JP2022163993A - 操船支援装置および操船支援プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】障害物を柔軟かつ定量的に回避するように船舶の推力指令値を決定することができる操船支援装置および操船支援プログラムを提供する。【解決手段】操船支援装置は、少なくとも1つの推進機を含む船舶のための操船支援装置であって、演算器および演算器で演算した結果を表示する表示器を備え、演算器は、船舶の位置、針路および速度に関する自船情報と、船舶の位置および/または姿勢に基づいて定められる所定範囲における障害物の位置、針路および速度に関する障害物情報と、を取得し、自船情報および障害物情報から船舶が出力可能な推力の大きさおよび方向について障害物に接触する可能性が生じると推定される指令値の範囲を危険推力指令値範囲として算出し、危険推力指令値範囲を表示器の表示画面に表示する。【選択図】図4
Description
本開示は、少なくとも1つの推進機を含む船舶の操船支援装置および操船支援プログラムに関する。
湾内は複数の船舶が密集し、逐次環境が変化するため、湾内の操船、特に、離着岸の操船は一般的に難しい。船舶において他の船舶や岸壁等の様々な障害物との衝突事故を防止するには、素早く正確な操船判断が必要となる。
下記特許文献1には、操船を支援する方法として、障害物との衝突危険性があると判定した場合に、予め設定された複数の避航指令パターンから1つを選択して表示装置に表示する態様が開示されている。より具体的には、特許文献1では、障害物(他船)が自船を中心とした角度範囲として定められる複数のエリアの何れに位置するかに応じて予め操船パターン(速度維持、右転、減速)が定められている。例えば、障害物が自船の右前方の第1エリアに位置する場合には、避航指令パターンとして右転を選択する。また、例えば、障害物が自船の右側方の第2エリアに位置する場合には、避航指令パターンとして減速を選択する。このように、従来の衝突回避のための操船支援装置においては、障害物との位置関係に基づいて障害物を回避するための最適な操作内容を提示する。
しかしながら、上記のような態様では、提示された最適な操作内容以外の操船を行った場合に障害物との衝突危険性があるかどうかは分からない。例えば、操船者が、障害物を検出するセンサが認識しなかった他の障害物を、提示された操作内容に基づく航路上に見つけた場合、操船者は、提示された操作内容とは異なる操作内容で操船を行う必要がある。しかし、上記従来の態様では、どのように操作内容を変更すべきか(どのように針路変更すべきか)分からない。また、特許文献1の態様では、定性的な操作内容に基づく操船パターンが予め定められているだけであり、避航のための定量的な操作量(自船の推力の大きさおよび方向)については提示されない。このため、適切に避航するためには、操船者が船舶の性能(慣性力等)を把握しておく必要がある。
そこで、本開示は、障害物を柔軟かつ定量的に回避するように船舶の推力指令値を決定することができる操船支援装置および操船支援プログラムを提供することを目的とする。
本開示の一態様における操船支援装置は、少なくとも1つの推進機を含む船舶のための操船支援装置であって、演算器および前記演算器で演算した結果を表示する表示器を備え、前記演算器は、前記船舶の位置、針路および速度に関する自船情報と、前記船舶の位置および/または姿勢に基づいて定められる所定範囲における障害物の位置、針路および速度に関する障害物情報と、を取得し、前記自船情報および前記障害物情報から前記船舶が出力可能な推力の大きさおよび方向について前記障害物に接触する可能性が生じると推定される指令値の範囲を前記危険推力指令値範囲として算出し、前記危険推力指令値範囲を前記表示器の表示画面に表示する。
また、本開示の他の態様における操船支援プログラムは、少なくとも1つの推進機を含む船舶のための操船支援プログラムであって、コンピュータを、前記船舶の位置、針路および速度に関する自船情報と、前記船舶の位置および/または姿勢に基づいて定められる所定範囲における障害物の位置、針路および速度に関する障害物情報と、を取得する情報取得部、前記自船情報および前記障害物情報から前記船舶が出力可能な推力の大きさおよび方向について前記障害物に接触する可能性が生じると推定される指令値の範囲を危険推力指令値範囲として算出する危険推力指令値範囲算出部、および前記危険推力指令値範囲を前記コンピュータの表示画面に表示する危険推力指令値範囲表示部として機能させる。
上記構成の操船支援装置および操船支援プログラムによれば、自船情報および障害物情報から船舶が出力可能な推力の大きさおよび方向のうち、障害物に接触する可能性が生じると推定される指令値の範囲が、危険推力指令値範囲として表示画面に表示される。したがって、操船者等のユーザは、表示画面に表示された危険推力指令値範囲を考慮しつつ船舶が出力可能な推力の大きさおよび方向の組み合わせの中から自由に操作内容を決定することができる。このように、上記構成によれば、障害物を柔軟かつ定量的に回避するための操作内容を決定するための示唆を操船者に与えることができる。
また、本開示の他の態様における操船支援装置は、少なくとも1つの推進機を含む船舶のための操船支援装置であって、演算器および前記演算器で演算した結果を表示する表示器を備え、前記演算器は、前記船舶の位置、針路および速度に関する自船情報と、前記船舶の位置および/または姿勢に基づいて定められる所定範囲における障害物の位置、針路および速度に関する障害物情報と、を取得し、前記自船情報および前記障害物情報から前記船舶が出力可能な推力の大きさおよび方向について前記障害物に接触する可能性が生じると推定される指令値の範囲を危険推力指令値範囲として算出し、前記船舶の推力の大きさおよび方向についての現在の指令値が前記危険推力指令値範囲に含まれるか否かを判定し、前記現在の指令値が前記危険推力指令値範囲に含まれる場合、前記現在の指令値を前記危険推力指令値範囲外の指令値になるように補正する。
