JP2022151689A - 多変数最適化に基づく空調環境の熱状態の制御 - Google Patents

多変数最適化に基づく空調環境の熱状態の制御 Download PDF

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Abstract

【課題】HVACシステムの動作を制御するためのシステムおよび方法が提供される。【解決手段】システムは、少なくとも1つのプロセッサと、メモリとを備える。メモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、システムに、HVACシステムの動作を示すデータ100を受信することと、受信されたデータから、偏微分方程式(PDE)を含む気流の物理モデルに基づいてシミュレーションされる調整された環境の完全熱状態104と、位置の集合における完全熱状態の値から、常微分方程式(ODE)を含む気流の低次元モデル(ROM)を用いて、オブザーバによって再構成される調整された環境の熱状態112との差を低減するように、コスト関数を最適化することとを行わせる命令を格納する。コスト関数の最適化は、オブザーバの構造とODEの構造との多変数最適化である。【選択図】図1

Description

本開示は、一般に、暖房・換気・空調(HVAC)システムに関し、特に、環境を調整するように配置された暖房・換気・空調(HVAC)システムの動作の制御に関する。
背景
暖房・換気・空調(HVAC)システムなどの空調システムが、環境を調整するために工業用途および家庭用途で広く使用されている。蒸気圧縮サイクルに可変速コンプレッサ、可変位置バルブおよび可変速ファンを導入することで、HVACシステムの運用の柔軟性が大幅に向上している。HVACシステムの効率は、HVACシステムの可変コンポーネントを制御することによって向上させることができる。言い換えると、制御入力をHVACシステムに与えて、効率を向上させることができる。たとえば、圧縮機の回転数を調節して、冷媒の流量を調節することができる。蒸発器ファンおよび凝縮器ファンの回転数を変化させて、空気と熱交換器との間の熱伝達を変化させることができる。膨張弁の開度が変化すると、HVACシステム内の高圧と低圧との間の圧力降下に影響を及ぼすことができ、冷媒の流量および対応する蒸発器出口での過熱温度に影響を与える。
所定の熱量を供給するHVACシステムへの制御入力の組合わせは一意でないことが多く、制御入力のさまざまな組合わせは異なる量のエネルギーを消費する。したがって、エネルギーを最小化し、かつHVACシステムのエネルギー効率を最大化する制御入力の組合わせを用いて、HVACシステムを運転することが望ましい。エネルギー効率を最大化する方式の中には、HVACシステムの物理学の数学モデルの使用に依存しているものもある。このようなモデルベースの方式は、HVACシステムの制御入力がHVACシステムの熱力学的挙動およびエネルギー消費に与える影響を記述しようとする。このようなモデルベースの方式では、熱負荷要件を満たし、かつエネルギーを最小化する制御入力の組合わせを予測するために、事前分析モデルが使用される。
しかしながら、このような制御入力の組合わせの予測に数学モデルを使用することには欠点がある。たとえば、数学モデルは、数学的に扱いやすい表現を生成するために、単純化した仮定に依存している。このような仮定は、重要な影響を無視している、または、部屋の大きさなどの設置に特有の特性を考慮しないため、数学モデルがHVACシステムの実際の挙動から乖離する原因となっている。いくつかの方式では、HVACシステムの動作中に発生する気流の知識は、気流の物理モデルを策定することによって、HVACシステムの動作を最適化するために使用される。しかしながら、気流の物理モデルは無限次元であり、リアルタイム制御アプリケーションで使用するのは非常に複雑である。また、気流の物理モデルは、空調システムの動作中に変化する可能性がある。
気流の物理モデルとなるブシネスク方程式(エネルギー保存式と共にナビエ・ストークス方程式からなる)の予測および制御には計算コストがかかり、リアルタイム制御への応用は困難である。そこで、環境中の気流の湿度、温度および速度を感覚データから高速に再構成することが望まれている。このような課題を成し遂げるために、カルマンフィルタ、H-∞フィルタなど、さまざまなオブザーバ設計技術を採用することが可能である。このようなオブザーバ設計技術は、推定誤差を測定する所与のノルムについて、統計的な意味で推定誤差を低減することに基づく。推定誤差は、再構成された量とグランドトゥルース(たとえば、CFDの解)との差のノルムとして定義することができる。オブザーバが設計されると、環境(たとえば、占有領域)のすべてまたは一部における関心量(たとえば、空気湿度、温度および速度)を再構成可能であり、次に、所望の状態(たとえば、占有者の熱的快適性またはHVACシステムの最小エネルギー消費)を達成するための制御(たとえば、閉ループ制御)に使用することができる。
しかしながら、関心量の再構成/推定および気流のリアルタイム制御は困難である。たとえば、関心量の時空間的な推移により、センサの位置は推定で重要な役割を果たす。HVACシステムの入口から離れた場所にセンサがある場合、入口付近の関心量の推定が不十分または不可能になる。さらに、環境では、複数のコヒーレント構造が形成されている場合が多い。このような構造物から離れた場所にセンサを設置した場合、たとえば、HVACシステムの入口と排気口との間に発生する大きな空気の渦のような領域では、再構成誤差が大きくなる。いくつかある要因の中で特に、入口と出口との相対位置、入口および出口(アクチュエータ)の数、壁を経由する熱損失、環境内の物および占有者の構成によって、関心量を正確かつロバストに再構成するために必要なセンサの数および位置は異なる場合がある。
さらに、環境中の気流の科学的に正しく、かつ実験的に検証されたモデルを選択する研究が盛んに行われている。しかしながら、そのようなモデルは偏微分方程式(PDE)であり、その解析的な解はしばしば存在しない。したがって、数値解法が必要となる。このような数値解法(たとえば、有限差分、有限体積、有限要素)は退屈な作業であり、膨大な計算コストおよびハードウェア資源を必要とする。これは、リアルタイム制御アプリケーションにとって禁じ手である。そのため、低次元化モデル(ROM)の使用が望まれる。本来の支配方程式ではなくROMを使用する利点は、PDEから生じる離散化代数方程式よりも次元が小さいことであり、リアルタイム制御アプリケーションに適用可能である。しかしながら、さまざまなROMは、たとえばHVACシステムの安定性の点で、本来のシステム特性を引き継ぐことはできない。
概要
いくつかの実施形態の目的は、暖房・換気・空調(HVAC)システムの動作中の気流ダイナミクスの推定に使用可能な安定した低次元モデル(ROM)を決定することである。さらに、いくつかの実施形態の目的は、動作の熱負荷要件が満たされ、かつ、HVACシステムの性能が最適化されるように、HVACシステムの動作のリアルタイム制御のために決定されたROMを使用することである。さらにまたは代替的に、いくつかの実施形態の目的は、ROMと共にセンサの位置を決定することである。
HVACシステムは、環境を調整するように配置されてもよい。環境は、建物の部屋もしくは空間、またはHVACシステムが設置されている建物全体でもよい。いくつかの実施形態では、環境は、占有者が位置している、または占有している建物の空間に相当し得る。HVACシステムは、環境内の空気を出力して、環境を調整し、環境の占有者の熱的快適性を確保するように構成されている。出力された空気の熱状態は、HVACシステムによって出力された空気の温度および速度を含む。代替実施形態では、出力された空気の熱状態は、HVACシステムによって出力された空気の温度、速度および湿度のうちの1つまたはこれらの組合わせを含む。
