JP2022153793A - 設定提案装置、透析装置、学習装置及び透析情報システム - Google Patents

Abstract

【課題】不適切な治療のリスク低減しつつ、設定が複雑な機器における最適な設定を提案する設定提案装置、透析装置、学習装置及び透析情報システムを提供する。【解決手段】患者が透析治療を受ける際に行う透析装置６の設定内容を提案する設定提案システム１は、少なくとも１回の透析治療における患者の各種の状態に係る推移を示す推移データを含む患者透析状況データと、当該患者透析状況データを参照しながら医療従事者が設定した透析装置の設定内容のデータである設定データとを、過去に透析治療を行った複数の患者の各々について記憶した透析治療ＤＢ５のデータを用いて、患者透析状況データと設定データとの対応付けを学習した学習モデルを備え、提案対象患者の過去の患者透析状況データを含む入力データを学習モデルに適用し、学習モデルが出力した出力データに基づく設定提案データを提案出力端末４に出力する。【選択図】図１

Description

本発明は、設定提案装置、透析装置、学習装置及び透析情報システムに関する。

従来、透析患者のベッドサイドに設置された透析装置を用いて、透析患者に対する血液透析治療を行っている。近年、透析装置を含む医療機器の高度化に伴い、機器を動作させるための動作パラメータの設定が複雑になってきており、医療機器の設定には、ノウハウや熟練が必要になってきている。そこで、人工知能（ＡＩ）アルゴリズムに基づいて、個体差に応じた除水パターンの選択や、調整ユニットにおける血圧の変動の予測及び調整を行う血液透析装置が開示されている（例えば、特許文献１参照）。

特開２０１９－２１３８５８号公報

人工知能（ＡＩ）や統計学的手法等を用いたアルゴリズムを使用しても、機器が適切な予測や調整を必ずしも行うとは限らない。特に、医療機器等、患者の治療に関する機器に人工知能（ＡＩ）や統計学的手法等を用いたアルゴリズムを用いると、かえって不適切な治療につながるというリスクがある。
また、患者の治療当日の身体情報や、既往歴及び別疾患の有無等の多くの因子によって治療設定が異なることも、機器に人工知能（ＡＩ）や統計学的手法等を用いたアルゴリズムによって導き出された治療を行った際、不適切な治療の要因となる。

従って、本発明は、不適切な治療のリスク低減しつつ、設定が複雑な機器における最適な設定を提案する設定提案装置、透析装置、学習装置及び透析情報システムを提供することを目的とする。

本発明は、患者が透析治療を受ける際に行う透析装置の設定内容を提案する設定提案装置であって、少なくとも１回の透析治療における患者の各種の状態に係る推移を示す推移データを含む患者透析状況データと、当該患者透析状況データを参照しながら医療従事者が設定した前記透析装置の設定内容のデータである設定データとを、過去に透析治療を行った複数の患者の各々について記憶した透析治療データベースのデータを用いて、前記患者透析状況データと、前記患者透析状況データを参照して設定した前記設定データとの対応付けを学習した学習モデルと、少なくとも提案対象患者の指定を受け付ける入力受付手段と、前記入力受付手段が受け付けた前記提案対象患者の過去の前記患者透析状況データを含む入力データを前記学習モデルに適用し、前記学習モデルが出力した出力データに基づく設定提案データを表示部に出力するデータ出力手段と、を備える設定提案装置に関する。

また、設定提案装置において、前記入力受付手段は、透析治療に係る目標値をさらに受け付け、前記データ出力手段は、前記入力受付手段が受け付けた前記透析治療に係る目標値をさらに前記入力データとして前記学習モデルに適用することで、前記学習モデルの前記出力データに基づく前記設定提案データを、前記表示部に出力することが好ましい。

また、設定提案装置において、前記患者透析状況データは、少なくとも前記患者の血液の状態を示す血液パラメータの推移データと、前記患者の透析前後の重さに関する値とを含み、前記設定データは、前記透析装置の動作切換閾値パラメータデータと、除水に関するデータとを含むことが好ましい。

また、設定提案装置において、前記データ出力手段は、前記学習モデルが出力した前記出力データを、前記設定提案データとして前記表示部に出力することが好ましい。

また、設定提案装置において、前記データ出力手段は、前記学習モデルが出力した前記出力データに近似した前記透析治療データベースの前記設定データを、前記設定提案データとして前記表示部に出力することが好ましい。

また、設定提案装置において、通知条件を記憶した通知条件記憶部と、前記入力受付手段が受け付けた前記患者透析状況データ及び前記出力データの少なくとも一方が前記通知条件記憶部に記憶された前記通知条件を満たすものである場合に、前記通知条件に対応する通知情報を前記表示部に出力する通知出力手段と、を備えることが好ましい。

また、設定提案装置において、前記医療従事者が設定した前記設定データを受け付ける設定データ受付手段と、前記設定データ受付手段により受け付けた前記設定データと、前記表示部に出力された前記患者透析状況データとを用いて前記学習モデルを学習する再学習手段と、を備えることが好ましい。

また、設定提案装置において、前記表示部に出力された前記設定提案データの確認がされた場合に、前記設定提案データを、前記提案対象患者の透析治療に用いる前記透析装置に送信する設定データ送信手段を備えることが好ましい。

また、設定提案装置において、前記透析治療データベースから前記患者透析状況データと、前記設定データとの対応付けを抽出して前記学習モデルを学習する学習手段を備えてもよい。

また、本発明は、少なくとも１回の透析治療における患者の各種の状態に係る推移を示す推移データを含む患者透析状況データと、当該患者透析状況データを参照しながら医療従事者が設定した透析装置の設定内容のデータである設定データとを、過去に透析治療を行った複数の患者の各々について記憶した透析治療データベースのデータを用いて、前記患者透析状況データと、前記患者透析状況データを参照して設定した前記設定データとの対応付けを学習した学習モデルと、少なくとも提案対象患者の指定を受け付ける入力受付手段と、前記入力受付手段が受け付けた前記提案対象患者の過去の前記患者透析状況データを含む入力データを前記学習モデルに適用し、前記学習モデルが出力した出力データに基づく設定提案データを表示部に出力するデータ出力手段と、を備える透析装置に関する。