また、本開示の他の態様における操船支援プログラムは、コンピュータを、前記船舶の位置、針路および速度に関する自船情報と、前記船舶の位置および/または姿勢に基づいて定められる所定範囲における障害物の位置、針路および速度に関する障害物情報と、を取得する情報取得部、前記自船情報および前記障害物情報から前記船舶が出力可能な推力の大きさおよび方向について前記障害物に接触する可能性が生じると推定される指令値の範囲を危険推力指令値範囲として算出する危険推力指令値範囲算出部、前記船舶の推力の大きさおよび方向についての現在の指令値が前記危険推力指令値範囲に含まれるか否かを判定する判定部、および前記現在の指令値が前記危険推力指令値範囲に含まれる場合、前記現在の指令値を前記危険推力指令値範囲外の指令値になるように補正する指令値補正部として機能させる。
上記構成の操船支援装置および操船支援プログラムによれば、自船情報および障害物情報から船舶が出力可能な推力の大きさおよび方向のうち、障害物に接触する可能性が生じると推定される指令値の範囲が、危険推力指令値範囲として算出される。さらに、船舶の現在の指令値が危険推力指令値範囲に含まれる場合、現在の指令値が危険推力指令値範囲外の指令値になるように補正される。したがって、操船者の操作量にかかわらず、危険推力指令値範囲外となるような指令値で操船を行うことができる。しかも、操船者は、危険推力指令値範囲外では自由に操作量を決定することができる。したがって、障害物を柔軟かつ定量的に回避するように船舶の推力指令値を決定することができる。
本開示によれば、障害物を柔軟かつ定量的に回避するように船舶の推力指令値を決定することができる。
以下、本開示の一実施の形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一または相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
図1は、本開示の一実施の形態に係る操船支援装置の概略構成を示すブロック図である。図1に示す操船支援装置1は、入力器2、記憶器3、演算器4、および表示器5を備えている。各構成1~5は、バス6により相互にデータ伝達を行う。操船支援装置1は、船舶に設置されたコンピュータまたは制御装置として構成されてもよいし、船舶に設置されたコンピュータとは異なるコンピュータによって構成されてもよい。船舶に設置されたコンピュータとは異なるコンピュータは、例えばタブレット端末またはスマートフォン等の携帯端末であってもよいし、陸上の施設に設置されるコンピュータであってもよい。また、操船支援装置1を構成する一部の機能を船舶に設置されたコンピュータが発揮し、他の機能を船舶に設置されたコンピュータとは異なるコンピュータが発揮し、所定の通信器によって相互にデータの相互通信が行われるように構成されてもよい。
入力器2は、後述する自船情報、障害物情報、船舶の操作量等のデータが入力されるインターフェイスを構成する。例えば、入力器2は、通信インターフェイスとして構成されてもよいし、ユーザによる操作入力が可能な入力装置として構成されてもよい。記憶器3は、入力器2に入力されたデータを記憶する。さらに、記憶器3は、後述する船舶の船体モデルおよび操船支援プログラムを記憶する。記憶器3は、例えば、RAM、ROM等のメインメモリと、ハードディスク、フラッシュメモリ等の書き込み可能なストレージとを含む。演算器4は、例えばCPUにより構成される。演算器4は、記憶器3に記憶された各種データに基づいて船舶の危険推力指令値範囲を算出する演算処理を実行する。このために、演算器4(を含むコンピュータ)は、操船支援プログラムを実行することにより、情報取得部41、危険推力指令値範囲算出部42、危険推力指令値範囲表示部43および動作シミュレーション部44等の機能を発揮する。表示器5は、汎用の表示装置等で構成される。表示器5は、演算器4の演算結果等を表示画面に表示するように構成される。
情報取得部41は、GPS等の全球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を用いた対象船舶(以下、自船Sm)の位置情報や、方位計、ジャイロコンパス、風向風速計、対水速度計等の自船に設けられた各種センサによる測定情報等から求められた、自船Smの位置、針路および速度に関する自船情報を取得する。なお、情報取得部41は、自船情報を外部から単に取得するだけでもよいし、例えば、情報取得部41が、自船の単位時間ごとの位置情報等から、自船の針路および速度を演算により求めてもよい。
さらに、情報取得部41は、自船Smの位置および/または姿勢(例えば針路等)に基づいて定められる所定範囲における障害物の位置、針路および速度に関する障害物情報を取得する。所定範囲の境界は、自船Smの位置を中心とする所定半径の円または多角形として定義されてもよいし、針路方向に長い所定形状として定義されてもよい。障害物情報は、他船情報および固定物情報を含む。他船情報は、船舶自動識別装置(AIS:Automatic Identification System)から得られる他の船舶の位置、針路および速度に関する情報である。固定物情報は、海図情報から得られる岸壁、岩礁等の固定物の位置に関する情報である。