ある実施形態によれば、HVACシステムの動作を制御するためのシステムが提供される。システムは、プロセッサと、プロセッサによって実行可能な命令を格納するように構成されたメモリとを備え得る。プロセッサは、メモリに格納された命令を実行して、HVACシステムの動作を制御するために必要なステップを行うように構成されている。システムは、環境中の熱状態を変化させることによって、HVACシステムのエネルギー消費を最適化するようにHVACシステムを制御してもよい。ある実施形態では、システムは、HVACシステムの動作を示すデータを受信するように構成されている。HVACシステムの動作を示すデータは、環境に対応する境界条件を含んでもよい。さらに、HVACシステムの動作を示すデータは、環境の幾何学形状、入口および出口の数等を含んでもよい。
HVAC制御は、環境中の熱状態を変化させてエネルギー消費を最適化するため、HVACシステムの動作中の環境において発生する気流のダイナミクスを知ることが望ましい。そのために、気流の物理モデルが検討される。たとえば、気流の物理モデルは、ブシネスク方程式に従って定義することができる。しかしながら、気流の物理モデルとなるブシネスク方程式(エネルギー保存式と共にナビエ・ストークス方程式からなる)の予測・制御の計算コストは、HVACシステムのリアルタイム制御(またはオンライン制御)にとって難易度が高い。たとえば、気流の物理モデルを記述するブシネスク方程式は偏微分方程式(PDE)であり、リアルタイムで解くのは困難である。そのため、PDEを含む気流の物理モデルを、気流の物理モデルのパラメータ数よりも少ないパラメータ数を有する常微分方程式(ODE)で表される低次元モデル(ROM)で表現することが望まれている。
いくつかの実施形態は、多くの異なる技術がそのような次元縮小を実行できるという理解に基づく。たとえば、HVACシステムの動作を示すデータおよびブシネスク方程式に基づいて、システムは、計算流体力学(CFD)シミュレーションを実行して、環境の全ての点(または位置)における熱状態の推定を生成する。つまり、CFDシミュレーション技術は、環境内の気流のダイナミクスをシミュレーションするために使用することができる。CFDシミュレーションによって生成されるすべての点における熱状態は、完全熱状態と呼ばれる。完全熱状態は、環境のすべての点における熱状態のグランドトゥルース値と考えられている。さらに、ROMを使用して環境内の気流のダイナミクスを推定すると完全熱状態に近似するように、ROMが導出される。
たとえば、CFDシミュレーションでは、各瞬間で完全熱状態が生じる。ある瞬間の完全熱状態をスナップショットと呼ぶ。CFDシミュレーションの異なるスナップショットは、気流のダイナミクスを捕捉する行列に整理することができ、ROMは、低次元空間においてROMによって推定される気流のダイナミクスと、CFDシミュレーションによって提供される気流のダイナミクスとの差が最小化されるように、最適化問題を解くことによって決定される。このような方式は、最小||AX-Xi+1||で与えられる最小化問題を解くことによる、ROMの行列Aとしての線形推定と考えることができ、式中、行列AはROMであり、Xは時間iにおける熱状態を表す。行列Aは、低次元空間における気流のダイナミクスを線形に推定するために(たとえばxi+1=A)、使用することができる。この最小化問題は、いくつかの行列分解手法によって解くことができる。たとえば、行列Aは、Galerkin Projectionによる固有直交分解(Proper Orthogonal Decomposing:POD)、動的モード分解(DMD)、Spectral POD、およびBalanced PODなどを用いて決定することが可能である。前述した手法により、最小化問題を解き、行列A、すなわちROMを決定することができる。
場合によっては、決定されたROMは線形でなくてもよい。決定されたROMは、2次方程式または非線形ROMでもよい。さらに、最小化問題を解くことが可能な前述の手法は、単独でまたは組合わせて、決定されたROMがオンラインHVAC制御に使用できることを保証しない、たとえば、決定されたROMは安定性または可観測性に欠ける場合がある。ROMは低次元空間で動作するので、低次元空間においてROMによって捕捉される気流のダイナミクスと、環境内のいくつかの点における実際の測定とを使用して、環境内のすべての所望の点における熱状態の推定/再構成を生成できるオブザーバが必要とされている。ある実施形態によれば、オブザーバは、ROM、すなわち、ODEおよび/または行列A、ならびに環境内のセンサの配置の関数である。具体的には、オブザーバの構造は、本明細書においてゲイン行列Kと呼ばれるゲインを含み、オブザーバを設計することは、行列Kを決定することを意味する。
いくつかの実施形態は、行列Kが行列Aに依存するため、最初に行列Aを決定し、次に行列Aに基づいて行列Kを決定するという認識に基づく。しかしながら、いくつかの実施形態は、行列Kの計算が行列Aの決定に影響を与える可能性があるという認識に基づく。言い換えると、行列Aの決定と行列Kの決定との間には相互依存性がある。その結果、いくつかの実施形態は、行列Aおよび行列Kの共同かつ相互依存的な最適化が、熱状態の再構成の精度および大域最適性を向上させ得るという認識に基づく。そのために、システムは、オブザーバの構造(すなわち、行列K)およびROMの構造(すなわち、行列A)の共同最適化を含む多変数最適化を実行する。すなわち、ROMおよびオブザーバは、完全熱状態をグランドトゥルースとして用いるコスト関数の最適化パラメータとして、共に決定される。
そのため、本システムでは、受信したデータとPDEを含む気流の物理モデルとに基づいてシミュレーションされる環境の完全熱状態と、一連の位置における完全熱状態の値から、ROMを用いてオブザーバによって再構成される環境の熱状態との差を低減するように、コスト関数を最適化する。コスト関数の最適化は、オブザーバの構造と、ODEまたはROMの構造との多変数最適化である。ある実施形態によれば、熱状態を測定するためのセンサの位置の集合は、あらかじめ決定される。
さらにまたは代替的に、いくつかの実施形態は、行列Kが環境におけるセンサの配置の関数であるという認識に基づく。センサは、環境内の空気の温度、速度、および湿度のうちの1つまたはこれらの組合わせを測定してもよい。センサの配置は、環境内の位置に対応する要素を有する2値行列Cとして表すことができる。行列Cの要素は、センサの位置に対応する要素において値1を有し、そうでない場合は値0を有する。いくつかの実施形態では、行列C、すなわち、センサの位置は、HVACシステムの設計者によってあらかじめ決定される。しかしながら、いくつかの他の実施形態では、行列Cは未知でもよい、および/または設計パラメータでもよい。いくつかの実施形態は、行列Kが行列Aおよび行列Cに依存するため、行列Cが多変数最適化における最適化パラメータとして組込まれ得るという認識に基づく。言い換えると、ODEまたはROMの構造、オブザーバの構造、センサの位置の集合は、多変数最適化の一部として共同で最適化される。この最適化は「コデザイン」と呼ばれる。コデザインにより、熱状態の正確な再構成が生じるだけでなく、センサの位置も最適になる。
いくつかの実施形態は、センサの配置も多変数最適化の一部である場合、オブザーバがODEおよびセンサの位置の集合を考慮して決定され、ODEがオブザーバおよびセンサの位置の集合を考慮して決定され、センサの位置の集合がオブザーバおよびODEを考慮して決定されるように、ペアワイズ結合を介して多変数最適化を実行することが計算上効率的であるという別の認識に基づく。このように、多変数最適化の収束性を向上させることができる。
さらに、いくつかの実施形態によれば、HVACシステムのコントローラは、オブザーバの最適化された構造およびODEの最適化された構造で修正することができる。
