<基本的な実施形態>
最初に、本発明の遊技機の特徴部分の前提となる本発明の基本的な実施形態を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。なお、以下において、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。
1.遊技機の機械的構成
本発明の遊技機の基本的な実施形態であるパチンコ遊技機PYについて説明する。最初に、パチンコ遊技機PYの機械的構成について図1~図4を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PYの各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PYに対面する遊技者にとっての(正面視の)左右上下方向のことである。また、「前方」とはパチンコ遊技機PYから当該パチンコ遊技機PYに対面する遊技者に近づく方向とし、「後方」をパチンコ遊技機PYに対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PYに近づく方向として、説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機PYは、遊技盤1を含む遊技盤ユニットYUと、遊技盤ユニットYUを内部に収納した遊技機枠2とを備えている。遊技機枠2は、遊技店に固定される枠状の外枠21と、外枠21に取り付けられ、遊技盤ユニットYUが取り付けられる内枠22と、内枠22に回転自在に支持される前扉23と、を備える。
外枠21、内枠22、および前扉23の正面視外周形状は大体同一である。そして、外枠21の前面に内枠22が取り付けられている。
前扉23は内枠22に対して開閉が可能である。前扉23は、大体中央に略縦長矩形状の大きな開口部が形成された枠状の前枠23mと、その開口部に嵌め込まれた透明板23tと、を備える。前扉23が閉じられているとき、遊技盤ユニットYUに含まれる遊技盤1と透明板23tとが対面する。透明板23tは、透明な合成樹脂板で略縦長矩形状に成形されている。よって、パチンコ遊技機PYが遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PYの前方にいる遊技者は、透明板23tを通して、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6を視認することができる。なお、透明板23tとして、透明な合成樹脂板の代わりに透明なガラス板を用いてもよい。パチンコ遊技機PYの前方から透明板23tを通して遊技領域6を視認可能であればよい。
前枠23mの前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル72kが設けられている。ハンドル72kは時計回りに回転操作可能であり、ハンドル72kが操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル72kの回転操作に応じた発射強度で発射される。
また、前枠23mの前面の下部には、前方に大きく突出した上皿34と、上皿34の直下に配された下皿35が設けられている。上皿34の前方側中央には、下方に押下操作可能な第1演出ボタン40kが設けられている。第1演出ボタン40kの上皿34の上面から視認可能に突出している操作部分は半球形に成形されている。さらに、上皿34の上面の後方側には、ハンドル72kに供給される遊技球を貯留するための供給球貯留穴34Aが形成されている。また、下皿35の上面には、供給球貯留穴34Aに収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための余剰球貯留穴35Aが設けられている。
さらに、前枠23mの前面の透明板23tの上側、右側、および左側には、前方に突出した上側装飾体31、右側装飾体32、および左側装飾体33が設けられている。上側装飾体31の底面には、音を出力可能な一対の2つのスピーカー52、具体的には左側に配されたスピーカー52Lと右側に配されたスピーカー52R、が下方を向いて左右方向に所定距離をおいて並設されている。また、右側装飾体32の下部には、下方に押下操作可能な第2演出ボタン41kが設けられている。第2演出ボタン41kの操作部分は棒状に成形されている。さらに、右側装飾体32から上皿34の正面右部分にかけて、および左側装飾体33から上皿34の正面左部分にかけて、発光可能な枠ランプ53が設けられている。
なお、遊技機枠2に設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤ユニットYUについて、図1に加えて図2を用いて説明する。遊技盤ユニットYUは、遊技盤1と、遊技盤1の背面に取り付けられた盤用演出ユニットEUと、を有する。最初に、遊技盤1について説明する。遊技盤1は、透明な合成樹脂板で構成されている。遊技盤1の略中央には正面視略円形の開口部1Aが形成されている。
遊技盤1の前面には、開口部1Aに沿って、略リング状のセンター装飾体61が前方に突出して形成されている。また、センター装飾体61の外側には、センター装飾体61を大きく取り囲むように略リング状に形成された外レール62と、外レール62の左側部分とセンター装飾体61との間で、外レール62およびセンター装飾体61に略平行な湾曲状の内レール63と、が形成されている。
そして、遊技盤1の前面において、センター装飾体61、外レール62および内レール63などで囲まれた領域が遊技領域6を形成している。すなわち、遊技盤1の前面が、センター装飾体61、外レール62および内レール63によって、遊技領域6とそれ以外の領域とに区切られている。また、外レール62と内レール63とで囲まれた領域は、発射された遊技球が遊技領域6へ向かうために通過可能な発射領域7を形成している。
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PYで遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域6には、多数の遊技用くぎ(図示なし)が突設されている。遊技用くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、ゲート13、および大入賞口14などに適度に誘導する経路を構成している。
遊技領域6の所定位置に一般入賞装置10Dが設けられている。一般入賞装置10Dには、一般入賞口10が遊技球の入球が可能に形成されている。遊技球が一般入賞口10へ入球すると、所定個数(例えば、3個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、一般入賞口10に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、遊技領域6におけるセンター装飾体61の中央直下には第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動入賞装置11Dには、第1始動口11が遊技球の入球が可能に形成されている。第1始動入賞装置11Dは作動しない非作動構造からなる。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球のし易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球が第1始動口11へ入球すると、所定個数(例えば、4個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第1始動口11に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
なお、センター装飾体61の左側部から下端部にかけて、遊技球を内部に通すワープ部61wが形成されている。ワープ部61wへの入口はセンター装飾体61の左側部に形成されている。ワープ部61wに入った遊技球はワープ部61wの内部を通って出口から出る。ワープ部61wの出口付近であってセンター装飾体61の下端部上面には、遊技球が転動可能なステージ61sが設けられている。ステージ61sの先端には、遊技球を下方に導く下方誘導部61yが設けられている。この下方誘導部61yの直下には第1始動口11が設けられている。
遊技領域6における第1始動口11の直下には、第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)12Dが設けられている。電チュー12Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な第2始動口12が形成されている。第2始動口12は、電チュー12Dが具備する電チュー開閉部材12kによって閉態様と開態様とをとる。すなわち、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12が開閉する。
電チュー開閉部材12kは正面視略L字状部材からなり、通常は第2始動口12を閉鎖している。電チュー開閉部材12kは、前方側先端面が遊技領域6と面一状態になる退避状態から前方に突出することができる。電チュー開閉部材12kが前方に突出すると、電チュー開閉部材12kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、第2始動口12が入球可能に開放する。具体的には、電チュー開閉部材12kの水平部の左端に立設された垂直部分が遊技球を受けとめられ、水平部から第2始動口12へと導かれる。
このように、電チュー開閉部材12kが開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。遊技球が第2始動口12へ入球すると、所定個数(例えば、2個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第2始動口12に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、センター装飾体61の右側にゲート13が設けられている。ゲート13は、遊技球が通過可能に構成されている。遊技球がゲート13を通過しても賞球が払い出されない。なお、ゲート13を通過した遊技球はそのまま遊技領域6を流下する。
遊技領域6における第1始動入賞装置11Dの右側でゲート13の下流側には、大入賞装置14Dが設けられている。大入賞装置14Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な大入賞口14が形成されている。大入賞口14は、大入賞装置14Dが具備するAT開閉部材14kによって閉態様と開態様とをとる。すなわち、AT開閉部材14kの作動によって大入賞口14が開閉する。
AT開閉部材14kは正面視略横長矩形状の平板からなる可動部材であり、通常は大入賞口14を閉鎖している。AT開閉部材14kの下端部には、水平な回転軸が設けられている。AT開閉部材14kはその回転軸を中心に、上端が前方へ倒れるように略90度回転することができる。AT開閉部材14kが回転すると、AT開閉部材14kが遊技領域6に垂直に突出した状態になり、大入賞口14が入球可能に開放する。
このように、AT開閉部材14kが開状態であるときだけ遊技球の大入賞口14への入球が可能となる。遊技球が大入賞口14へ入球すると、所定個数(基本的な実施形態では、9個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、大入賞口14に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
また、遊技領域6における大入賞装置14Dの下方には、その上面が左斜め下方に形成され、遊技球を第2始動口12へ誘導する誘導経路64が遊技領域6(遊技盤1の前面)から前方に突出して設けられている。なお、誘導経路64の上面を転動する遊技球は、第2始動口12の方へ向かって流下可能であるが、基本的には第1始動口11へ入球することはできない。
なお、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、および一般入賞口10への遊技球の入球や、遊技球のゲート13の通過をまとめて、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、一般入賞口10、およびゲート13への「入賞」と総称する。
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域6Aと、右側の右遊技領域6Bと、に分けることができる。遊技球が左遊技領域6Aを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域6Bを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。
遊技領域6において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2には、不図示の多数の遊技用くぎによっても構成されている。
第1流路R1上には、第1始動口11と、2つの一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口12と、ゲート13と、大入賞口14と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート13、第2始動口12、または大入賞口14への入賞を狙うことができる。
なお、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する2つのアウト口19が設けられている。また、各入賞口への入賞による賞球数は、適宜に設定することが可能である。
次に、遊技盤1の背面に取り付けられた盤用演出ユニットEUについて説明する。盤用演出ユニットEUは、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。盤用演出ユニットEUには、画像表示装置50、および盤可動装置55が取り付けられている。
画像表示装置50は、20インチの3D液晶ディスプレイで構成されており、3D画像を表示可能な表示部50aを具備する。画像表示装置50は、遊技盤1の数センチ後方に配置されている。
盤可動装置55は、動作可能な盤可動体55kを備える。盤可動体55kは、水平状態を保持された横長で板状の昇降部材55k2と、昇降部材55k2の左右方向中央に設けられた略楕円形状の回転部材55k1と、を有する。盤可動体55kは、遊技盤1と画像表示装置50との間に配されている。盤可動体55kは、初期位置に配されている待機状態において、盤可動体55kの下端部分、具体的に回転部材55k1の下端部分が、遊技盤1の開口部1Aの上端から少しだけ下方に位置している。すなわち、盤可動体55kは、待機状態において、回転部材55k1の下端部の一部のみが遊技者から視認でき、大部分が視認できないよう配されている(図3(A)参照)。
そして、盤可動体55kは、全体的に初期位置から所定の作動位置まで下降し、その作動位置から上昇して初期位置に戻ることができる(図3(B)参照)。所定の作動位置としては、正面視で盤可動体55kが開口部1Aの略中央につく位置である。ここで、所定の作業位置は適宜に設定可能であり、正面視で盤可動体55kが開口部1Aの略中央より上方側におかれる位置であっても下方側におかれる位置であってもよい。
また、回転部材55k1は、その中心において前後方向に形成された回転軸を中心に正面視右回りおよび左回りに回転運動することが可能である(図3(C)参照)。なお、回転部材55k1の回転運動は、盤可動体55kが待機位置から作動位置に移動するとき、作動位置に保持されているとき、および作動位置から待機位置に移動するときに実行可能である。
なお、遊技盤ユニットYUに設けられる部材や装置の位置や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
次に、遊技盤1の前面に形成された遊技領域6の上下方向略中央の右隣(遊技領域6以外の部分)に配置されている表示器類8について説明する。図4に示すように、表示器類8には、第1特別図柄(以下、「特図1」という)を可変表示する特図1表示器81a、第2特別図柄(以下、「特図2」という)を可変表示する特図2表示器81b、及び、普通図柄(以下、「普図」という)を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類8には、後述する特図1保留数を表示する特図1保留表示器83a、および後述する特図2保留数を表示する特図2保留表示器83bが含まれている。
特図1の可変表示は、遊技球の第1始動口11への入賞を契機とした特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、遊技球の第2始動口12への入賞を契機とした特図2抽選が行われると実行される。特図1抽選、および特図2抽選については後述する。なお、以下の説明では、特図1、および特図2を総称して「特図」といい、特図1抽選、および特図2抽選を総称して「特図抽選」という。また、特図1表示器81a、および特図2表示器81bを総称して「特図表示器81」という。さらに、特図1保留表示器83a、および特図2保留表示器83bを総称して「特図保留表示器83」という。
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された特図(停止特図)は、可変表示の表示結果として導出された特図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された特図が予め定めた特定の特図である場合には、大入賞口14の開放を伴う大当たり遊技が行われる。
特図1表示器81a、および特図2表示器81bはそれぞれ、横並びに配された8個のLEDから構成されている。特図1表示器81a、および特図2表示器81bの点灯態様は、特図抽選の結果に応じた特図、すなわち特図抽選の結果を表す。例えば特図抽選の結果が大当たりである場合には、最終的に「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯する。この点灯態様が大当たり図柄であり、大当たりを表す。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、最終的に「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の変動表示がなされる。特図の変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機PYでは、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞してもすぐに特図抽選および特図の可変表示が行われない場合がある。具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に遊技球の第1始動口11または第2始動口12への入賞があった場合である。この場合、その入賞に基づいて特図抽選および特図の可変表示が保留される。この保留された特図抽選および特図の可変表示のことを「特図保留」という。
特図保留には、第1始動口11への入賞に基づいて保留された特図1抽選、および特図1の可変表示を表す「特図1保留」と、第2始動口12への入賞に基づいて保留された特図2抽選、および特図2の可変表示を表す「特図2保留」と、がある。そして、特図1保留の数、すなわち保留されている特図1抽選および特図1の可変表示の数を特図1保留表示器83aが表示する。一方、特図2保留の数、すなわち保留されている特図2抽選、および特図2の可変表示の数を特図2保留表示器83bが表示する。
特図1保留の数、および特図2保留の数に上限値に設けることも設けないことも可能である。また、特図1保留の数、および特図2保留の数に上限値を設ける場合、特図1保留の数と特図2保留の数を同一にしても良いし、異ならせても良い。なお、基本的な実施形態では、特図1保留の数、および特図2保留の数の上限値が「4」に設定されているとする。
特図1保留表示器83aおよび特図2保留表示器83bのそれぞれは、4個のLEDで構成されており、特図1保留および特図2保留の数の分だけLEDを点灯させることにより特図1保留および特図2保留の数を表示する。なお、以下において、特図1保留の数を「特図1保留数(U1)」といい、特図2保留数の数を「特図2保留数(U2)」という。また、「特図1保留数」と「特図2保留数」を総称して「特図保留数」という。さらに、「特図1保留表示器83a」と「特図2保留表示器83b」とを総称して「特図保留表示器83」という。
また、普図の可変表示は、遊技球のゲート13への入賞を契機とした普図抽選が行われると実行される。そして、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された普図(停止普図)は、可変表示の表示結果として導出された普図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図である場合には、第2始動口12の開放を伴う補助遊技が行われる。
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されている。普図表示器82の点灯態様は、普図抽選の結果に応じた普図、すなわち普図抽選の結果を表す。普図抽選の結果が当たりである場合には、最終的には、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDが点灯する。この点灯態様が当たり図柄であり、当たりを表す。また普図抽選の結果がハズレである場合には、最終的には、「■□」というように右のLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の変動表示が行われる。普図の変動表示の態様は、基本的な実施形態では、両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
2.遊技機の電気的構成
次に、図5~図7に基づいて、パチンコ遊技機PYの電気的な構成を説明する。図5に示すように、パチンコ遊技機PYの背面側には、遊技利益を得ることが可能な遊技に関する制御(遊技の進行)を行う遊技制御基板100、遊技制御基板100による遊技の制御に応じた演出に関する制御を行う演出制御基板120、画像の制御を行う画像制御基板140、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板170、および各基板100、120、140、170に電力を供給する電源基板190が取り付けられている。
電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。
図6に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PYの遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。よって、遊技制御基板100は、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけることができる。なお、遊技制御基板100の制御対象となる遊技利益を獲得可能な遊技には、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などが含まれる。
遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102が含まれている。
遊技用ROM103には、後述する遊技制御メイン処理や遊技制御側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM103には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、先読み判定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、遊技状態設定テーブル、当たり判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
また、遊技用RAM104には、特図保留記憶部105が設けられている。ここで、特図保留記憶部105について説明する。前述の通り、遊技球の第1始動口11または第2始動口12への入賞があると、特図保留が発生可能であるが、特図保留が可能な場合、すなわち、特図保留数が上限値に達していないときには、この入賞に基づいて、特図抽選などを行うための各種乱数からなる判定情報が取得される。そして、この判定情報は、特図保留として特図保留記憶部105に一旦記憶される。なお、以下において、遊技球の第1始動口11への入賞により取得される判定情報のことを「特図1関連判定情報」といい、遊技球の第2始動口12への入賞により取得される判定情報のことを「特図2関連判定情報」という。また、特図1関連判定情報と特図2関連判定情報とを総称して「特図関連判定情報」という。
そして、特図1関連判定情報は、特図1保留として、特図保留記憶部105の中の特図1保留記憶部105aに記憶される。一方、特図2関連判定情報は、特図2保留として、特図保留記憶部105の中の特図2保留記憶部105bに記憶される。特図1保留記憶部105aに記憶可能な特図1関連判定情報の数、すなわち、特図1保留数の上限値は「4」に設定されている。また、特図2保留記憶部105bに記憶可能な特図2関連判定情報の数、すなわち、特図2保留数の上限値は「4」に設定されている。
また、遊技制御基板100には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類やソレノイド類が接続されている。そのため、遊技制御基板100には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、遊技制御基板100は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。
遊技制御基板100に接続されている各種センサ類には、一般入賞口センサ10a、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、ゲートセンサ13a、および大入賞口センサ14aが含まれている。
一般入賞口センサ10aは、一般入賞口10に入賞した遊技球を検知する。第1始動口センサ11aは、第1始動口11に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ12aは、第2始動口12に入賞した遊技球を検知する。ゲートセンサ13aは、ゲート13を通過した遊技球を検知する。大入賞口センサ14aは、大入賞口14に入賞した遊技球を検知する。
また、遊技制御基板100に接続されている各種アクチュエータ類には、電チューソレノイド12s、およびATソレノイド14sが含まれている。電チューソレノイド12sは、電チュー12Dの電チュー開閉部材12kを駆動する。ATソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT開閉部材14kを駆動する。
なお、遊技制御基板100に接続されるセンサの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。また、遊技制御基板100に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
さらに遊技制御基板100には、表示器類8(特図表示器81、普図表示器82、および、特図保留表示器83)が接続されている。これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、カードユニットCU、および払出装置73が接続されているとともに、発射装置72が接続されている。また、カードユニットCUは、パチンコ遊技機PYに隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にする装置である。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、払出装置73の払出モーター73mを駆動して賞球や貸球の払い出しを行う。払い出される賞球や貸球は、その計数のための払出センサ73aにより検知される。
また、発射装置72は遊技球を発射する装置である。ハンドル72kが、発射装置72に遊技球を発射させるための操作を受け付ける操作部または入力部を構成しており、発射装置72に含まれる。ハンドル72kには、遊技者などの人のハンドル72kへの接触を検知可能なタッチスイッチ72aが設けられている。遊技者によるハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチ72aが遊技者のハンドル72kへの接触を検知し、発射制御回路175を介して検知信号を払出制御基板170に出力する。
さらに、ハンドル72kには、ハンドル72kの回転角度(操作量)を検知可能な発射ボリュームのつまみ72bが接続されている。発射装置72は、発射ボリュームのつまみ72bが検知したハンドル72kの回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ72mを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PYにおいては、ハンドル72kへの回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、遊技の進行に応じて、演出制御基板120に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。演出制御基板120は、遊技制御基板100から送られてきた各種コマンドに基づいて、遊技制御基板100による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。
なお、遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図7に示すように、演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PYの演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。そして、演出制御基板120は、後述する画像制御基板140、音声制御回路161、およびサブドライブ基板162と共に、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。ただし、演出制御部は、少なくとも演出制御基板120を備え、演出装置(画像表示装置50、スピーカー52、枠ランプ53、および盤可動体55k等)を用いた遊技演出、客待ち演出、および操作促進演出などを制御可能であればよい。
なお、演出制御基板120の制御対象となる演出には、遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出など)、客待ち演出、第1演出ボタン40kや第2演出ボタン41kの操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などが含まれている。
演出制御用マイコン121には、遊技制御基板100による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122が含まれている。
演出用ROM123には、後述する演出制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および10msタイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
演出用RAM124には、後述する始動入賞コマンドを記憶する始動入賞コマンド保留記憶部125、後述する図柄指定コマンドを記憶する図柄指定コマンド記憶部126、および後述する特図変動開始コマンドを記憶する特図変動開始コマンド記憶部127が設けられている。
また、演出制御基板120には、画像制御基板140が接続されている。演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、遊技制御基板100による遊技の進行に応じて、画像制御基板140に画像表示装置50の表示制御を行わせる。なお、演出制御基板120と画像制御基板140との接続は、演出制御基板120から画像制御基板140への信号の送信と、画像制御基板140から演出制御基板120への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板140は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM142、ワークメモリとして使用される画像用RAM143、及び、画像用ROM142に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU141を備えている。また、画像制御基板140は、画像表示装置50に表示される画像のデータを記憶したCGROM(Character Generator Read Only Memory)145、CGROM145に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM(Video Random Access Memory)146、及び、VDP(Video Display Processor)144を備えている。これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。
CGROM145には、例えば、画像表示装置50に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図柄、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
VDP144は、演出制御用マイコン121からの指令に基づき画像用CPU141によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM145から画像データを読み出してVRAM146内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM146内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置50に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部50aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、すなわち、遊技制御基板100による遊技の進行に応じて、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声、楽曲、および効果音等を出力する。
スピーカー52から出力する音声等の音声データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御回路161を、基板で構成させてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカー52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音声データを格納してもよい。
また、演出制御基板120には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種センサ類や駆動源となる各種アクチュエータ類が接続されている。演出制御基板120には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、演出制御基板120は、各種アクチュエータ類に信号を出力する。
演出制御基板120に接続されている各種スイッチ類には、第1演出ボタンセンサ40a、および第2演出ボタンセンサ41aが含まれている。第1演出ボタンセンサ40aは、第1演出ボタン40kが押下操作されたことを検出する。第2演出ボタンセンサ41aは、第2演出ボタン41kが押下操作されたことを検出する。第1演出ボタンセンサ40a、および第2演出ボタンセンサ41aは、それぞれが操作されたことを検知すると、その検知内容に応じた信号を演出制御基板120に出力する。
なお、演出制御基板120に接続されるスイッチの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。また、演出制御基板120に接続されるアクチュエータの種類や数は、遊技に支障をきたさない範囲で適宜に変更可能である。
演出制御基板120に接続された各種アクチュエータ類には、盤可動体回転用モーター55m1、および盤可動体昇降用モーター55m2が含まれている。盤可動体回転用モーター55m1は、回転部材55k1を駆動して、回転部材55k1を回転させることが可能である。盤可動体昇降用モーター55m2は、昇降部材55k2を上昇または下降させることが可能である。詳細には、演出制御用マイコン121は、回転部材55k1や昇降部材55k2の動作態様を決める動作パターンデータを作成し、サブドライブ基板162を介して、回転部材55k1や昇降部材55k2の動作を制御する。
なお、以下において、「回転部材55k1や昇降部材55k2」の動作を「盤可動体55kの動作」と総称することもある。また、回転部材55k1を回転させることや昇降部材55k2を下降または上昇させることについて「盤可動体55kを回転させる、または下降もしくは上昇させる」ともいう。
また、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドなどに基づいて、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53などの点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン121は、枠ランプ53の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ53の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、サブドライブ基板162を基板で構成させてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、枠ランプ53等の点灯制御、および、盤可動体55kの動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
3.遊技機による主な遊技
次に、パチンコ遊技機PYにより行われる主な遊技について、図8~図15を用いて説明する。
3-1.普図に関わる遊技
最初に、普図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PYは、発射された遊技球がゲート13を通過すると、普図抽選を実行することができる。普図抽選を行うと、普図表示器82において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。
当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート13の通過に係る遊技が終了する。また、以下において、普図の可変表示または補助遊技が行われていないときに遊技球がゲート13を通過することを「普図変動始動条件の成立」という。
パチンコ遊技機PYは、普図変動始動条件が成立し、普図関連判定情報を取得して普図抽選を行うことに基づいて、普図の可変表示、および補助遊技といった一連の遊技を行うことができる。取得する普図関連判定情報には、図8(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。
3-1-1.当たり判定
当たり判定は、例えば図9(A)に示すような当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けることが可能である。遊技状態に関連付けられる場合、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、がある。
各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数判定値)が適宜に振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PYは、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかの当たり判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。なお、当たりの当選確率については、適宜に変更することが可能である。
3-1-2.普図変動パターン判定・普図可変表示
普図変動パターン判定は、例えば図9(B)に示すような普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンとは、普図変動時間などの普図の可変表示に関する所定事項に関する識別情報である。
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられる場合、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普図毎に1つ格納されている。すなわち、パチンコ遊技機PYは、非時短状態と時短状態とで、普図変動時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態においては、ハズレの普図(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定する。また、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図の可変表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定する。なお、これら普図変動時間については、適宜に変更することが可能である。
そして、普図変動パターン判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図の可変表示が、普図表示器82で行われる。このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器82において普図の可変表示が行われる。
3-1-3.補助遊技
補助遊技は、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると実行される。補助遊技において、電チュー12Dが開放する。
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)には、電チュー12Dが開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。パチンコ遊技機PYは、補助遊技制御テーブルを用いて補助遊技を制御する。補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。例えば図9(C)に示すように、補助遊技制御テーブルに遊技状態(非時短状態/時短状態)を関連付けることが可能である。すなわち、補助遊技構成要素を、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。なお、開放回数や開放時間などの各要素の具体的な内容については、適宜に変更することが可能である。
パチンコ遊技機PYは、非時短状態における補助遊技と時短状態における補助遊技とで、電チュー12Dの開放時間を異ならせることが可能である。例えば、非時短状態における補助遊技では、0.2秒などの遊技球を電チュー12Dに入賞させるのが困難な第1の開放時間だけ電チュー12Dが開放する。一方、時短状態における補助遊技では、例えば、1.0秒のインターバル(閉鎖)を挟んだ2.5秒の2回開放などの第1の開放時間よりも長く、遊技球を電チュー12Dに入賞させることが容易な第2の開放時間だけ電チュー12Dが開放する。
なお、以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう。一方、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。また、各補助遊技における開放時間は、その補助遊技での合計時間であり、例えば、一度開放した後に一旦閉鎖するインターバルを挟んで再度開放するなど、1回の補助遊技の中で複数回開放するように構成しても良い。
3-2.特図に関わる遊技
次に、特図に関わる遊技について説明する。パチンコ遊技機PYは、発射された遊技球が第1始動口11に入賞すると、特図1抽選を実行することができる。特図1抽選が行われると、特図1表示器81aにおいて、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。
大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。また、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
同様に、パチンコ遊技機PYは、発射された遊技球が第2始動口12に入賞すると、特図2抽選を実行することができる。特図2抽選が行われると、特図2表示器81bにおいて、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。
大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。さらに、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
また、以下において、第1始動口11に遊技球が入賞することを「第1始動条件の成立」といい、第2始動口12に遊技球が入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普図のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
パチンコ遊技機PYは、始動条件が成立し、特図関連判定情報を取得して特図抽選を行うことに基づいて、特図の可変表示、および大当たり遊技といった一連の遊技を行う。そして、特図の可変表示を行うために、当該特図関連判定情報について種々の判定を行う。取得する特図関連判定情報には、図8(B)に示すように、特別図柄乱数、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。
特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数(判定情報)である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数(判定情報)である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。次に、特図関連判定情報を用いて行われる各判定について説明する。
3-2-1.大当たり判定
大当たり判定は、大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)、言い換えると、大当たり、またはハズレの何れかを決定することである。大当たり判定テーブルは、例えば図10(A)に示すように、後述する遊技状態に関連付けて設けることができる。具体的には、大当たり判定テーブルには、後述する通常確率状態で用いられる大当たり判定テーブル(以下、「通常確率用大当たり判定テーブル」という)と、後述する高確率状態で用いられる大当たり判定テーブル(以下、「高確率用大当たり判定テーブル」という)と、がある。
遊技状態に関連付けられた各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数判定値)が振り分けられている。パチンコ遊技機PYは、遊技状態に関連付けられた大当たり判定テーブルに、取得した特別図柄乱数を照合して、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。図10(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。
なお、大当たり確率や各種大当たり判定の判定結果に対する特別図柄乱数判定値の振り分け方については、適宜に変更することが可能である。
3-2-2.大当たり図柄種別判定
大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、例えば図10(B)に示すような大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定することである。大当たり図柄の種別に、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典などで構成される大当たりの構成要素(遊技者に有利な内容)を対応付けることが可能である。
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
大当たり図柄は複数種類設定可能である。各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数判定値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PYは、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数判定値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。
特図1の大当たり図柄、および特図2の大当たり図柄の種類は適宜に設定することができるが、例えば、図10(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルのように、特図1の大当たり図柄として、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Cの3種類の大当たり図柄を設け、特図2の大当たり図柄として、大当たり図柄D、大当たり図柄E、および大当たり図柄Fの3種類の大当たり図柄を設けることができる。そして、図10(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルのように、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数判定値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。なお、大当たり図柄種別の振分率については、適宜に変更することが可能である。また、大当たり図柄の種別については、適宜に増加したり減少したりすることが可能である。
3-2-3.リーチ判定
リーチ判定は、例えば、大当たり判定の結果がハズレである場合に、図10(C)に示すようなリーチ判定テーブルを用いて、後述する特図変動演出でリーチを発生させるか否かを決定することである。
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。遊技状態に関連付けられる場合、例えば、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と、時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数判定値)が振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PYは、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させるか否か)を判定する。
図10(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルと時短用リーチ判定テーブルとで、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数判定値の数を異ならせることが可能である。なお、以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われるリーチ判定の結果「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。また、「リーチ無しハズレ」のことを「どハズレ」と称し、「リーチ有りハズレ」のことを「リーチハズレ」と称することもある。
3-2-4.特図変動パターン判定
特図変動パターン判定は、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも、例えば図11~図12に示すような特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特図の可変表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定することである。
特図変動パターンとは、特図変動時間、所謂「尺」や後述する特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果、およびリーチ判定の結果に関する識別情報を含ませることも可能である。なお、特図変動パターンの種類や数は適宜に変更することが可能である。
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる可変表示を行う特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)に関連付けることが可能である。すなわち、特図変動パターン判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図11)と、特図2の可変表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図12)とがある。
そして、各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けることが可能である。具体的には、特図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(非時短用特図1変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(時短用特図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(非時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、がある。
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果、およびリーチ判定結果にも関連付けることが可能である。すなわち、非時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特図1変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、非時短用特図2変動パターン判定テーブルおよび時短用特図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。
さらに、遊技状態に関連付けられた各リーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルは、特図1保留数にも関連付けることが可能である。例えば、特図1保留数(U1)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、がある。同様に、遊技状態に関連付けられた各リーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルも、特図2保留数にも関連付けることが可能である。具体的には、特図2保留数(U2)が0~2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3~4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、がある。
そして、各特図変動パターン判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特図の変動表示が、特図表示器81で行われる。そして、特図の変動表示の後に、特図可変表示の表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、即座に次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。
また、各特図変動パターンに、図11~図12の表の右から3番目の欄に示すような特図変動演出の演出フローを関連付けることが可能である。ここで、特図変動パターンに関連づけられた特図変動演出の演出フローを構成する代表的な演出について説明する。
特図変動演出の演出フローを構成する演出として、通常変動、リーチ、ノーマルリーチ(Nリーチ)、ロングリーチ(Lリーチ)、スペシャルリーチ(SPリーチ)、バトル演出、がある。
通常変動は、停止表示していた演出図柄が変動を開始し、各演出図柄を構成する1つ1つが認識困難な程度に高速で変動表示して特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出である。そして、リーチ無しハズレ変動に係る特図変動演出(演出図柄の変動開始から変動停止までの部分)、および、リーチが発生する特図変動演出におけるリーチが成立(確定)するまでの部分が通常変動で構成されることがある。
