JP2022145590A - Compound introduction device and compound introduction method - Google Patents
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Abstract
Description
本開示は、化合物を細胞内へ導入する化合物導入装置および化合物導入方法に関する。 The present disclosure relates to a compound introduction device and a compound introduction method for introducing a compound into cells.
遺伝子をはじめとする化合物を細胞内へ導入する技術が知られている。導入方法としては、生きた細胞に対し、カチオン性物質もしくはウイルスを用いた化学的導入方法または生物的導入方法がある。また、低毒性が見込めるエレクトロポレーション法、遺伝子銃法等の物理的導入方法、または、導入化合物種の選択性が大きく導入の確実性が高いマイクロインジェクション法等、様々な手法が開発されている。 Techniques for introducing compounds such as genes into cells are known. Methods of introduction include chemical introduction methods using cationic substances or viruses, and biological introduction methods into living cells. In addition, various methods have been developed, including physical introduction methods such as the electroporation method and the gene gun method, which are expected to have low toxicity, and microinjection methods, which have high selectivity for the type of compound to be introduced and high certainty of introduction. .
近年では、遺伝子をはじめとする化合物を細胞内へ導入することで取得される、細胞の性質を改変した細胞治療薬または人工多能性幹細胞の登場により、より高効率的な化合物導入方法が求められている。しかし、このような高効率性を達成する手段は確立されておらず課題となっていた。 In recent years, with the emergence of cell therapeutic drugs or induced pluripotent stem cells that modify the properties of cells, which are obtained by introducing compounds such as genes into cells, there is a demand for more efficient methods of compound introduction. It is However, a means to achieve such high efficiency has not been established and has been a problem.
上記課題を解決する手段の一つとして、特許文献1には、マイクロ流路を用いた導入方法が記載されている。この方法では、被導入化合物を含む液体に細胞が分散された状態で、該細胞と略同一程度の大きさのマイクロ流路内を通過する。これにより、細胞にせん断力を加えることで、細胞膜における孔を一時的に生じさせ、細胞外の被導入化合物を、細胞内に導入させることができるため、細胞毎に、化合物の効率的な導入が可能である。
As one means for solving the above problems,
特許文献2には、画像記録装置として使用されているインクジェットデバイスを用いて、マイクロサイズの空間において、圧力およびせん断力を生じさせることにより、効果的に、細胞内へと目的の化合物を導入できることが記載されている。
本発明の一実施形態は、細胞内への化合物の効率的な導入と、該導入により性質が改変された細胞の効率的な生成との両方を達成することを目的とする。 One embodiment of the present invention aims to achieve both efficient introduction of a compound into cells and efficient generation of cells whose properties are modified by said introduction.
本発明の一実施形態は、細胞に化合物を導入する化合物導入装置であって、前記細胞と前記化合物とを含む細胞懸濁液を供給する供給流路と、前記化合物を前記細胞に導入する導入手段と、前記化合物が導入された前記細胞を含む細胞懸濁液を吐出する吐出口と、を有し、前記供給流路を流動する前記細胞懸濁液の流れ方向に対する、前記供給流路の高さは、前記細胞の直径の1.0倍より大きく2.0倍未満であり、該供給流路の幅は、該細胞の直径の1.0倍より大きく2.0倍未満であり、前記吐出口の直径は、前記細胞の直径の1.0倍より大きく2.0倍未満である、ことを特徴とする化合物導入装置である。 One embodiment of the present invention is a compound introduction device for introducing a compound into cells, comprising: a supply channel for supplying a cell suspension containing the cells and the compound; and an introduction for introducing the compound into the cells. means, and an ejection port for ejecting a cell suspension containing the cells into which the compound has been introduced, and the direction of the supply channel with respect to the flow direction of the cell suspension flowing in the supply channel. the height is greater than 1.0 times and less than 2.0 times the diameter of the cell, and the width of the feed channel is greater than 1.0 times and less than 2.0 times the diameter of the cell; The compound introduction device is characterized in that the diameter of the ejection port is more than 1.0 times and less than 2.0 times the diameter of the cells.
本発明の一実施形態によれば、細胞内への化合物の効率的な導入と、該導入により性質が改変された細胞の効率的な生成との両方を達成することが可能である。 According to one embodiment of the present invention, it is possible to achieve both efficient introduction of compounds into cells and efficient generation of cells whose properties are modified by said introduction.
本開示の発明者らの検討によると、特許文献1に記載の方法を採用する場合、細胞種ごとに、細胞の大きさより若干幅の細いマイクロ流路を用意する必要がある。また、液体をマイクロ流路内に送り込む場合、圧力損失が大きくなり、非常に大きな力が必要となる。更には、細胞による流路詰まりが頻繁に発生し、導入処理の生産効率を考える上で、課題となることが分かった。
According to studies by the inventors of the present disclosure, when adopting the method described in
また、特許文献2に記載の方法においても、高効率な化合物導入を実現できないことが分かった。
In addition, it was found that the method described in
そこで、本開示の発明者らは、細胞内への化合物の効率的な導入と、該導入により性質が改変された細胞の効率的な生成との両方を達成することが可能である化合物導入装置を提供するために鋭意検討し、本発明に至った。 Therefore, the inventors of the present disclosure have developed a compound introduction device capable of achieving both efficient introduction of a compound into cells and efficient generation of cells whose properties have been modified by the introduction. In order to provide the above, the present invention has been achieved.
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は本発明を限定するものではなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが必須のものとは限らない。なお、同一の構成については、同じ符号を付して説明する。 BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION Hereinafter, embodiments according to the present invention will be described with reference to the drawings. It should be noted that the following embodiments do not limit the present invention, and not all combinations of features described in the embodiments are essential. In addition, the same configuration will be described by attaching the same reference numerals.
[第一実施形態]
<化合物導入装置>
図1は、本実施形態の化合物導入装置100の一例を示す図である。本実施形態の化合物導入装置100は、インクジェット方式の吐出ヘッド101を備える装置である。吐出ヘッド101には、化合物と、当該化合物が導入される細胞とを含む液体が充填される。本明細書では、この液体のことを細胞懸濁液という(細胞含有液ともいう)。吐出ヘッド101のことを細胞加工ヘッドまたは液体吐出ヘッドと呼んでもよい。吐出ヘッド101から吐出された細胞懸濁液においては、化合物が導入された細胞が含まれる。このような化合物導入装置100のことを吐出装置または細胞加工装置と呼んでもよい。以下、化合物導入装置100の構成を説明する。
[First embodiment]
<Compound introduction device>
FIG. 1 is a diagram showing an example of a
図1は、本実施形態の化合物導入装置100を模式的に示す図である。図1に示す化合物導入装置100は、駆動モータ102と、駆動モータ102と接続した駆動ベルト103と、駆動ベルト103により搬送される吐出ヘッド101とを備える。吐出ヘッド101は、駆動モータ102の駆動により、搬送可能な領域内における任意の場所に移動可能である。
FIG. 1 is a diagram schematically showing a
吐出ヘッド101内に充填された液体は、吐出ヘッド101を吸引機構104に接触させ、吸引モータ105を稼働することにより、吐出ヘッド101内の流路および吐出口内に充填される。また、一定期間吐出しなかった場合も、吐出ヘッド101を吸引機構104に接触させ、吸引モータ105を稼働することにより、吐出ヘッド101内の液体を排出することができる。吸引および排出により生じた液体は、廃液チューブ106を通り、系外へ排出される。尚、吸引機構104は、非導入処理時のヘッド乾燥防止のために、キャップとして用いることもできる。
By bringing the
化合物が導入された細胞は、吐出ヘッド101から加工ステージ108上に固定された培養ディッシュ107に向けて吐出される。このようにして、化合物が導入された細胞を得ることができる。
The compound-introduced cells are ejected from the
ファンおよびフィルターを有する吸気口109および排気口110により、装置内のミストおよびダストを削減できる。これにより、コンタミネーションを減らしながら、化合物を導入することができる。
Intake 109 and
<制御ブロック図>
図2は、本実施形態の化合物導入装置100が備える制御系の一例を示すブロック図である。化合物導入装置100は、CPU205、インターフェイスコントローラ201、プログラムROM202、イメージメモリ203、ワークRAM204、吐出ヘッド制御回路206、出力ポート207、およびモータ駆動回路208を有する。本実施形態では、化合物導入装置100は、外部装置などのホスト装置からの指示に応じて各種の化合物の導入制御を行うものとして説明するが、これに限られない。化合物導入装置100に操作部などを設け、操作部の操作に応じた指示に応じて、各種の化合物の導入制御を行ってもよい。
<Control block diagram>
FIG. 2 is a block diagram showing an example of a control system provided in the
ホストとなる情報端末(例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、またはタブレットデバイス等)から出力データおよびコマンドが化合物導入装置100に送られる。制御部であるCPU205は、これらの出力データおよびコマンドを、インターフェイスコントローラ201を介して受信する。CPU205は、出力データの受信、導入動作、吐出ヘッドの搬送等の化合物導入装置100全体の制御を掌る演算処理装置である。CPU205は、受信したコマンドを解析した後に、吐出ヘッド101を作動させるための制御信号データを展開し、イメージメモリ203に格納する。
Output data and commands are sent to the
化合物導入前の動作処理としては、吐出ヘッド101の搬送に同期して、CPU205はイメージメモリ203から導入制御に用いる制御信号データを読み出す。そして、この読み出したデータを吐出ヘッド制御回路206を経由して吐出ヘッド101に転送する。また、必要に応じて吐出ヘッド101内で細胞を加工し、化合物を導入する。そして、培養ディッシュ107直上で、吐出ヘッド101の吐出口3(図4(a)等参照)から培養ディッシュ107に向けて細胞懸濁液を吐出する。尚、制御信号データは、イメージメモリ203ではなく、作業用のメモリであるワークRAM204に格納されてもよい。
As an operation process before compound introduction, the
CPU205の動作は、プログラムROM202に記憶された処理プログラムに基づいて実行される。プログラムROM202には、制御処理に対応する処理プログラムおよびテーブルなどが記憶されている。ワークRAM204には、前回の導入処理終了からの経過時間を記憶されており、CPU205は、経過時間に応じて、キャッピング処理、吐出口吸引処理等コマンドを実行させる。また、CPU205は、作業用のメモリとしてワークRAM204を使用する。
The operation of the
モータ駆動回路208は、ヘッドアップダウンモータ209、駆動モータ102、換気ファンモータ210、キャッピングモータ211、吸引モータ105、およびステージ搬送モータ212などの各種のモータを駆動する。
以下、本実施形態の化合物導入装置100を構成する各部について詳細に説明する。
Hereinafter, each part constituting the
<吐出ヘッド>
本実施形態の化合物導入装置100においては、瞬間的に、化合物を細胞に導入する導入手段であるエネルギー発生素子を用いて、少なくとも力学的エネルギーを細胞懸濁液に印加することで、細胞への化合物の導入を可能とする。このように瞬間的にエネルギーを印加することが可能な方法として、ピエゾ素子をマイクロ流路内に配置し電圧印加による変位を用い力学的作用をもたらすことができるピエゾインクジェット方式を用いることができる。あるいは、電気抵抗の高いヒータ(発熱素子)を流路内に配置し、電圧印加により、ヒータを発熱させ、ヒータ近傍の液体をマイクロ秒オーダーで発泡させる。これより、力学的作用、熱的作用をもたらすことができるサーマルインクジェット方式を用いることができる。サーマルインクジェット方式を用いることで、非常に小さい空間において、力学的エネルギーを印加することができ、アクチュエータ部を稠密化できるため、好ましい。そのため、エネルギー発生素子は、発熱素子であることが好ましい。また、発熱素子による発熱が行われた場合、前記発熱によって生じる発泡による応力が加工室の内部の細胞懸濁液に印加されることが好ましい。尚、ヒータの発熱時間については、発泡現象を発生させることができることから、0.05μs以上かつ10μs以下が好ましく、細胞死を抑制できることから、0.1μs以上かつ5μs以下がより好ましい。
<Ejection head>
In the
また、ヒータの発熱時間が1μs以上かつ10μs以下の場合、細胞懸濁液に対する応力が1μs以上かつ10μs以下のスパンで作用し、この結果、吐出口から0.5m/s以上かつ30m/s以下の速度で液滴が排出されるため、好ましい。 Further, when the heat generation time of the heater is 1 μs or more and 10 μs or less, the stress on the cell suspension acts over a span of 1 μs or more and 10 μs or less, and as a result, 0.5 m/s or more and 30 m/s or less from the ejection port. is preferable because the droplets are ejected at a speed of
ヒータによる熱的作用には、非特許文献1でCampbellらが示したように、細胞内のヒートショックプロテイン遺伝子、または、細胞分裂を促進する遺伝子の発現を促進させる効果がある。分裂細胞において、効率的に化合物を導入する観点から、サーマルインクジェット方式が好ましい。
As shown by Campbell et al. in
また、エネルギー発生素子は、供給流路の高さ方向に向けてエネルギーを発生させるものであることが好ましい。これにより、細胞表面の膜に対して効率よく孔を開けることができる。 Moreover, it is preferable that the energy generating element generates energy in the height direction of the supply channel. As a result, pores can be efficiently opened in the cell surface membrane.