情報取得部41は、このような自船情報および障害物情報を取得し、記憶器3に記憶する。危険推力指令値範囲算出部42は、これらの情報を用いて自船Smが出力可能な推力の大きさおよび方向についての危険推力指令値範囲DZ(後述する図4参照)を算出する。危険推力指令値範囲DZは、自船Smが出力可能な推力の大きさおよび方向について障害物に接触する可能性が生じると推定される指令値の範囲である。まず、危険推力指令値範囲算出部42は、自船情報および障害物情報から船舶の障害物に対する相対位置Pおよび相対速度Vを算出する。相対位置Pおよび相対速度Vはスカラーまたはベクトルの何れでもよい。ここで、船舶の障害物に対する所定の安全量h=h(P)が相対位置Pおよび相対速度Vを用いて定義される。
例えば、安全量hは、自船Smの障害物に対する相対位置Pが近接するほど低下し、かつ、自船Smの障害物に対する相対速度Vが近接方向に増大するほど低下するような安全量関数として定義される。例えば、安全量関数を、自船Smと障害物とで結ぶ直線上の位置関係(スカラー)として示すと、以下のように定義される。
h=(d-δ)-T・v…(1)
ここで、dは船舶および障害物間の相対距離(スカラー)、δは保持距離(マージン)、Tは時定数、vは相対速度(スカラー)を示す。dが相対位置Pに相当し、vが相対速度Vに相当する。なお、この安全量関数は、ベクトルの相対位置Pおよび相対速度Vを用いてベクトルの関数としても表され得る。以上のように定義された安全量関数h(P)が正であれば、障害物に接触する可能性が生じないと推定される。
h=(d-δ)-T・v…(1)
ここで、dは船舶および障害物間の相対距離(スカラー)、δは保持距離(マージン)、Tは時定数、vは相対速度(スカラー)を示す。dが相対位置Pに相当し、vが相対速度Vに相当する。なお、この安全量関数は、ベクトルの相対位置Pおよび相対速度Vを用いてベクトルの関数としても表され得る。以上のように定義された安全量関数h(P)が正であれば、障害物に接触する可能性が生じないと推定される。
このように安全量関数で示される安全量hの変化率は、安全量関数を時間微分することで得られる。時間微分の方法としては、例えばLie微分を用いることができる。ここで、相対速度Vの微分は、相対加速度を示す。加速度は、運動方程式より自船Smの推力Fを自船Smの質量で割ったものといえる。したがって、安全量hの変化率h’は、相対位置Pおよび推力Fを変数とした関数として表現できる。すなわち、h’=h’(P,F)である。なお、自船Smの推力Fの大きさおよび方向は、プロペラ等の推力発生器に対して与えられる推力指令値である操作量Uの大きさおよび方向と対応する。すなわち、操作量Uの大きさによりプロペラの回転数が決定されるため、その回転数とプロペラの諸元とから推力Fが定められる。このため、安全量hの変化率h’を、相対位置Pおよび操作量Uを変数とした関数として表現できる。
このようにして得られる上記安全量の式h(P)およびその変化率の式h’(P,U)から、以下に示すような操作量Uに関する不等式制約条件が定義される。
h’(P,U)≧-a(h(P))…(2)
ここで、a(h(P))は、h(P)を変数とする関数である。この関数a(h(P))は、入力と同じ符号の出力を返す。そのため、(2)式の右辺-a(h(P))は、h(P)が負の値であるときに正となる。なお、(2)式において、右辺の代わりに、h(P)に正の定数kが乗算された式が不等式制約条件として用いられてもよい。
h’(P,U)≧-a(h(P))…(2)
ここで、a(h(P))は、h(P)を変数とする関数である。この関数a(h(P))は、入力と同じ符号の出力を返す。そのため、(2)式の右辺-a(h(P))は、h(P)が負の値であるときに正となる。なお、(2)式において、右辺の代わりに、h(P)に正の定数kが乗算された式が不等式制約条件として用いられてもよい。
危険推力指令値範囲算出部42は、船舶が出力可能な推力の大きさおよび方向について、安全量hの変化率がそのときの安全量hに応じて定められる基準値以上となるような、船舶の推力Fの大きさおよび方向についての操作量U(推力指令値)の範囲を算出する。例えば、安全量hが上記(1)式の安全量関数で示される場合、危険推力指令値範囲算出部42は、船舶が出力可能な推力Fの大きさおよび方向に基づいて船舶の障害物方向の推力の大きさfを算出し、そのfを上記(2)式で示す不等式制約条件のFに代入して上記(2)式を満足するか否かを判定する。上記式(1)の例では、相対位置Pには、現在の船舶および障害物の相対距離dが代入される。
危険推力指令値範囲算出部42は、上記不等式制約条件を満足するか否かの判定を、船舶が出力可能な複数の推力の大きさおよび方向の組み合わせについて行う。例えば、出力可能な推力の大きさを所定の複数段階に区切るとともに、出力可能な推力の方向として所定の基準方向(例えば前方)を0°として、その基準方向からの角度(例えば時計回りの角度)を所定の複数段階に区切ることにより、船舶が出力可能な推力の大きさおよび方向の組み合わせの中から複数の演算点が設定される。危険推力指令値範囲算出部42は、複数の演算点のそれぞれについて上記判定を行う。危険推力指令値範囲算出部42は、上記判定において不等式制約条件を満足しない推力Fの大きさおよび方向の組み合わせを危険推力指令値として抽出する。
図2は、本実施の形態における危険推力指令値の抽出処理のイメージ図である。図2のUZで示される外枠は、その中心を基準点Qo(推力F=0)とし、自船Smが出力可能な推力(指令値)Fの大きさおよび方向の領域(出力可能範囲UZ)を示している。出力可能範囲UZ内の任意の点において、基準点Qoと任意の点との距離が離れるほど推力Fが大きいことを示している。また、出力可能範囲UZの上下左右が自船Smの前後左右に対応しており、基準点Qoを基準とする任意の点の方向が推力Fの方向を示している。
