JP2022185955A - 圃園管理装置並びにこれを用いた営農管理方法 - Google Patents

圃園管理装置並びにこれを用いた営農管理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】茶葉の摘採を適化することはもとより、摘採機を一例とする圃園管理装置の運行を適切化し、特に操作の難しい枕地における移動をも安全に行うことのできる、新規な圃園管理装置並びにこれを用いた営農管理方法の開発を技術課題とする【解決手段】圃園管理装置1は、圃園G内の枕地G1を測位装置8による位置情報及び/又はユーザーによる決定に従った走行経路に基づき自律走行を行うと共に、茶畝Tを跨いで走行する時には、前記測位装置8による位置情報及び/又はユーザーによる決定に従った走行経路に基づく情報に加えて、茶畝Tを検知する情報を基に、自律運転を行うものであることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、茶等の畝が形成される作物の刈り取り、防疫、施肥等とそれに関連した周辺作業を総合的に自動化した、圃園管理装置並びにこれを用いた営農管理方法に関するものである。
従来から、作物が畝状に植えられている圃園において、GPSを用いた自律走行農作業車は知られている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、GPSは作物の畝の位置情報までも正確に検知するものではないため、従来の自律走行農作業車は畝位置を考慮せずに自律経路を作成する以外に方法がなかった。
また自律走行農作業車が、例えば山岳部にある茶園等で自律走行する場合には、必ずしも周辺に障害物がない広大な場所ばかりではない上、GPSの電波受信を障害する障害物も多く存在するため、GPSの検出精度も自律走行農作業車を自律運転させる上で大変重要な要素となる。
これらを要因として、特に作物の畝を跨いで走行する自律走行農作業車の場合は、畝との走行時の位置ずれが生じやすく、その結果として自律走行農作業車が畝に接触してしまい、作物に与えるダメージが大きくなってしまっていた。
特開平09-094006号公報
本発明はこのような背景を考慮してなされたものであって、茶等の畝が形成される作物の刈り取りを適化することはもとより、摘採機を一例とする圃園管理装置の運行を適切化し、特に操作の難しい枕地における移動をも安全に行うことのできる、新規な圃園管理装置並びにこれを用いた営農管理方法の開発を技術課題とするものである。
すなわち請求項1記載の圃園管理装置は、制御手段と接続される撮像装置及び/又は環境センサ及び測位装置を搭載する、圃園内に生育する作物の畝を跨いで走行する、管理装置本機を具えた圃園管理装置において、前記圃園管理装置は、前記圃園内の枕地を測位装置による位置情報及び/又はユーザーによる決定に従った走行経路に基づき自律走行を行うと共に、前記畝を跨いで走行する時には、前記測位装置による位置情報及び/又はユーザーによる決定に従った走行経路に基づく情報に加えて、畝を検知する情報とを基に、自律運転を行うものであることを特徴として成るものである。
また請求項2記載の圃園管理装置は、前記要件に加え、前記走行経路は、別途用意した上空検知用撮像装置、衛星写真またはユーザーによる決定のいずれか一又は複数を基に作成され、この走行経路には畝を含むことを特徴として成るものである。
また請求項3記載の圃園管理装置は、前記要件に加え、前記畝を検知する情報が、撮像装置としての、一または複数の可視画像用撮像装置及び/又は近赤外線画像用撮像装置により撮像された画像であることを特徴として成るものである。
また請求項4記載の圃園管理装置は、前記請求項3記載の要件に加え、前記畝を検知する情報が、可視画像用撮像装置及び近赤外線画像用撮像装置により撮像された画像を合成して得られる画像であることを特徴として成るものである。
また請求項5記載の圃園管理装置は、前記要件に加え、前記畝を検知する情報が、環境センサで得られる検出値であることを特徴として成るものである。
また請求項6記載の圃園管理装置は、前記要件に加え、前記測位装置は、管理装置本機の車両幅中心位置、且つ前記撮像装置の上方に配置されることを特徴として成るものである。
また請求項7記載の圃園管理装置は、前記要件に加え、前記測位装置は、前記撮像装置の上方に複数個が複数個所に配置されることを特徴として成るものである。
また請求項8記載の圃園管理装置を用いた営農管理方法は、請求項1、2、3、4、5、6または7記載の圃園管理装置を用い、前記管理装置本機が、圃園至近の農道に搬送された後は、獲得した位置情報により、最も至近の圃園での作業が指示されたものとして、当該圃園に自動走行で進入することを特徴として成るものである。
また請求項9記載の圃園管理装置を用いた営農管理方法は、請求項1、2、3、4、5、6または7記載の圃園管理装置を用い、前記管理装置本機が枕地で旋回するにあたり、枕地の観察に基づき、枕地幅が管理装置本機の旋回に十分なものでないと判断したときは、畝端部と管理装置本機とが干渉することを容認して枕地端部に管理装置本機が過剰接近しないように、適正進行して安全進行させることを特徴として成るものである。
また請求項10記載の圃園管理装置を用いた営農管理方法は、請求項1、2、3、4、5、6または7記載の圃園管理装置を用い、前記管理装置本機を畝に進入進行させるにあたり、作物樹の生育状況、病虫害の発生を撮像装置により検出し、その検出データを位置情報と併せて記録、又は即出力することを特徴として成るものである。
そしてこれら各請求項記載の要件を手段として前記課題の解決が図られる。
まず請求項1記載の発明によれば、管理装置本機を、枕地等の畝間でない所はGPS等の情報及び/又はティーチング等のユーザーによる決定に従った情報のみで自律走行させ、一方、畝間では畝から得られる情報を加えて自律走行させることができる。このため、位置情報だけでは管理装置本機と畝との位置ずれが大きくなってしまうような畝間において、管理装置本機と畝との接触を回避して、茶葉等の作物へのダメージを低減することができる。
また請求項2記載の発明によれば、管理装置本機が圃園とその周辺にて自律運転を行う前に、予め好適な経路を準備することができる。