いくつかの実施形態によれば、多変数最適化において、オブザーバの構造とODEの構造との両方の最適化が、主要な最適化目的である。言い換えると、多変数最適化において、オブザーバおよびODEは、等しい/均衡のとれた重要性を与えられる。しかしながら、いくつかの実施形態は、オンラインHVAC制御の目的におけるODEおよびオブザーバの重要性が等しくないという認識に基づく。ある実施形態では、オブザーバの目的はODEの使用を可能にすることであるため、ODEは一次目的であり、オブザーバは二次目的である、すなわち、オブザーバはODEに従属する。そのため、ODEおよびオブザーバを共同で検討するだけでは最適でない可能性がある。
このような問題を軽減するために、多変数最適化は多変数制約付き最適化に変換される。多変数制約付き最適化では、ODEおよびオブザーバの相互に依存しながらも不均衡な多変数最適化を実現し、ODEを第一の最適化目標、オブザーバを第二の最適化目標とする。つまり、多変数制約付き最適化では、ODEがオブザーバに比べて重要視される。したがって、ODEおよびオブザーバには不均等な/不均衡な重要性が与えられる。この相互依存性を実現するために、本システムでは、オブザーバの構造およびODEの構造が共同で、たとえば、1つの単位多変数最適化の一部として最適化される。不均衡な重要性を達成するために、いくつかの実施形態では、ODEの最適化に優先して多変数制約付き最適化が用いられ、この場合、オブザーバの構造の最適化は、ODEの最適化に対する制約として作用する。このように、オブザーバの構造は独立した最適化目的を持たず、ODEの構造を制限するためにのみ機能するので、オブザーバの構造の最適化はODEの最適化に従属するようになる。
さらに、いくつかの実施形態は、多変数最適化が、不均衡な最適化目標を有する多変数制約付き最適化に変換されるとき、多変数制約付き最適化は、ODEおよびオブザーバの構造のいくつかの潜在的欠陥に対処するために使用できるという認識に基づく。たとえば、ODEおよびオブザーバを順次決定する、すなわち、最初にODEを決定し、次にODEを考慮してオブザーバを決定するいくつかの手法は、ODEの行列Aを不安定にし得る。本明細書で用いられるように、安定性とは、平衡点付近から始まった解が、永久に当該平衡点付近にとどまるという性質である。そのために、PDEが不安定であっても、依然として制御/観測のために安定したROMを決定する必要がある。
いくつかの実施形態は、多変数最適化がODEの構造の最適化に柔軟性を加えるので、ODEの構造に課される安定性制約を受ける多変数最適化を実行することが有利であり得るという認識に基づく。このような最適化は、制約付き最適化と呼ばれることがある。ある実施形態によれば、安定性制約はリアプノフ不等式でもよい。
さらにまたは代替的に、いくつかの実施形態は、制約付き最適化において課される制約が、多変数最適化の計算の複雑性を著しく増大させることなく、オブザーバの構造に対する制約を含み得るという認識に基づく。そのような制約の例には、可観測性制約が含まれる。本明細書で言及するように、可観測性は、システムの内部状態、たとえば環境の温度が、その外部出力、たとえばサーモスタットの測定の知識からどれだけ適切に推測できるかという尺度である。したがって、オブザーバの構造に対して可観測性を強化することは、所与の測定の集合で環境内の温度を推定できることを保証するため、有利になることがある。可観測性制約の例としては、最大階数として可観測性行列を有する、可観測性グラミアンのリアプノフ方程式が挙げられる。このような制約付き最適化によって、安定した可観測ROMが得られる。
しかしながら、いくつかの実施形態は、ODE最適化の多変数最適化への変換、特に多変数制約付き最適化への変換が、ODEの構造の通常の単一変数最適化には存在しない追加の問題を引き起こすという認識に基づく。たとえば、ODEの構造の最適化を解くことができる前述の手法は、多変数制約付き最適化には不可能または非実用的である。いくつかの実施形態によれば、多変数制約付き最適化は、半正定値計画(SDP)を用いて解くことができる。SDPは、半正定値行列の円錐とアフィン空間との交点上の線形目的関数の最適化に関係する凸最適化の下位分野である。本システムでは、互いに依存するオブザーバの構造とODEの構造とを推定するSDPを用いて、コスト関数を最適化する。
さらに、いくつかの実施形態は、SDPが凸最適化の下位分野であり、オブザーバとODEとの構造の多変数最適化は凸問題であるが、ODEの次元数は、凸領域におけるSDPに潜在的に実行不可能な計算負担を依然として与えるという認識に基づく。しかしながら、いくつかの実施形態は、大規模な凸だが制約のある問題は、大規模な非凸だが制約のない問題よりも解くのが難しいという認識に基づくが、これは、SDPが行列Aの大きな次元に対してうまくスケールしない場合があるためである(行列Aの次元はCFDの次元よりもかなり低いにもかかわらず)。そのために、いくつかの実施形態では、コレスキー分解を使用して、制約付き凸多変数最適化を制約無し非凸多変数最適化に変換し、大規模な制約無し非凸問題を解く間接SDP方法を開示する。
したがって、ある実施形態は、環境を調整するように配置されたHVACシステムの動作を制御するためのシステムを開示する。システムは、少なくとも1つのプロセッサと、メモリとを備え、メモリは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、システムに、HVACシステムの動作を示すデータを受信することと、受信されたデータから、偏微分方程式(PDE)を含む気流の物理モデルに基づいてシミュレーションされる調整された環境の完全熱状態と、位置の集合における完全熱状態の値から、常微分方程式(ODE)を含む気流の低次元モデル(ROM)を用いて、オブザーバによって再構成される調整された環境の熱状態との差を低減するように、コスト関数を最適化することとを行わせる命令を格納し、コスト関数の最適化は、オブザーバの構造とODEの構造との多変数最適化であり、システムにさらに、HVACシステムのコントローラを、オブザーバの最適化された構造およびODEの最適化された構造で修正することを行わせる命令を格納している。
したがって、他の実施形態は、環境を調整するように配置されたHVACシステムの動作を制御するための方法を開示する。方法は、HVACシステムの動作を示すデータを受信することと、受信されたデータから、偏微分方程式(PDE)を含む気流の物理モデルに基づいてシミュレーションされる調整された環境の熱状態と、位置の集合における完全熱状態の値から、常微分方程式(ODE)を含む気流の低次元モデル(ROM)を用いて、オブザーバによって再構成される調整された環境の完全熱状態との差を低減するように、コスト関数を最適化することとを備え、コスト関数の最適化は、オブザーバの構造とODEの構造との多変数最適化であり、方法はさらに、HVACシステムのコントローラを、オブザーバの最適化された構造およびODEの最適化された構造で修正することを備える。
環境を調整するように配置された暖房・換気・空調(HVAC)システムの動作を制御するためにいくつかの実施形態によって使用される原理を示す概略図である。 いくつかの実施形態に係る、オブザーバの構造と常微分方程式(ODE)の構造との多変数最適化の、多変数制約付き最適化への変換を示す概略図である。 いくつかの実施形態に係る、安定した低次元モデル(ROM)を決定するための制約付き最適化を示す概略図である。 いくつかの実施形態に係る、安定性制約と可観測性制約とを課された制約付き最適化を示す概略図である。 いくつかの実施形態に係る、半正定値計画(SDP)に基づく多変数制約付き最適化を解くための概略図である。 いくつかの実施形態に係る、環境を調整するように配置されたHVACシステムの動作を制御するためのシステムを示すブロック図である。 いくつかの実施形態に係る、計算流体力学(CFD)または偏微分方程式(PDE)数値解法のためのブロック図である。 いくつかの実施形態に係る、センサの位置を有する安定した可観測ROMを決定するためのコデザインの概略図である。 いくつかの実施形態に係る、記憶制限BFGS(L-BFGSまたはLM-BFGS)方式を示すブロック図である。 いくつかの実施形態に係る、環境を調整するように配置されたHVACシステムの動作を制御するための方法を示すフローチャートである。 いくつかの実施形態に係る、本システムを用いたHVACシステムの制御を示す図である。
