JP2022171933A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技の興趣を向上できる遊技機を提供すること。【解決手段】振分通路E150の少なくとも一部を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される駆動手段E190を備えるので、駆動手段E190により振分通路E150が変位されることで、振分通路E150を移動する球の移動方向の変化を多様化できる。これにより、球の移動方向の変化が単調となることを抑制できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。【選択図】図144

Description

本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特許文献1)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。
特開2016-198607号公報
しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の移動方向の変化が単調であり、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上することができる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、球が移動可能に形成される通路部材を備えたものであり、前記通路部材の少なくとも一部を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備える。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、前記通路部材に配設され前記球の移動方向に変化を付与する付与手段を備え、前記通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、前記付与手段は、前記通路部材の転動部から突出される複数の突部または前記転動部に凹設される複数の凹部を備える。
請求項3記載の遊技機は、請求項2記載の遊技機において、前記変位手段は、前記通路部材の転動部を転動する球の転動方向と平行な変位成分を少なくとも備える変位方向に前記通路部材を変位させる。
請求項4記載の遊技機は、請求項2又は3に記載の遊技機において、前記突部は、前記突部どうしの間を球が移動可能な間隔を少なくとも備えて配置される。
請求項1記載の遊技機によれば、遊技の興趣を向上できる。
請求項2記載の遊技機によれば、請求項1記載の遊技機の奏する効果に加え、球の移動方向の変化が単調となることを抑制できる。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項2記載の遊技機の奏する効果に加え、球の移動方向に変化を付与しやすくできる。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項2又は3に記載の遊技機の奏する効果に加え、変位手段を簡素化できる。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 可変入賞装置及び振分装置の正面斜視図である。 (a)及び(b)は、可変入賞装置の正面斜視図である。 遊技盤の正面斜視図である。 遊技盤の背面斜視図である。 ベース板、可変入賞装置、集合樋及び振分装置の分解正面斜視図である。 ベース板、可変入賞装置、集合樋及び振分装置の分解背面斜視図である。 可変入賞装置の分解正面斜視図である。 可変入賞装置の分解背面斜視図である。 振分装置の分解正面斜視図である。 振分装置の分解正面斜視図である。 受入部材及び振分装置の正面図である。 図15のXVI-XVI線における可変入賞装置及び振分装置の断面図である。 図15のXVII-XVII線における可変入賞装置及び振分装置の断面図である。 図15のXVIII-XVIII線における可変入賞装置及び振分装置の断面図である。 図15のXVII-XVII線における可変入賞装置及び振分装置の断面図である。 図15のXVIII-XVIII線における可変入賞装置及び振分装置の断面図である。 可変入賞装置及び振分装置の正面図である。 図16の矢印XXII方向視における可変入賞装置及び振分装置の斜視図である。 図16の矢印XXIII方向視における可変入賞装置及び振分装置の斜視図である。 (a)は、主制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第1当たり種別カウンタと特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2当たり乱数カウンタと普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。 各大当たり種別における1ラウンド目の可変入賞装置の開閉板の作動パターンと、振分装置のスライド変位部材の作動パターンと、の計時変化を示した図である。 動作ユニットの正面斜視図である。 動作ユニットの背面斜視図である。 動作ユニットの動作の一例を示す動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの動作の一例を示す動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの動作の一例を示す動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの動作の一例を示す動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの動作の一例を示す動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの動作の一例を示す動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの動作の一例を示す動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの動作の一例を示す動作ユニットの正面図である。 第1動作ユニットの正面斜視図である。 第1動作ユニットの背面斜視図である。 第1動作ユニットの分解正面斜視図である。 第1動作ユニットの分解背面斜視図である。 演出待機状態における第1動作ユニットの正面図である。 演出待機状態における第1動作ユニットの背面図である。 図40の矢印XLII方向視における第1動作ユニットの側面図である。 中間演出状態における第1動作ユニットの正面図である。 中間演出状態における第1動作ユニットの背面図である。 張出状態における第1動作ユニットの正面図である。 張出状態における第1動作ユニットの背面図である。 回動部材の回動変位に伴う被支持部材の変位量および変位角度を模式的に示す模式図である。 (a)及び(b)は、回動部材が角速度一定の態様で傾倒方向に回動した場合における被支持部材の従動側の変位量の大小関係を示す模式図である。 回動部材の回転に伴う角度の変化を示す模式図である。 背面ケース及び第2動作ユニットの分解正面斜視図である。 背面ケース及び第2動作ユニットの分解背面斜視図である。 (a)は、図28のLIIa-LIIa線における第2動作ユニット及びセンターフレームの断面図であり、(b)は、図28のLIIb-LIIb線における第2動作ユニット及びセンターフレームの断面図である。 (a)は、図33のLIIIa-LIIIa線における第2動作ユニット及びセンターフレームの断面図であり、(b)は、図33のLIIIb-LIIIb線における第2動作ユニット及びセンターフレームの断面図である。 (a)は、図30のLIVa-LIVa線における第2動作ユニット及びセンターフレームの断面図であり、(b)は、図30のLIVb-LIVb線における第2動作ユニット及びセンターフレームの断面図である。 昇降反転演出装置の分解正面斜視図である。 昇降反転演出装置の分解背面斜視図である。 (a)及び(b)は、伝達装置保持板、上下反転部材、中間腕部材、直動板部材及び軸回転部材の正面図である。 (a)は、図57(a)のLVIIIa-LVIIIa線における伝達装置保持板、上下反転部材、中間腕部材、直動板部材及び軸回転部材の断面図であり、(b)は、図57(b)のLVIIIb-LVIIIb線における伝達装置保持板、上下反転部材、中間腕部材、直動板部材及び軸回転部材の断面図である。 (a)から(c)は、演出装置の正面図である。 第3動作ユニットの構成の一部の分解正面斜視図である。 第3動作ユニットの構成の一部の分解背面斜視図である。 第3動作ユニットの構成の一部の分解正面斜視図である。 第3動作ユニットの構成の一部の分解背面斜視図である。 (a)及び(b)は、外側回転部材及び中間腕部材の背面図である。 (a)及び(b)は、外側回転部材及び中間腕部材の背面図である。 (a)及び(b)は、外側回転部材及び中間腕部材の正面図である。 (a)及び(b)は、外側回転部材及び中間腕部材の正面図である。 昇降アーム部材の配置、駆動モータの駆動態様および検出センサの出力の一例を時系列で示すタイミングチャートである。 図28のLXIX-LXIX線における第3動作ユニットの断面図である。 (a)から(d)は、各動作ユニットの組み合わせ動作の例を時系列に沿って模式的に説明する動作ユニットの正面模式図である。 (a)から(d)は、各動作ユニットの組み合わせ動作の例を時系列に沿って模式的に説明する動作ユニットの正面模式図である。 第2実施形態における遊技盤の正面図である。 下側フレームの正面斜視図である。 下側フレームの背面斜視図である。 下側フレームの分解正面斜視図である。 下側フレームの分解背面斜視図である。 下側フレームの上面図である。 下側フレームの正面図である。 下側フレームの背面図である。 (a)は、図78の矢印LXXXa方向視における下側フレームの側面図であり、(b)は、図78の矢印LXXXb方向視における下側フレームの側面図である。 図77のLXXXI-LXXXI線における下側フレームの断面図である。 図77のLXXXI-LXXXI線における下側フレームの断面図である。 図78のLXXXIII-LXXXIII線における下側フレームの断面図である。 (a)は、図81のLXXXIVa部における下側フレームの部分拡大断面図であり、(b)は、図77のLXXXIVb-LXXXIVb線における下側フレームの部分拡大断面図である。 振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図77のLXXXI-LXXXI線における断面に対応する。 振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図77のLXXXI-LXXXI線における断面に対応する。 振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図77のLXXXI-LXXXI線における断面に対応する。 第3実施形態における下側フレームの正面斜視図である。 下側フレームの背面斜視図である。 下側フレームの分解正面斜視図である。 下側フレームの分解背面斜視図である。 下側フレームの上面図である。 下側フレームの正面図である。 下側フレームの背面図である。 (a)は、図93の矢印XCVa方向視における下側フレームの側面図であり、(b)は、図93の矢印XCVb方向視における下側フレームの側面図である。 図92のXCVI-XCVI線における下側フレームの断面図である。 図92のXCVI-XCVI線における下側フレームの断面図である。 図94のXCVIII-XCVIII線における下側フレームの部分拡大断面図である。 図94のXCIX-XCIX線における下側フレームの部分拡大断面図でる。 振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図92のXCVI-XCVI線における断面に対応する。 振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図92のXCVI-XCVI線における断面に対応する。 振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図92のXCVI-XCVI線における断面に対応する。 図102(b)のCIII-CIII線における下側フレームの部分拡大断面図である。 第4実施形態における下側フレームの部分拡大断面図である。 下側フレームの背面図である。 第4実施形態における下側フレームの部分拡大断面図である。 下側フレームの背面図である。 (a)は、第5実施形態における皿部材の上面図であり、(b)は、図108(a)のCVIIIb-CVIIIb線における皿部材の断面図であり、(c)は、図108(a)のCVIIIc-CVIIIc線における皿部材の断面図である。 (a)は、第6実施形態における下側フレームの断面図であり、図94のXCIX-XCIX線における断面に対応し、(b)は、第7実施形態における下側フレームの断面図であり、図94のXCIX-XCIX線における断面に対応する。 第8実施形態における遊技盤の正面図である。 下側フレームの正面斜視図である。 下側フレームの背面斜視図である。 下側フレームの分解正面斜視図である。 下側フレームの分解背面斜視図である。 下側フレームの上面図である。 下側フレームの正面図である。 下側フレームの背面図である。 (a)は、図116の矢印CXVIIIa方向視における下側フレームの側面図であり、(b)は、図116の矢印CXVIIIb方向視における下側フレームの側面図である。 (a)は、下側フレームの部分拡大断面図であり、(b)は、下側フレームの部分拡大背面図である。 (a)は、下側フレームの部分拡大断面図であり、(b)は、下側フレームの部分拡大背面図である。 (a)は、下側フレームの部分拡大断面図であり、(b)は、下側フレームの部分拡大背面図である。 (a)は、図115のCXXIIa-CXXIIa線における下側フレームの部分拡大断面図であり、(b)は、図115のCXXIIb-CXXIIb線における下側フレームの部分拡大断面図であり、(c)は、図119のCXXIIc-CXXIIc線における下側フレームの部分拡大断面図である。 (a)及び(b)は、第9実施形態における下側フレームの断面図である。 (a)及び(b)は、第10実施形態における下側フレームの部分拡大断面図である。 (a)及び(b)は、第11実施形態における下側フレームの部分拡大背面図である。 第12実施形態における下側フレームの部分拡大背面図である。 第13実施形態における下側フレームの分解正面斜視図である。 下側フレームの分解背面斜視図である。 下側フレームの正面図である。 (a)及び(b)は、下側フレームの部分拡大断面図である。 (a)から(c)は、第14実施形態における下側フレームの部分拡大背面図である。 (a)及び(b)は、第15実施形態における下側フレームの部分拡大断面図である。 (a)は、図132(a)のCXXXIIIa-CXXXIIIa線における下側フレームの部分拡大断面図であり、(b)は、図132(b)のCXXXIIIb-CXXXIIIb線における下側フレームの部分拡大断面図である。 下側フレームの部分拡大断面図であり、図119のCXXIIc-CXXIIc線における断面に対応する。 第16実施形態における遊技盤の正面図である。 下側フレームの正面斜視図である。 下側フレームの背面斜視図である。 下側フレームの分解正面斜視図である。 下側フレームの分解背面斜視図である。 下側フレームの上面図である。 下側フレームの正面図である。 下側フレームの背面図である。 (a)は、図141の矢印CXLIIIa方向視における下側フレームの側面図であり、(b)は、図141の矢印CXLIIIb方向視における下側フレームの側面図であり、(c)は、図141のCXLIIIc-CXLIIIc線における下側フレームの断面図である。 (a)は、正面部材の図示が省略された状態における下側フレームの正面図であり、(b)は、背面側カバー部材の図示が省略された状態における下側フレームの部分拡大背面図であり、(c)は、下側フレームの上面図である。 (a)は、図144(c)のCXLVa-CXLVa線における下側フレームの断面図であり、は、図145(a)のCXLVb-CXLVb線における下側フレームの断面図であり、(c)は、下側フレームの部分拡大下面図である。 (a)は、正面部材の図示が省略された状態における下側フレームの正面図であり、(b)は、背面側カバー部材の図示が省略された状態における下側フレームの部分拡大背面図であり、(c)は、下側フレームの上面図である。 (a)は、図146(c)のCXLVIIa-CXLVIIa線における下側フレームの断面図であり、(b)は、図147(a)のCXLVIIb-CXLVIIb線における下側フレームの断面図であり、(c)は、下側フレームの部分拡大下面図である。 第17実施形態における下側フレームの部分拡大断面図であり、図144のCXLVa-CXLVa線における断面に対応する。 (a)は、振分通路の正面斜視図であり、(b)は、図149(a)の矢印CXLIXb方向視における振分通路の正面図であり、(c)は、図149(b)の矢印CXLIXc方向視における振分通路の下面図であり、(d)は、図149(b)の矢印CXLIXd方向視における振分通路の側面図である。 第18実施形態における下側フレームの部分拡大断面図であり、図144のCXLVa-CXLVa線における断面に対応する。 (a)は、第19実施形態における下側フレームの正面図であり、(b)は、下側フレームの背面図である。 (a)は、第19実施形態における下側フレームの正面図であり、(b)は、下側フレームの背面図である。 (a)は、第20実施形態における下側フレームの正面図であり、(b)は、下側フレームの背面図である。 下側フレームの上面図である。 (a)は、第20実施形態における下側フレームの正面図であり、(b)は、下側フレームの背面図である。 下側フレームの上面図である。 (a)は、第21実施形態における下側フレームの部分拡大断面図であり、(b)は、第22実施形態における下側フレームの部分拡大断面図であり、(c)は、第23実施形態における下側フレームの部分拡大断面図である。 (a)は、第24実施形態における下側フレームの部分上面図であり、(b)は、第25実施形態における下側フレームの部分上面図である。 (a)は、振分通路の正面斜視図であり、(b)は、第27実施形態における振分通路の振分通路に垂直な方向視の図であり、(c)は、第28実施形態における振分通路の振分通路に垂直な方向視の図であり、(d)は、第29実施形態における振分通路の部分拡大断面図であり、(e)は、第30実施形態における振分通路の部分拡大断面図である。 (a)は、第31実施形態における下側フレームの部分拡大上面図であり、(b)は、第32実施形態における下側フレームの部分拡大上面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図71を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
なお、以下の説明では、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図2参照)の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29~33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29~33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29~33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29~33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿(図示せず)が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(センターフレーム86の下方において図示し、遊技領域の上半部においては図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口140、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。
ベース板60は、光透過性の樹脂材料から形成されるており、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能となっている。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口140及び可変入賞装置65は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
なお、ベース板60を木製の板部材から形成しても良い。この場合、センターフレーム86の外側において、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認不能に遮蔽することが可能となる。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口140へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口140へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口140へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、4R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「4R通常大当たり」は、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、所定の変動回数の間(本実施形態では、100変動回数)、大当たり確率がアップし、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口140へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口140へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
本実施形態では、後述する振分装置300の確変検出センサSE11の貫通孔を、大当たり遊技の1ラウンド目に遊技球が通過したと判定された時に、その大当たり遊技終了後の遊技状態が100変動回数の間、高確率状態となる。なお、確変検出センサSE11の貫通孔に遊技球が通過したと判定されなかったら大当たり遊技終了後の遊技状態が100変動回数の間、時短状態となる。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口140に付随する電動役物140a(電動役物)が開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物140aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物140aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口140へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口140に付随する電動役物140aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物140aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口140に付随する電動役物140aが開放される時間および1回の当たりで電動役物140aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口140に付随する電動役物140aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物140aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口140への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
なお、本実施形態では、第3図柄表示装置81は後述する背面ケース510の開口511aを埋めるように背面ケース510に締結固定され、センターフレーム86はベース板60の窓部60aを縁取るように配設されている。即ち、正面視では第3図柄表示装置81の外周を囲むようにセンターフレーム86が配設されているように見えるが、実際は、第3図柄表示装置81とセンターフレーム86とは前後に離れて配置されている。
第3図柄表示装置81は、例えば9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口140に付随された電動役物140aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口140の電動役物140aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物140aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物140aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の左右の領域において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、例えば1つであっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口140が配設されている。この第2入賞口140へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口140は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口140には電動役物140aが付随されている。この電動役物140aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物140aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口140へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物140aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口140へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物140aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物140aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口140へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口140へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口140にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口140に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口140に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口140に付随する電動役物140aが開放状態となりやすく、第2入賞口140に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口140へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口140への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
なお、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技盤13の構成が左右対称とされるため、「右打ち」で第1入賞口64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口140を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
第1入賞口64の下方には可変入賞装置65(図2参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口140への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の下方右側や、第1入賞口64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,140にも入賞しなかった球は、アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口71は、特定入賞口65aの左右に一対で配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている(図示せず)。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100~104に収納されている。基板ボックス100~104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板65b(図11参照)の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には駆動モータ631,731,782,861が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110~114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110~114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、可変入賞装置65周辺の構造について説明する。図5は、可変入賞装置65及び振分装置300の正面斜視図であり、図6(a)及び図6(b)は、可変入賞装置65の正面斜視図である。図6(a)では、特定入賞口65aへの球の流下を規制するように開閉板65bが閉鎖される開閉板65bの閉鎖状態が図示され、図6(b)では、特定入賞口65aへの球の流下を許容するように開閉板65bが開放される開閉板65bの開放状態が図示される。なお、図5及び図6の説明においては、図2を適宜参照する。
可変入賞装置65は、開閉板65bの開放状態(図6(b)参照)において、開閉板65bに着地する球を受け入れ、特定入賞口65aへ案内可能となるように、開閉板65bの開放状態において開閉板65bの板上面が背面側へ向けて下降傾斜するように形成される。
開閉板65bの左右中央部の上方には電動役物140aが配置されているので(図2参照)、開閉板65bに着地する球は、電動役物140aから逸れて流下する球に限定される。即ち、開閉板65bへの球の着地は、左右中央部では生じず、主に、電動役物140aよりも左右外側の部分において生じる。換言すれば、開閉板65bに着地する球の配置は、開閉板65bの左右外側寄りの位置に限定される。
なお、開閉板65bに着地した後の球の配置についてはこの限りではない。即ち、開閉板65bに着地した後の球の流れ方によっては、開閉板65bの左右中央位置寄りに球が配置されることは生じ得る。
特に、本実施形態では、電動役物140aを前側から覆う前意匠部材141(図2参照)が、開閉板65b側の空間を確保するように湾曲形成されている(ガラスユニット16(図1参照)と対向配置される前端部下端から背面側へ向かうにつれて下側に張り出す態様の湾曲面として形成されている)ので、開閉板65bの左右中央位置寄りにおいて跳ねた球が前意匠部材141と衝突して勢いを落とされる程度を低くすることができる。これにより、開閉板65bの左右中央位置寄りに球が配置される可能性を高めることができる。
なお、前意匠部材141の下部の湾曲形状の曲率半径の中心は、前後どちらに配置されるものでも良い。本実施形態では、横面視における曲率半径が前側下方に配置されるよう形成することで、開閉板65b側の空間をより大きく確保できるようにしている。また、前意匠部材141が左右端部において下側へ向かう程に左右幅が小さくなる形状とされることで、左右側において開閉板65bとの間に空間を確保し易くすることができる。
開閉板65bの開放状態においては、開閉板65bに着地した球はほぼ漏れなく特定入賞口65aに案内される。検出センサSE1の球通過孔163bの手前側には、後方へ向けて下降傾斜する傾斜流下面163a1が球を球通過孔163bに案内可能な上下位置で配設されている。
傾斜流下面163a1は、下面部163aにより左右外側に転動された球が抵抗少なく乗り移れるように下面部163aの左右端部よりも一段下がって形成されている。この傾斜流下面163a1よりも左右外側において開閉板65bに着地した球の流下抵抗を低減するため、傾斜流下面163a1の左右外側において案内板部163a2が形成されている。
案内板部163a2は、受入部材163の後壁部と左右内壁部とから、前側かつ左右内側へ延設される板状部であって、前端面が左右内側ほど後方へ配置がずれる傾斜面として形成される。
これにより、開閉板65bに乗り転動する球が案内板部163a2の前端面に当接した場合に、傾斜面の傾斜に沿って球の流下を案内することができるので、球を傾斜流下面163a1に抵抗少なく案内することができる。そのため、開閉板65bに球が乗った状態で開閉板65bが閉鎖動作を開始した場合において、その球が傾斜流下面163a1よりも左右外側に配置されていたとしても、開閉板65bの閉鎖動作が阻害される程度を低減することができる。
即ち、例えば、球の流れが悪くなり開閉板65bの閉鎖が滞ったり、開閉板65bの閉鎖動作により後方に流された球が受入部材163の後壁部で跳ね返って開閉板65bに再び当たり、開閉板65bを開放させる方向(前側)の負荷を与えることで開閉板65bが意図せず開いたり、等という動作不良が生じる可能性を低減することができる。
開閉板65bが開放状態から閉鎖状態へ動作する場合、開閉板65bは起き上がり動作で閉じる。即ち、開閉板65bに着地した球は、開閉板65bの動作により特定入賞口65aに案内される(飲み込まれる)ので、開閉板65bに乗っている球の左右位置に寄らず、開閉板65bに乗っている球はほぼ漏れなく特定入賞口65aに案内される。
この際、開閉板65bにおける球の配置が左右外側に寄っていたり、球の個数が多かったりすると、開閉板65bの閉鎖動作が遅れる可能性がある。これに対し、本実施形態では、受入部材163の下面部163a、傾斜流下面163a1及び案内板部163a2の形状を工夫しているので、特定入賞口65aに案内された球の流れを滞留させることなく、開閉板65bの閉鎖動作の迅速性を保つことができる。
また、受入部材163の形状を工夫する代わりに、開放状態において球が乗る開閉板65bの転動面は、平面状に形成される(図6(b)参照)。そのため、開閉板65bの開放状態において開閉板65bに着地した球は、一旦後方に流れてから、受入部材163の形状の作用により左右方向へ流され検出センサSE1の球通過孔163bに案内されることになるので、開閉板65b上で球の衝突が生じることを回避し易くすることができる。
即ち、開閉板65bに複数の球が同時に着地しても、その球が一旦後方に平行移動することになるので、開閉板65b上で球が互いに衝突することを回避することができる。従って、開閉板65bの転動面が下面部163aのように左右方向の傾斜面を有する形状とされ転動球に左右方向の流れが形成される場合に比較して、開閉板65b上での球の動きが不規則になる可能性を低くすることができるので、意図せぬ動作不良を未然に防ぐことができる。
受入部材163には、開閉板65bの閉鎖状態において、開閉板65bの左右両端部における回動先端部と当接し、開閉板65bの配置の再現性を高めるための当接面部163a3が形成されている。当接面部163a3は左右一対で形成されており、且つ、開閉板65bの形状に合わせた形状設計により点接触ではなく面接触可能に形成されているので、開閉板65bの配置を安定させ易く、且つ、当接時の負荷を面で受けることにより応力集中を避けることができるので耐久性を向上させることができる。
また、当接面部163a3の下側には、対向配置される開閉板65bと若干の隙間を空け略平行となる面形状で形成される補助当接面163a4が形成されている。補助当接面163a4は、何らかの理由で当接面部163a3と開閉板65bとの当接が不良となった場合のフェールセーフとして設けられている。
本実施形態では、当接面部163a3の手前側において球の流下を制限する被固定部材161が配置されており、基本的には球は当接面部163a3と衝突しないように構成されている。しかし、例えば、当接面部163a3と当接する開閉板65bの回動先端部が欠けた場合、閉鎖状態における開閉板65bの配置の再現性を保てなくなる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、開閉板65bと当接面部163a3との正常な当接が保てなくなった場合には、開閉板65bの左右端部における前後幅間部と補助当接面163a4との面当接を生じさせ、開閉板65bの配置の安定性を保てるように図っている。これにより、閉鎖状態における開閉板65bの配置の再現性を向上することができる。
なお、補助当接面163a4を、当接面部163a3の形状が正常な状況から開閉板65bと当接するように構成しても良い。この場合、当接面部163a3の形状が正常な状況から開閉板65bとの当接が生じるので負荷が蓄積され易いという不利益が生じ得るものの、負荷を分散させる面積を拡大できるので、開閉板65bとの当接により当接面部163a3が受ける局所的な負荷の大きさを低減することができる。
開閉板65bが開放状態から閉鎖状態へ動作する場合、開閉板65bへ受け入れられる途中の遊技球を、上述した前意匠部材141の形状によって開閉板65bへ押し込む態様で受け入れさせるよう構成することができる。
即ち、受け入れられる途中の状態(例えば、開閉板65bの回動先端と特定入賞口65aの開口枠部とに挟まれて横滑りしている状態)で、球が前意匠部材141の下部形状と当接した場合に、その湾曲形状に案内させることで特定入賞口65aの内側へ流下させることができる。これにより、開閉板65bから逸れた球が第3流路構成部336の正面側を落下する事態の発生を避け易くすることができるので、第3流路構成部336への視界を確保し易くすることができる。
開閉板65bの閉鎖状態においては、開閉板65bへの球の着地が生じないので、開閉板65bの閉鎖状態において開閉板65bの正面側を流下する球の配置は電動役物140aよりも左右外側に限定される。
従って、本実施形態の構成によれば、開閉板65bの閉鎖状態において特定入賞口65aに案内されずに流下する球の配置を、電動役物140aよりも左右外側位置に限定することができる。これにより、電動役物140aの下側において、電動役物140aの左右端部よりも左右内側位置における視界を確保することができる。
次いで、特定入賞口65aの下流側(特定入賞口65aを通過した球が流れる側)の構成について説明する。図7は、遊技盤13の正面斜視図であり、図8は、遊技盤13の背面斜視図である。なお、図7及び図8では、ベース板60に配設される構成の内、第1入賞口64、第2入賞口140及び可変入賞装置65以外の構成が取り外された状態が図示される。
図8に示すように、ベース板60の背面側における可変入賞装置65の後方位置には、第1入賞口64、第2入賞口140及び一般入賞口63(図2参照)に入球した球を球排出路(図示せず)へ流すための経路が形成される集合樋150が配設される。
集合樋150は、流路を形成する溝状部分を備え、溝状部分においてベース板60と対面する前側部が開放される。この開放部分がベース板60に閉じられることで、球排出路へ球を流すための経路が完成する。
集合樋150は、第1入賞口64に入球した球の流路を形成する第1流路部151と、第2入賞口140に入球した球の経路を形成する第2流路部152と、左右両側に配置される一般入賞口63に入球した球の流路を左右それぞれに形成する複数の第3流路部153と、を備える。
第1流路部151は、第1入賞口64の後方位置から左下方向へ傾斜する流路として構成され、第2流路部152は、第2入賞口140の後方位置から右下方向へ傾斜する流路として構成される。第3流路部153は、一般入賞口63の下方へ延びる流路として構成される。
従って、正面視では、第1入賞口64及び第2入賞口140が遊技領域の左右中央位置に配置される構成ながら、第1入賞口64及び第2入賞口140に入球した球の流れは、集合樋150によって左右中央位置から左右外側に寄せられる。これにより、第1入賞口64及び第2入賞口140の下方に空間を設けることができ、この空間を利用して可変入賞装置65及び後述する振分装置300を配設することができる。
図9は、ベース板60、可変入賞装置65、集合樋150及び振分装置300の分解正面斜視図であり、図10は、ベース板60、可変入賞装置65、集合樋150及び振分装置300の分解背面斜視図である。なお、図9及び図10では、ベース板60の下半部のみが図示され、その他の部分の図示が省略されており、且つ、ベース板60に組み付けられる他の構成についての図示が省略され、ベース板60の地が視認可能となっている。また、図9では、説明の便宜上、センターフレーム86がベース板60に組み付けられた状態で図示される。
可変入賞装置65、集合樋150及び振分装置300の固定について説明する。可変入賞装置65は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。集合樋150は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の背面側からタッピングネジ等により固定されている。
そして、振分装置300は、上部において挿通孔311が可変入賞装置65に締結固定され、左右部において挿通孔331が集合樋150に締結固定される。即ち、ベース板60に直接的に固定される可変入賞装置65や、集合樋150とは異なり、振分装置300の有無は、遊技盤13の完成に影響するものではない。
換言すれば、本実施形態における可変入賞装置65及び集合樋150は、振分装置300を配設する場合と、振分装置300を配設しない場合とで、そのまま流用することができる。これにより、振分装置300の有無に関わらず、可変入賞装置65と集合樋150との共通化を図ることができる。
次いで、可変入賞装置65及び振分装置300の詳細について説明する。可変入賞装置65は、特定入賞口65aを通して遊技領域から球を受け入れ可能に構成されており、振分装置300は、可変入賞装置65に受け入れられた球の流れる流下経路を構成している。本実施形態では、振分装置300の流下経路を流れる球の検出結果に基づいて遊技者が得られる利益が変化するように制御されるが、詳細は後述する。
図11は、可変入賞装置65の分解正面斜視図であり、図12は、可変入賞装置65の分解背面斜視図である。図11及び図12に示すように、可変入賞装置65は、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定される被固定部材161と、その被固定部材161の正面側に配置され被固定部材161に締結固定される前意匠部材162と、被固定部材161の背面側に配置され、被固定部材161に締結固定され、特定入賞口65aを通った球を受け入れ可能に構成される受入部材163と、その受入部材163の背面側に配置され、受入部材163に締結固定され、振分装置300との連結部分として介在する介在部材164と、受入部材163の背面側に配置され、受入部材163に締結固定され、開閉板65bの開閉状態を通電の有無によって切り替え可能に構成される状態切替装置165と、を備える。
被固定部材161は光透過性の樹脂材料から形成され、その正面側の形状は、ネジ挿通用の貫通孔、前意匠部材162との締結位置および特定入賞口65aを除き平坦面で形成される。一方、被固定部材161の背面側の形状は、外周部においてベース板60に面で当接される薄肉部の内側において背面側に張り出す立体的な形状となっている。
特に、薄肉部との境界部161aは横長略楕円の枠状に形成されており、この境界部161aを配設可能な大きさの貫通孔がベース板60に貫通形成される。即ち、境界部161aは、ベース板60の貫通孔に挿通される部分である。
境界部161aの内側では、特定入賞口65aと、その特定入賞口65aの下縁よりも若干下側において特定入賞口65aの下縁と平行な横長板状で後方へ延設される横長板状部およびその横長板状部の途中位置において下方に延設される縦長板状部を備えて左右一対の略T字形状で構成される延設支持板161bと、が形成される。
延設支持板161bは、特定入賞口65aの後方の範囲と、後述する振分装置300の流下経路と、の双方を支持するよう機能する。延設支持板161bの横長板状部から突設される突設支持部161cと、延設支持板161bの縦長板状部から突設される突設支持部161dと、境界部161aの下縁部上面から突設される突設支持部161eと、は振分装置300を支持する部分としての機能を有するが、詳細は後述する。
境界部161aの内側において、特定入賞口65aの左右中央位置下方において左右対称形状で突設される対称突設部161fは、振分装置300を流下する球と当接して球の流下を案内する機能を有する。
前意匠部材162に螺入する締結ネジを挿通するための複数の貫通孔161gは、境界部161aの内側および外側に配置される。受入部材163に挿通される締結ネジを螺入するため雌ネジ部を有する複数の被締結部161hは、境界部161aの内側に配置される。
介在部材164に挿通される締結ネジを螺入するため雌ネジ部を有する被締結部161iは、境界部161aの切れ目(左右中央位置)において境界部161aの外側に配置される。即ち、ベース板60に形成される貫通孔の内、境界部161aを挿通するための貫通孔と第2入賞口140及び電動役物140aを挿通するための貫通孔との連結部分(図9参照)に、被締結部161iは配設される。
前意匠部材162は、光透過性の樹脂材料から形成され、正面側は、ガラスユニット16(図1参照)との距離を均一とするべく平坦形状で形成される。前意匠部材162の背面側かつ被固定部材161の正面側の範囲において、球は流下可能とされる。
前意匠部材162の背面側には、被固定部材161の貫通孔161gと合う位置に配設され、貫通孔161gに挿通された締結ネジを螺入可能に形成される雌ネジ部を有する複数の被締結部162aと、その被締結部162aを上側から覆うような形状で背面側に延設される複数の延設部162b,162cと、を備える。
延設部162b,162cにより、被固定部材161と前意匠部材162との間を流下する球が被締結部162aに直接衝突することを回避することができるので、被締結部162aの耐久性を向上することができる。
更に、延設部162b,162cの上面が傾斜面として形成されることにより、球の流下経路を制限することができる。即ち、特定入賞口65aの左右縁部付近で延設される延設部162b(左右中央側の2箇所)の上面が左右外側へ向けて下降傾斜する傾斜面として形成されることで、延設部162bに乗った球が特定入賞口65a側に流れることを抑制することができる。即ち、延設部162bに乗った球は、延設部162bの左右外側を下方へ落下した後、内レール61(図2参照)に沿ってアウト口71へ向けて流下することになる。
また、左右両端に延設される延設部162c(左右両端の2箇所)の上面が左右内側へ向けて下降傾斜する傾斜面として形成されることで、延設部162cに乗って流れる球の流下経路を延設部162bに乗った球の流下経路とまとめることができる。これにより、流下する球の個数に比較して、流下する球が配置される範囲を狭めることができ(球の配置密度を高めることができ)、球に視認性を阻害されない部分(流下経路が構成されない空間)を確保することができる。
なお、図11に図示される前意匠部材162は無地で記載され、背面側の視認性が良好とされているが、前意匠部材162を無地で構成する必要はない。例えば、前意匠部材162の正面側に模様やキャラクターが図示されたシールを貼り付けて装飾するようにしても良いし、前意匠部材162に幾何学模様で溝を掘り、その溝に光が照射されることで幾何学模様が浮かび上がって視認されるようにしても良い。また、無地や、上述のような装飾が加えられた上で、前意匠部材162が非透過性となるように構成しても良い。
受入部材163は、光透過性の樹脂材料から正面側が開放された横長の枠状(または箱状)に形成され、上述した案内板部163a2と、当接面部163a3と、補助当接面163a4と、枠内側において流下面を形成する下面部163aと、下面部163aを流下した球が通過可能な貫通孔として配設される球通過孔163bと、被固定部材161の被締結部161hに合う位置に配置され被締結部161hに締結固定される締結ネジが背面側から挿通される複数の挿通孔163cと、介在部材164に挿通される締結ネジが螺入される雌ネジ部であって左右中央側に配設される一対の被締結部163dと、状態切替装置165に挿通される締結ネジが螺入される雌ネジ部を有する複数の被締結部163eと、を備える。
下面部163aは、左右中央部を頂点として左右外側へ向けて下降傾斜する左右傾斜面として形成され、その左右傾斜面の左右外端部から一段下がった位置において後方へ向けて下降傾斜する傾斜流下面163a1を備えていることで、傾斜流下面163a1の後端部を流下する球が球通過孔163bを抵抗小さく通過できるように配設される。
球通過孔163bは、受入部材163の背面側に係合される検出センサSE1に形成される検出用孔である。即ち、球通過孔163bを球が通過したことは検出センサSE1により検出される。
介在部材164は、光透過性の樹脂材料から形成され、後方へ向けて下降傾斜する光屈折面を有する本体部164aと、その本体部164aの上側部において貫通形成され受入部材163の被締結部163dに螺入される締結ネジを挿通可能な一対の挿通孔164bと、その挿通孔164bよりも上側に配置されLEDが配設される発光基板164cと、本体部164aの下端側左右両端部において振分装置300に挿通される締結ネジを螺入可能な雌ネジ部を有して形成される一対の被締結部164dと、本体部164aの上側部において貫通形成され被固定部材161の被締結部161iに螺入される締結ネジを挿通可能な挿通孔164eと、を備える。
発光基板164cは、LEDが配置される面が斜め前上方向を向く姿勢で配設され、組立状態において、正面視で特定入賞口65aの真上位置(図6参照)、且つ、第2入賞口140の真下位置に配置される。このような配置から、発光基板164cからの光は、第2入賞口140や特定入賞口65aへの入球を望みその箇所を斜め後下方向の視線で見つめる遊技者の視界に容易に入る。
従って、第2入賞口140や特定入賞口65aへの入球が検出された際に発光基板164cのLEDを点灯させるよう制御することで、第2入賞口140や特定入賞口65aへの入球が生じたか否かを遊技者に容易に把握させることができる。
上述の構成から、介在部材164は、被固定部材161及び受入部材163の双方に締結固定される。これにより、被固定部材161と受入部材163との締結固定のみで構成する場合に比較して、被固定部材161と受入部材163とを強固に固定することができる。また、介在部材164を介して被固定部材161及び受入部材163と連結固定される振分装置300の配置を安定させることができるので、被固定部材161及び受入部材163と振分装置300との相対的な位置ずれを抑制することができる。
状態切替装置165は、受入部材163の被締結部163eに螺入される締結ネジが挿通される複数の挿通部165aを有し、配線通し用、兼、放熱用の複数の開口を有して上側が開放される深底の箱状に形成される下ケース部165bと、その下ケース部165bに収容される電磁ソレノイド165cと、その電磁ソレノイド165cのプランジャーの先端に係合されプランジャーと共にスライド変位するスライド部165dと、下ケース部165bの前端部から回動先端部がはみ出すような配置で下ケース部165bに回動可能に支持され、スライド部165dのスライド変位に伴い回動する回動部165eと、複数の挿通孔165fに挿通される締結ネジにより下ケース部165bに締結固定される上蓋部165gと、を備える。
回動部165eの回動先端は、棒状部が係合可能に凹設されており、この凹設部に開閉板65bの右側端部から右方に突設される伝達突部65cが入り込み、係合される。伝達突部65cは、開閉板65bの開閉動作の回転軸を形成する金属製の軸棒部65dから偏心した位置に配置されている。このように構成することで、回動部165eの回動に伴って、開閉板65bの開閉動作を生じさせることができる。
図13及び図14は、振分装置300の分解正面斜視図である。図13では、振分装置300を上方から見た斜視図が図示され、図14では、振分装置300を下方から見た斜視図が図示される。
図13及び図14に示すように、振分装置300は、介在部材164の被締結部164dに螺入される締結ネジが挿通可能に貫通形成される一対の挿通孔311を有する上部材310と、その上部材310に上下方向で締結固定されると共に集合樋150の雌ネジ部に螺入される締結ネジを挿通可能に貫通形成される一対の挿通孔331を有する中部材330と、その中部材330と上部材310との間に収容され正面側にLED等の発光手段351が配設される基板350と、中部材330と上部材310との間の位置に収容され通電の有無によって状態を切り替え可能に構成される状態切替装置360と、中部材330の下方に配置され状態切替装置360の状態の切り替えに伴い前側位置と後側位置とで前後にスライド変位するスライド変位部材370と、中部材330との間にスライド変位部材370を挟むように中部材330の下方に配設されると共に集合樋150の雌ネジ部に螺入される締結ネジを挿通可能に貫通形成される挿通孔381を有する下部材380と、を備える。
各部の構成の詳細を説明する前に、振分装置300の機能の概要について説明する。振分装置300は、検出センサSE1の球通過孔163b(図12参照)を通過した球が流下する流下経路を構成する装置である。
球通過孔163bを通過した球は、上部材310の内部、上部材310と中部材330との間に形成される流路構成部334,335,336、下部材380の内部、という順で流下し、下部材380から流下した球は球排出路(図示せず)へ排出される。
振分装置300の内部を流下する球は遊技者が視認可能となるように構成されており、その流下態様により、遊技者の目を楽しませる単なる演出的効果のみでは無く、遊技者が得られる利益に変化を生じさせるといった遊技利益に関わる効果を奏する。
振分装置300の内部を流下する球の流下態様の違いは、主に、スライド変位部材370の配置により生じる。即ち、球が中部材330から下部材380へ向けて流下する時におけるスライド変位部材370の配置により、球が下部材380のどの箇所を通過するかに違いが生じる。
従って、遊技者の視線は、自ずと中部材330から下部材380へ向けて球が流下する箇所(後述するように、スライド変位部材370の配置箇所)に集まり易くなるので、本実施形態では、視線の集中を前提とした工夫が施されている。
次いで、振分装置300の各部の構成の詳細について説明する。上部材310は、光透過性の樹脂材料から形成される上面視コ字状の薄肉部材であり、上述の挿通孔311と、球を受け入れ可能に貫通形成される一対の開口部312と、目印として貼り付けられる有色(本実施形態では、赤色)透明の一対のシール部材313と、開口部312の下縁から外周部に沿って正面側に延設される一対の上面部314と、中部材330に螺入される締結ネジが挿通可能な貫通孔が形成される複数の挿通筒部315と、中部材330に挿通された締結ネジが螺入可能な雌ネジを有する被締結部316と、上部材310の下面から下方へ向けて突設される前後方向に長尺の部分であって左右に並べて配設される一対の前後長突設部317と、上部材310の下面から下方へ向けて突設される左右方向に長尺の部分であって一対の前後長突設部317の間に配設される一対の左右内突設部318と、上部材310の下面から下方へ向けて突設される左右方向に長尺の部分であって一対の前後長突設部317の左右外側に配設される一対の左右外突設部319と、基板350の上部を配置可能な大きさの凹部として形成される収容凹部320と、を備える。
開口部312は、可変入賞装置65の球通過孔163bを通過した球を受け入れ、下方へ流す役割を果たす通路状部(トンネル状部)であり、上前縁部は傾斜姿勢の検出センサSE1(図12参照)の板背面と面一となるように傾斜面で切断したような形状とされる。これにより、開口部312の上前縁部を検出センサSE1の板背面に接触させることができる。
また、開口部312は、球通過孔163bの開口方向視で球通過孔163bの開口内側に侵入しない程度の開口度合いで形成される。これにより、球通過孔163bを通過した球を開口部312に案内する際の流下抵抗を低減することができる。
シール部材313は、基板350の発光手段351から照射される光を受けて煌びやかに視認されることで、遊技者の注目を集める部材として機能するが、詳細は後述する。
上面部314は、上部材310の下方における球の流下経路に合わせて傾斜が形成される薄板部である。開口部312の正面側に配置される第1上面部314aは正面側へ向かうほど下降傾斜するように形成され、第1上面部314aの前端部と連結され左右内側に配置される第2上面部314bは左右内側へ向かうほど下降傾斜するように形成される。そして、左右の第2上面部314bの左右間隔が手前側ほど長くなるように構成されることで、第2上面部314bの間を通して球を視認する遊技者の視界の確保を図ることができる。
挿通筒部315は、締結ネジのネジ頭を受ける座グリが上面側に形成される。そのため、締結ネジを上側から挿通するという構成ながら、遊技者に締結ネジのネジ頭が視認されることを回避し易くすることができる。
挿通筒部315は、中部材330に形成される雌ネジ部を有する被締結部332dに合う位置に配置される。特に、左側の挿通筒部315に対応する被締結部332dは、回動部363を支持する支持部を兼ねるが、詳細は後述する。
被締結部316に螺入される締結ネジは、ネジ部が上向き、ネジ頭が下向きの姿勢で配置される。そのため、被締結部316を手前側に配置する構成ながら、斜め上から視認する遊技者に対してネジ頭が目立ちにくいようにされている。これにより、上部材310と中部材330とを強度に固定しながらも、締結ネジにより振分装置300の見映えが悪くなることを回避することができる。
被締結部316が右側にしか形成されていないのは、既に後側において挿通筒部315が2箇所に配設されているので前側における締結位置は1箇所で十分な点や、ネジ頭が下向きにされ目立ちにくいとはいえ不要であれば配設を省略した方が振分装置300の見栄えが良くなる点等が、理由である。なお、被締結部316の配置はこれに限定されるものではない。例えば、左側に配設されても良いし、左右一対で配設されても良い。
被締結部316の配置は、球の流下経路を避け、且つ、振分装置300の見映えの低下を最低限に抑えられる位置として設定されているが、詳細は後述する。
各一対で形成される前後長突設部317、左右内突設部318及び左右外突設部319の下面部は、それぞれ同一の箇所を基準として、その箇所から遠ざかるほど配置が下がるような湾曲面として形成される。この湾曲面は、前後長突設部317、左右内突設部318及び左右外突設部319で異なる形状とされており、この形状の違いにより球の流下態様を制御する意図がある。
中部材330は、上述の一対の挿通孔331と、後側において下底部を有する枠状(略箱状)に形成される後側枠状部332と、前側において下底部を有する枠状(略箱状)に形成される一対の前側枠状部333と、その前側枠状部333の左右外側において凹設され球の流下経路を構成する一対の第1流路構成部334と、その第1流路構成部334の前端部に連結されて球の流下経路を構成すると共に前側枠状部333の前側において凹設される一対の第2流路構成部335と、その第2流路構成部335の左右内側端部に連結されて球の流下経路を構成すると共に前側枠状部333の左右内側において凹設される一対の第3流路構成部336と、を備える。
また、中部材330は、第3流路構成部336の後端部の後ろ側において左右長尺形状で下底に貫通形成され球の排出路として機能する排出孔337と、その排出孔337及び第3流路構成部336を左右に仕切るよう前後方向に長尺の板状に形成される仕切り板部338と、第3流路構成部336の後方端部における下側面から左右長尺の矩形状凸部として突設される一対の位置合わせ突設部339と、を備える。
後側枠状部332は、球の流下経路を構成する前側部とは異なり球の流下経路を構成せず、主に基板350や状態切替装置360を支持する部分として構成される。後側枠状部332は、左右中央部の正面側端部において上下方向に貫通形成されスライド変位部材370を配置可能に構成される配置用貫通孔332aと、左右方向に長尺の貫通孔として下底部に貫通形成され状態切替装置360の被案内部362cのスライド変位を案内する案内孔332bと、下部材380に挿通される締結ネジが螺入可能に形成される雌ネジ部を有する複数の被締結部332cと、上部材310の挿通筒部315に挿通された締結ネジが螺入可能な雌ネジ部を上先端に有する円柱形状の被締結部332dと、を備える。
前側枠状部333は、枠内側および下底部表裏面に光拡散加工が施されていることで、前側枠状部333の奥側の視認性が低下することになる。前側枠状部333は、上面視略正方形状の枠状に形成されており、上部材310の被締結部316に螺入される締結ネジを挿通可能な座グリ孔として形成される挿通孔333aを備える。
第1流路構成部334、第2流路構成部335及び第3流路構成部336は、それぞれ球の流下経路を構成する部分であり、球の流下方向や、傾斜角度等が異なるように設計されているが、詳細は後述する。
なお、第2流路構成部335と第3流路構成部336との連結位置において正面側が開放される開放部335aは、可変入賞装置65の対称突設部161f(図12参照)が進入可能とするための空隙である。即ち、対称突設部161fは、振分装置300を流下する球に当接可能となるように、開放部335aを通して流路内側に進入するように配置される。
排出孔337は、仕切り板部338に仕切られる形で、左右一対で構成され、球が少なくとも2経路で排出可能な大きさで形成される。即ち、少なくとも、球の直径の2倍以上の左右長さで構成される。なお、本実施形態では、排出孔337の下側に配置される下部材380に複数の検出センサSE1が横並びにされているので、その検出センサSE1の球貫通孔の配置に合わせて排出孔337の形状を設計するようにすれば良い。
仕切り板部338は、上述のように第3流路構成部336を仕切る機能に加え、スライド変位部材370の変位を案内する案内部としての機能を奏するが、詳細は後述する。位置合わせ突設部339は、下部材380の突設部383aと嵌め合わされ、中部材330と下部材380との位置ずれを回避するための部分であるが、詳細は後述する。
基板350は、下側部353の方が上側部352に比較して左右長尺となる逆T字形状で形成されており、下側部353の左端側における下端部に位置合わせ用の凹設部354を備える。
凹設部354が、中部材330の内部形状として対応する部分と係合することで左右方向の位置決めがされ、左右長尺の下側部353が中部材330の後側枠状部332に前後から挟まれるように支持されることで前後方向の位置決めがされ、上部材310の収容凹部320に上側部352が収容されることで上方への脱落が防止されることで配置が固定されるよう構成されるが、発光手段351の配置の意図と共に詳細は後述する。
状態切替装置360は、中部材330の後側枠状部332に収容される装置であって、電磁ソレノイド361と、その電磁ソレノイド361に左右方向に直動変位するよう支持されるプランジャーの先端に係合されプランジャーと共にスライド変位するスライド部362と、左側の被締結部332dに挿通されることで回動可能に支持され、スライド部362のスライド変位に伴い回動する回動部363と、を備える。
スライド部362は、電磁ソレノイド361のプランジャーの先端の円板部361aを上側から受け入れ可能に凹設される凹設部362aと、右側面から右方に張り出す張出部362bと、下側面の前後中央部から下方に突設され左右方向に長尺の長円形状の断面で形成される被案内部362cと、を備える。
凹設部362aの形成方向から、円板部361aがスライド部362を上側から支える構成となるので、スライド部362が上方へ脱落することを防止することができる。そのため、円板部361aにスライド部362を接着剤等で固着せずとも、スライド部362の配置を円板部361aと中部材330の下底部との間で維持することができる。
被案内部362cは、中部材330の案内孔332bに挿通されることで、スライド部362の変位方向が左右方向からずれることを回避するための部分である。特に、本実施形態では左右方向に長尺に形成されるので、被案内部362cと案内孔332bとの係合により、スライド部362の姿勢維持を図ることができる。なお、被案内部362cの断面形状は必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、円形でも良いし、矩形でも良い。
回動部363は、上面視で略L字状に形成され、L字の接続部において上下方向に長尺の筒状に形成され中部材330の被締結部332dを挿通可能な大きさの貫通孔を有する支持筒部363aと、L字の短手側先端部から上方へ向けて円柱状に突設され張出部362bが有する貫通孔に挿通される上円柱部363bと、L字の長手側先端部から下方へ向けて円柱状に突設されスライド変位部材370の凹設部378に挿通される下円柱部363cと、を備える。
上述の構成により、回動部363は、支持筒部363aを中心軸として回動可能に構成される。この回動部363の変位は電磁ソレノイド361の状態の変化によって生じる。即ち、電磁ソレノイド361に通電されることでプランジャーがスライド変位しスライド部362が左右方向に変位すると、張出部362bの貫通孔に挿通されている上円柱部363bが変位し、これに伴い下円柱部363cが変位し、結果としてスライド変位部材370を変位させる。
スライド変位部材370は、中部材330と下部材380との上下間位置において前後方向にスライド変位するよう支持される部材であって、中部材330の後側枠状部332の下底部と下部材380とに上下から挟み込まれて支持される薄板部371と、その薄板部371から左右一対で上方に突設される上突設部376と、その上突設部376よりも後側において左右中央部で上方に突設される突設部の突設端部で凹設され回動部363の下円柱部363cを受け入れ可能に形成される凹設部378と、を備える。
薄板部371は、後側半部において左右一対で貫通形成される被支持孔371aと、左右中央部における正面側端部から上突設部376の配置間隔よりも短い左右幅で前後長尺に凹設される凹設部372と、その凹設部372の縁部に沿う突条形状で下方に突設される一対の下突条部373と、後側半部における左右縁部に沿う突条形状で上下両方向に突設される複数の上下突条部374と、後端部から下方に円柱状で突設され下部材380の案内長孔386に挿通される円柱突部375と、を備える。
下突条部373及び上下突条部374は、上下側に配置される中部材330又は下部材380と対面し摺動することを想定した部分であり、平面での接触に比較して、中部材330及び下部材380との接触面積を低減するための突条である。接触面積を低減することで、スライド変位部材370の変位抵抗を低減することができるので、スライド変位部材370の変位速度が遅くなることを防止することができる。
上突設部376は、正面視略台形状の柱状部であり、配置用貫通孔332aを通り後側枠状部332の下底部よりも上方に進入するように配置される。上突設部376の左右内側の隙間の幅長さは、中部材330の仕切り板部338の左右厚みよりも若干長く設計される。この構成により、仕切り板部338により、上突設部376の変位を案内することができる。
換言すれば、上突設部376は、左右内側の隙間に仕切り板部338を挟むように配置され、仕切り板部338との当接により左右方向の位置ずれが抑制されるよう構成される。これにより、スライド変位部材370の変位を良好に案内することができ、スライド変位部材370の変位方向を前後方向に維持することができる。
凹設部378は、スライド変位部材370の前後方向変位を生じさせるのに必要となる回動部363の下円柱部363cの変位に対応できるように、左右方向に長尺の長孔として形成される。
凹設部378が形成される突設部は、配置用貫通孔332aを通り後側枠状部332の下底部よりも上方に進入するように構成されることで、回動部363の下円柱部363cを容易に凹設部378に挿通することができる。
このように、配置用貫通孔332aの形状は、挿通を予定される上突設部376と、凹設部378が形成される突設部と、が配置される全範囲を内側に含む形状の貫通孔として設計される。
下部材380は、上述の挿通孔381と、左右に長尺の薄板状に形成される板状部382と、その板状部382の下側において複数(本実施形態では4個)の検出センサSE1を左右に並べて配置可能とする枠状に形成されるセンサ保持枠部389と、を備える。
センサ保持枠部389は、検出センサSE1を挿入する背面側面と、検出センサSE1の貫通孔を通る球が通過する上下側面と、が開口形成されており、その他の部分が閉鎖されてなる枠状に形成される。
板状部382は、センサ保持枠部389に上下方向の貫通孔が形成されたことと同様に、検出センサSE1の貫通孔と合う位置に貫通孔が形成され、左右内側の2個の検出センサSE1の中間位置において前後方向に長尺の突条形状で上方へ突設される突条部383と、その突条部383の前側端部から左右に離れた位置で突設される一対の突設部383aと、突条部383よりも後側の位置においてスライド変位部材370の被支持孔371aに挿通可能な位置で突設される一対の案内突設部384と、その案内突設部384よりも左右外側の両位置において前後方向に長尺の突条として形成される一対の案内突条385と、上面視において突条部383と同一直線上に延びる長孔状の案内長孔386と、前側面において後方に突の湾曲面形状で形成される湾曲面部387と、中部材330の被締結部332cに螺入される締結ネジを挿通可能に貫通形成される挿通孔388と、を備える。
突条部383は、スライド変位部材370の凹設部372の左右隙間幅よりも若干短い左右厚みの突条として形成され、スライド変位部材370は凹設部372で突条部383を挟むように配置される。即ち、突条部383は、スライド変位部材370の前後方向変位を案内する案内部として機能する。
突設部383aは、左右内側端部が、中部材330の位置合わせ突設部339の左右外側端部と同等の位置となるように設計される。即ち、一対の突設部383aの左右内側端部に、位置合わせ突設部339の左右外側端部が当接する形で、嵌め合わされることにより、下部材380を基準とした中部材330の左右方向の位置を適切に定めることができる。それと共に、下部材380の枠前部(突条部383を突設部383aとを前端側でつなぐ部分)の背側面と位置合わせ突設部339の前側面とを当接させることで、下部材380を基準とした中部材330の前後方向の位置を適切に定めることができる。
これにより、中部材330の構成としての第3流路構成部336と、下部材380の構成としての検出センサSE1と、の間に位置ずれが生じることを回避し易くすることができる。
案内突設部384は、左右長尺の長円形状に形成されており、スライド変位部材370の被支持孔371aに挿通され、スライド変位部材370の変位を制限する。即ち、スライド変位部材370の変位は、被支持孔371aの内部に案内突設部384が配置される範囲での変位に制限される。
これにより、スライド変位部材370と突条部383との衝突を生じさせないようにすることができるので、例えば、前方向の変位終端がスライド変位部材370と突条部383との衝突した位置で定まる構成に比較して、突条部383の耐久性を向上することができる。そのため、突条部383による案内効果を長く奏し続けることができる。
なお、案内突設部384は、破損したとしてもスライド変位部材370の動作に即座に影響が生じる部分では無く、突条部383への衝突を防止するための部分として機能する。そのため、通常は案内突設部384の破損が生じない状態で設定期間(例えば、3年)において使用を維持できる強度で設計するところ、案内突設部384が破損した後は突条部383とスライド変位部材370とが衝突する状態で使用をすることを見込んで、案内突設部384及び突条部383の強度を設計するようにしても良い。即ち、案内突設部384の寿命を設定期間未満として(例えば、2年)として、残りの期間を突条部383の強度で耐えるように設計しても良い。この場合、下部材380に使用する樹脂材料の設定自由度や、形状の自由度を向上することができる。
案内突条385は、スライド変位部材370の薄板部371の左右幅よりも若干長い隙間幅で配置され、薄板部371を隙間に配置可能に形成される。スライド変位部材370の変位は、案内突条385の左右内側における変位に制限される。これにより、スライド変位部材370の前後方向変位を、左右方向の位置ずれ小さく生じさせることができる。
案内長孔386は、スライド変位部材370の円柱突部375を挿通可能な左右幅で形成される長孔である。スライド変位部材370の変位の方向は、円柱突部375が案内長孔386に案内されることで前後方向に制限される。
湾曲面部387は、中部材330よりも下側を流下する球の流下を案内するための当接面である。本実施形態では、アウト口71に入球した球の流下を案内することになるが、詳細は後述する。
挿通孔388には、締結ネジがネジ頭を下側に向けた姿勢で挿通される。これにより、締結ネジが目立って視認されることを回避することができる。また、挿通孔388の配置は、複数の検出センサSE1が配置される範囲よりも左右外側かつ背面側とされる。これにより、挿通孔388に挿通される締結ネジが、検出センサSE1付近または検出センサSE1の貫通孔を通過する球を見る視界を遮る可能性を低くすることができる。
上述のように、スライド変位部材370は、複数の部分、即ち、薄板部371に対する案内突条385や、被支持孔371aに対する案内突設部384や、凹設部372及び下突条部373に対する突条部383や、円柱突部375に対する案内長孔386や、上突設部376に対する仕切り板部338等、に案内されて前後方向へ変位する。これにより、案内時の負荷を複数位置に分担させることができるので、負荷が局所的にかかることを回避でき、スライド変位部材370及びスライド変位部材370を案内する案内用部分の破損を回避することができる。
ここからも分かるように、スライド変位部材370は、単一の部材に案内されるものではなく、少なくとも、中部材330と、下部材380と、の複数部材に案内される。即ち、スライド変位部材370は、少なくとも、中部材330の仕切り板部338に一対の上突設部376が案内され、且つ、下部材380の突条部383に凹設部372が案内される。
そのため、中部材330と、下部材380との組み付けが不良で、配置ずれが大きいと、スライド変位部材370の動きが阻害される。ここで、中部材330と下部材380とは、球の流下経路を連続的に構成する部分として配置ずれを小さく抑えることが好ましい所、スライド変位部材370の変位が良好とされていることにより、配置ずれが小さいことを保証することができる。
換言すれば、中部材330に対する下部材380の配置ずれが過度に大きくなると、スライド変位部材370の変位が良好に行われないので、スライド変位部材370の変位が不良であることを検出することにより、中部材330及び下部材380の相対的な配置が不良となっている可能性があるとしてエラー報知を実行するよう制御することができる。
従って、中部材330及び下部材380の相対的な配置が不良な状態のままの遊技が継続されることを防止できるので、遊技者が不測の不利益を被る可能性を低くすることができる。
次いで、振分装置300の内部構造の詳細について説明する。なお、ここでは、振分装置300の内部における球の流下に関わる構成と、球の流下経路側に進入する構成と、について主に説明する。
図15は、受入部材163及び振分装置300の正面図であり、図16は、図15のXVI-XVI線における可変入賞装置65及び振分装置300の断面図であり、図17は、図15のXVII-XVII線における可変入賞装置65及び振分装置300の断面図であり、図18は、図15のXVIII-XVIII線における可変入賞装置65及び振分装置300の断面図である。
なお、図15から図18では、図示されている場合には、開閉板65bは閉鎖状態で図示され、スライド変位部材370は前側位置に配置された状態で図示される。まず、振分装置300の内部を流下する球の流下経路の詳細について説明する。
開閉板65bが開放状態(図6(b)参照)の時に開閉板65bに着地した球は、受入部材163の下面部163aを転動し球通過孔163bに案内される。球通過孔163bを通過した球は上部材310の開口部312を通過し、中部材330の第1流路構成部334に案内される。第1流路構成部334と、続く第2流路構成部335と、その先に続く第3流路構成部336とは、全て下降傾斜する傾斜流路として構成され、接続される流路同士が上面視で90度の角度を成す渦巻き状に形成される。
即ち、第1流路構成部334は前後方向正面側に球を流下させる傾斜流路として形成され、第2流路構成部335は第1流路構成部334を流下する球の流下方向を基準として90度回転した左右方向に球を流下させる傾斜流路として形成され、第3流路構成部336は第2流路構成部335を流下する球の流下方向を基準として先の回転方向と同方向に90度回転した前後方向背面側に球を流下させる傾斜流路として形成される。
このように、流下経路を屈曲角度が直角の渦巻き状に形成することで、球の流下速度が下流側に向かうにつれて増加する程度を低減することができる。詳述すると、第1流路構成部334を流下する球は正面側へ向けて加速するところ、続く第2流路構成部335での流下方向は前後方向成分を持たないので、第1流路構成部334での加速分から受ける影響を抑えた流下態様を実現することができる。更に、第2流路構成部335に続く第3流路構成部336では、第1流路構成部334での加速方向とは逆の後方へ向けた流下となるので、前後方向の加速分から受ける影響を抑えた流下態様を実現することができる。
従って、例えば、終始一貫して同方向(例えば、左方向)へ向けて流下する流下態様と異なり、下流側において球の流下速度が過大となることを回避し易くすることができる。換言すれば、流路全体において球の流下速度を均一にしやすくすることができ、球に対する遊技者の注目力を高く維持することができ、球を遊技者が見失う事態の発生を回避し易くすることができるという効果を奏する。
また、例えば、第2流路構成部335を形成しないことも可能だが、第2流路構成部335を形成した方が、球の詰まりや、逆流を防止し易くすることができる。第2流路構成部335が形成されない場合(第2流路構成部335の左右方向長さが0である場合)、即ち、第1流路構成部334と第3流路構成部336とが連結される場合、その連結箇所において、球の流下方向を手前側の流れから後方への流れに180度反転する必要が生じる。この場合、球の流下方向の切り替え角度が大きく、特に速度方向を前後に反転させる必要があるので、球を滑らかに流下させることが困難であり、球の滞留や詰まり、逆流が生じ易く、不具合が生じる可能性がある。
これに対し、本実施形態のように、流下方向の切り替え角度が90度以下であれば(本実施形態では、90度)、球の速度方向の反転が生じないので、球を滑らかに流下させることができ、球の滞留や詰まり、逆流を回避し易くすることができる。
各流路構成部334~336の接続端部における流路形状について説明する。第2流路構成部335と第3流路構成部336との接続端部においては、上述の対称突設部161fが球の流下方向を屈曲させる態様で球の流下を案内する部分として配設される。
対称突設部161fは、球の上流側に配置される部分よりも下流側に配置される部分の方が球の経路から退くよう形成される。例えば、隣り合って配置される仕切り板部338の左右幅よりも、対向配置される対称突設部161fの左右幅の方が長く形成される。また、開放部335a付近の第2流路構成部335の流路側面よりも、対向配置される対称突設部161fの左右端側の後端部の方が正面側に配置される(図17参照)。
これにより、球が対称突設部161fに衝突した場合に、球が過度に減速されたり、球の逆流が生じたり、することを防止することができる。
また、第2流路構成部335と第1流路構成部334との接続端部においては、中部材330の前側左右端部において湾曲形成される側壁部334aが、球の流下方向を屈曲させる態様で球の流下を案内する部分として形成される。
また、第1流路構成部334の上流側端部においては、正面側へ向かうほど配置が下がる湾曲面形状(図16参照)で第1流路構成部334の流下面部から上方へ突設される湾曲突部334bが、球の流下方向を屈曲させる態様で球の流下を案内する部分として形成される。
即ち、開口部312を通過した球は、湾曲突部334bを転動し、第1流路構成部334を流下し、流下中に側壁部334aに当接することで流下方向を切り替えられ、第2流路構成部335を流下し、流下中に対称突設部161fに当接することで流下方向を切り替えられ、第3流路構成部336を流下し、排出孔337に到達する。
側壁部334aは、被固定部材161の突設支持部161dと係合し、位置合わせ可能な形状から形成される。即ち、側壁部334aが左右の突設支持部161dに挟み込まれるように支持され、左右方向への位置ずれが規制されることで、可変入賞装置65と振分装置300との左右方向の位置合わせを行うことができる。
各流路構成部334~336の長手方向の傾斜角度および長さの比について説明する。長手方向の傾斜角度については、第1流路構成部334は、水平に対する傾斜角度が約7度とされ、第2流路構成部335は、水平に対する傾斜角度が約5度とされ、第3流路構成部336は、水平に対する傾斜角度が約5度とされる。即ち、第1流路構成部334において傾斜角度が最大に設定され、第2流路構成部335及び第3流路構成部336では若干緩い共通の傾斜角度に設定される。
長さについては、各流路構成部334~336は、上面視において外形正方形状に形成される前側枠状部333を内側側面とし、その前側枠状部333のなす正方形の中心と同じ中心を有する大きな正方形を外側側面とするように形成される。ここで、本実施形態では、前側枠状部333の一辺の長さが21mmとされており、上述の大きな正方形の一辺の長さが45mmとされることにより、周囲に幅12mmの流路が形成される。
そのため、通常使用される直径11mmの球に対して、流路とのクリアランスが球の両側の合計で1mmとされているので、球は幅方向の位置ずれがほとんどない状態で流下することになる。これは、ベース板60(図2参照)とガラスユニット16(図1参照)との間隔が19mm程度で規定されることから考えても、小さなクリアランスであるといえ、流下する球の位置ずれを抑制することができる。
正方形状の前側枠状部333の周囲を取り巻く正方形上に配置される各流路構成部334~336の端部を構成する部分の内、第1流路構成部334の上流側の端部を構成する湾曲突部334bのみが正方形の頂点よりも内側(正面側)に配置されているので、第1流路構成部334は、第2流路構成部335及び第3流路構成部336に比べて短い。
上面視における実測値から言えば、第2流路構成部335及び第3流路構成部336により形成される流路は略同等の長さとされ(球中心間隔で33mm)、その長さは、第1流路構成部材334により形成される流路の長さ(球中心間隔で22mm)の約1.5倍とされる。
上述した各流路構成部334~336の長手方向の傾斜角度および長さの比から、各流路構成部334~336を球が通過するのに要する時間は一定では無いことが説明できる。即ち、傾斜角度が最大で且つ流路長さが最短の第1流路構成部334を通過する時間は、傾斜角度が緩められ且つ経路長さが1.5倍の第2流路構成部335及び第3流路構成部336を通過する時間よりも短い。
本実施形態では、このように構成することで、検出センサSE1の球通過孔163bを通過する際に配置が背面側へ移り、且つ検出センサSE1の非透過の樹脂部分に一部が隠されることで球の視認性が悪くなる状態から、球を早期に正面側に変位させることができ、遊技者に近く、球の視認性が高い状態へと状態を切り替えることができる。これにより、球通過孔163bを通過した球を遊技者が見失う事態が生じることを回避し易くすることができる。
更に、球の視認性が高い状態においては、球の流下速度を緩めることにより、球へ向けた視線を遊技者が素早く動かすことを不要とし、球に注目する遊技者の遊技負担(眼球の移動による目の疲れ)を低減することができる。
このように視認性が高くなる第2流路構成部335及び第3流路構成部336を流下する球に注目する際に、第2流路構成部335に沿って左右方向に球が流下する場合に比較して、第3流路構成部336に沿って前後方向に球が流下する場合の方が、正面視における球の変位量が小さくなるので、球に注目する遊技者の遊技負担を、第3流路構成部336を流下する球に注目する際に最小とすることができる。
換言すれば、長さ及び傾斜角度が同等であることから、第2流路構成部335を球が通過するのに要する時間と、第3流路構成部336を球が通過するのに要する時間と、は同等とされるところ、正面視における球の変位量が異なるので、結果として見かけ上の球の流下速度(正面視での球の変位速度)は、第3流路構成部336を流下する球の方が第2流路構成部335を流下する球よりも遅くなる。
遊技負担が最小とされ球に注目させ易い第3流路構成部336の後端部において球の流下経路は唯一変化し、それ以外の部分では球の流下経路は各流路構成部334~336において共通とされる。従って、遊技者の視線は第3流路構成部336の後端部に自ずと集中し易いところ、このように視線を集中させる遊技者の遊技負担を有効に低減することができる。
また、第3流路構成部336の後端部に注目する遊技者の視界を確保するために、本実施形態では、第2流路構成部335の前側面に開放部335aが形成されるので(図17参照)、第3流路構成部336へ向かう視線を第2流路構成部335の肉部が妨げることを回避することができる。
更に、開放部335aの内側に配設される対称突設部161fは、流下する球との当接、案内のために必要な部分のみが形成され、その上下側においては形状部の形成が省略される。換言すれば、対称突設部161fは上下に薄肉の板状部として形成され、その上下側には空間が確保される(図18参照)。そのため、対称突設部161fが上下に厚みを持って形成される場合に比較して、第3流路構成部336の後端部へ向けた視線が対称突設部161fに妨げられる可能性を低くすることができ、視認性を向上することができる。
また、第3流路構成部336の後端部を中心とする視界側へ、開閉板65bから逸れてアウト口71へ向かう球が集まってくるように構成される(図5参照)。特に、本実施形態では、アウト口71に入球する球は、第3流路構成部336の下方を流下し、下部材380の湾曲面部387に当接し下方へ排出される。
従って、第3流路構成部336を流下する球を斜め上前側から視認する視線を前提とすると、アウト口71に入球する球は、第3流路構成部336の奥側を流下する。そのため、第3流路構成部336を流下する球と、アウト口71に入球する球とが前後で被って視認されることになるので、第3流路構成部336の後端部に注目する視界に入り込む球の総数が多くなる。
換言すれば、特定入賞口65aに入球して第3流路構成部336を流下する球か、特定入賞口65aには入球せずアウト口71に入球する球かに寄らず、球が第3流路構成部336の後端部に注目する視界に入り込む。
従って、特定入賞口65aへの球の向かい易さ、即ち、ベース板60に植設される釘構成(所謂ゲージの良し悪し)に関わりなく、発射された球の多く(他の入賞口63,64,140に入球した球を除く球)が集まる位置と前後方向で被る位置に、第3流路構成部336の後端部(遊技者の注目が集まる部分)が配置される。これにより、流下する球により、視線を効率的に第3流路構成部336の後端部に誘導することができる。
上述のように、正面側寄りの位置における視認性を向上したが、その上で、本実施形態では、背面側寄りの位置における視認性を、第3流路構成部336の後端部を除いて低下させるよう構成している。
例えば、中部材330の前側枠状部333の内側面には、プリズムに倣った形状で光拡散の作用を生じさせるための光拡散加工面333bが形成される。図17において、鋸歯状に視認される箇所が光拡散加工面333bであり、内側面のほぼ全内周、且つ、上下に亘って形成される。
光拡散の作用が生じると、光が複数方向に拡散されることで、面全体が光っているように視認されるので、表面を煌びやかに光らせ演出することができる一方で、光に視線が遮られ、その奥側の視認性が悪くなる。本実施形態によれば、基板350の発光手段351から光が照射される状態では視認性が悪くなり、逆に、光が照射されていない場合には、少なくとも光が照射される状態に比較して視認性を良くすることができる。
一方、光との間に遮蔽物があると、その遮蔽物の影が黒点として視認されることになり、その位置を判別し易くなる。
光拡散加工面333bと同様の加工面が他の部分にも形成されている。例えば、左右外突設部319の背側面に形成される光拡散加工面319aや、後側枠状部332の枠前部の背側面に形成される光拡散加工面332e等である(図17参照)。
また、同様の形状で形成される加工面としては、上部材310の第2上面部314bの背面側に延設される板状部であって組立状態において中部材330の前側枠状部333に蓋をする部分の上面側において形成される光拡散加工面314cや、中部材330の後側枠状部332よりも前側の部分の下側面全体に亘り形成される光拡散加工面340等が例示される。
これらの構成により、本実施形態では、各流路構成部334~336から渦状に形成される流路の、背面側、下面側、渦の内側面および、その渦の上側面に、それぞれ光拡散加工面が形成されており、光照射による視認性の変化の効果を図っている。
光拡散加工面に光が照射されていない状態において、正面側から第3流路構成部336の後端部に注目する遊技者目線で、第3流路構成部336から左右方向に方向転換した球を前側枠状部333で隠して、即座に見え難くすることができる。
更に、斜め上からの方向視で第3流路構成部336を流下する球を視認する遊技者目線で、センサ保持枠部389に保持される検出センサSE1を通過し落下した後の球を見ようとしても、その視線は光拡散加工面340を通過することになるので、光拡散加工面340に光が照射されることにより、検出センサSE1を通過し落下した後の球の識別は困難となる。
本実施形態では、後述するように、第3流路構成部336の後端部を球がどのように流下するかによって、遊技者が得られる利益が変化するよう制御される。
従って、第3流路構成部336の後端部から球がどのように流下したのかを把握するために、第3流路構成部336の後端部における球の挙動を確認する必要が生じるので、第3流路構成部336の後端部への注目力をより一層向上することができる。
一方、発光手段351から光が照射されれば、球の影を黒点として視認し易い状態を構成することができる。このように、光の照射の有無を状況に応じて切り替えることで、球の視認性の良し悪しを切り替えることができる。また、黒点よりも正面側における球の配置の有無により、その黒点が球で隠される状況と、黒点が球に隠されずに見える状況を構成することもできる。
上述のように、各流路構成部334~336の付近において光拡散加工面319a,332e,333b,340が形成されるが、一貫して、各流路構成部334~336により形成される流路を流下する球と当接しない側の側面に形成される。
これにより、光拡散加工面319a,332e,333b,340が球との当接により削られることを避けることができるので、光拡散加工面319a,332e,333b,340の形状を長期間に亘り維持することができ、光拡散の作用を維持することができる。
更に、光拡散加工面319a,332e,333b,340に球が当接することで、球の流下が阻害されたり、球が減速の作用を受けたりすることを回避することができる。加えて、流路内部の視認性は確保できるようにすることで、球が各流路構成部334~336により形成される流路を流下している最中にまで球の視認性が低下することを回避することができる。
なお、敢えて光拡散加工面319a,332e,333b,340を流路側に形成するようにしても良い。この場合、プリズムの大きさの設定次第では、光拡散の作用を生じさせる効果と、球との衝突により球を減速させる効果と、を生じさせるように図ることができる。
中部材330の前側枠状部333では、被締結部316との締結位置においては加工の難易度から光拡散加工面333bの形成が省略されており、対策なしでは視認性が高いまま維持される可能性がある。そこで、本実施形態では、締結ネジによる視認性の低下を図っている。
即ち、被締結部316に螺入される締結ネジが金属製であり、非透過性であることを利用して、光拡散加工面333bの形成が困難となる箇所における目隠しとすることができる。前側枠状部333に光が照射されると、光拡散加工面333bは煌びやかに光り、光拡散加工面333bの形成が省略されている部分では締結ネジが光を反射して光るので、光拡散加工面333bの形成が省略されている箇所も含めて、正面側からの視線における前側枠状部333の奥側の視認性を低下させることができる。
中部材330の光拡散加工面332eは、各流路構成部334~336の背面側に形成されているが、この目的として、煌びやかに光らせることの他に、背面側に配設される基板350及び状態切替装置360の目隠しとしての機能を生じさせることが挙げられる。特に、状態切替装置360は基板350の背面側に配置されるので(図17参照)、基板350が目隠しとなり、状態切替装置360が遊技者に視認されることを防止し易くすることができる。
基板350は、中部材330の後側枠状部332に下支えされる形で収容されるが、左右中央部において後側枠状部332の下底部と隙間を空けて配置され、その隙間にスライド変位部材370が配置される(図18参照)。即ち、基板350は、スライド変位部材370を後側枠状部332の下底部との間で挟む位置に配置される。
詳述すると、基板350は、下側部353が左右端部において後側枠状部332に前後から挟まれるように支持される(図17参照)。この支持箇所において、後側枠状部332の下底部は肉厚とされる肉厚部332fを備えており(図16参照)、左右中央位置付近では、この肉厚分が無いことで隙間が生まれ、その隙間にスライド変位部材370を配置することができる(図18参照)。
図18に示すように、基板350の上側部352は、上部材310の収容凹部320の内側に進入し、介在部材164に形成される光拡散加工面164fと前後に対向配置される。
そのため、上側部352に配置される発光手段351から光が照射されることにより、介在部材164の光拡散加工面164fが煌びやかに光る演出効果を奏することができ、更に、介在部材164の背面側の範囲の視認性を低下させることができる。
ここで、上側部352に配置される発光手段351は光拡散加工面164fの下端部付近に光を照射するところ、光拡散加工面164fは、プリズムに倣った断面形状部が、表面に沿って上下方向全体に形成されるので、発光手段351から照射された光は上下幅の広い光として視認される。そのため、遊技者目線で、特定入賞口65aの上下に亘って発光しているように見せることができる。
なお、正面側からの視界において、光拡散加工面164fは、受入部材163の左右中央側位置に配置されるが、検出センサSE1の背面側に配置したとしても検出センサSE1が視界の妨げとなり良好に視認できないので、少なくとも一対の検出センサSE1の配置隙間内において形成されていれば、十分な効果を奏することができる。
なお、基板350の下側部353は、シール部材313や、その下側に配設され球が流下する部分へ向けて光を照射するよう配置されるが、詳細は後述する。
次いで、図19及び図20を参照して、第3流路構成部336の後端部を通過した球の流下経路の切り替えと、その意義について説明する。なお、図19及び図20の説明においては、図15から図18を適宜参照する。
図19は、図15のXVII-XVII線における可変入賞装置65及び振分装置300の断面図であり、図20は、図15のXVIII-XVIII線における可変入賞装置65及び振分装置300の断面図である。図19及び図20では、図示されている場合には、開閉板65bは閉鎖状態で図示され、スライド変位部材370は後側位置に配置された状態で図示される。
ここで、センサ保持枠部389に支持される左右4個の検出センサSE1と、各検出センサSE1への球の流下と、各検出センサSE1の機能について説明する。
4個の検出センサSE1は、2組が左右対称に配設されるものであり、機能を共通とする確変検出センサSE11と、通常検出センサSE12と、を備える。確変検出センサSE11は、左右方向内側に配設され、通常検出センサSE12は、左右方向外側に配設される。
この4個の検出センサSE1の機能は、開閉板65bの背後に配置される検出センサSE1とは異なる。開閉板65bの背後に配置される検出センサSE1は、賞球の払い出しを生じる入球センサである。即ち、特定入賞口65aに入球した球が背後の検出センサSE1に入球したと検出されると、所定個数(本実施形態では、1個の検出に対して10個)の賞球が払出制御装置111(図4参照)により遊技者側に払い出される。
一方、センサ保持枠部389に支持される検出センサSE1は、賞球の払い出しを生じる検出センサではなく、入球を検出することで、大当たり遊技終了後の遊技状態を変化させるための検出センサとして機能する。
なお、後述するように、本実施形態では、センサ保持枠部389に配設される検出センサSE1を確変状態への移行の有無の切替のために利用したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出センサSE1を次回大当たり獲得の有無の切替のための入球センサとして機能させても良い。
スライド変位部材370が前側位置に配置される場合(図17及び図18参照)、確変検出センサSE11の上側に薄板部371が被さるようにスライド変位部材370が配置され、確変検出センサSE11の貫通孔への球の通過が防止される。そのため、第3流路構成部336の後端部を通過する球は、スライド変位部材の上突設部376に案内されるようにして、通常検出センサSE12の貫通孔へ案内される。
上突設部376は、球と対向する前側面376aが、流路側を凹とした円弧形状で形成されているので、流れてきた球を滑らかに通常検出センサSE12の貫通孔へ向けて流すことができる。
一方、スライド変位部材370が後側位置に配置される場合(図19及び図20参照)、確変検出センサSE11の上方からスライド変位部材370が後方に退避し、確変検出センサSE11の貫通孔への球の通過が許容される。
即ち、球がいずれの検出センサSE1を通過するかは、スライド変位部材370の配置(前側位置または後側位置)と対応する。そして、大当たり遊技中に球が確変検出センサSE11の貫通孔を通過したことが検出された場合に、その大当たり遊技後の遊技状態を確変状態とするように制御される。換言すれば、球が確変検出センサSE11の貫通孔を通過したと検出されず、通常検出センサSE12の貫通孔のみを通過した場合には、その大当たり遊技後の遊技状態を通常状態(又は時短状態)とするように制御される。
ここで、本実施形態において、大当たり種別として、確変大当たりと、通常大当たりとが用意されていることについて上述した。これを実現するために、本実施形態では、大当たり種別ごとにスライド変位部材370の動作パターンとして異なる動作パターンが用意されている。
換言すれば、スライド変位部材370は、確変大当たりの場合には、球が確変検出センサSE11の貫通孔を通過し易いような動作パターンで動作するよう制御され、通常大当たりの場合には、球が確変検出センサSE11の貫通孔を通過し難く、通常検出センサSE12の貫通孔を通過し易いような動作パターンで動作するよう制御されるが、制御の詳細については後述する。
このように、スライド変位部材370の配置は、遊技者が得られる利益に直結するものであり、その配置に自ずと遊技者の注目が集まることになる。一方、スライド変位部材370の配置を不正に切り替えようとする不正行為は少なからず発見されており、それに対する対策が重要視される。
前提として、スライド変位部材370の配置は、状態切替装置360の電磁ソレノイド361への通電の有無によって切り替えられる。即ち、電磁ソレノイド361に通電がされていない時は、電磁ソレノイド361のプランジャー及びスライド部362が付勢バネ(図示せず)によって右側に配置され、回動部363の下円柱部363cが正面側に配置されることで、スライド変位部材370は前側位置に維持される。
一方、電磁ソレノイド361が通電されると、電磁ソレノイド361のプランジャー及びスライド部362が電磁力によって左側に移動され、回動部363の下円柱部363c(図13参照、スライド変位部材370の凹設部378に挿入される部分)が背面側に変位することで、スライド変位部材370は後側位置に維持される。これが通常の動作態様であり、電磁ソレノイド361への通電と、スライド変位部材370の配置とが一対一で対応する。
上述した不正行為を行う者は、例えば、球払い出し開口や、外枠11と正面枠14(図1参照)との隙間等からピアノ線などの金属細線を振分装置300の内部に差し入れて、その金属細線をスライド変位部材370に押し当てて、スライド変位部材370を奥側へ押し込むようにして、確変検出センサSE11への球の入球が可能となる状態を不正に作り出そうとする可能性がある。
これに対し、本実施形態では、スライド変位部材370の配置として、薄板部371が第3流路構成部336の下底部よりも下側に配置されているので(図18参照)、第3流路構成部336に金属細線を通してスライド変位部材370に押し当てる場合に、薄板部371の前端部に押し当てるのは困難であり、上突設部376に押し当てることになる。上突設部376の前側面376aは、上述のように負荷を左右外側へ逃がすような湾曲面形状とされるので、金属細線を押し当てられたとしても、その負荷を左右外側に逃がすことができ、スライド変位部材370が不正に後側位置に変位させられる事態を回避し易くすることができる。
また、スライド変位部材370に到達するまでの経路が、一直線では無く渦状に巻いていることに加え、スライド変位部材370自体の配置もガラスユニット16(図1参照)の前側面から背面側に遠く(約10cm程度)離れているので、そもそも、金属細線をスライド変位部材370に到達させることを困難とすることができる。
これらの構成から、状態切替装置360の構成の設計自由度を向上することができるという効果も奏する。即ち、従来では、上述のような不正行為に対して、駆動力を伝達する機構の機械的な工夫(変位規制)によりスライド変位部材370の配置を維持するよう構成する場合が多く、その場合には、状態切替装置360の構成が制限されていた。これに対し、本実施形態では、そもそもスライド変位部材370に負荷がかけられ難く構成することにより、状態切替装置360に要求される条件を部分的に省くことができ、状態切替装置360の設計自由度を高めることができる。
また、第3流路構成部336を通して這わせた金属細線でスライド変位部材370に押し付け負荷を加える場合には、この金属細線自体が、第3流路構成部336を流下しようとする球の流下を阻害することになるので、球を確変検出センサSE11に到達させることを困難とすることができる。
上述のように、球が確変検出センサSE11の貫通孔を通過するか、通常検出センサSE12の貫通孔を通過するかにより、遊技者が得られる利益が大きく変化することから、誤入球は極力避けることが望ましい。
従来の機種では、確変検出センサSE11への入球が許容される状態においては通常検出センサSE12への入球を規制するように構成することが通常であったが、本実施形態では、確変検出センサSE11への入球が許容される状態(図19及び図20参照)において通常検出センサSE12への入球を規制するような可動部材は用意されておらず、通常検出センサSE12へも入球させることが可能な構成である。
このように構成しても、10個の球が流下した場合に少なくとも1個が確変検出センサSE11の貫通孔を通過すれば、大当たり遊技後の確変状態は確保されることになる。本実施形態では、このような考え方から、通常検出センサSE12の開閉を行う可動部材の配置を省略することにより、材料コストの低減を図ることができ、製品コストを低減することができる。また、可動部材を配置しない結果、その可動部材の故障や動作不良に伴うメンテナンスが不要になったり、可動部材の寿命以上にパチンコ機の使用年数を延ばすことができたりという良い効果を奏する。
一方で、可動部材とは別の工夫として、適切な側の検出センサSE1に球が案内されるようにするための工夫として、流路形状と、固定の突設部317,318,319の配置や形状とが工夫されている。即ち、スライド変位部材370が後側位置に配置されている状態で想定以上の球が通常検出センサSE12へ流れることを防止するような仕組みを、流路内部に固定配置される部分(即ち、突設部317,318,319)の形状により実現するように図っている。このことについて、以下で説明する。
まず、流路形状の工夫について説明する。第3流路構成部336の下底面336aは、短手方向において、左右方向中央側(仕切り板部338側)に向かうにつれて水平に対して5度の角度で下降傾斜する傾斜面として形成される(図15参照)。
この傾斜角度は、第2流路構成部335の長手方向の傾斜と、角度および方向が同様となるように設定されているので、第2流路構成部335から第3流路構成部336に球が流入する際の球の跳ね(仕切り板部338から離れる方向の跳ね)を低減することができる。
この短手方向の傾斜によって、第3流路構成部336を流下する球の配置を仕切り板部338側に寄せることができる。そのため、第3流路構成部336の後端部から検出センサSE1側へ流下する際の球を仕切り板部338に近接する側に配置することができるので、スライド変位部材370が後側位置に配置されている状態で、球が誤って通常検出センサSE12(仕切り板部338から離れて配置される検出センサSE1)の貫通孔を通過する事態が生じる可能性を低くすることができる。
また、下底面336aの短手方向の傾斜に関わらず、各流路構成部334~336により構成される流路は、左右方向経路が第2流路構成部335によってのみ形成されており、その傾斜方向は左右中心側(仕切り板部338側)なので、左右方向の速度は左右内向きに生じることになる。これによっても、球が誤って通常検出センサSE12(仕切り板部338から離れて配置される検出センサSE1)の貫通孔を通過する事態が生じる可能性を低くすることができる。
次に、固定の突設部317,318,319の配置や形状の工夫について、説明する。第3流路構成部336を流下した球が最初に近接配置されるのは、左右内突設部318である。左右内突設部318は、突設部317,318,319の内で最も小さな突設部でありながら、検出センサSE1の中心よりも正面側、且つ、スライド変位部材370の上突設部376よりも正面側に配置されているので、仕切り板部338に摺動しながら第3流路構成部336の後端部を通過する球と漏れなく当接する。
左右内突設部318の突設先端面は、正面視では下に凹の湾曲面として構成され(図15参照)、且つ、突設部後端側の方が突設部前端側よりも左右外側および下側に拡がって形成され前後端部が凹形の湾曲面でつながるように形成される(図17参照)。従って、第3流路構成部336の後端部を通過し左右内突設部318に当接した球は、左右外向き成分と、下向き成分とが混合された方向の負荷を受け、流下する。
一方で、左右内突設部318は小型に形成されていることから、左右内突設部318から受けた負荷のみで球の流下方向が下方か左右外方向かに定まるものでは無く、あくまで勢い付けとして機能する。そして、左右内突設部318がスライド変位部材370よりも上流側に配置されることから、上述の勢い付けは、スライド変位部材370の配置に関わらず生じる。
左右内突設部318に当接した後の球の流下について場合を分けて説明する。スライド変位部材370が前側位置に配置された状態では、球は、上突設部376や、前後長突設部317(図18参照)に当接しながら、スライド変位部材370の薄板部371を転動し、通常検出センサSE12側へ流れる。
前後長突設部317の突設端部は、上突設部376と同様の用途を有する。即ち、球の流下方向を切り替えるための湾曲面として形成されるので、その湾曲面の曲率半径は、上突設部376の前側面376aの曲率半径とほぼ同じとされる。目安として、上突設部376は左右内側を始点とし、上面視で確変検出センサSE11の貫通孔の中心位置の後方位置を終点とする湾曲面を構成し(図17参照)、一方で、前後長突設部317は流路の天井面を始点とし、左右方向視で、スライド変位部材370の前側位置における前側面376aの終点位置(後端位置)と近接する位置を終点とする湾曲面を構成している(図18参照)。
ここで、薄板部371の上側面が左右外側へ下降傾斜する傾斜面として形成されており、左右内突設部318との当接により左右外側へ勢い付けされた球は、その勢いを活かして左右外方向へ流下することになるので、球の流下を滑らかに形成することができる。
更に、左右外方向へ流下する球の上方において左右外突設部319が形成されており、球跳ねが抑制されることによっても、球の流下を滑らかに形成することができる。左右外突設部319の目的が球の流下方向の切り替えでは無く球跳ねの抑制であることから、その形状は前後長突設部317とは大きく異なり、その突設端部は、確変検出センサSE11の上方から通常検出センサSE12の上方に亘って形成される大きな曲率半径の湾曲面として形成される。
特に、本実施形態では、左右外突設部319が検出センサSE1の開口の中心(即ち、流路の中心)よりも正面側に配設されていることから(図19参照)、左右外突設部319と球とが上下方向で当接する場合に、球の中心が左右外突設部319の厚み中心よりも後方側に配置され易い。そのため、左右外突設部319と球とが上下方向で当接した際に、球に対して後方向成分を有する負荷がかかり易いようにすることができるので、球が正面側に逆流することを防止することができる。
これらの構成から、複数の球が流下する場合に球詰まりが生じたり、球の逆流が生じたりすることを防止し易くすることができる。
スライド変位部材370が後側位置に配置された状態では、薄板部371や上突設部376が前後長突設部317よりも後方に退避しているので、球は、前後長突設部317に当接して流れる。
前後長突設部317は、突設端部(湾曲面)の面形状が、法線が第3流路構成部336の中心を通る形状とされており、確変検出センサSE11の貫通孔の中心位置の真後ろに厚み中心が配置されるので、当接した球に対して左右方向の成分が抑制された負荷を与えやすい。この負荷は、前後長突設部317の突設先端が凹状の湾曲面形状とされることから(図20参照)、球を前斜め下方に流す負荷として機能する。
そのため、左右内突設部318からの勢い付けでは右方に行き切らなかった球は、前後長突設部317からの負荷により前斜め下方への負荷を受け確変検出センサSE11側へ流れる。
ここで、前後長突設部317との衝突時の当たり所によっては、球が正面側に跳ね返る(逆流が生じる)可能性が危惧されるが、本実施形態では、上述のように、左右内突設部318との当接により左右外斜め下方に勢い付けされているので、球が正面側に跳ね返ったとしても、球は第3流路構成部336の下底部後端(図20参照)や、前側枠状部333の後側面(図19参照)に衝突するに留まり、第3流路構成部336を逆流する事態が生じることを回避し易くすることができる。
本実施形態で独特なのは、スライド変位部材370が後側位置に配置され球が確変検出センサSE11側へ流れる際にも、スライド変位部材370が前側位置に配置され球が通常検出センサSE12側へ流れる場合と同様に、左右内突設部318から負荷による左右外側へ向けた変位が球に生じることである。この用途については、後述する。
スライド変位部材370は、前側位置と後側位置とでスライド変位可能に構成されるところ、球がスライド変位部材370に向かって第3流路構成部336を流下している最中にスライド変位部材370が閉鎖動作(後側位置から前側位置へ向けた動作)をすると、球に前向きの負荷を与える可能性があり、球に第3流路構成部336を逆流させる方向(前向き)の負荷が与えられる可能性がある。
これを防ぐために、スライド変位部材370の変位動作を制御することが好ましい。例えば、球がスライド変位部材370に到達する前に閉鎖動作を完了させておくように制御すれば、動作中のスライド変位部材370に球が衝突する可能性を排除できるので、球が逆流する可能性を低くすることができる。
また、スライド変位部材370の上突設部376の前面が左右外側を向く湾曲面として形成されていたり、左右内突設部318が球にもれなく衝突するように配置されたりすることにより、第3流路構成部336の後端部に到達した球を左右外側に案内する作用を生じさせることができる。これにより、球の逆流が生じにくくすることができる。
また、スライド変位部材370の開放動作(前側位置から後側位置へ向けた動作)は球と対抗する方向の動作ではなく、球から離れる側への動作なので、例えば、球がスライド変位部材370の薄板部371に乗っている時に動作が実行されても、その球を正面側に押し返す負荷は生じにくい。従って、開放動作については、球の配置を考慮せず任意のタイミングで実行する制御としても、球の逆流が生じ易くすることは無いと考えられる。
球がスライド変位部材370の上面で前転回転しながら薄板部371を転動する(まだ左右外側に流れる前段階の)場合、スライド変位部材370の開放動作は、球に対して、回転を抑える方向(後転させる方向)の負荷を与えるので、球の回転を留めることができ、球の流れを停止させ自由落下に移し易い。
そのため、球が薄板部371を転動中にスライド変位部材370が開放動作した場合に、球がそれまでの転動の勢いで通常検出センサSE12に案内されることを回避し易くすることができ、球を確変検出センサSE11に案内し易くすることができる。
上述した振分装置300を備える本実施形態におけるパチンコ機10における、振分装置300の遊技者目線での見え方について説明する。以下では、一例として、水平方向に対する視線の角度が異なる状態で場合を分けて説明する。
図21は、可変入賞装置65及び振分装置300の正面図であり、図22は、図16の矢印XXII方向視における可変入賞装置65及び振分装置300の斜視図であり、図23は、図16の矢印XXIII方向視における可変入賞装置65及び振分装置300の斜視図である。
前提として、パチンコ機10を操作する遊技者は、操作ハンドル51(図1参照)を握り回転させることを除き、好みの姿勢で遊技を行うことができる。例えば、パチンコ機10から頭を十分に離して、水平または水平から5度程度下降傾斜する方向の視線(図22参照)でガラスユニット16(図1参照)の内側を見るようにして遊技を行っても良いし、パチンコ機10に頭を近づけて、水平から30度程度下降傾斜する方向の視線(図23参照)でガラスユニット16の内側を見るようにして遊技を行っても良い。一般的には、前者の方が広い視界を確保できるが、細かな部分には気付きにくい一方で、後者は視界が狭くなるが、その視界における細かな部分には気付き易い。
図21は、基準として図示するものであり、以下では主に、図22及び図23を対比しながら説明を行う。なお、図21から図23では、便宜上、開閉板65bの開放状態が図示される。
図21には、発光手段351が想像線で図示される。なお、発光手段351は左右対称に配設されているが(図13参照)、理解を容易とするために左半部のみが図示される。最上部に配置される発光手段351の機能については上述した通りであるので、ここでは下側部353に配置される左半部における3個の発光手段351について説明する。
まず、上側の発光手段351は、シール部材313に向けて光を照射する。シール部材313は上述のように、赤色透明に形成されているので、発光手段351から光が照射された場合、シール部材313の周辺が赤く照らされる。これにより、シール部材313及びその周辺に対する遊技者の注目力を向上することができる。シール部材313は第3流路構成部336の真上に配設されているので(図18参照)、第3流路構成部336に注目させることができる。
なお、上側の発光手段351の正面側においては、光拡散加工面332eの形成が省略されている(図18参照)。これにより、発光手段351からの光が光拡散加工面332eにより上下方向に引き延ばされるように視認されることを回避し、シール部材313周辺を集中的に光らせることができる。
なお、発光制御については何ら限定されるものではないが、例えば、大当たり遊技中に、第3流路構成部336を流下する球に注目させたい状況においてシール部材313に光を照射するように制御することで、シール部材313に注目させ、その下側に配置される第3流路構成部336の後端部に自然と視線を誘導することができる。
次に、下側において左右に並んで配置される発光手段351は、それぞれ、確変検出センサSE11と、通常検出センサSE12の真上位置に対応する。即ち、この発光手段351の制御を、球が確変検出センサSE11に入球した場合には確変検出センサSE11の真上位置に配置される発光手段351を発光させる一方、球が通常検出センサSE12に入球した場合には通常検出センサSE12の真上位置に配置される発光手段351を発光させるように制御することで、遊技者に対して、球の通過箇所を報知することができる。
これらの、下側において左右に並んで配置される発光手段351から照射される光は、光拡散加工面に向けられる。即ち、左右中央側の発光手段351は、光拡散加工面332eと対向配置されており(図18参照)、左右外側の発光手段351は、光拡散加工面319a(図17参照)と対向配置されている。光拡散加工面319a,332eは、各部の上下に亘って形成される。
従って、発光手段351からの光が視認される位置は、発光手段351のLEDの高さ位置に限定されるものではなく、上下に広がりがある範囲として形成される(上下に延びる帯状の光として視認される)。そのため、図21から図23に示すように、遊技者の視線の角度が変わったとしても、発光手段351からの光の視認性を向上することができる。
図22における水平からの下降傾斜の角度(5度)は、第3流路構成部336の傾斜角度と同じである。そのため、図22では、第3流路構成部336の後端部に配置されるスライド変位部材370の外形を視認することができる。但し、スライド変位部材370は前後方向に変位するため、この視界では、スライド変位部材370の変位による変化を把握し難い。
一方、図23に示すように、水平から30度の角度の方向視では、第3流路構成部336の後端部における視界の上下幅が狭まっているので、図22の方向視に比較して、第3流路構成部336の後端部における球の流下態様の切り替わりの確認の難易度が高くなる。但し、この視界では、スライド変位部材370が前後方向に変位する際の上突設部376の変位を把握し易い。
なお、中部材330の配置用貫通孔332aがスライド変位部材370の上突設部376を通すのに十分な最低限の大きさの開口として形成されているので、後側枠状部332の内部に配置される状態切替装置360(図17参照)を視認し難いように隠すことができている。
実際の大当たり遊技中には、ラウンド遊技中に特定入賞口65aに複数個の球が案内され、各流路構成部334~336を順に流下する。各流路構成部334~336に複数個の球が同時に配置される場合、奥側の球へ向けた視線が、手前側の球により妨げられる可能性がある。
例えば、第3流路構成部336に複数の球が配置される場合、それらの球は、図22では、同位置に配置される。従って、手前側の球によって、奥側の球が隠される。
また、球が通常検出センサSE12側へ流れる場合、第3流路構成部336の後端部から左右外方向へ流れることになる。第3流路構成部336から左右方向へ外れた後は前側枠状部333の光拡散加工面333bにより視認性が落ちるので、第3流路構成部336から左右方向へ外れる過程の球の動きを把握することが好ましいところ、第2流路構成部335の下流側端部位置(球P1の位置)から第3流路構成部336の上流側端部位置(球P2の位置)へ流入する球(第3流路構成部336から左右方向に若干ずれる球)があると、その球により、第3流路構成部336の後端部から左右方向へ外れる過程の球が隠される。
換言すれば、球が確変検出センサSE11へ流れたか、通常検出センサSE12へ流れたかの把握は、第3流路構成部336の後端部で球の流下方向が左右外側へ切り替わったか、否かを視認すれば可能であり、第3流路構成部336の内側および右縁部周辺に注目していれば良い。これに対し、本実施形態では、その視線の方向上の上流側における第3流路構成部336と第2流路構成部335との連結位置において、第3流路構成部336の内側および右縁部周辺を含む経路で球が流下し得るように構成される(球P1の位置から球P2の位置への移動)。そのため、上流側を流下する球の配置によっては、球が確変検出センサSE11へ流れたか、通常検出センサSE12へ流れたかを把握し損なう事態が生じ得る。
また、図23の視線では、第3流路構成部336の後端部を流れる球と、第2流路構成部335を流れる球とが、上下方向の配置で明確に分けられるので、上流側の球が目隠しとなる事態を回避し易い。一方で、第3流路構成部336の後端部において視認される流路の上下幅が狭い分、方向視で視認できる球の面積が小さくなる。
特に、第3流路構成部336の後端部を通過した球は、上述したように、スライド変位部材370の配置によらず、一旦右斜め下方へ流下した後において、確変検出センサSE11へ向かう流下経路か、通常検出センサSE12へ向かう流下経路か、が切り替わる。そのため、球の流下経路として、球が真下に流下するか、球の流下方向が右方へ切り替わるかで切り替えられる場合に比較して、切替位置において視認される球の面積が小さくなる。
切り替わりの態様としては、他に、球の流下経路が真下に流下するか、右方へ切り替わるかで切り替わるかという場合のように、切替位置がより上流側に配置される場合が想定される。例えば、左右内突設部318が形成されず、確変検出センサSE11へ向かう球は第3流路構成部336の後端部から真下へ流下する場合には、切替位置は、少なくとも第3流路構成部336の中心線後方の位置となる。
これに対し、本実施形態のように切替位置が第3流路構成部336の中心線後方よりも右側に変位している場合、球が第3流路構成部336の下底部よりも下方に落ちる(第3流路構成部336の下底部上面とスライド変位部材370の薄板部371の上側面との上下差分だけ落ちる、図18参照)ことで、第3流路構成部336自体に球の一部が隠される作用に加え、球が第3流路構成部336を通して視認される範囲よりも左右外側に変位することで、前側枠状部333に球の一部が隠される。
従って、第3流路構成部336の後端部を通過した球の、遊技者目線で視認可能な面積が小さくなるので、球がいずれの流下経路で流下したかの把握を行うことが困難となる。これにより、第3流路構成部336の後端部付近を流下する球に対する注目力を更に向上することができる。
このように、本実施形態によれば、第3流路構成部336の後端部を流下する球の流下方向を識別する方向視として説明した複数の方向視(図22及び図23参照)において、いずれにも長所および短所が設定される。これにより、振分装置300の視認の仕方をとっても、遊技者に一辺倒の遊技を要求するのではなく、遊技者に好みの視認方法を調整および選択させることができ、遊技態様に幅を持たせることができるので、遊技者が遊技に飽きる事態が生じることを回避することができる。
遊技者の視界の確保は種々の方法で実現することができるが、本実施形態では、特に、上部材310の第2上面部314b間に空隙が形成されることで、第3流路構成部336の屋根部が取り外されたような状態とすることができるので、第3流路構成部336を視認し易くすることができる。
図22及び図23の方向視について、振分装置300よりも正面側における視認性について説明する。図22及び図23では図示を省略しているが、振分装置300よりも正面側には、被固定部材161及び前意匠部材162(図5参照)が配置されるので、部材の厚みにより透過する光が少なくなることから、視界が遮られることになる。
前意匠部材162により視界が遮られる範囲が狭くなる分、図23の方向視の方が、図22の方向視に比較して、振分装置300の内部を流下する球を視認し易くなる可能性がある。
被固定部材161及び前意匠部材162は、基本的には、上述のように平坦形状とされおり、光の屈折が生じ難いように構成されている(図12参照)。これにより、振分装置300の視認性が悪くなることを回避することができる。
機能上、平坦形状とできない部分についても、視認性に与える影響が小さくなるように形成している。例えば、振分装置300を位置決め、係合するための突設支持部161c~161eは、斜め下方向へ向く遊技者の視線を遮ることが無いよう、流路構成部334~336を見る遊技者の視線の外方(上側後方、左右外側、左右側下方、)に配設されている。
また、例えば、対称突設部161fは、球の中心高さに形成され、強度上必要最低限の厚さで肉薄に形成されている(図18参照)。これにより、対称突設部161fが球と遊技者の目との間に配置されたとしても、球全体が隠されることを防止することができるので、流路構成部334~336を流下する球の視認性を確保することができる。
被固定部材161と前意匠部材162との間には、特定入賞口65aから逸れた球が流下し、アウト口71へ向けて流下する。アウト口71へ向けて流下する球による視界への影響について説明する。
図22及び図23では、開閉板65bの開放状態でアウト口71へ向けて流下する球の配置の一例が図示される。開閉板65bの開放中は、開閉板65bの上方から流下した球は開閉板65bに乗り特定入賞口65a側へ案内されることになるので、アウト口71へ向けて流下する球は、開閉板65bの左右に逸れた球となる。これらの球は、延設部162bと延設部162cとの間を流下し、内レール61に案内されてアウト口71へ向けて流下する。
図22及び図23に示すように、遊技者目線では、内レール61を流れる球の配置は、各流路構成部334~336よりも下方となるので、内レール61を流れる球により各流路構成部334~336を流下する球の視認性が低下することを回避し易くすることができる。
一方で、内レール61を流下する球の流下は、第2流路構成部335を流下する球の流下と同様に、緩やかな角度で遊技領域の左右方向中央側へ向けて流れる態様であるので、第2流路構成部335を流下する球と同様に、遊技者の視線を遊技領域の左右中央位置に誘導する効果を奏する。この効果は、遊技者の視線をアウト口71に誘導すると共に、第3流路構成部336に誘導する。即ち、アウト口71及び第3流路構成部336の左右方向位置が同様の位置(左右中央位置)とされるので、遊技者が上下に視線を動かすことで、アウト口71及び第3流路構成部336の両方を視認可能となるような状態に視線を誘導する。
従って、遊技領域へ向けて打ち出した球が、効率的に特定入賞口65aに入球し易いか(大当たり遊技中の無駄球が少なくて済む状態か)、逸れて延設部162bと延設部162cとの間を流下する球が頻発するか(大当たり遊技中の無駄球が頻発する状態か)に関わらず、流下する球により遊技者の視線を第3流路構成部336に誘導するという効果を奏することができる。
即ち、球が特定入賞口65aに入球した場合には、第2流路構成部335を流下する状態において遊技者の視線を第3流路構成部336へ誘導でき、球が特定入賞口65aを逸れる場合には、内レール61を流下する状態において遊技者の視線を第3流路構成部336へ誘導することができる。
アウト口71へ向かう球は、無駄球として遊技において何ら作用を生じないことが通常であるが、本実施形態では上述のように構成することで、アウト口71へ向かう球に、遊技者の視線を第3流路構成部336へ誘導させる役割を持たせることができる。
なお、開閉板65bの閉鎖状態においては、球が開閉板65bの正面側を流れ第2流路構成部335の正面側を通過することで、第2流路構成部335の視界を低下させる可能性がある。
一方で、特定入賞口65aの左右中央位置上方に第2入賞口140及び電動役物140aが配設され、特定入賞口65aの左右中央位置下方に第3流路構成部336が配設されるという本実施形態の構成によれば、第2入賞口140及び電動役物140aにより球の流下を防止することができるので、球が第3流路構成部336の正面側を流下することを防止することができる。従って、開閉板65bの正面側を流下する球により第3流路構成部336及びその後端部周辺の視認性が低下する事態の発生を回避することができる。
本実施形態では、特定入賞口65aに入球した球がスライド変位部材370に到達するまでの時間を流路構成部334~336の形成長さにより確保できているが、この弊害として生じやすい配置スペースの増大の回避を図っている。即ち、図22及び図23に示すように、遊技者目線において、可変入賞装置65の特定入賞口65aと、第3流路構成部336の配置の目安としてのスライド変位部材370と、の配置間隔を短く形成している。
そればかりか、スライド変位部材370が特定入賞口65aの下側後方に配置されているので(図18参照)、図23に示すように遊技者目線として高頻度で生じる後側斜め下方へ向く視線において、特定入賞口65aの外形にスライド変位部材370の外形が食い込むほどに近接配置しているように視認される。
加えて、左右長尺に構成した特定入賞口65aに入球し、その左右両端部に配置される検出センサSE1の球通過孔163bを通過した球の流下経路は、左右対称の各流路構成部334~336を経由して特定入賞口65aの左右中央側下方に集められる。これにより、特定入賞口65aの左右幅を球が左右方向に流下する場合に比較して、スライド変位部材370に球が到達するまでの時間を短くすることができる。加えて、球の流下経路として必要とされる構造を、下側ほど左右長さが短くなる構造とすることができるので、湾曲形状の内レール61の下縁部付近に配置し易くすることができる。
特に、本実施形態では、特定入賞口65aがアウト口71に近接配置させる設計思想であるところ、第2流路構成部335の左右内側端部から真下に球を流下させる構造では無く、第2流路構成部335の左右内側端部から第3流路構成部336により球を後方へ流下させる構造を採用することで、アウト口71(湾曲面部387の正面側(上流側)に配設される開口)を第2流路構成部335の真下位置に形成することができる。これにより、特定入賞口65aとアウト口71との上下間隔の短縮化を図っている。
このように、遊技者目線における特定入賞口65a及びスライド変位部材370の上下配置幅および左右幅を短くできることで、一定の規格に正面視での大きさが制限される遊技領域の設計において、特定入賞口65a及びスライド変位部材370が占める範囲の上下幅を短縮化できるので、遊技領域の設計自由度を向上することができる。
例えば、本実施形態のように、特定入賞口65aの配置を遊技領域の下端付近に配置することができるので、可変入賞装置65を左右対称の遊技領域に有効に利用することができる。
次いで、振分装置300に入球後の球の流下と、その流下を考慮した可動役物(可変入賞装置65、スライド変位部材370)の作動パターンの一例について説明する。
まず、前提として、開口部312を通った球は、第1流路構成部334、第2流路構成部335、第3流路構成部336を順に流下する(図16及び図17参照)。各流路構成部334~336を球が通過するのに要する時間は任意に設定可能であるが、本実施形態では、各流路構成部334~336を約0.3秒で通過するように設計されている。
即ち、特定入賞口65aに入球してから第1流路構成部334を通過するのに0.3秒、第2流路構成部335を通過するのに0.3秒、第3流路構成部336を通過するのに0.3秒を要するように構成される。
従って、可変入賞装置65の開閉板65bが開放状態となった直後に球が特定入賞口65aに入球したとしても、0.9秒間は、第3流路構成部336の後方端部に配置される検出センサSE1に球が到達することは無いように構成される。これにより、開閉板65bが開放状態となった後の0.9秒間は、スライド変位部材370の位置に寄らず、球が確変検出センサSE11にも、通常検出センサSE12にも通過し得ないので、球の誤入賞を危惧せずにスライド変位部材370の作動パターンを設計することができる。
そのため、例えば、V確変アタッカーを備えるパチンコ機に一般的に見られるような、V入賞センサへの誤入賞を防ぐためにラウンド遊技R開始時に開閉板を短時間解放させる制御(開閉板の動作に不自然さを伴う制御)を不要とすることができる。これにより、特定入賞口を開閉する開閉板の動作態様が自然な動作となり、安心して遊技を楽しむ環境を遊技者に提供することができる。
また、上記例におけるV確変アタッカーを備えるパチンコ機では、V確変アタッカーの開放直後に入球する球が誤入賞を生じやすかったが、本件の可変入賞装置65では、後述するように、開放直後に入球する球によって、逆に好ましい効果(例えば、スライド変位部材370の動作を球で隠す効果)が生じるので、開放直後の球の入球を生じさせないようにする工夫を不要とすることができる。
なお、球の通過に要する時間は、各流路構成部334~336の長さや傾斜、流路内壁部の形状など(平滑か、凹凸形状かなど)により任意に設定可能である。
図24を参照して、第1実施形態の第1制御例におけるROM202(図4参照)の内容について説明する。図24(a)は、主制御装置110内のROM202の電気的構成を示すブロック図であり、図24(b)は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、図24(c)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。
図24(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、および変動パターン選択テーブル202dが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202aは、定期的(例えば、2msecごと)に更新される第1当たり乱数カウンタの大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタの値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図24(b)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入賞口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~9」の範囲には、大当たりA1が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b1参照)。
大当たりA1となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第1の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンX(詳細は後述する)で変位するように制御される。
第1当たり種別カウンタC2の値が「10~19」の範囲には、大当たりA2が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b2参照)。
大当たりA2となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第1の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンY(詳細は後述する)で変位するように制御される。
第1当たり種別カウンタC2の値が「20~39」の範囲には、大当たりB1が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b3参照)。
大当たりB1となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第2の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンX(詳細は後述する)で変位するように制御される。
第1当たり種別カウンタC2の値が「40~49」の範囲には、大当たりB2が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b4参照)。
大当たりB2となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第2の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンY(詳細は後述する)で変位するように制御される。
第1当たり種別カウンタC2の値が「50~79」の範囲には、大当たりC1が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b5参照)。
大当たりC1となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第3の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンX(詳細は後述する)で変位するように制御される。
第1当たり種別カウンタC2の値が「80~99」の範囲には、大当たりC2が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b6参照)。
大当たりC2となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第3の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンY(詳細は後述する)で変位するように制御される。
上述したように、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、いずれの場合であっても、4ラウンドの大当たり遊技が選択される。そのため、後述する特別図柄2の抽選で大当たりとなる場合に比較して大量の賞球を期待することはできない。一方で、4ラウンドの大当たり遊技は、15ラウンドの大当たり遊技に比較して短時間で終了するので、その後の大当たりの獲得を狙うための球の打ち出しを、早期に開始することができる。
一方、特別図柄2の抽選(第2入賞口140への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~99」の範囲には、大当たりaが対応付けられて規定されている(図24(b)の202b7参照)。
大当たりaとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第3の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンX(詳細は後述する)で変位するように制御される。
上述したように、特別図柄2の抽選(第2入賞口140への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、いずれの場合であっても、15ラウンドの大当たり遊技が選択される。そのため、特別図柄2の抽選での大当たりを獲得した方が、特別図柄1の抽選での大当たりを獲得する場合に比較して大量の払い出し賞球を得ることができるので、遊技者が、特別図柄2の抽選を行うための遊技(第2入賞口140へ入球させるように球を発射するような遊技)を行うことのモチベーションを高めることができる。
また、スライド変位部材370の作動パターンが作動パターンXで固定となるので、スライド変位部材370の視認性を確保しないでも、遊技者に生じる不利益が大きくなる可能性が少ない。そのため、スライド変位部材370への視認性が若干悪くなるという短所があるが特定入賞口65aへの入球が生じ易い長所がある作動パターンとして第3の作動パターンがある時に、特別図柄2の抽選での大当たりの可変入賞装置65の作動パターンを第3の作動パターンで設定することで、短所の影響を低下させ、大当たり遊技に要する時間を短くすることができるという長所のみを際立たせることができる。
即ち、特別図柄2の抽選での大当たり遊技が間延びする可能性を低くすることができるので、遊技者にとって気持ちの良い(賞球の払い出しの時間効率が良い)大当たり遊技を実現することができる。
なお、特別図柄2の大当たり種別の設定は、これに限定されるものではない。例えば、特別図柄2の大当たり種別として、スライド変位部材370が作動パターンYで変位制御される大当たり種別を設けても良い。また、この大当たり種別は、少ない割合(例えば、20%程度)で設けるようにしても良い。
これにより、スライド変位部材370に対する遊技者の注目力を向上させることができるので、遊技者が大当たり遊技を漫然と遊技することを防止することができる。即ち、スライド変位部材370の変位動作を遊技者に視認させ、変位動作のタイミングで遊技者を一喜一憂させ、遊技者の興趣を高めることができる。
上述した通り、特別図柄の確変中は、普通図柄の当たり確率がアップし、普通図柄の変動時間が短くなり(3秒)、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物140aの開放時間が長くなる(1秒×2回)ように設定される。よって、第2入賞口140へと球を入球させやすくなるので、特別図柄2の抽選が行われやすくなる。従って、一旦特別図柄の確変状態へと移行させることができれば、特別図柄の大当たりとなりやすく、且つ、大当たりとなった場合に大当たりa(利益バランスの良い大当たり)となりやすい特別図柄の確変状態が繰り返されやすくなるので、遊技者が多量の賞球を獲得し易くなる。これにより、遊技者に対して特別図柄の確変状態へと移行させることを強く期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
第2当たり乱数テーブル202c(図24(c)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5~28」が規定されている(図24(c)の202c1参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5~204」が規定されている(図24(c)の202c2参照)。本実施形態のパチンコ機10では、普通入賞口67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。変動パターン選択テーブル202dは、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタの判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。
図25は、各大当たり種別における1ラウンド目の可変入賞装置65の開閉板65bの作動パターンと、振分装置300のスライド変位部材370の作動パターンと、の計時変化を示した図である。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる可変入賞装置65の開閉板65bと、振分装置300のスライド変位部材370と、の作動制御について説明する。なお、図25の説明では、図24を適宜参照する。
なお、本制御例では、大当たり種別の違いで駆動態様が異なるのは1ラウンド目のみであり、2ラウンド目以降は共通の駆動態様とされる。そのため、大当たり種別ごとの1ラウンド目の駆動態様についてそれぞれ説明する。
大当たりA1又は大当たりA2の場合には、第1の作動パターンに基づいて開閉板65bが動作するようMPU201が電磁ソレノイド165c(図11参照)を駆動制御する。MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで開閉板65bを閉鎖状態に保持するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板65bを閉鎖状態から変位させて特定入賞口65aへの入球が可能な開放状態とする。初回の開放状態は0.2秒間維持される。第1の作動パターンでは、この0.2秒間の開放動作を、1.0秒間隔で実行するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、開閉板65bに長時間動作を行わせる。
なお、初回の開放時間は、遊技球を発射し続ける場合に、少なくとも1個の遊技球が特定入賞口65aに入り得る期間よりも長く、規定個数(本実施形態では10個)の遊技球が特定入賞口65aに入るのに要する期間よりも短い期間として設定される。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板65bを閉鎖状態へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
第1の作動パターンにおける0.2秒の開放時間は、開閉板65bの開放中に特定入賞口65aの左右片側に入球する球の個数を1個に制限するために設定される。特定入賞口65aの左右片側に複数の球が連なって入球する(以下、「連球で入球」とも称する)ことを防止するための開放時間の設定であり、特定入賞口65aへの入球個数を1個に限定する意図では無い。即ち、0.2秒の開放時間であっても、特定入賞口65aの左右両側に各1球ずつ球が到達し、一度に特定入賞口65aに入球することは生じ得ることである。
大当たりA1の場合には、作動パターンXに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361(図17参照)を駆動制御する。電磁ソレノイド361の駆動制御は、開閉板65bの駆動制御を基準として設定されるものであり、本実施形態では、開閉板65bが開放状態へ変位するのと同時に、スライド変位部材370が前側位置から後側位置へ変位するよう駆動制御される。
そのため、特定入賞口65aに入球した球は、各流路構成部334~336(図19参照)を通過し、スライド変位部材370の前側を通り確変検出センサSE11(図20参照)を通過する。
この時、左右片側の各流路構成部334~336に配置される球が1個に限定されるので、他の球に視認性が低下させられることが無い。そのため、遊技者は、球が確変検出センサSE11を通過する状況を容易に視認することができる。
大当たりA2の場合には、作動パターンYに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361(図17参照)を駆動制御する。電磁ソレノイド361の駆動制御は、開閉板65bの駆動制御を基準として設定されるものであり、本実施形態では、開閉板65bが開放状態へ変位するのと同時に、スライド変位部材370が前側位置から後側位置へ変位するよう駆動制御され、0.8秒経過後にスライド変位部材370が後側位置から前側位置へ変位するよう駆動制御される。
上述の通り、各流路構成部334~336(図17参照)を球が通過するのに要する時間は約0.9秒で設定されているので、球がスライド変位部材370に到達する前にスライド変位部材370は前側位置に変位される。
そのため、特定入賞口65aに入球した球は、各流路構成部334~336(図17参照)を通過し、スライド変位部材370の上側を通り通常検出センサSE12(図17参照)を通過する。
この時、左右片側の各流路構成部334~336に配置される球が1個に限定されるので、他の球に視認性が低下させられることが無い。そのため、遊技者は、球が通常検出センサSE12を通過する状況を容易に視認することができる。
スライド変位部材370の変位開始時間としての0.8秒は、球が各流路構成部334~336を通過するのに要する時間よりも短い時間としての思想と、球が第3流路構成部336に到達するのに要する時間よりも長い時間としての思想から、設定される。
即ち、本実施形態によれば、球が特定入賞口65aに入球してから約0.6秒で第2流路構成部335を通過し、第3流路構成部336に到達するので、開閉板65bの開放時間としての0.2秒の終了間際に球が特定入賞口65aに入球した場合であっても、その球が第3流路構成部336に到達してからスライド変位部材370を変位動作させることができる。
従って、特定入賞口65aへの入球が生じさえすれば、球の入球タイミングに寄らず、第3流路構成部336に配置される球によりスライド変位部材370の動作を隠すことができる(図22参照)。これにより、スライド変位部材370の変位動作が目立つことを回避することができ、確変検出センサSE11又は通常検出センサSE12へ入球する球として各流路構成部334~336を流下する球に対する注目力を向上させることができる。
なお、スライド変位部材370の変位開始時間は、0.8秒に限定されるものではない。例えば、0.4秒に設定しても良い。この場合、球が第3流路構成部336に到達するよりも前にスライド変位部材370の変位を生じさせることができるので、球に視線が遮られる可能性は低く、スライド変位部材370の変位を遊技者に視認させることができる。
但し、この場合であっても、第2流路構成部335が被固定部材161の前板部に近接配置され、スライド変位部材370よりも手前側に配置されていることから、遊技者の目線は第2流路構成部335を流下する球に集まり易い。即ち、第2流路構成部335を流下する球に注目させることで(例えば、第3図柄表示装置81で「流れる球に注目!」等の表示をすることで)、スライド変位部材370の変位が遊技者に視認されることを回避し易くすることができる。
なお、一方で、本実施形態では各流路構成部334~336が左右中央で区切られるように構成されているので、特定入賞口65aへの入球が左右片側であれば、入球が生じていない側の第3流路構成部336の後方に注目することで、流下する球に遮られることなくスライド変位部材370の変位を視認することができる(図22参照)。
このように、大当たりA1,A2の場合は、左右片側の各流路構成部334~336に配置される球の個数が1個に限定されることにより、その球への注目力の向上を図ることができると共に、球が確変検出センサSE11を通過するか、通常検出センサSE12を通過するか、を容易に遊技者に視認させることができる。
大当たりB1又は大当たりB2の場合には、第2の作動パターンに基づいて開閉板65bが動作するようMPU201が電磁ソレノイド165c(図11参照)を駆動制御する。MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで開閉板65bを閉鎖状態に保持するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板65bを閉鎖状態から変位させて特定入賞口65aへの入球が可能な開放状態とする。初回の開放状態は1.0秒間維持される。第2の作動パターンでは、この1.0秒間の開放動作を、1.0秒間隔で実行するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、開閉板65bに長時間動作を行わせる。
なお、初回の開放時間は、遊技球を発射し続ける場合に、少なくとも1個の遊技球が特定入賞口65aに入り得る期間よりも長く、規定個数(本実施形態では10個)の遊技球が特定入賞口65aに入るのに要する期間よりも短い期間として設定される。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板65bを閉鎖状態へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
第2の作動パターンにおける1.0秒の開放時間は、開閉板65bの開放中に特定入賞口65aの左右片側に複数の球が入球可能となる時間として設定される。特定入賞口65aの左右片側に複数の球が連なって入球する(以下、「連球で入球」とも称する)ことを許容するための開放時間の設定である。
本制御例では、球の発射間隔は0.6秒間隔とされるので、球の流下間隔が発射時と変化していない場合であっても、開閉板65bが1.0秒間で1回開放する間に、2個の球が特定入賞口65aに入球し得る。一方で、開閉板65bの開放間隔は1.0秒おきに制限されているので、2個の球が各流路構成部334~336を通過する前に次の球が各流路構成部334~336に入球することは規制することができる。
大当たりB1の場合には、上述した作動パターンXに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361(図17参照)を駆動制御する。また、大当たりB2の場合には、作動パターンYに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361を駆動制御する。そのため、大当たりB1の場合に各流路構成部334~336を通過した球は確変検出センサSE11を通過し、大当たりB2の場合に各流路構成部334~336を通過した球は通常検出センサSE12を通過する。
この時、左右片側の各流路構成部334~336に配置される球が1個の場合と、2個(以上)の場合とで各流路構成部334~336の見え方が異なる。左右片側の各流路構成部334~336に配置される球が1個の場合には、大当たりA1,A2の場合と同様に、他の球に視認性が低下させられることが無いので、遊技者は、球が確変検出センサSE11を通過する状況を容易に視認することができる。
一方、左右片側の各流路構成部334~336に配置される球が2個(以上)の場合には、上流側の球が下流側の球を見る遊技者の視線上に配置されることで、下流側の球の視認性が低下する可能性がある。そのため、球が確変検出センサSE11を通過するか、通常検出センサSE12を通過するかを知ろうと望む遊技者の、各流路構成部334~336を流下する球に対する注目力を向上することができる。
大当たりC1、大当たりC2又は大当たりaの場合には、第3の作動パターンに基づいて開閉板65bが動作するようMPU201が電磁ソレノイド165c(図11参照)を駆動制御する。MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで開閉板65bを閉鎖状態に保持するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板65bを閉鎖状態から変位させて特定入賞口65aへの入球が可能な開放状態とし、第1の作動時間T1を限度に開閉板65bに長時間動作を行わせる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板65bを閉鎖状態へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
本制御例では、1ラウンド目のラウンド遊技R中において開閉板65bが開放状態を維持するので、特定入賞口65aの左右片側に複数の球が連球で入球する状況が生じ得る。一方で、開閉板65bの開放間隔が制限されているわけでは無いので、第2の作動パターンと異なり、2個の球が各流路構成部334~336を通過する前に次の球が各流路構成部334~336に入球することも生じ得る。従って、第2の作動パターンに比較して、第3の作動パターンの方が、各流路構成部334~336の下流側に配置された球の視認性が、上流側に配置される球により低下する状況が生じ易い。
大当たりC1又は大当たりaの場合には、上述した作動パターンXに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361(図17参照)を駆動制御する。また、大当たりC2の場合には、作動パターンYに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361を駆動制御する。そのため、大当たりC1又は大当たりaの場合に各流路構成部334~336を通過した球は確変検出センサSE11を通過し、大当たりC2の場合に各流路構成部334~336を通過した球は通常検出センサSE12を通過する。
このように、確変検出センサSE11に球を通すか、通常検出センサSE12に球を通すかに関わらず、開閉板65bを開放状態のまま維持する制御態様としているが、スライド変位部材370に球が到達するのに要する時間を構造から管理しているので、球噛みによるスライド変位部材370の誤動作の可能性は排除することができる。
この時、左右片側の各流路構成部334~336に配置される球が1個の場合と、2個の場合とで各流路構成部334~336の見え方が異なる。左右片側の各流路構成部334~336に配置される球が1個の場合には、大当たりA1,A2の場合と同様に、他の球に視認性が低下させられることが無いので、遊技者は、球が確変検出センサSE11を通過する状況を容易に視認することができる。
一方、左右片側の各流路構成部334~336に配置される球が2個の場合には、上流側の球が下流側の球を見る遊技者の視線上に配置されることで、下流側の球の視認性が低下する可能性がある。そのため、球が確変検出センサSE11を通過するか、通常検出センサSE12を通過するかを知ろうと望む遊技者の、各流路構成部334~336を流下する球に対する注目力を向上することができる。
第3の作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて特定入賞口65aに入球可能なタイミングに制限が無いので、第2の作動パターンに比較して、各流路構成部334~336の球の配置が無秩序になり易い。そのため、検出センサSE1の視認性は低下し易い。
一方で、特定入賞口65aに入球可能なタイミングに制限が無いことは、ラウンド遊技Rの進行を早期に行わせることができる効果がある。即ち、ラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)としての規定個数の球の入賞を早期に満たしやすく、大当たり遊技が間延びすることを回避することができる。
特に、特別図柄2の大当たりは、100%の確率でスライド変位部材370が作動パターンXで駆動制御されるため、特定入賞口65aに入球させれば、確変検出センサSE11を球が通過することが約束されている。この場合、検出センサSE及びスライド変位部材370への遊技者の注目力はそもそも低い。
従って、検出センサSE1の視認性が悪くなることを許容しても遊技者が感じる不利益は小さい。第3の作動パターンでは、検出センサSE1の視認性が悪くなることは敢えて許容しながら、大当たり遊技が間延びすることを回避することを優先することで、大当たり遊技の短時間での進行の実現を図り、大当たり遊技に対する遊技者の興趣の向上を図ることができるようにしている。
大当たり種別に関わらず、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで開閉板65bを閉鎖状態に保持するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板65bを閉鎖状態から開放状態へ変位させて特定入賞口65aを開放するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、開閉板65bに長時間動作を行わせる。2ラウンド目以降は、スライド変位部材370は前側位置で常時維持されるので、特定入賞口65aに入球した球は通常検出センサSE12を通過して排出される(図17参照)。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板65bを閉鎖状態へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は、2ラウンド目と同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目~最終ラウンド(4ラウンド目)のラウンド遊技Rが繰り返されて、開閉板65bが閉鎖状態および開放状態の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するよう電磁ソレノイド165cが駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで開閉板65bを閉鎖状態に保持するよう電磁ソレノイド165cが駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、本制御例では、開閉板65bの短開放の変位動作や、スライド変位部材370の駆動制御を、1ラウンド目のみで実行する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、全ラウンドで実行するようにしても良いし、1ラウンド目以外のラウンド(例えば、3ラウンド目や、8ラウンド目や、12ラウンド目等)で実行するようにしても良い。
このように、本制御例によれば、開閉板65bの開放パターン(第1の作動パターン~第3の作動パターン)の違いによって、開閉板65bへの球の入球態様を変化させ、各流路構成部334~336及び第3流路構成部336の下流側に配置される検出センサSE1の視認性を異ならせることができる。これにより、第3流路構成部336の下流側に配置される検出センサSE1の球の通過に注目する遊技者に球の発射態様を工夫する意欲を生じさせることができる。
例えば、検出センサSE1の視認性の低下は、複数の球が各流路構成部334~336に同時に配置されることにより生じる場合があるので、必要に応じて(例えば、第2の作動パターン又は第3の作動パターンの大当たり種別において)意図的に球の発射間隔を広げることで、検出センサSE1の視認性の低下を抑制することができる。なお、第1の作動パターンでは、特定入賞口65aへの入球が制限されることから、発射態様によらず、検出センサSE1の視認性の低下を回避することができる。
一方で、球の発射間隔を広げると特定入賞口65aに規定個数の球が入球するまでの期間が延びるので、ラウンド遊技Rが間延びする可能性がある。即ち、検出センサSE1の視認性を優先する遊技態様と、ラウンド遊技Rの間延びを回避することを優先する遊技態様とで、ラウンド遊技Rの遊技の仕方を遊技者に選択させることができる。
例えば、スライド変位部材370の変位を視認するために、ラウンド遊技Rの開始後、若干の期間(例えば、1.0秒間)を空けて、特定入賞口65aへの入球を生じさせるようにしても良い。この場合、スライド変位部材370の変位が生じるタイミング(作動パターンYの場合においてラウンド遊技R開始から0.8秒経過したタイミング)で第3流路構成部336に球が配置される状況を回避することができるので、スライド変位部材370の変位動作が球で遮られることを回避することができる。
一方で、球発射までの期間を空けるようにすると特定入賞口65aに規定個数の球が入球するまでの期間が延びるので、ラウンド遊技Rが間延びする可能性がある。即ち、検出センサSE1の視認性を優先する遊技態様と、ラウンド遊技Rの間延びを回避することを優先する遊技態様とで、ラウンド遊技Rの遊技の仕方を遊技者に選択させることができる。
例えば、本実施形態によれば、各流路構成部334~336及びスライド変位部材370が左右対称に構成され、左右のどちら側からも、特定入賞口65aを通して球を入球させることができる。
即ち、例えば、上述した球の発射間隔を広げる発射態様や、球発射までの期間を空ける発射態様については左側での入球において維持し、右側での入球については任意の発射態様で球を発射するように遊技しても、上述と同様の効果を図ることができる。
具体的には、特定入賞口65aへ向けた球の発射を左右に打ち分けるような発射態様として、少なくとも1発目の球を右側へ発射し、何発目か(例えば2発目)の球を左側へ発射し、残りの球を右側へ発射するように打ち分ければ良い。
この場合、各流路構成部334~336としての右側流路を流下する球には注目せず、左側流路を流下する球に注目することで、他の球に視線が遮られることを回避しながら、左側流路を流下する球が確変検出センサSE11を通過するか否かを視認することができる。加えて、この場合は、特定入賞口65aの右側部分へ向けて絶えず球を発射し続けているので、特定入賞口65aに規定個数の球が入球するまでの期間が延びることを回避でき、ラウンド遊技Rが間延びすることを回避することができる。
なお、この左右への球の発射の打ち分けは、左側流路への入球を1個にすることが目的ではない。特に、左側流路を何発目の球が通過しきるまでの約0.9秒間において左側の各流路構成部334~336に配置される球の個数を1個に制限できれば良く、その他の期間においては左右流路に任意に球を入球させるように打ち分ければ良い。
これにより、本実施形態のように特定入賞口65aの上方の開放幅が長くは無い場合(例えば、電動役物140aの配置や釘配置(図2参照)から球の入球経路が少数の経路に限定される場合)においても、特定入賞口65aへ向かう球同士が衝突して一方が特定入賞口65aの左右外側に零れる事態の発生を抑制することができる。なお、図2では釘配置を左右非対称としたが、左右対称の釘配置としても良い。
次いで、遊技盤13の背面側に締結固定される動作ユニット500の構造について説明する。動作ユニット500は、遊技盤13のベース板60(図2参照)に背面側から締結固定されるユニットである。
図26は、動作ユニット500の正面斜視図であり、図27は、動作ユニット500の背面斜視図である。なお、図27では、背面ケース510の開口511aに配設される液晶表示装置(可変表示装置ユニット80)の図示が省略され、開口511aを通して奥側を視認可能に図示される。また、図26及び図27の説明においては、図2を適宜参照する。
動作ユニット500は、底壁部511と、その底壁部511の外縁から立設される外壁部512とから正面側が開放された箱状に形成される背面ケース510を備える。背面ケース510は、底壁部511の中央に矩形状の開口511aが開口形成されることで、正面視矩形の枠状に形成される。開口511aは、第3図柄表示装置81の表示領域の外形(外縁)に対応した(即ち、第3図柄表示装置81の表示領域を正面視で区切ることが可能な)大きさに形成される。
背面ケース510は、外壁部512の正面側端部に遊技盤13の背面に沿う(例えば、平行に配置される)平面板として延設され、組立状態(図2参照)において遊技盤13を面支持する支持板部513を備える。
支持板部513は、遊技盤13のベース板60に形成される嵌合凹部(図示せず)と嵌合可能な形状で正面側へ向けて突設される位置決め凸部513aと、ベース板60に締結される締結ネジを挿通可能に穿設される複数の挿通孔513bとを備える。
ベース板60の嵌合凹部に位置決め凸部513aを嵌合させることによりベース板60に対して背面ケース510を位置決めし、締結ネジを挿通孔513bに挿通し、ベース板60に螺入することにより、遊技盤13と動作ユニット500とを一体的に固定することができるので、遊技盤13及び動作ユニット500の全体としての剛性の向上を図ることができる。
なお、位置決め凸部513aの形状は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、ベース板60の嵌合凹部の内形(本実施形態では、円形または長円形)よりも若干小さな外形の凸部でも良いし、組み付け時の作業性を考慮して、嵌合隙間が大きくなるような形状(更に小さな外形)の突部でも良い。また、嵌合凹部の内形が矩形状に形成される場合には、それに対応して位置決め凸部513aの形状も矩形状とされることは当然想定される。
動作ユニット500は、遊技盤13の背面側に配置され、各種発光手段や、各種動作ユニットが内部に配設されている。即ち、動作ユニット500は、背面ケース510と、その背面ケース510の内側右部に配設される第1動作ユニット600と、背面ケース510の内側下部に配設される第2動作ユニット700と、背面ケース510の内側上部に配設される第3動作ユニット800と、を備える。なお、背面ケース510の内側左部には、LED等の発光手段を有する基板と、その基板を前側から覆うように配設され光透過性材料から形成されると共に全体に亘って光拡散加工が形成される拡散装飾板LB1とが配設される。
具体的には、第1動作ユニット600は、開口511aの右方位置において、第2動作ユニット700は、開口511aの下方位置において、第3動作ユニット800は、開口511aの上方位置において、それぞれ背面ケース510の底壁部511に配設される。まず、この動作ユニット500の動作制御の概要について説明する。
図28から図35は、動作ユニット500の動作の一例を示す動作ユニット500の正面図である。図28では、演出待機状態の各動作ユニット600~800が図示され、図29では、各動作ユニット600~800の演出待機状態から第1動作ユニット600が張出状態に変化した状態が図示され、図30では、各動作ユニット600~800の演出待機状態から第2動作ユニット700が張出状態に変化した状態が図示される。
なお、図30では、第2動作ユニット700が、図29に図示される第2動作ユニット700とは覆設部材787の前側を向く面が異なる状態で図示される。
図28から図35では、センターフレーム86の内側形状が想像線で図示される。この内側においては背面側に配置される第3図柄表示装置81が良好に視認可能となるが、センターフレーム86の外方においては、ベース板60が透明な樹脂部材から構成されているとはいえ、ベース板60に配設される釘や各種入賞口63,64,65a,140等やスルーゲート67等(図2参照)に視界が遮られ易い。そのため、例えば、図28に示すようにセンターフレーム86の外方に配置されている状態において、各動作ユニット600~800の正面視における視認性が下がり易い。
なお、動作ユニット500の構成に合わせる関係上、センターフレーム86の枠形状が図2に示すセンターフレーム86とは異なるが、その役割は同様である。また、第3動作ユニット800の手前側においてセンターフレーム86の内枠形状が下に張り出す湾曲形状となっているが、センターフレーム86の外枠まで下方に湾曲しているものではなく、センターフレーム86の内枠側において、第3動作ユニット800を前側から覆うように円形の透明な装飾薄板が張出形成されるものである。従って、センターフレーム86の上側に乗った球を左右両側へ転動させるという役割も、図2で示すものと同様であり、実際のセンターフレーム86の枠上部(外枠上部)は、第3動作ユニット800の上側を左右に跨ぐように配設される。
図31及び図32では、各動作ユニット600~800の演出待機状態から第3動作ユニット800が張出状態に変化した状態が図示される。図31では、第1装飾部材870が前側を向いており第3動作ユニット800の個別合体状態が図示され、図32では、第2装飾部材880が前側を向いており第3動作ユニット800の一連合体状態が図示される。
図31の状態と図32の状態とが切り替えられる変位は、直動変位と回転変位とを組み合わせた変位態様で生じるので、第3動作ユニット800の演出待機状態において実行すると、周囲の装飾部材と装飾部材870,880とが衝突して不具合が生じることから、第3動作ユニット800の張出状態において実行される。
換言すれば、本実施形態では、第3動作ユニット800が張出状態(又は、演出待機状態から装飾部材870,880の衝突を回避するのに十分な程度で下降変位した状態)となり、装飾部材870,880の変位を仮想円800F(図32参照)において許容する状態となっていることを前提に、反転変位(切替回転動作)を実行するように音声ランプ制御装置113(図4参照)で制御されるが、詳細は後述する。
図33では、張出状態の第3動作ユニット800と、張出状態よりも若干下降変位した中間演出状態における第2動作ユニット700が図示され、図34では、図33の状態から第1動作ユニット600が中間演出状態に変位した状態が図示され、図35では、図33の状態から、第3動作ユニット800が演出待機状態へ変位し、第1動作ユニット600が張出状態に変位した状態が図示される。
図28から図35に図示されるように、第3動作ユニット800の変位軌跡と、第1動作ユニット600の変位軌跡または第2動作ユニット700の変位軌跡と、は正面視で部分的に重なる。そのため、例えば、第3動作ユニット800が張出状態(図31参照)の時に、第1動作ユニット600又は第2動作ユニット700が演出待機状態から状態変化すると、衝突する可能性がある。
これに対して、本実施形態では、第1動作ユニット600の演出待機状態からの状態変化を、第3動作ユニット800が演出待機状態であることを条件として実行可能に制御したり、第3動作ユニット800の演出待機状態からの状態変化を、第1動作ユニット600が演出待機状態であることを条件として実行可能に制御したりすることで、第1動作ユニット600と第3動作ユニット800とが正面視で重なることを避けることができる。従って、第1動作ユニット600及び第3動作ユニット800の配置自由度を向上することができる(前後位置が重なることを許容できる)。
更に、本実施形態では、第2動作ユニット700の張出状態への状態変化を、第1動作ユニット600及び第3動作ユニット800が演出待機状態であることを条件として実行可能に制御したり、第3動作ユニット800が張出状態である場合の第2動作ユニット700の配置を中間演出状態(図33参照)にしたりすることで、第2動作ユニット700が他の動作ユニット600,800と正面視で重なることを避けることができる。従って、各動作ユニット600~800の配置自由度を向上することができる(前後位置が重なることを許容できる)。
特に、第2動作ユニット700の視認状態として、開口511aにより近い張出状態で視認させる場合と、開口511aから若干退くものの第3動作ユニット800と近接配置した状態で視認させる場合と、の複数の状態を構成することで、第2動作ユニット700の演出装置としての機能の向上を図っている。
図28から図35に示すように、第1動作ユニット600は、第3図柄表示装置81の右側において変位動作する。第1動作ユニット600の第2装飾回転部材660は略直方体形状の箱状部材661を備え、箱状部材661は、演出待機状態において斜め左方向へ向く第1演出面661aと、その第1演出面661aの裏面側に形成される第2演出面661bと、第1演出面661a及び第2演出面661bに隣設する面としての第3演出面661cと、を備えている。各演出面661a~661cには、任意で図形、模様、文字等による装飾が施されている。
第1動作ユニット600の演出待機状態においては、第2装飾回転部材660は、第3図柄表示装置81の右側という、センターフレーム86の配置によって正面側からの視認性が低下し易い箇所に配置されているものの、第1演出面661aを遊技者側に斜めに向けた姿勢(矢印F-Bを基準として手前側の面が矢印L側に45度傾いた姿勢)とされているので、第3図柄表示装置81とセンターフレーム86の開口の枠内側から、そのセンターフレーム86と第3図柄表示装置81との隙間を通る斜め方向視で第2装飾回転部材660を視認する遊技者目線における第1演出面661aの視認性を向上することができる。
一方、第1動作ユニット600の張出状態においては、第2装飾回転部材660は、第3図柄表示装置81の正面に張り出すことで、センターフレーム86の枠内側を視認する遊技者に対して正対する。この場合には、第2装飾回転部材660は第2演出面661bを真正面に向けた姿勢とされているので、第2装飾回転部材660を視認する遊技者目線における第2演出面661bの視認性を向上することができる。
このように、第2装飾回転部材660は、配置に応じて遊技者に視認させる演出面661a~661cを切り替え可能に構成され、且つ、遊技者に視認させる各演出面661a~661cの視認性を向上する目的で、配置に応じて姿勢を切り替え可能に構成される。
換言すれば、ガラスユニット16(図1参照)と平行な平面的な姿勢変化に限らず、遊技者の視線との関係を意図した角度変化を付けるよう設計されている。即ち、センターフレーム86の枠中央側の配置となるほど遊技者の視線が前後方向となり正対し易いので、演出面が前方向(矢印F方向)を向く方が視認性を良くすることができ、一方でセンターフレーム86の枠付近の配置となるほど遊技者の視線が斜めになり易いので、演出面をその視線と正対させるために斜めにした方が視認性を良くすることができる。
第2装飾回転部材660の変位に伴い、張出装飾部652bが連動して変位する。張出装飾部652bは、板正面に図形や絵柄等の装飾がされており、第1動作ユニット600の演出待機状態(図28参照)及び中間演出状態(図34参照)では、背面ケース510の右上隅に配置されることで遊技者から視認されないように隠される。
一方、張出装飾部652bは、第1動作ユニット600の張出状態(図28参照)では、正面視で第3図柄表示装置81の表示領域の右縁と前後で重なるようにセンターフレーム86の枠内側に配置されることで遊技者が視認可能となるよう構成されている。
この状態において、張出装飾部652bの外形右端部は、第3図柄表示装置81の右縁よりも右側に位置する。そのため、張出装飾部652bの板正面の装飾を利用して、あたかも第3図柄表示装置81の表示領域が拡大しているように遊技者に錯覚させる表示演出を行うことができる。
詳述すれば、第3図柄表示装置81の表示を視認可能な領域の右縁は第1動作ユニット600に規定されており、第1動作ユニット600の演出待機状態においては、第2装飾回転部材660の第1演出面661aの左縁と、第3図柄表示装置81の表示を視認可能な領域の領域右端RE1とが概ね一致する。
これに対し、第1動作ユニット600の張出状態においては、領域右端RE1を右側に超えるようにして張出装飾部652bが配置される。そのため、第3図柄表示装置81の表示と、張出装飾部652bの板正面の装飾とを関連させたり、一致させたりすることで、あたかも、第3図柄表示装置81の表示領域が領域右端RE1を超えて拡大しているかのように、遊技者に視認させることができる。これにより、意外性のある演出を実現することができる。
上述の表示と装飾とを一致させる例としては、例えば、第3図柄表示装置81に水玉模様を表示し、且つ、張出装飾部652bの板正面の装飾を同様の水玉模様にする例や、第3図柄表示装置81に変動表示される数字(例えば、抽選の当否を報知するための数字)の書体と同様の書体で、張出装飾部652bの板正面に、とある数字が記載されるようにする例が例示される。
上述の表示と装飾とを関連させる例としては、例えば、第3図柄表示装置81に虹色を構成する7色の内の6色が表示され、且つ、張出装飾部652bの板正面が残りの一色で着色される例や、第3図柄表示装置81に領域右端RE1に右端を合わせるようにして配置される木の棒が表示され、且つ、張出装飾部652bの板正面に炎を模した装飾がされることで、第1動作ユニット600の張出状態において着火を連想させる例が例示される。
なお、張出装飾部652bの演出態様は一種類に限定されるものでは無く、張出装飾部652bの明るさを制御することで複数種類の演出態様を構成することができるが、張出装飾部652bの明るさを変える発光手段については後述する。
また、張出装飾部652bの代わりに正面側に表示面を有する小型の液晶装置を配設することで、その液晶装置の表示を複数種類で変化させることができるので、領域右端RE1を超えて表示領域を拡大する際の第3図柄表示装置81の表示態様が制限されることを回避することができる。
また、張出装飾部652bの装飾と関連させる対象は、表示に限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、張出装飾部652bの装飾と、第2動作ユニット700の部材(例えば、覆設部材787)に形成される装飾(第1装飾、第2装飾)とを関連させるようにしても良いし、張出装飾部652bの装飾と、第3動作ユニット800の部材(例えば、第1装飾部材870、第2装飾部材880)に形成される装飾(第1覆設部875の装飾、第2覆設部885の装飾)とを関連させるようにしても良い。
図36は、第1動作ユニット600の正面斜視図であり、図37は、第1動作ユニット600の背面斜視図である。第1動作ユニット600は、第2装飾回転部材660が姿勢変化しながら回転するという複雑な変位態様で構成され、併せて第1装飾回転部材650の張出装飾部652bが第2装飾回転部材660を基準に相対変位することで、変位の前後で異なった外観を遊技者に視認させることができるよう構成される。
図38は、第1動作ユニット600の分解正面斜視図であり、図39は、第1動作ユニット600の分解背面斜視図である。
図38及び図39に示すように、第1動作ユニット600は、背面ケース510に締結固定される被固定手段610と、その被固定手段610に回動可能に支持される回動部材620と、その回動部材620を回動させるための駆動力を伝達する駆動伝達装置630と、回動部材620の回動先端部に一側の端部が回動可能に支持される被支持部材640と、その被支持部材640の他側の端部に回転可能に配設される第1装飾回転部材650と、その第1装飾回転部材650に回転可能に支持される第2装飾回転部材660と、被固定手段610の下半部の正面側に固定される装飾固定部材670と、を備える。
被固定手段610は、背面ケース510の底壁部511に前後に対向配置されるベース部材611と、そのベース部材611の正面側に配置されベース部材611との間に空間を作りながらベース部材611に締結固定される前蓋部材612と、を備える。
前蓋部材612は、駆動伝達装置630を配置するための伝達用配置部613と、その伝達用配置部613の正面側において装飾固定部材670を固定するための固定用部614と、その固定用部614よりも内側において回動部材620を回転可能に支持するための支持締結部615と、被支持部材640の他側の端部を案内する長孔として形成される案内長孔616と、を備える。
案内長孔616は、直線部と曲線部とが混在する独自の形状から形成されるが、その詳細および作用については後述する。
回動部材620は、長尺板状に形成される本体部621と、その本体部621の一端部(下側端部)に配設され被固定手段610の支持締結部615に外嵌支持される筒状部622と、直線方向に延びる長孔として本体部621の中間部に形成される伝達長孔623と、本体部621の他端部(上側端部)に筒状部622の軸方向と平行な穿設方向で円形孔として穿設される円形貫通孔624と、その円形貫通孔624を中心とした円の一部に沿ってギア歯状に形成されるギア歯部625と、を備える。
筒状部622の周りにはトーションばねSP1が巻き付けられている。トーションばねSP1は、一方の腕部が本体部621の側壁に当接され、他方の腕部が前蓋部材612の突片に当接されるよう構成され、回動部材620を起こす方向(正面視時計回り方向)に付勢力が生じるよう構成されている。
なお、筒状部622の軸支においては、支持締結部615が筒状部622に挿通された状態で、支持締結部615の先端部に形成されている雌ネジ部に締結ネジが螺入される。これにより、回動部材620は支持締結部615に脱落不能に軸支される。
伝達長孔623は、駆動伝達装置630の円筒部634aが挿通される案内孔として機能し、円形貫通孔624は被支持部材640の筒状部642が回転可能に挿通固定される挿通孔として機能するが、詳細は後述する。
駆動伝達装置630は、前蓋部材612の正面側に締結固定される駆動モータ631と、前蓋部材612の貫通孔613aを通して背面側へ突き出される駆動軸に固着される駆動ギア632と、その駆動ギア632に噛み合う状態で前蓋部材612の筒状部613bに軸支される伝達ギア633と、その伝達ギア633に噛み合う状態で前蓋部材612の筒状部613cに軸支される伝達ギアカム634と、を備える。
なお、伝達ギア633及び伝達ギアカム634に筒状部613b,613cが挿通された状態で、筒状部613b,613cの先端部に形成されている雌ネジ部に締結ネジが螺入される。これにより、伝達ギア633及び伝達ギアカム634は前蓋部材612に脱落不能に軸支される。
前蓋部材612には、筒状部613cを中心とした円弧に沿って貫通形成される円弧状孔613dが形成されており、その円弧状孔613dには、伝達ギアカム634の偏心位置において正面側に円筒状に突設される円筒部634aが挿通される。
伝達ギアカム634は、伝達ギア633と歯合するギア部を備える回転部材であって、上述の円筒部634aと、その円筒部634aを含む角度位置から外径方向へ板状に延設される延設部634bと、を備える。
円筒部634aは、円弧状孔613dに挿通され、その正面側において回動部材620の伝達長孔623に挿通される。ここで、円弧状孔613d及び伝達長孔623の幅長さは、円筒部634aの外径よりも、若干長くなるように設計される。これにより、円筒部634aが円弧状孔613d及び伝達長孔623を摺動する際の摺動抵抗を低減することができる。
延設部634bは、前蓋部材612に締結固定されるフォトカプラ式の検出センサKS1の検出溝に進入可能に構成されている。これにより、検出センサKS1の出力の変化を読み取ることで、音声ランプ制御装置113(図4参照)が伝達ギアカム634の姿勢を把握可能に構成される。
被支持部材640は、長尺の本体部641と、その本体部641の背面側から回動部材620の円形貫通孔624に挿通可能な円筒形断面で突設される筒状部642と、その筒状部642と平行に突設される筒状部643と、その筒状部643に軸支された状態で回動部材620のギア歯部625と歯合可能に形成される中間ギア644と、その中間ギア644よりも背面側に穴あきの底部を有する大径の筒状に形成される有底筒状部645と、その有底筒状部645が配置される端部の反対側の端部において正面側に延設される延設支持部646と、を備える。
上述の構成により、回動部材620の回動変位に伴い、ギア歯部625と、中間ギア644との間で歯合による駆動力伝達を生じさせることができる。
なお、回動部材620及び中間ギア644に筒状部642,643が挿通された状態で、筒状部642,643の先端部に形成されている雌ネジ部に締結ネジが螺入される。これにより、回動部材620及び中間ギア644は被支持部材640の本体部641に脱落不能に軸支される。
有底筒状部645は、底部の背面側が前蓋部材612の正面側縁部に近接配置され、底部の正面側において中間ギア644と第1装飾回転部材650のギア歯654aとが歯合可能となるように周面部に形成される開口645aと、筒状中心を中心とした円形で貫通形成され円筒支持部651aを挿通可能とされる挿通孔645bと、を備える。なお、形状の詳細については後述する。
延設支持部646は、第2装飾回転部材660を回転可能に軸支するための支持部として機能するが、詳細は後述する。
第1装飾回転部材650は、直交する回転軸を形成する本体部材651と、その本体部材651と有底筒状部645との間に軸支される前側回転部材652と、その前側回転部材652の装飾部652bの背面側に固定され正面側にLED等の発光手段が配設される電飾基板653と、前側回転部材652と同軸で後側に締結固定される後側回転部材654と、本体部材651に正面側から締結固定され配線通しとしての円筒状空間を形成する配線受部材655と、その配線受部材655の正面側に配置され本体部材651に背面側から挿通される締結ネジが螺入されることで締結固定される前側装飾部656と、配線受部材655と本体部材651とにより形成される円筒状部に外嵌軸支される軸直角回転部材657と、を備える。
本体部材651は、背面側に筒状に延設される円筒支持部651aを備えており、その円筒支持部651aは、先端部の直径位置に一対の雌ネジ部651bが形成され、その雌ネジ部651bを通る平面の片側において壁部を削減するように切りかかれる切り欠き部651cを備える。
円筒支持部651aは、内部に電気配線を挿通可能な太さで形成されており、切り欠き部651cは、電気配線の入口を確保するための開口部としての機能を有する。
円筒支持部651aは、基端側から順に、前側回転部材652の中心孔、後側回転部材654の中心孔、有底筒状部645の挿通孔645b、段付きリング状のカラーC1及び前蓋部材612の案内長孔616に挿通され、その先端部の雌ネジ部651bに皿状蓋部C2に挿通された締結ネジが螺入されることで締結固定される。
即ち、上述した円筒支持部651a、前側回転部材652、後側回転部材654、有底筒状部645、カラーC1及び皿状蓋部C2は、前後方向に延びる軸線O1に同軸で支持され、案内長孔616に沿って変位可能に構成される。
皿状蓋部C2は、円周部の一部に開口C2aが形成されており、この開口C2aは組立状態において、本体部材651の切欠き部651cと対向配置されることで、電気配線の通り道を形成する。
この電気配線は、一部の配線は軸直角回転部材657の内部を通り、第2装飾回転部材660の内部に案内され、電飾基板662に配設されるコネクタに端子が接続される。また、その他の配線は、本体部材651と配線受部材655との間に形成される隙間(上側、即ち半筒形状部655aの上下反対側において本体部材651と対向配置される側に形成される隙間)を通り、張出装飾部652bの背後に案内され、電飾基板653のコネクタに端子が接続される。
後側回転部材654は、背面側端部の円周部に沿ってギア歯654aが形成されており、このギア歯654aと中間ギア644とが歯合可能に形成される。なお、ギア歯654aは、後述する動作に十分な配置として、全円周に亘ってでは無く、円周の一部に沿って形成される。
前側回転部材652は、傘歯車として形成されるギア歯652aと、径外方に張り出す張出装飾部652bと、を備える。張出装飾部652bの背面側には電飾基板653が締結固定され、電飾基板653に配置される発光手段からの光により張出装飾部652bを点灯させたり、点滅させたりする演出を実行可能とされる。
前側回転部材652は、後側回転部材654に締結固定されているので、後側回転部材654と前側回転部材652とは一体的に回転動作する。
軸直角回転部材657は、本体部材651の半筒形状部651dと、配線受部材655の半筒形状部655aとにより形成される円形筒状部に回転可能に支持され、前側回転部材652のギア歯652aと歯合可能な傘歯車として形成されるギア歯657aを備える。
このように構成することで、前側回転部材652の回転と連動して軸直角回転部材657が回転する。即ち、前側回転部材652、後側回転部材654及び軸直角回転部材657は、連動するが、動作の詳細については後述する。なお、ギア歯652a,657aは、後述する動作に十分な配置として、全円周に亘ってでは無く、円周の一部に沿って形成される。
第2装飾回転部材660は、軸直角回転部材657に締結固定される箱状部材661と、その箱状部材661の内部において箱状部材661に固定される電飾基板662と、箱状部材661と軸直角回転部材657との間に配設され半筒形状部651d,655aの先端部に締結固定される配線留め板663と、を備える。
本実施形態では、後述する箱状部材661の回転に伴って、電飾基板662も回転変位することになるので、電飾基板662のコネクタに案内される際に半筒形状部651d,655aの間を通過している電気配線が捻じれたり、配置が無秩序になったりする可能性があるところ、配線を仮留めする貫通孔を有する配線留め板663の機能により、配線の捻じれや、無秩序に配置されることからの回避を図っている。
なお、本実施形態では、電気配線が電飾基板662に固定されていることから、電気配線に捻じれが生じることは避けられない。一方で、第2装飾回転部材660の回転変位は、1回転以上の回転で生じるものでは無く、135度の回転角度で反転する回転変位であるので、電気配線に過度な負担がかかったり、電気配線がねじ切れたりする事態を回避することができる。
第2装飾回転部材660は、略直方体形状から形成され、最長辺を有する長方形側面の最長辺と平行な回転軸(半筒形状部651d,655aにより形成される回転軸)で回転可能に構成される。
軸直角回転部材657は、配線留め板663が抜け止めとして機能し、半筒形状部651d,655aに脱落不能に支持される。第2装飾回転部材660は軸直角回転部材657に締結固定されるので、第2装飾回転部材660が半筒形状部651d,655aから抜ける事態が発生することを回避することができる。
電飾基板662は、板の厚み方向と箱状部材661の厚み方向とが一致するよう配設されている。電飾基板662の厚み方向の側面において、表側に配設され厚み方向に光軸が向くLED等の発光手段により第1演出面661aが照らされ、裏側に配設され厚み方向に光軸が向くLED等の発光手段により第2演出面661bが照らされ、裏側(第2演出面661bを照らす側)に配設され幅方向に光軸が向くLED等の発光手段により第3演出面661cが照らされる。
このように、電飾基板662に配設される発光手段は、各演出面661a~661cを個別に照らすように機能するが、第3演出面661cを照らすLEDが裏側(第2演出面661bを照らす側)に配設されていることで、第2演出面661bが正面側に配置される状態(第1動作ユニット600の張出状態)において第3演出面661c(上側を向く面)を照らすLEDを発光させた場合に、そのLEDの光軸から角度をつけて進行する光により第2演出面661bを照らすことができる。
即ち、電飾基板662の背後にLEDが配置される場合と異なり、光が電飾基板662に隠されることを回避することができるので、第3演出面661cを照らす光により第2演出面661bも照らすことができる。これにより、第2演出面661bを照らす演出態様の種類を増加させることができたり、発光演出時の第2演出面661bの明るさを向上させたりすることができる。
装飾固定部材670は、光透過性の樹脂材料から、装飾用の文字や図形が遊技者に視認可能に形成され、その背面側から斜め左前方に光を照射する電飾基板671を備えている。装飾固定部材670の配置は第3図柄表示装置81の右側で固定であり、装飾固定部材670に対する遊技者の視線は、常に斜め右側に傾斜した視線となる。即ち、電飾基板671から照射される光の方向を左側に傾斜させることで、遊技者の目が配置され易い側に光を照射することができる。
装飾固定部材670は、下縁部および右縁部が背面側に嵩上げ形成されており、上縁部および左縁部と前蓋部材612との間に前後隙間が形成される。この前後隙間は、回動部材620が傾倒変位する際に通る隙間として機能する。
図40は、演出待機状態における第1動作ユニット600の正面図であり、図41は、演出待機状態における第1動作ユニット600の背面図であり、図42は、図40の矢印XLII方向視における第1動作ユニット600の側面図である。なお、形状の理解を容易とするために、ベース部材611(図38参照)及び締結ネジの図示は省略している。
演出待機状態において、駆動伝達装置630の円筒部634aの変位開始方向SD1は、伝達長孔623の長手方向に沿う(例えば、平行となる)ように構成される。これにより、円筒部634aが伝達長孔623に摺動しながら変位開始する際の変位抵抗を低減することができる。即ち、変位開始時は、変位途中に比較して慣性の補助を得られず、駆動モータ631で発生させる必要のある駆動力が大きくなり易いところ、本実施形態のように変位抵抗を低減するように構成することで、変位開始時に駆動モータ631にかかる負担の低減を図ることができる。
また、同様のことが、張出状態(図45参照)における円筒部634aの変位開始方向SD2についても成立するように構成される。即ち、本実施形態では、回動部材620の両終端位置(演出待機状態の位置、張出状態の位置)における伝達長孔623に配置される円筒部634aの変位方向が、伝達長孔623の長手方向に沿う(例えば、平行となる)ように円筒部634aの変位(即ち、伝達ギアカム634の形状)が設計される。これにより、回動部材620の両終端位置からの変位開始時に駆動モータ631にかかる負担の低減を図ることができる。
図41に示すように、中間ギア644に両側から、回動部材620のギア歯部625と、第1装飾回転部材650のギア歯654aと、が噛み合う。本実施形態では、ギア歯部625の半径R1と、ギア歯654aの半径R2とが同じ長さで設計されているので、中間ギア644に対するギア歯部625の回転角度と、中間ギア644に対する後側回転部材654の回転角度と、は同角度とされる。
従って、後側回転部材654の回転角度を、中間ギア644とギア歯部625との間で生じる回転角度(角度θ)の設計次第で、変化可能に構成することができる。
図42に示すように、前側回転部材652のギア歯652aと、軸直角回転部材657のギア歯657aとが噛み合っており、前側回転部材652に伝達された回転駆動力が、回転軸の直交する第2装飾回転部材660に伝達される。
第2装飾回転部材660の回転角度はギア歯657aの回転角度と同様であり、ギア歯657aの回転角度は前側回転部材652のギア歯652aの回転角度に比例する。即ち、第2装飾回転部材660の回転角度は、中間ギア644とギア歯部625(図41参照)との間で生じる回転角度に比例する。
なお、本実施形態では、ギア歯657aの回転角度と、ギア歯652aの回転角度とが同じ(ギア比が1)となるように構成されるので、第2装飾回転部材660の回転角度は、中間ギア644とギア歯部625との間で生じる回転角度と同じとなる。
次いで、第1動作ユニット600の演出待機状態からの変位について、時系列で説明する。図43は、中間演出状態における第1動作ユニット600の正面図であり、図44は、中間演出状態における第1動作ユニット600の背面図である。また、図45は、張出状態における第1動作ユニット600の正面図であり、図46は、張出状態における第1動作ユニット600の背面図である。なお、形状の理解を容易とするために、ベース部材611及び締結ネジの図示は省略している。
演出待機状態と中間演出状態との間で、回動部材620の回動角度は19度に設定され、中間演出状態と張出状態との間で、回動部材620の回動角度は26度に設定されている。
第1動作ユニット600の中間演出状態では、第2装飾回転部材660の箱状部材661が、幅の狭い第3演出面661cを正面側に向けた姿勢とされる。第1動作ユニット600の張出状態では、第2演出面661bが正面側を向くように構成される(図45参照)。
図44に示すように、案内長孔616は、上端部から上下方向に延びる直線上に形成される直線状部616aと、その直線状部616aの下端部と連結され曲線上(略円弧形状)に形成される曲線状部616bと、を備える。
第1動作ユニット600の中間演出状態では、軸線O1が直線状部616aの下端位置、即ち、直線状部616aと曲線状部616bとの連結部分に配置されている。一方で、図46に示すように、第1動作ユニット600の張出状態では、軸線O1が曲線状部616bの下端位置に配置されている。
従って、演出待機状態と中間演出状態との間における軸線O1の変位は、直線状部616aに沿う直線状変位となり、中間演出状態と張出状態との間における軸線O1の変位は、曲線状部616bに沿う曲線状変位となるように構成される。
第1動作ユニット600は、上述のように状態変化可能に構成されており、その状態変化の基端側に配置されるのは回動部材620である。即ち、回動部材620が駆動伝達装置630からの駆動力を受けて変位し、その回動部材620の変位に被支持部材640、第1装飾回転部材650及び第2装飾回転部材660が従動する。
そのため、対策なしでは、案内長孔616に案内される部分の摺動変位によって案内長孔616との間で生じる変位抵抗が大きくなる可能性があるが、本実施形態では、回動部材620の変位方向に案内長孔616の長手方向が沿うように構成されることで、その抑制を図っている。
例えば、演出待機状態(図41)からの回動部材620のギア歯部625の変位は、下方へ傾動する変位であるところ、案内長孔616も下方に延びるように形成されている。また、例えば、張出状態(図46参照)からの回動部材620のギア歯部625の変位は右斜め上方向に起き上がる変位であるところ、案内長孔616も右斜め上に延びるように形成されている。
このように、回動部材620の変位方向と、案内長孔616の長手方向と、を沿わせるようにすることで、案内長孔616の内部を変位する部分(及び軸線O1)の変位抵抗を抑制することができる。
次いで、図47を参照して、案内長孔616の形状が及ぼす効果について他の効果も含めて説明する。図47は、回動部材620の回動変位に伴う被支持部材640の変位量および変位角度を模式的に示す模式図であり、図48(a)及び図48(b)は、回動部材620が角速度一定の態様で傾倒方向に回動した場合における被支持部材640の従動側の変位量の大小関係を示す模式図である。なお、数値の正負は、正が下方への変位量、負が上方への変位量として図示され、図48(b)では、図48(a)の数値が棒グラフとして図示される。
図47では、回動部材620の回動に伴う被支持部材640の支持位置の配置が、回動部材620の回動角度として10度間隔で図示されるており、第1動作ユニット600の張出状態における姿勢の回動部材620が実線で図示される。
図47において、角度θは、軸線O1及び円形貫通孔624の中心を結ぶ線分と、円形貫通孔624の中心および筒状部622の中心を結ぶ線分と、の間の角度として図示されている。
案内長孔616は、軸線O1が配設される被支持部材640の端部を案内する長孔として機能する。案内長孔616における変位は、回動部材620の円形貫通孔624に連結される被支持部材640の筒状部642が回動部材620の回動に伴って変位することにより生じる変位であるので、以下において、被支持部材640の筒状部642を被支持部材640の主動側とも称し、軸線O1が配設される被支持部材640の端部を被支持部材640の従動側とも称する。
回動部材620を中心とする動作の概要について説明する。回動部材620に支持される被支持部材640の上下変位は、回動部材620の回動による回動先端(被支持部材640の主動側)の上下変位と、被支持部材640の姿勢変位に伴う被支持部材640の従動側の上下変位とが合算された結果として生じる。
演出待機状態においては、被支持部材640が縦姿勢であることに加え、回動部材620の変位の速度成分が上下に比較して左右方向が大きい(回動腕の配置が鉛直から左右45度の範囲)。即ち、上下方向の変位としては、小さくなる条件が2重に揃っている。
これらは共に、張出状態においては逆になり、上下方向の変位が大きくなる条件が2重に揃うことになる。従って、下降変位開始時は速度が小であり、下降変位終端において速度が大という状況が生じ易い構成となっている。
次いで、回動部材620を中心とする動作の詳細について説明する。演出待機状態から張出状態へ向けた回動部材620の変位(傾倒変位)について説明する。回動部材620が傾倒変位する場合、被支持部材640の従動側は主に自重により変位する。
そのため、案内長孔616が鉛直方向に形成される場合、被支持部材640の従動側は勢いよく落下する可能性がある。一方で、本実施形態では、第1動作ユニット600を中間演出状態(傾倒変位の途中位置、図44参照)で停止させられる方が好ましい。
そこで、本実施形態では、案内長孔616の形状として、直線状部616aの下方に曲線状部616bを組み合わせる態様を採用している。これにより、直線状部616aを自重により被支持部材640の従動側が変位し曲線状部616bに進入する際に、被支持部材640の従動側にかかる変位抵抗の増加を図ることができる。これにより、被支持部材640の従動側が中間演出状態における配置を超えて勢いよく落下することを防止し易くすることができる。
直線状部616aにおける被支持部材640の従動側の変位について説明する。被支持部材640の従動側が直線状部616aを変位する際、被支持部材640の主動側が直線状部616aの延長線を跨ぐ。即ち、演出待機状態では被支持部材640の主動側は直線状部616aよりも右側に配置され(図41参照)、中間演出状態では被支持部材640の主動側は直線状部616aよりも左側に配置される(図44参照)。そのため、回動部材620が方向転換せずに傾倒変位する間に、被支持部材640の従動側は上下方向に往復変位する。
これにより、回動部材620の回動角度の大きさに比較して、被支持部材640の従動側の上下方向の変位を小さく維持することができるので、被支持部材640の従動側が直線状部616aに配置されている間において、被支持部材640が、あたかも被支持部材640の従動側を中心として回動変位しているような変位態様で遊技者に見せることができる。
この変位態様によれば、被支持部材640の従動側を中心とした回動変位による助走を利用して左右方向のスライド変位を生じさせることができるので、変位開始時から被支持部材640全体を左右方向にスライド変位させる場合に比較して、変位に要する負荷を低く抑えることができる。そのため、被支持部材640の動作開始時に要する負荷を低減することができ、駆動モータ631に要求される性能の程度を低くすることができる。これにより、駆動モータ631の低コスト化を図ることができる。
一方で、被支持部材640の従動側の変位が小さく抑えられていながら、回動部材620の回動変位に伴い被支持部材640の主動部の変位は十分に確保されており、被支持部材640の主動部を基準とした被支持部材640の従動側の回転方向は背面視反時計回り方向に維持される(方向が切り替えられることが無い)。これにより、上述のように、被支持部材640の姿勢変化の方向および第2装飾回転部材660の回転方向は切り替えられることなく(反転することなく)維持される。
これにより、遊技者に対して、被支持部材640及び第2装飾回転部材660が往復動作(戻り動作)しているような印象を与えることを回避することができ、第2装飾回転部材660の変位態様を勢いのある変位態様とすることができる。
また、回動部材620の回動変位に伴う被支持部材640の主動部の変位が十分に確保されている状況下においても、被支持部材640の主動部の変位方向は水平方向成分が大きく、且つ、重力方向に沿う方向(下方)向きの変位であるので、回動部材620を変位開始させるために要求される負荷を低減することができ、駆動モータ631に要求される性能の程度を低くすることができる。これにより、駆動モータ631の低コスト化を図ることができる。
曲線状部616bにより生じる作用について説明する。直線状部616aと曲線状部616bとの連結部に被支持部材640の従動側が配置される状態が第1動作ユニット600の中間演出状態として規定されている。上述のように、演出待機状態から中間演出状態までの回動部材620の回動角度は19度である。そのため、被支持部材640の従動側が曲線状部616bに配置される状態は、おおよそ、図48の角度幅20度~45度の範囲に対応する。
まず、前提として、案内長孔616に曲線状部を採用する必然性は無い。即ち、上述のように中間演出状態において変位抵抗を増加させるために屈曲するような箇所の採用の有無に関わらず、案内長孔616を直線状の部分のみで構成しても良い。
一方、本実施形態では、敢えて曲線状部616bを採用することにより、変位終端において被支持部材640の従動側の速度が過大となることの防止を図っている。これについて、以下で説明する。
直線状部616aに案内される場合も、曲線状部616bに案内される場合も、回動部材620に連結される被支持部材640の主動側が下方変位する際に、被支持部材640の従動側が下方変位することは同じである。
違いとして、曲線状部616bに案内される場合において、曲線状部616bの上半部では、被支持部材640の従動側が被支持部材640の主動側の変位向き(左向き)と相反する向き(右向き)に変位案内されるように曲線状部616bが形成され、曲線状部616bの下半部では、被支持部材640の従動側が被支持部材640の主動側の変位向き(左向き)に沿う向き(左向き)に変位案内されるように曲線状部616bが形成される。
これにより、被支持部材640の主動側の下方への変位量が大きくなる前(傾倒開始側)においても、被支持部材640の従動側の変位が左右に振られていることで、被支持部材640の従動側の変位速度を大きく確保することができる。
これにより、回動部材620の傾倒変位の変位終端において被支持部材640の従動側の変位速度が過大となることを防止することができる。即ち、被支持部材640の従動側を特定の初期位置から終端位置まで任意の経路で上下変位させる場合、変位に要する時間が同じであれば、上下方向の速度を積分した結果は等しくなるので、変位開始時にゆっくりと変位する場合には、終盤に変位速度が大きくなる。
図47に比較として図示する上下方向に延びる直線上に案内される仮想軸線OE1に被支持部材640の従動側が配置される場合、回動部材620の傾倒変位開始側から、変位速度が漸増することになり、被支持部材640の変位終端(変位下端)において最大となる。換言すれば、回動部材620が10度回転して変位下端に到達する間の案内長孔616に案内される軸線O1の上下変位量UX1に比較して、同じ間の仮想軸線OE1の上下変位量UE1は大きくなる。
そのため、仮想軸線OE1の変位態様では、被支持部材640の従動側が跳ね戻る動作をする可能性があり、被支持部材640を変位下端で停止させる演出を行う場合には、第1動作ユニット600の演出に悪影響を与える。
これに対し、本実施形態では、案内長孔616に曲線状部616bを採用することで、被支持部材640の従動側の変位速度が大きくなる範囲を回動部材620の傾倒変位の変位開始側にも割り振るよう図っており、被支持部材640の従動側の変位速度の均一化を図っている。
この場合の均一化とは、変位の全範囲に亘って速度を同一となるように寄せることを意味するものばかりでは無く、速度の大小幅を抑制することを含む意味で用いられる。特に、本実施形態では、回動部材620の傾倒変位において、曲線状部616bへの進入開始側において被支持部材640の従動側の変位速度が漸増し、曲線状部616bの下半部に進入開始してから被支持部材640の従動側の変位速度が漸減するよう構成されている。
即ち、曲線状部616bに被支持部材640の従動側が案内されている場合において、被支持部材640の従動側の変位速度に速度差を設けることで、被支持部材640の変位が単調となることを回避することができる。
更に、曲線状部616bの下端側部において被支持部材640の従動側に要求される速度、即ち、単位時間に要求される変位量を小さくすることにより、回動部材620を上方へ動作(起き上がり動作)させる場合の駆動開始時に、単位時間に被支持部材640の従動側を持ち上げる変位量を小さくすることができるので、駆動モータ631にかかる負担を軽減させることができる。
次いで、図49を参照して、回動部材620の回動変位に伴う第2装飾回転部材660の回転について説明する。図49は、回動部材620の回転に伴う角度θ[度]の変化を示す模式図である。
角度θは、円形貫通孔624を中心とする回動部材620と被支持部材640との相対回転角度と同一視でき、第2装飾回転部材660の回転に直結する。即ち、角度θの大小に対応して、第2装飾回転部材660の回転角度の大小が規定される。
なお、本実施形態では、回動部材620のギア歯部625と第1装飾回転部材650のギア歯654a(図39参照)との回転伝達比、及びギア歯652aと軸直角回転部材657のギア歯657a(図38参照)との回転伝達比、が共に1に設定されている。そのため、角度θと、軸直角回転部材657との回転角度とは同一となることから、角度θの変化を、第2装飾回転部材660の姿勢の変化として把握することができる。
角度θの変化は、第1動作ユニット600の演出待機状態(図41参照)から第1動作ユニット600の中間演出状態(図44参照)までが45度であり、第1動作ユニット600の中間演出状態から第1動作ユニット600の張出状態(図46参照)までが90度である。
演出待機状態では、第2装飾回転部材660は第1演出面661aを45度だけ左方(第3演出面661cを45度だけ右方)に傾けた姿勢とされているので、角度θの変化に従って、状態が中間演出状態、張出状態と順に切り替えられるごとに、第2装飾回転部材660が45度回転することで第3演出面661cが正面側に向き(図43参照)、次いで第2演出面661bが正面側を向く(図45参照)。
角度θの設定は、被支持部材640の姿勢を規定するための案内長孔616の設計により実現されている。即ち、本実施形態では、第2装飾回転部材660の配置および角度θに応じた第2装飾回転部材660の姿勢の両方を満たすように案内長孔616が設計されている。
これにより、本実施形態のように、検出センサKS1として回動部材620の配置を検出するセンサしか配設しない場合であっても、検出センサKS1の出力を基にして第2装飾回転部材660の配置および姿勢を音声ランプ制御装置113(図4参照)が判定することができる。
即ち、検出センサKS1の検出溝に伝達ギアカム634の延設部634bが配置されていれば第1動作ユニット600の演出待機状態(図41参照)であると判定でき、その状態からの駆動モータ631の回転角度から回動部材620の回動角度、第2装飾回転部材660の配置および姿勢を判定することができる。
ここで、角度θの変化量は、回動部材620の回動角度量に比例するものではない。そのため、駆動モータ631の回転角度から第2装飾回転部材660の配置および姿勢を判定する際には、駆動モータ631の回転角度から比例計算で数値を求めれば良いわけではない。また、これにより、回動部材620を一定速度で回動する場合にあっても、第2装飾回転部材660の回転速度が一定となることを避けることができる。以下、このことについて説明する。
角度θの変化は、被支持部材640の従動側の変位速度の変化量の大小変化と概ね同様である。即ち、演出待機状態から中間演出状態までの角度変化(回動部材620が5度回動する間に約13度)に比較して、中間演出状態から張出状態までの角度変化の方が概ね大きい(被支持部材640の従動側が曲線状部616bの上半部に配置される間において、回動部材620が5度回動する間に約20度)。
一方で、中間演出状態から張出状態までの角度変化は、被支持部材640の従動側が曲線状部616bの下半部への進入位置程度から漸減し、最終的には演出待機状態から中間演出状態までの角度変化の水準以下になる(約7度まで低下する)。
このように、回動部材620の単位角度あたりの回動に対する角度θの数値が大小で変化するように構成されることで、同様に第2装飾回転部材660の回転角度の大小が変化するように構成することができる。即ち、角度θの数値が小さい範囲では、第2装飾回転部材660の回転角度が小さくなり易く、その姿勢を維持し易い状態とできる一方で、角度θの数値が大きい範囲では、第2装飾回転部材660の回転角度が大きくなり易く、遊技者側に向ける面(演出面661a~661c)を迅速に変化させ易い状態とすることができる。
上述の構成から、第2装飾回転部材660の変位動作に緩急を形成することができる。第2装飾回転部材660の変位動作では、上述の通り、被支持部材640の変位に伴う配置変更および姿勢変更と、半筒形状部651d,655aにより形成される筒状部の中心に形成される回転軸を中心とした回転変位と、が同時に実行される。
半筒形状部651d,655aにより形成される筒状部を中心とした回転変位の回転角度(角速度)は、被支持部材640の従動側が案内長孔616の直線状部616aから曲線状部616bに進入するタイミングで目立って大きくなる。
即ち、傾倒変位において、中間演出状態に到達するまでは第2装飾回転部材660の回転角度は抑えられており、中間演出状態における被支持部材640の従動側の配置から多少上下(跳ね戻り)したとしても、第2装飾回転部材660が第3演出面661cを正面側に向ける状態(図43参照)での維持を図ることができる。
一方、中間演出状態から被支持部材640の従動側が下方へ変位すると、回動部材620が一定速度で回動する場合の第2装飾回転部材660の回転速度は増大し、回転方向の姿勢変化が目立って視認される。即ち、遊技者に対して、第2装飾回転部材660が瞬時に回転変位しているように視認させることができる。
なお、本実施形態では、回動部材620の回動終端(変位下端)において第2装飾回転部材660の第2演出面661bが正面側に向けられ、装飾固定部材670と近接配置された状態で一体的に視認される関係上(図28参照)、回動部材620が変位下端に配置された状態から被支持部材640の従動側が上方へ跳ね戻ることを防止できることが望ましい。
これに対し、本実施形態では、上述のように案内長孔616の曲線状部616bbを構成することで、被支持部材640の従動側の変位速度を均一化しているので、回動部材620が変位下端に配置された状態における被支持部材640の従動側の変位速度が過大となることを予め防止することができ、被支持部材640の跳ね戻りを防止することができる。
このように変位速度が均一化されていることに加え、回動部材620の下降変位終端における被支持部材640及び第2装飾回転部材660の中心部の配置(例えば、筒状部643の配置)が、回動部材620の回転軸としての支持締結部615に最接近するよう構成されている。これにより、回動部材620の回動先端側に支持される被支持部材640や第2装飾回転部材660の重量により回動部材620の回動先端が暴れることを回避でき、回動部材620の回動変位を安定させることができる。
加えて、曲線状部616bの下半部は、回動部材620の変位下端において被支持部材640の従動側の、回動部材620の円形貫通孔624を中心として跳ね戻る方向(左上方向)への変位を好適に妨害するように構成される。即ち、曲線状部616bの下半部は、左上方向に傾斜する方向が短手方向となっており、この方向への被支持部材640の従動側の変位を抑制することができるので、被支持部材640の跳ね戻りを防止することができる。
換言すれば、本実施形態では、被支持部材640の主動側の変位に追従して被支持部材640の従動側が変位する際の変位方向と、被支持部材640の主動側が変位終端で停止した場合における被支持部材640の従動側の変位方向と、が異なる。
前者は、案内が無ければ被支持部材640の主動側の変位方向(回動部材620の回動方向)に沿って左下方への変位となると想定されるが、本実施形態では、案内長孔616に案内されることで、案内長孔616に沿う方向として左右方向に若干振られ、下方へ変位する。
一方、後者は、被支持部材640の主動側を中心とした円上の軌道となるので、案内長孔616を沿う方向ではなく、案内長孔616の短手方向に沿う変位方向となる。これにより、被支持部材640の従動側の変位を抑制することができ、被支持部材640の跳ね戻りを防止することができる。
回動部材620の起き上がり方向変位の特徴について説明する。第1動作ユニット600の張出状態から演出待機状態への状態変化において、回動部材620は起き上がり方向に変位する。
回動部材620を起き上がり変位させる際に要する負荷(即ち、駆動モータ631で生じる駆動力)は、主に、回動部材620、被支持部材640及び被支持部材640に配設される第1装飾回転部材650及び第2装飾回転部材660を上昇変位させることと、第2装飾回転部材660を回転させることとに利用される。
即ち、第2装飾回転部材660の回転角度が小さいほど、回動部材620を起き上がり変位させる際に要する負荷を低減することができる。
ここで、図49に示すように、本実施形態では、第1動作ユニット600の張出状態から回動部材620が回動変位を開始する時点において、第2装飾回転部材660の回転角度に比例する角度θの値が最低となるように設計されている。そのため、回動部材620を起き上がり変位させる際に要する負荷の低減を図ることができる。
回動部材620の起き上がり方向変位の上昇変位終端において、被支持部材640の延設支持部646を中心とした第2装飾回転部材660の回転軸が、回動部材620の長手方向と沿う姿勢(上下方向を向く姿勢)で配置される。
そのため、回動部材620の上昇変位終端において第2装飾回転部材660の回転変位が停止される際に第2装飾回転部材660の回転方向の慣性力として回動部材620に与えられる負荷を、回動部材620が長手方向を軸としてねじられる態様の負荷として生じさせることができ、回動部材620はその負荷を長手方向に分散させることで局所的には僅かな弾性変位で耐えることができる。
そのため、第2装飾回転部材660の回転軸が回動部材620の長手方向と正面視で直交する場合に比較して、回動部材620が折れるように破損する事態を回避し易くすることができる。加えて、回動部材620の過度な弾性変位は、前蓋部材612との当接により抑制され、回動部材620で受けきれない負荷に関しては前蓋部材612が弾性変形することにより耐えるよう構成できるので、回動部材620の破損を防止することができる。
張出装飾部652bの変位について説明する。張出装飾部652bは軸線O1を中心に回転変位する部材であって、その回転角度は上述の角度θに対応する。従って、演出待機状態から張出状態への変化のように、被支持部材640の従動側の配置変化が小さい場合であっても、角度θが変化していれば張出装飾部652bは回転する。
演出待機状態から張出状態までの角度θの変化は約135度であり、張出装飾部652bは約45度で回転している。ここで、演出待機状態から張出装飾部652bが45度も反時計回りに回転すると、組立状態(図28参照)において他の動作ユニット800(左右の固定装飾部材)と衝突するように感じるが、本実施形態では、張出装飾部652bの回転の基準となる被支持部材640自体が時計回りに回転する態様で姿勢変化しているので、他の動作ユニット800(左右の固定装飾部材)に衝突することを回避することができる。
換言すれば、張出装飾部652bが被支持部材640を基準として変位可能に構成されることで、張出装飾部652bの変位に要するスペースを削減することができる。
例えば、張出装飾部652bが第1動作ユニット600の張出状態において被支持部材640を基準として固定配置される部分である場合、被支持部材640が張出状態の配置から演出待機状態の配置に変化すると、張出装飾部652bは被支持部材640の左上側に張り出し、他の動作ユニット800に衝突したり、第3図柄表示装置81の表示領域の正面側に張り出し表示を部分的に隠したり、という演出に対する悪影響を及ぼす可能性がある。
これに対し、本実施形態では、被支持部材640の従動側を基準として、被支持部材640の主動側の回転方向とは逆方向に、張出装飾部652bが回転変位するので、被支持部材640が第3図柄表示装置81側に張り出す際には連動して張り出し、被支持部材640が第3図柄表示装置81から退避する側に変位する際には連動して退避する。そのため、退避した状態における張出装飾部652bの配置を、第3図柄表示装置81から離れる側に形成することができる。
遊技者目線における、被支持部材640を基準とした張出装飾部652bの回転角度は、角度θの変化と、被支持部材640の姿勢変化と、の差によって求めることができる。即ち、角度θの変化幅である約135度と、被支持部材640の姿勢変化角度である約90度の差としての45度となる。
ここで、本実施形態では、角度θの変化と、被支持部材640の姿勢変化と、の差が、回動部材620の配置に関わらず等しいよう構成される。即ち、図47に示すように、角度θを、水平線の下側の角度a1,a2と、水平線の上側の角度b1,b2と、で分けた場合に、角度θと、被支持部材640の姿勢変化と、の差は、((a1+b1)-(a2+b2))-(b1-b2)=(a1-a2)と求められ、これは回動部材620の回動角度に等しい。
従って、被支持部材640の姿勢を基準とした張出装飾部652bの回転角度が、回動部材620の回動角度と等しくなるので、回動部材620を角速度一定で回動変位させると、被支持部材640の変位速度は一定ではないにも関わらず、被支持部材640の姿勢を基準とした張出装飾部652bの回転の角速度が一定となる。
そのため、遊技者に対して、被支持部材640に配設される張出装飾部652bが回動部材620を駆動させる駆動モータ631とは別の駆動手段で、一定角速度で駆動されているかのように視認させることができる。
このように構成することで、張出装飾部652bの被支持部材640を基準とした変位が、遊技者目線で、スライド移動である区間があったり、回転移動がある区間があったりするように見せることができ、張出装飾部652bの変位態様を、あたかも機械では無いような柔らかい変位態様として視認させることができる。
この作用は、被支持部材640の変位として、スライド方向の変位量に対して姿勢変化が大きい区間と、スライド方向の変位量に対して姿勢変化が小さい区間とを切り分けて設計することで実現することができる。即ち、張出装飾部652bは、回動部材620の回動角度に応じて被支持部材640に対して回転するところ、遊技者目線では、張出装飾部652bの変位が被支持部材640の変位として支配的となる側に影響される。
従って、スライド方向の変位量に対して姿勢変化が大きい区間では張出装飾部652bが回転変位しているように視認させることができ、スライド方向の変位量に対して姿勢変化が小さい区間では張出装飾部652bがスライド変位しているように視認させることができる。
上述したように、回動部材620は、演出待機状態、中間演出状態および張出状態を構成するように回動変位可能とされ、一方の変位終端から他方の変位終端へ変位する場合について説明したが、変位範囲の途中位置で逆方向へ変位するように駆動方向を切り替えても良い。
例えば、演出待機状態から中間演出状態まで回動部材620を回動変位させた後で、駆動モータ631の駆動方向を反転させることで、演出待機状態に戻すように制御しても良い。この場合、回動部材620を下降途中で停止させる必要があるので、停止位置を正確にするためには、回動部材620の回動速度を低めに設定させる必要が生じる可能性がある。
一方で、本実施形態では、演出待機状態に比較して、中間演出状態付近において角度θ(図49参照)の数値が増大傾向に変化する。角度θの大小は、上述のように、第2装飾回転部材660の回転の大小に対応する。
従って、第2装飾回転部材660の回転量が増大する中間演出状態付近において、駆動力の内で第2装飾回転部材660に振り分けられる分が多くなることから、相対的に、回動部材620の回動変位に振り分けられる分を少なくすることができ、自動的に回動部材620の回動変位を抑制することができる。
換言すれば、第2装飾回転部材660の回転量が増大することに伴って、回動部材620の回動速度を低下させることができるので、予め回動部材620の回動速度を低めに設定しておかなくとも、中間演出状態付近において回動部材620を停止させ易くすることができる。
次いで、第2動作ユニット700について説明する。第2動作ユニット700は、背面ケース510の開口511aよりも下側において底壁部511に締結固定される動作ユニットであって、第3図柄表示装置81(図28参照)を見る遊技者の視界を確保するために開口511aよりも下側に退避する演出待機状態(図28参照)と、第3図柄表示装置81の正面側に配置され注目を集める張出状態(図30参照)と、その間の状態としての中間演出状態(図35参照)とで、主に状態が切り替えられる。
図50は、背面ケース510及び第2動作ユニット700の分解正面斜視図であり、図51は、背面ケース510及び第2動作ユニット700の分解背面斜視図である。図50及び図51では、主に昇降反転演出装置770の周辺の部材が分解された状態で図示され、昇降反転演出装置770については非分解の状態で図示される。
図50及び図51に示すように、第2動作ユニット700は、背面ケース510の右下隅部に締結固定される右側前板部材710と、その右側前板部材710と背面ケース510との間に配置され背面ケース510の円筒状突設部511bを中心に回動可能とされる回動アーム部材720と、その回動アーム部材720に駆動力を伝達可能に構成される駆動伝達装置730と、回動アーム部材720の先端部が案内可能に連結され昇降変位可能に構成される昇降板部材740と、その昇降板部材740の背面側において背面ケース510の左下隅部に締結固定される左側後板部材750と、左右一組で構成され右側前板部材710及び左側後板部材750の前側に締結固定される一組の前側支持部材760と、金属棒702の前側において背面ケース510に締結固定される目隠し装飾部材768と、昇降板部材740及び前側支持部材760に昇降変位と前後方向変位とを組み合わせた態様で変位可能に構成される昇降反転演出装置770と、を備える。
右側前板部材710は、駆動伝達装置730の各構成を支持する伝達支持部711と、左縁部において背面側から凹設され背面ケース510との間に隙間を形成する隙間形成部712と、駆動伝達装置730の被検出部735の配置を検出するために配設される複数(本実施形態では3個)の検出センサ713と、左側部前側において上側へ向かう程に正面側に向かう態様で傾斜形成され昇降反転演出装置770の回転筒部774eを案内可能に形成される前上傾斜部714と、背面ケース510の背面側から挿通される締結ネジが螺入される雌ネジ部が形成される複数の被締結部718と、を備える。
検出センサ713は、フォトカプラ式の複数のセンサが、被検出部735が進入可能となる位置に検出溝を配置するようにして、間隔を空けて配設されている。各検出センサ713は、それぞれ、第2動作ユニット700の演出待機状態における被検出部735の位置、第2動作ユニット700の中間演出状態における被検出部735の位置、第2動作ユニット700の張出状態における被検出部735の位置、に合致するように配設される。
即ち、検出センサ713は、第2動作ユニット700が演出待機状態か、中間演出状態か、張出状態か、により出力を切替可能に構成されており、その出力結果から音声ランプ制御装置113(図4参照)が第2動作ユニット700の状態を把握可能に構成される。
回動アーム部材720は、背面ケース510の底壁部511から正面側に円筒形状に突設される円筒状突設部511bに軸支され、正面視くの字形状の長尺板状に形成される本体部721と、その本体部721の屈曲部において後方へ向けて円筒状に突設され内周側形状が円筒状突設部511bを挿通可能な大きさで形成される支持筒部722と、本体部721の右側端部において長尺方向に沿って長孔状に穿設される長孔部723と、本体部721の左側端部において前方(円筒状突設部711aの突設方向と平行な方向)へ向けて円筒状に突設され内周側に雌ネジが形成される円筒状被締結部724と、その円筒状被締結部724と支持筒部722との中間位置において後方へ円筒状に突設され内周側に雌ネジが形成される円筒状被締結部725と、支持筒部722の周囲に巻き付けられ背面ケース510との間で本体部721に上昇方向(左側部を持ち上げる方向)の付勢力を与えるトーションばねSP2と、を備える。
本体部721の左側部は、支持筒部722の基端側部に比較して正面側に配置がずれるように段が形成されており、その段により背面側に形成される隙間部に支持板701が配設される。
支持板701は、背面ケース510の底壁部511に締結固定される板状部であり、円筒状被締結部725を案内可能に穿設される円弧状の長孔部701aを備える。長孔部701aにリング状のカラーC3を挟んで挿通される締結ネジが円筒状被締結部725に螺入されることで、円筒状被締結部725を介して回動アーム部材720は支持板701に脱落不能に支持される。
支持板701は背面ケース510の底壁部511に締結固定されるので、回動アーム部材720の左側部は背面ケース510から正面側へ離間変位することが制限される。これにより、回動アーム部材720の左側にかけられる荷重により回動アーム部材720が正面側に傾倒する変位が生じることを防止することができるので、回動アーム部材720の変位を安定的に支持することができる。
本体部721の右側部は、背面ケース510と隙間形成部712との間の隙間に配置される。即ち、本体部721の右側部の前後方向の変位は、背面ケース510と隙間形成部712とにより制限される。
長孔部723は、幅中心を通り長尺方向に延びる直線が支持筒部722の中心を通る形状で形成される。従って、長孔部723に与えられる負荷が長孔部723の長尺方向を向く場合には、その負荷の回動アーム部材720の回動方向成分は0となる。
駆動伝達装置730は、回動アーム部材720の長孔部723を介して駆動力を伝達する装置であって、右側前板部材710に前側から締結固定される駆動モータ731と、その駆動モータ731の駆動軸に固定される駆動ギア732と、その駆動ギア732に歯合される伝達ギア733と、その伝達ギア733に歯合されるギアカム部材734と、を備える。
伝達ギア733及びギアカム部材734は、対応する位置において右側前板部材710の背面側に円筒状に突設される複数の円筒状突設部711aにそれぞれ軸支される。円筒状突設部711aの内周側には雌ネジが形成されており、伝達ギア733やギアカム部材734の軸孔に挿通される締結ネジが螺入可能となっている。これらの締結ネジが螺入固定されることで、伝達ギア733やギアカム部材734が円筒状突設部711aに脱落不能に軸支される。
伝達支持部711は、上述の円筒状突設部711aと、ギアカム部材734を軸支する円筒状突設部711aを中心とした円弧状に穿設される円弧状孔711bと、を備える。
ギアカム部材734は、回転軸部を中心とした円弧形状で正面側へ突設され円弧状孔711bに挿通可能に形成される被検出部735と、ギア部よりも長径となるように延設される延設部736と、その延設部736の先端部から背面側へ円筒状に突設される円筒状突設部736aと、を備える。
被検出部735は、右側前板部材710の検出センサ713の検出溝に配置可能に形成されており、検出センサ713からの出力によってギアカム部材734の姿勢を音声ランプ制御装置113(図4参照)が検出可能にするための部分として構成される。
円筒状突設部736aは、回動アーム部材720の長孔部723に挿通可能に形成されており、円筒状突設部736aの変位が長孔部723を介して回動アーム部材720に伝達される。
円筒状突設部736aの内周側には雌ネジが形成されており、リング状のカラーC3の中心孔に挿通される締結ネジが螺入可能となっている。この締結ネジが螺入固定されることで、回動アーム部材720が円筒状突設部736aに脱落不能に連結される。
昇降板部材740は、回動アーム部材720の回動に伴い昇降変位する部材であって、左端側に配置され上下方向に案内される被案内部材741と、その被案内部材741の下端側に締結固定される左右に長尺の横長部材742と、を備える。
被案内部材741は、背面ケース510に長尺方向を上下方向に揃えた姿勢で固定される金属棒702が挿通可能に形成され、金属棒702に沿った上下方向変位が可能とされる。被案内部材741の左右両側から背面側へ突設される突条部の先端が背面ケース510の底壁部511と当接することで、被案内部材741の軸回転が規制されることになり、被案内部材741の姿勢の安定化が図られている。
被案内部材741の姿勢が安定化されることに伴い、その被案内部材741に締結固定されている横長部材742の姿勢の安定化が図られている。
横長部材742は、回動アーム部材720の円筒状被締結部724が挿通可能な上下幅で左右に長尺の長円形状で穿設される長孔部743と、その長孔部743の上側において正面側に円筒状に突設される円筒状部744と、その円筒状部744を基準として左右に等距離だけ離れた位置における底部の下方に配設される一対の案内部745と、を備える。
長孔部743にリング状のカラーC3を挟んで挿通される締結ネジが円筒状被締結部724に螺入されることで、円筒状被締結部724を介して昇降板部材740は回動アーム部材720に脱落不能に支持される。
円筒状部744は、昇降反転演出装置770の挿通筒状部773が挿通され、昇降反転演出装置770を前後変位可能な状態で支持する部分である。即ち、昇降反転演出装置770は、昇降板部材740に固定されるのではなく、昇降板部材740を基準とした前後変位が可能な態様で昇降板部材740の正面側に配設される。
円筒状部744及び挿通筒状部773の周囲を巻くようにコイルスプリングCS2が配設される。コイルスプリングCS2の付勢力は、昇降板部材740と昇降反転演出装置770とを引き離す方向に作用する。
案内部745は、左右一対で構成されており、前後に長尺の板部745aと、その板部745aから左右外側へ突設される前後一対の軸部に回転可能に軸支される回転筒部745bと、を備える。
回転筒部745bは、上述した昇降反転演出装置770が前後変位する際に回転し、前後方向変位を案内する部分として機能するが、詳細は後述する。
左側後板部材750は、右側前板部材710の前上傾斜部714と同様に、右側部前側において上側へ向かう程に正面側に向かう態様で傾斜形成され昇降反転演出装置770の回転筒部774eを案内可能に形成される前上傾斜部751と、背面ケース510の背面側から挿通される締結ネジが螺入される雌ネジ部が形成される複数の被締結部752と、を備える。
目隠し装飾部材768は、光透過性の樹脂材料から立体形状に形成される立体装飾部768aを備え、その立体装飾部768aの背面側にはLEDが正面側に固定される基板が配置されており、LEDから照射される光で立体装飾部768aを光らせることができるよう構成される。
前側支持部材760は、それぞれ、締結ネジが挿通される挿通孔を有して構成される固定用板部761と、その固定用板部761の左右内側に隣設配置され板背面が上側へ向かう程に正面側に向かう態様で傾斜形成される受傾斜部762と、を備える。
固定用板部761は、挿通孔に正面側から挿通される締結ネジが、対応する雌ネジ部に螺入されることで右側前板部材710又は左側後板部材750の正面側に締結固定される板部である。
この固定位置において、受傾斜部762は、前上傾斜部714,751の前方に配置される。即ち、受傾斜部762及び前上傾斜部714,751により案内経路が形成され、この案内経路に昇降反転演出装置770の回転筒部774eが案内されることで、昇降反転演出装置770は前後方向に変位しながら昇降変位するよう構成されている。以下、この昇降変位について説明する。
図52(a)は、図28のLIIa-LIIa線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図であり、図52(b)は、図28のLIIb-LIIb線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図である。図52(a)及び図52(b)では、第2動作ユニット700の演出待機状態が図示される。
図53(a)は、図33のLIIIa-LIIIa線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図であり、図53(b)は、図33のLIIIb-LIIIb線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図である。図53(a)及び図53(b)では、第2動作ユニット700の中間演出状態が図示される。
図54(a)は、図30のLIVa-LIVa線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図であり、図54(b)は、図30のLIVb-LIVb線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図である。図54(a)及び図54(b)では、第2動作ユニット700の張出状態が図示される。
図52から図54に示す第2動作ユニット700の昇降反転演出装置770の昇降変位は、駆動伝達装置730の駆動力が回動アーム部材720に伝達されることで生じる。昇降反転演出装置770の昇降変位の際の駆動力伝達について説明する。なお、この説明では、図28、図30及び図33を適宜参照する。
演出待機状態(図28参照)からの駆動力伝達開始時において、ギアカム部材734の円筒状突設部736a(図51参照)の変位方向は、回動アーム部材720の長孔部723の長尺方向と平行になるように設計されているので、ギアカム部材734の回転開始時に生じる変位抵抗を抑制することができる。また、同様のことが、張出状態においても成立する。
一方、中間演出状態(図30参照)では、円筒状突設部736aの変位方向が長孔部723の長尺方向と直交することから、ギアカム部材734が回動アーム部材720から回転方向に受ける変位抵抗が極大化することで、ギアカム部材734の回転変位を停止させ易くすることができる。
図52から図54に示すように、第2動作ユニット700の昇降反転演出装置770は、センターフレーム86の下側においては背面側に配置され、センターフレーム86の内側へ向けて上昇変位することに伴って、前後方向においては正面側に変位するよう構成される。
この変位の変位抵抗は、昇降反転演出装置770の回転筒部774eが受傾斜部762及び前上傾斜部714,751に案内される構成と、昇降反転演出装置770の第1横板774b及び第2横板774cが昇降板部材740の回転筒部745bに案内される構成と、により、低減される。
即ち、一対の回転筒部774eは、左右対称な位置に配置される受傾斜部762及び前上傾斜部714,751(前上傾斜部751は、図52には図示されない左側に配置、図56参照)の傾斜角度と平行に並ぶよう設計されており、回転筒部774eが筒状部774d中心に転動することで、受傾斜部762及び前上傾斜部714,751に沿った変位を行う本体部材771の変位抵抗を低減することができる。
更に、前後に整列される回転筒部745bの配置として、前側の回転筒部745bを若干上側に配置する設計とすることで、本体部材771の傾倒変位の抑制を図ることができ、これにより回転筒部774eが受傾斜部762及び前上傾斜部714,751に過大な負荷を与えることを回避している。
即ち、本実施形態では、演出装置780の重心位置(回転軸位置)が本体部材771の前後中心よりも若干前側に位置するような設計とされており、本体部材771は常時、重力により前傾方向に付勢されている。この付勢力の影響から、第1横板774b及び第2横板774cには、前側が下がり、後側が上がるような変位が生じやすい。
これに対し、本実施形態では、第1横板774bの前側が下がる時に近接配置される前側の回転筒部745bが若干上方に配置されており、第2横板774cの後側が上がる時に近接配置される後側の回転筒部745bが若干下方に配置されている。従って、本体部材771の前傾変位を効果的に抑制することができる。
更に、この構成によれば、前側の回転筒部745bは、第2横板774cとの間に隙間が生じていることから第1横板774bとの間での転動を安定的に生じさせ、後側の回転筒部745bは、第1横板774bとの間に隙間が生じていることから第2横板774cとの間での転動を安定的に生じさせることができる。これにより、回転筒部745bの転動を正常に生じさせることができ、本体部材771が前後方向に変位する際の変位抵抗を低減することができる。
昇降反転演出装置770の正面側への変位は、上述の形状的な案内のほかに、コイルスプリングCS2の付勢力により生じる。そのため、昇降反転演出装置770が正面側へ変位する上昇変位時の方が、下降変位時に比較して、前後方向変位の変位抵抗を低減することができる。
昇降反転演出装置770の上下変位は、駆動モータ731の駆動力により行われるところ、その駆動力は、鉛直方向の変位と、前後方向の変位とに振り分けられる。鉛直方向の変位において、重力に対抗する必要性から、上昇方向の変位の負担が比較的大きくなるが、この場合における前後方向の変位をコイルスプリングCS2の付勢力により補助することができる。従って、昇降反転演出装置770を上昇変位させる際に要する駆動力が過大なることを回避することができる。
コイルスプリングCS2は、第2動作ユニット700の中間演出状態(図53参照)において自然長となるように長さが設定される。即ち、昇降反転演出装置770が中間演出状態の配置よりも下側に配置されている場合にはコイルスプリングCS2の付勢力が駆動モータ731の駆動力による昇降反転演出装置770の前後方向の変位を補助する方向に作用する一方、昇降反転演出装置770が中間演出状態の配置よりも上側に配置されている場合には、コイルスプリングCS2の付勢力は昇降反転演出装置770の前後変位に作用しない。
これにより、昇降反転演出装置770の配置を中間演出状態で維持し易くすることができる。例えば、第2動作ユニット700の演出待機状態から駆動モータ731を駆動制御し、第2動作ユニット700を中間演出状態で停止させるよう駆動モータ731を停止制御した場合に、停止タイミングが理想よりも若干早くなったとしても、コイルスプリングCS2の付勢力で第2動作ユニット700を中間演出状態側へ寄せるように変位させることができる。
また、例えば、同様に停止制御した場合に、停止タイミングが理想よりも若干遅くなったとしても、第2動作ユニット700が自重で下降し、且つ、その自重による下降がコイルスプリングCS2の付勢力で抑制されることにより、第2動作ユニット700を中間演出状態側へ寄せて配置を維持することができる。
また、例えば、第2動作ユニット700の張出状態から駆動モータ731を駆動制御し、第2動作ユニット700を中間演出状態で停止させるよう駆動モータ731を停止制御する場合に、昇降反転演出装置770が中間演出状態を下方へ過ぎるとコイルスプリングCS2の付勢力が変位抵抗として作用することから、中間演出状態よりも大きく下方変位することを防止し易くすることができる。そして、駆動モータ731を停止制御した後も、コイルスプリングCS2の付勢力が負荷されることで第2動作ユニット700を中間演出状態側へ寄せることができる。
ここで、昇降反転演出装置770について、昇降変位に伴い前後方向に変位させることによる作用について説明する。前提として、センターフレーム86により縁取られる枠の内外に変位して遊技者の注目を集める状態と遊技者の視界から退避する状態とで切り替えられる可動役物が知られている。
このような可動役物では、センターフレーム86の内側に配置されている時の見映えについて重視した設計のものがほとんどであり、センターフレーム86の外側に退避する状態においては、遊技者から注目はされないという仮定のもとで、見映えについて考慮しないことが多かった。
しかし、最近では、第3図柄表示装置81からセンターフレーム86までの前後距離が長く構成されており、センターフレーム86の内側を通り第3図柄表示装置81の表示領域を見るような視界の端において、センターフレーム86の後側外方位置(遊技領域の背後位置)にまで視線が届くので、センターフレーム86の後側外方位置に退避した状態の可動役物の見栄えが悪いと、遊技者の興趣を低下させる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、覆設部材787の正面側(図52における第1主装飾面787a1)だけでは無く、背面側(図52における第2主装飾面787b1)および上下面(図52における第1副装飾面787a2及び第2副装飾面787b2)に装飾面を形成した上で、昇降反転演出装置770の変位方向を、遊技者側(正面側)を基端として背面側へ向かう程に広がる(後方へ向かう程に下降傾斜する)線、即ち、遊技者の視界の端における視線の方向に沿った変位方向とすることで、各装飾面が遊技者の視界に容易に収まるように構成している。
これにより、覆設部材787の各装飾面を遊技者の視界に無理なく入れることができる。覆設部材787の各装飾面の詳細については後述するが、張出状態(図54参照)において遊技者が視認可能となる前側面(第1主装飾面787a1又は第2主装飾面787b1、図54では第1主装飾面787a1)と、演出待機状態(図52参照)において遊技者が視認可能となる上側面(第1副装飾面787a2又は第2副装飾面787b2、図52では第1副装飾面787a2)と、に形成される装飾(図形、模様、文字または絵柄など)が、互いに関連する装飾として形成される。
換言すれば、第1主装飾面787a1と第1副装飾面787a2とが互いに関連する第1装飾として形成され、第2主装飾面787b1と第2副装飾面787b2とが互いに関連する第2装飾として形成され、且つ、第1装飾と第2装飾とは互いに異なる装飾として形成される。
上側面に形成される装飾は、第2動作ユニット700の演出待機状態においてセンターフレーム86と、その奥側に配置される第3図柄表示装置81(図26参照)との前後隙間に配置されているので、センターフレーム86(図2参照)の外側に形成される遊技領域を流下する球に注目する状態と、第3図柄表示装置81で展開される表示演出に注目する状態と、を切り替えるように遊技者が目線を動かす際に視界に入り易い。
そのため、張出状態において覆設部材787を通して遊技者が視認可能となった装飾の内容(報知内容、例えば、「チャンス」や「大当たり」等)を、演出待機状態においても覆設部材787の上側面を通して遊技者が視認可能とすることができる。
これにより、第3図柄表示装置81を視認し易いように演出待機状態の配置に変位し、目立たないよう配置された覆設部材787に、遊技者の注目を継続して集めさせることができる。
また、後述するように、覆設部材787は遊技者側に向ける装飾面を切り替えるように回転変位可能に構成されているので、張出状態において遊技者が視認可能となる装飾面の内容が異なる場合を生じさせることができる。
例えば、張出状態における覆設部材787の外観を遊技者が確認する前に昇降反転演出装置770が演出待機状態に配置された場合(見逃した場合や、動作速度が過度に速い場合)、前側面からしか装飾面の内容を把握できない構成だと、演出待機状態ではその前側面の大部分が遊技盤13に隠されてしまうので、遊技者は第3図柄表示装置81の表示面で展開される液晶演出に注目せざるを得ず、覆設部材787に対する注目力は低下する。
一方、本実施形態のように、上側面からも装飾面の内容を把握できる構成を採用する場合、遊技者は、演出待機状態における昇降反転演出装置770を視認することで、張出状態において覆設部材787を通して遊技者が視認可能であった装飾の内容(報知内容、例えば、「チャンス」や「大当たり」等)について把握することができる。
これにより、張出状態における覆設部材787の外観を見逃した遊技者に対して、覆設部材787の状態により報知される内容を、演出待機状態でも覆設部材787の視認可能な装飾面で継続して報知することができる。これにより、演出待機状態か、張出状態か、等の各状態に関わらず、覆設部材787の注目力を高く維持することができる。
本実施形態では、第2動作ユニット700の昇降反転演出装置770の前後方向の変位は、遊技領域の後端面の背面側に配置されている状態から、遊技領域の後端面よりも前方に進入するような変位として構成されることについて説明する。
図52に示すように、第2動作ユニット700の演出待機状態において、覆設部材787の正面と、センターフレーム86の板背面とは対向配置されており、センターフレーム86は、覆設部材787側に突設形成される流路形成部86aを備える。
流路形成部86aは、センターフレーム86の左右入口からセンターフレーム86の内側に形成されるワープ流路(転動経路)に飛び込んだ球がセンターフレーム86の下縁部に到達した後、そのセンターフレーム86の下側転動面を流下した球を一旦後方に振り、再び前方に流して、遊技領域に配設される第1入賞口64へ向けて案内するための案内流路の後側部を形成する部分である(図9参照)。即ち、流路形成部86aにより、遊技領域の後端面BE1が、ベース板60(図2参照)の板前面よりも後方側に配置される。
流路形成部86aを流下した球は高確率で第1入賞口64に入球することから、流路形成部86aに対する注目力は高く、特に球がセンターフレーム86の内側に飛び込んだ際には、流路形成部86aに遊技者の視線が集まり易い。演出待機状態において(図52参照)、流路形成部86aの真後ろに演出装置780が配設されることから、演出待機状態における演出装置780が遊技者の視界に入り込む状態を構成し易くすることができる。
第2動作ユニット700の演出待機状態では、覆設部材787は後端面BE1の背面側に配置され(図52(a)参照)、第2動作ユニット700の中間演出状態では、覆設部材787の前面部が後端面BE1上に配置され(図53(a)参照)、第2動作ユニット700の張出状態では、覆設部材787の前面部が後端面BE1の正面側に配置される。
即ち、覆設部材787は、センターフレーム86の内側に向けて上昇変位すると同時に、遊技領域の前後位置と同じ前後位置に進入するように、正面側へ向けて変位する。従って、遊技者に対して、覆設部材787がセンターフレーム86に乗り上げて正面側へ移動してきている(遊技者側に迫ってきている)ように見せることができる。
なお、第2動作ユニット700は昇降変位に伴って演出装置780が前後方向の変位するところ、その前端面の前後位置は、張出状態において、第1動作ユニット600の張出状態における第2装飾回転部材660の第2演出面661bの前後位置と合う(一致する)ように構成される。
これにより、張出状態において正面視で近接配置される第1動作ユニット600の第2演出面661b(図29参照)と、第2動作ユニット700の演出装置780(図30)と、の前後位置が合うことになり、これらを一体的に視認させ易くすることができる。
一方で、演出装置780の前後方向の配置は、中間演出状態や演出待機状態では張出状態における配置よりも後方に下がるので、張出状態に比較して、第1動作ユニット600の箱状部材661と演出装置780とを分けて(独立で)視認させ易くすることができる。
昇降反転演出装置770は、昇降板部材740に連結支持される本体部材771と、その本体部材771を基準として変位可能に構成される演出装置780と、を備える。次いで、図55及び図56を参照して昇降反転演出装置770の詳細について説明する。
図55は、昇降反転演出装置770の分解正面斜視図であり、図56は、昇降反転演出装置770の分解背面斜視図である。なお、図55及び図56の説明では、図50及び図51を適宜参照する。
本体部材771は、左右方向に長尺に形成される下側長尺部772と、その下側長尺部772の左右中央位置から背面側へ円筒状で突設される挿通筒状部773と、下側長尺部772の左右両端部から背面側に延設される一対の案内延設部774と、上下に延びる連結部により下側長尺部772の左右中央位置と一体的に形成され左右方向に長尺に形成される上側長尺部775と、その上側長尺部775の左右両側部から背面側に配設され演出装置780の直動板部材784を左右方向に案内可能に構成される複数の案内部776と、上側長尺部775の左右中央に背面側から締結固定され駆動伝達装置を支持可能とされる伝達装置保持板777と、下側長尺部772及び上側長尺部775の正面側に締結固定される発光演出手段778と、を備える。
挿通筒状部773は、昇降板部材740の円筒状部744の内周側に挿通される部分であり、円筒状部744の内周に摺動可能な寸法関係で形成され、摺動により本体部材771は前後方向に変位する。即ち、挿通筒状部773が円筒状部744に挿通されることで、昇降板部材740を基準とする本体部材771の前後方向の傾倒変位を抑制することができる。
案内延設部774は、幅が上下方向を向く縦板774aと、その縦板774aの上端部に連結され幅方向が左右方向を向く第1横板774bと、その第1横板774bよりも下側において縦板774aに連結され幅方向が左右方向を向く(第1横板774bの幅と平行となる)第2横板774cと、縦板774aの左右外側面から左右外側へ向けて突設される上下一対の筒状部774dと、その筒状部774dに回転可能に軸支される回転筒部774eと、を備える。
第2横板774cは、第1横板774bの幅方向端部よりも左右内側に延びる態様で幅長さが長くされている。この幅方向の拡張部は、組立状態において昇降板部材740の下底部と上下方向に対向配置され、互いに当接することで、案内延設部774が前倒れする傾倒変位が抑制される。即ち、第2横板774cを昇降板部材740の下底部と上下方向に対向配置される程度に幅長さを確保することにより、昇降板部材740を基準として本体部材771が前倒れする傾倒変位を抑制することができる。
筒状部774dは、一対が鉛直方向に並ぶのではなく、上側の筒状部774dの方が、下側の筒状部774dに比較して前側にずれて配置される。このずれは、前上傾斜部714,751の傾斜と、一対の筒状部774dの中心を結ぶ直線の方向と、が平行になるように設定される(図52(a)参照)。即ち、前上傾斜部714,751の傾斜と平行に一対の筒状部774dが配置されることにより、上下一対の回転筒部774eを前上傾斜部714,751又は受傾斜部762に同時に当接させることができる。これにより、上下一対の回転筒部774eを安定して転動させることができ、局所的な負荷が生じることを回避し易くすることができる。
案内部776は、左右一対が上下に並ぶ態様で左右両側に配設され内周側に雌ネジが形成される複数の筒状部776aと、左右一対の筒状部776aを繋ぐように締結固定される複数の脱落防止板部776bと、を備える。
脱落防止板部776bは、複数の筒状部776aに対応する位置に穿設される挿通孔を備え、その挿通孔に背面側から挿通される締結ネジが筒状部776aに螺入されることで筒状部776aに締結固定される部分であり、直動板部材784の脱落を防止するための部分として機能するが、詳細は後述する。
伝達装置保持板777は、駆動モータ782を支持するためのモータ支持板部777aと、駆動モータ782の駆動軸を挿通可能な位置においてモータ支持板部777aに穿設される挿通孔777bと、その挿通孔777bの下側において正面側に円筒状に突設される円筒状突設部777cと、上下両端位置において締結ネジを挿通可能に穿設される一対の挿通孔777dと、背面側に締結固定される配線留め部材777eと、を備える。
円筒状突設部777cは、内周側に雌ネジが形成されており、伝達ギア781bに挿通された状態で締結ネジが螺入されることで、上下反転部材781を脱落不能に軸支する部分である。
挿通孔777dは、上側長尺部775の対応する部分に形成される雌ネジ部775aに螺入される締結ネジが挿通可能とされ、その締結ネジにより伝達装置保持板777が上側長尺部775に締結固定される。
配線留め部材777eは、駆動モータ782に接続される電気配線を伝達装置保持板777との間の隙間に保持し、留めるための部分であるが、伝達装置保持板777の外枠に沿った形状に形成することで、伝達装置保持板777の全体的な剛性の向上をも図ることができる。
発光演出手段778は、LED等の発光部材が正面側に配設される左右長尺板状の上下2枚の電飾基板778aと、その電飾基板778aの正面側に配設される光透過性の樹脂材料から形成される板部材であって光拡散加工が形成される光拡散部材778bと、を備える。
上側の電飾基板778aは、背面側に上下一対で配設される検出センサ778dを備える。検出センサ778dは、フォトカプラ形式の検出装置であって、検出溝に円弧状突設部781dが配置されることで演出装置780の上下反転部材781の姿勢を検出可能に構成されるが、詳細は後述する。
下側の光拡散部材778bは、背面側に複数の被締結部が形成され、その被締結部に、対応する位置において下側長尺部772に穿設される挿通孔に背面側から挿通される締結ネジが螺入されることで締結固定されることで、締結ネジが目立たないようにしている。
一方、上側の光拡散部材778bには、左右両側に締結ネジを挿通するための挿通孔778cが形成され、その挿通孔778cに正面側から挿通された締結ネジが上側長尺部775の雌ネジ部775bに螺入されることで、上側の光拡散部材778bが締結固定される。
この場合、締結ネジの頭部が正面側を向いており、対策なしでは目立ってしまう可能性があるが、本実施形態では、後述するように、常に覆設部材787が挿通孔778cの正面側を覆うような配置とされるので、挿通孔778cに固定される締結ネジの頭部を覆設部材787により隠すことができる。
そのため、締結ネジの頭部が正面側に向くような設計であっても、その締結ネジの頭部が目立つことで演出に悪影響を与える事態が生じることを回避することができる。換言すれば、覆設部材787が締結ネジを隠すように配置する設計とすることで、締結ネジの挿通方向の設計自由度を高めることができる。
演出装置780は、上側長尺部775の周囲に外形部が配置され変位可能に構成される装置であって、伝達装置保持板777の円筒状突設部777cに軸支される上下反転部材781と、その上下反転部材781の伝達ギア781bに駆動力を伝達する駆動ギア782aが駆動軸に固着される駆動モータ782と、上下反転部材781の長尺方向両端部のそれぞれに一側の端部が軸支される一対の中間腕部材783と、その中間腕部材783の他側の端部が軸支され案内部776に左右方向に変位を案内される一対の直動板部材784と、その直動板部材784と中間腕部材783との間に配設され左右方向に延びる回転軸で回転(反転)可能に構成される一対の軸回転部材785と、その軸回転部材785を直動板部材784と共同で軸支する一対の軸支部材786と、軸回転部材785の左右外側先端部に位相が固定された状態で脱落不能に嵌合固定される一対の端板部材785dと、その端板部材785dの前後に配置され、上側長尺部775の左右側部を覆う左右長さで形成される覆設部材787と、を備える。
上下反転部材781は、長尺板状に形成される本体板部781aと、その本体板部781aの中心部の背面側にギア状で突設される伝達ギア781bと、本体板部781aの長尺方向両端部から背面側へ円筒状に突設される一対の円筒状突設部781cと、伝達ギア781bの中心軸を中心とする円弧状に本体板部781aの正面側に突設される円弧状突設部781dと、を備える。
伝達ギア781bは、中心に前後方向に延びる円形孔を有し、この円形孔に伝達装置保持板777の円筒状突設部777cが挿通され、先端側から締結ネジが螺入されることで、伝達ギア781bを介して上下反転部材781が伝達装置保持板777に脱落不能に軸支される。
伝達ギア781bは、駆動ギア782aと歯合しており、駆動モータ782に通電され駆動ギア782aが回転すると、伝達ギア781bも連動して回転することで、上下反転部材781が回転する。即ち、上下反転部材781は駆動モータ782を通電することで回転駆動可能とされる。
円筒状突設部781cは、中間腕部材783を軸支する。即ち、中間腕部材783の一側支持孔783aが形成される端部は、上下反転部材781が回転変位することに伴い変位する円筒状突設部781cに追従して変位する。
円弧状突設部781dは、発光演出手段778の検出センサ778dの検出溝に配置可能に形成される。即ち、上下一対の検出センサ778dのどちらかに円弧状突設部781dが配置可能とされている。
そのため、検出センサ778dの出力を読み取ることで、上下反転部材781の姿勢を、円弧状突設部781dが検出センサ778dの検出溝に配置される2姿勢と、その間の姿勢(一対の検出センサ778dの検出溝の双方に円弧状突設部781dが配置されていない姿勢)と、で判定可能となっている。
中間腕部材783は、長尺棒状(幅狭板状)に形成されており、一側の端部で穿設され円筒状突設部781cに軸支される一側支持孔783aと、一側支持孔783aの反対側である他側の端部で内周側が貫通形成される円筒状の他側円筒状部783bと、その他側円筒状部783bを中心とする傘状のギア歯(傘歯車)として形成される傘歯部783cと、を備える。
円筒状突設部781cの内周側には雌ネジが形成されており、その雌ネジに一側支持孔783aに背面側から挿通される締結ネジが螺入される。これにより、中間腕部材783は、上下反転部材781に脱落不能に軸支される。
直動板部材784は、左右方向に長尺な方形板状に形成され、中間腕部材783の他側円筒状部783bに挿通される円筒状に突設される円筒状突設部784aと、その円筒状突設部784aの中心軸を中心とした円弧状で突設される円弧状板部784bと、円筒状突設部784aの上下両側において左右方向に平行に延びる長円状に穿設される一対の長孔部784cと、その長孔部784cの間の位置において上下一対で平行配置され背面側に突設される一対の支持板部784dと、その支持板部784dの中間部において互いに対向される側に突設され前後方向に延びる突条として形成される一対の突条部784eと、支持板部784dの端部に背面側に開口される筒状に配設され内周側に雌ネジが形成される一対の被締結部784fと、円筒状突設部784aと支持板部784dとの間で貫通形成される配置用孔784gと、軸支部材786との間でリング状金属部材785eを保持可能な半円形状面を有するリング保持半部784hと、軸支部材786との間で磁石Mgを保持可能となるように方形箱状に形成される磁石保持半部784iと、を備える。
円筒状突設部784aは、中間腕部材783の他側円筒状部783bの内周径よりも若干短い外周径で形成され、他側円筒状部783bの軸方向長さよりも若干長い突設長さとされ、内周側に雌ネジが形成されている。即ち、他側円筒状部783bに背面側から挿通される締結ネジが円筒状突設部784aの雌ネジに螺入されることで、中間腕部材783は、円筒状突設部784aに脱落不能に軸支される。
円弧状板部784bは、他側円筒状部783bの外周径よりも若干長い内周径の円弧形状で形成される。これにより、円弧状板部784bが組立状態で他側円筒状部783bと径方向で対向するように近接配置され、他側円筒状部783bの回転軸に対する傾斜変位を制限している。これにより、他側円筒状部783bを中心とした中間腕部材783の回動変位を安定させることができる。
長孔部784cは、本体部材771の筒状部776aが挿通される開口であり、筒状部776aに形成される雌ネジに、脱落防止板部776bの挿通孔に背面側から挿通される締結ネジが螺入されることで、直動板部材784が本体部材771に脱落不能に支持される。
その支持状態(組立状態)において、直動板部材784は長孔部784cの形成方向に沿ってスライド変位可能とされる。即ち、直動板部材784は左右方向にスライド変位可能に構成される。
支持板部784dは、軸回転部材785の金属棒785aの上下変位を抑制するように保持するための板状部であり、突条部784eは、金属棒785aの左右方向の配置を規定するための突条として機能するが、詳細は後述する。
配置用孔784gは、軸回転部材785の傘歯部材785cとの干渉を避けるための開口であるが詳細は後述する。
軸回転部材785は、左右一組で配設され直動板部材784に軸支される部材であって、金属材料から略円柱状に形成される金属棒785aと、その金属棒785aの長さ方向の中央位置において周方向に形成される凹設溝部785bと、金属棒785aの左右内側端部に配設され金属棒785aに固定される部材であって中間腕部材783の傘歯部783cと歯合する傘歯(傘歯車)が形成される傘歯部材785cと、金属棒785aの左右外側端部に配設され金属棒785aに固定される端板部材785dと、その端板部材785dの金属棒785aの周りに端板部材785dから嵩上げされる態様で配置されるリング状金属部材785eと、端板部材785dの左右内側部に突設される部分であって内部に形成される雌ネジ部に金属製ネジが螺入固定される回転位置安定用部785fと、を備える。
金属棒785aは、直動板部材784の一対の支持板部784dの間に配置され、凹設溝部785bに突条部784eが進入配置される。ここで、凹設溝部785bは、突条部784eと摺動可能となる寸法関係で構成されると共に、突条部784eに対して左右方向の変位が規制される寸法関係で構成される。
即ち、凹設溝部785bの溝幅は突条部784eの左右幅よりも若干長く設定され、凹設溝部785bの溝深部の直径は突条部784e間の隙間長さよりも短く設定され、凹設溝部785bが形成されていない部分の直径は突条部784e間の隙間長さよりも長く設定される。
これにより、金属棒785aを、直動板部材784の背面側において、軸回転可能かつ左右方向への変位が抑制される態様で支持することができる。
傘歯部材785cは、直動板部材784の配置用孔784gに進入するように配置される。傘歯部材785cが配置用孔784gに部分的に進入した状態において、直動板部材784の反対側(背面側)から中間腕部材783が傘歯部783cを傘歯部材785cと歯合させるように組み付けられる。
このように組み付けられた状態において、傘歯部材785cは、配置用孔784gに進入配置されているものの、金属棒785aが直動板部材784に支持されていることから正面側へは脱落不能とされ、背面側への変位は中間腕部材783により規制される。従って、傘歯部材785cは、直動板部材784及び中間腕部材783に脱落不能に支持される。
端板部材785dの筒状部785d1は、金属棒785aの先端部としての非円形状(例えば、D字断面形状)に対応する内周側形状で形成され、その内周側形状と金属棒785aの先端部とが締りばめの寸法関係で形成されることで、嵌合固定されている。
なお、端板部材785dを金属棒785aに固定する方法は、これに限られるものではない。例えば、接着剤などを利用して固着させる方法でも良いし、金属棒785aの先端部に雌ネジを形成し、その雌ネジに端板部材785dに挿通される締結ネジを螺入することで、金属棒785aに端板部材785dを締結固定する方法でも良いし、その他の方法でも良い。
リング状金属部材785eは、直動板部材784のリング保持半部784hに内嵌されるように保持される。リング状金属部材785eが保持され、リング状金属部材785eの内周側に金属棒785aを支持する端板部材785dの筒状部785d1が摺接するよう構成することで、端板部材785dの回転中心を傘歯部材785cの回転中心を通る軸線と一致し易くすることができ、金属棒785aの軸径方向に生じる負荷を低減することができる。
回転位置安定用部785fは、配設される金属ネジが、磁石Mgに吸着する部分としての機能を奏する。
軸支部材786は、方形板状に形成される部材であって、被締結部784fに螺入される締結ネジを挿通可能に穿設される挿通孔786aと、直動板部材784のリング保持半部784hとの間でリング状金属部材785eを保持可能な半円形状面を有するリング保持半部786bと、直動板部材784の磁石保持半部784iとの間で磁石Mgを保持可能な方形箱状に形成される磁石保持半部786cと、を備える。
挿通孔786aに背面側から挿通される締結ネジが被締結部784fに螺入され直動板部材784及び軸支部材786が組み立てられると、軸支部材786の板部に金属棒785aの背面側への脱落が規制され、リング状金属部材785eはリング保持半部784h,786bに保持され、磁石Mgは磁石保持半部784i,786cに保持される。
覆設部材787は、前後一組で左右内側が開口される箱状に形成される左右一対の部材であって、軸回転部材785の端板部材785dに締結固定され、逆側の面に異なる意味で読み取れる図形、模様、文字または絵柄などからなる装飾が形成される。
即ち、覆設部材787は、張出状態(図54参照)において遊技者に視認させる装飾面として形成される第1主装飾面787a1と、その裏面に形成される第2主装飾面787b1と、第1主装飾面787a1が正面側に配置された状態で演出待機状態(図52参照)となった場合に遊技者が視認可能な側に形成される第1副装飾面787a2と、その裏面に形成される第2副装飾面787b2と、を備える。なお、第2副装飾面787b2は、第2主装飾面787b1が正面側に配置された状態で演出待機状態(図52参照)となった場合に遊技者が視認可能な側に形成される。
覆設部材787は、端板部材785dに締結固定される前後2枚の部材から形成され組立状態(図26参照)において左右内側が開放された略箱状に形成される左右一対の部材であって、左右の各部材に向けて延設される複数の延設部787cと、その延設部787cの間の部分において左右外側へ退避するように凹設される凹設部787dと、を備える。
延設部787cは、覆設部材787の近接配置状態(図26参照)において、端部が互いに当接または近接配置されるよう形成される。これにより、左右一対の覆設部材787を一体的に視認させることができる。
凹設部787dは、覆設部材787の近接配置状態(図26参照)において、発光演出手段778の光拡散部材778bの中央に配置される円形状部や、上側長尺部775の左右中央上側の円弧板部等を視認可能に開放するための部分であり、これらの部分との干渉を少なくとも避ける形状で凹設形成される。
覆設部材787は、演出装置780の動作に伴い、第1主装飾面787a1を正面側に向けると共に第1副装飾面787a2を上側に向ける状態(図29、図52参照)と、第2主装飾面787b1を正面側に向けると共に第2副装飾面787b2を上側に向ける状態(図30参照)と、で状態を切り替え可能に形成される。まず、覆設部材787の状態を切り替える変位を構成する機構について説明する。
図57(a)及び図57(b)は、伝達装置保持板777、上下反転部材781、中間腕部材783、直動板部材784及び軸回転部材785の正面図である。図57(a)では、一対の円筒状突設部781cが同一の鉛直線上に配置される上下反転部材781の縦配置状態(正立の縦配置状態とも称す)が図示され、図57(b)では、図57(a)に示す状態から上下反転部材781が円筒状突設部777cを中心に正面視反時計回りに約24度回転した状態が図示される。なお、図57(a)及び図57(b)では、理解を容易とするために、左側の軸回転部材785の端板部材785d及び右側の軸回転部材785の図示が省略される。
正立の縦配置状態では、円弧状突設部781dは、上側の検出センサ778d(図56参照)の検出溝に進入した状態で配置される。また、正立の縦配置状態から上下反転部材781を180度回転させた倒立の縦配置状態では、円弧状突設部781dは、下側の検出センサ778dの検出溝に進入した状態で配置される。
即ち、検出センサ778d(図56参照)の出力は、上下反転部材781が正立の縦配置状態か倒立の縦配置状態かで切り替わるように構成されており、検出センサ778dの出力から音声ランプ制御装置113(図4参照)は演出装置780の状態を判定することができる。
図57(a)及び図57(b)に示すように、上下反転部材781が回転変位されると、中間腕部材783が姿勢変化しながら左右方向に変位する。この姿勢変化の角度が、軸回転部材785の回転角度に対応し(比例し)、他側円筒状部783bの左右方向変位量が、直動板部材784及び軸回転部材785の左右方向変位量に対応する。
ここで、回転変位と左右方向変位(直動変位)とが生じる順序について説明する。これらの変位は、同時に同程度で生じるものではなく、回転変位の程度の方が大きくなる配置や、直動変位の程度の方が大きくなる配置等がある。
まず、概要の説明をすると、上下反転部材781、中間腕部材783及び直動板部材784の構成は、周知のスライダクランク機構となっている。即ち、円筒状突設部777cを中心に上下反転部材781が回転すると、上下反転部材781の円筒状突設部781cに軸支されている中間腕部材783の他側円筒状部783bが、正面視で円筒状突設部777cの中心部を通る移動軸HL1に沿って平行移動するように、他側円筒状部783bに連結される直動板部材784の変位方向が規制されている。左右の一対の直動板部材784は、移動軸HL1に沿って左右逆方向に同時に変位する。
図57(b)に示すように、図57(a)に示す縦配置状態から約24度回転するまでに、他側円筒状部783bは左右方向に長さL1変位している。長さL1は、下側長尺部772と上側長尺部775との連結部分(図55参照)の幅長さの半分の長さ(左右中心と左右幅端部との間の長さ)として図示される。
また、図57(a)から図57(b)への状態変化により、中間腕部材783の他側円筒状部783bを中心とした姿勢変化は、正面視時計回りに5度となっており、傘歯部783cの隣り合う歯の配置間隔としての角度である15度の半分以下の角度に抑えられている。
傘歯部材785cが中間腕部材783の手前側に配置されていることから、傘歯部783cと傘歯部材785cとの負荷の伝達(歯合伝達)は、互いの前後方向の対向位置、即ち、正面視における移動軸HL1上で生じる。
図58(a)は、図57(a)のLVIIIa-LVIIIa線における伝達装置保持板777、上下反転部材781、中間腕部材783、直動板部材784及び軸回転部材785の断面図であり、図58(b)は、図57(b)のLVIIIb-LVIIIb線における伝達装置保持板777、上下反転部材781、中間腕部材783、直動板部材784及び軸回転部材785の断面図である。
図58(b)に示すように、中間腕部材783の傘歯部783cは、軸回転部材785の傘歯部材785cのギア歯を押圧するように変位する(図58(b)においては、上方へ変位する)。なお、図58(b)では、理解を容易とするために、傘歯部783cと傘歯部材785cのギア歯とが重なって配置されるよう図示されており、この重なり幅が傘歯部783cと傘歯部材785cのギア歯との弾性変形により吸収される。
