JP2022167577A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】特定領域への到達有無によって遊技意欲が減退することを防止可能な遊技機を提供する。【解決手段】遊技状態設定手段は、遊技球が特定領域に到達したことに応じて、当否抽選の確率が不利な第1状態よりも有利であり、かつ、当否抽選の効率が第1状態よりも向上する第2状態を当否抽選が所定回数実行されるまで継続させ、遊技球が特定領域に到達しなかったことに応じて、当否抽選の確率が第2状態よりも不利であり、かつ、当否抽選の効率が第1状態よりも向上する第3状態を少なくとも第2状態の継続回数よりも多く継続させる。【選択図】図16

Description

本発明は、遊技機に関し、特に特定領域を備えた遊技機に関する。
近年、いわゆる大当り遊技において開放動作する大入賞部品内に設けられた特定領域に遊技球が到達したことに基づいて、大当り遊技後の遊技状態を変化させる構成の遊技機が知られている。このような構成の遊技機にあっては、当りの種類に応じて特定領域到達までの流路を切替可能な開閉体等の動作を制御することにより、当りの種類の応じた遊技状態の変化が適正に行われる仕様となっている。
特開2013-240488号公報
しかしながら、上記特定領域までの流路を切替可能な構成にあっては、大入賞部品の流路内外での球詰まりや球噛み、或いは、遊技者の不注意や打ち出し機構の不調等(以下、打ち出しトラブルと言う。)によって、本来の遊技仕様とは異なる遊技状態となることがあり得る。具体的には、大当り遊技後の遊技状態を所謂確変状態(確率変動状態)に移行し得る種類の当りを獲得したにも関わらず、遊技者の不注意によって遊技球の打ち出しを中止した結果、遊技球が特定領域に到達しなかった場合や、これとは逆に大当り遊技後の遊技状態が通常状態に維持される当りの種類を獲得したにも関わらず、球噛みによる遊技球の残留の結果、遊技球が特定領域に到達したような場合が挙げられる。
そして、このような事態が生じた場合、遊技者の受ける利益が大きく左右されることとなり、遊技意欲の減退に繋がる可能性がある。
本発明は、上記課題を解決すべくなされたものであって、特定領域への到達有無によって遊技意欲が減退することを防止可能な遊技機を提供する。
上記課題を解決するための本発明の構成として、遊技盤に設けられた始動部品への入球に基づいて当否抽選を実行可能とする当否抽選手段と、当否抽選の結果が当りである場合に、当該当りの種類に応じた所定の態様により、遊技盤に設けられた大入賞装置を動作させる特別遊技を実行可能とする特別遊技実行手段と、大入賞装置に設けられた特定領域への遊技球の到達有無に応じて、特別遊技後の遊技状態を設定可能とする遊技状態設定手段とを備えた遊技機であって、遊技状態設定手段は、遊技球が特定領域に到達したことに応じて、当否抽選の確率が不利な第1状態よりも有利であり、かつ、当否抽選の効率が第1状態よりも向上する第2状態を当否抽選が所定回数実行されるまで継続させ、遊技球が特定領域に到達しなかったことに応じて、当否抽選の確率が第2状態よりも不利であり、かつ、当否抽選の効率が第1状態よりも向上する第3状態を少なくとも第2状態の継続回数よりも多く継続させる構成とした。
また、遊技状態設定手段は、当りの種類が特定領域への到達を困難とする種類、及び特定領域への到達を容易とする種類のいずれであっても遊技球が特定領域に到達したことに応じて設定される第2状態の継続回数よりも遊技球が特定領域に到達しなかったことに応じて設定される第3状態の継続回数を多くしても良い。
また、遊技盤に設けられ、遊技領域を形成可能な外ガイドレールを備え、外ガイドレールには、所定の案内部が複数形成され、外ガイドレールが遊技盤に設けられた状態において、外ガイドレールの一端から左端までの範囲を第1の範囲(H1)とし、 外ガイドレールの左端から上端までの範囲を第2の範囲(H2)とし、外ガイドレールの上端から他端までの範囲を第3の範囲(H3)とすると、各範囲に形成された所定の案内部の数がH3<H2<H1を満たす構成としても良い。
なお、上記発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、特徴群を構成する個々の構成もまた発明となり得る。
上記各構成に係る遊技機によれば、特定領域への到達有無によって遊技意欲が減退することを防止できる。
パチンコ機の概略斜視図である。 遊技盤の正面図である。 遊技盤の概略分解斜視図である。 ガイドレールの概略平面図及び取り付け状態を示す断面図である。 ガイドレールを模式的に示す正面図である。 遊技盤の縦断面図及び拡大断面図である。 パチンコ機の制御ブロック図である。 保留記憶領域の概要を示す図である。 特図当否判定テーブルの概要を示す図である。 特図種別決定テーブルの概要を示す図である。 遊技状態設定テーブルの概要を示す図である。 変動パターン決定テーブルの概要を示す図である。 普図当否判定テーブルの概要を示す図である。 普図変動パターン決定テーブルの概要を示す図である。 開閉体作動テーブルの概要を示す図である。 遊技状態の変化,遊技性等を示す概要図である。 主制御回路のCPU初期化処理を示すフロー図である。 主制御回路の初期設定処理を示すフロー図である。 主制御回路の設定値変更処理を示すフロー図である。 主制御回路の電源断時退避処理を示すフロー図である。 主制御回路のタイマ割込み処理を示すフロー図である。 主制御回路のスイッチ管理処理を示すフロー図である。 主制御回路の第1始動口通過処理を示すフロー図である。 主制御回路の第2始動口通過処理を示すフロー図である。 主制御回路の特別図柄乱数取得処理を示すフロー図である。 特図遊技管理フェーズを説明する図である。 主制御回路の特図遊技管理処理を示すフロー図である。 主制御回路の特別図柄変動待ち処理を示すフロー図である。 主制御回路の特別図柄変動中処理を示すフロー図である。 主制御回路の特別図柄停止後処理を示すフロー図である。 主制御回路の大入賞口開放前処理を示すフロー図である。 大入賞口開閉切替処理を示すフロー図である。 大入賞口開放制御処理を示すフロー図である。 大入賞口閉鎖有効処理を示すフロー図である。 大当り遊技終了ウェイト処理を示すフロー図である。 大入賞部品の動作を示すタイムチャートである。 演出図柄Sの例を示す図である。 演出図柄Sの変動開始から停止表示までの流れを示す図である。 演出制御回路のサブCPU初期化処理を示すフロー図である。 演出制御回路のサブタイマ割込み処理を示すフロー図である。 演出制御回路の変動パターンコマンド受信処理を示すフロー図である。 変動演出パターン決定テーブルの概要を示す図である。 演出制御回路のタイムスケジュール管理処理を示すフロー図である。 ハンドルユニットの概略斜視図である。 ハンドルユニットの正面図である。 ハンドルユニットの内部構造を示す概略斜視図である。 ハンドルの操作トルクを変化を示すグラフである。
以下、実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
[遊技機の全体構成について]
遊技機の一例としてのパチンコ機1は、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠2と、この機枠2の一側部においてヒンジ機構により開閉自在に取り付けられた本体枠3と、当該本体枠3内に収容された遊技盤30と、本体枠3の前方において開閉可能に軸着され、中央部に配設されたガラス窓4A、及びガラス窓4Aの下方に設けられた受皿6を有するパネル枠4と、パネル枠4の下部一側部より前方に突設されたハンドルユニット7、及びパネル枠4の上部両側部に配設された外部より着脱可能な複数の可動式電飾ASを主たる構成として備える。なお、可動式電飾ASを本体枠3に対して着脱自在な構成としても良い。パネル枠4が本体枠3側に閉じられた状態において、パチンコ機1の前方に着座する遊技者からは、パネル枠4に配設されたガラス窓4Aを介して本体枠3内に収容された遊技盤30の遊技領域31を視認することが可能である。また、パネル枠4の前面上部には、例えばフルカラーLEDが搭載された図外の電飾基盤が収容された上部電飾部(意匠部)5Aが形成される。また、パネル枠4の前面左右には、同じくフルカラーLEDが搭載された図外の電飾基盤が収容された左電飾部5B及び右電飾部5Cがそれぞれ形成される。
受皿6の中央部には、遊技者の任意によって操作可能な操作手段としての操作機構9が配設される。操作機構9は、遊技者による押下操作が可能な円形のプッシュボタン9Aと、当該プッシュボタン9Aの周囲において遊技者による回動操作が可能なダイアル9Bとにより構成される。操作機構9は、後述する演出制御回路200と接続されており、プッシュボタン9A、及びダイアル9Bから出力される信号は、演出制御回路200側に入力する。演出制御回路200は、例えばプッシュボタン9Aの入力タイミングに応じてメイン表示装置80の表示及び動作を制御する。受皿6には、この他、球貸ボタンや返却ボタン等が配設されており、これらのボタン操作によって図外のCRユニットに投入されたICカード等の記録媒体に記録された貸し球可能数に対応する遊技球の貸し出し動作、或いは記録媒体の返却動作が実行される。
[遊技盤の構成について]
図2に示すように、本体枠3内に収容された遊技盤30には、外ガイドレール27及び内ガイドレール28によって略円形状に区画された遊技領域31が形成される。遊技領域31は、遊技盤30の盤面(前面)とガラス窓4Aの後面との間に形成される空間であり、図外の発射機構により打ち出された遊技球が流下可能な領域である。遊技盤30上には、この他、多数の釘が配設されており、遊技者のハンドルユニット7の操作によって図外の発射機構により発射された遊技球は、多数の釘や風車によって不規則に誘導されつつ遊技領域31内を流下する。遊技領域31は、概ねラインCLを境界として、左打ち領域ELと右打ち領域ERとに分けられており、遊技球を打ち出す強度をハンドルユニット7の操作によって調整することにより、遊技球をいずれの領域上に流下させるかを選択することができる。また、左打ち領域EL及び右打ち領域ERを流下する遊技球は、盤面の構造上、他方の領域に配設された遊技部品を通過,入球することはできず独立した領域に区別されている。
遊技盤30の盤面には、第1始動入賞部品60、第2始動入賞部品62、大入賞部品64、普図通過ゲート68、及び不図示の一般入賞部品が配設されており、これらの入賞部品に遊技球が入球又は通過し、各部品内に内蔵されたスイッチ(第1始動口検出スイッチSW1,第2始動口検出スイッチSW2,大入賞口検出スイッチSW3,特定領域検出スイッチSW4,普図ゲート検出スイッチSW5,一般入賞口検出スイッチSW6)により検出されると、各入球部品に対応した所定数の賞球の払出しや所定の処理が実行される。また、詳細については後述するが、遊技球が第1始動入賞部品60及び第2始動入賞部品62のいずれかに入球すると、賞球の払出しの他、大入賞部品64を開放動作させ、遊技者にとって有利な状態を醸成する特別遊技(大当り遊技)の実行可否に関する抽選や、当該特別遊技の態様、或いは特別遊技後の遊技状態を決定するための抽選を始めとする各種の抽選が主制御回路100により実行される。即ち、第1始動入賞部品60、第2始動入賞部品62への遊技球の入球は、上記各種の抽選を受けるための契機となるものである。
第1始動入賞部品60は、左打ち領域ELに配設される入賞部品であって、遊技盤30の左右方向略中央部に位置し、上方開口の入球口60aを有している。第2始動入賞部品62は、右打ち領域ERの上方に配設される入賞部品であって、側面開口の入球口62bと、当該入賞口を閉鎖又は開放する開閉体62aとを備える。開閉体62aは、閉鎖状態と開放状態を取り得る羽根状部材よりなり、当該羽根状部材が上下方向に直立した閉鎖状態にあっては、入球口62bの上縁部に近接する壁部63との位置関係により、入球口62bに入球することが阻止される。一方、羽根状部材が左右方向に倒伏した開放状態にあっては、上記壁部63との間に遊技球の流下可能なスペースが生じ、入球口62bへの入球が許容される。なお、開閉体62aの上記開閉動作は、後述するソレノイドSOL1の駆動によって実現される。また、開閉体62aの開放動作は、遊技領域31の右側部に配設された普図通過ゲート68への遊技球の通過を契機として、主制御回路100により実行される開放動作の可否に関する抽選の結果が当りとなった場合に実行される。普図通過ゲート68は、右打ち領域ERにおける第2始動入賞部品62よりも上流側に位置する上下開口の門型の遊技部品であって、右打ち領域ERを流下する遊技球のみが通過可能となっている。
右打ち領域ERにおける第2始動入賞部品62の下方には大入賞部品64が配設される。大入賞部品64は、上方開口の横長矩形状の入球口64aと、当該入球口64aを閉鎖又は開放する開閉体66とを有する。開閉体66は、後述するソレノイドSOL2の駆動によって、遊技盤30の前後方向に進退動作可能な部材であって、遊技盤30の前方に突出した状態において入球口64aを閉鎖状態とし、遊技盤30の後方に没入した状態において入球口64aを開放状態とする。当該開放状態において遊技球が内部に入球すると、直下に設けられた大入賞口検出スイッチSW3により検出された後、下流側に誘導される。一方、入球口64aが閉鎖状態の場合に遊技球が大入賞部品64に到達した場合、当該遊技球は、開閉体66上を通過して、スロープを経由して下流側に誘導される。なお、開閉体66の開放動作は、第1始動入賞部品60又は第2始動入賞部品62への遊技球の入球を契機として実行される特別遊技の実行可否に関する所定の抽選結果が「大当り」となった場合に実行される。また、図2に示すように当該大入賞部品64の内部には、大入賞口検出スイッチSW3の下方に位置し、前後動作可能な開閉体として形成された振分機構64Vと特定領域(V領域)及び非特定領域が設けられており、大当り遊技中の開閉体66の開放動作により入球した遊技球が振分機構64Vによって特定領域側に振り分けられて当該特定領域を通過した場合、特定領域に配設された特定領域検出スイッチSW4により検出され、当該検出(特定領域の通過)に基づいて特別遊技後の遊技状態が遊技者にとって有利な特図高確率(確変状態)に移行する。一方、非特定領域に誘導された遊技球は、図外の大入賞部品排出検出スイッチSW8により検出される。なお、詳細については後述するが、特定領域への振分率、換言すれば振分機構64Vの動作パターンは、大当りの種類に応じて複数存在する。
遊技盤30の最下方には、アウト口69が開設される。アウト口69は、上記複数の入賞部品のいずれにも入球しなかった遊技球を回収する排出口であって、アウト口69まで流下した遊技球は、遊技盤30の背部側を経由して機外に排出される。なお、図示は省略するが、遊技盤30には、他のアウト口も配設されており、当該アウト口からも遊技球が排出される。なお、アウト口69に入球した遊技球、及び上述の各入賞部品に入球した遊技球は、遊技盤30の裏面に配設された樋によって下方に誘導され、図外のアウト球検出スイッチSW7によって個別に検出される。即ち、遊技盤30の遊技領域31に打ち出された全ての遊技球は、アウト球検出スイッチSW7によって検出される。
次に、遊技盤30に搭載された各種の表示装置について説明する。図2に示すように、遊技盤30の略中央部には、略矩形状の表示画面D1を有するメイン表示装置80が配設される。メイン表示装置80は、液晶ディスプレイを備えた表示装置であって、その表示画面D1上には、後述する演出図柄Sに関する画像や、当該演出図柄Sの変動表示に伴って表示される疑似変動演出、リーチ演出、先読み演出等を表現する静止画や動画や、特別遊技中において表示される画像等、多様な種類の画像が表示される。そして、遊技者は主に表示画面D1において表示される演出図柄Sの変動に伴って表現される疑似変動演出、リーチ演出や先読み演出と言った演出を視認しながら遊技を楽しむこととなる。なお、当該メイン表示装置80に対する画像の表示制御は、後述の演出制御回路200によって実行される。
遊技盤30の遊技領域31の外方には、第1特別図柄表示装置35A、第2特別図柄表示装置35B、第1特別図柄保留表示装置36A、第2特別図柄保留表示装置36B、普通図柄表示装置37、普通図柄保留表示装置38が設けられている。各表示装置は、遊技の進行状況に応じて主制御回路100によって制御され、その表示の変化によって遊技状況を遊技者に報知する。
[ガイドレールについて]
図3は、遊技盤30を構成する盤材300と、盤材300上に配設されるレールベース310と、レールベース310の側壁(ガイド面)310Aに沿って配設される外ガイドレール27とを分解して示す概略斜視図である。同図に示すように盤材300は、略方形状に形成される木材やアクリル等からなる。レールベース310は、盤材300の左方及び上方に渡って配設される部材であって、遊技盤30の遊技領域31の左方及び上方の範囲を形成する弧状の側壁310Aを有する。外ガイドレール27は、側壁310Aの表面に沿うように、左打ち領域ELの下部から右打ち領域ERの右上部近傍に至るまで円弧状に延長する。
外ガイドレール27の一端側には、レールベース310の側壁310A側に折り曲げられ、側壁310Aに形成された図外の溝部に掛止可能な掛止部27Aが形成される。また、ガイドレール27の他端側には、円弧状の径方向外側に膨出するように湾曲して形成された嵌め込み部27Bが形成される。嵌め込み部27Bには、平面視矩形状の切り欠き27Cが形成されている。側壁310Aには、嵌め込み部27Bの形状を受け入れ可能な凹部が形成されており、切り欠き27C内に図外の位置決め凸部が嵌め合わされる。このように、両端部に形成された掛止部27A及び嵌め込み部27Bがレールベース310によって保持されることにより、外ガイドレール27は、円弧上の形状を維持したまま側壁310Aに沿って延在することとなる。
図4は、外ガイドレール27の概略平面図及び係合状態を示す概略断面図である。同図に示すように、外ガイドレール27の表面には、所定の間隔を有して複数の案内部330が形成される。案内部330は、外ガイドレール27の延在方向に沿った長軸を有する略楕円上の孔として形成される。図4(b)に示すように、複数形成された案内部330には、側壁310Aに凸部として形成された係合部315が嵌め込まれる。係合部315は、外ガイドレール27の複数の案内部330の位置と対応して複数設けられる。そして、両端部が保持された外ガイドレール27の複数の案内部330に対応して係合部315が嵌め込まれることにより、外ガイドレール27は、側壁310Aに密着するように強固に保持されることとなる。また、図示の通り、打ち出された遊技球Bは、外ガイドレール27と摺接しながら外ガイドレール27の湾曲形状に沿って遊技領域31側に案内されることとなる。
次に、図5を参照して、外ガイドレール27内における案内部330の数の関係について説明する。図5は、外ガイドレール27の延長状態を概略的に示す模式図である。同図の一点鎖線G1は、外ガイドレール27の内、最も上方に位置する点(上端部P1)を通って鉛直方向に延在する。また、一点鎖線G2は、外ガイドレール27の内、最も左に位置する点(左端部P2)を通って二点鎖線G1と垂直に交差して延在する。
また、湾曲して延在する外ガイドレール27の一方の端部(始端部)をQ1とし、他方の端部(終端部)Q2とし、当該端部Q1から左端部P2に至る範囲を第1の範囲H1とする。また、左端部P2から上端部P1に至る範囲を第2の範囲H2とする。また、上端部P1から端部Q2に至る範囲を第3の範囲H3とする。
外ガイドレール27をこのように区分した場合、範囲H1に形成される案内部330の数(例えば3か所)は、範囲H2に形成される案内部330の数(例えば2か所)よりも多い。また、範囲H2に形成される案内部330の数は、範囲H3に形成される案内部330の数(例えば0)よりも多い。即ち、H3<H2<H1の関係を満たす。
このように、発射直後の遊技球から受ける衝撃が大きく、かつ、外ガイドレール27の配置について特に正確性が求められる発射装置側に案内部330を多く形成することにより、発射装置側の外ガイドレール27の位置ズレや振動を確実に防止することができる。また、遊技球の軌道が安定するため設計値通りの遊技を行うことが可能となると共に、イレギュラーな軌道による想定外のエラー発生を抑制でき、より設計通りの遊技をしてもらう事が可能となるため、特別遊技中の特定領域の通過を安定的に実行することができる。また、仮に操作に失敗し特定通過しなかった場合でも後述のように、特定通過しない場合の方が時短回数が多いため、遊技者の利益損失が少なくなる様にケアをしている。また、開閉体66の開閉動作に合わせて演出表示を更新する場合において、遊技者は演出からアタッカーの状態を判断しハンドル操作を切り替える可能性があるが、そのような発射の切替を行う場合も外ガイドレール27上でのイレギュラーな動きが無くなる為、球ブレの発生などにより、意図しない入賞が発生すること等が起こり難くなる。