詳細な説明
以下の説明では、説明の目的で、本開示の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細を記載している。しかしながら、本開示がこれらの具体的な詳細がなくても実施され得ることは、当業者には明らかであろう。他の例では、本開示を不明瞭にしないために、装置および方法はブロック図の形式でのみ示されている。
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「たとえば」および「など」という用語、ならびに「備える」、「有する」、「含む」という動詞、およびそれらの他の動詞形は各々、1つ以上のコンポーネントまたは他のアイテムのリストと関連して用いられる場合、オープンエンドであると解釈され、そのリストは他の付加的なコンポーネントまたはアイテムを除外するとみなされないことを意味する。「に基づく」という用語は、少なくとも部分的に基づくことを意味する。さらに、本明細書で用いられる言い回しおよび術語は、本明細書の目的のためのものであり、限定的なものと見なすべきではないことを理解されたい。本明細書内で用いられるいかなる見出しも便宜上のものに過ぎず、法的または限定的な効果を有するものではない。
図1は、環境を調整するように配置された暖房・換気・空調(HVAC)システムの動作を制御するためにいくつかの実施形態によって使用される原理を示す概略図である。環境は、建物の部屋もしくは空間、またはHVACシステムが設置されている建物全体でもよい。いくつかの実施形態では、環境は、占有者が位置している、または占有している建物の空間に相当し得る。さまざまな実現例において、HVACシステムは、環境に設置された複数のHVACユニットを含んでもよい。HVACシステムは、環境内の空気を出力して、環境を調整し、環境の占有者の熱的快適性を確保するように構成されている。出力される空気の熱状態は、HVACシステムによって出力される空気の温度および速度を含む。代替実施形態では、出力された空気の熱状態は、HVACシステムによって出力される空気の温度、速度および湿度のうちの1つまたはこれらの組合わせを含む。
ある実施形態によれば、HVACシステムの動作を制御するためのシステムが提供される。システムは、プロセッサと、プロセッサによって実行可能な命令を格納するように構成されたメモリとを含み得る。プロセッサは、メモリに格納された命令を実行して、HVACシステムの動作を制御するために必要なステップを行うように構成されている。システムは、環境中の熱状態を変化させることによって、HVACシステムのエネルギー消費を最適化するように、HVACシステムを制御してもよい。ある実施形態では、システムは、HVACシステムの動作を示すデータ100を受信するように構成されている。HVACシステムの動作を示すデータ100は、環境に対応する境界条件を含んでもよい。さらに、HVACシステムの動作を示すデータ100は、環境の幾何学形状、入口および出口の数等を含んでもよい。
HVAC制御は、環境中の熱状態を変化させてエネルギー消費を最適化するため、HVACシステムの動作中に環境において発生する気流のダイナミクスを知ることが望ましい。そのために、気流の物理モデルが検討される。たとえば、気流の物理モデルは、ブシネスク方程式に従って定義することができる。しかしながら、気流の物理モデルとなるブシネスク方程式(エネルギー保存式と共にナビエ・ストークス方程式からなる)の予測・制御のための計算コストは、HVACシステムのリアルタイム制御(またはオンライン制御)にとって難易度が高い。たとえば、気流の物理モデルを記述するブシネスク方程式は偏微分方程式(PDE)であり、リアルタイムで解くのは困難である。そのため、PDEを含む気流の物理モデルを、気流の物理モデルのパラメータ数よりも少ないパラメータ数を有する常微分方程式(ODE)で表される低次元モデル(ROM)で表現することが望まれている。
いくつかの実施形態は、多くの異なる手法がそのような次元縮小を実行できるという理解に基づく。たとえば、HVACシステムの動作を示すデータ100とブシネスク方程式とに基づいて、システムは、計算流体力学(CFD)シミュレーション102を実行して、環境の全ての点(または位置)における熱状態の推定を生成する。言い換えると、CFDシミュレーション102技術は、環境内の気流のダイナミクスをシミュレーションするために使用することができる。CFDシミュレーション102によって生成される全ての点における熱状態は、完全熱状態104と称される。完全熱状態104は、環境のすべての点における熱状態のグラウンドトゥルース値と考えられる。さらに、ROM106は、ROM106を用いる環境内の気流ダイナミクスの推定が完全熱状態104に近似するように導出される。
たとえば、CFDシミュレーション102は、各瞬間における完全熱状態104を生じる。ある瞬間における完全熱状態104は、スナップショットと呼ばれる。CFDシミュレーション102の異なるスナップショットは、気流のダイナミクスを捕捉する行列に整理することができ、ROM106は、低次元空間においてROM106によって推定される気流のダイナミクスと、CFDシミュレーション102によって提供される気流のダイナミクスとの差が最小になるように最適化問題を解くことによって、決定される。このような方式は、最小の||AX-Xi+1||によって与えられる最小化問題を解くことによって、ROM106を行列Aとして線形推定することであると考えることができ、ここで、行列AはROM106、Xは時間iにおける熱状態を表す。行列Aは、低次元空間の気流ダイナミクスを線形に推定するために(たとえば、xi+1=A)、使用できる。この最小化問題は、いくつかの行列分解手法によって解くことができる。たとえば、行列Aは、Galerkin Projectionによる固有直交分解(POD)、動的モード分解(DMD)、Spectral POD、およびBalanced PODなどを使用して決定することができる。前述した手法により、最小化問題を解き、行列A、すなわちROM106を決定することができる。
場合によっては、決定されたROM106は線形でなくてもよい。決定されたROM106は、2次方程式または非線形ROMでもよい。さらに、最小化問題を解くことができる前述の手法は、単独でまたは組合わせて、決定されたROM106がオンラインHVAC制御に使用できることを保証するものではなく、たとえば、決定されたROM106は安定性または可観測性に欠ける可能性がある。ROM106が低次元空間で動作するため、低次元空間においてROM106によって捕捉された気流ダイナミクスと、環境内のいくつかの点における実際の測定とを使用して、環境内のすべての所望の点における熱状態の推定/再構成112を生成できるオブザーバ108が必要である。ある実施形態によれば、オブザーバ108は、ROM106、すなわち、ODEおよび/または行列A、ならびに環境におけるセンサの配置の関数である。具体的には、オブザーバ108の構造は、本明細書において利得行列Kと呼ばれる利得を含み、オブザーバ108を設計することは、行列Kを決定することを意味する。
いくつかの実施形態は、行列Kが行列Aに依存するので、最初に行列Aを決定し、その後、行列Aに基づいて行列Kを決定するという認識に基づく。しかしながら、いくつかの実施形態は、行列Kの計算が行列Aの決定に影響を与える可能性があるという認識に基づく。言い換えると、行列Aの決定と行列Kの決定との間には相互依存性がある。その結果、いくつかの実施形態は、行列Aと行列Kとの共同かつ相互依存的な最適化が、熱状態の再構成112の精度および大域最適性を向上させ得るという認識に基づく。そのために、システムは、オブザーバ108の構造(すなわち、行列K)とROM106の構造(すなわち、行列A)との同時最適化を含む多変数最適化を実行する。すなわち、ROM106およびオブザーバ108は、完全熱状態104をグランドトゥルースとして用いるコスト関数の最適化パラメータとして、共に決定される。