以下、本実施形態における吐出ヘッド101の構成について、図3および図4を用いて説明する。図3は、吐出ヘッド101のカートリッジ(吐出ヘッドカートリッジと呼ぶ)の構成を示す斜視図である。吐出ヘッドカートリッジ1は、液体供給源となる液体タンク部分(細胞懸濁液の収容部ともいう)と、それに対して一体的に設けられたチップ形態の吐出ヘッドとによって構成される。吐出ヘッドは、液体供給保持部10(図4参照)に対して第二封止材4によって取り付けられている。また、吐出ヘッドと本体側との間の電気接続を行うための電気配線部材5が液体供給保持部材10から液体タンク部分にかけて配設されている。電気配線部材5は、吐出ヘッドの電極との接続部(不図示)を第一封止材2によって封止されている。尚、図3中に示すように座標軸を設定する。この座標軸は、以降の図面でも用いるものとする。
The configuration of the
図4は、吐出ヘッドに含まれる電子基板上に形成されている各構成の配置関係の例を示す図である。図4(a)は、図3のIVa線における垂直断面図である。図4(b)は、図4(a)の一部、具体的には、図4(a)のIVb線が指す部分の拡大図である。図4(c)は、図4(b)のIVc線における水平断面図である。 FIG. 4 is a diagram showing an example of the arrangement relationship of each component formed on the electronic substrate included in the ejection head. FIG. 4(a) is a vertical sectional view taken along line IVa of FIG. FIG. 4(b) is an enlarged view of a part of FIG. 4(a), specifically, the part indicated by line IVb of FIG. 4(a). FIG. 4(c) is a horizontal sectional view taken along line IVc in FIG. 4(b).
図4(a)~(c)に示すように、液体供給保持部10に対して第二封止材4によって取り付けられたシリコンの基板9には、液体タンクから供給された液体を受けとり、該受けとった液体を、列状に配された吐出口3に供給するための液体供給口11が設けられている。図4(b)および図4(c)に示すように、液体供給口11は、その両側に列状に配された吐出口列の全長にわたって延在して構成されている。液体供給口11は、液体供給源から供給された液体を受け、当該液体は、吐出部を構成する複数吐出口列の夫々における複数吐出口の夫々に、供給される。図4(c)に示すように、基板9には、各吐出口3に対応する発熱素子12が設けられている。また、基板9には、液体供給口11と吐出口3とを連通し、液体を導く液体供給流路(単に供給流路ともいう)8を仕切るための流路壁22が構成された吐出口プレート7が接合されている。流路壁22は、流路形成部材で構成される。吐出口3は、液体供給口11の長手方向(図中Y方向)に沿って所定の間隔で配されている。
As shown in FIGS. 4(a) to 4(c), the
また、図4(a)~(c)に示すように、吐出ヘッドは、基板9と、液体供給口11と、発熱素子12と、吐出口3と、吐出口プレート7と、液体供給口11と吐出口3とを連通する液体供給流路8と、隣接した液体供給流路8を仕切る流路壁22と、を有する。
4A to 4C, the ejection head includes a
基板9上には、発熱素子12(例えば電気熱変換素子)に加え、配線パターンが形成されている。そして、吐出口3の列と液体供給流路8とが形成された樹脂材料から成る構造体である吐出口プレート7が、フォトリソ技術によって形成されている。吐出口プレート7上には、吐出口3部分を除いて撥水層13が形成されている。これにより、この撥水層13が吐出ヘッドの最も外側の面を形成することになる。また、基板9上には、電気配線、電極部6などが形成されている。
A wiring pattern is formed on the
電気配線部材5は、基板9上の電極配線に対して電気信号を供給する電気信号経路を形成するための部材であり、電気配線部材5には、基板9を組み込むための開口部が形成されている。この開口部の縁付近には、チップの電極部6に接続される電極端子(不図示)が形成されている。チップと電気配線部材5とは、樹脂成形により形成された液体供給保持部材10に接着されている。基板9と電気配線部材5との電気接続部分は、該電気接続部分の下部とチップの電極が形成されていない部分との封止を行う第一封止材2と、該電気接続部分の上部の封止を行う第二封止材4によって封止を行う。第一封止材2と第二封止材4との封止により、電気接続部分を細胞懸濁液による腐食および外的衝撃から保護している。
The
<液体供給部の流路高さおよび流路幅>
液体供給部である液体供給流路8のZ方向(重力方向)長さとしての高さ、および、Y方向の長さとしての幅は夫々、細胞の直径の1.0倍より大きく、かつ細胞の直径の2.0倍未満である。液体供給流路8の高さおよび幅が細胞の直径の1.0倍より大きいことにより、液体供給流路8が細胞で詰まりにくくなる。従って、化合物及び細胞を含む細胞懸濁液を、発熱素子12が所在する発泡部(加工室とも呼ぶ)へ供給できる。また、液体供給流路8の高さが、細胞の直径の2.0倍未満であることから、発熱素子12が所在する発泡部に細胞が供給された際に、該供給された細胞が発熱素子12の近傍に所在することになる。従って、このような構成にすることで、細胞に化合物を導入するために細胞表面の膜に対して孔を開ける加工を、効率的に行うことが可能になる。
<Flow channel height and channel width of liquid supply unit>
The height as the Z-direction (gravitational direction) length and the width as the Y-direction length of the
尚、前述した液体供給流路の高さおよび幅の夫々については、該液体供給流路内で最短のものを用いるものとする。例えば、図4(c)における液体供給流路の幅は、上部に発熱素子12が所在する発泡部の直前の供給流路の矢印で示された長さを意味する。また、液体供給流路の形状としては、直線状および蛇行状等が挙げられるが、これらに限定されることなく、任意の形状の液体供給流路を採用してよい。また、液体供給流路の高さと幅との夫々が、液体供給部から発泡部に向けて狭まる構造を採用してもよいし、或いは、当該高さと当該幅との夫々が、液体供給部から発泡部に向けて同一の長さの構造を採用してもよい。また、前記供給流路の高さ及び供給流路の幅は、前記供給流路を流動する前記細胞懸濁液の流れ方向に対するものである。
As for the height and width of the liquid supply channel described above, the shortest ones in the liquid supply channel are used. For example, the width of the liquid supply channel in FIG. 4(c) means the length indicated by the arrow of the supply channel immediately before the foaming portion on which the
また、液体供給流路の高さおよび幅は、加工する細胞の直径に応じて適宜選択すればよい。具体的には、液体供給流路の高さおよび幅は夫々、1μmより大きく、かつ200μm未満であることが好ましい。 Moreover, the height and width of the liquid supply channel may be appropriately selected according to the diameter of the cells to be processed. Specifically, the height and width of the liquid supply channel are preferably greater than 1 μm and less than 200 μm, respectively.
