JP2022187897A - 超音波流量計 - Google Patents

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Abstract

【課題】平行多測線方式で流量を測定することのできるクランプオン型の超音波流量計を提供する。【解決手段】本発明の実施形態に従う超音波流量計は、配管内の流体の流量を平行多測線方式で測定する超音波流量計であって、超音波を互いに送受信可能な一対の送受信部を各々備える複数の超音波センサーと、前記複数の超音波センサーの測線が前記配管の径方向に並ぶように、前記送受信部を傾斜姿勢に支持して前記配管の外周に配置するセンサーケースと、前記配管の外周面と前記送受信部との間に介在して前記超音波を前記流体に入射させる、前記流体の音速に近い物質で形成したクサビと、前記センサーケースを前記配管の外周面に着脱自在に取り付けるクランプと、前記超音波センサーからの情報に基づいて前記流体の流量を出力する処理部と、を備えたことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、クランプオン型の超音波流量計に関する。
例えば円管の配管内を流れる流体の流量を測定する超音波流量計が知られている。超音波流量計による流量測定は、高精度化のために、超音波の伝搬経路(測線)を複数活用する多測線(マルチパス)法が用いられる。代表的なのは、平行多測線方式と直径多測線方式である。配管に穴等をあけて超音波センサーを設置する接液型の超音波流量計は、平行多測線方式で超音波センサーを配置することができる。但し、接液型の場合、既設の配管を切断又は取り替えるなどして超音波センサーを設置しなければならず、取り付けが容易でない。
一方、クランプオン型の超音波流量計は、既設の配管に簡便に取り付け可能ではあるが、測線が配管の中心を通る直径多測線方式となる。直径多測線方式は、配管内の流速分布に乱れのある流体に対しては、十分な測定精度が見込めない場合がある。そのため、クランプオン型の超音波流量計は、直径多測線方式である限り、超音波センサーの数を増やしても測定精度の向上に限界がある。
これまでも平行多測線方式のクランプオン型超音波流量計が検討されてきた。しかしながら実用化は難しい。超音波センサーを配管の中心から半径方向にずらした位置に配置する為、管内流体に超音波を入射させるのが難しいからである。
米国特許第5,228,347号公報 特開平5-223608号公報
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、平行多測線方式で流量を測定することのできるクランプオン型の超音波流量計を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明の実施形態に従う超音波流量計は、配管内の流体の流量を平行多測線方式で測定する超音波流量計であって、超音波を互いに送受信可能な一対の送受信部を各々備える複数の超音波センサーと、前記複数の超音波センサーの測線が前記配管の径方向に並ぶように、前記送受信部を傾斜姿勢に支持して前記配管の外周に配置するセンサーケースと、前記配管の外周面と前記送受信部との間に介在して前記超音波を前記流体に入射させる、前記流体の音速に近い物質で形成したクサビと、前記センサーケースを前記配管の外周面に着脱自在に取り付けるクランプと、前記超音波センサーからの情報に基づいて前記流体の流量を出力する処理部と、を備えたことを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、複数の超音波センサーの測線が配管の径方向に並ぶように、送受信部を傾斜姿勢に支持して前記配管の外周に配置するセンサーケースと、前記配管の外周面と前記送受信部との間に介在して超音波を流体に入射させる、前記流体の音速に近い物質で形成したクサビと、を備えたことにより、クランプオン型で平行多測線方式の超音波流量計を実現することが可能となる。その結果、平行多測線方式による測線の配置により、流速分布が乱れた流体に対しても高精度な流量測定が可能となる。
実施形態の超音波流量計を配管に取り付けた状態を示す管断面図である。 実施形態の超音波流量計を配管に取り付けた状態を示す管側面図である。 上記超音波流量計のセンサーケースの斜視図である。 上記超音波流量計のセンサーケースの平面図,正面図及び側面図である。 上記超音波流量計のセンサー入射角に関する説明図である。 上記超音波流量計のセンサー入射角に関する説明図である。 上記超音波流量計の制御系のブロック構成図である。 上記超音波流量計による流量測定の結果を示す図である。