したがって、本システムは、受信データ100とPDEを含む気流の物理モデルとに基づいてシミュレーションされる環境の完全熱状態104と、位置の集合における完全熱状態の値からROM106を用いてオブザーバ108によって再構成される環境の熱状態112との差を低減するように、コスト関数を最適化する。コスト関数の最適化は、オブザーバ108の構造とODEまたはROM106の構造との多変数最適化である。ある実施形態によれば、熱状態を測定するためのセンサの位置の集合は、あらかじめ決定される。
さらにまたは代替的に、いくつかの実施形態は、行列Kが環境におけるセンサの配置の関数であるという認識に基づく。センサは、環境内の空気の温度、速度、および湿度のうちの1つまたはこれらの組合せを測定してもよい。センサの配置は、環境内の位置に対応する要素を有する2値行列Cとして表すことができる。行列Cの要素は、センサの位置に対応する要素において値1を有し、それ以外の場合は値0を有する。いくつかの実施形態では、行列C、すなわち、センサ110の位置は、HVACシステムの設計者によってあらかじめ決定される。しかしながら、いくつかの他の実施形態では、行列Cは未知でもよい、および/または設計パラメータでもよい。いくつかの実施形態は、行列Kが行列Aおよび行列Cに依存するため、行列Cが多変数最適化において最適化パラメータとして組込まれ得るという認識に基づく。言い換えると、ODEまたはROM106の構造、オブザーバ108の構造、およびセンサ110の位置の集合は、多変数最適化の一部として共同で最適化され、「コデザイン」と称される。コデザイン方式は、熱状態の正確な再構成112をもたらすだけでなく、センサの110の最適な位置ももたらす。
いくつかの実施形態は、センサの配置も多変数最適化の一部である場合、オブザーバ108がODEおよびセンサ110の位置の集合を考慮して決定され、ODEがオブザーバ108およびセンサ110の位置の集合を考慮して決定され、かつ、センサ110の位置の集合がオブザーバ108およびODEを考慮して決定されるように、ペアワイズ結合を介して多変数最適化を実行するのが計算上効率的であるという別の認識に基づく。このように、多変数最適化の収束性を向上させることができる。
さらにまたは代替的に、いくつかの実施形態では、HVACシステムのアクチュエータの位置の集合は既知であり、行列Bによって表される。このような場合、アクチュエータの位置の集合は、多変数最適化において考慮されない。しかしながら、アクチュエータの位置が未知の場合、HVACシステムのアクチュエータの位置の集合を決定するために、行列Bは、多変数最適化において最適化パラメータとして組込まれる。そのために、ある実施形態では、多変数最適化は、ODEまたはROM106の構造、オブザーバ108の構造、センサ110の位置の集合、およびアクチュエータの位置の集合の共同最適化に対応してもよい。
さらに、いくつかの実施形態では、HVACシステムのコントローラは、オブザーバ108の最適化された構造およびODEの最適化された構造で修正することができる。具体的には、再構成された熱状態112は、所望の状態(たとえば、占有者の熱的快適性またはHVACシステムの最小エネルギー消費)を達成するためにオンラインHVAC制御(たとえば、閉ループ制御)に使用される。
たとえば、部屋の占有領域、すなわち、占有者が占有する部屋の部分の平均温度または速度を、所望の状態とみなすことができる。HVACシステムのある条件では、結果として生じる占有領域の平均温度および速度が所望の状態とは異なる場合がある。ODEの最適化された構造を用いて、占有領域の温度および速度を再構築することができるため、現在の値と所望の値との差を測定することができる。その後、任意のフィードバックコントローラを使用して、HVACシステムの出力、たとえば、コントローラとして機能し得るHVACの速度および温度を、占有領域で感知されるものに近づけるように変更することができる。誤差(所望されるものと再構成されるものとの差)が評価されれば、この誤差を小さくするように制御(HVACの速度、角度または温度)を調整することができる。PIDから極限探索までのような単純な制御戦略であっても、このような誤差を系統的に減らすために使用可能である。
図2Aは、いくつかの実施形態に係る、オブザーバ108の構造とODEの構造との多変数最適化200から多変数制約付き最適化202への変換を示す概略図である。多変数最適化200において、オブザーバ108の構造とODEの構造との両方の最適化は、主要な最適化目的である。言い換えると、多変数最適化200において、オブザーバ108およびODEは、等しい/均衡のとれた重要性204を与えられる。しかしながら、いくつかの実施形態は、オンラインHVAC制御の目的におけるODEおよびオブザーバ108の重要性が等しくないという認識に基づく。ある実施形態では、オブザーバ108の目的はODEの使用を可能にすることであるため、ODEは一次目的であり、オブザーバ108は二次目的である、すなわち、オブザーバ108はODEに従属する。そのため、ODEとオブザーバ108とを単に共同で考慮することは、最適ではない可能性がある。
このような問題を緩和するために、多変数最適化200は、多変数制約付き最適化202に変換される。多変数制約付き最適化202は、ODEとオブザーバとの相互依存的だが不均衡な多変数最適化を提供する。この場合、ODEが一次最適化目的であり、オブザーバ108が二次最適化目的である。言い換えると、多変数制約付き最適化202において、ODEには、オブザーバ108と比較してより高い重要性が与えられる。したがって、ODEおよびオブザーバ108には、不平等/不均衡な重要性206が与えられる。相互依存性を達成するために、システムは、オブザーバ108の構造およびODEの構造を、たとえば、単一の単位多変数最適化の一部として、共同で最適化する。不均衡重要性206を達成するために、いくつかの実施形態は、ODEの最適化に優先して多変数制約付き最適化を使用し、この場合、オブザーバ108の構造の最適化は、ODEの最適化に対する制約として作用する(208)。このように、オブザーバ108の構造は独立した最適化目的を持たず、ODEの構造を制限するためにのみ機能するので、オブザーバ108の構造の最適化はODEの最適化に従属するようになる。
さらに、いくつかの実施形態は、多変数最適化200が不均衡な最適化目的を有する多変数制約付き最適化202に変換される場合、多変数制約付き最適化202は、ODEおよびオブザーバ108の構造のいくつかの潜在的欠陥に対処するために使用可能であるという認識に基づく。たとえば、ODEおよびオブザーバ108を順次決定する、すなわち、最初にODEを決定し、次にODEを考慮してオブザーバ108を決定するいくつかの手法は、ODEの行列Aを不安定にし得る。本明細書で用いるように、安定性とは、平衡点付近で開始した解が、永遠に平衡点付近に留まるという特性である。たとえば、ODEの解は、HVACシステムがわずかに摂動された場合、常に定常状態の解に近い状態を維持する。このように、HVACシステムの性能は安定性に左右される。そのために、たとえPDEが不安定であっても、依然として、制御/観測のために安定したROMを決定する必要性がある。
図2Bは、いくつかの実施形態に係る、安定したROMを決定するための制約付き最適化を示す概略図である。いくつかの実施形態は、多変数最適化がODE210の構造の最適化に柔軟性を加えるので、ODE210の構造に課される安定性制約214を受ける多変数最適化を実行することが有利であり得るという認識に基づく。このような最適化は、制約付き最適化と呼ばれることがある。したがって、制約付き最適化は、安定性制約214が課されたODE210の構造と、オブザーバ212の構造との共同最適化を指す場合がある。このような制約付き最適化は、安定したROMをもたらす。ある実施形態によれば、安定性制約214は、リアプノフ不等式であってよい。