<吐出口>
本実施形態では、図4(c)に示すように、円形の吐出口3を採用しているが、任意の形状の吐出口を適宜選択して用いてよい。吐出口の形状として例えば、円形、楕円形、三角形、長方形、正方形、多角形、星形、および突起物を有する形等が挙げられる。但し、吐出口の形状に関して、最長部長さが、最短部長さの1.0倍以上かつ5.0倍以下が好ましく、より好ましくは1.0倍以上かつ2.0倍以下である。
<Discharge port>
In this embodiment, as shown in FIG. 4(c), a
また、本実施形態における吐出口の直径としては、吐出口における最短部の長さを用いる。吐出口の直径は、細胞の直径に対し、1.0倍より大きく、かつ2.0倍未満である。吐出口の直径が細胞の直径の1.0倍より大きいことにより、発熱素子による発泡により、応力が印加された細胞懸濁液を、細胞による流路の詰まりなく排出できる。また、吐出口の直径が細胞の直径の2.0倍未満のため、排出によって受ける応力により、化合物の導入が効率的に起こる。 Further, as the diameter of the ejection port in this embodiment, the length of the shortest part of the ejection port is used. The diameter of the outlet is more than 1.0 times and less than 2.0 times the diameter of the cell. When the diameter of the discharge port is larger than 1.0 times the diameter of the cells, the cell suspension to which stress is applied can be discharged without clogging the flow path by the cells due to the foaming by the heating element. Also, since the diameter of the outlet is less than 2.0 times the diameter of the cell, the stress received by the ejection causes efficient introduction of the compound.
吐出口の直径と液体供給流路の高さとの割合に関しては、任意の割合を採用することができるが、吐出口の直径が、当該液体供給流路の高さより大きいことが好ましい。この理由は、吐出口の直径を液体供給流路の高さより大きくすることで、相対的に、吐出口の方向に向けて液体が排出され易くなるようになるためである。これにより、流路内における細胞の位置のばらつきが減り、加工を安定的に行うことが可能になる。 Regarding the ratio between the diameter of the ejection port and the height of the liquid supply channel, any ratio can be adopted, but it is preferable that the diameter of the ejection port is larger than the height of the liquid supply channel. The reason for this is that by making the diameter of the ejection port larger than the height of the liquid supply channel, it becomes relatively easier for the liquid to be discharged in the direction of the ejection port. This reduces variations in the position of the cells in the flow path, making it possible to stably process the cells.
<化合物導入のメカニズム>
以下、本実施形態における化合物導入装置100による化合物導入の推定メカニズムについて、図4(b)および図5を用いて説明する。図5は、図4(b)に示す発熱素子12近傍の拡大図である。
<Mechanism of compound introduction>
A presumed mechanism of compound introduction by the
液体供給口11より供給された細胞懸濁液は、液体供給流路8を通過し、吐出口3まで充填される。細胞懸濁液が充填された状態で、発熱素子12に通電することで、細胞懸濁液の水は急速に加熱され発泡し、泡が形成される。この際、加熱により発泡した泡14の部分に存在していた細胞懸濁液は、主に、流抵抗の小さい吐出口3方向(図5中+Z方向)に向かって、急速に押し出される。この時、液体供給流路8を通して供給される細胞懸濁液に含まれる加工前の細胞16は、発泡によって生じる強い剪断流により、細胞膜に穴が開いた細胞17となる。この状態の細胞では、通常は細胞膜を通過できない化合物でも、細胞膜に開いた穴の部分より一時的に通過可能になる。従って、細胞懸濁液内に含まれる化合物の一部が、細胞内に取り込まれる。また、発泡によって押し出された細胞懸濁液は、発熱素子12と発泡部(発熱素子が配された加工室)との直下である吐出口3を通って排出される。化合物が導入された細胞を含む細胞懸濁液を排出しやすくするために、吐出口が発熱素子と加工室との直下に配されることが好ましい。発泡による液体の押出しにより、排出される液体が十分な運動エネルギーを保有している場合、当該液体は、液滴として飛翔する形で排出される。また、排出された細胞懸濁液に含まれる化合物が導入された細胞は、適切な条件で培養することで、一時的に空いた細胞膜の穴は閉じ、場合に応じて、その後も細胞は生存でき、継続的な細胞培養が可能となる。
The cell suspension supplied from the
このように本実施形態では、液体供給流路の高さ20および幅はそれぞれ、細胞の直径の1.0倍より大きい。これにより、細胞による流路の詰まりがなく、細胞懸濁液を、発熱素子が所在する発泡部へ供給することができる。また、液体供給流路の高さ20は、細胞の直径の2.0倍未満であることから、発熱素子12が所在する発泡部へ細胞が供給された際に、該供給された細胞が発熱素子12の近傍に所在することになる。従って、このような構成にすることで、効率的な加工が可能になる。
Thus, in this embodiment, the
また、吐出口の直径21は、細胞の直径の1.0倍より大きい。これにより、発熱素子12の発泡により、応力が印加された細胞懸濁液を、細胞による流路の詰まりなく排出できる。さらに、吐出口の直径21は、細胞の直径の2.0倍未満であり、大き過ぎない。従って、排出の際に受ける応力により、化合物の導入が効率的に起こる。
Also, the
<化合物導入方法>
本実施形態における化合物導入方法は、少なくとも下記の3工程を有する。
<Method of introducing compound>
The method for introducing a compound in this embodiment has at least the following three steps.
細胞と化合物とを含む細胞懸濁液を、供給流路を介して供給する工程(第一工程)と、前記化合物を前記細胞に導入する工程(第二工程)と、前記化合物が導入された前記細胞を含む細胞懸濁液を、吐出口から吐出する工程(第三工程)である。これらの各工程について、化合物を導入する導入手段が発熱素子である場合を例に挙げて、以下に説明する。 a step of supplying a cell suspension containing cells and a compound through a supply channel (first step); a step of introducing the compound into the cells (second step); A step of ejecting the cell suspension containing the cells from an ejection port (third step). Each of these steps will be described below, taking as an example the case where the introduction means for introducing the compound is a heating element.
第一工程では、化合物、および、当該化合物が導入される細胞を含有する細胞懸濁液を、液体供給部に含まれる液体供給流路を通過させて、発熱素子が存在する発泡部(加工室)に到達させる。尚、この液体供給流路の高さは、細胞の直径の1.0倍より大きく、かつ2.0倍未満であり、該液体供給流路の幅は、細胞の直径の1.0倍より大きく、かつ2.0倍未満である。なお、細胞懸濁液は、吐出ヘッドカートリッジ1が有する細胞懸濁液の収容部から吐出ヘッド101内に導入されてもよいし、マイクロピペット等を用いて直接吐出ヘッド101内に導入されてもよい。表面張力による細胞懸濁液の濡れ広がりにより、細胞懸濁液が吐出ヘッド101の吐出口まで、スムーズに充填される場合は、充填され次第、速やかに導入動作を実行する。吐出ヘッド101の吐出口まで充填が至らない場合は、吸引機構104または外部吸引ポンプを用いて吐出口から吸引することで、充填が可能となる。あるいは、外部加圧ポンプを用いて、細胞懸濁液を貯留する貯留部を加圧することで、充填が可能となる。
In the first step, a compound and a cell suspension containing cells into which the compound is introduced are passed through a liquid supply channel included in a liquid supply section to form a foaming section (processing chamber) in which a heating element is present. ). The height of the liquid supply channel is more than 1.0 times and less than 2.0 times the diameter of the cell, and the width of the liquid supply channel is more than 1.0 times the diameter of the cell. Larger and less than 2.0 times. Note that the cell suspension may be introduced into the
第二工程では、発熱素子が所在する発泡部において、発熱素子を発熱する。第二工程の結果、細胞懸濁液が発泡し、当該発泡により生じた応力により、該細胞懸濁液に対して応力が印加され、細胞に化合物を導入することができる。 In the second step, heat is generated by the heating element in the foamed portion where the heating element is located. As a result of the second step, the cell suspension foams, and the stress generated by the foaming applies a stress to the cell suspension, allowing the compound to be introduced into the cells.
第三工程では、化合物が導入された細胞を含む細胞懸濁液を、吐出口から吐出する。尚、吐出口の直径は、細胞の直径の1.0倍より大きく2.0倍未満である。 In the third step, the cell suspension containing the compound-introduced cells is ejected from the ejection port. The diameter of the ejection port is more than 1.0 times and less than 2.0 times the diameter of the cell.
吐出された細胞懸濁液は、基材または培養液内に吐出される。基材の選定においては、細胞へかかる総合的負荷を考慮する必要があり、目的に応じて選択される。具体的には、基材に吐出して導入加工をする場合において、細胞が基材表面と親和性の高いガラスまたはポリスチレン等の接着基材の場合、前もって、血清または細胞外マトリックスを含む培地等に浸漬させ、処理した後で吐出することが好ましい。また、基材として、細胞との親和性が低いPTFE等のフッ素樹脂等を使用する場合は、吐出後、被吐出液体を培地に移し替えることが好ましい。培養ディッシュ上で導入操作を実行する場合、培養ディッシュ上で、あらかじめ、血清または細胞外マトリックスを含む培地に接触させておくことが好ましい。また、培養ディッシュ内に充填された培地上に、吐出ヘッド101より直接細胞を吐出することも可能であり、目的に応じて選択される。
The ejected cell suspension is ejected into the substrate or culture medium. In selecting the base material, it is necessary to consider the overall load on the cells, and the base material is selected according to the purpose. Specifically, in the case of extruding to a substrate for introduction processing, in the case of adhesive substrates such as glass or polystyrene, which have a high affinity for cells on the substrate surface, a medium containing serum or an extracellular matrix is prepared in advance. It is preferable to immerse the material in the solution and discharge the material after the treatment. Further, when a fluororesin such as PTFE, which has a low affinity for cells, is used as the base material, it is preferable to transfer the liquid to be ejected to a medium after ejection. When the introduction operation is performed on the culture dish, it is preferable to bring the cells into contact with a medium containing serum or extracellular matrix in advance on the culture dish. It is also possible to directly eject the cells from the
吐出された細胞懸濁液は、細胞に最適な培地の入ったディッシュに直後に移し替えることもできるが、飽和水蒸気環境下において、保持しておくことも可能であり、導入量を増加させる場合は、放置した方が好ましい。 The expelled cell suspension can be immediately transferred to a dish containing the optimal medium for cells, but it can also be retained in a saturated steam environment, and when the introduction amount is increased. is preferred to be left alone.