また請求項3記載の発明によれば、畝情報を撮像装置による画像にて検知するため、管理装置本機と畝との接触を確実に回避して、茶葉等の作物にダメージを与える可能性を低減することができる。
また請求項4記載の発明によれば、可視画像が捉えきれない植生状態をも可視化する事ができるため、茶樹等の成長状態あるいは病中害の発生状態を好適に評価することができる。
また請求項5記載の発明によれば、管理装置本機が走行している際の畝の輪郭や障害物などの周辺環境を検出することができる。
また請求項6載の発明によれば、管理装置本機の上部で、揺動の影響が少ない幅方向中心部に測位装置を配置することにより、エンジン等の電磁気的なノイズ源の影響が少なく、管理装置本機の走行時の振動が小さいという観点及び他部材等への接触や乱反射障害が小さいという観点から、検出精度を安定させることができる。
また可視画像用撮像装置と近赤外線画像用撮像装置とが管理装置本機の幅方向の中心に配置されるため、畝中心と管理装置本機中心の位置ずれの補正を容易に行うことができる。
また請求項7記載の発明によれば、複数個が複数個所に配置された測位装置により、管理装置本機の絶対位置に加えて、管理装置本機の畝に対する方向も検知することができるとともに、方位センサとしての役割も果たすことができる。
また請求項8記載の発明によれば、管理装置本機の動きを無駄のないものとして、効率的な圃園管理作業を実現することができる。
また請求項9記載の発明によれば、管理装置本機の動きを無駄のないものとして、安全且つ効率的な圃園管理作業を実現することができる。
また請求項10記載の発明によれば、自律走行しながら、茶畝等の病虫害の発生や成長異常の検出及び病虫害の防除処理をすることが可能となる。
本発明の圃園管理装置並びにこれを用いた営農管理システムを示す概念図である。 圃園を示す平面図である。 圃園管理装置を示す斜視図である。 営農管理システムを示す概念図である。 ユーザーによる決定に従った走行経路を容易に得ることができる圃園マップが表示された表示画面を示す正面図である。 営農管理方法の作業概念図である。 営農管理方法の作業概念図である。 営農管理方法の作業概念図である。 営農管理方法の作業概念図である。 撮像装置による茶畝の撮影画像並びに合成画像である。
本発明の「圃園管理装置並びにこれを用いた営農管理方法」の最良の形態は、以下の実施例に示すとおりであるが、これらの実施例に対して本発明の技術的思想の範囲内において適宜変更を加えることも可能である。
以下本発明を図示の実施例に基づいて具体的に説明する。なお本明細書中において、茶園、作物を育てる水田や畑、菜園等を総称して圃園と称することとする。
まず、本発明の「圃園管理装置並びにこれを用いた営農管理方法」が直接、稼働・実施される茶園たる圃園Gの状況等について説明する。
圃園Gは図2に概念的に示すように、自動的な摘採管理等を考慮すると極端な傾斜産地の圃園Gではなく一定の整備された比較的平坦な圃園Gが作業対象となる。圃園Gは茶畝T(茶畝Tを形成する茶樹についても符号Tを用いる。)が複数列整形されており、この茶畝Tの終端、両端部に摘採機等の圃園管理装置1(以下、管理装置本機1とも呼ぶ。)が進入且つ旋回できるような枕地G1が確保され、更に圃園G全体に周辺の農道Rからの導入路G2が設けられている。
前記枕地G1に対しては管理装置本機1のほか、摘採した茶葉A(作物の一例である)を集荷するための車両等が進入し得る。現実の営農状態を考慮すると管理装置本機1が常に圃園Gの近くに待機することはなく、所有する農家の作業拠点の倉庫等に格納され、このものがキャリヤカーV1により圃園Gの至近地点に搬送されて、圃園G内に導入される。このためキャリヤカーV1については可動荷台を具えたもの、あるいは荷台から道板を渡して農道Rに管理装置本機1を下すような形態をとる。一方集荷車両V2は、例えば荷台に専用の集荷コンテナを具えるものであり、この集荷コンテナは集荷した茶葉Aに対して充分な外気を下方から送り込み、いわゆる茶葉Aの葉焼け等を防止するような形態のものが用いられる。
このような圃園Gを直接管理するための構成部材を、以下、順次説明する。まず管理装置本機1が、実作業を直接担うものであって、前記農道Rから導入路G2を通じて枕地G1に至ると、茶畝Tの位置を自動的に検出し、茶畝Tに沿って走行できるような準備をした後、摘採等の作業を行うものである。
なお管理装置本機1の走行態様は、「茶畝Tを跨いで走行する管理装置本機1における左右の走行体3L、3Rが、茶畝Tの両側の畝間Bを走行して進行する」ものであり、これを「茶畝Tに沿って進行する」とも表現する。また枕地G1から茶畝Tを跨ぐように進行する動作を、「茶畝Tに進入進行する」と表現するものとする。
以下、摘採機等として作用する管理装置本機1について説明する。このものは図3に示すように、正面視門型のフレーム2に対し、その脚部フレーム2Aの下端部にクローラを典型的な例とする走行体3を設けて自走できるような構成が採られる。そしてフレーム2の内側上方に、刈刃4Bがその幅方向にやや上向き弧状に設けられた管理機ユニット4が、昇降調節自在に具えられる。
またこの管理機ユニット4の直後方から上方に至るようにダクト状の移送装置5が具えられる。
一般的には、現在普及している管理装置本機1における移送手法としては、管理機ユニット4後方から圧力風を移送装置5内に吹き込み、これによる吸引送り込み作業により、刈り取られた茶葉Aが、移送装置5内を上昇して収葉コンテナ6に収容されるような形態が採られる。当然ながらこれらを作動させるためのエンジン、送風ブロア、操縦装置、油圧ポンプ装置等が設けられるが、これらについての説明は省略する。
また前記管理装置本機1に対しては、撮像装置7が設けられるものであり、この撮像装置7は、主としてCCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等が適用されたカメラが採用されるが、レーザー光を発信させてその反射状況から状況検出を行う、いわゆるライダー(LiDAR(Light Detection And Ranging )装置等、映像の奥行きが測定できるデプスカメラ、カメラから近赤外線を発光(照射)し、対象から反射して戻ってくるまでの時間を測定することで奥行きを算出するTOFカメラ等を適用することもできる。
