JP2022140863A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 図柄などの識別情報の変動表示を行う表示手段での表示内容によって遊技の興趣を好適に向上可能な遊技機を提供する。【解決手段】 副制御基板940は、所定の表示対象である第1識別情報部612を所定の方向側へ移動させた後に、当該表示対象を前記所定の方向側とは別の方向側へ移動させ、当該別の方向側への移動後に所定の方向側への移動を停止する制御において、所定の表示対象の少なくとも一部における表示態様を複雑化する表示制御を行う。よって、第1識別情報部612は、所定の方向側への移動が停止される前に、当該所定の方向側とは別の方向側へ移動するとともに、当該所定の表示対象の少なくとも一部における表示態様が、当該所定の表示対象が所定の方向側の移動を停止する前に複雑化されるので、装飾図柄610の所定の方向側への移動が停止されることを遊技者に印象づけ易くすることができる。【選択図】 図17
Description
本発明は、弾球遊技機に代表される遊技機に関する。
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、通常遊技として始動口へ遊技球が入球した場合に抽選が行われ、当該抽選によって大当りに当選した場合に特別遊技状態となって遊技球が大入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。かかるパチンコ機は、図柄などの識別情報の変動表示を行うとともに、上記抽選結果に応じた表示結果を表示する表示手段を備えている。
しかしながら、図柄などの識別情報の変動表示を行う表示手段での表示内容によって遊技の興趣を向上させる構成について未だ改良の余地がある可能性があった。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、図柄などの識別情報の変動表示を行う表示手段での表示内容によって遊技の興趣を好適に向上可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
本発明に係る遊技機は、上記の課題を解決するために
識別情報の変動表示を行う表示手段と、該表示手段によって表示される表示内容を制御する制御手段とを備え、前記表示手段によって所定の表示結果が表示された場合に遊技者にとって有利な遊技状態へ遷移可能に構成された遊技機において、
前記制御手段は、
所定の表示対象を前記表示手段に表示する制御として、
所定の方向側へ移動する移動表示制御と、
該移動表示制御の後に、前記所定の方向側とは別の方向側へ移動し、
当該別の方向側への移動後に、前記所定の方向側への移動を停止する移動停止制御とを少なくとも行うものであり、
該移動停止制御において、前記所定の表示対象の少なくとも一部における表示態様を複雑化する表示制御を行うことを特徴としている。
識別情報の変動表示を行う表示手段と、該表示手段によって表示される表示内容を制御する制御手段とを備え、前記表示手段によって所定の表示結果が表示された場合に遊技者にとって有利な遊技状態へ遷移可能に構成された遊技機において、
前記制御手段は、
所定の表示対象を前記表示手段に表示する制御として、
所定の方向側へ移動する移動表示制御と、
該移動表示制御の後に、前記所定の方向側とは別の方向側へ移動し、
当該別の方向側への移動後に、前記所定の方向側への移動を停止する移動停止制御とを少なくとも行うものであり、
該移動停止制御において、前記所定の表示対象の少なくとも一部における表示態様を複雑化する表示制御を行うことを特徴としている。
なお、表示対象(または図柄)の少なくとも一部における表示態様を「複雑化」する場合としては、例えば、当該一部に用いられる色数を多くする場合が例示され、また、当該一部の透過率を低くして背景が透ける部分を少なくして不透明化する場合が例示され、また、当該一部の形状を複雑化する場合が例示される。
本発明に係る遊技機であれば、図柄などの識別情報の変動表示を行う表示手段での表示内容によって遊技の興趣を好適に向上可能な遊技機を提供することができる。
本発明に係る遊技機の実施形態について、遊技機の一種である弾球遊技機の一例としてのパチンコ機100を説明し、その後に変形例や他の種類の遊技機を説明する。まず、パチンコ機100の実施形態について、構造的な構成、電気的な構成、各種の制御処理を順に説明する。
<構造的な構成>
まず、図1から図9を主に参照して、パチンコ機100の構造部分の構成について説明する。図1~図4は、パチンコ機100の各種状態を示す斜視図であり、図1はパチンコ機100の閉鎖状態を示し、図2は外枠101に対して前ブロック102及び中間ブロック103が一体的に開放されている状態を示し、図3は中間ブロック103に対して前ブロック102が開放されている状態を示し、図4は中間ブロック103に対して後ブロック104が開放されている状態を示している。また、図5は、パチンコ機100の正面図であり、図6は、図5の状態からパチンコ機100の前ブロック102を取り外した状態を示している。なお、各図において各種の配線は省略されており、また、図3及び図6において遊技盤400の構成の一部は省略されている。
まず、図1から図9を主に参照して、パチンコ機100の構造部分の構成について説明する。図1~図4は、パチンコ機100の各種状態を示す斜視図であり、図1はパチンコ機100の閉鎖状態を示し、図2は外枠101に対して前ブロック102及び中間ブロック103が一体的に開放されている状態を示し、図3は中間ブロック103に対して前ブロック102が開放されている状態を示し、図4は中間ブロック103に対して後ブロック104が開放されている状態を示している。また、図5は、パチンコ機100の正面図であり、図6は、図5の状態からパチンコ機100の前ブロック102を取り外した状態を示している。なお、各図において各種の配線は省略されており、また、図3及び図6において遊技盤400の構成の一部は省略されている。
パチンコ機100は、例えば、図1~図4に示すように、外枠101と、前ブロック102と、中間ブロック103と、後ブロック104とを備え、これら各部位を所定の操作により相対的に変位可能に構成されている。
外枠101は、パチンコ機100の本体部分を支持する本体支持手段としての機能を有している。外枠101は、例えば、図2に示すように、天板部111、底板部112、左側板部113及び右側板部114が組み付けられた略四辺形状の枠体であり、パチンコ機100を設置する遊技場に設けられた遊技機設置設備(島設備)に嵌め込まれると共に固定具(図示せず)によって強固に固定される。なお、パチンコ機100において外枠101は必須の構成ではなく、外枠101又は外枠101と同一の内形形状を有し、外枠101を除いたパチンコ機100の構成に相当する本体部分を支持する支持機構や、その本体部分を施錠する施錠機構の一部が島設備に備え付けられた構成としてもよい。
外枠101における左右方向の一方側(左側板部113側)には、中間ブロック支持機構121,122が設けられている。この中間ブロック支持機構121,122によって外枠101と中間ブロック103とが接続(連結)され、パチンコ機100の本体部分が、パチンコ機100の正面視における左右方向の一端側(左側)を回動基端側とし、他端側(右側)を回動先端側として前方へ回動可能に構成されている。
中間ブロック支持機構121,122は、例えば、図1に示すように、外枠101の上端部と下端部とに離間して設けられている。中間ブロック支持機構121,122の各々は、例えば、外枠101に設けられる軸支持部によって、中間ブロック103に設けられる軸部が下側より支持され、軸支持部に設けられる軸孔に軸部が差し込まれた状態とされることにより、回動可能に構成されている。なお、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分を回動可能とする構成は、上記構成に限らず、中間ブロック103側に軸孔を設け、外枠101側に軸部を形成するなど、他の構成としてもよい。
中間ブロック支持機構121,122には、所定の取り外し操作によって外枠101と中間ブロック103との接続状態を解除する機能が設けられ、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分が外枠101に対して取り外し可能に取り付けられている。例えば、外枠101に対して中間ブロック103を一定量以上開放し、且つ、上方側へ一定量移動させるという所定の取り外し操作をすることにより、外枠101に対する中間ブロック103の接続状態が解除される。これにより、外枠101に対してパチンコ機100の本体部分が取り外し可能とされている。
中間ブロック103に対して前側には、前ブロック102が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる前ブロック支持機構131,132によって中間ブロック103と前ブロック102とが接続されている。前ブロック支持機構131,132は、中間ブロック支持機構121,122と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して前ブロック102を前方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に構成されている。
中間ブロック103に対して後側には、後ブロック104が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる後ブロック支持機構136,137(図8参照)によって中間ブロック103と後ブロック104とが接続されている。後ブロック支持機構136,137には、中間ブロック支持機構121,122及び前ブロック支持機構131,132と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して後ブロック104を後方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に支持する構成とされている。
また、パチンコ機100には、外枠101に対する中間ブロック103の開閉を規制する中間ブロック施錠機構と、中間ブロック103に対する前ブロック102の開閉を規制する前ブロック施錠機構と、中間ブロック施錠機構及び前ブロック施錠機構の解錠や施錠を行うために操作される錠操作機構とが設けられている。また、図3に示すように、中間ブロック103には、前ブロック102の開口を通してパチンコ機100の前面側に露出する錠操作機構としてのキーシリンダ141が設けられている。
キーシリンダ141に対する所定の操作として、操作キー(図示せず)による右回転操作をした場合には、中間ブロック103に設けられた中間ブロック施錠機構の可動部143が作動する。これにより、中間ブロック施錠機構の一部として外枠101に設けられた被係合部142と可動部143との係合が解除されて、中間ブロック103は外枠101に対して開閉許容状態となる。
一方、キーシリンダ141に対する所定の操作キーによる左回転操作に応じて、中間ブロック103に設けられた前ブロック施錠機構の可動部144が作動する。これにより、前ブロック施錠機構の一部として前ブロック102に設けられた被係合部145と可動部144との係合が解除されて、前ブロック102は中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103に対する後ブロック104の開閉を規制する後ブロック開閉規制機構が設けられている。この後ブロック開閉規制機構により、中間ブロック103に対して後ブロック104は、開閉が禁止された状態(開閉禁止状態)と開閉が許容された状態(開閉許容状態)とを所定の操作によって切り替え可能とされている。
後ブロック開閉規制機構は、例えば、図4に示すように、中間ブロック103に設けられる2つの開閉規制部150A,150Bと、後ブロック104に設けられる1つの開閉規制部150Cとによって構成されている。これら3つの開閉規制部150A~150Cには、回転操作が可能な回動片151A~151Cが設けられている。回動片151A~151Cは、回転操作により、後ブロック104の閉鎖状態において前後に重なるように配置される開口部分との係合状態が変化し、これにより、開閉禁止状態に対応した開閉禁止姿勢と、開閉許容状態に対応した開閉許容姿勢とを切り替え操作可能とされている。全ての回動片151A~151Cを開閉許容姿勢にすると各回動片151A~151Cが開口を通過可能となって、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。なお、開閉禁止姿勢及び開閉許容姿勢としては、開閉禁止状態と開閉許容状態が回動片151A~151Cの位置及び向きの少なくともいずれかの変化により切り替えられればよく、一定位置で回転のみする構成としてもよいし、一定方向に移動する構成としてもよいし、移動と回転との組合せにより動作する構成としてもよい。以下、各装置における構成部材が複数の姿勢の間を移行する場合における姿勢の変化についても同様とする。
3つの回動片151A~151Cのうち、それらの一部に相当する2つの回動片151A,151Bは、図2に示すように、後ブロック104の開閉禁止状態において後ブロック104に形成された開口を通してパチンコ機100の背面側に露出し、残り部分に相当する1つの回動片151Cは、図6に示すように、中間ブロック103の前側に露出している。このため、パチンコ機100の背面側、又は中間ブロック103の前面側といった一方側からの操作だけでは、全ての回動片151A~151Cを開閉許容姿勢に切り替えることはできず、これにより、防犯性が高められている。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動を規制する遊技球移動規制機構が設けられている。遊技球移動規制機構は、例えば、図3及び図6に示すように、中間ブロック103に設けられた流下規制片161と、前ブロック102に設けられた規制変更部162との組合せにより構成され、前ブロック102が位置する前方側へ流下規制片161がコイルバネ(図示せず)により付勢される構成とされている。
中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖された状態(前ブロック102の閉鎖状態)においては、流下規制片161は、遊技球の流下を許容する移動許容状態とされ、具体的には、規制変更部162により中間ブロック103の後方側へ押圧されて押し込まれる。流下規制片161は、移動許容状態において中間ブロック103から前ブロック102に遊技球を誘導するための誘導通路(図示せず)に対して後側にずれて配置される。これにより、前ブロック102の閉鎖状態においては、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が許容される。
一方、中間ブロック103に対して前ブロック102が開放された状態(前ブロック102の開放状態)においては、規制変更部162による流下規制片161の押圧が解除され、前ブロック102の閉鎖状態に比べて流下規制片161が前ブロック102側へ突出する移動禁止状態とされる。流下規制片161は、移動禁止状態において誘導通路内に突出し、下流側への遊技球の流下を阻止する。これにより、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が禁止される。
また、パチンコ機100には、図2に示すように、例えば中間ブロック103の後側であって回動先端側(背面視左側)における下端部に、外枠101に対して中間ブロック103が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ108が設けられ、また、図3に示すように、例えば中間ブロック103の前側であって回動先端側(正面視右側)における下端部に、中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ109が設けられている。
次に、前ブロック102、中間ブロック103及び後ブロック104の各構成について順に説明する。
前ブロック102は、図1及び図3に示すように、パチンコ機100の前面の略全体を形成し、前後方向に厚みを有する略長方形状の部材であり、パチンコ機100の前側表面部分を装飾する前面装飾手段としての機能を有している。前ブロック102は、合成樹脂製の基枠201を主体に構成され、基枠201の前後に複数の機能部品を取り付けて構成されている。基枠201の前面側には、パチンコ機100の前面を形成する前面装飾体210が、前ブロック102の正面視中央部分を含んで形成される開口210Aの外縁に沿って開口210Aを囲った状態にして取り付けられている。前ブロック102を構成する基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態においては、前面装飾体210が取り付けられた外周部を除いた広範囲にわたって開口210Aが前後方向に貫通形成される。この開口210Aを通じて、前ブロック102の後側に位置する遊技盤400を含む中間ブロック103が遊技者から視認可能に構成されている。
また、前ブロック102には、図1及び図3に示すように、開口210Aを塞ぐように基枠201の背面側に設けられた中央パネル220と、遊技球を貯留する主貯留機構230と、遊技球を貯留する補助貯留機構240と、主貯留機構230に貯留されている遊技球を発射するために遊技者によって操作される発射操作装置250とを備えている。
また、前ブロック102には、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の一部として、開口210Aの周縁を囲う開口周縁部211と、開口210Aに対して下側において前方に突出する上側突出部217と、上側突出部217に対して下側に位置して前方に突出する下側突出部218と、下側突出部218の右側であって上側突出部217及び下側突出部218より奥側に位置する概ね平坦な領域で構成されて発射操作装置250が配置される平坦部219とが形成されている。上側突出部217には、主貯留機構230が配置され、下側突出部218には、補助貯留機構240が配置される。
中央パネル220は、基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態において前後方向に貫通形成される開口210Aを塞ぎつつ後方側を視認可能とするカバー体としての機能を有している。中央パネル220は、例えば、図1及び図3に示すように、基枠201の後方側から取着されるパネル枠221(図3参照)と、パネル枠221の前側に嵌め込まれた光透過性の前方板222(図1参照)と、パネル枠221の後側に前方板222と所定の間隙を隔てて略平行に嵌め込まれた光透過性の後方板223(図3参照)とを備えている。
主貯留機構230は、遊技進行に応じて獲得した遊技球や、遊技場から貸し出された遊技球を貯留する機能を有している。主貯留機構230は、例えば、図1に示すように、貯留部231と、球抜き機構(図示せず)と、その球抜き機構を作動させる球抜き操作部材232とを備えている。貯留部231には、パチンコ機100の内部から貯留部231へ遊技球を流入させる流入口231Aと、貯留部231からパチンコ機100の内部へ遊技球を流出させる流出口(図示せず)と、流出口より上流側に形成される放出口(図示せず)とが設けられている。この放出口の開放により貯留部231から遊技球がパチンコ機100の内部に取り込まれることなく遊技者側に放出される。球抜き機構は、遊技球の放出先を、流出口と放出口との間で切り換える機能を有している。
遊技進行に応じて獲得した遊技球や、後述する貸出操作装置292に対する貸出操作に応じて貸し出された遊技球は、主に流入口231Aを通して貯留部231に流入する。また、貯留部231は、上方側に開口形成されており、この開口部分を通じて、遊技者が所有する遊技球が手操作により投入されたり、遊技場において貸し出される遊技球が供給されたりする。
貯留部231に流入した遊技球は一列に整列させられながら流出口及び放出口の形成されている側(図1の右上側)へ順次に案内される。球抜き操作部材232に対する球抜き操作(例えば、押下操作)が行われていない場合には遊技球は流出口を通して後述する発射装置330(図3参照)に誘導される。一方、球抜き操作部材232に対する球抜き操作が行われている場合には、遊技球は放出口を通して補助貯留機構240(図1参照)に誘導される。
補助貯留機構240は、図1及び図5に示すように、遊技球の流入口241A,241C(図5参照)及び放出口241B(図1参照)を有する貯留部241と、放出口241Bを開閉させる球抜き機構243と、その球抜き機構243を作動させる球抜き操作部材242とを備えている。遊技進行に応じて獲得した遊技球等は主に主貯留機構230に流入するが貯留部231が満杯であれば流入口241Aを通して貯留部241に流入する。また、球抜き操作部材232に対する球抜き操作に応じても、遊技球は流入口241Cを通して貯留部231から貯留部241に流入する。
貯留部241の底面は放出口241Bに向けて下降傾斜している。球抜き操作部材242に対する球抜き操作(例えば、押圧操作)によって放出口241Bを開放すると、貯留部241に貯留されている全ての遊技球を順次にパチンコ機100の外部に放出できる。なお、球抜き操作部材242に対する球抜き操作によって放出口241Bが完全に開放された場合には、球抜き操作部材242に対する復帰操作(例えば、再度の押圧操作)がなされるまで、その開放状態に維持される。流入口241Aの奥方には貯留部241に過剰に遊技球が貯留されているか否かを検出する球溢れスイッチ249(図10参照)が設けられている。
発射操作装置250は、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の平坦部219から前方に突出する台座251と、台座251の周囲に設けられた回動自在な発射ハンドル252と、発射ハンドル252の回転操作量を検出する可変抵抗器253(図10参照)と、発射ハンドル252に遊技者が接触していることを検出する接触センサ254(図10参照)と、発射ハンドル252の回転操作に伴う遊技球の射出を遊技者の操作によって無効化する発射停止スイッチ255(図5参照)とを含んでいる。遊技者によって発射ハンドル252が回転操作されると、その回転操作量に対応する強度で発射装置330(図3参照)から遊技球が遊技盤400(図3参照)に向けて射出される。なお、接触センサ254によって発射ハンドル252と遊技者との接触が検出されていない場合や、発射停止スイッチ255の操作によって発射操作が無効化されている場合には、発射ハンドル252が回転操作されていても発射装置330から遊技球は射出されない。
また、前ブロック102における前面装飾体210の奥方には、枠発光装置271~275(図10参照)が設けられている。枠発光装置271~275は、前面装飾体210の開口周縁部211に対して奥側に重なるようにして配置され、基枠201に取り付けられている。開口周縁部211は、図5に示すように、上側中央縁部211Aと、上側中央縁部211Aに対して左右両側に位置する左上側縁部211B及び右上側縁部211Cと、左上側縁部211Bに対して下側に位置する左側縁部211Dと、右上側縁部211Cに対して下側に位置する右側縁部211Eとを発光部として有し、それぞれの発光部に対応して枠発光装置271~275が設置されている。
枠発光装置271~275は、上側中央縁部211Aに対応する上中央枠発光装置271と、左上側縁部211Bに対応する左上枠発光装置272と、右上側縁部211Cに対応する右上枠発光装置273と、左側縁部211Dに対応する左側枠発光装置274と、右側縁部211Eに対応する右側枠発光装置275(図10参照)とにより構成されている。枠発光装置271~275の各々は、1又は複数の発光手段としての発光ダイオード(LED)と、LEDを制御するための抵抗等の電子部品と、これら電子部品を一体化して電気的に接続するプリント基板とを有している。
また、前ブロック102には、図5に示すように、例えばその開口周縁部211の上部に、左上音響出力口211Fと、右上音響出力口211Gとが設けられ、また、それら左上音響出力口211F及び右上音響出力口211Gのそれぞれに対応して左上音響装置281及び右上音響装置282(図3及び図10参照)が設けられている。左上音響装置281及び右上音響装置282は、前面装飾体210の開口周縁部211の奥方(後方)に位置するようにして基枠201に取り付けられている。
また、前ブロック102には、図1に示すように、例えば上側突出部217の上面右側部分に、遊技球貸出装置290が設けられている。遊技球貸出装置290は、パチンコ機100に並んで配置されるカードユニット(図示せず)に投入された紙幣やカード等の残額に応じた数値を表示する度数表示装置291と、遊技球の貸し出しを受ける際に遊技者によって操作される貸出操作装置292と、カードユニットに投入された紙幣やカード等を返却させる際に遊技者によって操作される返却操作装置293とを含んでいる。カードユニットに紙幣やカード等を投入して、それらの金額に対応する数値が度数表示装置291に表示されている有効状態において、貸出操作装置292に対して貸出操作が行われると、貸出操作に応じて所定の個数の遊技球が後ブロック104の払出装置540(図8参照)から貸し出され、遊技球の貸し出しに伴って度数表示装置291の表示が更新される。一方、有効状態において返却操作装置293に対して返却操作が行われると、返却操作に応じて残額に対応する紙幣の等価物や残額を記録したカードがカードユニットから返却される。
