JP2022179783A - キノロン類似体及びその塩の結晶形 - Google Patents

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Abstract

【課題】四環系キノロン化合物または四環系キノロン化合物の塩及び/または溶媒和物の結晶形、それを含有する医薬組成物、及びその使用方法を提供する。【解決手段】一実施形態では、本発明は四環系キノロン化合物または薬学上許容できるその塩、エステル及び/または溶媒和物の結晶形を提供する。一実施形態では、四環系キノロン化合物の結晶形は化合物Iまたは薬学上許容できるその塩、エステル及び/または溶媒和物である。一実施形態では、本明細書に記載されているような化合物Iまたは薬学上許容できるその塩、エステル及び/または溶媒和物の結晶形を含む組成物が提供される。一実施形態では、対象にてG-四重鎖(G4)を安定化する方法が提供され、その際、前記方法は本明細書に記載されているような治療上有効な量の化合物Iまたは薬学上許容できるその塩、エステル及び/または溶媒和物の結晶形を対象に投与することを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、四環系キノロン化合物または四環系キノロン化合物の塩及び/または溶媒和物の結晶形、それを含有する医薬組成物、及びその使用方法に関する。
種々の四環系キノロン化合物は、核酸の四重鎖形成領域と相互作用し、リボソームRNAの転写を調節することによって機能することが示唆されている。たとえば、米国特許第7,928,100号及び同第8,853,234号を参照のこと。具体的には、四環系キノロン化合物は癌細胞にてDNAのG-四重鎖(G4)を安定化することができ、それによって癌細胞にて合成致死性を誘導する。G4安定化剤による細胞の処理はDNA二本鎖切断(DSB)の形成をもたらし得るので、G4安定化リガンド/剤(たとえば、四環系キノロン)処理によって誘導されるDSBの形成は、非相同末端結合(NHEJ)及び相同組換えの修復(HRR)の双方を含む修復経路で遺伝的に欠陥があるまたは化学的に阻害されている細胞ではさらに顕著である。さらに、四環系キノロン化合物は、核小体におけるPolIによるrRNAの合成を選択的に阻害するが、RNAポリメラーゼII(PolII)によるmRNAの合成を阻害せず、DNA複製またはタンパク質合成を阻害しない。RNAポリメラーゼI(PolI)を標的とし核ストレス経路を介してp53を活性化することは腫瘍細胞におけるp53の選択的な活性化を生じうることが示唆されている。p53タンパク質は正常では、癌細胞を自滅させることによって腫瘍サプレッサーとして機能する。癌細胞を殺傷するようにp53を活性化することは十分に検証された抗癌戦略であり、多数のアプローチを用いてこの経路が活用されている。腫瘍細胞におけるp53の選択的な活性化は正常な健康細胞に影響を与えない一方で、腫瘍細胞を治療する、制御する、改善する魅力的な方法である。前述の四環系キノロンは米国特許第7,928,100号及び同第8,853,234号で開示されており、この出版物の内容は意図されるあらゆる目的でその全体が参照によって本明細書に組み入れられる。
製薬技術の当業者は有効活性成分の結晶化が、たとえば、安定性、溶解性、生体利用効率、粒度、嵩密度、流動性、多形含量、及び他の特性のような重要な生理化学的品質を制御するための最良の方法を提供することを理解している。従って、四環系キノロンの結晶形及びそのような形態を生産する工程に対するニーズがある。これらの結晶形は医薬用途に好適であるはずである。
米国特許第7,928,100号明細書 米国特許第8,853,234号明細書
一実施形態では、本発明は四環系キノロン化合物または薬学上許容できるその塩、エステル及び/または溶媒和物の結晶形を提供する。一実施形態では、四環系キノロン化合物の結晶形は化合物I:
Figure 2022179783000002
または薬学上許容できるその塩、エステル及び/または溶媒和物である。一実施形態では、化合物Iの結晶形は化合物Iの遊離塩基である。別の実施形態では、化合物Iの結晶形は化合物Iの塩または溶媒和物である。一実施形態では、化合物Iの結晶形は化合物Iの酸塩である。
一部の実施形態では、化合物Iの結晶形は約7.730±0.3、22.050±0.3、及び24.550±0.3度の2シータにてピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを示す。さらなる実施形態では、化合物Iの結晶形はさらに、約9.410±0.3及び27.700±0.3度の2シータにてXRPDピークを示す。別の実施形態では、化合物Iの結晶形はさらに、約17.950±0.3及び25.400±0.3度の2シータにてXRPDピークを示す。一実施形態では、化合物Iの結晶形はさらに、約11.230±0.3、11.630±0.3、16.900±0.3、18.580±0.3、23.300±0.3及び26.700±0.3度の2シータにてXRPDピークを示す。一実施形態では、化合物Iの結晶形は、7.730±0.3、9.410±0.3、11.230±0.3、11.630±0.3、16.900±0.3、17.950±0.3、18.580±0.3、22.050±0.3、23.300±0.3、24.550±0.3、25.400±0.3、26.700±0.3及び27.700±0.3度の2シータから成る群から選択される3以上のピークを含むXRPDパターンを示す。別の実施形態では、化合物Iの結晶形は図1に実質的に類似するXRPDパターンを示す。一実施形態では、化合物Iの結晶形は約215.41±2.0℃でのピーク固有値を有する示差走査熱量測定(DSC)のサーモグラムを示す。
一実施形態では、化合物Iの結晶形は多形体Aである。一部の実施形態では、化合物Iの結晶形及び/または化合物Iの多形体Aの結晶形は約95%、約97%、約99%、または約99.5%以上の純度を有する。
別の実施形態では、化合物Iの結晶形は約5.720±0.3度の2シータにてピークを含むXRPDパターンを示す。別の実施形態では、化合物Iの結晶形は図7に実質的に類似するXRPDパターンを示す。一実施形態では、化合物Iの結晶形は約246.47±2.0℃でのピーク固有値を有するDSCのサーモグラムを示す。
一実施形態では、化合物Iの結晶形は多形体Cである。一部の実施形態では、化合物Iの結晶形及び/または化合物Iの多形体Cの結晶形は約95%、約97%、約99%、または約99.5%以上の純度を有する。
一部の実施形態では、化合物Iの結晶形は約5.680±0.2度の2シータにてピークを含むXRPDパターンを示す。一実施形態では、化合物Iの結晶形は約12.200±0.2、12.600±0.3、25.360±0.3及び27.560±0.3度の2シータにてXRPDピークを示す。一実施形態では、化合物Iの結晶形は5.680±0.2、12.200±0.2、12.600±0.3、25.360±0.3及び27.560±0.3から成る群から選択される2以上のピークを含むXRPDパターンを示す。別の実施形態では、化合物Iの結晶形は図11に実質的に類似するXRPDパターンを示す。一実施形態では、化合物Iの結晶形は231.99±2.0度でのピーク固有値を有するDSCのサーモグラムを示す。
一実施形態では、化合物Iの結晶形は多形体Eである。一部の実施形態では、化合物Iの結晶形及び/または化合物Iの多形体Eの結晶形は約95%、約97%、約99%、または約99.5%以上の純度を有する。
一実施形態では、化合物Iの結晶形は約5.000±0.3及び6.060±0.4度の2シータにてピークを含むXRPDパターンを示す。別の実施形態では、化合物Iの結晶形は図16に実質的に類似するXRPDパターンを示す。別の実施形態では、化合物Iの結晶形は約222.11±2.0度でピーク固有値を有するDSCのサーモグラムを示す。
一実施形態では、化合物Iの結晶形は多形体Gである。一部の実施形態では、化合物Iの結晶形及び/または化合物Iの多形体Gの結晶形は約95%、約97%、約99%、または約99.5%以上の純度を有する。
一実施形態では、化合物Iの結晶形は化合物Iの約90%、95%、97%、98%、99%または95%を超える純度を示す。
一実施形態では、化合物Iの結晶形は、塩酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、酢酸塩、硫酸塩、リン酸塩、L-(+)-酒石酸塩、D-グルクロン酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩、エタンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、マロン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、及び1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸塩から成る群から選択される化合物Iの酸塩である。一実施形態では、化合物Iの塩の結晶形は塩酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、及びL-リンゴ酸塩から成る群から選択される。
一実施形態では、化合物Iの結晶形は化合物Iの溶媒和物である。一部の実施形態では、化合物Iの結晶形は化合物IのNMP(N-メチルピロリドン)溶媒和物である。
一実施形態では、化合物Iの結晶形は化合物IのHCl塩の結晶形である。一部の実施形態では、化合物IのHCl塩の結晶形は約4.660±0.3及び24.540±0.3度の2シータにてピークを含むX線粉末回折パターン(XRDP)を示す。一実施形態では、化合物IのHCl塩の結晶形はさらに、約19.260±0.4、20.160±0.4、24.920±0.3及び26.360±0.5度の2シータにて1以上のXRPDピークを示す。別の実施形態では、化合物IのHCl塩の結晶形はさらに、約13.980±0.4、14.540±0.3、25.380±0.3、及び28.940±0.3度の2シータにて1以上のXRPDピークを示す。別の実施形態では、化合物IのHCl塩の結晶形は図21に実質的に類似するX線粉末回折パターンを示す。別の実施形態では、化合物IのHCl塩の結晶形は約266.27±2.0℃でピーク固有値を有する示差走査熱量測定(DSC)のサーモグラムを示す。
一実施形態では、化合物Iの結晶形は化合物Iのマレイン酸塩の結晶形である。一部の実施形態では、化合物Iのマレイン酸塩の結晶形は約7.400±0.3、18.440±0.5及び26.500±0.4度の2シータにてピークを含むX線粉末回折パターン(XRDP)を示す。別の実施形態では、化合物Iのマレイン酸塩の結晶形はさらに、約22.320±0.4、23.920±0.3、24.300±0.4及び25.240±0.7度の2シータにて1以上のXRPDピークを示す。別の実施形態では、化合物Iのマレイン酸塩の結晶形はさらに、約5.040±0.3、15.080±0.3、15.880±0.4、20.860±0.4、及び28.540±0.3度の2シータにて1以上のXRPDピークを示す。別の実施形態では、化合物Iのマレイン酸塩の結晶形は図26に実質的に類似するX線粉末回折パターンを示す。別の実施形態では、化合物Iのマレイン酸塩の結晶形は約217.32±2.0℃でのピーク固有値を有する示差走査熱量測定(DSC)のサーモグラムを示す。
一実施形態では、化合物Iの結晶形は化合物Iのフマル酸塩の結晶形である。一部の実施形態では、化合物Iのフマル酸塩の結晶形は約6.360±0.3及び24.800±0.3度の2シータにてピークを含むX線粉末回折パターン(XRDP)を示す。別の実施形態では、化合物Iのフマル酸塩の結晶形はさらに約19.660±0.3、20.420±0.3、及び26.860±0.3度の2シータにて1以上のXRPDピークを示す。別の実施形態では、化合物Iのフマル酸塩の結晶形はさらに約12.680±0.3、17.020±0.2、25.180±0.2、及び28.280±0.3度の2シータにて1以上のXRPDピークを示す。別の実施形態では、化合物Iのフマル酸塩の結晶形は図31に実質的に類似するX線粉末回折パターンを示す。別の実施形態では、化合物Iのフマル酸塩の結晶形は約222.40±2.0℃でピーク固有値を有する示差走査熱量測定(DSC)のサーモグラムを示す。
一実施形態では、化合物Iの結晶形は化合物Iのクエン酸塩の結晶形である。一部の実施形態では、化合物Iのクエン酸塩の結晶形は約4.900±0.3、25.380±0.3、及び27.500±0.4度の2シータにてピークを含むX線粉末回折パターン(XRDP)を示す。別の実施形態では、化合物Iのクエン酸塩の結晶形はさらに約15.360±0.3、18.100±0.3、19.300±0.3、及び26.140±0.4度の2シータにて1以上のXRPDピークを示す。別の実施形態では、化合物Iのクエン酸塩の結晶形はさらに約17.400±0.3、18.680±0.4、24.040±0.4、及び26.740±0.3度の2シータにて1以上のXRPDピークを示す。別の実施形態では、化合物Iのクエン酸塩の結晶形は図36に実質的に類似するX線粉末回折パターンを示す。別の実施形態では、化合物Iのクエン酸塩の結晶形は約196.86±2.0℃でピーク固有値を有する示差走査熱量測定(DSC)のサーモグラムを示す。
一実施形態では、化合物Iの結晶形は化合物IのL-リンゴ酸塩の結晶形である。一部の実施形態では、化合物IのL-リンゴ酸塩の結晶形は約6.580±0.2、6.780±0.3、及び25.560±0.4度の2シータにてピークを含むX線粉末回折パターン(XRDP)を示す。別の実施形態では、化合物IのL-リンゴ酸塩の結晶形はさらに約19.560±0.4、23.660±0.4、26.060±0.7、及び26.960±0.7度の2シータにて1以上のXRPDピークを示す。別の実施形態では、化合物IのL-リンゴ酸塩の結晶形はさらに約8.800±0.3、11.800±0.3、18.600±0.3、24.460±0.5、及び25.080±0.3度の2シータにて1以上のXRPDピークを示す。別の実施形態では、化合物IのL-リンゴ酸塩の結晶形は図41に実質的に類似するX線粉末回折パターンを示す。別の実施形態では、化合物IのL-リンゴ酸塩の結晶形は約209.67±2.0℃でピーク固有値を有する示差走査熱量測定(DSC)のサーモグラムを示す。
一実施形態では、本明細書に記載されているような化合物Iまたは薬学上許容できるその塩、エステル及び/または溶媒和物の結晶形を含む組成物が提供される。別の実施形態では、化合物Iの遊離塩基の結晶形を含む組成物が提供される。一実施形態では、化合物Iの塩または溶媒和物の結晶形を含む組成物が提供される。一実施形態では、化合物Iの酸塩の結晶形を含む組成物が提供される。一実施形態では、本明細書に記載されているような化合物Iの1以上の結晶形を含む組成物が提供される。一部の実施形態では、本明細書に記載されている組成物は少なくとも1つの薬学上許容できるキャリアを含む。