Nリーチは、通常変動を経てリーチが成立(確定)した直後に、例えば当該リーチを構成する演出図柄が仮停止したその位置で所定時間(例えば、10秒)維持された状態で、残り1つの演出図柄が減速していき、通常変動より低速で変動する演出である。Nリーチが示唆する大当たりの期待度は、通常変動より高く、後述するLリーチ、およびSPリーチよりも低い。Nリーチで特図変動演出が終了する場合、その低速で変動する残りの1つの演出図柄が停止する。ハズレの場合、残りの1つの演出図柄は、リーチを構成する演出図柄とは異なる演出図柄で停止する。Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、残りの1つの演出図柄が再び高速で変動し、リーチが維持されたままNリーチからLリーチ、SPリーチに発展する(切り替わる)。
Lリーチは、大当たりのときもハズレのときも実行可能であり、大当たり遊技状態になるか否かを示唆する演出であり、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する。さらに、Lリーチは、例えばNリーチの後に実行可能な演出であり、Nリーチよりも長時間行われ、Nリーチよりも大当たり期待度が高いことを示唆する。Lリーチでも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に、Nリーチのときよりも背景画像の支障にならない所定位置(例えば、後述する左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、Lリーチ専用の背景画像に切り替わる(Lリーチ専用の映像が流れる)。なお、Lリーチでは、主に表示部50aにおいて2DCGによるアニメーション画像が表示される。Lリーチの演出内容としては、主人公キャラクタが必殺技を習得するために特訓を行うなど後述のSPリーチに係る試合とは異なるシーンの映像が表示される。
SPリーチは、大当たりのときもハズレのときも実行可能であり、大当たり遊技状態になるか否かを示唆する演出であり、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する。さらに、SPリーチは、例えばNリーチの後に実行可能な演出であり、Lリーチよりも長時間行われ、Lリーチよりも大当たり期待度が高いことを示唆する。SPリーチでも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に、Nリーチのときよりも背景画像の支障にならない所定位置(例えば、後述する左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、SPリーチ専用の背景画像に切り替わる(SPリーチ専用の映像が流れる)。なお、SPリーチでは、主に表示部50aにおいて3DCG画像が表示される。そして、SPリーチの演出内容としては、主人公キャラクタが所属するチームと、主人公キャラクタのライバルが所属するチームとが試合を行うシーンの映像が表示される。
バトル演出は、例えば時短状態においてリーチ後に実行可能な演出であり、通常変動よりも大当たり期待度が高いことを示唆する演出である。バトル演出でも、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に所定位置(例えば、左演出図柄EZ1が表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3が表示部50aの右上)に移動した状態で、バトル演出専用の背景画像に切り替わる(バトル演出専用の映像が流れる)。また、バトル演出では、主に表示部50aにおいて3DCG画像が表示される。
なお、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出における「リーチが維持された状態」には、当該Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出においてリーチを構成する演出図柄が表示部50aで視認可能である状態だけではなく、例えば、専用の背景画像との関係で所定期間、当該リーチを構成する演出図柄が表示部50aから視認困難または視認不可能な状態も含むものとする。また、通常変動、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出の演出内容は適宜に変更可能である。さらに、特図変動演出を構成する演出は、これらに限られず、適宜に加え、あるいは減らすことが可能である。
また、図11~図12の表の右から2番目の欄に示すように、特図変動パターンに、大当たり判定結果および特図変動演出の演出内容などを関連付けて名称を付すことが可能である。そして、大当たりに係る特図変動パターンのことを「大当たり変動」、ハズレに係る特図変動パターンのことを「ハズレ変動」と総称することもある。
さらに、大当たり判定結果に関わらずSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPリーチ変動」、Lリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lリーチ変動」、Nリーチで特図変動演出が終わる特図変動パターンのことを「Nリーチ変動」と総称することもある。また、リーチ有りのハズレ変動のことを「リーチ有りハズレ変動」といい、リーチ無しのハズレ変動のことを「通常ハズレ変動」と総称することもある。
3-2-5.先読み判定
パチンコ遊技機PYは、大当たり判定を行う前に、取得した特図関連判定情報に基づいて、例えば図13~図14に示すような先読み判定テーブルを用いて先読み判定を行うことが可能である。先読み判定テーブルは、その始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口11/第2始動口12)、言い換えると、その始動入賞によって可変表示される特図の種類(特図1/特図2)に関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、第1始動口11に入賞し、特図1の可変表示が行われる場合の第1先読み判定テーブル(図13)と、第2始動口12に入賞し、特図2の可変表示が行われる場合の第2先読み判定テーブル(図14)と、がある。なお、第1先読み判定テーブルに基づいて行う先読み判定を「第1先読み判定」、第2先読み判定テーブルに基づいて行う先読み判定を「第2先読み判定」ともいう。
また、先読み判定テーブルは、後述する遊技状態(通常遊技状態/高確率高ベース遊技状態/低確率高ベース遊技状態)にも関連付けることが可能である。すなわち、先読み判定テーブルには、通常遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(通常遊技状態用先読み判定テーブル)と、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(高確率高ベース遊技状態用先読み判定テーブル)と、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる先読み判定テーブル(低確率高ベース遊技状態用先読み判定テーブル)と、がある。
つまり、先読み判定テーブルには、通常遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる第1先読み判定テーブルと、通常遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、高確率高ベース遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、低確率高ベース遊技状態のときに用いられる第2先読み判定テーブルと、がある。
なお、図13~図14に示す先読み判定テーブルを用いる先読み判定によって、当該始動口11、12への入賞によって行われる特図の可変表示に係る特図変動パターンが特定される。すなわち、当該入賞に基づく特図の可変表示が行われるよりも前にその特図の可変表示に係る特図変動パターンが先読み判定結果として特定される。特図変動パターンを特定する過程で、大当たりの当否も先読み判定結果として特定される。
そして、特図変動パターンなどに関する情報が含まれる先読み判定結果は始動入賞コマンドに対応付けられている。後述するように、始動入賞コマンドは、その生成に伴って先読み判定結果として演出制御基板120に送信される。なお、先読み判定結果としてどのような情報を特定させるかは適宜に変更可能である。例えば、大当たり図柄種別に関する情報も先読み判定結果に含ませることができる。
以上のように、大当たり判定、大当たり図柄種別判定、リーチ判定、および特図変動パターン判定が行われることによって、特図表示器81において特図の可変表示が行われる。そして、特図の可変表示で、表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。次に、大当たり遊技について説明する。
3-3.大当たり遊技
大当たり遊技は、大入賞口14の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。
なお、OPやEDを設けないようすることが可能である。また、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」ともいい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」ともいう。
そして、パチンコ遊技機PYは、大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御する。大当たり遊技制御テーブルは大当たり図柄の種別毎に設定することが可能である。すなわち、大当たり遊技を大当たり図柄の種別に対応付けることが可能である。そして、大当たり遊技は1種類、または複数種類設定可能である。
大当たり遊技制御テーブルには、大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)が格納されている。大当たり遊技構成要素には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口14の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。
そして、パチンコ遊技機PYは、例えば図15(A)に示すような大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御することが可能である。すなわち、図15(A)に示すような大当たり遊技の種別および各大当たり遊技に対する大当たり遊技構成要素を設定することが可能である。ここで、図15(A)で設定されている大当たり遊技について説明する。
大当たり図柄Aに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第1大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから10Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第1大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第1大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Bに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第2大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が5回行われる。そして、1Rから5Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第2大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第2大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Cに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第3大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が5回行われる。そして、1Rから5Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第3大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第3大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Dに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第4大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が10回行われる。そして、1Rから10Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第4大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第4大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Eに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第5大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が6回行われる。そして、1Rから6Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第5大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第5大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
大当たり図柄Fに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第6大当たり遊技」ともいう)では、ラウンド遊技が6回行われる。そして、1Rから6Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技あたり最大で29.5秒にわたって大入賞口14が開放する。また、第6大当たり遊技が開始されてから最初のラウンド遊技が開始されるまでの間、10.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたオープニングがある。さらに、最後のラウンド遊技が終了してから第5大当たり遊技が終了するまでの間、15.0秒間にわたり大入賞口14の閉鎖状態が保持されたエンディングがある。
なお、各ラウンド遊技では、予め定めた所定個数(例えば10個)の遊技球が大入賞口センサ14aによって検知されると、大入賞口14の最大開放時間が経過する前であっても、大入賞口14を閉鎖してラウンド遊技が終了する。また、大当たり遊技構成要素の種類や具体的な内容については、適宜に変更することが可能である。
また、図15(A)に示す大当たり遊技制御テーブルでは、何れの種類の大当たり遊技が実行されるかは、大当たり図柄の種類によって決定されているが、これとは異なる方法で大当たり遊技が実行されるようにしても良い。例えば、遊技領域6に2つの入賞口に振分け可能な装置を設け、一方の入賞口に入賞すると所定数のラウンド遊技からなる大当たり遊技のみが実行される一方、他方の入賞口に入賞すると、所定数より多いラウンド遊技からなる大当たり遊技と所定数より少ないラウンド遊技からなる大当たり遊技の何れかが抽選などによって所定の確率で実行されるようにしても良い。
3-4.遊技状態
次に、パチンコ遊技機PYが制御可能な遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PYは、大当たり遊技が実行されている状態である大当たり遊技状態と、大当たり遊技が実行されていない非大当たり遊技状態がある。非大当たり遊技状態には、基本的なベースとなる遊技状態である通常遊技状態と、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特定遊技状態と、がある。この特定遊技状態に係る「遊技者に有利」となる要素には大当たり確率と、第2始動口12の開放の容易性とがある。すなわち、特定遊技状態に大当たり確率と、第2始動口12の開放の容易性を関連付けることができる。
大当たり確率について遊技者に有利とは、通常遊技状態よりも大当たり確率が高くなり、大当たり当選し易くなるということである。また、第2始動口12の開放の容易性について遊技者に有利とは、通常遊技状態よりも第2始動口12の開放の容易性が高くなり、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が長くなるということである。
そして、特定遊技状態としては、大当たり確率および第2始動口12の単位時間あたりの開放時間の何れもが遊技者に有利な第1特定遊技状態と、大当たり確率のみが遊技者に有利な第2特定遊技状態と、第2始動口12の単位時間あたりの開放時間のみが遊技者に有利な第3特定遊技状態の3種類を設定可能である。なお、これらの3種類の特定遊技状態の全てをパチンコ遊技機PYに搭載せずに、3種類の特定遊技状態の中の一部を搭載することもできる。
ここで、大当たり確率に注目した部分的な遊技状態として、大当たり確率が通常遊技状態よりも高くなり、大当たり確率について遊技者に有利な状態を「高確率状態」という。これに対して、大当たり確率が通常遊技状態での通常確率であり、大当たり確率について遊技者に有利ではない状態を「通常確率状態」という。
また、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間に注目した部分的な遊技状態として、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が通常遊技状態よりも長く、第2始動口12の開放の容易性が遊技者に有利な状態を「時短状態」という。これに対して、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が通常遊技状態での開放時間であり、第2始動口12の開放の容易性が遊技者に有利ではない状態を「非時短状態」という。
ここで、非時短状態と時短状態について詳細に説明する。前述のように、時短状態は、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。すなわち、時短状態は非時短状態よりも第2始動口12に入賞させ易い状態である。ここで、非時短状態よりも時短状態で第2始動口12に入賞させ易くするための具体的な方法について説明する。
例えば、時短状態を、非時短状態に比べて普図変動時間が短くなり易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、当たり判定の結果に関わらず、時短状態においては、非時短状態において決定される普図変動時間(30.0秒)よりも短い普図変動時間(5.0秒)が決定されるようにする。その結果、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多くなる。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、当たり判定で当たりに当選する確率と1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が同一であると、単位時間あたりにおける普図抽選の実行回数が多い分、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
また、時短状態を、非時短状態に比べて1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、非時短状態では、1回の補助遊技で電チュー12Dが0.2秒開放するのに対し、時短状態では、1回の補助遊技で電チュー12Dが合計で5.0秒開放するようにする。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、当たり判定で当たりに当選する確率と普図変動時間が同一であると、単位時間あたりの補助遊技の実行回数が等しくなるため、1回の補助遊技での電チュー12Dの開放時間が長い分、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
さらに、時短状態を、非時短状態に比べて当たり判定で当たりと判定され易い状態にすることで、時短状態では第2始動口12に入賞させ易くすることができる。例えば、前述の通り、非時短状態では、当たり判定において6600/65536の確率で当たりと判定されるのに対し、時短状態では、当たり判定において59936/65536の確率で当たりと判定されるようにする。この場合、非時短状態と時短状態の違いに関わらず、1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間と普図変動時間が同一であると、当たり判定で当たりと判定される確率が高い分、単位時間あたりの当たり判定の回数が多くなるため、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなる。
このように、時短状態においては非時短状態よりも当たりに当選し易いこと、普図変動時間が短くなり易いこと、および1回の補助遊技における電チュー12Dの開放時間が長くなり易いことからなる3つの条件が成立することによって、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間あたりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12への入賞を容易にすることができる。この結果、発射球数に対する賞球数の割合である所謂「ベース」が高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、通常遊技状態に比べて所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。すなわち、時短状態の方が非時短状態よりも遊技者にとって有利であるといえる。
なお、時短状態においては、第2始動口12の単位時間あたりの開放時間が長くなるための3つの条件が全て揃わずに一部の条件のみが揃うようにしても良い。最終的に、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー12Dの開放時間が長くなり、第2始動口12への入賞が容易になればよい。
また、時短状態では、非時短状態に比べて特図変動時間の短い特図変動パターンが選択され易くなるようにするなどして、単位時間あたりにおける特図可変表示の実行回数が少ない、または特図変動時間の平均が低くなるようにしても良い。その結果、時短状態では、特図保留が消化されるペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
なお、以下において、各特定遊技状態について遊技者に対する有利性の内容に関連付けて、第1特定遊技状態のことを「高確率高ベース遊技状態」、第2特定遊技状態のことを「高確率低ベース遊技状態」、および第3特定遊技状態のことを「低確率高ベース遊技状態」ともいう。さらに、通常遊技状態のことを「低確率低ベース遊技状態」ともいう。
よって、低確率低ベース遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態で制御されている遊技状態といえる。同様に、低確率高ベース遊技状態は通常確率状態且つ時短状態、高確率低ベース遊技状態は高確率状態且つ非時短状態、および高確率高ベース遊技状態は高確率状態且つ時短状態で制御されている遊技状態といえる。
このように、パチンコ遊技機PYは、低確率低ベース遊技状態、低確率高ベース遊技状態、高確率低ベース遊技状態、高確率高ベース遊技状態、および大当たり遊技状態で制御可能である。なお、大当たり遊技状態では、大入賞口14が長時間開放し、遊技球を多量に獲得することができるので、大当たり遊技状態も遊技者に有利な遊技状態ということができる。よって、大当たり遊技状態と、特定遊技状態は、通常遊技状態よりも遊技者に有利な「有利遊技状態」ということもできる。
なお、高確率高ベース遊技状態、および高確率低ベース遊技状態は、大当たり確率が通常確率状態よりも高確率となっている点で低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。また、高確率高ベース遊技状態、および低確率高ベース遊技状態は、第2始動口12への入賞容易性が非時短状態よりも高い点で低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。さらには、大当たり遊技状態では、1回の入賞による賞球数が第1始動口11、および第2始動口12よりも多い大入賞口14が開放するので、大当たり遊技状態は低確率低ベース遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である。
また、パチンコ遊技機PYの電源が投入されると最初に通常遊技状態が設定される。また、大当たり遊技状態は、大当たり図柄の停止表示が行われることによって設定される。一方、特定遊技状態は、大当たり当選して大当たり遊技が実行されることによって設定される。次に、特定遊技状態の設定について説明する。
3-5.大当たり遊技の終了に伴う遊技状態の設定
パチンコ遊技機PYは、大当たり遊技の終了に伴って、新たに遊技状態を設定することができる。すなわち、大当たり遊技の後に、新たな遊技状態にて遊技を制御・進行させることができる。この遊技状態の継続期間は適宜に設定可能である。例えば、新たな遊技状態として、特定遊技状態を次回大当たり当選するまで継続させることができる。また、特定遊技状態が継続できる期間を制限することもできる。
特定遊技状態の継続期間を制限させる場合は、継続期間に対する終了条件が成立することを契機に特定遊技状態を終了させることができる。そして、特定遊技状態が終了すると通常遊技状態が設定されるようにすることができる。また、高確率高ベース遊技状態については、終了条件が成立すると、低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態が設定されるようにすることもできる。この場合、新たに設定された低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態は次回大当たり当選するまで継続するようにしても良い。また、新たに設定された低確率高ベース遊技状態または高確率低ベース遊技状態についても同一または異なる終了条件を設け、当該終了条件が成立すると通常遊技状態が設定されるようにしても良い。
また、特定遊技状態の継続期間に対する終了条件は適宜に設定することができる。終了条件として、例えば特図可変表示の実行回数を設定することができる。また、特図可変表示の実行回数に限られず、大当たり遊技後の経過時間、大当たり遊技後の遊技球の発射球数、大当たり遊技後のゲート13への通過回数、または特定遊技状態を終了させるか否かの抽選(所謂、「転落抽選」)において終了させるという結果の導出などを終了条件に設定することができる。さらには、これらの要素を単独で終了条件に設定しても良く、また複合的に設定しても良い。
なお、これらの終了条件は、大当たり遊技後に設定可能な全ての特定遊技状態に対して同一に設定しても良く、また設定可能な特定遊技状態の中の一部の特定遊技状態に対して設定しても良い。さらに、特定遊技状態毎に終了条件を異ならせても良い。
さらに、大当たり遊技の後に制御される遊技状態、終了条件の有無、および終了条件の内容は、その大当たり遊技に係る大当たり図柄種別に対応付けることが可能である。例えば、前述のように大当たり図柄種別が設定されている場合、図15(B)に示すように、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Dに係る大当たり遊技の終了後に高確率高ベース遊技状態で遊技が制御されるようにしても良い。ここで、この高確率高ベース遊技状態については終了条件を設けずに、大当たり当選するまで継続可能にすることができる。さらに、大当たり図柄C、および大当たり図柄Eに係る大当たり遊技の終了後に低確率高ベース遊技状態で遊技が制御されるようにしても良い。ここで、この低確率高ベース遊技状態については終了条件を設け、終了条件として100回の特図可変表示に設定することができる。なお、この大当たり種別図柄と大当たり遊技の後に制御される特定遊技状態、終了条件の有無、および終了条件の内容との関係は一例であって、これに限られない。
また、大当たりの遊技利益に着目し、大当たり遊技後に高確率状態で遊技が進行する大当たりのことを「高確率大当たり」ともいう。さらに、大当たり遊技後に高確率状態且つ時短状態で遊技が進行する大当たりのことを「確変大当たり」ともいう。加えて、大当たり遊技後に通常確率状態且つ時短状態で遊技が進行する大当たりのことを「時短大当たり」ともいう。
4.遊技機による主な演出
次に、パチンコ遊技機PYにより行われる主な演出について、図16~図32を用いて説明する。
4-1.演出モード
最初に、演出モードについて説明する。演出モードは、演出の区分(あるいは、上位概念的な属性)のことである。パチンコ遊技機PYは、演出モードとして、客待ち演出モード、通常演出モードと、確変演出モード、時短演出モードおよび大当たり演出モードを設定することが可能である。
客待ち演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」、「低確率高ベース遊技状態」、「高確率低ベース遊技状態」および「高確率高ベース遊技状態」において特図可変表示が行われていないときに設定可能であり、特図可変表示が行われていない待機状態であることを示す演出モードである。客待ち演出モードが設定されているときに客待ち演出が行われる。客待ち演出では、例えば、図16(A)に示すように、表示部50aにおいてパチンコ遊技機PYを紹介する客待ちデモ動画G100が表示される。また、客待ちデモ動画G100が表示されているときに第1演出ボタン40kが操作されると、図16(B)に示すように、パチンコ遊技機PYの演出に関する設定を行うための設定画面G101が表示される。演出に関する設定には、スピーカー52から出力される音の音量設定、表示部50aの輝度設定、および実行される演出の頻度設定などがある。なお、演出に関する設定の項目は適宜に設定することができる。また、客待ちデモ動画G100から遊技者の操作によって設定画面G101が表示されないようにすることもできる。
通常演出モードは、「低確率低ベース遊技状態」において設定可能であり、通常遊技状態であることを示す演出モードである。そして、さらに通常演出モードに属する下位の演出モードを複数設けることができる。例えば、通常演出モードに属する下位の階層の演出モードとして、第1通常演出モード、第2通常演出モード、および第3通常演出モードなどを設けることができる。
なお、以下において、演出モードに属する下位の階層の演出モードを「演出ステージ」ともいう。それに伴って、第1通常演出モードを「第1通常演出ステージ」ともいい、第2通常演出モードを「第2通常演出ステージ」ともいい、第3通常演出モードを「第3通常演出ステージ」ともいう。なお、特段の事情がない場合以外、基本的にはパチンコ遊技機PYの電源が投入された後、最初に特図変動表示が開始されたときに設定される演出モードは第1通常演出ステージ(第1通常演出モード)であるとする。ただし、当該最初に設定される演出モードの種類は特に限定されずに適宜変更しても良い。
このように通常演出モードに属する複数の演出ステージを設けた場合、所定の切替条件が成立すると演出ステージを順番に繰り返して切り替えていくことができる。切替条件は適宜に設定可能であるが、例えば、切替条件として、大当たりに当選することなく所定回数の特図可変演出が行われることに設定することができる。さらに、切替条件として、SPリーチハズレ変動に基づく特図変動演出など、特定の演出が実行されることに設定することもできる。
また、後述するように特図変動演出においてリーチが発生することがあるが、特図変動演出を、リーチが発生しない場合の特図変動演出の全区間、およびリーチが発生する場合のリーチが成立する前の前段部分と、リーチが発生する場合のリーチが成立した後の後段部分と、に分けることができる。なお、前段部分は、前述の「通常変動」で構成される。
そして、第1通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に街の景色を表す背景画像(図17(A):第1通常用背景画像G111)が表示される。第2通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に野球場のグラウンドを表す背景画像(図17(B):第2通常用背景画像G112)が表示される。第3通常演出ステージの前段部分では、表示部50aにおいて、主に飲食店内を表す背景画像(図17(C):第3通常用背景画像G113)が表示される。一方、第1通常演出ステージ~第3通常演出ステージの後段部分では、第1通常用背景画像G111、第2通常用背景画像G112および第3通常用背景画像G113が表示されず、通常演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
なお、通常演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像は、演出ステージの種別に関係なく通常演出モードに共通の背景画像としても良く、また、演出ステージ毎に異なる背景画像としても良い。
また、「高確率低ベース遊技状態」においても通常演出モードを設定可能にし、通常演出モードは非時短状態であることを示す演出モードにしても良い。あるいは「高確率低ベース遊技状態」においてのみ設定され、通常演出モードとは異なる所定の演出モードを設けても良い。さらに、ある条件で発生した低確率低ベース遊技状態、および高確率低ベース遊技状態において、通常演出モードと異なる所定の演出モードを設定しても良い。
確変演出モードは、「高確率高ベース遊技状態」において設定可能であり、高確率高ベース遊技状態であることを示す演出モードである。確変演出モードの前段部分では、例えば、図17(D)に示すように、表示部50aにおいて宇宙を表す背景画像(確変用背景画像G120)が表示され、確変用BGMがスピーカー52から出力される。また、確変演出モードの後段部分では、確変演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
時短演出モードは、「低確率高ベース遊技状態」または「高確率高ベース遊技状態」において設定可能であり、低確率高ベース遊技状態、または高確率高ベース遊技状態の何れかであり、少なくとも時短状態であることを示す演出モードである。時短演出モードの前段部分では、例えば、図17(E)に示すように、表示部50aにおいて空を表す背景画像(時短用背景画像G130)が表示され、時短用BGMがスピーカー52から出力される。また、時短演出モードの後段部分では、時短演出モードにおけるリーチの種類に応じた専用の背景画像が表示される。
なお、時短演出モードは、低確率高ベース遊技状態においてのみ設定され、低確率高ベース遊技状態であることを示す演出モードにすることもできる。
また、確変演出モードおよび時短演出モードの何れもまたは何れか一方について、通常演出モードと同様に、さらにその演出モード用の演出ステージを複数設け、所定の切替条件が成立すると、演出ステージが切り替わるようにしても良い。
大当たり演出モードは、「大当たり遊技状態」において大当たり遊技が行われているときに設定可能な演出モードであり、大当たり遊技が行われていることを示す演出モードである。大当たり演出モードでは、例えば、大当たり遊技におけるオープニング中に、図18(A)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技の開始を示唆するオープニング画像G1や「右打ち」を促す右打ち画像G2が表示される大当たりオープニング演出が行われる。加えて、オープニング中には、大当たりオープニング演出として、表示部50aにおいて、オープニング画像G1や右打ち画像G2の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(オープニング用背景画像G200)が表示される。
また、大当たり演出モードでは、大当たり遊技におけるラウンド遊技中に、図18(B)に示すように、表示部50aにおいて、右打ち画像G2がオープニングから引き続いて表示されると共に、ラウンド数を示すラウンド画像G3や払い出された賞球数を示唆する賞球数画像G4が表示されるラウンド演出が行われる。加えて、ラウンド遊技中には、ラウンド演出として、表示部50aにおいて、右打ち画像G2、ラウンド画像G3、および賞球数画像G4の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(ラウンド用背景画像G201)が表示されると共に、スピーカー52から大当たり遊技の種別に応じたBGMが出力される。
さらに、大当たり遊技におけるエンディング中には、図18(C)に示すように、表示部50aにおいて、大当たり遊技後に設定される演出モードを示唆するエンディング画像G5や払い出された総賞球数を示唆する総賞球数画像G6が表示される大当たりエンディング演出が行われる。加えて、エンディング中には、大当たりエンディング演出として、表示部50aにおいて、エンディング画像G5や総賞球数画像G6の背景で、大当たり遊技の種別に応じた背景画像(エンディング用背景画像G202)が表示される。
なお、以下において、大当たりオープニング演出、ラウンド演出、および大当たりエンディング演出を合わせて、大当たり遊技において実行される演出として「大当たり遊技演出」ともいう。すなわち、大当たり演出モードにおいて大当たり遊技演出が行われる。
4-2.特図変動演出
次に、特図変動演出について説明する。パチンコ遊技機PYは、特図の可変表示が開始されると、特図の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を実行する。
特図変動演出では、表示部50aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄の変動表示では、演出図柄が変動した後に停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。そして、基本的には、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
なお、表示部50aで行われる特図変動演出では、演出図柄の変動表示以外の画像を用いることも可能である。さらに、表示部50aを含む画像表示装置50以外に、スピーカー52、枠ランプ53、盤可動装置55、第1演出ボタン装置40、および第2演出ボタン装置41などの様々な演出装置を用いた特図変動演出を行うことが可能である。
次に、特図可変表示に応じて実行される特図変動演出において、表示部50aに表示される演出図柄について説明する。演出図柄は、特図抽選結果を示すための識別情報でもあり、複数種類設けられている。詳細には、演出図柄の構成要素の1つが、特図抽選結果を示すための識別情報を構成し、その識別情報の違いによって演出図柄が複数種類設けられている。
例えば、図19(A)に示すように、演出図柄を1~9の数字で構成させ、9つの演出図柄を設けることができる。そして、数字「1」を含む演出図柄を演出図柄G10aとする。同様に、数字「2」~数字「9」を含む演出図柄を演出図柄G10b~演出図柄G10eとする。なお、便宜上、個々の演出図柄を区別なく取り扱う場合は、「演出図柄G10」と総称する。
また、「3」、および「7」に係る演出図柄G10c、G10gの数字部分は赤色であり、「1」、「2」、「4」、「5」、「6」、「8」、および「9」の演出図柄G10a、G10b、G10d、G10e、G10f、G10h、G10iの数字部分は青色である。すなわち、演出図柄G10の構成要素に、色が含まれている。なお、演出図柄G10の構成や識別情報を何に設定するかは適宜に変更しても良い。例えば、演出図柄G10に、各数字に対応付けられたキャラクタなどの他の構成要素を加えても良い。
続いて、演出図柄G10を表示するための演出図柄表示領域について説明する。例えば、図19(B)に示すように、表示部50aを水平方向に略均等に3つに分けた左側、中央および右側を、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3とすることができる。左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3の何れにも演出図柄G10が表示される。
そして、主に、特図変動演出の前段部分において、左演出図柄領域50b1に表示される演出図柄G10を「左演出図柄EZ1」と総称し、中演出図柄領域50b2に表示される演出図柄G10を「中演出図柄EZ2」と総称し、および右演出図柄領域50b3に表示される演出図柄G10を「右演出図柄EZ3」と総称する。すなわち、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、および右演出図柄領域50b3において、共通して、数字の1~9からなる演出図柄G10が表示されるが、相対的な表示位置で演出図柄G10を区別する場合には、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、および右演出図柄EZ3と表記する。
なお、後述するように、特図変動演出において、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が行われるが、最終的には、特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別、リーチ判定結果)を示す態様で演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる。そして、特図抽選結果として大当たりを報知する場合には、同じ数字の演出図柄G10が3つ横に並ぶように(所謂「ゾロ目」で)、演出図柄EZ1~EZ3が停止表示する。そこで、以下において、大当たりを報知する場合に停止表示している演出図柄EZ1~EZ3を構成する同一の数字からなる演出図柄G10のことを「大当たり演出図柄」と称する。例えば、演出図柄EZ1~EZ3が「7・7・7」と停止表示する場合、大当たり演出図柄は「演出図柄G10g」となり、「9・9・9」と停止表示する場合、大当たり演出図柄は「演出図柄G10i」となる。また、さらに、大当たり演出図柄について、演出図柄に含まれる数字で略称することもある。例えば、大当たり演出図柄が「演出図柄G10g」であれば大当たり演出図柄は「7」となり、大当たり演出図柄が「演出図柄G10i」であれば大当たり演出図柄は「9」となる。また、後述するように、特図変動演出において、特図抽選結果が完全に示されるのは、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示するときである。しかしながら、基本的には、特図変動演出の途中で、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示する前に、演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示(仮停止表示)する。これは、一度暫定的に停止表示された演出図柄EZ1~EZ3の内容が変更することもあるからである。例えば、ある(相対的に遊技者に不利な)大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示した後に、別の(相対的に遊技者に有利な)大当たりを示す態様に変更されることがある。そこで、このように最初に大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示する場合(変更される前)の演出図柄EZ1~EZ3を構成する同一の数字からなる演出図柄G10のことについても「大当たり演出図柄」と称する。
また、特図変動演出において、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が行われるが、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の途中で、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3が同じ数字の演出図柄G10で暫定的に停止表示(仮停止表示)するリーチを行うことがある。後述するように、リーチは、大当たり遊技状態になる可能性があることを示唆する演出であり、リーチが行われたことによって大当たりに対してチャンスアップしたことになる。そこで、リーチに係る左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3を構成する同一の数字からなる演出図柄G10のことを「リーチ演出図柄」と称する。例えば、左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3が「1」の演出図柄G10aで仮停止表示する場合、リーチ演出図柄は「演出図柄G10a」となり、「3」の演出図柄G10aで仮停止表示する場合、リーチ演出図柄は「演出図柄G10c」となる。また、さらに、リーチ演出図柄について、演出図柄に含まれる数字で略称することもある。例えば、リーチ演出図柄が「演出図柄G10a」であればリーチ演出図柄を「1」と略称し、リーチ演出図柄が「演出図柄G10c」であればリーチ演出図柄を「3」と略称する。
また、図19(B)に示すように、表示部50aの下端部の左端(左下隅)の一区画に、小図柄を可変表示する小図柄領域50cを設けることが可能である。小図柄領域50cにおいて、特図の可変表示に応じて小図柄を可変表示させることができる。なお、小図柄のデザインは適宜に設定可能であるが、例えば、演出図柄G10の数字部分をそのまま縮小させて構成させることができる。
なお、図19(B)において、左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cは一点鎖線で明示されているが、これは左演出図柄領域50b1、中演出図柄領域50b2、右演出図柄領域50b3、および小図柄領域50cの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
また、前述したように、特図変動演出の演出フローを構成する演出として、通常変動、Nリーチ、Lリーチ、SPリーチ、およびバトル演出がある。ここで、これらの一部について説明する。
4-2-1.通常変動
パチンコ遊技機PYは、特図変動演出において、先ず通常変動を行うことが可能である。通常変動は、特図の可変表示が開始されたことを示唆する演出として機能する。次に、通常変動を具体的に説明する。なお、小図柄として、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、および右演出図柄EZ3に対応する左小図柄KZ1、中小図柄KZ2、および右小図柄KZ3が小図柄領域50cで可変表示する。
例えば、図20(A)に示すように、表示部50aにおいて、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されていると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3が停止表示されており、特図の可変表示が行われておらず、特図の可変表示を待機している状態から、特図の可変表示が開始されると、図20(B)に示すように、その開始に伴って特図変動演出が開始される。具体的には、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始されると共に、左小図柄KZ1、中小図柄KZ2および右小図柄KZ3の変動表示が開始される。
演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の表示態様と、小図柄KZ1~KZ3の変動表示の表示態様とを異ならせることができる。例えば、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示は、各演出図柄EZ1~EZ3が表示部50aの上から下にスクロール表示して行い、小図柄KZ1~KZ3の変動表示は、各小図柄KZ1~KZ3を定位置で次々に入れ替えて行うようにしても良い。なお、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示の表示態様と、小図柄KZ1~KZ3の変動表示の表示態様とを同一にしても良い。
また、演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3は変動表示の開始直後から高速で変動表示する。演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3が高速で変動表示されている間は、演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3は、基本的に背景画像G111~G114などのその背景側の画像が視認容易な透明性を持って表示される。
そして、この特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ無しハズレの特図変動パターン(例えば、通常ハズレ変動)であると、リーチが発生することなく、特図の可変表示の終了(特図の停止表示)に伴って、リーチ無しハズレに特有なハズレ目(所謂「バラケ目」)で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
演出図柄EZ1~EZ3の停止表示に向けて、例えば、最初に図20(C)に示すように、左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)し、次に図20(D)に示すように、右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)し、さらに、図20(E)に示すように、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)する。
そして、最後に、上下方向略中央位置で水平方向に並んだ状態で暫定的に停止(仮停止)している演出図柄EZ1~EZ3が、図20(F)に示すように、そのまま一斉に完全に停止し、停止が確定する(演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる)。暫定的に停止(仮停止)していた演出図柄EZ1~EZ3がバラケ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1~EZ3の確定的な停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1~KZ3が、演出図柄EZ1~EZ3と同一のバラケ目で一斉に停止し、小図柄KZ1~KZ3の停止表示も行われる。
なお、演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止するとは、演出図柄EZ1~EZ3がスクロール表示のように場所を大きく移動することはなく、その場で微かに揺れたり小さく往復運動することをいう。よって、厳密には、演出図柄EZ1~EZ3が暫定的に停止表示している状態と、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示している状態とは異なるが、この暫定的な停止表示と確定的な停止表示を広義に「停止表示」と称することもある。また、図20の例では、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われる際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3→中演出図柄EZ2の順で演出図柄が停止したが、停止する順序(方法)はこれに限られず、適宜に設定することができる。
4-2-2.リーチ
次に、リーチの成立について説明する。特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、Nハズレ変動)である場合も、基本的には前述のリーチ無しの場合と同様に、表示部50aにおいて、図21(A)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3が確定的に停止表示されていると共に、小図柄KZ1~KZ3が停止表示されている状態から、特図の可変表示が開始されて、図21(B)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の変動表示が開始すると共に、小図柄KZ1~KZ3の変動表示が開始する。
その後、所定時間が経過した後に、図21(C)に示すように、数字「5」に係る左演出図柄EZ1が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)し、次に、図21(D)に示すように、同一の数字「5」に係る右演出図柄EZ3が上下方向略中央位置で水平方向に並んで暫定的に停止(仮停止)して、リーチが成立する。リーチが成立したときには、リーチが成立したことを示す画像(リーチ成立示唆画像)G11が表示される。なお、左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3でリーチが成立しても、小図柄KZ1~KZ3の変動表示は継続して行われている。
さらに、図21の例では、リーチが成立する際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3の順で演出図柄が暫定的に停止(仮停止)したが、仮停止する順序(方法)はこれに限られず、適宜に設定することができる。また、リーチを構成する演出図柄の数字も「5」に限られない。また、暫定的に停止(仮停止)する位置も上下方向略中央位置に限られない。また、リーチを構成する演出図柄が並ぶ方向も水平方向に限られず斜め方向など他の方向であってもよい。
このように、リーチ無しハズレである場合の特図変動演出の全期間と、リーチが発生する場合の特図変動演出の開始時からリーチ成立時までの区間を通常変動とすることができる。ただし、リーチが成立するまでの時間は、特図変動パターンなどに基づいて適宜に設定することができる。さらに、リーチが成立するまでの間に、所謂「疑似連」や、カットイン予告、台詞予告などの種々の予告演出を実行することも可能である。あるいは、リーチが成立するまでの間に、所謂「ゾーン」に突入するようにすることも可能である。
4-2-3.Nリーチ
パチンコ遊技機PYは、通常変動の後にリーチが成立するとNリーチを行うことが可能である。Nリーチは、特図抽選の抽選結果が「大当たり」であった可能性があることを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。次に、Nリーチを具体的に説明する。
リーチが成立すると、例えば、図21(D)に示すように、その時点からNリーチが行われる。Nリーチでは、図22(A)に示すように、リーチが成立したときの状態が所定時間(例えば、10秒)維持される。Nリーチが開始されると、図22(B)に示すように、通常態様の高速で変動表示(スクロール)をしている中演出図柄EZ2が徐々に減速していく。
特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレの特図変動パターン(例えば、Nハズレ変動)であると、リーチが成立した状態から、中演出図柄EZ2が上下方向略中央位置で暫定的に停止(仮停止)してハズレを示す演出図柄の停止表示が行われる。このとき、リーチが成立しているので、図22(C-1)に示すように、リーチを構成する数字とは異なる数字(図22(C-1)において「4」)からなる中演出図柄EZ2が仮停止する。そして、特図の可変表示の終了(特図の停止表示)に伴って、図22(D)に示すように、仮停止状態が完全な停止状態になり、リーチ有りハズレに特有なハズレ目で左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3の停止表示が行われる。
また、暫定的に停止(仮停止)していた演出図柄EZ1~EZ3がリーチ有りハズレに特有なハズレ目で完全に停止するとき、すなわち、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われるとき、3つの小図柄KZ1~KZ3が、演出図柄EZ1~EZ3と同一のリーチ有りハズレに特有なハズレ目で一斉に停止し、小図柄KZ1~KZ3の停止表示も行われる。なお、Nリーチの内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、図22(C-2)に示すように、停止していない残りの1つの中演出図柄EZ2が再び高速で変動し、リーチが維持されたままNリーチからLリーチまたはSPリーチに発展する(切り替わる)ことがある。
4-2-4.Lリーチ
パチンコ遊技機PYは、Nリーチの後にLリーチを行うことが可能である。Lリーチは、特図抽選の結果が「大当たり」である可能性が、Nリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。なお、Lリーチでも、成立したリーチが維持されるが、例えば、図23(A)に示すように、Lリーチの開始時に、当該リーチを構成する演出図柄EZ1、EZ3が縮小されると共に、表示部50aにおける小図柄領域50cに重複しない所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3は表示部50aの右上)に移動する。