以下、本発明の実施形態に従う超音波流量計について、添付図面を参照しながら詳述する。なお、各図において、同一構成は同一の符号を付している。
実施形態に従う超音波流量計1は、平行多測線方式のクランプオン型超音波流量計である。図1は、配管2の外周面に取り付けた超音波流量計1を、管断面方向から見た状態を示す。図2は、超音波流量計1を、管側面方向から見た状態を示す。配管2は、測定対象の流体が流れる例えば円管の流路である。流体は、例えばポンプなどの送液装置によって圧送する。送液装置を用いずに例えば重力を利用して送液してもよく、送液方法は特に限定されない。勿論、配管2内の流体の流れにも制限はない。管内に流速分布の乱れがあってもよく、十分に発達した流れであってもよい。
超音波流量計1は、例えば2組の超音波センサー3A,3Bを備える。2組の超音波センサー3A,3Bは、特に図1に示すように、超音波の伝搬経路(測線)Uが配管2の径方向に平行に並ぶように配置する。すなわち、平行2測線である。「平行」とは代表的な配置例であり必ずしも平行関係でなくともよい。配管中心を通らない測線Uが実現されていれば良い。好ましい一例として、2本の測線Uが配管2の中心を挟んで対称配置となるようにする。配管2の中心からの距離rは、好ましくは0.5R~0.6Rの範囲内とする(R;配管の内半径)。一方、管側面から見ると、特に図2に示すように、その測線Uが配管2の長さ方向と交差するように配置する。一例として、管内の測線Uの傾きが15°~25°となるように配置する。
超音波センサー3A,3Bは、各々が超音波を送信および受信可能な一対の送受信部31A,32A,31B,32Bを備える。すなわち、上流側の送受信部31A,31Bは、対をなす下流側の送受信部32A,32Bに向けて超音波を送信可能であり、且つ、下流側の送受信部32A,32Bからの超音波を受信可能である。下流側の送受信部32A,32Bから見ても同様である。送受信部31A,32A,31B,32Bには、例えば超音波振動子を用いる。例えば伝搬時間差測定方式の場合、対になる送受信部31A-32A,31B-32B同士が例えば交互に超音波を送信・受信し、上流側から下流側への伝搬時間と下流側から上流側への伝搬時間の時間差に基づいて、配管2内の流体の平均線流速vを例えば演算により算出する。さらに算出した平均線流速vを基に流量を算出する。算出方法の一例については後述する。
なお、本実施形態では、管側面から見たときに送受信部31A-32A,31B-32B同士が斜め方向に対向するZ法(透過法)の配置としているが、V法(反射法)やX法(透過法)による配置であってもよい。さらに、管断面から見たときに、測線Uが垂直方向(0°から180°方向)に延びるように超音波センサー3A,3Bを配置しているが、この配置に限らない。例えば測線Uが水平方向(90°から270°方向)に延びるように超音波センサー3A,3Bを配置するなど、測線Uの方向は変更可能である。また、超音波センサー3A,3Bの数を増やして平行3測線以上としてもよい。さらには、例えば2組の超音波センサー3A,3Bの間に、別の超音波センサーを追加するなどして、複数の測線Uの中に配管2の中心を通るものを含めてもよい。
各センサーケース33A,34A,33B,34Bは、測線Uが形成されるよう一対の送受信部31A-31B,32A-32B同士を対向させる。そのために、各センサーケース33A,34A,33B,34Bは、送受信部31A,32A,31B,32Bを傾斜姿勢にして夫々支持する。複数のセンサーケース33A,34A,33B,34Bは、共通形状のものを用いることができる。センサーケース33A,34A,33B,34Bの構成について、図3及び図4を参照しながら説明する。図3は、送受信部31Aを取り付けたセンサーケース33Aの斜視図である。図4は、センサーケース33Aの平面図、正面図及び側面図である。他のセンサーケース34A,33B,34Bも、センサーケース33Aと同じ構成であるので、詳しい説明と図示は省略する。
詳しくは図3~図4に示すように、センサーケース33Aは、外観が例えば矩形のセンサーケース本体4を有する。センサーケース本体4は、その上面に送受信部31Aを傾斜姿勢に支持する傾斜面41を形成し、底面側の例えば四隅に脚部42を形成している。この脚部42が配管2の外周面に当接することでセンサーケース本体4が配管2の外周面に着座する。センサーケース本体4は、例えばステンレスなどの金属で形成する。