図2においては、複数の演算点として、前方を0°として基準点Qo回りに45°ごとに推力Fの方向が段階分けされ(8方向)、各方向において推力Fの大きさがそれぞれ10段階に分けられた演算点Qc(80個の演算点Qc)が設定されている。なお、演算点Qcの設定態様はこれに限られず、演算点Qcは、種々の態様で設定され得る。
図3は、船舶と障害物との位置関係の一例を示す図である。本例においては、自船Smの右前方から障害物である他船Sobが自船Smの左前方へ近接しながら自船Smの前方を横切るような航路を取っている。自船Smは、少なくとも1つの推進機THを備えている。推進機THは、例えば推力を水平方向内の任意の方向に発生させることができるアジマススラスタ等により構成される。
図2には、図3のような自船Smおよび他船Sobの位置関係において、危険推力指令値範囲算出部42が複数の演算点Qcについて上記判定を行った結果、上記不等式制約条件を満足しなかった演算点が×印で示されている。すなわち、危険推力指令値範囲算出部42は、×印で示されている演算点を危険推力指令値として抽出する。
危険推力指令値範囲算出部42は、抽出した危険推力指令値を含む範囲を危険推力指令値範囲DZとして算出する。図2の例において、危険推力指令値範囲算出部42は、各演算点Qcの上記判定結果に基づいて、複数の演算点Qc間の補間演算を行い、危険推力指令値範囲DZの境界線DBを決定する。境界線DBは、図2に示すように直線でもよいし、曲線でもよい。危険推力指令値範囲算出部42は、境界線DBを基準として危険推力指令値として抽出した演算点を含む側を危険推力指令値範囲DZとして設定する。危険推力指令値範囲表示部43は、算出した危険推力指令値範囲DZを表示器5の表示画面に表示する。
なお、上記のような補間演算は必須ではない。例えば、危険推力指令値範囲DZが、抽出された危険推力指令値の集合として定義されてもよい。また、例えば、危険推力指令値範囲DZが、抽出された危険推力指令値間を結んだ線分で区画されてもよい。
なお、危険推力指令値範囲DZの算出態様は、上記に限られない。すなわち、予め定められた演算点Qcごとの判定結果を参照する態様には限られない。例えば、自船Smが出力可能な推力Fの大きさおよび方向の組み合わせを二次元的に表示する出力可能範囲を、操作量Uに関する不等式制約条件である上記(2)式の成立と非成立との間の境界線で区画して、不等式制約条件を満たさない側を危険推力指令値範囲DZとしてもよい。
例えば、安全量の変化率h’が操作量Uに関する一次関数の形になるように安全量関数が定義された場合、(2)式が規定する安全な操作量Uの領域は、直線で区画して表現可能となる。これに代えて、安全量関数の変化率h’が操作量Uに関する一次関数の形にならないように定義することも可能である。その場合には、直線ではない式によって(2)式が規定する安全な操作量Uの領域は、直線ではない数式で表現される。
図4は、本実施の形態における表示画面の一例を示す図である。表示画面50は、自船Smが出力可能な推力の大きさおよび方向の組み合わせを二次元的に表示する出力可能範囲表示領域51を含む。出力可能範囲表示領域51は、図2に示す出力可能範囲UZに対応するものである。すなわち、出力可能範囲表示領域51内の任意の点において、基準点Qoと任意の点との距離が推力Fの大きさを示し、基準点Qoを基準とする任意の点の方向が推力Fの方向を示している。危険推力指令値範囲表示部43は、出力可能範囲表示領域51上に危険推力指令値範囲DZを二次元的に表示する。例えば、危険推力指令値範囲DZは、出力可能範囲UZの他の領域とは異なる表示態様(色を変える等)により、強調表示される。
なお、危険推力指令値範囲DZは、必ずしも1つの連続的な領域として表示しなくてもよい。例えば、危険推力指令値範囲DZが、抽出された危険推力指令値の集合として定義される場合、危険推力指令値範囲表示部43は、複数の演算点Qcを出力可能範囲表示領域51上に表示し、かつ、複数の演算点Qcのうちの危険推力指令値として抽出された演算点をその他の(危険推力指令値として抽出されなかった)演算点とは異なる表示態様で表示してもよい。また、操作量Uに関する不等式制約条件が複数ある場合、複数の条件式のそれぞれについて条件を満たさない範囲をそれぞれ危険推力指令値範囲DZとして算出し、これらを組み合わせてもよい。この場合も、演算点Qcごとに判定を行う態様だけでなく、条件式の成立と非成立との間の境界線を用いる態様が適用可能である。
出力可能範囲表示領域51における危険推力指令値範囲DZ内の推力指令値(大きさおよび方向)を選択することは、図3に示すような危険な推力による航路CNGを選択することを意味する。したがって、演算対象となっている障害物(図3における他船Sob)に接近および衝突する可能性が高くなる。言い換えると、危険推力指令値範囲DZ内の推力指令値は、障害物に接触する可能性がある方向かつ障害物に基準時間以内に接触する可能性がある大きさを含んでいる。一方、表示画面50において危険推力指令値範囲DZ外の推力指令値を選択することは、図3に示すような危険を回避可能な推力による航路COKを選択することを意味する。しかも、危険を回避可能な推力による航路COKは、操船者が危険推力指令値範囲DZ以外で任意に選択可能である。
さらに、危険推力指令値範囲表示部43は、出力可能範囲表示領域51上に、自船Smの現在の推力Fの大きさおよび方向の組み合わせを示す現在推力マーカMを表示する。すなわち、現在の推力Fの指令値が、危険推力指令値範囲DZ内か否か、および危険推力指令値範囲DZ外である場合であっても危険推力指令値範囲DZに近いかどうかが一見して分かるように表示される。
