JP2022140324A - 車両制御装置及び車両制御プログラム - Google Patents

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Yoshikazu Hattori
真輝 天野
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徳祥 鈴木
Noriyoshi Suzuki
達哉 服部
Tatsuya Hattori
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Abstract

【課題】積載物の積載状態に応じて適切に転倒防止制御を行う。【解決手段】重心慣性値算出部33は、積載状態に基づいて、積載物を含む車両の重心周りの慣性主軸を含む慣性値を算出する。制御部56は、取得された各輪についての輪荷重と、慣性値と、運動状態の検出値とを用い、車両の前後輪の輪荷重の差分の増大を抑制する転倒防止制御を行う。【選択図】図3

Description

本発明は、車両制御装置及び車両制御プログラムに係り、特に、積載物を積載可能な車両の転倒防止制御を行う車両制御装置及び車両制御プログラムに関する。
従来より、特許文献1には、フォークリフトの積載状態に応じた重心の前後位置関係に基づき、設定される制御係数と、ピッチ角加速度との積によるトルク制御量をモータトルク指令値と合成し、最終的なモータトルク指令値とする技術が開示されている。
特許文献2には、車両の横転防止のため、加減速制御を受けない一定走行時の車両の2輪モデルを規範旋回モデルとして、各輪に分配すべき制動力を算出する技術が開示されている。
特許第6282108号公報 特許第4747722号公報
上記特許文献1では、積載物の積載位置は、フォークに対して必ずしも左右輪軸の中心とは限らず、積載物の重心は車両中心軸からずれる場合がある。その結果、ロール、ヨー挙動がピッチ挙動に影響する場合があり、従来技術のように車両の前後方向の重心移動のみの考慮では、緻密な制御が実現できない問題がある。
上記特許文献2では、車両が横転するほどの大きな荷重移動を生じた状態で減速した場合、車両はタイヤ横力特性の変化が大きく、車速低下を生じているため、車速一定、線形タイヤコーナリングパワーで表現されたタイヤ特性を持つ規範モデルと車両運動には大きな乖離がある。その結果、制御系導出の際に用いているモデルと車両との出力誤差は表現することができず、制御系設計を行っても十分な制御性が得られない可能性があった。
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたもので、積載物の積載状態に応じて適切に転倒防止制御を行うことができる車両制御装置及び車両制御プログラムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために第1の発明に係る車両制御装置は、積載物を積載可能な車両の回転運動及び前後加速度を含む運動状態を検出する運動状態検出部と、前記車両の各輪についての輪荷重を取得する輪荷重取得部と、前記車両に積載された前記積載物の積載状態を取得する積載取得部と、前記取得された前記積載状態に基づいて、前記積載物を含む車両の重心周りの慣性主軸を含む慣性値を算出する慣性値算出部と、前記取得された各輪についての輪荷重と、前記慣性値と、前記運動状態の検出値とを用い、前記車両の前後輪の輪荷重の差分の増大を抑制する転倒防止制御を行う制御部と、を含んで構成されている。
また、第2の発明に係る車両制御プログラムは、コンピュータを、積載物を積載可能な車両の回転運動及び前後加速度を含む運動状態を検出する運動状態検出部、前記車両の各輪についての輪荷重を取得する輪荷重取得部、前記車両に積載された前記積載物の積載状態を取得する積載取得部、前記取得された前記積載状態に基づいて、前記積載物を含む車両の重心周りの慣性主軸を含む慣性値を算出する慣性値算出部、及び前記取得された各輪についての輪荷重と、前記慣性値と、前記運動状態の検出値とを用い、前記車両の前後輪の輪荷重の差分の増大を抑制する転倒防止制御を行う制御部として機能させるための車両制御プログラムである。
第1の発明及び第2の発明によれば、運動状態検出部によって、積載物を積載可能な車両の回転運動及び前後加速度を含む運動状態を検出する。輪荷重取得部によって、前記車両の各輪についての輪荷重を取得する。積載取得部によって、前記車両に積載された前記積載物の積載状態を取得する。
そして、慣性値算出部によって、前記取得された前記積載状態に基づいて、前記積載物を含む車両の重心周りの慣性主軸を含む慣性値を算出する。制御部によって、前記取得された各輪についての輪荷重と、前記慣性値と、前記運動状態の検出値とを用い、前記車両の前後輪の輪荷重の差分の増大を抑制する転倒防止制御を行う。
このように、取得された各輪についての輪荷重と、積載物を含む車両の重心周りの慣性主軸を含む慣性値と、前記運動状態の検出値とを用い、前記車両の前後輪の輪荷重の差分の増大を抑制する転倒防止制御を行うことにより、積載物の積載状態に応じて適切に転倒防止制御を行うことができる。