また、本発明は、透析治療における透析装置の設定に関する学習装置であって、少なくとも１回の透析治療における患者の各種の状態に係る推移を示す推移データを含む患者透析状況データを取得する患者透析状況データ取得手段と、当該患者透析状況データを参照しながら医療従事者が設定した前記透析装置の設定内容のデータである設定データを取得する設定データ取得手段と、前記患者透析状況データと、前記設定データとの対応付けに基づいて学習モデルを学習する学習手段と、を備える、学習装置に関する。

また、本発明は、上記の設定提案装置と、上記の学習装置と、を備える透析情報システムであって、前記設定提案装置は、前記学習装置の学習モデルを記憶部に記憶させるモデル登録手段を備える、透析情報システムに関する。

また、透析情報システムにおいて、前記学習装置は、前記設定提案装置に対して通信可能に接続され、前記学習手段が学習した前記学習モデルを、前記設定提案装置に送信するモデル送信手段を備え、前記モデル登録手段は、前記学習装置から前記学習モデルを受信して、前記記憶部に記憶させてもよい。

本発明によれば、不適切な治療のリスク低減しつつ、設定が複雑な機器における最適な設定を提案する設定提案装置、透析装置、学習装置及び透析情報システムを提供できる。

本実施形態に係る透析情報システムの全体構成を示す図である。 本実施形態に係る設定提案システムの機能ブロックを示す図である。 本実施形態に係る設定提案システムの通知条件記憶部の例を示す図である。 本実施形態に係る設定提案システムの学習データ蓄積処理を示すフローチャートである。 本実施形態に係る設定提案システムの学習処理を示すフローチャートである。 本実施形態に係る設定提案システムの設定提案処理を示すフローチャートである。 本実施形態に係る設定提案システムの設定提案出力処理を示すフローチャートである。 本実施形態に係る設定提案システムでの表示例を示す図である。 本実施形態に係る設定提案システムでの表示例を示す図である。 本実施形態に係る設定提案システムでの他のグラフ表示の例を示す図である。 本実施形態に係る患者透析状況データの推移グラフの例を示す図である。 変形形態に係る学習に用いる各データを説明するための図である。

以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
［透析情報システム１００のシステム構成］
図１は、本実施形態に係る透析情報システム１００の全体構成を示す図である。
図２は、本実施形態に係る設定提案システム１の機能ブロックを示す図である。
図３は、本実施形態に係る設定提案システム１の通知条件記憶部３３の例を示す図である。

本実施形態の透析情報システム１００は、図１に示すように、データ処理サーバ２と、提案出力端末４と、透析治療ＤＢ（データベース）５と、複数の透析装置６とを備える。
設定提案システム１（設定提案装置）は、データ処理サーバ２と、提案出力端末４とによって構成される。
透析情報システム１００は、設定提案システム１が、複数の透析装置６からそれぞれ透析治療を受けた患者の患者透析状況データと、透析装置６に係る設定データとを受信して、透析治療ＤＢ５に受信したデータを蓄積させておく。そして、設定提案システム１が、透析治療ＤＢ５に蓄積された患者透析状況データと設定データとを用いて、両者の関係性を学習モデルに学習させる。そして、透析装置６で患者の透析治療を行う際には、学習した学習モデルを用いて、設定提案システム１が透析装置６に適用するパラメータの設定を提案する。

透析情報システム１００は、例えば、透析装置６を使用した透析治療を行う医療機関で運用するシステムである。ここで言う透析や透析治療とは、一般的に透析の医療行為中に行われる患者体内の水分除去（除水）も含む。透析情報システム１００では、ある医療機関での透析治療に係る各種データを、設定提案システム１が透析治療ＤＢ５に蓄積し、蓄積したデータを利用する。データ処理サーバ２及び透析治療ＤＢ５は、例えば、医療機関のコンピュータルーム等に設けられる。また、提案出力端末４は、例えば、透析装置６が設置されたフロアに設けられる。
図１に示す例では、設定提案システム１と透析治療ＤＢ５とは、直接接続されている。また、設定提案システム１は、通信ネットワークＮを介して、複数の透析装置６との間で通信が可能になっている。

通信ネットワークＮは、設定提案システム１と透析装置６との間のネットワークであり、例えば、ＬＡＮ（Ｌｏｃａｌ Ａｒｅａ Ｎｅｔｗｏｒｋ）や、インターネット回線、携帯端末通信網等である。通信ネットワークＮは、有線であるか無線であるかを問わない。
なお、設定提案システム１と透析治療ＤＢ５とは、通信ネットワークＮを介して接続されていてもよい。

次に、各装置の構成について順番に説明する。
［設定提案システム１］
設定提案システム１は、図１に示すように、データ処理サーバ２と、提案出力端末４とにより構成されている。データ処理サーバ２と提案出力端末４とは、直接通信可能に接続されていてもよいが、例えば、通信ネットワークＮを介して接続されていてもよい。また、提案出力端末４は、図１では、１つだけ示しているが、複数であってもよい。提案出力端末４は、データ処理サーバ２の入出力装置としての機能を果たす。

図２に示す設定提案システム１は、制御部２０と、記憶部３０と、通信ＩＦ（インタフェース）部３９と、入力部４１と、表示部４２とを備える。
制御部２０は、設定提案システム１を制御する中央処理装置（ＣＰＵ）である。制御部２０は、記憶部３０に記憶されているオペレーティングシステム（ＯＳ）やアプリケーションプログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、各種機能を実行する。

制御部２０は、透析装置データ処理部２１と、学習部２５（学習手段）と、設定提案処理部２６とを備える。
透析装置データ処理部２１は、設定提案システム１と通信可能に接続された複数の透析装置６の各々から受信するデータに係る処理を行う。
透析装置データ処理部２１は、透析状況データ取得部２２（患者透析状況データ取得手段）と、設定データ取得部２３（設定データ取得手段）と、ＤＢ蓄積処理部２４とを備える。