傘歯部783cが傘歯部材785cと歯合し、駆動力が伝達されることにより、軸回転部材785が回転変位する。図57(a)に示す状態から上下反転部材781が正面視反時計回りに180度回転変位する間に、右側の軸回転部材785は後転方向に回転し、左側の軸回転部材785は前転方向に回転する。
なお、上下反転部材781が180度回転する間に、中間腕部材783の傘歯部783cは他側円筒状部783bを中心に90度回転し、それに伴い軸回転部材785の傘歯部材785cは180度回転する。即ち、傘歯部材785cが金属棒785aを中心として回転する角度は、傘歯部783cの他側円筒状部783bを中心とした回転角度の2倍となるように構成される。
ここで、図58(a)の状態から図58(b)の状態までの変位による押圧に伴い生じ得る傘歯部材785cの変位量は、ギア歯の周方向の厚みに満たず、傘歯部材785cのギア歯を確実に回転させる量には満たない。即ち、当接する代表歯が隣設する歯の配置まで回転するまでの変位量(傘歯部材785cのギア歯が12等分で配置されていることによれば、角度30度の回転に要する変位量)よりは小さい。
傘歯部783cのギア歯は傘歯部材785cのギア歯を押圧するように変位するが、本実施形態では中間腕部材783及び傘歯部材785cが樹脂材料から形成されていることから、押圧を伴う変位が中間腕部材783及び傘歯部材785cの弾性変形により吸収されることにより、軸回転部材785の傘歯部材785cの回転方向の姿勢は、図57(a)の状態から図57(b)の状態まで維持される。
中間腕部材783及び傘歯部材785cの弾性変形は、上下反転部材781を介して中間腕部材783に伝達される駆動力に対して、磁石Mgから軸回転部材785の回転位置安定用部785f(図54参照)に生じる吸着力が対抗することにより生じる。
即ち、右側の軸回転部材785が後転方向に回転変位するのを制限するように、磁石Mgの磁力が下側の回転位置安定用部785fの金属ネジを吸着するように作用することで、右側の軸回転部材785は磁石Mgから前転方向の付勢力を受ける。従って、磁石Mgの吸着力は、右側の軸回転部材785の回転変位の変位抵抗を上昇させる方向に作用する。
また、左側の軸回転部材785に対しては、回転位置安定用部785fの配置が右側と同様に端板部材785dの前側とされている一方で、磁石Mgの配置が右側と逆の上側とされている(図55参照)。そのため、磁石Mgの磁力が上側の回転位置安定用部785fの金属ネジを吸着するように作用することで、左側の軸回転部材785は磁石Mgから後転方向の付勢力を受ける。従って、磁石Mgの吸着力は、左側の軸回転部材785の回転変位の変位抵抗を上昇させる方向に作用する。
本実施形態では、磁石Mgの吸着力は、図57(a)に示す状態から他側円筒状部783bが左右方向に長さL1変位するまでの間に傘歯部材785cに負荷される駆動力を超える負荷を発生可能となるように設計される。
これにより、図58(b)に示す傘歯部783cの変位量を吸収するように、中間腕部材783及び傘歯部材785cの弾性変形が生じることになる。そして、図57(b)に示す状態を超えて変位が継続されると、磁石Mgの吸着力を超えて傘歯部材785cが回転し、磁石Mgと回転位置安定用部785fの金属ネジとの配置が離れることで磁力が極端に低下することになり、磁石Mgの吸着力から開放された中間腕部材783及び傘歯部材785cが弾性回復しつつ回転変位する。
そのため、回転開始時においては、弾性回復分が軸回転部材785の回転方向の勢いを増すことになるので、回転開始時における回転速度を瞬間的に向上させることができる。この回転速度の向上は、軸回転部材785だけでなく、軸回転部材785に締結固定される覆設部材787(図55参照)でも同様に生じる。
これにより、駆動モータ782の駆動速度の変更を行うことなく、覆設部材787の動作の緩急をつけることができるので、駆動モータ782の制御設計の負担を低減しながら、覆設部材787の演出効果を向上することができる。
このように、本実施形態によれば、磁石Mgの吸着力により、軸回転部材785の回転変位が生じるタイミングを、中間腕部材783の傘歯部783cが回転開始するタイミングよりも遅らせることができる。
磁石Mgの吸着力を受ける回転位置安定用部785fは、上下一対で構成されており、覆設部材787の第1主装飾面787a1が正面側を向いている時には一方の回転位置安定用部785fが磁石Mgに近接配置され吸着力を受け(図52(b)参照)、向きが反転し覆設部材787の第2主装飾面787b1が正面側を向いている時には他方の(図52(b)参照、上側の)回転位置安定用部785fが磁石Mgに近接配置され吸着力を受ける。
即ち、正面側を向いている面が第1主装飾面787a1か第2主装飾面787b1かに関わらず、少なくとも近接配置状態(図29及び図30参照)において、磁石Mgの磁力は軸回転部材785の回転変位を制限する目的で有効に作用する。従って、近接配置状態からの変位において、軸回転部材785の回転変位が磁力により遅れる作用を回転変位の方向によらず(両方向で)生じさせることができる。
即ち、図58(a)に示す状態から図58(b)に示す状態までの間は、左右方向の直動変位の程度の方が、回転変位の程度に比較して大きい。そして、上下反転部材781が図57(b)を超えて正面視反時計回りに回転が継続されると、左右方向の直動変位の程度が落ち着き、回転変位が生じる。
本実施形態によれば、上述のようにスライダクランク機構を採用していることから、同様の作用が生じる。即ち、縦配置状態付近においては、円筒状突設部781cの変位は、左右方向に大きく上下方向に小さいので、中間腕部材783の左右方向変位は大きく回転量は小さい。そのため、直動板部材784の左右方向変位は大きく、軸回転部材785の回転変位は小さくなる。
一方、上下反転部材781の長尺方向が左右方向に近づくように倒れるほど、円筒状突設部781cの変位は、左右方向に小さく上下方向に大きくなるので、中間腕部材783の左右方向変位は小さく回転量は大きくなる。そのため、直動板部材784の左右方向変位は小さく、軸回転部材785の回転変位は大きくなる。
従って、縦配置状態から開始され縦配置状態で終了する上下反転部材781の回転動作において、まず直動板部材784の左右方向変位の程度が大きくなり、次いで軸回転部材785の回転変位の程度が大きくなり、再び直動板部材784の左右方向変位の程度が大きくなる。
このような順序で直動変位と、回転変位とが生じることで、上側長尺部775と下側長尺部772との連結部分(図55参照)に覆設部材787の延設部787cが衝突することを回避することができる。次いで、覆設部材787の外観の変化について説明する。
図59(a)から図59(c)は、演出装置780の正面図である。図59(a)から図59(c)では、昇降反転演出装置770の反転動作が時系列で図示される。図59(a)では、上下反転部材781の正立の縦配置状態における演出装置780が図示され、図59(b)では、上下反転部材781が縦配置状態から90度回転した時における演出装置780が図示され、図59(c)では、上下反転部材781の倒立の縦配置状態における演出装置780が図示される。
上下反転部材781は、正立の縦配置状態(図57(a)参照)から正面視反時計回りに180度回転することで、倒立の縦配置状態に状態が変化する。倒立の縦配置状態では、正立の縦配置状態(図59(a)参照)を基準として、覆設部材787の姿勢が180度反転する。これにより、遊技者が視認可能な装飾面が切り替えられることになる(図59(c)参照)。
倒立の縦配置状態から上下反転部材781が正面視時計回り(反対回り)に180度回転変位することで、正立の縦配置状態(図57(a)参照)に戻る。従って、反転動作は、上下反転部材781を180度回転変位させるように方向を反転させて駆動モータ782(図56参照)を駆動する度に、図59(a)に示す状態と図59(c)に示す状態とで、状態を繰り返し切り替えることができる。
上述したように、図57(a)に示す状態から上下反転部材781が正面視反時計回りに180度回転変位する間に、傘歯部783cと噛み合うことで軸回転部材785が180度回転変位する。ここで、傘歯部783cの回転方向から、右側の軸回転部材785は後転方向に回転し、左側の軸回転部材785は前転方向に回転する。即ち、左右に配置される一対の軸回転部材785及び端板部材785dに締結固定される覆設部材787は、逆方向に回転する。
そのため、途中位置では、右側の覆設部材787は第2副装飾面787b2を正面側に向け、左側の覆設部材787は第1副装飾面787a2を正面側に向ける(図59(b)参照)。
これにより、覆設部材787の回転変位中に、左側の覆設部材787の第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)と右側の覆設部材787の第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)とが揃って視認されることを回避することができる。
従って、回転変位中の覆設部材787の装飾面を、敢えて左右で内容のずれたものとすることができ、装飾面の内容を遊技者に認識し難いように構成できるので、回転変位中の覆設部材787が遊技者に与える情報量を低くすることができる。
これにより、回転変位中の覆設部材787に対する遊技者の注目力を低減させることができる。また、回転変位が停止した時に左右一対の覆設部材787の装飾面が第1主装飾面787a1(又は第2主装飾面787b1)で揃うことから、覆設部材787の回転が停止するまで遊技者の視線を覆設部材787に維持し易いという効果も奏し得る。
回転変位は第2動作ユニット700の張出状態(図54参照)で実行されるが、この回転変位が停止し、左右一対の覆設部材787の装飾面が第1主装飾面787a1(又は第2主装飾面787b1)で揃った状態では、演出装置780が第3図柄表示装置81の表示領域の上下中央付近にまで上昇してきており(図30参照)、この状態で第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)に注目力が集まる可能性は低い。
特に、第3動作ユニット800が第2動作ユニット700と近接変位されるよう制御される場合などには特に、第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)への視界が第3動作ユニット800に遮られることになる。
一方で、第2動作ユニット700が演出待機状態となり(図52参照)、演出装置780が第3図柄表示装置81の表示領域よりも下側に配置されると、第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)が遊技者の視界に入り易くなる。
このように、第2動作ユニット700では、第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)を、張出状態においては回転変位中に揃って視認されることを防止したり遊技者側に面が向くことを防止したりすることで注目させず、演出待機状態においては遊技者に注目され得る側面として形成している。
これにより、第2動作ユニット700の見え方を配置に応じて変化させることができるので、第2動作ユニット700を配置するコスト(場所の占有、上手に隠す負担)に対する演出性能が過度に低くなる状態が生じることを回避し易くすることができる。
軸回転部材785及び覆設部材787の回転変位後において、回転位置安定用部785fが磁石Mg(図54(b)参照)に吸着することで軸回転部材785及び覆設部材787の姿勢の安定化を図ることができる。
本実施形態では、磁石Mgに吸着する金属部材が金属製ネジで構成されるので、専用の金属部材を設計する場合に比較して、部材コストの削減や、メンテナンス性の向上を図ることができる。
上述したように、軸回転部材785及び覆設部材787の回転変位には左右方向の直動変位が伴うので、回転変位を実行可能な演出装置780の配置は制限されることになる。即ち、第2動作ユニット700の演出待機状態(図28参照)や中間演出状態(図33参照)では、回転変位を実行することで、左右に配置される右側前板部材710、左側後板部材750及び前側支持部材760や、その正面側に固定配置される立体装飾部768a等の装飾部材が覆設部材787に衝突することになる。
一方、第2動作ユニット700の張出状態(図30参照)では、左右方向に空間が確保されることで、軸回転部材785及び覆設部材787の回転変位を実行可能となる。
従って、軸回転部材785及び覆設部材787の回転変位を生じさせる駆動モータ731の駆動制御は、検出センサ713の出力から第2動作ユニット700が張出状態になっていると判定されていることを前提に実行可能に制御される。これにより、軸回転部材785及び覆設部材787の回転変位を正常に生じさせることができる。
延設部787cは、上下反転部材781の縦配置状態において互いに近接配置され、この状態において上側長尺部775と下側長尺部772との連結部分と前後で対向配置される。そのため、この配置から覆設部材787を左右方向に延びる回転軸で回転変位させると、延設部787cが上側長尺部775と下側長尺部772との連結部分に衝突することになり、不具合が生じる。
一方で、延設部787cが近接配置される構成は、左右一対の覆設部材787を一体的に視認させることができるという効果を生じさせるものであり、演出上必要となる構成であるので、維持できることが好ましい。
これに対し、本実施形態では、覆設部材787が、回転変位の前に、予め左右方向に長さL1だけ直動変位するよう構成される(図57参照)。長さL1の直動変位により、延設部787cを上側長尺部775と下側長尺部772との連結部分の前後位置から退避させることができ、延設部787cと上側長尺部775と下側長尺部772との連結部分とが衝突する不具合を回避することができる。
また、このように回転変位を構成することで、覆設部材787が左右方向に変位する間において長さL1では回転変位が生じず(又は制限され)、残りの長さL2において回転変位を生じさせることになるので、覆設部材787の回転中における左右方向の変位量を小さく抑えることができる。
これにより、回転中に覆設部材787の配置が大きく変化する場合に比較して、覆設部材787の注目力を低く抑えることができ、回転変位を目立たせなくすることができるので、各装飾面787a1~787b2の設計として、回転変位中の見映えを無視した設計を行うことができるので、設計自由度を向上することができる。
なお、覆設部材787が回転開始するタイミングは、磁石Mgの吸着力の設計により任意に設定可能である。そのため、例えば、本体部材771の下側長尺部772と上側長尺部775との連結部の左右幅を長くする設計変更が生じたとしても、演出装置780の構成は同じとしながら、磁石Mgを吸着力の大きな磁石に変更することで、本実施形態と同様に、上述の連結部と延設部787cとの衝突を回避することができる。
図59において想像線で図示するように、挿通孔778cは、常に覆設部材787に隠されるよう配置される。これにより、挿通孔778cに挿通される締結ネジが遊技者に視認されることを防止することができ、締結ネジにより演出効果が低くなることを回避することができる。
本実施形態では、左右一対の覆設部材787に形成される各装飾面787a1,787a2,787b1,787b2の装飾(図形、模様または絵柄など)が、左右の覆設部材787で同一では無いことから、左右の装飾に合わせて挿通孔778cの配置が左右非対称とされている。
即ち、挿通孔778cは締結ネジが挿通される部分であるので、その位置で電飾基板787aにLEDを配置することができなくなる(図55参照)。また、締結ネジは金属製であり光を透過しないので、発光演出時に暗く視認され易い。
従って、左右の装飾において、明るく光らせて目立たせる箇所を避けて挿通孔778cを配置することが望ましく、そのようにした結果、挿通孔778cの配置が左右非対称とされている。
なお、挿通孔778cの配置を左右対称にすることは当然に許容される。特に、左右の覆設部材787で各装飾面787a1,787a2,787b1,787b2の装飾が同一の場合には、挿通孔778cを左右対称に配置することによる不利益は生じず、且つ、電飾基板778aの設計を容易とすることができる。
図59(b)に示すように、本実施形態では、昇降反転演出装置770の反転動作中に覆設部材787が左右に直動変位し、光拡散部材778bの中央部付近が延設部787cに囲まれていない状態においても、上下反転部材781、中間腕部材783及び直動板部材784等の機構部が視認されないように隠される。
即ち、正面視において、本体部材771の上側長尺部775の外形が、前側に配置される光拡散部材778bの外形に収まる形状に設計されており、直動板部材784の上下幅が、前側に配置される上側長尺部775の左右長尺部の上下幅に収まる形状に設計されている。また、上下反転部材781は前側に配置される上側長尺部775の円板部の外形に収まる形状に設計されており、中間腕部材783は変位軌跡が光拡散部材778bの外形に収まるように設計される。
これにより、演出装置780の変位を実現するための機構部を光拡散部材778bの背後に隠し、視認不能とすることができるので、反転動作中における演出装置780の外観による演出効果が低下することを回避することができる。
図26に戻って説明する。第3動作ユニット800は、演出待機状態において第3図柄表示装置81の表示領域の上側に配置され、背面ケース510に支持される左右一対の昇降アーム部材801(図31参照)の先端部に支持され、昇降アーム部材801が上下方向に駆動されることに伴って昇降変位可能に構成されるユニットである。
図60は、第3動作ユニット800の構成の一部の分解正面斜視図であり、図61は、第3動作ユニット800の構成の一部の分解背面斜視図である。なお、図60及び図61では、第3動作ユニット800の変位を構成する部分が図示されており、外側に配設される装飾部分としての装飾部材870,880の図示が省略されている。
図60及び図61に示すように、第3動作ユニット800は、昇降アーム部材801に保持される被保持部材810と、その被保持部材810の中心部に円筒部821が締結固定される固定円筒部材820と、円筒部821が内周側に挿通された状態で円筒部821に軸支される内側回転部材830と、その内側回転部材830が内周側に挿通された状態で本体部831に軸支される外側回転部材840と、その外側回転部材840の円筒状部842aに回動可能に連結される複数(本実施形態では5本)の中間腕部材850と、被保持部材810に収容される複数のギア部材を有し内側回転部材830、外側回転部材840及び中間腕部材850を変位させる駆動力を伝達するための駆動伝達装置860と、を備える。
被保持部材810は、円板形状の本体部材811と、その本体部材811に正面側から蓋をする孔空き蓋部材817と、を備える。
本体部材811は、中心部において固定円筒部材820の円筒部821を保持するために凹設され固定用の締結ネジを挿通する挿通孔や電気配線を挿通する貫通孔が形成される筒固定部812と、フォトカプラ式のセンサであって外側回転部材840の被検出部844を受け入れ可能な側に検出溝を向けて固定される検出センサ813と、駆動モータ861を保持するモータ保持部814と、伝達ギア863を脱落不能に軸支する円筒部として正面側に突設される複数の円筒状突設部815と、負荷応答ギア865を脱落不能に軸支する二重の円筒部として正面側に突設される複数の二重円筒突設部816と、を備える。
孔空き蓋部材817は、中央部に前後方向に穿設される円形孔818を備える。円形孔818は、開口方向視において、その内周縁部から、伝達ギア863及び負荷応答ギア865が内側に張り出すような寸法で設計される。
固定円筒部材820は、上述の円筒部821と、その円筒部821の正面側端部に形成される円形板部822と、その円形板部822に締結固定され正面側にLED等の発光手段が配設される円板状の電飾基板823と、その電飾基板823を正面側から覆うことができるような傘状(又は、お椀状)で光透過性の樹脂材料から形成される透光装飾部材824と、円筒部821の円形板部822側の外径よりも若干長い内径の円環状に形成され円筒部821と摺動可能に構成される摺動部材825と、を備える。
円筒部821は、背面側先端部に雌ネジが形成されており、その雌ネジに被保持部材810の筒固定部812の挿通孔に挿通された締結ネジが螺入されることで、固定円筒部材820が被保持部材810に回転不能に締結固定される。
円筒部821は内周側において軸方向に貫通形成されており、この貫通部分を通して筒固定部812の貫通孔に挿通された電気配線が正面側へ這わされ、電飾基板823の背後に配設されるコネクタに接続される。
電飾基板823は、LEDとして、五角形の頂点およびそれらの頂点から等距離離れた中心位置に配置される内側発光部823aと、円周上に等間隔で15箇所に配置される外側発光部823bと、を備える。内側発光部823aは、光軸が正面側(前方)を向くLEDから構成され、外側発光部823bは、光軸が径方向外側(直径方向)を向くLEDから構成される。
外側発光部823bは、円周上に等間隔に配置される15個のLEDから構成される。後述するように、外側発光部823bから照射される光は、円周上に等間隔で互いに密接して配置される第1装飾部材870の鍍金部871aに照射されることから、各第1装飾部材870に、3個のLEDからの光が照射されることになる。
外側発光部823bは電飾基板823に固定配置されており、第1装飾部材870は円の中心を軸として回転変位するように構成されるが、外側発光部823b及び第1装飾部材870は同軸の円上にそれぞれ等間隔で配置されるので、第1装飾部材870の回転方向の姿勢に関わらず、常に同数(本実施形態では、3個)のLEDからの光を各第1装飾部材870に照射することができる。
これにより、回転動作中に第1装飾部材870に照射される光LD1の光量の変化を抑制することができる。
摺動部材825は、内径側部が固定円筒部材820の円筒部821に摺動可能に構成される一方、外径側部が内側回転部材830の円形フランジ状部831aに摺動可能となるように形成される。
摺動部材825は、正面側にフランジ状部が形成されており、そのフランジ状部の内径側端部から後方に筒状で突設される筒状部を有するが、この筒状部の外径が、円形フランジ状部831aの内径よりも若干短く形成されることで、内側回転部材830に摺動可能に内嵌される。
摺動部材825を間に介在させることにより、固定円筒部材820と、その周りを回転可能に構成される内側回転部材830とが直接接触することを防止するようにしている。また、円筒部821の円形板部822側であり、同様に本体部831の円形フランジ状部831a側という強度的に有利な側に摺動部材825が配設されることで、摺動時や摺動不良時(意図せず変位抵抗が過大となった時)に生じる負荷によって固定円筒部材820や内側回転部材830が損傷したり変形したりする可能性を低減することができる。
内側回転部材830は、正面側端部に円形フランジ状部831aを有する円筒状の本体部831と、その本体部831の周囲を円周方向に5等分した位置において径方向に長尺方向を沿わせた姿勢で円形フランジ状部831aに締結固定される複数の金属棒832と、その金属棒832が挿通可能に形成され金属棒832に案内される形で直動変位可能に構成される複数の直動部材833と、その直動部材833の径方向外側部において回転可能に軸支される複数の回転部材834と、を備える。
本体部831は、上述の円形フランジ状部831aと、隣り合う金属棒832の中間の角度位置(5箇所)において円形フランジ状部831aを基端として突条状に後方に延びる複数の摺動突条部831bと、円形フランジ状部831aの反対側の端部において円周方向に間隔を空けて凹設形成される複数の凹設部831cと、を備える。
摺動突条部831bは、外側回転部材840の本体部841の内周側曲面と摺動可能に構成される部分であって、外側回転部材840との接触面積を減らし接触摩擦を低減するために突設先端が断面半円状に形成される。
摺動突条部831bの配置は、上述のように隣り合う金属棒832の中間の角度位置とされるが、換言すれば、外側回転部材840の中心軸を基準として金属棒832の反対側の位置(180度ずれた位置)とされる。
これにより、後述する切替回転動作において中間腕部材850が金属棒832に沿って径外方向に変位され、その中間腕部材850が軸支される外側回転部材840が径外方向に変位するよう負荷を受けたとしても、その外側回転部材840の変位を摺動突条部831bで受けることができるので、外側回転部材840の内側円周面と内側回転部材830の外側円周面との接触面積を低い状態で維持することができる。
凹設部831cは、中央円環ギア864の伝達突部864aが進入配置される部分であって、凹設部831cに伝達突部864aが配置されることで、互いの相対回転を不能として、中央円環ギア864の回転角度と内側回転部材830の回転角度とを一致させることができる。
直動部材833は、直動変位方向に並ぶように間隔を空けて配置され後方へ向けて円筒状に突設される一対の円筒状突設部833a,833bと、その円筒状突設部833a,833bを基準として本体部831の中心軸から離れた側に形成され回転部材834に挿通される円筒状の円筒状軸部833cと、その円筒状軸部833cの先端部において周方向に沿って凹設される凹設溝833dと、を備える。
凹設溝833dは、組立状態(図28参照)において回転部材834から突き出た側に配置されており、回転部材834に締結固定される装飾部材870,880の張出部873,883が摺動可能に外嵌されることで、回転部材834の径外方向への脱落を防止する変位規制用の溝として機能するが、詳細は後述する。
回転部材834は、傘歯車状に形成される傘歯部834aと、直動方向と平行に円筒状に突設される複数の円筒状突設部834bと、を備える。傘歯部834aは、全周に亘って形成されるものではなく、動作に必要となる3/4周(約270度)に亘って形成されている。
円筒状突設部834bは、内周側に雌ネジが形成されており、装飾部材870,880の挿通孔874,884に挿通された締結ネジを螺入することで、装飾部材870,880を回転部材834に締結固定するように機能するが、詳細は後述する。
外側回転部材840は、円筒状の本体部841と、その本体部841の周囲を円周方向に5等分した位置において径方向外方へ延設される複数(本実施形態では、5本)の延設腕部842と、本体部841の後側端部の円周に沿って外周側に形成されるギア歯843と、検出センサ813の検出溝に進入可能な配置で本体部841の径外方向に延設される被検出部844と、を備える。
延設腕部842は、本体部841の中心軸と平行に延びる円筒状部842aを備え、その円筒状部842aの内周側には雌ネジが形成されており、中間腕部材850の基端側棒部851に円筒状部842aを挿通した状態で雌ネジに締結ネジを螺入することで、中間腕部材850が延設腕部842に脱落不能に軸支される。
ギア歯843は、駆動伝達装置860の負荷応答ギア865と歯合可能に配設されることで、外側回転部材840の回転変位の有無を切り替える部分として機能するが、詳細は後述する。
中間腕部材850は、長尺に形成される部材であって、一端側が外側回転部材840の円筒状部842aに軸支される基端側棒部851と、その基端側棒部851の他端側において正面側に増厚される増厚部852と、その増厚部852の正面側端部から基端側棒部851の長尺方向と平行に延設される先端側棒部853と、その先端側棒部853の端部にギア歯を有して形成される回転伝達部854と、を備える。
回転伝達部854は、直動部材833及び回転部材834と連動する部分であって、円筒状突設部833aを挿通した状態で互いに回動可能な寸法関係で形成される被支持孔854aと、その被支持孔854aを中心とした円弧状に穿設される長孔であって円筒状突設部833bを挿通した状態で案内する案内孔854bと、被支持孔854aを中心軸とする傘歯車状に形成され回転部材834の傘歯部834aと歯合することで傘歯車を形成する傘歯部854cと、を備える。
駆動伝達装置860は、モータ保持部814に締結固定される駆動モータ861と、その駆動モータ861の駆動軸に固着される駆動ギア862と、円筒状突設部815に脱落不能に軸支され駆動ギア862を介して駆動力を伝達可能に歯合される複数の伝達ギア863と、その伝達ギア863に歯合される中央円環ギア864と、その中央円環ギア864の配置よりも前側にずれて配置され二重円筒突設部816に脱落不能に軸支される一対の負荷応答ギア865と、その負荷応答ギア865の背面側において二重円筒突設部816の二重筒に支持され負荷応答ギア865にかけられる回転方向の負荷に応じた抵抗が可変とされるトルクリミッタ866と、を備える。
中央円環ギア864は、環状に形成され、その内周側に固定円筒部材820の円筒部821を挿通可能に設計され、内側回転部材830の凹設部831cに進入配置可能となるように凹設部831cに対応する配置および形状で底板部から正面側に突設される伝達突部864aと、その伝達突部864aの内径側および外径側に配置される同軸二重円環形状で底板部から正面側に突設される支持円環状部864bと、を備える。
組立状態では、伝達突部864aが凹設部831cに進入配置された状態において、支持円環状部864bの間の隙間に内側回転部材830の本体部831の後方端部が中間ばめの寸法関係または締りばめの寸法関係で嵌合される。これにより、中央円環ギア864と内側回転部材830とを一体的に回転させることができる。
なお、凹設部831c及び伝達突部864aの配置については何ら限定されるものではない。例えば、円周方向に等間隔で配置されるようにしても良いし、円周方向に不等間隔で配置されるようにしても良い。
等間隔であれば、内側回転部材830と中央円環ギア864との姿勢を考慮せずとも、伝達突部864aと凹設部831cとの配置を合わせれば組み付けることができるので、組み付けを迅速に行うことが可能となる。本実施形態にように、内側回転部材830及び中央円環ギア864の形状が回転方向で対称(72度間隔で同じ)とされる場合には、内側回転部材830及び中央円環ギア864の姿勢が組み付け時にずれることによる影響は少ないと考えられるので、等間隔とすることは有効である。
不等間隔であれば、組み付け作業時において、内側回転部材830に対して中央円環ギア864の姿勢を合わせてから組み付けるという工数が1個増えるが、凹設部831cへの伝達突部864aの配置を利用して、内側回転部材830と中央円環ギア864との姿勢合わせを行うことができる。
負荷応答ギア865は、外側回転部材840のギア歯843と歯合可能に配設される。負荷応答ギア865にトルクリミッタ866が係合していることにより、内側回転部材830及び中央円環ギア864と、外側回転部材840と、の間の回転抵抗の大小に起因して、負荷応答ギア865の回転が許容される状態と、規制(制限)される状態と、が切り替えられるよう構成されている。
即ち、トルクリミッタ866は、所謂安全クラッチとして機能するものであり、所定の許容値を超える負荷がかかると接続を切り、駆動力の伝達を解除するよう構成される。本実施形態では、一方向の駆動力を伝達する装置(ワンウェイのトルクリミッタ)が、伝達方向を逆とする一組で構成され、トルクリミッタ866による駆動伝達の切り替えを双方向で応答性良く行えるように構成している。
図62は、第3動作ユニット800の構成の一部の分解正面斜視図であり、図63は、第3動作ユニット800の構成の一部の分解背面斜視図である。なお、図62及び図63では、第3動作ユニット800の装飾部分が図示されており、変位を構成するための部分の図示が省略されている。
図62及び図63に示すように、第3動作ユニット800は、上述した内側回転部材830と、その内側回転部材830の円筒状突設部834bに締結固定され円筒状突設部834bの一方の側面を覆う第1装飾部材870と、円筒状突設部834bに締結固定されると共に第1装飾部材870の反対側の側面から円筒状突設部834bを覆う第2装飾部材880と、を備える。
第1装飾部材870は、円筒状突設部834bに締結固定可能に形成される第1骨格部871と、その第1骨格部871の一側を覆うよう形成される第1覆設部875と、を備える。
第1骨格部871には、全体に鍍金処理がされており、光を反射し易いよう構成されている。
第1覆設部875は、枠の内側が無色で光透過性の樹脂材料で形成されており、その表面に図形や模様や、キャラクターの絵柄(以下、「絵柄等」とも称す)が描かれており、表面が正面側に向いた際には、その絵柄等を遊技者に視認させる。
本実施形態では、複数(5個)の第1覆設部875に、それぞれ独立した絵柄等が描かれている。そのため、電飾基板823による発光制御で強発光させる第1覆設部875を変更したり、第1覆設部875の配置を変更したりすることで、遊技者の注目を集める絵柄等を異ならせることができる。
例えば、遊技者目線で、第3図柄表示装置81側にいずれの第1覆設部875が停止するかに注目させるような表示演出を第3図柄表示装置81で実行すると同時に、内側回転部材830を回転させるように制御すれば、その回転に伴い第3図柄表示装置81側の第1覆設部875を継続的に変更することができるので、回転が停止するまでの期間に亘り、遊技者の視線を第1覆設部875に集めることができる。
第2装飾部材880は、円筒状突設部834bに締結固定可能に形成される第2骨格部881と、その第2骨格部881の他側を覆うよう形成される第2覆設部885と、を備える。
第2骨格部881は、第2覆設部885に収容される磁石Mg2を脱落不能に保持するための保持片881aを備える。
第2覆設部885は、隣設される第2覆設部885に収容される磁石Mg2の吸着力が作用する位置(近接位置)に金属製ネジが螺入固定されており、この金属製ネジに磁石Mg2が吸着することで、合体状態(特に、一連合体状態、図32参照)における第2覆設部885の一体性が確保できるように図っている。
第2覆設部885は、表面に図形や模様や、キャラクターの絵柄(以下、「絵柄等」とも称す)が描かれており、表面が正面側に向いた際には、その絵柄等を遊技者に視認させる。
本実施形態では、複数(本実施形態では、5個)の第2覆設部885に描かれる絵柄等は、複数(少なくとも2個、最大で5個)の第2覆設部885が組となるよう絵柄等が構成されており、5個の第2覆設部885が合体状態を構成した時に正面視で「円状体」として視認されるように各第2覆設部885をその円状体の一部を構成するように装飾している。
第2覆設部885に描かれる絵柄等は特に限定されるものではないが、本実施形態では、一連合体状態において第2覆設部885から把握される内容が第2装飾部材880の回転方向の配置が異なっても大きな違いが生じない絵柄として設計している。即ち、絵柄として明確な上下左右があるものではなく、回転させても外形の変化が目立たない(本実施形態では、円形状)を構成する設計としている。
そのため、複数の第2覆設部885同士を強固に一体化できる方が、第2覆設部885を遊技者に視認させる時の演出性能を向上させることができる。この点で、本実施形態では、合体状態において磁石Mg2の吸着力により第2覆設部885側が強固に一体化されるので、第2覆設部885が正面側に配置されている場合の合体状態における演出性能を向上させることができる。
なお、各第2覆設部885において、幅方向の片側に磁石Mg2が配設され、逆側に金属製ネジが螺入固定されている。後述する切替回転動作により第2覆設部885の向きが前後で反転した場合には、それに伴い正面視での磁石Mg2と金属製ネジとの配置も反転することになる。
この場合でも、各磁石Mg2が吸着する金属製ネジが、逆側に隣設される第2覆設部885に螺入固定される金属製ネジに入れ替わるだけであり、5個の第2覆設部885が円環状に配設されていることから一体化した際の吸着度合いに変化はない。
一方、本実施形態では、第1覆設部875には、磁石を収容していない。これにより、第1覆設部875側における一体化の強度は、若干弱くなっているが、これにより演出性能が低下することを回避するようにしている。
即ち、第1覆設部875には、それぞれ独立した絵柄等が描かれているので、合体状態における一体化の程度が弱く、第1装飾部材870の配置が多少ずれることがあっても、遊技者に視認させる絵柄等を認識できなくなる可能性は無い。従って、第1覆設部875に描かれる絵柄等を利用した演出の演出性能が低下することを回避することができる。
更に、第1覆設部875側の一体化の強度が弱くなっていることにより、昇降変位(からの停止)に伴い生じる振動や、一体回転動作や切替回転動作としての回転変位(からの停止)に伴い生じる振動により、合体している第1覆設部875同士の配置をずらすことができる。これにより、第1覆設部875が分割体ではなく、単一の円形部材から構成される従来機では実現不可能な変位態様で第1覆設部875を変位させることができるので、第1覆設部875による演出の演出効果を向上させることができる。
上述の事情から、複数の装飾部材870,880が近接配置される合体状態において、第1装飾部材870が前側を向く状態を個別合体状態とも称し(図31参照)、第2装飾部材880が前側を向く状態を一連合体状態とも称す(図32参照)。次いで、個別合体状態と一連合体状態とを切り替えるための動作について説明する。
図64(a)、図64(b)、図65(a)及び図65(b)は、外側回転部材840及び中間腕部材850の背面図であり、図66(a)、図66(b)、図67(a)及び図67(b)は、外側回転部材840及び中間腕部材850の正面図である。
図64から図67では、駆動モータ861(図60参照)の駆動力が伝達され、内側回転部材830が外側回転部材840に対して相対的に回転動作することにより変位する中間腕部材850の変位が時系列で図示される。
即ち、背面視および正面視において時系列で図示されており、個別合体状態(図64(a)、図66(a))から、内側回転部材830が45度ずつ回転する様子が図示されている。
なお、図64から図67では、金属棒832の軸線が仮想位置線832Fとして記載されており、この仮想位置線832Fの配置の角度変化が、内側回転部材830の回転角度に対応する。なお、個別合体状態(図64(a)、図66(a))からの内側回転部材830の回転角度が角度θ31で図示される。
図64から図67に示すように、個別合体状態から内側回転部材830が正面視(図66参照)反時計回りに回転すると(この回転動作を、以下において「切替回転動作」とも称する)、中間腕部材850の回動が許容されることから、内側回転部材830の外側回転部材840に対する相対的な回転が許容される。本実施形態では、外側回転部材840はトルクリミッタ866(図60参照)の抵抗により配置が維持され、内側回転部材830のみが回転動作する。
従って、図64から図67において、円筒状部842aの配置は維持されており、中間腕部材850は、外側回転部材840の円筒状部842aを中心に回動変位する。
上述の部材間の構成から、仮想位置線832Fは、被支持孔854aの中心を通る直線であり、被支持孔854aに直動部材833の円筒状突設部833aが締結固定されることから、被支持孔854aの配置変化は、直動部材833の配置変化に対応する。
図64及び図65に示すように、回転伝達部854が内側回転部材830の回転軸を中心とした径方向に変位し、同時に、周方向に変位するので、回転伝達部854に支持される回転部材834も同様に、内側回転部材830の回転軸を中心とした径方向に変位し、同時に、周方向に変位する。即ち、切替回転動作において、直動部材833は、径方向の変位を伴いながら、周方向に180度変位する。
切替回転動作に周方向の変位が含まれることから、径方向終端位置においても直動部材833、回転部材834及びそれに締結固定される装飾部材870,880の配置が固定されることなく、周方向への変位を保つことができるので、径方向の直動変位のみで変位が完結する場合(例えば、第2動作ユニット700で上述した反転動作)に比較して、切替回転動作中における演出効果を高く維持することができる。
なお、これに対し、第2動作ユニット700で上述した反転動作においては、傘歯部783c及び傘歯部材785c(図58参照)の弾性回復力を利用した加速度の高い回転動作を生じさせることで、直動方向外側変位終端(図59(b)参照)における覆設部材787の配置が固定されている印象を弱めるよう図っている。
即ち、覆設部材787の回転始期を遅らせ、且つ回転終期を遅らせないことにより、覆設部材787の回転速度の向上を図っており、左右方向外側変位終端において左右位置の変化幅が小さい期間(スライダクランクの死点付近の期間)が継続する状況にあっても、覆設部材787の回転速度を上昇させることで覆設部材787の動作による演出効果を高く維持するよう図っている。
切替回転動作に径方向の変位が含まれることから、中間腕部材850から外側回転部材840に径方向の負荷が生じ易く外側回転部材840の回転軸のずれが生じる可能性が考えられるが、本実施形態では、中間腕部材850の径方向の負荷が回転軸を中心として等間隔(72度間隔)で同様に生じるので、各負荷が互いに相殺し合うことになる。これにより、外側回転部材840の回転軸のずれを抑えることができるので、切替回転動作を正常に実行させ易くすることができる。
このように、第3動作ユニット800の回転動作における径方向変位(拡大縮小変位)は、円周方向の回転を伴いながら生じる。そのため、周囲の装飾部材との衝突を避けるために、第3動作ユニット800の切替回転動作は、第3動作ユニット800が張出状態となっていることが昇降アーム部材801の姿勢を判定する検出センサの出力により判定されている状態において実行可能となるように制御される。
また、回転伝達部854の上述の変位に伴い、回転部材834に締結固定される第1装飾部材870及び第2装飾部材880も同様に、内側回転部材830の回転軸を中心とした径方向に変位し、同時に、周方向に変位する。
中間腕部材850が回動変位することにより、傘歯部854c(図66及び図67参照)と、回転部材834の傘歯部834a(図60参照)とが歯合し、回転部材834及び回転部材834に締結固定される装飾部材870,880が金属棒832を軸として回転変位する。
この回転変位の角度は、仮想位置線832Fを基準とした中間腕部材850の回転角度としての角度θ32に比例する。また、その回転方向は、角度θ32が仮想位置線832Fから正面視反時計回り方向に離れるよう増大しており、回転部材834が中間腕部材850の正面側に配置されることから(図60参照)、仮想位置線832Fの径外方向側から見て反時計回り方向に設定される。
回転部材834は、一体回転状態において第1装飾部材870又は第2装飾部材880のいずれかが正面側を向く姿勢となるので、角度θ31の最大値としての最大角度θ31E(本実施形態では、180度)の回転によって、中間腕部材850の回転角度が最大値としての最大角度θ32E(本実施形態では、90度)となる場合に、回転部材834の傘歯部834aが半周回転(180度回転)するよう構成される。
即ち、回転部材834が金属棒832を中心として回転する角度は、傘歯部854cの被支持孔854aを中心とした回転角度の2倍となるように構成される。
ここで、上述の第2動作ユニット700の磁石Mgの作用として説明したものとは異なり、磁石Mg2(図62参照)の吸着力は、金属棒832を中心とする装飾部材870,880の回転変位に対して回転を遅らせるような作用を生じさせるものではない。
即ち、磁石Mg2は、隣設する第2装飾部材880との間で吸着力を生じるものであり、中間腕部材850の回動に伴い装飾部材880が金属棒832に沿って径外方向に変位することに伴い、隣設される第2装飾部材880の間に隙間が生じることで吸着力は失われ得る。
従って、金属棒832を中心とする回転変位が開始される前において、磁石Mg2の吸着力は失われることになり、金属棒832を中心とする装飾部材870,880の回転変位に対して回転を遅らせるような作用は生じない。
そのため、装飾部材870,880を回転変位させるために必要となる駆動力を低減することができる。即ち、駆動モータ861に要求される駆動力を低減することができるので、駆動モータ861の小形化を図ることができる。
更に、装飾部材870,880の回転変位を迅速に開始し、早期に終了させることができるので、金属棒832を中心とする回転変位に対する遊技者の注目度合いを低くすることができる。
装飾部材870,880の回転変位の開始時の迅速性は、内側回転部材830の回転角度に対する装飾部材870,880の回転角度を一定ではないように構成することでも保たれている。
例えば、中間腕部材850の回動の過程において、中間腕部材850が縮径配置され一体回転動作が可能な状態からの仮想位置線832Fの回転角度(内側回転部材830の回転角度)が45度である場合には角度θ32が18度であり(図66(b)参照)、更に45度の角度で仮想位置線832Fが回転した場合における角度θ32が27度とされる(図67(a)参照)。
即ち、角度θ32は、一体回転動作が可能な状態からの内側回転部材830の回転開始側の方が、回転途中に比較して小さくなるように設計されている。これにより、内側回転部材830の回転開始時において装飾部材870,880の回転変位の程度を抑制することができる。
駆動モータ861の駆動力は、内側回転部材830の回転、中間腕部材850の回動および装飾部材870,880の回転に利用されることになるが、上述のような構成から、一体回転動作が可能な状態からの内側回転部材830の回転開始時において装飾部材870,880の回転に要する駆動力を低減することができるので、内側回転部材830の回転開始時に駆動モータ861にかけられる負担が過度に大きくなることを回避することができる。
また、金属棒832を中心とする装飾部材870,880の回転変位は、正面視で円周方向に位置ずれしながら生じるので、回転変位中の装飾部材870,880の視認性を低く抑えることができる。これにより、装飾部材870,880の側面部(例えば、第1覆設部875と第2覆設部885との連結面)が視認される可能性を低くすることができ、装飾部材870,880の側面部の設計自由度を向上することができる。
切替回転動作の際、正面視において、中間腕部材850は、隣設される中間腕部材850と配置が重なる。また、自らが軸支される円筒状部842aが配設される延設腕部842に隣設される延設腕部842とも配置が重なる。そのため、対策なしでは、中間腕部材850が周辺の部分と衝突する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、中間腕部材850の構成を部位ごとに前後にずらすことで衝突の回避を図っている。即ち、中間腕部材850の基端側棒部851よりも、先端側棒部853及び回転伝達部854の方が後側に配置されるようにすることで、基端側棒部851と先端側棒部853及び回転伝達部854とが前後で重なるようにでき、切替回転動作の際に衝突することを回避することができる。
また、基端側棒部851は延設腕部842の前側に、先端側棒部853及び回転伝達部854は延設腕部842の後側に配置するようにすることで、切替回転動作の際に中間腕部材850が延設腕部842の前後に配置されるようにすることができ、中間腕部材850と延設腕部842との衝突を回避することができる。
図64から図67では、外側回転部材840を基準とした内側回転部材830の回転方向が、中間腕部材850の回動を許容する方向(個別合体状態における正面視反時計回り方向、図66参照)である場合を説明した。この場合、トルクリミッタ866を介して抵抗を生じる負荷応答ギア865にギア歯843が歯合されることで抵抗を受け、外側回転部材840の回転変位は制限される。
一方、内側回転部材830の回転方向が上述の逆方向(個別合体状態における正面視時計回り方向)である場合や、中間腕部材850の回動を許容する方向(個別合体状態における正面視反時計回り方向)での回転により中間腕部材850が回動を規制される状態に到達(例えば、個別合体状態から一連合体状態に到達)してからも同方向で回転を継続した場合には、外側回転部材840の回転を規制するトルクリミッタ866の許容値を超える負荷が負荷応答ギア865に負荷され、トルクリミッタ866による負荷応答ギア865の姿勢維持が解除され、内側回転部材830と外側回転部材840とが同期回転する。
換言すれば、回転方向に関わらず、中間腕部材850の回動が規制される状態において、中間腕部材850の回動の規制を継続する方向に内側回転部材830を回転させるように駆動した場合、内側回転部材830及び外側回転部材840が同期回転し、中間腕部材850、第1装飾部材870及び第2装飾部材880が合体状態を維持したまま一体回転する(この回転動作を、以下において「一体回転動作」とも称する)。
一体回転動作は、中間腕部材850の回動が規制される状態で生じるものであり、本実施形態では、第1装飾部材870及び第2装飾部材880が互いに近接配置された合体状態で生じる。
そのため、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の拡径方向の変位が生じる切替回転動作と異なり、周囲の装飾部材との衝突を考慮する必要が無いので、第3動作ユニット800の演出待機状態において一体回転動作を実行することができる。従って、本実施形態では、一体回転動作は、第3動作ユニット800の配置に関わらず、実行可能に制御される。
本実施形態では、上述のように、単一の駆動モータ861(図60参照)の駆動力により、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の拡径方向変位を伴う切替回転動作と、拡径方向変位を伴わない第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作と、を実行可能とされており、両駆動方向でいずれの動作も実行可能であるが、動作に優先順位があり、任意の回転方向で即座に任意の動作を実行可能なわけではない。
例えば、図64(a)及び図66(a)に示す状態からは、内側回転部材830を正面視反時計回りに回転させることで切替回転動作を実行可能であり、そのまま回転を継続すれば一体回転動作を実行可能であり、また、内側回転部材830を正面視時計回りに回転させることで一体回転動作を実行可能とされるが、即座には、正面視反時計回りの回転で一体回転動作を実行することはできない。
また、例えば、図64(a)及び図66(a)に示す状態から、内側回転部材830を正面視反時計回りに回転させ、中間腕部材850が回動を規制される状態に到達した後で、内側回転部材830を正面視時計回り(逆回り)に回転させた場合には、再び切替回転動作が実行されてしまい、即座には、正面視時計回りに一体回転動作を実行することはできない。
このように、本実施形態の第3動作ユニット800の動作態様は、駆動モータ861の回転方向に対して、中間腕部材850の変位が規制される状態か、又は許容される状態か、によって、内側回転部材830及び外側回転部材840の相対的変位が変化する。
そのため、本実施形態において、音声ランプ制御装置113(図4参照)は、駆動モータ861の回転方向毎に、中間腕部材850の変位が規制される状態か、又は許容される状態か、を判定可能に制御され、その判定結果から、適切な駆動方向で駆動モータ861を駆動制御可能とされる。以下において、駆動モータ861の駆動制御の一例について説明する。
図68は、昇降アーム部材801の配置、駆動モータ861の駆動態様および検出センサ813の出力の一例を時系列で示すタイミングチャートである。図68に示すように、音声ランプ制御装置113(図4参照)は、第3動作ユニット800の演出制御として通常演出と反転演出とを交互に繰り返すよう制御される。
反転演出時には、切替回転動作を含む動作を実行し、通常演出時には、切替回転動作を含まない動作を実行する。これは、切替回転動作において装飾部材870,880と周囲の装飾部材とが衝突することを避けるためである。
同様の目的から、突然停電が生じた場合等から再度電源を投入した場合や、朝一に電源投入した場合には、第3動作ユニット800を張出状態としてから駆動モータ861の回転制御を実行し、検出センサ813の出力から可動部分の状態を把握した後において、通常演出時の制御を実行するように制御される。これにより、電源投入時において検出センサ813の出力結果から可動部分の状態が把握できない場合であっても、誤って装飾部材870,880と周囲の装飾部材とが衝突する事態を回避することができる。
駆動モータ861の駆動方向として、正回転と、逆回転とを記載している。図68における正回転は、内側回転部材830を正面視時計回りに回転させる駆動態様(個別合体状態(図66(a)参照)において一体回転動作を即座に実行する駆動態様)に対応し、図68における逆回転は、内側回転部材830を正面視反時計回りに回転させる駆動態様(個別合体状態において、切替回転動作を即座に実行する駆動態様)に対応する。
まず、反転演出時に至る前における、通常演出時の駆動制御について説明する。この通常演出時には、第3動作ユニット800は個別合体状態とされており、駆動モータ861は停止するか、又は正回転の駆動制御のみが実行される。そのため、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の回転動作は、常に一体回転動作とされる。
切替回転動作は生じないので、周囲の装飾部材との衝突は生じ得ず、第3動作ユニット800の配置は演出待機状態または張出状態に任意のタイミングで切替可能である。例えば、昇降アーム部材801の上下動作により被保持部材810を昇降変位させている最中に駆動モータ861を駆動することで、昇降変位と同時に第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作を生じさせることもできるよう、制御される。
当然、昇降アーム部材801の配置が固定している状態において第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作を生じさせても良いし、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作を停止した状態で昇降アーム部材801の昇降動作を行うようにしても良い。
駆動モータ861の駆動の方向が正回転のみなので、外側回転部材840の被検出部844が検出センサ813の検出溝に進入する度に検出センサ813の出力が切り替わり、この出力の切り替わりを判定することで音声ランプ制御装置113(図4参照)は外側回転部材840の姿勢を初期位置として判定することができ、この初期位置からの駆動時間を複数種類で設定することで、外側回転部材840を任意の姿勢で停止するよう制御することができる。
次いで、反転演出時における駆動制御について説明する。まず、反転演出時には、昇降アーム部材801が下降変位し、第3動作ユニット800が張出状態とされる。この状態で駆動モータ861は、検出センサ813の検出溝に被検出部844が進入している状態となるまで正回転を継続するよう制御される。
検出センサ813の出力の切り替わりにより、検出センサ813の検出溝に被検出部844が進入している状態が判定されたら、駆動モータ861を逆回転で駆動する。逆回転の駆動により、第3動作ユニット800では、切替回転動作が実行されるが、この間は外側回転部材840の回転はトルクリミッタ866の抵抗により規制されるので、検出センサ813の出力は維持される。
そのままの回転方向で駆動モータ861の駆動を継続すると、一連合体状態に到達し、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作が実行される。一体回転動作開始後は、外側回転部材840も内側回転部材830と連動して回転開始するので、被検出部844が検出センサ813の検出溝から退避し、検出センサ813の出力が切り替えられる。即ち、音声ランプ制御装置113(図4参照)は、検出センサ813の出力の切り替わりにより、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作が開始されたと判定することができる。
一体回転動作が開始された後は、駆動モータ861は停止するか、又は逆回転の駆動制御のみが実行される。そのため、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の回転動作は、常に一体回転動作とされる。切替回転動作は生じないので、周囲の装飾部材との衝突は生じ得ず、第3動作ユニット800の配置は演出待機状態または張出状態に任意のタイミングで切替可能である。
駆動モータ861の駆動の方向が逆回転のみなので、外側回転部材840の被検出部844が検出センサ813の検出溝に進入する度に、検出センサ813の出力が切り替わり、音声ランプ制御装置113(図4参照)は外側回転部材840の姿勢を判定することができる。
反転演出時から通常演出時に切り替わる際には、事前に、昇降アーム部材801が下降変位し、第3動作ユニット800が張出状態とされる。この状態で駆動モータ861は、検出センサ813の検出溝に被検出部844が進入している状態となるまで逆回転を継続するよう制御される。
検出センサ813の出力の切り替わりにより、検出センサ813の検出溝に被検出部844が進入している状態が判定されたら、駆動モータ861を正回転で駆動する。正回転の駆動により、第3動作ユニット800では、切替回転動作が実行されるが、この間は外側回転部材840の回転はトルクリミッタ866の抵抗により規制されるので、検出センサ813の出力は維持される。
次いで、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作が実行される。一体回転動作開始後は、外側回転部材840が回転を開始することで、被検出部844が検出センサ813の検出溝から退避し、検出センサ813の出力が切り替えられる。即ち、音声ランプ制御装置113(図4参照)は、検出センサ813の出力の切り替わりにより、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作が開始されたと判定することができる。
一体回転動作が開始された後で、再び通常演出時に移行する。この通常演出時の駆動制御についての制限は、上述の反転演出時の前に配置されていた通常演出時において説明した駆動制御についての制限と同様である。
このように、本実施形態によれば、単一の検出センサ813を、第3動作ユニット800の回転態様の切り替えの判定(一体回転動作または切替回転動作)と、外側回転部材840の回転角度の基準の判定と、に兼用することができる。従って、各判定に個別の検出センサを利用する場合に比較して、検出センサ813の必要個数を削減することができる。
上述のように、一体回転動作を継続する状態または回転を停止している状態から、駆動モータ861の駆動方向を逆方向に切り替えることにより、切替回転動作を実行することができる。即ち、個別合体状態における第1装飾部材870の姿勢に関わらず、切替回転動作を実行し一連合体状態に切り替えることができる。
そのため、動作演出において、大当たり告知のタイミングで一連合体状態に切り替えるように制御する場合において、第1装飾部材870の姿勢から大当たり告知の有無を遊技者に予想されることを回避することができる。
更に、一連合体状態における装飾は、上述のように、遊技者に把握される内容が、第2装飾部材880の回転方向の配置によって大きく違わないように設計されている。即ち、切替回転動作の開始時における装飾部材870,880の回転方向の配置が異なる場合であっても、切替回転動作の終了時において一連合体状態として遊技者に把握される内容を同様のものとすることができる。
そのため、一連合体状態における絵柄が回転方向の配置で異なる場合と異なり、一連合体状態に到達した後において姿勢を合わせるための一体回転動作を省略することができるので、個別合体状態における第1装飾部材870の姿勢に関わらず、大当たり告知までの駆動制御を同一とすることができる。
このように、本実施形態では、駆動モータ861の駆動方向としての正回転と逆回転との双方で、切替回転動作および一体回転動作の双方の動作態様を実現することができる。従って、正回転と逆回転とで動作態様が固定されている場合に比較して、単一の駆動モータ861で多種多様な演出態様を実現することができる。
図69は、図28のLXIX-LXIX線における第3動作ユニット800の断面図である。図69に示すように、固定円筒部材820の円筒部821の開口は、被保持部材810の筒固定部812が配置される後端部から、電飾基板823が配置される前端部まで貫通しており、この開口を後端部から前端部まで電気配線が案内され、電飾基板823に配設されるコネクタに端子が接続される。この電気配線を通して電気が導通され、電飾基板823に配置されるLEDを発光制御可能に構成している。
電飾基板823の内側発光部823aから照射される光LH1は、透光装飾部材824の中央部側において正面側に膨出する膨出部824aを照らすように作用する。膨出部824aは、装飾部材870,880の合体状態において第1装飾部材870又は第2装飾部材880が円周上に配置される円の中央部において遊技者に視認可能とされる部分として機能する。
電飾基板823の外側発光部823bから照射される光LD1は、前側に配置される装飾部材870,880(図69においては第1装飾部材870)の内部に照射され、装飾部材870,880を内部から照らすように作用する。
本実施形態では、装飾部材870が前側に配置される個別合体状態(図69参照)と、装飾部材880が前側に配置される一連合体状態(図32参照)と、を切り替え可能とされているので、光LD1により、装飾部材870を照らす場合と、装飾部材880を照らす場合とを切り替えることができる。
個別合体状態(図69参照)では、第1骨格部871の鍍金処理されている鍍金部871aで正面側に反射することで、光LD1の向きを正面側に切り替えるよう構成している。これにより、光LD1の大部分が第1覆設部875に向かうように照射することができ、光LD1の照射時における第1覆設部875の明るさを良好に高めることができる。
ここで、本実施形態では、電飾基板823は固定配置されており、その周囲を装飾部材870,880が回転するように構成されているので、光LD1の照射方向と装飾部材870,880の配置との関係は装飾部材870,880の回転により変化し得る。例えば、回転中において、鍍金部871aの中心部に光LD1が照射される場合があれば、同じLEDから照射される光LD1が鍍金部871aの中心部からずれた位置に照射される場合も生じ得る。そのため、対策なしでは、光LD1による第1覆設部875の明るさの程度が装飾部材870,880の回転により変化し易くなり、一定明るさで発光させながら装飾部材870,880を一体回転動作させる演出を実行することが困難となる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、光LD1を反射可能に構成される鍍金部871aの形状が凹面形状とされ、この凹面形状の曲率半径は、電飾基板823の半径よりも小さくなるように形成され、且つ、その中心が正面視で第1覆設部875の中心部付近に配置されるよう設計される。
光LD1は外側発光部823bが配置される円の外径方向に光軸を向けるように配置されるので、光LD1は、鍍金部871aの凹面形状に反射されることで、その曲率半径の中心側へ向けて進行することになり、第1装飾部材870の各第1覆設部875の中央付近を照らす。
従って、外側発光部823bを基準とした鍍金部871aの配置によらず、複数の光LD1を、第1覆設部875の中央付近を照らすように反射することができる。これにより、第1覆設部875の前板部の中央付近に光を安定的に照射することができるので、一体回転動作中においても、第1覆設部875を均一な明るさで視認させることができる。
更に、第1骨格部871は、鍍金部871aへの鍍金処理と同様に鍍金処理が行われる部分であって、正面視で第1覆設部875の外方に配置される外鍍金部871bを備える。光LD1は、鍍金部871aと同様に外鍍金部871bでも反射されることになるが、鍍金部871aの配置に比較して外鍍金部871bが後方に配置されていることから、外鍍金部871bの光方の程度を弱めることができる。
これにより、第1覆設部875の外方において視認される光の強度が強すぎて、遊技者が眩しく感じ、第1覆設部875の枠の内側の視認性を低下させる事態を回避することができる。
電飾基板823は第1装飾部材870及び第2装飾部材880に前後から挟まれているが、つなぎ目において完全に閉塞されているものではないので、外側発光部823bからの光の全てがその内側に照射されるものではない。
まず、第1覆設部875の部材縁部875aと、その部材縁部875aに対向配置される第2覆設部885の部材縁部885aとの間には、図69において内部構造が視認可能な程度の隙間VA1が形成されている。この隙間VA1を通って外鍍金部871bが第1覆設部875の枠外方へ張り出しているので、隙間VA1を通った光LD1を外鍍金部871bで反射させることができる。
その上、金属棒832と対向配置される第1覆設部875の部材外端部875bと、第2覆設部885の部材外端部885bとの間には、金属棒832との部材干渉を避けるために要する領域を超える大きな隙間VA2が形成される。
隙間VA2は、第1に、金属棒832と装飾部材870,880との衝突を回避することで、金属棒832の長さを十分に確保できるようにし、金属棒832により直動部材833及び回転部材834の直動変位を案内する機能を確保できるようにする目的で形成される。
隙間VA2は、第2に、骨格部871,881に挿通される締結ネジであって、回転部材834の円筒状突設部834bに螺入されることにより装飾部材870,880を回転部材834に締結固定するための締結ネジの組み付け経路を確保できるようにする目的で形成される。
更に、隙間VA2は、第3に、骨格部871,881の透明部分を通過した光を進行させるための、光の通り道を確保できるようにする目的で形成される。装飾部材870,880は円周上に等間隔で配置されていることから、隙間VAを通り外方へ進行する光は、円周上の等間隔位置を通り、その円の中心から放射状に進行する光として視認される。
そのため、装飾部材870,880の一体回転動作を実行することで、隙間VA2を通過する光も同じように回転させることができる。これにより、外側発光部823bからの光の点灯態様を制御することを不要としながら(例えば、全点灯を継続したままで)、第3動作ユニット800の回転中心から径方向に放射状に出る光が回転する発光態様で視認される発光演出を実行することができる。
一連合体状態(図32参照)では、第2骨格部881の全体が透光性の樹脂材料から形成されていることにより、第2骨格部881による光LD1の反射作用を抑えている。
これにより、第2覆設部885の枠内に照射されるのは、光LD1の内、光軸から離れた光(弱い光)とすることができるので、第2覆設部885の光らせ方の度合いを弱くすることができる。一方で、光LD1の光軸方向の光は、隙間VA2を抜けるので、第3動作ユニット800の回転中心から径方向に放射状に出る光の強度を向上させることができる。
第2覆設部885の枠内には、有色(本実施形態では、円状体の色味として任意の色で設定)で光透過性の樹脂材料から形成され、内側に光拡散加工が形成される光拡散装飾部885cが円周方向に亘って配設される。そのため、光LD1の内、光拡散装飾部885cに入射した光は屈折され、光拡散装飾部885cの全体を面発光させるように作用する。
この面発光により、円周方向に亘って配設される光拡散装飾部885cを介して視認される光の均一化を図ることができ、5個の第2装飾部材880の各光拡散装飾部885cが遊技者に一体的に視認される効果を生じさせることができる。
ここで、複数の第2覆設部885同士を強固に一体化できる方が、第2覆設部885を遊技者に視認させる時の演出性能を向上させることができることは上述した通りであり、この一体化を、光拡散装飾部885cが円周方向に亘って連続的に繋がっているように視認させることで行うことができる。従って、第2覆設部885が正面側に配置されている場合の合体状態における演出性能を向上させることができる。
第2覆設部885の部材外端部885bは、金属棒832と対向する凹形状に形成されており、第1覆設部875の部材外端部875bと近接(当接)する端面885b1は、金属棒832が配設される平面を基準として第1装飾部材870側に張り出している。
これにより、一連合体状態(図32参照)において第3動作ユニット800を斜め方向から視た際に、背面側に配置される第1装飾部材870の第1覆設部875が遊技者の視界に入る程度を下げることができ、演出に与える影響を低減することができる。
これにより、第1覆設部875の枠部と、第2覆設部885の枠部とが、異なる色味で着色されている場合に、第2覆設部885が前側に配置されている時に、第1覆設部875の色味が視界に入ることを防止し易くすることができる。
特に、一連合体状態で、第3動作ユニット800を単独で張出状態とする場合には(図32参照)、他の動作ユニット600,700を共に張出状態とする場合に比較して(図33,F9参照)、第3動作ユニット800の周りに隙間が多く、第3動作ユニット800を斜め方向から視る視線が通り易い。そのため、対策なしでは、第3動作ユニット800の側面が視認されることで、演出効果を低下させ易い。
これに対し、本実施形態によれば、一連合体状態において、第2覆設部885の端面885b1を側面の前後幅の中央よりも後方寄りに配置しているので、斜め方向視で第3動作ユニット800の側面が視認されたとしても、側面の大部分を第2覆設部885の部分として視認させることができ、第1覆設部875が視認される程度を低くすることができる。これにより、一連合体状態において、第1覆設部875よりも、第2覆設部885を見せ易くすることができ、演出効果を向上することができる。
個別合体状態と一連合体状態とを切り替える切替回転動作では、駆動モータ861の駆動力が内側回転部材830に伝達されることで内側回転部材830は回転動作する一方で、外側回転部材840はトルクリミッタ866からの負荷により回転が止められる。
摺動突条部831bで接触面積の低減を図ってはいるが、内側回転部材830自体の回転抵抗が大きい場合には、外側回転部材840へ伝達される負荷は大きくなってしまい、トルクリミッタ866の負荷伝達の許容値を大きくせざるを得ず、トルクリミッタ866の小形化を阻害し易い。
そのため、内側回転部材830の回転抵抗を抑制できることが好ましい。そのために、本実施形態では、以下のような特徴を備えている。例えば、内側回転部材830の回転に係る固定円筒部材820との間の支持箇所は、摺動部材825と接触する前側端部と、中央円環ギア864に支持される後側端部のみであり、その他の部分では隙間を空けるように構成している。これにより、固定円筒部材820と内側回転部材830との間の接触面積を低減することができ、変位抵抗を低減し易く構成できる。
例えば、内側回転部材830は、中央円環ギア864に締結固定されているわけでは無いので、中央円環ギア864を基準とした前側への変位を抑制するためのストッパが必要と考えられるところ、摺動部材825がこのストッパの機能を果たしている。即ち、摺動部材825には内側回転部材830から前側へ押進する方向の負荷を受け得るが、摺動部材825は、その板前面が円形板部822の短径環状部822aと前後で当接する。
短径環状部822aは、外径が摺動部材825の外径と同程度の円環状突部として円形板部822の背面側に配設され、その最外径部において断面半円形状で背面側に突設される突条部822bが円環状に形成される。
この突条部822bが、摺動部材825の前面と前後方向で当接するので、短径環状部822aの背面全体と摺動部材825とが接触する場合に比較して、接触面積を低減することができる。これにより、内側回転部材830の回転方向の変位抵抗を低減することができる。
なお、内側回転部材830及び中央円環ギア864の間で締結ネジを用いていないので、その分、締結ネジの重量増加があった場合に想定される内側回転部材830の変位抵抗を削減することができる。
回転部材834に対する第1装飾部材870及び第2装飾部材880の固定について説明する。この固定の説明に当たっては、図62及び図63を適宜参照する。
第1装飾部材870の回転部材834への固定は、第1骨格部871の挿通孔872に挿通される締結ネジを第1覆設部875の枠後部に形成される被締結部876の雌ネジに螺入することで第1覆設部875を第1骨格部871に締結固定した状態とした後、第1骨格部871の半円状凹設部の端部から張り出す張出部873を凹設溝833dに進入させ(摺動可能に外嵌させ)、挿通孔874に挿通させた締結ネジを円筒状突設部834bに螺入させることで行うことができる。
第2装飾部材880の回転部材834への固定は、第2骨格部881の挿通孔882に挿通される締結ネジを第2覆設部885の枠後部に形成される被締結部886の雌ネジに螺入することで第2覆設部885を第2骨格部881に締結固定した状態とした後、第2骨格部881の半円状凹設部の端部から張り出す張出部883を凹設溝833dに進入させ(摺動可能に外嵌させ)、挿通孔884に挿通させた締結ネジを円筒状突設部834bに螺入させることで行うことができる。
このようにして、第1装飾部材870及び第2装飾部材880を回転部材834に締結固定することができ、回転部材834の直動変位または回転変位に伴い、第1装飾部材870及び第2装飾部材880が直動変位または回転変位するように構成することができる。
固定の過程において、張出部873,883が直動部材833の凹設溝833dに進入することで、骨格部871,881の直動部材833上の配置(金属棒832の長尺方向の配置)が規定され、骨格部871,881が直動部材833から脱落することを防止することができる。
そして、骨格部871,881は回転部材834に締結固定されているので、回転部材834についても同様に、直動部材833上の配置(金属棒832の長尺方向の配置)が規定され、回転部材834が直動部材833から脱落することを防止することができる。
このように、本実施形態では、回転部材834の直動部材833への組み付けにおいて、直動部材833上の回転部材834の配置を規定する部分が回転部材834に固定される骨格部871,881に形成されるので、直動部材833上の配置を規定する部分が回転部材834自体に形成される場合と異なり、組み付けや分解の工数を減らすことができる。
即ち、例えば分解時においては、骨格部871,881を回転部材834に締結固定している締結ネジを取り外せば、骨格部871,881の直動部材833上の配置の規定を解除することができるだけでなく、回転部材834についても直動部材833上の配置の規定を解除することができる。これにより、作業効率を向上することができる。
図70及び図71を参照して、各動作ユニット600~800の組み合わせ動作について説明する。図70(a)から図70(d)、図71(a)から図71(d)は、各動作ユニット600~800の組み合わせ動作の例を時系列に沿って模式的に説明する動作ユニット500の正面模式図である。なお、図70及び図71の説明では、図33から図35を適宜参照する。
図70及び図71では、第1動作ユニット600の各演出面661a~661c、第2動作ユニット700の各装飾面787a1,787a2,787b1,787b2及び第3動作ユニット800の各覆設部875,885における装飾が、文字などで識別可能に模式的に図示される。
即ち、第1演出面661aには、縦書きで「ノーマル」との文字が、第2演出面661bには、横書きで「発動」との文字が、第3演出面661cには、長手方向に沿って「!」の記号が、それぞれ図示されている。
また、第1主装飾面787a1には、「開戦」との文字が、第1副装飾面787a2には、「ピンチはチャンス」との文字が、第2主装飾面787b1には、「攻撃」との文字が、第2副装飾面787b2には、「忍耐!?」との文字が、それぞれ図示されている。
また、第1覆設部875の枠の内側には異なるキャラクターに対応する異なる英数字(「I」~「V」)が図示され、第2覆設部885には5個で一体の「○」記号が図示されている。
図70(a)では、各動作ユニット600~800が、それぞれ演出待機状態に配置されている(図28参照)。なお、第2動作ユニット700の上方には、正面視では見えないものの遊技者目線で視認可能な面としての第1副装飾面787a2が想像線で図示される。
また、図70(b)では、第1動作ユニット600が中間演出状態とされ、第2動作ユニット700が中間演出状態とされ、第3動作ユニット800が張出状態とされている。
第3動作ユニット800の一体回転動作を実行することで、第2動作ユニット700に近接配置される第1装飾部材870の第1覆設部875を次々に入れ替えることができる。また、一体回転動作の継続中や、停止後に、第1動作ユニット600を中間演出状態とすることで、センターフレーム86の枠内部に第3演出面661cを張り出させ、動作ユニット600~800の動きを賑やかにすることができる。
例えば、第3演出面661cが視認可能な場合に、抽選の大当たり期待度が上昇するよう演出を制御することにより、第1動作ユニット600の動作を視認した遊技者の興趣の向上を図ることができる。
一体回転動作が停止された際には、第2動作ユニット700の第1主装飾面787a1に形成される装飾と、第2動作ユニット700に近接配置される第1装飾部材870に形成される装飾とを、一体的に視認させることができる。
これにより、第2動作ユニット700に近接配置される第1装飾部材870に対する注目力を向上させることができ、その第1装飾部材870に形成される装飾に関連する表示演出を第3図柄表示装置81で開始しながら第3動作ユニット800を演出待機状態に戻すことにより、遊技者の視線を第3図柄表示装置81へスムーズに誘導することができる。
注目させる第1装飾部材870としては、第2動作ユニット700に近接配置される第1装飾部材870に限定されるものではない。例えば、第1装飾部材870に光を照射可能に配設される外側発光部823b(図60参照)の点灯パターンを制御することにより、注目させる第1装飾部材870側へ光LD1を照射するLEDを点灯させ、その他のLEDを消灯させることで、任意の第1装飾部材870に注目させることが可能である。
この時、第1装飾部材870の一体回転動作を停止させた状態でLEDの点灯パターンを切り替えても良いし、第1装飾部材870の一体回転動作に合わせてLEDの点灯パターンを切り替えても良い。
第1装飾部材870の一体回転動作に合わせてLEDの点灯パターンを切り替える場合には、点灯させるLEDを回転方向で順次切り替えるようにして、光および第1装飾部材870が同軸円に沿って回転変位しているように遊技者に視認させても良い。また、点灯させるLEDは固定しておき、そのLEDから光を照射される位置に各第1装飾部材870が一体回転動作により順番に到達することを利用して、光が照射される第1装飾部材870を切り替えるようにしても良い。
図70(a)に示す状態では、第1動作ユニット600の第2装飾回転部材660及び装飾固定部材670が、共に縦長に形成される装飾を備えており一体的に視認させることができる。特に、装飾固定部材670の前側面が、演出待機状態における第1演出面661aと同様に、斜め方向を向く面として形成されていることにより、一体的に視認される作用が高められている。
一方、図71(a)に示す状態になると、図70(b)に示す途中経過で第2装飾回転部材660の下端部が装飾固定部材670と離れるように変位することに加え、第1動作ユニット600の第2装飾回転部材660は横長に形成される装飾となることから装飾固定部材670との一体感が低下し、今度は、同様に横長に形成される装飾を備える第2動作ユニット700の覆設部材787と一体的に視認させることができる。
図35では第2動作ユニット700の中間演出状態が図示されているが、図71(a)に図示されるように、第2動作ユニット700を張出状態とすれば、覆設部材787と第2装飾回転部材660との上下間隔が更に縮まり、一体的に視認される作用を高めることができる。
この時、張出装飾部652bが視認可能な位置に張り出しており、第3図柄表示装置81の右縁が領域右端RE1よりも右方に拡大しているように視認させる上述の作用により、第2演出面661bの配置が右縁寄りであっても窮屈な印象を遊技者に与えることを防止できる。
また、これにより、第2主装飾面787b1と同様に、第2演出面661bも第3図柄表示装置81の中央側に配置されているように遊技者に視認させることができ、第2主装飾面787b1と第2演出面661bとが一体的に視認される作用を高めることができる。
この場合において、張出装飾部652bの装飾を、第2演出面661bの装飾や、第2主装飾面787b1(第1主装飾面787a1)の装飾と関連する内容で形成することで、第2主装飾面787b1(第1主装飾面787a1)、第2演出面661b及び張出装飾部652bが一体的に視認される作用を高めることができる。
図70(c)及び図70(d)では、第1動作ユニット600及び第3動作ユニット800が演出待機状態とされ、第2動作ユニット700が張出状態とされている。第2動作ユニット700の反転動作について図70(d)に図示するが、第1動作ユニット600の張出状態において第2装飾回転部材660は、第2動作ユニット700の覆設部材787の左右外側に配置されるものでは無いので、第1動作ユニット600を張出状態としたままでも、覆設部材787の反転動作(図59参照)を実行することができる。
覆設部材787の反転動作においては、左右が異なる副装飾面787a2,787b2を正面側に向けることになるので、識別力を有しない状態とできることについて上述したが、図70(d)に示すように、異なる副装飾面787a2,787b2が組み合わさることで遊技者が内容を識別可能に構成しても良い。
図70(d)によれば、「ピンチ!?」との内容を遊技者が識別でき、この状態で第2動作ユニット700の駆動を停止させることで第2動作ユニット700のその後の動きに注目させることができるので、遊技者の視線を第2動作ユニット700に集めることができる。
例えば、抽選がはずれであることを報知する場合に、図70(d)の状態から図70(c)に戻すように制御し、抽選結果について未だ報知しない場合や抽選が大当たりであることを報知する場合に、図70(d)の状態から反転を継続し図71(a)に示す状態とするような制御を行うことで、遊技者の視線を第2動作ユニット700に集めることができる。
図71(a)では、第1動作ユニット600及び第2動作ユニット700が張出状態とされ、第3動作ユニット800が演出待機状態とされる。なお、第2動作ユニット700の上方には、正面視では見えないものの遊技者目線で視認可能な面としての第2副装飾面787b2が想像線で図示される。
図71(a)に示す状態では、第2演出面661bと、第2主装飾面787b1とが、近接配置され、それぞれに記載される文字が共に横書きであるので、遊技者に一体的に視認させ易い。また、その内容は、「攻撃発動」との一連の意味を成す内容となるので、尚更、一体的に視認させ易い。
第1動作ユニット600は、演出待機状態(図70(a)参照)においては、第1演出面661aと、装飾固定部材670とが、近接配置され、それぞれに記載される文字が共に縦書きであるので、遊技者に一体的に視認させ易い。また、その内容は、「ノーマルタイム」との一連の意味を成す内容となるので、尚更、一体的に視認させ易い。
このように、本実施形態では、第1動作ユニット600の各演出面661a,661bを、異なる部材の側面(例えば、第2主装飾面787b1又は装飾固定部材670の前面)と一体視させるように構成している。これにより、演出効果を向上することができる。
図71(b)から図71(d)では、第1動作ユニット600及び第2動作ユニット700が演出待機状態とされ、第3動作ユニット800が張出状態とされる。図71(b)に示す状態と、図71(c)に示す状態とは、第3動作ユニット800が一体回転動作を実行されることにより、第1装飾部材870の配置が異なる。一方で、いずれの状態から切替回転動作が実行されたとしても、遊技者に対して同一の一連合体状態として視認させることができる(図71(d)参照)。
即ち、第2装飾部材880が正面側を向く状態では、第1装飾部材870の配置の違いを遊技者が認識することはできないように構成されている。これにより、第3動作ユニット800の動作制御として、図柄変動中に第3図柄表示装置81で表示される表示演出の終盤に切替回転動作が実行されることで大当たりの当否を報知するよう設定される場合において、第1装飾部材870の配置から大当たりの当否の報知の有無を遊技者に予想されることを回避することができる。
換言すれば、表示演出の終盤における第1装飾部材870の配置に寄らず(図71(b)に示す状態であっても図71(c)に示す状態であっても)、大当たり当否の遊技者の期待感を、同様に保つことができる。従って、第3動作ユニット800に対する遊技者の注目力を高い状態で維持し続けることができる。
上述のように、各動作ユニット600~800は、装飾を単独で視認される場合と、組み合わせで一体的に視認される場合とを形成可能とされる。そのため、各動作ユニット600~800に形成される装飾は、各動作ユニット600~800のみで完結するのではなく、各動作ユニット600~800同士で互いに関連する装飾として設計される。
各動作ユニット600~800の駆動制御は、その実行の可否が互いの配置に影響される。即ち、不適切なタイミングで各動作ユニット600~800の駆動を実行すると、部材動作が衝突し故障する可能性があるので、駆動制御に当たっては、他のユニットの部材の配置を判定した上で行うように制御される。
例えば、第1動作ユニット600の張出状態への変化は、第2動作ユニット700の状態は任意で良く、第3動作ユニット800は演出待機状態と判定されている場合に実行されるよう制御される。
第1動作ユニット600の中間演出状態への変化は、第2動作ユニット700の状態は任意で良く、第3動作ユニット800の上下配置は任意で良く、回転動作は切替回転動作が生じていないと判定されている場合に実行されるよう制御される。
第2動作ユニット700の張出状態への変化は、第1動作ユニット600の状態は任意で良く、第3動作ユニット800は演出待機状態と判定されている場合に実行されるよう制御される。
第2動作ユニット700の中間演出状態への変化は、第1動作ユニット600の状態は任意で良く、第3動作ユニット800の上下配置は任意で良く、回転動作は切替回転動作が生じていないと判定されている場合に実行されるよう制御される。
第3動作ユニット800が張出状態へ変化し、回転は実行されないか一体回転動作のみが生じる制御は、第1動作ユニット600が中間演出状態または演出待機状態と判定され、第2動作ユニット700が中間演出状態または演出待機状態と判定される場合に実行される。
第3動作ユニット800が張出状態へ変化し、切替回転動作が生じる制御は、第1動作ユニット600が演出待機状態と判定され、第2動作ユニット700が演出待機状態と判定される場合に実行される。
上述のように、各動作ユニット600~800の駆動制御は、任意のタイミングで可能とされるものではなく、他のユニットの部材の配置を判定した上で実行されるよう制御される。
次いで、図72から図87を参照して、第2実施形態におけるセンターフレームC86について説明する。
第1実施形態では、センターフレーム86が一部品から構成される場合を説明したが、第2実施形態におけるセンターフレームC86は、上側フレームC86aと下側フレームC86bとの2部材から構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図72は、第2実施形態における遊技盤C13の正面図である。図72に示すように、センターフレームC86は、ベース板60の窓部60a(図7参照)に嵌合可能な形状で構成され、タッピングネジ等によりベース板60に締結固定される部材であり、上側フレームC86aと下側フレームC86bとを備える。
上側フレームC86aは、ベース板60の窓部60a(図7参照)における上側(図72上側)及び左右(図72左側及び右側)の内縁に沿って配設され、下側フレームC86bは、ベース板60の窓部60aにおける下側(図72下側)の内縁に沿って配設される。これら上側フレームC86a及び下側フレームC86bに取り囲まれた領域を介して第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
なお、上側フレームC86aは、第1実施形態におけるセンターフレーム86の一部(ベース板60の窓部60a(図7参照)における下側(図72下側)の内縁に沿って配設される部分、即ち、下側フレームC86bが配設される部分)を省略した構成とされ、その省略された部分を除く他の部分は、第1実施形態におけるセンターフレーム86と同一の構成とされる。
次いで、下側フレームC86bについて説明する。図73は、下側フレームC86bの正面斜視図であり、図74は、下側フレームC86bの背面斜視図である。なお、図73及び図74では、ベース板60の一部のみが部分的に図示されると共に、ベース板60に下側フレームC86bを締結固定するタッピングネジの図示が省略される。
図73及び図74に示すように、下側フレームC86bには、球を受け入れ可能な開口として形成される受入口COPinと、その受入口COPinに連通される第1通路CRt1と、その第1通路CRt1を案内された球が流下される第2通路CRt2と、その第2通路CRt2を案内された球(第2通路CRt2をその長手方向に沿って往復動した球)が流下される第3通路CRt3と、その第3通路CRt3を案内された球が振分部材C170により振り分けられて流下される第4通路CRt4及び第5通路CRt5と、第4通路CRt4を案内された球が流下される第6通路CRt6と、第5通路CRt5を案内された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口COPoutとが形成される(図81及び図82参照)。
なお、上側フレームC86aには、上側フレーム通路CRt0(図72参照)が形成される。上側フレーム通路CRt0は、遊技領域のうちの正面視左側(図72左側)の領域(センターフレームC86(上側フレームC86a)とレール61との間の領域)から流入(入球)された球を案内する通路であり、その上側フレーム通路CRt0の下流端に下側フレームC86bの受入口COPinが連通される。
即ち、遊技領域から上側フレーム通路CRt0に流入(入球)した球は、受入口COPinを介して、上側フレーム通路CRt0から下側フレームC86bの第1通路CRt1へ流入(入球)される。
下側フレームC86bには、球の重さにより動作する振分部材C170が配設されており(図81及び図82参照)、連なった状態の球が第3通路CRt3を案内される場合には、先行する球が第4通路CRt4へ振り分けられる一方、後行する球が第5通路CRt5へ振り分けられる。なお、球の連なる間隔が所定量よりも大きい場合は、先行する球および後行する球の両球が第4通路CRt4へ振り分けられる。
ここで、第5通路CRt5の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口COPoutは、第1入賞口64(図72参照)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第5通路CRt5へ振り分けられた球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
一方、第6通路CRt6には、その第6通路CRt6を案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として、第1入賞口64の鉛直方向上方となる位置に中央流出面C181が形成(配置)されるだけでなく、第1入賞口64の鉛直方向上方から遊技盤13の幅方向(図72左右方向)に位置を異ならせた2箇所に、側方流出面C182が形成(配置)される。また、第6通路CRt6には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C182が形成され、起伏の頂部に中央流出面C181が形成される。
そのため、第4通路CRt4へ振り分けられた球は、第6通路CRt6において、中央流出面C181から遊技領域へ流出する確率よりも、側方流出面C182から遊技領域へ流出する確率が高く、結果として、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した第5通路CRt5へ振り分けられた球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
このように、本実施形態における下側フレームC86bは、連なった状態の球が第3通路CRt3へ流入された場合に、先行する球は通常の通路(第4通路CRt4)へ振り分けられる一方、後行する球が第1入賞口64に入賞し易い通路(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させる通路(第5通路CRt5))へ振り分けられる。よって、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、球が連なった状態が形成されることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図73から図74に加え、図75から図87を参照して、下側フレームC86bの詳細構成について説明する。
図75は、下側フレームC86bの分解正面斜視図であり、図76は、下側フレームC86bの分解背面斜視図である。図77は、下側フレームC86bの上面図であり、図78は、下側フレームC86bの正面図であり、図79は、下側フレームC86bの背面図である。図80(a)は、図78の矢印LXXXa方向視における下側フレームC86bの側面図であり、図80(b)は、図78の矢印LXXXb方向視における下側フレームC86bの側面図である。
図81及び図82は、図77のLXXXI-LXXXI線における下側フレームC86bの断面図であり、図83は、図78のLXXXIII-LXXXIII線における下側フレームC86bの断面図である。図84(a)は、図81のLXXXIVa部における下側フレームC86bの部分拡大断面図であり、図84(b)は、図77のLXXXIVb-LXXXIVb線における下側フレームC86bの部分拡大断面図である。なお、図81では、振分部材C170が第1位置に配置された状態が、図82では、振分部材C170が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図73から図84に示すように、下側フレームC86bは、正面部材C110と、その正面部材C110の長手方向一側(矢印L方向側)に配設される皿部材C120と、正面部材C110の背面(矢印B方向側の面)に所定間隔を隔てて対向配置される背面部材C130と、その背面部材C130の正面(矢印F方向側の面)に配設される第1中間部材C140と、背面部材C130の正面(矢印F方向側の面)に所定間隔を隔てて対向配置される第2中間部材C150と、背面部材C130及び第2中間部材C150の対向間に介設される第1介設部材C160及び振分部材C170と、正面部材C110並びに第1及び第2中間部材C140,C150の対向間に介設される第2介設部材C180と、背面部材C130の背面に配設される装飾部材C190及び迂回部材C200と、を備える。
なお、下側フレームC86bは、各部材どうしが、それぞれタッピングネジにより締結固定されると共に、振分部材C170及び装飾部材C190が背面部材C130に回転可能に軸支されることで、一つ(単体)のユニットとして構成される(図73参照)。
また、下側フレームC86bは、振分部材C170及び装飾部材C190を除く他の部材が光透過性(即ち、背面側の部材や球を透視可能な透明)の樹脂材料から構成され、振分部材C170及び装飾部材C190が有色の樹脂材料から構成される。よって、第1通路CRt1から第6通路CRt6を通過する球を遊技者に視認させると共に、振分部材C170による振り分け動作とその動作に伴う装飾部材C190の変位を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、下側フレームC86bは、第1中間部材C140または第2中間部材C150の少なくとも一方または両方が光透過性の樹脂材料から構成されていれば足りる。第3通路CRt3における球の連なり状態(先行する球と後行する球の間隔が所定量よりも小さい間隔か否か)と、振分部材C170による振り分け動作との少なくとも一方または両方を遊技者に視認させられる一方で、後行する球が振分部材C170により第5通路CRt5に振り分けられたことを視認できれば、かかる球は流出口COPoutから第1入賞口64へ高確率で(本実施形態ではほぼ全球が)入球するため、第5通路CRt5を案内される球を遊技者に視認させなくても足りるためである。
なお、振分部材C170及び装飾部材C190は、光透過性(又は有色)の樹脂材料から構成され、その正面に塗装を施したもの、或いは、シールを添付したものであっても良い。
また、一方で、第1中間部材C140及び第2中間部材C150の少なくとも一方または両方が有色の樹脂材料から構成される、或いは、第1中間部材C140及び第2中間部材C150の少なくとも一方または両方に塗装が施されたりシールが添付されていても良い。即ち、第3通路CRt3を通過する球や振分部材C170が正面側から遊技者に視認不能となるように構成されていても良い。
正面部材C110は、正面を形成する板状の正面部C111と、その正面部C111の背面から立設される板状の底面部C112と、それら正面部C111及び底面部C112の長手方向一側(矢印L方向側)に配設される連結部C113とを備える。
正面部C111には、その正面部C111の下側(矢印D方向側)の外縁に沿って複数の挿通孔C111aが板厚方向に穿設される。下側フレームC86bは、組み立てた状態(ユニット化された状態)で、ベース板60の正面から窓部60aに嵌め込まれ、挿通孔C111aに挿通したタッピングネジがベース板60に締結されることで、ベース板60に固定(配設)される。
正面部C111には、第1入賞口64(図72参照)の鉛直方向上方となる位置に流出口COPoutが開口形成(板厚方向に穿設)される。流出口COPoutは、上述したように、第5通路CRt5を案内された球が遊技領域へ流出される際の出口となる開口である。
底面部C112は、その上面に第2介設部材C180の底面が対向配置され、底面部C112と第2介設部材C180(凹部C183)との対向間に第5通路CRt5の一部が形成される。よって、例えば、第2介設部材C180に貫通形成した貫通孔を第5通路CRt5の一部とする場合と比較して、構造を簡素化して、製品コストを抑制できる。
底面部C112は、正面部C111の長手方向全域にわたって連続的に形成され、その底面部C112の立設先端(矢印B方向側)が、第1中間部材C140及び第2中間部材C150の正面に当接される。これにより、針金等の異物の侵入が抑制される。
連結部C113には、受入口COPinが開口形成(板厚方向に穿設)される。受入口COPinは、上述したように、上側フレームC86aの上側フレーム通路CRt0から球を受け入れる開口である。なお、ベース板60にセンターフレームC86を取り付けた(配設した)状態では、上側フレームC86aの背面が正面部C111及び連結部C113の正面に重ね合わされ、両者がタッピングネジにより締結固定される。これにより、上側フレーム通路CRt0の下流端と受入口COPinとが連通される。
皿部材C120は、通路の底面を形成する上側底面部C121及び下側底面部C122と、通路の側壁を形成する上側側壁部C123及び下側側壁部C124とを備える。
上側底面部C121は、上面視において略直線状の通路として左右方向(矢印F-B方向)に沿って延設されると共に、受入口COPinから離間する方向(矢印R方向)へ向けて下降傾斜して形成される。なお、上側底面部C121は、受入口COPinよりも鉛直方向下方(矢印D方向側)に位置し、上側フレーム通路CRt0との間に鉛直方向の段差が形成される。即ち、皿部材C120は、上側フレーム通路CRt0から上側底面部C121へ球を自由落下させる構成とされる。
上側底面部C121には、その幅方向(矢印L-R方向)中央に断面コ字状の凹溝C121aが凹設される(図84参照)。凹溝C121aは、前後方向(矢印F-B方向)に沿って直線状に延設される。凹溝C121の溝幅(矢印L-R方向の寸法)は、球の直径よりも小さくされると共に、凹溝C121aの溝深さ(矢印U-D方向の寸法)は、凹溝C121aの底面に球が接触しない深さに設定される。
これにより、上側底面部C121上の球を2箇所(上側底面部C121と凹溝C121aとが交わる一対の稜線部分)で支持することができる。よって、凹溝C121aが非形成の場合(即ち、1箇所のみで球を支持する場合)と比較して、球と通路との接触面積を大きくできる。よって、上側フレーム通路CRt0から落下した球の衝撃を緩衝する(受け止める)と共に、球が転動する際の抵抗を大きくできる。
上述のように、上側フレーム通路CRt0から上側底面部C121へ球を落下させると共に、上側底面部C121上の球を2箇所で支持する構成とすることで、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側フレーム通路CRt0から上側底面部C121(第1通路CRt1)へ流入(落下)する場合に、上側底面部C121(第1通路CRt1)において、先行する球の流下を遅らせて、後行する球を先行する球に追いつかせ易くできる。よって、先行する球と後行する球との間隔を減少させることができる。
上側側壁部C123は、上側底面部C121(第1通路CRt1)の上流側および下流側の端部と、上側底面部C121(第1通路CRt1)の通路幅とをそれぞれ区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
上側側壁部C123には、上側底面部C121(第1通路CRt1)の下流側の端部に切り欠き部C123aが切り欠き形成され、この切り欠き部C123aを介して、上側底面部C121(第1通路CRt1)から下側底面部C122(第2通路CRt2)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C122は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印F-B方向)に沿って延設されると共に、その延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図84(b)参照)。
下側側壁部C124は、下側底面部C122(第2通路CRt2)の長手方向(球を案内する方向)における一端側および他端側の端部と、下側底面部C122(第2通路CRt2)の通路幅とをそれぞれ区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
下側底面部C122は、上面視において、上側底面部C121と平行に並設され、上側底面部C121の下流端(矢印B方向側の端部)と下側底面部C122の長手方向における一端側(矢印B方向側の端部)とが隣り合う位置に配設される。
上側側壁部C123における切り欠き部C123aに対応する位置では、下側側壁部C124が非形成とされ、上述したように、切り欠き部C123aを介して、上側底面部C121(第1通路CRt1)から下側底面部C122(第2通路CRt2)へ球が流下可能とされる。
下側側壁部C124には、円弧状に湾曲した下側底面部C122の底部(鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に対応する位置に切り欠き部C124aが切り欠き形成され、この切り欠き部C124aを介して、下側底面部C122(第2通路CRt2)から底面部C142(第3通路CRt3)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C122は、上述したように、円弧状に湾曲して形成され、その上昇傾斜側(下側底面部C122の長手方向における一端側)に上側底面部C121(第1通路CRt1)から球が流下されるので、かかる流下された球を、下側底面部C122(第2通路CRt2)の長手方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、切り欠き部C124aから底面部C142(第3通路CRt3)へ球を流下させることができる。
これにより、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側底面部C121(第1通路CRt1)から下側底面部C122(第2通路CRt2)へ流入する場合に、下側底面部C122(第2通路CRt2)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。
下側底面部C122には、切り欠き部C124aに対応する位置(即ち、鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に流出面C122aが凹設される。流出面C122aは、下側底面部C122(第2通路CRt2)を案内される球を、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出させるための部位であり、底面部C142(第3通路CRt3)へ向けて下降傾斜する凹面として形成される。
よって、下側底面部C122を往復動した後、その転動速度が低下した球を、流出面C122aを利用して、底面部C142(第3通路CRt3)へスムーズに流出(流下)させることができる。即ち、下側底面部C122(第2通路CRt2)における往復動を利用して、先行する球と後行する球との間隔が減少された球(連なった状態の球)を、その連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させることができる。
なお、流出面C122aは、上面視において、その凹面の幅(下側底面部C122を往復動する球の転動方向に沿う方向の寸法、矢印F-B方向の寸法)が、切り欠き部C124aに近い側ほど大きい形状に形成される(図77参照)。
また、上面視において、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C124に球を当接させた状態では、球が流出面C122a上を転動する(横切る)。即ち、下側底面部C122(第2通路CRt2)を転動(往復動)する球が、切り欠き部C124aから最も離間した位置(球の側方の頂部を下側側壁部C124に当接させる位置)を転動する状態でも、上面視において、球の中心と重なる範囲まで流出面C122aが形成される(球が下側底面部C122を転動する際の球の下方の頂部の軌跡である転動線が流出面C122aを横切る)。
一方で、下側底面部C122に流出面C122aが凹設(形成)されていると、下側底面部C122(第2通路CRt2)に流下した球が、かかる下側底面部C122(第2通路CRt2)を一度も往復動することなく、又は、十分な回数だけ往復動する前に、流出面C122aの傾斜の作用により、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)する虞がある。即ち、先行する球と後行する球との間隔を減少させず、両球が間隔を隔てたまま底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)する虞がある。
これに対し、本実施形態では、下側底面部C122が切り欠き部C124aから離間する方向(矢印L方向)へ向けて下降傾斜して形成される(図84参照)。これにより、下側底面部C122の傾斜の作用により、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C124に球を押し付けつつ、かかる球を下側底面部C122(第2通路CRt2)で転動(往復動)させることができる。
これにより、球の転動速度が十分に低くなる前に、球が流出面C122aの傾斜の作用で底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)することを抑制できる。即ち、球の転動速度が十分に低くなるまでの間、流出面C122aを乗り越え易く(横切らせ易く)して、下側底面部C122(第2通路CRt2)に沿って球を十分に往復動させ易くできる。その結果、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことを確実化できる。
なお、下側底面部C122の円弧形状(下側底面部C122の延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状であって、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧形状、図84(b)参照)は、その長手方向の一端側および他端側における円弧形状の半径が、それら一端側および他端側の間の領域(流出面C122aを含む領域)における円弧形状の半径よりも小さくされる。即ち、流出面C122aを含む領域における円弧形状の半径が大きくされる。
これにより、初期段階(長手方向の一端側および他端側またはその近傍まで球が往復動する段階)では、球を往復動させ易くすると共に先行する球に後行する球を追いつかせ易くしつつ、往復動する球の転動速度が低くなった段階(長手方向の一端側および他端側またはその近傍までは球が到達せず、流出面C122aを含む比較的狭い領域で球が往復動する段階)では、先行する球と後行する球とが連なった状態を維持させ易くできる。その結果、両球が連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
なお、皿部材C120は、下側底面部C122(第2通路CRt2)の延設方向を前後方向(矢印F-B方向)に沿わせる姿勢で配設されるところ、ベース板60の窓部60a内に配置されるので、窓部60aにより形成された前後方向のスペースを有効に活用できる。よって、下側底面部C122(第2通路CRt2)の全長を確保して、球を連ならせ易くできる。
背面部材C130は、板状に形成される本体部C131と、その本体部C131の正面から立設される下ストッパ部C132、上ストッパ部C133及び軸支座部C134とを備える。
本体部C131には、その本体部C131の正面側と背面側とに形成される通路(第5通路CRt5)を連通するための開口である開口C131aが開口形成される。開口C131aの下方には、本体部C131の外縁を窪ませた凹部C131bが形成される。凹部C131bは、迂回部材C200との対向間に第5通路CRt5の一部を形成する。
下ストッパ部C132は、振分部材C170が下方へ変位された際に、その振分部材C170の下面に当接可能に形成され、振分部材C170の第2位置を規定する(図82参照)。一方、上ストッパ部C133は、振分部材C170が上方へ変位された際に、その振分部材C170の上面に当接可能に形成され、振分部材C170の第1位置(所定位置)を規定する(図81参照)。
軸支座部C134は、軸C192を回転可能に軸支する軸支部(軸受)として形成される。なお、軸C192は、装飾部材C190に固着されており、本体部C131の背面から挿通された軸C192に振分部材C170が回転不能に連結されることで、振分部材C170及び装飾部材C190が一体となって本体部C131(軸支座部C134)に回転可能に軸支される。また、軸C192は、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢で軸支座部C134に軸支される。
第1中間部材C140は、板状の本体部C141と、その本体部C141の背面(矢印B方向側の面)から立設される底面部C142、天面部C143及び通路部C144とを備え、背面部材C130の正面視左側に配設される。
第1中間部材C140が背面部材C130に配設された状態では、底面部C142、天面部C143及び通路部C144の立設先端(矢印B方向側)が背面部材C130の正面に当接される。これにより、背面部材C130と第1中間部材C140(本体部C141、底面部C142及び天面部C143)とに区画された空間により第3通路CRt3が形成されると共に、背面部材C130と第1中間部材C140(通路部C144)と第2位置にある振分部材C170とにより区画された空間により第4通路CRt4が形成される(図82参照)。
なお、底面部C142は、皿部材C120側から振分部材C170側へ向けて下降傾斜される。また、通路部C144は、第2位置にある振分部材C170に対向する位置に形成される対向部C144aと、球の転動面を形成する底面部C144bとを備え、底面部C144bは、第2位置にある振分部材C170側から対向部C144a側へ向けて下降傾斜されると共に、背面部材C130側から正面部材C110側へ向けて下降傾斜して形成される。よって、第2位置へ変位した振分部材C170から球を第4通路CRt4に受け入れると共にその球を第6通路CRt6へ流出(転動)させることができる。
ここで、皿部材C120の下側底面部C122(第2通路CRt2)は前後方向(矢印F-B方向)に沿って球を転動させ、皿部材C120から底面部C142へは、左右方向(矢印L-R方向)に沿って(本実施形態では右方向へ)球が流下され、底面部C142(第3通路CRt3)は皿部材C120から流下された球を左右方向(矢印L-R方向)に沿って(本実施形態では右方向へ)転動させる。
この場合、下側底面部C122(第2通路CRt2)における往復動によって先行の球CB1及び後行の球CB2(図85参照)の間隔が決定されるところ、それら両球CB1,CB2は、下側底面部C122(第2通路CRt2)から底面部C142(第3通路CRt3)へ左右方向に沿って流下されると共に、底面部C142(第3通路CRt3)を左右方向に沿って流下(転動)されるので、両球CB1,CB2の間隔を正面視により確認可能とし、遊技者に視認させ易くできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
第2中間部材C150は、板状の本体部C151と、その本体部C151の背面(矢印B方向側の面)から立設される底面部C152とを備え、背面部材C130の正面視右側に配設される。第2中間部材C150が背面部材C130に配設された状態では、底面部C152の立設先端(矢印B方向側)が背面部材C130の正面に当接される。
本体部C151には、その外縁を窪ませた凹部C151aが形成される。底面部C152は、その下面に迂回部材C200(樋部C203)が対向配置され、凹部C151a及び底面部C152と迂回部材C200(樋部C203)との対向間に第5通路CRt5の一部が形成される。よって、例えば、迂回部材C200を筒状に形成して第5通路CRt5の一部とする場合と比較して、構造を簡素化して、製品コストを抑制できる。
第1介設部材C160は、第5通路CRt5の一部における球の転動面を形成する部材であり、背面部材C130と第2中間部材C150との対向間に介設される。即ち、背面部材C130と第2中間部材C150(本体部C151)と第1介設部材C160とに区画された空間により第5通路CRt5の一部が形成される。
第1介設部材C160は、その延設方向(矢印L-R方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図82参照)。よって、振分部材C170によって第1介設部材C160(第5通路CRt5)に振り分けられた球を、第1介設部材C160上で往復動させた後、開口C131aへ流出させることができる。
これにより、例えば、振分部材C170によって振り分けられた球を開口C131aへ直接流出させる構成と比較して、開口C131aへ流出するまでに要する時間を長くすることができる。即ち、第1入賞口64に入球(入賞)する確率が高い状態の形成を期待する遊技者に対し、かかる状態が形成されたことを気づかせ易くできると共に、かかる状態を楽しむ時間を確保させることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
なお、第1介設部材C160には、背面部材C130の開口C131aに対応する位置(即ち、第1介設部材C160の転動面の内の鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に流出面C160aが凹設される。流出面C160aは、第1介設部材C160を案内される球を、開口C131aへ流出させるための部位であり、開口C131aへ向けて下降傾斜する凹面として形成される。
振分部材C170は、嵌合穴C171aが一側に形成される本体部C171と、その本体部C171の嵌合穴C171aが形成される側と反対側となる他側に形成される受入部C172と、本体部C171の上面側に形成される転動部C173とを備え、嵌合穴C171aに嵌合された軸C192(軸支座部C134)を中心として回転可能とされる。
嵌合穴C171aは、断面D字状の穴として形成され、その断面形状に一致した断面形状を有する軸C192が嵌合されることで、本体部C171に軸C192が回転不能に固着される。軸C192は、装飾部材C190にも回転不要に固着されており、よって、軸C192を介して、本体部C171(振分部材C170)と装飾部材C190とが一体化(1のユニットとして形成)される。
この場合、振分部材C170及び装飾部材C190からなるユニットは、その重心位置が回転中心(軸C192)に対して一側(軸C192を挟んで振分部材C170と反対側、図81右側)に偏心される。よって、無負荷状態では、振分部材C170は、受入部C172側が上昇され(正面視において軸C192を中心として時計回りに回転され)、上ストッパ部C133に回転が規制された状態(第1位置(所定位置)に配置された状態)とされる(図81参照)。
一方、振分部材C170の受入部C172に球が受け入れられた状態では、その球の重さにより、全体としての重心位置が回転中心(軸C192)に対して他側(軸C192に対して振分部材C170が配設される側、図81左側)に偏心される。よって、受入部C172に球を受け入れた状態では、振分部材C170は、受入部C172側が下降され(正面視において軸C192を中心として反時計回りに回転され)、下ストッパ部C132に回転が規制された状態(第2位置に配置された状態)とされる(図82参照)。
装飾部材C190は、本体部C191の少なくとも一部が遊技者から視認可能とされ、振分部材C170の第1位置と第2位置との間の変位(回転)に伴って、装飾部材C190(本体部C191)も回転され、遊技者から視認される位置(形態)が変化される。よって、かかる装飾部材C190の位置(形態)に基づいて、振分部材C170の状態(即ち、球の振り分け方向)を遊技者に認識させることができる。また、振分部材C170を変位させるための錘としての役割と、球の振り分け方向を認識させる部位としての役割とを装飾部材C190に兼用させることができ、その分、製品コストを低減できる。
なお、振分部材C170が第2位置に配置された後、受入部C172から第1中間部材C140の通路部C144へ球が排出(流出)されると、振分部材C170は、振分部材C170及び装飾部材C190からなるユニットの自重(重心位置の軸C192からの偏心)の作用により、第1位置(所定位置)へ復帰される。
このように、振分部材C170の第1位置への変位(復帰)は、振分部材C170及び装飾部材C190からなるユニットの自重(重量)により行われるので、例えば、付勢ばねを設けて、その付勢ばねにより振分部材C170を第1位置へ向けて付勢する場合と比較して、構造を簡素化できる。
また、付勢ばねを利用する場合と比較して、振分部材C170の第1位置への変位(復帰動作)を低速とできるので、後行する球CB2を転動部C173上に到達させ易くできる。即ち、振分部材C170が第2位置から第1位置へ向けて変位(回転)を開始してから、後行する球CB2が転動部C173上へ流入不能となる位置まで変位(回転)されるのに要する時間を長くできる。更に、後行する球CB2の更に後続となる第3の球も転動部C173へ到達させる可能性を付与できる(図85から図87参照)。
受入部C172は、第1位置において第3通路CRt3に対向する位置に形成される対向部C172aと、第1位置において受け入れた球を支持すると共に第2位置において通路部C144へ向けて球を転動させるための転動面を形成する底面部C172bとを備える。
受入部C172は、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、対向部C172aが、第1中間部材C140の底面部C142の延設方向に略直交し、底面部C172bが、対向部C172aから第1中間部材C140の底面部C142へ向けて上昇傾斜するように形成される(図81参照)。
ここで、振分部材C170が第1位置に配置された状態において、対向部C172aが、第1中間部材C140の底面部C142の延設方向と直交する方向に対して傾斜(対向部C172aの転動部C173側が底面部C172b側よりも第3通路CRt3から離間される方向へ傾斜)されていると、対向部C172aに衝突した球が上方へ跳ね上げられて、第3通路CRt3へ逆流する虞がある。
これに対し、対向部C172aは、振分部材C170が第1位置に配置された状態において、第1中間部材C140の底面部C142の延設方向に略直交されているので、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)から受け入れた球を対向部C172aにより受け止めて、第3通路CRt3へ逆流することを抑制できる。
また、振分部材C170が第1位置に配置された状態において、底面部C172bが、対向部C172aから第1中間部材C140の底面部C142(通路部C144)へ向けて下降傾斜するように形成されていると、受入部C172に受け入れた球が早期に第1中間部材C140の通路部C144へ流出されてしまい、球の重さを利用できなくなることで、振分部材C170を第2位置に到達させられない虞がある。
これに対し、底面部C172bは、振分部材C170が第1位置に配置された状態において、対向部C172aから第1中間部材C140の底面部C142へ向けて上昇傾斜するように形成されているので、少なくとも振分部材C170が第1位置から所定量だけ回転するまでの間は、底面部C172bに球を保持しておくことができる。これにより、受入部C172に受け入れた球が第1中間部材C140の通路部C144へ流出されるまでの時間を遅らせることができる。その結果、球の重さを有効に利用して、振分部材C170を第2位置に確実に到達させることができる。
なお、上述した理由(第3通路CRt3への逆流防止)により、対向部C172aを、転動部C173側が底面部C172b側よりも第3通路CRt3へ近接する方向へ傾斜させても良い。
受入部C172は、振分部材C170が第2位置に配置された状態では、底面部C172bが、対向部C172aから第1中間部材C140の通路部C144へ向けて下降傾斜するように形成される(図82参照)。これにより、受入部C172に受け入れた球を、第1中間部材C140の通路部C144へ確実に流出させることができる。
また、球が底面部C172bを転動している間、その球の重量を振分部材C170に作用させ、振分部材C170を第2位置(即ち、後行する球を転動部C173(第5通路CRt5)へ案内可能な状態)に維持しやすくできる。
転動部C173は、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)を転動する球を、第2介設部材C160(第5通路CRt5)へ案内する(振り分ける)ための部位であり、振分部材C170が第2位置へ配置された状態において、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)の下流端と、第2介設部材C160(第5通路CRt5)の上流端との間に位置(架設)される。
転動部C173の上流端(矢印L方向側の端部)は、受入部C172の対向部C172aから突出して形成される。即ち、転動部C173の上流端(矢印L方向側の端部)には、対向部C172aから上流側(第1中間部材C140(第3通路CRt3)側、矢印L方向)へ向けて突出される板状の部位が形成される。この板状の部位が球CB1と球CB2との間に挿入されることで、両球(球CB1,CB2)を切り離すことができる。
振分部材C170が第2位置に配置された状態では、第1中間部材C140の底面部C142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)における高さ位置に対し、転動部C173(転動面)の上流端(矢印L方向側の端部)における高さ位置が、鉛直方向下方(矢印D方向)に位置される。即ち、底面部C142の下流端と転動部C173の上流端との間には段差が形成され、第2位置に配置された振分部材C170が第1位置へ向けて所定量(所定回転角)だけ変位(回転)された場合に、底面部C142の下流端と転動部C173の上流端とが同一の高さ位置に配置される。
ここで、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)を転動する球が受入部C172へ流入されると、その球の重量で振分部材C170が第1位置から下方へ変位(回転)され、振分部材C170の下面が下ストッパ部C132に当接されることで、振分部材C170が第2位置に配置される。
この場合、下ストッパ部C132に下面が衝突した際の衝撃で振分部材C170が上方(矢印U方向)へ跳ね上げられる虞があり、振分部材C170の上方への跳ね上がりにより、第1中間部材C140の底面部C142(転動面)の下流端における高さ位置に対し、転動部C173(転動面)の上流端における高さ位置が、鉛直方向上方(矢印U方向)に位置されると、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)から転動部C173へ球を流入(転動)させることができなくなる虞がある。
特に、上方へ跳ね上げられた振分部材C170(転動部C173の上流側の端面)に球が衝突し、その球の衝突による衝撃で振分部材C170が更に上方へ跳ね上げられると(球により振分部材C170が更に上方へ押し上げられると)、その球が、本来は転動部C173へ流入(転動)されるべき球であったにも関わらず、受入部C172に流入される(受け入れられる)される虞がある。
これに対し、振分部材C170が第2位置に配置された状態では、上述したように、底面部C142(転動面)の下流端と転動部C173(転動面)の上流端との間には段差が形成されるので、衝撃により振分部材C170が上方へ跳ね上げられた場合でも、両者の間の段差の分、底面部C142の下流端よりも転動部C173の上流端が鉛直方向上方(矢印U方向)に位置することを抑制できる。即ち、両者の段差の分だけ、振分部材C170が上方へ跳ね上げられることを許容できる。よって、転動部C173へ流入(転動)されるべき球(先行の球CB1との間の間隔が所定量以下とされる後行の球CB2)を、底面部C142(第3通路CRt3)から転動部C173へ流入(転動)させ易くできる。
更に、振分部材C170は、転動部C173の上流側の端面(第1中間部材C140に対向する側の面、矢印L方向側の面)が、転動部C173から第1中間部材C140(底面部C142)へ向けて下降傾斜して形成される。即ち、転動部C173の上流側の端面は、転動部C173の転動面側の縁部よりも、受入部C172(対向部C172a)側の縁部の方が、第1中間部材C140に近接される形状に形成される。
これにより、上方へ跳ね上げられた振分部材C170(転動部C173の上流側の端面)に球が衝突した場合には、その球から振分部材C170(転動部C173の上流側の端面)に作用する力の方向を、振分部材C170を下方へ押し下げる方向の力とすることができる。その結果、転動部C173へ流入(転動)されるべき球(先行の球CB1との間の間隔が所定量以下とされる後行の球CB2)を、底面部C142(第3通路CRt3)から転動部C173へ流入(転動)させ易くできる。
受入部C172と転動部C173とは、C192に対して、同じ側(球の重量により振分部材C170を回転させる方向が同じとなる側)に配置される。よって、受入部C172に受け入れた球の重量により振分部材C170が第2位置に配置された後、球が受入部C172から排出されたとしても、転動部C173を転動する球の重量を利用して、振分部材C170を第2位置に維持することができる。即ち、第5通路CRt5へ案内する球がある場合、その球の重量を利用して、振分部材C170の姿勢を、球を第5通路CRt5へ案内するための姿勢に維持させることとができる。
よって、受入部C172に受け入れた球(底面部C172bを転動する球)の重量を利用して、振分部材C170を第2位置に維持する必要がなく、かかる底面部C172bの延設長さを短くすることができ、その分、振分部材C170を小型化できる。その結果、振分部材C170の配置の自由度を高めることができる。
ここで、振分部材C170は、底面部C142(第3通路CRt3)から受入部C172へ向けて球が転動する方向(受入部C172が球を受け入れる方向、矢印R方向)と、受入部C172から通路部C144へ球が転動する方向(受け入れた球を転動させる方向、矢印L方向)とが逆方向とされる。即ち、受入部C172において、球の流下(転動)方向を反転(方向転換)させる構成とされる。
これにより、受入部C172が球を受け入れる方向と受入部C172から通路部C144へ球が転動する方向とが同方向とされる場合と比較して、反転に要する時間の分、球が振分部材C170(受入部C172)に滞留する時間を確保でき、その受入部C172に滞留される球の重量を利用して振分部材C170を第2位置に維持し易くできる。その結果、転動部C173において球を安定して転動させることができる。
また、球の反転を利用して、その滞留時間を確保できることで、その分、受入部C172における底面部C172bの延設長さを短くして、振分部材C170を小型化できる。その結果、振分部材C170の配置の自由度を高めることができる。
第2介設部材C180は、第6通路CRt6における球の転動面を形成する部材であり、正面部材C111と第1中間部材C140及び第2中間部材C150との対向間に介設される。即ち、正面部材C110と第1中間部材C140及び第2中間部材C150と第2介設部材C180とに区画された空間により第6通路CRt6が形成される。
第2介設部材C180の上面(転動面)には、上述したように、第2介設部材C180(第6通路CRt6)を案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面(中央流出面C181及び側方流出面C182)が形成される。また、第6通路CRt6の上面(転動面)には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C182が配置される一方、起伏の頂部に中央流出面C181が配置される。
なお、正面部材C110の正面部C111の上縁(矢印U方向の縁部)は、中央流出面C181及び側方流出面C182が形成される領域を除き、第2介設部材C180の上面(転動面)よりも上方(矢印U方向)へ突出される。即ち、第2介設部材C180の上面(転動面)を転動する球は、中央流出面C181又は側方流出面C182からのみ遊技領域へ流出(流下)される。
第2介設部材C180の底面には、凹部C183が凹設され、上述したように、かかる凹部C183と正面部材C110の底面部C112との対向間に第5通路CRt5の一部が形成される。
装飾部材C190は、板状に形成される本体部C191と、その本体部C191に固着される軸C192とを備え、上述したように、軸C192を介して、振分部材C170に連結(一体化)される。なお、本体部C191の正面には、キャラクターなどの図柄が印刷やシールの添付により表示され、そのキャラクターの動き(変位)に基づいて、振分部材C170の動作が遊技者に視認可能とされる。
なお、軸C192は、ベース板60(図72参照)に直交する姿勢で配置される。よって、下側フレームC86bの前後方向(矢印F-B方向)寸法の小型化を図ることができる。
迂回部材C200は、板状の本体部C201と、その本体部C201の正面(矢印F方向側の面)から立設される壁面部C202と、その壁面部C202の一部を正面側へ更に延設して形成される樋部C203とを備え、開口C131aに対向する位置において、背面部材C130の背面側に配設される。
迂回部材C200が背面部材C130に配設された状態では、壁面部C202の立設先端(矢印F方向側)が背面部材C130(本体部C131)の背面に当接され、且つ、樋部C203の立設先端(矢印F方向側)が第2中間部材C150(本体部C151)の背面に当接されると共に、樋部C203の縁部が第2中間部材C150(底面部C152)の底面に当接される。
これにより、背面部材C130(本体部C131)と迂回部材C200(本体部C201及び壁面部C202)とに区画された空間、及び、第2中間部材C150(底面部C152)と迂回部材C200(樋部C203)とに区画された空間により第5通路CRt5の一部が形成される(図83参照)。
なお、樋部C203は、背面部材C130側から第2中間部材C150側へ向けて下降傾斜される。よって、背面部材C130の開口C131aから迂回部材C200内へ流入された球を樋部C203上を転動させて、正面部材C110の底面部C112と第2介設部材C180(凹部C183)との間に形成される第5通路CRt5へ流入させることができる。
次いで、振分部材C170による球の振り分け動作について説明する。図85から図87は、振分部材C170による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームC86bの部分拡大断面図であり、図77のLXXXI-LXXXI線における断面に対応する。
なお、図85(a)及び図85(b)は、振分部材C170が第1位置に配置された状態を示し、図81に対応する。図86(b)及び図87は、振分部材C170が第2位置に配置された状態を示し、図82に対応する。
図85(a)に示すように、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、受入部C172は、第1中間部材C140の底面部C142を転動する球CB1を受け入れ可能(球CB1が流入可能)な位置に配置される。
即ち、受入部C172は、底面部C142(転動面)を延長した延長線と交差する位置に対向部C172aが配置され、底面部C142(転動面)を延長した延長線よりも鉛直方向下方(矢印D方向)となる位置に底面部C172bが配置される。
なお、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、底面部C142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C173の底面(転動面と反対側の面、矢印D方向側の面)における上流端(矢印L方向側の端部)との間の間隔が、球の直径よりも大きな寸法(球が通過可能な寸法)に設定される。
一方、転動部C173は、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、第1中間部材C140の底面部C142を転動する球CB1を受け入れ不能(球CB1が流入不能)な位置に配置される。
即ち、転動部C173は、底面部C142(転動面)を延長した延長線よりも鉛直方向上方(矢印U方向)となる位置(一段高い位置)に底面部C172bが配置される。なお、転動部C173と、底面部C142(転動面)を延長した延長線との間の鉛直方向における間隔(段差の高さ)は、球の半径よりも大きな寸法に設定される。これにより、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C170の転動部C173に流入することを抑制できる。
なお、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、第1中間部材C140の天面部C143の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C173の上流端(矢印L方向側の端部)との間の間隔が、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定される。これにより、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C170の転動部C173に流入することを抑制できる。但し、かかる間隔を球の直径よりも大きな間隔としても良い。
第1中間部材C140の底面部C142を球CB1(先行する球)と球CB2(先行する球との間に所定の間隔を隔てて後行する球)とが転動する場合、図85(b)に示すように、球CB1が振分部材C170の受入部C172に流入され(受け入れられ)、球CB1は、対向部C172aに当接され(受け止められ)、受入部C172に保持される。
また、球CB1,CB2の間の間隔が比較的小さい場合には、球CB2が球CB1に追い付き、球CB2が球CB1に当接される。上述したように、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、天面部C143の下流端と、転動部C173の上流端との間の間隔が、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定されるので、球CB2が、球CB1を乗り越えて、転動部C173へ流入されることを抑制できる。即ち、球CB2を球CB1の後方(上流側)に待機させることができる。
図85(b)に示すように、球CB1が受入部C172に受け入れられると、図86(a)に示すように、球CB1の重量により振分部材C170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)される。また、球CB2が球CB1に追い付いている場合には、その球CB2の重量も振分部材C170に作用される。
ここで、受入部C172は、対向部C172aの底面部C172bに連結される側の領域と、底面部C172bの対向部C172aに結される側の領域とが、即ち、対向部C172aと底面部C172bとの連結部分が、軸C192側へ向けて凸となり球の外形と略同一形状(球と略同径)となる円弧状に湾曲して形成され、その円弧状に湾曲した部分により球を保持可能とされる。
また、振分部材C170(底面部C172bの下流端(矢印L方向側の端部))と第1中間部材C140(底面部C142と対向部C144aとの連結部分)との間の間隔は、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定され、振分部材C170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)されることで、漸次拡大される。
即ち、振分部材C170が第1位置と第2位置との間の所定中間位置(図86(a)と図86(b)との間の位置)まで変位(回転)されると、上述の振分部材C170(底面部C172bの下流端(矢印L方向側の端部))と第1中間部材C140(底面部C142と対向部C144aとの連結部分)との間の間隔が球の直径と略同一の寸法(球が通過可能な寸法)まで拡大され、振分部材C170が所定中間位置から第2位置へ向けて更に変位(回転)されると、上述した間隔が、更に拡大され、第2位置において最大の間隔が形成される。
よって、振分部材C170が第1位置から所定中間位置まで変位(回転)される間は、受入部C172に球CB1を受け入れた状態が維持される。即ち、振分部材C170は、第1位置から所定中間位置までの間は、受入部C172に球CB1を受け入れた状態で変位(回転)される。これにより、球CB2が球CB1に当接された状態を維持して、球CB2が底面部C142の下流端に位置する状態を維持できる。
この場合、底面部C142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C173の底面(転動面と反対側の面、矢印D方向側の面)における上流端(矢印L方向側の端部)との間の間隔は、振分部材C170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)されることで、漸次縮小され、振分部材C170が所定中間位置に到達する前に、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定される。よって、球CB2が受入部C172へ流入する(受け入れられる)ことを抑制できる。
また、振分部材C170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)される場合、受入部C172(対向部C172aと底面部C172bとの連結部分)に保持された球CB1の軌跡の外縁(軸C192と反対側の外縁)よりも、転動部C173の底面(転動面と反対側の面、矢印D方向側の面)における上流端(矢印L方向側の端部)の軌跡が、軸C192に近い側を通過するように構成される。
よって、球CB2が球CB1に当接された状態を維持して、球CB2が底面部C142の下流端に位置する状態を維持できると共に、転動部C173の上流端(矢印L方向側の端部)により球CB2を押し戻す(押し返す)ことができる。即ち、転動部C173の上流端を球CB1と球CB2との間に挿入して、両球を切り離すことができる。よって、球CB2が受入部C172へ流入される(受け入れられる)ことを抑制できる。また、球CB2を徐々に転動部C173へ転動させ、その後の転動を安定させることができる。
図86(a)に示す状態から振分部材C170が第2位置へ向けて更に変位(回転)されると、球CB1が通路部C144へ向けて底面部C172bを転動されると共に、球CB2が転動部C173に流下される(転動部C173に受け入れられる)。
図86(b)及び図87に示すように、振分部材C170が第2位置に配置されると、球CB1が受入部C172から通路部C144(第4通路CRt4)へ流入されると共に、球CB2が転動部C173を転動して、第1介設部材C160(第5通路CRt5)へ流入される。
球CB1,CB2が第4通路CRt4及び第5通路CRt5へ流入された後は、振分部材C170が第2位置から第1位置へ向けて自重により復帰(変位)される。なお、振分部材C170が第2位置に配置された状態で、或いは、振分部材C170が第2位置から第1位置への変位(回転)を開始した後であっても、第3の球が転動部C173到達し、その転動部C173の転動面に流入した場合には、第3の球が転動部C173を転動して第5通路CRt5へ流入(案内)される。
上述したように、転動部C173の上流側の端面(第1中間部材C140に対向する側の面、矢印L方向側の面)は、転動部C173から第1中間部材C140(底面部C142)へ向けて下降傾斜して形成されるので、振分部材C170が第2位置から第1位置へ変位(回転)を開始した後であっても、転動部C173の上流側の傾斜面(端面)を利用して、第3の球を転動部C173へ流入させ易くできる。
なお、振分部材C170は、1球の重量のみで、第1位置から第2位置まで変位(回転)可能に構成される。よって、球CB1と球CB2との間隔が所定量よりも大きな場合には、これら球CB1及び球CB2の両球が、受入部C172に順に受け入れられ、それぞれ上述した振り分け動作を経て第4通路CRt4へ振り分けられる。
以上のように、第2実施形態における下側フレームC86bによれば、球CB1と球CB2とが所定量以下(両球が密着する間隔が0の場合を含む)の間隔を隔てて連なる場合には、球CB1を第4通路CRt4へ振り分け(案内し)、且つ、球CB1の重量で第2位置へ変位される振分部材C170により球CB2を第5通路CRt5へ振り分ける(案内する)ことができる一方、球CB1と球CB2とが所定量を越える間隔を隔てて連なる場合には、両球(球CB1及び球CB2)を第4通路CRt4へ振り分ける(案内する)ことができる。このように、球CB1,CB2の連なりの状態(先行の球と後行の球との間隔が所定量を超えるか否か)に応じて案内する通路を変化させられるので、興趣の向上を図ることができる。
次いで、図88から図103を参照して、第3実施形態におけるセンターフレームC2086について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図88は、第3実施形態における下側フレームC2086bの正面斜視図であり、図89は、下側フレームC2086bの背面斜視図である。なお、図88及び図89では、ベース板60の一部のみが部分的に図示されると共に、ベース板60に下側フレームC2086bを締結固定するタッピングネジの図示が省略される。
図88及び図89に示すように、下側フレームC2086bには、球を受け入れ可能な開口として形成される受入口COP2000inと、その受入口COP2000inに連通される第1通路CRt2001と、その第1通路CRt2001を案内された球(第1通路CRt2001をその長手方向に沿って往復動した球)が流下される第2通路CRt2002と、その第2通路CRt2002を案内された球が振分部材C2170により振り分けられて流下される第3通路CRt2003及び第4通路CRt2004と、第3通路CRt2003を案内された球および第4通路CRt2004から落下した球(第4通路CRt2004の終端に到達しなかった球)が流下される第6通路CRt2006と、第4通路CRt2004を案内された球(第4通路CRt2004の終端に達した球)が流下される第5通路CRt2005と、その第5通路CRt2005を案内された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口COP2000outとが形成される(図96及び図97参照)。
なお、第3実施形態におけるセンターフレームは、上側フレーム(図示せず)と下側フレームC2086bとから構成される。第3実施形態における上側フレームは、その上側フレーム通路(図示せず)の形状が、第2実施形態における上側フレームC86aの上側フレーム通路CRt0と異なる点を除き、他の構成は第2実施形態における上側フレームC86aと同一の構成であるので、その説明は省略する。
上側フレーム通路は、遊技領域のうちの正面視左側(図72左側)の領域(センターフレーム(上側フレーム)とレール61(図72参照)との間の領域)から流入(入球)された球を案内する通路であり、その上側フレーム通路の下流端に下側フレームC2086bの受入口COP2000inが連通される。即ち、遊技領域から上側フレーム通路に流入(入球)した球は、受入口COP2000inを介して、上側フレーム通路から下側フレームC2086bの第1通路CRt2001へ流入(入球)される。
下側フレームC2086bには、球の重さにより動作する振分部材C2170が配設されており(図96及び図97参照)、連なった状態の球が第2通路CRt2002を案内される場合には、先行する球が第3通路CRt2003へ振り分けられる一方、後行する球が第4通路CRt2004へ振り分けられる。なお、球の連なる間隔が所定量よりも大きい場合は、先行する球および後行する球の両球が第3通路CRt2003へ振り分けられる。
ここで、第4通路CRt4の終端に達した球は、第5通路CRt5へ流下されるところ、第5通路CRt2005の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口COPoutは、第1入賞口64(図72参照)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第5通路CRt2005を案内された球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
一方、第6通路CRt2006には、その第6通路CRt2006に案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として、第1入賞口64の鉛直方向上方となる位置に中央流出面C181が形成(配置)されるだけでなく、第1入賞口64の鉛直方向上方から遊技盤13の幅方向(図72左右方向)に位置を異ならせた2箇所に、側方流出面C182が形成(配置)される。また、第6通路CRt2006には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C182が形成され、起伏の頂部に中央流出面C181が形成される。
そのため、第4通路CRt2004へ振り分けられた球は、第6通路CRt2006において、中央流出面C181から遊技領域へ流出する確率よりも、側方流出面C182から遊技領域へ流出する確率が高く、結果として、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した第5通路CRt2005を案内される球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
このように、本実施形態における下側フレームC2086bは、第2実施形態の場合と同様に、連なった状態の球が第2通路CRt2002へ流入された場合に、先行する球は通常の通路(第3通路CRt2003)へ振り分けられる一方、後行する球が第1入賞口64に入賞し易い通路(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させる通路(第5通路CRt2005))へ球を流下させる第4通路CRt2004へ振り分けられる。よって、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、球が連なった状態が形成されることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
更に、本実施形態では、第4通路CRt2004を案内される球が途中で第6通路へ落下可能に形成され、落下せずに第4通路CRt2004の終端に達した球のみが第5通路CRt2005へ流下(流入)可能とされる。そのため、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、連なった状態の球のうちの後行する球が第4通路CRt2004に振り分けられた後は、かかる第4通路CRt2004の終端まで球が落下せずに達することを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図88から図89に加え、図90から図103を参照して、下側フレームC2086bの詳細構成について説明する。
図90は、下側フレームC2086bの分解正面斜視図であり、図91は、下側フレームC2086bの分解背面斜視図である。図92は、下側フレームC2086bの上面図であり、図93は、下側フレームC2086bの正面図であり、図94は、下側フレームC2086bの背面図である。図95(a)は、図93の矢印XCVa方向視における下側フレームC2086bの側面図であり、図95(b)は、図93の矢印XCVb方向視における下側フレームC2086bの側面図である。
図96及び図97は、図92のXCVI-XCVI線における下側フレームC2086bの断面図である。図98は、図94のXCVIII-XCVIII線における下側フレームC2086bの部分拡大断面図であり、図99は、図94のXCIX-XCIX線における下側フレームC2086bの部分拡大断面図でる。なお、図96では、振分部材C2170が第1位置に配置された状態が、図97では、振分部材C2170が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図88から図99に示すように、下側フレームC2086bは、正面部材C2110と、その正面部材C2110の長手方向一側(矢印L方向側)に配設される皿部材C2120と、正面部材C2110の背面(矢印B方向側の面)に所定間隔を隔てて対向配置される背面部材C2130と、その背面部材C2130の正面(矢印F方向側の面)に配設される第1中間部材C2140、第2中間部材C2150、第1介設部材C2160、磁性部C2400及び受け部材C2500と、背面部材C2130及び第1中間部材C2140の対向間に介設される振分部材C2170と、正面部材C2110及び背面部材C2130の対向間に介設される第2介設部材C2180と、背面部材C2130の背面に配設される迂回部材C2200及び磁石C2300と、を備える。
なお、下側フレームC2086bは、各部材どうしそれぞれタッピングネジにより締結固定されると共に、振分部材C2170が背面部材C2130及び第1中間部材C2140に回転可能に軸支されることで、一つ(単体)のユニットとして構成される(図88参照)。
また、下側フレームC2086bは、振分部材C2170を除く他の部材が光透過性(即ち、背面側の部材や球を透視可能な透明)の樹脂材料から構成され、振分部材C2170が有色の樹脂材料から構成される。よって、第1通路CRt2001から第6通路CRt2006を通過する球を遊技者に視認させると共に、振分部材C2170による振り分け動作を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、下側フレームC2086bは、少なくとも第1中間部材C2140が光透過性の樹脂材料から構成されていれば足りる。第2通路CRt2002における球の連なり状態(先行する球と後行する球の間隔が所定量よりも小さい間隔か否か)と、振分部材C2170による振り分け動作とを遊技者に視認させられると共に、後行する球が振分部材C2170により第4通路CRt2004に振り分けられたことを視認できれば、かかる球は流出口COPoutから第1入賞口64へ高確率で(本実施形態では第5通路CRt2005に流入されれば、ほぼ全球が)入球するため、第5通路CRt2005を案内される球を遊技者に視認させなくても足りるためである。
なお、振分部材C2170は、光透過性(又は有色)の樹脂材料から構成され、その正面に塗装を施したもの、或いは、シールを添付したものであっても良い。
また、一方で、第1中間部材C2140が有色の樹脂材料から構成される、或いは、第1中間部材C2140に塗装が施されたりシールが添付されていても良い。即ち、第3通路CRt2003を通過する球や振分部材C2170が正面側から遊技者に視認不能となるように構成されていても良い。
正面部材C2110は、正面を形成する板状の正面部C111と、その正面部C111の背面から立設される板状の底面部C112とを備える。
正面部C111には、その正面部C111の下側(矢印D方向側)の外縁に沿って複数の挿通孔C111aが板厚方向に穿設される。下側フレームC2086bは、組み立てた状態(ユニット化された状態)で、ベース板60の正面から窓部60aに嵌め込まれ、挿通孔C111aに挿通したタッピングネジがベース板60に締結されることで、ベース板60に固定(配設)される。
正面部C111には、第1入賞口64(図72参照)の鉛直方向上方となる位置に流出口COPoutが開口形成(板厚方向に穿設)される。流出口COPoutは、上述したように、第5通路CRt2005を案内された球が遊技領域へ流出される際の出口となる開口である。
底面部C112は、その上面に第2介設部材C2180の底面が対向配置される。なお、底面部C112には、流出口COPoutに連通する筒状の部位が形成され、この筒状の部位が第5通路CRt2005の一部とされる。よって、第5通路CRt2005の内壁面に正面部材C2110と第2介設部材C180との重なり部分(継ぎ目)が形成されないので、流出口COPoutから第5通路CRt2005内を遊技者が覗き込んだ際の外観を良くすることができると共に、重なり部分(継ぎ目)から針金等の異物が侵入されることを回避できる。
底面部C112は、正面部C111の長手方向全域にわたって連続的に形成され、その底面部C112の立設先端(矢印B方向側)が、第1中間部材C2140及び第1介設部材C2160の正面に当接される。これにより、針金等の異物の侵入が抑制される。
皿部材C2120は、通路の底面を形成する上側底面部C2121及び下側底面部C2122と、通路の側壁を形成する側壁部C2124を備える。
上側底面部C2121は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印L-R方向)に沿って延設されると共に、受入口COP2000inから離間する方向(矢印
方向)へ向けて下降傾斜して形成される。
下側底面部C2122は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印F-B方向)に沿って延設されると共に、その延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図84(b)参照)。
側壁部C2124は、上側底面部C2121(第1通路CRt2001)の通路幅と、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)の長手方向(球を案内する方向)における一端側および他端側の端部と、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)の通路幅とをそれぞれ区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
下側底面部C2122は、上面視において、上側底面部C2121と略90度に交差され、上側底面部C2121の下流端(矢印R方向側の端部)と下側底面部C2122の長手方向における一端側(矢印F方向側の端部)とが隣り合う位置に配設される。
側壁部C2124には、円弧状に湾曲した下側底面部C2122の底部(鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に対応する位置に切り欠き部C124aが切り欠き形成され、この切り欠き部C124aを介して、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)から底面部C2142(第2通路CRt2002)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C2122は、上述したように、円弧状に湾曲して形成され、その上昇傾斜側(下側底面部C2122の長手方向における一端側)に上側底面部C2121から球が流下されるので、かかる流下された球を、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)の長手方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、切り欠き部C124aから底面部C2142(第2通路CRt2002)へ球を流下させることができる。
これにより、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側底面部C2121から下側底面部C2122(第1通路CRt2001)へ流入する場合に、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。
下側底面部C2122には、切り欠き部C124aに対応する位置(即ち、鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に流出面C122aが凹設される。流出面C122aは、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)を案内される球を、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出させるための部位であり、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ向けて下降傾斜する凹面として形成される。
よって、下側底面部C2122を往復動した後、その転動速度が低下した球を、流出面C122aを利用して、底面部C2142(第2通路CRt2002)へスムーズに流出(流下)させることができる。即ち、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)における往復動を利用して、先行する球と後行する球との間隔が減少された球(連なった状態の球)を、その連なった状態を維持させつつ、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)させることができる。
なお、流出面C122aは、上面視において、その凹面の幅(下側底面部C2122を往復動する球の転動方向に沿う方向の寸法、矢印F-B方向の寸法)が、切り欠き部C124aに近い側ほど大きい形状に形成される(図92参照)。
また、上面視において、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C2124に球を当接させた状態では、球が流出面C122a上を転動する(横切る)。即ち、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)を転動(往復動)する球が、切り欠き部C124aから最も離間した位置(球の側方の頂部を下側側壁部C2124に当接させる位置)を転動する状態でも、上面視において、球の中心と重なる範囲まで流出面C122aが形成される(球が下側底面部C2122を転動する際の球の下方の頂部の軌跡である転動線が流出面C122aを横切る)。
一方で、下側底面部C2122に流出面C122aが凹設(形成)されていると、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)に流下した球が、かかる下側底面部C2122(第1通路CRt2001)を一度も往復動することなく、又は、十分な回数だけ往復動する前に、流出面C122aの傾斜の作用により、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)する虞がある。即ち、先行する球と後行する球との間隔を減少させず、両球が間隔を隔てたまま底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)する虞がある。
これに対し、本実施形態では、下側底面部C2122が切り欠き部C124aから離間する方向(矢印L方向)へ向けて下降傾斜して形成される(図96参照)。これにより、下側底面部C2122の傾斜の作用により、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する側壁部C2124に球を押し付けつつ、かかる球を下側底面部C2122(第1通路CRt2001)で転動(往復動)させることができる。
これにより、球の転動速度が十分に低くなる前に、球が流出面C122aの傾斜の作用で底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)することを抑制できる。即ち、球の転動速度が十分に低くなるまでの間、流出面C122aを乗り越え易く(横切らせ易く)して、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)に沿って球を十分に往復動させ易くできる。その結果、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことを確実化できる。
なお、下側底面部C2122の円弧形状(下側底面部C2122の延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状であって、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧形状、図84(b)及び図95(b)参照)は、その長手方向の一端側および他端側における円弧形状の半径が、それら一端側および他端側の間の領域(流出面C122aを含む領域)における円弧形状の半径よりも小さくされる。即ち、流出面C122aを含む領域における円弧形状の半径が大きくされる。
これにより、初期段階(長手方向の一端側および他端側またはその近傍まで球が往復動する段階)では、球を往復動させ易くすると共に先行する球に後行する球を追いつかせ易くしつつ、往復動する球の転動速度が低くなった段階(長手方向の一端側および他端側またはその近傍までは球が到達せず、流出面C122aを含む比較的狭い領域で球が往復動する段階)では、先行する球と後行する球とが連なった状態を維持させ易くできる。その結果、両球が連なった状態を維持させつつ、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)させ易くできる。
背面部材C2130は、板状に形成される本体部C2131と、その本体部C2131の正面から立設される軸支座部C2134とを備える。
本体部C2131には、その本体部C2131の正面側と背面側とに形成される通路(第5通路CRt2005)を連通するための開口である開口C2131aと、振分部材C2170(錘C2175)との干渉を回避するための開口である開口C2131cとが開口形成される。開口C2131aの下方には、本体部C2131の外縁を窪ませた凹部C2131bが形成される。凹部C2131bは、迂回部材C2200との対向間に第5通路CRt2005の一部を形成する。
軸支座部C2134は、振分部材C2170の軸C2174を回転可能に軸支する軸支部(軸受)として形成される。なお、軸C2174は、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢で軸支座部C2134と第1中間部材C2140の軸支座部C2141bとに軸支される。
第1中間部材C2140は、板状の本体部C2141と、その本体部C2141の背面(矢印B方向側の面)から立設される底面部C2142、天面部C2143、通路部C2144及び下ストッパ部C2145とを備え、背面部材C2130の正面視左側に配設される。
本体部C2141には、その本体部C2141の正面側と背面側とに形成される通路(第3通路CRt2003及び第6通路CRt2006)を連通するための開口である開口C2141aが形成される。また、本体部C2141の背面からは、軸支座部C2141bが立設される。軸支座部C2141bは、振分部材C2170の軸C2174を回転可能に軸支する軸支部(軸受)として形成される。
第1中間部材C2140が背面部材C2130に配設された状態では、底面部C2142及び天面部C2143の立設先端(矢印B方向側)が背面部材C2130の正面に当接される。これにより、背面部材C2130と第1中間部材C2140(本体部C2141、底面部C2142及び天面部C2143)とに区画された空間により第2通路CRt2002が形成されると共に、背面部材C2130と第1中間部材C2140(底面部C2142及び通路部C2144)と第2位置にある振分部材C2170とにより区画された空間により第3通路CRt2003が形成される(図97参照)。
底面部C2142は、皿部材C2120側から振分部材C2170側へ向けて下降傾斜される。また、通路部C2144は、第2位置にある振分部材C2170(底面部C2172b)と開口C2141aとの対向間に位置し、第2位置にある振分部材C2170(底面部C2172b)側から開口C2141a側へ向けて下降傾斜して形成される。よって、通路部C2144は、第2位置へ変位した振分部材C2170から球を受け入れると、その球を開口C2141aを介して第6通路CRt2006へ流出(転動)させることができる。
なお、底面部C2142は、振分部材C2170(底面部C2172b)が上方へ変位された際に、その振分部材C2170(底面部C2172b)の上面に当接可能に形成され、振分部材C2170の第1位置を規定する(図96参照)。一方、下ストッパ部C2145は、振分部材C2170(底面部C2172b)が下方へ変位された際に、その振分部材C2170(底面部C2172b)の下面に当接可能に形成され、振分部材C2170の第2位置を規定する(図97参照)。
なお、振分部材C2170は、第1位置から第2位置に変位(回転)されると、転動部C2173の上面(転動面)が上方へ変位(上昇)される。即ち、振分部材C2170が第2位置に配置された状態における底面部C2173は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態における底面部C2173の上面(転動面)よりも上方(矢印U側)に位置される。
第2中間部材C2150は、板状の本体部C2151と、その本体部C2151の背面(矢印B方向側の面)から立設される底面部C2152及び壁面部C2153,C2154とを備え、第1中間部材C2140との間に所定の間隔を隔てつつ、背面部材C2130の正面視右側に配設される。
なお、本実施形態では、第1中間部材C2140と第2中間部材C2150との間の対向間隔(矢印L-R方向の間隔)が、受け部材C2500の長手方向(矢印L-R方向)寸法に球の直径の少なくとも2倍以上の大きさを加算した寸法よりも大きな値に設定される。よって、受け部材C2500の長手方向(矢印L-R方向)両側(第1中間部材C2140との間、及び、第2中間部材C2150との間の両方)に、球が通過可能な空間をそれぞれ確保することができる。よって、球の流下する方向の種類(バリエーション)を増やし、遊技の興趣を高めることができる。
第2中間部材C2150が背面部材C2130に配設された状態では、底面部C2152が、背面部材C2130の開口C2131aに連通可能となる位置に配置されると共に、開口2131aへ向けて下降傾斜される。よって、底面部C2152は、第4通路CRt2004の終端に達した球(磁性部C2400の終端から落下した球)を受け入れると、その球を開口C2131a内へ流入(転動)させることができる。即ち、底面部C2152の上面側に第5通路CRt2005の一部が形成される。
第2中間部材C2150が背面部材C2130に配設された状態では、底面部C2152及び壁面部C2153,C2154の立設先端(矢印B方向側)が背面部材C2130の正面に当接される。また、底面部C2152の上面(転動面)の縁部に沿って本体部C2151及び壁面部C2153,C2154が所定量だけ上方(矢印U方向)へ突出される。
磁性部C2400から遠い側に位置する壁面部C2153は、第4通路CRt2004を案内される球の移動方向(磁性部C2400の下縁(球を吸着する縁部)に沿う方向)の延長線と交差する面を形成する。これにより、第4通路CRt2004から排球された(磁性部C2400から落下した)球を、壁面部C2153により直接受け止めて、或いは、底面部C2152でバウンドした(跳ね上がった)後に壁面部C2153により受け止めて、底面部C2152上へ落下させることができる。なお、実施形態では、壁面部C2153は、磁性部C2400の終端(矢印R方向の端部)における下縁(球が吸着される縁部)よりも高い位置まで形成される。
一方、底面部C2152の上面からの突出寸法は、磁性部C2400に近い側に位置する壁面部C2154の突出寸法、及び、本体部C2151の突出寸法が、磁性部C2400から遠い側に位置する壁面部C2153の突出寸法よりも小さく(低く)される。これにより、底面部2152(第5通路CRt2005)から第1介設部材C2160又は第2介設部材C2180(第6通路CRt2006)へ球が落下可能として、遊技の興趣を高められる。なお、壁面部C2154及び本体部C2151の突出寸法は、球の直径よりも小さくされることが好ましい。
受け部材C2500は、上面(転動面)を形成する第1底面部C2501及び第2底面部C2502を備え、第1中間部材C2140と第2中間部材2150との対向間であって、磁性部C2400の下方(矢印U方向側)となる位置に配設される。よって、第4通路CRt2004(磁性部C2400)から落下した球を第1底面部C2501及び第2底面部C2502で受け止めて、第1介設部材C2160へ流下(転動)させることができる。
第1底面部C2501は、第2底面部C2502との接続部から第1中間部材C2140側(矢印L方向)へ向けて下降傾斜して形成され、第2底面部C2502は、第1底面部C2501との接続部から第2中間部材C2150側(矢印R方向)へ向けて下降傾斜して形成される。また、第1底面部C2501及び第2底面部C2502は、受け部材C2500の正面側から背面側(背面部材C2130側)へ向けて下降傾斜される(図99参照)。
上述したように、受け部材C2500の長手方向(矢印L-R方向)両側には、第1中間部材C2140及び第2中間部材C2150との間に少なくとも球1個分の空間がそれぞれ形成される。
よって、第4通路CRt2004(磁性部C2400)から落下した球を、第1底面部C2501又は第2底面部C2502の長手方向(矢印L-R方向)に転動させて、第1介設部材C2160へ流下させることができる。この場合、第4通路CRt2004(磁性部C2400)から落下した球を受け止めた部位(第1底面部C2501又は第2底面部C2502)に応じて、その球を流下させる方向を異ならせることができる。
また、第4通路CRt2004(磁性部C2400)から落下した球を、第1底面部C2501又は第2底面部C2502の長手方向(矢印L-R方向)に転動させた上で、それら第1底面部C2501又は第2底面部C2502の下流端から第1介設部材C2160へ流下させることができる。これにより、かかる球を、第1介設部材C2160の長手方向に沿って転動させ易くできる。
なお、第1底面部C2501及び第2底面部C2502の少なくとも一方または両方は、受け部材C2500の正面側から背面側(背面部材C2130側)へ向けて上昇傾斜されていても良く、或いは、受け部材C2500の正面側から背面側(背面部材C2130側)へ向けて非傾斜(即ち、水平)とされていても良い。
また、受け部材C2500は、その長手方向(矢印L-R方向)の一側のみに球が通過可能な空間が確保される形態(即ち、第1中間部材C2140又は第2中間部材C2150の一方との間のみに球が流下(通過)可能な空間が形成され、他方との間では球の流下(通過)が不能とされる形態)でも良い。この場合には、第1底面部C2501又は第2底面部C2502の長手方向寸法を確保して、その分、球の転動時間を長くできる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
第1介設部材C2160は、受け部材C2500から流下された球を、第2介設部材C2180へ流下させる転動面を形成する部材であり、第1中間部材C2140と第2中間部材C2150との対向間に介設される。
第1介設部材C2160の上面(転動面)には、球を第2介設部材C2180へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面(中央流出面C2161及び側方流出面C2162)が形成される。中央流出面C2161は、第2介設部材C2180の中央流出面C181(即ち、第1入賞口64)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)され、側方流出面C2162は、中央流出面C2161から遊技盤13の幅方向(図72左右方向)へ位置を異ならせた2箇所に形成(配置)される。また、第1介設部材C2160の上面(転動面)には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C2162が形成され、起伏の頂部に中央流出面C2161が形成される。
なお、側方流出面C2162は、第2介設部材C2180の側方流出面C182に対して、遊技盤13の幅方向(図72左右方向)における外側(矢印L方向または矢印R方向)へ位置を異ならせて形成(配置)される。よって、側方流出面C2162から流下される球を、第2介設部材C2180の側方流出面C182よりも外側(即ち、側方流出面C182へ向けて下降傾斜する第2介設部材C2180の上面(転動面))へ流下させることができる。従って、かかる球を、第2介設部材C2180の長手方向に沿って転動させ易くできる。その結果、第2介設部材C2180の中央流出面C181から流下させる(即ち、第1入賞口64へ入球(入賞)する)機会を形成して、遊技の興趣を高めることができる。
振分部材C2170は、軸C2174が軸支される本体部C2171と、その本体部C2171の一側に形成される受入部C2172と、本体部C2171の上面側に形成される転動部C2173と、軸C2174を挟んで受入部C2172と反対側となる位置において本体部C2171に配設(取着)される真鍮製の錘C2175とを備え、軸C2174(軸支座部C2134,C2141b)を中心として回転可能とされる。
振分部材C2170は、その重心位置が回転中心(軸C2174)に対して他側(錘C2175が配設される側、即ち、軸C2174を挟んで受入部C21720と反対側、図96右側)に偏心される。よって、無負荷状態では、振分部材C2170は、受入部C2172側が上昇され(正面視において軸C2174を中心として時計回りに回転され)、底面部C2142に回転が規制された状態(第1位置に配置された状態)とされる(図96参照)。
一方、振分部材C2170の受入部C2172に球が受け入れられた状態では、その球の重さにより、全体としての重心位置が回転中心(軸C2174)に対して一側(受入部C2172が形成される側、即ち、軸C2174に対して錘C2175と反対側、図97左側)に偏心される。よって、受入部C2172に球を受け入れた状態では、振分部材C2170は、受入部C2172側が下降され(正面視において軸C2174を中心として反時計回りに回転され)、下ストッパ部C2145に回転が規制された状態(第2位置に配置された状態)とされる(図97参照)。
なお、振分部材C2170が第2位置に配置された後、受入部C2172から第1中間部材C2140の通路部C2144へ球が排出(流出)されると、振分部材C2170は、振分部材C2170の自重(重心位置の軸C2174からの偏心)の作用により、第1位置へ復帰される。
このように、振分部材C2170の第1位置への変位(復帰)は、振分部材C2170の自重(重量)により行われるので、例えば、付勢ばねを設けて、その付勢ばねにより振分部材C2170を第1位置へ向けて付勢する場合と比較して、構造を簡素化できる。
また、付勢ばねを利用する場合と比較して、振分部材C2170の第1位置への変位(復帰動作)を低速とできるので、後行する球CB2を転動部C2173上に到達させ易くできる。即ち、振分部材C2170が第2位置から第1位置へ向けて変位(回転)を開始してから、後行する球CB2が転動部C2173上へ流入不能となる位置まで変位(回転)されるのに要する時間を長くできる。更に、後行する球CB2の更に後続となる第3の球も転動部C2173へ到達させる可能性を付与できる(図100から図102参照)。
受入部C2172は、第1位置において第2通路CRt2002に対向する位置に形成される対向部C2172aと、第1位置において受け入れた球を支持すると共に第2位置において通路部C2144へ向けて球を転動させるための転動面を形成する底面部C2172bとを備える。
受入部C2172は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、対向部C2172aが、第1中間部材C2140の底面部C2142の延設方向に略直交し、底面部C2172bが、対向部C2172aから第1中間部材C2140の底面部C2142へ向けて上昇傾斜するように形成される(図96参照)。
ここで、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、対向部C2172aが、第1中間部材C2140の底面部C2142の延設方向と直交する方向に対して傾斜(対向部C2172aの転動部C2173側が底面部C2172b側よりも第2通路CRt2002から離間される方向へ傾斜)されていると、対向部C2172aに衝突した球が上方へ跳ね上げられて、第2通路CRt2002へ逆流する虞がある。
これに対し、対向部C2172aは、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、第1中間部材C2140の底面部C2142の延設方向に略直交されているので、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)から受け入れた球を対向部C2172aにより受け止めて、第3通路CRt2003へ逆流することを抑制できる。
また、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、底面部C2172bが、対向部C2172aから第1中間部材C2140の底面部C2142(通路部C2144)へ向けて下降傾斜するように形成されていると、受入部C2172に受け入れた球が早期に第1中間部材C2140の通路部C2144へ流出されてしまい、球の重さを利用できなくなることで、振分部材C2170を第2位置に到達させられない虞がある。
これに対し、底面部C2172bは、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、対向部C2172aから第1中間部材C2140の底面部C2142へ向けて上昇傾斜するように形成されているので、少なくとも振分部材C2170が第1位置から所定量だけ回転するまでの間は、底面部C2172bに球を保持しておくことができる。これにより、受入部C2172に受け入れた球が第1中間部材C2140の通路部C2144へ流出されるまでの時間を遅らせることができる。その結果、球の重さを有効に利用して、振分部材C2170を第2位置に確実に到達させることができる。
この場合、本実施形態では、底面部C2172bは、振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、対向部C2172aに接続される基端側(図96右側、矢印R方向側)の領域における上昇傾斜の角度が、対向部C2172aと反対側となる先端側(図96左側、矢印L方向側)の領域における上昇傾斜の角度よりも大きな角度に設定される。また、言い換えると、底面部C2172bは、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、対向部C2172aと反対側となる先端側(図96左側)の領域における下降傾斜の角度が、対向部C2172aに接続される基端側(図96右側)の領域における下降傾斜の角度よりも大きな角度に設定される。
よって、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ変位(回転)される初期段階では、底面部C2172bの基端側(図96右側)の領域における上昇傾斜を利用して、受入部C2172(底面部C2172b)における球の保持を確実としつつ、後期段階では、底面部C2172bの先端側(図96左側)の領域における下降傾斜を利用して、通路部C2144(第3通路CRt2003)への球の排球をスムーズに行わせることができる。
なお、上述した理由(第2通路CRt2002への逆流防止)により、対向部C2172aを、転動部C2173側が底面部C2172b側よりも第2通路CRt2002へ近接する方向へ傾斜させても良い。
受入部C2172は、振分部材C2170が第2位置に配置された状態では、底面部C2172bが、対向部C2172aから第1中間部材C2140の通路部C2144へ向けて下降傾斜するように形成される(図97参照)。これにより、受入部C2172に受け入れた球を、第1中間部材C2140の通路部C2144へ確実に流出させることができる。
また、球が底面部C2172bを転動している間、その球の重量を振分部材C2170に作用させ、振分部材C2170を第2位置(即ち、後行する球を転動部C2173(第4通路CRt4)へ案内可能な状態)を維持しやすくできる。
転動部C2173は、受入部C2172(底面部2172b)に対して軸C2174を挟んで反対側となる領域に形成される。即ち、受入部C2172に受け入れられた球の重量により振分部材C2170が第1位置から第2位置へ変位(回転)されると、その回転に伴って上方(矢印U方向)へ上昇される領域を少なくとも含む領域に転動部C2173が形成される。即ち、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ変位(回転)されると、転動部C2173の下流側が上方へ持ち上げられ、磁性部C2400との間の距離が短縮される。よって、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)易くできる。
この場合、振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、転動部C2173が、軸C2174を挟んで水平方向(矢印L-R方向)反対側のみに形成されていると、底面部2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173に球が流下された際に、その球の重量や落下の勢いによって、振分部材C2170が第1位置へ向けて回転される虞がある。よって、転動部C2173の高さ位置(鉛直方向位置)が下がり、磁性部C2400との間の距離が拡大されることで、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)られない虞がある。
これに対し転動部C2173は、振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、軸C2174と鉛直方向において重なる範囲(領域)にわたって形成される(図97参照)。即ち、転動部C2173の上流側(第2通路CRt2002側)の領域は、軸C2174よりも水平方向一側(矢印L方向側)に位置し、その上流側を転動する球の重量を、振分部材C2170を第2位置に維持する方向の力として作用させることができる。
よって、底面部2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173に球が流下された際に、その球の重量や落下の勢いを利用して、第2位置にある状態を維持させる方向の慣性力を振分部材C2170に作用させ、その慣性力の作用により第2位置にある状態を維持する方向へ振分部材C2170が変位(回転)しようとしている間に、球を転動部C2173の下流側の領域まで転動させることができる。その結果、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)易くできる。
受入部C2172の底面部C2172bの延設長さ(球を案内する方向の長さ)は、転動部C2173の延設長さよりも大きな寸法に設定される。よって、転動部C2173を球が転動する間、同時に、受入部C2172の底面部C2172bを別の球が転動する状態を形成しやすくできる。即ち、転動部C2173を球が転動する間、受入部C2172の底面部C2172bに別の球の重量を振分部材C2170に作用させておくことができる。
これにより、転動面C2173を球が転動する際に、その球の重量によって振分部材C2170が第2位置から第1位置へ向けて変位される(転動面C2173の下流側が下方へ変位される)ことを抑制できる。その結果、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)易くできる。
特に、受入部C2172の底面部C2172bは、軸C2174から離間する方向(軸C2174に直交する方向)へ延設されるので、底面部C2172bを球が転動するに従って、力の作用点(球の重量が作用する位置)と支点(回転中心)との距離を大きく(増加)させることができる。即ち、底面部C2172bを球が転動するに従って、振分部材C2170を第2位置へ維持し易くできる(第2位置に配置された振分部材C2170を第1位置へ変位(回転させる)のに必要な力を大きくできる)。
これにより、転動面C2173を球が転動する際に、その球の重量によって振分部材C2170が第2位置から第1位置へ向けて変位される(転動面C2173の下流側が下方へ変位される)ことを抑制できる。その結果、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)易くできる。
ここで、振分部材C2170は、底面部C2142(第2通路CRt2002)から受入部C2172へ向けて球が転動する方向(受入部C2172が球を受け入れる方向、矢印R方向)と、受入部C2172を球が転動する方向(受け入れた球を転動させる方向、矢印L方向)とが逆方向とされる。即ち、受入部C2172において、球の流下(転動)方向を反転(方向転換)させる構成とされる。
これにより、受入部C2172が球を受け入れる方向と受入部C2172を球が転動する方向とが同方向とされる場合と比較して、反転に要する時間の分、球が振分部材C2170(受入部C2172)に滞留する時間を確保でき、その受入部C2172に滞留される球の重量を利用して振分部材C2170を第2位置に維持し易くできる。その結果、転動部C2173において球を安定して転動させることができる。
転動部C2173は、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)を転動する球を、磁性部C2400(第4通路CRt2004)へ案内する(振り分ける)ための部位であり、振分部材C2170が第2位置へ配置された状態において、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)の下流端と、磁性部C2400(第4通路CRt2004)の上流端との間に位置(架設)される。
上述したように、転動部C2173は、振分部材C2170が第1位置と第2位置との間で変位(回転)されることで、その上面(転動面)の高さ位置が上下方向(矢印U-D)方向へ変位(昇降)される。これにより、転動部C2173を磁性部C2400よりも下方となる位置に配置できる。
その結果、振分部材C2170を第2位置に配置して、転動部C2173を上方へ変位(上昇)させることで、磁性部C2400に近づけて、重力の作用に抗して、球を吸着させ易くできる一方、振分部材C2170を第1位置に配置して、転動部C2173を下方へ変位(上昇)させることで、磁性部C2400から離間させて、重力の作用も利用して、球を吸着させない態様を確実に形成できる。
転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部)と受入部C2172の対向部C2172aとの連結部分は、上流側(第1中間部材C2140(第2通路CRt2002)側、矢印L方向)へ向けて突出される鋭角な突部形状に形成される。この突部形状の部位が球CB1と球CB2との間に挿入されることで、両球(球CB1,CB2)を切り離すことができる。
振分部材C2170が第2位置に配置された状態では、第1中間部材C2140の底面部C2142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)における高さ位置に対し、転動部C2173(転動面)の上流端(矢印L方向側の端部)における高さ位置が、鉛直方向下方(矢印D方向)に位置される。即ち、底面部C2142の下流端と転動部C2173の上流端との間には段差が形成され、第2位置に配置された振分部材C170が第1位置へ向けて所定量(所定回転角)だけ変位(回転)された場合に、底面部C2142の下流端と転動部C2173の上流端とが同一の高さ位置に配置される。
ここで、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)を転動する球が受入部C2172へ流入されると、その球の重量で振分部材C2170が第1位置から下方へ変位(回転)され、振分部材C2170の下面が下ストッパ部C2145に当接されることで、振分部材C2170が第2位置に配置される。
この場合、下ストッパ部C2145に下面が衝突した際の衝撃で振分部材C2170が上方(矢印U方向)へ跳ね上げられる虞があり、振分部材C2170の上方への跳ね上がりにより、第1中間部材C2140の底面部C2142(転動面)の下流端における高さ位置に対し、転動部C2173(転動面)の上流端における高さ位置が、鉛直方向上方(矢印U方向)に位置されると、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ球を流入(転動)させることができなくなる虞がある。
特に、上方へ跳ね上げられた振分部材C2170(転動部C2173の上流側の端面)に球が衝突し、その球の衝突による衝撃で振分部材C2170が更に上方へ跳ね上げられると(球により振分部材C2170が更に上方へ押し上げられると)、その球が、本来は転動部C2173へ流入(転動)されるべき球であったにも関わらず、受入部C2172に流入される(受け入れられる)される虞がある。
これに対し、振分部材C2170が第2位置に配置された状態では、上述したように、底面部C2142(転動面)の下流端と転動部C2173(転動面)の上流端との間には段差が形成されるので、衝撃により振分部材C2170が上方へ跳ね上げられた場合でも、両者の間の段差の分、底面部C2142の下流端よりも転動部C2173の上流端が鉛直方向上方(矢印U方向)に位置することを抑制できる。即ち、両者の段差の分だけ、振分部材C2170が上方へ跳ね上げられることを許容できる。よって、転動部C2173へ流入(転動)されるべき球(先行の球CB1との間の間隔が所定量以下とされる後行の球CB2)を、底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ流入(転動)させ易くできる。
なお、第2実施形態の場合と同様に、転動部C2173の上流側の端面(第1中間部材C2140に対向する側の面、矢印L方向側の面)を、転動部C2173から第1中間部材C2140(底面部C2142)へ向けて下降傾斜させても良い。即ち、転動部C2173の上流側の端面を、転動部C2173の転動面側の縁部よりも、受入部C2172(対向部C2172a)側の縁部の方が、第1中間部材C2140に近接される断面形状としても良い。
これにより、上方へ跳ね上げられた振分部材C2170(転動部C2173の上流側の端面)に球が衝突した場合には、その球から振分部材C2170(転動部C2173の上流側の端面)に作用する力の方向を、振分部材C2170を下方へ押し下げる方向の力とすることができる。その結果、転動部C2173へ流入(転動)されるべき球(先行の球CB1との間の間隔が所定量以下とされる後行の球CB2)を、底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ流入(転動)させ易くできる。
磁性部C2400は、金属製の長尺板状体であり、背面部材C2130の背面に配設された磁石C2300から作用する磁力を利用して、球を吸着可能とされる。なお、磁石C2300は、磁性部C2400の長手方向に沿って複数が配列される。
振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ球が流下されると、転動部C2173の上面(転動面)を転動した球が、転動部C2173の下流端から磁性部C2400の上流端へ飛び付く。即ち、磁性部C2400の下縁(正面(矢印F方向の面)と下面(矢印D方向の面)とが交差して形成される稜線)に吸着される(図103参照)。磁性部C2400に吸着された球は、飛び付き(転動)による球の勢いと、磁性部C2400の下降傾斜による重力の作用により、磁性部C2400の下縁(長手方向)に沿って移動される。
この場合、球の状態(振分部材C2170の転動部C2173から磁性部C2400へ飛び付く際の球の速度や球の位置、球の回転状態など)に応じて、磁性部C2400の下縁から球が落下する可能性(終端まで球が到達できない可能性)を持たせた不安定な状態を形成できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
特に、磁性部C2400(第4通路CRt2004)は、振分部材C2170と第5通路CRt2005との間の通路を形成するので、遊技の興趣を高めることができる。即ち、振分部材C2170によって第4通路CRt2004に振り分けられる球は、先行する球CB1との間の距離が所定量より小さい状態(即ち、先行する球CB1と連なった状態)で第2通路CRt2002を流下(転動)する球(後行する球CB2)だけであり、かかる後行する球B2が発生する可能性は比較的低い。そのような低い可能性を経て振分部材C2170に到達した球(後行する球B2)を、落下する可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)がある不安定な状態で変位させることで、無事に通過することを遊技者に期待させて、遊技の興趣を向上できる。
磁性部C2400の厚み寸法は、球の直径よりも小さい値(本実施形態では、球の直径の6%)に設定される。よって、磁性部C2400の下縁に外面点CP1が吸着された球は、位置CP1よりも下方となる位置の外面点CP2が本体部C2131の正面に当接される。この場合、球の重心は、外面点CP2よりも本体部C2131の正面から離れて位置するので、球の自重(重心に作用する重力)が、外面点CP1を支点として、外面点CP2を本体部2131の正面に押し当てる方向の力(即ち、図103において外面点CP1を中心として球を右回り(時計まわり)に回転させる力)として作用される(図103参照)。
これにより、磁性部C2400に球が吸着されると、かかる球を、外面点CP1と外面点CP2との2点で支持することができ、その結果、磁性部C2400の下縁(長手方向)に沿った球の移動を安定化できる。また、外面点CP2における本体部2131の正面との間の摩擦抵抗を利用して、球の移動速度を緩やか(低速化)することができる。よって、これによっても、球の移動を安定化できると共に、第4通路CRt2004の通過に要する時間を嵩ませて、球が落下せずに第5通路CRt2005に到達することを期待する遊技者の興趣を向上させることができる。
このように、背面部材C2130の本体部c2131を挟んで、磁石C2300と磁性部C2400を配設し、磁性部C2400に沿って球を移動(摺動)させる構成とすることで、吸着力の調整と摩擦力の適正化とを容易としつつ、球の通過経路を簡素な構造で形成できる。
第2介設部材C2180は、第6通路CRt2006における球の転動面を形成する部材であり、正面部材C2110と第1中間部材C2140及び第1介設部材C2160との対向間に介設される。即ち、正面部材C2110と第1中間部材C2140及び第1介設部材C2160と第2介設部材C2180に区画された空間により第6通路CRt2006が形成される。
第2介設部材C2180の上面(転動面)には、上述したように、第2介設部材C2180(第6通路CRt2006)を案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面(中央流出面C181及び側方流出面C182)が形成される。また、第6通路CRt2006の上面(転動面)には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C182が配置される一方、起伏の頂部に中央流出面C181が配置される。
なお、正面部材C2110の正面部C111の上縁(矢印U方向の縁部)は、中央流出面C181及び側方流出面C182が形成される領域を除き、第2介設部材C2180の上面(転動面)よりも上方(矢印U方向)へ突出される。即ち、第2介設部材C2180の上面(転動面)を転動する球は、中央流出面C181又は側方流出面C182からのみ遊技領域へ流出(流下)される。
第2介設部材C2180の底面には、凹部C183が凹設され、上述したように、かかる凹部C183と正面部材C2110の底面部C112との対向間に第5通路CRt2005の一部が形成される。
迂回部材C2200は、板状の本体部C2201と、その本体部C2201の正面(矢印F方向側の面)から立設される壁面部C2202と、その壁面部C2202の一部を正面側へ更に延設して形成される樋部C2203とを備え、開口C2131aに対向する位置において、背面部材C2130の背面側に配設される。
迂回部材C2200が背面部材C2130に配設された状態では、壁面部C2202の立設先端(矢印F方向側)が背面部材C2130(本体部C2131)の背面に当接され、且つ、樋部C2203の立設先端(矢印F方向側)が第2介設部材C2180の背面に当接されると共に、樋部C2203の縁部が第1介設部材C2160の底面に当接される。
これにより、背面部材C2130(本体部C2131)と迂回部材C2200(本体部C2201及び壁面部C2202)とに区画された空間、及び、第1介設部材C2160と迂回部材C2200(樋部C2203)とに区画された空間により第5通路CRt2005の一部が形成される(図98及び図99参照)。
なお、樋部C2203は、背面部材C2130側から第2介設部材C2180側へ向けて下降傾斜される。よって、背面部材C2130の開口C2131aから迂回部材C2200内へ流入された球を樋部C2203上を転動させて、正面部材C2110の底面部C112と第2介設部材C2180(凹部C183)との間に形成される第5通路CRt2005へ流入させることができる。
次いで、振分部材C2170による球の振り分け動作について説明する。図100から図102は、振分部材C2170による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームC2086bの部分拡大断面図であり、図92のXCVI-XCVI線における断面に対応する。図1036は、図102(b)のCIII-CIII線における下側フレームC2086bの部分拡大断面図である。
なお、図100(a)及び図100(b)は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態を示し、図96に対応する。図102(a)及び図102(b)は、振分部材C2170が第2位置に配置された状態を示し、図97に対応する。
図100(a)に示すように、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、受入部C2172は、第1中間部材C2140の底面部C2142を転動する球CB1を受け入れ可能(球CB1が流入可能)な位置に配置される。
即ち、受入部C2172は、底面部C2142(転動面)を延長した延長線と交差する位置に対向部C2172aが配置され、底面部C2142(転動面)を延長した延長線よりも鉛直方向下方(矢印D方向)となる位置に底面部C2172bが配置される。
なお、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、底面部C2142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部、転動部C2173と対向部C2172aとの連結部分)との間の間隔が、球の直径よりも大きな寸法(球が通過可能な寸法)に設定される。
一方、転動部C2173は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、第1中間部材C2140の底面部C2142を転動する球CB1を受け入れ不能(球CB1が流入不能)な位置に配置される。
即ち、転動部C2173は、底面部C2142(転動面)を延長した延長線よりも鉛直方向上方(矢印U方向)となる位置(一段高い位置)に底面部C2172bが配置される。なお、転動部C2173と、底面部C2142(転動面)を延長した延長線との間の鉛直方向における間隔(段差の高さ)は、球の半径よりも大きな寸法に設定される。これにより、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C2170の転動部C2172bに流入することを抑制できる。
なお、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、第1中間部材C2140の天面部C2143の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部)との間の間隔が、球の直径よりも大きな寸法(球が通過可能な寸法)に設定される。これにより、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C2170の転動部C2172bに流入することを許容できる。
この場合、振分部材C2170が第1位置にある状態では、転動部C2173が、水平方向(矢印L-R方向)において、軸C2174を挟んで、底面部C2142(第2通路CRt2002)と反対側に位置し、且つ、底面部C2142(第2通路CRt2002)から離間する方向(矢印R方向)へ向かって下降傾斜される。
よって、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C2170の転動部C2172bに流入したとしても、かかる球により、振分部材C2170が第2位置へ向けて回転される(即ち、転動部C2173が上方へ持ち上げられる)ことを抑制できると共に、転動部C2173の下降傾斜に沿って球を第2中間部材2150側(第6通路CRt2006)へ落下させることができる。その結果、段差を乗り越えた球が磁性部C2400に飛び付いて(吸着されて)、第4通路CRt2004を流下する(第5通路CRt2005へ到達する)ことを抑制できる。
但し、段差を乗り越えた球が磁性部C2400に飛び付く(吸着される)ことが可能な位置に磁性部C2400が配設されていても良い。即ち、球CB1,CB2の間の間隔が比較的小さく、球CB2が球CB1に追い付き、球CB2が球CB1を乗り越える場合に、球CB2が磁性部C2400に飛び付き(吸着)可能な位置に磁性部C2400が配設されていても良い。球CB2は、本来は、第4通路CRt2004へ振り分けられるべき球であるので、かかる球が第2中間部材2150側(第6通路CRt2006)へ落下されることを抑制して、遊技者に不利になることを抑制できる。
第1中間部材C2140の底面部C2142を球CB1(先行する球)と球CB2(先行する球との間に所定の間隔を隔てて後行する球)とが転動する場合、図100(b)に示すように、球CB1が振分部材C2170の受入部C2172に流入され(受け入れられ)、球CB1は、対向部C2172aに当接され(受け止められ)、受入部C2172に保持される。
また、球CB1,CB2の間の間隔が比較的小さい場合には、球CB2が球CB1に追い付き、球CB2が球CB1に当接される。これにより、球CB2を球CB1の後方(上流側)に待機させることができる。
図100(b)に示すように、球CB1が受入部C2172に受け入れられると、図101(a)に示すように、球CB1の重量により振分部材C2170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)される。また、球CB2が球CB1に追い付いている場合には、その球CB2の重量も振分部材C2170に作用される。
ここで、受入部C2172は、対向部C2172aの底面部C2172bに連結される側の領域と、底面部C2172bの対向部C2172aに連結される側の領域とが、即ち、対向部C2172aと底面部C2172bとの連結部分が、軸C2174側へ向けて凸となり球の外形と略同一形状(球と略同径)となる円弧状に湾曲して形成され、その円弧状に湾曲した部分により球を保持可能とされる。
また、振分部材C2170(底面部C2172bの転動面における上流側(矢印R方向側)の領域)と第1中間部材C2140(底面部C2142の下流側(矢印R方向側)の端部)との間の間隔は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定され、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)されることで、漸次拡大される。
即ち、振分部材C2170が第1位置と第2位置との間の所定中間位置(図101(a)と図101(b)との間の位置)まで変位(回転)されると、上述の振分部材C2170(底面部C2172bの転動面における上流側(矢印R方向側)の領域)と第1中間部材C2140(底面部C2142の下流側(矢印R方向側)の端部)との間の間隔が球の直径と略同一の寸法(球が通過可能な寸法)まで拡大され、振分部材C2170が所定中間位置から第2位置へ向けて更に変位(回転)されると、上述した間隔が、更に拡大され、第2位置において最大の間隔が形成される。
よって、振分部材C2170が第1位置から所定中間位置まで変位(回転)される間は、受入部C2172に球CB1を受け入れた状態が維持される。即ち、振分部材C2170は、第1位置から所定中間位置までの間は、受入部C2172に球CB1を受け入れた状態で変位(回転)される。これにより、球CB2が球CB1に当接された状態を維持して、球CB2が底面部C2142の下流端に位置する状態を維持できる。
この場合、底面部C2142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部、対向部C2172aとの連結部分)との間の間隔は、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)されることで、漸次縮小され、振分部材C2170が所定中間位置に到達する前に、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定される。よって、球CB2が受入部C2172へ流入する(受け入れられる)ことを抑制できる。
また、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)される場合、受入部C2172(対向部C2172aと底面部C2172bとの連結部分)に保持された球CB1の軌跡の外縁(軸C2174と反対側の外縁)よりも、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部、対向部C2172aとの連結部分)の軌跡が、軸C2174に近い側を通過するように構成される。
よって、球CB2が球CB1に当接された状態を維持して、球CB2が底面部C2142の下流端に位置する状態を維持できると共に、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部、対向部C2172aとの連結部分)により球CB2を押し戻す(押し返す)ことができる。即ち、転動部C2173の上流端を球CB1と球CB2との間に挿入して、両球を切り離すことができる。よって、球CB2が受入部C2172へ流入される(受け入れられる)ことを抑制できる。また、球CB2を徐々に転動部C2173へ転動させ、その後の転動を安定させることができる。
図101(a)に示す状態から振分部材C2170が第2位置へ向けて更に変位(回転)されると、図101(b)に示すように、球CB1が通路部C2144へ向けて底面部C2172bを転動されると共に、球CB2が転動部C2173に流下される(転動部C2173に受け入れられる)。
図102(a)及び図102(b)に示すように、振分部材C2170が第2位置に配置されると、球CB1が受入部C2172から通路部C2144(第3通路CRt2003)へ流入されると共に、転動部C2173を転動した球CB2が、磁性部C2400に飛び移り(吸着され)、第4通路CRt2004へ流入される。
球CB1,CB2が第3通路CRt2003及び第4通路CRt2004へ流入された後は、振分部材C2170が第2位置から第1位置へ向けて自重により復帰(変位)される。
なお、振分部材C2170が第2位置に配置された状態で、或いは、振分部材C2170が第2位置から第1位置への変位(回転)を開始した後であっても、第3の球が転動部C2173到達し、その転動部C2173の転動面に流入した場合には、第3の球が転動部C2173を転動する。この場合、球CB1が受入部C2172(底面部C2172b)上にあるか否か、第3の球の転動速度(勢い)などに起因して、第2中間部材2150側(第6通路CRt2006)へ落下されるか、磁性部C2400に飛び移り(吸着され)、第4通路CRt2004へ流入されるかが決定される。即ち、2つの状態を形成可能とできる。
なお、振分部材C2170は、1球の重量のみで、第1位置から第2位置まで変位(回転)可能に構成される。よって、球CB1と球CB2との間隔が所定量よりも大きな場合には、これら球CB1及び球CB2の両球が、受入部C2172に順に受け入れられ、それぞれ上述した振り分け動作を経て第3通路CRt2003へ振り分けられる。
以上のように、第3実施形態における下側フレームC2086bによれば、球CB1と球CB2とが所定量以下の間隔を隔てて連なる場合には、球CB1を第3通路CRt2003へ振り分け(案内し)、且つ、球CB1の重量で第2位置へ変位される振分部材C2170により球CB2を上方へ持ち上げて第4通路CRt2004へ振り分ける(案内する)ことができる一方、球CB1と球CB2とが所定量を越える間隔を隔てて連なる場合には、両球(球CB1及び球CB2)を第3通路CRt2003へ振り分ける(案内する)ことができる。このように、球CB1,CB2の連なりの状態(先行の球と後行の球との間隔が所定量を超えるか否か)に応じて案内する通路を変化させられるので、興趣の向上を図ることができる。
次いで、図104から図107を参照して、第4実施形態におけるセンターフレームC3086について説明する。
上記第2実施形態では、振分部材C170が回転される場合を説明したが、第3実施形態における振分部材C3170は、スライド変位される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図104及び図106は、第4実施形態における下側フレームC3086bの部分拡大断面図であり、図105及び図107は、下側フレームC3086bの背面図である。なお、図104及び図105では、振分部材C3170が第1位置に配置された状態が、図106及び図107では、振分部材C3170が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。また、図104及び図106は、図77のLXXXI-LXXXI線における断面に対応する。
ここで、第4実施形態における下側フレームC3086bは、第2実施形態における下側フレームC86bに対し、振分部材C3170を変位させる構造および振分部材C3170に装飾部材C3190を連動ささせる構造が異なる点を除き、その他の構成は同一に構成される。
図104から図107に示すように、背面部材C3130の本体部C131には、直線状の2本の案内溝C3131cが互いに平行な姿勢で上下方向に沿って延設される。これら2本の案内溝C3131cは、下方側(矢印D方向側)ほど第1中間部材C140に近接する方向に傾斜する姿勢で配設される。
即ち、第2位置における振分部材C3170の水平方向(矢印L-R方向)位置は、第1位置における振分部材C3170の水平方向位置よりも中間部材C140に近接する側(矢印L側)に位置されるる。
振分部材C3170には、上下一対を一組とする合計4本の軸C3171aが本体部C3171の背面から突出される。軸C3171aは、案内溝C3131cに摺動可能に挿通される被案内部であり、かかる軸C3171aが案内溝C3131cに沿って摺動されることで、振分部材C3170が第1位置と第2位置との間をスライド変位(直動)される。
左右の案内溝C3131cには、軸C3171aが一組ずつ配設される。よって、振分部材C3170は、回転による姿勢の変化を生じさせずに(即ち、底面部C172b及び転動部C173の傾斜角度を一定に維持させたまま)、第1位置と第2位置との間をスライド変位可能とされる。
なお、案内溝C3131cに挿通された軸C3171aの先端には、案内溝C3131cの溝幅よりも大径のカラーCWが配設され、かかるカラーCWが、軸C3171aが案内溝C3131cから抜け出ることを規制する抜け止めとされる。
振分部材C3170は、案内溝C3131cの上端(矢印U方向の端部)に軸c3171aが当接して、上方への変位が規制されることで、第1位置に規定(配置)され(図104及び図105参照)、振分部材C3170の下面に下ストッパ部C132が当接して、下方への変位が規制されることで、第2位置に規定(配置)される(図106及び図107参照)。
装飾部材C3190は、本体部C191と一体に形成され、軸C192を中心として径方向外方へ延設されるアーム部C3193を備え、アーム部C3193には、直線状の案内溝C3193aが軸C192を中心とする径方向に沿って延設される。案内溝C3193aには、軸C3171aが摺動可能に挿通される。
装飾部材C3190は、その重心位置が回転中心(軸C192)に対して一側(軸C192を挟んで振分部材C3170と反対側、図105左側)に偏心される。よって、無負荷状態では、装飾部材C3190は、アーム部C3193を上方へ持ち上げた姿勢とされ(背面視において軸C192を中心として反時計回りに回転され、図105参照)、振分部材C3170は、アーム部C3193により軸C3171aが上方へ押し上げられることで、第1位置に配置された状態とされる(図104及び図105参照)。
一方、振分部材C3170の受入部C172に球が受け入れられた状態では、その球の重さにより、振分部材C3170及び装飾部材C3190全体としての重心位置が回転中心(軸C192)に対して他側(軸C192に対して振分部材C3170が配設される側、図107右側)に偏心される。即ち、受入部C172に球を受け入れた状態では、振分部材C3170は、球の重量により案内溝C3131cに沿って下降され、第2位置に配置される。また、装飾部材C3190は、アーム部C3193が軸C3171aにより下方へ押し下げられ、背面視において軸C192を中心として時計回りに回転された状態とされる(図107参照)。
第2位置において、受入部C172から通路部C144へ球が排球されると、装飾部材C3190が、その重心位置の偏心を利用して、背面視において軸C192を中心として反時計回りに回転され、アーム部C3193を上方へ持ち上げた姿勢とされる。これに伴い、アーム部C3193により軸C3171aが上方へ押し上げられることで、振分部材C3170が第1位置に配置(復帰)される(図104及び図105参照)。
振分部材C3170が第1位置と第2位置との間でスライド変位されることによる球CB1及び球CB2の振り分け動作については、上述した第2実施形態の場合と同様であるので、その説明は省略する。
以上のように、第4実施形態における下側フレームC3086bによれば、球CB1と球CB2とが所定量以下(両球が密着する間隔が0の場合を含む)の間隔を隔てて連なる場合には、球CB1を第4通路CRt4へ振り分け(案内し)、且つ、球CB1の重量で第2位置へ変位される振分部材C170により球CB2を第5通路CRt5へ振り分ける(案内する)ことができる一方、球CB1と球CB2とが所定量を越える間隔を隔てて連なる場合には、両球(球CB1及び球CB2)を第4通路CRt4へ振り分ける(案内する)ことができる。このように、球CB1,CB2の連なりの状態(先行の球と後行の球との間隔が所定量を超えるか否か)に応じて案内する通路を変化させられるので、興趣の向上を図ることができる。
ここで、第2実施形態の場合のように、振分部材C170が軸C192を中心として回転される構造では、受入部C172の変位量を確保する(第3通路CRt3に対面する位置と第4通路CRt4に対面する位置との間を変位可能とする)ために、軸C192と受入部C172との間の長さ(距離)を大きくする必要があり、幅方向(軸C192と受入部C172とを結ぶ方向)における振分部材C170の大型化を招く。
これに対し、本実施形態では、振分部材C3170を上下方向にスライド変位させるので、受入部C172の変位量を確保(即ち、第3通路CRt3に対面する位置と第4通路CRt4に対面する位置との間を変位可能と)しつつ、回転中心(軸C192)と受入部C172とを連結する部位を設ける必要がない分、幅方向における振分部材C3170の小型化を図ることができる。即ち、振分部材C3170の幅方向の寸法を、転動部C173の転動面の長さ寸法(矢印L-R方向寸法)とすることができる。
次いで、図108を参照して、第5実施形態における皿部材C4120について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図108(a)は、第5実施形態における皿部材C4120の上面図であり、図108(b)は、図108(a)のCVIIIb-CVIIIb線における皿部材C4120の断面図であり、図108(c)は、図108(a)のCVIIIc-CVIIIc線における皿部材C4120の断面図である。
皿部材C4120は、通路の底面を形成する上側底面部C4121及び下側底面部C4122と、通路の側壁を形成する上側側壁部C4123及び下側側壁部C4124を備える。
上側底面部C4121は、上面視において略直線状の通路(第1通路CRt4001)として左右方向(矢印L-R方向)に沿って延設されると共に、下側底面部C4122へ近接する方向(矢印R方向)へ向けて下降傾斜して形成される。
上側側壁部C4123は、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)の通路幅を区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。但し、通路幅は、複数の球を並列の状態で案内可能な寸法(球の2倍よりも大きい寸法)であっても良い。
上側側壁部C4123には、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)の下流側の端部に切り欠き部C4123aが切り欠き形成され、この切り欠き部c4123aを介して、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)から下側底面部C4122(第2通路CRt4002)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C4122は、上面視において、前後方向(矢印F-B方向)に沿って延設され、その延設方向一端側および他端側における形状が略直線状の直線部C4122aと、それら一対の直線部C4122aの間において、上面視において、流出面C122a側が凹となる円弧状に湾曲する円弧部C4122bとから形成される。なお、円弧部C4122bは、前後方向の略中央において、上側底面部C4121の延設方向(矢印L-R方向)上流側(矢印L方向側)へ最も張り出した形状とされる。
また、下側底面部C4122の延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、一対の直線部C4122aでは円弧部C4122bへ向かうにつれて鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて下降傾斜する平面として形成され、円弧部C4122bでは略水平に形成される。即ち、円弧部C4122bの上面(転動面)は、鉛直方向に直交する平面として形成される。
下側側壁部C4124は、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)の長手方向(球を案内する方向)における一端側および他端側の端部と、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)の通路幅とをそれぞれ区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
下側底面部C4122の直線部C4122aは、上面視において、上側底面部C4121に対し、略直交して配設され、上側底面部C4121の下流端(矢印R方向側の端部)と下側底面部C4122の長手方向における一端側(矢印B方向側の端部、直線部C4122aの上昇傾斜側)とが隣り合う位置に配設される。
上側側壁部C4123における切り欠き部C4123aに対応する位置では、下側側壁部C4124が非形成とされ、上述したように、切り欠き部C4123aを介して、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)から下側底面部C4122(第2通路CRt4002)へ球が流下可能とされる。
円弧部C4122bの内径側(上面視における円弧の中心側、矢印R方向側)における下側側壁部C4124には、円弧部C4122bの前後方向の略中央(湾曲形状の矢印L方向に最も張り出した位置)に切り欠き部C124aが切り欠き形成され、この切り欠き部C124aを介して、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)から底面部C142(第3通路CRt3、図81参照)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C4122は、上述したように、一対の直線部C4122a及び円弧部C4122bから形成され、直線部C4122aの上昇傾斜側(下側底面部C4122の長手方向における一端側)に上側底面部C4121(第1通路CRt4001)から球が流下されるので、かかる流下された球を、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)の長手方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、切り欠き部C124aから底面部C142(第3通路CRt3、図81参照)へ球を流下させることができる。
これにより、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)から下側底面部C4122(第2通路CRt4002)へ流入する場合に、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。
下側底面部C4122の円弧部C4122bには、切り欠き部C124aに対応する位置(即ち、円弧部C4122bの前後方向(矢印F-B方向)における略中央(湾曲形状の矢印L方向に最も張り出した位置)に流出面C122aが凹設される。流出面C122aは、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)を案内される球を、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出させるための部位であり、底面部C142(第3通路CRt3)へ向けて下降傾斜する凹面として形成される(図81参照)。
よって、下側底面部C4122を往復動した後、その転動速度が低下した球を、流出面C122aを利用して、底面部C142(第3通路CRt3)へスムーズに流出(流下)させることができる。即ち、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)における往復動を利用して、先行する球と後行する球との間隔が減少された球(連なった状態の球)を、その連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させることができる(図81参照)。
なお、流出面C122aは、上面視において、その凹面の幅(下側底面部C4122を往復動する球の転動方向に沿う方向の寸法、矢印F-B方向の寸法)が、切り欠き部C124aに近い側ほど大きい形状に形成される。
また、上面視において、切り欠き部C124aと反対側(対向する側、矢印L方向側)に位置する下側側壁部C4124に球を当接させた状態では、球が流出面C122a上を転動する(横切る)。即ち、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)を転動(往復動)する球が、切り欠き部C124aから最も離間した位置(球の側方の頂部を下側側壁部C4124に当接させる位置)を転動する状態でも、上面視において、球の中心と重なる範囲まで流出面C122aが形成される(球が下側底面部C4112を転動する際の球の下方の頂部の軌跡である転動線が流出面C122aを横切る)。
一方で、下側底面部C4122に流出面C122aが凹設(形成)されていると、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)に流下した球が、かかる下側底面部C4122(第2通路CRt4002)を一度も往復動することなく、又は、十分な回数だけ往復動する前に、流出面C122aの傾斜の作用により、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)する虞がある。即ち、先行する球と後行する球との間隔を減少させず、両球が間隔を隔てたまま底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)する虞がある。
これに対し、本実施形態では、下側底面部C4122が円弧状に湾曲して形成され、その円弧部C4122bの内径側(上面視における円弧の中心側、矢印R方向側)に切り欠き部C124aが形成される。よって、円弧部C4122bを転動する球には切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C4124へ向けて遠心力が作用され、これにより、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C4124に球を押し付けつつ、かかる球を下側底面部C4122(第2通路CRt4002)で転動(往復動)させることができる。
これにより、球の転動速度が十分に低くなる前に、球が流出面C122aの傾斜の作用で底面部C142(第3通路CRt3、図81参照)へ流出(流下)することを抑制できる。即ち、球の転動速度が十分に低くなるまでの間、流出面C122aを乗り越え易く(横切らせ易く)して、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)に沿って球を十分に往復動させ易くできる。その結果、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことを確実化できる。
次いで、図109(a)を参照して、第6実施形態における下側フレームC5086bについて説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図109(a)は、第6実施形態における下側フレームC5086bの断面図であり、図94のXCIX-XCIX線における断面に対応する。なお、図109(a)では、下側フレームC5086bの背面部材C2130、磁石C2300及び磁性部C5400の断面のみ図示される。
磁性部C5400は、金属製の長尺体であり、背面部材C2130と反対側(矢印F方向側)における端部から突部が鉛直方向下方(矢印D方向)に突設される。よって、磁性部C5400は、断面形状が略L字状に形成される。また、磁性部C5400の突部は、背面部材C2130側の端部が背面部材C2130の正面から球の半径よりも大きな間隔を隔てた位置に配設されると共に、磁性部C5400の底面の断面形状は、幅方向(矢印F-B方向)に直線状に形成される。
磁性部C5400は、背面部材C2130の背面に配設された磁石C2300から作用する磁力を利用して、球を吸着可能とされる。なお、磁石C2300は、磁性部C5400の長手方向に沿って複数が配列される。
振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ球が流下されると、転動部C2173の上面(転動面)を転動した球が、転動部C2173の下流端から磁性部C5400の上流端へ飛び付く(図102参照)。即ち、磁性部C5400の突部の底面に吸着される。磁性部C5400に吸着された球は、飛び付き(転動)による球の勢いと、磁性部C5400の下降傾斜による重力の作用により、磁性部C5400の長手方向に沿って磁性部C5400の下流端へ移動される。これにより、磁性部C5400に沿って流下された球を第5通路CRt2005(図97参照)へ案内できる。
上述したように、磁性部C5400の突部は、背面部材C2130側の端部が背面部材C2130の正面から球の半径よりも大きな距離隔てた位置に配設されるため、磁性部C5400に沿って流下される球と背面部材C2130とが当接することが抑制される。よって、球に摩擦力が作用されることが抑制できるので、球の流下速度を高くすることができる。また、球が背面部材C2130の正面に支持されないことで、流下する際に球が揺れる態様を形成できると共に、球が磁性部C5400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。その結果、球の挙動を遊技者に注目させ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図109(b)を参照して、第7実施形態における下側フレームC6086bについて説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図109(b)は、第7実施形態における下側フレームC6086bの断面図であり、図94のXCIX-XCIX線における断面に対応する。なお、図109(b)では、下側フレームC6086bの背面部材C2130、磁石C2300及び磁性部C6400の断面のみ図示される。
第7実施形態における磁性部C6400は、第6実施形態における磁性部C5400に対し、磁性部C6400の突部の底面が、背面部材C2130を向く傾斜面(即ち、鉛直方向上方ほど背面部材C2130に近接する面)として形成される点を除き、他の構成は第6実施形態における磁性部C5400と同一の構成である。
磁性部C6400の突部の底面に吸着された球は、その底面の傾斜と、磁石部C2300から直接作用される磁力との効果により、背面部材C2130に当接される。従って、球に摩擦力を作用させることができ、磁性部C6400に沿って流下する球の流下速度を遅くできる。これにより、球の移動時間を長くでき、遊戯の興趣を高めることができる。
また、磁性部C6400の突部と背面部材C2130とで球を挟み込むことができ、球が磁性部C6400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。
次いで、図110から図122を参照して、第8実施形態におけるセンターフレームD86について説明する。
第1実施形態では、センターフレーム86が一部品から構成される場合を説明したが、第8実施形態におけるセンターフレームD86は、上側フレームD86aと下側フレームD86bとの2部材から構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図110は、第8実施形態における遊技盤D13の正面図である。図110に示すように、センターフレームD86は、ベース板60の窓部60a(図7参照)に嵌合可能な形状で構成され、タッピングネジ等によりベース板60に締結固定される部材であり、上側フレームD86aと下側フレームD86bとを備える。
上側フレームD86aは、ベース板60の窓部60a(図7参照)における上側(図110上側)及び左右(図110左側及び右側)の内縁に沿って配設され、下側フレームD86bは、ベース板60の窓部60aにおける下側(図110下側)の内縁に沿って配設される。これら上側フレームD86a及び下側フレームD86bに取り囲まれた領域を介して第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
なお、上側フレームD86aは、第1実施形態におけるセンターフレーム86の一部(ベース板60の窓部60a(図7参照)における下側(図110下側)の内縁に沿って配設される部分、即ち、下側フレームD86bが配設される部分)を省略した構成とされ、その省略された部分を除く他の部分は、第1実施形態におけるセンターフレーム86と同一の構成とされる。
次いで、下側フレームD86bについて説明する。図111は、下側フレームD86bの正面斜視図であり、図112は、下側フレームD86bの背面斜視図である。なお、図111及び図112では、ベース板60の一部のみが部分的に図示されると共に、ベース板60に下側フレームD86bを締結固定するタッピングネジの図示が省略される。
図111及び図112に示すように、下側フレームD86bには、球を受け入れ可能な開口として形成される受入口DOPinと、その受入口DOPinに連通される第1通路DRt1と、その第1通路DRt1を案内された球が流下される第2通路DRt2と、その第2通路DRt2を案内された球(第2通路DRt2をその長手方向(矢印F-B方向)に沿って往復動した球)が流下される第3通路DRt3と、その第3通路DRt3を案内された球(第3通路DRt3をその長手方向(矢印L-R方向)に沿って往復動した球)が、第3通路DRt3から流下される位置に応じて振り分けられる第4通路DRt4、第5通路DRt5及び第6通路DRt6と、第4通路DRt4又は第5通路DRt5を案内された球が流下される第7通路DRt7と、第6通路DRt6を案内された球が流下される第8通路DRt8と、第8通路DRt8を案内された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口DOPoutとが形成される(図119から図121参照)。
なお、第6通路DRt6及び第8通路DRt8は、第6通路DRt6の下流端に第8通路DRt8の上流端が連通(接続)されており、1本の通路を形成する。即ち、該通路は、上流側の一部(前半)が第6通路DRt6により、下流側の一部(後半)が第8通路DRt8により、それぞれ形成される。
また、上側フレームD86aには、上側フレーム通路DRt0(図110参照)が形成される。上側フレーム通路DRt0は、遊技領域のうちの正面視左側(図110左側)の領域(センターフレームD86(上側フレームD86a)とレール61との間の領域)から流入(入球)された球を案内する通路であり、その上側フレーム通路DRt0の下流端に下側フレームD86bの受入口DOPinが連通される。
即ち、遊技領域から上側フレーム通路DRt0に流入(入球)した球は、受入口DOPinを介して、上側フレーム通路DRt0から下側フレームD86bの第1通路DRt1へ流入(入球)される。
第3通路DRt3の通路幅は、所定間隔を隔てて対向する側壁(中間部材D140の側壁部D142と背面部材D130の側壁部D132と)により区画されるところ、これら通路幅を区画する側壁の一方(背面部材D130の側壁部D132)は、一部が分断され(側壁が非形成とされ)、その分断された領域と上面視において隣接する位置に、球が流下可能な流下口DOPflが開口される。
第3通路DRt3を案内された球(第3通路DRt3をその長手方向(矢印L-R方向)に沿って往復動した球)は、流下口DOPflを介して、第4通路DRt4、第5通路DRt5又は第6通路DRt6のいずれかへ流下(入球)可能とされる。
流下口DOPflは、第3通路DRt3の長手方向と直交する方向(矢印B方向)へ張り出し、第3通路DRt3の長手方向に沿って延設される上面視略矩形の空間(開口)として形成される。なお、流下口DOPflは、背面部材D130の本体部D131及び連結部D133により区画される。
流下口DOPflには、第3通路DRt3の長手方向に沿って、第4通路DRt4、第第6通路DRt6及び5通路DRt5の上流端(上流側の開口)が順に並設される。即ち、第6通路DRt6の上流端(上流側の開口)は、流下口DOPflの長手方向中央に位置し、第4通路DRt4及び第5通路DRt5の上流端(上流側の開口)は、第6通路DRt6の上流端を挟んで、流下口DOPflの長手方向一側(矢印L方向側)及び他側(矢印R方向側)にそれぞれ位置する。
よって、第3通路DRt3をその長手方向に沿って往復動し、流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)中央を含む領域へ流下する球は、第6通路DRt6へ流入(入球)され、流下口DOPflの長手方向一側(矢印L方向側)又は他側(矢印R方向側)を含む領域へ流下する球は、第4通路DRt4又は第5通路DRt5へ流入(入球)される。即ち、第3通路DRt3を案内される球が、第4通路DRt4から第6通路DRt6のいずれに振り分けられるかは、第3通路DRt3から流下する位置(領域)に応じて決定される。
ここで、第6通路DRt6を案内された球は、第8通路DRt8へ流下(流入)されるところ、第8通路DRt8の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口DOPoutは、第1入賞口64(図110参照)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第6通路DRt6へ振り分けられた球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
一方、第4通路DRt4又は第5通路DRt5を案内された球は、第7通路DRt7へ流下(流入)されるところ、第7通路DRt7には、その第7通路DRt7を案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として、第1入賞口64の鉛直方向上方となる位置に中央流出面D151が形成(配置)されるだけでなく、第1入賞口64の鉛直方向上方から遊技盤13の幅方向(図110左右方向)に位置を異ならせた2箇所に、側方流出面D152が形成(配置)される。また、第7通路DRt7には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面D152が形成され、起伏の頂部に中央流出面D151が形成される。
そのため、第4通路DRt4又は第5通路DRt5に振り分けられた球は、第7通路DRt7において、中央流出面D161から遊技領域へ流出する確率よりも、側方流出面D162から遊技領域へ流出する確率が高く、結果として、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した第6通路DRt6へ振り分けられた球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
このように、本実施形態における下側フレームD86bは、第3通路DRt3をその長手方向に沿って往復動する球が第6通路DRt6に振り分けられることで、第1入賞口64に入賞しやすくする(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させる)ことができる。よって、第3通路DRt3をその長手方向に沿って球が往復動する際には、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、第6通路DRt6に振り分けられることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
ここで、本実施形態における下側フレームD86bでは、第6通路DRt6の上流端(上流側の開口)に、一対の変位部材D180が開閉可能(閉鎖位置と開放位置との間で変位可能)に配設される。一対の変位部材D180は、基端側が回転可能に軸支され、基端側の反対側となる先端側が上方側(矢印U方向側)となる姿勢で配設され、基端側を回転軸として、先端側を互いに近接または離間する方向へ変位(回転)させることで、閉鎖位置と開放位置との間で変位(回転)とされる。
一対の変位部材D180は、流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)に所定間隔を隔てて配置され、それら一対の変位部材D180の対向間に流入(入球)した球は、第6通路DRt6へ流入(入球)され、一対の変位部材D180の対向間に流入(入球)されなかった球は、第4通路DRt4又は第5通路DRt5へ流入(入球)される。
一対の変位部材D180の先端側の対向間隔は、開放位置での対向間隔が閉鎖位置での対向間隔よりも大きくされ、一対の変位部材D180が開放位置に変位(回転)されると、閉鎖位置にある場合と比較して、第6通路DRt6へ流入(入球)可能な領域が拡大され、第4及び第5通路DRt4,DRt5に流入(入球)可能な領域が縮小される。即ち、流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)の間隔(寸法)に対し、一対の変位部材D180の先端側の対向間隔が占める割合は、開放位置における割合が閉鎖位置における割合よりも大きくされる。よって、一対の変位部材D180が開放位置にある状態では、閉鎖位置にある状態と比較して、第6通路DRt6へ球が流入(入球)されやすい。
この場合、一対の変位部材D180は、後述するように、第6通路DRt6に球が流入(入球)されると、その球の重量(質量)を利用して、閉鎖位置から開放位置へ変位(回転)される。具体的には、第6通路DRt6には、転動部材D170が配設され、その転動部材D170上を球が転動している間は、一対の変位部材D180が開放位置に配置(変位)され、転動部材D170上に球が存在しない間は、一対の変位部材D180が閉鎖位置に配置(変位)される。
このように、本実施形態における下側フレームD86bは、第6通路DRt6に球が流入(入球)された場合に、一対の変位部材D180が開放位置に変位(回転)され(第6通路DRt6へ球が入球されやすくされ)、これにより、第6通路DRt6へ入球された球に後行する球(例えば、第3通路DRt3をその長手方向に往復動する球、後続の球)を第6通路DRt6へ入球されやすくできる。
よって、第6通路DRt6へ第1の球が入球されれば、一対の変位部材D180の開放位置への変位(回転)により、後行する第2の球が第6通路DRt6へ入球されやすい状態を形成でき、後行する第2の球が第6通路DRt6へ入球されれば、その後行する第2の球の第6通路DRt6への入球に起因して(第2の球の重量を利用した変位部材D180の開放位置への変位により)、次に後行する第3の球(第2の球の後続となる第3の球)が第6通路DRt6へ入球されやすい状態を形成でき、以降、これらの態様を繰り返すことができる。よって、第6通路DRt6への球の入球により、第6通路DRt6への入球の連鎖の発生を遊技者に期待させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
なお、本実施例では、一対の変位部材D180は、閉鎖位置に変位(回転)された状態では、対向間隔の最小値が球の直径よりも若干大きな寸法(例えば、球の直径の1.3倍)に設定され、開放位置に変位(回転)された状態では、先端側における対向間隔が球の直径の約3倍に設定される。
次いで、図111から図112に加え、図113から図122を参照して、下側フレームD86bの詳細構成について説明する。
図113は、下側フレームD86bの分解正面斜視図であり、図114は、下側フレームD86bの分解背面斜視図である。図115は、下側フレームD86bの上面図であり、図116は、下側フレームD86bの正面図であり、図117は、下側フレームD86bの背面図である。
図118(a)は、図116の矢印CXVIIIa方向視における下側フレームD86bの側面図であり、図118(b)は、図116の矢印CXVIIIb方向視における下側フレームD86bの側面図である。
図119(a)、図120(a)及び図121(a)は、下側フレームD86bの部分拡大断面図であり、図115のCXIXa-CXIXa線における断面に対応する。図119(b)、図120(b)及び図121(b)は、下側フレームD86bの部分拡大背面図である。
なお、図119(a)及び図119(b)では、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態が、図121(a)及び図121(b)では、転動部材D170が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
また、図120(a)及び図120(b)では、転動部材D170が初期位置(第1位置)から第2位置(又は第2位置から初期位置(第1位置))へ向けて変位(回転)され、変位部材D180が閉鎖位置から開放位置(又は開放位置から閉鎖位置)へ向けて変位(回転)される際の変位途中の状態が図示される。
また、図120(a)及び図121(a)では、転動部材D170上を転動する球の図示が省略され、図119(b)、図120(b)及び図121(b)では、迂回部材D200が取り外された状態が図示される。
図122(a)は、図115のCXXIIa-CXXIIa線における下側フレームD86bの部分拡大断面図であり、図122(b)は、図115のCXXIIb-CXXIIb線における下側フレームD86bの部分拡大断面図であり、図122(c)は、図119のCXXIIc-CXXIIc線における下側フレームD86bの部分拡大断面図である。
図111から図122に示すように、下側フレームD86bは、正面部材D110と、その正面部材D110の長手方向一側(矢印L方向側)に配設される皿部材D120と、正面部材D110の背面(矢印B方向側の面)に所定間隔を隔てて対向配置される背面部材D130と、正面部材D110及び背面部材D130の対向間に介設され、正面部材D110の背面および背面部材D130の正面(矢印F方向側の面)に所定間隔を隔てて対向配置される中間部材D140と、正面部材D110及び中間部材D140の対向間に介設される第1介設部材D150と、中間部材D140及び背面部材D130の対向間に介設される第2介設部材D160と、中間部材D140及び背面部材D130の対向間に配設される転動部材D170及び変位部材D180と、背面部材D130の背面側に配設される伝達部材D190及び迂回部材D200と、背面部材D130に変位可能に配設(回転可能に軸支)され、一側(矢印F方向側)に変位部材D180が固着されると共に他側(矢印B側側)が伝達部材D190に当接可能とされる軸支部材D210と、を備える。
転動部材D170及び変位部材D180は、中間部材D140及び背面部材D130の対向間において、変位(回転)可能に配設され、伝達部材D190は、背面部材D130の背面側において、変位(回転)可能に配設される。
なお、下側フレームD86bは、各部材どうしが、それぞれタッピングネジにより締結固定されると共に、転動部材D170、変位部材D180及び伝達部材D190が背面部材D130にそれぞれ変位可能に配設(回転可能に軸支)されることで、一つ(単体)のユニットとして構成される(図111参照)。
また、下側フレームD86bは、変位部材D180及び伝達部材D190を除く他の部材が光透過性(即ち、背面側の部材や球を透視可能な透明)の樹脂材料から構成され、変位部材D180及び伝達部材D190が有色の樹脂材料から構成される。よって、第1通路DRt1から第8通路DRt8を通過する球を遊技者に視認させると共に、変位部材D180の開閉動作(開閉状態)を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、下側フレームD86bは、変位部材D180又は転動部材D170の少なくとも一方の正面側(矢印F方向側)に位置する部材が光透過性の樹脂材料から構成されていれば足りる。或いは、変位部材D180又は転動部材D170の少なくとも一方の一部の正面側に位置する領域のみが光透過性の樹脂材料から構成される形態でも良い。変位部材D180を視認できれば、その開閉状態に基づいて、第6通路DRt6へ球が流下(入球)されやすい状態か否かを遊技者が把握でき、仮に、変位部材D180が視認できなくても、転動部材D170を視認できれば、その転動部材D170の回転状態(転動する球の有無により変化する姿勢)に基づいて、変位部材D180の開閉状態を遊技者が把握でき、遊技の興趣を高めることができるからである。
よって、転動部材D170を有色の樹脂材料から構成することが好ましい。転動部材D170の回転状態(転動する球の有無により変化する姿勢)を遊技者に視認させやすくできるからである。
なお、転動部材D170、変位部材D180及び伝達部材D190は、光透過性(透明又は有色)の樹脂材料から構成され、その正面に塗装を施したもの、或いは、シールを添付したものであっても良い。
また、一方で、下側フレームD86bは、変位部材D180又は転動部材D170の正面側(矢印F方向側)に位置する部材が光非透過性の樹脂材料から構成される(或いは、塗装が施されたりシールが添付される)ことで、これら変位部材D180又は転動部材D170が正面側から遊技者に視認不能となるように構成されていても良い。
正面部材D110は、正面を形成する板状の正面部D111と、その正面部D111の背面から立設される板状の底面部D112と、それら正面部D111及び底面部D112の長手方向一側(矢印L方向側)に配設される連結部D113とを備える。
正面部D111には、その正面部D111の下側(矢印D方向側)及び側方側(矢印L方向側)の外縁に沿って複数の挿通孔D111aが板厚方向に穿設される。下側フレームD86bは、組み立てた状態(ユニット化された状態)で、ベース板60の正面から窓部60aに嵌め込まれ、挿通孔D111aに挿通したタッピングネジがベース板60に締結されることで、ベース板60に固定(配設)される。
正面部D111には、第1入賞口64(図110参照)の鉛直方向上方となる位置に流出口DOPoutが開口形成(板厚方向に穿設)される。流出口DOPoutは、上述したように、第8通路DRt8を案内された球が遊技領域へ流出される際の出口となる開口である。
底面部D112は、その上面に第1介設部材D150の底面が対向配置され、底面部D112と第1介設部材D150(凹部D153)との対向間に第8通路DRt8の一部(最下流となる部分)が形成される。よって、例えば、第1介設部材D150に貫通形成した貫通孔を第8通路DRt8の一部とする場合と比較して、構造を簡素化して、製品コストを抑制できる。
底面部D112は、正面部D111の長手方向全域にわたって連続して形成され、その底面部D112の立設先端(矢印B方向側)が、中間部材D140における底面部D144の立設先端(矢印F方向側)に全域にわたって当接される。これにより、下側フレームD86bの底面側からの針金等の異物の侵入が抑制される。
なお、底面部D112は、第8通路DRt8を区画する部分の正面部D111からの立設寸法が、底面部D112の他の部分における立設寸法よりも大きくされ、底面部D112のうちの第8通路DRt8を区画する部分は、その立設先端が、中間部材D140の本体部D141の正面に当接される。
連結部D113の上面側(矢印U方向側)には、皿部材D120が配設され、タッピングネジにより締結固定される。
皿部材D120は、受入口DOPinと、その受入口DOPinから受け入れた球を案内する通路の底面を形成する上側底面部D121及び下側底面部D122と、通路の側壁を形成する上側側壁部D123及び下側側壁部D124とを備える。
受入口DOPinは、上述したように、上側フレームD86aの上側フレーム通路DRt0から球を受け入れる開口である(図110参照)。なお、ベース板60にセンターフレームD86を取り付けた(配設した)状態では、上側フレームD86aの背面が正面部D111及び連結部D113の正面に重ね合わされ、両者がタッピングネジにより締結固定される。これにより、上側フレーム通路DRt0の下流端と受入口DOPinとが連通される。
上側底面部D121は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印F-B方向)に沿って延設されると共に、受入口DOPinから離間する方向(矢印B方向)へ向けて下降傾斜して形成される。なお、上側底面部D121は、上側フレーム通路DRt0の下流端よりも鉛直方向下方側(矢印D方向側)に位置し、上側フレーム通路DRt0の下流端との間に鉛直方向の段差が形成される。即ち、皿部材D120は、上側フレーム通路DRt0から上側底面部D121へ球を自由落下させる構成とされる。
上側底面部D121には、その幅方向(矢印L-R方向)中央に断面コ字状の凹溝D121aが凹設される(図84参照)。凹溝D121aは、前後方向(矢印F-B方向)に沿って直線状に延設される。凹溝D121aの溝幅(矢印L-R方向の寸法)は、球の直径よりも小さくされると共に、凹溝D121aの溝深さ(矢印U-D方向の寸法)は、凹溝D121aの底面に球が接触しない深さに設定される。
これにより、上側底面部D121上の球を2箇所(上側底面部D121と凹溝D121aとが交わる一対の稜線部分)で支持することができる。よって、凹溝D121aが非形成の場合(即ち、1箇所のみで球を支持する場合)と比較して、球と通路との接触面積を大きくできる。よって、上側フレーム通路DRt0から落下した球の衝撃を緩衝する(受け止める)と共に、球が転動する際の抵抗を大きくできる。
上述のように、上側フレーム通路DRt0から上側底面部D121へ球を落下させると共に、上側底面部D121上の球を2箇所で支持する構成とすることで、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側フレーム通路DRt0から上側底面部D121(第1通路DRt1)へ流入(落下)する場合に、上側底面部D121(第1通路DRt1)において、先行する球の流下を遅らせて、後行する球を先行する球に追いつかせ易くできる。よって、先行する球と後行する球との間隔を減少させることができる。
上側側壁部D123は、上側底面部D121(第1通路DRt1)の下流側(矢印B方向側)の端部と、上側底面部D121(第1通路DRt1)の通路幅とをそれぞれ区画する壁部であり、鉛直方向(矢印F-B方向)に立設された板状体として形成される。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
上側側壁部D123には、上側底面部D121(第1通路DRt1)の下流側の端部に切り欠き部D123aが切り欠き形成され、この切り欠き部D123aを介して、上側底面部D121(第1通路DRt1)から下側底面部D122(第2通路DRt2)へ球が流下可能とされる。
下側底面部D122は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印F-B方向)に沿って延設されると共に、その延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図121参照)。
なお、下側底面部D122は、上側底面部D121の下流端(切り欠き部D123aが形成される部分)よりも鉛直方向下方側(矢印D方向側)に位置し、上側底面部D121の下流端との間に鉛直方向の段差が形成される。即ち、皿部材D120は、上側底面部D121から下側底面部D122へ球を自由落下させる構成とされる。
下側側壁部D124は、下側底面部D122(第2通路DRt2)の長手方向(球を案内する方向、矢印F-B方向)における一端側および他端側の端部と、下側底面部D122(第2通路DRt2)の通路幅とをそれぞれ区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
下側底面部D122は、上面視において、上側底面部D121と平行に並設され、上側底面部D121の下流端(矢印B方向側の端部)と下側底面部D122の長手方向における一端側(矢印B方向側の端部)とが隣り合う位置に配設される。
上側側壁部D123における切り欠き部D123aに対応する位置では、下側側壁部D124が非形成とされ、上述したように、切り欠き部D123aを介して、上側底面部D121(第1通路DRt1)から下側底面部D122(第2通路DRt2)へ球が流下(落下)可能とされる。
下側側壁部D124には、円弧状に湾曲した下側底面部D122の底部(鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に対応する位置に切り欠き部D124aが切り欠き形成され、この切り欠き部D124aを介して、下側底面部D122(第2通路DRt2)から第1介設部材D150(第3通路DRt3)へ球が流下可能とされる。
下側底面部D122は、上述したように、円弧状に湾曲して形成され、その一方の上昇傾斜側(下側底面部D122の長手方向における一端側)に上側底面部D121(第1通路DRt1)から球が流下されるので、かかる流下された球を、下側底面部D122(第2通路DRt2)の長手方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、切り欠き部D124aから第1介設部材D150(第3通路DRt3)へ球を流下させることができる。
これにより、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側底面部D121(第1通路DRt1)から下側底面部D122(第2通路DRt2)へ流入する場合に、下側底面部D122(第2通路DRt2)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。
下側底面部D122には、切り欠き部D124aに対応する位置(即ち、鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に流出面D122aが凹設される。流出面D122aは、下側底面部D122(第2通路DRt2)を案内される球を、第1介設部材D150(第3通路DRt3)へ流出させるための部位であり、第1介設部材D150(第3通路DRt3)へ向けて下降傾斜する凹面として形成される。
よって、下側底面部D122を往復動した後、その転動速度が低下した球を、流出面D122aを利用して、第1介設部材D150(第3通路DRt3)へスムーズに流出(流下)させることができる。即ち、下側底面部D122(第2通路DRt2)における往復動を利用して、先行する球と後行する球との間隔が減少された球(連なった状態の球)を、その連なった状態を維持させつつ、第1介設部材D150(第3通路DRt3)へ流出(流下)させることができる。
なお、流出面D122aは、上面視において、その凹面の幅(下側底面部D122を往復動する球の転動方向に沿う方向の寸法、矢印F-B方向の寸法)が、切り欠き部D124aに近い側ほど大きい形状に形成される(図115参照)。
また、上面視において、切り欠き部D124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部D124に球を当接させた状態では、球が流出面D122a上を転動する(横切る)。即ち、下側底面部D122(第2通路DRt2)を転動(往復動)する球が、切り欠き部D124aから最も離間した位置(球の側方の頂部を下側側壁部D124に当接させる位置)を転動する状態でも、上面視において、球の中心と重なる範囲まで流出面D122aが形成される(球が下側底面部D122を転動する際の球の下方の頂部の軌跡である転動線が流出面D122aを横切る)。
本実施形態では、下側底面部D122は、その延設方向(矢印F-B方向)に直交し鉛直方向(矢印U-D方向)に平行な平面での断面形状が、水平方向(矢印F-B方向)に平行な直線形状に形成される。但し、上述した実施形態の場合(図84参照)のように、下側底面部D122を切り欠き部D124aから離間する方向(矢印L方向)へ向けて下降傾斜させても良い。
流出面D122aの形成位置は、下側底面部D122の長手方向(下側底面部D122を往復動する球の転動方向、矢印F-B方向)中央よりも一端側(本実施形態では、上側底面部D121の下流端側、矢印B方向側)に偏った(近接した)位置に配設される(図121参照)。
この場合、下側底面部D122の鉛直方向(矢印U-D方向)における高さ位置は、長手方向一端側(矢印B方向側の端部)と他端側(矢印F方向側の端部)とで同一とされ、下側底面部D122の円弧形状(下側底面部D122の延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状であって、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧形状)は、長手方向一端側(矢印B方向側)と流出面D122aとの間の曲率が、長手方向他端側(矢印F方向側)と流出面D122aとの間の曲率よりも大きくされる。即ち、長手方向一端側(矢印B方向側)と流出面D122aとの間の半径が、長手方向他端側(矢印F方向側)と流出面D122aとの間の半径よりも小さくされる。
これにより、長手方向他端側(矢印F方向側)と流出面D122aとの間の領域において、先行する球に後行する球を追いつかせ易くできると共に、追いついた際の衝突を緩やかとして(即ち、後行の球が先行の球に衝突した際の衝撃で、両球の間隔が広がることを抑制して)、先行する球と後行する球とが連なった状態を形成し易くできる。その結果、両球を、連なった状態で、第1介設部材D150(第3通路DRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
なお、皿部材D120は、下側底面部D122(第2通路DRt2)の延設方向を前後方向(矢印F-B方向)に沿わせる姿勢で配設されるところ、ベース板60の窓部60a内に配置されるので、窓部60aにより形成された前後方向のスペースを有効に活用できる。よって、下側底面部D122(第2通路DRt2)の全長を確保して、球を連ならせ易くできる。
背面部材D130は、板状に形成される本体部D131と、本体部D131よりも正面側(矢印F方向側)に位置すると共に本体部D131と平行な姿勢で配設され板状に形成される側壁部D132と、それら本体部D131及び側壁部D132を連結する連結部D133と、本体部D131の背面から立設される区画壁D134と、を備える。
本体部D131には、転動部材D170の軸D171を軸支する軸支部D131aと、軸支部材D210の軸D211を軸支する軸支孔D131bと、伝達部材D190の胴部D192が挿通される挿通孔D131cと、球を通過可能とする開口D131d,D131eと、球に当接可能とされる突部D131fとが形成される。
軸支部D131aは、本体部D131の正面(矢印F方向側の面)に軸受として形成され、中間部材D140の背面には、軸支部D131aに対面する位置に、軸支部D141aが形成される。転動部材D170は、その幅方向(前後方向、矢印F-B方向)一側の側面および他側の側面から軸D171の端部がそれぞれ突出される。軸D171は、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢に配設され、その軸D171の両端が、背面部材D130の軸支部D131aと中間部材D140の軸支部D141aとにそれぞれ軸支される。これにより、背面部材D130と中間部材D140との対向間に転動部材D170が回転可能に配設される。
軸支孔D131bは、本体部D131を板厚方向(矢印F-B方向)に貫通する孔として形成され、中間部材D140の背面には、軸支孔D131bに対面する位置に、軸支部D141bが形成される。軸支部材D210の軸D211は、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢で、本体部D131の軸支孔D131bと変位部材D180の軸孔とに順に挿通され、変位部材D180の一側(中間部材D140側)の側面から突出された軸D211の一端が、中間部材D140の軸支部D141bに軸支される。これにより、背面部材D130と中間部材D140との対向間に変位部材D180が回転可能に配設される。
挿通孔D131cは、本体部D131を板厚方向(矢印F-B方向)に貫通して形成され、伝達部材D190の胴部D192の回転を許容する大きさの開口(孔)として形成される。伝達部材D190は、胴部D192の軸方向(前後方向、矢印F-B方向)一側の端面および他側の端面から軸D191の端部がそれぞれ突出され、これら軸D191の両端が、中間部材D140の軸支部D141cと迂回部材D200の軸支部D201とにそれぞれ軸支される。これにより、中間部材D140と迂回部材D200との対向間であって、背面部材D130の背面側において、伝達部材D190が回転可能に配設される。
開口D131d,D131eは、球の通過を許容する大きさの開口(孔)として、本体部D131を板厚方向(矢印F-B方向)に貫通して形成される。即ち、本体部D131の正面側と背面側とに形成される通路(第5通路DRt5及び第8通路DRt8)を連通するための開口として形成される。なお、開口D131d,D131eは、1球のみが通過可能(同時に2球が通過不能)な大きさに設定される。
ここで、第6通路DRt6は、背面部材D130(本体部D131)の正面側(中間部材D140との対向間)に形成され、第8通路DRt8は、上流側(前半部分)が背面部材D130(本体部D131)の背面側(迂回部材D200との対向間)に形成されると共に、下流側(後半部分)が背面部材D130(本体部D131)の正面側(中間部材D140の内部、正面部材D110及び第1介設部材D150の対向間)に形成される。
よって、第6通路DRt6の下流端と第8通路DRt8の上流端とが開口D131dにより接続され、第8通路DRt8の上流側(前半部分)と下流側(後半部分)とが開口D131eにより接続される。即ち、第6通路DRt6を流下(案内)された球は、開口D131dを通過することで、背面部材D130(本体部D131)の正面側から背面側へ移動され、第8通路DRt8へ流入される。また、第8通路DRt8の上流側(前半部分)を流下(案内)された球は、開口D131eを通過することで、背面部材D130(本体部D131)の背面側から正面側へ移動され、第8通路DRt8の下流側(後半部分)へ流入される。
突部D131fは、本体部D131の正面(矢印F方向側の面)から突設されると共に鉛直方向(矢印U-D方向)に沿って直線状に延設される突条(細長いすじ状の突部)として形成され、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って所定間隔(本実施形態では等間隔)を隔てつつ複数箇所(本実施形態では5箇所)に配設される(図122(c)参照)。なお、突部D131fの突設寸法および断面形状は、その延設方向(鉛直方向)に沿って同一とされる。
突部D131fの下端(矢印D方向側の端部)は、正面視において、第2位置に配置された転動部材D170の本体部D172の上面との間の距離が球の半径よりも小さくなる位置に設定される(図121参照)。よって、転動部材D170が第2位置に配置された状態であっても、球と突部D131fとが当接可能とされる。
また、突部D131fの上端(矢印U方向側の端部)は、正面視において、初期位置(第1位置)に配置された転動部材D170の本体部D172の上面との間の距離が球の直径よりも大きくなる位置に設定される(図119参照)。よって、第2位置に配置された転動部材D170(本体部D172)の上面から球が上方(矢印U方向)へ跳ね上がった状態であっても、球と突部D131fとが当接可能とされる。
複数の突部D131fの配設間隔(矢印L-R方向の間隔)は、本実施形態では、球の直径と略同等の間隔に設定される。また、複数の突部D131fは、中間部材D140(本体部D141)の背面から突設される複数の突部D141gに対し、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って位置を異ならせて配設される。即ち、背面部材D130の突部D131fと中間部材D140の突部D141gとは、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って千鳥状に配置される(図122(c)参照)。これにより、第6通路DRt6における球の転動を遅延させることができる。
即ち、第6通路DRt6を通過する球に対して作用する作用手段として突部D131f,D141gが機能し、その作用により球に抵抗が付与されることで、球の速度を低くすることができる。よって、球が第6通路DRt6(転動部材D170)を通過するのに要する時間を長くでき、その分、転動部材D170に球の重量が作用する時間(即ち、変位部材D180が少なくとも閉鎖位置よりも開放され、球が入球されやすくされた状態)を維持し易く(長く)できる。
突部D131fの突設先端は、断面円弧状に湾曲して形成される。但し、突部D131fの断面形状を略矩形状としても良い。また、突部D131fは、鉛直方向(矢印U-D方向)に対して傾斜する方向に延設される直線形状であっても良く、円弧状に湾曲して延設される曲線形状を少なくとも一部に含む形状であっても良い。
なお、突部D131fを、鉛直方向(矢印U-D方向)に対して傾斜する方向に延設される直線形状とする場合には、球の転動面(転動部材D170の本体部D172の上面)よりも上方(矢印U方向)側の方が第6通路DRt6の上流側(矢印R方向側)に位置する方向に傾斜させることが好ましい。転動面から跳ね上がった球が突部D131fに衝突された場合に、球を転動方向と反対側(上流側)へ押し戻す方向の力成分を球に作用させ、球を遅延させやすくできるからである。
側壁部D132は、その上方側(矢印U方向側)の縁部が、第2介設部材D160の上面よりも上方(矢印U方向)となる高さ位置に配設され、中間部材D140の側壁部D142と共に第3通路DRt3の通路幅を区画する。
区画壁D134は、本体部D131及び迂回部材D200と共に第8通路DRt8を区画する。即ち、本体部D131に迂回部材D200が対向配置され、その対向間であって区画壁D134により区画された領域が第8通路DRt8とされる。区画壁D134により区画される領域は、背面視(矢印F方向視)において、横長の略矩形状に形成され、長手方向一端側(矢印L方向側)に開口D131dが、長手方向他端側(矢印R方向側)に開口D131eが、それぞれ配設されると共に、長手方向一端側から他端側へ向けて下降傾斜される。
中間部材D140は、板状に形成される本体部D141と、本体部D141よりも正面側(矢印F方向側)に位置すると共に本体部D141と平行な姿勢で配設され板状に形成される側壁部D142と、それら本体部D141及び側壁部D142を連結する連結部D143と、本体部D141の正面から立設される底面部D144と、本体部D141の背面から立設される区画壁(第4通路区画壁D145L、第5通路区画壁D145R、第6通路区画壁D146、第8通路区画壁D147)と、を備える。
本体部D141には、転動部材D170の軸D171を軸支する軸支部D141aと、軸支部材D210の軸D211を軸支する軸支部D141bと、伝達部材D190の軸D191を軸支する軸支部D141cと、球を通過可能とする開口D141d,D141e,D141fと、球に当接可能とされる突部D141gとが形成される。
軸支部D141a,D141b,D141cは、本体部D141の背面(矢印B方向側の面)に軸受として形成され、上述したように、背面部材D130の軸支部D131a、軸支孔D131b及び迂回部材D200の軸支部D201と対面する位置にそれぞれ形成される。
即ち、背面部材D130の軸支部D131aと中間部材D140の軸支部D141aとに転動部材D170の軸D171が、背面部材D130の軸支孔D131bと中間部材D140の軸支部D141bとに軸支部材D210の軸D211が、中間部材D140の軸支部D141cと迂回部材D200の軸支部D201とに伝達部材D190の軸D191が、それぞれ軸支される。なお、転動部材D170の軸D171、軸支部材D210の軸D211、伝達部材D190のいずれも、その軸方向を前後方向(矢印F-B方向)に沿わせる姿勢で配設される。
開口D141d,D141e,D141fは、球の通過を許容する大きさの開口(孔)として、本体部D141を板厚方向(矢印F-B方向)に貫通して形成される。
開口D141d,D141eは、第4通路DRt4及び第5通路DRt5の出口(第7通路DRt7へ球を流出させる開口)としてそれぞれ形成され、第1介設部材D150の上面(球の転動面)よりも上方に形成される。即ち、第4通路DRt4及び第5通路DRt5を案内された球は、開口D141d,D141eを介して、第7通路DRt7へ流出(流下)される。
開口D141fは、中間部材D140(本体部D141)の背面側に位置する第8通路DRt8の下流端と、中間部材D140(本体部D141)の正面側に位置する第8通路DRt8の上流端とを連通させる連通口(開口)として形成される。即ち、開口D141dは、中間部材D140の本体部D141を貫通する通路(第8通路DRt8)の一部として形成される。
突部D141gは、本体部D141の背面(矢印B方向側の面)から突設されると共に鉛直方向(矢印U-D方向)に沿って直線状に延設される突条(細長いすじ状の突部)として形成され、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って所定間隔(本実施形態では等間隔)を隔てつつ複数箇所(本実施形態では6箇所)に配設される(図122(c)参照)。なお、突部D141gの突設寸法および断面形状は、その延設方向(鉛直方向)に沿って同一とされる。
複数の突部D141gの配設間隔(矢印L-R方向の間隔)は、本実施形態では、球の直径と略同等の間隔に設定される。また、複数の突部D141gは、背面部材D130(本体部D131)の正面から突設される複数の突部D131fに対し、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って位置を異ならせて配設される。即ち、背面部材D130の突部D131fと中間部材D140の突部D141gとは、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って千鳥状に配置される(図122(c)参照)。これにより、第6通路DRt6における球の転動を遅延させることができる。