また、Lリーチの開始時に、例えば、図23(A)に示すように、表示部50aにLリーチ専用の背景画像(Lリーチ用背景画像G114)が表示される。Lリーチ用背景画像G114は、所定のスーリーが展開する動画で構成されている。Lリーチ用背景画像G114に係る動画のストーリーの内容は適宜に設定可能であるが、基本的な実施形態では、主人公キャラクタが女の子に告白するという内容で構成されている。
Lリーチ用背景画像G114が表示されると、最初に、図23(A)に示すように、主人公キャラクタがある待ち合わせ場所で女の子を待っているシーンから開始される。続いて、図23(B)に示すように、待ち合わせ場所に女の子が現れる。このとき、表示部50aの略中央にて、中演出図柄EZ2として、リーチを構成している数字「5」の演出図柄と、リーチを構成していない数字「4」の演出図柄と、が現れて、奥側から手前側に出てきてはまた奥側へ戻るようにゆっくりと回転する。
数字「4」の演出図柄と数字「5」の演出図柄の回転が継続して行われている中、Lリーチ用背景画像G114に係るスーリーが進展する。そして、図23(C)に示すように、主人公キャラクタが女の子に告白するシーンを迎える。このとき、表示部50aの略中央にて、リーチを構成している数字「5」の演出図柄と、リーチを構成していない数字「4」の演出図柄と、が相互に相手を弾き飛ばそうとぶつかり合う。数字「5」の演出図柄はリーチを構成し、数字「4」の演出図柄はリーチを構成していないことから、数字「4」の演出図柄が弾き飛ばされて数字「5」の演出図柄が残ると、大当たりを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が成立する一方、数字「5」の演出図柄が弾き飛ばされて数字「4」の演出図柄が残ると、リーチハズレを示す態様の演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が成立する。よって、この図23(C)の場面は、当該Lリーチの最終局面であり、大当たりを示唆する演出(大当たり示唆演出)が実行されるかハズレを示唆する演出(ハズレ示唆演出)が実行されるかに分岐する分岐点(所謂「当落分岐点」)を構成している。
当落分岐点において、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たり変動(L大当たり変動)であると、図24(A-1)に示すように、表示部50aに、笑顔の女の子がアップで表示された後、図24(B-1)に示すように、告白に成功して喜んでいる主人公キャラクタが表示されると共に、スピーカー52から所定の効果音が出力される。このとき、リーチを構成している数字「5」の左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3と共に、そのリーチを構成している数字「5」の中演出図柄EZ2が表示部50aの中央に仮停止態様で表示される。すなわち、演出図柄EZ1~EZ3が大当たりを示す態様で仮停止表示している。
告白に成功して喜んでいる主人公キャラクタの表示と、所定の効果音の出力とは、大当たり示唆演出を構成する。大当たり示唆演出の後は、図24(C-1)に示すように、大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
一方、当落分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチ有りハズレ変動(Lハズレ変動)であると、大当たり示唆演出が行われることなく、Lリーチ用背景画像G114にて、図24(A-2)に示すように、表示部50aに、悲しい表情をした女の子がアップで表示された後、図24(B-2)に示すように、告白に失敗して落胆している主人公キャラクタが表示される。このとき、リーチを構成している数字「5」の左演出図柄EZ1および右演出図柄EZ3と共に、リーチを構成していない数字「5」の中演出図柄EZ2が表示部50aの中央に仮停止態様で表示される。すなわち、演出図柄EZ1~EZ3がリーチハズレを示す態様で仮停止表示している。
告白に失敗して落胆している主人公キャラクタの表示は、ハズレ示唆演出を構成する。ハズレ示唆演出の後は、図24(C-2)に示すように、リーチ用のハズレ目で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
4-2-5.SPリーチ
また、パチンコ遊技機PYは、Nリーチの後にSPリーチを行うことが可能である。SPリーチは、特図抽選の結果が「大当たり」である可能性が、Lリーチよりも高いことを示唆する演出であり、遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。なお、SPリーチでも、成立したリーチが維持されるが、例えば、図25(A)に示すように、SPリーチの開始時に、当該リーチを構成する演出図柄EZ1、EZ3が縮小されると共に、表示部50aにおける小図柄領域50cに重複しない所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部50aの左上で、右演出図柄EZ3は表示部50aの右上)に移動する。
また、SPリーチの開始時に、例えば、図25(A)に示すように、表示部50aにSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像G115)が表示される。SPリーチ用背景画像G115は、所定のスーリーが展開する動画で構成されている。SPリーチ用背景画像G115に係る動画のストーリーの内容は適宜に設定可能であるが、基本的な実施形態では、主人公キャラクタと、主人公キャラクタのライバルである敵キャラクタとが対決するという内容で構成されている。なお、主人公キャラクタは野球のピッチャーであり、敵キャラクタは野球のバッターであり、両者は野球の試合においてピッチャーとバッターの立場で対決する。
SPリーチ用背景画像G115が表示されると、最初に、図25(A)に示すように、敵キャラクタが出現し、続いて、図25(B)に示すように、表示部50aの中央にSPリーチが開始されたことを表す画像(SPリーチ開始タイトル画像)G11が表示される。SPリーチ開始タイトル画像G11は、SPリーチのタイトルを表すタイトル画像G11a「図25(B)において「敵バッター○○を打ち取れ!!」」と、タイトル画像G11aを引き立てるエフェクト画像G11bとで構成される。
次に、図25(C)に示すように、主人公キャラクタと敵キャラクタが対峙しているシーンが表示される。その後、SPリーチ用背景画像G115にて、図26(A)に示すように、主人公キャラクタがボールを投げ、図26(B)に示すように、ボールが敵キャラクタに向かって進み、図26(C)に示すように、敵キャラクタがバットを振り始める。続いて、図26(D)に示すように、ボールとバットとが接近し、主人公キャラクタと敵キャラクタとの対決に決着がつこうとする場面を迎える。この場面は、ピッチャーとバッターの対決で主人公キャラクタが勝利して大当たりが示唆されるか敗北してハズレが示唆されるかの分岐点(当落分岐点)を構成する。
この当落分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たり変動(SP大当たり変動)であると、図27(A-1)に示すように、表示部50aに、敵キャラクタが空振りをして対決に勝利した後、図27(B-1)に示すように、敵キャラクタを三振に取ってマウンド上で雄叫びを上げる主人公キャラクタが表示されると共に、スピーカー52から所定の効果音が出力される。このとき、演出図柄EZ1~EZ3は大当たりを示す態様で仮停止表示している。
対決に勝利して雄叫びを上げている主人公キャラクタの表示と、所定の効果音の出力とが、大当たり示唆演出を構成する。大当たり示唆演出の後は、図27(C-1)に示すように、大当たりを示す態様で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
一方、当落分岐点後、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチハズレ変動(SPハズレ変動)であると、大当たり示唆演出が行われることなく、SPリーチ用背景画像G115にて、図27(A-2)に示すように、敵キャラクタがホームランを打って対決に敗北し、図27(B-2)に示すように、主人公キャラクタがマウンド上で落胆する。このとき、演出図柄EZ1~EZ3はリーチハズレを示す態様で仮停止表示している。
対決に敗北して落胆している主人公キャラクタの表示が、ハズレ示唆演出を構成する。ハズレ示唆演出の後は、図27(C-2)に示すように、リーチ用のハズレ目で演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の停止表示が行われる。
次に、特図変動演出において行われる可動体演出と操作演出について説明する。可動体演出と操作演出は、前述のSPリーチ、Lリーチ、およびNリーチ、さらには大当たり遊技演出などに組み込まれる形でこれらの演出の一部として行われる場合と、これらの演出とは独立して行われる場合とがある。最初に可動体演出について説明する。
4-3.可動体演出
パチンコ遊技機PYは、特図変動演出や大当たり遊技演出などの所定の演出における所定のタイミングで可動体の動作を伴う可動体演出を行うことが可能である。可動体演出は、例えば盤可動装置55などの可動装置を用いた演出であり、大当たり期待度やSPリーチへの発展を示唆する演出として機能する。
例えば、可動体演出がSPリーチへの発展を示唆する演出として機能する場合、図28(A)に示すように、特図変動演出において、NリーチからSPリーチに発展する際に、まずは図28(B)に示すように、盤可動装置55が作動し、盤可動体55kが正面視で作動位置まで下降し、所定時間その位置で保持される。さらに、このとき、表示部50aの全体に、盤可動体55kの動作に伴うエフェクト画像G13も表示される。そして、図28(C)に示すように、エフェクト画像G13が消去され、盤可動体55kが待機位置まで上昇して、盤可動装置55が通常の待機状態に戻る。盤可動装置55が通常の待機状態に戻ると、SPリーチに発展する。なお、可動体演出における可動装置の作動内容は、適宜に変更または追加することが可能である。
4-4.操作演出
次に操作演出について説明する。パチンコ遊技機PYは、特図変動演出や大当たり遊技演出などの所定の演出における所定のタイミングで、操作促進演出、および第1演出ボタン40kや第2演出ボタン41k等の操作に応じた操作結果演出を含む操作演出を行うことが可能である。操作促進演出は、遊技者に操作手段の操作を促す演出であり、操作結果演出は、操作促進演出における操作手段の操作に応じて行われる演出であり、それぞれ遊技者に大当たりを期待させるための演出として機能する。
例えば、前述のように、LリーチやSPリーチにおいて当落分岐点に達すると、第1演出ボタン40kの押下操作が有効な期間(操作有効期間)が発生し、この操作有効期間の発生に伴って、図29(A)に示すように、第1演出ボタン40kの操作を促す演出(操作促進演出)が行われる。
操作促進演出において、表示部50aに、第1演出ボタン操作促進演出画像G12が表示される。第1演出ボタン操作促進演出画像G12は、操作対象である第1演出ボタン40kを表す画像(操作対象画像)G12aと、第1演出ボタン40kの操作態様(すなわち、押下操作)を表す画像(押下操作画像)G12bと、第1演出ボタン40kの操作に係る操作有効期間(操作有効期間)の残り時間を表す画像(操作有効期間残り時間画像)G12cと、を含む。
なお、操作有効期間残り時間画像G12cは、おおむね曲線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者が操作有効期間の残り時間を容易に理解できるように変化する。なお、図29(B)は、操作有効期間が発生して、操作有効時間の1/3の時間が経過した様子を表している。
そして、特図の可変表示の特図変動パターンが大当たり変動(SP大当たり変動)であると、操作有効期間において第1演出ボタン40kが押下操作された後、または、操作有効期間において第1演出ボタン40kが操作されることなく操作有効期間の残り時間がなくなった後、操作結果演出が行われる。
操作結果演出としては、例えば図29(C)に示すように、盤可動装置55が作動して、盤可動体55kが作動位置まで下降し、所定時間その位置で保持されると共に、回転部材55k1が所定時間回転する。このように、操作結果演出に可動体演出も含まれている。さらに、このとき、操作結果演出として、表示部50aの全体に、盤可動体55kの動作に伴うエフェクト画像G13が表示される。そして、図29(D)に示すように、エフェクト画像G13が消去され、回転部材55k1の回転が止まり、盤可動体55kが上昇することによって操作結果演出が終了する。操作結果演出が終了すると大当たり示唆演出が行われる。
一方、特図の可変表示の特図変動パターンがリーチハズレ変動(SPハズレ変動)であると、操作有効期間において第1演出ボタン40kが押下操作されても、または、第1演出ボタン40kが押下操作されることなく演出ボタン操作有効期間の残り時間がなくなっても、操作結果演出が行われることがなく、ハズレ示唆演出が行われる。
なお、操作結果演出は、盤可動装置55の作動やエフェクト画像G13の表示に限られず、適宜に変更または追加することが可能である。また、操作演出は特図変動演出に限られず大当たり演出においても実行可能である。
4-5.先読み演出
次に、特図保留の対象となる特図可変表示が実行される前に実行可能な先読み演出について説明する。パチンコ遊技機PYは、特図変動演出の任意のタイミングで、先読み判定の結果に基づいて、大当たり判定が行われていない特図1保留または特図2保留に対する先読み演出を行うことが可能である。先読み演出は、特図1保留または特図2保留に対する大当たり期待度を示唆する演出であり、その保留に対応する特図の可変表示の前から大当たりを期待させる演出として機能する。先読み演出の一例として、特図保留を表す保留演出を用いた保留変化予告がある。ここで、通常演出モードにおいて行われる保留演出、および保留変化予告について説明する。
保留演出は、図30(A)に示すように、表示部50aの下端部における略中央の一区画において横長矩形状に形成された保留表示領域50dにおいて行われる。保留表示領域50dは、保留表示領域50dを左右方向に略均等に4つに分割した第1領域50d1、第2領域50d2、第3領域50d3、および、第4領域50d4で構成されている。すなわち、保留表示領域50dにおいて、第1領域50d1~第4領域50d4が左端から右端に向けて順に並んで設けられている。
第1領域50d1には、保留されている特図1保留の中で最も先に発生し、その特図1保留に対応する特図1関係乱数に基づいて最も先に特図1可変表示が行われる特図1保留を表す保留アイコンが表示される。同様に、第2領域50d2~第4領域50d4には、保留されている特図1保留の中で2~4番目に発生し、その特図1保留に対応する特図1関係乱数に基づいて2~4番目に特図1可変表示が行われる特図1保留を表す保留アイコンが表示される。
なお、以下において、第1領域50d1に表示される保留アイコンに対応する特図1保留のことを「保留順1の特図1保留」と称する。同様に、第2領域50d2、第3領域50d3、および第4領域50d4に表示される保留アイコンに対応する特図1保留のことを「保留順2の特図1保留」、「保留順3の特図1保留」、および「保留順4の特図1保留」と称する。すなわち、存在している特図1保留について、発生した順に「保留順1」~「保留順4」と称する。
また、保留表示領域50dの左隣には、当該表示領域50eが形成されている。当該表示領域50eには、現在実行中の特図1変動表示を表す当該アイコンが表示される。よって、当該表示領域50eに表示される当該アイコンが示す対象は、保留表示領域50dに表示される保留アイコンが示す対象と異なり、厳密には、特図1保留に応じた「保留演出」には含まれないが、保留アイコンの表示と当該アイコンの表示とは関連性を有しているので、以下においては、保留アイコンの表示と当該アイコンの表示とをまとめて、「保留演出」とする。また、保留アイコンと当該アイコンとをまとめて、「アイコン」と称する。さらに、当該アイコンが示す実行中の特図1変動表示を「当該変動」とも称する。
なお、図30(A)において保留表示領域50dおよび当該表示領域50eは一点鎖線で明示され、第1領域50d1~第4領域50d4は破線で明示されているが、これは保留表示領域50d、第1領域50d1~第4領域50d4、および当該表示領域50eの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。
次に、保留演出の具体例について説明する。なお、以降の説明では、小図柄KZ1~KZ3の可変表示は省略する。前提として、特図1変動表示中(特図変動演出中)であり、特図1保留数(U1)が「2」であるとする。この状況下において、図30(B)に示すように、前述した不図示の第1領域50d1において、現在保留されている特図1保留の中で最も先に発生した特図1保留(保留順1の特図1保留)を表した保留アイコンHA2が表示され、前述した不図示の第2領域50d2において、保留アイコンHA2が表す特図1保留の次に発生した特図1保留(保留順2の特図1保留)を表した保留アイコンHA3が表示されている。また、前述した不図示の当該表示領域50eには、現在実行中の特図1変動表示を表す当該アイコンHA1が表示されている。なお、図30(B)で表示されているアイコンHA1~HA3の表示態様は通常態様である。
このように、保留演出においては、特図1保留が発生した順に保留表示領域50dの左端から右に並んで表示される。すなわち、保留されている特別図柄の可変表示、言い換えれば、特図保留記憶部105に記憶されている特図関連判定情報に基づく未実行の特別図柄の可変表示は、個別に保留アイコンで表示される。
そして、図30(C)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われると、その直前まで実行中の特図変動表示を表していた当該アイコンHA1が消去される。続けて、保留アイコンHA2を表す特図1保留に基づいて特別図柄の可変表示(特図変動演出)が開始されると、保留アイコンHA2と保留アイコンHA3がシフトする。具体的には、不図示の第1領域50d1に表示されていた保留アイコンHA2は不図示の当該表示領域50eに移動し、不図示の第2領域50d2に表示されていた保留アイコンHA3は不図示の第1領域50d1に移動する。すなわち、表示されていた保留アイコンHA2および保留アイコンHA3がそれぞれ1つずつ左にシフトする。これは、保留アイコンHA2に対応する特別図柄の可変表示が開始され、保留アイコンHA3が表す特図1保留が、現在保留されている特図1保留の中で最も先に発生した特図1保留になり、次に開始される特図可変表示になったことに応じて、保留アイコンHA2および保留アイコンHA3をその状況に適応させるためである。
また、当該表示領域50eに表示されている保留アイコンHA2は、実行中の特図1変動表示を表しているので、当該表示領域50eに表示される際に当該アイコンHA2となる。すなわち、「アイコン」の前に付く言葉として、保留表示領域50dに表示されているアイコンについては「保留」とし、当該表示領域50eに表示されているアイコンについては「当該」とする。換言すれば、保留アイコンが表示されているときに、該保留アイコンが示す特図保留に対して特別図柄の変動表示の開始条件が成立すると、該開始条件の成立に係る特別図柄の変動表示に対応する保留アイコンが当該アイコンとして表示される。
なお、保留アイコンから当該アイコンになる際に、言い換えると、アイコンは保留表示領域50dから当該表示領域50eに移動する際に、アイコンの大きさが同一のままでも拡大されても良い。図30(C)では、アイコンは保留表示領域50dから当該表示領域50eに移動する際に約2倍に拡大している。
そして、この状況から第1始動口11に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図30(E)に示すように、当該特図1保留の発生に応じて、新たな保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。
このように、第1始動口11に入賞して特図1関係乱数が取得されると、1つの共通したアイコンが表示される。このアイコンは、当該入賞に基づく特図1可変表示が終了すると消去されるが、表示されている間は、当該特図1可変表示の置かれている状態(保留の状態および実行中の状態)に応じて、異なる名称(保留アイコンおよび当該アイコン)で存在していることになる。
ところで、前述のとおり、始動入賞コマンドには当否情報および特図変動パターン情報が含まれている。そして、パチンコ遊技機PYは、この当否情報および特図変動パターン情報に基づいて、保留アイコンを通常態様、または特別態様で表示することができる。この保留アイコンを特別態様で表示することを「保留予告」という。
保留アイコンの表示態様が特別態様である、すなわち保留予告が行われると、遊技者は、その保留アイコンに対応した特別図柄の可変表示で大当たりに当選できるかもしれないという期待を持つことができる。次に、保留予告の具体例について説明する。保留予告の具体例として、図30(E)に示す保留アイコンHA4の表示態様が特別態様になるとする。
保留予告の1つの種別として、保留アイコンが表示された直後に特別態様になる、言い換えれば、特図1保留の発生時(第1始動口11への入賞時)に保留予告が行われる保留予告種別がある。例えば、図31(A)に示すように、保留アイコンHA4が表示される前の状況(図30(D)の状況)から、第1始動口11に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図30(E)の場合と同様に、当該特図1保留の発生に応じて、通常態様の保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。なお、図面においては、通常態様の保留アイコンは完全に静止しているように見えるが、実際には、基本的には、完全に静止状態にするようにしても、表示位置は移動しないがその場で軽く揺れたりするように構成しても良い。
そして、その直後に、図31(B)に示すように、保留アイコンHA4の表示態様が通常態様から特別態様(図31(B)において灰色)に変化する(保留予告が行われる)。なお、図31の例では保留アイコンHA4は表示直後に一瞬通常態様で表示されるが、特別態様で表示されるようにし、通常態様で表示される期間をなくしてもよい。
別の保留予告の種別として、保留アイコンが移動する際に特別態様になる、言い換えれば、特図1保留のシフト時に保留アイコン変化予告が行われる保留予告種別がある。例えば、図32(A)に示すように、保留アイコンHA4が表示される前の状況(図30(D)の状況)から、第1始動口11に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図32(B)に示すように、当該特図1保留の発生に応じて、通常態様(図32(B)において白色)の保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域50d2に表示される。
そして、図32(C)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が行われると、その直前まで実行中の特図変動表示を表していた当該アイコンHA2が消去される。続けて、保留アイコンHA3が表す特図1保留に基づいて特別図柄の可変表示(特図変動演出)が開始されると、図32(D)に示すように、第1領域50d1に表示されていた保留アイコンHA3は不図示の当該表示領域50eに移動し、第2領域50d2に表示されていた保留アイコンHA4は不図示の第1領域50d1に移動する。ここで、保留アイコンHA4が第2領域50d2から第1領域50d1に移動する際に、その表示態様が通常態様から特別態様(図32(D)において灰色)に変化する(保留予告が行われる)。
また、保留予告に係る特別態様を複数種類設けて、特別態様の種類によって大当たり期待度が異なるようにすることができる。例えば、保留アイコンの表示態様を、保留アイコンの色に関連付け、保留アイコンの表示態様として白色、緑色、赤色、および金色が設定されているとする。ここで、白色が通常態様であり、緑色、赤色、および金色が特別態様とする。そして、保留アイコンの表示態様が示す大当たり期待度は、白色<緑色<赤色<金色の順で高くなるように設定することができる。
なお、先読み演出は、特図1保留および特図2保留の両方または一方に対して行うことが可能である。また、先読み演出は、保留アイコンHAの表示態様に限られず、例えば背景画像などの表示部50aにおける保留アイコンHA以外の画像や、スピーカー52から出力される音、枠ランプ53による発光、および盤可動装置55による動作などの画像表示装置50以外の演出装置を用いて実行することが可能である。さらには、先読み演出の演出態様として、保留アイコンHAによる保留アイコン変化予告などのように実行されてから特図変動表示が開始されるまで途切れることなく継続する演出態様の他に、演出図柄の停止表示が行われる度または演出図柄の変動表示が開始される度など、断続的且つ連続的に実行する演出態様にしても良い。
5.遊技制御用マイコン101による遊技の制御
[遊技制御メイン処理]
次に図33~図42に基づいて遊技制御用マイコン101による遊技の制御について説明する。なお、以下に説明する遊技を制御するためのフローチャートは、一例である。そして、フローチャートにおける複数の処理については、処理内容に矛盾が生じない範囲で、適宜に実行順序を変更し、または並列に実行することができる。
また、以下において説明する遊技制御用マイコン101による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM104に設けられている。また、カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である。
遊技制御基板100に備えられた遊技制御用マイコン101は、パチンコ遊技機PYが電源投入されると、遊技用ROM103から図33に示した遊技制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、遊技制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理では、遊技用RAM104へのアクセスの許可設定、遊技用CPU102の設定、SIO(SyStem Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割り込み時間の管理のための回路)の設定等が行われる。
電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、普図関連判定情報および特図関連判定情報に係る種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU102に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次に遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU102に割り込みパルスが入力された場合は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[遊技制御側タイマ割り込み処理]
次に、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図34に示すように、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において遊技制御基板100の遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、演出制御基板120や払出制御基板170等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン101は、余剰球貯留穴35Aの満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM104の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図33の遊技制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。すなわち、普図関連判定情報および特図関連判定情報に係る各種乱数のカウンタ値の更新処理は、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次の遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン101は、センサ検知処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S106)を行う。センサ検知処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
次に、遊技制御用マイコン101は、その他の処理(S107)を実行して、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S107)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、遊技用RAM104に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S107)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、第1始動口11用の賞球カウンタ、第2始動口12用の賞球カウンタ、大入賞口14用の賞球カウンタ、及び、一般入賞口10用の賞球カウンタが「0」を超えているか否かのチェックを行い、「0」を超えていると、賞球要求信号を払出制御基板170に送信する。そして、賞球信号を送信するとき、その信号に係る賞球カウンタを「1」減算する更新処理を行う。
そして、遊技制御用マイコン101は、次に遊技用CPU102に割り込みパルスが入力されるまでは遊技制御メイン処理のステップS002~S004の処理を繰り返し実行し、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再び遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。遊技制御用マイコン101は、再び実行された遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)において、前回の遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM104の出力バッファにセットされたコマンド等を出力する。
[センサ検知処理]
次に、図35~図36を用いてセンサ検知処理について説明する。センサ検知処理(S104)ではまず、一般入賞口10に遊技球が入賞したか否か、すなわち、一般入賞口センサ10aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。一般入賞口10に遊技球が入賞していない場合(S201でNO)にはステップS203に進み、一般入賞口10に遊技球が入賞した場合には(S201でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための一般入賞口賞球処理を行う(S202)。一般入賞口賞球処理では、一般入賞口10用の賞球カウンタに、一般入賞口10への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「3」)を加算する。
ステップS203では、遊技球がゲート13を通過したか否か、すなわち、ゲートセンサ13aによって遊技球が検出されたか否か判定する。遊技球がゲート13を通過していなければ(S203でNO)、ステップS207に進む。一方、遊技球がゲート13を通過していれば(S203でYES)、後述する普通動作ステータス=1であるか否か、言い換えれば、普図可変表示または補助遊技の何れも行われていないか否かを判定する(S204)。普通動作ステータス=1でない場合には(S204でNO)、ステップS207に進み、普通動作ステータス=1である場合(S204でYES)には、普通図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-F)のカウンタ値が示す普通図柄乱数を普図関連判定情報として取得し(S205)、取得した普図関連判定情報を、遊技用RAM104に設けられた普図保留記憶部86に記憶して(S206)、ステップS207に進む。
ステップS207では、第2始動口12に遊技球が入賞したか否か、すなわち、第2始動口センサ12aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第2始動口12に遊技球が入賞していない場合(S207でNO)にはステップS214に進み、第2始動口12に遊技球が入賞した場合には(S207でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第2始動口賞球処理を行う(S208)。第2始動口賞球処理では、第2始動口12用の賞球カウンタに、第2始動口12への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「2」)を加算する。
次に、特図2保留数(具体的には遊技用RAM104に設けた特図2保留数をカウントするカウンタ(特図2保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S209)。特図2保留数が「4」以上である場合(S209でYES)には、ステップS214に進むが、特図2保留数が「4」以上でない(「4」未満である)場合には(S209でNO)、特図2保留数加算処理を行う(S210)。特図2保留数加算処理では、特図2保留数カウンタを「1」加算し、特図2保留表示器83bが示す特図2保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル-TRND-RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル-TRND-HP)からなる特図2関連判定情報を取得し、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する(S211)。
次に、第2先読み判定処理を行う(S212)。第2先読み判定処理では、図14に示す第2先読み判定テーブルに、現在の遊技状態とステップS211で取得した特図2関連判定情報とを照合して第2始動入賞コマンドを特定し、特定した第2始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS211で取得した特図2関連判定情報を特図2保留記憶部105bに記憶する(S213)。
続いて、ステップS214では、第1始動口11に遊技球が入賞したか否か、すなわち、第1始動口センサ11aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第1始動口11に遊技球が入賞していない場合(S214でNO)にはステップS221に進み、第1始動口11に遊技球が入賞した場合には(S214でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第1始動口賞球処理を行う(S215)。第1始動口賞球処理では、第1始動口11用の賞球カウンタに、第1始動口11への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「4」)を加算する。
次に、特図1保留数(具体的には遊技用RAM104に設けた特図1保留の数をカウントするカウンタ(特図1保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S216)。特図1保留数が「4」以上である場合(S216でYES)には、ステップS221に進むが、特図1保留数が「4」以上でない(未満である)場合には(S216でNO)、特図1保留数加算処理を行う(S217)。特図1保留数加算処理では、特図1保留数カウンタを「1」加算し、特図1保留表示器83aが示す特図1保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル-TRND-RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル-TRND-HP)からなる特図1関連判定情報を取得し、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する(S218)。
次に、第1先読み判定処理を行う(S219)。第1先読み判定処理では、図13に示す第1先読み判定テーブルに、現在の遊技状態とステップS218で取得した特図1関連判定情報とを照合して第1始動入賞コマンドを特定し、特定した第1始動入賞コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS218で取得した特図1関連判定情報を特図1保留記憶部105aのうち現在の特図1保留数に応じた記憶領域に記憶する(S220)。
ステップS221では、大入賞口14に遊技球が入賞したか否か、すなわち、大入賞口センサ14aによって遊技球が検出されたか否か判定する。大入賞口14に遊技球が入賞していない場合(S221でNO)にはセンサ検知処理を終了し、大入賞口14に遊技球が入賞した場合には(S221でYES)、遊技用RAM104に設けられた大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上であるか否かを判定する(S222)。大入賞口入賞カウンタは、大当たり遊技の1回のラウンド遊技において大入賞口14に入賞した個数を計数するためのカウンタである。なお、大入賞口入賞カウンタは各ラウンド遊技が終了するたびにクリアされる。基本的な実施形態では、入賞規定個数は「10」に設定されている。よって、ステップS222の処理が行われる。
大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上であると(S222でYES)、センサ検知処理を終了し、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上でない、すなわち、「11」未満であると(S222でNO)、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値を「1」加算し(S223)、遊技者に所定個数の賞球を払い出すための大入賞口賞球処理を行い(S224)、センサ検知処理を終了する。なお、大入賞口賞球処理では、大入賞口14用の賞球カウンタに、大入賞口14への入賞に応じた賞球個数(基本的な実施形態において「9」)を加算する。
なお、遊技球を検知可能なセンサとして、センサ10a~14a以外のセンサを設け、そのセンサが遊技球を検知したことに基づいて、図35~図36に示す処理以外の処理を行うようにしても良い。
[普通動作処理]
次に、普図表示器82および電チュー12Dの制御に関する普通動作処理について説明する。図37に示すように、普図表示器82および電チュー12Dに関する処理が4つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「普通動作ステータス=1,2,3,4」が割り当てられている。遊技制御用マイコン101は、普通動作処理(S105)において、最初に、「普通動作ステータス」を確認する(S1101)。「普通動作ステータス」が「1」である場合には、普通図柄待機処理(S1102)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には、普通図柄変動処理(S1103)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には、普通図柄確定処理(S1104)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合には、補助遊技制御処理(S1105)を行う。なお「普通動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
普通図柄待機処理(S1102)は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普通図柄待機処理(S1102)では、普図保留記憶部86に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。さらに、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定し、決定した普図変動パターンに応じた普図変動時間の普図の変動表示を普図表示器82に開始させて、普通動作ステータスを「2」に変更する。また、遊技制御用マイコン101は、普図の変動表示の開始時に、普図変動パターン判定結果に応じた普図変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄変動処理(S1103)は、普図が変動表示しているときに行われる処理である。普通図柄変動処理(S1103)では、実行中の普図の変動表示が開始してから普図変動時間が経過したか否か(普図の変動表示を終了させるか否か)を判定し、普図変動時間が経過したと判定されれば、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行って、普通動作ステータスを「3」に変更する。また、遊技制御用マイコン101は、普図の変動表示の開始時に、普図変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
普通図柄確定処理(S1104)は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理(S1104)では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過したか否か(普図の停止表示を終了させるか否か)を判定し、所定の停止時間が経過したと判定されれば、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄でなければ(停止表示している普図がハズレ図柄であれば)、普通動作ステータスを「1」に変更する。一方、当たり図柄が停止表示していれば、普通動作ステータスを「4」に変更して、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させる。さらに、遊技制御用マイコン101は、補助遊技の開始時に、補助遊技開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
補助遊技制御処理(S1105)は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理(S1105)では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。そして、補助遊技が終了すれば、普通動作ステータスを「1」に変更する。
[特別動作処理]
次に、特図表示器81、特図保留表示器83および大入賞装置14Dの制御に関する特別動作処理について説明する。図38に示すように、特図表示器81、特図保留表示器83および大入賞装置14Dに関する処理は、5つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「特別動作ステータス=1,2,3,4,5」が割り当てられている。遊技制御用マイコン101は、最初に「特別動作ステータス」を確認する(S1501)。
遊技制御用マイコン101は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には、特別図柄待機処理(S1502)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には、特別図柄変動処理(S1503)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には、特別図柄確定処理(S1504)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には、大当たり遊技制御処理(S1505)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には、遊技状態設定処理(S1506)を行う。なお「特別動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
特別図柄待機処理(S1502)は、特別図柄の可変表示、大当たり遊技が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理については後に詳述する。
特別図柄変動処理(S1503)は、特別図柄が変動表示しているときに行われる処理である。特別図柄変動処理については後に詳述する。
特別図柄確定処理(S1504)は、特別図柄が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理については後に詳述する。
大当たり遊技制御処理(S1505)は、大当たり遊技において行われる処理である。遊技制御用マイコン101が、大当たり遊技制御処理を行うことによって、大当たり遊技制御テーブルに応じた大当たり遊技を行う。大当たり遊技が終了する際に特別動作ステータスを「5」に変更する。なお、各ラウンド遊技が開始される際には、そのラウンド数を示すラウンド数指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また、全てのラウンド遊技が終了してエンディングが開始される際には、当該大当たり遊技に係る大当たり図柄に応じたエンディングを示すエンディングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお、遊技制御用マイコン101が、特別動作ステータス「4」を設定し、大当たり遊技を制御する状態が、「大当たり遊技状態」であり、特別動作ステータス「4」が設定されていることを「大当たり遊技状態」と称する。
遊技状態設定処理(S1506)は、大当たり遊技が終了する際に、大当たり遊技後に制御する遊技状態を設定する処理である。例えば、大当たり遊技後に高確率状態で制御する場合は、高確率フラグを遊技用RAM104の高確率フラグ領域にONして高確率状態を設定する。さらにこのときに、高確率状態の継続期間を制限する場合、継続期間も併せて設定する。例えば、高確率状態の終了条件が特図可変表示の実行回数である場合、その回数(以下において、「高確率規定回数」という)を遊技用RAM104に設けられた高確率残り回数カウンタにセットする。また、大当たり遊技後に時短状態で制御する場合は、時短フラグを遊技用RAM104の時短フラグ領域にONして時短状態を設定する。さらにこのときに、時短状態の継続期間を制限する場合、継続期間も併せて設定する。例えば、時短状態の終了条件が特図可変表示の実行回数である場合、その回数(以下において、「時短規定回数」という)を遊技用RAM104に設けられた時短残り回数カウンタにセットする。
また、遊技制御用マイコン101は、遊技状態設定処理において、大当たり遊技後の遊技状態を示す遊技状態コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
[特別図柄待機処理]
次に図39を用いて特別図柄待機処理について説明する。特別図柄待機処理(S1502)ではまず、特図2保留数が「0」であるか否かを判定する(S1601)。特図2保留数が「0」である場合(S1601でYES)、すなわち、第2始動口12への入賞に起因して取得した特図2関連判定情報の記憶がない場合には、特図1保留数が「0」であるか否かを判定する(S1608)。そして、特図1保留数も「0」である場合(S1608でYES)、すなわち、第1始動口11への入賞に起因して取得した特図1関連判定情報の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1618)。ここで、客待ちフラグがONであれば(S1618でYES)、特別図柄待機処理を終え、客待ちフラグがONでなければ(S1618でNO)、客待ちコマンドを出力バッファにセットし(S1619)、客待ちフラグをONにし(S1620)、特別図柄待機処理を終える。
また、特図2保留数が「0」であるが特図1保留数が「0」でない場合(S1601でYES且つS1608でNO)、すなわち、特図2関連判定情報はないが、第1始動口11への入賞に起因して取得した特図1関連判定情報の記憶が1つ以上ある場合には、特図1判定処理(S1609)及び特図1変動パターン判定処理(S1610)を行う。
特図1判定処理(S1609)では、特図1保留記憶部105aに記憶されている特別図柄乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、遊技状態に関連付けられた大当たり判定テーブルに基づいて、大当たり、またはハズレの何れであるかの判定(大当たり判定)を行う。
ここで、大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たり図柄種別乱数を読み出して第1大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄種別の判定(大当たり図柄種別判定)を行う。そして、大当たり図柄種別を表す大当たり図柄データを遊技用RAM104に設けられた特図バッファにセットすると共に、大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットする。
また、大当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、ハズレを表すハズレ図柄データを特図バッファにセットすると共に、ハズレを表す図柄指定コマンドを出力バッファにセットする。
次に、特図1変動パターン判定処理(S1610)について図40を用いて説明する。特図1変動パターン判定処理では、まず、現在非時短状態であるか否かを判定する(S1651)。非時短状態であれば(S1651でYES)、非時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1652)してからステップS1654に進み、非時短状態でなければ(S1651でNO)、時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1653)してからステップS1654に進む。
ステップS1654において、遊技制御用マイコン101は、大当たり判定結果が「大当たり」であるか否かを判定する。大当たりでなければ(S1654でNO)、ステップS1655に進み、大当たりであれば(S1654でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から大当たり図柄用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1659)してからステップS1660に進む。
ステップS1655において、遊技制御用マイコン101は、リーチ判定を行う。リーチ判定では、リーチ乱数を読み出して、そのリーチ乱数を現在の遊技状態(非時短状態/時短状態)に応じたリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しかを判定する。
遊技制御用マイコン101は、次に、ステップS1655のリーチ判定の結果が「リーチ有り」であるか否かを判定する(S1656)。リーチ有りであれば(S1656でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中からリーチ有りハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1658)してからステップS1660に進み、リーチ有りでなければ(S1656でNO)、現在の特図1保留数を確認して、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から特図1保留数に応じたリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1657)してからステップS1660に進む。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1660において、特図変動パターン乱数を読み出して、その特図変動パターン乱数をステップS1657~ステップS1659の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルに照合して、特図1変動パターンを判定する特図1変動パターン判定を行う。続けて、遊技制御用マイコン101は、決定された特図1変動パターンを示す特図1変動開始コマンドを出力バッファにセットし(S1661)、決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間を特別動作用タイマにセットし(S1662)、特図1変動パターン判定処理を終了して、特別図柄待機処理に処理を戻す。
なお、特別動作用タイマは、遊技制御側タイマ割り込み処理におけるその他の処理において、4ms分、更新される。また、セットされる特図1変動開始コマンドには、特別図柄の種別(特図1であるということ)に関する情報や特図1変動パターン判定処理(S1610)で行われた特図変動パターン判定の結果に関する情報(リーチの有無や特図変動時間の情報を含む特図変動パターンの情報)が含まれている。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS1610で決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図1表示器81aに特図1の変動表示を開始させる(S1611)。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図1保留記憶部105aにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図1保留記憶部105aにおける保留1個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図1保留記憶部シフト処理を行う(S1612)。このようにして、特図1保留が保留された順に消化される。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図1保留数カウンタを「1」減算し(S1613)、特図1保留表示器83aが示す特図1保留数を「1」減少させて変更し(S1614)、特別動作ステータスを「2」に変更する(S1615)。
遊技制御用マイコン101は、続いて、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1616)、ONであれば(S1616でYES)、客待ちフラグをOFFして(S1617)、特別図柄待機処理を終え、ONでなければ(S1616でNO)、ステップS1617を実行することなく特別図柄待機処理を終える。
また、ステップS1601において特図2保留数が「0」でない場合(S1601でNO)、すなわち、第2始動口12への入賞に起因して取得した特図2関連判定情報の記憶が1つ以上ある場合には、特図2判定処理(S1602)及び特図2変動パターン判定処理(S1603)を行う。特図2判定処理(S1602)及び特図2変動パターン判定処理(S1603)は、特図1判定処理(S1609)および特図1変動パターン判定処理(S1610)と基本的には同じ処理内容である。
特図2判定処理(S1602)は、大当たり判定で用いるテーブルが第2大当たり判定テーブルであること、および大当たり図柄種別判定で用いるテーブルが第2大当たり図柄種別判定テーブルであることを除いて、基本的には特図1判定処理(S1609)と同様の処理であるため説明を省略する。また、特図2変動パターン判定処理(S1603)も、基本的には、特図2変動パターン判定で用いるテーブルが特図2変動パターン判定テーブルであることを除いて特図1変動パターン判定処理(S1610)と同様の処理であるため説明を省略する。
次に、遊技制御用マイコン101は、ステップS1603で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図2表示器81bに特図2の変動表示を開始させる(S1604)。
次に、遊技制御用マイコン101は、特図2保留記憶部105bにおける各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図2保留記憶部105bにおける保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図2保留記憶部シフト処理を行う(S1605)。このようにして、特図2保留が保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン101は、特図2保留数カウンタを「1」減算し(S1606)、特図2保留表示器83bが示す特図2保留数を「1」減少させて変更し(S1607)、特別動作ステータスを「2」に変更し(S1615)、ステップS1616に進む。
上記のように基本的な実施形態では、特図1保留に基づく特別図柄の変動表示は、特図2保留が「0」の場合(S1601でYESの場合)に限って行われる。すなわち特図2保留の消化は、特図1保留の消化に優先して実行される。そして基本的な実施形態では、特図2保留に基づく抽選の方が、特図1保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり図柄に当選しやすくなっている。なお、特図1保留の消化を特図2保留の消化に優先して実行されるようにしても良い。また、特図1保留の消化と特図2保留の消化を、特図の種別に関わらず保留が発生した順に行っても良い。