透析状況データ取得部２２は、透析治療を行った患者の各種の状態に係る推移を示す推移データを含む患者透析状況データを、透析装置６から受信することで取得する。ここで、推移データは、例えば、循環血液量変化率の推移データ（例えば、△ＢＶ（％）で表すことができる。）や、ヘマトクリット測定値の推移データといった、血液の状態を示す血液パラメータの推移データの他、血圧、静脈圧、除水量、除水速度等の推移を表す時系列データを含んでもよい。また、患者透析状況データは、推移データの他、例えば、患者の透析前後での体重や、ＤＷ（ドライウェイト）、目標除水量といった、患者の重さに関する値のうち少なくとも１つを含み、さらに処置内容、患者の年齢や透析歴、血液検査結果等を含んでもよい。透析装置６を操作する者（以下、透析装置６を操作する者を、操作者ともいう。）は、透析治療の前後及び治療中において透析装置６に患者の情報等を登録する。ここで、処置内容は、例えば、血圧低下に伴う足上げ処置といった実施事項を含む。また、透析治療を行うと、各種の推移データは、透析装置６に登録される。そのため、透析装置６が患者透析状況データを送信することで、透析状況データ取得部２２は、患者透析状況データを取得できる。

設定データ取得部２３は、透析治療の時に熟練した医療従事者が設定した、前記透析装置の設定内容のデータである設定データを、透析装置６から受信することで取得する。ここで、設定データとは、例えば、透析装置６の動作切換閾値パラメータデータ（以下、単にパラメータデータともいう。）や、除水に関するデータをいう。
パラメータデータは、警報ラインを表す時系列データである。パラメータデータは、例えば、透析時の循環血液量変化率がパラメータデータにより示される警報ラインを上回る場合には、設定によって指定した除水変化率を加算することで、除水速度を増加させるように透析装置６を制御する、といった、透析装置６の制御に使用するものである。熟練した医療従事者は、透析治療を行う患者の過去（直近）の患者透析状況データを見たり、当日の患者の状態を確認したりしながら、透析治療前に透析装置６にパラメータデータを設定する。
除水に関するデータは、例えば、除水速度であり、目標除水量、除水時間等であってもよい。ここで、除水速度は、透析治療を行う患者の過去（直近）の患者透析状況データや、患者の状態や心胸比等の臨床データを元に熟練した医療従事者が設定する、ＤＷと、透析前体重と、除水時間とによって算出される。
透析装置６が設定データを送信することで、設定データ取得部２３は、設定データを取得できる。

ＤＢ蓄積処理部２４は、透析装置６から取得した患者透析状況データと設定データとを対応付けて、透析治療ＤＢ５に登録する。ここで、対応付ける患者透析状況データは、少なくとも透析治療前に熟練した医療従事者がパラメータデータを設定するのに用いた推移データと、透析治療前の体重やＤＷ等とを含み、透析治療中の処置内容を含んでもよい。また、設定データは、透析治療前に熟練した医療従事者が設定したパラメータデータ及び除水に関するデータを含む。患者透析状況データと設定データとの対応付けは、例えば、患者を識別する患者ＩＤ（ＩＤｅｎｔｉｆｉｃａｔｉｏｎ）と各データの日付とによって行うことができる。

学習部２５は、透析治療ＤＢ５に蓄積された患者透析状況データと、設定データとの対応付けを学習モデルに入力し、学習させる。ここで、学習部２５は、例えば、パラメータデータ等を設定するのに際して用いた患者透析状況データを入力データとし、設定データに含まれるパラメータデータ及び除水に関するデータとを教師データとして、時系列データに関しては、ＬＳＴＭ（Ｌｏｎｇ ｓｈｏｒｔ－ｔｅｒｍ ｍｅｍｏｒｙ）の学習モデルに、時系列以外のデータに関しては、ＤＮＮ（Ｄｅｅｐ ｎｅｕｒａｌ ｎｅｔｗｏｒｋ）の学習モデルに入力し、学習させる。
なお、学習部２５は、時系列のデータについてはＬＳＴＭを用いて学習を実行したが、これに限定されず、他の学習モデルを用いて学習してもよい。
他の学習モデルとしては、画像の分類等に用いられるＣＮＮ（Ｃｏｎｖｏｌｕｔｉｏｎａｌ ｎｅｕｒａｌ ｎｅｔｗｏｒｋ）等を用いることが考えられる。これは、時系列のデータをその時々の数値データとして扱うのではなく、時系列データの全体、もしくはその一部の数値データを画像の輝度とし、一連の画像とみなすことにより、適用が可能である。
そして、学習部２５は、学習した学習モデルを、モデル記憶部３２に記憶させる。

また、学習部２５は、透析治療ＤＢ５に蓄積された全てのデータを使用してもよいが、例えば、途中で透析治療を中止した場合のデータを除くデータを使用してもよい。さらに、学習部２５は、患者ごとのデータを抽出した上で、患者ごとに学習モデルに入力し、学習させてもよいし、患者の属性ごとのデータを抽出した上で、属性ごとに学習モデルに入力し、学習させてもよい。患者の属性ごとに行う例としては、患者の年齢（年代）ごとや、患者の透析歴ごとや、患者の体重（範囲）ごと、性別、透析装置６に設定される治療モードごとに学習モデルに入力し、学習させてもよい。

設定提案処理部２６は、これから透析治療を行う患者についての透析装置６での設定に係る設定提案データを、表示部４２に出力する処理を行う。
設定提案処理部２６は、データ受付部２７（入力受付手段）と、データ出力部２８（データ出力手段）と、通知出力部２９（通知出力手段）とを備える。

データ受付部２７は、入力部４１から少なくとも提案対象患者の指定を受け付ける。また、データ受付部２７は、提案対象患者の指定の他、例えば、目標除水量（透析治療に係る目標値）を受け付ける。ここで、データ受付部２７は、目標除水量を直接受け付けなくても、例えば、後述するように、提案対象患者の透析治療前の体重及びＤＷを受け付けたことに応じて設定提案処理部２６が算出したものを、目標除水量として受け付けるものとしてもよい。さらに、データ受付部２７は、血圧や静脈圧や患者年齢等を受け付けてもよい。

データ出力部２８は、データ受付部２７が受け付けた提案対象患者の過去の患者透析状況データ及び目標除水量を入力データとして、モデル記憶部３２に記憶された学習モデルに適用し、学習モデルが出力した出力データに基づく設定提案データを、表示部４２に出力する。ここで、過去の患者透析状況データは、透析治療ＤＢ５に記憶されたデータのうち、例えば、直近で透析治療を行った際の患者透析状況データである。データ出力部２８は、設定提案データを、データ受付部２７が受け付けた提案対象患者についての過去の患者透析状況データ又は過去の設定データと共に出力してもよい。
設定提案データは、学習モデルが出力した出力データそのものであってもよいし、学習モデルが出力した出力データに近似した、透析治療ＤＢ５に記憶されている設定データであってもよい。また、データ出力部２８は、各々の設定提案データを識別可能にして、複数の設定提案データを表示部４２に出力してもよい。

