JP2022179210A - 体幹装具の製作方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】対象者の負担が小さく、製作期間を短くすることができ、かつ、精度が高く、対象者の体型に合わせることができ、多様性にも優れる体幹装具の製作方法を提供する。【解決手段】本発明の体幹装具の製作方法は、立体モデル構築手順(ステップS110)と、設計手順(ステップS120)と、必要に応じて、作製手順(ステップS130)とを含んでいる。立体モデル構築手順(ステップS110)では、CT又はMRIの画像データから対象者の体表の位置座標情報を抽出し、体表の位置座標情報から対象者の体幹の立体モデルを構築する。設計手順(ステップS120)では、立体モデルに基づいて体幹装具を設計する。作製手順(ステップS130)では、設計に基づき体幹装具を3Dプリンターにより作製する。【選択図】図1

Description

本発明は、体幹装具を製作する方法に関する。
近年の社会の高齢化に伴い、高齢者の脆弱性骨折が問題となっている。脆弱性骨折とは骨粗鬆症の結果により生じる骨折であり、主には大腿骨近位部骨折と椎体骨折がそれに該当する。近年の大腿骨近位部骨折の治療は早期の外科的治療が主流となりつつあり、早期の骨折部の安定化を目指して、可能な限りリハビリテーションによる社会復帰を目指すことが目標とされている。しかしながら、高齢者の椎体骨折は最も多い骨折の一つであるにも関わらず、さらにその多くが積極的手術適応とはならず、神経障害を及ぼさない限りはほとんどが保存的治療(非外科的治療)の対象となっている。
保存的治療では主に体幹装具による外固定治療が行われる。保存的治療の流れとしては、まず、医師が椎体骨折の診断を行い、体幹装具の処方を行う。その処方に基づいて義肢装具士があらためて患者の場所に赴いて体部の採型・採寸を行い、その情報をもとに体幹装具を作成する。この工程には大きな欠点がある。国内の医療事情において、一般病院に義肢装具士が常駐している施設はなく、整形外科医が常勤する病院であっても義肢装具士が在籍する日は1週間に2~3日のみである。僻地や医療過疎地域であればそもそも義肢装具士がいない地域も存在する。前者の義肢装具士がいる施設であっても、患者が受傷したその日のうちに義肢装具士の採寸・採型が受けられない可能性があり、採寸・採型を受けたのが受傷から3日間が経過してからということもありえる。さらに、義肢装具士が採寸・採型を行って、平均1週間程度の体幹装具作成期間を要する。結果として、患者が椎体骨折の診断を受けてから、7~10日間程度の待機期間を要してようやく体幹装具を装着できることになるという事実がある。
同じ脆弱性骨折である大腿骨近位部骨折は早期固定と早期リハビリテーションを念頭に治療が行われているにも関わらず、椎体骨折に対する近年の治療内容は概ね変わっておらず、同骨折患者では受傷後に体幹装具を装着するまでの待機期間中はほぼ寝たきりの状態になっている。1日の安静臥床によって数%の筋肉量が低下するという事実もあり、その待機期間以上の入院期間が必要になり、社会復帰が遅れるリスクがある。椎体骨折患者に生じる装具完成までの待期期間の問題を解消できれば、その分だけ早くリハビリテーションを行うことが可能になり、より早期の社会復帰を行うことが可能になる(図10参照)。
その他に装具の採寸・採型に関係した問題もある。一つには、体幹装具の採寸・採型、および、製作が現状として義肢装具士のみによって行われているということである。装具は医師が処方するものとなっているが、整形外科医であっても医師が装具を製作することは難しい。その理由は、装具製作が非常に専門性の高い手技となっていることや整形外科医が多忙でありそれらの技術を習得する時間がないことなどに起因し、現状では義肢装具士にしか体幹装具を製作することができなくなっている。そのことが前述した椎体骨折受傷後の装具完成までの待機期間の長さとも密接に絡んでいる。もしも医師が体幹装具を作成することができれば、椎体骨折患者に不必要な安静臥床を促すことなく、最低限の待機期間のみで装具を装着することができる。また、特に医療資源が限られた施設においては医師が体幹装具を製作できる必要性がある。そして、その体幹装具を製作する手法はより広く普及させるという目的において、より簡便な方法であるべきである。