[特別図柄変動処理]
次に図41を用いて特別図柄変動処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、特別図柄変動処理ではまず、特別図柄の変動表示を終了させるか否か、すなわち、ステップS1603又はステップS1610で特別動作用タイマにセットした特図変動時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1701)。特別図柄の変動表示を終了させない場合(S1701でNO)、特別図柄変動処理を終了し、特別図柄の変動表示を終了させる場合(S1701でYES)、特図表示器81に、特別図柄の変動表示を終了させるとともに、ステップS1602又はステップS1609で特図バッファにセットした図柄データ(大当たり図柄データ、またはハズレ特図データ)に応じた特別図柄の停止表示をさせる(S1702)。
続いて、予め設定された特図確定時間(例えば、0.8秒)を特別動作用タイマにセットし(S1703)、特別図柄の変動表示が終了することを示す特図変動停止コマンドを出力バッファにセットし(S1704)、特別動作ステータスを「3」に変更し(S1705)、特別図柄変動処理を終了する。
[特別図柄確定処理]
次に図42を用いて特別図柄確定処理について説明する。遊技制御用マイコン101は、特別図柄確定処理(S1504)ではまず、特別図柄の停止表示を終了させるか否か、すなわち、ステップS1703で特別動作用タイマにセットした特図確定時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1751)。特別図柄の停止表示を終了させない場合(S1751でNO)、特別図柄確定処理を終了し、特別図柄の停止表示を終了させる場合(S1751でYES)、現在、通常確率状態(高確率フラグがOFF)であるか否かを判定する(S1752)。
遊技制御用マイコン101は、現在、通常確率状態でなければ(S1752でNO)、ステップS1757に進み、現在、通常確率状態であれば(S1752でYES)、時短状態(時短フラグがON)であるか否かを判定する(S1753)。遊技制御用マイコン101は、時短状態でなければ(S1753でNO)、ステップS1757に進み、現在、時短状態であれば(S1753でYES)、時短状態で実行可能な特別図柄の可変表示の残りの回数(時短残り回数)を計測する時短残り回数カウンタの値を「1」減算し(S1754)、時短残り回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1755)。時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」でなければ(S1755でNO)、ステップS1757に進み、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」であれば(S1755でYES)、時短状態から非時短状態に移行させて(時短フラグをOFFする)(S1756)、ステップS1757に進む。
次に、遊技制御用マイコン101は、現在の遊技状態を確認し、その遊技状態を示した遊技状態コマンドを出力バッファにセットし(S1757)、現在停止表示している特別図柄が大当たり図柄か否かを判定する(S1758)。大当たり図柄でなければ(S1758でNO)、特別動作ステータスを「1」に変更して(S1762)、特別図柄確定処理を終え、大当たり図柄であれば(S1758でYES)、遊技状態をリセットする(通常遊技状態を設定する。具体的には、高確率フラグおよび時短フラグをOFFし、高確率残り回数カウンタおよび時短残り回数カウンタの値を「0」にする)(S1759)。
続いて、遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理を行い(S1760)、特別動作ステータスを「4」に変更し(S1761)、特別図柄確定処理を終了する。遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理において、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技制御テーブルを遊技用RAM104の所定領域にセットする。また、停止表示している大当たり図柄に応じたオープニング中であることを示す大当たりオープニングフラグを遊技用RAM104の所定領域にONし、大当たり図柄の種別に応じて、所定のオープニング時間(大当たり遊技が開始されてから1ラウンドを開始するまでの時間)を特別動作用タイマにセットする。さらには、大当たり図柄の種別に応じ、大当たり図柄の種別を示すオープニングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。大当たり図柄の種別に応じたオープニングコマンドは、その停止表示した大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技(大当たり遊技のオープニング)が開始されることを表す。
6.演出制御基板120による演出の制御
[演出制御メイン処理]
次に図43~図47のフローチャートを用いて、演出制御基板120による演出の制御について説明する。なお、以下に説明する演出を制御するためのフローチャートは、一例である。そして、フローチャートにおける複数の処理については、処理内容に矛盾が生じない範囲で、適宜に実行順序を変更し、または並列に実行することができる。
また、以下の演出制御基板120による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM124に設けられている。演出制御基板120に備えられた演出制御用マイコン121は、パチンコ遊技機PYが電源投入されると、図43に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM123から読み出して実行する。
同図に示すように、演出制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU122の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数シード更新処理を実行する(S4003)。乱数シード更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出判定用乱数には、後述する停止図柄パターン判定用乱数、および特図変動演出パターン判定用乱数等の演出内容を決定するための様々な乱数がある。
種々の演出についての判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の遊技制御基板100が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、演出制御基板120の演出用RAM124内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(例えば、後述する特図変動演出開始コマンド、客待ち開始コマンド、オープニング演出開始コマンド、ラウンド演出開始コマンド、およびエンディング演出開始コマンドなど)を、画像制御基板140に送信する。
コマンドを受信した画像制御基板140は、受信したコマンドに従って、表示部50aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。また、演出制御基板120は、画像制御基板140によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声を出力させたり(音声による種々の演出を実行したり)、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させたり(発光による種々の演出を実行したり)、盤可動体55kを作動させたり(動作による種々の演出を実行したり)する。なお、種々の演出としては、特図変動演出、大当たり遊技演出(大当たりオープニング演出、ラウンド演出、大当たりエンディング演出)、客待ち演出、操作演出、および先読み演出等がある。
演出制御用マイコン121は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002~ステップS4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)については後述する。
受信割り込み処理(S4010)は、ストローブ信号、すなわち、遊技制御基板100から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン121の外部INT入力部に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン121は遊技制御基板100の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM124の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
[1msタイマ割り込み処理]
次に図44を用いて1msタイマ割り込み処理について説明する。1msタイマ割り込み処理(S4011)は、演出制御基板120に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン121は、1msタイマ割り込み処理(S4011)ではまず、入力処理を行う(S4101)。入力処理では、演出制御用マイコン121は、第1演出ボタンセンサ40aからの検出信号に基づいて第1演出ボタンスイッチデータを作成する。演出制御用マイコン121は、第2演出ボタンセンサ41aからの検出信号に基づいて第2演出ボタンスイッチデータを作成する。
続いて、演出制御用マイコン121は、発光データ出力処理を行う(S4102)。発光データ出力処理では、演出制御用マイコン121は、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ53を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理における発光データ作成処理(S4203)で作成された発光データをサブドライブ基板162に出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、発光データに従って枠ランプ53を所定の発光態様で発光させる。
次いで、演出制御用マイコン121は、可動装置制御処理を行う(S4103)。可動装置制御処理では、演出制御用マイコン121は、所定のタイミングで盤可動体55kを駆動させるべく、駆動データ(盤可動体55kの駆動のためのデータ)を作成し、または、出力する。つまり、演出制御用マイコン121は、駆動データに従って、盤可動体55kを所定の動作態様で駆動させる。
次に、演出制御用マイコン121は、タイマ更新処理を行う(S4104)。タイマ更新処理では、各種所定の演出に関する時間の管理・制御を行うために、後述する演出用RAM124に設けられた各種タイマの更新が行われる。当該処理では、演出用RAM124に設けられたタイマが1msec分、更新される。
そして、演出制御用マイコン121は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行って(S4105)、1msタイマ割り込み処理を終える。
[10msタイマ割り込み処理]
次に図45を用いて10msタイマ割り込み処理について説明する。10msタイマ割り込み処理(S4012)は、演出制御基板120に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン121は、10msタイマ割り込み処理ではまず、ステップS4010で受信バッファに格納したコマンドなどを解析する受信コマンド解析処理を行う(S4201)。受信コマンド解析処理については後述する。
演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理の後に、音声制御処理を行う(S4202)。音声制御処理では、演出用RAM124にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、音声データ(スピーカー52からの音声の出力を制御するデータ)の作成と音声制御回路161への出力が行われる。
演出制御用マイコン121は、音声制御処理の後に、発光データ作成処理を行う(S4203)。発光データ作成処理では、演出用RAM124にセットされる特図変動演出データなどが示す演出内容などに基づいて、発光データの作成が行われる。
[受信コマンド解析処理]
次に図46~図47を用いて受信コマンド解析処理について説明する。演出制御用マイコン121は、受信コマンド解析処理ではまず、遊技制御基板100から始動入賞コマンド(第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンド)を受信したか否か、言い換えれば、始動入賞コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する(S4301)。演出制御用マイコン121は、始動入賞コマンドを受信していれば(S4301でYES)、ステップS4302に進む一方、始動入賞コマンドを受信していなければ(S4301でNO)、ステップS4303に進む。
ステップS4302において、演出制御用マイコン121は、第1始動口11や第2始動口12に遊技球が入賞することに応じた始動入賞時処理を行う。始動入賞時処理では、受信した始動入賞コマンドを演出用RAM124にある始動入賞コマンド保留記憶部125に記憶する。次に、演出制御用マイコン121は、その記憶した始動入賞コマンドを解析して、大当たり期待度を示す先読み演出を実行するか否かの判定を行う。先読み演出には、保留アイコンを特別態様で表示する保留予告の他に、連続する複数回の特別図柄の変動表示にわたって行われる連続予告演出等がある。これらの先読み演出を実行すると決定した場合には、決定した演出を実行するための先読み演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた先読み演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像用ROM142から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置50の表示部50aにて画像による先読み演出を行う。また、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140によって行われる画像による先読み演出が行われている間、画像制御基板140に送信された先読み演出開始コマンドが示す先読み演出内容に応じて、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声を出力させ(音声による先読み演出を実行し)、また、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させ(発光による先読み演出を実行し)、盤可動体55kを作動させる(動作による先読み演出を実行する)ことが可能である。
ステップS4303において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から図柄指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、図柄指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、図柄指定コマンドを受信していなければ(S4303でNO)、ステップS4305に進む一方、図柄指定コマンドを受信していれば(S4303でYES)、図柄指定コマンドを演出用RAM124にある図柄指定コマンド記憶部126に記憶する(S4304)。
ステップS4305において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から特図変動開始コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動開始コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。特図変動開始コマンドを受信していなければ(S4305でNO)、ステップS4307に進む一方、特図変動開始コマンドを受信していれば(S4305でYES)、特図変動演出の演出内容を決定し、特図変動演出を開始させるための特図変動演出開始処理(S4306)を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動演出開始処理では、まず、特図変動開始コマンドを演出用RAM124にある特図変動開始コマンド記憶部127に記憶する。次いで、ステップS4304で既に記憶した図柄指定コマンドが示す停止特図の内容(大当たり図柄の種別、ハズレ特図)と特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、停止表示させる演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を判定する停止図柄判定を行うための停止図柄パターン判定テーブルを選択する。停止図柄パターン判定テーブルは、特図および特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン121は、停止特図および特図変動パターンに対応付けられた停止図柄パターン判定テーブルを1つ選択する。各停止図柄パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、複数の演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3に停止図柄パターン判定用乱数の値(停止図柄パターン判定値)が振り分けられている。次に、演出制御用マイコン121は、停止図柄パターン判定用乱数カウンタが示す値を停止図柄パターン判定用乱数として取得し、取得した停止図柄パターン判定用乱数に基づいて停止図柄パターン判定を行う。
演出制御用マイコン121は、停止図柄パターン判定において、選択した停止図柄パターンテーブルに、取得した停止図柄パターン判定用乱数を照合し、停止表示させる演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を決定して、決定した演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を表すデータを演出用RAM124の所定領域にセットする。例えば、特図変動パターンがリーチ無しハズレ変動であれば所謂「バラケ目」となるように演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の組み合わせが選択される。また、特図変動パターンがリーチ有りハズレ変動であれば、左演出図柄EZ1と右演出図柄EZ3とが同一で、中演出図柄EZ2がそれらと異なるように演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の組み合わせが選択される。さらに、特図変動パターンが大当たり変動であれば、演出モードおよび大当たり図柄の種別に応じて所謂「ゾロ目」となるように演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の組み合わせが選択される。
次に、演出制御用マイコン121は、滞在している演出モードと特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、特図変動演出の演出内容が対応付けられた特図変動演出パターンを判定する特図変動演出パターン判定を行うための特図変動演出パターン判定テーブルを選択する。特図変動演出パターン判定テーブルは、演出モードおよび特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン121は、特図変動パターンに対応付けられた特図変動演出パターン判定テーブルを1つ選択する。各特図変動演出パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、1又は複数の特図変動演出パターンに特図変動演出パターン判定用乱数の値(特図変動演出パターン判定値)が振り分けられている。続いて、演出制御用マイコン121は、特図変動演出パターン判定用乱数カウンタが示す値を特図変動演出パターン判定用乱数として取得し、取得した特図変動演出パターン判定用乱数に基づいて特図変動演出パターン判定を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動演出パターン判定において、選択した特図変動演出パターンテーブルに、取得した特図変動演出パターン判定用乱数を照合し、特図変動演出パターンを決定して、決定した特図変動演出パターンを表すデータ(特図変動演出パターンデータ)を演出用RAM124の所定領域にセットすると共に、特図変動演出パターンを示す特図変動演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
演出用RAM124の出力バッファにセットされた特図変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、画像用ROM142から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置50の表示部50aにて画像による特図変動演出を行う。
また、特図変動演出開始コマンドには、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに関連付けられた演出フローに関する情報が含まれている。また、特図変動演出開始コマンドには、画像表示装置50で行われる画像による特図変動演出の他に、スピーカー52から出力される音声による特図変動演出、枠ランプ53で行われる発光による特図変動演出の演出内容、および、盤可動体55kで行われる動作による特図変動演出の演出内容が含まれている。
また、演出制御用マイコン121は、画像制御基板140によって行われる画像による特図変動演出が行われている間、画像制御基板140に送信された特図変動演出開始コマンドが示す特図変動演出内容に応じて、音声制御回路161を介してスピーカー52から音声を出力させ(音声による特図変動演出を実行し)、また、サブドライブ基板162を介して枠ランプ53を発光させ(発光による特図変動演出を実行し)、盤可動体55kを作動させる(動作による特図変動演出を実行する)。
ステップS4307において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から特図変動停止コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動停止コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、特図変動停止コマンドを受信していなければ(S4307でNO)、ステップS4309に進む一方、特図変動停止コマンドを受信していれば(S4307でYES)、特図変動演出を終了させる(演出図柄EZ1~EZ3および小図柄KZ1~KZ3の変動表示を停止し、停止表示を行う)ための特図変動演出終了処理(S4308)を行う。
演出制御用マイコン121は、特図変動演出終了処理では、特図変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、特図変動演出を適宜に終了(演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3の変動表示を停止)させるための特図変動演出終了コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。画像制御基板140は、特図変動演出終了コマンドを受信すると、実行中の特図変動演出を終了(変動中の演出図柄EZ1~EZ3、および小図柄KZ1~KZ3を停止)する。
ステップS4309において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から遊技状態コマンドを受信したか否か、言い換えれば、遊技状態コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドを受信していなければ(S4309でNO)、ステップS4311に進む一方、遊技状態コマンドを受信していれば(S4309でYES)、遊技状態コマンドを解析して、遊技状態コマンドが表す遊技状態を特定し、遊技状態を設定するための遊技状態設定処理を行う(S4310)。
演出制御用マイコン121は、遊技状態設定処理において、遊技状態コマンドが示す遊技状態に応じた遊技状態フラグを演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。例えば、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が通常遊技状態であれば遊技状態フラグ「00H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。また、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が高確率高ベース遊技状態であれば遊技状態フラグ「01H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。さらに、演出制御用マイコン121は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が低確率高ベース遊技状態であれば遊技状態フラグ「02H」を演出用RAM124の遊技状態フラグ領域に設定する。
ステップS4311において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から客待ちコマンドを受信したか否か、言い換えれば、客待ちコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、客待ちコマンドを受信していなければ(S4311でNO)、ステップS4313に進む一方、客待ちコマンドを受信していれば(S4311でYES)、客待ち演出待機処理を行い(S4312)、受信コマンド解析処理を終える。
演出制御用マイコン121は、客待ち演出待機処理では、演出図柄の停止表示が行われてから客待ち演出を開始させるまでの待機時間(客待ち演出待機時間:例えば、20秒)を客待ち演出タイマにセットする。なお、演出制御用マイコン121は、この待機時間が経過したか否かを判定可能であり、待機時間が経過したと判定すると、客待ち演出を開始させるための客待ち演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4313において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からオープニングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、オープニングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン121は、オープニングコマンドを受信していなければ(S4313でNO)、ステップS4315に進む一方、オープニングコマンドを受信していれば(S4313でYES)、大当たり遊技のオープニングの開始に伴う大当たりオープニング演出開始処理を行う(S4314)。
演出制御用マイコン121は、大当たりオープニング演出開始処理では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、これから実行される大当たり遊技のオープニングに応じた大当たりオープニング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりオープニング演出の演出内容(大当たりオープニング演出パターン)を選択し、選択した大当たりオープニング演出パターンにて大当たりオープニング演出を開始するための大当たりオープニング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4315において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からラウンド数指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、ラウンド数指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。ラウンド数指定コマンドを受信していなければ(S4315でNO)、ステップS4317に進む一方、ラウンド数指定コマンドを受信していれば(S4315でYES)、ラウンド遊技の開始に伴うラウンド演出開始処理を行う(S4316)。
演出制御用マイコン121は、ラウンド演出開始処理では、ラウンド数指定コマンドを解析して、これから開始されるラウンド遊技に応じたラウンド演出を実行するか否かを判定し、実行するのであればラウンド演出の演出内容(ラウンド演出パターン)を選択し、選択したラウンド演出パターンに応じたラウンド演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
ステップS4317において、演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100からエンディングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、エンディングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。エンディングコマンドを受信していなければ(S4317でNO)、受信コマンド解析処理を終える一方、エンディングコマンドを受信していれば(S4317でYES)、大当たり遊技のエンディングの開始に伴う大当たりエンディング演出開始処理(S4318)、および演出モード設定処理(S4319)を行ってから受信コマンド解析処理を終える。
演出制御用マイコン121は、大当たりエンディング演出開始処理において、エンディングコマンドを解析して、これから実行される大当たり遊技のエンディングに応じた大当たりエンディング演出を実行するか否かを判定し、実行するのであれば大当たりエンディング演出の演出内容(大当たりエンディング演出パターン)を選択し、選択した大当たりエンディング演出パターンに応じた大当たりエンディング演出開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。
また、演出制御用マイコン121は、演出モード設定処理において、エンディングコマンドの解析結果、具体的には、エンディングコマンドが示す大当たり図柄に基づいて、大当たり遊技後の演出モードを設定する処理(演出モードを制御するための処理)を行う。
例えば、演出制御用マイコン121は、大当たりエンディングコマンドが示す大当たり図柄が、大当たり図柄A、または大当たり図柄Dであると、高確率高ベース遊技状態を示唆する確変演出モードに設定する。そして、確変演出モードを示す演出モードフラグを演出用RAM124の所定領域にONすると共に、確変演出モードを設定することを示す確変演出モード開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた確変演出モード開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディングが終了するタイミングで、背景画像として確変用背景画像G120を表示し、BGMとして確変用BGMを出力する。
また、演出制御用マイコン121は、大当たりエンディングコマンドが示す大当たり図柄が、大当たり図柄B、大当たり図柄C、または大当たり図柄Eであると、高確率高ベース遊技状態、または低確率高ベース遊技状態の何れであるか判別困難、または判別不可能な時短演出モードを設定する。そして、演出制御用マイコン121は、時短演出モードを示す演出モードフラグを演出用RAM124の所定領域にONすると共に、時短演出モードを設定することを示す時短演出モード開始コマンドを演出用RAM124の出力バッファにセットする。演出用RAM124の出力バッファにセットされた時短演出モード開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板140に送信されると、画像制御基板140の画像用CPU141は、エンディングが終了するタイミングで、背景画像として時短用背景画像G130を表示し、BGMとして時短用BGMを出力する。
<第1実施形態>
次に、前述の本発明に係る基本的な実施形態に基づいて、本発明に係る第1実施形態について説明する。以下においては、主に、第1実施形態として、基本的な実施形態と異なる点について説明する。また、基本的な実施形態と同一の構成、または同様に対応する構成については同一の符号、および用語を用いる。
第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1は、所謂「1種2種混合機」で構成される。1台のパチンコ遊技機PY1において、主に、遊技球の第1始動口11への入賞を契機に特図1抽選が行われて大当たりに当選すると、後述の第1大入賞口14が開放する大当たり遊技が実行される「第1種(所謂「デジパチタイプ」)」と称される仕様と、遊技球の第2始動口12への入賞を契機に特図2抽選が行われて小当たりに当選すると、後述の第2大入賞口15が開放する小当たり遊技が実行され、小当たり遊技で開放した第2大入賞口15に進入した遊技球が、後述する特定領域16(所謂「Vゾーン」)を通過(所謂「V入賞」)すると大当たり遊技が実行される「第2種(所謂「羽根モノタイプ」)」と称される仕様とが混在する。
ここで、パチンコ遊技機PY1の遊技盤1の正面図を図48に示す。図48に示すように、遊技領域6には、遊技球が入賞不可能な状態と入賞可能な状態との間で可逆的に変化可能な第1大入賞装置14D、および第2大入賞装置15Dが設けられている。
第1大入賞装置14Dは、第1始動入賞装置11Dの直下に設けられており、作動可能な第1AT開閉部材14kと、第1AT開閉部材14kによって遊技球が入賞不可能な非特定態様(閉態様)と入賞可能な特定態様(開態様)とに変化可能な第1大入賞口14とを具備している。
第1AT開閉部材14kは、縦長矩形状の板状に成形されており、第1始動入賞装置11Dの直下において、その短辺方向が前後方向と平行になり、且つ、その長辺方向が、水平方向に沿って左側よりも右側が高くて勾配の緩い傾斜方向と平行になるように配置されており、前後方向に直進運動可能に構成されている。
第1AT開閉部材14kは、通常の待機状態では、その前方側先端が遊技領域6(遊技盤1の前面)と面一状態になっている。そして、第1AT開閉部材14kが待機状態で保持されているときに、第1AT開閉部材14kの上方側から下方側へ向かって流下する遊技球は、そのまま第1AT開閉部材14kの前を通過して第1AT開閉部材14kの下方側へ移動する。
また、第1AT開閉部材14kは、作動状態として、待機状態から前進(前方へ突出)することが可能である。そして、第1AT開閉部材14kが作動状態で保持されているときには、第1AT開閉部材14kの上方側から下方側へ向かって流下する遊技球は、第1AT開閉部材14kで止められ、止められると当該第1AT開閉部材14kの上を左斜め下に向かって移動し、第1AT開閉部材14kの左横に隣接されている第1AT回収口14hからそのまま回収されて遊技領域6の外部に排出される。そして、この遊技球の第1AT回収口14hからの回収が遊技球の第1大入賞口14への入賞を構成する。
第1AT開閉部材14kが作動状態のときに、遊技球を第1AT回収口14hから回収することが可能であるので、遊技領域6において第1AT開閉部材14kが配置されている部分が第1大入賞口14を構成するものとする。また、第1AT回収口14hも、第1大入賞口14の一部を構成しているものとする。なお、第1AT回収口14hには、遊技球が第1大入賞口14に入球(入賞)したことを検知する第1大入賞口センサ14aが設けられている。
このように、第1AT開閉部材14kは、待機状態と作動状態の間を可逆的に変化可能であり、第1AT開閉部材14kが待機状態のときに第1大入賞口14は、遊技球が入賞不可能な非特定態様(閉態様)をとり、第1AT開閉部材14kが作動状態のときに第1大入賞口14は、遊技球が入賞可能な特定態様(開態様)をとる。なお、第1実施形態では、第1大入賞口14への入賞に伴って15個の賞球が払い出される。
第2大入賞装置15Dは、センター装飾体61の略右端直下であって第1大入賞装置14Dの右斜め上方に設けられており、作動可能な第2AT開閉部材15kと、第2AT開閉部材15kによって遊技球が入賞不可能な非特定態様(閉態様)と入賞可能な特定態様(開態様)とに変化可能な第2大入賞口15とを具備している。
第2AT開閉部材15kは、縦長矩形状の板状に成形されており、センター装飾体61の略右端直下であって第1大入賞装置14Dの右斜め上方において、その短辺方向が前後方向と平行になり、且つ、その長辺方向が、水平方向に沿って左側よりも右側が高くて勾配の緩い傾斜方向と平行になるように配置されており、前後方向に直進運動可能に構成されている。
第2AT開閉部材15kは、通常の待機状態では、その前方側先端が遊技領域6(遊技盤1の前面)から突出した状態になっている。そして、第2AT開閉部材15kが待機状態で保持されているときには、第2AT開閉部材15kの上方側から下方側へ向かって流下する遊技球は、第2AT開閉部材15kで止められ、その後当該第2AT開閉部材15kの上を左斜め下に向かって移動し、さらに遊技領域6の第2AT開閉部材15kよりも下流側を流下する。
また、第2AT開閉部材15kは、作動状態として、待機状態から後退することが可能である。第2AT開閉部材15kが作動状態に保持されているときには、その前方側先端が遊技領域6(遊技盤1の前面)と面一状態になるので、第2AT開閉部材15kの上方側から下方側へ向かって流下する遊技球は、そのまま第2AT開閉部材15kの前を通過して第2AT開閉部材15kの下方側へ移動する。そして、この遊技球の第2AT開閉部材15kの前の通過が遊技球の第2大入賞口15への入賞を構成する。
第2AT開閉部材15kが作動状態のときに、遊技球が第2AT開閉部材15kの前を通過が可能であるので、遊技領域6において第2AT開閉部材15kが配置されている部分が第2大入賞口15を構成するものとする。したがって、遊技球が第2大入賞口15に進入することが第2大入賞口15への入賞を構成する。なお、第2AT開閉部材15kの下方側直ぐの位置には、遊技球が第2大入賞口15に入球(入賞)したことを検知する第2大入賞口センサ15aが設けられており、第2AT開閉部材15kの前を通過して下方側へ移動した遊技球は必ず第2大入賞口センサ15aによって検知される。
このように、第2AT開閉部材15kは、待機状態と作動状態の間を可逆的に変化可能であり、第2AT開閉部材15kが待機状態のときに第2大入賞口15は、遊技球が入賞(進入)不可能な非特定態様(閉態様)をとり、第2AT開閉部材15kが作動状態のときに第2大入賞口15は、遊技球が入賞(進入)可能な特定態様(開態様)をとる。なお、第1実施形態では、第2大入賞口15への入賞に伴って15個の賞球が払い出される。
次に、遊技球が第2大入賞口15に入賞(進入)した後について説明する。遊技盤1には、第2大入賞口15に入賞(進入)した遊技球、言い換えると、第2AT開閉部材15kの前を通過した遊技球が到達可能な特定領域装置16Dが設置されている。図48に示すように、特定領域装置16Dは、第2AT開閉部材15kの略下方に設置されている。第2AT開閉部材15kと特定領域装置16Dとの間には、第2AT開閉部材15kの前を通過した遊技球を特定領域装置16Dに誘導する経路16R(特定領域誘導経路16R)が形成されている。したがって、第2AT開閉部材15kの前を通過した遊技球は、特定領域誘導経路16Rによって特定領域装置16Dに誘導される。
特定領域装置16Dは、作動可能な振分部材16kと、振分部材16kによって遊技球が通過不可能な非特定態様(閉態様)と通過可能な特定態様(開態様)とに変化可能な特定領域16とを具備している。
図48には直接図示されていないが、振分部材16kは、縦長矩形状の板状に成形されており、その長辺方向が前後方向と平行になり、且つ、その短辺方向が左右方向と平行になるように配置されており、前後方向に直進運動可能に構成されている。
振分部材16kは、通常の待機状態では、その前方側先端が遊技領域6(遊技盤1の前面)から突出した状態になっている。そして、振分部材16kが待機状態で保持されているときには、振分部材16kの上方側から下方側へ向かって流下する遊技球は、振分部材16kに衝突し、その後、さらに遊技領域6の振分部材16kよりも下流側を流下する。
また、振分部材16kは、作動状態として、待機状態から後退することが可能である。振分部材16kが作動状態に保持されているときには、その前方側先端が遊技領域6(遊技盤1の前面)と面一状態になるので、振分部材16kの上方側から下方側へ向かって流下する遊技球は、そのまま振分部材16kの前を通過して振分部材16kの下方側へ移動する。そして、この遊技球の振分部材16kの前の通過が遊技球の特定領域16の通過を構成する。
振分部材16kが作動状態のときに、遊技球が振分部材16kの前を通過することが可能であるので、遊技領域6において振分部材16kが配置されている部分が特定領域16を構成するものとする。なお、振分部材16kの下方側直ぐの位置には、遊技球が特定領域16を通過(以下、「V入賞」と称することもある。)したことを検知する特定領域センサ16aが設けられており、振分部材16kの下方側へ移動した遊技球は必ず特定領域センサ16aによって検知される。
このように、振分部材16kは、待機状態と作動状態の間を可逆的に変化可能であり、振分部材16kが待機状態のときに特定領域16は、遊技球が通過不可能な非特定態様(閉態様)をとり、振分部材16kが作動状態のときに特定領域16は、遊技球が通過可能な特定態様(開態様)をとる。
また、第1実施形態では、第2始動入賞装置12Dは、センター装飾体61の下半分における上下方向略中央の右横であって第2AT開閉部材15kの略上方に設けられている。
電チュー開閉部材12kは、略縦長矩形状の板状に成形されており、その短辺方向が前後方向と平行になり、且つ、その長辺方向が、水平方向に沿って左側よりも右側が高くて勾配の緩い傾斜方向と平行になるように配置されており、前後方向に直進運動可能に構成されている。
電チュー開閉部材12kは、通常の待機状態では、その前方側先端が遊技領域6(遊技盤1の前面)と面一状態になっている。そして、電チュー開閉部材12kが待機状態で保持されているときに、電チュー開閉部材12kの上方側から下方側へ向かって流下する遊技球は、そのまま電チュー開閉部材12kの前を通過して電チュー開閉部材12kの下方側へ移動する。
また、電チュー開閉部材12kは、作動状態として、待機状態から前進(前方へ突出)することが可能である。そして、電チュー開閉部材12kが作動状態で保持されているときには、電チュー開閉部材12kの上方側から下方側へ向かって流下する遊技球は、電チュー開閉部材12kで止められ、止められると当該電チュー開閉部材12kの上を左斜め下に向かって移動し、電チュー開閉部材12kの左横に隣接されている電チュー回収口12hからそのまま回収されて遊技領域6の外部に排出される。そして、この遊技球の電チュー回収口12hからの回収が遊技球の第2始動口12への入賞を構成する。
電チュー開閉部材12kが作動状態のときに、遊技球を電チュー回収口12hから回収することが可能であるので、遊技領域6において電チュー開閉部材12kが配置されている部分が第2始動口12を構成するものとする。また、電チュー回収口12hも、第2始動口12の一部を構成しているものとする。なお、電チュー回収口12hには、遊技球が第2始動口12に入球(入賞)したことを検知する第2始動口センサ12aが設けられている。
このように、電チュー開閉部材12kは、待機状態と作動状態の間を可逆的に変化可能であり、電チュー開閉部材12kが待機状態のときに第2始動口12は、遊技球が入賞不可能な非特定態様(閉態様)をとり、電チュー開閉部材12kが作動状態のときに第2始動口12は、遊技球が入賞可能な特定態様(開態様)をとる。
また、センター装飾体61の略上下方向略中央の右横であって第2始動口12(電チュー開閉部材12k)の略上方にゲート13が設けられている。なお、右遊技領域6Bは、ゲート13の左側、および右側にも遊技球が流下可能に構成されているが、遊技球を右打ちで発射し続けると、ゲート13、ならびその左側、および右側の中でゲート13に最も頻繁に遊技球が到達するように構成されている。すなわち、右遊技領域6Bは、右打ちで発射されて右遊技領域6Bに進入した遊技球、言い換えるとセンター装飾体61の右側に到達した遊技球のほとんどがゲート13を通過するように構成されている。
さらに、右遊技領域6Bは、ゲート13を通過した遊技球が必ず電チュー開閉部材12kに到達するように構成されている。したがって、電チュー開閉部材12kが作動状態に保持されているとき、右遊技領域6Bに進入してきた遊技球のほとんどは、電チュー開閉部材12kによってせき止められてそのまま電チュー回収口12hから回収されることになり、第2AT開閉部材15kに到達できない。なお、ゲート13を通過した遊技球が電チュー開閉部材12kに到達できないこともあるように構成しても良い。
さらには、待機状態の電チュー開閉部材12kの前を通過した遊技球、言い換えると、遊技領域6において第2始動口12が形成されている所定位置を通過した遊技球は、第2AT開閉部材15kに到達可能であるが、右遊技領域6B(遊技盤ユニットYU)は、右遊技領域6Bに進入してきた遊技球が電チュー開閉部材12kの前(第2始動口12が形成されている所定位置)を通過してから第2AT開閉部材15kに到達するまでの時間の平均値が1秒となるように構成されている。ただし、この平均値は適宜に変更可能である。
また、右遊技領域6B(遊技盤ユニットYU)は、右遊技領域6Bに進入してきて待機状態の第2AT開閉部材15kに衝突し、そこより下流側に移動した遊技球が第1AT開閉部材14kに到達可能に構成されている。
なお、前述の通り、電チュー開閉部材12k、第1AT開閉部材14k、第2AT開閉部材15k、および振分部材16kが作動状態であるときに、第2始動口12への入賞、第1大入賞口14への入賞、第2大入賞口15への入賞、および特定領域16の通過が可能になる。以下において、第2始動口12への入賞、第1大入賞口14への入賞、第2大入賞口15への入賞、および特定領域16の通過が可能であることを「開放」と称することもある。一方、第2始動口12への入賞、第1大入賞口14への入賞、第2大入賞口15への入賞、および特定領域16の通過が不可能であることを「閉鎖」と称することもある。
次に、パチンコ遊技機PY1における遊技制御基板100側の電気的な構成を説明する。図49は、パチンコ遊技機PY1における遊技制御基板100側の電気的な構成を示すブロック図である。図49に示すように、遊技制御基板100には、第1ATソレノイド14s、第2ATソレノイド15s、および振分ソレノイド16sが遊技制御基板100から出力された信号を入力可能に接続されている。
第1ATソレノイド14sは、第1AT開閉部材14kにも接続されており、遊技制御基板100からの信号に基づいて駆動し、第1AT開閉部材14kを作動させて待機状態と作動状態(第1大入賞口14を入賞不可能な態様(閉鎖)と入賞可能な態様(開放))との間で切り替える。第2ATソレノイド15sは、第2AT開閉部材15kにも接続されており、遊技制御基板100からの信号に基づいて駆動し、第2AT開閉部材15kを作動させて待機状態と作動状態(第2大入賞口15を入賞不可能な態様(閉鎖)と入賞可能な態様(開放))との間で切り替える。振分ソレノイド16sは、振分部材16kにも接続されており、遊技制御基板100からの信号に基づいて駆動し、振分部材16kを作動させて待機状態と作動状態(特定領域16を通過不可能な態様(閉鎖)と通過可能な態様(開放))との間で切り替える。
また、遊技制御基板100には、前述の第1大入賞口センサ14a、第2大入賞口センサ15a、および特定領域センサ16aが遊技制御基板100へ信号を出力可能に接続されている。
第1大入賞口センサ14aは、遊技球を検知すると、遊技球が第1大入賞口14に入賞したことを示す信号(第1大入賞口検知信号)を遊技制御基板100に出力する。第2大入賞口センサ15aは、遊技球を検知すると、遊技球が第2大入賞口15に入賞したことを示す信号(第2大入賞口検知信号)を遊技制御基板100に出力する。特定領域センサ16aは、遊技球を検知すると、遊技球が特定領域16を通過(V入賞)したことを示す信号(特定領域検知信号)を遊技制御基板100に出力する。
次に、パチンコ遊技機PY1で制御可能な遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY1では、大当たり判定での大当たり当選確率に係る遊技状態は通常確率状態の1種類のみ設定されている。一方、第2始動口12の入賞容易性に係る遊技状態として、基本的な実施形態と同様に、非時短状態(低ベース状態)と時短状態(高ベース状態)とが設定されている。そこで、以下において、低確率低ベース遊技状態のことを「通常遊技状態」と称し、低確率高ベース遊技状態のことを単に「時短状態」と称する。
次に、第1実施形態に係る当たり判定での「当たり」と判定される確率、普図変動時間、および補助遊技について説明する。第1実施形態では、通常遊技状態(非時短状態)における当たり判定で「当たり」と判定される確率が1%に設定され、時短状態における当たり判定で「当たり」と判定される確率が99%に設定されている。また、時短状態における普図変動時間は、当たり判定結果に関わらず、30秒に設定され、時短状態における普図変動時間は、当たり判定結果に関わらず、3秒に設定されている。
さらに、通常遊技状態(非時短状態)における当たり図柄の停止表示に基づく補助遊技での第2始動口12の開放回数は1回であり、その開放時間は0.2秒に設定されている。一方、時短状態における当たり図柄の停止表示に基づく補助遊技での第2始動口12の開放回数は1回であり、その開放時間は3.0秒に設定されている。
なお、パチンコ遊技機PY1は、通常遊技状態において左打ちで遊技球を発射させ続けて第1始動口11に入賞させるよりも、時短状態において右打ちで遊技球を発射させ続けて第2始動口12に入賞させる方が容易になるように構成されている。
次に、第1実施形態に係る大当たり判定について説明する。第1実施形態に係る大当たり判定で参照される大当たり判定テーブルの構成例を図50(A)に示す。図50(A)に示すように、大当たり判定テーブルとして、第1始動口11への入賞に基づく大当たり判定(第1大当たり判定)で用いられる特図1に係る大当たり判定テーブル(第1大当たり判定テーブル)と、第2始動口12への入賞に基づく大当たり判定(第2大当たり判定)で用いられる特図2に係る大当たり判定テーブル(第2大当たり判定テーブル)とが設けられている。
第1大当たり判定テーブルによると、第1大当たり判定では、大当たりかハズレの何れかに決定される。一方、第2大当たり判定テーブルによると、第2大当たり判定では、大当たり、小当たり、およびハズレの何れか1つに決定される。後述するように、小当たりに当選すると、小当たりを示す態様の特図2の停止表示が実行され、当該停止表示に応じて小当たり遊技が実行される。そして、小当たり遊技において遊技球が特定領域16を通過すると、大当たり遊技が実行される。
また、図50(A)に示すように、第1大当たり判定において、大当たりと判定される確率は1/319に設定されている。一方、第2大当たり判定において、大当たりと判定される確率は1/319に設定され、小当たりと判定される確率は80/319(≒1/4)に設定されている。基本的な実施形態と同様に、各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、小当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数判定値)が図50(A)に示す選択率となるように適宜に振り分けられている。ただし、この大当たりの選択率、および小当たりの選択率は、特に限定されることはなく、適宜に変更可能である。また、第1大当たり判定で、大当たり判定結果として小当たりが含まれるようにしても良い。あるいは、第2大当たり判定で、大当たり判定結果として大当たりが含まれないようにしても良い。
次に、第1実施形態に係る大当たり図柄、および小当たり図柄について説明する。前述のように、大当たり図柄は、大当たり当選と共に大当たりの種類を示唆する特別図柄である。大当たり図柄は、大当たり図柄種別判定によって決定され、大当たり図柄種別判定は大当たり図柄種別判定テーブルを用いて行われる。図50(B)は、第1実施形態に係る大当たり図柄種別判定テーブルの構成例を示す図である。図50(B)に示すように、特図1の大当たり図柄として、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Cの3種類の大当たり図柄が設けられている。特図1に係る大当たり図柄種別判定テーブルによると、大当たり図柄Aは10%の確率で選択され、大当たり図柄Bは45%の確率で選択され、大当たり図柄Cは45%の確率で選択される。また、特図2の大当たり図柄として、大当たり図柄Dの1種類の大当たり図柄が設けられている。特図2に係る大当たり図柄種別判定テーブルによると、大当たり図柄Dは100%の確率で選択される。
また、小当たり図柄は、小当たり当選と共に小当たりの種類を示唆する特別図柄である。小当たり当選した場合の特図可変表示において、大当たり判定の結果の導出として、小当たり図柄が停止表示される。小当たり図柄は、小当たり図柄種別判定によって決定され、小当たり図柄種別判定は小当たり図柄種別判定テーブルを用いて行われる。図50(C)は、第1実施形態に係る小当たり図柄種別判定テーブルの構成例を示す図である。図50(C)に示すように、特図2の小当たり図柄として、小当たり図柄A、および小当たり図柄Bの2種類の小当たり図柄が設けられている。特図2に係る小当たり図柄種別判定テーブルによると、小当たり図柄Aは50%の確率で選択され、小当たり図柄Bは50%の確率で選択される。
なお、第1実施形態では、特図2関連判定情報には、前述の特別図柄乱数、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数の他に、小当たり図柄種別判定を行うための小当たり図柄種別乱数も含まれている。したがって、遊技用RAM104の所定領域には、小当たり図柄種別乱数に係る小当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-KS)が設けられており、小当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-KS)は、特別図柄乱数カウンタ(ラベル-TRND-T)や大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル-TRND-OS)と同様に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)で更新される。そして、遊技制御用マイコン101が、ステップS211において、特図2関連判定情報として、小当たり図柄種別乱数も取得して、遊技用RAM104に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する。なお、小当たり図柄種別乱数の範囲は適宜に設定可能であるが、第1実施形態では、「0~255」に設定されている。
また、小当たり図柄種別判定テーブルでは、小当たり図柄種別判定の結果である小当たり図柄種別に、小当たり図柄種別乱数の判定値(小当たり図柄種別乱数判定値)が、図50(C)に示す選択率となるように適宜に振り分けられている。よって、パチンコ遊技機PY1は、後述するように、取得した小当たり図柄種別乱数を小当たり図柄種別判定テーブルに照合して、小当たり図柄の種別を判定する。
なお、特図1、および特図2に係る大当たり図柄種別の数、および小当たり図柄種別の数、ならびに各大当たり図柄種別の選択率、および各小当たり図柄種別の選択率は、第1実施形態に限られず適宜に設定しても良い。
次に、第1実施形態に係る大当たり遊技について説明する。第1実施形態では、大当たり遊技は、大当たり図柄が停止表示された場合と、小当たり図柄が停止表示された後に実行される小当たり遊技において開放した第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16を通過(V入賞)した場合に実行される。そこで、大当たり遊技を構成する大当たり遊技構成要素、言い換えると大当たり遊技を制御するための大当たり遊技制御テーブルは、停止表示した特別図柄の種別、詳細には、当該大当たり遊技の実行契機となる大当たり図柄の種別、および小当たり図柄の種別に対応付けられている。
なお、小当たり図柄が停止表示されても、遊技球が特定領域16を通過しない場合は大当たり遊技が実行されない。したがって、小当たり図柄が停止表示した場合の大当たり遊技の直接的な実行契機は遊技球が特定領域16を通過することであるが、遊技球が第2大入賞口15に入賞しないと遊技球が特定領域16を通過することができず、第2大入賞口15への入賞は第2大入賞口15が開放しているときに可能であり、第2大入賞口15の開放は小当たり遊技で実行されるので、小当たり図柄の停止表示も大当たり遊技の実行契機に含めるものとする。