また、前ブロック102には、図1に示すように、遊技者によって発射操作とは別の入力操作が可能な入力操作装置260が設けられている。入力操作装置260は、例えば、押込操作が可能な押圧操作装置261と、回転操作が可能な回転操作装置262と、上下左右の方向操作が可能な選択操作装置263とを備えている。これら操作装置261~263により、パチンコ機100において実行される演出を選択する演出選択操作や、パチンコ機100の演出を実行する各装置の音量や光量を設定する装置設定操作、或いは、遊技者に関する情報を入力して前回以前の遊技に応じたパチンコ機100の演出を実行可能とする演出設定操作等が実行可能とされ、これら操作を必要に応じて遊技者や遊技場の管理者が実行可能とされている。なお、入力操作装置260において遊技者が接触する入力操作部(例えば、回転操作装置262における円環状の回転操作部)は、モータやソレノイド等の入力操作部駆動手段によって回転、上下動、又は、振動等の動作がパチンコ機100の制御(例えば、副制御基板940(図10参照)の制御)により実行可能に構成されることが好ましく、入力操作の前後、又は、入力操作中のいずれか又は複数のタイミングで入力部分を動作させることにより、入力操作を積極的に促すなど入力操作を伴う演出を多様にすることができる。
次に、中間ブロック103について説明する。中間ブロック103は、前ブロック102と略同一サイズの略長方形状をした部材であり、前ブロック102と後ブロック104とが取り付けられることにより、パチンコ機100の本体部分を一体化した状態にする機能を有している。中間ブロック103は、基枠301に対して遊技盤400を含む複数の機能部品を取り付けて構成されている。
中間ブロック103は、図3及び図4に示すように、開口を有する基枠301と、基枠301の開口を覆いつつ前面側より取着される遊技盤400(図3参照)と、基枠301に対して遊技盤400を回動自在及び着脱自在に支持する遊技盤支持機構と、基枠301に対して遊技盤400の位置を固定する遊技盤固定機構と、遊技盤400に遊技球を射出する発射装置330(図3参照)と、遊技盤400の背面側に装着されて遊技進行を統括的に制御する主制御装置370(図4参照)と、主制御装置370からの命令に基づいて遊技演出や状態報知を制御する副制御装置390(図4参照)とを備えている。
基枠301には、図3に示すように、後述する払出装置540(図8参照)から放出された遊技球を前ブロック102に誘導する誘導通路が内部に形成される誘導通路部301Aと、複数の配線(図示せず)や信号中継装置311が位置する開孔301Bとが設けられている。開孔301Bは、遊技盤400より下側において前後方向に貫通する形状をなし、開孔301Bに挿通される複数の配線は、前ブロック102に設けられる種々の装置(例えば、枠発光装置271~275、左上音響装置281及び右上音響装置282)と、中間ブロック103の背面側や後ブロック104に設けられる装置(例えば、主制御装置370や副制御装置390)とを電気的に接続するための配線を含み、信号中継装置311は、その配線の一部を中継する中継基板としての機能を有している。
遊技盤400は、図3に示すように、排出口401A等の遊技球が前後に通過可能な貫通孔を有する平板状の基体401と、基体401の左下から右上に亘り滑らかに湾曲する外レール402と、基体401の右下から左上に亘り滑らかに湾曲する内レール403と、内レール403の左上側の先端に取着された戻り球防止機構404と、外レール402の右上側の先端に取着される反跳防止部材405とを備えている。外レール402は、後述する発射装置330から発射された遊技球を遊技領域内へ誘導するものである。戻り球防止機構404は、外レール402及び内レール403が平行に対向する間部分で形成される発射通路401Bから遊技領域内へ一旦放出された遊技球が発射通路401Bに戻ることを防止する。反跳防止部材405は、遊技盤400の上部中央を越えて右側に向かった遊技球が再び上部中央を経由して左側に戻るような遊技球の大幅な反跳を防止する衝撃吸収性を有し、例えば、制振ゴム等の材料により形成されている。
前ブロック102の背面側下部には、図3に示すように、戻り球通路部163が形成されている。発射装置330から発射通路401Bの方向へ遊技球を誘導する誘導部材335と外レール402との間には間隙があり、発射装置330から発射されたが戻り球防止機構404を超えるに至らず発射通路401Bを逆戻りする遊技球は、この間隙の下方に配置される戻り球通路部163を介して流入口241A(図5参照)から補助貯留機構240(図5参照)に返却される。
戻り球防止機構404を超えて進行した遊技球は、遊技領域に到達し、遊技領域内を自重により落下しながら移動(流下)する。遊技領域は、略円形状の外周形状をなし、遊技球の直径より僅かに大きな前後幅を有する領域を大部分とする形状に区画されている。遊技領域は、概ね、外レール402と内レール403とで外周部分が区画され、前側が中央パネル220の後方板223によって略平面状に区画され、後側が遊技盤400の基体401によって略平面状に区画されている。なお、遊技領域に設けられる各種の構造物については後述する。
発射装置330は、図3に示すように、主貯留機構230に貯留されている遊技球を順次に発射位置に送り出す球送り機構331と、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332(図10参照)と、発射位置に配置された遊技球を射出する発射機構333と、発射機構333を駆動する発射ソレノイド334(図10参照)と、発射機構333から発射された遊技球を遊技盤400の発射通路401Bに誘導する誘導部材335とを備えている。発射装置330は、上述のように発射操作装置250に対する発射操作に応じて作動し、発射操作装置250に対する発射操作に応じて発射ソレノイド334の駆動制御が変化して発射力が調整される。
主制御装置370は、図4に示すように、主制御基板920(図10参照)と、主制御基板920を収容する2つ割り構造の基板ケース371とを備えている。主制御基板920は、痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース371の内部に収容されている。
また、主制御装置370は、遊技盤400の背面側に回動自在に取り付けられている。具体的には、遊技盤400の基体401に対して背面側に取り付け部372が回動可能に連結固定され、その取り付け部372に主制御装置370が取り付けられている。これにより、主制御装置370の背面側(表面側)だけでなく、取り付け部372を回動操作することで主制御装置370の前面側(裏面側)も、遊技盤400に主制御装置370を取り付けたままで容易に確認可能とされている。取り付け部372に対して主制御装置370は、痕跡を残さずには取り外しできないように連結してもよく、主制御装置370の取り外し状況を管理し易くしてもよい。
副制御装置390は、副制御基板940(図10参照)と、副制御基板940を収容する2つ割り構造の基板ケース391とを備えている。副制御基板940は、例えば、主制御基板920と同様に痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース391の内部に収容された状態にして遊技盤400の背面側に取り付けられている。
ここで、遊技盤400において、遊技領域に配置される各種の構造物について、図7を主に参照して説明する。図7は、遊技盤400の正面図である。
遊技盤400は、図7に示すように、基体401と、遊技球の流下方向や流下速度に変化を与える釘411や風車412等の流下変化部材と、基体401の概ね中央に配置された中央構造体420と、中央構造体420に対して下側に配置された第1特別図柄に係る始動装置(具体的には、上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B)と、中央構造体420に対して右下側に配置された第2特別図柄に係る始動装置(具体的には、右始動入賞装置432)と、右始動入賞装置432の下方に配置された大入賞装置433,434(具体的には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434)と、右始動入賞装置432の上側(上流側)に配置された普通図柄に係る始動装置436と、遊技盤400の右上側であって上下の大入賞装置433,434に対して上方(上流側)に配置された役連作動装置435と、下側中始動入賞装置431Bの左右両側に配置された一般入賞装置439A,439Bとを備えている。
また、遊技盤400には、上記した上側中始動入賞装置431A等に対応して遊技球の通過を検出する検出手段としてのスイッチが複数設けられており(図10参照)、各スイッチに対応した所定領域への遊技球の進入が検出可能とされている。例えば、上側中始動入賞装置431Aに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(上側中始動入賞スイッチ441A)、下側中始動入賞装置431Bに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(下側中始動入賞スイッチ441B)、右始動入賞装置432に進入した遊技球を検出する右始動入賞スイッチ442、下大入賞装置433に進入した遊技球を検出する下大入賞スイッチ443、上大入賞装置434に進入した遊技球を検出する上大入賞スイッチ444、役連作動装置435に進入した遊技球を検出する役連作動スイッチ445、始動装置436に進入した遊技球を検出する始動スイッチ446、下大入賞装置433の内部に形成された非特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する非特定通路スイッチ447、下大入賞装置433の内部に形成された特定通路(図示せず)に進入した遊技球を検出する特定通路スイッチ448、一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を各々検出する一般入賞スイッチ449A,449B等が遊技盤400に設置されている。
また、遊技盤400には、不正防止のために各種センサが設けられており(図10参照)、パチンコ機100に発生した異常を検出可能とされている。例えば、磁気センサ491、振動センサ492、電波センサ493等が遊技盤400に設置されている。
中央構造体420及び始動装置436の遊技球の入口部分は入球口を構成し、各入球口に進入した遊技球は遊技領域に放出される。各入賞装置、具体的には、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433、上大入賞装置434及び一般入賞装置439A,439Bの遊技球の入口部分は入賞口を構成し、各入賞口に進入した遊技球は基体401に形成された貫通孔を通して基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)に案内される。また、各入賞装置に進入しなかった遊技球は、遊技領域の最下流側部分に設けられる排出口401Aを通して回収排出通路へ案内される。回収排出通路に案内された遊技球は、パチンコ機100から遊技場に設けられた遊技球循環装置(図示せず)に排出される。いずれかの入賞装置に遊技球が進入した場合には、入賞装置の種類に応じた所定の個数の遊技球が払出装置540(図8及び図9参照)から払い出される。
なお、各入賞装置は、他の入賞装置と別々に構成されてもよいし、2以上の入賞装置(例えば、上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B)が一体化された装置によって入賞装置が構成されてもよく、また、上側中始動入賞装置431A等の始動装置については必ずしも遊技球が進入した場合に所定の個数の遊技球が払い出される入賞口とする必要はなく、遊技球が払い出されることなく遊技領域に再び放出される入球口としてもよい。
第1特別図柄に係る上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B、並びに、一般入賞装置439A及び一般入賞装置439Bの各々は、それらへの遊技球の進入確率を変化させず、進入した遊技球を基体401の背面側へ誘導する。また、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、その内部への遊技球の進入確率を変化させる機構を有している。なお、遊技球の進入確率を変化させる機構は、第2特別図柄に係る始動装置のみに設ける必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、第1特別図柄に係る始動装置、一般入賞装置439A,439Bのいずれか又は複数に設けてもよい。また、遊技球の進入確率を変化させる機構は、電気的に駆動されるソレノイド等の駆動手段により構成してもよいし、所定領域へ入球した遊技球の自重により動作する機構に代表される機械的に動作する機構により構成してもよい。
第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入確率を変化させる右進入規制機構452と、右進入規制機構452を駆動する右進入規制ソレノイド462(図10参照)とを備えている。右進入規制機構452は、右進入規制ソレノイド462によって駆動される2つの可動片を備えており、右進入規制機構452が進入禁止姿勢である場合には、2つの可動片が進入口(入賞口)を狭窄する(又は閉鎖する)配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できないが、右進入規制機構452が進入許容姿勢である場合には、2つの可動片がそれらの先端部の間隔が拡大するような配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できるようになる。右進入規制機構452は、普通図柄に係る始動装置436へ進入した遊技球が始動スイッチ446で検出されることに基づく抽選(以下において「普通図柄抽選」とも称す)で当選した場合に、右進入規制ソレノイド462による駆動に応じて所定の回数及び所定の時間だけ進入許容姿勢に移行する。
下大入賞装置433には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する下進入規制機構453と、下進入規制機構453の姿勢を変化させる下進入規制ソレノイド463(図10参照)と、非誘導姿勢と誘導姿勢との間の移行によって、下大入賞装置433に進入した遊技球を非特定通路又は特定通路に振り分ける振分機構(図示せず)と、振分機構の姿勢を変化させて遊技球の誘導先を切り換える切換ソレノイド465(図10参照)とが設けられている。下大入賞装置433の下進入規制機構453が進入禁止姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できないが、下進入規制機構453が進入許容姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口を開放することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できるようになる。また、下大入賞装置433に進入した遊技球は、振分機構が前方に突出する非誘導姿勢である場合には非特定通路に案内され、振分機構が後方に没入する誘導姿勢である場合には特定通路に誘導される。特定通路、非特定通路及び振分機構は、遊技状態の移行を多様にするために設けられ、特定通路へ遊技球が進入した場合には、遊技者に特典として有利な遊技状態が付与される。
上大入賞装置434には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する上進入規制機構454と、上進入規制機構454の姿勢を変化させる上進入規制ソレノイド464(図10参照)とが設けられている。上進入規制機構454が進入禁止姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できないが、上進入規制機構454が進入許容姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口を開放することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できるようになる。
なお、右進入規制機構452等の内部への遊技球の進入確率を変化させる機構としての進入許容姿勢及び進入禁止姿勢としては、各機構を構成して各装置の入賞口(又は入球口)に遊技球が進入可能な特別状態と、遊技球が進入不能な通常状態とを切り替える動作部材の姿勢変化に対応し、各姿勢に応じて動作部材の位置及び向きの少なくともいずれかが異なるものであればよい。また、右進入規制機構452等の遊技球の進入確率を変化させる機構として、遊技球が進入不能な状態を通常状態とする必要は必ずしもなく、通常状態においても遊技球の進入を許容し、特別状態においては通常状態より遊技球が進入し易い状態に動作部材の姿勢が変化する構成としてもよい。
下大入賞装置433及び上大入賞装置434には、大当りの抽選に当選した場合に遊技球が進入可能となる。具体的には、第1特別図柄に係る上側中始動入賞装置431A若しくは下側中始動入賞装置431Bへ進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A若しくは下側中始動入賞スイッチ441Bで検出されることに基づく抽選(以下において「第1特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合、又は、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432へ進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442で検出されることに基づく抽選(以下において「第2特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合には、下進入規制ソレノイド463又は上進入規制ソレノイド464の少なくとも一方が作動する。この作動によって所定の回数に亘り所定の時間だけ下進入規制機構453又は上進入規制機構454の少なくとも一方が進入許容姿勢をとる。また、振分機構は、下進入規制機構453の進入許容姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の作動に応じて誘導姿勢に移行し、更に誘導姿勢への移行から所定の時間後に切換ソレノイド465の停止に応じて非誘導姿勢に戻る。
役連作動装置435は、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が作動を開始するために必要な条件を設定するための装置である。大当りの抽選に当選した後には、役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する。このため、遊技者は、大当りに当選した場合、自らの意図するタイミングで特別遊技状態を開始させることができる。なお、必ずしも役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成とする必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、予め定めた時間の経過により下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成としてもよい。
また、遊技盤400には、図7に示すように、図柄の変動表示や抽選結果を表示する表示装置471~473と、遊技の保留回数を表示する表示装置476~478とが一体化された複数の発光部を有する表示器が、遊技盤400の一部に相当する左下部分に設けられている。複数の発光部は、各装置に対応する発光領域に予め区画され、各装置の状態が発光状態によって表示される。
具体的には、遊技盤400には、第1特別図柄抽選に伴って、第1特別図柄を変動表示したり、第1特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471と、第2特別図柄抽選に伴って、第2特別図柄を変動表示したり、第2特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472と、第1特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置476と、第2特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置477とが設けられている。第1特別図柄に係る単位遊技の権利及び第2特別図柄に係る単位遊技の権利はそれぞれ最大4回まで保留される。ここで、単位遊技とは、1回の始動入賞に基づいて実行される1回分の遊技であり、1回の始動入賞に基づいて実行される抽選の当否判定と、その当否判定に基づいた抽選結果を表示するまでの変動表示の開始から終了までを含む一連の遊技をいう。
第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、始動入賞装置431に進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)又は下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)によって検出されたとしても第1特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。同様に、第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合に、右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442(図10参照)によって検出されたとしても第2特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の各々は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。第1特別図柄の表示及び第2特別図柄の表示の各々は、複数の発光部の発光パターン(発光色を含む発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せ)によって表現される。第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、普通図柄抽選に伴って、普通図柄を変動表示したり、普通図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする普通図柄表示装置473と、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留回数を表示する普通図柄保留表示装置478とが設けられている。普通図柄に係る単位遊技の権利は最大4回まで保留される。普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出されたとしても普通図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
普通図柄表示装置473は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。普通図柄は、複数の発光部の発光パターンによって表現される。また、普通図柄保留表示装置478は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、中央構造体420の後方に重なるようにして、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技において、装飾図柄を変動表示したり、装飾図柄を確定表示したりする装飾図柄表示装置479が設けられている。装飾図柄の変動表示及び確定表示は、副制御基板940により制御され、主制御基板920による第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と同期している。装飾図柄の変動表示においては、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示よりも複雑かつ多様な演出が実行される。なお、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と装飾図柄の変動表示及び確定表示とは、必ずしも完全に一致するタイミングで変動開始したり、確定表示として停止表示をしたりする必要はなく、各タイミングに僅かな時間差を設けつつ略同じタイミングで変動を開始し、略同じタイミングで確定表示が行われる設定としてもよい。