即ち、第6通路DRt6を通過する球に対して作用する作用手段として突部D131f,D141gが機能し、その作用により球に抵抗が付与されることで、球の速度を低くすることができる。よって、球が第6通路DRt6(転動部材D170)を通過するのに要する時間を長くでき、その分、転動部材D170に球の重量が作用する時間(即ち、変位部材D180が少なくとも閉鎖位置よりも開放され球が入球されやい状態)を維持し易く(長く)できる。
本実施形態では、背面部材D130の本体部D131の正面と中間部材D140の本体部D141の背面との間の対向間隔(矢印F-B方向の間隔)は、球の直径よりも大きい寸法に設定され、複数の突部D131fの先端を連ねた仮想面(平面)と、複数の突部D141gの先端を連ねた仮想面(平面)との間の対向間隔(矢印F-B方向の間隔)は、球の直径と略同一または球の直径よりも若干小さい寸法に設定される。但し、両仮想面の間の対向間隔を球の直径よりも大きい寸法に設定しても良い。
突部D141gの突設先端は、断面円弧状に湾曲して形成される。但し、突部D141gの断面形状を略矩形状としても良い。また、突部D141gは、鉛直方向(矢印U-D方向)に対して傾斜する方向に延設される直線形状であっても良く、円弧状に湾曲して延設される曲線形状を少なくとも一部に含む形状であっても良い。
なお、突部D141gを、鉛直方向(矢印U-D方向)に対して傾斜する方向に延設される直線形状とする場合には、球の転動面(転動部材D170の本体部D172の上面)よりも上方(矢印U方向)側の方が第6通路DRt6の上流側(矢印R方向側)に位置する方向に傾斜させることが好ましい。転動面から跳ね上がった球が突部D141gに衝突された場合に、球を転動方向と反対側(上流側)へ押し戻す方向の力成分を球に作用させ、球を遅延させやすくできるからである。
側壁部D142は、その上方側(矢印U方向側)の縁部が、第2介設部材D160の上面よりも上方(矢印U方向)となる高さ位置に配設され、上述したように、背面部材D130の側壁部D132と共に第3通路DRt3の通路幅を区画する。
連結部D143は、側壁部D142の下方側(矢印D方向側)の縁部と本体部D141の上方側(矢印U方向側)の縁部とを長手方向(矢印L-R方向)の全域にわたって連続して連結し、その連結部D143の上面側(矢印U方向側)に第2介設部材D160が配設される。
連結部D143は、中間部材D140の第4通路区画壁D145L及び第5通路区画壁D145Rと上下方向(矢印U-D方向)に所定間隔を隔てて対向し、それらの対向間に第4通路DRt4及び第5通路DRt5がそれぞれ形成される。即ち、連結部D143は、第4通路DRt4及び第5通路DRt5の上面(上側の内面)を形成する。
底面部D144は、開口D141fを除く領域において、本体部D141の縁部に沿って連続して形成され、その底面部D144の立設先端(矢印F方向側)が、正面部材D110における底面部D112の立設先端(矢印B方向側)に当接される。即ち、底面部D144は、開口D141fが開口される領域およびその近傍の領域において分断して形成される。
底面部D144が分断された領域(開口D141fを含む領域)では、上述したように、正面部材D110における底面部D112のうちの第8通路DRt8を区画する部分の立設先端が、開口D141fの下方側(矢印D方向側)と左右の側方側(矢印L方向側および矢印R方向側)とにおいて、本体部D141の正面に当接される。
第4通路区画壁D145Lは、本体部D141と背面部材D130の本体部D131及び連結部D133と共に第4通路DRt4を区画する部位であり、上面が球の転動面とされる部位(転動部)と、その転動部(転動面)を転動した球を内壁面で受け止めて球の転動終点を規定する部位(縦壁部)とを形成する。
即ち、第4通路区画壁D145Lは、転動部が左右方向(矢印L-R方向)に延設され、転動部は、長手方向一端側(矢印R方向側)が上面視において流下口DOPflに重なる位置(流下口DOPflに入球(流下)された球を受け入れ(受け止め)可能な位置)に配設されると共に、長手方向他端側(矢印L方向側)へ向けて下降傾斜され、長手方向他端側が開口D141dの下縁と重なる位置まで延設され、その延設端(長手方向他端)には、上下方向(矢印U-D方向)に沿う縦壁部が連結される。
なお、第4通路区画壁D145Lは、長手方向他端側(矢印L方向側)の一部(開口D141dと重なる領域)が開口D141dへ向けても下降傾斜され、第4通路区画壁D145L(転動面)の長手方向他端に達した球を開口D141dへ向けて転動可能とされる。
よって、流下口DOPflから第4通路DRt4へ入球された球は、第4通路区画壁D145Lの長手方向一端側(矢印R方向側)に受け入れ(受け止め)られ、第4通路区画壁D145L上を長手方向他端側(矢印L方向側)へ向けて転動される。長手方向他端に到達した球は、長手方向他端に連結される縦壁部に当接され(受け止められ)、転動が規制された後、開口D141dを介して、第7通路DRt7(第1介設部材D150)へ流出(流下)される。
第5通路区画壁D145Rは、本体部D141と背面部材D130の本体部D131及び連結部D133と共に第5通路DRt5を区画する部位であり、上面が球の転動面とされる部位(転動部)と、その転動部(転動面)を転動した球を内壁面で受け止めて球の転動終点を規定する部位(縦壁部)とを形成する。
なお、第5通路区画壁D145Rは、正面視において、第4通路区画壁D145Lに対して、変位部材D180を中心として、左右対称に形成され、その構成および作用は、上述した第4通路区画壁D145Lの構成および作用と実質同一であるので、説明を省略する。
第6通路区画壁D146は、本体部D141と第4通路区画壁D145Lと背面部材D130の本体部D131と転動部材D170と共に第6通路DRt6を区画する部位であり、上面が球の転動面とされる部位(転動部)と、その転動部(転動面)を転動した球を内壁面で受け止めて球の転動終点を規定する部位(縦壁部)とを形成する。
即ち、第6通路区画壁D146は、転動部材D170の長手方向一端側(矢印L方向側、転動部材D170を転動する球の転動方向の延長線上)に並設され、その転動部材D170を転動した球を受け入れ可能に形成される転動部と、その転動面の端部(転動部材D170と反対側)に連結され上下方向(矢印U-D方向)に沿って形成される縦壁部とを備える。
なお、第6通路区画壁D146は、転動部の上面(転動面)が開口D141fへ向けて下降傾斜され、転動部材D170から受け入れた球を開口D141fへ向けて転動可能とされる。
よって、流下口DOPflから第6通路DRt6へ入球され、転動部材D170を転動した球は、第6通路区画壁D146の転動部(転動面)に受け入れられ、その転動部の端部に連結される縦壁部に当接され(受け止められ)、転動が規制された後、開口D141fを介して、第8通路DRt8へ流出(流下)される。
第8通路区画壁D147は、第8通路DRt8の一部(背面部材D130と中間部材D140との間に形成される部分)を区画する部位であり、断面略矩形(枠状)の筒状に形成され、開口D141fと背面部材D130の開口D131eとを連通させる。即ち、背面部材D130の開口D131eから流出された球は、第8通路区画壁D147により区画される通路(空間)へ流入され、その通路(空間)を流下(転動)した後、開口D141fから流出され、第8通路DRt8の残部(正面部材D110と第1介設部材D150との間に形成される部分)へ流入される。
第1介設部材D150は、第7通路DRt7における球の転動面を形成する部材であり、正面部材D110と中間部材D140との対向間に介設される。即ち、正面部材D110と中間部材D140と第1介設部材D150とに区画された空間により第7通路DRt7が形成される。第1介設部材D150の上面(転動面)は、正面視において、下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成され、第4通路DRt4(開口D141d)又は第5通路DRt5(開口D141e)から流下された球が湾曲に沿って往復動可能とされる。
第1介設部材D150の上面(転動面)には、上述したように、第1介設部材D150(第7通路DRt7)を案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面(中央流出面D151及び側方流出面D152)が形成される。また、第7通路DRt7の上面(転動面)には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面D152が配置される一方、起伏の頂部に中央流出面D151が配置される。
なお、正面部材D110の正面部D111の上縁(矢印U方向の縁部)は、中央流出面D151及び側方流出面D152が形成される領域を除き、第1介設部材D150の上面(転動面)よりも上方(矢印U方向)へ突出される。即ち、第1介設部材D150の上面(転動面)を転動する球は、中央流出面D151又は側方流出面D152からのみ遊技領域へ流出(流下)される。
第1介設部材D150の底面には、凹部D153が凹設され、上述したように、かかる凹部D153と正面部材D110の底面部D112との対向間に第8通路DRt8の一部が形成される。
第2介設部材D160は、第3通路DRt3における球の転動面を形成する部材であり、背面部材D130と中間部材D140との対向間に介設される。即ち、背面部材D130と中間部材D140と第2介設部材D160とに区画された空間により第3通路DRt3が形成される。第2介設部材D160の上面(転動面)は、正面視において、下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成され、第2通路DRt2から流下された球が湾曲に沿って往復動可能とされる。
なお、本実施形態では、第2介設部材D160の上面(転動面)は、流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)中央(一対の変位部材D180の対向空間)に対応する位置が最も低くされ、第2介設部材D160(第3通路DRt3)の長手方向一端側または他端側(矢印L方向側または矢印R方向側)へ向かうに従って高さ位置が高くなるように形成される。
即ち、第2介設部材D160の上面(転動面)は、一対の変位部材D180の対向空間に対応する位置から長手方向一端側または他端側(矢印L方向側または矢印R方向側)へ向けて上昇傾斜して形成される。よって、第3通路DRt3の長手方向(矢印L-R方向)に沿って球が往復動可能とされる。
第2介設部材D160の上面(転動面)には、球を第2介設部材D160(第3通路DRt3)から流下口DOPflへ流出させるために背面側(矢印B方向側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面(中央流出面D161及び側方流出面D162)が形成(凹設)される。
中央流出面D161は、流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)中央(一対の変位部材D180の対向空間)に対応する位置に配設(形成)される。一方、側方流出面D162は、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態では、変位部材D180の対向空間よりも第2介設部材D160(第3通路DRt3)の長手方向一端側または他端側(矢印L方向側または矢印R方向側)となり、変位部材D180が開放位置に配置された状態では、変位部材D180の対向空間に対応する(変位部材D180の先端よりも対向空間の中央側となる)位置に配設(形成)される。
よって、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態では、中央流出面D161から流下口DOPflへ流下する球は一対の変位部材D180の対向間(即ち、第6通路DRt6)へ入球可能とされ、側方流出面D162から流下口DOPflへ流下する球は第4通路DRt4又は第5通路DRt5へ入球可能とされる。
一方、変位部材D180が開放位置に配置された状態では、中央流出面D161から流下口DOPflへ流下する球と、側方流出面D162から流下口DOPflへ流下する球との両者が、一対の変位部材D180の対向間(即ち、第6通路DRt6)へ入球可能とされる。
本実施形態では、流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)の寸法は、変位部材D180が開放位置に配置された状態において、第4通路DRt4及び第5通路DRt5へ球が流下(入球)可能な寸法に設定される。
即ち、開放位置に配置された変位部材D180の先端と背面部材D130の連結部D133との間には、上面視において、球の直径よりも大きな隙間(間隔)が流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)に確保(形成)される。これにより、変位部材D180が開放位置に配置されても、第6通路DRt6だけでなく、第4通路DRt4又は第5通路DRt5への球の流下(入球)も可能とできる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
但し、流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)の寸法を、変位部材D180が開放位置に配置された状態において、第4通路DRt4又は第5通路DRt5の少なくとも一方へ球が流下(入球)不能な寸法に設定しても良い。
即ち、開放位置に配置された変位部材D180の先端と背面部材D130の連結部D133との間の隙間(間隔)を、上面視において、球の直径よりも小さい寸法(球が通過不能な寸法)としても良い。これにより、変位部材D180が開放位置に配置された場合には、第6通路DRt6のみへ球を流下(入球)可能とできる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
中央流出面D161は、上面視において、その凹面の延設長さ(第3通路DRt3を往復動する球の転動方向に直交する方向(矢印F-B方向)の寸法)が、側方流出面D162(凹面)の延設長さよりも大きくされる。また、中央流出面D161は、上面視において、その凹面の幅(第3通路DRt3を往復動する球の転動方向に沿う方向(矢印L-R方向)の寸法)が、側方流出面D162(凹面)の幅よりも大きくされる。
よって、中央流出面D161の形成個数(1箇所)が、側方流出面D162の形成個数(2箇所)よりも少ない場合であっても、第3通路DRt3を往復動する球が中央流出面D161から流下口DOPfl(第6通路DRt6)へ流下(入球)する確率を確保できる。
なお、凹面の延設長さ及び幅を、中央流出面D161と側方流出面D162とにおいて、同一に設定しても良い。また、本実施形態とは逆に、中央流出面D161(凹面)の延設長さを側方流出面D162(凹面)の延設長さよりも小さくしても良い。これらの場合には、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態では、第3通路DRt3を往復動する球を流下口DOPfl(第6通路DRt6)へ流下(入球)させ難くして、相対的に、変位部材D180が開放位置に配置された場合の有利度を顕著とできる。
また、中央流出面D161又は側方流出面D162の少なくとも一方または両方の形成(第2介設部材D160の上面への凹設)を省略しても良い。第3通路DRt3を往復動する球が、流下口DOPflへ流下する位置を流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)に沿って均等として、第4通路DRt4、第5通路DRt5又は第6通路DRt6のいずれの通路へ球が流下(入球)するかのランダム性を高めることができる。
転動部材D170は、軸D171と、その軸D171が長手方向一端側に配設される長尺板状の本体部D172と、その本体部D172の長手方向他端側(軸D171が配設される側と反対側)に配設される伝達部D173と、軸D171を挟んで伝達部D173(本体部D172)の反対側に配設される錘部D174とを備え、背面部材D130と中間部材D140との間に軸D171を中心として回転可能に配設される。
軸D171は、上述したように、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢で配設される。よって、軸D171を中心に転動部材D170が変位(回転)されることで、本体部D172は、上下方向(矢印U-D方向)に変位(昇降)される。
本体部D172は、その上面が第6通路DRt6における球の転動面を形成する部位であり、長手方向一端側(軸D171が配設される側、矢印L方向側)を、中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部(上面が転動面とされる部位)に並設させると共に、長手方向他端側(軸D171が配設される側と反対側、矢印R方向側)を、上面視において変位部材D180と重なる位置(一対の変位部材D180の対向間に入球(流下)された球を受け入れ(受け止め)可能な位置)に配設される。
本体部D172は、初期位置(第1位置)から第2位置までのいずれの状態(姿勢)にあっても、その長手方向一端側(軸D171が配設される側、矢印L方向側)の上面が、中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部(上面が転動面とされる部位)の上面と略同一の高さ位置または若干上方側(矢印U方向側)となる高さ位置に配置される。
軸D171は、本体部D172の内部に埋設され、本体部D172の上面(転動面)は、軸D171を越える位置まで形成される。即ち、本体部D172の上面を転動する球は、軸D171の上方側(矢印U方向側)を通過した後、中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部へ転動(流入)される。
本体部D172の上面(転動面)は、軸D171の上方側(矢印U方向側)となる位置を境として、伝達部D173側が平坦面として形成され、錘部D174側が軸D171を中心とする湾曲面として形成される。即ち、本体部D172の上面は、軸D171に直交する平面で切断した形状が、伝達部D173側では直線形状とされ、錘部D174側では軸D171と同芯の円弧形状とされる(図119参照)。
本体部D172の上面(転動面)は、軸D171よりも伝達部D173側が平坦面として形成されるので、その領域を転動する球が上方(矢印U方向)へ跳ね上がることを抑制できる。従って、球の上方への跳ね上がりに伴って、錘部D174の作用により本体部D172が上方へ変位されることを未然に防止できる。
なお、本体部D172の上面は、断面直線である必要はなく、段差が非形成であれば足り、球の転動方向に沿って滑らかに連なる平滑面(曲線どうし又は曲線と直線とが滑らかに連なる断面形状、例えば、正弦波(正弦曲線)形状)として形成されていても良い。
ここで、本体部D172の上面(転動面)を転動する球を、軸D171に到達する前に、中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部(上面が転動面とされる部位)へ転動(流入)させる構成も考えられる。しかしながら、このような構成では、本体部D172の上面を転動する球の重量の作用によって、転動部材D170の本体部D172が下方(矢印D方向)へ変位されている状態(転動部材D170(本体部D172)が初期位置(第1位置)に復帰される前の状態)で、球が本体部D172の上面から排球されるため、球の排球に伴う慣性力の影響(球の重量が瞬間的に作用されなくなる影響)を受け、転動部材D170にばたつきが発生する。転動部材D170がばたつくと、変位部材D180の開閉状態が不安定となり、遊技の興趣の低下を招く。
これに対し、本実施形態では、本体部D172の上面を転動する球は、軸D171の上方(矢印U方向)となる位置を越えて転動されるため、本体部D172の上面を転動する球の重量の作用を抑制し、転動部材D170の本体部D172が初期位置(第1位置)に復帰された状態で、球を本体部D172の上面から排球させることができる。よって、球の排球に伴う慣性力の影響(球の重量が瞬間的に作用されなくなる影響)を受けても、転動部材D170にばたつきが発生することを抑制できる。その結果、変位部材D180の開閉状態を安定させ、遊技の興趣を向上できる。
なお、本実施形態では、上述したように、本体部D172の上面(転動面)は、軸D171の上方(矢印U方向)となる位置を境として、錘部D174側が軸D171を中心とする湾曲面として形成される。よって、本体部D172の上面を転動する球が軸D171の上方(矢印U方向)を通過した後は、本体部D172の上面への球の重量は非作用とされる。即ち、本実施形態では、本体部D172の上面(転動面)は、軸D171の上方側(矢印U方向側)となる位置よりも伝達部D173側の領域とされ、軸D171の上方となる位置よりも錘部D174側となる領域は、転動面としては機能されない。
伝達部D173は、転動部材D170の変位(回転)を伝達部材D190へ伝達するための部位であり、本体部D172の長手方向他端側から軸D171と反対側(矢印R方向側)へ向けて延設される。伝達部D173の延設先端側(矢印R方向側)は、伝達部材D190の被伝達部D193の上方側(矢印U方向側)に配設(上面視において重なる位置に配設)される。
よって、転動部材D170がその上面を転動する球の重量によって軸D171を中心に変位(回転)され、伝達部D173が下方(矢印D方向)へ変位(下降)されると、伝達部D173によって伝達部材D190の被伝達部D193が下方へ変位され(押し下げられ)、これにより、伝達部材D190が軸D191を中心として変位(回転)される(図119から図121参照)。
錘部D174は、転動部材D170の重心位置を偏心させるための部位であり、本体部D172の長手方向一端側から本体部D172の延設方向と反対側(矢印L方向側)へ向けて延設されると共に、内部に金属製(本実施形態では真鍮製)の錘が埋設される。
転動部材D170(本体部D172)に球の重量が作用されていない無負荷状態(本体部D172上を球が転動していない状態)では、転動部材D170全体としての重心位置が、軸D171よりも錘部D174側に位置(偏心)される。その結果、転動部材D170は、錘部D174の重さ(重心位置の軸D171からの偏心)を利用して、無負荷状態では、初期位置(第1位置)に配置された姿勢の維持が可能とされると共に、初期位置から変位(回転)された後は、自重による初期位置への復帰が可能とされる。
即ち、転動部材D170は、無負荷状態(本体部D172上に球の重量が作用されない状態)では、本体部D172及び伝達部D173が上方(矢印U方向)へ変位(上昇)され(正面視において、軸D171を中心として反時計回りに回転され)、初期位置(第1位置)に配置されると共に、初期位置(第1位置)に維持される。これにより、転動部材D170を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
一方、転動部材D170の本体部D172上を球が転動する際には、その球の重量により、転動部材D170全体としての重心位置が本体部D172側(軸D171を挟んで錘部D174と反対側)に位置(偏心)される。これにより、転動部材D170は、本体部D172及び伝達部D173が下方(矢印D方向)へ変位(下降)され(正面視において、軸D171を中心として時計回りに回転され)、第2位置に配置される。
なお、転動部材D170の第1位置(初期位置)は、本体部D172の長手方向一端側(矢印L方向側)の端面が、中間部材D140の第6通路区画壁D146(転動部の縦壁部と反対側の端面)に当接されることで規定される。即ち、転動部材D170は、本体部D172が第6通路区画壁D146に当接されることで、本体部D172及び伝達部D173の上方への変位(軸D171を中心とする正面視反時計回りの回転)が規制され、第1位置(初期位置)に配置される(図119参照)。
一方、転動部材D170の第2位置は、錘部D174の上面が、中間部材D140の第6通路区画壁D146(転動部の下面)に当接されることで規定される。即ち、転動部材D170は、錘部D174が第6通路区画壁D146に当接されることで、本体部D172及び伝達部D173の下方への変位(軸D171を中心とする正面視時計回りの回転)が規制され、第2位置に配置される(図121参照)。
転動部材D170は、第1位置に配置された状態では、本体部D172の上面(転動面)が、長手方向他端側から長手方向一端側へ向けて下降傾斜され、第2位置に配置された状態においても、本体部D172の上面(転動面)が、長手方向他端側から長手方向一端側へ向けて下降傾斜される。よって、転動部材D170(本体部D172)上の球を開口D141f(第8通路DRt8)へ向けて確実に転動させることができる。
このように、転動部材D170は、本体部D172の上面(転動面)の下降傾斜を利用して、球を転動させるところ、転動部材D170は、軸D171を中心として回転可能に軸支され、本体部D172の上面の水平面に対する下降傾斜の角度は、球が転動されている状態(球の重量を受けている状態)における下降傾斜の角度が、球が非転動の状態(球の重量を受けていない無負荷状態)における下降傾斜の角度よりも小さくされる。
これにより、本体部D172の上面(転動面)を転動する球に勢いが付与されることを抑制できる。よって、球が本体部D172の上面を通過するのに要する時間を嵩ませる(長くする)ことができる。その結果、転動部材D170(本体部D172)に球の重量が作用されいてる時間を長くして、変位部材D180が開放位置に配置された状態(少なくとも一対の変位部材D180の対向間隔が、閉鎖位置に配置された状態における対向間隔よりも広くされた状態)を維持しやすく(長く)できる。
本実施形態では、転動部材D170は、1球の球の重量が本体部D172の長手方向(矢印L-R方向)中央に作用された状態において、軸D171を中心として、錘部D174側の重量と本体部D172側の重量とがつり合うように形成される(転動部材D170全体としての重心位置が軸D171を通過する鉛直線上に位置される)。
よって、1球の球のみが転動部材D170の本体部D172を転動する場合、その球が、本体部D172の長手方向(矢印L-R方向)中央よりも伝達部D173側(軸D171と反対側)に位置する状態では、転動部材D170全体としての重心位置が軸D171よりも本体部D172側に位置(偏心)され、その重心位置の偏心により、本体部D172及び伝達部D173が下方(矢印D方向)へ変位(下降)される(正面視において、軸D171を中心として時計回りに回転される)。
一方、球が、本体部D172の長手方向(矢印L-R方向)中央よりも軸D171側(伝達部D173と反対側)に位置する状態では、転動部材D170全体としての重心位置が軸D171よりも錘部D174側に位置(偏心)され、その重心位置の偏心により、本体部D172及び伝達部D173が上方(矢印U方向)へ変位(上昇)される(正面視において、軸D171を中心として反時計回りに回転される)。
転動部材D170の本体部D172を2球以上の球が転動する場合(本体部D172に2球以上の球の重量が作用される場合)には、それら各球の転動位置(本体部D172の長手方向における位置)に関わらず、転動部材D170の重心位置が、軸D171よりも本体部D172側に位置(偏心)され、その重心位置の偏心により、本体部D172及び伝達部D173が下方(矢印D方向)へ変位(下降)される(正面視において、軸D171を中心として時計回りに回転される)。
このように、転動部材D170の転動面(本体部D172)の長手方向(矢印L-R方向)の途中(本実施形態では長手方向中央)につり合い位置を設けることで、そのつり合い位置を球が通過した後は、転動部材D170を第2位置から第1位置へ徐々に変位(回転)させることができる。その結果、変位部材D180を開放位置から閉鎖位置へ徐々に変位(回転)させることができる。
なお、1球の球の重量が作用した場合に、軸D171を中心として、錘部D174側の重量と本体部D172側の重量とがつり合う位置は、本体部D172の長手方向(矢印L-R方向)中央よりも軸D171側であっても良く、本体部D172の長手方向(矢印L-R方向)中央よりも伝達部D173側であっても良い。
変位部材D180は、第3通路DRt3から流下口DOPflへ流下(入球)された球を第6通路DRt6へ向けて案内するための部材であり、上述したように、軸支部材D210に軸支され、閉鎖位置と開放位置との間で変位(回転)される。
軸支部材D210は、変位部材D180の基端側に固着される軸D211と、その軸D211の軸方向と直交する方向(径方向外方)へ張り出す張出部D212と、その張出部D212から軸D211と平行な姿勢(矢印F-B方向に沿う姿勢)で突出され、伝達部材D190に連結される連結ピンD213とを備える。
軸支部材D210は、上述したように、軸D211が中間部材D140(本体部D141)の軸支部D141b及び背面部材D130(本体部D131)の軸支孔D131bに軸支される。張出部D212は、背面部材D130(本体部D131)の背面側に配設され、連結ピンD213は、軸D211と平行な姿勢で背面側(矢印B方向側)へ向けて突出される。
軸支部材D210の軸D211は、変位部材D180に固着される。また、連結ピンD213は、軸D211に対して軸方向と直交する方向(径方向)に位置を異ならせる(軸D211に対して偏心した位置に配置される)。よって、伝達部材D190の変位(回転)に伴い、連結ピンD213が変位されると、その連結ピンD213の変位が軸D211の回転に変換され、軸D211と共に変位部材D180が変位(回転)される。
なお、連結ピンD213は、軸D211よりも外側(一対の変位部材D180が対向する空間と反対側)に配設される。よって、連結ピンD213が下方(矢印D方向)へ変位される(押し下げられる)ことで、変位部材D180が開放位置へ向けて変位(回転)され、連結ピンD213が上方(矢印U方向)へ変位される(押し上げられる)ことで、変位部材D180が閉鎖位置へ向けて変位(回転)される。
変位部材D180の閉鎖位置および開放位置は、変位部材D180の基端側の外面が、第4通路区画壁D145L及び第5通路区画壁D145Rの側面に当接されることで規定される。即ち、変位部材D180は、基端側の外面が、第4通路区画壁D145L及び第5通路区画壁D145Rの側面に当接されることで、一対の変位部材D180どうしを互いに近接させる方向(対向間隔が小さくなる方向)又は互いに離間させる方向(対向間隔が大きくなる方向)への変位が規制され、閉鎖位置または開放位置に配置される((図119から図121参照)。
また、変位部材D180及び軸支部材D210は、変位部材D180の基端側に軸支部材D210の軸D211が固着されることで、一体化(ユニット化)される。
これら変位部材D180及び軸支部材D210が一体化された部品(以下「変位部材D180ユニット」と称す)は、少なくとも閉鎖位置に配置された状態では、変位部材D180ユニット全体としての重心位置が、軸D211よりも他方の変位部材D180ユニット側に位置(偏心)される。即ち、軸D211(矢印F-B)方向視において、軸D211を通過する仮想線よりも他方の変位部材D180ユニット側に重心位置が位置(偏心)される。
その結果、変位部材D180ユニットは、重心位置の軸D211からの偏心を利用して(即ち、重心位置の偏心が、一対の変位部材D180を互いに近接させる方向へ回転させる力として作用され)、閉鎖位置に配置された姿勢の維持が可能とされる。
伝達部材D190は、転動部材D170の変位(回転)を変位部材D180(軸支部材D210)へ伝達するための部材であり、軸D191と、その軸D191が軸方向一側(矢印F方向側)の端面および他側(矢印B方向側)の端面から突出される円柱状の胴部D192と、その胴部D192の軸方向一側の外周面から径方向外方へ延設される被伝達部D193と、胴部D192の軸方向他側の外周面から径方向外方へ延設される本体部D194及び錘部D195とを備える。
軸D191は、前後方向(矢印F-B)に沿う姿勢で配設され、上述したように、軸D191の一端は、胴部D192が背面部材D130の挿通孔D131cに挿通されることで、中間部材D140の軸支部D141cに軸支され、軸D191の他端は、迂回部材D200の軸支部D201に軸支される。
被伝達部D193は、転動部材D170(伝達部D173)から転動部材D170の変位(回転)が伝達される部位であり、背面部材D130における本体部D131の正面側(矢印F方向側)に配設される。
上述したように、被伝達部D193の延設先端側(矢印L方向側)は、転動部材D170の伝達部D173の下方側(矢印D方向側)に配設(上面視において重なる位置に配設)され、伝達部D173が下方(矢印D方向)へ変位(下降)されると、伝達部D173によって伝達部材D190の被伝達部D193が下方へ変位され(押し下げられ)、これにより、伝達部材D190が軸D191を中心として変位(回転)される(図119から図121参照)。
ここで、伝達部材D190の被伝達部D193と転動部材D170の伝達部D173との間には、上下方向(矢印U-D方向)において、所定の隙間が形成され、球の重量を受けた転動部材D170が下方(矢印D方向)へ変位(下降)される場合には、上述した所定の隙間を埋めた後に、転動部材D170の伝達部D173が伝達部材D190の被伝達部D193に当接可能とされる。即ち、転動部材D170は、上述した隙間を埋めるだけの変位(下降)をしなければ、伝達部材D190の被伝達部D193を下方へ押し下げることができない。
これにより、転動部材D170の変位が比較的小さい場合には、転動部材D170の変位を変位部材D180へ伝達させないようにすることができる。よって、例えば、遊技機を叩いて転動部材D170を変位(下降)させることや、針金等の異物で転動部材D170を変位(下降)させようとする不正を成功し難くできる。
本体部D194は、伝達部材D190の変位(回転)を軸支部材D210の連結ピンD213へ伝達するための部位であり、背面部材D130における本体部D131の背面側(矢印B方向側)に配設される。
本体部D194には、溝D194L,D194Rが形成され、これら溝D194L,D194Rには、軸支部材D210の連結ピンD213がそれぞれ摺動可能に挿通される。よって、転動部材D170の変位(回転)が伝達され、伝達部材D190が変位(回転)されると、伝達部材D190の挿通溝D194L,D194Rにおける内壁面により連結ピンD213が下方または上方へ変位される(押し下げ又は押し上げられる)。これにより、変位部材D180ユニットが変位(回転)され、変位部材D180が開放位置または閉鎖位置に配置される。
溝D194Rは、軸D191方向(矢印F-B方向)視において、溝の幅寸法(連結ピンD213が相対的に摺動変位する方向と直交する方向の寸法)が、連結ピンD213の直径と略同等または若干大きな寸法に設定され、軸D191を中心とする円弧と交差する方向に沿って直線状に延設される。よって、溝D194Rに挿通されている連結ピンD213は、伝達部材D190が変位(回転)されている間、溝D194Rの延設方向に沿う内壁面によって下方または上方へ変位される(押し下げ又は押し上げられる)。
溝D194Lは、軸D191方向(矢印F-B方向)視において、軸D191側に中心を有する円弧状に湾曲する形状に延設され、下方側の延設端部(矢印D方向側の端部、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態において、連結ピンD213が位置する側の端部)における溝の幅寸法が、連結ピンD213の直径と略同等または若干大きな寸法に設定され、上方側の延設端部(矢印U方向側の端部、転動部材D170が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態において、連結ピンD213が位置する側の端部)へ向かうに従って溝の幅寸法が増加される。
詳細には、溝D194Lの延設方向に沿う内壁面のうちの軸D191から遠い側の内壁面は、軸D191を中心とする円弧に沿った形状(軸D191を中心とする円形状を所定の中心角で分断した形状)とされ、軸D191に近い側の内壁面は、下方側の延設端部(矢印D方向側の端部)から上方側の延設端部(矢印U方向側の端部)へ向かうに従って軸D191からの距離が大きくされる円弧状に湾曲して形成される。
なお、軸支部材D210は、軸D211に対して連結ピンD213が偏心されるため、連結ピンD213と伝達部材D190の軸D191との間の距離は、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態において最大とされ、変位部材D180が開放位置へ向けて変位されるに従って減少される。即ち、連結ピンD213は、下方(矢印D方向)へ変位された(押し下げられた)状態ほど、伝達部材D190の軸D191との間の距離が小さくされる。
よって、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態(即ち、連結ピンD213が最も上方(矢印U方向)へ変位された(押し上げされた)状態、図119参照)から伝達部材D190が変位(回転)される場合には、連結ピンD213は、溝D194Rの延設方向に沿う内壁面の両者から作用を受けない(当接されない)。
一方、変位部材D180が開放位置に配置された状態(即ち、連結ピンD213が最も下方(矢印D方向)へ変位された(押し下げられた)状態、図121参照)から伝達部材D190が変位(回転)される場合には、連結ピンD213は、溝D194Lの延設方向に沿う内壁面のうちの軸D191に近い側の内壁面から作用を受け(当接され)、その作用により徐々に上方(矢印U方向)へ変位される(押し上げられる)。
このように、連結ピンD213は、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態では、伝達部材D190が変位(回転)されても、溝D194Lの延設方向に沿う内壁面から作用を受けないため、下方へ変位されず(押し下げられず)、溝D194Lの上方側の延設端部(矢印U方向側の端部)に達してから(図120参照)、その上方側の延設端部における内壁面によって下方へ変位される(押し下げられる)。
これにより、一対の変位部材D180の動作態様(変位態様)を互いに異ならせることができる。即ち、一対の変位部材D180のうちの一方を停止させつつ他方のみを変位(回転)させる状態を形成できる。
即ち、本実施形態では、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態では、連結ピンD213と溝D194Lの上方側の延設端部(矢印U方向側における端部、内壁面)との間に所定の間隔が形成される(図119参照)。
転動部材D170が球の重量を受けて初期位置(第1位置)から変位(回転)され、伝達部材D190の変位(回転)が開始されると、溝D194Rに挿通されている連結ピンD213は、溝D194Rの延設方向に沿う内壁面によって下方へ変位され(押し下げられ)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの一方)の閉鎖位置からの変位(回転)が開始される。
一方、溝D194Lに挿通されている連結ピンD213は、溝D194Lの上方側の延設端部(矢印U方向側の延設端部、内壁面)に達するまでの間は、下方へ変位されず(押し下げられず)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの他方)が閉鎖位置に維持される。
転動部材D170の初期位置(第1位置)からの変位(回転)に伴って、伝達部材D190が更に変位(回転)されると、溝D194Rに挿通されている連結ピンD213は、溝D194Rの延設方向に沿う内壁面によって引き続き下方へ変位され(押し下げられ)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの一方)の閉鎖位置から開放位置への変位(回転)が継続される。
一方、溝D194Lに挿通されている連結ピンD213は、溝D194Lの上方側の延設端部(矢印U方向側の端部、内壁面)に達すると(図120参照)、その上方側の延設端部(内壁面)により下方へ変位され(押し下げられ)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの他方)の閉鎖位置からの変位が開始される。
その後は、いずれの連結ピンD213も下方へ変位され(押し下げられ)、一対の変位部材D180が開放位置へ向けて変位(回転)され、転動部材D170が第2位置に達すると、一対の変位部材D180が開放位置に配置される。
このように、本実施形態では、一対の変位部材D180が閉鎖位置から開放位置へ向けて変位(回転)を開始するタイミングを異ならせる(一方に対し他方を遅らせる)ことができる。これにより、変位部材D180の開放位置への変位(即ち、第6通路DRt6への球の流入(入球))を期待する遊技者に対し、開放状態に変化を形成でき、遊技の興趣を高めることができる。
錘部D195は、伝達部材D190の重心位置を偏心させるための部位であり、本体部D194の長手方向一端側から軸D191と反対側(矢印R方向側)へ向けて延設されると共に、内部に金属製(本実施形態では真鍮製)の錘が埋設される。
伝達部材D190は、錘部D195の重量により、伝達部材D190全体としての重心位置が、軸D191よりも錘部D195側に位置(偏心)される。その結果、伝達部材D190は、錘部D195の重さ(重心位置の軸D191からの偏心)を利用して、初期位置(変位部材D180を閉鎖位置とする位置、図119参照)に配置された姿勢の維持が可能とされると共に、初期位置から変位(回転)された後は、自重による初期位置への復帰(即ち、変位部材D180の閉鎖位置への復帰)が可能とされる。
即ち、伝達部材D190は、被伝達部D193が転動部材D170の伝達部D173によって下方(矢印D方向)へ変位されて(押し下げられて)いない状態では、本体部D194が上方(矢印U方向)へ変位(上昇)され(背面視において、軸D191を中心として反時計回りに回転され)、初期位置に配置される(変位部材D180を閉鎖位置に配置させる)と共に、初期位置に維持される。これにより、伝達部材D190を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
迂回部材D200は、背面部材D130の区画壁D134による区画領域よりも背面視において大きな外形を有する板状に形成され、区画壁D134の立設先端面(矢印B方向側の面)に配設されることで、区画壁D134と共に第8通路DRt8を区画する。また、迂回部材D200には、区画壁D134による区画領域よりも背面視において外方となる領域に、軸支部D201が形成される。
次いで、図119から図121と図122(c)とを参照して、変位部材D180の開閉動作について説明する。
図119に示すように、流下口DOPflから第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ球が流入(入球)されていない状態では、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置される。そのため、伝達部材D190は、転動部材D170から作用を受けず、変位部材D180が閉鎖位置に配置される。
この状態において、流下口DOPflから第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ球(図示せず)が流入(入球)されると、かかる球は、一対の変位部材D180の対向間を通過(流下)し、転動部材D170の本体部D172における長手方向他端側(軸D171と反対側、矢印R方向側)の上面(転動面)に落下された後、本体部D172の上面を長手方向一端側(軸D171側、矢印L方向側)へ向けて転動される。
図120に示すように、転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)を球が転動する状態では、その球の重量を受けて、転動部材D170が第2位置へ向けて変位(回転)され、図121に示すように、転動部材D170が更に変位(回転)されて第2位置に達すると、一対の変位部材D180が開放位置に配置され、それら変位部材D180の対向間隔が最大に拡大される。
転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)を転動する球(図示せず)は、本体部D172の長手方向一端側(軸D171側、矢印L側)から、中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部(上面が転動面とされる部位)へ転動(流入)され、開口D131dを介して、第8通路DRt8へ転動(流入)される。
その後、転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)に球が存在しなくなると、転動部材D170が自重により初期位置(第1位置)へ復帰され、これに伴って、伝達部材D190が自重により初期位置へ復帰されることで、変位部材D180が閉鎖位置へ配置される(図119参照)。
このように、本実施形態では、転動部材D170(本体部D172)が軸D171を中心として回転可能に軸支され、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ流入(入球)された球が、軸D171側(矢印L方向側)へ向けて転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)を転動される。
上述したように、転動部材D170は、長手方向他端側(軸D171が配設される側と反対側、矢印R方向側)を、上面視において変位部材D180と重なる位置(一対の変位部材D180の対向間に入球(流下)された球を受け入れ(受け止め)可能な位置)に配設される。
よって、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)した球を、転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)に落下させることができる。
ここで、例えば、本体部D172の上面(転動面)を転動する球の転動方向が、軸D171から離間する方向に設定される構造では、球が転動部材D170(本体部D172)を転動する初期段階では、球の重量が作用する位置(力点)と軸D171(支点)との距離が近いため、球が所定距離だけ転動して軸D171からの距離(力点と支点との間の距離)が確保されるまでの間は、錘部D174の重量に対抗することができず、球の重量によって転動部材D170を初期位置(第1位置)から変位(回転)させることができない。
これに対し、本実施形態によれば、球が本体部D172の上面を転動する際に、その初期段階において、球の重量が作用する位置(力点)と軸D171(支点)との距離を確保して、錘部D174の影響を小さくできるので、球の重量によって転動部材D170を初期位置(第1位置)から変位(回転)させやすくできる。
即ち、球が第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入された直後に、転動部材D170(本体部D172)を初期位置(第1位置)から変位(回転)させ、変位部材D180の開放位置へ向けた変位(及び開放位置への配置)を速やかに行わせることができる。
特に、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入された球を、転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)に直接落下させることができるので、球の重量の作用のみでなく、球の落下する勢い(運動エネルギー)を利用して、転動部材D170(本体部D172)を初期位置(第1位置)から変位(回転)させることができる。この点においても、変位部材D180の開放位置へ向けた変位(及び開放位置への配置)を速やかに行わせることができる。
よって、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)への球の流下(入球)を見届けた遊技者に対し、その直後に変位部材D180の開放位置への変位を開始させることができ、テンポの良い演出を行うことができる。
また、第3通路DRt3上を複数の球が転動する場合に、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ入球された第1の球と、その第1の球に後行する第2の球(第6通路DRt6へ入球されていない他の球、後続の球)との間の間隔が比較的小さい場合に、後行する第2の球を第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)されやすくできる。
転動部材D170は、その上面(転動面)を球が転動する方向が、軸D171へ近づく方向とされるので、転動部材D170の本体部D172の上面を球が転動するに従って、球の重量が作用する位置(力点)と軸D171(支点)との距離を徐々に短くして、錘部D174の影響を大きくできる。よって、転動部材D170を第2位置から初期位置(第1位置)へ向けて徐々に復帰させることができる。
即ち、球の転動が進行するに従って、開放位置に配置されていた変位部材D180を閉鎖位置へ向けて徐々に変位(回転)させることができる。これにより、例えば、第3通路DRt3上を他の球が往復動されている場合に、その他の球の第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)への流入(入球)が、変位部材D180が開放されている有利な状態(少なくとも閉鎖位置に配置された状態よりも開放量が大きい状態)に間に合うか否かを遊技者に着目させ、遊技の興趣を高めることができる。
更に、転動部材D170は、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)された球が転動部材D170に落下される場合に、落下された球を、転動部材D170の上下方向(矢印U-D方向)における変位量が大きい側(軸D171から離間された側)で受け止めることができる。
よって、落下された球の運動エネルギーを、転動部材D170の変位(回転)、即ち、錘部D174を上方へ持ち上げるためのエネルギーとして吸収(消費)できる。その結果、本体部D172の上面(転動面)に落下した球が上方へ跳ね上がることを抑制できる。その結果、球の重量を転動部材D170に安定して作用させ、変位部材D180の状態を安定させる(例えば、閉鎖位置へ向けて変位部材D180が一時的に変位(回転)されることを抑制)できる。
また、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)した球を、転動部材D170とは別の部材(固定された非変位の部材、例えば、背面部材D130や中間部材D140の一部)に落下させる場合には、その別の部材の破損を招きやすくなるところ、上述のように、落下された球の運動エネルギーを、転動部材D170の変位により吸収(消費)できることで、球の衝突による転動部材D170やその転動部材D170を軸支する背面部材D130及び中間部材D140の破損を抑制できる。その結果、球の落下を許容できる分(球の落下高さの上限を緩やかとできる分)、設計の自由度を高めることができる。
第6通路DRt6の側壁(内側面)を形成する背面部材D130の本体部D131及び中間部材D140の本体部D141には、突部D131f,D141g(作用手段)が突設され、転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)を転動する球に作用可能に形成される。
即ち、突部D131f,D141gは、所定間隔を隔てて対向配置される本体部D131,D141から第6通路DRt6内へ向けて突設されると共に上下方向(矢印U-D方向)に沿って直線状に延設され、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って所定間隔を隔てつつ複数が配設される。
よって、球が第6通路DRt6を通過する際には、転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)を転動する場合だけでなく、転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)から浮いた状態で移動する場合であっても、突部D131f,D141gを球に当接させ、抵抗を付与することで、球の速度を低くすることができる。
その結果、球が第6通路DRt6(転動部材D170)を通過するのに要する時間を長くでき、その分、転動部材D170に球の重量が作用される時間(即ち、変位部材D180が少なくとも閉鎖位置よりも開放され、球が入球されやい状態)を維持し易く(長く)できる。
この場合、突部D131f,D141gは、第6通路DRt6(転動部材D170の本体部D172)を挟んだ両側に形成され、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って千鳥状に配置されるので、球が第6通路DRt6を通過する際に、球を突部D131f,D141gに交互に当接させることができる。
これにより、球に抵抗を付与するだけでなく、球の速度成分に横方向(転動方向に直交する方向)の速度成分を付加することができる(球の進路を、直進ではなく、ジグザグとできる)。よって、球が第6通路DRt6を通過するのに要する時間を長くできる。従って、この点からも、転動部材D170に球の重量が作用される時間(即ち、変位部材D180が少なくとも閉鎖位置よりも開放され、球が入球されやい状態)を維持し易く(長く)できる。
一方で、突部D131f,D141gは、鉛直方向(矢印U-D方向)に沿って延設されるので、鉛直方向へ移動する球には抵抗が付与され難くできる。よって、転動部材D170(本体部D172)の上面(転動面)から球が上方(矢印U方向)へ跳ね上がった場合には、その球を下方(転動面)へ速やかに落下させることができる。従って、球の上方への跳ね上がりに伴って、錘部D174の作用により転動部材D170の本体部D172が上方へ変位された場合でも、かかる転動部材D170の本体部D172に球の重量を速やかに作用させ、本体部D172を元の状態に速やかに復帰させることができる。
その結果、転動部材D170の本体部D172を球が通過する間は、本体部D172に球の重量を作用させ、変位部材D180が少なくとも閉鎖位置よりも開放され、球が入球されやい状態を維持し易くできる。
転動部材D170は、本体部D172の上面(転動面)が平坦面として形成される。即ち、本体部D172の上面は、球の転動方向に沿って滑らかに連なる平滑面として形成され、段差が非形成とされる。よって、本体部D172の上面を転動する球が上方(矢印U方向)へ跳ね上がることを抑制できる。従って、球の上方への跳ね上がりに伴って、錘部D174の作用により本体部D172が上方へ変位されることを未然に防止できる。
以上のように、本実施形態によれば、変位部材D180が変位(回転)可能に形成され、その変位(回転)によって、第6通路DRt6への球の流入(入球)のされやすさを変化させる構造において、変位部材D180は、第6通路DRt6へ球が入球された場合に、第6通路DRt6へ球が入球されやすくなる側(開放位置)へ変位されるので、第6通路DRt6へ1の球が入球されれば、その球に後行する球(例えば、第3通路DRt3をその長手方向に往復動する球、後続の球)を第6通路DRt6へ入球されやすくできる。
即ち、第6通路DRt6へ第1の球が流入(入球)されれば、その第1の球の第6通路DRt6への入球により変位部材D180が変位され、後行する第2の球(第1の球の後続となる第2の球)が第6通路DRt6へ入球されやすい状態を形成でき、第2の球が第6通路DRt6へ入球されれば、その第2の球の第6通路DRt6への入球により変位部材D180が変位され、後行する第3の球(第2の球の後続となる第3の球)が第6通路DRt6へ入球されやすい状態を形成でき、第3の球の以降も、これらの態様を繰り返すことができる。
よって、第6通路DRt6への1の球の流入(入球)により、第6通路DRt6への球の入球の連鎖が発生することを遊技者に期待させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
この場合、変位部材D180の球が入球されやすくなる側(開放位置)への変位は、第6通路DRt6に流入(入球)された球の重量を利用して行われる。よって、変位部材D180を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
特に、本実施形態では、第6通路DRt6の球の転動面を転動部材D170により形成し、転動する球の重量の作用により転動部材D170が変位(回転)される構成であるので、球の重量を利用できる時間を確保できる。その結果、第6通路DRt6へ球が流入(入球)されやすくされた状態を維持しやすくできる。
次いで、図123を参照して、第9実施形態について説明する。第8実施形態では、変位部材D180が外部から強制的に開放可能とされたが、第9実施形態の変位部材D180は、外部から強制的に開放されることを規制可能とされる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図123(a)及び図123(b)は、第9実施形態における下側フレームD2086bの断面図であり、図115のCXIXa-CXIXa線における断面に対応する。なお、図123(a)では、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態が、図123(b)では、転動部材D170が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図123に示すように、伝達部材D2190は、係合部D2196を備える。なお、伝達部材D2190は、第8実施形態における伝達部材D190に対し、係合部D2196を更に備える点のみで相違し、その他の構成は同一である。
係合部D2196は、転動部材D170の初期位置(第1位置)から第2位置への変位(回転)を許容し、且つ、転動部材D170が初期値(第1位置)に配置された状態において、閉鎖位置にある変位部材D180が開放位置へ向けて変位(回転)されることを規制するための部位であり、被伝達部D193の上面(矢印U方向側の面)から立設され、転動部材D170の伝達部D173の延設先端(矢印R方向側の端部)に外面(軸D191と反対側の面)を対面させて配設される。
係合部D2196の外面(軸D191と反対側の面)は、転動部材D170が軸D171を中心として回転される際の伝達部D173の延設先端(矢印R方向側の端部)の変位軌跡と交差しない形状(変位軌跡に接する形状、又は、変位軌跡との間に隙間を有する形状)に形成される。よって、転動部材D170の初期位置(第1位置)から第2位置への変位(回転)が許容される(図123(b)参照)。
よって、第6通路DRt6へ球が流入(入球)され、その球が転動部材D170の本体部D172の上面を転動する際には、その球の重量を利用して、転動部材D170を第2位置へ変位させることができる。その結果、転動部材D170の伝達部D173により伝達部材D2190の被伝達部D193を下方へ変位させ(押し下げ)、変位部材D180を開放位置へ変位(回転)させることができる。
また、係合部D2196の外面(軸D191と反対側の面)は、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態において、伝達部材D2190が正面視反時計回り(図123(a)左回り、即ち、開放位置に配置された変位部材D180が開放位置へ向けて変位される方向)の回転を規制可能な形状に形成される。
具体的には、伝達部材D2190が正面視反時計回り(図123(a)左回り)に回転され、係合部D2196の外面(軸D191と反対側の面)が、転動部材D170の伝達部D173の延設先端(矢印R方向側の端部)に当接して押圧する際に、その伝達部D173の延設先端が軸D171へ向かう方向へ押圧される(伝達部D173の延設先端に係合部D2196から作用される力の延長線上に軸D171が位置される)。
よって、転動部材D170を変位(回転)させるための力成分が形成されず、転動部材D170が初期位置(第1位置)に維持される(回転不能とされる)ことで、伝達部材D2190の正面視反時計回り(図123(a)左回り)の回転が規制される(図123(a)参照)。即ち、変位部材D180の閉鎖位置から開放位置へ向けての変位(回転)が規制される。
このように、本実施形態によれば、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置された状態(即ち、球の重量が作用されていない状態)では、変位部材D180の閉鎖位置から開放位置へ向けた変位(回転)を規制することができる。即ち、例えば、針金等の異物を挿入して、閉鎖位置にある変位部材D180を、開放位置へ向けて強制的に変位させる不正(第6通路DRt6へ球が流入(入球)しやすくする不正)を抑制できる。
この場合、本実施形態では、転動部材D170を利用する(転動部材D170の伝達部D173に伝達部材D2190の係合部D2196を係合させる)ことで、変位部材D180の閉鎖位置から開放位置へ向けた変位(回転)が規制される。よって、変位部材D180が強制的に変位(回転)されることを規制するための部品を別途設ける必要がなく、伝達部材D190を流用することができるので、その分、変位部材D180を強制的に変位させる不正を抑制するための構造を簡素化できる。
次いで、図124を参照して、第10実施形態について説明する。第8実施形態では、転動部材D170を転動する球の転動方向が軸D171へ近づく方向とされたが、第10実施形態の転動部材D3170は、球の転動方向が軸D3171から遠ざかる(離間される)方向とされる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図124(a)及び図124(b)は、第10実施形態における下側フレームD3086bの部分拡大断面図であり、図115のCXIXa-CXIXa線における断面に対応する。なお、図124(a)では、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態が、図124(b)では、転動部材D170が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図124に示すように、転動部材D3170は、軸D3171と、その軸D3171が長手方向他端側(矢印R方向側)に配設される長尺板状の本体部D3172と、その本体部D3172の長手方向他端側(軸D3171が配設される側)に配設される錘部D3174と、その錘部D3174を挟んで本体部D3172の反対側に配設される伝達部D3173とを備え、背面部材D130と中間部材D140との間に軸D3171を中心として回転可能に配設される。
なお、転動部材D3170の各部D3171~D3174は、第8実施形態における転動部材D170の各部D171~D174に対し、機能は実質的に同一であり、配置のみが相違する。また、伝達部材D3190は、第8実施形態における伝達部材D3190に対し、被伝達部D3193の向き(延設方向)のみが相違し、その他の構成は同一である。
軸D3171は、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢で配設され、背面部材D130と中間部材D140とに形成される軸支部(図示せず)に軸支される。よって、軸D3171を中心に転動部材D3170が変位(回転)されることで、本体部D3172は、上下方向(矢印U-D方向)に変位(昇降)される。
本体部D3172は、その上面が第6通路DRt6における球の転動面を形成する部位であり、長手方向一端側(軸D3171が配設される側と反対側、矢印L方向側)を、中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部(上面が転動面とされる部位)に並設させると共に、長手方向他端側(軸D3171が配設される側、矢印R方向側)を、上面視において変位部材D180と重なる位置(一対の変位部材D180の対向間に入球(流下)された球を受け入れ(受け止め)可能な位置)に配設される。
本体部D3172は、第2位置に配置された状態(姿勢)では、その長手方向一端側(軸D3171が配設される側と反対側、矢印L方向側)の上面が、中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部(上面が転動面とされる部位)の上面と略同一の高さ位置または若干上方側(矢印U方向側)となる高さ位置に配置される。
本体部D3172の上面(転動面)は、平坦面として形成される。よって、転動する球が上方(矢印U方向)へ跳ね上がることを抑制できる。従って、球の上方への跳ね上がりに伴って、錘部D3174の作用により本体部D3172が上方へ変位されることを未然に防止できる。
なお、本体部D3172の上面は、平坦面(軸D3171に直交する平面で切断した断面が断面直線)である必要はなく、段差が非形成であれば足り、球の転動方向に沿って滑らかに連なる平滑面(曲線どうし又は曲線と直線とが滑らかに連なる断面形状、例えば、正弦波(正弦曲線)形状)として形成されていても良い。
錘部D3174は、転動部材D3170の重心位置を偏心させるための部位であり、本体部D3172の長手方向他端側(軸D3171が配設される側)から本体部D3172の延設方向と反対側(矢印R方向側)へ向けて延設されると共に、内部に金属製(本実施形態では真鍮製)の錘が埋設される。
伝達部D3173は、転動部材D3170の変位(回転)を伝達部材D3190へ伝達するための部位であり、錘部D3174の延設方向端部(矢印R方向側の端部)から軸D3171と反対側(矢印R方向側)へ向けて更に延設される。伝達部D3173の延設先端側(矢印R方向側)は、伝達部材D3190の被伝達部D3193の下方側(矢印D方向側)に配設(上面視において重なる位置に配設)される。
よって、転動部材D3170がその上面を転動する球の重量によって軸D3171を中心に変位(回転)され、伝達部D3173が上方(矢印U方向)へ変位(上昇)されると、伝達部D3173によって伝達部材D3190の被伝達部D3193が上方へ変位され(押し上げられ)、これにより、伝達部材D3190が軸D3191を中心として変位(回転)される。その結果、変位部材D180が閉鎖位置から開放位置へ変位される。
なお、本実施形態では、伝達部D3173から被伝達部D3193へ向けて突起が突設(立設)される。但し、被伝達部D3193から伝達部D3173へ向けて突起が突設(立設)されても良い。即ち、転動部材D3170の変位(回転)が、伝達部D3173及び被伝達部D3193を介して、伝達部材D3190に伝達可能とされれば足りる。
転動部材D3170(本体部D3172)に球の重量が作用されていない無負荷状態(本体部D3172上を球が転動していない状態)では、転動部材D3170全体としての重心位置が、軸D3171よりも錘部D3174(及び伝達部D3173)側に位置(偏心)される。その結果、転動部材D3170は、錘部D3174(及び伝達部D3173)の重さ(重心位置の軸D3171からの偏心)を利用して、無負荷状態では、初期位置(第1位置)に配置された姿勢の維持が可能とされると共に、初期位置から変位(回転)された後は、自重による初期位置への復帰が可能とされる(図124(a)参照)。
即ち、転動部材D3170は、無負荷状態(本体部D3172上に球の重量が作用されない状態)では、本体部D3172が上方(矢印U方向)へ変位(上昇)され(正面視において、軸D3171を中心として時計回りに回転され)、初期位置(第1位置)に配置されると共に、初期位置(第1位置)に維持される。これにより、転動部材D3170を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
一方、転動部材D3170の本体部D3172上を球が転動する際には、その球の重量により、転動部材D3170全体としての重心位置が本体部D3172側(軸D3171を挟んで錘部D3174と反対側)に位置(偏心)される。これにより、転動部材D3170は、本体部D3172が下方(矢印D方向)へ変位(下降)され(正面視において、軸D3171を中心として反時計回りに回転され)、第2位置に配置される。
なお、転動部材D3170の第1位置(初期位置)は、本体部D3172の長手方向一端側(矢印L方向側)の下面(矢印D方向側の面)が、中間部材D140から突出されるストッパ部に当接されることで規定される。即ち、転動部材D3170は、本体部D3172がストッパ部に当接されることで、本体部D3172の下方への変位(軸D3171を中心とする正面視反時計回りの回転)が規制され、第1位置(初期位置)に配置される(図124(a)参照)。
一方、転動部材D3170の第2位置は、錘部D3174の下面(矢印D方向側の面)が、中間部材D140から突出されるストッパ部に当接されることで規定される。即ち、転動部材D3170は、錘部D3174がストッパ部に当接されることで、本体部D3172の上方への変位(軸D3171を中心とする正面視反時計回りの回転)が規制され、第2位置に配置される(図124(b)参照)。
転動部材D3170は、第1位置に配置された状態では、本体部D3172の上面(転動面)が、長手方向他端側から長手方向一端側へ向けて下降傾斜され、第2位置に配置された状態においても、本体部D3172の上面(転動面)が、長手方向他端側から長手方向一端側へ向けて下降傾斜される。よって、転動部材D3170(本体部D3172)上の球を開口D131d(第8通路DRt8)へ向けて確実に転動させることができる。
このように、転動部材D3170は、本体部D3172の上面(転動面)の下降傾斜を利用して、球を転動させるところ、転動部材D3170は、軸D3171を中心として回転可能に軸支され、本実施形態では、本体部D3172の上面の水平面に対する下降傾斜の角度は、球が転動されている状態(球の重量を受けている状態)における下降傾斜の角度が、球が非転動の状態(球の重量を受けていない無負荷状態)における下降傾斜の角度よりも大きくされる。
即ち、本実施形態では、第6通路DRt6へ流入(入球)した球は、本体部D3172の上面(転動面)であって、軸D3171の近傍となる位置に落下され、本体部D3172の上面を軸D3171から離間される方向(遠ざかる方向)へ向けて転動される。
これにより、球が転動部材D3170の本体部D3172の上面(転動面)を転動する初期段階では、球の重量が作用する位置(力点)と軸D3171(支点)との距離を短くし、錘部D3174の重量を支配的としておき、球が本体部D3172の上面を転動するに従って、軸D191からの距離(力点と支点との間の距離)を徐々に大きく(長く)し、錘部D174の重量に対抗させることができる。その結果、転動部材D3170を初期位置(第1位置)から第2位置へ徐々に変位(回転)させることができる。
即ち、球の転動が進行するに従って、変位部材D180を閉鎖位置から開放位置へ徐々に変位(回転)させ、その開放量(一対の変位部材D180の対向間隔)を徐々に増加させることができる。これにより、例えば、第2の球が第3通路DRt3を往復動する場合に、その第2の球が第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ流入(入球)する期待を徐々に高まらせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、第6通路DRt6へ入球された第1の球と、その第1の球に後行する第2の球(第6通路DRt6へ入球されていない他の球、後続の球)との間の間隔が比較的大きい場合でも、後行する第2の球を第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)させやすくできる。
一方で、転動部材D3170の上面(転動面)を球が転動する方向が、軸D171から遠ざかる(離間する)方向とされることで、少なくとも球が本体部D3172の終端(長手方向一端側、矢印L方向側の端部)に達した際には、転動部材D3170が第2位置に配置された状態とされる。
即ち、本体部D3172の上面(転動面)から中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部へ球が転動(流入)される直前の状態では、軸D191からの距離(力点と支点との間の距離)が最大とされ、球の重量が本体部D3172に最大に作用されていたところ、本体部D3172の上面から第6通路区画壁D146の転動部へ球が転動(流入)されると、球の重量の作用が瞬間的になくなり、錘部D3174の作用のみとなる。
そのため、転動部材D3170が第2位置から初期位置(第1位置)へ最大の速度で復帰させ、開放位置に配置されていた変位部材D180を即座に閉鎖位置に配置させることができる。よって、テンポの良い演出を行うことができる。また、第2の球の第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)への流入(入球)が、変位部材D180が開放位置へ向けて徐々に変位(回転)されている間に合うか否かを遊技者に着目させ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、本実施形態の転動部材D3170は、本体部D3172の上面(転動面)を転動する球が1球とされる場合には、その球が本体部D3172の長手方向一端側(矢印L方向側の端部)へ向けて転動されるに従って転動部材D3170が初期位置(第1位置)から第2位置へ向けて徐々に変位(回転)され、球が本体部D3172の長手方向一端側(矢印L方向側の端部)に達した際には(少なくとも球が中間部材D140の第6通路区画壁D146へ転動(流入)する前に)、転動部材D3170が第2位置に配置されるように構成される。
次いで、図125を参照して、第11実施形態について説明する。第8実施形態では、一対の変位部材D180から流出口DOPoutまでの経路(第6通路DRt6及び第8通路DRt8により形成される通路)中に転動部材D170のみが配設されたが、第11実施形態における一対の変位部材D180から流出口DOPoutまでの経路(第6通路DRt6及び第8通路DRt8により形成される通路)中には、転動部材D170及び第2転動部材D4220が配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図125(a)及び図125(b)は、第11実施形態における下側フレームD4086bの部分拡大背面図であり、軸D4221に直交する平面で区画壁D4134及び第2転動部材D4220を切断した状態が図示される。
なお、図125(a)では、第2転動部材D4220が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態が、図125(b)では、第2転動部材D4220が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図125に示すように、背面部材D4130は、その背面から立設される区画壁D4134を備える。
区画壁D4134は、本体部D131、迂回部材D200及び第2転動部材D4220と共に第8通路DRt8を区画する。即ち、本体部D131に迂回部材D200が対向配置され、その対向間であって区画壁D4134と第2転動部材D4220により区画された領域が第8通路DRt8とされる。
第2転動部材D4220は、軸D4221と、その軸D4221が長手方向一端側(矢印L方向側)に配設される長尺板状の本体部D4222と、その本体部D4222の長手方向一端側(軸D4221が配設される側)に配設される錘部D4224と、その錘部D4224を挟んで本体部D4222の反対側に配設される伝達部D4223とを備え、背面部材D4130と迂回部材D200との間に軸D4221を中心として回転可能に配設される。
なお、第2転動部材D4220の各部D4221~D4224は、第8実施形態における転動部材D170の各部D171~D174に対し、機能は実質的に同一であり、配置のみが相違する。また、背面部材D4130の区画壁D4134は、第8実施形態における区画壁D134に対し、球の転動面を形成する壁部の一部が省略される(第2転動部材D4220の本体部D4222に置き換えられる)点で相違し、その他の構成は同一である。
軸D4221は、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢で配設され、背面部材D4130と迂回部材D200とに形成される軸支部(図示せず)に軸支される。よって、軸D4221を中心に第2転動部材D4220が変位(回転)されることで、本体部D4222は、上下方向(矢印U-D方向)に変位(昇降)される。
本体部D4222は、その上面が第8通路DRt8における球の転動面を形成する部位であり、長手方向一端側(軸D4221が配設される側、矢印L方向側)を、開口D131eへ球を転動させる区画壁D4134の転動部(上面が転動面となる部位)に並設させると共に、長手方向他端側(軸D4221が配設される側と反対側、矢印R方向側)を、開口D131dの下流側(開口D131dから流下する球を受け入れ(受け取り)可能な位置)に配設される。
本体部D4222は、初期位置(第1位置)から第2位置までのいずれの状態(姿勢)にあっても、その長手方向一端側(軸D4221が配設される側、矢印L方向側)の上面が、開口D131eへ球を転動させる区画壁D4134の転動部(上面が転動面となる部位)の上面と略同一の高さ位置または若干上方側(矢印U方向側)となる高さ位置に配置される。
軸D4221は、本体部D4222の内部に埋設され、本体部D4222の上面(転動面)は、軸D4221を越える位置まで形成される。即ち、本体部D4222の上面を転動する球は、軸D4221の上方側(矢印U方向側)を通過した後、開口D131eへ球を転動させる区画壁D4134の転動部へ転動(流入)される。
錘部D4224は、第2転動部材D4220の重心位置を偏心させるための部位であり、本体部D4222の長手方向一端側(軸D4221が配設される側)から本体部D4222の延設方向と反対側(矢印L方向側)へ向けて延設されると共に、内部に金属製(本実施形態では真鍮製)の錘が埋設される。
伝達部D4223は、第2転動部材D4220の変位(回転)を伝達部材D190へ伝達するための部位であり、錘部D4224の延設方向端部(矢印R方向側の端部)から伝達部材D190(錘部D195)へ向けて延設される。伝達部D4223の延設先端側(矢印U方向側)は、伝達部材D190の錘部D195の下方側(矢印D方向側)に配設(上面視において重なる位置に配設)される。
よって、第2転動部材D4220がその上面を転動する球の重量によって軸D4221を中心に変位(回転)され、伝達部D4223が上方(矢印U方向)へ変位(上昇)されると、伝達部D4223によって伝達部材D190の錘部D195が上方へ変位され(押し上げられ)、これにより、伝達部材D190が軸D191を中心として変位(回転)される。その結果、変位部材D180が閉鎖位置から開放位置へ変位される。
第2転動部材D4220(本体部D4222)に球の重量が作用されていない無負荷状態(本体部D4222上を球が転動していない状態)では、第2転動部材D4220全体としての重心位置が、軸D4221よりも錘部D4224(及び伝達部D4223)側に位置(偏心)される。その結果、第2転動部材D4220は、錘部D4224(及び伝達部D4223)の重さ(重心位置の軸D4221からの偏心)を利用して、無負荷状態では、初期位置(第1位置)に配置された姿勢の維持が可能とされると共に、初期位置から変位(回転)された後は、自重による初期位置(第1位置)への復帰が可能とされる(図125(a)参照)。
即ち、第2転動部材D4220は、無負荷状態(本体部D4222上に球の重量が作用されない状態)では、本体部D4222が上方(矢印U方向)へ変位(上昇)され(正面視において、軸D4221を中心として反時計回りに回転され)、初期位置(第1位置)に配置されると共に、初期位置(第1位置)に維持される。これにより、第2転動部材D4220を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
一方、第2転動部材D4220の本体部D4222上を球が転動する際には、その球の重量により、第2転動部材D4220全体としての重心位置が本体部D4222側(軸D4221を挟んで錘部D4224と反対側)に位置(偏心)される。これにより、第2転動部材D4220は、本体部D4222が下方(矢印D方向)へ変位(下降)され(正面視において、軸D4221を中心として時計回りに回転され)、第2位置に配置される。
なお、第2転動部材D4220の第1位置(初期位置)は、本体部D4222の長手方向一端側(矢印L方向側)の端面(矢印L方向側の面)が、第2転動部材D4220の第2位置は、本体部D4222の長手方向他端側(矢印R方向側)の下面(矢印D方向側の面)が、それぞれ区画壁D4134に当接されることで規定される。
第2転動部材D4220は、第1位置に配置された状態では、本体部D4222の上面(転動面)が、長手方向他端側から長手方向一端側へ向けて下降傾斜され、第2位置に配置された状態においても、本体部D4222の上面(転動面)が、長手方向他端側から長手方向一端側へ向けて下降傾斜される。よって、第2転動部材D4220(本体部D4222)上の球を開口D131eへ向けて確実に転動させることができる。
このように、本実施形態によれば、第6通路DRt6に転動部材D170が配設されると共に、その第6通路DRt6の下流となる第8通路DRt8に第2転動部材D4220が配設される。よって、第8実施形態と比較して、経路(通路、即ち、一対の変位部材D180から流出口DOPoutまでの区間)の長さが同一であっても、第2転動部材D4220が配設される分、球の重量を利用できる区間を確保(長く)できる。その結果、変位部材D180が開放位置へ変位された状態(変位部材D180が少なくとも閉鎖位置よりも開放され、球が入球されやすくされた状態)を維持(長く)しやすくできる。
ここで、1の部材(転動部材D170(本体部D172))の長手方向寸法(上面(転動面)の長さ)を延長して、球の重量を利用できる区間を確保(長く)する構成では、下側フレームD86bの限られたスペース(幅方向(矢印L-R方向)寸法)に、長手方向寸法を延長した転動部材D170を配設することが困難となる。一対の変位部材D180の配設位置を下側フレームD86bの幅方向一側(矢印L方向側)に偏らせれば、その分、転動部材D170(本体部D172)の長手方向寸法(上面(転動面)の長さ)を延長することは可能であるが、その延長できる長さには限界がある。また、第3通路DRt3を球が往復動可能な形状とすることができず、遊技の興趣が低下する。
これに対し、本実施形態によれば、複数の部材(本実施形態では、転動部材D170及び第2転動部材D4220)を配設して、球の重量を利用できる区間を確保(長く)する構成であるので、下側フレームD4086bの限られたスペースを有効に活用して、球の重量を利用できる区間を十分に確保(長く)できる。また、第3通路DRt3を球が往復動可能な形状とでき、遊技の興趣を向上できる。
即ち、転動部材D170の背面側(矢印B方向側)に第2転動部材D4220を配設し、これらを前後方向(矢印F-B方向)に重ねる構成であるので、下側フレームD4086bのデッドスペースとなる前後方向の厚みを有効に活用して、転動部材D170及び第2転動部材D4220により、球の重量を利用できる区間を確保(長く)できる。
また、このように、球の重量を利用できる区間を確保(長く)しつつ、一対の変位部材D180を下側フレームD4086bの幅方向(矢印L-R)中央に配設できるので、第3通路DRt3を球が往復動可能な形状(幅方向中央へ向けて下降傾斜する形状)とでき、遊技の興趣を向上できる。
経路(通路、即ち、一対の変位部材D180から流出口DOPoutまでの区間)に1の部材(転動部材D170)のみが配設される構成では、その経路を1の球が通過する間に変位部材D180の所定の変位(球の重量により閉鎖位置から開放位置へ配置され、球の通過後に閉鎖位置へ復帰される変位態様)が1回形成されるのみであるが、複数の部材(転動部材D170及び第2転動部材D4220)が経路(通路)に配設される構成であれば、その経路を1の球が通過する間に変位部材D180の上述した所定の変位を複数回(本実施形態では2回)形成できる。変位部材D180の開放と閉鎖を繰り返されることで、第6通路DRt6への球の流入(入球)を期待する遊技者に、変位部材D180の変位状態と第3通路DRt3上の他の球との関係を着目させ、遊技の興趣を向上できる。
また、経路(通路、即ち、一対の変位部材D180から流出口DOPoutまでの区間)に1の部材(転動部材D170)のみが配設される構成では、その経路を複数(2以上)の球が通過しても、変位部材D180の変位態様は1通り(即ち、球の重量により閉鎖位置から開放位置へ配置され、球の通過後に閉鎖位置へ復帰される変位態様)のみであるが、複数の部材(転動部材D170及び第2転動部材D4220)が経路(通路)に配設される構成であれば、その経路を複数の球が通過する間に形成できる変位部材D180の変位態様を複数通りとできる。即ち、転動部材D170又は第2転動部材D4220の一方と他方とに球の重量が作用するタイミング(球が転動するタイミング)の組み合わせにより、変位部材D180の変位態様を多様とできる。その結果、意外性のある演出を行うことができる。
転動部材D170の伝達部D173は、伝達部材D190における被伝達部D193の上方側(矢印U方向側)に位置し、本体部D172に球の重量が作用した場合には、被伝達部D193を下方へ変位させる(押し下げる)。第2転動部材D4220の伝達部D4223は、伝達部材D190における錘部D195の下方側(矢印D方向側)に位置し、本体部D4222に球の重量が作用した場合には、錘部D195を上方へ変位させる(押し上げる)。
即ち、転動部材D170及び第2転動部材D4220が球の重量の作用により動作して、伝達部材D190を変位(回転)させる場合、伝達部材D190の変位(回転)方向が同方向とされ、転動部材D170及び第2転動部材D4220の動作が対抗されない。同様に、転動部材D170又は第2転動部材D4220の一方が初期位置へ復帰する動作(球の重量が作用されず錘部D174,D4224の重量で変位(回転))する場合、転動部材D170又は第2転動部材D4220の他方の動作の状態に関わらず、一方の動作と他方の動作は対抗されない(一方の動作と他方の動作との両方が許容される)。
このように、転動部材D170及び第2転動部材D4220の球の重量が作用された場合の変位(回転)をそれぞれ個別に独立して伝達部材D190へ伝達でき、且つ、転動部材D170及び第2転動部材D4220の球の重量の作用が解除された場合の変位(回転)をそれぞれ個別に独立して行わせることができる。
よって、経路(通路、即ち、一対の変位部材D180から流出口DOPoutまでの区間)を複数の球が通過する場合には、それら球の転動する位置に応じて、転動部材D170又は第2転動部材D4220の一方または他方の動作のみに起因して伝達部材D190を変位(回転)させることも、転動部材D170又は第2転動部材D4220の一方および他方の両者の動作に起因して伝達部材D190を変位(回転)させることもでき、これらの組み合わせにより、変位部材D180が変位する態様を多様化できる。
例えば、変位部材D180が閉鎖位置へ向けて変位(回転)されている途中に、転動部材D170又は第2転動部材D4220の一方に球の重量が作用されれば、その一方の動作により変位部材D180を、閉鎖位置へ向けた変位の途中で、開放位置へ向けて変位させることができる。
また、例えば、転動部材D170又は第2転動部材D4220の一方に球の重量が作用され、その一方の動作により変位部材D180が開放位置へ向けて変位(回転)されている途中に、転動部材D170又は第2転動部材D4220の他方に球の重量が作用され、その他方の方が球の重量の作用が大きい(変位部材D180を変位させる力が強い)場合には、他方の動作により、変位部材D180を、より速い変位速度で、開放位置へ変位させることができる。
また、本実施形態によれば、転動部材D170の変位(回転)を変位部材D180へ伝達するための部材(伝達手段)と、第2転動部材D4220の変位(回転)を変位部材D180へ伝達するための部材(伝達手段)とを別々に設ける必要がなく、かかる部材(伝達手段)として、伝達部材D190を共用できる。よって、部品点数を低減して、構造の簡素化を図ることができる。その結果、動作の信頼性の向上と製品コストの低減とを達成できる。
次いで、図126を参照して、第12実施形態について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図126は、第12実施形態における下側フレームD5086bの部分拡大背面図であり、迂回部材D200が取り外された状態が図示される。なお、図126(a)では、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態が図示される。
図126に示すように、本体部D5194には、溝D5194L,D194Rが形成され、これら溝D5194L,D194Rには、軸支部材D210の連結ピンD213がそれぞれ摺動可能に挿通される。
なお、伝達部材D5190は、第8実施形態における伝達部材D190に対し、溝D194Lの形状のみが相違し、その他の構成は同一である。
溝D5194Lは、軸D191方向(矢印F-B方向)視において、軸D191側に中心を有する円弧状に湾曲する形状に延設され、溝の幅寸法が連結ピンD213の直径よりも大きな寸法に設定される。溝の幅寸法は、溝D5194Lの延設方向に沿って一定とされる。
詳細には、溝D5194Lの延設方向に沿う内壁面は、軸D191から遠い側の内壁面と軸D191に近い側の内壁面との両者が、軸D191を中心とする円弧に沿った形状(軸D191を中心とする円形状を所定の中心角で分断した形状)とされる。
よって、連結ピンD213は、溝D5194Lの延設方向に沿う内壁面の両者から作用を受けず(当接されず)、溝D5194Lの下方側または上方側の延設端部(矢印D方向側または矢印U方向側の端部)からのみ作用を受ける(下方側または上方側の延設端部における内壁面によって上方または下方へ変位される(押し下げ又は押し下げられる)。
これにより、本実施形態によれば、変位部材D180を閉鎖位置から開放位置へ変位させる場合だけでなく、開放位置から閉鎖位置へ変位させる場合においても、一対の変位部材D180の動作態様(変位態様)を互いに異ならせることができる(一対の変位部材D180のうちの一方を停止させつつ他方のみを変位(回転)させる状態を形成できる)。
具体的には、変位部材D180が開放位置に配置された状態では、連結ピンD213と溝D5194Lの下方側の延設端部(矢印D方向側における端部、内壁面)との間に所定の間隔が形成される(図121参照)。
転動部材D170の第2位置から初期位置(第1位置)への変位(回転)が開始され、これに伴い、伝達部材D5190の初期位置への変位(回転)が開始されると、溝D194Rに挿通されている連結ピンD213は、溝D194Rの延設方向に沿う内壁面によって上方へ変位され(押し上げられ)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの一方)の開放位置からの変位(回転)が開始される。
一方、溝D5194Lに挿通されている連結ピンD213は、溝D5194Lの下方側の延設端部(矢印D方向側の延設端部、内壁面)に達するまでの間は、上方へ変位されず(押し上げられず)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの他方)が開放位置に維持される。
転動部材の第2位置からの変位(回転)に伴って、伝達部材D5190が更に変位(回転)されると、溝D194Rに挿通されている連結ピンD213は、溝D194Rの延設方向に沿う内壁面によって引き続き上方へ変位され(押し上げられ)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの一方)の開放位置から閉鎖位置への変位(回転)が継続される。
一方、溝D5194Lに挿通されている連結ピンD213は、溝D5194Lの下方側の延設端部(矢印D方向側の端部、内壁面)に達すると、その下方側の延設端部(内壁面)により上方へ変位され(押し上げられ)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの他方)の開放位置からの変位が開始される。
その後は、いずれの連結ピンD213も上方へ変位され(押し上げられ)、一対の変位部材D180が閉鎖位置へ向けて変位(回転)され、伝達部材D190が初期位置に達すると、一対の変位部材D180が閉鎖位置に配置される(図119参照)。
このように、本実施形態では、一対の変位部材D180が閉鎖位置から開放位置へ向けて変位(回転)を開始するタイミングだけでなく、開放位置から閉鎖位置へ向けて変位(回転)を開始するタイミングも異ならせる(一方に対し他方を遅らせる)ことができる。これにより、変位部材D180が開放された状態(即ち、第6通路DRt6への球の流入(入球)がされやすい状態)を期待する遊技者に対し、閉鎖位置へ変位される態様に変化を持たせ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図127から図130を参照して、第13実施形態における下側フレームD6086bについて説明する。
第8実施形態では、第6通路DRt6に流入(入球)された球は全て第8通路DRt8(流出口DOPout)へ案内される場合を説明したが、第13実施形態の第6通路DRt6には、その途中に第9通路DRt9が接続され、第6通路DRt6に流入(入球)された球が、第8通路DRt8(流出口DOPout)又は第9通路DRt9(流出口DOP6out)のいずれか一方へ案内される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図127は、第13実施形態における下側フレームD6086bの分解正面斜視図であり、図128は、下側フレームD6086bの分解背面斜視図である。図129は、下側フレームD6086bの正面図であり、図130(a)及び図130(b)は、下側フレームD6086bの部分拡大断面図である。
なお、図130(a)は、図115のCXIXa-CXIXa線における断面に対応し、図130(b)は、図119のCXXIIc-CXXIIc線における断面に対応する。
図127から図130に示すように、第13実施形態における下側フレームD6086bは、第6通路DRt6の途中に接続される第9通路DRt9と、その第9通路DRt9に案内された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口DOP6outとが形成される。
即ち、第6通路DRt6に流入(入球)され、その第6通路DRt6の終端に達した球は、第8通路DRt8へ流入(入球)され、第8通路DRt8を流下した後、流出口DOPoutから遊技領域へ流出される一方、第6通路DRt6に流入(入球)され、その第6通路DRt6の途中で第9通路DRt8へ流入(入球)された球は、第9通路DRt9を流下した後、流出口DOP6outから遊技領域へ流出される。
ここで、第8通路DRt8の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口DOPoutは、第1入賞口64(図110参照)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第6通路DRt6から第8通路DRt8へ流下された球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
一方、第9通路DRt9の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口DOP6outは、第1入賞口64(図110参照)に対して水平方向一側へ位置を異ならせて配設される(鉛直方向下方に第1入賞口64が重ならない位置に形成(配置)される)。そのため、第6通路DRt6から第9通路DRt9へ流下された球は、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した第8通路DRt8へ流下された球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
このように、本実施形態における下側フレームD6086bは、第3通路DRt3をその長手方向に沿って往復動する球が第6通路DRt6に振り分けられた場合、その第6通路DRt6を流下する球は、途中で第9通路DRt9へ流下されず、第6通路DRt6の終端に達することで、第1入賞口64に入賞しやすくする(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させる)ことができる。よって、第6通路DRt6を球が流下する際には、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、途中で第9通路DRt9へ流下されず、第6通路DRt6の終端に達することを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、第6通路DRt6の終端まで球が流下されれば、球の重量(重さ)が転動部材D170に作用される時間を最大限確保して、一対の変位部材D180が開放位置へ変位(回転)された(第6通路DRt6へ球が入球されやすくされた)状態を維持しやすくできる。一方、第6通路DRt6を流下する球が、途中で第9通路DRt9へ流下されると、球の重量(重さ)を転動部材D170へ作用させることができなくなり、一対の変位部材D180が閉鎖位置へ変位(回転)される(第6通路DRt6へ球が入球され難くなる)。よって、第6通路DRt6を球が流下する際には、一対の変位部材D180が開放位置へ変位(回転)された状態を維持して、第3通路DRt3から第6通路DRt6へ球が振り分けられやすくするために、途中で第9通路DRt9へ流下されず、第6通路DRt6の終端に達することを遊技者に期待させることができ、この点からも遊技の興趣を高めることができる。
正面部材D6110は、正面部D111に開口形成される開口DOP6outと、正面部D111の背面から立設される板状の底面部D6112を備え、中間部材D6140は、本体部D141の正面から立設される底面部D144と、本体部D141に開口形成される開口D6148と、を備える。
底面部D6112は、正面部D111の長手方向全域にわたって連続して形成され、底面部D6144は、開口D141fを除く領域において、本体部D141の縁部に沿って連続して形成され、底面部D6112の立設先端(矢印B方向側)と底面部D6144の立設先端(矢印F方向側)とが全域にわたって当接される。これにより、下側フレームD6086bの底面側からの針金等の異物の侵入が抑制される。
底面部D6112,D6144の一部(中間部材D6140における開口D6148の下方に位置する部分)は、第9通路DRt9の転動面を形成する。かかる転動面を形成する部分は、第1介設部材D150の底面との間に所定間隔(球の直径よりも大きな間隔)を隔てて形成される。
また、底面部D6112,D6144における上述した転動面を形成する部分は、その長手方向(矢印L-R方向)の略中央へ向けて下降傾斜して形成され、その鉛直方向における高さ位置が最も低い部分(長手方向の略中央となる部分)には、流出面D6112a,D6144aがそれぞれ凹設される。
流出面D6112a,D6144aは、底面部D6112,D6144(転動面を形成する部分)を案内される球を、流出口DOP6outへ流出させるための部位であり、流出口DOP6outへ向けて下降傾斜する凹面として一体に形成される。即ち、開口DOP6outは、流出面D6112a,D6144aに対応する位置(球が流出可能な位置)に開口形成される。
中間部材D6140の開口D6148は、転動部材D170(第6通路DRt6)を転動する球を第9通路DRt9へ受け入れる開口(孔)として、本体部D141を板厚方向(矢印F-B方向)に貫通して形成される。即ち、開口6148は、第6通路DRt6を区画する一対の側壁のうちの一方の側壁に開口形成され、開口6148を介して、第6通路DRt6の途中に第9通路DRt9の上流端が接続される。
開口D6148の転動部材D170の長手方向における寸法は、複数の球(本実施形態では3球)が同時に通過可能な大きさに設定される。また、開口D6148の下縁は、球の重量(重さ)により第2位置(最下方へ押し下げられた位置)に配置された転動部材D170の上面よりも下方(矢印U方向側)となる位置に形成され(図130(a)参照)、開口D6148の上縁は、球の重量(重さ)が作用されず初期位置(第1位置、最上方に復帰した位置)に配置された転動部材D170の上面との間に球の直径よりも大きな間隔を隔てる位置に形成される。よって、転動部材D170の変位(回転)位置に関わらず、球が開口D6148を通過可能とされる。
開口D6148の第6通路DRt6における上流側(矢印R方向側、図130(a)右側)に位置する側縁(以下「上流側側縁」と称す)は、正面視において、転動部材D170の第6通路DRt6における上流側(矢印R方向側、図130(a)右側)の縁部よりも下流側(矢印L方向側、図130(a)左側)に配設される。
本実施形態では、開口D6148の上流側側縁は、一対の変位部材D180の基部における対向空間と鉛直方向において重ならない位置(下流側となる位置)に配設される。即ち、一対の変位部材D180のうちの第6通路DRt6における下流側(矢印L方向側、図130(a)左側)に位置する変位部材D180の基部(上流側に位置する変位部材D180と対向する対向面)よりも所定距離(本実施形態では球の直径と略同等)だけ第6通路DRt6における下流側に位置する。
これにより、一対の変位部材D180の対向間に流入(入球)し、第6通路DRt6に落下した球が即座に開口D6148を介して第9通路DRt9へ流入(入球)されることを回避し、転動部材D170を球が転動する形態を形成できる。よって、球の重量(重さ)を転動部材D170に作用させ、一対の変位部材D180を開放位置へ変位(回転)させることができると共に、第6通路DRt6の終端まで球が達するか否かを遊技者に着目させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、本体部D141には、開口D6148の上流側側縁に対して、第6通路DRt6における上流側(矢印R方向側、図130(b)右側)となる位置に突部D141gが突設される。よって、一対の変位部材D180の対向間に流入(入球)し、第6通路DRt6に落下した球が転動部材D170をその長手方向に沿って転動する際には、突部D141gの作用(当接)により球の転動を遅延させ(速度を低下させ)、転動部材D170を転動する球を遊技者に把握させやすくできると共に、突部D141gの作用(当接)により球を開口D6148と反対側(本体部D131側)へ移動させ、第6通路DRt6の終端まで球が達することを遊技者に期待させることができる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
開口D6148の第6通路DRt6における下流側(矢印L方向側、図130(a)左側)に位置する側縁(以下「下流側側縁」と称す)は、正面視において、転動部材D170の第6通路DRt6における下流側(矢印L方向側、図130(a)左側)の縁部(軸D171)よりも上流側(矢印R方向側、図130(a)右側)に配設される。
本実施形態では、開口D6148の下流側側縁は、開口D131dと正面視において重ならない位置(上流側となる位置)に配設される。即ち、開口D131dの第6通路DRt6における上流側(矢印R方向側、図130(a)右側)の側縁よりも所定距離(本実施形態では球の直径と略同等)だけ第6通路DRt6における上流側に位置する。
これにより、第6通路DRt6の終端に球が達したにも関わらず、その球が開口D6148を介して第9通路DRt9へ流入(入球)されることを回避できる。よって、開口D6148の下流側側縁を球が通過すれば、第8通路DRt8へ球を確実に流入(入球)させられるとの安心感を遊技者に感じさせるとができる。これにより、球の行方を遊技者に注視させ、遊技の興趣を高めることができる。
但し、開口D6148の下流側側縁を、開口D131dと正面視において重なる位置(開口D131dの下流側側縁と重なる位置または下流側となる位置)に配設しても良い。この場合には、第6通路DRt6の終端に球が達した後も、かかる球の流入(入球)先が第8通路DRt8又は第9通路DRt9のいずれとなるのかを未確定とできる。これにより、球の行方を遊技者に注視させ、遊技の興趣を高めることができる。
また、上述したように、突部D131f,D141gは千鳥状に配置され、開口D6148の上流側側縁よりも第6通路DRt6における上流側には、突部D131fが本体部D131から突設される。よって、第6通路DRt6に落下した球が転動部材D170を転動する際には、突部D131fの作用(当接)により球を開口D6148側(本体部D141側)へ移動(転動方向を変化)させることができる。即ち、突部D131fの作用を受けた球が、開口6148の上流側側縁よりも第6通路DRt6における上流側(矢印R方向側、図130(a)及び図130(b)右側)に位置する本体部D141に衝突(当接)し、開口D6148から離間する側へ球を跳ね返されるのか、或いは、開口D6148を介して、第9通路DRt9へ流入(入球)されるのかを遊技者に注視させ、遊技の興趣を高めることができる。
更に、開口D6148の上流側側縁および下流側側縁の間には、正面視において重なる位置に、本体部D131の複数の突部D131fが配設される(図130(a)参照)。これにより、転動部材D170を転動する球に突部D131fを作用(当接)させ、球の転動方向に変化(開口D6148側へ向く転動方向の成分)を付与することができる。これにより、突部D131fとの当接により、開口D6148を介して、第9通路DRt9へ球が流入(入球)される可能性を形成して、遊技の興趣を高めることができる。
ここで、パチンコ機10は、鉛直方向に対して、1~2度程度、傾斜させた姿勢(所謂「寝かせ」が付与された姿勢、即ち、パチンコ機10の底面に対して上面を背面側(矢印B方向側)に位置させた姿勢)で設置される。この場合、本実施形態では、開口D6148は、第6通路DRt6を区画する壁部のうちの正面側(パチンコ機10の正面側、矢印F方向側)に位置する壁部(本体部D141)に開口形成される。
よって、転動部材D170をその長手方向に沿って球が転動する際には、パチンコ機10の「寝かせ」の分、本体部D131側を通過させやすくでき、その結果、球に突部D131fを作用させやすくできる。一方で、転動部材D170の転動面(上面)は、パチンコ機10の「寝かせ」の分、本体部D131側から開口D6148側へ向けて上昇傾斜されるため、突部D131fの作用を受けて開口D6148へ向けて移動された球を、転動面(上面)の下降傾斜によって、本体部D131側へ移動させることができる。
これにより、球に突部D131fが比較的強く作用(当接)された場合には、球が、開口D6148を介して、第9通路DRt9へ流入(入球)される一方、球に突部D131fが比較的弱く作用(当接)された場合には、開口D6148側へ向かった球を、転動面(上面)の下降傾斜によって、本体部D131側へ戻すことができる。よって、突部D131fの球への作用の態様(当接する際の球の速度や球の進入角度など)に応じて、球の転動態様に変化を付与でき、遊技の興趣を高めることができる。
また、このように、パチンコ機10の「寝かせ」を利用することで、下側フレームD6086bの各部材を互いに直交する関係で構成できる。即ち、本体部D131と本体部D141とを平行に配置し、それら本体部D131,D141に対して、転動部材D170の転動面(上面)を直交させる(即ち、軸D171を本体部D131,D141に直交した姿勢で軸支させる)構成とできる。よって、これら各部材の一部の部材のみを他の部材に対して傾斜させた姿勢としたり、傾斜した姿勢で軸D171を軸支させたりする必要がなく、その分、構造の簡素化をして、各部品の成型性や組み立て性の向上を図ることができる。その結果、製品コストの低減を図ることができる。
次いで、図131を参照して、第14実施形態について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図131(a)から図131(c)は、第14実施形態における下側フレームD7086bの部分拡大背面図であり、転動部材D170が初期位置(第1位置)と第2位置との間で変位(回転)され、変位部材D180が閉鎖位置と開放位置との間で変位(回転)される際の遷移状態が図示される。
なお、図131(a)から図131(c)では、迂回部材D200が取り外された状態が図示される。また、図126(a)は、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態に(図119参照)、図131(c)は、転動部材D170が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態に(図121参照)、それぞれ対応する。図131(b)は、転動部材D170が初期位置(第1位置)から第2位置(又は第2位置から初期位置(第1位置))へ向けて変位(回転)され、変位部材D180が閉鎖位置から開放位置(又は開放位置から閉鎖位置)へ向けて変位(回転)される際の変位途中の状態(図120参照)に対応する。
図131(a)から図131(c)に示すように、第14実施形態における伝達部材D7190は、本体部D194の外縁に配設され、その本体部D194の外縁から軸D191の軸方向と直交する方向へ延設される表示部D7197を備える。詳細には、表示部D7197は、軸D191と反対側の端部となる本体部D194の長手方向端部から上方(矢印U方向)へ向けて延設される。
ここで、背面部材D130の側壁部D132の上縁(矢印U方向側の縁部)と、中間部材D140の側壁部D142の上縁(矢印U方向側の縁部)とは、上下方向(矢印U-D方向)における位置(高さ位置)が略同一とされる。
図131(a)に示すように、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態(図119参照)では、伝達部材D7190の変位(回転)に伴い、本体部D194の長手方向端部(軸D191と反対側の端部)が最も上方(矢印U方向側)に配置される。これにより、背面部材D130の側壁部D132の上縁(矢印U方向側の縁部)よりも上方に表示部D7197の延設先端側(一部)が突出(配置)され、その突出した部分が遊技者から視認可能とされる。
一方、図131(c)に示すように、転動部材D170が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態(図121参照)では、伝達部材D7190の変位(回転)に伴い、本体部D194の長手方向端部(軸D191と反対側の端部)が最も下方(矢印D方向側)に配置される。これにより、背面部材D130の側壁部D132の上縁(矢印U方向側の縁部)よりも下方に表示部D7197の全体が没入(配置)される(表示部D7197の全体が側壁部D132の背面側に配置される)。よって、表示部D7197を遊技者が直接視認することが不能とされる。なお、中間部材D140及び背面部材D130を通して表示部D7197を透視することは可能とされる。
このように、背面部材D130(側壁部D132)の上縁(矢印U方向側の縁部)から表示部D7197の延設先端側(一部)が突出する突出量(突出寸法)は、図131(a)に示すように、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態(図119参照)において最大とされる。図131(b)に示すように、転動部材D170に球の重量が作用され、変位部材D180が閉鎖位置から開放位置へ向けて変位されるに従って、上述した突出量(遊技者から視認可能な部分の大きさ)が徐々に減少され、変位部材D180が開放に配置された状態(図121参照)において最小(非突出とされ遊技者から視認不能)とされる。
よって、遊技者は、背面部材D130(側壁部D132)の上縁(矢印U方向側の縁部)よりも上方に表示部D7197の延設先端側(一部)が突出しているか否かを視認することで、変位部材D180の変位状態(開放位置または閉鎖位置のいずれにあるか)を把握することができる。更に、その突出量(突出寸法)を視認することで、変位部材D180の変位状態(開放位置から閉鎖位置までの間のいずれの位置にあるか)を把握することができる。
次いで、図132から図134を参照して、第15実施形態における下側フレームD8086bについて説明する。
第13実施形態では、転動部材D170の変位(回転)位置に関わらず、転動部材D170側への突部D131fの突設量(突設寸法)が一定とされる場合を説明したが、第15実施形態の突部D131fは、転動部材D170の変位(回転)位置に応じて、転動部材D8170側への突設量(突設寸法)が変化(増減)される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
ここで、第15実施形態における下側フレームD8086bは、突部D131fが第2突部D131faを備える点、及び、転動部材D8170の錘部D8174の重量が異なる点を除き、他の構成(例えば、形状や配設数)は第13実施形態のD6086bの構成とされる。よって、第2突部D131fa及び転動部材D6087を除く他の構成についての説明は省略する。
図132(a)及び図132(b)は、第15実施形態における下側フレームD8086bの部分拡大断面図であり、図115のCXIXa-CXIXa線における断面に対応する。なお、図132(a)では、転動部材D8170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態(図119参照)が、図132(b)では、転動部材D8170が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態(図121参照)が、それぞれ図示される。
図133(a)は、図132(a)のCXXXIIIa-CXXXIIIa線における下側フレームD8086bの部分拡大断面図であり、図133(b)は、図132(b)のCXXXIIIb-CXXXIIIb線における下側フレームD8086bの部分拡大断面図である。図134は、下側フレームD8086bの部分拡大断面図であり、図119のCXXIIc-CXXIIc線における断面に対応する。
図132から図134に示すように、背面部材D8130に配設される複数(本実施形態では5本)の突部D131fには、所定(本実施形態では2本)の突部D131fから転動部材D8170へ向けて第2突部D131faが突設される。なお、本実施形態では、第2突部D131faが突設される(所定の)突部D131fは、正面視において中間部材D140の開口D6148と重なる3本の突部D131fのうちの下流側(矢印L方向側)に位置する2本の突部D131fとされる。
転動部材D8170の本体部D172には、背面部材D8130と対向する側の側面(縁部)に、上面視において突部D131fの突設方向(突部D131fを受け入れる方向)へ凹設される凹部が形成される(図134参照)。凹部は、転動部材D8170の本体部D172の長手方向に沿って所定間隔(本実施形態では略等間隔)を隔てつつ複数箇所(本実施形態では4箇所)に配設される。即ち、凹部は、突部D131fに対向する位置にそれぞれ形成(凹設)される。
なお、本実施形態では、凹部の上面視形状は、円弧状に湾曲した形状とされる。但し、矩形形状であっても良い。即ち、転動部材D8170が変位(回転)される際に、第2突部D131faと干渉しない大きさであれば、その形状は限定されない。
第2突部D131faは、突部D131fの正面(矢印F方向側の面)から上述した転動部材D8170(本体部D172)の凹部へ向けて突設され、その第2突部D131faの突設先端側(一部)が、上面視において(図134参照)、上述した転動部材D8170(本体部D172)の凹部に受け入れられる(凹部の内部空間に位置される)。即ち、上面視において、転動部材D8170(本体部D172)の上面(転動面)の一部が第2突部D131faにより形成される。
なお、第2突部D131faの突設先端は、断面円弧状に湾曲して形成される。但し、第2突部D131faの断面形状を略矩形状としても良い。また、第2突部D131faの突設方向は、突部D131fの突設方向と同方向とされる。但し、第2突部D131faの突設方向を、突部D131fの突設方向と異なる方向(傾斜する方向)としても良い。
第2突部D131faの高さ位置(矢印U-D方向位置)は、転動部材D8170が初期位置(第1位置)に配置された状態では、第2突部D131faの上面(矢印U方向側の面)が、転動部材D8170の本体部D172の上面(球の転動面)と略同一または若干低い位置となり(図133(a)参照)、転動部材D8170が第2位置に配置された状態では、第2突部D131faの上面(矢印U方向側の面)が、転動部材D8170の本体部D172の上面(球の転動面)よりも高い位置となる(図133(b)参照)ように設定される。
即ち、転動部材D8170が初期位置(第1位置)に配置された状態では、第2突部D131faの側面(第6通路DRt6の上流側を向く面、図132(a)及び図132(b)右側の面)が本体部D172の上面(球の転動面)よりも低い位置(矢印D方向側)に配置され、第6通路DRt6を通過する(本体部D172の上面を転動する)球に第2突部D131faの側面を当接させない(作用させない)ようにできる。
一方、転動部材D8170が初期位置(第1位置)から第2位置へ向けて所定量だけ変位(回転)された状態では、第2突部D131faの側面(第6通路DRt6の上流側を向く面、図132(a)及び図132(b)右側の面)の少なくとも一部が本体部D172の上面(球の転動面)よりも高い位置(矢印U方向側)に配置され、第6通路DRt6を通過する(本体部D172の上面を転動する)球に第2突部D131faの側面を当接させる(作用させる)ことができる。
なお、転動部材D8170が第2位置に配置された状態では、本体部D172の上面(球の転動面)よりも高い位置(矢印U方向側)に配置される第2突部D131faの側面の面積が最大とされる。よって、この場合には、転動面をバウンドしながら球が転動(第6通路DRt6を移動)する場合であっても、かかる球に第2突部D131faの側面を当接(作用)させやすくできる。
第2突部D131faは、転動部材D8170(本体部D172)を挟んで、開口D6148と反対側に形成される。即ち、第2突部D131faは、開口D6148へ向けて突設される。本体部D172の上面(転動面)を転動する球が、第2突部D131faから作用を受けると(第2突部D131faに当接されると)、その作用(当接)の反動で開口D6148(第9通路DRt9)へ転動され、かかる開口D6148(第9通路DRt9)へ流入(入球)され易くなる。即ち、球が第6通路DRt6の終端に到達し難くなる。
転動部材D8170(本体部D172)に球の重量が作用されていない無負荷状態(本体部D172上を球が転動していない状態)では、上述したように、転動部材D8170全体としての重心位置が、軸D171よりも錘部D8174側に位置(偏心)され、転動部材D8170が初期位置(第1位置)に維持(又は復帰)される。一方、転動部材D8170の本体部D172上を球が転動し、その球を含む転動部材D8170全体としての重心位置が本体部D172側(軸D171を挟んで錘部D8174と反対側)に位置(偏心)される状態では、本体部D172が下方(矢印D方向)へ変位(下降)される(第2位置に配置される)。
この場合、本実施形態では、本体部D172の位置DP(図132参照)に1球の球が位置する状態(1球の球の重量が位置DPに作用する状態)において、その球を含む転動部材D8170全体としての重心位置が軸D171上に位置するように、錘部D8174の重量が設定される。
即ち、球が非転動とされる静的な状態を仮定すると、本体部D172の位置DPよりも上流側(軸D171と反対側)に1球の球が位置する(1球の球の重量が位置DPに作用する)状態では、転動部材D8170は第2位置へ向かう方向へ変位(回転)され、本体部D172の位置DP上に1球の球が位置する(球の重量が作用する)状態では、転動部材D8170は軸D171を中心として釣り合い(即ち、転動部材D8170を変位(回転)させる力が非形成とされ)、本体部D172の位置DPよりも下流側(軸D171側)に1球の球が位置する(1球の球の重量が位置DPに作用する)状態では、転動部材D8170は第1位置へ向かう方向へ変位(回転)される。
このように構成される転動部材D8170によれば、第3通路DRt3から1球の球が初期位置(第1位置)にある転動部材D8170(本体部D172)の上面(転動面)に流下されると、その球の重量(及び落下の勢い)により、本体部D172が下方(矢印D方向)へ変位され、転動部材D8170が第2位置に配置される。
かかる球が本体部D172の上面を下流側(位置DP)へ向かって転動されると、球を含む転動部材D8170全体としての重心位置が軸D171へ徐々に近接されることで、本体部D172が上方(矢印U方向)へ徐々に変位(回転)され、転動部材D8170が第2位置から第1位置へ向けて変位(回転)される。
本体部D172の上面を転動する球が位置DPに達すると、それまでの転動部材D8170の変位(回転)に伴う慣性力の影響により、転動部材D8170の第1位置へ向かう方向への変位(回転)が継続され、球が位置DPを越えると、球を含む転動部材D8170全体としての重心位置が錘部D8174側に偏心されることで、転動部材D8170の第1位置へ向かう方向への変位(回転)が加速される。
本実施形態では、本体部D172の上面を転動する球が、位置DPを越えた後、上流側(矢印R方向側)に位置する第2突部D131faに達する前に、転動部材D8170が第2位置に配置される。即ち、1球の球のみが第6通路DRt6に流下(入球)された場合には、本体部D172の上面を転動する球に第2突部D131faは作用(当接)されない。
但し、球の第3通路DRt3からの流下位置や流下方向、流下途中での変位部材D180との衝突などの要素に起因して、下流側へ向かる球の速度(転動速度)が平均的な速度よりも速い場合には、転動部材D8170が第2位置に配置される前に、本体部D172の上面を転動する球が上流側(又は下流側)の第2突部D131faに到達して、球が第2突部D131faから作用を受けることもある。即ち、1球のみの球が転動する場合であっても、第2突部D131faの作用を球に付与できる場合を形成でき、上述した要素の影響を遊技者に着目させ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、本実施形態では、上流側(矢印R方向側)に位置する第2突部D131faと位置DPとの間の距離は、球の直径の略2倍に設定される。但し、かかる距離は、任意に設定可能である。1球の球のみが転動される場合には、上述した距離を短くすることで、第2突部D131faの作用を球に付与しやすくできる一方、上述した距離を長くすることで、第2突部D131faの作用を球に付与し難くできる。
ここで、本実施形態では、本体部D172上に2球の球が位置する状態(2球の球の重量が作用する状態)では、それら2球の球のそれぞれの位置に関わらず(例えば、2球とも位置DPよりも下流側(軸D171と位置DPとの間)に位置していたとしても)、それらの球を含む転動部材D8170全体としての重心位置が軸D171よりも本体部D172側に偏心するように、錘部D8174の重量が設定される。
よって、例えば、1球の球のみが本体部D172上を転動し、その球の転動位置が位置DPを越えたことで、転動部材D8170が初期位置(第1位置)に配置された状態(即ち、球に第2突部D131faが作用(当接)されず、第6通路DRt6の終端への球の到達が期待される状態)であっても、他の球が第3通路DRt3から第6通路DRt6へ流入(入球)される(転動部材D8170(本体部D172)の上面に2球の球が位置する状態とされる)と、転動部材D8170が第2位置に配置され(又は、少なくとも第2位置へ向けて変位(回転)され)、球に第2突部D131faが作用(当接)可能な状態(第9通路DRt9へ球が流入(入球)され易い状態)を形成できる。
このように、本実施形態では、第6通路DRt6に流入(入球)した球(転動部材D8170(本体部D172)を転動する球)が1球のみであれば、球に第2突部D131faが作用(当接)し難くして、第6通路DRt6の終端に球を到達させ易くできる(第1入賞口64へ入賞させることができる)一方、第1の球が転動されている状態で、更に第2の球が第6通路DRt6へ流下(入球)されると、第1の球に第2突部D131faを作用(当接)させ、第6通路DRt6の終端に第1の球を到達させ難くすることができる。
即ち、第6通路DRt6の終端に達した球は、第8通路DRt8を介して、第1入賞口64(図110参照)に入賞されるため、遊技者は、転動部材D8170上に球が存在しない状態では、第3通路DRt3から第6通路DRt6への球の流入(入球)を期待する。一方で、第1の球が第6通路DRt6に流入(入球)した後は、その第1の球に第2突部D131faが作用(当接)しないように、逆に、次の球(第2の球)が第6通路DRt6に更に流入(入球)しないことを期待する。このように、常に第6通路DRt6への流入(入球)を期待させるのではなく、第6通路DRt6への球の入球数に応じて期待する状況を変化させて、遊技の興趣を向上できる。
特に、本実施形態では、上述したように、第1の球が位置DPへ近づくに従い、転動部材D8170が第2位置から第1位置へ向けて変位(回転)され、変位部材D180が開放位置から閉鎖位置へ徐々に変位(回転)される。第1の球が位置DPを越えると、転動部材D8170が第1位置に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置される。
即ち、第1の球が第2突部D131faに近づくに従い、変位部材D180を徐々に閉鎖位置へ向けて変位(回転)させ、第2の球が第3通路DRt3から第6通路DRt6へ流入(入球)し難くできる。よって、第1の球が第6通路DRt6の終端に達することの遊技者の期待度を高めることができる。
次いで、図135から図147を参照して、第16実施形態におけるセンターフレームE86について説明する。
図135は、第16実施形態における遊技盤E13の正面図である。図135に示すように、センターフレームE86は、ベース板60の窓部60a(図7参照)に嵌合可能な形状で構成され、タッピングネジ等によりベース板60に締結固定される部材であり、上側フレームE86aと下側フレームE86bとを備える。
上側フレームE86aは、ベース板60の窓部60a(図7参照)における上側(図135上側)及び左右(図135左側及び右側)の内縁に沿って配設され、下側フレームE86bは、ベース板60の窓部60aにおける下側(図135下側)の内縁に沿って配設される。これら上側フレームE86a及び下側フレームE86bに取り囲まれた領域を介して第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
なお、上側フレームE86aは、第1実施形態におけるセンターフレーム86の一部(ベース板60の窓部60a(図7参照)における下側(図135下側)の内縁に沿って配設される部分、即ち、下側フレームE86bが配設される部分)を省略した構成とされ、その省略された部分を除く他の部分は、第1実施形態におけるセンターフレーム86と同一の構成とされる。
次いで、図136から図137を参照して下側フレームE86bについて説明する。図136は、下側フレームE86bの正面斜視図であり、図137は、下側フレームE86bの背面斜視図である。なお、図136及び図137では、ベース板60の一部のみが部分的に図示されると共に、ベース板60に下側フレームE86bを締結固定するタッピングネジの図示が省略される。また、図138から図156についても同様である。
図136及び図137に示すように、下側フレームE86bには、球を受け入れ可能な開口として形成される一対の受入口EOPinと、その一対の受入口EOPinに連通される一対の第1通路ERt1と、その一対の第1通路ERt1を案内された球が流下される一対の第2通路ERt2と、その一対の第2通路ERt2を案内された球が流下される一対の第3通路ERt3と、その一対の第3通路ERt3に案内された球が後述する振分通路E150に形成される突起部E151により振り分けられて流下される第4通路ERt4、第5通路ERt5及び第6通路ERt6と、第5通路ERt5若しくは第6通路ERt6を案内された球が第4通路ERt4へ案内される第7通路ERt7と、第4通路ERt4を案内された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口EOPoutとが形成される。
なお、一対の受入口EOPin、第1通路ERt1、第2通路ERt2及び第3通路ERt3は、遊技盤E13の幅方向(図135左右方向)における中心に対し線(面)対称(図135左右対称)にそれぞれ形成される。
また、上側フレームE86aには、一対の上側フレーム通路ERt0が配設される(図135参照)。上側フレーム通路ERt0は、遊技領域を流下する球を案内する通路であり、その上側フレーム通路ERt0の下流端に下側フレームE86bの受入口EOPinが連通される。
即ち、遊技領域から上側フレーム通路ERt0に流入(入球)した球は、受入口EOPinを介して、上側フレーム通路ERt0から下側フレームE86bの第1通路ERt1へ流入(入球)される。
下側フレームE86bには、駆動モータE191により動作する振分通路E150が配設されており、球は、振分通路E150に形成される突起部E151に当接することによりその流下方向が変更(変化)され、第3通路ERt3から第4通路ERt4、第5通路ERt5若しくは第6通路ERt6のいずれかに振り分けられる。
ここで、第4通路ERt4の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口EOPoutは、第1入賞口64(図135参照)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第4通路ERt4へ振り分けられた球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
また、第7通路ERt7へ振り分けられた球は、第4通路ERt4へ案内されるため、第1入賞口64へ入賞し易い。
また、第6通路ERt6には、その第6通路ERt6を案内される球を第7通路ERt7へ案内するために背面側(矢印B方向側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として第7通路ERt7の正面側(矢印F方向側)に第1流出面E141aが形成(配置)される。そのため、第6通路ERt6の第1流出面E141aに案内される球は、第1入賞口64へ入賞し易い。
一方、第5通路ERt5は、第6通路ERt6側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成され、第5通路ERt5と第7通路ERt7との境界の背面側(矢印B方向側)には一対の立て壁部E135cがそれぞれ配設される。従って、第5通路ERt5へ振り分けられた球は、第7通路ERt7よりも第6通路ERt6へ案内され易い。
第6通路ERt6には、第1流出面E141aに対して遊技盤E13の幅方向(図135左右方向)に位置を異ならせた2箇所に、正面側(矢印F方向側、遊技領域側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として第2流出面E141bが形成(配置)される。
なお、第6通路ERt6には、起伏が形成され、起伏の底部に第2流出面E141bが形成され、起伏の頂部に第1流出面E141aが形成される。従って、第6通路ERt6へ振り分けられた球は、第1流出面E141aから第7通路ERt7へ送球されるよりも第2流出面E141bから遊技領域へ流出され易い。
即ち、第3通路ERt3から第5通路ERt5もしくは第6通路ERt6へ振り分けられた球は、遊技領域へ流出する確率が高く、結果として、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した第3通路ERt3から第4通路ERt4へ振り分けられた球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
このように、本実施形態における下側フレームE86bは、球が振分通路E150に形成される突起部E151に当接することにより第4通路ERt4から第6通路ERt6のいずれかに振り分けられた場合に、第3通路ERt3から第4通路ERt4へ振り分けられた球は第1入賞口64(図135参照)への入賞が容易となる(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させる)一方、第3通路ERt3から第5通路ERt5若しくは第6通路ERt6へ振り分けられた球は、第7通路ERt7(および第7通路ERt7の下流に形成される第4通路ERt4)を移動して第1入賞口64へ入賞することが困難となる。よって、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、第3通路ERt3を案内される球が第4通路ERt4に振り分けられることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図136から図137に加え、図138から図143を参照して、下側フレームE86bの詳細構成について説明する。
図138は、下側フレームE86bの分解正面斜視図であり、図139は、下側フレームE86bの分解背面斜視図である。図140は、下側フレームE86bの上面図であり、図141は、下側フレームE86bの正面図であり、図142は、下側フレームE86bの背面図である。図143(a)は、図141の矢印CXLIIIa方向視における下側フレームE86bの側面図であり、図143(b)は、図141の矢印CXLIIIb方向視における下側フレームE86bの側面図であり、図143(c)は、図141のCXLIIIc-CXLIIIc線における下側フレームE86bの断面図である。
図136から図143に示すように、下側フレームE86bは、正面部材E110と、その正面部材E110の長手方向(矢印L-R方向)両端に配設される誘導部材E120と、正面部材E110の背面側(矢印B方向側)に配設されるベース部材E130と、正面部材E110及びベース部材E130の対向間に介設される介設部材E140と、ベース部材E130に配設される振分通路E150、中央通路E160及び一対の流路調整ブロックE170と、ベース部材E130の下面側(矢印D方向側)に所定の間隔を隔てて配設されるカバー部材E180と、そのカバー部材E180の内側に配設される駆動手段E190と、を備える。
駆動手段E190は、カバー部材E180に往復動可能に配設される。また、振分通路E150が駆動手段E190に係合されることで、振分通路E150は、ベース部材E130に往復動可能に配設される。
中央通路E160、流路調整ブロックE170及びカバー部材E180は、タッピングネジによりベース部材E130にそれぞれ締結固定され、誘導部材E120及びベース部材E130は、タッピングネジにより正面部材E110にそれぞれ締結固定される。
介設部材E140は、正面部材E110とベース部材E130とに挟持される。これらにより、下側フレームE86bは、一つ(単体)のユニットとして構成される(図136参照)。
また、下側フレームE86bは、振分通路E150及び駆動手段E190を除く他の部材が光透過性(即ち、背面側の部材や球を透視可能な透明)の樹脂材料から構成され、振分通路E150及び駆動手段E190が有色の樹脂材料から構成される。よって、第1通路ERt1から第7通路ERt7を移動する球を遊技者に視認させると共に、振分通路E150の往復動を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、振分通路E150及び駆動手段E190は、光透過性(透明又は有色)の樹脂材料から構成され、その正面に塗装を施したもの、或いは、シールを添付したものであっても良い。
また、一方で、下側フレームE86bは、駆動手段E190の正面側(矢印F方向側)に位置する部材が光非透過性の樹脂材料から構成される(或いは、塗装が施されたりシールが添付される)ことで、駆動手段E190が正面側から遊技者に視認不能となるように構成されていても良い。
正面部材E110は、正面を形成する板状の正面板E111と、その正面板E111の背面から立設される板状の底面部E112とを備える。
正面板E111は、その長手方向両端に鉛直方向に延設される一対の鉛直部と、それら鉛直部どうしを連結し、長手方向両端から中央へ向けて鉛直方向下方に傾斜される傾斜部とから形成される。
正面板E111には、その正面板E111の外縁に沿って複数の挿通孔E111aが板厚方向に穿設される。下側フレームE86bは、組み立てた状態(ユニット化された状態)で、ベース板60の正面から窓部60aに嵌め込まれ、挿通孔E111aに挿通したタッピングネジがベース板60に締結されることで、ベース板60に固定(配設)される。
正面板E111には、受入口EOPinが開口形成(板厚方向に穿設)される。受入口EOPinは、上述したように、上側フレーム通路ERt0に流入(入球)した球を受け入れる開口である(図135参照)。
正面板E111には、第1入賞口64(図135参照)の鉛直方向上方となる位置に流出口EOPoutが開口形成(板厚方向に穿設)される。流出口EOPoutは、正面視円状であり、球の外形よりもやや大きく形成される。流出口EOPoutは、上述したように、第4通路ERt4を案内された球が遊技領域へ流出される際の出口となる開口である。
正面板E111には、上述したように、第1流出面E141aの正面側(矢印F方向側)に張出し部E111bが突設される。また、第2流出面E141bの正面側(矢印F方向側)に正面視において第2流出面E141bと略同一の形状の切欠き部E111cが形成される。切欠き部E111cを通過することで、第6通路ERt6を案内された球が遊技領域へ流出(流下)される。
正面板E111の背面には、傾斜部の長手方向外側に一対の規制部E111dが突設される。正面部材E110とベース部材E130との間には介設部材E140が挟持されており、規制部E111dが介設部材E140の転動部E141の上面に当接することで、介設部材E140がベース部材E130から上方(矢印U方向)へ脱離することを抑制できる。これにより、正面部材E110若しくはベース部材E130に対して介設部材E140をタッピングネジにより締結固定することを不要とでき、製品コストの削減を図ることができる。
底面部E112は、正面板E111の長手方向全域にわたって連続的に形成され、これにより、針金等の異物の侵入が抑制される。
誘導部材E120は、正面部材E110と共に第1通路ERt1を形成するためのものであり、一対の側面部E121と、一対の側面部E121を連結する背面部E122と、を備える。
一対の側面部E121は、側面視縦長略矩形の板状体に形成される。一対の側面部E121は、短手方向一端側の面(矢印F方向側の面)が正面板E111(正面部材E110)の背面(矢印B方向側の面)に当接した状態で、左右方向(矢印L-R方向)に球の直径よりも大きな間隔を隔てて対向配置される。
背面部E122は、一対の側面部E121の短手方向他端どうし及び上端どうしを連結すると共に、側面部E121の短手方向一端から他端へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される。
誘導部材E120及び正面板E111(正面部材E110)によって球が移動(流下、落下)可能に区画された空間により、第1通路ERt1が形成される。また、第1通路ERt1の下方(矢印D方向)は開放される。これにより、受入口EOPinを通過して第1通路ERt1に流入した球の流下方向を下方に変更(変化)して第2通路ERt2に案内できる。
ベース部材E130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E133と、その一対の第1斜面部E133の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E137と、を備える。ベース部材E130については、図136から図143に加え、図144から図147を参照して詳細構成について説明する。
湾曲部E131は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印F-B方向)に沿って延設されると共に、その延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図143(c)参照)。
湾曲部E131には、鉛直方向における高さ位置が最も低い位置に流出面E131aが凹設される。流出面E131aは、湾曲部E131を案内される球を振分通路E150へ流出させるための部位であり、振分通路E150へ向けて下降傾斜する凹面として形成される。
壁板E132には、切欠き部E132aが振分通路E150側(一対の壁板E132の対向する側)に切欠き形成される。この切欠き部E132aを通過することで湾曲部E131から振分通路E150へ球が流下可能とされる。また、切欠き部E132aは、球の直径よりも大きく形成される(本実施形態では球の直径の約5倍の大きさ)。切欠き部E132aの大きさが大きいほど、前後方向において任意の位置から球を振分通路E150へ流下できる。
湾曲部E131と壁板E132とに区画された空間により第2通路ERt2が形成される。なお、湾曲部E131(第2通路ERt2)は、誘導部材E120(第1通路ERt1)よりも鉛直方向下方(矢印D方向)に配設され、第1通路ERt1との間に鉛直方向の段差が形成される。即ち、第1通路ERt1から第2通路ERt2へ球が自由落下される。
また、誘導部材E120(第1通路ERt1)は、湾曲部E131の正面側(矢印F方向側)における鉛直方向上方(矢印U方向)に配設される。従って、第1通路ERt1から第2通路ERt2の正面側の端部へ球を送球できる。
これにより、湾曲部E131(第2通路ERt2)の正面側の端部へ流下された球は、湾曲部E131の円弧状に湾曲した形状に沿って前後方向(矢印F-B方向)へ往復動できる。これにより、前後方向への速度成分を有した状態で湾曲部E131(第2通路ERt2)から振分通路E150(第3通路ERt3)へ球を送球できる。
第1斜面部E133は、上面視横長略矩形の板状体であり、湾曲部E131側の端部が湾曲部E131の下面から鉛直方向下方(矢印D方向)に所定の間隔を隔てた位置に配設される。また、第1斜面部E133は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜して形成される。第1斜面部E133には、挿通孔E133aと、規制部E133bと、溝部E133cとが形成される。
挿通孔E133aは、第1斜面部E133の略中央に開口形成(板厚方向に穿設)され、後述する振分通路E150の被係合部E153が挿通可能に形成される(図138、図145(b)参照)。
規制部E133bは、第1斜面部E133の下面において挿通孔E133aの正面側の縁から立設され、その下面は第1斜面部E133の傾斜面に対し平行に形成される(図145(b)、図146(b)参照)。
溝部E133cは、第1斜面部E133の前後方向略中央において傾斜方向に沿って形成される溝であり、挿通孔E133aを挟んで左右方向(矢印L-R方向)両側に一対形成される。溝部E133cには、後述する振分通路E150の被ガイド部E152が傾斜方向に摺動可能に配設される(図138、図145(a)、図147(a)参照)。溝部E133cの周囲には、溝部E133cの破損を抑制するためのガイド壁が立設される。
第1斜面部E133には、振分通路E150を変位させるための複数(本実施形態では4個)の円柱体E201と、カバーE202とが配設される。
円柱体E201は、第1斜面部E133における振分通路E150の変位を容易とするためのものであり、円柱状に形成され、また、その軸を中心として軸孔が形成される。軸孔に回転軸が挿通され、その回転軸が前後方向(矢印F-B方向)に沿った状態で第1斜面部E133に配設される。これにより、円柱体E201は、第1斜面部E133に回転可能に配設される。円柱体E201が軸周りに回転することにより、円柱体E201の外周面に当接する振分通路E150は容易に変位できる。
カバーE202は、円柱体E201を第1斜面部E133に保持するためのものであり、第1斜面部E133の外形よりやや小さい板状に形成される。カバーE202は、第1斜面部E133の挿通孔E133aに対応する位置に挿通孔E133aよりも大きな孔が穿設され、一対の溝部E133cに対応する位置に溝部E133cの外形と略同一の溝が形成される。また、円柱体E201に対応する位置に円柱体E201の外形よりもやや大きな孔が穿設される。
カバーE202は、その上面が第1斜面部E133の傾斜面と平行な状態で第1斜面部E133の上面に配設される。
カバーE202の円柱体E201に対応する位置に穿設される孔よりも長い回転軸が円柱体E201に挿通され、円柱体E201及び回転軸を第1斜面部E133に配設し、タッピングネジにより第1斜面部E133とカバーE202とが締結固定されることで、カバーE202は、回転軸および回転軸が挿通された円柱体E201を第1斜面部E133に保持できる。
なお、円柱体E201は、カバーE202に形成される孔を通して、その側面(外周面)の一部がカバーE202の上面から突出して配設され、これにより、円柱体E201と振分通路E150とが当接可能となる。
取付け部E134は、第1斜面部E133の傾斜方向下降側の端部より鉛直方向下方(矢印D方向)において略水平に形成される。また、取付け部E134の前端は、第1斜面部E133の前端より背面板E137側(矢印B方向側)に配設される。
取付け部E134及び第1斜面部E133と第2斜面部E135とを連結して湾曲部E134aが配設され、湾曲部E134aは、背面板E137側へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される。
第2斜面部E135は、第5通路ERt5(の一部)を形成するための部位であり、取付け部E134よりも鉛直方向下方(矢印D方向)において背面板E137から正面部材E110へ向けて下降傾斜して形成される。第2斜面部E135には、挿通孔E135aと、中央通路E135bと、一対の立て壁部E135cと、仕切り部E135dと、送球壁E135eとが形成される。
第2斜面部E135と取付け部E134と湾曲部E134aと背面板E137とに区画された空間に第5通路ERt5が形成される。
挿通孔E135aは、第2斜面部E135の略中央に球の外形よりも大きく開口形成(板厚方向に穿設)される。挿通孔E135aの外周には、後述する中央通路E160の円筒壁E163の下端を挿入するための凹部が挿通孔E135aの外縁に沿って凹設される。
中央通路E135bは、第7通路ERt7を形成するための部位であり、鉛直方向下方へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成され、その湾曲形状は球の外形よりも大きく形成される。これにより、中央通路E135bに球が送球されると、中央通路E135bから第2斜面部E135の傾斜面へ球が送球(流出)されることを抑制できる。
中央通路E135bは、第2斜面部E135の正面側(矢印F方向側)の縁と挿通孔E135aとを連結し、第2斜面部E135の正面側の縁から挿通孔E135aへ向けて下降傾斜して形成される。これにより中央通路E135bに案内された球を挿通孔E135aへ向けて送球できる。即ち、中央通路E135bの円弧状に湾曲した空間により第7通路ERt7が形成される。
なお、中央通路E135bは、左右方向(矢印L-R方向)において第1流出面E141aと重なる位置に配設される。これにより、第1流出面E141aから送球される球を中央通路E135bへ案内できる。
一対の立て壁部E135cは、第2斜面部E135(第5通路ERt5)と中央通路E135b(第7通路ERt7)とを区切るための部位であり、中央通路E135bの左右方向(矢印L-R方向)両端の背面板E137側(矢印B方向側)に鉛直方向上方(矢印U方向)に向けて突設される。一対の立て壁部E135cの前後方向(矢印F-B方向)の長さは、中央通路E135bの長さよりも短く形成され、中央通路E135bの挿通孔E135a側(矢印B方向側)に配設される。
これにより、第2斜面部E135(第5通路ERt5)を流下する球が一対の立て壁部E135cの正面側(矢印F方向側)において第2斜面部E135(第5通路ERt5)と中央通路E135b(第7通路ERt7)との境界を横切ることで、球は、中央通路E135b(第7通路ERt7)へ案内される。一方、第2斜面部E135(第5通路ERt5)を流下する球が一対の立て壁部E135cに当接することで、(第5通路ERt5)と中央通路E135b(第7通路ERt7)との境界を横切ることが抑制され、球は、第2斜面部E135(第5通路ERt5)を流下し第6通路ERt6へ案内される。このように、中央通路E135b(第7通路ERt7)へ球が送球され難くすることにより、遊技の興趣を高めることができる。
仕切り部E135dは、鉛直方向上方(矢印U方向)に向けて突設され、挿通孔E135aの外縁と背面板E137とを連結して形成される。これにより、一方の振分通路E150(第3通路ERt3)から流下された球が、第2斜面部E135の他方の振分通路E150(第3通路ERt3)側へ案内されることを抑制できる。
送球壁E135eは、第2斜面部E135の下面から立設して形成される(図145(a)参照)。送球壁E135eは、挿通孔E135aの背面側(矢印B方向側)の縁に沿った円弧部と、その円弧部の両端から正面側(矢印F方向側)に延設される直線部とから、下面視略U字状に形成される。これにより、送球壁E135eで囲まれた空間を球が送球可能に形成され、挿通孔E135aを通過した球を後述するカバー部材E180の背面側通路E181bへ送球できる。
張出し部E136は、湾曲部E131側から第2斜面部E135側へ向けて下降傾斜して形成され、張出し部E136には、ガイド部E136aが形成される。
ガイド部E136aは、ベース部材E130への介設部材E140の組み付けを容易とするための部位であり、張出し部E136の対向する側(左右方向内側)の端部から鉛直方向上方(矢印U方向)に向けて突設される。一対のガイド部E136aの対向間に後述する介設部材E140の下側通路E143が配設される。
背面板E137は、正面視横長略矩形の板状から形成される。背面板E137は、一対の第1斜面部E133、一対の取付け部E134及び第2斜面部E135の背面側の端部に当接して配設され、背面板E137の上端は、振分通路E150(第3通路ERt3)及び第2斜面部E135(第5通路ERt5)を流下する球よりも上方(矢印U方向)に位置する。これにより、背面板E137は、振分通路E150(第3通路ERt3)又は第2斜面部E135(第5通路ERt5)を流下する球が背面板E137の背面側(矢印B方向側)に案内されることを抑制できる。
介設部材E140は、上面視において略直線状の通路として左右方向(矢印L-R方向)に沿って延設される転動部E141と、その転動部E141の下面から鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて突設される板状の当接部E142と、その当接部E142の背面から立設される下側通路E143と、を備える。
転動部E141は、その延設方向(矢印L-R方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、延設方向中央に向けて下降傾斜して形成される。
転動部E141の上面は、正面部材E110側(矢印F方向側)からベース部材E130側(矢印B方向側)へ向けて下降傾斜して形成される。また、上述したように、転動部E141の上面には、背面側(矢印B方向)へ向けて下降傾斜して形成される第1流出面E141aと、正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される第2流出面E141bとが形成される。
また、転動部E141には、起伏が形成され、その頂部が中央通路E135b(第7通路ERt7)の正面に配置される。起伏の底部に第2流出面E141bが配置される一方、起伏の頂部に第1流出面E141aが配置される。従って、第1流出面E141aは、中央通路E135b(第7通路ERt7)の正面に配置される。
なお、第1流出面E141aは、中央通路E135b(第7通路ERt7)よりも鉛直方向上方(矢印U方向)に配置され、これにより、第1流出面E141aを流下する球を中央通路E135b(第7通路ERt7)へ案内できる。
転動部E141の上面の左右方向(矢印L-R方向)両端には切欠き部E141cが形成され、その切欠き部E141cには、正面部材E110の突設部E111eが当接される。また、介設部材E140は、張出し部E136の上面に当接して配設される。これにより、介設部材E140は、ベース部材E130(正面部材E110)に固定される。その結果、介設部材E140(転動部E141の上面)とベース部材E130と正面部材E110(正面板E111の背面)とに区画された空間により第6通路ERt6が形成される。
当接部E142には、流出口EOPoutの背面となる位置に通路口E142aが開口形成(板厚方向に穿設)される。通路口E142aは、正面視略矩形であり、球の外形よりもやや大きく形成される。
下側通路E143は、通路口E142aの外縁からカバー部材E180側(矢印B方向側)へ向けて突設され、その下側通路E143により区画された空間により第4通路ERt4(の一部)が形成される。
下側通路E143は、カバー部材E180側から正面部材E110側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成され、下側通路E143の側面および下面は上面よりカバー部材E180側に突出して形成される。即ち、下側通路E143は、カバー部材E180側の上面が開放される。
また、下側通路E143の下面には、その幅方向(矢印L-R方向)中央に断面コ字状の凹溝E143aが凹設される(図144(a)参照)。凹溝E143aは、下側通路E143の下面の突出方向に沿って略直線状に延設される。
凹溝E143aの溝幅(矢印L-R方向の寸法)は、球の直径よりも小さくされると共に、凹溝E143aの溝深さ(下側通路E143の下面に垂直方向の寸法)は、凹溝E143aの底面に球が接触しない深さに設定される。
これにより、下側通路E143の下面上の球を2箇所(下側通路E143の下面と凹溝E143aとが交わる一対の稜線部分)で支持することができる。よって、凹溝E143aが非形成の場合(即ち、1箇所のみで球を支持する場合)と比較して、球を安定した状態で案内できる。詳しく説明すると、凹溝E143aにより球が挟み込まれた態様となることで、幅方向に変位することを抑制された状態で幅方向中央を流下できる。
その結果、寸法公差や組立公差に起因して流出口EOPoutと通路口E142aとの中心位置がずれ、通路口E142aの正面に正面部材E110(正面板E111)が一部配設された場合(通路口E142aの外縁の一部が正面部材E110(正面板E111)に塞がれた状態)においても、下側通路E143(第4通路ERt4)を流下した球は、流出口EOPoutを通過して遊技領域へ流出される。
上述したように、下側通路E143は、張出し部E136の一対のガイド部E136aの対向間に配設される。これにより、下側フレームE86bの組立ての際、一対のガイド部E136aに下側通路E143を当接させることで、ベース部材E130への下側通路E143(介設部材E140)の配設を容易に行える。
振分通路E150は、その上面を球が移動(流下、転動)するためのものであり、第1斜面部E133(カバーE202)の上方(矢印U方向)に配設される。従って、第1斜面部E133と同様、振分通路E150は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜して配設される。振分通路E150は、上面に突設される複数の突起部E151と、振分通路E150の下面から立設される一対の被ガイド部E152と、その一対の被ガイド部E152の間に立設される被係合部E153と、を備える。振分通路E150については、図136から図143に加え、図144から図147を参照して詳細構成について説明する。
突起部E151は、球の移動(流下)方向を変化させるための部位であり、振分通路E150の上面に規則的に、それら突起部E151どうしの間を球が移動(流下、転動)可能な間隔を備えて複数配設される。
突起部E151の形状は、振分通路E150に垂直な方向視において略六角形状に形成される。その略六角形状は、振分通路E150の傾斜方向に平行に配設される2辺が他の4辺よりも長い、言い換えると、前後方向(矢印F-B方向)よりも振分通路E150の傾斜方向に沿った方向に長く形成される。また、長く形成される2辺を除いた他の4辺は同一長さに形成される。また、突起部E151の側面は、振分通路E150に対し傾斜(本実施形態においては振分通路E150の上面に対して略45度傾斜)して形成され、突起部E151は、六角錐の頭頂点側の一部が切り取られた態様に形成される。言い換えると、振分通路E150に平行な平面での断面積が、振分通路E150の上面から離れるに従い小さく形成される。
突起部E151は、長い辺同士を平行にして前後方向(矢印F-B方向)に所定の間隔(本実施形態においては振分通路E150の上面における対向間距離が球の直径の略4分の1)を隔てて形成される。また、前後方向に列をなして配設される一の組の突起部E151郡に対しその傾斜方向下降側に配設される一組の突起部E151郡は、突起部E151の前後方向における配設間距離の半分だけ前後方向にずれて配設される。即ち、前後方向において、傾斜方向下降側に配設される一組の突起部E151郡は、一の組の突起部E151郡の対向間にそれぞれ配設される。これにより、前後方向における一対の突起部E151の長い辺の間を流下した球を、傾斜方向下降側に配設される突起部E151に当接させることができる。
また、突起部E151の短い辺どうしの対向間隔は、突起部E151の長い辺同士の対向間隔と同一に形成される。これにより、一の突起部E151は、その周囲に配設される突起部E151から同一の距離だけ隔てた態様で振分通路E150に配設される。振分通路E150の上面および突起部E151の傾斜した側面E151aに区画された空間により、第3通路ERt3が形成される。
なお、本実施形態における突起部E151の突設高さは、球の半径の略2分の1とされる。また、突設先端における突起部E151どうしの対向間隔は球の直径よりも小さく形成される。これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)する球は、隣り合う突起部E151の傾斜した側面E151aどうしに当接した状態で振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)できる。即ち、突起部E151は、球が振分通路E150(第3通路ERt3)に留まることを抑制できる。
振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)する球は、突起部E151に当接することで球の流下方向が変更(変化)され、介設部材E140側(矢印F方向側)もしくは背面板E137側(矢印B方向側)に形成される突起部E151の対向間に案内される。このように、突起部E151は、傾斜方向に沿って流下した球の流下方向を変更(変化)できる。
また、前後方向(矢印F-B方向)に隣り合う突起部E151の長い辺どうしの間を移動(流下、転動)することで、球は、振分通路E150の傾斜方向に沿って湾曲部E131側から中央通路E160へ移動(流下、転動)できる。
また、振分通路E150を流下する球は、突起部E151に当接することで、その流下速度が減少される。これにより、振分通路E150が突起部E151を備えない場合と比較して、振分通路E150を流下する球の流下時間を長くできる。
また、突起部E151は、振分通路E150の上面から突設して形成されるため、遊技者に視認し易くできる。これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向が変化される態様を遊技者に視認させ易くできる。即ち、振分通路E150(第3通路ERt3)の上面を移動(流下、転動)する球は比較的移動速度が低く、振分通路E150(第3通路ERt3)の上面の移動(流下、転動)に比較的時間を要するところ、突起部E151との当接により球の移動(流下、転動)に要する時間を更に嵩ませることができる。その結果、球の移動(流下、転動)方向が変化(変更)される態様を遊技者に視認させやすくでき、遊技の興趣を向上できる。
このように、本実施形態では、突起部E151により振分通路E150を流下する球の流下方向の変更(変化)と流下時間の延長(変化)とを行うことができ、遊技の興趣を高めることができる。また、流下方向の変更(変化)と流下時間の延長(変化)とを一つの部位(突起部E151)が行うことで、部品点数を削減して製品コストの削減を図ることができる。
なお、振分通路E150は傾斜して配設されるため、球の流下速度が減少した場合においても、球の自重により流下速度が増加されることで、第3通路ERt3を流下できる。
振分通路E150の前後の縁に接して配設される突起部E151は、略六角形状の一部のみ形成される、言い換えると、突起部E151の形状が振分通路E150の前後の縁で切り取られた態様に形成される。これにより、振分通路E150により多くの第3通路ERt3を形成でき、遊技の興趣を高めることができる。
被ガイド部E152は、振分通路E150の前後方向(矢印F-B方向)の略中央に被係合部E153を挟んで左右方向(矢印L-R方向)に一対配設される(図145(a)、図147(a)参照)。被ガイド部E152の前後方向の寸法は、ベース部材E130の溝部E133cの溝幅と同等またはやや小さく形成される。被ガイド部E152が溝部E133cに挿入されることで、振分通路E150のベース部材E130に対する前後方向への変位が規制される。
上述したように、溝部E133cの周囲にはガイド壁が立設されるため、被ガイド部E152が溝部E133cのガイド壁に当接することで、溝部E133cが破損することを抑制できる。
被係合部E153には、その背面が正面側(矢印F方向側)へ凹設される係合凹部E153aと、被係合部E153の下端に正面に向けて突設される規制片E153bとが形成される(図145(b)参照)。
係合凹部E153aは、鉛直方向(矢印U-D方向)に延設して形成される。規制片E153bは、第1斜面部E133(振分通路E150)の傾斜面に対し平行であり、第1斜面部E133の規制部E133bの下方(矢印D方向)に配設される。これにより、振分通路E150が傾斜方向に変位する場合、規制片E153bと規制部E133bとが当接することを抑制できる。一方、規制片E153bと規制部E133bとが当接することで、振分通路E150が上方(矢印U方向)に変位することを抑制できる。
振分通路E150は、カバーE202の上面から突出する円柱体E201の側面と当接した状態で、第1斜面部E133の傾斜面と平行に配設される。円柱体E201がその軸を回転軸として回転することで、振分通路E150の変位を容易に行うことができる。
また、振分通路E150は、少なくとも一部が湾曲部E131の下方に配設される、即ち、振分通路E150が湾曲部E131の下方から取付け部E134側へ抜けきらない位置に配設され、振分通路E150と湾曲部E131との間の距離は、球の半径よりも小さく配設される(図145(a)、図147(a)参照)。これにより、振分通路E150に送球された球が、湾曲部E131の下方からベース部材E130の長手方向両端から流出することを抑制できる。また、湾曲部E131と振分通路E150とで球が挟持されることを抑制できる。
振分通路E150は、その傾斜面に垂直な方向視において傾斜方向に長い略矩形の板状体に形成される。これにより、振分通路E150の長手方向一端側(下降傾斜側)に配設される第2斜面部E135(第5通路ERt5)若しくは中央通路E160(第4通路ERt4)よりも短手方向である正面側(矢印F方向側)に配設される介設部材E140(第6通路ERt6)へ球を送球し易くできる。
また、振分通路E150の短手方向となる前後方向(矢印F-B方向)の長さは、少なくとも球の直径の2倍よりも大きい寸法、本実施形態においては球の直径の略4.5倍の寸法に形成される。これにより、振分通路E150の傾斜方向下降側に複数(本実施形態では2箇所)の球の移動(流下、落下)領域を形成できる。この結果、振分通路E150を流下した球が複数形成される通路(第4通路ERt4、第5通路ERt5及び第6通路ERt6)の内、第1入賞口64に球が入賞する確率の高い第4通路ERt4へ振り分けられることを期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
また、下側フレームE86bに不正を行っても、その不正を働き難くできる。詳細に説明すると、第4通路ERt4よりも第1入賞口64に球が入賞する確率の低い第5通路ERt5又は第6通路ERt6の一方に第4通路ERt4へ球が流下する不正を行っても、第5通路ERt5又は第6通路ERt6の他方を球が移動(流下、落下)することで、その不正を働き難くできる。
振分通路E150の傾斜方向下降側は、その正面側の一部に切欠き部E150aが形成される。切欠き部E150aを通過することで、振分通路E150を流下(落下)した球を流路調整ブロックE170に当接し易くできる。
中央通路E160は、上面視において略直線状の通路として左右方向(矢印L-R方向)に沿って延設される架設通路E161と、その架設通路E161の左右方向略中央に開口形成(板厚方向に穿設)される上方孔E162と、架設通路E161の下面から上方孔E162に沿って立設される円筒壁E163と、架設通路E161の左右方向両端に配設される据付部E164と、を備える。
架設通路E161の幅寸法(架設通路E161の延設方向および鉛直方向に垂直な方向、矢印F-B方向)は、球の直径よりも大きく形成される。
架設通路E161は、その延設方向(矢印L-R方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される。これにより、架設通路E161に流下された球を架設通路E161の左右方向略中央(架設通路E161の鉛直方向の最下方)に形成される上方孔E162へ案内できる。
架設通路E161には、その後端側(矢印B方向側)の縁から鉛直方向上方(矢印F方向)へ向けて立設される背面壁E161aが形成される。これにより、架設通路E161に流下された球が、その背面側から落下することを抑制できる。
架設通路E161は、その延設方向に直交する平面での断面形状が鉛直方向下方へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される。これにより、架設通路E161に流下された球が、その正面側から流下(落下)することを抑制できる。
上方孔E162は、上面視円状であり、第2斜面部E135に形成される挿通孔E135aと略同一の大きさに、即ち、球の外形よりも大きく形成される。上方孔E162の周囲には上方へ向けて突設される突起部E162aが形成される。これにより、架設通路E161を流下する球が上方孔E162に案内され難くできる。
円筒壁E163は、上方孔E162と略同一の内径を有する円筒状に形成され、その下端が、第2斜面部E135の挿通孔E135aの外周に凹設される凹部に挿入した状態で第2斜面部E135に配設される。これにより、円筒壁E163の下端と第2斜面部E135の上面との間に隙間が形成されることを抑制できる。また、第2斜面部E135に対し中央通路E160の位置決めを行うことができる。
左右方向(矢印L-R方向)において中央通路E135bに対応する位置には、円筒壁E163に切欠き部E163aが切欠き形成され、その切欠きは球の直径よりも大きく形成される。
架設通路E161の円弧状に湾曲した空間および円筒壁E163により囲まれた空間により第4通路ERt4(の一部)が形成される。
据付部E164は、上面視縦長略矩形であり、中央通路E160がベース部材E130(取付け部E134)に固定(配設)された状態では、据付部E164の上面は、第1斜面部E133に配設されるカバーE202の上面と面一に形成される。これにより、振分通路E150が変位されても、振分通路E150と中央通路E160(据付部E164)とが当接することを抑制できる。
流路調整ブロックE170は、球の流下方向を変更(変化)させるためのものであり、略三角錐状に形成される。流路調整ブロックE170には、ベース部材E130の正面と平行な正面壁E171と、湾曲部E134aに対向する外壁E172と、中央通路E135bに対向する内壁E173とが形成される。一対の流路調整ブロックE170は、中央通路E135bの長手方向(矢印L-R方向)両側にそれぞれ配設される。
流路調整ブロックE170は、上面視、第2斜面部E135の傾斜方向下降側(矢印F方向側)へ向かうに従いその幅が大きくなる三角形状に形成され、正面壁E171とベース部材E130の正面とが面一に形成された状態で第2斜面部E135に配設される。これにより、介設部材E140(第6通路ERt6)を流下する球が流路調整ブロックE170に当接することを抑制できる。
外壁E172は、湾曲部E134aへ向けて凸状に湾曲して形成され、内壁E173は、中央通路E135bから流路調整ブロックE170の中心へ向けて凹状に湾曲して形成される。外壁E172と湾曲部E134aとの間、内壁E173と中央通路E135bとの間は、球の外形よりも大きくそれぞれ配設され、これにより、外壁E172と湾曲部E134aとの間、内壁E173と中央通路E135bとの間を球がそれぞれ流下できる。
カバー部材E180は、ベース部材E130の下方(矢印D方向)に配設される正面側カバー部材E181と、その正面側カバー部材E181の背面側(矢印B方向側)に配設される背面側カバー部材E182と、を備える。
なお、カバー部材E180及び後述する駆動手段E190においては、図136から図143に加え、図145を適宜参照して説明する。
正面側カバー部材E181には、正面視横長略矩形に形成される本体部E181aと、本体部E181aの長手方向略中央に正面側カバー部材E181側(矢印F方向側)から背面側カバー部材E182側(矢印B方向側)へ向けて凹設される背面側通路E181bと、本体部E181aの長手方向一側(矢印L方向側)に配設されるモータ取付け面E181cと、モータ取付け面E181cの上方側(矢印U方向側)に配設される第1上面板E181dと、モータ取付け面E181cの長手方向他側(矢印R方向側)において第1上面板E181dから鉛直方向下方(矢印D方向)に所定の間隔を隔てて平行に配設される第1下面板E181eと、第1下面板E181eの長手方向他側(矢印R方向側)において鉛直方向(矢印U-D方向)に所定の間隔を隔てて平行に立設される第2上面板E181f及び第2下面板E181gと、第1下面板E181e及び第2下面板E181gの上面に配設される複数の(本実施形態では5個)スライド突起E181hと、鉛直方向(矢印U-D方向)における第1下面板E181eと第2下面板E181gとの間に配設される軸支部E181iとが形成される。
なお、モータ取付け面E181c、第1上面板E181d、第1下面板E181e、第2上面板E181f及び第2下面板E181gは、本体部E181aの背面から立設される。
背面側通路E181bには、その下面から立設される送球板E181b1と、送球板E181b1に対して長手方向(矢印L-R方向)両側に立設される一対の支持板E181b2とが形成される。
長手方向における送球板E181b1は、第2斜面部E135の挿通孔E135aの中心に対応する位置に配設され、送球板E181b1の上面の背面側(矢印B方向側)には、背面側へ向けて上昇傾斜する送球傾斜部E181b3が形成される。これにより、中央通路E160の円筒壁E163内を案内された球は、送球傾斜部E181b3に当接し、その案内方向が鉛直方向下方(矢印D方向)から正面部材E110側(矢印F方向側)へ変更(変化)される。
一対の支持板E181b2は、送球板E181b1上を流下する球を案内するための部位であり、送球壁E135eの直線部の鉛直方向下方にそれぞれ形成される。
背面側通路E181bの上面は、開口形成され、その開口を通して第2斜面部E135の送球壁E135eが背面側通路E181bに挿入され、第2斜面部E135の下面、送球板E181b1、送球壁E135e及び一対の支持板E181b2に区画された空間により第4通路ERt4(の一部)が形成される。
モータ取付け面E181cは、後述する駆動手段E190の取付け部材E192が配設(固定)される部位であり、モータ取付け面E181cには、長手方向略中央に中央切欠きE181c1が形成され、その切欠き形状は、背面側(矢印B方向側)が開口された上面視略U字状に形成される。
第1上面板E181dと第2上面板E181fとは平行して配設される。従って、第1下面板E181eと第2下面板E181gとも平行に配設される。第1上面板E181dと第1下面板E181eとにより区画された空間、第2上面板E181fと第2下面板E181gとにより区画された空間は、後述する駆動手段E190の第1伝達部材E194、第2伝達部材E195をそれぞれ配設するための空間である。
第1下面板E181e及び第2下面板E181gの上面には、前後方向(矢印F-B方向)に突起E181e1がそれぞれ複数(本実施形態では第1下面板E181eは2箇所、第2下面板E181gは4箇所)形成される。突起E181e1と第1伝達部材E194もしくは第2伝達部材E195とが当接することにより、第1下面板E181eと第1伝達部材E194との間、第2下面板E181gと第2伝達部材E195との間に発生する摩擦力を低減し、第1伝達部材E194又は第2伝達部材E195の変位を容易に行える(図144(b)参照)。
スライド突起E181hは、第1伝達部材E194又は第2伝達部材E195の変位をガイドするためのものであり、第1上面板E181d、第1下面板E181e、第2上面板E181f及び第2下面板E181gに対して平行して配設される。
軸支部E181iは、本体部E181aの背面(矢印B方向側の面)に軸受として形成され、背面側カバー部材E182の正面には、軸支部E181iに対面する位置に、軸支部E182dが形成される。後述する駆動手段E190のピニオンギヤE196は、その側面(前後方向の面、矢印F-B方向の面)から軸E197の端部がそれぞれ突出される。軸E197は、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢に配設され、その軸E197の両端が、正面側カバー部材E181の軸支部E181iと背面側カバー部材E182の軸支部E182dとにそれぞれ軸支される。これにより、正面側カバー部材E181と背面側カバー部材E182との対向間にピニオンギヤE196が回動可能に配設される。
背面側カバー部材E182には、正面視横長略矩形に形成される本体部E182aと、本体部E182aの長手方向一側(矢印L方向側)において本体部E182aの正面から立設される第1上面板E182bと、本体部E182aの長手方向他側(矢印R方向側)において本体部E182aの正面から立設される第2上面板E182cと、正面側カバー部材E181の軸支部E181iに対面する位置において本体部E182aの正面に配設される軸支部E182dと、を備える。
第1上面板E182b、第2上面板E182cには、正面側(矢印F方向側)が開口された第1切欠きE182b1、第2切欠きE182c1がそれぞれ形成される。第1切欠きE182b1、第2切欠きE182c1には、後述する第1伝達部材E194の係合ベースE194b、第2伝達部材E195の係合ベースE194bがそれぞれ挿通される。
軸支部E182dは、駆動手段E190の軸E197を軸支するためのものであり、本体部E182aの正面(矢印F方向側の面)に軸受けとして形成され、上述したように、正面側カバー部材E181の軸支部E181iと対面する位置に形成される。
即ち、正面側カバー部材E181の軸支部E181iと背面側カバー部材E182の軸支部E182dとに駆動手段E190の軸E197が軸支され、その軸方向は、前後方向(矢印F-B方向)に沿わせた姿勢とされる。
駆動手段E190は、駆動力を発生させる駆動モータE191と、駆動モータE191の上方(矢印U方向)に配設される取付け部材E192と、駆動モータE191の軸に固着される駆動力伝達部材E193と、駆動力伝達部材E193に係合される第1伝達部材E194と、第1伝達部材E194に係合される第2伝達部材E195と、第1伝達部材E194と第2伝達部材E195との間に介設されるピニオンギヤE196と、ピニオンギヤE196の軸心を挿通する軸E197と、を備える。
駆動モータE191は、振分通路E150をその傾斜方向へ変位させるためのものであり、その軸を鉛直方向上方(矢印U方向)へ向けた状態で配設される。これにより、軸を前後方向(矢印F-B方向)へ向けて配設する場合と比較して、前後方向における配設スペースを小さくできる。
取付け部材E192は、駆動モータE191を正面側カバー部材E181に固定(配設)するためのものであり、取付け部材E192には、上面視略矩形の板状に形成されるベース部E192aと、ベース部E192aの外縁に沿って鉛直方向上方(矢印U方向)へ向けて立設される周壁部E192bとが形成される。
ベース部E192aには、その略中央に駆動モータE191の軸を挿通するための挿通孔が板厚方向に穿設され、その挿通孔に駆動モータE191の軸が挿通した状態で駆動モータE191が取付け部材E192に固定(配設)される。駆動モータE191の軸の上端は、周壁部E192bの上端よりも鉛直方向上方に配設される。
駆動力伝達部材E193は、駆動モータE191の駆動力を第1伝達部材E194へ伝達するためのものであり、モータ取付け面E181cの中央切欠きE181c1の内形よりも小さい円柱状に形成され、その軸心には駆動モータE191の軸が固着される。駆動力伝達部材E193には、軸心とは異なる位置に配設される偏心軸E193aと、駆動力伝達部材E193の側壁から突設されるフランジ部E193bとが形成される。
偏心軸E193aは、第1伝達部材E194に係合される部位であり、駆動力伝達部材E193の直径よりも小さな円柱状に形成され、上面視、偏心軸E193aの外縁は、駆動力伝達部材E193の外縁に内接して配設される。従って、偏心軸E193aの軸心は、駆動力伝達部材E193の軸心とは異なる位置に配設される、即ち、駆動モータE191の軸に対し偏心して配設される。よって、駆動モータE191が駆動することで、偏心軸E193aは、上面視、駆動力伝達部材E193の軸心(駆動モータE191の軸)を中心とした円状に変位する。
フランジ部E193bは、駆動力伝達部材E193の鉛直方向上方(矢印U方向)への変位を規制するための部位であり、鉛直方向(矢印U-D方向)において駆動モータE191側(矢印D方向側)の端部に配設される。フランジ部E193bの外形は、モータ取付け面E181cの中央切欠きE181c1の内形よりも大きな円状に形成され、これにより、フランジ部E193bは、モータ取付け面E181cに当接できる。その結果、モータ取付け面E181cの中央切欠きE181c1に挿通された駆動力伝達部材E193がモータ取付け面E181cの上方側(矢印U方向側)へ脱離することを抑制できる。
第1伝達部材E194及び第2伝達部材E195は、駆動モータE191の駆動力を振分通路E150へ伝達するためのものである。
第1伝達部材E194には、上面視略矩形の板状に形成される本体部E194aと、その本体部E194aの上面から突設される係合ベースE194bと、係合ベースE194bから正面部材E110側(矢印F方向側)へ向けて突設される係合部E194cと、本体部E194aの他側(矢印R方向側)における側面から突設される第1ラック部E194dと、本体部E194aの下面に凹設される伝達凹部E194eとが形成される。
本体部E194aは、駆動力伝達部材E193の上方(矢印U方向)に配設される。本体部E194aの前後方向(矢印F-B方向)の大きさは、駆動力伝達部材E193の外形よりも大きく形成され、本体部E194aの前端と後端との間、即ち、上面視、本体部E194aと重なる位置に駆動力伝達部材E193が配設される。
係合部E194cは、正面視略円状であり、その外形は、係合凹部E153aの左右方向(矢印L-R方向)の内壁の対向間距離と同等またはやや小さく形成される。これにより、係合部E194cを係合凹部E153aに挿入できる。係合部E194cと係合凹部E153aの左右方向の内壁とが当接することにより、駆動モータE191の駆動力を振分通路E150へ伝達できる。
また、係合凹部E153aは、鉛直方向(矢印U-D方向)に延設されるため、係合部E194cは、係合凹部E153a内を鉛直方向に変位できる。即ち、鉛直方向における駆動モータE191の駆動力を振分通路E150へ非伝達とできる。
このように、係合部E194cは、第1伝達部材E194の左右方向への変位を振分通路E150へ伝達する一方、第1伝達部材E194の左右方向への変位を振分通路E150へ非伝達とすることで、振分通路E150は、ベース部材E130の第1斜面部E133の傾斜面に沿って変位できる。
第1ラック部E194dには、その下面にピニオンギヤE196と歯合するラックギヤE194d1が刻設され、第1伝達部材E194の左右方向への変位によりピニオンギヤE196が回動される。
伝達凹部E194eは、前後方向(矢印F-B方向)に延設され、正面端から背面端まで形成される。また、伝達凹部E194eの凹溝の幅(左右方向(矢印L-R方向)における内壁の対向間距離)は、偏心軸E193aの外形と同等またはやや大きく形成される。偏心軸E193aを伝達凹部E194eに挿入することで、駆動モータE191の駆動力が駆動力伝達部材E193を介して第1伝達部材E194に伝達される。
詳細に説明すると、駆動モータE191が駆動することで、偏心軸E193aは、上面視、駆動力伝達部材E193の軸心(駆動モータE191の軸)を中心として円状に変位する。伝達凹部E194eの左右方向の内壁と偏心軸E193aとが当接することにより、駆動モータE191の駆動による偏心軸E193aの左右方向の変位が第1伝達部材E194に伝達され、第1伝達部材E194が左右方向に変位する。
一方、伝達凹部E194eは、本体部E194aの正面端から背面端まで形成される、即ち、駆動力伝達部材E193の外形よりも長く形成されるため、偏心軸E193aと伝達凹部E194eの前後方向の内壁とは非当接とされる。従って、駆動モータE191の駆動による偏心軸E193aの前後方向の変位は第1伝達部材E194に非伝達とされ、第1伝達部材E194が前後方向に変位することを抑制できる。
また、偏心軸E193aは、上面視円状に変位するため、第1伝達部材E194の左右方向への変位を所定量に設定できる、即ち、第1伝達部材E194が所定量を超えて左右方向へ変位することを抑制できる。また、第1伝達部材E194の左右方向への変位を往復動とすることができる。
第2伝達部材E195は、背面視横長略矩形の本体部E195aと、その本体部E195aの一側(矢印L方向側)における側面から突設される第2ラック部E195bと、本体部E195aの長手方向略中央に配設されるガイド溝E195cと、本体部E195aの他側(矢印R方向側)の上面から突設される係合ベースE194bと、係合ベースE194bの上端から正面部材E110側(矢印F方向側)へ向けて突設される係合部E194cとが形成される。
第2ラック部E195bには、その上面にピニオンギヤE196と歯合するラックギヤE194d1が刻設され、ピニオンギヤE196の回動により、第2伝達部材E195が左右方向(矢印L-R方向)へ変位される。
ガイド溝E195cは、長手方向(左右方向、矢印L-R方向)に延設され、その内側に正面側カバー部材E181に形成され、正面側カバー部材E181と背面側カバー部材E182とを締結固定するための締結部が挿通される。正面側カバー部材E181の締結部がガイド溝E195cに挿通されることで、第2伝達部材E195の左右方向への変位をガイドできる。また、正面側カバー部材E181の締結部にはタッピングネジが螺合されるため、タッピングネジの剛性を利用して、正面側カバー部材E181の締結部とガイド溝E195cとの当接による破損を抑制できる。
ピニオンギヤE196は、その軸方向が前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢で配設される。軸方向に穿設される挿通孔に軸E197が挿通され、軸E197が、正面側カバー部材E181及び背面側カバー部材E182に配設される軸支部E181i,E182dに軸支されることで、ピニオンギヤE196は、カバー部材E180に回動可能に配設される。
次いで、図144から図147を参照して、駆動手段E190による振分通路E150の変位(往復)動作について説明する。図144(a)及び図146(a)は、正面部材E110の図示が省略された状態における下側フレームE86bの正面図であり、図144(b)及び図146(b)は、背面側カバー部材E182の図示が省略された状態における下側フレームE86bの部分拡大背面図であり、図144(c)及び図146(c)は、下側フレームE86bの上面図である。
図145(a)は、図144(c)のCXLVa-CXLVa線における下側フレームE86bの断面図であり、図145(b)は、図145(a)のCXLVb-CXLVb線における下側フレームE86bの断面図であり、図145(c)は、下側フレームE86bの部分拡大下面図である。図147(a)は、図146(c)のCXLVIIa-CXLVIIa線における下側フレームE86bの断面図であり、図147(b)は、図147(a)のCXLVIIb-CXLVIIb線における下側フレームE86bの断面図であり、図147(c)は、下側フレームE86bの部分拡大下面図である。
なお、図144及び図145では、振分通路E150が第1位置に配置された状態が、図146及び図147では、振分通路E150が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図144及び図145に示すように、振分通路E150が第1位置に配置された状態では、振分通路E150、第1伝達部材E194及び第2伝達部材E195は、ベース部材E130の長手方向において中央通路E160側に位置する。即ち、第1伝達部材E194と第2伝達部材E195とは、互いに近づいた位置に配設され、従って一対の振分通路E150も互いに近づいた位置に配設される。
第1位置に配置された状態において、中央通路E160の据付部E164の上方には振分通路E150が配置される。これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)を流下した球を架設通路E161(第4通路ERt4)へ送球しやすくできる。
また、振分通路E150の切欠き部E150aは、上面視、流路調整ブロックE170の外壁E172に近づいた位置に配置される。よって、振分通路E150(第3通路ERt3)を流下した球を外壁E172に当接させ易くできる。これにより、球の送球方向を変更(変化)でき、遊技の興趣を高めることができる。
図146及び図147に示すように、振分通路E150が第2位置に配置された状態では、振分通路E150、第1伝達部材E194及び第2伝達部材E195は、ベース部材E130の長手方向(矢印L-R方向)において湾曲部E131側に位置する。即ち、第1伝達部材E194と第2伝達部材E195とは、第1位置に配置された状態に比べ、互いに離間した位置に配設され、従って一対の振分通路E150も互いに離間した位置に配設される。
第2位置に配置された状態において振分通路E150は、上面視その傾斜方向下降側の端部が、据付部E164の左右方向における略中央に配置される。よって、振分通路E150(第3通路ERt3)を通過(流下、転動)した球は据付部E164の上面を転動できる。これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)から架設通路E161(第4通路ERt4)もしくは第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ送球されるまでの時間を長くでき、遊技の興趣を高めることができる。
振分通路E150と第1伝達部材E194、第2伝達部材E195とは、被係合部E153の係合凹部E153aに係合部E194cが挿入されることで係合される。上述したように、係合凹部E153aは、背面視鉛直方向(矢印U-D方向)に延設して形成されるため、係合凹部E153a内において、係合部E194cは鉛直方向(矢印U-D方向)に変位できる。これにより、第1伝達部材E194又は第2伝達部材E195が左右方向(矢印L-R方向)に変位する場合においても、振分通路E150は、左右方向に変位すると共に、鉛直方向に変位できる。これにより、振分通路E150は、その傾斜方向(第1斜面部E133の傾斜方向)に沿って変位できる。即ち、振分通路E150の上面を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向と平行な方向(振分通路E150の湾曲部E131側の端部から中央通路E160側の端部へ向かう方向)に振分通路E150及びその上面に形成される突起部E151を変位(往復動)させることができる。その結果、球の移動(流下、転動)方向に変化(変更)を付与し易くできる。また、球の移動(流下、転動)方向の変化(変更)を多様とできる。
また、上述したように、振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)する球が、突起部E151の傾斜した側面E151aどうしに当接した状態で振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)可能に配設されるため、振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)球が振分通路E150(第3通路ERt3)に留まることを抑制できる。よって、球が振分通路E150(第3通路ERt3)に留まることを抑制するために、振分通路E150(第3通路ERt3)を複雑な軌跡で変位させることや、大きな変位量や変位速度で変位させることを抑制できる。その結果、駆動手段E190を簡素化できる。
振分通路E150の第1位置から第2位置への変位は、駆動モータE191の駆動により、駆動力伝達部材E193の偏心軸E193aが中央通路E160側(矢印R方向側)から湾曲部E131側(矢印L方向側)に変位することで行われる。
上述したように、偏心軸E193aを第1伝達部材E194の伝達凹部E194eに挿入されるため、偏心軸E193aの変位と同様、中央通路E160側から湾曲部E131側に変位する。これにより、第1伝達部材E194に係合される振分通路E150は、第1位置から第2位置へ変位する。
また、第1伝達部材E194の中央通路E160側から湾曲部E131側への変位により、第1ラック部E194dのラックギヤE194d1と歯合するピニオンギヤE196は、背面視時計回りに回動される。
これにより、ピニオンギヤE196と歯合する第2ラック部E195b、即ち、第2伝達部材E195は、中央通路E160側から湾曲部E131側に変位し、第2伝達部材E195に係合される振分通路E150は、第1位置から第2位置へ変位する。
このように、ピニオンギヤE196を介して第1伝達部材E194の変位が第2伝達部材E195へ伝達される。これにより、駆動モータE191の配設個数を抑制して、製品コストの削減を図ることができる。また、第1伝達部材E194の変位に連動して第2伝達部材E195が変位できる、即ち、第1伝達部材E194の変位と第2伝達部材E195の変位の同期を不要とでき、製品コストの削減を図ることができる。
また、ピニオンギヤE196を介するため、第1伝達部材E194と第2伝達部材E195との変位を逆方向(逆位相)とすることができる。即ち、ベース部材E130(第1斜面部E133)上において、一対の振分通路E150が変位(往復動)する際に発生する左右方向(矢印L-R方向)の振動を互いに打ち消すことができる。これにより、制振部材を不要とでき、製品コストの削減を図ることができる。
振分通路E150の第2位置から第1位置への変位は、第1位置から第2位置への変位と同様、駆動モータE191の駆動により行われる。なお、振分通路E150、第1伝達部材E194の変位の方向、第2伝達部材E195の変位の方向、及び、ピニオンギヤE196の回動の方向以外は第1位置から第2位置への変位と同様であるため、その説明は省略する。
ここで、偏心軸E193aの変位を同一方向に保つことで、振分通路E150を第1位置と第2位置との間で左右方向(矢印L-R方向)へ往復動させることができる。詳細に説明すると、偏心軸E193aの上面視円状の変位のうち、中央通路E160側から湾曲部E131側へ向かう変位では、振分通路E150を第1位置から第2位置へ変位させる。また、偏心軸E193aの上面視円状の変位のうち、湾曲部E131側から中央通路E160側へ向かう変位では、振分通路E150を第2位置から第1位置へ変位させる。
このように、偏心軸E193aを上面視円状に変位させることで、偏心軸E193aの変位を同一方向に保った状態で振分通路E150を第1位置と第2位置との間で往復動させることができる。これにより、駆動モータE191の駆動方向を切り替えることを抑制できる。その結果、駆動モータE191を制御するためのセンサを不要とでき、製品コストの削減を図ることができる。
また、偏心軸E193aは上面視円状に変位するため、第1伝達部材E194が所定量を超えて左右方向への変位することを抑制できる。例えば、駆動力伝達部材E193を介せず、駆動モータE191が第1伝達部材E194に係合される形態では、駆動モータE191の誤作動やセンサの制御不良等で、第1伝達部材E194が所定量を超えて変位する虞がある。
これに対し、本実施形態では、偏心軸E193aは上面視円状に変位することで第1伝達部材E194は所定の範囲内において左右方向へ変位するため、第1伝達部材E194が他の部材(例えば、中央通路E160)に当接することを抑制できる。また、駆動モータE191の駆動方向の切り替え(駆動の停止や再駆動)による振動の発生を抑制でき、振分通路E150の往復動を滑らかにできる。
図136から図143に戻って、下側フレームE86bを流下する球について説明する。
正面板E111に形成される受入口EOPinを通過することで、球は、第1通路ERt1へ案内され、次いで、球の自重により第1通路ERt1を落下することで、湾曲部E131(第2通路ERt2)へ案内される。
湾曲部E131(第2通路ERt2)へ案内された球は、その形状により、前後方向(矢印F-B方向)へ往復動しつつ、壁板E132の切欠き部E132aを通過することで、振分通路E150(第3通路ERt3)へ案内される。これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)へ案内される球は、前後方向への速度成分を有した状態で切欠き部E132aを通過できる。
また、切欠き部E132aは、球の直径よりも大きく形成されるため、切欠き部E132aの任意の位置から振分通路E150(第3通路ERt3)へ球を案内できる。
これらにより、湾曲部E131(第2通路ERt2)から振分通路E150(第3通路ERt3)へ流下される球を不規則にでき、従って、遊技の興趣を高めることができる。
振分通路E150(第3通路ERt3)を流下する球は、上述したように、突起部E151に当接することによりその流下方向が変更(変化)される。ここで、球の流下方向が、背面側(矢印B方向側)に変更(変化)され、ベース部材E130の背面板E137に当接すると共に背面板E137の正面側(矢印F方向側)に配設される突起部E151の側面E151aに当接する、即ち、背面板E137と突起部E151とに挟持されることで、球の流下が抑制される虞がある。
これに対し、本実施形態においては、駆動モータE191により振分通路E150が振分通路E150(第1斜面部E133)の傾斜方向に沿って往復動するため、背面板E137と突起部E151とにより球が挟持されることを抑制できる。また、振分通路E150が変位(往復動)することで、球と突起部E151との当接を不規則にでき、振分通路E150を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向の変化(変更)を多様化できる。これにより、振分通路E150を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向の変化(変更)が単調となることを抑制できる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
振分通路E150(第3通路ERt3)を流下する球は、突起部E151に当接し、流下する球の速度が減少することで、振分通路E150(第3通路ERt3)を流下する球の流下時間を延長(変化)できる。また、流下方向が変更(変化)されることで、架設通路E161(第4通路ERt4)、第2斜面部E135(第5通路ERt5)もしくは介設部材E140(第6通路ERt6)のいずれかの通路に案内される。
振分通路E150(第3通路ERt3)を流下する球が中央通路E160の架設通路E161(第4通路ERt4)に送球されると、架設通路E161の左右方向略中央に形成される上方孔E162へ向けて案内される。架設通路E161(第4通路ERt4)を流下する球が、上方孔E162の周囲に突設される突起部E162aによりその案内方向が変更(変化)されることなく流下することで、上方孔E162を通過し、円筒壁E163(第4通路ERt4)内を鉛直方向下方(矢印D方向)へ流下(落下)する。
円筒壁E163内を流下(落下)した球は、第2斜面部E135の挿通孔E135aを通過し、正面側カバー部材E181の背面側通路E181b(第4通路ERt4)へ案内され、送球板E181b1の送球傾斜部E181b3に当接することで、その案内方向が鉛直方向下方(矢印D方向)から正面部材E110側(矢印F方向側)へ変更(変化)され、送球板E181b1の上面を流下する(図143(c)参照)。
送球板E181b1の上面を流下した球は、そのまま介設部材E140の下側通路E143(第4通路ERt4)を流下し、当接部E142の通路口E142aを通過し、正面部材E110の流出口EOPoutから遊技領域へ流出される。
架設通路E161(第4通路ERt4)を流下する球が、上方孔E162の周囲に突設される突起部E162aによりその流下方向が変更(変化)される場合、架設通路E161の正面側(矢印F方向側)から第2斜面部E135(第5通路ERt5)もしくは中央通路E135b(第7通路ERt7)へ送球される。
振分通路E150(第3通路ERt3)を流下する球が第2斜面部E135(第5通路ERt5)に送球されると、介設部材E140(第6通路ERt6)もしくは中央通路E135b(第7通路ERt7)へ向けて案内される。
第2斜面部E135(第5通路ERt5)上を介設部材E140(第6通路ERt6)へ向けて流下される球が、第2斜面部E135に配設される流路調整ブロックE170に当接することで、その流下方向が変更(変化)される。流路調整ブロックE170の内壁E173に当接した球は、中央通路E135b(第7通路ERt7)へ案内される可能性があり、これにより、遊技の興趣を高めることができる。
第2斜面部E135(第5通路ERt5)上を中央通路E135b(第7通路ERt7)へ向けて流下される球のうち、第2斜面部E135(第5通路ERt5)と中央通路E135b(第7通路ERt7)との境界の背面側(矢印B方向側)に配設される一対の立て壁部E135cに当接することで、球が中央通路E135b(第7通路ERt7)に案内されることが抑制される。
中央通路E135b(第7通路ERt7)に案内された球は、その傾斜方向により第2斜面部E135の挿通孔E135a(矢印B方向)へ向けて流下し、挿通孔E135aを通過して正面側カバー部材E181の背面側通路E181b(第4通路ERt4)へ案内される。
ここで、第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ案内される球のうち、中央通路E160よりも背面板E137側(矢印B方向側)に送球された球は、円筒壁E163に当接することで、挿通孔E135aを通過することが抑制される。
また、第2斜面部E135に形成される仕切り部E135dに当接することにより、球が振分通路E150の左右方向(矢印L-R方向)一側から他側もしくは他側から一側へ送球されることを抑制できる。これにより、第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ案内される球が、取付け部E134の側面(左右方向に形成される面)に当接しその流下方向が変更(変化)されることで、中央通路E135b(第7通路ERt7)に案内されることを抑制できる。
また、仕切り部E135dに当接することにより、球が円筒壁E163の背面側(矢印B方向側)を流下することを抑制できる。これにより、遊技者が第2斜面部E135(第5通路ERt5)を流下する球を見失うことを抑制できる。
振分通路E150(第3通路ERt3)の前端(矢印F方向側の端部)、もしくは第2斜面部E135(第5通路ERt5)から送球される球は、介設部材E140(第6通路ERt6)の転動部E141を、その延設方向中央へ向けて転動する。ここで、転動部E141は、その延設方向(矢印L-R方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、延設方向中央に向けて下降傾斜して形成されるため、介設部材E140(第6通路ERt6)へ流下された球は、転動部E141の形状に沿って延設方向(左右方向)へ往復動し、第1流出面E141aから中央通路E135b(第7通路ERt7)へ案内される、もしくは第2流出面E141bから遊技領域へ流出(流下)される。
なお、流路調整ブロックE170は、正面視左右方向(矢印L-R方向)において第2流出面E141bと重なる位置に配設される。これにより、第2斜面部E135(第5通路ERt5)を流下する球が、そのまま第2流出面E141bから遊技領域へ流出(流下)されることを抑制できる。従って、転動部E141を転動させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
上述したように、振分通路E150(第3通路ERt3)に突起部E151を形成することで、球の移動(流下、転動)方向を変更(変化)できる。言い換えると、球の移動(流下、転動)方向にランダム性を付与できる。即ち、球が振分通路E150を通過する(振分通路E150の長手方向(矢印L-R方向)に渡り切る)ことを阻害する又は補助する手段として、突起部E151を機能させることができる。
同様に、駆動手段E190を備えることで球の移動(流下、転動)方向を変更(変化)でき、球が振分通路E150を通過する(振分通路E150の長手方向(矢印L-R方向)に渡り切る)ことを阻害する又は補助する手段として、駆動手段E190を機能させることができる。
振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)し、中央通路E160側の端部を通過した(振分通路E150の長手方向(矢印L-R方向)に渡り切った)球は、架設通路E161(第4通路ERt4)もしくは第2斜面部E135(第5通路ERt5)のどちらかの通路に案内される。即ち、振分通路E150(第3通路ERt3)を流下(流下方向側の端部を通過)した球が架設通路E161(第4通路ERt4)へ振り分けられることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
ここで、振分通路E150の介設部材E140側(矢印F方向側)の端部を通過した球は、介設部材E140(第6通路ERt6)、即ち、第1入賞口64に球が入賞する確率の低い通路へ送球(案内)される。言い換えると、振分通路E150を長手方向に渡り切らなかった球は、第1入賞口64に球が入賞する確率が低くなる。
これにより、振分通路E150の中央通路E160側(流下方向側)の端部を通過し(振分通路E150の長手方向(矢印L-R方向)に渡り切る)、第1入賞口64に球が入賞する確率の高い架設通路E161(中央通路E160、第4通路ERt4)へ球が送球(案内)されることを遊技者に期待させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
また、突起部E151に当接することで振分通路E150(第3通路ERt3)を流下する球の流下速度を遅くでき、架設通路E161(第4通路ERt4)に球が案内されることを遊技者に期待させる時間を長くでき、遊技の興趣を高めることができる。
また、突起部E162aにより、架設通路E161(第4通路ERt4)に案内された球を第2斜面部E135(第5通路ERt5)に送球できる。
一方、第2斜面部E135(第5通路ERt5)に形成される中央通路E135b(第7通路ERt7)により、第2斜面部E135(第5通路ERt5)、介設部材E140(第6通路ERt6)に案内された球を第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)背面側通路E181b(第4通路ERt4)に送球できる。これにより、球が遊技領域に流出(流下)されるまで、球が背面側通路E181b(第4通路ERt4)へ案内されることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図148から図149を参照して、第17実施形態における下側フレームE2086bについて説明する。
上記第16実施形態では、振分通路E150の上面に突起部E151が突設される場合を説明したが、第17実施形態における振分通路E2150の上面は、円弧状に湾曲して形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図148は、第17実施形態における下側フレームE2086bの部分拡大断面図であり、図144のCXLVa-CXLVa線における断面に対応する。なお、図148(a)は、振分通路E2150と湾曲部E131とが当接した状態を示し、図148(b)は、図148(a)に対し、コイルばねとして構成される弾性ばねE2190が縮んだ状態を示す。図149(a)は、振分通路E2150の正面斜視図であり、図149(b)は、図149(a)の矢印CXLIXb方向視における振分通路E2150の正面図であり、図149(c)は、図149(b)の矢印CXLIXc方向視における振分通路E2150の下面図であり、図149(d)は、図149(b)の矢印CXLIXd方向視における振分通路E2150の側面図である。
図148及び図149に示すように、下側フレームE2086bは、正面部材E110と、その正面部材E110の長手方向(矢印L-R方向)両端に配設される誘導部材E120と、正面部材E110の背面側(矢印B方向側)に配設されるベース部材E2130と、正面部材E110及びベース部材E2130の対向間に介設される介設部材E140と、ベース部材E2130に配設される振分通路E2150、中央通路E160、一対の流路調整ブロックE170及び複数(本実施形態では2個)の弾性ばねE2190と、を備える(図136参照)。
ベース部材E2130は、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の平面部E2133と、中央通路E160側において一対の平面部E2133の上方(矢印U方向)に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E2130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136(図138参照)と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E137と、を備える。
平面部E2133は、上面視横長略矩形の板状体から形成され、複数(本実施形態では2個)の支持突起E2133aが長手方向両端側にそれぞれ形成され、それら複数の支持突起E2133aよりも中央通路E160側に複数(本実施形態では2個)の支持部E2133bがそれぞれ形成される。
支持突起E2133aは、円柱状に形成される。支持部E2133bは側面視略矩形の板状体であり、平面部E2133の上面から突設され、その突設方向先端側(矢印U方向側)には後述する支持軸E20jを挿通するための挿通孔、即ち、支持軸E20jの外形よりもやや大きな挿通孔が前後方向(矢印F-B方向)に穿設される。複数の支持突起E2133a及び複数の支持部E2133bは、前後方向(矢印F-B方向)に所定の間隔を隔ててそれぞれ配設される。
振分通路E2150は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜し、その傾斜面に垂直な方向視において横長略矩形に形成される。振分通路E2150の下面には、複数(本実施形態では2個)の支持突起E2150aが長手方向両端側にそれぞれ形成され、それら複数の支持突起E2150aよりも中央通路E160側に複数(本実施形態では2個)の支持部E2150bがそれぞれ形成される。
支持突起E2150aは、上面視、支持突起E2133aに対応する位置にそれぞれ配設される。支持部E2150bは、支持部E2133bに対し、上面視前後方向に異ならせた位置にそれぞれ配設される。詳細には、一対の支持部E2133bの対向間に支持部E2150bがそれぞれ配設される。
支持部E2150bには、支持部E2133bに穿設される挿通孔と略同等の挿通孔が前後方向(矢印F-B方向)に穿設される。
振分通路E2150の上面には、湾曲部E131(第2通路ERt2)から案内された球が流下する転動面E2151が形成され、振分通路E2150の延設方向に垂直な平面での断面形状が鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凹となる円弧状に湾曲して形成される。この円弧状に湾曲した空間により第3通路ERt203が形成される。
介設部材E140側(矢印F方向側、図136参照)における転動面E2151の端部は、背面板E137側(矢印B方向側)における転動面E2151の端部よりも鉛直方向下方(矢印D方向)に形成される。従って、転動面E2151を流下する球は、背面板E137側における転動面E2151の端部を通過して背面板E137に当接するよりも、介設部材E140側における転動面E2151の端部を通過して介設部材E140(第6通路ERt6)へ送球され易い(図136参照)。
弾性ばねE2190は、上述したように、コイルばねとして構成され、その内径は、支持突起E2133a,E2150aの外径と同等またはやや大きく形成される。支持突起E2133a,E2150aを弾性ばねE2190の内側に挿通することで、支持突起E2133a,E2150aは、弾性ばねE2190を支持できる。
弾性ばねE2190が支持突起E2133a,E2150aにより支持された状態で支持部E2133b,E2150bの挿通孔に支持軸E20jを挿通することで、振分通路E2150を平面部E2133へ係合できる。
なお、支持軸E20jは、平面部E2133に対し前後方向(矢印F-B方向)を回動軸として振分通路E2150を回動可能に係合するためのものであり、支持部E2133b,E2150bの挿通孔と同等またはやや小さな外径を有する棒状の円柱体として形成され、前後方向に沿った姿勢で支持部E2133b,E2150bの挿通孔に挿通される。
これらにより、一対の振分通路E2150は、中央通路E160側が回動可能に係合された状態で、弾性ばねE2190により長手方向両端側が上下方向(矢印U-D方向)に変位(往復動)される。即ち、一対の振分通路E2150は、ベース部材E2130(平面部E2133)に変位(回動、往復動)可能にそれぞれ係合される。また、一対の振分通路E2150の長手方向(矢印L-R方向)両端側は、湾曲部E131の下面に当接した状態でそれぞれ配設される。
この状態では、弾性ばねE2190は縮んだ状態で配設され、弾性ばねE2190の弾性回復力を利用して湾曲部E131の下面と振分通路E2150との当接状態が維持される。即ち、本実施形態においては、弾性ばねE2190は振分通路E2150の鉛直方向下方側(矢印D方向側)に配設され、振分通路E2150を鉛直方向上方側(矢印U方向側)へ変位させる態様に形成される。
また、この状態では、転動面E2151の鉛直方向(矢印U-D方向)における高さ位置が最も低い位置は、中央通路E160の据付部E164の上面よりも鉛直方向上方(矢印U方向)に配設される。これにより、転動面E2151を流下した球と据付部E164との当接を抑制でき、転動面E2151を流下した球を中央通路E160(第4通路ERt4)もしくは第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ案内できる。
次いで、振分通路E2150を流下する球について説明する。湾曲部E131(第2通路ERt2)を前後方向(矢印F-B方向)へ往復動することにより前後方向への速度成分を有した状態で振分通路E2150に案内された球は、転動面E2151(第3通路ERt203)を前後方向へ往復動しつつ、傾斜方向に従い中央通路E160側へ向けて流下する。
前後方向への往復動により、背面板E137側(矢印B方向側)における転動面E2151の端部を通過した球は、背面板E137と当接することで、再び転動面E2151(第3通路ERt203)へ案内される。
一方、前後方向への往復動により、介設部材E140側(矢印F方向側)における転動面E2151の端部を通過した球は、介設部材E140(第6通路ERt6)へ案内される(図136参照)。
転動面E2151の介設部材E140側(矢印F方向側)における端部を通過せず、即ち、介設部材E140(第6通路ERt6)へ案内されず、転動面E2151の傾斜方向下降側の端部を通過した球は、中央通路E160(第4通路ERt4)もしくは第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ案内される。
このように、振分通路E2150の延設方向に垂直な平面での断面形状が鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に転動面E2151が湾曲して形成されることで球の流下方向を変更(変化)でき、中央通路E160(第4通路ERt4)、第2斜面部E135(第5通路ERt5)もしくは介設部材E140(第6通路ERt6)のいずれかの通路に球を案内できる(図136参照)。即ち、転動面E2151(第3通路ERt203)を流下した球を中央通路E160(第4通路ERt4)へ振り分けられることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、湾曲部E131(第2通路ERt2)から送球された球が、転動面E2151(第3通路ERt203)に当接(落下)することで、球の自重により振分通路E2150は、支持軸E20jを回動中心として湾曲部E131側が鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて回動する。即ち、振分通路E2150の傾斜が小さくなる。これにより、転動面E2151(第3通路ERt203)を流下する球の流下速度を遅くでき、中央通路E160(第4通路ERt4)に球が案内されることを遊技者に期待させる時間を長くでき、遊技の興趣を高めることができる。
また、湾曲部E131は、上述したように、延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図143(c)参照)ので、湾曲部E131(第2通路ERt2)に案内された球を、延設方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、転動面E2151(第3通路ERt203)へ球を流下させることができる。よって、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、湾曲部E131(第2通路ERt2)から転動面E2151(第3通路ERt203)へ流入する場合に、湾曲部E131(第2通路ERt2)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。これにより、先行する球が転動面E2151(第3通路ERt203)を流下中に後行する球が転動面E2151(第3通路ERt203)に案内されることで、先行する球の自重と後行する球の自重とにより振分通路E2150の傾斜をさらに小さくできる。その結果、架設通路E161(第4通路ERt4)に球が案内されることを遊技者に期待させる時間をさらに長くでき、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図150を参照して、第18実施形態における下側フレームE3086bについて説明する。
上記第17実施形態では、振分通路E2150の上面が、円弧状に湾曲して形成される場合を説明したが、第18実施形態における振分通路E3150の上面は、平面状に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図150は、第18実施形態における下側フレームE3086bの部分拡大断面図であり、図144のCXLVa-CXLVa線における断面に対応する。なお、図150(a)は、振分通路E3150と湾曲部E131とが当接した状態を示し、図150(b)は、図148(a)に対し、弾性ばねE2190が縮んだ状態を示す。
図150に示すように、下側フレームE3086bは、正面部材E110と、その正面部材E110の長手方向(矢印L-R方向)両端に配設される誘導部材E120と、正面部材E110の背面側(矢印B方向側)に配設されるベース部材E3130と、正面部材E110及びベース部材E3130の対向間に介設される介設部材E140と、ベース部材E3130に配設される振分通路E3150、中央通路E160、一対の流路調整ブロックE170及び複数(本実施形態では2個)の弾性ばねE2190と、ボールジョイントE3200と、を備える(図136参照)。
ベース部材E3130は、第17実施形態におけるベース部材E2130に対し、支持部E2133bに代えてボールジョイントE3200のソケットE3220が平面部E3133に配設される以外は同一に形成される。
平面部E3133の支持突起E2133aよりも中央通路E160側における平面部E3133の前後方向(矢印F-B方向)略中央には、ボールジョイントE3200のソケットE3220が配設される。
ここで、ボールジョイントE3200について説明する。ボールジョイントE3200は、ボール部材E3210と、ソケットE3220とから形成される。
ボール部材E3210には、球状に形成される球部E3211と、その球部E3211に結合される固定部E3212とが形成される。ソケットE3220には、その上面に球部E3211の外径と同等またはやや大きく形成される受け口E3221が凹設される。球部E3211が受け口E3221に挿入されることで、ソケットE3220に対してボール部材E3210が、変位可能に係合される。
振分通路E3150は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜し、その傾斜面に垂直な方向視において横長略矩形の板状体から形成される。振分通路E3150の下面には、複数(本実施形態では2個)の支持突起E2150aが長手方向両端側にそれぞれ形成され、それら複数の支持突起E2150aよりも中央通路E160側にボール部材E3210が形成される。
支持突起E2150a及びボール部材E3210は、上面視、平面部E3133に形成される支持突起E2133a及びソケットE3220に対応する位置にそれぞれ配設される。
板状体に形成される振分通路E3150の上面には、湾曲部E131(第2通路ERt2)から案内された球が流下する転動面E3151が形成される。転動面E3151により第3通路ERt303が形成される。
弾性ばねE2190が支持突起E2133a,E2150aにより支持された状態で平面部E3133の上面に配設されるソケットE3220(受け口E3221)に振分通路E3150の下面に配設されるボール部材E3210(球部E3211)を挿入することで、振分通路E3150を平面部E3133へ係合できる。
これらにより、一対の振分通路E3150は、中央通路E160側が回動可能に係合された状態で、弾性ばねE2190により長手方向両端側が上下方向(矢印U-D方向)に変位(往復動)される。即ち、一対の振分通路E3150は、ベース部材E3130(平面部E3133)に変位(回動、往復動)可能にそれぞれ配設される。また、一対の振分通路E3150の長手方向(矢印L-R方向)両端は、湾曲部E131の下面に当接した状態でそれぞれ配設される。
この状態では、弾性ばねE2190は縮んだ状態で配設されており、弾性ばねE2190の弾性回復力を利用して湾曲部E131の下面と振分通路E3150との当接状態が維持される。即ち、本実施形態においては、弾性ばねE2190は振分通路E2150の鉛直方向下方側(矢印D方向側)に配設され、振分通路E2150を鉛直方向上方側(矢印U方向側)へ変位させる態様に形成される。
また、この状態では、転動面E3151の傾斜方向下降側(矢印D方向側)の端部、即ち、転動面E3151の鉛直方向(矢印U-D方向)における高さ位置が最も低い位置は、中央通路E160の据付部E164の上面よりも鉛直方向上方(矢印U方向)に配設される。これにより、転動面E3151を流下した球と据付部E164との当接を抑制でき、転動面E3151を流下した球を中央通路E160(第4通路ERt4)もしくは第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ案内できる。
次いで、振分通路E3150を流下する球について説明する。湾曲部E131を前後方向(矢印F-B方向)へ往復動することにより前後方向への速度成分を有した状態で振分通路E3150に案内された球は、転動面E3151(第3通路ERt303)を前後方向へ変位可能であり、傾斜方向に従い中央通路E160側へ向けて流下する。
ここで、前後方向における転動面E3151(第3通路ERt303)への球の当接(落下)位置により、振分通路E3150は、介設部材E140側(矢印F方向側)もしくは背面板E137側(矢印B方向側)へ傾斜する(図136参照)。
詳細に説明すると、ボールジョイントE3200を介して振分通路E3150がベース部材E3130(平面部E3133)に係合されるため、転動面E3151(第3通路ERt303)の介設部材E140(図136参照)側へ球が当接(落下)した場合、振分通路E3150は、湾曲部E131側から中央通路E160側への下降傾斜に加え、球の自重により、背面板E137側から介設部材E140側へ向けて下降傾斜する。一方、転動面E3151(第3通路ERt303)の背面板E137側へ球が当接(落下)した場合、振分通路E3150は、湾曲部E131側から中央通路E160側への下降傾斜に加え、球の自重により、介設部材E140側から背面板E137側へ向けて下降傾斜する。即ち、前後方向において、球が当接(落下)した側へ転動面E3151(第3通路ERt303)が下降傾斜する。
これにより、転動面E3151(第3通路ERt303)を流下する球の流下方向を変更(変化)でき、中央通路E160(第4通路ERt4)、第2斜面部E135(第5通路ERt5)もしくは介設部材E140(第6通路ERt6)(図136参照)のいずれかの通路に球を案内できる。即ち、転動面E3151(第3通路ERt303)を流下した球を中央通路E160(第4通路ERt4)へ振り分けられることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、湾曲部E131(第2通路ERt2)から送球された球が、転動面E3151(第3通路ERt303)に当接(落下)することで、球の自重により振分通路E3150は、ボールジョイントE3200を回動中心として湾曲部E131側が鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて回動する。即ち、長手方向(矢印L-R方向)における振分通路E3150の傾斜が小さくなる。これにより、転動面E3151(第3通路ERt303)を流下する球の流下速度を遅くでき、中央通路E160(第4通路ERt4)に球が案内されることを遊技者に期待させる時間を長くでき、遊技の興趣を高めることができる。
また、湾曲部E131(第2通路ERt2)は、上述したように、延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図143(c)参照)ので、湾曲部E131(第2通路ERt2)に案内された球を、延設方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、転動面E3151(第3通路ERt303)へ球を流下させることができる。よって、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、湾曲部E131(第2通路ERt2)から転動面E3151(第3通路ERt303)へ流入する場合に、湾曲部E131(第2通路ERt2)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。これにより、先行する球が転動面E3151(第3通路ERt303)を流下中に、後行する球が転動面E3151(第3通路ERt303)に案内されることで先行する球の自重と後行する球の自重とにより振分通路E3150の長手方向(矢印L-R方向)における傾斜をさらに小さくできる。その結果、中央通路E160(第4通路ERt4)に球が案内されることを遊技者に期待させる時間をさらに長くでき、遊技の興趣を高めることができる。
また、転動面E3151(第3通路ERt303)へ球を流下させることで、前後方向(矢印F-B方向)における振分通路E3150の傾斜方向を変更(変化)できる場合がある。
例えば、先行する球が、転動面E3151(第3通路ERt303)の介設部材E140(図136参照)側を流下している状態において、後行する球が、転動面E3151(第3通路ERt303)の背面板E137側に当接(落下)した場合、前後方向における転動面E3151の傾斜の下降方向を介設部材E140側から背面板E137側に変更(変化)できる場合がある。このように、転動面E3151(第3通路ERt303)を球が流下中に、前後方向における転動面E3151の傾斜方向が変更(変化)することで、球の送球先を変更でき、遊技の興趣を高めることができる。
本実施形態においては、複数(本実施形態では2個)の支持突起E2133aに、同一の弾性ばねE2190がそれぞれ配設される場合を説明したが、異なる弾性ばね、即ち、異なる弾性係数を有する弾性ばねがそれぞれ配設されてもよい。
例えば、介設部材E140側(矢印F方向側)に配設される弾性ばねの弾性係数を背面板E137側(矢印B方向側)に配設される弾性ばねの弾性係数よりも小さくすることで、振分通路E3150を介設部材E140側に下降傾斜させ易くできる(図136参照)。これにより、転動面E3151(第3通路ERt303)を流下する球が、転動面E3151と背面板E137とに当接した(挟持された)状態で転動面E3151(第3通路ERt303)を流下し、中央通路E160と背面板E137との間を流下(落下)して第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ案内されることを抑制できる。
次いで、図151から図152を参照して、第19実施形態における下側フレームE4086bについて説明する。
上記第16実施形態では、一対の振分通路E150が配設される場合を説明したが、第19実施形態では、一対の振分通路E150に加え、一対の第2振分通路E4150が配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図151(a)及び図152(a)は、第19実施形態における下側フレームE4086bの正面図であり、図151(b)及び図152(b)は、下側フレームE4086bの背面図である。なお、図151及び図152は模式的に図示され、図151(a)及び図152(a)では、正面部材E110及び誘導部材E120の図示が省略される。また、図151(b)及び図152(b)では、理解を容易とするため、振分通路E150、第2振分通路E4150及び駆動手段E4190のみが表示される。また、図151では、振分通路E150が第1位置に配置された状態が、図152では、振分通路E150が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図151から図152に示すように、下側フレームE4086bは、正面部材E110と、その正面部材E110の長手方向(矢印L-R方向)両端に配設される誘導部材E120と、正面部材E110の背面側(矢印B方向側)に配設されるベース部材E4130と、正面部材E110及びベース部材E4130の対向間に介設される介設部材E140と、ベース部材E4130に配設される振分通路E150、第2振分通路E4150、中央通路E160及び一対の流路調整ブロックE170と、ベース部材E4130の下面側(矢印D方向側)に所定の間隔を隔てて配設されるカバー部材E4180と、そのカバー部材E4180の内側に配設される駆動手段E4190と、を備える(図136参照)。
ベース部材E4130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131(図136参照)と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E4133と、その一対の第1斜面部E4133の対向間に形成される一対の第3斜面部E4139と、その一対の第3斜面部E4139の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E4130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136(図138参照)と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E4137と、を備える。
第3斜面部E4139が形成されるため、第16実施形態における第1斜面部E133に対し第1斜面部E4133は、鉛直方向上方(矢印U方向)に配設され、長手方向(矢印L-R方向)が短く形成される。
第3斜面部E4139は、鉛直方向(矢印U-D方向)において第1斜面部E4133と取付け部E134との間に配設され、第1斜面部E4133に平行に形成される。
背面板E4137は、第1斜面部E4133と同様、第16実施形態における背面板E137に対し鉛直方向上方(矢印U方向)に延設して配設される。
第2振分通路E4150は、振分通路E150に対し、傾斜方向における長さが短く形成され、その他は同一であるため、その説明は省略する。第2振分通路E4150に突起部E151が形成されることで、第2振分通路E4150に第3通路ERt3が形成される。第2振分通路E4150は、鉛直方向(矢印U-D方向)において振分通路E150(第3通路ERt3)と中央通路E160(第4通路ERt4)との間に配設される。即ち、第2振分通路E4150は、振分通路E150(第3通路ERt3)よりも鉛直方向下方(矢印D方向)であり、中央通路E160(第4通路ERt4)よりも鉛直方向上方(矢印U方向)に配設される。
駆動手段E4190は、駆動力を発生させる駆動モータE191と、駆動モータE191の上方(矢印U方向)に配設される取付け部材E192と、駆動モータE191の軸に固着される駆動力伝達部材E193と、駆動力伝達部材E193に係合される第1伝達部材E4194と、第1伝達部材E4194に係合される第2伝達部材E4195及び第3伝達部材E4198と、第2伝達部材E4195に係合される第4伝達部材E4199と、複数(本実施形態では3個)のピニオンギヤE196と、を備える。
なお、本実施形態における複数のピニオンギヤE196は全て同一であるが、理解を容易とするため、第1伝達部材E4194と第2伝達部材E4195との間に介設されるピニオンギヤE196をピニオンギヤE196a、第1伝達部材E4194と第3伝達部材E4198との間に介設されるピニオンギヤE196をピニオンギヤE196b、第2伝達部材E4195と第4伝達部材E4199との間に介設されるピニオンギヤE196をピニオンギヤE196cと符号を付して区別する。
第1伝達部材E4194は、第16実施形態における第1伝達部材E194に対し、係合ベースE4194bが鉛直方向上方(矢印U方向)に延設して形成され、第1ラック部E4194dの上面にピニオンギヤE196bと歯合するラックギヤE194d1が刻設される。
第2伝達部材E4195は、第16実施形態における第2伝達部材E195に対し、係合ベースE4194bが鉛直方向上方(矢印U方向)に延設して形成され、本体部E4195aの上面であって長手方向(矢印L-R方向)一方側(矢印L方向側)にピニオンギヤE196cと歯合するラックギヤE194d1が刻設される。
第3伝達部材E4198及び第4伝達部材E4199は、駆動モータE191の駆動力を第2振分通路E4150へ伝達するためのものである。
第3伝達部材E4198には、本体部E4198aと、その本体部E4198aの上面から突設される係合ベースE194bと、係合ベースE194bの上端から正面部材E110側(矢印F方向側)へ向けて突設される係合部E194c(図138参照)とが形成される。本体部E4198aの下面には、ピニオンギヤE196bと歯合するラックギヤE194d1が刻設され、ピニオンギヤE196bの回動により、第3伝達部材E4198が左右方向へ変位される。
第4伝達部材E4199には、本体部E4199aと、その本体部E4199aの上面から突設される係合ベースE194bと、係合ベースE194bの上端から正面部材E110側(矢印F方向側)へ向けて突設される係合部E194c(図138参照)とが形成される。本体部E4199aの下面には、ピニオンギヤE196cと歯合するラックギヤE194d1が刻設され、ピニオンギヤE196cの回動により、第4伝達部材E4199が左右方向へ変位される。
図151に示すように、振分通路E150が第1位置に配置された状態では、振分通路E150、第1伝達部材E4194及び第2伝達部材E4195は、ベース部材E4130の長手方向において中央通路E160側に位置する。即ち、第1伝達部材E4194と第2伝達部材E4195とは、互いに近づいた位置に配設され、従って、一対の振分通路E150も互いに近づいた位置に配設される。
一方、第2振分通路E4150、第3伝達部材E4198及び第4伝達部材E4199は、ベース部材E4130の長手方向において壁板E132側に位置する。即ち、第3伝達部材E4198と第4伝達部材E4199とは、互いに離間した位置に配設され、従って、一対の第2振分通路E4150も互いに離間した位置に配設される。
なお、振分通路E150が第1位置に配置された状態において、第2振分通路E4150の傾斜方向下降側の端部は、振分通路E150の傾斜方向下降側の端部よりも壁板E132側に位置する、即ち、上面視、第2振分通路E4150の全体が振分通路E150と重なる位置に配置される。従って、第2振分通路E4150は、球の通路を非形成とする位置に配置される。
これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)を流下した球は、第2振分通路E4150を移動(流下、転動)せず、架設通路E161(第4通路ERt4)へ送球(落下)される。即ち、振分通路E150(第3通路ERt3)から架設通路E161(中央通路E160、第4通路ERt4)へ球を流下(落下)させることができる。この結果、振分通路E150(第3通路ERt3)から流下(落下)した球が、架設通路E161に当接し跳ね返ることで、架設通路E161から第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ流下(落下)させ易くできる。
一方、振分通路E150(第3通路ERt3)から中央通路E160(第4通路ERt4)へ球を流下(落下)させることで、架設通路E161を流下することなく、直接、上方孔E162へ球を送球できる場合がある。これにより、球が架設通路E161を転動して上方孔E162へ向けて流下する場合と比較して、突起部E162aとの当接による第2斜面部E135(第5通路ERt5)への流下(落下)することを抑制できる(図140参照)。
このように、本実施形態では、振分通路E150(第3通路ERt3)から架設通路E161(中央通路E160、第4通路ERt4)へ球を流下(落下)させることで、第16実施形態と比較して架設通路E161(中央通路E160、第4通路ERt4)へ振り分けられた球を第1入賞口64(図135参照)へ入賞し難くできる(第1入賞口64へ入賞する確率を低くできる)。
一方、振分通路E150(第3通路ERt3)から架設通路E161を流下することなく、即ち、球が突起部E162aに当接することなく上方孔E162へ送球されることで、球が上方孔E162を通過し易くできる。これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)を流下した球が、架設通路E161を流下せず、直接、上方孔E162を通過することを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
図152に示すように、振分通路E150が第2位置に配置された状態では、振分通路E150、第1伝達部材E4194及び第2伝達部材E4195は、ベース部材E4130の長手方向において壁板E132側に位置する。即ち、第1伝達部材E4194と第2伝達部材E4195とは、振分通路E150が第1位置に配置された状態に比べ、互いに離間した位置に配設され、従って、一対の振分通路E150も互いに離間した位置に配設される。
一方、第2振分通路E4150、第3伝達部材E4198及び第4伝達部材E4199は、ベース部材E4130の長手方向において中央通路E160側に位置する。即ち、第3伝達部材E4198と第4伝達部材E4199とは、振分通路E150が第1位置に配置された状態に比べ、互いに近づいた位置に配設され、従って、一対の第2振分通路E4150も互いに近づいた位置に配設される。
なお、振分通路E150が第2位置に配置された状態において第2振分通路E4150の傾斜方向下降側の端部は、振分通路E150の傾斜方向上昇側の端部よりも上方孔E162側に位置する。即ち、上面視、第2振分通路E4150の一部は視認可能な位置に配設される。これにより、振分通路E150を流下した球を第2振分通路E4150に案内できる。その結果、第2振分通路E4150を流下した球を、架設通路E161を流下することなく、直接、上方孔E162へ送球し易くできる。
ここで、第2振分通路E4150は、振分通路E150よりも鉛直方向下方(矢印D方向)に配設されるため、球が第2振分通路E4150から架設通路E161へ流下(落下)された場合、振分通路E150から架設通路E161へ流下(落下)された場合と比較して、架設通路E161に当接することによる球の跳ね返り量を小さくできる。これにより、架設通路E161から第2斜面部E135(第5通路ERt5)への流下(落下)を抑制できる。
これらのように、振分通路E150から第2振分通路E4150へ案内されることで、架設通路E161(中央通路E160、第4通路ERt4)へ振り分けられた球を第1入賞口64(図135参照)へ入賞し易くできる(第1入賞口64へ入賞する確率を高くできる)。よって、第2振分通路E4150に球が案内される(振分通路E150が第2位置に配置された状態において振分通路E150から球が送球される)ことを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
また、振分通路E150が第2位置に配置された状態においては、第2振分通路E4150に第3通路ERt3が形成されるため、第16実施形態と比較して、第3通路ERt3を流下する球の流下時間を延長(変化)できる。
また、振分通路E150から第2振分通路E4150へ球を流下(落下)させることで、第2振分通路E4150に形成される突起部E151の上面に当接させることができる。従って、湾曲部E131から振分通路E150への流下(落下)に加え、振分通路E150から第2振分通路E4150へ球を流下(落下)させることで、突起部E151の上面を移動(流下、転動)させ易くでき、球の移動(流下、転動)方向を多様とできる。詳しく説明すると、平面状に形成される突起部E151の上面を移動(流下、転動)することで、球が第3通路ERt3を移動(流下、転動)することを抑制できるため、第3通路ERt3を移動(流下、転動)する態様と第3通路ERt3を移動(流下、転動)しない態様との両方を形成し易くできる。
次いで、駆動手段E4190による振分通路E150及び第2振分通路E4150の往復動作について説明する。
第1伝達部材E4194及び第2伝達部材E4195と振分通路E150、及び、第3伝達部材E4198及び第4伝達部材E4199と第2振分通路E4150とは、係合部E194cが被係合部E153の係合凹部E153aに挿入されることでそれぞれ係合される(図145参照)。
振分通路E150の第1位置から第2位置への変位、及び、それに伴う第2振分通路E4150の壁板E132側から中央通路E160側への変位は、駆動モータE191の駆動により、駆動力伝達部材E193の偏心軸E193aが中央通路E160側(矢印R方向側)から壁板E132側(矢印L方向側)に変位することで行われる。
駆動力伝達部材E193の偏心軸E193aが中央通路E160側から壁板E132側に変位することで、第1伝達部材E4194は中央通路E160側から壁板E132側に変位する。これにより、第1伝達部材E4194に係合される振分通路E150は、第1位置から第2位置へ変位する。
また、第1伝達部材E4194の中央通路E160側から壁板E132側への変位により、第1ラック部E4194dの下面に形成されるラックギヤE194d1と歯合するピニオンギヤE196aは、背面視時計回りに回動され、第1ラック部E4194dの上面に形成されるラックギヤE194d1と歯合するピニオンギヤE196bは、背面視反時計回りに回動される。
これにより、ピニオンギヤE196aと歯合する第2伝達部材E4195(第2ラック部E195b)は、中央通路E160側から壁板E132側に変位し、第2伝達部材E4195に係合される振分通路E150は、第1位置から第2位置へ変位する。また、ピニオンギヤE196bと歯合する第3伝達部材E4198(本体部E4198a)は、壁板E132側から中央通路E160側に変位し、第3伝達部材E4198に係合される第2振分通路E4150は、壁板E132側から中央通路E160側に変位する。
また、第2伝達部材E4195の中央通路E160側から壁板E132側への変位により、第2伝達部材E4195の本体部E4195aの上面に形成されるラックギヤE194d1と歯合するピニオンギヤE196cは、背面視時計回りに回動される。
これにより、ピニオンギヤE196cと歯合する第4伝達部材E4199の本体部E4199aは、壁板E132側から中央通路E160側に変位し、第4伝達部材E4199に係合される第2振分通路E4150は、壁板E132側から中央通路E160側に変位する。
振分通路E150の第2位置から第1位置への変位、及び、それに伴う第2振分通路E4150の中央通路E160側から壁板E132側への変位は、振分通路E150の第1位置から第2位置への変位、及び、それに伴う第2振分通路E4150の壁板E132側から中央通路E160側への変位と同様、駆動モータE191の駆動により行われる。
ここで、振分通路E150、第2振分通路E4150、第1伝達部材E4194から第4伝達部材E4199の変位方向およびピニオンギヤE196a,E196b,E196cの回動方向以外は振分通路E150の第1位置から第2位置への変位、及び、それに伴う第2振分通路E4150の壁板E132側から中央通路E160側への変位と同様であるため、その説明は省略する。
このように、本実施形態では、一つの駆動モータE191により、一対の振分通路E150及び一対の第2振分通路E4150を往復動できるため、駆動モータE191の配設個数を削減し、製品コストの削減を図ることができる。
また、第1伝達部材E4194の変位により第2伝達部材E4195から第4伝達部材E4199を変位させることができる、即ち、第1伝達部材E4194から第4伝達部材E4199の変位を連動させることができる。これにより、一対の振分通路E150と一対の第2振分通路E4150との変位を連動させることができる。その結果、一対の振分通路E150及び一対の第2振分通路E4150の往復動を制御するためのセンサを不要とでき、製品コストの削減を図ることができる。
次いで、図153から図156を参照して、第20実施形態における下側フレームE5086bについて説明する。
上記第16実施形態では、一対の振分通路E150が配設される場合を説明したが、第20実施形態では、振分通路E150に加え、一対の振分通路E150の対向間に第3振分通路E5150が配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図153(a)及び図155(a)は、第20実施形態における下側フレームE5086bの正面図であり、図153(b)及び図155(b)は、下側フレームE5086bの背面図である。図154及び図156は、下側フレームE5086bの上面図である。なお、図153から図156は模式的に図示され、図153(a)及び図155(a)では、正面部材E110及び誘導部材E120の図示が省略され、図154(a)及び図156(a)では、誘導部材E120の図示が省略される。また、理解を容易とするため、図153(b)及び図155(b)では、振分通路E150、第3振分通路E5150及び駆動手段E5190のみが表示される。また、図154(b)及び図156(b)では、第3振分通路E5150及び駆動手段E5190のみが図示されると共に、第3振分通路E5150は、その外形のみが図示される。また、図153及び図154では、振分通路E150が第1位置に配置された状態が、図155及び図156では、振分通路E150が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図153から図156に示すように、下側フレームE5086bは、正面部材E110と、その正面部材E110の長手方向(矢印L-R方向)両端に配設される誘導部材E120(図136参照)と、正面部材E110の背面側(矢印B方向側)に配設されるベース部材E5130と、正面部材E110及びベース部材E5130の対向間に介設される介設部材E140と、ベース部材E5130に配設される振分通路E150、第3振分通路E5150、中央通路E160及び一対の流路調整ブロックE170と、ベース部材E5130の下面側(矢印D方向側)に所定の間隔を隔てて配設されるカバー部材E5180と、そのカバー部材E5180の内側に配設される駆動手段E5190と、を備える。
ベース部材E5130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E5133と、その一対の第1斜面部E5133の対向間に形成される一対の第3取付け部E5139と、その一対の第3取付け部E5139の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E5130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136(図138参照)と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E5137と、を備える。
第3取付け部E5139が形成されるため、第16実施形態における第1斜面部E133に対し第1斜面部E5133は、鉛直方向上方(矢印U方向)に配設され、長手方向(矢印L-R方向)が短く形成される。
第3取付け部E5139は、第3振分通路E5150を変位可能に係合するためのものであり、鉛直方向(矢印U-D方向)において第1斜面部E5133と取付け部E134との間に配設され、その上面は水平に形成される。
長手方向他側(矢印R方向側)における第3取付け部E5139の上面には、後述する第3振分通路E5150の被ガイド部E5152がスライド可能に挿通される第3ガイド部E5139aが形成される。
第3ガイド部E5139aは、上面視縦長略矩形の板状体と、その板状体の延設方向(矢印F-B方向)両端から第3取付け部E5139へ向けて突設される一対の板状体とから形成され、側面視コ字状に形成される。この第3ガイド部E5139aと第3取付け部E5139とで囲まれた空間に被ガイド部E5152がスライド可能に挿通される。
背面板E5137は、第1斜面部E5133と同様、第16実施形態における背面板E137に対し鉛直方向上方(矢印U方向)に延設して配設される。
第3振分通路E5150は、その上面を球が流下するためのものであり、上面視横長略矩形の板状体から形成され、その上面に形成される突起部E151と、長手方向他側(矢印R方向側)に形成される被ガイド部E5152と、長手方向一側(矢印L方向側)に形成される被係合部E5153とを備える。
第3振分通路E5150に突起部E151が形成されるため、第3振分通路E5150に第3通路ERt3が形成される。また、第3振分通路E5150の上面への突起部E151の配設の態様は、振分通路E150の配設の態様と同様とされる。
被ガイド部E5152は、上面視横長略矩形の板状体から形成され、上述したように、被ガイド部E5152が第3ガイド部E5139aと第3取付け部E5139とで囲まれた空間に挿通されることで、第3振分通路E5150は、前後方向(矢印F-B方向)へ変位できる。
被係合部E5153は、駆動モータE191の駆動力を第3振分通路E5150へ伝達するためのものであり、第3振分通路E5150の長手方向一側(矢印L方向側)の端面から下方(矢印D方向)に突設される。被係合部E5153の下端であって長手方向他側(矢印R方向側)における側面にはラックギヤE194d1が刻設される。
第3振分通路E5150の長手方向(矢印L-R方向)の寸法は、第2位置に配設された一対の振分通路E150の対向間よりも大きく形成される。従って、振分通路E150から流下(落下)した球が、第3振分通路E5150の長手方向両端に配設される被ガイド部E5152又は被係合部E5153に当接することを抑制できる。これにより、被ガイド部E5152又は被係合部E5153が破損することを抑制できる。
被ガイド部E5152が第3ガイド部E5139aに挿通され、被係合部E5153に刻設されるラックギヤE194d1と後述する第2ピニオンギヤE5196とが歯合した状態で第3振分通路E5150は第3取付け部E5139(ベース部材E5130)に配設される。
駆動手段E5190は、駆動力を発生させる駆動モータE191と、駆動モータE191の上方(矢印U方向)に配設される取付け部材E192と、駆動モータE191の軸に固着される駆動力伝達部材E193と、駆動力伝達部材E193に係合される第1伝達部材E5194と、第1伝達部材E4194に係合される第2伝達部材E5195と、ピニオンギヤE196と、第2ピニオンギヤE5196と、を備える。
第1伝達部材E5194は、第16実施形態における第1伝達部材E194に対し、係合ベースE5194bが鉛直方向上方(矢印U方向)に延設して形成され、第1ラック部E5194dの正面(矢印F方向側の面)に第2ピニオンギヤE5196と歯合するラックギヤE194d1が刻設される。
第2伝達部材E4195は、第16実施形態における第2伝達部材E195に対し、係合ベースE5194bが鉛直方向上方(矢印U方向)に延設して形成される。
第2ピニオンギヤE5196は、その軸方向が鉛直方向(矢印U-D方向)に沿う姿勢で配設され、ピニオンギヤE196に対し、軸方向における寸法(厚さ)が大きく形成される点で相違し、その他の構成は同一である。なお、第2ピニオンギヤE5196の軸方向における寸法(厚さ)は、第1伝達部材E5194の第1ラック部E5194dの鉛直方向における寸法と第3振分通路E5150の被係合部E5153の下端に形成されるラックギヤE194d1の鉛直方向における寸法との合計よりも大きく形成される。これにより、第2ピニオンギヤE5196は、鉛直方向に位置を違えて第1ラック部E5194dと被係合部E5153とに歯合可能に形成される。
図153及び図154に示すように、振分通路E150が第1位置に配置された状態では、振分通路E150、第1伝達部材E5194及び第2伝達部材E5195は、ベース部材E5130の長手方向において中央通路E160側に位置する。即ち、第1伝達部材E5194と第2伝達部材E5195とは、互いに近づいた位置に配設され、従って、一対の振分通路E150も互いに近づいた位置に配設される。
第3振分通路E5150は、前後方向(矢印F-B方向)において中央通路E160と背面板E5137との間に配設される(以下「第3位置」と称す)。これにより、第3振分通路E5150(第3通路ERt3)に案内されることで、振分通路E150(第3通路ERt3)から中央通路E160と背面板E5137との間に流下(落下)される球が第5通路ERt5に送球されることを抑制できる。その結果、第3振分通路E5150(第3通路ERt3)に案内された球が中央通路E160(第4通路ERt4)に振り分けられることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。また、第3振分通路E5150に第3通路ERt3が形成されるため、第16実施形態と比較して、第3通路ERt3を流下する球の流下時間を延長(変化)できる。
また、前後方向において第3振分通路E5150と背面板E5137との対向間距離は、球の半径よりも小さく形成される。これにより、第3振分通路E5150と背面板E5137とで球が挟持されることを抑制でき、第3振分通路E5150(第3通路ERt3)上を球が流下できる。
図155及び図156に示すように、振分通路E150が第2位置に配置された状態では、振分通路E150、第1伝達部材E5194及び第2伝達部材E5195は、ベース部材E5130の長手方向において湾曲部E131側に位置する。即ち、第1伝達部材E5194と第2伝達部材E5195とは、第1位置に配置された状態に比べ、互いに離間した位置に配設され、従って、一対の振分通路E150も互いに離間した位置に配設される。
第3振分通路E5150は、少なくともその一部が上面視、中央通路E160に重なる位置、即ち、中央通路E160の上方(矢印U方向)に配設される(以下「第4位置」と称す)。これにより、振分通路E150から第3振分通路E5150に案内することで、中央通路E160(第4通路ERt4)に球が案内されることを抑制できる。なお、第3振分通路E5150に案内された球は、第3振分通路E5150の前端もしくは後端を横切って第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ送球される。
また、第3振分通路E5150は、前後方向における背面板E5137との対向間距離が球の直径よりも大きく形成される位置に配設される。これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)から第3振分通路E5150と背面板E5137との間に流下される球を、第3振分通路E5150に当接することなく、第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ案内できる。
このように、本実施形態においては、第16実施形態と比較して、振分通路E150が第1位置に配設され、第3振分通路E5150が第3位置に配置された状態では、振分通路E150から送球された球を中央通路E160(第4通路ERt4)へ案内し易くできる。一方、振分通路E150が第2位置に配設され、第3振分通路E5150が第4位置に配置された状態では、振分通路E150から送球された球を中央通路E160(第4通路ERt4)へ案内し難くできる。即ち、第3振分通路E5150(振分通路E150)の配設位置により、中央通路E160(第4通路ERt4)への送球の難易度を変化でき、遊技の興趣を高めることができる。
また、第3振分通路E5150は、一対の振分通路E150の対向間に配設されるため、第3振分通路E5150(第3通路ERt3)を流下した球を中央通路E135b(第7通路ERt7)に案内できる場合がある。即ち、第3通路ERt3を流下する球を、中央通路E160(第4通路ERt4)、第2斜面部E135(第5通路ERt5)もしくは介設部材E140(第6通路ERt6)に加え、中央通路E135b(第7通路ERt7)にも送球できることで、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、駆動手段E5190による振分通路E150及び第3振分通路E5150の往復動作について説明する。
振分通路E150と第1伝達部材E5194及び第2伝達部材E5195とは、被係合部E153の係合凹部E153aに係合部E194cが挿入されることでそれぞれ係合される(図145参照)。
振分通路E150の第1位置から第2位置への変位、及び、それに伴う第3振分通路E5150の第3位置から第4位置への変位は、駆動モータE191の駆動により、駆動力伝達部材E193の偏心軸E193aが中央通路E160側(矢印R方向側)から湾曲部E131側(矢印L方向側)に変位することで行われる。
駆動力伝達部材E193の偏心軸E193aが中央通路E160側から湾曲部E131側に変位することで、第1伝達部材E5194は中央通路E160側から湾曲部E131側に変位する。これにより、第1伝達部材E5194に係合される振分通路E150は、第1位置から第2位置へ変位する。
また、第1伝達部材E5194の中央通路E160側から湾曲部E131側への変位により、第1ラック部E5194dのラックギヤE194d1と歯合するピニオンギヤE196は、背面視時計回りに回動される。
これにより、ピニオンギヤE196と歯合する第2伝達部材E5195の第2ラック部E195bは、中央通路E160側から湾曲部E131側に変位し、第2伝達部材E5195に係合される振分通路E150は、第1位置から第2位置へ変位する。
また、第1伝達部材E5194の中央通路E160側から湾曲部E131側への変位により、第1ラック部E5194dの正面(矢印F方向側の面)に形成されるラックギヤE194d1と歯合する第2ピニオンギヤE5196は、上面視反時計回りに回動される。
これにより、第2ピニオンギヤE5196と歯合する第3振分通路E5150の被係合部E5153は、背面板E5137側(矢印B方向側)から介設部材E140側(矢印F方向側)へ変位し、これにより、第3振分通路E5150は、第3位置から第4位置へ変位する。
振分通路E150の第2位置から第1位置への変位、及び、それに伴う第3振分通路E5150の第4位置から第3位置への変位は、振分通路E150の第1位置から第2位置への変位、及び、それに伴う第3振分通路E5150の第3位置から第4位置への変位と同様、駆動モータE191の駆動により行われる。
なお、振分通路E150、第3振分通路E5150、第1伝達部材E5194及び第2伝達部材E5195の変位方向、ピニオンギヤE196及び第2ピニオンギヤE5196の回動方向以外は振分通路E150の第1位置から第2位置への変位、及び、それに伴う第3振分通路E5150の第3位置から第4位置への変位と同様であるため、その説明は省略する。
このように、本実施形態では、一つの駆動モータE191により、一対の振分通路E150及び第3振分通路E5150を往復動できるため、駆動モータE191の配設個数を削減し、製品コストの削減を図ることができる。
また、第1伝達部材E5194の変位により第2伝達部材E5195及び第3振分通路E5150を変位させることができる、即ち、第1伝達部材E5194、第2伝達部材E5195及び第3振分通路E5150の変位を連動させることがでる。これにより、一対の振分通路E150と第3振分通路E5150との変位を連動させることができる。その結果、一対の振分通路E150及び第3振分通路E5150の往復動を制御するためのセンサを不要とでき、製品コストの削減を図ることができる。
また、第2ピニオンギヤE5196には、鉛直方向に位置を違えて被係合部E5153と第1ラック部E5194dとが歯合される(本実施形態においては、鉛直方向上方(矢印U方向)に被係合部E5153が歯合され、鉛直方向下方(矢印D方向)に第1ラック部E5194dが歯合される)。これにより、第1伝達部材E5194と第3振分通路E5150との変位の方向を直交できる、即ち、第1伝達部材E5194がベース部材E5130の長手方向(矢印L-R方向)に変位すると共に、第3振分通路E5150をベース部材E5130の短手方向(矢印F-B方向)に変位できる。これにより、ピニオンギヤの配設個数を抑制でき、製品コストの削減を図ることができる。
次いで、図157(a)を参照して、第21実施形態における下側フレームE6086bについて説明する。
上記第16実施形態では、一対の振分通路E150がベース部材E130の第1斜面部E133に沿って(平行に)変位(往復動)される場合を説明したが、第21実施形態では、第1斜面部E6133に対する振分通路E6150の配設角度が変化(変更)される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図157(a)は、第21実施形態における下側フレームE6086bの部分拡大断面図である。なお、図157(a)は、図146のCXLVIIa-CXLVIIa線における断面に対応する。また、下側フレームE6086bは、遊技盤E13の幅方向(図135左右方向)における中心に対し線(面)対称(図135左右対称)に形成されるため、一方側(矢印L方向側)のみを図示する。
第21実施形態における下側フレームE6086bは、第16実施形態おける下側フレームE86bに対し、ベース部材E130及び振分通路E150が異なる以外は同一の構成により形成されるため、ベース部材E6130及び振分通路E6150についてのみ説明する。
図157(a)に示すように、ベース部材E6130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E6133と、その一対の第1斜面部E6133の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E6130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E6137と、を備える(図138参照)。
第1斜面部E6133は、上面視横長略矩形の板状体であり、湾曲部E131側の端部が湾曲部E131の下面から鉛直方向下方(矢印D方向)に所定の間隔を隔てた位置に配設される。また、第1斜面部E6133は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜して形成される。第1斜面部E6133には、挿通孔E133aと、規制部E133b(図145(b)、図146(b)参照)と、溝部E133cと、突出部E6133dとが形成される。
突出部E6133dは、長手方向(矢印L-R方向)におけるベース部材E6130の湾曲部E131側において第1斜面部E6133の上面から突出して形成される。
第1斜面部E6133には、振分通路E6150を変位させるための複数(本実施形態では4個)の円柱体E6201と、カバーE6202とが配設される。
円柱体E6201は、第16実施形態における円柱体E201に対し外形が大きく形成される以外は同形状に形成される。これにより、第16実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E6150の配設位置は、上方(矢印U方向)に配設される。
カバーE6202は、円柱体E6201の外形が大きく形成された分、円柱体E6201に対応する位置に円柱体E6201の外形よりもやや大きな孔が穿設される。
長手方向(矢印L-R方向)における中央通路E160側に配設される一対の円柱体E6201は、第1斜面部E6133に配設されるのに対し、長手方向(矢印L-R方向)における湾曲部E131側に配設される一対の円柱体E6201は、突出部E6133dに配設される。これにより、第1斜面部E6133の傾斜角度に対し振分通路E6150の傾斜角度を異ならせる、詳細には、大きくすることができる。その結果、第1斜面部E6133に対し振分通路E6150の変位(往復動)を非平行とできる。
背面板E6137は、第16実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E6150の配設位置が上方(矢印U方向)に配設されるため、第16実施形態における背面板E137に対し上方(矢印U方向)に延設して形成される。
振分通路E6150は、上面に突設される複数の突起部E151と、振分通路E6150の下面から立設される一対の被ガイド部E6152と、その一対の被ガイド部E6152の間に立設される被係合部E6153と、を備える。
上述したように、第16実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E6150の配設位置が、上方(矢印U方向)に配設されるため、第16実施形態における被ガイド部E152及び被係合部E153に対し被ガイド部E6152及び被係合部E6153は下方(矢印D方向)に延設して形成される。被係合部E6153が下方に延設して形成されることにより、係合凹部E6153aも被係合部E6153と同様、下方に延設して形成される。
これにより、被ガイド部E6152が第1斜面部E7133の溝部E133cから抜け出ることを抑制し、振分通路E6150のベース部材E6130に対する前後方向への変位が規制される。また、係合凹部E153aと第1伝達部材E194の係合部E194cとが当接することを抑制できる。
次いで、図157(b)及び図157(c)を参照して、第22実施形態および第23実施形態における下側フレームE7086b,E8086bについて説明する。
上記第16実施形態では、一対の振分通路E150がベース部材E130の第1斜面部E133に沿って(平行に)変位(往復動)される場合を説明したが、第22実施形態および第23実施形態では、振分通路E7150,E8150の変位に伴い、振分通路E7150,E8150の配設角度が変化(変更)する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図157(b)は、第22実施形態における下側フレームE7086bの部分拡大断面図であり、図157(c)は、第23実施形態における下側フレームE8086bの部分拡大断面図である。なお、図157(b)及び図157(c)は、図146のCXLVIIa-CXLVIIa線における断面に対応する。また、下側フレームE7086b,E8086bは、遊技盤E13の幅方向(図135左右方向)における中心に対し線(面)対称(図135左右対称)に形成されるため、一方側(矢印L方向側)のみを図示する。
第22実施形態および第23実施形態における下側フレームE7086b,E8086bは、第16実施形態おける下側フレームE86bに対し、ベース部材E130及び振分通路E150が異なる以外は同一の構成により形成されるため、ベース部材E7130,E8130及び振分通路E7150,E8150についてのみ説明する。
図157(b)に示すように、第22実施形態におけるベース部材E7130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E7133と、その一対の第1斜面部E7133の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E7130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E7137と、を備える(図138参照)。
第1斜面部E7133は、上面視横長略矩形の板状体であり、湾曲部E131側の端部が湾曲部E131の下面から鉛直方向下方(矢印D方向)に所定の間隔を隔てた位置に配設される。また、第1斜面部E7133は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜して形成される。第1斜面部E7133には、挿通孔E133aと、規制部E133b(図145(b)、図146(b)参照)と、溝部E133cとが形成される。
第1斜面部E7133には、振分通路E150を変位させるための複数(本実施形態では2個)の円柱体E7201a及び複数(本実施形態では2個)の円柱体E7201bと、カバーE7202とが配設される。
円柱体E7201aは、長手方向(矢印L-R方向)において同一位置に配設され、第1斜面部E7133の中央通路E160側に配設される。なお、円柱体E7201aは、第16実施形態における円柱体E201に対し外形が大きく形成される以外は同形状に形成される。これにより、第16実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E6150の配設位置は、上方(矢印U方向)に配設される。
円柱体E7201bは、長手方向(矢印L-R方向)において同一位置に配設され、第1斜面部E7133の湾曲部E131側に配設される。なお、円柱体E7201bの外形は、円柱体E7201aの外形よりも大きく形成される。これにより、第16実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E7150の配設位置は、上方(矢印U方向)に配設される。また、第1斜面部E7133の傾斜角度に対し振分通路E7150の傾斜角度を異ならせる、詳細には、大きくすることができる。その結果、第1斜面部E7133に対し振分通路E7150の変位(往復動)を非平行とできる。
カバーE7202は、円柱体E7201a,7201bの外形が大きく形成された分、円柱体E7201a,7201bに対応する位置に円柱体E7201a,7201bの外形よりもやや大きな孔が穿設される。
背面板E7137は、第16実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E7150の配設位置が上方(矢印U方向)に配設されるため、第16実施形態における背面板E137に対し上方(矢印U方向)に延設して形成される。
振分通路E7150は、上面に突設される複数の突起部E151と、振分通路E7150の下面から立設される一対の被ガイド部E7152と、その一対の被ガイド部E7152の間に立設される被係合部E7153と、湾曲部E131側における振分通路E7150の下面に形成される斜面部E7154と、を備える。
上述したように、第16実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E7150の配設位置が上方(矢印U方向)に配設されるため、第16実施形態における被ガイド部E152及び被係合部E153に対し被ガイド部E7152及び被係合部E7153は下方(矢印D方向)に延設して形成される。被係合部E7153が下方に延設して形成されることにより、係合凹部E7153aも被係合部E7153と同様、下方に延設して形成される。
これにより、被ガイド部E7152が第1斜面部E7133の溝部E133cから抜け出ることを抑制し、振分通路E7150のベース部材E7130に対する前後方向への変位が規制される。また、係合凹部E7153aと第1伝達部材E194の係合部E194cとが当接することを抑制できる。
斜面部E7154は、湾曲部E131側から中央通路E160側に向かうにつれて下降傾斜して形成され、その斜面部E7154に円柱体7201bが当接する。従って、振分通路E7150は、第1位置から第2位置へ向かうにつれてその傾斜角度を大きくされる。即ち、振分通路E7150の上面を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向を変化(変更)できる。これにより、球の移動(流下、転動)方向を変化(変更)を多様化でき、球の移動(流下、転動)方向が単調となることを抑制できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
図157(c)に示すように、第23実施形態におけるベース部材E8130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E8133と、その一対の第1斜面部E8133の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E8130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E8137と、を備える(図138参照)。
第1斜面部E8133は、上面視横長略矩形の板状体であり、湾曲部E131側の端部が湾曲部E131の下面から鉛直方向下方(矢印D方向)に所定の間隔を隔てた位置に配設される。また、第1斜面部E8133は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜して形成される。第1斜面部E8133には、挿通孔E133aと、規制部E133b(図145(b)、図146(b)参照)と、溝部E133cと、湾曲ガイド部E8133dとが形成される。
第1斜面部E8133には、振分通路E8150を変位させるための複数(本実施形態では2個)の円柱体7201aと、カバーE8202とが配設される。
カバーE8202は、円柱体E7201aの外形が大きく形成された分、円柱体E7201aに対応する位置に円柱体E7201aの外形よりもやや大きな孔が穿設される。
湾曲ガイド部E8133dは、振分通路E8150の傾斜角度を変化(変更)させるための部位であり、第1斜面部E8133の湾曲部E131側において湾曲ガイド部E8133dの上面から突出して形成され、その上面は下方(矢印D方向)へ向けて凹となる円弧状に湾曲して形成される。
湾曲ガイド部E8133dの円弧状の湾曲面には、振分通路E8150の湾曲部E131側の端部が当接され、円柱体E7201aと共に振分通路E8150を支持(保持)する。振分通路E8150が第1位置から第2位置へ向かうにつれて変位することにより、湾曲部E131側の端部は、湾曲ガイド部E8133dの湾曲面に沿って上方側(矢印U方向側)に変位する。これにより、振分通路E8150の傾斜角度を大きくできる。即ち、振分通路E8150の上面を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向を変化(変更)できる。これにより、球の移動(流下、転動)方向の変化(変更)を多様化でき、球の移動(流下、転動)方向が単調となることを抑制できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
背面板E8137は、第16実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E8150の配設位置が上方(矢印U方向)に配設されるため、第16実施形態における背面板E137に対し上方(矢印U方向)に延設して形成される。
振分通路E8150は、上面に突設される複数の突起部E151と、振分通路E8150の下面から立設される一対の被ガイド部E8152と、その一対の被ガイド部E8152の間に立設される被係合部E8153と、を備える。