さらに、危険推力指令値範囲表示部43は、表示画面50に、危険推力指令値範囲DZの時間経過に伴う変化を表示可能である。より具体的には、危険推力指令値範囲表示部43は、入力器2に推力Fの大きさおよび方向についての所定の組み合わせ(設定入力値)が入力された場合に、その推力Fの大きさおよび方向を一定として自船Smを所定時間航行させた場合の危険推力指令値範囲DZの基準時間tb経過ごとの変化を表示画面50に表示する。
例えば、入力器2に入力される設定入力値は、自船Smの現在の推力Fの大きさおよび方向でもよいし、操船者等のユーザが任意に入力器2に入力した推力Fの大きさおよび方向でもよい。
動作シミュレーション部44は、入力された設定入力値に基づいて、自船Smの挙動をモデル化した所定の船体モデルを用いて自船Smの動作シミュレーションを行う。
このために、記憶器3には、予め自船Smの挙動をモデル化した船体モデルが記憶されている。また、入力器2から自船Smに作用する外力等の情報が入力される。例えば、船体モデルは、自船Smに作用する風圧力、流体力および自船Smの推力Fの合力を、自船Smの前後方向(サージ方向)作用力X、左右方向(スウェイ方向)作用力Yおよび回頭角(ヨー角)作用力モーメントNのそれぞれに分解し、分解した力のそれぞれについての運動方程式として定義される。
ここで、風圧力は、例えば、自船Smに設けられた風向風速計測計で計測された値からイーシャウッドの提案式または藤原の提案式等の公知の算出方法により算出される。また、流体力は、自船Smの対地船速、対水船速、潮流センサ計測値等からMMGの提案式、Cross-flow dragモデル等の公知の算出方法により算出される。
また、自船Smの船体モデルを定義する運動方程式は、例えば以下のように表される。ここで、Mは船体質量、JZは船体慣性モーメント、uは前後方向速度、vは左右方向速度、rは回頭角速度、xGは船体中心から見た前後方向重心位置、yGは船体中心から見た左右方向重心位置をそれぞれ示す。
なお、自船Smがタグボート等の支援船のアシストを受けている場合、船体モデルとして、タグボートが自船Smに作用する力を外力として含むような船体モデルを適用してもよい。
動作シミュレーション部44は、動作シミュレーションの結果、入力された設定入力値における所定の基準時間tb経過ごとの自船Smの位置、針路および速度を算出する。基準時間tbは自船Smの大きさおよび最大船速の大きさまたはシミュレーション時の船速の大きさに従って設定され得る。例えば、自船Smが大きいほど基準時間tbが長い時間に設定され、自船Smの船速が速いほど基準時間tbが短い時間に設定される。
危険推力指令値範囲算出部42は、算出された基準時間tb経過ごとの自船Smの位置、針路および速度を用いて、基準時間tb経過ごとの危険推力指令値範囲DZを算出する。このときの障害物の針路および速度は、現在の針路および速度で固定とする。障害物が移動している場合(例えば障害物が他船Sobである場合等)、障害物の位置は、現在の位置から現在の速度で基準時間tb経過後の位置を算出することにより、求められる。なお、上述の通り、船舶の操作指令は、一般的に前後方向、左右方向および回頭角の三次元であるため、回頭角については現在の操作指令で固定する等により不等式制約条件を二次元表現とすることで、危険推力指令値範囲DZを二次元的な範囲として算出することができる。
危険推力指令値範囲表示部43は、自船Smの推力Fの大きさおよび方向を一定として自船Smを所定時間航行させた場合の危険推力指令値範囲DZの基準時間tb経過ごとの変化を表示画面50に表示する。
図5は、本実施の形態において表示画面に危険推力指令値範囲の時間変化を表示する態様の一例を示す図である。図5の例においても、表示画面50は、図4と同様の表示を行う出力可能範囲表示領域51を含む。図5の例では、自船Smの現在の推力Fの大きさおよび方向の組み合わせ(現在推力マーカMの位置)を設定入力値とし、基準時間tbを30秒として、30秒経過ごとの危険推力指令値範囲DZが表示画面50(出力可能範囲表示領域51)に順次表示される。
なお、経過時間の切り替え(例えば[現在]から[30秒後]への表示切替)は、ユーザの操作に基づいて行われてもよいし、自動的に(数秒後に表示切替等)行われてもよい。また、危険推力指令値範囲DZの算出を行っていない時間における危険推力指令値範囲DZを、算出された複数のタイミングにおける危険推力指令値範囲DZから補間演算により推定することにより、危険推力指令値範囲DZの時間変化が連続的に(動画として)表示されてもよい。例えば、[現在]における危険推力指令値範囲DZと[30秒後]における危険推力指令値範囲DZとから[現在]から[30秒後]までの間の危険推力指令値範囲DZ(の連続的な変化)が推定されてもよい。
あるいは、1つの表示画面50上に複数の出力可能範囲表示領域51が設けられ、各出力可能範囲表示領域51に各時間における危険推力指令値範囲DZが表示されてもよい。すなわち、例えば図5に示す4つのタイミングにおける危険推力指令値範囲DZが1つの表示画面50上に表示されてもよい。この場合、1つの表示画面50に4つの出力可能範囲表示領域51が設けられる。
図6は、本実施の形態において表示画面に危険推力指令値範囲の時間変化を表示する態様の他の例を示す図である。図6に示すように、1つの出力可能範囲表示領域51に基準時間tb経過ごとの危険推力指令値範囲DZが互いに異なる表示態様で表示されてもよい。図6では、[現在]における危険推力指令値範囲DZ0、[30秒後]における危険推力指令値範囲DZ1、[60秒後]における危険推力指令値範囲DZ2、および[90秒後]における危険推力指令値範囲DZ3が、1つの出力可能範囲表示領域51内に表示されている。