また、遊技盤400は、各種の構造物の裏側に設けられた盤面発光装置490(図10参照)を備えており、盤面発光装置490は、副制御基板940による制御に基づいて遊技進行に伴う各種の発光演出や発光による状態報知を実行する。
ここで、各種の遊技状態及び遊技状態間の移行について説明する。通常時の遊技状態(以下において「通常遊技状態」とも略記する)は、第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が長い状態(以下において「非時短状態」とも称す)に対応する。
第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、その当選に基づいて移行する特別遊技状態中に遊技球が特定通路(下大入賞装置433の内部通路)へ進入するか否かに対応して、特別遊技状態後に移行する遊技状態が異なる。特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入しなかった場合には、第1特別図柄抽選、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が非時短状態よりも短い状態(以下において「時短状態」とも称す)であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態と同一の状態(以下において「低確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「時短遊技状態」とも称す)へ移行する。一方、特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入した場合には、時短状態であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態より高い状態(以下において「高確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「確変遊技状態」とも称す)へ移行する。
時短遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、50回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。また、確変遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、100回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。
なお、遊技状態及び遊技状態間の移行について、必ずしも上述した構成とする必要はなく、例えば、高確率状態が次回の大当りの当選まで継続する構成としてもよいし、他の内容によって上記遊技状態の少なくとも1つを構成してもよいし、上述した各遊技状態とは別の遊技状態を更に含む構成としてもよいし、上述した条件とは異なる条件によって遊技状態間が移行する構成としてもよい。
また、特別遊技状態の発生契機が、必ずしも、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)において当選した場合に限られる必要はなく、当該構成に加えて、または、当該構成に代えて、通常遊技状態において遊技球が遊技領域内に予め定めた特定領域(所謂V領域)に進入した場合に特別遊技状態が発生する構成であってもよい。
例えば、内部に非特定通路と特定通路とを備える下大入賞装置433のような大入賞装置を備えるパチンコ機において、特別図柄抽選において非当選の一種である所定の小当りが選択された場合に通常遊技状態において当該大入賞装置を開放し、当該大入賞装置に進入した遊技球が非特定通路と特定通路とを振り分ける振分機構によって特定通路に誘導されたことで当該特定通路に進入した場合に特別遊技状態が発生する構成であってもよい。
また、開閉可能な入口を有する役物装置の内部に非特定通路と特定通路とが設けられたパチンコ機において、所定の入賞口に遊技球が進入した場合に当該役物装置の入口を開放し、開放された入口から当該役物装置に進入した遊技球が非特定通路と特定通路とを振り分ける振分機構によって特定通路に誘導されたことで当該特定通路に進入した場合に特別遊技状態が発生する構成であってもよい。
次に、遊技盤400の主要な装置の動作について概ね時系列に沿って説明する。主制御基板920においては、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄で共通)に係る当選乱数、大当り図柄乱数、停止パターン乱数、各種の変動パターン乱数が生成されており、各種の遊技状態において第1特別図柄に係る始動入賞装置431A,431Bのいずれかに進入した遊技球が中始動入賞スイッチ441A,441B(図10参照)のいずれかによって検出された場合に第1特別図柄の始動入賞となる。第1特別図柄の始動入賞時に、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていない場合には、特別図柄に係る当選乱数、大当り図柄乱数及び停止パターン乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。
第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、特別遊技状態中でなく、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中でもなく、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されていない場合には、それらの乱数の格納の直後に開始される。また、特別遊技状態中でない場合であっても、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中や第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されている場合には、今回の入賞より前に保留されていた全ての特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)に係る単位遊技の終了後に、今回の始動入賞に基づく単位遊技が開始される。特別遊技状態中に第1特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その乱数による単位遊技は、特別遊技状態後において今回の始動入賞より前に保留されていた全ての特別図柄に係る単位遊技の後に開始される。
また、第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、第2特別図柄に係る全ての単位遊技の終了後に開始される。すなわち、今回の始動入賞の後に第2特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が優先して実行される。なお、必ずしも第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が第1特別図柄に係る単位遊技に優先して実行される構成とする必要はなく、始動入賞の順に第1特別図柄と第2特別図柄に係る単位遊技優位制御が実行される構成であってもよいし、2つの特別図柄が択一的でなく同時に変動可能な構成であってもよい。
第1特別図柄の始動入賞に基づく第1特別図柄抽選において大当りに当選している場合には、更に、取得された大当り図柄乱数に基づいて第1特別図柄抽選の大当り当選に対応する停止図柄(大当り図柄)の種類が決定される。この停止図柄の種類と大当りの種類とが対応し、例えば、下進入規制機構453又は上進入規制機構454が進入許容姿勢をとる回数に相当するラウンド数(例えば、6ラウンドと16ラウンド)や、特別遊技状態後に移行する遊技状態(確変遊技状態へ移行させるか否か)といった遊技状態の種類に対応して大当りの種類が複数種類設定され、その種類毎に大当り図柄が設定されている。第1特別図柄抽選において大当りに当選しなかった場合には、大当り図柄とは別のハズレ図柄が停止図柄として設定される。
第1特別図柄抽選の後に、現在の遊技状態、抽選結果、停止パターン乱数の値、各種の変動パターン乱数の値、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数に基づいて、第1特別図柄の変動表示時間が決定されると共に、装飾図柄の変動パターンが選択される。その後、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471における第1特別図柄の変動表示及び装飾図柄表示装置479における装飾図柄の変動表示(変動演出)が開始され、第1特別図柄にあっては変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、装飾図柄にあっては変動表示時間に亘って変動パターンに従った変動表示が継続される。その後、変動表示時間の経過に伴って、第1特別図柄に係る停止図柄が確定表示され、また、装飾図柄として第1特別図柄の停止図柄に対応する図柄が確定表示される。第1特別図柄及び装飾図柄の確定表示は少なくとも所定の一定時間に亘って継続される。
第1特別図柄に係る停止図柄が大当り図柄である場合には、第1特別図柄の確定表示後に、遊技状態は特別遊技状態に移行する。特別遊技状態においては、下大入賞装置433の下進入規制機構453及び上大入賞装置434の上進入規制機構454が、大当りの種類に応じた所定の順序で所定の回数だけ進入許容姿勢となる。下進入規制機構453及び上進入規制機構454における各回の進入許容姿勢中において、所定の個数(例えば、8個)の遊技球が大入賞スイッチ443,444によって検出された場合、又は、所定の最大進入許容時間(例えば、29.5秒)が経過した場合には、下進入規制機構453又は上進入規制機構454は進入禁止姿勢に移行する。その後、所定の進入禁止時間の経過後に、再度、下進入規制機構453又は上進入規制機構454のいずれかが進入許容姿勢に復帰する。この進入規制動作が大当りの種類に対応した所定の順序で所定の回数だけ繰り返される。
下進入規制機構453及び上進入規制機構454は、特別遊技状態中においていずれか一方のみが進入許容姿勢をとる構成とされ、特別遊技状態の開始から所定の待機時間が経過した後(オープニング期間後)に初回の進入許容姿勢に一方が移行する。また、最終回の進入禁止姿勢への復帰から所定の進入禁止時間が経過し、更にその後に所定の待機時間が経過した後(エンディング期間後)に特別遊技状態は終了する。特別遊技状態の終了後には、上述のように、時短遊技状態又は確変遊技状態に移行する。
各種の遊技状態において、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合に第2特別図柄の始動入賞となる。第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技の制御は、上述した第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。すなわち、第2特別図柄の始動入賞時に第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、特別図柄に係る各乱数が取得されて、この始動入賞に基づく単位遊技が実行される。また、第2特別図柄抽選に応じた停止図柄の決定、装飾図柄の変動パターンの選択、変動表示の実行、及び、遊技状態の移行制御等についても、第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。
各種の遊技状態において、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出された場合、普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、普通図柄に係る当選乱数が取得されて、主制御基板920のRAMの所定の領域に格納される。このとき、普通図柄に係る単位遊技中でなければ、その格納の直後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。一方、普通図柄に係る単位遊技中であれば、既得の普通図柄に係る単位遊技の権利に基づく単位遊技の終了後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。
普通図柄に係る単位遊技においては、当選乱数の値に基づいて当選したか否かが判定され、当選した場合には、停止図柄として所定の当り図柄が設定される。一方、普通図柄抽選において当選しなかった場合には、停止図柄として所定のハズレ図柄が設定される。普通図柄抽選後に、普通図柄表示装置473において普通図柄の変動表示が開始され、非時短状態にあっては所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、時短状態にあっては非時短状態よりも短い所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続される。遊技状態に応じた所定の時間の経過に伴って、普通図柄に係る停止図柄が一定時間に亘って確定表示される。
普通図柄に係る停止図柄が当り図柄である場合には、普通図柄の確定表示後に、右始動入賞装置432の右進入規制機構452が少なくとも1回は進入許容姿勢に移行する。具体的には、非時短状態(通常遊技状態及び特別遊技状態)において当選した場合には、右始動入賞装置432が所定の最大進入許容時間(例えば、略0.1秒)に亘って進入許容状態へ移行し、時短状態(時短遊技状態及び確変遊技状態)における当選の場合には、右始動入賞装置432が非時短状態の場合より長い所定の最大進入許容時間(例えば、略4.8秒)に亘って間欠的に(例えば、3回に分けて)進入許容姿勢に移行する。但し、所定の個数(例えば、10個)の遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合には、右進入規制機構452は最大進入許容時間の経過を待たずに進入禁止姿勢に移行し、また、進入許容姿勢への移行回数が所定の回数に到達していなくても、今回の普通図柄に係る単位遊技における右始動入賞装置432の動作が終了する。
次に、本実施形態のパチンコ機100の遊技性について説明する。第2特別図柄抽選を受けるためには、まず、普通図柄抽選において当選しなければならず、更に、その当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態において遊技球が右始動入賞装置432へ進入しなければならない。通常遊技状態における普通図柄に係る当りの当選確率は時短遊技状態における当選確率と同一であるが、通常遊技状態における当りの当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態の滞在時間(例えば、略0.1秒)が時短状態における滞在時間(例えば、略4.8秒)に比べて極めて短く設定されているために、通常遊技状態において、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に小さい。逆に、時短遊技状態や確変遊技状態等の時短状態においては、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に大きい。
したがって、遊技者は、第1特別図柄抽選において大当りに当選し、その後の特別遊技状態において遊技球を特定通路へ進入させることによる確変遊技状態への移行を目指して遊技する。一方、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、各遊技状態が終了する前に第2特別図柄抽選において大当りに当選することを目指して遊技する。
具体的には、遊技盤400には、遊技球が流下する遊技領域の中央部に中央構造体420が設けられ、主に中央構造体420の左側から遊技球を流下させる遊技手法(左打ち遊技手法)と、主に中央構造体420の右側から遊技球を流下させる遊技手法(右打ち遊技手法)とが選択的に行える構成となっている。遊技者は、通常遊技状態においては、左打ち遊技手法によって遊技を行い、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、右打ち遊技手法によって遊技を行う。また、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が中央構造体420に対して右側に配置されているので、特別遊技状態においても右打ち遊技手法によって遊技を行う。
次に、後ブロック104について説明する。図8及び図9は、それぞれ、パチンコ機100を示す背面側斜視図及び背面図である。なお、図8においては、理解の容易のために、外枠101を省略して示している。
後ブロック104は、図8及び図9に示すように、基体501に他の部材や装置が取着されて構成されている。この基体501と中間ブロック103とが後ブロック支持機構136,137によって接続されることにより、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉可能に支持されている。
後ブロック104は、遊技球を貯留する球貯留部としての遊技球タンク510と、遊技球タンク510の下流側に連続して遊技球を(例えば、1列に)整流させると共に1段に整列させる球整列部としてのタンクレール520と、タンクレール520の下流側においてタンクレール520から流入した遊技球を誘導する球誘導部としてのケースレール530と、ケースレール530の下流側において遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを実行する払出装置540と、払出装置540の下流側において払出装置540から流出した遊技球を基体501に形成された誘導通路(図示せず)に誘導する球誘導部としての誘導部材550と、払出装置540による遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを制御する払出制御装置560と、外部電力を各種の装置等で必要とする所定の電圧の電力に変換して出力する電力供給手段としての機能と発射操作装置250に対する発射操作に基づく遊技球の射出を主制御基板920と協同して制御する発射制御手段としての機能とを有する電源・発射制御装置570と、払出制御装置560及び遊技球貸出装置290(図1参照)とパチンコ機100の側方に配置されるカードユニット(図示せず)との間の信号を中継する中継装置950とを備えている。
基体501は、樹脂(例えば、ABS樹脂)により一体成型されており、前側部分に対応するベース部502と、ベース部502よりも後方に位置した保護カバー部503とを含んでいる。ベース部502は、その上側部分が後ブロック104の外形に沿って略枠状に形成されると共に、下側部分が前後方向に厚みを有する略平坦状に形成されており、他の装置が取り付けられる被取付部としての機能を有している。
保護カバー部503は、前後方向に厚みを有する略板状に形成されている。また、保護カバー部503は、中間ブロック103の背面全域を覆う形状でなく、主制御装置370の一部といった頻繁に検査や確認が必要な中間ブロック103の背面における一部をパチンコ機100の背面に露出するための窓部を形成する大きさに設定されている。保護カバー部503の背面には、主制御装置370及び副制御装置390における発熱の放熱性を向上させる機能を有する多数の通気孔503Aが形成されている。
遊技球タンク510は、上方に開口した横長の箱型容器であり、その長手方向の一端側に、島設備の球循環装置(図示せず)から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク510における遊技球の供給される側と異なる長手方向の一端側には開口(図示せず)が形成されている。遊技球タンク510の底面は長手方向に緩やかに傾斜し、遊技球タンク510に供給された遊技球は開口側に自重によって移動する。また、遊技球タンク510の底面は、長手方向に比して、長手方向と直交する方向(前後方向)にも傾斜し、開口が設けられる側(例えば、前側)に優位に遊技球を誘導する。また、遊技球タンク510の底面には、その上に重なるようにして金属製の帯電防止板(図示せず)が取着され、帯電防止板が接地電位に接続されて遊技球タンク510内及びその下流側の遊技球の静電気が除去される。
タンクレール520は、遊技球タンク510の開口が形成される側に取り付けられ、遊技球タンク510の開口を通して遊技球が流入する。タンクレール520は、遊技球が1列に並んで通過する幅を有する略樋状の遊技球の通路を形成する通路形成部材521と、通路形成部材521により形成される通路の上面として次第に高さが低くなる天面部を有してその通路を流下する遊技球を上下に重なった高さから次第に1段の高さに整流する整流部材522とを備えている。タンクレール520により形成される通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜しており、遊技球タンク510とは反対側へ遊技球を誘導する。
ケースレール530は、タンクレール520の下側に連続するように縦長に形成されており、タンクレール520からの遊技球が流入する。ケースレール530には、遊技球が勢いよく流れないように左右に湾曲しつつ下方に連続している。また、ケースレール530における球通路の途中部分には、球切れを検出するための球切れ検出部539が設けられている。球切れ検出部539には、貯留球スイッチ591(図10参照)が内蔵され、貯留球スイッチ591によって、ケースレール530又はその上流側で球詰り等が発生してケースレール530内に遊技球が正常に補給されていない球切れ状態を検出する。
払出装置540は、遊技球を送り出す送出機構と、送出機構を駆動する駆動手段としての払出モータ542(図10参照)と、払出計数スイッチ592(図10参照)とを備えている。払出制御装置560による制御に基づく払出モータ542の作動に応じて、球通路に貯留されている遊技球が下流側へ放出される。放出された遊技球の球通路の通過は、払出計数スイッチ592に検出され、これにより、払出制御装置560(払出制御基板930)が遊技球の払い出し数を計数する。
払出制御装置560及び電源・発射制御装置570は、図8及び図9に示すように、後ブロック104の背面側下部に位置するように基体501のベース部502における下部背面に重なるようにして取り付けられている。これら払出制御装置560及び電源・発射制御装置570を含む後ブロック104は、機種変更等において遊技盤400を別の遊技盤に交換した場合にも、継続利用可能とされている。
払出制御装置560は、払出制御基板930(図10参照)と、払出制御基板930を収容する基板ケースとを備え、払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、開封の痕跡を残さずに開封できないように封止された基板ケースの内部に収容されている。
電源・発射制御装置570は、電源・発射制御基板900(図10参照)と、電源・発射制御基板900を収容する基板ケースとを備え、電源・発射制御基板900は、主制御基板920と同様に、封止された基板ケースの内部に収容されている。
また、図9に示すように、パチンコ機100の背面側には、背面設定スイッチ905が設けられている。背面設定スイッチ905は、本パチンコ機100の出球率を予め定めた複数段階(例えば、6段階や9段階など)のいずれか1段階に設定するための設定操作を有効化するための設定有効化装置である。
背面設定スイッチ905に所定のキー(図示せず)を挿入して所定位置(本実施形態では、初期位置から時計回りに略90°回転させた位置)まで回転させることで出球率の設定変更を有効化(許容)することができる。出球率の設定変更がこのように有効化された状態で所定の設定操作(本実施形態においては、初期化スイッチ907の押下)を行うことで出球率の設定変更が有効に行われる。
出球率の設定変更が有効に行われた場合、設定された各段階に応じて所定の遊技態様が変更される。つまり、背面設定スイッチ905および初期化スイッチ907の操作による出球率の設定変更は、遊技態様の設定変更であるともいえる。
本実施形態のパチンコ機100においては、出球率の設定変更(すなわち、遊技態様の設定変更)により設定された各段階に応じて、初当り確率(本実施形態においては、第1特別図柄抽選の当選確率)と、確変継続率(本実施形態においては、確変遊技状態において第2特別図柄抽選を経由して特別遊技状態へ移行した場合に当該特別遊技状態後に確変遊技状態に移行する確率)との組み合わせが異なる9種類の遊技態様のいずれかを選択することができる。よって、出球率の設定変更(遊技態様の設定変更)が有効に行われた場合には、設定された段階に応じた初当り確率および継続確率となるよう第1特別図柄抽選および第2特別図柄抽選の各当選確率を変化させる(すなわち、各当選確率に応じた確率抽選データを使用する)ことで出球率の調整が行われる。
具体的に、本実施形態のパチンコ機100においては、初当り確率が大幅に低いが確変継続率が大幅に高いトップタイプと、初当り確率が中程度であり確変継続率も中程度であるミドルタイプと、初当り確率が大幅に低いが確変継続率が大幅に高いボトムタイプとを選択できる。さらに、これらの各タイプにおいて、各タイプの初当り確率が、各タイプ間の初当り確率の幅よりも小幅に細分化された3段階の確率状態(以下、確率設定状態ともいう)、すなわち、3段階の中で初当り確率が最も低い第1段確率と、2番目に低い初当り確率である第2段確率と、初当り確率が最も高い第3段確率とを選択できる。