一方で、遊技球がから受ける衝撃が小さく、かつ、遊技に与える影響が少ない終端部Q2側では、案内部330が少ないことから外ガイドレール27自体の加工やレールベース310への取り付けを容易化することができる。なお、案内部330の数の関係は、少なくもH3≦H2≦H1の関係を満たせば如何なる組み合わせであって良い。また、案内部330は、上端部P1及び左端部P2を含む範囲には形成しなくても良い。また、案内部330を範囲H3内に形成しなくても良い。また、案内部330を遊技球と接しない位置に形成しても良い。また、各案内部330の間隔は均等でなくても良い。また、図4(b)に示すように、外ガイドレール27を遊技領域31の内側に向けて僅かに傾斜するように取り付けても良く、このような構成とすることにより遊技球が前方に向けて流れ難くすることが可能となる。
また、上記区分に代えて、外ガイドレール27の端部Q1から左端部P2に至る範囲を第4の範囲H4とし、左端部P2から端部Q2に至る範囲を第5の範囲H5とする。そして、このように区分した場合、範囲H4に形成される案内部330の数(例えば3か所)を範囲H5に形成される案内部330の数(例えば2か所)よりも多くしても良い。
また、上記区分に代えて、外ガイドレール27の端部Q1から上端部P1に至る範囲を第6の範囲H6とし、上端部P1から端部Q2に至る範囲を第7の範囲H7とする。そして、このように区分した場合、範囲H6に形成される案内部330の数(例えば5か所)を範囲H7に形成される案内部330の数(例えば0)よりも多くしても良い。
また、上記区分に代えて、端部Q1から外ガイドレール27の延長長さの中間部に至る範囲を第8の範囲H8とし、中間部から端部Q2に至る範囲を第9の範囲H9とする。そして、このように区分した場合、範囲H8に形成される案内部330の数(例えば4か所)を範囲H9に形成される案内部330の数(例えば1)よりも多くしても良い。
次に、外ガイドレール27によって形成される誘導通路Lについて説明する。図6は、外ガイドレール27の頂点(上端部P1)を通る遊技盤30の垂直縦断面図(A-A´断面)である。図1に示すように、遊技領域31を有する遊技盤30が本体枠3に保持され、ガラス窓4Aを有するパネル枠4が閉じられると、意匠部5Aが遊技盤30の前方に大きくせり出すように配置される。なお、ガラス窓4Aは、外ガラスと内ガラスの二重構造である。同図に示すように、意匠部5Aの外郭形状は、略箱型であって、遊技盤の前方から後方(遊技盤側)に向かって複数の段差や曲部を介して上方に向けて傾斜して延在する底部500と、底部500の前端から前方に向かって立ち上がる前面部520と、前面部520の上端部から後方に向かって延長する上面部530とを有する。
誘導通路Lは、前述の外ガイドレール27の表面270と、当該表面と対向する盤面部品の表面280との間に形成された通路であり、少なくとも遊技球Bの直径以上の流径を有する。なお、誘導通路Lを基準とした場合、誘導通路Lは、外周面としての表面270(以下、外周面270)と内周面としての表面280(以下、内周面280)により形成される。次に、このように形成された誘導通路Lと意匠部5Aとの位置関係について説明する。
図6(b)に示すように、遊技盤30を断面視したときに、遊技盤30の盤面に対して垂直な方向(前後方向)に延長する仮想線のうち、外ガイドレール27の外周面270の頂点Pに対応する位置を通る仮想線を第1基準線K1とする。また、遊技盤30の盤面に対して垂直な方向に延長する仮想線のうち、外ガイドレール27の外周面270の頂点Pの位置において対向する盤面部品の内周面280と対応する位置を通る仮想線を第2基準線K2とする。
第1基準線K1を上述のように規定したとき、遊技盤30の盤面に対して垂直な方向に延長する仮想線のうち、意匠部5Aの底部500における最も後方の点T1(第1意匠部)を通る仮想線M1は、少なくとも第1基準線K1よりも下方に位置し、かつ、第1基準線K1からの距離(寸法)Aが遊技球Bの直径以下(4mm)に設定される。また、遊技盤30の盤面に対して垂直な方向に延長する仮想線のうち、意匠部5Aの底部500における最も下方の点T2(第2意匠部)を通る仮想線M2は、少なくとも第1基準線K1よりも下方に位置し、かつ、第1基準線K1からの距離(寸法)Bが遊技球Bの直径以上(40mm)に設定される。なお、仮想線M1,M2は、第1基準線K1と平行であれば良く、頂点Pを通る鉛直線と直交するものに限られない。以下の説明においても同様である。
このように、第2意匠部T2が第1基準線K1よりも下方に位置し、かつ、その距離Bが遊技球Bの直径以上に設定されるため、意匠部5Aを大型化することができる。また、大型化を図りつつも第1基準線K1と第1意匠部T1との距離Aを遊技球の直径以下としたことにより、遊技球が強く打ち出され、誘導通路Lの外周面270に沿って通過する場合における遊技球の視認性を確保することができる。
また、第2基準線K2を上述のように規定したとき、点T1(第1意匠部)を通る仮想線M1は、少なくとも第2基準線K2よりも上方に位置し、かつ、第2基準線K2からの距離(寸法)Cが遊技球Bの半径以上(14mm)に設定される。また、点T2(第2意匠部)を通る仮想線M2は、少なくとも第2基準線K2よりも下方に位置し、第2基準線K2からの距離(寸法)Dが遊技球Bの直径以上(22mm)に設定される。
このように、第2意匠部T2が第2基準線K2よりも下方に位置し、かつ、その距離Dが遊技球Bの直径以上に設定されるため、意匠部5Aを大型化することができる。また、大型化を図りつつも第2基準線K2と第1意匠部T1との距離Cを遊技球の半径以上としたことにより、遊技球が弱く打ち出され、誘導通路Lの内周面280に沿って通過する場合における遊技球の視認性を確保することができる。
[パチンコ機の内部構成について]
図7は、パチンコ機1の制御を担う制御手段の構成を示すブロック図である。同図に示すように、パチンコ機1は、主として遊技全般に係る基本動作を制御する主制御回路100と、主として払出動作を制御する払出制御回路150と、主として遊技球の発射動作を制御する発射制御回路160及び、主として前述のメイン表示装置80を制御する演出制御回路200とを備える。
主制御回路100は、(メイン)CPU100a、(メイン)ROM100b、及び(メイン)RAM100cを備えてなり、CPU100aが後述する各検出スイッチやタイマからの入力に対応してROM100bに予め格納されたプログラムを読み出して、当該プログラムに従った演算処理を行い、主制御回路100に接続された上述の各装置を直接的に制御し、或いは、他の払出制御回路150及び演出制御回路200に多様なコマンドを送信する。また、このときRAM100cは、CPU100aの演算処理時におけるワークエリアとして機能し、演算に必要な各種のデータや、コマンドを一時的に保持する。
図7に示すように、主制御回路100には、第1始動入賞部品60への遊技球の入球を検出する第1始動口検出スイッチSW1、第2始動入賞部品62への遊技球の入球を検出する第2始動口検出スイッチSW2、大入賞部品64への遊技球の入球を検出する大入賞口検出スイッチSW3、特定領域への遊技球の通過を検出する特定領域検出スイッチSW4、普図通過ゲート68への遊技球の通過を検出する普図ゲート検出スイッチSW5、図外の一般入賞部品への遊技球の入球を検出する一般入賞口検出スイッチSW6、アウト球を検出するアウト球検出スイッチSW7、大入賞部品排出検出スイッチSW8が接続されており、各検出スイッチから出力された検出信号が主制御回路100側に入力する。また、主制御回路100には、「大当り」の確率を任意に変更するために操作される設定キースイッチSSWや設定変更スイッチHSWも接続されている。
また、主制御回路100には、前述の第2始動入賞部品62に設けられた開閉体62aを開閉動作させるためのソレノイドSOL1、及び、大入賞部品64に設けられた開閉体66を開閉動作させるためのソレノイドSOL2、振分機構64Vを開閉動作させるソレノイドSOL3が接続され、これらのソレノイドが主制御回路100によって直接的に制御される。また、主制御回路100には、第1特別図柄表示装置35A、第2特別図柄表示装置35B、第1特別図柄保留表示装置36A、第2特別図柄保留表示装置36B、普通図柄表示装置37、普通図柄保留表示装置38が接続されており、これらの表示装置が主制御回路100によって直接的に制御される。
主制御回路100には、払出制御回路150、及び演出制御回路200が接続されている。払出制御回路150は、主制御回路100と同様に不図示のCPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータであって、主制御回路100と通信可能に接続されている。また、主制御回路100と払出制御回路150とには、外部情報出力端子板151が接続されている。外部情報出力端子板151は、主制御回路100(CPU100a)及び払出制御回路150(払出CPU)から出力された遊技の進行に関する種々の情報をパチンコ機1の設置店等に設けられたホストコンピュータ側に送信する。
払出制御回路150には、遊技者に対して賞球を払い出すための払出モータ152、及び賞球数計数スイッチ153が接続されている。払出制御回路150は、主制御回路100から送信される払出コマンドに含まれる賞球数情報に基づいて所定の賞球数が払い出されるように払出モータ152を制御する。当該払出モータ152の駆動により払い出された賞球は、賞球数計数スイッチ153により検出され、払出制御回路150側において、適正な賞球数が払い出されたかが把握される。なお、払出制御回路150には、この他、受皿6に許容数以上の遊技球が貯留されていることを検知する皿満タン検出スイッチ154や、パネル枠4や本体枠3の扉が開放していることを検知する扉開放検出スイッチ155等の各種のスイッチが接続される。
また、発射制御回路160には、ハンドルユニット7内に搭載されたタッチセンサ161、発射ボリューム162、図外の発射機構内に受皿6に貯留された遊技球を送り込む球送りモータ163、及び発射機構内に格納された球発射モータ164が接続されている。発射制御回路160は、払出制御回路150からの発射許可およびタッチセンサ161からの入力を条件として、遊技者によるハンドルユニット7の操作量に応じて変化する発射ボリューム162からの入力信号に基づいて球発射モータ164を制御し、受皿6に貯留された遊技球を所定の発射力により遊技領域31内に打ち出す。
演出制御回路200は、遊技進行中や待機中における各種の演出表示や演出動作を制御する。演出制御回路200は、(サブ)CPU200a、(サブ)ROM200b、(サブ)RAM200cを備えてなり、主制御回路100に対して主制御回路100から演出制御回路200に対してのみ通信(一方向通信)が可能なように接続されている。当該演出制御回路200は、主制御回路100から送信される演出に関する各種のコマンドや内部タイマからの入力信号に基づいて、ROM200bに予め格納されたプログラムを読み出して当該プログラムに従った演算処理を行い、演出制御回路200に接続されたメイン表示装置80の表示画面D1に表示される画像の表示制御、遊技進行中における楽曲や効果音などの音声をスピーカユニットから出力させる音声出力制御、或いは、複数の可動式電飾AS、遊技盤30の各所に配設された盤上電飾部、パネル枠4に配設された左電飾部5B;右電飾部5Cを多様なパターンにより発行させる発光制御等を実行する。なお、このときRAM200cは、CPU200aの演算処理時におけるワークエリアとして機能し、演算に必要な各種のデータや、コマンド等を一時的に保持する。
また、演出制御回路200は、CPU200aと接続され、当該CPU200aより送信される画像表示に係る各種のコマンドを受信して表示画面D1に多様な画像を表示するためのVDP、及び上記画像表示処理中に必要な各種のデータ等を一時的に保存するVRAM、音声制御のための音声合成LSI等、各種制御に必要なハードウェアを備えている。また、演出制御回路200には、遊技者の任意に操作可能な前述の操作機構9が接続されており、例えば当該操作機構9の操作タイミングに合せて前述の各制御を実行し、操作機構9の操作タイミングに従った所定の演出を表現することが可能である。
また、図示は省略するが、上述の各制御回路には電源供給回路が接続されており、当該電源供給回路に設けられた電源スイッチの操作により、遊技設置店側の外部電源から電源が供給され、該外部電源を各制御回路の動作に必要な電源として生成し、各制御回路に生成した電源を供給することで各制御回路が起動する。また、電源供給回路には、コンデンサ等のバックアップ用電源が搭載されており、断電時においては当該バックアップ用電源から主制御回路100及び払出制御回路150に対して電力が供給され、これら2つの制御回路のRAMに格納された各種のデータやコマンドが保持される。また、電源供給回路には、演出制御回路200に対する専用のバックアップ用電源も搭載されており、断電時においては当該専用のバックアップ用電源からの電力供給によりRAMに格納された各種のデータやコマンドの一部が別途搭載されたバックアップ用RAMに格納される。
以下、上記構成からなるパチンコ機1の遊技の流れについて概説する。遊技者のハンドルユニット7の操作により打ち出されて、遊技領域31を流下する遊技球が前述の第1始動入賞部品60及び第2始動入賞部品62のいずれかに入球すると、主制御回路100では所定の始動条件が成立したことに基づいて、特別遊技の実行可否に関する抽選(以下、特図当否抽選ともいう)、特別図柄の種類を決定する抽選(以下、特図種別決定抽選ともいう)、特別図柄の変動パターンを決定する抽選(以下、特図変動パターン決定抽選ともいう)等の種々の抽選を実行する。そして、上記抽選のうち、特図当否抽選の結果が「当り」である場合には、前述の大入賞部品64の開閉体66を開放動作させ、遊技球の入球を容易とする特別遊技(大当り遊技)を実行する。以下、各抽選の概要について説明する。
まず、遊技球が第1始動入賞部品60及び第2始動入賞部品62のいずれかに入球すると、上記特図当否抽選において参照される特図当否判定乱数や、特図種別決定乱数、変動パターン決定乱数等、種々の乱数が同時に取得され、当該取得された乱数がRAM100cの保留記憶領域に格納される。なお、以下の説明においては、第1始動入賞部品60への入球を契機として取得される上記種々の乱数を総称して特1保留といい、第2始動入賞部品62への入球を契機として取得される上記種々の乱数を総称して特2保留という場合がある。さらに、特1保留及び特2保留を総称して始動情報という場合がある。
図8は保留記憶領域の概要を示す図である。同図に示すように、保留記憶領域は、特1保留、及び特2保留をそれぞれ独立して記憶可能な第1特図保留記憶領域と第2特図保留記憶領域とを備えている。第1特図保留記憶領域及び第2特図保留記憶領域はそれぞれ4つの記憶部(第1~第4記憶部)を有している。そして、第1始動入賞部品60に遊技球が入球すると、特1保留が第1特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶され、最大4つの特1保留を記憶可能(保留可能)である。また、第2始動入賞部品62に遊技球が入球すると、特2保留が第2特図保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶され、最大4つの特2保留を記憶可能(保留可能)である。なお、同図の例は、第1保留記憶領域に2つの始動情報(特1保留)が保留記憶され、第2保留記憶領域に1つの始動情報(特2保留)が保留記憶された状態を示す。
[特図当否抽選について]
図9は、特図当否抽選において参照される特図当否判定テーブルTBの概要を示す図である。遊技球が、第1始動入賞部品60及び第2始動入賞部品62のいずれかに入球すると、0~65535の範囲から1つの特図当否判定乱数が取得される。同図に示すように特図当否判定テーブルTBは、遊技状態が特図低確率である場合、即ち、遊技者にとって不利な状態である場合に参照される低確率用特図当否判定テーブルTB1と、遊技状態が特図高確率である場合、即ち、遊技者にとって有利な状態である場合に参照される高確率用特図当否判定テーブルTB2とに細分化されている。
特図当否判定テーブルTB1,TB2には、0~65535までの特図当否判定乱数に対応する判定結果(「大当り」又は「ハズレ」)が規定されている。例えば、低確率用特図当否判定テーブルTB1が参照された場合に判定結果が「大当り」となる確率は、約199分の1である。一方、高確率用特図当否判定テーブルTB2が参照された場合に判定結果が「大当り」となる確率は、約50分の1に設定されている。そして、上記取得された特図当否判定乱数が、「大当り」と対応する乱数である場合は、判定結果が「大当り」となり、「ハズレ」と対応する乱数である場合は判定結果がハズレと判定される。なお、同図の特図当否判定テーブルTB1,TB2に規定された「大当り」の確率は、例えば任意に決定可能な後述の設定値が「1」である場合の確率であり、設定値が「2」~「6」に向かうに従って「大当り」の確率が高く規定された特図当否判定テーブルTB1,TB2を参照しても良い。
[特図種別決定抽選について]
図10は、上記特図種別決定抽選において参照される特図種別決定テーブルTBの概要を示す図である。同図に示すように、特図種別決定テーブルTBは、特図種別決定乱数が第1始動入賞部品60への入球を契機として取得され、前述の特図当否抽選の結果が大当りである場合に参照される特1用特図種別決定テーブルTB1と、特図種別決定乱数が第2始動入賞部品62への入球を契機として取得され、前述の特図当否抽選の結果が大当りである場合に参照される特2用特図種別決定テーブルTB2と、特図当否抽選の結果がハズレである場合に参照される特図種別決定テーブルTB3とに細分化される。
遊技球が第1始動入賞部品60及び第2始動入賞部品62のいずれかに入球すると、例えば0~99の範囲から1つの特図種別決定乱数が取得される。同図に示すように、特図種別決定テーブルTB1,TB2には、0~99までの特図種別決定乱数に対応する特別図柄種別が所定の割合(選択率)で規定されている。
例えば、特図当否抽選の結果が「大当り」であって、特1用特図種別決定テーブルTB1が参照され、取得された特図種別決定乱数が0~49の範囲である場合には、特図種別が特別図柄Aとして決定され、50~84の範囲である場合には、特図種別が特別図柄Bとして決定され、85~99の範囲である場合には、特図種別が特別図柄Cとして決定される。つまり、第1始動入賞部品60への入球を契機とする特図当否抽選の結果が「大当り」となり、特図種別決定テーブルTB1が参照された場合の特別図柄A,B,Cの選択率は、50%,35%,15%である。
また、特図当否抽選の結果が「大当り」であって、特2用特図種別決定テーブルTB1が参照され、取得された特図種別決定乱数が0~19である場合には、特図種別が特別図柄Dとして決定され、20~99の範囲である場合には、特図種別が特別図柄Eとして決定される。つまり、第2始動入賞部品62への入球を契機とする特図当否抽選の結果が「大当り」となり、特図種別決定テーブルTB2が参照された場合の特別図柄D;Eの選択率は、20%,80%となる。
また、特図種別決定テーブルTB3は、上記特図当否抽選の結果が「ハズレ」である場合に参照され、取得された特図種別決定乱数の範囲、及び特図種別決定乱数の取得契機に関わらず特図種別が無条件に特別図柄X(ハズレ図柄X)に決定される。
[特別遊技について]
図11は、前述の特図当否抽選の結果が「大当り」となり、遊技者にとって有利な特別遊技が実行される場合に参照される特別遊技制御テーブルTBの概要を示す図である。この特別遊技制御テーブルTBには、特別遊技を制御するための各種データが記憶されており、特別遊技中は、当該テーブルを参照して大入賞部品64の開閉体66を開閉動作させるソレノイドSOL2が駆動制御される。また、特別遊技中は、当該テーブルを参照して大入賞部品64の振分機構64Vを開閉動作させるソレノイドSOL3が駆動制御される。
なお、同図に示すように特別遊技制御テーブルTBは、特図種別ごとに各種のデータが規定されており、内部処理においては、特図種別に応じて対応するテーブルが特別遊技の開始時にセットされるが、ここでは1のテーブルに全ての特図種別に対応する制御データを示す。