通知出力部２９は、データ出力部２８が出力した患者透析状況データや出力データが、通知条件記憶部３３に記憶された通知条件を満たすものである場合に、表示部４２に通知情報を出力する。通知情報は、患者透析状況データや出力データについて、警告や注意を促す情報である。

記憶部３０は、制御部２０が各種の処理を実行するために必要なプログラム、データ等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶領域である。
記憶部３０は、プログラム記憶部３１と、モデル記憶部３２と、通知条件記憶部３３とを備える。
プログラム記憶部３１は、制御部２０の各種機能を実行するためのプログラム等、各種のプログラムを記憶するための記憶領域である。プログラム記憶部３１に記憶されるプログラムは、制御部２０の各機能部や、複数の機能部ごとに別プログラムであってもよいし、１つのプログラムであってもよい。

モデル記憶部３２は、学習部２５が学習した学習モデルを記憶するための記憶領域である。
通知条件記憶部３３は、通知条件を記憶する記憶領域である。通知条件記憶部３３は、例えば、図３に示すように、レベルと通知条件と通知内容とを対応付けたテーブルである。
レベルは、通知内容のレベルを示し、警告や注意等である。
通知条件は、患者透析状況データや出力データの条件である。
通知内容は、通知条件に対応したメッセージである。

通信ＩＦ部３９は、通信ネットワークＮ等を介して、透析装置６等との間で通信を行うためのインタフェースである。
入力部４１は、例えば、操作ボタンや、コントローラ等のポインティングデバイス等の入力装置である。
表示部４２は、例えば、ＬＣＤ（Ｌｉｑｕｉｄ Ｃｒｙｓｔａｌ Ｄｉｓｐｌａｙ）等の表示装置である。

［透析治療ＤＢ５］
図１に示す透析治療ＤＢ５は、透析情報システム１００で管理する透析装置６に入力され、及び、透析装置６が処理結果として出力した各種データを受信して蓄積するデータベースである。透析治療ＤＢ５は、設定提案システム１によって、透析装置６から受信した透析に係るデータが蓄積される。そのため、透析治療ＤＢ５には、様々な患者の透析に係る大量のデータが蓄積されている。なお、透析治療ＤＢ５へのデータの格納や取出しといった制御は、設定提案システム１が行う。

［透析装置６］
透析装置６は、少なくとも患者の血液を体外循環させるための血液回路を構成する動脈側血液回路及び静脈側血液回路を有した血液浄化用回路と、血液浄化用回路に接続可能な複数の接続部を有し血液回路にて体外循環する血液を浄化するための血液浄化器と、血液回路及び血液浄化器にて血液浄化治療させるための種々の治療手段が配設された装置本体（コンソール）とを備えた装置である。
透析装置６の装置本体は、各種計測装置（図示せず）に接続されており、循環血液量変化率、ヘマトクリット測定値、酸素飽和度、ＰＲＲ（Ｐｌａｓｍａ Ｒｅｆｉｌｌｉｎｇ Ｒａｔｅ）といった、患者の体内における血液の状態に関する値を取得する。
透析装置６の装置本体には、図示しないが、制御部、記憶部、タッチパネル、通信ＩＦ部等を備える。

なお、コンピュータとは、制御部、記憶装置等を備えた情報処理装置をいい、設定提案システム１及び透析装置６は、いずれも制御部、記憶部等を備えた情報処理装置であり、コンピュータの概念に含まれる。

続いて、透析情報システム１００の処理について説明する。
［データ蓄積に係る処理］
まず、透析装置６のデータを蓄積する処理について説明する。
図４は、本実施形態に係る設定提案システム１の学習データ蓄積処理を示すフローチャートである。
データ蓄積に係る処理は、学習モデルの学習に用いるデータを収集する処理である。よって、既に透析治療ＤＢ５に学習モデルを学習可能な程度の量のデータが蓄積されている場合には、本処理を行う必要はない。

図４のステップＳ（以下、「ステップＳ」を単に「Ｓ」という。）１１において、設定提案システム１の透析装置データ処理部２１は、透析装置６から患者透析状況データの要求を受信する。要求には、例えば、患者ＩＤと、オーダ日とを含む。オーダ日とは、透析治療を行った日をいい、要求には、例えば、前回透析治療を行った日が指定される。
Ｓ１２において、透析装置データ処理部２１は、要求に対応する患者透析状況データを透析治療ＤＢ５から抽出して透析装置６に送信する。
透析装置６では、受信した患者透析状況データを表示させ、表示された患者透析状況データを見ながら、熟練した医療従事者が透析装置６の設定をする。

Ｓ１３において、透析装置データ処理部２１（設定データ取得部２３）は、透析装置６から当該透析装置６に設定された内容である設定データを、当該設定データを使用した透析治療後に受信する。設定は、透析治療の開始前だけではなく、透析治療中にも必要に応じて適宜行われる。
Ｓ１４において、透析装置データ処理部２１（ＤＢ蓄積処理部２４）は、Ｓ１２の処理で送信した患者透析状況データと、受信した設定データとを対応付けて、透析治療ＤＢ５に記憶させる。

Ｓ１５において、透析装置データ処理部２１（透析状況データ取得部２２）は、透析装置６から患者透析状況データを受信する。ここで、透析装置６では、１回の透析治療が終了すると、透析装置６に記憶されたデータを設定提案システム１に送信する。そのため、設定提案システム１では、患者透析状況データを受信できる。
Ｓ１６において、透析装置データ処理部２１（ＤＢ蓄積処理部２４）は、受信した患者透析状況データを、透析治療ＤＢ５に記憶させる。その後、制御部２０は、本処理を終了する。

なお、Ｓ１３とＳ１５との処理の先後は問わない。また、Ｓ１３及びＳ１４の処理とＳ１５及びＳ１６の処理とは、同時並行して行ってもよい。
また、透析治療を初めて行う患者の場合、透析治療ＤＢ５には、当該患者のデータが蓄積されていない。その場合には、透析装置データ処理部２１は、Ｓ１２の処理で患者透析状況データが受信できないが、Ｓ１４の処理で設定データを透析治療ＤＢ５に記憶し、Ｓ１５及びＳ１６の処理で患者透析状況データを、透析治療ＤＢ５に記憶する。