トップタイプにおいて、上下の中始動入賞装置431A,431Bおよび右始動入賞装置432への入賞に伴う賞球数は他のタイプよりも少ないが、下大入賞装置433および上大入賞装置434への入賞に伴う賞球数は他のタイプよりも多くなっている。一方、ボトムタイプにおいて、中始動入賞装置431A,431Bおよび右始動入賞装置432への入賞に伴う賞球数は他のタイプよりも多いが、下大入賞装置433および上大入賞装置434への入賞に伴う賞球数は他のタイプよりも少なくなっている。
ここで、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプのいずれも賞球数は同一の数に設定してもよい。これにより、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプのいずれの設定であるのか遊技者が賞球数から判定することを不能とし、いずれのタイプであるかの設定を推測する遊技性を長時間にわたって付加することができる。
また、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプのいずれも確率設定状態の段階に応じて遊技者にとっての利益率は変化するが、いずれのタイプであっても確率設定状態の段階が同一であれば遊技者にとっての利益率は実質的に同一に設定されている。このため、タイプの変更によって確率の設定を変更しても、遊技場側が獲得する一定期間(例えば、1日)当たりの利益は予測しやすく、遊技場の管理をし易くすることができる。
なお、出球率の設定変更によって変更する遊技態様としては、上述したような、初当り確率と確変突入率との組合せであることに必ずしも限定される必要はなく、例えば、初当り確率または確変突入率のいずれかであってもよい。また、初当り確率および確変突入率以外の抽選確率、例えば、第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選の当選確率、普通図柄抽選の当選確率や、第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選において小当たりが選択される確率や、確変突入率(本実施形態においては、第2特別図柄抽選での当選を経由する確変遊技状態への突入率)や、特別遊技状態後に移行した確変遊技状態が終了する確率(例えば、確変遊技状態中に図柄の変動表示が実行される毎に行われる転落抽選において確変遊技状態の終了が選択される確率)などであってもよく、これらの各遊技態様の2つ以上の組合せであってもよい。
背面設定スイッチ905より上方には、設定表示装置906が設けられている。背面設定スイッチ905の操作によって出球率の設定変更(遊技態様の設定変更)が有効に行われた場合、現在設定されている遊技態様に対応する設定表示情報が設定表示装置906に表示される。設定表示情報は、タイプを表す英字と確率設定状態を表す数字との組み合わせから構成される。本実施形態のパチンコ機100においては、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプの各タイプを、それぞれ、「T」、「M」および「B」の英字で表す。また、各タイプの確率設定状態は、第1段確率を「1」で表し、第2段確率を「2」で表し、第3段確率を「3」で表す。
よって、例えば、トップタイプの第1段確率の遊技態様である場合に設定表示装置906に表示される設定表示情報は「T1」であり、ミドルタイプの第3段確率の遊技態様である場合に設定表示装置906に表示される設定表示情報は「M3」であり、ボトムタイプの第2段確率の遊技態様である場合に設定表示装置906に表示される設定表示情報は「B2」である。
<電気的な構成>
次に、パチンコ機100の電気的構成について説明する。図10は、パチンコ機100の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機100は、図10に示すように、電源・発射制御基板900、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等の制御回路装置を備えている。なお、図10において、各種の信号を中継するだけの中継回路装置については省略している。以下に、これらの主要な制御回路装置を個別に詳細に説明する。
次に、パチンコ機100の電気的構成について説明する。図10は、パチンコ機100の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機100は、図10に示すように、電源・発射制御基板900、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等の制御回路装置を備えている。なお、図10において、各種の信号を中継するだけの中継回路装置については省略している。以下に、これらの主要な制御回路装置を個別に詳細に説明する。
電源・発射制御基板900は、パチンコ機100の各部に電源供給路(図中の破線)を介して所定の電圧の電力を供給する電源部901と、発射操作装置250の操作に応じて発射装置330の駆動を制御する発射制御部902と、初期化スイッチ907からの初期化信号や球溢れスイッチ249からの球溢れ信号を中継する信号中継部903とを備えている。
電源部901は、外部より供給される外部電力(例えば、交流24ボルト)を取り込んで内部電力(例えば、直流24ボルト)に変換すると共に、その内部電力から各種の電力を生成する。電源部901により生成される電力は、各種のソレノイドや各種のモータ等の機器を駆動するための駆動用電圧(例えば、直流12ボルト)の電力、各種のスイッチを駆動したり制御処理を実行したりするための制御用電圧(例えば、直流5ボルト)の電力、主制御基板920のRAMの内容を保持させるためのバックアップ用電圧の電力等を含んでいる。
電源部901は、内部電力から生成した各種の電力を、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等に供給する。具体的には、電源監視基板910に対しては、内部電力、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給される。主制御基板920に対しては、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ電圧の電力が供給され、これら電力は、電源監視基板910の電源監視部911を介して供給される。払出制御基板930に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。副制御基板940に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。発射制御部902及び信号中継部903に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。
電源部901には、電源スイッチ909が接続されており、電源スイッチ909がオフ状態である場合には外部電力の取り込みが停止される。なお、電源スイッチ909をオフ状態にしたり、電源スイッチ909を介して電源部901に接続される電源プラグ(図示せず)を外部電力の供給コンセント(図示せず)から抜脱したりすることによってパチンコ機100の内部への電力の供給が停止している状態や、外部電力自体の供給が停止している状態を「停電状態」と総称する。
電源部901は、停電状態への移行後においても所定の期間にわたり制御用電圧の電力を正常に出力するように構成されている。これによって、主制御基板920は、現在の制御状態に復帰できるように状態を保存して制御を終了させることができる。
発射制御部902は、主制御基板920と協同して、発射装置330の球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334の駆動を制御する。なお、球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334は、所定条件が整っている場合に作動が許可される。具体的には、遊技者が発射ハンドル252(図1参照)に触れていることが接触センサ254からの接触センサ信号に基づいて検知されていること、発射を停止させるための発射停止スイッチ255が操作されていないことを条件に、発射制御部902はオン状態の発射許可信号を主制御基板920に出力する。また、発射許可信号と発射異常信号とに基づいて主制御基板920は発射ソレノイド制御信号及び球送りソレノイド制御信号を発射制御部902に出力する。発射制御部902は、オン状態の球送り制御信号に基づいて球送りソレノイド332を作動させ、オン状態の発射ソレノイド制御信号の受信と可変抵抗器253の抵抗値とに基づいて発射ソレノイド334を作動させる。これによって、発射装置330から可変抵抗器253の抵抗値(発射ハンドル252の回転操作量)に応じた強さで遊技球が順次に発射される。
信号中継部903は、初期化スイッチ907が押下された場合に、主制御基板920へオン状態の初期化信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の初期化信号の受信に応じて主制御基板920のRAMに保存された保存情報を初期化する。なお、初期化スイッチ907は、必ずしも信号中継部903を介して主制御基板920に信号を出力する構成とする必要はなく、例えば、初期化スイッチ907を主制御基板920に直接搭載する等して基板ケース371内に初期化スイッチ907が収容される構成としてもよく、これにより信号が伝送される区間を狙った不正な信号入力を抑止することができる。
また、信号中継部903は、球溢れスイッチ249が遊技球を検出した場合に、主制御基板920へオン状態の球溢れ信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に低速払出信号を出力し、低速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度(払出装置540からの遊技球の払出速度)を低速化させる。また、主制御基板920は、オフ状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に高速払出信号を出力し、高速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度を高速化させる。
また、図10に示すように、信号中継部903には、背面設定スイッチ905および設定表示装置906が接続されている。信号中継部903は、背面設定スイッチ905が所定のキー(図示せず)により時計回りに略90°回転された場合に主制御基板920へ出力されるオン状態の設定信号を中継する。主制御基板920においては、背面設定スイッチ905からオン状態の設定信号を受信したことに応じて遊技態様の変更を許容する。また、信号中継部903は主制御基板920から設定表示装置906へ出力された設定表示信号を中継する。設定表示装置906は、受信した設定表示信号に対応する設定表示情報を表示する。
電源監視基板910は、電源・発射制御基板900からの電力供給状態を監視する電源監視部911と、電源・発射制御基板900と主制御基板920との間の電力供給及び各種の信号の伝達を中継する信号中継部912とを含んでいる。電源監視部911は、停電状態への移行に応じて主制御基板920へ停電信号を出力するものでもあり、電源部901から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満である状態が所定の時間だけ継続した場合に停電状態であると判断して、オン状態の停電信号を主制御基板920へ出力する。主制御基板920は、オン状態の停電信号の受信によって停電状態への移行を認識する。
主制御基板920は、パチンコ機100の動作を統括的に制御する。主制御基板920には、1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)が搭載されている。MPUは、演算処理装置としてのCPU(図示せず)と、CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定データを記憶したROM(図示せず)と、制御プログラムの実行に際して一時的に各種のデータ等を記憶するRAM(図示せず)とを含んでいる。主制御基板920には、その他、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。主制御基板920のRAMは、停電状態への移行後においても電源・発射制御基板900からのバックアップ電圧の電力供給によって内部データを維持(バックアップ)できる構成となっている。
払出制御基板930は、主制御基板920からの指示に応じた払出装置540による遊技球の払い出し動作や遊技球貸出装置290の操作に応じた払出装置540による遊技球の貸し出し動作を制御する。払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)及びRAM(図示せず)を含む1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。
払出制御基板930は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920及び中継装置950とは双方向の情報入出力通信が可能に接続され、開閉検出スイッチ108,109、貯留球スイッチ591、及び、払出計数スイッチ592とは、一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、払出モータ542とは、一方向のみの情報出力通信のみが可能に接続されている。なお、払出制御基板930のRAMは、主制御基板920のRAMと同様に、停電状態において一定の期間にわたって内部データを維持可能とするバックアップ機能を有する構成としてもよいし、主制御基板920のRAMとは異なり、停電状態において内部データを維持しない構成としてもよい。
副制御基板940は、主制御基板920からの指示に基づいて、各種の演出装置や各種の発光装置や各種の音響装置等の動作を制御する。副制御基板940は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920とは一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、入力操作装置260とは双方向に情報通信可能に接続され、装飾図柄表示装置479等とは一方向の情報出力通信のみが可能に接続されている。
<各種の制御処理>
次に、主制御基板920によって実行される各種の制御処理について説明する。主制御基板920における制御処理は、大別すると、停電状態からの復帰に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本形態では2ms(ミリ秒)周期で)メイン処理に割込みをかけて実行されるタイマ割込み処理とで構成されている。
次に、主制御基板920によって実行される各種の制御処理について説明する。主制御基板920における制御処理は、大別すると、停電状態からの復帰に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本形態では2ms(ミリ秒)周期で)メイン処理に割込みをかけて実行されるタイマ割込み処理とで構成されている。
まず、図11を参照して、主制御基板920によって実行されるメイン処理について説明する。図11は、主制御基板920のメイン処理(図11においては「主制御メイン処理」と略記)を示すフローチャートである。
主制御基板920のメイン処理において、まず、主制御基板920の立ち上げや各種の情報を初期設定するための一連の制御開始処理(プログラム開始処理S1001~乱数初期設定処理S1019)が一度だけ実行され、その後は、割込みを禁止する割込み禁止処理S1020と、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)及び大当り図柄乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)並びに普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する乱数初期値更新処理S1021と、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ~第4の変動種別カウンタ(RAMの一部の領域)の値を更新する変動用カウンタ更新処理S1022と、割込みを許可する割込み許可処理S1023とが繰り返し実行される。なお、割込み許可処理S1023の前にタイマ割込みの要求が発生した場合には、割込み許可処理S1023の直後にタイマ割込み処理が実行される。
一連の制御開始処理において、プログラムの実行を制御するスタックポインタ(RAMの一部の領域)に初期値を設定するプログラム開始処理S1001と、割込みモードを設定する割込みモード設定処理S1002と、払出制御基板930及び副制御基板940等が立ち上がるまで所定の時間だけ待機する立上待機処理S1003とが実行される。
立上待機処理S1003の後に、電源・発射制御基板900の背面設定スイッチ905からの設定信号の出力状態の判定処理S2001が行われる。判定処理S2001において、背面設定スイッチ905からの設定信号がオフ状態であると判定された場合には(S2001:N)、電源・発射制御基板900の初期化スイッチ907からの初期化信号の出力状態の判定処理S1004、停電情報(RAMの一部の領域)の値の判定処理S1005、保存情報の記憶状態の判定処理S1007が行われ、これらの判定結果に基づいてRAMの保存情報を消去するか否かが判定される。ここで、保存情報とは、停電前の遊技の状態に復帰させるために必要な情報であって、停電前に遊技の進行に応じて更新されていたRAMの一部の領域に対応し、実行中の単位遊技に関するカウンタの値や、始動入賞によって格納されたカウンタの値等が例示される。
保存情報の記憶状態は、次のように判定される。まず、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出して(チェックサム算出処理S1006)、その現在のチェックサム値と前回の停電状態への移行に伴い停電監視処理S1202(図12参照)において算出されたチェックサム値の2の補数であるRAM判定値との排他的論理和が「0」であるか否か(判定処理S1007)が判定され、これにより、現在のチェックサム値と停電状態への移行時のチェックサム値とが同一であるか否かが判定される。
初期化信号がオン状態である場合(S1004:Y)、停電情報が停電状態への移行時に保存情報を保存して終了したことを示す所定の停電値でない場合(S1005:N)、又は、保存情報が正常に保持されていない場合(S1007:N)には、RAMの保存情報を消去するRAMクリア処理S1008が実行される。保存情報が正常に保持されていると判断された後(S1007:Y)、又は、RAMクリア処理S1008が実行された後には、主制御基板920に接続されている各種の装置を初期化するハードウェア初期化処理S1009が実行される。
ハードウェア初期化処理S1009の後には、停電情報が停電値であるか否かの判定処理S1010が実行される。停電情報が停電値である場合(S1010:N)には、保持情報の復帰を含め各種の情報を初期設定するRAM復帰設定処理S1011と、その設定完了を示す復帰コマンドが設定される(復帰コマンド出力処理S1012)。RAM復帰設定処理S1011における保持情報の復帰によって、前回の停電状態への移行直前の制御状態に主制御基板920の制御状態が復帰する。
一方、停電情報が停電値でない場合(S1010:Y)には、保持情報の復帰は行わずに各種の情報が初期設定され(RAM初期設定処理S1013)、その設定完了を示す初期化コマンドが出力される(初期化コマンド出力処理S1014)。
なお、RAM復帰設定処理S1011及びRAM初期設定処理S1013において、停電情報は停電値と異なる所定の通電値に設定され、また、前回の停電状態への移行直前において不正検知エラー等の各種のエラー状態が発生していてもそれらのエラー状態は全て解除される。また、主制御基板920から払出制御基板930及び副制御基板940の双方に復帰コマンドか初期化コマンドのいずれかが出力され、復帰コマンド又は初期化コマンドを受信した払出制御基板930及び副制御基板940の各々においても所定の初期化処理が実行される。
立上時の状況に応じたRAMの初期設定(判定処理S1004~初期化コマンド出力処理S1014)の後に、前回の停電状態への移行時に条件装置が作動していた場合には、特別遊技状態に復帰させるための準備が行われる(特別遊技状態復帰準備処理S1015)。具体的には、特別遊技状態復帰準備処理S1015においては、条件装置と役物連続作動装置の作動状態が判定され、停電状態時における遊技の状況に対応した処理が、副制御基板940において実行される。
特別遊技状態復帰準備処理S1015の後には、時短状態フラグが設定されているか否かを判定することにより時短状態であるか非時短状態であるかが判定され(判定処理S1016)、時短状態である場合(S1016:Y)には、時短コマンドが出力される(時短コマンド出力処理S1017)。一方、非時短状態である場合(S1016:N)には、非時短コマンドが出力される(非時短コマンド出力処理S1018)。その後、特別図柄に係る当選乱数カウンタ(RAMの一部の領域)の値が初期化される(乱数初期設定処理S1019)。
一方、判定処理S2001において、背面設定スイッチ905からの設定信号が、背面設定スイッチ905が所定のキーにより操作されていることを示すオン状態であると判定された場合(S2001:Y)、RAM922の実質的に全領域の情報を消去するRAMクリア処理S2002が実行される。具体的には、RAMクリア処理S2002においては、RAM922に格納されている設定対応情報を除く実質的にすべての領域の情報が消去される。
なお、設定対応情報は、予め定めた複数段階(本実施形態においては、9種類)の遊技態様の各々に対応する情報であり、設定中の遊技態様に対応する設定態様情報がRAM922に格納されている。よって、RAMクリア処理S2002により、主制御基板920のRAM922における設定対応情報の記憶領域を除く実質的にすべての領域の情報が消去され、設定変更を許可する状態となる。
設定変更を許可する状態となると、RAM922に格納されている設定対応情報に対応する遊技態様を識別する設定表示信号が設定表示装置906に出力される。設定表示装置906は、主制御基板920から受信した設定表示信号に対応する設定表示情報を表示する。つまり、設定表示装置906には、RAM922に格納されている設定対応情報に対応する設定表示情報が表示される。
次いで、背面設定スイッチ905からの設定信号がオフ状態となるまで遊技態様の設定を変更する設定変更処理S2003が実行される。なお、背面設定スイッチ905からの設定信号は、背面設定スイッチ905が所定のキーにより操作されていない状態においてオフ状態となる。
遊技態様の設定変更は、背面設定スイッチ905が所定のキーにより操作された状態において初期化スイッチ907を押下することによって行われる。具体的に、当該状態において、主制御基板920が初期化スイッチ907の押下に基づく初期化信号を受信する毎に、設定対応情報が順次変更される。具体的には、予め定められた9種類の遊技態様を循環的に選択する順序(例えば、・・・→T1→T2→T3→M1→M2→M3→B1→B2→B3→T1→T2→・・・)が予め決められており、選択される遊技態様は、初期化スイッチ907が押下される毎に当該順序に従って順次変更される。
当該変更が行われる毎に選択中の遊技態様に対応する値が設定対応情報としてRAM922に格納される。RAM922に格納される設定対応情報が変更される毎に、当該設定対応情報に対応する設定表示信号が設定表示装置906に出力され、変更後の設定対応情報に対応する設定表示情報が設定表示装置906に表示される。
よって、遊技場の管理者等の設定変更者は、背面設定スイッチ905が所定のキーにより操作された状態において、本パチンコ機100に対して設定したい遊技態様を選択されるまで初期化スイッチ907の押下を繰り返した後、上側中始動入賞装置431Aまたは下側中始動入賞装置431Bに遊技球を入賞させることで、遊技態様の選択を完了させることができる。よって、設定変更処理S2003は、初期化スイッチ907の押下による遊技態様の選択後に、中始動入賞装置431A,431Bに遊技球が入賞されたことで終了する。
背面設定スイッチ905からの設定信号がオフ状態となった場合(S2004:Y)、遊技態様の設定に係る情報(すなわち、設定対応情報)を除く各種の情報を新たにRAM922に初期設定するRAM変更設定処理S2005が実行される。これにより、実質的に主制御基板920の立ち上げが終了し、RAM922に格納された設定対応情報に対応する遊技態様で遊技が進行することが確定する。