大当り遊技は、開閉体66が所定回数開放される複数回のラウンド遊技で構成されている。特別遊技制御テーブルTBには、オープニング時間(最初のラウンド遊技が開始されるまでの待機時間)、特別電動役物最大作動回数(1回の特別遊技中に実行されるラウンド遊技の最大回数)、特別電動役物開閉切替回数(1ラウンド(R)中の開閉体66の開放回数)、ソレノイド通電時間(開閉体66の開放回数ごとのソレノイドSOL2の通電時間、すなわち、1回の開閉体66の開放時間)、規定数(1回のラウンド遊技における大入賞口への最大入賞可能数)、振分機構64Vの開放パターン、インターバル時間(ラウンド遊技間の開閉体66)、エンディング時間(最後のラウンド遊技が終了してから、通常の特別遊技(特別図柄の変動表示)が再開されるまでの待機時間)が特図種別ごとに図示のように予め記憶されている。また、上記複数回のラウンド遊技のうち、少なくとも1回のラウンド遊技は、振分機構64Vの開放動作が実行される特定ラウンドとして設定される。詳細については後述するが、当該特定ラウンドでは、ソレノイドSOL3の駆動によって振分機構64Vが開放し、遊技球が特定領域に進入する機会が付与される。
上記特別遊技制御テーブルTBに基づけば、例えば、特図種別が特別図柄Aである場合に特別遊技としての大当り遊技が実行されると、大入賞部品64を制御対象として、ソレノイドSOL2への通電による開閉体66の開放動作によって入球口64aが29秒間開放すること、又は、入球口64a内に遊技球が9個(カウントC=9)入球することのいずれかの条件が成立するまでラウンドが継続し、当該ラウンドが7回繰り返される。また、特定ラウンド(例えば4R目)においては、振分機構64Vが短開放の動作パターンにより開放される。また、特図種別が特別図柄Bである場合に特別遊技としての大当り遊技が実行されると、特別図柄Aと同様のラウンド遊技が7回繰り返される。また、特定ラウンド(例えば4R目)においては、振分機構64Vが長開放の動作パターンにより開放される。また、特図種別が特別図柄Cである場合に大当り遊技が実行されると、ラウンド遊技が2回繰り返される一方で、特定ラウンド(例えば1R目)においては、振分機構64Vが長開放の動作パターンにより開放される。また、特図種別が特別図柄Dである場合に大当り遊技が実行されると、ラウンド遊技が7回繰り返される一方で、特定ラウンド(例えば4R目)においては、振分機構64Vが短開放の動作パターンにより開放される。また、特図種別が特別図柄Eである場合に大当り遊技が実行されると、ラウンド遊技が16回繰り返される一方で、特定ラウンド(例えば4R目)においては、振分機構64Vが長開放の動作パターンにより開放される。
このように、特別遊技において実行されるラウンド遊技の回数(ラウンド数)、特定ラウンドにおける振分機構64Vの動作パターンは、特図種別に応じて異なるように設定されており、ラウンド遊技の回数が増大するほど、遊技者が獲得可能な賞球数が増大する。また、動作パターンが長開放である場合、遊技球が特定領域に進入する可能性が短開放の場合と比べて極めて高く、長開放と対応する特図種別に基づく特別遊技が実行された場合、打ち出しトラブルが生じない限り特別遊技後の遊技状態が特図高確率となることが実質的に確定する構成である。具体的には、特定ラウンドにおける開閉体66の開放から所定時間経過後に振分機構64Vが例えば5秒間継続して開放動作され、開閉体66を通過した遊技球が特定領域側に誘導され、特定領域検出スイッチSW4によって検出される。
一方、短開放と対応する特図種別に基づく特別遊技が実行された場合、特定ラウンドにおいて振分機構64Vが開放動作するものの、遊技球が特定領域に進入する可能性は極めて低く、打ち出しトラブルが生じない限り特別遊技後の遊技状態が特図低確率となることが実質的に確定する構成である。具体的には、特定ラウンドの開始から所定期間に渡って開閉体66の開放,閉鎖動作が例えば0.1秒のサイクルで2回繰り返される。また、当該期間において振分機構64Vが例えば0.1秒間だけ開放動作される。このような短開放の態様によれば、遊技球が開閉体66を通過する可能性も極めて低く、かつ、通過した遊技球が特定領域側に誘導される可能性も極めて低くなり、特定領域検出スイッチSW4によって検出される可能性は極めて低くなる。一方で、上述の打ち出しトラブルが生じた場合にあっては、長開放、短開放いずれの場合にも上記設定(仕様)とは異なる方向に遊技球が誘導される可能性を否定することはできない。
[特図変動パターン決定抽選について]
図12は、上記特図変動パターン決定抽選において参照される変動パターン決定テーブルTBの一部を示す図である。変動パターン決定テーブルTBは、前半変動パターン決定テーブルTBと、後半変動パターン決定テーブルとに区分される。また、各前半変動パターン決定テーブルTB及び後半変動パターン決定テーブルは、現在の遊技状態(普図低確率又は普図高確率)及び特図当否抽選の結果に応じてさらに細分化される。
図12(a),(b)は、遊技状態が「普図低確率」であって、特図当否抽選の結果が「大当り」である場合に参照される前半変動パターン決定テーブルTBと、遊技状態が「普図低確率」であって、特図当否抽選の結果が「ハズレ」である場合に参照される前半変動パターン決定テーブルTBの例をそれぞれ示す。また、図12(c),(d)は、遊技状態が「普図低確率」であって、特図当否抽選の結果が「大当り」である場合に参照される後半変動パターンテーブルTBと、遊技状態が「普図低確率」であって、特図当否抽選の結果が「ハズレ」である場合に参照される後半変動パターン決定テーブルTBの例をそれぞれ示す。
遊技球が第1始動入賞部品60及び第2始動入賞部品62のいずれかに入球すると、例えば0~999の範囲から1つの前半変動パターン決定乱数及び後半変動パターン決定乱数がそれぞれ取得され、前半変動パターン決定テーブルTB、後半変動パターン決定テーブルTBからそれぞれの変動パターン決定乱数に対応する1の変動パターン(前半変動パターン,後半変動パターン)が決定され、当該決定された変動パターンに基づいて上記特図当否抽選の結果が報知される。
各図に示す前半変動パターン決定テーブルTBには、所定範囲の前半変動パターン決定乱数に対応して「疑似0」~「疑似5」なる6種類の前半変動パターンが規定されている。
また、各図に示す後半変動パターン決定テーブルTBには、所定範囲の後半変動パターン決定乱数に対応して、「SP発展大当り1」、「SP発展大当り2」、「通常ハズレ1」、「SP発展ハズレ1」、「特殊ハズレ1」,「特殊当り1」等の後半変動パターンが規定されている。
上記各テーブルから選択,抽出される変動パターンには、それぞれ変動時間が設定されている。例えば、前半変動パターン決定テーブルTBから選択され得る前半変動パターン「疑似1」~「疑似5」は、それぞれ「0秒」,「15秒」,「30秒」,「45秒」,「60秒」,「75秒」の変動時間が対応付けられている。また、後半変動パターン決定テーブルTBから選択され得る後半変動パターンには、例えば「3秒」~「120秒」までの多様な変動時間が対応付けられている。
以上のとおり、特図変動パターン決定抽選では、現在の遊技状態(普図低確率又は普図高確率)及び特図当否抽選の結果に応じた変動パターン決定テーブルを参照すると共に、参照したテーブルの種別によって保留記憶数に依存、又は依存することなく、前半変動パターン及び後半変動パターンを抽出する。各変動パターン決定テーブルTBから、1つの前半変動パターン及び後半変動パターンが決定されると、決定された前半変動パターン及び後半変動パターンに対応する情報を含む前半変動パターンコマンド及び後半変動パターンコマンドが演出制御回路200側に送信され、演出図柄Sの変動表示とともに、各変動パターンに従った種々の演出(変動演出)がメイン表示装置80の表示画面D1上に表示されることとなる。また、上述の通り、各変動パターンには、変動時間(秒)が対応付けられており、前半変動パターンと対応する変動時間と後半変動パターンと対応する変動時間の合算時間が、第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35B上で表示される特別図柄の変動表示時間、及びメイン表示装置80上で特別図柄の変動表示と略同期して変動表示される演出図柄Sの変動表示時間、及び当該演出図柄Sの変動表示に伴って表示される演出(例えば予告演出,リーチ演出)の合計時間となる。
主制御回路100は、上記各変動パターンコマンドの送信と同時に第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35Bを制御し、いずれかの表示装置上において特別図柄の変動表示を開始させる。その後、主制御回路100は、上記変動表示時間が経過したことに基づいて、第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35Bを制御して特別図柄の変動を停止させるとともに、演出制御回路200側に後述する特図停止指定コマンドを送信し、表示画面D1上において変動表示される演出図柄Sの変動を停止させる。なお、これらの変動表示に係る処理の詳細については後述する。
以上説明したとおり、主制御回路100は、特別図柄の変動開始時(始動条件の成立時)に上述の特図当否抽選、特図種別決定抽選、及び特図変動パターン決定抽選を実行し、特別図柄及び演出図柄Sの最終的な停止の態様によって、特別遊技実行の可否と関連する特図当否抽選の結果を報知する。
また、これら特別遊技の実行に関わる各種の抽選処理を総称して特図遊技という場合がある。なお、一般的に遊技者は、特別図柄の変動表示と同期して表示画面D1上で変動表示される演出図柄Sの停止態様によって特図当否抽選の結果を認識することとなる。
以上説明したとおり、パチンコ機1においては、第1始動入賞部品60及び第2始動入賞部品62のいずれかへの入球を契機とする各種の抽選が実行され、上記各種抽選の結果が所定の結果(「大当り」)である場合に、特別図柄が当該所定の結果を示す態様で停止表示される。そして、図柄の停止後には、遊技者にとって有利な特別遊技(「大当り遊技」)が実行され、さらに当該特別遊技後の遊技状態が特図種別や特定ラウンドの状況(特定領域への進入有無)に応じて切り替わる構成である。
また、パチンコ機1においては、上記特別遊技の実行等に関する種々の抽選とは独立して、第2始動入賞部品62に設けられた開閉体62aを開放動作させる普通遊技実行の可否等に関する抽選(普図当否抽選、普図変動時間パターン決定抽選)が実行される。以下、普通遊技実行の可否等に関する種々の抽選処理(普図遊技)の概要について説明する。
遊技球が普図通過ゲート68を通過すると、後述の普図当否抽選において参照される普図当否判定乱数が取得され、当該取得された乱数がRAM100cの保留記憶領域に格納される。ここで、保留記憶領域は、上記普図当否判定乱数を記憶可能な普図記憶領域を有しており、当該普図記憶領域は4つの記憶部(第1~第4記憶部)を有している。そして、普図通過ゲート68を遊技球が通過すると、普図当否判定乱数を第1記憶部から順に記憶する。但し、普図保留記憶領域に記憶可能な普図保留記憶数(X3)は4つに設定されており、当該上限を超えて普図保留記憶数X3が増加することはない。
図13は、普図当否抽選において参照される普図当否判定テーブルTBの概要を示す図である。遊技球が、普図通過ゲート68を通過すると、例えば0~99の範囲から1つの普図当否判定乱数が取得される。同図に示すように普図当否判定テーブルTBには、0~99までの普図当否判定乱数に対応する判定結果(「当り」又は「ハズレ」)が規定されている。当該普図当否判定テーブルTBが参照された場合に判定結果が当りとなる確率は、1.2分の1である。そして、上記取得された普図当否判定乱数が、「当り」と対応する乱数である場合は判定結果が当りとなり、「ハズレ」と対応する乱数である場合は判定結果がハズレとなる。
図14は、普図変動パターン決定抽選において参照される普図変動パターン決定テーブルTBを説明する図である。上述の普図当否抽選が行われると、普図変動パターン決定テーブルTBに基づいて普通図柄の変動時間が決定される。同図に示すように、普図変動パターン決定テーブルTBは、遊技状態が普図低確率である場合に参照される低確率用普図変動パターン決定テーブルTB1と、遊技状態が普図高確率である場合に参照される高確率用普図変動パターン決定テーブルTB2とに細分化されており、それぞれのテーブルに単一の変動時間が規定されている。そして、低確率用普図変動パターン決定テーブルTB1によれば、普通図柄の変動時間が「100秒」に決定され、高確率用普図変動パターン決定テーブルTB2によれば、普通図柄の変動時間が「2.5秒」に決定される。このようにして普通図柄の変動時間が決定されると、当該決定された変動時間に渡って、普通図柄表示装置37上で表示される普通図柄の変動表示が開始され、変動時間経過後に上記普図当否抽選の結果を示す態様で停止表示される。
ここで、普通図柄表示装置37は、例えば複数のLEDランプを配列した形態として構成されており、変動表示中においては複数のランプが点滅し、上記普図当否抽選の結果が当りである場合には、複数のランプのうち、特定のLEDのランプが点灯して停止した状態となり、ハズレである場合には、上記特定のランプ以外が点灯した状態となる。なお、上記説明においては遊技状態に応じて単一の変動時間が規定された例を示したが、各テーブルに複数の変動時間を規定し、所定の乱数による抽選によって遊技状態ごとに異なる普通図柄の変動時間が決定される構成としてもよい。
[普通遊技について]
図15は、前述の普図当否抽選の結果が当りとなり、普通図柄が当りであることを示す態様で停止した場合に実行される普通遊技において参照される開閉体作動テーブルTBの概要を示す図である。同図に示すように、開閉体作動テーブルTBには、開閉体62aの開放回数、1回の開放動作当りの開放時間が規定されており、遊技状態が普図低確率である場合に参照される低確率用開閉体作動テーブルTB1と、遊技状態が普図高確率である場合に参照される高確率用開閉体作動テーブルTB2とに細分化されている。そして、遊技状態が普図低確率である場合において、普通図柄が当りを示す態様で停止した場合、開閉体作動テーブルTB1が参照されることにより、ソレノイドSOL1が通電制御され、第2始動入賞部品62の開閉体62aが0.2秒間1回開放動作される。一方、遊技状態が普図高確率である場合において、普通図柄が当りを示す態様で停止した場合、上記開閉体作動テーブルTB2が参照されることにより、ソレノイドSOL1が通電制御され、第2始動入賞部品62の開閉体62aが1.8秒間1回開放動作される。なお、普通図柄の変動時間は上述のものに限られず、開閉体62aの開放回数を複数回に設定しても良い。
つまり、遊技状態が普図低確率である場合、普図高確率の場合と比較して普通図柄の変動時間が長く、かつ、開閉体62aの開放時間が極めて短時間であることから、遊技球が第2始動入賞部品62に入球する確率は極めて低い。一方、遊技状態が普図高確率である場合、普図低確率の場合と比較して普通図柄の変動時間が大幅に短縮され、かつ開閉体62aの開放時間が大幅に長くなることから、遊技球を右打ち領域ERに継続的に打ち出した場合、遊技球が第2始動入賞部品62に極めて高い確率で入球することとなる。
[遊技状態及び遊技性について]
図16(a)は、本実施形態における遊技状態ごとの遊技性を表わす概要図である。同図に示すように、本例における遊技状態は、大別すると通常状態である普図低確率かつ特図低確率(第1状態)、普図高確率かつ特図低確率(第2状態)、普図高確率かつ特図高確率(第3状態)に区分される。以下、各遊技状態において推奨される遊技方法と遊技状態の遷移について説明する。
[遊技状態1(普図低確率かつ特図低確率)]
同図に示すように、遊技状態が第1の状態である場合、第2始動入賞部品62の開放動作までの間隔が長く、かつ短時間でしか実行されないことから、遊技球を右打ち領域ERに打ち出すことは遊技者にとって極めて不利であり、当該第1の状態においては遊技球を左打ち領域ELに打ち出すことが推奨される。
推奨される左打ち領域ELに打ち出された遊技球が第1始動入賞部品60に入球し、特1保留を対象とする特図遊技が順次実行され、約199分の1に設定された「大当り」を獲得した場合、図10に示す確率でいずれかの特別図柄(A,B,C)が選択され、選択された特図種別に応じた特別遊技中の特定ラウンドにおける遊技球の特定領域への進入有無に応じて特別遊技後の遊技状態が決定される。
[遊技状態2(普図高確率かつ特図低確率)]
図16に示すように、遊技状態が第2の状態においては、第2始動入賞部品62の開放動作までの間隔が短縮化されると共に開放時間が大幅に向上するため、遊技球を右打ち領域ERに打ち出すことが推奨される。当該第2の状態は、特別図柄の変動が50回又は200回実行されるまで継続し、当該期間中は、特2保留に基づく特図抽選が効率的に実行されることとなる。一方、当該特図抽選が50回又は200回に達した場合には、遊技状態が第1状態に移行(転落)することとなる。
[遊技状態3(普図高確率かつ特図高確率)]
図16に示すように、遊技状態が第3の状態においては、第2始動入賞部品62の開放動作までの間隔が短縮化されると共に開放時間が大幅に向上するため、遊技球を右打ち領域ERに打ち出すことが推奨される。また、当該第3の状態では、図9に示す高確率用特図当否判定テーブルTB2が参照されて当否抽選が実行されるため、第1,第2の状態よりも高い確率で「大当り」を獲得することが可能である。当該第3の状態は、特別図柄の変動が50回実行されるまで継続し、当該期間中は、特2保留に基づく特図抽選が効率的に実行されることとなる。一方、当該特図抽選が50回に達した場合には、遊技状態が遊技状態1に移行(転落)することとなる。
図16(b)は、特図種別及び特定領域への進入有無に応じて決定される遊技状態及び当該遊技状態の継続回数を示す図である。同図に示すように、特別図柄Aである場合の特別遊技は、特定ラウンドにおいて短開放を含むため、遊技球が特定領域に到達することは困難である。従って、発射トラブルが生じない限り、遊技球は特定領域に進入することなく(無し)、特別遊技後の遊技状態は遊技状態2となり、当該遊技状態は200回継続する。一方、発射トラブルが生じ、遊技球が設計仕様とは異なる特定領域に進入した場合(有り)、特別遊技後の遊技状態は遊技状態3となり、当該遊技状態が50回継続する。なお、同図における太線で囲んだ部分は、設計仕様とは異なる場合、即ち、特定領域への進入が困難であるにも関わらず遊技球が進入した場合、或いは、特定領域への進入が容易であるにも関わらず遊技球が進入しなかった場合(イレギュラー)を特に示すものである。
例えば、特別図柄Bである場合の特別遊技は、特定ラウンドにおいて長開放を含むため、遊技球を継続的に打ち出す限り、遊技球は容易に特定領域に到達し、特別遊技後の遊技状態が遊技状態3となり、当該遊技状態が50回継続する。一方で発射トラブルが生じた場合には、進入容易な特別遊技であるにも関わらず遊技球が特定領域に進入することなく終了する可能性があり、この場合、特別遊技後の遊技状態は遊技状態2となり、当該遊技状態は200回継続する。
以下、特別図柄C,Eの場合からも明らかなように、本例においては、進入容易な特別遊技であるにも関わらず、遊技球が特定領域に進入することなく終了した場合には、その後の遊技状態2における普図高確率の継続回数(時短継続回数)を当該特別遊技において特定領域へ進入した場合に付与される普図高確率の継続回数(50回)よりも多くなるように設定しており、本来特定領域への進入が容易であるにも関わらず、発射トラブルによって遊技球が特定領域に進入しなかった場合における遊技者が受ける多大な不利益を緩和する構成である。なお、同図における時短継続回数の関係は、特定領域への進入有無によるその後の遊技状態における引き戻し率を同等に設定した場合の例である。
図16(c)は、時短継続回数と引き戻し率との関係を示す図である。ここで、引き戻し率とは、特図低確率及び特図高確率それぞれにおける「当り」の当選確率(本例では199分の1,50分の1)を前提として、特別遊技後に開始される遊技状態が終了するまでの間に特図当否抽選の結果が「当り」となる確率を意味する。同図に示すように、特定領域に進入しなかった場合の時短継続回数(遊技状態2の継続回数)を200回に設定し、特定領域に進入した場合の時短継続回数(遊技状態3の継続回数)を50回に設定した場合、当該各遊技状態における引き戻し率は共に約63%となる。よって、本来特定領域への進入が容易であるにも関わらず、発射トラブルによって遊技球が特定領域に進入しなかった場合であっても、その後の遊技状態において再び「当り」となる可能性は、特定領域に進入した場合と同等であり、遊技者が受ける不利益が緩和される構成である。