一実施形態では、対象にてG-四重鎖(G4)を安定化する方法が提供され、その際、前記方法は本明細書に記載されているような治療上有効な量の化合物Iまたは薬学上許容できるその塩、エステル及び/または溶媒和物の結晶形を対象に投与することを含む。
一実施形態では、対象にてp53の活性を調節する方法が提供され、その際、前記方法は本明細書に記載されているような治療上有効な量の化合物Iまたは薬学上許容できるその塩、エステル及び/または溶媒和物の結晶形を対象に投与することを含む。
一実施形態では、対象にて細胞増殖性疾患を治療するまたは改善する方法が提供され、その際、前記方法はそれを必要とする対象に本明細書に記載されているような治療上有効な量の化合物Iまたは薬学上許容できるその塩、エステル及び/または溶媒和物の結晶形を投与することを含む。一実施形態では、癌を治療するまたは改善するために方法が提供される。
一実施形態では、癌を治療するまたは改善する方法が提供され、その際、前記方法はそれを必要とする対象に本明細書に記載されているような治療上有効な量の化合物Iまたは薬学上許容できるその塩、エステル及び/または溶媒和物の結晶形を投与することを含み、前記癌は、ヘム癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、肝臓癌、卵巣癌、子宮頸癌、ユーイング肉腫、膵臓癌、リンパ節の癌、結腸癌、前立腺癌、脳腫瘍、頭頚部の癌、皮膚癌、腎臓癌、及び心臓の癌から成る群から選択される。一実施形態では、前記方法によって治療されるまたは改善される癌は、白血病、リンパ腫、骨髄腫、及び多発性骨髄腫から成る群から選択されるヘム癌である。一実施形態では、前記方法によって治療されるまたは改善される癌は、相同組換え(HR)依存性の二本鎖切断(DSB)修復が欠損した癌、または非相同末端結合(NHEJ)DSB修復が欠損した癌である。別の実施形態では、前記方法によって治療されるまたは改善される癌は、乳癌1(BRCA1)、乳癌2(BRCA2)及び/または相同組換え経路の他のメンバーにおいて欠損を抱える癌細胞を含む。別の実施形態では、癌細胞はBRCA1及び/またはBRCA2にて欠損がある。別の実施形態では、癌細胞はBRCA1及び/またはBRCA2における突然変異についてホモ接合体である。別の実施形態では、癌細胞はBRCA1及び/またはBRCA2における突然変異についてヘテロ接合体である。
一実施形態では、本明細書で提供される方法は1以上の追加の治療剤を投与することを含む。一部の実施形態では、前記1以上の治療剤は抗癌剤または免疫治療剤である。一実施形態では1以上の治療上活性のある薬剤は免疫治療剤である。一部の実施形態では、1以上の免疫治療剤には、モノクローナル抗体、免疫エフェクター細胞、養子細胞移入、免疫毒素、ワクチンまたはサイトカインが挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態では、細胞増殖を低下させるまたは阻害する方法が提供され、前記方法は治療上有効な量の化合物Iまたは薬学上許容できるその塩、エステル及び/または溶媒和物に細胞を接触させることを含む。一実施形態では、前記細胞は癌細胞株または対象における癌に存在する。一実施形態では、上述の方法における癌細胞は、ヘム癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、肝臓癌、卵巣癌、子宮頸癌、ユーイング肉腫、膵臓癌、リンパ節の癌、結腸癌、前立腺癌、脳腫瘍、頭頚部の癌、皮膚癌、腎臓癌、及び心臓の癌から成る群から選択される。一部の実施形態では、上述の方法における前記ヘム癌細胞は白血病、リンパ腫、骨髄腫、及び多発性骨髄腫から成る群から選択される。一実施形態では、上述の方法における癌細胞は、相同組換え(HR)依存性の二本鎖切断(DSB)修復、または非相同末端結合(NHEJ)DSB修復にて欠損を抱える癌細胞である。一実施形態では、癌細胞は、乳癌1(BRCA1)、乳癌2(BRCA2)及び/または相同組換え経路の他のメンバーにおいて欠損を抱える癌細胞である。別の実施形態では、癌細胞は、BRCA1及び/またはBRCA2にて欠損がある。別の実施形態では、癌細胞はBRCA1及び/またはBRCA2における突然変異についてホモ接合体である。別の実施形態では、癌細胞はBRCA1及び/またはBRCA2における突然変異についてヘテロ接合体である。
化合物I(遊離塩基)の多形体AのX線粉末回折(XRPD)パターンを示すグラフである。 化合物I(遊離塩基)の多形体Aの示差走査熱量測定(DSC)のサーモグラムを示す図である。 化合物I(遊離塩基)の多形体Aの熱重量分析(TGA)のサーモグラムを示す図である。 化合物I(遊離塩基)の多形体AのDSCとTGAのサーモグラムを重ね合わせた図である。 化合物I(遊離塩基)の多形体AのH NMRのスペクトルを示す図である。 (A)交差偏光フィルターを用いた化合物I(遊離塩基)の多形体Aの顕微鏡像を示す写真である。(B)偏光フィルターを使用しない化合物I(遊離塩基)の多形体Aの顕微鏡像を示す写真である。 (A)交差偏光フィルターを用いた化合物I(遊離塩基)の多形体Aの顕微鏡像を示す写真である。(B)偏光フィルターを使用しない化合物I(遊離塩基)の多形体Aの顕微鏡像を示す写真である。 化合物I(遊離塩基)の多形体CのXRPDパターンを示すグラフである。 化合物I(遊離塩基)の多形体CのDSCのサーモグラムを示す図である。 化合物I(遊離塩基)の多形体CのH NMRのスペクトルを示す図である。 (A)交差偏光フィルターを用いた化合物I(遊離塩基)の多形体Cの顕微鏡像を示す写真である。(B)偏光フィルターを使用しない化合物I(遊離塩基)の多形体Cの顕微鏡像を示す写真である。 (A)交差偏光フィルターを用いた化合物I(遊離塩基)の多形体Cの顕微鏡像を示す写真である。(B)偏光フィルターを使用しない化合物I(遊離塩基)の多形体Cの顕微鏡像を示す写真である。 化合物I(遊離塩基)の多形体EのXRPDパターンを示すグラフである。 化合物I(遊離塩基)の多形体EのDSCのサーモグラムを示す図である。 化合物I(遊離塩基)の多形体EのH NMRのスペクトルを示す図である。 (A)交差偏光フィルターを用いた化合物I(遊離塩基)の多形体Eの顕微鏡像を示す写真である。(B)偏光フィルターを使用しない化合物I(遊離塩基)の多形体Eの顕微鏡像を示す写真である。 (A)交差偏光フィルターを用いた化合物I(遊離塩基)の多形体Eの顕微鏡像を示す写真である。(B)偏光フィルターを使用しない化合物I(遊離塩基)の多形体Eの顕微鏡像を示す写真である。 化合物I(遊離塩基)の多形体Eの熱重量分析(TGA)のサーモグラムを示す図である。 化合物I(遊離塩基)の多形体GのXRPDパターンを示すグラフである。 化合物I(遊離塩基)の多形体GのDSCのサーモグラムを示す図である。 化合物I(遊離塩基)の多形体GのH NMRのスペクトルを示す図である。 (A)交差偏光フィルターを用いた化合物I(遊離塩基)の多形体Gの顕微鏡像を示す写真である。(B)偏光フィルターを使用しない化合物I(遊離塩基)の多形体Gの顕微鏡像を示す写真である。 (A)交差偏光フィルターを用いた化合物I(遊離塩基)の多形体Gの顕微鏡像を示す写真である。(B)偏光フィルターを使用しない化合物I(遊離塩基)の多形体Gの顕微鏡像を示す写真である。 メタノール及びTHFにおける化合物I(遊離塩基)の種々の多形体の溶解性を示す図である。 化合物IのHCl塩のXRPDパターンを示すグラフである。 化合物IのHCl塩のDSCのサーモグラムを示す図である。 化合物IのHCl塩のH NMRのスペクトルを示す図である。 偏光フィルターを用いた化合物IのHCl塩の顕微鏡像を示す写真である。 化合物IのHCl塩のTGAのサーモグラムを示す図である。 化合物Iのマレイン酸塩のXRPDパターンを示すグラフである。 化合物Iのマレイン酸塩のDSCのサーモグラムを示す図である。 化合物Iのマレイン酸塩のH NMRのスペクトルを示す図である。 偏光フィルターを用いた化合物Iのマレイン酸塩の顕微鏡像を示す写真である。 化合物Iのマレイン酸塩のTGAのサーモグラムを示す図である。 化合物Iのフマル酸塩のXRPDパターンを示すグラフである。 化合物Iのフマル酸塩のDSCのサーモグラムを示す図である。 化合物Iのフマル酸塩のH NMRのスペクトルを示す図である。 偏光フィルターを用いた化合物Iのフマル酸塩の顕微鏡像を示す写真である。 化合物Iのフマル酸塩のTGAのサーモグラムを示す図である。 化合物Iのクエン酸塩のXRPDパターンを示すグラフである。 化合物Iのクエン酸塩のDSCのサーモグラムを示す図である。 化合物Iのクエン酸塩のH NMRのスペクトルを示す図である。 偏光フィルターを用いた化合物Iのクエン酸塩の顕微鏡像を示す写真である。 化合物Iのクエン酸塩のTGAのサーモグラムを示す図である。 化合物IのL-リンゴ酸塩のXRPDパターンを示すグラフである。 化合物IのL-リンゴ酸塩のDSCのサーモグラムを示す図である。 化合物IのL-リンゴ酸塩のH NMRのスペクトルを示す図である。 偏光フィルターを用いた化合物IのL-リンゴ酸塩の顕微鏡像を示す写真である。 化合物IのL-リンゴ酸塩のTGAのサーモグラムを示す図である。
本発明は、G-四重鎖(G4)を安定化し、及び/またはPolIを阻害する四環系キノロン化合物の結晶形、と同様に四環系キノロン化合物の塩及び/または溶媒和物の結晶形に関する。これらの結晶性物質は医薬組成物に製剤化することができ、細胞の増殖を特徴とする疾患を治療するのに使用することができる。
定義
本明細書で使用される用語は特定の実施形態を記載する目的のみのためのものであり、限定するように意図されないことが理解されるべきである。
定義されない限り、本明細書で使用される専門用語及び科学用語は本出願が属する技術における当業者に共通して理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されているものに類似するまたはそれらと同等である任意の方法及び材料は本出願の実践または試験で使用することができるが、代表的な方法及び材料が本明細書に記載されている。
長年にわたる特許法の慣例に従って、用語「a」、「an」及び「the」はクレームを含む本出願で使用されるとき、「1以上」を指す。従って、たとえば、「aキャリア」への言及には、1以上のキャリア、2以上のキャリア、等の混合物が含まれる。
指示されない限り、本明細書及びクレームで使用される成分、反応、条件等の量を表す数はすべてどんな場合でも用語「約」によって修飾されると理解されるべきである。従って、反対に指示されない限り、本明細書及び添付のクレームで述べられる数的パラメータは、本出願によって得ようとされる所望の特性に応じて変化することができる近似値である。一般に、用語「約」は、たとえば、重量、時間、用量等の量のような測定できる値に言及する場合に本明細書で使用されるとき、そのような変動が開示されている方法を実施するのに適当であるので、特定された量からの一例では±15%または±10%の変動、別の例では±5%、別の例では±1%及びさらに別の例では±0.1%の変動を包含することにする。
用語「本発明の化合物(複数可)」または「本化合物(複数可)」は、2-(4-メチル-[1,4]ジアゼパン-1-イル)-5-オキソ-5H-7-チア-1,11b-ジアザ-ベンゾ[c]フルオレン-6-カルボン酸(5-メチル-ピラジン-2-イルメチル)-アミド(化合物I)またはその異性体、塩、エステル、N-酸化物または溶媒和物の結晶形を指す。或いは、上記の用語は化合物Iの塩または溶媒和物または双方の形態を指してもよい。化合物Iの単一の異性体、化合物Iの任意の数の異性体の混合物の結晶形を含む本出願の全体を通して記載されている化合物Iの結晶形。
Figure 2022179783000003
用語「同時-投与」または「同時投与」は、(a)化合物Iの結晶形、または化合物Iの薬学上許容できるその塩、エステル、溶媒和物及び/またはプロドラッグの結晶形と、(b)併用での、すなわち、一緒に協調した方法での1以上の追加の治療剤及び/または放射線療法との投与を指す。
用語「異性体」は、同一の化学式を有するが、異なる立体化学式、構造式または原子の特定の配置を有する化合物を指す。異性体の例には、立体変異体、ジアステレオマー、エナンチオマー、立体構造異性体、回転異性体、幾何異性体及びアトロプ異性体が挙げられる。
アミン酸化物またはアミン-N-酸化物としても知られるN-酸化物は本発明の化合物のアミン基の酸化を介して本発明の化合物から導き出す化合物を意味する。N-酸化物は通常、官能基R-O(RN=OまたはRN→Oと記述されることもある)を含有する。
多形性は、同じ化学式を維持しながら異なる結晶形態に結晶化する化合物の能力として特徴付けることができる。所与の原薬の結晶性多形体は同じ方法で互いに結合する同じ原子を含有することに関しその原薬の他の結晶性多形体と化学的には同一であるが、その結晶形態が異なり、それは、たとえば、安定性、溶解性、融点、嵩密度、流動性、生体利用効率等のような1以上の物理的特性に影響を与えることができる。
用語「組成物」は、たとえば、固体、液体、気体、またはそれらの混合物のような物理的形態における1以上の物質を意味する。組成物の一例は医薬組成物、すなわち、薬物療法に関係する、そのために調製されるまたはそれで使用される組成物である。
用語「カルボン酸」は1以上のカルボキシル基を特徴とする有機酸、たとえば、酢酸及びシュウ酸を指す。スルホン酸は、Rが有機部分であり、nが、たとえば、1、2及び3のようなゼロを上回る整数であるR-(S(O)-OH)の一般式を持つ有機酸を指す。用語「ポリヒドロキシ酸」は2以上のヒドロキシル基を含有するカルボン酸を指す。ポリヒドロキシ酸の例にはラクトビオン酸、グルコン酸及びガラクトースが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用されるとき、「薬学上許容できる」は、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等が起きないでヒト及び動物の組織と接触して使用するのに好適である、理に適った利益/リスクの比に見合う、及び健全な医学的判断の範囲内でその意図される用途に有効であることを意味する。