例えば複数の危険推力指令値範囲DZ0~DZ3が互いに異なる色で表示されてもよいし、互いに異なる色の濃さで表示されてもよい。なお、図6の例では複数の危険推力指令値範囲DZ0~DZ3において重複する領域は現在に近い方が優先して表示される。これに代えて、複数の危険推力指令値範囲DZ0~DZ3を透過表示にしてもよい。
上記構成の操船支援装置1によれば、自船情報および障害物情報から自船Smが出力可能な推力の大きさおよび方向のうち、障害物(他船Sob等)に接触する可能性が生じると推定される指令値の範囲が、危険推力指令値範囲DZとして表示画面50に表示される。より具体的には、自船Smの障害物(他船Sob等)に対する相対位置Pおよび相対速度Vに基づいて定められる安全量hの変化率に応じて、自船Smが出力可能な推力Fの大きさおよび方向のうち、障害物との関係で危険操作となり得る自船Smの推力指令値が、危険推力指令値範囲DZとして表示画面50に表示される。したがって、操船者等のユーザは、表示画面50に表示された危険推力指令値範囲DZを考慮しつつ自船Smが出力可能な推力Fの大きさおよび方向の組み合わせの中から自由に操作内容を決定することができる。すなわち、操船支援装置1による表示内容(判定結果)に操船者の判断を加えた操船(避航等)を行うことができる。
このため、例えば、クジラ等の海洋生物のように情報取得部41が障害物情報として取得し難い回避対象が目視等により認識された場合であっても、操作内容を柔軟に決定することができる。また、操作パターンの選択ではなく、推力Fの大きさおよび方向について定量的に判断して決定することにより、例えば、障害物として認識されなかった上記回避対象を回避するために、一時的にあえて危険推力指令値範囲DZ内の推力Fの大きさおよび方向での操船を行うことも選択肢として考慮することができる。このように、上記構成によれば、障害物を柔軟かつ定量的に回避するための操作内容を決定するための示唆を操船者に与えることができる。
さらに、自船Smの動作シミュレーションに基づいて求められる自船Smの予測位置等に伴う危険推力指令値範囲DZの時間的変化を表示画面50に表示させることもできる。このため、操船者が行う操作内容に対する危険予測を事前に行うことができ、操船者の操作内容の決定をより適切に行うための判断材料を提供することができる。これにより、操船者に操作内容を決定するための時間的な余裕を与えることができる。
また、危険推力指令値範囲DZが、自船Smが出力可能な推力Fの大きさおよび方向の組み合わせを二次元的に表示する出力可能範囲表示領域51上に二次元的に表示されるため、操作者が一見して容易に推力範囲DZを把握することができる。
また、出力可能範囲表示領域51上に現在推力マーカMが表示されるため、自船Smの現在の操作内容と危険推力指令値範囲DZとの位置関係を容易に把握することができ、操作内容の妥当性を容易に確認することができる。
(その他の実施形態)
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、出力可能範囲表示領域51が危険推力指令値範囲DZとそれ以外の範囲(言わば安全推力範囲)とに区画される態様を例示したが、危険推力指令値範囲DZと安全推力範囲との間に要注意範囲CZが設けられてもよい。図7は、他の実施の形態における表示画面の一例を示す図である。
図7に示す例では、危険推力指令値範囲DZの境界線DBと基準点Qoとの間に境界線DBから所定距離離れた境界線CBが引かれ、境界線DBと境界線CBとの間の範囲が要注意範囲CZとして設定される。出力可能範囲表示領域51における要注意範囲CZ内の推力F(大きさおよび方向)を選択することは、図3に示すような危険な推力による航路CNGに近い航路を選択することを意味する。
したがって、演算対象となっている障害物(図3における他船Sob)に接近および衝突する可能性がやや高くなる。このように、算出された危険推力指令値範囲DZに基づいて段階的な表示を行うことにより、その推力Fを採用する危険度(または安全度)を視覚的に判断することができる。なお、要注意範囲CZは、危険推力指令値範囲DZに近いほど危険度が高くなるような複数の範囲を含んでもよい。この場合複数の範囲は、互いに異なる表示態様で表示されてもよい。
また、自船Smの操作量Uが危険推力指令値範囲DZ内である場合(現在推力マーカMが危険推力指令値範囲DZ内に位置する場合)に、表示器5が所定のアラーム(音または表示等)を出力してもよい。同様に、自船Smの推力Fの大きさおよび方向の組み合わせが要注意範囲CZ内である場合に、表示器5が所定のアラームを出力してもよい。要注意範囲CZ内である場合に出力されるアラームは、危険推力指令値範囲DZ内である場合に出力されるアラームとは異なる態様であってもよい。
また、演算器4は、自船Smについての現在の推力指令値(操作量U)が危険推力指令値範囲DZに含まれる場合に、現在の推力指令値を危険推力指令値範囲DZ外の指令値になるように補正してもよい。図8は、本開示の一実施の形態における変形例に係る操船支援装置の概略構成を示すブロック図である。図1と同様の構成については同じ符号を付し、説明を省略する。
図8の例では、演算器4B(を含むコンピュータ)は、操船支援プログラムを実行することにより、上記実施の形態と同様の情報取得部41、危険推力指令値範囲算出部42、危険推力指令値範囲表示部43に加えて、判定部45および指令値補正部46等の機能を発揮する。判定部45は、現在の推力指令値(操作量U)の情報を取得し、自船Smについての現在の推力指令値(操作量U)が危険推力指令値範囲DZに含まれるか否かを判定する。指令値補正部46は、現在の推力指令値が危険推力指令値範囲DZに含まれる場合、現在の推力指令値を危険推力指令値範囲DZ外の指令値になるように補正する。