また、同図に示すように、継続回数の例は上述に限らず、例えば、特定領域に進入しなかった場合の時短継続回数(遊技状態2の継続回数)を500回に設定し、特定領域に進入した場合の時短継続回数(遊技状態3の継続回数)を50回に設定した場合の引き戻し率は、それぞれ約91%,63%となり、特定領域に進入しなかった場合の方が有利な遊技状態と言える。また、例えば、特定領域に進入しなかった場合の時短継続回数(遊技状態2の継続回数)を100回に設定し、特定領域に進入した場合の時短継続回数(遊技状態3の継続回数)を50回に設定した場合、当該各遊技状態における引き戻し率は、39%と63%となり、特定領域に進入しなかった場合の方が引き戻し率において不利な遊技状態となるが、遊技状態3の継続回数よりもその継続回数が多く設定されているため、遊技者が受ける不利益緩和の点から有用である。なお、特定領域に進入しなかった場合の時短継続回数を実質的に次回の特別遊技を獲得するまでとしても良い(例えば、10000回)。
このように、本例における遊技機にあっては、特定領域に進入しなかった場合において特別遊技後に付与される時短継続回数の方が、特定領域に進入した場合において特別遊技後に付与される時短継続回数よりも多い構成であって、このような設定とすることにより、発射トラブルによって遊技者が受ける不利益を緩和することができる。
[主制御回路100のCPU初期化処理]
図17は、主制御回路100のCPU100aによって実行されるCPU初期化処理の概要を示す図である。電源供給回路に外部電源が供給されると、CPU100aに電源が供給されるとともにシステムリセットが入力され、CPU100aは、以下のCPU初期化処理(ステップS100)を行う。
(ステップS110)
CPU100aは、電源投入に応じて、初期設定処理として、ROM100bから起動プログラムを読み込むとともに、各種処理を実行するために必要な設定処理を行う。当該初期設定処理については後述する。
(ステップS120)
CPU100aは、設定値を変更(設定)または参照するための設定値変更参照処理を行う。なお、この設定値変更参照処理の詳細については後述する。
(ステップS100-1)
CPU100aは、タイマカウンタにウェイト処理時間を設定する。当該ウェイト処理時間は、払出制御回路150及び演出制御回路200の起動待ち時間であり、ウェイト処理時間の経過により、払出制御回路150、演出制御回路200は、主制御回路100より送信される各種のコマンドを受信可能となる。
(ステップS100-3)
CPU100aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。なお、主制御回路100には、電源断検知回路が接続されており、電源電圧が所定値以下になると、電源検知回路から電源断予告信号が出力される。電源断予告信号を検出している場合には、上記ステップS100-1に処理を移し、電源断予告信号を検出していない場合には、ステップS100-5に処理を移す。
(ステップS100-5)
CPU100aは、上記ステップS100-3で設定したウェイト時間が経過したか否かを判定する。その結果、ウェイト時間が経過したと判定した場合にはステップS100-7に処理を移し、ウェイト時間は経過していないと判定した場合には上記ステップS100-3に処理を移す。
(ステップS100-7)
CPU100aは、メインRAM100cへのアクセスを許可するために必要な処理を実行する。
(ステップS100-9)
CPU100aは、バックアップが有効であることを示すバックアップ有効フラグがオンであるか否かを判定する。その結果、バックアップ有効フラグがオンであると判定した場合にはステップS100-11に処理を移し、バックアップ有効フラグがオンでないと判定した場合にはステップS100-17に処理を移す。なお、バックアップ有効フラグがオンでない場合には、バックアップ異常が発生したことを演出制御回路200側に伝達するためのサブコマンド(バックアップ異常指定コマンド)の送信処理(送信バッファに格納する処理)を行う。当該バックアップ異常指定コマンドが演出制御回路200側に送信されることにより、演出制御回路200側では、後述の報知態様によりバックアップ異常が生じたことを報知する。
(ステップS100-11)
CPU100aは、RAM100cのうち、所定の使用領域のチェックサムを算出するために必要な処理を実行する。
(ステップS100-13)
CPU100aは、RAM100c のうち、所定の使用外領域のチェックサムを算出するために必要な処理を実行する。
(ステップS100-15)
CPU100aは、上記ステップS100-11,S100-13で算出したチェックサムが、電源断時に保存されたチェックサムと不一致であるかを判定する。その結果、両者が不一致であると判定した場合にはステップS100-17に処理を移し、両者が不一致ではないと判定した場合にはステップS100-19に処理を移す。なお、不一致である場合、バックアップ異常が発生したことを演出制御回路200側に伝達するためのサブコマンド(バックアップ異常指定コマンド)の送信処理(送信バッファに格納する処理)を行う。なお、バックアップ異常が発生した場合、遊技の進行(特別図柄の変動,特別遊技等)が停止されることになる。
(ステップS100-17)
CPU300aは、RAM100cのうち、使用外領域をクリアする初期化処理を行う。
(ステップS100-19)
CPU100aは、RAMクリア信号がオンしているか否かを判定する。なお、パチンコ機1の背面には不図示のRAMクリアボタンが設けられており、このRAMクリアボタンが押下操作されると、RAMクリア検出スイッチがRAMクリアボタンの押下操作を検出して、主制御回路100にRAMクリア信号が出力される。ここでは、RAMクリアボタンが押下操作された状態で電源が投入された場合に、RAMクリア信号がオンしていると判定される。そして、RAMクリア信号がオンしていると判定した場合にはステップS100-21に処理を移し、RAMクリア信号はオンしていないと判定した場合にはステップS100-27に処理を移す。なお、RAMクリア中は遊技の進行(特別図柄の変動,特別遊技等)が停止される。
(ステップS100-21)
CPU100aはRAM100cのうち、使用領域をクリアする初期化処理を行う。
(ステップS100-23)
CPU100aは、RAM100cの使用領域がクリアされたことを演出制御回路200側に伝達するためのサブコマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理(送信バッファに格納する処理)を行う。当該RAMクリア指定コマンドが演出制御回路200側に送信されることにより、演出制御回路200側では、後述の報知態様によりRAMクリアがなされたことを報知する。
(ステップS100-25)
CPU100aは、RAM100cがクリアされたことを払出制御回路150に伝達するための払出コマンド(RAMクリア指定コマンド)の送信処理(送信バッファに格納する処理)を行う。
(ステップS100-27)
CPU100aは、RAM100cのうち、電源復帰に関する電源復帰処理を行う。
(ステップS100-29)
CPU100aは、電源断から復帰したことを演出制御回路200側に伝達するためのサブコマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理(送信バッファに格納する処理)を行う。
(ステップS100-31)
CPU100aは、電源断から復帰したことを払出制御回路150側に伝達するサブコマンド(電源復帰指定コマンド)の送信処理(送信バッファに格納)を行う。
(ステップS100-33)
CPU100aは、特図種別を示す電源投入時特図種別指定コマンド、特1保留記憶数を示す特1保留指定コマンド、特2保留記憶数を示す特2保留指定コマンドを送信するための電源投入時サブコマンドセット処理(送信バッファに格納する処理)を実行する。
(ステップS100-35)
CPU100aは、タイマ割込みの周期を設定する。
(ステップS100-37)
CPU100aは、割込みを禁止するための処理を行う。当該処理により、タイマ割込み中に図示しない払出制御回路150から受信データ(主コマンド)を受信する割込み処理と、タイマ割込み処理の実行が禁止される。
(ステップS100-39)
CPU100aは、特図種別決定乱数用初期値更新乱数を更新する。なお、特図種別決定乱数用初期値更新乱数は、特図種別決定乱数の初期値および終了値を決定するためのものである。つまり、後述する特図種別決定乱数の更新処理によって特図種別決定乱数が、特図種別決定乱数用初期値更新乱数から、当該特図種別決定乱数用初期値更新乱数-1まで1周すると、特図種別決定乱数は、そのときの特図種別決定乱数用初期値更新乱数に更新されることとなる。
(ステップS100-41)
CPU100aは、払出制御回路150から受信した受信データ(主コマンド)を解析し、受信データに応じた種々の処理を実行する。
(ステップS100-43)
CPU100aは、送信バッファに格納されているサブコマンドを演出制御回路200に送信するための処理を行う。
(ステップS100-41)
CPU100aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS100-43)
CPU100aは、変動パターン決定乱数を更新し、以後、上記ステップS100-37から処理を繰り返す。
図18は、主制御回路100における初期設定処理(ステップS110)を説明するフローチャートである。なお、ここでは、遊技状態停止フラグがオンしている場合の処理について説明する。
(ステップS110-1)
CPU100aは、遊技停止フラグがオンしているかを判定する。ここで、電源投入時に遊技停止フラグがオンしているのは、警戒レベルの高いエラーにより遊技停止フラグがオンした場合である。警戒レベルの高いエラーとは、例えばRAM100cへのアクセス不能や設定された値が異常値(メイン基板異常エラー)である場合が挙げられる。その結果、遊技停止フラグがオンしていると判定した場合にはステップS110-3に処理を移し、遊技停止フラグがオンしていないと判定した場合には当該初期設定処理を終了する。
(ステップS110-3)
CPU100aは、遊技停止フラグをオフにする。
(ステップS110-5)
CPU100aは、RAMクリアフラグをオンにして、当該初期設定処理を終了する。なお、RAMクリアフラグがオンにされた場合、上記の使用領域の初期化処理ステップS100-21においてRAM100cのうち使用領域がクリアされ、電源投入前、つまり、警戒レベルの高いエラーが発生する前に行われていた遊技の進行に関する情報が削除される。
図19は、主制御回路100における設定変更参照処理(ステップS120)を説明するフローチャートである。
(ステップS120-1)
CPU100aは、設定キースイッチSSWがオンされ、RAMクリアボタンが押下操作されたかを判定する。その結果、設定キースイッチSSWがオンされていると判定した場合にステップS120-3に処理を移し、設定キースイッチSSWがオンにされていないと判定した場合に当該設定値変更参照処理を終了する。
(ステップS120-3)
CPU100aは、遊技停止フラグをオンにする。また、CPU100aは、設定値の参照中であることを示す設定値確認指定コマンドの送信処理(送信バッファに格納する処理)を行う。当該設定値確認指定コマンドが演出制御回路200側に送信されることにより、演出制御回路200側では、後述の報知態様により設定値の確認中であることを報知する。
(ステップS120-5)
CPU100aは、RAMクリアボタンが押圧操作されていれば、設定値の変更中であることを示す識別子及び設定中の設定値を図外の設定表示器に表示する。また、CPU100aは、RAMクリアボタンが押圧操作されていなければ、設定値の参照中であることを示す識別子及び設定中の設定値を設定表示器に表示する。
(ステップS120-7)
CPU100aは、設定キースイッチSSWがオフされたかを判定する。その結果、設定キースイッチSSWがオフされたと判定した場合にはステップS120-15に処理を移し、設定キースイッチSSWがオフされていないと判定した場合にはステップS120
-9 に処理を移す。
(ステップS120-9)
CPU100aは、設定変更スイッチHSWから操作されたかを判定する。その結果、設定変更スイッチHSWが操作されたと判定した場合にはステップS120-11に処理を移し、設定変更スイッチHSWが操作されていないと判定した場合にはステップS12
0-7に処理を戻す。なお、RAMクリアボタンが押圧操作されていなかった場合にもステップS120-7に処理を戻す。
(ステップS120-11)
CPU100aは、設定中の設定値を「1」加算して更新する。なお、CPU100aは、設定中の設定値が「6」である場合には設定値を「1」に変更して更新する。つまり、本願における設定値は、「1」から「6」までの6段階である。また、CPU100aは、設定値の変更中であることを示す設定値変更指定コマンドの送信処理(送信バッファに格納する処理)を行う。当該設定値変更指定コマンドが演出制御回路200側に送信されることにより、演出制御回路200側では、後述の報知態様により設定値の変更中であることを報知する。
(ステップS120-13)
CPU100aは、上記ステップS120-11において更新された設定値を、設定表示器に表示し、ステップS120-7に処理を戻す。
(ステップS120-15)
CPU100aは、遊技停止フラグをオフにし、当該設定値変更参照処理を終了する。
以上の通り、設定値変更参照処理(設定値変更処理、設定値参照処理)の実行中には遊技停止フラグがオンされ、設定値変更参照処理が終了するまで(遊技停止フラグがオフされるまで)CPU初期化処理が停止される。また、CPU初期化処理が停止されると、後述するタイマ割込み処理も実行されなくなるため、遊技の進行(特別図柄の変動,特別遊技等)が停止されることになる。
以上の通り、主制御回路100の電源投入時には、遊技の開始に必要な種々のエラー判定や設定値の参照や変更に関するエラー判定が実行され、エラーの発生によりエラーの種類ごとに対応付けられたコマンドを演出制御回路200側に送信する構成である。なお、本明細書におけるエラーの中には、所謂不正行為によって生じ得る問題のみならず、遊技機設置店(以下、設置者と言う)側に報知すべき遊技機の状況をも含むものとする。例えば、設定値の参照や変更は、設置者において日常的に行われる行為であって、遊技の進行に直接的な影響を及ぼすものではないが、遊技の仕様(利益率)に影響を及ぼすものであるため、これを一種のエラーとして報知する構成としている。
次に、主制御回路100における割込み処理について説明する。ここでは、電源断時退避処理(XINT割込み処理)およびタイマ割込み処理について説明する。
[主制御回路100の電源断時退避処理(XINT割込み処理)]
図20は、主制御回路100における電源断時退避処理(XINT割込み処理)を説明するフローチャートである。CPU100aは、電源断検知回路を監視しており、電源電圧が所定値以下になる(電源断予告信号が入力される)と、前述の処理(ステップS100-45とステップS100-37の処理の間)に割り込んで電源断時退避処理を実行する。
(ステップS300-1)
電源断予告信号が入力されると、CPU100aは、レジスタを退避する。
(ステップS300-3)
CPU300aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300-5)
CPU100aは、ステップS300-3の結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300-11に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300-7に処理を移す。
(ステップS300-7)
CPU100aは、レジスタを復帰させる。
(ステップS300-9)
CPU100aは、割込みを許可するための処理を行い、当該電源断時退避処理を終了する。
(ステップS300-11)
CPU100aは、出力ポートの出力を停止する出力ポートクリア処理を実行する。
(ステップS300-13)
CPU100aは、RAM100cの使用領域のチェックサムを算出して保存するチェックサム設定処理を実行する。
(ステップS300-15)
CPU100aは、RAM100cへのアクセスを禁止するために必要なRAMプロテクト設定処理を実行する。
(ステップS300-17)
CPU100aは、電源断発生監視時間を設定すべく、ループカウンタのカウンタ値に所定の電源断検出信号検出回数をセットする。
(ステップS300-19)
CPU100aは、電源断予告信号をチェックする。
(ステップS300-21)
CPU100aは、電源断予告信号を検出しているかを判定する。その結果、電源断予告信号を検出していると判定した場合にはステップS300-17に処理を移し、電源断予告信号を検出していないと判定した場合にはステップS300-23に処理を移す。
(ステップS300-23)
CPU100aは、上記ステップS300-17でセットしたループカウンタの値を1減算する。
(ステップS300-25)
CPU100aは、ループカウンタのカウンタ値が0でないかを判定する。その結果、カウンタ値が0ではないと判定した場合にはステップS300-19に処理を移し、カウンタ値が0であると判定した場合には上記したCPU初期化処理(ステップS100)に移行する。なお、実際に電源断が生じた場合には、ステップS300-19~ステップS300-25をループしている間にパチンコ機1の稼働が停止することとなる。
[主制御回路100のタイマ割込み処理]
図21は、主制御回路100におけるタイマ割込み処理を説明するフローチャートである。主制御回路100には、所定の周期(本実施形態では4msとする。2msでも良い。)毎にクロックパルスを発生させるリセット用クロックパルス発生回路が設けられている。そして、リセット用クロックパルス発生回路によって、クロックパルスが発生すると、CPU初期化処理(ステップS100)のメインループ処理実行中に割り込んで、以下のタイマ割込み処理が実行される。
(ステップS400-1)
CPU100aは、レジスタを退避する。
(ステップS400-3)
CPU100aは、割込みを許可するための処理を行う。当該処理によりタイマ割込み中に詳述(図示)しない払出制御回路150から受信データ(主コマンド)を受信する割込み処理が許可される。
(ステップS400-5)
CPU100aは、コモン出力バッファにセットされたコモンデータを出力ポートに出力し、第1特別図柄表示装置35A、第2特別図柄表示装置35B、第1特別図柄保留表示装置36A、第2特別図柄保留表示装置36B、普通図柄表示装置37、及び普通図柄保留表示装置38を点灯制御するダイナミックポート出力処理を実行する。
(ステップS400-7)
CPU100aは、各種の入力ポート情報を読み込み、主制御回路100に接続された各種の機器における最新のスイッチ状態を正確に取得するためのポート入力処理を実行する。
(ステップS400-9)
CPU100aは、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該主制御回路100のタイマ割込み処理の度に減算され、0になると減算を停止する。
(ステップS400-11)
CPU100aは、上記ステップS100-39と同様、特図種別決定乱数用初期値更新乱数の更新処理を実行する。
(ステップS400-13)
CPU100aは、特図種別決定乱数を更新する処理を行う。具体的には、乱数カウンタを1加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを0に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時の特図種別図柄乱数用初期値更新乱数の値に基づいて乱数を更新する。
なお、本実施形態では、特図当否判定乱数、及び普図当否判定乱数は、主制御回路100に内蔵されたハードウェア乱数生成部によって更新されるハードウェア乱数を用いている。ハードウェア乱数生成部は、上記各乱数を、いずれも一定の規則にしたがって更新し、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列を変更するとともに、システムリセット毎にスタート値を変更している。また、本実施形態では、特図当否判定乱数、及び普図当否判定乱数は、ハードウェア乱数生成部によって更新されるハードウェア乱数を判定用の乱数として用いているが、ソフトウェア乱数を判定用の乱数として用いる場合は、特図種別決定乱数と同様に初期値更新乱数を設けることにより、その初期値を変更することができる。
(ステップS500)