基材に細胞を吐出した場合、基材上の細胞培養液をピペット等で取り除き、ディッシュへ播種する方法でも、基材ごと、ディッシュに入れ、培地を添加し、培養することも可能である。さらには、一度、吐出された細胞懸濁液を、再び、吐出ヘッド101へ注入し、吐出することで、化合物導入操作を繰り返すことができる。この場合、細胞と基材表面の親和性の低い基材を用いることが好ましい。
When the cells are ejected onto the substrate, the cell culture solution on the substrate can be removed with a pipette or the like and seeded onto a dish. Furthermore, the compound introduction operation can be repeated by injecting the cell suspension once ejected into the
以下の説明では、細胞に導入する対象となる化合物を、「導入対象化合物」とも称する。 In the following description, a compound to be introduced into cells is also referred to as a "compound to be introduced".
<細胞の直径>
細胞懸濁液中の細胞の直径は、加工直前の細胞懸濁液を血球計算盤等に設置し、イメージセンサーが設置された光学顕微鏡等で測定することで取得する。イメージセンサーを用いて記録した画像を用いて、予め記憶していた画像に対応する距離情報に基づき、細胞の直径を求めることができる。直径が最大となるように細胞に焦点を合わせた後、画像を記録し測長することが、好ましい。
<Cell diameter>
The diameter of the cells in the cell suspension is obtained by placing the cell suspension immediately before processing on a hemocytometer or the like and measuring with an optical microscope or the like equipped with an image sensor. Using an image recorded using an image sensor, the cell diameter can be obtained based on the distance information corresponding to the pre-stored image. Images are preferably recorded and measured after the cells have been focused to maximize diameter.
<導入対象化合物>
導入対象となる化合物は、その目的に応じて、適宜選択可能である。導入可能である化合物として、例えば、核酸、タンパク質、または標識物質等が考えられる。尚、被導入細胞に対して内包される大きさの化合物であれば、これらの例に限定されるものではない。ただし、細胞へのダメージを最小化にする観点から、化合物の大きさは、細胞の平均直径に対し、5分の1以下が好ましく、10分の1以下がより好ましい。
<Compounds to be introduced>
The compound to be introduced can be appropriately selected depending on the purpose. Compounds that can be introduced include, for example, nucleic acids, proteins, labeling substances, and the like. It should be noted that the compounds are not limited to these examples as long as they are of a size that can be included in the transfected cells. However, from the viewpoint of minimizing damage to cells, the size of the compound is preferably 1/5 or less, more preferably 1/10 or less of the average diameter of cells.
細胞の大きさは、細胞を酵素等で処理した後、細胞懸濁液として、レーザー回折式粒度分布計等を用いて測定することができる。さらには、血球計算盤等に設置し、光学顕微鏡を用いて測定することができる。また、同様に、導入化合物の大きさも測定することができる。特に、1μm以下の化合物については、動的光散乱方式の粒度分布計を用いることができる。本実施形態で適用できる代表的な化合物として核酸が挙げられる。 The cell size can be measured using a laser diffraction particle size distribution meter or the like after treating the cells with an enzyme or the like and then making a cell suspension. Furthermore, it can be placed in a hemocytometer or the like and measured using an optical microscope. Similarly, the size of the introduced compound can also be measured. In particular, a dynamic light scattering type particle size distribution analyzer can be used for compounds having a particle size of 1 μm or less. Nucleic acids are examples of typical compounds that can be applied in this embodiment.
<核酸>
一過的および安定的な核酸の発現または遺伝子への干渉を目的として、被導入細胞由来とは異なる外来性のRNA(リボ核酸)またはDNA(デオキシリボ核酸)を導入化合物として用いることができる。核酸の高次構造としては、一本鎖状の一次構造体、ヘアピン状のステムループ構造、または、ヘリックス構造等の二次構造を用いることができる。また、A-Form、B-Form、またはZ-Form等の三次構造を用いることができる。また、スーパーコイル状等の四次構造体を用いることができる。これらの高次構造を、目的に応じて好適に用いることができる。また、これら核酸は、蛍光化合物または放射性同位体により標識されていてもよく、目的に応じて用いることができる。
<Nucleic acid>
For the purposes of transient and stable nucleic acid expression or gene interference, exogenous RNA (ribonucleic acid) or DNA (deoxyribonucleic acid) different from that derived from the transfected cell can be used as the introduction compound. A secondary structure such as a single-stranded primary structure, a hairpin-like stem-loop structure, or a helix structure can be used as the higher-order structure of the nucleic acid. Also, tertiary structures such as A-Form, B-Form, or Z-Form can be used. A quaternary structure such as a supercoil can also be used. These higher-order structures can be suitably used depending on the purpose. Moreover, these nucleic acids may be labeled with a fluorescent compound or a radioactive isotope, and can be used depending on the purpose.
<RNA>
本実施形態で取り扱うRNAとしては、DNAからタンパク質合成場所であるリボソームへと配列をコピーし運ぶ役目を担っているメッセンジャーRNAが挙げられる。また、リボソームの構成物質であるリボソームRNA、またはリボソームへ配列の対応したアミノ酸を運搬してくるトランスファーRNAが挙げられる。この他、核内低分子RNA、核小体低分子RNA、ミクロRNA、または干渉作用を有するsiRNA等が挙げられるが、これらに限定することなく、目的に応じて好適なRNAを用いることができる。
<RNA>
Examples of RNAs handled in this embodiment include messenger RNAs that play a role in copying and transporting sequences from DNA to ribosomes, which are sites of protein synthesis. Also included are ribosomal RNA, which is a constituent of ribosomes, and transfer RNA that carries amino acids with corresponding sequences to ribosomes. Other examples include nuclear low-molecular-weight RNA, nucleolar low-molecular-weight RNA, microRNA, or siRNA having an interfering action. .
<DNA>
本実施形態で取り扱うDNAとしては、一本鎖DNA、二本鎖DNA、三本鎖DNAおよび四本鎖DNAのいずれも選択できる。形状として、線状または環状等が一般的に用いられているが、近年、DNA折り紙に代表されるように、任意の形状でもよく、形状を問わない。物質の安定性上、二本鎖DNAが好ましく、大腸菌または酵母での培養の容易性から、環状のプラスミドDNAがより好ましい。さらに、細胞へ導入されるためには、細胞膜上から細胞内へと導入される必要があるため、表面積が可能の限り小さいことが好ましい。例えば、同一の配列を有するDNAであっても、鎖状より環状が好ましく、DNAのねじりに導かれるスーパーコイル状のDNAがより好ましい。
<DNA>
Any of single-stranded DNA, double-stranded DNA, triple-stranded DNA and quadruple-stranded DNA can be selected as the DNA used in this embodiment. As for the shape, a linear shape, a circular shape, or the like is generally used, but in recent years, as typified by DNA origami, any shape may be used, and the shape does not matter. Double-stranded DNA is preferred from the standpoint of material stability, and circular plasmid DNA is more preferred from the standpoint of ease of culturing in E. coli or yeast. Furthermore, in order to be introduced into cells, it is necessary to be introduced into the cells from the cell membrane, so the surface area is preferably as small as possible. For example, even if the DNA has the same sequence, a circular shape is preferable to a chain shape, and a supercoiled DNA that is guided by the twist of the DNA is more preferable.
<タンパク質類>
本実施形態で取り扱うタンパク質としては、細胞懸濁液内への導入を目的として、溶解、分散、または、基材に担持され分散されたタンパク質等が挙げられる。その構造は、アミノ酸配列からなり、ポリペプチドを含む一次構造、α-ヘリックス、β-シート等に挙げられる二次構造、それら二次構造を含む三次構造、ヘモグロビン等の四次構造を有していればよく、目的に応じた高次構造を用いることができる。また、具体的な例として、アミラーゼ等の酵素タンパク質、コラーゲン、ケラチン等の構造タンパク質、アルブミン等の輸送タンパク質、フェチリチン等の貯蔵タンパク質、アクチン、ミオシン等の収縮タンパク質が挙げられる。また、グロブリン等の防御タンパク質、カルモジュリン等の調整タンパク質、その他各種膜タンパク質、ゲノム編集のためのジンクフィンガーヌクレアーゼ、CRISPR/Cas9に用いられるCas9タンパク質等が挙げられる。
<Proteins>
Proteins handled in this embodiment include proteins that are dissolved, dispersed, or carried on and dispersed on a substrate for the purpose of introduction into a cell suspension. Its structure consists of an amino acid sequence, and has a primary structure including a polypeptide, a secondary structure such as α-helix and β-sheet, a tertiary structure including these secondary structures, and a quaternary structure such as hemoglobin. A higher-order structure can be used according to the purpose. Specific examples include enzyme proteins such as amylase, structural proteins such as collagen and keratin, transport proteins such as albumin, storage proteins such as fetilitin, and contractile proteins such as actin and myosin. In addition, protective proteins such as globulin, regulatory proteins such as calmodulin, other various membrane proteins, zinc finger nuclease for genome editing, Cas9 protein used for CRISPR / Cas9, and the like.
<標識物質>
本実施形態で取り扱う標識物質としては、細胞内導入時に、細胞外部より標識が確認できればよく、前述の核酸類またはタンパク質類に、化学的または物理的に修飾して標識物質を導入してもよい。標識物質は、被導入細胞とは異なる認識可能な吸収波長または発光波長を有していればよい。また、細胞懸濁液内への導入を目的として、溶解、分散、もしくは、基材に担持され分散された状態で存在していればよい。具体例としては、重水素、C13、N15等の安定性同位体物質、放射性物質、色素、蛍光色素、顔料、蛍光顔料、量子ドット、ナノダイヤモンド、フラーレン、カーボンナノシート、カーボンナノチューブ等が挙げられる。
<Labeling substance>
As the labeling substance handled in this embodiment, the labeling can be confirmed from the outside of the cell at the time of introduction into the cell, and the above-mentioned nucleic acids or proteins may be chemically or physically modified to introduce the labeling substance. . The labeling substance may have a recognizable absorption or emission wavelength different from that of the transfected cells. Moreover, for the purpose of introduction into a cell suspension, it may exist in a state of being dissolved, dispersed, or supported and dispersed on a base material. Specific examples include deuterium, stable isotope substances such as C13 and N15, radioactive substances, dyes, fluorescent dyes, pigments, fluorescent pigments, quantum dots, nanodiamonds, fullerenes, carbon nanosheets, and carbon nanotubes.