RAM変更設定処理S2005の後、RAM922の設定完了を示す設定済コマンドを払出制御基板930に出力する設定済コマンド出力処理S2006が実行される。払出制御基板930は、主制御基板920が出力した設定済コマンドを受信したことにより、主制御基板920が通常の遊技処理に移行することを認識できると共に、いずれの遊技態様で動作するかを認識できる。設定済コマンド出力処理S2006の後は、特別遊技状態復帰準備処理S1015以降の処理が実行される。
次に、図12を参照して、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。図12は、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理(図中では「主制御割込み処理」と略記)を示したフローチャートである。
主制御基板920のタイマ割込み処理では、まず、タイマ割込みを開始させるための割込み開始処理S1201が実行される。具体的には、割込み制御レジスタに所定の値が設定される。これにより、本タイマ割込み以外の割込みが禁止される。その後に、パチンコ機100の遊技の進行制御や各種センサの監視等といった実質的な制御に係る停電監視処理S1202~外部情報出力処理S1221が順次に実行される。但し、各種の不正の検知に基づいて遊技進行が停止されている場合(S1207:Y)には、制御信号出力処理S1208~外部情報出力処理S1221は実行されない。最後に、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理S1222が実行されて、今回のタイマ割込み処理が終了する。以下において、各種の主要な処理について個別に説明する。
停電監視処理S1202においては、電源監視基板910の電源監視部911から出力されている停電信号の出力状態に基づいて停電情報(RAMの一部の領域)の値が更新される。具体的には停電信号の出力状態が3度に亘り確認され、3度ともオン状態が検出された場合に停電状態であると判定される。この判定において停電状態であると判定されなかった場合には、停電情報は通電値に維持される。
一方、停電監視処理S1202において停電状態であると判定された場合には、以下の処理が実行される。まず、停電情報の値がRAM復帰設定処理S1011又はRAM初期設定処理S1013(図11参照)において設定された通電値から所定の停電値に変更される。また、RAMの所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出し、そのチェックサム値の2の補数をRAM判定値として設定する。これにより、パチンコ機100は、遊技の進行や各種センサの監視等といった実質的な制御を行わない無限ループに入り、RAM判定値が設定された後のRAMの状態がバックアップ電力に基づいて保持される。なお、停電信号の出力状態が3度に亘り確認されるために、停電信号の受信を初めて検知してから、タイマ割込みの各処理は2回に亘り実行される。
乱数更新処理S1203においては、特別図柄に係る当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。但し、変更後の値が特別図柄に係る当選乱数カウンタに対する循環初期値と同一の値となる場合には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定され、また、循環初期値も当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定される。
大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタについても、特別図柄に係る当選乱数カウンタの場合と同様にして更新される。ただし、各カウンタの規定最大値と規定最小値とにより定められる更新範囲としては各カウンタに固有の値が設定され、複数のカウンタが非同期で更新される構成とされ、各カウンタの循環初期値には各カウンタに固有の初期値カウンタが参照される。例えば、特別図柄に係る当選乱数カウンタと特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、大当り図柄乱数カウンタと大当り図柄乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、普通図柄に係る当選乱数カウンタと普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一である。
乱数初期値更新処理S1204においては、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ、大当り図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの場合と同様にして更新される。
変動用カウンタ更新処理S1205においては、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ~第4の変動種別カウンタの値が更新される。具体的には、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値(例えば、「187」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。第2の変動種別カウンタ~第4の変動種別カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、第1の変動種別カウンタの場合と同様にして更新される。
なお、特別図柄及び普通図柄に係る各当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ並びに各変動種別カウンタは、必ずしも上記構成とする必要はなく、上記カウンタの少なくとも一部を他の構成としてもよく、例えば、初期値カウンタを利用しないで一定の初期値から更新する構成としてもよいし、プログラムを利用しないで乱数生成用ICにより構成して必要に応じて値を参照する構成としてもよい。
遊技停止判定処理S1206においては、不正検知情報が不正検知値である場合には、遊技停止値に更新されると共に、遊技進行を停止させるための各種の情報が設定される。一方、不正検知情報が不正検知値でない場合や既に遊技停止値である場合には、遊技進行を停止させるための各処理は実行されずに遊技停止判定処理S1206は終了する。なお、不正検知情報は、不正検知処理S1211において各種の不正の発生が検知された場合に不正検知値に設定される。また、判定処理S1207においては、不正検知情報が遊技停止値であるか否かによって遊技停止中であるか否かが判定される。
制御信号出力処理S1208においては、出力バッファに格納された制御データに基づいて、第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472及び普通図柄に係る普通図柄表示装置473等の各種の報知装置を制御する信号が出力される。また、出力バッファに格納された制御データに基づいて、球送りソレノイド332、発射ソレノイド334、右進入規制ソレノイド462、下進入規制ソレノイド463、上進入規制ソレノイド464、切換ソレノイド465等の各種のアクチュエータを制御する信号が出力される。
スイッチ読込処理S1209においては、中始動入賞スイッチ441A,441B、右始動入賞スイッチ442、下大入賞スイッチ443、上大入賞スイッチ444、役連作動スイッチ445、始動スイッチ446、非特定通路スイッチ447、特定通路スイッチ448、及び、一般入賞スイッチ449A,449Bの各々からの信号状態が読み込まれて、各種のスイッチによる遊技球の検出状態の変化が検知される。
具体的には、スイッチ読込処理S1209において、各種のスイッチからの信号状態が所定の時間間隔を隔てて2度に亘り入力バッファ(RAMの一部の領域)に読み込まれ、各種のスイッチからの信号ごとに、1回目に読み込まれた信号状態(以下において「第1の信号状態」と略記する)と、2回目に読み込まれた信号状態(以下において「第2の信号状態」と略記する)と、前回のタイマ割込みで検知された検出状態(以下において「前回の検出状態」と略記する)とに基づいて、各種のスイッチの検出状態の変化が検知される。そして、各スイッチに対して、前回の検出状態がオフ状態である場合において、第1の信号状態がオン状態であり、第2の信号状態がオン状態である場合には、オン状態移行と判断されて、スイッチの種類に応じた検出フラグ(RAMの一部の領域)が設定される。なお、停電監視処理S1202で説明したように、電源供給が停止したとしても、タイマ割込みの各処理が2回に亘り実行されるために、電源供給が停止した直後に各種のスイッチのオン状態が開始された場合であっても各種のスイッチの検出フラグを正確に設定することができる。
タイマ更新処理S1210においては、特別図柄及び普通図柄の変動表示、各遊技状態の制御、及び、不正監視等に使用される各種のタイマ(RAMの所定の領域)が更新される。
不正検知処理S1211においては、各種の入賞装置に強制的に遊技球を進入させたり、各種の入賞装置を強制的に作動させたりするような不正行為が検知される。具体的には、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な進入許容姿勢への移動、加振による下大入賞装置433の特定通路への遊技球の誘導、電波による右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な誤作動の誘発、磁気吸着による各種の入賞装置への遊技球の誘導、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434への異常なタイミングでの遊技球の誘導等の不正行為が行われた可能性の高い状況の発生を検知する。
入賞検知応答処理S1212においては、遊技盤400に設けられた各種のスイッチによる遊技球の検出に基づく制御が実行される。具体的には、上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)及び下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)による遊技球の検出に基づいて、中始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、中始動入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第1払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。また、右始動入賞スイッチ442(図10参照)による遊技球の検出に基づいて右始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、第1払出カウンタが更新される。また、下大入賞スイッチ443(図10参照)による遊技球の検出に基づいて下大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合や、上大入賞スイッチ444(図10参照)による遊技球の検出に基づいて上大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、大入賞カウンタ(RAMの所定の領域)及び第2払出カウンタ(RAMの所定の領域)が更新される。
発射制御処理S1213においては、発射装置330による遊技球の発射を制御するための発射関連情報が更新される。具体的には、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332の作動フラグ及び発射機構333を駆動する発射ソレノイド334の作動フラグが更新される。
入力信号監視処理S1214においては、払出制御基板930を介した開閉検出スイッチ108(図10参照)からの信号の出力状態に基づいて、外枠101(図1及び図2参照)に対して中間ブロック103(図1及び図2参照)が閉鎖されているか否かが検知される。また、払出制御基板930(図10参照)を介した開閉検出スイッチ109からの信号の出力状態に基づいて、中間ブロック103(図2及び図3参照)に対して前ブロック102(図2及び図3参照)が閉鎖されているか否かが検知される。
払出状態監視処理S1215においては、払出制御基板930から出力される払出制御状態を示す情報が監視され、必要に応じて、払出制御状態に応じた各種の払出状態コマンドが設定される。なお、払出状態コマンドを受信した副制御基板940は、払出状態コマンドの種類に応じた報知を装飾図柄表示装置479、左上音響装置281及び右上音響装置282等に実行させる。
払出信号出力処理S1216においては、必要に応じて、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタの値に基づいて各種の賞球コマンドを設定し、払出制御基板930に出力する。なお、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタは、賞球コマンドの設定に応じて更新される。例えば、第1払出カウンタは、1回の入賞に相当する遊技球が検出される毎に1ずつ加算され、その入賞に基づく賞球コマンドが設定される毎に1ずつ減算される。払出制御基板930では、その入賞に対応する数(例えば、3個)の遊技球を払い出す制御を実行する毎に(詳細には、払い出しが完了する少し前に)、主制御基板920に賞球コマンドを要求し、賞球の払い出しが継続している状況においては、主制御基板920から更なる賞球コマンドが出力される。第2払出カウンタは、第1払出カウンタとは賞球数が異なる入賞(例えば、13個)に対応して更新されるカウンタであり、第2払出カウンタの値に基づく賞球コマンドを払出制御基板930が受信した場合には、払出制御基板930は、その賞球コマンドに対応した数分の遊技球を払い出す制御を実行する。
特別図柄関連処理S1217においては、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第1特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476の動作制御が実行される。また、第1特別図柄に係る単位遊技の制御において、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471の動作制御が実行され、第1特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
また、特別図柄関連処理S1217においては、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第2特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477の動作制御が実行される。また、第2特別図柄に係る単位遊技の制御において、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の動作制御が実行され、第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
普通図柄関連処理S1218においては、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御並びに普通図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、普通図柄保留表示装置478の動作制御が実行される。また、普通図柄に係る単位遊技の制御において、普通図柄に係る普通図柄表示装置473の動作制御が実行され、普通図柄抽選に当選した場合には更に右始動入賞装置432の動作制御が実行される。
表示制御処理S1219においては、特別図柄関連処理S1217における第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477等の動作を制御するために更新される各種の情報に基づいて、それらの装置を具体的に作動させるための出力データが合成される。合成された出力データは、次回のタイマ割込みに基づく制御信号出力処理S1208において各装置に出力される。
モータ制御処理S1220においては、各種のモータの動作制御が実行される。外部情報出力処理S1221においては、パチンコ機100に電気的に接続されるデータ表示装置(図示せず)や管理装置(図示せず)等の外部装置に出力する出力データが設定される。
<装飾図柄610の変動表示>
次に、図13から図19を参照して、本実施形態のパチンコ機100の装飾図柄表示装置479にて行われる装飾図柄610の変動表示について説明する。図13は、装飾図柄610の正面図である。
次に、図13から図19を参照して、本実施形態のパチンコ機100の装飾図柄表示装置479にて行われる装飾図柄610の変動表示について説明する。図13は、装飾図柄610の正面図である。
より詳細には、図13(A)および図13(C)は、第1の表示態様で表示された装飾図柄610の正面図であり、図13(B)および図13(D)は、第2の表示態様で表示された装飾図柄610の正面図である。なお、詳細は後述するが、図13および後述する図14から図19において、第1識別情報部612を構成するキャラクタに施したハッチングは、当該キャラクタを着色する各色を表している。
図13に示すように、装飾図柄610は、装飾図柄610における下方側に配置される台座部611と、台座部611に対する上方側に配置される第1識別情報部612と、台座部611に対する前方側に配置される第2識別情報部613とを備えている。
台座部611は、第1識別情報部612としてのキャラクタを載せる台座の絵柄であり、装飾図柄610の種類に依ることなく共通(同一)の表示内容に構成される部位である。なお、図13および後述する図14から図19においては、図面に対する理解を容易にするため、台座部611に対し、第1識別情報部612のように着色を表すハッチングは行っていない。
第1識別情報部612は、装飾図柄610の識別情報を構成する部位である。本実施形態のパチンコ機100においては、第1識別情報部612は、識別情報としての魚介類のキャラクタにより構成され、当該第1識別情報部612を構成する魚介類のキャラクタの種類に応じて装飾図柄610の種類が識別可能となる。よって、第1識別情報部612の表示内容は、装飾図柄610の種類に応じて異なる。
本実施形態のパチンコ機100においては、第1識別情報部612を構成するキャラクタ(より詳細には、魚介類のキャラクタ)として、タコやハリセンボンなどの9種類のキャラクタが設定される。例えば、図13(A)および図13(B)には、第1識別情報部612が識別情報としてのタコのキャラクタにより構成された装飾図柄610を図示し、図13(C)および図13(D)には、第1識別情報部612が識別情報としてのハリセンボンのキャラクタにより構成された装飾図柄610を図示している。
つまり、本実施形態のパチンコ機100においては、第1識別情報部612を構成するキャラクタの種類に応じた9種類の図柄が装飾図柄610として準備されており、これら9種類の装飾図柄610は、第1識別情報部612を構成するキャラクタの表示内容(すなわち、キャラクタの種類)によって各々を互いに識別(区別)することができる。
第2識別情報部613もまた、第1識別情報部612と同様、装飾図柄610の識別情報を構成する部位であり、装飾図柄610の種類に応じてその表示内容が異なる。第2識別情報部613は、識別情報としての数値(数字)により構成される。本実施形態のパチンコ機100においては、第2識別情報部613を構成する数値として「1」から「9」までの9種類の数値が設定される。
なお、第2識別情報部613は、必ずしも、数値のような識別情報のみで構成される必要はなく、少なくとも識別情報を含む構成、例えば、識別情報と識別情報とは無関係の内容が描かれた描画部との組合せからなる構成であってもよい。例えば、図13に示す例において、第2識別情報部613が、「1」や「2」などの識別情報としての各種数値と、数値に依ることなく各数値に対する後方側に装飾的に配置されている円形状の描画部との組合せからなる構成であってもよい。
第2識別情報部613を構成する各数値は、第1識別情報部612を構成するキャラクタの種類に対し1対1で対応付けられる。例えば、図13(A)および図13(B)に示すように、第1識別情報部612を構成するタコのキャラクタに対し、第2識別情報部613として「1」が対応付けられる。また、図13(C)および図13(D)に示すように、第1識別情報部612を構成するハリセンボンのキャラクタに対し、第2識別情報部613として「2」が対応付けられる(図13(C)および図13(D)参照)。同様に、第1識別情報部612を構成するキャラクタのうちタコとハリセンボンを除く7種類の各キャラクタに対しても、「3」から「9」までの各数字が各々1対1で対応付けられる。
つまり、本実施形態のパチンコ機100において、装飾図柄610の識別情報は、第1識別情報部612を構成する識別情報(すなわち、キャラクタの種類)と第2識別情報部613を構成する識別情報(すなわち、数値)との組合せにより構成される。
なお、装飾図柄610の識別情報は、必ずしも、キャラクタの種類と数値との組合せである必要はなく、キャラクタの種類によってのみ構成してもよいし、数値のみによって構成してもよい。つまり、装飾図柄610は、識別情報として、第1識別情報部612と第2識別情報部613との両方を備える必要は必ずしもなく、第1識別情報部612のみを備える構成であってもよいし、第2識別情報部613のみを備える構成であってもよい。
本実施形態のパチンコ機100においては、装飾図柄表示装置497にて行われる装飾図柄610の変動表示における当該装飾図柄610の表示態様として、第1の表示態様と第2の表示態様とを含む。
第1の表示態様の装飾図柄610と第2の表示態様の装飾図柄610とでは、第1識別情報部612の表示態様が相違する。より詳細には、第2の表示態様の装飾図柄610は、第2の表示態様の装飾図柄610に比べて、第1識別情報部612が簡易化された態様で表示される。なお、本実施形態のパチンコ機100においては、装飾図柄610の表示態様が第1の表示態様であるか第2の表示態様であるかにかかわらず、台座部611および第2識別情報部の表示態様に変化はない構成とされる。
第1の表示態様の装飾図柄610における第1識別情報部612は、当該第1識別情報部612の表示内容(本実施形態では、魚介類のキャラクタ)は多色の態様で表示される。
第1の表示態様の装飾図柄610における第1識別情報部612を構成するタコのキャラクタ(図13(A)参照)は、当該タコのキャラクタにおける主だった部位によって構成される特定領域PAと、当該キャラクタにおける目の外周側の領域PB11と、当該目における領域PB11より内側の領域PB12と、当該目における領域PB12より内側の領域PB13とを有しており、これらの各領域PA,PB11,PB12,PB13がそれぞれ異なる色で着色されている。
なお、特定領域PAは、タコのキャラクタに限らず、第1識別情報部612を構成する各キャラクタにおける主だった部位によって構成される領域であり、第1識別情報部612を構成する全てのキャラクタに設けられる領域である。例えば、第1識別情報部612としてのタコのキャラクタにおける特定領域PAは、タコのキャラクタのうち目以外の領域とされる。
よって、タコのキャラクタにおける特定領域PAは、当該キャラクタの大部分を占める領域とされるが、特定領域PAは、必ずしも、そのキャラクタにおける最も広い領域である必要はなく、当該キャラクタ内における占有率とは無関係に予め決められた一部の領域(例えば、キャラクタの頭部など)であってもよい。
また、第1の表示態様の装飾図柄610における第1識別情報部612を構成するハリセンボンのキャラクタ(図13(C)参照)は、当該ハリセンボンのキャラクタにおける主だった部位によって構成される特定領域PAと、当該キャラクタにおける腹側の領域PB21と、当該キャラクタにおける目の外周側の領域PB22と、当該目における領域PB22より内側の領域PB23と、当該キャラクタにおける唇の領域PB24とを有しており、これらの各領域PA,PB21,PB22,PB23,PB24がそれぞれ異なる色で着色されている。
なお、図13(A)および図13(C)では、第1の表示態様の装飾図柄610における第1識別情報部612がタコまたはハリセンボンのキャラクタである場合を例示したが、第1の表示態様の装飾図柄610においては、第1識別情報部612を構成するキャラクタがタコとハリセンボン以外の7種類の各キャラクタについても、上述したタコやハリセンボンの場合と同様、当該第1識別情報部612の表示内容が多色の態様で表示される。
なお、図13(A)および図13(C)においては、第1の表示態様の装飾図柄610における第1識別情報部612に含まれる色の相違を、ハッチングの相違により表現している。
例えば、図13(A)に示す例においては、タコのキャラクタにおける特定領域PAの色(例えば、赤色)を、平行な単実線によるハッチング(以下、当該ハッチングを「通常ハッチング」とも称す。)によって表し、当該キャラクタにおける特定領域PA以外の領域(すなわち、領域PB11,PB12,PB13)の色を通常ハッチング以外のハッチングで表している。