そしてこの実施例では、複数の撮像装置7が、管理装置本機1の前方に指向させて、撮像する方向、目的により適宜設けられている。これらの撮像装置7は、撮像された各々の画像を分析することにより、茶畝Tを含む障害物の輪郭を検知するためのものである。
このような撮像装置7は、可視画像用撮像装置7A(7a)、近赤外線画像用撮像装置7Bとして大別されるものであって、これらのいずれか一または複数が具えられる。
前記可視画像用撮像装置7Aは、可視画像によって障害物検知が可能な撮像装置7であり、低コストで導入できるものである。
また前記近赤外線画像用撮像装置7Bは、温度情報等によって障害物検知を可能にする撮像装置7である。そしてこのような近赤外線画像用撮像装置7Bを、雨や霧などの光学的コントラストが低い環境下で性能が低下してしまう可視画像用撮像装置7Aと併用することにより、より正確な障害物検知が可能となる。
更に茶樹Tの状況を観察するために茶樹Tの方向に向けて配置された可視画像用撮像装置7aも設けられている。
このように複数の撮像装置7にて茶畝Tの情報を検知することで、茶畝Tの情報を詳細且つ正確に得ることができる。
また管理装置本機1が走行している際の、茶畝Tの輪郭や障害物などの周辺環境を検出するために、上記撮像装置7に加えて環境センサ7Cも設けられている。
この実施例では、環境センサ7Cはデプスカメラが適用され、デプスマップを出力するものであるが、三次元情報の計測が可能であれば、LiDAR装置、TOFカメラ等であってもよい。
そして環境センサ7Cにより管理装置本機1の周辺環境を検出することで、茶畝Tと管理装置本機1との距離に関する情報を得ることができる上、前記複数種の撮像装置7と共に環境センサ7Cを設けることで、より詳細且つ正確に茶畝Tに関する情報を知ることができる。
なお符号7Dで示すものは上空検知用撮像装置であり、例えば別途用意されたドローンD等による管理装置本機1とその周囲の空撮画像を撮影するための撮像装置7である。
また前記空撮画像には、人工衛星や航空機等によって撮影された画像も含まれるものであり、この空撮画像は後述する走行経路の作成に用いられる。
また前記管理装置本機1に対しては、その上部の適宜の個所に測位装置8が設けられるものであり、この測位装置8は、GPS、QZSS(準天頂衛星システム)、Garireo等の衛星測位システム(GNSS)による測位信号を受信する装置である。
この実施例では測位装置8として、一例としてGPSの位置情報を取得するものとした。その場合、測位装置8の検出精度を安定させるには、エンジンからの電磁気的なノイズの影響が少なく、管理装置本機1の走行時の振動が小さいという観点及び他部材等への接触や乱反射障害が小さいという観点から、測位装置8を管理装置本機1の上部に配置するのがよい。図3の例で言えば、移送装置5の上面、収葉コンテナ6の上面、または管理装置本機1にルーフがある場合であれば、ルーフの上面などが良い。更に、管理装置本機1の走行時の揺動による影響を小さくするためには、車両幅中心位置に設けるのがよい。また前記管理装置本機1の上部が平坦でない場合には、水平に固定させるブラケットを介して取り付けることで同様の効果が得られる。
この実施例では、測位装置8として更に方位センサである電子コンパス81を具えるようにした。そして測位装置8を、複数個、複数個所に具えることにより、管理装置本機1の絶対位置に加えて、管理装置本機1の茶畝Tに対する方向も検知できるため、管理装置本機1の位置情報をより正確に把握することができる。
また、測位装置8としてGPS(アンテナ)を複数設けた場合は、これらが方位センサとしての役割も果たすため、別途電子コンパス81等を設ける必要がない。また、管理装置本機1の姿勢を感知する慣性計測装置(IMU)を測位装置8の他に配置しても、管理装置本機1の揺動が検出できるため、管理装置本機1の位置情報をより正確に把握することができる。
またこの実施例では上述したように、管理装置本機1には、撮像装置7及び環境センサ7C及び測位装置8を搭載するようにしたが、撮像装置7及び測位装置8を搭載するような形態、環境センサ7C及び測位装置8を搭載するような形態を採ることもできる。
また、前記管理装置本機1に対しては送受信装置9が設けられるものであり、この送受信装置9は、制御手段の一例である遠隔操作手段Pからの指示信号等を受信したり、この遠隔操作手段P等へ、前記撮像装置7、測位装置8等により取得した情報を送信したりするための通信装置である。
また、遠隔操作手段Pとしては、携帯電話、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット、ウエアラブルコンピュータ、据え置き型のコンピュータなどを適用することができる。
そしてこのような送受信装置9と遠隔操作手段Pとの間の通信は、図1に示すようにLPWA(Low Power Wide Area )等の広域無線通信、Wi-Fiまたは4G、5G等の移動通信システム並びにインターネット網を通じて直接行う他、制御手段としても機能するクラウドシステムC等を介在させて行うことも可能である。
また前記送受信装置9は、管理装置本機1に対して設ける他、例えば前記キャリヤカーV1等にも送受信装置90を設けることにより、この送受信装置90と、複数の管理装置本機1に具えられた送受信装置9との間で通信を行うとともに、遠隔操作手段PまたはクラウドシステムCとの間の通信を、送受信装置90によって一括して行うようにしてもよい。更に前記キャリヤカーV1等に遠隔操作手段Pを具えるようにしてもよい。
また符号10は、左右の脚部フレーム2Aに設けられた一対の茶畝検知板であり、茶畝Tの側部に当接したときの左右の茶畝検知板10L、10Rの回転角度の相違から、茶畝Tの中心と、管理装置本機1の中心とのズレを検出することができるものである。
従って、請求項中の記載「畝を検知する情報」を得るための機器には、撮像装置7(7A、7B、7a)及び環境センサ7Cの他に、茶畝検知板10も含まれる。
なお本発明の圃園管理装置1にあっては、撮像装置7(7A,7B,7a )の撮像画像によって、走行体3に近い部分の茶畝Tの輪郭、通路状況を把握した上で、環境センサ7Cによって、更に遠方の茶畝Tの状況、周辺状況の情報をも把握することができる。このため、茶畝Tの畝全体を含む管理装置本機1の進行方向に対する予測処理が有効に実施されたときには、茶畝Tの中心と、管理装置本機1の中心とのズレが生じないため、茶畝検知板10を必須部材とするものではない。