さらにまたは代替的に、いくつかの実施形態は、制約付き最適化において課される制約が、多変数最適化の計算の複雑性を著しく増大させることなく、オブザーバ212の構造に対する制約を含み得るという認識に基づく。そのような制約の例には、可観測性制約が含まれる。本明細書で言及するように、可観測性は、システムの内部状態、たとえば環境の温度が、その外部出力、たとえばサーモスタットの測定の知識からどれだけ適切に推測できるかの尺度である。したがって、オブザーバ108の構造に対して可観測性を強化することは、所与の測定値の集合で環境中の温度を推定できることを保証するので、有利であり得る。
図2Cは、いくつかの実施形態に係る、安定性制約214および可観測性制約216を課された制約付き最適化を示す概略図である。ここで、制約付き最適化は、安定性制約214が課されたODE210の構造と、可観測性制約216が課されたオブザーバ212との構造の共同最適化に相当し得る。可観測性制約216の例は、最大階数として可観測性行列を有する、可観測性グラミアンのためのリアプノフ方程式等を含む。このような制約付き最適化によって、安定した可観測ROMが得られる。
しかしながら、いくつかの実施形態は、ODE最適化の多変数最適化への変換、特に多変数制約付き最適化への変換が、ODEの構造の通常の単一変数最適化には存在しない付加的な問題を生じるという認識に基づく。たとえば、ODEの構造の最適化を解くことができる前述の手法は、図2A、図2B、および図2Cを参照して上述した多変数制約付き最適化および/または制約付き最適化には不可能または非実用的である。
いくつかの実施形態によれば、多変数制約付き最適化は、半正定値計画(SDP)を用いて解くことができる。
図3は、いくつかの実施形態に係る、SDPに基づく多変数制約付き最適化300を解くための概略図である。SDPは、半正定値行列の円錐とアフィン空間との交点上の線形目的関数の最適化に関係する凸最適化の下位分野である。本システムは、互いに依存するオブザーバとODEとの構造を推定するSDPを用いて、コスト関数を最適化する。いくつかの実施形態は、オブザーバの構造とODEの構造との多変数最適化が凸問題であるという認識に基づく。その結果、多変数制約付き最適化300もまた、凸問題である。したがって、いくつかの実施形態では、多変数制約付き最適化300は、制約付き凸多変数最適化302に対応し得る。
さらに、いくつかの実施形態は、SDPが凸最適化の下位分野であり、オブザーバとODEとの構造の多変数最適化は凸問題であるが、ODEの次元数は、凸領域におけるSDPに潜在的に実行不可能な計算負荷を依然として与えているという認識に基づく。しかしながら、いくつかの実施形態は、大規模な凸だが制約のある問題は、大規模な非凸だが制約のない問題よりも解くのが困難であるという認識に基づいており、これは、SDPが行列Aの大きな寸法に対してうまくスケールしない場合があるためである(行列Aの寸法はCFDの寸法よりもかなり小さいにもかかわらず)。そのために、いくつかの実施形態は、制約付き凸多変数最適化302を、より解きやすい制約無し非凸多変数最適化304に変換することが有益であるという認識に基づく。
いくつかの実施形態によれば、制約付き凸多変数最適化302を制約無し非凸多変数最適化304に変換するために、間接SDP法が使用される。特に、間接SDP法は、コレスキー分解を使用して、制約付き凸多変数最適化302を制約無し非凸多変数最適化304に変換する。間接SDP法はさらに、オブザーバ108の構造およびODEの構造を最適化するように、制約無し非凸多変数最適化を解くために使用される。その結果、オブザーバ108の最適化された構造およびODEの最適化された構造が生成される(306)。
システムの概要
図4は、いくつかの実施形態に係る、環境を調整するように配置されたHVACシステムの動作を制御するためのシステムを示すブロック図である。システム400は、システム400を他のシステムおよびデバイスと接続する多数のインターフェイスを有し得る。たとえば、ネットワークインターフェイスコントローラ(NIC)414は、バス412を介して、システム400をネットワーク416に接続するように適合される。ネットワーク416を介して、無線または有線で、システム400は、HVACシステムの動作を示すデータ100を受信することができる。さらにまたは代替的に、HVACシステムの動作を示すデータ100は、入力インターフェイス402を介して受信されてもよい。
システム400は、格納された命令を実行するように構成されたプロセッサ404と、プロセッサ404によって実行可能な命令を格納するメモリ406とを備える。プロセッサ404は、シングルコアプロセッサ、マルチコアプロセッサ、コンピューティングクラスタ、または任意の数の他の構成であり得る。メモリ406は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、または任意の他の適切なメモリシステムを含み得る。プロセッサ404は、バス412を介して1つ以上の入出力デバイスに接続される。さらに、システム400は、プロセッサ404のための実行可能な命令を格納する異なるモジュールを格納するように適合されたストレージデバイス408を備える。ストレージデバイス408は、ハードドライブ、光学ドライブ、サムドライブ、ドライブのアレイ、またはこれらの任意の組合せを用いて実装することができる。
ストレージデバイス408は、完全熱状態104を生成するためのCFDシミュレーションモジュール410aを格納するように構成されている。言い換えると、CFDシミュレーションモジュール410aは、環境内の気流力学をシミュレーションするために使用される。ストレージデバイス408は、制約付き凸多変数最適化302を解くための間接SDPモジュール410bを格納するように構成されている。
いくつかの実施形態では、プロセッサ404は、受信データ100から、PDEを含む気流の物理モデルに基づいてシミュレーションされる調整された環境の完全熱状態104と、位置の集合における完全熱状態の値から、常微分方程式(ODE)を含む気流のROM106を用いてオブザーバ108によって再構成される調整された環境の熱状態112との差を低減するように、コスト関数を最適化するように構成されている。コスト関数の最適化は、オブザーバ108の構造とODEの構造との多変数最適化である。熱状態を測定するための位置の集合はあらかじめ決定され、多変数最適化に提供される。プロセッサ404はさらに、オブザーバ108の最適化された構造およびODEの最適化された構造でHVACシステムのコントローラ420を修正するように構成される。いくつかの実施形態では、多変数最適化は、オブザーバ108の構造に課された制約を受けるODEの構造の制約付き最適化である。いくつかの他の実施形態では、制約付き最適化は、ODEの構造に課される安定性制約を受ける。
システム400はさらに、出力インターフェイス420を備えてもよい。いくつかの実装例では、システム400は、出力インターフェース420を介して、オブザーバ108の最適化された構造およびODEの最適化された構造をコントローラ420に提出するように構成されている。
CFDソリューション
Figure 2022151689000002
ブロック502において、プロセッサ404は、支配方程式の離散化を実行する。ある実施形態では、支配方程式は、熱伝達方程式と結合された非圧縮性ナビエ・ストークス方程式である乱流過渡ブシネスク方程式であり、アインシュタイン表記を用いて以下によって与えられる。
Figure 2022151689000003