<細胞種>
本実施形態で取り扱う細胞とは、接着性細胞、浮遊性細胞、スフェロイド(凝集塊細胞)等をいう。また、その具体的な例として、ヒト子宮頸癌細胞系の細胞、神経細胞、肝細胞、繊維芽細胞、筋芽細胞、平滑筋細胞、心筋細胞、骨格筋細胞、幹細胞、中胚葉系幹細胞、胚性幹細胞、グリア細胞、胎性幹細胞、造血幹細胞が挙げられる。また、肥満細胞、脂肪細胞、神経幹細胞、血球細胞等が挙げられる。
<Cell type>
Cells used in the present embodiment include adherent cells, planktonic cells, spheroids (aggregate cells), and the like. Specific examples thereof include human cervical cancer cell lines, nerve cells, hepatocytes, fibroblasts, myoblasts, smooth muscle cells, cardiomyocytes, skeletal muscle cells, stem cells, mesodermal stem cells, Embryonic stem cells, glial cells, fetal stem cells, and hematopoietic stem cells are included. Also included are mast cells, adipocytes, neural stem cells, blood cells and the like.
また、微生物細胞、植物細胞を例示することができる。より具体的には、大腸菌、ストレプトミセス、枯草菌、ストレプトコッカス、スタフィロコッカス等の原核細胞、酵母、アスペルギルス等の真核細胞、ドロソフィラS2、スポドプテラSf9等の昆虫細胞などを挙げることができる。その中でも、細胞は真核細胞であることが好ましい。細胞の直径(全細胞の平均値)は、吐出口から吐出可能な大きさであり、例えば、1μm以上かつ100μm以下であることが好ましい。 Also, microbial cells and plant cells can be exemplified. More specific examples include prokaryotic cells such as Escherichia coli, Streptomyces, Bacillus subtilis, Streptococcus and Staphylococcus, eukaryotic cells such as yeast and Aspergillus, and insect cells such as Drosophila S2 and Spodoptera Sf9. Among them, the cells are preferably eukaryotic cells. The cell diameter (average value of all cells) is a size that allows ejection from the ejection port, and is preferably 1 μm or more and 100 μm or less, for example.
<細胞懸濁液>
細胞懸濁液は、少なくとも化合物と、当該化合物が導入される細胞とを有する。また、本発明において細胞懸濁液は、細胞が液体中に分散されたものである。細胞懸濁液における細胞は、撹拌することによって液体中に分散が可能な状態となっていればよく、静置したときに細胞が液体中に沈殿するものであってもよい。また、導入加工時、また、その後の、細胞の生存を可能とするため、適宜、その他の成分を含むことが好ましい。その他の成分として、塩類、糖類、リボヌクレオチド類、成長因子もしくはホルモン、pH緩衝剤、界面活性剤、キレート剤、水溶性有機溶剤、タンパク質およびアミノ酸類、抗菌剤、保湿剤、または、増粘剤等が挙げられる。
<Cell suspension>
A cell suspension has at least a compound and cells into which the compound has been introduced. Moreover, in the present invention, the cell suspension is obtained by dispersing cells in a liquid. The cells in the cell suspension may be in a state in which they can be dispersed in the liquid by stirring, and the cells may settle in the liquid when left standing. In addition, it is preferable to contain other components as appropriate in order to allow survival of the cells during and after introduction processing. Other ingredients include salts, sugars, ribonucleotides, growth factors or hormones, pH buffers, surfactants, chelating agents, water-soluble organic solvents, proteins and amino acids, antibacterial agents, moisturizers, or thickeners. etc.
<塩類>
本実施形態で取り扱う塩類の例としては、細胞培養に用いられる無機塩または有機塩であればよい。具体的には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、またはクエン酸ナトリウム等が挙げられる。
<Salts>
Examples of salts handled in this embodiment may be inorganic salts or organic salts used in cell culture. Specific examples include sodium chloride, potassium chloride, sodium citrate, and the like.
<糖類>
本実施形態で取り扱う糖類の例としては、細胞への栄養分、または、浸透圧の調整等の目的として、糖類を用いることができる。具体的には、グルコース、スクロース、またはフルクトース等が挙げられる。
<Saccharides>
Examples of saccharides used in this embodiment include saccharides for the purpose of providing nutrients to cells or adjusting osmotic pressure. Specific examples include glucose, sucrose, fructose, and the like.
<リボヌクレオチド類>
本実施形態で取り扱うリボヌクレオチド類の例としては、細胞の代謝補助を目的に、リボヌクレオチド類を用いることができる。具体的には、アデノシン三リン酸またはグアノシン三リン酸等が挙げられる。
<Ribonucleotides>
As an example of ribonucleotides handled in this embodiment, ribonucleotides can be used for the purpose of assisting cell metabolism. Specific examples include adenosine triphosphate, guanosine triphosphate, and the like.
<成長因子またはホルモン>
本実施形態で取り扱う成長因子またはホルモンの例としては、例えばヒト成長ホルモンが挙げられる。また、(ウシ、ブタまたはニワトリ成長因子のような)他の動物成長ホルモン、インスリン、オキシトシン、アンジオテオシン、メチオニンエンケファリン、サブスタンスPが挙げられる。また、ET-1、FGF、KGF、EGF、IGF、PDGF、LHRH、GHRH、FSH、DDAVP、PTH、バソプレッシン、グルカゴン、ソマトスタチン等が挙げられる。
<Growth factors or hormones>
Examples of growth factors or hormones treated in this embodiment include, for example, human growth hormone. Also other animal growth hormones (such as bovine, porcine or chicken growth factors), insulin, oxytocin, angioteocin, methionine enkephalins, substance P. ET-1, FGF, KGF, EGF, IGF, PDGF, LHRH, GHRH, FSH, DDAVP, PTH, vasopressin, glucagon, somatostatin and the like.
<pH緩衝剤>
本実施形態で取り扱うpH緩衝剤の例としては、例えば、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、Tris緩衝液、またはHEPES緩衝液等が挙げられる。
<pH buffer>
Examples of pH buffers used in this embodiment include citrate buffers, phosphate buffers, Tris buffers, HEPES buffers, and the like.
<界面活性剤>
本実施形態で取り扱う界面活性剤の例としては、水溶性のアニオン性、カチオン性、または、両性もしくはノニオン性の界面活性剤が挙げられ、一種類または複数種を添加することが出来る。
<Surfactant>
Examples of surfactants used in this embodiment include water-soluble anionic, cationic, amphoteric or nonionic surfactants, and one or more of them can be added.
<キレート剤>
本実施形態で取り扱うキレート剤の例としては、具体的には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはグリコールエーテルジアミン四酢酸 (EGTA)等が挙げられる。
<Chelating agent>
Specific examples of chelating agents handled in this embodiment include ethylenediaminetetraacetic acid (EDTA), glycol etherdiaminetetraacetic acid (EGTA), and the like.
<水および水溶性有機溶剤>
本実施形態で取り扱う細胞懸濁液は、水、または、水と水溶性有機溶剤との混合物とを含む水性液媒体を用いることができる。水性液媒体に細胞および導入対象化合物を添加することで細胞懸濁液を得ることができる。
<Water and water-soluble organic solvent>
An aqueous liquid medium containing water or a mixture of water and a water-soluble organic solvent can be used for the cell suspension treated in this embodiment. A cell suspension can be obtained by adding cells and a compound to be introduced to an aqueous liquid medium.
本実施形態に用いられる溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、水、生理食塩水が挙げられる。また、リン酸緩衝液(以下、PBS)あるいはTris等の緩衝液、Dulbecco's Modified Eagle Medium(以下、D-MEM)が挙げられる。また、Iscove's Modified Dulbecco's Medium(以下、IMDM)、Hanks' Balanced Salt Solutions(以下、HBSS)が挙げられる。また、Minimun Essential Medium-Eagle, Earle's Salts Base, with Non-Essential Amino Acid(以下、MEM-NEAA)が挙げられる。また、RPMI(Roswell Park Memorial Institute Medium)1640等の細胞培養用培地が挙げられる。また、市販のエレクトロポレーション用バッファー、市販のFACS解析用バッファー等、または乳酸リンゲル液等の輸液が挙げられる。これらの溶媒には、特に水が50%以上含まれていることが好ましい。また、これらの溶媒を2種以上混合して用いることもできる。水は、イオン交換等により脱イオン化し、オートクレーブ等で加熱滅菌した水であることが好ましい。また、細胞懸濁液媒体中の水の含量は、細胞懸濁液質量に対して30質量%以上99質量%以下であることが好ましい。 The solvent used in the present embodiment is not particularly limited, and examples thereof include water and physiological saline. Phosphate buffer (hereinafter referred to as PBS), buffers such as Tris, and Dulbecco's Modified Eagle Medium (hereinafter referred to as D-MEM) may also be used. Also, Iscove's Modified Dulbecco's Medium (hereinafter referred to as IMDM) and Hanks' Balanced Salt Solutions (hereinafter referred to as HBSS) can be used. Also, Minimun Essential Medium-Eagle, Earle's Salts Base, with Non-Essential Amino Acid (hereinafter referred to as MEM-NEAA). Cell culture media such as RPMI (Roswell Park Memorial Institute Medium) 1640 are also included. In addition, commercially available buffers for electroporation, commercially available buffers for FACS analysis, etc., or infusion solutions such as lactated Ringer's solution can be used. These solvents preferably contain water in an amount of 50% or more. Also, two or more of these solvents can be mixed and used. The water is preferably deionized by ion exchange or the like and heat sterilized by an autoclave or the like. Moreover, the content of water in the cell suspension medium is preferably 30% by mass or more and 99% by mass or less with respect to the mass of the cell suspension.
水溶性有機溶剤の種類は特に限定されず、目的に応じて公知の有機溶剤をいずれも用いることができる。具体的には、グリセリン、ポリエチレングリコール、またはジメチルスルホキシド等を挙げることができる。細胞懸濁液中の水溶性有機溶剤の含量は、細胞懸濁液全質量に対して0.001質量%以上50質量%以下であることが好ましい。 The type of water-soluble organic solvent is not particularly limited, and any known organic solvent can be used depending on the purpose. Specific examples include glycerin, polyethylene glycol, dimethylsulfoxide, and the like. The content of the water-soluble organic solvent in the cell suspension is preferably 0.001% by mass or more and 50% by mass or less with respect to the total mass of the cell suspension.