なおこの実施例では、圃園Gの土壌環境を検出する土壌センサ(図示省略)を、管理装置本機1の下部の適宜位置に進退自在に具えるようにした。
本発明の圃園管理装置たる管理装置本機1は一例として上述したように構成され、このような管理装置本機1に対し、図4に示すように更に前記走行体3を制御するための走行制御装置30と、前記管理機ユニット4を制御するための管理制御装置40とが具えられるものであり、これらと遠隔操作手段Pとを含む系を営農管理システムSと呼ぶ。
なお営農管理システムSは少なくとも管理装置本機1の実作動部材をコントロールする部材及びそのアクチュエーターについては、管理装置本機1に直接搭載することが必須であるが、それ以外のシステム部材(ハードウェア及びソフトウェア)については、前記キャリヤカーV1、クラウドシステムC、遠隔操作手段P等に別途遠隔配置することももとより差し支えない。
また前記走行体3を制御するための走行制御装置30及び前記管理機ユニット4を制御するための管理制御装置40については、管理装置本機1に搭乗したオペレータによって直接操作することが可能とされる。
そして前記営農管理システムSは、遠隔操作手段Pの処理系プロセッサ21によって入力情報を処理し、更にこの処理に応じた適宜の信号を出力するものであり、図4に示すように入力系インタフェース20及び出力系インタフェース22を具えて成る。
また前記入力系インタフェース20を通じて入力される情報としては、一例としてマニュアル指令情報201、位置情報202、圃園情報203、作業情報204、ユーザー決定情報205等が挙げられる。なお入力系インタフェース20は、これらの入力情報等を表示するための表示画面20D(図5参照)及び表示画面20Dと一体化されたタッチパネル等の入力操作部を具えている。
更にこの実施例では、遠隔操作手段Pに対して表示画面20Dと一体化されたタッチパネル等の入力操作部を具え、前記入力情報のうち、マニュアル指令情報201、ユーザー決定情報205、圃園情報203の一部等を、遠隔操作手段Pを通じて入力することができるようにした。
前記マニュアル指令情報201は例えば、ユーザーが直接操作乃至は遠隔状態で指示をする情報であり、作業する圃園Gの決定、あるいは作業状態の決定に従った情報である。作業状態の決定としては、例えば作業当日に行う作業範囲の決定あるいは、摘採寸法の決定等の指令である。
また前記位置情報202は、基本的には測位装置8からの測位情報をデータとして取り込むものである。
また前記圃園情報203は、圃園G全体の形態(地図)、農道Rの形態、導入路G2の形態、枕地G1の形態、茶畝(茶樹)Tの形態状及び観察状態等が挙げられる。この茶畝(茶樹)Tの観察状態としては、具体的にはその成長状態の他、病虫害の存在等が情報として取り込まれる。
また前記作業情報204は、作業に関する情報であり、例えば作業の進捗に伴って収葉コンテナ6に収容されてくる茶葉Aの重量等を計測し、収葉コンテナ6が満杯状態となったときに発せられる作業中断指示信号等が挙げられる。
更に前記処理系プロセッサ21が行う処理としては、最も典型的には自動運転指示211があり、入力系インタフェース20を通じて取得された位置情報202及び/又はユーザーによる決定に従った走行経路に基づき、圃園G内を自律走行するための制御信号を導出するものである。
ここで前記ユーザーによる決定に従った走行経路(自律走行経路)とは、一例として圃園G全体の形態(地図)、農道Rの形態、導入路G2の形態、枕地G1の形態、茶畝(茶樹)Tの形態を含む圃園情報203を元に、表示画面20Dに表示された圃園マップ20M上に、ユーザー決定情報205を入力することにより作成される走行経路(自律走行経路)である(図5参照)。
前記圃園マップ20Mは、一例として上空検知用撮像装置7Dあるいは衛星写真等で得られる圃園G内の枕地G1、茶畝Tの情報を基に作成されたものであり、この圃園マップ20M上には、複数のウェイポイントWP(所定の間隔で設定された通過点を表す点)が配置されている。そして、例えばパソコンを用いる場合には、選択したウェイポイントWPにカーソルを合わせてクリックすることにより、コマンド入力ウィンドを呼び出し、ここに予め設定されたコマンドを入力するといった作業を繰り返すことにより、ユーザーによる決定に従った走行経路(自律走行経路)が作成される。
なお前記コマンドとして、スタート、通路走行指示、直進、旋回、スピン、作業走行指示、作業内容変更等が設定される。
例えば図5に示す例は、初めにWP1にコマンドとしてスタートを入力してここをスタート位置として設定するとともに、通路走行、前進を指定する。
次いでWP2にコマンドとして旋回(右)、前進を指定する。
次いでWP3にコマンドとして旋回(右)、作業走行、前進を指定する。
次いでWP4にコマンドとして旋回(右)、前進を指定する。
次いでWP5にコマンドとして旋回(右)、作業走行、前進を指定する。
次いでWP6にコマンドとして作業内容変更(例えば刈り取り長を短くする)、前進を指定する。
そしてこのような操作が繰り返されることにより、ユーザーによる決定に従った走行経路(自律走行経路)が作成される。
そして作成されたユーザーによる決定に従った走行経路(自律走行経路)は、遠隔操作手段PまたはクラウドシステムCのメモリMに記憶される。
なお農道R、導入路G2、枕地G1、及び茶畝(茶樹)Tの詳細な位置情報が圃園情報203に含まれている場合には、得られた走行経路(自律走行経路)のみで管理装置本機1の自律走行が可能となる。一方、農道R、導入路G2、枕地G1、及び茶畝(茶樹)Tの詳細な位置情報が圃園情報203に含まれていない場合には、得られた走行経路(自律走行経路)と測位装置による位置情報と組み合わせて、管理装置本機1の自律走行が可能となる。
またより簡便な手法としては、前記表示画面20Dと一体化されたタッチパネルを用い、ユーザーがウェイポイントWPをタップすることにより、コマンド入力ウィンドを呼び出し、ここに予め設定されたコマンドを入力するといった作業を繰り返すことにより、ユーザーによる決定に従った走行経路(自律走行経路)を作成する様な形態を採ることもできる。なお前記コマンド入力ウィンドをプルダウンメニューとして、コマンドリストを表示し、この中から所望のコマンドを選択できるようにすれば、タブレット端末やスマートフォンを用いてユーザーによる決定に従った走行経路(自律走行経路)を作成することが可能となる。