近年では、3Dプリンターにより装具を作成したとの報告が多数認められ、義肢装具士においても3Dプリンターが注目されている。例えば、側弯症患者に対して3Dプリンターによる体幹装具を作成したという報告(例えば、非特許文献1参照)や、頚椎カラーについての報告(例えば、非特許文献2参照)もある。従って、体幹装具の製作においても3Dプリンターの有効性が認められ始めている。
Youyu Zhaug 他,「3D-printed brace in the treatment of adolescent idiopathic scoliosis: a study protocol of a prospective randomised controlled trial」,BMJ,BMJ Open,2020 Nov 27 Yuh Ruoy Kuo 他,「Analysis of a customized cervical collar to improve neck posture during smartphone usage: a comparative study in healthy subjects」,Springer Science+Business Media,European Spine Journal,2019 Aug;28(8):1793-1803
しかしながら、これまでに体幹装具の3Dプリンターによる有効性のなかで注目されてきたのは、その装具を成形する技術そのものが中心である。上記の側弯症体幹装具や頚椎保護装具の報告における従来の3Dプリンターによる装具製作法では、3Dスキャンを用いて患者の採寸・採型を行っており、その作業中に患者の苦痛や身体的負担が生じる点では従来の採寸・採型の方法と大きく変わりはなかった。また、その3Dスキャンの結果をCAD・CAM方式を用いて装具製作の工程につなげるのは義肢装具士であることに変わりはなく、3Dプリンター技術の出現だけでは上記で述べた待機期間の問題は解決できない。3Dプリンターが革新的な技術であることには間違いがないが、体幹装具の設計と製作という点においては、それにより患者が得られる利益は確認されていない。
また、これまでの体幹装具の作製方法について、従来の徒手的な採寸・採型であっても、3Dスキャンを用いた採寸・採型であっても、本質的には体表から評価した解剖学的指標(図2)により体幹装具を製作している。これ自体は通常大きな問題になることは少ないが、高度肥満を認める患者や骨格の解剖学的異常・変形を伴う患者では、体表からの採寸・採型が不適当である場合がある。装具の固定範囲を定めたり、除圧部位を定めたりするのは、その骨格の解剖学的指標に則して行われており、従って、体表から骨格を評価することが難しい患者では従来の手法や3Dスキャンを用いた手法により作成された装具では体幹の固定性が不十分になったり、あるいは、骨突出部位の評価が不十分となり装具内に褥瘡を形成してしまうリスクが高くなる恐れがある。
他に、体幹装具の型やデザインについて、従来の装具は厚みがあり、デザインも画一的であったが、上記の3Dプリンターの出現によってその型やデザインについて設計と製作を行うことが比較的容易になった。その点は3Dプリントが従来の方法と比較して明らかに有用な点であった。
以上のことを鑑みて、本発明が解決しようとする課題は次の通りである。
課題1は、体幹装具を作成するためには、立位による採型が必要であり、患者にとってはその処置行為自体に強い疼痛や負担を生じることである。急性疼痛がある時期に精神的な苦痛を伴う介入があることにより、急性疼痛が慢性化することはすでに既知である。倫理的にみても、その苦痛を伴う処置が不要となるのであれば、行うべきではない。
課題2は、ほとんどの場合、体幹装具の完成・装着に至るまでには一般的に1週間以上の待機期間を要することである。医師や義肢装具士が不足する医療過疎地域では体幹装具の作製そのものが困難であることもある。近年、同じ骨脆弱性骨折である大腿骨近位部骨折は受傷から間を空けずに固定を行うことが通常であるが、椎体骨折は早期の治療が検討されていない。