この処理によって、設定提案システム１は、１回の透析治療に係る患者透析状況データと、当該患者透析状況データを参照しながら熟練した医療従事者が透析装置６で設定した透析装置６の設定に係る設定データとを対応付けて、透析治療ＤＢ５に記憶する。そのため、透析治療ＤＢ５には、１回の透析治療に関する患者透析状況データと設定データとのペアを記憶できる。そして、設定提案システム１は、透析治療の都度、透析装置６から送信されるデータを、透析治療ＤＢ５に記憶するので、透析治療ＤＢ５には、患者透析状況データと、当該患者透析状況データに対応した透析装置６での熟練した医療従事者による設定に係る設定データとの大量のデータを蓄積できる。

［学習処理］
次に、透析治療ＤＢ５に蓄積されたデータを用いた学習処理について説明する。
図５は、本実施形態に係る設定提案システム１の学習処理を示すフローチャートである。
設定提案システム１の制御部２０は、透析治療ＤＢ５に大量のデータが蓄積された後、次に説明する設定提案に係る運用を開始する前に、この学習処理を行う。

図５のＳ２１において、設定提案システム１の学習部２５は、透析治療ＤＢ５から患者透析状況データと設定データとの対応付けデータを抽出する。ここで抽出する対応付けデータは、１つ以上であり、複数の対応付けデータを抽出することが望ましい。
Ｓ２２において、学習部２５は、抽出した対応付けデータを用いて学習モデルに学習させる。

Ｓ２３において、学習部２５は、透析治療ＤＢ５に記憶されている全てのデータについて所定回数分の学習をしたか否かを判断する。透析治療ＤＢ５に記憶されている全てのデータについて所定回数分の学習をした場合（Ｓ２３：ＹＥＳ）には、制御部２０は、処理をＳ２４に移す。他方、透析治療ＤＢ５に記憶されている全てのデータについて所定回数分の学習をしていない場合（Ｓ２３：ＮＯ）には、制御部２０は、処理をＳ２１に移す。
Ｓ２４において、学習部２５は、学習した学習モデルを、モデル記憶部３２記憶させる。その後、制御部２０は、本処理を終了する。

このように、設定提案システム１は、透析治療ＤＢ５に記憶された患者透析状況データと設定データとの対応付けデータを用いて学習をすることで、入力データを与えた場合に、熟練した医療従事者による設定に準じた設定内容の提案を出力する学習モデルを学習させることができる。

［設定内容の提案に係る処理］
次に、学習処理の後に、透析治療を行う患者に対する透析装置６の設定を、学習モデルを用いて提案する処理について説明する。
図６は、本実施形態に係る設定提案システム１の設定提案処理を示すフローチャートである。
図７は、本実施形態に係る設定提案システム１の設定提案出力処理を示すフローチャートである。
図８及び図９は、本実施形態に係る設定提案システム１での表示例を示す図である。
図１０は、本実施形態に係る設定提案システム１での他のグラフ表示の例を示す図である。

図６のＳ３１において、設定提案システム１の設定提案処理部２６は、操作者による画面表示操作に基づいて、例えば、図８に示す患者情報入力画面７１を、表示部４２に出力する。ここで、操作者は、透析装置６を操作する者をいい、学習モデルを使用する前のように、熟練した医療従事者でなくてよい。
図８の患者情報入力画面７１は、これから透析治療を行う提案対象患者に関する情報を入力し、及び、選択するための画面である。患者情報入力画面７１は、患者指定部７２と、日付指定部７３と、今回オーダ日７４と、重さ指定部７５と、除水目標部７６と、指定日情報出力部７７と、ボタン７８及び７９とを含む。

患者指定部７２は、透析情報システム１００に登録された患者ＩＤを表示し、提案対象患者の患者ＩＤを選択するための領域である。患者情報入力画面７１を表示した際には、複数の患者ＩＤが表示されている。
日付指定部７３は、患者指定部７２により指定された患者の過去のオーダ日と、今回オーダ日とを表示し、今回オーダ日を選択するための領域である。患者情報入力画面７１を表示した際には、患者指定部７２における指定がされていないため、日付指定部７３は、ブランクである。
重さ指定部７５は、体重には提案対象患者の透析前体重を入力し、ＤＷには提案対象患者のＤＷを入力するための領域である。
除水目標部７６は、重さ指定部７５の入力に伴って、自動的に算出した目標除水量を出力する領域である。除水目標部７６に自動的に出力された目標除水量は、上書きをすることで変更が可能である。

指定日情報出力部７７は、日付指定部７３で選択された今回オーダ日の１回前の透析オーダ日を指定オーダ日とし、指定オーダ日の患者透析状況データから得られる情報を出力する領域である。なお、患者情報入力画面７１を表示した際には、日付指定部７３における指定がされていないため、指定日情報出力部７７に表示される数値は、ブランクである。
ボタン７８は、患者情報入力画面７１に表示されている情報や、表示されている情報から取得可能な情報等に基づいて、設定提案を開始するためのボタンであり、ボタン７９は、患者情報入力画面７１で選択及び入力した情報をクリアするためのボタンである。

図６のＳ３２において、患者情報入力画面７１の患者指定部７２から提案対象患者の患者ＩＤを操作者が選択する操作をすることで、設定提案システム１の設定提案処理部２６は、提案対象患者を受け付ける。例えば、患者ＩＤを選択することで、設定提案処理部２６は、患者指定部７２の選択された患者ＩＤを含む指定箇所７２ａを、選択された状態の表示に変更する。
Ｓ３３において、設定提案処理部２６は、受け付けた患者の患者透析状況データのオーダ日を透析治療ＤＢ５から抽出して、今回オーダ日を含んで日付指定部７３に反映させる。そうすることで、日付指定部７３には、患者指定部７２により指定された患者の過去のオーダ日と今回オーダ日とが表示される。