送受信部31Aは、例えばネジなどの固定手段43によってセンサーケース本体4の傾斜面41に取り付ける。センサーケース本体4は、その上面から底面まで貫通する開口部を形成し、そこにクサビ44を配置している。クサビ44は、センサーシュー材とも称される。クサビ44は、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリエーテルイミド(PEI)といったエンジニアプラスチックよりも流体の音速に近い物質で形成する。クサビ44は、一例として、流体の音速に対して0.6~1.4倍の音速の範囲内にある物質で形成する。具体的な物質の一例は、シリコーンゴム(音速約1000m/s)や、例えば医用の水性/油性ゲル等(音速約1389m/s)などである。このような音速の物質でクサビ44を形成することは、別の言い方をすると、後述する超音波の入射角θiを45°より小さくする物質でクサビ44を形成することでもある。勿論、対象流体に応じてクサビ44の材質を変更してもよい。クサビ44は、流動性を有する原料をセンサーケース本体4の開口部内に充填して形成してもよく、予め成形したものを嵌め込んでもよい。
クランプオン型の超音波流量計1で平行多測線方式を具現化するには、超音波をいかにして配管2の管内流体に入射させるかが重要である。そのため、本実施形態では、配管2の中心から径方向にずれた位置に送受信部31A,32A,31B,32Bをセンサーケース33A,34A,33B,34Bによって傾斜配置し、さらに流体の音速に近い物質で形成したクサビ44を介在させたことによって、超音波を配管2内に平行多測線で入射させることを可能にした。
より詳しい説明として、クランプオン型で平行多測線を実現するためのセンサー入射角とクサビ44の材質の選定について説明する。以下は、流体が水である場合を一例にして説明する。まず、図5に示すように、管断面上で中心からrだけ離れ、流れ方向に傾斜角αを有する測線Uを考えると、sinβ=(r/R)であり、角度α,β(0°<α,β<90°)によって配管2内の測線Uを定めることができる。この測線Uの入射点にあたる位置に送受信部31A,32Aを配置するにあたり、図3及び図4に示したような傾斜面41を有し、傾斜面41から配管2に接触する底面へ超音波を入射するクサビ44およびセンサーケース33A,34A,33B,34Bを新たに採用した。図6に示すように設置面の法線に対する入射角をθi、流体中での屈折角をθtとし、送受信部31A,32A,31B,32Bを上方から見たときの管長手方向に対する入射線の傾きをφとすると(図4の平面図参照)、それぞれの角度関係及びスネルの法則から以下が成り立つ。
Figure 2022187897000002
従って、所望の測線Uの角度α,βとクサビ44の音速ci、流体音速ctを決定すればθi,φを定めることができる。クサビ44底面に対する斜面の角度が設置時の入射角θiとなるからθi,φによって送受信部31A,32A,31B,32Bの設計角度が定まる。すなわち、センサーケース33A,34A,33B,34Bの形状が定まる。入射角θiを小さくすることができれば、超音波センサー3A,3Bを小型化できる。
例えば測線Uをα=20°,β=30°(r=0.5R)とし、常温程度の水(音速約1500m/s)を対象とすると、一般的には、ポリエーテルイミド(PEI、音速約2400m/s)やアクリル(音速約2700m/s)がクサビ44の材質に選ばれる。しかしながら、クランプオン型の平行多測線方式でPEIを用いた場合、上記関係式によれば入射角θiが約70°となってしまう。このように入射角θiが大きい場合、超音波の伝搬経路(測線)Uを確保するために超音波センサー3A,3Bが大型となり設計が困難となる。そして超音波センサー3A,3Bの配管2への取付再現性が悪くなる。その対策として、クサビ44の音速を小さくすることで、入射角θiを45°以下に小さくする。検討の結果、例えばシリコーンゴム(音速約1000m/s)を用いた場合、入射角を約23°程度と小さくでき、また超音波の減衰も然程大きくはないことを確認した。
なお、実際にクサビ44から管内流体へ超音波が伝搬するには、間に配管2の管壁が存在する。例えばステンレス管であれば横波音速が約3100m/sであるため、スネルの法則によると上述の入射角θiではクサビ44から管壁への入射が全反射となってしまう。しかしながら、本実施形態では管壁内にエバネセント波が発生していると考えられ、管厚が波長程度であれば管内部の流体まで超音波を伝搬させることが可能である。実際、超音波シミュレーションや後述する試作センサーによる試験で、超音波が配管2の管壁を透過し流体中まで伝搬可能であることを確認している。