CPU100aは、ステップS400-7の処理に基づき第1始動口検出スイッチSW1、第2始動口検出スイッチSW2、大入賞口検出スイッチSW3、特定領域検出スイッチSW4、普図ゲート検出スイッチSW5、一般入賞口検出スイッチSW6、アウト球検出スイッチSW7、大入賞部品排出検出スイッチSW8から信号の入力があったか否か判定するスイッチ管理処理を実行する。なお、当該処理の詳細については、図22を参照して後述する。
(ステップS600)
CPU100aは、特図遊技管理処理を実行する。なお、この当該処理の詳細については、後述する。
(ステップS700)
CPU100aは、上記の普図遊技を進行制御するための普図遊技管理処理を実行する。なお、詳細な説明については省略するが、普図遊技管理処理とは、後述の普図遊技管理フェーズ(図示せず)をロードし、当該ロードした普図遊技管理フェーズに対応する普図遊技制御モジュールを選択する処理であり、後述する複数の普図遊技管理フェーズに対応する普図遊技制御モジュールがコールされることにより、普図遊技に係る各種の処理が実行される。
(ステップS400-15)
CPU100aは、遊技進行中における各種エラーの判定およびエラー判定結果に応じた設定を行うためのエラー管理処理を実行する。ここで、当該処理において判定されるエラーとしては、大入賞部品64の開放動作中以外の時期に大入賞口検出スイッチSW3からの入力があったことに基づいて判定される不正入賞エラー1、第2始動入賞部品62の開放動作中以外の時期に第2始動口検出スイッチSW2からの入力があったことに基づいて判定される不正入賞エラー2等、各スイッチからの入力に基づいて実行される判定処理が挙げられる。また、これらのエラー判定がなされた場合、それぞれ対応する不正入賞エラー1指定コマンド、及び不正入賞エラー2指定コマンドの送信処理(送信バッファに格納する処理)が実行される。これらの不正入賞エラー指定コマンドが演出制御回路200側に送信されることにより、演出制御回路200側では、後述の報知態様により不正入賞が検出されたことを報知する。
(ステップS400-17)
CPU100aは、第1始動口検出スイッチSW1、第2始動口検出スイッチSW2、大入賞口検出スイッチSW3、一般入賞口検出スイッチSW6の入力チェックを行い、該当する賞球制御用のカウンタ等を加算するための入賞口スイッチ処理を実行する。
(ステップS400-19)
CPU100aは、上記ステップS400-17でセットされた賞球制御用のカウンタのカウンタ値等に基づいて払出コマンドを作成すると共に、該コマンドを払出制御回路150に対して送信を行うための払出制御管理処理を実行する。
(ステップS400-21)
CPU100aは、外部情報出力端子板151から外部へ出力する外部情報用の出力データをセット(出力ポートバッファに格納)するための外部情報管理処理を実行する。
(ステップS400-23)
CPU100aは、第1特別図柄表示装置35A、第2特別図柄表示装置35B、第1特別図柄保留表示装置36A、第2特別図柄保留表示装置36B、普通図柄表示装置37、及び普通図柄保留表示装置38等の各種表示器(LED)を点灯制御するためのコモンデータをコモン出力バッファにセット(出力ポートバッファに格納)するLED表示設定処理を実行する。
(ステップS400-25)
CPU100aは、開閉体62aを開閉動作させるためのソレノイドSOL1、開閉体66を開閉動作させるためのソレノイドSOL2、振分機構64Vを開閉動作させるためのソレノイドSOL3のソレノイド出力イメージを合成し、出力ポートバッファにセット(出力ポートバッファに格納)するためのソレノイド出力イメージ合成処理を実行する。
(ステップS400-27)
CPU100aは、各出力ポートバッファに格納されたコモン出力バッファの値を出力ポートに出力するためのポート出力処理を実行する(ステップS400-5のダイナミックポート出力処理で出力されるものを除く)。
(ステップS400-29)
CPU100aは、レジスタを復帰してタイマ割込み処理を終了する。以下、上記したタイマ割込み処理のうち、ステップS500のスイッチ管理処理、ステップS600の特図遊技管理処理について詳細に説明する。
[スイッチ管理処理]
図22は、主制御回路100におけるスイッチ管理処理(ステップS500)を説明するフローチャートである。
(ステップS500-1)
CPU100aは、普図ゲート検出スイッチSW5がオンしたか、即ち、普図通過ゲート68への遊技球の通過に基づいて普図ゲート検出スイッチSW5からの検出信号が入力したかを判定する。判定の結果、検出信号の入力があった場合にはステップS510に処理を移し、入力が無い場合にはステップS500-3に処理を移す。
(ステップS510)
CPU100aは、普図通過ゲート68への遊技球の通過に基づいてゲート通過処理を実行する。ここで、ゲート通過処理とは、前述の普図当否判定乱数を取得するとともに、現在の普図保留記憶数が普図保留記憶領域に記憶可能な上限未満であることを条件として、取得した普図当否判定乱数を第1記憶部~第4記憶部のいずれかに記憶する処理である。なお、該記憶した旨を表示画面D1により表示する等、演出制御回路により制御する場合は、普図保留記憶領域に記憶されている普図保留記憶数X3を示す普図保留指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。また、当該処理の実行によりステップS400-5の処理によって普図保留記憶数X3の上限数と対応して複数設けられた普通図柄保留表示装置38の保留表示部の対応箇所が点灯する。また、当該ゲート通過処理においては、遊技球が普図通過ゲート68を通過したことを示すゲートスイッチ通過指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。
(ステップS500-3)
CPU100aは、第1始動口検出スイッチSW1がオンしたか、即ち、第1始動入賞部品60への遊技球の入球に基づいて第1始動口検出スイッチSW1からの検出信号が入力したかを判定する。判定の結果、検出信号の入力があった場合にはステップS520に処理を移し、入力が無い場合にはステップS500-5に処理を移す。
(ステップS520)
CPU100aは、第1始動入賞部品60への遊技球の入球に基づいて第1始動口通過処理を実行する。なお、この第1始動口通過処理の詳細については、図23を参照して後述する。また、当該第1始動口通過処理においては遊技球が第1始動入賞部品60に入球したことを示す第1始動口スイッチ通過指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。当該第1始動口スイッチ通過コマンドには、対象の入賞部品の識別情報(第1始動入賞部品60)及びこれに対応する賞球数に係る情報(例えば3個)が含まれており、当該コマンドが演出制御回路200に送信されることにより、演出制御回路200側では、第1始動入賞部品60に遊技球が入球したこと、及びその賞球数を把握可能となる。
(ステップS500-5)
CPU100aは、第2始動口検出スイッチSW2がオンしたか、即ち、第2始動入賞部品62への遊技球の入球に基づいて第2始動口検出スイッチSW2からの検出信号が入力したかを判定する。判定の結果、検出信号の入力があった場合にはステップS530に処理を移し、入力が無い場合にはステップS500-7に処理を移す。
(ステップS530)
CPU100aは、第2始動入賞部品62への遊技球の入球に基づいて第2始動口通過処理を実行する。なお、この第2始動口通過処理の詳細については、図24を参照して後述する。また、当該第2始動口通過処理においては遊技球が第2始動入賞部品62に入球したことを示す第2始動口スイッチ通過指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。当該第2始動口スイッチ通過コマンドには、対象の入賞部品の識別情報(第2始動入賞部品62)及びこれに対応する賞球数(例えば3個)に係る情報が含まれており、当該コマンドが演出制御回路200に送信されることにより、演出制御回路200側では、第2始動入賞部品62に遊技球が入球したこと、及びその賞球数を把握可能となる。
(ステップS500-7)
CPU100aは、大入賞口検出スイッチSW3がオンしたか、即ち、大入賞部品64への遊技球の入球に基づいて大入賞口検出スイッチSW3からの検出信号が入力したかを判定する。判定の結果、大入賞口検出スイッチSW3からの検出信号が入力した場合にはステップS500-9に処理を移し、入力が無い場合にはステップS500-11に処理を移す。
(ステップS500-9)
CPU100aは、大入賞口入賞球数カウンタを1加算して、ステップS500-11に処理を移す。また、CPU100aは、遊技球が大入賞部品64に入球したことを示す大入賞口スイッチ通過指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。当該大入賞口スイッチ通過指定コマンドには、対象の入賞部品の識別情報(大入賞部品64)及びこれに対応する賞球数(例えば15個)に係る情報が含まれており、当該コマンドが演出制御回路200に送信されることにより、演出制御回路200側では、大入賞部品64に遊技球が入球したこと、及びその賞球数を把握可能となる。
(ステップS500-11)
CPU100aは、大入賞部品64内に配設された特定領域検出スイッチSW4がオンしたか、即ち、大入賞部品64へ入球した遊技球が特定領域に到達し、特定領域検出スイッチSW4からの検出信号が入力したかを判定する。判定の結果、特定領域検出スイッチSW4からの検出信号が入力した場合にはステップS500-13に処理を移し、入力が無い場合にはステップS500-15に処理を移す。
(ステップS500-13)
CPU100aは、特定領域フラグをオンにして処理を移す。また、当該処理においては、遊技球が特定領域を通過したことを示す特定領域スイッチ通過指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。当該コマンドが演出制御回路200側に送信されることにより、演出制御回路200側では、遊技球が特定領域を通過したことを把握可能となる。
(ステップS500-15)
CPU100aは、一般入賞部品内に配設された一般入賞検出スイッチSW6がオンしたか、即ち、一般入賞部品への遊技球の入球に基づいて一般入賞口検出スイッチSW6からの検出信号が入力したかを判定する。判定の結果、一般入賞口検出スイッチSW6からの検出信号が入力した場合にはステップS500-17に処理を移し、入力が無い場合にはステップS500-19に処理を移す。
(ステップS500-17)
CPU100aは、遊技球が一般入賞部品に入球したことを示す一般入賞口スイッチ通過指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。当該コマンドが演出制御回路200側に送信されることにより、演出制御回路200側では、対象となる一般入賞部品及びその賞球数(例えば1個又は3個)を把握可能となる。なお、一般入賞部品は複数配設されており、各一般入賞部品に対応して個別に一般入賞口検出スイッチSW6が設けられているため、入球の対象となった一般入賞部品及びその賞球数を判別可能である。また、複数の一般に入賞部品間の賞球数は同一でなくても良い。
(ステップS500-19)
CPU100aは、遊技盤30の背面に配設されたアウト球検出スイッチSW7がオンしたかを判定する。判定の結果、アウト球検出スイッチSW7が入力した場合にはステップS500-21に処理を移し、入力が無い場合には当該スイッチ管理処理を終了する。
(ステップS500-21)
CPU100aは、遊技球が機外に排出されたことを示すアウト球スイッチ通過指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。当該コマンドが演出制御回路200側に送信されることにより、演出制御回路200側では、遊技球の排出数を把握可能となる。
以上の通り、遊技球がいずれかのスイッチにより検出された場合、検出された旨、及び賞球がある場合にはその賞球数に関する情報がコマンドとして演出制御回路200側に送信される。
[第1始動口通過処理]
図23は、主制御回路100における第1始動口通過処理(ステップS520)を説明するフローチャートである。
(ステップS520-1)
CPU100aは、特別図柄識別値として「00H」をセットする。ここで、特別図柄識別値とは、保留種別が特1保留および特2保留のいずれであるかを識別するためのもので、特別図柄識別値(00H)は特1保留を示し、特別図柄識別値(01H)は特2保留を示す。
(ステップS520-3)
CPU100aは、特別図柄1保留球数カウンタのアドレスをセットする。
(ステップS535)
CPU100aは、特別図柄乱数取得処理を実行して、当該第1始動口通過処理を終了する。なお、この特別図柄乱数取得処理は、第2始動口通過処理(ステップS530)と共通のモジュールを利用して実行される。したがって、特別図柄乱数取得処理の詳細は、第2始動口通過処理の説明後に説明する。
[第2始動口通過処理]
図24は、主制御回路100における第2始動口通過処理(ステップS530)を説明するフローチャートである。
(ステップS530-1)
CPU100aは、特別図柄識別値として「01H」をセットする。
(ステップS530-3)
CPU100aは、特別図柄2保留球数カウンタのアドレスをセットする。
(ステップS535)
CPU300aは、後述する特別図柄乱数取得処理を実行して処理を終了する。
[特別図柄乱数取得処理]
図25は、主制御回路100における特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を説明するフローチャートである。この特別図柄乱数取得処理は、上記した第1始動口通過処理(ステップS520)および第2始動口通過処理(ステップS530)において、共通のモジュールを用いて実行される。
(ステップS535-1)
CPU100aは、上記ステップS520-1またはステップS530-1でセットした特別図柄識別値をロードする。
(ステップS535-3)
CPU100aは、対象特別図柄保留球数をロードする。ここでは、上記ステップS535-1でロードした特別図柄識別値が「00H」であれば、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留記憶数をロードする。また、上記ステップS535-1でロードした特別図柄識別値が「01H」であれば、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留記憶数をロードする。
(ステップS535-5)
CPU100aは、ハードウェア乱数生成部によって更新された特図当否判定乱数をロードする。
(ステップS535-7)
CPU100aは、上記ステップS535-3でロードした対象特別図柄保留球数が上限値以上(特1保留は4以上、特2保留は2以上)であるかを判定する。その結果、上限値以上であると判定した場合には、特別図柄乱数取得処理を終了し、上限値以上ではないと判定した場合には、ステップS535-9に処理を移す。
(ステップS535-9)
CPU100aは、対象となる特別図柄保留球数カウンタ(特別図柄1保留球数カウンタ又は特別図柄2保留球数カウンタ)のカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS535-11)
CPU100aは、特図保留記憶領域の記憶部のうち、取得した特図当否判定乱数をセーブする対象となる対象記憶部(第1記憶部~第4記憶部)を算定する。
(ステップS535-13)
CPU100aは、上記ステップS535-5でロードした特図当否判定乱数、上記ステップS400-13で更新された特図種別決定乱数、上記ステップS100-47で更新された変動パターン決定乱数を取得し、上記ステップS535-11で算定した対象記憶部に格納する。
(ステップS540)
CPU100aは、上記ステップS535-13で対象記憶部に格納した各種の乱数に基づいて、取得時事前判定処理を実行する。当該取得時事前判定処理については省略する。
(ステップS535-15)
CPU100aは、特別図柄1保留球数カウンタおよび特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値をロードする。
(ステップS535-17)
CPU100aは、上記ステップS535-15でロードしたカウンタ値に基づいて、特図保留指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)し、当該特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を終了する。ここでは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値(特1保留記憶数)に基づいて特図1保留指定コマンドをセットし、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値(特2保留記憶数)に基づいて特図2保留指定コマンドをセットする。
特図1保留指定コマンド又は特図2保留指定コマンドが演出制御回路200側に送信されると、演出制御回路200は、演出モードに応じて例えば後述する表示画面D1の一部に表示される特1保留記憶数、及び特2保留記憶数を示す所定の保留表示アイコンの数を増大させる制御を行い、現在の特1保留及び特2保留の数を遊技者に視覚的に認識可能とする。また、当該処理の実行によりステップS400-5の処理によって特1保留記憶数、及び特2保留記憶数の上限数と対応して複数設けられた第1特別図柄保留表示装置36A、第2特別図柄保留表示装置36Bの保留表示部の対応箇所が点灯する。
図26は、特図遊技管理フェーズを説明する図である。上述のとおり、本実施形態では、第1始動入賞部品60及び第2始動入賞部品62への遊技球の入球を契機とする特別遊技の可否に関する種々の抽選処理(特図遊技)と、普図通過ゲート68への遊技球の通過を契機とする普通遊技の可否に関する種々の抽選処理(普図遊技)とが、同時並行して進行する。そして、特図遊技は、上記いずれかの始動入賞部品へ入球する度に段階的に、かつ、繰り返し実行されるが、主制御回路100では、特図遊技に係る各処理を特図遊技管理フェーズによって管理している。
図26に示すように、ROM100bには、特図遊技を実行制御するための複数の特図遊技制御モジュールが格納されており、これら特図遊技制御モジュールごとに、特図遊技管理フェーズが対応付けられている。具体的には、特図遊技管理フェーズが「00H」である場合には、「特別図柄変動待ち処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特図遊技管理フェーズが「01H」である場合には、「特別図柄変動中処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特図遊技管理フェーズが「02H」である場合には、「特別図柄停止後処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特図遊技管理フェーズが「03H」である場合には、「大入賞口開放前処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特図遊技管理フェーズが「04H」である場合には、「大入賞口開放制御処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特図遊技管理フェーズが「05H」である場合には、「大入賞口閉鎖有効処理」を実行するためのモジュールがコールされ、特図遊技管理フェーズが「06H」である場合には、「大当り遊技終了ウェイト処理」を実行するためのモジュールがコールされる。
[特図遊技管理処理]
図27は、主制御回路100における特図遊技管理処理(ステップS600)を説明するフローチャートである。
(ステップS600-1)
CPU100aは、特図遊技管理フェーズをロードする。
(ステップS600-3)
CPU100aは、上記ステップS600-1でロードした特図遊技管理フェーズに対応する特図遊技制御モジュールを選択する。
(ステップS600-5)
CPU100aは、特図遊技に係る制御時間を管理する特図遊技タイマをロードして処理を移す。
(ステップS600-7)
CPU100aは、上記ステップS600-3で選択した特図遊技制御モジュールをコールして処理を開始し、当該特図遊技管理処理を終了する。
[特別図柄変動待ち処理]
図28は、主制御回路100における特別図柄変動待ち処理を説明するフローチャートである。この特別図柄変動待ち処理は、特図遊技管理フェーズが「00H」であった場合に実行される。
(ステップS610-1)