さらに、以下において、小当たり図柄が停止表示することを「小当たりする/小当たりになる」と称し、大当たり図柄が停止表示すること、および遊技球が特定領域16を通過することを「大当たりする/大当たりになる」と称することもある。
また、第1実施形態では、大当たり遊技構成要素は、後述する「リミッター」に係る大当たり遊技であるか否かにも対応付けられている。「リミッター」の詳細は後述するが、第1実施形態では、一度通常遊技状態から時短状態に移行した後、通常遊技状態で特図可変表示が実行可能な状況になるまでの間に、時短状態での大当たり図柄の停止表示、および小当たり図柄の停止表示に基づいて実行される大当たり遊技の回数が2回に制限されている。この制限回数(2回)のことを「リミッター」と称する。そして、2回目の時短状態での大当たり図柄の停止表示、および小当たり図柄の停止表示に基づいて実行される大当たり遊技がリミッターに係る大当たり遊技に該当する。
なお、以下において、リミッターに係る大当たり遊技のことを「リミッター大当たり遊技」と称し、リミッターに係る大当たり遊技ではない大当たり遊技のことを「非リミッター大当たり遊技」と称する。また、制限回数に達することを「リミッターの発動/リミッターが発動する」と称する。
図51(A)は、当該大当たり遊技が非リミッター大当たり遊技に該当する場合の各特別図柄種別に対応付けられた大当たり遊技制御テーブルの構成例を示す図であり、図51(B)は、当該大当たり遊技がリミッター大当たり遊技に該当する場合の各特別図柄種別に対応付けられた大当たり遊技制御テーブルの構成例を示す図である。
図51(A)、および図51(B)に示すように、各特別図柄種別に対応付けられた大当たり遊技におけるラウンド遊技の実行回数は、リミッターに係る大当たり遊技であるか否かに関わらず、一定である。具体的には、大当たり図柄Aに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第1大当たり遊技」ともいう)に係るラウンド遊技の実行回数は4回であり、大当たり図柄Bに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第2大当たり遊技」ともいう)、および大当たり図柄Cに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第3大当たり遊技」ともいう)に係るラウンド遊技の実行回数は8回であり、ならびに大当たり図柄Dに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第4大当たり遊技」ともいう)、小当たり図柄Aに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第5大当たり遊技」ともいう)、および小当たり図柄Bに対応付けられた大当たり遊技(以下、「第6大当たり遊技」ともいう)に係るラウンド遊技の実行回数は10回である。
なお、第5大当たり遊技は、小当たり図柄Aの停止表示に基づいて実行される小当たり遊技(以下、「第1大当たり遊技」ともいう)で遊技球が特定領域16を通過した場合に当該第1小当たり遊技が終了することに応じて実行される。一方、第6大当たり遊技は、小当たり図柄Bの停止表示に基づいて実行される小当たり遊技(以下、「第2大当たり遊技」ともいう)で遊技球が特定領域16を通過した場合に当該第2小当たり遊技が終了することに応じて実行される。
また、第1実施形態では、大当たり遊技構成要素に、開放する大入賞口の種類も含まれている。図51(A)、および図51(B)に示すように、リミッターに係る大当たり遊技であるか否かに関わらず、および特別図柄種別に関わらず、全ての大当たり遊技の全てのラウンド遊技で、第1大入賞口14が開放するように設定されている。さらには、図51(A)、および図51(B)に示すように、リミッターに係る大当たり遊技であるか否かに関わらず、および特別図柄種別に関わらず、全ての大当たり遊技の全てのラウンド遊技について、当該ラウンド遊技における第1大入賞口14の開放回数が1回に設定され、各開放に係る時間(開放時間)が29.5秒に設定され、開放後の閉鎖に係る時間(閉鎖時間)が2.0秒に設定されている。なお、各大当たり遊技における最後のラウンド遊技については閉鎖時間が設定されていない。最後のラウンド遊技に係る第1大入賞口14の開放が終了すると続いて、第1大入賞口14の閉鎖が保持されるエンディングが行われるからである。
また、第1実施形態では、リミッターに係る大当たり遊技であるか否かに関わらず、および特別図柄種別に関わらず、全ての大当たり遊技のオープニング時間(図51において「OP時間」)が10.0秒に設定されている。それに対して、リミッター大当たり遊技については、特別図柄種別に関わらず、全ての大当たり遊技のエンディング時間(図51において「ED時間」)が10.0秒に設定されているが、非リミッター大当たり遊技については、特別図柄種別に関わらず、全ての大当たり遊技のエンディング時間が0.0秒に設定されている。言い換えると、リミッター大当たり遊技では、特別図柄種別に関わらず、最後のラウンド遊技の後にエンディングが実行されるが、非リミッター大当たり遊技では、特別図柄種別に関わらず、最後のラウンド遊技が終了するとエンディングが実行されずにそのまま当該大当たり遊技が終了する。これは、後述するように、第1実施形態では、非リミッター大当たり遊技を、リミッターが発動するまでの途中段間の大当たり遊技と位置づけ、その途中段階の大当たり遊技におけるエンディングを実行しないことによって、リミッターに係る大当たり遊技を含む複数回の大当たり遊技を1セットとして1つの大当たり遊技のように見せるためである。
次に、第1実施形態に係る小当たり遊技について説明する。パチンコ遊技機PY1は、小当たり遊技制御テーブルを用いて小当たり遊技を制御する。小当たり遊技制御テーブルには、大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の制御に係る小当たり遊技大入賞口制御テーブルと、特定領域16の制御に係る小当たり遊技特定領域制御テーブルとがある。
小当たり遊技大入賞口制御テーブルには、大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)の開閉に係る小当たり遊技を構成する要素(第1小当たり遊技構成要素)が格納されている。第1小当たり遊技構成要素には、開放させる大入賞口の種類、当該小当たり遊技における大入賞口の開放回数、各開放に係る開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。小当たり遊技大入賞口制御テーブル(第1小当たり遊技構成要素)は、特別図柄の種別、詳細には小当たり図柄種別に対応付けられている。
図52(A)は、各小当たり図柄種別に係る小当たり遊技大入賞口制御テーブルの構成例を示す図である。図52(A)に示すように、小当たり遊技大入賞口制御テーブルは、小当たり図柄種別に関わらず同一に設定されている。すなわち、第1小当たり遊技と第2小当たり遊技は、大入賞口(第1大入賞口14、第2大入賞口15)について、同一に制御される。さらに、小当たり図柄種別に関わらず、全ての小当たり遊技の全ての開放について、第2大入賞口15が開放するように設定されている。
また、各小当たり図柄種別に対応付けられた小当たり遊技での第2大入賞口15の開放回数は、15回に設定されている。そして、各小当たり図柄種別に対応付けられた小当たり遊技における15回全ての第2大入賞口15の開放時間は0.12秒に設定されている。しかしながら、各小当たり図柄種別に対応付けられた小当たり遊技の第2大入賞口15の開放が終了してから次の開放が開始されるまでの閉鎖時間は、第2大入賞口15の開放順序によって異なっている。具体的には、何れの小当たり図柄種別に対応付けられた小当たり遊技についても、第2大入賞口15の1回目の開放後の閉鎖時間は2.5秒に設定され、2回目の開放後の閉鎖時間は1.5秒に設定され、3~14回目の開放後の閉鎖時間は0.6秒に設定されている。このように、時短状態における小当たり遊技に係る第2大入賞口15の閉鎖時間が第2大入賞口15の開放順序によって異なる理由については後述する。
さらに、小当たり遊技のオープニング時間(図52において「OPO時間」)は、小当たり図柄種別に関わらず3.0秒に設定されている。また、小当たり遊技のエンディング時間は、小当たり図柄種別に関わらず2.0秒に設定されている。
次に、小当たり遊技における特定領域16の開閉、すなわち振分部材16kの作動に関する制御について説明する。パチンコ遊技機PY1は、小当たり遊技特定領域制御テーブルを用いて小当たり遊技における特定領域16の開閉、すなわち振分部材16kの作動を制御する。小当たり遊技特定領域制御テーブルには、特定領域16の開閉に係る小当たり遊技を構成する要素(第2小当たり遊技構成要素)が格納されている。第2小当たり遊技構成要素には、小当たり遊技が開始された時点を基準として、閉鎖状態に保持されていた特定領域16を開放させる時間(待機状態に保持されていた振分部材16kを作動状態にさせる時間)と、開放状態に保持されていた特定領域16を閉鎖させる時間(作動状態になった振分部材16kを待機状態に戻す時間)などが含まれている。小当たり遊技特定領域制御テーブル(第2小当たり遊技構成要素)は、特別図柄の種別、詳細には小当たり図柄種別に対応付けられている。
図52(B)は、各小当たり図柄種別に係る小当たり遊技特定領域制御テーブルの構成例を示す図である。図52(B)に示すように、小当たり遊技特定領域制御テーブルは、小当たり図柄種別に関わらず同一に設定されている。すなわち、第1小当たり遊技における特定領域16の開閉(振分部材16kの作動)と第2小当たり遊技における特定領域16の開閉(振分部材16sの作動)は、同一に制御される。
第1小当たり遊技、および第2小当たり遊技において、当該小当たり遊技が開始されてから3.0秒が経過したときに特定領域16が開放する。この時間は、オープニングが終了する時間、言い換えると、第2大入賞口15の1回目の開放が開始される時間に対応している(図52(A)参照)。そして、第1小当たり遊技、および第2小当たり遊技において、当該小当たり遊技が開始されてから18.0秒が経過したときに特定領域16を閉鎖させる。この時間は、第2大入賞口15の最後の開放が終了してから2.0秒が経過した時間に対応している(図52(A)参照)。このように、特定領域16は、第2大入賞口15の最初の開放と同一タイミングで開放し、第2大入賞口15の最後の開放が終了してから2.0秒が経過したタイミングで閉鎖する。
次に、図53を用いて、小当たり遊技の制御内容の詳細について説明する。前述の通り、第1小当たり遊技と第2小当たり遊技は、第2大入賞口15の開閉、および特定領域16の開閉について同一に制御される。以下において、第1小当たり遊技、および第2小当たり遊技のことを単に「小当たり遊技」と称することもある。図53は、小当たり遊技の制御内容を示すタイムチャートである。なお、図53では、第2大入賞口15のことを「第2AT」と表記し、特定領域16のことを「VAT」と表記し、小当たり遊技のオープニングのことを「OP」と表記し、小当たり遊技のエンディングのことを「ED」と表記する。
特図2の停止表示として「小当たり図柄(小当たり図柄A、小当たり図柄B)」が停止表示すると、小当たり遊技が行われる。図53に示すように、小当たり遊技の開始に応じて、最初に第2大入賞口15の閉鎖状態が保持されるオープニングが行われる。このオープニングは、開始してから3.0秒が経過するまで継続する。オープニングが終了すると、第2大入賞口15の1回目の開放が開始する。第2大入賞口15の1回目の開放は、開始してから0.12秒が経過するまで継続する。
第2大入賞口15の1回目の開放が終了して第2大入賞口15が閉鎖すると、当該閉鎖が2.5秒間継続し、当該閉鎖の開始時から2.5秒経過したときに第2大入賞口15の2回目の開放が開始する。第2大入賞口15の2回目の開放も、開始してから0.12秒が経過するまで継続する。
第2大入賞口15の2回目の開放が終了して第2大入賞口15が閉鎖すると、当該閉鎖が1.5秒間継続し、当該閉鎖の開始時から1.5秒経過したときに第2大入賞口15の3回目の開放が開始する。以降は、第2大入賞口15の0.12秒間の開放とその後の0.6秒の閉鎖が12回繰り返し行われ、最後に15回目の開放が行われる。第2大入賞口15の15回目の開放も、開始してから0.12秒が経過するまで継続する。そして、第2大入賞口15の最後の(15回目の)開放が終了すると、第2大入賞口15が閉鎖すると共に、当該閉鎖状態が保持されるエンディングが行われる。このエンディングは、開始してから2.0秒が経過するまで継続し、エンディングの終了によって、小当たり遊技(第1小当たり遊技、第2小当たり遊技)が終了する。
このように、小当たり遊技では、第2大入賞口15が合計で15回開放可能である。そして、小当たり遊技における第2大入賞口15の開放時間は全て0.12秒であるが、1回目の開放と2回目の開放との間の閉鎖時間は2.5秒であり、2回目の開放と3回目の開放との間の閉鎖時間は1.5秒であり、それ以降の閉鎖時間は短くて共通の0.6秒である。したがって、小当たり遊技の3回目の第2大入賞口15の開放が行われるまでの期間では、第2大入賞口15の開放頻度が相対的に低く、言い換えると第2大入賞口15の単位時間当たりにおける開放時間が相対的に短く、小当たり遊技の3回目の第2大入賞口15の開放以降の期間では、第2大入賞口15の開放頻度が相対的に高い、言い換えると第2大入賞口15の単位時間当たりにおける開放時間が相対的に長い。すなわち、小当たり遊技の3回目の第2大入賞口15の開放以降の期間を、第2大入賞口15の開放が本格的に行われる期間と位置づけることができる。そこで、小当たり遊技において第2大入賞口15の1回目の開放が開始されてから3回目の開放が開始される直前までの期間を、第2大入賞口15の開放が消極的に、あるいは略式的に実行される「小当たり開放消極期間」と称し、第2大入賞口15の3回目の開放が開始されてから15回目の開放が終了までの期間を、第2大入賞口15の開放が積極的に、あるいは本格的に実行される「小当たり開放積極期間」と称することもある。
また、小当たり遊技に係る特定領域16の開放は、オープニングが終了して第2大入賞口15の1回目の開放が開始されるタイミングで開始される。その後、第2大入賞口15の開閉が繰り返し行われている中で、特定領域16の開放は継続して行われる。そして、小当たり遊技が開始されてから18.0秒が経過した時に、言い換えると、エンディングが終了するタイミングで特定領域16の開放が終了して特定領域16が閉鎖する。
なお、大当たり遊技のラウンド遊技のように、小当たり遊技(第1小当たり遊技、第2小当たり遊技)についても、遊技球の入賞可能な個数が規定されている。この個数も「入賞規定個数」と称し、第1実施形態では、小当たり遊技に係る入賞規定個数は、ラウンド遊技に係る入賞規定個数と同じ10個に規定されている。したがって、小当たり遊技において第2大入賞口15に10個の遊技球が入賞すると、その時点で第2大入賞口15が閉鎖され、その時点からエンディングが開始される。
次に、図54を用いて、小当たり遊技における第2大入賞口15への入賞に対する補助遊技の干渉について説明する。図54は、小当たり遊技における第2大入賞口15への入賞に対する補助遊技の干渉の具体例を説明するためのタイムチャートである。なお、図54では、第2始動口12のことを「電チュー」と表記し、第2大入賞口15のことを「第2AT」と表記し、遊技球が特定領域16を通過することを「V入賞」と表記し、小当たり遊技のオープニングのことを「OP」と表記し、小当たり遊技のエンディングのことを「ED」と表記する。
前述の通り、第2始動口12、および第2大入賞口15は右遊技領域6Bに設けられ、第2大入賞口15よりも上流側に第2始動口12が配置されている。そして、補助遊技において電チュー開閉部材12kが作動することによって第2始動口12が開放する(第2始動口12への入賞が可能になる)が、その反面、電チュー開閉部材12kが作動状態に保持されているとき、電チュー開閉部材12kを通過しようとする遊技球は、電チュー開閉部材12kによってその下流側への流下を阻害される。
ここで、ハンドル72kが操作され続けられていると約0.6秒周期で1球の遊技球が発射され、右遊技領域6Bに進入した遊技球のほとんどはゲート13を通過し、時短状態では、普図抽選に係る当たり判定で「当たり」と判定される確率が99%であることから、右打ちで発射され続けられている状況では、第2始動口12が閉鎖されている期間は、大体普図可変表示が行われている期間となり得る。そのため、時短状態では、3秒間の普図可変表示に対応する第2始動口12の閉鎖と、補助遊技に係る3秒間の第2始動口12の開放とが繰り返し行われ得る。したがって、この第2始動口12が閉鎖されている3秒の期間に電チュー開閉部材12kの前を通過する遊技球が第2大入賞口15に入賞可能な遊技球となる。
また、右遊技領域6Bに進入した遊技球が電チュー開閉部材12kを通過してから第2AT開閉部材15kに到達するまでの時間の平均値が1秒であるので、第2始動口12が開放している(電チュー開閉部材12kが作動状態に保持されている)期間から1秒遅れた期間は、遊技球が第2大入賞口15に到達できない期間、言い換えると、第2大入賞口15への入賞が阻害されている期間となる。そこで、以下において、この第2大入賞口15への入賞が阻害されている期間のことを「第2AT入賞阻害期間」と称する。
ところで、時短状態で小当たり図柄が停止表示して小当たり遊技が開始しても当該時短状態はそのまま継続する。そして、小当たり遊技において、遊技球が特定領域16を通過(V入賞)することに応じて、時短状態から通常遊技状態に移行する。したがって、小当たり遊技が開始しても、遊技球が特定領域16を通過(V入賞)するまでは、3秒間隔で3秒にわたる第2AT入賞阻害期間が発生することになる。そのため、遊技球を効率よく第2大入賞口15に入賞させることができないが、遊技球が特定領域16を通過(V入賞)した後は、通常遊技状態(非時短状態)になって、単位時間あたりの第2始動口12の開放時間が短くなる、詳細には、補助遊技に係る第2始動口12の開放時間が0.2秒となり、普図変動時間が30秒になり、当たり判定で「当たり」と判定される確率が極めて低く1%になるので、遊技球を効率よく第2大入賞口15に入賞させることが可能となる。
なお、第2始動口12が開放しているときに時短状態から通常遊技状態へ移行した場合でも、遊技球が特定領域16を通過する前に開始された補助遊技に係る第2始動口12の開放時間は3.0秒となるので、当該第2始動口12の開放は開始時から3.0秒が経過するまで継続する。したがって、補助遊技の第2始動口12の開放時間が0.2秒となるのは、遊技球が特定領域16を通過した後に最初に開始する補助遊技からとなる。
また、小当たり遊技において、1回目の第2大入賞口15の開放後の閉鎖に係る時間は2.5秒に設定され、2回目の第2大入賞口15の開放後の閉鎖に係る時間は1.5秒に設定されている。したがって、例えば、図54に示すように、小当たり遊技における1回目の第2大入賞口15の開放で遊技球が第2大入賞口15に入賞して特定領域16を通過できた場合、そこから第2大入賞口15の本格的な開放(小当たり開放積極期間)が開始するまでの間の第2大入賞口15の開放回数が1回であり、2回目の開放を挟むが実質的には4.0秒にも及ぶ第2大入賞口15の閉鎖期間があるので、遊技球が特定領域16を通過したときに時短状態に係る補助遊技が実行されていて第2始動口12が開放していたとしても、第2大入賞口15の本格的な開放(小当たり開放積極期間)が開始するまでには、当該第2始動口12の開放が終了していることになる。したがって、小当たり遊技における遊技球の第2大入賞口15への入賞の損失を減らすことができる。さらには、小当たり遊技においては2回目の第2大入賞口15の閉鎖後の第2大入賞口15の開放は13回行われることから、当該小当たり遊技において、効率よく遊技球を第2大入賞口15に入賞させることが可能である。
さらには、1回目の第2大入賞口15の開放が終了してから第2大入賞口15の本格的な開放(小当たり開放積極期間)が開始するまでに、2回目の第2大入賞口15の開放が行われるので、1回目の第2大入賞口15の開放で遊技球が入賞できなかったとしても、当該2回目の第2大入賞口15の開放で遊技球を第2大入賞口15に入賞させることが可能である。この場合、当該2回目の第2大入賞口15の開放中に入賞できた遊技球が特定領域16を通過すると、その時から通常遊技状態になる。そして、2回目の第2大入賞口15の開放の後には、小当たり開放積極期間よりも長い時間、第2大入賞口15が閉鎖する。したがって、2回目の第2大入賞口15の開放後に時短状態での補助遊技が開始されたとしても、遊技球の第2大入賞口15への入賞の損失を減らすことができる。
このように、小当たり遊技では、第2大入賞口15の開放が消極的な小当たり開放消極期間が先に行われ、第2大入賞口15の開放が積極的な小当たり開放積極期間が後に行われる。そのため、遊技球の第2大入賞口15への入賞の損失を減らすことができる。さらに、第2大入賞口15へ入賞した遊技球のほとんどは特定領域16を通過できるが、例えば、小当たり遊技が行われているときに遊技球が特定領域16を通過する回数の平均値が所定の閾値以上である必要がある場合、遊技球の第2大入賞口15への入賞の損失を減らすことができるので、この条件を満たしやすくすることができる。
次に、パチンコ遊技機PY1が、大当たり遊技の終了に伴って新たに移行する遊技状態、および各遊技状態に係る終了条件について説明する。第1実施形態では、大当たり遊技の終了に伴って新たに移行する遊技状態、および各遊技状態に係る終了条件は、当該大当たり遊技が起因する特別図柄、および当該特別図柄が停止表示したときの遊技状態に対応付けられている。
なお、大当たり遊技は、大当たり図柄が停止表示した場合と、小当たり図柄が停止表示して、当該小当たり遊技において第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16を通過した場合に実行される。したがって、小当たり図柄が停止表示しても遊技球が特定領域16を通過しない場合は大当たり遊技が実行されないので、当該大当たり遊技の直接的な発生契機は遊技球が特定領域16を通過することであるが、当該第2大入賞口15の開放は小当たり遊技に基づくので、小当たり図柄の停止表示も大当たり遊技が起因する特別図柄に含めるものとする。
また、大当たり図柄Aが停止表示すること、および大当たり図柄Aが停止表示して第1大当たり遊技が実行されることを「大当たり1」と称することもある。同様に、大当たり図柄B、大当たり図柄C、大当たり図柄Dが停止表示すること、および大当たり図柄B、大当たり図柄C、大当たり図柄Dが停止表示して第2大当たり遊技、第3大当たり遊技、第4大当たり遊技が実行されることを「大当たり2」、「大当たり3」、「大当たり4」と称することもある。さらに、小当たり図柄Aの停止表示に基づく第1小当たり遊技において第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16を通過すること、および当該通過後に第5大当たり遊技が実行されることを「大当たり5」と称することもある。同様に、小当たり図柄Bの停止表示に基づく第2小当たり遊技において第2大入賞口15に入賞した遊技球が特定領域16を通過すること、および当該通過後に第6大当たり遊技が実行されることを「大当たり6」と称することもある。
図55(A)は、通常遊技状態において停止表示した特別図柄の種別(特別図柄種別)と、当該特別図柄種別に対応する大当たり遊技の終了に伴って移行する遊技状態、および遊技状態に係る終了条件との関係を表した遊技状態設定テーブルの構成例を示す図であり、図55(B)は、時短状態において停止表示した特別図柄の種別(特別図柄種別)と、当該特別図柄種別に対応する大当たり遊技の終了に伴って移行する遊技状態、および遊技状態に係る終了条件との関係を表した遊技状態設定テーブルの構成例を示す図である。
図55(A)に示すように、通常遊技状態において停止表示する特別図柄の種別が大当たり図柄A、大当たり図柄D、および小当たり図柄Aである場合、当該特別図柄種別に対応する大当たり遊技(第1大当たり遊技、第4大当たり遊技、第5大当たり遊技)の終了に伴って、時短状態(低確率高ベース遊技状態)に移行する。そして、この時短状態には終了条件が設定されている。終了条件は、特図2可変表示が99回実行されることで構成されている。よって、通常遊技状態において大当たり図柄A、大当たり図柄D、および小当たり図柄Aが停止表示されてから実行される大当たり遊技の終了に伴って移行する時短状態は、大当たり遊技が実行されることなく特図2可変表示が99回実行されるまで継続可能である。すなわち、通常遊技状態における大当たり図柄A、大当たり図柄D、および小当たり図柄Aの停止表示によって実行される大当たり遊技の終了に伴って移行される時短状態の規定回数(時短規定回数)は、99回である。
また、通常遊技状態において停止表示する特別図柄の種別が大当たり図柄B、および小当たり図柄Bである場合、当該特別図柄種別に対応する大当たり遊技(第2大当たり遊技、第6大当たり遊技)の終了に伴って、時短状態(低確率高ベース遊技状態)に移行する。そして、この時短状態には終了条件が設定されている。終了条件は、特図2可変表示が1回実行されることで構成されている。よって、通常遊技状態において大当たり図柄B、および小当たり図柄Bが停止表示されてから実行される大当たり遊技の終了に伴って移行する時短状態は、大当たり遊技が実行されることなく特図2可変表示が1回実行されるまで継続可能である。すなわち、通常遊技状態における大当たり図柄B、および小当たり図柄Bの停止表示によって実行される大当たり遊技の終了に伴って移行する時短状態の規定回数(時短規定回数)は、1回である。
さらに、通常遊技状態において停止表示する特別図柄の種別が大当たり図柄Cである場合、当該特別図柄種別に対応する大当たり遊技(第3大当たり遊技)の終了に伴って、通常遊技状態(低確率低ベース遊技状態)に移行する。そして、この通常遊技状態には終了条件が設定されていない。
また、図55(B)に示すように、時短状態において停止表示する特別図柄の種別が大当たり図柄A、大当たり図柄B、大当たり図柄C、大当たり図柄D、小当たり図柄A、および小当たり図柄Bである場合、言い換えると、時短状態において停止表示する特別図柄の種別が何れの大当たり図柄、および小当たり図柄であっても、当該特別図柄種別に対応する大当たり遊技(第1大当たり遊技、第2大当たり遊技、第3大当たり遊技、第4大当たり遊技、第5大当たり遊技、第6大当たり遊技)の終了に伴って、時短状態(低確率高ベース遊技状態)に移行する。そして、この時短状態には終了条件が設定されている。終了条件は、特図2可変表示が99回実行されることで構成されている。よって、時短状態において大当たり図柄、および小当たり図柄が停止表示されることによって実行される大当たり遊技の終了に伴って移行する時短状態は、大当たり遊技が実行されることなく特図2可変表示が99回実行されるまで継続可能である。すなわち、時短状態における大当たり図柄、および小当たり図柄の停止表示によって実行される大当たり遊技の終了に伴って移行する時短状態の規定回数(時短規定回数)は、99回である。
このように、時短状態において大当たり図柄、および小当たり図柄が停止表示すると、大当たり図柄、および小当たり図柄の種別が何れであっても当該大当たり遊技の終了に伴って、時短規定回数が99回の時短状態に移行するようになっている。しかしながら、前述の通り、パチンコ遊技機PY1では、一度時短状態に移行した後、通常遊技状態で特図可変表示が実行可能な状況になるまでに、時短状態における大当たり図柄の停止表示、または小当たり図柄の停止表示によって大当たり遊技が2回実行されると、リミッターが発動して、当該大当たり遊技の終了に伴って通常遊技状態に移行する。すなわち、実行された大当たり遊技がリミッター大当たり遊技である場合は、遊技状態設定テーブルに基づく特別図柄種別と当該大当たり遊技の終了に伴って移行される遊技状態との関係よりも優先されて、強制的に通常遊技状態が設定される。
ところで、パチンコ遊技機PY1では、大当たりとは異なる発生契機によって時短状態になることがある。この大当たり以外の発生契機は、通常遊技状態において大当たりすることなく特図可変表示が特定回数実行されることである。この特定回数は適宜に設定可能であるが、第1実施形態では800回に設定されている。
通常遊技状態において、特図可変表示が特定回数実行されると、その特定回数に係る特図可変表示が終了する(停止表示したハズレ図柄が確定する)ときに時短状態になる。以下において、時短状態の発生契機となる「通常遊技状態において大当たりすることなく特図可変表示が特定回数実行されること」を「天井到達」と称し、「特定回数」のことを「天井」と称することもある。
また、天井到達に基づく時短状態は、大当たりすることなく特図2可変表示が99回実行されるまで継続可能である。すなわち、当該時短状態に係る時短規定回数は、99回である。したがって、発生契機はさておき、時短状態の時短規定回数には、99回と1回とがある。以下において、時短規定回数が99回の時短状態を「有利時短状態」と称し、時短規定回数が1回の時短状態を「不利時短状態」と称することがある。
次に、パチンコ遊技機PY1の遊技フローについて説明する。図56は、パチンコ遊技機PY1で実行される主要な遊技フローを模式的に表した図である。
パチンコ遊技機PY1に電力が供給されると、遊技状態として通常遊技状態(低確率低ベース遊技状態)が設定されると共に、演出モードとして通常遊技状態であることを示唆する通常演出モードが設定される。そして、パチンコ遊技機PY1では、この通常遊技状態で遊技が進行して、通常遊技状態において通常演出モードによる演出が実行される状況がパチンコ遊技機PY1に係る遊技フローの起点となる。
非時短状態で構成される通常遊技状態では、左打ちで遊技球を発射させることによって第1始動口11へ入賞させ、当該入賞に基づく特図1抽選で大当たり当選を狙う遊技が中心に行われる。特図1抽選が実行されると特図1可変表示が実行される。特図1抽選で大当たりに当選すると、特図1可変表示で大当たり図柄の停止表示が行われるが、特図1に係る大当たり図柄には、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Cがある。
ここで、大当たり図柄Aの停止表示が行われた場合(大当たり1の場合)は、第1大当たり遊技が実行される(図56における円で囲まれた「1」)。そして、この場合には、当該第1大当たり遊技を含めて実質的には3回の大当たり遊技が連続的に実行される可能性が高く(3回の大当たり遊技が連続的に実行されることが濃厚であり)、合計で24回のラウンド遊技が実行される可能性が高い。その理由を以下に説明する。
通常遊技状態で大当たり図柄Aの停止表示が行われると(大当たり1すると)、当該第1大当たり遊技の終了に伴って、時短規定回数が99回の時短状態(有利時短状態)になると共に、時短演出モードになる(図56における円で囲まれた「4」)。
ここで、右打ちで遊技球を発射させることによって第2始動口12に入賞させることが可能であり、通常遊技状態において左打ちで遊技球を発射させ続けて第1始動口11に入賞させるよりも時短状態において右打ちで遊技球を発射させ続けて第2始動口12に入賞させる方が容易になるように構成されており、大当たりした場合の当該大当たり遊技における遊技球の獲得可能な賞球数、および当該大当たり遊技後に移行する遊技状態の観点から特図1抽選よりも特図2抽選の方が遊技者に有利な結果になり易い(図50(A)、図50(B)、図50(C)、図51、図55)参照)ことから、時短状態では、第2始動口12へ入賞させ、当該入賞に基づく特図2抽選で小当たりに当選させて大当たりさせることを狙う遊技が中心に行われる。
ここで、時短状態における特図2抽選に係る大当たり判定で「小当たり」と判定される確率が、80/319(≒1/4)であり、「大当たり」と判定される確率が、1/319であるので、有利時短状態に係る時短規定回数「99回」と大当たり判定で「小当たり」と判定される確率を分数で表したときの分母「約4」との関係からも、有利時短状態では小当たりに当選する可能性が高い(小当たりに当選することが濃厚である)。そして、特図2に係る小当たり図柄には、小当たり図柄Aと小当たり図柄Bとがあるが、何れの小当たり図柄が停止表示しても、同一の制御内容からなる小当たり遊技が実行される。
パチンコ遊技機PY1は、小当たり遊技において右打ちで遊技球を発射させ続けていると、基本的には(よほどのことがない限りは)遊技球が特定領域16を通過できるように構成されている。遊技球が特定領域16を通過すると、当該小当たり遊技の終了に応じて、同一の制御内容からなる第5大当たり遊技、または第6大当たり遊技が実行される(図56における円で囲まれた「5」)。そして、第5大当たり遊技、または第6大当たり遊技の終了に伴って、再度、時短規定回数が99回の時短状態(有利時短状態)になると共に、時短演出モードになる(図56における円で囲まれた「6」)。
再度の有利時短状態でも時短規定回数が99回であり、特図2抽選に係る大当たり判定で「小当たり」と判定される確率が、80/319(≒1/4)であり、「大当たり」と判定される確率が、1/319であるので、有利時短状態では高い確率で(ほぼ確実に)小当たりに当選し、第5大当たり遊技、または第6大当たり遊技が実行されることになる(図56における円で囲まれた「5」)。
ここで、前述の通り、パチンコ遊技機PY1では、連続的に時短状態で大当たりに当選、および小当たりに当選して大当たり遊技を実行できる回数が2回に制限されている。そして、その2回目の時短状態における大当たり当選、および小当たり当選に基づく大当たり遊技が実行される(その2回目の時短状態で大当たりする)とリミッターが発動し、当該大当たり遊技の終了に伴って強制的に通常遊技状態に移行する。
このように、4回のラウンド遊技を含む第1大当たり遊技が実行された後には、高い確率で(ほぼ確実に)10回のラウンド遊技を含む第5大当たり遊技、または第6大当たり遊技が一体的に且つ連続的に2回実行されて、通常遊技状態になる。したがって、通常遊技状態で大当たり図柄Aの停止表示が実行されると、高い確率で(ほぼ確実に)3回の大当たり遊技に亘って合計24回のラウンド遊技が実行されることになる。以下において、この通常遊技状態における大当たり図柄Aの停止表示に基づく一体的且つ連続的な3回の大当たり遊技(1回の第1大当たり遊技と2回の第5大当たり遊技、または第6大当たり遊技)を、1つの大当たり遊技として取り扱って「第1セット大当たり」と称する。
また、2回目の第5大当たり遊技、および第6大当たり遊技、言い換えると第1セット大当たりに係る最後の大当たり遊技(リミッター大当たり遊技)の終了に応じて通常遊技状態に移行するが、パチンコ遊技機PY1での特図2保留数の上限値は「4」であるので、リミッター大当たり遊技の直後は通常遊技状態にて最大で4回の特図2可変表示が実行されることになる。
なお、パチンコ遊技機PY1は、右打ちで遊技球を発射させ続けていると第2始動口12に入賞させ易く構成されているので、リミッター大当たり遊技が開始される直前の特図2保留数は上限値(4つ)まで溜まっており、リミッター大当たり遊技の直後の通常遊技状態にて4回の特図2可変表示が実行されると想定される。
また、以下において、リミッター大当たり遊技の終了後に通常遊技状態になる場合の当該通常遊技状態移行時に残存している特図2保留のことを「残保留」と称する。そして、リミッター大当たり遊技の終了時に残保留がある場合は、当該リミッター大当たり遊技の終了に応じて通常遊技状態に移行する際に、演出モードが特殊モードになり、残保留に係る特図2可変表示に対応する特図変動演出は特殊モードで行われる(図56における円で囲まれた「7」)。特殊モードの演出内容は後述する。
通常遊技状態における残保留に基づく全ての大当たり判定でハズレとなった場合、通常遊技状態における最後の特図2可変表示が終了することに応じて通常演出モードになる(図56における円で囲まれた「16」)。この時点で、特図2保留がなく、通常遊技状態であることから、再び左打ちで遊技球を発射させることによって第1始動口11へ入賞させ、当該入賞に基づく特図1抽選で大当たり当選を狙う遊技が行われることになる。
ここで、通常遊技状態における特図2抽選に係る大当たり判定で「小当たり」と判定される確率は、80/319(≒1/4)であるので、残保留が4つあると、約68%の確率で小当たり当選できることになる。したがって、通常遊技状態になったものの、通常遊技状態への移行時の特図2保留数が4つあれば、残保留全体で捉えると、小当たり当選できない可能性よりも小当たり当選できる可能性の方が高いので、遊技者は大当たりに対して期待することができる。
通常遊技状態における残保留に基づく大当たり判定で小当たりとなった場合、当該小当たり遊技の後に大当たり遊技が実行されるが、前述の通り、通常遊技状態において小当たり図柄が停止表示する場合、小当たり図柄種別によって当該大当たり遊技の後の時短状態に係る時短規定回数が異なる。
通常遊技状態において小当たり図柄Aが停止表示して大当たりした場合(図56における円で囲まれた「10」)、当該第5大当たり遊技の終了に応じて有利時短状態、且つ時短演出モードになるので(図56における円で囲まれた「11」)、この後の遊技の流れは、通常遊技状態での大当たり図柄Aの停止表示に基づく第1大当たり遊技が実行された後と同じになる。したがって、この後、合計で2回の第5大当たり遊技、または第6大当たり遊技が実行される可能性が高い(図56における円で囲まれた「5」→「6」→「5」)。そして、2回目の大当たり遊技が実行されることによってリミッターが作動し、2回目の第5大当たり遊技、または第6大当たり遊技の後に通常遊技状態に移行する(図56における円で囲まれた「7」)。なお、有利時短状態における小当たり図柄の停止表示に基づく第5大当たり遊技、または第6大当たり遊技の終了に応じて有利時短状態になる際には、演出モードが時短演出モードになり、有利時短状態では時短演出モードによる演出(特に、特図変動演出)が実行される。
このように、通常遊技状態で残保留が消化されているときに小当たり図柄Aの停止表示が実行されると、高い確率で(ほぼ確実に)当該小当たり図柄Aの停止表示に基づく第5大当たり遊技を含めて3回の大当たり遊技(1回の第5大当たり遊技と2回の第5大当たり遊技、または第6大当たり遊技)が一体的且つ連続的に実行され、当該3回の大当たり遊技に亘って合計で30回のラウンド遊技が実行される。以下において、この通常遊技状態における小当たり図柄Aの停止表示に基づく一体的且つ連続的な3回の大当たり遊技を1つの大当たり遊技として取り扱って「第2セット大当たり」と称する。
一方、通常遊技状態において小当たり図柄Bが停止表示して大当たりした場合(図56における円で囲まれた「12」)、当該第6大当たり遊技の終了に応じて不利時短状態になる。ここで、当該不利時短状態おける特図2抽選に係る大当たり判定で「小当たり」と判定される確率は、80/319(≒1/4)であり、「ハズレ」と判定される確率は、238/319であるので、この1回の大当たり判定では「小当たり」と判定される可能性よりも「ハズレ」と判定される可能性の方が高い。
しかし、この時短規定回数が1回の時短状態(不利時短状態)における特図2可変表示は特図2保留を上限値まで溜める期間と位置づけられており、当該特図2可変表示が行われている間に右打ちで遊技球を発射させ続けることで特図2保留を上限値まで溜めることが可能である。なお、第6大当たり遊技の終了に応じて不利時短状態になる際には、演出モードがチャージモードになる(図56における円で囲まれた「13」)。チャージモードの演出内容は後述する。
そして、不利時短状態、且つチャージモードにおける1回の特図2可変表示でハズレ図柄が停止表示されると、当該停止表示に応じて時短状態から通常遊技状態に移行するが、この場合も、リミッター大当たり遊技の直後と同じように、通常遊技状態にて最大で4回の特図2可変表示が実行されることになると共に、特殊モードになる(図56における円で囲まれた「9」)。そして、この後の遊技の流れは、リミッター大当たり遊技終了後と同じになる。したがって、通常遊技状態における特図2可変表示で小当たり図柄Aの停止表示が行われると、そこから第2セット大当たりが行われる。一方、通常遊技状態における特図2可変表示で小当たり図柄Bの停止表示が行われると、第6大当たり遊技が実行されてから不利時短状態に移行すると共にチャージモードになり、再び特図2保留を上限値まで溜めることとなる。
なお、以下において、時短規定回数が1回の時短状態(不利時短状態)の終了後に通常遊技状態になる場合の当該通常遊技状態移行時に残存している特図2保留のことも「残保留」と称する。
また、不利時短状態、且つチャージモードおける1回の特図2可変表示で小当たり図柄Aが停止表示して大当たりすると(図56における円で囲まれた「14」)、第5大当たり遊技が実行されて有利時短状態になると共に、時短演出モードになる(図56における円で囲まれた「11」)。前述の通り、有利遊技状態になると高い確率で(ほぼ確実に)第5大当たり遊技、または第6大当たり遊技が実行されることになるが(図56における円で囲まれた「5」)、その前の第5大当たり遊技は時短状態における小当たり当選に基づいて実行されているので、当該有利時短状態で大当たりに当選、または小当たりに当選して大当たり遊技が実行されるとリミッターが発動し、当該大当たり遊技後に通常遊技状態になると共に、特殊モードになる(図56における円で囲まれた「7」)。
したがって、不利時短状態、且つチャージモードにおいて小当たり図柄Aの停止表示が行われると、高い確率で(ほぼ確実に)2回の第5大当たり遊技、または第6大当たり遊技が実行され、当該2回の大当たり遊技に亘って合計20回のラウンド遊技が実行される。
また、不利時短状態、且つチャージモードおける1回の特図2可変表示で小当たり図柄Bが停止表示して大当たりすると(図56における円で囲まれた「15」)、第6大当たり遊技が実行されてから有利時短状態になると共に、時短演出モードになる(図56における円で囲まれた「17」)。したがって、この後は、不利時短状態、且つチャージモードにおいて小当たり図柄Aの停止表示が行われた場合と同様に、高い確率で(ほぼ確実に)2回の第5大当たり遊技、または第6大当たり遊技が実行され、当該2回の大当たり遊技に亘って合計20回のラウンド遊技が実行される。
このように、不利時短状態、且つチャージモードにおいて小当たり図柄Aの停止表示、または小当たり図柄Bの停止表示が行われて有利時短状態になると共に、時短演出モードになると、高い確率で(ほぼ確実に)2回の第5大当たり遊技、または第6大当たり遊技が実行され、当該2回の大当たり遊技に亘って合計20回のラウンド遊技が実行される。以下において、この不利時短状態における小当たり図柄A、または小当たり図柄Bの停止表示に基づく一体的且つ連続的な2回の大当たり遊技(2回の第5大当たり遊技、または第6大当たり遊技)を1つの大当たり遊技として取り扱って「第3セット大当たり」と称する。第3セット大当たりに係るリミッター大当たり遊技の終了後の遊技の流れは、第1セット大当たりに係るリミッター大当たり遊技の終了後と同じである。
なお、不利時短状態おける特図2可変表示で小当たり図柄A、または小当たり図柄Bが停止表示されて、第3セット大当たりが実行される場合、当該第3セット大当たりの前に第5大当たり遊技、または第6大当たり遊技も実行されているので、実際には3回の大当たり遊技(第5大当たり遊技、または第6大当たり遊技→第3セット大当たり)が一体的且つ連続的に実行されていることになる。しかし、不利時短状態では小当たり当選よりもハズレとなる可能性の方が高く、第3セット大当たりは積極的には予定されていないため、当該一体的且つ連続的な第6大当たり遊技、および第3セット大当たりは、第1セット大当たりや第2セット大当たりのように一連のまとまった大当たり遊技として位置づけないこととする。
次に、通常遊技状態において大当たり図柄Bの停止表示が行われた後の想定される遊技フローについて説明する。この場合は、8回のラウンド遊技を含む第2大当たり遊技が実行され(図56における円で囲まれた「2」)、当該第2大当たり遊技の終了に応じて、時短規定回数が1回の時短状態(不利時短状態)になると共に、前述と同じチャージモードになる(図56における円で囲まれた「8」)。
不利時短状態になったという点では、前述のように、通常遊技状態における残保留に基づく特図2可変表示で小当たり図柄Bの停止表示が実行された後と同じである。しかし、この場合はその前に時短状態で遊技が行われておらず、特図2保留がないと想定される状況である。そこで、この時短規定回数が1回の時短状態(不利時短状態)における特図2可変表示も特図2保留を上限値までためる期間と位置づけられており、当該特図2可変表示が行われている間に右打ちで遊技球を発射させ続けることで特図2保留を上限値まで溜めることが可能である。
なお、第1実施形態において、時短状態の終了条件を構成する時短規定回数の対象は特図2可変表示であるので、第2大当たり遊技後の時短状態開始時に特図1保留があり、当該特図1保留に基づく特図1可変表示が実行されたとしても不利時短状態が終了することはない。
また、第2大当たり遊技の終了に応じて不利時短状態になった場合、その時点での特図2保留の有無の点で、通常遊技状態における残保留に基づく特図2可変表示で小当たり図柄Bの停止表示が実行された後の不利時短状態の場合と異なるが、その後の遊技フローは同じである。したがって、不利時短状態で小当たり当選する可能性はハズレになる可能性よりも低く、通常遊技状態、且つ特殊モードに移行する可能性が高いが、当該通常遊技状態、且つ特殊モードにおいて、残保留に基づく特図2可変表示で小当たり図柄A、または小当たり図柄B(小当たり図柄)の停止表示が実行されることを狙うことになる。
次に、通常遊技状態において大当たり図柄Cの停止表示が行われた後の想定される遊技フローについて説明する。この場合は、8回のラウンド遊技を含む第3大当たり遊技が実行され(図56における円で囲まれた「3」)、当該第3大当たり遊技の終了に応じて、通常遊技状態になると共に、通常演出モードになる(図56における円で囲まれた「18」)。つまり、第3大当たり遊技が実行されたものの、そこで遊技者に有利な遊技状態は終了して、当該第3大当たり遊技の前と同じような状況に戻ったことになる。
また、通常遊技状態において天井到達した後は(図56における円で囲まれた「19」)、遊技状態、および演出モードについて、通常遊技状態で大当たり図柄Aが停止表示して第1大当たり遊技が実行された後と同じ状況になる。
そして、前述の通り、第1大当たり遊技が実行された後は、高い確率で(ほぼ確実に)合計で2回の第5大当たり遊技、または第6大当たり遊技が実行されるが(図56における円で囲まれた「5」→「6」→「5」)、何れの大当たり遊技も小当たり当選を契機に実行されるため、2回目の大当たり遊技が実行されたところでリミッターが発動し、当該2回目の大当たり遊技の終了に応じて通常遊技状態になると共に、特殊モードになる(図56における円で囲まれた「7」)。したがって、天井到達によって有利遊技状態になった場合、高い確率で(ほぼ確実に)2回の第5大当たり遊技、または第6大当たり遊技が実行され、当該2回の大当たり遊技に亘って合計で20回のラウンド遊技が実行されることになる。以下において、この天井到達に基づく一体的且つ連続的な2回の大当たり遊技(2回の第5大当たり遊技、または第6大当たり遊技)を1つの大当たり遊技として取り扱って「第4セット大当たり」と称する。なお、第4セット大当たりが行われた後の遊技フローは、第1セット大当たりが行われた後と同じである。
なお、有利時短状態、且つ時短演出モード、不利時短状態、且つチャージモード、および通常遊技状態、且つ特殊モードにおいて、特図2抽選に係る大当たり判定で「大当たり」と判定されることもある。この場合の大当たり図柄種別判定では大当たり図柄Dが判定されることになり、当該大当たり判定に対応した特図2可変表示で大当たり図柄Dの停止表示が行われた後(大当たり4した後)の遊技フローは、同一の遊技状態、且つ演出モードで小当たり図柄Aの停止表示が行われて遊技球が特定領域16を通過した(大当たり5した)場合と同一になる。
また、前述の通り、パチンコ遊技機PY1においては、複数回の一体的且つ連続的な大当たり遊技が1つの大当たり遊技として取り扱れ、このような、大当たり遊技として、第1セット大当たり、第2セット大当たり、第3セット大当たり、および第4セット大当たりがあるが、以下において、これらを「セット大当たり」と総称する。
次に、第1実施形態に係る特図変動パターン判定、および特図変動パターンについて説明する。特図変動パターン判定は、特図変動パターン判定テーブルに基づいて行われる。特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル、特図2変動パターン判定テーブル)は、通常遊技状態のときに用いられる特図変動パターン判定テーブルと、有利時短状態のときに用いられる特図変動パターン判定テーブルと、不利時短状態のときに用いられる特図変動パターン判定テーブルとで分けられている。
以下において、通常遊技状態のときに用いられる特図変動パターン判定テーブルのことを「通常特図変動パターン判定テーブル」と称し、有利時短状態のときに用いられる特図変動パターン判定テーブルのことを「有利時短特図変動パターン判定テーブル」と称し、不利時短状態のときに用いられる特図変動パターン判定テーブルのことを「不利時短特図変動パターン判定テーブル」と称する。また、通常特図変動パターン判定テーブルの中で特図1に係るものを「通常特図1変動パターン判定テーブル」と称し、特図2に係るものを「通常特図2変動パターン判定テーブル」と称する。同様に、有利時短特図変動パターン判定テーブルの中で特図1に係るものを「有利時短特図1変動パターン判定テーブル」と称し、特図2に係るものを「有利時短特図2変動パターン判定テーブル」と称し、不利時短特図変動パターン判定テーブルの中で特図1に係るものを「不利時短特図1変動パターン判定テーブル」と称し、特図2に係るものを「不利時短特図2変動パターン判定テーブル」と称する。
また、通常特図2変動パターン判定テーブルには、リミッター大当たり遊技が終了してから、または時短状態において当該時短規定回数の特図2可変表示が実行されたことに伴って当該時短状態が終了してから3回の特図2可変表示が行われるまでに参照されるものと、それ以外のものとがある。以下において、前者を「特殊通常特図2変動パターン判定テーブル」と称し、後者を「一般通常特図2変動パターン判定テーブル」と称する。したがって、大当たり遊技の終了後や時短状態の終了後に通常遊技状態に移行したときに特図2保留が4つある場合、当該残保留の中で最後に実行される特図2可変表示については、一般通常特図2変動パターン判定テーブルが参照されることになる。
図57(A)は一般通常特図2変動パターン判定テーブルの構成例であり、図57(B)は特殊通常特図2変動パターン判定テーブルの構成例である。また、図58(A)は有利時短特図1変動パターン判定テーブルの構成例であり、図58(B)は有利時短特図2変動パターン判定テーブルの構成例である。さらに、図59(A)は不利時短特図1変動パターン判定テーブルの構成例であり、図59(B)は不利時短特図2変動パターン判定テーブルの構成例である。なお、通常特図1変動パターン判定テーブルは、基本的な実施形態における図11の特図1変動パターン判定テーブルの非時短状態の部分と同一に構成されている。したがって、通常特図1変動パターン判定テーブルの図示は省略する。
次に、パチンコ遊技機PY1が決定可能な特図変動パターンを説明する前に、パチンコ遊技機PY1が実行可能な演出について説明する。パチンコ遊技機PY1は、特殊演出、およびチャージ演出を実行可能である。特殊演出は特殊モードで実行され、チャージ演出はチャージモードで実行される。
また、特殊演出、およびチャージ演出は共に、特図変動パターン判定結果、言い換えると大当たり判定結果に基づいて実行され、当該特図変動パターン判定結果(大当たり判定結果)に応じた特図可変表示に対応して実行される。そして、特殊演出、およびチャージ演出は、特図変動演出を構成し、最終的には、その演出内容で大当たり判定結果を報知する。
特殊演出には、第1特殊演出と第2特殊演出がある。第1特殊演出は、特殊モードになってから3回目の特図2可変表示が実行されるまで実行され、第2特殊演出は、特殊モードになってから4回目の特図2可変表示で実行される。したがって、特殊モードになってから3回目の特図2可変表示が終了する時点で特図2保留がない場合、第2特殊演出は実行されない。
また、第1特殊演出の詳細は後述するが、第1特殊演出では、動画(アニメーション)で構成された第1特殊演出専用の背景画像が表示部50aの全体に表示される。この背景画像に係る動画の内容は、野球における1打席の対決で構成されている。そして、第1特殊演出には、相対的に最も長い演出時間の長時間第1特殊演出と、相対的に最も短い演出時間の短時間第1特殊演出と、演出時間が長時間第1特殊演出よりも短く短時間第1特殊演出よりも長い中時間第1特殊演出とがある。後述するように、長時間第1特殊演出に係る演出時間、中時間第1特殊演出に係る演出時間、および短時間第1特殊演出に係る演出時間は、特図変動時間に対応付けられている。
特殊モードにおいて第1特殊演出を実行可能な期間(通常遊技状態に移行してから3回目の特図2可変表示が実行されるまでの期間)の特図2可変表示の特図2変動パターンは、特殊通常特図2変動パターン判定テーブルを参照して決定される。図57(C)に示すように、特殊通常特図2変動パターン判定テーブルには、「大当たり」に対応付けられた特殊通常特図2変動パターン判定テーブルと、「小当たり」に対応付けられた特殊通常特図2変動パターン判定テーブルと、「ハズレ」に対応付けられた特殊通常特図2変動パターン判定テーブルとがある。
各特殊通常特図2変動パターン判定テーブルは、3種類の特図2変動パターンが選択可能に構成されている。大当たりに係る特殊通常特図2変動パターン判定テーブルでは、長時間第1特殊演出が実行される特図変動パターン(長第1特殊大当たり変動)と、中時間第1特殊演出が実行される特図変動パターン(中第1特殊大当たり変動)と、短時間第1特殊演出が実行される特図変動パターン(短第1特殊大当たり変動)とが選択可能である。小当たりに係る特殊通常特図2変動パターン判定テーブルでは、長時間第1特殊演出が実行される特図変動パターン(長第1特殊小当たり変動)と、中時間第1特殊演出が実行される特図変動パターン(中第1特殊小当たり変動)と、短時間第1特殊演出が実行される特図変動パターン(短第1特殊小当たり変動)とが選択可能である。ハズレに係る特殊通常特図2変動パターン判定テーブルでは、長時間第1特殊演出が実行される特図変動パターン(長第1特殊ハズレ変動)と、中時間第1特殊演出が実行される特図変動パターン(中第1特殊ハズレ変動)と、短時間第1特殊演出が実行される特図変動パターン(短第1特殊ハズレ変動)とが選択可能である。このように、大当たり判定結果が大当たりの場合、小当たりの場合、およびハズレの場合に、長時間第1特殊演出、中時間第1特殊演出、および短時間第1特殊演出が選択可能であるので、何れの種類の第1特殊演出が実行されても大当たり図柄の停止表示、および小当たり図柄の停止表示が実行される可能性がある。すなわち、長時間第1特殊演出、中時間第1特殊演出、および短時間第1特殊演出は、大当たりになる可能性があることを示唆する演出であり、小当たりになる可能性があることを示唆する演出である。
また、大当たりに係る特殊通常特図2変動パターン判定テーブルでは、85%の確率で長第1特殊大当たり変動が選択され、10%の確率で中第1特殊大当たり変動が選択され、5%の確率で短第1特殊大当たり変動が選択される。また、小当たりに係る特殊通常特図2変動パターン判定テーブルでは、50%の確率で長第1特殊小当たり変動が選択され、35%の確率で中第1特殊小当たり変動が選択され、15%の確率で短第1特殊小当たり変動が選択される。さらに、ハズレに係る特殊通常特図2変動パターン判定テーブルでは、10%の確率で長第1特殊ハズレ変動が選択され、30%の確率で中第1特殊ハズレ変動が選択され、60%の確率で短第1特殊ハズレ変動が選択される。したがって、長時間第1特殊演出は、中時間第1特殊演出、および小時間第1特殊演出よりも大当たりになる可能性が高いことを示唆する演出であり、小当たりになる可能性が高いことを示唆する演出である。また、中時間第1特殊演出は、小時間第1特殊演出よりも大当たりになる可能性が高いことを示唆する演出であり、小当たりになる可能性が高いことを示唆する演出である。
また、第2特殊演出では、所定内容の動画(アニメーション)で構成された第2特殊演出専用の背景画像が表示部50aの全体に表示される。なお、第2特殊演出の演出内容の説明は省略する。特殊演出モードにおいて第2特殊演出を実行可能な期間の特図2可変表示(通常遊技状態に移行してから4回目の特図2可変表示)の特図2変動パターンは、一般通常特図2変動パターン判定テーブルを参照して決定される。図57(B)に示すように、特殊通常特図2変動パターン判定テーブルには、「大当たり」に対応付けられた一般通常特図2変動パターン判定テーブルと、「小当たり」に対応付けられた一般通常特図2変動パターン判定テーブルと、「ハズレ」に対応付けられた一般通常特図2変動パターン判定テーブルとがある。
各一般通常特図2変動パターン判定テーブルは、1種類の特図2変動パターンが選択可能に構成されている。大当たりに係る一般通常特図2変動パターン判定テーブルでは、第2特殊演出が実行される特図変動パターン(第2特殊大当たり変動)が選択可能である。小当たりに係る一般通常特図2変動パターン判定テーブルでは、第2特殊演出が実行される特図変動パターン(第2特殊小当たり変動)が選択可能である。ハズレに係る一般通常特図2変動パターン判定テーブルでは、第2特殊演出が実行される特図変動パターン(第2特殊ハズレ変動)が選択可能である。このように、大当たり判定結果が大当たりの場合、小当たりの場合、およびハズレの場合に、第2特殊演出が選択可能であるので、第2特殊演出が実行されると大当たり図柄の停止表示、および小当たり図柄の停止表示が実行される可能性がある。すなわち、第2特殊演出は、大当たりになる可能性があることを示唆する演出であり、小当たりになる可能性があることを示唆する演出である。