説明を図1~図2に戻すと、クランプ5は、超音波センサー3A,3Bを配管2の外周面に着脱自在に取り付ける。クランプ5は、概ね半円状に形成した一対の板状の環状部材51A,51Bを備え、配管2の全周を囲うように取り付ける。一対の環状部材51A,51Bは、共通形状のものを用いることができる。環状部材51A,51Bの材質は、例えばステンレスなどの金属である。一対の環状部材51A,51Bは、配管2に取り付けてフランジ部同士を例えばネジなどの固定手段52で固定する。このとき、特に図2に示すように、例えば配管2の下流方向に環状部材51Bをずらすことで、上流側の送受信部31A,31Bと下流側の送受信部32A,32Bを位置決めしている。環状部材51A,51Bには、センサーケース33A,34A,33B,34Bのサイズに対応する開口部を形成し、この配管2の外周面が露出した部分にセンサーケース33A,34A,33B,34Bを配置する。そして、押え部材53によってセンサーケース33A,34A,33B,34Bを固定する。このような固定方法とすることで、配管2に対するセンサーケース33A,34A,33B,34Bの設置圧が、設置するたびにバラつくのを抑え、一定にすることができる。
続いて図7に示すように、送受信部31A,32A,31B,32Bは、コントロールユニット6と接続する。コントロールユニット6は、制御部61と処理部62を備える。制御部61は、例えばIC(Integrated Circuit)やメモリなどを備える。送受信部31A,32A,31B,32Bからの信号に基づいて流量を求める処理部62は、例えば制御部61がメモリに格納したプログラムを実行することによって構築する。さらに、コントロールユニット6は、送信回路63、受信回路64、送受信経路を切り替えるスイッチ部65を備える。送信回路63は、制御部61からの制御信号に基づき、例えば超音波振動子を振動させる駆動信号を出力する。スイッチ部65は、制御部61からの制御信号に基づき、送受信部31A-32A,31B-32Bのうち送信側の送受信部31A(32A),31B(32B)に駆動信号が入力されるよう、伝送経路を切り替える。受信回路64は、一対の送受信部31A-32A,31B-32Bのうち受信側の送受信部32A(31A),32B(31B)からの受波信号をデジタルデータに変換して処理部62に出力する。
上述の構成において、超音波流量計3A,3Bは、たとえば作業員によって配管2に取り付ける。クランプオン型なので接液型に比べれば取り付けは簡便である。取り付け場所は、配管2が例えば横方向に延びている直管部分に設置する。縦方向や斜め方向の直管部分であってもよい。エルボなど乱流が発生し易い継手がある場合は、その前後で、ある程度の直管長さを確保できる位置に設置する。
配管2の材質は、ステンレスや鋼材などの金属、或いは塩化ビニルやポリプロピレンなどの樹脂であるが、配管の材質に特に制限はない。配管2の呼び径は、例えば100A~3000Aである。但し、配管2の呼び径に応じたクランプ5を準備しておくのが好ましい。配管2を流れる流体の種類も特に制限はない。測定対象となる流体は、液体であってもよく気体であってもよい。
超音波センサー3A,3Bを配管2に取り付けた状態において、コントロールユニット6の制御部61は、各超音波センサー3A,3Bの上流側と下流側の送受信部31A-32A,31B-32B同士で例えば交互に超音波を送受信するように制御する。処理部62は、上流側と下流側の超音波の伝搬時間の差に基づいて流量を求める。測定結果としての流量は、例えば2組の超音波センサー3A,3Bが測定した流量の平均値を出力する。或いは2組の超音波センサー3A,3Bが測定した個々の流量を表示してもよく、どちらか一方であってもよい。
流量の算出は、好ましい一例として、下記の数式を用いて線平均流速vを算出し、配管2の断面積に基づき流量とすることができる。勿論、算出方法が限定されることはなく、他の算出方法を採用してよい。
Figure 2022187897000003
図8は、図1及び図2に示した超音波流量計1の試作センサーを用いて測定試験を行ったときの結果の一例である。具体的には、配管2の中心からの測線Uの距離rが±0.5Rにした2組の超音波センサー3A,3B及びセンサーケース33A,34A,33B,34Bを試作し、平行2測線のクランプオン型の超音波流量計1とした。そして流量校正設備を用いて実流試験による精度検証を行った。配管2には300A10S規格のSUS配管を用いた。過酷な条件とするため、ヘッダ管分岐から直管長5.5Dの流速分布が乱れた位置で性能を評価した。比較のため、直径2測線方式のクランプオン型の超音波流量計でも同様の試験を行った。