課題3は、従来法では、体幹装具の作製のためには体表から解剖学的指標の位置を把握していることである。そのような方法をとっていると、例えば、高度肥満があったり、骨格の形態的異常を伴ったりする患者において、精度の高い装具作成が困難になる。特に、体幹装具による骨折部への安定性を担保するためには、十分な範囲を固定することが必要になる。
課題4は、現在流通しているもののなかに個々の患者の体型にあっていない形状の体幹装具もみられることである。それに該当する装具は以下で述べる見た目上での問題があり、また、固定性などの機能面での問題も生じうる。この問題があることにより、装具が衣服上からも目立つことで装具着用を拒否することにつながったり、あるいは、装具が体部の形状に合っていないことによって装具の固定性を担保する3点支持機構が得られなかったりすることがある。
課題5は、体幹装具のデザインの多様性がないことである。体幹装具の装着によって生じる見た目の問題は、患者の治療コンプライアンスの悪化に大きく関係することが分かっており、治療を行う上で大きな問題の一つとなっている。
本発明は、このような問題に基づきなされたものであり、対象者の負担が小さく、製作期間を短くすることができ、かつ、精度が高く、対象者の体型に合わせることができ、多様性にも優れる体幹装具の製作方法を提供することを目的とする。
本発明の体幹装具の製作方法は、CT又はMRIの画像データから対象者の体表の位置座標情報を抽出し、体表の位置座標情報から対象者の体幹の立体モデルを構築する立体モデル構築手順と、立体モデル構築手順の後、立体モデルに基づいて体幹装具を設計する設計手順とを含むものである。
本発明の体幹装具の製作方法によれば、CT又はMRIの画像データから対象者の体表の位置座標を抽出して体幹の立体モデルを構築し、この立体モデルに基づいて体幹装具を設計するようにしたので、次のような効果を得ることができる。
第1に、画像検査による骨折の診断を行った後に、採寸・採型を行わずに体幹装具を作製することができる。よって、採寸・採型により対象者に苦痛を与えることがなく、対象者の負担を軽減することができる。また、急性疼痛期における過度な疼痛ストレスを削減することができるので、疼痛ストレスによる疼痛の慢性化を予防することができる。更に、採寸・採型のための立位動作を行う必要がないので、骨折部の転位(いわゆるずれ)のリスクを低減することができる。
第2に、体幹装具の作製期間を短くすることができる。従来は、体幹装具の装着を行うまでに1週間以上の待機期間が必要であったが、CT又はMRIによる椎体骨折の診断後にその画像データから直ちに体幹装具を設計することができ、設計には1時間もかからないと考えられることから、大幅に時間を短縮することができる。特に、3Dプリンターにより体幹装具を作製するようにすれば、即時に体幹装具の作製を開始することができ、3Dプリンターの印刷速度などの性能にもよるが、骨折診断後の24時間以内に体幹装具を装着することも可能となる。
第3に、正常とはいえない骨格や体型を持つ対象者であっても、CT又はMRIにより解剖学的指標の位置を正確に評価することができる。よって、例えば、胸郭変形などの骨格異常や高度肥満等のように、体表から解剖学的指標の位置を把握することが難しく、従来であれば高い精度で体幹装具を作製することが難しい場合であっても、正確に解剖学的指標の位置を把握することができるので、高い精度で体幹装具を作製することができる。
第4に、CT又はMRIの画像データから形成した立体モデルに基づいて設計するので、対象者の体型に合わせた設計が可能となる。よって、体幹装具の適合性を改善することができ、体幹に対する固定性を改善することができる。
第5に、体幹装具の強度を保てば、体幹装具の素材、厚み、模様などのデザインをより自由に設定することができる。よって、デザインの多様性を向上させることができ、見た目を改善することができる。特に、3Dプリンターにより作製するようにすれば、より容易に実現することができる。