<タンパク質およびアミノ酸類>
本実施形態で取り扱うタンパク質およびアミノ酸類の例としては、ウシ胎児血清(以下、FBS)、またはウマ血清等の血清が挙げられる。
<Protein and amino acids>
Examples of proteins and amino acids handled in this embodiment include serum such as fetal bovine serum (hereinafter referred to as FBS) or horse serum.
<抗菌剤>
本実施形態で取り扱う抗菌剤の例としては、アジ化ナトリウムまたはペニシリンストレプトマイシン等の抗生物質が挙げられ、細胞懸濁液に添加して使用することができる。特に、生理食塩水、PBSもしくはTris等の緩衝液、D-MEM、IMDM、HBSS等の細胞培養用培地、市販のFACS解析用バッファー等、または乳酸リンゲル液等の輸液などが、細胞に適した塩濃度またはpH等を制御する上で好ましく用いられる。
<Antibacterial agent>
Examples of antibacterial agents handled in this embodiment include antibiotics such as sodium azide or penicillin streptomycin, which can be used by adding to the cell suspension. In particular, saline, buffers such as PBS or Tris, cell culture media such as D-MEM, IMDM, and HBSS, commercially available FACS analysis buffers, etc., and infusion solutions such as lactated Ringer's solution are suitable salts for cells. It is preferably used for controlling concentration or pH.
<保湿剤>
本実施形態で取り扱う保湿剤の例としては、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、またはソルビットなどの多価アルコール類が挙げられる。また、ヒアルロン酸及びコンドロイチン硫酸などのムコ多糖質、可溶性コラーゲン、ユラスチン及びケラチンなどの蛋白質加水分解物などが挙げられる。これらを単独または複数混合して用いることができる。
<Moisturizer>
Examples of moisturizing agents handled in this embodiment include polyhydric alcohols such as glycerin, propylene glycol, butylene glycol, or sorbitol. Also included are mucopolysaccharides such as hyaluronic acid and chondroitin sulfate, protein hydrolysates such as soluble collagen, Yulastin and keratin. These can be used singly or in combination.
<増粘剤>
本実施形態で取り扱う増粘剤の例としては、例えば酸化変性澱粉、酵素変性澱粉、熱化学変性澱粉、カチオン性澱粉、両性澱粉、またはエステル化澱粉等の澱粉類が挙げられる。また、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、もしくはエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、もしくは大豆蛋白等の天然または半合成高分子類が挙げられる。また、完全もしく部分ケン化の水溶性高分子化合物が挙げられる。水溶性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、アセトアセチル化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコールが挙げられる。また、オレフィン変性ポリビニルアルコール及びシリル変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類などが挙げられる。これらの中から少なくとも1種の水溶性高分子化合物を適宜選択して使用することができる。本実施形態において、使用される液体の好ましい粘度は、0.1Pa・s(パスカル秒)以上であり、必要に応じて上記の増粘剤を添加すれば良い。
<Thickener>
Examples of thickeners used in the present embodiment include starches such as oxidatively modified starch, enzyme modified starch, thermochemically modified starch, cationic starch, amphoteric starch, and esterified starch. Also included are cellulose derivatives such as carboxymethyl cellulose, hydroxyethyl cellulose, and ethyl cellulose, and natural or semisynthetic polymers such as casein, gelatin, and soybean protein. In addition, completely or partially saponified water-soluble polymer compounds are also included. Examples of water-soluble polymer compounds include polyvinyl alcohol, acetoacetylated polyvinyl alcohol, and carboxy-modified polyvinyl alcohol. Polyvinyl alcohols such as olefin-modified polyvinyl alcohol and silyl-modified polyvinyl alcohol are also included. At least one water-soluble polymer compound can be appropriately selected and used from among these. In this embodiment, the liquid to be used preferably has a viscosity of 0.1 Pa·s (pascal second) or more, and the above thickening agent may be added as necessary.
<細胞懸濁液の作製方法>
本実施形態の細胞懸濁液では、接着培養または浮遊培養等により培養された細胞を、酵素等を作用させることにより、単独の細胞または小塊状の細胞に分離させた後、遠心分離装置等を用いて、比重の違いを用いて、細胞のみを沈降させる。その後、細胞以外の上澄みの媒体を除去した後、導入対象化合物を含む媒体を添加し、ピペットまたは攪拌機を用い、攪拌し、細胞懸濁液を作製する。
<Method for preparing cell suspension>
In the cell suspension of the present embodiment, cells cultured by adhesion culture, suspension culture, etc. are separated into single cells or small cells by the action of enzymes, etc., and then centrifuged. Using the difference in specific gravity, only the cells are sedimented. Thereafter, after removing the supernatant medium other than the cells, a medium containing the compound to be introduced is added and stirred using a pipette or a stirrer to prepare a cell suspension.
作製される細胞懸濁液の濃度は、目的に応じて調整されればよいが、生産効率性の観点から1000個/mL以上かつ1億個/mL以下が好ましく、10万個/mL以上かつ1000万個/mL以下がより好ましい。 The concentration of the cell suspension to be produced may be adjusted according to the purpose, but from the viewpoint of production efficiency, it is preferably 1000 cells/mL or more and 100 million cells/mL or less, and 100,000 cells/mL or more and 10 million/mL or less is more preferable.
また、細胞懸濁液を吐出ヘッドに導入する前に、細胞懸濁液を、用いる吐出ヘッド101内の液体供給流路の最小径と同程度のセルストレーナーに通過させることが好ましい。これにより、細胞懸濁液から大きな細胞塊を取り除くことができる。
Moreover, before introducing the cell suspension into the ejection head, it is preferable to pass the cell suspension through a cell strainer having a diameter approximately equal to the minimum diameter of the liquid supply channel in the
<培養操作方法>
加工された細胞は、目的の培養系において培養が可能である。具体的には、動物細胞の場合、培養温度摂氏37度、二酸化炭素濃度5%の飽和水蒸気が保たれたインキュベーター内で、培養することが好ましい。培養中は、細胞の成長状態を確認し培地交換、または、継代を実施することが好ましい。
<Culture operation method>
The processed cells can be cultured in the desired culture system. Specifically, animal cells are preferably cultured in an incubator maintained at a culture temperature of 37 degrees Celsius and saturated steam with a carbon dioxide concentration of 5%. During culturing, it is preferable to confirm the growth state of the cells and perform medium exchange or passage.
<細胞への化合物の導入確認方法>
細胞への化合物の導入の確認方法は、導入する化合物によって確認方法が異なるため、それぞれに応じた確認方法を用いればよい。例えば、蛍光タンパク質であるGFPを発現するプラスミドDNAを同細胞内に導入した場合、一定の時間を経過したサンプルを、蛍光顕微鏡を用いて、GFPの発光の有無を確認することで、半定量的に導入量を確認できる。また、培養した細胞を、酵素等を用い単一分散させた後、フローサイトメトリーを用い、発光している細胞数をカウントして、定量的に、導入を確認できる。さらには、解砕し、蛍光分光光度計またはルミノメーター等を用いても測定できる。また、抗原抗体反応を用いた、ELISA法または免疫染色法を用いることができる。また、リアルタイムPCR装置等を用いて、細胞内での導入されたDNAおよび増幅されたDNAを測定することも可能である。導入された化合物が、標識化合物の場合、一般の化学分析に用いられる分析手段を用いて、分析可能である。
<Method for confirming introduction of compound into cells>
The method for confirming the introduction of a compound into a cell differs depending on the compound to be introduced, so a confirmation method suitable for each case may be used. For example, when a plasmid DNA that expresses a fluorescent protein, GFP, is introduced into the same cell, the sample after a certain period of time is examined for the presence or absence of GFP emission using a fluorescence microscope. You can check the amount introduced. In addition, introduction can be quantitatively confirmed by using flow cytometry to count the number of luminous cells after dispersing the cultured cells into single cells using an enzyme or the like. Furthermore, it can also be disintegrated and measured using a fluorescence spectrophotometer, luminometer, or the like. Also, ELISA or immunostaining using antigen-antibody reaction can be used. It is also possible to measure the introduced DNA and the amplified DNA in the cell using a real-time PCR device or the like. When the introduced compound is a labeled compound, it can be analyzed using analytical means used in general chemical analysis.
[実施例]
以下、本実施形態における実施例を説明する。尚、以下の実施例は、一例に過ぎず、この例に限定されるものではない。なお、文中「%」とあるものは特に断りのない限り質量基準である。
[Example]
Examples of the present embodiment will be described below. It should be noted that the following examples are merely examples, and are not limited to these examples. In the text, "%" is based on mass unless otherwise specified.
まず、吐出ヘッド101を、多量の滅菌水を用いて洗浄した。さらに、バイオクリーンベンチ内において、エタノール濃度が70%の水溶液を用いて、吐出ヘッド101内部および外部の清掃および殺菌を行った。余剰なエタノール水溶液を取り除いた後、15mLの1倍のリン酸生理食塩緩衝液(1×PBS)(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、pH=7.4)を用いて、吐出ヘッド101内部および外部を洗浄した。さらに、追加で5mLの1×PBSを吐出ヘッド101の貯留部内に注入した。この状態で、連通した吐出ヘッドの吐出口面より、滅菌されたチューブに接続した外部アスピレーターを用いて、1×PBSを吸出した。この操作を3回し、滅菌した吐出ヘッド101を得た。
First, the
図1の化合物導入装置100で用いた細胞懸濁液および導入対象化合物は、以下のようにして調製した。
The cell suspension and the compound to be introduced used in the
(導入対象化合物を含む液体組成物1)
下記表1に記載の通り、導入対象化合物であるトリパンブルーを含むトリパンブルー溶液500μlと、Gene Pulser エレクトロポレーションバッファー(ロンザ社製)500μlとをマイクロチューブ内で混合し、液体組成物1を得た。
(
As shown in Table 1 below, 500 μl of a trypan blue solution containing trypan blue, which is the compound to be introduced, and 500 μl of Gene Pulser electroporation buffer (manufactured by Lonza) were mixed in a microtube to obtain
(導入対象化合物を含む液体組成物2)
導入対象化合物であるDNAを含むDNA溶液を以下のようにして調製した。
(
A DNA solution containing DNA, which is the compound to be introduced, was prepared as follows.