第3の発明に係る車両制御装置は、積載物を積載可能な車両の回転運動及び横加速度を含む運動状態を検出する運動状態検出部と、前記車両の各輪についての輪荷重を取得する輪荷重取得部と、前記車両に積載された前記積載物の積載状態を取得する積載取得部と、前記取得された前記積載状態に基づいて、前記積載物を含む車両の重心周りの慣性主軸を含む慣性値を算出する慣性値算出部と、前記取得された各輪についての輪荷重と、前記慣性値と、前記運動状態の検出値とを用い、前記車両の左右輪の輪荷重の差分の増大を抑制する転倒防止制御を行う制御部と、を含んで構成されている。
また、第4の発明に係る車両制御プログラムは、コンピュータを、積載物を積載可能な車両の回転運動及び横加速度を含む運動状態を検出する運動状態検出部、前記車両の各輪についての輪荷重を取得する輪荷重取得部、前記車両に積載された前記積載物の積載状態を取得する積載取得部、前記取得された前記積載状態に基づいて、前記積載物を含む車両の重心周りの慣性主軸を含む慣性値を算出する慣性値算出部、及び前記取得された各輪についての輪荷重と、前記慣性値と、前記運動状態の検出値とを用い、前記車両の左右輪の輪荷重の差分の増大を抑制する転倒防止制御を行う制御部として機能させるための車両制御プログラムである。
第3の発明及び第4の発明によれば、運動状態検出部によって、積載物を積載可能な車両の回転運動及び横加速度を含む運動状態を検出する。輪荷重取得部によって、前記車両の各輪についての輪荷重を取得する。積載取得部によって、前記車両に積載された前記積載物の積載状態を取得する。
そして、慣性値算出部によって、前記取得された前記積載状態に基づいて、前記積載物を含む車両の重心周りの慣性主軸を含む慣性値を算出する。制御部によって、前記取得された各輪についての輪荷重と、前記慣性値と、前記運動状態の検出値とを用い、前記車両の左右輪の輪荷重の差分の増大を抑制する転倒防止制御を行う。
このように、取得された各輪についての輪荷重と、積載物を含む車両の重心周りの慣性主軸を含む慣性値と、前記運動状態の検出値とを用い、前記車両の左右輪の輪荷重の差分の増大を抑制する転倒防止制御を行うことにより、積載物の積載状態に応じて適切に転倒防止制御を行うことができる。
以上説明したように、本発明の車両制御装置及び車両制御プログラムによれば、積載物の積載状態に応じて適切に転倒防止制御を行うことができる、という効果が得られる。
本発明の第1の実施の形態に係るフォークリフトの構成を示す側面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る車両制御装置の構成を示す概略図である。 本発明の第1の実施の形態に係る車両制御装置の制駆動力制御部の構成を示すブロック図である。 (A)積載荷重と輪荷重との関係を示すグラフ、(B)リフト高さと輪荷重との関係を示すグラフ、及び(C)積載位置と輪荷重との関係を示すグラフである。 (A)積載物の積載位置が中央である場合の上面図、及び(B)積載物の積載位置が左寄りである場合の上面図である。 6自由度モデルを説明するための図である。 (A)ロールモーメントに関わる作用力を説明するためのフォークリフトの正面図、及び(B)ピッチモーメントに関わる作用力を説明するためのフォークリフトの側面図である。 ヨーモーメントに関わる作用力を説明するためのフォークリフトの上面図である。 各構成要素の重心、及び車両全体の重心を説明するための図である。 制駆動力算出部による処理を説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態に係る車両制御装置における転倒防止制御処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る車両制御装置における転倒防止制御を用いた場合の実験結果を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係る車両制御装置の制駆動力制御部の構成を示すブロック図である。 制駆動力算出部による処理を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態に係る車両制御装置における転倒防止制御処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係る車両制御装置の制駆動力制御部の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態に係る車両制御装置における転倒防止制御処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係る車両制御装置における転倒防止制御を用いた場合の実験結果を示すグラフである。 本発明の実施の形態の変形例に係る車両制御装置の構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態では、フォークリフトに搭載され、かつ、転倒防止制御を行う車両制御装置に本発明を適用した場合を例に説明する。