また、チャージ演出では、所定内容の動画(アニメーション)で構成されたチャージ演出専用の背景画像が表示部50aに表示される。なお、第2特殊演出の演出内容の説明は省略する。チャージモードにおいてチャージ演出を実行可能な期間の特図2可変表示(不利時短状態に移行してから1回目の特図2可変表示)の特図2変動パターンは、不利時短特図2変動パターン判定テーブルを参照して決定される。図58(B)に示すように、不利時短特図2変動パターン判定テーブルには、「大当たり」に対応付けられた不利時短特図2変動パターン判定テーブルと、「小当たり」に対応付けられた不利時短特図2変動パターン判定テーブルと、「ハズレ」に対応付けられた不利時短特図2変動パターン判定テーブルとがある。
各不利時短特図2変動パターン判定テーブルは、1種類の特図2変動パターンが選択可能に構成されている。大当たりに係る不利時短特図2変動パターン判定テーブルでは、チャージ演出が実行される特図変動パターン(チャージ大当たり変動)が選択可能である。小当たりに係る不利時短特図2変動パターン判定テーブルでは、チャージ演出が実行される特図変動パターン(チャージ小当たり変動)が選択可能である。ハズレに係る不利時短特図2変動パターン判定テーブルでは、チャージ演出が実行される特図変動パターン(チャージハズレ変動)が選択可能である。このように、大当たり判定結果が大当たりの場合、小当たりの場合、およびハズレの場合に、チャージ演出が選択可能であるので、チャージ演出が実行されると大当たり図柄の停止表示、および小当たり図柄の停止表示が実行される可能性がある。すなわち、チャージ演出は、大当たりになる可能性があることを示唆する演出であり、小当たりになる可能性があることを示唆する演出である。
なお、先述の通り、チャージモードは、時短規定回数が1回の時短状態に対応した演出モードであり、この1回の特図2可変表示において、遊技者に特図2保留を溜めさせることを狙いとしている。そこで、当該特図2可変表示において特図2保留を最大で4つ溜められる十分な時間を確保するために、チャージ大当たり変動に係る特図変動時間、チャージ小当たり変動に係る特図変動時間、およびチャージハズレ変動に係る特図変動時間は何れも40秒に設定されている。
次に、遊技制御用マイコン101が行う処理であって、処理内容が基本的な実施形態と大きく異なる処理、および基本的な実施形態では行われていなかった処理について説明する。なお、以下に説明する処理内容は一例であり、その内容に限定されない。
最初に、遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。第1実施形態に係る遊技制御側タイマ割り込み処理のフローチャートを図60に示す。図60に示すように、遊技制御用マイコン101は、基本的な実施形態で説明した遊技制御側タイマ割り込み処理(S005)における特別動作処理(S106)までは基本的な実施形態と同様に実行する。そして、遊技制御用マイコン101は、特別動作処理(S106)の後に、ステップS107として、特定領域制御処理を行う。なお、特定領域制御処理(S107)の後は、基本的な実施形態におけるその他の処理(S107)をステップS108として行う。
遊技制御用マイコン101は、特定領域制御処理(S107)において、小当たり遊技における特定領域16の開閉、言い換えると振分部材16kの動作を制御する処理を行う。遊技制御用マイコン101は、後述するように、小当たり図柄が停止表示したときに、停止表示した小当たり図柄の種別に応じた小当たり遊技特定領域制御テーブル(53参照)を遊技用RAM104の所定領域にセットし、特別動作ステータス「6」をセットする。そして、遊技制御用マイコン101は、特別動作ステータス「6」がセットされているときに、特定領域制御処理(S107)において、小当たり遊技の開始時を基準として、セットした小当たり遊技特定領域制御テーブルに基づいて、図54に示す小当たり遊技のタイムチャートが実現されるように、特定領域16の開閉(振分部材16kの動作)を制御する。
次に、センサ検知処理(S104)について説明する。ただし、遊技制御用マイコン101は、基本的な実施形態で説明したセンサ検知処理(S104)におけるステップS220までは基本的な実施形態と同様に実行する。そこで、ステップS220より後の処理について説明する。第1実施形態に係るセンサ検知処理のフローチャートであって、ステップS220より後の部分を図61に示す。
遊技制御用マイコン101は、ステップS221において、第1大入賞口14に遊技球が入賞したか否か、すなわち、第1大入賞口センサ14aによって遊技球が検知されたか否か判定する。遊技制御用マイコン101は、第1大入賞口14に遊技球が入賞していない場合(S221でNO)にはステップS225に進み、第1大入賞口14に遊技球が入賞した場合には(S221でYES)、遊技用RAM104に設けられた大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上であるか否かを判定する(S222)。
大入賞口入賞カウンタは、大当たり遊技の1回のラウンド遊技、または小当たり遊技において第1大入賞口14、および第2大入賞口15に入賞した個数を計数するためのカウンタである。なお、大入賞口入賞カウンタは大当たり遊技の各ラウンド遊技が終了するときに、または小当たり遊技が終了するときに遊技制御用マイコン101によってクリアされるものとする。第1実施形態では、1回のラウンド遊技、および1回の小当たり遊技における第1大入賞口14、および第2大入賞口15への入賞が許容されている個数(AT入賞規定個数)は「10」に設定されている。よって、ステップS222の処理、および後述のステップS226が行われる。
遊技制御用マイコン101は、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上であると(S222でYES)、ステップS225に進み、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上でない、すなわち、「11」未満であると(S222でNO)、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値を「1」加算し(S223)、遊技者に所定個数の賞球を払い出すための第1大入賞口賞球処理を行い(S224)、ステップS225に進む。なお、第1大入賞口賞球処理では、遊技制御用マイコン101は、第1大入賞口14用の賞球カウンタに、第1大入賞口14への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「15」)を加算し、第1大入賞口14へ入賞したことを示すコマンド(第1大入賞口入賞コマンド)を遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
遊技制御用マイコン101は、ステップS225において、第2大入賞口15に遊技球が入賞したか否か、すなわち、第2大入賞口センサ15aによって遊技球が検知されたか否か判定する。遊技制御用マイコン101は、第2大入賞口15に遊技球が入賞していない場合(S225でNO)にはステップS229に進み、第2大入賞口15に遊技球が入賞した場合には(S225でYES)、遊技用RAM104に設けられた大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上であるか否かを判定する(S226)。
遊技制御用マイコン101は、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上であると(S226でYES)、ステップS229に進み、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「11」以上でない、すなわち、「11」未満であると(S226でNO)、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値を「1」加算し(S227)、遊技者に所定個数の賞球を払い出すための第2大入賞口賞球処理を行い(S228)、ステップS229に進む。なお、第2大入賞口賞球処理では、遊技制御用マイコン101は、第2大入賞口15用の賞球カウンタに、第2大入賞口15への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「15」)を加算し、第1大入賞口14へ入賞したことを示すコマンド(第2大入賞口入賞コマンド)を遊技用RAM104の出力バッファにセットする。
加算する。
遊技制御用マイコン101は、ステップS229において、遊技球が特定領域16を通過したか否か、すなわち、特定領域センサ16aによって遊技球が検知されたか否か判定する。遊技制御用マイコン101は、遊技球が特定領域16を通過していない場合(S229でNO)にはステップS232に進み、遊技球が特定領域16を通過した場合には(S229でYES)、遊技球が特定領域16を通過したことを示す特定領域通過フラグを遊技用RAM104の所定領域にONし(S230)、遊技球が特定領域16を通過したことを示す特定領域通過コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットし(S231)、ステップS232に進む。
遊技制御用マイコン101は、ステップS232において、現在時短状態であるか否か、すなわち、時短フラグがONされているか否か判定する。遊技制御用マイコン101は、遊技球が時短状態でない場合(S232でNO)には当該センサ検知処理を終え、時短状態である場合には(S232でYES)、時短フラグをOFFして遊技状態をリセット、言い換えると時短状態から通常遊技状態に移行させ(S233)、通常遊技状態であることを示す遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットし(S234)、当該センサ検知処理を終える。このように、小当たり遊技において遊技球が特定領域16を通過することに応じて、時短状態から通常遊技状態になる。なお、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104の出力バッファにセットした遊技状態指定コマンドを、ステップS101の出力処理において演出制御基板120に送信する。
なお、遊技制御用マイコン101は、遊技用RAM104の出力バッファにセットした第1大入賞口入賞コマンド、第2大入賞口入賞コマンド、および特定領域通過コマンドを、ステップS101の出力処理において演出制御基板120に送信する。演出制御基板120(演出制御用マイコン121)は、第1大入賞口入賞コマンド、第2大入賞口入賞コマンド、および特定領域通過コマンドを受信することで、第1大入賞口14への入賞、第2大入賞口15への入賞、および遊技球の特定領域16の通過が行われたことを認識する。
次に、第1実施形態に係る特別動作処理について説明する。第1実施形態に係る特別動作処理のフローチャートを図62に示す。図62に示すように、第1実施形態に係る特別動作処理では、特図表示器81、特図保留表示器83、第1大入賞装置14D、および第2大入賞装置15D、ならびに特定領域装置16Dに関する処理が、6つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「特別動作ステータス=1,2,3,4,5,6」が割り当てられている。
遊技制御用マイコン101は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には、特別図柄待機処理(S1502)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には、特別図柄変動処理(S1503)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には、特別図柄確定処理(S1504)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には、大当たり遊技制御処理(S1505)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には、遊技状態設定処理(S1506)を行い、「特別動作ステータス」が「6」である場合には、小当たり遊技制御処理(S1507)を行う。なお「特別動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
小当たり遊技制御処理(S1507)は、小当たり遊技において行われる処理である。遊技制御用マイコン101は、後述するように、小当たり図柄が停止表示したときに、停止表示した小当たり図柄の種別に応じた小当たり遊技大入賞口制御テーブル(図52参照)を遊技用RAM104の所定領域にセットし、特別動作ステータス「6」をセットする。そして、遊技制御用マイコン101は、特別動作ステータス「6」がセットされているときに、小当たり遊技制御処理(S1507)において、セットした小当たり遊技大入賞口制御テーブルに基づいて、図54に示す小当たり遊技のタイムチャートが実現されるように、第2大入賞口15の開閉(第2AT開閉部材15kの動作)を制御する。
さらに、遊技制御用マイコン101は、小当たり遊技制御処理において小当たり遊技が終了するときに、遊技球が特定領域16を通過したか否か、すなわち特定領域通過フラグがONされているか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、遊技球が特定領域16を通過したと判定すると、特定領域16への通過に基づいて大当たり遊技を実行するために、大当たり図柄の停止表示が行われた場合と同様に、後述する特別図柄確定処理でのステップS1767~ステップS1770を行うと共に、特定領域通過フラグをOFFする。一方、遊技制御用マイコン101は、遊技球が特定領域16を通過していないと判定すると、次の特図可変表示を実行可能にするために「特別動作ステータス」を「1」に変更する。
また、遊技状態設定処理(S1506)は、大当たり遊技が終了する際に、大当たり遊技後に制御する遊技状態を設定する処理である。遊技制御用マイコン101は、後述するように、小当たり図柄が停止表示したときに、および大当たり図柄が停止表示したときに、そのときの遊技状態、ならびに停止表示した小当たり図柄の種別、および大当たり図柄の種別に応じた遊技状態設定テーブル(図55参照)を遊技用RAM104の所定領域にセットする。そして、遊技制御用マイコン101は、セットされている遊技状態設定テーブルに基づいて、遊技状態を設定する。
遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技後に時短状態で制御する場合は、時短フラグを遊技用RAM104の時短フラグ領域にONして時短状態に移行させる。さらにこのときに、遊技制御用マイコン101は、時短状態の継続期間を規定するために、継続期間も併せて設定する。第1実施形態では、時短状態の終了条件が特図2可変表示の実行回数であるので、遊技制御用マイコン101は、時短規定回数を遊技用RAM104に設けられた時短残り回数カウンタにセットする。なお、遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技後を通常遊技状態で制御する場合は、時短フラグを遊技用RAM104の時短フラグ領域にONしないことで通常遊技状態に移行させる。
ただし、遊技制御用マイコン101は、当該遊技状態設定処理に係る大当たり遊技がリミッター大当たり遊技に該当する場合、セットされている遊技状態設定テーブルが時短状態を設定することを示す内容であっても、時短フラグを遊技用RAM104の時短フラグ領域にONせずに通常遊技状態に移行させる。なお、遊技制御用マイコン101は、後述するリミッターフラグがONされている場合にリミッター大当たり遊技に該当すると判断する。また、この場合には、遊技制御用マイコン101は、最終的にリミッターフラグをOFFする。
また、遊技制御用マイコン101は、遊技状態設定処理(S1506)において、設定される時短状態が有利時短状態であるか不利時短状態であるか、言い換える時短状態の時短規定回数が99回であるか1回であるかを、遊技用RAM104の所定領域にセットする。遊技制御用マイコン101は、これから移行させる時短状態が有利時短状態である場合は、有利時短状態であることを示すフラグを、一方、これから移行させる時短状態が不利時短状態である場合は、不利時短状態であることを示すフラグを、遊技用RAM104の所定領域にセットする。同一の時短状態であっても有利時短状態と不利時短状態とで参照される特図変動パターン判定テーブル(特図変動パターンを決定するための条件)が異なるからである。
さらに、遊技制御用マイコン101は、遊技状態設定処理(S1506)において、大当たり遊技後に制御する遊技状態を設定するが、ここでは、基本的な実施形態のように高確率状態に設定することはないので、後述する天井残り回数カウンタに、天井に係る特定回数(第1実施形態では、800回)をセットする。この処理によって、天井到達するまでの特図可変表示の残りの実行回数がカウントされることになる。
次に、第1実施形態に係る特図2判定処理について説明する。第1実施形態に係る特図2判定処理のフローチャートを図63に示す。図63に示すように、遊技制御用マイコン101は、特図2判定処理において、まずは、ステップS1620として、第2大当たり判定を行う。遊技制御用マイコン101は、第2大当たり判定において、特図2保留記憶部105bに記憶されている特別図柄乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、第2大当たり判定テーブルに照合し、大当たり、小当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1621において、大当たり判定の結果が大当たりであるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、大当たりでないと判定すると、ステップS1626に進み、大当たりであると判定すると、ステップS1622において、特図2に係る大当たり図柄種別判定テーブルを選択し、ステップS1623において、大当たり図柄種別判定を行う。
遊技制御用マイコン101は、大当たり図柄種別判定では、特図2保留記憶部105bに記憶されている大当たり図柄種別乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、大当たり図柄種別判定テーブルに照合し、何れの大当たり図柄種別であるかを判定する。遊技制御用マイコン101は、大当たり図柄種別判定を行うと、ステップS1624において、その判定結果である大当たり図柄種別を示す図柄種別フラグを遊技用RAM104の所定領域にセットし、ステップS1625において、その判定結果である大当たり図柄種別を示す図柄指定コマンドを遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットし、当該特図2判定処理を終えて、特別図柄待機処理に処理を戻す。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1626において、大当たり判定の結果が小当たりであるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、小当たりでないと判定すると、ステップS1631に進み、小当たりであると判定すると、ステップS1627において、特図2に係る小当たり図柄種別判定テーブルを選択し、ステップS1628において、小当たり図柄種別判定を行う。
遊技制御用マイコン101は、小当たり図柄種別判定では、特図2保留記憶部105bに記憶されている小当たり図柄種別乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、小当たり図柄種別判定テーブルに照合し、何れの小当たり図柄種別であるかを判定する。遊技制御用マイコン101は、小当たり図柄種別判定を行うと、ステップS1629において、その判定結果である小当たり図柄種別を示す図柄種別フラグを遊技用RAM104の所定領域にセットし、ステップS1630において、その判定結果である小当たり図柄種別を示す図柄指定コマンドを遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットし、当該特図2判定処理を終えて、特別図柄待機処理に処理を戻す。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1631において、ハズレ図柄種別(特図2のハズレ図柄)を示す図柄種別フラグを遊技用RAM104の所定領域にセットし、ステップS1632において、ハズレ図柄種別(特図2のハズレ図柄)を示す図柄指定コマンドを遊技用RAM104に設けられた出力バッファにセットし、当該特図2判定処理を終えて、特別図柄待機処理に処理を戻す。
次に、第1実施形態に係る特別図柄確定処理について説明する。第1実施形態に係る特別図柄確定処理のフローチャートを図64に示す。
遊技制御用マイコン101は、特別図柄確定処理(S1504)ではまず、ステップS1751において、特別図柄の停止表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1703で特別動作用タイマにセットした特図確定時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、特図確定時間が経過していない場合、特別図柄確定処理を終了し、特図確定時間が経過した場合、ステップS1752において、現在停止表示している特別図柄が大当たり図柄か否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、大当たり図柄であれば、ステップS1767に進み、大当たり図柄でなければ、ステップS1752において、時短状態(時短フラグがON)であるか否かを判定する。
遊技制御用マイコン101は、時短状態でなければ、ステップS1758に進み、時短状態であれば、ステップS1754において、停止表示した特図が特図2であるか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、特図2でなければ、ステップS1758に進み、時短状態であれば、ステップS1755において、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)を「1」減算し、ステップS1756において、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」であるか否かを判定する。
遊技制御用マイコン101は、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」でなければ、ステップS1758に進み、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」であれば、ステップS1757において、時短フラグをOFFにして通常遊技状態を設定し、ステップS1758に進む。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1758において、現在停止表示している特別図柄が小当たり図柄か否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、小当たり図柄であれば、ステップS1771に進み、小当たり図柄でなければ、ステップS1759において、天井残り回数カウンタの値が「0」より大きいか否かを判定する。天井残り回数カウンタの値は、天井到達まで実行可能な特図可変表示の残りの回数(天井残り回数)を計数し、遊技用RAM104の所定領域に設けられている。
遊技制御用マイコン101は、天井残り回数が「0」より大きくなければ、ステップS1765に進み、天井残り回数が「0」より大きければ、ステップS1760において、天井残り回数カウンタの値を「1」減算し、ステップS1761において、天井残り回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。
遊技制御用マイコン101は、天井残り回数が「0」でなければ、ステップS1765に進み、天井残り回数が「0」であれば、ステップS1762において、時短フラグをONにすると共に、天井到達に基づいて移行する時短状態の終了条件に係る時短規定回数「99」回を時短残り回数カウンタにセットすることで、時短規定回数が99回の時短状態(有利時短状態)に移行させる。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS1763において、天井到達したことを示すコマンド(天井到達指定コマンド)を遊技用RAM104の出力バッファにセットし、ステップS1764において、リミッタ発動カウンタに「2」をセットし、ステップS1765に進む。リミッタ発動カウンタは、リミッターが発動するまでに実行可能な大当たり遊技の実行回数を示し、遊技用RAM104の所定領域に設けられている。
遊技制御用マイコン101は、ステップS1765において、時短フラグのON/OFFを確認して、現在の遊技状態を示す遊技状態指定コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットし、ステップS1766において、特別動作ステータスを「1」に変更して、特別図柄確定処理を終了する。
また、遊技制御用マイコン101は、ステップS1767において、大当たり遊技準備処理を行う。遊技制御用マイコン101は、大当たり遊技準備処理において、最初に、現在、通常遊技状態であり、且つ、リミッタ発動カウンタのカウンタ値が「0」である特定条件が成立しているか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、特定条件が成立していると判定すると、特定条件が成立していることを示す特定条件成立フラグを遊技用RAM104の所定領域にセットする。特定条件の成立は、通常遊技状態における大当たり図柄の停止表示、または小当たり図柄の停止表示に基づく大当たり遊技が開始されることを意味し、当該大当たり遊技の終了に応じて時短状態が設定されると、リミッターが発動するまで実行可能な大当たり遊技の実行回数を計数するためである。
次に、遊技制御用マイコン101は、リミッタ発動カウンタのカウンタ値が「1」以上であるか否かを判定する。ここで、遊技制御用マイコン101は、リミッタ発動カウンタのカウンタ値が「1」以上である場合は、リミッタ発動カウンタのカウンタ値を「1」減算して、リミッタ発動カウンタのカウンタ値が「0」になったか否かを判定する。遊技制御用マイコン101は、リミッタ発動カウンタのカウンタ値が「0」になったと判定すると、これから開始される大当たり遊技はリミッター大当たり遊技に該当するので、リミッターが発動したことを示すリミッターフラグを遊技用RAM104の所定領域にONする。
続いて、遊技制御用マイコン101は、リミッターフラグのON/OFF(これから開始される大当たり遊技がリミッター大当たり遊技であるか否か)と、停止表示している小当たり図柄の種別、または大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技制御テーブルを遊技用RAM104の所定領域にセットする。
また、遊技制御用マイコン101は、現在の遊技状態と、停止表示している小当たり図柄の種別、または大当たり図柄の種別に応じた遊技状態設定テーブルを遊技用RAM104の所定領域にセットする。
続いて、遊技制御用マイコン101は、ステップS1768において、天井残り回数カウンタの値をリセットし、ステップS1769において、時短フラグをOFFし、時短残り回数カウンタの値を「0」にすることで遊技状態をリセットし(通常遊技状態に移行させ)、ステップS1770において、特別動作ステータスを「4」に変更して、特別図柄確定処理を終了する。
また、遊技制御用マイコン101は、ステップS1771において、小当たり遊技準備処理を行い、ステップS1772において、特別動作ステータスを「6」に変更して、特別図柄確定処理を終了する。
なお、遊技制御用マイコン101は、小当たり遊技準備処理では、停止表示した小当たり図柄の種別に応じた小当たり遊技制御テーブル(小当たり遊技大入賞口制御テーブル、および小当たり遊技特定領域制御テーブル)を遊技用RAM104の所定領域にセットする。そして、遊技制御用マイコン101は、小当たり遊技大入賞口制御テーブルに基づいて、所定のオープニング時間(小当たり遊技が開始されてから第2大入賞口15の1回目の開放を開始するまでの時間)を特別動作用タイマにセットする。
また、遊技制御用マイコン101は、停止表示している小当たり図柄の種別に応じた小当たり遊技のオープニング中であることを示す小当たりオープニングフラグを遊技用RAM104の所定領域にONし、さらには、小当たり図柄の種別に応じ、小当たり図柄の種別を示すオープニングコマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。小当たり図柄の種別に応じたオープニングコマンドは、その停止表示した小当たり図柄の種別に応じた小当たり遊技(小当たり遊技のオープニング)が開始されることを表す。
なお、遊技制御用マイコン101は、遊技状態設定処理(S1506)において、特定条件成立フラグがONされている場合、時短状態に移行させるときに、リミッタ発動カウンタに「2」をセットし、特定条件成立フラグをOFFする。通常遊技状態における小当たり図柄の停止表示、および大当たり図柄の停止表示に基づく大当たり遊技の終了に伴って時短状態に移行するので、リミッターが発動するまでの大当たり遊技の残りの実行回数を計数するためである。
次に、パチンコ遊技機PY1が大当たり遊技において実行可能な演出について説明する。演出制御用マイコン121は、大当たり遊技が実行されているときに、表示部50aにおいて、賞球数に関する賞球数演出を実行する。賞球数演出は、賞球数に関する情報を表す賞球数画像G30の表示で構成されている。賞球数画像G30は、当該大当たり遊技で獲得可能な、言い換えると獲得予定の賞球数(獲得予定賞球数)を数字で表す獲得予定賞球数画像G31と、当該大当たり遊技で実際に獲得した賞球数(獲得済賞球数)を数字で表す獲得済賞球数画像G32とを含み、獲得予定賞球数画像G31を分母とし、獲得済賞球数画像G32を分子とする分数で構成されている。
獲得予定賞球数画像G31は、当該大当たり遊技において獲得予定の賞球数を表すが、当該大当たり遊技が、セット大当たりを構成する場合は、当該セット大当たり全体で獲得予定の賞球数を表す。また、同様に、獲得済賞球数画像G32は、当該セット大当たりを通じて獲得した賞球数を表す。
前述の通り、第1セット大当たり、第2セット大当たり、第3セット大当たり、および第4セット大当たりで、構成する大当たり遊技、およびラウンド遊技の数が異なる。具体的には、第1セット大当たりは、1回の第1大当たり遊技と2回の第5大当たり遊技、または第6大当たり遊技からなり、24回のラウンド遊技を含む。第2セット大当たりは、3回の第5大当たり遊技、または第6大当たり遊技からなり、30回のラウンド遊技を含む。第3セット大当たりは、1回の第5大当たり遊技と1回の第5大当たり遊技、または第6大当たり遊技からなり、20回のラウンド遊技を含む。第4セット大当たりは、2回の第5大当たり遊技、または第6大当たり遊技からなり、20回のラウンド遊技を含む。したがって、セット大当たりの種類によって、第1大入賞口14への入賞に基づいて獲得可能な遊技球の個数(賞球数)が異なる。
各ラウンド遊技に係るAT入賞規定個数は10個であり、1回の第1大入賞口14への入賞に基づく賞球数は15個であるので、第1セット大当たりでは全体で3600個の賞球を獲得可能であり、第2セット大当たりでは全体で4500個の賞球を獲得可能であり、第3セット大当たりでは全体で3000個の賞球を獲得可能であり、第4セット大当たりでは全体で3000個の賞球を獲得可能である。
したがって、第1セット大当たりに係る大当たり遊技が実行されているときには、獲得予定賞球数画像G31として「3600」が表示され、第2セット大当たりに係る大当たり遊技が実行されているときには、獲得予定賞球数画像G31として「4500」が表示され、第3セット大当たりに係る大当たり遊技が実行されているときには、獲得予定賞球数画像G31として「3000」が表示され、第4セット大当たりに係る大当たり遊技が実行されているときには、獲得予定賞球数画像G31として「3000」が表示される。
また、各セット大当たりに係る大当たり遊技においては、獲得済賞球数画像G32は、当該セット大当たりを通じて実際に獲得した賞球数を表すので、各セット大当たりに係る2回目以降の大当たり遊技が開始されるとき、獲得済賞球数画像G32として、その前回の大当たり遊技が終了するときまでに実際に獲得できた賞球数が引き継がれて表示される。したがって、各大当たり遊技の各ラウンド遊技でAT入賞規定個数に到達するまで遊技球を第1大入賞口14に入賞させることができた場合、各セット大当たりに係る2回目以降の大当たり遊技が開始されるときは、獲得済賞球数画像G32として、その前回の大当たり遊技が終了するときまでに獲得予定の賞球数が表示される。
例えば、第1セット大当たりの場合、2回目の大当たり遊技が開始されるときに獲得済賞球数画像G32として「600」が表示され、3回目の大当たり遊技が開始されるときに獲得済賞球数画像G32として「2100」が表示される。第2セット大当たりの場合、2回目の大当たり遊技が開始されるときに獲得済賞球数画像G32として「1500」が表示され、3回目の大当たり遊技が開始されるときに獲得済賞球数画像G32として「3000」が表示される。第3セット大当たりの場合、2回目の大当たり遊技が開始されるときに獲得済賞球数画像G32として「1500」が表示される。第4セット大当たりの場合、2回目の大当たり遊技が開始されるときに獲得済賞球数画像G32として「1500」が表示される。
なお、第1実施形態では、賞球数演出は、大当たり遊技のオープニングが開始してから最後のラウンド遊技が終了するまで継続的に実行される。ただし、賞球数演出の実行期間は適宜に変更しても良い。例えば、賞球数演出は、オープニングでは実行されず、ラウンド遊技で実行されるようにしても良い。また、エンディングでも賞球数演出が実行されるようにしても良い。あるいは、大当たり遊技中以外に、セット大当たりに係る大当たり遊技間の時短状態においても賞球数演出が実行されるようにしても良い。
また、前述の通り、各種セット大当たりにおいて、リミッター大当たり遊技に係るエンディング時間は10秒に設定されている。そして、リミッター大当たり遊技のエンディングにおいて、当該セット大当たりが終了することを示唆するセット大当たりエンディング演出が実行される。一方、非リミッター大当たり遊技に係る非リミッタ時間は0秒に設定されている。言い換えると、非リミッター大当たり遊技には、ラウンド遊技が終了した後のエンディングがなく、特図保留があると、最後のラウンド遊技が終了すると共に、特図可変表示が実行され得る。したがって、非リミッター大当たり遊技では、セット大当たりエンディング演出や当該大当たり遊技が終了することを示唆する演出は実行されない。
セット大当たりエンディング演出では、当該パチンコ遊技機PY1の製造会社のCI(corporate identity)を表す画像G42(CI画像G42)と、当該セット大当たりで獲得した賞球数を数字で表す画像G33(総獲得数画像G33)とが表示される。
なお、セット大当たりに係る非リミッター大当たり遊技の終了に応じて時短状態、且つ時短演出モードに移行する場合、当該大当たり遊技の終了直後に、これから時短演出モードになることを示唆する演出(時短演出モード開始示唆演出)が実行される。時短演出モード開始示唆演出は、時短演出モードになることを示唆する画像G41(時短演出モード開始示唆画像G41)の表示で構成される。
また、セット大当たりに係る非リミッター大当たり遊技の中で最初に実行される大当たり遊技の最後のラウンド遊技において、これから有利時短状態で遊技が行われ、所持する遊技球の個数が減少し難くなるので、カードユニットCUからプリペイドカードを取り出すことを注意喚起するための演出(カード抜き忘れ注意喚起演出)が行われる。カード抜き忘れ注意喚起演出は、カードユニットCUからプリペイドカードを取り出すことを注意喚起する画像G40(カード抜き忘れ注意喚起画像G40)の表示で構成される。ただし、非リミッター大当たり遊技でのカード抜き忘れ注意喚起演出は、比較的目立たない態様、具体的には、より表示部50aの端の方の位置で、表示部50aの画面全体に対して小さく実行される。ラウンド演出が実行されているからである。
また、リミッター大当たり遊技、および非リミッター大当たり遊技の何れにおいても、オープニングで、各大当たり遊技が開始されることを示唆するオープニング演出が実行され、ラウンド遊技で、ラウンド遊技が実行されていることを示唆するラウンド演出が実行される。
セット大当たりを構成しない大当たり遊技(第2大当たり遊技、第3大当たり遊技)においても、オープニングで、各大当たり遊技が開始されることを示唆するオープニング演出が実行され、ラウンド遊技で、ラウンド遊技が実行されていることを示唆するラウンド演出が実行される他、エンディングで、当該大当たり遊技が終了することを示唆するエンディング演出が実行される。
なお、第2大当たり遊技のエンディングでは、エンディング演出の後に、これからチャレンジモードになることを示唆する演出(チャレンジモード開始示唆演出)が行われる。チャレンジモード開始示唆演出は、チャレンジモードになることを示唆する画像(チャレンジモード開始示唆画像)の表示で構成される。
ここで、賞球数演出、セット大当たりエンディング演出、カード抜き忘れ注意喚起演出、時短演出モード開始示唆演出などの大当たり遊技に係る演出の具体例を図65~図74を用いて説明する。なお、以下に示す図65~図74に係る具体例においては、各ラウンド遊技で遊技球がAT入賞規定個数、第1大入賞口14に入賞すると仮定する。また、各非リミッター大当たり遊技、および第2大当たり遊技において、遊技球が特定領域16を通過し、当該大当たり遊技の終了に応じて有利時短状態になると仮定する。
図65は、第1セット大当たりに係る最初の大当たり遊技(非リミッター大当たり遊技)に関わる各種演出の具体例を示す図、図66は、第1セット大当たりに係る2回目の大当たり遊技(非リミッター大当たり遊技)に関わる各種演出の具体例を示す図、図67は、第1セット大当たりに係る最後の大当たり遊技(リミッター大当たり遊技)に関わる各種演出の具体例を示す図である。また、図68は、第2セット大当たりに係る最初の大当たり遊技(非リミッター大当たり遊技)に関わる各種演出の具体例を示す図、図69は、第2セット大当たりに係る2回目の大当たり遊技(非リミッター大当たり遊技)に関わる各種演出の具体例を示す図、図70は、第2セット大当たりに係る最後の大当たり遊技(リミッター大当たり遊技)に関わる各種演出の具体例を示す図である。さらに、図71は、第3セット大当たりに係る最初の大当たり遊技(非リミッター大当たり遊技)に関わる各種演出の具体例を示す図、図72は、第3セット大当たりに係る最後の大当たり遊技(リミッター大当たり遊技)に関わる各種演出の具体例を示す図である。また、図73は、第2大当たり遊技に関わる各種演出の具体例を示す図、図74は、第3大当たり遊技に関わる各種演出の具体例を示す図である。
図65(A)は、第1セット大当たりに係る最初の大当たり遊技(第1大当たり遊技)の開始時の様子を表している。図65(A)に示すように、表示部50aには、オープニング演出として、オープニング画像G1が表示されている。また、大当たり遊技の開始時から、賞球数演出が実行されている。具体的には、賞球数画像G30が表示されている。前述の通り、第1セット大当たりで獲得可能な賞球数は3600個であるので、獲得予定賞球数画像G31として「3600」が表示されている。また、このとき、第1セット大当たりにおいて遊技球が第1大入賞口14に入賞していないので、獲得済賞球数画像G32として「0」が表示されている。
図65(B)は、第1セット大当たりに係る最初の大当たり遊技の1回目のラウンド遊技で最初に遊技球が第1大入賞口14に入賞した直後の様子を表している。図65(B)に示すように、表示部50aには、ラウンド演出として、1回目のラウンド遊技が実行されていることを表すラウンド画像G3が表示されている。また、当該第1セット大当たりで最初に遊技球が第1大入賞口14に入賞したことから、獲得済賞球数画像G32として、1回の第1大入賞口14への入賞に係る賞球数である「15」が表示されている。
図65(C)は、第1セット大当たりに係る最初の大当たり遊技の最後(4回目)のラウンド遊技が終了する直前の様子を表している。図65(C)に示すように、表示部50aには、ラウンド演出として、4回目のラウンド遊技が実行されていることを表すラウンド画像G3が表示されている。また、当該第1セット大当たりにおける最初の大当たり遊技(第1大当たり遊技)では、最大で600個の賞球を獲得可能であり、前述のように仮定されていることから、獲得済賞球数画像G32として、当該大当たり遊技において獲得可能な賞球数である「600」が表示されている。さらに、当該大当たり遊技は第1セット大当たりに係る最初の大当たり遊技であり、当該最初の大当たり遊技の最後のラウンド遊技では、カード抜き忘れ注意喚起演出が実行されるので、表示部50aには、カード抜き忘れ注意喚起画像G40が表示されている。
図65(D)は、第1セット大当たりに係る最初の大当たり遊技が終了した直後、言い換えると、第1セット大当たりに係る最初の大当たり遊技の最後のラウンド遊技が終了した直後の様子を表している。第1セット大当たりに係る非リミッター大当たり遊技が終了して有利時短状態になる場合は、当該大当たり遊技の終了直後に時短演出モード開始示唆演出が実行され、前述のように仮定されていることから、図65(D)に示すように、表示部50aに時短演出モード開始示唆画像G41が表示される。なお、時短演出モードになったので、表示部50aには、時短用背景画像G130が表示されている。
図66(A)は、第1セット大当たりに係る2回目の大当たり遊技(第4大当たり遊技~第6大当たり遊技)の開始時の様子を表している。図66(A)に示すように、表示部50aには、オープニング演出として、オープニング画像G1が表示されている。また、大当たり遊技の開始時から、賞球数演出が実行されている。前述の通り、セット大当たりでの賞球数演出に係る獲得済賞球数画像G32は、当該セット大当たりを通じて獲得した賞球数を表す。そして、当該第1セット大当たりの最初の大当たり遊技で600個の賞球を獲得しており(図65(C)参照)、このとき、当該2回目の大当たり遊技において遊技球が第1大入賞口14に入賞していないので、獲得済賞球数画像G32として「600」が表示されている。
図66(B)は、第1セット大当たりに係る2回目の大当たり遊技の1回目のラウンド遊技で最初に遊技球が第1大入賞口14に入賞した直後の様子を表している。図66(B)に示すように、表示部50aには、ラウンド演出として、1回目のラウンド遊技が実行されていることを表すラウンド画像G3が表示されている。また、当該2回目の大当たり遊技で最初に遊技球が第1大入賞口14に入賞したことから、獲得済賞球数画像G32として、直前の「600」から、1回の第1大入賞口14への入賞に係る賞球数である「15」が加算されている。
図66(C)は、第1セット大当たりに係る2回目の大当たり遊技の最後(10回目)のラウンド遊技が終了する直前の様子を表している。図66(C)に示すように、表示部50aには、ラウンド演出として、10回目のラウンド遊技が実行されていることを表すラウンド画像G3が表示されている。また、当該第1セット大当たりにおける2回目の大当たり遊技(第4大当たり遊技~第6大当たり遊技)では、最大で1500個の賞球を獲得可能であり、前述のように仮定されていることから、獲得済賞球数画像G32として、1回目の大当たり遊技において獲得可能な賞球数(600)と合わせて「2100」が表示されている。
図66(D)は、第1セット大当たりに係る2回目の大当たり遊技が終了した直後、言い換えると、第1セット大当たりに係る2回目の大当たり遊技の最後のラウンド遊技が終了した直後の様子を表している。この場合も、第1セット大当たりに係る1回目の大当たり遊技が終了した直後と同様に、図66(D)に示すように、表示部50aに時短演出モード開始示唆画像G41が表示される。
図67(A)は、第1セット大当たりに係る最後(3回目)の大当たり遊技(第4大当たり遊技~第6大当たり遊技)の開始時の様子を表している。図67(A)に示すように、表示部50aには、オープニング演出として、オープニング画像G1が表示されている。また、大当たり遊技の開始時から、賞球数演出が実行されている。セット大当たりでの賞球数演出に係る獲得済賞球数画像G32は、当該セット大当たりを通じて獲得した賞球数を表す。そして、当該第1セット大当たりの2回目の大当たり遊技が終了するまでに2100個の賞球を獲得しており(図66(C)参照)、このとき、当該3回目の大当たり遊技において遊技球が第1大入賞口14に入賞していないので、獲得済賞球数画像G32として「2100」が表示されている。
図67(B)は、第1セット大当たりに係る3回目の大当たり遊技の1回目のラウンド遊技で最初に遊技球が第1大入賞口14に入賞した直後の様子を表している。図67(B)に示すように、表示部50aには、ラウンド演出として、1回目のラウンド遊技が実行されていることを表すラウンド画像G3が表示されている。また、当該3回目の大当たり遊技で最初に遊技球が第1大入賞口14に入賞したことから、獲得済賞球数画像G32として、直前の「2100」から、1回の第1大入賞口14への入賞に係る賞球数である「15」が加算されている。
図67(C)は、第1セット大当たりに係る3回目の大当たり遊技の最後(10回目)のラウンド遊技が終了する直前の様子を表している。図67(C)に示すように、表示部50aには、ラウンド演出として、10回目のラウンド遊技が実行されていることを表すラウンド画像G3が表示されている。また、当該第1セット大当たりにおける3回目の大当たり遊技(第4大当たり遊技~第6大当たり遊技)では、最大で1500個の賞球を獲得可能であり、前述のように仮定されていることから、獲得済賞球数画像G32として、2回目の大当たり遊技が終了するまでに獲得可能な賞球数(2100)と合わせて「3600」が表示されている。
図67(D)は、第1セット大当たりに係る3回目(最後)の大当たり遊技のエンディングの様子を表している。当該大当たり遊技はリミッター大当たり遊技であり、リミッター大当たり遊技のエンディングにおいて、当該セット大当たりが終了することを示唆するセット大当たりエンディング演出が実行される。そして、図67(D)に示すように、当該エンディングでは、セット大当たりエンディング演出として、CI画像G42、および当該第1セット大当たりで獲得した賞球数の総数を表す総獲得数画像G33が表示されている。なお、セット大当たりエンディング演出の演出時間は適宜に設定可能であるが、例えば、当該エンディングが開始されてから終了するまで実行されている。
図68(A)は、第2セット大当たりに係る最初の大当たり遊技(第4大当たり遊技~第6大当たり遊技)の開始時の様子を表している。図68(A)に示すように、表示部50aには、オープニング演出として、オープニング画像G1が表示されている。また、大当たり遊技の開始時から、賞球数演出が実行されている。具体的には、賞球数画像G30が表示されている。前述の通り、第2セット大当たりで獲得可能な賞球数は4500個であるので、獲得予定賞球数画像G31として「4500」が表示されている。また、このとき、第2セット大当たりにおいて遊技球が第1大入賞口14に入賞していないので、獲得済賞球数画像G32として「0」が表示されている。
図68(B)は、第2セット大当たりに係る最初の大当たり遊技の1回目のラウンド遊技で最初に遊技球が第1大入賞口14に入賞した直後の様子を表している。図68(B)に示すように、表示部50aには、ラウンド演出として、1回目のラウンド遊技が実行されていることを表すラウンド画像G3が表示されている。また、当該第2セット大当たりで最初に遊技球が第1大入賞口14に入賞したことから、獲得済賞球数画像G32として、1回の第1大入賞口14への入賞に係る賞球数である「15」が表示されている。
図68(C)は、第2セット大当たりに係る最初の大当たり遊技の最後(10回目)のラウンド遊技が終了する直前の様子を表している。図68(C)に示すように、表示部50aには、ラウンド演出として、10回目のラウンド遊技が実行されていることを表すラウンド画像G3が表示されている。また、当該第2セット大当たりにおける最初の大当たり遊技(第4大当たり遊技~第6大当たり遊技)では、最大で1500個の賞球を獲得可能であり、前述のように仮定されていることから、獲得済賞球数画像G32として、当該大当たり遊技において獲得可能な賞球数である「1500」が表示されている。さらに、当該大当たり遊技は第2セット大当たりに係る最初の大当たり遊技であるので、第1セット大当たりの場合と同様に、表示部50aには、カード抜き忘れ注意喚起画像G40が表示されている。
図68(D)は、第2セット大当たりに係る最初の大当たり遊技が終了した直後、言い換えると、第2セット大当たりに係る最初の大当たり遊技の最後のラウンド遊技が終了した直後の様子を表している。第2セット大当たりに係る非リミッター大当たり遊技が終了して有利時短状態になる場合は、当該大当たり遊技の終了直後に時短演出モード開始示唆演出が実行され、前述のように仮定されていることから、図68(D)に示すように、表示部50aに、時短用背景画像G130が背景画像として表示されると共に、時短用背景画像G130に重畳的に時短演出モード開始示唆画像G41が表示される。
図69(A)は、第2セット大当たりに係る2回目の大当たり遊技(第4大当たり遊技~第6大当たり遊技)の開始時の様子を表している。図69(A)に示すように、表示部50aには、オープニング演出として、オープニング画像G1が表示されている。また、大当たり遊技の開始時から、賞球数演出が実行されている。当該第2セット大当たりの最初の大当たり遊技で1500個の賞球を獲得しており(図68(C)参照)、このとき、当該2回目の大当たり遊技において遊技球が第1大入賞口14に入賞していないので、獲得済賞球数画像G32として「1500」が表示されている。
図69(B)は、第2セット大当たりに係る2回目の大当たり遊技の1回目のラウンド遊技で最初に遊技球が第1大入賞口14に入賞した直後の様子を表している。図69(B)に示すように、表示部50aには、ラウンド演出として、1回目のラウンド遊技が実行されていることを表すラウンド画像G3が表示されている。また、当該2回目の大当たり遊技で最初に遊技球が第1大入賞口14に入賞したことから、獲得済賞球数画像G32として、直前の「1500」から、1回の第1大入賞口14への入賞に係る賞球数である「15」が加算されている。
図69(C)は、第2セット大当たりに係る2回目の大当たり遊技の最後(10回目)のラウンド遊技が終了する直前の様子を表している。図69(C)に示すように、表示部50aには、ラウンド演出として、10回目のラウンド遊技が実行されていることを表すラウンド画像G3が表示されている。また、当該第2セット大当たりにおける2回目の大当たり遊技(第4大当たり遊技~第6大当たり遊技)では、最大で1500個の賞球を獲得可能であり、前述のように仮定されていることから、獲得済賞球数画像G32として、1回目の大当たり遊技において獲得可能な賞球数(1500)と合わせて「3000」が表示されている。
図69(D)は、第2セット大当たりに係る2回目の大当たり遊技が終了した直後、言い換えると、第2セット大当たりに係る2回目の大当たり遊技の最後のラウンド遊技が終了した直後の様子を表している。この場合も、第2セット大当たりに係る1回目の大当たり遊技が終了した直後と同様に、図69(D)に示すように、表示部50aに時短演出モード開始示唆画像G41が表示される。
図70(A)は、第2セット大当たりに係る最後(3回目)の大当たり遊技(第4大当たり遊技~第6大当たり遊技)の開始時の様子を表している。図70(A)に示すように、表示部50aには、オープニング演出として、オープニング画像G1が表示されている。また、大当たり遊技の開始時から、賞球数演出が実行されている。当該第2セット大当たりの2回目の大当たり遊技が終了するまでに3000個の賞球を獲得しており(図69(C)参照)、このとき、当該3回目の大当たり遊技において遊技球が第1大入賞口14に入賞していないので、獲得済賞球数画像G32として「3000」が表示されている。
図70(B)は、第2セット大当たりに係る3回目の大当たり遊技の1回目のラウンド遊技で最初に遊技球が第1大入賞口14に入賞した直後の様子を表している。図70(B)に示すように、表示部50aには、ラウンド演出として、1回目のラウンド遊技が実行されていることを表すラウンド画像G3が表示されている。また、当該3回目の大当たり遊技で最初に遊技球が第1大入賞口14に入賞したことから、獲得済賞球数画像G32として、直前の「3000」から、1回の第1大入賞口14への入賞に係る賞球数である「15」が加算されている。
図70(C)は、第2セット大当たりに係る3回目の大当たり遊技の最後(10回目)のラウンド遊技が終了する直前の様子を表している。図70(C)に示すように、表示部50aには、ラウンド演出として、10回目のラウンド遊技が実行されていることを表すラウンド画像G3が表示されている。また、当該第2セット大当たりにおける3回目の大当たり遊技(第4大当たり遊技~第6大当たり遊技)では、最大で1500個の賞球を獲得可能であり、前述のように仮定されていることから、獲得済賞球数画像G32として、2回目の大当たり遊技が終了するまでに獲得可能な賞球数(3000)と合わせて「4500」が表示されている。
図70(D)は、第2セット大当たりに係る3回目(最後)の大当たり遊技のエンディングの様子を表している。当該大当たり遊技はリミッター大当たり遊技であり、リミッター大当たり遊技のエンディングにおいて、当該セット大当たりが終了することを示唆するセット大当たりエンディング演出が実行される。そして、図70(D)に示すように、当該エンディングでは、セット大当たりエンディング演出として、CI画像G42、および当該第2セット大当たりで獲得した賞球数の総数を表す総獲得数画像G33が表示されている。なお、セット大当たりエンディング演出の演出時間は適宜に設定可能であるが、例えば、当該エンディングが開始されてから終了するまで実行されている。
図71(A)は、第3セット大当たりに係る最初の大当たり遊技(第4大当たり遊技~第6大当たり遊技)の開始時の様子を表している。図71(A)に示すように、表示部50aには、オープニング演出として、オープニング画像G1が表示されている。また、大当たり遊技の開始時から、賞球数演出が実行されている。具体的には、賞球数画像G30が表示されている。前述の通り、第3セット大当たりで獲得可能な賞球数は3000個であるので、獲得予定賞球数画像G31として「3000」が表示されている。また、このとき、第3セット大当たりにおいて遊技球が第1大入賞口14に入賞していないので、獲得済賞球数画像G32として「0」が表示されている。
図71(B)は、第3セット大当たりに係る最初の大当たり遊技の1回目のラウンド遊技で最初に遊技球が第1大入賞口14に入賞した直後の様子を表している。図71(B)に示すように、表示部50aには、ラウンド演出として、1回目のラウンド遊技が実行されていることを表すラウンド画像G3が表示されている。また、当該第3セット大当たりで最初に遊技球が第1大入賞口14に入賞したことから、獲得済賞球数画像G32として、1回の第1大入賞口14への入賞に係る賞球数である「15」が表示されている。
図71(C)は、第3セット大当たりに係る最初の大当たり遊技の最後(10回目)のラウンド遊技が終了する直前の様子を表している。図71(C)に示すように、表示部50aには、ラウンド演出として、10回目のラウンド遊技が実行されていることを表すラウンド画像G3が表示されている。また、当該第3セット大当たりにおける最初の大当たり遊技(第4大当たり遊技~第6大当たり遊技)では、最大で1500個の賞球を獲得可能であり、前述のように仮定されていることから、獲得済賞球数画像G32として、当該大当たり遊技において獲得可能な賞球数である「1500」が表示されている。さらに、当該大当たり遊技は第3セット大当たりに係る最初の大当たり遊技であるので、第1セット大当たりや第2セット大当たりの場合と同様に、表示部50aには、カード抜き忘れ注意喚起画像G40が表示されている。
図71(D)は、第3セット大当たりに係る最初の大当たり遊技が終了した直後、言い換えると、第3セット大当たりに係る最初の大当たり遊技の最後のラウンド遊技が終了した直後の様子を表している。第3セット大当たりに係る非リミッター大当たり遊技が終了して有利時短状態になる場合は、当該大当たり遊技の終了直後に時短演出モード開始示唆演出が実行され、前述のように仮定されていることから、図71(D)に示すように、表示部50aに、時短用背景画像G130が背景画像として表示されると共に、時短用背景画像G130に重畳的に時短演出モード開始示唆画像G41が表示される。
図72(A)は、第3セット大当たりに係る最後(2回目)の大当たり遊技(第4大当たり遊技~第6大当たり遊技)の開始時の様子を表している。図72(A)に示すように、表示部50aには、オープニング演出として、オープニング画像G1が表示されている。また、大当たり遊技の開始時から、賞球数演出が実行されている。当該第3セット大当たりの1回目の大当たり遊技が終了するまでに1500個の賞球を獲得しており(図71(C)参照)、このとき、当該2回目の大当たり遊技において遊技球が第1大入賞口14に入賞していないので、獲得済賞球数画像G32として「1500」が表示されている。