計算流体力学(CFD)シミュレーションでは、まず支配方程式(たとえば、ナビエ・ストークス方程式またはエネルギー方程式)を離散化する。たとえば、有限体積法では、領域(たとえば、家具、家電および占有者を含む部屋)を、有限体積と呼ばれるさまざまな小さな計算エンティティに分割する。このような有限体積(セル)の数は、幾何学、HVACの速度、部屋の大きさ、所望の精度、乱流または放射などのさまざまな物理学を含む方法などの関数である。各セルにおいて、PDEは線形代数方程式として書くことができ、その解は隣接するセルの関数である。したがって、CFD法で解くPDEの解である熱状態(速度、温度など)を求めるには、すべての体積の方程式を解く必要がある。離散化後の方程式はすべて線形であるため、この段階ではブロック504で示される線形ソルバが使用されている。
Figure 2022151689000004
Figure 2022151689000005
コデザインの数理的実現
図6は、いくつかの実施形態に係る、センサの位置を有する安定した可観測ROMを決定するためのコデザインを示す概略図である。データ駆動型制約付き最適化フレームワーク600は、識別されたモデルのモデル削減および安定性のために公式化される。データ駆動型制約付き最適化フレームワーク600は、加重最小二乗問題602、安定性保証方程式604、および可観測性保証606の態様を含む。
Figure 2022151689000006
Figure 2022151689000007
Figure 2022151689000008
Figure 2022151689000009
Figure 2022151689000010
Figure 2022151689000011
Figure 2022151689000012
Figure 2022151689000013
Figure 2022151689000014
Figure 2022151689000015
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Figure 2022151689000017
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Figure 2022151689000019
Figure 2022151689000020
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Figure 2022151689000022
Figure 2022151689000023
Figure 2022151689000024
Figure 2022151689000025
したがって、記憶制限BFGS方式では、ブロック700において、プロセッサ404はコスト関数の勾配を計算する。さらに、ブロック702において、プロセッサ404は、設計変数(A,C,K等)の変化を計算する。ブロック704で、プロセッサ404はヘシアン近似を計算し、ブロック706で、プロセッサ404は設計変数を更新する。
Figure 2022151689000026
Figure 2022151689000027
問題を勾配の解析的な表現を有する非凸に変換することで、勾配降下を適用する方法を選択する必要がある。ここでは、収束の早い準ニュートン法を用いる。
Figure 2022151689000028
Figure 2022151689000029
Figure 2022151689000030
Figure 2022151689000031
Figure 2022151689000032
図8は、いくつかの実施形態に係る、環境を調整するように配置されたHVACシステムの動作を制御するための方法を示すフローチャートである。ブロック800において、本方法は、HVACシステムの動作を示すデータを受信することを含む。
ブロック802において、本方法は、偏微分方程式(PDE)を含む気流の物理モデルに基づいて、受信されたデータからシミュレーションされる調整された環境の完全熱状態(たとえば、完全熱状態104)と、位置の集合における完全熱状態の値から、常微分方程式(ODE)を含む気流の低次元モデル(ROM)(たとえば、ROM106)を用いてオブザーバ(たとえば、オブザーバ108)により再構成される調整された熱状態(たとえば、再構成熱状態112)との差を低減するように、コスト関数を最適化することを含む。コスト関数の最適化は、オブザーバの構造とODEの構造との多変数最適化である。ある実施形態によれば、熱状態を測定するための位置の集合は、あらかじめ決定され、多変数最適化に提供される。
ブロック804において、方法は、オブザーバの最適化された構造およびODEの最適化された構造を用いて、HVACシステムのコントローラを修正することを含む。
図9は、いくつかの実施形態に係る、システム400を用いた暖房・換気・空調(HVACシステム)910の制御を示す図である。HVACシステム910は、部屋900を調整するように配置されている。部屋902は、占有者902、904、906および908によって占有されている。矢印914は、部屋900を調整するためにHVACシステム910によって供給される空気を表す。システム200は、部屋900の異なる位置における熱状態を推定してもよい。具体的には、いくつかの実施形態では、システム200は、部屋900内の占有者902,904,906および908の位置における熱状態を推定してもよい。
ある実施形態では、HVACシステム910に関連するコントローラ912に、占有者902,904,906および908の位置における目標熱状態を提供してもよい。たとえば、人間のオペレータは、占有者902,904,906および908の位置における目標熱状態を入力してもよい。システム400によって推定される占有者902、904、906および908の位置における熱状態に基づいて、コントローラ912は、占有者902,904,906および908の位置における目標熱状態を達成するために制御コマンドを生成してもよい。たとえば、制御コマンドは、HVACシステム910の圧縮機の回転数、HVACシステム910の室内ファンの回転数、およびHVACシステム910の膨張弁の位置などを含んでもよい。コントローラ912はさらに、制御コマンドに従ってHVACシステム910を制御して、占有者902,904,906および908の位置で目標熱状態を達成する。
上記の説明は、例示的な実施形態を提供するのみであり、本開示の範囲、適用性、または構成を限定することを意図していない。そうではなく、例示的な実施形態の上記の説明は、1つ以上の例示的な実施形態を実施するための有効な説明を当業者に提供する。添付の特許請求の範囲で説明されるように開示された主題の精神および範囲から逸脱することなく、要素の機能および配置において行われ得るさまざまな変更が考えられる。
上記の説明では、実施形態を十分に理解するために、具体的な詳細を示した。しかしながら、当業者によって理解されるのは、実施形態がこれらの所定の詳細なしに実施され得るということである。たとえば、開示された主題におけるシステム、プロセス、および他の要素は、不必要な詳細で実施形態を不明瞭にしないために、ブロック図の形式で構成要素として示されることがある。他の例では、周知のプロセス、構造、および技術は、実施形態を不明瞭にしないために、不必要な詳細なしに示されてもよい。さらに、さまざまな図面における同様の参照番号および呼称は、同様の要素を示した。
また、個々の実施形態は、フローチャート、フロー図、データフロー図、構造図、またはブロック図として描かれるプロセスとして説明されてもよい。フローチャートでは、動作を逐次処理として記述することができるが、動作の多くは、並列でまたは同時に実行することができる。また、操作の順序を入れ替えてもよい。プロセスは、その動作が完了したときに終了するが、議論されていない、または図に含まれていない追加のステップを有することができる。さらに、特に説明されたプロセスにおけるすべての動作が、すべての実施形態で発生するわけではない場合がある。プロセスは、方法、関数、手順、サブルーチン、サブプログラムなどに対応することができる。プロセスが関数に対応する場合、関数の終了は、呼び出し関数または主関数への関数の戻りに対応し得る。