上述したように、第16実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E8150の配設位置が上方(矢印U方向)に配設されるため、第16実施形態における被ガイド部E152及び被係合部E153に対し被ガイド部E8152及び被係合部E8153は下方(矢印D方向)に延設して形成される。被係合部E8153が下方に延設して形成されることにより、係合凹部E8153aも被係合部E8153と同様、下方に延設して形成される。
これにより、被ガイド部E8152が第1斜面部E8133の溝部E133cから抜け出ることを抑制し、振分通路E8150のベース部材E8130に対する前後方向への変位が規制される。また、係合凹部E8153aと第1伝達部材E194の係合部E194cとが当接することを抑制できる。
次いで、図158を参照して、第24実施形態および第25実施形態における下側フレームE9086b,E10086bについて説明する。
上記第16実施形態では、一対の振分通路E150がベース部材E130の長手方向(矢印L-R方向)に沿って(平行に)変位(往復動)される場合を説明したが、第24実施形態および第25実施形態では、振分通路E150がベース部材E9130,E10130の長手方向(矢印L-R方向)に非平行に変位(往復動)される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図158(a)は、第24実施形態における下側フレームE9086bの部分上面図であり、図158(b)は、第25実施形態における下側フレームE10086bの部分上面図である。なお、図158では理解を容易とするため、振分通路E150の図示が省略される。また、下側フレームE9086b,E10086bは、遊技盤E13の幅方向(図135左右方向)における中心に対し線(面)対称(図135左右対称)に形成されるため、一方側(矢印L方向側)のみを図示する。
第24実施形態および第25実施形態における下側フレームE9086b,E10086bは、第16実施形態おける下側フレームE86bに対し、ベース部材E130が異なる以外は同一の構成により形成されるため、ベース部材E9130,E10130についてのみ説明する。
図158(a)に示すように、第24実施形態におけるベース部材E9130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E9133と、その一対の第1斜面部E9133の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E9130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E137と、を備える(図138参照)。
第1斜面部E9133は、上面視横長略矩形の板状体であり、湾曲部E131側の端部が湾曲部E131の下面から鉛直方向下方(矢印D方向)に所定の間隔を隔てた位置に配設される。また、第1斜面部E9133は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜して形成される。第1斜面部E9133には、挿通孔E9133aと、規制部E133b(図145(b)、図146(b)参照)と、溝部E9133cとが形成される。
第1斜面部E9133には、振分通路E150を変位させるための複数(本実施形態では4個)の円柱体E201と、カバーE9202とが配設される。
円柱体E201は、溝部E9133cに沿って(平行に)配設され、カバーE9202は、円柱体E201に対応する位置に円柱体E201の外形よりもやや大きな孔が穿設され、挿通孔E9133aに対応する位置に挿通孔E9133aの外形と略同等またはやや大きな孔が穿設される。
溝部E9133cは、挿通孔E9133aを挟んで左右方向(矢印L-R方向)両側に一対形成される。
挿通孔E9133a及び一対の溝部E9133cは、ベース部材E9130の長手方向(矢印L-R方向)に非平行に延設される。詳細には、湾曲部E131側から中央通路E160側に向かうにつれて前方(矢印F方向)に傾斜して延設される。従って、振分通路E150(図140参照)は、溝部E9133cの延設方向に沿って(平行に)変位される。
即ち、振分通路E150が第1位置から第2位置へ変位する場合、振分通路E150は中央通路E160側から湾曲部E131側へ変位すると共に、後方側(矢印B方向側)へ変位される。これにより、振分通路E150の上面を移動(流下、転動)する球の前方側(矢印F方向側)に振分通路E150の突起部E151(図140参照)を当接させ易くでき、球の移動(流下、転動)方向を後方側(矢印B方向側)へ変化(変更)させ易くできる。その結果、球が介設部材E140(第6通路ERt6)へ送球し難くできる。
一方、振分通路E150が第2位置から第1位置へ変位する場合、振分通路E150は湾曲部E131側から中央通路E160へ変位すると共に、前方側(矢印F方向側)へ変位される。これにより、振分通路E150の上面を移動(流下、転動)する球の後方側(矢印B方向側)に振分通路E150の突起部E151を当接させ易くでき、球の移動(流下、転動)方向を前方側(矢印F方向側)へ変化(変更)させ易くできる。その結果、球が介設部材E140(第6通路ERt6)へ送球し易くできる。
なお、係合凹部E153a(図145(a)参照)に第1伝達部材E194の係合部E194cが挿入されて係合されるため、第1伝達部材E194の左右方向(矢印L-R方向)の変位(往復動)に対し振分通路E150が非平行、即ち、前後方向(矢印F-B方向)に変位(往復動)する場合においても係合凹部E153aと係合部E194cとの係合を維持できる。
このように、振分通路E150が第1位置から第2位置へ変位する場合と第2位置から第1位置へ変位する場合とで、球の移動(流下、転動)し易い方向を変化(変更)できるため、球の移動(流下、転動)方向の変化(変更)を多様とできる。
図158(b)に示すように、第25実施形態におけるベース部材E10130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E10133と、その一対の第1斜面部E10133の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E10130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E137と、を備える(図138参照)。
第1斜面部E10133は、上面視横長略矩形の板状体であり、湾曲部E131側の端部が湾曲部E131の下面から鉛直方向下方(矢印D方向)に所定の間隔を隔てた位置に配設される。また、第1斜面部E10133は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜して形成される。第1斜面部E10133には、挿通孔E10133aと、規制部E133b(図145(b)、図146(b)参照)と、溝部E10133cとが形成される。
第1斜面部E10133には、振分通路E150を変位させるための複数(本実施形態では4個)の円柱体E201と、カバーE10202とが配設される。
カバーE10202は、円柱体E201に対応する位置に円柱体E201の外形よりもやや大きな孔が穿設され、挿通孔E10133aに対応する位置に挿通孔E10133aの外形と略同等またはやや大きな孔が穿設される。
挿通孔E10133aは、第16実施形態における挿通孔E133aに対し前後方向の幅(開口部)が大きく形成される。これにより、振分通路E150(図140参照)が長手方向(矢印L-R方向)に変位(往復動)すると共に前後方向(矢印F-B方向)に変位(往復動)する場合においても、挿通孔E10133aと被係合部E153(図145(a)参照)とが当接することを抑制できる。
溝部E10133cは、第1斜面部E10133に垂直な方向視において曲線が組み合わされた形状に形成される。また、溝部E10133cは、挿通孔E10133aを挟んで左右方向(矢印L-R方向)両側に一対形成される。これにより、振分通路E150が第1位置から第2位置および第2位置から第1位置へ変位する場合において、振分通路E150を長手方向(矢印L-R方向)に変位させると共に前後方向(矢印F-B方向)に変位させることができる。その結果、振分通路E150が第1位置から第2位置および第2位置から第1位置へ変位する過程において振分通路E150を前方側(矢印F方向側)へ変位させる態様と後方側(矢印B方向側))へ変位させる態様と作り出すことができ、球の移動(流下、転動)し易い方向の変化(変更)の回数を多くできる。
なお、係合凹部E153a(図145(a)参照)に第1伝達部材E194の係合部E194cが挿入されて係合されるため、第1伝達部材E194の左右方向(矢印L-R方向)の変位(往復動)に対し振分通路E150が非平行、即ち、前後方向(矢印F-B方向)に変位(往復動)する場合においても係合凹部E153aと係合部E194cとの係合を維持できる。
次いで、図159(a)及び図148を参照して、第26実施形態における振分通路E11150について説明する。
上記第17実施形態では、平面部E2133に対し前後方向(矢印F-B方向)を回動軸として振分通路E2150が回動される場合を説明したが、第26実施形態では、平面部E2133に対し上下方向(矢印U-D方向)を回動軸として振分通路E11150が回動される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図159(a)は、第26実施形態における振分通路E11150の正面斜視図である。振分通路E11150は、第17実施形態における振分通路E2150の支持部E2150bの配設個数および配設位置が異なる以外は振分通路E2150と同一に形成されるため、振分通路E11150の支持部E11150b以外の説明は省略する。
図159(a)に示すように、振分通路E11150の支持部E11150bは、振分通路E11150の中央通路E160側における下面から中央通路E160側に向けて突出して形成される。支持部E11150bは、振分通路E11150の前後方向(矢印F-B方向)における略中央に配設される。
支持部E11150bには、支持部E2150bに穿設される挿通孔と略同等の挿通孔、即ち、支持軸E20jの外形よりもやや大きな挿通孔が支持部E11150bの上面に垂直な方向に穿設される。
これにより、第26実施形態における下側フレームE11086bでは、平面部E2133に対し上下方向(矢印U-D方向)を回動軸として振分通路E11150を回動できる。詳細には、支持部E11150bに穿設された挿通孔の軸心を回動軸として振分通路E11150の湾曲部E131側を前後方向(矢印F-B方向)に変位させることができる。これにより、振分通路E11150の転動面E2151を移動(流下、転動)する球に前後方向への速度成分を付与でき、球の移動(流下、転動)を多様化できる。その結果、球の移動(流下、転動)方向の変化が単調となることを抑制でき、遊技の興趣を向上できる。
次いで、図159(b)から図159(e)を参照して、第27実施形態から第30実施形態における振分通路E12150,E13150,E14150,E15150について説明する。なお、第27実施形態から第30実施形態においては適宜、図136を参照して説明する。
上記第16実施形態では、突起部E151が振分通路E150に垂直な方向視において略六角形状に形成される場合を説明したが、第27実施形態から第30実施形態における振分通路E12150,E13150,E14150,E15150の突起部E12151,E13151,E14151,E15151は、その形状が様々な態様に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図159(b)は、第27実施形態における振分通路E12150の振分通路E12150に垂直な方向視の図であり、図159(c)は、第28実施形態における振分通路E13150の振分通路E13150に垂直な方向視の図であり、図159(d)は、第29実施形態における振分通路E12150の部分拡大断面図であり、図159(e)は、第30実施形態における振分通路E13150の部分拡大断面図である。なお、図159(d)及び図159(e)は、図146のCXLVIIa-CXLVIIa線における断面に対応する。また、突起部E12151,E13151,E14151,E15151は、振分通路E12150,E13150,E14150,E15150の上面に規則的に配設されるため、その一部のみを図示する。
図159(b)に示すように、第27実施形態における振分通路E12150の突起部E12151は、振分通路E12150の上面から球状に突出して形成される。これにより、振分通路E12150の上面を移動(流下、転動)する球を突起部E12151の外面に沿わせて移動(流下、転動)させることができ、球が傾斜方向上昇側へ変位(逆流、転動)することを抑制できる。その結果、球の移動(流下、転動)方向が変化される態様を遊技者に視認させやすくでき、遊技の興趣を向上できる。
なお、突起部E12151どうしの対向間距離は、球の直径よりも大きく形成される。これにより、球は、振分通路E12150に留まることを抑制でき、振分通路E12150の湾曲部E131側の端部から中央通路E160側の端部へ向けて振分通路E12150の傾斜方向に沿って(平行に)移動(流下、転動)できる。その結果、球が振分通路E12150に留まることを抑制するために、振分通路E12150を複雑な軌跡で変位させることや、大きな変位量や変位速度で変位させることを抑制でき、駆動手段E190を簡素化できる。
図159(c)に示すように、第28実施形態における振分通路E13150の突起部E13151は、振分通路E13150の上面から突出され、振分通路E13150に垂直な方向視において略ひし形(四角形)状に形成される。また、突起部E13151は、第16実施形態における突起部E151と同様、四角錐の頭頂点側の一部が切り取られた態様に形成される。言い換えると、振分通路E13150に平行な平面での断面積が、振分通路E13150の上面から離れるに従い小さく形成される。
これにより、第16実施形態における突起部E151に対し傾斜方向に沿って(平行に)形成される直線部を省略できるため、振分通路E13150の上面において傾斜方向への球の移動(流下、転動)を少なくできる。言い換えると、振分通路E13150の上面において傾斜方向に垂直な方向への球の移動(流下、転動)を多くできる。その結果、中央通路E160(第4通路ERt4)、第2斜面部E135(第5通路ERt5)もしくは介設部材E140(第6通路ERt6)のいずれかに案内されるまでに球の移動(流下、転動)方向の変化(変更)回数を増やすことができ、遊技の興趣を向上できる。
図159(d)に示すように、第29実施形態における振分通路E14150の突起部E14151は、振分通路E14150の上面から円錐状に突出して形成される。これにより、振分通路E14150の上面を移動(流下、転動)する球を突起部E14151の外面に沿わせて移動(流下、転動)させることができると共に、突起部E14151を乗り越えて球が移動(流下、転動)することを抑制できる。その結果、球の移動(流下、転動)方向が変化される態様を遊技者に視認させやすくできると共に、突起部E14151による球の移動(流下、転動)方向の変化が単調となることを抑制でき、遊技の興趣を向上できる。
図159(e)に示すように、第30実施形態における振分通路E15150の突起部E15151は、その側面が、突起部E15151の中心に向けて凹設される。これにより、振分通路E15150の上面を移動(流下、転動)する球が、突起部E15151を乗り越え易くでき、球の移動(流下、転動)方向を多様とできる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
次いで、図160(a)を参照して、第31実施形態における下側フレームE16086bについて説明する。
上記第19実施形態では、第2振分通路E4150の上面に突起部E151が形成され、球の流下(転動)方向が変化(変更)される場合を説明したが、第31実施形態では、球が特定の位置へ向けて流下(転動)される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図160(a)は、第31実施形態における下側フレームE16086bの部分拡大上面図である。なお、図160(a)は、振分通路E150が第2位置に配置された状態が図示される。
第31実施形態おける下側フレームE16086bは、第19実施形態おける下側フレームE4086bに対し、第2振分通路E4150が異なる以外は同一の構成により形成されるため、第2振分通路E16150についてのみ説明する。
図160(a)に示すように、第2振分通路E16150は、正面視において振分通路E150に対し平行に配設される、即ち、第2振分通路E16150は、壁板E132から取付け部E134へ向けて下降傾斜して配設される(図152(a)参照)。第2振分通路E16150は、第2振分通路E16150に垂直な方向視において略矩形の板状体に形成され、前後方向(矢印F-B方向)の長さは、振分通路E150の中央通路E160側における前後方向の長さと略同一に形成される。これにより、振分通路E150が第2位置に配置された状態において、振分通路E150の中央通路E160側の端部を通過する球を第2振分通路E16150に送球(案内)できる。言い換えると、振分通路E150の介設部材E140側(矢印F方向側)の端部、もしくは振分通路E150の切欠き部E150aから流下した球が第2振分通路E16150に送球(案内)されることを抑制できる。
第2振分通路E16150の外縁には、案内部E16154が立設され、案内部E16154には案内切欠き部E16154aが中央通路E160側に切欠き形成される。案内切欠き部E16154aは球の直径よりもやや大きく形成され、前後方向(矢印F-B方向)において中央通路E160(架設通路E161)に対応する位置に形成される。これにより、第2振分通路E16150の案内切欠き部E16154aを通過した(第2振分通路E16150を左右方向(矢印L-R方向)に渡り切った)球を中央通路E160(架設通路E161、第4通路ERt4)へ送球(案内、落下)できる。
また、案内部E16154により、第2振分通路E16150に送球(案内)された球が案内切欠き部E16154a以外から送球(案内、落下)することを抑制でき、より確実に中央通路E160(架設通路E161、第4通路ERt4)へ送球(案内、落下)できる。これにより、第2振分通路E16150は、振分通路E150よりも球を第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率を高く)できる。
このように、本実施形態においては、振分通路E150が第2位置に配置される、即ち、振分通路E150から第2振分通路E16150に送球(案内)可能な状態において、振分通路E150の中央通路E160側の端部を通過する球を第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率を高く)でき、遊技の興趣を高めることができる(図135参照)。
一方、振分通路E150の介設部材E140側(矢印F方向側)の端部、もしくは振分通路E150の切欠き部E150aから流下した球が第2振分通路E16150に送球(案内)されることを抑制できる。これにより、遊技者に球が振分通路E150の中央通路E160側の端部を通過すること期待させることができる。
また、振分通路E150が第1位置に配置された状態においては、振分通路E150の端部から流下した球が第2振分通路E16150に送球(案内)されることを抑制できる。これにより、遊技者に振分通路E150が第2位置に配置された状態において球が振分通路E150の中央通路E160側の端部を通過することを期待させることができる。その結果、遊技性を多様化でき、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図160(b)を参照して、第32実施形態における下側フレームE17086bについて説明する。
上記第20実施形態では、第3振分通路E5150の上面に突起部E151が形成され、球の流下(転動)方向が変化(変更)される場合を説明したが、第32実施形態では、球が特定の位置へ向けて流下(転動)される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図160(b)は、第32実施形態における下側フレームE17086bの部分拡大上面図である。なお、図160(b)は、振分通路E150が第1位置に配置された状態が図示される。
第32実施形態おける下側フレームE17086bは、第20実施形態おける下側フレームE5086bに対し、第3振分通路E5150が異なる以外は同一の構成により形成されるため、第3振分通路E17150についてのみ説明する。
図160(b)に示すように、第3振分通路E17150は、上面視において略直線状の通路として左右方向(矢印L-R方向)に沿って延設されると共に、その延設方向(矢印L-R方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される。また、第3振分通路E17150は、背面板E5137側(矢印B方向側)から介設部材E140側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して配設される。
第3振分通路E17150の外縁には、案内部E17154が立設され、案内部E17154には案内切欠き部E17154aが介設部材E140側(矢印F方向側)に切欠き形成される。案内切欠き部E17154aは球の直径よりもやや大きく形成され、左右方向(矢印L-R方向)において中央通路E160の上方孔E162に対応する位置に形成される。これにより、案内切欠き部E17154aを通過した(第2振分通路E16150を左右方向(矢印L-R方向)に渡り切った)球を上方孔E162(第4通路ERt4)、もしくは、中央通路E135b(第7通路ERt7)へ送球(案内、落下)できる。
また、案内部E17154により、第3振分通路E17150に送球(案内)された球が案内切欠き部E17154a以外から送球(案内、落下)することを抑制でき、より確実に上方孔E162(第4通路ERt4)もしくは中央通路E135b(第7通路ERt7)へ送球(案内、落下)できる。これにより、第3振分通路E17150は、振分通路E150よりも球を第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率を高く)できる。
このように、本実施形態においては、振分通路E150の中央通路E160側の端部を通過し、且つ、中央通路E160(第4通路ERt4)もしくは第3振分通路E17150に送球(案内)された球を第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率を高く)でき、遊技の興趣を高めることができる(図135参照)。
なお、振分通路E150が第1位置に配置された状態においては、第3振分通路E17150から上方孔E162(第4通路ERt4)に送球(案内)でき、振分通路E150が第1位置に配置された状態においては、第3振分通路E17150から中央通路E135b(第7通路ERt7)に送球(案内)できる。即ち、振分通路E150が第1位置および第2位置のどちらに配置された状態においても、球を第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率を高く)できる。
一方、振分通路E150の中央通路E160側の端部を通過したものの、中央通路E160(第4通路ERt4)および第3振分通路E17150に送球(案内)されなかった球、即ち、第2斜面部E135(第5通路ERt5)に送球(案内)された球は、第1入賞口64へ入賞し難く(第1入賞口64へ入賞する確率を低く)される。これにより、遊技者に球が振分通路E150の中央通路E160側の端部を通過することに加え、中央通路E160(第4通路ERt4)もしくは第3振分通路E17150に送球(案内)されることを期待させることができる。その結果、遊技性を多様化でき、遊技の興趣を高めることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。以下に示す変形例(別実施形態)においても同様であり、一の変形例における構成の一部または全部を、他の変形例における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の変形例としても良い。以下に示す変形例の適用対象となる実施形態は任意であり、いずれの変形例(変形例の組み合わせ又は置き換え)をいずれの実施形態に適用しても良い。
上記第1実施形態では、振分装置300により球が一旦手前側に流下した後で、後方に流下する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、手前側に流下する部分を構成することなく、複数回の経路屈曲や、球を減速させる減速凸部を形成することにより、球の流下に要する時間の確保を図っても良い。
上記第1実施形態では、第2入賞口140の前意匠部材141の下底面が湾曲面形状とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、当接により球の流下を遮ることができる形状であれば良い。例えば、傾斜平面形状で構成しても良いし、平面から細かな凸部が多数突設されるよう形成され、衝突した球に不規則な負荷を与えられるようにしても良い。
上記第1実施形態では、特定入賞口65aに入球した球が振分装置300を流下する際、専ら流路構成部334~336を順に流下する場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、特定入賞口65aの左右中央部に下方へ貫通する開口が形成され、この開口を通り第3流路構成部336に球が直接流入可能に形成しても良い。
例えば、球が1球ずつ入球する場合には開口を球が通過することは無いが、複数球がまとまって特定入賞口65aに入球した場合に球が開口を通過し得るよう構成しても良い。この場合、特定入賞口65aに入球した球が開口を通過する場合と、開口を通過しない場合とで、球がスライド変位部材370に到達するまでに要する時間を変化させることができる。
上記第1実施形態では、検出センサSE11,SE12が特定入賞口65aよりも後方に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2流路構成部335の下流側端部の真下に検出センサSE11,SE12が配設されるようにしても良い。また、この場合において、第1流路構成部334と第2流路構成部335との順番を逆転させても良い。即ち、検出センサSE11,SE12への入球において、左右方向への流下の直後に各検出センサSE11,SE12への分岐が生じても良いし、前後方向流下(手前側へ向けた流下)の直後に各検出センサSE11,SE12への分岐が生じても良い。
上記第1実施形態では、振分装置300単体での特徴として、各流路構成部334~336の流路方向や傾斜について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、パチンコ機10の島への設置の際に、日常的に行われる「ねかせ」を考慮して、この流路方向や傾斜について設計するようにしても良い。
ねかせとは、パチンコ機10を垂直な姿勢で設置するのではなく、前後方向に傾斜させた状態で設置することを言う。通常、パチンコ機は、約1度(四分五厘)後方に倒れた姿勢(ねかせ)で設置される。上述の振分装置300単体(ねかせが無い状態状態)での説明に比較して、約1度という設置角度を考慮すると、前後方向の傾斜を有する第1流路構成部334及び第2流路構成部336の傾斜の意味が変わってくる。
即ち、振分装置300単体では、上述のように、第1流路構成部334が前側へ水平から7度だけ下降傾斜し、第3流路構成部336が後側へ水平から5度だけ下降傾斜するように設計されているが、設置角度を合わせて検討すると、第1流路構成部334も第3流路構成部336も同様に6度だけ下降傾斜する流路を構成することになる。一方で、第2流路構成部335は、左右方向の傾斜であるので設置角度の影響を受けにくく、上述と同様に約5度の傾斜とみなすことができる。
この場合、振分装置300内の球の流下について、第1流路構成部334及び第3流路構成部336での球の加速度は同様とされ、第2流路構成部335において若干加速度が小さくなる。そのため、左右方向の球の流下速度を落とすことができるので、第2流路構成部335を流下する球を遊技者に視認させ易くすることができる。また、第1流路構成部334の方が第3流路構成部336よりも短いことは変わらないので、第1流路構成部334を、第3流路構成部336を通過するよりも短期間で通過させることができる。
このように、振分装置300の内部での球の流下は、前後方向の流路を有していることからパチンコ機10のねかせの影響を受ける。そのため、各流路構成部334,336の傾斜角度をねかせの角度(約1度)よりも小さくすると、ねかせの良し悪し(角度設定)により流路構成部334,336における球の流下方向が変わって(反転して)しまうので、傾斜角度はねかせの角度よりも大きな角度として設定する必要がある。
また、振分装置300の内部での球の流下が前後方向の流路を有しており、その流路が視認可能な構成では、その流路を流下する球の流速の僅かな違いから、パチンコ機10のねかせの程度を把握される可能性がある。敢えて、ねかせの程度を把握させたいなら、振分装置300の流路を視認し易い構成とすればいい。
一方、上記第1実施形態では、球の流下速度の僅かな違いから「ねかせ」の程度を把握されないように、各流路構成部334~336の、前側周囲において被固定部材161や前意匠部材162が囲むように配置され、上側において可変入賞装置65が覆うように配設され、下側において光拡散加工面340で視認性を悪くするように構成されるようにしている。
このように、各流路構成部334~336を流下する球の視認性を、通常の遊技者目線(正面視0度~約30度程度の範囲)を除き、悪くするようにしている。これにより、各流路構成部334~336を流下する球の流速を比較してパチンコ機10の「ねかせ」の程度を把握されることを回避することができる。
上記第1実施形態では、第1流路構成部334の傾斜の方が、第3流路構成部336の傾斜よりも大きい場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、この傾斜の関係を逆転させても良いし、同様の傾斜で構成しても良い。
また、各流路構成部334~336は、それぞれ直線状の流路が屈曲して渦状の流路を構成するものとして説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、蛇行する流路形状でも良いし、階段状に屈曲する流路形状でも良い。
また、各流路構成部334~336の接続箇所で流路が直角に曲げられるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、接続箇所で流路が鋭角で曲げられても良いし、鈍角で曲げられても良い。また、各流路構成部334~336としてクルーンを採用しても良い。
上記第1実施形態では、第3流路構成部336を球が通過するのに要する時間が0.3秒となるように設計される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3流路構成部336を通過するのに要する時間が1秒(0.6秒以上)となるように設計しても良い。これにより、球が発射間隔(0.6秒)を維持したまま振分装置300に入球した場合であっても、第3流路構成部336を流下する上流側の球を、その下流側において第3流路構成部336を流下する球の目隠しとして機能させることができる。
上記第1実施形態では、流路構成部334~336の経路長さを確保することで、球の流下時間を確保する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スライド変位部材370までの経路の内側両壁から遊技球の流下方向と交差する方向に長尺で形成され、互い違いに突設される突条を設け、この突条を遊技球に衝突させることで球を減速させるように構成しても良い。これにより、経路長さを長くせずとも、球の流下時間の確保を図ることができる。
なお、減速用の突条は、スライド変位部材370までの経路の全範囲に均等に配置するようにしても良いし、配置を不均等にしても良い。例えば、第1流路構成部334及び第2流路構成部335については突条を形成せず、第3流路構成部336においてのみ突条を構成することで、第3流路構成部336までは迅速に球を到達させる一方、球が第3流路構成部336を緩やかに流下するように構成することができる。
また、突条の突設方向は、左右方向から球の流下経路に沿って経路内側へ互い違いに突設されるような方向でも良いし、所定間隔を空けて下側から上方へ突設されるような方向でも良い。
左右方向からの突設の場合、突条から球に与えられる負荷が左右方向の成分を有するので、この負荷により球が通常検出センサSE12に誤って案内されないように配置を考慮することが好ましい。例えば、スライド変位部材370に最も近接する位置においては、左右外側の壁部から左右内側に突設させることで、突条からの負荷が通常検出センサSE12側へ向かわず仕切り板部338側へ向かうようにすることで、球が誤って通常検出センサSE12に案内されることを回避し易くすることができる。
下側から上方への突設の場合、突条自体がスライド変位部材370の目隠しとして機能する可能性があるので、遊技者の視線を考慮して、形成高さや形成位置を設計することが好ましい。
なお、突条は、出没可動に形成しても良い。この場合、出状態では球の流下をせき止めて、没状態となった場合に球の流下を再開可能としても良い。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370の手前側を流下する球により目隠しがされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、振分装置300の前に、可動の化粧部材が配置され、その化粧部材によって流路構成部334~336の目隠しがされるようにしても良い。この化粧部材は、駆動されても良いし、球の重みで動作するものでも良い。
また、球により目隠しがされる場合において、球が手前側に配置される場合に限られるものではない。例えば、スライド変位部材370の背面側に鏡が配設され、その鏡の反射を利用してスライド変位部材370の状態を視認させる場合には、球がスライド変位部材370と鏡との間に配置されれば、目隠し機能を生じさせることができる。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370に到達する球が目隠しされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1入賞口64が、検出センサSE11,SE12のように遊技領域よりも後方に配置され、第1入賞口64が目隠しされるものでも良いし、他の一般入賞口63が目隠しされるものでも良い。
上記第1実施形態では、流路構成部334~336が直線的で球を1個ずつ案内可能な流路から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、蛇行する流路として形成されても良いし、複数に枝分かれが生じる流路として形成されても良いし、流路幅の大小があり流路幅が大の箇所では球が滞留し易いよう構成されても良い。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370へ向かう球により目隠しの効果が生じる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、他の入賞口63,64,65,140に入球した球を排出するための排出経路がスライド変位部材370の前側に配置され(例えば、手前側において交差するように配置され)、その排出経路および排出経路に配置される球によりスライド変位部材370が目隠しされるようにしても良い。
上記第1実施形態では、特定入賞口65aに入球した球は、専ら第1流路構成部334を通り第2流路構成部335側(手前側)に流れてくる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、特定入賞口65aの下流側に球を振り分けるシーソー状の振分機構が配設され、その振分機構により第2流路構成部335側に流れる球が選別されることで、一部の球が第2流路構成部335側に流れるようにしても良い。
振分機構は、球の自重で変位動作するものでも良いし、駆動装置で開閉板65bの開閉から一定動作するよう駆動されても良いし、パチンコ機の電源オンから一定のパターンで駆動されるように制御しても良い。
駆動制御する場合は、例えば、入球の種類が変化する場合において第2流路構成部335側に球が流れるように制御しても良い。例えば、特定入賞口65aへの入球において、カウント数(10個/ラウンド)を超える入球(超過入賞)があった場合に、第2流路構成部335側に球が流れるように構成しても良い。この場合、第2流路構成部335側を流下する球の個数と、超過賞球の払い出し個数とを照合でき、得られる追加利益を遊技者が早期に把握することができる。この場合において、スライド変位部材370及びその下流の構成は維持しても良いし、省略しても良い。
また、例えば、第1入賞口64に入球した球が振分装置300を流下するような構成においては、特別図柄1の保留個数が4個(満タン)の場合に入球があったら、その球は第2流路構成部335側に流すように構成しても良い。この場合、第2流路構成部335側を流れる球を視認することで、特別図柄1の保留個数が満タンであることを遊技者に気付かせることができる。この場合において、スライド変位部材370及びその下流の構成は維持しても良いし、省略しても良い。
球の自重で変位動作する場合は、球が到達する度に所定動作を繰り返すようにしても良いし、到達する球の個数によって異なる動作をするように構成しても良い。例えば、1個の球が特定入賞口65aに入球した場合には第2流路構成部335側へは流れず、2個以上の球がまとまって特定入賞口65aに入球した場合には第2流路構成部335側へ球が流れるようにしても良い。また、逆でも良い。
また、これらの動作態様は、特定入賞口65aの左右に一対で配設される検出センサSE1の下流でいずれも同じでも良いし、左右で異なるように構成しても良い。
ここで、特定入賞口65aからスライド変位部材370までの球の流下時間が長い場合、球排出時間が長いことにより遊技が間延びする可能性がある。そのため、例えば、上述の振分機構を利用して、特定入賞口65aに入球した何球目までかの球を第2流路構成部335側へ流下させ、それ以降の球については第2流路構成部335を経ずに排出するように構成しても良い。これにより、カウント数目の球が流路構成部334~336を流下しきるのを待つ必要が無くなるので、ラウンド間長さを短く設定することができる。
上記第1実施形態では、第3図柄表示装置81の下側において振分装置300が配置され、遊技領域の下端部付近で球を手前側に流す場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、特定入賞口65aが第3図柄表示装置81の下縁よりも上側に配置され、振分装置300の流路構成部334~336が、第3図柄表示装置81に近接配置または正面視で表示領域の手前側に配置されるよう構成しても良い。
この場合、振分装置300を流下する球を視認する視線を第3図柄表示装置81の表示領域側を向く視線にすることができる。この場合、振分装置300での球の流下により遊技者が得られる利益の大小と、液晶表示での報知の内容とを対応付けることで、遊技者は表示を確認することで大小いずれの利益を獲得できたのかを容易に把握することができる。
また、内レール61を転動する球が、第3流路構成部336を転動する球を基準として、正面視で下側にずれた位置で視認される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、内レール61を転動する球が第3流路構成部336を転動する球を基準として、正面視で上下に位置ずれせず、重なって視認され得るような配置関係で構成しても良い。この場合、振分装置300に入球した球のみでなく、内レール61を転動する球を第3流路構成部336を流下する球の目隠しとして機能させることができる。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370の作動パターンYとして、特定入賞口65aに入球した球が到達し得ない時間にスライド変位部材370を前側位置に切り替える場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開閉板65bの開放タイミングから、1.2秒経過後にスライド変位部材370が前側位置に切り替えられるように制御しても良い。
この場合、1.2秒が経過する前にスライド変位部材370に到達していた前流れ球については、確変検出センサSE11の貫通孔に入球させることができる。一方、その前流れ球を追うように流れ、1.2秒の経過後にスライド変位部材370に到達した後追い球は、通常検出センサSE12の貫通孔に入球することになる。
ここで、後追い球が、前流れ球の目隠しとして機能する位置関係であった場合、遊技者は、前流れ球の流れが確変検出センサSE11へ向けて(下方へ)切り替わるタイミングを、後追い球に隠されることで、視認することができない。その上、後追い球は通常検出センサSE12に入球するので、遊技者は、球が確変検出センサSE11に入球していないと思い込むと考えられる。
このように、あたかも確変検出センサSE11の貫通孔に球が入球していないように見せることができるので、時短状態と確変状態との表示演出を同様にして遊技者の期待感を維持させるような遊技機において、その表示演出の演出効果を向上することができる。
上記第1実施形態では、左右内突設部318に衝突した球は、その衝突による負荷だけでは通常検出センサSE12側には流れない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右内突設部318に案内されるまでの球の速度や、回転が、複数種類で構成可能となるように左右内突設部318の上流側における流路を構成し(例えば、クルーンを配設したり、経路幅を広くしたりすることで球の流下方向の自由度を増加させ)、球の速度や、回転の違いによって、左右内突設部318との衝突による負荷だけで通常検出センサSE12に案内され得るように構成しても良い。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370と、各突設部317~319とが別体として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、各突設部317~319の少なくとも一つが、スライド変位部材370に一体的に形成されても良い。即ち、スライド変位部材370の上突設部376から各突設部317~319の少なくとも一つが突設されるようにしても良い。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370の動作タイミングとして、球で隠される可能性を考慮した作動パターンYについて説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球で隠されるタイミングで発光手段351のLEDを発光させる制御を織り交ぜても良い。
上記第1実施形態では、案内長孔616の形状により軸線O1の変位抵抗を変化させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、案内長孔616の幅長さを変えて隙間の外相を形成することで変位抵抗を変えても良いし、磁力やコイルスプリングの付勢力を利用して変位抵抗を変化させても良い。
上記第1実施形態では、案内長孔616の形状を途中位置で屈曲する形状で構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、複数回屈曲する形状としても良い。この場合、軸線O1の上下方向変位の抵抗が増大する位置を複数位置で形成することができる。
また、案内長孔616の形状を、回動部材620の回動中における角度θの変化量の大小を変化させる目的から設計しても良い。例えば、回動部材620の回動中における角度θの大きさが維持できる範囲を部分的に形成できるように被支持部材640を案内可能な形状で案内長孔616を形成しても良い。
上記第1実施形態では、案内長孔616が固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、軸線O1が移動可能な案内長孔616が複数形成され、所定の切替手段(例えば、他の駆動装置や、回動部材620に当接して切り替えられるボタン式の切替装置)によって軸線O1が案内される案内長孔616を切り替えられるように構成しても良いし、案内長孔616を形状変化可能に構成しても良い。
上記第1実施形態では、第2装飾回転部材660が第3図柄表示装置81の右側に配置された状態で第1演出面661aを前斜め左側へ向ける構成について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3図柄表示装置81の左側に配置された状態で演出面を前斜め右側へ向けるように構成しても良いし、第3図柄表示装置81の下側(上側)に配置される場合に演出面を前斜め上側(下側)へ向けるように構成しても良い。
上記第1実施形態では、回動部材620を変位の基端側に配置するよう構成したが、必ずしもこれに限られるものではなく、直動変位する部材を変位の基端側に配置しても良い。一方で、直動の部材ではなく回動部材620を利用していることは、第2装飾回転部材660及び張出装飾部652bの回転角度を確保することに好適に機能する。
例えば、横スライドする部材を被支持部材640の主動側に固定する場合、第2装飾回転部材660及び張出装飾部652bの回転角度に影響する角度は、水平より上側の角度(角度a1等)に限定される。これに対し、回動部材620を利用する場合であれば、水平より上側の角度だけでなく、下側の角度(角度b1等)をも利用することができる。なお、この好適な効果に関わらず、被支持部材640の主動側に直動スライドする部材を連結するようにしても良い。
上記第1実施形態では、第2装飾回転部材660が直方体で形成され、直角に交差する3側面に装飾が施される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2装飾回転部材660が断面五角形で形成され、各側面が前側を向く姿勢で停止制御可能に構成されても良い。
上記第1実施形態では、装飾固定部材670は固定の装飾部材としたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、液晶表示装置が配設されても良い。この場合、第1動作ユニット600や第2動作ユニット700と一体視させ易い表示を容易に切り替えることができる。
上記第1実施形態では、回動部材620の回転軸と、第2装飾回転部材660とが直角に交差し得る場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2装飾回転部材660の回転軸が前後方向の成分を軸として(斜めな回転軸として)構成されても良い。
上記第1実施形態では、コイルスプリングCS2の付勢力の設定から、第2動作ユニット700を中間演出状態で維持し易くなるように構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回動アーム部材720の長孔部723付近に磁石を配設し、この磁石が右側前板部材710に配設される磁石との間で吸着力を生じさせるよう構成し、この吸着力が第2動作ユニット700の中間演出状態において生じ易くなるようにしても良い。
また、例えば、傾斜部751,762を直線的に形成するのではなく、波形状や鋸歯形状など屈曲した形状から形成しても良い。また、コイルスプリングCS2を利用する場合についても、コイルスプリングCS2が圧縮される場合にのみ付勢力が生じるものに限らず、コイルスプリングCS2の伸長変位に対する付勢力が生じるよう構成しても良い。
上記第1実施形態では、磁石Mgの吸着力を超えるまでは傘歯部783cと傘歯部材785cとが弾性変形することで軸回転部材785の姿勢が維持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ギアの弾性変形ではなく、回転する軸棒と、その軸棒を支持する支持筒との間の摺動摩擦に許容値を設けることで構成しても良い。
上記第1実施形態では、覆設部材787が下からせり上がり、遊技領域の後端部から前側に入り込む場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、下降変位によって前側に張り出す態様でも良い。この場合において、センターフレーム86の上縁を下から前方へ越える態様でも良いし、遊技領域の上方(例えば、正面枠14の上方)から前側に張り出す態様でも良い。
上記第1実施形態では、覆設部材787の回転が逆方向となることで副装飾面787a2,787b2が揃って視認されないことで識別力を低下させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、副装飾面787a2,787b2を正面側に向けながら回転する態様ではなく、左右外側に向けながら回転する態様としても良い。また、同方向の回転であっても、回転角度をずらして回転させるように構成しても良い。
上記第1実施形態では、第2動作ユニット700及び第3動作ユニット800で共通して、リンク機構(中間腕部材783、中間腕部材850)の回転角度を利用して軸回転部材785や回転部材834を回転(反転)させるように構成されるが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転部材834を案内する金属棒832に一筆書き状に溝が掘られ、その溝に回転部材834から突設される突片が差し込まれるような構成では、溝の設計次第で、回転部材834の回転タイミングを規定することができる。
上記第1実施形態では、検出センサ813に被検出部844が配置された状態から、検出センサ813の出力が切り替わることで切替回転動作から一体回転動作に切り替わったと判定するように制御する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出センサ813に被検出部844が配置されていない状態で駆動モータ861の駆動方向を反転した後、被検出部844が検出センサ813に進入したことを検出することで、切替回転動作から一体回転動作に切り替わったと判定しても良い。
上記第1実施形態では、第1装飾部材870の構成と、第2装飾部材880の構成とが所々で異なるように構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、磁石Mg2が両装飾部材870,880に配設されるようにしても良いし、両装飾部材870,880に鍍金処理がされるようにしても良い。
上記第1実施形態では、トルクリミッタ866を配設することで切替回転動作と一体回転動作とを明確に分ける場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、粘性抵抗を生じるオイルダンパを設けるようにしても良い。なお、オイルダンパの場合、動作態様の切り替えによらず、常時抵抗が生じ続けるので、トルクリミッタの方が、一体回転動作に動作態様が切り替えられた後の回転方向の変位抵抗を低減することができ、一体回転動作に切り替えられた後の高速回転を実現し易い。
上記第1実施形態では、光LD1が鍍金部871aで正面側に反射される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、金属棒832で光を反射させても良い。一体回転動作中は、直動部材833が金属棒832の基端側(円の内径側)に配置されることで金属棒832が直動部材833に隠されるが、切替回転動作において直動部材833が金属棒832の先端側(円の外径側)に配置される場合には、金属棒832の基端側(円の内径側)が露出することで、光LD1を反射させることが可能である。
上記第2から第7実施形態では、第1中間部材C140,C2140の底面部C142,C2142を球が直列に転動し、振分部材C170,C2170,C3170(受入部C172,C2172,C3172又は転動部C173,C2173,C3173)に同時に1球のみが流入される場合を説明したが、第1中間部材C140,C2140の底面部C142,C2142を2球以上が並列に転動可能とし、振分部材C170,C2170,C3170(受入部C172,C2172,C3172又は転動部C173,C2173,C3173)に同時に2球以上が流入される構成であっても良い。
上記第2から第7実施形態では、遊技領域のうちの正面視左側(図72左側)の領域(センターフレームC86(上側フレームC86a)とレール61との間の領域)を流下される球が下側フレームC86b,C2086b,C3086bに流入(入球)される場合を説明したが、これに代えて、又は、これに加えて、遊技領域のうちの正面視右側(図72右側)の領域を流下される球が下側フレームC86b,C2086b,C3086bに流入(入球)される構成であっても良い。
上記第2から第7実施形態では、受入口COPin,COP2000inに1本の上側フレーム通路CRt0が連通される場合を説明したが、上側フレームC86bに複数本の上側フレーム通路CRt0を形成し、それらが受入口COPin,COP2000inに連通される構成であっても良い。
上記第2から第7実施形態では、振分部材C170,C2170,C3170が自重により第1位置へ復帰される場合を説明したが、付勢手段を設け、その付勢手段の付勢力を、振分部材C170,C2170,C3170が第1位置へ復帰する際の補助力として付与しても良い。或いは、振分部材C170,C2170,C3170が第2位置へ変位する際の補助力として付与しても良い。なお、付勢手段としては、コイルばね、ねじりばね、板ばね等が例示される。
上記第2及び第3実施形態では、振分部材C170,C2170が軸C192,C2174に直接軸支される場合を説明したが、振分部材C170,C2170をリンク機構により変位可能としても良い。この場合、リンク機構は、平行リンク機構であっても良い、不等長リンク機構であっても良い。
上記第3実施形態では、振分部材C2170の転動部C2173を転動した球が通過する通路(第4通路CRt2004)が磁性部C2400により形成される場合を説明したが、他の通路と同様に、球を転動面に沿って転動させて通過(流下)させる通路として第4通路CRt2004を形成しても良い。
上記第4実施形態では、案内溝C3131cが直線状に形成される場合を説明したが、曲線状に湾曲して形成されていても良い。また、直線と曲線とを組み合わせた形状であっても良い。
上記第5実施形態では、下側底面部C4122の円弧部C4122bは、上面視における円弧形状が一様(同一の曲率)に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、異なる半径を有する円弧形状が組み合わされて形成されてもよい。例えば、円弧部C4122bの前後方向(矢印F-B方向)の一端側および他端側における円弧の曲率が、それら一端側および他端側の間の領域(流出面C122aを含む領域)における円弧の曲率よりも大きくされる、即ち、流出面C122aを含む領域における円弧の曲率が小さくされてもよい。この場合、初期段階(下側底面部C4122の長手方向の一端側および他端側またはその近傍まで球が往復動する段階)では、球を往復動させ易くすると共に先行する球に後行する球を追いつかせ易くしつつ、往復動する球の転動速度が低くなった段階(下側底面部C4122の長手方向の一端側および他端側またはその近傍までは球が到達せず、流出面C122aを含む比較的狭い領域で球が往復動する段階)では、先行する球と後行する球とが連なった状態を維持させ易くできる。その結果、両球が連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
上記第5実施形態では、下側底面部C4122の延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、円弧部C4122bでは、略水平に形成される、即ち、円弧部C4122bの上面(転動面)は、鉛直方向に直交する平面として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成されてもよい。または、一対の直線部C4122aと同様の下降傾斜する平面として形成されてもよく、一対の直線部C4122aと異なる下降傾斜する平面として形成されてもよい。これらにより、初期段階(下側底面部C4122の長手方向の一端側および他端側またはその近傍まで球が往復動する段階)では、球を往復動させ易くすると共に先行する球に後行する球を追いつかせ易くしつつ、往復動する球の転動速度が低くなった段階(下側底面部C4122の長手方向の一端側および他端側またはその近傍までは球が到達せず、流出面C122aを含む比較的狭い領域で球が往復動する段階)では、先行する球と後行する球とが連なった状態を維持させ易くできる。その結果、両球が連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
上記第5実施形態では、下側底面部C4122(直線部C4122a及び円弧部C4122b)が切り欠き部C124aから離間する方向(矢印L方向)へ向けて下降傾斜して形成されてもよい。これにより、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C4124に球を押し付けつつ、かかる球を下側底面部C4122(第2通路CRt4002)で転動(往復動)させることができる。
上記第2、第3及び第5実施形態では、流出面C122aの周囲に鉛直方向上方(矢印U方向)へ向けて突部が突設されてもよい。これにより、流出面C122aから下側底面部C122,C2122,C4122の延設方向両端側へ球が転動することを抑制でき、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
上記第6実施形態では、磁性部C5400の底面の断面形状は、幅方向(矢印F-B方向)に直線状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、磁性部C5400の突部の底面の断面形状は、円弧状に湾曲して形成されてもよい。その円弧形状が、球の半径と略同一の半径を有し、鉛直方向上方(矢印U方向)へ向けて凸となる場合、球と磁性部C5400との接触面積を増やすことができ、球が磁性部C5400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。一方、円弧形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる場合、流下する際に球が揺れる態様を形成できると共に、球が磁性部C5400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。その結果、球の挙動を遊技者に注目させ、遊技の興趣を高めることができる。
上記第7実施形態では、磁性部C6400の突部の底面が、背面部材C2130を向く傾斜面(即ち、鉛直方向上方ほど背面部材C2130に近接する面)として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、背面部材C2130とは反対側を向く傾斜面(即ち、鉛直方向上方ほど背面部材C2130から離間する面)として形成されてもよい。これにより、磁性部C6400に吸着された球と背面部材C2130とが離間する位置に配設させることができ、磁性部C6400に沿って流下される球と背面部材C2130とが当接することを抑制できる。
上記第3及び第7実施形態では、背面部材C2130の本体部C2131が鉛直方向下方(矢印D方向)に向かうに従い磁性部C2400,C6400側(矢印F方向側)に近づく傾斜面(即ち、鉛直方向下方ほど磁性部C2400,C6400側に近接する面)として形成されてもよい。これにより、磁性部C2400,C6400と背面部材C2130とで磁性部C2400,C6400に沿って流下される球を挟み込むことができ、球が磁性部C2400,C6400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。
上記第3、第6及び第7実施形態では、背面部材C2130の背面に配設される磁石C2300に加え、その鉛直方向下方(矢印D方向)に磁石C2300が追加して配設されてもよい。追加された磁石C2300が、磁性部C2400,C5400,C6400に吸着された球の中心よりも鉛直方向上方(矢印U方向)に配設される場合、追加された磁石C2300により球に作用する磁力の向きが鉛直方向上方側となるため、球が磁性部C2400,C5400,C6400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。一方、追加された磁石C2300が、磁性部C2400,C5400,C6400に吸着された球の中心よりも鉛直方向下方(矢印D方向)に配設される場合、追加された磁石C2300により球に作用する磁力の向きが鉛直方向下方側となるため、球が磁性部C2400,C5400,C6400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。
上記第3、第6及び第7実施形態では、背面部材C2130の背面に配設される磁石C2300が鉛直方向下方(矢印D方向)に延設して形成されてもよい。これにより、磁性部C2400,C5400,C6400に加え、磁石C2300から直接作用される磁力の効果により球を吸着でき、球が磁性部C2400,C5400,C6400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。
上記第3、第6及び第7実施形態では、磁性部C2400,C5400,C6400の長手方向に沿って配列される複数の磁石C2300の磁力に強弱の差を設けてもよい。例えば、上流側に配設される磁石C2300の磁力がその他の磁石C2300の磁力に比べて強い場合、転動部C2173の上面(転動面)を転動した球を磁性部C2400,C5400,C6400に吸着させ易くできる、即ち、第4通路CRt2004へ案内し易くできる。また、例えば、複数の磁石C2300の一の磁石C2300の磁力がその他の磁石C2300の磁力に比べて弱い場合、その一の磁石C2300を通過する球を磁性部C2400,C5400,C6400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。これにより、遊戯の興趣を高めることができる。
上記第3、第6及び第7実施形態では、磁性部C2400,C5400,C6400の長手方向に沿って配列される複数の磁石C2300の配列方向が変化されてもよい。例えば、上流側に配列される磁石C2300の配列方向に対し、下流側に配列される磁石C2300の配列方向が鉛直方向下方(矢印D方向)に傾斜して配列される、言い換えると、磁石C2300が凸形状となる態様に配列される場合、磁性部C2400,C5400,C6400に沿って流下する球を下流側に配列される磁石C2300へ向かわせ易くでき、球が磁性部C2400,C5400,C6400から落下することを抑制できる。一方、上流側に配列される磁石C2300の配列方向に対し、下流側に配列される磁石C2300の配列方向が鉛直方向上方(矢印U方向)に傾斜して配列される、言い換えると、磁石C2300が凹形状となる態様に配列される場合、磁石C2300の上流側と下流側との境界において球を磁性部C2400,C5400,C6400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。また、磁石C2300の配列形状は直線状に形成されてもよく、円弧状に形成されてもよい。また、磁石C2300に代えて、磁性部C2400,C5400,C6400が上記の形状(凸形状もしくは凹形状、且つ、直線状もしくは円弧状)に配列されてもよい。
上記第3、第6及び第7実施形態では、磁性部C2400,C5400,C6400の長手方向に沿って配列される複数の磁石C2300の隣り合う磁石C2300が離間して形成されてもよい。この場合、磁性部C2400,C5400,C6400の延設方向において球に磁力が作用されない区間を作ることができ、この区間において球を磁性部C2400,C5400,C6400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。
第8実施形態から第15実施形態では、転動部材D170,D3170,D8170に球の重量が作用されると、変位部材D180が開放位置へ変位(回転)される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、転動部材D170,D3170,D8170に球の重量が作用されると、変位部材D180が閉鎖位置へ変位(回転)されるように形成しても良い。即ち、転動部材D170,D3170,D8170が初期位置(第1位置)に配置された状態では、変位部材D180が開放位置に配置され、転動部材D170,D3170,D8170が第2位置に配置された状態では、変位部材D180が閉鎖位置に配置されるように形成しても良い。この場合には、第6通路DRt6に球が流下(入球)されると、第6通路DRt6に球が流下(入球)され難くなる側へ変位部材D180が変位(回転)される。よって、第1の球が第6通路DRt6に流下(入球)し、その第1の球が第6通路DRt6の終端に達するまでの間に、第2の球が第6通路DRt6に流下(入球)されることを、第1の球が第6通路DRt6に流下(入球)される場合よりも困難として、遊技の興趣を高めることができる。
なお、転動部材D170,D3170,D8170に球の重量が作用されると、変位部材D180が閉鎖位置へ変位(回転)されるように形成する場合には、転動部材D170,D3170,D8170の初期位置(第1位置)から第2位置への変位(回転)が、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190に伝達される構造を、上述した場合(第8実施形態から第15実施形態の場合)と逆向きとすれば良い。即ち、転動部材D170,D3170,D8170が初期位置(第1位置)から第2位置へ変位(回転)される場合に、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190が上述した場合と逆方向に回転されるように、伝達部D173,D3173と被伝達部D193,D3193の位置関係を設定すれば良い。
具体的には、第8実施形態であれば、被伝達部D193を転動部材D170から離間する方向(図119(a)右側、矢印R方向)へ延設させるとと共に、その被伝達部D193の上方まで伝達部D173を延設し、転動部材D170が初期位置(第1位置)から第2位置へ変位(回転)される場合に、伝達部D173が被伝達部D193を下方(矢印D方向)へ押し下げる(即ち、第8実施形態の場合とは逆回り(図119(a)において時計回り)に伝達部材D190を回転させる)構成とすれば良い。
また、第10実施形態であれば、被伝達部D3193を転動部材D170側(図124(a)左側、矢印L方向)へ延設させるとと共に、その被伝達部D3193の下方まで伝達部D3173を延設し、転動部材D3170が初期位置(第1位置)から第2位置へ変位(回転)される場合に、伝達部D3173が被伝達部D3193を上方(矢印U方向)へ押し上げる(即ち、第10実施形態の場合とは逆回り(図124(a)において時計回り)に伝達部材D3190を回転させる)構成とすれば良い。
第8実施形態から第15実施形態では、一対の変位部材D180を1の伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190により変位させる(転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220の変位を1の伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190により一対の変位部材D180へ伝達する)場合を説明したが、2の伝達部材を設け、一対の変位部材D180の一方を第1の伝達部材により、他方を第2の伝達部材により、それぞれ変位させる(転動部材D170,D3170又は第2転動部材D4220の変位を第1の伝達部材および第2の伝達部材により一対の変位部材D180の一方および他方へそれぞれ伝達する)構成としても良い。
この場合、例えば、第11実施形態において、転動部材D170の変位を第1の伝達部材により、第2転動部材D4220の変位を第2の伝達部材により、それぞれ伝達する構成としても良い。これにより、変位部材D180の変位態様を多様化して、遊技の興趣を向上できる。
第8実施形態から第15実施形態では、第6通路DRt6において、背面部材D130,D4130,D8130の本体部D131の正面と中間部材D140,D6140の本体部D141の背面との間の対向間隔(矢印F-B方向の間隔)が上下方向(矢印U-D方向)に沿って一定とされ、また、複数の突部D131fの先端を連ねた仮想面(平面)と、複数の突部D141gの先端を連ねた仮想面(平面)との間の対向間隔(矢印F-B方向の間隔)が上下方向(矢印U-D方向)に沿って一定とされる場合を説明したが、これら両対向間隔のうちの少なくとも一方の対向間隔を上下方向に沿って変化させても良い。
例えば、上方(矢印U方向、転動部材D170,D3170,D8170(本体部D172,D3172)の上面(転動面)から離間する方向)へ向かうに従って、対向間隔が狭くされるようにしても良い。これにより、転動部材D170,D3170,D8170(本体部D172,D3172)の上面(転動面)から跳ね上がった球を速やかに下降させ、球の重量を作用させやすくできる。かかる技術思想は、第8通路DRt8における対向間隔においても同様である。
第8実施形態から第15実施形態では、背面部材D130,D4130,D8130の本体部D131の正面および中間部材D140,D6140の本体部D141の背面から突部D131f,D141gをそれぞれ突設する場合を説明したが、背面部材D130,D4130,D8130の本体部D131の正面および中間部材D140,D6140の本体部D141の背面に凹部をそれぞれ凹設する構成としても良い。凹部によっても球の通過(転動)を遅延させることができる。
第8実施形態から第15実施形態では、球の通過を遅延させる遅延手段の一例として、突部D131f,D141gを例示したが、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、例えば、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220の本体部D172,D3172,D4222の上面(転動面)を通過(転動)する球が当接可能な位置に配設され、その当接により変位または変形される手段(例えば、風車、金属製の弾性ばね(板ばねやコイルばね)、樹脂製の弾性片、ゴムシートなど)が例示される。即ち、球との当接により発生するエネルギー(運動エネルギーや粘性抵抗)を利用して、球の通過を遅延させる手段が例示される。
第8実施形態から第15実施形態では、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220の本体部D172,D3172,D4222の上面(転動面)を平坦面とする場合を説明したが、その上面(転動面)に凹凸や段差を設けても良い。これにより、球に抵抗を付与して、その通過(転動)を遅延させられる。
第8実施形態から第15実施形態では、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220に対して球の重量が作用されると、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ球が流入(入球)しやすくされる場合を説明したが、これとは逆の構成としても良い。即ち、変位部材D180の初期位置を開放位置とし、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220に対して球の重量が作用されると、変位部材D180を閉鎖位置へ配置することで、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ球が流入(入球)され難くなるようにしても良い。この場合には、第6通路DRt6への球の流入(入球)よりも第4通路DRt4又は第5通路DRt5への球の流入(入球)の方が有利な遊技状態としても良い。
第8実施形態から第15実施形態では、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220の変位を変位部材D180へ伝達する伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190を設ける場合を説明したが、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190を省略しても良い。即ち、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220と変位部材D180(変位部材D180ユニット)とを直接連結し、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220の変位を変位部材D180へ直接伝達する構成としても良い。
例えば、転動部材D170,D3170,8170又は第2転動部材D4220に、伝達部材D190(本体部D194)の溝D194L,D194Rを設け、その溝D194L,D194Rに軸支部材D210の連結ピンD213を連結(挿通)させる。これにより、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190が省略される分、部品点数を削減して、製品コストを低減できる。
第8実施形態から第15実施形態では、初期位置(変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態)において、伝達部材D190,D2190の被伝達部D193と転動部材D170の伝達部D173との間には、上下方向(矢印U-D方向)の隙間が形成される一方、伝達部材D3190の被伝達部D3193と転動部材D3170の伝達部D3173との間、及び、伝達部材D190の錘部D195と第2転動部材D4220の伝達部D4223との間には、上下方向(矢印U-D方向)の隙間が形成されない場合を説明したが、これらを逆としても良い。
即ち、初期位置(変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態)において、伝達部材D190,D2190の被伝達部D193と転動部材D170の伝達部D173との間には、上下方向(矢印U-D方向)の隙間が形成されず、伝達部材D3190の被伝達部D3193と転動部材D3170の伝達部D3173との間、及び、伝達部材D190の錘部D195と第2転動部材D4220の伝達部D4223との間には、上下方向(矢印U-D方向)の隙間が形成される構成としても良い。
第8実施形態から第15実施形態では、一対の変位部材D180が回転可能とされる場合を説明したが、一対の変位部材D180の少なくとも一方(又は両方)がスライド変位可能とされる構成でも良い。スライド変位される構成であっても、第6通路DRt6への球の入球のしやすさを変化させ、遊技の興趣を向上できる。なお、スライド変位の態様としては、直線に沿って変位される態様、曲線に沿って変位される態様、直線と曲線とを組み合わせた形状に沿って変位される態様が例示される。
この変位態様については、転動部材D170,D3170,D8170、第2転動部材D4220、及び、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190についても同様であり、これらのうちの少なくとも1つ(又は全部)がスライド変位可能とされる構成でも良い。
第8実施形態から第15実施形態では、転動部材D170,D3170,D8170、第2転動部材D4220、及び、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190が自重により初期位置へ復帰可能に構成される場合を説明したが、初期位置へ復帰させる方向へ付勢力を付与する付勢手段を設けても良い。これらの初期位置への復帰を速やかに行わせることができれば、変位部材D180の閉鎖位置への速やかな配置を可能とでき、遊技の興趣を向上できる。なお、付勢手段としては、コイルばね、板ばね、ねじりばね、ゴム状弾性体などが例示される。
第8実施形態から第15実施形態では、変位部材D180が一対配設される場合を説明したが、変位部材D180の配設数は、1個であっても良く、3個以上であっても良い。即ち、変位部材D180の変位によって第6通路DRt6への球の流入(入球)のしやすさが変化されれば足りる。
第8実施形態から第15実施形態では、一対の変位部材D180の対向間隔が変化されることで、第6通路DRt6への球の流入(入球)のしやすさが変化される場合を説明したが、一対の変位部材D180の対向間隔が変化されない形態であっても良い。例えば、一対の変位部材D180の一方と他方との変位(回転)方向が同方向とされる形態(対向間隔を一定としつつ、変位部材D180の先端側の開放部分の位置が左右(矢印L-D方向)に変位される形態)であっても良い。即ち、変位部材D180の変位によって第6通路DRt6への球の流入(入球)のしやすさが変化されれば足りる。
第8実施形態から第15実施形態では、一対の変位部材D180の一方が伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190の変位に常に連動し、一対の変位部材D180の他方が伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190の変位に所定の期間は非連動となる場合を説明したが、一対の変位部材D180の両方が伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190の変位に常に連動する構成としても良く、或いは、一対の変位部材D180の両方が伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190の変位に所定の期間は非連動となる構成としても良い。
第8実施形態から第15実施形態では、突部D131f,D141gが延設方向(上下方向)に沿って連続して形成される場合を説明したが、突部D131f,D141gを延設方向(上下方向)に沿って非連続に形成(断続的に形成)しても良い。球の上方への跳ね上がりに対して抵抗を付与しやすくできる。この場合、突部D131f,D141gを延設方向(上下方向)に沿って千鳥状に配置しても良い。球の上方への跳ね上がりに対して抵抗をより付与しやすくできる。
第8実施形態から第15実施形態では、説明を省略したが、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)され、転動部材D170,D3170,D8170の本体部D172,D3172の上面へ落下した球が、本体部D172,D3172における転動方向と逆方向(矢印R方向)へ移動することを規制する規制手段を設けても良い。規制手段は、転動部材D170,D3170,D8170、背面部材D130,D4130,D8130、又は、中間部材D140,D6140のいずれに設けても良い。また、規制手段としては、転動部材D170,D3170,D8170、背面部材D130,D4130,D8130、又は、中間部材D140,D6140のいずれかから立設され、球に当接可能に形成される形状の部位が例示される。
第8実施形態から第15実施形態では、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)された球が、転動部材D170,D3170,D8170の本体部D172,D3172の上面へ落下される場合を説明したが、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)された球が、背面部材D130,D4130,D8130、又は、中間部材D140,D6140に形成される部位(受け部)の上面に落下され、その受け部から転動部材D170,D3170,D8170の本体部D172,D3172へ球が流入(転動)される構成でも良い。落下の衝撃が収まった(小さくなった)状態で、転動部材D170,D3170,D8170の本体部D172,D3172が球を受け取れるので、球の重量が作用する初期段階での変位部材D180のばたつき(振動)を抑制できる。
第8実施形態から第15実施形態では、第6通路DRt6と第8通路DRt8(上流側部分)とが、上面視(矢印D方向視)において並列に配設(並設)される(即ち、前後方向(矢印F-B方向)に位置を違えて配設される)場合を説明した。この場合には、下側フレームD86b~D8086bの上下方向(矢印U-D方向)の寸法を抑制できる。但し、第6通路DRt6と第8通路DRt8(上流側部分)とを、正面視(矢印B方向視)において並列に配設(並設)する(即ち、上下方向(矢印U-D方向)に位置を違えて配設する)構成でも良い。この場合、第6通路DRt6と第8通路DRt8(上流側部分)とは、上面視(矢印D方向視)において、重なることが好ましい。その分、下側フレームD86b~D8086bの前後方向(矢印F-B方向)の寸法を抑制できる。
第11実施形態では、転動部材D170と第2転動部材D4220とが上面視(矢印D方向視)において並列に配設(並設)される場合を説明したが、転動部材D170と第2転動部材D4220とを上面視(矢印D方向視)において直列に配設(長手方向に沿って直線状に配設)しても良い。
上記第14実施形態では、表示部D7197を本体部D194に配設する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、表示部D7197を錘部D195に配設しても良い。即ち、表示部D7197を、錘部D195の外縁に配設し、その錘部D195の外縁から軸D191の軸方向と直交する方向へ延設させても良い。
この場合には、表示部D9197の配置を上述した場合とは逆の配置とする(変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態で表示部D7197を遊技者から視認不能とし、変位部材D180が開放位置に配置された状態で、表示部D7197の突出量を最大とする)ことができる。また、表示部D7197の重量を利用して、錘部D195に埋設する金属製の錘の量を減らす(又は省略する)ことができ、その分、部品点数を低減して、材料コストの低減を図ることができる。
上記第15実施形態では、第2突部D131faが複数(本実施形態では5本)の突部D131fのうちの一部(本実施形態では2本)のみに形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第2突部D131faの形成本数は任意であり、1本であっても良く、3本以上であっても良い。複数の突部D131fの全部に第2突部D131faを形成しても良い。また、正面視において中間部材D140の開口D6148と重なる突部D131fのみに第2突部D131faを形成しても良く、正面視において中間部材D140の開口D6148と重ならない突部D131fのみに第2突部D131faを形成しても良い。
上記第15実施形態では、転動部材D8170が第1位置に配置された状態において、第2突部D131faの上面が本体部D172の上面(転動面)から突出する寸法は、上流側(軸D171から遠い側)に位置する第2突部D131faほど大きな寸法とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、各第2突部D131faにおいて同一の寸法としても良い。或いは、下流側(軸D171に近い側)に位置する第2突部D131faほど大きな寸法としても良い。
第16実施形態から第32実施形態では、介設部材E140の転動部E141の長手方向(矢印L-R方向)における湾曲部E134aと流路調整ブロックE170との間に対応する位置には、転動部E141の上面が背面側(矢印B方向側)へ向けて下降傾斜して形成される傾斜面が形成されても良い。これにより、介設部材E140(第6通路ERt6)を往復動する球を第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ送球する可能性を生じさせることができる。第5通路ERt5へ送球された球は、第7通路ERt7へ案内される可能性があるため、遊技の興趣を高めることができる。
第16実施形態から第32実施形態では、中央通路E160の架設通路E161には背面壁E161aが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、背面壁E161aに加え、架設通路E161の前端側(矢印F方向側)の縁から鉛直方向上方(矢印F方向)へ向けて立設される前面壁が形成されてもよい。これにより、架設通路E161に案内された球が、架設通路E161の前端側の縁を通過して第2斜面部E135へ流下(落下)されることを抑制できる。従って、架設通路E161に案内された球が上方孔E162を通過し易くできる、即ち、第4通路ERt4を流下して第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率が高く)できる。
第16実施形態から第32実施形態では、正面板E111に張出し部E111bが突設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、張出し部E111bが突設されなくても良い。これにより、介設部材E140の転動部E141を転動する球が第1入賞口64へ送球される可能性を生じさせることができる。即ち、転動部E141を転動する球が第1入賞口64へ入賞する確率を高くできる。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、駆動モータE191により振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が変位(往復動)し、第17実施形態、第18実施形態および第26実施形態では、弾性ばねE2190により振分通路E2150,E3150,E11150が変位(回動)する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、バイブレータにより振分通路E150,E2150,E3150,E6150,E7150,E8150,E11150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が変位されても良い。これにより、振分通路E150,E2150,E3150,E6150,E7150,E8150,E11150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150を左右方向(矢印L-R方向)へ変位(往復動)できるのに加え、前後方向(矢印F-B方向)へも変位(往復動)できる。その結果、振分通路E150,E2150,E3150,E6150,E7150,E8150,E11150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150上を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向を変更(変化)させ易くできる。また、第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態においては、背面板E137と突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151との間に球が挟持されることを抑制できる。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、一対の湾曲部E131の対向間において一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、一対の第2振分通路E4150,E16150が左右方向(矢印L-R方向)に並設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、一対の湾曲部E131の対向間において一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、一対の第2振分通路E4150,E16150が前後方向(矢印F-B方向)に並設されても良い。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、第1伝達部材E194の第1ラック部E194dと第2伝達部材E195の第2ラック部E195bとの間にピニオンギヤE196が一つ配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、複数のピニオンギヤが配設されてもよい。この場合、各ピニオンギヤの歯数を異ならせる、即ち、減速機として作用させることで、第1伝達部材E194に係合される振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)の変位速度と第2伝達部材E195に係合される振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)の変位速度とを異ならせることができる。また、ピニオンギヤが偶数個配設されることで、第1伝達部材E194に係合される振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)と第2伝達部材E195に係合される振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)との変位方向を同一にできる。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、挿通孔E133a,E9133a,E10133aを挟んで左右方向(矢印L-R方向)両側に形成される溝部E133c,E9133c,E10133cが、同一形状である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、非同一形状に形成されても良い。これにより、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150を左右方向(矢印L-R方向)に往復動させると共に、上面視において鉛直方向(矢印U-D方向)を回動軸として回動する態様に変位させることができる。詳細には、被係合部E153(係合凹部E153a)を回動軸として振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150の湾曲部E131側と中央通路E160側とで前後方向(矢印F-B方向)に異なる方向に変位させることができる。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151は、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150の上面から突設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150の上面に凹設される凹部に形成されても良い。また、凹部は、その外縁が不連続とされても良く、突出される突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151どうしの間に形成される空間が凹部とされても良い。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第32実施形態では、突起部E151,E15151は、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150に垂直な方向視において略六角形状に形成され、第27実施形態では、突起部E12151は、球状に形成され、第28実施形態では、突起部E13151は、振分通路E13150に垂直な方向視において略ひし形(四角形)状に形成され、第29実施形態では、突起部E14151は、振分通路E14150に垂直な方向視において円状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、略五角形状や略七角形状など略多角形状、もしくは、多角錐状に形成されても良い。また、円柱状に形成されても良い。また、直線と曲線とを組み合わせた形状に形成されても良い。また、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150に対する突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面の傾斜角度は同一に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面の傾斜角度が各側面でそれぞれ異なっていても良い。例えば、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対して傾斜方向下降側に形成される側面の傾斜角度を略直交とさせることで、球が傾斜方向上昇側へ変位(逆流、転動)することを抑制できる。また、例えば、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対して傾斜方向下降側に形成される側面の傾斜角度を傾斜方向上昇側に形成される側面の傾斜角度よりも小さくすることで、球を傾斜方向上昇側へ変位(逆流、転動)させ易くできる。その結果、球の移動(流下、落下)方向が変化(変更)される態様を遊技者に視認させやすくでき、遊技の興趣を向上できる。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)に複数の突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、少なくとも一つの突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151がそれぞれ配設されれば良い。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)の上面に突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)の上面の一部に突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151がそれぞれ配設されても良い。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面への突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の配設間隔は一定とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、各突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の配設間隔がそれぞれ異なっても良い。例えば、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の前後方向(矢印F-B方向)中央側に配設される突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の配設間隔を大きくすることで、前後方向両端側に送球された場合と比較して、球が突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151に当接する回数を減らすことができる。これにより、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の前後方向中央側において、球は、傾斜方向に沿って流下し易くなる。即ち、球の流下方向が変更(変化)され難くできる。その結果、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の前後方向中央側に送球された球を架設通路E161(第4通路ERt4)へ案内し易くできる。また、突起部E151,E13151,E14151,E15151の対向間距離(配設間隔)が、球の直径の略4分の1より大きくてもよく、球の直径の略4分の1より小さくても良い。対向間距離(配設間隔)を大きくすることで、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面を移動(流下、転動)する球の流下速度を大きくした状態で球を突起部E151,E13151,E14151,E15151に当接させることができ、球の移動(流下、転動)方向が変化される態様を遊技者に視認させやすくできる。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が連続的に変位される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動モータE191の駆動を断続的に行うことで、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が断続的に変位されても良い。これにより、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150を流下する球に慣性力を付与でき、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151に当接する際の衝撃力を変更(変化)でき、球の移動(流下、転動)方向の変更(変化)を多様とできる。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が駆動モータE191により駆動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ソレノイドや弾性ばねにより駆動されても良い。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、駆動モータE191の軸に駆動力伝達部材E193が固着され、駆動モータE191の一方向への回動により振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が往復動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動モータE191の駆動方向を切り換えることで振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150を往復動させても良い。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、球が流下可能に振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150に突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151により球の流下が抑制されても良い。これにより、後行する球は、流下が抑制された先行する球に当接することができ、後行する球の流下方向を変更(変化)できる。即ち、流下が抑制された先行する球は、後行する球に対して突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151と同様の効果を奏することができ、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150を流下する球の移動(流下、転動)方向を変更(変化)できる。また、球の流下方向を不規則に変更(変化)できる。なお、流下が抑制された先行する球に後行して流下する球が当接することで、先行する球が流下を再開できる。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面は、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対して略45度傾斜して形成され、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の突設高さは、球の半径の略2分の1とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対して突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面が45度よりも大きく傾斜しても良く、45度よりも小さく傾斜しても良い。また、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の突設高さは、球の半径の略2分の1よりも高く形成されても良く、球の半径の略2分の1よりも低く形成されてもよい。振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対する突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面の傾斜角度を大きく、もしくは、突設高さを高くすることで振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)時間を長くできる。一方、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対する突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面の傾斜角度を小さく、もしくは、突設高さを低くすることで振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)時間を長くできる。また、球が突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151を乗り越えて振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150を移動(流下、転動)し易くでき、球の移動(流下、転動)方向を多様とできる。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150に規制片E153bが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、規制片E153bが形成されなくても良い。これにより、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150はその傾斜面に対し垂直な方向に変位できる。詳細に説明すると、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150に流下(落下)する球の自重が作用することで、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150は、第1伝達部材E194,E4194,E5194、第2伝達部材E195,E4195,E5195、第3伝達部材E4198及び第4伝達部材E4199に係合される係合部E194cを軸として回動できる。その結果、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150の傾斜角度を変更(変化)でき、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)を流下する球の移動(流下、転動)時間を延長(変化)できる。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150に切欠き部E150aが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、切欠き部E150aが形成されなくても良い。これにより、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150の上面に形成される突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の数を増やすことができる。また、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150から中央通路E135b(第7通路ERt7)へ送球し易くできる、即ち、第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率が高く)できる。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び一対の第2振分通路E4150,E16150の一方と他方とが同一の態様に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び一対の第2振分通路E4150,E16150の一方と他方とで、配設される突起部E151の配設個数又は配設間隔が異なっていても良い。これにより、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150の一方と他方とで流下する球の流下時間や流下方向を異ならせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び一対の第2振分通路E4150,E16150がそれぞれ遊技盤E13の幅方向(図135左右方向)における中心に対し線(面)対称(図135左右対称)に変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び一対の第2振分通路E4150,E16150の一方と他方とが非対称に変位しても良い。これにより、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)の一方と他方とで流下する球の流下時間や流下方向を異ならせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
第17実施形態、第18実施形態および第26実施形態では、振分通路E2150,E3150,E11150の上面に突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151が形成されても良い。これにより、振分通路E2150,E3150,E11150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向の変化を多様とできる。
第17実施形態、第18実施形態および第26実施形態では、振分通路E2150,E3150,E11150が弾性ばねE2190により変位される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振分通路E2150,E3150,E11150に加え、湾曲部E131及び壁板E132が弾性ばねE2190により変位されても良い。これにより、湾曲部E131(第2通路ERt2)を移動(流下、転動)する球の前後方向(矢印F-B方向)の変位速度を変化(変更)させることができ、振分通路E2150,E3150,E11150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向の変化を多様とできる。
第17実施形態、第18実施形態および第26実施形態では、湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150とが当接される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150とが当接しなくても良い。この場合、湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150との対向間距離を球の直径よりも小さくすることで、球が湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150との間から流出することを抑制できる。
第17実施形態、第18実施形態および第26実施形態では、平面部E2133と振分通路E2150,E3150,E11150との間に弾性ばねE2190が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、湾曲部E131と振分通路E2150,E3150,E11150との間に弾性ばねE2190が配設されても良い。この場合、弾性ばねE2190は伸びた状態で配設され、弾性ばねE2190の弾性回復力を利用して湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150との当接状態が維持される、もしくは、湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150との対向間距離を球の直径より小さい状態に維持される。
第17実施形態、第18実施形態および第26実施形態では、弾性ばねE2190により振分通路E2150,E3150,E11150が変位される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動モータやソレノイドにより変位されても良い。
第17実施形態および第18実施形態では、支持軸E20jにより平面部E2133と振分通路E2150,E3150とが係合され、弾性ばねE2190がコイルばねとして構成され、弾性ばねE2190により振分通路E2150,E3150を鉛直方向上方側(矢印U方向側)へ変位(回動)させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、弾性ばねE2190がねじりばねとして構成されても良い。この場合、ねじりばねを支持軸E20jに係合しておけばよく、これにより、弾性ばねE2190を係合するための支持突起E2133a,E2150aの配設を抑制できる。その結果、製品コストの削減を図ることができる。
第17実施形態および第18実施形態では、振分通路E2150,E3150が前後方向(矢印F-B方向)を回動軸として回動され、第26実施形態では、振分通路E11150が上下方向(矢印U-D方向)を回動軸として回動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振分通路E2150,E3150,E11150が左右方向(矢印L-R方向)を回動軸として回動されても良い。これにより、振分通路E2150,E3150,E11150を移動(流下、転動)する球を前後方向(矢印F-B方向)に移動させ易くでき、球の移動(流下、転動)方向の変化を多様化できる。その結果、球の移動(流下、転動)方向の変化が単調となることを抑制でき、遊技の興趣を向上できる。
第17実施形態および第18実施形態では、平面部E2133の支持突起E2133aが長手方向両端側にそれぞれ形成され、支持部E2133bが支持突起E2133aよりも中央通路E160側に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、支持部E2133bが長手方向両端側にそれぞれ形成され、支持突起E2133aが支持部E2133bよりも中央通路E160側に形成されても良い。また、支持突起E2133aが長手方向両端側と、その支持突起E2133aよりも長手方向中央側に形成され、長手方向におけるそれら支持突起E2133aの間に支持部E2133bが形成されても良い。
第19実施形態および第20実施形態では、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)に突起部E151が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、突起部E151が配設されなくても良い。即ち、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)の上面が平坦に形成されても良い。これにより、振分通路E150から流下(落下)される球の変位を遊技者に予測し易くできる。また、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)の一部には突起部E151が配設され、残りの他部には突起部E151が配設されなくても良い。
第19実施形態では、第2振分通路E4150が、振分通路E150に対し、傾斜方向における長さが短く形成され、その他は同一とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第2振分通路E4150の前後方向(矢印F-B方向)における長さが、振分通路E150の前後方向における長さよりも大きく形成されても良い。これにより、第2振分通路E4150に移動(流下、転動)された球を介設部材E140へ案内(送球)し易くできる。
第19実施形態では、振分通路E150が第1位置に配置された状態において第2振分通路E4150,E16150の傾斜方向下降側の端部は、振分通路E150の傾斜方向下降側の端部よりも壁板E132側に位置する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第2振分通路E4150,E16150の傾斜方向下降側の端部は、振分通路E150の傾斜方向下降側の端部よりも上方孔E162(中央通路E160)側に位置しても良い。これにより、振分通路E150を流下(落下)した球を第2振分通路E4150,E16150へ送球させ易くでき、中央通路E160(第4通路ERt4)へ振り分けられた球を第1入賞口64(図135参照)へ入賞し易くできる(第1入賞口64へ入賞する確率を高くできる)。
第20実施形態では、第3振分通路E5150,E17150が第4位置に配設されると、少なくとも第3振分通路E5150,E17150の一部が上面視、中央通路E160に重なる位置に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第3振分通路E5150,E17150は、短手方向(矢印F-B方向)における全部が上面視、中央通路E160に重なる位置に配設されても良い。これにより、振分通路E150から送球された球を中央通路E160(第4通路ERt4)へ案内し難くできる。
第20実施形態では、第3振分通路E5150,E17150が第4位置に配設されると、少なくとも第3振分通路E5150の一部が上面視、中央通路E160に重なる位置に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、前後方向(矢印F-B方向)において、第3振分通路E5150,E17150が、中央通路E160よりも介設部材E140側(矢印F方向側)に配設されても良い。これにより、第3振分通路E5150が第3位置に配設される場合と同様、第3振分通路E5150(第3通路ERt3)に案内された球が架設通路E161(第4通路ERt4)に振り分けられることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
第22実施形態では、斜面部E7154が直線状に形成され、第23実施形態では、湾曲ガイド部E8133dが円弧状に湾曲して形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、斜面部E7154が円弧状に湾曲して形成され、湾曲ガイド部E8133dが直線状に形成されても良い。また、斜面部E7154又は湾曲ガイド部E8133dが直線と円弧を組み合わせた形状に形成されても良い。
第24実施形態では、下側フレームE9086bは、遊技盤E13の幅方向(図135左右方向)における中心に対し線(面)対称(図135左右対称)に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、下側フレームE9086bが非対称に形成されても良い。例えば、ベース部材E9130の長手方向(矢印L-R方向)の一方に形成される溝部E9133cは、湾曲部E131側から中央通路E160側へ向かうにつれて介設部材E140側(矢印F方向側)に傾斜して形成され、ベース部材E9130の長手方向(矢印L-R方向)の他方に形成される溝部E9133cは、中央通路E160側から湾曲部E131側へ向かうにつれて介設部材E140側(矢印F方向側)に傾斜して形成されても良い。例えば、上面視においてベース部材E9130の長手方向(矢印L-R方向)の一方と他方とで溝部E9133cが同一に形成され、振分通路E150の変位の態様が同一であっても良い。
第25実施形態では、溝部E10133cは、第1斜面部E10133に垂直な方向視において曲線が組み合わされた形状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、単一の曲線から形成されても良く、また、直線と曲線とが組み合わされた形状に形成されても良い。
第31実施形態および第32実施形態では、第2振分通路E16150、第3振分通路E17150の外縁には、案内切欠き部E16154a,E17154aを除き、案内部E16154,E17154が立設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、少なくとも外縁の一部に形成されれば良い。これにより、第2振分通路E16150、第3振分通路E17150の外縁に案内部E16154,E17154が非形成の場合と比較して、第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率を高く)でき、遊技の興趣を高めることができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<経路構成手段を通る球が被通過手段の目隠しになるポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、を備え、前記経路構成手段は、所定方向視における、前記被通過手段の上流側で前記経路構成手段を流下する第1の遊技球の手前側で、その第1の遊技球の少なくとも一部と重なる位置に配置可能な変位可能手段を備えることを特徴とする遊技機A1。
パチンコ機等の遊技機において、球検出孔431へ向けた遊技球の流下経路を複数種類構成可能な大入賞部品300を備え、球検出孔431付近が化粧板302によって認識し難く構成される遊技機がある(例えば、特開2017-185021号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、化粧板302により常に球検出孔431を認識し難く構成されているので、球検出孔431への入球を確認して遊技球の発射の継続または停止を行うという遊技態様に対応できず、遊技者が不満に感じる可能性があった。即ち、遊技球の発射操作と関連する部分において改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機A1によれば、経路構成手段において第1の遊技球の視認性を低下させる手段が所定の変位可能手段であるので、第1の遊技球が見え易い状態を構成可能とされる。従って、第1の遊技球が見え易い状態においては、第1の遊技球の流下を確認して、遊技球の発射操作の継続または停止の判断を行い易くなることから、遊技球の発射操作と関連する部分において改善することができる。
なお、所定の変位可能手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、別の遊技球でも良いし、遊技球の流下経路とガラスユニットとの間で変位可能に構成される装飾用部材でも良い。
なお、被通過手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、特定領域を構成する開口でも良いし、図柄の抽選に関わる入球口(例えば、始動口)でも良いし、賞球の払い出しに関わる賞球口でも良いし、遊技球が通過可能なその他の手段でも良い。
遊技機A1において、前記変位可能手段は、前記第1遊技球の上流側を流下する第2の遊技球であることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、被通過手段へ向けて案内される遊技球を利用して第1の遊技球の視認性を変化させることができるので、変位可能手段として他の装飾部材を用意する場合に比較して、材料コストや設計コストを低減することができる。
遊技機A2において、前記経路構成手段は、第1の遊技球の正面側に第2の遊技球を配置可能な前後幅長さで形成される前後方向経路を備えることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、第1の遊技球の正面側に、第2の遊技球を配置可能に前後方向経路が構成されるので、正面視において、第2の遊技球で第1の遊技球の少なくとも一部を隠すことができる。
遊技機A3において、前記前後方向経路は、前記第1の遊技球と前記第2の遊技球とが、発射装置に設定された発射間隔で前記経路構成手段を流下した場合に、前記第2の遊技球が前記第1の遊技球の少なくとも一部を隠すよう構成されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、発射間隔のままで経路構成手段を複数の遊技球が流下した場合に、第1の遊技球を第2の遊技球で認識し難くする効果を奏することができる。これにより、認識し難い状況を平常時から生じさせることができる。
遊技機A3又はA4において、前記前後方向経路は、正面側構成部が、背面側構成部よりも遊技領域の中央側に配置されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A3又はA4の奏する効果に加え、被通過手段を見る遊技者の視線に沿う傾きを有する経路として前後方向経路を構成することができるので、第1の遊技球が第2の遊技球に隠される状態を生じ易くすることができる。即ち、目隠しの効果を向上させることができる。
遊技機A5において、前記正面側構成部は、被通過手段を見る遊技者の視線上に配置されることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、前後方向経路に配置される第1の遊技球と第2の遊技球との間隔の長短に関わらず、同様の目隠し効果を生じさせることができる。
即ち、通常であれば、第1の遊技球と第2の遊技球とが近接しているほど、目隠し効果を向上させることができると考えられるが、視線上に第1の遊技球および第2の遊技球が配置されている場合には、間隔の長短が及ぼす影響を無くすことができる。
遊技機A2からA6のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、第1の遊技球の正面側に第2の遊技球を配置可能な前後幅長さで形成される前後方向経路と、その前後方向経路の上流側で遊技球が左右方向に流下可能な左右幅で形成される左右方向経路と、を備えることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A2からA6のいずれかの奏する効果に加え、左右方向経路を流下する遊技球によっても遊技者の視線を遮ることができるので、遊技者が、被通過手段に対して左右に位置ずれしない視線で被通過手段を視認する場合に限らず、左右に位置ずれして、覗き見るような視線に対しても、目隠し効果を生じさせることができる。即ち、遊技者の視線の方向に寄らず、被通過手段への入球態様を認識し難くすることができる(全方位で目隠し効果を生じさせることができる)。
この作用は、前後方向に延びる流路の左右片側を壁部で封じることにより顕著に生じる。即ち、左右片側が壁部で封じられている構成では、左右片側においては壁部が目隠しとなるので、被通過手段への視界が通らない状態を構成し易くできる。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、遊技球が前記被通過手段を第1の態様で通過する第1の流下経路と、遊技球が第2の態様で通過する第2の流下経路と、を備え、前記第1の遊技球が、前記経路構成手段のいずれの流下経路を流下するかに関わらず、前記所定の変位可能手段に少なくとも一部を覆われて視認され得るよう構成されることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A1からA7のいずれかの奏する効果に加え、被通過手段の通過の有無に関わらず、経路構成手段を流下する遊技球の流下態様を認識し難くし得るので、経路構成手段を流下する遊技球に対する注目力を向上させることができる。
なお、第1の態様や、第2の態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、球の流下方向が違う態様でも良いし、球が通過する検出センサが異なる態様でも良い。
遊技機A1からA8のいずれかにおいて、前記被通過手段の上流側において遊技球の流下方向を分ける分岐手段を備え、前記分岐手段は、受け入れた遊技球の流下方向を切り替える切替手段を備え、前記経路構成手段は、分岐手段で流下経路が分けられる遊技球であって前記切替手段に到達した遊技球が、所定区間は同じ経路を流下するよう構成されることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1からA8のいずれかの奏する効果に加え、切替手段に到達した遊技球が所定区間は同じ経路を流下するので、切替手段に到達した遊技球が即座にその後の流下経路に対応した流下態様となる場合に比較して、遊技球の流下の把握を困難とすることができる。これにより、遊技球に対する遊技者の注目力を向上することができる。
遊技機A9において、前記経路構成手段は、流下する遊技球側に突設される突設部を備え、その突設部は、前記分岐手段における遊技球の分岐に作用することを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A9の奏する効果に加え、突設部で遊技球の分岐に作用することができるので、例えば、弁体の移動により分岐を生じさせる場合に比較して、構造の耐久性を向上させることができる。
遊技機A10において、前記突設部は、所定方向に延びる第1突設部と、その第1突設部とは異なる方向に延びる第2突設部と、を備え、前記第1突設部の突設量と前記第2突設部の突設量とが異なるように構成されることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A10の奏する効果に加え、遊技球の流下態様に応じて、第1突設部が遊技球に与える影響と、第2突設部が遊技球に与える影響とを異ならせることができる。これにより、固定の第1突設部および第2突設部を利用しながら、遊技球の流下態様に応じた所定のルールで遊技球を分岐させる作用を生じさせることができる。
<経路構成手段を通る球が被通過手段への導入をアピールするポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、を備え、前記経路構成手段は、前記被通過手段よりも上流側を構成する所定部を備え、その所定部は、前記被通過手段よりも目立つ側に配置され、前記被通過手段へ遊技球を案内可能に構成されることを特徴とする遊技機B1。
パチンコ機等の遊技機において、球検出孔431へ向けた遊技球の流下経路を複数種類構成可能な大入賞部品300を備え、球検出孔431付近が化粧板302によって認識し難く構成され、大入賞部品300の状態の違いによって、化粧板302から外れた位置を遊技球が流下したり、化粧板302の後方に隠されるようにして遊技球が流下したりする遊技機がある(例えば、特開2017-185021号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、化粧板302から外れて流下する視認性の良い遊技球は、むしろ球検出孔431を逸れて流下するよう構成され、化粧板302の後方に隠されるように流下する遊技球の一部が球検出孔431に案内されるので、遊技球の見え易さの良し悪しと、遊技者が得られる利益の多少とが対応しておらず、遊技球に注目したことが無駄になり易いので遊技者が不満に感じる可能性があった。即ち、注目を集めた後の遊技球の流下態様を、注目する意義があるものにするという点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、目立つ側に配置される所定部を流下した遊技球が、被通過手段へ案内可能に構成されていることから、遊技球に対する注目力の向上度合いと、遊技球が被通過手段を通過することとを対応づけることができる。従って、所定部を流下した遊技球が被通過手段を通過する可能性を向上させることができるので、注目を集めた後の遊技球に注目する意義があるという点で改善することができる。
また、このように構成することで、所定部を流下する遊技球で遊技者の視線を誘導し易くすることができ、被通過手段に遊技球が向かうことを遊技者が見逃す可能性を低くすることができる。
なお、被通過手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、特定領域を構成する開口でも良いし、図柄の抽選に関わる入球口(例えば、始動口)でも良いし、賞球の払い出しに関わる賞球口でも良いし、遊技球が通過可能なその他の手段でも良い。
なお、目立つ側の態様は何ら限定されるものではない。例えば、遊技者の目を引き易い表示装置側でも良いし、入賞口側や始動口側でも良いし、遊技者にとって視認し易い前方側(手前側)でも良いし、特定の入球口への入球確率が際立って高くなる箇所として視線が集まり易い部分としてのステージ(主に、センターフレームにより形成される枠の下縁部において遊技球を一時滞留させる箇所)側や、大当たり獲得に直結するV入賞口側や、操作対象としての球貸し装置側や、演出操作ボタン側や、入球口から逸れた遊技球が流下する範囲(遊技者が、悔しくてついつい目で追ってしまう範囲)側や、発光手段での明暗での切替として明るい側や、その他の側でも良い。また、目立ちがたい側を敢えて形成し、相対的に目立たせるようにしても良い。
遊技機B1において、前記経路構成手段は、その経路構成手段へ入球した遊技球を、入球時よりも目立たなくする第2所定部を備え、前記所定部は、前記第2所定部よりも目立つ側に配置されることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、経路構成手段に入球した遊技球が所定部を流下する前に、第2所定部において注目力を下げることで、所定部を流下する際の遊技球の注目力を際立たせることができる。
遊技機B1又はB2において、前記所定部は、遊技球の流下速度が異なる区間を備えることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、遊技球の流下速度に差が無い場合に比較して、遊技者の視線を集める効果を向上することができる。
遊技機B3において、前記所定部を流下する遊技球の第1流下速度よりも、前記第2所定部を流下する遊技球の第2流下速度の方が高速となるよう構成されることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、経路構成手段に入球した遊技球が所定部に到達するまでの期間を短縮することができる。
遊技機B1からB4のいずれかにおいて、前記所定部は、所定方向視における遊技球の変位速度が異なる区間を備えることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1からB4のいずれかの奏する効果に加え、実際の遊技球の流下速度の大小に関わらず、所定方向視における見かけ上の遊技球の変位速度が異なる区間を構成することができるので、任意の所定箇所において所定方向視における遊技球の変位速度を小さくすることにより、遊技者の視線を所定箇所に容易に集め、その他の部分から目を逸らさせることができる。
なお、見かけ上の遊技球の変位速度を異ならせる態様は何ら限定されるものではない。例えば、正面視において前後方向と直交する平面に配置される直線上を変位する場合と、前後方向成分を有する直線上を変位する場合とでの異なりでも良いし、直線上を変位する場合と、曲線状または蛇行状に変位する場合とでの異なりでも良いし、その他の異なりでも良い。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、前記経路構成手段へ遊技球を導入可能に構成される導入手段を備え、前記所定部は、所定方向視において前記導入手段の外方に配置されることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B1からB5のいずれかの奏する効果に加え、導入手段の視認性を確保することができる。従って、導入手段の視認性の確保と、被通過手段を通過する可能性の高い遊技球の注目力の向上とを両立させることができる。
遊技機B1からB6のいずれかにおいて、前記経路構成手段の正面側における遊技球が、前記被通過手段へ向けた視線または前記所定部を避けるよう流下するように構成する回避手段を備えることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B1からB6のいずれかの奏する効果に加え、経路構成手段の正面側において遊技球が流下可能に構成され、遊技球の流下経路が被通過手段へ向けた視線を避けるようにするための回避手段を備えているので、遊技領域の大きさの確保と、被通過手段へ向けた遊技球の視認性の確保と、を両立させることができる。
なお、回避手段の影響を受けた遊技球の流下態様は、何ら限定されるものではない。例えば、被通過手段の正面位置を避けて流下するものでも良いし、被通過手段と遊技者の目の位置とを結ぶ直線を避けて流下するものでも良いし、被通過手段へ向かう遊技球を遊技者が確認できる最後の位置を基準として、その位置の正面位置を避けて流下するものでも良いし、上述の最後の位置と遊技者の目の位置とを結ぶ直線を避けて流下するものでも良いし、その他でも良い。
遊技機B7において、前記経路構成手段は、流下する遊技球を受け入れ可能な受入状態と受入不能な非受入状態とで状態変化可能に構成される受入状態変化手段を備え、その受入状態変化手段は、前記受入状態から前記非受入状態への状態変化において、前記受入状態において受入状態変化手段に到達していた遊技球を経路構成手段側へ案内可能に構成されることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B7の奏する効果に加え、受入状態変化手段に到達してから橋渡しされるように流下した遊技球が、被通過手段へ向けた視線を遮ることを防止することができる。
遊技機B7又はB8において、正面視で前記被通過手段の上方に配設され、遊技領域を区画する区画手段を備え、その区画手段は、遊技球が左右外側を流下可能に構成されることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B7又はB8の奏する効果に加え、区画手段によって、被通過手段の正面位置を遊技球が流下する事態を避けることができるので、被通過手段へ向けた視界を確保し易くすることができる。
なお、区画手段の態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、遊技球の流下面を構成する板状部でも良いし、遊技球が入球可能な入球口構成手段でも良い。また、区画手段は、形状(外観)固定の手段でも良いし、形状(外観)可変の手段でも良い。
遊技機B9において、前記経路構成手段は、流下する遊技球を受け入れ可能な受入状態と受入不能な非受入状態とで状態変化可能に構成される受入状態変化手段を備え、前記区画手段の前記受入状態変化手段側の部分が、遊技球を前記受入状態変化手段側へ案内し易く構成されることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B9の奏する効果に加え、受入状態変化手段へ受け入れられる途中の遊技球を、区画手段によって受入状態変化手段へ押し込む態様で受け入れさせるよう構成することができる。これにより、受け入れられる途中の状態で横滑りした遊技球が、受入状態変化手段から逸れて被通過手段の正面側を落下する事態の発生を避け易くすることができる。
例えば、受入状態変化手段として、左右方向軸で傾倒変位する開閉板を備える特別入賞装置が想定され、区画手段として特別入賞装置の特別入賞口の上方に配置される第1入賞口が想定される。開閉板の閉鎖間際に特別入賞口に到達した遊技球は、しばしば、開閉板の回動先端と、開閉板に蓋をされる開口の縁部との間に挟まれ、縁部の形成方向(開閉板の回動軸方向)に横滑りする。
横滑りした後の遊技球は、開閉板の回動先端の形成範囲のいずれの位置にも到達し得るので、開閉板の少なくとも一部が被通過手段の上方に配置される場合には、横滑りした後の遊技球が正面側に落下した後で被通過手段の正面位置を通過する可能性があり、横滑りした後の遊技球を正面側に落下させるべきでは無い。
横滑りした後の遊技球の正面側への落下を回避できない場合には、被通過手段の正面視上位置を避けて開閉板を配置する必要が生じるので、開閉板の設計自由度が低下することになる。
これに対し、遊技機B10によれば、横滑りした後の遊技球が開閉板の正面側へ落下することを回避し易くすることができ、開閉板の設計自由度を向上することができる。
遊技機B7からB10のいずれかにおいて、前記経路構成手段を流下する遊技球と、前記経路構成手段の正面側を流下する遊技球とが、類似の流下態様で流下するよう構成されることを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、遊技機B7からB10のいずれかの奏する効果に加え、経路構成手段を流下し被通過手段を通過する可能性のある遊技球と、経路構成手段の正面側を流下し被通過手段を通過しない遊技球と、を区別し難くすることで、経路構成手段を流下する遊技球の個数を判別し難くすることができる。
換言すれば、経路構成手段に遊技球が入り易い場合と、入りにくい場合とを、経路構成手段付近を流下する遊技球から判別することを困難とすることができる。
遊技機B1からB11のいずれかにおいて、前記所定部を流下する球の後側から光を照射する発光手段を備えることを特徴とする遊技機B12。
遊技機B12によれば、遊技機B1からB11のいずれかの奏する効果に加え、所定部を流下する球の前側が光で反射し、球が見え難くなることを回避し易くすることができる。
<V通口への経路長さを省スペースで確保するポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、遊技球が前記被通過手段に流下可能な第1状態とその第1状態とは異なる第2状態とで切り替え可能に構成される状態切替手段と、を備え、前記経路構成手段は、遊技球の上下方向の変位を遅らせる遅延手段を備え、その遅延手段により遊技球を前記被通過手段へ向けて流下可能に構成されることを特徴とする遊技機C1。
パチンコ機等の遊技機において、第2大入賞口12に入球した遊技球の流下経路に左右に移動可能に構成される振分部75が配設され、振分部75の配置によって遊技球の流下方向を変化可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2014-155538号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、特定領域73への誤入賞や振分部75による球かみを防止するための振分部75の短期間動作が不可欠とされており、遊技者によっては振分部75の挙動を不信と感じ、安心して遊技を継続できない場合があった。
この解決のための手段の一例として、第2大入賞口12から振分部75までの流路長さを長くすることが想定される。例えば、振分部75の配置を、第2大入賞口12の真下から、遊技領域の左右中央部付近(第1大入賞口10付近)の位置に変えることで、第2大入賞口12から振分部75までの流路長さを長く確保することができる。これにより、特定領域73への誤入賞の可能性を低くすることができると考えられる。
一方、この手段を実行すると、第2大入賞口12から第1大入賞口10までの広範囲に亘って遊技球の流下経路の視認性を確保する必要が生じ、この範囲において遊技領域の設計自由度が制限される。即ち、特定領域73への誤入賞を回避するために、遊技領域の設計自由度が広範囲で制限されるという問題点があった。
換言すれば、遊技領域の設計自由度を高く維持しつつ、遊技球の誤入球を回避するという観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、経路構成手段が所定の遅延手段を備えることから、正面視における経路構成手段の上下長さを短くし省スペースに抑えた場合でも、経路構成手段に入球した遊技球が被通過手段を通過するまでに経過する時間を長く確保することができる。
そのため、被通過手段への遊技球の入球の可否を切り替えるために状態切替手段を作動させる必要が生じるタイミングを経路構成手段への遊技球の入球から所定時間後にすることができるので、経路構成手段への入球の可否を切り替える開閉装置を短期間動作させることなく、誤入賞を回避することができる。そのため、開閉手段が慌ただしく動作しているという印象を遊技者に与えることを回避することができる。これにより、遊技領域の設計自由度を高く維持しつつ、遊技球の誤入球を回避することができる。
なお、遅延手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、流下経路に減速用の凸部を構成する態様でも良いし、前後方向成分を有する流下経路で遊技球を流下させる所定の流下経路を備える態様でも良い。
遊技機C1において、前記遅延手段は複数の所定の流下経路を備え、その所定の流下経路は、正面側へ向かう流下経路の方が、背面側へ向かう流下経路に比較して、流下する遊技球の加速度が大きくなるよう構成されることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、所定の流下経路を流下する遊技球を遊技者に視認させる期間を長く確保することができる。
なお、遊技球の加速度の違いを生じる原因については、何ら限定されるものではない。例えば、所定の流下経路の水平面に対する傾斜の大小でも良いし、所定の流下経路の遊技球側の面形状の設計でも良い。
遊技機C1又はC2において、前記遅延手段は複数の所定の流下経路を備え、その所定の流下経路は、正面側へ向かう流下経路の方が、前後位置を維持して流下する流下経路に比較して、流下する遊技球の加速度が大きくなるよう構成されることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、手前側を流れる遊技球を遊技者に視認させる期間を長く確保することができる。これにより、所定の流下経路を流下する遊技球に対する遊技者の注目力を向上させ易くすることができる。
なお、遊技球の加速度の違いを生じる原因については、何ら限定されるものではない。例えば、所定の流下経路の水平面に対する傾斜の大小でも良いし、所定の流下経路の遊技球側の面形状の設計でも良い。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、前記遅延手段は複数の所定の流下経路を備え、その所定の流下経路は、所定方向視で前記被通過手段の手前に配置される手前位置を遊技球が通るように構成されることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1からC3のいずれかの奏する効果に加え、手前位置に遊技球が配置された場合に、被通過手段付近の視認性を低下させることができる。これにより、被通過手段付近の範囲に対する注目力を向上させることができる。
遊技機C4において、前記手前位置を複数個構成可能とされることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、複数の手前位置に遊技球が配置されることにより、手前側の遊技球によって奥側の遊技球の少なくとも一部を隠すことができる。被通過手段は奥側の遊技球よりも背面側に配置されているので、被通過手段へ向けた視界を複数の遊技球で遮ることができ、被通過手段の視認性を低下させることができる。
この場合、所定の流下経路への遊技球の入球間隔が短い場合、手前位置のいずれかに常に遊技球が配置される状態を構成可能となるので、被通過手段を視認不能な状態を構成可能となる。
遊技機C1からC5のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、上面視で渦を巻く態様で視認されるように形成されることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C1からC5のいずれかの奏する効果に加え、同じ長さの経路構成手段を配設するために要する上下幅を短くすることができる。
また、折り返し経路が形成される場合に比較して、経路壁の厚みを薄くする必要が無いので、流路の強度を向上することができるし、180度で折り返される折り返し経路に比較して、球の詰まり等が生じる可能性を低くできる。
遊技機C1からC6のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、前後方向に延びる前後流路部を備えることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C1からC6のいずれかの奏する効果に加え、経路構成手段の左右幅を抑えられるので、左右対称で一対の経路構成手段を抑えられた左右幅で構成することができる。
遊技機C1からC7のいずれかにおいて、前記被通過手段は、前記経路構成手段の球受入部を基準として、斜め下後方に配置されることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C1からC7のいずれかの奏する効果に加え、正面側から視認する遊技者の視界に被通過手段と経路構成手段の球受入部とを収め易くすることができる。
遊技機C1からC8のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、遊技球を受け入れ可能に構成される第1受入手段と、その第1受入手段とは異なる手段であって遊技球を受け入れ可能に構成される第2受入手段と、を備え、前記第1受入手段および前記第2受入手段の遊技球の受入態様により、遊技者が得られる利益が変化するように構成されることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C1からC8のいずれかの奏する効果に加え、第1受入手段および第2受入手段が遊技球を常時受入可能に構成されており、更に、第1受入手段および第2受入手段の遊技球の受入態様により遊技者が得られる利益が変化するので、遊技球に対する注目力を向上させることができる。
なお、遊技球の受入態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、第1受入手段に限定して遊技球が受け入れられる態様でも良いし、第2受入手段に限定して遊技球が受け入れられる態様でも良いし、第1受入手段に所定個数受け入れられ第2受入手段に所定個数受け入れられる態様でも良い。また、各受入手段に対する入球の頻度が異なる態様でも良いし、入球位置が異なる態様でも良い。
遊技機C9において、遊技者が得られる利益の変化は、前記第1受入手段または前記第2受入手段の片方に限定して遊技球が受け入れられるか、前記第1受入手段および前記第2受入手段の両方に遊技球が受け入れられるかにより生じることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C9の奏する効果に加え、遊技者が得られる利益の大小の設定の仕方により、遊技者が、遊技球を所定の発射態様で打ち出し易いようにすることができる。
なお、遊技者が得られる利益としては、何ら限定されるものではない。例えば、流下する遊技球の認識し易さでも良いし、流下する遊技球により得られる遊技に関連する利益(賞球の払い出し、大当たりの獲得、大当たり終了後の遊技状態が確変状態となること、遊技状態が通常状態になること(転落すること)等)でも良い。
遊技機C9又はC10において、前記経路構成手段は、第1受入手段および第2受入手段から前記被通過手段までが左右対称で構成されることを特徴とする遊技機C11。
遊技機C11によれば、遊技機C9又はC10の奏する効果に加え、左右どちらを主にして遊技球を発射しても、遊技者が不利益を被る可能性を低くすることができる。
遊技機C9からC11のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、流下する遊技球を受け入れ可能な受入状態と受入不能な非受入状態とで状態変化可能に構成される受入状態変化手段を備え、前記受入態様は、前記受入状態変化手段の形状または状態変化の態様により変化することを特徴とする遊技機C12。
遊技機C12によれば、遊技機C9からC11のいずれかの奏する効果に加え、受入状態変化手段の形状または状態変化の態様により受入態様が変化するので、遊技球の発射に関する遊技者の技術の熟練度が遊技者の得られる利益に与える影響を低くすることができる。
遊技機C12において、前記受入状態変化手段の状態変化の態様が、複数種類で構成されることを特徴とする遊技機C13。
遊技機C13によれば、遊技機C12の奏する効果に加え、一定の発射態様で遊技球が発射されている場合であっても、第1受入手段および第2受入手段への遊技球の受入態様を変化させることができる。これにより、受入状態変化手段の状態変化の態様から、遊技者が得られる利益を調整することができる。
<球の流下方向と平行に移動する開閉部材についてのポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、前記経路構成手段へ遊技球を導入可能な導入状態と前記経路構成手段へ遊技球を導入不能な非導入状態とで状態変化可能に構成される状態切替手段と、を備え、前記状態切替手段は、前記状態変化において生じる変位の方向が、遊技球の流下方向に沿うように構成されることを特徴とする遊技機XA1。
パチンコ機等の遊技機において、球検出孔431へ向けた遊技球の流下経路を複数種類構成可能な大入賞部品300を備える遊技機がある(例えば、特開2017-185021号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技球の流下方向と大入賞部品300の開閉板の開閉方向とが略直角方向であり、開閉が遊技球の転動に関与することなく開閉動作が完了することから、開閉板(状態切替手段)の役割について改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機XA1によれば、状態切替手段の変位の方向が、遊技球の流下方向に沿うように構成されるので、遊技球が状態切替手段に近接または当接している状態で状態切替手段の変位を生じさせることで、遊技球の転動態様を変化させるように影響させることができる。これにより、状態切替手段の役割を改善することができる。
例えば、遊技球が左方へ流下している際に、その遊技球が上に乗った状態で状態切替手段を右方にスライド移動させることで、遊技球に対して転動回転の順方向に回転させる負荷を与えることになるので、遊技球を加速させることができる。
また、逆に、遊技球が左方へ流下している際に、その遊技球が上に乗った状態で状態切替手段を左方にスライド移動させることで、遊技球に対して転動回転の逆方向に回転させる負荷を与えることになるので、遊技球の回転を遅らせることができる。
また、転動する遊技球の下端部をかすめるように状態切替手段がスライド移動すると、遊技球の転動方向のみではなく、転動方向に直交する方向の成分も有する負荷を遊技球に与えることができるので、遊技球の流下態様の変化を複雑かつ不規則に生じさせることができる。
これらの遊技球の流下態様に与える影響により、状態切替手段の開閉動作時に状態切替手段に乗っていた球の流下態様を様々に変化させることができるので、遊技球を視認する遊技者を飽きさせることなく、遊技に集中させることができる。
また、状態切替手段の開閉動作と遊技球との配置関係は、何ら限定されるものではない。例えば、遊技球の側面と擦れる配置関係でも良いし、遊技球に流下方向で対抗して遊技球と衝突するような配置関係でも良い。
遊技球と衝突する態様で変位する状態切替手段において、閉鎖動作の方向は何ら限定されるものではない。例えば、遊技球の流下方向と対抗する方向で閉鎖動作し、遊技球を跳ね返せるように構成しても良いし、遊技球の流下方向の順方向で閉鎖動作し、それ以降の遊技球の導入を抵抗少なく規制可能に構成しても良い。
<開放時は第1方向へ、閉鎖時は第2方向へ球を流す開閉部材についてのポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、前記被通過手段へ遊技球を導入可能な導入状態と前記被通過手段へ遊技球を導入不能な非導入状態とで状態変化可能に構成される状態切替手段と、を備え、前記状態切替手段は、前記導入状態で遊技球を第1方向に案内可能とされ、前記非導入状態で遊技球を第2方向に案内可能に構成されることを特徴とする遊技機XB1。
パチンコ機等の遊技機において、球検出孔431へ向けた遊技球の流下経路を複数種類構成可能な大入賞部品300を備える遊技機がある(例えば、特開2017-185021号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、下側可動体371は前側に張り出す状態では遊技球を右方に案内するものの、後側に退避する状態では、遊技球とは当接せず自由落下となり、案内はしない。換言すれば、遊技球の流下に下側可動体371が影響しない。そのため、後側に退避している状態では、下側可動体371以外で遊技球の流下を案内する部分(枠部等)を用意することが必要であり、遊技球の流下を案内するための構成(部材)の個数を削減するという観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機XB1によれば、状態切替手段が導入状態と、非導入状態とで、遊技球を異なる方向に案内するよう構成されるので、遊技球の流下経路を案内するための専用部材を不要とできるので、必要な構成(部材)の個数を削減することができる。これにより、限られたスペースで遊技球の流下方向の多様化を図ることができる。
なお、第1方向と第2方向との関係は何ら限定されるものではない。例えば、方向間の角度が鋭角でも良いし、直角でも良いし、鈍角でも良い。例えば、直角の場合において、前後方向に沿って流下する遊技球に対し、第1方向が下方、第2方向が左右方向に設定するようにしても良い。この場合、正面視において、状態切替手段に案内される前は遊技球の変位が僅かしか認められないようにしながら、状態切替手段による案内が開始された後の方向の差(違い)の最大化を図ることができる。
状態切替手段による案内の作用を生じさせる案内部の配置は何ら限定されるものではない。例えば、状態切替手段が備える可動部材に案内部が配設されても良いし、案内部は状態切替手段の周辺の非可動部に配設されており可動部材の動作によって遊技球が案内部に近接または当接し易い状態に切り替えられるように構成しても良い。
案内部が可動部材に配設される場合には、導入状態と非導入状態との状態切替が完了した後における案内に留まらず、状態を切り替える動作中において遊技球に与える影響も考慮した設計とすることが好ましい。
例えば、遊技球の流下方向に対抗する方向で変位する可動部材を状態切替手段が備える場合、流下方向と直交する平面形状の壁部を設けるよりは、流下方向と傾斜する面(平面、曲面等)形状の壁部を設ける方が、可動部材が遊技球に衝突した際に生じる負荷が、遊技球を逆流させる方向に大きくなる事態を回避し易くすることができる。これにより、遊技球の逆流を回避し易くすることができる。
<分離、反転、合体、回転が一連動作>
視認される面が変化するように変位可能に構成される変位手段を備え、前記変位手段は、第1変位部材と、第2変位部材と、を備え、所定態様の変位において、前記第1変位部材と前記第2変位部材とが相対変位するように構成されることを特徴とする遊技機D1。
パチンコ機等の遊技機において、ベースアーム220の先端部に配設される回動ベース214が複数回回転可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2016-116782号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、回動ベース214が回転変位するものの、遊技者側に見えている面は同一なので、変位手段への注目力を維持し難いという問題点があった。
これに対し、遊技機D1によれば、変位手段の視認される面を、変位に伴い変化可能に構成されるので、変位手段への注目力を維持することができる。
また、第1変位部材と第2変位部材とが相対変位することで、変位手段の外観を変化させることができるので、変位手段に対する注目力を向上させることができる。
遊技機D1において、前記所定態様の変位は、前記第1変位部材と前記第2変位部材とが集合配置される集合部を基準として近接離反する第1の変位と、前記第1変位部材と前記第2変位部材とが前記集合部を基準として回転動作する第2の変位と、を少なくとも含むことを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、第1変位部材と第2変位部材との相対動作を動的に生じさせ易くすることができる。即ち、集合部を基準とした変位として、第1の変位だけでは、集合部からの距離が最短または最長となる終端部において第1変位部材と第2変位部材との変位が低減され易く、第1変位部材と第2変位部材とが止まって見えてしまい、演出効果が低くなる可能性があるところ、第2の変位を混ぜることで、終端部においても回転方向の変位を生じさせることができるので、演出効果を向上させることができる。
遊技機D1又はD2において、前記所定態様の変位は、前記変位手段の視認される面が反転する第3の変位を少なくとも含むことを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、第3の変位により視認される面を反転させることで、第3の変位の前後で遊技者に視認させる装飾を顕著に異ならせることができる。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記第1変位部材および前記第2変位部材は、吸着または接着により固定可能に構成され、その固定に係る負荷は、前記第1変位部材および前記第2変位部材の変位を制限する向きで作用することを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかの奏する効果に加え、固定に係る負荷が第1変位部材および第2変位部材の変位を制限する向きで作用するので、固定に係る負荷を加味して、第1変位部材および第2変位部材の変位を設計することができる。
例えば、ギアに寄る駆動力伝達の場合に、形状の変形を加味しない場合には機械的に変位が生じる場合に、固定に係る負荷を加味すれば、その負荷による部材の弾性変化が顕在化することで、部材の変位タイミングの遅れを生じさせることができる。
また、固定の程度が第1変位部材および第2変位部材の視認される面に対応して異なるよう構成しても良い。
この場合、固定による作用が視認される面に対応して異なるので、遊技者が視認される側面における固定の程度に強弱を設けることができる。
これにより、例えば、同じ変位手段の、反転された面について、一方の面は固く合体して一体的に視認させ易く、他方の面は緩く合体して相対変位し易い状態で視認させ易くすることができる。
また、例えば、第1変位部材および第2変位部材の吸着の程度が固定位置ごとに異なるよう構成することで、第1変位部材および第2変位部材の固定の程度が異なる状態を構成することができる。
なお、吸着可能にする態様は何ら限定されるものではない。例えば、粘着テープで接着する態様でも良いし、磁石と金属部との吸着力を利用するものでも良い。また、磁石に吸着する金属部として、例えば、固定用のビス、ネジ等を利用するように第1反転部材や第2反転部材を設計しても良い。
遊技機D1からD4のいずれかにおいて、前記変位手段は、正逆方向に変位可能に構成され、所定状態において、正方向へは、第1変位態様で変位し、逆方向へは、前記第1変位態様とは異なる第2変位態様で変位し、前記第2変位態様は、所定態様での変位後、前記第1変位態様で変位するよう構成されることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D1からD4のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の変位態様が、正逆方向で異なるように構成され、第2変位態様は第1変位態様の前に所定態様が追加された変位態様として構成されるので、変位手段を退避させる際に変位手段に必要とされる変位量を低減することができる。これにより、退避時における変位手段への注目力を低減することができるので、相対的に、演出位置で変位する変位手段の注目力を向上させることができる。
従来機では、回転の態様が正逆方向で同様なので、演出位置(液晶表示領域の正面側位置)へ張り出して演出した後で、退避位置(液晶表示領域の外方位置)へ退避するまでに逆方向に再び複数回回転する必要があった。この場合、演出位置から退避する部材に視線が集まり易くなることが問題視される可能性があった。
なお、変位態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、回転変位でも良いし、直動変位でも良い。また、変位は平面上におけるものでも良いし、複数平面にまたがるものでも良いし、3次元的なものでも良い。
遊技機D5において、前記変位手段は、動作抵抗が所定量よりも大きくなると負荷伝達を解除するように構成される解除手段を備えることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、変位手段の変位態様の変化を、変位手段の内部の構成の動作抵抗の大小により生じさせることができる。
遊技機D1からD6のいずれかにおいて、前記変位手段へ向けて光を照射する発光手段を備え、前記変位手段は前記第1変位部材および前記第2変位部材を備え、前記第1変位部材および前記第2変位部材は、視認される面が一側か、他側かで、発光手段からの光の視認態様を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D1からD6のいずれかの奏する効果に加え、発光手段からの光に関して変位手段の見え方を、第1変位部材および第2変位部材の視認される面に対応して変化させることができる。
例えば、第1変位部材および第2変位部材が個別に発光しているように視認される場合と、第1変位部材および第2変位部材が一体的に発光しているように視認される場合とで変化させることができる。
遊技機D1からD7のいずれかにおいて、前記変位手段の配置を検出する検出手段を備え、前記検出手段は、前記変位手段の変位が許容可能な状態か否かを検出可能に構成されることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D1からD7のいずれかにおいて、前記変位手段の変位を許容可能な状態を検出手段により検出可能なので、変位手段が変位中に周囲の構造部と衝突することを回避することができる。
また、検出手段により変位手段の変位可能な区間を検出しつつ、変位手段の変位を実行することができるので、ある程度、演出位置から退避位置へ向けて変位した後で拡大縮小を含む変位態様で変位するように制御することで、演出位置から退避位置に変位する際に変位開始時から拡大縮小を含む変位態様で変位する場合に比較して、変位手段に対する注目力の上昇を押さえることができる。
遊技機D1からD7のいずれかにおいて、前記変位手段の状態を検出する検出手段を備え、その検出手段は、前記変位手段の変位について2種類以上の数値を検出可能に構成されることを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、遊技機D1からD7の奏する効果に加え、検出手段の配設個数を削減することができる。なお、変位手段の変位についての数値の種類としては、種々の態様が例示される。例えば、異なる可動部材のそれぞれの配置や姿勢についての数値でも良いし、所定タイミングで動作態様が変化する場合にその動作態様の変化に関与する数値でも良い。
また、検出手段の配置は何ら限定されるものではない。例えば、変位手段の変位基端側に検出手段を配置することで、その変位手段の変位先端側に連結される第2変位手段の配置や姿勢を検出する構造を構成し易い。
遊技機D1からD9のいずれかにおいて、前記変位手段は前記第1変位部材および前記第2変位部材を備え、その第1変位部材および前記第2変位部材は遊技者側に向ける面が一側の面となる姿勢と、他側の面となる姿勢とで反転動作可能に構成され、前記第1変位部材および前記第2変位部材が一側の面を遊技者側に向ける場合には、第1変位部材および第2変位部材を区別可能とされる一方、前記第1変位部材および前記第2変位部材が他側の面を遊技者側に向ける場合には、第1変位部材および第2変位部材を区別不能に構成されることを特徴とする遊技機D10。
遊技機D10によれば、遊技機D1からD9のいずれかの奏する効果に加え、一側が遊技者側に向けられている場合の第1変位部材および第2変位部材の状態に関わらず、反転動作が生じることに対する遊技者の期待感を高く維持することができる。
<複数の被視認面を備える変位手段の配置により視認容易面を変えるポイント>
視認可能に構成される第1視認可能面および第2視認可能面を備える変位手段を備え、その変位手段は、配置に応じて、前記第1視認可能面が視認し易い第1状態と、前記第2視認可能面が視認し易い第2状態と、を切り替え可能に構成されることを特徴とする遊技機E1。
パチンコ機等の遊技機において、反転可能に構成される反転動作部71を備え、視認される面を変化させることで遊技者に視認される外観を変化可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2016-153095号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、反転動作部71の反転は、位置が固定された状態で行われるので、視認される面の変化により遊技者の視線を変化させることはできない。即ち、遊技者の視線を効率よく変化させるという観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機E1によれば、変位手段が、配置に応じて、第1視認可能面が視認し易い状態と、第2視認可能面が視認し易い状態とが切り替えられるので、第1視認可能面または第2視認可能面を見たいと考える遊技者の視線を、変位手段の配置変化の経路に沿う態様で変化させることができる。
遊技機E1において、前記変位手段を視認可能に開放される開放部を備え、前記変位手段は、前記開放部側が視認され易いように構成されることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、開放部を通して奥側を視認する遊技者が、変位手段の第1視認可能面または第2視認可能面を容易に視認できる。
遊技機E2において、前記変位手段は、開放部の中央側に配置される場合よりも、開放部の縁側に配置される場合の方が、配置が背面側に寄ることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、変位手段が開放部の中央側に配置される場合に変位手段を手前側で大きく視認可能としながら、変位手段が開放部の縁側に配置される場合に変位手段を見る際の視線の動きを少なくすることができる。これにより、変位手段の視認性と、変位手段を目で追う遊技者の疲労抑制と、の両立を図ることができる。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、前記変位手段は、複数組の前記第1視認可能面および前記第2視認可能面を備え、一の組の前記第1視認可能面および前記第2視認可能面が視認可能な状態において、他の組の前記第1視認可能面および前記第2視認可能面を視認し難く構成することを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかの奏する効果に加え、第1視認可能面および第2視認可能面に、組ごとに異なる文字や図形を施しておくことで、変位手段を視認する遊技者に対して、異なる文字や図形を視認させることができ、且つ、視認させることを目的としない組の第1視認可能面および第2視認可能面に関しては視認し難く構成することで、変位手段の外観がみっともなくなることを回避することができる。
例えば、第1の組には、抽選結果が大当たりである期待感が低いことを示す文字や図形が第1視認可能面および第2視認可能面に表示され、第2の組には、抽選結果が大当たりである期待感が高いことを示す文字や図形が第1視認可能面および第2視認可能面に表示される場合に、変位手段の配置に関わらず、変位手段を通して、大当たりの期待感の高低を確認することができる。この場合において、変位手段が表示装置の表示領域の正面側から退避した後においても、変位手段による大当たりの期待感についての表示を維持できるので、液晶表示装置から目線を外した遊技者に対しても、大当たりの期待感についての表示を視認させることを継続することができる。
なお、視認し難く構成する態様は何ら限定されるものではない。例えば、遊技者側とは異なる側の面(後側面、左右外側面、等)に配置するようにしても良いし、遮蔽手段で遮蔽することで視認性を落とすように構成しても良い。
遊技機E4において、視認される前記第1視認可能面および前記第2視認可能面の組を切り替える動作は、動作中において、前記第1視認可能面および前記第2視認可能面を認識され難いよう構成されることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E4において、視認される第1視認可能面および第2視認可能面の組を切り替える動作中(確定前)に、遊技者側に表示される第1視認可能面および第2視認可能面の組を予測されることを回避し易くすることができる。これにより、変位手段に対する注目力を向上させることができる。
なお、上述の切り替える動作中において第1視認可能面および第2視認可能面を認識され難いよう構成される態様については、何ら限定されるものではない。例えば、変位手段を高速で回転動作させ認識され難くしても良いし、第1視認可能面(第2視認可能面)の一部と、その他の部分とを結合分離可能に構成し、それら一部とその他の部分とを分離した状態で動作させることで認識され難くしても良いし、発光手段による明暗の設定により相対的に暗くする部分を作り認識され難くしても良い。
なお、この場合において、分離した状態の態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、上述の切り替える動作中において、第1視認可能面(第2視認可能面)の一部と、その他の部分との一方のみが視認され、他方は視認されないように背面側を向いて動作するよう構成しても良いし、それら一部とその他の部分とが同時に視認可能であるが配置がずれて視認される状態で動作するよう構成しても良い。
遊技機E5において、前記変位手段を視認可能に開放される開放部を備え、前記切り替える動作は、前記変位手段が前記開放部の中央側に配置されている状態で実行されることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E5の奏する効果に加え、切り替える動作を遊技者に視認させ易くすることができ、切り替える動作に対する注目力を向上させることができる。
遊技機E5又はE6において、前記切り替える動作中において、前記第1視認可能面の一部とその他の部分との、一方は正面側を向き、他方は正面側とは異なる側を向くことを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E5又はE6の奏する効果に加え、動作中において第1視認可能面の一部を視認可能とし、全体は視認不可能とすることで、動作中において第1視認可能面を認識され難くすることができる。
遊技機E1からE7のいずれかにおいて、前記第2視認可能面への視線の少なくとも一部を遮蔽可能に構成される第2変位手段を備え、前記変位手段は、前記第2変位手段と共に前記第1視認可能面を視認させるための第3状態に切替可能に構成されることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E1からE7のいずれかの奏する効果に加え、第2変位手段により第2視認可能面の少なくとも一部を視認し難く構成することにより、変位手段の演出位置の設計自由度を向上させることができる。
遊技機E1からE8のいずれかにおいて、前記変位手段は、変位に伴って、所定方向視で視認される面を第1視認可能面と第2視認可能面との間で変化させるように構成されることを特徴とする遊技機E9。
遊技機E9によれば、遊技機E1からE8のいずれかの奏する効果に加え、所定方向視で視認される面が第1視認可能面と第2視認可能面との間で変化するので、遊技者の視線の変化量に依存せずに、視認し易い面を任意に変更することができる。
遊技機E9において、前記第1状態と前記第2状態とで前記変位手段の姿勢が変化することを特徴とする遊技機E10。
遊技機E10によれば、遊技機E9の奏する効果に加え、第1状態における変位手段の外観と第2状態における変位手段の外観との違いを、変位手段の姿勢を違えることにより大きくすることができる。
遊技機E9又はE10において、前記変位手段に近接配置可能に構成される補助手段を備え、前記第1状態では、前記変位手段は前記補助手段に近接配置され、前記第2状態では、前記変位手段は前記補助手段から離れて配置されることを特徴とする遊技機E11。
遊技機E11によれば、遊技機E9又はE10の奏する効果に加え、補助手段を変位手段に近接配置させ、一体的に視認させる状態と、補助手段と変位手段とを分けて視認させる状態とを構成することができ、変位手段が遊技者に与える印象を複数構成することができる。
なお、補助手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、配置が固定された手段でも良いし、可動の手段でも良い。
遊技機E11において、前記補助手段は、前記変位手段と一体的に視認させる状態と、前記変位手段とは分離して視認させる状態と、を切替可能に構成されることを特徴とする遊技機E12。
遊技機E12によれば、遊技機E11の奏する効果に加え、変位手段と補助手段とを一体的に視認させるか分離して視認させるかを切り替えることができるので、部材個数に対する視認可能態様のバリエーションを増やすことができる。
<変位手段の変位量と配設手段の変位量との同時点での比が区間で異なるポイント>
変位可能に構成される変位手段と、その変位手段に第1の部分が配設される配設手段と、前記配設手段の第2の部分を支持する支持手段と、を備え、その支持手段は、前記変位手段の変位中における前記第1の部分を基準とした前記第2の部分の配置を制御可能に構成されることを特徴とする遊技機F1。
パチンコ機等の遊技機において、傾倒変位可能なベースアーム220と、そのベースアーム220の傾倒先端側に回動可能に取り付けられた回動役物211と、その回動役物211を回動させるための駆動力を発生させる駆動モータ222と、を備え、ベースアーム220の変位と独立して回動役物211を回動可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2016-116782号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、回動役物211がベースアーム220の先端においてぐらつき易く、ベースアーム220の傾倒変位中に回動役物211を回動させると機構に不具合が生じる可能性がある結果、回動役物211の回動変位はベースアーム220の停止中に行うと想定されることから、変位の自由度が低くなっていた。
即ち、変位可能な部分の変位の設計自由度を高くするという観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機F1によれば、配設手段が変位手段と支持手段とに少なくとも2点で支持され、その2つの支持点が変位手段の変位中に相対変位するように構成されており、支持手段により、第1の部分を基準とする第2の部分の配置を制御可能としているので、配設手段を安定的に支持しながら、変位手段の変位中に配設手段を変位させることができる。これにより、配設手段(変位可能な部分)の変位の設計自由度を高めることができる。
なお、支持手段の態様は、何ら限定されるものではない。例えば、固定のベース手段に形成される案内溝に変位を制限される態様で支持されても良いし、変位可能な第2の変位手段に連結されて支持されても良い。また、支持手段による制御は、電子制御に限定されるものではなく、第2の部分の変位を壁部で規制(案内)する等の機械的な制御も含まれる。
遊技機F1において、前記変位手段は、第1の区間および第2の区間を、変位可能に構成され、前記支持手段は、前記変位手段が前記第1区間を変位する場合に前記第2の部分を支持する第1範囲と、前記変位手段が前記第2区間を変位する場合に前記第2の部分を支持する第2範囲と、を備え、前記第1範囲において前記第2の部分が変位する方向と、前記第2範囲において前記第2の部分が変位する方向とが異なるよう構成されることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、変位手段の変位速度を一定とする場合であっても、配設手段の変位速度を異ならせることができ、支持手段は、第2の部分の変位方向の変化を許容するように構成されるので、第2の部分の変位方向が不規則に変化するとしても配設手段の変位を滑らかにすることができる。
遊技機F1又はF2において、前記支持手段は、前記第2の部分の変位を制限する制限部を備えることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、第1範囲と第2範囲との境界位置(制限部)において第2の部分の変位を制限することができるので、第2の部分を変位の大きい側から小さい側へ向けて変位させる場合に、第1範囲と第2範囲との境界位置(制限部)で第2の部分を停止し易くすることができる。
なお、第2の部分の第1の部分を基準とした変位に要する負荷の態様は何ら限定されるものではない。例えば、第2の部分が引かれる態様でも良いし、第2の部分が押進される態様でも良い。
なお、制限部の態様は何ら限定されるものではない。例えば、第2の部分の変位抵抗の増減を設定する態様でも良いし、第2の部分の変位方向を切り替える態様でも良い。
遊技機F2又はF3において、前記第1の区間は、前記第2の区間よりも前記変位手段の変位範囲の終端側に配置され、前記第2の区間における前記変位手段を基準とした配設手段の相対的な変位量は、前記第1の区間における前記変位手段を基準とした配設手段の相対的な変位量に比較して小さくなるように構成されることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F2又はF3の奏する効果に加え、変位手段の変位途中位置において、変位手段を基準とした配設手段の相対的な変位量が小さくなる区間を構成することができるので、変位手段の変位終端位置の他に、変位手段と配設手段とを一体的に視認し易い位置を設けることができ、結果として、変位手段と配設手段とを一体的に視認し易い位置を増やすことができる。
遊技機F1からF4のいずれかにおいて、前記第1の部分の変位速度を基準とした前記第2の部分の変位速度(の比)を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F1からF4のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の変位速度が一定の場合であっても、支持手段側における配設手段の第2の部分の変位速度を変化させることができるので、駆動手段の簡易な駆動制御(等速駆動)で、配設手段の変位速度を可変とするような動作演出を構成することができる。
遊技機F1からF5のいずれかにおいて、前記支持手段は、前記第2の部分の変位終端における変位速度を低減するよう構成されることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F1からF5の奏する効果に加え、第2の部分の跳ね戻りを防止することができ、変位終端において配設手段を早期に停止させ易くすることができる。
なお、第2の部分の跳ね戻りを防止する手法については何ら限定されるものではない。例えば、変位終端における第2の部分の変位速度(例えば、第1の部分が所定の単位長さ変位する場合の第2の部分の変位量)を低減するように構成する手法でも良いし、第1の部分が停止した状態における第2の部分の変位方向に壁を立てる等の形状的工夫により第2の部分の変位を規制するような手法でも良い。
また、第2の部分の変位量を低減する手法に限らず、第2の部分の変位抵抗を増加させるようにしても良い。例えば、第2の部分の変位終端において磁力等により負荷を与え、第2の部分の変位抵抗を向上するようにしても良いし、コイルスプリング等の付勢力で変位抵抗を向上するようにしても良い。
遊技機F6において、前記支持手段は、前記第1の部分の変位に伴う前記第2の部分の変位の変位軌跡と、前記第1の部分が変位終端で停止した場合の前記第2の部分の変位の変位軌跡とが、交差するよう構成されることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F6の奏する効果に加え、第1の部分の変位に伴う第2の部分の変位を案内する機能を有する支持手段により、第1の部分が停止した場合における第2の部分の戻り変位(バウンド)を低減することができる。
遊技機F1からF7のいずれかにおいて、前記配設手段に変位可能に支持される被支持手段を備え、その被支持手段は、前記変位手段を基準とした前記配設手段の相対的変位量に応じた変位量で変位するように構成されることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F1からF7のいずれかの奏する効果に加え、配設手段と共同で変位する被支持手段により、複雑な演出を実行することができる。
なお、被支持手段の変位の態様は、何ら限定されるものではない。例えば、配設手段が変位する所定平面上を配設手段と並走するように変位する態様でも良いし、配設手段が変位する所定平面とは離れた位置において配設手段の変位態様(例えば、所定平面上のスライド変位態様)とは異なる変位態様(例えば、所定の軸を中心とした回転変位態様)でも良い。
なお、配設手段の変位量に係る配設手段の変位の態様については、何ら限定されるものではない。例えば、姿勢変化でも良いし、姿勢を維持したままでの変位でも良い。
遊技機F8において、前記第1の部分が所定方向に変位する間に、前記第2の部分は、前記第1の部分の変位軌跡と交差する方向に往復変位可能な区間を備えることを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F8の奏する効果に加え、第1の部分が変位している間に、第1の部分に対する第2の部分の相対変位量が戻り変化する(例えば、増加後に減少する)態様とすることができるので、第2の部分の配置は維持しながら、被支持手段の変位量は大きくするという変位態様を実現することができる。
遊技機F8又はF9において、前記配設手段を基準とした前記被支持手段の(相対)回転の変位速度は、前記変位手段の変位速度と同等となるよう構成されることを特徴とする遊技機F10。
遊技機F10によれば、遊技機F8又はF9の奏する効果に加え、被支持手段の変位態様を、配設手段を挟んで変位手段と同等することができる。これにより、あたかも、被支持手段が独自の駆動手段で変位しているように遊技者に錯覚させることができる。
遊技機F1からF10のいずれかにおいて、前記配設手段は、自らの変位に伴い遊技者側に向ける面を第1面と第2面とで切り替えるように姿勢変化する姿勢変化手段を備え、その姿勢変化手段は、前記第2の部分が変位終端に配置された状態において、前記第1面または前記第2面が遊技者側に向けられる姿勢となるように構成されることを特徴とする遊技機F11。
遊技機F11によれば、遊技機F1からF10のいずれかの奏する効果に加え、姿勢変化手段の第1面または第2面が遊技者側に向けられることで、第2の部分が変位終端に到達したことを遊技者が把握できるので、変位手段による演出動作の終期を分かり易く構成することができる。
<振分部材C170~C3170を一例とする発明の概念について>
球の通過経路に少なくとも一部が配設され球の重量で変位可能に形成される変位部材を備えた遊技機において、前記通過経路を通過する第1の球が前記変位部材に達すると、前記第1の球の重量で前記変位部材が所定位置から変位され、前記第1の球が第1の通路へ案内され、前記変位部材が前記第1の球の重量で前記所定位置から変位された状態では、前記第1の球の後続となる第2の球が第2の通路へ案内され、前記変位部材は、前記球の重量が作用されていない状態では、前記所定位置に配置されることを特徴とする遊技機CA1。
ここで、遊技球の重さで動作して、遊技球を第1の通路と第2の通路とに振り分ける振分部材を備えた遊技機が知られている(特開2017-148189号公報)。しかしながら、上述した従来の技術では、到達した遊技球の状態に関わらず、到達した順番に第1の通路と第2の通路へ交互に振り分けるのみであるので、かかる振り分け動作を遊技者に着目させることができず、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機CA1によれば、通過経路を通過する第1の球が変位部材に達すると、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位され、第1の球が第1の通路へ案内され、変位部材が第1の球の重量で変位された状態では、第1の球の後続となる第2の球が第2の通路へ案内され、変位部材は、球の重量が作用されていない状態では、所定位置に配置されるので、第1の球に第2の球が所定量以下の間隔を隔てて連なる場合には、第1の球を第1の通路へ案内し、且つ、第1の球の重量で所定位置から変位されている変位部材により第2の球を第2の通路へ案内することができる一方、第1の球に第2の球が所定量を越える間隔を隔てて連なる場合には、第1の球を第1の通路へ案内し、且つ、第2の球が到達する前に変位部材が所定位置へ配置されることで、第2の球も第1の通路へ案内することができる。このように、球の連なりの状態(先行の球と後行の球との間隔)に応じて案内する通路を変化させられるので、球の状態を遊技者に着目させて、遊技の興趣を向上することができる。
なお、第1の球の後続となる第2の球とは、第1の球に対して所定量よりも小さい間隔を隔てて後行する球を意味する。よって、第2の球は第1の球に当接した状態で転動や流下するものであっても良い。
遊技機CA1において、前記変位部材の前記所定位置への変位は、前記変位部材の重量により行われることを特徴とする遊技機CA2。
遊技機CA2によれば、遊技機CA1の奏する効果に加え、変位部材の前記所定位置への変位は、変位部材の重量により行われるので、付勢ばねを利用する場合と比較して、構造を簡素化できる。また、付勢ばねを利用する場合と比較して、変位部材への変位を低速とできるので、第2の球を第2の通路へ案内する前に変位部材が所定位置へ配置されることを抑制できる。更に、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を付与できる。
遊技機CA2において、前記変位部材は、前記球を前記第1の通路または第2の通路へ案内する本体部と、その本体部に連結され前記本体部を前記所定位置へ変位させる錘として機能する錘部とを備え、前記錘部の少なくとも一部が遊技者から視認可能とされることを特徴とする遊技機CA3。
遊技機CA3によれば、遊技機CA2の奏する効果に加え、球を第1の通路または第2の通路へ案内する本体部と、その本体部に連結され本体部を所定位置へ変位させる錘として機能する錘部とを備え、錘部の少なくとも一部が遊技者から視認可能とされるので、錘部の位置(状態)に基づいて、球が案内される方向を遊技者に認識させることができる。また、本体部を変位させるための錘としての役割と球の案内方向を認識させる部位としての役割とを錘部に兼用させることができ、その分、製品コストを低減できる。
遊技機CA1からCA3において、前記変位部材は、前記第1の通路へ案内される前記第1の球が転動する第1面を備えることを特徴とする遊技機CA4。
遊技機CA4によれば、遊技機CA1からCA3のいずれかにおいて、変位部材は、第1の通路へ案内される第1の球が転動する第1面を備えるので、第1の球が第1面を転動している間、その球の重量を変位部材に作用させることができる。よって、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位された状態(即ち、第2の球を第2の通路へ案内可能な状態)を維持しやすくできる。
遊技機CA4において、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第2面は、前記軸と鉛直方向において重なる位置に配設されることを特徴とする遊技機CA5。
遊技機CA5によれば、遊技機CA4の奏する効果に加え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第2面は、軸と鉛直方向において重なる位置に配設されるので、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。よって、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。
遊技機CA4又はCA5において、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面が前記第2面よりも長くされることを特徴とする遊技機CA6。
遊技機CA6によれば、遊技機CA4又はCA5の奏する効果に加え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面が第2面よりも長くされるので、第2の球が第2面を転動する間、同時に、第1の球が第1面を転動する状態を形成しやすくできる。即ち、第2の球が第2面を転動する間、第1の球の重量を変位部材に作用させておくことで、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。よって、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。
遊技機CA4からCA6のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面は、前記軸から離間する方向へ延設されることを特徴とする遊技機CA7。
遊技機CA7によれば、遊技機CA4からCA6のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面は、軸から離間する方向へ延設されるので、第1の球が第1の通路へ向けて転動するに従って、その第1の球の重量を変位部材に効果的に作用させることができる。よって、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。従って、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。
遊技機CA4からCA7のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面と第2面とは、少なくとも一部が前記軸を挟んで配置されることを特徴とする遊技機CA8。
遊技機CA8によれば、遊技機CA4からCA7のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材と、そのベース部材に変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面と第2面とは、少なくとも一部が軸を挟んで配置されるので、変位部材の配置の自由度を高めることができる。
遊技機CA4からCA7のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面と第2面とは、少なくとも一部が前記軸に対して同じ側に配置されることを特徴とする遊技機CA9。
遊技機CA9によれば、遊技機CA4からCA7のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材と、そのベース部材に変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面と第2面とは、少なくとも一部が軸に対して同じ側に配置されるので、第1の球が第1面から排出されたとしても、第2の球の重量を利用して、変位部材の姿勢を、第2の球を第2の通路へ案内するための姿勢とすることができる。その結果、第1面の長さを短くすることができ、その分、変位部材の配置の自由度を高めることができる。
遊技機CA4からCA9のいずれかにおいて、前記第1面へ向けて球が転動する上流面を備え、前記第1面は、前記上流面から転動された前記第1の球の転動方向を反転させることを特徴とする遊技機CA10。
遊技機CA10によれば、遊技機CA4からCA9のいずれかの奏する効果に加え、第1面へ向けて第1の球が転動する上流面を備え、第1面は、上流面から転動された第1の球の転動方向を反転させるので、その反転に要する時間の分、第1の球が第1面に滞留する時間を確保できる。よって、第2の球が第2面を転動する間、第1の球の重量を変位部材に作用させておくことで、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。従って、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。更に、第1面の長さを短くすることができ、その分、変位部材の配置の自由度を高めることができる。
遊技機CA1からCA10のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸と、前記ベース部材に配設され前記第1面へ向けて球が転動する上流面とを備え、前記軸は、前記上流面を前記球が転動する方向と鉛直方向とに直交する姿勢で配設されることを特徴とする遊技機CA11。
遊技機CA11によれば、遊技機CA1からCA10のいずれかの奏する効果に加え、軸は、上流面を球が転動する方向と鉛直方向とに直交する姿勢で配設されるので、ベース部材に変位部材が配設されたユニットの小型化を図ることができる。特に、上流面を球が転動する方向を遊技機の幅方向に沿わせてベース部材を配設することで、遊技機の幅方向を有効活用して、変位部材を配設するスペースを確保しやすくできる。
遊技機CA1からCA10のいずれかにおいて、ベース部材を備え、そのベース部材に前記変位部材がスライド変位可能に配設されることを特徴とする遊技機CA12。
遊技機CA12によれば、遊技機CA1からCA10のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材に変位部材がスライド変位可能に配設されるので、例えば、変位部材が回転可能にベース部材に軸支される場合と比較して、変位部材を小型化でき、その分、ベース部材における他の部材の配設スペースを確保できる。
遊技機CA1からCA12のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸と、前記ベース部材に配設され前記第1面へ向けて球が転動する上流面とを備え、前記変位部材は、前記第1の球の重量で前記変位部材が前記所定位置から変位された状態で前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1の球の重量で前記変位部材が前記所定位置から変位された状態では、前記上流面の下流端よりも前記第2面の上流端が鉛直方向下方に位置することを特徴とする遊技機CA13。
ここで、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位されると、その変位された際の衝撃で変位部材が跳ね上がることがあり、この変位部材の跳ね上がりにより、上流面の下流端よりも第2面の上流端が上方に位置すると、第2の球を上流面から第2面へ転動させることができなくなる虞がある。特に、跳ね上がった変位部材の上流端(第2面の上流端)に第2の球が衝突すると、その衝撃で変位部材が更に跳ね上げられ(第2の球で変位部材が押し上げられ)、第1の球が転動するべき通路(第1面)へ第2の球が流入する虞がある。
これに対し、遊技機CA13によれば、遊技機CA1からCA12のいずれかの奏する効果に加え、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位された状態では、上流面の下流端よりも第2面の上流端が鉛直方向下方に位置するので、その分、第1の球の重量で所定位置から変位された際の衝撃で変位部材が跳ね返った場合に、上流面の下流端よりも第2面の上流端が上方へ位置することを抑制できる。よって、第2の球を上流面から第2面へスムーズに転動させることができる。
遊技機CA13において、前記第2面の上流端は、前記上流面へ向けて下降傾斜されることを特徴とする遊技機CA14。
遊技機CA14によれば、遊技機CA13の奏する効果に加え、第2面の上流端は、上流面へ向けて下降傾斜されるので、第1の球の重量で所定位置から変位された際の衝撃で変位部材が跳ね返り(跳ね上がり)、その跳ね上がった変位部材の上流端(第2面の上流端)に第2の球が衝突した際に、第2の球から変位部材へ作用する力を、変位部材を押し下げる方向の力として作用させることができる。その結果、第2の球を上流面から第2面へスムーズに転動させることができる。
遊技機CA1からCA14のいずれかにおいて、前記第1面へ向けて球が転動する上流面を備え、前記変位部材は、前記第1の通路へ案内される前記第1の球が転動する第1面を備え、前記第1面は、前記上流面から転動された前記第1の球の転動方向を反転させ、前記変位部材が第1の球の重量で前記所定位置から変位される際には、前記第1面の反転する位置にある前記第1の球の前記上流面側の変位軌跡よりも前記変位部材の前記上流面側の変位軌跡が前記上流面から離間された位置とされることを特徴とする遊技機CA15。
遊技機CA15によれば、遊技機CA1からCA14のいずれかの奏する効果に加え、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位される際には、第1面の反転する位置にある第1の球の上流面側の変位軌跡よりも変位部材の上流面側の変位軌跡が上流面から離間された位置とされるので、第2の球が第1面に誤って流入される(受け入れられる)ことを抑制できる。即ち、第1の球に第2の球を当接させて第2の球を第1面から離間させておくと共に、第1の球の重量で所定位置から変位する変位部材の上流面側の端部で第2の球を第1面から離間する方向へ押しのけることができる。
遊技機CA15において、前記変位部材は、前記第1の球の重量で前記所定位置から所定以上の変位がされるまでは、前記第1面の転動方向を反転させる位置に前記第1の球を留めることを特徴とする遊技機CA16。
遊技機CA16によれば、遊技機CA15の奏する効果に加え、変位部材は、第1の球の重量で所定位置から所定以上の変位がされるまでは、第1面の転動方向を反転させる位置に第1の球を留めるので、第2の球が第1面に誤って流入される(受け入れられる)ことをより確実に抑制できる。即ち、第1の球に第2の球を当接させて第2の球を第1面から離間させておくと共に、第1の球の重量で所定位置から変位する変位部材の上流面側の端部で第2の球を第1面から離間する方向へ押しのける動作をより確実に実行できる。
遊技機CA1からCA16のいずれかにおいて、流入部と、その流入部から流入された球が往復変位可能に転動する往復面と、その往復面から球を流出させる流出部とを備え、前記流出部が前記通過経路において前記変位部材よりも上流側に位置することを特徴とする遊技機CA17。
遊技機CA17によれば、遊技機CA1からCA16のいずれかの奏する効果に加え、流入部と、その流入部から流入された球が往復変位可能に転動する往復面と、その往復面から球を流出させる流出部とを備え、流出部が通過経路において変位部材よりも上流側に位置するので、第1の球と第2の球とを所定量以下の間隔で連ならせ、これら第1の球と第2の球とを所定量以下の間隔で連なった状態で変位部材に到達させやすくできる。即ち、流入部から流入される際の第1の球と第2の球との間隔が所定量よりも大きな間隔であっても、往復面を往復変位されることで、これら第1の球と第2の球との間隔を詰まらせる(間隔を所定量以下とする)ことができる。
遊技機CA17において、前記往復面の幅寸法は、1の球が通過可能な幅寸法に設定されることを特徴とする遊技機CA18。
遊技機CA18によれば、遊技機CA17の奏する効果に加え、往復面の幅寸法は、1の球が通過可能な幅寸法に設定されるので、流入部から往復面へ流入され往復面を往復変位される第1の球と第2の球とがすれ違うことを抑制できる。よって、第1の球と第2の球とが往復面を往復変位される際に、それら第1の球と第2の球との間隔を詰まらせやすく(間隔を所定量以下としやすく)できる。
遊技機CA18において、前記往復面は、一側および他側のそれぞれへ向かうに従って上昇傾斜され、前記流出部は、前記往復面の最下方に配置されることを特徴とする遊技機CA19。
遊技機CA19によれば、遊技機CA18の奏する効果に加え、往復面は、一側および他側のそれぞれへ向かうに従って上昇傾斜され、流出部は、往復面の最下方に配置されるので、往復面を往復変位される慣性が弱まった状態で第1の球と第2の球とを流出部から流出させることができる。即ち、第1の球と第2の球とを所定量以下の間隔で連ならせた状態を維持して流出させやすくできる。
遊技機CA19において、前記往復面は、上面視直線状に形成されることを特徴とする遊技機CA20。
遊技機CA20によれば、遊技機CA19の奏する効果に加え、往復面は、上面視直線状に形成されるので、第1の球と第2の球とが往復面を往復変位される際に、それら第1の球と第2の球との間隔を詰まらせやすく(間隔を所定量以下としやすく)できる。
遊技機CA1からCA20のいずれかにおいて、磁石の吸着力を球に作用可能に形成され少なくとも下面を下降傾斜させた姿勢で配設される吸着部材を備えることを特徴とする遊技機CA21。
遊技機CA21によれば、遊技機CA1からCA20のいずれかの奏する効果に加え、磁石の吸着力を球に作用可能に形成され少なくとも下面を下降傾斜させた姿勢で配設される吸着部材を備えるので、かかる吸着部材により球の通過経路を形成して、遊技の興趣を向上できる。即ち、吸着部材の下降傾斜した下面に球を吸着させると、球を自重により摺動させ吸着部材の下面に沿って変位させることができる。この場合、球の状態(球に作用される慣性力と吸着力との関係)によって、吸着部材の下面から球が落下する可能性(即ち、通過経路(吸着部材の下面)の終端まで球が到達できない可能性)を持たせた不安定な状態とできる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機CA21において、前記吸着部材は、磁性体から板状に形成される下面形成部材と、その下面形成部材に磁力を作用させる磁石とを備えることを特徴とする遊技機CA22。
遊技機CA22によれば、遊技機CA21の奏する効果に加え、吸着部材は、磁性体から板状に形成される下面形成部材と、その下面形成部材に磁力を作用させる磁石とを備えるので、球が摺動する面を下面形成部材の下面により形成する構造とすることで、吸着力の調整と摩擦力の適正化を容易として、球の通過経路を簡素な構造で確実に形成できる。
遊技機CA21又はCA22において、前記吸着部材は、前記第2の通路の少なくとも一部を形成することを特徴とする遊技機CA23。
遊技機CA23によれば、遊技機CA21又はCA22の奏する効果に加え、吸着部材は、第2の通路の少なくとも一部を形成するので、遊技の興趣を向上できる。即ち、第2の球が変位部材により案内されて第2の通路へ到達できるのは、第1の球に第2の球が所定量以下の間隔を隔てて連なった状態で変位部材に到達した場合のみであり、その可能性は比較的低い。そのような低い可能性を経て到達した第2の球を、落下する可能性(吸着部材の下面の終端まで到達できない可能性)がある不安定を状態で変位させることで、無事に通過することを遊技者に期待させて、遊技の興趣を向上できる。
遊技機CA23において、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第1の通路へ案内される前記第1の球が転動する第1面と、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面とを備え、前記第1面と第2面とは、少なくとも一部が前記軸を挟んで配置されることを特徴とする遊技機CA24。
遊技機CA24によれば、遊技機CA23の奏する効果に加え、ベース部材と、そのベース部材に変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、変位部材は、第1の通路へ案内される第1の球が転動する第1面と、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面とを備え、第1面と第2面とは、少なくとも一部が軸を挟んで配置されるので、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位される(第1面の位置が下方へ変位される)ことで、第2面の位置を上方へ変位させることができる。よって、第2面を転動する第2の球を吸着部材の下面に吸着させやすくできる。
遊技機CA24において、前記第2面は、前記軸と鉛直方向において重なる位置に配設されることを特徴とする遊技機CA25。
遊技機CA25によれば、遊技機CA24の奏する効果に加え、第2面は、軸と鉛直方向において重なる位置に配設されるので、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位される(第2面の位置が下方へ変位される)ことを抑制できる。よって、第2面を転動する第2の球を吸着部材の下面に吸着させやすくできる。
遊技機CA24又はCA25において、前記第1面が前記第2面よりも長くされることを特徴とする遊技機CA26。
遊技機CA26によれば、遊技機CA24又はCA25の奏する効果に加え、第1面が第2面よりも長くされるので、第2の球が第2面を転動する間、同時に、第1の球が第1面を転動する状態を形成しやすくできる。即ち、第2の球が第2面を転動する間、第1の球の重量を変位部材に作用させておくことで、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位される(第2の面の位置が下方へ変位される)ことを抑制できる。よって、第2面を転動する第2の球を吸着部材の下面に吸着させやすくできる。
<皿部材C120,C2120,C4120を一例とする発明の概念について>
球の通路を備えた遊技機において、前記通路は、前後方向に球を往復動可能とする第1の通路と、その第1の通路に連通され、球を左右方向に沿って通過させる第2の通路と、を備えることを特徴とする遊技機CB1。
ここで、球を往復動可能とする通路部材(ステージ)を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607号公報)。しかしながら、上述した遊技機では、遊技の興趣が十分ではないという問題点があった。
これに対し、遊技機CB1によれば、通路は、前後方向に球を往復動可能とする第1の通路と、その第1の通路に連通され、球を左右方向に沿って通過させる第2の通路と、を備えるので、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CB1において、前記第2の通路を第1の球とその第1の球の後続となる第2の球とが通過する場合に、それら第1の球と第2の球との間隔に応じて、前記第1の球および前記第2の球の案内先となる通路が変化されることを特徴とする遊技機CB2。
遊技機CB2によれば、遊技機CB1の奏する効果に加え、第2の通路を第1の球とその第1の球の後続となる第2の球とが通過する場合に、それら第1の球と第2の球との間隔に応じて、第1の球および第2の球の案内先となる通路が変化されるので、球が所定の通路へ案内されること(即ち、第1の球と第2の球との間隔が所定の間隔となること)を遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、第1の通路における往復動によって第1の球と第2の球の間隔とが決定されるところ、それら第1の球および第2の球が、球を左右方向に沿って通過させる第2の通路へ第1の通路から流下されるので、第1の球と第2の球との間隔を遊技者に視認させ易くできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CB2において、前記第2の通路を通過する際の第1の球と第2の球との間隔が所定量以下の場合には、前記間隔が所定量を超える場合に案内される通路よりも有利な通路へ少なくとも第2の球が案内され、
前記第1の通路は、第1の球と第2の球とが前記往復動されることで、それら第1の球と第2の球との間隔を減少可能に形成されることを特徴とする遊技機CB3。
遊技機CB3によれば、遊技機CB2の奏する効果に加え、第2の通路を通過する際の第1の球と第2の球との間隔が所定量以下の場合には、間隔が所定量を超える場合に案内される通路よりも有利な通路へ少なくとも第2の球が案内され、第1の通路は、第1の球と第2の球とが往復動されることで、それら第1の球と第2の球との間隔を減少可能に形成されるので、第2の通路を通過する際の第1の球と第2の球との間隔を所定量以下とし易くできる。その結果、有利な通路へ案内されることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CB1からCB3のいずれかにおいて、中央が開口された遊技盤を備え、前記第2の通路は、前記遊技盤の開口に配置されることを特徴とする遊技機CB4。
遊技機CB4によれば、遊技機CB1からCB3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、中央が開口された遊技盤を備え、第2の通路は、遊技盤の開口に配置されるので、前後方向のスペースを有効に活用できる。よって、第2の通路の全長を確保し易くできる。
<磁性部C2400,c5400,c6400(通路部CRt2004)を一例とする発明の概念について>
球の通過経路に少なくとも一部が配設され球の重量で変位可能に形成される変位部材を備えた遊技機において、前記通過経路を通過する第1の球が前記変位部材に達すると、前記第1の球の重量で前記変位部材が所定位置から変位され、前記変位部材が前記第1の球の重量で前記所定位置から変位された状態では、前記第1の球の後続となる第2の球が前記変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して前記第1の球とは異なる通路へ案内されることを特徴とする遊技機CC1。
ここで、遊技球の重さで動作して、遊技球を第1の通路と第2の通路とに振り分ける振分部材を備えた遊技機が知られている(特開2017-148189号公報)。しかしながら、上述した従来の技術では、球は重量方向下方へ流下するのみであるので、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機CC1によれば、通過経路を通過する第1の球が変位部材に達すると、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位され、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位された状態では、第1の球の後続となる第2の球が変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して第1の球とは異なる通路へ案内されるので、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CC1において、前記変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して前記第2の球が案内される通路は、球を磁力により吸着可能な磁性部により形成されることを特徴とする遊技機CC2。
遊技機CC2によれば、遊技機CC1の奏する効果に加え、変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して第2の球が案内される通路は、球を磁力により吸着可能な磁性部により形成されるので、かかる通路の途中で球が落下される態様を形成できる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CC2において、前記磁性部は、前記変位部材の上方へ持ち上げられる部分よりも上方に位置することを特徴とする遊技機CC3。
遊技機CC3によれば、遊技機CC2の奏する効果に加え、磁性部は、変位部材の上方へ持ち上げられる部分よりも上方に位置するので、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位されていない場合には、上方へ持ち上げられるべき部分を第2の球が通過したとしても、その第2の球を磁性部に吸着させない態様を確実に形成できる。
遊技機CC2又はCC3において、前記変位部材は、回転可能に軸支され、その回転軸を挟んで、前記第1の球の重量が作用される部分と、前記上方へ持ち上げられる部分とが位置することを特徴とする遊技機CC4。
遊技機CC4によれば、遊技機CC2又はCC3の奏する効果に加え、変位部材は、回転可能に軸支され、その回転軸を挟んで、第1の球の重量が作用される部分と、上方へ持ち上げられる部分とが位置するので、上方へ持ち上げられる部分を第2の球が通過する際に、第1の球の重量を利用して、第2の球が通過する部分を上方へ持ち上げられた状態に維持しやすくできる。
<下側フレームD86b~D8086bを一例とする発明の概念について>
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され前記通路への球の入球のされやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機において、前記変位部材は、前記通路に球が入球された場合に変位され、前記通路への球の入球されやすさを変化させることを特徴とする遊技機DA1。
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され、通路への球の入球のしやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機が知られている(特開2017-124169)。該先行文献には、電動式チューリップ(開閉爪15a)を開閉させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機DA1によれば、変位部材は、通路に球が入球された場合に変位され、通路への球の入球されやすさを変化させるので、よって、第1の球が通路へ入球され、更に、第2の球が通路へ入球されることを期待する場合、或いは逆に、第1の球が通路へ入球された状態では、第2の球が通路へ入球されないことを期待する場合に、通路へ第2の球が入球されるか否かを着目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DA1において、前記変位部材は、前記通路に球が入球された場合に、前記通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されることを特徴とする遊技機DA2。
遊技機DA2によれば、遊技機DA1の奏する効果に加え、変位部材は、通路に球が入球された場合に、通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されるので、通路へ入球された球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)を通路へ入球されやすくできる。即ち、通路へ1の球が入球されれば、後行する球が連続して通路へ入球されやすい状態を形成でき、後行する球が通路へ入球されれば、その後行する球の通路への入球に起因して、次の後行する球が通路へ入球されやすい状態を形成できる。よって、通路への球の入球により、通路への入球の連鎖の発生を遊技者に期待させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DA1において、前記変位部材は、前記通路に球が入球された場合に、前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機DA3。
遊技機DA3によれば、遊技機DA1の奏する効果に加え、変位部材は、通路に球が入球された場合に、通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、第1の球が通路へ入球された状態では、第2の球が通路へ入球されないことを期待する場合に、第2の球が通路へ入球され難くできる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DA1からDA3のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記通路に入球された球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機DA4。
遊技機DA4によれば、遊技機DA1からDA3のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、通路に入球された球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、変位部材を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
遊技機DA2又はDA3において、前記通路に入球された球が転動可能とされ前記転動される球の重さで変位される転動部材と、その転動部材の変位を前記変位部材へ伝達する伝達手段とを備え、前記変位部材は、前記転動する球の重さで前記転動部材が変位され、その転動部材の変位が前記伝達手段により伝達されることで、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機DA5。
遊技機DA5によれば、遊技機DA2又はDA3の奏する効果に加え、通路に入球された球が転動可能とされ、転動される球の重さで変位される転動部材と、その転動部材の変位を変位部材へ伝達する伝達手段とを備え、変位部材は、転動する球の重さで転動部材が変位され、その転動部材の変位が前記伝達手段により伝達されることで、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、球が転動部材を転動している間、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材を変位させておくことができる。即ち、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機DA5において、前記転動部材を複数備えることを特徴とする遊技機DA6。
遊技機DA6によれば、遊技機DA5の奏する効果に加え、転動部材を複数備えるので、その分、球が転動する区間(転動可能距離)を確保して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材が変位されている期間を長くできる。即ち、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機DA5又はDA6において、前記通路へ入球された球は、前記転動部材をその転動部材の下降傾斜によって転動され、前記転動部材は、回転可能に軸支され、球が転動されている状態における前記転動部材の下降傾斜が、球が非転動の状態における前記転動部材の下降傾斜よりも小さくされることを特徴とする遊技機DA7。
遊技機DA7によれば、遊技機DA5又はDA6の奏する効果に加え、通路へ入球された球は、転動部材をその転動部材の下降傾斜によって転動され、転動部材は、回転可能に軸支され、球が転動されている状態における転動部材の下降傾斜が、球が非転動の状態における転動部材の下降傾斜よりも小さくされるので、転動部材を転動する球に勢いが付与されることを抑制できる。よって、球が転動部材を通過するのに要する時間を長くできる。その結果、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機DA5からDA7のいずれかにおいて、前記転動部材は、前記球の重量で変位される前の状態に自重により復帰されることを特徴とする遊技機DA8。
遊技機DA8によれば、遊技機DA5からDA7のいずれかの奏する効果に加え、転動部材は、球の重量で変位される前の状態に自重により復帰されるので、転動部材を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
遊技機DA5からDA8のいずれかにおいて、前記転動部材を転動する球に作用する作用手段を備えることを特徴とする遊技機DA9。
遊技機DA9によれば、遊技機DA5からDA8のいずれかの奏する効果に加え、転動部材を転動する球に作用する作用手段を備えるので、球の転動に影響を与えることができる。即ち、作用手段の作用により球の転動に抵抗を付与し、その転動の速度を低くすることができる。これにより、球が転動部材を通過するのに要する時間を長くできる。その結果、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機DA9において、前記作用手段は、前記通路の内側面から突設され鉛直方向に沿って延設される突部として形成され、前記転動面を転動する球の転動方向に沿って所定間隔を隔てつつ複数が配設されることを特徴とする遊技機DA10。
遊技機DA10によれば、遊技機DA9の奏する効果に加え、作用手段は、通路の内側面から突設され鉛直方向に沿って延設される突部として形成され、転動面を転動する球の転動方向に沿って所定間隔を隔てつつ複数が配設されるので、球が転動面を転動する際には、突部(作用手段)が当接されることで、球の転動に抵抗を付与して、その転動速度を低くすることができる。これにより、球が転動部材を通過するのに要する時間を長くできる。その結果、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
一方で、突部(作用手段)は、鉛直方向に沿って延設されるので、鉛直方向へ移動する球には抵抗が付与され難くできる。よって、転動部材の転動面から球が上方へ跳ね上がった場合には、その球を下方(転動面)へ速やかに落下させることができる。従って、球の上方への跳ね上がりに伴って、転動部材が上方へ変位した場合でも、かかる転動部材が球の重量により変位された状態に速やかに復帰させることができる。その結果、通路へ球が入球されやすくなる側へ球の重量によって変位されていた変位部材が、転動面からの球の跳ね上がりによって、初期位置(通路へ球が入球する前の位置)へ復帰される不具合の発生を抑制できる。
遊技機DA10において、前記転動部材は、球が転動する転動面が球の転動方向に沿って滑らかに連なる平滑面として形成されることを特徴とする遊技機DA11。
遊技機DA11によれば、遊技機DA10の奏する効果に加え、転動部材は、球が転動する転動面が球の転動方向に沿って滑らかに連なる平滑面として形成されるので、転動面を転動する球が上方(鉛直方向)へ跳ね上がることを抑制できる。よって、通路へ球が入球されやすくなる側へ球の重量によって変位されていた変位部材が、転動面からの球の跳ね上がりによって、初期位置(通路へ球が入球する前の位置)へ復帰される不具合の発生を抑制できる。
なお、転動面は、平坦面である必要はなく、起伏を有する面(断面形状が円弧を滑らかに連ねて形成される面)であっても良い。即ち、転動面は、少なくとも球の直径の1/10以上の高さの段差を有していなければ良い。
遊技機DA10又はDA11において、前記突部は、前記通路の内側面であって前記転動面を挟んだ両側に形成され、一方の内側面の突部と他方の内側面の突部とが前記転動部材の転動面に沿って千鳥状に配置されることを特徴とする遊技機DA12。
遊技機DA12によれば、遊技機DA10又はDA11の奏する効果に加え、突部は、通路の内側面であって転動面を挟んだ両側に形成され、一方の内側面の突部と他方の内側面の突部とが転動部材の転動面に沿って千鳥状に配置されるので、球が転動面を転動する際に、球を突部に当接させやすくできる。これにより、球が転動部材を通過するのに要する時間を長くできる。その結果、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機DA5からDA12のいずれかにおいて、前記転動部材は、回転可能に軸支され、前記通路へ入球された球は、前記軸支された部位へ向けて前記転動部材を転動することを特徴とする遊技機DA13。
遊技機DA13によれば、遊技機DA5からDA12のいずれかの奏する効果に加え、転動部材は、回転可能に軸支され、通路へ入球された球は、軸支された部位へ向けて転動部材を転動するので、球が転動部材を転動する際には、その初期段階において転動部材の変位を最大とできる。即ち、通路へ球が入球されやすくなる側への変位部材の変位を、球が通路へ入球し転動部材に達した際に速やかに行わせることができる。よって、通路へ入球された球と、その球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)との間の間隔が比較的小さい場合(例えば、両球が連なって流下される場合)に、後行する球を通路へ入球されやすく又は通路へ入球され難くできる。
また、球の転動が進行するに従って、転動部材の変位量を徐々に小さくできる。即ち、球の転動が進行するに従って、通路へ球が入球されやすくなる側にあった変位部材を初期位置(通路へ球が入球され難くされる側)へ向けて徐々に変位させることができる。これにより、通路へ球が入球する期待を変化させ、遊技の興趣を高めることができる。
更に、通路へ入球された球が転動部材に落下される場合には、落下された球を、転動部材の変位量が大きい位置(軸支された部位から離れた位置)で受け止めることができる。よって、落下された球の運動エネルギーを、転動部材の変位により吸収(消費)して、球が上方へ跳ね上がることを抑制できる。その結果、球の重量を転動部材に安定して作用させ、変位部材の状態を安定させる(例えば、通路へ球が入球され難くされる側または通路へ球が入球され易くなる側へ変位部材が一時的に変位されることを抑制)できる。
遊技機DA13において、前記通路へ入球された球は、前記転動部材に落下されることを特徴とする遊技機DA14。
遊技機DA14によれば、遊技機DA13の奏する効果に加え、通路へ入球された球は、転動部材に落下されるので、落下された球の運動エネルギーを利用して、転動部材を速やかに変位させることができる。その結果、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側への変位部材の変位を速やかに行わせることができる。よって、通路へ入球された球と、その球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)との間の間隔が比較的小さい場合(例えば、両球が連なって流下される場合)でも、後行する球を通路へ入球されやすく又は通路へ入球され難くできる。
また、通路部材へ入球した球を、転動部材とは別の部材(固定された非変位の部材)に落下させる場合には、別の部材の破損を招きやすくなるところ、本発明によれば、落下された球の運動エネルギーを、転動部材の変位により吸収(消費)して、破損を抑制できる。よって、球の落下を許容できる分、通路の設計の自由度を高めることができる。
遊技機DA13において、前記転動部材を転動する球は、少なくとも前記転動部材の前記軸支された部位まで転動されることを特徴とする遊技機DA14。
遊技機DA14によれば、遊技機DA13の奏する効果に加え、転動部材を転動する球は、少なくとも転動部材の軸支された部位(回転軸)まで転動されるので、転動部材の軸支された部位(回転軸)に到達する前に球が排球される場合と比較して、球の排球に伴う慣性力の影響(球の重量が作用されなくなる影響)を抑制して、転動部材が回転方向にばたつくことを抑制できる。よって、変位部材の状態を安定させる(例えば、通路へ球が入球されやすくされる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材が一時的に変位されることを抑制)できる。
遊技機DA5からDA12のいずれかにおいて、前記転動部材は、回転可能に軸支され、前記通路へ入球された球は、前記軸支された部位から離間される方向へ向けて前記転動部材を転動することを特徴とする遊技機DA16。
遊技機DA16によれば、遊技機DA5からDA12のいずれかの奏する効果に加え、転動部材は、回転可能に軸支され、通路へ入球された球は、軸支された部位から離間される方向へ向けて転動部材を転動するこので、球が転動部材を転動する際には、その後期段階(所定量を越えて転動した段階)において転動部材の変位を最大とできる。即ち、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材が変位するタイミングを遅らせることができる。よって、通路へ入球された球と、その球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)との間の間隔が比較的大きい場合に、後行する球を通路へ入球されやすく又は通路へ入球され難くできる。
また、球の転動が進行するに従って、転動部材の変位量を徐々に大きくできる。即ち、球の転動が進行するに従って、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ向けて変位部材を徐々に変位させることができる。これにより、通路へ球が入球する期待を変化させ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機DA5からDA16のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記転動部材が球の重量により変位されていない状態では、前記通路へ球が入球がされやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側への変位が規制されることを特徴とする遊技機DA17。
遊技機DA17によれば、遊技機DA5からDA16の奏する効果に加え、変位部材は、転動部材が球の重量により変位されていない状態では、通路へ球が入球がされやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側への変位が規制されるので、変位部材を、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ強制的に変位させる不正を抑制できる。
遊技機DA17において、前記転動部材が球の重量により変位されていない状態では、前記伝達手段の変位が前記転動部材に規制されることで、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側への前記変位部材の変位が規制されることを特徴とする遊技機DA18。
遊技機DA18によれば、遊技機DA17の奏する効果に加え、転動部材が球の重量により変位されていない状態では、伝達手段の変位が転動部材に規制されることで、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側への変位部材の変位が規制されるので、変位部材の強制的変位を規制するための部品を別途設ける必要がなく、伝達手段を流用することができる。即ち、変位部材を強制的に変位させる不正を抑制するための構造を簡素化できる。
遊技機DA5からDA18のいずれかにおいて、前記転動部材と前記伝達手段との間には、所定の隙間が形成され、球の重量で変位された前記転動部材は、前記隙間を埋めた後に前記伝達手段に当接されることを特徴とする遊技機DA19。
遊技機DA19によれば、遊技機DA5からDA18のいずれかの奏する効果に加え、転動部材と伝達手段との間には、所定の隙間が形成され、球の重量で変位された転動部材は、隙間を埋めた後に伝達手段に当接されるので、転動部材の変位が比較的小さい場合には、伝達手段を介して、転動部材の変位を変位部材へ伝達することができない。即ち、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材を変位させるためには、隙間を越える変位を転動部材に形成する必要があり、よって、遊技機を叩いて転動部材を変位させることや、針金等の異物で転動部材を変位させようとする不正を成功し難くできる。
<下側フレームD86b~D8086bを一例とする発明の概念について>
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され前記通路への球の入球のされやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機において、
前記変位部材の変位速度が変化可能に形成されることを特徴とする遊技機DB1。
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され、通路への球の入球のしやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機が知られている(特開2017-124169)。該先行文献には、電動式チューリップ(開閉爪15a)を開閉させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機DB1によれば、変位部材の変位速度が変化可能に形成されるので、通路への球の入球のされやすさの変化速度を変化させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DB1において、前記変位部材は、前記通路へ球が入球されやすくなる側への変位速度が、前記通路へ球が入球され難くなる側への変位速度よりも速くされることを特徴とする遊技機DB2。
遊技機DB2によれば、遊技機DB1の奏する効果に加え、変位部材は、通路へ球が入球されやすくなる側への変位速度が、通路へ球が入球され難くなる側への変位速度よりも速くされるので、通路へ球が入りやすくされた状態を素早く形成して、通路への球の入球を期待する遊技者に対し、テンポの良い演出を行うことができる。また、通路へ球が入球され難くなる側への変位速度が相対的に遅くされることで、通路へ球が入りやすくされた状態の期間を確保して、通路への球の入球を期待する遊技者に対し、通路への入球が間に合うか否かを着目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DB1において、前記変位部材は、前記通路へ球が入球されやすくなる側への変位速度が、前記通路へ球が入球され難くなる側への変位速度よりも遅くされることを特徴とする遊技機DB3。
遊技機DB3によれば、遊技機DB1の奏する効果に加え、変位部材は、通路へ球が入球されやすくなる側への変位速度が、通路へ球が入球され難くなる側への変位速度よりも遅くされるので、通路への球の入りやすさを徐々に増加させ、通路への球の入球を期待する遊技者に対し、その期待を徐々に高まらせることができる。また、通路へ球が入球され難くされた状態を素早く形成して、通路への球の入球を期待する遊技者に対し、テンポの良い演出を行うことができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DB1からDB3のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記通路に入球された球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機DB4。
遊技機DB4によれば、遊技機DB1からDB3のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、通路に入球された球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、変位部材を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
<下側フレームD86b~D8086bを一例とする発明の概念について>
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され前記通路への球の入球のされやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機において、
前記変位部材を複数備え、
前記複数の変位部材のうちの一の前記変位部材は、他の前記変位部材と変位態様が異なることを特徴とする遊技機DC1。
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され、通路への球の入球のしやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機が知られている(特開2017-124169)。該先行文献には、電動式チューリップ(開閉爪15a)を開閉させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機DC1によれば、変位部材を複数備え、複数の変位部材のうちの一の変位部材は、通路他の変位部材と変位態様が異なるので、それら複数の変位部材の変位態様の組み合わせにより、通路への球の入球のされやすさの変化を大きくできる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
なお、変位態様としては、変位を開始する時期(タイミング)、変位方向、変位速度、これらの組み合わせが例示される。
遊技機DC1において、前記一の変位部材の変位の開始は、前記他の変位部材の変位が開始され、所定時間の経過後とされることを特徴とする遊技機DC2。
遊技機DC2によれば、遊技機DC1の奏する効果に加え、一の変位部材の変位の開始は、他の変位部材の変位が開始され、所定時間の経過後とされるので、通路への球の入球のされやすさが変化される位置を異ならせると共にそのタイミングを異ならせることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DC1又はDC2において、前記通路へ球を流下させる上流通路を備え、前記変位部材の変位方向は、前記上流通路における球の転動方向と略平行とされることを特徴とする遊技機DC3。
遊技機DC3によれば、遊技機DC1又はDC2の奏する効果に加え、通路へ球を流下させる上流通路を備え、変位部材の変位方向は、上流通路における球の転動方向と略平行とされるので、上流通路を転動する球の転動方向や転動位置と変位部材の変位方向や変位位置とを、通路への球の入球のしやすさに関係づけることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機DC1からDC3のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記通路に入球された球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機DC4。
遊技機DC4によれば、遊技機DC1からDC3のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、通路に入球された球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、変位部材を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
<下側フレームD86b~D8086bを一例とする発明の概念について>
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され前記通路への球の入球のされやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機において、
前記通路に入球された球が転動可能に形成される転動部材を備え、
前記変位部材は、前記転動部材を転動する球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位され、
前記転動部材は、球の転動経路の途中で球が落下可能に形成されることを特徴とする遊技機DD1。
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され、通路への球の入球のしやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機が知られている(特開2017-124169)。該先行文献には、電動式チューリップ(開閉爪15a)を開閉させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機DD1によれば、通路に入球された球が転動可能に形成される転動部材を備え、変位部材は、転動部材を転動する球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位され、転動部材は、球の転動経路の途中で球が落下可能に形成されるので、球が転動経路を転動する距離に応じて、球の重量を利用できる期間を変化させることができる。即ち、転動部材を転動する球の状態に応じて、通路への球の入球のされやすさを変化させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DD1において、前記変位部材は、前記転動部材を転動する球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されることを特徴とする遊技機DA2。
遊技機DD2によれば、遊技機DD1の奏する効果に加え、変位部材は、転動部材を転動する球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されるので、通路へ入球された球が転動部材を転動する間、その球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)を通路へ入球されやすくできる。
即ち、通路へ1の球が入球され、その球が転動部材を転動している間は、後行する球が通路へ入球されやすい状態を形成でき、後行する球が通路へ入球され転動部材を転動すれば、次の後行する球が通路へ入球されやすい状態を形成できる。よって、通路への球の入球により、通路への入球の連鎖の発生を遊技者に期待させることができる。一方で、通路へ入球された球が転動部材の転動経路の途中で落下されると、球の重量を利用できなくなり、後行する球が通路へ入球されやすい状態を形成できなくなる。これにより、球の転動状態(転動経路の終端に達することができるか否か)を遊技者に注目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DD1において、前記転動部材を所定数以上の球が転動する場合に、前記転動する球を前記転動部材から落下させやすくする落下手段を備えることを特徴とする遊技機DD3。
遊技機DD3によれば、遊技機DD1の奏する効果に加え、転動部材を所定数以上の球が転動する場合に、転動する球を転動部材から落下させやすくする落下手段を備えるので、転動部材を球が転動している状態において、別の球が更に通路へ流下されるか否かを遊技者に着目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
なお、遊技機DD3における変位部材は、転動部材を転動する球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されるものであっても良く、通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるものであっても良い。前者の場合には、転動部材を球が転動している状態において、別の球が更に通路へ流下される可能性が高くなるので、かかる別の球が通路へ流下されるか否かを行方を遊技者に着目させやすくできる。後者の場合には、転動部材を球が転動している状態において、別の球が更に通路へ流下される可能性を低くできるので、遊技者に安心感を付与できる。
遊技機DD2又はDD3において、前記転動部材の転動経路の途中で落下した球が通過する落下通路を備え、前記落下通路を通過した球には、前記通路を通過した球よりも有利な遊技条件が付与されることを特徴とする遊技機DD4。
遊技機DD4によれば、遊技機DD2又はDD3の奏する効果に加え、転動部材の転動経路の途中で落下した球が通過する落下通路を備え、落下通路を通過した球には、通路を通過した球よりも有利な遊技条件が付与されるので、転動部材の転動経路の途中で球が落下するか否かをより強く遊技者に着目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
<下側フレームE86b~E17086bを一例とする発明の概念について:下降傾斜されたトゲトゲステージが往復駆動、ステージを下降傾斜に沿って流下する際にトゲトゲで流下先にランダム性を持たせる。トゲトゲによる球の保持を往復駆動で抑制>
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機において、前記通路部材の少なくとも一部を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備えることを特徴とする遊技機EA1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の移動方向の変化が単調であり、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機EA1によれば、通路部材の少なくとも一部を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備えるので、変位手段により通路部材が変位されることで、通路部材を移動する球の移動方向の変化を多様化できる。これにより、球の移動方向の変化が単調となることを抑制できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EA1において、前記通路部材に配設され前記球の移動方向に変化を付与する付与手段を備え、前記通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、前記付与手段は、前記通路部材の転動部から突出される複数の突部または前記転動部に凹設される複数の凹部を備えることを特徴とする遊技機EA2。
遊技機EA2によれば、遊技機EA1の奏する効果に加え、通路部材に配設され球の移動方向に変化を付与する付与手段を備え、通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、付与手段は、通路部材の転動部から突出される複数の突部または転動部に凹設される複数の凹部を備えるので、通路部材(転動部)を転動する際の球の移動方向の変化を多様化して、球の移動方向の変化が単調となることを抑制できる。
また、球の移動方向が変化される態様を遊技者に視認させやすくできる。即ち、転動部を転動する球は比較的移動速度が低く、転動部の移動に比較的時間を要するところ、突部または凹部から受ける作用により球の移動に要する時間を更に嵩ませることができる。その結果、球の移動方向が変化される態様を遊技者に視認させやすくでき、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EA2において、前記変位手段は、前記通路部材の転動部を転動する球の転動方向と平行な変位成分を少なくとも備える変位方向に前記通路部材を変位させることを特徴とする遊技機EA3。
遊技機EA3によれば、遊技機EA2の奏する効果に加え、変位手段は、通路部材の転動部を転動する球の転動方向と平行な変位成分を少なくとも備える変位方向に通路部材を変位させるので、球の転動方向と平行な変位成分を突部に形成することができる。その結果、球の移動方向に変化を付与しやすくできる。また、球の移動方向の変化を多様とできる。
遊技機EA2又はEA3において、前記突部は、前記突部どうしの間を球が移動可能な間隔を少なくとも備えて配置されることを特徴とする遊技機EA4。
遊技機EA4によれば、遊技機EA2又はEA3の奏する効果に加え、突部は、突部どうしの間を球が移動可能な間隔を少なくとも備えて配置されるので、球が通路部材(転動部)に留まることを抑制できる。よって、球が通路部材(転動部)に留まることを抑制するために、通路部材(転動部)を複雑な軌跡で変位させることや、大きな変位量や変位速度で変位させることを抑制できる。その結果、変位手段を簡素化できる。
<下側フレームE86b~E17086bを一例とする発明の概念について:ステージを通過したら所定の価値付与>
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機において、前記通路部材の球の通過のしやすさを変化させる変化手段を備え、前記通路部材を通過した球に対して所定の価値を付与可能に形成されることを特徴とする遊技機EB1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球が通過できるか否か(ステージを渡り切って終端に到達できるか否か)を楽しむ遊技性を遊技者に付与することができず、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機EB1によれば、通路部材の球の通過のしやすさを変化させる変化手段を備え、通路部材を通過した球に対して所定の価値を付与可能に形成されるので、球が通路部材を通過できるか否か(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を遊技者に付与することができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EB1において、前記変化手段は、前記通路部材の少なくとも一部を変位させる変位手段を備えることを特徴とする遊技機EB2。
遊技機EB2によれば、遊技機EB1の奏する効果に加え、変化手段は、通路部材の少なくとも一部を変位させる変位手段を備えるので、球が通路部材を移動する際に、変位手段により通路部材が変位されることで、球の移動方向にランダム性を付与することができる。即ち、球が通路部材を通過する(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得る)ことを阻害する又は補助する手段として、変位手段(通路部材の変位)を機能させることができるので、球が通路部材を通過できるか否か(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を高めることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EB2において、前記通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、前記変化手段は、前記通路部材の転動部から突出される複数の突部または前記転動部に凹設される複数の凹部を備えることを特徴とする遊技機EB3。
遊技機EB3によれば、遊技機EB2の奏する効果に加え、通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、変化手段は、前記通路部材の転動部から突出される複数の突部または転動部に凹設される複数の凹部を備えるので、転動部を転動する球の転動方向(移動方向)にランダム性を付与することができる。即ち、球が通路部材を通過する(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得る)ことを阻害する又は補助する手段として突部や凹部を機能させることができるので、球が通路部材を通過できるか否か(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を高めることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EB1からEB3のいずれかにおいて、前記通路部材は、第1通路部材と、その第1通路部材を通過した球が移動可能に形成される第2通路部材と、を備え、前記所定の価値は、前記第2通路部材を通過した球に対して付与可能に形成され、前記変化手段は、前記第1通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様と、前記第2通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様とを異ならせることが可能に形成されることを特徴とする遊技機EB4。
遊技機EB4によれば、遊技機EB1からEB3のいずれかの奏する効果に加え、通路部材は、第1通路部材と、その第1通路部材を通過した球が移動可能に形成される第2通路部材と、を備え、所定の価値は、第2通路部材を通過した球に対して付与可能に形成され、変化手段は、第1通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様と、第2通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様とを異ならせることが可能に形成されるので、球が通路部材を通過できるか否か(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を、第1通路部材と第2通路部材とにおいて異なる態様として、遊技者に付与することができる。その結果、かかる遊技性を多様化して、遊技の興趣を向上できる。
なお、球の通過のしやすさを変化させる手段としては、例えば、通路部材の形状や姿勢(傾斜)、通路部材の変位態様(変位の種類(回転、直線変位、曲線変位、これらの組み合わせ)、変位方向、変位速度、往復動作の態様(周期、振幅)など)、通路部材の球が移動する面(転動面)の態様(突部や凹部の有無、突部や凹部の態様(大きさ、形状、配置など))が例示される。即ち、第1通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様と、第2通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様とが異なるとは、上述した手段の少なくとも一部または全部が、第1通路部材と第2通路部材とにおいて異なることを意味する。
<下側フレームE86b~E17086bを一例とする発明の概念について:球を滞留させる滞留手段>
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機において、入球された球に対して所定の価値を付与可能に形成される入球手段と、前記通路部材を通過した球が移動可能に形成される第2通路部材と、を備え、前記通路部材および前記第2通路部材は、球の移動経路の途中で球が落下可能に形成され、前記第2通路部材を通過した球は、前記通路部材を通過した球よりも前記入球手段へ入球されやすくされることを特徴とする遊技機EC1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、ステージの所定位置から流下された球は、入賞口(入球口)へ直接入球されるため、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機EC1によれば、入球された球に対して所定の価値を付与可能に形成される入球手段と、通路部材を通過した球が移動可能に形成される第2通路部材と、を備えるので、通路部材を通過した球が第2通路部材を移動することで、その分、入球手段に球が入球されるまでに要する時間を嵩ませることができる。即ち、入球手段への入球を期待できる期間を長くして、遊技者の期待感を盛り上げることができる。特に、第2通路部材を通過した球は、通路部材を通過した球よりも入球手段へ入球されやすくされるので、入球手段へ球が今から入球されるという高揚感を遊技者に持たせて、球の行方を追わせることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EC1において、前記第2通路部材は、球が転動可能に形成される転動部と、その転動部から突出される複数の突部または前記転動部に凹設される複数の凹部を備えることを特徴とする遊技機EC2。
遊技機EC2によれば、遊技機EC1の奏する効果に加え、第2通路部材は、球が転動可能に形成される転動部と、その転動部から突出される複数の突部または転動部に凹設される複数の凹部を備えるので、第2通路部材(転動部)を転動する際の球の移動方向を変化させ、球が第2通路部材を通過できるか否か(第2通路部材を渡り切って、入球手段に入球される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を遊技者に付与することができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
また、球の移動を遊技者に視認させやすくできる。即ち、転動部を転動する球は比較的移動速度が低く、転動部の移動に比較的時間を要するところ、突部や凹部から受ける作用により球の移動に要する時間を更に嵩ませることができる。その結果、球の行方を遊技者に追わせやすくできると共に、入球手段への入球を期待できる期間を長くして、遊技者の期待感を盛り上げることができる。
遊技機EC1又はEC2において、前記通路部材を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備えることを特徴とする遊技機EC3。
遊技機EC3によれば、遊技機EC1又はEC2の奏する効果に加え、通路部材を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備えるので、球の移動方向にランダム性を付与することができる。即ち、球が通路部材を通過して第2通路部材に到達することを阻害する又は補助する手段として、変位手段(通路部材の変位)を機能させることができる。よって、球が通路部材を通過できるか否か(球が第2通路部材に到達できるか否か、ひいては、入球手段に入球できるか否か)を楽しむ遊技性を形成することができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EC3において、前記第2通路部材を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される第2変位手段を備えることを特徴とする遊技機EC4。
遊技機EC4によれば、遊技機EC3の奏する効果に加え、第2通路部材を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される第2変位手段を備えるので、球の移動方向にランダム性を付与することができる。即ち、球が通路部材を通過して第2通路部材に到達すること、及び、球が第2通路部材と通過して入球手段に入球すること、を阻害する又は補助する手段として、第2変位手段(第2通路部材の変位)を機能させることができる。よって、通路部材を通過した球が第2通路部材へ到達できるか否か、及び、その到達した球が第2通路部材を通過できるか否か(球が入球手段に入球できるか否か)を楽しむ遊技性を形成することができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EC4において、前記変位手段による前記通路部材の変位態様と、前記第2変位手段による前記第2通路部材の変位態様とが異なる態様であることを特徴とする遊技機EC5。
遊技機EC5によれば、遊技機EC4の奏する効果に加え、変位手段による通路部材の変位態様と、第2変位手段による第2通路部材の変位態様とが異なる態様であるので、球の変位態様を多様化できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
なお、変位手段による通路部材の変位態様と、第2変位手段による第2通路部材の変位態様とが異なる態様であるとは、例えば、変位の種類(回転、直線変位、曲線変位、これらの組み合わせ)、変位方向、変位速度、往復動作の態様(周期、振幅)などの少なくとも一部または全部が、第1通路部材と第2通路部材とにおいて異なることを意味する。
遊技機A1からA11、B1からB12、C1からC13、XA1、XB1、D1からD10、E1からE12、F1からF11、CA1からCA26、CB1からCB4、CC1からCC4、DA1からDA19、DB1からDB4、DC1からDC4、DD1からDD4、EA1からEA4、EB1からEB4及びEC1からEC5のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA11、B1からB12、C1からC13、XA1、XB1、D1からD10、E1からE12、F1からF11CA1からCA26、CB1からCB4、CC1からCC4、DA1からDD4及びEA1からEC5のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA11、B1からB12、C1からC13、XA1、XB1、D1からD10、E1からE12、F1からF11CA1からCA26、CB1からCB4、CC1からCC4、DA1からDD4及びEA1からEC5のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
10 パチンコ機(遊技機)
13 遊技盤(領域構成手段の一部)
65b 開閉板(導入手段、受入状態変化手段、回避手段の一部)
86 センターフレーム(開放部)
141 前意匠部材(区画手段、回避手段の一部)
163b 球通過孔(第1受入手段、第2受入手段)
312 開口部(第2所定部、球受入部)
317 前後長突設部(第1の流下経路の一部、突設部の一部、第2突設部、状態切替手段の一部)
318 左右内突設部(分岐手段の一部、突設部の一部、第1突設部、状態切替手段の一部)
319 左右外突設部(第2の流下経路の一部、状態切替手段の一部)
310 上部材(経路構成手段の一部)
330 中部材(遅延手段の一部、経路構成手段の一部)
334 第1流路構成部(経路構成手段の一部、前後流路部)
335 第2流路構成部(所定部、経路構成手段の一部、左右方向経路)
336 第3流路構成部(経路構成手段の一部、前後方向経路、前後流路部)
351 発光手段
370 スライド変位部材(分岐手段の一部、切替手段、状態切替手段の一部)
380 下部材(経路構成手段の一部)
600 第1動作ユニット(変位手段)
616 案内長孔(支持手段)
616a 直線状部(支持手段の一部、第1範囲、制限部)
616b 曲線状部(支持手段の一部、第2範囲、制限部)
620 回動部材(変位手段)
640 被支持部材(配設手段の一部)
642 筒状部(第1の部分)
652 前側回転部材(被支持手段)
652b 張出装飾部(補助手段の一部)
660 第2装飾回転部材(姿勢変化手段)
661a 第1演出面(第1視認可能面、第1面)
661b 第2演出面(第2視認可能面、第2面)
670 装飾固定部材(補助手段の一部)
700 第2動作ユニット(変位手段)
787a1 第1主装飾面(第1視認可能面の一部)
787a2 第1副装飾面(第2視認可能面の一部)
787b1 第2主装飾面(第1視認可能面の一部)
787b2 第2副装飾面(第2視認可能面の一部)
800 第3動作ユニット(変位手段、第2変位手段)
813 検出センサ(検出手段)
823b 外側発光部(発光手段)
840 外側回転部材(集合部の一部)
866 トルクリミッタ(解除手段)
870 第1装飾部材(第1変位部材、第2変位部材)
875 第1覆設部(視認される面の一部)
880 第2装飾部材(第1変位部材、第2変位部材)
885 第2覆設部(視認される面の一部)
C1 カラー(配設手段の一部、第2の部分)
C2 皿状蓋部(配設手段の一部、第2の部分)
P1 球(変位可能手段の一部)
SE11 確変検出センサ(被通過手段の一部)
SE12 通常検出センサ(被通過手段の一部)
C13 遊技盤
C60 ベース板(遊技盤)
C60a 開口
C122,C2122,C4122 下側底面部(往復面、第1の通路)
C122a 流出面(流出部)
C123a,C4123a 切り欠き部(流入部)
C130,C2130 背面部材(ベース部材)
C140,C2140 第1中間部材(ベース部材)
C142,C2142 底面部(上流面、第2の通路)
C144,C2144 通路部(第1の通路)
C170,C2170,C3170 振分部材(変位部材、本体部)
C172,C2172 受入部(第1面)
C172b,C2172b 底面部(第1面)
C173,C2173 転動部(第2面)
C2174 軸
C190 装飾部材(錘部)
C192 軸
C2300 磁石(吸着部材)
C2400,C5400 磁性部(吸着部材、下面形成部材)
COPin,COP2000in 受入口(流入部)
CRt2 第2通路(第1の通路)
CRt3 第3通路(第2の通路)
CRt4 第4通路(第1の通路)
CRt5 第5通路(第2の通路)
CRt2001 第1通路(第1の通路)
CRt2002 第2通路(第2の通路)
CRt2003 第3通路(第1の通路)
CRt2004 第4通路(第2の通路)
CRt2005 第5通路(第2の通路)
CB1 球(第1の球)
CB2 球(第2の球)
D13 遊技盤(遊技機)
D131f 突部(作用手段、突部)
D131fa 第2突部(落下手段)
D141g 突部(作用手段、突部)
D170,D3170,D8170 転動部材
D180 変位部材
D190,D2190,D3190,D5190,D7190 伝達部材(伝達手段)
D4220 第2転動部材(転動部材)
DRt3 第3通路(上流通路)
DRt6 第6通路(通路)
DRt9 第9通路(落下通路)
E135b 中央通路(入球手段)
E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E133150,E14150,E15150 振分通路(通路部材、第1通路部材)
E2150,E3150,E11150 振分通路(通路部材)
E4150,E16150 第2振分通路(通路部材、第2通路部材)
E5150,E17150 第3振分通路(通路部材、第2通路部材)
E151,E12151,E13151,E14151,E15151 突起部(付与手段、突部、変化手段、変位手段)
E2151,E3151 転動面(転動部)
E160 中央通路(入球手段)
E190,E4190,E5190 駆動手段(変化手段、変位手段、第2変位手段)
E2190 弾性ばね(変位手段)
E196,E196a ピニオンギヤ(変位手段)
E196b,E196c ピニオンギヤ(第2変位手段)
E5196 第2ピニオンギヤ(第2変位手段)

本発明は、パチンコ機などの遊技機に関するものである。
パチンコ機等の遊技機において、変位部材が変位可能に構成される遊技機がある(特許文献1)
特開2016-116782号公報
しかしながら、上述した従来の遊技機では、変位部材の変位の態様に改善の余地があるという問題点があった。
本発明は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、変位部材の変位の態様を好適とすることができる遊技機を提供することを目的とする。
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、第1変位部材と、第2変位部材と、を備え、所定態様の変位において、前記第1変位部材と前記第2変位部材とが相対変位するように構成される遊技機であって、前記第1変位部材は、所定方向視の所定領域で視認され得る面が第1の面と第2の面とで変化する態様で変位可能に構成され、前記所定態様の変位および前記視認され得る面の変化は、同一の駆動手段からの駆動力により生じるよう構成され、前記視認され得る面の変化は、前記駆動手段による前記第2変位部材の変位に伴って前記第1変位部材が変位することにより生じ、前記遊技機は、前記駆動手段が所定の駆動状態とされ、前記第2変位部材が変位され、前記第1変位部材が変位され、前記視認され得る面が変化された場合において、当該視認され得る面が変化された後において前記所定の駆動状態が継続された場合に前記視認され得る面が維持されるよう構成され、前記所定の駆動状態が継続される期間が第1期間となる場合と、前記所定の駆動状態が継続される期間が前記第1期間よりも短い第2期間となる場合とがある
請求項1記載の遊技機によれば、第1変位部材の変位の態様を好適とすることができる。