CPU100aは、特別図柄2保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特2保留記憶数が「1」以上であるかを判定する。判定の結果、特2保留記憶数が「1」以上であると判定した場合にはステップS610-7に処理を移し、特2保留記憶数が「1」以上ではないと判定した場合にはステップS610-3に処理を移す。
(ステップS610-3)
CPU100aは、特別図柄1保留球数カウンタのカウンタ値、すなわち、特1保留記憶数が「1」以上であるかを判定する。その結果、特1保留記憶数が「1」以上であると判定した場合にはステップS610-7に処理を移し、特1保留記憶数が「1」以上ではないと判定した場合にはステップS610-5に処理を移す。
上記ステップS610-1及びS610-3の処理からも明らかな通り、本例において特1保留及び特2保留が同時に記憶されている場合には、必ず特2保留が優先的に消化される。
(ステップS610-5)
CPU100aは、客待ちコマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する客待ち設定処理を実行し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。当該客待ちコマンドが演出制御回路200側に送信されると、演出制御回路200は、当該客待ちコマンドの受信から所定の時間が経過したことに基づいて、VDPに所定のコマンドを送信し、表示画面D1上において、客待ち状態であることを示すデモ演出表示を表示させる。
(ステップS610-7)
CPU100aは、特1保留または特2保留に対応する対象特別図柄保留球数カウンタのカウンタ値を「1」減算し、特1保留または特2保留が「1」減算したことを示す特1保留減指定コマンド又は特2保留減指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。また、第1特図保留記憶領域又は第2特図保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に記憶されている特1保留又は特2保留を1つ序数の小さい記憶部にブロック転送する。また、現在の遊技状態を示す確率状態フラグ(特図確率状態フラグ,普図確率状態フラグ)の情報に基づいて遊技状態確認指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。なお、確率状態フラグについては後述する。
特1保留減指定コマンド又は特2保留減指定コマンドが演出制御回路200側に送信されることにより、演出制御回路200側には、減少後の特1保留記憶数又は特2保留記憶数に関する情報が伝達される。演出制御回路200は、特1保留減指定コマンド又は特2保留減指定コマンドの受信に基づいて、前述の特図1保留指定コマンド又は特図2保留指定コマンドに基づいて増大した所定の保留表示アイコンの数を減少させるコマンドをVDPに送信し、表示画面D1において減少後の特1保留記憶数及び特2保留記憶数を遊技者に視覚的に認識可能とする。また、当該処理の実行によりステップS400-5の処理によって第1特別図柄保留表示装置36A、第2特別図柄保留表示装置36Bいずれかの保留表示部の対応箇所が消灯する。また、遊技状態確認指定コマンドが演出制御回路200側に送信されると、特別図柄が変動を開始するたびに現在の遊技状態に係る情報が演出制御回路200側に伝達される。
(ステップS610-9)
CPU100aは、現在の遊技状態(特図確率状態フラグ)に基づいて、これに対応する低確率用特図当否判定テーブルTB1又は高確率用特図当否判定テーブルTB2を参照して、第0記憶部に転送された特図当否判定乱数に基づいて特図当否抽選処理を行い、その抽選結果(「大当り」,「ハズレ」)に係るデータ(特図当否判定データ)を記憶する。
(ステップS610-11)
CPU100aは、特図種別を決定するための特図種別決定抽選処理を実行する。ここでは、上記ステップS610-9の特図当否抽選の結果が特1保留に基づく「大当り」であった場合には、特1用特図種別決定テーブルTB1を参照し、第0記憶部に転送された特図種別決定乱数に対応する特図種別を抽出し、抽出した特図種別に係るデータ(特図種別データ)記憶する。また、上記ステップS610-9の特図当否抽選の結果が特2保留に基づく「大当り」であった場合には、特2用特図種別決定テーブルTB2を参照し、第0記憶部に転送された特図種別決定乱数に対応する特図種別を抽出し、抽出した特図種別に係るデータ(特図種別データ)記憶する。
一方、ステップS610-9の特図当否抽選の結果が「ハズレ」であった場合には、特図種別決定テーブルTB3から特別図柄X(ハズレ図柄X)に係る特図種別を抽出し、特別図柄Xに係る特図種別データを記憶する。
特図種別データを記憶した後、当該特図種別データに対応する特図種別指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。即ち、当該特図種別指定コマンドが送信されることによって、演出制御回路200側には、特図種別決定抽選処理の度に抽出された特図種別に関する情報が伝達される。
(ステップS610-13)
CPU100aは、上記ステップS610-11で抽出した特図種別に対応する特別図柄停止図柄番号をセーブする。なお、第1特別図柄表示装置35Aおよび第2特別図柄表示装置35Bは、それぞれ7セグで構成されており、7セグを構成する各セグメントには番号(カウンタ値)が対応付けられている。ここで決定する特別図柄停止図柄番号は、最終的に点灯するセグメントの番号(カウンタ値)を示すものである。
(ステップS610-14)
CPU100aは、特別図柄の変動パターンを決定するための特図変動パターン決定抽選を実行する。具体的には、普図低確率又は普図高確率であるかを識別する普通図柄確率状態フラグをロードすると共に、図12に例示する各種の変動パターン決定テーブルTBを参照し、当該参照したテーブルから第0記憶部に転送された変動パターン決定乱数に対応する前半変動パターン及び後半変動パターンを抽出,決定する。CPU100aは、いずれかの変動パターン決定テーブルTBテーブルから抽出,決定した前半変動パターン及び後半変動パターンと対応する変動パターン識別番号及び変動時間を含む変動パターンコマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。
変動パターンコマンドが演出制御回路200側に送信されることによって、演出制御回路200側では、変動パターンコマンドの内容に従って、より具体的な変動演出の内容を決定し、当該決定された変動演出の内容に関する情報を含むコマンドをVDPに送信することにより、演出図柄Sの変動表示と併せて多様な変動演出を表示画面D1上に表示させる。
(ステップS610-15)
CPU100aは、ステップS610-14で抽出された前半変動パターン及び後半変動パターンに対応する変動時間の合算値をロードし、特別図柄変動タイマにセットする。
(ステップS610-17)
CPU100aは、上記ステップS610-9における特図当否抽選の結果が「大当り」であるか否かを判定し、「大当り」であった場合には、上記ステップS610-11で記憶した特図種別データをロードして、特別図柄の種別を確認する。
(ステップS610-19)
CPU100aは、第1特別図柄表示装置35Aまたは第2特別図柄表示装置35Bにおいて、特別図柄の変動表示を開始するために、特別図柄表示図柄カウンタを設定する処理を実行する。第1特別図柄表示装置35Aおよび第2特別図柄表示装置35Bを構成する7セグの各セグメントにはカウンタ値が対応付けられており、特別図柄表示図柄カウンタに設定されたカウンタ値に対応するセグメントが点灯制御される。ここでは、特別図柄の変動表示の開始時に点灯させるセグメントに対応するカウンタ値が特別図柄表示図柄カウンタに設定されることとなる。なお、特別図柄表示図柄カウンタは、第1特別図柄表示装置35Aに対応する特別図柄1表示図柄カウンタと、第2特別図柄表示装置35Bに対応する特別図柄2表示図柄カウンタとが別個に設けられており、ここでは、保留種別に対応するカウンタにカウンタ値が設定される。
(ステップS610-21)
CPU100aは、特図遊技管理フェーズを「01H」に更新し、当該特別図柄変動待ち処理を終了する。当該一連の特別図柄変動待ち処理が実行されることにより、第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35B上において特別図柄の変動表示が開始されるとともに、当該特別図柄の変動表示と略同期して表示画面D1上において演出図柄Sの変動表示が開始されることとなる。
[特別図柄変動中処理]
図29は、主制御回路100における特別図柄変動中処理を説明するフローチャートである。当該特別図柄変動中処理は、特図遊技管理フェーズが「01H」であった場合に実行される。
(ステップS620-1)
CPU100aは、特別図柄変動ベースカウンタを更新する処理を実行する。なお、特別図柄変動ベースカウンタは、所定周期(例えば100ms)で1周するようにカウンタ値が設定される。具体的には、特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であった場合には、所定のカウンタ値(例えば25)がセットされ、カウンタ値が「1」以上であった場合には、現在のカウンタ値から「1」減算した値にカウンタ値を更新する。
(ステップS620-3)
CPU100aは、上記ステップS620-1で更新した特別図柄変動ベースカウンタのカウンタ値が「0」であるかを判定する。その結果、カウンタ値が「0」であった場合にはステップS620-5に処理を移し、カウンタ値が「0」ではなかった場合にはステップS620-9に処理を移す。
(ステップS620-5)
CPU100aは、上記ステップS610-15で設定された特別図柄変動タイマのタイマ値を所定値減算する特別図柄変動タイマ更新処理を行う。
(ステップS620-7)
CPU100aは、上記ステップS620-5で更新した特別図柄変動タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、タイマ値が「0」であった場合にはステップS620-15に処理を移し、タイマ値が「0」ではなかった場合にはステップS620-9に処理を移す。
(ステップS620-9)
CPU100aは、第1特別図柄表示装置35A、及び第2特別図柄表示装置35Bを構成する7セグの各セグメントの点灯時間を計時する特別図柄表示タイマを更新する。具体的には、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であった場合には、所定のタイマ値がセットされ、タイマ値が「1」以上であった場合には、現在のタイマ値から「1」減算した値にタイマ値を更新する。
(ステップS620-11)
CPU100aは、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であるかを判定する。その結果、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS620-13に処理を移し、特別図柄表示タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該特別図柄変動中処理を終了する。
(ステップS620-13)
CPU100aは、更新対象の特別図柄表示図柄カウンタのカウンタ値を更新する。これにより、7セグを構成する各セグメントが、所定時間おきに順次点灯することとなる。
(ステップS620-15)
CPU100aは、特図遊技管理フェーズを「02H」に更新する。
(ステップS620-17)
CPU100aは、対象の特別図柄表示図柄カウンタに、上記ステップS610-13で決定した特別図柄停止図柄番号(カウンタ値)をセーブする。これにより、第1特別図柄表示装置35Aまたは第2特別図柄表示装置35Bに、決定された特別図柄が停止表示されることとなる。
(ステップS620-19)
CPU100aは、第1特別図柄表示装置35Aまたは第2特別図柄表示装置35Bに特別図柄が停止表示されたことを示す特図停止指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。当該特図停止指定コマンドが演出制御回路200側に送信されることにより、演出制御回路200は、VDPに所定のコマンドを送信し、表示画面D1上において変動中の演出図柄Sを特別図柄の停止表示と略同期して停止表示させる。
(ステップS620-21)
CPU100aは、特別図柄を停止表示する時間である特別図柄変動停止時間(確定時間)を特別遊技タイマにセットし、当該特別図柄変動中処理を終了する。
[特別図柄停止後処理]
図30は、主制御回路100における特別図柄停止後処理を説明するフローチャートである。この特別図柄停止後処理は、特図遊技管理フェーズが「02H」であった場合に実行される。
(ステップS630-1)
CPU100aは、上記ステップS620-21でセットした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該特別図柄停止後処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS630-3に処理を移す。
(ステップS630-3)
CPU100aは、特図当否抽選の結果を確認する。
(ステップS630-5)
CPU100aは、特図当否抽選の結果が「大当り」であるかを判定する。その結果、「大当り」であると判定した場合にはステップS630-15に処理を移し、「大当り」ではないと判定した場合にはステップS630-7に処理を移す。
(ステップS630-7)
CPU100aは、回数切り管理処理を実行する。ここでは、特図確率状態フラグ及び普図確率状態フラグをロードして、現在の遊技状態が特図高確率又は普図高確率であるかを確認する。そして、遊技状態がいずれかの高確率である場合には、対応する高確回数切りカウンタ(特図高確回数切りカウンタ、普図高確回数切りカウンタ)のカウンタ値を更新(「-1」)する。カウンタ値を更新した結果、カウンタ値が「0」になった場合には、確率状態フラグ(特図確率状態フラグ、普図確率状態フラグ)が低確率状態を示す値(「1」→「0」)にセットされる。これにより、いずれかの高確率の状態において、「当り」に当選することなく、特別図柄の変動が所定回数確定(「50回」、「200回」)したところで、遊技状態が低確率の状態(遊技状態1)に移行することとなる。なお、当該ステップS630-7において、遊技状態の移行が行われた場合には、CPU100aは、移行後の遊技状態を演出制御回路200に伝達するための遊技状態変化指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。これにより、演出制御回路200側に遊技状態が変化したことが伝達される。
(ステップS630-9)
CPU100aは、特別図柄が確定したときの遊技状態を示す特図確定時遊技状態確認指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。
(ステップS630-11)
CPU100aは、上記ステップS630-7で更新した高確回数を演出制御回路200に伝達するための回数コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。即ち、上記ステップS630-9,当該ステップS630-11の処理によって、特別図柄が確定する度に、その時点の遊技状態、及び高確回数が演出制御回路200側に伝達される。
(ステップS630-13)
CPU100aは、特図遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該特別図柄停止後処理を終了する。これにより、特1保留又は特2保留に基づく特図遊技管理処理が終了し、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、次の保留に基づく特別図柄の変動表示を開始するための処理が行われることとなる。
(ステップS630-15)
CPU100aは、確定した特図種別に応じて、図11に示す特別遊技制御テーブルTBに規定されたいずれかのデータ(特別図柄A~特別図柄E)をセットする。
(ステップS630-17)
CPU100aは、特別電動役物最大作動回数設定処理を行う。具体的には、上記ステップS630-15でセットしたデータを参照し、特別電動役物最大作動回数カウンタに、カウンタ値として所定数(特図種別に対応するカウンタ値=ラウンド遊技の回数)をセットする。
なお、この特別電動役物最大作動回数カウンタは、これから開始する特別遊技(大当り遊技)において実行可能なラウンド数を示すものである。一方、RAM100cには、特別電動役物連続作動回数カウンタが設けられており、各ラウンド遊技の開始時に、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を「1」加算することで、現在のラウンド遊技数が管理される。ここでは、特別遊技の開始に伴って、この特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値をリセット(「0」に更新)する処理が併せて実行される。
(ステップS630-19)
CPU100aは、上記ステップS630-15でセットしたデータを参照し、特別遊技タイマに、タイマ値として所定のオープニング時間をセーブする。
(ステップS630-21)
CPU100aは、特別遊技の開始を演出制御回路200に伝達するためのオープニング指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。当該オープニング指定コマンドが送信されることにより演出制御回路200側では、VDPに所定のコマンドを送信し、例えば特別遊技の開始に先立って、遊技者にこれから特別遊技が開始されることを報知する所定のオープニング演出が表示される。
(ステップS630-23)
CPU100aは、特図遊技管理フェーズを「03H」に更新して当該特別図柄停止後処理を終了する。
[大入賞口開放前処理]
図31は、主制御回路100における大入賞口開放前処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放前処理は、特図遊技管理フェーズが「03H」であった場合に実行される。
(ステップS650-1)
CPU100aは、上記ステップS630-19でセットしたタイマ値(オープニング時間)が「0」でないかを判定する。その結果、タイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大入賞口開放前処理を終了し、タイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS650-3に処理を移す。
(ステップS650-3)
CPU100aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新する。
(ステップS650-5)
CPU100aは、開閉体66の開放開始(ラウンド遊技の開始)を演出制御回路200に伝達するための大入賞口開放指定コマンド(具体的には、実行するラウンド(1R、2R・・・)を示すコマンド)を送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。当該大入賞開放指定コマンドが演出制御回路200側に送信されることにより、演出制御回路200は、VDPに所定のコマンドを送信し、例えば現在のラウンド数に関する表示等を表示画面D1に表示する。
(ステップS651)
CPU100aは、大入賞口開閉切替処理を実行する。この大入賞口開閉切替処理については後述する。
(ステップS650-7)
CPU100aは、特図遊技管理フェーズを「04H」に更新し、当該大入賞口開放前処理を終了する。
[大入賞口開閉切替処理]
図32は、主制御回路100における大入賞口開閉切替処理を説明するフローチャートである。
(ステップS651-1)
CPU100aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数(1回のラウンド遊技中における大入賞口の開閉回数)の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了し、カウンタ値が上限値ではないと判定した場合にはステップS651-3に処理を移す。
(ステップS651-3)