[第1の実施の形態]
<車両制御装置の構成>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る車両制御装置を備えた車両としてフォークリフトを示す側面図である。図1において、本実施の形態に係るフォークリフト1は、カウンター式のフォークリフトである。フォークリフト1は、走行装置2と、この走行装置2の前側に配置され、積載物の揚げ降ろしを行う荷役装置3とを具備している。
走行装置2は、車体4と、この車体4の前部に配置された1対の駆動輪である前輪5と、車体4の後部に配置された1対の操舵輪である後輪6と、前輪5を回転させる走行モータ(図示省略)とを有している。
荷役装置3は、車体4の前端部に連結されている。荷役装置3は、車体4の前端部に立設されたマスト11と、このマスト11にリフトブラケット12を介して取り付けられ、積載物が積載される1対のフォーク13と、このフォーク13を昇降させるリフトシリンダ14と、マスト11を傾動させるティルトシリンダ15とを有している。フォークリフト1は、図1(A)、(B)に示すように、重量の異なる積載物を、様々なリフト高さで持ち上げることができる。また、フォークリフト1は、重量の異なる積載物を、フォーク13の前後方向の異なる位置で持ち上げることができる。
図2は、本発明の実施形態に係る車両制御装置の構成を示すブロック図である。図2において、車両制御装置10は、フォークリフト1に搭載されている。車両制御装置10は、操作検出部20と、運動状態検出部22と、圧力センサ23と、コンピュータ24と、制駆動力発生部26とを備えている。
コンピュータ24は、CPUと、RAMと、後述する転倒防止制御処理ルーチンを実行するためのプログラムや各種データを記憶したROMと、を含むコンピュータで構成することが出来る。コンピュータ24は、機能的には図2に示すように、操作制駆動力取得部30、輪荷重取得部32、重心慣性値算出部33、及び制駆動力制御部34を備えている。
操作検出部20は、ドライバの操舵、アクセル、ブレーキ(含回生)の各操作量を検出する。
運動状態検出部22は、IMU(Inertial Measurement Unit)を用いて、車両の運動状態として、少なくともロール角速度P、ピッチ角速度Q、ヨー角速度R、及び前後加速度Gを検出する。
圧力センサ23は、積載物が積載されるフォーク13の積載面全面に設けられる、例えばシート状のセンサであり、積載面の各位置にかかった圧力を検出し、検出値を出力する。
操作制駆動力取得部30は、ドライバ操作に基づく前記車両の駆動輪の制動力及び駆動力の制御量FDRV(i)を取得する。具体的には、ドライバの操舵、アクセル、ブレーキ(含回生)の各操作量に基づき決定される左右輪の制動力又は駆動力の制御量FDRV(i)を取得する。ただし、添え字iは、各輪(前右輪、前左輪、後右輪、後左輪)の識別子である。
輪荷重取得部32は、フォークリフト1の各輪についての輪荷重を検出する。輪荷重の検出方法は、運動状態検出部22の検出値と、重心位置、車両質量、慣性等の車両諸元とに基づいて推定する方法、あるいはロードセルを用いた計測する方法等である。
重心慣性値算出部33は、フォークリフト1に積載された積載物の積載状態を取得し、取得された積載状態に基づいて、積載物を含む車両の重心周りの慣性主軸を含む慣性値を算出する。
具体的には、重心慣性値算出部33は、圧力センサ23から出力された検出値を受け取り、圧力を示す検出値を重量に換算することにより、フォーク13に積載された積載物の重量Mαを取得する。重心慣性値算出部33は、圧力センサ23から出力された検出値を受け取り、フォーク13の積載面上で最も大きい検出値が検出されている位置を、フォーク13に積載された積載物の位置として取得する。重心慣性値算出部33は、リフトシリンダ14に設けられたエンコーダから出力された検出値を受け取り、検出値が示す荷揚げ油圧モータの回転角から、基準位置(例えば最下部)に対するフォーク13の高さを算出し、この高さをリフト高として取得する。
重心慣性値算出部33は、取得された積載物の重量Mαと、車両諸元として記憶された車両の重量Mβとを合算して、積載物を含むフォークリフト1全体の重量Mallを算出する。また、重心慣性値算出部33は、取得された情報に基づいて、積載物の重心の位置を算出する。積載物の重心の位置の算出方法としては、例えば、特開2020-93741号公報に記載の方法を採用することができる。
また、重心慣性値算出部33は、積載物の重心の位置、及び車両諸元として記憶された各構成部位の構造に基づいて、フォークリフト1全体の重心CGallの位置と、構成部位jの重心の位置とを算出する。そして、重心慣性値算出部33は、以下に説明するように、慣性テンソルJallを算出する。
まず、上記図1のような積載状態の違いに対応するため、図6、式(1)~(3)に示す6自由度モデルを用いて、車両運動を記述する。転倒防止制御量は式(1)を用いて算出する。式(1)のJallは主軸慣性、慣性乗積から成る慣性テンソルである。
Figure 2022140324000002