例えば、指令値補正部46は、現在推力マーカMが危険推力指令値範囲DZ内に位置する場合、現在推力マーカMの位置に近く、危険推力指令値範囲DZ外にある推力指令値を算出し、それを現在の推力指令値(アクチュエータに対する指令値)として用いるようにしてもよい。このときの推力指令値の算出には、例えば、凸制約問題を解くことができる一般的なソルバを用い得る。あるいは、指令値補正部46は、現在推力マーカMが危険推力指令値範囲DZ内に位置する場合、現在推力マーカMの位置に近い演算点Qcのうち、危険推力指令値範囲DZ外の演算点Qcの位置に対応する推力指令値を現在の推力指令値(アクチュエータに対する指令値)として用いるようにしてもよい。
本変形例によれば、自船Smの現在の指令値が危険推力指令値範囲DZに含まれる場合、現在の推力指令値が危険推力指令値範囲DZ外の指令値になるように補正される。したがって、操船者の操作量Uにかかわらず、危険推力指令値範囲DZ外となるような推力指令値で操船を行うことができる。しかも、操船者は、危険推力指令値範囲DZ外では自由に操作量を決定することができる。したがって、障害物を柔軟かつ定量的に回避するように自船Smの推力指令値を決定することができる。
なお、本変形例においても、危険推力指令値範囲DZの表示画面50への表示が行われてもよいが、表示画面50への表示は必須ではない。また、本変形例においても演算器4Bが動作シミュレーション部44として機能し、自船Smの動作シミュレーションを行って、危険推力指令値範囲DZの基準時間tb経過ごとの変化を表示画面50に表示してもよい。
また、表示画面50は、タッチパネル等の操作入力画面として構成されてもよい。すなわち、表示器5は、入力器2として機能してもよい。この場合、例えば出力可能範囲表示領域51内でタッチ操作した位置の推力Fの大きさおよび方向が、動作シミュレーションを行う際の設定入力値として設定されてもよい。あるいは、入力器2としても機能する表示器5が自船Sm内に設けられる場合、出力可能範囲表示領域51内でタッチ操作した位置の推力Fの大きさおよび方向が、自船Smの操作指令値として入力されてもよい。すなわち、自船Smの推力操作を行うための入力器2上に表示器5が設けられてもよい。これにより、危険推力指令値範囲DZが表示された表示画面50上で実際の自船Smの推力操作が可能となる。なお、この場合、タッチ操作した位置に現在推力マーカMが表示される。
また、表示器5が自船Sm内に設けられる場合、自船Smの推力操作を行うための入力器2の近傍に表示器5が設けられてもよい。例えば、自船Smの推力操作を行うために自船Smに設けられた入力器2がジョイスティックタイプの入力器で構成される場合、ジョイスティックの基部の周囲に表示画面50が設けられてもよい。この場合、ジョイスティックの基部の中心位置が基準点Qoの位置に設定される。この他、自船Smの推力操作を行うための入力器2は、ポインティングデバイス、レバー、ダイヤル、スロットル等であってもよい。この場合も、表示器5が入力器2上または入力器2の近傍に設けられ得る。
また、上述したように上記実施の形態における操船支援装置1は、対象船舶内に設けられる必要はない。言い換えると、対象船舶の情報(自船情報)と障害物情報とが取得できる限り、対象船舶は任意に設定(選択)可能である。すなわち、操船支援装置1のユーザは、対象船舶の操船者でなくてもよい。例えば、操船支援装置1のユーザは、陸上の管理者であってもよいし、自船Smに同船する水先案内人であってもよい。
1 操船支援装置
4,4B 演算器
5 表示器
41 情報取得部
42 危険推力指令値範囲算出部
43 危険推力指令値範囲表示部
44 動作シミュレーション部
50 表示画面
51 出力可能範囲表示領域
DZ 危険推力指令値範囲
M 現在推力マーカ
Sm 自船(船舶)
Sob 他船(障害物)
TH 推進機
4,4B 演算器
5 表示器
41 情報取得部
42 危険推力指令値範囲算出部
43 危険推力指令値範囲表示部
44 動作シミュレーション部
50 表示画面
51 出力可能範囲表示領域
DZ 危険推力指令値範囲
M 現在推力マーカ
Sm 自船(船舶)
Sob 他船(障害物)
TH 推進機
Claims (11)
- 少なくとも1つの推進機を含む船舶のための操船支援装置であって、
演算器および前記演算器で演算した結果を表示する表示器を備え、
前記演算器は、
前記船舶の位置、針路および速度に関する自船情報と、前記船舶の位置および/または姿勢に基づいて定められる所定範囲における障害物の位置、針路および速度に関する障害物情報と、を取得し、
前記自船情報および前記障害物情報から前記船舶が出力可能な推力の大きさおよび方向について前記障害物に接触する可能性が生じると推定される指令値の範囲を前記危険推力指令値範囲として算出し、
前記危険推力指令値範囲を前記表示器の表示画面に表示する、操船支援装置。 - 前記演算器は、
前記船舶の推力の大きさおよび方向の所定の組み合わせにおける所定の基準時間経過ごとの前記船舶の位置、針路および速度を、前記船舶の挙動をモデル化した所定の船体モデルを用いて前記船舶の動作シミュレーションを行うことにより、算出し、
算出した前記基準時間経過ごとの前記船舶の位置、針路および速度を用いて、前記基準時間経過ごとの前記危険推力指令値範囲を算出し、
前記船舶の推力の大きさおよび方向を一定として前記船舶を所定時間航行させた場合の前記危険推力指令値範囲の前記基準時間経過ごとの変化を前記表示画面に表示する、請求項1に記載の操船支援装置。 - 前記表示画面は、前記船舶が出力可能な推力指令値の大きさおよび方向の組み合わせを二次元的に表示する出力可能範囲表示部を含み、