具体的に、図13(A)に示す例においては、領域PB11の色(例えば、白色)をドット(点)によるハッチングによって表し、領域PB12の色(例えば、茶色)を領域PB11より小さい尺度のドットによるハッチングによって表し、領域PB13の色(例えば、黒色)を塗り潰しによるハッチングによって表している。
図13(C)に示す例においても、第1識別情報部612を構成するハリセンボンのキャラクタにおける特定領域PAの色(例えば、青色)を通常ハッチングによって表し、当該キャラクタにおける特定領域PA以外の領域(すなわち、領域PB21,PB22,PB23,PB24)の色を通常ハッチング以外のハッチングで表している。
具体的に、図13(C)に示す例においては、領域PB21の色(例えば、グレー)をドットによるハッチングによって表し、領域PB22の色(例えば、白色)を領域PB21より大きな尺度のドットによるハッチングによって表し、領域PB23の色(例えば、黒色)を塗り潰しによるハッチングによって表し、領域PB24(例えば、ピンク)を領域PB21や領域PB22より小さい尺度のドットによるハッチングによって表している。
なお、図13および後述する図14から図19において、第1識別情報部612を構成する各キャラクタの特定領域PAにそれぞれ施す通常ハッチングは、装飾図柄610の表示態様が第1の表示態様であるか第2の表示態様であるかにかかわらず、各特定領域PAの色に応じた角度で描画している。
よって、例えば、図13に示すように、タコのキャラクタにおける特定領域PAに施している通常ハッチングが右上がりの通常ハッチングであるのに対し(図13(A)参照)、ハリセンボンのキャラクタにおける特定領域PAに施している通常ハッチングが右下がりの通常ハッチングであることは(図13(C)参照)、タコのキャラクタにおける特定領域PAの色とハリセンボンのキャラクタにおける特定領域PAの色とが異なることを示している。
特定領域PA(すなわち、キャラクタにおける主だった部位の領域)には、当該キャラクタの特徴付ける色が設定される。例えば、タコのキャラクタの特定領域PAに対しては赤色が設定され、ハリセンボンのキャラクタの特定領域PAに対しては青色が設定される。つまり、第1識別情報部612を構成する各キャラクタの特定領域PAには、それぞれ、各キャラクタを識別可能な各色が着色される。
なお、特定領域PAを着色する色、すなわち、キャラクタの特徴付ける色(各キャラクタを識別可能な色)は、装飾図柄610の表示態様が第1の表示態様であるか第2の表示態様であるかにかかわらず、濃淡のない単一の色相の色からなる構成であってもよく、濃淡のある(すなわち、明度または彩度のうちの少なくとも一方が異なる)単一の色相の色からなる構成であってもよい。つまり、特定領域PAは、装飾図柄610の表示態様が第1の表示態様であるか第2の表示態様であるかにかかわらず、所定の色相の色で濃淡なく単調に塗り潰される構成であってもよく、濃淡のある所定の色相の色で着色される構成であってもよい。
また、特定領域PAを着色する色が、色相環において連続する所定範囲に含まれる色相違いの複数色からなる構成であってもよい。例えば、図13(A)に示すタコのキャラクタにおいて、特定領域PAが、色相環における赤から橙(オレンジ)までの範囲の色を用いて着色される構成であってもよい。
なお、特定領域PA以外の各領域(例えば、タコのキャラクタにおける領域PB11,PB12,PB13)についても、上述した特定領域PAと同様、これらの各領域を着色する色は、濃淡のない単一の色相の色からなる構成であってもよく、濃淡のある単一の色相の色からなる構成であってもよく、色相環において連続する所定範囲に含まれる色相違いの複数色からなる構成であってもよい。
特定領域PAの色は、必ずしも、キャラクタの種類(すなわち、装飾図柄610の種類)毎に各々異なる色である必要はなく、一部のキャラクタに対して同色が設定される構成であってもよい。第2識別情報部613を構成する各数値を、各数値に対応するキャラクタの特定領域PAの色で着色する構成としてもよい。
本実施形態のパチンコ機100おいて、第2の表示態様の装飾図柄610における第1識別情報部612は、当該第1識別情報部612の表示内容(本実施形態では、魚介類のキャラクタ)が、第1の表示態様の装飾図柄610における第1識別情報部612の表示内容に比べて少ない色数の態様で表示される。
第2の表示態様の装飾図柄610における第1識別情報部612を構成するタコのキャラクタ(図13(B)参照)は、特定領域PAと、領域PB11と、領域PB12と、領域PB13とが共通する色(同色)で着色されている。
より詳細には、第2の表示態様の装飾図柄610における第1識別情報部612を構成するタコのキャラクタは、特定領域PA、領域PB11、領域PB12および領域PB13からなる全体の領域が、第1の表示態様の装飾図柄610におけるタコのキャラクタの特定領域PAの色(例えば、赤色)で着色される。
なお、図13(B)に示す例においては、第2の表示態様の装飾図柄610の第1識別情報部612を構成するタコのキャラクタにおける特定領域PA、領域PB11、領域PB12および領域PB13に共通する通常ハッチングを施すことによって、これらの領域が同色で着色されていることを表している。
また、図13(B)に示す例においては、当該共通する通常ハッチングを、第1の表示態様の装飾図柄610における特定領域PA(図13(A)参照)と同じ角度の通常ハッチングとすることによって、第2の表示態様の装飾図柄610におけるこれらの領域PA,PB11,PB12,PB13が、第1の表示態様の装飾図柄610における特定領域PAの色と同色で着色されていることを表している。
よって、第2の表示態様の装飾図柄610において、第1識別情報部612を構成するタコのキャラクタは、その全体(すなわち、特定領域PA、領域PB11、領域PB12および領域PB13)の色が、第1の表示態様の装飾図柄610における特定領域PAの色に集約される(共通化される)ので、当該キャラクタの色数が、第1の表示態様の装飾図柄610において多色の態様で表示されたタコのキャラクタ(図13(A)参照)の色数に比べて低減する。
また、第2の表示態様の装飾図柄610における第1識別情報部612を構成するハリセンボンのキャラクタ(図13(D)参照)は、特定領域PAと、領域PB21と、領域PB22と、領域PB23と、領域PB24とが同色で着色されている。
より詳細には、第2の表示態様の装飾図柄610における第1識別情報部612を構成するハリセンボンのキャラクタは、特定領域PA、領域PB21、領域PB22、領域P23および領域PB24からなる全体の領域が、第1の表示態様の装飾図柄610におけるハリセンボンのキャラクタの特定領域PAの色(例えば、青色)で着色される。
なお、図13(D)に示す例においては、第2の表示態様の装飾図柄610の第1識別情報部612を構成するハリセンボンのキャラクタにおける特定領域PA、領域PB21、領域PB22、領域PB23および領域PB24に共通する通常ハッチングを施すことによって、これらの領域が同色で着色されていることを表している。
また、図13(D)に示す例においては、当該共通する通常ハッチングを、第1の表示態様の装飾図柄610における特定領域PA(図13(C)参照)と同じ角度の通常ハッチングとすることによって、第2の表示態様の装飾図柄610におけるこれらの領域PA,PB21,PB22,PB23,PB24が、第1の表示態様の装飾図柄610における特定領域PAの色と同色で着色されていることを表している。
よって、第2の表示態様の装飾図柄610において、第1識別情報部612を構成するハリセンボンのキャラクタについても、上述したタコのキャラクタの場合と同様、その全体(すなわち、特定領域PA、領域PB21、領域PB22、領域PB23および領域PB24)の色が、第1の表示態様の装飾図柄610における特定領域PAの色に集約されるので、当該キャラクタの色数が、第1の表示態様の装飾図柄610において多色の態様で表示されたハリセンボンのキャラクタ(図13(C)参照)の色数に比べて低減する。
なお、図13(B)および図13(D)では、第2の表示態様の装飾図柄610における第1識別情報部612がタコまたはハリセンボンのキャラクタである場合を例示したが、第2の表示態様の装飾図柄610においては、第1識別情報部612を構成するキャラクタがタコとハリセンボン以外の7種類の各キャラクタについても、上述したタコやハリセンボンの場合と同様、各キャラクタが第1の表示態様の装飾図柄610における対応キャラクタの色数より少ない色数で表示される。
したがって、本実施形態のパチンコ機100においては、第1の表示態様の装飾図柄610における第1識別情報部612の表示内容(本実施形態では、魚介類のキャラクタ)が、多色の態様で表示されるのに対し、第2の表示態様の装飾図柄610における第1識別情報部612の表示内容は、第1の表示態様の装飾図柄610に比べて少ない色数の態様で表示される。つまり、本実施形態のパチンコ機100においては、第2の表示態様の装飾図柄610は、第1識別情報部612を表示する色数の点において、第1の表示態様の装飾図柄610に比べて簡易化された態様で表示される。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、第1の表示態様の装飾図柄610における第1識別情報部612の表示内容(本実施形態では、魚介類のキャラクタ)が、透過率が低い透過率が低い(すなわち、透明性が低いまたは不透明な)態様で表示されるのに対し、第2の表示態様の装飾図柄610における第1識別情報部612の表示内容が、第1の表示態様の装飾図柄610に比べて高い透過率で表示される。
なお、第2の表示態様の装飾図柄610においては、第1識別情報部612の表示内容の輪郭を残しつつ、当該輪郭より内側の領域の透過率を高くする構成であってもよい。これにより、第2の表示態様の装飾図柄610における第1識別情報部612の表示内容の外形(輪郭)を認識し易くすることができる。よって、例えば、第2の表示態様の装飾図柄610が上から下方向へ変動表示(スクロール表示)される場合に、第1識別情報部612の表示内容(キャラクタ)の輪郭を遊技者に認識させ易く、それによって、第1識別情報部612の種類を遊技者に識別させ易くできる。
第2の表示態様の装飾図柄610においては、第1識別情報部612の表示内容の透過率が第1の表示態様の装飾図柄610に比べて高くなったことで、装飾図柄610に対する背景画像の透ける部分が増える。つまり、本実施形態のパチンコ機100においては、第2の表示態様の装飾図柄610は、透過率を高めることで背景が透ける部分が多くなる点(すなわち、透明化または半透明化される点)において、第1の表示態様の装飾図柄610に比べて簡易化された態様で表示される。
なお、図13および後述する図14から図19においては、第1の表示態様の装飾図柄610における第1識別情報部612の透過率と、第2の表示態様の装飾図柄610における第1識別情報部612の透過率との違いを、第1識別情報部612を描画する描画線の太さの違いと、通常ハッチングの尺度により表現している。
より詳細には、透過率が高いほど描画線を細くするとともに、透過率が高いほど大きな尺度の通常ハッチング(すなわち、ハッチングを構成する線の間隔を広く)を施すことで、第2の表示態様の装飾図柄610における第1識別情報部612の透過率が、第1の表示態様の装飾図柄610における第1識別情報部612の透過率より高いことを表している。
なお、以下の説明においては、第1識別情報部612の透過性について、便宜上、第1の表示態様の装飾図柄610における第1識別情報部612の透過性を「不透明」とも称し、第2の表示態様の装飾図柄610における第1識別情報部612の透過性を「半透明」とも称する。
図14から図19は、装飾図柄表示装置479にて実行される装飾図柄610の変動表示の画面遷移の一例を示す画面図である。なお、図14から図19までの各図面においては、図面に対する理解を容易にするため、装飾図柄表示装置479上に表示される各装飾図柄610について、同図内に同じ構成要素が複数含まれる場合に、これら複数の構成要素のうち一部に対して付した付番(例えば、装飾図柄610や第1識別情報部612)を、残りの構成要素に対して付さない場合がある。
図14および図15は、特別図柄および装飾図柄610の変動表示が開始される前における装飾図柄表示装置479の表示内容の一例である。
本実施形態のパチンコ機100において、装飾図柄表示装置479の表示画面上において左右方向に並ぶ3列の各図柄列620L,620M,620Rによって装飾図柄610の変動表示が行われる。
より詳細には、装飾図柄の変動表示は、各図柄列620L,620M,620Rにおいて、それぞれ、上下方向に昇順または降順に配列された複数種類(より詳細には9種類)の装飾図柄610が上から下方向にスクロール表示(移動表示)されることによって行われる。
なお、以下の説明においては、3列の図柄列620L,620M,620Rのうち、最も左側に配置される図柄列620Lを左図柄列620Lとも称し、最も右側に配置される図柄列620Rを右図柄列620Rとも称し、真中に配置される図柄列620Mを中図柄列620Mとも称する。
装飾図柄表示装置479の表示画面上には、予め設定されている有効ラインが設けられている。なお、「有効ライン」は、装飾図柄610による大当り図柄が停止図柄として当該ライン上に表示された場合に遊技状態が特別遊技状態に遷移するラインである。
本実施形態のパチンコ機100においては、5つの有効ラインが設定されている。具体的には、図14(A)に示すように、装飾図柄610のスクロール方向に対して交差する方向(水平方向)に延びる上下方向に3列の有効ラインL1,L2,L3と、右上がり方向に延びる有効ラインL4と、右下がり方向に延びる有効ラインL5とが設定されている。
なお、設定される有効ラインの数は、必ずしも5つである必要はなく、1または複数の適宜の数を設定し得る。例えば、上段ライン、下段ライン、および中段ラインによる3つが有効ラインとして設定される構成であってもよいし、中段ラインなど1の有効ラインが設定される構成であってもよい。
特別図柄抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)にて大当り当選した場合、各図柄列620L,620M,620Rにおける装飾図柄610が、設定された有効ラインのいずれかにおいて、大当り図柄に対応する所定の組合せ(例えば、同一の装飾図柄610の組合せ)で停止表示される。
なお、図14(A)に示す例では、これから変動しようとする停止中の装飾図柄610が、いずれの有効ラインL1,L2,L3,L4,L5上においても大当り図柄で停止していないことを示している。つまり、当該例においては、前回に行われた特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)に係る単位遊技において、第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選にて大当り当選しなかったことを示す。
図14(A)に示すように、特別図柄および装飾図柄610の変動表示の開始前においては、各図柄列620L,620M,620Rの装飾図柄610は、いずれも第1の表示態様で表示される。
つまり、装飾図柄610の変動表示の開始前において、装飾図柄610における第1識別情報部612の表示内容(具体的には、魚介類のキャラクタ)は、不透明かつ多色の態様で表示される。各装飾図柄610における第1識別情報部612を構成する各キャラクタの特定領域PAは、当該キャラクタの特徴付ける色により着色されている。
また、図14(A)に示すように、特別図柄および装飾図柄610の変動表示の開始前においては、各装飾図柄610における第1識別情報部612を構成する各キャラクタは、台座部611の上面に対して全体的に接した状態で乗っている状態とされる。以下の説明においては、台座部611の上面に対して全体的に接した状態にある各キャラクタの姿勢を「着座姿勢」とも称す。
図14(B)に示すように、各図柄列620L,620M,620Rに表示される各装飾図柄610は、上から下方向への変動表示(スクロール表示)を開始する前に、第1の表示態様を保ったまま、台座部611が位置を変化することなく、第1識別情報部612が台座部611から離れるように上方側へ移動する。以下の説明においては、上方側への移動によって台座部611から離れた状態にある各キャラクタの姿勢を「ジャンプ姿勢」とも称す。
このように、本実施形態のパチンコ機100においては、装飾図柄610は、上から下方向への変動表示を開始する前に、第1識別情報部612が、装飾図柄610の変動表示の方向(以下、単に「変動方向」とも称す)とは逆の方向である下から上方向へ移動するので、その移動方向によって装飾図柄610の変動方向を遊技者に示唆することができる。
なお、装飾図柄610の変動表示の開始前に着座姿勢にあったキャラクタ(第1識別情報部612)がジャンプ姿勢に移行する場合、当該キャラクタの上方側への移動距離H1は、予め決められた一定の距離であってもよいし、特別図柄抽選に対する期待値のような遊技の状態や背面設定スイッチ905により設定された値(設定対応情報)のようなパチンコ機100の状態などに応じて変化する可変的な距離であってもよい。
各図柄列620L,620M,620Rに表示される各装飾図柄610のキャラクタがジャンプ姿勢に移行した後、装飾図柄表示装置479には、図15(A)および図15(B)に示すように、各装飾図柄610に対し、水面615が表示される。水面615は、各装飾図柄610におけるキャラクタ(第1識別情報部612)の下側から、当該キャラクタに対して相対的に上方向へと徐々に移動(上昇)する。
図15(A)および図15(B)に示すように、装飾図柄610における第1識別情報部612を構成するキャラクタは、水面615より上側の部分が不透明かつ多色の態様で表示され、水面615より下側の部分が半透明かつ色数の少ない(減色された)態様で表示される。
水面615が当該キャラクタに対して相対的に上昇するにつれ、当該キャラクタにおける水面615より上側となって不透明かつ多色の態様で表示される部分は次第に減り、水面615より下側となって半透明かつ色数の少ない態様で表示される部分は次第に増える。つまり、水面615が表示される前に第1の表示態様で表示されていた装飾図柄610は、水面615が上昇するにつれて、下側から徐々に第2の表示態様に切り替わる。
このように、本実施形態のパチンコ機100において、装飾図柄610は、上から下方向への変動表示を開始する前に、当該装飾図柄610の変動方向とは逆の方向である下から上方向に向かって徐々に装飾図柄610が第1の表示態様から第2の表示態様に切り替わるので、装飾図柄610の表示態様が切り替わる方向によって当該装飾図柄610の変動方向を遊技者に示唆することができる。
なお、本実施形態のパチンコ機100においては、水面615が上昇する場合であっても、台座部611および第2識別情報部613の表示態様は変化しない構成とするが、第1識別情報部612と同様、水面615が次第に上昇する場合に、台座部611や第2識別情報部613における当該水面615より下側になる部分の表示態様が異なる態様に変化する構成であってもよい。
図15(C)に示すように、水面615が第1識別情報部612より上方側まで上昇すると、各図柄列620L,620M,620Rの装飾図柄610は、いずれも完全に第2の表示態様で表示されることになる。つまり、水面615が第1識別情報部612より上方側まで上昇すると、装飾図柄610における第1識別情報部612の表示内容は、半透明、かつ、装飾図柄610が第1の表示態様である場合に比べて色数の少ない(減色された)態様で表示される。
なお、図15(A)から図15(C)に示すように、装飾図柄610が、水面615の上昇によって第1の表示態様から第2の表示態様に切り替わる間、各装飾図柄610のキャラクタ(第1識別情報部612)はジャンプ姿勢のまま維持される。
水面615の上昇によって装飾図柄610が第2の表示態様に切り替わると、装飾図柄610の変動表示が開始され、各図柄列620L,620M,620Rに表示される各装飾図柄610が上から下方向へ高速で変動表示(スクロール表示)する。なお、以下の説明においては、上から下方向へ高速で行われる装飾図柄610の変動表示を「高速変動」とも称す。
よって、本実施形態のパチンコ機100においては、装飾図柄610の変動表示が開始される前の準備段階として、キャラクタの着座姿勢からジャンプ姿勢への移動と、当該装飾図柄の表示態様の簡易化(すなわち、第2の表示態様での表示)とが行われるので、当該準備段階におけるキャラクタの移動の方向と表示が簡易化される方向とによって、その後の装飾図柄610の変動方向を遊技者に意識させることができ、それによって、装飾図柄610の変動表示の開始を期待させることができる。
図16(A)は、装飾図柄610が高速変動する場合における装飾図柄表示装置479の表示内容の一例である。図16(A)および後述する図16(B)以降の各図においては、高速変動する装飾図柄610を、左右方向に並ぶ3本の下向きの太い矢印線により模式的に表している。
なお、図示はしないが、装飾図柄610が高速変動する場合、遊技者は、キャラクタ(第1識別情報部612)がジャンプ姿勢である装飾図柄610を薄っすらと視認することができる。つまり、各図柄列620L,620M,620Rの装飾図柄610は、第1の表示態様から第2の表示態様に切り替わった後、第1識別情報部612を構成するキャラクタがジャンプ姿勢を保ったまま高速変動を開始する。
高速変動中、第2の表示態様で表示される装飾図柄610を視認できる。つまり、高速変動する装飾図柄610においては、第1識別情報部612が簡易化された表示態様で表示されるので、簡易化によって情報量が少なくなった分、各装飾図柄610のキャラクタ(第1識別情報部612)の種類の識別を可能にする。例えば、第1識別情報部612の簡易化によって色数が少なくなったことで、高速変動する装飾図柄610のキャラクタを高速で移動する色の塊として認識させることができ、それによって、高速変動中も認識される色の違いによってキャラクタの種類が識別可能となる。
なお、高速変動する装飾図柄610は、第1識別情報部612が簡易化された第2の表示態様で表示される上に、当該高速変動のエフェクトとして装飾図柄610の表示の透過性が高く(表示が薄く)される。よって、装飾図柄610が高速変動する場合には、装飾図柄610の後方側に表示される背景画像(図示せず)が透けて見えるようになる。
各図柄列620L,620M,620Rの装飾図柄610の変動表示が開始されてから所定時間(例えば、3秒)が経過すると、左図柄列620Lの変動速度が低下し、低速での変動表示となる。なお、以下の説明においては、高速変動後に低速で行われる装飾図柄610の変動表示を「低速変動」とも称す。
図16(B)および図17は、左図柄列620Lの装飾図柄610が低速変動する場合における装飾図柄表示装置479の表示内容の一例である。なお、図16(B)および後述する図16(C)以降の各図において、1本の下向きの細い矢印線を付加することによって装飾図柄610が低速変動することを表している。
図16(B)に示すように、低速変動する装飾図柄610は、第2の表示態様で表示される。つまり、低速変動する装飾図柄610における第1識別情報部612の表示内容は、装飾図柄610が第1の表示態様である場合に比べて減色された(色数が減った)態様であるとともに半透明な態様で表示される。
また、低速変動する装飾図柄610は、図16(B)に示すように、各装飾図柄610のキャラクタ(第1識別情報部612)は着座姿勢とされる。つまり、装飾図柄610の変動表示が高速変動から低速変動に移行すると、それに伴い、各装飾図柄610のキャラクタがジャンプ姿勢から着座姿勢に移行する。
左図柄列620Lにおいて装飾図柄610が低速変動に移行した後、装飾図柄表示装置479には、図17(A)および図17(B)に示すように、各装飾図柄610に対し、水面615が再度表示される。水面615は、装飾図柄610が上から下方向へ低速移動することで、各装飾図柄610におけるキャラクタ(第1識別情報部612)の下側から、当該キャラクタに対して相対的に上方向へと徐々に移動(上昇)する。
図17(A)および図17(B)に示すように、装飾図柄610が低速変動する場合に水面615が表示された場合には、装飾図柄610の変動表示の開始前に水面615が表示された場合(図15(A)および図15(B)参照)とは異なり、装飾図柄610における第1識別情報部612を構成するキャラクタは、水面615より上側の部分が半透明かつ色数の少ない(減色された)態様で表示され、水面615より下側の部分が不透明かつ多色の態様で表示される。
水面615が当該キャラクタに対して相対的に上昇するにつれ、当該キャラクタにおける水面615より上側となって半透明かつ色数の少ない態様は次第に減り、水面615より下側となって不透明かつ多色の態様で表示される部分は次第に増える。つまり、水面615が表示される前に第2の表示態様で表示されていた装飾図柄610は、水面615が上昇するにつれて、下側から徐々に第1の表示態様に切り替わる。つまり、装飾図柄610は、低速変動に移行した後、当該装飾図柄610の変動方向とは逆の方向に向かって徐々に第2の表示態様から第1の表示態様に切り替わる。