更にまた、ユーザーが手動運転にて圃園G内を走行し、走行軌跡を管理装置本機1の位置情報と紐付けてメモリMに記憶させる、いわゆるティーチングと呼ばれる手段によって、走行経路(自律走行経路)を作成してもよい。このようなティーチングによる方法を用いた場合、前記コマンドの入力作業が不要となる上、熟練したユーザーの運転技術を継承させることもできる。そしてこのようなティーチングによって作成された走行経路も、ユーザーによる決定に従った走行経路(自律走行経路)と呼べるものである。
そして、運転時には処理系プロセッサ21によって、ユーザーによる決定に従った走行経路(自律走行経路)の位置情報と、測位装置8からの測位情報を解析して得られる現在位置とを照合し、ユーザーによる決定に従った走行経路(自律走行経路)に沿った走行になるように、走行制御装置30に指令(自動運転指示信号221)を与える。
また処理系プロセッサ21では、データ受領212の処理も行われる。このデータ受領212の例としては、蓄積データ例えば、茶樹Tの状態の観察、あるいは病虫害等の観察結果が挙げられる。
更に処理系プロセッサ21が直接演算処理するのではなく、クラウドシステムCや遠隔地に設けられた他の遠隔操作手段P等に付随した演算ユニットを利用する、遠隔プロセッサ利用213の処理も行わせることもできる。また、処理系プロセッサ21で行う処理をすべてクラウドシステムCにて行ういわゆるクラウドコンピューティングであってもよい。
また前記出力系インタフェース22を通じて出力される情報としては、一例として自動運転指示信号221、撮像指示信号222、記録蓄積指示信号223及び営農対応プレゼンテーション情報224等が挙げられる。
まず前記自動運転指示信号221は、管理装置本機1が安全に農道Rから圃園G内に進入し、圃園Gにおける枕地G1から、最初に作業を開始する茶畝Tを判断検出して、順次摘採作業等をし、更に次の茶畝Tに移動して所定の作業を完了するような自動走行に関するデータである。
また前記撮像指示信号222は、可視画像用撮像装置7A、7aによって得られた可視画像70Aを表示画面20D等に出力して、遠隔ユーザーが遠隔操作していたとしても、常に作業状態が監視できるように出力される情報である。
もちろんこの撮像指示信号222は、適宜ユーザーが遠隔操作手段Pを操作することにより、例えば管理装置本機1周囲の状況あるいは上空の状況等の任意の画像を選択して出力することもできる。
また前記記録蓄積指示信号223は、管理装置本機1が走行中に取得した茶畝Tの観察情報等であり、特に位置情報202と併せて遠隔操作手段PのメモリMに記録する情報である。もちろんこのような情報は、クラウドシステムCに格納しても差し支えない。
更に前記営農対応プレゼンテーション情報224は、例えば茶の市況等に応じて、どのような摘採が好ましいか等の判断を営農管理システムS上で提案したり、あるいは遠隔操作手段Pとのコミュニケーションを図って、マニュアル判断を併せた適切な判断を導き出すようなことが可能である。
また営農対応プレゼンテーション情報224には、圃園情報203のデータも含まれものであり、これは位置情報202と併せて茶畝Tの成育状況と病虫害の発生状況とを考慮し、次の茶葉摘採あるいは次年度の収穫に備えた防疫施肥等の情報を出力するものである。
以上述べたように、本発明の管理装置本機1と、遠隔操作手段Pあるいはさらに好ましくは、クラウドシステムCが接続されて成る総合的なシステムを、営農管理システムSと称するものである。
以下、茶収穫関連作業を適化支援する営農管理システムSを用いた営農管理方法について、実際の作動状況を追いながら説明する。
この説明にあたってはまず、管理装置本機1の一般的な自動走行を説明しながら、その都度その走行途中で行われる作業について簡単に触れ、更にそれら走行途中の作業については別項を設けて説明する。また作業概要については、図6に示す作業概念図に従って説明する。
〔I.自律運転による圃園内走行〕
作業開始にあたってはまず、管理装置本機1が作動するための適宜の指令を入力する。このものは例えば、ユーザーが携帯している遠隔操作手段Pからの指令によって作業内容を指示したり、あるいは自律的に営農管理システムSが、例えば前日の作業を考慮して次に開始すべき作業を了解していたのであれば、それに従った作業計画が取り入れられる。
例えばマニュアル指令の場合、作業すべき圃園Gの決定、作業内容(例えば摘採であれば、何ミリで茶葉Aの摘採を行うか等)の決定を少なくとも行うものである。
もちろん茶葉Aの摘採に当って、摘採寸法に応じて管理装置本機1の走行速度等を細かく設定したり自律的に営農管理システムSによって設定してもよい。
また作業指令の中には市況情報に応じて摘採寸法等の設定を行う場合もある。例えば、極めて上質な茶葉Aが不足しており上級品質茶葉の販売単価がある程度期待できるような場合、重量を追わずにむしろ浅めに茶葉Aを刈り取り、上質茶を集中的に出荷できるようにする等の指示が可能である。また上質茶についてそれほど重要視されていない時期、場所等によっては、一定の刈り取り長さを多めに取り、十分な収葉量を確保するような指示をしてもよい。
このような指示を前提として、ユーザー等が管理装置本機1を圃園Gの至近地に搬送する。もちろん管理装置本機1を搭載したキャリヤカーV1自体の自動走行が可能であれば、それ自体好ましいものであるが、現実の開発進捗状況からは、多くはユーザー乃至適宜の作業者により、圃園Gの至近位置までの管理装置本機1の搬送がなされる。
このようにキャリヤカーV1が圃園Gの至近位置に持ち込まれた時には、可動荷台タイプのものであれば自動的な管理装置本機1の荷卸しが可能である(図6-1(a))。
またこの状態で例えば、測位装置8により管理装置本機1の位置情報が得られているときには、自律的に最も近い圃園Gが作業対象の圃園Gであることを判別し、管理装置本機1は自律的あるいは遠隔操作手段Pからの指令に基づく作動指令により、測位装置8からの位置情報を基に圃園G内に進入する(図6-1(b))。
圃園G内に進入した管理装置本機1は、遠隔操作手段PまたはクラウドシステムCのメモリMに記憶されている圃園地図等から自律走行経路を取得し、取得した情報を基に、枕地G1を自律走行した後、茶畝適正進入の姿勢をとる(図6-2(c))。