また、画像データから骨と軟部の位置関係を評価することにより体幹装具の除圧部位を決定し、除圧部位に対応して体幹装具と立体モデルとの間に隙間を設けるようにすれば、体幹装具による褥瘡のリスクを低減することができる。従来の体表からの採寸・採型では、骨突出部位の位置を正確に把握することが難しいが、本発明によれば、解剖学的指標となる骨の位置座標を用いることで、褥瘡好発部位である骨突出部位の位置を正確に評価することができる。更に、視診や触診では評価することが難しい軟部の厚みも詳細に評価することができるので、褥瘡発生のリスクを詳細に評価したうえで、骨突出部位に対して圧迫が加わらないように体幹装具の形状を変えることができる。よって、体幹装具の強度や固定性をできるだけ損なわずに、褥瘡形成のリスクを小さくすることができる。
加えて、体幹装具に貫通孔を形成するようにすれば、体幹装具の密着性を高めつつ、通気性を高めることができるので、衛生面や快適性を向上させることができる。
本発明の一実施の形態に係る体幹装具の製作方法の手順を表す流れ図である。 CT又はMRIの画像データの一例を表す図である。 画像データに基づいて体表を点群で表した図である。 描画した体表の点群を重ねて立体化した状態を表す図である。 体表の点群をつなげて形成した立体モデルを表す図である。 体幹装具の原型を表す図である。 設計した体幹装具を表す図である。 解剖学的指標を表す図である。 作製手順を立体モデル構築手順及び設計手順と同様に病院内で行う場合、及び、病院外で行う場合の手順の流れを表す図である。 従来における椎体骨折及び大腿骨近位部骨折の治療内容を表す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る体幹装具の製作方法の手順を表すものである。図2から図7は、各手順を説明するものである。本実施の形態に係る体幹装具の製作方法は、椎体骨折の治療に用いる体幹装具を製作する方法であり、椎体骨折の診断のために普遍的に用いられているCT(Computed Tomography;コンピュータ断層撮影)又はMRI(Magnetic Resonance Imaging;磁気共鳴画像)の画像データを利用するものである。なお、体幹装具というのは、胸囲から骨盤にかけての動きを制限したり矯正する装具である。
この体幹装具の製作方法は、CT又はMRIの画像データを用いて対象者の体幹の立体モデルを構築する立体モデル構築手順(ステップS110)と、この立体モデル構築手順(ステップS110)で構築した立体モデルに基づいて体幹装具を設計する設計手順(ステップS120)とを含んでおり、更に、必要に応じて、設計手順(ステップS120)における設計に基づいて3Dプリンターにより体幹装具を作製する作製手順(ステップS130)を含むことが好ましい。
立体モデル構築手順(ステップS110)では、例えば、コンピュータを用いて対象者の体幹の立体モデルを構築する。まず、例えば、医者が椎体骨折の診断をするために検査したCT又はMRIの画像データ(図2参照)をコンピュータに受信する(ステップS111)。図2は、CT又はMRIの画像データの一例(例えば、単純CT又はMRIの画像)である。CT又はMRIでは、対象者を輪切りにした断面の画像を複数得ることができる。次いで、例えば、コンピュータにより、受信した画像データから対象者の体表の位置情報を抽出し、各画像について体表の点群を描出する(ステップS112;図3参照)。続いて、描出した複数の体表の点群を重ねることにより立体化し(図4参照)、それらをつなげることにより対象者の体幹の立体モデルを形成する(ステップS113;図5参照)。
次に、設計手順(ステップS120)では、例えば、コンピュータを用いて対象者の立体モデルに基づいて体幹装具を設計する。まず、例えば、受信したCT又はMRIの画像データに基づき除圧部位を決定する(ステップS121;除圧部位決定手段)。除圧部位というのは、体幹装具により体幹にかける圧力を弱くする部位である。この体幹装具の製作方法では、CT又はMRIの画像データを用いて構築した対象者の体幹の立体モデルに基づいて体幹装具を設計することから、体幹装具と体幹との密着性を高くすることができる反面、病的骨突出部位では褥瘡形成を生じるリスクが高くなるので、褥瘡の発生リスクが高いと思われる部位について密着性を低くするためである。