図17(C)に示すように、水面615が第1識別情報部612より上方側まで上昇すると、左図柄列620Lの装飾図柄610は、完全に第1の表示態様で表示されることになる。左図柄列620Lの装飾図柄610は、水面615が第1識別情報部612より上方側まで上昇し、当該装飾図柄610の表示態様が完全に第1の表示態様となった後に、上から下方向への移動(スクロール)を停止する。
つまり、水面615が第1識別情報部612より上方側まで上昇し、それによって、左図柄列620Lの装飾図柄610における第1識別情報部612の表示内容が、半透明から不透明へと透過率が変化し、色数が増えて多色化された態様で表示された後に、左図柄列620Lの装飾図柄610が停止表示される。
したがって、本実施形態のパチンコ機100においては、左図柄列620Lの装飾図柄610が停止表示される前に、装飾図柄610の表示態様が、第1識別情報部612を表示する透過率や色数の点において、第1の表示態様の装飾図柄610に比べて複雑化された態様で表示される。
また、低速変動する装飾図柄610が、停止表示の前に、当該装飾図柄610の変動方向とは逆の方向(すなわち、下から上方向)に向かって徐々に装飾図柄610が第2の表示態様から第1の表示態様に切り替わるので、装飾図柄610の表示態様が切り替わる方向によって、所定の変動方向(すなわち、上から下方向)に移動する装飾図柄610の変動表示が停止することを遊技者に示唆することができる。
ここで、図17(A)から図17(C)に示すように、左図柄列620Lの装飾図柄610が、水面615の上昇によって第2の表示態様から第1の表示態様に切り替わる間、各装飾図柄610のキャラクタ(第1識別情報部612)は着座姿勢のまま維持される。
なお、左図柄列620Lの装飾図柄610が高速変動から低速変動に移行してから当該左図柄列620Lの装飾図柄610が停止表示されるまでの期間中の所定の時期に、例えば、図17(B)に示すように、右図柄列620Rの装飾図柄610が高速変動から低速変動に移行する。右図柄列620Rの装飾図柄610が低速変動される場合も、上述した左図柄列620Lの装飾図柄610の場合と同様、当該装飾図柄610は第2の表示態様で表示されるとともに、第1識別情報部612を構成するキャラクタが着座姿勢となる。
図18は、左図柄列620Lの装飾図柄610が停止表示された後における装飾図柄表示装置479の表示内容の一例である。
左図柄列620Lの装飾図柄610が停止表示された後、図18(A)に示すように、当該左図柄列620Lの装飾図柄610は、第1の表示態様を保ったまま、キャラクタ(第1識別情報部612)のサイズを巨大化しつつ、当該キャラクタの姿勢を着座姿勢からジャンプ姿勢へ移行する。
なお、装飾図柄610が停止表示された後に着座姿勢にあったキャラクタ(第1識別情報部612)がジャンプ姿勢に移行する場合、当該キャラクタの上方側への移動距離H2は、予め決められた一定の距離であってもよいし、特別図柄抽選に対する期待値のような遊技の状態や背面設定スイッチ905により設定された値(設定対応情報)のようなパチンコ機100の状態などに応じて変化する可変的な距離であってもよい。
移動距離H2の値は、上述した移動距離H1と異なる値であってもよく、同じ値であってもよい。また、移動距離H1が遊技やパチンコ機100の状態に応じて可変的な距離とされる構成において、移動距離H1が当該状態に応じて可変的な距離とされる構成であってもよく、移動距離H2が当該状態とは無関係な距離とされる構成であってもよい。また、移動距離H1および移動距離H2が遊技やパチンコ機100の状態に応じて可変的な距離とされる構成において、移動距離H1および移動距離H2がいずれも同じ状態に対応する構成であってもよく、互いに異なる状態に対応する構成であってもよい。
図18(A)に示すように、左図柄列620Lの装飾図柄610が、第1識別情報部612を構成するキャラクタの姿勢がジャンプ姿勢に切り替わるタイミングに合わせて、第2識別情報部613を構成する数値もまた当該キャラクタと同様にそのサイズが巨大化される。このとき、巨大化された数値(第2識別情報部613)が、当該数値の略中心を通る上下方向の軸を回転軸として1回転するなど、所定の動作をする構成としてもよい。
なお、第2識別情報部613が、識別情報と識別情報とは無関係の内容が描かれた描画部との組合せからなる構成においては、描画部(例えば、各数値に対する後方側に装飾的に配置されている円形状の描画部)のサイズが、識別情報としての数値のサイズとともに巨大化する構成であってもよいし、数値のサイズが巨大化しても、描画部のサイズが変化しない構成であってもよい。
左図柄列620Lの装飾図柄610は、停止表示後にキャラクタ(第1識別情報部612)が巨大化しつつジャンプ姿勢に移行すると(図18(A)参照)、引き続き、図18(B)に示すように、第1の表示態様を保ったまま、当該キャラクタのサイズを元のサイズ(基準サイズ)まで縮小しつつ、当該キャラクタの姿勢をジャンプ姿勢から着座姿勢へ移行する。
なお、このとき、装飾図柄610停止表示後にキャラクタと同様に巨大化された数値(第2識別情報部613)もまた、そのサイズが縮小されて元のサイズに戻る。第1識別情報部612を構成するキャラクタが元のサイズに戻り、着座姿勢への移行が完了したことをもって、左図柄列620Lにおける装飾図柄610の変動表示が完全に停止する。
左図柄列620Lにおける装飾図柄610の変動表示が完全に停止した後、右図柄列620Rにおいて低速変動していた装飾図柄610が、第1の表示態様に移行した後に停止表示され、その後に、第1識別情報部612を構成するキャラクタの巨大化およびジャンプ姿勢への移行を経由して、図18(C)に示すように完全に停止する。
このように、本実施形態のパチンコ機100においては、装飾図柄610の変動表示が完全に停止する前に、第1識別情報部612が、装飾図柄610の変動方向とは逆の方向である下から上方向へ移動するので、その移動方向によって、所定の変動方向(すなわち、上から下方向)に移動していた装飾図柄610が完全に停止することを遊技者に示唆することができる。また、装飾図柄610の変動表示が完全に停止する前に、第1識別表示部612であるキャラクタのサイズが変化するので、遊技者は、左図柄列620Lにおいて停止していた装飾図柄610が確定表示の一部を構成することを認識できる。
なお、右図柄列620Rの装飾図柄610が、第2の表示態様から第1の表示態様に移行する過程や、停止表示後にキャラクタ(第1識別情報部612)が巨大化しつつジャンプ姿勢へ移行する過程の図示は省略するが、図17および図18(A)を参照して説明した左図柄列620Lの場合と同様に行われる。
また、左図柄列620Lにおける装飾図柄610の変動表示が完全に停止した後であって、左図柄列620Lにおける装飾図柄610の変動表示が完全に停止する前における所定の時期に、例えば、図18(C)に示すように、中図柄列620Mの装飾図柄610が高速変動から低速変動に移行する。中図柄列620Mの装飾図柄610が低速変動される場合も、上述した左図柄列620Lの装飾図柄610の場合と同様、当該装飾図柄610は第2の表示態様で表示されるとともに、第1識別情報部612を構成するキャラクタが着座姿勢となる。
図19は、右図柄列620Rの装飾図柄610が停止表示された後における装飾図柄表示装置479の表示内容の一例である。
右図柄列620Rにおける装飾図柄610の変動表示が完全に停止した後、中図柄列620Mにおいて低速変動していた装飾図柄610は、第2の表示態様から第1の表示態様に移行した後、図19(A)に示すように停止表示される。なお、中図柄列620Mの装飾図柄610が、第2の表示態様から第1の表示態様に移行する過程の図示は省略するが、図17を参照して説明した左図柄列620Lの場合と同様に行われる。
中図柄列620Mの装飾図柄610が停止表示された後、図19(B)に示すように、当該中図柄列620Mの装飾図柄610は、上述した左図柄列620Lの場合と同様、第1の表示態様を保ったまま、キャラクタ(第1識別情報部612)のサイズを巨大化しつつ、当該キャラクタの姿勢を着座姿勢からジャンプ姿勢へ移行する。
中図柄列620Mにおいて装飾図柄610が巨大化しつつジャンプ姿勢へ移行する場合には、上述した左図柄列620Lや右図柄列620Rの場合とは異なり、図19(B)に示すように、略同心円状の波紋618が装飾図柄610に対する後方側に表示される。これにより、遊技者は、波紋618が表示された場合に、3列の図柄列620L,620M,620Rの各装飾図柄610による確定表示が生じることを認識できる。
中図柄列620Mの装飾図柄610は、停止表示後にキャラクタ(第1識別情報部612)が巨大化しつつジャンプ姿勢に移行すると(図19(B)参照)、引き続き、図19(C)に示すように、第1の表示態様を保ったまま、上述した左図柄列620Lの場合と同様、当該キャラクタのサイズを元のサイズまで縮小しつつ、当該キャラクタの姿勢をジャンプ姿勢から着座姿勢へ移行する。キャラクタの着座姿勢への移行が完了したことをもって、中図柄列620Mにおける装飾図柄610の変動表示が完全に停止する。
なお、上述した本実施形態のパチンコ機100においては、装飾図柄610の変動表示を開始する前に、各装飾図柄610における第1識別情報部612(魚介類のキャラクタ)の全体が色数および透過率の点において簡易化される(すなわち、半透明かつ色数の少ない態様に変化させる)構成としたが、装飾図柄610の変動表示を開始する前に第1識別情報部612において簡易化される領域は、第1識別情報部612の全体である必要は必ずしもなく、第1識別情報部612における少なくとも一部の領域が簡易化される構成であってもよい。
また、上述した本実施形態のパチンコ機100においては、装飾図柄610の変動表示を停止する前に、各装飾図柄610における第1識別情報部612(魚介類のキャラクタ)の全体が色数および透過率の点において複雑化される(すなわち、不透明かつ多色の態様に変化させる)構成としたが、装飾図柄610の変動表示を停止する前に第1識別情報部612において複雑化される領域は、第1識別情報部612の全体である必要は必ずしもなく、第1識別情報部612における少なくとも一部の領域が複雑化される構成であってもよい。
ここで、本実施形態に係るパチンコ機100の作用及び効果を説明する。
本実施形態のパチンコ機100においては、装飾図柄表示装置479によって表示される表示内容(例えば、装飾図柄610)を制御する制御手段としての副制御基板940が、所定の表示対象として装飾図柄610の第1識別情報部612を装飾図柄表示装置479に表示する制御として、当該表示対象(すなわち、第1識別情報部612)を所定の方向側である上から下方向へ移動させる移動表示制御と、当該移動表示制御の前に、当該表示対象を前記所定の方向側とは逆の方向側(すなわち、下から上方向)へ移動させ、当該逆の方向側への移動後に所定の方向側への移動を開始させる移動準備制御とを少なくとも行う構成にされるとともに、当該制御手段が、前記移動準備制御において、所定の表示対象の少なくとも一部における表示態様を、例えば当該表示対象の色数や透過率の点において簡易化する表示制御を行う構成にされる。
よって、所定の表示対象としての第1識別情報部612は、移動表示制御によって所定の方向側(すなわち、上から下方向)へ移動される前に、移動準備制御によって当該所定の方向側とは逆の方向側へ一旦移動される。よって、所定の表示対象(第1識別情報部612)を含む装飾図柄610が所定の方向側へ移動される前に、当該装飾図柄610の移動方向(すなわち、所定の方向側)を、当該移動が行われる前の準備段階として行われる移動準備制御による第1識別情報部612の移動方向(すなわち、所定の方向側とは逆の方向側)によって示唆することができる。
また、所定の表示対象としての第1識別情報部612は、移動表示制御によって所定の方向側へ移動される前に、当該表示対象の少なくとも一部における表示態様が、当該所定の表示対象の移動準備制御において(つまり、上から下方向へ移動される前に)簡易化されるので、当該簡易化の発生によって、その後に当該所定の表示対象(第1識別情報部612)を含む装飾図柄610が所定の方向側へ移動することを遊技者に示唆することができる。これにより、当該簡易化を、所定の方向側への装飾図柄610の移動の準備段階であると遊技者に認識させることができるので、遊技者が当該簡易化を認識した場合に所定の方向側への装飾図柄610の移動の開始を当該遊技者に期待させることができる。
このように、所定の表示対象としての第1識別情報部612が所定の方向側へ移動される前に、当該所定の表示対象が所定の方向側とは逆の方向側へ移動するとともに、当該所定の表示対象の少なくとも一部における表示態様が簡易化されるので、第1識別情報部612を含む装飾図柄610の所定の方向側への移動の開始を遊技者に印象づけ易くすることができる。これにより、装飾図柄610などの識別情報の変動表示を行う装飾図柄表示装置479での表示内容によって遊技の興趣を向上させることができる。
本実施形態のパチンコ機100においては、装飾図柄表示装置479によって表示される表示内容(例えば、装飾図柄610)を制御する制御手段としての副制御基板940が、所定の表示対象として装飾図柄610の第1識別情報部612を装飾図柄表示装置479に表示する制御として、当該表示対象(すなわち、第1識別情報部612)を第1の表示態様(具体的に、不透明かつ多色の態様)で所定の方向側へ移動表示させる第1表示制御と、当該第1表示制御に対して、前記所定の表示対象の少なくとも一部における表示態様を簡易化した第2の表示態様(具体的に、半透明かつ色数の少ない態様)にて、第1表示制御における移動より高速で移動表示(高速変動)させる第2表示制御とを少なくとも行う構成にされる。
よって、所定の方向側へ移動表示される所定の表示対象としての第1識別情報部612は、当該表示対象が第1の表示態様で移動表示される場合より高速で移動表示される場合において、その少なくとも一部における表示態様が簡易化された第2の表示態様で表示される。これにより、所定の表示対象の所定の方向側への移動表示の速度変化を、当該所定の表示対象の表示態様の違いによって強調させる(メリハリをつける)ことができるので、装飾図柄610などの識別情報の変動表示を行う装飾図柄表示装置479での表示内容によって遊技の興趣を向上させることができる。
また、所定の表示対象は、より高速な移動表示において、その少なくとも一部における表示態様が簡易化された第2の表示態様で表示されるので、簡易化によって情報量が少なくなった分、当該高速な移動表示においても所定の表示対象の識別を可能とする。また、より高速な移動表示において所定の表示対象の少なくとも一部における表示態様が簡易化されるので、当該高速な移動表示を行う際の表示制御の負荷を低減させることができる。
本実施形態のパチンコ機100においては、装飾図柄表示装置479によって表示される表示内容(例えば、装飾図柄610)を制御する制御手段としての副制御基板940が、所定の表示対象として装飾図柄610の第1識別情報部612を装飾図柄表示装置479に表示する制御として、当該表示対象(すなわち、第1識別情報部612)を所定の方向側である上から下方向へ移動させる移動表示制御と、当該移動表示制御の後に、当該表示対象を前記所定の方向側とは別の方向側(例えば、当該所定の方向側とは逆の方向側や、当該所定の方向側に対し交差する方向側)へ移動させ、当該別の方向側への移動後に所定の方向側への移動を停止する移動停止制御とを少なくとも行う構成にされるとともに、当該制御手段が、前記移動停止制御において、所定の表示対象の少なくとも一部における表示態様を、例えば当該表示対象の透過率や色数の点において複雑化する表示制御を行う構成にされる。
よって、所定の表示対象としての第1識別情報部612は、所定の方向側(すなわち、上から下方向)への移動後であって当該移動が停止される前に、当該所定の方向側とは別の方向側へ一旦移動されるので、その移動方向によって、所定の変動方向に移動していた所定の表示対象の移動が停止することを遊技者に示唆することができる。
また、所定の表示対象としての第1識別情報部612は、当該所定の表示対象の少なくとも一部における表示態様が、当該所定の表示対象の移動停止制御において(つまり、所定の方向側の移動が停止される前に)複雑化されるので、当該複雑化の発生によって、その後に所定の表示対象の移動が停止することを遊技者に示唆することができる。
このように、所定の方向側への、所定の表示対象としての第1識別情報部612の移動が停止される前に、当該所定の表示対象が所定の方向側とは逆の方向側へ移動されるとともに、当該所定の表示対象の少なくとも一部における表示態様が複雑化されるので、第1識別情報部612を含む装飾図柄610の所定の方向側への移動が停止されることを遊技者に印象づけ易くすることができる。これにより、装飾図柄610などの識別情報の変動表示を行う装飾図柄表示装置479での表示内容によって遊技の興趣を向上させることができる。
本実施形態のパチンコ機100においては、表示内容が共通する共通部である台座部611と表示内容が異なる相違部である第1識別情報部612とが各々設けられた複数の装飾図柄610を用いた変動表示を行う装飾図柄表示装置479によって表示される表示内容を制御する(例えば、装飾図柄610)を制御する制御手段としての副制御基板940が、当該複数の装飾図柄610を装飾図柄表示装置479に表示する制御として、当該複数の装飾図柄610を第1の表示態様で表示する第1表示制御と、当該第1表示制御に対して、共通部(台座部611)の表示態様を変化させずに相違部(第1識別情報部612)の少なくとも一部における表示態様を、例えば当該表示対象の色数や透過率の点において簡易化した第2の表示態様にて当該複数の装飾図柄610を表示する第2表示制御とを少なくとも行う構成にされる。
よって、複数の装飾図柄610における各相違部(すなわち、第1識別情報部612)の表示態様を、第1の表示態様と第2の表示態様とで異ならせることができる。これにより、複数の装飾図柄610において各装飾図柄610を特徴づけることができる各相違部を遊技者に印象づけ易くすることができるので、装飾図柄610などの識別情報の変動表示を行う装飾図柄表示装置479での表示内容によって遊技の興趣を向上させることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られることはなく、例えば、以下に記載するように変形して実施してもよい。この場合に、以下に記載する各構成を上記実施形態に対して適用してもよく、以下に記載する複数の構成を組み合わせて上記実施形態に対して適用してもよい。
(1)上記実施形態のパチンコ機100の変形例
上記実施形態においては、装飾図柄610の変動表示を開始する前に、各装飾図柄610のうち第1識別情報部612が色数および透過率の点において簡易化される(具体的に、半透明かつ色数の少ない態様に変化される)構成としたが、色数の減少のみによって第1識別情報部612を簡易化させる構成であってもよいし、透過率を高くすることのみによって第1識別情報部612を簡易化させる構成であってもよい。また、少なくとも一部の形状を単純化することによって第1識別情報部612を簡易化させる構成であってもよい。
上記実施形態においては、装飾図柄610の変動表示を開始する前に、各装飾図柄610のうち第1識別情報部612が色数および透過率の点において簡易化される(具体的に、半透明かつ色数の少ない態様に変化される)構成としたが、色数の減少のみによって第1識別情報部612を簡易化させる構成であってもよいし、透過率を高くすることのみによって第1識別情報部612を簡易化させる構成であってもよい。また、少なくとも一部の形状を単純化することによって第1識別情報部612を簡易化させる構成であってもよい。
上記実施形態においては、装飾図柄610の変動表示を開始する前に、各装飾図柄610のうち第1識別情報部612が色数および透過率の点において簡易化され、台座部611および第2識別情報部613の表示態様が変化しない構成としたが、台座部611および第2識別情報部613も第1識別情報部612と同様に簡易化の対象とし、装飾図柄610の変動表示を開始する前に、台座部611と第1識別情報部612と第2識別情報部613とから構成される装飾図柄610における少なくとも一部を、第1識別情報部612と同様に簡易化させる構成としてもよい。
上記実施形態においては、装飾図柄610の変動表示を開始する前に、各装飾図柄610のうち、装飾図柄610の種類に応じて表示内容が異なる相違部である第1識別情報部612が、色数および透過率の点において簡易化され、装飾図柄610の種類にかかわらず表示内容が共通する共通部である台座部611の表示態様が変化しない構成としたが、装飾図柄610の変動表示を開始する前に、前記相違部の表示態様は変化させずに、前記共通部の少なくとも一部を簡易化させる構成としてもよい。
上記実施形態においては、装飾図柄610が、装飾図柄610の種類にかかわらず表示内容が共通する共通部である台座部611と、装飾図柄610の種類に応じて表示内容が異なる相違部である第1識別情報部612および第2識別情報部613とを有する構成としたが、装飾図柄610が、前記相違部を有する一方で、前記共通部を有さない構成であってもよい。
上記実施形態においては、装飾図柄610の変動表示を開始する前に、各装飾図柄610のうち第1識別情報部612を、変動表示における装飾図柄610の移動方向(上から下方向)とは逆の方向側である下から上方向に移動させる構成としたが、装飾図柄610の変動表示を開始する前に、変動表示における装飾図柄610の移動方向とは逆の方向側に移動させる対象としては、第1識別情報部612のように装飾図柄610の一部である必要は必ずしもなく、装飾図柄610全体であってもよく、装飾図柄610に含まれる構成要素であって識別情報ではない要素(例えば、装飾図柄に含まれる単なる装飾的な要素)であってもよく、装飾図柄610のように変動表示される識別情報ではなく単なる装飾的に装飾図柄表示装置479に表示される表示体であってもよい。
上記実施形態においては、装飾図柄610の変動表示を開始する前に、各装飾図柄610のうち装飾図柄610の種類に応じて表示内容が異なる相違部である第1識別情報部612(魚介類のキャラクタ)が色数および透過率の点において簡易化される構成としたが、第1識別情報部612と同様の相違部である第2識別情報部613を装飾図柄610の変動表示を開始する前に簡易化させる構成であってもよい。
上記実施形態においては、装飾図柄610の変動表示を停止する前に、各装飾図柄610のうち第1識別情報部612が色数および透過率の点において複雑化される(具体的に、不透明かつ多色の態様に変化される)構成としたが、色数の増加のみによって第1識別情報部612を複雑化させる構成であってもよいし、透過率を低くすることのみによって第1識別情報部612を複雑化させる構成であってもよい。また、少なくとも一部の形状を複雑化することによって第1識別情報部612を複雑化させる構成であってもよい。
上記実施形態においては、装飾図柄610の変動表示を停止する前に、第2の表示態様であった装飾図柄610が複雑化されて変動開始前の表示態様(すなわち、第1の表示態様)に戻される構成したが、装飾図柄610の変動表示を停止する前に、第2の表示態様であった装飾図柄610の複雑化によって、装飾図柄610の表示態様が第1の表示態様よりさらに複雑化された表示態様に移行する構成であってもよい。
上記実施形態においては、低速変動する装飾図柄610における第1識別情報部612が複雑化された後、当該第1識別情報部612が下から上方向へ移動して着座姿勢からジャンプ姿勢に切り替わる構成としたが、低速変動する装飾図柄610における第1識別情報部612が複雑化された後における当該第1識別情報部612の移動方向は、下から上方向である必要は必ずしもなく、例えば、遊技者側である前方側への移動であってもよい。
上記実施形態においては、装飾図柄610が上から下方向への変動表示を開始する前に、装飾図柄610が変動方向とは逆の方向に変化する事象として、第1識別情報部612の移動と、装飾図柄610の第1の表示態様から第2の表示態様への変化とを例示したが、装飾図柄610の変動表示の開始前に当該装飾図柄610が変動方向とは逆の方向に変化する事象は、第1識別情報部612の移動だけであってもよく、装飾図柄610の第1の表示態様から第2の表示態様への変化だけであってもよい。つまり、装飾図柄610の変動方向の示唆は、第1識別情報部612の移動だけで行われる構成であってもよく、装飾図柄610の第1の表示態様から第2の表示態様への変化だけで行われる構成であってもよい。
上記実施形態においては、装飾図柄610が停止表示する前と完全に停止する前とにそれぞれ、当該装飾図柄610が変動方向とは逆の方向に変化する事象(例えば、装飾図柄610の第2の表示態様から第1の表示態様への変化や、第1識別情報部612の移動)が行われる構成としたが、装飾図柄610の移動が停止する前に当該事象が行われる構成であればよい。装飾図柄610の移動が停止する前に装飾図柄610が変動方向とは逆の方向に変化する事象は、第1識別情報部612の移動だけであってもよく、装飾図柄610の第1の表示態様から第2の表示態様への変化だけであってもよい。