「塩」は活性剤の誘導体を含み、その際、活性剤はその酸付加塩または塩基付加塩を作ることによって修飾される。好ましくは、塩は薬学上許容できる塩である。好適な塩には、薬学上許容できる酸付加塩、薬学上許容できる塩基付加塩、薬学上許容できる金属塩、アンモニウム塩及びアルキル化アンモニウム塩が挙げられるが、これらに限定されない。酸付加塩には有機酸と同様に無機酸の塩が挙げられる。好適な無機酸の代表例には塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸、硝酸等が挙げられる。好適な有機酸の代表例には、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、桂皮酸、クエン酸、フマル酸、グリコール酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、シュウ酸、ピクリン酸、ピルビン酸、サリチル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酒石酸、アスコルビン酸、パモ酸、ビスメチレンサリチル酸、エタンジスルホン酸、グルコン酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、EDTA、グリコール酸、p-アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、過塩素酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、安息香酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、グリセロリン酸塩、ケトグルタール酸塩等が挙げられる。塩基付加塩には、エチレンジアミン、N-メチル-グルカミン、リシン、アルギニン、オルニチン、コリン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、N-ベンジルフェネチルアミン、ジエチルアミン、ピペラジン、トリス-(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、水酸化テトラメチルアンモニウム、トリエチルアミン、ジベンジルアミン、エフェナミン、デヒドロアビエチルアミン、N-エチルピペリジン、ベンジルアミン、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、塩基性アミノ酸、たとえば、リシン及びアルギニンジシクロヘキシルアミン等が挙げられるが、これらに限定されない。金属塩の例には、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩等が挙げられる。アンモニウム塩及びアルキル化アンモニウム塩の例には、アンモニウム塩、メチルアンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、トリメチルアンモニウム塩、エチルアンモニウム塩、ヒドロキシエチルアンモニウム塩、ジエチルアンモニウム塩、ブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩等が挙げられる。有機塩基の例には、リシン、アルギニン、グアニジン、ジエタノールアミン、コリン等が挙げられる。薬学上許容できる塩及びその製剤の調製のための標準的な方法は当該技術で周知であり、たとえば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy”,A.Gennaro,ed.,20th edition,Lippincott,Williams & Wilkins,Philadelphia,PAを含む種々の参考文献にて開示されている。
本明細書で使用されるとき、「溶媒和物」は、溶媒和(本発明の活性剤の分子またはイオンとの溶媒分子の組み合わせ)によって形成される錯体または1以上の溶媒分子と共に溶質のイオンまたは分子(本発明の活性剤)から成る会合体を意味する。本発明では、好まれる溶媒和物は水和物である。水和物の例には、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物、六水和物等が挙げられるが、これらに限定されない。本化合物の薬学上許容できる塩は溶媒和物の形態で存在してもよいことが当業者によって理解されるべきである。溶媒和物は通常、本化合物の調製の一部である水和を介して、または本発明の無水化合物による水分の自然吸収を介して形成される。水和物を含む溶媒和物は化学量論的な比にあってもよく、たとえば、溶媒和物当たりまたは水和物の分子当たり2、3、4の塩分子を伴う。たとえば、2つの塩分子が化学量論で3、5、7の溶媒または水和物の分子に関係するという別の可能性。結晶化に使用される溶媒、たとえば、アルコール、特にメタノール及びエタノール;アルデヒド;ケトン、特にアセトン;エステル、たとえば、酢酸エチルは結晶格子に埋め込まれてもよい。好まれるのは薬学上許容できる溶媒である。
用語「実質的に類似する」は本明細書で使用されるとき、ピークの位置及びその強度の双方で参照スペクトルに大いに似ている、たとえば、XRPDパターン、ラマン分光分析のような分析スペクトルを意味する。
用語「賦形剤」、「キャリア」及び「ビヒクル」は本出願の全体を通して相互交換可能に使用され、本発明の化合物が共に投与される物質を意味する。
「治療上有効な量」は、疾患または他の望ましくない医学的状態を治療するために患者に投与した場合、疾患または状態に関して有益な効果を有するのに十分である、結晶形の量を意味する。治療上有効な量は、結晶形、疾患または状態及びその重症度、ならびに治療される患者の年齢、体重等に応じて変化するであろう。所与の結晶形の治療上有効な量を決定することは、当該技術の通常の技量の範囲内であり、単に日常の実験を必要とするにすぎない。
本明細書で使用されるとき、語句「細胞増殖を特徴とする疾患」または「細胞増殖を特徴とする状態」には、癌、良性及び悪性の腫瘍が含まれるが、これらに限定されない。癌及び腫瘍の例には、結腸直腸、乳腺、肺、肝臓、膵臓、リンパ節、結腸、前立腺、脳、頭頚部、皮膚、腎臓、血液及び心臓の癌または腫瘍増殖(たとえば、白血病、リンパ腫、及び癌腫)が挙げられるが、これらに限定されない。
特定の疾患または障害に関しての用語「治療する」、「治療すること」または「治療」には、疾患または障害の予防、及び/または疾患または障害の症状及び/または病状の軽減、改善、改良または無効化が含まれる。一般に、その用語は本明細書で使用されるとき、疾患または状態の症状を改善する、緩和する、軽減する及び取り除くことを指す。本明細書に記載されている候補の分子または化合物は製剤または薬物において治療上有効な量で存在してもよく、それは、たとえば、特定の細胞(たとえば、癌細胞)のアポトーシス、特定の細胞の増殖の低下のような生物学的な効果をもたらすことができ、または、たとえば、疾患または症状を改善する、緩和する、軽減する及び取り除くことをもたらすことができる量である。その用語はまた、細胞の増殖速度を減らすもしくは停止すること(たとえば、腫瘍増殖を遅らせるもしくは停止させること)、または癌細胞の増殖の数を減らすこと(たとえば、腫瘍の一部もしくは全部を除去すること)を指すことができる。これらの用語は、微生物が感染した系(すなわち、細胞、組織または対象)にて微生物の力価を低下させること、微生物感染に関連した症状の数もしくは症状の影響を減らすこと、及び/または検出可能な量の微生物を系から取り除くことにも適用できる。微生物の例にはウイルス、細菌及び真菌が挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用されるとき、細胞増殖を、用語「阻害すること」または「低減すること」は、当業者に既知の方法を用いて測定したとき、本出願の方法及び組成物に供されていない増殖している細胞に比べて細胞増殖の量を、たとえば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または100%遅延させる、減らす、またはたとえば、停止させることにする。
本明細書で使用されるとき、用語「アポトーシス」は内在する細胞の自己破壊または自殺プログラムを指す。誘発刺激に応答して、細胞は、細胞の収縮、細胞膜のブレブ形成、及びクロマチンの濃縮と断片化を含む事象のカスケードを経験する。これらの事象は膜結合粒子(アポトーシス小体)のクラスターへの細胞の変換に至り、それはその後マクロファージに取り込まれる。
結晶性物質
一実施形態では、本発明は化合物I(遊離塩基)の結晶形を提供する。別の実施形態では、本発明の化合物Iの塩及び/または溶媒和物の結晶形を提供する。一実施形態では、塩は塩酸付加塩である。一実施形態では、塩は硫酸付加塩である。一実施形態では、塩はスルホン酸付加塩である。一実施形態では、塩はカルボン酸付加塩である。一実施形態では、塩はポリヒドロキシ酸付加塩である。
結晶性の塩の例には、塩酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、硫酸塩、酢酸塩、リン酸塩、L-(+)-酒石酸塩、D-グルクロン酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩、エタンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、マロン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、及び1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、結晶性の塩における化合物Iの酸に対する比は約1:0.5~約1:3である。
結晶性溶媒和物の例には、化合物IのNMP(N-メチル-2-ピロリドン)溶媒和物が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態では、結晶形はX線粉末回折(XRDP)によって決定される格子面間隔を特徴とする。XRDPのスペクトルは通常、ピークの位置、すなわち、度での回折角度2θ(2シータ)に対比させたピークの強度をプロットする図形によって表される。強度は以下の略記:非常に強い=vst;強い=st;中程度=m;弱い=w;及び非常に弱い=vwと共に括弧内で与えられることが多い。所与のXRDPの特徴的なピークは、他からこの結晶構造を都合よく区別するためのピークの位置及びその相対強度に従って選択することができる。最も強いピークと比べたピークの%強度はI/Ioとして表されてもよい。
同一化合物の所与の結晶形についてのXRDPピークの位置及び/または強度の測定値は誤差限界の範囲内で変化するであろうことを当業者は認識している。度2θの値は適当な許容誤差を見込む。通常、許容誤差は、「±」によって表される。たとえば、約「8.716±0.3」の度2θは、約8.716+0.3、すなわち、9.016から約8.716-0.3すなわち、約8.416までの範囲を示す。機器、ヒトの操作上の変動等に適用される試料の調製法、較正法に応じて、当業者はXRDPについての適当な誤差限界は約±0.7;±0.6;±0.5;±0.4;±0.3;±0.2;±0.1;±0.05であることができることを認識する。
XRDPの解析に使用される方法及び機器の追加の詳細は実施例のセクションに記載されている。
一実施形態では、結晶形は示差走査熱量測定(DSC)によって特徴付けられる。DSCのサーモグラムは通常、℃で測定された試料の温度に対比させてワット/グラム(W/g)の単位で基準化された熱流量をプロットする図形によって表される。DSCのサーモグラムは普通、推定される開始温度と終了(端)温度、ピーク温度及び融解熱について評価される。DSCサーモグラムのピーク固有値はこの結晶構造を他から区別するために特徴的なピークとして使用されることが多い。
当業者は、同一化合物の所与の結晶形についてのDSCサーモグラムの測定値が誤差限界の範囲内で変化するであろうことを認識している。℃で表される単一ピークの固有値の値は適当な許容誤差を見込む。通常、許容誤差は±によって示される。たとえば、約「53.09±2.0の単一ピークの固有値は、約53.09+2、すなわち、約55.09から53.09-2、すなわち、約51.09までの範囲を意味する。試料の調製法、機器に適用される較正法及びヒトの操作上の変動等に応じて、当業者は単一ピークの固有値についての適当な誤差限界が±2.5;±2.0;±1.5;±1.0;±0.5;以下であることができることを認識する。
DSCサーモグラムの解析で使用される方法及び機器の追加の詳細は実施例のセクションに記載されている。
一実施形態では、結晶形はラマン分光法によって特徴付けられる。ラマンスペクトルは通常、ピークのラマンシフトに対比させてピークのラマン強度をプロットする図形によって表される。ラマン分光法の「ピーク」はまた「吸収帯」としても知られる。強度は以下の略記:強い=st;中程度=m;及び弱い=wと共に括弧内で与えられることが多い。ピークの位置及びその相対的な強度に従って所与のラマンスペクトルの特徴的なピークを選択し、この結晶構造を他から都合よく区別することができる。
当業者は、同一化合物の所与の結晶形についてのラマンピークのシフト及び/または強度の測定値が誤差限界の範囲内で変化するであろうことを認識している。逆波数(cm-1)で表されるピークシフトの値は適当な許容誤差を見込む。通常、許容誤差は±によって示される。たとえば、約「1310±10のラマンシフトは、約1310+10、すなわち、約1320から1310-10、すなわち、約1300までの範囲を意味する。試料の調製法、機器に適用される較正法及びヒトの操作上の変動等に応じて、当業者はラマンシフトについての適当な許容誤差が±12;±10;±8;±5;±3;±1以下であることができることを認識する。
ラマン分光法の解析で使用される方法及び機器の追加の詳細は実施例のセクションに記載されている。
一実施形態では、化合物I(遊離塩基)の結晶形。一部の実施形態では、化合物I(遊離塩基)の結晶形は異なる多形体を示す。化合物I(遊離塩基)の結晶形の例には以下のセクションで定義されるような多形体A、C、E及びGが挙げられるが、これらに限定されない。
一部の実施形態では、多形体の一形態は他の形態よりも安定である。一実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Aの結晶形は高い安定性を示す。一部の実施形態では、化合物I(遊離塩基)の様々な多形体は特定の条件下で別の多形体形態に変換する。一部の実施形態では、多形体C、E及び/またはGは好適な条件下で多形体Aに変換する。一実施形態では、多形体C、E及びGのそれぞれが独立して室温または高温にて溶液中で多形体Aに変換する。多形体Aは熱力学的に最も安定した形態であるが、他の形態は特定の条件下で動態的に形成されてもよく、または好まれてもよい。
本開示の一実施形態では、化合物Iの結晶形は化合物Iの多形体の1以上の形態の混合物で構成されてもよい。一部の実施形態では、化合物Iの結晶形は1つの型の多形体の実質的に純粋な形態で構成されてもよい。一実施形態では、化合物Iの結晶形は化合物Iの約99.9%、約99.8%、約99.7%、約99.6%、約99.5%、約99.4%、約99.3%、約99.2%、約99.1%、または約99.0%を超える1つの多形体で構成されてもよい。別の実施形態では、化合物Iの結晶形は化合物Iの約99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、または90%を超える1つの多形体で構成されてもよい。一部の実施形態では、化合物Iの結晶形は化合物Iの約90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、または40%を超える1つの多形体で構成されてもよい。