第1実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の遊技盤の正面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 可変入賞装置及び振分装置の正面斜視図である。 (a)及び(b)は、可変入賞装置の正面斜視図である。 遊技盤の正面斜視図である。 遊技盤の背面斜視図である。 ベース板、可変入賞装置、集合樋及び振分装置の分解正面斜視図である。 ベース板、可変入賞装置、集合樋及び振分装置の分解背面斜視図である。 可変入賞装置の分解正面斜視図である。 可変入賞装置の分解背面斜視図である。 振分装置の分解正面斜視図である。 振分装置の分解正面斜視図である。 受入部材及び振分装置の正面図である。 図15のXVI-XVI線における可変入賞装置及び振分装置の断面図である。 図15のXVII-XVII線における可変入賞装置及び振分装置の断面図である。 図15のXVIII-XVIII線における可変入賞装置及び振分装置の断面図である。 図15のXVII-XVII線における可変入賞装置及び振分装置の断面図である。 図15のXVIII-XVIII線における可変入賞装置及び振分装置の断面図である。 可変入賞装置及び振分装置の正面図である。 図16の矢印XXII方向視における可変入賞装置及び振分装置の斜視図である。 図16の矢印XXIII方向視における可変入賞装置及び振分装置の斜視図である。 (a)は、主制御装置内のROMの電気的構成を示すブロック図であり、(b)は、第1当たり種別カウンタと特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、(c)は、第2当たり乱数カウンタと普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。 各大当たり種別における1ラウンド目の可変入賞装置の開閉板の作動パターンと、振分装置のスライド変位部材の作動パターンと、の計時変化を示した図である。 動作ユニットの正面斜視図である。 動作ユニットの背面斜視図である。 動作ユニットの動作の一例を示す動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの動作の一例を示す動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの動作の一例を示す動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの動作の一例を示す動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの動作の一例を示す動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの動作の一例を示す動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの動作の一例を示す動作ユニットの正面図である。 動作ユニットの動作の一例を示す動作ユニットの正面図である。 第1動作ユニットの正面斜視図である。 第1動作ユニットの背面斜視図である。 第1動作ユニットの分解正面斜視図である。 第1動作ユニットの分解背面斜視図である。 演出待機状態における第1動作ユニットの正面図である。 演出待機状態における第1動作ユニットの背面図である。 図40の矢印XLII方向視における第1動作ユニットの側面図である。 中間演出状態における第1動作ユニットの正面図である。 中間演出状態における第1動作ユニットの背面図である。 張出状態における第1動作ユニットの正面図である。 張出状態における第1動作ユニットの背面図である。 回動部材の回動変位に伴う被支持部材の変位量および変位角度を模式的に示す模式図である。 (a)及び(b)は、回動部材が角速度一定の態様で傾倒方向に回動した場合における被支持部材の従動側の変位量の大小関係を示す模式図である。 回動部材の回転に伴う角度の変化を示す模式図である。 背面ケース及び第2動作ユニットの分解正面斜視図である。 背面ケース及び第2動作ユニットの分解背面斜視図である。 (a)は、図28のLIIa-LIIa線における第2動作ユニット及びセンターフレームの断面図であり、(b)は、図28のLIIb-LIIb線における第2動作ユニット及びセンターフレームの断面図である。 (a)は、図33のLIIIa-LIIIa線における第2動作ユニット及びセンターフレームの断面図であり、(b)は、図33のLIIIb-LIIIb線における第2動作ユニット及びセンターフレームの断面図である。 (a)は、図30のLIVa-LIVa線における第2動作ユニット及びセンターフレームの断面図であり、(b)は、図30のLIVb-LIVb線における第2動作ユニット及びセンターフレームの断面図である。 昇降反転演出装置の分解正面斜視図である。 昇降反転演出装置の分解背面斜視図である。 (a)及び(b)は、伝達装置保持板、上下反転部材、中間腕部材、直動板部材及び軸回転部材の正面図である。 (a)は、図57(a)のLVIIIa-LVIIIa線における伝達装置保持板、上下反転部材、中間腕部材、直動板部材及び軸回転部材の断面図であり、(b)は、図57(b)のLVIIIb-LVIIIb線における伝達装置保持板、上下反転部材、中間腕部材、直動板部材及び軸回転部材の断面図である。 (a)から(c)は、演出装置の正面図である。 第3動作ユニットの構成の一部の分解正面斜視図である。 第3動作ユニットの構成の一部の分解背面斜視図である。 第3動作ユニットの構成の一部の分解正面斜視図である。 第3動作ユニットの構成の一部の分解背面斜視図である。 (a)及び(b)は、外側回転部材及び中間腕部材の背面図である。 (a)及び(b)は、外側回転部材及び中間腕部材の背面図である。 (a)及び(b)は、外側回転部材及び中間腕部材の正面図である。 (a)及び(b)は、外側回転部材及び中間腕部材の正面図である。 昇降アーム部材の配置、駆動モータの駆動態様および検出センサの出力の一例を時系列で示すタイミングチャートである。 図28のLXIX-LXIX線における第3動作ユニットの断面図である。 (a)から(d)は、各動作ユニットの組み合わせ動作の例を時系列に沿って模式的に説明する動作ユニットの正面模式図である。 (a)から(d)は、各動作ユニットの組み合わせ動作の例を時系列に沿って模式的に説明する動作ユニットの正面模式図である。 第2実施形態における遊技盤の正面図である。 下側フレームの正面斜視図である。 下側フレームの背面斜視図である。 下側フレームの分解正面斜視図である。 下側フレームの分解背面斜視図である。 下側フレームの上面図である。 下側フレームの正面図である。 下側フレームの背面図である。 (a)は、図78の矢印LXXXa方向視における下側フレームの側面図であり、(b)は、図78の矢印LXXXb方向視における下側フレームの側面図である。 図77のLXXXI-LXXXI線における下側フレームの断面図である。 図77のLXXXI-LXXXI線における下側フレームの断面図である。 図78のLXXXIII-LXXXIII線における下側フレームの断面図である。 (a)は、図81のLXXXIVa部における下側フレームの部分拡大断面図であり、(b)は、図77のLXXXIVb-LXXXIVb線における下側フレームの部分拡大断面図である。 振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図77のLXXXI-LXXXI線における断面に対応する。 振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図77のLXXXI-LXXXI線における断面に対応する。 振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図77のLXXXI-LXXXI線における断面に対応する。 第3実施形態における下側フレームの正面斜視図である。 下側フレームの背面斜視図である。 下側フレームの分解正面斜視図である。 下側フレームの分解背面斜視図である。 下側フレームの上面図である。 下側フレームの正面図である。 下側フレームの背面図である。 (a)は、図93の矢印XCVa方向視における下側フレームの側面図であり、(b)は、図93の矢印XCVb方向視における下側フレームの側面図である。 図92のXCVI-XCVI線における下側フレームの断面図である。 図92のXCVI-XCVI線における下側フレームの断面図である。 図94のXCVIII-XCVIII線における下側フレームの部分拡大断面図である。 図94のXCIX-XCIX線における下側フレームの部分拡大断面図でる。 振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図92のXCVI-XCVI線における断面に対応する。 振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図92のXCVI-XCVI線における断面に対応する。 振分部材による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームの部分拡大断面図であり、図92のXCVI-XCVI線における断面に対応する。 図102(b)のCIII-CIII線における下側フレームの部分拡大断面図である。 第4実施形態における下側フレームの部分拡大断面図である。 下側フレームの背面図である。 第4実施形態における下側フレームの部分拡大断面図である。 下側フレームの背面図である。 (a)は、第5実施形態における皿部材の上面図であり、(b)は、図108(a)のCVIIIb-CVIIIb線における皿部材の断面図であり、(c)は、図108(a)のCVIIIc-CVIIIc線における皿部材の断面図である。 (a)は、第6実施形態における下側フレームの断面図であり、図94のXCIX-XCIX線における断面に対応し、(b)は、第7実施形態における下側フレームの断面図であり、図94のXCIX-XCIX線における断面に対応する。 第8実施形態における遊技盤の正面図である。 下側フレームの正面斜視図である。 下側フレームの背面斜視図である。 下側フレームの分解正面斜視図である。 下側フレームの分解背面斜視図である。 下側フレームの上面図である。 下側フレームの正面図である。 下側フレームの背面図である。 (a)は、図116の矢印CXVIIIa方向視における下側フレームの側面図であり、(b)は、図116の矢印CXVIIIb方向視における下側フレームの側面図である。 (a)は、下側フレームの部分拡大断面図であり、(b)は、下側フレームの部分拡大背面図である。 (a)は、下側フレームの部分拡大断面図であり、(b)は、下側フレームの部分拡大背面図である。 (a)は、下側フレームの部分拡大断面図であり、(b)は、下側フレームの部分拡大背面図である。 (a)は、図115のCXXIIa-CXXIIa線における下側フレームの部分拡大断面図であり、(b)は、図115のCXXIIb-CXXIIb線における下側フレームの部分拡大断面図であり、(c)は、図119のCXXIIc-CXXIIc線における下側フレームの部分拡大断面図である。 (a)及び(b)は、第9実施形態における下側フレームの断面図である。 (a)及び(b)は、第10実施形態における下側フレームの部分拡大断面図である。 (a)及び(b)は、第11実施形態における下側フレームの部分拡大背面図である。 第12実施形態における下側フレームの部分拡大背面図である。 第13実施形態における下側フレームの分解正面斜視図である。 下側フレームの分解背面斜視図である。 下側フレームの正面図である。 (a)及び(b)は、下側フレームの部分拡大断面図である。 (a)から(c)は、第14実施形態における下側フレームの部分拡大背面図である。 (a)及び(b)は、第15実施形態における下側フレームの部分拡大断面図である。 (a)は、図132(a)のCXXXIIIa-CXXXIIIa線における下側フレームの部分拡大断面図であり、(b)は、図132(b)のCXXXIIIb-CXXXIIIb線における下側フレームの部分拡大断面図である。 下側フレームの部分拡大断面図であり、図119のCXXIIc-CXXIIc線における断面に対応する。 第16実施形態における遊技盤の正面図である。 下側フレームの正面斜視図である。 下側フレームの背面斜視図である。 下側フレームの分解正面斜視図である。 下側フレームの分解背面斜視図である。 下側フレームの上面図である。 下側フレームの正面図である。 下側フレームの背面図である。 (a)は、図141の矢印CXLIIIa方向視における下側フレームの側面図であり、(b)は、図141の矢印CXLIIIb方向視における下側フレームの側面図であり、(c)は、図141のCXLIIIc-CXLIIIc線における下側フレームの断面図である。 (a)は、正面部材の図示が省略された状態における下側フレームの正面図であり、(b)は、背面側カバー部材の図示が省略された状態における下側フレームの部分拡大背面図であり、(c)は、下側フレームの上面図である。 (a)は、図144(c)のCXLVa-CXLVa線における下側フレームの断面図であり、は、図145(a)のCXLVb-CXLVb線における下側フレームの断面図であり、(c)は、下側フレームの部分拡大下面図である。 (a)は、正面部材の図示が省略された状態における下側フレームの正面図であり、(b)は、背面側カバー部材の図示が省略された状態における下側フレームの部分拡大背面図であり、(c)は、下側フレームの上面図である。 (a)は、図146(c)のCXLVIIa-CXLVIIa線における下側フレームの断面図であり、(b)は、図147(a)のCXLVIIb-CXLVIIb線における下側フレームの断面図であり、(c)は、下側フレームの部分拡大下面図である。 第17実施形態における下側フレームの部分拡大断面図であり、図144のCXLVa-CXLVa線における断面に対応する。 (a)は、振分通路の正面斜視図であり、(b)は、図149(a)の矢印CXLIXb方向視における振分通路の正面図であり、(c)は、図149(b)の矢印CXLIXc方向視における振分通路の下面図であり、(d)は、図149(b)の矢印CXLIXd方向視における振分通路の側面図である。 第18実施形態における下側フレームの部分拡大断面図であり、図144のCXLVa-CXLVa線における断面に対応する。 (a)は、第19実施形態における下側フレームの正面図であり、(b)は、下側フレームの背面図である。 (a)は、第19実施形態における下側フレームの正面図であり、(b)は、下側フレームの背面図である。 (a)は、第20実施形態における下側フレームの正面図であり、(b)は、下側フレームの背面図である。 下側フレームの上面図である。 (a)は、第20実施形態における下側フレームの正面図であり、(b)は、下側フレームの背面図である。 下側フレームの上面図である。 (a)は、第21実施形態における下側フレームの部分拡大断面図であり、(b)は、第22実施形態における下側フレームの部分拡大断面図であり、(c)は、第23実施形態における下側フレームの部分拡大断面図である。 (a)は、第24実施形態における下側フレームの部分上面図であり、(b)は、第25実施形態における下側フレームの部分上面図である。 (a)は、振分通路の正面斜視図であり、(b)は、第27実施形態における振分通路の振分通路に垂直な方向視の図であり、(c)は、第28実施形態における振分通路の振分通路に垂直な方向視の図であり、(d)は、第29実施形態における振分通路の部分拡大断面図であり、(e)は、第30実施形態における振分通路の部分拡大断面図である。 (a)は、第31実施形態における下側フレームの部分拡大上面図であり、(b)は、第32実施形態における下側フレームの部分拡大上面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1から図71を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
なお、以下の説明では、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、紙面手前側を前方(正面)側として、紙面奥側を後方(背面)側として説明する。また、図1に示す状態のパチンコ機10に対して、上側を上方(上)側として、下側を下方(下)側として、右側を右方(右)側として、左側を左方(左)側としてそれぞれ説明する。さらに、図中(例えば、図2参照)の矢印U-D,L-R,F-Bは、パチンコ機10の上下方向,左右方向,前後方向をそれぞれ示している。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の正面を球(遊技球)が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の正面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の正面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の正面側には、その正面上側を覆う正面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。正面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として正面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と正面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
正面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。正面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の正面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
正面枠14には、球を貯留する上皿17が正面側へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112a(図4参照)へと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される演出のステージを変更したり、スーパーリーチの演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
正面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29~33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29~33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29~33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、正面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、正面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13正面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等がパチンコ機10の正面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29~33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その左側部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の正面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設される。
操作ハンドル51の内部には、球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する発射停止スイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)などが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回動操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が回動操作量に対応して変化し、その可変抵抗器の抵抗値に対応した強さ(発射強度)で球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の正面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび発射停止スイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿(図示せず)が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工したベース板60に、球案内用の多数の釘(センターフレーム86の下方において図示し、遊技領域の上半部においては図示せず)や風車(図示せず)の他、レール61,62、一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口140、可変入賞装置65、スルーゲート67、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12(図1参照)の裏面側に取り付けられる。
ベース板60は、光透過性の樹脂材料から形成されるており、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認させることが可能となっている。一般入賞口63、第1入賞口64、第2入賞口140及び可変入賞装置65は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。
なお、ベース板60を木製の板部材から形成しても良い。この場合、センターフレーム86の外側において、その正面側からベース板60の背面側に配設された各種構造体を遊技者に視認不能に遮蔽することが可能となる。
遊技盤13の正面中央部分は、正面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の正面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の正面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の正面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の正面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の正面であって2本のレール61,62とレール間を繋ぐ樹脂製の外縁部材73とにより区画して形成される領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図4参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。
遊技領域の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数のLED及び7セグメント表示器を備える第1図柄表示装置37A,37Bが配設されている。第1図柄表示装置37A,37Bは、主制御装置110(図4参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。本実施形態では、第1図柄表示装置37A,37Bは、球が、第1入賞口64へ入賞したか、第2入賞口140へ入賞したかに応じて使い分けられるように構成されている。具体的には、球が、第1入賞口64へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Aが作動し、一方で、球が、第2入賞口140へ入賞した場合には、第1図柄表示装置37Bが作動するように構成されている。
また、第1図柄表示装置37A,37Bは、LEDにより、パチンコ機10が確変中か時短中か通常中であるかを点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か普通大当たりに対応した図柄か外れ図柄であるかを点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すと共に、7セグメント表示装置により、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行う。なお、複数のLEDは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入賞口64及び第2入賞口140へ入賞があったことを契機として抽選が行われる。パチンコ機10は、その抽選において、大当たりか否かの当否判定(大当たり抽選)を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、4R確変大当たり、4R通常大当たりが用意されている。第1図柄表示装置37A,37Bには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「4R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「4R通常大当たり」は、最大ラウンド数が4ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に、所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、所定の変動回数の間(本実施形態では、100変動回数)、大当たり確率がアップし、後述する第2図柄の当たり確率がアップして第2入賞口140へ球が入賞し易い遊技の状態を含む。「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第2入賞口140へ球が入賞し易い遊技の状態のことをいう。一方、パチンコ機10が通常中とは、確変中でも時短中でもない遊技の状態(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。
本実施形態では、後述する振分装置300の確変検出センサSE11の貫通孔を、大当たり遊技の1ラウンド目に遊技球が通過したと判定された時に、その大当たり遊技終了後の遊技状態が100変動回数の間、高確率状態となる。なお、確変検出センサSE11の貫通孔に遊技球が通過したと判定されなかったら大当たり遊技終了後の遊技状態が100変動回数の間、時短状態となる。
確変中や時短中は、第2図柄の当たり確率がアップするだけではなく、第2入賞口140に付随する電動役物140a(電動役物)が開放される時間も変更され、通常中と比して長い時間が設定される。電動役物140aが開放された状態(開放状態)にある場合は、その電動役物140aが閉鎖された状態(閉鎖状態)にある場合と比して、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態となる。よって、確変中や時短中は、第2入賞口140へ球が入賞し易い状態となり、大当たり抽選が行われる回数を増やすことができる。
なお、確変中や時短中において、第2入賞口140に付随する電動役物140aの開放時間を変更するのではなく、または、その開放時間を変更することに加えて、1回の当たりで電動役物140aが開放する回数を通常中よりも増やす変更を行うものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2図柄の当たり確率は変更せず、第2入賞口140に付随する電動役物140aが開放される時間および1回の当たりで電動役物140aが開放する回数の少なくとも一方を変更するものとしてもよい。また、確変中や時短中において、第2入賞口140に付随する電動役物140aが開放される時間や、1回の当たりで電動役物140aを開放する回数はせず、第2図柄の当たり確率だけを、通常中と比してアップするよう変更するものであってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入賞口64及び第2入賞口140への入賞(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37A,37Bにおける変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す)で構成された第3図柄表示装置81と、スルーゲート67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置(図示せず)とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
なお、本実施形態では、第3図柄表示装置81は後述する背面ケース510の開口511aを埋めるように背面ケース510に締結固定され、センターフレーム86はベース板60の窓部60aを縁取るように配設されている。即ち、正面視では第3図柄表示装置81の外周を囲むようにセンターフレーム86が配設されているように見えるが、実際は、第3図柄表示装置81とセンターフレーム86とは前後に離れて配置されている。
第3図柄表示装置81は、例えば9インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、表示制御装置114(図4参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄(第3図柄)によって構成され、これらの第3図柄が図柄列毎に横スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110(図4参照)の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37A,37Bで行われるのに対して、その第1図柄表示装置37A,37Bの表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えばリール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
第2図柄表示装置は、球がスルーゲート67を通過する毎に表示図柄(第2図柄(図示せず))としての「○」の図柄と「×」の図柄とを所定時間交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10では、球がスルーゲート67を通過したことが検出されると、当たり抽選が行われる。その当たり抽選の結果、当たりであれば、第2図柄表示装置において、第2図柄の変動表示後に「○」の図柄が停止表示される。また、当たり抽選の結果、外れであれば、第2図柄表示装置において、第3図柄の変動表示後に「×」の図柄が停止表示される。
パチンコ機10は、第2図柄表示装置における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に、第2入賞口140に付随された電動役物140aが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。
第2図柄の変動表示にかかる時間は、遊技状態が通常中の場合よりも、確変中または時短中の方が短くなるように設定される。これにより、確変中および時短中は、第2図柄の変動表示が短い時間で行われるので、当たり抽選を通常中よりも多く行うことができる。よって、当たり抽選において当たりとなる機会が増えるので、第2入賞口140の電動役物140aが開放状態となる機会を遊技者に多く与えることができる。よって、確変中および時短中は、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態とすることができる。
なお、確変中または時短中において、当たり確率を高める、1回に当たりに対する電動役物140aの開放時間や開放回数を増やすなど、その他の方法によっても、確変中または時短中に第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態としている場合は、第2図柄の変動表示にかかる時間を遊技状態にかかわらず一定としてもよい。一方、第2図柄の変動表示にかかる時間を、確変中または時短中において通常中よりも短く設定する場合は、当たり確率を遊技状態にかかわらず一定にしてもよいし、また、1回の当たりに対する電動役物140aの開放時間や開放回数を遊技状態にかかわらず一定にしてもよい。
スルーゲート67は、可変表示装置ユニット80の左右の領域において遊技盤13に組み付けられ、遊技盤13に発射された球の一部が通過可能に構成されている。スルーゲート67を球が通過すると、第2図柄の当たり抽選が行われる。当たり抽選の後、第2図柄表示装置にて変動表示を行い、当たり抽選の結果が当たりであれば、変動表示の停止図柄として「○」の図柄を表示し、当たり抽選の結果が外れであれば、変動表示の停止図柄として「×」の図柄を表示する。
球のスルーゲート67の通過回数は、合計で最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37A,37Bにより表示されると共に第2図柄保留ランプ(図示せず)においても点灯表示される。第2図柄保留ランプは、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプの点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、スルーゲート67の球の通過に対する最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、スルーゲート67の組み付け数は2つに限定されるものではなく、例えば1つであっても良い。また、スルーゲート67の組み付け位置は可変表示装置ユニット80の左右に限定されるものではなく、例えば、可変表示装置ユニット80の下方でも良い。また、第1図柄表示装置37A,37Bにより保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプにより点灯表示を行わないものとしてもよい。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入賞し得る第1入賞口64が配設されている。この第1入賞口64へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Aで示される。
一方、第1入賞口64の正面視下方には、球が入賞し得る第2入賞口140が配設されている。この第2入賞口140へ球が入賞すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入賞口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入賞口スイッチのオンに起因して主制御装置110(図4参照)で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37Bで示される。
また、第1入賞口64および第2入賞口140は、それぞれ、球が入賞すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、本実施形態においては、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを同じに構成したが、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数と第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数とを異なる数、例えば、第1入賞口64へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を3個とし、第2入賞口140へ球が入賞した場合に払い出される賞球数を5個として構成してもよい。
第2入賞口140には電動役物140aが付随されている。この電動役物140aは開閉可能に構成されており、通常は電動役物140aが閉鎖状態(縮小状態)となって、球が第2入賞口140へ入賞しにくい状態となっている。一方、スルーゲート67への球の通過を契機として行われる第2図柄の変動表示の結果、「○」の図柄が第2図柄表示装置に表示された場合、電動役物140aが開放状態(拡大状態)となり、球が第2入賞口140へ入賞しやすい状態となる。
上述した通り、確変中および時短中は、通常中と比して第2図柄の当たり確率が高く、また、第2図柄の変動表示にかかる時間も短いので、第2図柄の変動表示において「○」の図柄が表示され易くなって、電動役物140aが開放状態(拡大状態)となる回数が増える。更に、確変中および時短中は、電動役物140aが開放される時間も、通常中より長くなる。よって、確変中および時短中は、通常時と比して、第2入賞口140へ球が入賞しやすい状態を作ることができる。
ここで、第1入賞口64に球が入賞した場合と第2入賞口140へ球が入賞した場合とで、大当たりとなる確率は、低確率状態であっても高確率状態でも同一である。しかしながら、大当たりとなった場合に選定される大当たりの種別として15R確変大当たりとなる確率は、第2入賞口140へ球が入賞した場合のほうが第1入賞口64へ球が入賞した場合よりも高く設定されている。一方、第1入賞口64は、第2入賞口140にあるような電動役物は有しておらず、球が常時入賞可能な状態となっている。
よって、通常中においては、第2入賞口140に付随する電動役物が閉鎖状態にある場合が多く、第2入賞口140に入賞しづらいので、電動役物のない第1入賞口64へ向けて、可変表示装置ユニット80の左方を球が通過するように球を発射し(所謂「左打ち」)、第1入賞口64への入賞によって大当たり抽選の機会を多く得て、大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
一方、確変中や時短中は、スルーゲート67に球を通過させることで、第2入賞口140に付随する電動役物140aが開放状態となりやすく、第2入賞口140に入賞しやすい状態であるので、第2入賞口140へ向けて、可変表示装置80の右方を球が通過するように球を発射し(所謂「右打ち」)、スルーゲート67を通過させて電動役物を開放状態にすると共に、第2入賞口140への入賞によって15R確変大当たりとなることを狙った方が、遊技者にとって有利となる。
なお、本実施形態におけるパチンコ機10は、遊技盤13の構成が左右対称とされるため、「右打ち」で第1入賞口64を狙うことも、「左打ち」で第2入賞口140を狙うこともできる。そのため、本実施形態のパチンコ機10は、パチンコ機10の遊技状態(確変中であるか、時短中であるか、通常中であるか)に応じて、遊技者に対し、球の発射の仕方を「左打ち」と「右打ち」とに変えさせることを不要にできる。よって、球の打ち方を変化させる煩わしさを解消することができる。
第1入賞口64の下方には可変入賞装置65(図2参照)が配設されており、その略中央部分に特定入賞口65aが設けられている。パチンコ機10においては、第1入賞口64又は第2入賞口140への入賞に起因して行われた大当たり抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37A又は第1図柄表示装置37Bを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37A,37Bにおいて大当たりに対応したLEDが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。また、特定入賞口65aは1つに限るものではなく、1つ若しくは2以上の複数(例えば3つ)を配置しても良く、また配置位置も第1入賞口64の下方右側や、第1入賞口64の下方左側に限らず、例えば、可変表示装置ユニット80の左方でも良い。
遊技盤13の下側における右隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、正面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
遊技盤13には、アウト口71が設けられている。遊技領域を流下する球であって、いずれの入賞口63,64,65a,140にも入賞しなかった球は、アウト口71を通って図示しない球排出路へと案内される。アウト口71は、特定入賞口65aの左右に一対で配設される。
遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)とが配設されている(図示せず)。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100~104に収納されている。基板ボックス100~104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。主制御装置110では、MPU201によって、大当たり抽選や第1図柄表示装置37A,37B及び第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。
なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、各種エリア、カウンタ、フラグのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図示せず)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図示せず)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37A,37B、第2図柄表示装置、第2図柄保留ランプ、特定入賞口65aの開閉板65b(図11参照)の下辺を軸として正面側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群およびスライド位置検出センサSや回転位置検出センサRを含むセンサ群などからなる各種スイッチ208、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図示せず)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回動操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための発射停止スイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動操作量(回動位置)に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29~33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、その他装置228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。その他装置228には駆動モータ631,731,782,861が含まれる。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から受信した各種のコマンド(変動パターンコマンド、停止種別コマンド等)に基づいて、第3図柄表示装置81の表示態様を決定し、決定した表示態様をコマンド(表示用変動パターンコマンド、表示用停止種別コマンド等)によって表示制御装置114へ通知する。また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。表示制御装置114は、この音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに従って、第3図柄表示装置81に各種の画像を表示する。
また、音声ランプ制御装置113は、表示制御装置114から第3図柄表示装置81の表示内容を表すコマンド(表示コマンド)を受信する。音声ランプ制御装置113では、表示制御装置114から受信した表示コマンドに基づき、第3図柄表示装置81の表示内容に合わせて、その表示内容に対応する音声を音声出力装置226から出力し、また、その表示内容に対応させてランプ表示装置227の点灯および消灯を制御する。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動演出などの表示を制御するものである。また、表示制御装置114は、第3図柄表示装置81の表示内容を通知する表示コマンドを適宜音声ランプ制御装置113へ送信する。音声ランプ制御装置113は、この表示コマンドによって示される表示内容にあわせて音声出力装置226から音声を出力することで、第3図柄表示装置81の表示と音声出力装置226からの音声出力とをあわせることができる。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110~114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110~114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図示せず)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次いで、可変入賞装置65周辺の構造について説明する。図5は、可変入賞装置65及び振分装置300の正面斜視図であり、図6(a)及び図6(b)は、可変入賞装置65の正面斜視図である。図6(a)では、特定入賞口65aへの球の流下を規制するように開閉板65bが閉鎖される開閉板65bの閉鎖状態が図示され、図6(b)では、特定入賞口65aへの球の流下を許容するように開閉板65bが開放される開閉板65bの開放状態が図示される。なお、図5及び図6の説明においては、図2を適宜参照する。
可変入賞装置65は、開閉板65bの開放状態(図6(b)参照)において、開閉板65bに着地する球を受け入れ、特定入賞口65aへ案内可能となるように、開閉板65bの開放状態において開閉板65bの板上面が背面側へ向けて下降傾斜するように形成される。
開閉板65bの左右中央部の上方には電動役物140aが配置されているので(図2参照)、開閉板65bに着地する球は、電動役物140aから逸れて流下する球に限定される。即ち、開閉板65bへの球の着地は、左右中央部では生じず、主に、電動役物140aよりも左右外側の部分において生じる。換言すれば、開閉板65bに着地する球の配置は、開閉板65bの左右外側寄りの位置に限定される。
なお、開閉板65bに着地した後の球の配置についてはこの限りではない。即ち、開閉板65bに着地した後の球の流れ方によっては、開閉板65bの左右中央位置寄りに球が配置されることは生じ得る。
特に、本実施形態では、電動役物140aを前側から覆う前意匠部材141(図2参照)が、開閉板65b側の空間を確保するように湾曲形成されている(ガラスユニット16(図1参照)と対向配置される前端部下端から背面側へ向かうにつれて下側に張り出す態様の湾曲面として形成されている)ので、開閉板65bの左右中央位置寄りにおいて跳ねた球が前意匠部材141と衝突して勢いを落とされる程度を低くすることができる。これにより、開閉板65bの左右中央位置寄りに球が配置される可能性を高めることができる。
なお、前意匠部材141の下部の湾曲形状の曲率半径の中心は、前後どちらに配置されるものでも良い。本実施形態では、横面視における曲率半径が前側下方に配置されるよう形成することで、開閉板65b側の空間をより大きく確保できるようにしている。また、前意匠部材141が左右端部において下側へ向かう程に左右幅が小さくなる形状とされることで、左右側において開閉板65bとの間に空間を確保し易くすることができる。
開閉板65bの開放状態においては、開閉板65bに着地した球はほぼ漏れなく特定入賞口65aに案内される。検出センサSE1の球通過孔163bの手前側には、後方へ向けて下降傾斜する傾斜流下面163a1が球を球通過孔163bに案内可能な上下位置で配設されている。
傾斜流下面163a1は、下面部163aにより左右外側に転動された球が抵抗少なく乗り移れるように下面部163aの左右端部よりも一段下がって形成されている。この傾斜流下面163a1よりも左右外側において開閉板65bに着地した球の流下抵抗を低減するため、傾斜流下面163a1の左右外側において案内板部163a2が形成されている。
案内板部163a2は、受入部材163の後壁部と左右内壁部とから、前側かつ左右内側へ延設される板状部であって、前端面が左右内側ほど後方へ配置がずれる傾斜面として形成される。
これにより、開閉板65bに乗り転動する球が案内板部163a2の前端面に当接した場合に、傾斜面の傾斜に沿って球の流下を案内することができるので、球を傾斜流下面163a1に抵抗少なく案内することができる。そのため、開閉板65bに球が乗った状態で開閉板65bが閉鎖動作を開始した場合において、その球が傾斜流下面163a1よりも左右外側に配置されていたとしても、開閉板65bの閉鎖動作が阻害される程度を低減することができる。
即ち、例えば、球の流れが悪くなり開閉板65bの閉鎖が滞ったり、開閉板65bの閉鎖動作により後方に流された球が受入部材163の後壁部で跳ね返って開閉板65bに再び当たり、開閉板65bを開放させる方向(前側)の負荷を与えることで開閉板65bが意図せず開いたり、等という動作不良が生じる可能性を低減することができる。
開閉板65bが開放状態から閉鎖状態へ動作する場合、開閉板65bは起き上がり動作で閉じる。即ち、開閉板65bに着地した球は、開閉板65bの動作により特定入賞口65aに案内される(飲み込まれる)ので、開閉板65bに乗っている球の左右位置に寄らず、開閉板65bに乗っている球はほぼ漏れなく特定入賞口65aに案内される。
この際、開閉板65bにおける球の配置が左右外側に寄っていたり、球の個数が多かったりすると、開閉板65bの閉鎖動作が遅れる可能性がある。これに対し、本実施形態では、受入部材163の下面部163a、傾斜流下面163a1及び案内板部163a2の形状を工夫しているので、特定入賞口65aに案内された球の流れを滞留させることなく、開閉板65bの閉鎖動作の迅速性を保つことができる。
また、受入部材163の形状を工夫する代わりに、開放状態において球が乗る開閉板65bの転動面は、平面状に形成される(図6(b)参照)。そのため、開閉板65bの開放状態において開閉板65bに着地した球は、一旦後方に流れてから、受入部材163の形状の作用により左右方向へ流され検出センサSE1の球通過孔163bに案内されることになるので、開閉板65b上で球の衝突が生じることを回避し易くすることができる。
即ち、開閉板65bに複数の球が同時に着地しても、その球が一旦後方に平行移動することになるので、開閉板65b上で球が互いに衝突することを回避することができる。従って、開閉板65bの転動面が下面部163aのように左右方向の傾斜面を有する形状とされ転動球に左右方向の流れが形成される場合に比較して、開閉板65b上での球の動きが不規則になる可能性を低くすることができるので、意図せぬ動作不良を未然に防ぐことができる。
受入部材163には、開閉板65bの閉鎖状態において、開閉板65bの左右両端部における回動先端部と当接し、開閉板65bの配置の再現性を高めるための当接面部163a3が形成されている。当接面部163a3は左右一対で形成されており、且つ、開閉板65bの形状に合わせた形状設計により点接触ではなく面接触可能に形成されているので、開閉板65bの配置を安定させ易く、且つ、当接時の負荷を面で受けることにより応力集中を避けることができるので耐久性を向上させることができる。
また、当接面部163a3の下側には、対向配置される開閉板65bと若干の隙間を空け略平行となる面形状で形成される補助当接面163a4が形成されている。補助当接面163a4は、何らかの理由で当接面部163a3と開閉板65bとの当接が不良となった場合のフェールセーフとして設けられている。
本実施形態では、当接面部163a3の手前側において球の流下を制限する被固定部材161が配置されており、基本的には球は当接面部163a3と衝突しないように構成されている。しかし、例えば、当接面部163a3と当接する開閉板65bの回動先端部が欠けた場合、閉鎖状態における開閉板65bの配置の再現性を保てなくなる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、開閉板65bと当接面部163a3との正常な当接が保てなくなった場合には、開閉板65bの左右端部における前後幅間部と補助当接面163a4との面当接を生じさせ、開閉板65bの配置の安定性を保てるように図っている。これにより、閉鎖状態における開閉板65bの配置の再現性を向上することができる。
なお、補助当接面163a4を、当接面部163a3の形状が正常な状況から開閉板65bと当接するように構成しても良い。この場合、当接面部163a3の形状が正常な状況から開閉板65bとの当接が生じるので負荷が蓄積され易いという不利益が生じ得るものの、負荷を分散させる面積を拡大できるので、開閉板65bとの当接により当接面部163a3が受ける局所的な負荷の大きさを低減することができる。
開閉板65bが開放状態から閉鎖状態へ動作する場合、開閉板65bへ受け入れられる途中の遊技球を、上述した前意匠部材141の形状によって開閉板65bへ押し込む態様で受け入れさせるよう構成することができる。
即ち、受け入れられる途中の状態(例えば、開閉板65bの回動先端と特定入賞口65aの開口枠部とに挟まれて横滑りしている状態)で、球が前意匠部材141の下部形状と当接した場合に、その湾曲形状に案内させることで特定入賞口65aの内側へ流下させることができる。これにより、開閉板65bから逸れた球が第3流路構成部336の正面側を落下する事態の発生を避け易くすることができるので、第3流路構成部336への視界を確保し易くすることができる。
開閉板65bの閉鎖状態においては、開閉板65bへの球の着地が生じないので、開閉板65bの閉鎖状態において開閉板65bの正面側を流下する球の配置は電動役物140aよりも左右外側に限定される。
従って、本実施形態の構成によれば、開閉板65bの閉鎖状態において特定入賞口65aに案内されずに流下する球の配置を、電動役物140aよりも左右外側位置に限定することができる。これにより、電動役物140aの下側において、電動役物140aの左右端部よりも左右内側位置における視界を確保することができる。
次いで、特定入賞口65aの下流側(特定入賞口65aを通過した球が流れる側)の構成について説明する。図7は、遊技盤13の正面斜視図であり、図8は、遊技盤13の背面斜視図である。なお、図7及び図8では、ベース板60に配設される構成の内、第1入賞口64、第2入賞口140及び可変入賞装置65以外の構成が取り外された状態が図示される。
図8に示すように、ベース板60の背面側における可変入賞装置65の後方位置には、第1入賞口64、第2入賞口140及び一般入賞口63(図2参照)に入球した球を球排出路(図示せず)へ流すための経路が形成される集合樋150が配設される。
集合樋150は、流路を形成する溝状部分を備え、溝状部分においてベース板60と対面する前側部が開放される。この開放部分がベース板60に閉じられることで、球排出路へ球を流すための経路が完成する。
集合樋150は、第1入賞口64に入球した球の流路を形成する第1流路部151と、第2入賞口140に入球した球の経路を形成する第2流路部152と、左右両側に配置される一般入賞口63に入球した球の流路を左右それぞれに形成する複数の第3流路部153と、を備える。
第1流路部151は、第1入賞口64の後方位置から左下方向へ傾斜する流路として構成され、第2流路部152は、第2入賞口140の後方位置から右下方向へ傾斜する流路として構成される。第3流路部153は、一般入賞口63の下方へ延びる流路として構成される。
従って、正面視では、第1入賞口64及び第2入賞口140が遊技領域の左右中央位置に配置される構成ながら、第1入賞口64及び第2入賞口140に入球した球の流れは、集合樋150によって左右中央位置から左右外側に寄せられる。これにより、第1入賞口64及び第2入賞口140の下方に空間を設けることができ、この空間を利用して可変入賞装置65及び後述する振分装置300を配設することができる。
図9は、ベース板60、可変入賞装置65、集合樋150及び振分装置300の分解正面斜視図であり、図10は、ベース板60、可変入賞装置65、集合樋150及び振分装置300の分解背面斜視図である。なお、図9及び図10では、ベース板60の下半部のみが図示され、その他の部分の図示が省略されており、且つ、ベース板60に組み付けられる他の構成についての図示が省略され、ベース板60の地が視認可能となっている。また、図9では、説明の便宜上、センターフレーム86がベース板60に組み付けられた状態で図示される。
可変入賞装置65、集合樋150及び振分装置300の固定について説明する。可変入賞装置65は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定されている。集合樋150は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の背面側からタッピングネジ等により固定されている。
そして、振分装置300は、上部において挿通孔311が可変入賞装置65に締結固定され、左右部において挿通孔331が集合樋150に締結固定される。即ち、ベース板60に直接的に固定される可変入賞装置65や、集合樋150とは異なり、振分装置300の有無は、遊技盤13の完成に影響するものではない。
換言すれば、本実施形態における可変入賞装置65及び集合樋150は、振分装置300を配設する場合と、振分装置300を配設しない場合とで、そのまま流用することができる。これにより、振分装置300の有無に関わらず、可変入賞装置65と集合樋150との共通化を図ることができる。
次いで、可変入賞装置65及び振分装置300の詳細について説明する。可変入賞装置65は、特定入賞口65aを通して遊技領域から球を受け入れ可能に構成されており、振分装置300は、可変入賞装置65に受け入れられた球の流れる流下経路を構成している。本実施形態では、振分装置300の流下経路を流れる球の検出結果に基づいて遊技者が得られる利益が変化するように制御されるが、詳細は後述する。
図11は、可変入賞装置65の分解正面斜視図であり、図12は、可変入賞装置65の分解背面斜視図である。図11及び図12に示すように、可変入賞装置65は、遊技盤13の正面側からタッピングネジ等により固定される被固定部材161と、その被固定部材161の正面側に配置され被固定部材161に締結固定される前意匠部材162と、被固定部材161の背面側に配置され、被固定部材161に締結固定され、特定入賞口65aを通った球を受け入れ可能に構成される受入部材163と、その受入部材163の背面側に配置され、受入部材163に締結固定され、振分装置300との連結部分として介在する介在部材164と、受入部材163の背面側に配置され、受入部材163に締結固定され、開閉板65bの開閉状態を通電の有無によって切り替え可能に構成される状態切替装置165と、を備える。
被固定部材161は光透過性の樹脂材料から形成され、その正面側の形状は、ネジ挿通用の貫通孔、前意匠部材162との締結位置および特定入賞口65aを除き平坦面で形成される。一方、被固定部材161の背面側の形状は、外周部においてベース板60に面で当接される薄肉部の内側において背面側に張り出す立体的な形状となっている。
特に、薄肉部との境界部161aは横長略楕円の枠状に形成されており、この境界部161aを配設可能な大きさの貫通孔がベース板60に貫通形成される。即ち、境界部161aは、ベース板60の貫通孔に挿通される部分である。
境界部161aの内側では、特定入賞口65aと、その特定入賞口65aの下縁よりも若干下側において特定入賞口65aの下縁と平行な横長板状で後方へ延設される横長板状部およびその横長板状部の途中位置において下方に延設される縦長板状部を備えて左右一対の略T字形状で構成される延設支持板161bと、が形成される。
延設支持板161bは、特定入賞口65aの後方の範囲と、後述する振分装置300の流下経路と、の双方を支持するよう機能する。延設支持板161bの横長板状部から突設される突設支持部161cと、延設支持板161bの縦長板状部から突設される突設支持部161dと、境界部161aの下縁部上面から突設される突設支持部161eと、は振分装置300を支持する部分としての機能を有するが、詳細は後述する。
境界部161aの内側において、特定入賞口65aの左右中央位置下方において左右対称形状で突設される対称突設部161fは、振分装置300を流下する球と当接して球の流下を案内する機能を有する。
前意匠部材162に螺入する締結ネジを挿通するための複数の貫通孔161gは、境界部161aの内側および外側に配置される。受入部材163に挿通される締結ネジを螺入するため雌ネジ部を有する複数の被締結部161hは、境界部161aの内側に配置される。
介在部材164に挿通される締結ネジを螺入するため雌ネジ部を有する被締結部161iは、境界部161aの切れ目(左右中央位置)において境界部161aの外側に配置される。即ち、ベース板60に形成される貫通孔の内、境界部161aを挿通するための貫通孔と第2入賞口140及び電動役物140aを挿通するための貫通孔との連結部分(図9参照)に、被締結部161iは配設される。
前意匠部材162は、光透過性の樹脂材料から形成され、正面側は、ガラスユニット16(図1参照)との距離を均一とするべく平坦形状で形成される。前意匠部材162の背面側かつ被固定部材161の正面側の範囲において、球は流下可能とされる。
前意匠部材162の背面側には、被固定部材161の貫通孔161gと合う位置に配設され、貫通孔161gに挿通された締結ネジを螺入可能に形成される雌ネジ部を有する複数の被締結部162aと、その被締結部162aを上側から覆うような形状で背面側に延設される複数の延設部162b,162cと、を備える。
延設部162b,162cにより、被固定部材161と前意匠部材162との間を流下する球が被締結部162aに直接衝突することを回避することができるので、被締結部162aの耐久性を向上することができる。
更に、延設部162b,162cの上面が傾斜面として形成されることにより、球の流下経路を制限することができる。即ち、特定入賞口65aの左右縁部付近で延設される延設部162b(左右中央側の2箇所)の上面が左右外側へ向けて下降傾斜する傾斜面として形成されることで、延設部162bに乗った球が特定入賞口65a側に流れることを抑制することができる。即ち、延設部162bに乗った球は、延設部162bの左右外側を下方へ落下した後、内レール61(図2参照)に沿ってアウト口71へ向けて流下することになる。
また、左右両端に延設される延設部162c(左右両端の2箇所)の上面が左右内側へ向けて下降傾斜する傾斜面として形成されることで、延設部162cに乗って流れる球の流下経路を延設部162bに乗った球の流下経路とまとめることができる。これにより、流下する球の個数に比較して、流下する球が配置される範囲を狭めることができ(球の配置密度を高めることができ)、球に視認性を阻害されない部分(流下経路が構成されない空間)を確保することができる。
なお、図11に図示される前意匠部材162は無地で記載され、背面側の視認性が良好とされているが、前意匠部材162を無地で構成する必要はない。例えば、前意匠部材162の正面側に模様やキャラクターが図示されたシールを貼り付けて装飾するようにしても良いし、前意匠部材162に幾何学模様で溝を掘り、その溝に光が照射されることで幾何学模様が浮かび上がって視認されるようにしても良い。また、無地や、上述のような装飾が加えられた上で、前意匠部材162が非透過性となるように構成しても良い。
受入部材163は、光透過性の樹脂材料から正面側が開放された横長の枠状(または箱状)に形成され、上述した案内板部163a2と、当接面部163a3と、補助当接面163a4と、枠内側において流下面を形成する下面部163aと、下面部163aを流下した球が通過可能な貫通孔として配設される球通過孔163bと、被固定部材161の被締結部161hに合う位置に配置され被締結部161hに締結固定される締結ネジが背面側から挿通される複数の挿通孔163cと、介在部材164に挿通される締結ネジが螺入される雌ネジ部であって左右中央側に配設される一対の被締結部163dと、状態切替装置165に挿通される締結ネジが螺入される雌ネジ部を有する複数の被締結部163eと、を備える。
下面部163aは、左右中央部を頂点として左右外側へ向けて下降傾斜する左右傾斜面として形成され、その左右傾斜面の左右外端部から一段下がった位置において後方へ向けて下降傾斜する傾斜流下面163a1を備えていることで、傾斜流下面163a1の後端部を流下する球が球通過孔163bを抵抗小さく通過できるように配設される。
球通過孔163bは、受入部材163の背面側に係合される検出センサSE1に形成される検出用孔である。即ち、球通過孔163bを球が通過したことは検出センサSE1により検出される。
介在部材164は、光透過性の樹脂材料から形成され、後方へ向けて下降傾斜する光屈折面を有する本体部164aと、その本体部164aの上側部において貫通形成され受入部材163の被締結部163dに螺入される締結ネジを挿通可能な一対の挿通孔164bと、その挿通孔164bよりも上側に配置されLEDが配設される発光基板164cと、本体部164aの下端側左右両端部において振分装置300に挿通される締結ネジを螺入可能な雌ネジ部を有して形成される一対の被締結部164dと、本体部164aの上側部において貫通形成され被固定部材161の被締結部161iに螺入される締結ネジを挿通可能な挿通孔164eと、を備える。
発光基板164cは、LEDが配置される面が斜め前上方向を向く姿勢で配設され、組立状態において、正面視で特定入賞口65aの真上位置(図6参照)、且つ、第2入賞口140の真下位置に配置される。このような配置から、発光基板164cからの光は、第2入賞口140や特定入賞口65aへの入球を望みその箇所を斜め後下方向の視線で見つめる遊技者の視界に容易に入る。
従って、第2入賞口140や特定入賞口65aへの入球が検出された際に発光基板164cのLEDを点灯させるよう制御することで、第2入賞口140や特定入賞口65aへの入球が生じたか否かを遊技者に容易に把握させることができる。
上述の構成から、介在部材164は、被固定部材161及び受入部材163の双方に締結固定される。これにより、被固定部材161と受入部材163との締結固定のみで構成する場合に比較して、被固定部材161と受入部材163とを強固に固定することができる。また、介在部材164を介して被固定部材161及び受入部材163と連結固定される振分装置300の配置を安定させることができるので、被固定部材161及び受入部材163と振分装置300との相対的な位置ずれを抑制することができる。
状態切替装置165は、受入部材163の被締結部163eに螺入される締結ネジが挿通される複数の挿通部165aを有し、配線通し用、兼、放熱用の複数の開口を有して上側が開放される深底の箱状に形成される下ケース部165bと、その下ケース部165bに収容される電磁ソレノイド165cと、その電磁ソレノイド165cのプランジャーの先端に係合されプランジャーと共にスライド変位するスライド部165dと、下ケース部165bの前端部から回動先端部がはみ出すような配置で下ケース部165bに回動可能に支持され、スライド部165dのスライド変位に伴い回動する回動部165eと、複数の挿通孔165fに挿通される締結ネジにより下ケース部165bに締結固定される上蓋部165gと、を備える。
回動部165eの回動先端は、棒状部が係合可能に凹設されており、この凹設部に開閉板65bの右側端部から右方に突設される伝達突部65cが入り込み、係合される。伝達突部65cは、開閉板65bの開閉動作の回転軸を形成する金属製の軸棒部65dから偏心した位置に配置されている。このように構成することで、回動部165eの回動に伴って、開閉板65bの開閉動作を生じさせることができる。
図13及び図14は、振分装置300の分解正面斜視図である。図13では、振分装置300を上方から見た斜視図が図示され、図14では、振分装置300を下方から見た斜視図が図示される。
図13及び図14に示すように、振分装置300は、介在部材164の被締結部164dに螺入される締結ネジが挿通可能に貫通形成される一対の挿通孔311を有する上部材310と、その上部材310に上下方向で締結固定されると共に集合樋150の雌ネジ部に螺入される締結ネジを挿通可能に貫通形成される一対の挿通孔331を有する中部材330と、その中部材330と上部材310との間に収容され正面側にLED等の発光手段351が配設される基板350と、中部材330と上部材310との間の位置に収容され通電の有無によって状態を切り替え可能に構成される状態切替装置360と、中部材330の下方に配置され状態切替装置360の状態の切り替えに伴い前側位置と後側位置とで前後にスライド変位するスライド変位部材370と、中部材330との間にスライド変位部材370を挟むように中部材330の下方に配設されると共に集合樋150の雌ネジ部に螺入される締結ネジを挿通可能に貫通形成される挿通孔381を有する下部材380と、を備える。
各部の構成の詳細を説明する前に、振分装置300の機能の概要について説明する。振分装置300は、検出センサSE1の球通過孔163b(図12参照)を通過した球が流下する流下経路を構成する装置である。
球通過孔163bを通過した球は、上部材310の内部、上部材310と中部材330との間に形成される流路構成部334,335,336、下部材380の内部、という順で流下し、下部材380から流下した球は球排出路(図示せず)へ排出される。
振分装置300の内部を流下する球は遊技者が視認可能となるように構成されており、その流下態様により、遊技者の目を楽しませる単なる演出的効果のみでは無く、遊技者が得られる利益に変化を生じさせるといった遊技利益に関わる効果を奏する。
振分装置300の内部を流下する球の流下態様の違いは、主に、スライド変位部材370の配置により生じる。即ち、球が中部材330から下部材380へ向けて流下する時におけるスライド変位部材370の配置により、球が下部材380のどの箇所を通過するかに違いが生じる。
従って、遊技者の視線は、自ずと中部材330から下部材380へ向けて球が流下する箇所(後述するように、スライド変位部材370の配置箇所)に集まり易くなるので、本実施形態では、視線の集中を前提とした工夫が施されている。
次いで、振分装置300の各部の構成の詳細について説明する。上部材310は、光透過性の樹脂材料から形成される上面視コ字状の薄肉部材であり、上述の挿通孔311と、球を受け入れ可能に貫通形成される一対の開口部312と、目印として貼り付けられる有色(本実施形態では、赤色)透明の一対のシール部材313と、開口部312の下縁から外周部に沿って正面側に延設される一対の上面部314と、中部材330に螺入される締結ネジが挿通可能な貫通孔が形成される複数の挿通筒部315と、中部材330に挿通された締結ネジが螺入可能な雌ネジを有する被締結部316と、上部材310の下面から下方へ向けて突設される前後方向に長尺の部分であって左右に並べて配設される一対の前後長突設部317と、上部材310の下面から下方へ向けて突設される左右方向に長尺の部分であって一対の前後長突設部317の間に配設される一対の左右内突設部318と、上部材310の下面から下方へ向けて突設される左右方向に長尺の部分であって一対の前後長突設部317の左右外側に配設される一対の左右外突設部319と、基板350の上部を配置可能な大きさの凹部として形成される収容凹部320と、を備える。
開口部312は、可変入賞装置65の球通過孔163bを通過した球を受け入れ、下方へ流す役割を果たす通路状部(トンネル状部)であり、上前縁部は傾斜姿勢の検出センサSE1(図12参照)の板背面と面一となるように傾斜面で切断したような形状とされる。これにより、開口部312の上前縁部を検出センサSE1の板背面に接触させることができる。
また、開口部312は、球通過孔163bの開口方向視で球通過孔163bの開口内側に侵入しない程度の開口度合いで形成される。これにより、球通過孔163bを通過した球を開口部312に案内する際の流下抵抗を低減することができる。
シール部材313は、基板350の発光手段351から照射される光を受けて煌びやかに視認されることで、遊技者の注目を集める部材として機能するが、詳細は後述する。
上面部314は、上部材310の下方における球の流下経路に合わせて傾斜が形成される薄板部である。開口部312の正面側に配置される第1上面部314aは正面側へ向かうほど下降傾斜するように形成され、第1上面部314aの前端部と連結され左右内側に配置される第2上面部314bは左右内側へ向かうほど下降傾斜するように形成される。そして、左右の第2上面部314bの左右間隔が手前側ほど長くなるように構成されることで、第2上面部314bの間を通して球を視認する遊技者の視界の確保を図ることができる。
挿通筒部315は、締結ネジのネジ頭を受ける座グリが上面側に形成される。そのため、締結ネジを上側から挿通するという構成ながら、遊技者に締結ネジのネジ頭が視認されることを回避し易くすることができる。
挿通筒部315は、中部材330に形成される雌ネジ部を有する被締結部332dに合う位置に配置される。特に、左側の挿通筒部315に対応する被締結部332dは、回動部363を支持する支持部を兼ねるが、詳細は後述する。
被締結部316に螺入される締結ネジは、ネジ部が上向き、ネジ頭が下向きの姿勢で配置される。そのため、被締結部316を手前側に配置する構成ながら、斜め上から視認する遊技者に対してネジ頭が目立ちにくいようにされている。これにより、上部材310と中部材330とを強度に固定しながらも、締結ネジにより振分装置300の見映えが悪くなることを回避することができる。
被締結部316が右側にしか形成されていないのは、既に後側において挿通筒部315が2箇所に配設されているので前側における締結位置は1箇所で十分な点や、ネジ頭が下向きにされ目立ちにくいとはいえ不要であれば配設を省略した方が振分装置300の見栄えが良くなる点等が、理由である。なお、被締結部316の配置はこれに限定されるものではない。例えば、左側に配設されても良いし、左右一対で配設されても良い。
被締結部316の配置は、球の流下経路を避け、且つ、振分装置300の見映えの低下を最低限に抑えられる位置として設定されているが、詳細は後述する。
各一対で形成される前後長突設部317、左右内突設部318及び左右外突設部319の下面部は、それぞれ同一の箇所を基準として、その箇所から遠ざかるほど配置が下がるような湾曲面として形成される。この湾曲面は、前後長突設部317、左右内突設部318及び左右外突設部319で異なる形状とされており、この形状の違いにより球の流下態様を制御する意図がある。
中部材330は、上述の一対の挿通孔331と、後側において下底部を有する枠状(略箱状)に形成される後側枠状部332と、前側において下底部を有する枠状(略箱状)に形成される一対の前側枠状部333と、その前側枠状部333の左右外側において凹設され球の流下経路を構成する一対の第1流路構成部334と、その第1流路構成部334の前端部に連結されて球の流下経路を構成すると共に前側枠状部333の前側において凹設される一対の第2流路構成部335と、その第2流路構成部335の左右内側端部に連結されて球の流下経路を構成すると共に前側枠状部333の左右内側において凹設される一対の第3流路構成部336と、を備える。
また、中部材330は、第3流路構成部336の後端部の後ろ側において左右長尺形状で下底に貫通形成され球の排出路として機能する排出孔337と、その排出孔337及び第3流路構成部336を左右に仕切るよう前後方向に長尺の板状に形成される仕切り板部338と、第3流路構成部336の後方端部における下側面から左右長尺の矩形状凸部として突設される一対の位置合わせ突設部339と、を備える。
後側枠状部332は、球の流下経路を構成する前側部とは異なり球の流下経路を構成せず、主に基板350や状態切替装置360を支持する部分として構成される。後側枠状部332は、左右中央部の正面側端部において上下方向に貫通形成されスライド変位部材370を配置可能に構成される配置用貫通孔332aと、左右方向に長尺の貫通孔として下底部に貫通形成され状態切替装置360の被案内部362cのスライド変位を案内する案内孔332bと、下部材380に挿通される締結ネジが螺入可能に形成される雌ネジ部を有する複数の被締結部332cと、上部材310の挿通筒部315に挿通された締結ネジが螺入可能な雌ネジ部を上先端に有する円柱形状の被締結部332dと、を備える。
前側枠状部333は、枠内側および下底部表裏面に光拡散加工が施されていることで、前側枠状部333の奥側の視認性が低下することになる。前側枠状部333は、上面視略正方形状の枠状に形成されており、上部材310の被締結部316に螺入される締結ネジを挿通可能な座グリ孔として形成される挿通孔333aを備える。
第1流路構成部334、第2流路構成部335及び第3流路構成部336は、それぞれ球の流下経路を構成する部分であり、球の流下方向や、傾斜角度等が異なるように設計されているが、詳細は後述する。
なお、第2流路構成部335と第3流路構成部336との連結位置において正面側が開放される開放部335aは、可変入賞装置65の対称突設部161f(図12参照)が進入可能とするための空隙である。即ち、対称突設部161fは、振分装置300を流下する球に当接可能となるように、開放部335aを通して流路内側に進入するように配置される。
排出孔337は、仕切り板部338に仕切られる形で、左右一対で構成され、球が少なくとも2経路で排出可能な大きさで形成される。即ち、少なくとも、球の直径の2倍以上の左右長さで構成される。なお、本実施形態では、排出孔337の下側に配置される下部材380に複数の検出センサSE1が横並びにされているので、その検出センサSE1の球貫通孔の配置に合わせて排出孔337の形状を設計するようにすれば良い。
仕切り板部338は、上述のように第3流路構成部336を仕切る機能に加え、スライド変位部材370の変位を案内する案内部としての機能を奏するが、詳細は後述する。位置合わせ突設部339は、下部材380の突設部383aと嵌め合わされ、中部材330と下部材380との位置ずれを回避するための部分であるが、詳細は後述する。
基板350は、下側部353の方が上側部352に比較して左右長尺となる逆T字形状で形成されており、下側部353の左端側における下端部に位置合わせ用の凹設部354を備える。
凹設部354が、中部材330の内部形状として対応する部分と係合することで左右方向の位置決めがされ、左右長尺の下側部353が中部材330の後側枠状部332に前後から挟まれるように支持されることで前後方向の位置決めがされ、上部材310の収容凹部320に上側部352が収容されることで上方への脱落が防止されることで配置が固定されるよう構成されるが、発光手段351の配置の意図と共に詳細は後述する。
状態切替装置360は、中部材330の後側枠状部332に収容される装置であって、電磁ソレノイド361と、その電磁ソレノイド361に左右方向に直動変位するよう支持されるプランジャーの先端に係合されプランジャーと共にスライド変位するスライド部362と、左側の被締結部332dに挿通されることで回動可能に支持され、スライド部362のスライド変位に伴い回動する回動部363と、を備える。
スライド部362は、電磁ソレノイド361のプランジャーの先端の円板部361aを上側から受け入れ可能に凹設される凹設部362aと、右側面から右方に張り出す張出部362bと、下側面の前後中央部から下方に突設され左右方向に長尺の長円形状の断面で形成される被案内部362cと、を備える。
凹設部362aの形成方向から、円板部361aがスライド部362を上側から支える構成となるので、スライド部362が上方へ脱落することを防止することができる。そのため、円板部361aにスライド部362を接着剤等で固着せずとも、スライド部362の配置を円板部361aと中部材330の下底部との間で維持することができる。
被案内部362cは、中部材330の案内孔332bに挿通されることで、スライド部362の変位方向が左右方向からずれることを回避するための部分である。特に、本実施形態では左右方向に長尺に形成されるので、被案内部362cと案内孔332bとの係合により、スライド部362の姿勢維持を図ることができる。なお、被案内部362cの断面形状は必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、円形でも良いし、矩形でも良い。
回動部363は、上面視で略L字状に形成され、L字の接続部において上下方向に長尺の筒状に形成され中部材330の被締結部332dを挿通可能な大きさの貫通孔を有する支持筒部363aと、L字の短手側先端部から上方へ向けて円柱状に突設され張出部362bが有する貫通孔に挿通される上円柱部363bと、L字の長手側先端部から下方へ向けて円柱状に突設されスライド変位部材370の凹設部378に挿通される下円柱部363cと、を備える。
上述の構成により、回動部363は、支持筒部363aを中心軸として回動可能に構成される。この回動部363の変位は電磁ソレノイド361の状態の変化によって生じる。即ち、電磁ソレノイド361に通電されることでプランジャーがスライド変位しスライド部362が左右方向に変位すると、張出部362bの貫通孔に挿通されている上円柱部363bが変位し、これに伴い下円柱部363cが変位し、結果としてスライド変位部材370を変位させる。
スライド変位部材370は、中部材330と下部材380との上下間位置において前後方向にスライド変位するよう支持される部材であって、中部材330の後側枠状部332の下底部と下部材380とに上下から挟み込まれて支持される薄板部371と、その薄板部371から左右一対で上方に突設される上突設部376と、その上突設部376よりも後側において左右中央部で上方に突設される突設部の突設端部で凹設され回動部363の下円柱部363cを受け入れ可能に形成される凹設部378と、を備える。
薄板部371は、後側半部において左右一対で貫通形成される被支持孔371aと、左右中央部における正面側端部から上突設部376の配置間隔よりも短い左右幅で前後長尺に凹設される凹設部372と、その凹設部372の縁部に沿う突条形状で下方に突設される一対の下突条部373と、後側半部における左右縁部に沿う突条形状で上下両方向に突設される複数の上下突条部374と、後端部から下方に円柱状で突設され下部材380の案内長孔386に挿通される円柱突部375と、を備える。
下突条部373及び上下突条部374は、上下側に配置される中部材330又は下部材380と対面し摺動することを想定した部分であり、平面での接触に比較して、中部材330及び下部材380との接触面積を低減するための突条である。接触面積を低減することで、スライド変位部材370の変位抵抗を低減することができるので、スライド変位部材370の変位速度が遅くなることを防止することができる。
上突設部376は、正面視略台形状の柱状部であり、配置用貫通孔332aを通り後側枠状部332の下底部よりも上方に進入するように配置される。上突設部376の左右内側の隙間の幅長さは、中部材330の仕切り板部338の左右厚みよりも若干長く設計される。この構成により、仕切り板部338により、上突設部376の変位を案内することができる。
換言すれば、上突設部376は、左右内側の隙間に仕切り板部338を挟むように配置され、仕切り板部338との当接により左右方向の位置ずれが抑制されるよう構成される。これにより、スライド変位部材370の変位を良好に案内することができ、スライド変位部材370の変位方向を前後方向に維持することができる。
凹設部378は、スライド変位部材370の前後方向変位を生じさせるのに必要となる回動部363の下円柱部363cの変位に対応できるように、左右方向に長尺の長孔として形成される。
凹設部378が形成される突設部は、配置用貫通孔332aを通り後側枠状部332の下底部よりも上方に進入するように構成されることで、回動部363の下円柱部363cを容易に凹設部378に挿通することができる。
このように、配置用貫通孔332aの形状は、挿通を予定される上突設部376と、凹設部378が形成される突設部と、が配置される全範囲を内側に含む形状の貫通孔として設計される。
下部材380は、上述の挿通孔381と、左右に長尺の薄板状に形成される板状部382と、その板状部382の下側において複数(本実施形態では4個)の検出センサSE1を左右に並べて配置可能とする枠状に形成されるセンサ保持枠部389と、を備える。
センサ保持枠部389は、検出センサSE1を挿入する背面側面と、検出センサSE1の貫通孔を通る球が通過する上下側面と、が開口形成されており、その他の部分が閉鎖されてなる枠状に形成される。
板状部382は、センサ保持枠部389に上下方向の貫通孔が形成されたことと同様に、検出センサSE1の貫通孔と合う位置に貫通孔が形成され、左右内側の2個の検出センサSE1の中間位置において前後方向に長尺の突条形状で上方へ突設される突条部383と、その突条部383の前側端部から左右に離れた位置で突設される一対の突設部383aと、突条部383よりも後側の位置においてスライド変位部材370の被支持孔371aに挿通可能な位置で突設される一対の案内突設部384と、その案内突設部384よりも左右外側の両位置において前後方向に長尺の突条として形成される一対の案内突条385と、上面視において突条部383と同一直線上に延びる長孔状の案内長孔386と、前側面において後方に突の湾曲面形状で形成される湾曲面部387と、中部材330の被締結部332cに螺入される締結ネジを挿通可能に貫通形成される挿通孔388と、を備える。
突条部383は、スライド変位部材370の凹設部372の左右隙間幅よりも若干短い左右厚みの突条として形成され、スライド変位部材370は凹設部372で突条部383を挟むように配置される。即ち、突条部383は、スライド変位部材370の前後方向変位を案内する案内部として機能する。
突設部383aは、左右内側端部が、中部材330の位置合わせ突設部339の左右外側端部と同等の位置となるように設計される。即ち、一対の突設部383aの左右内側端部に、位置合わせ突設部339の左右外側端部が当接する形で、嵌め合わされることにより、下部材380を基準とした中部材330の左右方向の位置を適切に定めることができる。それと共に、下部材380の枠前部(突条部383を突設部383aとを前端側でつなぐ部分)の背側面と位置合わせ突設部339の前側面とを当接させることで、下部材380を基準とした中部材330の前後方向の位置を適切に定めることができる。
これにより、中部材330の構成としての第3流路構成部336と、下部材380の構成としての検出センサSE1と、の間に位置ずれが生じることを回避し易くすることができる。
案内突設部384は、左右長尺の長円形状に形成されており、スライド変位部材370の被支持孔371aに挿通され、スライド変位部材370の変位を制限する。即ち、スライド変位部材370の変位は、被支持孔371aの内部に案内突設部384が配置される範囲での変位に制限される。
これにより、スライド変位部材370と突条部383との衝突を生じさせないようにすることができるので、例えば、前方向の変位終端がスライド変位部材370と突条部383との衝突した位置で定まる構成に比較して、突条部383の耐久性を向上することができる。そのため、突条部383による案内効果を長く奏し続けることができる。
なお、案内突設部384は、破損したとしてもスライド変位部材370の動作に即座に影響が生じる部分では無く、突条部383への衝突を防止するための部分として機能する。そのため、通常は案内突設部384の破損が生じない状態で設定期間(例えば、3年)において使用を維持できる強度で設計するところ、案内突設部384が破損した後は突条部383とスライド変位部材370とが衝突する状態で使用をすることを見込んで、案内突設部384及び突条部383の強度を設計するようにしても良い。即ち、案内突設部384の寿命を設定期間未満として(例えば、2年)として、残りの期間を突条部383の強度で耐えるように設計しても良い。この場合、下部材380に使用する樹脂材料の設定自由度や、形状の自由度を向上することができる。
案内突条385は、スライド変位部材370の薄板部371の左右幅よりも若干長い隙間幅で配置され、薄板部371を隙間に配置可能に形成される。スライド変位部材370の変位は、案内突条385の左右内側における変位に制限される。これにより、スライド変位部材370の前後方向変位を、左右方向の位置ずれ小さく生じさせることができる。
案内長孔386は、スライド変位部材370の円柱突部375を挿通可能な左右幅で形成される長孔である。スライド変位部材370の変位の方向は、円柱突部375が案内長孔386に案内されることで前後方向に制限される。
湾曲面部387は、中部材330よりも下側を流下する球の流下を案内するための当接面である。本実施形態では、アウト口71に入球した球の流下を案内することになるが、詳細は後述する。
挿通孔388には、締結ネジがネジ頭を下側に向けた姿勢で挿通される。これにより、締結ネジが目立って視認されることを回避することができる。また、挿通孔388の配置は、複数の検出センサSE1が配置される範囲よりも左右外側かつ背面側とされる。これにより、挿通孔388に挿通される締結ネジが、検出センサSE1付近または検出センサSE1の貫通孔を通過する球を見る視界を遮る可能性を低くすることができる。
上述のように、スライド変位部材370は、複数の部分、即ち、薄板部371に対する案内突条385や、被支持孔371aに対する案内突設部384や、凹設部372及び下突条部373に対する突条部383や、円柱突部375に対する案内長孔386や、上突設部376に対する仕切り板部338等、に案内されて前後方向へ変位する。これにより、案内時の負荷を複数位置に分担させることができるので、負荷が局所的にかかることを回避でき、スライド変位部材370及びスライド変位部材370を案内する案内用部分の破損を回避することができる。
ここからも分かるように、スライド変位部材370は、単一の部材に案内されるものではなく、少なくとも、中部材330と、下部材380と、の複数部材に案内される。即ち、スライド変位部材370は、少なくとも、中部材330の仕切り板部338に一対の上突設部376が案内され、且つ、下部材380の突条部383に凹設部372が案内される。
そのため、中部材330と、下部材380との組み付けが不良で、配置ずれが大きいと、スライド変位部材370の動きが阻害される。ここで、中部材330と下部材380とは、球の流下経路を連続的に構成する部分として配置ずれを小さく抑えることが好ましい所、スライド変位部材370の変位が良好とされていることにより、配置ずれが小さいことを保証することができる。
換言すれば、中部材330に対する下部材380の配置ずれが過度に大きくなると、スライド変位部材370の変位が良好に行われないので、スライド変位部材370の変位が不良であることを検出することにより、中部材330及び下部材380の相対的な配置が不良となっている可能性があるとしてエラー報知を実行するよう制御することができる。
従って、中部材330及び下部材380の相対的な配置が不良な状態のままの遊技が継続されることを防止できるので、遊技者が不測の不利益を被る可能性を低くすることができる。
次いで、振分装置300の内部構造の詳細について説明する。なお、ここでは、振分装置300の内部における球の流下に関わる構成と、球の流下経路側に進入する構成と、について主に説明する。
図15は、受入部材163及び振分装置300の正面図であり、図16は、図15のXVI-XVI線における可変入賞装置65及び振分装置300の断面図であり、図17は、図15のXVII-XVII線における可変入賞装置65及び振分装置300の断面図であり、図18は、図15のXVIII-XVIII線における可変入賞装置65及び振分装置300の断面図である。
なお、図15から図18では、図示されている場合には、開閉板65bは閉鎖状態で図示され、スライド変位部材370は前側位置に配置された状態で図示される。まず、振分装置300の内部を流下する球の流下経路の詳細について説明する。
開閉板65bが開放状態(図6(b)参照)の時に開閉板65bに着地した球は、受入部材163の下面部163aを転動し球通過孔163bに案内される。球通過孔163bを通過した球は上部材310の開口部312を通過し、中部材330の第1流路構成部334に案内される。第1流路構成部334と、続く第2流路構成部335と、その先に続く第3流路構成部336とは、全て下降傾斜する傾斜流路として構成され、接続される流路同士が上面視で90度の角度を成す渦巻き状に形成される。
即ち、第1流路構成部334は前後方向正面側に球を流下させる傾斜流路として形成され、第2流路構成部335は第1流路構成部334を流下する球の流下方向を基準として90度回転した左右方向に球を流下させる傾斜流路として形成され、第3流路構成部336は第2流路構成部335を流下する球の流下方向を基準として先の回転方向と同方向に90度回転した前後方向背面側に球を流下させる傾斜流路として形成される。
このように、流下経路を屈曲角度が直角の渦巻き状に形成することで、球の流下速度が下流側に向かうにつれて増加する程度を低減することができる。詳述すると、第1流路構成部334を流下する球は正面側へ向けて加速するところ、続く第2流路構成部335での流下方向は前後方向成分を持たないので、第1流路構成部334での加速分から受ける影響を抑えた流下態様を実現することができる。更に、第2流路構成部335に続く第3流路構成部336では、第1流路構成部334での加速方向とは逆の後方へ向けた流下となるので、前後方向の加速分から受ける影響を抑えた流下態様を実現することができる。
従って、例えば、終始一貫して同方向(例えば、左方向)へ向けて流下する流下態様と異なり、下流側において球の流下速度が過大となることを回避し易くすることができる。換言すれば、流路全体において球の流下速度を均一にしやすくすることができ、球に対する遊技者の注目力を高く維持することができ、球を遊技者が見失う事態の発生を回避し易くすることができるという効果を奏する。
また、例えば、第2流路構成部335を形成しないことも可能だが、第2流路構成部335を形成した方が、球の詰まりや、逆流を防止し易くすることができる。第2流路構成部335が形成されない場合(第2流路構成部335の左右方向長さが0である場合)、即ち、第1流路構成部334と第3流路構成部336とが連結される場合、その連結箇所において、球の流下方向を手前側の流れから後方への流れに180度反転する必要が生じる。この場合、球の流下方向の切り替え角度が大きく、特に速度方向を前後に反転させる必要があるので、球を滑らかに流下させることが困難であり、球の滞留や詰まり、逆流が生じ易く、不具合が生じる可能性がある。
これに対し、本実施形態のように、流下方向の切り替え角度が90度以下であれば(本実施形態では、90度)、球の速度方向の反転が生じないので、球を滑らかに流下させることができ、球の滞留や詰まり、逆流を回避し易くすることができる。
各流路構成部334~336の接続端部における流路形状について説明する。第2流路構成部335と第3流路構成部336との接続端部においては、上述の対称突設部161fが球の流下方向を屈曲させる態様で球の流下を案内する部分として配設される。
対称突設部161fは、球の上流側に配置される部分よりも下流側に配置される部分の方が球の経路から退くよう形成される。例えば、隣り合って配置される仕切り板部338の左右幅よりも、対向配置される対称突設部161fの左右幅の方が長く形成される。また、開放部335a付近の第2流路構成部335の流路側面よりも、対向配置される対称突設部161fの左右端側の後端部の方が正面側に配置される(図17参照)。
これにより、球が対称突設部161fに衝突した場合に、球が過度に減速されたり、球の逆流が生じたり、することを防止することができる。
また、第2流路構成部335と第1流路構成部334との接続端部においては、中部材330の前側左右端部において湾曲形成される側壁部334aが、球の流下方向を屈曲させる態様で球の流下を案内する部分として形成される。
また、第1流路構成部334の上流側端部においては、正面側へ向かうほど配置が下がる湾曲面形状(図16参照)で第1流路構成部334の流下面部から上方へ突設される湾曲突部334bが、球の流下方向を屈曲させる態様で球の流下を案内する部分として形成される。
即ち、開口部312を通過した球は、湾曲突部334bを転動し、第1流路構成部334を流下し、流下中に側壁部334aに当接することで流下方向を切り替えられ、第2流路構成部335を流下し、流下中に対称突設部161fに当接することで流下方向を切り替えられ、第3流路構成部336を流下し、排出孔337に到達する。
側壁部334aは、被固定部材161の突設支持部161dと係合し、位置合わせ可能な形状から形成される。即ち、側壁部334aが左右の突設支持部161dに挟み込まれるように支持され、左右方向への位置ずれが規制されることで、可変入賞装置65と振分装置300との左右方向の位置合わせを行うことができる。
各流路構成部334~336の長手方向の傾斜角度および長さの比について説明する。長手方向の傾斜角度については、第1流路構成部334は、水平に対する傾斜角度が約7度とされ、第2流路構成部335は、水平に対する傾斜角度が約5度とされ、第3流路構成部336は、水平に対する傾斜角度が約5度とされる。即ち、第1流路構成部334において傾斜角度が最大に設定され、第2流路構成部335及び第3流路構成部336では若干緩い共通の傾斜角度に設定される。
長さについては、各流路構成部334~336は、上面視において外形正方形状に形成される前側枠状部333を内側側面とし、その前側枠状部333のなす正方形の中心と同じ中心を有する大きな正方形を外側側面とするように形成される。ここで、本実施形態では、前側枠状部333の一辺の長さが21mmとされており、上述の大きな正方形の一辺の長さが45mmとされることにより、周囲に幅12mmの流路が形成される。
そのため、通常使用される直径11mmの球に対して、流路とのクリアランスが球の両側の合計で1mmとされているので、球は幅方向の位置ずれがほとんどない状態で流下することになる。これは、ベース板60(図2参照)とガラスユニット16(図1参照)との間隔が19mm程度で規定されることから考えても、小さなクリアランスであるといえ、流下する球の位置ずれを抑制することができる。
正方形状の前側枠状部333の周囲を取り巻く正方形上に配置される各流路構成部334~336の端部を構成する部分の内、第1流路構成部334の上流側の端部を構成する湾曲突部334bのみが正方形の頂点よりも内側(正面側)に配置されているので、第1流路構成部334は、第2流路構成部335及び第3流路構成部336に比べて短い。
上面視における実測値から言えば、第2流路構成部335及び第3流路構成部336により形成される流路は略同等の長さとされ(球中心間隔で33mm)、その長さは、第1流路構成部材334により形成される流路の長さ(球中心間隔で22mm)の約1.5倍とされる。
上述した各流路構成部334~336の長手方向の傾斜角度および長さの比から、各流路構成部334~336を球が通過するのに要する時間は一定では無いことが説明できる。即ち、傾斜角度が最大で且つ流路長さが最短の第1流路構成部334を通過する時間は、傾斜角度が緩められ且つ経路長さが1.5倍の第2流路構成部335及び第3流路構成部336を通過する時間よりも短い。
本実施形態では、このように構成することで、検出センサSE1の球通過孔163bを通過する際に配置が背面側へ移り、且つ検出センサSE1の非透過の樹脂部分に一部が隠されることで球の視認性が悪くなる状態から、球を早期に正面側に変位させることができ、遊技者に近く、球の視認性が高い状態へと状態を切り替えることができる。これにより、球通過孔163bを通過した球を遊技者が見失う事態が生じることを回避し易くすることができる。
更に、球の視認性が高い状態においては、球の流下速度を緩めることにより、球へ向けた視線を遊技者が素早く動かすことを不要とし、球に注目する遊技者の遊技負担(眼球の移動による目の疲れ)を低減することができる。
このように視認性が高くなる第2流路構成部335及び第3流路構成部336を流下する球に注目する際に、第2流路構成部335に沿って左右方向に球が流下する場合に比較して、第3流路構成部336に沿って前後方向に球が流下する場合の方が、正面視における球の変位量が小さくなるので、球に注目する遊技者の遊技負担を、第3流路構成部336を流下する球に注目する際に最小とすることができる。
換言すれば、長さ及び傾斜角度が同等であることから、第2流路構成部335を球が通過するのに要する時間と、第3流路構成部336を球が通過するのに要する時間と、は同等とされるところ、正面視における球の変位量が異なるので、結果として見かけ上の球の流下速度(正面視での球の変位速度)は、第3流路構成部336を流下する球の方が第2流路構成部335を流下する球よりも遅くなる。
遊技負担が最小とされ球に注目させ易い第3流路構成部336の後端部において球の流下経路は唯一変化し、それ以外の部分では球の流下経路は各流路構成部334~336において共通とされる。従って、遊技者の視線は第3流路構成部336の後端部に自ずと集中し易いところ、このように視線を集中させる遊技者の遊技負担を有効に低減することができる。
また、第3流路構成部336の後端部に注目する遊技者の視界を確保するために、本実施形態では、第2流路構成部335の前側面に開放部335aが形成されるので(図17参照)、第3流路構成部336へ向かう視線を第2流路構成部335の肉部が妨げることを回避することができる。
更に、開放部335aの内側に配設される対称突設部161fは、流下する球との当接、案内のために必要な部分のみが形成され、その上下側においては形状部の形成が省略される。換言すれば、対称突設部161fは上下に薄肉の板状部として形成され、その上下側には空間が確保される(図18参照)。そのため、対称突設部161fが上下に厚みを持って形成される場合に比較して、第3流路構成部336の後端部へ向けた視線が対称突設部161fに妨げられる可能性を低くすることができ、視認性を向上することができる。
また、第3流路構成部336の後端部を中心とする視界側へ、開閉板65bから逸れてアウト口71へ向かう球が集まってくるように構成される(図5参照)。特に、本実施形態では、アウト口71に入球する球は、第3流路構成部336の下方を流下し、下部材380の湾曲面部387に当接し下方へ排出される。
従って、第3流路構成部336を流下する球を斜め上前側から視認する視線を前提とすると、アウト口71に入球する球は、第3流路構成部336の奥側を流下する。そのため、第3流路構成部336を流下する球と、アウト口71に入球する球とが前後で被って視認されることになるので、第3流路構成部336の後端部に注目する視界に入り込む球の総数が多くなる。
換言すれば、特定入賞口65aに入球して第3流路構成部336を流下する球か、特定入賞口65aには入球せずアウト口71に入球する球かに寄らず、球が第3流路構成部336の後端部に注目する視界に入り込む。
従って、特定入賞口65aへの球の向かい易さ、即ち、ベース板60に植設される釘構成(所謂ゲージの良し悪し)に関わりなく、発射された球の多く(他の入賞口63,64,140に入球した球を除く球)が集まる位置と前後方向で被る位置に、第3流路構成部336の後端部(遊技者の注目が集まる部分)が配置される。これにより、流下する球により、視線を効率的に第3流路構成部336の後端部に誘導することができる。
上述のように、正面側寄りの位置における視認性を向上したが、その上で、本実施形態では、背面側寄りの位置における視認性を、第3流路構成部336の後端部を除いて低下させるよう構成している。
例えば、中部材330の前側枠状部333の内側面には、プリズムに倣った形状で光拡散の作用を生じさせるための光拡散加工面333bが形成される。図17において、鋸歯状に視認される箇所が光拡散加工面333bであり、内側面のほぼ全内周、且つ、上下に亘って形成される。
光拡散の作用が生じると、光が複数方向に拡散されることで、面全体が光っているように視認されるので、表面を煌びやかに光らせ演出することができる一方で、光に視線が遮られ、その奥側の視認性が悪くなる。本実施形態によれば、基板350の発光手段351から光が照射される状態では視認性が悪くなり、逆に、光が照射されていない場合には、少なくとも光が照射される状態に比較して視認性を良くすることができる。
一方、光との間に遮蔽物があると、その遮蔽物の影が黒点として視認されることになり、その位置を判別し易くなる。
光拡散加工面333bと同様の加工面が他の部分にも形成されている。例えば、左右外突設部319の背側面に形成される光拡散加工面319aや、後側枠状部332の枠前部の背側面に形成される光拡散加工面332e等である(図17参照)。
また、同様の形状で形成される加工面としては、上部材310の第2上面部314bの背面側に延設される板状部であって組立状態において中部材330の前側枠状部333に蓋をする部分の上面側において形成される光拡散加工面314cや、中部材330の後側枠状部332よりも前側の部分の下側面全体に亘り形成される光拡散加工面340等が例示される。
これらの構成により、本実施形態では、各流路構成部334~336から渦状に形成される流路の、背面側、下面側、渦の内側面および、その渦の上側面に、それぞれ光拡散加工面が形成されており、光照射による視認性の変化の効果を図っている。
光拡散加工面に光が照射されていない状態において、正面側から第3流路構成部336の後端部に注目する遊技者目線で、第3流路構成部336から左右方向に方向転換した球を前側枠状部333で隠して、即座に見え難くすることができる。
更に、斜め上からの方向視で第3流路構成部336を流下する球を視認する遊技者目線で、センサ保持枠部389に保持される検出センサSE1を通過し落下した後の球を見ようとしても、その視線は光拡散加工面340を通過することになるので、光拡散加工面340に光が照射されることにより、検出センサSE1を通過し落下した後の球の識別は困難となる。
本実施形態では、後述するように、第3流路構成部336の後端部を球がどのように流下するかによって、遊技者が得られる利益が変化するよう制御される。
従って、第3流路構成部336の後端部から球がどのように流下したのかを把握するために、第3流路構成部336の後端部における球の挙動を確認する必要が生じるので、第3流路構成部336の後端部への注目力をより一層向上することができる。
一方、発光手段351から光が照射されれば、球の影を黒点として視認し易い状態を構成することができる。このように、光の照射の有無を状況に応じて切り替えることで、球の視認性の良し悪しを切り替えることができる。また、黒点よりも正面側における球の配置の有無により、その黒点が球で隠される状況と、黒点が球に隠されずに見える状況を構成することもできる。
上述のように、各流路構成部334~336の付近において光拡散加工面319a,332e,333b,340が形成されるが、一貫して、各流路構成部334~336により形成される流路を流下する球と当接しない側の側面に形成される。
これにより、光拡散加工面319a,332e,333b,340が球との当接により削られることを避けることができるので、光拡散加工面319a,332e,333b,340の形状を長期間に亘り維持することができ、光拡散の作用を維持することができる。
更に、光拡散加工面319a,332e,333b,340に球が当接することで、球の流下が阻害されたり、球が減速の作用を受けたりすることを回避することができる。加えて、流路内部の視認性は確保できるようにすることで、球が各流路構成部334~336により形成される流路を流下している最中にまで球の視認性が低下することを回避することができる。
なお、敢えて光拡散加工面319a,332e,333b,340を流路側に形成するようにしても良い。この場合、プリズムの大きさの設定次第では、光拡散の作用を生じさせる効果と、球との衝突により球を減速させる効果と、を生じさせるように図ることができる。
中部材330の前側枠状部333では、被締結部316との締結位置においては加工の難易度から光拡散加工面333bの形成が省略されており、対策なしでは視認性が高いまま維持される可能性がある。そこで、本実施形態では、締結ネジによる視認性の低下を図っている。
即ち、被締結部316に螺入される締結ネジが金属製であり、非透過性であることを利用して、光拡散加工面333bの形成が困難となる箇所における目隠しとすることができる。前側枠状部333に光が照射されると、光拡散加工面333bは煌びやかに光り、光拡散加工面333bの形成が省略されている部分では締結ネジが光を反射して光るので、光拡散加工面333bの形成が省略されている箇所も含めて、正面側からの視線における前側枠状部333の奥側の視認性を低下させることができる。
中部材330の光拡散加工面332eは、各流路構成部334~336の背面側に形成されているが、この目的として、煌びやかに光らせることの他に、背面側に配設される基板350及び状態切替装置360の目隠しとしての機能を生じさせることが挙げられる。特に、状態切替装置360は基板350の背面側に配置されるので(図17参照)、基板350が目隠しとなり、状態切替装置360が遊技者に視認されることを防止し易くすることができる。
基板350は、中部材330の後側枠状部332に下支えされる形で収容されるが、左右中央部において後側枠状部332の下底部と隙間を空けて配置され、その隙間にスライド変位部材370が配置される(図18参照)。即ち、基板350は、スライド変位部材370を後側枠状部332の下底部との間で挟む位置に配置される。
詳述すると、基板350は、下側部353が左右端部において後側枠状部332に前後から挟まれるように支持される(図17参照)。この支持箇所において、後側枠状部332の下底部は肉厚とされる肉厚部332fを備えており(図16参照)、左右中央位置付近では、この肉厚分が無いことで隙間が生まれ、その隙間にスライド変位部材370を配置することができる(図18参照)。
図18に示すように、基板350の上側部352は、上部材310の収容凹部320の内側に進入し、介在部材164に形成される光拡散加工面164fと前後に対向配置される。
そのため、上側部352に配置される発光手段351から光が照射されることにより、介在部材164の光拡散加工面164fが煌びやかに光る演出効果を奏することができ、更に、介在部材164の背面側の範囲の視認性を低下させることができる。
ここで、上側部352に配置される発光手段351は光拡散加工面164fの下端部付近に光を照射するところ、光拡散加工面164fは、プリズムに倣った断面形状部が、表面に沿って上下方向全体に形成されるので、発光手段351から照射された光は上下幅の広い光として視認される。そのため、遊技者目線で、特定入賞口65aの上下に亘って発光しているように見せることができる。
なお、正面側からの視界において、光拡散加工面164fは、受入部材163の左右中央側位置に配置されるが、検出センサSE1の背面側に配置したとしても検出センサSE1が視界の妨げとなり良好に視認できないので、少なくとも一対の検出センサSE1の配置隙間内において形成されていれば、十分な効果を奏することができる。
なお、基板350の下側部353は、シール部材313や、その下側に配設され球が流下する部分へ向けて光を照射するよう配置されるが、詳細は後述する。
次いで、図19及び図20を参照して、第3流路構成部336の後端部を通過した球の流下経路の切り替えと、その意義について説明する。なお、図19及び図20の説明においては、図15から図18を適宜参照する。
図19は、図15のXVII-XVII線における可変入賞装置65及び振分装置300の断面図であり、図20は、図15のXVIII-XVIII線における可変入賞装置65及び振分装置300の断面図である。図19及び図20では、図示されている場合には、開閉板65bは閉鎖状態で図示され、スライド変位部材370は後側位置に配置された状態で図示される。
ここで、センサ保持枠部389に支持される左右4個の検出センサSE1と、各検出センサSE1への球の流下と、各検出センサSE1の機能について説明する。
4個の検出センサSE1は、2組が左右対称に配設されるものであり、機能を共通とする確変検出センサSE11と、通常検出センサSE12と、を備える。確変検出センサSE11は、左右方向内側に配設され、通常検出センサSE12は、左右方向外側に配設される。
この4個の検出センサSE1の機能は、開閉板65bの背後に配置される検出センサSE1とは異なる。開閉板65bの背後に配置される検出センサSE1は、賞球の払い出しを生じる入球センサである。即ち、特定入賞口65aに入球した球が背後の検出センサSE1に入球したと検出されると、所定個数(本実施形態では、1個の検出に対して10個)の賞球が払出制御装置111(図4参照)により遊技者側に払い出される。
一方、センサ保持枠部389に支持される検出センサSE1は、賞球の払い出しを生じる検出センサではなく、入球を検出することで、大当たり遊技終了後の遊技状態を変化させるための検出センサとして機能する。
なお、後述するように、本実施形態では、センサ保持枠部389に配設される検出センサSE1を確変状態への移行の有無の切替のために利用したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出センサSE1を次回大当たり獲得の有無の切替のための入球センサとして機能させても良い。
スライド変位部材370が前側位置に配置される場合(図17及び図18参照)、確変検出センサSE11の上側に薄板部371が被さるようにスライド変位部材370が配置され、確変検出センサSE11の貫通孔への球の通過が防止される。そのため、第3流路構成部336の後端部を通過する球は、スライド変位部材の上突設部376に案内されるようにして、通常検出センサSE12の貫通孔へ案内される。
上突設部376は、球と対向する前側面376aが、流路側を凹とした円弧形状で形成されているので、流れてきた球を滑らかに通常検出センサSE12の貫通孔へ向けて流すことができる。
一方、スライド変位部材370が後側位置に配置される場合(図19及び図20参照)、確変検出センサSE11の上方からスライド変位部材370が後方に退避し、確変検出センサSE11の貫通孔への球の通過が許容される。
即ち、球がいずれの検出センサSE1を通過するかは、スライド変位部材370の配置(前側位置または後側位置)と対応する。そして、大当たり遊技中に球が確変検出センサSE11の貫通孔を通過したことが検出された場合に、その大当たり遊技後の遊技状態を確変状態とするように制御される。換言すれば、球が確変検出センサSE11の貫通孔を通過したと検出されず、通常検出センサSE12の貫通孔のみを通過した場合には、その大当たり遊技後の遊技状態を通常状態(又は時短状態)とするように制御される。
ここで、本実施形態において、大当たり種別として、確変大当たりと、通常大当たりとが用意されていることについて上述した。これを実現するために、本実施形態では、大当たり種別ごとにスライド変位部材370の動作パターンとして異なる動作パターンが用意されている。
換言すれば、スライド変位部材370は、確変大当たりの場合には、球が確変検出センサSE11の貫通孔を通過し易いような動作パターンで動作するよう制御され、通常大当たりの場合には、球が確変検出センサSE11の貫通孔を通過し難く、通常検出センサSE12の貫通孔を通過し易いような動作パターンで動作するよう制御されるが、制御の詳細については後述する。
このように、スライド変位部材370の配置は、遊技者が得られる利益に直結するものであり、その配置に自ずと遊技者の注目が集まることになる。一方、スライド変位部材370の配置を不正に切り替えようとする不正行為は少なからず発見されており、それに対する対策が重要視される。
前提として、スライド変位部材370の配置は、状態切替装置360の電磁ソレノイド361への通電の有無によって切り替えられる。即ち、電磁ソレノイド361に通電がされていない時は、電磁ソレノイド361のプランジャー及びスライド部362が付勢バネ(図示せず)によって右側に配置され、回動部363の下円柱部363cが正面側に配置されることで、スライド変位部材370は前側位置に維持される。
一方、電磁ソレノイド361が通電されると、電磁ソレノイド361のプランジャー及びスライド部362が電磁力によって左側に移動され、回動部363の下円柱部363c(図13参照、スライド変位部材370の凹設部378に挿入される部分)が背面側に変位することで、スライド変位部材370は後側位置に維持される。これが通常の動作態様であり、電磁ソレノイド361への通電と、スライド変位部材370の配置とが一対一で対応する。
上述した不正行為を行う者は、例えば、球払い出し開口や、外枠11と正面枠14(図1参照)との隙間等からピアノ線などの金属細線を振分装置300の内部に差し入れて、その金属細線をスライド変位部材370に押し当てて、スライド変位部材370を奥側へ押し込むようにして、確変検出センサSE11への球の入球が可能となる状態を不正に作り出そうとする可能性がある。
これに対し、本実施形態では、スライド変位部材370の配置として、薄板部371が第3流路構成部336の下底部よりも下側に配置されているので(図18参照)、第3流路構成部336に金属細線を通してスライド変位部材370に押し当てる場合に、薄板部371の前端部に押し当てるのは困難であり、上突設部376に押し当てることになる。上突設部376の前側面376aは、上述のように負荷を左右外側へ逃がすような湾曲面形状とされるので、金属細線を押し当てられたとしても、その負荷を左右外側に逃がすことができ、スライド変位部材370が不正に後側位置に変位させられる事態を回避し易くすることができる。
また、スライド変位部材370に到達するまでの経路が、一直線では無く渦状に巻いていることに加え、スライド変位部材370自体の配置もガラスユニット16(図1参照)の前側面から背面側に遠く(約10cm程度)離れているので、そもそも、金属細線をスライド変位部材370に到達させることを困難とすることができる。
これらの構成から、状態切替装置360の構成の設計自由度を向上することができるという効果も奏する。即ち、従来では、上述のような不正行為に対して、駆動力を伝達する機構の機械的な工夫(変位規制)によりスライド変位部材370の配置を維持するよう構成する場合が多く、その場合には、状態切替装置360の構成が制限されていた。これに対し、本実施形態では、そもそもスライド変位部材370に負荷がかけられ難く構成することにより、状態切替装置360に要求される条件を部分的に省くことができ、状態切替装置360の設計自由度を高めることができる。
また、第3流路構成部336を通して這わせた金属細線でスライド変位部材370に押し付け負荷を加える場合には、この金属細線自体が、第3流路構成部336を流下しようとする球の流下を阻害することになるので、球を確変検出センサSE11に到達させることを困難とすることができる。
上述のように、球が確変検出センサSE11の貫通孔を通過するか、通常検出センサSE12の貫通孔を通過するかにより、遊技者が得られる利益が大きく変化することから、誤入球は極力避けることが望ましい。
従来の機種では、確変検出センサSE11への入球が許容される状態においては通常検出センサSE12への入球を規制するように構成することが通常であったが、本実施形態では、確変検出センサSE11への入球が許容される状態(図19及び図20参照)において通常検出センサSE12への入球を規制するような可動部材は用意されておらず、通常検出センサSE12へも入球させることが可能な構成である。
このように構成しても、10個の球が流下した場合に少なくとも1個が確変検出センサSE11の貫通孔を通過すれば、大当たり遊技後の確変状態は確保されることになる。本実施形態では、このような考え方から、通常検出センサSE12の開閉を行う可動部材の配置を省略することにより、材料コストの低減を図ることができ、製品コストを低減することができる。また、可動部材を配置しない結果、その可動部材の故障や動作不良に伴うメンテナンスが不要になったり、可動部材の寿命以上にパチンコ機の使用年数を延ばすことができたりという良い効果を奏する。
一方で、可動部材とは別の工夫として、適切な側の検出センサSE1に球が案内されるようにするための工夫として、流路形状と、固定の突設部317,318,319の配置や形状とが工夫されている。即ち、スライド変位部材370が後側位置に配置されている状態で想定以上の球が通常検出センサSE12へ流れることを防止するような仕組みを、流路内部に固定配置される部分(即ち、突設部317,318,319)の形状により実現するように図っている。このことについて、以下で説明する。
まず、流路形状の工夫について説明する。第3流路構成部336の下底面336aは、短手方向において、左右方向中央側(仕切り板部338側)に向かうにつれて水平に対して5度の角度で下降傾斜する傾斜面として形成される(図15参照)。
この傾斜角度は、第2流路構成部335の長手方向の傾斜と、角度および方向が同様となるように設定されているので、第2流路構成部335から第3流路構成部336に球が流入する際の球の跳ね(仕切り板部338から離れる方向の跳ね)を低減することができる。
この短手方向の傾斜によって、第3流路構成部336を流下する球の配置を仕切り板部338側に寄せることができる。そのため、第3流路構成部336の後端部から検出センサSE1側へ流下する際の球を仕切り板部338に近接する側に配置することができるので、スライド変位部材370が後側位置に配置されている状態で、球が誤って通常検出センサSE12(仕切り板部338から離れて配置される検出センサSE1)の貫通孔を通過する事態が生じる可能性を低くすることができる。
また、下底面336aの短手方向の傾斜に関わらず、各流路構成部334~336により構成される流路は、左右方向経路が第2流路構成部335によってのみ形成されており、その傾斜方向は左右中心側(仕切り板部338側)なので、左右方向の速度は左右内向きに生じることになる。これによっても、球が誤って通常検出センサSE12(仕切り板部338から離れて配置される検出センサSE1)の貫通孔を通過する事態が生じる可能性を低くすることができる。
次に、固定の突設部317,318,319の配置や形状の工夫について、説明する。第3流路構成部336を流下した球が最初に近接配置されるのは、左右内突設部318である。左右内突設部318は、突設部317,318,319の内で最も小さな突設部でありながら、検出センサSE1の中心よりも正面側、且つ、スライド変位部材370の上突設部376よりも正面側に配置されているので、仕切り板部338に摺動しながら第3流路構成部336の後端部を通過する球と漏れなく当接する。
左右内突設部318の突設先端面は、正面視では下に凹の湾曲面として構成され(図15参照)、且つ、突設部後端側の方が突設部前端側よりも左右外側および下側に拡がって形成され前後端部が凹形の湾曲面でつながるように形成される(図17参照)。従って、第3流路構成部336の後端部を通過し左右内突設部318に当接した球は、左右外向き成分と、下向き成分とが混合された方向の負荷を受け、流下する。
一方で、左右内突設部318は小型に形成されていることから、左右内突設部318から受けた負荷のみで球の流下方向が下方か左右外方向かに定まるものでは無く、あくまで勢い付けとして機能する。そして、左右内突設部318がスライド変位部材370よりも上流側に配置されることから、上述の勢い付けは、スライド変位部材370の配置に関わらず生じる。
左右内突設部318に当接した後の球の流下について場合を分けて説明する。スライド変位部材370が前側位置に配置された状態では、球は、上突設部376や、前後長突設部317(図18参照)に当接しながら、スライド変位部材370の薄板部371を転動し、通常検出センサSE12側へ流れる。
前後長突設部317の突設端部は、上突設部376と同様の用途を有する。即ち、球の流下方向を切り替えるための湾曲面として形成されるので、その湾曲面の曲率半径は、上突設部376の前側面376aの曲率半径とほぼ同じとされる。目安として、上突設部376は左右内側を始点とし、上面視で確変検出センサSE11の貫通孔の中心位置の後方位置を終点とする湾曲面を構成し(図17参照)、一方で、前後長突設部317は流路の天井面を始点とし、左右方向視で、スライド変位部材370の前側位置における前側面376aの終点位置(後端位置)と近接する位置を終点とする湾曲面を構成している(図18参照)。
ここで、薄板部371の上側面が左右外側へ下降傾斜する傾斜面として形成されており、左右内突設部318との当接により左右外側へ勢い付けされた球は、その勢いを活かして左右外方向へ流下することになるので、球の流下を滑らかに形成することができる。
更に、左右外方向へ流下する球の上方において左右外突設部319が形成されており、球跳ねが抑制されることによっても、球の流下を滑らかに形成することができる。左右外突設部319の目的が球の流下方向の切り替えでは無く球跳ねの抑制であることから、その形状は前後長突設部317とは大きく異なり、その突設端部は、確変検出センサSE11の上方から通常検出センサSE12の上方に亘って形成される大きな曲率半径の湾曲面として形成される。
特に、本実施形態では、左右外突設部319が検出センサSE1の開口の中心(即ち、流路の中心)よりも正面側に配設されていることから(図19参照)、左右外突設部319と球とが上下方向で当接する場合に、球の中心が左右外突設部319の厚み中心よりも後方側に配置され易い。そのため、左右外突設部319と球とが上下方向で当接した際に、球に対して後方向成分を有する負荷がかかり易いようにすることができるので、球が正面側に逆流することを防止することができる。
これらの構成から、複数の球が流下する場合に球詰まりが生じたり、球の逆流が生じたりすることを防止し易くすることができる。
スライド変位部材370が後側位置に配置された状態では、薄板部371や上突設部376が前後長突設部317よりも後方に退避しているので、球は、前後長突設部317に当接して流れる。
前後長突設部317は、突設端部(湾曲面)の面形状が、法線が第3流路構成部336の中心を通る形状とされており、確変検出センサSE11の貫通孔の中心位置の真後ろに厚み中心が配置されるので、当接した球に対して左右方向の成分が抑制された負荷を与えやすい。この負荷は、前後長突設部317の突設先端が凹状の湾曲面形状とされることから(図20参照)、球を前斜め下方に流す負荷として機能する。
そのため、左右内突設部318からの勢い付けでは右方に行き切らなかった球は、前後長突設部317からの負荷により前斜め下方への負荷を受け確変検出センサSE11側へ流れる。
ここで、前後長突設部317との衝突時の当たり所によっては、球が正面側に跳ね返る(逆流が生じる)可能性が危惧されるが、本実施形態では、上述のように、左右内突設部318との当接により左右外斜め下方に勢い付けされているので、球が正面側に跳ね返ったとしても、球は第3流路構成部336の下底部後端(図20参照)や、前側枠状部333の後側面(図19参照)に衝突するに留まり、第3流路構成部336を逆流する事態が生じることを回避し易くすることができる。
本実施形態で独特なのは、スライド変位部材370が後側位置に配置され球が確変検出センサSE11側へ流れる際にも、スライド変位部材370が前側位置に配置され球が通常検出センサSE12側へ流れる場合と同様に、左右内突設部318から負荷による左右外側へ向けた変位が球に生じることである。この用途については、後述する。
スライド変位部材370は、前側位置と後側位置とでスライド変位可能に構成されるところ、球がスライド変位部材370に向かって第3流路構成部336を流下している最中にスライド変位部材370が閉鎖動作(後側位置から前側位置へ向けた動作)をすると、球に前向きの負荷を与える可能性があり、球に第3流路構成部336を逆流させる方向(前向き)の負荷が与えられる可能性がある。
これを防ぐために、スライド変位部材370の変位動作を制御することが好ましい。例えば、球がスライド変位部材370に到達する前に閉鎖動作を完了させておくように制御すれば、動作中のスライド変位部材370に球が衝突する可能性を排除できるので、球が逆流する可能性を低くすることができる。
また、スライド変位部材370の上突設部376の前面が左右外側を向く湾曲面として形成されていたり、左右内突設部318が球にもれなく衝突するように配置されたりすることにより、第3流路構成部336の後端部に到達した球を左右外側に案内する作用を生じさせることができる。これにより、球の逆流が生じにくくすることができる。
また、スライド変位部材370の開放動作(前側位置から後側位置へ向けた動作)は球と対抗する方向の動作ではなく、球から離れる側への動作なので、例えば、球がスライド変位部材370の薄板部371に乗っている時に動作が実行されても、その球を正面側に押し返す負荷は生じにくい。従って、開放動作については、球の配置を考慮せず任意のタイミングで実行する制御としても、球の逆流が生じ易くすることは無いと考えられる。
球がスライド変位部材370の上面で前転回転しながら薄板部371を転動する(まだ左右外側に流れる前段階の)場合、スライド変位部材370の開放動作は、球に対して、回転を抑える方向(後転させる方向)の負荷を与えるので、球の回転を留めることができ、球の流れを停止させ自由落下に移し易い。
そのため、球が薄板部371を転動中にスライド変位部材370が開放動作した場合に、球がそれまでの転動の勢いで通常検出センサSE12に案内されることを回避し易くすることができ、球を確変検出センサSE11に案内し易くすることができる。
上述した振分装置300を備える本実施形態におけるパチンコ機10における、振分装置300の遊技者目線での見え方について説明する。以下では、一例として、水平方向に対する視線の角度が異なる状態で場合を分けて説明する。
図21は、可変入賞装置65及び振分装置300の正面図であり、図22は、図16の矢印XXII方向視における可変入賞装置65及び振分装置300の斜視図であり、図23は、図16の矢印XXIII方向視における可変入賞装置65及び振分装置300の斜視図である。
前提として、パチンコ機10を操作する遊技者は、操作ハンドル51(図1参照)を握り回転させることを除き、好みの姿勢で遊技を行うことができる。例えば、パチンコ機10から頭を十分に離して、水平または水平から5度程度下降傾斜する方向の視線(図22参照)でガラスユニット16(図1参照)の内側を見るようにして遊技を行っても良いし、パチンコ機10に頭を近づけて、水平から30度程度下降傾斜する方向の視線(図23参照)でガラスユニット16の内側を見るようにして遊技を行っても良い。一般的には、前者の方が広い視界を確保できるが、細かな部分には気付きにくい一方で、後者は視界が狭くなるが、その視界における細かな部分には気付き易い。
図21は、基準として図示するものであり、以下では主に、図22及び図23を対比しながら説明を行う。なお、図21から図23では、便宜上、開閉板65bの開放状態が図示される。
図21には、発光手段351が想像線で図示される。なお、発光手段351は左右対称に配設されているが(図13参照)、理解を容易とするために左半部のみが図示される。最上部に配置される発光手段351の機能については上述した通りであるので、ここでは下側部353に配置される左半部における3個の発光手段351について説明する。
まず、上側の発光手段351は、シール部材313に向けて光を照射する。シール部材313は上述のように、赤色透明に形成されているので、発光手段351から光が照射された場合、シール部材313の周辺が赤く照らされる。これにより、シール部材313及びその周辺に対する遊技者の注目力を向上することができる。シール部材313は第3流路構成部336の真上に配設されているので(図18参照)、第3流路構成部336に注目させることができる。
なお、上側の発光手段351の正面側においては、光拡散加工面332eの形成が省略されている(図18参照)。これにより、発光手段351からの光が光拡散加工面332eにより上下方向に引き延ばされるように視認されることを回避し、シール部材313周辺を集中的に光らせることができる。
なお、発光制御については何ら限定されるものではないが、例えば、大当たり遊技中に、第3流路構成部336を流下する球に注目させたい状況においてシール部材313に光を照射するように制御することで、シール部材313に注目させ、その下側に配置される第3流路構成部336の後端部に自然と視線を誘導することができる。
次に、下側において左右に並んで配置される発光手段351は、それぞれ、確変検出センサSE11と、通常検出センサSE12の真上位置に対応する。即ち、この発光手段351の制御を、球が確変検出センサSE11に入球した場合には確変検出センサSE11の真上位置に配置される発光手段351を発光させる一方、球が通常検出センサSE12に入球した場合には通常検出センサSE12の真上位置に配置される発光手段351を発光させるように制御することで、遊技者に対して、球の通過箇所を報知することができる。
これらの、下側において左右に並んで配置される発光手段351から照射される光は、光拡散加工面に向けられる。即ち、左右中央側の発光手段351は、光拡散加工面332eと対向配置されており(図18参照)、左右外側の発光手段351は、光拡散加工面319a(図17参照)と対向配置されている。光拡散加工面319a,332eは、各部の上下に亘って形成される。
従って、発光手段351からの光が視認される位置は、発光手段351のLEDの高さ位置に限定されるものではなく、上下に広がりがある範囲として形成される(上下に延びる帯状の光として視認される)。そのため、図21から図23に示すように、遊技者の視線の角度が変わったとしても、発光手段351からの光の視認性を向上することができる。
図22における水平からの下降傾斜の角度(5度)は、第3流路構成部336の傾斜角度と同じである。そのため、図22では、第3流路構成部336の後端部に配置されるスライド変位部材370の外形を視認することができる。但し、スライド変位部材370は前後方向に変位するため、この視界では、スライド変位部材370の変位による変化を把握し難い。
一方、図23に示すように、水平から30度の角度の方向視では、第3流路構成部336の後端部における視界の上下幅が狭まっているので、図22の方向視に比較して、第3流路構成部336の後端部における球の流下態様の切り替わりの確認の難易度が高くなる。但し、この視界では、スライド変位部材370が前後方向に変位する際の上突設部376の変位を把握し易い。
なお、中部材330の配置用貫通孔332aがスライド変位部材370の上突設部376を通すのに十分な最低限の大きさの開口として形成されているので、後側枠状部332の内部に配置される状態切替装置360(図17参照)を視認し難いように隠すことができている。
実際の大当たり遊技中には、ラウンド遊技中に特定入賞口65aに複数個の球が案内され、各流路構成部334~336を順に流下する。各流路構成部334~336に複数個の球が同時に配置される場合、奥側の球へ向けた視線が、手前側の球により妨げられる可能性がある。
例えば、第3流路構成部336に複数の球が配置される場合、それらの球は、図22では、同位置に配置される。従って、手前側の球によって、奥側の球が隠される。
また、球が通常検出センサSE12側へ流れる場合、第3流路構成部336の後端部から左右外方向へ流れることになる。第3流路構成部336から左右方向へ外れた後は前側枠状部333の光拡散加工面333bにより視認性が落ちるので、第3流路構成部336から左右方向へ外れる過程の球の動きを把握することが好ましいところ、第2流路構成部335の下流側端部位置(球P1の位置)から第3流路構成部336の上流側端部位置(球P2の位置)へ流入する球(第3流路構成部336から左右方向に若干ずれる球)があると、その球により、第3流路構成部336の後端部から左右方向へ外れる過程の球が隠される。
換言すれば、球が確変検出センサSE11へ流れたか、通常検出センサSE12へ流れたかの把握は、第3流路構成部336の後端部で球の流下方向が左右外側へ切り替わったか、否かを視認すれば可能であり、第3流路構成部336の内側および右縁部周辺に注目していれば良い。これに対し、本実施形態では、その視線の方向上の上流側における第3流路構成部336と第2流路構成部335との連結位置において、第3流路構成部336の内側および右縁部周辺を含む経路で球が流下し得るように構成される(球P1の位置から球P2の位置への移動)。そのため、上流側を流下する球の配置によっては、球が確変検出センサSE11へ流れたか、通常検出センサSE12へ流れたかを把握し損なう事態が生じ得る。
また、図23の視線では、第3流路構成部336の後端部を流れる球と、第2流路構成部335を流れる球とが、上下方向の配置で明確に分けられるので、上流側の球が目隠しとなる事態を回避し易い。一方で、第3流路構成部336の後端部において視認される流路の上下幅が狭い分、方向視で視認できる球の面積が小さくなる。
特に、第3流路構成部336の後端部を通過した球は、上述したように、スライド変位部材370の配置によらず、一旦右斜め下方へ流下した後において、確変検出センサSE11へ向かう流下経路か、通常検出センサSE12へ向かう流下経路か、が切り替わる。そのため、球の流下経路として、球が真下に流下するか、球の流下方向が右方へ切り替わるかで切り替えられる場合に比較して、切替位置において視認される球の面積が小さくなる。
切り替わりの態様としては、他に、球の流下経路が真下に流下するか、右方へ切り替わるかで切り替わるかという場合のように、切替位置がより上流側に配置される場合が想定される。例えば、左右内突設部318が形成されず、確変検出センサSE11へ向かう球は第3流路構成部336の後端部から真下へ流下する場合には、切替位置は、少なくとも第3流路構成部336の中心線後方の位置となる。
これに対し、本実施形態のように切替位置が第3流路構成部336の中心線後方よりも右側に変位している場合、球が第3流路構成部336の下底部よりも下方に落ちる(第3流路構成部336の下底部上面とスライド変位部材370の薄板部371の上側面との上下差分だけ落ちる、図18参照)ことで、第3流路構成部336自体に球の一部が隠される作用に加え、球が第3流路構成部336を通して視認される範囲よりも左右外側に変位することで、前側枠状部333に球の一部が隠される。
従って、第3流路構成部336の後端部を通過した球の、遊技者目線で視認可能な面積が小さくなるので、球がいずれの流下経路で流下したかの把握を行うことが困難となる。これにより、第3流路構成部336の後端部付近を流下する球に対する注目力を更に向上することができる。
このように、本実施形態によれば、第3流路構成部336の後端部を流下する球の流下方向を識別する方向視として説明した複数の方向視(図22及び図23参照)において、いずれにも長所および短所が設定される。これにより、振分装置300の視認の仕方をとっても、遊技者に一辺倒の遊技を要求するのではなく、遊技者に好みの視認方法を調整および選択させることができ、遊技態様に幅を持たせることができるので、遊技者が遊技に飽きる事態が生じることを回避することができる。
遊技者の視界の確保は種々の方法で実現することができるが、本実施形態では、特に、上部材310の第2上面部314b間に空隙が形成されることで、第3流路構成部336の屋根部が取り外されたような状態とすることができるので、第3流路構成部336を視認し易くすることができる。
図22及び図23の方向視について、振分装置300よりも正面側における視認性について説明する。図22及び図23では図示を省略しているが、振分装置300よりも正面側には、被固定部材161及び前意匠部材162(図5参照)が配置されるので、部材の厚みにより透過する光が少なくなることから、視界が遮られることになる。
前意匠部材162により視界が遮られる範囲が狭くなる分、図23の方向視の方が、図22の方向視に比較して、振分装置300の内部を流下する球を視認し易くなる可能性がある。
被固定部材161及び前意匠部材162は、基本的には、上述のように平坦形状とされおり、光の屈折が生じ難いように構成されている(図12参照)。これにより、振分装置300の視認性が悪くなることを回避することができる。
機能上、平坦形状とできない部分についても、視認性に与える影響が小さくなるように形成している。例えば、振分装置300を位置決め、係合するための突設支持部161c~161eは、斜め下方向へ向く遊技者の視線を遮ることが無いよう、流路構成部334~336を見る遊技者の視線の外方(上側後方、左右外側、左右側下方、)に配設されている。
また、例えば、対称突設部161fは、球の中心高さに形成され、強度上必要最低限の厚さで肉薄に形成されている(図18参照)。これにより、対称突設部161fが球と遊技者の目との間に配置されたとしても、球全体が隠されることを防止することができるので、流路構成部334~336を流下する球の視認性を確保することができる。
被固定部材161と前意匠部材162との間には、特定入賞口65aから逸れた球が流下し、アウト口71へ向けて流下する。アウト口71へ向けて流下する球による視界への影響について説明する。
図22及び図23では、開閉板65bの開放状態でアウト口71へ向けて流下する球の配置の一例が図示される。開閉板65bの開放中は、開閉板65bの上方から流下した球は開閉板65bに乗り特定入賞口65a側へ案内されることになるので、アウト口71へ向けて流下する球は、開閉板65bの左右に逸れた球となる。これらの球は、延設部162bと延設部162cとの間を流下し、内レール61に案内されてアウト口71へ向けて流下する。
図22及び図23に示すように、遊技者目線では、内レール61を流れる球の配置は、各流路構成部334~336よりも下方となるので、内レール61を流れる球により各流路構成部334~336を流下する球の視認性が低下することを回避し易くすることができる。
一方で、内レール61を流下する球の流下は、第2流路構成部335を流下する球の流下と同様に、緩やかな角度で遊技領域の左右方向中央側へ向けて流れる態様であるので、第2流路構成部335を流下する球と同様に、遊技者の視線を遊技領域の左右中央位置に誘導する効果を奏する。この効果は、遊技者の視線をアウト口71に誘導すると共に、第3流路構成部336に誘導する。即ち、アウト口71及び第3流路構成部336の左右方向位置が同様の位置(左右中央位置)とされるので、遊技者が上下に視線を動かすことで、アウト口71及び第3流路構成部336の両方を視認可能となるような状態に視線を誘導する。
従って、遊技領域へ向けて打ち出した球が、効率的に特定入賞口65aに入球し易いか(大当たり遊技中の無駄球が少なくて済む状態か)、逸れて延設部162bと延設部162cとの間を流下する球が頻発するか(大当たり遊技中の無駄球が頻発する状態か)に関わらず、流下する球により遊技者の視線を第3流路構成部336に誘導するという効果を奏することができる。
即ち、球が特定入賞口65aに入球した場合には、第2流路構成部335を流下する状態において遊技者の視線を第3流路構成部336へ誘導でき、球が特定入賞口65aを逸れる場合には、内レール61を流下する状態において遊技者の視線を第3流路構成部336へ誘導することができる。
アウト口71へ向かう球は、無駄球として遊技において何ら作用を生じないことが通常であるが、本実施形態では上述のように構成することで、アウト口71へ向かう球に、遊技者の視線を第3流路構成部336へ誘導させる役割を持たせることができる。
なお、開閉板65bの閉鎖状態においては、球が開閉板65bの正面側を流れ第2流路構成部335の正面側を通過することで、第2流路構成部335の視界を低下させる可能性がある。
一方で、特定入賞口65aの左右中央位置上方に第2入賞口140及び電動役物140aが配設され、特定入賞口65aの左右中央位置下方に第3流路構成部336が配設されるという本実施形態の構成によれば、第2入賞口140及び電動役物140aにより球の流下を防止することができるので、球が第3流路構成部336の正面側を流下することを防止することができる。従って、開閉板65bの正面側を流下する球により第3流路構成部336及びその後端部周辺の視認性が低下する事態の発生を回避することができる。
本実施形態では、特定入賞口65aに入球した球がスライド変位部材370に到達するまでの時間を流路構成部334~336の形成長さにより確保できているが、この弊害として生じやすい配置スペースの増大の回避を図っている。即ち、図22及び図23に示すように、遊技者目線において、可変入賞装置65の特定入賞口65aと、第3流路構成部336の配置の目安としてのスライド変位部材370と、の配置間隔を短く形成している。
そればかりか、スライド変位部材370が特定入賞口65aの下側後方に配置されているので(図18参照)、図23に示すように遊技者目線として高頻度で生じる後側斜め下方へ向く視線において、特定入賞口65aの外形にスライド変位部材370の外形が食い込むほどに近接配置しているように視認される。
加えて、左右長尺に構成した特定入賞口65aに入球し、その左右両端部に配置される検出センサSE1の球通過孔163bを通過した球の流下経路は、左右対称の各流路構成部334~336を経由して特定入賞口65aの左右中央側下方に集められる。これにより、特定入賞口65aの左右幅を球が左右方向に流下する場合に比較して、スライド変位部材370に球が到達するまでの時間を短くすることができる。加えて、球の流下経路として必要とされる構造を、下側ほど左右長さが短くなる構造とすることができるので、湾曲形状の内レール61の下縁部付近に配置し易くすることができる。
特に、本実施形態では、特定入賞口65aがアウト口71に近接配置させる設計思想であるところ、第2流路構成部335の左右内側端部から真下に球を流下させる構造では無く、第2流路構成部335の左右内側端部から第3流路構成部336により球を後方へ流下させる構造を採用することで、アウト口71(湾曲面部387の正面側(上流側)に配設される開口)を第2流路構成部335の真下位置に形成することができる。これにより、特定入賞口65aとアウト口71との上下間隔の短縮化を図っている。
このように、遊技者目線における特定入賞口65a及びスライド変位部材370の上下配置幅および左右幅を短くできることで、一定の規格に正面視での大きさが制限される遊技領域の設計において、特定入賞口65a及びスライド変位部材370が占める範囲の上下幅を短縮化できるので、遊技領域の設計自由度を向上することができる。
例えば、本実施形態のように、特定入賞口65aの配置を遊技領域の下端付近に配置することができるので、可変入賞装置65を左右対称の遊技領域に有効に利用することができる。
次いで、振分装置300に入球後の球の流下と、その流下を考慮した可動役物(可変入賞装置65、スライド変位部材370)の作動パターンの一例について説明する。
まず、前提として、開口部312を通った球は、第1流路構成部334、第2流路構成部335、第3流路構成部336を順に流下する(図16及び図17参照)。各流路構成部334~336を球が通過するのに要する時間は任意に設定可能であるが、本実施形態では、各流路構成部334~336を約0.3秒で通過するように設計されている。
即ち、特定入賞口65aに入球してから第1流路構成部334を通過するのに0.3秒、第2流路構成部335を通過するのに0.3秒、第3流路構成部336を通過するのに0.3秒を要するように構成される。
従って、可変入賞装置65の開閉板65bが開放状態となった直後に球が特定入賞口65aに入球したとしても、0.9秒間は、第3流路構成部336の後方端部に配置される検出センサSE1に球が到達することは無いように構成される。これにより、開閉板65bが開放状態となった後の0.9秒間は、スライド変位部材370の位置に寄らず、球が確変検出センサSE11にも、通常検出センサSE12にも通過し得ないので、球の誤入賞を危惧せずにスライド変位部材370の作動パターンを設計することができる。
そのため、例えば、V確変アタッカーを備えるパチンコ機に一般的に見られるような、V入賞センサへの誤入賞を防ぐためにラウンド遊技R開始時に開閉板を短時間解放させる制御(開閉板の動作に不自然さを伴う制御)を不要とすることができる。これにより、特定入賞口を開閉する開閉板の動作態様が自然な動作となり、安心して遊技を楽しむ環境を遊技者に提供することができる。
また、上記例におけるV確変アタッカーを備えるパチンコ機では、V確変アタッカーの開放直後に入球する球が誤入賞を生じやすかったが、本件の可変入賞装置65では、後述するように、開放直後に入球する球によって、逆に好ましい効果(例えば、スライド変位部材370の動作を球で隠す効果)が生じるので、開放直後の球の入球を生じさせないようにする工夫を不要とすることができる。
なお、球の通過に要する時間は、各流路構成部334~336の長さや傾斜、流路内壁部の形状など(平滑か、凹凸形状かなど)により任意に設定可能である。
図24を参照して、第1実施形態の第1制御例におけるROM202(図4参照)の内容について説明する。図24(a)は、主制御装置110内のROM202の電気的構成を示すブロック図であり、図24(b)は、第1当たり種別カウンタC2と特別図柄における大当たり種別との対応関係を模式的に示した模式図であり、図24(c)は、第2当たり乱数カウンタC4と普通図柄における当たりとの対応関係を模式的に示した模式図である。
図24(a)に示すように、主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、および変動パターン選択テーブル202dが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202aは、定期的(例えば、2msecごと)に更新される第1当たり乱数カウンタの大当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタの値が、第1当たり乱数テーブル202aに規定されているいずれかの判定値と一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図24(b)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別、および特別図柄の抽選契機となった入賞口の種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
具体的には、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~9」の範囲には、大当たりA1が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b1参照)。
大当たりA1となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第1の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンX(詳細は後述する)で変位するように制御される。
第1当たり種別カウンタC2の値が「10~19」の範囲には、大当たりA2が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b2参照)。
大当たりA2となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第1の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンY(詳細は後述する)で変位するように制御される。
第1当たり種別カウンタC2の値が「20~39」の範囲には、大当たりB1が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b3参照)。
大当たりB1となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第2の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンX(詳細は後述する)で変位するように制御される。
第1当たり種別カウンタC2の値が「40~49」の範囲には、大当たりB2が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b4参照)。
大当たりB2となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第2の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンY(詳細は後述する)で変位するように制御される。
第1当たり種別カウンタC2の値が「50~79」の範囲には、大当たりC1が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b5参照)。
大当たりC1となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第3の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンX(詳細は後述する)で変位するように制御される。
第1当たり種別カウンタC2の値が「80~99」の範囲には、大当たりC2が対応付けられて規定されている(図24(b)の202b6参照)。
大当たりC2となった場合は、4ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第3の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンY(詳細は後述する)で変位するように制御される。
上述したように、特別図柄1の抽選(第1入賞口64への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、いずれの場合であっても、4ラウンドの大当たり遊技が選択される。そのため、後述する特別図柄2の抽選で大当たりとなる場合に比較して大量の賞球を期待することはできない。一方で、4ラウンドの大当たり遊技は、15ラウンドの大当たり遊技に比較して短時間で終了するので、その後の大当たりの獲得を狙うための球の打ち出しを、早期に開始することができる。
一方、特別図柄2の抽選(第2入賞口140への入球に基づく抽選)で大当たりとなった場合には、第1当たり種別カウンタC2の値が「0~99」の範囲には、大当たりaが対応付けられて規定されている(図24(b)の202b7参照)。
大当たりaとなった場合は、15ラウンドの大当たり遊技が、可変入賞装置65の第3の作動パターン(詳細は後述する)で実行され、スライド変位部材370は作動パターンX(詳細は後述する)で変位するように制御される。
上述したように、特別図柄2の抽選(第2入賞口140への入球に基づく抽選)で大当たりとなると、いずれの場合であっても、15ラウンドの大当たり遊技が選択される。そのため、特別図柄2の抽選での大当たりを獲得した方が、特別図柄1の抽選での大当たりを獲得する場合に比較して大量の払い出し賞球を得ることができるので、遊技者が、特別図柄2の抽選を行うための遊技(第2入賞口140へ入球させるように球を発射するような遊技)を行うことのモチベーションを高めることができる。
また、スライド変位部材370の作動パターンが作動パターンXで固定となるので、スライド変位部材370の視認性を確保しないでも、遊技者に生じる不利益が大きくなる可能性が少ない。そのため、スライド変位部材370への視認性が若干悪くなるという短所があるが特定入賞口65aへの入球が生じ易い長所がある作動パターンとして第3の作動パターンがある時に、特別図柄2の抽選での大当たりの可変入賞装置65の作動パターンを第3の作動パターンで設定することで、短所の影響を低下させ、大当たり遊技に要する時間を短くすることができるという長所のみを際立たせることができる。
即ち、特別図柄2の抽選での大当たり遊技が間延びする可能性を低くすることができるので、遊技者にとって気持ちの良い(賞球の払い出しの時間効率が良い)大当たり遊技を実現することができる。
なお、特別図柄2の大当たり種別の設定は、これに限定されるものではない。例えば、特別図柄2の大当たり種別として、スライド変位部材370が作動パターンYで変位制御される大当たり種別を設けても良い。また、この大当たり種別は、少ない割合(例えば、20%程度)で設けるようにしても良い。
これにより、スライド変位部材370に対する遊技者の注目力を向上させることができるので、遊技者が大当たり遊技を漫然と遊技することを防止することができる。即ち、スライド変位部材370の変位動作を遊技者に視認させ、変位動作のタイミングで遊技者を一喜一憂させ、遊技者の興趣を高めることができる。
上述した通り、特別図柄の確変中は、普通図柄の当たり確率がアップし、普通図柄の変動時間が短くなり(3秒)、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物140aの開放時間が長くなる(1秒×2回)ように設定される。よって、第2入賞口140へと球を入球させやすくなるので、特別図柄2の抽選が行われやすくなる。従って、一旦特別図柄の確変状態へと移行させることができれば、特別図柄の大当たりとなりやすく、且つ、大当たりとなった場合に大当たりa(利益バランスの良い大当たり)となりやすい特別図柄の確変状態が繰り返されやすくなるので、遊技者が多量の賞球を獲得し易くなる。これにより、遊技者に対して特別図柄の確変状態へと移行させることを強く期待させながら遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
第2当たり乱数テーブル202c(図24(c)参照)は、普通図柄の当たり判定値が記憶されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5~28」が規定されている(図24(c)の202c1参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5~204」が規定されている(図24(c)の202c2参照)。本実施形態のパチンコ機10では、普通入賞口67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。変動パターン選択テーブル202dは、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタの判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。
図25は、各大当たり種別における1ラウンド目の可変入賞装置65の開閉板65bの作動パターンと、振分装置300のスライド変位部材370の作動パターンと、の計時変化を示した図である。
MPU201(図4参照)は、前記特図当り決定において大当りを決定した場合には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、(決定した種類の)大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に行われる可変入賞装置65の開閉板65bと、振分装置300のスライド変位部材370と、の作動制御について説明する。なお、図25の説明では、図24を適宜参照する。
なお、本制御例では、大当たり種別の違いで駆動態様が異なるのは1ラウンド目のみであり、2ラウンド目以降は共通の駆動態様とされる。そのため、大当たり種別ごとの1ラウンド目の駆動態様についてそれぞれ説明する。
大当たりA1又は大当たりA2の場合には、第1の作動パターンに基づいて開閉板65bが動作するようMPU201が電磁ソレノイド165c(図11参照)を駆動制御する。MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで開閉板65bを閉鎖状態に保持するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板65bを閉鎖状態から変位させて特定入賞口65aへの入球が可能な開放状態とする。初回の開放状態は0.2秒間維持される。第1の作動パターンでは、この0.2秒間の開放動作を、1.0秒間隔で実行するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、開閉板65bに長時間動作を行わせる。
なお、初回の開放時間は、遊技球を発射し続ける場合に、少なくとも1個の遊技球が特定入賞口65aに入り得る期間よりも長く、規定個数(本実施形態では10個)の遊技球が特定入賞口65aに入るのに要する期間よりも短い期間として設定される。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板65bを閉鎖状態へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
第1の作動パターンにおける0.2秒の開放時間は、開閉板65bの開放中に特定入賞口65aの左右片側に入球する球の個数を1個に制限するために設定される。特定入賞口65aの左右片側に複数の球が連なって入球する(以下、「連球で入球」とも称する)ことを防止するための開放時間の設定であり、特定入賞口65aへの入球個数を1個に限定する意図では無い。即ち、0.2秒の開放時間であっても、特定入賞口65aの左右両側に各1球ずつ球が到達し、一度に特定入賞口65aに入球することは生じ得ることである。
大当たりA1の場合には、作動パターンXに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361(図17参照)を駆動制御する。電磁ソレノイド361の駆動制御は、開閉板65bの駆動制御を基準として設定されるものであり、本実施形態では、開閉板65bが開放状態へ変位するのと同時に、スライド変位部材370が前側位置から後側位置へ変位するよう駆動制御される。
そのため、特定入賞口65aに入球した球は、各流路構成部334~336(図19参照)を通過し、スライド変位部材370の前側を通り確変検出センサSE11(図20参照)を通過する。
この時、左右片側の各流路構成部334~336に配置される球が1個に限定されるので、他の球に視認性が低下させられることが無い。そのため、遊技者は、球が確変検出センサSE11を通過する状況を容易に視認することができる。
大当たりA2の場合には、作動パターンYに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361(図17参照)を駆動制御する。電磁ソレノイド361の駆動制御は、開閉板65bの駆動制御を基準として設定されるものであり、本実施形態では、開閉板65bが開放状態へ変位するのと同時に、スライド変位部材370が前側位置から後側位置へ変位するよう駆動制御され、0.8秒経過後にスライド変位部材370が後側位置から前側位置へ変位するよう駆動制御される。
上述の通り、各流路構成部334~336(図17参照)を球が通過するのに要する時間は約0.9秒で設定されているので、球がスライド変位部材370に到達する前にスライド変位部材370は前側位置に変位される。
そのため、特定入賞口65aに入球した球は、各流路構成部334~336(図17参照)を通過し、スライド変位部材370の上側を通り通常検出センサSE12(図17参照)を通過する。
この時、左右片側の各流路構成部334~336に配置される球が1個に限定されるので、他の球に視認性が低下させられることが無い。そのため、遊技者は、球が通常検出センサSE12を通過する状況を容易に視認することができる。
スライド変位部材370の変位開始時間としての0.8秒は、球が各流路構成部334~336を通過するのに要する時間よりも短い時間としての思想と、球が第3流路構成部336に到達するのに要する時間よりも長い時間としての思想から、設定される。
即ち、本実施形態によれば、球が特定入賞口65aに入球してから約0.6秒で第2流路構成部335を通過し、第3流路構成部336に到達するので、開閉板65bの開放時間としての0.2秒の終了間際に球が特定入賞口65aに入球した場合であっても、その球が第3流路構成部336に到達してからスライド変位部材370を変位動作させることができる。
従って、特定入賞口65aへの入球が生じさえすれば、球の入球タイミングに寄らず、第3流路構成部336に配置される球によりスライド変位部材370の動作を隠すことができる(図22参照)。これにより、スライド変位部材370の変位動作が目立つことを回避することができ、確変検出センサSE11又は通常検出センサSE12へ入球する球として各流路構成部334~336を流下する球に対する注目力を向上させることができる。
なお、スライド変位部材370の変位開始時間は、0.8秒に限定されるものではない。例えば、0.4秒に設定しても良い。この場合、球が第3流路構成部336に到達するよりも前にスライド変位部材370の変位を生じさせることができるので、球に視線が遮られる可能性は低く、スライド変位部材370の変位を遊技者に視認させることができる。
但し、この場合であっても、第2流路構成部335が被固定部材161の前板部に近接配置され、スライド変位部材370よりも手前側に配置されていることから、遊技者の目線は第2流路構成部335を流下する球に集まり易い。即ち、第2流路構成部335を流下する球に注目させることで(例えば、第3図柄表示装置81で「流れる球に注目!」等の表示をすることで)、スライド変位部材370の変位が遊技者に視認されることを回避し易くすることができる。
なお、一方で、本実施形態では各流路構成部334~336が左右中央で区切られるように構成されているので、特定入賞口65aへの入球が左右片側であれば、入球が生じていない側の第3流路構成部336の後方に注目することで、流下する球に遮られることなくスライド変位部材370の変位を視認することができる(図22参照)。
このように、大当たりA1,A2の場合は、左右片側の各流路構成部334~336に配置される球の個数が1個に限定されることにより、その球への注目力の向上を図ることができると共に、球が確変検出センサSE11を通過するか、通常検出センサSE12を通過するか、を容易に遊技者に視認させることができる。
大当たりB1又は大当たりB2の場合には、第2の作動パターンに基づいて開閉板65bが動作するようMPU201が電磁ソレノイド165c(図11参照)を駆動制御する。MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで開閉板65bを閉鎖状態に保持するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板65bを閉鎖状態から変位させて特定入賞口65aへの入球が可能な開放状態とする。初回の開放状態は1.0秒間維持される。第2の作動パターンでは、この1.0秒間の開放動作を、1.0秒間隔で実行するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、開閉板65bに長時間動作を行わせる。
なお、初回の開放時間は、遊技球を発射し続ける場合に、少なくとも1個の遊技球が特定入賞口65aに入り得る期間よりも長く、規定個数(本実施形態では10個)の遊技球が特定入賞口65aに入るのに要する期間よりも短い期間として設定される。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板65bを閉鎖状態へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
第2の作動パターンにおける1.0秒の開放時間は、開閉板65bの開放中に特定入賞口65aの左右片側に複数の球が入球可能となる時間として設定される。特定入賞口65aの左右片側に複数の球が連なって入球する(以下、「連球で入球」とも称する)ことを許容するための開放時間の設定である。
本制御例では、球の発射間隔は0.6秒間隔とされるので、球の流下間隔が発射時と変化していない場合であっても、開閉板65bが1.0秒間で1回開放する間に、2個の球が特定入賞口65aに入球し得る。一方で、開閉板65bの開放間隔は1.0秒おきに制限されているので、2個の球が各流路構成部334~336を通過する前に次の球が各流路構成部334~336に入球することは規制することができる。
大当たりB1の場合には、上述した作動パターンXに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361(図17参照)を駆動制御する。また、大当たりB2の場合には、作動パターンYに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361を駆動制御する。そのため、大当たりB1の場合に各流路構成部334~336を通過した球は確変検出センサSE11を通過し、大当たりB2の場合に各流路構成部334~336を通過した球は通常検出センサSE12を通過する。
この時、左右片側の各流路構成部334~336に配置される球が1個の場合と、2個(以上)の場合とで各流路構成部334~336の見え方が異なる。左右片側の各流路構成部334~336に配置される球が1個の場合には、大当たりA1,A2の場合と同様に、他の球に視認性が低下させられることが無いので、遊技者は、球が確変検出センサSE11を通過する状況を容易に視認することができる。
一方、左右片側の各流路構成部334~336に配置される球が2個(以上)の場合には、上流側の球が下流側の球を見る遊技者の視線上に配置されることで、下流側の球の視認性が低下する可能性がある。そのため、球が確変検出センサSE11を通過するか、通常検出センサSE12を通過するかを知ろうと望む遊技者の、各流路構成部334~336を流下する球に対する注目力を向上することができる。
大当たりC1、大当たりC2又は大当たりaの場合には、第3の作動パターンに基づいて開閉板65bが動作するようMPU201が電磁ソレノイド165c(図11参照)を駆動制御する。MPU201は、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、タイマ手段(図示せず)が所定のオープニング時間OP(10秒)が経過するまで開閉板65bを閉鎖状態に保持するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御し、オープニング時間OPの経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
すなわち、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板65bを閉鎖状態から変位させて特定入賞口65aへの入球が可能な開放状態とし、第1の作動時間T1を限度に開閉板65bに長時間動作を行わせる。
そして、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板65bを閉鎖状態へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
本制御例では、1ラウンド目のラウンド遊技R中において開閉板65bが開放状態を維持するので、特定入賞口65aの左右片側に複数の球が連球で入球する状況が生じ得る。一方で、開閉板65bの開放間隔が制限されているわけでは無いので、第2の作動パターンと異なり、2個の球が各流路構成部334~336を通過する前に次の球が各流路構成部334~336に入球することも生じ得る。従って、第2の作動パターンに比較して、第3の作動パターンの方が、各流路構成部334~336の下流側に配置された球の視認性が、上流側に配置される球により低下する状況が生じ易い。
大当たりC1又は大当たりaの場合には、上述した作動パターンXに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361(図17参照)を駆動制御する。また、大当たりC2の場合には、作動パターンYに基づいてスライド変位部材370が動作するようMPU201が電磁ソレノイド361を駆動制御する。そのため、大当たりC1又は大当たりaの場合に各流路構成部334~336を通過した球は確変検出センサSE11を通過し、大当たりC2の場合に各流路構成部334~336を通過した球は通常検出センサSE12を通過する。
このように、確変検出センサSE11に球を通すか、通常検出センサSE12に球を通すかに関わらず、開閉板65bを開放状態のまま維持する制御態様としているが、スライド変位部材370に球が到達するのに要する時間を構造から管理しているので、球噛みによるスライド変位部材370の誤動作の可能性は排除することができる。
この時、左右片側の各流路構成部334~336に配置される球が1個の場合と、2個の場合とで各流路構成部334~336の見え方が異なる。左右片側の各流路構成部334~336に配置される球が1個の場合には、大当たりA1,A2の場合と同様に、他の球に視認性が低下させられることが無いので、遊技者は、球が確変検出センサSE11を通過する状況を容易に視認することができる。
一方、左右片側の各流路構成部334~336に配置される球が2個の場合には、上流側の球が下流側の球を見る遊技者の視線上に配置されることで、下流側の球の視認性が低下する可能性がある。そのため、球が確変検出センサSE11を通過するか、通常検出センサSE12を通過するかを知ろうと望む遊技者の、各流路構成部334~336を流下する球に対する注目力を向上することができる。
第3の作動パターンでは、1ラウンド目のラウンド遊技Rにおいて特定入賞口65aに入球可能なタイミングに制限が無いので、第2の作動パターンに比較して、各流路構成部334~336の球の配置が無秩序になり易い。そのため、検出センサSE1の視認性は低下し易い。
一方で、特定入賞口65aに入球可能なタイミングに制限が無いことは、ラウンド遊技Rの進行を早期に行わせることができる効果がある。即ち、ラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数(本実施形態では10個)のパチンコ球の入賞)としての規定個数の球の入賞を早期に満たしやすく、大当たり遊技が間延びすることを回避することができる。
特に、特別図柄2の大当たりは、100%の確率でスライド変位部材370が作動パターンXで駆動制御されるため、特定入賞口65aに入球させれば、確変検出センサSE11を球が通過することが約束されている。この場合、検出センサSE及びスライド変位部材370への遊技者の注目力はそもそも低い。
従って、検出センサSE1の視認性が悪くなることを許容しても遊技者が感じる不利益は小さい。第3の作動パターンでは、検出センサSE1の視認性が悪くなることは敢えて許容しながら、大当たり遊技が間延びすることを回避することを優先することで、大当たり遊技の短時間での進行の実現を図り、大当たり遊技に対する遊技者の興趣の向上を図ることができるようにしている。
大当たり種別に関わらず、1ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段は、ラウンド間第1インターバル時間Int1(2.0秒)が経過するまで開閉板65bを閉鎖状態に保持するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御し、ラウンド間第1インターバル時間Int1の経過後に、2ラウンド目のラウンド遊技Rを開始する。
2ラウンド目では、1ラウンド目の開始と同様に、第1の作動時間T1(最大30秒)をタイマ手段で計測を開始すると共に開閉板65bを閉鎖状態から開放状態へ変位させて特定入賞口65aを開放するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、開閉板65bに長時間動作を行わせる。2ラウンド目以降は、スライド変位部材370は前側位置で常時維持されるので、特定入賞口65aに入球した球は通常検出センサSE12を通過して排出される(図17参照)。
そして、2ラウンド目のラウンド遊技Rにおいてラウンド終了条件(ラウンド遊技時間(第1の作動時間T1の最大値である30秒間)の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされた場合に、開閉板65bを閉鎖状態へ変位させて特定入賞口65aを閉鎖するよう電磁ソレノイド165cを駆動制御して、2ラウンド目のラウンド遊技Rが終了する。
以降は、2ラウンド目と同様に、各ラウンド遊技Rの間にラウンド間第1インターバル時間Int1を挟んで3ラウンド目~最終ラウンド(4ラウンド目)のラウンド遊技Rが繰り返されて、開閉板65bが閉鎖状態および開放状態の間で変位し、特定入賞口65aを開閉するよう電磁ソレノイド165cが駆動制御される。
そして、最終ラウンド目のラウンド遊技Rが終了すると、タイマ手段がラウンド間第1インターバル時間Int1およびエンディング時間ED(11秒)が経過するまで開閉板65bを閉鎖状態に保持するよう電磁ソレノイド165cが駆動制御され、当該時間の経過に伴って大当り遊技が終了する。
なお、本制御例では、開閉板65bの短開放の変位動作や、スライド変位部材370の駆動制御を、1ラウンド目のみで実行する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、全ラウンドで実行するようにしても良いし、1ラウンド目以外のラウンド(例えば、3ラウンド目や、8ラウンド目や、12ラウンド目等)で実行するようにしても良い。
このように、本制御例によれば、開閉板65bの開放パターン(第1の作動パターン~第3の作動パターン)の違いによって、開閉板65bへの球の入球態様を変化させ、各流路構成部334~336及び第3流路構成部336の下流側に配置される検出センサSE1の視認性を異ならせることができる。これにより、第3流路構成部336の下流側に配置される検出センサSE1の球の通過に注目する遊技者に球の発射態様を工夫する意欲を生じさせることができる。
例えば、検出センサSE1の視認性の低下は、複数の球が各流路構成部334~336に同時に配置されることにより生じる場合があるので、必要に応じて(例えば、第2の作動パターン又は第3の作動パターンの大当たり種別において)意図的に球の発射間隔を広げることで、検出センサSE1の視認性の低下を抑制することができる。なお、第1の作動パターンでは、特定入賞口65aへの入球が制限されることから、発射態様によらず、検出センサSE1の視認性の低下を回避することができる。
一方で、球の発射間隔を広げると特定入賞口65aに規定個数の球が入球するまでの期間が延びるので、ラウンド遊技Rが間延びする可能性がある。即ち、検出センサSE1の視認性を優先する遊技態様と、ラウンド遊技Rの間延びを回避することを優先する遊技態様とで、ラウンド遊技Rの遊技の仕方を遊技者に選択させることができる。
例えば、スライド変位部材370の変位を視認するために、ラウンド遊技Rの開始後、若干の期間(例えば、1.0秒間)を空けて、特定入賞口65aへの入球を生じさせるようにしても良い。この場合、スライド変位部材370の変位が生じるタイミング(作動パターンYの場合においてラウンド遊技R開始から0.8秒経過したタイミング)で第3流路構成部336に球が配置される状況を回避することができるので、スライド変位部材370の変位動作が球で遮られることを回避することができる。
一方で、球発射までの期間を空けるようにすると特定入賞口65aに規定個数の球が入球するまでの期間が延びるので、ラウンド遊技Rが間延びする可能性がある。即ち、検出センサSE1の視認性を優先する遊技態様と、ラウンド遊技Rの間延びを回避することを優先する遊技態様とで、ラウンド遊技Rの遊技の仕方を遊技者に選択させることができる。
例えば、本実施形態によれば、各流路構成部334~336及びスライド変位部材370が左右対称に構成され、左右のどちら側からも、特定入賞口65aを通して球を入球させることができる。
即ち、例えば、上述した球の発射間隔を広げる発射態様や、球発射までの期間を空ける発射態様については左側での入球において維持し、右側での入球については任意の発射態様で球を発射するように遊技しても、上述と同様の効果を図ることができる。
具体的には、特定入賞口65aへ向けた球の発射を左右に打ち分けるような発射態様として、少なくとも1発目の球を右側へ発射し、何発目か(例えば2発目)の球を左側へ発射し、残りの球を右側へ発射するように打ち分ければ良い。
この場合、各流路構成部334~336としての右側流路を流下する球には注目せず、左側流路を流下する球に注目することで、他の球に視線が遮られることを回避しながら、左側流路を流下する球が確変検出センサSE11を通過するか否かを視認することができる。加えて、この場合は、特定入賞口65aの右側部分へ向けて絶えず球を発射し続けているので、特定入賞口65aに規定個数の球が入球するまでの期間が延びることを回避でき、ラウンド遊技Rが間延びすることを回避することができる。
なお、この左右への球の発射の打ち分けは、左側流路への入球を1個にすることが目的ではない。特に、左側流路を何発目の球が通過しきるまでの約0.9秒間において左側の各流路構成部334~336に配置される球の個数を1個に制限できれば良く、その他の期間においては左右流路に任意に球を入球させるように打ち分ければ良い。
これにより、本実施形態のように特定入賞口65aの上方の開放幅が長くは無い場合(例えば、電動役物140aの配置や釘配置(図2参照)から球の入球経路が少数の経路に限定される場合)においても、特定入賞口65aへ向かう球同士が衝突して一方が特定入賞口65aの左右外側に零れる事態の発生を抑制することができる。なお、図2では釘配置を左右非対称としたが、左右対称の釘配置としても良い。
次いで、遊技盤13の背面側に締結固定される動作ユニット500の構造について説明する。動作ユニット500は、遊技盤13のベース板60(図2参照)に背面側から締結固定されるユニットである。
図26は、動作ユニット500の正面斜視図であり、図27は、動作ユニット500の背面斜視図である。なお、図27では、背面ケース510の開口511aに配設される液晶表示装置(可変表示装置ユニット80)の図示が省略され、開口511aを通して奥側を視認可能に図示される。また、図26及び図27の説明においては、図2を適宜参照する。
動作ユニット500は、底壁部511と、その底壁部511の外縁から立設される外壁部512とから正面側が開放された箱状に形成される背面ケース510を備える。背面ケース510は、底壁部511の中央に矩形状の開口511aが開口形成されることで、正面視矩形の枠状に形成される。開口511aは、第3図柄表示装置81の表示領域の外形(外縁)に対応した(即ち、第3図柄表示装置81の表示領域を正面視で区切ることが可能な)大きさに形成される。
背面ケース510は、外壁部512の正面側端部に遊技盤13の背面に沿う(例えば、平行に配置される)平面板として延設され、組立状態(図2参照)において遊技盤13を面支持する支持板部513を備える。
支持板部513は、遊技盤13のベース板60に形成される嵌合凹部(図示せず)と嵌合可能な形状で正面側へ向けて突設される位置決め凸部513aと、ベース板60に締結される締結ネジを挿通可能に穿設される複数の挿通孔513bとを備える。
ベース板60の嵌合凹部に位置決め凸部513aを嵌合させることによりベース板60に対して背面ケース510を位置決めし、締結ネジを挿通孔513bに挿通し、ベース板60に螺入することにより、遊技盤13と動作ユニット500とを一体的に固定することができるので、遊技盤13及び動作ユニット500の全体としての剛性の向上を図ることができる。
なお、位置決め凸部513aの形状は何ら限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、ベース板60の嵌合凹部の内形(本実施形態では、円形または長円形)よりも若干小さな外形の凸部でも良いし、組み付け時の作業性を考慮して、嵌合隙間が大きくなるような形状(更に小さな外形)の突部でも良い。また、嵌合凹部の内形が矩形状に形成される場合には、それに対応して位置決め凸部513aの形状も矩形状とされることは当然想定される。
動作ユニット500は、遊技盤13の背面側に配置され、各種発光手段や、各種動作ユニットが内部に配設されている。即ち、動作ユニット500は、背面ケース510と、その背面ケース510の内側右部に配設される第1動作ユニット600と、背面ケース510の内側下部に配設される第2動作ユニット700と、背面ケース510の内側上部に配設される第3動作ユニット800と、を備える。なお、背面ケース510の内側左部には、LED等の発光手段を有する基板と、その基板を前側から覆うように配設され光透過性材料から形成されると共に全体に亘って光拡散加工が形成される拡散装飾板LB1とが配設される。
具体的には、第1動作ユニット600は、開口511aの右方位置において、第2動作ユニット700は、開口511aの下方位置において、第3動作ユニット800は、開口511aの上方位置において、それぞれ背面ケース510の底壁部511に配設される。まず、この動作ユニット500の動作制御の概要について説明する。
図28から図35は、動作ユニット500の動作の一例を示す動作ユニット500の正面図である。図28では、演出待機状態の各動作ユニット600~800が図示され、図29では、各動作ユニット600~800の演出待機状態から第1動作ユニット600が張出状態に変化した状態が図示され、図30では、各動作ユニット600~800の演出待機状態から第2動作ユニット700が張出状態に変化した状態が図示される。
なお、図30では、第2動作ユニット700が、図29に図示される第2動作ユニット700とは覆設部材787の前側を向く面が異なる状態で図示される。
図28から図35では、センターフレーム86の内側形状が想像線で図示される。この内側においては背面側に配置される第3図柄表示装置81が良好に視認可能となるが、センターフレーム86の外方においては、ベース板60が透明な樹脂部材から構成されているとはいえ、ベース板60に配設される釘や各種入賞口63,64,65a,140等やスルーゲート67等(図2参照)に視界が遮られ易い。そのため、例えば、図28に示すようにセンターフレーム86の外方に配置されている状態において、各動作ユニット600~800の正面視における視認性が下がり易い。
なお、動作ユニット500の構成に合わせる関係上、センターフレーム86の枠形状が図2に示すセンターフレーム86とは異なるが、その役割は同様である。また、第3動作ユニット800の手前側においてセンターフレーム86の内枠形状が下に張り出す湾曲形状となっているが、センターフレーム86の外枠まで下方に湾曲しているものではなく、センターフレーム86の内枠側において、第3動作ユニット800を前側から覆うように円形の透明な装飾薄板が張出形成されるものである。従って、センターフレーム86の上側に乗った球を左右両側へ転動させるという役割も、図2で示すものと同様であり、実際のセンターフレーム86の枠上部(外枠上部)は、第3動作ユニット800の上側を左右に跨ぐように配設される。
図31及び図32では、各動作ユニット600~800の演出待機状態から第3動作ユニット800が張出状態に変化した状態が図示される。図31では、第1装飾部材870が前側を向いており第3動作ユニット800の個別合体状態が図示され、図32では、第2装飾部材880が前側を向いており第3動作ユニット800の一連合体状態が図示される。
図31の状態と図32の状態とが切り替えられる変位は、直動変位と回転変位とを組み合わせた変位態様で生じるので、第3動作ユニット800の演出待機状態において実行すると、周囲の装飾部材と装飾部材870,880とが衝突して不具合が生じることから、第3動作ユニット800の張出状態において実行される。
換言すれば、本実施形態では、第3動作ユニット800が張出状態(又は、演出待機状態から装飾部材870,880の衝突を回避するのに十分な程度で下降変位した状態)となり、装飾部材870,880の変位を仮想円800F(図32参照)において許容する状態となっていることを前提に、反転変位(切替回転動作)を実行するように音声ランプ制御装置113(図4参照)で制御されるが、詳細は後述する。
図33では、張出状態の第3動作ユニット800と、張出状態よりも若干下降変位した中間演出状態における第2動作ユニット700が図示され、図34では、図33の状態から第1動作ユニット600が中間演出状態に変位した状態が図示され、図35では、図33の状態から、第3動作ユニット800が演出待機状態へ変位し、第1動作ユニット600が張出状態に変位した状態が図示される。
図28から図35に図示されるように、第3動作ユニット800の変位軌跡と、第1動作ユニット600の変位軌跡または第2動作ユニット700の変位軌跡と、は正面視で部分的に重なる。そのため、例えば、第3動作ユニット800が張出状態(図31参照)の時に、第1動作ユニット600又は第2動作ユニット700が演出待機状態から状態変化すると、衝突する可能性がある。
これに対して、本実施形態では、第1動作ユニット600の演出待機状態からの状態変化を、第3動作ユニット800が演出待機状態であることを条件として実行可能に制御したり、第3動作ユニット800の演出待機状態からの状態変化を、第1動作ユニット600が演出待機状態であることを条件として実行可能に制御したりすることで、第1動作ユニット600と第3動作ユニット800とが正面視で重なることを避けることができる。従って、第1動作ユニット600及び第3動作ユニット800の配置自由度を向上することができる(前後位置が重なることを許容できる)。
更に、本実施形態では、第2動作ユニット700の張出状態への状態変化を、第1動作ユニット600及び第3動作ユニット800が演出待機状態であることを条件として実行可能に制御したり、第3動作ユニット800が張出状態である場合の第2動作ユニット700の配置を中間演出状態(図33参照)にしたりすることで、第2動作ユニット700が他の動作ユニット600,800と正面視で重なることを避けることができる。従って、各動作ユニット600~800の配置自由度を向上することができる(前後位置が重なることを許容できる)。
特に、第2動作ユニット700の視認状態として、開口511aにより近い張出状態で視認させる場合と、開口511aから若干退くものの第3動作ユニット800と近接配置した状態で視認させる場合と、の複数の状態を構成することで、第2動作ユニット700の演出装置としての機能の向上を図っている。
図28から図35に示すように、第1動作ユニット600は、第3図柄表示装置81の右側において変位動作する。第1動作ユニット600の第2装飾回転部材660は略直方体形状の箱状部材661を備え、箱状部材661は、演出待機状態において斜め左方向へ向く第1演出面661aと、その第1演出面661aの裏面側に形成される第2演出面661bと、第1演出面661a及び第2演出面661bに隣設する面としての第3演出面661cと、を備えている。各演出面661a~661cには、任意で図形、模様、文字等による装飾が施されている。
第1動作ユニット600の演出待機状態においては、第2装飾回転部材660は、第3図柄表示装置81の右側という、センターフレーム86の配置によって正面側からの視認性が低下し易い箇所に配置されているものの、第1演出面661aを遊技者側に斜めに向けた姿勢(矢印F-Bを基準として手前側の面が矢印L側に45度傾いた姿勢)とされているので、第3図柄表示装置81とセンターフレーム86の開口の枠内側から、そのセンターフレーム86と第3図柄表示装置81との隙間を通る斜め方向視で第2装飾回転部材660を視認する遊技者目線における第1演出面661aの視認性を向上することができる。
一方、第1動作ユニット600の張出状態においては、第2装飾回転部材660は、第3図柄表示装置81の正面に張り出すことで、センターフレーム86の枠内側を視認する遊技者に対して正対する。この場合には、第2装飾回転部材660は第2演出面661bを真正面に向けた姿勢とされているので、第2装飾回転部材660を視認する遊技者目線における第2演出面661bの視認性を向上することができる。
このように、第2装飾回転部材660は、配置に応じて遊技者に視認させる演出面661a~661cを切り替え可能に構成され、且つ、遊技者に視認させる各演出面661a~661cの視認性を向上する目的で、配置に応じて姿勢を切り替え可能に構成される。
換言すれば、ガラスユニット16(図1参照)と平行な平面的な姿勢変化に限らず、遊技者の視線との関係を意図した角度変化を付けるよう設計されている。即ち、センターフレーム86の枠中央側の配置となるほど遊技者の視線が前後方向となり正対し易いので、演出面が前方向(矢印F方向)を向く方が視認性を良くすることができ、一方でセンターフレーム86の枠付近の配置となるほど遊技者の視線が斜めになり易いので、演出面をその視線と正対させるために斜めにした方が視認性を良くすることができる。
第2装飾回転部材660の変位に伴い、張出装飾部652bが連動して変位する。張出装飾部652bは、板正面に図形や絵柄等の装飾がされており、第1動作ユニット600の演出待機状態(図28参照)及び中間演出状態(図34参照)では、背面ケース510の右上隅に配置されることで遊技者から視認されないように隠される。
一方、張出装飾部652bは、第1動作ユニット600の張出状態(図28参照)では、正面視で第3図柄表示装置81の表示領域の右縁と前後で重なるようにセンターフレーム86の枠内側に配置されることで遊技者が視認可能となるよう構成されている。
この状態において、張出装飾部652bの外形右端部は、第3図柄表示装置81の右縁よりも右側に位置する。そのため、張出装飾部652bの板正面の装飾を利用して、あたかも第3図柄表示装置81の表示領域が拡大しているように遊技者に錯覚させる表示演出を行うことができる。
詳述すれば、第3図柄表示装置81の表示を視認可能な領域の右縁は第1動作ユニット600に規定されており、第1動作ユニット600の演出待機状態においては、第2装飾回転部材660の第1演出面661aの左縁と、第3図柄表示装置81の表示を視認可能な領域の領域右端RE1とが概ね一致する。
これに対し、第1動作ユニット600の張出状態においては、領域右端RE1を右側に超えるようにして張出装飾部652bが配置される。そのため、第3図柄表示装置81の表示と、張出装飾部652bの板正面の装飾とを関連させたり、一致させたりすることで、あたかも、第3図柄表示装置81の表示領域が領域右端RE1を超えて拡大しているかのように、遊技者に視認させることができる。これにより、意外性のある演出を実現することができる。
上述の表示と装飾とを一致させる例としては、例えば、第3図柄表示装置81に水玉模様を表示し、且つ、張出装飾部652bの板正面の装飾を同様の水玉模様にする例や、第3図柄表示装置81に変動表示される数字(例えば、抽選の当否を報知するための数字)の書体と同様の書体で、張出装飾部652bの板正面に、とある数字が記載されるようにする例が例示される。
上述の表示と装飾とを関連させる例としては、例えば、第3図柄表示装置81に虹色を構成する7色の内の6色が表示され、且つ、張出装飾部652bの板正面が残りの一色で着色される例や、第3図柄表示装置81に領域右端RE1に右端を合わせるようにして配置される木の棒が表示され、且つ、張出装飾部652bの板正面に炎を模した装飾がされることで、第1動作ユニット600の張出状態において着火を連想させる例が例示される。
なお、張出装飾部652bの演出態様は一種類に限定されるものでは無く、張出装飾部652bの明るさを制御することで複数種類の演出態様を構成することができるが、張出装飾部652bの明るさを変える発光手段については後述する。
また、張出装飾部652bの代わりに正面側に表示面を有する小型の液晶装置を配設することで、その液晶装置の表示を複数種類で変化させることができるので、領域右端RE1を超えて表示領域を拡大する際の第3図柄表示装置81の表示態様が制限されることを回避することができる。
また、張出装飾部652bの装飾と関連させる対象は、表示に限定されるものではなく、種々の態様が例示される。例えば、張出装飾部652bの装飾と、第2動作ユニット700の部材(例えば、覆設部材787)に形成される装飾(第1装飾、第2装飾)とを関連させるようにしても良いし、張出装飾部652bの装飾と、第3動作ユニット800の部材(例えば、第1装飾部材870、第2装飾部材880)に形成される装飾(第1覆設部875の装飾、第2覆設部885の装飾)とを関連させるようにしても良い。
図36は、第1動作ユニット600の正面斜視図であり、図37は、第1動作ユニット600の背面斜視図である。第1動作ユニット600は、第2装飾回転部材660が姿勢変化しながら回転するという複雑な変位態様で構成され、併せて第1装飾回転部材650の張出装飾部652bが第2装飾回転部材660を基準に相対変位することで、変位の前後で異なった外観を遊技者に視認させることができるよう構成される。
図38は、第1動作ユニット600の分解正面斜視図であり、図39は、第1動作ユニット600の分解背面斜視図である。
図38及び図39に示すように、第1動作ユニット600は、背面ケース510に締結固定される被固定手段610と、その被固定手段610に回動可能に支持される回動部材620と、その回動部材620を回動させるための駆動力を伝達する駆動伝達装置630と、回動部材620の回動先端部に一側の端部が回動可能に支持される被支持部材640と、その被支持部材640の他側の端部に回転可能に配設される第1装飾回転部材650と、その第1装飾回転部材650に回転可能に支持される第2装飾回転部材660と、被固定手段610の下半部の正面側に固定される装飾固定部材670と、を備える。
被固定手段610は、背面ケース510の底壁部511に前後に対向配置されるベース部材611と、そのベース部材611の正面側に配置されベース部材611との間に空間を作りながらベース部材611に締結固定される前蓋部材612と、を備える。
前蓋部材612は、駆動伝達装置630を配置するための伝達用配置部613と、その伝達用配置部613の正面側において装飾固定部材670を固定するための固定用部614と、その固定用部614よりも内側において回動部材620を回転可能に支持するための支持締結部615と、被支持部材640の他側の端部を案内する長孔として形成される案内長孔616と、を備える。
案内長孔616は、直線部と曲線部とが混在する独自の形状から形成されるが、その詳細および作用については後述する。
回動部材620は、長尺板状に形成される本体部621と、その本体部621の一端部(下側端部)に配設され被固定手段610の支持締結部615に外嵌支持される筒状部622と、直線方向に延びる長孔として本体部621の中間部に形成される伝達長孔623と、本体部621の他端部(上側端部)に筒状部622の軸方向と平行な穿設方向で円形孔として穿設される円形貫通孔624と、その円形貫通孔624を中心とした円の一部に沿ってギア歯状に形成されるギア歯部625と、を備える。
筒状部622の周りにはトーションばねSP1が巻き付けられている。トーションばねSP1は、一方の腕部が本体部621の側壁に当接され、他方の腕部が前蓋部材612の突片に当接されるよう構成され、回動部材620を起こす方向(正面視時計回り方向)に付勢力が生じるよう構成されている。
なお、筒状部622の軸支においては、支持締結部615が筒状部622に挿通された状態で、支持締結部615の先端部に形成されている雌ネジ部に締結ネジが螺入される。これにより、回動部材620は支持締結部615に脱落不能に軸支される。
伝達長孔623は、駆動伝達装置630の円筒部634aが挿通される案内孔として機能し、円形貫通孔624は被支持部材640の筒状部642が回転可能に挿通固定される挿通孔として機能するが、詳細は後述する。
駆動伝達装置630は、前蓋部材612の正面側に締結固定される駆動モータ631と、前蓋部材612の貫通孔613aを通して背面側へ突き出される駆動軸に固着される駆動ギア632と、その駆動ギア632に噛み合う状態で前蓋部材612の筒状部613bに軸支される伝達ギア633と、その伝達ギア633に噛み合う状態で前蓋部材612の筒状部613cに軸支される伝達ギアカム634と、を備える。
なお、伝達ギア633及び伝達ギアカム634に筒状部613b,613cが挿通された状態で、筒状部613b,613cの先端部に形成されている雌ネジ部に締結ネジが螺入される。これにより、伝達ギア633及び伝達ギアカム634は前蓋部材612に脱落不能に軸支される。
前蓋部材612には、筒状部613cを中心とした円弧に沿って貫通形成される円弧状孔613dが形成されており、その円弧状孔613dには、伝達ギアカム634の偏心位置において正面側に円筒状に突設される円筒部634aが挿通される。
伝達ギアカム634は、伝達ギア633と歯合するギア部を備える回転部材であって、上述の円筒部634aと、その円筒部634aを含む角度位置から外径方向へ板状に延設される延設部634bと、を備える。
円筒部634aは、円弧状孔613dに挿通され、その正面側において回動部材620の伝達長孔623に挿通される。ここで、円弧状孔613d及び伝達長孔623の幅長さは、円筒部634aの外径よりも、若干長くなるように設計される。これにより、円筒部634aが円弧状孔613d及び伝達長孔623を摺動する際の摺動抵抗を低減することができる。
延設部634bは、前蓋部材612に締結固定されるフォトカプラ式の検出センサKS1の検出溝に進入可能に構成されている。これにより、検出センサKS1の出力の変化を読み取ることで、音声ランプ制御装置113(図4参照)が伝達ギアカム634の姿勢を把握可能に構成される。
被支持部材640は、長尺の本体部641と、その本体部641の背面側から回動部材620の円形貫通孔624に挿通可能な円筒形断面で突設される筒状部642と、その筒状部642と平行に突設される筒状部643と、その筒状部643に軸支された状態で回動部材620のギア歯部625と歯合可能に形成される中間ギア644と、その中間ギア644よりも背面側に穴あきの底部を有する大径の筒状に形成される有底筒状部645と、その有底筒状部645が配置される端部の反対側の端部において正面側に延設される延設支持部646と、を備える。
上述の構成により、回動部材620の回動変位に伴い、ギア歯部625と、中間ギア644との間で歯合による駆動力伝達を生じさせることができる。
なお、回動部材620及び中間ギア644に筒状部642,643が挿通された状態で、筒状部642,643の先端部に形成されている雌ネジ部に締結ネジが螺入される。これにより、回動部材620及び中間ギア644は被支持部材640の本体部641に脱落不能に軸支される。
有底筒状部645は、底部の背面側が前蓋部材612の正面側縁部に近接配置され、底部の正面側において中間ギア644と第1装飾回転部材650のギア歯654aとが歯合可能となるように周面部に形成される開口645aと、筒状中心を中心とした円形で貫通形成され円筒支持部651aを挿通可能とされる挿通孔645bと、を備える。なお、形状の詳細については後述する。
延設支持部646は、第2装飾回転部材660を回転可能に軸支するための支持部として機能するが、詳細は後述する。
第1装飾回転部材650は、直交する回転軸を形成する本体部材651と、その本体部材651と有底筒状部645との間に軸支される前側回転部材652と、その前側回転部材652の装飾部652bの背面側に固定され正面側にLED等の発光手段が配設される電飾基板653と、前側回転部材652と同軸で後側に締結固定される後側回転部材654と、本体部材651に正面側から締結固定され配線通しとしての円筒状空間を形成する配線受部材655と、その配線受部材655の正面側に配置され本体部材651に背面側から挿通される締結ネジが螺入されることで締結固定される前側装飾部656と、配線受部材655と本体部材651とにより形成される円筒状部に外嵌軸支される軸直角回転部材657と、を備える。
本体部材651は、背面側に筒状に延設される円筒支持部651aを備えており、その円筒支持部651aは、先端部の直径位置に一対の雌ネジ部651bが形成され、その雌ネジ部651bを通る平面の片側において壁部を削減するように切りかかれる切り欠き部651cを備える。
円筒支持部651aは、内部に電気配線を挿通可能な太さで形成されており、切り欠き部651cは、電気配線の入口を確保するための開口部としての機能を有する。
円筒支持部651aは、基端側から順に、前側回転部材652の中心孔、後側回転部材654の中心孔、有底筒状部645の挿通孔645b、段付きリング状のカラーC1及び前蓋部材612の案内長孔616に挿通され、その先端部の雌ネジ部651bに皿状蓋部C2に挿通された締結ネジが螺入されることで締結固定される。
即ち、上述した円筒支持部651a、前側回転部材652、後側回転部材654、有底筒状部645、カラーC1及び皿状蓋部C2は、前後方向に延びる軸線O1に同軸で支持され、案内長孔616に沿って変位可能に構成される。
皿状蓋部C2は、円周部の一部に開口C2aが形成されており、この開口C2aは組立状態において、本体部材651の切欠き部651cと対向配置されることで、電気配線の通り道を形成する。
この電気配線は、一部の配線は軸直角回転部材657の内部を通り、第2装飾回転部材660の内部に案内され、電飾基板662に配設されるコネクタに端子が接続される。また、その他の配線は、本体部材651と配線受部材655との間に形成される隙間(上側、即ち半筒形状部655aの上下反対側において本体部材651と対向配置される側に形成される隙間)を通り、張出装飾部652bの背後に案内され、電飾基板653のコネクタに端子が接続される。
後側回転部材654は、背面側端部の円周部に沿ってギア歯654aが形成されており、このギア歯654aと中間ギア644とが歯合可能に形成される。なお、ギア歯654aは、後述する動作に十分な配置として、全円周に亘ってでは無く、円周の一部に沿って形成される。
前側回転部材652は、傘歯車として形成されるギア歯652aと、径外方に張り出す張出装飾部652bと、を備える。張出装飾部652bの背面側には電飾基板653が締結固定され、電飾基板653に配置される発光手段からの光により張出装飾部652bを点灯させたり、点滅させたりする演出を実行可能とされる。
前側回転部材652は、後側回転部材654に締結固定されているので、後側回転部材654と前側回転部材652とは一体的に回転動作する。
軸直角回転部材657は、本体部材651の半筒形状部651dと、配線受部材655の半筒形状部655aとにより形成される円形筒状部に回転可能に支持され、前側回転部材652のギア歯652aと歯合可能な傘歯車として形成されるギア歯657aを備える。
このように構成することで、前側回転部材652の回転と連動して軸直角回転部材657が回転する。即ち、前側回転部材652、後側回転部材654及び軸直角回転部材657は、連動するが、動作の詳細については後述する。なお、ギア歯652a,657aは、後述する動作に十分な配置として、全円周に亘ってでは無く、円周の一部に沿って形成される。
第2装飾回転部材660は、軸直角回転部材657に締結固定される箱状部材661と、その箱状部材661の内部において箱状部材661に固定される電飾基板662と、箱状部材661と軸直角回転部材657との間に配設され半筒形状部651d,655aの先端部に締結固定される配線留め板663と、を備える。
本実施形態では、後述する箱状部材661の回転に伴って、電飾基板662も回転変位することになるので、電飾基板662のコネクタに案内される際に半筒形状部651d,655aの間を通過している電気配線が捻じれたり、配置が無秩序になったりする可能性があるところ、配線を仮留めする貫通孔を有する配線留め板663の機能により、配線の捻じれや、無秩序に配置されることからの回避を図っている。
なお、本実施形態では、電気配線が電飾基板662に固定されていることから、電気配線に捻じれが生じることは避けられない。一方で、第2装飾回転部材660の回転変位は、1回転以上の回転で生じるものでは無く、135度の回転角度で反転する回転変位であるので、電気配線に過度な負担がかかったり、電気配線がねじ切れたりする事態を回避することができる。
第2装飾回転部材660は、略直方体形状から形成され、最長辺を有する長方形側面の最長辺と平行な回転軸(半筒形状部651d,655aにより形成される回転軸)で回転可能に構成される。
軸直角回転部材657は、配線留め板663が抜け止めとして機能し、半筒形状部651d,655aに脱落不能に支持される。第2装飾回転部材660は軸直角回転部材657に締結固定されるので、第2装飾回転部材660が半筒形状部651d,655aから抜ける事態が発生することを回避することができる。
電飾基板662は、板の厚み方向と箱状部材661の厚み方向とが一致するよう配設されている。電飾基板662の厚み方向の側面において、表側に配設され厚み方向に光軸が向くLED等の発光手段により第1演出面661aが照らされ、裏側に配設され厚み方向に光軸が向くLED等の発光手段により第2演出面661bが照らされ、裏側(第2演出面661bを照らす側)に配設され幅方向に光軸が向くLED等の発光手段により第3演出面661cが照らされる。
このように、電飾基板662に配設される発光手段は、各演出面661a~661cを個別に照らすように機能するが、第3演出面661cを照らすLEDが裏側(第2演出面661bを照らす側)に配設されていることで、第2演出面661bが正面側に配置される状態(第1動作ユニット600の張出状態)において第3演出面661c(上側を向く面)を照らすLEDを発光させた場合に、そのLEDの光軸から角度をつけて進行する光により第2演出面661bを照らすことができる。
即ち、電飾基板662の背後にLEDが配置される場合と異なり、光が電飾基板662に隠されることを回避することができるので、第3演出面661cを照らす光により第2演出面661bも照らすことができる。これにより、第2演出面661bを照らす演出態様の種類を増加させることができたり、発光演出時の第2演出面661bの明るさを向上させたりすることができる。
装飾固定部材670は、光透過性の樹脂材料から、装飾用の文字や図形が遊技者に視認可能に形成され、その背面側から斜め左前方に光を照射する電飾基板671を備えている。装飾固定部材670の配置は第3図柄表示装置81の右側で固定であり、装飾固定部材670に対する遊技者の視線は、常に斜め右側に傾斜した視線となる。即ち、電飾基板671から照射される光の方向を左側に傾斜させることで、遊技者の目が配置され易い側に光を照射することができる。
装飾固定部材670は、下縁部および右縁部が背面側に嵩上げ形成されており、上縁部および左縁部と前蓋部材612との間に前後隙間が形成される。この前後隙間は、回動部材620が傾倒変位する際に通る隙間として機能する。
図40は、演出待機状態における第1動作ユニット600の正面図であり、図41は、演出待機状態における第1動作ユニット600の背面図であり、図42は、図40の矢印XLII方向視における第1動作ユニット600の側面図である。なお、形状の理解を容易とするために、ベース部材611(図38参照)及び締結ネジの図示は省略している。
演出待機状態において、駆動伝達装置630の円筒部634aの変位開始方向SD1は、伝達長孔623の長手方向に沿う(例えば、平行となる)ように構成される。これにより、円筒部634aが伝達長孔623に摺動しながら変位開始する際の変位抵抗を低減することができる。即ち、変位開始時は、変位途中に比較して慣性の補助を得られず、駆動モータ631で発生させる必要のある駆動力が大きくなり易いところ、本実施形態のように変位抵抗を低減するように構成することで、変位開始時に駆動モータ631にかかる負担の低減を図ることができる。
また、同様のことが、張出状態(図45参照)における円筒部634aの変位開始方向SD2についても成立するように構成される。即ち、本実施形態では、回動部材620の両終端位置(演出待機状態の位置、張出状態の位置)における伝達長孔623に配置される円筒部634aの変位方向が、伝達長孔623の長手方向に沿う(例えば、平行となる)ように円筒部634aの変位(即ち、伝達ギアカム634の形状)が設計される。これにより、回動部材620の両終端位置からの変位開始時に駆動モータ631にかかる負担の低減を図ることができる。
図41に示すように、中間ギア644に両側から、回動部材620のギア歯部625と、第1装飾回転部材650のギア歯654aと、が噛み合う。本実施形態では、ギア歯部625の半径R1と、ギア歯654aの半径R2とが同じ長さで設計されているので、中間ギア644に対するギア歯部625の回転角度と、中間ギア644に対する後側回転部材654の回転角度と、は同角度とされる。
従って、後側回転部材654の回転角度を、中間ギア644とギア歯部625との間で生じる回転角度(角度θ)の設計次第で、変化可能に構成することができる。
図42に示すように、前側回転部材652のギア歯652aと、軸直角回転部材657のギア歯657aとが噛み合っており、前側回転部材652に伝達された回転駆動力が、回転軸の直交する第2装飾回転部材660に伝達される。
第2装飾回転部材660の回転角度はギア歯657aの回転角度と同様であり、ギア歯657aの回転角度は前側回転部材652のギア歯652aの回転角度に比例する。即ち、第2装飾回転部材660の回転角度は、中間ギア644とギア歯部625(図41参照)との間で生じる回転角度に比例する。
なお、本実施形態では、ギア歯657aの回転角度と、ギア歯652aの回転角度とが同じ(ギア比が1)となるように構成されるので、第2装飾回転部材660の回転角度は、中間ギア644とギア歯部625との間で生じる回転角度と同じとなる。
次いで、第1動作ユニット600の演出待機状態からの変位について、時系列で説明する。図43は、中間演出状態における第1動作ユニット600の正面図であり、図44は、中間演出状態における第1動作ユニット600の背面図である。また、図45は、張出状態における第1動作ユニット600の正面図であり、図46は、張出状態における第1動作ユニット600の背面図である。なお、形状の理解を容易とするために、ベース部材611及び締結ネジの図示は省略している。
演出待機状態と中間演出状態との間で、回動部材620の回動角度は19度に設定され、中間演出状態と張出状態との間で、回動部材620の回動角度は26度に設定されている。
第1動作ユニット600の中間演出状態では、第2装飾回転部材660の箱状部材661が、幅の狭い第3演出面661cを正面側に向けた姿勢とされる。第1動作ユニット600の張出状態では、第2演出面661bが正面側を向くように構成される(図45参照)。
図44に示すように、案内長孔616は、上端部から上下方向に延びる直線上に形成される直線状部616aと、その直線状部616aの下端部と連結され曲線上(略円弧形状)に形成される曲線状部616bと、を備える。
第1動作ユニット600の中間演出状態では、軸線O1が直線状部616aの下端位置、即ち、直線状部616aと曲線状部616bとの連結部分に配置されている。一方で、図46に示すように、第1動作ユニット600の張出状態では、軸線O1が曲線状部616bの下端位置に配置されている。
従って、演出待機状態と中間演出状態との間における軸線O1の変位は、直線状部616aに沿う直線状変位となり、中間演出状態と張出状態との間における軸線O1の変位は、曲線状部616bに沿う曲線状変位となるように構成される。
第1動作ユニット600は、上述のように状態変化可能に構成されており、その状態変化の基端側に配置されるのは回動部材620である。即ち、回動部材620が駆動伝達装置630からの駆動力を受けて変位し、その回動部材620の変位に被支持部材640、第1装飾回転部材650及び第2装飾回転部材660が従動する。
そのため、対策なしでは、案内長孔616に案内される部分の摺動変位によって案内長孔616との間で生じる変位抵抗が大きくなる可能性があるが、本実施形態では、回動部材620の変位方向に案内長孔616の長手方向が沿うように構成されることで、その抑制を図っている。
例えば、演出待機状態(図41)からの回動部材620のギア歯部625の変位は、下方へ傾動する変位であるところ、案内長孔616も下方に延びるように形成されている。また、例えば、張出状態(図46参照)からの回動部材620のギア歯部625の変位は右斜め上方向に起き上がる変位であるところ、案内長孔616も右斜め上に延びるように形成されている。
このように、回動部材620の変位方向と、案内長孔616の長手方向と、を沿わせるようにすることで、案内長孔616の内部を変位する部分(及び軸線O1)の変位抵抗を抑制することができる。
次いで、図47を参照して、案内長孔616の形状が及ぼす効果について他の効果も含めて説明する。図47は、回動部材620の回動変位に伴う被支持部材640の変位量および変位角度を模式的に示す模式図であり、図48(a)及び図48(b)は、回動部材620が角速度一定の態様で傾倒方向に回動した場合における被支持部材640の従動側の変位量の大小関係を示す模式図である。なお、数値の正負は、正が下方への変位量、負が上方への変位量として図示され、図48(b)では、図48(a)の数値が棒グラフとして図示される。
図47では、回動部材620の回動に伴う被支持部材640の支持位置の配置が、回動部材620の回動角度として10度間隔で図示されるており、第1動作ユニット600の張出状態における姿勢の回動部材620が実線で図示される。
図47において、角度θは、軸線O1及び円形貫通孔624の中心を結ぶ線分と、円形貫通孔624の中心および筒状部622の中心を結ぶ線分と、の間の角度として図示されている。
案内長孔616は、軸線O1が配設される被支持部材640の端部を案内する長孔として機能する。案内長孔616における変位は、回動部材620の円形貫通孔624に連結される被支持部材640の筒状部642が回動部材620の回動に伴って変位することにより生じる変位であるので、以下において、被支持部材640の筒状部642を被支持部材640の主動側とも称し、軸線O1が配設される被支持部材640の端部を被支持部材640の従動側とも称する。
回動部材620を中心とする動作の概要について説明する。回動部材620に支持される被支持部材640の上下変位は、回動部材620の回動による回動先端(被支持部材640の主動側)の上下変位と、被支持部材640の姿勢変位に伴う被支持部材640の従動側の上下変位とが合算された結果として生じる。
演出待機状態においては、被支持部材640が縦姿勢であることに加え、回動部材620の変位の速度成分が上下に比較して左右方向が大きい(回動腕の配置が鉛直から左右45度の範囲)。即ち、上下方向の変位としては、小さくなる条件が2重に揃っている。
これらは共に、張出状態においては逆になり、上下方向の変位が大きくなる条件が2重に揃うことになる。従って、下降変位開始時は速度が小であり、下降変位終端において速度が大という状況が生じ易い構成となっている。
次いで、回動部材620を中心とする動作の詳細について説明する。演出待機状態から張出状態へ向けた回動部材620の変位(傾倒変位)について説明する。回動部材620が傾倒変位する場合、被支持部材640の従動側は主に自重により変位する。
そのため、案内長孔616が鉛直方向に形成される場合、被支持部材640の従動側は勢いよく落下する可能性がある。一方で、本実施形態では、第1動作ユニット600を中間演出状態(傾倒変位の途中位置、図44参照)で停止させられる方が好ましい。
そこで、本実施形態では、案内長孔616の形状として、直線状部616aの下方に曲線状部616bを組み合わせる態様を採用している。これにより、直線状部616aを自重により被支持部材640の従動側が変位し曲線状部616bに進入する際に、被支持部材640の従動側にかかる変位抵抗の増加を図ることができる。これにより、被支持部材640の従動側が中間演出状態における配置を超えて勢いよく落下することを防止し易くすることができる。
直線状部616aにおける被支持部材640の従動側の変位について説明する。被支持部材640の従動側が直線状部616aを変位する際、被支持部材640の主動側が直線状部616aの延長線を跨ぐ。即ち、演出待機状態では被支持部材640の主動側は直線状部616aよりも右側に配置され(図41参照)、中間演出状態では被支持部材640の主動側は直線状部616aよりも左側に配置される(図44参照)。そのため、回動部材620が方向転換せずに傾倒変位する間に、被支持部材640の従動側は上下方向に往復変位する。
これにより、回動部材620の回動角度の大きさに比較して、被支持部材640の従動側の上下方向の変位を小さく維持することができるので、被支持部材640の従動側が直線状部616aに配置されている間において、被支持部材640が、あたかも被支持部材640の従動側を中心として回動変位しているような変位態様で遊技者に見せることができる。
この変位態様によれば、被支持部材640の従動側を中心とした回動変位による助走を利用して左右方向のスライド変位を生じさせることができるので、変位開始時から被支持部材640全体を左右方向にスライド変位させる場合に比較して、変位に要する負荷を低く抑えることができる。そのため、被支持部材640の動作開始時に要する負荷を低減することができ、駆動モータ631に要求される性能の程度を低くすることができる。これにより、駆動モータ631の低コスト化を図ることができる。
一方で、被支持部材640の従動側の変位が小さく抑えられていながら、回動部材620の回動変位に伴い被支持部材640の主動部の変位は十分に確保されており、被支持部材640の主動部を基準とした被支持部材640の従動側の回転方向は背面視反時計回り方向に維持される(方向が切り替えられることが無い)。これにより、上述のように、被支持部材640の姿勢変化の方向および第2装飾回転部材660の回転方向は切り替えられることなく(反転することなく)維持される。
これにより、遊技者に対して、被支持部材640及び第2装飾回転部材660が往復動作(戻り動作)しているような印象を与えることを回避することができ、第2装飾回転部材660の変位態様を勢いのある変位態様とすることができる。
また、回動部材620の回動変位に伴う被支持部材640の主動部の変位が十分に確保されている状況下においても、被支持部材640の主動部の変位方向は水平方向成分が大きく、且つ、重力方向に沿う方向(下方)向きの変位であるので、回動部材620を変位開始させるために要求される負荷を低減することができ、駆動モータ631に要求される性能の程度を低くすることができる。これにより、駆動モータ631の低コスト化を図ることができる。
曲線状部616bにより生じる作用について説明する。直線状部616aと曲線状部616bとの連結部に被支持部材640の従動側が配置される状態が第1動作ユニット600の中間演出状態として規定されている。上述のように、演出待機状態から中間演出状態までの回動部材620の回動角度は19度である。そのため、被支持部材640の従動側が曲線状部616bに配置される状態は、おおよそ、図48の角度幅20度~45度の範囲に対応する。
まず、前提として、案内長孔616に曲線状部を採用する必然性は無い。即ち、上述のように中間演出状態において変位抵抗を増加させるために屈曲するような箇所の採用の有無に関わらず、案内長孔616を直線状の部分のみで構成しても良い。
一方、本実施形態では、敢えて曲線状部616bを採用することにより、変位終端において被支持部材640の従動側の速度が過大となることの防止を図っている。これについて、以下で説明する。
直線状部616aに案内される場合も、曲線状部616bに案内される場合も、回動部材620に連結される被支持部材640の主動側が下方変位する際に、被支持部材640の従動側が下方変位することは同じである。
違いとして、曲線状部616bに案内される場合において、曲線状部616bの上半部では、被支持部材640の従動側が被支持部材640の主動側の変位向き(左向き)と相反する向き(右向き)に変位案内されるように曲線状部616bが形成され、曲線状部616bの下半部では、被支持部材640の従動側が被支持部材640の主動側の変位向き(左向き)に沿う向き(左向き)に変位案内されるように曲線状部616bが形成される。
これにより、被支持部材640の主動側の下方への変位量が大きくなる前(傾倒開始側)においても、被支持部材640の従動側の変位が左右に振られていることで、被支持部材640の従動側の変位速度を大きく確保することができる。
これにより、回動部材620の傾倒変位の変位終端において被支持部材640の従動側の変位速度が過大となることを防止することができる。即ち、被支持部材640の従動側を特定の初期位置から終端位置まで任意の経路で上下変位させる場合、変位に要する時間が同じであれば、上下方向の速度を積分した結果は等しくなるので、変位開始時にゆっくりと変位する場合には、終盤に変位速度が大きくなる。
図47に比較として図示する上下方向に延びる直線上に案内される仮想軸線OE1に被支持部材640の従動側が配置される場合、回動部材620の傾倒変位開始側から、変位速度が漸増することになり、被支持部材640の変位終端(変位下端)において最大となる。換言すれば、回動部材620が10度回転して変位下端に到達する間の案内長孔616に案内される軸線O1の上下変位量UX1に比較して、同じ間の仮想軸線OE1の上下変位量UE1は大きくなる。
そのため、仮想軸線OE1の変位態様では、被支持部材640の従動側が跳ね戻る動作をする可能性があり、被支持部材640を変位下端で停止させる演出を行う場合には、第1動作ユニット600の演出に悪影響を与える。
これに対し、本実施形態では、案内長孔616に曲線状部616bを採用することで、被支持部材640の従動側の変位速度が大きくなる範囲を回動部材620の傾倒変位の変位開始側にも割り振るよう図っており、被支持部材640の従動側の変位速度の均一化を図っている。
この場合の均一化とは、変位の全範囲に亘って速度を同一となるように寄せることを意味するものばかりでは無く、速度の大小幅を抑制することを含む意味で用いられる。特に、本実施形態では、回動部材620の傾倒変位において、曲線状部616bへの進入開始側において被支持部材640の従動側の変位速度が漸増し、曲線状部616bの下半部に進入開始してから被支持部材640の従動側の変位速度が漸減するよう構成されている。
即ち、曲線状部616bに被支持部材640の従動側が案内されている場合において、被支持部材640の従動側の変位速度に速度差を設けることで、被支持部材640の変位が単調となることを回避することができる。
更に、曲線状部616bの下端側部において被支持部材640の従動側に要求される速度、即ち、単位時間に要求される変位量を小さくすることにより、回動部材620を上方へ動作(起き上がり動作)させる場合の駆動開始時に、単位時間に被支持部材640の従動側を持ち上げる変位量を小さくすることができるので、駆動モータ631にかかる負担を軽減させることができる。
次いで、図49を参照して、回動部材620の回動変位に伴う第2装飾回転部材660の回転について説明する。図49は、回動部材620の回転に伴う角度θ[度]の変化を示す模式図である。
角度θは、円形貫通孔624を中心とする回動部材620と被支持部材640との相対回転角度と同一視でき、第2装飾回転部材660の回転に直結する。即ち、角度θの大小に対応して、第2装飾回転部材660の回転角度の大小が規定される。
なお、本実施形態では、回動部材620のギア歯部625と第1装飾回転部材650のギア歯654a(図39参照)との回転伝達比、及びギア歯652aと軸直角回転部材657のギア歯657a(図38参照)との回転伝達比、が共に1に設定されている。そのため、角度θと、軸直角回転部材657との回転角度とは同一となることから、角度θの変化を、第2装飾回転部材660の姿勢の変化として把握することができる。
角度θの変化は、第1動作ユニット600の演出待機状態(図41参照)から第1動作ユニット600の中間演出状態(図44参照)までが45度であり、第1動作ユニット600の中間演出状態から第1動作ユニット600の張出状態(図46参照)までが90度である。
演出待機状態では、第2装飾回転部材660は第1演出面661aを45度だけ左方(第3演出面661cを45度だけ右方)に傾けた姿勢とされているので、角度θの変化に従って、状態が中間演出状態、張出状態と順に切り替えられるごとに、第2装飾回転部材660が45度回転することで第3演出面661cが正面側に向き(図43参照)、次いで第2演出面661bが正面側を向く(図45参照)。
角度θの設定は、被支持部材640の姿勢を規定するための案内長孔616の設計により実現されている。即ち、本実施形態では、第2装飾回転部材660の配置および角度θに応じた第2装飾回転部材660の姿勢の両方を満たすように案内長孔616が設計されている。
これにより、本実施形態のように、検出センサKS1として回動部材620の配置を検出するセンサしか配設しない場合であっても、検出センサKS1の出力を基にして第2装飾回転部材660の配置および姿勢を音声ランプ制御装置113(図4参照)が判定することができる。
即ち、検出センサKS1の検出溝に伝達ギアカム634の延設部634bが配置されていれば第1動作ユニット600の演出待機状態(図41参照)であると判定でき、その状態からの駆動モータ631の回転角度から回動部材620の回動角度、第2装飾回転部材660の配置および姿勢を判定することができる。
ここで、角度θの変化量は、回動部材620の回動角度量に比例するものではない。そのため、駆動モータ631の回転角度から第2装飾回転部材660の配置および姿勢を判定する際には、駆動モータ631の回転角度から比例計算で数値を求めれば良いわけではない。また、これにより、回動部材620を一定速度で回動する場合にあっても、第2装飾回転部材660の回転速度が一定となることを避けることができる。以下、このことについて説明する。
角度θの変化は、被支持部材640の従動側の変位速度の変化量の大小変化と概ね同様である。即ち、演出待機状態から中間演出状態までの角度変化(回動部材620が5度回動する間に約13度)に比較して、中間演出状態から張出状態までの角度変化の方が概ね大きい(被支持部材640の従動側が曲線状部616bの上半部に配置される間において、回動部材620が5度回動する間に約20度)。
一方で、中間演出状態から張出状態までの角度変化は、被支持部材640の従動側が曲線状部616bの下半部への進入位置程度から漸減し、最終的には演出待機状態から中間演出状態までの角度変化の水準以下になる(約7度まで低下する)。
このように、回動部材620の単位角度あたりの回動に対する角度θの数値が大小で変化するように構成されることで、同様に第2装飾回転部材660の回転角度の大小が変化するように構成することができる。即ち、角度θの数値が小さい範囲では、第2装飾回転部材660の回転角度が小さくなり易く、その姿勢を維持し易い状態とできる一方で、角度θの数値が大きい範囲では、第2装飾回転部材660の回転角度が大きくなり易く、遊技者側に向ける面(演出面661a~661c)を迅速に変化させ易い状態とすることができる。
上述の構成から、第2装飾回転部材660の変位動作に緩急を形成することができる。第2装飾回転部材660の変位動作では、上述の通り、被支持部材640の変位に伴う配置変更および姿勢変更と、半筒形状部651d,655aにより形成される筒状部の中心に形成される回転軸を中心とした回転変位と、が同時に実行される。
半筒形状部651d,655aにより形成される筒状部を中心とした回転変位の回転角度(角速度)は、被支持部材640の従動側が案内長孔616の直線状部616aから曲線状部616bに進入するタイミングで目立って大きくなる。
即ち、傾倒変位において、中間演出状態に到達するまでは第2装飾回転部材660の回転角度は抑えられており、中間演出状態における被支持部材640の従動側の配置から多少上下(跳ね戻り)したとしても、第2装飾回転部材660が第3演出面661cを正面側に向ける状態(図43参照)での維持を図ることができる。
一方、中間演出状態から被支持部材640の従動側が下方へ変位すると、回動部材620が一定速度で回動する場合の第2装飾回転部材660の回転速度は増大し、回転方向の姿勢変化が目立って視認される。即ち、遊技者に対して、第2装飾回転部材660が瞬時に回転変位しているように視認させることができる。
なお、本実施形態では、回動部材620の回動終端(変位下端)において第2装飾回転部材660の第2演出面661bが正面側に向けられ、装飾固定部材670と近接配置された状態で一体的に視認される関係上(図28参照)、回動部材620が変位下端に配置された状態から被支持部材640の従動側が上方へ跳ね戻ることを防止できることが望ましい。
これに対し、本実施形態では、上述のように案内長孔616の曲線状部616bbを構成することで、被支持部材640の従動側の変位速度を均一化しているので、回動部材620が変位下端に配置された状態における被支持部材640の従動側の変位速度が過大となることを予め防止することができ、被支持部材640の跳ね戻りを防止することができる。
このように変位速度が均一化されていることに加え、回動部材620の下降変位終端における被支持部材640及び第2装飾回転部材660の中心部の配置(例えば、筒状部643の配置)が、回動部材620の回転軸としての支持締結部615に最接近するよう構成されている。これにより、回動部材620の回動先端側に支持される被支持部材640や第2装飾回転部材660の重量により回動部材620の回動先端が暴れることを回避でき、回動部材620の回動変位を安定させることができる。
加えて、曲線状部616bの下半部は、回動部材620の変位下端において被支持部材640の従動側の、回動部材620の円形貫通孔624を中心として跳ね戻る方向(左上方向)への変位を好適に妨害するように構成される。即ち、曲線状部616bの下半部は、左上方向に傾斜する方向が短手方向となっており、この方向への被支持部材640の従動側の変位を抑制することができるので、被支持部材640の跳ね戻りを防止することができる。
換言すれば、本実施形態では、被支持部材640の主動側の変位に追従して被支持部材640の従動側が変位する際の変位方向と、被支持部材640の主動側が変位終端で停止した場合における被支持部材640の従動側の変位方向と、が異なる。
前者は、案内が無ければ被支持部材640の主動側の変位方向(回動部材620の回動方向)に沿って左下方への変位となると想定されるが、本実施形態では、案内長孔616に案内されることで、案内長孔616に沿う方向として左右方向に若干振られ、下方へ変位する。
一方、後者は、被支持部材640の主動側を中心とした円上の軌道となるので、案内長孔616を沿う方向ではなく、案内長孔616の短手方向に沿う変位方向となる。これにより、被支持部材640の従動側の変位を抑制することができ、被支持部材640の跳ね戻りを防止することができる。
回動部材620の起き上がり方向変位の特徴について説明する。第1動作ユニット600の張出状態から演出待機状態への状態変化において、回動部材620は起き上がり方向に変位する。
回動部材620を起き上がり変位させる際に要する負荷(即ち、駆動モータ631で生じる駆動力)は、主に、回動部材620、被支持部材640及び被支持部材640に配設される第1装飾回転部材650及び第2装飾回転部材660を上昇変位させることと、第2装飾回転部材660を回転させることとに利用される。
即ち、第2装飾回転部材660の回転角度が小さいほど、回動部材620を起き上がり変位させる際に要する負荷を低減することができる。
ここで、図49に示すように、本実施形態では、第1動作ユニット600の張出状態から回動部材620が回動変位を開始する時点において、第2装飾回転部材660の回転角度に比例する角度θの値が最低となるように設計されている。そのため、回動部材620を起き上がり変位させる際に要する負荷の低減を図ることができる。
回動部材620の起き上がり方向変位の上昇変位終端において、被支持部材640の延設支持部646を中心とした第2装飾回転部材660の回転軸が、回動部材620の長手方向と沿う姿勢(上下方向を向く姿勢)で配置される。
そのため、回動部材620の上昇変位終端において第2装飾回転部材660の回転変位が停止される際に第2装飾回転部材660の回転方向の慣性力として回動部材620に与えられる負荷を、回動部材620が長手方向を軸としてねじられる態様の負荷として生じさせることができ、回動部材620はその負荷を長手方向に分散させることで局所的には僅かな弾性変位で耐えることができる。
そのため、第2装飾回転部材660の回転軸が回動部材620の長手方向と正面視で直交する場合に比較して、回動部材620が折れるように破損する事態を回避し易くすることができる。加えて、回動部材620の過度な弾性変位は、前蓋部材612との当接により抑制され、回動部材620で受けきれない負荷に関しては前蓋部材612が弾性変形することにより耐えるよう構成できるので、回動部材620の破損を防止することができる。
張出装飾部652bの変位について説明する。張出装飾部652bは軸線O1を中心に回転変位する部材であって、その回転角度は上述の角度θに対応する。従って、演出待機状態から張出状態への変化のように、被支持部材640の従動側の配置変化が小さい場合であっても、角度θが変化していれば張出装飾部652bは回転する。
演出待機状態から張出状態までの角度θの変化は約135度であり、張出装飾部652bは約45度で回転している。ここで、演出待機状態から張出装飾部652bが45度も反時計回りに回転すると、組立状態(図28参照)において他の動作ユニット800(左右の固定装飾部材)と衝突するように感じるが、本実施形態では、張出装飾部652bの回転の基準となる被支持部材640自体が時計回りに回転する態様で姿勢変化しているので、他の動作ユニット800(左右の固定装飾部材)に衝突することを回避することができる。
換言すれば、張出装飾部652bが被支持部材640を基準として変位可能に構成されることで、張出装飾部652bの変位に要するスペースを削減することができる。
例えば、張出装飾部652bが第1動作ユニット600の張出状態において被支持部材640を基準として固定配置される部分である場合、被支持部材640が張出状態の配置から演出待機状態の配置に変化すると、張出装飾部652bは被支持部材640の左上側に張り出し、他の動作ユニット800に衝突したり、第3図柄表示装置81の表示領域の正面側に張り出し表示を部分的に隠したり、という演出に対する悪影響を及ぼす可能性がある。
これに対し、本実施形態では、被支持部材640の従動側を基準として、被支持部材640の主動側の回転方向とは逆方向に、張出装飾部652bが回転変位するので、被支持部材640が第3図柄表示装置81側に張り出す際には連動して張り出し、被支持部材640が第3図柄表示装置81から退避する側に変位する際には連動して退避する。そのため、退避した状態における張出装飾部652bの配置を、第3図柄表示装置81から離れる側に形成することができる。
遊技者目線における、被支持部材640を基準とした張出装飾部652bの回転角度は、角度θの変化と、被支持部材640の姿勢変化と、の差によって求めることができる。即ち、角度θの変化幅である約135度と、被支持部材640の姿勢変化角度である約90度の差としての45度となる。
ここで、本実施形態では、角度θの変化と、被支持部材640の姿勢変化と、の差が、回動部材620の配置に関わらず等しいよう構成される。即ち、図47に示すように、角度θを、水平線の下側の角度a1,a2と、水平線の上側の角度b1,b2と、で分けた場合に、角度θと、被支持部材640の姿勢変化と、の差は、((a1+b1)-(a2+b2))-(b1-b2)=(a1-a2)と求められ、これは回動部材620の回動角度に等しい。
従って、被支持部材640の姿勢を基準とした張出装飾部652bの回転角度が、回動部材620の回動角度と等しくなるので、回動部材620を角速度一定で回動変位させると、被支持部材640の変位速度は一定ではないにも関わらず、被支持部材640の姿勢を基準とした張出装飾部652bの回転の角速度が一定となる。
そのため、遊技者に対して、被支持部材640に配設される張出装飾部652bが回動部材620を駆動させる駆動モータ631とは別の駆動手段で、一定角速度で駆動されているかのように視認させることができる。
このように構成することで、張出装飾部652bの被支持部材640を基準とした変位が、遊技者目線で、スライド移動である区間があったり、回転移動がある区間があったりするように見せることができ、張出装飾部652bの変位態様を、あたかも機械では無いような柔らかい変位態様として視認させることができる。
この作用は、被支持部材640の変位として、スライド方向の変位量に対して姿勢変化が大きい区間と、スライド方向の変位量に対して姿勢変化が小さい区間とを切り分けて設計することで実現することができる。即ち、張出装飾部652bは、回動部材620の回動角度に応じて被支持部材640に対して回転するところ、遊技者目線では、張出装飾部652bの変位が被支持部材640の変位として支配的となる側に影響される。
従って、スライド方向の変位量に対して姿勢変化が大きい区間では張出装飾部652bが回転変位しているように視認させることができ、スライド方向の変位量に対して姿勢変化が小さい区間では張出装飾部652bがスライド変位しているように視認させることができる。
上述したように、回動部材620は、演出待機状態、中間演出状態および張出状態を構成するように回動変位可能とされ、一方の変位終端から他方の変位終端へ変位する場合について説明したが、変位範囲の途中位置で逆方向へ変位するように駆動方向を切り替えても良い。
例えば、演出待機状態から中間演出状態まで回動部材620を回動変位させた後で、駆動モータ631の駆動方向を反転させることで、演出待機状態に戻すように制御しても良い。この場合、回動部材620を下降途中で停止させる必要があるので、停止位置を正確にするためには、回動部材620の回動速度を低めに設定させる必要が生じる可能性がある。
一方で、本実施形態では、演出待機状態に比較して、中間演出状態付近において角度θ(図49参照)の数値が増大傾向に変化する。角度θの大小は、上述のように、第2装飾回転部材660の回転の大小に対応する。
従って、第2装飾回転部材660の回転量が増大する中間演出状態付近において、駆動力の内で第2装飾回転部材660に振り分けられる分が多くなることから、相対的に、回動部材620の回動変位に振り分けられる分を少なくすることができ、自動的に回動部材620の回動変位を抑制することができる。
換言すれば、第2装飾回転部材660の回転量が増大することに伴って、回動部材620の回動速度を低下させることができるので、予め回動部材620の回動速度を低めに設定しておかなくとも、中間演出状態付近において回動部材620を停止させ易くすることができる。
次いで、第2動作ユニット700について説明する。第2動作ユニット700は、背面ケース510の開口511aよりも下側において底壁部511に締結固定される動作ユニットであって、第3図柄表示装置81(図28参照)を見る遊技者の視界を確保するために開口511aよりも下側に退避する演出待機状態(図28参照)と、第3図柄表示装置81の正面側に配置され注目を集める張出状態(図30参照)と、その間の状態としての中間演出状態(図35参照)とで、主に状態が切り替えられる。
図50は、背面ケース510及び第2動作ユニット700の分解正面斜視図であり、図51は、背面ケース510及び第2動作ユニット700の分解背面斜視図である。図50及び図51では、主に昇降反転演出装置770の周辺の部材が分解された状態で図示され、昇降反転演出装置770については非分解の状態で図示される。
図50及び図51に示すように、第2動作ユニット700は、背面ケース510の右下隅部に締結固定される右側前板部材710と、その右側前板部材710と背面ケース510との間に配置され背面ケース510の円筒状突設部511bを中心に回動可能とされる回動アーム部材720と、その回動アーム部材720に駆動力を伝達可能に構成される駆動伝達装置730と、回動アーム部材720の先端部が案内可能に連結され昇降変位可能に構成される昇降板部材740と、その昇降板部材740の背面側において背面ケース510の左下隅部に締結固定される左側後板部材750と、左右一組で構成され右側前板部材710及び左側後板部材750の前側に締結固定される一組の前側支持部材760と、金属棒702の前側において背面ケース510に締結固定される目隠し装飾部材768と、昇降板部材740及び前側支持部材760に昇降変位と前後方向変位とを組み合わせた態様で変位可能に構成される昇降反転演出装置770と、を備える。
右側前板部材710は、駆動伝達装置730の各構成を支持する伝達支持部711と、左縁部において背面側から凹設され背面ケース510との間に隙間を形成する隙間形成部712と、駆動伝達装置730の被検出部735の配置を検出するために配設される複数(本実施形態では3個)の検出センサ713と、左側部前側において上側へ向かう程に正面側に向かう態様で傾斜形成され昇降反転演出装置770の回転筒部774eを案内可能に形成される前上傾斜部714と、背面ケース510の背面側から挿通される締結ネジが螺入される雌ネジ部が形成される複数の被締結部718と、を備える。
検出センサ713は、フォトカプラ式の複数のセンサが、被検出部735が進入可能となる位置に検出溝を配置するようにして、間隔を空けて配設されている。各検出センサ713は、それぞれ、第2動作ユニット700の演出待機状態における被検出部735の位置、第2動作ユニット700の中間演出状態における被検出部735の位置、第2動作ユニット700の張出状態における被検出部735の位置、に合致するように配設される。
即ち、検出センサ713は、第2動作ユニット700が演出待機状態か、中間演出状態か、張出状態か、により出力を切替可能に構成されており、その出力結果から音声ランプ制御装置113(図4参照)が第2動作ユニット700の状態を把握可能に構成される。
回動アーム部材720は、背面ケース510の底壁部511から正面側に円筒形状に突設される円筒状突設部511bに軸支され、正面視くの字形状の長尺板状に形成される本体部721と、その本体部721の屈曲部において後方へ向けて円筒状に突設され内周側形状が円筒状突設部511bを挿通可能な大きさで形成される支持筒部722と、本体部721の右側端部において長尺方向に沿って長孔状に穿設される長孔部723と、本体部721の左側端部において前方(円筒状突設部711aの突設方向と平行な方向)へ向けて円筒状に突設され内周側に雌ネジが形成される円筒状被締結部724と、その円筒状被締結部724と支持筒部722との中間位置において後方へ円筒状に突設され内周側に雌ネジが形成される円筒状被締結部725と、支持筒部722の周囲に巻き付けられ背面ケース510との間で本体部721に上昇方向(左側部を持ち上げる方向)の付勢力を与えるトーションばねSP2と、を備える。
本体部721の左側部は、支持筒部722の基端側部に比較して正面側に配置がずれるように段が形成されており、その段により背面側に形成される隙間部に支持板701が配設される。
支持板701は、背面ケース510の底壁部511に締結固定される板状部であり、円筒状被締結部725を案内可能に穿設される円弧状の長孔部701aを備える。長孔部701aにリング状のカラーC3を挟んで挿通される締結ネジが円筒状被締結部725に螺入されることで、円筒状被締結部725を介して回動アーム部材720は支持板701に脱落不能に支持される。
支持板701は背面ケース510の底壁部511に締結固定されるので、回動アーム部材720の左側部は背面ケース510から正面側へ離間変位することが制限される。これにより、回動アーム部材720の左側にかけられる荷重により回動アーム部材720が正面側に傾倒する変位が生じることを防止することができるので、回動アーム部材720の変位を安定的に支持することができる。
本体部721の右側部は、背面ケース510と隙間形成部712との間の隙間に配置される。即ち、本体部721の右側部の前後方向の変位は、背面ケース510と隙間形成部712とにより制限される。
長孔部723は、幅中心を通り長尺方向に延びる直線が支持筒部722の中心を通る形状で形成される。従って、長孔部723に与えられる負荷が長孔部723の長尺方向を向く場合には、その負荷の回動アーム部材720の回動方向成分は0となる。
駆動伝達装置730は、回動アーム部材720の長孔部723を介して駆動力を伝達する装置であって、右側前板部材710に前側から締結固定される駆動モータ731と、その駆動モータ731の駆動軸に固定される駆動ギア732と、その駆動ギア732に歯合される伝達ギア733と、その伝達ギア733に歯合されるギアカム部材734と、を備える。
伝達ギア733及びギアカム部材734は、対応する位置において右側前板部材710の背面側に円筒状に突設される複数の円筒状突設部711aにそれぞれ軸支される。円筒状突設部711aの内周側には雌ネジが形成されており、伝達ギア733やギアカム部材734の軸孔に挿通される締結ネジが螺入可能となっている。これらの締結ネジが螺入固定されることで、伝達ギア733やギアカム部材734が円筒状突設部711aに脱落不能に軸支される。
伝達支持部711は、上述の円筒状突設部711aと、ギアカム部材734を軸支する円筒状突設部711aを中心とした円弧状に穿設される円弧状孔711bと、を備える。
ギアカム部材734は、回転軸部を中心とした円弧形状で正面側へ突設され円弧状孔711bに挿通可能に形成される被検出部735と、ギア部よりも長径となるように延設される延設部736と、その延設部736の先端部から背面側へ円筒状に突設される円筒状突設部736aと、を備える。
被検出部735は、右側前板部材710の検出センサ713の検出溝に配置可能に形成されており、検出センサ713からの出力によってギアカム部材734の姿勢を音声ランプ制御装置113(図4参照)が検出可能にするための部分として構成される。
円筒状突設部736aは、回動アーム部材720の長孔部723に挿通可能に形成されており、円筒状突設部736aの変位が長孔部723を介して回動アーム部材720に伝達される。
円筒状突設部736aの内周側には雌ネジが形成されており、リング状のカラーC3の中心孔に挿通される締結ネジが螺入可能となっている。この締結ネジが螺入固定されることで、回動アーム部材720が円筒状突設部736aに脱落不能に連結される。
昇降板部材740は、回動アーム部材720の回動に伴い昇降変位する部材であって、左端側に配置され上下方向に案内される被案内部材741と、その被案内部材741の下端側に締結固定される左右に長尺の横長部材742と、を備える。
被案内部材741は、背面ケース510に長尺方向を上下方向に揃えた姿勢で固定される金属棒702が挿通可能に形成され、金属棒702に沿った上下方向変位が可能とされる。被案内部材741の左右両側から背面側へ突設される突条部の先端が背面ケース510の底壁部511と当接することで、被案内部材741の軸回転が規制されることになり、被案内部材741の姿勢の安定化が図られている。
被案内部材741の姿勢が安定化されることに伴い、その被案内部材741に締結固定されている横長部材742の姿勢の安定化が図られている。
横長部材742は、回動アーム部材720の円筒状被締結部724が挿通可能な上下幅で左右に長尺の長円形状で穿設される長孔部743と、その長孔部743の上側において正面側に円筒状に突設される円筒状部744と、その円筒状部744を基準として左右に等距離だけ離れた位置における底部の下方に配設される一対の案内部745と、を備える。
長孔部743にリング状のカラーC3を挟んで挿通される締結ネジが円筒状被締結部724に螺入されることで、円筒状被締結部724を介して昇降板部材740は回動アーム部材720に脱落不能に支持される。
円筒状部744は、昇降反転演出装置770の挿通筒状部773が挿通され、昇降反転演出装置770を前後変位可能な状態で支持する部分である。即ち、昇降反転演出装置770は、昇降板部材740に固定されるのではなく、昇降板部材740を基準とした前後変位が可能な態様で昇降板部材740の正面側に配設される。
円筒状部744及び挿通筒状部773の周囲を巻くようにコイルスプリングCS2が配設される。コイルスプリングCS2の付勢力は、昇降板部材740と昇降反転演出装置770とを引き離す方向に作用する。
案内部745は、左右一対で構成されており、前後に長尺の板部745aと、その板部745aから左右外側へ突設される前後一対の軸部に回転可能に軸支される回転筒部745bと、を備える。
回転筒部745bは、上述した昇降反転演出装置770が前後変位する際に回転し、前後方向変位を案内する部分として機能するが、詳細は後述する。
左側後板部材750は、右側前板部材710の前上傾斜部714と同様に、右側部前側において上側へ向かう程に正面側に向かう態様で傾斜形成され昇降反転演出装置770の回転筒部774eを案内可能に形成される前上傾斜部751と、背面ケース510の背面側から挿通される締結ネジが螺入される雌ネジ部が形成される複数の被締結部752と、を備える。
目隠し装飾部材768は、光透過性の樹脂材料から立体形状に形成される立体装飾部768aを備え、その立体装飾部768aの背面側にはLEDが正面側に固定される基板が配置されており、LEDから照射される光で立体装飾部768aを光らせることができるよう構成される。
前側支持部材760は、それぞれ、締結ネジが挿通される挿通孔を有して構成される固定用板部761と、その固定用板部761の左右内側に隣設配置され板背面が上側へ向かう程に正面側に向かう態様で傾斜形成される受傾斜部762と、を備える。
固定用板部761は、挿通孔に正面側から挿通される締結ネジが、対応する雌ネジ部に螺入されることで右側前板部材710又は左側後板部材750の正面側に締結固定される板部である。
この固定位置において、受傾斜部762は、前上傾斜部714,751の前方に配置される。即ち、受傾斜部762及び前上傾斜部714,751により案内経路が形成され、この案内経路に昇降反転演出装置770の回転筒部774eが案内されることで、昇降反転演出装置770は前後方向に変位しながら昇降変位するよう構成されている。以下、この昇降変位について説明する。
図52(a)は、図28のLIIa-LIIa線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図であり、図52(b)は、図28のLIIb-LIIb線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図である。図52(a)及び図52(b)では、第2動作ユニット700の演出待機状態が図示される。
図53(a)は、図33のLIIIa-LIIIa線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図であり、図53(b)は、図33のLIIIb-LIIIb線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図である。図53(a)及び図53(b)では、第2動作ユニット700の中間演出状態が図示される。
図54(a)は、図30のLIVa-LIVa線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図であり、図54(b)は、図30のLIVb-LIVb線における第2動作ユニット700及びセンターフレーム86の断面図である。図54(a)及び図54(b)では、第2動作ユニット700の張出状態が図示される。
図52から図54に示す第2動作ユニット700の昇降反転演出装置770の昇降変位は、駆動伝達装置730の駆動力が回動アーム部材720に伝達されることで生じる。昇降反転演出装置770の昇降変位の際の駆動力伝達について説明する。なお、この説明では、図28、図30及び図33を適宜参照する。
演出待機状態(図28参照)からの駆動力伝達開始時において、ギアカム部材734の円筒状突設部736a(図51参照)の変位方向は、回動アーム部材720の長孔部723の長尺方向と平行になるように設計されているので、ギアカム部材734の回転開始時に生じる変位抵抗を抑制することができる。また、同様のことが、張出状態においても成立する。
一方、中間演出状態(図30参照)では、円筒状突設部736aの変位方向が長孔部723の長尺方向と直交することから、ギアカム部材734が回動アーム部材720から回転方向に受ける変位抵抗が極大化することで、ギアカム部材734の回転変位を停止させ易くすることができる。
図52から図54に示すように、第2動作ユニット700の昇降反転演出装置770は、センターフレーム86の下側においては背面側に配置され、センターフレーム86の内側へ向けて上昇変位することに伴って、前後方向においては正面側に変位するよう構成される。
この変位の変位抵抗は、昇降反転演出装置770の回転筒部774eが受傾斜部762及び前上傾斜部714,751に案内される構成と、昇降反転演出装置770の第1横板774b及び第2横板774cが昇降板部材740の回転筒部745bに案内される構成と、により、低減される。
即ち、一対の回転筒部774eは、左右対称な位置に配置される受傾斜部762及び前上傾斜部714,751(前上傾斜部751は、図52には図示されない左側に配置、図56参照)の傾斜角度と平行に並ぶよう設計されており、回転筒部774eが筒状部774d中心に転動することで、受傾斜部762及び前上傾斜部714,751に沿った変位を行う本体部材771の変位抵抗を低減することができる。
更に、前後に整列される回転筒部745bの配置として、前側の回転筒部745bを若干上側に配置する設計とすることで、本体部材771の傾倒変位の抑制を図ることができ、これにより回転筒部774eが受傾斜部762及び前上傾斜部714,751に過大な負荷を与えることを回避している。
即ち、本実施形態では、演出装置780の重心位置(回転軸位置)が本体部材771の前後中心よりも若干前側に位置するような設計とされており、本体部材771は常時、重力により前傾方向に付勢されている。この付勢力の影響から、第1横板774b及び第2横板774cには、前側が下がり、後側が上がるような変位が生じやすい。
これに対し、本実施形態では、第1横板774bの前側が下がる時に近接配置される前側の回転筒部745bが若干上方に配置されており、第2横板774cの後側が上がる時に近接配置される後側の回転筒部745bが若干下方に配置されている。従って、本体部材771の前傾変位を効果的に抑制することができる。
更に、この構成によれば、前側の回転筒部745bは、第2横板774cとの間に隙間が生じていることから第1横板774bとの間での転動を安定的に生じさせ、後側の回転筒部745bは、第1横板774bとの間に隙間が生じていることから第2横板774cとの間での転動を安定的に生じさせることができる。これにより、回転筒部745bの転動を正常に生じさせることができ、本体部材771が前後方向に変位する際の変位抵抗を低減することができる。
昇降反転演出装置770の正面側への変位は、上述の形状的な案内のほかに、コイルスプリングCS2の付勢力により生じる。そのため、昇降反転演出装置770が正面側へ変位する上昇変位時の方が、下降変位時に比較して、前後方向変位の変位抵抗を低減することができる。
昇降反転演出装置770の上下変位は、駆動モータ731の駆動力により行われるところ、その駆動力は、鉛直方向の変位と、前後方向の変位とに振り分けられる。鉛直方向の変位において、重力に対抗する必要性から、上昇方向の変位の負担が比較的大きくなるが、この場合における前後方向の変位をコイルスプリングCS2の付勢力により補助することができる。従って、昇降反転演出装置770を上昇変位させる際に要する駆動力が過大なることを回避することができる。
コイルスプリングCS2は、第2動作ユニット700の中間演出状態(図53参照)において自然長となるように長さが設定される。即ち、昇降反転演出装置770が中間演出状態の配置よりも下側に配置されている場合にはコイルスプリングCS2の付勢力が駆動モータ731の駆動力による昇降反転演出装置770の前後方向の変位を補助する方向に作用する一方、昇降反転演出装置770が中間演出状態の配置よりも上側に配置されている場合には、コイルスプリングCS2の付勢力は昇降反転演出装置770の前後変位に作用しない。
これにより、昇降反転演出装置770の配置を中間演出状態で維持し易くすることができる。例えば、第2動作ユニット700の演出待機状態から駆動モータ731を駆動制御し、第2動作ユニット700を中間演出状態で停止させるよう駆動モータ731を停止制御した場合に、停止タイミングが理想よりも若干早くなったとしても、コイルスプリングCS2の付勢力で第2動作ユニット700を中間演出状態側へ寄せるように変位させることができる。
また、例えば、同様に停止制御した場合に、停止タイミングが理想よりも若干遅くなったとしても、第2動作ユニット700が自重で下降し、且つ、その自重による下降がコイルスプリングCS2の付勢力で抑制されることにより、第2動作ユニット700を中間演出状態側へ寄せて配置を維持することができる。
また、例えば、第2動作ユニット700の張出状態から駆動モータ731を駆動制御し、第2動作ユニット700を中間演出状態で停止させるよう駆動モータ731を停止制御する場合に、昇降反転演出装置770が中間演出状態を下方へ過ぎるとコイルスプリングCS2の付勢力が変位抵抗として作用することから、中間演出状態よりも大きく下方変位することを防止し易くすることができる。そして、駆動モータ731を停止制御した後も、コイルスプリングCS2の付勢力が負荷されることで第2動作ユニット700を中間演出状態側へ寄せることができる。
ここで、昇降反転演出装置770について、昇降変位に伴い前後方向に変位させることによる作用について説明する。前提として、センターフレーム86により縁取られる枠の内外に変位して遊技者の注目を集める状態と遊技者の視界から退避する状態とで切り替えられる可動役物が知られている。
このような可動役物では、センターフレーム86の内側に配置されている時の見映えについて重視した設計のものがほとんどであり、センターフレーム86の外側に退避する状態においては、遊技者から注目はされないという仮定のもとで、見映えについて考慮しないことが多かった。
しかし、最近では、第3図柄表示装置81からセンターフレーム86までの前後距離が長く構成されており、センターフレーム86の内側を通り第3図柄表示装置81の表示領域を見るような視界の端において、センターフレーム86の後側外方位置(遊技領域の背後位置)にまで視線が届くので、センターフレーム86の後側外方位置に退避した状態の可動役物の見栄えが悪いと、遊技者の興趣を低下させる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、覆設部材787の正面側(図52における第1主装飾面787a1)だけでは無く、背面側(図52における第2主装飾面787b1)および上下面(図52における第1副装飾面787a2及び第2副装飾面787b2)に装飾面を形成した上で、昇降反転演出装置770の変位方向を、遊技者側(正面側)を基端として背面側へ向かう程に広がる(後方へ向かう程に下降傾斜する)線、即ち、遊技者の視界の端における視線の方向に沿った変位方向とすることで、各装飾面が遊技者の視界に容易に収まるように構成している。
これにより、覆設部材787の各装飾面を遊技者の視界に無理なく入れることができる。覆設部材787の各装飾面の詳細については後述するが、張出状態(図54参照)において遊技者が視認可能となる前側面(第1主装飾面787a1又は第2主装飾面787b1、図54では第1主装飾面787a1)と、演出待機状態(図52参照)において遊技者が視認可能となる上側面(第1副装飾面787a2又は第2副装飾面787b2、図52では第1副装飾面787a2)と、に形成される装飾(図形、模様、文字または絵柄など)が、互いに関連する装飾として形成される。
換言すれば、第1主装飾面787a1と第1副装飾面787a2とが互いに関連する第1装飾として形成され、第2主装飾面787b1と第2副装飾面787b2とが互いに関連する第2装飾として形成され、且つ、第1装飾と第2装飾とは互いに異なる装飾として形成される。
上側面に形成される装飾は、第2動作ユニット700の演出待機状態においてセンターフレーム86と、その奥側に配置される第3図柄表示装置81(図26参照)との前後隙間に配置されているので、センターフレーム86(図2参照)の外側に形成される遊技領域を流下する球に注目する状態と、第3図柄表示装置81で展開される表示演出に注目する状態と、を切り替えるように遊技者が目線を動かす際に視界に入り易い。
そのため、張出状態において覆設部材787を通して遊技者が視認可能となった装飾の内容(報知内容、例えば、「チャンス」や「大当たり」等)を、演出待機状態においても覆設部材787の上側面を通して遊技者が視認可能とすることができる。
これにより、第3図柄表示装置81を視認し易いように演出待機状態の配置に変位し、目立たないよう配置された覆設部材787に、遊技者の注目を継続して集めさせることができる。
また、後述するように、覆設部材787は遊技者側に向ける装飾面を切り替えるように回転変位可能に構成されているので、張出状態において遊技者が視認可能となる装飾面の内容が異なる場合を生じさせることができる。
例えば、張出状態における覆設部材787の外観を遊技者が確認する前に昇降反転演出装置770が演出待機状態に配置された場合(見逃した場合や、動作速度が過度に速い場合)、前側面からしか装飾面の内容を把握できない構成だと、演出待機状態ではその前側面の大部分が遊技盤13に隠されてしまうので、遊技者は第3図柄表示装置81の表示面で展開される液晶演出に注目せざるを得ず、覆設部材787に対する注目力は低下する。
一方、本実施形態のように、上側面からも装飾面の内容を把握できる構成を採用する場合、遊技者は、演出待機状態における昇降反転演出装置770を視認することで、張出状態において覆設部材787を通して遊技者が視認可能であった装飾の内容(報知内容、例えば、「チャンス」や「大当たり」等)について把握することができる。
これにより、張出状態における覆設部材787の外観を見逃した遊技者に対して、覆設部材787の状態により報知される内容を、演出待機状態でも覆設部材787の視認可能な装飾面で継続して報知することができる。これにより、演出待機状態か、張出状態か、等の各状態に関わらず、覆設部材787の注目力を高く維持することができる。
本実施形態では、第2動作ユニット700の昇降反転演出装置770の前後方向の変位は、遊技領域の後端面の背面側に配置されている状態から、遊技領域の後端面よりも前方に進入するような変位として構成されることについて説明する。
図52に示すように、第2動作ユニット700の演出待機状態において、覆設部材787の正面と、センターフレーム86の板背面とは対向配置されており、センターフレーム86は、覆設部材787側に突設形成される流路形成部86aを備える。
流路形成部86aは、センターフレーム86の左右入口からセンターフレーム86の内側に形成されるワープ流路(転動経路)に飛び込んだ球がセンターフレーム86の下縁部に到達した後、そのセンターフレーム86の下側転動面を流下した球を一旦後方に振り、再び前方に流して、遊技領域に配設される第1入賞口64へ向けて案内するための案内流路の後側部を形成する部分である(図9参照)。即ち、流路形成部86aにより、遊技領域の後端面BE1が、ベース板60(図2参照)の板前面よりも後方側に配置される。
流路形成部86aを流下した球は高確率で第1入賞口64に入球することから、流路形成部86aに対する注目力は高く、特に球がセンターフレーム86の内側に飛び込んだ際には、流路形成部86aに遊技者の視線が集まり易い。演出待機状態において(図52参照)、流路形成部86aの真後ろに演出装置780が配設されることから、演出待機状態における演出装置780が遊技者の視界に入り込む状態を構成し易くすることができる。
第2動作ユニット700の演出待機状態では、覆設部材787は後端面BE1の背面側に配置され(図52(a)参照)、第2動作ユニット700の中間演出状態では、覆設部材787の前面部が後端面BE1上に配置され(図53(a)参照)、第2動作ユニット700の張出状態では、覆設部材787の前面部が後端面BE1の正面側に配置される。
即ち、覆設部材787は、センターフレーム86の内側に向けて上昇変位すると同時に、遊技領域の前後位置と同じ前後位置に進入するように、正面側へ向けて変位する。従って、遊技者に対して、覆設部材787がセンターフレーム86に乗り上げて正面側へ移動してきている(遊技者側に迫ってきている)ように見せることができる。
なお、第2動作ユニット700は昇降変位に伴って演出装置780が前後方向の変位するところ、その前端面の前後位置は、張出状態において、第1動作ユニット600の張出状態における第2装飾回転部材660の第2演出面661bの前後位置と合う(一致する)ように構成される。
これにより、張出状態において正面視で近接配置される第1動作ユニット600の第2演出面661b(図29参照)と、第2動作ユニット700の演出装置780(図30)と、の前後位置が合うことになり、これらを一体的に視認させ易くすることができる。
一方で、演出装置780の前後方向の配置は、中間演出状態や演出待機状態では張出状態における配置よりも後方に下がるので、張出状態に比較して、第1動作ユニット600の箱状部材661と演出装置780とを分けて(独立で)視認させ易くすることができる。
昇降反転演出装置770は、昇降板部材740に連結支持される本体部材771と、その本体部材771を基準として変位可能に構成される演出装置780と、を備える。次いで、図55及び図56を参照して昇降反転演出装置770の詳細について説明する。
図55は、昇降反転演出装置770の分解正面斜視図であり、図56は、昇降反転演出装置770の分解背面斜視図である。なお、図55及び図56の説明では、図50及び図51を適宜参照する。
本体部材771は、左右方向に長尺に形成される下側長尺部772と、その下側長尺部772の左右中央位置から背面側へ円筒状で突設される挿通筒状部773と、下側長尺部772の左右両端部から背面側に延設される一対の案内延設部774と、上下に延びる連結部により下側長尺部772の左右中央位置と一体的に形成され左右方向に長尺に形成される上側長尺部775と、その上側長尺部775の左右両側部から背面側に配設され演出装置780の直動板部材784を左右方向に案内可能に構成される複数の案内部776と、上側長尺部775の左右中央に背面側から締結固定され駆動伝達装置を支持可能とされる伝達装置保持板777と、下側長尺部772及び上側長尺部775の正面側に締結固定される発光演出手段778と、を備える。
挿通筒状部773は、昇降板部材740の円筒状部744の内周側に挿通される部分であり、円筒状部744の内周に摺動可能な寸法関係で形成され、摺動により本体部材771は前後方向に変位する。即ち、挿通筒状部773が円筒状部744に挿通されることで、昇降板部材740を基準とする本体部材771の前後方向の傾倒変位を抑制することができる。
案内延設部774は、幅が上下方向を向く縦板774aと、その縦板774aの上端部に連結され幅方向が左右方向を向く第1横板774bと、その第1横板774bよりも下側において縦板774aに連結され幅方向が左右方向を向く(第1横板774bの幅と平行となる)第2横板774cと、縦板774aの左右外側面から左右外側へ向けて突設される上下一対の筒状部774dと、その筒状部774dに回転可能に軸支される回転筒部774eと、を備える。
第2横板774cは、第1横板774bの幅方向端部よりも左右内側に延びる態様で幅長さが長くされている。この幅方向の拡張部は、組立状態において昇降板部材740の下底部と上下方向に対向配置され、互いに当接することで、案内延設部774が前倒れする傾倒変位が抑制される。即ち、第2横板774cを昇降板部材740の下底部と上下方向に対向配置される程度に幅長さを確保することにより、昇降板部材740を基準として本体部材771が前倒れする傾倒変位を抑制することができる。
筒状部774dは、一対が鉛直方向に並ぶのではなく、上側の筒状部774dの方が、下側の筒状部774dに比較して前側にずれて配置される。このずれは、前上傾斜部714,751の傾斜と、一対の筒状部774dの中心を結ぶ直線の方向と、が平行になるように設定される(図52(a)参照)。即ち、前上傾斜部714,751の傾斜と平行に一対の筒状部774dが配置されることにより、上下一対の回転筒部774eを前上傾斜部714,751又は受傾斜部762に同時に当接させることができる。これにより、上下一対の回転筒部774eを安定して転動させることができ、局所的な負荷が生じることを回避し易くすることができる。
案内部776は、左右一対が上下に並ぶ態様で左右両側に配設され内周側に雌ネジが形成される複数の筒状部776aと、左右一対の筒状部776aを繋ぐように締結固定される複数の脱落防止板部776bと、を備える。
脱落防止板部776bは、複数の筒状部776aに対応する位置に穿設される挿通孔を備え、その挿通孔に背面側から挿通される締結ネジが筒状部776aに螺入されることで筒状部776aに締結固定される部分であり、直動板部材784の脱落を防止するための部分として機能するが、詳細は後述する。
伝達装置保持板777は、駆動モータ782を支持するためのモータ支持板部777aと、駆動モータ782の駆動軸を挿通可能な位置においてモータ支持板部777aに穿設される挿通孔777bと、その挿通孔777bの下側において正面側に円筒状に突設される円筒状突設部777cと、上下両端位置において締結ネジを挿通可能に穿設される一対の挿通孔777dと、背面側に締結固定される配線留め部材777eと、を備える。
円筒状突設部777cは、内周側に雌ネジが形成されており、伝達ギア781bに挿通された状態で締結ネジが螺入されることで、上下反転部材781を脱落不能に軸支する部分である。
挿通孔777dは、上側長尺部775の対応する部分に形成される雌ネジ部775aに螺入される締結ネジが挿通可能とされ、その締結ネジにより伝達装置保持板777が上側長尺部775に締結固定される。
配線留め部材777eは、駆動モータ782に接続される電気配線を伝達装置保持板777との間の隙間に保持し、留めるための部分であるが、伝達装置保持板777の外枠に沿った形状に形成することで、伝達装置保持板777の全体的な剛性の向上をも図ることができる。
発光演出手段778は、LED等の発光部材が正面側に配設される左右長尺板状の上下2枚の電飾基板778aと、その電飾基板778aの正面側に配設される光透過性の樹脂材料から形成される板部材であって光拡散加工が形成される光拡散部材778bと、を備える。
上側の電飾基板778aは、背面側に上下一対で配設される検出センサ778dを備える。検出センサ778dは、フォトカプラ形式の検出装置であって、検出溝に円弧状突設部781dが配置されることで演出装置780の上下反転部材781の姿勢を検出可能に構成されるが、詳細は後述する。
下側の光拡散部材778bは、背面側に複数の被締結部が形成され、その被締結部に、対応する位置において下側長尺部772に穿設される挿通孔に背面側から挿通される締結ネジが螺入されることで締結固定されることで、締結ネジが目立たないようにしている。
一方、上側の光拡散部材778bには、左右両側に締結ネジを挿通するための挿通孔778cが形成され、その挿通孔778cに正面側から挿通された締結ネジが上側長尺部775の雌ネジ部775bに螺入されることで、上側の光拡散部材778bが締結固定される。
この場合、締結ネジの頭部が正面側を向いており、対策なしでは目立ってしまう可能性があるが、本実施形態では、後述するように、常に覆設部材787が挿通孔778cの正面側を覆うような配置とされるので、挿通孔778cに固定される締結ネジの頭部を覆設部材787により隠すことができる。
そのため、締結ネジの頭部が正面側に向くような設計であっても、その締結ネジの頭部が目立つことで演出に悪影響を与える事態が生じることを回避することができる。換言すれば、覆設部材787が締結ネジを隠すように配置する設計とすることで、締結ネジの挿通方向の設計自由度を高めることができる。
演出装置780は、上側長尺部775の周囲に外形部が配置され変位可能に構成される装置であって、伝達装置保持板777の円筒状突設部777cに軸支される上下反転部材781と、その上下反転部材781の伝達ギア781bに駆動力を伝達する駆動ギア782aが駆動軸に固着される駆動モータ782と、上下反転部材781の長尺方向両端部のそれぞれに一側の端部が軸支される一対の中間腕部材783と、その中間腕部材783の他側の端部が軸支され案内部776に左右方向に変位を案内される一対の直動板部材784と、その直動板部材784と中間腕部材783との間に配設され左右方向に延びる回転軸で回転(反転)可能に構成される一対の軸回転部材785と、その軸回転部材785を直動板部材784と共同で軸支する一対の軸支部材786と、軸回転部材785の左右外側先端部に位相が固定された状態で脱落不能に嵌合固定される一対の端板部材785dと、その端板部材785dの前後に配置され、上側長尺部775の左右側部を覆う左右長さで形成される覆設部材787と、を備える。
上下反転部材781は、長尺板状に形成される本体板部781aと、その本体板部781aの中心部の背面側にギア状で突設される伝達ギア781bと、本体板部781aの長尺方向両端部から背面側へ円筒状に突設される一対の円筒状突設部781cと、伝達ギア781bの中心軸を中心とする円弧状に本体板部781aの正面側に突設される円弧状突設部781dと、を備える。
伝達ギア781bは、中心に前後方向に延びる円形孔を有し、この円形孔に伝達装置保持板777の円筒状突設部777cが挿通され、先端側から締結ネジが螺入されることで、伝達ギア781bを介して上下反転部材781が伝達装置保持板777に脱落不能に軸支される。
伝達ギア781bは、駆動ギア782aと歯合しており、駆動モータ782に通電され駆動ギア782aが回転すると、伝達ギア781bも連動して回転することで、上下反転部材781が回転する。即ち、上下反転部材781は駆動モータ782を通電することで回転駆動可能とされる。
円筒状突設部781cは、中間腕部材783を軸支する。即ち、中間腕部材783の一側支持孔783aが形成される端部は、上下反転部材781が回転変位することに伴い変位する円筒状突設部781cに追従して変位する。
円弧状突設部781dは、発光演出手段778の検出センサ778dの検出溝に配置可能に形成される。即ち、上下一対の検出センサ778dのどちらかに円弧状突設部781dが配置可能とされている。
そのため、検出センサ778dの出力を読み取ることで、上下反転部材781の姿勢を、円弧状突設部781dが検出センサ778dの検出溝に配置される2姿勢と、その間の姿勢(一対の検出センサ778dの検出溝の双方に円弧状突設部781dが配置されていない姿勢)と、で判定可能となっている。
中間腕部材783は、長尺棒状(幅狭板状)に形成されており、一側の端部で穿設され円筒状突設部781cに軸支される一側支持孔783aと、一側支持孔783aの反対側である他側の端部で内周側が貫通形成される円筒状の他側円筒状部783bと、その他側円筒状部783bを中心とする傘状のギア歯(傘歯車)として形成される傘歯部783cと、を備える。
円筒状突設部781cの内周側には雌ネジが形成されており、その雌ネジに一側支持孔783aに背面側から挿通される締結ネジが螺入される。これにより、中間腕部材783は、上下反転部材781に脱落不能に軸支される。
直動板部材784は、左右方向に長尺な方形板状に形成され、中間腕部材783の他側円筒状部783bに挿通される円筒状に突設される円筒状突設部784aと、その円筒状突設部784aの中心軸を中心とした円弧状で突設される円弧状板部784bと、円筒状突設部784aの上下両側において左右方向に平行に延びる長円状に穿設される一対の長孔部784cと、その長孔部784cの間の位置において上下一対で平行配置され背面側に突設される一対の支持板部784dと、その支持板部784dの中間部において互いに対向される側に突設され前後方向に延びる突条として形成される一対の突条部784eと、支持板部784dの端部に背面側に開口される筒状に配設され内周側に雌ネジが形成される一対の被締結部784fと、円筒状突設部784aと支持板部784dとの間で貫通形成される配置用孔784gと、軸支部材786との間でリング状金属部材785eを保持可能な半円形状面を有するリング保持半部784hと、軸支部材786との間で磁石Mgを保持可能となるように方形箱状に形成される磁石保持半部784iと、を備える。
円筒状突設部784aは、中間腕部材783の他側円筒状部783bの内周径よりも若干短い外周径で形成され、他側円筒状部783bの軸方向長さよりも若干長い突設長さとされ、内周側に雌ネジが形成されている。即ち、他側円筒状部783bに背面側から挿通される締結ネジが円筒状突設部784aの雌ネジに螺入されることで、中間腕部材783は、円筒状突設部784aに脱落不能に軸支される。
円弧状板部784bは、他側円筒状部783bの外周径よりも若干長い内周径の円弧形状で形成される。これにより、円弧状板部784bが組立状態で他側円筒状部783bと径方向で対向するように近接配置され、他側円筒状部783bの回転軸に対する傾斜変位を制限している。これにより、他側円筒状部783bを中心とした中間腕部材783の回動変位を安定させることができる。
長孔部784cは、本体部材771の筒状部776aが挿通される開口であり、筒状部776aに形成される雌ネジに、脱落防止板部776bの挿通孔に背面側から挿通される締結ネジが螺入されることで、直動板部材784が本体部材771に脱落不能に支持される。
その支持状態(組立状態)において、直動板部材784は長孔部784cの形成方向に沿ってスライド変位可能とされる。即ち、直動板部材784は左右方向にスライド変位可能に構成される。
支持板部784dは、軸回転部材785の金属棒785aの上下変位を抑制するように保持するための板状部であり、突条部784eは、金属棒785aの左右方向の配置を規定するための突条として機能するが、詳細は後述する。
配置用孔784gは、軸回転部材785の傘歯部材785cとの干渉を避けるための開口であるが詳細は後述する。
軸回転部材785は、左右一組で配設され直動板部材784に軸支される部材であって、金属材料から略円柱状に形成される金属棒785aと、その金属棒785aの長さ方向の中央位置において周方向に形成される凹設溝部785bと、金属棒785aの左右内側端部に配設され金属棒785aに固定される部材であって中間腕部材783の傘歯部783cと歯合する傘歯(傘歯車)が形成される傘歯部材785cと、金属棒785aの左右外側端部に配設され金属棒785aに固定される端板部材785dと、その端板部材785dの金属棒785aの周りに端板部材785dから嵩上げされる態様で配置されるリング状金属部材785eと、端板部材785dの左右内側部に突設される部分であって内部に形成される雌ネジ部に金属製ネジが螺入固定される回転位置安定用部785fと、を備える。
金属棒785aは、直動板部材784の一対の支持板部784dの間に配置され、凹設溝部785bに突条部784eが進入配置される。ここで、凹設溝部785bは、突条部784eと摺動可能となる寸法関係で構成されると共に、突条部784eに対して左右方向の変位が規制される寸法関係で構成される。
即ち、凹設溝部785bの溝幅は突条部784eの左右幅よりも若干長く設定され、凹設溝部785bの溝深部の直径は突条部784e間の隙間長さよりも短く設定され、凹設溝部785bが形成されていない部分の直径は突条部784e間の隙間長さよりも長く設定される。
これにより、金属棒785aを、直動板部材784の背面側において、軸回転可能かつ左右方向への変位が抑制される態様で支持することができる。