(2)本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当りすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当り状態が発生するまで、大当り期待値が高められるようなパチンコ機として実施してもよい。また、大当り図柄が表示された後に、所定の領域に球が入賞することを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が循環する封入式のパチンコ機に実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。また、パチンコ機に限定されることはなく、スロットマシンに適用してもよく、パチンコ機とスロットマシンとを融合した形式のパロット等の遊技機に適用してもよい。
<上記実施形態から抽出される発明>
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて課題及び効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用してもよい。
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて課題及び効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用してもよい。
<特徴10>
識別情報(装飾図柄610)の変動表示を行う表示手段(例えば、装飾図柄表示装置479)と、該表示手段によって表示される表示内容を制御する制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、前記表示手段によって所定の表示結果(例えば、大当りに対応する装飾図柄の組み合わせ)が表示された場合に遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、特別遊技状態)へ遷移可能に構成された遊技機において、
前記制御手段は、
所定の表示対象(例えば、装飾図柄610における第1識別情報部612)を前記表示手段に表示する制御として、
所定の方向側へ移動する移動表示制御と、
該移動表示制御の前に、前記所定の方向側とは逆の方向側へ移動し、
当該逆の方向側への移動後に、前記所定の方向側への移動を開始する移動準備制御とを少なくとも行うものであり、
該移動準備制御において、前記所定の表示対象の少なくとも一部における表示態様を簡易化する表示制御を行うことを特徴とする遊技機。
識別情報(装飾図柄610)の変動表示を行う表示手段(例えば、装飾図柄表示装置479)と、該表示手段によって表示される表示内容を制御する制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、前記表示手段によって所定の表示結果(例えば、大当りに対応する装飾図柄の組み合わせ)が表示された場合に遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、特別遊技状態)へ遷移可能に構成された遊技機において、
前記制御手段は、
所定の表示対象(例えば、装飾図柄610における第1識別情報部612)を前記表示手段に表示する制御として、
所定の方向側へ移動する移動表示制御と、
該移動表示制御の前に、前記所定の方向側とは逆の方向側へ移動し、
当該逆の方向側への移動後に、前記所定の方向側への移動を開始する移動準備制御とを少なくとも行うものであり、
該移動準備制御において、前記所定の表示対象の少なくとも一部における表示態様を簡易化する表示制御を行うことを特徴とする遊技機。
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、通常遊技として始動口へ遊技球が入球した場合に抽選が行われ、当該抽選によって大当りに当選した場合に特別遊技状態となって遊技球が大入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている(例えば、特開2016-189873号公報参照)。かかるパチンコ機は、図柄などの識別情報の変動表示を行うとともに、上記抽選結果に応じた表示結果を表示する表示手段を備えている。
しかしながら、図柄などの識別情報の変動表示を行う表示手段での表示内容によって遊技の興趣を向上させる構成について未だ改良の余地がある可能性があった。
これに対し、特徴10に記載の遊技機によれば、上記構成を備えているので、図柄などの識別情報の変動表示を行う表示手段での表示内容によって遊技の興趣を好適に向上可能な遊技機を提供することができる。すなわち、表示手段によって表示される表示内容を制御する制御手段が、所定の表示対象を表示手段に表示する制御として、当該表示対象を所定の方向側へ移動させる移動表示制御と、当該移動表示制御の前に、当該表示対象を所定の方向側とは逆の方向側へ移動させ、当該逆の方向側への移動後に所定の方向側への移動を開始させる移動準備制御とを少なくとも行う構成にされるとともに、当該制御手段が、前記移動準備制御において、所定の表示対象の少なくとも一部における表示態様を簡易化する表示制御を行う構成にされる。
よって、所定の表示対象は、移動表示制御によって所定の方向側への移動される前に、移動準備制御によって当該所定の方向側とは逆の方向側へ一旦移動される。よって、所定の表示対象が所定の方向側へ移動される前に、当該所定の表示対象の移動方向(すなわち、所定の方向側)を、当該移動が行われる前の準備段階として行われる移動準備制御による所定の表示対象の移動方向(すなわち、所定の方向側とは逆の方向側)によって示唆することができる。
また、所定の表示対象は、移動表示制御によって所定の方向側へ移動される前に、当該表示対象の少なくとも一部における表示態様が、当該所定の表示対象の移動準備制御において(つまり、所定の方向側へ移動される前に)簡易化されるので、当該簡易化の発生によって、その後に所定の表示対象が所定の方向側へ移動することを遊技者に示唆することができる。これにより、当該簡易化を、所定の表示対象の所定の方向側への移動の準備段階であると遊技者に認識させることができるので、遊技者が当該簡易化を認識した場合に所定の方向側への当該所定の表示対象の移動の開始を当該遊技者に期待させることができる。
このように、所定の表示対象が所定の方向側へ移動される前に、当該所定の表示対象が所定の方向側とは逆の方向側へ移動するとともに、当該所定の表示対象の少なくとも一部における表示態様が簡易化されるので、所定の表示対象の所定の方向側への移動の開始を遊技者に印象づけ易くすることができる。これにより、図柄などの識別情報の変動表示を行う表示手段での表示内容によって遊技の興趣を向上させることができる。
なお、特徴10において、表示対象(または図柄)の少なくとも一部における表示態様を「簡易化」する場合としては、例えば、当該一部に用いられる色数を少なくする場合が例示され、また、当該一部の透過率を高めて背景が透ける部分を多くして透明化する場合が例示され、また、当該一部の形状を単純化する場合が例示される。
また、特徴10における「所定の表示対象」は、識別情報を含む図柄であってもよく、図柄に含まれる識別情報であってもよく、図柄に含まれる識別情報とは異なる表示体であってもよく、図柄とは異なる表示体であって当該図柄とともに変動表示される表示体であってもよい。
<特徴20>
識別情報(装飾図柄610)の変動表示を行う表示手段(例えば、装飾図柄表示装置479)と、該表示手段によって表示される表示内容を制御する制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、前記表示手段によって所定の表示結果(例えば、大当りに対応する装飾図柄の組み合わせ)が表示された場合に遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、特別遊技状態)へ遷移可能に構成された遊技機において、
前記制御手段は、
所定の表示対象(例えば、装飾図柄610における第1識別情報部612)を前記表示手段に表示する制御として、
前記所定の表示対象を、第1の表示態様で所定の方向側へ移動表示する第1表示制御と、
該第1表示制御に対して、前記所定の表示対象の少なくとも一部における表示態様を簡易化した第2の表示態様にて、前記第1表示制御における移動より高速で移動表示する第2表示制御とを少なくとも行うことを特徴とする遊技機。
識別情報(装飾図柄610)の変動表示を行う表示手段(例えば、装飾図柄表示装置479)と、該表示手段によって表示される表示内容を制御する制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、前記表示手段によって所定の表示結果(例えば、大当りに対応する装飾図柄の組み合わせ)が表示された場合に遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、特別遊技状態)へ遷移可能に構成された遊技機において、
前記制御手段は、
所定の表示対象(例えば、装飾図柄610における第1識別情報部612)を前記表示手段に表示する制御として、
前記所定の表示対象を、第1の表示態様で所定の方向側へ移動表示する第1表示制御と、
該第1表示制御に対して、前記所定の表示対象の少なくとも一部における表示態様を簡易化した第2の表示態様にて、前記第1表示制御における移動より高速で移動表示する第2表示制御とを少なくとも行うことを特徴とする遊技機。
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、通常遊技として始動口へ遊技球が入球した場合に抽選が行われ、当該抽選によって大当りに当選した場合に特別遊技状態となって遊技球が大入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている(例えば、特開2016-189873号公報参照)。かかるパチンコ機は、図柄などの識別情報の変動表示を行うとともに、上記抽選結果に応じた表示結果を表示する表示手段を備えている。
しかしながら、図柄などの識別情報の変動表示を行う表示手段での表示内容によって遊技の興趣を向上させる構成について未だ改良の余地がある可能性があった。
これに対し、特徴20に記載の遊技機によれば、上記構成を備えているので、図柄などの識別情報の変動表示を行う表示手段での表示内容によって遊技の興趣を好適に向上可能な遊技機を提供することができる。すなわち、表示手段によって表示される表示内容を制御する制御手段が、所定の表示対象を表示手段に表示する制御として、当該所定の表示対象を第1の表示態様で所定の方向側へ移動表示させる第1表示制御と、当該第1表示制御に対して、前記所定の表示対象の少なくとも一部における表示態様を簡易化した第2の表示態様にて、第1表示制御における移動より高速で移動表示させる第2表示制御とを少なくとも行う構成にされる。
よって、所定の方向側へ移動表示される所定の表示対象は、当該所定の表示対象が第1の表示態様で移動表示される場合より高速で移動表示される場合において、その少なくとも一部における表示態様が簡易化された第2の表示態様で表示される。これにより、所定の表示対象の所定の方向側への移動表示の速度変化を、当該所定の表示対象の表示態様の違いによって強調させる(メリハリをつける)ことができるので、図柄などの識別情報の変動表示を行う表示手段での表示内容によって遊技の興趣を向上させることができる。
また、所定の表示対象は、より高速な移動表示において、その少なくとも一部における表示態様が簡易化された第2の表示態様で表示されるので、簡易化によって情報量が少なくなった分、当該高速な移動表示においても所定の表示対象の識別を可能とする。また、より高速な移動表示において所定の表示対象の少なくとも一部における表示態様が簡易化されるので、当該高速な移動表示を行う際の表示制御の負荷を低減させることができる。
なお、特徴20において、表示対象(または図柄)の少なくとも一部における表示態様を「簡易化」する場合としては、例えば、当該一部に用いられる色数を少なくする場合が例示され、また、当該一部の透過率を高めて背景が透ける部分を多くして透明化する場合が例示され、また、当該一部の形状を単純化する場合が例示される。
また、特徴20における「所定の表示対象」は、識別情報を含む図柄であってもよく、図柄に含まれる識別情報であってもよく、図柄に含まれる識別情報とは異なる表示体であってもよく、図柄とは異なる表示体であって当該図柄とともに変動表示される表示体であってもよい。
<特徴30>
識別情報(装飾図柄610)の変動表示を行う表示手段(例えば、装飾図柄表示装置479)と、該表示手段によって表示される表示内容を制御する制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、前記表示手段によって所定の表示結果(例えば、大当りに対応する装飾図柄の組み合わせ)が表示された場合に遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、特別遊技状態)へ遷移可能に構成された遊技機において、
前記制御手段は、
所定の表示対象(例えば、装飾図柄610における第1識別情報部612)を前記表示手段に表示する制御として、
所定の方向側へ移動する移動表示制御と、
該移動表示制御の後に、前記所定の方向側とは別の方向側(逆側、又は、遊技者側)へ移動し、
当該別の方向側への移動後に、前記所定の方向側への移動を停止する移動停止制御とを少なくとも行うものであり、
該移動停止制御において、前記所定の表示対象の少なくとも一部における表示態様を複雑化する表示制御を行うことを特徴とする遊技機。
識別情報(装飾図柄610)の変動表示を行う表示手段(例えば、装飾図柄表示装置479)と、該表示手段によって表示される表示内容を制御する制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、前記表示手段によって所定の表示結果(例えば、大当りに対応する装飾図柄の組み合わせ)が表示された場合に遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、特別遊技状態)へ遷移可能に構成された遊技機において、
前記制御手段は、
所定の表示対象(例えば、装飾図柄610における第1識別情報部612)を前記表示手段に表示する制御として、
所定の方向側へ移動する移動表示制御と、
該移動表示制御の後に、前記所定の方向側とは別の方向側(逆側、又は、遊技者側)へ移動し、
当該別の方向側への移動後に、前記所定の方向側への移動を停止する移動停止制御とを少なくとも行うものであり、
該移動停止制御において、前記所定の表示対象の少なくとも一部における表示態様を複雑化する表示制御を行うことを特徴とする遊技機。
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、通常遊技として始動口へ遊技球が入球した場合に抽選が行われ、当該抽選によって大当りに当選した場合に特別遊技状態となって遊技球が大入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている(例えば、特開2016-189873号公報参照)。かかるパチンコ機は、図柄などの識別情報の変動表示を行うとともに、上記抽選結果に応じた表示結果を表示する表示手段を備えている。
しかしながら、図柄などの識別情報の変動表示を行う表示手段での表示内容によって遊技の興趣を向上させる構成について未だ改良の余地がある可能性があった。
これに対し、特徴30に記載の遊技機によれば、上記構成を備えているので、図柄などの識別情報の変動表示を行う表示手段での表示内容によって遊技の興趣を好適に向上可能な遊技機を提供することができる。すなわち、表示手段によって表示される表示内容を制御する制御手段が、所定の表示対象を表示手段に表示する制御として、当該表示対象を所定の方向側へ移動させる移動表示制御と、当該移動表示制御の後に、当該表示対象を前記所定の方向側とは別の方向側へ移動させ、当該別の方向側への移動後に所定の方向側への移動を停止する移動停止制御とを少なくとも行う構成にされるとともに、当該制御手段が、前記移動停止制御において、所定の表示対象の少なくとも一部における表示態様を複雑化する表示制御を行う構成にされる。
よって、所定の表示対象は、所定の方向側の移動後であって当該移動が停止される前に、当該所定の方向側とは別の方向側へ一旦移動される。よって、その移動方向によって、所定の変動方向に移動していた所定の表示対象の移動が停止することを遊技者に示唆することができる。
また、所定の表示対象は、所定の方向側の移動後であって当該移動が停止される前に、所定の表示対象の少なくとも一部における表示態様が、当該所定の表示対象の移動停止制御において(つまり、所定の方向側の移動を停止する前に)複雑化されるので、当該複雑化の発生によって、その後に所定の表示対象の移動が停止することを遊技者に示唆することができる。
このように、所定の方向側への所定の表示対象の移動が停止される前に、当該所定の表示対象が所定の方向側とは逆の方向側へ移動するとともに、当該所定の表示対象の少なくとも一部における表示態様が複雑化されるので、当該所定の表示対象の所定の方向側への移動が停止されることを遊技者に印象づけ易くすることができる。これにより、図柄などの識別情報の変動表示を行う表示手段での表示内容によって遊技の興趣を向上させることができる。
なお、特徴30において、表示対象(または図柄)の少なくとも一部における表示態様を「複雑化」する場合としては、例えば、当該一部に用いられる色数を多くする場合が例示され、また、当該一部の透過率を低くして背景が透ける部分を少なくして不透明化する場合が例示され、また、当該一部の形状を複雑化する場合が例示される。
また、特徴30における「所定の表示対象」は、識別情報を含む図柄であってもよく、図柄に含まれる識別情報であってもよく、図柄に含まれる識別情報とは異なる表示体であってもよく、図柄とは異なる表示体であって当該図柄とともに変動表示される表示体であってもよい。
<特徴40>
複数の図柄(装飾図柄610)を用いた変動表示を行う表示手段(例えば、装飾図柄表示装置479)と、該表示手段によって表示される表示内容を制御する制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、前記表示手段によって所定の表示結果(例えば、大当りに対応する装飾図柄の組み合わせ)が表示された場合に遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、特別遊技状態)へ遷移可能に構成された遊技機において、
前記複数の図柄には、表示内容が共通する共通部(台座部611)と、表示内容が異なる相違部(第1識別情報部612)とが設けられ、
前記制御手段は、
前記複数の図柄を前記表示手段に表示する制御として、
前記複数の図柄を、第1の表示態様で表示する第1表示制御と、
該第1表示制御に対して、前記共通部の表示態様を変化させずに、前記複数の図柄の相違部の少なくとも一部における表示態様を簡易化した第2の表示態様にて、前記複数の図柄を表示する第2表示制御とを少なくとも行うことを特徴とする遊技機。
複数の図柄(装飾図柄610)を用いた変動表示を行う表示手段(例えば、装飾図柄表示装置479)と、該表示手段によって表示される表示内容を制御する制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、前記表示手段によって所定の表示結果(例えば、大当りに対応する装飾図柄の組み合わせ)が表示された場合に遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、特別遊技状態)へ遷移可能に構成された遊技機において、
前記複数の図柄には、表示内容が共通する共通部(台座部611)と、表示内容が異なる相違部(第1識別情報部612)とが設けられ、
前記制御手段は、
前記複数の図柄を前記表示手段に表示する制御として、
前記複数の図柄を、第1の表示態様で表示する第1表示制御と、
該第1表示制御に対して、前記共通部の表示態様を変化させずに、前記複数の図柄の相違部の少なくとも一部における表示態様を簡易化した第2の表示態様にて、前記複数の図柄を表示する第2表示制御とを少なくとも行うことを特徴とする遊技機。
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、通常遊技として始動口へ遊技球が入球した場合に抽選が行われ、当該抽選によって大当りに当選した場合に特別遊技状態となって遊技球が大入賞口へ多数入賞可能となる構成が知られている(例えば、特開2016-189873号公報参照)。かかるパチンコ機は、図柄などの識別情報の変動表示を行うとともに、上記抽選結果に応じた表示結果を表示する表示手段を備えている。
しかしながら、図柄などの識別情報の変動表示を行う表示手段での表示内容によって遊技の興趣を向上させる構成について未だ改良の余地がある可能性があった。
これに対し、特徴40に記載の遊技機によれば、上記構成を備えているので、図柄などの識別情報の変動表示を行う表示手段での表示内容によって遊技の興趣を好適に向上可能な遊技機を提供することができる。すなわち、表示内容が共通する共通部と表示内容が異なる相違部とが各々設けられた複数の図柄を用いた変動表示を行う表示手段によって表示される表示内容を制御する制御手段が、当該複数の図柄を表示手段に表示する制御として、当該複数の図柄を第1の表示態様で表示する第1表示制御と、当該第1表示制御に対して、共通部の表示態様を変化させずに複数の図柄の相違部の少なくとも一部における表示態様を簡易化した第2の表示態様にて当該複数の図柄を表示する第2表示制御とを少なくとも行う構成にされる。
よって、複数の図柄における各相違部の表示態様を、第1の表示態様と第2の表示態様とで異ならせることができる。これにより、複数の図柄において各図柄を特徴づけることができる各相違部を遊技者に印象づけ易くすることができるので、図柄などの識別情報の変動表示を行う表示手段での表示内容によって遊技の興趣を向上させることができる。
なお、特徴40において、図柄(より詳細には、各図柄における相違部)の少なくとも一部における表示態様を「簡易化」する場合としては、例えば、当該一部に用いられる色数を少なくする場合が例示され、また、当該一部の透過率を高めて背景が透ける部分を多くして透明化する場合が例示され、また、当該一部の形状を単純化する場合が例示される。
なお、特徴10~40に記載の少なくとも1つの特徴を他のいずれか又は複数の特徴に組み合わせて適用してもよい。以下には、上記した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ機:遊技者が操作する発射操作手段と、その発射操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く通路部と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
以上のように、この発明は、弾球遊技機等の遊技機に適している。
100…遊技機、479…装飾図柄表示装置、610…装飾図柄、611…台座部、612…第1識別情報部、940…副制御基板940
Claims (2)
- 識別情報の変動表示を行う表示手段と、該表示手段によって表示される表示内容を制御する制御手段とを備え、前記表示手段によって所定の表示結果が表示された場合に遊技者にとって有利な遊技状態へ遷移可能に構成された遊技機において、
前記制御手段は、
所定の表示対象を前記表示手段に表示する制御として、
所定の方向側へ移動する移動表示制御と、
該移動表示制御の後に、前記所定の方向側とは別の方向側へ移動し、
当該別の方向側への移動後に、前記所定の方向側への移動を停止する移動停止制御とを少なくとも行うものであり、
該移動停止制御において、前記所定の表示対象の少なくとも一部における表示態様を複雑化する表示制御を行うことを特徴とする遊技機。 - 前記遊技機は、パチンコ機であることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
Priority Applications (1)
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JP2021040891A JP2022140863A (ja) | 2021-03-15 | 2021-03-15 | 遊技機 |
Applications Claiming Priority (1)
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ID=83402757
Family Applications (1)
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JP2021040891A Pending JP2022140863A (ja) | 2021-03-15 | 2021-03-15 | 遊技機 |
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Country | Link |
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2021
- 2021-03-15 JP JP2021040891A patent/JP2022140863A/ja active Pending
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