本開示の一実施形態では、化合物Iの結晶形は化合物I(遊離塩基)の多形体Aの少なくとも約99.9%、約99.8%、約99.7%、約99.6%、約99.5%、約99.4%、約99.3%、約99.2%、約99.1%、約99.0%、約98%、約97%、約96%、約95%、約94%、約93%、約92%、約91%、約90%、または約85%で構成されてもよい。
本開示の一実施形態では、化合物Iの結晶形は、約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、18%、または20%の多形体C、EまたはGまたはそれらの混合物を含む化合物I(遊離塩基)の多形体Aであってもよい。
本開示の一実施形態では、化合物Iの結晶形は、約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、18%、または20%の多形体Aを含む化合物I(遊離塩基)の多形体Cであってもよい。
本開示の一実施形態では、化合物Iの結晶形は、約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、18%、または20%の多形体Aを含む化合物I(遊離塩基)の多形体Eであってもよい。
本開示の一実施形態では、化合物Iの結晶形は、約0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、18%、または20%の多形体Aを含む化合物I(遊離塩基)の多形体Gであってもよい。
一実施形態では、本開示は高度に純粋である化合物Iの結晶形を提供する。本開示の一実施形態では、化合物Iの結晶形の純度は化合物Iに関して少なくとも99.9%、約99.8%、約99.7%、約99.6%、約99.5%、約99.4%、約99.3%、約99.2%、約99.1%、約99.0%、約98%、約97%、約96%、約95%、約94%、約93%、約92%、約91%、または約90%純粋であってもよい。
本結晶形を特徴付ける追加の方法は本出願の実施例のセクションに記載されている。
多形体A
一実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Aは、約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;以下の誤差限界を伴って約7.730、22.050及び24.550度の2シータにてピークを含むXRDPを示す。別の実施形態では、化合物I(遊離塩基)の結晶性多形体AのXRDPはさらに約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;以下の誤差限界を伴って約9.410及び27.700度の2シータにてピークを含む。さらなる実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Aの結晶形はさらに約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;以下の誤差限界を伴って約17.950及び25.400度の2シータにてピークを含む。別の実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Aの結晶形はさらに約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;以下の誤差限界を伴って約11.230、11.630、16.900、18.580、23.300、及び26.700度の2シータにて少なくとも1つのピークを含む。さらに別の実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Aの結晶形は以下の表1で示すピークを含むXRDPを示す。
Figure 2022179783000004
Figure 2022179783000005
具体的な一実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Aの結晶形は図1に実質的に類似するXRDPを示す。
一実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Aの結晶形は、約±2.5、約±2.0、約±1.5、約±1.0、約±0.5以下の誤差限界を伴って約215.41℃での鋭い吸熱を含むDSCサーモグラムを示す。別の実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Aの結晶形は、以下のピーク:約216.92±2.0℃での発熱、約230.56±2.0での吸熱、約232.84±2.0での発熱、及び約241.56±2.0での吸熱の1以上を含むDSCサーモグラムを示す。具体的な一実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Aの結晶形は、図2に実質的に類似するDSCサーモグラムを示す。
一実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Aの結晶形は、図5に実質的に類似するH-NMRスペクトルを示す。別の実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Aの結晶形は、図6A及び6Bに実質的に類似する、顕微鏡レベルで緩く結合した塊を形成する細い針状結晶の晶相を有してもよい。
多形体C
化合物I(遊離塩基)の多形体Cは、約±0.5、約±0.4、約±0.3、約±0.2、約±0.1、約±0.05以下の誤差限界を伴って約5.720度の2シータにてピークを含むXRDPを示す。別の実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Cの結晶形は以下の表2で示すピークを含むXRDPを示す。
Figure 2022179783000006
具体的な一実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Cの結晶形は図7に実質的に類似するXRDPを示す。
一実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Cの結晶形は約±2.5、約±2.0、約±1.5、約±1.0、約±0.5以下の誤差限界を伴って約246.47℃でのピーク固有値を含むDSCサーモグラムを示す。具体的な一実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Cの結晶形は図8に実質的に類似するDSCサーモグラムを示す。
一実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Cの結晶形は図9に実質的に類似するH-NMRのスペクトルを示す。別の実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Cの結晶形は図10A及び10Bに実質的に類似する顕微鏡レベルで針状結晶の集塊から成ってもよい。
多形体E
一実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Eは約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;以下の誤差限界を伴って約5.680度の2シータにてピークを含むXRDPを示す。別の実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Eの結晶形のXRDPはさらに、約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;以下の誤差限界を伴って約12.200、12.600、25.360及び27.560度の2シータにて少なくとも1つのピークを含む。さらに別の実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Eの結晶形は以下の表3で示すピークを含むXRDPを示す。
Figure 2022179783000007
Figure 2022179783000008
Figure 2022179783000009
具体的な一実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Eの結晶形は図11に実質的に類似するXRDPを示す。
一実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Eの結晶形は約±2.5、約±2.0、約±1.5、約±1.0、約±0.5以下の誤差限界を伴って約231.99℃でピーク固有値を含むDSCサーモグラムを示す。具体的な一実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Eの結晶形は図12に実質的に類似するDSCサーモグラムを示す。
一実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Eの結晶形は図13に実質的に類似するH-NMRのスペクトルを示す。別の実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Eの結晶形は図14A及び14Bに実質的に類似してもよい。
多形体G
一実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Gは約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;以下の誤差限界を伴って約5.000及び6.060度の2シータにてピークを含むXRDPを示す。別の実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Gの結晶形は以下の表4に示すピークを含むXRDPを示す。
Figure 2022179783000010
Figure 2022179783000011
具体的な一実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Gの結晶形は図16に実質的に類似するXRDPを示す。
一実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Gの結晶形は約±2.5、約±2.0、約±1.5、約±1.0、約±0.5以下の誤差限界を伴って約222.11℃でピーク固有値を含むDSCサーモグラムを示す。具体的な一実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Gの結晶形は図17に実質的に類似するDSCサーモグラムを示す。
一実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Gの結晶形は図18に実質的に類似するH-NMRのスペクトルを示す。別の実施形態では、化合物I(遊離塩基)の多形体Gの結晶形は図19A及び19Bに実質的に類似してもよい。
化合物のHCl塩
一実施形態では、化合物IのHCl塩の結晶形は約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;以下の誤差限界を伴って約4.660及び24.540度の2シータにてピークを含むXRDPを示す。別の実施形態では、化合物IのHCl塩の結晶形のXRDPはさらに、約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;以下の誤差限界を伴って約19.260、20.160、24.920及び26.360度の2シータにて選択される1、2、3または4のピークを含む。別の実施形態では、化合物IのHCl塩の結晶形のXRDPはさらに、約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;以下の誤差限界を伴って約13.980、14.540、25.380及び28.940度の2シータにて選択される1、2、または3のピークを含む。さらに別の実施形態では、化合物IのHCl塩の結晶形は以下の表で示すピークを含むXRDPを示す。
Figure 2022179783000012
Figure 2022179783000013
具体的な一実施形態では、化合物IのHCl塩の結晶形は図21に実質的に類似するXRDPを示す。
一実施形態では、化合物IのHCl塩の結晶形は、約±2.5、約±2.0、約±1.5、約±1.0、約±0.5以下の誤差限界を伴って約266.27℃でピーク固有値を含むDSCサーモグラムを示す。具体的な一実施形態では、化合物IのHCl塩の結晶形は図22に実質的に類似するDSCサーモグラムを示す。一実施形態では、化合物IのHCl塩の結晶形には明瞭な融点はない。
一実施形態では、化合物IのHCl塩の結晶形は図23に実質的に類似するH-NMRのスペクトルを示す。別の実施形態では、化合物IのHCl塩の結晶形は、図24に実質的に類似する、顕微鏡レベルで集塊を形成する小さな針状結晶から成ってもよい。一実施形態では、化合物IのHCl塩におけるHClと化合物Iの比は約1:1である。
化合物Iのマレイン酸塩
一実施形態では、化合物Iのマレイン酸塩の結晶形は約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;以下の誤差限界を伴って約7.400、18.440、及び26.500度の2シータにてピークを含むXRDPを示す。別の実施形態では、化合物Iのマレイン酸塩の結晶形のXRDPはさらに、約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;以下の誤差限界を伴って約22.320、23.920、24.300、及び25.240度の2シータにて選択される1、2、3または4のピークを含む。別の実施形態では、化合物Iのマレイン酸塩の結晶形のXRDPはさらに、約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;以下の誤差限界を伴って約5.040、15.080、15.880、20.860及び28.540度の2シータにて選択される1、2、3または4のピークを含む。さらに別の実施形態では、化合物Iのマレイン酸塩の結晶形は以下の表で示されるピークを含むXRDPを示す。
Figure 2022179783000014
Figure 2022179783000015
具体的な一実施形態では、化合物Iのマレイン酸塩の結晶形は図26に実質的に類似するXRDPを示す。
一実施形態では、化合物Iのマレイン酸塩の結晶形は約±2.5、約±2.0、約±1.5、約±1.0、約±0.5以下の誤差限界を伴って約217.32℃でピーク固有値を含むDSCサーモグラムを示す。具体的な一実施形態では、化合物Iのマレイン酸塩の結晶形は図27に実質的に類似するDSCサーモグラムを示す。
一実施形態では、化合物Iのマレイン酸塩の結晶形は図28に実質的に類似するH-NMRのスペクトルを示す。別の実施形態では、化合物Iのマレイン酸塩の結晶形は図29に実質的に類似してもよい、顕微鏡レベルで集塊を形成する小さな針状結晶から成ってもよい。一実施形態では、化合物Iのマレイン酸塩におけるマレイン酸と化合物Iの比は約1:1である。
化合物Iのフマル酸塩