さらに、開示される主題の実施形態は、少なくとも部分的に、手動または自動のいずれかで実施され得る。手動または自動の実施は、機械、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、またはそれらの任意の組合わせの使用によって実行されてもよい、または少なくとも支援されてもよい。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、またはマイクロコードで実装される場合、必要なタスクを実行するためのプログラムコードまたはコードセグメントは、機械可読媒体に格納されてもよい。プロセッサ(複数可)が必要なタスクを実行してもよい。
本明細書で概説するさまざまな方法またはプロセスは、多様なオペレーティングシステムまたはプラットフォームのいずれか1つを採用する1つまたは複数のプロセッサ上で実行可能なソフトウェアとしてコード化することができる。さらに、そのようなソフトウェアは、多数の適切なプログラミング言語および/またはプログラミングもしくはスクリプトツールのいずれかを使用して書かれてもよく、フレームワークまたは仮想マシン上で実行される実行可能な機械語コードまたは中間コードとしてコンパイルされてもよい。典型的には、プログラムモジュールの機能は、さまざまな実施形態において所望に応じて組合わされても、または分散されてもよい。
本開示の実施形態は、一例が提供されている方法として具現化されてもよい。方法の一部として実行される行為は、任意の適切な方法で順序付けされてもよい。したがって、例示的な実施形態では連続した行為として示されていても、いくつかの行為を同時に行うことを含み得る、例示とは異なる順序で行為が実行される実施形態が構築されてもよい。本開示は、所定の好ましい実施形態を参照して説明されてきたが、本開示の精神および範囲内でさまざまな他の適応および修正を行うことができると理解されたい。したがって、本開示の真の精神および範囲内に入るようなすべてのそのような変形および修正をカバーすることが、添付の特許請求の範囲の態様である。

Claims (19)

  1. 環境を調整するように配置された暖房・換気・空調(HVAC)システムの動作を制御するためのシステムであって、少なくとも1つのプロセッサと、メモリとを備え、前記メモリは、前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記システムに、
    前記HVACシステムの前記動作を示すデータを受信することと、
    受信された前記データから、偏微分方程式(PDE)を含む気流の物理モデルに基づいてシミュレーションされる調整された前記環境の完全熱状態と、位置の集合における前記完全熱状態の値から、常微分方程式(ODE)を含む気流の低次元モデル(ROM)を用いて、オブザーバによって再構成される調整された前記環境の熱状態との差を低減するように、コスト関数を最適化することとを行わせる命令を格納し、前記コスト関数の最適化は、前記オブザーバの構造と前記ODEの構造との多変数最適化であり、前記システムにさらに、
    前記HVACシステムのコントローラを、前記オブザーバの最適化された前記構造および前記ODEの最適化された前記構造で修正することを行わせる命令を格納している、システム。
  2. 前記熱状態を測定するための前記位置の集合は、あらかじめ決定され、前記多変数最適化に提供される、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記熱状態を測定するための前記位置の集合は、前記多変数最適化の最適化パラメータである、請求項1に記載のシステム。
  4. 前記HVACシステムのアクチュエータの位置の集合は、前記多変数最適化の最適化パラメータである、請求項1に記載のシステム。
  5. 前記多変数最適化は、前記オブザーバの前記構造に課される制約を受ける、前記ODEの前記構造の制約付き最適化である、請求項1に記載のシステム。
  6. 前記制約付き最適化は、前記ODEの前記構造に課される安定性制約を受ける、請求項5に記載のシステム。
  7. 前記制約付き最適化は、前記ODEの前記構造に課される安定性制約を受け、かつ、前記オブザーバの前記構造に課される可観測制約を受け、前記少なくとも1つのプロセッサは、互いに依存する前記オブザーバの前記構造および前記ODEの前記構造を推定する半正定値計画(SDP)を用いて、前記コスト関数を最適化する、請求項5に記載のシステム。
  8. 前記多変数最適化は、制約付き凸問題であり、前記SDPは、制約付き凸問題の前記多変数最適化を制約無し非凸多変数最適化に変換する間接解を使用し、前記制約無し非凸多変数を解いて、前記オブザーバの前記構造および前記ODEの前記構造を最適化する、請求項7に記載のシステム。
  9. 前記SDPは、コレスキー分解を用いて、前記制約付き凸問題の前記多変数最適化を前記制約無し非凸多変数最適化に変換する、請求項8に記載のシステム。
  10. 前記コスト関数では、前記オブザーバは前記ODEおよび前記位置の集合を考慮して判断され、前記ODEは前記オブザーバおよび前記位置の集合を考慮して判断され、かつ、前記位置の集合は前記オブザーバおよび前記ODEを考慮して判断されるように、前記オブザーバ、前記ODE、および前記位置の集合の推定が結合される、請求項3に記載のシステム。
  11. 環境を調整するように配置された暖房・換気・空調(HVAC)システムの動作を制御するための方法であって、
    前記HVACシステムの前記動作を示すデータを受信することと、
    受信された前記データから、偏微分方程式(PDE)を含む気流の物理モデルに基づいてシミュレーションされる調整された前記環境の完全熱状態と、位置の集合における前記完全熱状態の値から、常微分方程式(ODE)を含む気流の低次元モデル(ROM)を用いて、オブザーバによって再構成される調整された前記環境の熱状態との差を低減するように、コスト関数を最適化することとを備え、前記コスト関数の最適化は、前記オブザーバの構造と前記ODEの構造との多変数最適化であり、前記方法はさらに、
    前記HVACシステムのコントローラを、前記オブザーバの最適化された前記構造および前記ODEの最適化された前記構造で修正することを備える、方法。
  12. 前記熱状態を測定するための前記位置の集合は、あらかじめ決定され、前記多変数最適化に提供される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記熱状態を測定するための前記位置の集合は、前記多変数最適化の最適化パラメータである、請求項11に記載の方法。
  14. 前記多変数最適化は、前記オブザーバの前記構造に課される制約を受ける前記ODEの前記構造の制約付き最適化である、請求項11に記載の方法。
  15. 前記制約付き最適化は、前記ODEの前記構造に課される安定制約を受ける、請求項14に記載の方法。
  16. 前記制約付き最適化は、前記ODEの前記構造に課される安定性制約を受け、かつ、前記オブザーバの前記構造に課される可観測制約を受け、前記コスト関数の最適化は、互いに依存する前記オブザーバの前記構造および前記ODEの前記構造を推定する半正定値計画(SDP)を用いて前記コスト関数を最適化することを含む、請求項14に記載の方法。
  17. 前記多変数最適化は、制約付き凸問題であり、前記SDPは、前記制約付き凸問題の前記多変数最適化を制約無し非凸多変数最適化に変換する間接解を使用し、前記制約無し非凸多変数を解いて、前記オブザーバの前記構造および前記ODEの前記構造を最適化する、請求項16に記載の方法。
  18. 前記SDPは、低次元近似を用いて、前記制約付き凸問題の前記多変数最適化を前記制約無し非凸多変数最適化に変換する、請求項17に記載の方法。
  19. 前記低次元近似はコレスキー分解を含む、請求項18に記載の方法。
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