ここで茶畝適正進入とは、いわば管理装置本機1が茶畝Tに対し、正対した状態、即ち茶畝Tの延長方向に対して、正確に進行方向正面を向けた状態での進入を云う。
そして枕地G1から茶畝Tに進入進行する場合であっても、前記自律走行経路を走行体3は走行するのであるが、圃園Gの地図、衛星写真等を基にした位置情報だけでは、その時の茶畝Tの位置と管理装置本機1の位置とは位置ずれが生じている可能性がある。
なお茶畝検知板10が具えられた既存の装置の場合、この時点では茶畝検知板10が茶畝Tに接触しないため位置ずれが補正されることはなく、操作者には、茶葉Aを傷付けてしまわないように左右の走行体3を微調整しながら進入進行するといった高いスキルが求められていた。
そこで本発明では、可視画像用撮像装置7A、近赤外線画像用撮像装置7B、可視画像用撮像装置7aなどの撮像装置7により画像を撮像し、畝情報を検知することでそれらの画像を基に茶畝Tとの接触可能性を判断している。その結果、管理装置本機1と茶畝Tにずれが生じていた場合は、処理系プロセッサ21によりずれ量を算出し、走行制御装置30にずれを補正する指令を与え、左右の走行体3の油圧を制御することで位置ずれを補正している。
このように本発明の管理装置本機1は、画像によって管理装置本機1と茶畝Tとの接触の可能性を判断し、位置ずれを補正した状態で枕地G1から茶畝Tに進入進行することが可能なため、茶畝適正進入を確実に実現することができる。
また、各撮像装置7により撮像されたそれぞれの画像によって、茶畝Tの情報を検知することはもちろん可能であるが、図7に示すように前記撮像装置7である可視画像用撮像装置7A及び近赤外線画像用撮像装置7Bにて撮像された画像(可視画像70A、近赤外線画像70B)を合成する(後述のNDVI画像70N)ことで、茶畝Tとの接触の可能性を判断してもよい。
また、前記撮像装置7(7A、7B、7a )とともに、環境センサ7Cによる情報を加えることで、更に詳細に茶畝Tや障害物への接触可能性を判断が可能となる。その際、撮像装置7(7A、7B、7a )の上方に環境センサ7Cを配置しておくことで、撮像装置7(7A、7B、7a )の画像によって、走行体3に近い部分の茶畝Tの輪郭、通路状況を把握した上で、環境センサ7Cによって、更に遠方の茶畝Tの状況、周辺状況の情報をも把握することができる(LiDAR点群画像70C)。このような形態を採ることにより、茶畝Tの畝全体を含む管理装置本機1の進行方向に対する予測処理が俯瞰的に可能となる。
その効果として、比較的走行体3に近い部分の茶畝Tの状態を撮像装置7(7A、7B、7a )にて撮像した画像には含まれない、障害物や通路の曲がり等があったとしても、環境センサ7Cは前記画像の前方の情報を画像撮像時に同時に入手することが可能なため、茶畝適正進入を確実に実現することができる。
なお管理装置本機1の進行方向に対する俯瞰的な予測処理は、図6-1(b)に示した傾斜した導入路G2を走行する際にも、有効に機能するものである。
前記可視画像用撮像装置7Aにて撮像された可視画像70Aと、近赤外線画像用撮像装置7Bにて撮像された近赤外線画像70Bとの合成画像は、茶葉Aの成分情報、植生の分布状況や活性度などの指標を表すNDVI(Normalized Difference Vegetation Index)画像70Nと呼ばれるもので、下記算出式(1)より得られる。

NDVI=(NIR+RED)/(NIR-RED)・・・算出式(1)

前記算出式(1)中、NIRは近赤外域の反射率、REDは赤色光の反射率であり、NIRは近赤外線画像用撮像装置7Bで撮像された画像を示している。
このような合成画像であるNDVI画像は、可視画像だけでは視えない植生状態も可視化する事ができるため、正確な畝情報を検知することができる上、茶樹Tの成長状態あるいは病虫害の発生状態も評価にも更に適している。
またこの場合、撮像装置7の管理装置本機1への取付け位置については、可視画像用撮像装置7A及び近赤外線画像用撮像装置7Bは、管理装置本機1の車両幅の中心に配置した方がよい。このような配置とすることで、図7の画像中心が管理装置本機1の車両幅の中心となり、管理装置本機1に対する茶畝Tの位置ずれを把握しやすいという利点がある。
更に本発明では、デプスカメラ、LiDAR装置、TOFカメラ等の環境センサ7Cにて管理装置本機1と茶葉Aとの距離等を検知することで、管理装置本機1が茶葉Aと強く接触すると判断した場合には、自律走行経路の修正も可能である。この方法によっても、茶葉Aを傷付けることなくより安全性が高い自律走行が可能である。
また、前記自律走行経路の作成を、ユーザーによる決定に従って行った場合においても、管理装置本機1と実際の茶畝Tとの位置関係がずれている可能性があるため、走行時には、茶畝Tの検知情報も加えることで、茶葉Aを傷付けることなく、より安全性が高い自律走行が可能である。
このように管理装置本機1が茶畝Tを跨いで走行する時には、測位装置8による位置情報及び/又はユーザーによる決定に従った走行経路に基づく情報に加えて、茶畝Tを検知する情報とを併用して走行することで、茶葉Aを傷付けてしまうことなく、安全に自律運転を行うことができるのである。
また、管理装置本機1が茶畝Tに沿って走行する場合だけでなく、例えばGPS等の測位装置8の受信状態が良くない場合に、枕地G1等を走行する場合も撮像装置7(7A、7B、7a )、環境センサ7Cを作動させ、茶畝T以外の障害物検知を行ってもよい。基本的には枕地G1の障害物としては圃園関係者である場合が多く、その場合の障害は一過性のものとなる。従って枕地G1を走行している場合に、例えば近赤外線画像用撮像装置7Bによって障害物を検知した場合には障害物は温度の高い人間だと判断し、まずは一旦停止し、障害物との安全を確認後、再発進するような制御も可能となる。
また圃園Gの状態によっては、十分な枕地G1のスペースがとり得ない場合もある。このような場合には、まず、判断としては安全な運転を第一とするものであり、特許請求の範囲9に定義したように、枕地G1の端部に過剰に管理装置本機1が接近しないようにして危険を回避することを第一にするものである。すなわち管理装置本機1が枕地G1で旋回するにあたり、枕地G1の観察に基づき、枕地G1の幅が管理装置本機1の旋回に十分なものでないと判断したときは、茶畝T端部と管理装置本機1とが干渉することを容認して、茶畝T端部と管理装置本機1とが過剰接近しないように、適正進行して安全な進行を優先させるような手法を採る。尚このような作業は、最初に茶畝T内に管理装置本機1を進入させる場合のみに限らず、一つの茶畝Tの作業を完了して、次の茶畝Tに至る場合に次の茶畝Tを選択して、そこでの摘採を開始するに当っての枕地G1での方向転換等についても適応し得るものである(図6-3(f))。