一実施形態では、化合物Iのフマル酸塩の結晶形は約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;以下の誤差限界を伴って約6.360及び24.800度の2シータにてピークを含むXRDPを示す。別の実施形態では、化合物Iのフマル酸塩の結晶形のXRDPはさらに、約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;以下の誤差限界を伴って約19.660、20.420及び26.860度の2シータにて選択される少なくとも1、2または3のピークを含む。別の実施形態では、化合物Iのフマル酸塩の結晶形のXRDPはさらに、約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;以下の誤差限界を伴って約12.680、17.020、25.180及び28.280度の2シータにて選択される少なくとも1、2、3または4のピークを含む。さらに別の実施形態では、化合物Iのフマル酸塩の結晶形は以下の表で示されるピークを含むXRDPを示す。
Figure 2022179783000016
Figure 2022179783000017
具体的な一実施形態では、化合物Iのフマル酸塩の結晶形は図31に実質的に類似するXRDPを示す。
一実施形態では、化合物Iのフマル酸塩の結晶形は約±2.5、約±2.0、約±1.5、約±1.0、約±0.5以下の誤差限界を伴って約222.40℃でピーク固有値を含むDSCサーモグラムを示す。具体的な一実施形態では、化合物Iのフマル酸塩の結晶形は図32に実質的に類似するDSCサーモグラムを示す。
一実施形態では、化合物Iのフマル酸塩の結晶形は図33に実質的に類似するH-NMRのスペクトルを示す。別の実施形態では、化合物Iのフマル酸塩の結晶形は図34に実質的に類似してもよい、顕微鏡レベルで集塊を形成する小さな針状結晶から成ってもよい。一実施形態では、化合物Iのフマル酸塩におけるフマル酸と化合物Iの比は約1:1である。
化合物Iのクエン酸塩
一実施形態では、化合物Iのクエン酸塩の結晶形は、約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;以下の誤差限界を伴って約4.900、25.380及び27.500度の2シータにてピークを含むXRDPを示す。別の実施形態では、化合物Iのクエン酸塩の結晶形のXRDPはさらに、約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;以下の誤差限界を伴って約15.360、18.100、19.300及び26.140度の2シータにて選択される少なくとも1、2、3または4のピークを含む。別の実施形態では、化合物Iのクエン酸塩の結晶形のXRDPはさらに、約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;以下の誤差限界を伴って約17.400、18.680、24.040及び26.740度の2シータにて選択される少なくとも1、2、3または4のピークを含む。さらに別の実施形態では、化合物Iのクエン酸塩の結晶形は以下の表で示されるピークを含むXRDPを示す。
Figure 2022179783000018
Figure 2022179783000019
Figure 2022179783000020
具体的な一実施形態では、化合物Iのクエン酸塩の結晶形は図36に実質的に類似するXRDPを示す。
一実施形態では、化合物Iのクエン酸塩の結晶形は約±2.5、約±2.0、約±1.5、約±1.0、約±0.5以下の誤差限界を伴って約196.86℃でピーク固有値を含むDSCサーモグラムを示す。具体的な一実施形態では、化合物Iのクエン酸塩の結晶形は図37に実質的に類似するDSCサーモグラムを示す。
一実施形態では、化合物Iのクエン酸塩の結晶形は図38に実質的に類似するH-NMRのスペクトルを示す。別の実施形態では、化合物Iのクエン酸塩の結晶形は図39に実質的に類似してもよい、顕微鏡レベルで集塊を形成する小さな針状結晶から成ってもよい。一実施形態では、化合物Iのクエン酸塩におけるクエン酸と化合物Iの比は約1:1である。
化合物IのL-リンゴ酸塩
化合物IのL-リンゴ酸塩の結晶形は約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;以下の誤差限界を伴って約6.580、6.780及び25.560度の2シータにてピークを含むXRDPを示す。別の実施形態では、化合物IのL-リンゴ酸塩の結晶形のXRDPはさらに、約±0.7;約±0.6;約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;以下の誤差限界を伴って約19.560、23.660、26.060、及び26.960度の2シータにて選択される1、2、3または4のピークを含む。別の実施形態では、化合物IのL-リンゴ酸塩の結晶形のXRDPはさらに、約±0.5;約±0.4;約±0.3;約±0.2;約±0.1;約±0.05;以下の誤差限界を伴って約8.800、11.800、18.600、24.460及び25.080度の2シータにて選択される1、2、3、4または5のピークを含む。さらに別の実施形態では、化合物IのL-リンゴ酸塩の結晶形は以下の表で示されるピークを含むXRDPを示す。
Figure 2022179783000021
Figure 2022179783000022
Figure 2022179783000023
具体的な一実施形態では、化合物IのL-リンゴ酸塩の結晶形は図41に実質的に類似するXRDPを示す。
一実施形態では、化合物IのL-リンゴ酸塩の結晶形は約±2.5、約±2.0、約±1.5、約±1.0、約±0.5以下の誤差限界を伴って約209.67℃でピーク固有値を含むDSCサーモグラムを示す。具体的な一実施形態では、化合物IのL-リンゴ酸塩の結晶形は図42に実質的に類似するDSCサーモグラムを示す。
一実施形態では、化合物IのL-リンゴ酸塩の結晶形は図43に実質的に類似するH-NMRのスペクトルを示す。別の実施形態では、化合物IのL-リンゴ酸塩の結晶形は図44に実質的に類似してもよい、顕微鏡レベルで集塊を形成する小さな針状結晶から成ってもよい。一実施形態では、化合物IのL-リンゴ酸塩におけるL-リンゴ酸と化合物Iの比は約1:1である。
医薬製剤
別の実施形態では、本発明は、薬学上許容できる賦形剤またはキャリアと組み合わせて、有効成分として治療上有効な量の、本明細書で開示されているような化合物Iまたは薬学上許容できるその塩、エステル及び/または溶媒和物の結晶形を含む医薬組成物を提供する。賦形剤は種々の目的で製剤に添加される。
本発明の製剤に希釈剤を加えてもよい。希釈剤は固形医薬組成物の嵩を増し、患者や介護人にとって組成物を含有する医薬剤形を扱い易くさせてもよい。固形組成物用の希釈剤には、たとえば、結晶セルロース(たとえば、AVICEL)、超微粒セルロース、ラクトース、デンプン、アルファ化デンプン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、糖、デキストレート、デキストリン、デキストロース、二塩基リン酸カルシウム二水和物、三塩基リン酸カルシウム、カオリン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルトデキストリン、マンニトール、ポリメタクリレート(たとえば、EUDRAGIT(r))、塩化カリウム、粉末化セルロース、塩化ナトリウム、ソルビトール及びタルクが挙げられる。
たとえば、錠剤のような剤形に詰められる固形の医薬組成物は、その機能が有効成分と他の賦形剤を圧縮ののち一緒に結合するのを助けることを含む賦形剤を含んでもよい。固形の医薬組成物用の結合剤には、アカシア、アルギン酸、カルボマー(たとえば、カルボポール)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ゼラチン、グアーゴム、トラガカントゴム、水素添加植物油、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(たとえば、KLUCEL)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(たとえば、METHOCEL)、液状グルコース、珪酸マグネシウムアルミニウム、マルトデキストリン、メチルセルロース、ポリメタクリレート、ポビドン(たとえば、KOLLIDON、PLASDONE)、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウム及びデンプンが挙げられる。
圧縮された固形の医薬組成物の患者の胃の中での溶解速度は組成物に崩壊剤を加えることによって高められてもよい。崩壊剤には、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム(たとえば、AC-DI-SOL及びPRIMELLOSE)、コロイド状二酸化珪素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン(たとえば、KOLLIDON及びPOLYPLASDONE)、グアーゴム、珪酸マグネシウムアルミニウム、メチルセルロース、結晶セルロース、ポラクリリンカリウム、粉末化セルロース、アルファ化デンプン、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム(たとえば、EXPLOTAB)、ジャガイモデンプン及びデンプンが挙げられる。
流動促進剤を加えて圧縮されなかった固形組成物の流動性を改善し、投薬の精度を改善することができる。流動促進剤として機能してもよい賦形剤には、コロイド状二酸化珪素、三珪酸マグネシウム、粉末化セルロース、デンプン、タルク及び三塩基リン酸カルシウムが挙げられる。
錠剤のような剤形を粉末化組成物の圧縮によって作る場合、組成物は抜型用ダイからの圧力に供される。一部の賦形剤及び有効成分は抜型用ダイの表面に付着する傾向を有し、それは小さなくぼみや他の表面の不規則性を有する生成物を作る原因となり得る。潤滑剤を組成物に加えて付着を減らし、ダイからの生成物の離型を容易にすることができる。潤滑剤には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリル、パルミトステアリン酸グリセリル、水素添加ヒマシ油、水素添加植物油、鉱物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ステアリン酸、タルク及びステアリン酸亜鉛が挙げられる。
風味剤及び風味増強剤は患者にとって剤形を口当たり良くさせる。本発明の組成物に含めてもよい医薬品用の一般的な風味剤及び風味増強剤には、マルト―ル、バニリン、エチルバニリン、メントール、クエン酸、フマル酸、エチルマルト―ル及び酒石酸が挙げられる。
固形の及び液状の組成物は薬学上許容できる着色剤を用いて着色し、その外見を改善し、製品及び単位投与量レベルの患者の識別を円滑にしてもよい。
液体で、医薬組成物は、本発明の結晶形と他の固形賦形剤とを用いて調製されてもよく、その際、成分は、たとえば、水、植物油、アルコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、またはグリセリンのような液体キャリアに溶解されるまたは懸濁される。
液状医薬組成物は乳化剤を含有して、液体キャリアに溶解性ではない有効成分または他の賦形剤を組成物全体にわたって均一に分散してもよい。本発明の液状組成物で有用であってもよい乳化剤には、たとえば、ゼラチン、卵黄、カゼイン、コレステロール、アカシア、トラガカント、ツノマタ、ペクチン、メチルセルロース、カルボマー、セトステアリルアルコール、及びセチルアルコールが挙げられる。
液状医薬組成物は粘度増強剤も含有して製品の口当たりを改善し、消化管の内層を被覆してもよい。そのような活性薬剤には、アカシア、アルギン酸、ベントナイト、カルボマー、カルボキシメチルセルロースカルシウムまたはナトリウム、セトステアリルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ゼラチン、グアーゴム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリビニルアルコール、ポビドン、炭酸プロピレン、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプン、トラガカント及びキサンタンゴムが挙げられる。
たとえば、アスパルテーム、ラクトース、ソルビトール、サッカリン、サッカリンナトリウム、スクロース、アスパルテーム、フルクトース、マンニトール、及び転化糖のような甘味剤を加えて味覚を改善してもよい。
たとえば、アルコール、安息香酸ナトリウム、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、及びエチレンジアミン四酢酸のような保存剤及びキレート剤を摂取に安全なレベルで加えて保存安定性を改善してもよい。
液状組成物は、たとえば、グコン酸(guconic acid)、乳酸、クエン酸または酢酸、グコン酸ナトリウム(sodium guconate)、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムまたは酢酸ナトリウムのような緩衝液も含有してもよい。賦形剤の選択及び使用される量は、その分野における標準の手順及び参照作業の経験及び考慮に基づいて製剤科学者によって容易に決定されてもよい。
本発明の固形組成物は粉末、顆粒、凝集物及び圧縮された組成物を含む。投与量は、経口、頬内、直腸、非経口(皮下、筋肉内、及び静脈内を含む)吸入及び眼科での投与に好適な投与量を含む。どんな所与の場合でも最も好適な投与は治療される状態の性質及び重症度に左右されるであろうが、本発明の最も好まれる経路は経口である。投与量は単位剤形で都合よく提示されてもよく、製薬技術で周知の方法のいずれかによって調製されてもよい。
剤形には、錠剤、粉剤、カプセル剤、坐薬、サシェ、トローチ及び飴剤のような固形剤形と同様に液体シロップ、懸濁液、エアロゾル及びエリキシルが挙げられる。
本発明の剤形は、硬質または軟質の外皮の中で本発明の組成物、好ましくは粉末化または顆粒化した固形組成物を含有するカプセル剤であってもよい。外皮はゼラチンから作られてもよく、任意でたとえば、グリセリン及びソルビトールのような可塑剤、ならびに乳白剤または着色剤を含有してもよい。
打錠用またはカプセル充填用の組成物は湿式造粒法によって調製されてもよい。湿式造粒法では粉末形態での有効成分と賦形剤の一部または全部を混ぜ合わせ、次いで、粉末を顆粒に凝集させる液体、通常水の存在下でさらに混合する。顆粒を篩にかけ及び/または製粉し、乾燥させ、次いで所望の粒度に篩にかけ及び/または製粉する。顆粒を打錠してもよく、または打錠に先立って、たとえば、流動促進剤及び/または潤滑剤のような他の賦形剤を加えてもよい。