傘歯部材785cは、直動板部材784の配置用孔784gに進入するように配置される。傘歯部材785cが配置用孔784gに部分的に進入した状態において、直動板部材784の反対側(背面側)から中間腕部材783が傘歯部783cを傘歯部材785cと歯合させるように組み付けられる。
このように組み付けられた状態において、傘歯部材785cは、配置用孔784gに進入配置されているものの、金属棒785aが直動板部材784に支持されていることから正面側へは脱落不能とされ、背面側への変位は中間腕部材783により規制される。従って、傘歯部材785cは、直動板部材784及び中間腕部材783に脱落不能に支持される。
端板部材785dの筒状部785d1は、金属棒785aの先端部としての非円形状(例えば、D字断面形状)に対応する内周側形状で形成され、その内周側形状と金属棒785aの先端部とが締りばめの寸法関係で形成されることで、嵌合固定されている。
なお、端板部材785dを金属棒785aに固定する方法は、これに限られるものではない。例えば、接着剤などを利用して固着させる方法でも良いし、金属棒785aの先端部に雌ネジを形成し、その雌ネジに端板部材785dに挿通される締結ネジを螺入することで、金属棒785aに端板部材785dを締結固定する方法でも良いし、その他の方法でも良い。
リング状金属部材785eは、直動板部材784のリング保持半部784hに内嵌されるように保持される。リング状金属部材785eが保持され、リング状金属部材785eの内周側に金属棒785aを支持する端板部材785dの筒状部785d1が摺接するよう構成することで、端板部材785dの回転中心を傘歯部材785cの回転中心を通る軸線と一致し易くすることができ、金属棒785aの軸径方向に生じる負荷を低減することができる。
回転位置安定用部785fは、配設される金属ネジが、磁石Mgに吸着する部分としての機能を奏する。
軸支部材786は、方形板状に形成される部材であって、被締結部784fに螺入される締結ネジを挿通可能に穿設される挿通孔786aと、直動板部材784のリング保持半部784hとの間でリング状金属部材785eを保持可能な半円形状面を有するリング保持半部786bと、直動板部材784の磁石保持半部784iとの間で磁石Mgを保持可能な方形箱状に形成される磁石保持半部786cと、を備える。
挿通孔786aに背面側から挿通される締結ネジが被締結部784fに螺入され直動板部材784及び軸支部材786が組み立てられると、軸支部材786の板部に金属棒785aの背面側への脱落が規制され、リング状金属部材785eはリング保持半部784h,786bに保持され、磁石Mgは磁石保持半部784i,786cに保持される。
覆設部材787は、前後一組で左右内側が開口される箱状に形成される左右一対の部材であって、軸回転部材785の端板部材785dに締結固定され、逆側の面に異なる意味で読み取れる図形、模様、文字または絵柄などからなる装飾が形成される。
即ち、覆設部材787は、張出状態(図54参照)において遊技者に視認させる装飾面として形成される第1主装飾面787a1と、その裏面に形成される第2主装飾面787b1と、第1主装飾面787a1が正面側に配置された状態で演出待機状態(図52参照)となった場合に遊技者が視認可能な側に形成される第1副装飾面787a2と、その裏面に形成される第2副装飾面787b2と、を備える。なお、第2副装飾面787b2は、第2主装飾面787b1が正面側に配置された状態で演出待機状態(図52参照)となった場合に遊技者が視認可能な側に形成される。
覆設部材787は、端板部材785dに締結固定される前後2枚の部材から形成され組立状態(図26参照)において左右内側が開放された略箱状に形成される左右一対の部材であって、左右の各部材に向けて延設される複数の延設部787cと、その延設部787cの間の部分において左右外側へ退避するように凹設される凹設部787dと、を備える。
延設部787cは、覆設部材787の近接配置状態(図26参照)において、端部が互いに当接または近接配置されるよう形成される。これにより、左右一対の覆設部材787を一体的に視認させることができる。
凹設部787dは、覆設部材787の近接配置状態(図26参照)において、発光演出手段778の光拡散部材778bの中央に配置される円形状部や、上側長尺部775の左右中央上側の円弧板部等を視認可能に開放するための部分であり、これらの部分との干渉を少なくとも避ける形状で凹設形成される。
覆設部材787は、演出装置780の動作に伴い、第1主装飾面787a1を正面側に向けると共に第1副装飾面787a2を上側に向ける状態(図29、図52参照)と、第2主装飾面787b1を正面側に向けると共に第2副装飾面787b2を上側に向ける状態(図30参照)と、で状態を切り替え可能に形成される。まず、覆設部材787の状態を切り替える変位を構成する機構について説明する。
図57(a)及び図57(b)は、伝達装置保持板777、上下反転部材781、中間腕部材783、直動板部材784及び軸回転部材785の正面図である。図57(a)では、一対の円筒状突設部781cが同一の鉛直線上に配置される上下反転部材781の縦配置状態(正立の縦配置状態とも称す)が図示され、図57(b)では、図57(a)に示す状態から上下反転部材781が円筒状突設部777cを中心に正面視反時計回りに約24度回転した状態が図示される。なお、図57(a)及び図57(b)では、理解を容易とするために、左側の軸回転部材785の端板部材785d及び右側の軸回転部材785の図示が省略される。
正立の縦配置状態では、円弧状突設部781dは、上側の検出センサ778d(図56参照)の検出溝に進入した状態で配置される。また、正立の縦配置状態から上下反転部材781を180度回転させた倒立の縦配置状態では、円弧状突設部781dは、下側の検出センサ778dの検出溝に進入した状態で配置される。
即ち、検出センサ778d(図56参照)の出力は、上下反転部材781が正立の縦配置状態か倒立の縦配置状態かで切り替わるように構成されており、検出センサ778dの出力から音声ランプ制御装置113(図4参照)は演出装置780の状態を判定することができる。
図57(a)及び図57(b)に示すように、上下反転部材781が回転変位されると、中間腕部材783が姿勢変化しながら左右方向に変位する。この姿勢変化の角度が、軸回転部材785の回転角度に対応し(比例し)、他側円筒状部783bの左右方向変位量が、直動板部材784及び軸回転部材785の左右方向変位量に対応する。
ここで、回転変位と左右方向変位(直動変位)とが生じる順序について説明する。これらの変位は、同時に同程度で生じるものではなく、回転変位の程度の方が大きくなる配置や、直動変位の程度の方が大きくなる配置等がある。
まず、概要の説明をすると、上下反転部材781、中間腕部材783及び直動板部材784の構成は、周知のスライダクランク機構となっている。即ち、円筒状突設部777cを中心に上下反転部材781が回転すると、上下反転部材781の円筒状突設部781cに軸支されている中間腕部材783の他側円筒状部783bが、正面視で円筒状突設部777cの中心部を通る移動軸HL1に沿って平行移動するように、他側円筒状部783bに連結される直動板部材784の変位方向が規制されている。左右の一対の直動板部材784は、移動軸HL1に沿って左右逆方向に同時に変位する。
図57(b)に示すように、図57(a)に示す縦配置状態から約24度回転するまでに、他側円筒状部783bは左右方向に長さL1変位している。長さL1は、下側長尺部772と上側長尺部775との連結部分(図55参照)の幅長さの半分の長さ(左右中心と左右幅端部との間の長さ)として図示される。
また、図57(a)から図57(b)への状態変化により、中間腕部材783の他側円筒状部783bを中心とした姿勢変化は、正面視時計回りに5度となっており、傘歯部783cの隣り合う歯の配置間隔としての角度である15度の半分以下の角度に抑えられている。
傘歯部材785cが中間腕部材783の手前側に配置されていることから、傘歯部783cと傘歯部材785cとの負荷の伝達(歯合伝達)は、互いの前後方向の対向位置、即ち、正面視における移動軸HL1上で生じる。
図58(a)は、図57(a)のLVIIIa-LVIIIa線における伝達装置保持板777、上下反転部材781、中間腕部材783、直動板部材784及び軸回転部材785の断面図であり、図58(b)は、図57(b)のLVIIIb-LVIIIb線における伝達装置保持板777、上下反転部材781、中間腕部材783、直動板部材784及び軸回転部材785の断面図である。
図58(b)に示すように、中間腕部材783の傘歯部783cは、軸回転部材785の傘歯部材785cのギア歯を押圧するように変位する(図58(b)においては、上方へ変位する)。なお、図58(b)では、理解を容易とするために、傘歯部783cと傘歯部材785cのギア歯とが重なって配置されるよう図示されており、この重なり幅が傘歯部783cと傘歯部材785cのギア歯との弾性変形により吸収される。
傘歯部783cが傘歯部材785cと歯合し、駆動力が伝達されることにより、軸回転部材785が回転変位する。図57(a)に示す状態から上下反転部材781が正面視反時計回りに180度回転変位する間に、右側の軸回転部材785は後転方向に回転し、左側の軸回転部材785は前転方向に回転する。
なお、上下反転部材781が180度回転する間に、中間腕部材783の傘歯部783cは他側円筒状部783bを中心に90度回転し、それに伴い軸回転部材785の傘歯部材785cは180度回転する。即ち、傘歯部材785cが金属棒785aを中心として回転する角度は、傘歯部783cの他側円筒状部783bを中心とした回転角度の2倍となるように構成される。
ここで、図58(a)の状態から図58(b)の状態までの変位による押圧に伴い生じ得る傘歯部材785cの変位量は、ギア歯の周方向の厚みに満たず、傘歯部材785cのギア歯を確実に回転させる量には満たない。即ち、当接する代表歯が隣設する歯の配置まで回転するまでの変位量(傘歯部材785cのギア歯が12等分で配置されていることによれば、角度30度の回転に要する変位量)よりは小さい。
傘歯部783cのギア歯は傘歯部材785cのギア歯を押圧するように変位するが、本実施形態では中間腕部材783及び傘歯部材785cが樹脂材料から形成されていることから、押圧を伴う変位が中間腕部材783及び傘歯部材785cの弾性変形により吸収されることにより、軸回転部材785の傘歯部材785cの回転方向の姿勢は、図57(a)の状態から図57(b)の状態まで維持される。
中間腕部材783及び傘歯部材785cの弾性変形は、上下反転部材781を介して中間腕部材783に伝達される駆動力に対して、磁石Mgから軸回転部材785の回転位置安定用部785f(図54参照)に生じる吸着力が対抗することにより生じる。
即ち、右側の軸回転部材785が後転方向に回転変位するのを制限するように、磁石Mgの磁力が下側の回転位置安定用部785fの金属ネジを吸着するように作用することで、右側の軸回転部材785は磁石Mgから前転方向の付勢力を受ける。従って、磁石Mgの吸着力は、右側の軸回転部材785の回転変位の変位抵抗を上昇させる方向に作用する。
また、左側の軸回転部材785に対しては、回転位置安定用部785fの配置が右側と同様に端板部材785dの前側とされている一方で、磁石Mgの配置が右側と逆の上側とされている(図55参照)。そのため、磁石Mgの磁力が上側の回転位置安定用部785fの金属ネジを吸着するように作用することで、左側の軸回転部材785は磁石Mgから後転方向の付勢力を受ける。従って、磁石Mgの吸着力は、左側の軸回転部材785の回転変位の変位抵抗を上昇させる方向に作用する。
本実施形態では、磁石Mgの吸着力は、図57(a)に示す状態から他側円筒状部783bが左右方向に長さL1変位するまでの間に傘歯部材785cに負荷される駆動力を超える負荷を発生可能となるように設計される。
これにより、図58(b)に示す傘歯部783cの変位量を吸収するように、中間腕部材783及び傘歯部材785cの弾性変形が生じることになる。そして、図57(b)に示す状態を超えて変位が継続されると、磁石Mgの吸着力を超えて傘歯部材785cが回転し、磁石Mgと回転位置安定用部785fの金属ネジとの配置が離れることで磁力が極端に低下することになり、磁石Mgの吸着力から開放された中間腕部材783及び傘歯部材785cが弾性回復しつつ回転変位する。
そのため、回転開始時においては、弾性回復分が軸回転部材785の回転方向の勢いを増すことになるので、回転開始時における回転速度を瞬間的に向上させることができる。この回転速度の向上は、軸回転部材785だけでなく、軸回転部材785に締結固定される覆設部材787(図55参照)でも同様に生じる。
これにより、駆動モータ782の駆動速度の変更を行うことなく、覆設部材787の動作の緩急をつけることができるので、駆動モータ782の制御設計の負担を低減しながら、覆設部材787の演出効果を向上することができる。
このように、本実施形態によれば、磁石Mgの吸着力により、軸回転部材785の回転変位が生じるタイミングを、中間腕部材783の傘歯部783cが回転開始するタイミングよりも遅らせることができる。
磁石Mgの吸着力を受ける回転位置安定用部785fは、上下一対で構成されており、覆設部材787の第1主装飾面787a1が正面側を向いている時には一方の回転位置安定用部785fが磁石Mgに近接配置され吸着力を受け(図52(b)参照)、向きが反転し覆設部材787の第2主装飾面787b1が正面側を向いている時には他方の(図52(b)参照、上側の)回転位置安定用部785fが磁石Mgに近接配置され吸着力を受ける。
即ち、正面側を向いている面が第1主装飾面787a1か第2主装飾面787b1かに関わらず、少なくとも近接配置状態(図29及び図30参照)において、磁石Mgの磁力は軸回転部材785の回転変位を制限する目的で有効に作用する。従って、近接配置状態からの変位において、軸回転部材785の回転変位が磁力により遅れる作用を回転変位の方向によらず(両方向で)生じさせることができる。
即ち、図58(a)に示す状態から図58(b)に示す状態までの間は、左右方向の直動変位の程度の方が、回転変位の程度に比較して大きい。そして、上下反転部材781が図57(b)を超えて正面視反時計回りに回転が継続されると、左右方向の直動変位の程度が落ち着き、回転変位が生じる。
本実施形態によれば、上述のようにスライダクランク機構を採用していることから、同様の作用が生じる。即ち、縦配置状態付近においては、円筒状突設部781cの変位は、左右方向に大きく上下方向に小さいので、中間腕部材783の左右方向変位は大きく回転量は小さい。そのため、直動板部材784の左右方向変位は大きく、軸回転部材785の回転変位は小さくなる。
一方、上下反転部材781の長尺方向が左右方向に近づくように倒れるほど、円筒状突設部781cの変位は、左右方向に小さく上下方向に大きくなるので、中間腕部材783の左右方向変位は小さく回転量は大きくなる。そのため、直動板部材784の左右方向変位は小さく、軸回転部材785の回転変位は大きくなる。
従って、縦配置状態から開始され縦配置状態で終了する上下反転部材781の回転動作において、まず直動板部材784の左右方向変位の程度が大きくなり、次いで軸回転部材785の回転変位の程度が大きくなり、再び直動板部材784の左右方向変位の程度が大きくなる。
このような順序で直動変位と、回転変位とが生じることで、上側長尺部775と下側長尺部772との連結部分(図55参照)に覆設部材787の延設部787cが衝突することを回避することができる。次いで、覆設部材787の外観の変化について説明する。
図59(a)から図59(c)は、演出装置780の正面図である。図59(a)から図59(c)では、昇降反転演出装置770の反転動作が時系列で図示される。図59(a)では、上下反転部材781の正立の縦配置状態における演出装置780が図示され、図59(b)では、上下反転部材781が縦配置状態から90度回転した時における演出装置780が図示され、図59(c)では、上下反転部材781の倒立の縦配置状態における演出装置780が図示される。
上下反転部材781は、正立の縦配置状態(図57(a)参照)から正面視反時計回りに180度回転することで、倒立の縦配置状態に状態が変化する。倒立の縦配置状態では、正立の縦配置状態(図59(a)参照)を基準として、覆設部材787の姿勢が180度反転する。これにより、遊技者が視認可能な装飾面が切り替えられることになる(図59(c)参照)。
倒立の縦配置状態から上下反転部材781が正面視時計回り(反対回り)に180度回転変位することで、正立の縦配置状態(図57(a)参照)に戻る。従って、反転動作は、上下反転部材781を180度回転変位させるように方向を反転させて駆動モータ782(図56参照)を駆動する度に、図59(a)に示す状態と図59(c)に示す状態とで、状態を繰り返し切り替えることができる。
上述したように、図57(a)に示す状態から上下反転部材781が正面視反時計回りに180度回転変位する間に、傘歯部783cと噛み合うことで軸回転部材785が180度回転変位する。ここで、傘歯部783cの回転方向から、右側の軸回転部材785は後転方向に回転し、左側の軸回転部材785は前転方向に回転する。即ち、左右に配置される一対の軸回転部材785及び端板部材785dに締結固定される覆設部材787は、逆方向に回転する。
そのため、途中位置では、右側の覆設部材787は第2副装飾面787b2を正面側に向け、左側の覆設部材787は第1副装飾面787a2を正面側に向ける(図59(b)参照)。
これにより、覆設部材787の回転変位中に、左側の覆設部材787の第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)と右側の覆設部材787の第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)とが揃って視認されることを回避することができる。
従って、回転変位中の覆設部材787の装飾面を、敢えて左右で内容のずれたものとすることができ、装飾面の内容を遊技者に認識し難いように構成できるので、回転変位中の覆設部材787が遊技者に与える情報量を低くすることができる。
これにより、回転変位中の覆設部材787に対する遊技者の注目力を低減させることができる。また、回転変位が停止した時に左右一対の覆設部材787の装飾面が第1主装飾面787a1(又は第2主装飾面787b1)で揃うことから、覆設部材787の回転が停止するまで遊技者の視線を覆設部材787に維持し易いという効果も奏し得る。
回転変位は第2動作ユニット700の張出状態(図54参照)で実行されるが、この回転変位が停止し、左右一対の覆設部材787の装飾面が第1主装飾面787a1(又は第2主装飾面787b1)で揃った状態では、演出装置780が第3図柄表示装置81の表示領域の上下中央付近にまで上昇してきており(図30参照)、この状態で第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)に注目力が集まる可能性は低い。
特に、第3動作ユニット800が第2動作ユニット700と近接変位されるよう制御される場合などには特に、第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)への視界が第3動作ユニット800に遮られることになる。
一方で、第2動作ユニット700が演出待機状態となり(図52参照)、演出装置780が第3図柄表示装置81の表示領域よりも下側に配置されると、第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)が遊技者の視界に入り易くなる。
このように、第2動作ユニット700では、第1副装飾面787a2(又は第2副装飾面787b2)を、張出状態においては回転変位中に揃って視認されることを防止したり遊技者側に面が向くことを防止したりすることで注目させず、演出待機状態においては遊技者に注目され得る側面として形成している。
これにより、第2動作ユニット700の見え方を配置に応じて変化させることができるので、第2動作ユニット700を配置するコスト(場所の占有、上手に隠す負担)に対する演出性能が過度に低くなる状態が生じることを回避し易くすることができる。
軸回転部材785及び覆設部材787の回転変位後において、回転位置安定用部785fが磁石Mg(図54(b)参照)に吸着することで軸回転部材785及び覆設部材787の姿勢の安定化を図ることができる。
本実施形態では、磁石Mgに吸着する金属部材が金属製ネジで構成されるので、専用の金属部材を設計する場合に比較して、部材コストの削減や、メンテナンス性の向上を図ることができる。
上述したように、軸回転部材785及び覆設部材787の回転変位には左右方向の直動変位が伴うので、回転変位を実行可能な演出装置780の配置は制限されることになる。即ち、第2動作ユニット700の演出待機状態(図28参照)や中間演出状態(図33参照)では、回転変位を実行することで、左右に配置される右側前板部材710、左側後板部材750及び前側支持部材760や、その正面側に固定配置される立体装飾部768a等の装飾部材が覆設部材787に衝突することになる。
一方、第2動作ユニット700の張出状態(図30参照)では、左右方向に空間が確保されることで、軸回転部材785及び覆設部材787の回転変位を実行可能となる。
従って、軸回転部材785及び覆設部材787の回転変位を生じさせる駆動モータ731の駆動制御は、検出センサ713の出力から第2動作ユニット700が張出状態になっていると判定されていることを前提に実行可能に制御される。これにより、軸回転部材785及び覆設部材787の回転変位を正常に生じさせることができる。
延設部787cは、上下反転部材781の縦配置状態において互いに近接配置され、この状態において上側長尺部775と下側長尺部772との連結部分と前後で対向配置される。そのため、この配置から覆設部材787を左右方向に延びる回転軸で回転変位させると、延設部787cが上側長尺部775と下側長尺部772との連結部分に衝突することになり、不具合が生じる。
一方で、延設部787cが近接配置される構成は、左右一対の覆設部材787を一体的に視認させることができるという効果を生じさせるものであり、演出上必要となる構成であるので、維持できることが好ましい。
これに対し、本実施形態では、覆設部材787が、回転変位の前に、予め左右方向に長さL1だけ直動変位するよう構成される(図57参照)。長さL1の直動変位により、延設部787cを上側長尺部775と下側長尺部772との連結部分の前後位置から退避させることができ、延設部787cと上側長尺部775と下側長尺部772との連結部分とが衝突する不具合を回避することができる。
また、このように回転変位を構成することで、覆設部材787が左右方向に変位する間において長さL1では回転変位が生じず(又は制限され)、残りの長さL2において回転変位を生じさせることになるので、覆設部材787の回転中における左右方向の変位量を小さく抑えることができる。
これにより、回転中に覆設部材787の配置が大きく変化する場合に比較して、覆設部材787の注目力を低く抑えることができ、回転変位を目立たせなくすることができるので、各装飾面787a1~787b2の設計として、回転変位中の見映えを無視した設計を行うことができるので、設計自由度を向上することができる。
なお、覆設部材787が回転開始するタイミングは、磁石Mgの吸着力の設計により任意に設定可能である。そのため、例えば、本体部材771の下側長尺部772と上側長尺部775との連結部の左右幅を長くする設計変更が生じたとしても、演出装置780の構成は同じとしながら、磁石Mgを吸着力の大きな磁石に変更することで、本実施形態と同様に、上述の連結部と延設部787cとの衝突を回避することができる。
図59において想像線で図示するように、挿通孔778cは、常に覆設部材787に隠されるよう配置される。これにより、挿通孔778cに挿通される締結ネジが遊技者に視認されることを防止することができ、締結ネジにより演出効果が低くなることを回避することができる。
本実施形態では、左右一対の覆設部材787に形成される各装飾面787a1,787a2,787b1,787b2の装飾(図形、模様または絵柄など)が、左右の覆設部材787で同一では無いことから、左右の装飾に合わせて挿通孔778cの配置が左右非対称とされている。
即ち、挿通孔778cは締結ネジが挿通される部分であるので、その位置で電飾基板787aにLEDを配置することができなくなる(図55参照)。また、締結ネジは金属製であり光を透過しないので、発光演出時に暗く視認され易い。
従って、左右の装飾において、明るく光らせて目立たせる箇所を避けて挿通孔778cを配置することが望ましく、そのようにした結果、挿通孔778cの配置が左右非対称とされている。
なお、挿通孔778cの配置を左右対称にすることは当然に許容される。特に、左右の覆設部材787で各装飾面787a1,787a2,787b1,787b2の装飾が同一の場合には、挿通孔778cを左右対称に配置することによる不利益は生じず、且つ、電飾基板778aの設計を容易とすることができる。
図59(b)に示すように、本実施形態では、昇降反転演出装置770の反転動作中に覆設部材787が左右に直動変位し、光拡散部材778bの中央部付近が延設部787cに囲まれていない状態においても、上下反転部材781、中間腕部材783及び直動板部材784等の機構部が視認されないように隠される。
即ち、正面視において、本体部材771の上側長尺部775の外形が、前側に配置される光拡散部材778bの外形に収まる形状に設計されており、直動板部材784の上下幅が、前側に配置される上側長尺部775の左右長尺部の上下幅に収まる形状に設計されている。また、上下反転部材781は前側に配置される上側長尺部775の円板部の外形に収まる形状に設計されており、中間腕部材783は変位軌跡が光拡散部材778bの外形に収まるように設計される。
これにより、演出装置780の変位を実現するための機構部を光拡散部材778bの背後に隠し、視認不能とすることができるので、反転動作中における演出装置780の外観による演出効果が低下することを回避することができる。
図26に戻って説明する。第3動作ユニット800は、演出待機状態において第3図柄表示装置81の表示領域の上側に配置され、背面ケース510に支持される左右一対の昇降アーム部材801(図31参照)の先端部に支持され、昇降アーム部材801が上下方向に駆動されることに伴って昇降変位可能に構成されるユニットである。
図60は、第3動作ユニット800の構成の一部の分解正面斜視図であり、図61は、第3動作ユニット800の構成の一部の分解背面斜視図である。なお、図60及び図61では、第3動作ユニット800の変位を構成する部分が図示されており、外側に配設される装飾部分としての装飾部材870,880の図示が省略されている。
図60及び図61に示すように、第3動作ユニット800は、昇降アーム部材801に保持される被保持部材810と、その被保持部材810の中心部に円筒部821が締結固定される固定円筒部材820と、円筒部821が内周側に挿通された状態で円筒部821に軸支される内側回転部材830と、その内側回転部材830が内周側に挿通された状態で本体部831に軸支される外側回転部材840と、その外側回転部材840の円筒状部842aに回動可能に連結される複数(本実施形態では5本)の中間腕部材850と、被保持部材810に収容される複数のギア部材を有し内側回転部材830、外側回転部材840及び中間腕部材850を変位させる駆動力を伝達するための駆動伝達装置860と、を備える。
被保持部材810は、円板形状の本体部材811と、その本体部材811に正面側から蓋をする孔空き蓋部材817と、を備える。
本体部材811は、中心部において固定円筒部材820の円筒部821を保持するために凹設され固定用の締結ネジを挿通する挿通孔や電気配線を挿通する貫通孔が形成される筒固定部812と、フォトカプラ式のセンサであって外側回転部材840の被検出部844を受け入れ可能な側に検出溝を向けて固定される検出センサ813と、駆動モータ861を保持するモータ保持部814と、伝達ギア863を脱落不能に軸支する円筒部として正面側に突設される複数の円筒状突設部815と、負荷応答ギア865を脱落不能に軸支する二重の円筒部として正面側に突設される複数の二重円筒突設部816と、を備える。
孔空き蓋部材817は、中央部に前後方向に穿設される円形孔818を備える。円形孔818は、開口方向視において、その内周縁部から、伝達ギア863及び負荷応答ギア865が内側に張り出すような寸法で設計される。
固定円筒部材820は、上述の円筒部821と、その円筒部821の正面側端部に形成される円形板部822と、その円形板部822に締結固定され正面側にLED等の発光手段が配設される円板状の電飾基板823と、その電飾基板823を正面側から覆うことができるような傘状(又は、お椀状)で光透過性の樹脂材料から形成される透光装飾部材824と、円筒部821の円形板部822側の外径よりも若干長い内径の円環状に形成され円筒部821と摺動可能に構成される摺動部材825と、を備える。
円筒部821は、背面側先端部に雌ネジが形成されており、その雌ネジに被保持部材810の筒固定部812の挿通孔に挿通された締結ネジが螺入されることで、固定円筒部材820が被保持部材810に回転不能に締結固定される。
円筒部821は内周側において軸方向に貫通形成されており、この貫通部分を通して筒固定部812の貫通孔に挿通された電気配線が正面側へ這わされ、電飾基板823の背後に配設されるコネクタに接続される。
電飾基板823は、LEDとして、五角形の頂点およびそれらの頂点から等距離離れた中心位置に配置される内側発光部823aと、円周上に等間隔で15箇所に配置される外側発光部823bと、を備える。内側発光部823aは、光軸が正面側(前方)を向くLEDから構成され、外側発光部823bは、光軸が径方向外側(直径方向)を向くLEDから構成される。
外側発光部823bは、円周上に等間隔に配置される15個のLEDから構成される。後述するように、外側発光部823bから照射される光は、円周上に等間隔で互いに密接して配置される第1装飾部材870の鍍金部871aに照射されることから、各第1装飾部材870に、3個のLEDからの光が照射されることになる。
外側発光部823bは電飾基板823に固定配置されており、第1装飾部材870は円の中心を軸として回転変位するように構成されるが、外側発光部823b及び第1装飾部材870は同軸の円上にそれぞれ等間隔で配置されるので、第1装飾部材870の回転方向の姿勢に関わらず、常に同数(本実施形態では、3個)のLEDからの光を各第1装飾部材870に照射することができる。
これにより、回転動作中に第1装飾部材870に照射される光LD1の光量の変化を抑制することができる。
摺動部材825は、内径側部が固定円筒部材820の円筒部821に摺動可能に構成される一方、外径側部が内側回転部材830の円形フランジ状部831aに摺動可能となるように形成される。
摺動部材825は、正面側にフランジ状部が形成されており、そのフランジ状部の内径側端部から後方に筒状で突設される筒状部を有するが、この筒状部の外径が、円形フランジ状部831aの内径よりも若干短く形成されることで、内側回転部材830に摺動可能に内嵌される。
摺動部材825を間に介在させることにより、固定円筒部材820と、その周りを回転可能に構成される内側回転部材830とが直接接触することを防止するようにしている。また、円筒部821の円形板部822側であり、同様に本体部831の円形フランジ状部831a側という強度的に有利な側に摺動部材825が配設されることで、摺動時や摺動不良時(意図せず変位抵抗が過大となった時)に生じる負荷によって固定円筒部材820や内側回転部材830が損傷したり変形したりする可能性を低減することができる。
内側回転部材830は、正面側端部に円形フランジ状部831aを有する円筒状の本体部831と、その本体部831の周囲を円周方向に5等分した位置において径方向に長尺方向を沿わせた姿勢で円形フランジ状部831aに締結固定される複数の金属棒832と、その金属棒832が挿通可能に形成され金属棒832に案内される形で直動変位可能に構成される複数の直動部材833と、その直動部材833の径方向外側部において回転可能に軸支される複数の回転部材834と、を備える。
本体部831は、上述の円形フランジ状部831aと、隣り合う金属棒832の中間の角度位置(5箇所)において円形フランジ状部831aを基端として突条状に後方に延びる複数の摺動突条部831bと、円形フランジ状部831aの反対側の端部において円周方向に間隔を空けて凹設形成される複数の凹設部831cと、を備える。
摺動突条部831bは、外側回転部材840の本体部841の内周側曲面と摺動可能に構成される部分であって、外側回転部材840との接触面積を減らし接触摩擦を低減するために突設先端が断面半円状に形成される。
摺動突条部831bの配置は、上述のように隣り合う金属棒832の中間の角度位置とされるが、換言すれば、外側回転部材840の中心軸を基準として金属棒832の反対側の位置(180度ずれた位置)とされる。
これにより、後述する切替回転動作において中間腕部材850が金属棒832に沿って径外方向に変位され、その中間腕部材850が軸支される外側回転部材840が径外方向に変位するよう負荷を受けたとしても、その外側回転部材840の変位を摺動突条部831bで受けることができるので、外側回転部材840の内側円周面と内側回転部材830の外側円周面との接触面積を低い状態で維持することができる。
凹設部831cは、中央円環ギア864の伝達突部864aが進入配置される部分であって、凹設部831cに伝達突部864aが配置されることで、互いの相対回転を不能として、中央円環ギア864の回転角度と内側回転部材830の回転角度とを一致させることができる。
直動部材833は、直動変位方向に並ぶように間隔を空けて配置され後方へ向けて円筒状に突設される一対の円筒状突設部833a,833bと、その円筒状突設部833a,833bを基準として本体部831の中心軸から離れた側に形成され回転部材834に挿通される円筒状の円筒状軸部833cと、その円筒状軸部833cの先端部において周方向に沿って凹設される凹設溝833dと、を備える。
凹設溝833dは、組立状態(図28参照)において回転部材834から突き出た側に配置されており、回転部材834に締結固定される装飾部材870,880の張出部873,883が摺動可能に外嵌されることで、回転部材834の径外方向への脱落を防止する変位規制用の溝として機能するが、詳細は後述する。
回転部材834は、傘歯車状に形成される傘歯部834aと、直動方向と平行に円筒状に突設される複数の円筒状突設部834bと、を備える。傘歯部834aは、全周に亘って形成されるものではなく、動作に必要となる3/4周(約270度)に亘って形成されている。
円筒状突設部834bは、内周側に雌ネジが形成されており、装飾部材870,880の挿通孔874,884に挿通された締結ネジを螺入することで、装飾部材870,880を回転部材834に締結固定するように機能するが、詳細は後述する。
外側回転部材840は、円筒状の本体部841と、その本体部841の周囲を円周方向に5等分した位置において径方向外方へ延設される複数(本実施形態では、5本)の延設腕部842と、本体部841の後側端部の円周に沿って外周側に形成されるギア歯843と、検出センサ813の検出溝に進入可能な配置で本体部841の径外方向に延設される被検出部844と、を備える。
延設腕部842は、本体部841の中心軸と平行に延びる円筒状部842aを備え、その円筒状部842aの内周側には雌ネジが形成されており、中間腕部材850の基端側棒部851に円筒状部842aを挿通した状態で雌ネジに締結ネジを螺入することで、中間腕部材850が延設腕部842に脱落不能に軸支される。
ギア歯843は、駆動伝達装置860の負荷応答ギア865と歯合可能に配設されることで、外側回転部材840の回転変位の有無を切り替える部分として機能するが、詳細は後述する。
中間腕部材850は、長尺に形成される部材であって、一端側が外側回転部材840の円筒状部842aに軸支される基端側棒部851と、その基端側棒部851の他端側において正面側に増厚される増厚部852と、その増厚部852の正面側端部から基端側棒部851の長尺方向と平行に延設される先端側棒部853と、その先端側棒部853の端部にギア歯を有して形成される回転伝達部854と、を備える。
回転伝達部854は、直動部材833及び回転部材834と連動する部分であって、円筒状突設部833aを挿通した状態で互いに回動可能な寸法関係で形成される被支持孔854aと、その被支持孔854aを中心とした円弧状に穿設される長孔であって円筒状突設部833bを挿通した状態で案内する案内孔854bと、被支持孔854aを中心軸とする傘歯車状に形成され回転部材834の傘歯部834aと歯合することで傘歯車を形成する傘歯部854cと、を備える。
駆動伝達装置860は、モータ保持部814に締結固定される駆動モータ861と、その駆動モータ861の駆動軸に固着される駆動ギア862と、円筒状突設部815に脱落不能に軸支され駆動ギア862を介して駆動力を伝達可能に歯合される複数の伝達ギア863と、その伝達ギア863に歯合される中央円環ギア864と、その中央円環ギア864の配置よりも前側にずれて配置され二重円筒突設部816に脱落不能に軸支される一対の負荷応答ギア865と、その負荷応答ギア865の背面側において二重円筒突設部816の二重筒に支持され負荷応答ギア865にかけられる回転方向の負荷に応じた抵抗が可変とされるトルクリミッタ866と、を備える。
中央円環ギア864は、環状に形成され、その内周側に固定円筒部材820の円筒部821を挿通可能に設計され、内側回転部材830の凹設部831cに進入配置可能となるように凹設部831cに対応する配置および形状で底板部から正面側に突設される伝達突部864aと、その伝達突部864aの内径側および外径側に配置される同軸二重円環形状で底板部から正面側に突設される支持円環状部864bと、を備える。
組立状態では、伝達突部864aが凹設部831cに進入配置された状態において、支持円環状部864bの間の隙間に内側回転部材830の本体部831の後方端部が中間ばめの寸法関係または締りばめの寸法関係で嵌合される。これにより、中央円環ギア864と内側回転部材830とを一体的に回転させることができる。
なお、凹設部831c及び伝達突部864aの配置については何ら限定されるものではない。例えば、円周方向に等間隔で配置されるようにしても良いし、円周方向に不等間隔で配置されるようにしても良い。
等間隔であれば、内側回転部材830と中央円環ギア864との姿勢を考慮せずとも、伝達突部864aと凹設部831cとの配置を合わせれば組み付けることができるので、組み付けを迅速に行うことが可能となる。本実施形態にように、内側回転部材830及び中央円環ギア864の形状が回転方向で対称(72度間隔で同じ)とされる場合には、内側回転部材830及び中央円環ギア864の姿勢が組み付け時にずれることによる影響は少ないと考えられるので、等間隔とすることは有効である。
不等間隔であれば、組み付け作業時において、内側回転部材830に対して中央円環ギア864の姿勢を合わせてから組み付けるという工数が1個増えるが、凹設部831cへの伝達突部864aの配置を利用して、内側回転部材830と中央円環ギア864との姿勢合わせを行うことができる。
負荷応答ギア865は、外側回転部材840のギア歯843と歯合可能に配設される。負荷応答ギア865にトルクリミッタ866が係合していることにより、内側回転部材830及び中央円環ギア864と、外側回転部材840と、の間の回転抵抗の大小に起因して、負荷応答ギア865の回転が許容される状態と、規制(制限)される状態と、が切り替えられるよう構成されている。
即ち、トルクリミッタ866は、所謂安全クラッチとして機能するものであり、所定の許容値を超える負荷がかかると接続を切り、駆動力の伝達を解除するよう構成される。本実施形態では、一方向の駆動力を伝達する装置(ワンウェイのトルクリミッタ)が、伝達方向を逆とする一組で構成され、トルクリミッタ866による駆動伝達の切り替えを双方向で応答性良く行えるように構成している。
図62は、第3動作ユニット800の構成の一部の分解正面斜視図であり、図63は、第3動作ユニット800の構成の一部の分解背面斜視図である。なお、図62及び図63では、第3動作ユニット800の装飾部分が図示されており、変位を構成するための部分の図示が省略されている。
図62及び図63に示すように、第3動作ユニット800は、上述した内側回転部材830と、その内側回転部材830の円筒状突設部834bに締結固定され円筒状突設部834bの一方の側面を覆う第1装飾部材870と、円筒状突設部834bに締結固定されると共に第1装飾部材870の反対側の側面から円筒状突設部834bを覆う第2装飾部材880と、を備える。
第1装飾部材870は、円筒状突設部834bに締結固定可能に形成される第1骨格部871と、その第1骨格部871の一側を覆うよう形成される第1覆設部875と、を備える。
第1骨格部871には、全体に鍍金処理がされており、光を反射し易いよう構成されている。
第1覆設部875は、枠の内側が無色で光透過性の樹脂材料で形成されており、その表面に図形や模様や、キャラクターの絵柄(以下、「絵柄等」とも称す)が描かれており、表面が正面側に向いた際には、その絵柄等を遊技者に視認させる。
本実施形態では、複数(5個)の第1覆設部875に、それぞれ独立した絵柄等が描かれている。そのため、電飾基板823による発光制御で強発光させる第1覆設部875を変更したり、第1覆設部875の配置を変更したりすることで、遊技者の注目を集める絵柄等を異ならせることができる。
例えば、遊技者目線で、第3図柄表示装置81側にいずれの第1覆設部875が停止するかに注目させるような表示演出を第3図柄表示装置81で実行すると同時に、内側回転部材830を回転させるように制御すれば、その回転に伴い第3図柄表示装置81側の第1覆設部875を継続的に変更することができるので、回転が停止するまでの期間に亘り、遊技者の視線を第1覆設部875に集めることができる。
第2装飾部材880は、円筒状突設部834bに締結固定可能に形成される第2骨格部881と、その第2骨格部881の他側を覆うよう形成される第2覆設部885と、を備える。
第2骨格部881は、第2覆設部885に収容される磁石Mg2を脱落不能に保持するための保持片881aを備える。
第2覆設部885は、隣設される第2覆設部885に収容される磁石Mg2の吸着力が作用する位置(近接位置)に金属製ネジが螺入固定されており、この金属製ネジに磁石Mg2が吸着することで、合体状態(特に、一連合体状態、図32参照)における第2覆設部885の一体性が確保できるように図っている。
第2覆設部885は、表面に図形や模様や、キャラクターの絵柄(以下、「絵柄等」とも称す)が描かれており、表面が正面側に向いた際には、その絵柄等を遊技者に視認させる。
本実施形態では、複数(本実施形態では、5個)の第2覆設部885に描かれる絵柄等は、複数(少なくとも2個、最大で5個)の第2覆設部885が組となるよう絵柄等が構成されており、5個の第2覆設部885が合体状態を構成した時に正面視で「円状体」として視認されるように各第2覆設部885をその円状体の一部を構成するように装飾している。
第2覆設部885に描かれる絵柄等は特に限定されるものではないが、本実施形態では、一連合体状態において第2覆設部885から把握される内容が第2装飾部材880の回転方向の配置が異なっても大きな違いが生じない絵柄として設計している。即ち、絵柄として明確な上下左右があるものではなく、回転させても外形の変化が目立たない(本実施形態では、円形状)を構成する設計としている。
そのため、複数の第2覆設部885同士を強固に一体化できる方が、第2覆設部885を遊技者に視認させる時の演出性能を向上させることができる。この点で、本実施形態では、合体状態において磁石Mg2の吸着力により第2覆設部885側が強固に一体化されるので、第2覆設部885が正面側に配置されている場合の合体状態における演出性能を向上させることができる。
なお、各第2覆設部885において、幅方向の片側に磁石Mg2が配設され、逆側に金属製ネジが螺入固定されている。後述する切替回転動作により第2覆設部885の向きが前後で反転した場合には、それに伴い正面視での磁石Mg2と金属製ネジとの配置も反転することになる。
この場合でも、各磁石Mg2が吸着する金属製ネジが、逆側に隣設される第2覆設部885に螺入固定される金属製ネジに入れ替わるだけであり、5個の第2覆設部885が円環状に配設されていることから一体化した際の吸着度合いに変化はない。
一方、本実施形態では、第1覆設部875には、磁石を収容していない。これにより、第1覆設部875側における一体化の強度は、若干弱くなっているが、これにより演出性能が低下することを回避するようにしている。
即ち、第1覆設部875には、それぞれ独立した絵柄等が描かれているので、合体状態における一体化の程度が弱く、第1装飾部材870の配置が多少ずれることがあっても、遊技者に視認させる絵柄等を認識できなくなる可能性は無い。従って、第1覆設部875に描かれる絵柄等を利用した演出の演出性能が低下することを回避することができる。
更に、第1覆設部875側の一体化の強度が弱くなっていることにより、昇降変位(からの停止)に伴い生じる振動や、一体回転動作や切替回転動作としての回転変位(からの停止)に伴い生じる振動により、合体している第1覆設部875同士の配置をずらすことができる。これにより、第1覆設部875が分割体ではなく、単一の円形部材から構成される従来機では実現不可能な変位態様で第1覆設部875を変位させることができるので、第1覆設部875による演出の演出効果を向上させることができる。
上述の事情から、複数の装飾部材870,880が近接配置される合体状態において、第1装飾部材870が前側を向く状態を個別合体状態とも称し(図31参照)、第2装飾部材880が前側を向く状態を一連合体状態とも称す(図32参照)。次いで、個別合体状態と一連合体状態とを切り替えるための動作について説明する。
図64(a)、図64(b)、図65(a)及び図65(b)は、外側回転部材840及び中間腕部材850の背面図であり、図66(a)、図66(b)、図67(a)及び図67(b)は、外側回転部材840及び中間腕部材850の正面図である。
図64から図67では、駆動モータ861(図60参照)の駆動力が伝達され、内側回転部材830が外側回転部材840に対して相対的に回転動作することにより変位する中間腕部材850の変位が時系列で図示される。
即ち、背面視および正面視において時系列で図示されており、個別合体状態(図64(a)、図66(a))から、内側回転部材830が45度ずつ回転する様子が図示されている。
なお、図64から図67では、金属棒832の軸線が仮想位置線832Fとして記載されており、この仮想位置線832Fの配置の角度変化が、内側回転部材830の回転角度に対応する。なお、個別合体状態(図64(a)、図66(a))からの内側回転部材830の回転角度が角度θ31で図示される。
図64から図67に示すように、個別合体状態から内側回転部材830が正面視(図66参照)反時計回りに回転すると(この回転動作を、以下において「切替回転動作」とも称する)、中間腕部材850の回動が許容されることから、内側回転部材830の外側回転部材840に対する相対的な回転が許容される。本実施形態では、外側回転部材840はトルクリミッタ866(図60参照)の抵抗により配置が維持され、内側回転部材830のみが回転動作する。
従って、図64から図67において、円筒状部842aの配置は維持されており、中間腕部材850は、外側回転部材840の円筒状部842aを中心に回動変位する。
上述の部材間の構成から、仮想位置線832Fは、被支持孔854aの中心を通る直線であり、被支持孔854aに直動部材833の円筒状突設部833aが締結固定されることから、被支持孔854aの配置変化は、直動部材833の配置変化に対応する。
図64及び図65に示すように、回転伝達部854が内側回転部材830の回転軸を中心とした径方向に変位し、同時に、周方向に変位するので、回転伝達部854に支持される回転部材834も同様に、内側回転部材830の回転軸を中心とした径方向に変位し、同時に、周方向に変位する。即ち、切替回転動作において、直動部材833は、径方向の変位を伴いながら、周方向に180度変位する。
切替回転動作に周方向の変位が含まれることから、径方向終端位置においても直動部材833、回転部材834及びそれに締結固定される装飾部材870,880の配置が固定されることなく、周方向への変位を保つことができるので、径方向の直動変位のみで変位が完結する場合(例えば、第2動作ユニット700で上述した反転動作)に比較して、切替回転動作中における演出効果を高く維持することができる。
なお、これに対し、第2動作ユニット700で上述した反転動作においては、傘歯部783c及び傘歯部材785c(図58参照)の弾性回復力を利用した加速度の高い回転動作を生じさせることで、直動方向外側変位終端(図59(b)参照)における覆設部材787の配置が固定されている印象を弱めるよう図っている。
即ち、覆設部材787の回転始期を遅らせ、且つ回転終期を遅らせないことにより、覆設部材787の回転速度の向上を図っており、左右方向外側変位終端において左右位置の変化幅が小さい期間(スライダクランクの死点付近の期間)が継続する状況にあっても、覆設部材787の回転速度を上昇させることで覆設部材787の動作による演出効果を高く維持するよう図っている。
切替回転動作に径方向の変位が含まれることから、中間腕部材850から外側回転部材840に径方向の負荷が生じ易く外側回転部材840の回転軸のずれが生じる可能性が考えられるが、本実施形態では、中間腕部材850の径方向の負荷が回転軸を中心として等間隔(72度間隔)で同様に生じるので、各負荷が互いに相殺し合うことになる。これにより、外側回転部材840の回転軸のずれを抑えることができるので、切替回転動作を正常に実行させ易くすることができる。
このように、第3動作ユニット800の回転動作における径方向変位(拡大縮小変位)は、円周方向の回転を伴いながら生じる。そのため、周囲の装飾部材との衝突を避けるために、第3動作ユニット800の切替回転動作は、第3動作ユニット800が張出状態となっていることが昇降アーム部材801の姿勢を判定する検出センサの出力により判定されている状態において実行可能となるように制御される。
また、回転伝達部854の上述の変位に伴い、回転部材834に締結固定される第1装飾部材870及び第2装飾部材880も同様に、内側回転部材830の回転軸を中心とした径方向に変位し、同時に、周方向に変位する。
中間腕部材850が回動変位することにより、傘歯部854c(図66及び図67参照)と、回転部材834の傘歯部834a(図60参照)とが歯合し、回転部材834及び回転部材834に締結固定される装飾部材870,880が金属棒832を軸として回転変位する。
この回転変位の角度は、仮想位置線832Fを基準とした中間腕部材850の回転角度としての角度θ32に比例する。また、その回転方向は、角度θ32が仮想位置線832Fから正面視反時計回り方向に離れるよう増大しており、回転部材834が中間腕部材850の正面側に配置されることから(図60参照)、仮想位置線832Fの径外方向側から見て反時計回り方向に設定される。
回転部材834は、一体回転状態において第1装飾部材870又は第2装飾部材880のいずれかが正面側を向く姿勢となるので、角度θ31の最大値としての最大角度θ31E(本実施形態では、180度)の回転によって、中間腕部材850の回転角度が最大値としての最大角度θ32E(本実施形態では、90度)となる場合に、回転部材834の傘歯部834aが半周回転(180度回転)するよう構成される。
即ち、回転部材834が金属棒832を中心として回転する角度は、傘歯部854cの被支持孔854aを中心とした回転角度の2倍となるように構成される。
ここで、上述の第2動作ユニット700の磁石Mgの作用として説明したものとは異なり、磁石Mg2(図62参照)の吸着力は、金属棒832を中心とする装飾部材870,880の回転変位に対して回転を遅らせるような作用を生じさせるものではない。
即ち、磁石Mg2は、隣設する第2装飾部材880との間で吸着力を生じるものであり、中間腕部材850の回動に伴い装飾部材880が金属棒832に沿って径外方向に変位することに伴い、隣設される第2装飾部材880の間に隙間が生じることで吸着力は失われ得る。
従って、金属棒832を中心とする回転変位が開始される前において、磁石Mg2の吸着力は失われることになり、金属棒832を中心とする装飾部材870,880の回転変位に対して回転を遅らせるような作用は生じない。
そのため、装飾部材870,880を回転変位させるために必要となる駆動力を低減することができる。即ち、駆動モータ861に要求される駆動力を低減することができるので、駆動モータ861の小形化を図ることができる。
更に、装飾部材870,880の回転変位を迅速に開始し、早期に終了させることができるので、金属棒832を中心とする回転変位に対する遊技者の注目度合いを低くすることができる。
装飾部材870,880の回転変位の開始時の迅速性は、内側回転部材830の回転角度に対する装飾部材870,880の回転角度を一定ではないように構成することでも保たれている。
例えば、中間腕部材850の回動の過程において、中間腕部材850が縮径配置され一体回転動作が可能な状態からの仮想位置線832Fの回転角度(内側回転部材830の回転角度)が45度である場合には角度θ32が18度であり(図66(b)参照)、更に45度の角度で仮想位置線832Fが回転した場合における角度θ32が27度とされる(図67(a)参照)。
即ち、角度θ32は、一体回転動作が可能な状態からの内側回転部材830の回転開始側の方が、回転途中に比較して小さくなるように設計されている。これにより、内側回転部材830の回転開始時において装飾部材870,880の回転変位の程度を抑制することができる。
駆動モータ861の駆動力は、内側回転部材830の回転、中間腕部材850の回動および装飾部材870,880の回転に利用されることになるが、上述のような構成から、一体回転動作が可能な状態からの内側回転部材830の回転開始時において装飾部材870,880の回転に要する駆動力を低減することができるので、内側回転部材830の回転開始時に駆動モータ861にかけられる負担が過度に大きくなることを回避することができる。
また、金属棒832を中心とする装飾部材870,880の回転変位は、正面視で円周方向に位置ずれしながら生じるので、回転変位中の装飾部材870,880の視認性を低く抑えることができる。これにより、装飾部材870,880の側面部(例えば、第1覆設部875と第2覆設部885との連結面)が視認される可能性を低くすることができ、装飾部材870,880の側面部の設計自由度を向上することができる。
切替回転動作の際、正面視において、中間腕部材850は、隣設される中間腕部材850と配置が重なる。また、自らが軸支される円筒状部842aが配設される延設腕部842に隣設される延設腕部842とも配置が重なる。そのため、対策なしでは、中間腕部材850が周辺の部分と衝突する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、中間腕部材850の構成を部位ごとに前後にずらすことで衝突の回避を図っている。即ち、中間腕部材850の基端側棒部851よりも、先端側棒部853及び回転伝達部854の方が後側に配置されるようにすることで、基端側棒部851と先端側棒部853及び回転伝達部854とが前後で重なるようにでき、切替回転動作の際に衝突することを回避することができる。
また、基端側棒部851は延設腕部842の前側に、先端側棒部853及び回転伝達部854は延設腕部842の後側に配置するようにすることで、切替回転動作の際に中間腕部材850が延設腕部842の前後に配置されるようにすることができ、中間腕部材850と延設腕部842との衝突を回避することができる。
図64から図67では、外側回転部材840を基準とした内側回転部材830の回転方向が、中間腕部材850の回動を許容する方向(個別合体状態における正面視反時計回り方向、図66参照)である場合を説明した。この場合、トルクリミッタ866を介して抵抗を生じる負荷応答ギア865にギア歯843が歯合されることで抵抗を受け、外側回転部材840の回転変位は制限される。
一方、内側回転部材830の回転方向が上述の逆方向(個別合体状態における正面視時計回り方向)である場合や、中間腕部材850の回動を許容する方向(個別合体状態における正面視反時計回り方向)での回転により中間腕部材850が回動を規制される状態に到達(例えば、個別合体状態から一連合体状態に到達)してからも同方向で回転を継続した場合には、外側回転部材840の回転を規制するトルクリミッタ866の許容値を超える負荷が負荷応答ギア865に負荷され、トルクリミッタ866による負荷応答ギア865の姿勢維持が解除され、内側回転部材830と外側回転部材840とが同期回転する。
換言すれば、回転方向に関わらず、中間腕部材850の回動が規制される状態において、中間腕部材850の回動の規制を継続する方向に内側回転部材830を回転させるように駆動した場合、内側回転部材830及び外側回転部材840が同期回転し、中間腕部材850、第1装飾部材870及び第2装飾部材880が合体状態を維持したまま一体回転する(この回転動作を、以下において「一体回転動作」とも称する)。
一体回転動作は、中間腕部材850の回動が規制される状態で生じるものであり、本実施形態では、第1装飾部材870及び第2装飾部材880が互いに近接配置された合体状態で生じる。
そのため、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の拡径方向の変位が生じる切替回転動作と異なり、周囲の装飾部材との衝突を考慮する必要が無いので、第3動作ユニット800の演出待機状態において一体回転動作を実行することができる。従って、本実施形態では、一体回転動作は、第3動作ユニット800の配置に関わらず、実行可能に制御される。
本実施形態では、上述のように、単一の駆動モータ861(図60参照)の駆動力により、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の拡径方向変位を伴う切替回転動作と、拡径方向変位を伴わない第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作と、を実行可能とされており、両駆動方向でいずれの動作も実行可能であるが、動作に優先順位があり、任意の回転方向で即座に任意の動作を実行可能なわけではない。
例えば、図64(a)及び図66(a)に示す状態からは、内側回転部材830を正面視反時計回りに回転させることで切替回転動作を実行可能であり、そのまま回転を継続すれば一体回転動作を実行可能であり、また、内側回転部材830を正面視時計回りに回転させることで一体回転動作を実行可能とされるが、即座には、正面視反時計回りの回転で一体回転動作を実行することはできない。
また、例えば、図64(a)及び図66(a)に示す状態から、内側回転部材830を正面視反時計回りに回転させ、中間腕部材850が回動を規制される状態に到達した後で、内側回転部材830を正面視時計回り(逆回り)に回転させた場合には、再び切替回転動作が実行されてしまい、即座には、正面視時計回りに一体回転動作を実行することはできない。
このように、本実施形態の第3動作ユニット800の動作態様は、駆動モータ861の回転方向に対して、中間腕部材850の変位が規制される状態か、又は許容される状態か、によって、内側回転部材830及び外側回転部材840の相対的変位が変化する。
そのため、本実施形態において、音声ランプ制御装置113(図4参照)は、駆動モータ861の回転方向毎に、中間腕部材850の変位が規制される状態か、又は許容される状態か、を判定可能に制御され、その判定結果から、適切な駆動方向で駆動モータ861を駆動制御可能とされる。以下において、駆動モータ861の駆動制御の一例について説明する。
図68は、昇降アーム部材801の配置、駆動モータ861の駆動態様および検出センサ813の出力の一例を時系列で示すタイミングチャートである。図68に示すように、音声ランプ制御装置113(図4参照)は、第3動作ユニット800の演出制御として通常演出と反転演出とを交互に繰り返すよう制御される。
反転演出時には、切替回転動作を含む動作を実行し、通常演出時には、切替回転動作を含まない動作を実行する。これは、切替回転動作において装飾部材870,880と周囲の装飾部材とが衝突することを避けるためである。
同様の目的から、突然停電が生じた場合等から再度電源を投入した場合や、朝一に電源投入した場合には、第3動作ユニット800を張出状態としてから駆動モータ861の回転制御を実行し、検出センサ813の出力から可動部分の状態を把握した後において、通常演出時の制御を実行するように制御される。これにより、電源投入時において検出センサ813の出力結果から可動部分の状態が把握できない場合であっても、誤って装飾部材870,880と周囲の装飾部材とが衝突する事態を回避することができる。
駆動モータ861の駆動方向として、正回転と、逆回転とを記載している。図68における正回転は、内側回転部材830を正面視時計回りに回転させる駆動態様(個別合体状態(図66(a)参照)において一体回転動作を即座に実行する駆動態様)に対応し、図68における逆回転は、内側回転部材830を正面視反時計回りに回転させる駆動態様(個別合体状態において、切替回転動作を即座に実行する駆動態様)に対応する。
まず、反転演出時に至る前における、通常演出時の駆動制御について説明する。この通常演出時には、第3動作ユニット800は個別合体状態とされており、駆動モータ861は停止するか、又は正回転の駆動制御のみが実行される。そのため、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の回転動作は、常に一体回転動作とされる。
切替回転動作は生じないので、周囲の装飾部材との衝突は生じ得ず、第3動作ユニット800の配置は演出待機状態または張出状態に任意のタイミングで切替可能である。例えば、昇降アーム部材801の上下動作により被保持部材810を昇降変位させている最中に駆動モータ861を駆動することで、昇降変位と同時に第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作を生じさせることもできるよう、制御される。
当然、昇降アーム部材801の配置が固定している状態において第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作を生じさせても良いし、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作を停止した状態で昇降アーム部材801の昇降動作を行うようにしても良い。
駆動モータ861の駆動の方向が正回転のみなので、外側回転部材840の被検出部844が検出センサ813の検出溝に進入する度に検出センサ813の出力が切り替わり、この出力の切り替わりを判定することで音声ランプ制御装置113(図4参照)は外側回転部材840の姿勢を初期位置として判定することができ、この初期位置からの駆動時間を複数種類で設定することで、外側回転部材840を任意の姿勢で停止するよう制御することができる。
次いで、反転演出時における駆動制御について説明する。まず、反転演出時には、昇降アーム部材801が下降変位し、第3動作ユニット800が張出状態とされる。この状態で駆動モータ861は、検出センサ813の検出溝に被検出部844が進入している状態となるまで正回転を継続するよう制御される。
検出センサ813の出力の切り替わりにより、検出センサ813の検出溝に被検出部844が進入している状態が判定されたら、駆動モータ861を逆回転で駆動する。逆回転の駆動により、第3動作ユニット800では、切替回転動作が実行されるが、この間は外側回転部材840の回転はトルクリミッタ866の抵抗により規制されるので、検出センサ813の出力は維持される。
そのままの回転方向で駆動モータ861の駆動を継続すると、一連合体状態に到達し、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作が実行される。一体回転動作開始後は、外側回転部材840も内側回転部材830と連動して回転開始するので、被検出部844が検出センサ813の検出溝から退避し、検出センサ813の出力が切り替えられる。即ち、音声ランプ制御装置113(図4参照)は、検出センサ813の出力の切り替わりにより、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作が開始されたと判定することができる。
一体回転動作が開始された後は、駆動モータ861は停止するか、又は逆回転の駆動制御のみが実行される。そのため、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の回転動作は、常に一体回転動作とされる。切替回転動作は生じないので、周囲の装飾部材との衝突は生じ得ず、第3動作ユニット800の配置は演出待機状態または張出状態に任意のタイミングで切替可能である。
駆動モータ861の駆動の方向が逆回転のみなので、外側回転部材840の被検出部844が検出センサ813の検出溝に進入する度に、検出センサ813の出力が切り替わり、音声ランプ制御装置113(図4参照)は外側回転部材840の姿勢を判定することができる。
反転演出時から通常演出時に切り替わる際には、事前に、昇降アーム部材801が下降変位し、第3動作ユニット800が張出状態とされる。この状態で駆動モータ861は、検出センサ813の検出溝に被検出部844が進入している状態となるまで逆回転を継続するよう制御される。
検出センサ813の出力の切り替わりにより、検出センサ813の検出溝に被検出部844が進入している状態が判定されたら、駆動モータ861を正回転で駆動する。正回転の駆動により、第3動作ユニット800では、切替回転動作が実行されるが、この間は外側回転部材840の回転はトルクリミッタ866の抵抗により規制されるので、検出センサ813の出力は維持される。
次いで、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作が実行される。一体回転動作開始後は、外側回転部材840が回転を開始することで、被検出部844が検出センサ813の検出溝から退避し、検出センサ813の出力が切り替えられる。即ち、音声ランプ制御装置113(図4参照)は、検出センサ813の出力の切り替わりにより、第1装飾部材870及び第2装飾部材880の一体回転動作が開始されたと判定することができる。
一体回転動作が開始された後で、再び通常演出時に移行する。この通常演出時の駆動制御についての制限は、上述の反転演出時の前に配置されていた通常演出時において説明した駆動制御についての制限と同様である。
このように、本実施形態によれば、単一の検出センサ813を、第3動作ユニット800の回転態様の切り替えの判定(一体回転動作または切替回転動作)と、外側回転部材840の回転角度の基準の判定と、に兼用することができる。従って、各判定に個別の検出センサを利用する場合に比較して、検出センサ813の必要個数を削減することができる。
上述のように、一体回転動作を継続する状態または回転を停止している状態から、駆動モータ861の駆動方向を逆方向に切り替えることにより、切替回転動作を実行することができる。即ち、個別合体状態における第1装飾部材870の姿勢に関わらず、切替回転動作を実行し一連合体状態に切り替えることができる。
そのため、動作演出において、大当たり告知のタイミングで一連合体状態に切り替えるように制御する場合において、第1装飾部材870の姿勢から大当たり告知の有無を遊技者に予想されることを回避することができる。
更に、一連合体状態における装飾は、上述のように、遊技者に把握される内容が、第2装飾部材880の回転方向の配置によって大きく違わないように設計されている。即ち、切替回転動作の開始時における装飾部材870,880の回転方向の配置が異なる場合であっても、切替回転動作の終了時において一連合体状態として遊技者に把握される内容を同様のものとすることができる。
そのため、一連合体状態における絵柄が回転方向の配置で異なる場合と異なり、一連合体状態に到達した後において姿勢を合わせるための一体回転動作を省略することができるので、個別合体状態における第1装飾部材870の姿勢に関わらず、大当たり告知までの駆動制御を同一とすることができる。
このように、本実施形態では、駆動モータ861の駆動方向としての正回転と逆回転との双方で、切替回転動作および一体回転動作の双方の動作態様を実現することができる。従って、正回転と逆回転とで動作態様が固定されている場合に比較して、単一の駆動モータ861で多種多様な演出態様を実現することができる。
図69は、図28のLXIX-LXIX線における第3動作ユニット800の断面図である。図69に示すように、固定円筒部材820の円筒部821の開口は、被保持部材810の筒固定部812が配置される後端部から、電飾基板823が配置される前端部まで貫通しており、この開口を後端部から前端部まで電気配線が案内され、電飾基板823に配設されるコネクタに端子が接続される。この電気配線を通して電気が導通され、電飾基板823に配置されるLEDを発光制御可能に構成している。
電飾基板823の内側発光部823aから照射される光LH1は、透光装飾部材824の中央部側において正面側に膨出する膨出部824aを照らすように作用する。膨出部824aは、装飾部材870,880の合体状態において第1装飾部材870又は第2装飾部材880が円周上に配置される円の中央部において遊技者に視認可能とされる部分として機能する。
電飾基板823の外側発光部823bから照射される光LD1は、前側に配置される装飾部材870,880(図69においては第1装飾部材870)の内部に照射され、装飾部材870,880を内部から照らすように作用する。
本実施形態では、装飾部材870が前側に配置される個別合体状態(図69参照)と、装飾部材880が前側に配置される一連合体状態(図32参照)と、を切り替え可能とされているので、光LD1により、装飾部材870を照らす場合と、装飾部材880を照らす場合とを切り替えることができる。
個別合体状態(図69参照)では、第1骨格部871の鍍金処理されている鍍金部871aで正面側に反射することで、光LD1の向きを正面側に切り替えるよう構成している。これにより、光LD1の大部分が第1覆設部875に向かうように照射することができ、光LD1の照射時における第1覆設部875の明るさを良好に高めることができる。
ここで、本実施形態では、電飾基板823は固定配置されており、その周囲を装飾部材870,880が回転するように構成されているので、光LD1の照射方向と装飾部材870,880の配置との関係は装飾部材870,880の回転により変化し得る。例えば、回転中において、鍍金部871aの中心部に光LD1が照射される場合があれば、同じLEDから照射される光LD1が鍍金部871aの中心部からずれた位置に照射される場合も生じ得る。そのため、対策なしでは、光LD1による第1覆設部875の明るさの程度が装飾部材870,880の回転により変化し易くなり、一定明るさで発光させながら装飾部材870,880を一体回転動作させる演出を実行することが困難となる可能性がある。
これに対し、本実施形態では、光LD1を反射可能に構成される鍍金部871aの形状が凹面形状とされ、この凹面形状の曲率半径は、電飾基板823の半径よりも小さくなるように形成され、且つ、その中心が正面視で第1覆設部875の中心部付近に配置されるよう設計される。
光LD1は外側発光部823bが配置される円の外径方向に光軸を向けるように配置されるので、光LD1は、鍍金部871aの凹面形状に反射されることで、その曲率半径の中心側へ向けて進行することになり、第1装飾部材870の各第1覆設部875の中央付近を照らす。
従って、外側発光部823bを基準とした鍍金部871aの配置によらず、複数の光LD1を、第1覆設部875の中央付近を照らすように反射することができる。これにより、第1覆設部875の前板部の中央付近に光を安定的に照射することができるので、一体回転動作中においても、第1覆設部875を均一な明るさで視認させることができる。
更に、第1骨格部871は、鍍金部871aへの鍍金処理と同様に鍍金処理が行われる部分であって、正面視で第1覆設部875の外方に配置される外鍍金部871bを備える。光LD1は、鍍金部871aと同様に外鍍金部871bでも反射されることになるが、鍍金部871aの配置に比較して外鍍金部871bが後方に配置されていることから、外鍍金部871bの光方の程度を弱めることができる。
これにより、第1覆設部875の外方において視認される光の強度が強すぎて、遊技者が眩しく感じ、第1覆設部875の枠の内側の視認性を低下させる事態を回避することができる。
電飾基板823は第1装飾部材870及び第2装飾部材880に前後から挟まれているが、つなぎ目において完全に閉塞されているものではないので、外側発光部823bからの光の全てがその内側に照射されるものではない。
まず、第1覆設部875の部材縁部875aと、その部材縁部875aに対向配置される第2覆設部885の部材縁部885aとの間には、図69において内部構造が視認可能な程度の隙間VA1が形成されている。この隙間VA1を通って外鍍金部871bが第1覆設部875の枠外方へ張り出しているので、隙間VA1を通った光LD1を外鍍金部871bで反射させることができる。
その上、金属棒832と対向配置される第1覆設部875の部材外端部875bと、第2覆設部885の部材外端部885bとの間には、金属棒832との部材干渉を避けるために要する領域を超える大きな隙間VA2が形成される。
隙間VA2は、第1に、金属棒832と装飾部材870,880との衝突を回避することで、金属棒832の長さを十分に確保できるようにし、金属棒832により直動部材833及び回転部材834の直動変位を案内する機能を確保できるようにする目的で形成される。
隙間VA2は、第2に、骨格部871,881に挿通される締結ネジであって、回転部材834の円筒状突設部834bに螺入されることにより装飾部材870,880を回転部材834に締結固定するための締結ネジの組み付け経路を確保できるようにする目的で形成される。
更に、隙間VA2は、第3に、骨格部871,881の透明部分を通過した光を進行させるための、光の通り道を確保できるようにする目的で形成される。装飾部材870,880は円周上に等間隔で配置されていることから、隙間VAを通り外方へ進行する光は、円周上の等間隔位置を通り、その円の中心から放射状に進行する光として視認される。
そのため、装飾部材870,880の一体回転動作を実行することで、隙間VA2を通過する光も同じように回転させることができる。これにより、外側発光部823bからの光の点灯態様を制御することを不要としながら(例えば、全点灯を継続したままで)、第3動作ユニット800の回転中心から径方向に放射状に出る光が回転する発光態様で視認される発光演出を実行することができる。
一連合体状態(図32参照)では、第2骨格部881の全体が透光性の樹脂材料から形成されていることにより、第2骨格部881による光LD1の反射作用を抑えている。
これにより、第2覆設部885の枠内に照射されるのは、光LD1の内、光軸から離れた光(弱い光)とすることができるので、第2覆設部885の光らせ方の度合いを弱くすることができる。一方で、光LD1の光軸方向の光は、隙間VA2を抜けるので、第3動作ユニット800の回転中心から径方向に放射状に出る光の強度を向上させることができる。
第2覆設部885の枠内には、有色(本実施形態では、円状体の色味として任意の色で設定)で光透過性の樹脂材料から形成され、内側に光拡散加工が形成される光拡散装飾部885cが円周方向に亘って配設される。そのため、光LD1の内、光拡散装飾部885cに入射した光は屈折され、光拡散装飾部885cの全体を面発光させるように作用する。
この面発光により、円周方向に亘って配設される光拡散装飾部885cを介して視認される光の均一化を図ることができ、5個の第2装飾部材880の各光拡散装飾部885cが遊技者に一体的に視認される効果を生じさせることができる。
ここで、複数の第2覆設部885同士を強固に一体化できる方が、第2覆設部885を遊技者に視認させる時の演出性能を向上させることができることは上述した通りであり、この一体化を、光拡散装飾部885cが円周方向に亘って連続的に繋がっているように視認させることで行うことができる。従って、第2覆設部885が正面側に配置されている場合の合体状態における演出性能を向上させることができる。
第2覆設部885の部材外端部885bは、金属棒832と対向する凹形状に形成されており、第1覆設部875の部材外端部875bと近接(当接)する端面885b1は、金属棒832が配設される平面を基準として第1装飾部材870側に張り出している。
これにより、一連合体状態(図32参照)において第3動作ユニット800を斜め方向から視た際に、背面側に配置される第1装飾部材870の第1覆設部875が遊技者の視界に入る程度を下げることができ、演出に与える影響を低減することができる。
これにより、第1覆設部875の枠部と、第2覆設部885の枠部とが、異なる色味で着色されている場合に、第2覆設部885が前側に配置されている時に、第1覆設部875の色味が視界に入ることを防止し易くすることができる。
特に、一連合体状態で、第3動作ユニット800を単独で張出状態とする場合には(図32参照)、他の動作ユニット600,700を共に張出状態とする場合に比較して(図33,F9参照)、第3動作ユニット800の周りに隙間が多く、第3動作ユニット800を斜め方向から視る視線が通り易い。そのため、対策なしでは、第3動作ユニット800の側面が視認されることで、演出効果を低下させ易い。
これに対し、本実施形態によれば、一連合体状態において、第2覆設部885の端面885b1を側面の前後幅の中央よりも後方寄りに配置しているので、斜め方向視で第3動作ユニット800の側面が視認されたとしても、側面の大部分を第2覆設部885の部分として視認させることができ、第1覆設部875が視認される程度を低くすることができる。これにより、一連合体状態において、第1覆設部875よりも、第2覆設部885を見せ易くすることができ、演出効果を向上することができる。
個別合体状態と一連合体状態とを切り替える切替回転動作では、駆動モータ861の駆動力が内側回転部材830に伝達されることで内側回転部材830は回転動作する一方で、外側回転部材840はトルクリミッタ866からの負荷により回転が止められる。
摺動突条部831bで接触面積の低減を図ってはいるが、内側回転部材830自体の回転抵抗が大きい場合には、外側回転部材840へ伝達される負荷は大きくなってしまい、トルクリミッタ866の負荷伝達の許容値を大きくせざるを得ず、トルクリミッタ866の小形化を阻害し易い。
そのため、内側回転部材830の回転抵抗を抑制できることが好ましい。そのために、本実施形態では、以下のような特徴を備えている。例えば、内側回転部材830の回転に係る固定円筒部材820との間の支持箇所は、摺動部材825と接触する前側端部と、中央円環ギア864に支持される後側端部のみであり、その他の部分では隙間を空けるように構成している。これにより、固定円筒部材820と内側回転部材830との間の接触面積を低減することができ、変位抵抗を低減し易く構成できる。
例えば、内側回転部材830は、中央円環ギア864に締結固定されているわけでは無いので、中央円環ギア864を基準とした前側への変位を抑制するためのストッパが必要と考えられるところ、摺動部材825がこのストッパの機能を果たしている。即ち、摺動部材825には内側回転部材830から前側へ押進する方向の負荷を受け得るが、摺動部材825は、その板前面が円形板部822の短径環状部822aと前後で当接する。
短径環状部822aは、外径が摺動部材825の外径と同程度の円環状突部として円形板部822の背面側に配設され、その最外径部において断面半円形状で背面側に突設される突条部822bが円環状に形成される。
この突条部822bが、摺動部材825の前面と前後方向で当接するので、短径環状部822aの背面全体と摺動部材825とが接触する場合に比較して、接触面積を低減することができる。これにより、内側回転部材830の回転方向の変位抵抗を低減することができる。
なお、内側回転部材830及び中央円環ギア864の間で締結ネジを用いていないので、その分、締結ネジの重量増加があった場合に想定される内側回転部材830の変位抵抗を削減することができる。
回転部材834に対する第1装飾部材870及び第2装飾部材880の固定について説明する。この固定の説明に当たっては、図62及び図63を適宜参照する。
第1装飾部材870の回転部材834への固定は、第1骨格部871の挿通孔872に挿通される締結ネジを第1覆設部875の枠後部に形成される被締結部876の雌ネジに螺入することで第1覆設部875を第1骨格部871に締結固定した状態とした後、第1骨格部871の半円状凹設部の端部から張り出す張出部873を凹設溝833dに進入させ(摺動可能に外嵌させ)、挿通孔874に挿通させた締結ネジを円筒状突設部834bに螺入させることで行うことができる。
第2装飾部材880の回転部材834への固定は、第2骨格部881の挿通孔882に挿通される締結ネジを第2覆設部885の枠後部に形成される被締結部886の雌ネジに螺入することで第2覆設部885を第2骨格部881に締結固定した状態とした後、第2骨格部881の半円状凹設部の端部から張り出す張出部883を凹設溝833dに進入させ(摺動可能に外嵌させ)、挿通孔884に挿通させた締結ネジを円筒状突設部834bに螺入させることで行うことができる。
このようにして、第1装飾部材870及び第2装飾部材880を回転部材834に締結固定することができ、回転部材834の直動変位または回転変位に伴い、第1装飾部材870及び第2装飾部材880が直動変位または回転変位するように構成することができる。
固定の過程において、張出部873,883が直動部材833の凹設溝833dに進入することで、骨格部871,881の直動部材833上の配置(金属棒832の長尺方向の配置)が規定され、骨格部871,881が直動部材833から脱落することを防止することができる。
そして、骨格部871,881は回転部材834に締結固定されているので、回転部材834についても同様に、直動部材833上の配置(金属棒832の長尺方向の配置)が規定され、回転部材834が直動部材833から脱落することを防止することができる。
このように、本実施形態では、回転部材834の直動部材833への組み付けにおいて、直動部材833上の回転部材834の配置を規定する部分が回転部材834に固定される骨格部871,881に形成されるので、直動部材833上の配置を規定する部分が回転部材834自体に形成される場合と異なり、組み付けや分解の工数を減らすことができる。
即ち、例えば分解時においては、骨格部871,881を回転部材834に締結固定している締結ネジを取り外せば、骨格部871,881の直動部材833上の配置の規定を解除することができるだけでなく、回転部材834についても直動部材833上の配置の規定を解除することができる。これにより、作業効率を向上することができる。
図70及び図71を参照して、各動作ユニット600~800の組み合わせ動作について説明する。図70(a)から図70(d)、図71(a)から図71(d)は、各動作ユニット600~800の組み合わせ動作の例を時系列に沿って模式的に説明する動作ユニット500の正面模式図である。なお、図70及び図71の説明では、図33から図35を適宜参照する。
図70及び図71では、第1動作ユニット600の各演出面661a~661c、第2動作ユニット700の各装飾面787a1,787a2,787b1,787b2及び第3動作ユニット800の各覆設部875,885における装飾が、文字などで識別可能に模式的に図示される。
即ち、第1演出面661aには、縦書きで「ノーマル」との文字が、第2演出面661bには、横書きで「発動」との文字が、第3演出面661cには、長手方向に沿って「!」の記号が、それぞれ図示されている。
また、第1主装飾面787a1には、「開戦」との文字が、第1副装飾面787a2には、「ピンチはチャンス」との文字が、第2主装飾面787b1には、「攻撃」との文字が、第2副装飾面787b2には、「忍耐!?」との文字が、それぞれ図示されている。
また、第1覆設部875の枠の内側には異なるキャラクターに対応する異なる英数字(「I」~「V」)が図示され、第2覆設部885には5個で一体の「○」記号が図示されている。
図70(a)では、各動作ユニット600~800が、それぞれ演出待機状態に配置されている(図28参照)。なお、第2動作ユニット700の上方には、正面視では見えないものの遊技者目線で視認可能な面としての第1副装飾面787a2が想像線で図示される。
また、図70(b)では、第1動作ユニット600が中間演出状態とされ、第2動作ユニット700が中間演出状態とされ、第3動作ユニット800が張出状態とされている。
第3動作ユニット800の一体回転動作を実行することで、第2動作ユニット700に近接配置される第1装飾部材870の第1覆設部875を次々に入れ替えることができる。また、一体回転動作の継続中や、停止後に、第1動作ユニット600を中間演出状態とすることで、センターフレーム86の枠内部に第3演出面661cを張り出させ、動作ユニット600~800の動きを賑やかにすることができる。
例えば、第3演出面661cが視認可能な場合に、抽選の大当たり期待度が上昇するよう演出を制御することにより、第1動作ユニット600の動作を視認した遊技者の興趣の向上を図ることができる。
一体回転動作が停止された際には、第2動作ユニット700の第1主装飾面787a1に形成される装飾と、第2動作ユニット700に近接配置される第1装飾部材870に形成される装飾とを、一体的に視認させることができる。
これにより、第2動作ユニット700に近接配置される第1装飾部材870に対する注目力を向上させることができ、その第1装飾部材870に形成される装飾に関連する表示演出を第3図柄表示装置81で開始しながら第3動作ユニット800を演出待機状態に戻すことにより、遊技者の視線を第3図柄表示装置81へスムーズに誘導することができる。
注目させる第1装飾部材870としては、第2動作ユニット700に近接配置される第1装飾部材870に限定されるものではない。例えば、第1装飾部材870に光を照射可能に配設される外側発光部823b(図60参照)の点灯パターンを制御することにより、注目させる第1装飾部材870側へ光LD1を照射するLEDを点灯させ、その他のLEDを消灯させることで、任意の第1装飾部材870に注目させることが可能である。
この時、第1装飾部材870の一体回転動作を停止させた状態でLEDの点灯パターンを切り替えても良いし、第1装飾部材870の一体回転動作に合わせてLEDの点灯パターンを切り替えても良い。
第1装飾部材870の一体回転動作に合わせてLEDの点灯パターンを切り替える場合には、点灯させるLEDを回転方向で順次切り替えるようにして、光および第1装飾部材870が同軸円に沿って回転変位しているように遊技者に視認させても良い。また、点灯させるLEDは固定しておき、そのLEDから光を照射される位置に各第1装飾部材870が一体回転動作により順番に到達することを利用して、光が照射される第1装飾部材870を切り替えるようにしても良い。
図70(a)に示す状態では、第1動作ユニット600の第2装飾回転部材660及び装飾固定部材670が、共に縦長に形成される装飾を備えており一体的に視認させることができる。特に、装飾固定部材670の前側面が、演出待機状態における第1演出面661aと同様に、斜め方向を向く面として形成されていることにより、一体的に視認される作用が高められている。
一方、図71(a)に示す状態になると、図70(b)に示す途中経過で第2装飾回転部材660の下端部が装飾固定部材670と離れるように変位することに加え、第1動作ユニット600の第2装飾回転部材660は横長に形成される装飾となることから装飾固定部材670との一体感が低下し、今度は、同様に横長に形成される装飾を備える第2動作ユニット700の覆設部材787と一体的に視認させることができる。
図35では第2動作ユニット700の中間演出状態が図示されているが、図71(a)に図示されるように、第2動作ユニット700を張出状態とすれば、覆設部材787と第2装飾回転部材660との上下間隔が更に縮まり、一体的に視認される作用を高めることができる。
この時、張出装飾部652bが視認可能な位置に張り出しており、第3図柄表示装置81の右縁が領域右端RE1よりも右方に拡大しているように視認させる上述の作用により、第2演出面661bの配置が右縁寄りであっても窮屈な印象を遊技者に与えることを防止できる。
また、これにより、第2主装飾面787b1と同様に、第2演出面661bも第3図柄表示装置81の中央側に配置されているように遊技者に視認させることができ、第2主装飾面787b1と第2演出面661bとが一体的に視認される作用を高めることができる。
この場合において、張出装飾部652bの装飾を、第2演出面661bの装飾や、第2主装飾面787b1(第1主装飾面787a1)の装飾と関連する内容で形成することで、第2主装飾面787b1(第1主装飾面787a1)、第2演出面661b及び張出装飾部652bが一体的に視認される作用を高めることができる。
図70(c)及び図70(d)では、第1動作ユニット600及び第3動作ユニット800が演出待機状態とされ、第2動作ユニット700が張出状態とされている。第2動作ユニット700の反転動作について図70(d)に図示するが、第1動作ユニット600の張出状態において第2装飾回転部材660は、第2動作ユニット700の覆設部材787の左右外側に配置されるものでは無いので、第1動作ユニット600を張出状態としたままでも、覆設部材787の反転動作(図59参照)を実行することができる。
覆設部材787の反転動作においては、左右が異なる副装飾面787a2,787b2を正面側に向けることになるので、識別力を有しない状態とできることについて上述したが、図70(d)に示すように、異なる副装飾面787a2,787b2が組み合わさることで遊技者が内容を識別可能に構成しても良い。
図70(d)によれば、「ピンチ!?」との内容を遊技者が識別でき、この状態で第2動作ユニット700の駆動を停止させることで第2動作ユニット700のその後の動きに注目させることができるので、遊技者の視線を第2動作ユニット700に集めることができる。
例えば、抽選がはずれであることを報知する場合に、図70(d)の状態から図70(c)に戻すように制御し、抽選結果について未だ報知しない場合や抽選が大当たりであることを報知する場合に、図70(d)の状態から反転を継続し図71(a)に示す状態とするような制御を行うことで、遊技者の視線を第2動作ユニット700に集めることができる。
図71(a)では、第1動作ユニット600及び第2動作ユニット700が張出状態とされ、第3動作ユニット800が演出待機状態とされる。なお、第2動作ユニット700の上方には、正面視では見えないものの遊技者目線で視認可能な面としての第2副装飾面787b2が想像線で図示される。
図71(a)に示す状態では、第2演出面661bと、第2主装飾面787b1とが、近接配置され、それぞれに記載される文字が共に横書きであるので、遊技者に一体的に視認させ易い。また、その内容は、「攻撃発動」との一連の意味を成す内容となるので、尚更、一体的に視認させ易い。
第1動作ユニット600は、演出待機状態(図70(a)参照)においては、第1演出面661aと、装飾固定部材670とが、近接配置され、それぞれに記載される文字が共に縦書きであるので、遊技者に一体的に視認させ易い。また、その内容は、「ノーマルタイム」との一連の意味を成す内容となるので、尚更、一体的に視認させ易い。
このように、本実施形態では、第1動作ユニット600の各演出面661a,661bを、異なる部材の側面(例えば、第2主装飾面787b1又は装飾固定部材670の前面)と一体視させるように構成している。これにより、演出効果を向上することができる。
図71(b)から図71(d)では、第1動作ユニット600及び第2動作ユニット700が演出待機状態とされ、第3動作ユニット800が張出状態とされる。図71(b)に示す状態と、図71(c)に示す状態とは、第3動作ユニット800が一体回転動作を実行されることにより、第1装飾部材870の配置が異なる。一方で、いずれの状態から切替回転動作が実行されたとしても、遊技者に対して同一の一連合体状態として視認させることができる(図71(d)参照)。
即ち、第2装飾部材880が正面側を向く状態では、第1装飾部材870の配置の違いを遊技者が認識することはできないように構成されている。これにより、第3動作ユニット800の動作制御として、図柄変動中に第3図柄表示装置81で表示される表示演出の終盤に切替回転動作が実行されることで大当たりの当否を報知するよう設定される場合において、第1装飾部材870の配置から大当たりの当否の報知の有無を遊技者に予想されることを回避することができる。
換言すれば、表示演出の終盤における第1装飾部材870の配置に寄らず(図71(b)に示す状態であっても図71(c)に示す状態であっても)、大当たり当否の遊技者の期待感を、同様に保つことができる。従って、第3動作ユニット800に対する遊技者の注目力を高い状態で維持し続けることができる。
上述のように、各動作ユニット600~800は、装飾を単独で視認される場合と、組み合わせで一体的に視認される場合とを形成可能とされる。そのため、各動作ユニット600~800に形成される装飾は、各動作ユニット600~800のみで完結するのではなく、各動作ユニット600~800同士で互いに関連する装飾として設計される。
各動作ユニット600~800の駆動制御は、その実行の可否が互いの配置に影響される。即ち、不適切なタイミングで各動作ユニット600~800の駆動を実行すると、部材動作が衝突し故障する可能性があるので、駆動制御に当たっては、他のユニットの部材の配置を判定した上で行うように制御される。
例えば、第1動作ユニット600の張出状態への変化は、第2動作ユニット700の状態は任意で良く、第3動作ユニット800は演出待機状態と判定されている場合に実行されるよう制御される。
第1動作ユニット600の中間演出状態への変化は、第2動作ユニット700の状態は任意で良く、第3動作ユニット800の上下配置は任意で良く、回転動作は切替回転動作が生じていないと判定されている場合に実行されるよう制御される。
第2動作ユニット700の張出状態への変化は、第1動作ユニット600の状態は任意で良く、第3動作ユニット800は演出待機状態と判定されている場合に実行されるよう制御される。
第2動作ユニット700の中間演出状態への変化は、第1動作ユニット600の状態は任意で良く、第3動作ユニット800の上下配置は任意で良く、回転動作は切替回転動作が生じていないと判定されている場合に実行されるよう制御される。
第3動作ユニット800が張出状態へ変化し、回転は実行されないか一体回転動作のみが生じる制御は、第1動作ユニット600が中間演出状態または演出待機状態と判定され、第2動作ユニット700が中間演出状態または演出待機状態と判定される場合に実行される。
第3動作ユニット800が張出状態へ変化し、切替回転動作が生じる制御は、第1動作ユニット600が演出待機状態と判定され、第2動作ユニット700が演出待機状態と判定される場合に実行される。
上述のように、各動作ユニット600~800の駆動制御は、任意のタイミングで可能とされるものではなく、他のユニットの部材の配置を判定した上で実行されるよう制御される。
次いで、図72から図87を参照して、第2実施形態におけるセンターフレームC86について説明する。
第1実施形態では、センターフレーム86が一部品から構成される場合を説明したが、第2実施形態におけるセンターフレームC86は、上側フレームC86aと下側フレームC86bとの2部材から構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図72は、第2実施形態における遊技盤C13の正面図である。図72に示すように、センターフレームC86は、ベース板60の窓部60a(図7参照)に嵌合可能な形状で構成され、タッピングネジ等によりベース板60に締結固定される部材であり、上側フレームC86aと下側フレームC86bとを備える。
上側フレームC86aは、ベース板60の窓部60a(図7参照)における上側(図72上側)及び左右(図72左側及び右側)の内縁に沿って配設され、下側フレームC86bは、ベース板60の窓部60aにおける下側(図72下側)の内縁に沿って配設される。これら上側フレームC86a及び下側フレームC86bに取り囲まれた領域を介して第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
なお、上側フレームC86aは、第1実施形態におけるセンターフレーム86の一部(ベース板60の窓部60a(図7参照)における下側(図72下側)の内縁に沿って配設される部分、即ち、下側フレームC86bが配設される部分)を省略した構成とされ、その省略された部分を除く他の部分は、第1実施形態におけるセンターフレーム86と同一の構成とされる。
次いで、下側フレームC86bについて説明する。図73は、下側フレームC86bの正面斜視図であり、図74は、下側フレームC86bの背面斜視図である。なお、図73及び図74では、ベース板60の一部のみが部分的に図示されると共に、ベース板60に下側フレームC86bを締結固定するタッピングネジの図示が省略される。
図73及び図74に示すように、下側フレームC86bには、球を受け入れ可能な開口として形成される受入口COPinと、その受入口COPinに連通される第1通路CRt1と、その第1通路CRt1を案内された球が流下される第2通路CRt2と、その第2通路CRt2を案内された球(第2通路CRt2をその長手方向に沿って往復動した球)が流下される第3通路CRt3と、その第3通路CRt3を案内された球が振分部材C170により振り分けられて流下される第4通路CRt4及び第5通路CRt5と、第4通路CRt4を案内された球が流下される第6通路CRt6と、第5通路CRt5を案内された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口COPoutとが形成される(図81及び図82参照)。
なお、上側フレームC86aには、上側フレーム通路CRt0(図72参照)が形成される。上側フレーム通路CRt0は、遊技領域のうちの正面視左側(図72左側)の領域(センターフレームC86(上側フレームC86a)とレール61との間の領域)から流入(入球)された球を案内する通路であり、その上側フレーム通路CRt0の下流端に下側フレームC86bの受入口COPinが連通される。
即ち、遊技領域から上側フレーム通路CRt0に流入(入球)した球は、受入口COPinを介して、上側フレーム通路CRt0から下側フレームC86bの第1通路CRt1へ流入(入球)される。
下側フレームC86bには、球の重さにより動作する振分部材C170が配設されており(図81及び図82参照)、連なった状態の球が第3通路CRt3を案内される場合には、先行する球が第4通路CRt4へ振り分けられる一方、後行する球が第5通路CRt5へ振り分けられる。なお、球の連なる間隔が所定量よりも大きい場合は、先行する球および後行する球の両球が第4通路CRt4へ振り分けられる。
ここで、第5通路CRt5の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口COPoutは、第1入賞口64(図72参照)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第5通路CRt5へ振り分けられた球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
一方、第6通路CRt6には、その第6通路CRt6を案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として、第1入賞口64の鉛直方向上方となる位置に中央流出面C181が形成(配置)されるだけでなく、第1入賞口64の鉛直方向上方から遊技盤13の幅方向(図72左右方向)に位置を異ならせた2箇所に、側方流出面C182が形成(配置)される。また、第6通路CRt6には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C182が形成され、起伏の頂部に中央流出面C181が形成される。
そのため、第4通路CRt4へ振り分けられた球は、第6通路CRt6において、中央流出面C181から遊技領域へ流出する確率よりも、側方流出面C182から遊技領域へ流出する確率が高く、結果として、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した第5通路CRt5へ振り分けられた球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
このように、本実施形態における下側フレームC86bは、連なった状態の球が第3通路CRt3へ流入された場合に、先行する球は通常の通路(第4通路CRt4)へ振り分けられる一方、後行する球が第1入賞口64に入賞し易い通路(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させる通路(第5通路CRt5))へ振り分けられる。よって、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、球が連なった状態が形成されることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図73から図74に加え、図75から図87を参照して、下側フレームC86bの詳細構成について説明する。
図75は、下側フレームC86bの分解正面斜視図であり、図76は、下側フレームC86bの分解背面斜視図である。図77は、下側フレームC86bの上面図であり、図78は、下側フレームC86bの正面図であり、図79は、下側フレームC86bの背面図である。図80(a)は、図78の矢印LXXXa方向視における下側フレームC86bの側面図であり、図80(b)は、図78の矢印LXXXb方向視における下側フレームC86bの側面図である。
図81及び図82は、図77のLXXXI-LXXXI線における下側フレームC86bの断面図であり、図83は、図78のLXXXIII-LXXXIII線における下側フレームC86bの断面図である。図84(a)は、図81のLXXXIVa部における下側フレームC86bの部分拡大断面図であり、図84(b)は、図77のLXXXIVb-LXXXIVb線における下側フレームC86bの部分拡大断面図である。なお、図81では、振分部材C170が第1位置に配置された状態が、図82では、振分部材C170が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図73から図84に示すように、下側フレームC86bは、正面部材C110と、その正面部材C110の長手方向一側(矢印L方向側)に配設される皿部材C120と、正面部材C110の背面(矢印B方向側の面)に所定間隔を隔てて対向配置される背面部材C130と、その背面部材C130の正面(矢印F方向側の面)に配設される第1中間部材C140と、背面部材C130の正面(矢印F方向側の面)に所定間隔を隔てて対向配置される第2中間部材C150と、背面部材C130及び第2中間部材C150の対向間に介設される第1介設部材C160及び振分部材C170と、正面部材C110並びに第1及び第2中間部材C140,C150の対向間に介設される第2介設部材C180と、背面部材C130の背面に配設される装飾部材C190及び迂回部材C200と、を備える。
なお、下側フレームC86bは、各部材どうしが、それぞれタッピングネジにより締結固定されると共に、振分部材C170及び装飾部材C190が背面部材C130に回転可能に軸支されることで、一つ(単体)のユニットとして構成される(図73参照)。
また、下側フレームC86bは、振分部材C170及び装飾部材C190を除く他の部材が光透過性(即ち、背面側の部材や球を透視可能な透明)の樹脂材料から構成され、振分部材C170及び装飾部材C190が有色の樹脂材料から構成される。よって、第1通路CRt1から第6通路CRt6を通過する球を遊技者に視認させると共に、振分部材C170による振り分け動作とその動作に伴う装飾部材C190の変位を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、下側フレームC86bは、第1中間部材C140または第2中間部材C150の少なくとも一方または両方が光透過性の樹脂材料から構成されていれば足りる。第3通路CRt3における球の連なり状態(先行する球と後行する球の間隔が所定量よりも小さい間隔か否か)と、振分部材C170による振り分け動作との少なくとも一方または両方を遊技者に視認させられる一方で、後行する球が振分部材C170により第5通路CRt5に振り分けられたことを視認できれば、かかる球は流出口COPoutから第1入賞口64へ高確率で(本実施形態ではほぼ全球が)入球するため、第5通路CRt5を案内される球を遊技者に視認させなくても足りるためである。
なお、振分部材C170及び装飾部材C190は、光透過性(又は有色)の樹脂材料から構成され、その正面に塗装を施したもの、或いは、シールを添付したものであっても良い。
また、一方で、第1中間部材C140及び第2中間部材C150の少なくとも一方または両方が有色の樹脂材料から構成される、或いは、第1中間部材C140及び第2中間部材C150の少なくとも一方または両方に塗装が施されたりシールが添付されていても良い。即ち、第3通路CRt3を通過する球や振分部材C170が正面側から遊技者に視認不能となるように構成されていても良い。
正面部材C110は、正面を形成する板状の正面部C111と、その正面部C111の背面から立設される板状の底面部C112と、それら正面部C111及び底面部C112の長手方向一側(矢印L方向側)に配設される連結部C113とを備える。
正面部C111には、その正面部C111の下側(矢印D方向側)の外縁に沿って複数の挿通孔C111aが板厚方向に穿設される。下側フレームC86bは、組み立てた状態(ユニット化された状態)で、ベース板60の正面から窓部60aに嵌め込まれ、挿通孔C111aに挿通したタッピングネジがベース板60に締結されることで、ベース板60に固定(配設)される。
正面部C111には、第1入賞口64(図72参照)の鉛直方向上方となる位置に流出口COPoutが開口形成(板厚方向に穿設)される。流出口COPoutは、上述したように、第5通路CRt5を案内された球が遊技領域へ流出される際の出口となる開口である。
底面部C112は、その上面に第2介設部材C180の底面が対向配置され、底面部C112と第2介設部材C180(凹部C183)との対向間に第5通路CRt5の一部が形成される。よって、例えば、第2介設部材C180に貫通形成した貫通孔を第5通路CRt5の一部とする場合と比較して、構造を簡素化して、製品コストを抑制できる。
底面部C112は、正面部C111の長手方向全域にわたって連続的に形成され、その底面部C112の立設先端(矢印B方向側)が、第1中間部材C140及び第2中間部材C150の正面に当接される。これにより、針金等の異物の侵入が抑制される。
連結部C113には、受入口COPinが開口形成(板厚方向に穿設)される。受入口COPinは、上述したように、上側フレームC86aの上側フレーム通路CRt0から球を受け入れる開口である。なお、ベース板60にセンターフレームC86を取り付けた(配設した)状態では、上側フレームC86aの背面が正面部C111及び連結部C113の正面に重ね合わされ、両者がタッピングネジにより締結固定される。これにより、上側フレーム通路CRt0の下流端と受入口COPinとが連通される。
皿部材C120は、通路の底面を形成する上側底面部C121及び下側底面部C122と、通路の側壁を形成する上側側壁部C123及び下側側壁部C124とを備える。
上側底面部C121は、上面視において略直線状の通路として左右方向(矢印F-B方向)に沿って延設されると共に、受入口COPinから離間する方向(矢印R方向)へ向けて下降傾斜して形成される。なお、上側底面部C121は、受入口COPinよりも鉛直方向下方(矢印D方向側)に位置し、上側フレーム通路CRt0との間に鉛直方向の段差が形成される。即ち、皿部材C120は、上側フレーム通路CRt0から上側底面部C121へ球を自由落下させる構成とされる。
上側底面部C121には、その幅方向(矢印L-R方向)中央に断面コ字状の凹溝C121aが凹設される(図84参照)。凹溝C121aは、前後方向(矢印F-B方向)に沿って直線状に延設される。凹溝C121の溝幅(矢印L-R方向の寸法)は、球の直径よりも小さくされると共に、凹溝C121aの溝深さ(矢印U-D方向の寸法)は、凹溝C121aの底面に球が接触しない深さに設定される。
これにより、上側底面部C121上の球を2箇所(上側底面部C121と凹溝C121aとが交わる一対の稜線部分)で支持することができる。よって、凹溝C121aが非形成の場合(即ち、1箇所のみで球を支持する場合)と比較して、球と通路との接触面積を大きくできる。よって、上側フレーム通路CRt0から落下した球の衝撃を緩衝する(受け止める)と共に、球が転動する際の抵抗を大きくできる。
上述のように、上側フレーム通路CRt0から上側底面部C121へ球を落下させると共に、上側底面部C121上の球を2箇所で支持する構成とすることで、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側フレーム通路CRt0から上側底面部C121(第1通路CRt1)へ流入(落下)する場合に、上側底面部C121(第1通路CRt1)において、先行する球の流下を遅らせて、後行する球を先行する球に追いつかせ易くできる。よって、先行する球と後行する球との間隔を減少させることができる。
上側側壁部C123は、上側底面部C121(第1通路CRt1)の上流側および下流側の端部と、上側底面部C121(第1通路CRt1)の通路幅とをそれぞれ区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
上側側壁部C123には、上側底面部C121(第1通路CRt1)の下流側の端部に切り欠き部C123aが切り欠き形成され、この切り欠き部C123aを介して、上側底面部C121(第1通路CRt1)から下側底面部C122(第2通路CRt2)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C122は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印F-B方向)に沿って延設されると共に、その延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図84(b)参照)。
下側側壁部C124は、下側底面部C122(第2通路CRt2)の長手方向(球を案内する方向)における一端側および他端側の端部と、下側底面部C122(第2通路CRt2)の通路幅とをそれぞれ区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
下側底面部C122は、上面視において、上側底面部C121と平行に並設され、上側底面部C121の下流端(矢印B方向側の端部)と下側底面部C122の長手方向における一端側(矢印B方向側の端部)とが隣り合う位置に配設される。
上側側壁部C123における切り欠き部C123aに対応する位置では、下側側壁部C124が非形成とされ、上述したように、切り欠き部C123aを介して、上側底面部C121(第1通路CRt1)から下側底面部C122(第2通路CRt2)へ球が流下可能とされる。
下側側壁部C124には、円弧状に湾曲した下側底面部C122の底部(鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に対応する位置に切り欠き部C124aが切り欠き形成され、この切り欠き部C124aを介して、下側底面部C122(第2通路CRt2)から底面部C142(第3通路CRt3)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C122は、上述したように、円弧状に湾曲して形成され、その上昇傾斜側(下側底面部C122の長手方向における一端側)に上側底面部C121(第1通路CRt1)から球が流下されるので、かかる流下された球を、下側底面部C122(第2通路CRt2)の長手方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、切り欠き部C124aから底面部C142(第3通路CRt3)へ球を流下させることができる。
これにより、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側底面部C121(第1通路CRt1)から下側底面部C122(第2通路CRt2)へ流入する場合に、下側底面部C122(第2通路CRt2)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。
下側底面部C122には、切り欠き部C124aに対応する位置(即ち、鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に流出面C122aが凹設される。流出面C122aは、下側底面部C122(第2通路CRt2)を案内される球を、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出させるための部位であり、底面部C142(第3通路CRt3)へ向けて下降傾斜する凹面として形成される。
よって、下側底面部C122を往復動した後、その転動速度が低下した球を、流出面C122aを利用して、底面部C142(第3通路CRt3)へスムーズに流出(流下)させることができる。即ち、下側底面部C122(第2通路CRt2)における往復動を利用して、先行する球と後行する球との間隔が減少された球(連なった状態の球)を、その連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させることができる。
なお、流出面C122aは、上面視において、その凹面の幅(下側底面部C122を往復動する球の転動方向に沿う方向の寸法、矢印F-B方向の寸法)が、切り欠き部C124aに近い側ほど大きい形状に形成される(図77参照)。
また、上面視において、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C124に球を当接させた状態では、球が流出面C122a上を転動する(横切る)。即ち、下側底面部C122(第2通路CRt2)を転動(往復動)する球が、切り欠き部C124aから最も離間した位置(球の側方の頂部を下側側壁部C124に当接させる位置)を転動する状態でも、上面視において、球の中心と重なる範囲まで流出面C122aが形成される(球が下側底面部C122を転動する際の球の下方の頂部の軌跡である転動線が流出面C122aを横切る)。
一方で、下側底面部C122に流出面C122aが凹設(形成)されていると、下側底面部C122(第2通路CRt2)に流下した球が、かかる下側底面部C122(第2通路CRt2)を一度も往復動することなく、又は、十分な回数だけ往復動する前に、流出面C122aの傾斜の作用により、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)する虞がある。即ち、先行する球と後行する球との間隔を減少させず、両球が間隔を隔てたまま底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)する虞がある。
これに対し、本実施形態では、下側底面部C122が切り欠き部C124aから離間する方向(矢印L方向)へ向けて下降傾斜して形成される(図84参照)。これにより、下側底面部C122の傾斜の作用により、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C124に球を押し付けつつ、かかる球を下側底面部C122(第2通路CRt2)で転動(往復動)させることができる。
これにより、球の転動速度が十分に低くなる前に、球が流出面C122aの傾斜の作用で底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)することを抑制できる。即ち、球の転動速度が十分に低くなるまでの間、流出面C122aを乗り越え易く(横切らせ易く)して、下側底面部C122(第2通路CRt2)に沿って球を十分に往復動させ易くできる。その結果、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことを確実化できる。
なお、下側底面部C122の円弧形状(下側底面部C122の延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状であって、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧形状、図84(b)参照)は、その長手方向の一端側および他端側における円弧形状の半径が、それら一端側および他端側の間の領域(流出面C122aを含む領域)における円弧形状の半径よりも小さくされる。即ち、流出面C122aを含む領域における円弧形状の半径が大きくされる。
これにより、初期段階(長手方向の一端側および他端側またはその近傍まで球が往復動する段階)では、球を往復動させ易くすると共に先行する球に後行する球を追いつかせ易くしつつ、往復動する球の転動速度が低くなった段階(長手方向の一端側および他端側またはその近傍までは球が到達せず、流出面C122aを含む比較的狭い領域で球が往復動する段階)では、先行する球と後行する球とが連なった状態を維持させ易くできる。その結果、両球が連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
なお、皿部材C120は、下側底面部C122(第2通路CRt2)の延設方向を前後方向(矢印F-B方向)に沿わせる姿勢で配設されるところ、ベース板60の窓部60a内に配置されるので、窓部60aにより形成された前後方向のスペースを有効に活用できる。よって、下側底面部C122(第2通路CRt2)の全長を確保して、球を連ならせ易くできる。
背面部材C130は、板状に形成される本体部C131と、その本体部C131の正面から立設される下ストッパ部C132、上ストッパ部C133及び軸支座部C134とを備える。
本体部C131には、その本体部C131の正面側と背面側とに形成される通路(第5通路CRt5)を連通するための開口である開口C131aが開口形成される。開口C131aの下方には、本体部C131の外縁を窪ませた凹部C131bが形成される。凹部C131bは、迂回部材C200との対向間に第5通路CRt5の一部を形成する。
下ストッパ部C132は、振分部材C170が下方へ変位された際に、その振分部材C170の下面に当接可能に形成され、振分部材C170の第2位置を規定する(図82参照)。一方、上ストッパ部C133は、振分部材C170が上方へ変位された際に、その振分部材C170の上面に当接可能に形成され、振分部材C170の第1位置(所定位置)を規定する(図81参照)。
軸支座部C134は、軸C192を回転可能に軸支する軸支部(軸受)として形成される。なお、軸C192は、装飾部材C190に固着されており、本体部C131の背面から挿通された軸C192に振分部材C170が回転不能に連結されることで、振分部材C170及び装飾部材C190が一体となって本体部C131(軸支座部C134)に回転可能に軸支される。また、軸C192は、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢で軸支座部C134に軸支される。
第1中間部材C140は、板状の本体部C141と、その本体部C141の背面(矢印B方向側の面)から立設される底面部C142、天面部C143及び通路部C144とを備え、背面部材C130の正面視左側に配設される。
第1中間部材C140が背面部材C130に配設された状態では、底面部C142、天面部C143及び通路部C144の立設先端(矢印B方向側)が背面部材C130の正面に当接される。これにより、背面部材C130と第1中間部材C140(本体部C141、底面部C142及び天面部C143)とに区画された空間により第3通路CRt3が形成されると共に、背面部材C130と第1中間部材C140(通路部C144)と第2位置にある振分部材C170とにより区画された空間により第4通路CRt4が形成される(図82参照)。
なお、底面部C142は、皿部材C120側から振分部材C170側へ向けて下降傾斜される。また、通路部C144は、第2位置にある振分部材C170に対向する位置に形成される対向部C144aと、球の転動面を形成する底面部C144bとを備え、底面部C144bは、第2位置にある振分部材C170側から対向部C144a側へ向けて下降傾斜されると共に、背面部材C130側から正面部材C110側へ向けて下降傾斜して形成される。よって、第2位置へ変位した振分部材C170から球を第4通路CRt4に受け入れると共にその球を第6通路CRt6へ流出(転動)させることができる。
ここで、皿部材C120の下側底面部C122(第2通路CRt2)は前後方向(矢印F-B方向)に沿って球を転動させ、皿部材C120から底面部C142へは、左右方向(矢印L-R方向)に沿って(本実施形態では右方向へ)球が流下され、底面部C142(第3通路CRt3)は皿部材C120から流下された球を左右方向(矢印L-R方向)に沿って(本実施形態では右方向へ)転動させる。
この場合、下側底面部C122(第2通路CRt2)における往復動によって先行の球CB1及び後行の球CB2(図85参照)の間隔が決定されるところ、それら両球CB1,CB2は、下側底面部C122(第2通路CRt2)から底面部C142(第3通路CRt3)へ左右方向に沿って流下されると共に、底面部C142(第3通路CRt3)を左右方向に沿って流下(転動)されるので、両球CB1,CB2の間隔を正面視により確認可能とし、遊技者に視認させ易くできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
第2中間部材C150は、板状の本体部C151と、その本体部C151の背面(矢印B方向側の面)から立設される底面部C152とを備え、背面部材C130の正面視右側に配設される。第2中間部材C150が背面部材C130に配設された状態では、底面部C152の立設先端(矢印B方向側)が背面部材C130の正面に当接される。
本体部C151には、その外縁を窪ませた凹部C151aが形成される。底面部C152は、その下面に迂回部材C200(樋部C203)が対向配置され、凹部C151a及び底面部C152と迂回部材C200(樋部C203)との対向間に第5通路CRt5の一部が形成される。よって、例えば、迂回部材C200を筒状に形成して第5通路CRt5の一部とする場合と比較して、構造を簡素化して、製品コストを抑制できる。
第1介設部材C160は、第5通路CRt5の一部における球の転動面を形成する部材であり、背面部材C130と第2中間部材C150との対向間に介設される。即ち、背面部材C130と第2中間部材C150(本体部C151)と第1介設部材C160とに区画された空間により第5通路CRt5の一部が形成される。
第1介設部材C160は、その延設方向(矢印L-R方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図82参照)。よって、振分部材C170によって第1介設部材C160(第5通路CRt5)に振り分けられた球を、第1介設部材C160上で往復動させた後、開口C131aへ流出させることができる。
これにより、例えば、振分部材C170によって振り分けられた球を開口C131aへ直接流出させる構成と比較して、開口C131aへ流出するまでに要する時間を長くすることができる。即ち、第1入賞口64に入球(入賞)する確率が高い状態の形成を期待する遊技者に対し、かかる状態が形成されたことを気づかせ易くできると共に、かかる状態を楽しむ時間を確保させることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
なお、第1介設部材C160には、背面部材C130の開口C131aに対応する位置(即ち、第1介設部材C160の転動面の内の鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に流出面C160aが凹設される。流出面C160aは、第1介設部材C160を案内される球を、開口C131aへ流出させるための部位であり、開口C131aへ向けて下降傾斜する凹面として形成される。
振分部材C170は、嵌合穴C171aが一側に形成される本体部C171と、その本体部C171の嵌合穴C171aが形成される側と反対側となる他側に形成される受入部C172と、本体部C171の上面側に形成される転動部C173とを備え、嵌合穴C171aに嵌合された軸C192(軸支座部C134)を中心として回転可能とされる。
嵌合穴C171aは、断面D字状の穴として形成され、その断面形状に一致した断面形状を有する軸C192が嵌合されることで、本体部C171に軸C192が回転不能に固着される。軸C192は、装飾部材C190にも回転不要に固着されており、よって、軸C192を介して、本体部C171(振分部材C170)と装飾部材C190とが一体化(1のユニットとして形成)される。
この場合、振分部材C170及び装飾部材C190からなるユニットは、その重心位置が回転中心(軸C192)に対して一側(軸C192を挟んで振分部材C170と反対側、図81右側)に偏心される。よって、無負荷状態では、振分部材C170は、受入部C172側が上昇され(正面視において軸C192を中心として時計回りに回転され)、上ストッパ部C133に回転が規制された状態(第1位置(所定位置)に配置された状態)とされる(図81参照)。
一方、振分部材C170の受入部C172に球が受け入れられた状態では、その球の重さにより、全体としての重心位置が回転中心(軸C192)に対して他側(軸C192に対して振分部材C170が配設される側、図81左側)に偏心される。よって、受入部C172に球を受け入れた状態では、振分部材C170は、受入部C172側が下降され(正面視において軸C192を中心として反時計回りに回転され)、下ストッパ部C132に回転が規制された状態(第2位置に配置された状態)とされる(図82参照)。
装飾部材C190は、本体部C191の少なくとも一部が遊技者から視認可能とされ、振分部材C170の第1位置と第2位置との間の変位(回転)に伴って、装飾部材C190(本体部C191)も回転され、遊技者から視認される位置(形態)が変化される。よって、かかる装飾部材C190の位置(形態)に基づいて、振分部材C170の状態(即ち、球の振り分け方向)を遊技者に認識させることができる。また、振分部材C170を変位させるための錘としての役割と、球の振り分け方向を認識させる部位としての役割とを装飾部材C190に兼用させることができ、その分、製品コストを低減できる。
なお、振分部材C170が第2位置に配置された後、受入部C172から第1中間部材C140の通路部C144へ球が排出(流出)されると、振分部材C170は、振分部材C170及び装飾部材C190からなるユニットの自重(重心位置の軸C192からの偏心)の作用により、第1位置(所定位置)へ復帰される。
このように、振分部材C170の第1位置への変位(復帰)は、振分部材C170及び装飾部材C190からなるユニットの自重(重量)により行われるので、例えば、付勢ばねを設けて、その付勢ばねにより振分部材C170を第1位置へ向けて付勢する場合と比較して、構造を簡素化できる。
また、付勢ばねを利用する場合と比較して、振分部材C170の第1位置への変位(復帰動作)を低速とできるので、後行する球CB2を転動部C173上に到達させ易くできる。即ち、振分部材C170が第2位置から第1位置へ向けて変位(回転)を開始してから、後行する球CB2が転動部C173上へ流入不能となる位置まで変位(回転)されるのに要する時間を長くできる。更に、後行する球CB2の更に後続となる第3の球も転動部C173へ到達させる可能性を付与できる(図85から図87参照)。
受入部C172は、第1位置において第3通路CRt3に対向する位置に形成される対向部C172aと、第1位置において受け入れた球を支持すると共に第2位置において通路部C144へ向けて球を転動させるための転動面を形成する底面部C172bとを備える。
受入部C172は、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、対向部C172aが、第1中間部材C140の底面部C142の延設方向に略直交し、底面部C172bが、対向部C172aから第1中間部材C140の底面部C142へ向けて上昇傾斜するように形成される(図81参照)。
ここで、振分部材C170が第1位置に配置された状態において、対向部C172aが、第1中間部材C140の底面部C142の延設方向と直交する方向に対して傾斜(対向部C172aの転動部C173側が底面部C172b側よりも第3通路CRt3から離間される方向へ傾斜)されていると、対向部C172aに衝突した球が上方へ跳ね上げられて、第3通路CRt3へ逆流する虞がある。
これに対し、対向部C172aは、振分部材C170が第1位置に配置された状態において、第1中間部材C140の底面部C142の延設方向に略直交されているので、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)から受け入れた球を対向部C172aにより受け止めて、第3通路CRt3へ逆流することを抑制できる。
また、振分部材C170が第1位置に配置された状態において、底面部C172bが、対向部C172aから第1中間部材C140の底面部C142(通路部C144)へ向けて下降傾斜するように形成されていると、受入部C172に受け入れた球が早期に第1中間部材C140の通路部C144へ流出されてしまい、球の重さを利用できなくなることで、振分部材C170を第2位置に到達させられない虞がある。
これに対し、底面部C172bは、振分部材C170が第1位置に配置された状態において、対向部C172aから第1中間部材C140の底面部C142へ向けて上昇傾斜するように形成されているので、少なくとも振分部材C170が第1位置から所定量だけ回転するまでの間は、底面部C172bに球を保持しておくことができる。これにより、受入部C172に受け入れた球が第1中間部材C140の通路部C144へ流出されるまでの時間を遅らせることができる。その結果、球の重さを有効に利用して、振分部材C170を第2位置に確実に到達させることができる。
なお、上述した理由(第3通路CRt3への逆流防止)により、対向部C172aを、転動部C173側が底面部C172b側よりも第3通路CRt3へ近接する方向へ傾斜させても良い。
受入部C172は、振分部材C170が第2位置に配置された状態では、底面部C172bが、対向部C172aから第1中間部材C140の通路部C144へ向けて下降傾斜するように形成される(図82参照)。これにより、受入部C172に受け入れた球を、第1中間部材C140の通路部C144へ確実に流出させることができる。
また、球が底面部C172bを転動している間、その球の重量を振分部材C170に作用させ、振分部材C170を第2位置(即ち、後行する球を転動部C173(第5通路CRt5)へ案内可能な状態)に維持しやすくできる。
転動部C173は、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)を転動する球を、第2介設部材C160(第5通路CRt5)へ案内する(振り分ける)ための部位であり、振分部材C170が第2位置へ配置された状態において、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)の下流端と、第2介設部材C160(第5通路CRt5)の上流端との間に位置(架設)される。
転動部C173の上流端(矢印L方向側の端部)は、受入部C172の対向部C172aから突出して形成される。即ち、転動部C173の上流端(矢印L方向側の端部)には、対向部C172aから上流側(第1中間部材C140(第3通路CRt3)側、矢印L方向)へ向けて突出される板状の部位が形成される。この板状の部位が球CB1と球CB2との間に挿入されることで、両球(球CB1,CB2)を切り離すことができる。
振分部材C170が第2位置に配置された状態では、第1中間部材C140の底面部C142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)における高さ位置に対し、転動部C173(転動面)の上流端(矢印L方向側の端部)における高さ位置が、鉛直方向下方(矢印D方向)に位置される。即ち、底面部C142の下流端と転動部C173の上流端との間には段差が形成され、第2位置に配置された振分部材C170が第1位置へ向けて所定量(所定回転角)だけ変位(回転)された場合に、底面部C142の下流端と転動部C173の上流端とが同一の高さ位置に配置される。
ここで、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)を転動する球が受入部C172へ流入されると、その球の重量で振分部材C170が第1位置から下方へ変位(回転)され、振分部材C170の下面が下ストッパ部C132に当接されることで、振分部材C170が第2位置に配置される。
この場合、下ストッパ部C132に下面が衝突した際の衝撃で振分部材C170が上方(矢印U方向)へ跳ね上げられる虞があり、振分部材C170の上方への跳ね上がりにより、第1中間部材C140の底面部C142(転動面)の下流端における高さ位置に対し、転動部C173(転動面)の上流端における高さ位置が、鉛直方向上方(矢印U方向)に位置されると、第1中間部材C140の底面部C142(第3通路CRt3)から転動部C173へ球を流入(転動)させることができなくなる虞がある。
特に、上方へ跳ね上げられた振分部材C170(転動部C173の上流側の端面)に球が衝突し、その球の衝突による衝撃で振分部材C170が更に上方へ跳ね上げられると(球により振分部材C170が更に上方へ押し上げられると)、その球が、本来は転動部C173へ流入(転動)されるべき球であったにも関わらず、受入部C172に流入される(受け入れられる)される虞がある。
これに対し、振分部材C170が第2位置に配置された状態では、上述したように、底面部C142(転動面)の下流端と転動部C173(転動面)の上流端との間には段差が形成されるので、衝撃により振分部材C170が上方へ跳ね上げられた場合でも、両者の間の段差の分、底面部C142の下流端よりも転動部C173の上流端が鉛直方向上方(矢印U方向)に位置することを抑制できる。即ち、両者の段差の分だけ、振分部材C170が上方へ跳ね上げられることを許容できる。よって、転動部C173へ流入(転動)されるべき球(先行の球CB1との間の間隔が所定量以下とされる後行の球CB2)を、底面部C142(第3通路CRt3)から転動部C173へ流入(転動)させ易くできる。
更に、振分部材C170は、転動部C173の上流側の端面(第1中間部材C140に対向する側の面、矢印L方向側の面)が、転動部C173から第1中間部材C140(底面部C142)へ向けて下降傾斜して形成される。即ち、転動部C173の上流側の端面は、転動部C173の転動面側の縁部よりも、受入部C172(対向部C172a)側の縁部の方が、第1中間部材C140に近接される形状に形成される。
これにより、上方へ跳ね上げられた振分部材C170(転動部C173の上流側の端面)に球が衝突した場合には、その球から振分部材C170(転動部C173の上流側の端面)に作用する力の方向を、振分部材C170を下方へ押し下げる方向の力とすることができる。その結果、転動部C173へ流入(転動)されるべき球(先行の球CB1との間の間隔が所定量以下とされる後行の球CB2)を、底面部C142(第3通路CRt3)から転動部C173へ流入(転動)させ易くできる。
受入部C172と転動部C173とは、C192に対して、同じ側(球の重量により振分部材C170を回転させる方向が同じとなる側)に配置される。よって、受入部C172に受け入れた球の重量により振分部材C170が第2位置に配置された後、球が受入部C172から排出されたとしても、転動部C173を転動する球の重量を利用して、振分部材C170を第2位置に維持することができる。即ち、第5通路CRt5へ案内する球がある場合、その球の重量を利用して、振分部材C170の姿勢を、球を第5通路CRt5へ案内するための姿勢に維持させることとができる。
よって、受入部C172に受け入れた球(底面部C172bを転動する球)の重量を利用して、振分部材C170を第2位置に維持する必要がなく、かかる底面部C172bの延設長さを短くすることができ、その分、振分部材C170を小型化できる。その結果、振分部材C170の配置の自由度を高めることができる。
ここで、振分部材C170は、底面部C142(第3通路CRt3)から受入部C172へ向けて球が転動する方向(受入部C172が球を受け入れる方向、矢印R方向)と、受入部C172から通路部C144へ球が転動する方向(受け入れた球を転動させる方向、矢印L方向)とが逆方向とされる。即ち、受入部C172において、球の流下(転動)方向を反転(方向転換)させる構成とされる。
これにより、受入部C172が球を受け入れる方向と受入部C172から通路部C144へ球が転動する方向とが同方向とされる場合と比較して、反転に要する時間の分、球が振分部材C170(受入部C172)に滞留する時間を確保でき、その受入部C172に滞留される球の重量を利用して振分部材C170を第2位置に維持し易くできる。その結果、転動部C173において球を安定して転動させることができる。
また、球の反転を利用して、その滞留時間を確保できることで、その分、受入部C172における底面部C172bの延設長さを短くして、振分部材C170を小型化できる。その結果、振分部材C170の配置の自由度を高めることができる。
第2介設部材C180は、第6通路CRt6における球の転動面を形成する部材であり、正面部材C111と第1中間部材C140及び第2中間部材C150との対向間に介設される。即ち、正面部材C110と第1中間部材C140及び第2中間部材C150と第2介設部材C180とに区画された空間により第6通路CRt6が形成される。
第2介設部材C180の上面(転動面)には、上述したように、第2介設部材C180(第6通路CRt6)を案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面(中央流出面C181及び側方流出面C182)が形成される。また、第6通路CRt6の上面(転動面)には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C182が配置される一方、起伏の頂部に中央流出面C181が配置される。
なお、正面部材C110の正面部C111の上縁(矢印U方向の縁部)は、中央流出面C181及び側方流出面C182が形成される領域を除き、第2介設部材C180の上面(転動面)よりも上方(矢印U方向)へ突出される。即ち、第2介設部材C180の上面(転動面)を転動する球は、中央流出面C181又は側方流出面C182からのみ遊技領域へ流出(流下)される。
第2介設部材C180の底面には、凹部C183が凹設され、上述したように、かかる凹部C183と正面部材C110の底面部C112との対向間に第5通路CRt5の一部が形成される。
装飾部材C190は、板状に形成される本体部C191と、その本体部C191に固着される軸C192とを備え、上述したように、軸C192を介して、振分部材C170に連結(一体化)される。なお、本体部C191の正面には、キャラクターなどの図柄が印刷やシールの添付により表示され、そのキャラクターの動き(変位)に基づいて、振分部材C170の動作が遊技者に視認可能とされる。
なお、軸C192は、ベース板60(図72参照)に直交する姿勢で配置される。よって、下側フレームC86bの前後方向(矢印F-B方向)寸法の小型化を図ることができる。
迂回部材C200は、板状の本体部C201と、その本体部C201の正面(矢印F方向側の面)から立設される壁面部C202と、その壁面部C202の一部を正面側へ更に延設して形成される樋部C203とを備え、開口C131aに対向する位置において、背面部材C130の背面側に配設される。
迂回部材C200が背面部材C130に配設された状態では、壁面部C202の立設先端(矢印F方向側)が背面部材C130(本体部C131)の背面に当接され、且つ、樋部C203の立設先端(矢印F方向側)が第2中間部材C150(本体部C151)の背面に当接されると共に、樋部C203の縁部が第2中間部材C150(底面部C152)の底面に当接される。
これにより、背面部材C130(本体部C131)と迂回部材C200(本体部C201及び壁面部C202)とに区画された空間、及び、第2中間部材C150(底面部C152)と迂回部材C200(樋部C203)とに区画された空間により第5通路CRt5の一部が形成される(図83参照)。
なお、樋部C203は、背面部材C130側から第2中間部材C150側へ向けて下降傾斜される。よって、背面部材C130の開口C131aから迂回部材C200内へ流入された球を樋部C203上を転動させて、正面部材C110の底面部C112と第2介設部材C180(凹部C183)との間に形成される第5通路CRt5へ流入させることができる。
次いで、振分部材C170による球の振り分け動作について説明する。図85から図87は、振分部材C170による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームC86bの部分拡大断面図であり、図77のLXXXI-LXXXI線における断面に対応する。
なお、図85(a)及び図85(b)は、振分部材C170が第1位置に配置された状態を示し、図81に対応する。図86(b)及び図87は、振分部材C170が第2位置に配置された状態を示し、図82に対応する。
図85(a)に示すように、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、受入部C172は、第1中間部材C140の底面部C142を転動する球CB1を受け入れ可能(球CB1が流入可能)な位置に配置される。
即ち、受入部C172は、底面部C142(転動面)を延長した延長線と交差する位置に対向部C172aが配置され、底面部C142(転動面)を延長した延長線よりも鉛直方向下方(矢印D方向)となる位置に底面部C172bが配置される。
なお、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、底面部C142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C173の底面(転動面と反対側の面、矢印D方向側の面)における上流端(矢印L方向側の端部)との間の間隔が、球の直径よりも大きな寸法(球が通過可能な寸法)に設定される。
一方、転動部C173は、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、第1中間部材C140の底面部C142を転動する球CB1を受け入れ不能(球CB1が流入不能)な位置に配置される。
即ち、転動部C173は、底面部C142(転動面)を延長した延長線よりも鉛直方向上方(矢印U方向)となる位置(一段高い位置)に底面部C172bが配置される。なお、転動部C173と、底面部C142(転動面)を延長した延長線との間の鉛直方向における間隔(段差の高さ)は、球の半径よりも大きな寸法に設定される。これにより、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C170の転動部C173に流入することを抑制できる。
なお、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、第1中間部材C140の天面部C143の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C173の上流端(矢印L方向側の端部)との間の間隔が、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定される。これにより、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C170の転動部C173に流入することを抑制できる。但し、かかる間隔を球の直径よりも大きな間隔としても良い。
第1中間部材C140の底面部C142を球CB1(先行する球)と球CB2(先行する球との間に所定の間隔を隔てて後行する球)とが転動する場合、図85(b)に示すように、球CB1が振分部材C170の受入部C172に流入され(受け入れられ)、球CB1は、対向部C172aに当接され(受け止められ)、受入部C172に保持される。
また、球CB1,CB2の間の間隔が比較的小さい場合には、球CB2が球CB1に追い付き、球CB2が球CB1に当接される。上述したように、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、天面部C143の下流端と、転動部C173の上流端との間の間隔が、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定されるので、球CB2が、球CB1を乗り越えて、転動部C173へ流入されることを抑制できる。即ち、球CB2を球CB1の後方(上流側)に待機させることができる。
図85(b)に示すように、球CB1が受入部C172に受け入れられると、図86(a)に示すように、球CB1の重量により振分部材C170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)される。また、球CB2が球CB1に追い付いている場合には、その球CB2の重量も振分部材C170に作用される。
ここで、受入部C172は、対向部C172aの底面部C172bに連結される側の領域と、底面部C172bの対向部C172aに結される側の領域とが、即ち、対向部C172aと底面部C172bとの連結部分が、軸C192側へ向けて凸となり球の外形と略同一形状(球と略同径)となる円弧状に湾曲して形成され、その円弧状に湾曲した部分により球を保持可能とされる。
また、振分部材C170(底面部C172bの下流端(矢印L方向側の端部))と第1中間部材C140(底面部C142と対向部C144aとの連結部分)との間の間隔は、振分部材C170が第1位置に配置された状態では、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定され、振分部材C170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)されることで、漸次拡大される。
即ち、振分部材C170が第1位置と第2位置との間の所定中間位置(図86(a)と図86(b)との間の位置)まで変位(回転)されると、上述の振分部材C170(底面部C172bの下流端(矢印L方向側の端部))と第1中間部材C140(底面部C142と対向部C144aとの連結部分)との間の間隔が球の直径と略同一の寸法(球が通過可能な寸法)まで拡大され、振分部材C170が所定中間位置から第2位置へ向けて更に変位(回転)されると、上述した間隔が、更に拡大され、第2位置において最大の間隔が形成される。
よって、振分部材C170が第1位置から所定中間位置まで変位(回転)される間は、受入部C172に球CB1を受け入れた状態が維持される。即ち、振分部材C170は、第1位置から所定中間位置までの間は、受入部C172に球CB1を受け入れた状態で変位(回転)される。これにより、球CB2が球CB1に当接された状態を維持して、球CB2が底面部C142の下流端に位置する状態を維持できる。
この場合、底面部C142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C173の底面(転動面と反対側の面、矢印D方向側の面)における上流端(矢印L方向側の端部)との間の間隔は、振分部材C170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)されることで、漸次縮小され、振分部材C170が所定中間位置に到達する前に、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定される。よって、球CB2が受入部C172へ流入する(受け入れられる)ことを抑制できる。
また、振分部材C170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)される場合、受入部C172(対向部C172aと底面部C172bとの連結部分)に保持された球CB1の軌跡の外縁(軸C192と反対側の外縁)よりも、転動部C173の底面(転動面と反対側の面、矢印D方向側の面)における上流端(矢印L方向側の端部)の軌跡が、軸C192に近い側を通過するように構成される。
よって、球CB2が球CB1に当接された状態を維持して、球CB2が底面部C142の下流端に位置する状態を維持できると共に、転動部C173の上流端(矢印L方向側の端部)により球CB2を押し戻す(押し返す)ことができる。即ち、転動部C173の上流端を球CB1と球CB2との間に挿入して、両球を切り離すことができる。よって、球CB2が受入部C172へ流入される(受け入れられる)ことを抑制できる。また、球CB2を徐々に転動部C173へ転動させ、その後の転動を安定させることができる。
図86(a)に示す状態から振分部材C170が第2位置へ向けて更に変位(回転)されると、球CB1が通路部C144へ向けて底面部C172bを転動されると共に、球CB2が転動部C173に流下される(転動部C173に受け入れられる)。
図86(b)及び図87に示すように、振分部材C170が第2位置に配置されると、球CB1が受入部C172から通路部C144(第4通路CRt4)へ流入されると共に、球CB2が転動部C173を転動して、第1介設部材C160(第5通路CRt5)へ流入される。
球CB1,CB2が第4通路CRt4及び第5通路CRt5へ流入された後は、振分部材C170が第2位置から第1位置へ向けて自重により復帰(変位)される。なお、振分部材C170が第2位置に配置された状態で、或いは、振分部材C170が第2位置から第1位置への変位(回転)を開始した後であっても、第3の球が転動部C173到達し、その転動部C173の転動面に流入した場合には、第3の球が転動部C173を転動して第5通路CRt5へ流入(案内)される。
上述したように、転動部C173の上流側の端面(第1中間部材C140に対向する側の面、矢印L方向側の面)は、転動部C173から第1中間部材C140(底面部C142)へ向けて下降傾斜して形成されるので、振分部材C170が第2位置から第1位置へ変位(回転)を開始した後であっても、転動部C173の上流側の傾斜面(端面)を利用して、第3の球を転動部C173へ流入させ易くできる。
なお、振分部材C170は、1球の重量のみで、第1位置から第2位置まで変位(回転)可能に構成される。よって、球CB1と球CB2との間隔が所定量よりも大きな場合には、これら球CB1及び球CB2の両球が、受入部C172に順に受け入れられ、それぞれ上述した振り分け動作を経て第4通路CRt4へ振り分けられる。
以上のように、第2実施形態における下側フレームC86bによれば、球CB1と球CB2とが所定量以下(両球が密着する間隔が0の場合を含む)の間隔を隔てて連なる場合には、球CB1を第4通路CRt4へ振り分け(案内し)、且つ、球CB1の重量で第2位置へ変位される振分部材C170により球CB2を第5通路CRt5へ振り分ける(案内する)ことができる一方、球CB1と球CB2とが所定量を越える間隔を隔てて連なる場合には、両球(球CB1及び球CB2)を第4通路CRt4へ振り分ける(案内する)ことができる。このように、球CB1,CB2の連なりの状態(先行の球と後行の球との間隔が所定量を超えるか否か)に応じて案内する通路を変化させられるので、興趣の向上を図ることができる。
次いで、図88から図103を参照して、第3実施形態におけるセンターフレームC2086について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図88は、第3実施形態における下側フレームC2086bの正面斜視図であり、図89は、下側フレームC2086bの背面斜視図である。なお、図88及び図89では、ベース板60の一部のみが部分的に図示されると共に、ベース板60に下側フレームC2086bを締結固定するタッピングネジの図示が省略される。
図88及び図89に示すように、下側フレームC2086bには、球を受け入れ可能な開口として形成される受入口COP2000inと、その受入口COP2000inに連通される第1通路CRt2001と、その第1通路CRt2001を案内された球(第1通路CRt2001をその長手方向に沿って往復動した球)が流下される第2通路CRt2002と、その第2通路CRt2002を案内された球が振分部材C2170により振り分けられて流下される第3通路CRt2003及び第4通路CRt2004と、第3通路CRt2003を案内された球および第4通路CRt2004から落下した球(第4通路CRt2004の終端に到達しなかった球)が流下される第6通路CRt2006と、第4通路CRt2004を案内された球(第4通路CRt2004の終端に達した球)が流下される第5通路CRt2005と、その第5通路CRt2005を案内された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口COP2000outとが形成される(図96及び図97参照)。
なお、第3実施形態におけるセンターフレームは、上側フレーム(図示せず)と下側フレームC2086bとから構成される。第3実施形態における上側フレームは、その上側フレーム通路(図示せず)の形状が、第2実施形態における上側フレームC86aの上側フレーム通路CRt0と異なる点を除き、他の構成は第2実施形態における上側フレームC86aと同一の構成であるので、その説明は省略する。
上側フレーム通路は、遊技領域のうちの正面視左側(図72左側)の領域(センターフレーム(上側フレーム)とレール61(図72参照)との間の領域)から流入(入球)された球を案内する通路であり、その上側フレーム通路の下流端に下側フレームC2086bの受入口COP2000inが連通される。即ち、遊技領域から上側フレーム通路に流入(入球)した球は、受入口COP2000inを介して、上側フレーム通路から下側フレームC2086bの第1通路CRt2001へ流入(入球)される。
下側フレームC2086bには、球の重さにより動作する振分部材C2170が配設されており(図96及び図97参照)、連なった状態の球が第2通路CRt2002を案内される場合には、先行する球が第3通路CRt2003へ振り分けられる一方、後行する球が第4通路CRt2004へ振り分けられる。なお、球の連なる間隔が所定量よりも大きい場合は、先行する球および後行する球の両球が第3通路CRt2003へ振り分けられる。
ここで、第4通路CRt4の終端に達した球は、第5通路CRt5へ流下されるところ、第5通路CRt2005の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口COPoutは、第1入賞口64(図72参照)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第5通路CRt2005を案内された球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
一方、第6通路CRt2006には、その第6通路CRt2006に案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として、第1入賞口64の鉛直方向上方となる位置に中央流出面C181が形成(配置)されるだけでなく、第1入賞口64の鉛直方向上方から遊技盤13の幅方向(図72左右方向)に位置を異ならせた2箇所に、側方流出面C182が形成(配置)される。また、第6通路CRt2006には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C182が形成され、起伏の頂部に中央流出面C181が形成される。
そのため、第4通路CRt2004へ振り分けられた球は、第6通路CRt2006において、中央流出面C181から遊技領域へ流出する確率よりも、側方流出面C182から遊技領域へ流出する確率が高く、結果として、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した第5通路CRt2005を案内される球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
このように、本実施形態における下側フレームC2086bは、第2実施形態の場合と同様に、連なった状態の球が第2通路CRt2002へ流入された場合に、先行する球は通常の通路(第3通路CRt2003)へ振り分けられる一方、後行する球が第1入賞口64に入賞し易い通路(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させる通路(第5通路CRt2005))へ球を流下させる第4通路CRt2004へ振り分けられる。よって、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、球が連なった状態が形成されることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
更に、本実施形態では、第4通路CRt2004を案内される球が途中で第6通路へ落下可能に形成され、落下せずに第4通路CRt2004の終端に達した球のみが第5通路CRt2005へ流下(流入)可能とされる。そのため、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、連なった状態の球のうちの後行する球が第4通路CRt2004に振り分けられた後は、かかる第4通路CRt2004の終端まで球が落下せずに達することを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図88から図89に加え、図90から図103を参照して、下側フレームC2086bの詳細構成について説明する。
図90は、下側フレームC2086bの分解正面斜視図であり、図91は、下側フレームC2086bの分解背面斜視図である。図92は、下側フレームC2086bの上面図であり、図93は、下側フレームC2086bの正面図であり、図94は、下側フレームC2086bの背面図である。図95(a)は、図93の矢印XCVa方向視における下側フレームC2086bの側面図であり、図95(b)は、図93の矢印XCVb方向視における下側フレームC2086bの側面図である。
図96及び図97は、図92のXCVI-XCVI線における下側フレームC2086bの断面図である。図98は、図94のXCVIII-XCVIII線における下側フレームC2086bの部分拡大断面図であり、図99は、図94のXCIX-XCIX線における下側フレームC2086bの部分拡大断面図でる。なお、図96では、振分部材C2170が第1位置に配置された状態が、図97では、振分部材C2170が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図88から図99に示すように、下側フレームC2086bは、正面部材C2110と、その正面部材C2110の長手方向一側(矢印L方向側)に配設される皿部材C2120と、正面部材C2110の背面(矢印B方向側の面)に所定間隔を隔てて対向配置される背面部材C2130と、その背面部材C2130の正面(矢印F方向側の面)に配設される第1中間部材C2140、第2中間部材C2150、第1介設部材C2160、磁性部C2400及び受け部材C2500と、背面部材C2130及び第1中間部材C2140の対向間に介設される振分部材C2170と、正面部材C2110及び背面部材C2130の対向間に介設される第2介設部材C2180と、背面部材C2130の背面に配設される迂回部材C2200及び磁石C2300と、を備える。
なお、下側フレームC2086bは、各部材どうしそれぞれタッピングネジにより締結固定されると共に、振分部材C2170が背面部材C2130及び第1中間部材C2140に回転可能に軸支されることで、一つ(単体)のユニットとして構成される(図88参照)。
また、下側フレームC2086bは、振分部材C2170を除く他の部材が光透過性(即ち、背面側の部材や球を透視可能な透明)の樹脂材料から構成され、振分部材C2170が有色の樹脂材料から構成される。よって、第1通路CRt2001から第6通路CRt2006を通過する球を遊技者に視認させると共に、振分部材C2170による振り分け動作を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、下側フレームC2086bは、少なくとも第1中間部材C2140が光透過性の樹脂材料から構成されていれば足りる。第2通路CRt2002における球の連なり状態(先行する球と後行する球の間隔が所定量よりも小さい間隔か否か)と、振分部材C2170による振り分け動作とを遊技者に視認させられると共に、後行する球が振分部材C2170により第4通路CRt2004に振り分けられたことを視認できれば、かかる球は流出口COPoutから第1入賞口64へ高確率で(本実施形態では第5通路CRt2005に流入されれば、ほぼ全球が)入球するため、第5通路CRt2005を案内される球を遊技者に視認させなくても足りるためである。
なお、振分部材C2170は、光透過性(又は有色)の樹脂材料から構成され、その正面に塗装を施したもの、或いは、シールを添付したものであっても良い。
また、一方で、第1中間部材C2140が有色の樹脂材料から構成される、或いは、第1中間部材C2140に塗装が施されたりシールが添付されていても良い。即ち、第3通路CRt2003を通過する球や振分部材C2170が正面側から遊技者に視認不能となるように構成されていても良い。
正面部材C2110は、正面を形成する板状の正面部C111と、その正面部C111の背面から立設される板状の底面部C112とを備える。
正面部C111には、その正面部C111の下側(矢印D方向側)の外縁に沿って複数の挿通孔C111aが板厚方向に穿設される。下側フレームC2086bは、組み立てた状態(ユニット化された状態)で、ベース板60の正面から窓部60aに嵌め込まれ、挿通孔C111aに挿通したタッピングネジがベース板60に締結されることで、ベース板60に固定(配設)される。
正面部C111には、第1入賞口64(図72参照)の鉛直方向上方となる位置に流出口COPoutが開口形成(板厚方向に穿設)される。流出口COPoutは、上述したように、第5通路CRt2005を案内された球が遊技領域へ流出される際の出口となる開口である。
底面部C112は、その上面に第2介設部材C2180の底面が対向配置される。なお、底面部C112には、流出口COPoutに連通する筒状の部位が形成され、この筒状の部位が第5通路CRt2005の一部とされる。よって、第5通路CRt2005の内壁面に正面部材C2110と第2介設部材C180との重なり部分(継ぎ目)が形成されないので、流出口COPoutから第5通路CRt2005内を遊技者が覗き込んだ際の外観を良くすることができると共に、重なり部分(継ぎ目)から針金等の異物が侵入されることを回避できる。
底面部C112は、正面部C111の長手方向全域にわたって連続的に形成され、その底面部C112の立設先端(矢印B方向側)が、第1中間部材C2140及び第1介設部材C2160の正面に当接される。これにより、針金等の異物の侵入が抑制される。
皿部材C2120は、通路の底面を形成する上側底面部C2121及び下側底面部C2122と、通路の側壁を形成する側壁部C2124を備える。
上側底面部C2121は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印L-R方向)に沿って延設されると共に、受入口COP2000inから離間する方向(矢印
方向)へ向けて下降傾斜して形成される。
下側底面部C2122は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印F-B方向)に沿って延設されると共に、その延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図84(b)参照)。
側壁部C2124は、上側底面部C2121(第1通路CRt2001)の通路幅と、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)の長手方向(球を案内する方向)における一端側および他端側の端部と、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)の通路幅とをそれぞれ区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
下側底面部C2122は、上面視において、上側底面部C2121と略90度に交差され、上側底面部C2121の下流端(矢印R方向側の端部)と下側底面部C2122の長手方向における一端側(矢印F方向側の端部)とが隣り合う位置に配設される。
側壁部C2124には、円弧状に湾曲した下側底面部C2122の底部(鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に対応する位置に切り欠き部C124aが切り欠き形成され、この切り欠き部C124aを介して、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)から底面部C2142(第2通路CRt2002)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C2122は、上述したように、円弧状に湾曲して形成され、その上昇傾斜側(下側底面部C2122の長手方向における一端側)に上側底面部C2121から球が流下されるので、かかる流下された球を、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)の長手方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、切り欠き部C124aから底面部C2142(第2通路CRt2002)へ球を流下させることができる。
これにより、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側底面部C2121から下側底面部C2122(第1通路CRt2001)へ流入する場合に、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。
下側底面部C2122には、切り欠き部C124aに対応する位置(即ち、鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に流出面C122aが凹設される。流出面C122aは、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)を案内される球を、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出させるための部位であり、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ向けて下降傾斜する凹面として形成される。
よって、下側底面部C2122を往復動した後、その転動速度が低下した球を、流出面C122aを利用して、底面部C2142(第2通路CRt2002)へスムーズに流出(流下)させることができる。即ち、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)における往復動を利用して、先行する球と後行する球との間隔が減少された球(連なった状態の球)を、その連なった状態を維持させつつ、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)させることができる。
なお、流出面C122aは、上面視において、その凹面の幅(下側底面部C2122を往復動する球の転動方向に沿う方向の寸法、矢印F-B方向の寸法)が、切り欠き部C124aに近い側ほど大きい形状に形成される(図92参照)。
また、上面視において、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C2124に球を当接させた状態では、球が流出面C122a上を転動する(横切る)。即ち、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)を転動(往復動)する球が、切り欠き部C124aから最も離間した位置(球の側方の頂部を下側側壁部C2124に当接させる位置)を転動する状態でも、上面視において、球の中心と重なる範囲まで流出面C122aが形成される(球が下側底面部C2122を転動する際の球の下方の頂部の軌跡である転動線が流出面C122aを横切る)。
一方で、下側底面部C2122に流出面C122aが凹設(形成)されていると、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)に流下した球が、かかる下側底面部C2122(第1通路CRt2001)を一度も往復動することなく、又は、十分な回数だけ往復動する前に、流出面C122aの傾斜の作用により、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)する虞がある。即ち、先行する球と後行する球との間隔を減少させず、両球が間隔を隔てたまま底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)する虞がある。
これに対し、本実施形態では、下側底面部C2122が切り欠き部C124aから離間する方向(矢印L方向)へ向けて下降傾斜して形成される(図96参照)。これにより、下側底面部C2122の傾斜の作用により、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する側壁部C2124に球を押し付けつつ、かかる球を下側底面部C2122(第1通路CRt2001)で転動(往復動)させることができる。
これにより、球の転動速度が十分に低くなる前に、球が流出面C122aの傾斜の作用で底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)することを抑制できる。即ち、球の転動速度が十分に低くなるまでの間、流出面C122aを乗り越え易く(横切らせ易く)して、下側底面部C2122(第1通路CRt2001)に沿って球を十分に往復動させ易くできる。その結果、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことを確実化できる。
なお、下側底面部C2122の円弧形状(下側底面部C2122の延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状であって、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧形状、図84(b)及び図95(b)参照)は、その長手方向の一端側および他端側における円弧形状の半径が、それら一端側および他端側の間の領域(流出面C122aを含む領域)における円弧形状の半径よりも小さくされる。即ち、流出面C122aを含む領域における円弧形状の半径が大きくされる。
これにより、初期段階(長手方向の一端側および他端側またはその近傍まで球が往復動する段階)では、球を往復動させ易くすると共に先行する球に後行する球を追いつかせ易くしつつ、往復動する球の転動速度が低くなった段階(長手方向の一端側および他端側またはその近傍までは球が到達せず、流出面C122aを含む比較的狭い領域で球が往復動する段階)では、先行する球と後行する球とが連なった状態を維持させ易くできる。その結果、両球が連なった状態を維持させつつ、底面部C2142(第2通路CRt2002)へ流出(流下)させ易くできる。
背面部材C2130は、板状に形成される本体部C2131と、その本体部C2131の正面から立設される軸支座部C2134とを備える。
本体部C2131には、その本体部C2131の正面側と背面側とに形成される通路(第5通路CRt2005)を連通するための開口である開口C2131aと、振分部材C2170(錘C2175)との干渉を回避するための開口である開口C2131cとが開口形成される。開口C2131aの下方には、本体部C2131の外縁を窪ませた凹部C2131bが形成される。凹部C2131bは、迂回部材C2200との対向間に第5通路CRt2005の一部を形成する。
軸支座部C2134は、振分部材C2170の軸C2174を回転可能に軸支する軸支部(軸受)として形成される。なお、軸C2174は、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢で軸支座部C2134と第1中間部材C2140の軸支座部C2141bとに軸支される。
第1中間部材C2140は、板状の本体部C2141と、その本体部C2141の背面(矢印B方向側の面)から立設される底面部C2142、天面部C2143、通路部C2144及び下ストッパ部C2145とを備え、背面部材C2130の正面視左側に配設される。
本体部C2141には、その本体部C2141の正面側と背面側とに形成される通路(第3通路CRt2003及び第6通路CRt2006)を連通するための開口である開口C2141aが形成される。また、本体部C2141の背面からは、軸支座部C2141bが立設される。軸支座部C2141bは、振分部材C2170の軸C2174を回転可能に軸支する軸支部(軸受)として形成される。
第1中間部材C2140が背面部材C2130に配設された状態では、底面部C2142及び天面部C2143の立設先端(矢印B方向側)が背面部材C2130の正面に当接される。これにより、背面部材C2130と第1中間部材C2140(本体部C2141、底面部C2142及び天面部C2143)とに区画された空間により第2通路CRt2002が形成されると共に、背面部材C2130と第1中間部材C2140(底面部C2142及び通路部C2144)と第2位置にある振分部材C2170とにより区画された空間により第3通路CRt2003が形成される(図97参照)。
底面部C2142は、皿部材C2120側から振分部材C2170側へ向けて下降傾斜される。また、通路部C2144は、第2位置にある振分部材C2170(底面部C2172b)と開口C2141aとの対向間に位置し、第2位置にある振分部材C2170(底面部C2172b)側から開口C2141a側へ向けて下降傾斜して形成される。よって、通路部C2144は、第2位置へ変位した振分部材C2170から球を受け入れると、その球を開口C2141aを介して第6通路CRt2006へ流出(転動)させることができる。
なお、底面部C2142は、振分部材C2170(底面部C2172b)が上方へ変位された際に、その振分部材C2170(底面部C2172b)の上面に当接可能に形成され、振分部材C2170の第1位置を規定する(図96参照)。一方、下ストッパ部C2145は、振分部材C2170(底面部C2172b)が下方へ変位された際に、その振分部材C2170(底面部C2172b)の下面に当接可能に形成され、振分部材C2170の第2位置を規定する(図97参照)。
なお、振分部材C2170は、第1位置から第2位置に変位(回転)されると、転動部C2173の上面(転動面)が上方へ変位(上昇)される。即ち、振分部材C2170が第2位置に配置された状態における底面部C2173は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態における底面部C2173の上面(転動面)よりも上方(矢印U側)に位置される。
第2中間部材C2150は、板状の本体部C2151と、その本体部C2151の背面(矢印B方向側の面)から立設される底面部C2152及び壁面部C2153,C2154とを備え、第1中間部材C2140との間に所定の間隔を隔てつつ、背面部材C2130の正面視右側に配設される。
なお、本実施形態では、第1中間部材C2140と第2中間部材C2150との間の対向間隔(矢印L-R方向の間隔)が、受け部材C2500の長手方向(矢印L-R方向)寸法に球の直径の少なくとも2倍以上の大きさを加算した寸法よりも大きな値に設定される。よって、受け部材C2500の長手方向(矢印L-R方向)両側(第1中間部材C2140との間、及び、第2中間部材C2150との間の両方)に、球が通過可能な空間をそれぞれ確保することができる。よって、球の流下する方向の種類(バリエーション)を増やし、遊技の興趣を高めることができる。
第2中間部材C2150が背面部材C2130に配設された状態では、底面部C2152が、背面部材C2130の開口C2131aに連通可能となる位置に配置されると共に、開口2131aへ向けて下降傾斜される。よって、底面部C2152は、第4通路CRt2004の終端に達した球(磁性部C2400の終端から落下した球)を受け入れると、その球を開口C2131a内へ流入(転動)させることができる。即ち、底面部C2152の上面側に第5通路CRt2005の一部が形成される。
第2中間部材C2150が背面部材C2130に配設された状態では、底面部C2152及び壁面部C2153,C2154の立設先端(矢印B方向側)が背面部材C2130の正面に当接される。また、底面部C2152の上面(転動面)の縁部に沿って本体部C2151及び壁面部C2153,C2154が所定量だけ上方(矢印U方向)へ突出される。
磁性部C2400から遠い側に位置する壁面部C2153は、第4通路CRt2004を案内される球の移動方向(磁性部C2400の下縁(球を吸着する縁部)に沿う方向)の延長線と交差する面を形成する。これにより、第4通路CRt2004から排球された(磁性部C2400から落下した)球を、壁面部C2153により直接受け止めて、或いは、底面部C2152でバウンドした(跳ね上がった)後に壁面部C2153により受け止めて、底面部C2152上へ落下させることができる。なお、実施形態では、壁面部C2153は、磁性部C2400の終端(矢印R方向の端部)における下縁(球が吸着される縁部)よりも高い位置まで形成される。
一方、底面部C2152の上面からの突出寸法は、磁性部C2400に近い側に位置する壁面部C2154の突出寸法、及び、本体部C2151の突出寸法が、磁性部C2400から遠い側に位置する壁面部C2153の突出寸法よりも小さく(低く)される。これにより、底面部2152(第5通路CRt2005)から第1介設部材C2160又は第2介設部材C2180(第6通路CRt2006)へ球が落下可能として、遊技の興趣を高められる。なお、壁面部C2154及び本体部C2151の突出寸法は、球の直径よりも小さくされることが好ましい。
受け部材C2500は、上面(転動面)を形成する第1底面部C2501及び第2底面部C2502を備え、第1中間部材C2140と第2中間部材2150との対向間であって、磁性部C2400の下方(矢印U方向側)となる位置に配設される。よって、第4通路CRt2004(磁性部C2400)から落下した球を第1底面部C2501及び第2底面部C2502で受け止めて、第1介設部材C2160へ流下(転動)させることができる。
第1底面部C2501は、第2底面部C2502との接続部から第1中間部材C2140側(矢印L方向)へ向けて下降傾斜して形成され、第2底面部C2502は、第1底面部C2501との接続部から第2中間部材C2150側(矢印R方向)へ向けて下降傾斜して形成される。また、第1底面部C2501及び第2底面部C2502は、受け部材C2500の正面側から背面側(背面部材C2130側)へ向けて下降傾斜される(図99参照)。
上述したように、受け部材C2500の長手方向(矢印L-R方向)両側には、第1中間部材C2140及び第2中間部材C2150との間に少なくとも球1個分の空間がそれぞれ形成される。
よって、第4通路CRt2004(磁性部C2400)から落下した球を、第1底面部C2501又は第2底面部C2502の長手方向(矢印L-R方向)に転動させて、第1介設部材C2160へ流下させることができる。この場合、第4通路CRt2004(磁性部C2400)から落下した球を受け止めた部位(第1底面部C2501又は第2底面部C2502)に応じて、その球を流下させる方向を異ならせることができる。
また、第4通路CRt2004(磁性部C2400)から落下した球を、第1底面部C2501又は第2底面部C2502の長手方向(矢印L-R方向)に転動させた上で、それら第1底面部C2501又は第2底面部C2502の下流端から第1介設部材C2160へ流下させることができる。これにより、かかる球を、第1介設部材C2160の長手方向に沿って転動させ易くできる。
なお、第1底面部C2501及び第2底面部C2502の少なくとも一方または両方は、受け部材C2500の正面側から背面側(背面部材C2130側)へ向けて上昇傾斜されていても良く、或いは、受け部材C2500の正面側から背面側(背面部材C2130側)へ向けて非傾斜(即ち、水平)とされていても良い。
また、受け部材C2500は、その長手方向(矢印L-R方向)の一側のみに球が通過可能な空間が確保される形態(即ち、第1中間部材C2140又は第2中間部材C2150の一方との間のみに球が流下(通過)可能な空間が形成され、他方との間では球の流下(通過)が不能とされる形態)でも良い。この場合には、第1底面部C2501又は第2底面部C2502の長手方向寸法を確保して、その分、球の転動時間を長くできる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
第1介設部材C2160は、受け部材C2500から流下された球を、第2介設部材C2180へ流下させる転動面を形成する部材であり、第1中間部材C2140と第2中間部材C2150との対向間に介設される。
第1介設部材C2160の上面(転動面)には、球を第2介設部材C2180へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面(中央流出面C2161及び側方流出面C2162)が形成される。中央流出面C2161は、第2介設部材C2180の中央流出面C181(即ち、第1入賞口64)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)され、側方流出面C2162は、中央流出面C2161から遊技盤13の幅方向(図72左右方向)へ位置を異ならせた2箇所に形成(配置)される。また、第1介設部材C2160の上面(転動面)には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C2162が形成され、起伏の頂部に中央流出面C2161が形成される。
なお、側方流出面C2162は、第2介設部材C2180の側方流出面C182に対して、遊技盤13の幅方向(図72左右方向)における外側(矢印L方向または矢印R方向)へ位置を異ならせて形成(配置)される。よって、側方流出面C2162から流下される球を、第2介設部材C2180の側方流出面C182よりも外側(即ち、側方流出面C182へ向けて下降傾斜する第2介設部材C2180の上面(転動面))へ流下させることができる。従って、かかる球を、第2介設部材C2180の長手方向に沿って転動させ易くできる。その結果、第2介設部材C2180の中央流出面C181から流下させる(即ち、第1入賞口64へ入球(入賞)する)機会を形成して、遊技の興趣を高めることができる。
振分部材C2170は、軸C2174が軸支される本体部C2171と、その本体部C2171の一側に形成される受入部C2172と、本体部C2171の上面側に形成される転動部C2173と、軸C2174を挟んで受入部C2172と反対側となる位置において本体部C2171に配設(取着)される真鍮製の錘C2175とを備え、軸C2174(軸支座部C2134,C2141b)を中心として回転可能とされる。
振分部材C2170は、その重心位置が回転中心(軸C2174)に対して他側(錘C2175が配設される側、即ち、軸C2174を挟んで受入部C21720と反対側、図96右側)に偏心される。よって、無負荷状態では、振分部材C2170は、受入部C2172側が上昇され(正面視において軸C2174を中心として時計回りに回転され)、底面部C2142に回転が規制された状態(第1位置に配置された状態)とされる(図96参照)。
一方、振分部材C2170の受入部C2172に球が受け入れられた状態では、その球の重さにより、全体としての重心位置が回転中心(軸C2174)に対して一側(受入部C2172が形成される側、即ち、軸C2174に対して錘C2175と反対側、図97左側)に偏心される。よって、受入部C2172に球を受け入れた状態では、振分部材C2170は、受入部C2172側が下降され(正面視において軸C2174を中心として反時計回りに回転され)、下ストッパ部C2145に回転が規制された状態(第2位置に配置された状態)とされる(図97参照)。
なお、振分部材C2170が第2位置に配置された後、受入部C2172から第1中間部材C2140の通路部C2144へ球が排出(流出)されると、振分部材C2170は、振分部材C2170の自重(重心位置の軸C2174からの偏心)の作用により、第1位置へ復帰される。
このように、振分部材C2170の第1位置への変位(復帰)は、振分部材C2170の自重(重量)により行われるので、例えば、付勢ばねを設けて、その付勢ばねにより振分部材C2170を第1位置へ向けて付勢する場合と比較して、構造を簡素化できる。
また、付勢ばねを利用する場合と比較して、振分部材C2170の第1位置への変位(復帰動作)を低速とできるので、後行する球CB2を転動部C2173上に到達させ易くできる。即ち、振分部材C2170が第2位置から第1位置へ向けて変位(回転)を開始してから、後行する球CB2が転動部C2173上へ流入不能となる位置まで変位(回転)されるのに要する時間を長くできる。更に、後行する球CB2の更に後続となる第3の球も転動部C2173へ到達させる可能性を付与できる(図100から図102参照)。
受入部C2172は、第1位置において第2通路CRt2002に対向する位置に形成される対向部C2172aと、第1位置において受け入れた球を支持すると共に第2位置において通路部C2144へ向けて球を転動させるための転動面を形成する底面部C2172bとを備える。
受入部C2172は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、対向部C2172aが、第1中間部材C2140の底面部C2142の延設方向に略直交し、底面部C2172bが、対向部C2172aから第1中間部材C2140の底面部C2142へ向けて上昇傾斜するように形成される(図96参照)。
ここで、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、対向部C2172aが、第1中間部材C2140の底面部C2142の延設方向と直交する方向に対して傾斜(対向部C2172aの転動部C2173側が底面部C2172b側よりも第2通路CRt2002から離間される方向へ傾斜)されていると、対向部C2172aに衝突した球が上方へ跳ね上げられて、第2通路CRt2002へ逆流する虞がある。
これに対し、対向部C2172aは、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、第1中間部材C2140の底面部C2142の延設方向に略直交されているので、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)から受け入れた球を対向部C2172aにより受け止めて、第3通路CRt2003へ逆流することを抑制できる。
また、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、底面部C2172bが、対向部C2172aから第1中間部材C2140の底面部C2142(通路部C2144)へ向けて下降傾斜するように形成されていると、受入部C2172に受け入れた球が早期に第1中間部材C2140の通路部C2144へ流出されてしまい、球の重さを利用できなくなることで、振分部材C2170を第2位置に到達させられない虞がある。
これに対し、底面部C2172bは、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、対向部C2172aから第1中間部材C2140の底面部C2142へ向けて上昇傾斜するように形成されているので、少なくとも振分部材C2170が第1位置から所定量だけ回転するまでの間は、底面部C2172bに球を保持しておくことができる。これにより、受入部C2172に受け入れた球が第1中間部材C2140の通路部C2144へ流出されるまでの時間を遅らせることができる。その結果、球の重さを有効に利用して、振分部材C2170を第2位置に確実に到達させることができる。
この場合、本実施形態では、底面部C2172bは、振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、対向部C2172aに接続される基端側(図96右側、矢印R方向側)の領域における上昇傾斜の角度が、対向部C2172aと反対側となる先端側(図96左側、矢印L方向側)の領域における上昇傾斜の角度よりも大きな角度に設定される。また、言い換えると、底面部C2172bは、振分部材C2170が第1位置に配置された状態において、対向部C2172aと反対側となる先端側(図96左側)の領域における下降傾斜の角度が、対向部C2172aに接続される基端側(図96右側)の領域における下降傾斜の角度よりも大きな角度に設定される。
よって、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ変位(回転)される初期段階では、底面部C2172bの基端側(図96右側)の領域における上昇傾斜を利用して、受入部C2172(底面部C2172b)における球の保持を確実としつつ、後期段階では、底面部C2172bの先端側(図96左側)の領域における下降傾斜を利用して、通路部C2144(第3通路CRt2003)への球の排球をスムーズに行わせることができる。
なお、上述した理由(第2通路CRt2002への逆流防止)により、対向部C2172aを、転動部C2173側が底面部C2172b側よりも第2通路CRt2002へ近接する方向へ傾斜させても良い。
受入部C2172は、振分部材C2170が第2位置に配置された状態では、底面部C2172bが、対向部C2172aから第1中間部材C2140の通路部C2144へ向けて下降傾斜するように形成される(図97参照)。これにより、受入部C2172に受け入れた球を、第1中間部材C2140の通路部C2144へ確実に流出させることができる。
また、球が底面部C2172bを転動している間、その球の重量を振分部材C2170に作用させ、振分部材C2170を第2位置(即ち、後行する球を転動部C2173(第4通路CRt4)へ案内可能な状態)を維持しやすくできる。
転動部C2173は、受入部C2172(底面部2172b)に対して軸C2174を挟んで反対側となる領域に形成される。即ち、受入部C2172に受け入れられた球の重量により振分部材C2170が第1位置から第2位置へ変位(回転)されると、その回転に伴って上方(矢印U方向)へ上昇される領域を少なくとも含む領域に転動部C2173が形成される。即ち、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ変位(回転)されると、転動部C2173の下流側が上方へ持ち上げられ、磁性部C2400との間の距離が短縮される。よって、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)易くできる。
この場合、振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、転動部C2173が、軸C2174を挟んで水平方向(矢印L-R方向)反対側のみに形成されていると、底面部2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173に球が流下された際に、その球の重量や落下の勢いによって、振分部材C2170が第1位置へ向けて回転される虞がある。よって、転動部C2173の高さ位置(鉛直方向位置)が下がり、磁性部C2400との間の距離が拡大されることで、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)られない虞がある。
これに対し転動部C2173は、振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、軸C2174と鉛直方向において重なる範囲(領域)にわたって形成される(図97参照)。即ち、転動部C2173の上流側(第2通路CRt2002側)の領域は、軸C2174よりも水平方向一側(矢印L方向側)に位置し、その上流側を転動する球の重量を、振分部材C2170を第2位置に維持する方向の力として作用させることができる。
よって、底面部2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173に球が流下された際に、その球の重量や落下の勢いを利用して、第2位置にある状態を維持させる方向の慣性力を振分部材C2170に作用させ、その慣性力の作用により第2位置にある状態を維持する方向へ振分部材C2170が変位(回転)しようとしている間に、球を転動部C2173の下流側の領域まで転動させることができる。その結果、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)易くできる。
受入部C2172の底面部C2172bの延設長さ(球を案内する方向の長さ)は、転動部C2173の延設長さよりも大きな寸法に設定される。よって、転動部C2173を球が転動する間、同時に、受入部C2172の底面部C2172bを別の球が転動する状態を形成しやすくできる。即ち、転動部C2173を球が転動する間、受入部C2172の底面部C2172bに別の球の重量を振分部材C2170に作用させておくことができる。
これにより、転動面C2173を球が転動する際に、その球の重量によって振分部材C2170が第2位置から第1位置へ向けて変位される(転動面C2173の下流側が下方へ変位される)ことを抑制できる。その結果、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)易くできる。
特に、受入部C2172の底面部C2172bは、軸C2174から離間する方向(軸C2174に直交する方向)へ延設されるので、底面部C2172bを球が転動するに従って、力の作用点(球の重量が作用する位置)と支点(回転中心)との距離を大きく(増加)させることができる。即ち、底面部C2172bを球が転動するに従って、振分部材C2170を第2位置へ維持し易くできる(第2位置に配置された振分部材C2170を第1位置へ変位(回転させる)のに必要な力を大きくできる)。
これにより、転動面C2173を球が転動する際に、その球の重量によって振分部材C2170が第2位置から第1位置へ向けて変位される(転動面C2173の下流側が下方へ変位される)ことを抑制できる。その結果、転動部C2173を転動する球を磁性部C2400に飛び移らせ(吸着させ)易くできる。
ここで、振分部材C2170は、底面部C2142(第2通路CRt2002)から受入部C2172へ向けて球が転動する方向(受入部C2172が球を受け入れる方向、矢印R方向)と、受入部C2172を球が転動する方向(受け入れた球を転動させる方向、矢印L方向)とが逆方向とされる。即ち、受入部C2172において、球の流下(転動)方向を反転(方向転換)させる構成とされる。
これにより、受入部C2172が球を受け入れる方向と受入部C2172を球が転動する方向とが同方向とされる場合と比較して、反転に要する時間の分、球が振分部材C2170(受入部C2172)に滞留する時間を確保でき、その受入部C2172に滞留される球の重量を利用して振分部材C2170を第2位置に維持し易くできる。その結果、転動部C2173において球を安定して転動させることができる。
転動部C2173は、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)を転動する球を、磁性部C2400(第4通路CRt2004)へ案内する(振り分ける)ための部位であり、振分部材C2170が第2位置へ配置された状態において、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)の下流端と、磁性部C2400(第4通路CRt2004)の上流端との間に位置(架設)される。
上述したように、転動部C2173は、振分部材C2170が第1位置と第2位置との間で変位(回転)されることで、その上面(転動面)の高さ位置が上下方向(矢印U-D)方向へ変位(昇降)される。これにより、転動部C2173を磁性部C2400よりも下方となる位置に配置できる。
その結果、振分部材C2170を第2位置に配置して、転動部C2173を上方へ変位(上昇)させることで、磁性部C2400に近づけて、重力の作用に抗して、球を吸着させ易くできる一方、振分部材C2170を第1位置に配置して、転動部C2173を下方へ変位(上昇)させることで、磁性部C2400から離間させて、重力の作用も利用して、球を吸着させない態様を確実に形成できる。
転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部)と受入部C2172の対向部C2172aとの連結部分は、上流側(第1中間部材C2140(第2通路CRt2002)側、矢印L方向)へ向けて突出される鋭角な突部形状に形成される。この突部形状の部位が球CB1と球CB2との間に挿入されることで、両球(球CB1,CB2)を切り離すことができる。
振分部材C2170が第2位置に配置された状態では、第1中間部材C2140の底面部C2142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)における高さ位置に対し、転動部C2173(転動面)の上流端(矢印L方向側の端部)における高さ位置が、鉛直方向下方(矢印D方向)に位置される。即ち、底面部C2142の下流端と転動部C2173の上流端との間には段差が形成され、第2位置に配置された振分部材C170が第1位置へ向けて所定量(所定回転角)だけ変位(回転)された場合に、底面部C2142の下流端と転動部C2173の上流端とが同一の高さ位置に配置される。
ここで、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)を転動する球が受入部C2172へ流入されると、その球の重量で振分部材C2170が第1位置から下方へ変位(回転)され、振分部材C2170の下面が下ストッパ部C2145に当接されることで、振分部材C2170が第2位置に配置される。
この場合、下ストッパ部C2145に下面が衝突した際の衝撃で振分部材C2170が上方(矢印U方向)へ跳ね上げられる虞があり、振分部材C2170の上方への跳ね上がりにより、第1中間部材C2140の底面部C2142(転動面)の下流端における高さ位置に対し、転動部C2173(転動面)の上流端における高さ位置が、鉛直方向上方(矢印U方向)に位置されると、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ球を流入(転動)させることができなくなる虞がある。
特に、上方へ跳ね上げられた振分部材C2170(転動部C2173の上流側の端面)に球が衝突し、その球の衝突による衝撃で振分部材C2170が更に上方へ跳ね上げられると(球により振分部材C2170が更に上方へ押し上げられると)、その球が、本来は転動部C2173へ流入(転動)されるべき球であったにも関わらず、受入部C2172に流入される(受け入れられる)される虞がある。
これに対し、振分部材C2170が第2位置に配置された状態では、上述したように、底面部C2142(転動面)の下流端と転動部C2173(転動面)の上流端との間には段差が形成されるので、衝撃により振分部材C2170が上方へ跳ね上げられた場合でも、両者の間の段差の分、底面部C2142の下流端よりも転動部C2173の上流端が鉛直方向上方(矢印U方向)に位置することを抑制できる。即ち、両者の段差の分だけ、振分部材C2170が上方へ跳ね上げられることを許容できる。よって、転動部C2173へ流入(転動)されるべき球(先行の球CB1との間の間隔が所定量以下とされる後行の球CB2)を、底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ流入(転動)させ易くできる。
なお、第2実施形態の場合と同様に、転動部C2173の上流側の端面(第1中間部材C2140に対向する側の面、矢印L方向側の面)を、転動部C2173から第1中間部材C2140(底面部C2142)へ向けて下降傾斜させても良い。即ち、転動部C2173の上流側の端面を、転動部C2173の転動面側の縁部よりも、受入部C2172(対向部C2172a)側の縁部の方が、第1中間部材C2140に近接される断面形状としても良い。
これにより、上方へ跳ね上げられた振分部材C2170(転動部C2173の上流側の端面)に球が衝突した場合には、その球から振分部材C2170(転動部C2173の上流側の端面)に作用する力の方向を、振分部材C2170を下方へ押し下げる方向の力とすることができる。その結果、転動部C2173へ流入(転動)されるべき球(先行の球CB1との間の間隔が所定量以下とされる後行の球CB2)を、底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ流入(転動)させ易くできる。
磁性部C2400は、金属製の長尺板状体であり、背面部材C2130の背面に配設された磁石C2300から作用する磁力を利用して、球を吸着可能とされる。なお、磁石C2300は、磁性部C2400の長手方向に沿って複数が配列される。
振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ球が流下されると、転動部C2173の上面(転動面)を転動した球が、転動部C2173の下流端から磁性部C2400の上流端へ飛び付く。即ち、磁性部C2400の下縁(正面(矢印F方向の面)と下面(矢印D方向の面)とが交差して形成される稜線)に吸着される(図103参照)。磁性部C2400に吸着された球は、飛び付き(転動)による球の勢いと、磁性部C2400の下降傾斜による重力の作用により、磁性部C2400の下縁(長手方向)に沿って移動される。
この場合、球の状態(振分部材C2170の転動部C2173から磁性部C2400へ飛び付く際の球の速度や球の位置、球の回転状態など)に応じて、磁性部C2400の下縁から球が落下する可能性(終端まで球が到達できない可能性)を持たせた不安定な状態を形成できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
特に、磁性部C2400(第4通路CRt2004)は、振分部材C2170と第5通路CRt2005との間の通路を形成するので、遊技の興趣を高めることができる。即ち、振分部材C2170によって第4通路CRt2004に振り分けられる球は、先行する球CB1との間の距離が所定量より小さい状態(即ち、先行する球CB1と連なった状態)で第2通路CRt2002を流下(転動)する球(後行する球CB2)だけであり、かかる後行する球B2が発生する可能性は比較的低い。そのような低い可能性を経て振分部材C2170に到達した球(後行する球B2)を、落下する可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)がある不安定な状態で変位させることで、無事に通過することを遊技者に期待させて、遊技の興趣を向上できる。
磁性部C2400の厚み寸法は、球の直径よりも小さい値(本実施形態では、球の直径の6%)に設定される。よって、磁性部C2400の下縁に外面点CP1が吸着された球は、位置CP1よりも下方となる位置の外面点CP2が本体部C2131の正面に当接される。この場合、球の重心は、外面点CP2よりも本体部C2131の正面から離れて位置するので、球の自重(重心に作用する重力)が、外面点CP1を支点として、外面点CP2を本体部2131の正面に押し当てる方向の力(即ち、図103において外面点CP1を中心として球を右回り(時計まわり)に回転させる力)として作用される(図103参照)。
これにより、磁性部C2400に球が吸着されると、かかる球を、外面点CP1と外面点CP2との2点で支持することができ、その結果、磁性部C2400の下縁(長手方向)に沿った球の移動を安定化できる。また、外面点CP2における本体部2131の正面との間の摩擦抵抗を利用して、球の移動速度を緩やか(低速化)することができる。よって、これによっても、球の移動を安定化できると共に、第4通路CRt2004の通過に要する時間を嵩ませて、球が落下せずに第5通路CRt2005に到達することを期待する遊技者の興趣を向上させることができる。
このように、背面部材C2130の本体部c2131を挟んで、磁石C2300と磁性部C2400を配設し、磁性部C2400に沿って球を移動(摺動)させる構成とすることで、吸着力の調整と摩擦力の適正化とを容易としつつ、球の通過経路を簡素な構造で形成できる。
第2介設部材C2180は、第6通路CRt2006における球の転動面を形成する部材であり、正面部材C2110と第1中間部材C2140及び第1介設部材C2160との対向間に介設される。即ち、正面部材C2110と第1中間部材C2140及び第1介設部材C2160と第2介設部材C2180に区画された空間により第6通路CRt2006が形成される。
第2介設部材C2180の上面(転動面)には、上述したように、第2介設部材C2180(第6通路CRt2006)を案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される凹面(中央流出面C181及び側方流出面C182)が形成される。また、第6通路CRt2006の上面(転動面)には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面C182が配置される一方、起伏の頂部に中央流出面C181が配置される。
なお、正面部材C2110の正面部C111の上縁(矢印U方向の縁部)は、中央流出面C181及び側方流出面C182が形成される領域を除き、第2介設部材C2180の上面(転動面)よりも上方(矢印U方向)へ突出される。即ち、第2介設部材C2180の上面(転動面)を転動する球は、中央流出面C181又は側方流出面C182からのみ遊技領域へ流出(流下)される。
第2介設部材C2180の底面には、凹部C183が凹設され、上述したように、かかる凹部C183と正面部材C2110の底面部C112との対向間に第5通路CRt2005の一部が形成される。
迂回部材C2200は、板状の本体部C2201と、その本体部C2201の正面(矢印F方向側の面)から立設される壁面部C2202と、その壁面部C2202の一部を正面側へ更に延設して形成される樋部C2203とを備え、開口C2131aに対向する位置において、背面部材C2130の背面側に配設される。
迂回部材C2200が背面部材C2130に配設された状態では、壁面部C2202の立設先端(矢印F方向側)が背面部材C2130(本体部C2131)の背面に当接され、且つ、樋部C2203の立設先端(矢印F方向側)が第2介設部材C2180の背面に当接されると共に、樋部C2203の縁部が第1介設部材C2160の底面に当接される。
これにより、背面部材C2130(本体部C2131)と迂回部材C2200(本体部C2201及び壁面部C2202)とに区画された空間、及び、第1介設部材C2160と迂回部材C2200(樋部C2203)とに区画された空間により第5通路CRt2005の一部が形成される(図98及び図99参照)。
なお、樋部C2203は、背面部材C2130側から第2介設部材C2180側へ向けて下降傾斜される。よって、背面部材C2130の開口C2131aから迂回部材C2200内へ流入された球を樋部C2203上を転動させて、正面部材C2110の底面部C112と第2介設部材C2180(凹部C183)との間に形成される第5通路CRt2005へ流入させることができる。
次いで、振分部材C2170による球の振り分け動作について説明する。図100から図102は、振分部材C2170による球の振り分け動作の遷移を示す下側フレームC2086bの部分拡大断面図であり、図92のXCVI-XCVI線における断面に対応する。図1036は、図102(b)のCIII-CIII線における下側フレームC2086bの部分拡大断面図である。
なお、図100(a)及び図100(b)は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態を示し、図96に対応する。図102(a)及び図102(b)は、振分部材C2170が第2位置に配置された状態を示し、図97に対応する。
図100(a)に示すように、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、受入部C2172は、第1中間部材C2140の底面部C2142を転動する球CB1を受け入れ可能(球CB1が流入可能)な位置に配置される。
即ち、受入部C2172は、底面部C2142(転動面)を延長した延長線と交差する位置に対向部C2172aが配置され、底面部C2142(転動面)を延長した延長線よりも鉛直方向下方(矢印D方向)となる位置に底面部C2172bが配置される。
なお、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、底面部C2142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部、転動部C2173と対向部C2172aとの連結部分)との間の間隔が、球の直径よりも大きな寸法(球が通過可能な寸法)に設定される。
一方、転動部C2173は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、第1中間部材C2140の底面部C2142を転動する球CB1を受け入れ不能(球CB1が流入不能)な位置に配置される。
即ち、転動部C2173は、底面部C2142(転動面)を延長した延長線よりも鉛直方向上方(矢印U方向)となる位置(一段高い位置)に底面部C2172bが配置される。なお、転動部C2173と、底面部C2142(転動面)を延長した延長線との間の鉛直方向における間隔(段差の高さ)は、球の半径よりも大きな寸法に設定される。これにより、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C2170の転動部C2172bに流入することを抑制できる。
なお、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、第1中間部材C2140の天面部C2143の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部)との間の間隔が、球の直径よりも大きな寸法(球が通過可能な寸法)に設定される。これにより、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C2170の転動部C2172bに流入することを許容できる。
この場合、振分部材C2170が第1位置にある状態では、転動部C2173が、水平方向(矢印L-R方向)において、軸C2174を挟んで、底面部C2142(第2通路CRt2002)と反対側に位置し、且つ、底面部C2142(第2通路CRt2002)から離間する方向(矢印R方向)へ向かって下降傾斜される。
よって、球が段差を乗り越えて、第1位置にある振分部材C2170の転動部C2172bに流入したとしても、かかる球により、振分部材C2170が第2位置へ向けて回転される(即ち、転動部C2173が上方へ持ち上げられる)ことを抑制できると共に、転動部C2173の下降傾斜に沿って球を第2中間部材2150側(第6通路CRt2006)へ落下させることができる。その結果、段差を乗り越えた球が磁性部C2400に飛び付いて(吸着されて)、第4通路CRt2004を流下する(第5通路CRt2005へ到達する)ことを抑制できる。
但し、段差を乗り越えた球が磁性部C2400に飛び付く(吸着される)ことが可能な位置に磁性部C2400が配設されていても良い。即ち、球CB1,CB2の間の間隔が比較的小さく、球CB2が球CB1に追い付き、球CB2が球CB1を乗り越える場合に、球CB2が磁性部C2400に飛び付き(吸着)可能な位置に磁性部C2400が配設されていても良い。球CB2は、本来は、第4通路CRt2004へ振り分けられるべき球であるので、かかる球が第2中間部材2150側(第6通路CRt2006)へ落下されることを抑制して、遊技者に不利になることを抑制できる。
第1中間部材C2140の底面部C2142を球CB1(先行する球)と球CB2(先行する球との間に所定の間隔を隔てて後行する球)とが転動する場合、図100(b)に示すように、球CB1が振分部材C2170の受入部C2172に流入され(受け入れられ)、球CB1は、対向部C2172aに当接され(受け止められ)、受入部C2172に保持される。
また、球CB1,CB2の間の間隔が比較的小さい場合には、球CB2が球CB1に追い付き、球CB2が球CB1に当接される。これにより、球CB2を球CB1の後方(上流側)に待機させることができる。
図100(b)に示すように、球CB1が受入部C2172に受け入れられると、図101(a)に示すように、球CB1の重量により振分部材C2170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)される。また、球CB2が球CB1に追い付いている場合には、その球CB2の重量も振分部材C2170に作用される。
ここで、受入部C2172は、対向部C2172aの底面部C2172bに連結される側の領域と、底面部C2172bの対向部C2172aに連結される側の領域とが、即ち、対向部C2172aと底面部C2172bとの連結部分が、軸C2174側へ向けて凸となり球の外形と略同一形状(球と略同径)となる円弧状に湾曲して形成され、その円弧状に湾曲した部分により球を保持可能とされる。
また、振分部材C2170(底面部C2172bの転動面における上流側(矢印R方向側)の領域)と第1中間部材C2140(底面部C2142の下流側(矢印R方向側)の端部)との間の間隔は、振分部材C2170が第1位置に配置された状態では、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定され、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)されることで、漸次拡大される。
即ち、振分部材C2170が第1位置と第2位置との間の所定中間位置(図101(a)と図101(b)との間の位置)まで変位(回転)されると、上述の振分部材C2170(底面部C2172bの転動面における上流側(矢印R方向側)の領域)と第1中間部材C2140(底面部C2142の下流側(矢印R方向側)の端部)との間の間隔が球の直径と略同一の寸法(球が通過可能な寸法)まで拡大され、振分部材C2170が所定中間位置から第2位置へ向けて更に変位(回転)されると、上述した間隔が、更に拡大され、第2位置において最大の間隔が形成される。
よって、振分部材C2170が第1位置から所定中間位置まで変位(回転)される間は、受入部C2172に球CB1を受け入れた状態が維持される。即ち、振分部材C2170は、第1位置から所定中間位置までの間は、受入部C2172に球CB1を受け入れた状態で変位(回転)される。これにより、球CB2が球CB1に当接された状態を維持して、球CB2が底面部C2142の下流端に位置する状態を維持できる。
この場合、底面部C2142(転動面)の下流端(矢印R方向側の端部)と、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部、対向部C2172aとの連結部分)との間の間隔は、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)されることで、漸次縮小され、振分部材C2170が所定中間位置に到達する前に、球の直径よりも小さな寸法(球が通過不能な寸法)に設定される。よって、球CB2が受入部C2172へ流入する(受け入れられる)ことを抑制できる。
また、振分部材C2170が第1位置から第2位置へ向けて変位(回転)される場合、受入部C2172(対向部C2172aと底面部C2172bとの連結部分)に保持された球CB1の軌跡の外縁(軸C2174と反対側の外縁)よりも、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部、対向部C2172aとの連結部分)の軌跡が、軸C2174に近い側を通過するように構成される。
よって、球CB2が球CB1に当接された状態を維持して、球CB2が底面部C2142の下流端に位置する状態を維持できると共に、転動部C2173の上流端(矢印L方向側の端部、対向部C2172aとの連結部分)により球CB2を押し戻す(押し返す)ことができる。即ち、転動部C2173の上流端を球CB1と球CB2との間に挿入して、両球を切り離すことができる。よって、球CB2が受入部C2172へ流入される(受け入れられる)ことを抑制できる。また、球CB2を徐々に転動部C2173へ転動させ、その後の転動を安定させることができる。
図101(a)に示す状態から振分部材C2170が第2位置へ向けて更に変位(回転)されると、図101(b)に示すように、球CB1が通路部C2144へ向けて底面部C2172bを転動されると共に、球CB2が転動部C2173に流下される(転動部C2173に受け入れられる)。
図102(a)及び図102(b)に示すように、振分部材C2170が第2位置に配置されると、球CB1が受入部C2172から通路部C2144(第3通路CRt2003)へ流入されると共に、転動部C2173を転動した球CB2が、磁性部C2400に飛び移り(吸着され)、第4通路CRt2004へ流入される。
球CB1,CB2が第3通路CRt2003及び第4通路CRt2004へ流入された後は、振分部材C2170が第2位置から第1位置へ向けて自重により復帰(変位)される。
なお、振分部材C2170が第2位置に配置された状態で、或いは、振分部材C2170が第2位置から第1位置への変位(回転)を開始した後であっても、第3の球が転動部C2173到達し、その転動部C2173の転動面に流入した場合には、第3の球が転動部C2173を転動する。この場合、球CB1が受入部C2172(底面部C2172b)上にあるか否か、第3の球の転動速度(勢い)などに起因して、第2中間部材2150側(第6通路CRt2006)へ落下されるか、磁性部C2400に飛び移り(吸着され)、第4通路CRt2004へ流入されるかが決定される。即ち、2つの状態を形成可能とできる。
なお、振分部材C2170は、1球の重量のみで、第1位置から第2位置まで変位(回転)可能に構成される。よって、球CB1と球CB2との間隔が所定量よりも大きな場合には、これら球CB1及び球CB2の両球が、受入部C2172に順に受け入れられ、それぞれ上述した振り分け動作を経て第3通路CRt2003へ振り分けられる。
以上のように、第3実施形態における下側フレームC2086bによれば、球CB1と球CB2とが所定量以下の間隔を隔てて連なる場合には、球CB1を第3通路CRt2003へ振り分け(案内し)、且つ、球CB1の重量で第2位置へ変位される振分部材C2170により球CB2を上方へ持ち上げて第4通路CRt2004へ振り分ける(案内する)ことができる一方、球CB1と球CB2とが所定量を越える間隔を隔てて連なる場合には、両球(球CB1及び球CB2)を第3通路CRt2003へ振り分ける(案内する)ことができる。このように、球CB1,CB2の連なりの状態(先行の球と後行の球との間隔が所定量を超えるか否か)に応じて案内する通路を変化させられるので、興趣の向上を図ることができる。
次いで、図104から図107を参照して、第4実施形態におけるセンターフレームC3086について説明する。
上記第2実施形態では、振分部材C170が回転される場合を説明したが、第3実施形態における振分部材C3170は、スライド変位される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図104及び図106は、第4実施形態における下側フレームC3086bの部分拡大断面図であり、図105及び図107は、下側フレームC3086bの背面図である。なお、図104及び図105では、振分部材C3170が第1位置に配置された状態が、図106及び図107では、振分部材C3170が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。また、図104及び図106は、図77のLXXXI-LXXXI線における断面に対応する。
ここで、第4実施形態における下側フレームC3086bは、第2実施形態における下側フレームC86bに対し、振分部材C3170を変位させる構造および振分部材C3170に装飾部材C3190を連動ささせる構造が異なる点を除き、その他の構成は同一に構成される。
図104から図107に示すように、背面部材C3130の本体部C131には、直線状の2本の案内溝C3131cが互いに平行な姿勢で上下方向に沿って延設される。これら2本の案内溝C3131cは、下方側(矢印D方向側)ほど第1中間部材C140に近接する方向に傾斜する姿勢で配設される。
即ち、第2位置における振分部材C3170の水平方向(矢印L-R方向)位置は、第1位置における振分部材C3170の水平方向位置よりも中間部材C140に近接する側(矢印L側)に位置されるる。
振分部材C3170には、上下一対を一組とする合計4本の軸C3171aが本体部C3171の背面から突出される。軸C3171aは、案内溝C3131cに摺動可能に挿通される被案内部であり、かかる軸C3171aが案内溝C3131cに沿って摺動されることで、振分部材C3170が第1位置と第2位置との間をスライド変位(直動)される。
左右の案内溝C3131cには、軸C3171aが一組ずつ配設される。よって、振分部材C3170は、回転による姿勢の変化を生じさせずに(即ち、底面部C172b及び転動部C173の傾斜角度を一定に維持させたまま)、第1位置と第2位置との間をスライド変位可能とされる。
なお、案内溝C3131cに挿通された軸C3171aの先端には、案内溝C3131cの溝幅よりも大径のカラーCWが配設され、かかるカラーCWが、軸C3171aが案内溝C3131cから抜け出ることを規制する抜け止めとされる。
振分部材C3170は、案内溝C3131cの上端(矢印U方向の端部)に軸c3171aが当接して、上方への変位が規制されることで、第1位置に規定(配置)され(図104及び図105参照)、振分部材C3170の下面に下ストッパ部C132が当接して、下方への変位が規制されることで、第2位置に規定(配置)される(図106及び図107参照)。
装飾部材C3190は、本体部C191と一体に形成され、軸C192を中心として径方向外方へ延設されるアーム部C3193を備え、アーム部C3193には、直線状の案内溝C3193aが軸C192を中心とする径方向に沿って延設される。案内溝C3193aには、軸C3171aが摺動可能に挿通される。
装飾部材C3190は、その重心位置が回転中心(軸C192)に対して一側(軸C192を挟んで振分部材C3170と反対側、図105左側)に偏心される。よって、無負荷状態では、装飾部材C3190は、アーム部C3193を上方へ持ち上げた姿勢とされ(背面視において軸C192を中心として反時計回りに回転され、図105参照)、振分部材C3170は、アーム部C3193により軸C3171aが上方へ押し上げられることで、第1位置に配置された状態とされる(図104及び図105参照)。
一方、振分部材C3170の受入部C172に球が受け入れられた状態では、その球の重さにより、振分部材C3170及び装飾部材C3190全体としての重心位置が回転中心(軸C192)に対して他側(軸C192に対して振分部材C3170が配設される側、図107右側)に偏心される。即ち、受入部C172に球を受け入れた状態では、振分部材C3170は、球の重量により案内溝C3131cに沿って下降され、第2位置に配置される。また、装飾部材C3190は、アーム部C3193が軸C3171aにより下方へ押し下げられ、背面視において軸C192を中心として時計回りに回転された状態とされる(図107参照)。
第2位置において、受入部C172から通路部C144へ球が排球されると、装飾部材C3190が、その重心位置の偏心を利用して、背面視において軸C192を中心として反時計回りに回転され、アーム部C3193を上方へ持ち上げた姿勢とされる。これに伴い、アーム部C3193により軸C3171aが上方へ押し上げられることで、振分部材C3170が第1位置に配置(復帰)される(図104及び図105参照)。
振分部材C3170が第1位置と第2位置との間でスライド変位されることによる球CB1及び球CB2の振り分け動作については、上述した第2実施形態の場合と同様であるので、その説明は省略する。
以上のように、第4実施形態における下側フレームC3086bによれば、球CB1と球CB2とが所定量以下(両球が密着する間隔が0の場合を含む)の間隔を隔てて連なる場合には、球CB1を第4通路CRt4へ振り分け(案内し)、且つ、球CB1の重量で第2位置へ変位される振分部材C170により球CB2を第5通路CRt5へ振り分ける(案内する)ことができる一方、球CB1と球CB2とが所定量を越える間隔を隔てて連なる場合には、両球(球CB1及び球CB2)を第4通路CRt4へ振り分ける(案内する)ことができる。このように、球CB1,CB2の連なりの状態(先行の球と後行の球との間隔が所定量を超えるか否か)に応じて案内する通路を変化させられるので、興趣の向上を図ることができる。
ここで、第2実施形態の場合のように、振分部材C170が軸C192を中心として回転される構造では、受入部C172の変位量を確保する(第3通路CRt3に対面する位置と第4通路CRt4に対面する位置との間を変位可能とする)ために、軸C192と受入部C172との間の長さ(距離)を大きくする必要があり、幅方向(軸C192と受入部C172とを結ぶ方向)における振分部材C170の大型化を招く。
これに対し、本実施形態では、振分部材C3170を上下方向にスライド変位させるので、受入部C172の変位量を確保(即ち、第3通路CRt3に対面する位置と第4通路CRt4に対面する位置との間を変位可能と)しつつ、回転中心(軸C192)と受入部C172とを連結する部位を設ける必要がない分、幅方向における振分部材C3170の小型化を図ることができる。即ち、振分部材C3170の幅方向の寸法を、転動部C173の転動面の長さ寸法(矢印L-R方向寸法)とすることができる。
次いで、図108を参照して、第5実施形態における皿部材C4120について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図108(a)は、第5実施形態における皿部材C4120の上面図であり、図108(b)は、図108(a)のCVIIIb-CVIIIb線における皿部材C4120の断面図であり、図108(c)は、図108(a)のCVIIIc-CVIIIc線における皿部材C4120の断面図である。
皿部材C4120は、通路の底面を形成する上側底面部C4121及び下側底面部C4122と、通路の側壁を形成する上側側壁部C4123及び下側側壁部C4124を備える。
上側底面部C4121は、上面視において略直線状の通路(第1通路CRt4001)として左右方向(矢印L-R方向)に沿って延設されると共に、下側底面部C4122へ近接する方向(矢印R方向)へ向けて下降傾斜して形成される。
上側側壁部C4123は、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)の通路幅を区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。但し、通路幅は、複数の球を並列の状態で案内可能な寸法(球の2倍よりも大きい寸法)であっても良い。
上側側壁部C4123には、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)の下流側の端部に切り欠き部C4123aが切り欠き形成され、この切り欠き部c4123aを介して、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)から下側底面部C4122(第2通路CRt4002)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C4122は、上面視において、前後方向(矢印F-B方向)に沿って延設され、その延設方向一端側および他端側における形状が略直線状の直線部C4122aと、それら一対の直線部C4122aの間において、上面視において、流出面C122a側が凹となる円弧状に湾曲する円弧部C4122bとから形成される。なお、円弧部C4122bは、前後方向の略中央において、上側底面部C4121の延設方向(矢印L-R方向)上流側(矢印L方向側)へ最も張り出した形状とされる。
また、下側底面部C4122の延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、一対の直線部C4122aでは円弧部C4122bへ向かうにつれて鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて下降傾斜する平面として形成され、円弧部C4122bでは略水平に形成される。即ち、円弧部C4122bの上面(転動面)は、鉛直方向に直交する平面として形成される。
下側側壁部C4124は、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)の長手方向(球を案内する方向)における一端側および他端側の端部と、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)の通路幅とをそれぞれ区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
下側底面部C4122の直線部C4122aは、上面視において、上側底面部C4121に対し、略直交して配設され、上側底面部C4121の下流端(矢印R方向側の端部)と下側底面部C4122の長手方向における一端側(矢印B方向側の端部、直線部C4122aの上昇傾斜側)とが隣り合う位置に配設される。
上側側壁部C4123における切り欠き部C4123aに対応する位置では、下側側壁部C4124が非形成とされ、上述したように、切り欠き部C4123aを介して、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)から下側底面部C4122(第2通路CRt4002)へ球が流下可能とされる。
円弧部C4122bの内径側(上面視における円弧の中心側、矢印R方向側)における下側側壁部C4124には、円弧部C4122bの前後方向の略中央(湾曲形状の矢印L方向に最も張り出した位置)に切り欠き部C124aが切り欠き形成され、この切り欠き部C124aを介して、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)から底面部C142(第3通路CRt3、図81参照)へ球が流下可能とされる。
下側底面部C4122は、上述したように、一対の直線部C4122a及び円弧部C4122bから形成され、直線部C4122aの上昇傾斜側(下側底面部C4122の長手方向における一端側)に上側底面部C4121(第1通路CRt4001)から球が流下されるので、かかる流下された球を、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)の長手方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、切り欠き部C124aから底面部C142(第3通路CRt3、図81参照)へ球を流下させることができる。
これにより、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側底面部C4121(第1通路CRt4001)から下側底面部C4122(第2通路CRt4002)へ流入する場合に、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。
下側底面部C4122の円弧部C4122bには、切り欠き部C124aに対応する位置(即ち、円弧部C4122bの前後方向(矢印F-B方向)における略中央(湾曲形状の矢印L方向に最も張り出した位置)に流出面C122aが凹設される。流出面C122aは、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)を案内される球を、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出させるための部位であり、底面部C142(第3通路CRt3)へ向けて下降傾斜する凹面として形成される(図81参照)。
よって、下側底面部C4122を往復動した後、その転動速度が低下した球を、流出面C122aを利用して、底面部C142(第3通路CRt3)へスムーズに流出(流下)させることができる。即ち、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)における往復動を利用して、先行する球と後行する球との間隔が減少された球(連なった状態の球)を、その連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させることができる(図81参照)。
なお、流出面C122aは、上面視において、その凹面の幅(下側底面部C4122を往復動する球の転動方向に沿う方向の寸法、矢印F-B方向の寸法)が、切り欠き部C124aに近い側ほど大きい形状に形成される。
また、上面視において、切り欠き部C124aと反対側(対向する側、矢印L方向側)に位置する下側側壁部C4124に球を当接させた状態では、球が流出面C122a上を転動する(横切る)。即ち、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)を転動(往復動)する球が、切り欠き部C124aから最も離間した位置(球の側方の頂部を下側側壁部C4124に当接させる位置)を転動する状態でも、上面視において、球の中心と重なる範囲まで流出面C122aが形成される(球が下側底面部C4112を転動する際の球の下方の頂部の軌跡である転動線が流出面C122aを横切る)。
一方で、下側底面部C4122に流出面C122aが凹設(形成)されていると、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)に流下した球が、かかる下側底面部C4122(第2通路CRt4002)を一度も往復動することなく、又は、十分な回数だけ往復動する前に、流出面C122aの傾斜の作用により、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)する虞がある。即ち、先行する球と後行する球との間隔を減少させず、両球が間隔を隔てたまま底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)する虞がある。
これに対し、本実施形態では、下側底面部C4122が円弧状に湾曲して形成され、その円弧部C4122bの内径側(上面視における円弧の中心側、矢印R方向側)に切り欠き部C124aが形成される。よって、円弧部C4122bを転動する球には切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C4124へ向けて遠心力が作用され、これにより、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C4124に球を押し付けつつ、かかる球を下側底面部C4122(第2通路CRt4002)で転動(往復動)させることができる。
これにより、球の転動速度が十分に低くなる前に、球が流出面C122aの傾斜の作用で底面部C142(第3通路CRt3、図81参照)へ流出(流下)することを抑制できる。即ち、球の転動速度が十分に低くなるまでの間、流出面C122aを乗り越え易く(横切らせ易く)して、下側底面部C4122(第2通路CRt4002)に沿って球を十分に往復動させ易くできる。その結果、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことを確実化できる。
次いで、図109(a)を参照して、第6実施形態における下側フレームC5086bについて説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図109(a)は、第6実施形態における下側フレームC5086bの断面図であり、図94のXCIX-XCIX線における断面に対応する。なお、図109(a)では、下側フレームC5086bの背面部材C2130、磁石C2300及び磁性部C5400の断面のみ図示される。
磁性部C5400は、金属製の長尺体であり、背面部材C2130と反対側(矢印F方向側)における端部から突部が鉛直方向下方(矢印D方向)に突設される。よって、磁性部C5400は、断面形状が略L字状に形成される。また、磁性部C5400の突部は、背面部材C2130側の端部が背面部材C2130の正面から球の半径よりも大きな間隔を隔てた位置に配設されると共に、磁性部C5400の底面の断面形状は、幅方向(矢印F-B方向)に直線状に形成される。
磁性部C5400は、背面部材C2130の背面に配設された磁石C2300から作用する磁力を利用して、球を吸着可能とされる。なお、磁石C2300は、磁性部C5400の長手方向に沿って複数が配列される。
振分部材C2170が第2位置に配置された状態において、第1中間部材C2140の底面部C2142(第2通路CRt2002)から転動部C2173へ球が流下されると、転動部C2173の上面(転動面)を転動した球が、転動部C2173の下流端から磁性部C5400の上流端へ飛び付く(図102参照)。即ち、磁性部C5400の突部の底面に吸着される。磁性部C5400に吸着された球は、飛び付き(転動)による球の勢いと、磁性部C5400の下降傾斜による重力の作用により、磁性部C5400の長手方向に沿って磁性部C5400の下流端へ移動される。これにより、磁性部C5400に沿って流下された球を第5通路CRt2005(図97参照)へ案内できる。
上述したように、磁性部C5400の突部は、背面部材C2130側の端部が背面部材C2130の正面から球の半径よりも大きな距離隔てた位置に配設されるため、磁性部C5400に沿って流下される球と背面部材C2130とが当接することが抑制される。よって、球に摩擦力が作用されることが抑制できるので、球の流下速度を高くすることができる。また、球が背面部材C2130の正面に支持されないことで、流下する際に球が揺れる態様を形成できると共に、球が磁性部C5400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。その結果、球の挙動を遊技者に注目させ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図109(b)を参照して、第7実施形態における下側フレームC6086bについて説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図109(b)は、第7実施形態における下側フレームC6086bの断面図であり、図94のXCIX-XCIX線における断面に対応する。なお、図109(b)では、下側フレームC6086bの背面部材C2130、磁石C2300及び磁性部C6400の断面のみ図示される。
第7実施形態における磁性部C6400は、第6実施形態における磁性部C5400に対し、磁性部C6400の突部の底面が、背面部材C2130を向く傾斜面(即ち、鉛直方向上方ほど背面部材C2130に近接する面)として形成される点を除き、他の構成は第6実施形態における磁性部C5400と同一の構成である。
磁性部C6400の突部の底面に吸着された球は、その底面の傾斜と、磁石部C2300から直接作用される磁力との効果により、背面部材C2130に当接される。従って、球に摩擦力を作用させることができ、磁性部C6400に沿って流下する球の流下速度を遅くできる。これにより、球の移動時間を長くでき、遊戯の興趣を高めることができる。
また、磁性部C6400の突部と背面部材C2130とで球を挟み込むことができ、球が磁性部C6400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。
次いで、図110から図122を参照して、第8実施形態におけるセンターフレームD86について説明する。
第1実施形態では、センターフレーム86が一部品から構成される場合を説明したが、第8実施形態におけるセンターフレームD86は、上側フレームD86aと下側フレームD86bとの2部材から構成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図110は、第8実施形態における遊技盤D13の正面図である。図110に示すように、センターフレームD86は、ベース板60の窓部60a(図7参照)に嵌合可能な形状で構成され、タッピングネジ等によりベース板60に締結固定される部材であり、上側フレームD86aと下側フレームD86bとを備える。
上側フレームD86aは、ベース板60の窓部60a(図7参照)における上側(図110上側)及び左右(図110左側及び右側)の内縁に沿って配設され、下側フレームD86bは、ベース板60の窓部60aにおける下側(図110下側)の内縁に沿って配設される。これら上側フレームD86a及び下側フレームD86bに取り囲まれた領域を介して第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
なお、上側フレームD86aは、第1実施形態におけるセンターフレーム86の一部(ベース板60の窓部60a(図7参照)における下側(図110下側)の内縁に沿って配設される部分、即ち、下側フレームD86bが配設される部分)を省略した構成とされ、その省略された部分を除く他の部分は、第1実施形態におけるセンターフレーム86と同一の構成とされる。
次いで、下側フレームD86bについて説明する。図111は、下側フレームD86bの正面斜視図であり、図112は、下側フレームD86bの背面斜視図である。なお、図111及び図112では、ベース板60の一部のみが部分的に図示されると共に、ベース板60に下側フレームD86bを締結固定するタッピングネジの図示が省略される。
図111及び図112に示すように、下側フレームD86bには、球を受け入れ可能な開口として形成される受入口DOPinと、その受入口DOPinに連通される第1通路DRt1と、その第1通路DRt1を案内された球が流下される第2通路DRt2と、その第2通路DRt2を案内された球(第2通路DRt2をその長手方向(矢印F-B方向)に沿って往復動した球)が流下される第3通路DRt3と、その第3通路DRt3を案内された球(第3通路DRt3をその長手方向(矢印L-R方向)に沿って往復動した球)が、第3通路DRt3から流下される位置に応じて振り分けられる第4通路DRt4、第5通路DRt5及び第6通路DRt6と、第4通路DRt4又は第5通路DRt5を案内された球が流下される第7通路DRt7と、第6通路DRt6を案内された球が流下される第8通路DRt8と、第8通路DRt8を案内された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口DOPoutとが形成される(図119から図121参照)。
なお、第6通路DRt6及び第8通路DRt8は、第6通路DRt6の下流端に第8通路DRt8の上流端が連通(接続)されており、1本の通路を形成する。即ち、該通路は、上流側の一部(前半)が第6通路DRt6により、下流側の一部(後半)が第8通路DRt8により、それぞれ形成される。
また、上側フレームD86aには、上側フレーム通路DRt0(図110参照)が形成される。上側フレーム通路DRt0は、遊技領域のうちの正面視左側(図110左側)の領域(センターフレームD86(上側フレームD86a)とレール61との間の領域)から流入(入球)された球を案内する通路であり、その上側フレーム通路DRt0の下流端に下側フレームD86bの受入口DOPinが連通される。
即ち、遊技領域から上側フレーム通路DRt0に流入(入球)した球は、受入口DOPinを介して、上側フレーム通路DRt0から下側フレームD86bの第1通路DRt1へ流入(入球)される。
第3通路DRt3の通路幅は、所定間隔を隔てて対向する側壁(中間部材D140の側壁部D142と背面部材D130の側壁部D132と)により区画されるところ、これら通路幅を区画する側壁の一方(背面部材D130の側壁部D132)は、一部が分断され(側壁が非形成とされ)、その分断された領域と上面視において隣接する位置に、球が流下可能な流下口DOPflが開口される。
第3通路DRt3を案内された球(第3通路DRt3をその長手方向(矢印L-R方向)に沿って往復動した球)は、流下口DOPflを介して、第4通路DRt4、第5通路DRt5又は第6通路DRt6のいずれかへ流下(入球)可能とされる。
流下口DOPflは、第3通路DRt3の長手方向と直交する方向(矢印B方向)へ張り出し、第3通路DRt3の長手方向に沿って延設される上面視略矩形の空間(開口)として形成される。なお、流下口DOPflは、背面部材D130の本体部D131及び連結部D133により区画される。
流下口DOPflには、第3通路DRt3の長手方向に沿って、第4通路DRt4、第第6通路DRt6及び5通路DRt5の上流端(上流側の開口)が順に並設される。即ち、第6通路DRt6の上流端(上流側の開口)は、流下口DOPflの長手方向中央に位置し、第4通路DRt4及び第5通路DRt5の上流端(上流側の開口)は、第6通路DRt6の上流端を挟んで、流下口DOPflの長手方向一側(矢印L方向側)及び他側(矢印R方向側)にそれぞれ位置する。
よって、第3通路DRt3をその長手方向に沿って往復動し、流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)中央を含む領域へ流下する球は、第6通路DRt6へ流入(入球)され、流下口DOPflの長手方向一側(矢印L方向側)又は他側(矢印R方向側)を含む領域へ流下する球は、第4通路DRt4又は第5通路DRt5へ流入(入球)される。即ち、第3通路DRt3を案内される球が、第4通路DRt4から第6通路DRt6のいずれに振り分けられるかは、第3通路DRt3から流下する位置(領域)に応じて決定される。
ここで、第6通路DRt6を案内された球は、第8通路DRt8へ流下(流入)されるところ、第8通路DRt8の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口DOPoutは、第1入賞口64(図110参照)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第6通路DRt6へ振り分けられた球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
一方、第4通路DRt4又は第5通路DRt5を案内された球は、第7通路DRt7へ流下(流入)されるところ、第7通路DRt7には、その第7通路DRt7を案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として、第1入賞口64の鉛直方向上方となる位置に中央流出面D151が形成(配置)されるだけでなく、第1入賞口64の鉛直方向上方から遊技盤13の幅方向(図110左右方向)に位置を異ならせた2箇所に、側方流出面D152が形成(配置)される。また、第7通路DRt7には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面D152が形成され、起伏の頂部に中央流出面D151が形成される。
そのため、第4通路DRt4又は第5通路DRt5に振り分けられた球は、第7通路DRt7において、中央流出面D161から遊技領域へ流出する確率よりも、側方流出面D162から遊技領域へ流出する確率が高く、結果として、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した第6通路DRt6へ振り分けられた球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
このように、本実施形態における下側フレームD86bは、第3通路DRt3をその長手方向に沿って往復動する球が第6通路DRt6に振り分けられることで、第1入賞口64に入賞しやすくする(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させる)ことができる。よって、第3通路DRt3をその長手方向に沿って球が往復動する際には、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、第6通路DRt6に振り分けられることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
ここで、本実施形態における下側フレームD86bでは、第6通路DRt6の上流端(上流側の開口)に、一対の変位部材D180が開閉可能(閉鎖位置と開放位置との間で変位可能)に配設される。一対の変位部材D180は、基端側が回転可能に軸支され、基端側の反対側となる先端側が上方側(矢印U方向側)となる姿勢で配設され、基端側を回転軸として、先端側を互いに近接または離間する方向へ変位(回転)させることで、閉鎖位置と開放位置との間で変位(回転)とされる。
一対の変位部材D180は、流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)に所定間隔を隔てて配置され、それら一対の変位部材D180の対向間に流入(入球)した球は、第6通路DRt6へ流入(入球)され、一対の変位部材D180の対向間に流入(入球)されなかった球は、第4通路DRt4又は第5通路DRt5へ流入(入球)される。
一対の変位部材D180の先端側の対向間隔は、開放位置での対向間隔が閉鎖位置での対向間隔よりも大きくされ、一対の変位部材D180が開放位置に変位(回転)されると、閉鎖位置にある場合と比較して、第6通路DRt6へ流入(入球)可能な領域が拡大され、第4及び第5通路DRt4,DRt5に流入(入球)可能な領域が縮小される。即ち、流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)の間隔(寸法)に対し、一対の変位部材D180の先端側の対向間隔が占める割合は、開放位置における割合が閉鎖位置における割合よりも大きくされる。よって、一対の変位部材D180が開放位置にある状態では、閉鎖位置にある状態と比較して、第6通路DRt6へ球が流入(入球)されやすい。
この場合、一対の変位部材D180は、後述するように、第6通路DRt6に球が流入(入球)されると、その球の重量(質量)を利用して、閉鎖位置から開放位置へ変位(回転)される。具体的には、第6通路DRt6には、転動部材D170が配設され、その転動部材D170上を球が転動している間は、一対の変位部材D180が開放位置に配置(変位)され、転動部材D170上に球が存在しない間は、一対の変位部材D180が閉鎖位置に配置(変位)される。
このように、本実施形態における下側フレームD86bは、第6通路DRt6に球が流入(入球)された場合に、一対の変位部材D180が開放位置に変位(回転)され(第6通路DRt6へ球が入球されやすくされ)、これにより、第6通路DRt6へ入球された球に後行する球(例えば、第3通路DRt3をその長手方向に往復動する球、後続の球)を第6通路DRt6へ入球されやすくできる。
よって、第6通路DRt6へ第1の球が入球されれば、一対の変位部材D180の開放位置への変位(回転)により、後行する第2の球が第6通路DRt6へ入球されやすい状態を形成でき、後行する第2の球が第6通路DRt6へ入球されれば、その後行する第2の球の第6通路DRt6への入球に起因して(第2の球の重量を利用した変位部材D180の開放位置への変位により)、次に後行する第3の球(第2の球の後続となる第3の球)が第6通路DRt6へ入球されやすい状態を形成でき、以降、これらの態様を繰り返すことができる。よって、第6通路DRt6への球の入球により、第6通路DRt6への入球の連鎖の発生を遊技者に期待させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
なお、本実施例では、一対の変位部材D180は、閉鎖位置に変位(回転)された状態では、対向間隔の最小値が球の直径よりも若干大きな寸法(例えば、球の直径の1.3倍)に設定され、開放位置に変位(回転)された状態では、先端側における対向間隔が球の直径の約3倍に設定される。
次いで、図111から図112に加え、図113から図122を参照して、下側フレームD86bの詳細構成について説明する。
図113は、下側フレームD86bの分解正面斜視図であり、図114は、下側フレームD86bの分解背面斜視図である。図115は、下側フレームD86bの上面図であり、図116は、下側フレームD86bの正面図であり、図117は、下側フレームD86bの背面図である。
図118(a)は、図116の矢印CXVIIIa方向視における下側フレームD86bの側面図であり、図118(b)は、図116の矢印CXVIIIb方向視における下側フレームD86bの側面図である。
図119(a)、図120(a)及び図121(a)は、下側フレームD86bの部分拡大断面図であり、図115のCXIXa-CXIXa線における断面に対応する。図119(b)、図120(b)及び図121(b)は、下側フレームD86bの部分拡大背面図である。
なお、図119(a)及び図119(b)では、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態が、図121(a)及び図121(b)では、転動部材D170が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
また、図120(a)及び図120(b)では、転動部材D170が初期位置(第1位置)から第2位置(又は第2位置から初期位置(第1位置))へ向けて変位(回転)され、変位部材D180が閉鎖位置から開放位置(又は開放位置から閉鎖位置)へ向けて変位(回転)される際の変位途中の状態が図示される。
また、図120(a)及び図121(a)では、転動部材D170上を転動する球の図示が省略され、図119(b)、図120(b)及び図121(b)では、迂回部材D200が取り外された状態が図示される。
図122(a)は、図115のCXXIIa-CXXIIa線における下側フレームD86bの部分拡大断面図であり、図122(b)は、図115のCXXIIb-CXXIIb線における下側フレームD86bの部分拡大断面図であり、図122(c)は、図119のCXXIIc-CXXIIc線における下側フレームD86bの部分拡大断面図である。
図111から図122に示すように、下側フレームD86bは、正面部材D110と、その正面部材D110の長手方向一側(矢印L方向側)に配設される皿部材D120と、正面部材D110の背面(矢印B方向側の面)に所定間隔を隔てて対向配置される背面部材D130と、正面部材D110及び背面部材D130の対向間に介設され、正面部材D110の背面および背面部材D130の正面(矢印F方向側の面)に所定間隔を隔てて対向配置される中間部材D140と、正面部材D110及び中間部材D140の対向間に介設される第1介設部材D150と、中間部材D140及び背面部材D130の対向間に介設される第2介設部材D160と、中間部材D140及び背面部材D130の対向間に配設される転動部材D170及び変位部材D180と、背面部材D130の背面側に配設される伝達部材D190及び迂回部材D200と、背面部材D130に変位可能に配設(回転可能に軸支)され、一側(矢印F方向側)に変位部材D180が固着されると共に他側(矢印B側側)が伝達部材D190に当接可能とされる軸支部材D210と、を備える。
転動部材D170及び変位部材D180は、中間部材D140及び背面部材D130の対向間において、変位(回転)可能に配設され、伝達部材D190は、背面部材D130の背面側において、変位(回転)可能に配設される。
なお、下側フレームD86bは、各部材どうしが、それぞれタッピングネジにより締結固定されると共に、転動部材D170、変位部材D180及び伝達部材D190が背面部材D130にそれぞれ変位可能に配設(回転可能に軸支)されることで、一つ(単体)のユニットとして構成される(図111参照)。
また、下側フレームD86bは、変位部材D180及び伝達部材D190を除く他の部材が光透過性(即ち、背面側の部材や球を透視可能な透明)の樹脂材料から構成され、変位部材D180及び伝達部材D190が有色の樹脂材料から構成される。よって、第1通路DRt1から第8通路DRt8を通過する球を遊技者に視認させると共に、変位部材D180の開閉動作(開閉状態)を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、下側フレームD86bは、変位部材D180又は転動部材D170の少なくとも一方の正面側(矢印F方向側)に位置する部材が光透過性の樹脂材料から構成されていれば足りる。或いは、変位部材D180又は転動部材D170の少なくとも一方の一部の正面側に位置する領域のみが光透過性の樹脂材料から構成される形態でも良い。変位部材D180を視認できれば、その開閉状態に基づいて、第6通路DRt6へ球が流下(入球)されやすい状態か否かを遊技者が把握でき、仮に、変位部材D180が視認できなくても、転動部材D170を視認できれば、その転動部材D170の回転状態(転動する球の有無により変化する姿勢)に基づいて、変位部材D180の開閉状態を遊技者が把握でき、遊技の興趣を高めることができるからである。
よって、転動部材D170を有色の樹脂材料から構成することが好ましい。転動部材D170の回転状態(転動する球の有無により変化する姿勢)を遊技者に視認させやすくできるからである。
なお、転動部材D170、変位部材D180及び伝達部材D190は、光透過性(透明又は有色)の樹脂材料から構成され、その正面に塗装を施したもの、或いは、シールを添付したものであっても良い。
また、一方で、下側フレームD86bは、変位部材D180又は転動部材D170の正面側(矢印F方向側)に位置する部材が光非透過性の樹脂材料から構成される(或いは、塗装が施されたりシールが添付される)ことで、これら変位部材D180又は転動部材D170が正面側から遊技者に視認不能となるように構成されていても良い。
正面部材D110は、正面を形成する板状の正面部D111と、その正面部D111の背面から立設される板状の底面部D112と、それら正面部D111及び底面部D112の長手方向一側(矢印L方向側)に配設される連結部D113とを備える。
正面部D111には、その正面部D111の下側(矢印D方向側)及び側方側(矢印L方向側)の外縁に沿って複数の挿通孔D111aが板厚方向に穿設される。下側フレームD86bは、組み立てた状態(ユニット化された状態)で、ベース板60の正面から窓部60aに嵌め込まれ、挿通孔D111aに挿通したタッピングネジがベース板60に締結されることで、ベース板60に固定(配設)される。
正面部D111には、第1入賞口64(図110参照)の鉛直方向上方となる位置に流出口DOPoutが開口形成(板厚方向に穿設)される。流出口DOPoutは、上述したように、第8通路DRt8を案内された球が遊技領域へ流出される際の出口となる開口である。
底面部D112は、その上面に第1介設部材D150の底面が対向配置され、底面部D112と第1介設部材D150(凹部D153)との対向間に第8通路DRt8の一部(最下流となる部分)が形成される。よって、例えば、第1介設部材D150に貫通形成した貫通孔を第8通路DRt8の一部とする場合と比較して、構造を簡素化して、製品コストを抑制できる。
底面部D112は、正面部D111の長手方向全域にわたって連続して形成され、その底面部D112の立設先端(矢印B方向側)が、中間部材D140における底面部D144の立設先端(矢印F方向側)に全域にわたって当接される。これにより、下側フレームD86bの底面側からの針金等の異物の侵入が抑制される。
なお、底面部D112は、第8通路DRt8を区画する部分の正面部D111からの立設寸法が、底面部D112の他の部分における立設寸法よりも大きくされ、底面部D112のうちの第8通路DRt8を区画する部分は、その立設先端が、中間部材D140の本体部D141の正面に当接される。
連結部D113の上面側(矢印U方向側)には、皿部材D120が配設され、タッピングネジにより締結固定される。
皿部材D120は、受入口DOPinと、その受入口DOPinから受け入れた球を案内する通路の底面を形成する上側底面部D121及び下側底面部D122と、通路の側壁を形成する上側側壁部D123及び下側側壁部D124とを備える。
受入口DOPinは、上述したように、上側フレームD86aの上側フレーム通路DRt0から球を受け入れる開口である(図110参照)。なお、ベース板60にセンターフレームD86を取り付けた(配設した)状態では、上側フレームD86aの背面が正面部D111及び連結部D113の正面に重ね合わされ、両者がタッピングネジにより締結固定される。これにより、上側フレーム通路DRt0の下流端と受入口DOPinとが連通される。
上側底面部D121は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印F-B方向)に沿って延設されると共に、受入口DOPinから離間する方向(矢印B方向)へ向けて下降傾斜して形成される。なお、上側底面部D121は、上側フレーム通路DRt0の下流端よりも鉛直方向下方側(矢印D方向側)に位置し、上側フレーム通路DRt0の下流端との間に鉛直方向の段差が形成される。即ち、皿部材D120は、上側フレーム通路DRt0から上側底面部D121へ球を自由落下させる構成とされる。
上側底面部D121には、その幅方向(矢印L-R方向)中央に断面コ字状の凹溝D121aが凹設される(図84参照)。凹溝D121aは、前後方向(矢印F-B方向)に沿って直線状に延設される。凹溝D121aの溝幅(矢印L-R方向の寸法)は、球の直径よりも小さくされると共に、凹溝D121aの溝深さ(矢印U-D方向の寸法)は、凹溝D121aの底面に球が接触しない深さに設定される。
これにより、上側底面部D121上の球を2箇所(上側底面部D121と凹溝D121aとが交わる一対の稜線部分)で支持することができる。よって、凹溝D121aが非形成の場合(即ち、1箇所のみで球を支持する場合)と比較して、球と通路との接触面積を大きくできる。よって、上側フレーム通路DRt0から落下した球の衝撃を緩衝する(受け止める)と共に、球が転動する際の抵抗を大きくできる。
上述のように、上側フレーム通路DRt0から上側底面部D121へ球を落下させると共に、上側底面部D121上の球を2箇所で支持する構成とすることで、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側フレーム通路DRt0から上側底面部D121(第1通路DRt1)へ流入(落下)する場合に、上側底面部D121(第1通路DRt1)において、先行する球の流下を遅らせて、後行する球を先行する球に追いつかせ易くできる。よって、先行する球と後行する球との間隔を減少させることができる。
上側側壁部D123は、上側底面部D121(第1通路DRt1)の下流側(矢印B方向側)の端部と、上側底面部D121(第1通路DRt1)の通路幅とをそれぞれ区画する壁部であり、鉛直方向(矢印F-B方向)に立設された板状体として形成される。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
上側側壁部D123には、上側底面部D121(第1通路DRt1)の下流側の端部に切り欠き部D123aが切り欠き形成され、この切り欠き部D123aを介して、上側底面部D121(第1通路DRt1)から下側底面部D122(第2通路DRt2)へ球が流下可能とされる。
下側底面部D122は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印F-B方向)に沿って延設されると共に、その延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図121参照)。
なお、下側底面部D122は、上側底面部D121の下流端(切り欠き部D123aが形成される部分)よりも鉛直方向下方側(矢印D方向側)に位置し、上側底面部D121の下流端との間に鉛直方向の段差が形成される。即ち、皿部材D120は、上側底面部D121から下側底面部D122へ球を自由落下させる構成とされる。
下側側壁部D124は、下側底面部D122(第2通路DRt2)の長手方向(球を案内する方向、矢印F-B方向)における一端側および他端側の端部と、下側底面部D122(第2通路DRt2)の通路幅とをそれぞれ区画する。なお、通路幅は、球の直径と同等または球の直径よりも若干大きな寸法(少なくとも球の直径の2倍よりも小さい寸法、好ましくは、球の直径の1.3倍よりも小さい寸法)に設定され、複数の球を直列の状態でのみ案内可能とする。
下側底面部D122は、上面視において、上側底面部D121と平行に並設され、上側底面部D121の下流端(矢印B方向側の端部)と下側底面部D122の長手方向における一端側(矢印B方向側の端部)とが隣り合う位置に配設される。
上側側壁部D123における切り欠き部D123aに対応する位置では、下側側壁部D124が非形成とされ、上述したように、切り欠き部D123aを介して、上側底面部D121(第1通路DRt1)から下側底面部D122(第2通路DRt2)へ球が流下(落下)可能とされる。
下側側壁部D124には、円弧状に湾曲した下側底面部D122の底部(鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に対応する位置に切り欠き部D124aが切り欠き形成され、この切り欠き部D124aを介して、下側底面部D122(第2通路DRt2)から第1介設部材D150(第3通路DRt3)へ球が流下可能とされる。
下側底面部D122は、上述したように、円弧状に湾曲して形成され、その一方の上昇傾斜側(下側底面部D122の長手方向における一端側)に上側底面部D121(第1通路DRt1)から球が流下されるので、かかる流下された球を、下側底面部D122(第2通路DRt2)の長手方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、切り欠き部D124aから第1介設部材D150(第3通路DRt3)へ球を流下させることができる。
これにより、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、上側底面部D121(第1通路DRt1)から下側底面部D122(第2通路DRt2)へ流入する場合に、下側底面部D122(第2通路DRt2)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。
下側底面部D122には、切り欠き部D124aに対応する位置(即ち、鉛直方向における高さ位置が最も低い位置)に流出面D122aが凹設される。流出面D122aは、下側底面部D122(第2通路DRt2)を案内される球を、第1介設部材D150(第3通路DRt3)へ流出させるための部位であり、第1介設部材D150(第3通路DRt3)へ向けて下降傾斜する凹面として形成される。
よって、下側底面部D122を往復動した後、その転動速度が低下した球を、流出面D122aを利用して、第1介設部材D150(第3通路DRt3)へスムーズに流出(流下)させることができる。即ち、下側底面部D122(第2通路DRt2)における往復動を利用して、先行する球と後行する球との間隔が減少された球(連なった状態の球)を、その連なった状態を維持させつつ、第1介設部材D150(第3通路DRt3)へ流出(流下)させることができる。
なお、流出面D122aは、上面視において、その凹面の幅(下側底面部D122を往復動する球の転動方向に沿う方向の寸法、矢印F-B方向の寸法)が、切り欠き部D124aに近い側ほど大きい形状に形成される(図115参照)。
また、上面視において、切り欠き部D124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部D124に球を当接させた状態では、球が流出面D122a上を転動する(横切る)。即ち、下側底面部D122(第2通路DRt2)を転動(往復動)する球が、切り欠き部D124aから最も離間した位置(球の側方の頂部を下側側壁部D124に当接させる位置)を転動する状態でも、上面視において、球の中心と重なる範囲まで流出面D122aが形成される(球が下側底面部D122を転動する際の球の下方の頂部の軌跡である転動線が流出面D122aを横切る)。
本実施形態では、下側底面部D122は、その延設方向(矢印F-B方向)に直交し鉛直方向(矢印U-D方向)に平行な平面での断面形状が、水平方向(矢印F-B方向)に平行な直線形状に形成される。但し、上述した実施形態の場合(図84参照)のように、下側底面部D122を切り欠き部D124aから離間する方向(矢印L方向)へ向けて下降傾斜させても良い。
流出面D122aの形成位置は、下側底面部D122の長手方向(下側底面部D122を往復動する球の転動方向、矢印F-B方向)中央よりも一端側(本実施形態では、上側底面部D121の下流端側、矢印B方向側)に偏った(近接した)位置に配設される(図121参照)。
この場合、下側底面部D122の鉛直方向(矢印U-D方向)における高さ位置は、長手方向一端側(矢印B方向側の端部)と他端側(矢印F方向側の端部)とで同一とされ、下側底面部D122の円弧形状(下側底面部D122の延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状であって、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧形状)は、長手方向一端側(矢印B方向側)と流出面D122aとの間の曲率が、長手方向他端側(矢印F方向側)と流出面D122aとの間の曲率よりも大きくされる。即ち、長手方向一端側(矢印B方向側)と流出面D122aとの間の半径が、長手方向他端側(矢印F方向側)と流出面D122aとの間の半径よりも小さくされる。
これにより、長手方向他端側(矢印F方向側)と流出面D122aとの間の領域において、先行する球に後行する球を追いつかせ易くできると共に、追いついた際の衝突を緩やかとして(即ち、後行の球が先行の球に衝突した際の衝撃で、両球の間隔が広がることを抑制して)、先行する球と後行する球とが連なった状態を形成し易くできる。その結果、両球を、連なった状態で、第1介設部材D150(第3通路DRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
なお、皿部材D120は、下側底面部D122(第2通路DRt2)の延設方向を前後方向(矢印F-B方向)に沿わせる姿勢で配設されるところ、ベース板60の窓部60a内に配置されるので、窓部60aにより形成された前後方向のスペースを有効に活用できる。よって、下側底面部D122(第2通路DRt2)の全長を確保して、球を連ならせ易くできる。
背面部材D130は、板状に形成される本体部D131と、本体部D131よりも正面側(矢印F方向側)に位置すると共に本体部D131と平行な姿勢で配設され板状に形成される側壁部D132と、それら本体部D131及び側壁部D132を連結する連結部D133と、本体部D131の背面から立設される区画壁D134と、を備える。
本体部D131には、転動部材D170の軸D171を軸支する軸支部D131aと、軸支部材D210の軸D211を軸支する軸支孔D131bと、伝達部材D190の胴部D192が挿通される挿通孔D131cと、球を通過可能とする開口D131d,D131eと、球に当接可能とされる突部D131fとが形成される。
軸支部D131aは、本体部D131の正面(矢印F方向側の面)に軸受として形成され、中間部材D140の背面には、軸支部D131aに対面する位置に、軸支部D141aが形成される。転動部材D170は、その幅方向(前後方向、矢印F-B方向)一側の側面および他側の側面から軸D171の端部がそれぞれ突出される。軸D171は、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢に配設され、その軸D171の両端が、背面部材D130の軸支部D131aと中間部材D140の軸支部D141aとにそれぞれ軸支される。これにより、背面部材D130と中間部材D140との対向間に転動部材D170が回転可能に配設される。
軸支孔D131bは、本体部D131を板厚方向(矢印F-B方向)に貫通する孔として形成され、中間部材D140の背面には、軸支孔D131bに対面する位置に、軸支部D141bが形成される。軸支部材D210の軸D211は、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢で、本体部D131の軸支孔D131bと変位部材D180の軸孔とに順に挿通され、変位部材D180の一側(中間部材D140側)の側面から突出された軸D211の一端が、中間部材D140の軸支部D141bに軸支される。これにより、背面部材D130と中間部材D140との対向間に変位部材D180が回転可能に配設される。
挿通孔D131cは、本体部D131を板厚方向(矢印F-B方向)に貫通して形成され、伝達部材D190の胴部D192の回転を許容する大きさの開口(孔)として形成される。伝達部材D190は、胴部D192の軸方向(前後方向、矢印F-B方向)一側の端面および他側の端面から軸D191の端部がそれぞれ突出され、これら軸D191の両端が、中間部材D140の軸支部D141cと迂回部材D200の軸支部D201とにそれぞれ軸支される。これにより、中間部材D140と迂回部材D200との対向間であって、背面部材D130の背面側において、伝達部材D190が回転可能に配設される。
開口D131d,D131eは、球の通過を許容する大きさの開口(孔)として、本体部D131を板厚方向(矢印F-B方向)に貫通して形成される。即ち、本体部D131の正面側と背面側とに形成される通路(第5通路DRt5及び第8通路DRt8)を連通するための開口として形成される。なお、開口D131d,D131eは、1球のみが通過可能(同時に2球が通過不能)な大きさに設定される。
ここで、第6通路DRt6は、背面部材D130(本体部D131)の正面側(中間部材D140との対向間)に形成され、第8通路DRt8は、上流側(前半部分)が背面部材D130(本体部D131)の背面側(迂回部材D200との対向間)に形成されると共に、下流側(後半部分)が背面部材D130(本体部D131)の正面側(中間部材D140の内部、正面部材D110及び第1介設部材D150の対向間)に形成される。