図72(B)は、第3セット大当たりに係る2回目の大当たり遊技の1回目のラウンド遊技で最初に遊技球が第1大入賞口14に入賞した直後の様子を表している。図72(B)に示すように、表示部50aには、ラウンド演出として、1回目のラウンド遊技が実行されていることを表すラウンド画像G3が表示されている。また、当該2回目の大当たり遊技で最初に遊技球が第1大入賞口14に入賞したことから、獲得済賞球数画像G32として、直前の「1500」から、1回の第1大入賞口14への入賞に係る賞球数である「15」が加算されている。
図72(C)は、第3セット大当たりに係る2回目の大当たり遊技の最後(10回目)のラウンド遊技が終了する直前の様子を表している。図72(C)に示すように、表示部50aには、ラウンド演出として、10回目のラウンド遊技が実行されていることを表すラウンド画像G3が表示されている。また、当該第3セット大当たりにおける最後の大当たり遊技(第4大当たり遊技~第6大当たり遊技)では、最大で1500個の賞球を獲得可能であり、前述のように仮定されていることから、獲得済賞球数画像G32として、1回目の大当たり遊技が終了するまでに獲得可能な賞球数(1500)と合わせて「3000」が表示されている。
図72(D)は、第3セット大当たりに係る2回目(最後)の大当たり遊技のエンディングの様子を表している。当該大当たり遊技はリミッター大当たり遊技であり、リミッター大当たり遊技のエンディングにおいて、当該セット大当たりが終了することを示唆するセット大当たりエンディング演出が実行される。そして、図72(D)に示すように、当該エンディングでは、セット大当たりエンディング演出として、CI画像G42、および、当該第3セット大当たりで獲得した賞球数の総数を表す総獲得数画像G33が表示されている。なお、セット大当たりエンディング演出の演出時間は適宜に設定可能であるが、例えば、当該エンディングが開始されてから終了するまで実行されている。
なお、図67(D)、図70(D)、および図72(D)では、セット大当たりエンディング演出として、CI画像G42の表示、および総獲得数画像G33の表示が同時に行われているが、一部のもしくは全てのセット大当たりエンディング演出について、時間帯が重複しないように分けて実行されるようにしても良い。例えば、当該セット大当たりエンディング演出を前半と後半に分けて、前半でCI画像G42が表示され、後半で総獲得数画像G33が表示されるようにしても良い。また、当該エンディングの後には、基本的には通常遊技状態になると共に、特殊モードになるので、例えば、当該セット大当たりエンディング演出の後半では、表示部50aに全体的な背景画像として、特殊モード専用の背景画像が表示され、当該特殊モード用背景画像に重畳的に、総獲得数画像G33が表示されると共に、特殊モードになることを示唆する画像(特殊モード開始示唆画像)が表示されるようにしても良い。
また、セット大当たりに係る大当たり遊技の中で最初以外の大当たり遊技の最後のラウンド遊技では、カード抜き忘れ注意喚起演出が実行されていない。しかし、当該最初以外の大当たり遊技の最後のラウンド遊技でも、カード抜き忘れ注意喚起演出が実行されるようにしても良い。
図73(A)は、セット大当たりを構成しない第2大当たりの開始時の様子を表している。図73(A)に示すように、表示部50aには、オープニング演出として、オープニング画像G1が表示されている。また、大当たり遊技の開始時から、賞球数演出が実行されている。具体的には、賞球数画像G30が表示されている。前述の通り、第2大当たりで獲得可能な賞球数は1200個であるので、獲得予定賞球数画像G31として「1200」が表示されている。また、このとき、第2大当たり遊技において遊技球が第1大入賞口14に入賞していないので、獲得済賞球数画像G32として「0」が表示されている。
図73(B)は、第2大当たり遊技の1回目のラウンド遊技で最初に遊技球が第1大入賞口14に入賞した直後の様子を表している。図73(B)に示すように、表示部50aには、ラウンド演出として、1回目のラウンド遊技が実行されていることを表すラウンド画像G3が表示されている。また、当該第2大当たり遊技で最初に遊技球が第1大入賞口14に入賞したことから、獲得済賞球数画像G32として、1回の第1大入賞口14への入賞に係る賞球数である「15」が表示されている。
図73(C)は、第2大当たり遊技の最後(8回目)のラウンド遊技が終了する直前の様子を表している。図73(C)に示すように、表示部50aには、ラウンド演出として、8回目のラウンド遊技が実行されていることを表すラウンド画像G3が表示されている。また、当該第2大当たり遊技では、最大で1200個の賞球を獲得可能であり、前述のように仮定されていることから、獲得済賞球数画像G32として、当該第2大当たり遊技において獲得可能な賞球数である「1200」が表示されている。
図73(D)は、第2大当たり遊技のエンディングの様子を表している。第1実施形態では、第2大当たり遊技のエンディングにおいて、当該第2大当たりが終了することを示唆する大当たりエンディング演出が実行される。そして、図73(D)に示すように、大当たりエンディング演出として、CI画像G42、および当該第2大当たり遊技で獲得した賞球数の総数を表す総獲得数画像G33が表示されている。
なお、第2大当たり遊技では、カード抜き忘れ注意喚起演出は実行されない。当該大当たり遊技の終了後に、時短状態になるものの、当該時短状態に係る時短規定回数が1回であり、その後、特殊モードを抜けて通常演出モードで、左打ちで遊技球を発射させ続けることになり、所持する遊技球の個数が減少していく可能性があるからである。言い換えると、第2大当たり遊技の後に、所持する遊技球の個数が極端に減少し難い期間が長く続かない可能性があるからである。ただし、第2大当たり遊技において、カード抜き忘れ注意喚起演出を実行しても良い。この場合、第2大当たり遊技にはエンディングがあることから当該エンディングにおいてカード抜き忘れ注意喚起演出を実行することが望ましい。ラウンド遊技中にカード抜き忘れ注意喚起演出を実行すると、ラウンド遊技に応じた演出に支障を来し、当該演出の演出効果を低下させるからである。なお、この場合は、セット大当たりの場合よりも表示部50aの中央寄りの位置でで大きく、言い換えると目立つ態様でカード抜き忘れ注意喚起画像G40を表示させても良い。
また、図73(D)では、大当たりエンディング演出として、CI画像G42の表示、および総獲得数画像G33の表示が同時に行われているが、時間帯が重複しないように分けて実行されるようにしても良い。例えば、エンディングを2つの期間に分けた前半でCI画像G42が表示され、後半で総獲得数画像G33が表示されるようにしても良い。また、当該エンディングの後には、基本的に不利時短状態になると共に、チャージモードになるので、例えば、当該エンディングを3つに分けた最後の期間で、表示部50aに全体的な背景画像として、チャージモード専用の背景画像(チャージモード用背景画像)が表示され、当該チャージモード用背景画像に重畳的に、総獲得数画像G33が表示されると共に、チャージモードになることを示唆する画像(チャージモード開始示唆画像)が時短演出モード開始示唆画像G41のような表示態様で表示されるようにしても良い。
図74(A)は、セット大当たりを構成しない第3大当たりの開始時の様子を表している。図74(A)に示すように、表示部50aには、オープニング演出として、オープニング画像G1が表示されている。また、大当たり遊技の開始時から、賞球数演出が実行されている。具体的には、賞球数画像G30が表示されている。前述の通り、第3大当たりで獲得可能な賞球数は1200個であるので、獲得予定賞球数画像G31として「1200」が表示されている。また、このとき、第3大当たり遊技において遊技球が第1大入賞口14に入賞していないので、獲得済賞球数画像G32として「0」が表示されている。
図74(B)は、第3大当たり遊技の1回目のラウンド遊技で最初に遊技球が第1大入賞口14に入賞した直後の様子を表している。図74(B)に示すように、表示部50aには、ラウンド演出として、1回目のラウンド遊技が実行されていることを表すラウンド画像G3が表示されている。また、当該第3大当たり遊技で最初に遊技球が第1大入賞口14に入賞したことから、獲得済賞球数画像G32として、1回の第1大入賞口14への入賞に係る賞球数である「15」が表示されている。
図74(C)は、第3大当たり遊技の最後(8回目)のラウンド遊技が終了する直前の様子を表している。図73(C)に示すように、表示部50aには、ラウンド演出として、8回目のラウンド遊技が実行されていることを表すラウンド画像G3が表示されている。また、当該第3大当たり遊技では、最大で1200個の賞球を獲得可能であり、前述のように仮定されていることから、獲得済賞球数画像G32として、当該第3大当たり遊技において獲得可能な賞球数である「1200」が表示されている。
図74(D)は、第3大当たり遊技のエンディングの様子を表している。第1実施形態では、第3大当たり遊技のエンディングにおいて、当該第3大当たりが終了することを示唆する大当たりエンディング演出が実行される。そして、図74(D)に示すように、大当たりエンディング演出として、CI画像G42、および当該第3大当たり遊技で獲得した賞球数の総数を表す総獲得数画像G33が表示されている。
なお、第3大当たり遊技では、カード抜き忘れ注意喚起演出は実行されない。当該大当たり遊技の終了後に通常遊技状態になるので、普通に左打ちで遊技球を発射させ続けると、遊技球が減少していく可能性が高いからである。
また、図74(D)では、大当たりエンディング演出として、CI画像G42の表示、および総獲得数画像G33の表示が同時に行われているが、時間帯が重複しないように分けて実行されるようにしても良い。例えば、大当たりエンディング演出を前半と後半に分けて、前半でCI画像G42が表示され、後半で総獲得数画像G33が表示されるようにしても良い。また、当該エンディングの後には、通常遊技状態になると共に、通常演出モードになるので、例えば、大当たりエンディング演出の後半に、表示部50aに全体的な背景画像として、通常演出モード用背景画像G111が表示され、当該通常演出モード用背景画像G111に重畳的に、総獲得数画像G33が表示されると共に、通常演出モードになることを示唆する画像(通常演出モード開始示唆画像)が時短演出モード開始示唆画像G41のような表示態様で表示されるようにしても良い。
次に、パチンコ遊技機PY1が小当たり遊技において実行可能な演出について説明する。演出制御用マイコン121は、小当たり遊技において、右打ちによって遊技球を発射させることを促進する小当たり中右打ち促進演出と、遊技球が特定領域16を通過するようにさせることを促進するV入賞促進演出とを実行する。これは、小当たり遊技で遊技球が特定領域16を通過することが当該小当たり遊技の後に大当たり遊技を実行させるための条件であり、第2大入賞口15へ入賞した遊技球が特定領域16を通過可能であり、第2大入賞口15は、右遊技領域6Bに設けられているからである。また、演出制御用マイコン121は、小当たり遊技において、遊技球が特定領域16を通過すると、遊技球が特定領域16を通過したことを報知するV入賞報知演出を実行する。遊技者を安心させるためである。
また、小当たり中右打ち促進演出、V入賞促進演出、およびV入賞報知演出は順番に実行される。具体的には、小当たり遊技において、オープニングが終了すると、言い換えると第2大入賞口15が最初に開放すると、まずは小当たり中右打ち促進演出が開始される。小当たり中右打ち促進演出は1.5秒掛けて実行される。小当たり中右打ち促進演出が終了すると、V入賞促進演出に切り替わる。そして、V入賞促進演出が実行されているときに、遊技球が特定領域16を通過すると、V入賞促進演出からV入賞報知演出に切り替わる。その後、V入賞報知演出は、当該小当たり遊技が終了するまで実行される。
小当たり中右打ち促進演出、V入賞促進演出、およびV入賞報知演出は、表示部50aにおいて実行される。小当たり中右打ち促進演出は、右打ちによって遊技球を発射させることを促進する第1小当たり中右打ち促進画像G50、および第2小当たり中右打ち促進画像G51の表示で構成される。第1小当たり中右打ち促進画像G50は、右打ちされている遊技球の挙動を表し、遊技領域6を含むパチンコ遊技機PY1の一部を表した遊技領域画像G50aと、遊技球の軌跡を表す遊技球軌跡画像G50bとを含む。第2小当たり中右打ち促進画像G51は、特定領域16の大体の方向を表すブロック矢印で構成され、当該ブロック矢印には「右打ち」という文字が含まれている。
V入賞促進演出は、遊技球が特定領域16を通過するようにさせることを促進する画像G53(V入賞促進画像G53)の表示で構成される。V入賞促進画像G53は、遊技球が特定領域16を通過するようにさせることを言葉(第1実施形態では「Vを狙え」)で表す画像G53a(V入賞促進フレーズ画像G53a)と、当該小当たり遊技における第2大入賞口15の開放が終了するまでの残り時間(V入賞可能残り時間)を表す画像G53b(V入賞可能残り時間G53b)とを含む。なお、V入賞可能残り時間G53bは、直線状のプログレスバーからなり、時間の経過に伴って、遊技者がV入賞可能残り時間を容易に理解できるように変化する。
V入賞報知演出は、遊技球が特定領域16を通過したことを報知する画像G54(V入賞報知画像G54)の表示で構成される。V入賞報知画像G54は、「V」という文字で構成されている。
また、小当たり遊技における小当たり中右打ち促進演出、V入賞促進演出、およびV入賞報知演出の演出態様は、当該小当たり遊技で大当たり当選すると当該大当たり遊技の終了後に有利時短状態になる場合と、それ以外の場合とで異なる。それ以外の場合として、当該小当たり遊技で大当たり当選すると当該大当たり遊技の終了後に不利時短状態になる場合と、当該小当たり遊技で大当たり当選しても当該大当たり遊技がリミッター大当たり遊技となるので当該大当たり遊技の終了後に通常遊技状態になる場合とがある。そして、演出制御用マイコン121は、後者の場合には、小当たり中右打ち促進演出、V入賞促進演出、およびV入賞報知演出を盛大に(大々的に)実行し、前者の場合には、小当たり中右打ち促進演出、V入賞促進演出、およびV入賞報知演出を控え目に(小ぢんまりと)実行する。これは、前者の場合は、有利時短状態になると当該時短状態で特図2可変表示を99回実行されるので、遊技者は当該時短状態でV入賞を焦らないので、小当たり中右打ち促進演出、V入賞促進演出、およびV入賞報知演出をあまり派手に実行させる必要がない一方、後者の場合は、不利時短状態になると、残保留を含めて特図2可変表示を5回しか実行することができず、また通常遊技状態になると、残保留に係る特図2可変表示を4回しか実行することができず、V入賞を焦るので、小当たり中右打ち促進演出、V入賞促進演出、およびV入賞報知演出を派手に実行させる必要があるからである。なお、以下において、小当たり中右打ち促進演出、V入賞促進演出、およびV入賞報知演出のことを「小当たり中特定演出」と称し、前者の場合の小当たり中特定演出のことを「第1小当たり中特定演出」と称し、後者の場合の小当たり中特定演出のことを「第2小当たり中特定演出」と称する。
次に、小当たり中特定演出の具体例について説明する。最初に、第2小当たり中特定演出について説明する。図75は第2小当たり中特定演出の具体例を表す図である。図75(A)は、小当たり中右打ち促進演出の序盤の様子を表す図、図75(B)は、小当たり中右打ち促進演出の序盤以降の様子を表す図、図75(C)は、V入賞促進演出の開始時の様子を表す図、図75(D)は、V入賞促進演出の途中の様子を表す図、図75(E)は、V入賞報知演出の様子を表す図である。
図75に示すように、第2小当たり中特定演出における小当たり中右打ち促進演出、V入賞促進演出、およびV入賞報知演出は、表示部50aの画面全体で実行される。小当たり中右打ち促進演出が開始されると、最初は表示部50aの画面全体に表示される背景画像には、第1小当たり中右打ち促進画像G50が表示される。ここでは、遊技領域6の上端部を表す遊技領域画像G50aが表示されると共に、遊技領域画像G50aに表されている遊技領域6において、右遊技領域6Bに向かって移動する遊技球の軌跡を表す遊技球軌跡画像G50bが表示される。そして、遊技球軌跡画像G50bに係る遊技球の軌跡が右遊技領域6Bに差し掛かったときに、図75(B)に示すように、表示部50aの左半分に大きく第2小当たり中右打ち促進画像G51が表示される。さらに、第2小当たり中右打ち促進画像G51が表示されているときに、遊技球軌跡画像G50bに係る遊技球の軌跡の動きに合わせて、遊技領域画像G50aに表されている遊技領域6が上端部から右遊技領域6Bに移っていく。
次に、遊技球軌跡画像G50bに係る遊技球の軌跡が、遊技領域画像G50aに表されている遊技領域6の第2大入賞口15に到達したところで、図75(C)に示すように、小当たり中右打ち促進演出からV入賞促進演出に切り替わる。具体的には、第2小当たり中右打ち促進画像G51が消えると共に、表示部50aの左半分に大きくV入賞促進画像G53が表示される。V入賞促進演出は、遊技球が特定領域16を通過するまでの間、継続して行われるが、その間は、図75(D)に示すように、V入賞可能残り時間に対応するように時間の経過に応じてV入賞可能残り時間G53bが変化する。
そして、遊技球が特定領域16を通過すると、図75(E)に示すように、V入賞促進演出からV入賞報知演出に切り替わる。具体的には、V入賞促進画像G53が消えると共に、表示部50aの中央に大きくV入賞報知画像G54が表示される。
次に、第1小当たり中特定演出について説明する。図76は第1小当たり中特定演出の具体例を表す。図76(A)は、小当たり中右打ち促進演出の序盤の様子を表す図、図76(B)は、小当たり中右打ち促進演出の序盤以降の様子を表す図、図76(C)は、V入賞促進演出の開始時の様子を表す図、図76(D)は、V入賞促進演出の途中の様子を表す図、図76(E)は、V入賞報知演出の様子を表す図である。
図76に示すように、第1小当たり中特定演出における小当たり中右打ち促進演出、V入賞促進演出、およびV入賞報知演出は、表示部50aの画面の一部に形成された縮小画面50gにおいて実行される。縮小画面50gは、オープニングが終了するときに形成され、当該小当たり遊技が終了するときに消滅する。また、縮小画面50gは表示部50aの画面全体と略同一の縦横比からなる矩形状、且つ、表示部50aの画面全体の略1/5~1/8の大きさに形成されており、表示部50aの右端で上下方向略中央に表示されている。
なお、縮小画面50gの形状・大きさ・表示位置は適宜に変更しても良い。ただし、縮小画面50gの大きさは、表示部50aの画面全体の1/4より小さいことが望ましい。控え目小当たり中特定演出をある程度小ぢんまりと実行させるためである。
そして、小当たり中右打ち促進演出が開始されると、それ以降は、表示部50aの画面全体で行われていた第2小当たり中特定演出のほとんどの部分が縮小画面50gで実行される。具体的には、小当たり中右打ち促進演出に係る第1小当たり中右打ち促進画像G50、V入賞促進画像G53、およびV入賞報知画像G54については、第2小当たり中特定演出の場合に表示部50aの画面全体で表示されていた内容がそのまま縮小画面50gに表示される。しかし、第2小当たり中右打ち促進画像G51は、第2小当たり中特定演出の場合と同様に、表示部50aの画面全体で実行される。
なお、図76(B)では、第2小当たり中右打ち促進画像G51は、縮小画面50gに重複しないように縮小画面50gから所定距離をおいて表示されているが、縮小画面50gに重複して表示されるようにしても良い。
また、図76において図示されていないが、第1小当たり中特定演出で縮小画面50gが形成されているときに、表示部50aの画面全体では、縮小画面50gの背景として、第1小当たり中特定演出に応じた内容の背景画像が表示される。ここでの背景画像の内容は適宜に設定可能であるが、例えば、右打ちや遊技球が特定領域16を通過することなどの遊技に関する内容とは関係のない当該パチンコ遊技機PY1の題材に関する内容としても良い。
次に、パチンコ遊技機PY1が特殊モードで実行可能な演出について説明する。演出制御用マイコン121は、演出モードとして、残保留に係る最初の特図2可変表示が開始される際に特殊モードに移行させ、当該残保留に係る最後の特図2可変表示が終了される際に特殊モードを終了させる。
特殊モードにおける特図変動演出には、第1特殊演出と、第2特殊演出とがある。第1特殊演出は、残保留に係る保留順1~保留順3の特図2保留に対応する特図2可変表示で実行され、第2特殊演出は、残保留に係る保留順4の特図2保留に対応する特図2可変表示で実行される。したがって、特殊モードに移行する際に、残保留が4個未満である場合は、当該特殊モードで第2特殊演出が実行されることはない。
各第1特殊演出では、表示部50aにおいて、主人公キャラクタであるピッチャーと、敵キャラクタであるバッターが野球の試合の1打席の対決を行う演出内容のアニメーションが表示される。そして、大当たりである場合は、最後に敵キャラクタがホームランを放ち、ハズレである場合は、最後に敵キャラクタが打ち取られてアウトとなる。
また、各第1特殊演出は相互に関連付けられている。以下に、第1特殊演出の演出間の関連性について説明する。特図2可変表示に係る大当たり判定結果がハズレであると、第1特殊演出の最後でバッターが打ち取られて、1アウトとなる。そして、その次に特図2可変表示が実行され、当該特図2可変表示で第1特殊演出が実行される場合は、その1アウトが引き継がれて次の第1特殊演出が実行され、当該次の第1特殊演出は、アウトカウントが1つ増えた状態で行われる。
さらに、最後の第1特殊演出がハズレの場合は、特殊モードに移行するときの残保留の個数に関わらず、必ず3アウトで終了する。そのために、特殊モードに移行するときの残保留の個数に応じて、各第1特殊演出に対応付けられたアウトカウントが異なる。
特殊モードに移行するときの残保留の個数が4個の場合は、残保留に係る保留順1の特図2保留に対応する第1特殊演出でのアウトカウントは「0」となり、残保留に係る保留順2の特図2保留に対応する第1特殊演出でのアウトカウントは「1」となり、残保留に係る保留順3の特図2保留に対応する第1特殊演出でのアウトカウントは「2」となる。すなわち、特殊モードに移行するときの残保留の個数が4個の場合は、第1特殊演出が「0」アウトから始まり、以降、バッターが打ち取られる度に、言い換えるとハズレになる度にアウトカウントが1つずつ増えていき、保留順3に対応する第1特殊演出の最後で「3」アウトになる。そして、保留順4に対応する特図2可変表示で第2特殊演出が実行される。
特殊モードに移行するときの残保留の個数が3個の場合は、残保留に係る保留順1の特図2保留に対応する第1特殊演出でのアウトカウントは「0」となり、残保留に係る保留順2の特図2保留に対応する第1特殊演出でのアウトカウントは「1」となり、残保留に係る保留順3の特図2保留に対応する第1特殊演出でのアウトカウントは「2」となる。すなわち、特殊モードに移行するときの残保留の個数が3個の場合は、第1特殊演出が「0」アウトから始まり、以降、バッターが打ち取られる度に、言い換えるとハズレになる度にアウトカウントが1つずつ増えていき、保留順3に対応する第1特殊演出の最後で「3」アウトになる。そして、最後の第1特殊演出が終了すると、第2特殊演出が行われることなく、特殊モードから通常演出モードに移行する。
特殊モードに移行するときの残保留の個数が2個の場合は、残保留に係る保留順1の特図2保留に対応する第1特殊演出でのアウトカウントは「1」となり、残保留に係る保留順2の特図2保留に対応する第1特殊演出でのアウトカウントは「2」となる。すなわち、特殊モードに移行するときの残保留の個数が2個の場合は、第1特殊演出が「1」アウトから始まり、以降、バッターが打ち取られる度に、言い換えるとハズレになる度にアウトカウントが1つずつ増えていき、保留順2に対応する第1特殊演出の最後で「3」アウトになる。そして、最後の第1特殊演出が終了すると、第2特殊演出が行われることなく、特殊モードから通常演出モードに移行する。
特殊モードに移行するときの残保留の個数が1個の場合は、残保留に係る保留順1の特図2保留に対応する第1特殊演出でのアウトカウントは「2」となる。すなわち、特殊モードに移行するときの残保留の個数が1個の場合は、第1特殊演出が「2」アウトから始まり、バッターが打ち取られると、言い換えるとハズレになるとアウトカウントが1つ増えて「3」アウトになる。そして、当該第1特殊演出が終了すると、第2特殊演出が行われることなく、特殊モードから通常演出モードに移行する。
また、第1特殊演出で登場する(表示される)敵キャラクタの種類には、敵キャラクタX、敵キャラクタY、および敵キャラクタZがある。そして、これらの敵キャラクタの種類は、当該第1特殊演出に係るアウトカウントに対応付けられている。具体的には、アウトカウント「0」で開始される第1特殊演出では敵キャラクタXが登場し(主人公キャラクタと対決し)、アウトカウント「1」で開始される第1特殊演出では敵キャラクタYが登場し(主人公キャラクタと対決し)、アウトカウント「2」で開始される第1特殊演出では敵キャラクタZが登場する(主人公キャラクタと対決する)。
第1特殊演出では、ピッチャーの主人公キャラクタとバッターの敵キャラクタが1打席の対決を行うが、当該1打席では、主人公キャラクタは何球かボールを投げることになり、ボールカウントやストライクカウントが増えながら対決が進行していく。なお、第1特殊演出の詳細な演出内容は後述する。
第2特殊演出は、特図変動パターンに基づいて実行される。第2特殊演出は、特殊モード移行時に残保留の個数が最大の4個である場合の最後の特図2可変表示で実行される。したがって、第2特殊演出が実行されるということは、3回の第1特殊演出がハズレで終わって3アウトとなり、当該特図2可変表示で大当たりしなければ、通常演出モードでの遊技、言い換えると通常遊技状態にて特図1可変表示を実行させる遊技を行うことになってしまうという遊技者には望ましくない瀬戸際の状況である。そこで、第2特殊演出では、最後の第1特殊演出での「ボール」の判定に異議を唱えた後に、当該判定を巡るビデオ判定が行われ、最終的に当該判定が覆るか覆らないかに分岐する演出内容のアニメーションが背景画像として表示部50aの画面全体に表示される。そして、小当たりまたは大当たりである場合は当該判定が覆り、ハズレである場合は当該判定が維持される。
次に、第1特殊演出において表示部50aに表示されるカウント画像G60について説明する。カウント画像G60は、1打席対決におけるボールカウントとストライクカウントを表示すると共に、その1打席対決におけるアウトカウントを表示する。カウント画像G60の具体例を図77に示す。カウント画像G60は、BSO方式でボールカウント、ストライクカウント、およびアウトカウントを表示する一般的な表示器を表している。そして、各1打席対決において、勝負の経過に応じて、ボールを表す「B」の文字の右側に並んだ円、およびストライクを表す「S」の文字の右側に並んだ円が左から右に順次点灯する。また、アウトカウントの増加に応じて、アウトを表す「O」の文字の右側に並んだ円が左から右に順次点灯する。なお、第1特殊演出が実行されているとき、カウント画像G60は基本的には表示部50aの左隅部で、後述する第1特殊演出専用の第1特殊演出用背景画像G150に重畳的に表示される。
ここで、特殊モードの全体的な演出フローを図78に示す。図78では、特殊モードに移行する際の残保留の個数毎に、表示部50aに表示される表示内容を用いて特殊モードの全体的な演出フローを模式的に表している。図78(A)は残保留の個数が4個の場合の演出フローを表し、図78(B)は残保留の個数が3個の場合の演出フローを表し、図78(C)は残保留の個数が2個の場合の演出フローを表し、図78(D)は残保留の個数が1個の場合の演出フローを表している。また、図78には表示部50aに表示される表示内容を表しているが、当該表示内容は各第1特殊演出の開始時の表示内容である。なお、図78に示す例では全ての特図2可変表示でハズレになると仮定している。
特殊モードに移行する際の残保留の個数、および残保留に係る保留順とアウトカウントとの関係、ならびにアウトカウントと敵キャラクタの種類との関係は前述の通りであるが、図78(A)~図78(D)に示すように、当該特殊モードに係る状況に基づく演出内容上(ストーリー上)のアウトカウントの変化に応じて、カウント画像G60のアウトカウントを表す部分(文字「O」の右側)も変化している。なお、カウント画像G60のアウトカウントを表す部分(文字「O」の右側)の変化は、第1特殊演出の最後で1アウトが確定したときに行われる。
また、各第1特殊演出の開始時には、表示部50aの中央に、当該第1特殊演出に係る敵キャラクタが表示される。そして、この後に、その敵キャラクタと主人公キャラクタの対決が第1特殊演出用背景画像G150で展開される。
さらに、各第1特殊演出の開始時には、表示部50aの左上隅部に、当該特殊モードで対決し得る敵キャラクタの残りの人数を表す対決残り人数画像G61が表示される。具体的には、特殊モードにおける保留順1に係る(最初の)第1特殊演出がアウトカウント「0」で開始される場合(特殊モードに移行する際の残保留の個数が4個、または3個の場合)、その後ハズレ続けると(アウトになり続けると)、当該第1特殊演出を含めて最大で3名の敵キャラクタと対決するので、「あと3人」と表示される。最初の1打席対決演出で1アウトとなると、次の保留順2に係る第1特殊演出を含めて最大で2名の敵キャラクタと対決するので、当該保留順2に係る第1特殊演出の開始時には「あと2人」と表示される。さらに、保留順2に係る第1特殊演出で1アウトとなると、次の保留順3に係る第1特殊演出を含めて最大で1名の敵キャラクタと対決するので、当該保留順3に係る第1特殊演出の開始時には「あと1人」と表示される。
同様に、特殊モードにおける保留順1に係る(最初の)の第1特殊演出がアウトカウント「1」で開始される場合(特殊モードに移行する際の残保留の個数が2個の場合)、その後ハズレ続けると(アウトになり続けると)、当該第1特殊演出を含めて最大で2名の敵キャラクタと対決するので、「あと2人」と表示される。最初の第1特殊演出で1アウトとなると、次の保留順2に係る第1特殊演出を含めて最大で1名の敵キャラクタと対決するので、当該保留順2に係る第1特殊演出の開始時には「あと1人」と表示される。
また、特殊モードにおける保留順1に係る(最初の)第1特殊演出がアウトカウント「2」で開始される場合(特殊モードに移行する際の残保留の個数が1個の場合)、当該第1特殊演出が最後となるので、「あと1人」と表示される。
このように、対決残り人数画像G61は当該特殊モードで対決し得る敵キャラクタの残りの人数を表しているが、この数字部分は当該特殊モードで実行され得る第1特殊演出の残りの実行回数に相当するので、実質的には、当該特殊モードで実行され得る第1特殊演出の残りの実行回数を表している。
次に、第1特殊演出の演出内容について説明する。前述の通り、特殊モードにおいて第1特殊演出を実行可能な期間(通常遊技状態に移行してから3回目の特図2可変表示が実行されるまでの期間)で決定可能な特図2変動パターンとして、大当たりに係る長第1特殊大当たり変動、中第1特殊大当たり変動、および短第1特殊大当たり変動、小当たりに係る長第1特殊小当たり変動、中第1特殊小当たり変動、および短第1特殊小当たり変動、ならびにハズレに係る長第1特殊ハズレ変動、中第1特殊ハズレ変動、および短第1特殊ハズレ変動がある(図57参照)。
長第1特殊大当たり変動、長第1特殊小当たり変動、および長第1特殊ハズレ変動の特図2可変表示では、共通して長時間第1特殊演出が実行される。中第1特殊大当たり変動、中第1特殊小当たり変動、および中第1特殊ハズレ変動の特図2可変表示では、共通して中時間第1特殊演出が実行される。短第1特殊大当たり変動、短第1特殊小当たり変動、および短第1特殊ハズレ変動の特図2可変表示では、共通して短時間第1特殊演出が実行される。
長時間第1特殊演出、中時間第1特殊演出、および短時間第1特殊演出は何れも第1特殊演出の一種であり、演出時間の違いによって区別されている。長時間第1特殊演出は3つの中で最も演出時間が長い第1特殊演出であり、短時間第1特殊演出は3つの中で最も演出時間が短い第1特殊演出であり、中時間第1特殊演出は、演出時間が短時間第1特殊演出よりも長くて長時間第1特殊演出よりも短い第1特殊演出である。
なお、以下において、長第1特殊大当たり変動、長第1特殊小当たり変動、および長第1特殊ハズレ変動のことを「長時間第1特殊演出変動」と称し、中第1特殊大当たり変動、中第1特殊小当たり変動、および中第1特殊ハズレ変動のことを「中時間第1特殊演出変動」と称し、短第1特殊大当たり変動、短第1特殊小当たり変動、および短第1特殊ハズレ変動のことを「短時間第1特殊演出変動」と称することもある。
また、長第1特殊大当たり変動、中第1特殊大当たり変動、および短第1特殊大当たり変動のことを「第1特殊演出大当たり変動」と称し、長第1特殊小当たり変動、中第1特殊小当たり変動、および短第1特殊小当たり変動のことを「第1特殊演出小当たり変動」と称し、長第1特殊ハズレ変動、中第1特殊ハズレ変動、および短第1特殊ハズレ変動のことを「第1特殊演出ハズレ変動」と称することもある。
さらに、長時間第1特殊演出変動、中時間第1特殊演出変動、および短時間第1特殊演出変動のことを、ならびに第1特殊演出大当たり変動、第1特殊演出小当たり変動、および第1特殊演出ハズレ変動のことを「第1特殊演出変動」と総称することもある。
なお、長第1特殊大当たり変動、および長第1特殊小当たり変動に係る特図変動時間が、長第1特殊ハズレ変動に係る特図変動時間よりも長くなり、中第1特殊大当たり変動、および中第1特殊小当たり変動に係る特図変動時間が、中第1特殊ハズレ変動に係る特図変動時間よりも長くなり、短第1特殊大当たり変動、および短第1特殊小当たり変動に係る特図変動時間が、短第1特殊ハズレ変動に係る特図変動時間よりも長くなっている。これは、大当たり、および小当たりの場合は、最後にハズレの場合には実行されない大当たり、または小当たりを報知する演出(特定報知演出)が実行されるからである。
第1特殊演出では、種別に関係なく、言い換えると演出時間の違いに関係なく、ピッチャーである主人公キャラクタとバッターである敵キャラクタが1打席の対決を行う。1打席の対決の中では、主人公キャラクタは複数回ボールを投げ、勝負過程としてボールカウントやストライクカウントが増えていき、最終的には、敵キャラクタがホームランを打つという結果が導出されるか敵キャラクタが打ち取られて1アウトを取られるという結果が導出される。ホームランの結果は小当たりまたは大当たりを示唆し、1アウトを取られる結果はハズレを示唆する。すなわち、ピッチャーは主人公キャラクタであるが、第1特殊演出では、敵キャラクタであるバッター目線での有利な展開が、遊技者に有利な演出内容となる。
第1特殊演出の種別に関係なく1打席の対決の中では、主人公キャラクタは複数回ボールを投げるが、演出時間の長短は1打席の対決に要する時間の長短に対応するので、演出時間が長くなるにつれてカウント(ボールカウント、ストライクカウント)の数が増え易い。したがって、最もカウント(ボールカウント、ストライクカウント)の数が増え易いのは長時間第1特殊演出であり、短時間第1特殊演出で最もカウント(ボールカウント、ストライクカウント)の数が増え難いのは短時間第1特殊演出である。また、大当たりに対する期待度、および小当たりに対する期待度は、長時間第1特殊演出>中時間第1特殊演出>短時間第1特殊演出の順番で高いので、カウント(ボールカウント、ストライクカウント)の数が多くなるにつれて、大当たりに対する期待度、および小当たりに対する期待度も高くなるということもできる。
第1特殊演出の演出内容は、演出制御用マイコン121が第1特殊演出変動に基づいて決定する。各第1特殊演出変動に対して複数の演出内容(演出パターン)が対応付けられている。また、長第1特殊大当たり変動に基づく第1特殊演出と長第1特殊小当たり変動に基づく第1特殊演出、中第1特殊大当たり変動に基づく第1特殊演出と中第1特殊小当たり変動に基づく第1特殊演出、および短第1特殊大当たり変動に基づく第1特殊演出と短第1特殊小当たり変動に基づく第1特殊演出のそれぞれにおいては、同一の演出内容が行われる。ただし、それぞれの全て、または一部について、全く異なる演出内容となるようしても、一部同一で一部異なる演出内容となるようにしても良い。
さらに、長第1特殊小当たり変動(長第1特殊大当たり変動)に基づく第1特殊演出と長第1特殊ハズレ変動に基づく第1特殊演出、中第1特殊小当たり変動(中第1特殊大当たり変動)に基づく第1特殊演出と中第1特殊ハズレ変動に基づく第1特殊演出、および短第1特殊小当たり変動(短第1特殊大当たり変動)に基づく第1特殊演出と短第1特殊ハズレ変動に基づく第1特殊演出のそれぞれは演出内容について対応関係にある。詳細には、最後の結果(ホームランか打ち取られるか)の前までは同一の演出内容が行われる。ただし、それぞれの全て、または一部について、全く異なる演出内容となるようしても、一部同一で一部異なる演出内容となるようにしても良い。
演出制御用マイコン121は、第1特殊演出変動を示す特図変動開始コマンドを受信した場合、例えば、ステップS4306において、当該特図変動開始コマンドに基づいて、第1特殊演出の演出内容(第1特殊演出パターン)を決定するため第1特殊演出パターン判定を行う。
第1特殊演出パターン判定は、第1特殊演出パターン判定テーブルを参照して実行される。第1特殊演出パターン判定テーブルの構成例を図79~図80に示す。図79~図80に示すように、第1特殊演出パターン判定テーブルは、特図変動パターンに対応付けられている。具体的には、第1特殊演出パターン判定テーブルとして、長第1特殊大当たり変動、および長第1特殊小当たり変動用の第1特殊演出パターン判定テーブル、長第1特殊ハズレ変動用の第1特殊演出パターン判定テーブル、中第1特殊大当たり変動、および中第1特殊小当たり変動用の第1特殊演出パターン判定テーブル、中第1特殊ハズレ変動用の第1特殊演出パターン判定テーブル、短第1特殊大当たり変動、および短第1特殊小当たり変動用の第1特殊演出パターン判定テーブル、および短第1特殊ハズレ変動用の第1特殊演出パターン判定テーブルがある。図79~図80に示す各第1特殊演出パターン判定テーブルは、各第1特殊演出パターンに対する選択率が図79~図80に示す所定の選択率となるように、適宜に構成されている。
ここで、図79~図80を用いて第1特殊演出で行われる1打席の対決の勝負過程について説明する。各第1特殊演出パターン判定テーブルにおける右端の項目(演出内容)がその第1特殊演出パターンの第1特殊演出の演出フローである。そして、当該演出フローには、具体的な演出上のストーリーとして1打席の対決の勝負過程が含まれている。
各第1特殊演出パターン判定テーブルの演出内容に記載されている演出フローを構成するものとして、「ボール」、「空振り」、「ファウル」、「ホームラン」、「三振」、および「レフトフライ」、ならびに「リーチ」がある。これらは、第1特殊演出の演出フローを構成する要素であるので、以下において「第1特殊演出フロー構成要素」と称する。第1特殊演出フロー構成要素の中の「リーチ」以外は、主人公キャラクタと敵キャラクタによる1打席の対決に係る勝負過程を構成する要素であるので、以下において「勝負過程構成要素」と称する。
なお、「勝負過程構成要素」としての「空振り」は、ストライクカウントが「0」、「1」のときの空振りによるストライクのことであり、当該空振りの後に当該打席が継続する。また、「三振」は、一般的には当然に空振りによるストライクや見逃しによるストライクを伴うが、ここでは、ストライクカウントが「2」のときに空振りによるストライクが行われた結果として「三振」になることであり、「勝負過程構成要素」としては「空振り」と区別する。
「勝負過程構成要素」に含まれる「ボール」、「空振り」、「ファウル」、「ホームラン」、「三振」、および「レフトフライ」は、全て主人公キャラクタの投球に対する敵キャラクタの対応の結果である。言い換えると、「ボール」、「空振り」、「ファウル」、「ホームラン」、「三振」、および「レフトフライ」の前には必ず主人公キャラクタによる投球が行われ、各勝負過程構成要素に係る具体的な演出内容には主人公キャラクタによる投球が含まれる。
勝負過程構成要素の中でも、「ホームラン」、「三振」、および「レフトフライ」は、当該第1特殊演出の最後に行われ、言い換えると当該打席を終了させ、大当たり判定結果を示唆する当該第1特殊演出(1打席の対決)の最終結果に位置付けられる。「ホームラン」は、大当たり、または小当たりを示唆する第1特殊演出(1打席の対決)の最終結果であり、「三振」、および「レフトフライ」は、ハズレを示唆する第1特殊演出(1打席の対決)の最終結果である。一方、「ボール」、「空振り」、および「ファウル」は、当該第1特殊演出の最後に行われることのない、言い換えるとその後も打席が継続する途中の結果に位置付けられている。したがって、「ボール」、「空振り」、および「ファウル」によって、大当たり判定結果が直接的に示唆されることはない。以下において、「ホームラン」、「三振」、および「レフトフライ」のことを「勝負過程最終結果」と称し、「ボール」、「空振り」、および「ファウル」のことを「勝負過程途中結果」と称する。
途中の結果として「ボール」が導出されることによってボールカウントが1つ増え、途中の結果として「空振り」が導出されることによってストライクカウントが1つ増える。また、ストライクカウントが「0」、「1」のときに、途中の結果として「ファウル」が導出されるとストライクカウントが1つ増える。すなわち、途中の結果が導出されることによって、対決の勝負過程が進行する。さらに、「三振」は、当該第1特殊演出の最終結果として導出されるが、「三振」は空振りによるストライクを伴うので、「三振」が導出されるとストライクカウントが1つ増えて、アウトカウントが1つ増える。
また、第1特殊演出フロー構成要素として、リーチが含まれているが、リーチの後には、「ファウル」、または「ホームラン」、もしくは「三振」が導出される。すなわち、「ファウル」、「ホームラン」、および「三振」はリーチの成立に伴って導出され得る。「ファウル」は小当たり・大当たりの場合もハズレの場合も導出され得る。一方、「ホームラン」は小当たり・大当たりの場合に導出され、「三振」はハズレの場合に導出される。
なお、前述のように、第1特殊演出では、敵キャラクタであるバッター目線での有利な展開が、遊技者に有利な演出内容となる。したがって、勝負途中結果「ボール」は遊技者に有利な演出内容と位置づけられ、勝負途中結果「空振り」は遊技者に不利な演出内容と位置づけられる。そして、図79~図80に記載の選択率に示されるように、第1特殊演出において、ボールカウントおよびストライクカウントが増えていくが、最終的にボールカウントが多くなるにつれて、遊技者に有利な大当たり・小当たりになる期待度が高くなる。
ここで、第1特殊演出の具体的な演出フローについて説明する。例えば、第1特殊演出パターン「TEP002」では、最初にピッチャーがボールを投げてバッターが見送ってボールとなる(ボール)。続いて、ピッチャーがボールを投げてバッターが空振りしてストライクとなる(空振り)。次に、リーチが成立した後に(リーチ)、ピッチャーがボールを投げてバッターが振るがファウルボールとなる(ファウル)。そして、最後にピッチャーがボールを投げてバッターが振ってホームランとなる(ホームラン)。このホームランで当該第1特殊演出が終了し、小当たり遊技、または大当たり遊技が行われる。
また、第1特殊演出パターン「TEP102」では、リーチが成立した後に(リーチ)、ピッチャーがボールを投げてバッターが振るがファウルボールとなる(ファウル)ところまでは、第1特殊演出パターン「TEP002」の場合と同一である。そして、最後にピッチャーがボールを投げると、バッターが空振りして三振となる(三振)。この三振で当該第1特殊演出が終了し、次の特図可変表示が実行可能な状態となる。したがって、当該第1特殊演出で三振した結果、アウトカウントが「1」または「2」となった場合、続いて次の第1特殊演出が実行される。
次に、第1特殊演出における演出図柄EZ1~EZ3の特定表示について説明する。第1特殊演出の途中で、途中の結果として、「ボール」か「空振り」が導出された直後に、表示部50aにおいて、演出図柄EZ1~EZ3の特定表示が行われる。演出図柄EZ1~EZ3の特定表示として、それまで視認困難な状態で表示されていた表示されていなかった演出図柄EZ1~EZ3が表示部50aの上下方向略中央辺りに変動表示している状態で一斉に視認容易に出現し、その直後に小気味よく順次に仮停止表示し、さらに再変動表示しながら視認困難な状態に戻る。なお、演出図柄EZ1~EZ3の特定表示に係る視認困難な状態は、表示されていない状態に置き換えても良い。
演出図柄EZ1~EZ3の特定表示において、演出図柄EZ1~EZ3の仮停止表示が行われる場合の当該仮停止表示の表示内容(停止表示態様)は、途中の結果の種類(「ボール」、「空振り」)に対応付けられている。「ボール」に対応付けられた停止表示態様は、所謂「順目」であり、「空振り」に対応付けられた停止表示態様は、所謂「バラケ目」である。第1実施形態では、順目として、「(1・2・3)、(4・5・6)、(7・8・9)=左演出図柄EZ1・中演出図柄EZ2・右演出図柄EZ3」」の3パターンが設定されている。一方、バラケ目として、「(1・5・4)、(2・7・6)、(3・9・8)=左演出図柄EZ1・中演出図柄EZ2・右演出図柄EZ3」」の3パターンが設定されている。
また、第1実施形態では、順目のパターン、およびバラケ目のパターンは、大当たりに対する期待度、および小当たりに対する期待度を示唆していない。演出制御用マイコン121は、第1特殊演出パターンを決定したときに、その第1特殊演出パターンに含まれる各「ボール」、および「空振り」に対して、順目のパターン、およびバラケ目のパターンも決定することとし、その決定するときの各順目のパターン、および各バラケ目のパターンの選択率は同一に設定されていることとする。なお、順目のパターン、およびバラケ目のパターンは、大当たりに対する期待度、および小当たりに対する期待度を示唆するようにしても良い。
また、演出図柄EZ1~EZ3の特定表示において演出図柄EZ1~EZ3が変動表示している状態で一斉に視認容易に出現する際の演出内容は適宜に設定可能であるが、例えば、演出図柄EZ1~EZ3の3つが横に並んだ状態で、演出図柄EZ1~EZ3のそれぞれがその場で上下方向を回転軸とする自転をしながら出現する。この場合の自転が変動表示を構成している。
さらに、演出図柄EZ1~EZ3が仮停止表示すると、その直後に、当該仮停止表示が維持されたまま、当該仮停止表示に重畳的に、途中の結果に対応する途中結果対応画像G62が表示される。当該途中の結果が「ボール」であれば「ボール」という文字の途中結果対応画像G62が表示され、当該途中の結果が「空振り」であれば「ストライク」という文字の途中結果対応画像G62が表示される。
途中結果対応画像G62は所定時間(例えば、2秒)表示される。そして、途中結果対応画像G62が消えると、それに伴って、仮停止表示していた演出図柄EZ1~EZ3が再変動表示しながら視認困難な状態に戻って演出図柄EZ1~EZ3の特定表示が終了し、次の第1特殊演出フロー構成要素に進む。
なお、途中結果対応画像G62は、消える際に、カウント画像G60における当該「ボール」、または「空振り」によって増えるカウントに対応する部分に向かって吸い込まれるように変形しながら移動する。そして、途中結果対応画像G62は、カウント画像G60における当該対応する部分に到達すると、その流れで当該対応する部分に吸い込まれながら消滅すると共に、カウント画像G60における当該対応する部分が点灯する。
このように、アニメーションにおいてピッチャーがボールを投げて、バッターが対応して「ボール」、または「空振り」が途中の結果として導出されてから、演出図柄EZ1~EZ3の特定表示が開始され、その途中で途中結果対応画像G62が重複して実行されることで、途中の結果が示唆され、それに応じてカウント画像G60が変化して、演出図柄EZ1~EZ3の特定表示が終了するまでの一連の流れは、途中の結果(「ボール」、および「空振り」)に係る1つの演出上の単位(ブロック)であり、第1特殊演出においては、この途中の結果(「ボール」、および「空振り」)に係る1つの演出上の単位(ブロック)が複数回繰り返し行われる。
また、演出図柄EZ1~EZ3の特定表示の終了後は、次の途中の結果(「ボール」、および「空振り」)に係るピッチャーの投球が開始されるかリーチが成立する。リーチが成立する場合、視認容易な左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3が揃った状態で、表示部50aの上端から下方へ向かってゆっくりとフェードインする。このときの左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3は同一種類の演出図柄G10で構成される。そして、左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3はそのまま下降して上下方向略中央辺りで停止し、リーチが成立する。
また、途中結果対応画像G62には、途中の結果「ファウル」に対応し、「ファウル」という文字からなる途中結果対応画像G62もある。ただし、途中の結果「ファウル」が導出されたときに、「ボール」や「空振り」のときのように演出図柄EZ1~EZ3の特定表示は行われることがなく、アニメーションにおいてピッチャーがボールを投げて、バッターが対応して「ファウル」が途中の結果として導出されたときに「ファウル」に対応する途中結果対応画像G62が表示される。
「ファウル」に対応する途中結果対応画像G62は所定時間(例えば、2秒)表示される。そして、「ファウル」に対応する途中結果対応画像G62が表示されたとき、その直前のストライクカウントが「0」または「1」である場合は、そこからストライクカウントが1つ増える。そのような場合、当該途中結果対応画像G62は、消える際に、カウント画像G60における当該「ファウル」によって増えたアウトカウントに対応する部分に向かって吸い込まれるように変形しながら移動する。そして、途中結果対応画像G62は、カウント画像G60における当該対応する部分に到達すると、その流れで当該対応する部分に吸い込まれながら消滅すると共に、カウント画像G60における当該対応する部分が点灯する。
なお、第1実施形態では、第1特殊演出において、同一種類からなる2つの演出図柄G10で構成される左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3が揃った状態でゆっくりとフェードインすると必ずリーチが成立するが、上下方向略中央辺りで停止せずにそこから勢いよく下降してそのまま表示部50aの下端からフェードアウトするリーチガセが発生することがあるようにしても良い。
次に、図81から図84を用いて表示部50aにおいて行われる第1特殊演出の具体例を説明する。ここでは、第1特殊演出パターン「TEP002」を例に説明する。図81は、第1特殊演出パターン「TEP002」における1番目の第1特殊演出フロー構成要素「ボール」の具体例を表す図であり、図82は、第1特殊演出パターン「TEP002」における2番目の第1特殊演出フロー構成要素「空振り」の具体例を表す図であり、図83は、第1特殊演出パターン「TEP002」における3番目、4番目の第1特殊演出フロー構成要素「リーチ」、「ファウル」の具体例を表す図であり、図84は、第1特殊演出パターン「TEP002」における5番目の第1特殊演出フロー構成要素「ボームラン」の具体例を表す図である。なお、第1特殊演出パターン「TEP002」の第1特殊演出は、アウトカウント「0」から開始されると仮定する。
図81(A)に示すように、「ボール」に係る第1特殊演出フロー構成要素では、最初に、第1特殊演出用背景画像G150を構成するアニメーションにおいて、ピッチャー(主人公キャラクタ)がバッターにボールを投げるシーンが表示される(投球シーン)。続いて、図81(B)に示すように、バッターがボールを見送るシーンが表示される(ボール球見送りシーン)。次に、図81(C)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の特定表示が行われて、「ボール」に対応付けられた順目(図81(C)では、「1・2・3」)の演出図柄EZ1~EZ3の仮停止表示が行われる。
そして、図81(D)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の仮停止表示が行われている状態で、当該演出図柄EZ1~EZ3に重畳的に、「ボール」に対応付けられた途中結果対応画像G62が表示される。それから所定時間(例えば、2秒)が経過すると、図81(E)に示すように、途中結果対応画像G62が消えると共に、カウント画像G60におけるボールカウント「1」の部分(「B」の右隣の円)が点灯する。その後、直ぐに演出図柄EZ1~EZ3が再変動表示しながら消えて(図示なし)、次の第1特殊演出フロー構成要素(ここでは、2番目の「空振り」)に移行する。
「空振り」に係る第1特殊演出フロー構成要素では、最初に、図82(A)に示すように、ピッチャー(主人公キャラクタ)がバッターにボールを投げるシーンが表示される(投球シーン)。続いて、図82(B)に示すように、バッターが空振りするシーンが表示される(空振りシーン)。次に、図82(C)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の特定表示が行われて、「空振り」に対応付けられたバラケ目(図82(C)では、「1・5・4」)の演出図柄EZ1~EZ3の仮停止表示が行われる。
そして、図82(D)に示すように、演出図柄EZ1~EZ3の仮停止表示が行われている状態で、当該演出図柄EZ1~EZ3に重畳的に、「空振り」に対応付けられた途中結果対応画像G62が表示される。それから所定時間(例えば、2秒)が経過すると、図82(E)に示すように、途中結果対応画像G62が消えると共に、カウント画像G60におけるストライクカウント「1」の部分(「S」の右隣の円)が点灯する。その後、直ぐに演出図柄EZ1~EZ3が再変動表示しながら消えて(図示なし)、次の第1特殊演出フロー構成要素(ここでは、3番目の「リーチ」)に移行する。
なお、「ボール」、および「空振り」に係る投球シーンでは、ピッチャー(主人公キャラクタ)は、あまり時間を掛けずに通常の投球動作で淡々と自身の標準的な(基本となる)ボール(非決め球)を投げる。
「リーチ」に係る第1特殊演出フロー構成要素では、最初に、図83(A)に示すように、同一種類からなる2つの演出図柄G10で構成される左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3が揃った状態で、表示部50aの上端からゆっくりとフェードインし、そのまま下降する。そして、図83(B)に示すように、左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3が上下方向略中央辺りで停止して、リーチが成立し、次の第1特殊演出フロー構成要素(ここでは、4番目の「ファウル」)に移行する。なお、リーチが成立すると、左演出図柄EZ1、および右演出図柄EZ3はリーチを保持した状態で、縮小されると共に、表示部50aの右上隅部に移動する。
「ファウル」に係る第1演出フロー構成要素では、最初に、図83(C)に示すように、ピッチャー(主人公キャラクタ)がバッター(敵キャラクタ)にボールを投げるシーンが表示される(決め球投球シーン)。なお、「ファウル」に係る投球シーンでは、ピッチャー(主人公キャラクタ)は、「ボール」や「空振り」のときよりも時間を掛けて大袈裟な動作で自身の得意なボール(決め球)を投げる。
次に、図83(D)に示すように、バッターがバットを振ってファウルボールとなるシーンが表示される(ファウルシーン)。アニメーションでファウルシーンが表示されると、図83(E)に示すように、「ファウル」に対応する途中結果対応画像G62が表示される。それから所定時間(例えば、2秒)が経過すると、図83(F)に示すように、途中結果対応画像G62が消えると共に、カウント画像G60におけるストライクカウント「2」の部分(「S」の2つ右隣の円)が点灯する。その後、直ぐに次の第1特殊演出フロー構成要素(ここでは、5番目の「ホームラン」)に移行する。
「ホームラン」に係る第1演出フロー構成要素でも、最初に、図84(A)に示すように、「ファウル」の場合と同様に、ピッチャー(主人公キャラクタ)が、自身の得意なボール(決め球)を投げるシーンが表示される(決め球投球シーン)。次に、図84(B)に示すように、バッターがバットを振り、続いて近接しているボールとバットがクローズアップされるシーンが表示される(ボールとバットのクローズアップシーン)。このボールとバットがクローズアップされるシーンは、小当たりまたは大当たりかハズレの分岐点(当落分岐点)を構成する。
そして、図84(C)に示すように、バッターがバットを振り切ってホームランとなるシーンが表示される(ホームランシーン)。そうすると、その直後に、図84(D)に示すように、盤可動体55kが作動して、正面視で表示部50aの上下方向略中央まで下降して保持されると共に、表示部50aでは、当該盤可動体55kの作動を効果的に魅せるエフェクト画像G99が表示部50aの画面全体に表示される。この盤可動体55kの作動(下降位置での保持を含む)、およびエフェクト画像G99の表示は所定時間(例えば、5秒)行われる。
その後、図84(E)に示すように、盤可動体55kが元の状態に戻ると共に、表示部50aではエフェクト画像G99が消えて、バッターが喜んでいるシーンが表示され、図84(F)に示すように、同一種類からなる3つの演出図柄G10で構成される演出図柄EZ1~EZ3が揃った状態で、表示部50aの上下方向略中央に出現してそのまま完全に停止表示する。この演出図柄EZ1~EZ3の停止表示は所定時間(例えば、3秒)行われる。この演出図柄EZ1~EZ3の停止表示の終了は、特図2可変表示の終了に応じて行われる。そして、演出図柄EZ1~EZ3の停止表示が終了すると、小当たり遊技または大当たり遊技に応じた演出が開始される。