CPU100aは、特別遊技制御テーブルTBのデータを参照し、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値に基づいて、ソレノイドSOL2を通電制御するためのソレノイド制御データ、および、ソレノイドSOL2の通電時間もしくは通電停止時間であるタイマデータを抽出する。
(ステップS651-5)
CPU100aは、上記ステップS651-3で抽出したソレノイド制御データに基づいて、ソレノイドSOL2の通電を開始するか、もしくは、ソレノイドSOL2の通電を停止するための大入賞口ソレノイド通電制御処理を実行する。この大入賞口ソレノイド通電制御処理の実行により、上記ステップS400-25およびステップS400-27において、ソレノイドSOL2の通電開始もしくは通電停止の制御がなされることとなる。
(ステップS651-7)
CPU100aは、上記ステップS651-3で抽出したタイマデータに基づくタイマ値を、特別遊技タイマにセーブする。なお、ここで特別遊技タイマにセーブされるタイマ値は、開閉体66の1回の最大開放時間となる。
(ステップS651-9)
CPU100aは、ソレノイドSOL2の通電開始状態か、すなわち、上記ステップS651-5において、ソレノイドSOL2の通電を開始する制御処理がなされたかを判定する。その結果、通電開始状態であると判定した場合にはステップS651-11に処理を移し、通電開始状態ではないと判定した場合には当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
(ステップS651-11)
CPU100aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値を、現在のカウンタ値に「1」加算した値に更新し、当該大入賞口開閉切替処理を終了する。
[大入賞口開放制御処理]
図33は、主制御回路100における大入賞口開放制御処理を説明するフローチャートである。この大入賞口開放制御処理は、特図遊技管理フェーズが「04H」であった場合に実行される。
(ステップS660-1)
CPU100aは、上記ステップS651-7でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合にはステップS660-5に処理を移し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS660-3に処理を移す。
(ステップS660-3)
CPU100aは、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値であるかを判定する。その結果、カウンタ値が上限値であると判定した場合にはステップS660-7に処理を移し、カウンタ値が上限値ではないと判定した場合にはステップS651に処理を移す。
(ステップS651)
上記ステップS650-3において、特別電動役物開閉切替回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物開閉切替回数の上限値ではないと判定した場合には、CPU100aは、上記ステップS651の処理を実行する。
(ステップS660-5)
CPU100aは、上記ステップS500-9で更新された大入賞口入賞球数カウンタのカウンタ値が規定数に到達していないか、すなわち、大入賞口に、1ラウンド中の最大入賞可能数と同数の遊技球が入球していないかを判定する。その結果、規定数に到達していないと判定した場合には当該大入賞口開放制御処理を終了し、規定数に到達したと判定した場合にはステップS660-7に処理を移す。
(ステップS660-7)
CPU100aは、ソレノイドSOL2の通電を停止して大入賞口を閉鎖するために必要な大入賞口閉鎖処理を実行する。これにより、開閉体66が閉鎖され、大入賞口が閉鎖状態となる。
(ステップS660-9)
CPU100aは、大入賞口閉鎖有効時間(1.5秒)を特別遊技タイマにセーブする。
(ステップS660-11)
CPU100aは、特図遊技管理フェーズを「05H」に更新する。
(ステップS660-13)
CPU100aは、大入賞口が閉鎖されたことを示す大入賞口閉鎖指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)し、当該大入賞口開放制御処理を終了する。
[大入賞口閉鎖有効処理]
図34は、主制御回路100における大入賞口閉鎖有効処理を説明するフローチャートである。この大入賞口閉鎖有効処理は、特図遊技管理フェーズが「05H」であった場合に実行される。
(ステップS670-1)
CPU100aは、上記ステップS660-9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないと判定した場合には当該大入賞口閉鎖有効処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS670-3に処理を移す。
(ステップS670-3)
CPU100aは、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致するか、すなわち、予め設定された回数のラウンド遊技が終了したかを判定する。その結果、特別電動役物連続作動回数カウンタのカウンタ値が、特別電動役物最大作動回数カウンタのカウンタ値と一致すると判定した場合にはステップS670-9に処理を移し、一致しないと判定した場合にはステップS670-5に処理を移す。
(ステップS670-5)
CPU100aは、特図遊技管理フェーズを「03H」に更新する。
(ステップS670-7)
CPU100aは、大入賞口閉鎖時間を特別遊技タイマにセーブし、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。
(ステップS670-9)
CPU100aは、エンディング時間を特別遊技タイマにセーブするエンディング時間設定処理を実行する。
(ステップS670-11)
CPU100aは、特図遊技管理フェーズを「06H」に更新して処理を移す。
(ステップS670-13)
CPU100aは、エンディングの開始を示すエンディング指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)し、当該大入賞口閉鎖有効処理を終了する。当該エンディング指定コマンドが送信されることにより、演出制御回路200側では、VDPに所定のコマンドを送信し、遊技者に対して特別遊技が終了したことを報知する所定のエンディング演出を表示画面D1に表示させる。
[大当り遊技終了ウェイト処理]
図35は、主制御回路100における大当り遊技終了ウェイト処理を説明するフローチャートである。この大当り遊技終了ウェイト処理は、特図遊技管理フェーズが「06H」であった場合に実行される。
(ステップS680-1)
CPU100aは、上記ステップS670-9でセーブした特別遊技タイマのタイマ値が「0」でないかを判定する。その結果、特別遊技タイマのタイマ値が「0」ではないと判定した場合には当該大当り遊技終了ウェイト処理を終了し、特別遊技タイマのタイマ値が「0」であると判定した場合にはステップS680-3に処理を移す。
(ステップS680-3)
CPU100aは、特定領域フラグをロードして処理を移す。特定領域フラグは、前述のステップS500-13において大当り遊技中に遊技球が特定領域に到達したことに基づいてオン(「1」)に設定されるフラグである。
(ステップS680-5)
CPU100aは、上記ロードした特定領域フラグの状態、及び特図種別に基づいて、
特別遊技終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定処理を実行する。具体的には、図16に示した遊技状態及び継続回数となるように、特図確率状態フラグ及び普図確率状態フラグをそれぞれセットして遊技状態を設定すると共に、普図高確回数切りカウンタ及び特図高確回数切りカウンタに所定のカウンタ値をセットして、当該遊技状態の継続回数を設定する。
(ステップS680-5)
CPU100aは、特別遊技の終了後に設定される遊技状態を伝達するための遊技状態変化指定コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。
(ステップS680-7)
CPU100aは、上記ステップS680-3でセーブした高確回数(特図高確回数、普図高確回数)に対応する回数コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)する。
(ステップS680-9)
CPU100aは、特図遊技管理フェーズを「00H」に更新し、当該大当り遊技終了ウェイト処理を終了する。これにより、特1保留または特2保留が記憶されている場合には、特別遊技の終了後に特別図柄の変動表示が再開されることとなる。
上述の通り、本例においては、特定領域フラグがオンであること、換言すれば、特定のラウンド遊技(本例では4R目)中に遊技球が特定領域に進入し、特定領域検出スイッチSW4により検出されたことを基づいて、特別遊技後の遊技状態を少なくとも特図高確率に移行させる構成である。一方で、特定領域への進入の可能性は、打ち出しトラブルが生じない限り実質的には特図種別に応じて決定されているため、特定のラウンド遊技中における振分機構64Vの適切な制御処理が要求される。以下、図36のタイムチャートを参照して開閉体66と振分機構64Vの動作について説明する。
図36は、特定ラウンド中のタイムチャートを示す。同図に示すように、特定ラウンドが開始されると、ソレノイドSOL2が動作され、t1において開閉体66が閉鎖状態から開放状態に移行する。以後、当該開放状態は、予め設定された規定数に達するまで、又は、開放時間が経過するまで継続される。
また、開閉体66が開放するt1においては、ソレノイドSOL3が動作され、振分機構64Vが閉鎖状態から開放状態に移行し、遊技球が特定領域に進入可能な状態とされる。但し、当該振分機構64Vの開放時間は、例えば40ミリ秒に設定され、当該時間の経過に応じて閉鎖状態に復帰するため、当該開放期間中に遊技球が特定領域に進入することは実質的に不可能である。その後、開閉体66が開放状態となったことに基づいて、遊技球は、大入賞部品64内に一定の発射間隔に倣って断続的に入球する。当該遊技球の入球は、大入賞口検出スイッチSW3によって検出されるため、大入賞口検出スイッチSW3が断続的にONとなる。
そして、長開放のパターンであると、2個目の遊技球の検出時t2において、再び振分機構64Vが閉鎖状態から開放状態に移行し、当該時点から遊技球が特定領域に進入可能な状態となる。また、当該状態は、少なくとも開閉体66が閉鎖状態に移行するまで継続され、当該期間中に遊技球が特定領域に進入し、特定領域検出スイッチSW4に検出されることにより特定領域フラグがオンにセットされることとなる。なお、特定領域への進入を実質的に不可能とする短開放のパターンでは、破線に示す如くt2において振分機構64Vが再び開放状態となることはなく、閉鎖状態が継続されて特定ラウンドが終了することとなる。
このように、本例における振分機構64Vは、特図種別に応じて遊技球が特定領域に進入することが実質的に困難な短開放を含む動作パターン(開閉パターン)と、当該短開放を含まず、特定領域への進入を容易とする長開放を含む動作パターンとが存在し、打ち出しトラブルが生じない限り、実質的に特図種別と対応して特定領域への進入有無が決定される。
以上、主制御回路100よる主要な制御処理について説明したが、演出制御回路200側では、特に主制御回路100から送信される変動パターンコマンド等の受信に基づき、演出決定処理を実行して変動パターンコマンドの種別に応じた多用な変動演出を表示する。以下、演出制御回路200の主要な処理について説明する。
[演出図柄について]
まず、上記特別図柄の変動表示と対応して変動表示される演出図柄Sの一例について概説する。なお、本実施形態における演出表示画面は、遊技状態ごとに複数設定されており、演出モードの相違によって表示画面D1には異なる背景や演出図柄が表示される。
図37(a)は、所定の演出モードにおける表示画面D1を概略的に示す正面図である。上方に位置する表示画面D1の変動領域AL,AC,ARには、前述の特別図柄の変動表示と同期して変動表示される演出図柄Sが表示される。演出図柄Sは、各変動領域AL,AC,ARにおいて、例えば上下方向に変動表示(スクロール表示)される。
図37(b)に示すように、演出図柄Sは、例えば1~8までの連続した数字表記、及び各数字表記に対応した所定のキャラクタが組み合わされた画像(演出図柄「1」~演出図柄「8」)により構成される。数字表記を含む演出図柄「8」と演出図柄「1」とは連続した図柄として設定されている。
表示画面D1には、保留表示アイコン表示領域EIが設けられている。保留表示アイコン表示領域EIは、特1保留の記憶数を示す保留表示アイコンが配置される第1アイコン表示領域EIAと、特2保留の記憶数を示す保留表示アイコンが配置される第2アイコン表示領域EIBに左右方向に区画されている。各領域には特1保留及び特2保留の最大記憶数(特1保留=4つ,特2保留=4つ)に対応するように保留表示アイコンPを表示可能であり、第1アイコン表示領域EIAにおいては特1保留の増加に従って右側から左側に向かって保留表示アイコンPが配列され、第2アイコン表示領域EIBにおいては特2保留の記憶に基づいて左側から右側に向かってアイコンPが配列される。保留表示アイコン表示領域EIの中央部には、特図抽選(変動)の対象となっている特1保留又は特2保留に対応する保留表示アイコンPを表す変動対象アイコン表示領域EICが矩形状の領域として設定される。図示の例は、第1アイコン表示領域EIAに3つの保留表示アイコンPが表示され、第2アイコン表示領域EIBに1の保留表示アイコンPが表示されていることから、未消化の特1保留が3つ保留記憶され、特2保留が1つ保留記憶されていることを表している。また、矢印に示すように、始動情報(特1保留又は特2保留)に基づく特図抽選が実行されると、対象となった保留表示アイコンPが、変動対象アイコン表示領域EICへと移動するように表示され、当該移動表示のタイミングと略同期して演出図柄Sの変動表示が開始される。
このように、特別図柄の変動,停止と略同期して変動表示される演出図柄が変動を開始するたびに特図抽選の対象となった保留表示アイコンPが変動対象アイコン表示領域EIC側へシフトすると共に、後続の保留表示アイコンPが1つずつ位置ズレするように表示されるため、特別図柄の変動表示と略同期する演出図柄Sの変動開始と変動停止までの1サイクルを遊技者が適切に把握可能な構成である。
図38は、演出図柄Sが変動表示を開始してから停止表示されるまでの基本的な演出の流れを示す図である。なお、本例では前半変動パターンとして「疑似0」、後半変動パターンとして前述の「通常ハズレ1」に係る変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動演出の1系統である「リーチなし演出」を例とする。図38(a)に示すように、表示画面D1上において演出図柄Sの変動表示が開始されると、演出図柄Sが変動領域AL,AR,ACの順に所定の時間差を有して下方にスクロール表示され、所定時間後に視認不能な高速変動に至る。そして、図38(b)に示すように、上記演出図柄Sの変動表示開始から所定時間経過には、変動領域ALに対応する演出図柄Sが先行して停止表示され、続いて変動領域ARに対応する演出図柄Sが停止表示され、最後に図38(c)に示す如く変動領域ACに対応する演出図柄Sが停止表示される。また、「リーチなし演出」においては、変動領域AL;ARに対応する演出図柄Sが同一図柄で停止表示される所謂リーチを形成することがなく、「ハズレ」を示す態様で停止表示されることとなる。なお、当りを示す態様とは、図37(a)に示すように例えば変動領域AL;AC;ARにおいて全ての演出図柄Sが同一図柄で停止される態様であり、ハズレを示す態様とはこれ以外の停止態様である。以上を前提として演出制御回路200について説明する。
[演出制御回路200のCPU初期化処理]
図39は、演出制御回路200のサブCPU初期化処理(ステップS1000)を説明するフローチャートである。
(ステップS1000-1)
CPU200aは、電源投入に応じて、ROM200bからCPU初期化処理プログラムを読み込むとともに、RAM200cに記憶されるフラグ等の初期化、設定処理を行う。
また、CPU200aは、演出制御回路200に接続された外部デバイスとの接続チェック処理を併せて実行する。
(ステップS1000-3)
次に、CPU200aは、演出の決定に関わる演出決定乱数(本例では前半変動演出パターン決定乱数,後半変動演出パターン決定乱数等)を更新する処理を行うとともに、以後は、割込み処理が行われるまで当該ステップS1000-3の処理を繰り返し行う。
[演出制御回路200のサブタイマ割込み処理]
図40は、演出制御回路200のサブタイマ割込み処理(ステップS1100)を説明するフローチャートである。演出制御回路200には、所定の周期でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(不図示)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、CPU200aはタイマ割込み処理プログラムを読み込んで当該サブタイマ割込み処理を開始する。
(ステップS1100-1)
CPU200aは、レジスタを退避する。
(ステップS1100-3)
CPU200aは、割込みを許可するための処理を行う。
(ステップS1100-5)
CPU200aは、演出制御回路200で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を行う。ここで、各種タイマカウンタは、特に断る場合を除き、当該演出制御回路200のサブタイマ割込み処理の度に1ずつ減算され、0になると減算を停止する。
(ステップS1200)
CPU200aは、RAM200cの受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を行う。演出制御回路200においては、主制御回路100から前述した種々のコマンドが送信されると、コマンド受信割込み処理(図示せず)が行われ、主制御回路100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。ここでは、コマンド受信割込み処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析することとなる。
(ステップS1300)
CPU200aは、変動演出の経過時間を計時するとともに、変動演出ごとにセットされるタイムテーブルを参照して、変動演出演出中に当該タイムテーブルに記憶された該当時間に対応する処理を実行するタイムスケジュール管理処理を行う。このタイムスケジュール管理処理の詳細は後述する。
(ステップS1100-7)
CPU200aは、RAM200cの送信バッファにセットされているコマンド(内部コマンド)や各種のデータや信号を表示画面D1の上記画像の表示制御のためのVDP、音声制御のための音声合成LSI、LEDの点灯制御のための制御基板等へ送信、出力する。
(ステップS1100-9)
CPU200aは、レジスタを復帰して当該サブタイマ割込み処理を終了する。
[変動パターンコマンド受信処理]
図41は、図40のステップS1200のコマンド解析処理のうち、前半変動パターンコマンド,後半変動パターンコマンドを受信した際に実行される変動パターンコマンド受信処理(ステップS1230)を説明するフローチャートである。上記したとおり、各変動パターンコマンドは、主制御回路100において、ステップS610-14でセットされた後、ステップS100-39のサブコマンド送信処理によって演出制御回路200に送信される。
(ステップS1230-1)
前半変動パターンコマンド及び後半変動パターンコマンドを受信すると、それぞれ上記ステップS1000-3で更新された前半変動演出パターン決定乱数(0~249)、及び後半変動演出パターン決定乱数(0~249)を取得するとともに、変動パターン番号に応じた変動演出パターン決定テーブルTBを参照し、変動演出パターンテーブルの中から具体的な変動演出を決定して処理を移す。
図42は、変動演出パターン決定テーブルTBの一例を示す概要図である。同図に示すように、変動演出パターン決定テーブルTBは、主制御回路100側で決定される前半変動パターン及び後半変動パターンと対応するように、前半変動演出パターン決定テーブルTBと、後半変動演出決定テーブルTBとに区別される。各変動演出パターン決定テーブルTBには、0~249までの変動パターン決定乱数(前半変動演出パターン決定乱数、後半変動演出パターン決定乱数)の範囲に対して、1つの変動演出番号が規定されている。備考欄に示すように、各変動演出番号には、変動演出の具体的な内容が対応付けられており、変動演出番号の相違によって、表示画面D1上において展開される変動演出の内容(例えば登場するキャラクターや展開等)が異なるものとなる。