打錠組成物は乾式混合によって従来通り調製されてもよい。たとえば、有効成分と賦形剤の混合した組成物をスラグまたはシートに圧密し、次いで圧密顆粒に砕いてもよい。圧密顆粒をその後、錠剤に圧縮してもよい。
湿式造粒法の代替として、直接圧縮法を用いて、混合した組成物を直接、圧密剤形に圧縮してもよい。直接圧縮は顆粒のないさらに均一な錠剤を作り出す。直接圧縮打錠に特に十分に適する賦形剤には、結晶セルロース、スプレー乾燥ラクトース、リン酸二カルシウム二水和物、及びコロイド状シリカが挙げられる。直接圧縮打錠におけるこれらの及び他の賦形剤の適正な使用は、直接圧縮打錠の特定の製剤化課題にて経験と技量を持つ当業者に知られている。
本発明のカプセル充填は、打錠を参照して記載された前述の混合物及び顆粒のいずれかを含んでもよいが、それらは最終的な打錠工程に供されない。
当該技術で既知の方法に従って、有効成分と賦形剤が組成物及び剤形に製剤化されてもよい。
一実施形態では、剤形は、化合物Iの結晶形と、別の成分としての薬学上許容できる賦形剤及びキャリアとを含むキットとして提供されてもよい。一部の実施形態では、剤形キットは、化合物Iの結晶形を薬学上許容できる賦形剤及びキャリアとともに溶解する、懸濁する、または混合することによって、内科医及び患者が使用に先立って経口溶液または注射溶液を製剤化できるようにする。一実施形態では、化合物Iの結晶形を提供する剤形キットは化合物Iの予備製剤化された液状製剤に比べて化合物Iの改善された安定性を有する。
本発明の製剤が化合物Iのたった1つの結晶形を含有することは必要ではない。本発明の結晶形は、単一成分として、または化合物Iの他の結晶形と一緒に混合物として医薬製剤または医薬組成物にて使用されてもよい。一実施形態では、本発明の医薬製剤または医薬組成物は、製剤または組成物にて25~100重量%または50~100重量%の本明細書に記載されているような化合物Iの結晶形の少なくとも1つを含有する。
治療上の使用
本発明は細胞の増殖に関連する疾患の治療も提供する。一態様では、細胞増殖に関連する疾患に冒された細胞を本化合物に接触させることを含む、p53タンパク質を選択的に活性化する方法が提供される。一実施形態では、方法は、本明細書で開示されているような化合物Iまたは薬学上許容できるその塩、エステル及び/または溶媒和物の結晶形に癌細胞及び/または腫瘍細胞を接触させることを含む。別の実施形態では、本明細書で開示されているような化合物Iまたは薬学上許容できるその塩、エステル及び/または溶媒和物の結晶形に癌細胞及び/または腫瘍細胞を接触させる方法は細胞のアポトーシスを誘導してもよいし、または疾患の進行を緩和してもよく、もしくは防いでもよい。
さらに、開示されているのは、癌、癌細胞、腫瘍または腫瘍細胞を治療する方法である。本開示の方法によって治療されてもよい癌の非限定例には、結腸直腸、乳腺、肺、肝臓、膵臓、リンパ節、結腸、前立腺、脳、頭頚部、皮膚、卵巣、子宮頸部、甲状腺、膀胱、腎臓、血液及び心臓の癌または癌細胞(たとえば、白血病、リンパ腫、及び癌腫)が挙げられる。本開示の方法によって治療されてもよい腫瘍の非限定例には、結腸直腸、乳腺、肺、肝臓、膵臓、リンパ節、結腸、前立腺、脳、頭頚部、皮膚、腎臓、及び血液及び心臓の腫瘍及び腫瘍細胞(たとえば、白血病、リンパ腫、及び癌腫)が挙げられる。
本発明はまた、対象にて細胞増殖を特徴とする疾患または状態の進行を治療する、防ぐ、改善する及び/または緩和する方法も提供する。さらに詳しくは、本発明の方法には、細胞増殖を特徴とする疾患または状態を治療するために対象にて有効量の本明細書に記載されているキノロン化合物の結晶形を投与することが関与する。結晶形は、癌細胞及び/または腫瘍細胞にて選択的にp53タンパク質を活性化する有効な量で投与することができ、それは細胞死またはアポトーシスをもたらしてもよい。用語「対象」及び「患者」は本出願の全体を通して相互交換可能に使用される。
本明細書で使用されるとき、投与することは当業者に既知の種々の方法のいずれかを用いて達成することができ、または実施することができる。結晶形は、従来の非毒性の生理的に許容できるキャリアまたはビヒクルを含有する投与量製剤にて、たとえば、皮下に、静脈内に、非経口で、腹腔内に、皮内に、筋肉内に、局所で、腸内に(たとえば、経口で)、直腸に、鼻内に、頬内に、舌下に、膣内に、吸入スプレーによって、薬剤ポンプによってまたは埋め込まれたリザーバを介して投与することができる。
さらに、現在開示されている結晶形は治療を必要とする限局性領域に投与することができる。これは、たとえば、限定の目的ではなく、手術中の局所点滴によって、局所塗布、経皮貼付剤によって、注射によって、カテーテルによって、坐薬によって、または、膜、たとえば、シリコン剤の膜または線維を含むインプラント(インプラントは任意で多孔性、非多孔性またはゲル状の物質であることができる)によって達成することができる。
結晶形が投与される形態(たとえば、シロップ、エリキシル、カプセル剤、錠剤、泡状物、エマルション、ゲル等)は、それが投与される経路にある程度左右されるであろう。たとえば、粘膜(たとえば、口腔粘膜、直腸、腸内粘膜、気管支粘膜)投与については、点鼻剤、エアロゾル、吸入剤、ネブライザー、点眼剤または坐薬を使用することができる。結晶形を用いて生体埋め込み可能な物質をコーティングし、神経突起伸長、神経生存、またはインプラント表面との細胞の相互作用を増強することができる。本明細書で開示されている結晶形を、たとえば、抗癌剤、鎮痛剤、抗炎症剤、麻酔剤、及び細胞増殖を特徴とする疾患または状態の1以上の症状または原因を制御することができる他の活性薬剤のような他の生物学的に活性がある活性薬剤と一緒に投与することができる。
一実施形態では、本明細書で開示されているような化合物Iの結晶形、または化合物Iの薬学上許容できる塩、エステル及び/または溶媒和物の結晶形は、1以上の治療上活性のある薬剤と併用で投与することができる。一実施形態では、1以上の治療上活性のある薬剤は抗癌剤である。一部の実施形態では、1以上の治療上活性のある抗癌剤には、パクリタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、エトポシド、ドキソルビシン、ハーセプチン、ラパチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、タモキシフェン、フルベストラント、アナストラゾール、レクトロゾール、エキセメスタン、ファドロゾール、サイクロホスファミド、タキソテレ、メルファラン、クロラムブシル、メクロレタミン、クロラムブシル、フェニルアラニン、マスタード、サイクロホスファミド、イフォスファミド、カルムスチン(BCNU)、ロムスチン(CCNU)、ストレプトゾトシン、ブスルファン、チオテパ、シスプラチン、カルボプラチン、ダクチノマイシン(アクチノマイシンD)、ドキソルビシン(アドリアマイシン)、ダウノルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、プリカマイシン、マイトマイシンC、ブレオマイシン、それらの組み合わせ、等が挙げられるが、これらに限定されない。別の実施形態では、1以上の治療上活性のある抗癌剤にはPARP(ポリ(DP-リボース)ポリメラーゼ)阻害剤が挙げられるが、これらに限定されない。好適なPARP阻害剤には、4-(3-(1-(シクロプロパンカルボニル)ピペラジン-4-カルボニル)-4-フルオロベンジル)フタラジン-1(2H)-オン(オラパリブ、AZD2281、Ku-0059436)、2-[(2R)-2-メチルピロリジン-2-イル]-1H-ベンズイミダゾール-4-カルボキサミド(ベニパリブ、ABT-888)、(8S,9R)-5-フルオロ-8-(4-フルオロフェニル)-9-(1-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-ピリド[4,3,2-de]フタラジン-3(7H)-オン(タラゾパリブ、BMN 673)、4-ヨード-3-ニトロベンズアミド(イニパリブ、BSI-201)、8-フルオロ-5-(4-((メチルアミノ)メチル)フェニル)-3,4-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドール-1(6H)-オン リン酸(ルカパリブ、AG-014699、PF-01367338)、2-[4-[(ジメチルアミノ)メチル]フェニル]-5,6-ジヒドロイミダゾ[4,5,1-jk][1,4]ベンゾジアゼピン-7(4H)-オン(AG14361)、3-アミノベンズアミド(IΝΟ-1001)、2-(2-フルオロ-4-((S)-ピロリジン-2-イル)フェニル)-3H-ベンゾ[d]イミダゾール-4-カルボキサミド(A-966492)、N-(5,6-ジヒドロ-6-オキソ-2-フェナントリジニル)-2-アセトアミド塩酸塩(PJ34、PJ34 HCl)、MK-4827、3,4-ジヒドロ-4-オキソ-3,4-ジヒドロ-4-オキソ-N-[(1S)-1-フェニルエチル]-2-キナゾリジンプロパンアミド(ME0328)、5-(2-オキソ-2-フェニルエトキシ)-1(2H)-イソキノリノン(UPF-1069)、4-[[4-フルオロ-3-[(4-メトキシ-1-ピペリジニル)カルボニル]フェニル]メチル]-1(2H)-フタラジノン(AZD 2461)、等が挙げられるが、これらに限定されない。別の実施形態では、1以上の治療上活性のある薬剤は免疫治療剤である。一部の実施形態では、1以上の免疫治療剤には、モノクローナル抗体、免疫エフェクター細胞、養子細胞移入、免疫毒素、ワクチン、サイトカイン等が挙げられるが、これらに限定されない。
別の実施形態では、本明細書で開示されているような化合物Iの結晶形、または化合物Iの薬学上許容できる塩、エステル及び/または溶媒和物の結晶形は放射線療法との併用で投与することができる。
さらに、投与は、好適な時間にわたって複数の投与量を対象に投与することを含むことができる。そのような投与計画は本開示の検討の際に日常的な方法に従って決定することができる。
本発明の結晶形は一般に約0.01mg/kg/用量~約100mg/kg/用量の用量で投与される。或いは用量は、約0.1mg/kg/用量~約10mg/kg/用量、または約1mg/kg/用量~約10mg/kg/用量であることができる。徐放性製剤が採用されてもよく、または用量は都合に応じて多数の分割された用量として投与されてもよい。他の方法が使用される場合(たとえば、静脈内投与)、結晶形は、約0.05~約10mg/kg/時間、代わりに約0.1~約1mg/kg/時間の速度で患部組織に投与される。これらの結晶形が本明細書で議論されているように静脈内に投与される場合、そのような速度は容易に維持される。一般に、局所に投与される製剤は約0.5mg/kg/用量~約10mg/kg/用量の範囲の用量で投与される。或いは、局所製剤は約1mg/kg/用量~約7.5mg/kg/用量、またはさらに約1mg/kg/用量~約5mg/kg/用量の用量で投与される。
約0.1~約100mg/kgの範囲は単回用量に適する。連続投与は約0.05~約10mg/kgの範囲で適する。
この方法は特定の代謝機能及び排泄機能に対する良好な相関を達成するので、薬剤の用量は体重ではなく体表面積の平方メートル当たりのミリグラムで与えることもできる。さらに体表面積は成人及び小児と同様に様々な動物種における薬剤投与量の公分母として使用することができる(Freireich,et al.,(1966),Cancer
Chemother Rep.50,219-244)。手短には、同等のmg/平方m用量として所与の動物にてmg/kg用量を表現するには、投与量に適当なkm係数を乗じる。成人のヒトでは、100mg/kgは100mg/kg×37kg/平方m=3700mg/mと同等である。
本発明の剤形は、約5mg~約500mgの量にて本明細書で開示されているような化合物I、または薬学上許容できるその塩、エステル及び/または溶媒和物を含有してもよい。すなわち、本発明の剤形は、約5mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、110mg、120mg、125mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、175mg、180mg、190mg、200mg、210mg、220mg、225mg、230mg、240mg、250mg、260mg、270mg、275mg、280mg、290mg、300mg、310mg、320mg、325mg、330mg、340mg、350mg、360mg、370mg、375mg、380mg、390mg、400mg、410mg、420mg、425mg、430mg、440mg、450mg、460mg、470mg、475mg、480mg、490mg、または500mgの量で化合物Iを含有してもよい。一実施形態では、そのような投与量は、単回用量にて、または1日複数回で、たとえば、1日2回、3回もしくは4回供給される分割された部分にて1日用量として患者に投与される。
本発明の剤形は1時間に1回、1日1回、週に1回または月に1回投与されてもよい。本発明の剤形は1日に2回または1日に1回投与されてもよい。本発明の剤形は食べ物と共にまたは食べ物なしで投与されてもよい。
本明細書で開示されている結晶形がその模倣体または断片の形態を取り得る限りにおいて、有効量の効能、従って投与量は変化し得ることが十分に理解されるべきである。しかしながら、当業者は本出願によって現在想定されている種類の結晶形の効能を容易に評価することができる。
細胞増殖を特徴とする、徐々に進行する疾患または状態の状況では、本出願の結晶形は一般に進行中の基準で投与される。特定の状況では、本明細書で開示されている結晶形の投与は、疾患を遅延させるまたは予防する戦略の一部として疾患の症状の発症に先立って開始することができる。他の状況では、本明細書で開示されている結晶形は、疾患過程を遅らせるまたは覆す戦略の一部として、及び/または細胞機能を改善し、症状を軽減する戦略の一部として、疾患の症状の発症ののち投与される。
投与量の範囲は特定の結晶形及びその効能に左右されることが当業者によって十分に理解されるであろう。投与量の範囲は、神経変性疾患または他の疾患及びそれらに関連する症状が改善される及び/または細胞の生存が達成される所望の効果を生じるのに十分に広いが、手に負えない有害な副作用を起こすほど広くないことが理解される。しかしながら、特定の患者についての具体的な用量レベルは、当業者によって十分に理解されているように、採用される具体的な結晶形の活性;治療される個体の年齢、体重、全身状態、性別及び食事;投与の時間及び経路;排泄の速度;以前投与されている他の薬剤;ならびに治療を受けている特定の疾患の重症度を含む種々の因子に左右されることが理解されるであろう。投与量は合併症が起こった場合、個々の内科医によっても調整され得る。本明細書で開示されている結晶形が本出願に従って使用される場合、受け入れ難い毒性効果は予想されない。