(1)
Figure 2022140324000003

(2)
Figure 2022140324000004

(3)
上記式(1)~(3)の各記号は以下の通りである。
Figure 2022140324000005

式(1)のモーメントL,M,Nに関わる作用力を図7、図8、表1に示す。図7(A)のA点はロール回転中心であり、静止時の車両全体の重心を通る鉛直線とロール軸と交わる点としている。図7(B)のB点はピッチ回転中心であり、静止時の車両全体の重心を通る鉛直線と地上面とが交わる点としている。
Figure 2022140324000006

慣性テンソルJallの設定について図9に基づき説明する。図9は、フォークリフト1の構成要素の概略を示しており(積載物を含む)、各構成要素の重心、車両全体の重心および座標原点を示している。
式(4)に慣性テンソルJallの構成を示す。対角項が主軸慣性、非対角項が慣性乗積であり、式(4)により積載状態の違いが表現できる。
Figure 2022140324000007

(4)
式(4)中、添え字jは各構成要素を表し、Nは構成要素の総数である。車両全体の重心をCGallとするとCGall位置(xCG,yCG,zCG)は、図9に示す各構成要素の質量、重心位置より算出できる。そして式(4)のJallにおけるΔx,Δy,Δz項はCGallと構成要素の重心との位置の差分であり、例えばΔxは式(5)で算出する(Δy、Δzも同様)。
Figure 2022140324000008