まず、0.5mol/L-EDTA Solution(pH 8.0) (ナカライテスク社製)0.2mLと、1mol/L-Tris-HCl Buffer Solution(pH 8.0)(ナカライテスク社製)1mLとを混合して混合液を得た。 First, 0.5 mol/L-EDTA Solution (pH 8.0) (manufactured by Nacalai Tesque) 0.2 mL and 1 mol/L-Tris-HCl Buffer Solution (pH 8.0) (manufactured by Nacalai Tesque) 1 mL were mixed to obtain a mixture.
次に、この混合液に、滅菌した純水98.8mLを添加し、TEバッファー(10mM Tris 1mM EDTA (pH8))を作製した。凍結乾燥されたCMV-Fresno RFP(ATUM社製、塩基対数5.5kbp)と作製したTEバッファーを、マイクロチューブ内で混合し撹拌し、そこにDNAを溶解させることで、DNA溶液を得た。得られたDNA溶液の一部は、さらにTEバッファーで希釈したのち、石英セル内に充填し、DNA濃度測定装置(Biochrom社、GeneQuant 1300)で濃度を同定し、DNA溶液濃度を求めた。DNA濃度は2.0μg/μLであった。
Next, 98.8 mL of sterilized pure water was added to this mixture to prepare a TE buffer (10
下記の表1に記載の通り、得られたDNA溶液500μlと、Gene Pulser エレクトロポレーションバッファー(ロンザ社製)500μlとをマイクロチューブ内で混合し、液体組成物2を得た。
As shown in Table 1 below, 500 μl of the obtained DNA solution and 500 μl of Gene Pulser electroporation buffer (manufactured by Lonza) were mixed in a microtube to obtain
細胞懸濁液は以下の手順で調製した。 A cell suspension was prepared by the following procedure.
American Type Culture Collectionより購入したマウス単球性白血病から樹立された細胞株であるRAW264.7を、2.0百万個/mLになるように、以下の手順を施した。 RAW264.7, a cell line established from mouse monocytic leukemia purchased from the American Type Culture Collection, was subjected to the following procedure so as to have a concentration of 2.0 million cells/mL.
細胞株であるRAW264.7を、2.0百万個/mLになるように、10%FBS、1%ペニシリンストレプトマイシン、および1%MEM-NEAAを含むD-MEM培地20mL中に分散させた。その後、ポリスチレン製100mmディッシュに約2.0百万個ずつ播種した。 Cell line RAW264.7 was dispersed at 2.0 million cells/mL in 20 mL of D-MEM medium containing 10% FBS, 1% penicillin-streptomycin, and 1% MEM-NEAA. After that, about 2.0 million seeds were sown in each 100 mm dish made of polystyrene.
10%FBSは、グローバルライフサイエンステクノロジーズジャパン社製を用いた。1%ペニシリンストレプトマイシンは、シグマ アルドリッチ社製を用いた。1% MEM-NEAAは、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製を用いた。D-MEMは、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製を用いた。ポリスチレン製100mmディッシュは、コーニング社製を用いた。 The 10% FBS used was manufactured by Global Life Science Technologies Japan. 1% penicillin streptomycin was used from Sigma-Aldrich. 1% MEM-NEAA manufactured by Thermo Fisher Scientific was used. D-MEM manufactured by Thermo Fisher Scientific was used. A 100 mm polystyrene dish manufactured by Corning was used.
播種された細胞を含むD-MEM培地を有するディッシュを5%CO2存在下、37℃でインキュベーションすることで細胞を増殖させた。2~4日後にディッシュ底面の約70%程度を細胞が覆った状態になったことを確認し、上澄みの培地を除去後、PBSでリンスした。0.25%のトリプシンと1mM EDTA(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)とを含むPBSを用いて、細胞をディッシュより剥離させた。その後、RAW264.7細胞を含む細胞懸濁液をディッシュから回収した。 Cells were grown by incubating dishes with D-MEM medium containing seeded cells at 37° C. in the presence of 5% CO 2 . After 2 to 4 days, it was confirmed that about 70% of the bottom surface of the dish was covered with cells, and after removing the supernatant medium, the dish was rinsed with PBS. Cells were detached from the dish using PBS containing 0.25% trypsin and 1 mM EDTA (manufactured by Thermo Fisher Scientific). A cell suspension containing RAW264.7 cells was then harvested from the dish.
滅菌された遠心管内に、ディッシュから回収した細胞懸濁液に、総量50mLになるように上記のD-MEM培地を加えた後、摂氏4度の温度で、90Gの遠心力に設定した遠心分離機(日立工機社製、CF16RX II)で5分間処理し、細胞を沈降させた。沈降した細胞ペレットの上澄みを、静かに除去した後、該細胞ペレットに、上記D-MEM培地を加え、細胞懸濁液を得た。この細胞懸濁液を再び、上記の細胞培養の操作を2回繰り返した。 In a sterilized centrifuge tube, the above D-MEM medium was added to the cell suspension collected from the dish so that the total volume was 50 mL, and then centrifuged at a temperature of 4 degrees Celsius and a centrifugal force of 90 G. The cells were treated with a machine (CF16RX II, manufactured by Hitachi Koki Co., Ltd.) for 5 minutes to sediment the cells. After gently removing the supernatant of the precipitated cell pellet, the above D-MEM medium was added to the cell pellet to obtain a cell suspension. This cell suspension was again subjected to the above cell culture procedure twice.
3回目の操作時では、所望の細胞濃度に必要な細胞数を、別の遠心管へと取り分けた。その後、遠心分離し、上記の液体組成物1を上記D-MEM培地の代わりに添加して、マイクロピペットを用いて撹拌した。さらに、セルストレーナー(コーニング社製、メッシュ40μm)を通過させ、細胞への化合物の導入に用いる細胞懸濁液1(2.0百万個/μL)を得た。また、液体組成物1の代わりに液体組成物2を用いたこと以外は細胞懸濁液1と同様の方法で、細胞懸濁液2を得た。
During the third run, the number of cells required for the desired cell concentration was set aside into another centrifuge tube. Thereafter, the mixture was centrifuged, and the
得られた細胞懸濁液1及び2は、カウントレスセルカウンティングチャンバースライド(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)に充填し、位相差顕微鏡(オリンパス社製、型番:CKX41)を用いて、画像を記録した。その後、記録したイメージ画像を用いて1000個の細胞の最長部直径を測定することで、細胞の直径を求めた。尚、細胞の直径は、前記測定により得られた細胞直径分布における個数基準50%の細胞の直径として得た。
The resulting
<実施例1>
本実施例では、図1の化合物導入装置100を用いて以下のようにして、細胞への化合物の導入を行った。
<Example 1>
In this example, a compound was introduced into cells using the
まず、上記操作で作製した細胞懸濁液1を、マイクロピペッターを用い、吐出ヘッド101内へ200μL注入した。その後、吸引機構104へ吐出ヘッド101を搬送し接地させた後、吸引モータ105を作動させることにより、吐出ヘッド101の各流路内および吐出口3内へと細胞懸濁液1を充填した。充填後、導入動作プログラムを実行した。導入動作プログラムの実行により、吐出ヘッド101は、吸引機構104より離間した後、あらかじめ設置された100μLの上記D-MEM培地により内部底面が濡らされたガラスボトムディッシュ(イワキ社製)上部まで搬送された。その後、全ての吐出口3を用いて、加工デューティが100%の画像(具体的には1.5cm×1.5cmのベタ画像)を出力するための液体吐出動作を行い、ガラスボトムディッシュ内へ、細胞懸濁液1を吐出してサンプルを得た。この液体吐出動作を、40回繰り返し、連続的加工性(表2における連続印字可能回数)を確認した。尚、本実施例で用いた化合物導入装置において、「加工デューティが100%」とは、解像度600dpi×600dpiで1/600インチ×1/600インチの単位領域に23.0n(ナノ)gの細胞懸濁液滴を1滴付与することを意味する。尚、液体吐出動作の際、換気ファンモータ210を駆動して、吸気口109の吸気ファンを作動させておいた。
First, 200 μL of the
このようにして得られたサンプルを、ガラスボトムディッシュの上皿を被せ、装置内より取り出して、37℃に温めた上記のD-MEM培地2.5mLを、マイクロピペットを用い、静かに注ぎ入れた。そして、位相差顕微鏡(オリンパス社製、型番:CKX41)を用いて細胞を観察し、加工率を求めた。 The sample thus obtained is covered with a top plate of a glass bottom dish, taken out of the apparatus, and 2.5 mL of the D-MEM medium warmed to 37° C. is gently poured using a micropipette. rice field. Then, the cells were observed using a phase-contrast microscope (manufactured by Olympus, model number: CKX41) to determine the processing rate.
<<加工率の評価>>
上記のようにして、細胞懸濁液1を用いて化合物導入を行った細胞の加工率を測定した。詳しくは、位相差顕微鏡を用いて、10倍対物レンズ、明視野モードで観察し、トリパンブルーにより紫色に染まっている細胞数及び全細胞数をカウントした。そして、加工率=紫色の細胞数/全細胞数×100の式に従って加工率を算出し、当該算出した加工率を、以下の5段階の基準で評価した。かかる評価の結果を、表2に記載する。尚、本実施例では、Cランク以下を、生産効率の観点で許容できないレベルとした。
AA:加工率50%以上
A:加工率40%以上かつ50%未満
B:加工率20%以上かつ40%未満
C:加工率10%以上かつ20%未満
D:加工率10%未満
<<Evaluation of processing rate>>
As described above, the processing rate of the compound-introduced cells using the
AA: processing rate of 50% or more A: processing rate of 40% or more and less than 50% B: processing rate of 20% or more and less than 40% C: processing rate of 10% or more and less than 20% D: processing rate of less than 10%
<実施例2および実施例5並びに比較例1および比較例2>
表2に記載のように、吐出口の直径、液体供給流路の高さ及び幅、並びに、ノズル厚みを変更したこと以外、実施例1と同様の操作を行って、実施例2及び5、並びに、比較例1及び2のサンプルを作製した。そして得られたサンプルの加工率について、実施例1と同様の方法でそれぞれ評価を行った。かかる評価の結果を表2に記載した。なお、比較例1においては、液体吐出動作を40回繰り返して行うことができなかったため、表2の連続印字可能回数を「C」と表記し、加工率の評価も行わなかった。
<Examples 2 and 5 and Comparative Examples 1 and 2>
As shown in Table 2, the same operation as in Example 1 was performed except that the diameter of the ejection port, the height and width of the liquid supply channel, and the thickness of the nozzle were changed. Also, samples of Comparative Examples 1 and 2 were produced. Then, the processing rates of the obtained samples were evaluated in the same manner as in Example 1. The results of such evaluation are shown in Table 2. In Comparative Example 1, the liquid ejection operation could not be repeated 40 times.