本明細書で開示されている結晶形の有効量は、測定可能な生物反応を生じるのに十分な量を含む。本出願の治療用結晶形における有効成分の実際の投与量レベルは、特定の対象及び/または適用にとって所望の治療応答を達成するのに有効である活性のある結晶形の量を投与するように変化することができる。好ましくは、最低用量が投与され、最低限効果的な量に対する用量制限毒性の非存在下で用量を増やす。治療上有効な量の決定及び調整と同様にいつ、どのようにそのような調整を行うのかの評価は当業者に既知である。
さらに本出願の方法に関して、好まれる対象は脊椎動物対象である。好まれる脊椎動物は温血動物であり;好まれる温血脊椎動物は哺乳類である。本出願の基本的性質は用語「対象」に含まれる脊椎動物対象すべてに関して有効性を示すことが理解されるべきであるが、現在開示されている方法によって治療される対象は望ましくはヒトである。この文脈で、脊椎動物は神経変性疾患の治療が望ましい任意の脊椎動物種であると理解される。本明細書で使用されるとき、用語「対象」にはヒト及び動物種の双方が含まれる。従って、本出願に従って獣医の治療上の使用が提供される。
そのようなものとして、本出願は、ヒトと同様に、シベリアトラのような絶滅の危機にさらされているために重要な哺乳類;たとえば、ヒトによる消費のために農場で育てられている動物のような経済的に重要な哺乳類;及び/またはペットとしてまたは動物園もしくは農場で飼われている動物のようなヒトにとって社会的に重要な動物のような哺乳類の治療を提供する。そのような動物の例には、たとえば、ネコ及びイヌのような肉食性動物;ブタ、イノシシ及び野生のイノシシを含むブタ類;ウシ、オスウシ、ヒツジ、キリン、シカ、ヤギ、バイソン及びラクダのような反芻動物及び/または有蹄動物;及びウマが挙げられるが、これらに限定されない。提供されるのはまた、それらがヒトにとって経済的に重要でもあるので、絶滅の危機にさらされている及び/または動物園で飼われいる種類の鳥類、と同様に家禽、さらに詳しくは家畜化された家禽、すなわち、たとえば、シチメンチョウ、ニワトリ、アヒル、ガチョウ、ホロホロチョウ等のような家禽の治療を含む、鳥類の治療である。従って、提供されるのはまた、家畜化されたブタ類、反芻動物、有蹄動物、ウマ(競走馬を含む)、家禽等を含むが、これらに限定されない家畜の治療である。
以下の実施例は本発明をさらに説明するが、決してその範囲を限定すると解釈されるべきではない。
分析方法
以下に記載されているような種々の分析方法を本結晶形及びその前駆体に適用してそれらの生理化学的な特性を特徴付けた。
示差走査熱量測定(DSC)
DSCのデータはDSC-システム(DSC822e-Mettler Toledo)またはTA Instruments Q2000にて収集した。一般に、1~5mgの質量範囲での試料を乾燥したアルミニウムの坩堝に入れ、孔のあるアルミニウムのフタで封鎖した。一般に、20mL/分の窒素パージ流を用いて、開始温度は20℃であり、加熱速度は10℃/分であり、最終温度は300℃だった。
熱重量分析(TGA)
TGAのデータはTGA851e装置にて収集した。一般に、およそ10mgの質量範囲での試料を肉薄で乾燥した酸化アルミニウムの蒸発皿またはアルミニウムの蒸発皿に入れた。一般に、50mL/分の窒素パージ流速を用いて5℃/分または10℃/分にて-30℃~約350℃の間で試料の皿を走査した。
TA Instruments Discovery IR熱重量分析計を用いてTGAの分析も行った。ニッケル及びAlumel(商標)を用いて温度の較正を行った。試料をアルミニウムの蒸発皿に入れた。試料を密封して封止し、フタに穴を開け、次いで熱重量測定炉に挿入した。窒素のもとで炉を加熱した。10℃/分の加熱速度で常温から350℃までにて試料を分析した。Triosソフトウエアv3.1.2.3591を用いてサーモグラムを生成した。
H-核磁気共鳴分光測定(H NMR)
内部標準としてのテトラメチルシランと共にDMSO-dまたはCDClにてBruker AVANCE 400 MHz機器を用いてH NMRのスペクトルを得た。
ホットステージの光学顕微鏡(HSM)
Di-Li 5MPカメラとgrab&measureソフトウエアを伴ったOlympus BX41をFP82加熱テーブル付きのHostage Mettler Toledo FP90と共に使用した。被写体ホルダー上でブラシによって試料を調製した。40、100、200、または400×拡大にて2つの偏光フィルターを用いて非偏光または偏光を用いて観察を行った。画像をソフトウエアによって取り込み、JPEGとして転送したが、スケールは近似であり、検証されていない。
X線粉末回折(XRPD)
シリコン製の低バックグランドの試料ホルダー(直径24mm、くぼみ0.2mm)を用いたMiniFlex(Rigaku Corporation)を用いてXRPDパターンを得た。収集時間は通常75分だった。15kVで操作するCu Kαの1.5406オングストロームの放射線源を用いて試料に照射した。有効な2θの範囲は約2~40℃であり、試料採取幅は0.02℃だった。試料を乳鉢と乳棒で粉砕した。潤滑油で調製し、ガラスのディスクで平坦にした試料ホルダーに固形物を置いた。
HPLC分析
本発明の結晶形(すなわち、塩及び遊離塩基)を全領域基準化(TAN)によって分析した。
HPLCの条件
HPLCカラム:Phenomenex Luna8、3μm、C18、4.6×50mm
流速:1.0mL/分
注入容積:5μL
検出:DAD検出器、240nmで記録する
移動相:A―HO+0.05%CFCOOH;B―CAN+0.05%CFCOOH
勾配ポンプのプログラム
Figure 2022179783000024
実施例1.2-(4-メチル-[1,4]ジアゼパン-1-イル)-5-オキソ-5H-7-チア-1,11b-ジアザ-ベンゾ[c]フルオレン-6-カルボン酸(5-メチル-ピラジン-2-イルメチル)-アミド(化合物I、遊離塩基)の溶解性
その後、高温で加熱し、次いで室温に冷却される種々の溶媒に化合物Iを懸濁することによって化合物Iの溶解性を測定した。母液を採取し、HPLCによって化合物Iの濃度を測定した。
実施例2.化合物I(遊離塩基)の多形体Eの調製
化合物I(遊離塩基)を溶媒混合物に溶解して溶液を形成し、次いでそれを懸濁液に濃縮した。次いで懸濁液を乾燥するまで濃縮した。貧溶媒を懸濁液に加え、それを再び乾燥するまで濃縮した。XRPD分析によって多形体Eの形成が確認され、結晶としての多形体Eが明らかにされた(図11)。乾燥含量は99.97%w/wであると測定された。H NMR(図13)によって化合物の遊離塩基としてのこの物質の構造が確認された。
実施例3.化合物I(遊離塩基)の多形体Aの調製
実施例2で調製したような化合物I(遊離塩基)の多形体Eを溶媒混合物に懸濁した。懸濁液を加熱し、次いで室温に冷却した。懸濁液を濾過し、得られた濾過ケーキを乾燥させて多形体Aを得た。XRPD分析によって多形体Aの形成が確認され、結晶としての多形体Aが明らかにされた(図1)。乾燥含量は99.86%w/wであると測定された。H NMR(図5)によって化合物Iの遊離塩基としてのこの物質の構造が確認された。
DSCのサーモグラム(図2)はおよそ215℃で鋭い吸熱を示し、その後、およそ217℃での発熱、およそ231℃での吸熱、およそ233℃での発熱、及びおよそ242℃での吸熱が続いた。理論に束縛されないで、これらの事象は、溶解、その後の再結晶化、別の溶解及び再結晶化、及び最終的な溶解の事象に一致する。TGAのサーモグラム(図3)は常温から300℃まででおよそ0.3%の重量減少を示す。図4はDSCとTGAのサーモグラムの重ね合わせを示す。
実施例4.化合物I(遊離塩基)の多形体Cの調製
化合物Iの多形体Aを高温で有機溶媒に懸濁し、濾過し、母液を冷却して懸濁液を形成し、それを濾過して白色の針状結晶様の固形物を得た。H NMR(図9)によって化合物Iの遊離塩基としてのこの物質の構造が確認された。
XRPD分析によって図7で示すように結晶としての多形体Cが明らかにされた。
実施例5.化合物I(遊離塩基)の多形体Gの調製
化合物Iの多形体Aを高温で別の有機溶媒に懸濁した。懸濁液を濾過し、母液を蒸発させて懸濁液を形成し、それを濾過してやや黄色の固形物を得た。H NMR(図18)によって化合物Iの遊離塩基としてのこの物質の構造が確認された。
XRPD分析によって図16で示すように結晶としての多形体Gが明らかにされた。
実施例6.多形体形態の溶解性及び安定性の試験
およそ25mgの各多形体を有機溶媒に懸濁することによって化合物I(遊離塩基)の多形体A、C、E及びGの溶解性を判定し、得られた混合物を室温または高温で1時間撹拌した。試料を濾過し、HPLCによって濃度を測定した。残りの懸濁液を蒸発させ、固形物をXRPDによって分析して懸濁液における多形体形態が依然として実験に使用した同じ多形体形態であることを確認した。
各多形体の溶解性を図20に示す。多形体Aは最低の溶解性を示し、それを最も安定であると特定した。
実施例7.化合物IのHCl塩の調製
化合物Iを高温で溶媒混合物に溶解し、次いでHClを加えた。懸濁液を一晩撹拌し、次いで濾過し、洗浄して白色の粉末として化合物IのHCl塩を得た(62%の収率)。得られた塩をH-NMR(図23)、XRPD(図21)及びTGA(図25)によって特徴付けた。TGAは化合物IのHCl塩が140℃で0.9wt%までの損失を明示することを示した。
実施例8.化合物Iのマレイン酸塩の調製
化合物Iを高温で溶媒混合物に溶解し、次いで混合物にマレイン酸を加えた。得られた懸濁液を冷却し、撹拌し、濾過し、洗浄して白色の粉末として化合物Iのマレイン酸塩を得た(86%の収率)。得られた塩をH NMR(図28)、XRPD(図26)及びTGA(図30)によって特徴付けた。TGAは化合物Iのマレイン酸塩が140℃で2.9wt%までの損失を明示することを示した。理論によって束縛されないで、この重量減少は溶媒の損失に起因してもよい。
実施例9.化合物Iのフマル酸塩の調製
化合物Iを高温で溶媒混合物に溶解し、次いで混合物にフマル酸を加えた。得られた懸濁液を冷却し、撹拌し、濾過し、洗浄して白色の粉末として化合物Iのフマル酸塩を得た(104%の収率)。得られた塩をH NMR(図33)、XRPD(図31)及びTGA(図35)によって特徴付けた。TGAは化合物Iのフマル酸塩が140℃で6.6wt%までの重量減少を明示することを示した。
実施例10.化合物Iのクエン酸塩の調製
化合物Iを高温で溶媒混合物に溶解し、次いで混合物にクエン酸を加えた。得られた懸濁液を冷却し、撹拌し、濾過し、洗浄して白色の粉末として化合物Iのクエン酸塩を得た(93%の収率)。得られた塩をH NMR(図38)、XRPD(図36)及びTGA(図40)によって特徴付けた。TGAは化合物Iのクエン酸塩が140℃で5.2wt%までの重量減少を明示することを示した。
実施例11.化合物IのL-リンゴ酸塩の調製
化合物Iを高温で溶媒混合物に溶解し、次いで混合物にL-リンゴ酸を加えた。得られた懸濁液を冷却し、撹拌し、濾過し、洗浄して白色の粉末として化合物IのL-リンゴ酸塩を得た(59%の収率)。得られた塩をH NMR(図43)、XRPD(図41)及びTGA(図45)によって特徴付けた。TGAは化合物IのL-リンゴ酸塩が140℃で4.7wt%までの重量減少を明示することを示した。
実施例12.化合物Iの酸塩の溶解性及び安定性の試験
およそ50mgの各塩を0.25mLの水に懸濁する(×2、少しずつ加えた)ことによって化合物IのHCl塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩及びL-リンゴ酸塩の溶解性を判定した。混合物を42℃にて3日間撹拌し、濃度と純度についてHPLCによって各溶液を分析した。3日後の各塩の試験の溶解性及び純度を以下の表11にて示す。
Figure 2022179783000025
Figure 2022179783000026
3日間の安定性試験の間に溶解した試料;NT=調べなかった
45℃及び80℃の高温で塩(固形の形態)を保存することによって酸塩の安定性も調べた。安定性試験の結果を以下の表12に示す。
Figure 2022179783000027
NT=調べなかった
本明細書に載せられている特許及び出版物は当該技術における一般的な技量を記載しており、あらゆる目的で且つ、それぞれが具体的に且つ個々に参照によって組み入れられるように指示されたかのようにと同じ程度にその全体が参照によって本明細書に組み入れられる。引用文献と本明細書との間で矛盾がある場合、本明細書が統制すべきである。本出願の実施形態を記載することにおいて具体的な専門用語は明瞭性のために採用される。しかしながら、本発明はそのように選択された具体的な専門用語に限定されるようには意図されない。本明細書には本発明の範囲を限定すると見なされるべきものは何もない。提示される実施例はすべて代表的なものであり、非限定である。上記の教示の観点から当業者によって十分に理解されるように、本発明から逸脱することなく、上述の実施形態を改変してもよく、または変化させてもよい。従って、クレーム及びその同等物の範囲の中で、本発明は具体的に記載されているようなもの以外で実践されてもよいことが理解されるべきである。
例えば、本発明の実施形態の例として、以下の項目が挙げられる。
(項目1)
化合物I:
Figure 2022179783000028
または薬学上許容できるその塩、エステル及び/または溶媒和物の結晶形。
(項目2)
化合物Iの結晶形である項目1に記載の結晶形。
(項目3)
約7.730±0.3、22.050±0.3及び24.550±0.3度の2シータにてピークを含むX線粉末回折パターン(XRDP)を示す項目2に記載の結晶形。
(項目4)
前記X線粉末回折パターンがさらに約9.410±0.3及び27.700±0.3度の2シータにてピークを含む項目3に記載の結晶形。
(項目5)
前記X線粉末回折パターンがさらに約17.950±0.3及び25.400±0.3度の2シータにてピークを含む項目2または3に記載の結晶形。
(項目6)
前記X線粉末回折パターンがさらに約11.230±0.3、11.630±0.3、16.900±0.3、18.580±0.3、23.300±0.3及び26.700±0.3度の2シータでのピークから選択される1以上のピークを含む項目2~5のいずれか1項に記載の結晶形。
(項目7)
7.730±0.3、9.410±0.3、11.230±0.3、11.630±0.3、16.900±0.3、17.950±0.3、18.580±0.3、22.050±0.3、23.300±0.3、24.550±0.3、25.400±0.3、26.700±0.3及び27.700±0.3度の2シータから成る群から選択される3以上のピークを含むX線粉末回折パターンを示す項目2に記載の結晶形。
(項目8)
約215.41±2.0℃でピーク固有値を有する示差走査熱量測定(DSC)のサーモグラムを示す項目2~7のいずれか1項に記載の結晶形。
(項目9)
図1に実質的に類似するX線粉末回折パターンを示す多形体Aである項目2~8のいずれか1項に記載の結晶形。
(項目10)
約95%以上の純度を有する項目3~9のいずれか1項に記載の結晶形。
(項目11)
約97%以上の純度を示す項目10に記載の結晶形。
(項目12)
約99%または約99.5%以上の純度を示す項目11に記載の結晶形。