Ｓ３４において、患者情報入力画面７１の日付指定部７３からオーダ日を操作者が選択する操作をすることで、設定提案システム１の設定提案処理部２６は、オーダ日を受け付ける。ここで、操作者は、通常は、日付指定部７３に出力されたオーダ日のうち、本日の日付を、オーダ日として選択する。オーダ日を選択することで、設定提案処理部２６は、日付指定部７３の選択されたオーダ日を含む指定箇所７３ａを、例えば、選択された状態の表示に変更する。
Ｓ３５において、設定提案処理部２６は、受け付けた患者ＩＤ及び受け付けたオーダ日の１回前の透析オーダ日（指定オーダ日）に対応した患者透析状況データを、透析治療ＤＢ５から抽出して、患者情報入力画面７１の指定日情報出力部７７に反映させる。そうすることで、ブランクだった指定日情報出力部７７には、指定した患者の指定オーダ日の総除水量や除水速度の値が表示される。

操作者は、患者情報入力画面７１の情報を確認する。そして、患者情報入力画面７１の情報を確認した操作者は、提案対象患者の透析治療前の体重及びＤＷを、患者情報入力画面７１の重さ指定部７５に入力し、重さ指定部７５の値をもとに計算により除水目標部７６に自動出力された目標除水量を確認し、必要に応じて変更した後、ボタン７８を選択する。そうすることで、Ｓ３６において、設定提案処理部２６（データ受付部２７）は、提案対象患者の透析治療前の体重、ＤＷ及び目標除水量を受け付ける。
Ｓ３７において、設定提案処理部２６は、設定提案出力処理を行う。

ここで、提案設定出力処理について、図７に基づき説明する。
図７のＳ４１において、設定提案処理部２６（データ受付部２７、データ出力部２８）は、指定オーダ日の患者透析状況データと、算出した目標除水量とを含む入力データを、学習モデルに適用し、出力データを得る。
Ｓ４２において、設定提案処理部２６は、患者透析状況データや出力データのうち、通知条件記憶部３３に含まれる通知条件を満たすものがあるか否かを判断する。通知条件を満たすものがある場合（Ｓ４２：ＹＥＳ）には、設定提案処理部２６は、処理をＳ４３に移す。他方、通知条件を満たすものがない場合（Ｓ４２：ＮＯ）には、設定提案処理部２６は、処理をＳ４４に移す。

Ｓ４３において、設定提案処理部２６は、通知条件記憶部３３から通知条件を満たす通知内容を抽出する。
Ｓ４４において、設定提案処理部２６は、学習モデルに入力した患者透析状況データと、指定されたモードのデータとを含むグラフを生成する。ここで、指定可能なモードとしては、設定選択モードと、オリジナルモードとがある。オリジナルデータは、Ｓ４２で得た出力データそのものである。他方、設定選択データは、Ｓ４２で得た出力データに近似し、実際に透析治療で用いられた、透析治療ＤＢ５に記憶されている設定データである。なお、設定選択モードとオリジナルモードとのいずれをも含むＭＩＸモードがあってもよい。
Ｓ４５において、設定提案処理部２６（データ出力部２８、通知出力部２９）は、生成したグラフをグラフ出力部に出力し、通知内容がある場合には、さらに通知内容をメッセージ出力部に出力した提案出力画面８１を、表示部４２に出力する。その後、制御部２０は、本処理を終了する。

ここで、提案出力画面８１について、図９に基づき説明する。
図９の提案出力画面８１は、学習モデルに基づく設定提案データを出力する画面である。提案出力画面８１は、患者ＩＤ部８２と、今回情報出力部８３と、指定日情報出力部８４と、メッセージ出力部８５と、モード指定部８６と、グラフ出力部８７と、ボタン８８及び８９とを含む。
患者ＩＤ部８２は、患者情報入力画面７１（図８）で選択した患者ＩＤである。
今回情報出力部８３は、学習モデルが出力した今回の透析治療における設定提案データ（設定データ）の一部であり、除水速度を含む。
指定日情報出力部８４は、患者情報入力画面７１の指定日情報出力部７７と同じ内容を出力する。
メッセージ出力部８５は、通知条件を満たすものがある場合に、抽出した通知内容を出力する。

モード指定部８６は、グラフでの出力対象を指定するモードの領域である。図９に示す例の場合、ＭＩＸモードが選択された状態になっている。
グラフ出力部８７は、モード指定部８６の指定に応じたグラフを出力する。グラフ出力部８７は、患者透析状況データの推移グラフ８７ａと、オリジナルモードでの設定提案グラフ８７ｂと、設定選択モードでの設定提案グラフ８７ｃとを含む。
ボタン８８は、患者情報入力画面７１に戻るためのボタンである。
ボタン８９は、モード指定部８６において設定選択モード又はオリジナルモードが指定されている場合に出力されるものであり、透析装置６に設定提案グラフの元データである設定提案データを送信するためのボタンである。

操作者は、モード指定部８６の選択を変更して、グラフ出力部８７を、図１０（Ａ）に示すような設定選択モードにおいて出力される患者透析状況データの推移グラフ８７ａと、設定選択モードでの設定提案グラフ８７ｃとを表示するものにできる。また、図１０（Ｂ）に示すようなオリジナルモードにおいて出力される患者透析状況データの推移グラフ８７ａと、オリジナルモードでの設定提案グラフ８７ｂとを表示するものにできる。そして、操作者は、どの設定提案データを使用するか、又は、設定提案データを使用しないかを判断する。その結果として、設定提案データを使用する場合には、操作者は、提案出力画面８１のボタン８９を選択することで、制御部２０（設定データ送信手段）は、表示されている設定提案データを、指定する透析装置６に送信する。
そのようにすることで、透析装置６では、熟練した医療従事者による設定をせずとも、設定提案システム１から受信した設定提案データによる設定データを用いて設定ができるため、複雑な設定をすることなく、簡便に設定を行うことができる。

このように、本実施形態に係る透析情報システム１００によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、少なくとも１回の透析治療における患者の各種の状態に係る推移を示す推移データを含む患者透析状況データと、当該患者透析状況データを参照しながら熟練した医療従事者が設定した透析装置６の設定内容のデータである設定データとを、過去に透析治療を行った複数の患者の各々について記憶した透析治療ＤＢ５を用いて、患者透析状況データと、患者透析状況データを参照して設定した設定データとの対応付けを学習した学習モデルを用いるようにした。そして、透析治療を行う際に、少なくとも提案対象患者の指定を受け付け、受け付けた提案対象患者の過去の患者透析状況データを含む入力データを学習モデルに適用し、学習モデルが出力した出力データに基づく設定提案データを、患者透析状況データと共に表示部４２に出力するようにした。
これにより、透析治療を行う際に、提案対象患者の過去の患者透析状況データを用意すれば、当該提案対象患者の透析装置６での設定提案データを出力する。よって、熟練した医療従事者でなくても、設定提案データを確認して、透析装置６に設定をすればよく、簡易に設定を行うことができる。