(5)
式(4)中のJ,Jは図7のA点、B点からみた慣性の補正値であり式(6)、(7)で表す。
Figure 2022140324000009

(6)
Figure 2022140324000010

(7)
以上説明したように、重心慣性値算出部33は、式(5)と同様の式により、車両全体の重心CGallの位置と、構成部位jの重心の位置との各軸方向の差分(Δx、Δy、及びΔz)を算出する。また、重心慣性値算出部33は、算出したΔx、Δy、及びΔzと、車両諸元として記憶された構成部位jの重量mとを用いて、式(4)により慣性テンソルJallを算出する。
また、重心慣性値算出部33は、算出したフォークリフト1全体の重心CGallの位置のうち、z軸方向の位置(zall)をhCGとする。
制駆動力制御部34は、フォークリフト1の各輪の輪荷重の低下を抑制する転倒防止制御を行う。
具体的には、図3に示すように、制駆動力制御部34は、制御パラメータ変更部42、輪荷重変動算出部44、閾値記憶部46、第1閾値比較部48、制御選択部54、第2閾値比較部52、制御選択部54、制御部56、制御量切換部58、ローパスフィルタ処理部60、及び制駆動力指令値設定部62を備えている。なお、制御選択部54、制御部56、制御量切換部58、及び制駆動力指令値設定部62が、制御部の一例である。
制御パラメータ変更部42は、フォークリフト1が停止状態における各輪についての輪荷重、及び左右輪の輪荷重の差を取得する。制御パラメータ変更部42は、取得したフォークリフト1が停止状態における各輪についての輪荷重、及び左右輪の輪荷重の差に応じ、後述する制御量演算部80の重心高、慣性値等を変更する。
輪荷重変動算出部44は、各輪の輪荷重変動を算出する。
閾値記憶部46は、フォークリフト1が停止状態における各輪についての輪荷重、及び左右輪の輪荷重の差を取得する。閾値記憶部46は、取得した、フォークリフト1が停止状態における各輪についての輪荷重、及び左右輪の輪荷重の差に応じて、各輪の輪荷重に関する第1閾値及び第2閾値、前輪の左右輪の輪荷重の差に関する第3閾値、及び後輪の左右輪の輪荷重の差に関する第4閾値を設定し、記憶する。
ここで、第1閾値は、各輪についての転倒防止制御の開始を判断するための開始判断閾値であり、第2閾値は、各輪についての転倒防止制御の終了を判断するための終了判断閾値である。第2閾値は第1閾値よりも大きな値に設定される。
転倒防止制御では、積載状態に応じて変わる輪荷重に関する第1閾値~第4閾値の設定が重要である。その説明のため、積載荷重、リフト高さ、フォーク左右積載位置の違いによる輪荷重の違いを図4に示す。図4は3輪フォークリフトの荷重計測例である。
図4(A)では、積載荷重と、前右輪(FR輪)、前左輪(FL輪)、及び後輪の輪荷重との関係を示している。図4(A)では、リフト高さが、図4(B)のリフト高さ「A」であり、積載位置が、図5(A)に示すように中央位置である場合の例を示している。
図4(B)では、リフト高さと、前右輪(FR輪)、前左輪(FL輪)、及び後輪の輪荷重との関係を示している。図4(B)では、積載荷重が、図4(A)の積載荷重「b」であり、積載位置が、図5(A)に示すように中央位置である場合の例を示している。
図4(C)では、フォーク積載位置(図5(A)、(B)参照)と、前左輪(FL輪)の輪荷重との関係を示している。図4(C)では、積載荷重が、図4(A)の積載荷重「b」であり、リフト高さが、図4(B)に示すようにリフト高さ「C」である場合の例を示している。
上記図4(A)~図4(C)に示すように、積載状態に応じて各輪荷重が大きく変わることがわかる。
そこで、閾値記憶部46は、走行停止状態で検出した各輪荷重に応じて各閾値を設定する。例えば、閾値記憶部46は、各輪荷重検出値の30%を各輪の第1閾値に設定し、各輪荷重検出値の40%を各輪の第2閾値に設定し、第3閾値、第4閾値を、前輪の左右輪荷重と後輪の左右輪荷重との平均の30%に設定する。
閾値記憶部46は、設定した各輪の第1閾値、各輪の第2閾値、第3閾値、及び第4閾値を記憶している。
第1閾値比較部48は、各輪について、輪荷重検出値と第1閾値とを比較し、少なくとも1つの輪荷重検出値が第1閾値未満であるか否かを判定する。少なくとも1つの輪荷重検出値が第1閾値未満であれば、荷重差判定部50により、左右輪の荷重差が閾値未満であるか否かを判定し、左右輪の荷重差が閾値未満であれば、制御選択部54により、前後転倒防止制御が開始される。
制御選択部54は、第1閾値比較部48により、少なくとも1つの輪荷重検出値が第1閾値未満であると判定されると、前輪の左右輪の輪荷重の差の、第3閾値との比較結果、又は後輪の左右輪の輪荷重の差の、第4閾値との比較結果に応じて、前後転倒防止制御を開始する。
具体的には、少なくとも1つの輪荷重検出値が、第1閾値未満であり、かつ、第1閾値未満となる輪荷重検出値が、前輪のものであり、かつ、前輪の左右輪の輪荷重の差の絶対値が、第3閾値未満である場合には、車両の駆動輪の制動力又は駆動力を制御する前後転倒防止制御を開始する。
また、少なくとも1つの輪荷重検出値が、第1閾値未満であり、かつ、第1閾値未満となる輪荷重検出値が、後輪のものであり、かつ、後輪の左右輪の輪荷重の差の絶対値が、第4閾値未満である場合には、車両の駆動輪の制動力又は駆動力を制御する前後転倒防止制御を開始する。
第2閾値比較部52は、各輪について、輪荷重検出値と第2閾値とを比較し、全ての輪荷重検出値が第2閾値より大きいか否かを判定する。全ての輪荷重検出値が第2閾値より大きい場合には、転倒防止制御を終了する。
制御部56は、積載物を含むフォークリフト1の重心周りの慣性主軸を含む慣性値と、取得された各輪についての輪荷重と、運動状態の検出値とを用い、駆動輪の制動力又は駆動力を制御する際の制御量を算出する。
具体的には、制御部56は、制御量演算部80及び制駆動力算出部82を備えている。
制御量演算部80は、積載物を含むフォークリフト1の重心周りの慣性主軸を含む慣性値と、取得された各輪についての輪荷重と、運動状態の検出値とを用い、ピッチモーメント制御量PMを算出する。
ここで、ピッチモーメント制御量PMを算出する原理を説明する。
以下、ピッチ角加速度Qを抑制するピッチモーメントMの算出手順を以下に説明する。ピッチモーメントMは図7(B)よりCGall周りのモーメントとして式(8)で表される。
Figure 2022140324000011