そして、茶畝Tに対して適正な進入姿勢をとった後には、前述のとおり撮像装置7により撮像された画像、環境センサ7Cで茶畝Tとの距離を検出することで、管理装置本機1の茶畝Tに対する位置ずれの補正が可能となり、茶葉Aを傷付けずに自律走行することが可能となる。またその際、前記撮像装置7の一部である可視画像用撮像装置7A及び近赤外線画像用撮像装置7Bにて撮像された画像を合成することによるNDVI画像70Nを用いて茶畝Tの状況を判断すれば、可視画像70Aだけでは視えない植生状態も可視化する事ができる。このため、管理装置本機1が走行しながら、茶樹Tの成長状態あるいは病虫害の発生状態を評価することも可能となる。
更に可視画像用撮像装置7a等によって茶樹Tの状況が観察できるため、その観察結果を勘案して、適正な摘採寸法の設定を行うことが可能となる。その後、刈刃4Bの設置位置を自動設定する。このような準備が完了した後、管理装置本機1を茶畝Tに進入進行させ茶葉Aの摘採を行う(図6-2(d)、図6-3(e))。なお、茶葉Aの摘採自体は既に公知の手法を採るものであり、刈刃4Bによって摘採された茶葉Aは移送装置5内を圧力風により送られて機体後部の収葉コンテナ6内に収葉されていく。
また管理装置本機1を茶畝Tに向けて進入進行させるにあたり、進入進行中において、土壌成分分析を行うセンサにより、あるいは実際のサンプリングにより圃園GのpH値、養分密度等の畑地状況を観察する。そしてこれら得られた圃園情報203はそれぞれ位置情報202とともに、各々の茶畝Tのどの地点かをあわせて記録する(データマッピング)。なおこのような茶畝Tのそれぞれの地点のデータを明確化する上でユーザーが直接目視確認できるような形態とするには、例えば茶畝Tに対してその端部に、例えば茶畝Tの固有の番号を表示板に記載することにより表示しておけば、その都度ユーザーが視認しながら摘採作業後の要保全位置等を大まかに確認することができる。
このような摘採作業の限界は管理装置本機1に搭載した収葉コンテナ6の収葉量で決定されることから、随時摘採した茶葉Aの重量を監視する。ここで一例として未だ収葉コンテナ6内に茶葉Aが収葉可能であるうちに一つの茶畝Tの摘採作業が完了したとすると、ここで畝端部の旋回準備に入る。これは撮像装置7等によりあるいは適宜の位置情報202により茶畝Tの端部を通過したことを感知すると、その直前で反転する枕地G1の情報(圃園情報203)を取得し、既に述べたような次の茶畝Tへの適正進入ができるような茶畝Tを決定し、決定した茶畝Tの摘採作業等が進められる。作業の終了した茶畝Tから次の作業すべき茶畝Tへの移行については、十分な余裕があれば隣接した茶畝Tの摘採を行えばよいが、実際には茶畝Tは極めて近接して設けられており、直隣接した茶畝Tへの適正進入は極めて難しく、一畝あるいは二畝置いた先の茶畝Tに進入することが円滑な進入ができる点で好ましい((図6-3(f))。
このように管理装置本機1が次の茶畝Tに向けて進入進行した途中で、すでに述べた随時行っている摘採した茶葉Aの重量監視、あるいは赤外線センサ等を用いた茶葉Aの積載状態監視により、収葉コンテナ6が満杯となったときには、摘採作業の中断が指令される。そして刈刃4Bを作用させない状態で、いわば空作業のままで管理装置本機1を進行させて、集荷車両V2に向かう。なおこのとき位置情報202の検出から管理装置本機1は、そのまま前進して作業途中の茶畝Tを抜けるか、あるいは後退して茶畝Tから抜けるかは、その最短距離等を考慮して決定される。
また事前に次の茶畝Tの途中で収葉コンテナ6が満杯となることが予測される場合には、作業効率を優先して、次の茶畝Tへの進入を行うことなく、集荷車両V2に向かうようにすることもできる。
このようにして集荷車両V2に接近した管理装置本機1は、集荷車両V2におけるコンテナ荷台の位置を確認して、その上に位置するように管理装置本機1の収葉コンテナ6を上昇させ、収葉コンテナ6の底板等を開放して内部の茶葉Aを荷下ろしする(図6-4(g))。このような作業の後、自律判断した最短距離や効率的な経路を選択して、作業中断位置へ戻って作業を継続する。
なお収穫した茶葉Aは、集荷車両V2により製茶工場に持ち込まれるが、それに先立ち予め茶葉Aの摘採作業途中または作業終了近くの時点で、製茶工場との間で受け入れの混雑状況等の情報交換を行い、搬入時間を予め自動設定しておくこともできる。
このような作業を継続して予定作業が終了した後は、管理装置本機1は自動で例えばキャリヤカーV1の位置に戻り、マニュアル操作あるいは自動積載によりキャリヤカーV1に積載される(図6-4(h)。このような作業終了時において、管理装置本機1のそれ自体の作動状況等を記録するものであり、例えばエンジンの総稼働時間あるいはエンジンオイルの状況、その他可動部材の運転状況等の情報をそのまま保存し、あるいは遠隔操作手段Pに送って記録させる。営農情報としては収穫量、あるいは茶市況等を考慮した販売価格等のデータも収録することができる。
本発明の作業形態は以上述べたような基本的な形態を有するものであり、以下この途中において触れた種々の情報に沿った作業について更に説明する。
〔II.作業準備〕
<茶畝情報>
作業準備としては、圃園Gにおける茶葉Aの摘採が適切に行われることを第一に考慮するものであるが、それにあたってはまず摘採対象となる茶畝T(茶樹)の成長情報が挙げられる。予め圃園Gをユーザーが目視観察した結果等により、摘採時期の決定とともに摘採寸法等の決定が行われる。もちろんすでに述べたように管理装置本機1の自律的な判断であってももちろん差し支えない。
<営農情報>
そして収穫した茶葉Aについては、営農経済上優位な販売価格を得ることも極めて重要であり、市場情報の分析乃至はデータ入力を行う。具体的には茶の市況あるいは茶葉Aの種別、加工される茶の形態、例えば、煎茶、てん茶、あるいは上質茶、上級茶を嗜好するか、あるいは他産地の収穫情報等を考慮して総合的にどのような摘採が好ましいか判断することもできる。
