2以上の抗生物質を投与されたことがあるまたは投与されており、任意で前記抗生物質がバンコマイシン、バクトリウム、ドキシサイクリン、セフトビプロール、セフタロリン、クリンダマイシン、ダルババンシン、ダプトマイシン、フシジン酸、リネゾリド、ムピロシン、オリタバンシン、テディゾリド、テラバンシン、チゲサイクリン、アミノグリコシド、カルバペネム、セフタジジム、セフェピム、セフトビプロール、セフトロザン/タゾバクタム、フルオロキノロン、ピペラシリン/タゾバクタム、チカルシリン/クラブラン酸、リネゾリド、ストレプトグラミン、チゲサイクリン、及びダプトマイシンから成るリストから選択され、任意で前記1または2以上の抗生物質が広域スペクトル抗生物質を含む、請求項1~7のいずれかに記載の使用のための組成物。
  9. 前記グラム陽性細菌感染症が、クロストリジウム(Clostridium)属、スタフィロコッカス(Staphylococcus)属、エンテロコッカス(Enterococcus)属種、バチルス(Bacillus)属、エリシペロスリクス(Erysipelothrix)属またはリステリア(Listeria)属の細菌によって引き起こされる、請求項1~8のいずれかに記載の使用のための組成物。
  10. 前記グラム陽性細菌感染症がクロストリジウム ディフィシル(Clostridium difficile)感染症である、請求項1~9のいずれかに記載の使用のための組成物。
  11. 前記組成物が、C.ディフィシル(C. difficile)感染症に関連する以下の状態:下痢、腹痛、発熱、血便、脱水症、体重減少、中毒性巨大結腸、胃腸穿孔、腹部膨満、結腸膨満、吐き気、偽膜性大腸炎、多臓器機能不全症候群または敗血症の1または2以上を予防する、または治療する、請求項10に記載の使用のための組成物。
  12. 前記菌株がメガスファエラ(Megasphaera)属のものである、請求項1~11のいずれかに記載の使用のための組成物。
  13. 前記細菌株がメガスファエラ属の細菌株の16S rRNA配列と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%同一である16S rRNA配列を有する、請求項1~12のいずれかに記載の使用のための組成物。
  14. 前記細菌株が配列番号2または1と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%同一である16S rRNA配列を有し、任意で前記細菌が受託番号NCIMB42787としてNCIMBに寄託された菌株である、請求項1~13のいずれかに記載の使用のための組成物。
  15. 前記細菌株が配列番号2と少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%同一である16S rRNA配列を有し、任意で前記細菌が受託番号NCIMB42787としてNCIMBに寄託された菌株である、請求項14に記載の使用のための組成物。
  16. 前記細菌株が配列番号3、4、5、6または7のいずれか1つと少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%同一である16S rRNA遺伝子配列を有する、または前記細菌株が配列番号3、4、5、6または7のいずれか1つによって表される16S rRNA遺伝子配列を有する、請求項1~15のいずれかに記載の使用のための組成物。
  17. 菌株がメガスファエラ エルスデニイ(Megasphaera elsdenii)種のものではない、請求項1~16のいずれかに記載の使用のための組成物。
  18. 前記菌株が、メガスファエラ セレビシエ(Megasphaera cerevisiae)、メガスファエラ マシリエンシス(Megasphaera massiliensis)、メガスファエラ インディカ(Megasphaera indica)、メガスファエラ パウシボランス(Megasphaera paucivorans)、メガスファエラ スエシエンシス(Megasphaera sueciensis)、メガスファエラ ミクロヌシフォルミス(Megasphaera micronuciformis)またはメガスファエラ ヘキサノイカ(Megasphaera hexanoica)の種のものである、請求項1~17のいずれかに記載の使用のための組成物。
  19. 前記菌株がメガスファエラ マシリエンシス種のものである、請求項1~18のいずれかに記載の使用のための組成物。
  20. 前記組成物が、いずれの他の属由来の細菌も含有しない、または僅少な量もしくは生物学的に無関係な量の別の属由来の細菌を含む、請求項12~19のいずれかに記載の使用のための組成物。
  21. 対象にてグラム陽性細菌感染症の治療に使用するための抗生物質であって、前記対象は請求項1~20のいずれかに記載の組成物を投与されたことがある、または投与されることになっている、前記抗生物質。
  22. 治療法で使用するための細菌株であって、前記細菌株が配列番号3、4、5、6または7のいずれか1つと少なくとも95%、96%、97%、98%、99%、99.5%または99.9%同一である16S rRNA配列を有する、前記細菌株。
  23. 治療法で使用するための、配列番号3、4、5、6または7のいずれか1つによって表される16S rRNA配列を有する細菌株。
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