(8)
式(8)は、前後慣性力によるモーメント、輪荷重変化によるモーメント、前後転倒防止の制御モーメントPMを用いて表している。ピッチによるx軸方向への重心移動で生じるモーメント(=Mall・g・hCG・sinθ、gは重力加速度)はθが小さく、輪が浮き上がるほどの前後転倒状態ではないため省略している。IMU(Inertial Measurement Unit)が車両の任意位置に取り付けられている場合、GxCGは後述の式に基づき重心位置の加速度に変換された値を使用する。
式(4)、(8)を式(1)の2行目に代入し、展開すると次式となる。
Figure 2022140324000012

(9)
ピッチ角加速度Qを0とするPMは、式(9)左辺のJyyQを0として変形し次式で得られる。
Figure 2022140324000013

(10)
なお、式中のドット付きの変数Xは、明細書中でXと表記する。
ピッチ運動を抑制するため、式(10)で得られたPMに対し次式のように符号を付与する。
PM=-PM (11)
上記、任意位置のIMUで計測された加速度(GxIMU,GyIMU,GzIMU)を、重心位置の加速度(GxCG,GyCG,GzCG)に変換する方法を説明する。式(12)~(17)はその変換式である。式中、’×’は外積を表す。
Figure 2022140324000014

(12)
Figure 2022140324000015

(13)
Figure 2022140324000016

(14)
Figure 2022140324000017

(15)
Figure 2022140324000018

(16)
Figure 2022140324000019

(17)
Figure 2022140324000020

(18)
Figure 2022140324000021

(19)
Figure 2022140324000022

(20)
ただし、xIMU、yIMU、zIMUはIMU位置、Tは転置を表す。
以上説明した原理のように、制御量演算部80は、積載物を含むフォークリフト1の重心周りの慣性主軸を含む慣性値と、取得された各輪についての輪荷重と、運動状態の検出値とを用い、式(10)、(11)に従って、ピッチモーメント制御量PMを算出する。
制駆動力算出部82は、図10に示すように、ピッチモーメント制御量PMが得られるように、前輪の左右輪の制動力又は駆動力の制御量FFL、FFRを求める。図10のDirは前進、後進を示すフラグで前進は’+1’、後進は’-1’である。また、ピッチ制御量PMを、hCGで除してタイヤ制駆動力に変換し、さらに1/2で除して左右輪のタイヤ制駆動力に分配する。
制御量切換部58は、前後転倒防止制御を開始した場合には、制御部56により得られた制動力又は駆動力の制御量F(i)を出力する。
また、制御量切換部58は、前後転倒防止制御を終了した場合には、操作制駆動力取得部30によって取得された制動力又は駆動力の制御量FDRV(i)を出力する。
ローパスフィルタ処理部60は、前後転倒防止制御有り無しの切り替えによる制駆動力の急変を抑えるため、ローパスフィルタ処理を行う。
制駆動力指令値設定部62は、ローパスフィルタ処理部60によって出力された制動力又は駆動力の制御量F(i)を、左右輪の制動力又は駆動力の指令値Fx(i)として設定する。制駆動力発生部26により、駆動輪の左右輪の制動力又は駆動力の指令値Fx(i)を発生させる。
<車両制御装置の作用>
次に、第1の実施の形態に係る車両制御装置10の作用について説明する。
車両制御装置10を搭載したフォークリフト1のフォーク13に積載物が積載された状態で、フォークリフト1の電源がオンされると、コンピュータ24において、図11に示す転倒防止制御処理ルーチンが実行される。ここでは、フォークリフト1が前輪駆動である場合を例に説明する。
まず、ステップS100において、フォークリフト1が停止状態であるか否かを判定し、フォークリフト1が停止状態であると判定されると、ステップS102へ進み、フォークリフト1が停止状態でないと判定されると、ステップS106へ進む。
ステップS102において、輪荷重取得部32は、各輪の輪荷重を検出する。制御パラメータ変更部42及び閾値記憶部46は、フォークリフト1が停止状態における各輪についての輪荷重、及び左右輪の輪荷重の差を取得する。
ステップS104において、閾値記憶部46は、上記ステップS102で取得した、フォークリフト1が停止状態における各輪についての輪荷重、及び左右輪の輪荷重の差に応じて、各輪の輪荷重に関する第1閾値及び第2閾値、前輪の左右輪の輪荷重の差に関する第3閾値、及び後輪の左右輪の輪荷重の差に関する第4閾値を設定し、ステップS100に戻る。
ステップS106において、操作制駆動力取得部30は、操作検出部20によって検出したドライバ操作に基づいて、駆動輪の制動力及び駆動力の制御量FDRV(i)を取得する。
ステップS108において、運動状態検出部22は、IMUを用いて、フォークリフト1の運動状態として、ロール角速度P、ピッチ角速度Q、ヨー角速度R及び前後加速度Gを検出する。
ステップS110において、輪荷重取得部32は、フォークリフト1の各輪についての輪荷重を検出する。
ステップS111において、重心慣性値算出部33は、フォークリフト1に積載された積載物の積載状態を取得し、取得された積載状態に基づいて、積載物を含む車両の重心位置を算出するとともに、上記式(4)に従って、積載物を含むフォークリフト1の重心周りの慣性主軸を含む慣性値を算出する。
ステップS112において、第2閾値比較部52は、各輪について、輪荷重検出値と第2閾値とを比較し、全ての輪荷重検出値が第2閾値より大きいか否かを判定する。全ての輪荷重検出値が第2閾値より大きい場合には、転倒防止制御を終了すると判断し、ステップS128へ移行する。一方、少なくとも1つの輪荷重検出値が第2閾値以下である場合には、ステップS114へ移行する。
ステップS114において、第1閾値比較部48は、各輪について、輪荷重検出値と第1閾値とを比較し、少なくとも1つの輪荷重検出値が第1閾値未満であるか否かを判定する。少なくとも1つの輪荷重検出値が第1閾値未満であれば、転倒防止制御を開始すると判断し、ステップS116へ移行する。一方、全ての輪荷重検出値が第1閾値以上であれば、ステップS126へ移行する。