図42(a)に示す前半変動演出決定テーブルTBは、前半変動パターンが「疑似0」である場合に参照されるテーブルであり、当該前半変動演出決定テーブルTBが参照された場合、前半変動演出パターン決定乱数の範囲に関わらず前半変動演出として「疑似変動なし」が選択されることとなる。
また、図42(b)に示す前半変動演出決定テーブルTBは、前半変動パターンが「疑似1」~「疑似5」であり、特図当否抽選の結果が「ハズレ」である場合に参照されるテーブルの一例である。前述の通り、「疑似1」~「疑似5」までの前半変動パターンは、「15秒」、「30秒」、「45秒」、「60秒」、「75秒」の変動時間(前半変動時間)とそれぞれ対応しており、「15秒」を基本の時間ブロック(時間サイクル)とすると、「疑似1」~「疑似5」までの前半変動パターンは、それぞれ1ブロックから5ブロックの時間ブロックから構成される。そして、前半変動演出の決定にあっては、前半変動パターンに応じたブロックごとに疑似変動の内容(パターン)が決定される。
図42(c)に示す後半変動演出決定テーブルTBは、後半変動パターン「通常ハズレ1」,「SP発展大当り1」とそれぞれ対応する後半変動演出パターン決定テーブルTBである。前半変動演出決定テーブルTBと同様に、後半変動演出パターン決定テーブルTBには、0~249までの変動パターン決定乱数の範囲に対して、1つ又は複数の変動演出番号が規定されている。そして、変動演出番号の相違によって、表示画面D1上において展開される変動演出の内容と異なる。
(ステップS1230-3)
CPU200aは、上記ステップS1230-1で決定された変動演出番号(前半変動演出番号,後半変動演出番号)に基づいて、変動演出実行コマンドを送信バッファにセット(送信バッファに格納)して処理を移す。当該変動演出実行コマンドがVDPに対する内部コマンドとして送信されることにより、VDPによって変動演出を表示するための画像表示制御が開始される。
(ステップS1230-5)
CPU200aは、変動演出に対応する画像の表示時期や表示時間等が規定されたタイムテーブルのデータをセットして処理を移す。
(ステップS1230-7)
CPU200aは、変動演出の実行時間を計時すべく、変動時間計時タイマをリセットし、当該変動パターンコマンド受信処理を終了する。なお、ここでリセットされた変動時間計時タイマは、上記ステップS1300のタイムスケジュール管理処理において、タイマ割込み処理のたびにカウンタ値が加算され、これによって変動演出の実行時間が計時され、タイムテーブルに規定された各時期に所定の制御処理が実行される。
[タイムスケジュール管理処理]
図43は、タイムスケジュール管理処理(ステップS1300)を説明するフローチャートである。上述のとおり、CPU200aによって変動演出実行コマンドが送信バッファにセットされ、当該コマンドが表示画面D1を制御するVDPに対する内部コマンドとして送信されることにより、表示画面D1上では、演出図柄Sの変動表示が開始されると共に、当該変動表示に伴って多様な変動演出が表示される。当該タイムスケジュール管理処理は、変動演出の実行中に表現される多様な演出を時間管理する。
(ステップS1300-1)
CPU200aは、まず、変動時間計時タイマのカウンタ値を加算し、変動演出の実行時間を更新する。なお、前述のとおり、変動時間計時タイマのカウンタ値は、ステップS1230-7において毎回リセットされる。
(ステップS1400)
CPU200aは、タイムテーブルを参照し、現在の演出の実行時間に応じて、各種の内部コマンドを送信バッファにセットし、表示画面D1上において、所定の時期に所定の演出がなされるようにメイン表示装置80を制御して、当該タイムスケジュール管理処理を終了する。
[ハンドルユニットの構成について]
図44は、ハンドルユニット7の外観を示す拡大斜視図である。同図に示すようにハンドルユニット7は、前方に向けて膨出する略半球状の保持部700と、当該保持部700の外周側において、保持部700の中心を回転中心として回転可能に設けられたハンドル800と、前枠4に対して前側から固定可能なベース体900とを備える。ハンドル800は、半球状の保持部700の外周に沿った円環部810と円環部810上において径方向外側に突出する3つの指掛部820A乃至820Cを有する。3つの指掛部820A乃至820Cは、遊技者によるハンドル800の回転操作時に任意の指(例えば親指、人差し指、中指)を掛けることが可能な形状とされており、図示の例では、頂点が周方向の一方にズレており、周方向の他方を湾曲した長辺とし、周方向の一方を湾曲した短辺とする略三角状(波形状)に形成される。遊技者が指掛部820A乃至820Cに任意の指を掛けた状態で図示の初期位置からハンドル800を周方向の他方(右方向)に回転操作した場合、ハンドル800は他方に向けて例えば最大100°から120°の範囲まで回転可能とされている。また、ハンドル800の操作量(回転角)は、図外の発射機構の発射力と略比例しており、例えばハンドル800を最大操作量まで回転させると、遊技球は、後述の右打ち領域ERに着弾,流下する発射力で打ち出される。一方、操作量を周方向の一方に向けて変位させることにより、発射力が徐々に弱まり、遊技球は左打ち領域ELに着弾,流下する傾向となる。
次に、図45を参照してハンドルユニット7の各部の寸法について説明する。なお、以下の説明において寸法の基点は、半球状の保持部700の中心Oである。同図に示すように、指掛部820Aの最外点までの寸法D1は、53.4mmに設定される。また、指掛部820Bの最外点までの寸法D2は、45.6mmに設定される。また、指掛部820Cの最外点までの寸法D3は39.3mmに設定される。また、指掛部820A乃至820Cを除く円環部810までの寸法D4は34.6mmに設定される。また、前枠4の下縁S1までの寸法D5は、40mmに設定される。また、前枠4の右縁T1までの寸法D6は、49.1mmに設定される。
前枠4を内枠3に対して閉じた状態において、内枠3の下縁S2までの寸法D7は、45.0mmに設定される。また、内枠3の右縁T2までの寸法D8は、51.1mmに設定される。
次に、上記のような寸法に設定されたハンドルユニット7のハンドル800に形成された複数の指掛部820A乃至指掛部820Cと本体枠との関係について説明する。同図に示すハンドル800の初期位置においては、指掛部820A乃至指掛部820Cの最外点は、本体枠の下縁(前枠4の下縁S1及び内枠3の下縁S2のいずれか一方)よりも下方に突出することがない。
また、ハンドル800を初期位置の角度であるθ1から最大回転位置の角度であるθ2に変位させた場合、当該最大回転位置において指掛部820A乃至指掛部820Cの最外点は、本体枠の下縁(前枠4の下縁S1及び内枠3の下縁S2のいずれか一方)よりも下方に突出することがない。このような構成とすることにより、外枠2への取付時等において本体枠を床面等に一時的に置いた場合であっても、指掛部820A乃至820Cが床面に接触することがないため、ハンドル800が破損することがなく部品破損のリスクを低減できる。なお、上記例においては、ハンドル800の初期位置及び最大回転位置における指掛部820A乃至820Cの位置関係について述べたが、ハンドル800が如何なる回転位置においても各指掛部820A乃至820Cが本体枠の下縁よりも下方に突出しない構成であっても良い。
また、ハンドル800の初期位置においては、指掛部820A乃至指掛部820Cの最外点は、本体枠の右縁(前枠4の右縁T1及び内枠3の右縁T2のいずれか一方)よりも右方に突出することがない。また、ハンドル800の最大回転位置においては、指掛部820A乃至指掛部820Cの最外点は、本体枠の右縁(前枠4の右縁T1及び内枠3の右縁T2のいずれか一方)よりも右方に突出することがない。さらに、ハンドル800が如何なる回転位置においても各指掛部820A乃至820Cが本体枠の右縁よりも右方に突出しない構成であっても良い。また、ハンドル800を最大回転位置まで回転させた場合において、径方向外側への突出寸法が最も大となる指掛部820Aの最外点がハンドル800の回転軌道の最下点に位置していない構成としても良い。
次に、図46を参照してハンドルユニット7の内部構造について概説する。図46は、保持部700を取り外した状態のハンドル800の内部を示す斜視図である。同図に示すように、ハンドルユニット7の組み付け状態において、ハンドル800は、前枠4に対して固定される筒状のベース体900に突設された中心軸910及び中心軸を中心として周囲に突設されたガイド軸920を介して回転可能に取り付けられる。中心軸910は、ハンドル800の平面部830の中心に形成された円孔を貫通する。複数のガイド軸920は、平面部830の周囲において周方向に延長して形成された複数のガイド孔830A;830Bを貫通する。そして、ハンドル800を初期位置から回転させると複数のガイド軸920が対応するガイド孔830A;830Bの周方向端部に接触したところでそれ以上の回転が規制される。つまり、ガイド軸920及びガイド孔830A;830Bは、ハンドル800の回転をガイドする機能と、その回転可能角度を一定範囲内に規制するストッパーとしての機能とを併せ持つ。
ハンドル800には、中心軸910に貫通支持されるリングスライダー840が設けられている。リングスライダー840は、中心軸910に支持されており、その外周にコイルスプリング845が巻き回されている。このコイルスプリング845は、その一端がベース体900のバネ受け片915に掛止され、他端がハンドル800のバネ受け片815に掛止される。よって、コイルスプリング845は、ハンドル800に対して初期位置方向への回転力を常時作用させており、遊技者がハンドル800から把持を解消した場合、ハンドル800は初期位置に復帰して静止する。
一方で、ハンドル800が図示の初期位置にあるときに、遊技者がハンドル800を右方向に回転操作すると、当該ハンドル800は、コイルスプリング845の弾性力に抗して回転し、最大回転位置にて停止することとなる。
次に、ハンドル800を初期位置から最大回転位置まで回転する場合に必要な操作トルクについて説明する。図47は、実施例1,2における操作トルクの変化を示すグラフである。同グラフにおいて初期位置は回転角度が0°である位置であり、左打ち基準位置は、回転角度(第1操作角度)が45°~60°の範囲となる位置であり、右打ち基準位置(最大回転位置)は、回転角度(第2操作角度)が100°~120°の範囲となる位置である。なお、第1操作角度を第2操作角度の半分以下に設定しても良い。左打ち基準位置及び右打ち基準位置に一定の範囲が存在するのは、遊技盤30に配設された釘の配列や盤面構成によって遊技球を左打ち領域EL及び右打ち領域ERに打ち出し可能となる範囲が異なるからである。
同グラフに示すように、本実施形態においては、ハンドル800を初期位置から回転させるために要する最小の操作トルクTは、6.8Nに設定されている。また、左打ち基準位置から右打ち基準位置側に回転させるために要する操作トルクTは、13.6Nに設定されている。また、右打ち基準位置においてこれを維持するために要する操作トルクTは、23.8Nに設定されている。
つまり、ハンドル800の初期位置からの回転に要する操作トルクを第1操作トルクとし、ハンドル800の初期位置から左打ち基準位置までの回転に要する操作トルクを第2操作トルクとし、ハンドル800の初期位置から右打ち基準位置までの回転に要する操作トルクを第3操作トルクとすると、第2操作トルクが第1操作トルクよりも大きく、第3トルクが第2トルクよりも大きく、特に実施例1においては第3操作トルクが第2トルクの2倍以下となっている。
即ち、比較例1,比較例2との対比において、初期位置から右打ち基準位置までに至る操作トルクの増加の勾配がなだらかであり、特に最も操作トルクが大となる右打ち基準位置における操作トルクTと左打ち基準位置における操作トルクTとの差が小さいため、遊技者の疲労を緩和し、負担を軽減可能となる。また、第2操作トルクが第1トルクの2倍以下となっているため、上記同様に遊技者の疲労を緩和し、負担を軽減可能となる。
このようなハンドル800の構成によれば、遊技者が開閉体66側に遊技球を打ち出す際の動作がスムーズになり、より設計通りの遊技をしてもらう事が可能となり、打ち出しトラブルの発生を抑制できる。また、開閉体66の開放,閉鎖に対応するように演出表示を更新する場合において、遊技者は演出から開閉体66の開閉状態を判断し、ハンドル操作を切り替える可能性があるが、そのような発射の切替を行う場合もハンドル操作による疲労を緩和させ、負担を軽減させることができる。
また、負担の軽減によって遊技球の打ち出しに支障が出にくい構成であり、ひいては遊技者の球発射の操作を安定させ、特別遊技中の特定領域の通過を安定的に実行することができる。仮に操作に失敗し特定領域を通過しなかった場合でも特定領域を通過しない場合の方が時短回数が多いので、遊技者の利益損失が少なくなる様にケアをしている。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に何ら限定されることはなく、実施形態を組み合わせて多様な変更、改良を行い得ることが当業者において明らかである。また、そのような多様な変更、改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが特許請求の範囲の記載から明らかである。
上述の実施形態においては、特別遊技において特定領域に遊技球が進入しなかった場合における普図高確率の継続回数(時短回数)を進入した場合における継続回数よりも多い設定としたが、継続回数を多くする対象は、上記時短回数に限られず、例えば所謂支援時短や天井時短を対象としてその継続回数を大としても良い。
ここで支援時短とは、例えば図9に示す低確率用特図当否抽選テーブルTB1の判定結果に「時短当り」との判定結果を所定の確率で振り分けることや、図10に示す特1用特図種別決定テーブルTB1の特図種別として、「時短用特別図柄」との種別を所定の確率で振り分けることにより実現される。上記各抽選の結果として「時短当り」或いは「時短用特別図柄」が抽出された場合、特別遊技の実行を介することなく遊技状態が遊技状態1から遊技状態2に移行し、その後の特図抽選から一定の継続回数に渡って遊技状態2による特図抽選を受けることが可能となる。
そしてこのような支援時短を備えた構成であっても、特別遊技において特定領域に遊技球が進入しなかった場合における普図高確率の継続回数(時短回数)を支援時短の継続回数よりも大としても良い。
また、天井時短とは、遊技状態1における特図遊技の回数が継続して所定回数に達した場合に発動する時短であり、例えば特図遊技の回数が500回に達した場合に遊技状態2に移行し、501回目の特図遊技から一定の継続回数に渡って当該遊技状態2での遊技が可能となる。そしてこのような天井時短を備えた構成であっても、特別遊技において特定領域に遊技球が進入しなかった場合における普図高確率の継続回数(時短回数)を天井時短の継続回数よりも大としても良い。
また、特別遊技実行中の演出として、特図種別に応じた演出を実行しても良い。例えば、特定領域への進入が容易な特別図柄B,C,Eに基づいて開始される特別遊技においては、演出制御回路200が主制御回路100側から送信される4ラウンド目と対応する大入賞口開放指定コマンド(図31参照)を受信したことに基づいて、例えば「Vを狙え!」等のメッセージや音声と共に遊技者に対して遊技球を特定領域内に進入させること(遊技球の打ち出しを継続させること)を促す演出を実行する。そして、特定領域への進入がなされた場合には、「V」等の表示と共に特定領域への進入がなされたことを報知する演出を実行する。一方、当該演出後に特定領域への進入がなされることなく特別遊技が終了した場合、遊技状態移行後(遊技状態2)の複数回の特別図柄の変動に渡って、特定領域への進入がなされなかったことを報知する演出を実行しても良い。
また、例えば、特定領域への進入が困難な特別図柄A,Dに基づいて開始される特別遊技においては、演出制御回路200が主制御回路100側から送信される4ラウンド目と対応する大入賞口開放指定コマンド(図31参照)を受信した場合であっても上記遊技球を特定領域内に進入させること促す演出を実行することはなく、発射トラブルの発生により特定領域への進入がなされた場合に限って「V」等の表示と共に特定領域への進入がなされたことを報知する演出を実行しても良い。また、発射トラブルの発生により特定領域への進入がなされた場合に上記演出を実行しない構成としても良い。
上記実施形態において、図7の主制御回路100が主制御手段を構成し、演出制御回路200が副制御手段を構成する。図25の特別図柄乱数取得処理(ステップS535)を実行するCPU100aが始動情報取得手段を構成する。また、図28の特図当否抽選処理(ステップS610-9)を実行するCPU100aが当否抽選手段を構成する。また、同図の特図種別決定抽選処理(ステップS610-11)を実行するCPU100aが特図種別決定手段を構成する。また、同図の特図変動パターン決定抽選処理(ステップS610-14)を実行するCPU100aが図柄変動手段を構成する。また、図31~図35の処理を実行するCPU100aが特別遊技実行手段を構成する。また、図30の回数切り管理処理(ステップS630-7)、図35の遊技状態設定処理(ステップS680-3)を実行するCPU100aが遊技状態設定手段を構成する。また、各種のコマンドに基づいて、表示部としての表示画面D1上における演出に係る制御処理を実行する演出制御回路200が演出制御手段を構成する。
1 パチンコ機,9 操作機構,9A プッシュボタン,30 遊技盤,
35A 第1特別図柄表示装置,35B 第2特別図柄表示装置,
60 第1始動入賞部品,62 第2始動入賞部品,64 大入賞部品,
68 普図通過ゲート, 80 メイン表示装置,100 主制御回路,
100a メインCPU,100b メインROM,100c メインRAM,
150 払出制御回路,200 演出制御回路,200a サブCPU,
200b サブROM,200c サブRAM,D1 表示画面

Claims (3)

  1. 遊技盤に設けられた始動部品への入球に基づいて当否抽選を実行可能とする当否抽選手段と、
    前記当否抽選の結果が当りである場合に、当該当りの種類に応じた所定の態様により、前記遊技盤に設けられた大入賞装置を動作させる特別遊技を実行可能とする特別遊技実行手段と、
    前記大入賞装置に設けられた特定領域への遊技球の到達有無に応じて、前記特別遊技後の遊技状態を設定可能とする遊技状態設定手段と、
    を備えた遊技機であって、
    遊技状態設定手段は、遊技球が前記特定領域に到達したことに応じて、前記当否抽選の確率が不利な第1状態よりも有利であり、かつ、前記当否抽選の効率が前記第1状態よりも向上する第2状態を前記当否抽選が所定回数実行されるまで継続させ、
    遊技球が前記特定領域に到達しなかったことに応じて、前記当否抽選の確率が前記第2状態よりも不利であり、かつ、前記当否抽選の効率が前記第1状態よりも向上する第3状態を少なくとも前記第2状態の継続回数よりも多く継続させることを特徴とする遊技機。
  2. 前記遊技状態設定手段は、前記当りの種類が前記特定領域への到達を困難とする種類、及び前記特定領域への到達を容易とする種類のいずれであっても遊技球が前記特定領域に到達したことに応じて設定される前記第2状態の継続回数よりも遊技球が前記特定領域に到達しなかったことに応じて設定される第3状態の継続回数を多くすることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
  3. 前記遊技盤に設けられ、遊技領域を形成可能な外ガイドレールと、
    を備え、
    外ガイドレールには、所定の案内部が複数形成され、外ガイドレールが遊技盤に設けら
    れた状態において、外ガイドレールの一端から左端までの範囲を第1の範囲(H1)とし

    外ガイドレールの左端から上端までの範囲を第2の範囲(H2)とし、
    外ガイドレールの上端から他端までの範囲を第3の範囲(H3)とすると、各範囲に形
    成された所定の案内部の数がH3<H2<H1を満たすことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
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