よって、第6通路DRt6の下流端と第8通路DRt8の上流端とが開口D131dにより接続され、第8通路DRt8の上流側(前半部分)と下流側(後半部分)とが開口D131eにより接続される。即ち、第6通路DRt6を流下(案内)された球は、開口D131dを通過することで、背面部材D130(本体部D131)の正面側から背面側へ移動され、第8通路DRt8へ流入される。また、第8通路DRt8の上流側(前半部分)を流下(案内)された球は、開口D131eを通過することで、背面部材D130(本体部D131)の背面側から正面側へ移動され、第8通路DRt8の下流側(後半部分)へ流入される。
突部D131fは、本体部D131の正面(矢印F方向側の面)から突設されると共に鉛直方向(矢印U-D方向)に沿って直線状に延設される突条(細長いすじ状の突部)として形成され、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って所定間隔(本実施形態では等間隔)を隔てつつ複数箇所(本実施形態では5箇所)に配設される(図122(c)参照)。なお、突部D131fの突設寸法および断面形状は、その延設方向(鉛直方向)に沿って同一とされる。
突部D131fの下端(矢印D方向側の端部)は、正面視において、第2位置に配置された転動部材D170の本体部D172の上面との間の距離が球の半径よりも小さくなる位置に設定される(図121参照)。よって、転動部材D170が第2位置に配置された状態であっても、球と突部D131fとが当接可能とされる。
また、突部D131fの上端(矢印U方向側の端部)は、正面視において、初期位置(第1位置)に配置された転動部材D170の本体部D172の上面との間の距離が球の直径よりも大きくなる位置に設定される(図119参照)。よって、第2位置に配置された転動部材D170(本体部D172)の上面から球が上方(矢印U方向)へ跳ね上がった状態であっても、球と突部D131fとが当接可能とされる。
複数の突部D131fの配設間隔(矢印L-R方向の間隔)は、本実施形態では、球の直径と略同等の間隔に設定される。また、複数の突部D131fは、中間部材D140(本体部D141)の背面から突設される複数の突部D141gに対し、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って位置を異ならせて配設される。即ち、背面部材D130の突部D131fと中間部材D140の突部D141gとは、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って千鳥状に配置される(図122(c)参照)。これにより、第6通路DRt6における球の転動を遅延させることができる。
即ち、第6通路DRt6を通過する球に対して作用する作用手段として突部D131f,D141gが機能し、その作用により球に抵抗が付与されることで、球の速度を低くすることができる。よって、球が第6通路DRt6(転動部材D170)を通過するのに要する時間を長くでき、その分、転動部材D170に球の重量が作用する時間(即ち、変位部材D180が少なくとも閉鎖位置よりも開放され、球が入球されやすくされた状態)を維持し易く(長く)できる。
突部D131fの突設先端は、断面円弧状に湾曲して形成される。但し、突部D131fの断面形状を略矩形状としても良い。また、突部D131fは、鉛直方向(矢印U-D方向)に対して傾斜する方向に延設される直線形状であっても良く、円弧状に湾曲して延設される曲線形状を少なくとも一部に含む形状であっても良い。
なお、突部D131fを、鉛直方向(矢印U-D方向)に対して傾斜する方向に延設される直線形状とする場合には、球の転動面(転動部材D170の本体部D172の上面)よりも上方(矢印U方向)側の方が第6通路DRt6の上流側(矢印R方向側)に位置する方向に傾斜させることが好ましい。転動面から跳ね上がった球が突部D131fに衝突された場合に、球を転動方向と反対側(上流側)へ押し戻す方向の力成分を球に作用させ、球を遅延させやすくできるからである。
側壁部D132は、その上方側(矢印U方向側)の縁部が、第2介設部材D160の上面よりも上方(矢印U方向)となる高さ位置に配設され、中間部材D140の側壁部D142と共に第3通路DRt3の通路幅を区画する。
区画壁D134は、本体部D131及び迂回部材D200と共に第8通路DRt8を区画する。即ち、本体部D131に迂回部材D200が対向配置され、その対向間であって区画壁D134により区画された領域が第8通路DRt8とされる。区画壁D134により区画される領域は、背面視(矢印F方向視)において、横長の略矩形状に形成され、長手方向一端側(矢印L方向側)に開口D131dが、長手方向他端側(矢印R方向側)に開口D131eが、それぞれ配設されると共に、長手方向一端側から他端側へ向けて下降傾斜される。
中間部材D140は、板状に形成される本体部D141と、本体部D141よりも正面側(矢印F方向側)に位置すると共に本体部D141と平行な姿勢で配設され板状に形成される側壁部D142と、それら本体部D141及び側壁部D142を連結する連結部D143と、本体部D141の正面から立設される底面部D144と、本体部D141の背面から立設される区画壁(第4通路区画壁D145L、第5通路区画壁D145R、第6通路区画壁D146、第8通路区画壁D147)と、を備える。
本体部D141には、転動部材D170の軸D171を軸支する軸支部D141aと、軸支部材D210の軸D211を軸支する軸支部D141bと、伝達部材D190の軸D191を軸支する軸支部D141cと、球を通過可能とする開口D141d,D141e,D141fと、球に当接可能とされる突部D141gとが形成される。
軸支部D141a,D141b,D141cは、本体部D141の背面(矢印B方向側の面)に軸受として形成され、上述したように、背面部材D130の軸支部D131a、軸支孔D131b及び迂回部材D200の軸支部D201と対面する位置にそれぞれ形成される。
即ち、背面部材D130の軸支部D131aと中間部材D140の軸支部D141aとに転動部材D170の軸D171が、背面部材D130の軸支孔D131bと中間部材D140の軸支部D141bとに軸支部材D210の軸D211が、中間部材D140の軸支部D141cと迂回部材D200の軸支部D201とに伝達部材D190の軸D191が、それぞれ軸支される。なお、転動部材D170の軸D171、軸支部材D210の軸D211、伝達部材D190のいずれも、その軸方向を前後方向(矢印F-B方向)に沿わせる姿勢で配設される。
開口D141d,D141e,D141fは、球の通過を許容する大きさの開口(孔)として、本体部D141を板厚方向(矢印F-B方向)に貫通して形成される。
開口D141d,D141eは、第4通路DRt4及び第5通路DRt5の出口(第7通路DRt7へ球を流出させる開口)としてそれぞれ形成され、第1介設部材D150の上面(球の転動面)よりも上方に形成される。即ち、第4通路DRt4及び第5通路DRt5を案内された球は、開口D141d,D141eを介して、第7通路DRt7へ流出(流下)される。
開口D141fは、中間部材D140(本体部D141)の背面側に位置する第8通路DRt8の下流端と、中間部材D140(本体部D141)の正面側に位置する第8通路DRt8の上流端とを連通させる連通口(開口)として形成される。即ち、開口D141dは、中間部材D140の本体部D141を貫通する通路(第8通路DRt8)の一部として形成される。
突部D141gは、本体部D141の背面(矢印B方向側の面)から突設されると共に鉛直方向(矢印U-D方向)に沿って直線状に延設される突条(細長いすじ状の突部)として形成され、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って所定間隔(本実施形態では等間隔)を隔てつつ複数箇所(本実施形態では6箇所)に配設される(図122(c)参照)。なお、突部D141gの突設寸法および断面形状は、その延設方向(鉛直方向)に沿って同一とされる。
複数の突部D141gの配設間隔(矢印L-R方向の間隔)は、本実施形態では、球の直径と略同等の間隔に設定される。また、複数の突部D141gは、背面部材D130(本体部D131)の正面から突設される複数の突部D131fに対し、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って位置を異ならせて配設される。即ち、背面部材D130の突部D131fと中間部材D140の突部D141gとは、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って千鳥状に配置される(図122(c)参照)。これにより、第6通路DRt6における球の転動を遅延させることができる。
即ち、第6通路DRt6を通過する球に対して作用する作用手段として突部D131f,D141gが機能し、その作用により球に抵抗が付与されることで、球の速度を低くすることができる。よって、球が第6通路DRt6(転動部材D170)を通過するのに要する時間を長くでき、その分、転動部材D170に球の重量が作用する時間(即ち、変位部材D180が少なくとも閉鎖位置よりも開放され球が入球されやい状態)を維持し易く(長く)できる。
本実施形態では、背面部材D130の本体部D131の正面と中間部材D140の本体部D141の背面との間の対向間隔(矢印F-B方向の間隔)は、球の直径よりも大きい寸法に設定され、複数の突部D131fの先端を連ねた仮想面(平面)と、複数の突部D141gの先端を連ねた仮想面(平面)との間の対向間隔(矢印F-B方向の間隔)は、球の直径と略同一または球の直径よりも若干小さい寸法に設定される。但し、両仮想面の間の対向間隔を球の直径よりも大きい寸法に設定しても良い。
突部D141gの突設先端は、断面円弧状に湾曲して形成される。但し、突部D141gの断面形状を略矩形状としても良い。また、突部D141gは、鉛直方向(矢印U-D方向)に対して傾斜する方向に延設される直線形状であっても良く、円弧状に湾曲して延設される曲線形状を少なくとも一部に含む形状であっても良い。
なお、突部D141gを、鉛直方向(矢印U-D方向)に対して傾斜する方向に延設される直線形状とする場合には、球の転動面(転動部材D170の本体部D172の上面)よりも上方(矢印U方向)側の方が第6通路DRt6の上流側(矢印R方向側)に位置する方向に傾斜させることが好ましい。転動面から跳ね上がった球が突部D141gに衝突された場合に、球を転動方向と反対側(上流側)へ押し戻す方向の力成分を球に作用させ、球を遅延させやすくできるからである。
側壁部D142は、その上方側(矢印U方向側)の縁部が、第2介設部材D160の上面よりも上方(矢印U方向)となる高さ位置に配設され、上述したように、背面部材D130の側壁部D132と共に第3通路DRt3の通路幅を区画する。
連結部D143は、側壁部D142の下方側(矢印D方向側)の縁部と本体部D141の上方側(矢印U方向側)の縁部とを長手方向(矢印L-R方向)の全域にわたって連続して連結し、その連結部D143の上面側(矢印U方向側)に第2介設部材D160が配設される。
連結部D143は、中間部材D140の第4通路区画壁D145L及び第5通路区画壁D145Rと上下方向(矢印U-D方向)に所定間隔を隔てて対向し、それらの対向間に第4通路DRt4及び第5通路DRt5がそれぞれ形成される。即ち、連結部D143は、第4通路DRt4及び第5通路DRt5の上面(上側の内面)を形成する。
底面部D144は、開口D141fを除く領域において、本体部D141の縁部に沿って連続して形成され、その底面部D144の立設先端(矢印F方向側)が、正面部材D110における底面部D112の立設先端(矢印B方向側)に当接される。即ち、底面部D144は、開口D141fが開口される領域およびその近傍の領域において分断して形成される。
底面部D144が分断された領域(開口D141fを含む領域)では、上述したように、正面部材D110における底面部D112のうちの第8通路DRt8を区画する部分の立設先端が、開口D141fの下方側(矢印D方向側)と左右の側方側(矢印L方向側および矢印R方向側)とにおいて、本体部D141の正面に当接される。
第4通路区画壁D145Lは、本体部D141と背面部材D130の本体部D131及び連結部D133と共に第4通路DRt4を区画する部位であり、上面が球の転動面とされる部位(転動部)と、その転動部(転動面)を転動した球を内壁面で受け止めて球の転動終点を規定する部位(縦壁部)とを形成する。
即ち、第4通路区画壁D145Lは、転動部が左右方向(矢印L-R方向)に延設され、転動部は、長手方向一端側(矢印R方向側)が上面視において流下口DOPflに重なる位置(流下口DOPflに入球(流下)された球を受け入れ(受け止め)可能な位置)に配設されると共に、長手方向他端側(矢印L方向側)へ向けて下降傾斜され、長手方向他端側が開口D141dの下縁と重なる位置まで延設され、その延設端(長手方向他端)には、上下方向(矢印U-D方向)に沿う縦壁部が連結される。
なお、第4通路区画壁D145Lは、長手方向他端側(矢印L方向側)の一部(開口D141dと重なる領域)が開口D141dへ向けても下降傾斜され、第4通路区画壁D145L(転動面)の長手方向他端に達した球を開口D141dへ向けて転動可能とされる。
よって、流下口DOPflから第4通路DRt4へ入球された球は、第4通路区画壁D145Lの長手方向一端側(矢印R方向側)に受け入れ(受け止め)られ、第4通路区画壁D145L上を長手方向他端側(矢印L方向側)へ向けて転動される。長手方向他端に到達した球は、長手方向他端に連結される縦壁部に当接され(受け止められ)、転動が規制された後、開口D141dを介して、第7通路DRt7(第1介設部材D150)へ流出(流下)される。
第5通路区画壁D145Rは、本体部D141と背面部材D130の本体部D131及び連結部D133と共に第5通路DRt5を区画する部位であり、上面が球の転動面とされる部位(転動部)と、その転動部(転動面)を転動した球を内壁面で受け止めて球の転動終点を規定する部位(縦壁部)とを形成する。
なお、第5通路区画壁D145Rは、正面視において、第4通路区画壁D145Lに対して、変位部材D180を中心として、左右対称に形成され、その構成および作用は、上述した第4通路区画壁D145Lの構成および作用と実質同一であるので、説明を省略する。
第6通路区画壁D146は、本体部D141と第4通路区画壁D145Lと背面部材D130の本体部D131と転動部材D170と共に第6通路DRt6を区画する部位であり、上面が球の転動面とされる部位(転動部)と、その転動部(転動面)を転動した球を内壁面で受け止めて球の転動終点を規定する部位(縦壁部)とを形成する。
即ち、第6通路区画壁D146は、転動部材D170の長手方向一端側(矢印L方向側、転動部材D170を転動する球の転動方向の延長線上)に並設され、その転動部材D170を転動した球を受け入れ可能に形成される転動部と、その転動面の端部(転動部材D170と反対側)に連結され上下方向(矢印U-D方向)に沿って形成される縦壁部とを備える。
なお、第6通路区画壁D146は、転動部の上面(転動面)が開口D141fへ向けて下降傾斜され、転動部材D170から受け入れた球を開口D141fへ向けて転動可能とされる。
よって、流下口DOPflから第6通路DRt6へ入球され、転動部材D170を転動した球は、第6通路区画壁D146の転動部(転動面)に受け入れられ、その転動部の端部に連結される縦壁部に当接され(受け止められ)、転動が規制された後、開口D141fを介して、第8通路DRt8へ流出(流下)される。
第8通路区画壁D147は、第8通路DRt8の一部(背面部材D130と中間部材D140との間に形成される部分)を区画する部位であり、断面略矩形(枠状)の筒状に形成され、開口D141fと背面部材D130の開口D131eとを連通させる。即ち、背面部材D130の開口D131eから流出された球は、第8通路区画壁D147により区画される通路(空間)へ流入され、その通路(空間)を流下(転動)した後、開口D141fから流出され、第8通路DRt8の残部(正面部材D110と第1介設部材D150との間に形成される部分)へ流入される。
第1介設部材D150は、第7通路DRt7における球の転動面を形成する部材であり、正面部材D110と中間部材D140との対向間に介設される。即ち、正面部材D110と中間部材D140と第1介設部材D150とに区画された空間により第7通路DRt7が形成される。第1介設部材D150の上面(転動面)は、正面視において、下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成され、第4通路DRt4(開口D141d)又は第5通路DRt5(開口D141e)から流下された球が湾曲に沿って往復動可能とされる。
第1介設部材D150の上面(転動面)には、上述したように、第1介設部材D150(第7通路DRt7)を案内される球を遊技領域へ流出させるために正面側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面(中央流出面D151及び側方流出面D152)が形成される。また、第7通路DRt7の上面(転動面)には、起伏が形成され、起伏の底部に側方流出面D152が配置される一方、起伏の頂部に中央流出面D151が配置される。
なお、正面部材D110の正面部D111の上縁(矢印U方向の縁部)は、中央流出面D151及び側方流出面D152が形成される領域を除き、第1介設部材D150の上面(転動面)よりも上方(矢印U方向)へ突出される。即ち、第1介設部材D150の上面(転動面)を転動する球は、中央流出面D151又は側方流出面D152からのみ遊技領域へ流出(流下)される。
第1介設部材D150の底面には、凹部D153が凹設され、上述したように、かかる凹部D153と正面部材D110の底面部D112との対向間に第8通路DRt8の一部が形成される。
第2介設部材D160は、第3通路DRt3における球の転動面を形成する部材であり、背面部材D130と中間部材D140との対向間に介設される。即ち、背面部材D130と中間部材D140と第2介設部材D160とに区画された空間により第3通路DRt3が形成される。第2介設部材D160の上面(転動面)は、正面視において、下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成され、第2通路DRt2から流下された球が湾曲に沿って往復動可能とされる。
なお、本実施形態では、第2介設部材D160の上面(転動面)は、流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)中央(一対の変位部材D180の対向空間)に対応する位置が最も低くされ、第2介設部材D160(第3通路DRt3)の長手方向一端側または他端側(矢印L方向側または矢印R方向側)へ向かうに従って高さ位置が高くなるように形成される。
即ち、第2介設部材D160の上面(転動面)は、一対の変位部材D180の対向空間に対応する位置から長手方向一端側または他端側(矢印L方向側または矢印R方向側)へ向けて上昇傾斜して形成される。よって、第3通路DRt3の長手方向(矢印L-R方向)に沿って球が往復動可能とされる。
第2介設部材D160の上面(転動面)には、球を第2介設部材D160(第3通路DRt3)から流下口DOPflへ流出させるために背面側(矢印B方向側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面(中央流出面D161及び側方流出面D162)が形成(凹設)される。
中央流出面D161は、流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)中央(一対の変位部材D180の対向空間)に対応する位置に配設(形成)される。一方、側方流出面D162は、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態では、変位部材D180の対向空間よりも第2介設部材D160(第3通路DRt3)の長手方向一端側または他端側(矢印L方向側または矢印R方向側)となり、変位部材D180が開放位置に配置された状態では、変位部材D180の対向空間に対応する(変位部材D180の先端よりも対向空間の中央側となる)位置に配設(形成)される。
よって、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態では、中央流出面D161から流下口DOPflへ流下する球は一対の変位部材D180の対向間(即ち、第6通路DRt6)へ入球可能とされ、側方流出面D162から流下口DOPflへ流下する球は第4通路DRt4又は第5通路DRt5へ入球可能とされる。
一方、変位部材D180が開放位置に配置された状態では、中央流出面D161から流下口DOPflへ流下する球と、側方流出面D162から流下口DOPflへ流下する球との両者が、一対の変位部材D180の対向間(即ち、第6通路DRt6)へ入球可能とされる。
本実施形態では、流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)の寸法は、変位部材D180が開放位置に配置された状態において、第4通路DRt4及び第5通路DRt5へ球が流下(入球)可能な寸法に設定される。
即ち、開放位置に配置された変位部材D180の先端と背面部材D130の連結部D133との間には、上面視において、球の直径よりも大きな隙間(間隔)が流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)に確保(形成)される。これにより、変位部材D180が開放位置に配置されても、第6通路DRt6だけでなく、第4通路DRt4又は第5通路DRt5への球の流下(入球)も可能とできる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
但し、流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)の寸法を、変位部材D180が開放位置に配置された状態において、第4通路DRt4又は第5通路DRt5の少なくとも一方へ球が流下(入球)不能な寸法に設定しても良い。
即ち、開放位置に配置された変位部材D180の先端と背面部材D130の連結部D133との間の隙間(間隔)を、上面視において、球の直径よりも小さい寸法(球が通過不能な寸法)としても良い。これにより、変位部材D180が開放位置に配置された場合には、第6通路DRt6のみへ球を流下(入球)可能とできる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
中央流出面D161は、上面視において、その凹面の延設長さ(第3通路DRt3を往復動する球の転動方向に直交する方向(矢印F-B方向)の寸法)が、側方流出面D162(凹面)の延設長さよりも大きくされる。また、中央流出面D161は、上面視において、その凹面の幅(第3通路DRt3を往復動する球の転動方向に沿う方向(矢印L-R方向)の寸法)が、側方流出面D162(凹面)の幅よりも大きくされる。
よって、中央流出面D161の形成個数(1箇所)が、側方流出面D162の形成個数(2箇所)よりも少ない場合であっても、第3通路DRt3を往復動する球が中央流出面D161から流下口DOPfl(第6通路DRt6)へ流下(入球)する確率を確保できる。
なお、凹面の延設長さ及び幅を、中央流出面D161と側方流出面D162とにおいて、同一に設定しても良い。また、本実施形態とは逆に、中央流出面D161(凹面)の延設長さを側方流出面D162(凹面)の延設長さよりも小さくしても良い。これらの場合には、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態では、第3通路DRt3を往復動する球を流下口DOPfl(第6通路DRt6)へ流下(入球)させ難くして、相対的に、変位部材D180が開放位置に配置された場合の有利度を顕著とできる。
また、中央流出面D161又は側方流出面D162の少なくとも一方または両方の形成(第2介設部材D160の上面への凹設)を省略しても良い。第3通路DRt3を往復動する球が、流下口DOPflへ流下する位置を流下口DOPflの長手方向(矢印L-R方向)に沿って均等として、第4通路DRt4、第5通路DRt5又は第6通路DRt6のいずれの通路へ球が流下(入球)するかのランダム性を高めることができる。
転動部材D170は、軸D171と、その軸D171が長手方向一端側に配設される長尺板状の本体部D172と、その本体部D172の長手方向他端側(軸D171が配設される側と反対側)に配設される伝達部D173と、軸D171を挟んで伝達部D173(本体部D172)の反対側に配設される錘部D174とを備え、背面部材D130と中間部材D140との間に軸D171を中心として回転可能に配設される。
軸D171は、上述したように、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢で配設される。よって、軸D171を中心に転動部材D170が変位(回転)されることで、本体部D172は、上下方向(矢印U-D方向)に変位(昇降)される。
本体部D172は、その上面が第6通路DRt6における球の転動面を形成する部位であり、長手方向一端側(軸D171が配設される側、矢印L方向側)を、中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部(上面が転動面とされる部位)に並設させると共に、長手方向他端側(軸D171が配設される側と反対側、矢印R方向側)を、上面視において変位部材D180と重なる位置(一対の変位部材D180の対向間に入球(流下)された球を受け入れ(受け止め)可能な位置)に配設される。
本体部D172は、初期位置(第1位置)から第2位置までのいずれの状態(姿勢)にあっても、その長手方向一端側(軸D171が配設される側、矢印L方向側)の上面が、中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部(上面が転動面とされる部位)の上面と略同一の高さ位置または若干上方側(矢印U方向側)となる高さ位置に配置される。
軸D171は、本体部D172の内部に埋設され、本体部D172の上面(転動面)は、軸D171を越える位置まで形成される。即ち、本体部D172の上面を転動する球は、軸D171の上方側(矢印U方向側)を通過した後、中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部へ転動(流入)される。
本体部D172の上面(転動面)は、軸D171の上方側(矢印U方向側)となる位置を境として、伝達部D173側が平坦面として形成され、錘部D174側が軸D171を中心とする湾曲面として形成される。即ち、本体部D172の上面は、軸D171に直交する平面で切断した形状が、伝達部D173側では直線形状とされ、錘部D174側では軸D171と同芯の円弧形状とされる(図119参照)。
本体部D172の上面(転動面)は、軸D171よりも伝達部D173側が平坦面として形成されるので、その領域を転動する球が上方(矢印U方向)へ跳ね上がることを抑制できる。従って、球の上方への跳ね上がりに伴って、錘部D174の作用により本体部D172が上方へ変位されることを未然に防止できる。
なお、本体部D172の上面は、断面直線である必要はなく、段差が非形成であれば足り、球の転動方向に沿って滑らかに連なる平滑面(曲線どうし又は曲線と直線とが滑らかに連なる断面形状、例えば、正弦波(正弦曲線)形状)として形成されていても良い。
ここで、本体部D172の上面(転動面)を転動する球を、軸D171に到達する前に、中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部(上面が転動面とされる部位)へ転動(流入)させる構成も考えられる。しかしながら、このような構成では、本体部D172の上面を転動する球の重量の作用によって、転動部材D170の本体部D172が下方(矢印D方向)へ変位されている状態(転動部材D170(本体部D172)が初期位置(第1位置)に復帰される前の状態)で、球が本体部D172の上面から排球されるため、球の排球に伴う慣性力の影響(球の重量が瞬間的に作用されなくなる影響)を受け、転動部材D170にばたつきが発生する。転動部材D170がばたつくと、変位部材D180の開閉状態が不安定となり、遊技の興趣の低下を招く。
これに対し、本実施形態では、本体部D172の上面を転動する球は、軸D171の上方(矢印U方向)となる位置を越えて転動されるため、本体部D172の上面を転動する球の重量の作用を抑制し、転動部材D170の本体部D172が初期位置(第1位置)に復帰された状態で、球を本体部D172の上面から排球させることができる。よって、球の排球に伴う慣性力の影響(球の重量が瞬間的に作用されなくなる影響)を受けても、転動部材D170にばたつきが発生することを抑制できる。その結果、変位部材D180の開閉状態を安定させ、遊技の興趣を向上できる。
なお、本実施形態では、上述したように、本体部D172の上面(転動面)は、軸D171の上方(矢印U方向)となる位置を境として、錘部D174側が軸D171を中心とする湾曲面として形成される。よって、本体部D172の上面を転動する球が軸D171の上方(矢印U方向)を通過した後は、本体部D172の上面への球の重量は非作用とされる。即ち、本実施形態では、本体部D172の上面(転動面)は、軸D171の上方側(矢印U方向側)となる位置よりも伝達部D173側の領域とされ、軸D171の上方となる位置よりも錘部D174側となる領域は、転動面としては機能されない。
伝達部D173は、転動部材D170の変位(回転)を伝達部材D190へ伝達するための部位であり、本体部D172の長手方向他端側から軸D171と反対側(矢印R方向側)へ向けて延設される。伝達部D173の延設先端側(矢印R方向側)は、伝達部材D190の被伝達部D193の上方側(矢印U方向側)に配設(上面視において重なる位置に配設)される。
よって、転動部材D170がその上面を転動する球の重量によって軸D171を中心に変位(回転)され、伝達部D173が下方(矢印D方向)へ変位(下降)されると、伝達部D173によって伝達部材D190の被伝達部D193が下方へ変位され(押し下げられ)、これにより、伝達部材D190が軸D191を中心として変位(回転)される(図119から図121参照)。
錘部D174は、転動部材D170の重心位置を偏心させるための部位であり、本体部D172の長手方向一端側から本体部D172の延設方向と反対側(矢印L方向側)へ向けて延設されると共に、内部に金属製(本実施形態では真鍮製)の錘が埋設される。
転動部材D170(本体部D172)に球の重量が作用されていない無負荷状態(本体部D172上を球が転動していない状態)では、転動部材D170全体としての重心位置が、軸D171よりも錘部D174側に位置(偏心)される。その結果、転動部材D170は、錘部D174の重さ(重心位置の軸D171からの偏心)を利用して、無負荷状態では、初期位置(第1位置)に配置された姿勢の維持が可能とされると共に、初期位置から変位(回転)された後は、自重による初期位置への復帰が可能とされる。
即ち、転動部材D170は、無負荷状態(本体部D172上に球の重量が作用されない状態)では、本体部D172及び伝達部D173が上方(矢印U方向)へ変位(上昇)され(正面視において、軸D171を中心として反時計回りに回転され)、初期位置(第1位置)に配置されると共に、初期位置(第1位置)に維持される。これにより、転動部材D170を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
一方、転動部材D170の本体部D172上を球が転動する際には、その球の重量により、転動部材D170全体としての重心位置が本体部D172側(軸D171を挟んで錘部D174と反対側)に位置(偏心)される。これにより、転動部材D170は、本体部D172及び伝達部D173が下方(矢印D方向)へ変位(下降)され(正面視において、軸D171を中心として時計回りに回転され)、第2位置に配置される。
なお、転動部材D170の第1位置(初期位置)は、本体部D172の長手方向一端側(矢印L方向側)の端面が、中間部材D140の第6通路区画壁D146(転動部の縦壁部と反対側の端面)に当接されることで規定される。即ち、転動部材D170は、本体部D172が第6通路区画壁D146に当接されることで、本体部D172及び伝達部D173の上方への変位(軸D171を中心とする正面視反時計回りの回転)が規制され、第1位置(初期位置)に配置される(図119参照)。
一方、転動部材D170の第2位置は、錘部D174の上面が、中間部材D140の第6通路区画壁D146(転動部の下面)に当接されることで規定される。即ち、転動部材D170は、錘部D174が第6通路区画壁D146に当接されることで、本体部D172及び伝達部D173の下方への変位(軸D171を中心とする正面視時計回りの回転)が規制され、第2位置に配置される(図121参照)。
転動部材D170は、第1位置に配置された状態では、本体部D172の上面(転動面)が、長手方向他端側から長手方向一端側へ向けて下降傾斜され、第2位置に配置された状態においても、本体部D172の上面(転動面)が、長手方向他端側から長手方向一端側へ向けて下降傾斜される。よって、転動部材D170(本体部D172)上の球を開口D141f(第8通路DRt8)へ向けて確実に転動させることができる。
このように、転動部材D170は、本体部D172の上面(転動面)の下降傾斜を利用して、球を転動させるところ、転動部材D170は、軸D171を中心として回転可能に軸支され、本体部D172の上面の水平面に対する下降傾斜の角度は、球が転動されている状態(球の重量を受けている状態)における下降傾斜の角度が、球が非転動の状態(球の重量を受けていない無負荷状態)における下降傾斜の角度よりも小さくされる。
これにより、本体部D172の上面(転動面)を転動する球に勢いが付与されることを抑制できる。よって、球が本体部D172の上面を通過するのに要する時間を嵩ませる(長くする)ことができる。その結果、転動部材D170(本体部D172)に球の重量が作用されいてる時間を長くして、変位部材D180が開放位置に配置された状態(少なくとも一対の変位部材D180の対向間隔が、閉鎖位置に配置された状態における対向間隔よりも広くされた状態)を維持しやすく(長く)できる。
本実施形態では、転動部材D170は、1球の球の重量が本体部D172の長手方向(矢印L-R方向)中央に作用された状態において、軸D171を中心として、錘部D174側の重量と本体部D172側の重量とがつり合うように形成される(転動部材D170全体としての重心位置が軸D171を通過する鉛直線上に位置される)。
よって、1球の球のみが転動部材D170の本体部D172を転動する場合、その球が、本体部D172の長手方向(矢印L-R方向)中央よりも伝達部D173側(軸D171と反対側)に位置する状態では、転動部材D170全体としての重心位置が軸D171よりも本体部D172側に位置(偏心)され、その重心位置の偏心により、本体部D172及び伝達部D173が下方(矢印D方向)へ変位(下降)される(正面視において、軸D171を中心として時計回りに回転される)。
一方、球が、本体部D172の長手方向(矢印L-R方向)中央よりも軸D171側(伝達部D173と反対側)に位置する状態では、転動部材D170全体としての重心位置が軸D171よりも錘部D174側に位置(偏心)され、その重心位置の偏心により、本体部D172及び伝達部D173が上方(矢印U方向)へ変位(上昇)される(正面視において、軸D171を中心として反時計回りに回転される)。
転動部材D170の本体部D172を2球以上の球が転動する場合(本体部D172に2球以上の球の重量が作用される場合)には、それら各球の転動位置(本体部D172の長手方向における位置)に関わらず、転動部材D170の重心位置が、軸D171よりも本体部D172側に位置(偏心)され、その重心位置の偏心により、本体部D172及び伝達部D173が下方(矢印D方向)へ変位(下降)される(正面視において、軸D171を中心として時計回りに回転される)。
このように、転動部材D170の転動面(本体部D172)の長手方向(矢印L-R方向)の途中(本実施形態では長手方向中央)につり合い位置を設けることで、そのつり合い位置を球が通過した後は、転動部材D170を第2位置から第1位置へ徐々に変位(回転)させることができる。その結果、変位部材D180を開放位置から閉鎖位置へ徐々に変位(回転)させることができる。
なお、1球の球の重量が作用した場合に、軸D171を中心として、錘部D174側の重量と本体部D172側の重量とがつり合う位置は、本体部D172の長手方向(矢印L-R方向)中央よりも軸D171側であっても良く、本体部D172の長手方向(矢印L-R方向)中央よりも伝達部D173側であっても良い。
変位部材D180は、第3通路DRt3から流下口DOPflへ流下(入球)された球を第6通路DRt6へ向けて案内するための部材であり、上述したように、軸支部材D210に軸支され、閉鎖位置と開放位置との間で変位(回転)される。
軸支部材D210は、変位部材D180の基端側に固着される軸D211と、その軸D211の軸方向と直交する方向(径方向外方)へ張り出す張出部D212と、その張出部D212から軸D211と平行な姿勢(矢印F-B方向に沿う姿勢)で突出され、伝達部材D190に連結される連結ピンD213とを備える。
軸支部材D210は、上述したように、軸D211が中間部材D140(本体部D141)の軸支部D141b及び背面部材D130(本体部D131)の軸支孔D131bに軸支される。張出部D212は、背面部材D130(本体部D131)の背面側に配設され、連結ピンD213は、軸D211と平行な姿勢で背面側(矢印B方向側)へ向けて突出される。
軸支部材D210の軸D211は、変位部材D180に固着される。また、連結ピンD213は、軸D211に対して軸方向と直交する方向(径方向)に位置を異ならせる(軸D211に対して偏心した位置に配置される)。よって、伝達部材D190の変位(回転)に伴い、連結ピンD213が変位されると、その連結ピンD213の変位が軸D211の回転に変換され、軸D211と共に変位部材D180が変位(回転)される。
なお、連結ピンD213は、軸D211よりも外側(一対の変位部材D180が対向する空間と反対側)に配設される。よって、連結ピンD213が下方(矢印D方向)へ変位される(押し下げられる)ことで、変位部材D180が開放位置へ向けて変位(回転)され、連結ピンD213が上方(矢印U方向)へ変位される(押し上げられる)ことで、変位部材D180が閉鎖位置へ向けて変位(回転)される。
変位部材D180の閉鎖位置および開放位置は、変位部材D180の基端側の外面が、第4通路区画壁D145L及び第5通路区画壁D145Rの側面に当接されることで規定される。即ち、変位部材D180は、基端側の外面が、第4通路区画壁D145L及び第5通路区画壁D145Rの側面に当接されることで、一対の変位部材D180どうしを互いに近接させる方向(対向間隔が小さくなる方向)又は互いに離間させる方向(対向間隔が大きくなる方向)への変位が規制され、閉鎖位置または開放位置に配置される((図119から図121参照)。
また、変位部材D180及び軸支部材D210は、変位部材D180の基端側に軸支部材D210の軸D211が固着されることで、一体化(ユニット化)される。
これら変位部材D180及び軸支部材D210が一体化された部品(以下「変位部材D180ユニット」と称す)は、少なくとも閉鎖位置に配置された状態では、変位部材D180ユニット全体としての重心位置が、軸D211よりも他方の変位部材D180ユニット側に位置(偏心)される。即ち、軸D211(矢印F-B)方向視において、軸D211を通過する仮想線よりも他方の変位部材D180ユニット側に重心位置が位置(偏心)される。
その結果、変位部材D180ユニットは、重心位置の軸D211からの偏心を利用して(即ち、重心位置の偏心が、一対の変位部材D180を互いに近接させる方向へ回転させる力として作用され)、閉鎖位置に配置された姿勢の維持が可能とされる。
伝達部材D190は、転動部材D170の変位(回転)を変位部材D180(軸支部材D210)へ伝達するための部材であり、軸D191と、その軸D191が軸方向一側(矢印F方向側)の端面および他側(矢印B方向側)の端面から突出される円柱状の胴部D192と、その胴部D192の軸方向一側の外周面から径方向外方へ延設される被伝達部D193と、胴部D192の軸方向他側の外周面から径方向外方へ延設される本体部D194及び錘部D195とを備える。
軸D191は、前後方向(矢印F-B)に沿う姿勢で配設され、上述したように、軸D191の一端は、胴部D192が背面部材D130の挿通孔D131cに挿通されることで、中間部材D140の軸支部D141cに軸支され、軸D191の他端は、迂回部材D200の軸支部D201に軸支される。
被伝達部D193は、転動部材D170(伝達部D173)から転動部材D170の変位(回転)が伝達される部位であり、背面部材D130における本体部D131の正面側(矢印F方向側)に配設される。
上述したように、被伝達部D193の延設先端側(矢印L方向側)は、転動部材D170の伝達部D173の下方側(矢印D方向側)に配設(上面視において重なる位置に配設)され、伝達部D173が下方(矢印D方向)へ変位(下降)されると、伝達部D173によって伝達部材D190の被伝達部D193が下方へ変位され(押し下げられ)、これにより、伝達部材D190が軸D191を中心として変位(回転)される(図119から図121参照)。
ここで、伝達部材D190の被伝達部D193と転動部材D170の伝達部D173との間には、上下方向(矢印U-D方向)において、所定の隙間が形成され、球の重量を受けた転動部材D170が下方(矢印D方向)へ変位(下降)される場合には、上述した所定の隙間を埋めた後に、転動部材D170の伝達部D173が伝達部材D190の被伝達部D193に当接可能とされる。即ち、転動部材D170は、上述した隙間を埋めるだけの変位(下降)をしなければ、伝達部材D190の被伝達部D193を下方へ押し下げることができない。
これにより、転動部材D170の変位が比較的小さい場合には、転動部材D170の変位を変位部材D180へ伝達させないようにすることができる。よって、例えば、遊技機を叩いて転動部材D170を変位(下降)させることや、針金等の異物で転動部材D170を変位(下降)させようとする不正を成功し難くできる。
本体部D194は、伝達部材D190の変位(回転)を軸支部材D210の連結ピンD213へ伝達するための部位であり、背面部材D130における本体部D131の背面側(矢印B方向側)に配設される。
本体部D194には、溝D194L,D194Rが形成され、これら溝D194L,D194Rには、軸支部材D210の連結ピンD213がそれぞれ摺動可能に挿通される。よって、転動部材D170の変位(回転)が伝達され、伝達部材D190が変位(回転)されると、伝達部材D190の挿通溝D194L,D194Rにおける内壁面により連結ピンD213が下方または上方へ変位される(押し下げ又は押し上げられる)。これにより、変位部材D180ユニットが変位(回転)され、変位部材D180が開放位置または閉鎖位置に配置される。
溝D194Rは、軸D191方向(矢印F-B方向)視において、溝の幅寸法(連結ピンD213が相対的に摺動変位する方向と直交する方向の寸法)が、連結ピンD213の直径と略同等または若干大きな寸法に設定され、軸D191を中心とする円弧と交差する方向に沿って直線状に延設される。よって、溝D194Rに挿通されている連結ピンD213は、伝達部材D190が変位(回転)されている間、溝D194Rの延設方向に沿う内壁面によって下方または上方へ変位される(押し下げ又は押し上げられる)。
溝D194Lは、軸D191方向(矢印F-B方向)視において、軸D191側に中心を有する円弧状に湾曲する形状に延設され、下方側の延設端部(矢印D方向側の端部、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態において、連結ピンD213が位置する側の端部)における溝の幅寸法が、連結ピンD213の直径と略同等または若干大きな寸法に設定され、上方側の延設端部(矢印U方向側の端部、転動部材D170が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態において、連結ピンD213が位置する側の端部)へ向かうに従って溝の幅寸法が増加される。
詳細には、溝D194Lの延設方向に沿う内壁面のうちの軸D191から遠い側の内壁面は、軸D191を中心とする円弧に沿った形状(軸D191を中心とする円形状を所定の中心角で分断した形状)とされ、軸D191に近い側の内壁面は、下方側の延設端部(矢印D方向側の端部)から上方側の延設端部(矢印U方向側の端部)へ向かうに従って軸D191からの距離が大きくされる円弧状に湾曲して形成される。
なお、軸支部材D210は、軸D211に対して連結ピンD213が偏心されるため、連結ピンD213と伝達部材D190の軸D191との間の距離は、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態において最大とされ、変位部材D180が開放位置へ向けて変位されるに従って減少される。即ち、連結ピンD213は、下方(矢印D方向)へ変位された(押し下げられた)状態ほど、伝達部材D190の軸D191との間の距離が小さくされる。
よって、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態(即ち、連結ピンD213が最も上方(矢印U方向)へ変位された(押し上げされた)状態、図119参照)から伝達部材D190が変位(回転)される場合には、連結ピンD213は、溝D194Rの延設方向に沿う内壁面の両者から作用を受けない(当接されない)。
一方、変位部材D180が開放位置に配置された状態(即ち、連結ピンD213が最も下方(矢印D方向)へ変位された(押し下げられた)状態、図121参照)から伝達部材D190が変位(回転)される場合には、連結ピンD213は、溝D194Lの延設方向に沿う内壁面のうちの軸D191に近い側の内壁面から作用を受け(当接され)、その作用により徐々に上方(矢印U方向)へ変位される(押し上げられる)。
このように、連結ピンD213は、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態では、伝達部材D190が変位(回転)されても、溝D194Lの延設方向に沿う内壁面から作用を受けないため、下方へ変位されず(押し下げられず)、溝D194Lの上方側の延設端部(矢印U方向側の端部)に達してから(図120参照)、その上方側の延設端部における内壁面によって下方へ変位される(押し下げられる)。
これにより、一対の変位部材D180の動作態様(変位態様)を互いに異ならせることができる。即ち、一対の変位部材D180のうちの一方を停止させつつ他方のみを変位(回転)させる状態を形成できる。
即ち、本実施形態では、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態では、連結ピンD213と溝D194Lの上方側の延設端部(矢印U方向側における端部、内壁面)との間に所定の間隔が形成される(図119参照)。
転動部材D170が球の重量を受けて初期位置(第1位置)から変位(回転)され、伝達部材D190の変位(回転)が開始されると、溝D194Rに挿通されている連結ピンD213は、溝D194Rの延設方向に沿う内壁面によって下方へ変位され(押し下げられ)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの一方)の閉鎖位置からの変位(回転)が開始される。
一方、溝D194Lに挿通されている連結ピンD213は、溝D194Lの上方側の延設端部(矢印U方向側の延設端部、内壁面)に達するまでの間は、下方へ変位されず(押し下げられず)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの他方)が閉鎖位置に維持される。
転動部材D170の初期位置(第1位置)からの変位(回転)に伴って、伝達部材D190が更に変位(回転)されると、溝D194Rに挿通されている連結ピンD213は、溝D194Rの延設方向に沿う内壁面によって引き続き下方へ変位され(押し下げられ)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの一方)の閉鎖位置から開放位置への変位(回転)が継続される。
一方、溝D194Lに挿通されている連結ピンD213は、溝D194Lの上方側の延設端部(矢印U方向側の端部、内壁面)に達すると(図120参照)、その上方側の延設端部(内壁面)により下方へ変位され(押し下げられ)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの他方)の閉鎖位置からの変位が開始される。
その後は、いずれの連結ピンD213も下方へ変位され(押し下げられ)、一対の変位部材D180が開放位置へ向けて変位(回転)され、転動部材D170が第2位置に達すると、一対の変位部材D180が開放位置に配置される。
このように、本実施形態では、一対の変位部材D180が閉鎖位置から開放位置へ向けて変位(回転)を開始するタイミングを異ならせる(一方に対し他方を遅らせる)ことができる。これにより、変位部材D180の開放位置への変位(即ち、第6通路DRt6への球の流入(入球))を期待する遊技者に対し、開放状態に変化を形成でき、遊技の興趣を高めることができる。
錘部D195は、伝達部材D190の重心位置を偏心させるための部位であり、本体部D194の長手方向一端側から軸D191と反対側(矢印R方向側)へ向けて延設されると共に、内部に金属製(本実施形態では真鍮製)の錘が埋設される。
伝達部材D190は、錘部D195の重量により、伝達部材D190全体としての重心位置が、軸D191よりも錘部D195側に位置(偏心)される。その結果、伝達部材D190は、錘部D195の重さ(重心位置の軸D191からの偏心)を利用して、初期位置(変位部材D180を閉鎖位置とする位置、図119参照)に配置された姿勢の維持が可能とされると共に、初期位置から変位(回転)された後は、自重による初期位置への復帰(即ち、変位部材D180の閉鎖位置への復帰)が可能とされる。
即ち、伝達部材D190は、被伝達部D193が転動部材D170の伝達部D173によって下方(矢印D方向)へ変位されて(押し下げられて)いない状態では、本体部D194が上方(矢印U方向)へ変位(上昇)され(背面視において、軸D191を中心として反時計回りに回転され)、初期位置に配置される(変位部材D180を閉鎖位置に配置させる)と共に、初期位置に維持される。これにより、伝達部材D190を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
迂回部材D200は、背面部材D130の区画壁D134による区画領域よりも背面視において大きな外形を有する板状に形成され、区画壁D134の立設先端面(矢印B方向側の面)に配設されることで、区画壁D134と共に第8通路DRt8を区画する。また、迂回部材D200には、区画壁D134による区画領域よりも背面視において外方となる領域に、軸支部D201が形成される。
次いで、図119から図121と図122(c)とを参照して、変位部材D180の開閉動作について説明する。
図119に示すように、流下口DOPflから第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ球が流入(入球)されていない状態では、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置される。そのため、伝達部材D190は、転動部材D170から作用を受けず、変位部材D180が閉鎖位置に配置される。
この状態において、流下口DOPflから第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ球(図示せず)が流入(入球)されると、かかる球は、一対の変位部材D180の対向間を通過(流下)し、転動部材D170の本体部D172における長手方向他端側(軸D171と反対側、矢印R方向側)の上面(転動面)に落下された後、本体部D172の上面を長手方向一端側(軸D171側、矢印L方向側)へ向けて転動される。
図120に示すように、転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)を球が転動する状態では、その球の重量を受けて、転動部材D170が第2位置へ向けて変位(回転)され、図121に示すように、転動部材D170が更に変位(回転)されて第2位置に達すると、一対の変位部材D180が開放位置に配置され、それら変位部材D180の対向間隔が最大に拡大される。
転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)を転動する球(図示せず)は、本体部D172の長手方向一端側(軸D171側、矢印L側)から、中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部(上面が転動面とされる部位)へ転動(流入)され、開口D131dを介して、第8通路DRt8へ転動(流入)される。
その後、転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)に球が存在しなくなると、転動部材D170が自重により初期位置(第1位置)へ復帰され、これに伴って、伝達部材D190が自重により初期位置へ復帰されることで、変位部材D180が閉鎖位置へ配置される(図119参照)。
このように、本実施形態では、転動部材D170(本体部D172)が軸D171を中心として回転可能に軸支され、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ流入(入球)された球が、軸D171側(矢印L方向側)へ向けて転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)を転動される。
上述したように、転動部材D170は、長手方向他端側(軸D171が配設される側と反対側、矢印R方向側)を、上面視において変位部材D180と重なる位置(一対の変位部材D180の対向間に入球(流下)された球を受け入れ(受け止め)可能な位置)に配設される。
よって、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)した球を、転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)に落下させることができる。
ここで、例えば、本体部D172の上面(転動面)を転動する球の転動方向が、軸D171から離間する方向に設定される構造では、球が転動部材D170(本体部D172)を転動する初期段階では、球の重量が作用する位置(力点)と軸D171(支点)との距離が近いため、球が所定距離だけ転動して軸D171からの距離(力点と支点との間の距離)が確保されるまでの間は、錘部D174の重量に対抗することができず、球の重量によって転動部材D170を初期位置(第1位置)から変位(回転)させることができない。
これに対し、本実施形態によれば、球が本体部D172の上面を転動する際に、その初期段階において、球の重量が作用する位置(力点)と軸D171(支点)との距離を確保して、錘部D174の影響を小さくできるので、球の重量によって転動部材D170を初期位置(第1位置)から変位(回転)させやすくできる。
即ち、球が第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入された直後に、転動部材D170(本体部D172)を初期位置(第1位置)から変位(回転)させ、変位部材D180の開放位置へ向けた変位(及び開放位置への配置)を速やかに行わせることができる。
特に、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入された球を、転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)に直接落下させることができるので、球の重量の作用のみでなく、球の落下する勢い(運動エネルギー)を利用して、転動部材D170(本体部D172)を初期位置(第1位置)から変位(回転)させることができる。この点においても、変位部材D180の開放位置へ向けた変位(及び開放位置への配置)を速やかに行わせることができる。
よって、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)への球の流下(入球)を見届けた遊技者に対し、その直後に変位部材D180の開放位置への変位を開始させることができ、テンポの良い演出を行うことができる。
また、第3通路DRt3上を複数の球が転動する場合に、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ入球された第1の球と、その第1の球に後行する第2の球(第6通路DRt6へ入球されていない他の球、後続の球)との間の間隔が比較的小さい場合に、後行する第2の球を第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)されやすくできる。
転動部材D170は、その上面(転動面)を球が転動する方向が、軸D171へ近づく方向とされるので、転動部材D170の本体部D172の上面を球が転動するに従って、球の重量が作用する位置(力点)と軸D171(支点)との距離を徐々に短くして、錘部D174の影響を大きくできる。よって、転動部材D170を第2位置から初期位置(第1位置)へ向けて徐々に復帰させることができる。
即ち、球の転動が進行するに従って、開放位置に配置されていた変位部材D180を閉鎖位置へ向けて徐々に変位(回転)させることができる。これにより、例えば、第3通路DRt3上を他の球が往復動されている場合に、その他の球の第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)への流入(入球)が、変位部材D180が開放されている有利な状態(少なくとも閉鎖位置に配置された状態よりも開放量が大きい状態)に間に合うか否かを遊技者に着目させ、遊技の興趣を高めることができる。
更に、転動部材D170は、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)された球が転動部材D170に落下される場合に、落下された球を、転動部材D170の上下方向(矢印U-D方向)における変位量が大きい側(軸D171から離間された側)で受け止めることができる。
よって、落下された球の運動エネルギーを、転動部材D170の変位(回転)、即ち、錘部D174を上方へ持ち上げるためのエネルギーとして吸収(消費)できる。その結果、本体部D172の上面(転動面)に落下した球が上方へ跳ね上がることを抑制できる。その結果、球の重量を転動部材D170に安定して作用させ、変位部材D180の状態を安定させる(例えば、閉鎖位置へ向けて変位部材D180が一時的に変位(回転)されることを抑制)できる。
また、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)した球を、転動部材D170とは別の部材(固定された非変位の部材、例えば、背面部材D130や中間部材D140の一部)に落下させる場合には、その別の部材の破損を招きやすくなるところ、上述のように、落下された球の運動エネルギーを、転動部材D170の変位により吸収(消費)できることで、球の衝突による転動部材D170やその転動部材D170を軸支する背面部材D130及び中間部材D140の破損を抑制できる。その結果、球の落下を許容できる分(球の落下高さの上限を緩やかとできる分)、設計の自由度を高めることができる。
第6通路DRt6の側壁(内側面)を形成する背面部材D130の本体部D131及び中間部材D140の本体部D141には、突部D131f,D141g(作用手段)が突設され、転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)を転動する球に作用可能に形成される。
即ち、突部D131f,D141gは、所定間隔を隔てて対向配置される本体部D131,D141から第6通路DRt6内へ向けて突設されると共に上下方向(矢印U-D方向)に沿って直線状に延設され、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って所定間隔を隔てつつ複数が配設される。
よって、球が第6通路DRt6を通過する際には、転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)を転動する場合だけでなく、転動部材D170の本体部D172の上面(転動面)から浮いた状態で移動する場合であっても、突部D131f,D141gを球に当接させ、抵抗を付与することで、球の速度を低くすることができる。
その結果、球が第6通路DRt6(転動部材D170)を通過するのに要する時間を長くでき、その分、転動部材D170に球の重量が作用される時間(即ち、変位部材D180が少なくとも閉鎖位置よりも開放され、球が入球されやい状態)を維持し易く(長く)できる。
この場合、突部D131f,D141gは、第6通路DRt6(転動部材D170の本体部D172)を挟んだ両側に形成され、第6通路DRt6における球の転動方向(転動部材D170の本体部D172の長手方向)に沿って千鳥状に配置されるので、球が第6通路DRt6を通過する際に、球を突部D131f,D141gに交互に当接させることができる。
これにより、球に抵抗を付与するだけでなく、球の速度成分に横方向(転動方向に直交する方向)の速度成分を付加することができる(球の進路を、直進ではなく、ジグザグとできる)。よって、球が第6通路DRt6を通過するのに要する時間を長くできる。従って、この点からも、転動部材D170に球の重量が作用される時間(即ち、変位部材D180が少なくとも閉鎖位置よりも開放され、球が入球されやい状態)を維持し易く(長く)できる。
一方で、突部D131f,D141gは、鉛直方向(矢印U-D方向)に沿って延設されるので、鉛直方向へ移動する球には抵抗が付与され難くできる。よって、転動部材D170(本体部D172)の上面(転動面)から球が上方(矢印U方向)へ跳ね上がった場合には、その球を下方(転動面)へ速やかに落下させることができる。従って、球の上方への跳ね上がりに伴って、錘部D174の作用により転動部材D170の本体部D172が上方へ変位された場合でも、かかる転動部材D170の本体部D172に球の重量を速やかに作用させ、本体部D172を元の状態に速やかに復帰させることができる。
その結果、転動部材D170の本体部D172を球が通過する間は、本体部D172に球の重量を作用させ、変位部材D180が少なくとも閉鎖位置よりも開放され、球が入球されやい状態を維持し易くできる。
転動部材D170は、本体部D172の上面(転動面)が平坦面として形成される。即ち、本体部D172の上面は、球の転動方向に沿って滑らかに連なる平滑面として形成され、段差が非形成とされる。よって、本体部D172の上面を転動する球が上方(矢印U方向)へ跳ね上がることを抑制できる。従って、球の上方への跳ね上がりに伴って、錘部D174の作用により本体部D172が上方へ変位されることを未然に防止できる。
以上のように、本実施形態によれば、変位部材D180が変位(回転)可能に形成され、その変位(回転)によって、第6通路DRt6への球の流入(入球)のされやすさを変化させる構造において、変位部材D180は、第6通路DRt6へ球が入球された場合に、第6通路DRt6へ球が入球されやすくなる側(開放位置)へ変位されるので、第6通路DRt6へ1の球が入球されれば、その球に後行する球(例えば、第3通路DRt3をその長手方向に往復動する球、後続の球)を第6通路DRt6へ入球されやすくできる。
即ち、第6通路DRt6へ第1の球が流入(入球)されれば、その第1の球の第6通路DRt6への入球により変位部材D180が変位され、後行する第2の球(第1の球の後続となる第2の球)が第6通路DRt6へ入球されやすい状態を形成でき、第2の球が第6通路DRt6へ入球されれば、その第2の球の第6通路DRt6への入球により変位部材D180が変位され、後行する第3の球(第2の球の後続となる第3の球)が第6通路DRt6へ入球されやすい状態を形成でき、第3の球の以降も、これらの態様を繰り返すことができる。
よって、第6通路DRt6への1の球の流入(入球)により、第6通路DRt6への球の入球の連鎖が発生することを遊技者に期待させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
この場合、変位部材D180の球が入球されやすくなる側(開放位置)への変位は、第6通路DRt6に流入(入球)された球の重量を利用して行われる。よって、変位部材D180を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
特に、本実施形態では、第6通路DRt6の球の転動面を転動部材D170により形成し、転動する球の重量の作用により転動部材D170が変位(回転)される構成であるので、球の重量を利用できる時間を確保できる。その結果、第6通路DRt6へ球が流入(入球)されやすくされた状態を維持しやすくできる。
次いで、図123を参照して、第9実施形態について説明する。第8実施形態では、変位部材D180が外部から強制的に開放可能とされたが、第9実施形態の変位部材D180は、外部から強制的に開放されることを規制可能とされる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図123(a)及び図123(b)は、第9実施形態における下側フレームD2086bの断面図であり、図115のCXIXa-CXIXa線における断面に対応する。なお、図123(a)では、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態が、図123(b)では、転動部材D170が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図123に示すように、伝達部材D2190は、係合部D2196を備える。なお、伝達部材D2190は、第8実施形態における伝達部材D190に対し、係合部D2196を更に備える点のみで相違し、その他の構成は同一である。
係合部D2196は、転動部材D170の初期位置(第1位置)から第2位置への変位(回転)を許容し、且つ、転動部材D170が初期値(第1位置)に配置された状態において、閉鎖位置にある変位部材D180が開放位置へ向けて変位(回転)されることを規制するための部位であり、被伝達部D193の上面(矢印U方向側の面)から立設され、転動部材D170の伝達部D173の延設先端(矢印R方向側の端部)に外面(軸D191と反対側の面)を対面させて配設される。
係合部D2196の外面(軸D191と反対側の面)は、転動部材D170が軸D171を中心として回転される際の伝達部D173の延設先端(矢印R方向側の端部)の変位軌跡と交差しない形状(変位軌跡に接する形状、又は、変位軌跡との間に隙間を有する形状)に形成される。よって、転動部材D170の初期位置(第1位置)から第2位置への変位(回転)が許容される(図123(b)参照)。
よって、第6通路DRt6へ球が流入(入球)され、その球が転動部材D170の本体部D172の上面を転動する際には、その球の重量を利用して、転動部材D170を第2位置へ変位させることができる。その結果、転動部材D170の伝達部D173により伝達部材D2190の被伝達部D193を下方へ変位させ(押し下げ)、変位部材D180を開放位置へ変位(回転)させることができる。
また、係合部D2196の外面(軸D191と反対側の面)は、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態において、伝達部材D2190が正面視反時計回り(図123(a)左回り、即ち、開放位置に配置された変位部材D180が開放位置へ向けて変位される方向)の回転を規制可能な形状に形成される。
具体的には、伝達部材D2190が正面視反時計回り(図123(a)左回り)に回転され、係合部D2196の外面(軸D191と反対側の面)が、転動部材D170の伝達部D173の延設先端(矢印R方向側の端部)に当接して押圧する際に、その伝達部D173の延設先端が軸D171へ向かう方向へ押圧される(伝達部D173の延設先端に係合部D2196から作用される力の延長線上に軸D171が位置される)。
よって、転動部材D170を変位(回転)させるための力成分が形成されず、転動部材D170が初期位置(第1位置)に維持される(回転不能とされる)ことで、伝達部材D2190の正面視反時計回り(図123(a)左回り)の回転が規制される(図123(a)参照)。即ち、変位部材D180の閉鎖位置から開放位置へ向けての変位(回転)が規制される。
このように、本実施形態によれば、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置された状態(即ち、球の重量が作用されていない状態)では、変位部材D180の閉鎖位置から開放位置へ向けた変位(回転)を規制することができる。即ち、例えば、針金等の異物を挿入して、閉鎖位置にある変位部材D180を、開放位置へ向けて強制的に変位させる不正(第6通路DRt6へ球が流入(入球)しやすくする不正)を抑制できる。
この場合、本実施形態では、転動部材D170を利用する(転動部材D170の伝達部D173に伝達部材D2190の係合部D2196を係合させる)ことで、変位部材D180の閉鎖位置から開放位置へ向けた変位(回転)が規制される。よって、変位部材D180が強制的に変位(回転)されることを規制するための部品を別途設ける必要がなく、伝達部材D190を流用することができるので、その分、変位部材D180を強制的に変位させる不正を抑制するための構造を簡素化できる。
次いで、図124を参照して、第10実施形態について説明する。第8実施形態では、転動部材D170を転動する球の転動方向が軸D171へ近づく方向とされたが、第10実施形態の転動部材D3170は、球の転動方向が軸D3171から遠ざかる(離間される)方向とされる。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図124(a)及び図124(b)は、第10実施形態における下側フレームD3086bの部分拡大断面図であり、図115のCXIXa-CXIXa線における断面に対応する。なお、図124(a)では、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態が、図124(b)では、転動部材D170が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図124に示すように、転動部材D3170は、軸D3171と、その軸D3171が長手方向他端側(矢印R方向側)に配設される長尺板状の本体部D3172と、その本体部D3172の長手方向他端側(軸D3171が配設される側)に配設される錘部D3174と、その錘部D3174を挟んで本体部D3172の反対側に配設される伝達部D3173とを備え、背面部材D130と中間部材D140との間に軸D3171を中心として回転可能に配設される。
なお、転動部材D3170の各部D3171~D3174は、第8実施形態における転動部材D170の各部D171~D174に対し、機能は実質的に同一であり、配置のみが相違する。また、伝達部材D3190は、第8実施形態における伝達部材D3190に対し、被伝達部D3193の向き(延設方向)のみが相違し、その他の構成は同一である。
軸D3171は、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢で配設され、背面部材D130と中間部材D140とに形成される軸支部(図示せず)に軸支される。よって、軸D3171を中心に転動部材D3170が変位(回転)されることで、本体部D3172は、上下方向(矢印U-D方向)に変位(昇降)される。
本体部D3172は、その上面が第6通路DRt6における球の転動面を形成する部位であり、長手方向一端側(軸D3171が配設される側と反対側、矢印L方向側)を、中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部(上面が転動面とされる部位)に並設させると共に、長手方向他端側(軸D3171が配設される側、矢印R方向側)を、上面視において変位部材D180と重なる位置(一対の変位部材D180の対向間に入球(流下)された球を受け入れ(受け止め)可能な位置)に配設される。
本体部D3172は、第2位置に配置された状態(姿勢)では、その長手方向一端側(軸D3171が配設される側と反対側、矢印L方向側)の上面が、中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部(上面が転動面とされる部位)の上面と略同一の高さ位置または若干上方側(矢印U方向側)となる高さ位置に配置される。
本体部D3172の上面(転動面)は、平坦面として形成される。よって、転動する球が上方(矢印U方向)へ跳ね上がることを抑制できる。従って、球の上方への跳ね上がりに伴って、錘部D3174の作用により本体部D3172が上方へ変位されることを未然に防止できる。
なお、本体部D3172の上面は、平坦面(軸D3171に直交する平面で切断した断面が断面直線)である必要はなく、段差が非形成であれば足り、球の転動方向に沿って滑らかに連なる平滑面(曲線どうし又は曲線と直線とが滑らかに連なる断面形状、例えば、正弦波(正弦曲線)形状)として形成されていても良い。
錘部D3174は、転動部材D3170の重心位置を偏心させるための部位であり、本体部D3172の長手方向他端側(軸D3171が配設される側)から本体部D3172の延設方向と反対側(矢印R方向側)へ向けて延設されると共に、内部に金属製(本実施形態では真鍮製)の錘が埋設される。
伝達部D3173は、転動部材D3170の変位(回転)を伝達部材D3190へ伝達するための部位であり、錘部D3174の延設方向端部(矢印R方向側の端部)から軸D3171と反対側(矢印R方向側)へ向けて更に延設される。伝達部D3173の延設先端側(矢印R方向側)は、伝達部材D3190の被伝達部D3193の下方側(矢印D方向側)に配設(上面視において重なる位置に配設)される。
よって、転動部材D3170がその上面を転動する球の重量によって軸D3171を中心に変位(回転)され、伝達部D3173が上方(矢印U方向)へ変位(上昇)されると、伝達部D3173によって伝達部材D3190の被伝達部D3193が上方へ変位され(押し上げられ)、これにより、伝達部材D3190が軸D3191を中心として変位(回転)される。その結果、変位部材D180が閉鎖位置から開放位置へ変位される。
なお、本実施形態では、伝達部D3173から被伝達部D3193へ向けて突起が突設(立設)される。但し、被伝達部D3193から伝達部D3173へ向けて突起が突設(立設)されても良い。即ち、転動部材D3170の変位(回転)が、伝達部D3173及び被伝達部D3193を介して、伝達部材D3190に伝達可能とされれば足りる。
転動部材D3170(本体部D3172)に球の重量が作用されていない無負荷状態(本体部D3172上を球が転動していない状態)では、転動部材D3170全体としての重心位置が、軸D3171よりも錘部D3174(及び伝達部D3173)側に位置(偏心)される。その結果、転動部材D3170は、錘部D3174(及び伝達部D3173)の重さ(重心位置の軸D3171からの偏心)を利用して、無負荷状態では、初期位置(第1位置)に配置された姿勢の維持が可能とされると共に、初期位置から変位(回転)された後は、自重による初期位置への復帰が可能とされる(図124(a)参照)。
即ち、転動部材D3170は、無負荷状態(本体部D3172上に球の重量が作用されない状態)では、本体部D3172が上方(矢印U方向)へ変位(上昇)され(正面視において、軸D3171を中心として時計回りに回転され)、初期位置(第1位置)に配置されると共に、初期位置(第1位置)に維持される。これにより、転動部材D3170を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
一方、転動部材D3170の本体部D3172上を球が転動する際には、その球の重量により、転動部材D3170全体としての重心位置が本体部D3172側(軸D3171を挟んで錘部D3174と反対側)に位置(偏心)される。これにより、転動部材D3170は、本体部D3172が下方(矢印D方向)へ変位(下降)され(正面視において、軸D3171を中心として反時計回りに回転され)、第2位置に配置される。
なお、転動部材D3170の第1位置(初期位置)は、本体部D3172の長手方向一端側(矢印L方向側)の下面(矢印D方向側の面)が、中間部材D140から突出されるストッパ部に当接されることで規定される。即ち、転動部材D3170は、本体部D3172がストッパ部に当接されることで、本体部D3172の下方への変位(軸D3171を中心とする正面視反時計回りの回転)が規制され、第1位置(初期位置)に配置される(図124(a)参照)。
一方、転動部材D3170の第2位置は、錘部D3174の下面(矢印D方向側の面)が、中間部材D140から突出されるストッパ部に当接されることで規定される。即ち、転動部材D3170は、錘部D3174がストッパ部に当接されることで、本体部D3172の上方への変位(軸D3171を中心とする正面視反時計回りの回転)が規制され、第2位置に配置される(図124(b)参照)。
転動部材D3170は、第1位置に配置された状態では、本体部D3172の上面(転動面)が、長手方向他端側から長手方向一端側へ向けて下降傾斜され、第2位置に配置された状態においても、本体部D3172の上面(転動面)が、長手方向他端側から長手方向一端側へ向けて下降傾斜される。よって、転動部材D3170(本体部D3172)上の球を開口D131d(第8通路DRt8)へ向けて確実に転動させることができる。
このように、転動部材D3170は、本体部D3172の上面(転動面)の下降傾斜を利用して、球を転動させるところ、転動部材D3170は、軸D3171を中心として回転可能に軸支され、本実施形態では、本体部D3172の上面の水平面に対する下降傾斜の角度は、球が転動されている状態(球の重量を受けている状態)における下降傾斜の角度が、球が非転動の状態(球の重量を受けていない無負荷状態)における下降傾斜の角度よりも大きくされる。
即ち、本実施形態では、第6通路DRt6へ流入(入球)した球は、本体部D3172の上面(転動面)であって、軸D3171の近傍となる位置に落下され、本体部D3172の上面を軸D3171から離間される方向(遠ざかる方向)へ向けて転動される。
これにより、球が転動部材D3170の本体部D3172の上面(転動面)を転動する初期段階では、球の重量が作用する位置(力点)と軸D3171(支点)との距離を短くし、錘部D3174の重量を支配的としておき、球が本体部D3172の上面を転動するに従って、軸D191からの距離(力点と支点との間の距離)を徐々に大きく(長く)し、錘部D174の重量に対抗させることができる。その結果、転動部材D3170を初期位置(第1位置)から第2位置へ徐々に変位(回転)させることができる。
即ち、球の転動が進行するに従って、変位部材D180を閉鎖位置から開放位置へ徐々に変位(回転)させ、その開放量(一対の変位部材D180の対向間隔)を徐々に増加させることができる。これにより、例えば、第2の球が第3通路DRt3を往復動する場合に、その第2の球が第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ流入(入球)する期待を徐々に高まらせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、第6通路DRt6へ入球された第1の球と、その第1の球に後行する第2の球(第6通路DRt6へ入球されていない他の球、後続の球)との間の間隔が比較的大きい場合でも、後行する第2の球を第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)させやすくできる。
一方で、転動部材D3170の上面(転動面)を球が転動する方向が、軸D171から遠ざかる(離間する)方向とされることで、少なくとも球が本体部D3172の終端(長手方向一端側、矢印L方向側の端部)に達した際には、転動部材D3170が第2位置に配置された状態とされる。
即ち、本体部D3172の上面(転動面)から中間部材D140の第6通路区画壁D146の転動部へ球が転動(流入)される直前の状態では、軸D191からの距離(力点と支点との間の距離)が最大とされ、球の重量が本体部D3172に最大に作用されていたところ、本体部D3172の上面から第6通路区画壁D146の転動部へ球が転動(流入)されると、球の重量の作用が瞬間的になくなり、錘部D3174の作用のみとなる。
そのため、転動部材D3170が第2位置から初期位置(第1位置)へ最大の速度で復帰させ、開放位置に配置されていた変位部材D180を即座に閉鎖位置に配置させることができる。よって、テンポの良い演出を行うことができる。また、第2の球の第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)への流入(入球)が、変位部材D180が開放位置へ向けて徐々に変位(回転)されている間に合うか否かを遊技者に着目させ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、本実施形態の転動部材D3170は、本体部D3172の上面(転動面)を転動する球が1球とされる場合には、その球が本体部D3172の長手方向一端側(矢印L方向側の端部)へ向けて転動されるに従って転動部材D3170が初期位置(第1位置)から第2位置へ向けて徐々に変位(回転)され、球が本体部D3172の長手方向一端側(矢印L方向側の端部)に達した際には(少なくとも球が中間部材D140の第6通路区画壁D146へ転動(流入)する前に)、転動部材D3170が第2位置に配置されるように構成される。
次いで、図125を参照して、第11実施形態について説明する。第8実施形態では、一対の変位部材D180から流出口DOPoutまでの経路(第6通路DRt6及び第8通路DRt8により形成される通路)中に転動部材D170のみが配設されたが、第11実施形態における一対の変位部材D180から流出口DOPoutまでの経路(第6通路DRt6及び第8通路DRt8により形成される通路)中には、転動部材D170及び第2転動部材D4220が配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図125(a)及び図125(b)は、第11実施形態における下側フレームD4086bの部分拡大背面図であり、軸D4221に直交する平面で区画壁D4134及び第2転動部材D4220を切断した状態が図示される。
なお、図125(a)では、第2転動部材D4220が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態が、図125(b)では、第2転動部材D4220が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図125に示すように、背面部材D4130は、その背面から立設される区画壁D4134を備える。
区画壁D4134は、本体部D131、迂回部材D200及び第2転動部材D4220と共に第8通路DRt8を区画する。即ち、本体部D131に迂回部材D200が対向配置され、その対向間であって区画壁D4134と第2転動部材D4220により区画された領域が第8通路DRt8とされる。
第2転動部材D4220は、軸D4221と、その軸D4221が長手方向一端側(矢印L方向側)に配設される長尺板状の本体部D4222と、その本体部D4222の長手方向一端側(軸D4221が配設される側)に配設される錘部D4224と、その錘部D4224を挟んで本体部D4222の反対側に配設される伝達部D4223とを備え、背面部材D4130と迂回部材D200との間に軸D4221を中心として回転可能に配設される。
なお、第2転動部材D4220の各部D4221~D4224は、第8実施形態における転動部材D170の各部D171~D174に対し、機能は実質的に同一であり、配置のみが相違する。また、背面部材D4130の区画壁D4134は、第8実施形態における区画壁D134に対し、球の転動面を形成する壁部の一部が省略される(第2転動部材D4220の本体部D4222に置き換えられる)点で相違し、その他の構成は同一である。
軸D4221は、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢で配設され、背面部材D4130と迂回部材D200とに形成される軸支部(図示せず)に軸支される。よって、軸D4221を中心に第2転動部材D4220が変位(回転)されることで、本体部D4222は、上下方向(矢印U-D方向)に変位(昇降)される。
本体部D4222は、その上面が第8通路DRt8における球の転動面を形成する部位であり、長手方向一端側(軸D4221が配設される側、矢印L方向側)を、開口D131eへ球を転動させる区画壁D4134の転動部(上面が転動面となる部位)に並設させると共に、長手方向他端側(軸D4221が配設される側と反対側、矢印R方向側)を、開口D131dの下流側(開口D131dから流下する球を受け入れ(受け取り)可能な位置)に配設される。
本体部D4222は、初期位置(第1位置)から第2位置までのいずれの状態(姿勢)にあっても、その長手方向一端側(軸D4221が配設される側、矢印L方向側)の上面が、開口D131eへ球を転動させる区画壁D4134の転動部(上面が転動面となる部位)の上面と略同一の高さ位置または若干上方側(矢印U方向側)となる高さ位置に配置される。
軸D4221は、本体部D4222の内部に埋設され、本体部D4222の上面(転動面)は、軸D4221を越える位置まで形成される。即ち、本体部D4222の上面を転動する球は、軸D4221の上方側(矢印U方向側)を通過した後、開口D131eへ球を転動させる区画壁D4134の転動部へ転動(流入)される。
錘部D4224は、第2転動部材D4220の重心位置を偏心させるための部位であり、本体部D4222の長手方向一端側(軸D4221が配設される側)から本体部D4222の延設方向と反対側(矢印L方向側)へ向けて延設されると共に、内部に金属製(本実施形態では真鍮製)の錘が埋設される。
伝達部D4223は、第2転動部材D4220の変位(回転)を伝達部材D190へ伝達するための部位であり、錘部D4224の延設方向端部(矢印R方向側の端部)から伝達部材D190(錘部D195)へ向けて延設される。伝達部D4223の延設先端側(矢印U方向側)は、伝達部材D190の錘部D195の下方側(矢印D方向側)に配設(上面視において重なる位置に配設)される。
よって、第2転動部材D4220がその上面を転動する球の重量によって軸D4221を中心に変位(回転)され、伝達部D4223が上方(矢印U方向)へ変位(上昇)されると、伝達部D4223によって伝達部材D190の錘部D195が上方へ変位され(押し上げられ)、これにより、伝達部材D190が軸D191を中心として変位(回転)される。その結果、変位部材D180が閉鎖位置から開放位置へ変位される。
第2転動部材D4220(本体部D4222)に球の重量が作用されていない無負荷状態(本体部D4222上を球が転動していない状態)では、第2転動部材D4220全体としての重心位置が、軸D4221よりも錘部D4224(及び伝達部D4223)側に位置(偏心)される。その結果、第2転動部材D4220は、錘部D4224(及び伝達部D4223)の重さ(重心位置の軸D4221からの偏心)を利用して、無負荷状態では、初期位置(第1位置)に配置された姿勢の維持が可能とされると共に、初期位置から変位(回転)された後は、自重による初期位置(第1位置)への復帰が可能とされる(図125(a)参照)。
即ち、第2転動部材D4220は、無負荷状態(本体部D4222上に球の重量が作用されない状態)では、本体部D4222が上方(矢印U方向)へ変位(上昇)され(正面視において、軸D4221を中心として反時計回りに回転され)、初期位置(第1位置)に配置されると共に、初期位置(第1位置)に維持される。これにより、第2転動部材D4220を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
一方、第2転動部材D4220の本体部D4222上を球が転動する際には、その球の重量により、第2転動部材D4220全体としての重心位置が本体部D4222側(軸D4221を挟んで錘部D4224と反対側)に位置(偏心)される。これにより、第2転動部材D4220は、本体部D4222が下方(矢印D方向)へ変位(下降)され(正面視において、軸D4221を中心として時計回りに回転され)、第2位置に配置される。
なお、第2転動部材D4220の第1位置(初期位置)は、本体部D4222の長手方向一端側(矢印L方向側)の端面(矢印L方向側の面)が、第2転動部材D4220の第2位置は、本体部D4222の長手方向他端側(矢印R方向側)の下面(矢印D方向側の面)が、それぞれ区画壁D4134に当接されることで規定される。
第2転動部材D4220は、第1位置に配置された状態では、本体部D4222の上面(転動面)が、長手方向他端側から長手方向一端側へ向けて下降傾斜され、第2位置に配置された状態においても、本体部D4222の上面(転動面)が、長手方向他端側から長手方向一端側へ向けて下降傾斜される。よって、第2転動部材D4220(本体部D4222)上の球を開口D131eへ向けて確実に転動させることができる。
このように、本実施形態によれば、第6通路DRt6に転動部材D170が配設されると共に、その第6通路DRt6の下流となる第8通路DRt8に第2転動部材D4220が配設される。よって、第8実施形態と比較して、経路(通路、即ち、一対の変位部材D180から流出口DOPoutまでの区間)の長さが同一であっても、第2転動部材D4220が配設される分、球の重量を利用できる区間を確保(長く)できる。その結果、変位部材D180が開放位置へ変位された状態(変位部材D180が少なくとも閉鎖位置よりも開放され、球が入球されやすくされた状態)を維持(長く)しやすくできる。
ここで、1の部材(転動部材D170(本体部D172))の長手方向寸法(上面(転動面)の長さ)を延長して、球の重量を利用できる区間を確保(長く)する構成では、下側フレームD86bの限られたスペース(幅方向(矢印L-R方向)寸法)に、長手方向寸法を延長した転動部材D170を配設することが困難となる。一対の変位部材D180の配設位置を下側フレームD86bの幅方向一側(矢印L方向側)に偏らせれば、その分、転動部材D170(本体部D172)の長手方向寸法(上面(転動面)の長さ)を延長することは可能であるが、その延長できる長さには限界がある。また、第3通路DRt3を球が往復動可能な形状とすることができず、遊技の興趣が低下する。
これに対し、本実施形態によれば、複数の部材(本実施形態では、転動部材D170及び第2転動部材D4220)を配設して、球の重量を利用できる区間を確保(長く)する構成であるので、下側フレームD4086bの限られたスペースを有効に活用して、球の重量を利用できる区間を十分に確保(長く)できる。また、第3通路DRt3を球が往復動可能な形状とでき、遊技の興趣を向上できる。
即ち、転動部材D170の背面側(矢印B方向側)に第2転動部材D4220を配設し、これらを前後方向(矢印F-B方向)に重ねる構成であるので、下側フレームD4086bのデッドスペースとなる前後方向の厚みを有効に活用して、転動部材D170及び第2転動部材D4220により、球の重量を利用できる区間を確保(長く)できる。
また、このように、球の重量を利用できる区間を確保(長く)しつつ、一対の変位部材D180を下側フレームD4086bの幅方向(矢印L-R)中央に配設できるので、第3通路DRt3を球が往復動可能な形状(幅方向中央へ向けて下降傾斜する形状)とでき、遊技の興趣を向上できる。
経路(通路、即ち、一対の変位部材D180から流出口DOPoutまでの区間)に1の部材(転動部材D170)のみが配設される構成では、その経路を1の球が通過する間に変位部材D180の所定の変位(球の重量により閉鎖位置から開放位置へ配置され、球の通過後に閉鎖位置へ復帰される変位態様)が1回形成されるのみであるが、複数の部材(転動部材D170及び第2転動部材D4220)が経路(通路)に配設される構成であれば、その経路を1の球が通過する間に変位部材D180の上述した所定の変位を複数回(本実施形態では2回)形成できる。変位部材D180の開放と閉鎖を繰り返されることで、第6通路DRt6への球の流入(入球)を期待する遊技者に、変位部材D180の変位状態と第3通路DRt3上の他の球との関係を着目させ、遊技の興趣を向上できる。
また、経路(通路、即ち、一対の変位部材D180から流出口DOPoutまでの区間)に1の部材(転動部材D170)のみが配設される構成では、その経路を複数(2以上)の球が通過しても、変位部材D180の変位態様は1通り(即ち、球の重量により閉鎖位置から開放位置へ配置され、球の通過後に閉鎖位置へ復帰される変位態様)のみであるが、複数の部材(転動部材D170及び第2転動部材D4220)が経路(通路)に配設される構成であれば、その経路を複数の球が通過する間に形成できる変位部材D180の変位態様を複数通りとできる。即ち、転動部材D170又は第2転動部材D4220の一方と他方とに球の重量が作用するタイミング(球が転動するタイミング)の組み合わせにより、変位部材D180の変位態様を多様とできる。その結果、意外性のある演出を行うことができる。
転動部材D170の伝達部D173は、伝達部材D190における被伝達部D193の上方側(矢印U方向側)に位置し、本体部D172に球の重量が作用した場合には、被伝達部D193を下方へ変位させる(押し下げる)。第2転動部材D4220の伝達部D4223は、伝達部材D190における錘部D195の下方側(矢印D方向側)に位置し、本体部D4222に球の重量が作用した場合には、錘部D195を上方へ変位させる(押し上げる)。
即ち、転動部材D170及び第2転動部材D4220が球の重量の作用により動作して、伝達部材D190を変位(回転)させる場合、伝達部材D190の変位(回転)方向が同方向とされ、転動部材D170及び第2転動部材D4220の動作が対抗されない。同様に、転動部材D170又は第2転動部材D4220の一方が初期位置へ復帰する動作(球の重量が作用されず錘部D174,D4224の重量で変位(回転))する場合、転動部材D170又は第2転動部材D4220の他方の動作の状態に関わらず、一方の動作と他方の動作は対抗されない(一方の動作と他方の動作との両方が許容される)。
このように、転動部材D170及び第2転動部材D4220の球の重量が作用された場合の変位(回転)をそれぞれ個別に独立して伝達部材D190へ伝達でき、且つ、転動部材D170及び第2転動部材D4220の球の重量の作用が解除された場合の変位(回転)をそれぞれ個別に独立して行わせることができる。
よって、経路(通路、即ち、一対の変位部材D180から流出口DOPoutまでの区間)を複数の球が通過する場合には、それら球の転動する位置に応じて、転動部材D170又は第2転動部材D4220の一方または他方の動作のみに起因して伝達部材D190を変位(回転)させることも、転動部材D170又は第2転動部材D4220の一方および他方の両者の動作に起因して伝達部材D190を変位(回転)させることもでき、これらの組み合わせにより、変位部材D180が変位する態様を多様化できる。
例えば、変位部材D180が閉鎖位置へ向けて変位(回転)されている途中に、転動部材D170又は第2転動部材D4220の一方に球の重量が作用されれば、その一方の動作により変位部材D180を、閉鎖位置へ向けた変位の途中で、開放位置へ向けて変位させることができる。
また、例えば、転動部材D170又は第2転動部材D4220の一方に球の重量が作用され、その一方の動作により変位部材D180が開放位置へ向けて変位(回転)されている途中に、転動部材D170又は第2転動部材D4220の他方に球の重量が作用され、その他方の方が球の重量の作用が大きい(変位部材D180を変位させる力が強い)場合には、他方の動作により、変位部材D180を、より速い変位速度で、開放位置へ変位させることができる。
また、本実施形態によれば、転動部材D170の変位(回転)を変位部材D180へ伝達するための部材(伝達手段)と、第2転動部材D4220の変位(回転)を変位部材D180へ伝達するための部材(伝達手段)とを別々に設ける必要がなく、かかる部材(伝達手段)として、伝達部材D190を共用できる。よって、部品点数を低減して、構造の簡素化を図ることができる。その結果、動作の信頼性の向上と製品コストの低減とを達成できる。
次いで、図126を参照して、第12実施形態について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図126は、第12実施形態における下側フレームD5086bの部分拡大背面図であり、迂回部材D200が取り外された状態が図示される。なお、図126(a)では、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態が図示される。
図126に示すように、本体部D5194には、溝D5194L,D194Rが形成され、これら溝D5194L,D194Rには、軸支部材D210の連結ピンD213がそれぞれ摺動可能に挿通される。
なお、伝達部材D5190は、第8実施形態における伝達部材D190に対し、溝D194Lの形状のみが相違し、その他の構成は同一である。
溝D5194Lは、軸D191方向(矢印F-B方向)視において、軸D191側に中心を有する円弧状に湾曲する形状に延設され、溝の幅寸法が連結ピンD213の直径よりも大きな寸法に設定される。溝の幅寸法は、溝D5194Lの延設方向に沿って一定とされる。
詳細には、溝D5194Lの延設方向に沿う内壁面は、軸D191から遠い側の内壁面と軸D191に近い側の内壁面との両者が、軸D191を中心とする円弧に沿った形状(軸D191を中心とする円形状を所定の中心角で分断した形状)とされる。
よって、連結ピンD213は、溝D5194Lの延設方向に沿う内壁面の両者から作用を受けず(当接されず)、溝D5194Lの下方側または上方側の延設端部(矢印D方向側または矢印U方向側の端部)からのみ作用を受ける(下方側または上方側の延設端部における内壁面によって上方または下方へ変位される(押し下げ又は押し下げられる)。
これにより、本実施形態によれば、変位部材D180を閉鎖位置から開放位置へ変位させる場合だけでなく、開放位置から閉鎖位置へ変位させる場合においても、一対の変位部材D180の動作態様(変位態様)を互いに異ならせることができる(一対の変位部材D180のうちの一方を停止させつつ他方のみを変位(回転)させる状態を形成できる)。
具体的には、変位部材D180が開放位置に配置された状態では、連結ピンD213と溝D5194Lの下方側の延設端部(矢印D方向側における端部、内壁面)との間に所定の間隔が形成される(図121参照)。
転動部材D170の第2位置から初期位置(第1位置)への変位(回転)が開始され、これに伴い、伝達部材D5190の初期位置への変位(回転)が開始されると、溝D194Rに挿通されている連結ピンD213は、溝D194Rの延設方向に沿う内壁面によって上方へ変位され(押し上げられ)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの一方)の開放位置からの変位(回転)が開始される。
一方、溝D5194Lに挿通されている連結ピンD213は、溝D5194Lの下方側の延設端部(矢印D方向側の延設端部、内壁面)に達するまでの間は、上方へ変位されず(押し上げられず)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの他方)が開放位置に維持される。
転動部材の第2位置からの変位(回転)に伴って、伝達部材D5190が更に変位(回転)されると、溝D194Rに挿通されている連結ピンD213は、溝D194Rの延設方向に沿う内壁面によって引き続き上方へ変位され(押し上げられ)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの一方)の開放位置から閉鎖位置への変位(回転)が継続される。
一方、溝D5194Lに挿通されている連結ピンD213は、溝D5194Lの下方側の延設端部(矢印D方向側の端部、内壁面)に達すると、その下方側の延設端部(内壁面)により上方へ変位され(押し上げられ)、これにより、対応する変位部材D180(一対の変位部材D180のうちの他方)の開放位置からの変位が開始される。
その後は、いずれの連結ピンD213も上方へ変位され(押し上げられ)、一対の変位部材D180が閉鎖位置へ向けて変位(回転)され、伝達部材D190が初期位置に達すると、一対の変位部材D180が閉鎖位置に配置される(図119参照)。
このように、本実施形態では、一対の変位部材D180が閉鎖位置から開放位置へ向けて変位(回転)を開始するタイミングだけでなく、開放位置から閉鎖位置へ向けて変位(回転)を開始するタイミングも異ならせる(一方に対し他方を遅らせる)ことができる。これにより、変位部材D180が開放された状態(即ち、第6通路DRt6への球の流入(入球)がされやすい状態)を期待する遊技者に対し、閉鎖位置へ変位される態様に変化を持たせ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図127から図130を参照して、第13実施形態における下側フレームD6086bについて説明する。
第8実施形態では、第6通路DRt6に流入(入球)された球は全て第8通路DRt8(流出口DOPout)へ案内される場合を説明したが、第13実施形態の第6通路DRt6には、その途中に第9通路DRt9が接続され、第6通路DRt6に流入(入球)された球が、第8通路DRt8(流出口DOPout)又は第9通路DRt9(流出口DOP6out)のいずれか一方へ案内される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図127は、第13実施形態における下側フレームD6086bの分解正面斜視図であり、図128は、下側フレームD6086bの分解背面斜視図である。図129は、下側フレームD6086bの正面図であり、図130(a)及び図130(b)は、下側フレームD6086bの部分拡大断面図である。
なお、図130(a)は、図115のCXIXa-CXIXa線における断面に対応し、図130(b)は、図119のCXXIIc-CXXIIc線における断面に対応する。
図127から図130に示すように、第13実施形態における下側フレームD6086bは、第6通路DRt6の途中に接続される第9通路DRt9と、その第9通路DRt9に案内された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口DOP6outとが形成される。
即ち、第6通路DRt6に流入(入球)され、その第6通路DRt6の終端に達した球は、第8通路DRt8へ流入(入球)され、第8通路DRt8を流下した後、流出口DOPoutから遊技領域へ流出される一方、第6通路DRt6に流入(入球)され、その第6通路DRt6の途中で第9通路DRt8へ流入(入球)された球は、第9通路DRt9を流下した後、流出口DOP6outから遊技領域へ流出される。
ここで、第8通路DRt8の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口DOPoutは、第1入賞口64(図110参照)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第6通路DRt6から第8通路DRt8へ流下された球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
一方、第9通路DRt9の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口DOP6outは、第1入賞口64(図110参照)に対して水平方向一側へ位置を異ならせて配設される(鉛直方向下方に第1入賞口64が重ならない位置に形成(配置)される)。そのため、第6通路DRt6から第9通路DRt9へ流下された球は、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した第8通路DRt8へ流下された球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
このように、本実施形態における下側フレームD6086bは、第3通路DRt3をその長手方向に沿って往復動する球が第6通路DRt6に振り分けられた場合、その第6通路DRt6を流下する球は、途中で第9通路DRt9へ流下されず、第6通路DRt6の終端に達することで、第1入賞口64に入賞しやすくする(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させる)ことができる。よって、第6通路DRt6を球が流下する際には、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、途中で第9通路DRt9へ流下されず、第6通路DRt6の終端に達することを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、第6通路DRt6の終端まで球が流下されれば、球の重量(重さ)が転動部材D170に作用される時間を最大限確保して、一対の変位部材D180が開放位置へ変位(回転)された(第6通路DRt6へ球が入球されやすくされた)状態を維持しやすくできる。一方、第6通路DRt6を流下する球が、途中で第9通路DRt9へ流下されると、球の重量(重さ)を転動部材D170へ作用させることができなくなり、一対の変位部材D180が閉鎖位置へ変位(回転)される(第6通路DRt6へ球が入球され難くなる)。よって、第6通路DRt6を球が流下する際には、一対の変位部材D180が開放位置へ変位(回転)された状態を維持して、第3通路DRt3から第6通路DRt6へ球が振り分けられやすくするために、途中で第9通路DRt9へ流下されず、第6通路DRt6の終端に達することを遊技者に期待させることができ、この点からも遊技の興趣を高めることができる。
正面部材D6110は、正面部D111に開口形成される開口DOP6outと、正面部D111の背面から立設される板状の底面部D6112を備え、中間部材D6140は、本体部D141の正面から立設される底面部D144と、本体部D141に開口形成される開口D6148と、を備える。
底面部D6112は、正面部D111の長手方向全域にわたって連続して形成され、底面部D6144は、開口D141fを除く領域において、本体部D141の縁部に沿って連続して形成され、底面部D6112の立設先端(矢印B方向側)と底面部D6144の立設先端(矢印F方向側)とが全域にわたって当接される。これにより、下側フレームD6086bの底面側からの針金等の異物の侵入が抑制される。
底面部D6112,D6144の一部(中間部材D6140における開口D6148の下方に位置する部分)は、第9通路DRt9の転動面を形成する。かかる転動面を形成する部分は、第1介設部材D150の底面との間に所定間隔(球の直径よりも大きな間隔)を隔てて形成される。
また、底面部D6112,D6144における上述した転動面を形成する部分は、その長手方向(矢印L-R方向)の略中央へ向けて下降傾斜して形成され、その鉛直方向における高さ位置が最も低い部分(長手方向の略中央となる部分)には、流出面D6112a,D6144aがそれぞれ凹設される。
流出面D6112a,D6144aは、底面部D6112,D6144(転動面を形成する部分)を案内される球を、流出口DOP6outへ流出させるための部位であり、流出口DOP6outへ向けて下降傾斜する凹面として一体に形成される。即ち、開口DOP6outは、流出面D6112a,D6144aに対応する位置(球が流出可能な位置)に開口形成される。
中間部材D6140の開口D6148は、転動部材D170(第6通路DRt6)を転動する球を第9通路DRt9へ受け入れる開口(孔)として、本体部D141を板厚方向(矢印F-B方向)に貫通して形成される。即ち、開口6148は、第6通路DRt6を区画する一対の側壁のうちの一方の側壁に開口形成され、開口6148を介して、第6通路DRt6の途中に第9通路DRt9の上流端が接続される。
開口D6148の転動部材D170の長手方向における寸法は、複数の球(本実施形態では3球)が同時に通過可能な大きさに設定される。また、開口D6148の下縁は、球の重量(重さ)により第2位置(最下方へ押し下げられた位置)に配置された転動部材D170の上面よりも下方(矢印U方向側)となる位置に形成され(図130(a)参照)、開口D6148の上縁は、球の重量(重さ)が作用されず初期位置(第1位置、最上方に復帰した位置)に配置された転動部材D170の上面との間に球の直径よりも大きな間隔を隔てる位置に形成される。よって、転動部材D170の変位(回転)位置に関わらず、球が開口D6148を通過可能とされる。
開口D6148の第6通路DRt6における上流側(矢印R方向側、図130(a)右側)に位置する側縁(以下「上流側側縁」と称す)は、正面視において、転動部材D170の第6通路DRt6における上流側(矢印R方向側、図130(a)右側)の縁部よりも下流側(矢印L方向側、図130(a)左側)に配設される。
本実施形態では、開口D6148の上流側側縁は、一対の変位部材D180の基部における対向空間と鉛直方向において重ならない位置(下流側となる位置)に配設される。即ち、一対の変位部材D180のうちの第6通路DRt6における下流側(矢印L方向側、図130(a)左側)に位置する変位部材D180の基部(上流側に位置する変位部材D180と対向する対向面)よりも所定距離(本実施形態では球の直径と略同等)だけ第6通路DRt6における下流側に位置する。
これにより、一対の変位部材D180の対向間に流入(入球)し、第6通路DRt6に落下した球が即座に開口D6148を介して第9通路DRt9へ流入(入球)されることを回避し、転動部材D170を球が転動する形態を形成できる。よって、球の重量(重さ)を転動部材D170に作用させ、一対の変位部材D180を開放位置へ変位(回転)させることができると共に、第6通路DRt6の終端まで球が達するか否かを遊技者に着目させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、本体部D141には、開口D6148の上流側側縁に対して、第6通路DRt6における上流側(矢印R方向側、図130(b)右側)となる位置に突部D141gが突設される。よって、一対の変位部材D180の対向間に流入(入球)し、第6通路DRt6に落下した球が転動部材D170をその長手方向に沿って転動する際には、突部D141gの作用(当接)により球の転動を遅延させ(速度を低下させ)、転動部材D170を転動する球を遊技者に把握させやすくできると共に、突部D141gの作用(当接)により球を開口D6148と反対側(本体部D131側)へ移動させ、第6通路DRt6の終端まで球が達することを遊技者に期待させることができる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
開口D6148の第6通路DRt6における下流側(矢印L方向側、図130(a)左側)に位置する側縁(以下「下流側側縁」と称す)は、正面視において、転動部材D170の第6通路DRt6における下流側(矢印L方向側、図130(a)左側)の縁部(軸D171)よりも上流側(矢印R方向側、図130(a)右側)に配設される。
本実施形態では、開口D6148の下流側側縁は、開口D131dと正面視において重ならない位置(上流側となる位置)に配設される。即ち、開口D131dの第6通路DRt6における上流側(矢印R方向側、図130(a)右側)の側縁よりも所定距離(本実施形態では球の直径と略同等)だけ第6通路DRt6における上流側に位置する。
これにより、第6通路DRt6の終端に球が達したにも関わらず、その球が開口D6148を介して第9通路DRt9へ流入(入球)されることを回避できる。よって、開口D6148の下流側側縁を球が通過すれば、第8通路DRt8へ球を確実に流入(入球)させられるとの安心感を遊技者に感じさせるとができる。これにより、球の行方を遊技者に注視させ、遊技の興趣を高めることができる。
但し、開口D6148の下流側側縁を、開口D131dと正面視において重なる位置(開口D131dの下流側側縁と重なる位置または下流側となる位置)に配設しても良い。この場合には、第6通路DRt6の終端に球が達した後も、かかる球の流入(入球)先が第8通路DRt8又は第9通路DRt9のいずれとなるのかを未確定とできる。これにより、球の行方を遊技者に注視させ、遊技の興趣を高めることができる。
また、上述したように、突部D131f,D141gは千鳥状に配置され、開口D6148の上流側側縁よりも第6通路DRt6における上流側には、突部D131fが本体部D131から突設される。よって、第6通路DRt6に落下した球が転動部材D170を転動する際には、突部D131fの作用(当接)により球を開口D6148側(本体部D141側)へ移動(転動方向を変化)させることができる。即ち、突部D131fの作用を受けた球が、開口6148の上流側側縁よりも第6通路DRt6における上流側(矢印R方向側、図130(a)及び図130(b)右側)に位置する本体部D141に衝突(当接)し、開口D6148から離間する側へ球を跳ね返されるのか、或いは、開口D6148を介して、第9通路DRt9へ流入(入球)されるのかを遊技者に注視させ、遊技の興趣を高めることができる。
更に、開口D6148の上流側側縁および下流側側縁の間には、正面視において重なる位置に、本体部D131の複数の突部D131fが配設される(図130(a)参照)。これにより、転動部材D170を転動する球に突部D131fを作用(当接)させ、球の転動方向に変化(開口D6148側へ向く転動方向の成分)を付与することができる。これにより、突部D131fとの当接により、開口D6148を介して、第9通路DRt9へ球が流入(入球)される可能性を形成して、遊技の興趣を高めることができる。
ここで、パチンコ機10は、鉛直方向に対して、1~2度程度、傾斜させた姿勢(所謂「寝かせ」が付与された姿勢、即ち、パチンコ機10の底面に対して上面を背面側(矢印B方向側)に位置させた姿勢)で設置される。この場合、本実施形態では、開口D6148は、第6通路DRt6を区画する壁部のうちの正面側(パチンコ機10の正面側、矢印F方向側)に位置する壁部(本体部D141)に開口形成される。
よって、転動部材D170をその長手方向に沿って球が転動する際には、パチンコ機10の「寝かせ」の分、本体部D131側を通過させやすくでき、その結果、球に突部D131fを作用させやすくできる。一方で、転動部材D170の転動面(上面)は、パチンコ機10の「寝かせ」の分、本体部D131側から開口D6148側へ向けて上昇傾斜されるため、突部D131fの作用を受けて開口D6148へ向けて移動された球を、転動面(上面)の下降傾斜によって、本体部D131側へ移動させることができる。
これにより、球に突部D131fが比較的強く作用(当接)された場合には、球が、開口D6148を介して、第9通路DRt9へ流入(入球)される一方、球に突部D131fが比較的弱く作用(当接)された場合には、開口D6148側へ向かった球を、転動面(上面)の下降傾斜によって、本体部D131側へ戻すことができる。よって、突部D131fの球への作用の態様(当接する際の球の速度や球の進入角度など)に応じて、球の転動態様に変化を付与でき、遊技の興趣を高めることができる。
また、このように、パチンコ機10の「寝かせ」を利用することで、下側フレームD6086bの各部材を互いに直交する関係で構成できる。即ち、本体部D131と本体部D141とを平行に配置し、それら本体部D131,D141に対して、転動部材D170の転動面(上面)を直交させる(即ち、軸D171を本体部D131,D141に直交した姿勢で軸支させる)構成とできる。よって、これら各部材の一部の部材のみを他の部材に対して傾斜させた姿勢としたり、傾斜した姿勢で軸D171を軸支させたりする必要がなく、その分、構造の簡素化をして、各部品の成型性や組み立て性の向上を図ることができる。その結果、製品コストの低減を図ることができる。
次いで、図131を参照して、第14実施形態について説明する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図131(a)から図131(c)は、第14実施形態における下側フレームD7086bの部分拡大背面図であり、転動部材D170が初期位置(第1位置)と第2位置との間で変位(回転)され、変位部材D180が閉鎖位置と開放位置との間で変位(回転)される際の遷移状態が図示される。
なお、図131(a)から図131(c)では、迂回部材D200が取り外された状態が図示される。また、図126(a)は、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態に(図119参照)、図131(c)は、転動部材D170が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態に(図121参照)、それぞれ対応する。図131(b)は、転動部材D170が初期位置(第1位置)から第2位置(又は第2位置から初期位置(第1位置))へ向けて変位(回転)され、変位部材D180が閉鎖位置から開放位置(又は開放位置から閉鎖位置)へ向けて変位(回転)される際の変位途中の状態(図120参照)に対応する。
図131(a)から図131(c)に示すように、第14実施形態における伝達部材D7190は、本体部D194の外縁に配設され、その本体部D194の外縁から軸D191の軸方向と直交する方向へ延設される表示部D7197を備える。詳細には、表示部D7197は、軸D191と反対側の端部となる本体部D194の長手方向端部から上方(矢印U方向)へ向けて延設される。
ここで、背面部材D130の側壁部D132の上縁(矢印U方向側の縁部)と、中間部材D140の側壁部D142の上縁(矢印U方向側の縁部)とは、上下方向(矢印U-D方向)における位置(高さ位置)が略同一とされる。
図131(a)に示すように、転動部材D170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態(図119参照)では、伝達部材D7190の変位(回転)に伴い、本体部D194の長手方向端部(軸D191と反対側の端部)が最も上方(矢印U方向側)に配置される。これにより、背面部材D130の側壁部D132の上縁(矢印U方向側の縁部)よりも上方に表示部D7197の延設先端側(一部)が突出(配置)され、その突出した部分が遊技者から視認可能とされる。
一方、図131(c)に示すように、転動部材D170が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態(図121参照)では、伝達部材D7190の変位(回転)に伴い、本体部D194の長手方向端部(軸D191と反対側の端部)が最も下方(矢印D方向側)に配置される。これにより、背面部材D130の側壁部D132の上縁(矢印U方向側の縁部)よりも下方に表示部D7197の全体が没入(配置)される(表示部D7197の全体が側壁部D132の背面側に配置される)。よって、表示部D7197を遊技者が直接視認することが不能とされる。なお、中間部材D140及び背面部材D130を通して表示部D7197を透視することは可能とされる。
このように、背面部材D130(側壁部D132)の上縁(矢印U方向側の縁部)から表示部D7197の延設先端側(一部)が突出する突出量(突出寸法)は、図131(a)に示すように、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態(図119参照)において最大とされる。図131(b)に示すように、転動部材D170に球の重量が作用され、変位部材D180が閉鎖位置から開放位置へ向けて変位されるに従って、上述した突出量(遊技者から視認可能な部分の大きさ)が徐々に減少され、変位部材D180が開放に配置された状態(図121参照)において最小(非突出とされ遊技者から視認不能)とされる。
よって、遊技者は、背面部材D130(側壁部D132)の上縁(矢印U方向側の縁部)よりも上方に表示部D7197の延設先端側(一部)が突出しているか否かを視認することで、変位部材D180の変位状態(開放位置または閉鎖位置のいずれにあるか)を把握することができる。更に、その突出量(突出寸法)を視認することで、変位部材D180の変位状態(開放位置から閉鎖位置までの間のいずれの位置にあるか)を把握することができる。
次いで、図132から図134を参照して、第15実施形態における下側フレームD8086bについて説明する。
第13実施形態では、転動部材D170の変位(回転)位置に関わらず、転動部材D170側への突部D131fの突設量(突設寸法)が一定とされる場合を説明したが、第15実施形態の突部D131fは、転動部材D170の変位(回転)位置に応じて、転動部材D8170側への突設量(突設寸法)が変化(増減)される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
ここで、第15実施形態における下側フレームD8086bは、突部D131fが第2突部D131faを備える点、及び、転動部材D8170の錘部D8174の重量が異なる点を除き、他の構成(例えば、形状や配設数)は第13実施形態のD6086bの構成とされる。よって、第2突部D131fa及び転動部材D6087を除く他の構成についての説明は省略する。
図132(a)及び図132(b)は、第15実施形態における下側フレームD8086bの部分拡大断面図であり、図115のCXIXa-CXIXa線における断面に対応する。なお、図132(a)では、転動部材D8170が初期位置(第1位置)に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態(図119参照)が、図132(b)では、転動部材D8170が第2位置に配置され、変位部材D180が開放位置に配置された状態(図121参照)が、それぞれ図示される。
図133(a)は、図132(a)のCXXXIIIa-CXXXIIIa線における下側フレームD8086bの部分拡大断面図であり、図133(b)は、図132(b)のCXXXIIIb-CXXXIIIb線における下側フレームD8086bの部分拡大断面図である。図134は、下側フレームD8086bの部分拡大断面図であり、図119のCXXIIc-CXXIIc線における断面に対応する。
図132から図134に示すように、背面部材D8130に配設される複数(本実施形態では5本)の突部D131fには、所定(本実施形態では2本)の突部D131fから転動部材D8170へ向けて第2突部D131faが突設される。なお、本実施形態では、第2突部D131faが突設される(所定の)突部D131fは、正面視において中間部材D140の開口D6148と重なる3本の突部D131fのうちの下流側(矢印L方向側)に位置する2本の突部D131fとされる。
転動部材D8170の本体部D172には、背面部材D8130と対向する側の側面(縁部)に、上面視において突部D131fの突設方向(突部D131fを受け入れる方向)へ凹設される凹部が形成される(図134参照)。凹部は、転動部材D8170の本体部D172の長手方向に沿って所定間隔(本実施形態では略等間隔)を隔てつつ複数箇所(本実施形態では4箇所)に配設される。即ち、凹部は、突部D131fに対向する位置にそれぞれ形成(凹設)される。
なお、本実施形態では、凹部の上面視形状は、円弧状に湾曲した形状とされる。但し、矩形形状であっても良い。即ち、転動部材D8170が変位(回転)される際に、第2突部D131faと干渉しない大きさであれば、その形状は限定されない。
第2突部D131faは、突部D131fの正面(矢印F方向側の面)から上述した転動部材D8170(本体部D172)の凹部へ向けて突設され、その第2突部D131faの突設先端側(一部)が、上面視において(図134参照)、上述した転動部材D8170(本体部D172)の凹部に受け入れられる(凹部の内部空間に位置される)。即ち、上面視において、転動部材D8170(本体部D172)の上面(転動面)の一部が第2突部D131faにより形成される。
なお、第2突部D131faの突設先端は、断面円弧状に湾曲して形成される。但し、第2突部D131faの断面形状を略矩形状としても良い。また、第2突部D131faの突設方向は、突部D131fの突設方向と同方向とされる。但し、第2突部D131faの突設方向を、突部D131fの突設方向と異なる方向(傾斜する方向)としても良い。
第2突部D131faの高さ位置(矢印U-D方向位置)は、転動部材D8170が初期位置(第1位置)に配置された状態では、第2突部D131faの上面(矢印U方向側の面)が、転動部材D8170の本体部D172の上面(球の転動面)と略同一または若干低い位置となり(図133(a)参照)、転動部材D8170が第2位置に配置された状態では、第2突部D131faの上面(矢印U方向側の面)が、転動部材D8170の本体部D172の上面(球の転動面)よりも高い位置となる(図133(b)参照)ように設定される。
即ち、転動部材D8170が初期位置(第1位置)に配置された状態では、第2突部D131faの側面(第6通路DRt6の上流側を向く面、図132(a)及び図132(b)右側の面)が本体部D172の上面(球の転動面)よりも低い位置(矢印D方向側)に配置され、第6通路DRt6を通過する(本体部D172の上面を転動する)球に第2突部D131faの側面を当接させない(作用させない)ようにできる。
一方、転動部材D8170が初期位置(第1位置)から第2位置へ向けて所定量だけ変位(回転)された状態では、第2突部D131faの側面(第6通路DRt6の上流側を向く面、図132(a)及び図132(b)右側の面)の少なくとも一部が本体部D172の上面(球の転動面)よりも高い位置(矢印U方向側)に配置され、第6通路DRt6を通過する(本体部D172の上面を転動する)球に第2突部D131faの側面を当接させる(作用させる)ことができる。
なお、転動部材D8170が第2位置に配置された状態では、本体部D172の上面(球の転動面)よりも高い位置(矢印U方向側)に配置される第2突部D131faの側面の面積が最大とされる。よって、この場合には、転動面をバウンドしながら球が転動(第6通路DRt6を移動)する場合であっても、かかる球に第2突部D131faの側面を当接(作用)させやすくできる。
第2突部D131faは、転動部材D8170(本体部D172)を挟んで、開口D6148と反対側に形成される。即ち、第2突部D131faは、開口D6148へ向けて突設される。本体部D172の上面(転動面)を転動する球が、第2突部D131faから作用を受けると(第2突部D131faに当接されると)、その作用(当接)の反動で開口D6148(第9通路DRt9)へ転動され、かかる開口D6148(第9通路DRt9)へ流入(入球)され易くなる。即ち、球が第6通路DRt6の終端に到達し難くなる。
転動部材D8170(本体部D172)に球の重量が作用されていない無負荷状態(本体部D172上を球が転動していない状態)では、上述したように、転動部材D8170全体としての重心位置が、軸D171よりも錘部D8174側に位置(偏心)され、転動部材D8170が初期位置(第1位置)に維持(又は復帰)される。一方、転動部材D8170の本体部D172上を球が転動し、その球を含む転動部材D8170全体としての重心位置が本体部D172側(軸D171を挟んで錘部D8174と反対側)に位置(偏心)される状態では、本体部D172が下方(矢印D方向)へ変位(下降)される(第2位置に配置される)。
この場合、本実施形態では、本体部D172の位置DP(図132参照)に1球の球が位置する状態(1球の球の重量が位置DPに作用する状態)において、その球を含む転動部材D8170全体としての重心位置が軸D171上に位置するように、錘部D8174の重量が設定される。
即ち、球が非転動とされる静的な状態を仮定すると、本体部D172の位置DPよりも上流側(軸D171と反対側)に1球の球が位置する(1球の球の重量が位置DPに作用する)状態では、転動部材D8170は第2位置へ向かう方向へ変位(回転)され、本体部D172の位置DP上に1球の球が位置する(球の重量が作用する)状態では、転動部材D8170は軸D171を中心として釣り合い(即ち、転動部材D8170を変位(回転)させる力が非形成とされ)、本体部D172の位置DPよりも下流側(軸D171側)に1球の球が位置する(1球の球の重量が位置DPに作用する)状態では、転動部材D8170は第1位置へ向かう方向へ変位(回転)される。
このように構成される転動部材D8170によれば、第3通路DRt3から1球の球が初期位置(第1位置)にある転動部材D8170(本体部D172)の上面(転動面)に流下されると、その球の重量(及び落下の勢い)により、本体部D172が下方(矢印D方向)へ変位され、転動部材D8170が第2位置に配置される。
かかる球が本体部D172の上面を下流側(位置DP)へ向かって転動されると、球を含む転動部材D8170全体としての重心位置が軸D171へ徐々に近接されることで、本体部D172が上方(矢印U方向)へ徐々に変位(回転)され、転動部材D8170が第2位置から第1位置へ向けて変位(回転)される。
本体部D172の上面を転動する球が位置DPに達すると、それまでの転動部材D8170の変位(回転)に伴う慣性力の影響により、転動部材D8170の第1位置へ向かう方向への変位(回転)が継続され、球が位置DPを越えると、球を含む転動部材D8170全体としての重心位置が錘部D8174側に偏心されることで、転動部材D8170の第1位置へ向かう方向への変位(回転)が加速される。
本実施形態では、本体部D172の上面を転動する球が、位置DPを越えた後、上流側(矢印R方向側)に位置する第2突部D131faに達する前に、転動部材D8170が第2位置に配置される。即ち、1球の球のみが第6通路DRt6に流下(入球)された場合には、本体部D172の上面を転動する球に第2突部D131faは作用(当接)されない。
但し、球の第3通路DRt3からの流下位置や流下方向、流下途中での変位部材D180との衝突などの要素に起因して、下流側へ向かる球の速度(転動速度)が平均的な速度よりも速い場合には、転動部材D8170が第2位置に配置される前に、本体部D172の上面を転動する球が上流側(又は下流側)の第2突部D131faに到達して、球が第2突部D131faから作用を受けることもある。即ち、1球のみの球が転動する場合であっても、第2突部D131faの作用を球に付与できる場合を形成でき、上述した要素の影響を遊技者に着目させ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、本実施形態では、上流側(矢印R方向側)に位置する第2突部D131faと位置DPとの間の距離は、球の直径の略2倍に設定される。但し、かかる距離は、任意に設定可能である。1球の球のみが転動される場合には、上述した距離を短くすることで、第2突部D131faの作用を球に付与しやすくできる一方、上述した距離を長くすることで、第2突部D131faの作用を球に付与し難くできる。
ここで、本実施形態では、本体部D172上に2球の球が位置する状態(2球の球の重量が作用する状態)では、それら2球の球のそれぞれの位置に関わらず(例えば、2球とも位置DPよりも下流側(軸D171と位置DPとの間)に位置していたとしても)、それらの球を含む転動部材D8170全体としての重心位置が軸D171よりも本体部D172側に偏心するように、錘部D8174の重量が設定される。
よって、例えば、1球の球のみが本体部D172上を転動し、その球の転動位置が位置DPを越えたことで、転動部材D8170が初期位置(第1位置)に配置された状態(即ち、球に第2突部D131faが作用(当接)されず、第6通路DRt6の終端への球の到達が期待される状態)であっても、他の球が第3通路DRt3から第6通路DRt6へ流入(入球)される(転動部材D8170(本体部D172)の上面に2球の球が位置する状態とされる)と、転動部材D8170が第2位置に配置され(又は、少なくとも第2位置へ向けて変位(回転)され)、球に第2突部D131faが作用(当接)可能な状態(第9通路DRt9へ球が流入(入球)され易い状態)を形成できる。
このように、本実施形態では、第6通路DRt6に流入(入球)した球(転動部材D8170(本体部D172)を転動する球)が1球のみであれば、球に第2突部D131faが作用(当接)し難くして、第6通路DRt6の終端に球を到達させ易くできる(第1入賞口64へ入賞させることができる)一方、第1の球が転動されている状態で、更に第2の球が第6通路DRt6へ流下(入球)されると、第1の球に第2突部D131faを作用(当接)させ、第6通路DRt6の終端に第1の球を到達させ難くすることができる。
即ち、第6通路DRt6の終端に達した球は、第8通路DRt8を介して、第1入賞口64(図110参照)に入賞されるため、遊技者は、転動部材D8170上に球が存在しない状態では、第3通路DRt3から第6通路DRt6への球の流入(入球)を期待する。一方で、第1の球が第6通路DRt6に流入(入球)した後は、その第1の球に第2突部D131faが作用(当接)しないように、逆に、次の球(第2の球)が第6通路DRt6に更に流入(入球)しないことを期待する。このように、常に第6通路DRt6への流入(入球)を期待させるのではなく、第6通路DRt6への球の入球数に応じて期待する状況を変化させて、遊技の興趣を向上できる。
特に、本実施形態では、上述したように、第1の球が位置DPへ近づくに従い、転動部材D8170が第2位置から第1位置へ向けて変位(回転)され、変位部材D180が開放位置から閉鎖位置へ徐々に変位(回転)される。第1の球が位置DPを越えると、転動部材D8170が第1位置に配置され、変位部材D180が閉鎖位置に配置される。
即ち、第1の球が第2突部D131faに近づくに従い、変位部材D180を徐々に閉鎖位置へ向けて変位(回転)させ、第2の球が第3通路DRt3から第6通路DRt6へ流入(入球)し難くできる。よって、第1の球が第6通路DRt6の終端に達することの遊技者の期待度を高めることができる。
次いで、図135から図147を参照して、第16実施形態におけるセンターフレームE86について説明する。
図135は、第16実施形態における遊技盤E13の正面図である。図135に示すように、センターフレームE86は、ベース板60の窓部60a(図7参照)に嵌合可能な形状で構成され、タッピングネジ等によりベース板60に締結固定される部材であり、上側フレームE86aと下側フレームE86bとを備える。
上側フレームE86aは、ベース板60の窓部60a(図7参照)における上側(図135上側)及び左右(図135左側及び右側)の内縁に沿って配設され、下側フレームE86bは、ベース板60の窓部60aにおける下側(図135下側)の内縁に沿って配設される。これら上側フレームE86a及び下側フレームE86bに取り囲まれた領域を介して第3図柄表示装置81が視認可能とされる。
なお、上側フレームE86aは、第1実施形態におけるセンターフレーム86の一部(ベース板60の窓部60a(図7参照)における下側(図135下側)の内縁に沿って配設される部分、即ち、下側フレームE86bが配設される部分)を省略した構成とされ、その省略された部分を除く他の部分は、第1実施形態におけるセンターフレーム86と同一の構成とされる。
次いで、図136から図137を参照して下側フレームE86bについて説明する。図136は、下側フレームE86bの正面斜視図であり、図137は、下側フレームE86bの背面斜視図である。なお、図136及び図137では、ベース板60の一部のみが部分的に図示されると共に、ベース板60に下側フレームE86bを締結固定するタッピングネジの図示が省略される。また、図138から図156についても同様である。
図136及び図137に示すように、下側フレームE86bには、球を受け入れ可能な開口として形成される一対の受入口EOPinと、その一対の受入口EOPinに連通される一対の第1通路ERt1と、その一対の第1通路ERt1を案内された球が流下される一対の第2通路ERt2と、その一対の第2通路ERt2を案内された球が流下される一対の第3通路ERt3と、その一対の第3通路ERt3に案内された球が後述する振分通路E150に形成される突起部E151により振り分けられて流下される第4通路ERt4、第5通路ERt5及び第6通路ERt6と、第5通路ERt5若しくは第6通路ERt6を案内された球が第4通路ERt4へ案内される第7通路ERt7と、第4通路ERt4を案内された球が遊技領域へ流出するための開口として形成される流出口EOPoutとが形成される。
なお、一対の受入口EOPin、第1通路ERt1、第2通路ERt2及び第3通路ERt3は、遊技盤E13の幅方向(図135左右方向)における中心に対し線(面)対称(図135左右対称)にそれぞれ形成される。
また、上側フレームE86aには、一対の上側フレーム通路ERt0が配設される(図135参照)。上側フレーム通路ERt0は、遊技領域を流下する球を案内する通路であり、その上側フレーム通路ERt0の下流端に下側フレームE86bの受入口EOPinが連通される。
即ち、遊技領域から上側フレーム通路ERt0に流入(入球)した球は、受入口EOPinを介して、上側フレーム通路ERt0から下側フレームE86bの第1通路ERt1へ流入(入球)される。
下側フレームE86bには、駆動モータE191により動作する振分通路E150が配設されており、球は、振分通路E150に形成される突起部E151に当接することによりその流下方向が変更(変化)され、第3通路ERt3から第4通路ERt4、第5通路ERt5若しくは第6通路ERt6のいずれかに振り分けられる。
ここで、第4通路ERt4の出口(遊技領域へ球を流出させる開口)である流出口EOPoutは、第1入賞口64(図135参照)の鉛直方向上方となる位置に形成(配置)される。そのため、第4通路ERt4へ振り分けられた球は、第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)。
また、第7通路ERt7へ振り分けられた球は、第4通路ERt4へ案内されるため、第1入賞口64へ入賞し易い。
また、第6通路ERt6には、その第6通路ERt6を案内される球を第7通路ERt7へ案内するために背面側(矢印B方向側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として第7通路ERt7の正面側(矢印F方向側)に第1流出面E141aが形成(配置)される。そのため、第6通路ERt6の第1流出面E141aに案内される球は、第1入賞口64へ入賞し易い。
一方、第5通路ERt5は、第6通路ERt6側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成され、第5通路ERt5と第7通路ERt7との境界の背面側(矢印B方向側)には一対の立て壁部E135cがそれぞれ配設される。従って、第5通路ERt5へ振り分けられた球は、第7通路ERt7よりも第6通路ERt6へ案内され易い。
第6通路ERt6には、第1流出面E141aに対して遊技盤E13の幅方向(図135左右方向)に位置を異ならせた2箇所に、正面側(矢印F方向側、遊技領域側)へ向けて下降傾斜して形成される凹面として第2流出面E141bが形成(配置)される。
なお、第6通路ERt6には、起伏が形成され、起伏の底部に第2流出面E141bが形成され、起伏の頂部に第1流出面E141aが形成される。従って、第6通路ERt6へ振り分けられた球は、第1流出面E141aから第7通路ERt7へ送球されるよりも第2流出面E141bから遊技領域へ流出され易い。
即ち、第3通路ERt3から第5通路ERt5もしくは第6通路ERt6へ振り分けられた球は、遊技領域へ流出する確率が高く、結果として、第1入賞口64へ入賞し難い(上述した第3通路ERt3から第4通路ERt4へ振り分けられた球よりも第1入賞口64へ入賞する確率が低い)。
このように、本実施形態における下側フレームE86bは、球が振分通路E150に形成される突起部E151に当接することにより第4通路ERt4から第6通路ERt6のいずれかに振り分けられた場合に、第3通路ERt3から第4通路ERt4へ振り分けられた球は第1入賞口64(図135参照)への入賞が容易となる(本実施形態では、第1入賞口64に球をほぼ確実に入賞させる)一方、第3通路ERt3から第5通路ERt5若しくは第6通路ERt6へ振り分けられた球は、第7通路ERt7(および第7通路ERt7の下流に形成される第4通路ERt4)を移動して第1入賞口64へ入賞することが困難となる。よって、第1入賞口64に球が入賞する確率を高める(確実に入賞させる)ために、第3通路ERt3を案内される球が第4通路ERt4に振り分けられることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図136から図137に加え、図138から図143を参照して、下側フレームE86bの詳細構成について説明する。
図138は、下側フレームE86bの分解正面斜視図であり、図139は、下側フレームE86bの分解背面斜視図である。図140は、下側フレームE86bの上面図であり、図141は、下側フレームE86bの正面図であり、図142は、下側フレームE86bの背面図である。図143(a)は、図141の矢印CXLIIIa方向視における下側フレームE86bの側面図であり、図143(b)は、図141の矢印CXLIIIb方向視における下側フレームE86bの側面図であり、図143(c)は、図141のCXLIIIc-CXLIIIc線における下側フレームE86bの断面図である。
図136から図143に示すように、下側フレームE86bは、正面部材E110と、その正面部材E110の長手方向(矢印L-R方向)両端に配設される誘導部材E120と、正面部材E110の背面側(矢印B方向側)に配設されるベース部材E130と、正面部材E110及びベース部材E130の対向間に介設される介設部材E140と、ベース部材E130に配設される振分通路E150、中央通路E160及び一対の流路調整ブロックE170と、ベース部材E130の下面側(矢印D方向側)に所定の間隔を隔てて配設されるカバー部材E180と、そのカバー部材E180の内側に配設される駆動手段E190と、を備える。
駆動手段E190は、カバー部材E180に往復動可能に配設される。また、振分通路E150が駆動手段E190に係合されることで、振分通路E150は、ベース部材E130に往復動可能に配設される。
中央通路E160、流路調整ブロックE170及びカバー部材E180は、タッピングネジによりベース部材E130にそれぞれ締結固定され、誘導部材E120及びベース部材E130は、タッピングネジにより正面部材E110にそれぞれ締結固定される。
介設部材E140は、正面部材E110とベース部材E130とに挟持される。これらにより、下側フレームE86bは、一つ(単体)のユニットとして構成される(図136参照)。
また、下側フレームE86bは、振分通路E150及び駆動手段E190を除く他の部材が光透過性(即ち、背面側の部材や球を透視可能な透明)の樹脂材料から構成され、振分通路E150及び駆動手段E190が有色の樹脂材料から構成される。よって、第1通路ERt1から第7通路ERt7を移動する球を遊技者に視認させると共に、振分通路E150の往復動を遊技者に視認させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
なお、振分通路E150及び駆動手段E190は、光透過性(透明又は有色)の樹脂材料から構成され、その正面に塗装を施したもの、或いは、シールを添付したものであっても良い。
また、一方で、下側フレームE86bは、駆動手段E190の正面側(矢印F方向側)に位置する部材が光非透過性の樹脂材料から構成される(或いは、塗装が施されたりシールが添付される)ことで、駆動手段E190が正面側から遊技者に視認不能となるように構成されていても良い。
正面部材E110は、正面を形成する板状の正面板E111と、その正面板E111の背面から立設される板状の底面部E112とを備える。
正面板E111は、その長手方向両端に鉛直方向に延設される一対の鉛直部と、それら鉛直部どうしを連結し、長手方向両端から中央へ向けて鉛直方向下方に傾斜される傾斜部とから形成される。
正面板E111には、その正面板E111の外縁に沿って複数の挿通孔E111aが板厚方向に穿設される。下側フレームE86bは、組み立てた状態(ユニット化された状態)で、ベース板60の正面から窓部60aに嵌め込まれ、挿通孔E111aに挿通したタッピングネジがベース板60に締結されることで、ベース板60に固定(配設)される。
正面板E111には、受入口EOPinが開口形成(板厚方向に穿設)される。受入口EOPinは、上述したように、上側フレーム通路ERt0に流入(入球)した球を受け入れる開口である(図135参照)。
正面板E111には、第1入賞口64(図135参照)の鉛直方向上方となる位置に流出口EOPoutが開口形成(板厚方向に穿設)される。流出口EOPoutは、正面視円状であり、球の外形よりもやや大きく形成される。流出口EOPoutは、上述したように、第4通路ERt4を案内された球が遊技領域へ流出される際の出口となる開口である。
正面板E111には、上述したように、第1流出面E141aの正面側(矢印F方向側)に張出し部E111bが突設される。また、第2流出面E141bの正面側(矢印F方向側)に正面視において第2流出面E141bと略同一の形状の切欠き部E111cが形成される。切欠き部E111cを通過することで、第6通路ERt6を案内された球が遊技領域へ流出(流下)される。
正面板E111の背面には、傾斜部の長手方向外側に一対の規制部E111dが突設される。正面部材E110とベース部材E130との間には介設部材E140が挟持されており、規制部E111dが介設部材E140の転動部E141の上面に当接することで、介設部材E140がベース部材E130から上方(矢印U方向)へ脱離することを抑制できる。これにより、正面部材E110若しくはベース部材E130に対して介設部材E140をタッピングネジにより締結固定することを不要とでき、製品コストの削減を図ることができる。
底面部E112は、正面板E111の長手方向全域にわたって連続的に形成され、これにより、針金等の異物の侵入が抑制される。
誘導部材E120は、正面部材E110と共に第1通路ERt1を形成するためのものであり、一対の側面部E121と、一対の側面部E121を連結する背面部E122と、を備える。
一対の側面部E121は、側面視縦長略矩形の板状体に形成される。一対の側面部E121は、短手方向一端側の面(矢印F方向側の面)が正面板E111(正面部材E110)の背面(矢印B方向側の面)に当接した状態で、左右方向(矢印L-R方向)に球の直径よりも大きな間隔を隔てて対向配置される。
背面部E122は、一対の側面部E121の短手方向他端どうし及び上端どうしを連結すると共に、側面部E121の短手方向一端から他端へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される。
誘導部材E120及び正面板E111(正面部材E110)によって球が移動(流下、落下)可能に区画された空間により、第1通路ERt1が形成される。また、第1通路ERt1の下方(矢印D方向)は開放される。これにより、受入口EOPinを通過して第1通路ERt1に流入した球の流下方向を下方に変更(変化)して第2通路ERt2に案内できる。
ベース部材E130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E133と、その一対の第1斜面部E133の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E137と、を備える。ベース部材E130については、図136から図143に加え、図144から図147を参照して詳細構成について説明する。
湾曲部E131は、上面視において略直線状の通路として前後方向(矢印F-B方向)に沿って延設されると共に、その延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図143(c)参照)。
湾曲部E131には、鉛直方向における高さ位置が最も低い位置に流出面E131aが凹設される。流出面E131aは、湾曲部E131を案内される球を振分通路E150へ流出させるための部位であり、振分通路E150へ向けて下降傾斜する凹面として形成される。
壁板E132には、切欠き部E132aが振分通路E150側(一対の壁板E132の対向する側)に切欠き形成される。この切欠き部E132aを通過することで湾曲部E131から振分通路E150へ球が流下可能とされる。また、切欠き部E132aは、球の直径よりも大きく形成される(本実施形態では球の直径の約5倍の大きさ)。切欠き部E132aの大きさが大きいほど、前後方向において任意の位置から球を振分通路E150へ流下できる。
湾曲部E131と壁板E132とに区画された空間により第2通路ERt2が形成される。なお、湾曲部E131(第2通路ERt2)は、誘導部材E120(第1通路ERt1)よりも鉛直方向下方(矢印D方向)に配設され、第1通路ERt1との間に鉛直方向の段差が形成される。即ち、第1通路ERt1から第2通路ERt2へ球が自由落下される。
また、誘導部材E120(第1通路ERt1)は、湾曲部E131の正面側(矢印F方向側)における鉛直方向上方(矢印U方向)に配設される。従って、第1通路ERt1から第2通路ERt2の正面側の端部へ球を送球できる。
これにより、湾曲部E131(第2通路ERt2)の正面側の端部へ流下された球は、湾曲部E131の円弧状に湾曲した形状に沿って前後方向(矢印F-B方向)へ往復動できる。これにより、前後方向への速度成分を有した状態で湾曲部E131(第2通路ERt2)から振分通路E150(第3通路ERt3)へ球を送球できる。
第1斜面部E133は、上面視横長略矩形の板状体であり、湾曲部E131側の端部が湾曲部E131の下面から鉛直方向下方(矢印D方向)に所定の間隔を隔てた位置に配設される。また、第1斜面部E133は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜して形成される。第1斜面部E133には、挿通孔E133aと、規制部E133bと、溝部E133cとが形成される。
挿通孔E133aは、第1斜面部E133の略中央に開口形成(板厚方向に穿設)され、後述する振分通路E150の被係合部E153が挿通可能に形成される(図138、図145(b)参照)。
規制部E133bは、第1斜面部E133の下面において挿通孔E133aの正面側の縁から立設され、その下面は第1斜面部E133の傾斜面に対し平行に形成される(図145(b)、図146(b)参照)。
溝部E133cは、第1斜面部E133の前後方向略中央において傾斜方向に沿って形成される溝であり、挿通孔E133aを挟んで左右方向(矢印L-R方向)両側に一対形成される。溝部E133cには、後述する振分通路E150の被ガイド部E152が傾斜方向に摺動可能に配設される(図138、図145(a)、図147(a)参照)。溝部E133cの周囲には、溝部E133cの破損を抑制するためのガイド壁が立設される。
第1斜面部E133には、振分通路E150を変位させるための複数(本実施形態では4個)の円柱体E201と、カバーE202とが配設される。
円柱体E201は、第1斜面部E133における振分通路E150の変位を容易とするためのものであり、円柱状に形成され、また、その軸を中心として軸孔が形成される。軸孔に回転軸が挿通され、その回転軸が前後方向(矢印F-B方向)に沿った状態で第1斜面部E133に配設される。これにより、円柱体E201は、第1斜面部E133に回転可能に配設される。円柱体E201が軸周りに回転することにより、円柱体E201の外周面に当接する振分通路E150は容易に変位できる。
カバーE202は、円柱体E201を第1斜面部E133に保持するためのものであり、第1斜面部E133の外形よりやや小さい板状に形成される。カバーE202は、第1斜面部E133の挿通孔E133aに対応する位置に挿通孔E133aよりも大きな孔が穿設され、一対の溝部E133cに対応する位置に溝部E133cの外形と略同一の溝が形成される。また、円柱体E201に対応する位置に円柱体E201の外形よりもやや大きな孔が穿設される。
カバーE202は、その上面が第1斜面部E133の傾斜面と平行な状態で第1斜面部E133の上面に配設される。
カバーE202の円柱体E201に対応する位置に穿設される孔よりも長い回転軸が円柱体E201に挿通され、円柱体E201及び回転軸を第1斜面部E133に配設し、タッピングネジにより第1斜面部E133とカバーE202とが締結固定されることで、カバーE202は、回転軸および回転軸が挿通された円柱体E201を第1斜面部E133に保持できる。
なお、円柱体E201は、カバーE202に形成される孔を通して、その側面(外周面)の一部がカバーE202の上面から突出して配設され、これにより、円柱体E201と振分通路E150とが当接可能となる。
取付け部E134は、第1斜面部E133の傾斜方向下降側の端部より鉛直方向下方(矢印D方向)において略水平に形成される。また、取付け部E134の前端は、第1斜面部E133の前端より背面板E137側(矢印B方向側)に配設される。
取付け部E134及び第1斜面部E133と第2斜面部E135とを連結して湾曲部E134aが配設され、湾曲部E134aは、背面板E137側へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される。
第2斜面部E135は、第5通路ERt5(の一部)を形成するための部位であり、取付け部E134よりも鉛直方向下方(矢印D方向)において背面板E137から正面部材E110へ向けて下降傾斜して形成される。第2斜面部E135には、挿通孔E135aと、中央通路E135bと、一対の立て壁部E135cと、仕切り部E135dと、送球壁E135eとが形成される。
第2斜面部E135と取付け部E134と湾曲部E134aと背面板E137とに区画された空間に第5通路ERt5が形成される。
挿通孔E135aは、第2斜面部E135の略中央に球の外形よりも大きく開口形成(板厚方向に穿設)される。挿通孔E135aの外周には、後述する中央通路E160の円筒壁E163の下端を挿入するための凹部が挿通孔E135aの外縁に沿って凹設される。
中央通路E135bは、第7通路ERt7を形成するための部位であり、鉛直方向下方へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成され、その湾曲形状は球の外形よりも大きく形成される。これにより、中央通路E135bに球が送球されると、中央通路E135bから第2斜面部E135の傾斜面へ球が送球(流出)されることを抑制できる。
中央通路E135bは、第2斜面部E135の正面側(矢印F方向側)の縁と挿通孔E135aとを連結し、第2斜面部E135の正面側の縁から挿通孔E135aへ向けて下降傾斜して形成される。これにより中央通路E135bに案内された球を挿通孔E135aへ向けて送球できる。即ち、中央通路E135bの円弧状に湾曲した空間により第7通路ERt7が形成される。
なお、中央通路E135bは、左右方向(矢印L-R方向)において第1流出面E141aと重なる位置に配設される。これにより、第1流出面E141aから送球される球を中央通路E135bへ案内できる。
一対の立て壁部E135cは、第2斜面部E135(第5通路ERt5)と中央通路E135b(第7通路ERt7)とを区切るための部位であり、中央通路E135bの左右方向(矢印L-R方向)両端の背面板E137側(矢印B方向側)に鉛直方向上方(矢印U方向)に向けて突設される。一対の立て壁部E135cの前後方向(矢印F-B方向)の長さは、中央通路E135bの長さよりも短く形成され、中央通路E135bの挿通孔E135a側(矢印B方向側)に配設される。
これにより、第2斜面部E135(第5通路ERt5)を流下する球が一対の立て壁部E135cの正面側(矢印F方向側)において第2斜面部E135(第5通路ERt5)と中央通路E135b(第7通路ERt7)との境界を横切ることで、球は、中央通路E135b(第7通路ERt7)へ案内される。一方、第2斜面部E135(第5通路ERt5)を流下する球が一対の立て壁部E135cに当接することで、(第5通路ERt5)と中央通路E135b(第7通路ERt7)との境界を横切ることが抑制され、球は、第2斜面部E135(第5通路ERt5)を流下し第6通路ERt6へ案内される。このように、中央通路E135b(第7通路ERt7)へ球が送球され難くすることにより、遊技の興趣を高めることができる。
仕切り部E135dは、鉛直方向上方(矢印U方向)に向けて突設され、挿通孔E135aの外縁と背面板E137とを連結して形成される。これにより、一方の振分通路E150(第3通路ERt3)から流下された球が、第2斜面部E135の他方の振分通路E150(第3通路ERt3)側へ案内されることを抑制できる。
送球壁E135eは、第2斜面部E135の下面から立設して形成される(図145(a)参照)。送球壁E135eは、挿通孔E135aの背面側(矢印B方向側)の縁に沿った円弧部と、その円弧部の両端から正面側(矢印F方向側)に延設される直線部とから、下面視略U字状に形成される。これにより、送球壁E135eで囲まれた空間を球が送球可能に形成され、挿通孔E135aを通過した球を後述するカバー部材E180の背面側通路E181bへ送球できる。
張出し部E136は、湾曲部E131側から第2斜面部E135側へ向けて下降傾斜して形成され、張出し部E136には、ガイド部E136aが形成される。
ガイド部E136aは、ベース部材E130への介設部材E140の組み付けを容易とするための部位であり、張出し部E136の対向する側(左右方向内側)の端部から鉛直方向上方(矢印U方向)に向けて突設される。一対のガイド部E136aの対向間に後述する介設部材E140の下側通路E143が配設される。
背面板E137は、正面視横長略矩形の板状から形成される。背面板E137は、一対の第1斜面部E133、一対の取付け部E134及び第2斜面部E135の背面側の端部に当接して配設され、背面板E137の上端は、振分通路E150(第3通路ERt3)及び第2斜面部E135(第5通路ERt5)を流下する球よりも上方(矢印U方向)に位置する。これにより、背面板E137は、振分通路E150(第3通路ERt3)又は第2斜面部E135(第5通路ERt5)を流下する球が背面板E137の背面側(矢印B方向側)に案内されることを抑制できる。
介設部材E140は、上面視において略直線状の通路として左右方向(矢印L-R方向)に沿って延設される転動部E141と、その転動部E141の下面から鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて突設される板状の当接部E142と、その当接部E142の背面から立設される下側通路E143と、を備える。
転動部E141は、その延設方向(矢印L-R方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、延設方向中央に向けて下降傾斜して形成される。
転動部E141の上面は、正面部材E110側(矢印F方向側)からベース部材E130側(矢印B方向側)へ向けて下降傾斜して形成される。また、上述したように、転動部E141の上面には、背面側(矢印B方向)へ向けて下降傾斜して形成される第1流出面E141aと、正面側(矢印F方向)へ向けて下降傾斜して形成される第2流出面E141bとが形成される。
また、転動部E141には、起伏が形成され、その頂部が中央通路E135b(第7通路ERt7)の正面に配置される。起伏の底部に第2流出面E141bが配置される一方、起伏の頂部に第1流出面E141aが配置される。従って、第1流出面E141aは、中央通路E135b(第7通路ERt7)の正面に配置される。
なお、第1流出面E141aは、中央通路E135b(第7通路ERt7)よりも鉛直方向上方(矢印U方向)に配置され、これにより、第1流出面E141aを流下する球を中央通路E135b(第7通路ERt7)へ案内できる。
転動部E141の上面の左右方向(矢印L-R方向)両端には切欠き部E141cが形成され、その切欠き部E141cには、正面部材E110の突設部E111eが当接される。また、介設部材E140は、張出し部E136の上面に当接して配設される。これにより、介設部材E140は、ベース部材E130(正面部材E110)に固定される。その結果、介設部材E140(転動部E141の上面)とベース部材E130と正面部材E110(正面板E111の背面)とに区画された空間により第6通路ERt6が形成される。
当接部E142には、流出口EOPoutの背面となる位置に通路口E142aが開口形成(板厚方向に穿設)される。通路口E142aは、正面視略矩形であり、球の外形よりもやや大きく形成される。
下側通路E143は、通路口E142aの外縁からカバー部材E180側(矢印B方向側)へ向けて突設され、その下側通路E143により区画された空間により第4通路ERt4(の一部)が形成される。
下側通路E143は、カバー部材E180側から正面部材E110側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して形成され、下側通路E143の側面および下面は上面よりカバー部材E180側に突出して形成される。即ち、下側通路E143は、カバー部材E180側の上面が開放される。
また、下側通路E143の下面には、その幅方向(矢印L-R方向)中央に断面コ字状の凹溝E143aが凹設される(図144(a)参照)。凹溝E143aは、下側通路E143の下面の突出方向に沿って略直線状に延設される。
凹溝E143aの溝幅(矢印L-R方向の寸法)は、球の直径よりも小さくされると共に、凹溝E143aの溝深さ(下側通路E143の下面に垂直方向の寸法)は、凹溝E143aの底面に球が接触しない深さに設定される。
これにより、下側通路E143の下面上の球を2箇所(下側通路E143の下面と凹溝E143aとが交わる一対の稜線部分)で支持することができる。よって、凹溝E143aが非形成の場合(即ち、1箇所のみで球を支持する場合)と比較して、球を安定した状態で案内できる。詳しく説明すると、凹溝E143aにより球が挟み込まれた態様となることで、幅方向に変位することを抑制された状態で幅方向中央を流下できる。
その結果、寸法公差や組立公差に起因して流出口EOPoutと通路口E142aとの中心位置がずれ、通路口E142aの正面に正面部材E110(正面板E111)が一部配設された場合(通路口E142aの外縁の一部が正面部材E110(正面板E111)に塞がれた状態)においても、下側通路E143(第4通路ERt4)を流下した球は、流出口EOPoutを通過して遊技領域へ流出される。
上述したように、下側通路E143は、張出し部E136の一対のガイド部E136aの対向間に配設される。これにより、下側フレームE86bの組立ての際、一対のガイド部E136aに下側通路E143を当接させることで、ベース部材E130への下側通路E143(介設部材E140)の配設を容易に行える。
振分通路E150は、その上面を球が移動(流下、転動)するためのものであり、第1斜面部E133(カバーE202)の上方(矢印U方向)に配設される。従って、第1斜面部E133と同様、振分通路E150は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜して配設される。振分通路E150は、上面に突設される複数の突起部E151と、振分通路E150の下面から立設される一対の被ガイド部E152と、その一対の被ガイド部E152の間に立設される被係合部E153と、を備える。振分通路E150については、図136から図143に加え、図144から図147を参照して詳細構成について説明する。
突起部E151は、球の移動(流下)方向を変化させるための部位であり、振分通路E150の上面に規則的に、それら突起部E151どうしの間を球が移動(流下、転動)可能な間隔を備えて複数配設される。
突起部E151の形状は、振分通路E150に垂直な方向視において略六角形状に形成される。その略六角形状は、振分通路E150の傾斜方向に平行に配設される2辺が他の4辺よりも長い、言い換えると、前後方向(矢印F-B方向)よりも振分通路E150の傾斜方向に沿った方向に長く形成される。また、長く形成される2辺を除いた他の4辺は同一長さに形成される。また、突起部E151の側面は、振分通路E150に対し傾斜(本実施形態においては振分通路E150の上面に対して略45度傾斜)して形成され、突起部E151は、六角錐の頭頂点側の一部が切り取られた態様に形成される。言い換えると、振分通路E150に平行な平面での断面積が、振分通路E150の上面から離れるに従い小さく形成される。
突起部E151は、長い辺同士を平行にして前後方向(矢印F-B方向)に所定の間隔(本実施形態においては振分通路E150の上面における対向間距離が球の直径の略4分の1)を隔てて形成される。また、前後方向に列をなして配設される一の組の突起部E151郡に対しその傾斜方向下降側に配設される一組の突起部E151郡は、突起部E151の前後方向における配設間距離の半分だけ前後方向にずれて配設される。即ち、前後方向において、傾斜方向下降側に配設される一組の突起部E151郡は、一の組の突起部E151郡の対向間にそれぞれ配設される。これにより、前後方向における一対の突起部E151の長い辺の間を流下した球を、傾斜方向下降側に配設される突起部E151に当接させることができる。
また、突起部E151の短い辺どうしの対向間隔は、突起部E151の長い辺同士の対向間隔と同一に形成される。これにより、一の突起部E151は、その周囲に配設される突起部E151から同一の距離だけ隔てた態様で振分通路E150に配設される。振分通路E150の上面および突起部E151の傾斜した側面E151aに区画された空間により、第3通路ERt3が形成される。
なお、本実施形態における突起部E151の突設高さは、球の半径の略2分の1とされる。また、突設先端における突起部E151どうしの対向間隔は球の直径よりも小さく形成される。これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)する球は、隣り合う突起部E151の傾斜した側面E151aどうしに当接した状態で振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)できる。即ち、突起部E151は、球が振分通路E150(第3通路ERt3)に留まることを抑制できる。
振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)する球は、突起部E151に当接することで球の流下方向が変更(変化)され、介設部材E140側(矢印F方向側)もしくは背面板E137側(矢印B方向側)に形成される突起部E151の対向間に案内される。このように、突起部E151は、傾斜方向に沿って流下した球の流下方向を変更(変化)できる。
また、前後方向(矢印F-B方向)に隣り合う突起部E151の長い辺どうしの間を移動(流下、転動)することで、球は、振分通路E150の傾斜方向に沿って湾曲部E131側から中央通路E160へ移動(流下、転動)できる。
また、振分通路E150を流下する球は、突起部E151に当接することで、その流下速度が減少される。これにより、振分通路E150が突起部E151を備えない場合と比較して、振分通路E150を流下する球の流下時間を長くできる。
また、突起部E151は、振分通路E150の上面から突設して形成されるため、遊技者に視認し易くできる。これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向が変化される態様を遊技者に視認させ易くできる。即ち、振分通路E150(第3通路ERt3)の上面を移動(流下、転動)する球は比較的移動速度が低く、振分通路E150(第3通路ERt3)の上面の移動(流下、転動)に比較的時間を要するところ、突起部E151との当接により球の移動(流下、転動)に要する時間を更に嵩ませることができる。その結果、球の移動(流下、転動)方向が変化(変更)される態様を遊技者に視認させやすくでき、遊技の興趣を向上できる。
このように、本実施形態では、突起部E151により振分通路E150を流下する球の流下方向の変更(変化)と流下時間の延長(変化)とを行うことができ、遊技の興趣を高めることができる。また、流下方向の変更(変化)と流下時間の延長(変化)とを一つの部位(突起部E151)が行うことで、部品点数を削減して製品コストの削減を図ることができる。
なお、振分通路E150は傾斜して配設されるため、球の流下速度が減少した場合においても、球の自重により流下速度が増加されることで、第3通路ERt3を流下できる。
振分通路E150の前後の縁に接して配設される突起部E151は、略六角形状の一部のみ形成される、言い換えると、突起部E151の形状が振分通路E150の前後の縁で切り取られた態様に形成される。これにより、振分通路E150により多くの第3通路ERt3を形成でき、遊技の興趣を高めることができる。
被ガイド部E152は、振分通路E150の前後方向(矢印F-B方向)の略中央に被係合部E153を挟んで左右方向(矢印L-R方向)に一対配設される(図145(a)、図147(a)参照)。被ガイド部E152の前後方向の寸法は、ベース部材E130の溝部E133cの溝幅と同等またはやや小さく形成される。被ガイド部E152が溝部E133cに挿入されることで、振分通路E150のベース部材E130に対する前後方向への変位が規制される。
上述したように、溝部E133cの周囲にはガイド壁が立設されるため、被ガイド部E152が溝部E133cのガイド壁に当接することで、溝部E133cが破損することを抑制できる。
被係合部E153には、その背面が正面側(矢印F方向側)へ凹設される係合凹部E153aと、被係合部E153の下端に正面に向けて突設される規制片E153bとが形成される(図145(b)参照)。
係合凹部E153aは、鉛直方向(矢印U-D方向)に延設して形成される。規制片E153bは、第1斜面部E133(振分通路E150)の傾斜面に対し平行であり、第1斜面部E133の規制部E133bの下方(矢印D方向)に配設される。これにより、振分通路E150が傾斜方向に変位する場合、規制片E153bと規制部E133bとが当接することを抑制できる。一方、規制片E153bと規制部E133bとが当接することで、振分通路E150が上方(矢印U方向)に変位することを抑制できる。
振分通路E150は、カバーE202の上面から突出する円柱体E201の側面と当接した状態で、第1斜面部E133の傾斜面と平行に配設される。円柱体E201がその軸を回転軸として回転することで、振分通路E150の変位を容易に行うことができる。
また、振分通路E150は、少なくとも一部が湾曲部E131の下方に配設される、即ち、振分通路E150が湾曲部E131の下方から取付け部E134側へ抜けきらない位置に配設され、振分通路E150と湾曲部E131との間の距離は、球の半径よりも小さく配設される(図145(a)、図147(a)参照)。これにより、振分通路E150に送球された球が、湾曲部E131の下方からベース部材E130の長手方向両端から流出することを抑制できる。また、湾曲部E131と振分通路E150とで球が挟持されることを抑制できる。
振分通路E150は、その傾斜面に垂直な方向視において傾斜方向に長い略矩形の板状体に形成される。これにより、振分通路E150の長手方向一端側(下降傾斜側)に配設される第2斜面部E135(第5通路ERt5)若しくは中央通路E160(第4通路ERt4)よりも短手方向である正面側(矢印F方向側)に配設される介設部材E140(第6通路ERt6)へ球を送球し易くできる。
また、振分通路E150の短手方向となる前後方向(矢印F-B方向)の長さは、少なくとも球の直径の2倍よりも大きい寸法、本実施形態においては球の直径の略4.5倍の寸法に形成される。これにより、振分通路E150の傾斜方向下降側に複数(本実施形態では2箇所)の球の移動(流下、落下)領域を形成できる。この結果、振分通路E150を流下した球が複数形成される通路(第4通路ERt4、第5通路ERt5及び第6通路ERt6)の内、第1入賞口64に球が入賞する確率の高い第4通路ERt4へ振り分けられることを期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
また、下側フレームE86bに不正を行っても、その不正を働き難くできる。詳細に説明すると、第4通路ERt4よりも第1入賞口64に球が入賞する確率の低い第5通路ERt5又は第6通路ERt6の一方に第4通路ERt4へ球が流下する不正を行っても、第5通路ERt5又は第6通路ERt6の他方を球が移動(流下、落下)することで、その不正を働き難くできる。
振分通路E150の傾斜方向下降側は、その正面側の一部に切欠き部E150aが形成される。切欠き部E150aを通過することで、振分通路E150を流下(落下)した球を流路調整ブロックE170に当接し易くできる。
中央通路E160は、上面視において略直線状の通路として左右方向(矢印L-R方向)に沿って延設される架設通路E161と、その架設通路E161の左右方向略中央に開口形成(板厚方向に穿設)される上方孔E162と、架設通路E161の下面から上方孔E162に沿って立設される円筒壁E163と、架設通路E161の左右方向両端に配設される据付部E164と、を備える。
架設通路E161の幅寸法(架設通路E161の延設方向および鉛直方向に垂直な方向、矢印F-B方向)は、球の直径よりも大きく形成される。
架設通路E161は、その延設方向(矢印L-R方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される。これにより、架設通路E161に流下された球を架設通路E161の左右方向略中央(架設通路E161の鉛直方向の最下方)に形成される上方孔E162へ案内できる。
架設通路E161には、その後端側(矢印B方向側)の縁から鉛直方向上方(矢印F方向)へ向けて立設される背面壁E161aが形成される。これにより、架設通路E161に流下された球が、その背面側から落下することを抑制できる。
架設通路E161は、その延設方向に直交する平面での断面形状が鉛直方向下方へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される。これにより、架設通路E161に流下された球が、その正面側から流下(落下)することを抑制できる。
上方孔E162は、上面視円状であり、第2斜面部E135に形成される挿通孔E135aと略同一の大きさに、即ち、球の外形よりも大きく形成される。上方孔E162の周囲には上方へ向けて突設される突起部E162aが形成される。これにより、架設通路E161を流下する球が上方孔E162に案内され難くできる。
円筒壁E163は、上方孔E162と略同一の内径を有する円筒状に形成され、その下端が、第2斜面部E135の挿通孔E135aの外周に凹設される凹部に挿入した状態で第2斜面部E135に配設される。これにより、円筒壁E163の下端と第2斜面部E135の上面との間に隙間が形成されることを抑制できる。また、第2斜面部E135に対し中央通路E160の位置決めを行うことができる。
左右方向(矢印L-R方向)において中央通路E135bに対応する位置には、円筒壁E163に切欠き部E163aが切欠き形成され、その切欠きは球の直径よりも大きく形成される。
架設通路E161の円弧状に湾曲した空間および円筒壁E163により囲まれた空間により第4通路ERt4(の一部)が形成される。
据付部E164は、上面視縦長略矩形であり、中央通路E160がベース部材E130(取付け部E134)に固定(配設)された状態では、据付部E164の上面は、第1斜面部E133に配設されるカバーE202の上面と面一に形成される。これにより、振分通路E150が変位されても、振分通路E150と中央通路E160(据付部E164)とが当接することを抑制できる。
流路調整ブロックE170は、球の流下方向を変更(変化)させるためのものであり、略三角錐状に形成される。流路調整ブロックE170には、ベース部材E130の正面と平行な正面壁E171と、湾曲部E134aに対向する外壁E172と、中央通路E135bに対向する内壁E173とが形成される。一対の流路調整ブロックE170は、中央通路E135bの長手方向(矢印L-R方向)両側にそれぞれ配設される。
流路調整ブロックE170は、上面視、第2斜面部E135の傾斜方向下降側(矢印F方向側)へ向かうに従いその幅が大きくなる三角形状に形成され、正面壁E171とベース部材E130の正面とが面一に形成された状態で第2斜面部E135に配設される。これにより、介設部材E140(第6通路ERt6)を流下する球が流路調整ブロックE170に当接することを抑制できる。
外壁E172は、湾曲部E134aへ向けて凸状に湾曲して形成され、内壁E173は、中央通路E135bから流路調整ブロックE170の中心へ向けて凹状に湾曲して形成される。外壁E172と湾曲部E134aとの間、内壁E173と中央通路E135bとの間は、球の外形よりも大きくそれぞれ配設され、これにより、外壁E172と湾曲部E134aとの間、内壁E173と中央通路E135bとの間を球がそれぞれ流下できる。
カバー部材E180は、ベース部材E130の下方(矢印D方向)に配設される正面側カバー部材E181と、その正面側カバー部材E181の背面側(矢印B方向側)に配設される背面側カバー部材E182と、を備える。
なお、カバー部材E180及び後述する駆動手段E190においては、図136から図143に加え、図145を適宜参照して説明する。
正面側カバー部材E181には、正面視横長略矩形に形成される本体部E181aと、本体部E181aの長手方向略中央に正面側カバー部材E181側(矢印F方向側)から背面側カバー部材E182側(矢印B方向側)へ向けて凹設される背面側通路E181bと、本体部E181aの長手方向一側(矢印L方向側)に配設されるモータ取付け面E181cと、モータ取付け面E181cの上方側(矢印U方向側)に配設される第1上面板E181dと、モータ取付け面E181cの長手方向他側(矢印R方向側)において第1上面板E181dから鉛直方向下方(矢印D方向)に所定の間隔を隔てて平行に配設される第1下面板E181eと、第1下面板E181eの長手方向他側(矢印R方向側)において鉛直方向(矢印U-D方向)に所定の間隔を隔てて平行に立設される第2上面板E181f及び第2下面板E181gと、第1下面板E181e及び第2下面板E181gの上面に配設される複数の(本実施形態では5個)スライド突起E181hと、鉛直方向(矢印U-D方向)における第1下面板E181eと第2下面板E181gとの間に配設される軸支部E181iとが形成される。
なお、モータ取付け面E181c、第1上面板E181d、第1下面板E181e、第2上面板E181f及び第2下面板E181gは、本体部E181aの背面から立設される。
背面側通路E181bには、その下面から立設される送球板E181b1と、送球板E181b1に対して長手方向(矢印L-R方向)両側に立設される一対の支持板E181b2とが形成される。
長手方向における送球板E181b1は、第2斜面部E135の挿通孔E135aの中心に対応する位置に配設され、送球板E181b1の上面の背面側(矢印B方向側)には、背面側へ向けて上昇傾斜する送球傾斜部E181b3が形成される。これにより、中央通路E160の円筒壁E163内を案内された球は、送球傾斜部E181b3に当接し、その案内方向が鉛直方向下方(矢印D方向)から正面部材E110側(矢印F方向側)へ変更(変化)される。
一対の支持板E181b2は、送球板E181b1上を流下する球を案内するための部位であり、送球壁E135eの直線部の鉛直方向下方にそれぞれ形成される。
背面側通路E181bの上面は、開口形成され、その開口を通して第2斜面部E135の送球壁E135eが背面側通路E181bに挿入され、第2斜面部E135の下面、送球板E181b1、送球壁E135e及び一対の支持板E181b2に区画された空間により第4通路ERt4(の一部)が形成される。
モータ取付け面E181cは、後述する駆動手段E190の取付け部材E192が配設(固定)される部位であり、モータ取付け面E181cには、長手方向略中央に中央切欠きE181c1が形成され、その切欠き形状は、背面側(矢印B方向側)が開口された上面視略U字状に形成される。
第1上面板E181dと第2上面板E181fとは平行して配設される。従って、第1下面板E181eと第2下面板E181gとも平行に配設される。第1上面板E181dと第1下面板E181eとにより区画された空間、第2上面板E181fと第2下面板E181gとにより区画された空間は、後述する駆動手段E190の第1伝達部材E194、第2伝達部材E195をそれぞれ配設するための空間である。
第1下面板E181e及び第2下面板E181gの上面には、前後方向(矢印F-B方向)に突起E181e1がそれぞれ複数(本実施形態では第1下面板E181eは2箇所、第2下面板E181gは4箇所)形成される。突起E181e1と第1伝達部材E194もしくは第2伝達部材E195とが当接することにより、第1下面板E181eと第1伝達部材E194との間、第2下面板E181gと第2伝達部材E195との間に発生する摩擦力を低減し、第1伝達部材E194又は第2伝達部材E195の変位を容易に行える(図144(b)参照)。
スライド突起E181hは、第1伝達部材E194又は第2伝達部材E195の変位をガイドするためのものであり、第1上面板E181d、第1下面板E181e、第2上面板E181f及び第2下面板E181gに対して平行して配設される。
軸支部E181iは、本体部E181aの背面(矢印B方向側の面)に軸受として形成され、背面側カバー部材E182の正面には、軸支部E181iに対面する位置に、軸支部E182dが形成される。後述する駆動手段E190のピニオンギヤE196は、その側面(前後方向の面、矢印F-B方向の面)から軸E197の端部がそれぞれ突出される。軸E197は、前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢に配設され、その軸E197の両端が、正面側カバー部材E181の軸支部E181iと背面側カバー部材E182の軸支部E182dとにそれぞれ軸支される。これにより、正面側カバー部材E181と背面側カバー部材E182との対向間にピニオンギヤE196が回動可能に配設される。
背面側カバー部材E182には、正面視横長略矩形に形成される本体部E182aと、本体部E182aの長手方向一側(矢印L方向側)において本体部E182aの正面から立設される第1上面板E182bと、本体部E182aの長手方向他側(矢印R方向側)において本体部E182aの正面から立設される第2上面板E182cと、正面側カバー部材E181の軸支部E181iに対面する位置において本体部E182aの正面に配設される軸支部E182dと、を備える。
第1上面板E182b、第2上面板E182cには、正面側(矢印F方向側)が開口された第1切欠きE182b1、第2切欠きE182c1がそれぞれ形成される。第1切欠きE182b1、第2切欠きE182c1には、後述する第1伝達部材E194の係合ベースE194b、第2伝達部材E195の係合ベースE194bがそれぞれ挿通される。
軸支部E182dは、駆動手段E190の軸E197を軸支するためのものであり、本体部E182aの正面(矢印F方向側の面)に軸受けとして形成され、上述したように、正面側カバー部材E181の軸支部E181iと対面する位置に形成される。
即ち、正面側カバー部材E181の軸支部E181iと背面側カバー部材E182の軸支部E182dとに駆動手段E190の軸E197が軸支され、その軸方向は、前後方向(矢印F-B方向)に沿わせた姿勢とされる。
駆動手段E190は、駆動力を発生させる駆動モータE191と、駆動モータE191の上方(矢印U方向)に配設される取付け部材E192と、駆動モータE191の軸に固着される駆動力伝達部材E193と、駆動力伝達部材E193に係合される第1伝達部材E194と、第1伝達部材E194に係合される第2伝達部材E195と、第1伝達部材E194と第2伝達部材E195との間に介設されるピニオンギヤE196と、ピニオンギヤE196の軸心を挿通する軸E197と、を備える。
駆動モータE191は、振分通路E150をその傾斜方向へ変位させるためのものであり、その軸を鉛直方向上方(矢印U方向)へ向けた状態で配設される。これにより、軸を前後方向(矢印F-B方向)へ向けて配設する場合と比較して、前後方向における配設スペースを小さくできる。
取付け部材E192は、駆動モータE191を正面側カバー部材E181に固定(配設)するためのものであり、取付け部材E192には、上面視略矩形の板状に形成されるベース部E192aと、ベース部E192aの外縁に沿って鉛直方向上方(矢印U方向)へ向けて立設される周壁部E192bとが形成される。
ベース部E192aには、その略中央に駆動モータE191の軸を挿通するための挿通孔が板厚方向に穿設され、その挿通孔に駆動モータE191の軸が挿通した状態で駆動モータE191が取付け部材E192に固定(配設)される。駆動モータE191の軸の上端は、周壁部E192bの上端よりも鉛直方向上方に配設される。
駆動力伝達部材E193は、駆動モータE191の駆動力を第1伝達部材E194へ伝達するためのものであり、モータ取付け面E181cの中央切欠きE181c1の内形よりも小さい円柱状に形成され、その軸心には駆動モータE191の軸が固着される。駆動力伝達部材E193には、軸心とは異なる位置に配設される偏心軸E193aと、駆動力伝達部材E193の側壁から突設されるフランジ部E193bとが形成される。
偏心軸E193aは、第1伝達部材E194に係合される部位であり、駆動力伝達部材E193の直径よりも小さな円柱状に形成され、上面視、偏心軸E193aの外縁は、駆動力伝達部材E193の外縁に内接して配設される。従って、偏心軸E193aの軸心は、駆動力伝達部材E193の軸心とは異なる位置に配設される、即ち、駆動モータE191の軸に対し偏心して配設される。よって、駆動モータE191が駆動することで、偏心軸E193aは、上面視、駆動力伝達部材E193の軸心(駆動モータE191の軸)を中心とした円状に変位する。
フランジ部E193bは、駆動力伝達部材E193の鉛直方向上方(矢印U方向)への変位を規制するための部位であり、鉛直方向(矢印U-D方向)において駆動モータE191側(矢印D方向側)の端部に配設される。フランジ部E193bの外形は、モータ取付け面E181cの中央切欠きE181c1の内形よりも大きな円状に形成され、これにより、フランジ部E193bは、モータ取付け面E181cに当接できる。その結果、モータ取付け面E181cの中央切欠きE181c1に挿通された駆動力伝達部材E193がモータ取付け面E181cの上方側(矢印U方向側)へ脱離することを抑制できる。
第1伝達部材E194及び第2伝達部材E195は、駆動モータE191の駆動力を振分通路E150へ伝達するためのものである。
第1伝達部材E194には、上面視略矩形の板状に形成される本体部E194aと、その本体部E194aの上面から突設される係合ベースE194bと、係合ベースE194bから正面部材E110側(矢印F方向側)へ向けて突設される係合部E194cと、本体部E194aの他側(矢印R方向側)における側面から突設される第1ラック部E194dと、本体部E194aの下面に凹設される伝達凹部E194eとが形成される。
本体部E194aは、駆動力伝達部材E193の上方(矢印U方向)に配設される。本体部E194aの前後方向(矢印F-B方向)の大きさは、駆動力伝達部材E193の外形よりも大きく形成され、本体部E194aの前端と後端との間、即ち、上面視、本体部E194aと重なる位置に駆動力伝達部材E193が配設される。
係合部E194cは、正面視略円状であり、その外形は、係合凹部E153aの左右方向(矢印L-R方向)の内壁の対向間距離と同等またはやや小さく形成される。これにより、係合部E194cを係合凹部E153aに挿入できる。係合部E194cと係合凹部E153aの左右方向の内壁とが当接することにより、駆動モータE191の駆動力を振分通路E150へ伝達できる。
また、係合凹部E153aは、鉛直方向(矢印U-D方向)に延設されるため、係合部E194cは、係合凹部E153a内を鉛直方向に変位できる。即ち、鉛直方向における駆動モータE191の駆動力を振分通路E150へ非伝達とできる。
このように、係合部E194cは、第1伝達部材E194の左右方向への変位を振分通路E150へ伝達する一方、第1伝達部材E194の左右方向への変位を振分通路E150へ非伝達とすることで、振分通路E150は、ベース部材E130の第1斜面部E133の傾斜面に沿って変位できる。
第1ラック部E194dには、その下面にピニオンギヤE196と歯合するラックギヤE194d1が刻設され、第1伝達部材E194の左右方向への変位によりピニオンギヤE196が回動される。
伝達凹部E194eは、前後方向(矢印F-B方向)に延設され、正面端から背面端まで形成される。また、伝達凹部E194eの凹溝の幅(左右方向(矢印L-R方向)における内壁の対向間距離)は、偏心軸E193aの外形と同等またはやや大きく形成される。偏心軸E193aを伝達凹部E194eに挿入することで、駆動モータE191の駆動力が駆動力伝達部材E193を介して第1伝達部材E194に伝達される。
詳細に説明すると、駆動モータE191が駆動することで、偏心軸E193aは、上面視、駆動力伝達部材E193の軸心(駆動モータE191の軸)を中心として円状に変位する。伝達凹部E194eの左右方向の内壁と偏心軸E193aとが当接することにより、駆動モータE191の駆動による偏心軸E193aの左右方向の変位が第1伝達部材E194に伝達され、第1伝達部材E194が左右方向に変位する。
一方、伝達凹部E194eは、本体部E194aの正面端から背面端まで形成される、即ち、駆動力伝達部材E193の外形よりも長く形成されるため、偏心軸E193aと伝達凹部E194eの前後方向の内壁とは非当接とされる。従って、駆動モータE191の駆動による偏心軸E193aの前後方向の変位は第1伝達部材E194に非伝達とされ、第1伝達部材E194が前後方向に変位することを抑制できる。
また、偏心軸E193aは、上面視円状に変位するため、第1伝達部材E194の左右方向への変位を所定量に設定できる、即ち、第1伝達部材E194が所定量を超えて左右方向へ変位することを抑制できる。また、第1伝達部材E194の左右方向への変位を往復動とすることができる。
第2伝達部材E195は、背面視横長略矩形の本体部E195aと、その本体部E195aの一側(矢印L方向側)における側面から突設される第2ラック部E195bと、本体部E195aの長手方向略中央に配設されるガイド溝E195cと、本体部E195aの他側(矢印R方向側)の上面から突設される係合ベースE194bと、係合ベースE194bの上端から正面部材E110側(矢印F方向側)へ向けて突設される係合部E194cとが形成される。
第2ラック部E195bには、その上面にピニオンギヤE196と歯合するラックギヤE194d1が刻設され、ピニオンギヤE196の回動により、第2伝達部材E195が左右方向(矢印L-R方向)へ変位される。
ガイド溝E195cは、長手方向(左右方向、矢印L-R方向)に延設され、その内側に正面側カバー部材E181に形成され、正面側カバー部材E181と背面側カバー部材E182とを締結固定するための締結部が挿通される。正面側カバー部材E181の締結部がガイド溝E195cに挿通されることで、第2伝達部材E195の左右方向への変位をガイドできる。また、正面側カバー部材E181の締結部にはタッピングネジが螺合されるため、タッピングネジの剛性を利用して、正面側カバー部材E181の締結部とガイド溝E195cとの当接による破損を抑制できる。
ピニオンギヤE196は、その軸方向が前後方向(矢印F-B方向)に沿う姿勢で配設される。軸方向に穿設される挿通孔に軸E197が挿通され、軸E197が、正面側カバー部材E181及び背面側カバー部材E182に配設される軸支部E181i,E182dに軸支されることで、ピニオンギヤE196は、カバー部材E180に回動可能に配設される。
次いで、図144から図147を参照して、駆動手段E190による振分通路E150の変位(往復)動作について説明する。図144(a)及び図146(a)は、正面部材E110の図示が省略された状態における下側フレームE86bの正面図であり、図144(b)及び図146(b)は、背面側カバー部材E182の図示が省略された状態における下側フレームE86bの部分拡大背面図であり、図144(c)及び図146(c)は、下側フレームE86bの上面図である。
図145(a)は、図144(c)のCXLVa-CXLVa線における下側フレームE86bの断面図であり、図145(b)は、図145(a)のCXLVb-CXLVb線における下側フレームE86bの断面図であり、図145(c)は、下側フレームE86bの部分拡大下面図である。図147(a)は、図146(c)のCXLVIIa-CXLVIIa線における下側フレームE86bの断面図であり、図147(b)は、図147(a)のCXLVIIb-CXLVIIb線における下側フレームE86bの断面図であり、図147(c)は、下側フレームE86bの部分拡大下面図である。
なお、図144及び図145では、振分通路E150が第1位置に配置された状態が、図146及び図147では、振分通路E150が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図144及び図145に示すように、振分通路E150が第1位置に配置された状態では、振分通路E150、第1伝達部材E194及び第2伝達部材E195は、ベース部材E130の長手方向において中央通路E160側に位置する。即ち、第1伝達部材E194と第2伝達部材E195とは、互いに近づいた位置に配設され、従って一対の振分通路E150も互いに近づいた位置に配設される。
第1位置に配置された状態において、中央通路E160の据付部E164の上方には振分通路E150が配置される。これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)を流下した球を架設通路E161(第4通路ERt4)へ送球しやすくできる。
また、振分通路E150の切欠き部E150aは、上面視、流路調整ブロックE170の外壁E172に近づいた位置に配置される。よって、振分通路E150(第3通路ERt3)を流下した球を外壁E172に当接させ易くできる。これにより、球の送球方向を変更(変化)でき、遊技の興趣を高めることができる。
図146及び図147に示すように、振分通路E150が第2位置に配置された状態では、振分通路E150、第1伝達部材E194及び第2伝達部材E195は、ベース部材E130の長手方向(矢印L-R方向)において湾曲部E131側に位置する。即ち、第1伝達部材E194と第2伝達部材E195とは、第1位置に配置された状態に比べ、互いに離間した位置に配設され、従って一対の振分通路E150も互いに離間した位置に配設される。
第2位置に配置された状態において振分通路E150は、上面視その傾斜方向下降側の端部が、据付部E164の左右方向における略中央に配置される。よって、振分通路E150(第3通路ERt3)を通過(流下、転動)した球は据付部E164の上面を転動できる。これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)から架設通路E161(第4通路ERt4)もしくは第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ送球されるまでの時間を長くでき、遊技の興趣を高めることができる。
振分通路E150と第1伝達部材E194、第2伝達部材E195とは、被係合部E153の係合凹部E153aに係合部E194cが挿入されることで係合される。上述したように、係合凹部E153aは、背面視鉛直方向(矢印U-D方向)に延設して形成されるため、係合凹部E153a内において、係合部E194cは鉛直方向(矢印U-D方向)に変位できる。これにより、第1伝達部材E194又は第2伝達部材E195が左右方向(矢印L-R方向)に変位する場合においても、振分通路E150は、左右方向に変位すると共に、鉛直方向に変位できる。これにより、振分通路E150は、その傾斜方向(第1斜面部E133の傾斜方向)に沿って変位できる。即ち、振分通路E150の上面を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向と平行な方向(振分通路E150の湾曲部E131側の端部から中央通路E160側の端部へ向かう方向)に振分通路E150及びその上面に形成される突起部E151を変位(往復動)させることができる。その結果、球の移動(流下、転動)方向に変化(変更)を付与し易くできる。また、球の移動(流下、転動)方向の変化(変更)を多様とできる。
また、上述したように、振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)する球が、突起部E151の傾斜した側面E151aどうしに当接した状態で振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)可能に配設されるため、振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)球が振分通路E150(第3通路ERt3)に留まることを抑制できる。よって、球が振分通路E150(第3通路ERt3)に留まることを抑制するために、振分通路E150(第3通路ERt3)を複雑な軌跡で変位させることや、大きな変位量や変位速度で変位させることを抑制できる。その結果、駆動手段E190を簡素化できる。
振分通路E150の第1位置から第2位置への変位は、駆動モータE191の駆動により、駆動力伝達部材E193の偏心軸E193aが中央通路E160側(矢印R方向側)から湾曲部E131側(矢印L方向側)に変位することで行われる。
上述したように、偏心軸E193aを第1伝達部材E194の伝達凹部E194eに挿入されるため、偏心軸E193aの変位と同様、中央通路E160側から湾曲部E131側に変位する。これにより、第1伝達部材E194に係合される振分通路E150は、第1位置から第2位置へ変位する。
また、第1伝達部材E194の中央通路E160側から湾曲部E131側への変位により、第1ラック部E194dのラックギヤE194d1と歯合するピニオンギヤE196は、背面視時計回りに回動される。
これにより、ピニオンギヤE196と歯合する第2ラック部E195b、即ち、第2伝達部材E195は、中央通路E160側から湾曲部E131側に変位し、第2伝達部材E195に係合される振分通路E150は、第1位置から第2位置へ変位する。
このように、ピニオンギヤE196を介して第1伝達部材E194の変位が第2伝達部材E195へ伝達される。これにより、駆動モータE191の配設個数を抑制して、製品コストの削減を図ることができる。また、第1伝達部材E194の変位に連動して第2伝達部材E195が変位できる、即ち、第1伝達部材E194の変位と第2伝達部材E195の変位の同期を不要とでき、製品コストの削減を図ることができる。
また、ピニオンギヤE196を介するため、第1伝達部材E194と第2伝達部材E195との変位を逆方向(逆位相)とすることができる。即ち、ベース部材E130(第1斜面部E133)上において、一対の振分通路E150が変位(往復動)する際に発生する左右方向(矢印L-R方向)の振動を互いに打ち消すことができる。これにより、制振部材を不要とでき、製品コストの削減を図ることができる。
振分通路E150の第2位置から第1位置への変位は、第1位置から第2位置への変位と同様、駆動モータE191の駆動により行われる。なお、振分通路E150、第1伝達部材E194の変位の方向、第2伝達部材E195の変位の方向、及び、ピニオンギヤE196の回動の方向以外は第1位置から第2位置への変位と同様であるため、その説明は省略する。
ここで、偏心軸E193aの変位を同一方向に保つことで、振分通路E150を第1位置と第2位置との間で左右方向(矢印L-R方向)へ往復動させることができる。詳細に説明すると、偏心軸E193aの上面視円状の変位のうち、中央通路E160側から湾曲部E131側へ向かう変位では、振分通路E150を第1位置から第2位置へ変位させる。また、偏心軸E193aの上面視円状の変位のうち、湾曲部E131側から中央通路E160側へ向かう変位では、振分通路E150を第2位置から第1位置へ変位させる。
このように、偏心軸E193aを上面視円状に変位させることで、偏心軸E193aの変位を同一方向に保った状態で振分通路E150を第1位置と第2位置との間で往復動させることができる。これにより、駆動モータE191の駆動方向を切り替えることを抑制できる。その結果、駆動モータE191を制御するためのセンサを不要とでき、製品コストの削減を図ることができる。
また、偏心軸E193aは上面視円状に変位するため、第1伝達部材E194が所定量を超えて左右方向への変位することを抑制できる。例えば、駆動力伝達部材E193を介せず、駆動モータE191が第1伝達部材E194に係合される形態では、駆動モータE191の誤作動やセンサの制御不良等で、第1伝達部材E194が所定量を超えて変位する虞がある。
これに対し、本実施形態では、偏心軸E193aは上面視円状に変位することで第1伝達部材E194は所定の範囲内において左右方向へ変位するため、第1伝達部材E194が他の部材(例えば、中央通路E160)に当接することを抑制できる。また、駆動モータE191の駆動方向の切り替え(駆動の停止や再駆動)による振動の発生を抑制でき、振分通路E150の往復動を滑らかにできる。
図136から図143に戻って、下側フレームE86bを流下する球について説明する。
正面板E111に形成される受入口EOPinを通過することで、球は、第1通路ERt1へ案内され、次いで、球の自重により第1通路ERt1を落下することで、湾曲部E131(第2通路ERt2)へ案内される。
湾曲部E131(第2通路ERt2)へ案内された球は、その形状により、前後方向(矢印F-B方向)へ往復動しつつ、壁板E132の切欠き部E132aを通過することで、振分通路E150(第3通路ERt3)へ案内される。これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)へ案内される球は、前後方向への速度成分を有した状態で切欠き部E132aを通過できる。
また、切欠き部E132aは、球の直径よりも大きく形成されるため、切欠き部E132aの任意の位置から振分通路E150(第3通路ERt3)へ球を案内できる。
これらにより、湾曲部E131(第2通路ERt2)から振分通路E150(第3通路ERt3)へ流下される球を不規則にでき、従って、遊技の興趣を高めることができる。
振分通路E150(第3通路ERt3)を流下する球は、上述したように、突起部E151に当接することによりその流下方向が変更(変化)される。ここで、球の流下方向が、背面側(矢印B方向側)に変更(変化)され、ベース部材E130の背面板E137に当接すると共に背面板E137の正面側(矢印F方向側)に配設される突起部E151の側面E151aに当接する、即ち、背面板E137と突起部E151とに挟持されることで、球の流下が抑制される虞がある。
これに対し、本実施形態においては、駆動モータE191により振分通路E150が振分通路E150(第1斜面部E133)の傾斜方向に沿って往復動するため、背面板E137と突起部E151とにより球が挟持されることを抑制できる。また、振分通路E150が変位(往復動)することで、球と突起部E151との当接を不規則にでき、振分通路E150を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向の変化(変更)を多様化できる。これにより、振分通路E150を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向の変化(変更)が単調となることを抑制できる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
振分通路E150(第3通路ERt3)を流下する球は、突起部E151に当接し、流下する球の速度が減少することで、振分通路E150(第3通路ERt3)を流下する球の流下時間を延長(変化)できる。また、流下方向が変更(変化)されることで、架設通路E161(第4通路ERt4)、第2斜面部E135(第5通路ERt5)もしくは介設部材E140(第6通路ERt6)のいずれかの通路に案内される。
振分通路E150(第3通路ERt3)を流下する球が中央通路E160の架設通路E161(第4通路ERt4)に送球されると、架設通路E161の左右方向略中央に形成される上方孔E162へ向けて案内される。架設通路E161(第4通路ERt4)を流下する球が、上方孔E162の周囲に突設される突起部E162aによりその案内方向が変更(変化)されることなく流下することで、上方孔E162を通過し、円筒壁E163(第4通路ERt4)内を鉛直方向下方(矢印D方向)へ流下(落下)する。
円筒壁E163内を流下(落下)した球は、第2斜面部E135の挿通孔E135aを通過し、正面側カバー部材E181の背面側通路E181b(第4通路ERt4)へ案内され、送球板E181b1の送球傾斜部E181b3に当接することで、その案内方向が鉛直方向下方(矢印D方向)から正面部材E110側(矢印F方向側)へ変更(変化)され、送球板E181b1の上面を流下する(図143(c)参照)。
送球板E181b1の上面を流下した球は、そのまま介設部材E140の下側通路E143(第4通路ERt4)を流下し、当接部E142の通路口E142aを通過し、正面部材E110の流出口EOPoutから遊技領域へ流出される。
架設通路E161(第4通路ERt4)を流下する球が、上方孔E162の周囲に突設される突起部E162aによりその流下方向が変更(変化)される場合、架設通路E161の正面側(矢印F方向側)から第2斜面部E135(第5通路ERt5)もしくは中央通路E135b(第7通路ERt7)へ送球される。
振分通路E150(第3通路ERt3)を流下する球が第2斜面部E135(第5通路ERt5)に送球されると、介設部材E140(第6通路ERt6)もしくは中央通路E135b(第7通路ERt7)へ向けて案内される。
第2斜面部E135(第5通路ERt5)上を介設部材E140(第6通路ERt6)へ向けて流下される球が、第2斜面部E135に配設される流路調整ブロックE170に当接することで、その流下方向が変更(変化)される。流路調整ブロックE170の内壁E173に当接した球は、中央通路E135b(第7通路ERt7)へ案内される可能性があり、これにより、遊技の興趣を高めることができる。
第2斜面部E135(第5通路ERt5)上を中央通路E135b(第7通路ERt7)へ向けて流下される球のうち、第2斜面部E135(第5通路ERt5)と中央通路E135b(第7通路ERt7)との境界の背面側(矢印B方向側)に配設される一対の立て壁部E135cに当接することで、球が中央通路E135b(第7通路ERt7)に案内されることが抑制される。
中央通路E135b(第7通路ERt7)に案内された球は、その傾斜方向により第2斜面部E135の挿通孔E135a(矢印B方向)へ向けて流下し、挿通孔E135aを通過して正面側カバー部材E181の背面側通路E181b(第4通路ERt4)へ案内される。
ここで、第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ案内される球のうち、中央通路E160よりも背面板E137側(矢印B方向側)に送球された球は、円筒壁E163に当接することで、挿通孔E135aを通過することが抑制される。
また、第2斜面部E135に形成される仕切り部E135dに当接することにより、球が振分通路E150の左右方向(矢印L-R方向)一側から他側もしくは他側から一側へ送球されることを抑制できる。これにより、第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ案内される球が、取付け部E134の側面(左右方向に形成される面)に当接しその流下方向が変更(変化)されることで、中央通路E135b(第7通路ERt7)に案内されることを抑制できる。
また、仕切り部E135dに当接することにより、球が円筒壁E163の背面側(矢印B方向側)を流下することを抑制できる。これにより、遊技者が第2斜面部E135(第5通路ERt5)を流下する球を見失うことを抑制できる。
振分通路E150(第3通路ERt3)の前端(矢印F方向側の端部)、もしくは第2斜面部E135(第5通路ERt5)から送球される球は、介設部材E140(第6通路ERt6)の転動部E141を、その延設方向中央へ向けて転動する。ここで、転動部E141は、その延設方向(矢印L-R方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、延設方向中央に向けて下降傾斜して形成されるため、介設部材E140(第6通路ERt6)へ流下された球は、転動部E141の形状に沿って延設方向(左右方向)へ往復動し、第1流出面E141aから中央通路E135b(第7通路ERt7)へ案内される、もしくは第2流出面E141bから遊技領域へ流出(流下)される。
なお、流路調整ブロックE170は、正面視左右方向(矢印L-R方向)において第2流出面E141bと重なる位置に配設される。これにより、第2斜面部E135(第5通路ERt5)を流下する球が、そのまま第2流出面E141bから遊技領域へ流出(流下)されることを抑制できる。従って、転動部E141を転動させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
上述したように、振分通路E150(第3通路ERt3)に突起部E151を形成することで、球の移動(流下、転動)方向を変更(変化)できる。言い換えると、球の移動(流下、転動)方向にランダム性を付与できる。即ち、球が振分通路E150を通過する(振分通路E150の長手方向(矢印L-R方向)に渡り切る)ことを阻害する又は補助する手段として、突起部E151を機能させることができる。
同様に、駆動手段E190を備えることで球の移動(流下、転動)方向を変更(変化)でき、球が振分通路E150を通過する(振分通路E150の長手方向(矢印L-R方向)に渡り切る)ことを阻害する又は補助する手段として、駆動手段E190を機能させることができる。
振分通路E150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)し、中央通路E160側の端部を通過した(振分通路E150の長手方向(矢印L-R方向)に渡り切った)球は、架設通路E161(第4通路ERt4)もしくは第2斜面部E135(第5通路ERt5)のどちらかの通路に案内される。即ち、振分通路E150(第3通路ERt3)を流下(流下方向側の端部を通過)した球が架設通路E161(第4通路ERt4)へ振り分けられることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
ここで、振分通路E150の介設部材E140側(矢印F方向側)の端部を通過した球は、介設部材E140(第6通路ERt6)、即ち、第1入賞口64に球が入賞する確率の低い通路へ送球(案内)される。言い換えると、振分通路E150を長手方向に渡り切らなかった球は、第1入賞口64に球が入賞する確率が低くなる。
これにより、振分通路E150の中央通路E160側(流下方向側)の端部を通過し(振分通路E150の長手方向(矢印L-R方向)に渡り切る)、第1入賞口64に球が入賞する確率の高い架設通路E161(中央通路E160、第4通路ERt4)へ球が送球(案内)されることを遊技者に期待させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
また、突起部E151に当接することで振分通路E150(第3通路ERt3)を流下する球の流下速度を遅くでき、架設通路E161(第4通路ERt4)に球が案内されることを遊技者に期待させる時間を長くでき、遊技の興趣を高めることができる。
また、突起部E162aにより、架設通路E161(第4通路ERt4)に案内された球を第2斜面部E135(第5通路ERt5)に送球できる。
一方、第2斜面部E135(第5通路ERt5)に形成される中央通路E135b(第7通路ERt7)により、第2斜面部E135(第5通路ERt5)、介設部材E140(第6通路ERt6)に案内された球を第1入賞口64へ入賞し易い(第1入賞口64へ入賞する確率が高い)背面側通路E181b(第4通路ERt4)に送球できる。これにより、球が遊技領域に流出(流下)されるまで、球が背面側通路E181b(第4通路ERt4)へ案内されることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図148から図149を参照して、第17実施形態における下側フレームE2086bについて説明する。
上記第16実施形態では、振分通路E150の上面に突起部E151が突設される場合を説明したが、第17実施形態における振分通路E2150の上面は、円弧状に湾曲して形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図148は、第17実施形態における下側フレームE2086bの部分拡大断面図であり、図144のCXLVa-CXLVa線における断面に対応する。なお、図148(a)は、振分通路E2150と湾曲部E131とが当接した状態を示し、図148(b)は、図148(a)に対し、コイルばねとして構成される弾性ばねE2190が縮んだ状態を示す。図149(a)は、振分通路E2150の正面斜視図であり、図149(b)は、図149(a)の矢印CXLIXb方向視における振分通路E2150の正面図であり、図149(c)は、図149(b)の矢印CXLIXc方向視における振分通路E2150の下面図であり、図149(d)は、図149(b)の矢印CXLIXd方向視における振分通路E2150の側面図である。
図148及び図149に示すように、下側フレームE2086bは、正面部材E110と、その正面部材E110の長手方向(矢印L-R方向)両端に配設される誘導部材E120と、正面部材E110の背面側(矢印B方向側)に配設されるベース部材E2130と、正面部材E110及びベース部材E2130の対向間に介設される介設部材E140と、ベース部材E2130に配設される振分通路E2150、中央通路E160、一対の流路調整ブロックE170及び複数(本実施形態では2個)の弾性ばねE2190と、を備える(図136参照)。
ベース部材E2130は、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の平面部E2133と、中央通路E160側において一対の平面部E2133の上方(矢印U方向)に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E2130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136(図138参照)と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E137と、を備える。
平面部E2133は、上面視横長略矩形の板状体から形成され、複数(本実施形態では2個)の支持突起E2133aが長手方向両端側にそれぞれ形成され、それら複数の支持突起E2133aよりも中央通路E160側に複数(本実施形態では2個)の支持部E2133bがそれぞれ形成される。
支持突起E2133aは、円柱状に形成される。支持部E2133bは側面視略矩形の板状体であり、平面部E2133の上面から突設され、その突設方向先端側(矢印U方向側)には後述する支持軸E20jを挿通するための挿通孔、即ち、支持軸E20jの外形よりもやや大きな挿通孔が前後方向(矢印F-B方向)に穿設される。複数の支持突起E2133a及び複数の支持部E2133bは、前後方向(矢印F-B方向)に所定の間隔を隔ててそれぞれ配設される。
振分通路E2150は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜し、その傾斜面に垂直な方向視において横長略矩形に形成される。振分通路E2150の下面には、複数(本実施形態では2個)の支持突起E2150aが長手方向両端側にそれぞれ形成され、それら複数の支持突起E2150aよりも中央通路E160側に複数(本実施形態では2個)の支持部E2150bがそれぞれ形成される。
支持突起E2150aは、上面視、支持突起E2133aに対応する位置にそれぞれ配設される。支持部E2150bは、支持部E2133bに対し、上面視前後方向に異ならせた位置にそれぞれ配設される。詳細には、一対の支持部E2133bの対向間に支持部E2150bがそれぞれ配設される。
支持部E2150bには、支持部E2133bに穿設される挿通孔と略同等の挿通孔が前後方向(矢印F-B方向)に穿設される。
振分通路E2150の上面には、湾曲部E131(第2通路ERt2)から案内された球が流下する転動面E2151が形成され、振分通路E2150の延設方向に垂直な平面での断面形状が鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凹となる円弧状に湾曲して形成される。この円弧状に湾曲した空間により第3通路ERt203が形成される。
介設部材E140側(矢印F方向側、図136参照)における転動面E2151の端部は、背面板E137側(矢印B方向側)における転動面E2151の端部よりも鉛直方向下方(矢印D方向)に形成される。従って、転動面E2151を流下する球は、背面板E137側における転動面E2151の端部を通過して背面板E137に当接するよりも、介設部材E140側における転動面E2151の端部を通過して介設部材E140(第6通路ERt6)へ送球され易い(図136参照)。
弾性ばねE2190は、上述したように、コイルばねとして構成され、その内径は、支持突起E2133a,E2150aの外径と同等またはやや大きく形成される。支持突起E2133a,E2150aを弾性ばねE2190の内側に挿通することで、支持突起E2133a,E2150aは、弾性ばねE2190を支持できる。
弾性ばねE2190が支持突起E2133a,E2150aにより支持された状態で支持部E2133b,E2150bの挿通孔に支持軸E20jを挿通することで、振分通路E2150を平面部E2133へ係合できる。
なお、支持軸E20jは、平面部E2133に対し前後方向(矢印F-B方向)を回動軸として振分通路E2150を回動可能に係合するためのものであり、支持部E2133b,E2150bの挿通孔と同等またはやや小さな外径を有する棒状の円柱体として形成され、前後方向に沿った姿勢で支持部E2133b,E2150bの挿通孔に挿通される。
これらにより、一対の振分通路E2150は、中央通路E160側が回動可能に係合された状態で、弾性ばねE2190により長手方向両端側が上下方向(矢印U-D方向)に変位(往復動)される。即ち、一対の振分通路E2150は、ベース部材E2130(平面部E2133)に変位(回動、往復動)可能にそれぞれ係合される。また、一対の振分通路E2150の長手方向(矢印L-R方向)両端側は、湾曲部E131の下面に当接した状態でそれぞれ配設される。
この状態では、弾性ばねE2190は縮んだ状態で配設され、弾性ばねE2190の弾性回復力を利用して湾曲部E131の下面と振分通路E2150との当接状態が維持される。即ち、本実施形態においては、弾性ばねE2190は振分通路E2150の鉛直方向下方側(矢印D方向側)に配設され、振分通路E2150を鉛直方向上方側(矢印U方向側)へ変位させる態様に形成される。
また、この状態では、転動面E2151の鉛直方向(矢印U-D方向)における高さ位置が最も低い位置は、中央通路E160の据付部E164の上面よりも鉛直方向上方(矢印U方向)に配設される。これにより、転動面E2151を流下した球と据付部E164との当接を抑制でき、転動面E2151を流下した球を中央通路E160(第4通路ERt4)もしくは第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ案内できる。
次いで、振分通路E2150を流下する球について説明する。湾曲部E131(第2通路ERt2)を前後方向(矢印F-B方向)へ往復動することにより前後方向への速度成分を有した状態で振分通路E2150に案内された球は、転動面E2151(第3通路ERt203)を前後方向へ往復動しつつ、傾斜方向に従い中央通路E160側へ向けて流下する。
前後方向への往復動により、背面板E137側(矢印B方向側)における転動面E2151の端部を通過した球は、背面板E137と当接することで、再び転動面E2151(第3通路ERt203)へ案内される。
一方、前後方向への往復動により、介設部材E140側(矢印F方向側)における転動面E2151の端部を通過した球は、介設部材E140(第6通路ERt6)へ案内される(図136参照)。
転動面E2151の介設部材E140側(矢印F方向側)における端部を通過せず、即ち、介設部材E140(第6通路ERt6)へ案内されず、転動面E2151の傾斜方向下降側の端部を通過した球は、中央通路E160(第4通路ERt4)もしくは第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ案内される。
このように、振分通路E2150の延設方向に垂直な平面での断面形状が鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に転動面E2151が湾曲して形成されることで球の流下方向を変更(変化)でき、中央通路E160(第4通路ERt4)、第2斜面部E135(第5通路ERt5)もしくは介設部材E140(第6通路ERt6)のいずれかの通路に球を案内できる(図136参照)。即ち、転動面E2151(第3通路ERt203)を流下した球を中央通路E160(第4通路ERt4)へ振り分けられることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、湾曲部E131(第2通路ERt2)から送球された球が、転動面E2151(第3通路ERt203)に当接(落下)することで、球の自重により振分通路E2150は、支持軸E20jを回動中心として湾曲部E131側が鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて回動する。即ち、振分通路E2150の傾斜が小さくなる。これにより、転動面E2151(第3通路ERt203)を流下する球の流下速度を遅くでき、中央通路E160(第4通路ERt4)に球が案内されることを遊技者に期待させる時間を長くでき、遊技の興趣を高めることができる。
また、湾曲部E131は、上述したように、延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図143(c)参照)ので、湾曲部E131(第2通路ERt2)に案内された球を、延設方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、転動面E2151(第3通路ERt203)へ球を流下させることができる。よって、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、湾曲部E131(第2通路ERt2)から転動面E2151(第3通路ERt203)へ流入する場合に、湾曲部E131(第2通路ERt2)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。これにより、先行する球が転動面E2151(第3通路ERt203)を流下中に後行する球が転動面E2151(第3通路ERt203)に案内されることで、先行する球の自重と後行する球の自重とにより振分通路E2150の傾斜をさらに小さくできる。その結果、架設通路E161(第4通路ERt4)に球が案内されることを遊技者に期待させる時間をさらに長くでき、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図150を参照して、第18実施形態における下側フレームE3086bについて説明する。
上記第17実施形態では、振分通路E2150の上面が、円弧状に湾曲して形成される場合を説明したが、第18実施形態における振分通路E3150の上面は、平面状に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図150は、第18実施形態における下側フレームE3086bの部分拡大断面図であり、図144のCXLVa-CXLVa線における断面に対応する。なお、図150(a)は、振分通路E3150と湾曲部E131とが当接した状態を示し、図150(b)は、図148(a)に対し、弾性ばねE2190が縮んだ状態を示す。
図150に示すように、下側フレームE3086bは、正面部材E110と、その正面部材E110の長手方向(矢印L-R方向)両端に配設される誘導部材E120と、正面部材E110の背面側(矢印B方向側)に配設されるベース部材E3130と、正面部材E110及びベース部材E3130の対向間に介設される介設部材E140と、ベース部材E3130に配設される振分通路E3150、中央通路E160、一対の流路調整ブロックE170及び複数(本実施形態では2個)の弾性ばねE2190と、ボールジョイントE3200と、を備える(図136参照)。
ベース部材E3130は、第17実施形態におけるベース部材E2130に対し、支持部E2133bに代えてボールジョイントE3200のソケットE3220が平面部E3133に配設される以外は同一に形成される。
平面部E3133の支持突起E2133aよりも中央通路E160側における平面部E3133の前後方向(矢印F-B方向)略中央には、ボールジョイントE3200のソケットE3220が配設される。
ここで、ボールジョイントE3200について説明する。ボールジョイントE3200は、ボール部材E3210と、ソケットE3220とから形成される。
ボール部材E3210には、球状に形成される球部E3211と、その球部E3211に結合される固定部E3212とが形成される。ソケットE3220には、その上面に球部E3211の外径と同等またはやや大きく形成される受け口E3221が凹設される。球部E3211が受け口E3221に挿入されることで、ソケットE3220に対してボール部材E3210が、変位可能に係合される。
振分通路E3150は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜し、その傾斜面に垂直な方向視において横長略矩形の板状体から形成される。振分通路E3150の下面には、複数(本実施形態では2個)の支持突起E2150aが長手方向両端側にそれぞれ形成され、それら複数の支持突起E2150aよりも中央通路E160側にボール部材E3210が形成される。
支持突起E2150a及びボール部材E3210は、上面視、平面部E3133に形成される支持突起E2133a及びソケットE3220に対応する位置にそれぞれ配設される。
板状体に形成される振分通路E3150の上面には、湾曲部E131(第2通路ERt2)から案内された球が流下する転動面E3151が形成される。転動面E3151により第3通路ERt303が形成される。
弾性ばねE2190が支持突起E2133a,E2150aにより支持された状態で平面部E3133の上面に配設されるソケットE3220(受け口E3221)に振分通路E3150の下面に配設されるボール部材E3210(球部E3211)を挿入することで、振分通路E3150を平面部E3133へ係合できる。
これらにより、一対の振分通路E3150は、中央通路E160側が回動可能に係合された状態で、弾性ばねE2190により長手方向両端側が上下方向(矢印U-D方向)に変位(往復動)される。即ち、一対の振分通路E3150は、ベース部材E3130(平面部E3133)に変位(回動、往復動)可能にそれぞれ配設される。また、一対の振分通路E3150の長手方向(矢印L-R方向)両端は、湾曲部E131の下面に当接した状態でそれぞれ配設される。
この状態では、弾性ばねE2190は縮んだ状態で配設されており、弾性ばねE2190の弾性回復力を利用して湾曲部E131の下面と振分通路E3150との当接状態が維持される。即ち、本実施形態においては、弾性ばねE2190は振分通路E2150の鉛直方向下方側(矢印D方向側)に配設され、振分通路E2150を鉛直方向上方側(矢印U方向側)へ変位させる態様に形成される。
また、この状態では、転動面E3151の傾斜方向下降側(矢印D方向側)の端部、即ち、転動面E3151の鉛直方向(矢印U-D方向)における高さ位置が最も低い位置は、中央通路E160の据付部E164の上面よりも鉛直方向上方(矢印U方向)に配設される。これにより、転動面E3151を流下した球と据付部E164との当接を抑制でき、転動面E3151を流下した球を中央通路E160(第4通路ERt4)もしくは第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ案内できる。
次いで、振分通路E3150を流下する球について説明する。湾曲部E131を前後方向(矢印F-B方向)へ往復動することにより前後方向への速度成分を有した状態で振分通路E3150に案内された球は、転動面E3151(第3通路ERt303)を前後方向へ変位可能であり、傾斜方向に従い中央通路E160側へ向けて流下する。
ここで、前後方向における転動面E3151(第3通路ERt303)への球の当接(落下)位置により、振分通路E3150は、介設部材E140側(矢印F方向側)もしくは背面板E137側(矢印B方向側)へ傾斜する(図136参照)。
詳細に説明すると、ボールジョイントE3200を介して振分通路E3150がベース部材E3130(平面部E3133)に係合されるため、転動面E3151(第3通路ERt303)の介設部材E140(図136参照)側へ球が当接(落下)した場合、振分通路E3150は、湾曲部E131側から中央通路E160側への下降傾斜に加え、球の自重により、背面板E137側から介設部材E140側へ向けて下降傾斜する。一方、転動面E3151(第3通路ERt303)の背面板E137側へ球が当接(落下)した場合、振分通路E3150は、湾曲部E131側から中央通路E160側への下降傾斜に加え、球の自重により、介設部材E140側から背面板E137側へ向けて下降傾斜する。即ち、前後方向において、球が当接(落下)した側へ転動面E3151(第3通路ERt303)が下降傾斜する。
これにより、転動面E3151(第3通路ERt303)を流下する球の流下方向を変更(変化)でき、中央通路E160(第4通路ERt4)、第2斜面部E135(第5通路ERt5)もしくは介設部材E140(第6通路ERt6)(図136参照)のいずれかの通路に球を案内できる。即ち、転動面E3151(第3通路ERt303)を流下した球を中央通路E160(第4通路ERt4)へ振り分けられることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
また、湾曲部E131(第2通路ERt2)から送球された球が、転動面E3151(第3通路ERt303)に当接(落下)することで、球の自重により振分通路E3150は、ボールジョイントE3200を回動中心として湾曲部E131側が鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて回動する。即ち、長手方向(矢印L-R方向)における振分通路E3150の傾斜が小さくなる。これにより、転動面E3151(第3通路ERt303)を流下する球の流下速度を遅くでき、中央通路E160(第4通路ERt4)に球が案内されることを遊技者に期待させる時間を長くでき、遊技の興趣を高めることができる。
また、湾曲部E131(第2通路ERt2)は、上述したように、延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される(図143(c)参照)ので、湾曲部E131(第2通路ERt2)に案内された球を、延設方向における一端側と他端側との間で往復動させた上で、転動面E3151(第3通路ERt303)へ球を流下させることができる。よって、所定の間隔を隔てた状態で、2球が、湾曲部E131(第2通路ERt2)から転動面E3151(第3通路ERt303)へ流入する場合に、湾曲部E131(第2通路ERt2)における往復動を利用して、先行する球に後行する球を追いつかせ、それら先行する球と後行する球との間隔を減少させる(球を連ならせる)ことができる。これにより、先行する球が転動面E3151(第3通路ERt303)を流下中に、後行する球が転動面E3151(第3通路ERt303)に案内されることで先行する球の自重と後行する球の自重とにより振分通路E3150の長手方向(矢印L-R方向)における傾斜をさらに小さくできる。その結果、中央通路E160(第4通路ERt4)に球が案内されることを遊技者に期待させる時間をさらに長くでき、遊技の興趣を高めることができる。
また、転動面E3151(第3通路ERt303)へ球を流下させることで、前後方向(矢印F-B方向)における振分通路E3150の傾斜方向を変更(変化)できる場合がある。
例えば、先行する球が、転動面E3151(第3通路ERt303)の介設部材E140(図136参照)側を流下している状態において、後行する球が、転動面E3151(第3通路ERt303)の背面板E137側に当接(落下)した場合、前後方向における転動面E3151の傾斜の下降方向を介設部材E140側から背面板E137側に変更(変化)できる場合がある。このように、転動面E3151(第3通路ERt303)を球が流下中に、前後方向における転動面E3151の傾斜方向が変更(変化)することで、球の送球先を変更でき、遊技の興趣を高めることができる。
本実施形態においては、複数(本実施形態では2個)の支持突起E2133aに、同一の弾性ばねE2190がそれぞれ配設される場合を説明したが、異なる弾性ばね、即ち、異なる弾性係数を有する弾性ばねがそれぞれ配設されてもよい。
例えば、介設部材E140側(矢印F方向側)に配設される弾性ばねの弾性係数を背面板E137側(矢印B方向側)に配設される弾性ばねの弾性係数よりも小さくすることで、振分通路E3150を介設部材E140側に下降傾斜させ易くできる(図136参照)。これにより、転動面E3151(第3通路ERt303)を流下する球が、転動面E3151と背面板E137とに当接した(挟持された)状態で転動面E3151(第3通路ERt303)を流下し、中央通路E160と背面板E137との間を流下(落下)して第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ案内されることを抑制できる。
次いで、図151から図152を参照して、第19実施形態における下側フレームE4086bについて説明する。
上記第16実施形態では、一対の振分通路E150が配設される場合を説明したが、第19実施形態では、一対の振分通路E150に加え、一対の第2振分通路E4150が配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図151(a)及び図152(a)は、第19実施形態における下側フレームE4086bの正面図であり、図151(b)及び図152(b)は、下側フレームE4086bの背面図である。なお、図151及び図152は模式的に図示され、図151(a)及び図152(a)では、正面部材E110及び誘導部材E120の図示が省略される。また、図151(b)及び図152(b)では、理解を容易とするため、振分通路E150、第2振分通路E4150及び駆動手段E4190のみが表示される。また、図151では、振分通路E150が第1位置に配置された状態が、図152では、振分通路E150が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図151から図152に示すように、下側フレームE4086bは、正面部材E110と、その正面部材E110の長手方向(矢印L-R方向)両端に配設される誘導部材E120と、正面部材E110の背面側(矢印B方向側)に配設されるベース部材E4130と、正面部材E110及びベース部材E4130の対向間に介設される介設部材E140と、ベース部材E4130に配設される振分通路E150、第2振分通路E4150、中央通路E160及び一対の流路調整ブロックE170と、ベース部材E4130の下面側(矢印D方向側)に所定の間隔を隔てて配設されるカバー部材E4180と、そのカバー部材E4180の内側に配設される駆動手段E4190と、を備える(図136参照)。
ベース部材E4130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131(図136参照)と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E4133と、その一対の第1斜面部E4133の対向間に形成される一対の第3斜面部E4139と、その一対の第3斜面部E4139の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E4130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136(図138参照)と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E4137と、を備える。
第3斜面部E4139が形成されるため、第16実施形態における第1斜面部E133に対し第1斜面部E4133は、鉛直方向上方(矢印U方向)に配設され、長手方向(矢印L-R方向)が短く形成される。
第3斜面部E4139は、鉛直方向(矢印U-D方向)において第1斜面部E4133と取付け部E134との間に配設され、第1斜面部E4133に平行に形成される。
背面板E4137は、第1斜面部E4133と同様、第16実施形態における背面板E137に対し鉛直方向上方(矢印U方向)に延設して配設される。
第2振分通路E4150は、振分通路E150に対し、傾斜方向における長さが短く形成され、その他は同一であるため、その説明は省略する。第2振分通路E4150に突起部E151が形成されることで、第2振分通路E4150に第3通路ERt3が形成される。第2振分通路E4150は、鉛直方向(矢印U-D方向)において振分通路E150(第3通路ERt3)と中央通路E160(第4通路ERt4)との間に配設される。即ち、第2振分通路E4150は、振分通路E150(第3通路ERt3)よりも鉛直方向下方(矢印D方向)であり、中央通路E160(第4通路ERt4)よりも鉛直方向上方(矢印U方向)に配設される。
駆動手段E4190は、駆動力を発生させる駆動モータE191と、駆動モータE191の上方(矢印U方向)に配設される取付け部材E192と、駆動モータE191の軸に固着される駆動力伝達部材E193と、駆動力伝達部材E193に係合される第1伝達部材E4194と、第1伝達部材E4194に係合される第2伝達部材E4195及び第3伝達部材E4198と、第2伝達部材E4195に係合される第4伝達部材E4199と、複数(本実施形態では3個)のピニオンギヤE196と、を備える。
なお、本実施形態における複数のピニオンギヤE196は全て同一であるが、理解を容易とするため、第1伝達部材E4194と第2伝達部材E4195との間に介設されるピニオンギヤE196をピニオンギヤE196a、第1伝達部材E4194と第3伝達部材E4198との間に介設されるピニオンギヤE196をピニオンギヤE196b、第2伝達部材E4195と第4伝達部材E4199との間に介設されるピニオンギヤE196をピニオンギヤE196cと符号を付して区別する。
第1伝達部材E4194は、第16実施形態における第1伝達部材E194に対し、係合ベースE4194bが鉛直方向上方(矢印U方向)に延設して形成され、第1ラック部E4194dの上面にピニオンギヤE196bと歯合するラックギヤE194d1が刻設される。
第2伝達部材E4195は、第16実施形態における第2伝達部材E195に対し、係合ベースE4194bが鉛直方向上方(矢印U方向)に延設して形成され、本体部E4195aの上面であって長手方向(矢印L-R方向)一方側(矢印L方向側)にピニオンギヤE196cと歯合するラックギヤE194d1が刻設される。
第3伝達部材E4198及び第4伝達部材E4199は、駆動モータE191の駆動力を第2振分通路E4150へ伝達するためのものである。
第3伝達部材E4198には、本体部E4198aと、その本体部E4198aの上面から突設される係合ベースE194bと、係合ベースE194bの上端から正面部材E110側(矢印F方向側)へ向けて突設される係合部E194c(図138参照)とが形成される。本体部E4198aの下面には、ピニオンギヤE196bと歯合するラックギヤE194d1が刻設され、ピニオンギヤE196bの回動により、第3伝達部材E4198が左右方向へ変位される。
第4伝達部材E4199には、本体部E4199aと、その本体部E4199aの上面から突設される係合ベースE194bと、係合ベースE194bの上端から正面部材E110側(矢印F方向側)へ向けて突設される係合部E194c(図138参照)とが形成される。本体部E4199aの下面には、ピニオンギヤE196cと歯合するラックギヤE194d1が刻設され、ピニオンギヤE196cの回動により、第4伝達部材E4199が左右方向へ変位される。
図151に示すように、振分通路E150が第1位置に配置された状態では、振分通路E150、第1伝達部材E4194及び第2伝達部材E4195は、ベース部材E4130の長手方向において中央通路E160側に位置する。即ち、第1伝達部材E4194と第2伝達部材E4195とは、互いに近づいた位置に配設され、従って、一対の振分通路E150も互いに近づいた位置に配設される。
一方、第2振分通路E4150、第3伝達部材E4198及び第4伝達部材E4199は、ベース部材E4130の長手方向において壁板E132側に位置する。即ち、第3伝達部材E4198と第4伝達部材E4199とは、互いに離間した位置に配設され、従って、一対の第2振分通路E4150も互いに離間した位置に配設される。
なお、振分通路E150が第1位置に配置された状態において、第2振分通路E4150の傾斜方向下降側の端部は、振分通路E150の傾斜方向下降側の端部よりも壁板E132側に位置する、即ち、上面視、第2振分通路E4150の全体が振分通路E150と重なる位置に配置される。従って、第2振分通路E4150は、球の通路を非形成とする位置に配置される。
これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)を流下した球は、第2振分通路E4150を移動(流下、転動)せず、架設通路E161(第4通路ERt4)へ送球(落下)される。即ち、振分通路E150(第3通路ERt3)から架設通路E161(中央通路E160、第4通路ERt4)へ球を流下(落下)させることができる。この結果、振分通路E150(第3通路ERt3)から流下(落下)した球が、架設通路E161に当接し跳ね返ることで、架設通路E161から第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ流下(落下)させ易くできる。
一方、振分通路E150(第3通路ERt3)から中央通路E160(第4通路ERt4)へ球を流下(落下)させることで、架設通路E161を流下することなく、直接、上方孔E162へ球を送球できる場合がある。これにより、球が架設通路E161を転動して上方孔E162へ向けて流下する場合と比較して、突起部E162aとの当接による第2斜面部E135(第5通路ERt5)への流下(落下)することを抑制できる(図140参照)。
このように、本実施形態では、振分通路E150(第3通路ERt3)から架設通路E161(中央通路E160、第4通路ERt4)へ球を流下(落下)させることで、第16実施形態と比較して架設通路E161(中央通路E160、第4通路ERt4)へ振り分けられた球を第1入賞口64(図135参照)へ入賞し難くできる(第1入賞口64へ入賞する確率を低くできる)。
一方、振分通路E150(第3通路ERt3)から架設通路E161を流下することなく、即ち、球が突起部E162aに当接することなく上方孔E162へ送球されることで、球が上方孔E162を通過し易くできる。これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)を流下した球が、架設通路E161を流下せず、直接、上方孔E162を通過することを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
図152に示すように、振分通路E150が第2位置に配置された状態では、振分通路E150、第1伝達部材E4194及び第2伝達部材E4195は、ベース部材E4130の長手方向において壁板E132側に位置する。即ち、第1伝達部材E4194と第2伝達部材E4195とは、振分通路E150が第1位置に配置された状態に比べ、互いに離間した位置に配設され、従って、一対の振分通路E150も互いに離間した位置に配設される。
一方、第2振分通路E4150、第3伝達部材E4198及び第4伝達部材E4199は、ベース部材E4130の長手方向において中央通路E160側に位置する。即ち、第3伝達部材E4198と第4伝達部材E4199とは、振分通路E150が第1位置に配置された状態に比べ、互いに近づいた位置に配設され、従って、一対の第2振分通路E4150も互いに近づいた位置に配設される。
なお、振分通路E150が第2位置に配置された状態において第2振分通路E4150の傾斜方向下降側の端部は、振分通路E150の傾斜方向上昇側の端部よりも上方孔E162側に位置する。即ち、上面視、第2振分通路E4150の一部は視認可能な位置に配設される。これにより、振分通路E150を流下した球を第2振分通路E4150に案内できる。その結果、第2振分通路E4150を流下した球を、架設通路E161を流下することなく、直接、上方孔E162へ送球し易くできる。
ここで、第2振分通路E4150は、振分通路E150よりも鉛直方向下方(矢印D方向)に配設されるため、球が第2振分通路E4150から架設通路E161へ流下(落下)された場合、振分通路E150から架設通路E161へ流下(落下)された場合と比較して、架設通路E161に当接することによる球の跳ね返り量を小さくできる。これにより、架設通路E161から第2斜面部E135(第5通路ERt5)への流下(落下)を抑制できる。
これらのように、振分通路E150から第2振分通路E4150へ案内されることで、架設通路E161(中央通路E160、第4通路ERt4)へ振り分けられた球を第1入賞口64(図135参照)へ入賞し易くできる(第1入賞口64へ入賞する確率を高くできる)。よって、第2振分通路E4150に球が案内される(振分通路E150が第2位置に配置された状態において振分通路E150から球が送球される)ことを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
また、振分通路E150が第2位置に配置された状態においては、第2振分通路E4150に第3通路ERt3が形成されるため、第16実施形態と比較して、第3通路ERt3を流下する球の流下時間を延長(変化)できる。
また、振分通路E150から第2振分通路E4150へ球を流下(落下)させることで、第2振分通路E4150に形成される突起部E151の上面に当接させることができる。従って、湾曲部E131から振分通路E150への流下(落下)に加え、振分通路E150から第2振分通路E4150へ球を流下(落下)させることで、突起部E151の上面を移動(流下、転動)させ易くでき、球の移動(流下、転動)方向を多様とできる。詳しく説明すると、平面状に形成される突起部E151の上面を移動(流下、転動)することで、球が第3通路ERt3を移動(流下、転動)することを抑制できるため、第3通路ERt3を移動(流下、転動)する態様と第3通路ERt3を移動(流下、転動)しない態様との両方を形成し易くできる。
次いで、駆動手段E4190による振分通路E150及び第2振分通路E4150の往復動作について説明する。
第1伝達部材E4194及び第2伝達部材E4195と振分通路E150、及び、第3伝達部材E4198及び第4伝達部材E4199と第2振分通路E4150とは、係合部E194cが被係合部E153の係合凹部E153aに挿入されることでそれぞれ係合される(図145参照)。
振分通路E150の第1位置から第2位置への変位、及び、それに伴う第2振分通路E4150の壁板E132側から中央通路E160側への変位は、駆動モータE191の駆動により、駆動力伝達部材E193の偏心軸E193aが中央通路E160側(矢印R方向側)から壁板E132側(矢印L方向側)に変位することで行われる。
駆動力伝達部材E193の偏心軸E193aが中央通路E160側から壁板E132側に変位することで、第1伝達部材E4194は中央通路E160側から壁板E132側に変位する。これにより、第1伝達部材E4194に係合される振分通路E150は、第1位置から第2位置へ変位する。
また、第1伝達部材E4194の中央通路E160側から壁板E132側への変位により、第1ラック部E4194dの下面に形成されるラックギヤE194d1と歯合するピニオンギヤE196aは、背面視時計回りに回動され、第1ラック部E4194dの上面に形成されるラックギヤE194d1と歯合するピニオンギヤE196bは、背面視反時計回りに回動される。
これにより、ピニオンギヤE196aと歯合する第2伝達部材E4195(第2ラック部E195b)は、中央通路E160側から壁板E132側に変位し、第2伝達部材E4195に係合される振分通路E150は、第1位置から第2位置へ変位する。また、ピニオンギヤE196bと歯合する第3伝達部材E4198(本体部E4198a)は、壁板E132側から中央通路E160側に変位し、第3伝達部材E4198に係合される第2振分通路E4150は、壁板E132側から中央通路E160側に変位する。
また、第2伝達部材E4195の中央通路E160側から壁板E132側への変位により、第2伝達部材E4195の本体部E4195aの上面に形成されるラックギヤE194d1と歯合するピニオンギヤE196cは、背面視時計回りに回動される。
これにより、ピニオンギヤE196cと歯合する第4伝達部材E4199の本体部E4199aは、壁板E132側から中央通路E160側に変位し、第4伝達部材E4199に係合される第2振分通路E4150は、壁板E132側から中央通路E160側に変位する。
振分通路E150の第2位置から第1位置への変位、及び、それに伴う第2振分通路E4150の中央通路E160側から壁板E132側への変位は、振分通路E150の第1位置から第2位置への変位、及び、それに伴う第2振分通路E4150の壁板E132側から中央通路E160側への変位と同様、駆動モータE191の駆動により行われる。
ここで、振分通路E150、第2振分通路E4150、第1伝達部材E4194から第4伝達部材E4199の変位方向およびピニオンギヤE196a,E196b,E196cの回動方向以外は振分通路E150の第1位置から第2位置への変位、及び、それに伴う第2振分通路E4150の壁板E132側から中央通路E160側への変位と同様であるため、その説明は省略する。
このように、本実施形態では、一つの駆動モータE191により、一対の振分通路E150及び一対の第2振分通路E4150を往復動できるため、駆動モータE191の配設個数を削減し、製品コストの削減を図ることができる。
また、第1伝達部材E4194の変位により第2伝達部材E4195から第4伝達部材E4199を変位させることができる、即ち、第1伝達部材E4194から第4伝達部材E4199の変位を連動させることができる。これにより、一対の振分通路E150と一対の第2振分通路E4150との変位を連動させることができる。その結果、一対の振分通路E150及び一対の第2振分通路E4150の往復動を制御するためのセンサを不要とでき、製品コストの削減を図ることができる。
次いで、図153から図156を参照して、第20実施形態における下側フレームE5086bについて説明する。
上記第16実施形態では、一対の振分通路E150が配設される場合を説明したが、第20実施形態では、振分通路E150に加え、一対の振分通路E150の対向間に第3振分通路E5150が配設される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図153(a)及び図155(a)は、第20実施形態における下側フレームE5086bの正面図であり、図153(b)及び図155(b)は、下側フレームE5086bの背面図である。図154及び図156は、下側フレームE5086bの上面図である。なお、図153から図156は模式的に図示され、図153(a)及び図155(a)では、正面部材E110及び誘導部材E120の図示が省略され、図154(a)及び図156(a)では、誘導部材E120の図示が省略される。また、理解を容易とするため、図153(b)及び図155(b)では、振分通路E150、第3振分通路E5150及び駆動手段E5190のみが表示される。また、図154(b)及び図156(b)では、第3振分通路E5150及び駆動手段E5190のみが図示されると共に、第3振分通路E5150は、その外形のみが図示される。また、図153及び図154では、振分通路E150が第1位置に配置された状態が、図155及び図156では、振分通路E150が第2位置に配置された状態が、それぞれ図示される。
図153から図156に示すように、下側フレームE5086bは、正面部材E110と、その正面部材E110の長手方向(矢印L-R方向)両端に配設される誘導部材E120(図136参照)と、正面部材E110の背面側(矢印B方向側)に配設されるベース部材E5130と、正面部材E110及びベース部材E5130の対向間に介設される介設部材E140と、ベース部材E5130に配設される振分通路E150、第3振分通路E5150、中央通路E160及び一対の流路調整ブロックE170と、ベース部材E5130の下面側(矢印D方向側)に所定の間隔を隔てて配設されるカバー部材E5180と、そのカバー部材E5180の内側に配設される駆動手段E5190と、を備える。
ベース部材E5130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E5133と、その一対の第1斜面部E5133の対向間に形成される一対の第3取付け部E5139と、その一対の第3取付け部E5139の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E5130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136(図138参照)と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E5137と、を備える。
第3取付け部E5139が形成されるため、第16実施形態における第1斜面部E133に対し第1斜面部E5133は、鉛直方向上方(矢印U方向)に配設され、長手方向(矢印L-R方向)が短く形成される。
第3取付け部E5139は、第3振分通路E5150を変位可能に係合するためのものであり、鉛直方向(矢印U-D方向)において第1斜面部E5133と取付け部E134との間に配設され、その上面は水平に形成される。
長手方向他側(矢印R方向側)における第3取付け部E5139の上面には、後述する第3振分通路E5150の被ガイド部E5152がスライド可能に挿通される第3ガイド部E5139aが形成される。
第3ガイド部E5139aは、上面視縦長略矩形の板状体と、その板状体の延設方向(矢印F-B方向)両端から第3取付け部E5139へ向けて突設される一対の板状体とから形成され、側面視コ字状に形成される。この第3ガイド部E5139aと第3取付け部E5139とで囲まれた空間に被ガイド部E5152がスライド可能に挿通される。
背面板E5137は、第1斜面部E5133と同様、第16実施形態における背面板E137に対し鉛直方向上方(矢印U方向)に延設して配設される。
第3振分通路E5150は、その上面を球が流下するためのものであり、上面視横長略矩形の板状体から形成され、その上面に形成される突起部E151と、長手方向他側(矢印R方向側)に形成される被ガイド部E5152と、長手方向一側(矢印L方向側)に形成される被係合部E5153とを備える。
第3振分通路E5150に突起部E151が形成されるため、第3振分通路E5150に第3通路ERt3が形成される。また、第3振分通路E5150の上面への突起部E151の配設の態様は、振分通路E150の配設の態様と同様とされる。
被ガイド部E5152は、上面視横長略矩形の板状体から形成され、上述したように、被ガイド部E5152が第3ガイド部E5139aと第3取付け部E5139とで囲まれた空間に挿通されることで、第3振分通路E5150は、前後方向(矢印F-B方向)へ変位できる。
被係合部E5153は、駆動モータE191の駆動力を第3振分通路E5150へ伝達するためのものであり、第3振分通路E5150の長手方向一側(矢印L方向側)の端面から下方(矢印D方向)に突設される。被係合部E5153の下端であって長手方向他側(矢印R方向側)における側面にはラックギヤE194d1が刻設される。
第3振分通路E5150の長手方向(矢印L-R方向)の寸法は、第2位置に配設された一対の振分通路E150の対向間よりも大きく形成される。従って、振分通路E150から流下(落下)した球が、第3振分通路E5150の長手方向両端に配設される被ガイド部E5152又は被係合部E5153に当接することを抑制できる。これにより、被ガイド部E5152又は被係合部E5153が破損することを抑制できる。
被ガイド部E5152が第3ガイド部E5139aに挿通され、被係合部E5153に刻設されるラックギヤE194d1と後述する第2ピニオンギヤE5196とが歯合した状態で第3振分通路E5150は第3取付け部E5139(ベース部材E5130)に配設される。
駆動手段E5190は、駆動力を発生させる駆動モータE191と、駆動モータE191の上方(矢印U方向)に配設される取付け部材E192と、駆動モータE191の軸に固着される駆動力伝達部材E193と、駆動力伝達部材E193に係合される第1伝達部材E5194と、第1伝達部材E4194に係合される第2伝達部材E5195と、ピニオンギヤE196と、第2ピニオンギヤE5196と、を備える。
第1伝達部材E5194は、第16実施形態における第1伝達部材E194に対し、係合ベースE5194bが鉛直方向上方(矢印U方向)に延設して形成され、第1ラック部E5194dの正面(矢印F方向側の面)に第2ピニオンギヤE5196と歯合するラックギヤE194d1が刻設される。
第2伝達部材E4195は、第16実施形態における第2伝達部材E195に対し、係合ベースE5194bが鉛直方向上方(矢印U方向)に延設して形成される。
第2ピニオンギヤE5196は、その軸方向が鉛直方向(矢印U-D方向)に沿う姿勢で配設され、ピニオンギヤE196に対し、軸方向における寸法(厚さ)が大きく形成される点で相違し、その他の構成は同一である。なお、第2ピニオンギヤE5196の軸方向における寸法(厚さ)は、第1伝達部材E5194の第1ラック部E5194dの鉛直方向における寸法と第3振分通路E5150の被係合部E5153の下端に形成されるラックギヤE194d1の鉛直方向における寸法との合計よりも大きく形成される。これにより、第2ピニオンギヤE5196は、鉛直方向に位置を違えて第1ラック部E5194dと被係合部E5153とに歯合可能に形成される。
図153及び図154に示すように、振分通路E150が第1位置に配置された状態では、振分通路E150、第1伝達部材E5194及び第2伝達部材E5195は、ベース部材E5130の長手方向において中央通路E160側に位置する。即ち、第1伝達部材E5194と第2伝達部材E5195とは、互いに近づいた位置に配設され、従って、一対の振分通路E150も互いに近づいた位置に配設される。
第3振分通路E5150は、前後方向(矢印F-B方向)において中央通路E160と背面板E5137との間に配設される(以下「第3位置」と称す)。これにより、第3振分通路E5150(第3通路ERt3)に案内されることで、振分通路E150(第3通路ERt3)から中央通路E160と背面板E5137との間に流下(落下)される球が第5通路ERt5に送球されることを抑制できる。その結果、第3振分通路E5150(第3通路ERt3)に案内された球が中央通路E160(第4通路ERt4)に振り分けられることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。また、第3振分通路E5150に第3通路ERt3が形成されるため、第16実施形態と比較して、第3通路ERt3を流下する球の流下時間を延長(変化)できる。
また、前後方向において第3振分通路E5150と背面板E5137との対向間距離は、球の半径よりも小さく形成される。これにより、第3振分通路E5150と背面板E5137とで球が挟持されることを抑制でき、第3振分通路E5150(第3通路ERt3)上を球が流下できる。
図155及び図156に示すように、振分通路E150が第2位置に配置された状態では、振分通路E150、第1伝達部材E5194及び第2伝達部材E5195は、ベース部材E5130の長手方向において湾曲部E131側に位置する。即ち、第1伝達部材E5194と第2伝達部材E5195とは、第1位置に配置された状態に比べ、互いに離間した位置に配設され、従って、一対の振分通路E150も互いに離間した位置に配設される。
第3振分通路E5150は、少なくともその一部が上面視、中央通路E160に重なる位置、即ち、中央通路E160の上方(矢印U方向)に配設される(以下「第4位置」と称す)。これにより、振分通路E150から第3振分通路E5150に案内することで、中央通路E160(第4通路ERt4)に球が案内されることを抑制できる。なお、第3振分通路E5150に案内された球は、第3振分通路E5150の前端もしくは後端を横切って第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ送球される。
また、第3振分通路E5150は、前後方向における背面板E5137との対向間距離が球の直径よりも大きく形成される位置に配設される。これにより、振分通路E150(第3通路ERt3)から第3振分通路E5150と背面板E5137との間に流下される球を、第3振分通路E5150に当接することなく、第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ案内できる。
このように、本実施形態においては、第16実施形態と比較して、振分通路E150が第1位置に配設され、第3振分通路E5150が第3位置に配置された状態では、振分通路E150から送球された球を中央通路E160(第4通路ERt4)へ案内し易くできる。一方、振分通路E150が第2位置に配設され、第3振分通路E5150が第4位置に配置された状態では、振分通路E150から送球された球を中央通路E160(第4通路ERt4)へ案内し難くできる。即ち、第3振分通路E5150(振分通路E150)の配設位置により、中央通路E160(第4通路ERt4)への送球の難易度を変化でき、遊技の興趣を高めることができる。
また、第3振分通路E5150は、一対の振分通路E150の対向間に配設されるため、第3振分通路E5150(第3通路ERt3)を流下した球を中央通路E135b(第7通路ERt7)に案内できる場合がある。即ち、第3通路ERt3を流下する球を、中央通路E160(第4通路ERt4)、第2斜面部E135(第5通路ERt5)もしくは介設部材E140(第6通路ERt6)に加え、中央通路E135b(第7通路ERt7)にも送球できることで、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、駆動手段E5190による振分通路E150及び第3振分通路E5150の往復動作について説明する。
振分通路E150と第1伝達部材E5194及び第2伝達部材E5195とは、被係合部E153の係合凹部E153aに係合部E194cが挿入されることでそれぞれ係合される(図145参照)。
振分通路E150の第1位置から第2位置への変位、及び、それに伴う第3振分通路E5150の第3位置から第4位置への変位は、駆動モータE191の駆動により、駆動力伝達部材E193の偏心軸E193aが中央通路E160側(矢印R方向側)から湾曲部E131側(矢印L方向側)に変位することで行われる。
駆動力伝達部材E193の偏心軸E193aが中央通路E160側から湾曲部E131側に変位することで、第1伝達部材E5194は中央通路E160側から湾曲部E131側に変位する。これにより、第1伝達部材E5194に係合される振分通路E150は、第1位置から第2位置へ変位する。
また、第1伝達部材E5194の中央通路E160側から湾曲部E131側への変位により、第1ラック部E5194dのラックギヤE194d1と歯合するピニオンギヤE196は、背面視時計回りに回動される。
これにより、ピニオンギヤE196と歯合する第2伝達部材E5195の第2ラック部E195bは、中央通路E160側から湾曲部E131側に変位し、第2伝達部材E5195に係合される振分通路E150は、第1位置から第2位置へ変位する。
また、第1伝達部材E5194の中央通路E160側から湾曲部E131側への変位により、第1ラック部E5194dの正面(矢印F方向側の面)に形成されるラックギヤE194d1と歯合する第2ピニオンギヤE5196は、上面視反時計回りに回動される。
これにより、第2ピニオンギヤE5196と歯合する第3振分通路E5150の被係合部E5153は、背面板E5137側(矢印B方向側)から介設部材E140側(矢印F方向側)へ変位し、これにより、第3振分通路E5150は、第3位置から第4位置へ変位する。
振分通路E150の第2位置から第1位置への変位、及び、それに伴う第3振分通路E5150の第4位置から第3位置への変位は、振分通路E150の第1位置から第2位置への変位、及び、それに伴う第3振分通路E5150の第3位置から第4位置への変位と同様、駆動モータE191の駆動により行われる。
なお、振分通路E150、第3振分通路E5150、第1伝達部材E5194及び第2伝達部材E5195の変位方向、ピニオンギヤE196及び第2ピニオンギヤE5196の回動方向以外は振分通路E150の第1位置から第2位置への変位、及び、それに伴う第3振分通路E5150の第3位置から第4位置への変位と同様であるため、その説明は省略する。
このように、本実施形態では、一つの駆動モータE191により、一対の振分通路E150及び第3振分通路E5150を往復動できるため、駆動モータE191の配設個数を削減し、製品コストの削減を図ることができる。
また、第1伝達部材E5194の変位により第2伝達部材E5195及び第3振分通路E5150を変位させることができる、即ち、第1伝達部材E5194、第2伝達部材E5195及び第3振分通路E5150の変位を連動させることがでる。これにより、一対の振分通路E150と第3振分通路E5150との変位を連動させることができる。その結果、一対の振分通路E150及び第3振分通路E5150の往復動を制御するためのセンサを不要とでき、製品コストの削減を図ることができる。
また、第2ピニオンギヤE5196には、鉛直方向に位置を違えて被係合部E5153と第1ラック部E5194dとが歯合される(本実施形態においては、鉛直方向上方(矢印U方向)に被係合部E5153が歯合され、鉛直方向下方(矢印D方向)に第1ラック部E5194dが歯合される)。これにより、第1伝達部材E5194と第3振分通路E5150との変位の方向を直交できる、即ち、第1伝達部材E5194がベース部材E5130の長手方向(矢印L-R方向)に変位すると共に、第3振分通路E5150をベース部材E5130の短手方向(矢印F-B方向)に変位できる。これにより、ピニオンギヤの配設個数を抑制でき、製品コストの削減を図ることができる。
次いで、図157(a)を参照して、第21実施形態における下側フレームE6086bについて説明する。
上記第16実施形態では、一対の振分通路E150がベース部材E130の第1斜面部E133に沿って(平行に)変位(往復動)される場合を説明したが、第21実施形態では、第1斜面部E6133に対する振分通路E6150の配設角度が変化(変更)される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図157(a)は、第21実施形態における下側フレームE6086bの部分拡大断面図である。なお、図157(a)は、図146のCXLVIIa-CXLVIIa線における断面に対応する。また、下側フレームE6086bは、遊技盤E13の幅方向(図135左右方向)における中心に対し線(面)対称(図135左右対称)に形成されるため、一方側(矢印L方向側)のみを図示する。
第21実施形態における下側フレームE6086bは、第16実施形態おける下側フレームE86bに対し、ベース部材E130及び振分通路E150が異なる以外は同一の構成により形成されるため、ベース部材E6130及び振分通路E6150についてのみ説明する。
図157(a)に示すように、ベース部材E6130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E6133と、その一対の第1斜面部E6133の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E6130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E6137と、を備える(図138参照)。
第1斜面部E6133は、上面視横長略矩形の板状体であり、湾曲部E131側の端部が湾曲部E131の下面から鉛直方向下方(矢印D方向)に所定の間隔を隔てた位置に配設される。また、第1斜面部E6133は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜して形成される。第1斜面部E6133には、挿通孔E133aと、規制部E133b(図145(b)、図146(b)参照)と、溝部E133cと、突出部E6133dとが形成される。
突出部E6133dは、長手方向(矢印L-R方向)におけるベース部材E6130の湾曲部E131側において第1斜面部E6133の上面から突出して形成される。
第1斜面部E6133には、振分通路E6150を変位させるための複数(本実施形態では4個)の円柱体E6201と、カバーE6202とが配設される。
円柱体E6201は、第16実施形態における円柱体E201に対し外形が大きく形成される以外は同形状に形成される。これにより、第16実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E6150の配設位置は、上方(矢印U方向)に配設される。
カバーE6202は、円柱体E6201の外形が大きく形成された分、円柱体E6201に対応する位置に円柱体E6201の外形よりもやや大きな孔が穿設される。
長手方向(矢印L-R方向)における中央通路E160側に配設される一対の円柱体E6201は、第1斜面部E6133に配設されるのに対し、長手方向(矢印L-R方向)における湾曲部E131側に配設される一対の円柱体E6201は、突出部E6133dに配設される。これにより、第1斜面部E6133の傾斜角度に対し振分通路E6150の傾斜角度を異ならせる、詳細には、大きくすることができる。その結果、第1斜面部E6133に対し振分通路E6150の変位(往復動)を非平行とできる。
背面板E6137は、第16実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E6150の配設位置が上方(矢印U方向)に配設されるため、第16実施形態における背面板E137に対し上方(矢印U方向)に延設して形成される。
振分通路E6150は、上面に突設される複数の突起部E151と、振分通路E6150の下面から立設される一対の被ガイド部E6152と、その一対の被ガイド部E6152の間に立設される被係合部E6153と、を備える。
上述したように、第16実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E6150の配設位置が、上方(矢印U方向)に配設されるため、第16実施形態における被ガイド部E152及び被係合部E153に対し被ガイド部E6152及び被係合部E6153は下方(矢印D方向)に延設して形成される。被係合部E6153が下方に延設して形成されることにより、係合凹部E6153aも被係合部E6153と同様、下方に延設して形成される。
これにより、被ガイド部E6152が第1斜面部E7133の溝部E133cから抜け出ることを抑制し、振分通路E6150のベース部材E6130に対する前後方向への変位が規制される。また、係合凹部E153aと第1伝達部材E194の係合部E194cとが当接することを抑制できる。
次いで、図157(b)及び図157(c)を参照して、第22実施形態および第23実施形態における下側フレームE7086b,E8086bについて説明する。
上記第16実施形態では、一対の振分通路E150がベース部材E130の第1斜面部E133に沿って(平行に)変位(往復動)される場合を説明したが、第22実施形態および第23実施形態では、振分通路E7150,E8150の変位に伴い、振分通路E7150,E8150の配設角度が変化(変更)する。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図157(b)は、第22実施形態における下側フレームE7086bの部分拡大断面図であり、図157(c)は、第23実施形態における下側フレームE8086bの部分拡大断面図である。なお、図157(b)及び図157(c)は、図146のCXLVIIa-CXLVIIa線における断面に対応する。また、下側フレームE7086b,E8086bは、遊技盤E13の幅方向(図135左右方向)における中心に対し線(面)対称(図135左右対称)に形成されるため、一方側(矢印L方向側)のみを図示する。
第22実施形態および第23実施形態における下側フレームE7086b,E8086bは、第16実施形態おける下側フレームE86bに対し、ベース部材E130及び振分通路E150が異なる以外は同一の構成により形成されるため、ベース部材E7130,E8130及び振分通路E7150,E8150についてのみ説明する。
図157(b)に示すように、第22実施形態におけるベース部材E7130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E7133と、その一対の第1斜面部E7133の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E7130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E7137と、を備える(図138参照)。
第1斜面部E7133は、上面視横長略矩形の板状体であり、湾曲部E131側の端部が湾曲部E131の下面から鉛直方向下方(矢印D方向)に所定の間隔を隔てた位置に配設される。また、第1斜面部E7133は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜して形成される。第1斜面部E7133には、挿通孔E133aと、規制部E133b(図145(b)、図146(b)参照)と、溝部E133cとが形成される。