<実施例3>
細胞懸濁液1の代わりに細胞懸濁液2を用いたこと以外は、実施例1と同様に操作を行い、サンプルを作製した。そして、得られたサンプルを5%CO2存在下、37℃でインキュベーションすることで細胞を増殖させ、24時間後に蛍光顕微鏡を用い、遺伝子発現の評価を行い、細胞へのDNA導入の有無を判断した。
<Example 3>
A sample was prepared in the same manner as in Example 1 except that
<<遺伝子発現の評価>>
本実施例で用いたCMV-Fresno RFPには、細胞内に導入されると、赤色の蛍光を発するタンパク質を生成する遺伝子が含まれている。従って、この蛍光タンパク質の発現を利用して、DNA導入の評価を行った。
<<Evaluation of gene expression>>
The CMV-Fresno RFP used in this example contains a gene that produces a protein that emits red fluorescence when introduced into cells. Therefore, the expression of this fluorescent protein was used to evaluate DNA transfer.
具体的には、24時間インキュベーションしたサンプルから、培地を除去し、1×PBSを用いてリンスした後、1×PBSを2mL加えた。1×PBSによって培地を置換した後、蛍光顕微鏡(キーエンス社製、型番:BZ-8000)を用いて、10倍対物レンズ、明視野モード、蛍光モード(TRITC: 励起 540±12.5nm、蛍光 605±27.5nm、カット565nm)で観察した。そして、蛍光を発している細胞数及び全細胞数をカウントし、導入率=(蛍光を発している細胞数/全細胞数)×100の式に従って導入率を算出し、当該算出した導入率を以下の基準で評価した。かかる評価の結果を、表2に記載する。
有:導入率1%以上
無:導入率1%未満
Specifically, from samples incubated for 24 hours, medium was removed, rinsed with 1×PBS, and then 2 mL of 1×PBS was added. After replacing the medium with 1 × PBS, using a fluorescence microscope (manufactured by Keyence, model number: BZ-8000), 10 × objective lens, bright field mode, fluorescence mode (TRITC: excitation 540 ± 12.5 nm, fluorescence 605 ±27.5 nm, cut 565 nm). Then, the number of cells emitting fluorescence and the number of all cells were counted, and the introduction rate was calculated according to the formula of introduction rate = (number of cells emitting fluorescence/total number of cells) x 100, and the calculated introduction rate was calculated. Evaluation was made according to the following criteria. The results of such evaluation are set forth in Table 2.
Yes:
<実施例4および実施例6>
表2に記載のように、吐出口の直径、液体供給流路の高さ及び幅、並びに、ノズル厚みを変更したこと以外、実施例3と同様の操作を行って、実施例4及び6のサンプルを作製した。得られたサンプルを、実施例3と同様の方法で細胞を増殖させ、実施例3と同様の遺伝子発現の評価を行った。かかる評価の結果を、表2に記載する。
<Example 4 and Example 6>
As shown in Table 2, the same operation as in Example 3 was performed except that the diameter of the ejection port, the height and width of the liquid supply channel, and the thickness of the nozzle were changed. A sample was made. Cells of the obtained samples were grown in the same manner as in Example 3, and gene expression was evaluated in the same manner as in Example 3. The results of such evaluation are set forth in Table 2.
<比較例3および比較例4>
以下、実施例1および実施例3の比較例として、比較例3および比較例4を説明する。具体的には、比較例3及び4では、発泡の効果を確認するために、発熱素子による発泡を行わず、吐出動作に替えて、吐出口を介した外部吸引により、細胞懸濁液を取り出し、ガラスボトムディッシュ内に添加した。このこと以外は、それぞれ実施例1及び3と同様な操作を行うことで、発泡処理を受けないサンプルを作製した。該作製したサンプルを用いて、比較例3では加工率の評価、比較例4では遺伝子発現の評価を行った。かかる評価の結果を、表2に記載する。
<Comparative Example 3 and Comparative Example 4>
Comparative Examples 3 and 4 will be described below as comparative examples of Examples 1 and 3. FIG. Specifically, in Comparative Examples 3 and 4, in order to confirm the effect of foaming, the cell suspension was taken out by external suction through the ejection port instead of the ejection operation without foaming by the heating element. , was added in a glass bottom dish. Except for this, the same operations as in Examples 1 and 3 were performed to prepare samples that were not subjected to the foaming treatment. Using the prepared samples, the processing rate was evaluated in Comparative Example 3, and the gene expression was evaluated in Comparative Example 4. The results of such evaluation are set forth in Table 2.
<その他の実施形態>
また、本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
<Other embodiments>
Further, the present invention supplies a program that implements one or more functions of the above-described embodiments to a system or device via a network or a storage medium, and one or more processors in the computer of the system or device executes the program. It can also be realized by a process of reading and executing. It can also be implemented by a circuit (for example, ASIC) that implements one or more functions.
Claims (14)
前記細胞と前記化合物とを含む細胞懸濁液を供給する供給流路と、
前記化合物を前記細胞に導入する導入手段と、
前記化合物が導入された前記細胞を含む細胞懸濁液を吐出する吐出口と、
を有し、
前記供給流路を流動する前記細胞懸濁液の流れ方向に対する、前記供給流路の高さは、前記細胞の直径の1.0倍より大きく2.0倍未満であり、該供給流路の幅は、該細胞の直径の1.0倍より大きく2.0倍未満であり、
前記吐出口の直径は、前記細胞の直径の1.0倍より大きく2.0倍未満である、
ことを特徴とする化合物導入装置。 A compound introduction device for introducing a compound into cells,
a supply channel for supplying a cell suspension containing the cells and the compound;
an introduction means for introducing the compound into the cell;
an ejection port for ejecting a cell suspension containing the cells into which the compound has been introduced;
has
The height of the supply channel with respect to the flow direction of the cell suspension flowing in the supply channel is more than 1.0 times and less than 2.0 times the diameter of the cells, and the supply channel the width is greater than 1.0 and less than 2.0 times the diameter of the cell;
The diameter of the outlet is more than 1.0 times and less than 2.0 times the diameter of the cell.
A compound introduction device characterized by:
ことを特徴とする請求項1に記載の化合物導入装置。 The introduction means is an energy generating element that generates energy in the height direction of the supply channel,
The compound introduction device according to claim 1, characterized in that:
ことを特徴とする請求項1に記載の化合物導入装置。 The introducing means is a heating element,
The compound introduction device according to claim 1, characterized in that:
ことを特徴とする請求項3に記載の化合物導入装置。 Further having a processing chamber in which the heating element is arranged,
4. The compound introduction device according to claim 3, characterized in that:
ことを特徴とする請求項4に記載の化合物導入装置。 The discharge port is arranged directly below the heating element and the processing chamber,
5. The compound introduction device according to claim 4, characterized in that:
ことを特徴とする請求項4または5に記載の化合物導入装置。 When heat is generated by the heating element, stress due to foaming generated by the heat generation is applied to the cell suspension inside the processing chamber,
6. The compound introduction device according to claim 4 or 5, characterized in that:
ことを特徴とする請求項6に記載の化合物導入装置。 As a result of the stress acting for 1 μs or more and 10 μs or less, droplets of the cell suspension are ejected from the ejection port at a speed of 0.5 m / s or more and 30 m / s or less.
7. The compound introduction device according to claim 6, characterized by:
ことを特徴とする請求項3乃至7の何れか1項に記載の化合物導入装置。 The heat generation time of the heating element is 0.1 μs or more and 5 μs or less,
8. The compound introduction device according to any one of claims 3 to 7, characterized in that:
ことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の化合物導入装置。 the diameter of the outlet is greater than the height of the supply channel;
9. The compound introduction device according to any one of claims 1 to 8, characterized in that:
ことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1項に記載の化合物導入装置。 the cell has a diameter of 1 μm or more and 100 μm or less;
10. The compound introduction device according to any one of claims 1 to 9, characterized in that:
ことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載の化合物導入装置。 the height and width of the supply channel are each greater than 1 μm and less than 200 μm,
11. The compound introduction device according to any one of claims 1 to 10, characterized in that:
ことを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載の化合物導入装置。 said cell is a eukaryotic cell,
12. The compound introduction device according to any one of claims 1 to 11, characterized in that:
ことを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載の化合物導入装置。 The height of the supply channel means the length in the direction of gravity,
13. The compound introduction device according to any one of claims 1 to 12, characterized in that:
前記細胞と前記化合物とを含む細胞懸濁液を、供給流路を介して供給する工程と、
前記化合物を前記細胞に導入する工程と、
前記化合物が導入された前記細胞を含む細胞懸濁液を、吐出口から吐出する工程と、
を有し、
前記供給流路を流動する前記細胞懸濁液の流れ方向に対する、前記供給流路の高さは、前記細胞の直径の1.0倍より大きく2.0倍未満であり、該供給流路の幅は、該細胞の直径の1.0倍より大きく2.0倍未満であり、
前記吐出口の直径は、前記細胞の直径の1.0倍より大きく2.0倍未満である、
ことを特徴とする化合物導入方法。 A compound introduction method for introducing a compound into a cell, comprising:
supplying a cell suspension containing the cells and the compound through a supply channel;
introducing the compound into the cell;
a step of ejecting a cell suspension containing the cells into which the compound has been introduced from an ejection port;
has
The height of the supply channel with respect to the flow direction of the cell suspension flowing in the supply channel is more than 1.0 times and less than 2.0 times the diameter of the cells, and the supply channel the width is greater than 1.0 and less than 2.0 times the diameter of the cell;
The diameter of the outlet is more than 1.0 times and less than 2.0 times the diameter of the cell.
A method for introducing a compound, characterized by:
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Cited By (1)
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WO2023106335A1 (en) * | 2021-12-09 | 2023-06-15 | キヤノン株式会社 | Cell processing method and cell processing device |
-
2022
- 2022-03-10 JP JP2022037194A patent/JP2022145590A/en active Pending
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