なお、超音波センサー3A,3Bを設置する際、配管2に対して図8に示すように測線Uを角度ψだけ回転させる自由度が残っており、流速分布が乱れた状態ではこの設置角度によっても計測される値が変化する。そこで、試作センサーについては設置角度ψを0°から270°まで一定角度ごとに変化させ、それぞれの角度について測定試験を行った。図8の表は流量校正設備のマスターメータ流量値に対する平行2測線及び直径2測線方式の試作センサーの測定流量値の誤差をまとめたものである。
基準管内流速はおよそ4m/s,2m/s,1m/sと変化させ、それぞれの流速及び設置角度について計測誤差を確認した。なお、設置角度ψを変化させたのは平行2測線のみであり、直径2測線についてはψ=45°,135°に相当する2直径の測線として固定した。また、平行2測線、直径2測線いずれも2つの測線Uの測定値を平均した上での誤差を記載している。
図8の結果から明らかなように、いずれの設置角度ψでも平行2測線方式は直径2測線方式よりも誤差が小さくなっており、流速分布が乱れた位置においてより高い精度を達成できている。すなわち、クランプオン型の超音波流量計1で平行多測線方式を実現し、測定精度の高精度化が可能であることを確認できた。
上述の実施形態によれば、複数の超音波センサーの測線が配管の径方向に並ぶように、送受信部を傾斜姿勢に支持して前記配管の外周に配置するセンサーケースと、前記配管の外周面と前記送受信部との間に介在して超音波を流体に入射させる、前記流体の音速に近い物質で形成したクサビと、を備えたことにより、クランプオン型で平行多測線方式の超音波流量計を実現することが可能となる。その結果、平行多測線方式による測線の配置により、流速分布が乱れた流体に対しても高精度な流量測定が可能となる。
なお、配管2は、通常は規格に従った円管であるが、流体の流れ方向と交差する方向の外周面が曲面になっている配管2であれば円管でなくともよい。
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 超音波流量計
2 配管
3A,3B 超音波センサー
31A,31B 送受信部(上流側)
32A,32B 送受信部(下流側)
33A、33B,34A,34B センサーケース
41 傾斜面
44 クサビ

Claims (5)

  1. 配管内の流体の流量を平行多測線方式で測定する超音波流量計であって、
    超音波を互いに送受信可能な一対の送受信部を各々備える複数の超音波センサーと、
    前記複数の超音波センサーの測線が前記配管の径方向に平行に並ぶように、前記送受信部を傾斜姿勢に支持して前記配管の外周面に配置するセンサーケースと、
    前記配管の外周面と前記送受信部との間に介在して前記超音波を前記流体に入射させる、前記流体の音速に近い物質で形成したクサビと、
    前記センサーケースを前記配管の外周面に着脱自在に取り付けるクランプと、
    前記超音波センサーからの情報に基づいて前記流体の流量を出力する処理部と、を備えたことを特徴とする超音波流量計。
  2. 前記センサーケースは、前記送受信部を支持する傾斜面を上面に形成し、前記配管の外周面に当接する脚部を底面に形成し、前記上面から前記底面まで貫通する開口部内に前記クサビを配置したことを特徴とする請求項1に記載の超音波流量計。
  3. 前記クランプは、前記配管の外周面を囲う板状の環状部材と、前記環状部材に形成した前記配管の外周面が露出する開口部と、前記開口部に配置した前記センサーケースを固定する固定部材と、を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波流量計。
  4. 前記複数の超音波センサーは、前記配管の中心から径方向にずらした位置に測線を形成することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の超音波流量計。
  5. 前記クサビを形成する物質は、前記超音波センサーの超音波の入射角θiが45°より小さくなる音速の物質であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の超音波流量計。
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