前記演算器は、前記危険推力指令値範囲を、前記出力可能範囲表示部上に二次元的に表示する、請求項1または2に記載の操船支援装置。 - 前記演算器は、前記出力可能範囲表示部上に、前記船舶の現在の推力指令値の大きさおよび方向の組み合わせを示す現在推力マーカを表示する、請求項3に記載の操船支援装置。
- 前記演算器は、前記船舶の前記障害物に対する相対位置が所定の基準値に近づくほど低下し、かつ、前記船舶の前記障害物に対する相対速度が近接方向に増大するほど低下するような安全量を定める安全量関数を用い、前記安全量の変化率が前記安全量に応じて定められる基準値以上となるような、前記指令値の範囲を算出する、請求項1から4の何れかに記載の操船支援装置。
- 前記演算器は、前記安全量関数と、当該安全量関数を時間微分することによって得られる前記相対位置および前記船舶の推力を変数として有する関数とから得られる前記船舶の推力に関する不等式制約条件を用いて、前記危険推力指令値範囲を決定する、請求項5に記載の操船支援装置。
- 前記表示器は、前記船舶内において前記船舶の推力操作を行うための入力器上または前記入力器の近傍に設けられる、請求項1から6の何れかに記載の操船支援装置。
- 少なくとも1つの推進機を含む船舶のための操船支援装置であって、
演算器および前記演算器で演算した結果を表示する表示器を備え、
前記演算器は、
前記船舶の位置、針路および速度に関する自船情報と、前記船舶の位置および/または姿勢に基づいて定められる所定範囲における障害物の位置、針路および速度に関する障害物情報と、を取得し、
前記自船情報および前記障害物情報から前記船舶が出力可能な推力の大きさおよび方向について前記障害物に接触する可能性が生じると推定される指令値の範囲を危険推力指令値範囲として算出し、
前記船舶の推力の大きさおよび方向についての現在の指令値が前記危険推力指令値範囲に含まれるか否かを判定し、
前記現在の指令値が前記危険推力指令値範囲に含まれる場合、前記現在の指令値を前記危険推力指令値範囲外の指令値になるように補正する、操船支援装置。 - 少なくとも1つの推進機を含む船舶のための操船支援プログラムであって、
コンピュータを、
前記船舶の位置、針路および速度に関する自船情報と、前記船舶の位置および/または姿勢に基づいて定められる所定範囲における障害物の位置、針路および速度に関する障害物情報と、を取得する情報取得部、
前記自船情報および前記障害物情報から前記船舶が出力可能な推力の大きさおよび方向について前記障害物に接触する可能性が生じると推定される指令値の範囲を危険推力指令値範囲として算出する危険推力指令値範囲算出部、および
前記危険推力指令値範囲を前記コンピュータの表示画面に表示する危険推力指令値範囲表示部として機能させる、操船支援プログラム。 - 前記コンピュータを、
前記船舶の推力の大きさおよび方向の所定の組み合わせにおける所定の基準時間経過ごとの前記船舶の位置、針路および速度を、前記船舶の挙動をモデル化した所定の船体モデルを用いて前記船舶の動作シミュレーションを行うことにより、算出する動作シミュレーション部として機能させ、
前記危険推力指令値範囲算出部は、算出した前記基準時間経過ごとの前記船舶の位置、針路および速度を用いて、前記基準時間経過ごとの前記危険推力指令値範囲を算出し、
前記危険推力指令値範囲表示部は、前記船舶の推力の大きさおよび方向を一定として前記船舶を所定時間航行させた場合の前記危険推力指令値範囲の前記基準時間経過ごとの変化を前記表示画面に表示する、請求項9に記載の操船支援プログラム。 - 少なくとも1つの推進機を含む船舶のための操船支援プログラムであって、
コンピュータを、
前記船舶の位置、針路および速度に関する自船情報と、前記船舶の位置および/または姿勢に基づいて定められる所定範囲における障害物の位置、針路および速度に関する障害物情報と、を取得する情報取得部、
前記自船情報および前記障害物情報から前記船舶が出力可能な推力の大きさおよび方向について前記障害物に接触する可能性が生じると推定される指令値の範囲を危険推力指令値範囲として算出する危険推力指令値範囲算出部、
前記船舶の推力の大きさおよび方向についての現在の指令値が前記危険推力指令値範囲に含まれるか否かを判定する判定部、および
前記現在の指令値が前記危険推力指令値範囲に含まれる場合、前記現在の指令値を前記危険推力指令値範囲外の指令値になるように補正する指令値補正部として機能させる、操船支援プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021069170A JP2022163993A (ja) | 2021-04-15 | 2021-04-15 | 操船支援装置および操船支援プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2021069170A JP2022163993A (ja) | 2021-04-15 | 2021-04-15 | 操船支援装置および操船支援プログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2021069170A Pending JP2022163993A (ja) | 2021-04-15 | 2021-04-15 | 操船支援装置および操船支援プログラム |
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Country | Link |
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