ステップS116において、第1閾値未満となる輪荷重検出値が、前輪のものであるか否かを判定する。第1閾値未満となる輪荷重検出値が、前輪のものである場合には、ステップS118へ移行する。一方、第1閾値未満となる輪荷重検出値が、後輪のものである場合には、ステップS120へ移行する。
ステップS118において、前輪の左右輪の輪荷重の差の絶対値が、第3閾値未満であるか否かを判定する。前輪の左右輪の輪荷重の差の絶対値が、第3閾値未満である場合には、ステップS122へ移行する。一方、前輪の左右輪の輪荷重の差の絶対値が、第3閾値以上である場合には、ステップS128へ移行する。
ステップS120において、後輪の左右輪の輪荷重の差の絶対値が、第4閾値未満であるか否かを判定する。後輪の左右輪の輪荷重の差の絶対値が、第4閾値未満である場合には、ステップS122へ移行する。一方、後輪の左右輪の輪荷重の差の絶対値が、第4閾値以上である場合には、ステップS128へ移行する。
ステップS122において、制御量演算部80は、積載物を含むフォークリフト1の重心周りの慣性主軸を含む慣性値と、取得された各輪についての輪荷重と、運動状態の検出値とを用い、式(10)、(11)に従って、ピッチモーメント制御量PMを算出する。
制駆動力算出部82は、図10に示すように、ピッチモーメント制御量PMが得られるように、前輪の左右輪の制動力又は駆動力の制御量FFL、FFRを求める。
ステップS124において、転倒防止制御が開始されたことを示すフラグFLAGに1を設定する。
ステップS126において、FLAG=1であるか否かを判定する。FLAG=1である場合には、転倒防止制御が開始されていると判断し、ステップS122へ移行する。一方、FLAG=1でない場合には、転倒防止制御が開始されていないと判断し、ステップS128へ移行する。
ステップS128において、操作制駆動力取得部30によって取得された制動力又は駆動力の制御量FDRV(i)を、前輪の左右輪の制動力又は駆動力の制御量FFL、FFRとして設定する。
ステップS130において、転倒防止制御を終了するためにFLAG=0に設定する。
ステップS132において、制駆動力指令値設定部62は、上記ステップS122又はS128で得られた制動力又は駆動力の制御量FFL、FFRを、左右輪の制動力又は駆動力の指令値Fx(i)として設定する。制駆動力発生部26により、駆動輪の左右輪の制動力又は駆動力の指令値Fx(i)を発生させる。そして、ステップS106へ戻る。
<実験例>
図12に、直進前進時の制御性検討結果の1例として、3輪フォークリフトを対象に、上記の第1の実施の形態で説明した制御部56による前後転倒防止制御による効果を、転倒防止制御なしと比較する。上記の第1の実施の形態で説明した制御部56による転倒防止制御により、後輪荷重低下が抑えられていることが分かる。
以上説明したように、第1の実施の形態に係る車両制御装置によれば、取得された各輪についての輪荷重と、積載物を含むフォークリフトの重心周りの慣性主軸を含む慣性値と、運動状態の検出値とを用い、フォークリフトの前後転倒防止制御を行うことにより、積載物の積載状態に応じて適切に転倒防止制御を行うことができる。
また、積載物の質量、積載高さ、積載位置、輪荷重等を検出することで、フォークリフトと積載物を合わせた全体の重心位置がわかる。また、積載状態に応じてロール、ピッチ、ヨーの回転軸に対して慣性主軸の向きが変化する。すなわち、主軸慣性および慣性乗積を積載状態に応じて設定することで、ロール、ピッチを含むフォークリフトの回転運動を正確に表現できる。そして、フォークリフトの積載状態に応じて主軸慣性、慣性乗積に基づく慣性テンソルを用いて制御系を構成するため、転倒防止のための緻密な制御量が算出できる。
また、積載状態に応じた車両パラメータ(主軸慣性、慣性乗積)と車両の回転運動の検出値を用い、時々刻々変化する車両運動状態に対して最適な転倒防止制御量を算出することができる。
また、上記設定慣性と角速度、角加速度および輪荷重の検出値を用いて、車両の回転運動モデルに基づきピッチ角加速度を0とする制御量が算出できる。
また、積載状態に応じて第1閾値~第4閾値を変更し、輪荷重が閾値以下の時に転倒防止制御することで、積載状態に適した転倒防止が可能となる。
また、転倒防止制御はどの輪の荷重が減少し、かつ左右輪の荷重差の絶対値が第3閾値、第4閾値以上かどうかをみることで、制御系の切り替えが可能となる。
[第2の実施の形態]
<車両制御装置の構成>
次に、第2の実施の形態に係る車両制御装置について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態では、横転防止制御を行う点が、第1の実施の形態と異なっている。
図13に示すように、第2の実施の形態に係る車両制御装置は、各輪のタイヤ横力を検出するタイヤ横力検出部232を備えている。
また、制駆動力制御部234は、制御パラメータ変更部42、輪荷重変動算出部44、閾値記憶部46、第1閾値比較部48、制御選択部54、第2閾値比較部52、制御部256、制御量切換部258、ローパスフィルタ処理部60、及び制駆動力指令値設定部262を備えている。なお、制御選択部54、制御部256、制御量切換部258、及び制駆動力指令値設定部262が、制御部の一例である。
制御部256は、積載物を含むフォークリフト1の重心周りの慣性主軸を含む慣性値と、取得された各輪についての輪荷重と、運動状態の検出値と、各輪のタイヤ横力の検出値とを用い、駆動輪の制動力又は駆動力を制御する際の制御量を算出する。
具体的には、制御部256は、制御量演算部280及び制駆動力算出部282を備えている。
制御量演算部280は、積載物を含むフォークリフト1の重心周りの慣性主軸を含む慣性値と、取得された各輪についての輪荷重と、運動状態の検出値と、タイヤ横力の検出値とを用い、ヨーモーメント制御量YMを算出する。
ここで、ヨーモーメント制御量YMを算出する原理を説明する。
第2の実施の形態は、横転防止制御に関するものである。第1の実施の形態と同様、前輪モータ駆動によるフォークリフトを対象とし、輪荷重、ロール角速度P、ピッチ角速度Q、ヨー角速度R、および横加速度Gの計測を前提とする。
第2の実施の形態では、下記のようにロール角加速度Pの抑制をヨーモーメントNにより行う。上記式(1)の1行目にはNが含まれていないため、式(1)の3行目を整理してヨー角加速度Rを括りだし、1行目のRに代入することでロール角加速度PをヨーモーメントNで制御できるようにする。
式(4)を式(1)に代入し、3行目を展開すると次式となる。
Figure 2022140324000023