具体的には、例えば、受信したCT又はMRIの画像データから骨と軟部の位置関係を評価し、体幹装具の除圧部位を決定する。これまでの仙骨部褥瘡の発生リスクについて調査した研究によれば、高齢者は若年者と比較して骨突出部位から皮膚表面までの厚さが薄く、特にその厚さが0.85cmを下回る場合には、褥瘡形成のリスクが有意に高かったことが示されている。よって、例えば、CT又はMRIの画像データに基づき、骨突出部位から皮膚表面までの厚さが所定の値以下の箇所を減圧部位として決定することが好ましい。この体幹装具の作製方法によれば、CT又はMRIの画像データから解剖学的指標となる骨の位置座標を正確に得ることができ、褥瘡好発部位である骨突出部位の位置を正確に評価することができると共に、軟部の厚みも詳細に評価することができるので、除圧部位を正確に決定することができる。
なお、解剖学的指標としては、例えば、図8に示したように、胸骨上切痕、胸骨柄、剣状突起、肋骨下縁、上前腸骨棘、恥骨結合、肩甲骨棘、棘突起、第12肋骨、上後腸骨棘、尾骨、及び、大転子がある。また、主な除圧部位としては、例えば、肋骨下縁、腸骨稜、剣状突起、及び、棘突起が挙げられる。
次いで、除圧部位決定手順(ステップS121)で決定した除圧部位に対応して、体幹装具と立体モデルとの間に隙間を形成するように体幹装具の原型を設計する(ステップS122;原型設計手順)。原型設計手順では、具体的には、例えば、立体モデルに対し、除圧部位に対応して肉付けをした肉付けモデルを作製し、体幹装具の内側形状を肉付けモデルの外側形状と一致させて肉付けモデルを覆うように厚みを付けることにより原型を設計する(図6参照)。また、例えば、体幹装具の内側形状を立体モデルの外側形状と一致させて立体モデルを覆うように厚みを付けると共に、除圧部位に対応して、立体モデルとの間に隙間を形成するように内側を削ることにより原型を設計するようにしてもよい(図6参照)。
続いて、受信したCT又はMRIの画像データから得られる解剖学的指標の位置座標を用いて、体幹装具による体幹の固定範囲を決定する(ステップS123;固定範囲決定手順)。これにより、体幹装具を設計する(図7参照)。この体幹装具の作製方法によれば、CT又はMRIの画像データから解剖学的指標の位置を正確に得ることができるので、正確に固定範囲を決定することができる。
なお、立体モデル構築手順(ステップS110)及び設計手順(ステップS120)は、一般的なCADソフトを用いることにより行うことができる。また、設計手順(ステップS120)においては、体幹装具の強度を保つことができれば、素材、厚み、模様などのデザインについては自由に設定することが可能である。
次に、作製手順(ステップS130)では、3Dプリンターにより体幹装具を作製することが好ましく、体幹装具に、内側から外側に貫通する貫通孔を形成することが好ましい。この体幹装具の製作方法では、体幹装具の密着性が高くなるので、通気性を高め、衛生面や快適性を向上させるためである。貫通孔は全体にわたり複数設けることが好ましく、貫通孔の大きさは、例えば、20mm~40mmとすることが好ましい。なお、作製手順(ステップS130)は、例えば、図9に示したように、立体モデル構築手順(ステップS110)及び設計手順(ステップS120)と同様に病院内で行うようにしてもよく、また、病院外、例えば、義肢装具会社もしくは3Dプリント会社で行うようにしてもよい。
このように本実施の形態によれば、CT又はMRIの画像データから対象者の体表の位置座標を抽出して体幹の立体モデルを構築し、この立体モデルに基づいて体幹装具を設計するようにしたので、次のような効果を得ることができる。
第1に、採寸・採型を行わずに体幹装具を作製することができるので、採寸・採型により生じる対象者への身体的負担を軽減することができる。よって、疼痛ストレスによる疼痛の慢性化を予防することができると共に、骨折部の転位のリスクを低減することができる。