また、本実施形態では、学習モデルが出力した出力データを、設定提案データとして表示部４２に出力するようにした。これにより、学習モデルが出力した設定提案データそのものを確認できる。
また、本実施形態では、出力データに近似した透析治療ＤＢ５に記憶された設定データを、設定提案データとして表示部４２に出力するようにした。これにより、透析治療の実績のある設定データを確認できる。
さらに、本実施形態では、両方の設定提案データを切り替えて出力したり、両方の設定提案データを同時に出力したりするようにした。これにより、透析装置６に対するよりふさわしい設定を比較しながら確認できる。

また、本実施形態では、少なくとも１回の透析治療における患者の各種の状態に係る推移を示す推移データを含む患者透析状況データを取得し、当該患者透析状況データを参照しながら熟練した医療従事者が設定した透析装置６の設定内容のデータである設定データを取得し、取得した患者透析状況データと設定データとの対応付けを、学習モデルに学習させるようにした。
これにより、熟練した医療従事者が設定した設定データを学習できるので、患者透析状況データに対する最適な設定データを出力可能にできる。

なお、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。

本実施形態においては、設定提案システムに学習部を備えるものを例に説明したが、これに限定されない。学習部は、設定提案システムとは異なる装置に有してもよい。そして、学習部を有する装置（学習装置）によって学習した学習モデルを、学習部を有する装置のモデル送信手段が送信することで、設定提案システムのモデル登録手段が取得して記憶部に記憶させる。そうすることで、設定提案システムでは、各患者の透析治療における透析装置６での設定を提案することができる。
又は、学習部を有する装置（学習装置）と設定提案システムとが通信ネットワークを介して接続されていない場合等には、学習部を有する装置（学習装置）によって学習した学習モデルを、ＵＳＢ等の記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を用いて設定提案システムの記憶部に記憶させてもよい。

また、本実施形態においては、透析治療ＤＢ５にデータを蓄積させる処理を、設定提案システムが行うものを例に説明したが、これに限定されない。他の装置が透析治療ＤＢ５にデータを蓄積させる処理を行ってもよいし、各透析装置６が透析治療ＤＢ５にデータを蓄積させる処理を行ってもよい。
また、本実施形態においては、設定提案処理部による処理結果を、表示部４２に出力するものを例に説明したが、これに限定されない。入出力に係る装置は、透析装置６であってもよい。
また、本実施形態においては、患者情報入力画面と提案出力画面との２つの画面を用いるものとして説明したが、これに限定されない。１つの画面で行ってもよい。

また、本実施形態においては、一度学習した学習モデルを用いて設定提案データを出力するものを説明したが、これに限定されない。その後、設定提案データに基づいて操作者が設定した設定データを、設定提案システムの設定データ受付手段が受け付け、受け付けたタイミングや一定期間が経過した後等に、受け付けた設定データと、表示部に出力された患者透析状況データとを用いて、設定提案システムの再学習手段が、学習モデルを学習してもよい。そして、設定提案システムは、モデル記憶部に記憶された学習モデルを、再学習手段により学習した学習モデルに更新してもよい。そのようにすることで、学習モデルの精度が向上する。

また、本実施形態においては、学習モデルで学習し、また、学習モデルを用いて１つのパラメータと除水に関するデータである除水速度とを提案するものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、除水速度を減少させるように透析装置を制御するパラメータ等、複数のパラメータデータを用いてもよい。

また、本実施形態においては、患者透析状況データと設定データとの対応付けに関し、１つの患者透析状況データに対して１つの設定データを対応付けするものを例に説明したが、これに限定されない。複数回の患者透析状況データに対して１つの設定データを対応付けたものを学習モデルの学習に用いてもよい。

図１２は、変形形態に係る学習に用いる各データを説明するための図である。
図１２は、過去３回分の透析に係るデータと設定データとを学習するものを示す。ここで、過去３回分としたのは、一般的な透析治療を行う周期を考慮すると、１週間前である３回前までのデータを含めるのが適切であると考えたためである。
図１２（Ａ）は、学習時に用いるデータであり、設定提案システムの学習部が、今回の設定データと、過去３回分の患者透析状況データ及び今回の目標除水量との対応付けを用いて学習モデルを学習することを示す。この例の学習をした場合には、図１２（Ｂ）に示すように、提案時には、今回オーダ日の設定データを出力する際、指定オーダ日として今回オーダ日の直近３回分の患者透析状況データと今回の目標除水量とを入力データとして学習モデルに適用する。
図１２の例は、複数回の患者透析状況データを参考に設定データを設定する場合を考慮したものである。

また、本実施形態においては、直近の患者透析状況データに対して設定データを対応付けるものを例にしたが、これに限定されない。指定オーダ日を、例えば、本日オーダ日より１週間前のデータにしてもよいし、本日オーダ日より１週間以内のデータにしてもよい。また、本実施形態においては、オーダ日を日単位で説明したが、時間単位でもよい。
なお、本実施形態及び変形形態では、学習時の入力データと教師データの関係と、提案時の入力データと提案データの関係とが同様であるものを例に説明したが、これに限定されない。

また、本実施形態においては、透析装置とは異なる設定提案システムによる処理として説明したが、これに限定されない。例えば、設定提案システムでの処理の一部である、例えば、設定提案処理部の機能を、透析装置が有するようにしてもよい。

また、本実施形態においては、透析治療ＤＢ５に蓄積されている全てのデータを用いて学習モデルを学習させるものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、図１１のグラフ表示部９１に示すような推移グラフ９２により示される患者透析状況データが透析治療ＤＢ５に格納されている場合がある。推移グラフ９２は、透析治療開始から範囲９２ａの地点に至った際に、患者又は透析装置６等に何らかの不具合があり、透析治療が順調に行えなかったことを示す。不具合なく順調に透析治療ができた場合には、一般には、図９の患者透析状況データの推移グラフ８７ａのようなグラフになる。よって、設定提案装置の制御部は、グラフの波形によって、学習モデルを学習させる際の入力データにするか否かを判断し、入力データに適する患者透析状況データのみを用いて学習モデルを学習させるようにしてもよい。
なお、直近の患者透析状況データが、推移グラフ９２により示される患者透析状況データである場合には、設定提案装置は、通知条件記憶部３３に記憶された通知条件を満たすものであることから、警告（又は注意）を出力する。この通知機能によって、不適切な治療のリスク低減の効果が望めるものになる。