第1斜面部E7133には、振分通路E150を変位させるための複数(本実施形態では2個)の円柱体E7201a及び複数(本実施形態では2個)の円柱体E7201bと、カバーE7202とが配設される。
円柱体E7201aは、長手方向(矢印L-R方向)において同一位置に配設され、第1斜面部E7133の中央通路E160側に配設される。なお、円柱体E7201aは、第16実施形態における円柱体E201に対し外形が大きく形成される以外は同形状に形成される。これにより、第16実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E6150の配設位置は、上方(矢印U方向)に配設される。
円柱体E7201bは、長手方向(矢印L-R方向)において同一位置に配設され、第1斜面部E7133の湾曲部E131側に配設される。なお、円柱体E7201bの外形は、円柱体E7201aの外形よりも大きく形成される。これにより、第16実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E7150の配設位置は、上方(矢印U方向)に配設される。また、第1斜面部E7133の傾斜角度に対し振分通路E7150の傾斜角度を異ならせる、詳細には、大きくすることができる。その結果、第1斜面部E7133に対し振分通路E7150の変位(往復動)を非平行とできる。
カバーE7202は、円柱体E7201a,7201bの外形が大きく形成された分、円柱体E7201a,7201bに対応する位置に円柱体E7201a,7201bの外形よりもやや大きな孔が穿設される。
背面板E7137は、第16実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E7150の配設位置が上方(矢印U方向)に配設されるため、第16実施形態における背面板E137に対し上方(矢印U方向)に延設して形成される。
振分通路E7150は、上面に突設される複数の突起部E151と、振分通路E7150の下面から立設される一対の被ガイド部E7152と、その一対の被ガイド部E7152の間に立設される被係合部E7153と、湾曲部E131側における振分通路E7150の下面に形成される斜面部E7154と、を備える。
上述したように、第16実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E7150の配設位置が上方(矢印U方向)に配設されるため、第16実施形態における被ガイド部E152及び被係合部E153に対し被ガイド部E7152及び被係合部E7153は下方(矢印D方向)に延設して形成される。被係合部E7153が下方に延設して形成されることにより、係合凹部E7153aも被係合部E7153と同様、下方に延設して形成される。
これにより、被ガイド部E7152が第1斜面部E7133の溝部E133cから抜け出ることを抑制し、振分通路E7150のベース部材E7130に対する前後方向への変位が規制される。また、係合凹部E7153aと第1伝達部材E194の係合部E194cとが当接することを抑制できる。
斜面部E7154は、湾曲部E131側から中央通路E160側に向かうにつれて下降傾斜して形成され、その斜面部E7154に円柱体7201bが当接する。従って、振分通路E7150は、第1位置から第2位置へ向かうにつれてその傾斜角度を大きくされる。即ち、振分通路E7150の上面を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向を変化(変更)できる。これにより、球の移動(流下、転動)方向を変化(変更)を多様化でき、球の移動(流下、転動)方向が単調となることを抑制できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
図157(c)に示すように、第23実施形態におけるベース部材E8130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E8133と、その一対の第1斜面部E8133の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E8130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E8137と、を備える(図138参照)。
第1斜面部E8133は、上面視横長略矩形の板状体であり、湾曲部E131側の端部が湾曲部E131の下面から鉛直方向下方(矢印D方向)に所定の間隔を隔てた位置に配設される。また、第1斜面部E8133は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜して形成される。第1斜面部E8133には、挿通孔E133aと、規制部E133b(図145(b)、図146(b)参照)と、溝部E133cと、湾曲ガイド部E8133dとが形成される。
第1斜面部E8133には、振分通路E8150を変位させるための複数(本実施形態では2個)の円柱体7201aと、カバーE8202とが配設される。
カバーE8202は、円柱体E7201aの外形が大きく形成された分、円柱体E7201aに対応する位置に円柱体E7201aの外形よりもやや大きな孔が穿設される。
湾曲ガイド部E8133dは、振分通路E8150の傾斜角度を変化(変更)させるための部位であり、第1斜面部E8133の湾曲部E131側において湾曲ガイド部E8133dの上面から突出して形成され、その上面は下方(矢印D方向)へ向けて凹となる円弧状に湾曲して形成される。
湾曲ガイド部E8133dの円弧状の湾曲面には、振分通路E8150の湾曲部E131側の端部が当接され、円柱体E7201aと共に振分通路E8150を支持(保持)する。振分通路E8150が第1位置から第2位置へ向かうにつれて変位することにより、湾曲部E131側の端部は、湾曲ガイド部E8133dの湾曲面に沿って上方側(矢印U方向側)に変位する。これにより、振分通路E8150の傾斜角度を大きくできる。即ち、振分通路E8150の上面を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向を変化(変更)できる。これにより、球の移動(流下、転動)方向の変化(変更)を多様化でき、球の移動(流下、転動)方向が単調となることを抑制できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
背面板E8137は、第16実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E8150の配設位置が上方(矢印U方向)に配設されるため、第16実施形態における背面板E137に対し上方(矢印U方向)に延設して形成される。
振分通路E8150は、上面に突設される複数の突起部E151と、振分通路E8150の下面から立設される一対の被ガイド部E8152と、その一対の被ガイド部E8152の間に立設される被係合部E8153と、を備える。
上述したように、第16実施形態における振分通路E150の配設位置に対し振分通路E8150の配設位置が上方(矢印U方向)に配設されるため、第16実施形態における被ガイド部E152及び被係合部E153に対し被ガイド部E8152及び被係合部E8153は下方(矢印D方向)に延設して形成される。被係合部E8153が下方に延設して形成されることにより、係合凹部E8153aも被係合部E8153と同様、下方に延設して形成される。
これにより、被ガイド部E8152が第1斜面部E8133の溝部E133cから抜け出ることを抑制し、振分通路E8150のベース部材E8130に対する前後方向への変位が規制される。また、係合凹部E8153aと第1伝達部材E194の係合部E194cとが当接することを抑制できる。
次いで、図158を参照して、第24実施形態および第25実施形態における下側フレームE9086b,E10086bについて説明する。
上記第16実施形態では、一対の振分通路E150がベース部材E130の長手方向(矢印L-R方向)に沿って(平行に)変位(往復動)される場合を説明したが、第24実施形態および第25実施形態では、振分通路E150がベース部材E9130,E10130の長手方向(矢印L-R方向)に非平行に変位(往復動)される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図158(a)は、第24実施形態における下側フレームE9086bの部分上面図であり、図158(b)は、第25実施形態における下側フレームE10086bの部分上面図である。なお、図158では理解を容易とするため、振分通路E150の図示が省略される。また、下側フレームE9086b,E10086bは、遊技盤E13の幅方向(図135左右方向)における中心に対し線(面)対称(図135左右対称)に形成されるため、一方側(矢印L方向側)のみを図示する。
第24実施形態および第25実施形態における下側フレームE9086b,E10086bは、第16実施形態おける下側フレームE86bに対し、ベース部材E130が異なる以外は同一の構成により形成されるため、ベース部材E9130,E10130についてのみ説明する。
図158(a)に示すように、第24実施形態におけるベース部材E9130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E9133と、その一対の第1斜面部E9133の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E9130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E137と、を備える(図138参照)。
第1斜面部E9133は、上面視横長略矩形の板状体であり、湾曲部E131側の端部が湾曲部E131の下面から鉛直方向下方(矢印D方向)に所定の間隔を隔てた位置に配設される。また、第1斜面部E9133は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜して形成される。第1斜面部E9133には、挿通孔E9133aと、規制部E133b(図145(b)、図146(b)参照)と、溝部E9133cとが形成される。
第1斜面部E9133には、振分通路E150を変位させるための複数(本実施形態では4個)の円柱体E201と、カバーE9202とが配設される。
円柱体E201は、溝部E9133cに沿って(平行に)配設され、カバーE9202は、円柱体E201に対応する位置に円柱体E201の外形よりもやや大きな孔が穿設され、挿通孔E9133aに対応する位置に挿通孔E9133aの外形と略同等またはやや大きな孔が穿設される。
溝部E9133cは、挿通孔E9133aを挟んで左右方向(矢印L-R方向)両側に一対形成される。
挿通孔E9133a及び一対の溝部E9133cは、ベース部材E9130の長手方向(矢印L-R方向)に非平行に延設される。詳細には、湾曲部E131側から中央通路E160側に向かうにつれて前方(矢印F方向)に傾斜して延設される。従って、振分通路E150(図140参照)は、溝部E9133cの延設方向に沿って(平行に)変位される。
即ち、振分通路E150が第1位置から第2位置へ変位する場合、振分通路E150は中央通路E160側から湾曲部E131側へ変位すると共に、後方側(矢印B方向側)へ変位される。これにより、振分通路E150の上面を移動(流下、転動)する球の前方側(矢印F方向側)に振分通路E150の突起部E151(図140参照)を当接させ易くでき、球の移動(流下、転動)方向を後方側(矢印B方向側)へ変化(変更)させ易くできる。その結果、球が介設部材E140(第6通路ERt6)へ送球し難くできる。
一方、振分通路E150が第2位置から第1位置へ変位する場合、振分通路E150は湾曲部E131側から中央通路E160へ変位すると共に、前方側(矢印F方向側)へ変位される。これにより、振分通路E150の上面を移動(流下、転動)する球の後方側(矢印B方向側)に振分通路E150の突起部E151を当接させ易くでき、球の移動(流下、転動)方向を前方側(矢印F方向側)へ変化(変更)させ易くできる。その結果、球が介設部材E140(第6通路ERt6)へ送球し易くできる。
なお、係合凹部E153a(図145(a)参照)に第1伝達部材E194の係合部E194cが挿入されて係合されるため、第1伝達部材E194の左右方向(矢印L-R方向)の変位(往復動)に対し振分通路E150が非平行、即ち、前後方向(矢印F-B方向)に変位(往復動)する場合においても係合凹部E153aと係合部E194cとの係合を維持できる。
このように、振分通路E150が第1位置から第2位置へ変位する場合と第2位置から第1位置へ変位する場合とで、球の移動(流下、転動)し易い方向を変化(変更)できるため、球の移動(流下、転動)方向の変化(変更)を多様とできる。
図158(b)に示すように、第25実施形態におけるベース部材E10130は、上面視横長略矩形に形成され、その長手方向(矢印L-R方向)両端に形成される一対の湾曲部E131と、その湾曲部E131の外縁から立設される板状の壁板E132と、一対の湾曲部E131の対向間に形成される一対の第1斜面部E10133と、その一対の第1斜面部E10133の対向間に形成される一対の取付け部E134と、その一対の取付け部E134の対向間に形成される第2斜面部E135と、ベース部材E10130の正面から立設される一対の板状の張出し部E136と、一対の湾曲部E131どうしを連結して形成される板状の背面板E137と、を備える(図138参照)。
第1斜面部E10133は、上面視横長略矩形の板状体であり、湾曲部E131側の端部が湾曲部E131の下面から鉛直方向下方(矢印D方向)に所定の間隔を隔てた位置に配設される。また、第1斜面部E10133は、湾曲部E131から取付け部E134へ向けて下降傾斜して形成される。第1斜面部E10133には、挿通孔E10133aと、規制部E133b(図145(b)、図146(b)参照)と、溝部E10133cとが形成される。
第1斜面部E10133には、振分通路E150を変位させるための複数(本実施形態では4個)の円柱体E201と、カバーE10202とが配設される。
カバーE10202は、円柱体E201に対応する位置に円柱体E201の外形よりもやや大きな孔が穿設され、挿通孔E10133aに対応する位置に挿通孔E10133aの外形と略同等またはやや大きな孔が穿設される。
挿通孔E10133aは、第16実施形態における挿通孔E133aに対し前後方向の幅(開口部)が大きく形成される。これにより、振分通路E150(図140参照)が長手方向(矢印L-R方向)に変位(往復動)すると共に前後方向(矢印F-B方向)に変位(往復動)する場合においても、挿通孔E10133aと被係合部E153(図145(a)参照)とが当接することを抑制できる。
溝部E10133cは、第1斜面部E10133に垂直な方向視において曲線が組み合わされた形状に形成される。また、溝部E10133cは、挿通孔E10133aを挟んで左右方向(矢印L-R方向)両側に一対形成される。これにより、振分通路E150が第1位置から第2位置および第2位置から第1位置へ変位する場合において、振分通路E150を長手方向(矢印L-R方向)に変位させると共に前後方向(矢印F-B方向)に変位させることができる。その結果、振分通路E150が第1位置から第2位置および第2位置から第1位置へ変位する過程において振分通路E150を前方側(矢印F方向側)へ変位させる態様と後方側(矢印B方向側))へ変位させる態様と作り出すことができ、球の移動(流下、転動)し易い方向の変化(変更)の回数を多くできる。
なお、係合凹部E153a(図145(a)参照)に第1伝達部材E194の係合部E194cが挿入されて係合されるため、第1伝達部材E194の左右方向(矢印L-R方向)の変位(往復動)に対し振分通路E150が非平行、即ち、前後方向(矢印F-B方向)に変位(往復動)する場合においても係合凹部E153aと係合部E194cとの係合を維持できる。
次いで、図159(a)及び図148を参照して、第26実施形態における振分通路E11150について説明する。
上記第17実施形態では、平面部E2133に対し前後方向(矢印F-B方向)を回動軸として振分通路E2150が回動される場合を説明したが、第26実施形態では、平面部E2133に対し上下方向(矢印U-D方向)を回動軸として振分通路E11150が回動される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図159(a)は、第26実施形態における振分通路E11150の正面斜視図である。振分通路E11150は、第17実施形態における振分通路E2150の支持部E2150bの配設個数および配設位置が異なる以外は振分通路E2150と同一に形成されるため、振分通路E11150の支持部E11150b以外の説明は省略する。
図159(a)に示すように、振分通路E11150の支持部E11150bは、振分通路E11150の中央通路E160側における下面から中央通路E160側に向けて突出して形成される。支持部E11150bは、振分通路E11150の前後方向(矢印F-B方向)における略中央に配設される。
支持部E11150bには、支持部E2150bに穿設される挿通孔と略同等の挿通孔、即ち、支持軸E20jの外形よりもやや大きな挿通孔が支持部E11150bの上面に垂直な方向に穿設される。
これにより、第26実施形態における下側フレームE11086bでは、平面部E2133に対し上下方向(矢印U-D方向)を回動軸として振分通路E11150を回動できる。詳細には、支持部E11150bに穿設された挿通孔の軸心を回動軸として振分通路E11150の湾曲部E131側を前後方向(矢印F-B方向)に変位させることができる。これにより、振分通路E11150の転動面E2151を移動(流下、転動)する球に前後方向への速度成分を付与でき、球の移動(流下、転動)を多様化できる。その結果、球の移動(流下、転動)方向の変化が単調となることを抑制でき、遊技の興趣を向上できる。
次いで、図159(b)から図159(e)を参照して、第27実施形態から第30実施形態における振分通路E12150,E13150,E14150,E15150について説明する。なお、第27実施形態から第30実施形態においては適宜、図136を参照して説明する。
上記第16実施形態では、突起部E151が振分通路E150に垂直な方向視において略六角形状に形成される場合を説明したが、第27実施形態から第30実施形態における振分通路E12150,E13150,E14150,E15150の突起部E12151,E13151,E14151,E15151は、その形状が様々な態様に形成される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図159(b)は、第27実施形態における振分通路E12150の振分通路E12150に垂直な方向視の図であり、図159(c)は、第28実施形態における振分通路E13150の振分通路E13150に垂直な方向視の図であり、図159(d)は、第29実施形態における振分通路E12150の部分拡大断面図であり、図159(e)は、第30実施形態における振分通路E13150の部分拡大断面図である。なお、図159(d)及び図159(e)は、図146のCXLVIIa-CXLVIIa線における断面に対応する。また、突起部E12151,E13151,E14151,E15151は、振分通路E12150,E13150,E14150,E15150の上面に規則的に配設されるため、その一部のみを図示する。
図159(b)に示すように、第27実施形態における振分通路E12150の突起部E12151は、振分通路E12150の上面から球状に突出して形成される。これにより、振分通路E12150の上面を移動(流下、転動)する球を突起部E12151の外面に沿わせて移動(流下、転動)させることができ、球が傾斜方向上昇側へ変位(逆流、転動)することを抑制できる。その結果、球の移動(流下、転動)方向が変化される態様を遊技者に視認させやすくでき、遊技の興趣を向上できる。
なお、突起部E12151どうしの対向間距離は、球の直径よりも大きく形成される。これにより、球は、振分通路E12150に留まることを抑制でき、振分通路E12150の湾曲部E131側の端部から中央通路E160側の端部へ向けて振分通路E12150の傾斜方向に沿って(平行に)移動(流下、転動)できる。その結果、球が振分通路E12150に留まることを抑制するために、振分通路E12150を複雑な軌跡で変位させることや、大きな変位量や変位速度で変位させることを抑制でき、駆動手段E190を簡素化できる。
図159(c)に示すように、第28実施形態における振分通路E13150の突起部E13151は、振分通路E13150の上面から突出され、振分通路E13150に垂直な方向視において略ひし形(四角形)状に形成される。また、突起部E13151は、第16実施形態における突起部E151と同様、四角錐の頭頂点側の一部が切り取られた態様に形成される。言い換えると、振分通路E13150に平行な平面での断面積が、振分通路E13150の上面から離れるに従い小さく形成される。
これにより、第16実施形態における突起部E151に対し傾斜方向に沿って(平行に)形成される直線部を省略できるため、振分通路E13150の上面において傾斜方向への球の移動(流下、転動)を少なくできる。言い換えると、振分通路E13150の上面において傾斜方向に垂直な方向への球の移動(流下、転動)を多くできる。その結果、中央通路E160(第4通路ERt4)、第2斜面部E135(第5通路ERt5)もしくは介設部材E140(第6通路ERt6)のいずれかに案内されるまでに球の移動(流下、転動)方向の変化(変更)回数を増やすことができ、遊技の興趣を向上できる。
図159(d)に示すように、第29実施形態における振分通路E14150の突起部E14151は、振分通路E14150の上面から円錐状に突出して形成される。これにより、振分通路E14150の上面を移動(流下、転動)する球を突起部E14151の外面に沿わせて移動(流下、転動)させることができると共に、突起部E14151を乗り越えて球が移動(流下、転動)することを抑制できる。その結果、球の移動(流下、転動)方向が変化される態様を遊技者に視認させやすくできると共に、突起部E14151による球の移動(流下、転動)方向の変化が単調となることを抑制でき、遊技の興趣を向上できる。
図159(e)に示すように、第30実施形態における振分通路E15150の突起部E15151は、その側面が、突起部E15151の中心に向けて凹設される。これにより、振分通路E15150の上面を移動(流下、転動)する球が、突起部E15151を乗り越え易くでき、球の移動(流下、転動)方向を多様とできる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
次いで、図160(a)を参照して、第31実施形態における下側フレームE16086bについて説明する。
上記第19実施形態では、第2振分通路E4150の上面に突起部E151が形成され、球の流下(転動)方向が変化(変更)される場合を説明したが、第31実施形態では、球が特定の位置へ向けて流下(転動)される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図160(a)は、第31実施形態における下側フレームE16086bの部分拡大上面図である。なお、図160(a)は、振分通路E150が第2位置に配置された状態が図示される。
第31実施形態おける下側フレームE16086bは、第19実施形態おける下側フレームE4086bに対し、第2振分通路E4150が異なる以外は同一の構成により形成されるため、第2振分通路E16150についてのみ説明する。
図160(a)に示すように、第2振分通路E16150は、正面視において振分通路E150に対し平行に配設される、即ち、第2振分通路E16150は、壁板E132から取付け部E134へ向けて下降傾斜して配設される(図152(a)参照)。第2振分通路E16150は、第2振分通路E16150に垂直な方向視において略矩形の板状体に形成され、前後方向(矢印F-B方向)の長さは、振分通路E150の中央通路E160側における前後方向の長さと略同一に形成される。これにより、振分通路E150が第2位置に配置された状態において、振分通路E150の中央通路E160側の端部を通過する球を第2振分通路E16150に送球(案内)できる。言い換えると、振分通路E150の介設部材E140側(矢印F方向側)の端部、もしくは振分通路E150の切欠き部E150aから流下した球が第2振分通路E16150に送球(案内)されることを抑制できる。
第2振分通路E16150の外縁には、案内部E16154が立設され、案内部E16154には案内切欠き部E16154aが中央通路E160側に切欠き形成される。案内切欠き部E16154aは球の直径よりもやや大きく形成され、前後方向(矢印F-B方向)において中央通路E160(架設通路E161)に対応する位置に形成される。これにより、第2振分通路E16150の案内切欠き部E16154aを通過した(第2振分通路E16150を左右方向(矢印L-R方向)に渡り切った)球を中央通路E160(架設通路E161、第4通路ERt4)へ送球(案内、落下)できる。
また、案内部E16154により、第2振分通路E16150に送球(案内)された球が案内切欠き部E16154a以外から送球(案内、落下)することを抑制でき、より確実に中央通路E160(架設通路E161、第4通路ERt4)へ送球(案内、落下)できる。これにより、第2振分通路E16150は、振分通路E150よりも球を第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率を高く)できる。
このように、本実施形態においては、振分通路E150が第2位置に配置される、即ち、振分通路E150から第2振分通路E16150に送球(案内)可能な状態において、振分通路E150の中央通路E160側の端部を通過する球を第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率を高く)でき、遊技の興趣を高めることができる(図135参照)。
一方、振分通路E150の介設部材E140側(矢印F方向側)の端部、もしくは振分通路E150の切欠き部E150aから流下した球が第2振分通路E16150に送球(案内)されることを抑制できる。これにより、遊技者に球が振分通路E150の中央通路E160側の端部を通過すること期待させることができる。
また、振分通路E150が第1位置に配置された状態においては、振分通路E150の端部から流下した球が第2振分通路E16150に送球(案内)されることを抑制できる。これにより、遊技者に振分通路E150が第2位置に配置された状態において球が振分通路E150の中央通路E160側の端部を通過することを期待させることができる。その結果、遊技性を多様化でき、遊技の興趣を高めることができる。
次いで、図160(b)を参照して、第32実施形態における下側フレームE17086bについて説明する。
上記第20実施形態では、第3振分通路E5150の上面に突起部E151が形成され、球の流下(転動)方向が変化(変更)される場合を説明したが、第32実施形態では、球が特定の位置へ向けて流下(転動)される。なお、上述した各実施形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
図160(b)は、第32実施形態における下側フレームE17086bの部分拡大上面図である。なお、図160(b)は、振分通路E150が第1位置に配置された状態が図示される。
第32実施形態おける下側フレームE17086bは、第20実施形態おける下側フレームE5086bに対し、第3振分通路E5150が異なる以外は同一の構成により形成されるため、第3振分通路E17150についてのみ説明する。
図160(b)に示すように、第3振分通路E17150は、上面視において略直線状の通路として左右方向(矢印L-R方向)に沿って延設されると共に、その延設方向(矢印L-R方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成される。また、第3振分通路E17150は、背面板E5137側(矢印B方向側)から介設部材E140側(矢印F方向側)へ向けて下降傾斜して配設される。
第3振分通路E17150の外縁には、案内部E17154が立設され、案内部E17154には案内切欠き部E17154aが介設部材E140側(矢印F方向側)に切欠き形成される。案内切欠き部E17154aは球の直径よりもやや大きく形成され、左右方向(矢印L-R方向)において中央通路E160の上方孔E162に対応する位置に形成される。これにより、案内切欠き部E17154aを通過した(第2振分通路E16150を左右方向(矢印L-R方向)に渡り切った)球を上方孔E162(第4通路ERt4)、もしくは、中央通路E135b(第7通路ERt7)へ送球(案内、落下)できる。
また、案内部E17154により、第3振分通路E17150に送球(案内)された球が案内切欠き部E17154a以外から送球(案内、落下)することを抑制でき、より確実に上方孔E162(第4通路ERt4)もしくは中央通路E135b(第7通路ERt7)へ送球(案内、落下)できる。これにより、第3振分通路E17150は、振分通路E150よりも球を第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率を高く)できる。
このように、本実施形態においては、振分通路E150の中央通路E160側の端部を通過し、且つ、中央通路E160(第4通路ERt4)もしくは第3振分通路E17150に送球(案内)された球を第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率を高く)でき、遊技の興趣を高めることができる(図135参照)。
なお、振分通路E150が第1位置に配置された状態においては、第3振分通路E17150から上方孔E162(第4通路ERt4)に送球(案内)でき、振分通路E150が第1位置に配置された状態においては、第3振分通路E17150から中央通路E135b(第7通路ERt7)に送球(案内)できる。即ち、振分通路E150が第1位置および第2位置のどちらに配置された状態においても、球を第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率を高く)できる。
一方、振分通路E150の中央通路E160側の端部を通過したものの、中央通路E160(第4通路ERt4)および第3振分通路E17150に送球(案内)されなかった球、即ち、第2斜面部E135(第5通路ERt5)に送球(案内)された球は、第1入賞口64へ入賞し難く(第1入賞口64へ入賞する確率を低く)される。これにより、遊技者に球が振分通路E150の中央通路E160側の端部を通過することに加え、中央通路E160(第4通路ERt4)もしくは第3振分通路E17150に送球(案内)されることを期待させることができる。その結果、遊技性を多様化でき、遊技の興趣を高めることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施形態において、一の実施形態における構成の一部または全部を、他の実施形態における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の実施形態としても良い。以下に示す変形例(別実施形態)においても同様であり、一の変形例における構成の一部または全部を、他の変形例における構成の一部または全部の構成と組み合わせて或いは置き換えて、別の変形例としても良い。以下に示す変形例の適用対象となる実施形態は任意であり、いずれの変形例(変形例の組み合わせ又は置き換え)をいずれの実施形態に適用しても良い。
上記第1実施形態では、振分装置300により球が一旦手前側に流下した後で、後方に流下する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、手前側に流下する部分を構成することなく、複数回の経路屈曲や、球を減速させる減速凸部を形成することにより、球の流下に要する時間の確保を図っても良い。
上記第1実施形態では、第2入賞口140の前意匠部材141の下底面が湾曲面形状とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、当接により球の流下を遮ることができる形状であれば良い。例えば、傾斜平面形状で構成しても良いし、平面から細かな凸部が多数突設されるよう形成され、衝突した球に不規則な負荷を与えられるようにしても良い。
上記第1実施形態では、特定入賞口65aに入球した球が振分装置300を流下する際、専ら流路構成部334~336を順に流下する場合を説明したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、特定入賞口65aの左右中央部に下方へ貫通する開口が形成され、この開口を通り第3流路構成部336に球が直接流入可能に形成しても良い。
例えば、球が1球ずつ入球する場合には開口を球が通過することは無いが、複数球がまとまって特定入賞口65aに入球した場合に球が開口を通過し得るよう構成しても良い。この場合、特定入賞口65aに入球した球が開口を通過する場合と、開口を通過しない場合とで、球がスライド変位部材370に到達するまでに要する時間を変化させることができる。
上記第1実施形態では、検出センサSE11,SE12が特定入賞口65aよりも後方に配置される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2流路構成部335の下流側端部の真下に検出センサSE11,SE12が配設されるようにしても良い。また、この場合において、第1流路構成部334と第2流路構成部335との順番を逆転させても良い。即ち、検出センサSE11,SE12への入球において、左右方向への流下の直後に各検出センサSE11,SE12への分岐が生じても良いし、前後方向流下(手前側へ向けた流下)の直後に各検出センサSE11,SE12への分岐が生じても良い。
上記第1実施形態では、振分装置300単体での特徴として、各流路構成部334~336の流路方向や傾斜について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、パチンコ機10の島への設置の際に、日常的に行われる「ねかせ」を考慮して、この流路方向や傾斜について設計するようにしても良い。
ねかせとは、パチンコ機10を垂直な姿勢で設置するのではなく、前後方向に傾斜させた状態で設置することを言う。通常、パチンコ機は、約1度(四分五厘)後方に倒れた姿勢(ねかせ)で設置される。上述の振分装置300単体(ねかせが無い状態状態)での説明に比較して、約1度という設置角度を考慮すると、前後方向の傾斜を有する第1流路構成部334及び第2流路構成部336の傾斜の意味が変わってくる。
即ち、振分装置300単体では、上述のように、第1流路構成部334が前側へ水平から7度だけ下降傾斜し、第3流路構成部336が後側へ水平から5度だけ下降傾斜するように設計されているが、設置角度を合わせて検討すると、第1流路構成部334も第3流路構成部336も同様に6度だけ下降傾斜する流路を構成することになる。一方で、第2流路構成部335は、左右方向の傾斜であるので設置角度の影響を受けにくく、上述と同様に約5度の傾斜とみなすことができる。
この場合、振分装置300内の球の流下について、第1流路構成部334及び第3流路構成部336での球の加速度は同様とされ、第2流路構成部335において若干加速度が小さくなる。そのため、左右方向の球の流下速度を落とすことができるので、第2流路構成部335を流下する球を遊技者に視認させ易くすることができる。また、第1流路構成部334の方が第3流路構成部336よりも短いことは変わらないので、第1流路構成部334を、第3流路構成部336を通過するよりも短期間で通過させることができる。
このように、振分装置300の内部での球の流下は、前後方向の流路を有していることからパチンコ機10のねかせの影響を受ける。そのため、各流路構成部334,336の傾斜角度をねかせの角度(約1度)よりも小さくすると、ねかせの良し悪し(角度設定)により流路構成部334,336における球の流下方向が変わって(反転して)しまうので、傾斜角度はねかせの角度よりも大きな角度として設定する必要がある。
また、振分装置300の内部での球の流下が前後方向の流路を有しており、その流路が視認可能な構成では、その流路を流下する球の流速の僅かな違いから、パチンコ機10のねかせの程度を把握される可能性がある。敢えて、ねかせの程度を把握させたいなら、振分装置300の流路を視認し易い構成とすればいい。
一方、上記第1実施形態では、球の流下速度の僅かな違いから「ねかせ」の程度を把握されないように、各流路構成部334~336の、前側周囲において被固定部材161や前意匠部材162が囲むように配置され、上側において可変入賞装置65が覆うように配設され、下側において光拡散加工面340で視認性を悪くするように構成されるようにしている。
このように、各流路構成部334~336を流下する球の視認性を、通常の遊技者目線(正面視0度~約30度程度の範囲)を除き、悪くするようにしている。これにより、各流路構成部334~336を流下する球の流速を比較してパチンコ機10の「ねかせ」の程度を把握されることを回避することができる。
上記第1実施形態では、第1流路構成部334の傾斜の方が、第3流路構成部336の傾斜よりも大きい場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、この傾斜の関係を逆転させても良いし、同様の傾斜で構成しても良い。
また、各流路構成部334~336は、それぞれ直線状の流路が屈曲して渦状の流路を構成するものとして説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、蛇行する流路形状でも良いし、階段状に屈曲する流路形状でも良い。
また、各流路構成部334~336の接続箇所で流路が直角に曲げられるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、接続箇所で流路が鋭角で曲げられても良いし、鈍角で曲げられても良い。また、各流路構成部334~336としてクルーンを採用しても良い。
上記第1実施形態では、第3流路構成部336を球が通過するのに要する時間が0.3秒となるように設計される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3流路構成部336を通過するのに要する時間が1秒(0.6秒以上)となるように設計しても良い。これにより、球が発射間隔(0.6秒)を維持したまま振分装置300に入球した場合であっても、第3流路構成部336を流下する上流側の球を、その下流側において第3流路構成部336を流下する球の目隠しとして機能させることができる。
上記第1実施形態では、流路構成部334~336の経路長さを確保することで、球の流下時間を確保する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、スライド変位部材370までの経路の内側両壁から遊技球の流下方向と交差する方向に長尺で形成され、互い違いに突設される突条を設け、この突条を遊技球に衝突させることで球を減速させるように構成しても良い。これにより、経路長さを長くせずとも、球の流下時間の確保を図ることができる。
なお、減速用の突条は、スライド変位部材370までの経路の全範囲に均等に配置するようにしても良いし、配置を不均等にしても良い。例えば、第1流路構成部334及び第2流路構成部335については突条を形成せず、第3流路構成部336においてのみ突条を構成することで、第3流路構成部336までは迅速に球を到達させる一方、球が第3流路構成部336を緩やかに流下するように構成することができる。
また、突条の突設方向は、左右方向から球の流下経路に沿って経路内側へ互い違いに突設されるような方向でも良いし、所定間隔を空けて下側から上方へ突設されるような方向でも良い。
左右方向からの突設の場合、突条から球に与えられる負荷が左右方向の成分を有するので、この負荷により球が通常検出センサSE12に誤って案内されないように配置を考慮することが好ましい。例えば、スライド変位部材370に最も近接する位置においては、左右外側の壁部から左右内側に突設させることで、突条からの負荷が通常検出センサSE12側へ向かわず仕切り板部338側へ向かうようにすることで、球が誤って通常検出センサSE12に案内されることを回避し易くすることができる。
下側から上方への突設の場合、突条自体がスライド変位部材370の目隠しとして機能する可能性があるので、遊技者の視線を考慮して、形成高さや形成位置を設計することが好ましい。
なお、突条は、出没可動に形成しても良い。この場合、出状態では球の流下をせき止めて、没状態となった場合に球の流下を再開可能としても良い。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370の手前側を流下する球により目隠しがされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、振分装置300の前に、可動の化粧部材が配置され、その化粧部材によって流路構成部334~336の目隠しがされるようにしても良い。この化粧部材は、駆動されても良いし、球の重みで動作するものでも良い。
また、球により目隠しがされる場合において、球が手前側に配置される場合に限られるものではない。例えば、スライド変位部材370の背面側に鏡が配設され、その鏡の反射を利用してスライド変位部材370の状態を視認させる場合には、球がスライド変位部材370と鏡との間に配置されれば、目隠し機能を生じさせることができる。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370に到達する球が目隠しされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第1入賞口64が、検出センサSE11,SE12のように遊技領域よりも後方に配置され、第1入賞口64が目隠しされるものでも良いし、他の一般入賞口63が目隠しされるものでも良い。
上記第1実施形態では、流路構成部334~336が直線的で球を1個ずつ案内可能な流路から形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、蛇行する流路として形成されても良いし、複数に枝分かれが生じる流路として形成されても良いし、流路幅の大小があり流路幅が大の箇所では球が滞留し易いよう構成されても良い。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370へ向かう球により目隠しの効果が生じる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、他の入賞口63,64,65,140に入球した球を排出するための排出経路がスライド変位部材370の前側に配置され(例えば、手前側において交差するように配置され)、その排出経路および排出経路に配置される球によりスライド変位部材370が目隠しされるようにしても良い。
上記第1実施形態では、特定入賞口65aに入球した球は、専ら第1流路構成部334を通り第2流路構成部335側(手前側)に流れてくる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、特定入賞口65aの下流側に球を振り分けるシーソー状の振分機構が配設され、その振分機構により第2流路構成部335側に流れる球が選別されることで、一部の球が第2流路構成部335側に流れるようにしても良い。
振分機構は、球の自重で変位動作するものでも良いし、駆動装置で開閉板65bの開閉から一定動作するよう駆動されても良いし、パチンコ機の電源オンから一定のパターンで駆動されるように制御しても良い。
駆動制御する場合は、例えば、入球の種類が変化する場合において第2流路構成部335側に球が流れるように制御しても良い。例えば、特定入賞口65aへの入球において、カウント数(10個/ラウンド)を超える入球(超過入賞)があった場合に、第2流路構成部335側に球が流れるように構成しても良い。この場合、第2流路構成部335側を流下する球の個数と、超過賞球の払い出し個数とを照合でき、得られる追加利益を遊技者が早期に把握することができる。この場合において、スライド変位部材370及びその下流の構成は維持しても良いし、省略しても良い。
また、例えば、第1入賞口64に入球した球が振分装置300を流下するような構成においては、特別図柄1の保留個数が4個(満タン)の場合に入球があったら、その球は第2流路構成部335側に流すように構成しても良い。この場合、第2流路構成部335側を流れる球を視認することで、特別図柄1の保留個数が満タンであることを遊技者に気付かせることができる。この場合において、スライド変位部材370及びその下流の構成は維持しても良いし、省略しても良い。
球の自重で変位動作する場合は、球が到達する度に所定動作を繰り返すようにしても良いし、到達する球の個数によって異なる動作をするように構成しても良い。例えば、1個の球が特定入賞口65aに入球した場合には第2流路構成部335側へは流れず、2個以上の球がまとまって特定入賞口65aに入球した場合には第2流路構成部335側へ球が流れるようにしても良い。また、逆でも良い。
また、これらの動作態様は、特定入賞口65aの左右に一対で配設される検出センサSE1の下流でいずれも同じでも良いし、左右で異なるように構成しても良い。
ここで、特定入賞口65aからスライド変位部材370までの球の流下時間が長い場合、球排出時間が長いことにより遊技が間延びする可能性がある。そのため、例えば、上述の振分機構を利用して、特定入賞口65aに入球した何球目までかの球を第2流路構成部335側へ流下させ、それ以降の球については第2流路構成部335を経ずに排出するように構成しても良い。これにより、カウント数目の球が流路構成部334~336を流下しきるのを待つ必要が無くなるので、ラウンド間長さを短く設定することができる。
上記第1実施形態では、第3図柄表示装置81の下側において振分装置300が配置され、遊技領域の下端部付近で球を手前側に流す場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、特定入賞口65aが第3図柄表示装置81の下縁よりも上側に配置され、振分装置300の流路構成部334~336が、第3図柄表示装置81に近接配置または正面視で表示領域の手前側に配置されるよう構成しても良い。
この場合、振分装置300を流下する球を視認する視線を第3図柄表示装置81の表示領域側を向く視線にすることができる。この場合、振分装置300での球の流下により遊技者が得られる利益の大小と、液晶表示での報知の内容とを対応付けることで、遊技者は表示を確認することで大小いずれの利益を獲得できたのかを容易に把握することができる。
また、内レール61を転動する球が、第3流路構成部336を転動する球を基準として、正面視で下側にずれた位置で視認される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、内レール61を転動する球が第3流路構成部336を転動する球を基準として、正面視で上下に位置ずれせず、重なって視認され得るような配置関係で構成しても良い。この場合、振分装置300に入球した球のみでなく、内レール61を転動する球を第3流路構成部336を流下する球の目隠しとして機能させることができる。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370の作動パターンYとして、特定入賞口65aに入球した球が到達し得ない時間にスライド変位部材370を前側位置に切り替える場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、開閉板65bの開放タイミングから、1.2秒経過後にスライド変位部材370が前側位置に切り替えられるように制御しても良い。
この場合、1.2秒が経過する前にスライド変位部材370に到達していた前流れ球については、確変検出センサSE11の貫通孔に入球させることができる。一方、その前流れ球を追うように流れ、1.2秒の経過後にスライド変位部材370に到達した後追い球は、通常検出センサSE12の貫通孔に入球することになる。
ここで、後追い球が、前流れ球の目隠しとして機能する位置関係であった場合、遊技者は、前流れ球の流れが確変検出センサSE11へ向けて(下方へ)切り替わるタイミングを、後追い球に隠されることで、視認することができない。その上、後追い球は通常検出センサSE12に入球するので、遊技者は、球が確変検出センサSE11に入球していないと思い込むと考えられる。
このように、あたかも確変検出センサSE11の貫通孔に球が入球していないように見せることができるので、時短状態と確変状態との表示演出を同様にして遊技者の期待感を維持させるような遊技機において、その表示演出の演出効果を向上することができる。
上記第1実施形態では、左右内突設部318に衝突した球は、その衝突による負荷だけでは通常検出センサSE12側には流れない場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、左右内突設部318に案内されるまでの球の速度や、回転が、複数種類で構成可能となるように左右内突設部318の上流側における流路を構成し(例えば、クルーンを配設したり、経路幅を広くしたりすることで球の流下方向の自由度を増加させ)、球の速度や、回転の違いによって、左右内突設部318との衝突による負荷だけで通常検出センサSE12に案内され得るように構成しても良い。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370と、各突設部317~319とが別体として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、各突設部317~319の少なくとも一つが、スライド変位部材370に一体的に形成されても良い。即ち、スライド変位部材370の上突設部376から各突設部317~319の少なくとも一つが突設されるようにしても良い。
上記第1実施形態では、スライド変位部材370の動作タイミングとして、球で隠される可能性を考慮した作動パターンYについて説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、球で隠されるタイミングで発光手段351のLEDを発光させる制御を織り交ぜても良い。
上記第1実施形態では、案内長孔616の形状により軸線O1の変位抵抗を変化させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、案内長孔616の幅長さを変えて隙間の外相を形成することで変位抵抗を変えても良いし、磁力やコイルスプリングの付勢力を利用して変位抵抗を変化させても良い。
上記第1実施形態では、案内長孔616の形状を途中位置で屈曲する形状で構成したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、複数回屈曲する形状としても良い。この場合、軸線O1の上下方向変位の抵抗が増大する位置を複数位置で形成することができる。
また、案内長孔616の形状を、回動部材620の回動中における角度θの変化量の大小を変化させる目的から設計しても良い。例えば、回動部材620の回動中における角度θの大きさが維持できる範囲を部分的に形成できるように被支持部材640を案内可能な形状で案内長孔616を形成しても良い。
上記第1実施形態では、案内長孔616が固定される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、軸線O1が移動可能な案内長孔616が複数形成され、所定の切替手段(例えば、他の駆動装置や、回動部材620に当接して切り替えられるボタン式の切替装置)によって軸線O1が案内される案内長孔616を切り替えられるように構成しても良いし、案内長孔616を形状変化可能に構成しても良い。
上記第1実施形態では、第2装飾回転部材660が第3図柄表示装置81の右側に配置された状態で第1演出面661aを前斜め左側へ向ける構成について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第3図柄表示装置81の左側に配置された状態で演出面を前斜め右側へ向けるように構成しても良いし、第3図柄表示装置81の下側(上側)に配置される場合に演出面を前斜め上側(下側)へ向けるように構成しても良い。
上記第1実施形態では、回動部材620を変位の基端側に配置するよう構成したが、必ずしもこれに限られるものではなく、直動変位する部材を変位の基端側に配置しても良い。一方で、直動の部材ではなく回動部材620を利用していることは、第2装飾回転部材660及び張出装飾部652bの回転角度を確保することに好適に機能する。
例えば、横スライドする部材を被支持部材640の主動側に固定する場合、第2装飾回転部材660及び張出装飾部652bの回転角度に影響する角度は、水平より上側の角度(角度a1等)に限定される。これに対し、回動部材620を利用する場合であれば、水平より上側の角度だけでなく、下側の角度(角度b1等)をも利用することができる。なお、この好適な効果に関わらず、被支持部材640の主動側に直動スライドする部材を連結するようにしても良い。
上記第1実施形態では、第2装飾回転部材660が直方体で形成され、直角に交差する3側面に装飾が施される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2装飾回転部材660が断面五角形で形成され、各側面が前側を向く姿勢で停止制御可能に構成されても良い。
上記第1実施形態では、装飾固定部材670は固定の装飾部材としたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、液晶表示装置が配設されても良い。この場合、第1動作ユニット600や第2動作ユニット700と一体視させ易い表示を容易に切り替えることができる。
上記第1実施形態では、回動部材620の回転軸と、第2装飾回転部材660とが直角に交差し得る場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、第2装飾回転部材660の回転軸が前後方向の成分を軸として(斜めな回転軸として)構成されても良い。
上記第1実施形態では、コイルスプリングCS2の付勢力の設定から、第2動作ユニット700を中間演出状態で維持し易くなるように構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回動アーム部材720の長孔部723付近に磁石を配設し、この磁石が右側前板部材710に配設される磁石との間で吸着力を生じさせるよう構成し、この吸着力が第2動作ユニット700の中間演出状態において生じ易くなるようにしても良い。
また、例えば、傾斜部751,762を直線的に形成するのではなく、波形状や鋸歯形状など屈曲した形状から形成しても良い。また、コイルスプリングCS2を利用する場合についても、コイルスプリングCS2が圧縮される場合にのみ付勢力が生じるものに限らず、コイルスプリングCS2の伸長変位に対する付勢力が生じるよう構成しても良い。
上記第1実施形態では、磁石Mgの吸着力を超えるまでは傘歯部783cと傘歯部材785cとが弾性変形することで軸回転部材785の姿勢が維持される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、ギアの弾性変形ではなく、回転する軸棒と、その軸棒を支持する支持筒との間の摺動摩擦に許容値を設けることで構成しても良い。
上記第1実施形態では、覆設部材787が下からせり上がり、遊技領域の後端部から前側に入り込む場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、下降変位によって前側に張り出す態様でも良い。この場合において、センターフレーム86の上縁を下から前方へ越える態様でも良いし、遊技領域の上方(例えば、正面枠14の上方)から前側に張り出す態様でも良い。
上記第1実施形態では、覆設部材787の回転が逆方向となることで副装飾面787a2,787b2が揃って視認されないことで識別力を低下させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、副装飾面787a2,787b2を正面側に向けながら回転する態様ではなく、左右外側に向けながら回転する態様としても良い。また、同方向の回転であっても、回転角度をずらして回転させるように構成しても良い。
上記第1実施形態では、第2動作ユニット700及び第3動作ユニット800で共通して、リンク機構(中間腕部材783、中間腕部材850)の回転角度を利用して軸回転部材785や回転部材834を回転(反転)させるように構成されるが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、回転部材834を案内する金属棒832に一筆書き状に溝が掘られ、その溝に回転部材834から突設される突片が差し込まれるような構成では、溝の設計次第で、回転部材834の回転タイミングを規定することができる。
上記第1実施形態では、検出センサ813に被検出部844が配置された状態から、検出センサ813の出力が切り替わることで切替回転動作から一体回転動作に切り替わったと判定するように制御する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、検出センサ813に被検出部844が配置されていない状態で駆動モータ861の駆動方向を反転した後、被検出部844が検出センサ813に進入したことを検出することで、切替回転動作から一体回転動作に切り替わったと判定しても良い。
上記第1実施形態では、第1装飾部材870の構成と、第2装飾部材880の構成とが所々で異なるように構成する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、磁石Mg2が両装飾部材870,880に配設されるようにしても良いし、両装飾部材870,880に鍍金処理がされるようにしても良い。
上記第1実施形態では、トルクリミッタ866を配設することで切替回転動作と一体回転動作とを明確に分ける場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、粘性抵抗を生じるオイルダンパを設けるようにしても良い。なお、オイルダンパの場合、動作態様の切り替えによらず、常時抵抗が生じ続けるので、トルクリミッタの方が、一体回転動作に動作態様が切り替えられた後の回転方向の変位抵抗を低減することができ、一体回転動作に切り替えられた後の高速回転を実現し易い。
上記第1実施形態では、光LD1が鍍金部871aで正面側に反射される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、金属棒832で光を反射させても良い。一体回転動作中は、直動部材833が金属棒832の基端側(円の内径側)に配置されることで金属棒832が直動部材833に隠されるが、切替回転動作において直動部材833が金属棒832の先端側(円の外径側)に配置される場合には、金属棒832の基端側(円の内径側)が露出することで、光LD1を反射させることが可能である。
上記第2から第7実施形態では、第1中間部材C140,C2140の底面部C142,C2142を球が直列に転動し、振分部材C170,C2170,C3170(受入部C172,C2172,C3172又は転動部C173,C2173,C3173)に同時に1球のみが流入される場合を説明したが、第1中間部材C140,C2140の底面部C142,C2142を2球以上が並列に転動可能とし、振分部材C170,C2170,C3170(受入部C172,C2172,C3172又は転動部C173,C2173,C3173)に同時に2球以上が流入される構成であっても良い。
上記第2から第7実施形態では、遊技領域のうちの正面視左側(図72左側)の領域(センターフレームC86(上側フレームC86a)とレール61との間の領域)を流下される球が下側フレームC86b,C2086b,C3086bに流入(入球)される場合を説明したが、これに代えて、又は、これに加えて、遊技領域のうちの正面視右側(図72右側)の領域を流下される球が下側フレームC86b,C2086b,C3086bに流入(入球)される構成であっても良い。
上記第2から第7実施形態では、受入口COPin,COP2000inに1本の上側フレーム通路CRt0が連通される場合を説明したが、上側フレームC86bに複数本の上側フレーム通路CRt0を形成し、それらが受入口COPin,COP2000inに連通される構成であっても良い。
上記第2から第7実施形態では、振分部材C170,C2170,C3170が自重により第1位置へ復帰される場合を説明したが、付勢手段を設け、その付勢手段の付勢力を、振分部材C170,C2170,C3170が第1位置へ復帰する際の補助力として付与しても良い。或いは、振分部材C170,C2170,C3170が第2位置へ変位する際の補助力として付与しても良い。なお、付勢手段としては、コイルばね、ねじりばね、板ばね等が例示される。
上記第2及び第3実施形態では、振分部材C170,C2170が軸C192,C2174に直接軸支される場合を説明したが、振分部材C170,C2170をリンク機構により変位可能としても良い。この場合、リンク機構は、平行リンク機構であっても良い、不等長リンク機構であっても良い。
上記第3実施形態では、振分部材C2170の転動部C2173を転動した球が通過する通路(第4通路CRt2004)が磁性部C2400により形成される場合を説明したが、他の通路と同様に、球を転動面に沿って転動させて通過(流下)させる通路として第4通路CRt2004を形成しても良い。
上記第4実施形態では、案内溝C3131cが直線状に形成される場合を説明したが、曲線状に湾曲して形成されていても良い。また、直線と曲線とを組み合わせた形状であっても良い。
上記第5実施形態では、下側底面部C4122の円弧部C4122bは、上面視における円弧形状が一様(同一の曲率)に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、異なる半径を有する円弧形状が組み合わされて形成されてもよい。例えば、円弧部C4122bの前後方向(矢印F-B方向)の一端側および他端側における円弧の曲率が、それら一端側および他端側の間の領域(流出面C122aを含む領域)における円弧の曲率よりも大きくされる、即ち、流出面C122aを含む領域における円弧の曲率が小さくされてもよい。この場合、初期段階(下側底面部C4122の長手方向の一端側および他端側またはその近傍まで球が往復動する段階)では、球を往復動させ易くすると共に先行する球に後行する球を追いつかせ易くしつつ、往復動する球の転動速度が低くなった段階(下側底面部C4122の長手方向の一端側および他端側またはその近傍までは球が到達せず、流出面C122aを含む比較的狭い領域で球が往復動する段階)では、先行する球と後行する球とが連なった状態を維持させ易くできる。その結果、両球が連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
上記第5実施形態では、下側底面部C4122の延設方向(矢印F-B方向)と鉛直方向(矢印U-D方向)とを含む平面での断面形状が、円弧部C4122bでは、略水平に形成される、即ち、円弧部C4122bの上面(転動面)は、鉛直方向に直交する平面として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる円弧状に湾曲して形成されてもよい。または、一対の直線部C4122aと同様の下降傾斜する平面として形成されてもよく、一対の直線部C4122aと異なる下降傾斜する平面として形成されてもよい。これらにより、初期段階(下側底面部C4122の長手方向の一端側および他端側またはその近傍まで球が往復動する段階)では、球を往復動させ易くすると共に先行する球に後行する球を追いつかせ易くしつつ、往復動する球の転動速度が低くなった段階(下側底面部C4122の長手方向の一端側および他端側またはその近傍までは球が到達せず、流出面C122aを含む比較的狭い領域で球が往復動する段階)では、先行する球と後行する球とが連なった状態を維持させ易くできる。その結果、両球が連なった状態を維持させつつ、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
上記第5実施形態では、下側底面部C4122(直線部C4122a及び円弧部C4122b)が切り欠き部C124aから離間する方向(矢印L方向)へ向けて下降傾斜して形成されてもよい。これにより、切り欠き部C124aと反対側(対向する側)に位置する下側側壁部C4124に球を押し付けつつ、かかる球を下側底面部C4122(第2通路CRt4002)で転動(往復動)させることができる。
上記第2、第3及び第5実施形態では、流出面C122aの周囲に鉛直方向上方(矢印U方向)へ向けて突部が突設されてもよい。これにより、流出面C122aから下側底面部C122,C2122,C4122の延設方向両端側へ球が転動することを抑制でき、底面部C142(第3通路CRt3)へ流出(流下)させ易くできる。
上記第6実施形態では、磁性部C5400の底面の断面形状は、幅方向(矢印F-B方向)に直線状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、磁性部C5400の突部の底面の断面形状は、円弧状に湾曲して形成されてもよい。その円弧形状が、球の半径と略同一の半径を有し、鉛直方向上方(矢印U方向)へ向けて凸となる場合、球と磁性部C5400との接触面積を増やすことができ、球が磁性部C5400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。一方、円弧形状が、鉛直方向下方(矢印D方向)へ向けて凸となる場合、流下する際に球が揺れる態様を形成できると共に、球が磁性部C5400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。その結果、球の挙動を遊技者に注目させ、遊技の興趣を高めることができる。
上記第7実施形態では、磁性部C6400の突部の底面が、背面部材C2130を向く傾斜面(即ち、鉛直方向上方ほど背面部材C2130に近接する面)として形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、背面部材C2130とは反対側を向く傾斜面(即ち、鉛直方向上方ほど背面部材C2130から離間する面)として形成されてもよい。これにより、磁性部C6400に吸着された球と背面部材C2130とが離間する位置に配設させることができ、磁性部C6400に沿って流下される球と背面部材C2130とが当接することを抑制できる。
上記第3及び第7実施形態では、背面部材C2130の本体部C2131が鉛直方向下方(矢印D方向)に向かうに従い磁性部C2400,C6400側(矢印F方向側)に近づく傾斜面(即ち、鉛直方向下方ほど磁性部C2400,C6400側に近接する面)として形成されてもよい。これにより、磁性部C2400,C6400と背面部材C2130とで磁性部C2400,C6400に沿って流下される球を挟み込むことができ、球が磁性部C2400,C6400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。
上記第3、第6及び第7実施形態では、背面部材C2130の背面に配設される磁石C2300に加え、その鉛直方向下方(矢印D方向)に磁石C2300が追加して配設されてもよい。追加された磁石C2300が、磁性部C2400,C5400,C6400に吸着された球の中心よりも鉛直方向上方(矢印U方向)に配設される場合、追加された磁石C2300により球に作用する磁力の向きが鉛直方向上方側となるため、球が磁性部C2400,C5400,C6400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。一方、追加された磁石C2300が、磁性部C2400,C5400,C6400に吸着された球の中心よりも鉛直方向下方(矢印D方向)に配設される場合、追加された磁石C2300により球に作用する磁力の向きが鉛直方向下方側となるため、球が磁性部C2400,C5400,C6400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。
上記第3、第6及び第7実施形態では、背面部材C2130の背面に配設される磁石C2300が鉛直方向下方(矢印D方向)に延設して形成されてもよい。これにより、磁性部C2400,C5400,C6400に加え、磁石C2300から直接作用される磁力の効果により球を吸着でき、球が磁性部C2400,C5400,C6400の下流端へ移動する前に落下することを抑制できる。
上記第3、第6及び第7実施形態では、磁性部C2400,C5400,C6400の長手方向に沿って配列される複数の磁石C2300の磁力に強弱の差を設けてもよい。例えば、上流側に配設される磁石C2300の磁力がその他の磁石C2300の磁力に比べて強い場合、転動部C2173の上面(転動面)を転動した球を磁性部C2400,C5400,C6400に吸着させ易くできる、即ち、第4通路CRt2004へ案内し易くできる。また、例えば、複数の磁石C2300の一の磁石C2300の磁力がその他の磁石C2300の磁力に比べて弱い場合、その一の磁石C2300を通過する球を磁性部C2400,C5400,C6400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。これにより、遊戯の興趣を高めることができる。
上記第3、第6及び第7実施形態では、磁性部C2400,C5400,C6400の長手方向に沿って配列される複数の磁石C2300の配列方向が変化されてもよい。例えば、上流側に配列される磁石C2300の配列方向に対し、下流側に配列される磁石C2300の配列方向が鉛直方向下方(矢印D方向)に傾斜して配列される、言い換えると、磁石C2300が凸形状となる態様に配列される場合、磁性部C2400,C5400,C6400に沿って流下する球を下流側に配列される磁石C2300へ向かわせ易くでき、球が磁性部C2400,C5400,C6400から落下することを抑制できる。一方、上流側に配列される磁石C2300の配列方向に対し、下流側に配列される磁石C2300の配列方向が鉛直方向上方(矢印U方向)に傾斜して配列される、言い換えると、磁石C2300が凹形状となる態様に配列される場合、磁石C2300の上流側と下流側との境界において球を磁性部C2400,C5400,C6400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。また、磁石C2300の配列形状は直線状に形成されてもよく、円弧状に形成されてもよい。また、磁石C2300に代えて、磁性部C2400,C5400,C6400が上記の形状(凸形状もしくは凹形状、且つ、直線状もしくは円弧状)に配列されてもよい。
上記第3、第6及び第7実施形態では、磁性部C2400,C5400,C6400の長手方向に沿って配列される複数の磁石C2300の隣り合う磁石C2300が離間して形成されてもよい。この場合、磁性部C2400,C5400,C6400の延設方向において球に磁力が作用されない区間を作ることができ、この区間において球を磁性部C2400,C5400,C6400から落下される可能性(第5通路CRt2005に到達できない可能性)を高くできる。
第8実施形態から第15実施形態では、転動部材D170,D3170,D8170に球の重量が作用されると、変位部材D180が開放位置へ変位(回転)される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、転動部材D170,D3170,D8170に球の重量が作用されると、変位部材D180が閉鎖位置へ変位(回転)されるように形成しても良い。即ち、転動部材D170,D3170,D8170が初期位置(第1位置)に配置された状態では、変位部材D180が開放位置に配置され、転動部材D170,D3170,D8170が第2位置に配置された状態では、変位部材D180が閉鎖位置に配置されるように形成しても良い。この場合には、第6通路DRt6に球が流下(入球)されると、第6通路DRt6に球が流下(入球)され難くなる側へ変位部材D180が変位(回転)される。よって、第1の球が第6通路DRt6に流下(入球)し、その第1の球が第6通路DRt6の終端に達するまでの間に、第2の球が第6通路DRt6に流下(入球)されることを、第1の球が第6通路DRt6に流下(入球)される場合よりも困難として、遊技の興趣を高めることができる。
なお、転動部材D170,D3170,D8170に球の重量が作用されると、変位部材D180が閉鎖位置へ変位(回転)されるように形成する場合には、転動部材D170,D3170,D8170の初期位置(第1位置)から第2位置への変位(回転)が、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190に伝達される構造を、上述した場合(第8実施形態から第15実施形態の場合)と逆向きとすれば良い。即ち、転動部材D170,D3170,D8170が初期位置(第1位置)から第2位置へ変位(回転)される場合に、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190が上述した場合と逆方向に回転されるように、伝達部D173,D3173と被伝達部D193,D3193の位置関係を設定すれば良い。
具体的には、第8実施形態であれば、被伝達部D193を転動部材D170から離間する方向(図119(a)右側、矢印R方向)へ延設させるとと共に、その被伝達部D193の上方まで伝達部D173を延設し、転動部材D170が初期位置(第1位置)から第2位置へ変位(回転)される場合に、伝達部D173が被伝達部D193を下方(矢印D方向)へ押し下げる(即ち、第8実施形態の場合とは逆回り(図119(a)において時計回り)に伝達部材D190を回転させる)構成とすれば良い。
また、第10実施形態であれば、被伝達部D3193を転動部材D170側(図124(a)左側、矢印L方向)へ延設させるとと共に、その被伝達部D3193の下方まで伝達部D3173を延設し、転動部材D3170が初期位置(第1位置)から第2位置へ変位(回転)される場合に、伝達部D3173が被伝達部D3193を上方(矢印U方向)へ押し上げる(即ち、第10実施形態の場合とは逆回り(図124(a)において時計回り)に伝達部材D3190を回転させる)構成とすれば良い。
第8実施形態から第15実施形態では、一対の変位部材D180を1の伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190により変位させる(転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220の変位を1の伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190により一対の変位部材D180へ伝達する)場合を説明したが、2の伝達部材を設け、一対の変位部材D180の一方を第1の伝達部材により、他方を第2の伝達部材により、それぞれ変位させる(転動部材D170,D3170又は第2転動部材D4220の変位を第1の伝達部材および第2の伝達部材により一対の変位部材D180の一方および他方へそれぞれ伝達する)構成としても良い。
この場合、例えば、第11実施形態において、転動部材D170の変位を第1の伝達部材により、第2転動部材D4220の変位を第2の伝達部材により、それぞれ伝達する構成としても良い。これにより、変位部材D180の変位態様を多様化して、遊技の興趣を向上できる。
第8実施形態から第15実施形態では、第6通路DRt6において、背面部材D130,D4130,D8130の本体部D131の正面と中間部材D140,D6140の本体部D141の背面との間の対向間隔(矢印F-B方向の間隔)が上下方向(矢印U-D方向)に沿って一定とされ、また、複数の突部D131fの先端を連ねた仮想面(平面)と、複数の突部D141gの先端を連ねた仮想面(平面)との間の対向間隔(矢印F-B方向の間隔)が上下方向(矢印U-D方向)に沿って一定とされる場合を説明したが、これら両対向間隔のうちの少なくとも一方の対向間隔を上下方向に沿って変化させても良い。
例えば、上方(矢印U方向、転動部材D170,D3170,D8170(本体部D172,D3172)の上面(転動面)から離間する方向)へ向かうに従って、対向間隔が狭くされるようにしても良い。これにより、転動部材D170,D3170,D8170(本体部D172,D3172)の上面(転動面)から跳ね上がった球を速やかに下降させ、球の重量を作用させやすくできる。かかる技術思想は、第8通路DRt8における対向間隔においても同様である。
第8実施形態から第15実施形態では、背面部材D130,D4130,D8130の本体部D131の正面および中間部材D140,D6140の本体部D141の背面から突部D131f,D141gをそれぞれ突設する場合を説明したが、背面部材D130,D4130,D8130の本体部D131の正面および中間部材D140,D6140の本体部D141の背面に凹部をそれぞれ凹設する構成としても良い。凹部によっても球の通過(転動)を遅延させることができる。
第8実施形態から第15実施形態では、球の通過を遅延させる遅延手段の一例として、突部D131f,D141gを例示したが、他の手段を採用しても良い。他の手段としては、例えば、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220の本体部D172,D3172,D4222の上面(転動面)を通過(転動)する球が当接可能な位置に配設され、その当接により変位または変形される手段(例えば、風車、金属製の弾性ばね(板ばねやコイルばね)、樹脂製の弾性片、ゴムシートなど)が例示される。即ち、球との当接により発生するエネルギー(運動エネルギーや粘性抵抗)を利用して、球の通過を遅延させる手段が例示される。
第8実施形態から第15実施形態では、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220の本体部D172,D3172,D4222の上面(転動面)を平坦面とする場合を説明したが、その上面(転動面)に凹凸や段差を設けても良い。これにより、球に抵抗を付与して、その通過(転動)を遅延させられる。
第8実施形態から第15実施形態では、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220に対して球の重量が作用されると、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ球が流入(入球)しやすくされる場合を説明したが、これとは逆の構成としても良い。即ち、変位部材D180の初期位置を開放位置とし、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220に対して球の重量が作用されると、変位部材D180を閉鎖位置へ配置することで、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)へ球が流入(入球)され難くなるようにしても良い。この場合には、第6通路DRt6への球の流入(入球)よりも第4通路DRt4又は第5通路DRt5への球の流入(入球)の方が有利な遊技状態としても良い。
第8実施形態から第15実施形態では、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220の変位を変位部材D180へ伝達する伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190を設ける場合を説明したが、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190を省略しても良い。即ち、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220と変位部材D180(変位部材D180ユニット)とを直接連結し、転動部材D170,D3170,D8170又は第2転動部材D4220の変位を変位部材D180へ直接伝達する構成としても良い。
例えば、転動部材D170,D3170,8170又は第2転動部材D4220に、伝達部材D190(本体部D194)の溝D194L,D194Rを設け、その溝D194L,D194Rに軸支部材D210の連結ピンD213を連結(挿通)させる。これにより、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190が省略される分、部品点数を削減して、製品コストを低減できる。
第8実施形態から第15実施形態では、初期位置(変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態)において、伝達部材D190,D2190の被伝達部D193と転動部材D170の伝達部D173との間には、上下方向(矢印U-D方向)の隙間が形成される一方、伝達部材D3190の被伝達部D3193と転動部材D3170の伝達部D3173との間、及び、伝達部材D190の錘部D195と第2転動部材D4220の伝達部D4223との間には、上下方向(矢印U-D方向)の隙間が形成されない場合を説明したが、これらを逆としても良い。
即ち、初期位置(変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態)において、伝達部材D190,D2190の被伝達部D193と転動部材D170の伝達部D173との間には、上下方向(矢印U-D方向)の隙間が形成されず、伝達部材D3190の被伝達部D3193と転動部材D3170の伝達部D3173との間、及び、伝達部材D190の錘部D195と第2転動部材D4220の伝達部D4223との間には、上下方向(矢印U-D方向)の隙間が形成される構成としても良い。
第8実施形態から第15実施形態では、一対の変位部材D180が回転可能とされる場合を説明したが、一対の変位部材D180の少なくとも一方(又は両方)がスライド変位可能とされる構成でも良い。スライド変位される構成であっても、第6通路DRt6への球の入球のしやすさを変化させ、遊技の興趣を向上できる。なお、スライド変位の態様としては、直線に沿って変位される態様、曲線に沿って変位される態様、直線と曲線とを組み合わせた形状に沿って変位される態様が例示される。
この変位態様については、転動部材D170,D3170,D8170、第2転動部材D4220、及び、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190についても同様であり、これらのうちの少なくとも1つ(又は全部)がスライド変位可能とされる構成でも良い。
第8実施形態から第15実施形態では、転動部材D170,D3170,D8170、第2転動部材D4220、及び、伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190が自重により初期位置へ復帰可能に構成される場合を説明したが、初期位置へ復帰させる方向へ付勢力を付与する付勢手段を設けても良い。これらの初期位置への復帰を速やかに行わせることができれば、変位部材D180の閉鎖位置への速やかな配置を可能とでき、遊技の興趣を向上できる。なお、付勢手段としては、コイルばね、板ばね、ねじりばね、ゴム状弾性体などが例示される。
第8実施形態から第15実施形態では、変位部材D180が一対配設される場合を説明したが、変位部材D180の配設数は、1個であっても良く、3個以上であっても良い。即ち、変位部材D180の変位によって第6通路DRt6への球の流入(入球)のしやすさが変化されれば足りる。
第8実施形態から第15実施形態では、一対の変位部材D180の対向間隔が変化されることで、第6通路DRt6への球の流入(入球)のしやすさが変化される場合を説明したが、一対の変位部材D180の対向間隔が変化されない形態であっても良い。例えば、一対の変位部材D180の一方と他方との変位(回転)方向が同方向とされる形態(対向間隔を一定としつつ、変位部材D180の先端側の開放部分の位置が左右(矢印L-D方向)に変位される形態)であっても良い。即ち、変位部材D180の変位によって第6通路DRt6への球の流入(入球)のしやすさが変化されれば足りる。
第8実施形態から第15実施形態では、一対の変位部材D180の一方が伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190の変位に常に連動し、一対の変位部材D180の他方が伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190の変位に所定の期間は非連動となる場合を説明したが、一対の変位部材D180の両方が伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190の変位に常に連動する構成としても良く、或いは、一対の変位部材D180の両方が伝達部材D190,D2190,D3190,D5190,D7190の変位に所定の期間は非連動となる構成としても良い。
第8実施形態から第15実施形態では、突部D131f,D141gが延設方向(上下方向)に沿って連続して形成される場合を説明したが、突部D131f,D141gを延設方向(上下方向)に沿って非連続に形成(断続的に形成)しても良い。球の上方への跳ね上がりに対して抵抗を付与しやすくできる。この場合、突部D131f,D141gを延設方向(上下方向)に沿って千鳥状に配置しても良い。球の上方への跳ね上がりに対して抵抗をより付与しやすくできる。
第8実施形態から第15実施形態では、説明を省略したが、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)され、転動部材D170,D3170,D8170の本体部D172,D3172の上面へ落下した球が、本体部D172,D3172における転動方向と逆方向(矢印R方向)へ移動することを規制する規制手段を設けても良い。規制手段は、転動部材D170,D3170,D8170、背面部材D130,D4130,D8130、又は、中間部材D140,D6140のいずれに設けても良い。また、規制手段としては、転動部材D170,D3170,D8170、背面部材D130,D4130,D8130、又は、中間部材D140,D6140のいずれかから立設され、球に当接可能に形成される形状の部位が例示される。
第8実施形態から第15実施形態では、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)された球が、転動部材D170,D3170,D8170の本体部D172,D3172の上面へ落下される場合を説明したが、第6通路DRt6(一対の変位部材D180の対向間)に流入(入球)された球が、背面部材D130,D4130,D8130、又は、中間部材D140,D6140に形成される部位(受け部)の上面に落下され、その受け部から転動部材D170,D3170,D8170の本体部D172,D3172へ球が流入(転動)される構成でも良い。落下の衝撃が収まった(小さくなった)状態で、転動部材D170,D3170,D8170の本体部D172,D3172が球を受け取れるので、球の重量が作用する初期段階での変位部材D180のばたつき(振動)を抑制できる。
第8実施形態から第15実施形態では、第6通路DRt6と第8通路DRt8(上流側部分)とが、上面視(矢印D方向視)において並列に配設(並設)される(即ち、前後方向(矢印F-B方向)に位置を違えて配設される)場合を説明した。この場合には、下側フレームD86b~D8086bの上下方向(矢印U-D方向)の寸法を抑制できる。但し、第6通路DRt6と第8通路DRt8(上流側部分)とを、正面視(矢印B方向視)において並列に配設(並設)する(即ち、上下方向(矢印U-D方向)に位置を違えて配設する)構成でも良い。この場合、第6通路DRt6と第8通路DRt8(上流側部分)とは、上面視(矢印D方向視)において、重なることが好ましい。その分、下側フレームD86b~D8086bの前後方向(矢印F-B方向)の寸法を抑制できる。
第11実施形態では、転動部材D170と第2転動部材D4220とが上面視(矢印D方向視)において並列に配設(並設)される場合を説明したが、転動部材D170と第2転動部材D4220とを上面視(矢印D方向視)において直列に配設(長手方向に沿って直線状に配設)しても良い。
上記第14実施形態では、表示部D7197を本体部D194に配設する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、表示部D7197を錘部D195に配設しても良い。即ち、表示部D7197を、錘部D195の外縁に配設し、その錘部D195の外縁から軸D191の軸方向と直交する方向へ延設させても良い。
この場合には、表示部D9197の配置を上述した場合とは逆の配置とする(変位部材D180が閉鎖位置に配置された状態で表示部D7197を遊技者から視認不能とし、変位部材D180が開放位置に配置された状態で、表示部D7197の突出量を最大とする)ことができる。また、表示部D7197の重量を利用して、錘部D195に埋設する金属製の錘の量を減らす(又は省略する)ことができ、その分、部品点数を低減して、材料コストの低減を図ることができる。
上記第15実施形態では、第2突部D131faが複数(本実施形態では5本)の突部D131fのうちの一部(本実施形態では2本)のみに形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第2突部D131faの形成本数は任意であり、1本であっても良く、3本以上であっても良い。複数の突部D131fの全部に第2突部D131faを形成しても良い。また、正面視において中間部材D140の開口D6148と重なる突部D131fのみに第2突部D131faを形成しても良く、正面視において中間部材D140の開口D6148と重ならない突部D131fのみに第2突部D131faを形成しても良い。
上記第15実施形態では、転動部材D8170が第1位置に配置された状態において、第2突部D131faの上面が本体部D172の上面(転動面)から突出する寸法は、上流側(軸D171から遠い側)に位置する第2突部D131faほど大きな寸法とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、各第2突部D131faにおいて同一の寸法としても良い。或いは、下流側(軸D171に近い側)に位置する第2突部D131faほど大きな寸法としても良い。
第16実施形態から第32実施形態では、介設部材E140の転動部E141の長手方向(矢印L-R方向)における湾曲部E134aと流路調整ブロックE170との間に対応する位置には、転動部E141の上面が背面側(矢印B方向側)へ向けて下降傾斜して形成される傾斜面が形成されても良い。これにより、介設部材E140(第6通路ERt6)を往復動する球を第2斜面部E135(第5通路ERt5)へ送球する可能性を生じさせることができる。第5通路ERt5へ送球された球は、第7通路ERt7へ案内される可能性があるため、遊技の興趣を高めることができる。
第16実施形態から第32実施形態では、中央通路E160の架設通路E161には背面壁E161aが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、背面壁E161aに加え、架設通路E161の前端側(矢印F方向側)の縁から鉛直方向上方(矢印F方向)へ向けて立設される前面壁が形成されてもよい。これにより、架設通路E161に案内された球が、架設通路E161の前端側の縁を通過して第2斜面部E135へ流下(落下)されることを抑制できる。従って、架設通路E161に案内された球が上方孔E162を通過し易くできる、即ち、第4通路ERt4を流下して第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率が高く)できる。
第16実施形態から第32実施形態では、正面板E111に張出し部E111bが突設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、張出し部E111bが突設されなくても良い。これにより、介設部材E140の転動部E141を転動する球が第1入賞口64へ送球される可能性を生じさせることができる。即ち、転動部E141を転動する球が第1入賞口64へ入賞する確率を高くできる。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、駆動モータE191により振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が変位(往復動)し、第17実施形態、第18実施形態および第26実施形態では、弾性ばねE2190により振分通路E2150,E3150,E11150が変位(回動)する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、バイブレータにより振分通路E150,E2150,E3150,E6150,E7150,E8150,E11150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が変位されても良い。これにより、振分通路E150,E2150,E3150,E6150,E7150,E8150,E11150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150を左右方向(矢印L-R方向)へ変位(往復動)できるのに加え、前後方向(矢印F-B方向)へも変位(往復動)できる。その結果、振分通路E150,E2150,E3150,E6150,E7150,E8150,E11150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150上を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向を変更(変化)させ易くできる。また、第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態においては、背面板E137と突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151との間に球が挟持されることを抑制できる。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、一対の湾曲部E131の対向間において一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、一対の第2振分通路E4150,E16150が左右方向(矢印L-R方向)に並設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、一対の湾曲部E131の対向間において一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、一対の第2振分通路E4150,E16150が前後方向(矢印F-B方向)に並設されても良い。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、第1伝達部材E194の第1ラック部E194dと第2伝達部材E195の第2ラック部E195bとの間にピニオンギヤE196が一つ配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、複数のピニオンギヤが配設されてもよい。この場合、各ピニオンギヤの歯数を異ならせる、即ち、減速機として作用させることで、第1伝達部材E194に係合される振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)の変位速度と第2伝達部材E195に係合される振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)の変位速度とを異ならせることができる。また、ピニオンギヤが偶数個配設されることで、第1伝達部材E194に係合される振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)と第2伝達部材E195に係合される振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)との変位方向を同一にできる。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、挿通孔E133a,E9133a,E10133aを挟んで左右方向(矢印L-R方向)両側に形成される溝部E133c,E9133c,E10133cが、同一形状である場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、非同一形状に形成されても良い。これにより、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150を左右方向(矢印L-R方向)に往復動させると共に、上面視において鉛直方向(矢印U-D方向)を回動軸として回動する態様に変位させることができる。詳細には、被係合部E153(係合凹部E153a)を回動軸として振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150の湾曲部E131側と中央通路E160側とで前後方向(矢印F-B方向)に異なる方向に変位させることができる。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151は、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150の上面から突設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150の上面に凹設される凹部に形成されても良い。また、凹部は、その外縁が不連続とされても良く、突出される突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151どうしの間に形成される空間が凹部とされても良い。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第32実施形態では、突起部E151,E15151は、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150に垂直な方向視において略六角形状に形成され、第27実施形態では、突起部E12151は、球状に形成され、第28実施形態では、突起部E13151は、振分通路E13150に垂直な方向視において略ひし形(四角形)状に形成され、第29実施形態では、突起部E14151は、振分通路E14150に垂直な方向視において円状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、略五角形状や略七角形状など略多角形状、もしくは、多角錐状に形成されても良い。また、円柱状に形成されても良い。また、直線と曲線とを組み合わせた形状に形成されても良い。また、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150に対する突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面の傾斜角度は同一に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面の傾斜角度が各側面でそれぞれ異なっていても良い。例えば、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対して傾斜方向下降側に形成される側面の傾斜角度を略直交とさせることで、球が傾斜方向上昇側へ変位(逆流、転動)することを抑制できる。また、例えば、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対して傾斜方向下降側に形成される側面の傾斜角度を傾斜方向上昇側に形成される側面の傾斜角度よりも小さくすることで、球を傾斜方向上昇側へ変位(逆流、転動)させ易くできる。その結果、球の移動(流下、落下)方向が変化(変更)される態様を遊技者に視認させやすくでき、遊技の興趣を向上できる。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)に複数の突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、少なくとも一つの突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151がそれぞれ配設されれば良い。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)の上面に突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)の上面の一部に突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151がそれぞれ配設されても良い。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面への突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の配設間隔は一定とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、各突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の配設間隔がそれぞれ異なっても良い。例えば、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の前後方向(矢印F-B方向)中央側に配設される突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の配設間隔を大きくすることで、前後方向両端側に送球された場合と比較して、球が突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151に当接する回数を減らすことができる。これにより、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の前後方向中央側において、球は、傾斜方向に沿って流下し易くなる。即ち、球の流下方向が変更(変化)され難くできる。その結果、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の前後方向中央側に送球された球を架設通路E161(第4通路ERt4)へ案内し易くできる。また、突起部E151,E13151,E14151,E15151の対向間距離(配設間隔)が、球の直径の略4分の1より大きくてもよく、球の直径の略4分の1より小さくても良い。対向間距離(配設間隔)を大きくすることで、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面を移動(流下、転動)する球の流下速度を大きくした状態で球を突起部E151,E13151,E14151,E15151に当接させることができ、球の移動(流下、転動)方向が変化される態様を遊技者に視認させやすくできる。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が連続的に変位される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動モータE191の駆動を断続的に行うことで、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が断続的に変位されても良い。これにより、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150を流下する球に慣性力を付与でき、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151に当接する際の衝撃力を変更(変化)でき、球の移動(流下、転動)方向の変更(変化)を多様とできる。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が駆動モータE191により駆動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、ソレノイドや弾性ばねにより駆動されても良い。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、駆動モータE191の軸に駆動力伝達部材E193が固着され、駆動モータE191の一方向への回動により振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150が往復動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動モータE191の駆動方向を切り換えることで振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150,E16150及び第3振分通路E5150,E17150を往復動させても良い。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、球が流下可能に振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150に突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151により球の流下が抑制されても良い。これにより、後行する球は、流下が抑制された先行する球に当接することができ、後行する球の流下方向を変更(変化)できる。即ち、流下が抑制された先行する球は、後行する球に対して突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151と同様の効果を奏することができ、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150を流下する球の移動(流下、転動)方向を変更(変化)できる。また、球の流下方向を不規則に変更(変化)できる。なお、流下が抑制された先行する球に後行して流下する球が当接することで、先行する球が流下を再開できる。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面は、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対して略45度傾斜して形成され、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の突設高さは、球の半径の略2分の1とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対して突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面が45度よりも大きく傾斜しても良く、45度よりも小さく傾斜しても良い。また、突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の突設高さは、球の半径の略2分の1よりも高く形成されても良く、球の半径の略2分の1よりも低く形成されてもよい。振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対する突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面の傾斜角度を大きく、もしくは、突設高さを高くすることで振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)時間を長くできる。一方、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150の上面に対する突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の側面の傾斜角度を小さく、もしくは、突設高さを低くすることで振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)時間を長くできる。また、球が突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151を乗り越えて振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150を移動(流下、転動)し易くでき、球の移動(流下、転動)方向を多様とできる。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150に規制片E153bが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、規制片E153bが形成されなくても良い。これにより、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150はその傾斜面に対し垂直な方向に変位できる。詳細に説明すると、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150に流下(落下)する球の自重が作用することで、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150は、第1伝達部材E194,E4194,E5194、第2伝達部材E195,E4195,E5195、第3伝達部材E4198及び第4伝達部材E4199に係合される係合部E194cを軸として回動できる。その結果、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150の傾斜角度を変更(変化)でき、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)を流下する球の移動(流下、転動)時間を延長(変化)できる。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150に切欠き部E150aが形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、切欠き部E150aが形成されなくても良い。これにより、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150の上面に形成される突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151の数を増やすことができる。また、振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150から中央通路E135b(第7通路ERt7)へ送球し易くできる、即ち、第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率が高く)できる。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び一対の第2振分通路E4150,E16150の一方と他方とが同一の態様に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び一対の第2振分通路E4150,E16150の一方と他方とで、配設される突起部E151の配設個数又は配設間隔が異なっていても良い。これにより、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150の一方と他方とで流下する球の流下時間や流下方向を異ならせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
第16実施形態、第19実施形態から第25実施形態および第27実施形態から第32実施形態では、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び一対の第2振分通路E4150,E16150がそれぞれ遊技盤E13の幅方向(図135左右方向)における中心に対し線(面)対称(図135左右対称)に変位する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び一対の第2振分通路E4150,E16150の一方と他方とが非対称に変位しても良い。これにより、一対の振分通路E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E13150,E14150,E15150及び第2振分通路E4150,E16150(第3通路ERt3)の一方と他方とで流下する球の流下時間や流下方向を異ならせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
第17実施形態、第18実施形態および第26実施形態では、振分通路E2150,E3150,E11150の上面に突起部E151,E12151,E13151,E14151,E15151が形成されても良い。これにより、振分通路E2150,E3150,E11150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向の変化を多様とできる。
第17実施形態、第18実施形態および第26実施形態では、振分通路E2150,E3150,E11150が弾性ばねE2190により変位される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振分通路E2150,E3150,E11150に加え、湾曲部E131及び壁板E132が弾性ばねE2190により変位されても良い。これにより、湾曲部E131(第2通路ERt2)を移動(流下、転動)する球の前後方向(矢印F-B方向)の変位速度を変化(変更)させることができ、振分通路E2150,E3150,E11150(第3通路ERt3)を移動(流下、転動)する球の移動(流下、転動)方向の変化を多様とできる。
第17実施形態、第18実施形態および第26実施形態では、湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150とが当接される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150とが当接しなくても良い。この場合、湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150との対向間距離を球の直径よりも小さくすることで、球が湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150との間から流出することを抑制できる。
第17実施形態、第18実施形態および第26実施形態では、平面部E2133と振分通路E2150,E3150,E11150との間に弾性ばねE2190が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、湾曲部E131と振分通路E2150,E3150,E11150との間に弾性ばねE2190が配設されても良い。この場合、弾性ばねE2190は伸びた状態で配設され、弾性ばねE2190の弾性回復力を利用して湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150との当接状態が維持される、もしくは、湾曲部E131の下面と振分通路E2150,E3150,E11150との対向間距離を球の直径より小さい状態に維持される。
第17実施形態、第18実施形態および第26実施形態では、弾性ばねE2190により振分通路E2150,E3150,E11150が変位される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、駆動モータやソレノイドにより変位されても良い。
第17実施形態および第18実施形態では、支持軸E20jにより平面部E2133と振分通路E2150,E3150とが係合され、弾性ばねE2190がコイルばねとして構成され、弾性ばねE2190により振分通路E2150,E3150を鉛直方向上方側(矢印U方向側)へ変位(回動)させる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、弾性ばねE2190がねじりばねとして構成されても良い。この場合、ねじりばねを支持軸E20jに係合しておけばよく、これにより、弾性ばねE2190を係合するための支持突起E2133a,E2150aの配設を抑制できる。その結果、製品コストの削減を図ることができる。
第17実施形態および第18実施形態では、振分通路E2150,E3150が前後方向(矢印F-B方向)を回動軸として回動され、第26実施形態では、振分通路E11150が上下方向(矢印U-D方向)を回動軸として回動される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振分通路E2150,E3150,E11150が左右方向(矢印L-R方向)を回動軸として回動されても良い。これにより、振分通路E2150,E3150,E11150を移動(流下、転動)する球を前後方向(矢印F-B方向)に移動させ易くでき、球の移動(流下、転動)方向の変化を多様化できる。その結果、球の移動(流下、転動)方向の変化が単調となることを抑制でき、遊技の興趣を向上できる。
第17実施形態および第18実施形態では、平面部E2133の支持突起E2133aが長手方向両端側にそれぞれ形成され、支持部E2133bが支持突起E2133aよりも中央通路E160側に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、支持部E2133bが長手方向両端側にそれぞれ形成され、支持突起E2133aが支持部E2133bよりも中央通路E160側に形成されても良い。また、支持突起E2133aが長手方向両端側と、その支持突起E2133aよりも長手方向中央側に形成され、長手方向におけるそれら支持突起E2133aの間に支持部E2133bが形成されても良い。
第19実施形態および第20実施形態では、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)に突起部E151が配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、突起部E151が配設されなくても良い。即ち、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)の上面が平坦に形成されても良い。これにより、振分通路E150から流下(落下)される球の変位を遊技者に予測し易くできる。また、第2振分通路E4150及び第3振分通路E5150(第3通路ERt3)の一部には突起部E151が配設され、残りの他部には突起部E151が配設されなくても良い。
第19実施形態では、第2振分通路E4150が、振分通路E150に対し、傾斜方向における長さが短く形成され、その他は同一とされる場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第2振分通路E4150の前後方向(矢印F-B方向)における長さが、振分通路E150の前後方向における長さよりも大きく形成されても良い。これにより、第2振分通路E4150に移動(流下、転動)された球を介設部材E140へ案内(送球)し易くできる。
第19実施形態では、振分通路E150が第1位置に配置された状態において第2振分通路E4150,E16150の傾斜方向下降側の端部は、振分通路E150の傾斜方向下降側の端部よりも壁板E132側に位置する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第2振分通路E4150,E16150の傾斜方向下降側の端部は、振分通路E150の傾斜方向下降側の端部よりも上方孔E162(中央通路E160)側に位置しても良い。これにより、振分通路E150を流下(落下)した球を第2振分通路E4150,E16150へ送球させ易くでき、中央通路E160(第4通路ERt4)へ振り分けられた球を第1入賞口64(図135参照)へ入賞し易くできる(第1入賞口64へ入賞する確率を高くできる)。
第20実施形態では、第3振分通路E5150,E17150が第4位置に配設されると、少なくとも第3振分通路E5150,E17150の一部が上面視、中央通路E160に重なる位置に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、第3振分通路E5150,E17150は、短手方向(矢印F-B方向)における全部が上面視、中央通路E160に重なる位置に配設されても良い。これにより、振分通路E150から送球された球を中央通路E160(第4通路ERt4)へ案内し難くできる。
第20実施形態では、第3振分通路E5150,E17150が第4位置に配設されると、少なくとも第3振分通路E5150の一部が上面視、中央通路E160に重なる位置に配設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、前後方向(矢印F-B方向)において、第3振分通路E5150,E17150が、中央通路E160よりも介設部材E140側(矢印F方向側)に配設されても良い。これにより、第3振分通路E5150が第3位置に配設される場合と同様、第3振分通路E5150(第3通路ERt3)に案内された球が架設通路E161(第4通路ERt4)に振り分けられることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
第22実施形態では、斜面部E7154が直線状に形成され、第23実施形態では、湾曲ガイド部E8133dが円弧状に湾曲して形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、斜面部E7154が円弧状に湾曲して形成され、湾曲ガイド部E8133dが直線状に形成されても良い。また、斜面部E7154又は湾曲ガイド部E8133dが直線と円弧を組み合わせた形状に形成されても良い。
第24実施形態では、下側フレームE9086bは、遊技盤E13の幅方向(図135左右方向)における中心に対し線(面)対称(図135左右対称)に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、下側フレームE9086bが非対称に形成されても良い。例えば、ベース部材E9130の長手方向(矢印L-R方向)の一方に形成される溝部E9133cは、湾曲部E131側から中央通路E160側へ向かうにつれて介設部材E140側(矢印F方向側)に傾斜して形成され、ベース部材E9130の長手方向(矢印L-R方向)の他方に形成される溝部E9133cは、中央通路E160側から湾曲部E131側へ向かうにつれて介設部材E140側(矢印F方向側)に傾斜して形成されても良い。例えば、上面視においてベース部材E9130の長手方向(矢印L-R方向)の一方と他方とで溝部E9133cが同一に形成され、振分通路E150の変位の態様が同一であっても良い。
第25実施形態では、溝部E10133cは、第1斜面部E10133に垂直な方向視において曲線が組み合わされた形状に形成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、単一の曲線から形成されても良く、また、直線と曲線とが組み合わされた形状に形成されても良い。
第31実施形態および第32実施形態では、第2振分通路E16150、第3振分通路E17150の外縁には、案内切欠き部E16154a,E17154aを除き、案内部E16154,E17154が立設される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、少なくとも外縁の一部に形成されれば良い。これにより、第2振分通路E16150、第3振分通路E17150の外縁に案内部E16154,E17154が非形成の場合と比較して、第1入賞口64へ入賞し易く(第1入賞口64へ入賞する確率を高く)でき、遊技の興趣を高めることができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<経路構成手段を通る球が被通過手段の目隠しになるポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、を備え、前記経路構成手段は、所定方向視における、前記被通過手段の上流側で前記経路構成手段を流下する第1の遊技球の手前側で、その第1の遊技球の少なくとも一部と重なる位置に配置可能な変位可能手段を備えることを特徴とする遊技機A1。
パチンコ機等の遊技機において、球検出孔431へ向けた遊技球の流下経路を複数種類構成可能な大入賞部品300を備え、球検出孔431付近が化粧板302によって認識し難く構成される遊技機がある(例えば、特開2017-185021号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、化粧板302により常に球検出孔431を認識し難く構成されているので、球検出孔431への入球を確認して遊技球の発射の継続または停止を行うという遊技態様に対応できず、遊技者が不満に感じる可能性があった。即ち、遊技球の発射操作と関連する部分において改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機A1によれば、経路構成手段において第1の遊技球の視認性を低下させる手段が所定の変位可能手段であるので、第1の遊技球が見え易い状態を構成可能とされる。従って、第1の遊技球が見え易い状態においては、第1の遊技球の流下を確認して、遊技球の発射操作の継続または停止の判断を行い易くなることから、遊技球の発射操作と関連する部分において改善することができる。
なお、所定の変位可能手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、別の遊技球でも良いし、遊技球の流下経路とガラスユニットとの間で変位可能に構成される装飾用部材でも良い。
なお、被通過手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、特定領域を構成する開口でも良いし、図柄の抽選に関わる入球口(例えば、始動口)でも良いし、賞球の払い出しに関わる賞球口でも良いし、遊技球が通過可能なその他の手段でも良い。
遊技機A1において、前記変位可能手段は、前記第1遊技球の上流側を流下する第2の遊技球であることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、被通過手段へ向けて案内される遊技球を利用して第1の遊技球の視認性を変化させることができるので、変位可能手段として他の装飾部材を用意する場合に比較して、材料コストや設計コストを低減することができる。
遊技機A2において、前記経路構成手段は、第1の遊技球の正面側に第2の遊技球を配置可能な前後幅長さで形成される前後方向経路を備えることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、第1の遊技球の正面側に、第2の遊技球を配置可能に前後方向経路が構成されるので、正面視において、第2の遊技球で第1の遊技球の少なくとも一部を隠すことができる。
遊技機A3において、前記前後方向経路は、前記第1の遊技球と前記第2の遊技球とが、発射装置に設定された発射間隔で前記経路構成手段を流下した場合に、前記第2の遊技球が前記第1の遊技球の少なくとも一部を隠すよう構成されることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A3の奏する効果に加え、発射間隔のままで経路構成手段を複数の遊技球が流下した場合に、第1の遊技球を第2の遊技球で認識し難くする効果を奏することができる。これにより、認識し難い状況を平常時から生じさせることができる。
遊技機A3又はA4において、前記前後方向経路は、正面側構成部が、背面側構成部よりも遊技領域の中央側に配置されることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A3又はA4の奏する効果に加え、被通過手段を見る遊技者の視線に沿う傾きを有する経路として前後方向経路を構成することができるので、第1の遊技球が第2の遊技球に隠される状態を生じ易くすることができる。即ち、目隠しの効果を向上させることができる。
遊技機A5において、前記正面側構成部は、被通過手段を見る遊技者の視線上に配置されることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、前後方向経路に配置される第1の遊技球と第2の遊技球との間隔の長短に関わらず、同様の目隠し効果を生じさせることができる。
即ち、通常であれば、第1の遊技球と第2の遊技球とが近接しているほど、目隠し効果を向上させることができると考えられるが、視線上に第1の遊技球および第2の遊技球が配置されている場合には、間隔の長短が及ぼす影響を無くすことができる。
遊技機A2からA6のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、第1の遊技球の正面側に第2の遊技球を配置可能な前後幅長さで形成される前後方向経路と、その前後方向経路の上流側で遊技球が左右方向に流下可能な左右幅で形成される左右方向経路と、を備えることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A2からA6のいずれかの奏する効果に加え、左右方向経路を流下する遊技球によっても遊技者の視線を遮ることができるので、遊技者が、被通過手段に対して左右に位置ずれしない視線で被通過手段を視認する場合に限らず、左右に位置ずれして、覗き見るような視線に対しても、目隠し効果を生じさせることができる。即ち、遊技者の視線の方向に寄らず、被通過手段への入球態様を認識し難くすることができる(全方位で目隠し効果を生じさせることができる)。
この作用は、前後方向に延びる流路の左右片側を壁部で封じることにより顕著に生じる。即ち、左右片側が壁部で封じられている構成では、左右片側においては壁部が目隠しとなるので、被通過手段への視界が通らない状態を構成し易くできる。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、遊技球が前記被通過手段を第1の態様で通過する第1の流下経路と、遊技球が第2の態様で通過する第2の流下経路と、を備え、前記第1の遊技球が、前記経路構成手段のいずれの流下経路を流下するかに関わらず、前記所定の変位可能手段に少なくとも一部を覆われて視認され得るよう構成されることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A1からA7のいずれかの奏する効果に加え、被通過手段の通過の有無に関わらず、経路構成手段を流下する遊技球の流下態様を認識し難くし得るので、経路構成手段を流下する遊技球に対する注目力を向上させることができる。
なお、第1の態様や、第2の態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、球の流下方向が違う態様でも良いし、球が通過する検出センサが異なる態様でも良い。
遊技機A1からA8のいずれかにおいて、前記被通過手段の上流側において遊技球の流下方向を分ける分岐手段を備え、前記分岐手段は、受け入れた遊技球の流下方向を切り替える切替手段を備え、前記経路構成手段は、分岐手段で流下経路が分けられる遊技球であって前記切替手段に到達した遊技球が、所定区間は同じ経路を流下するよう構成されることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1からA8のいずれかの奏する効果に加え、切替手段に到達した遊技球が所定区間は同じ経路を流下するので、切替手段に到達した遊技球が即座にその後の流下経路に対応した流下態様となる場合に比較して、遊技球の流下の把握を困難とすることができる。これにより、遊技球に対する遊技者の注目力を向上することができる。
遊技機A9において、前記経路構成手段は、流下する遊技球側に突設される突設部を備え、その突設部は、前記分岐手段における遊技球の分岐に作用することを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A9の奏する効果に加え、突設部で遊技球の分岐に作用することができるので、例えば、弁体の移動により分岐を生じさせる場合に比較して、構造の耐久性を向上させることができる。
遊技機A10において、前記突設部は、所定方向に延びる第1突設部と、その第1突設部とは異なる方向に延びる第2突設部と、を備え、前記第1突設部の突設量と前記第2突設部の突設量とが異なるように構成されることを特徴とする遊技機A11。
遊技機A11によれば、遊技機A10の奏する効果に加え、遊技球の流下態様に応じて、第1突設部が遊技球に与える影響と、第2突設部が遊技球に与える影響とを異ならせることができる。これにより、固定の第1突設部および第2突設部を利用しながら、遊技球の流下態様に応じた所定のルールで遊技球を分岐させる作用を生じさせることができる。
<経路構成手段を通る球が被通過手段への導入をアピールするポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、を備え、前記経路構成手段は、前記被通過手段よりも上流側を構成する所定部を備え、その所定部は、前記被通過手段よりも目立つ側に配置され、前記被通過手段へ遊技球を案内可能に構成されることを特徴とする遊技機B1。
パチンコ機等の遊技機において、球検出孔431へ向けた遊技球の流下経路を複数種類構成可能な大入賞部品300を備え、球検出孔431付近が化粧板302によって認識し難く構成され、大入賞部品300の状態の違いによって、化粧板302から外れた位置を遊技球が流下したり、化粧板302の後方に隠されるようにして遊技球が流下したりする遊技機がある(例えば、特開2017-185021号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、化粧板302から外れて流下する視認性の良い遊技球は、むしろ球検出孔431を逸れて流下するよう構成され、化粧板302の後方に隠されるように流下する遊技球の一部が球検出孔431に案内されるので、遊技球の見え易さの良し悪しと、遊技者が得られる利益の多少とが対応しておらず、遊技球に注目したことが無駄になり易いので遊技者が不満に感じる可能性があった。即ち、注目を集めた後の遊技球の流下態様を、注目する意義があるものにするという点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機B1によれば、目立つ側に配置される所定部を流下した遊技球が、被通過手段へ案内可能に構成されていることから、遊技球に対する注目力の向上度合いと、遊技球が被通過手段を通過することとを対応づけることができる。従って、所定部を流下した遊技球が被通過手段を通過する可能性を向上させることができるので、注目を集めた後の遊技球に注目する意義があるという点で改善することができる。
また、このように構成することで、所定部を流下する遊技球で遊技者の視線を誘導し易くすることができ、被通過手段に遊技球が向かうことを遊技者が見逃す可能性を低くすることができる。
なお、被通過手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、特定領域を構成する開口でも良いし、図柄の抽選に関わる入球口(例えば、始動口)でも良いし、賞球の払い出しに関わる賞球口でも良いし、遊技球が通過可能なその他の手段でも良い。
なお、目立つ側の態様は何ら限定されるものではない。例えば、遊技者の目を引き易い表示装置側でも良いし、入賞口側や始動口側でも良いし、遊技者にとって視認し易い前方側(手前側)でも良いし、特定の入球口への入球確率が際立って高くなる箇所として視線が集まり易い部分としてのステージ(主に、センターフレームにより形成される枠の下縁部において遊技球を一時滞留させる箇所)側や、大当たり獲得に直結するV入賞口側や、操作対象としての球貸し装置側や、演出操作ボタン側や、入球口から逸れた遊技球が流下する範囲(遊技者が、悔しくてついつい目で追ってしまう範囲)側や、発光手段での明暗での切替として明るい側や、その他の側でも良い。また、目立ちがたい側を敢えて形成し、相対的に目立たせるようにしても良い。
遊技機B1において、前記経路構成手段は、その経路構成手段へ入球した遊技球を、入球時よりも目立たなくする第2所定部を備え、前記所定部は、前記第2所定部よりも目立つ側に配置されることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、経路構成手段に入球した遊技球が所定部を流下する前に、第2所定部において注目力を下げることで、所定部を流下する際の遊技球の注目力を際立たせることができる。
遊技機B1又はB2において、前記所定部は、遊技球の流下速度が異なる区間を備えることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、遊技球の流下速度に差が無い場合に比較して、遊技者の視線を集める効果を向上することができる。
遊技機B3において、前記所定部を流下する遊技球の第1流下速度よりも、前記第2所定部を流下する遊技球の第2流下速度の方が高速となるよう構成されることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、経路構成手段に入球した遊技球が所定部に到達するまでの期間を短縮することができる。
遊技機B1からB4のいずれかにおいて、前記所定部は、所定方向視における遊技球の変位速度が異なる区間を備えることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1からB4のいずれかの奏する効果に加え、実際の遊技球の流下速度の大小に関わらず、所定方向視における見かけ上の遊技球の変位速度が異なる区間を構成することができるので、任意の所定箇所において所定方向視における遊技球の変位速度を小さくすることにより、遊技者の視線を所定箇所に容易に集め、その他の部分から目を逸らさせることができる。
なお、見かけ上の遊技球の変位速度を異ならせる態様は何ら限定されるものではない。例えば、正面視において前後方向と直交する平面に配置される直線上を変位する場合と、前後方向成分を有する直線上を変位する場合とでの異なりでも良いし、直線上を変位する場合と、曲線状または蛇行状に変位する場合とでの異なりでも良いし、その他の異なりでも良い。
遊技機B1からB5のいずれかにおいて、前記経路構成手段へ遊技球を導入可能に構成される導入手段を備え、前記所定部は、所定方向視において前記導入手段の外方に配置されることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B1からB5のいずれかの奏する効果に加え、導入手段の視認性を確保することができる。従って、導入手段の視認性の確保と、被通過手段を通過する可能性の高い遊技球の注目力の向上とを両立させることができる。
遊技機B1からB6のいずれかにおいて、前記経路構成手段の正面側における遊技球が、前記被通過手段へ向けた視線または前記所定部を避けるよう流下するように構成する回避手段を備えることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B1からB6のいずれかの奏する効果に加え、経路構成手段の正面側において遊技球が流下可能に構成され、遊技球の流下経路が被通過手段へ向けた視線を避けるようにするための回避手段を備えているので、遊技領域の大きさの確保と、被通過手段へ向けた遊技球の視認性の確保と、を両立させることができる。
なお、回避手段の影響を受けた遊技球の流下態様は、何ら限定されるものではない。例えば、被通過手段の正面位置を避けて流下するものでも良いし、被通過手段と遊技者の目の位置とを結ぶ直線を避けて流下するものでも良いし、被通過手段へ向かう遊技球を遊技者が確認できる最後の位置を基準として、その位置の正面位置を避けて流下するものでも良いし、上述の最後の位置と遊技者の目の位置とを結ぶ直線を避けて流下するものでも良いし、その他でも良い。
遊技機B7において、前記経路構成手段は、流下する遊技球を受け入れ可能な受入状態と受入不能な非受入状態とで状態変化可能に構成される受入状態変化手段を備え、その受入状態変化手段は、前記受入状態から前記非受入状態への状態変化において、前記受入状態において受入状態変化手段に到達していた遊技球を経路構成手段側へ案内可能に構成されることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B7の奏する効果に加え、受入状態変化手段に到達してから橋渡しされるように流下した遊技球が、被通過手段へ向けた視線を遮ることを防止することができる。
遊技機B7又はB8において、正面視で前記被通過手段の上方に配設され、遊技領域を区画する区画手段を備え、その区画手段は、遊技球が左右外側を流下可能に構成されることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B7又はB8の奏する効果に加え、区画手段によって、被通過手段の正面位置を遊技球が流下する事態を避けることができるので、被通過手段へ向けた視界を確保し易くすることができる。
なお、区画手段の態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、遊技球の流下面を構成する板状部でも良いし、遊技球が入球可能な入球口構成手段でも良い。また、区画手段は、形状(外観)固定の手段でも良いし、形状(外観)可変の手段でも良い。
遊技機B9において、前記経路構成手段は、流下する遊技球を受け入れ可能な受入状態と受入不能な非受入状態とで状態変化可能に構成される受入状態変化手段を備え、前記区画手段の前記受入状態変化手段側の部分が、遊技球を前記受入状態変化手段側へ案内し易く構成されることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B9の奏する効果に加え、受入状態変化手段へ受け入れられる途中の遊技球を、区画手段によって受入状態変化手段へ押し込む態様で受け入れさせるよう構成することができる。これにより、受け入れられる途中の状態で横滑りした遊技球が、受入状態変化手段から逸れて被通過手段の正面側を落下する事態の発生を避け易くすることができる。
例えば、受入状態変化手段として、左右方向軸で傾倒変位する開閉板を備える特別入賞装置が想定され、区画手段として特別入賞装置の特別入賞口の上方に配置される第1入賞口が想定される。開閉板の閉鎖間際に特別入賞口に到達した遊技球は、しばしば、開閉板の回動先端と、開閉板に蓋をされる開口の縁部との間に挟まれ、縁部の形成方向(開閉板の回動軸方向)に横滑りする。
横滑りした後の遊技球は、開閉板の回動先端の形成範囲のいずれの位置にも到達し得るので、開閉板の少なくとも一部が被通過手段の上方に配置される場合には、横滑りした後の遊技球が正面側に落下した後で被通過手段の正面位置を通過する可能性があり、横滑りした後の遊技球を正面側に落下させるべきでは無い。
横滑りした後の遊技球の正面側への落下を回避できない場合には、被通過手段の正面視上位置を避けて開閉板を配置する必要が生じるので、開閉板の設計自由度が低下することになる。
これに対し、遊技機B10によれば、横滑りした後の遊技球が開閉板の正面側へ落下することを回避し易くすることができ、開閉板の設計自由度を向上することができる。
遊技機B7からB10のいずれかにおいて、前記経路構成手段を流下する遊技球と、前記経路構成手段の正面側を流下する遊技球とが、類似の流下態様で流下するよう構成されることを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、遊技機B7からB10のいずれかの奏する効果に加え、経路構成手段を流下し被通過手段を通過する可能性のある遊技球と、経路構成手段の正面側を流下し被通過手段を通過しない遊技球と、を区別し難くすることで、経路構成手段を流下する遊技球の個数を判別し難くすることができる。
換言すれば、経路構成手段に遊技球が入り易い場合と、入りにくい場合とを、経路構成手段付近を流下する遊技球から判別することを困難とすることができる。
遊技機B1からB11のいずれかにおいて、前記所定部を流下する球の後側から光を照射する発光手段を備えることを特徴とする遊技機B12。
遊技機B12によれば、遊技機B1からB11のいずれかの奏する効果に加え、所定部を流下する球の前側が光で反射し、球が見え難くなることを回避し易くすることができる。
<V通口への経路長さを省スペースで確保するポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、遊技球が前記被通過手段に流下可能な第1状態とその第1状態とは異なる第2状態とで切り替え可能に構成される状態切替手段と、を備え、前記経路構成手段は、遊技球の上下方向の変位を遅らせる遅延手段を備え、その遅延手段により遊技球を前記被通過手段へ向けて流下可能に構成されることを特徴とする遊技機C1。
パチンコ機等の遊技機において、第2大入賞口12に入球した遊技球の流下経路に左右に移動可能に構成される振分部75が配設され、振分部75の配置によって遊技球の流下方向を変化可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2014-155538号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、特定領域73への誤入賞や振分部75による球かみを防止するための振分部75の短期間動作が不可欠とされており、遊技者によっては振分部75の挙動を不信と感じ、安心して遊技を継続できない場合があった。
この解決のための手段の一例として、第2大入賞口12から振分部75までの流路長さを長くすることが想定される。例えば、振分部75の配置を、第2大入賞口12の真下から、遊技領域の左右中央部付近(第1大入賞口10付近)の位置に変えることで、第2大入賞口12から振分部75までの流路長さを長く確保することができる。これにより、特定領域73への誤入賞の可能性を低くすることができると考えられる。
一方、この手段を実行すると、第2大入賞口12から第1大入賞口10までの広範囲に亘って遊技球の流下経路の視認性を確保する必要が生じ、この範囲において遊技領域の設計自由度が制限される。即ち、特定領域73への誤入賞を回避するために、遊技領域の設計自由度が広範囲で制限されるという問題点があった。
換言すれば、遊技領域の設計自由度を高く維持しつつ、遊技球の誤入球を回避するという観点から改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機C1によれば、経路構成手段が所定の遅延手段を備えることから、正面視における経路構成手段の上下長さを短くし省スペースに抑えた場合でも、経路構成手段に入球した遊技球が被通過手段を通過するまでに経過する時間を長く確保することができる。
そのため、被通過手段への遊技球の入球の可否を切り替えるために状態切替手段を作動させる必要が生じるタイミングを経路構成手段への遊技球の入球から所定時間後にすることができるので、経路構成手段への入球の可否を切り替える開閉装置を短期間動作させることなく、誤入賞を回避することができる。そのため、開閉手段が慌ただしく動作しているという印象を遊技者に与えることを回避することができる。これにより、遊技領域の設計自由度を高く維持しつつ、遊技球の誤入球を回避することができる。
なお、遅延手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、流下経路に減速用の凸部を構成する態様でも良いし、前後方向成分を有する流下経路で遊技球を流下させる所定の流下経路を備える態様でも良い。
遊技機C1において、前記遅延手段は複数の所定の流下経路を備え、その所定の流下経路は、正面側へ向かう流下経路の方が、背面側へ向かう流下経路に比較して、流下する遊技球の加速度が大きくなるよう構成されることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、所定の流下経路を流下する遊技球を遊技者に視認させる期間を長く確保することができる。
なお、遊技球の加速度の違いを生じる原因については、何ら限定されるものではない。例えば、所定の流下経路の水平面に対する傾斜の大小でも良いし、所定の流下経路の遊技球側の面形状の設計でも良い。
遊技機C1又はC2において、前記遅延手段は複数の所定の流下経路を備え、その所定の流下経路は、正面側へ向かう流下経路の方が、前後位置を維持して流下する流下経路に比較して、流下する遊技球の加速度が大きくなるよう構成されることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、手前側を流れる遊技球を遊技者に視認させる期間を長く確保することができる。これにより、所定の流下経路を流下する遊技球に対する遊技者の注目力を向上させ易くすることができる。
なお、遊技球の加速度の違いを生じる原因については、何ら限定されるものではない。例えば、所定の流下経路の水平面に対する傾斜の大小でも良いし、所定の流下経路の遊技球側の面形状の設計でも良い。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、前記遅延手段は複数の所定の流下経路を備え、その所定の流下経路は、所定方向視で前記被通過手段の手前に配置される手前位置を遊技球が通るように構成されることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1からC3のいずれかの奏する効果に加え、手前位置に遊技球が配置された場合に、被通過手段付近の視認性を低下させることができる。これにより、被通過手段付近の範囲に対する注目力を向上させることができる。
遊技機C4において、前記手前位置を複数個構成可能とされることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、複数の手前位置に遊技球が配置されることにより、手前側の遊技球によって奥側の遊技球の少なくとも一部を隠すことができる。被通過手段は奥側の遊技球よりも背面側に配置されているので、被通過手段へ向けた視界を複数の遊技球で遮ることができ、被通過手段の視認性を低下させることができる。
この場合、所定の流下経路への遊技球の入球間隔が短い場合、手前位置のいずれかに常に遊技球が配置される状態を構成可能となるので、被通過手段を視認不能な状態を構成可能となる。
遊技機C1からC5のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、上面視で渦を巻く態様で視認されるように形成されることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C1からC5のいずれかの奏する効果に加え、同じ長さの経路構成手段を配設するために要する上下幅を短くすることができる。
また、折り返し経路が形成される場合に比較して、経路壁の厚みを薄くする必要が無いので、流路の強度を向上することができるし、180度で折り返される折り返し経路に比較して、球の詰まり等が生じる可能性を低くできる。
遊技機C1からC6のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、前後方向に延びる前後流路部を備えることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C1からC6のいずれかの奏する効果に加え、経路構成手段の左右幅を抑えられるので、左右対称で一対の経路構成手段を抑えられた左右幅で構成することができる。
遊技機C1からC7のいずれかにおいて、前記被通過手段は、前記経路構成手段の球受入部を基準として、斜め下後方に配置されることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C1からC7のいずれかの奏する効果に加え、正面側から視認する遊技者の視界に被通過手段と経路構成手段の球受入部とを収め易くすることができる。
遊技機C1からC8のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、遊技球を受け入れ可能に構成される第1受入手段と、その第1受入手段とは異なる手段であって遊技球を受け入れ可能に構成される第2受入手段と、を備え、前記第1受入手段および前記第2受入手段の遊技球の受入態様により、遊技者が得られる利益が変化するように構成されることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C1からC8のいずれかの奏する効果に加え、第1受入手段および第2受入手段が遊技球を常時受入可能に構成されており、更に、第1受入手段および第2受入手段の遊技球の受入態様により遊技者が得られる利益が変化するので、遊技球に対する注目力を向上させることができる。
なお、遊技球の受入態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、第1受入手段に限定して遊技球が受け入れられる態様でも良いし、第2受入手段に限定して遊技球が受け入れられる態様でも良いし、第1受入手段に所定個数受け入れられ第2受入手段に所定個数受け入れられる態様でも良い。また、各受入手段に対する入球の頻度が異なる態様でも良いし、入球位置が異なる態様でも良い。
遊技機C9において、遊技者が得られる利益の変化は、前記第1受入手段または前記第2受入手段の片方に限定して遊技球が受け入れられるか、前記第1受入手段および前記第2受入手段の両方に遊技球が受け入れられるかにより生じることを特徴とする遊技機C10。
遊技機C10によれば、遊技機C9の奏する効果に加え、遊技者が得られる利益の大小の設定の仕方により、遊技者が、遊技球を所定の発射態様で打ち出し易いようにすることができる。
なお、遊技者が得られる利益としては、何ら限定されるものではない。例えば、流下する遊技球の認識し易さでも良いし、流下する遊技球により得られる遊技に関連する利益(賞球の払い出し、大当たりの獲得、大当たり終了後の遊技状態が確変状態となること、遊技状態が通常状態になること(転落すること)等)でも良い。
遊技機C9又はC10において、前記経路構成手段は、第1受入手段および第2受入手段から前記被通過手段までが左右対称で構成されることを特徴とする遊技機C11。
遊技機C11によれば、遊技機C9又はC10の奏する効果に加え、左右どちらを主にして遊技球を発射しても、遊技者が不利益を被る可能性を低くすることができる。
遊技機C9からC11のいずれかにおいて、前記経路構成手段は、流下する遊技球を受け入れ可能な受入状態と受入不能な非受入状態とで状態変化可能に構成される受入状態変化手段を備え、前記受入態様は、前記受入状態変化手段の形状または状態変化の態様により変化することを特徴とする遊技機C12。
遊技機C12によれば、遊技機C9からC11のいずれかの奏する効果に加え、受入状態変化手段の形状または状態変化の態様により受入態様が変化するので、遊技球の発射に関する遊技者の技術の熟練度が遊技者の得られる利益に与える影響を低くすることができる。
遊技機C12において、前記受入状態変化手段の状態変化の態様が、複数種類で構成されることを特徴とする遊技機C13。
遊技機C13によれば、遊技機C12の奏する効果に加え、一定の発射態様で遊技球が発射されている場合であっても、第1受入手段および第2受入手段への遊技球の受入態様を変化させることができる。これにより、受入状態変化手段の状態変化の態様から、遊技者が得られる利益を調整することができる。
<球の流下方向と平行に移動する開閉部材についてのポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、前記経路構成手段へ遊技球を導入可能な導入状態と前記経路構成手段へ遊技球を導入不能な非導入状態とで状態変化可能に構成される状態切替手段と、を備え、前記状態切替手段は、前記状態変化において生じる変位の方向が、遊技球の流下方向に沿うように構成されることを特徴とする遊技機XA1。
パチンコ機等の遊技機において、球検出孔431へ向けた遊技球の流下経路を複数種類構成可能な大入賞部品300を備える遊技機がある(例えば、特開2017-185021号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、遊技球の流下方向と大入賞部品300の開閉板の開閉方向とが略直角方向であり、開閉が遊技球の転動に関与することなく開閉動作が完了することから、開閉板(状態切替手段)の役割について改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機XA1によれば、状態切替手段の変位の方向が、遊技球の流下方向に沿うように構成されるので、遊技球が状態切替手段に近接または当接している状態で状態切替手段の変位を生じさせることで、遊技球の転動態様を変化させるように影響させることができる。これにより、状態切替手段の役割を改善することができる。
例えば、遊技球が左方へ流下している際に、その遊技球が上に乗った状態で状態切替手段を右方にスライド移動させることで、遊技球に対して転動回転の順方向に回転させる負荷を与えることになるので、遊技球を加速させることができる。
また、逆に、遊技球が左方へ流下している際に、その遊技球が上に乗った状態で状態切替手段を左方にスライド移動させることで、遊技球に対して転動回転の逆方向に回転させる負荷を与えることになるので、遊技球の回転を遅らせることができる。
また、転動する遊技球の下端部をかすめるように状態切替手段がスライド移動すると、遊技球の転動方向のみではなく、転動方向に直交する方向の成分も有する負荷を遊技球に与えることができるので、遊技球の流下態様の変化を複雑かつ不規則に生じさせることができる。
これらの遊技球の流下態様に与える影響により、状態切替手段の開閉動作時に状態切替手段に乗っていた球の流下態様を様々に変化させることができるので、遊技球を視認する遊技者を飽きさせることなく、遊技に集中させることができる。
また、状態切替手段の開閉動作と遊技球との配置関係は、何ら限定されるものではない。例えば、遊技球の側面と擦れる配置関係でも良いし、遊技球に流下方向で対抗して遊技球と衝突するような配置関係でも良い。
遊技球と衝突する態様で変位する状態切替手段において、閉鎖動作の方向は何ら限定されるものではない。例えば、遊技球の流下方向と対抗する方向で閉鎖動作し、遊技球を跳ね返せるように構成しても良いし、遊技球の流下方向の順方向で閉鎖動作し、それ以降の遊技球の導入を抵抗少なく規制可能に構成しても良い。
<開放時は第1方向へ、閉鎖時は第2方向へ球を流す開閉部材についてのポイント>
遊技球が流下可能に構成される経路構成手段と、その経路構成手段を流下した遊技球が通過可能に構成される被通過手段と、前記被通過手段へ遊技球を導入可能な導入状態と前記被通過手段へ遊技球を導入不能な非導入状態とで状態変化可能に構成される状態切替手段と、を備え、前記状態切替手段は、前記導入状態で遊技球を第1方向に案内可能とされ、前記非導入状態で遊技球を第2方向に案内可能に構成されることを特徴とする遊技機XB1。
パチンコ機等の遊技機において、球検出孔431へ向けた遊技球の流下経路を複数種類構成可能な大入賞部品300を備える遊技機がある(例えば、特開2017-185021号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、下側可動体371は前側に張り出す状態では遊技球を右方に案内するものの、後側に退避する状態では、遊技球とは当接せず自由落下となり、案内はしない。換言すれば、遊技球の流下に下側可動体371が影響しない。そのため、後側に退避している状態では、下側可動体371以外で遊技球の流下を案内する部分(枠部等)を用意することが必要であり、遊技球の流下を案内するための構成(部材)の個数を削減するという観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機XB1によれば、状態切替手段が導入状態と、非導入状態とで、遊技球を異なる方向に案内するよう構成されるので、遊技球の流下経路を案内するための専用部材を不要とできるので、必要な構成(部材)の個数を削減することができる。これにより、限られたスペースで遊技球の流下方向の多様化を図ることができる。
なお、第1方向と第2方向との関係は何ら限定されるものではない。例えば、方向間の角度が鋭角でも良いし、直角でも良いし、鈍角でも良い。例えば、直角の場合において、前後方向に沿って流下する遊技球に対し、第1方向が下方、第2方向が左右方向に設定するようにしても良い。この場合、正面視において、状態切替手段に案内される前は遊技球の変位が僅かしか認められないようにしながら、状態切替手段による案内が開始された後の方向の差(違い)の最大化を図ることができる。
状態切替手段による案内の作用を生じさせる案内部の配置は何ら限定されるものではない。例えば、状態切替手段が備える可動部材に案内部が配設されても良いし、案内部は状態切替手段の周辺の非可動部に配設されており可動部材の動作によって遊技球が案内部に近接または当接し易い状態に切り替えられるように構成しても良い。
案内部が可動部材に配設される場合には、導入状態と非導入状態との状態切替が完了した後における案内に留まらず、状態を切り替える動作中において遊技球に与える影響も考慮した設計とすることが好ましい。
例えば、遊技球の流下方向に対抗する方向で変位する可動部材を状態切替手段が備える場合、流下方向と直交する平面形状の壁部を設けるよりは、流下方向と傾斜する面(平面、曲面等)形状の壁部を設ける方が、可動部材が遊技球に衝突した際に生じる負荷が、遊技球を逆流させる方向に大きくなる事態を回避し易くすることができる。これにより、遊技球の逆流を回避し易くすることができる。
<分離、反転、合体、回転が一連動作>
視認される面が変化するように変位可能に構成される変位手段を備え、前記変位手段は、第1変位部材と、第2変位部材と、を備え、所定態様の変位において、前記第1変位部材と前記第2変位部材とが相対変位するように構成されることを特徴とする遊技機D1。
パチンコ機等の遊技機において、ベースアーム220の先端部に配設される回動ベース214が複数回回転可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2016-116782号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、回動ベース214が回転変位するものの、遊技者側に見えている面は同一なので、変位手段への注目力を維持し難いという問題点があった。
これに対し、遊技機D1によれば、変位手段の視認される面を、変位に伴い変化可能に構成されるので、変位手段への注目力を維持することができる。
また、第1変位部材と第2変位部材とが相対変位することで、変位手段の外観を変化させることができるので、変位手段に対する注目力を向上させることができる。
遊技機D1において、前記所定態様の変位は、前記第1変位部材と前記第2変位部材とが集合配置される集合部を基準として近接離反する第1の変位と、前記第1変位部材と前記第2変位部材とが前記集合部を基準として回転動作する第2の変位と、を少なくとも含むことを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、第1変位部材と第2変位部材との相対動作を動的に生じさせ易くすることができる。即ち、集合部を基準とした変位として、第1の変位だけでは、集合部からの距離が最短または最長となる終端部において第1変位部材と第2変位部材との変位が低減され易く、第1変位部材と第2変位部材とが止まって見えてしまい、演出効果が低くなる可能性があるところ、第2の変位を混ぜることで、終端部においても回転方向の変位を生じさせることができるので、演出効果を向上させることができる。
遊技機D1又はD2において、前記所定態様の変位は、前記変位手段の視認される面が反転する第3の変位を少なくとも含むことを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、第3の変位により視認される面を反転させることで、第3の変位の前後で遊技者に視認させる装飾を顕著に異ならせることができる。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記第1変位部材および前記第2変位部材は、吸着または接着により固定可能に構成され、その固定に係る負荷は、前記第1変位部材および前記第2変位部材の変位を制限する向きで作用することを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかの奏する効果に加え、固定に係る負荷が第1変位部材および第2変位部材の変位を制限する向きで作用するので、固定に係る負荷を加味して、第1変位部材および第2変位部材の変位を設計することができる。
例えば、ギアに寄る駆動力伝達の場合に、形状の変形を加味しない場合には機械的に変位が生じる場合に、固定に係る負荷を加味すれば、その負荷による部材の弾性変化が顕在化することで、部材の変位タイミングの遅れを生じさせることができる。
また、固定の程度が第1変位部材および第2変位部材の視認される面に対応して異なるよう構成しても良い。
この場合、固定による作用が視認される面に対応して異なるので、遊技者が視認される側面における固定の程度に強弱を設けることができる。
これにより、例えば、同じ変位手段の、反転された面について、一方の面は固く合体して一体的に視認させ易く、他方の面は緩く合体して相対変位し易い状態で視認させ易くすることができる。
また、例えば、第1変位部材および第2変位部材の吸着の程度が固定位置ごとに異なるよう構成することで、第1変位部材および第2変位部材の固定の程度が異なる状態を構成することができる。
なお、吸着可能にする態様は何ら限定されるものではない。例えば、粘着テープで接着する態様でも良いし、磁石と金属部との吸着力を利用するものでも良い。また、磁石に吸着する金属部として、例えば、固定用のビス、ネジ等を利用するように第1反転部材や第2反転部材を設計しても良い。
遊技機D1からD4のいずれかにおいて、前記変位手段は、正逆方向に変位可能に構成され、所定状態において、正方向へは、第1変位態様で変位し、逆方向へは、前記第1変位態様とは異なる第2変位態様で変位し、前記第2変位態様は、所定態様での変位後、前記第1変位態様で変位するよう構成されることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D1からD4のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の変位態様が、正逆方向で異なるように構成され、第2変位態様は第1変位態様の前に所定態様が追加された変位態様として構成されるので、変位手段を退避させる際に変位手段に必要とされる変位量を低減することができる。これにより、退避時における変位手段への注目力を低減することができるので、相対的に、演出位置で変位する変位手段の注目力を向上させることができる。
従来機では、回転の態様が正逆方向で同様なので、演出位置(液晶表示領域の正面側位置)へ張り出して演出した後で、退避位置(液晶表示領域の外方位置)へ退避するまでに逆方向に再び複数回回転する必要があった。この場合、演出位置から退避する部材に視線が集まり易くなることが問題視される可能性があった。
なお、変位態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、回転変位でも良いし、直動変位でも良い。また、変位は平面上におけるものでも良いし、複数平面にまたがるものでも良いし、3次元的なものでも良い。
遊技機D5において、前記変位手段は、動作抵抗が所定量よりも大きくなると負荷伝達を解除するように構成される解除手段を備えることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、変位手段の変位態様の変化を、変位手段の内部の構成の動作抵抗の大小により生じさせることができる。
遊技機D1からD6のいずれかにおいて、前記変位手段へ向けて光を照射する発光手段を備え、前記変位手段は前記第1変位部材および前記第2変位部材を備え、前記第1変位部材および前記第2変位部材は、視認される面が一側か、他側かで、発光手段からの光の視認態様を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D1からD6のいずれかの奏する効果に加え、発光手段からの光に関して変位手段の見え方を、第1変位部材および第2変位部材の視認される面に対応して変化させることができる。
例えば、第1変位部材および第2変位部材が個別に発光しているように視認される場合と、第1変位部材および第2変位部材が一体的に発光しているように視認される場合とで変化させることができる。
遊技機D1からD7のいずれかにおいて、前記変位手段の配置を検出する検出手段を備え、前記検出手段は、前記変位手段の変位が許容可能な状態か否かを検出可能に構成されることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D1からD7のいずれかにおいて、前記変位手段の変位を許容可能な状態を検出手段により検出可能なので、変位手段が変位中に周囲の構造部と衝突することを回避することができる。
また、検出手段により変位手段の変位可能な区間を検出しつつ、変位手段の変位を実行することができるので、ある程度、演出位置から退避位置へ向けて変位した後で拡大縮小を含む変位態様で変位するように制御することで、演出位置から退避位置に変位する際に変位開始時から拡大縮小を含む変位態様で変位する場合に比較して、変位手段に対する注目力の上昇を押さえることができる。
遊技機D1からD7のいずれかにおいて、前記変位手段の状態を検出する検出手段を備え、その検出手段は、前記変位手段の変位について2種類以上の数値を検出可能に構成されることを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、遊技機D1からD7の奏する効果に加え、検出手段の配設個数を削減することができる。なお、変位手段の変位についての数値の種類としては、種々の態様が例示される。例えば、異なる可動部材のそれぞれの配置や姿勢についての数値でも良いし、所定タイミングで動作態様が変化する場合にその動作態様の変化に関与する数値でも良い。
また、検出手段の配置は何ら限定されるものではない。例えば、変位手段の変位基端側に検出手段を配置することで、その変位手段の変位先端側に連結される第2変位手段の配置や姿勢を検出する構造を構成し易い。
遊技機D1からD9のいずれかにおいて、前記変位手段は前記第1変位部材および前記第2変位部材を備え、その第1変位部材および前記第2変位部材は遊技者側に向ける面が一側の面となる姿勢と、他側の面となる姿勢とで反転動作可能に構成され、前記第1変位部材および前記第2変位部材が一側の面を遊技者側に向ける場合には、第1変位部材および第2変位部材を区別可能とされる一方、前記第1変位部材および前記第2変位部材が他側の面を遊技者側に向ける場合には、第1変位部材および第2変位部材を区別不能に構成されることを特徴とする遊技機D10。
遊技機D10によれば、遊技機D1からD9のいずれかの奏する効果に加え、一側が遊技者側に向けられている場合の第1変位部材および第2変位部材の状態に関わらず、反転動作が生じることに対する遊技者の期待感を高く維持することができる。
<複数の被視認面を備える変位手段の配置により視認容易面を変えるポイント>
視認可能に構成される第1視認可能面および第2視認可能面を備える変位手段を備え、その変位手段は、配置に応じて、前記第1視認可能面が視認し易い第1状態と、前記第2視認可能面が視認し易い第2状態と、を切り替え可能に構成されることを特徴とする遊技機E1。
パチンコ機等の遊技機において、反転可能に構成される反転動作部71を備え、視認される面を変化させることで遊技者に視認される外観を変化可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2016-153095号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、反転動作部71の反転は、位置が固定された状態で行われるので、視認される面の変化により遊技者の視線を変化させることはできない。即ち、遊技者の視線を効率よく変化させるという観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機E1によれば、変位手段が、配置に応じて、第1視認可能面が視認し易い状態と、第2視認可能面が視認し易い状態とが切り替えられるので、第1視認可能面または第2視認可能面を見たいと考える遊技者の視線を、変位手段の配置変化の経路に沿う態様で変化させることができる。
遊技機E1において、前記変位手段を視認可能に開放される開放部を備え、前記変位手段は、前記開放部側が視認され易いように構成されることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、開放部を通して奥側を視認する遊技者が、変位手段の第1視認可能面または第2視認可能面を容易に視認できる。
遊技機E2において、前記変位手段は、開放部の中央側に配置される場合よりも、開放部の縁側に配置される場合の方が、配置が背面側に寄ることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E2の奏する効果に加え、変位手段が開放部の中央側に配置される場合に変位手段を手前側で大きく視認可能としながら、変位手段が開放部の縁側に配置される場合に変位手段を見る際の視線の動きを少なくすることができる。これにより、変位手段の視認性と、変位手段を目で追う遊技者の疲労抑制と、の両立を図ることができる。
遊技機E1からE3のいずれかにおいて、前記変位手段は、複数組の前記第1視認可能面および前記第2視認可能面を備え、一の組の前記第1視認可能面および前記第2視認可能面が視認可能な状態において、他の組の前記第1視認可能面および前記第2視認可能面を視認し難く構成することを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E1からE3のいずれかの奏する効果に加え、第1視認可能面および第2視認可能面に、組ごとに異なる文字や図形を施しておくことで、変位手段を視認する遊技者に対して、異なる文字や図形を視認させることができ、且つ、視認させることを目的としない組の第1視認可能面および第2視認可能面に関しては視認し難く構成することで、変位手段の外観がみっともなくなることを回避することができる。
例えば、第1の組には、抽選結果が大当たりである期待感が低いことを示す文字や図形が第1視認可能面および第2視認可能面に表示され、第2の組には、抽選結果が大当たりである期待感が高いことを示す文字や図形が第1視認可能面および第2視認可能面に表示される場合に、変位手段の配置に関わらず、変位手段を通して、大当たりの期待感の高低を確認することができる。この場合において、変位手段が表示装置の表示領域の正面側から退避した後においても、変位手段による大当たりの期待感についての表示を維持できるので、液晶表示装置から目線を外した遊技者に対しても、大当たりの期待感についての表示を視認させることを継続することができる。
なお、視認し難く構成する態様は何ら限定されるものではない。例えば、遊技者側とは異なる側の面(後側面、左右外側面、等)に配置するようにしても良いし、遮蔽手段で遮蔽することで視認性を落とすように構成しても良い。
遊技機E4において、視認される前記第1視認可能面および前記第2視認可能面の組を切り替える動作は、動作中において、前記第1視認可能面および前記第2視認可能面を認識され難いよう構成されることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E4において、視認される第1視認可能面および第2視認可能面の組を切り替える動作中(確定前)に、遊技者側に表示される第1視認可能面および第2視認可能面の組を予測されることを回避し易くすることができる。これにより、変位手段に対する注目力を向上させることができる。
なお、上述の切り替える動作中において第1視認可能面および第2視認可能面を認識され難いよう構成される態様については、何ら限定されるものではない。例えば、変位手段を高速で回転動作させ認識され難くしても良いし、第1視認可能面(第2視認可能面)の一部と、その他の部分とを結合分離可能に構成し、それら一部とその他の部分とを分離した状態で動作させることで認識され難くしても良いし、発光手段による明暗の設定により相対的に暗くする部分を作り認識され難くしても良い。
なお、この場合において、分離した状態の態様としては、何ら限定されるものではない。例えば、上述の切り替える動作中において、第1視認可能面(第2視認可能面)の一部と、その他の部分との一方のみが視認され、他方は視認されないように背面側を向いて動作するよう構成しても良いし、それら一部とその他の部分とが同時に視認可能であるが配置がずれて視認される状態で動作するよう構成しても良い。
遊技機E5において、前記変位手段を視認可能に開放される開放部を備え、前記切り替える動作は、前記変位手段が前記開放部の中央側に配置されている状態で実行されることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E5の奏する効果に加え、切り替える動作を遊技者に視認させ易くすることができ、切り替える動作に対する注目力を向上させることができる。
遊技機E5又はE6において、前記切り替える動作中において、前記第1視認可能面の一部とその他の部分との、一方は正面側を向き、他方は正面側とは異なる側を向くことを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E5又はE6の奏する効果に加え、動作中において第1視認可能面の一部を視認可能とし、全体は視認不可能とすることで、動作中において第1視認可能面を認識され難くすることができる。
遊技機E1からE7のいずれかにおいて、前記第2視認可能面への視線の少なくとも一部を遮蔽可能に構成される第2変位手段を備え、前記変位手段は、前記第2変位手段と共に前記第1視認可能面を視認させるための第3状態に切替可能に構成されることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E1からE7のいずれかの奏する効果に加え、第2変位手段により第2視認可能面の少なくとも一部を視認し難く構成することにより、変位手段の演出位置の設計自由度を向上させることができる。
遊技機E1からE8のいずれかにおいて、前記変位手段は、変位に伴って、所定方向視で視認される面を第1視認可能面と第2視認可能面との間で変化させるように構成されることを特徴とする遊技機E9。
遊技機E9によれば、遊技機E1からE8のいずれかの奏する効果に加え、所定方向視で視認される面が第1視認可能面と第2視認可能面との間で変化するので、遊技者の視線の変化量に依存せずに、視認し易い面を任意に変更することができる。
遊技機E9において、前記第1状態と前記第2状態とで前記変位手段の姿勢が変化することを特徴とする遊技機E10。
遊技機E10によれば、遊技機E9の奏する効果に加え、第1状態における変位手段の外観と第2状態における変位手段の外観との違いを、変位手段の姿勢を違えることにより大きくすることができる。
遊技機E9又はE10において、前記変位手段に近接配置可能に構成される補助手段を備え、前記第1状態では、前記変位手段は前記補助手段に近接配置され、前記第2状態では、前記変位手段は前記補助手段から離れて配置されることを特徴とする遊技機E11。
遊技機E11によれば、遊技機E9又はE10の奏する効果に加え、補助手段を変位手段に近接配置させ、一体的に視認させる状態と、補助手段と変位手段とを分けて視認させる状態とを構成することができ、変位手段が遊技者に与える印象を複数構成することができる。
なお、補助手段の態様は何ら限定されるものではない。例えば、配置が固定された手段でも良いし、可動の手段でも良い。
遊技機E11において、前記補助手段は、前記変位手段と一体的に視認させる状態と、前記変位手段とは分離して視認させる状態と、を切替可能に構成されることを特徴とする遊技機E12。
遊技機E12によれば、遊技機E11の奏する効果に加え、変位手段と補助手段とを一体的に視認させるか分離して視認させるかを切り替えることができるので、部材個数に対する視認可能態様のバリエーションを増やすことができる。
<変位手段の変位量と配設手段の変位量との同時点での比が区間で異なるポイント>
変位可能に構成される変位手段と、その変位手段に第1の部分が配設される配設手段と、前記配設手段の第2の部分を支持する支持手段と、を備え、その支持手段は、前記変位手段の変位中における前記第1の部分を基準とした前記第2の部分の配置を制御可能に構成されることを特徴とする遊技機F1。
パチンコ機等の遊技機において、傾倒変位可能なベースアーム220と、そのベースアーム220の傾倒先端側に回動可能に取り付けられた回動役物211と、その回動役物211を回動させるための駆動力を発生させる駆動モータ222と、を備え、ベースアーム220の変位と独立して回動役物211を回動可能に構成される遊技機がある(例えば、特開2016-116782号公報を参照)。しかし、上述した従来の遊技機では、回動役物211がベースアーム220の先端においてぐらつき易く、ベースアーム220の傾倒変位中に回動役物211を回動させると機構に不具合が生じる可能性がある結果、回動役物211の回動変位はベースアーム220の停止中に行うと想定されることから、変位の自由度が低くなっていた。
即ち、変位可能な部分の変位の設計自由度を高くするという観点で改善の余地があるという問題点があった。
これに対し、遊技機F1によれば、配設手段が変位手段と支持手段とに少なくとも2点で支持され、その2つの支持点が変位手段の変位中に相対変位するように構成されており、支持手段により、第1の部分を基準とする第2の部分の配置を制御可能としているので、配設手段を安定的に支持しながら、変位手段の変位中に配設手段を変位させることができる。これにより、配設手段(変位可能な部分)の変位の設計自由度を高めることができる。
なお、支持手段の態様は、何ら限定されるものではない。例えば、固定のベース手段に形成される案内溝に変位を制限される態様で支持されても良いし、変位可能な第2の変位手段に連結されて支持されても良い。また、支持手段による制御は、電子制御に限定されるものではなく、第2の部分の変位を壁部で規制(案内)する等の機械的な制御も含まれる。
遊技機F1において、前記変位手段は、第1の区間および第2の区間を、変位可能に構成され、前記支持手段は、前記変位手段が前記第1区間を変位する場合に前記第2の部分を支持する第1範囲と、前記変位手段が前記第2区間を変位する場合に前記第2の部分を支持する第2範囲と、を備え、前記第1範囲において前記第2の部分が変位する方向と、前記第2範囲において前記第2の部分が変位する方向とが異なるよう構成されることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、変位手段の変位速度を一定とする場合であっても、配設手段の変位速度を異ならせることができ、支持手段は、第2の部分の変位方向の変化を許容するように構成されるので、第2の部分の変位方向が不規則に変化するとしても配設手段の変位を滑らかにすることができる。
遊技機F1又はF2において、前記支持手段は、前記第2の部分の変位を制限する制限部を備えることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、第1範囲と第2範囲との境界位置(制限部)において第2の部分の変位を制限することができるので、第2の部分を変位の大きい側から小さい側へ向けて変位させる場合に、第1範囲と第2範囲との境界位置(制限部)で第2の部分を停止し易くすることができる。
なお、第2の部分の第1の部分を基準とした変位に要する負荷の態様は何ら限定されるものではない。例えば、第2の部分が引かれる態様でも良いし、第2の部分が押進される態様でも良い。
なお、制限部の態様は何ら限定されるものではない。例えば、第2の部分の変位抵抗の増減を設定する態様でも良いし、第2の部分の変位方向を切り替える態様でも良い。
遊技機F2又はF3において、前記第1の区間は、前記第2の区間よりも前記変位手段の変位範囲の終端側に配置され、前記第2の区間における前記変位手段を基準とした配設手段の相対的な変位量は、前記第1の区間における前記変位手段を基準とした配設手段の相対的な変位量に比較して小さくなるように構成されることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F2又はF3の奏する効果に加え、変位手段の変位途中位置において、変位手段を基準とした配設手段の相対的な変位量が小さくなる区間を構成することができるので、変位手段の変位終端位置の他に、変位手段と配設手段とを一体的に視認し易い位置を設けることができ、結果として、変位手段と配設手段とを一体的に視認し易い位置を増やすことができる。
遊技機F1からF4のいずれかにおいて、前記第1の部分の変位速度を基準とした前記第2の部分の変位速度(の比)を変化可能に構成されることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F1からF4のいずれかの奏する効果に加え、変位手段の変位速度が一定の場合であっても、支持手段側における配設手段の第2の部分の変位速度を変化させることができるので、駆動手段の簡易な駆動制御(等速駆動)で、配設手段の変位速度を可変とするような動作演出を構成することができる。
遊技機F1からF5のいずれかにおいて、前記支持手段は、前記第2の部分の変位終端における変位速度を低減するよう構成されることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F1からF5の奏する効果に加え、第2の部分の跳ね戻りを防止することができ、変位終端において配設手段を早期に停止させ易くすることができる。
なお、第2の部分の跳ね戻りを防止する手法については何ら限定されるものではない。例えば、変位終端における第2の部分の変位速度(例えば、第1の部分が所定の単位長さ変位する場合の第2の部分の変位量)を低減するように構成する手法でも良いし、第1の部分が停止した状態における第2の部分の変位方向に壁を立てる等の形状的工夫により第2の部分の変位を規制するような手法でも良い。
また、第2の部分の変位量を低減する手法に限らず、第2の部分の変位抵抗を増加させるようにしても良い。例えば、第2の部分の変位終端において磁力等により負荷を与え、第2の部分の変位抵抗を向上するようにしても良いし、コイルスプリング等の付勢力で変位抵抗を向上するようにしても良い。
遊技機F6において、前記支持手段は、前記第1の部分の変位に伴う前記第2の部分の変位の変位軌跡と、前記第1の部分が変位終端で停止した場合の前記第2の部分の変位の変位軌跡とが、交差するよう構成されることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F6の奏する効果に加え、第1の部分の変位に伴う第2の部分の変位を案内する機能を有する支持手段により、第1の部分が停止した場合における第2の部分の戻り変位(バウンド)を低減することができる。
遊技機F1からF7のいずれかにおいて、前記配設手段に変位可能に支持される被支持手段を備え、その被支持手段は、前記変位手段を基準とした前記配設手段の相対的変位量に応じた変位量で変位するように構成されることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F1からF7のいずれかの奏する効果に加え、配設手段と共同で変位する被支持手段により、複雑な演出を実行することができる。
なお、被支持手段の変位の態様は、何ら限定されるものではない。例えば、配設手段が変位する所定平面上を配設手段と並走するように変位する態様でも良いし、配設手段が変位する所定平面とは離れた位置において配設手段の変位態様(例えば、所定平面上のスライド変位態様)とは異なる変位態様(例えば、所定の軸を中心とした回転変位態様)でも良い。
なお、配設手段の変位量に係る配設手段の変位の態様については、何ら限定されるものではない。例えば、姿勢変化でも良いし、姿勢を維持したままでの変位でも良い。
遊技機F8において、前記第1の部分が所定方向に変位する間に、前記第2の部分は、前記第1の部分の変位軌跡と交差する方向に往復変位可能な区間を備えることを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F8の奏する効果に加え、第1の部分が変位している間に、第1の部分に対する第2の部分の相対変位量が戻り変化する(例えば、増加後に減少する)態様とすることができるので、第2の部分の配置は維持しながら、被支持手段の変位量は大きくするという変位態様を実現することができる。
遊技機F8又はF9において、前記配設手段を基準とした前記被支持手段の(相対)回転の変位速度は、前記変位手段の変位速度と同等となるよう構成されることを特徴とする遊技機F10。
遊技機F10によれば、遊技機F8又はF9の奏する効果に加え、被支持手段の変位態様を、配設手段を挟んで変位手段と同等することができる。これにより、あたかも、被支持手段が独自の駆動手段で変位しているように遊技者に錯覚させることができる。
遊技機F1からF10のいずれかにおいて、前記配設手段は、自らの変位に伴い遊技者側に向ける面を第1面と第2面とで切り替えるように姿勢変化する姿勢変化手段を備え、その姿勢変化手段は、前記第2の部分が変位終端に配置された状態において、前記第1面または前記第2面が遊技者側に向けられる姿勢となるように構成されることを特徴とする遊技機F11。
遊技機F11によれば、遊技機F1からF10のいずれかの奏する効果に加え、姿勢変化手段の第1面または第2面が遊技者側に向けられることで、第2の部分が変位終端に到達したことを遊技者が把握できるので、変位手段による演出動作の終期を分かり易く構成することができる。
<振分部材C170~C3170を一例とする発明の概念について>
球の通過経路に少なくとも一部が配設され球の重量で変位可能に形成される変位部材を備えた遊技機において、前記通過経路を通過する第1の球が前記変位部材に達すると、前記第1の球の重量で前記変位部材が所定位置から変位され、前記第1の球が第1の通路へ案内され、前記変位部材が前記第1の球の重量で前記所定位置から変位された状態では、前記第1の球の後続となる第2の球が第2の通路へ案内され、前記変位部材は、前記球の重量が作用されていない状態では、前記所定位置に配置されることを特徴とする遊技機CA1。
ここで、遊技球の重さで動作して、遊技球を第1の通路と第2の通路とに振り分ける振分部材を備えた遊技機が知られている(特開2017-148189号公報)。しかしながら、上述した従来の技術では、到達した遊技球の状態に関わらず、到達した順番に第1の通路と第2の通路へ交互に振り分けるのみであるので、かかる振り分け動作を遊技者に着目させることができず、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機CA1によれば、通過経路を通過する第1の球が変位部材に達すると、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位され、第1の球が第1の通路へ案内され、変位部材が第1の球の重量で変位された状態では、第1の球の後続となる第2の球が第2の通路へ案内され、変位部材は、球の重量が作用されていない状態では、所定位置に配置されるので、第1の球に第2の球が所定量以下の間隔を隔てて連なる場合には、第1の球を第1の通路へ案内し、且つ、第1の球の重量で所定位置から変位されている変位部材により第2の球を第2の通路へ案内することができる一方、第1の球に第2の球が所定量を越える間隔を隔てて連なる場合には、第1の球を第1の通路へ案内し、且つ、第2の球が到達する前に変位部材が所定位置へ配置されることで、第2の球も第1の通路へ案内することができる。このように、球の連なりの状態(先行の球と後行の球との間隔)に応じて案内する通路を変化させられるので、球の状態を遊技者に着目させて、遊技の興趣を向上することができる。
なお、第1の球の後続となる第2の球とは、第1の球に対して所定量よりも小さい間隔を隔てて後行する球を意味する。よって、第2の球は第1の球に当接した状態で転動や流下するものであっても良い。
遊技機CA1において、前記変位部材の前記所定位置への変位は、前記変位部材の重量により行われることを特徴とする遊技機CA2。
遊技機CA2によれば、遊技機CA1の奏する効果に加え、変位部材の前記所定位置への変位は、変位部材の重量により行われるので、付勢ばねを利用する場合と比較して、構造を簡素化できる。また、付勢ばねを利用する場合と比較して、変位部材への変位を低速とできるので、第2の球を第2の通路へ案内する前に変位部材が所定位置へ配置されることを抑制できる。更に、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を付与できる。
遊技機CA2において、前記変位部材は、前記球を前記第1の通路または第2の通路へ案内する本体部と、その本体部に連結され前記本体部を前記所定位置へ変位させる錘として機能する錘部とを備え、前記錘部の少なくとも一部が遊技者から視認可能とされることを特徴とする遊技機CA3。
遊技機CA3によれば、遊技機CA2の奏する効果に加え、球を第1の通路または第2の通路へ案内する本体部と、その本体部に連結され本体部を所定位置へ変位させる錘として機能する錘部とを備え、錘部の少なくとも一部が遊技者から視認可能とされるので、錘部の位置(状態)に基づいて、球が案内される方向を遊技者に認識させることができる。また、本体部を変位させるための錘としての役割と球の案内方向を認識させる部位としての役割とを錘部に兼用させることができ、その分、製品コストを低減できる。
遊技機CA1からCA3において、前記変位部材は、前記第1の通路へ案内される前記第1の球が転動する第1面を備えることを特徴とする遊技機CA4。
遊技機CA4によれば、遊技機CA1からCA3のいずれかにおいて、変位部材は、第1の通路へ案内される第1の球が転動する第1面を備えるので、第1の球が第1面を転動している間、その球の重量を変位部材に作用させることができる。よって、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位された状態(即ち、第2の球を第2の通路へ案内可能な状態)を維持しやすくできる。
遊技機CA4において、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第2面は、前記軸と鉛直方向において重なる位置に配設されることを特徴とする遊技機CA5。
遊技機CA5によれば、遊技機CA4の奏する効果に加え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第2面は、軸と鉛直方向において重なる位置に配設されるので、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。よって、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。
遊技機CA4又はCA5において、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面が前記第2面よりも長くされることを特徴とする遊技機CA6。
遊技機CA6によれば、遊技機CA4又はCA5の奏する効果に加え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面が第2面よりも長くされるので、第2の球が第2面を転動する間、同時に、第1の球が第1面を転動する状態を形成しやすくできる。即ち、第2の球が第2面を転動する間、第1の球の重量を変位部材に作用させておくことで、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。よって、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。
遊技機CA4からCA6のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面は、前記軸から離間する方向へ延設されることを特徴とする遊技機CA7。
遊技機CA7によれば、遊技機CA4からCA6のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面は、軸から離間する方向へ延設されるので、第1の球が第1の通路へ向けて転動するに従って、その第1の球の重量を変位部材に効果的に作用させることができる。よって、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。従って、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。
遊技機CA4からCA7のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面と第2面とは、少なくとも一部が前記軸を挟んで配置されることを特徴とする遊技機CA8。
遊技機CA8によれば、遊技機CA4からCA7のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材と、そのベース部材に変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面と第2面とは、少なくとも一部が軸を挟んで配置されるので、変位部材の配置の自由度を高めることができる。
遊技機CA4からCA7のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1面と第2面とは、少なくとも一部が前記軸に対して同じ側に配置されることを特徴とする遊技機CA9。
遊技機CA9によれば、遊技機CA4からCA7のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材と、そのベース部材に変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、変位部材は、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面を備え、第1面と第2面とは、少なくとも一部が軸に対して同じ側に配置されるので、第1の球が第1面から排出されたとしても、第2の球の重量を利用して、変位部材の姿勢を、第2の球を第2の通路へ案内するための姿勢とすることができる。その結果、第1面の長さを短くすることができ、その分、変位部材の配置の自由度を高めることができる。
遊技機CA4からCA9のいずれかにおいて、前記第1面へ向けて球が転動する上流面を備え、前記第1面は、前記上流面から転動された前記第1の球の転動方向を反転させることを特徴とする遊技機CA10。
遊技機CA10によれば、遊技機CA4からCA9のいずれかの奏する効果に加え、第1面へ向けて第1の球が転動する上流面を備え、第1面は、上流面から転動された第1の球の転動方向を反転させるので、その反転に要する時間の分、第1の球が第1面に滞留する時間を確保できる。よって、第2の球が第2面を転動する間、第1の球の重量を変位部材に作用させておくことで、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位されることを抑制できる。従って、第2の球を安定して転動させることができる。また、第2の球の後続となる第3の球も第2の通路へ案内できる可能性を確保できる。更に、第1面の長さを短くすることができ、その分、変位部材の配置の自由度を高めることができる。
遊技機CA1からCA10のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸と、前記ベース部材に配設され前記第1面へ向けて球が転動する上流面とを備え、前記軸は、前記上流面を前記球が転動する方向と鉛直方向とに直交する姿勢で配設されることを特徴とする遊技機CA11。
遊技機CA11によれば、遊技機CA1からCA10のいずれかの奏する効果に加え、軸は、上流面を球が転動する方向と鉛直方向とに直交する姿勢で配設されるので、ベース部材に変位部材が配設されたユニットの小型化を図ることができる。特に、上流面を球が転動する方向を遊技機の幅方向に沿わせてベース部材を配設することで、遊技機の幅方向を有効活用して、変位部材を配設するスペースを確保しやすくできる。
遊技機CA1からCA10のいずれかにおいて、ベース部材を備え、そのベース部材に前記変位部材がスライド変位可能に配設されることを特徴とする遊技機CA12。
遊技機CA12によれば、遊技機CA1からCA10のいずれかの奏する効果に加え、ベース部材に変位部材がスライド変位可能に配設されるので、例えば、変位部材が回転可能にベース部材に軸支される場合と比較して、変位部材を小型化でき、その分、ベース部材における他の部材の配設スペースを確保できる。
遊技機CA1からCA12のいずれかにおいて、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸と、前記ベース部材に配設され前記第1面へ向けて球が転動する上流面とを備え、前記変位部材は、前記第1の球の重量で前記変位部材が前記所定位置から変位された状態で前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面を備え、前記第1の球の重量で前記変位部材が前記所定位置から変位された状態では、前記上流面の下流端よりも前記第2面の上流端が鉛直方向下方に位置することを特徴とする遊技機CA13。
ここで、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位されると、その変位された際の衝撃で変位部材が跳ね上がることがあり、この変位部材の跳ね上がりにより、上流面の下流端よりも第2面の上流端が上方に位置すると、第2の球を上流面から第2面へ転動させることができなくなる虞がある。特に、跳ね上がった変位部材の上流端(第2面の上流端)に第2の球が衝突すると、その衝撃で変位部材が更に跳ね上げられ(第2の球で変位部材が押し上げられ)、第1の球が転動するべき通路(第1面)へ第2の球が流入する虞がある。
これに対し、遊技機CA13によれば、遊技機CA1からCA12のいずれかの奏する効果に加え、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位された状態では、上流面の下流端よりも第2面の上流端が鉛直方向下方に位置するので、その分、第1の球の重量で所定位置から変位された際の衝撃で変位部材が跳ね返った場合に、上流面の下流端よりも第2面の上流端が上方へ位置することを抑制できる。よって、第2の球を上流面から第2面へスムーズに転動させることができる。
遊技機CA13において、前記第2面の上流端は、前記上流面へ向けて下降傾斜されることを特徴とする遊技機CA14。
遊技機CA14によれば、遊技機CA13の奏する効果に加え、第2面の上流端は、上流面へ向けて下降傾斜されるので、第1の球の重量で所定位置から変位された際の衝撃で変位部材が跳ね返り(跳ね上がり)、その跳ね上がった変位部材の上流端(第2面の上流端)に第2の球が衝突した際に、第2の球から変位部材へ作用する力を、変位部材を押し下げる方向の力として作用させることができる。その結果、第2の球を上流面から第2面へスムーズに転動させることができる。
遊技機CA1からCA14のいずれかにおいて、前記第1面へ向けて球が転動する上流面を備え、前記変位部材は、前記第1の通路へ案内される前記第1の球が転動する第1面を備え、前記第1面は、前記上流面から転動された前記第1の球の転動方向を反転させ、前記変位部材が第1の球の重量で前記所定位置から変位される際には、前記第1面の反転する位置にある前記第1の球の前記上流面側の変位軌跡よりも前記変位部材の前記上流面側の変位軌跡が前記上流面から離間された位置とされることを特徴とする遊技機CA15。
遊技機CA15によれば、遊技機CA1からCA14のいずれかの奏する効果に加え、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位される際には、第1面の反転する位置にある第1の球の上流面側の変位軌跡よりも変位部材の上流面側の変位軌跡が上流面から離間された位置とされるので、第2の球が第1面に誤って流入される(受け入れられる)ことを抑制できる。即ち、第1の球に第2の球を当接させて第2の球を第1面から離間させておくと共に、第1の球の重量で所定位置から変位する変位部材の上流面側の端部で第2の球を第1面から離間する方向へ押しのけることができる。
遊技機CA15において、前記変位部材は、前記第1の球の重量で前記所定位置から所定以上の変位がされるまでは、前記第1面の転動方向を反転させる位置に前記第1の球を留めることを特徴とする遊技機CA16。
遊技機CA16によれば、遊技機CA15の奏する効果に加え、変位部材は、第1の球の重量で所定位置から所定以上の変位がされるまでは、第1面の転動方向を反転させる位置に第1の球を留めるので、第2の球が第1面に誤って流入される(受け入れられる)ことをより確実に抑制できる。即ち、第1の球に第2の球を当接させて第2の球を第1面から離間させておくと共に、第1の球の重量で所定位置から変位する変位部材の上流面側の端部で第2の球を第1面から離間する方向へ押しのける動作をより確実に実行できる。
遊技機CA1からCA16のいずれかにおいて、流入部と、その流入部から流入された球が往復変位可能に転動する往復面と、その往復面から球を流出させる流出部とを備え、前記流出部が前記通過経路において前記変位部材よりも上流側に位置することを特徴とする遊技機CA17。
遊技機CA17によれば、遊技機CA1からCA16のいずれかの奏する効果に加え、流入部と、その流入部から流入された球が往復変位可能に転動する往復面と、その往復面から球を流出させる流出部とを備え、流出部が通過経路において変位部材よりも上流側に位置するので、第1の球と第2の球とを所定量以下の間隔で連ならせ、これら第1の球と第2の球とを所定量以下の間隔で連なった状態で変位部材に到達させやすくできる。即ち、流入部から流入される際の第1の球と第2の球との間隔が所定量よりも大きな間隔であっても、往復面を往復変位されることで、これら第1の球と第2の球との間隔を詰まらせる(間隔を所定量以下とする)ことができる。
遊技機CA17において、前記往復面の幅寸法は、1の球が通過可能な幅寸法に設定されることを特徴とする遊技機CA18。
遊技機CA18によれば、遊技機CA17の奏する効果に加え、往復面の幅寸法は、1の球が通過可能な幅寸法に設定されるので、流入部から往復面へ流入され往復面を往復変位される第1の球と第2の球とがすれ違うことを抑制できる。よって、第1の球と第2の球とが往復面を往復変位される際に、それら第1の球と第2の球との間隔を詰まらせやすく(間隔を所定量以下としやすく)できる。
遊技機CA18において、前記往復面は、一側および他側のそれぞれへ向かうに従って上昇傾斜され、前記流出部は、前記往復面の最下方に配置されることを特徴とする遊技機CA19。
遊技機CA19によれば、遊技機CA18の奏する効果に加え、往復面は、一側および他側のそれぞれへ向かうに従って上昇傾斜され、流出部は、往復面の最下方に配置されるので、往復面を往復変位される慣性が弱まった状態で第1の球と第2の球とを流出部から流出させることができる。即ち、第1の球と第2の球とを所定量以下の間隔で連ならせた状態を維持して流出させやすくできる。
遊技機CA19において、前記往復面は、上面視直線状に形成されることを特徴とする遊技機CA20。
遊技機CA20によれば、遊技機CA19の奏する効果に加え、往復面は、上面視直線状に形成されるので、第1の球と第2の球とが往復面を往復変位される際に、それら第1の球と第2の球との間隔を詰まらせやすく(間隔を所定量以下としやすく)できる。
遊技機CA1からCA20のいずれかにおいて、磁石の吸着力を球に作用可能に形成され少なくとも下面を下降傾斜させた姿勢で配設される吸着部材を備えることを特徴とする遊技機CA21。
遊技機CA21によれば、遊技機CA1からCA20のいずれかの奏する効果に加え、磁石の吸着力を球に作用可能に形成され少なくとも下面を下降傾斜させた姿勢で配設される吸着部材を備えるので、かかる吸着部材により球の通過経路を形成して、遊技の興趣を向上できる。即ち、吸着部材の下降傾斜した下面に球を吸着させると、球を自重により摺動させ吸着部材の下面に沿って変位させることができる。この場合、球の状態(球に作用される慣性力と吸着力との関係)によって、吸着部材の下面から球が落下する可能性(即ち、通過経路(吸着部材の下面)の終端まで球が到達できない可能性)を持たせた不安定な状態とできる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機CA21において、前記吸着部材は、磁性体から板状に形成される下面形成部材と、その下面形成部材に磁力を作用させる磁石とを備えることを特徴とする遊技機CA22。
遊技機CA22によれば、遊技機CA21の奏する効果に加え、吸着部材は、磁性体から板状に形成される下面形成部材と、その下面形成部材に磁力を作用させる磁石とを備えるので、球が摺動する面を下面形成部材の下面により形成する構造とすることで、吸着力の調整と摩擦力の適正化を容易として、球の通過経路を簡素な構造で確実に形成できる。
遊技機CA21又はCA22において、前記吸着部材は、前記第2の通路の少なくとも一部を形成することを特徴とする遊技機CA23。
遊技機CA23によれば、遊技機CA21又はCA22の奏する効果に加え、吸着部材は、第2の通路の少なくとも一部を形成するので、遊技の興趣を向上できる。即ち、第2の球が変位部材により案内されて第2の通路へ到達できるのは、第1の球に第2の球が所定量以下の間隔を隔てて連なった状態で変位部材に到達した場合のみであり、その可能性は比較的低い。そのような低い可能性を経て到達した第2の球を、落下する可能性(吸着部材の下面の終端まで到達できない可能性)がある不安定を状態で変位させることで、無事に通過することを遊技者に期待させて、遊技の興趣を向上できる。
遊技機CA23において、ベース部材と、そのベース部材に前記変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、前記変位部材は、前記第1の通路へ案内される前記第1の球が転動する第1面と、前記第2の通路へ案内される前記第2の球が転動する第2面とを備え、前記第1面と第2面とは、少なくとも一部が前記軸を挟んで配置されることを特徴とする遊技機CA24。
遊技機CA24によれば、遊技機CA23の奏する効果に加え、ベース部材と、そのベース部材に変位部材を回転可能に軸支する軸とを備え、変位部材は、第1の通路へ案内される第1の球が転動する第1面と、第2の通路へ案内される第2の球が転動する第2面とを備え、第1面と第2面とは、少なくとも一部が軸を挟んで配置されるので、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位される(第1面の位置が下方へ変位される)ことで、第2面の位置を上方へ変位させることができる。よって、第2面を転動する第2の球を吸着部材の下面に吸着させやすくできる。
遊技機CA24において、前記第2面は、前記軸と鉛直方向において重なる位置に配設されることを特徴とする遊技機CA25。
遊技機CA25によれば、遊技機CA24の奏する効果に加え、第2面は、軸と鉛直方向において重なる位置に配設されるので、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位される(第2面の位置が下方へ変位される)ことを抑制できる。よって、第2面を転動する第2の球を吸着部材の下面に吸着させやすくできる。
遊技機CA24又はCA25において、前記第1面が前記第2面よりも長くされることを特徴とする遊技機CA26。
遊技機CA26によれば、遊技機CA24又はCA25の奏する効果に加え、第1面が第2面よりも長くされるので、第2の球が第2面を転動する間、同時に、第1の球が第1面を転動する状態を形成しやすくできる。即ち、第2の球が第2面を転動する間、第1の球の重量を変位部材に作用させておくことで、第2面を転動する第2の球の重量によって変位部材が所定位置へ向けて変位される(第2の面の位置が下方へ変位される)ことを抑制できる。よって、第2面を転動する第2の球を吸着部材の下面に吸着させやすくできる。
<皿部材C120,C2120,C4120を一例とする発明の概念について>
球の通路を備えた遊技機において、前記通路は、前後方向に球を往復動可能とする第1の通路と、その第1の通路に連通され、球を左右方向に沿って通過させる第2の通路と、を備えることを特徴とする遊技機CB1。
ここで、球を往復動可能とする通路部材(ステージ)を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607号公報)。しかしながら、上述した遊技機では、遊技の興趣が十分ではないという問題点があった。
これに対し、遊技機CB1によれば、通路は、前後方向に球を往復動可能とする第1の通路と、その第1の通路に連通され、球を左右方向に沿って通過させる第2の通路と、を備えるので、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CB1において、前記第2の通路を第1の球とその第1の球の後続となる第2の球とが通過する場合に、それら第1の球と第2の球との間隔に応じて、前記第1の球および前記第2の球の案内先となる通路が変化されることを特徴とする遊技機CB2。
遊技機CB2によれば、遊技機CB1の奏する効果に加え、第2の通路を第1の球とその第1の球の後続となる第2の球とが通過する場合に、それら第1の球と第2の球との間隔に応じて、第1の球および第2の球の案内先となる通路が変化されるので、球が所定の通路へ案内されること(即ち、第1の球と第2の球との間隔が所定の間隔となること)を遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めることができる。
この場合、第1の通路における往復動によって第1の球と第2の球の間隔とが決定されるところ、それら第1の球および第2の球が、球を左右方向に沿って通過させる第2の通路へ第1の通路から流下されるので、第1の球と第2の球との間隔を遊技者に視認させ易くできる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CB2において、前記第2の通路を通過する際の第1の球と第2の球との間隔が所定量以下の場合には、前記間隔が所定量を超える場合に案内される通路よりも有利な通路へ少なくとも第2の球が案内され、
前記第1の通路は、第1の球と第2の球とが前記往復動されることで、それら第1の球と第2の球との間隔を減少可能に形成されることを特徴とする遊技機CB3。
遊技機CB3によれば、遊技機CB2の奏する効果に加え、第2の通路を通過する際の第1の球と第2の球との間隔が所定量以下の場合には、間隔が所定量を超える場合に案内される通路よりも有利な通路へ少なくとも第2の球が案内され、第1の通路は、第1の球と第2の球とが往復動されることで、それら第1の球と第2の球との間隔を減少可能に形成されるので、第2の通路を通過する際の第1の球と第2の球との間隔を所定量以下とし易くできる。その結果、有利な通路へ案内されることを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CB1からCB3のいずれかにおいて、中央が開口された遊技盤を備え、前記第2の通路は、前記遊技盤の開口に配置されることを特徴とする遊技機CB4。
遊技機CB4によれば、遊技機CB1からCB3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、中央が開口された遊技盤を備え、第2の通路は、遊技盤の開口に配置されるので、前後方向のスペースを有効に活用できる。よって、第2の通路の全長を確保し易くできる。
<磁性部C2400,c5400,c6400(通路部CRt2004)を一例とする発明の概念について>
球の通過経路に少なくとも一部が配設され球の重量で変位可能に形成される変位部材を備えた遊技機において、前記通過経路を通過する第1の球が前記変位部材に達すると、前記第1の球の重量で前記変位部材が所定位置から変位され、前記変位部材が前記第1の球の重量で前記所定位置から変位された状態では、前記第1の球の後続となる第2の球が前記変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して前記第1の球とは異なる通路へ案内されることを特徴とする遊技機CC1。
ここで、遊技球の重さで動作して、遊技球を第1の通路と第2の通路とに振り分ける振分部材を備えた遊技機が知られている(特開2017-148189号公報)。しかしながら、上述した従来の技術では、球は重量方向下方へ流下するのみであるので、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機CC1によれば、通過経路を通過する第1の球が変位部材に達すると、第1の球の重量で変位部材が所定位置から変位され、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位された状態では、第1の球の後続となる第2の球が変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して第1の球とは異なる通路へ案内されるので、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CC1において、前記変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して前記第2の球が案内される通路は、球を磁力により吸着可能な磁性部により形成されることを特徴とする遊技機CC2。
遊技機CC2によれば、遊技機CC1の奏する効果に加え、変位部材の上方へ持ち上げられる部分を通過して第2の球が案内される通路は、球を磁力により吸着可能な磁性部により形成されるので、かかる通路の途中で球が落下される態様を形成できる。よって、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機CC2において、前記磁性部は、前記変位部材の上方へ持ち上げられる部分よりも上方に位置することを特徴とする遊技機CC3。
遊技機CC3によれば、遊技機CC2の奏する効果に加え、磁性部は、変位部材の上方へ持ち上げられる部分よりも上方に位置するので、変位部材が第1の球の重量で所定位置から変位されていない場合には、上方へ持ち上げられるべき部分を第2の球が通過したとしても、その第2の球を磁性部に吸着させない態様を確実に形成できる。
遊技機CC2又はCC3において、前記変位部材は、回転可能に軸支され、その回転軸を挟んで、前記第1の球の重量が作用される部分と、前記上方へ持ち上げられる部分とが位置することを特徴とする遊技機CC4。
遊技機CC4によれば、遊技機CC2又はCC3の奏する効果に加え、変位部材は、回転可能に軸支され、その回転軸を挟んで、第1の球の重量が作用される部分と、上方へ持ち上げられる部分とが位置するので、上方へ持ち上げられる部分を第2の球が通過する際に、第1の球の重量を利用して、第2の球が通過する部分を上方へ持ち上げられた状態に維持しやすくできる。
<下側フレームD86b~D8086bを一例とする発明の概念について>
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され前記通路への球の入球のされやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機において、前記変位部材は、前記通路に球が入球された場合に変位され、前記通路への球の入球されやすさを変化させることを特徴とする遊技機DA1。
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され、通路への球の入球のしやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機が知られている(特開2017-124169)。該先行文献には、電動式チューリップ(開閉爪15a)を開閉させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機DA1によれば、変位部材は、通路に球が入球された場合に変位され、通路への球の入球されやすさを変化させるので、よって、第1の球が通路へ入球され、更に、第2の球が通路へ入球されることを期待する場合、或いは逆に、第1の球が通路へ入球された状態では、第2の球が通路へ入球されないことを期待する場合に、通路へ第2の球が入球されるか否かを着目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DA1において、前記変位部材は、前記通路に球が入球された場合に、前記通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されることを特徴とする遊技機DA2。
遊技機DA2によれば、遊技機DA1の奏する効果に加え、変位部材は、通路に球が入球された場合に、通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されるので、通路へ入球された球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)を通路へ入球されやすくできる。即ち、通路へ1の球が入球されれば、後行する球が連続して通路へ入球されやすい状態を形成でき、後行する球が通路へ入球されれば、その後行する球の通路への入球に起因して、次の後行する球が通路へ入球されやすい状態を形成できる。よって、通路への球の入球により、通路への入球の連鎖の発生を遊技者に期待させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DA1において、前記変位部材は、前記通路に球が入球された場合に、前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機DA3。
遊技機DA3によれば、遊技機DA1の奏する効果に加え、変位部材は、通路に球が入球された場合に、通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、第1の球が通路へ入球された状態では、第2の球が通路へ入球されないことを期待する場合に、第2の球が通路へ入球され難くできる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DA1からDA3のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記通路に入球された球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機DA4。
遊技機DA4によれば、遊技機DA1からDA3のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、通路に入球された球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、変位部材を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
遊技機DA2又はDA3において、前記通路に入球された球が転動可能とされ前記転動される球の重さで変位される転動部材と、その転動部材の変位を前記変位部材へ伝達する伝達手段とを備え、前記変位部材は、前記転動する球の重さで前記転動部材が変位され、その転動部材の変位が前記伝達手段により伝達されることで、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機DA5。
遊技機DA5によれば、遊技機DA2又はDA3の奏する効果に加え、通路に入球された球が転動可能とされ、転動される球の重さで変位される転動部材と、その転動部材の変位を変位部材へ伝達する伝達手段とを備え、変位部材は、転動する球の重さで転動部材が変位され、その転動部材の変位が前記伝達手段により伝達されることで、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、球が転動部材を転動している間、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材を変位させておくことができる。即ち、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機DA5において、前記転動部材を複数備えることを特徴とする遊技機DA6。
遊技機DA6によれば、遊技機DA5の奏する効果に加え、転動部材を複数備えるので、その分、球が転動する区間(転動可能距離)を確保して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材が変位されている期間を長くできる。即ち、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機DA5又はDA6において、前記通路へ入球された球は、前記転動部材をその転動部材の下降傾斜によって転動され、前記転動部材は、回転可能に軸支され、球が転動されている状態における前記転動部材の下降傾斜が、球が非転動の状態における前記転動部材の下降傾斜よりも小さくされることを特徴とする遊技機DA7。
遊技機DA7によれば、遊技機DA5又はDA6の奏する効果に加え、通路へ入球された球は、転動部材をその転動部材の下降傾斜によって転動され、転動部材は、回転可能に軸支され、球が転動されている状態における転動部材の下降傾斜が、球が非転動の状態における転動部材の下降傾斜よりも小さくされるので、転動部材を転動する球に勢いが付与されることを抑制できる。よって、球が転動部材を通過するのに要する時間を長くできる。その結果、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機DA5からDA7のいずれかにおいて、前記転動部材は、前記球の重量で変位される前の状態に自重により復帰されることを特徴とする遊技機DA8。
遊技機DA8によれば、遊技機DA5からDA7のいずれかの奏する効果に加え、転動部材は、球の重量で変位される前の状態に自重により復帰されるので、転動部材を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
遊技機DA5からDA8のいずれかにおいて、前記転動部材を転動する球に作用する作用手段を備えることを特徴とする遊技機DA9。
遊技機DA9によれば、遊技機DA5からDA8のいずれかの奏する効果に加え、転動部材を転動する球に作用する作用手段を備えるので、球の転動に影響を与えることができる。即ち、作用手段の作用により球の転動に抵抗を付与し、その転動の速度を低くすることができる。これにより、球が転動部材を通過するのに要する時間を長くできる。その結果、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機DA9において、前記作用手段は、前記通路の内側面から突設され鉛直方向に沿って延設される突部として形成され、前記転動面を転動する球の転動方向に沿って所定間隔を隔てつつ複数が配設されることを特徴とする遊技機DA10。
遊技機DA10によれば、遊技機DA9の奏する効果に加え、作用手段は、通路の内側面から突設され鉛直方向に沿って延設される突部として形成され、転動面を転動する球の転動方向に沿って所定間隔を隔てつつ複数が配設されるので、球が転動面を転動する際には、突部(作用手段)が当接されることで、球の転動に抵抗を付与して、その転動速度を低くすることができる。これにより、球が転動部材を通過するのに要する時間を長くできる。その結果、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
一方で、突部(作用手段)は、鉛直方向に沿って延設されるので、鉛直方向へ移動する球には抵抗が付与され難くできる。よって、転動部材の転動面から球が上方へ跳ね上がった場合には、その球を下方(転動面)へ速やかに落下させることができる。従って、球の上方への跳ね上がりに伴って、転動部材が上方へ変位した場合でも、かかる転動部材が球の重量により変位された状態に速やかに復帰させることができる。その結果、通路へ球が入球されやすくなる側へ球の重量によって変位されていた変位部材が、転動面からの球の跳ね上がりによって、初期位置(通路へ球が入球する前の位置)へ復帰される不具合の発生を抑制できる。
遊技機DA10において、前記転動部材は、球が転動する転動面が球の転動方向に沿って滑らかに連なる平滑面として形成されることを特徴とする遊技機DA11。
遊技機DA11によれば、遊技機DA10の奏する効果に加え、転動部材は、球が転動する転動面が球の転動方向に沿って滑らかに連なる平滑面として形成されるので、転動面を転動する球が上方(鉛直方向)へ跳ね上がることを抑制できる。よって、通路へ球が入球されやすくなる側へ球の重量によって変位されていた変位部材が、転動面からの球の跳ね上がりによって、初期位置(通路へ球が入球する前の位置)へ復帰される不具合の発生を抑制できる。
なお、転動面は、平坦面である必要はなく、起伏を有する面(断面形状が円弧を滑らかに連ねて形成される面)であっても良い。即ち、転動面は、少なくとも球の直径の1/10以上の高さの段差を有していなければ良い。
遊技機DA10又はDA11において、前記突部は、前記通路の内側面であって前記転動面を挟んだ両側に形成され、一方の内側面の突部と他方の内側面の突部とが前記転動部材の転動面に沿って千鳥状に配置されることを特徴とする遊技機DA12。
遊技機DA12によれば、遊技機DA10又はDA11の奏する効果に加え、突部は、通路の内側面であって転動面を挟んだ両側に形成され、一方の内側面の突部と他方の内側面の突部とが転動部材の転動面に沿って千鳥状に配置されるので、球が転動面を転動する際に、球を突部に当接させやすくできる。これにより、球が転動部材を通過するのに要する時間を長くできる。その結果、通路へ球が入球されやい状態または通路へ球が入球され難い状態を維持しやすく(長く)できる。
遊技機DA5からDA12のいずれかにおいて、前記転動部材は、回転可能に軸支され、前記通路へ入球された球は、前記軸支された部位へ向けて前記転動部材を転動することを特徴とする遊技機DA13。
遊技機DA13によれば、遊技機DA5からDA12のいずれかの奏する効果に加え、転動部材は、回転可能に軸支され、通路へ入球された球は、軸支された部位へ向けて転動部材を転動するので、球が転動部材を転動する際には、その初期段階において転動部材の変位を最大とできる。即ち、通路へ球が入球されやすくなる側への変位部材の変位を、球が通路へ入球し転動部材に達した際に速やかに行わせることができる。よって、通路へ入球された球と、その球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)との間の間隔が比較的小さい場合(例えば、両球が連なって流下される場合)に、後行する球を通路へ入球されやすく又は通路へ入球され難くできる。
また、球の転動が進行するに従って、転動部材の変位量を徐々に小さくできる。即ち、球の転動が進行するに従って、通路へ球が入球されやすくなる側にあった変位部材を初期位置(通路へ球が入球され難くされる側)へ向けて徐々に変位させることができる。これにより、通路へ球が入球する期待を変化させ、遊技の興趣を高めることができる。
更に、通路へ入球された球が転動部材に落下される場合には、落下された球を、転動部材の変位量が大きい位置(軸支された部位から離れた位置)で受け止めることができる。よって、落下された球の運動エネルギーを、転動部材の変位により吸収(消費)して、球が上方へ跳ね上がることを抑制できる。その結果、球の重量を転動部材に安定して作用させ、変位部材の状態を安定させる(例えば、通路へ球が入球され難くされる側または通路へ球が入球され易くなる側へ変位部材が一時的に変位されることを抑制)できる。
遊技機DA13において、前記通路へ入球された球は、前記転動部材に落下されることを特徴とする遊技機DA14。
遊技機DA14によれば、遊技機DA13の奏する効果に加え、通路へ入球された球は、転動部材に落下されるので、落下された球の運動エネルギーを利用して、転動部材を速やかに変位させることができる。その結果、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側への変位部材の変位を速やかに行わせることができる。よって、通路へ入球された球と、その球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)との間の間隔が比較的小さい場合(例えば、両球が連なって流下される場合)でも、後行する球を通路へ入球されやすく又は通路へ入球され難くできる。
また、通路部材へ入球した球を、転動部材とは別の部材(固定された非変位の部材)に落下させる場合には、別の部材の破損を招きやすくなるところ、本発明によれば、落下された球の運動エネルギーを、転動部材の変位により吸収(消費)して、破損を抑制できる。よって、球の落下を許容できる分、通路の設計の自由度を高めることができる。
遊技機DA13において、前記転動部材を転動する球は、少なくとも前記転動部材の前記軸支された部位まで転動されることを特徴とする遊技機DA14。
遊技機DA14によれば、遊技機DA13の奏する効果に加え、転動部材を転動する球は、少なくとも転動部材の軸支された部位(回転軸)まで転動されるので、転動部材の軸支された部位(回転軸)に到達する前に球が排球される場合と比較して、球の排球に伴う慣性力の影響(球の重量が作用されなくなる影響)を抑制して、転動部材が回転方向にばたつくことを抑制できる。よって、変位部材の状態を安定させる(例えば、通路へ球が入球されやすくされる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材が一時的に変位されることを抑制)できる。
遊技機DA5からDA12のいずれかにおいて、前記転動部材は、回転可能に軸支され、前記通路へ入球された球は、前記軸支された部位から離間される方向へ向けて前記転動部材を転動することを特徴とする遊技機DA16。
遊技機DA16によれば、遊技機DA5からDA12のいずれかの奏する効果に加え、転動部材は、回転可能に軸支され、通路へ入球された球は、軸支された部位から離間される方向へ向けて転動部材を転動するこので、球が転動部材を転動する際には、その後期段階(所定量を越えて転動した段階)において転動部材の変位を最大とできる。即ち、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材が変位するタイミングを遅らせることができる。よって、通路へ入球された球と、その球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)との間の間隔が比較的大きい場合に、後行する球を通路へ入球されやすく又は通路へ入球され難くできる。
また、球の転動が進行するに従って、転動部材の変位量を徐々に大きくできる。即ち、球の転動が進行するに従って、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ向けて変位部材を徐々に変位させることができる。これにより、通路へ球が入球する期待を変化させ、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機DA5からDA16のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記転動部材が球の重量により変位されていない状態では、前記通路へ球が入球がされやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側への変位が規制されることを特徴とする遊技機DA17。
遊技機DA17によれば、遊技機DA5からDA16の奏する効果に加え、変位部材は、転動部材が球の重量により変位されていない状態では、通路へ球が入球がされやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側への変位が規制されるので、変位部材を、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ強制的に変位させる不正を抑制できる。
遊技機DA17において、前記転動部材が球の重量により変位されていない状態では、前記伝達手段の変位が前記転動部材に規制されることで、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側への前記変位部材の変位が規制されることを特徴とする遊技機DA18。
遊技機DA18によれば、遊技機DA17の奏する効果に加え、転動部材が球の重量により変位されていない状態では、伝達手段の変位が転動部材に規制されることで、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側への変位部材の変位が規制されるので、変位部材の強制的変位を規制するための部品を別途設ける必要がなく、伝達手段を流用することができる。即ち、変位部材を強制的に変位させる不正を抑制するための構造を簡素化できる。
遊技機DA5からDA18のいずれかにおいて、前記転動部材と前記伝達手段との間には、所定の隙間が形成され、球の重量で変位された前記転動部材は、前記隙間を埋めた後に前記伝達手段に当接されることを特徴とする遊技機DA19。
遊技機DA19によれば、遊技機DA5からDA18のいずれかの奏する効果に加え、転動部材と伝達手段との間には、所定の隙間が形成され、球の重量で変位された転動部材は、隙間を埋めた後に伝達手段に当接されるので、転動部材の変位が比較的小さい場合には、伝達手段を介して、転動部材の変位を変位部材へ伝達することができない。即ち、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位部材を変位させるためには、隙間を越える変位を転動部材に形成する必要があり、よって、遊技機を叩いて転動部材を変位させることや、針金等の異物で転動部材を変位させようとする不正を成功し難くできる。
<下側フレームD86b~D8086bを一例とする発明の概念について>
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され前記通路への球の入球のされやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機において、
前記変位部材の変位速度が変化可能に形成されることを特徴とする遊技機DB1。
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され、通路への球の入球のしやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機が知られている(特開2017-124169)。該先行文献には、電動式チューリップ(開閉爪15a)を開閉させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機DB1によれば、変位部材の変位速度が変化可能に形成されるので、通路への球の入球のされやすさの変化速度を変化させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DB1において、前記変位部材は、前記通路へ球が入球されやすくなる側への変位速度が、前記通路へ球が入球され難くなる側への変位速度よりも速くされることを特徴とする遊技機DB2。
遊技機DB2によれば、遊技機DB1の奏する効果に加え、変位部材は、通路へ球が入球されやすくなる側への変位速度が、通路へ球が入球され難くなる側への変位速度よりも速くされるので、通路へ球が入りやすくされた状態を素早く形成して、通路への球の入球を期待する遊技者に対し、テンポの良い演出を行うことができる。また、通路へ球が入球され難くなる側への変位速度が相対的に遅くされることで、通路へ球が入りやすくされた状態の期間を確保して、通路への球の入球を期待する遊技者に対し、通路への入球が間に合うか否かを着目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DB1において、前記変位部材は、前記通路へ球が入球されやすくなる側への変位速度が、前記通路へ球が入球され難くなる側への変位速度よりも遅くされることを特徴とする遊技機DB3。
遊技機DB3によれば、遊技機DB1の奏する効果に加え、変位部材は、通路へ球が入球されやすくなる側への変位速度が、通路へ球が入球され難くなる側への変位速度よりも遅くされるので、通路への球の入りやすさを徐々に増加させ、通路への球の入球を期待する遊技者に対し、その期待を徐々に高まらせることができる。また、通路へ球が入球され難くされた状態を素早く形成して、通路への球の入球を期待する遊技者に対し、テンポの良い演出を行うことができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DB1からDB3のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記通路に入球された球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機DB4。
遊技機DB4によれば、遊技機DB1からDB3のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、通路に入球された球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、変位部材を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
<下側フレームD86b~D8086bを一例とする発明の概念について>
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され前記通路への球の入球のされやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機において、
前記変位部材を複数備え、
前記複数の変位部材のうちの一の前記変位部材は、他の前記変位部材と変位態様が異なることを特徴とする遊技機DC1。
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され、通路への球の入球のしやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機が知られている(特開2017-124169)。該先行文献には、電動式チューリップ(開閉爪15a)を開閉させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機DC1によれば、変位部材を複数備え、複数の変位部材のうちの一の変位部材は、通路他の変位部材と変位態様が異なるので、それら複数の変位部材の変位態様の組み合わせにより、通路への球の入球のされやすさの変化を大きくできる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
なお、変位態様としては、変位を開始する時期(タイミング)、変位方向、変位速度、これらの組み合わせが例示される。
遊技機DC1において、前記一の変位部材の変位の開始は、前記他の変位部材の変位が開始され、所定時間の経過後とされることを特徴とする遊技機DC2。
遊技機DC2によれば、遊技機DC1の奏する効果に加え、一の変位部材の変位の開始は、他の変位部材の変位が開始され、所定時間の経過後とされるので、通路への球の入球のされやすさが変化される位置を異ならせると共にそのタイミングを異ならせることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DC1又はDC2において、前記通路へ球を流下させる上流通路を備え、前記変位部材の変位方向は、前記上流通路における球の転動方向と略平行とされることを特徴とする遊技機DC3。
遊技機DC3によれば、遊技機DC1又はDC2の奏する効果に加え、通路へ球を流下させる上流通路を備え、変位部材の変位方向は、上流通路における球の転動方向と略平行とされるので、上流通路を転動する球の転動方向や転動位置と変位部材の変位方向や変位位置とを、通路への球の入球のしやすさに関係づけることができる。その結果、遊技の興趣を高めることができる。
遊技機DC1からDC3のいずれかにおいて、前記変位部材は、前記通路に入球された球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位されることを特徴とする遊技機DC4。
遊技機DC4によれば、遊技機DC1からDC3のいずれかの奏する効果に加え、変位部材は、通路に入球された球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるので、変位部材を駆動するためのアクチュエータやそのアクチュエータを制御するためのセンサを不要とでき、その分、製品コストを低減できる。
<下側フレームD86b~D8086bを一例とする発明の概念について>
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され前記通路への球の入球のされやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機において、
前記通路に入球された球が転動可能に形成される転動部材を備え、
前記変位部材は、前記転動部材を転動する球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側または前記通路へ球が入球され難くなる側へ変位され、
前記転動部材は、球の転動経路の途中で球が落下可能に形成されることを特徴とする遊技機DD1。
球が入球可能な通路と、変位可能に形成され、通路への球の入球のしやすさを変化させる変位部材とを備えた遊技機が知られている(特開2017-124169)。該先行文献には、電動式チューリップ(開閉爪15a)を開閉させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機DD1によれば、通路に入球された球が転動可能に形成される転動部材を備え、変位部材は、転動部材を転動する球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側または通路へ球が入球され難くなる側へ変位され、転動部材は、球の転動経路の途中で球が落下可能に形成されるので、球が転動経路を転動する距離に応じて、球の重量を利用できる期間を変化させることができる。即ち、転動部材を転動する球の状態に応じて、通路への球の入球のされやすさを変化させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DD1において、前記変位部材は、前記転動部材を転動する球の重量を利用して、前記通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されることを特徴とする遊技機DA2。
遊技機DD2によれば、遊技機DD1の奏する効果に加え、変位部材は、転動部材を転動する球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されるので、通路へ入球された球が転動部材を転動する間、その球に後行する球(通路へ入球されていない他の球、後続の球)を通路へ入球されやすくできる。
即ち、通路へ1の球が入球され、その球が転動部材を転動している間は、後行する球が通路へ入球されやすい状態を形成でき、後行する球が通路へ入球され転動部材を転動すれば、次の後行する球が通路へ入球されやすい状態を形成できる。よって、通路への球の入球により、通路への入球の連鎖の発生を遊技者に期待させることができる。一方で、通路へ入球された球が転動部材の転動経路の途中で落下されると、球の重量を利用できなくなり、後行する球が通路へ入球されやすい状態を形成できなくなる。これにより、球の転動状態(転動経路の終端に達することができるか否か)を遊技者に注目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機DD1において、前記転動部材を所定数以上の球が転動する場合に、前記転動する球を前記転動部材から落下させやすくする落下手段を備えることを特徴とする遊技機DD3。
遊技機DD3によれば、遊技機DD1の奏する効果に加え、転動部材を所定数以上の球が転動する場合に、転動する球を転動部材から落下させやすくする落下手段を備えるので、転動部材を球が転動している状態において、別の球が更に通路へ流下されるか否かを遊技者に着目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
なお、遊技機DD3における変位部材は、転動部材を転動する球の重量を利用して、通路へ球が入球されやすくなる側へ変位されるものであっても良く、通路へ球が入球され難くなる側へ変位されるものであっても良い。前者の場合には、転動部材を球が転動している状態において、別の球が更に通路へ流下される可能性が高くなるので、かかる別の球が通路へ流下されるか否かを行方を遊技者に着目させやすくできる。後者の場合には、転動部材を球が転動している状態において、別の球が更に通路へ流下される可能性を低くできるので、遊技者に安心感を付与できる。
遊技機DD2又はDD3において、前記転動部材の転動経路の途中で落下した球が通過する落下通路を備え、前記落下通路を通過した球には、前記通路を通過した球よりも有利な遊技条件が付与されることを特徴とする遊技機DD4。
遊技機DD4によれば、遊技機DD2又はDD3の奏する効果に加え、転動部材の転動経路の途中で落下した球が通過する落下通路を備え、落下通路を通過した球には、通路を通過した球よりも有利な遊技条件が付与されるので、転動部材の転動経路の途中で球が落下するか否かをより強く遊技者に着目させることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
<下側フレームE86b~E17086bを一例とする発明の概念について:下降傾斜されたトゲトゲステージが往復駆動、ステージを下降傾斜に沿って流下する際にトゲトゲで流下先にランダム性を持たせる。トゲトゲによる球の保持を往復駆動で抑制>
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機において、前記通路部材の少なくとも一部を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備えることを特徴とする遊技機EA1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の移動方向の変化が単調であり、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機EA1によれば、通路部材の少なくとも一部を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備えるので、変位手段により通路部材が変位されることで、通路部材を移動する球の移動方向の変化を多様化できる。これにより、球の移動方向の変化が単調となることを抑制できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EA1において、前記通路部材に配設され前記球の移動方向に変化を付与する付与手段を備え、前記通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、前記付与手段は、前記通路部材の転動部から突出される複数の突部または前記転動部に凹設される複数の凹部を備えることを特徴とする遊技機EA2。
遊技機EA2によれば、遊技機EA1の奏する効果に加え、通路部材に配設され球の移動方向に変化を付与する付与手段を備え、通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、付与手段は、通路部材の転動部から突出される複数の突部または転動部に凹設される複数の凹部を備えるので、通路部材(転動部)を転動する際の球の移動方向の変化を多様化して、球の移動方向の変化が単調となることを抑制できる。
また、球の移動方向が変化される態様を遊技者に視認させやすくできる。即ち、転動部を転動する球は比較的移動速度が低く、転動部の移動に比較的時間を要するところ、突部または凹部から受ける作用により球の移動に要する時間を更に嵩ませることができる。その結果、球の移動方向が変化される態様を遊技者に視認させやすくでき、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EA2において、前記変位手段は、前記通路部材の転動部を転動する球の転動方向と平行な変位成分を少なくとも備える変位方向に前記通路部材を変位させることを特徴とする遊技機EA3。
遊技機EA3によれば、遊技機EA2の奏する効果に加え、変位手段は、通路部材の転動部を転動する球の転動方向と平行な変位成分を少なくとも備える変位方向に通路部材を変位させるので、球の転動方向と平行な変位成分を突部に形成することができる。その結果、球の移動方向に変化を付与しやすくできる。また、球の移動方向の変化を多様とできる。
遊技機EA2又はEA3において、前記突部は、前記突部どうしの間を球が移動可能な間隔を少なくとも備えて配置されることを特徴とする遊技機EA4。
遊技機EA4によれば、遊技機EA2又はEA3の奏する効果に加え、突部は、突部どうしの間を球が移動可能な間隔を少なくとも備えて配置されるので、球が通路部材(転動部)に留まることを抑制できる。よって、球が通路部材(転動部)に留まることを抑制するために、通路部材(転動部)を複雑な軌跡で変位させることや、大きな変位量や変位速度で変位させることを抑制できる。その結果、変位手段を簡素化できる。
<下側フレームE86b~E17086bを一例とする発明の概念について:ステージを通過したら所定の価値付与>
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機において、前記通路部材の球の通過のしやすさを変化させる変化手段を備え、前記通路部材を通過した球に対して所定の価値を付与可能に形成されることを特徴とする遊技機EB1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、球が通過できるか否か(ステージを渡り切って終端に到達できるか否か)を楽しむ遊技性を遊技者に付与することができず、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機EB1によれば、通路部材の球の通過のしやすさを変化させる変化手段を備え、通路部材を通過した球に対して所定の価値を付与可能に形成されるので、球が通路部材を通過できるか否か(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を遊技者に付与することができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EB1において、前記変化手段は、前記通路部材の少なくとも一部を変位させる変位手段を備えることを特徴とする遊技機EB2。
遊技機EB2によれば、遊技機EB1の奏する効果に加え、変化手段は、通路部材の少なくとも一部を変位させる変位手段を備えるので、球が通路部材を移動する際に、変位手段により通路部材が変位されることで、球の移動方向にランダム性を付与することができる。即ち、球が通路部材を通過する(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得る)ことを阻害する又は補助する手段として、変位手段(通路部材の変位)を機能させることができるので、球が通路部材を通過できるか否か(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を高めることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EB2において、前記通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、前記変化手段は、前記通路部材の転動部から突出される複数の突部または前記転動部に凹設される複数の凹部を備えることを特徴とする遊技機EB3。
遊技機EB3によれば、遊技機EB2の奏する効果に加え、通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、変化手段は、前記通路部材の転動部から突出される複数の突部または転動部に凹設される複数の凹部を備えるので、転動部を転動する球の転動方向(移動方向)にランダム性を付与することができる。即ち、球が通路部材を通過する(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得る)ことを阻害する又は補助する手段として突部や凹部を機能させることができるので、球が通路部材を通過できるか否か(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を高めることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EB1からEB3のいずれかにおいて、前記通路部材は、第1通路部材と、その第1通路部材を通過した球が移動可能に形成される第2通路部材と、を備え、前記所定の価値は、前記第2通路部材を通過した球に対して付与可能に形成され、前記変化手段は、前記第1通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様と、前記第2通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様とを異ならせることが可能に形成されることを特徴とする遊技機EB4。
遊技機EB4によれば、遊技機EB1からEB3のいずれかの奏する効果に加え、通路部材は、第1通路部材と、その第1通路部材を通過した球が移動可能に形成される第2通路部材と、を備え、所定の価値は、第2通路部材を通過した球に対して付与可能に形成され、変化手段は、第1通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様と、第2通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様とを異ならせることが可能に形成されるので、球が通路部材を通過できるか否か(通路部材を渡り切って、所定の価値が付与される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を、第1通路部材と第2通路部材とにおいて異なる態様として、遊技者に付与することができる。その結果、かかる遊技性を多様化して、遊技の興趣を向上できる。
なお、球の通過のしやすさを変化させる手段としては、例えば、通路部材の形状や姿勢(傾斜)、通路部材の変位態様(変位の種類(回転、直線変位、曲線変位、これらの組み合わせ)、変位方向、変位速度、往復動作の態様(周期、振幅)など)、通路部材の球が移動する面(転動面)の態様(突部や凹部の有無、突部や凹部の態様(大きさ、形状、配置など))が例示される。即ち、第1通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様と、第2通路部材において球の通過のしやすさを変化させる態様とが異なるとは、上述した手段の少なくとも一部または全部が、第1通路部材と第2通路部材とにおいて異なることを意味する。
<下側フレームE86b~E17086bを一例とする発明の概念について:球を滞留させる滞留手段>
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機において、入球された球に対して所定の価値を付与可能に形成される入球手段と、前記通路部材を通過した球が移動可能に形成される第2通路部材と、を備え、前記通路部材および前記第2通路部材は、球の移動経路の途中で球が落下可能に形成され、前記第2通路部材を通過した球は、前記通路部材を通過した球よりも前記入球手段へ入球されやすくされることを特徴とする遊技機EC1。
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(特開2016-198607)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。しかしながら、上述した従来の遊技機では、ステージの所定位置から流下された球は、入賞口(入球口)へ直接入球されるため、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
これに対し、遊技機EC1によれば、入球された球に対して所定の価値を付与可能に形成される入球手段と、通路部材を通過した球が移動可能に形成される第2通路部材と、を備えるので、通路部材を通過した球が第2通路部材を移動することで、その分、入球手段に球が入球されるまでに要する時間を嵩ませることができる。即ち、入球手段への入球を期待できる期間を長くして、遊技者の期待感を盛り上げることができる。特に、第2通路部材を通過した球は、通路部材を通過した球よりも入球手段へ入球されやすくされるので、入球手段へ球が今から入球されるという高揚感を遊技者に持たせて、球の行方を追わせることができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EC1において、前記第2通路部材は、球が転動可能に形成される転動部と、その転動部から突出される複数の突部または前記転動部に凹設される複数の凹部を備えることを特徴とする遊技機EC2。
遊技機EC2によれば、遊技機EC1の奏する効果に加え、第2通路部材は、球が転動可能に形成される転動部と、その転動部から突出される複数の突部または転動部に凹設される複数の凹部を備えるので、第2通路部材(転動部)を転動する際の球の移動方向を変化させ、球が第2通路部材を通過できるか否か(第2通路部材を渡り切って、入球手段に入球される可能性を得ることができるか否か)を楽しむ遊技性を遊技者に付与することができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
また、球の移動を遊技者に視認させやすくできる。即ち、転動部を転動する球は比較的移動速度が低く、転動部の移動に比較的時間を要するところ、突部や凹部から受ける作用により球の移動に要する時間を更に嵩ませることができる。その結果、球の行方を遊技者に追わせやすくできると共に、入球手段への入球を期待できる期間を長くして、遊技者の期待感を盛り上げることができる。
遊技機EC1又はEC2において、前記通路部材を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備えることを特徴とする遊技機EC3。
遊技機EC3によれば、遊技機EC1又はEC2の奏する効果に加え、通路部材を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備えるので、球の移動方向にランダム性を付与することができる。即ち、球が通路部材を通過して第2通路部材に到達することを阻害する又は補助する手段として、変位手段(通路部材の変位)を機能させることができる。よって、球が通路部材を通過できるか否か(球が第2通路部材に到達できるか否か、ひいては、入球手段に入球できるか否か)を楽しむ遊技性を形成することができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EC3において、前記第2通路部材を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される第2変位手段を備えることを特徴とする遊技機EC4。
遊技機EC4によれば、遊技機EC3の奏する効果に加え、第2通路部材を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される第2変位手段を備えるので、球の移動方向にランダム性を付与することができる。即ち、球が通路部材を通過して第2通路部材に到達すること、及び、球が第2通路部材と通過して入球手段に入球すること、を阻害する又は補助する手段として、第2変位手段(第2通路部材の変位)を機能させることができる。よって、通路部材を通過した球が第2通路部材へ到達できるか否か、及び、その到達した球が第2通路部材を通過できるか否か(球が入球手段に入球できるか否か)を楽しむ遊技性を形成することができる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
遊技機EC4において、前記変位手段による前記通路部材の変位態様と、前記第2変位手段による前記第2通路部材の変位態様とが異なる態様であることを特徴とする遊技機EC5。
遊技機EC5によれば、遊技機EC4の奏する効果に加え、変位手段による通路部材の変位態様と、第2変位手段による第2通路部材の変位態様とが異なる態様であるので、球の変位態様を多様化できる。その結果、遊技の興趣を向上できる。
なお、変位手段による通路部材の変位態様と、第2変位手段による第2通路部材の変位態様とが異なる態様であるとは、例えば、変位の種類(回転、直線変位、曲線変位、これらの組み合わせ)、変位方向、変位速度、往復動作の態様(周期、振幅)などの少なくとも一部または全部が、第1通路部材と第2通路部材とにおいて異なることを意味する。
遊技機A1からA11、B1からB12、C1からC13、XA1、XB1、D1からD10、E1からE12、F1からF11、CA1からCA26、CB1からCB4、CC1からCC4、DA1からDA19、DB1からDB4、DC1からDC4、DD1からDD4、EA1からEA4、EB1からEB4及びEC1からEC5のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA11、B1からB12、C1からC13、XA1、XB1、D1からD10、E1からE12、F1からF11CA1からCA26、CB1からCB4、CC1からCC4、DA1からDD4及びEA1からEC5のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA11、B1からB12、C1からC13、XA1、XB1、D1からD10、E1からE12、F1からF11CA1からCA26、CB1からCB4、CC1からCC4、DA1からDD4及びEA1からEC5のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機が知られている(例えば、特許文献1:特開2016-198607号公報)。該先行文献には、ステージ(通路部材)に沿って球を往復転動させる技術が開示される。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、球の移動方向の変化が単調であり、遊技の興趣が不十分であるという問題点があった。
本技術的思想は、上記例示した問題点を解決するためになされたものであり、遊技の興趣を向上することができる遊技機を提供することを目的とする。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、球が移動可能に形成される通路部材を備えたものであり、前記通路部材の少なくとも一部を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備える。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記通路部材に配設され前記球の移動方向に変化を付与する付与手段を備え、前記通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、前記付与手段は、前記通路部材の転動部から突出される複数の突部または前記転動部に凹設される複数の凹部を備える。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想2記載の遊技機において、前記変位手段は、前記通路部材の転動部を転動する球の転動方向と平行な変位成分を少なくとも備える変位方向に前記通路部材を変位させる。
技術的思想4の遊技機は、技術的思想2又は3に記載の遊技機において、前記突部は、前記突部どうしの間を球が移動可能な間隔を少なくとも備えて配置される。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、遊技の興趣を向上できる。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、球の移動方向の変化が単調となることを抑制できる。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想2記載の遊技機の奏する効果に加え、球の移動方向に変化を付与しやすくできる。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想2又は3に記載の遊技機の奏する効果に加え、変位手段を簡素化できる。
10 パチンコ機(遊技機)
13 遊技盤(領域構成手段の一部)
65b 開閉板(導入手段、受入状態変化手段、回避手段の一部)
86 センターフレーム(開放部)
141 前意匠部材(区画手段、回避手段の一部)
163b 球通過孔(第1受入手段、第2受入手段)
312 開口部(第2所定部、球受入部)
317 前後長突設部(第1の流下経路の一部、突設部の一部、第2突設部、状態切替手段の一部)
318 左右内突設部(分岐手段の一部、突設部の一部、第1突設部、状態切替手段の一部)
319 左右外突設部(第2の流下経路の一部、状態切替手段の一部)
310 上部材(経路構成手段の一部)
330 中部材(遅延手段の一部、経路構成手段の一部)
334 第1流路構成部(経路構成手段の一部、前後流路部)
335 第2流路構成部(所定部、経路構成手段の一部、左右方向経路)
336 第3流路構成部(経路構成手段の一部、前後方向経路、前後流路部)
351 発光手段
370 スライド変位部材(分岐手段の一部、切替手段、状態切替手段の一部)
380 下部材(経路構成手段の一部)
600 第1動作ユニット(変位手段)
616 案内長孔(支持手段)
616a 直線状部(支持手段の一部、第1範囲、制限部)
616b 曲線状部(支持手段の一部、第2範囲、制限部)
620 回動部材(変位手段)
640 被支持部材(配設手段の一部)
642 筒状部(第1の部分)
652 前側回転部材(被支持手段)
652b 張出装飾部(補助手段の一部)
660 第2装飾回転部材(姿勢変化手段)
661a 第1演出面(第1視認可能面、第1面)
661b 第2演出面(第2視認可能面、第2面)
670 装飾固定部材(補助手段の一部)
700 第2動作ユニット(変位手段)
787a1 第1主装飾面(第1視認可能面の一部)
787a2 第1副装飾面(第2視認可能面の一部)
787b1 第2主装飾面(第1視認可能面の一部)
787b2 第2副装飾面(第2視認可能面の一部)
800 第3動作ユニット(変位手段、第2変位手段)
813 検出センサ(検出手段)
823b 外側発光部(発光手段)
840 外側回転部材(集合部の一部)
866 トルクリミッタ(解除手段)
870 第1装飾部材(第1変位部材、第2変位部材)
875 第1覆設部(視認される面の一部)
880 第2装飾部材(第1変位部材、第2変位部材)
885 第2覆設部(視認される面の一部)
C1 カラー(配設手段の一部、第2の部分)
C2 皿状蓋部(配設手段の一部、第2の部分)
P1 球(変位可能手段の一部)
SE11 確変検出センサ(被通過手段の一部)
SE12 通常検出センサ(被通過手段の一部)
C13 遊技盤
C60 ベース板(遊技盤)
C60a 開口
C122,C2122,C4122 下側底面部(往復面、第1の通路)
C122a 流出面(流出部)
C123a,C4123a 切り欠き部(流入部)
C130,C2130 背面部材(ベース部材)
C140,C2140 第1中間部材(ベース部材)
C142,C2142 底面部(上流面、第2の通路)
C144,C2144 通路部(第1の通路)
C170,C2170,C3170 振分部材(変位部材、本体部)
C172,C2172 受入部(第1面)
C172b,C2172b 底面部(第1面)
C173,C2173 転動部(第2面)
C2174 軸
C190 装飾部材(錘部)
C192 軸
C2300 磁石(吸着部材)
C2400,C5400 磁性部(吸着部材、下面形成部材)
COPin,COP2000in 受入口(流入部)
CRt2 第2通路(第1の通路)
CRt3 第3通路(第2の通路)
CRt4 第4通路(第1の通路)
CRt5 第5通路(第2の通路)
CRt2001 第1通路(第1の通路)
CRt2002 第2通路(第2の通路)
CRt2003 第3通路(第1の通路)
CRt2004 第4通路(第2の通路)
CRt2005 第5通路(第2の通路)
CB1 球(第1の球)
CB2 球(第2の球)
D13 遊技盤(遊技機)
D131f 突部(作用手段、突部)
D131fa 第2突部(落下手段)
D141g 突部(作用手段、突部)
D170,D3170,D8170 転動部材
D180 変位部材
D190,D2190,D3190,D5190,D7190 伝達部材(伝達手段)
D4220 第2転動部材(転動部材)
DRt3 第3通路(上流通路)
DRt6 第6通路(通路)
DRt9 第9通路(落下通路)
E135b 中央通路(入球手段)
E150,E6150,E7150,E8150,E12150,E133150,E14150,E15150 振分通路(通路部材、第1通路部材)
E2150,E3150,E11150 振分通路(通路部材)
E4150,E16150 第2振分通路(通路部材、第2通路部材)
E5150,E17150 第3振分通路(通路部材、第2通路部材)
E151,E12151,E13151,E14151,E15151 突起部(付与手段、突部、変化手段、変位手段)
E2151,E3151 転動面(転動部)
E160 中央通路(入球手段)
E190,E4190,E5190 駆動手段(変化手段、変位手段、第2変位手段)
E2190 弾性ばね(変位手段)
E196,E196a ピニオンギヤ(変位手段)
E196b,E196c ピニオンギヤ(第2変位手段)
E5196 第2ピニオンギヤ(第2変位手段)

Claims (4)

  1. 球が移動可能に形成される通路部材を備えた遊技機において、
    前記通路部材の少なくとも一部を変位させ球の移動方向に変化を付与可能に形成される変位手段を備えることを特徴とする遊技機。
  2. 前記通路部材に配設され前記球の移動方向に変化を付与する付与手段を備え、
    前記通路部材は、球が転動可能に形成される転動部を備え、
    前記付与手段は、前記通路部材の転動部から突出される複数の突部または前記転動部に凹設される複数の凹部を備えることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記変位手段は、前記通路部材の転動部を転動する球の転動方向と平行な変位成分を少なくとも備える変位方向に前記通路部材を変位させることを特徴とする請求項2記載の遊技機。
  4. 前記突部は、前記突部どうしの間を球が移動可能な間隔を少なくとも備えて配置されることを特徴とする請求項2又は3に記載の遊技機。
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