なお、盤可動体55kの作動(下降位置での保持を含む)、およびエフェクト画像G99の表示、ならびにバッターが喜んでいるシーンの表示は、ハズレの場合には実行されない大当たり、または小当たりを報知する演出(特定報知演出)を構成する。
次に、第1特殊演出パターン「TEP102」を例に第1特殊演出の具体例を説明する。第1特殊演出パターン「TEP102」の第1特殊演出は、途中まで第1特殊演出パターン「TEP002」の第1特殊演出と同じように進行する(第1特殊演出フロー構成要素が移行する)。具体的には、第1特殊演出パターン「TEP102」の第1特殊演出は、第1特殊演出パターン「TEP002」の第1特殊演出の当落分岐点までと同一の演出内容で途中まで進行する。図85は、第1特殊演出パターン「TEP102」における5番目の第1特殊演出フロー構成要素「三振」の具体例を表す図である。なお、第1特殊演出パターン「TEP102」の第1特殊演出は、アウトカウント「0」から開始されていると仮定する。
「三振」に係る第1特殊演出フロー構成要素でも、最初に、図85(A)に示すように、「ホームラン」の場合と同様に、ピッチャー(主人公キャラクタ)が、自身の得意なボール(決め球)を投げるシーンが表示される(決め球投球シーン)。次に、図85(B)に示すように、バッターがバットを振り、続いて近接しているボールとバットがクローズアップされるシーンが表示される(ホールとバットのクローズアップシーン)。このボールとバットがクローズアップされるシーンは、小当たりまたは大当たりかハズレの分岐点(当落分岐点)を構成する。そして、図85(C)に示すように、バットが空を切って三振となるシーンが表示される(三振シーン)。そうすると、その直後に、図85(D)に示すように、ピッチャーが喜んでいるシーンが表示され、図85(E)に示すように、アウトカウント「0」を表すカウント画像G60が表示部50aの中央に拡大されて表示され、当該三振によってアウトカウントが「0」から「1」になるので、図85(F)に示すように、当該カウント画像G60のアウトカウント「1」に対する部分(文字「O」の右隣の円)が点灯すると共に、ボールカウントに係る部分、およびストライクカウントに係る部分がリセットされる。この当該カウント画像G60の拡大表示の終了は、特図2可変表示の終了に応じて行われる。そして、アウトカウントが「1」ということはあと2回の第1特殊演出が実行可能であるので、当該カウント画像G60の拡大表示が終了すると、カウント画像G60の表示位置、および大きさが元に戻ると共に、次の第1特殊演出が開始される(図示なし)。
このように、パチンコ遊技機PY1によれば、開閉可能であり、開放されているときに遊技球が進入可能な第2大入賞口15と、第2大入賞口15に進入した遊技球が通過可能な特定状態と進入不可能な非特定状態とに制御される特定領域16とを備え、特図1の可変表示を実行可能であり、当該特図1の可変表示で大当たり図柄が導出されると、遊技者に有利な大当たり遊技(特図1大当たり遊技)を実行し、特図2の可変表示を実行可能であり、当該特図2の可変表示で小当たり図柄が導出されると、特定領域16が特定状態に制御され、遊技球が特定領域16に進入すると、遊技者に有利な大当たり遊技(特図2大当たり遊技)を実行し、特図1大当たり遊技、および特図2大当たり遊技が終了したことに応じて、特図2の可変表示が通常遊技状態よりも実行されやすい時短状態にすることが可能であり、特図1大当たり遊技、および特図2大当たり遊技を挟んで所定回数(第1実施形態では、2回)、連続して時短状態になったときの当該時短状態で小当たり図柄が導出されて特図2大当たり遊技が実行されると、当該特図2大当たり遊技が終了したことに応じて、通常遊技状態にすることがある。言い換えると、パチンコ遊技機PY1は、所謂「1種2種混合機」で構成され、時短状態の連続的な発生が所定回数に制限される遊技性を有しています。したがって、所謂「1種2種混合機」において、時短状態の連続的な発生が継続する間の複数回の大当たり遊技を1つの大当たり遊技(セット大当たり)として取り扱って遊技者に安心感、および満足感を与えることができると共に、新規な体感を得ることができて遊技興趣が向上する。
さらに、通常遊技状態において小当たり図柄が導出されて特図2大当たり遊技が実行される場合、当該特図2大当たり遊技が終了したことに応じて、第1期間継続可能な(時短規定回数が1回の)時短状態(不利遊技状態)にするときと、第1期間よりも長い第2期間継続可能な(時短規定回数が99回の)時短状態にするときとがある。時短状態が第2期間継続可能になる場合は、再度時短状態が所定回数連続的に発生し、複数回の大当たり遊技からなるセット大当たりを実行させることができる可能性が高くなるので、ますます遊技興趣が向上する。さらに、所定個数(第1実施形態では、4個)を上限に当該特図2の可変表示を実行する権利を保留させることが可能であるので、一度のセット大当たりを連続的に発生させることが可能となり、ますます遊技者に安心感、および満足感を与えることができると共に、遊技興趣が向上する。
また、パチンコ遊技機PY1によれば、大当たり遊技の終了に応じて、通常遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態(時短状態)にすることがあり、その後、通常遊技状態で大当たり判定が実行されることなく、2以上の所定回数(第1実施形態では、2回、または3回)、大当たり遊技が実行される場合、当該所定回数の大当たり遊技の中で最初の大当たり遊技が実行されることに応じて、当該所定回数の大当たり遊技で獲得可能な遊技媒体(遊技球)の個数を表す特定表示(賞球数演出)を表示部50aで実行する。したがって、一度有利遊技状態(時短状態)になってから通常遊技状態に落ちるまでの間の所定回数の大当たり遊技をまとまった一つの大当たり遊技(セット大当たり)に見せることができるので、遊技者に満足感を与えることができると共に、遊技興趣が向上する。
さらに、当該所定回数の大当たり遊技のそれぞれの大当たり遊技で、特定表示(賞球数演出)を表示部50aで実行する。したがって、まとまった一つの大当たり遊技(セット大当たり)に対する実感を遊技者により強く抱かせることができ、遊技興趣が向上する。また、通常遊技状態で大当たり判定が実行されることなく、所定回数、連続的に大当たり遊技が実行される場合の最後の大当たり遊技が終了したことに応じて、通常遊技状態にする。したがって、遊技全体にメリハリを効かせることができる。
また、パチンコ遊技機PY1によれば、遊技領域6に、第1態様(閉鎖態様)と第2態様(開放態様)との間で切り替え動作可能な電チュー開閉部材12kと、通常態様(閉鎖態様)と通常態様よりも遊技球が進入容易な特定態様(開放態様)との間で変化可能な第2大入賞口15と、第2大入賞口15に進入した遊技球が通過可能な特定領域16とが設けられ、第2大入賞口15が特定態様になる小当たり遊技を実行し、小当たり遊技において遊技球が特定領域16を通過すると、遊技者に有利な有利遊技状態にすることがあり、遊技領域6における所定位置(特定位置X)を通過した遊技球が第2大入賞口15に進入することが可能であり、電チュー開閉部材12kは、第2態様で保持されているときに遊技球の所定位置(特定位置X)の通過を妨げることがあり、時短状態において遊技球が特定領域16を通過すると、当該時短状態よりも電チュー開閉部材12kが第2態様になり難い通常遊技状態になり、小当たり遊技は、小当たり開放消極期間と、小当たり開放消極期間の後の小当たり開放積極期間とを有し、小当たり開放消極期間、および小当たり開放消極期間では第2大入賞口15が少なくとも1回は特定態様になり、小当たり開放消極期間において第2大入賞口15が特定態様になる時間よりも小当たり開放積極期間において第2大入賞口15が特定態様になる時間の方が長い。したがって、小当たり開放消極期間において遊技球が特定領域16を通過すると、その後の小当たり開放積極期間では、電チュー開閉部材12kが第2態様になり難くなる。その結果、相対的に第2大入賞口15が特定態様になる時間が長い小当たり開放積極期間において遊技球が所定位置を通過して第2大入賞口15に進入し、さらに遊技球が特定領域16を通過する機会の損失を抑えることができるので、遊技者が被る不利益を軽減することができる。
さらに、小当たり開放積極期間では、第2大入賞口15が最初に特定態様なってから通常態様になると、当該通常態様は当該最初の特定態様の時間よりも長い時間保持されるので、例え、第2大入賞口15が最初に特定態様になっているときに第2大入賞口15に進入した遊技球が特定領域16を通過したとしても、電チュー開閉部材12kが第2態様に保持されている期間が小当たり開放積極期間に差し掛かることを抑えることができるので、一層遊技者が被る不利益を軽減することができる。また、小当たり開放消極期間では、第2大入賞口15が少なくとも2回は特定態様になり、1回目の特定態様、および2回目の特定態様の双方の時間の双方よりも、1回目の特定態様の後の通常態様の時間、および2回目の特定態様の後の通常態様の時間の方が長い。したがって、例え、第2大入賞口15が最初に特定態様になっているときに遊技球が第2大入賞口15に進入することができなかった場合でも、第2大入賞口15が2回目に特定態様になっているときに遊技球を第2大入賞口15に進入させ、さらにその後、電チュー開閉部材12kが第2態様に保持されている期間が小当たり開放積極期間に差し掛かることを抑えることができるので、一層遊技者が被る不利益を軽減することができる。さらに、2回目の特定態様の後の通常態様の時間よりも1回目の特定態様の後の通常態様の時間の方が長い。したがって、第2大入賞口15が最初に特定態様になっているときに遊技球が第2大入賞口15に進入することができた場合に、その後の間延びを防ぐことができる。さらに、小当たり開放積極期間では、通常態様の第2大入賞口15が特定態様になって通常態様に戻る単位動作が複数回実行され、単位動作に係る特定態様の時間よりも単位動作に係る通常態様の時間の方が長く、単位動作に係る通常態様の時間よりも、第1期間における1回目の特定態様の後の通常態様の時間、および2回目の特定態様の後の通常態様の時間の方が長い。したがって、第2大入賞口15が最初にまたは2回目に特定態様になっているときに遊技球が第2大入賞口15に進入することができた場合に、その後の間延びを防ぐことができると共に、小当たり開放積極期間において遊技球を発射させ続けた場合に、第2大入賞口15に進入させることができなかった無駄を軽減することができる。
また、パチンコ遊技機PY1によれば、小当たり遊技の実行中に遊技球が特定領域16を通過するという特定条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技者に有利な時短状態にすることがあり、小当たり遊技の実行中に特定条件の成立に関わる小当たり中特定演出を実行可能であり、特定条件が成立すると、時短規定回数が1回の(継続期間が相対的に短い)不利時短状態になる場合、第1態様(表示部50aの画面全体)で小当たり中特定演出を実行し、特定条件が成立すると、時短規定回数が99回の(継続期間が相対的に長い)有利時短状態になる場合、第1態様よりも認識し難い第2態様(表示部50aに形成された縮小画面50g)で小当たり中特定演出を実行する。したがって、特定条件が成立する機会を逸し難い有利時短状態になることに対して、遊技者に心理的な余裕を与えることができると共に、油断していると特定条件が成立する機会を逸し易い不利時短状態になることを印象付けて、特定条件が成立する機会を逸することを防止することができる。
また、パチンコ遊技機PY1によれば、小当たり遊技の実行中に遊技球が特定領域16を通過するという特定条件が成立した場合に、通常遊技状態になるときと、通常遊技状態よりも遊技者に有利な時短状態にすることがあり、小当たり遊技の実行中に特定条件の成立に関わる小当たり中特定演出を実行可能であり、特定条件が成立すると、通常遊技状態になる場合、第1態様(表示部50aの画面全体)で小当たり中特定演出を実行し、特定条件が成立すると、時短状態になる場合、第1態様よりも認識し難い第2態様(表示部50aに形成された縮小画面50g)で小当たり中特定演出を実行する。したがって、特定条件が成立する機会を逸し難い有利時短状態になることに対して、遊技者に心理的な余裕を与えることができると共に、油断していると特定条件が成立する機会を逸し易い通常遊技状態になることを印象付けて、特定条件が成立する機会を逸することを防止することができる。
さらに、遊技球を発射させる操作が可能な操作手段をさらに備え、小当たり遊技の実行中に遊技球が特定領域16を通過するという特定条件は、発射された遊技球によって成立することが可能であり、小当たり遊技において遊技球が発射されない場合は成立しない。したがって、特に、特定条件が成立して不利時短状態になる場合、および通常遊技状態になる場合の小当たり中特定演出の演出効果が向上する。
また、パチンコ遊技機PY1によれば、特殊モードの開始時、言い換えると通常遊技状態で特図2可変表示が開始される時という所定の基準時に、特図2保留が所定個数(第1実施形態において、4個)以上保留されているときに第2特殊演出を実行可能であり、特図2保留が所定個数(第1実施形態において、4個)以上保留されていないときに第2特殊演出を実行しない。したがって、第2特殊演出に対する価値を向上させ、第2特殊演出の演出効果を高めることができる。
さらに、特図2保留を所定個数(第1実施形態において、4個)まで保留することができる。すなわち、所定の基準時になるまでに特図2保留を上限値まで溜めていないと第2特殊演出を実行することができない。したがって、さらに第2特殊演出に対する価値を向上させ、第2特殊演出の演出効果を高めることができる。また、所定の基準時に特図2保留が所定個数(第1実施形態において、4個)溜まっている場合、当該特図2保留に基づく特図2の可変表示の中で最後に実行される特図2の可変表示が実行されているときに第2特殊演出が実行される。したがって、さらに第2特殊演出の演出効果を高めることができる。さらに、所定の基準時に特図2保留が所定個数(第1実施形態において、4個)溜まっている場合、当該特図2保留に基づく特図2の可変表示の中で最後以外の特図2の可変表示が実行されているときに第2特殊演出と異なる第1特殊演出を実行することが可能である。したがって、最後以外の特図2の可変表示が実行されているときにも遊技者を楽しませて遊技興趣を向上させることができる。
また、パチンコ遊技機PY1によれば、第1特殊演出において、複数回の単位演出(勝負過程構成要素:ピッチャーの1球の投球に対するバッターの応対)が繰り返し実行され、最終的に、最終的な結果として、第1結果(三振)、または第1結果よりも小当たりまたは大当たりになる可能性が高いことを示唆する第2結果(ホームラン)が導出され、単位演出のそれぞれでは、最終的に、第1結果、および第2結果と異なる第3結果(ストライク)、または第4結果(ボール)が導出される。したがって、1回の第1特殊演出の中で複数回、第3結果、および第4結果が導出されることになり、遊技者に何度もチャンスが訪れているように思わせることができ、遊技興趣を向上させることができる。
さらに、第1特殊演出は、遊技者に有利な小当たりまたは大当たりが導出されるときと、遊技者に不利なハズレが導出されるときがある特図2可変表示が実行されているときに実行されるので、第1特殊演出の演出効果を向上させることができる。また、単位演出において、第3結果を導出することに応じて演出図柄を第1所定態様(バラケ目)で停止表示し、第4結果を導出することに応じて演出図柄を第2所定態様(順目)で停止表示することがあるので、単位演出にメリハリを効かせると共に、第3結果、および第4結果を分かり易くして、単位演出の演出効果を向上させることができる。さらに、第1特殊演出は、所定の勝負(野球の1打席の対決)で構成され、第1結果は所定の勝負に係る敗北(三振)を構成し、第2結果は所定の勝負に係る勝利(ホームラン)を構成し、単位演出は、所定の勝負に係る勝利、および敗北に至る途中過程を構成し、第3結果は所定の勝負に係る敗北寄りの内容(空振り)を示し、第4結果は所定の勝負に係る勝利寄りの内容(ボール)を示す。したがって、第1特殊演出、および単位演出の演出効果を向上させることができる。
(第1実施形態の変更例)
次に、第1実施形態に係るパチンコ遊技機PY1の変更例について説明する。なお、以下に説明する変更例同士を適宜に組み合わせることも可能である。
第1実施形態では、時短状態に係るリミッターは2回に設定されていたが、この回数は2回に限られず適宜に変更しても良い。また、パチンコ遊技機PY1におけるリミッターは2回の1種類であるが、リミッターに係る回数は2種類以上あっても良い。この場合、特図の種類に応じてリミッターに係る回数が設定されているようにしても良い。
また、第1実施形態では、時短規定回数として、1回、および99回の2種類が設けられているが、時短規定回数の具体的な回数、および種類は第1実施形態に限られず適宜に変更しても良い。
さらに、特図2抽選に係る大当たり判定で小当たりに当選する確率も第1実施形態に限られず適宜に変更しても良い。ただし、第1実施形態では、特図2保留数の上限値が「4」であるのに対して、特図2抽選に係る大当たり判定で小当たりに当選する確率は約「1/4」であるが、当該小当たり当選確率を分数、且つその分子を「1」で表した場合の分母が特図2保留数の上限値に近似していることが望ましい。残保留全体で小当たり当選できるか否かの境界にして、遊技者に小当たり当選に対する期待感を抱かせつつドキドキさせることができるからである。なお、この場合の近似の範囲としては、当該分母の部分が特図2保留数の上限値の約2倍以下であり、1/2以上であることが望ましい。
また、大当たり遊技、およびセット大当たりに係るラウンド遊技の回数、各ラウンド遊技における第1大入賞口14の開放回数、および各開放に係る開放時間、言い換えると、各大当たり遊技に係る獲得予定賞球数は適宜に変更しても良い。
さらに、第1実施形態では、セット大当たりを構成する非リミッター大当たり遊技に係るエンディングの時間は、0秒に設定されており、言い換えるとセット大当たりを構成する非リミッター大当たり遊技ではエンディングが行われないが、エンディングの時間は0秒より大きい時間に設定されていても良い。ただし、この場合、複数回の大当たり遊技で1つの大当たり遊技として取り扱うためには、リミッター大当たり遊技に係るエンディングの時間よりも非リミッター大当たり遊技に係るエンディングの時間の方が短いことが望ましい。
また、第1実施形態では、セット大当たりを構成する大当たり遊技に係るオープニング時間は、全て10秒に設定されているが、オープニング時間は適宜に変更しても良い。例えば、セット大当たりを構成する大当たり遊技に係るオープニングの時間は、2種類以上あっても良い。具体的には、複数回の大当たり遊技で1つの大当たり遊技として取り扱うために、セット大当たりを構成する最初の大当たり遊技に係るオープニング時間を10秒にし、セット大当たりを構成する最初以外の大当たり遊技に係るオープニング時間を2秒にするなど、セット大当たりを構成する最初以外の大当たり遊技に係るオープニングの時間を、セット大当たりを構成する最初の大当たり遊技に係るオープニングの時間よりも短くするようにしても良い。あるいは、より一層、複数回の大当たり遊技で1つの大当たり遊技として取り扱うために、セット大当たりを構成する最初以外の大当たり遊技に係るオープニングの時間を0秒、言い換えるとセット大当たりを構成する最初以外の大当たり遊技ではオープニングが行われないようにしても良い。
また、第1実施形態では、連続的且つ一体的に実行される複数回の大当たり遊技を1つのセット大当たりとして取り扱い、当該複数回の大当たり遊技全体に対して賞球数演出が実行される。そして、賞球数演出の対象となる複数回の大当たり遊技は、セット大当たりに限られず、適宜に変更しても良い。例えば、ある大当たり遊技の開始時に、そのとき存在している特図保留の中に先読み判定結果として「大当たり」を含むものがあり、複数回の大当たり遊技が実行されることが確定していれば、そのような複数回の大当たり遊技について、賞球数演出を実行するようにしても良い。あるいは、大当たり当選確率に係る遊技状態として、通常確率状態と高確率状態とがあり、ある大当たり遊技の終了後の高確率状態の継続期間が、大当たり当選確率「1/80」に対して高確率規定回数が10000回など、実質的には、次回大当たり当選することが濃厚である場合、当該最初の大当たり遊技と後の大当たり遊技の2回の大当たり遊技に対して、賞球数演出を実行するようにしても良い。
さらに、賞球数演出は、獲得予定賞球数を分母とし、獲得済賞球数を分子とする分数形式で表示されているが、表示形式は第1実施形態に限られずに適宜に変更しても良い。さらに、賞球数演出は、棒グラフや折れ線グラフなど数字とは異なる種類の画像で表示されるようにしても良い。また、画像を表示可能な画像表示装置50で賞球数演出が実行されているが、賞球数演出が実行される演出装置も第1実施形態に限られず、ドット・マトリックス表示器や7セグメント表示器など他の方式の表示器で実行されても良い。さらに、賞球数演出では、獲得済賞球数が表示されないようにしても良い。
また、第1実施形態では、小当たり遊技における第2大入賞口15の開閉態様(第2AT開閉部材15kの作動態様)、および特定領域16の開閉態様(振分部材16kの作動態様)も第1実施形態に限られず適宜に変更しても良い。
第2大入賞口15の開閉態様として、第2大入賞口15の開放回数、各開放に要する時間、各開放後の閉鎖に要する時間、および開放時間の合計などがある。例えば、小当たり開放消極期間における第2大入賞口15の開放を最初の1回のみにしても良い。また、小当たり開放積極期間における第2大入賞口15の開放を前半の0.78秒と後半の0.78秒としても良い。この場合、小当たり開放積極期間における前半の開放と後半の開放との間の閉鎖に要する時間は、小当たり開放積極期間に係る単位時間当たりの第2大入賞口15の開放時間が小当たり開放消極期間に係る単位時間当たりの第2大入賞口15の開放時間よりも長くなる範囲で適宜に設定しても良い。
さらに、特定領域16の開閉態様として、特定領域の開放回数、各開放に要する時間、各開放後の閉鎖に要する時間、および開放時間の合計などがある。例えば、小当たり開放消極期間において、特定領域16は、第2大入賞口15が開放した後、遊技球が第2大入賞口15に進入してから特定領域16に到達するまでの時間として考えられる最も早い時間が経過すると、開放するようにしても良い。また、小当たり開放消極期間において、特定領域16は、第2大入賞口15が閉鎖した後、遊技球が第2大入賞口15に進入してから特定領域16に到達するまでの時間として考えられる最も遅い時間が経過すると、閉鎖するようにしても良い。
さらに、第2大入賞口15に係るオープニングの時間、およびエンディングの時間も第1実施形態に限られず適宜に変更しても良い。ただし、オープニングの時間は、少なくとも小当たり遊技が開始されてから遊技球を発射させて遊技球が第2大入賞口15に到達する時間よりも長いことが望ましい。遊技球が第2大入賞口15へ入賞する機会が損なわれることを防ぐためである。また、第1実施形態では、通常遊技状態で小当たり図柄が停止表示した場合の小当たり遊技における第2大入賞口15の開閉態様、および特定領域16の開閉態様は、時短状態で小当たり図柄が停止表示した場合の小当たり遊技における第2大入賞口15の開閉態様、および特定領域16の開閉態様と同一であるが、異なるようにしても良い。例えば、当該通常遊技状態に係る小当たり遊技では、当該時短状態に係る小当たり遊技の小当たり開放消極期間、および小当たり開放積極期間のように、単位時間当たりの第2大入賞口15の開放時間に基づく期間を有さずに、単に第2大入賞口15が1回1.8秒開放するようにしても良い。
また、第1実施形態では、小当たり遊技において第2大入賞口15に進入した遊技球が特定領域16を通過するという条件が成立したことにより大当たり遊技が実行されるが、当該特定領域16の通過以外の条件が成立することによって大当たり遊技が実行されるようにしても良い。例えば、特定条件を、小当たり遊技における遊技球の発射個数が所定個数(例えば、40球)に到達することや小当たり遊技において第2大入賞口15に入賞した個数が所定個数(例えば、3球)に到達することに設定しても良い。
また、第1実施形態では、小当たり遊技において実行される小当たり中特定演出として、その後に不利時短状態になり得る場合に小ぢんまりと実行される第1小当たり中特定演出と、その後に有利時短状態になり得る場合に大々的に実行される第2小当たり中特定演出とがあり、小当たり中特定演出には、小当たり中右打ち促進演出、V入賞促進演出、およびV入賞報知演出が含まれているが、その後になり得る時短状態の種類に応じて、当該演出を小ぢんまりと実行するのか大々的に実行するのかを分けるのは、小当たり中右打ち促進演出、V入賞促進演出、およびV入賞報知演出の一部であっても良い。言い換えると、その後に有利時短状態になり得る場合に縮小画面50gで実行されるのは、小当たり中右打ち促進演出、V入賞促進演出、およびV入賞報知演出の一部であっても良い。したがって、第1小当たり中右打ち促進画像G50、V入賞促進画像G53、およびV入賞報知画像G54の一部は、第2小当たり中右打ち促進画像G51のように、表示部50aにおける縮小画面50g以外の部分で実行されるようにしても良い。
さらに、第1実施形態では、第2小当たり中特定演出において、第2小当たり中右打ち促進画像G51は、表示部50aにおける縮小画面50g以外の部分で実行されているが、第1小当たり中右打ち促進画像G50と同様に縮小されて縮小画面50gで実行されるようにしても良い。
また、第1実施形態では、第1小当たり中特定演出が表示部50aの一部分に形成される縮小画面50gで実行されることにより、言い換えると第1小当たり中特定演出に係る各種画像G50、G53、G54を第2小当たり中特定演出に係る各種画像G50、G53、G54よりも小さく表示することで、第1小当たり中特定演出が相対的に小ぢんまりと、すなわち第2小当たり中特定演出に比して目立たない態様で実行されている。しかし、第1小当たり中特定演出が第2小当たり中特定演出に比して目立たない態様で実行される態様として、大きさを小さくする以外の方法で実行するようにしても良い。例えば、第1小当たり中特定演出も、第2小当たり中特定演出と同様に表示部50aの画面全体で実行されるが、第1小当たり中特定演出が透明度50%で実行され、第2小当たり中特定演出が透明度0%で実行されるように、第2小当たり中特定演出に係る透明度よりも第1小当たり中特定演出に係る透明度の方が高くなるようにしても良い。
また、第1実施形態では、第2特殊演出は、残保留に係る特図2可変表示が開始される時に特図2保留数が上限値の4個である場合にのみ実行可能であるが、例えば3個以上、換言すると、特図2保留数の上限値よりも所定個数少ない数以上ある場合、実行可能であるようにしても良い。例えば、特図2保留数の上限値が8個であり、残保留に係る特図2可変表示が開始される時に特図2保留数が上限値よりも3個少ない5個以上である場合に第2特殊演出が実行可能であるようにしても良い。
さらに、第2特殊演出は、特図2保留数の上限値に係る保留順4の特図2保留に対応する特図2可変表示が実行されているときに実行されるが、実行時期はこれに限られず適宜に変更しても良い。例えば、特殊モードにおいて、基本的な実施形態における保留アイコンや当該アイコンを表示可能であり、保留アイコンや当該アイコンを用いて、残保留に係る特図2可変表示が開始される時に特図2保留数が上限値の4個である場合にのみ実行可能な演出を実行するようにしても良い。
また、特殊モードにおける最初の第1特殊演出に係るアウトカウントは、残保留に係る特図2可変表示が開始される時の特図2保留数に応じて異なり、その後、ハズレに係る特図2可変表示が終了する度にアウトカウントが1つずつ増えていくが、アウトカウントの推移態様は第1実施形態に限られず適宜に変更しても良い。例えば、特に残保留に係る特図2可変表示が開始される時の特図2保留数に関わらず、特に特図2保留数が2個以下の場合であっても、特殊モードにおける最初の第1特殊演出はアウトカウント「1」で開始され、その後、1回の特図2可変表示(第1特殊演出)でアウトカウントが2つ増えることがあるようにしても良い。反対に、ハズレに係る特図2可変表示(第1特殊演出)であっても、アウトカウントが増えないことがあるようにしても良い。
さらに、第1実施形態では、時短状態において時短規定回数の特図2可変表示が実行されることによって当該時短状態が終了する場合、最後の特図2可変表示に係る特図確定時間は、他の場合と同一であるが、この場合には、例えば、10秒など、時短状態における普図変動時間と補助遊技に要する時間を合わせた時間よりも長い時間にしても良い。特殊モードに突入した後に第2始動口12に入賞して、特殊モードによる演出に矛盾を生じさせないためである。
また、第1特殊演出に係る演出内容は第1実施形態に限られず適宜に変更しても良い。例えば、1回の第1特殊演出における最終的なボールカウントとストライクカウントの合計、言い換えると導出される途中の結果の合計が、1つや2つとなる場合があっても良い。また、途中の結果「ファウル」はリーチ成立後にのみ導出されているが、リーチ成立前にも導出されることがあるようにしても良い。あるいは、途中の結果「ボール」や「空振り」がリーチ成立後に導出されることがあるようにしても良い。この場合、リーチ成立後であっても、途中の結果「ボール」や「空振り」が導出される際に、演出図柄EZ1~EZ3の特定表示が行われるようにしても良いし、演出図柄EZ1~EZ3の特定表示が行われないようにしても良い。
さらに、第1特殊演出では、敵キャラクタであるバッターがホームランすると小当たり・大当たりとなり、バッターに有利なボールが多くなるにつれて小当たり・大当たりとなる期待度が高くなるが、主人公キャラクタであるピッチャーがバッターを打ち取ると(バッターが三振またはレフトフライすると)、小当たり・大当たりとなり、ピッチャーに有利な三振(ストライク)が多くなるにつれて小当たり・大当たりとなる期待度が高くなるようにしても良い。
また、第1実施形態では、「三振」が導出された場合は必ずハズレになるが、「三振」の後に、所謂「復活演出」が実行されて大当たり、または小当たりとなる場合があるようにしても良い。
また、第1特殊演出の演出上の題材は野球における1打席の対決であるが、第1特殊演出の演出上の題材は適宜に変更しても良い。例えば、複数回の第1特殊演出全体を通して、野球のトーナメント戦が行われ、各第1特殊演出の最終的な結果として、試合の勝敗が導出され、途中の結果として、得点・失点が導出されるようにしても良い。すなわち、最終的な結果、および途中の結果に係るスケールを変更しても良い。あるいは、第1特殊演出の演出上の題材を野球以外の競技に変更しても良い。
さらに、第1実施形態では、各大当たり判定結果に対応付けられた第1特殊演出に係る特図2変動パターンは3種類であるが、2種類以下、または4種類以上であっても良い。また、大当たり判定結果間で特図2変動パターンの種類が異なるようにしても良い。また、第1実施形態では、第1特殊演出において必ずリーチが成立しているが、リーチが成立しない場合があるようにしても良い。
さらに、第1実施形態では、途中の結果「ファール」が導出される際に、演出図柄EZ1~EZ3の特定表示が行われていないが、演出図柄EZ1~EZ3の特定表示が行われるようにしても良い。この場合、途中の結果「空振り」と同一の組み合わせからなる演出図柄EZ1~EZ3の仮停止表示が実行可能となるようにしても良い。あるいは、途中の結果「空振り」と異なる種類の順目からなる演出図柄EZ1~EZ3の仮停止表示が実行可能となるようにしても良い。また、降順など、順目やバラケ目とは異なる組み合わせからなる演出図柄EZ1~EZ3の仮停止表示が実行可能となるようにしても良い。あるいは、途中の結果が導出されるときに演出図柄EZ1~EZ3の特定表示が実行されないようにしても良い。
また、第1実施形態では、第1特殊演出において、背景画像に係るアニメーションとして、「ボール」や「空振り」が導出された後に、演出図柄EZ1~EZ3の特定表示が実行され、演出図柄EZ1~EZ3が仮停止表示しているときに、「ボール」や「空振り」に係る途中結果対応画像G62が表示されるが、これらの実行順序はこれに限られず適宜に変更しても良い。例えば、演出図柄EZ1~EZ3の特定表示が実行され、「ボール」や「空振り」に対応する演出図柄EZ1~EZ3が仮停止表示しているときに、背景画像に係るアニメーションとして、「ボール」や「空振り」が導出され、さらに「ボール」や「空振り」に係る途中結果対応画像G62が表示されるようにしても良い。あるいは、背景画像に係るアニメーションとして、「ボール」や「空振り」が導出され、さらに「ボール」や「空振り」に係る途中結果対応画像G62が表示されてから、「ボール」や「空振り」に対応する演出図柄EZ1~EZ3の特定表示が実行されるようにしても良い。また、勝負過程構成要素として、途中結果対応画像G62は表示されないようにしても良い。あるいは、勝負過程構成要素として、演出図柄EZ1~EZ3の特定表示が実行されないようにしても良い。
また、第1特殊演出において、実行されることによって大当たり、または小当たりなる可能性が高くなったことを示唆するチャンスアップ演出を実行可能にしても良い。チャンスアップ演出の具体例について説明する。例えば、第1特殊演出が実行されているときに、表示部50aにおいて、敵キャラクタであるバッターに関する様々な特殊能力や主人公キャラクタであるピッチャーに関する様々な種類の特殊能力を表示部50aに表示可能にする。
特殊能力の表示態様は、特に限定されず、特殊能力は、その特殊能力を表すアイコンで表示されても良いし、その特殊能力を表す文字で表示されても良い。また、特殊能力が表示される個数も適宜に設定可能である。例えば、表示される特殊能力の個数が多くなるにつれて大当たり、または小当たりなる可能性が高くなるようにしても良い。さらに、特殊能力が表示部50aに表示されるタイミングを複数設定しても良い。また、複数の特殊能力が表示部50aに表示される場合、1つずつ適宜に表示されるようにしても良いし、全部または一部が適宜に表示されるようにしても良い。そして、表示部50aに表示される特殊能力はストックされる。
また、特殊能力とは、そのキャラクタが有するバッティングに活かせる能力やピッチングに活かせる能力のことであり、表示部50aに表示されるアニメーションの展開内容に応じて、ストックされている特殊能力が発展的に消滅(発動)しながら、当該特殊能力が表す場面(シーン)が表示されると、大当たり、または小当たりなる可能性が高くなる。例えば、バッターに関する特殊能力として、選球眼や粘り打ちがあり、ピッチャーに関する特殊能力として、コントロールや変化球がある。例えば、表示部50aに特殊能力「選球眼」がストックされているときに、当該特殊能力が発動して、バッターがボールを見送って途中結果「ボール」が導出される。また、表示部50aに特殊能力「変化球」がストックされているときに、当該特殊能力が発動して、ピッチャーが変化球を投げて、途中結果「空振り」が導出される。これらの場合、特殊能力がストック(表示)され、その後、当該特殊能力が発動して、アニメーションにおいて、当該特殊能力に応じた場面が表示されたので、大当たり、または小当たりなる可能性が高くなった。すなわち、チャンスアップ演出が実行されたことになる。
なお、ストック(表示)された特殊能力が発動するタイミングとして、リーチが成立する前やリーチが成立した後など複数のタイミングが設定されているようにしても良い。さらに、ストック(表示)された複数の特殊能力が同時に発動することがあるようにしても良い。また、ストック(表示)された特殊能力が発動しない場合があるようにしても良い。この場合、表示部50aに表示されていた特殊能力は当落分岐点など特定のタイミングで消えるようにしても良い。
7.前述した実施形態に開示されている発明
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明A~発明Fが開示されている。発明A~発明Fの説明では、前述した発明を実施する形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明を構成する手段などの要素はこの付記に限定されるものではない。なお、発明Aは、以下の発明A1~A3の総称であり、発明Bは、以下の発明B1~B3の総称であり、発明Cは、以下の発明C1~C5の総称であり、発明Dは、以下の発明D1~D3の総称であり、発明Eは、以下の発明E1~E4の総称であり、発明Fは、以下の発明F1~F4の総称である。
なお、発明Aによれば、特開2011-172741号公報に記載の遊技機について次に説明する課題1に対して遊技興趣を向上するという効果を奏する。特開2011-172741号公報に記載の遊技機では、遊技機について様々な仕様がある中で、1台の遊技機において、「第1種(所謂「デジパチタイプ」)」と称される仕様と、「第2種(所謂「羽根モノタイプ」)」と称される仕様)とが混合されている遊技機(所謂「1種2種混合機」)がある。第1種と称される仕様の部分については、遊技球の第1始動口への入賞を契機に特図1抽選が行われ、当該特図1抽選で大当たりに当選すると、第1大入賞口が開放する大当たり遊技が実行される。一方、第2種と称される仕様の部分については、第2始動口への入賞を契機に特図2抽選が行われ、当該特図2抽選で小当たりに当選すると、まずは内部に特定領域(所謂「Vゾーン」)を有する第2大入賞口が短時間(例えば、1.5秒)作動し、第2大入賞口が開放する小当たり遊技が実行される。この特定領域に遊技球が進入すると、第2大入賞口が開放する大当たり遊技が実行される。しかしながら、第1種と称される仕様と第2種と称される仕様とが混合されている遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。そこで、課題1とするところは、遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。
また、発明Bによれば、特開2019-181254号公報に記載の遊技機について次に説明する課題2に対して遊技興趣を向上するという効果を奏する。特開2019-181254号公報に記載の遊技機では、大当たりか否かを判定する大当たり判定が行われて、当該判定で大当たりとなるなど所定条件が成立することによって、遊技媒体を獲得可能な大当たり遊技が実行される。そして、大当たり遊技が実行されているときに、当該大当たり遊技で獲得可能な遊技媒体の個数が表示されることがある。しかしながら、獲得可能な遊技媒体の個数が表示されることがある遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。そこで、課題2とするところは、遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。
また、発明Cによれば、特開2019-181254号公報に記載の遊技機について次に説明する課題3に対して遊技者が不利益を軽減するという効果を奏する。特開2019-181254号公報に記載の遊技機では、遊技領域に向けて遊技球を発射させることによって遊技を行う。遊技領域には、開閉可能な可変始動口や開閉可能な大入賞口などが設けられている。また、大入賞口が開放しているときに大入賞口に進入した遊技球が通過可能な態様と通過不可能な態様に制御される特定領域が遊技領域に設けられていることがある。ところで、パチンコ遊技機には様々な遊技性があるが、その中で、特開2019-181254号公報に記載の遊技機では、特定遊技において大入賞口が開放し、当該開放中に大入賞口に進入した遊技球が特定領域を通過することによって、遊技者に有利な遊技状態になることがある。しかしながら、可変始動口や大入賞口の配置、および可変始動口や大入賞口の開放態様は様々であるが、例えば、大入賞口の上流側に可変始動口が設けられ、可変始動口が開放することによって遊技球の大入賞口への進入が阻害されることもあり得る。この場合、遊技者がせっかく特定遊技を実行できたにも関わらず、遊技球が特定領域を通過することができずに遊技者が不利益を被るおそれもある。そこで、課題3とするところは、遊技者が不利益を軽減する新規な遊技機を提供することである。
また、発明Dによれば、特開2011-172741号公報に記載の遊技機について次に説明する課題4に対して遊技興趣を向上するという効果を奏する。特開2011-172741号公報に記載の遊技機では、特図抽選で小当たりに当選すると、まずは内部に特定領域(所謂「Vゾーン」)を有する大入賞口が短時間(例えば、1.5秒)作動し、大入賞口が開放する小当たり遊技が実行される。そして、遊技球がこの特定領域を通過すると、遊技者に有利な遊技状態になる。また、小当たり遊技が実行されているときに、今まで行われていた左打ち遊技から右打ち遊技へ変更させるメッセージが表示される。このメッセージの表示は、遊技者に有利な遊技状態になるための特定条件の成立に関する演出として機能する。しかしながら、遊技者に有利な遊技状態になるための特定条件の成立に関する演出が実行されることがある遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。そこで、課題4とするところは、遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。
また、発明Eによれば、特開2019-181254号公報に記載の遊技機について次に説明する課題5に対して遊技興趣を向上するという効果を奏する。特開2019-181254号公報に記載の遊技機では、特別図柄の可変表示を実行可能であり、特別図柄の可変表示で大当たり図柄が停止表示されると、遊技者に有利な遊技状態になる。そして、特別図柄の可変表示を開始させられない状況で、特別図柄の可変表示を実行する権利を取得すると、当該権利が保留され、当該保留された権利に係る特別図柄の可変表示を開始することができる条件が成立すると、当該特別図柄の可変表示が実行される。ところで、時短状態などの遊技者に有利な遊技状態が終了する時点で、特別図柄の可変表示を実行する権利が保留されていることがあり、当該保留されている権利を用いて特別な演出を実行することがある。しかしながら、保留されている特別図柄の可変表示を実行する権利を用いて特別な演出を実行することがある遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。そこで、課題5とするところは、遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。
また、発明Fによれば、特開2019-181254号公報に記載の遊技機について次に説明する課題6に対して遊技興趣を向上するという効果を奏する。特開2019-181254号公報に記載の遊技機では、特別図柄の可変表示を実行可能であり、特別図柄の可変表示で大当たり図柄が停止表示されると、遊技者に有利な大当たり遊技が実行される。そして、特別図柄の可変表示が実行されているときや、大当たり遊技が実行されているときには、様々な演出が実行される。例えば、特別図柄の可変表示が実行されているときには、所定のキャラクタ同士が対決する演出(リーチ演出)が実行され、当該対決で第1結果(敗北)が導出されると大当たり遊技が実行されず、第1結果よりも大当たり遊技が実行される可能性が高いことを示唆する第2結果(勝利)が導出されると大当たり遊技が実行される。しかしながら、第1結果、または第1結果よりも有利遊技状態になる可能性が高いことを示唆する第2結果が導出される演出を実行することがある遊技機について、遊技興趣の向上を図るために未だ改善の余地がある。そこで、課題6とするところは、遊技興趣が向上する新規な遊技機を提供することである。
8-1-1.発明A1
発明A1に係る遊技機は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
開閉可能であり、開放されているときに遊技球が進入可能な可変入賞領域(第2大入賞口15)と、
前記可変入賞領域に進入した遊技球が通過可能な特定状態と通過不可能な非特定状態とに制御される特定領域(特定領域16)とを備え、
前記遊技制御手段は、
第1識別情報(特図1)の可変表示を実行可能であり、当該第1識別情報の可変表示で第1特定結果(大当たり図柄の停止表示)が導出されると、遊技者に有利な第1有利遊技(大当たり遊技)を実行し、
第2識別情報(特図2)の可変表示を実行可能であり、当該第2識別情報の可変表示で第2特定結果(小当たり図柄の停止表示)が導出されると、前記特定領域が前記特定状態に制御され、遊技球が前記特定領域を通過すると、遊技者に有利な第2有利遊技(小当たり遊技)を実行する遊技機において、
前記遊技制御手段は、
前記第1有利遊技、および前記第2有利遊技が終了したことに応じて、前記第2識別情報の可変表示が通常状態よりも実行されやすい時短状態にすることが可能であり、
前記第1有利遊技、および前記第2有利遊技を挟んで所定回数(2回)、連続して前記時短状態になったときの当該時短状態で前記第2特定結果が導出されて前記第2有利遊技が実行されると、当該第2有利遊技が終了したことに応じて、前記通常状態にすることを特徴とする遊技機。
8-1-2.発明A2
発明A2に係る遊技機は、
発明A1に係る遊技機であって、
前記遊技制御手段は、前記通常状態において前記第2特定結果が導出されて前記第2有利遊技を実行すると、当該第2有利遊技が終了したことに応じて、第1期間継続可能な前記時短状態(不利時短状態)にするときと、前記第1期間よりも長い第2期間継続可能な前記時短状態(有利時短状態)にするときとがあることを特徴とする遊技機。
8-1-3.発明A3
発明A3に係る遊技機は、
発明A1または発明A2に係る遊技機であって、
前記遊技制御手段は、
所定条件が成立すると前記第2識別情報の可変表示を実行可能であり、
前記所定条件が成立したが前記第2識別情報の可変表示を開始させることができない場合は、所定個数(4個)を上限に当該第2識別情報の可変表示を実行する権利を保留させることが可能であることを特徴とする遊技機。
8-2-1.発明B1
発明B1に係る遊技機は、
所定判定(大当たり判定)で特定結果(大当たり、小当たり)となると、遊技媒体(遊技球)を獲得可能な特定遊技(大当たり遊技)を実行可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
表示部(表示部50a)に所定情報を表示可能な演出制御手段(演出制御用マイコン121)とを備えた遊技機であって、
前記遊技制御手段は、特定遊技の終了に応じて、通常遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態(時短状態)にすることがあり、
前記演出制御手段は、1回の特定遊技において、当該1回の特定遊技を含む複数回の特定遊技で獲得可能な遊技媒体の個数を表す特定表示(賞球数演出)を前記表示部で実行することがあることを特徴とする遊技機。
8-2-2.発明B2
発明B2に係る遊技機は、
発明B1に係る遊技機であって、
前記演出制御手段は、前記複数回の特定遊技のそれぞれで、前記特定表示を前記表示部で実行することがあることを特徴とする遊技機。
8-2-3.発明B3
発明B3に係る遊技機は、
発明B1または発明B2に係る遊技機であって、
前記遊技制御手段は、所定の特定遊技の終了に応じて、前記有利遊技状態(時短状態)になった後、前記通常遊技状態で前記所定判定が実行されることなく、所定回数、連続して前記有利遊技状態になったときの当該最後の有利遊技状態で前記特定結果となって特定遊技が実行されると、当該特定遊技が終了したことに応じて、前記通常遊技状態にし、前記所定の特定遊技において、当該通常遊技状態になるまでに実行され得る特定遊技で獲得可能な遊技媒体の個数を表す前記特定表示を前記表示部で実行することがあることを特徴とする遊技機。
8-3-1.発明C1
発明C1に係る遊技機は、
遊技を制御可能な遊技制御手段(遊技制御用マイコン101)と、
遊技領域に、第1態様と第2態様との間で切り替え動作可能な可変手段(電チュー開閉部材12k)と、通常態様と前記通常態様よりも遊技球が進入容易な特定態様との間で変化可能な可変入賞領域(第2大入賞口15)と、前記可変入賞領域に進入した遊技球が通過可能な特定領域(特定領域16)とが設けられ、
前記遊技制御手段は、前記可変入賞領域が前記特定態様になる特定遊技(小当たり遊技)を実行し、前記特定遊技において遊技球が前記特定領域を通過すると、遊技者に有利な有利遊技状態(大当たり遊技状態、時短状態)にすることがある遊技機において、
前記遊技領域における所定位置(電チュー開閉部材12kが設置されている位置)を通過した遊技球が前記可変入賞領域に進入することが可能であり、
前記可変手段は、前記第2態様で保持されているときに遊技球の前記所定位置の通過を妨げることがあり、
所定の遊技状態(時短状態)において遊技球が前記特定領域を通過すると、当該所定の遊技状態よりも前記可変手段が前記第2態様になり難い特定遊技状態(通常遊技状態)になり、
前記特定遊技は、第1期間(小当たり開放消極期間)と、前記第1期間の後の第2期間(小当たり開放積極期間)とを有し、前記第1期間、および前記第2期間では前記可変入賞領域が少なくとも1回は前記特定態様になり、前記第1期間において前記可変入賞領域が前記特定態様になる時間よりも前記第2期間において前記可変入賞領域が前記特定態様になる時間の方が長いことを特徴とする遊技機。
8-3-2.発明C2
発明C2に係る遊技機は、
発明C1に係る遊技機であって、
前記第1期間では、前記可変入賞領域が最初に前記特定態様なってから前記通常態様になると、当該通常態様は当該最初の前記特定態様の時間(0.12秒)よりも長い時間(2.5秒)保持されることを特徴とする遊技機。
8-3-3.発明C3
発明C3に係る遊技機は、
発明C2に係る遊技機であって、
前記第1期間では、前記可変入賞領域が少なくとも2回は前記特定態様になり、1回目の前記特定態様、および2回目の前記特定態様の双方の時間(0.12秒)の双方よりも、1回目の前記特定態様の後の前記通常態様の時間(2.5秒)、および2回目の前記特定態様の後の前記通常態様の時間(1.5秒)の方が長いことを特徴とする遊技機。
8-3-4.発明C4
発明C4に係る遊技機は、
発明C3に係る遊技機であって、
2回目の前記特定態様の後の前記通常態様の時間よりも1回目の前記特定態様の後の前記通常態様の時間の方が長いことを特徴とする遊技機。
8-3-5.発明C5
発明C5に係る遊技機は、
発明C4に係る遊技機であって、
前記第2期間では、前記通常態様の前記可変入賞領域が前記特定態様になって前記通常態様に戻る単位動作が複数回(13回)実行され、前記単位動作に係る前記特定態様の時間(0.12秒)よりも前記単位動作に係る前記通常態様の時間(0.6秒)の方が長く、
前記単位動作に係る前記通常態様の時間よりも、前記第1期間における1回目の前記特定態様の後の前記通常態様の時間、および2回目の前記特定態様の後の前記通常態様の時間の方が長いことを特徴とする遊技機。
8-4-1.発明D1
発明D1に係る遊技機は、
特定遊技(小当たり遊技)の実行中に特定条件(遊技球の特定領域16の通過)が成立した場合に通常遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態(時短状態)にすることがある遊技実行手段(遊技制御用マイコン101)と、
演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン121)とを備える遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記特定条件の成立に関わる所定演出(小当たり中特定演出)を実行可能であり、
前記特定遊技が実行されているときに前記特定条件が成立すると第1期間継続可能な前記有利遊技状態(不利時短状態)になる場合、第1態様(表示部50aの画面全体)で前記所定演出を実行し、前記特定遊技が実行されているときに前記特定条件が成立すると前記第1期間よりも長い第2期間)継続可能な前記有利遊技状態(有利時短状態)になる場合、前記第1態様よりも認識し難い第2態様(縮小画面50g)で前記所定演出を実行することを特徴とする遊技機。
8-4-2.発明D2
発明D2に係る遊技機は、
特定遊技(小当たり遊技)の実行中に特定条件(遊技球の特定領域16の通過)が成立した場合に、通常遊技状態にするときと、前記通常遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態(時短状態)にするときとがある遊技実行手段(遊技制御用マイコン101)と、
演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン121)とを備える遊技機であって、
前記演出実行手段は、
前記特定条件の成立に関わる所定演出(小当たり中特定演出)を実行可能であり、
前記特定遊技が実行されているときに前記特定条件が成立すると前記通常遊技状態になる場合、第1態様(表示部50aの画面全体)で前記所定演出を実行し、前記特定遊技が実行されているときに前記特定条件が成立すると前記有利遊技状態になる場合、前記第1態様よりも認識し難い第2態様(縮小画面50g)で前記所定演出を実行することを特徴とする遊技機。
8-4-3.発明D3
発明D3に係る遊技機は、
発明D1または発明D2に係る遊技機であって、
遊技球を発射させる操作が可能な操作手段(ハンドル72k)をさらに備え、
前記特定条件は、発射された遊技球によって成立することが可能であり、前記特定遊技において遊技球が発射されない場合は成立しないことを特徴とする遊技機。
8-5-1.発明E1
発明E1に係る遊技機は、
識別情報(特図2)の可変表示で特定結果(大当たり図柄の停止表示、小当たり図柄の停止表示)が導出されたことに基づいて、遊技者に有利な有利遊技状態(時短状態)にすることが可能な遊技実行手段(遊技制御用マイコン101)と、
演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン121)とを備え、
前記遊技実行手段は、第1条件(特図2保留数が4未満での第2始動口12へ入賞)が成立した後に第2条件(ハズレに係る特図2可変表示の終了)が成立することによって前記識別情報の可変表示を実行可能である遊技機であって、
前記遊技実行手段は、前記第1条件が成立したが前記第2条件が成立していないときに当該第1条件の成立に基づく前記識別情報の可変表示を実行する権利を保留することが可能であり、
前記演出実行手段は、所定の基準時(残保留に係る特図2可変表示の開始時)に、前記権利が所定個数(4個)以上保留されているときに所定演出(第2特殊演出)を実行可能であり、前記権利が前記所定個数以上保留されていないときに前記所定演出を実行しないことを特徴とする遊技機。
8-5-2.発明E2
発明E2に係る遊技機は、
発明E1に係る遊技機であって、
前記遊技実行手段は、前記権利を前記所定個数まで保留することができることを特徴とする遊技機。
8-5-3.発明E3
発明E3に係る遊技機は、
発明E2に係る遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記所定の基準時に前記権利が前記所定個数保留されている場合、当該権利に基づく前記識別情報の可変表示の中で最後の前記識別情報の可変表示が実行されているときに前記所定演出を実行することが可能であることを特徴とする遊技機。
8-5-4.発明E4
発明E4に係る遊技機は、
発明E3に係る遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記所定の基準時に前記権利が前記所定個数保留されている場合、当該権利に基づく前記識別情報の可変表示の中で最後以外の前記識別情報の可変表示が実行されているときに前記所定演出と異なる特定演出(第1特殊演出)を実行することが可能であることを特徴とする遊技機。
8-6-1.発明F1
発明F1に係る遊技機は、
遊技者に有利な有利遊技状態(大当たり遊技状態、時短状態)にすることがある遊技実行手段(遊技制御用マイコン101)と、
演出を実行可能な演出実行手段(演出制御用マイコン121)とを備え、
前記演出実行手段は、
所定演出(第1特殊演出)を実行可能であり、
前記所定演出では、複数回の単位演出(勝負過程構成要素)が繰り返し実行され、最終的に、最終的な結果として、第1結果(三振/ハズレ)、または前記第1結果よりも前記有利遊技状態になる可能性が高いことを示唆する第2結果(ホームラン/大当たり・小当たり)が導出され、
前記単位演出のそれぞれでは、最終的に、前記第1結果、および前記第2結果と異なる第3結果(三振)、または第4結果(ボール)が導出されることを特徴とする遊技機。
8-6-2.発明F2
発明F2に係る遊技機は、
発明F1に係る遊技機であって、
前記遊技実行手段は、識別情報の可変表示を実行可能であり、前記識別情報の可変表示で特定結果(大当たり図柄の停止表示、小当たり図柄の停止表示)、または非特定結果(ハズレ図柄の停止表示)を導出し、前記特定結果を導出すると前記有利遊技状態にすることがあり、
前記演出実行手段は、前記識別情報の可変表示が実行されているときに、前記所定演出を実行することがあることを特徴とする遊技機。
8-6-3.発明F3
発明F3に係る遊技機は、
発明F2に係る遊技機であって、
前記演出実行手段は、前記識別情報の可変表示に応じて演出図柄(演出図柄EZ1~EZ3)の可変表示を実行することがあり、前記演出図柄の可変表示で、前記特定結果に応じた特定態様(ゾロ目)で前記演出図柄を停止表示するときと、前記非特定結果に応じた非特定態様(バラケ目、リーチハズレ目)で前記演出図柄を停止表示するときとがあり、
前記単位演出において、前記第3結果を導出することに応じて前記演出図柄を第1所定態様(バラケ目)で停止表示し、前記第4結果を導出することに応じて前記演出図柄を第2所定態様(順目)で停止表示することがあることを特徴とする遊技機。