第2に、体幹装具の作製期間を短くすることができる。従来は、体幹装具の装着を行うまでに1週間以上の待機期間が必要であったが、本実施の形態によれば、大幅に時間を短縮することができ、特に、3Dプリンターを用いれば、骨折診断後の24時間以内に体幹装具を装着することも可能となる。
第3に、CT又はMRIにより解剖学的指標の位置を正確に評価することができる。よって、一般の対象者はもちろん、正常とはいえない骨格や体型を持つ対象者であっても、高い精度で体幹装具を作製することができる。
第4に、CT又はMRIの画像データから形成した立体モデルに基づいて設計するので、対象者の体型に合わせた設計が可能となる。よって、体幹装具の適合性を改善することができ、体幹に対する固定性を改善することができる。
第5に、体幹装具の強度を保てば、体幹装具の素材、厚み、模様などのデザインをより自由に設定することができる。よって、デザインの多様性を向上させることができ、見た目を改善することができる。特に、3Dプリンターにより作製するようにすれば、より容易に実現することができる。
また、画像データから骨と軟部の位置関係を評価することにより体幹装具の除圧部位を決定し、除圧部位に対応して体幹装具と立体モデルとの間に隙間を形成するようにすれば、体幹装具による褥瘡のリスクを低減することができる。
加えて、体幹装具に貫通孔を形成するようにすれば、体幹装具の密着性を高めつつ、通気性を高めることができるので、衛生面や快適性を向上させることができる。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形可能である。

Claims (7)

  1. CT又はMRIの画像データから対象者の体表の位置座標情報を抽出し、前記体表の位置座標情報から前記対象者の体幹の立体モデルを構築する立体モデル構築手順と、
    前記立体モデル構築手順の後、前記立体モデルに基づいて体幹装具を設計する設計手順と
    を含むことを特徴とする体幹装具の製作方法。
  2. 前記設計手順は、前記画像データから得られる解剖学的指標の位置座標を用いて、前記体幹装具による前記体幹の固定範囲を決定する固定範囲決定手順を含むことを特徴とする請求項1記載の体幹装具の製作方法。
  3. 前記設計手順は、
    前記画像データから骨と軟部の位置関係を評価し、前記体幹装具の除圧部位を決定する除圧部位決定手順と、
    前記除圧部位決定手順で決定した除圧部位に対応して、前記体幹装具と前記立体モデルとの間に隙間を形成するように前記体幹装具の原型を設計する原型設計手順と
    を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の体幹装具の作製方法。
  4. 前記原型設計手順では、前記立体モデルに対し、前記除圧部位に対応して肉付けをした肉付けモデルを作製し、前記体幹装具の内側形状を前記肉付けモデルの外側形状と一致させて前記肉付けモデルを覆うように厚みを付けることにより前記原型を設計することを特徴とする請求項3記載の体幹装具の作製方法。
  5. 前記原型設計手順では、前記体幹装具の内側形状を前記立体モデルの外側形状と一致させて前記立体モデルを覆うように厚みを付けると共に、前記除圧部位に対応して、前記立体モデルとの間に隙間を形成するように内側を削ることにより前記原型を設計することを特徴とする請求項3記載の体幹装具の作製方法。
  6. 前記設計手順における設計に基づき、前記体幹装具を3Dプリンターにより作製する作製手順を含むことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1に記載の体幹装具の製作方法。
  7. 前記作製手順において、前記体幹装具に、内側から外側に貫通する貫通孔を形成することを特徴とする請求項6記載の体幹装具の作製方法。
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