１ 設定提案システム（設定提案装置）
２ データ処理サーバ
４ 提案出力端末
５ 透析治療ＤＢ
６ 透析装置
２０ 制御部
２１ 透析装置データ処理部
２２ 透析状況データ取得部
２３ 設定データ取得部
２４ ＤＢ蓄積処理部
２５ 学習部
２６ 設定提案処理部
２７ データ受付部
２８ データ出力部
２９ 通知出力部
３０ 記憶部
３１ プログラム記憶部
３２ モデル記憶部
３３ 通知条件記憶部
４１ 入力部
４２ 表示部
１００ 透析情報システム

Claims (13)

1. 患者が透析治療を受ける際に行う透析装置の設定内容を提案する設定提案装置であって、
   少なくとも１回の透析治療における患者の各種の状態に係る推移を示す推移データを含む患者透析状況データと、当該患者透析状況データを参照しながら医療従事者が設定した前記透析装置の設定内容のデータである設定データとを、過去に透析治療を行った複数の患者の各々について記憶した透析治療データベースのデータを用いて、前記患者透析状況データと、前記患者透析状況データを参照して設定した前記設定データとの対応付けを学習した学習モデルと、
   少なくとも提案対象患者の指定を受け付ける入力受付手段と、
   前記入力受付手段が受け付けた前記提案対象患者の過去の前記患者透析状況データを含む入力データを前記学習モデルに適用し、前記学習モデルが出力した出力データに基づく設定提案データを表示部に出力するデータ出力手段と、
   を備える、設定提案装置。
2. 請求項１に記載の設定提案装置において、
   前記入力受付手段は、透析治療に係る目標値をさらに受け付け、
   前記データ出力手段は、前記入力受付手段が受け付けた前記透析治療に係る目標値をさらに前記入力データとして前記学習モデルに適用することで、前記学習モデルの前記出力データに基づく前記設定提案データを、前記表示部に出力する、設定提案装置。
3. 請求項１又は請求項２に記載の設定提案装置において、
   前記患者透析状況データは、少なくとも前記患者の血液の状態を示す血液パラメータの推移データと、前記患者の透析前後の重さに関する値とを含み、
   前記設定データは、前記透析装置の動作切換閾値パラメータデータと、除水に関するデータとを含む、設定提案装置。
4. 請求項１から請求項３までのいずれかに記載の設定提案装置において、
   前記データ出力手段は、前記学習モデルが出力した前記出力データを、前記設定提案データとして前記表示部に出力する、設定提案装置。
5. 請求項１から請求項４までのいずれかに記載の設定提案装置において、
   前記データ出力手段は、前記学習モデルが出力した前記出力データに近似した前記透析治療データベースの前記設定データを、前記設定提案データとして前記表示部に出力する、設定提案装置。
6. 請求項１から請求項５までのいずれかに記載の設定提案装置において、
   通知条件を記憶した通知条件記憶部と、
   前記入力受付手段が受け付けた前記患者透析状況データ及び前記出力データの少なくとも一方が前記通知条件記憶部に記憶された前記通知条件を満たすものである場合に、前記通知条件に対応する通知情報を前記表示部に出力する通知出力手段と、
   を備える、設定提案装置。
7. 請求項１から請求項６までのいずれかに記載の設定提案装置において、
   前記医療従事者が設定した前記設定データを受け付ける設定データ受付手段と、
   前記設定データ受付手段により受け付けた前記設定データと、前記表示部に出力された前記患者透析状況データとを用いて前記学習モデルを学習する再学習手段と、
   を備える、設定提案装置。
8. 請求項１から請求項７までのいずれかに記載の設定提案装置において、
   前記表示部に出力された前記設定提案データの確認がされた場合に、前記設定提案データを、前記提案対象患者の透析治療に用いる前記透析装置に送信する設定データ送信手段を備える、設定提案装置。
9. 請求項１から請求項８までのいずれかに記載の設定提案装置において、
   前記透析治療データベースから前記患者透析状況データと、前記設定データとの対応付けを抽出して前記学習モデルを学習する学習手段を備える、設定提案装置。
10. 少なくとも１回の透析治療における患者の各種の状態に係る推移を示す推移データを含む患者透析状況データと、当該患者透析状況データを参照しながら医療従事者が設定した透析装置の設定内容のデータである設定データとを、過去に透析治療を行った複数の患者の各々について記憶した透析治療データベースのデータを用いて、前記患者透析状況データと、前記患者透析状況データを参照して設定した前記設定データとの対応付けを学習した学習モデルと、
    少なくとも提案対象患者の指定を受け付ける入力受付手段と、
    前記入力受付手段が受け付けた前記提案対象患者の過去の前記患者透析状況データを含む入力データを前記学習モデルに適用し、前記学習モデルが出力した出力データに基づく設定提案データを表示部に出力するデータ出力手段と、
    を備える、透析装置。
11. 透析治療における透析装置の設定に関する学習装置であって、
    少なくとも１回の透析治療における患者の各種の状態に係る推移を示す推移データを含む患者透析状況データを取得する患者透析状況データ取得手段と、
    当該患者透析状況データを参照しながら医療従事者が設定した前記透析装置の設定内容のデータである設定データを取得する設定データ取得手段と、
    前記患者透析状況データと、前記設定データとの対応付けに基づいて学習モデルを学習する学習手段と、
    を備える、学習装置。
12. 請求項１から請求項８までのいずれかに記載の設定提案装置と、
    請求項１１に記載の学習装置と、
    を備える透析情報システムであって、
    前記設定提案装置は、前記学習装置の学習モデルを記憶部に記憶させるモデル登録手段を備える、透析情報システム。
13. 請求項１２に記載の透析情報システムにおいて、
    前記学習装置は、前記設定提案装置に対して通信可能に接続され、前記学習手段が学習した前記学習モデルを、前記設定提案装置に送信するモデル送信手段を備え、
    前記モデル登録手段は、前記学習装置から前記学習モデルを受信して、前記記憶部に記憶させる、透析情報システム。

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