〔III.茶畝観察〕
茶畝観察は茶樹Tの成長具合を観察するものであり、これによって適正な摘採寸法あるいは摘採時期等が判断される。さらに、例えば可視画像用撮像装置7Aを後方に向けて茶樹Tの観察を行うと、摘採後の茶畝Tが撮像できるものであり、これによって茶樹Tの状態が観察しやすくなり、例えばカイガラムシ等の病虫害の発生、あるいは成長不良、あるいは色彩不良等が観察し得る。
また畑地の土壌成分についても適宜畑地の一部をサンプリングして、pH、水分、EC等を検出することもできるが、成分によっては非接触によって観察することもできる。
更に積算雨量等の過去の気象データとの照合による適切な管理も行い得る。具体的には気温情報、日照時間、風向降灰予測等であり、降雨又は降灰予測等の気象予測に応じて、当初設定の作業手順を変更してもよい。
〔IV.茶畝形成 茶樹管理〕
茶樹管理とは摘採以外の作業で、もっぱら収穫される茶葉Aを良好なものとする為の準備作業、管理作業等をいうものである。この作業は、例えばすでに茶畝Tが観察された時点で得られたデータ、例えば、病虫害の発生状況あるいは成長不良等の情報、及びその発生の位置情報等から、それに適した管理作業である。この管理に当っては例えば、管理装置本機1における刈刃4Bを用いずに、別途薬液の散布装置等を管理機ユニット4として付け替えて、茶畝Tに対し農薬等の防除剤等を散布するものである。
本発明によれば、管理装置本機1に設けられた撮像装置7及び各種センサ等により、走行しながら茶畝T等の病虫害の発生や成長異常の検出及び病虫害の防除処理をすることも可能である。
1 管理装置本機(圃園管理装置)
2 フレーム
2A 脚部フレーム
3 走行体
3L 走行体
3R 走行体
4 管理機ユニット
4B 刈刃
5 移送装置
6 収葉コンテナ
7 撮像装置
7A 可視画像用撮像装置
7a 可視画像用撮像装置
7B 近赤外線画像用撮像装置
7C 環境センサ
7D 上空検知用撮像装置
70A 可視画像
70B 近赤外線画像
70C LiDAR点群画像
70N NDVI画像
8 測位装置
81 電子コンパス
9 送受信装置
90 送受信装置
10 茶畝検知板
10L 茶畝検知板
10R 茶畝検知板
20 入力系インタフェース
20D 表示画面
20M 圃園マップ
201 マニュアル指令情報
202 位置情報
203 圃園情報
204 作業情報
205 ユーザー決定情報
21 処理系プロセッサ
211 自動運転指示
212 データ受領
213 遠隔プロセッサ利用
22 出力系インタフェース
221 自動運転指示信号
222 撮像指示信号
223 記録蓄積指示信号
224 営農対応プレゼンテーション情報
30 走行制御装置
40 管理制御装置
A 茶葉
B 畝間
C クラウドシステム
D ドローン
G 圃園
G1 枕地
G2 導入路
M メモリ
P 遠隔操作手段
R 農道
S 営農管理システム
T 茶畝(茶樹)
V1 キャリヤカー
V2 集荷車両
WP ウェイポイント

Claims (10)

  1. 制御手段と接続される撮像装置及び/又は環境センサ及び測位装置を搭載する、圃園内に生育する作物の畝を跨いで走行する、管理装置本機を具えた圃園管理装置において、
    前記圃園管理装置は、前記圃園内の枕地を測位装置による位置情報及び/又はユーザーによる決定に従った走行経路に基づき自律走行を行うと共に、
    前記畝を跨いで走行する時には、前記測位装置による位置情報及び/又はユーザーによる決定に従った走行経路に基づく情報に加えて、畝を検知する情報を基に、自律運転を行うものであることを特徴とする圃園管理装置。
  2. 前記走行経路は、別途用意した上空検知用撮像装置、衛星写真またはユーザーによる決定のいずれか一又は複数を基に作成され、この走行経路には畝を含むことを特徴とする請求項1記載の圃園管理装置。
  3. 前記畝を検知する情報が、撮像装置としての、一または複数の可視画像用撮像装置及び/又は近赤外線画像用撮像装置により撮像された画像であることを特徴とする請求項1または2記載の圃園管理装置。
  4. 前記畝を検知する情報が、可視画像用撮像装置及び近赤外線画像用撮像装置により撮像された画像を合成して得られる画像であることを特徴とする請求項3記載の圃園管理装置。
  5. 前記畝を検知する情報が、環境センサで得られる検出値であることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の圃園管理装置。
  6. 前記測位装置は、管理装置本機の車両幅中心位置、且つ前記撮像装置の上方に配置されることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の圃園管理装置。
  7. 前記測位装置は、前記撮像装置の上方に複数個が複数個所に配置されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の圃園管理装置。
  8. 前記管理装置本機が、圃園至近の農道に搬送された後は、獲得した位置情報により、最も至近の圃園での作業が指示されたものとして、当該圃園に自動走行で進入することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の圃園管理装置を用いた営農管理方法
  9. 前記管理装置本機が枕地で旋回するにあたり、枕地の観察に基づき、枕地幅が管理装置本機の旋回に十分なものでないと判断したときは、畝端部と管理装置本機とが干渉することを容認して枕地端部に管理装置本機が過剰接近しないように、適正進行して安全進行させることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の圃園管理装置を用いた営農管理方法。
  10. 前記管理装置本機を畝に進入進行させるにあたり、作物樹の生育状況、病虫害の発生を撮像装置により検出し、その検出データを位置情報と併せて記録、又は即出力することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の圃園管理装置を用いた営農管理方法。
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