(項目13)
約5.720±0.3度の2シータにてピークを含むX線粉末回折パターンを示す項目2に記載の結晶形。
(項目14)
約246.47±2.0℃でピーク固有値を有する示差走査熱量測定(DSC)のサーモグラムを示す項目2または13に記載の結晶形。
(項目15)
図7に実質的に類似するX線粉末回折パターンを示す多形体Cである項目13または14に記載の結晶形。
(項目16)
約95%以上の純度を有する項目13~15のいずれか1項に記載の結晶形。
(項目17)
約97%以上の純度を示す項目16に記載の結晶形。
(項目18)
約99%または約99.5%以上の純度を示す項目17に記載の結晶形。
(項目19)
約5.680±0.2度の2シータにてピークを含むX線粉末回折パターンを示す項目2に記載の結晶形。
(項目20)
前記X線粉末回折パターンがさらに約12.200±0.2、12.600±0.3、25.360±0.3及び27.560±0.3度の2シータにてピークを含む項目19に記載の結晶形。
(項目21)
5.680±0.2、12.200±0.2、12.600±0.3、25.360±0.3及び27.560±0.3から成る群から選択される2以上のピークを含むX線粉末回折パターンを示す項目2、19又は20に記載の結晶形。
(項目22)
約231.99±2.0℃でピーク固有値を有する示差走査熱量測定(DSC)のサーモグラムを示す項目2または19~21に記載の結晶形。
(項目23)
図11に実質的に類似するX線粉末回折パターンを示す多形体Eである項目19~22のいずれか1項に記載の結晶形。
(項目24)
約95%以上の純度を有する項目19~23のいずれか1項に記載の結晶形。
(項目25)
約97%以上の純度を示す項目24に記載の結晶形。
(項目26)
約99%または約99.5%以上の純度を示す項目25に記載の結晶形。
(項目27)
約5.000±0.3及び6.060±0.4度の2シータにてピークを含むX線粉末回折パターンを示す項目2に記載の結晶形。
(項目28)
約222.11±2.0℃でピーク固有値を有する示差走査熱量測定(DSC)のサーモグラムを示す項目2または27に記載の結晶形。
(項目29)
図16に実質的に類似するX線粉末回折パターンを示す多形体Gである項目27または28に記載の結晶形。
(項目30)
約95%以上の純度を有する項目27~29のいずれか1項に記載の結晶形。
(項目31)
約97%以上の純度を示す項目30に記載の結晶形。
(項目32)
約99%または約99.5%以上の純度を示す項目32に記載の結晶形。
(項目33)
前記塩が、塩酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、リンゴ酸塩、酢酸塩、硫酸塩、リン酸塩、L-(+)-酒石酸塩、D-グルクロン酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩、エタンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、マロン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、及び1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸塩から成る群から選択される項目1に記載の結晶形。
(項目34)
前記塩が、塩酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、及びL-リンゴ酸塩から成る群から選択される項目1または19に記載の結晶形。
(項目35)
化合物IのHCl塩の結晶形である項目34に記載の結晶形。
(項目36)
約4.660±0.3及び24.540±0.3度の2シータにてピークを含むX線粉末回折パターン(XRDP)を示す項目35に記載の結晶形。
(項目37)
前記X線粉末回折パターンがさらに約19.260±0.4、20.160±0.4、24.920±0.3、及び26.360±0.35度の2シータにて1以上のピークを含む項目36に記載の結晶形。
(項目38)
前記X線粉末回折パターンがさらに約13.980±0.4、14.540±0.3、25.380±0.3、及び28.940±0.3度の2シータにて1以上のピークを含む項目35または36に記載の結晶形。
(項目39)
約266.27±2.0℃でピーク固有値を有する示差走査熱量測定(DSC)のサーモグラムを示す項目35~38のいずれか1項に記載の結晶形。
(項目40)
図21に実質的に類似するX線粉末回折パターンを示す項目35~39のいずれか1項に記載の結晶形。
(項目41)
化合物Iのマレイン酸塩の結晶形である項目34に記載の結晶形。
(項目42)
約7.400±0.3、18.440±0.5、及び26.500±0.4度の2シータにてピークを含むX線粉末回折パターン(XRDP)を示す項目41に記載の結晶形。(項目43)
前記X線粉末回折パターンがさらに、約22.320±0.4、23.920±0.3、24.300±0.4、及び25.240±0.7度の2シータにて1以上のピークを含む項目42に記載の結晶形。
(項目44)
前記X線粉末回折パターンがさらに、約5.040±0.3、15.080±0.3、15.880±0.4、20.860±0.4、及び28.540±0.3度の2シータにて1以上のピークを含む項目41または42に記載の結晶形。
(項目45)
217.32±2.0℃でピーク固有値を有する示差走査熱量測定(DSC)のサーモグラムを示す項目41~44のいずれか1項に記載の結晶形。
(項目46)
図26に実質的に類似するX線粉末回折パターンを示す項目41~45に記載の結晶形。
(項目47)
化合物Iのフマル酸塩の結晶形である項目34に記載の結晶形。
(項目48)
約6.360±0.3及び24.800±0.3度の2シータにてピークを含むX線粉末回折パターン(XRDP)を示す項目47に記載の結晶形。
(項目49)
前記X線粉末回折パターンがさらに、約19.660±0.3、20.420±0.3、及び26.860±0.3度の2シータにて1以上のピークを含む項目48に記載の結晶形。
(項目50)
前記X線粉末回折パターンがさらに、約12.680±0.3、17.020±0.2、25.180±0.2、及び28.280±0.3度の2シータにて1以上のピークを含む項目47または48に記載の結晶形。
(項目51)
約222.40±2.0℃でピーク固有値を有する示差走査熱量測定(DSC)のサーモグラムを示す項目47~50のいずれか1項に記載の結晶形。
(項目52)
図31に実質的に類似するX線粉末回折パターンを示す項目47~51のいずれか1項に記載の結晶形。
(項目53)
化合物Iのクエン酸塩の結晶形である項目34に記載の結晶形。
(項目54)
約4.900±0.3、25.380±0.3、及び27.500±0.4度の2シータにてピークを含むX線粉末回折パターン(XRDP)を示す項目53に記載の結晶形。(項目55)
前記X線粉末回折パターンがさらに、約15.360±0.3、18.100±0.3、19.300±0.3、及び26.140±0.4度の2シータにて1以上のピークを含む項目54に記載の結晶形。
(項目56)
前記X線粉末回折パターンがさらに、約17.400±0.3、18.680±0.4、24.040±0.4、及び26.740±0.3度の2シータにて1以上のピークを含む項目53または54に記載の結晶形。
(項目57)
約196.86±2.0℃でピーク固有値を有する示差走査熱量測定(DSC)のサーモグラムを示す項目53~56のいずれか1項に記載の結晶形。
(項目58)
図36に実質的に類似するX線粉末回折パターンを示す項目53~57のいずれか1項に記載の結晶形。
(項目59)
化合物IのL-リンゴ酸塩の結晶形である項目34に記載の結晶形。
(項目60)
約6.580±0.2、6.780±0.3、及び25.560±0.4度の2シータにてピークを含むX線粉末回折パターン(XRDP)を示す項目59に記載の結晶形。
(項目61)
前記X線粉末回折パターンがさらに、約19.560±0.4、23.660±0.4、26.060±0.7、及び26.960±0.7度の2シータにて1以上のピークを含む項目60に記載の結晶形。
(項目62)
前記X線粉末回折パターンがさらに、約8.800±0.3、11.800±0.3、18.600±0.3、24.460±0.5、及び25.080±0.3度の2シータにて1以上のピークを含む項目59または60に記載の結晶形。
(項目63)
約209.67±2.0℃でピーク固有値を有する示差走査熱量測定(DSC)のサーモグラムを示す項目59~62のいずれか1項に記載の結晶形。
(項目64)
図41に実質的に類似するX線粉末回折パターンを示す項目59~63のいずれか1項に記載の結晶形。
(項目65)
項目1~64のいずれか1項に記載の結晶形を含む組成物。
(項目66)
前記組成物が少なくとも1つの薬学上許容できるキャリアを含む項目65に記載の組成物。
(項目67)
対象にてG-四重鎖(G4)を安定化する方法であって、前記方法が治療上有効な量の項目1~64のいずれか1項に記載の結晶形を前記対象に投与することを含む、前記方法。
(項目68)
対象にてp53の活性を調節する方法であって、前記方法が治療上有効な量の項目1~64のいずれか1項に記載の結晶形を前記対象に投与することを含む、前記方法。
(項目69)
対象にて細胞増殖性疾患を治療するまたは改善する方法であって、前記方法がそれを必要とする対象に治療上有効な量の項目1~64のいずれか1項に記載の結晶形を投与することを含む、前記方法。
(項目70)
前記細胞増殖性疾患が癌である項目69に記載の方法。
(項目71)
前記癌が、ヘム癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、肝臓癌、卵巣癌、子宮頸癌、ユーイング肉腫、膵臓癌、リンパ節の癌、結腸癌、前立腺癌、脳腫瘍、頭頚部の癌、皮膚癌、腎臓癌、及び心臓の癌から成る群から選択される項目70に記載の方法。
(項目72)
前記ヘム癌が白血病、リンパ腫、骨髄腫、及び多発性骨髄腫から成る群から選択される項目71に記載の方法。
(項目73)
前記癌が、相同組換え(HR)依存性の二本鎖切断(DSB)修復が欠損した癌、または非相同末端結合(NHEJ)のDSB修復が欠損した癌である項目70に記載の方法。(項目74)
前記癌が、乳癌1(BRCA1)、乳癌2(BRCA2)及び/または相同組換え経路の他のメンバーにおいて欠損を抱える癌細胞を含む項目70に記載の方法。
(項目75)
前記癌細胞がBRCA1及び/またはBRCA2にて欠損がある項目74に記載の方法。
(項目76)
前記癌細胞がBRCA1及び/またはBRCA2における突然変異についてホモ接合体である項目75に記載の方法。
(項目77)
前記癌細胞がBRCA1及び/またはBRCA2における突然変異についてヘテロ接合体である項目75に記載の方法。
(項目78)
前記方法がさらに1以上の追加の治療剤及び/または放射線療法を同時投与することを含む項目69~74のいずれか1項に記載の方法。
(項目79)
前記1以上の追加の治療剤が抗癌剤または免疫治療剤である項目78に記載の方法。
(項目80)
細胞増殖を低下させるまたは阻害する方法であって、前記方法が治療上有効な量の項目1~64のいずれか1項に記載の結晶形に細胞を接触させることを含む、前記方法。
(項目81)
前記細胞は癌細胞株または対象における癌において存在する項目80に記載の方法。
(項目82)
前記癌細胞が、ヘム癌、結腸直腸癌、乳癌、肺癌、肝臓癌、膵臓癌、リンパ節の癌、結腸癌、前立腺癌、脳腫瘍、頭頚部の癌、皮膚癌、卵巣癌、子宮頸癌、ユーイング肉腫、腎臓癌、及び心臓の癌から成る群から選択される項目81に記載の方法。
(項目83)
前記ヘム癌細胞が白血病、リンパ腫、骨髄腫、及び多発性骨髄腫から成る群から選択される項目82に記載の方法。
(項目84)
前記癌細胞が、相同組換え(HR)依存性の二本鎖切断(DSB)修復、または非相同末端結合(NHEJ)のDSB修復において欠損を抱える項目81に記載の方法
(項目85)
前記癌が、乳癌1(BRCA1)、乳癌2(BRCA2)及び/または相同組換え経路の他のメンバーにおいて欠損を抱える癌細胞を含む項目81に記載の方法。
(項目86)
前記癌細胞がBRCA1及び/またはBRCA2にて欠損がある項目85に記載の方法。
(項目87)
前記癌細胞がBRCA1及び/またはBRCA2における突然変異についてホモ接合体である項目86に記載の方法。
(項目88)
前記癌細胞がBRCA1及び/またはBRCA2における突然変異についてヘテロ接合体である項目86に記載の方法。

Claims (9)

  1. 化合物I:
    Figure 2022179783000029

    の結晶形であって、前記結晶形は、7.730±0.3、22.050±0.3及び24.550±0.3度の2シータにてピークを含むX線粉末回折(XRDP)パターンを示す、化合物Iの多形体Aであり、各ピークは最も強いピークに対して50%を超える強度を有する、結晶形。
  2. 前記X線粉末回折パターンが、
    a)9.410±0.3及び27.700±0.3度の2シータでのピーク;及び/または
    b)17.950±0.3及び25.400±0.3度の2シータでのピーク
    をさらに含む、請求項1に記載の結晶形。
  3. 多形体Aの前記X線粉末回折パターンが、11.230±0.3、11.630±0.3、16.900±0.3、18.580±0.3、23.300±0.3及び26.700±0.3度の2シータでのピークから選択される1以上のピークをさらに含む、請求項1または2に記載の結晶形。
  4. 7.730±0.3、9.410±0.3、11.230±0.3、11.630±0.3、16.900±0.3、17.950±0.3、18.580±0.3、22.050±0.3、23.300±0.3、24.550±0.3、25.400±0.3、26.700±0.3及び27.700±0.3度の2シータから成る群から選択される4以上のピークを含むX線粉末回折パターンを示す、請求項1または2に記載の結晶形。
  5. 化合物Iの多形体Aが、215.41±2.0℃でピーク固有値を有する示差走査熱量測定(DSC)のサーモグラムを示す、請求項1~4のいずれか1項に記載の結晶形。
  6. 95%以上の純度を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の結晶形。
  7. 97%以上の純度を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の結晶形。
  8. 99%または99.5%以上の純度を示す、請求項1~7のいずれか1項に記載の結晶形。
  9. 以下の図1:
    Figure 2022179783000030

    に示されるX線粉末回折パターンを示す、請求項1に記載の結晶形。
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