(21)
式(21)を変形し、Rを括りだすと次式となる。
Figure 2022140324000024

(22)
式(22)を式(1)の1行目に代入して次式のように整理する。
Figure 2022140324000025

(23)
ロール角加速度Pを0とするヨーモーメントN は、式(23)の左辺を0として変形し次式で得られる。
Figure 2022140324000026


(24)
式(24)中、Qは角速度Qの疑似微分等で得るとする。式(24)中のロールモーメントLは、図7(A)にしたがい慣性力によるモーメント、タイヤ横力により車両に作用するモーメントと、タイヤばね(上下ばね)反力の変化分(荷重変動)によるモーメントの和により、式(25)で表される。
Figure 2022140324000027

(25)
式(25)において、ロール、ピッチによるy軸方向への重心移動で生じるモーメント(=Mall・g・(hCG-h)・sinφ・cosθ)はφ、θが小さく、輪が浮き上がるほどの横転状態ではないため省略している。ドライバの操舵、アクセル、ブレーキ等、ドライバ操作中に横転防止制御を行った場合のヨーモーメントNは、ドライバの操舵、アクセル、ブレーキによる駆動2輪のタイヤ前後力FDRV_L,FDRV_R、各輪のタイヤ横力FLFy,FRFy,RLFy,RRFyによるモーメントおよび横転防止制御量であるYMの和として次式で表すことができる。
Figure 2022140324000028

(26)
式(24),(26)よりドライバ操作中にロール角加速度Pを0とする横転防止制御量YMは、次式で得られる。
Figure 2022140324000029

(27)
式(27)のN を式(24)で求め、タイヤ前後力FDRV_L,FDRV_Rはドライバ操作による制駆動力指令、タイヤ横力FLFy,FRFy,RLFy,RRFyは推定あるいは計測により得ることとする。
YMを用いてヨー運動を抑制するため、式(27)で得られたYMに対し次式のように符号を付与する。
YM=-YM (28)
以上説明した原理のように、制御量演算部280は、積載物を含むフォークリフト1の重心周りの慣性主軸を含む慣性値と、取得された各輪についての輪荷重と、運動状態の検出値と、タイヤ横力の検出値とを用い、式(27)、(28)に従って、ヨーモーメント制御量YMを算出する。
制駆動力算出部282は、図14(A)、(B)に示すように、ヨーモーメント制御量YMが得られるように、前輪の左右輪の制動力又は駆動力の制御量FFL、FFRを求める。図14(A)、(B)のDirは前進、後進を示すフラグで前進は’+1’、後進は’-1’である。また、右旋回時には、図14(A)に示すように、ヨーモーメント制御量YMを、左右輪の間の距離であるTrで除してタイヤ制駆動力に変換し、さらに右輪に対して’0’、左輪に対して’-2’を乗算して左右輪のタイヤ制駆動力を求める。また、左旋回時には、図14(B)に示すように、ヨーモーメント制御量YMを、左右輪の間の距離であるTrで除してタイヤ制駆動力に変換し、さらに右輪に対して’2’、左輪に対して’0’を乗算して左右輪のタイヤ制駆動力を求める。
制御量切換部258は、横転防止制御を開始した場合には、制御部256により得られた制動力又は駆動力の制御量FFL、FFRを出力する。
また、制御量切換部258は、横転防止制御を終了した場合には、制御量「FFL、FFR=0」を出力する。
ローパスフィルタ処理部60は、横転防止制御有り無しの切り替えによる制駆動力の急変を抑えるため、ローパスフィルタ処理を行う。具体的には、ローパスフィルタ処理部60は、操作制駆動力取得部30によって取得された制動力又は駆動力の制御量FDRV(i)に、制御量切換部258によって出力された制動力又は駆動力の制御量FFL、FFRを足した値に対して、ローパスフィルタ処理を行う。
制駆動力指令値設定部262は、ローパスフィルタ処理部60によって出力された値を、左右輪の制動力又は駆動力の指令値Fx(i)として設定する。制駆動力発生部26により、駆動輪の左右輪の制動力又は駆動力の指令値Fx(i)を発生させる。
<車両制御装置の作用>
次に、第2の実施の形態に係る車両制御装置の作用について説明する。
車両制御装置を搭載したフォークリフト1のフォーク13に積載物が積載された状態で、フォークリフト1の電源がオンされると、コンピュータ24において、図15に示す転倒防止制御処理ルーチンが実行される。なお、第1の実施の形態と同様の処理については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
まず、ステップS100において、フォークリフト1が停止状態であるか否かを判定し、フォークリフト1が停止状態であると判定されると、ステップS102へ進み、フォークリフト1が停止状態でないと判定されると、ステップS106へ進む。
ステップS102において、輪荷重取得部32は、各輪の輪荷重を検出する。制御パラメータ変更部42及び閾値記憶部46は、フォークリフト1が停止状態における各輪についての輪荷重、及び左右輪の輪荷重の差を取得する。
ステップS104において、閾値記憶部46は、上記ステップS102で取得した、フォークリフト1が停止状態における各輪についての輪荷重、及び左右輪の輪荷重の差に応じて、各輪の輪荷重に関する第1閾値及び第2閾値、前輪の左右輪の輪荷重の差に関する第3閾値、及び後輪の左右輪の輪荷重の差に関する第4閾値を設定する。
ステップS106において、操作制駆動力取得部30は、操作検出部20によって検出したドライバ操作に基づいて、駆動輪の制動力及び駆動力の制御量FDRV(i)を取得する。
ステップS200において、運動状態検出部22は、IMUを用いて、フォークリフト1の運動状態として、ロール角速度P、ピッチ角速度Q、ヨー角速度R、及び横加速度Gを検出する。
ステップS201において、輪荷重取得部32は、フォークリフト1の各輪についての輪荷重を検出する。また、タイヤ横力検出部232は、フォークリフト1の各輪についてのタイヤ横力を検出する。
ステップS111において、重心慣性値算出部33は、フォークリフト1に積載された積載物の積載状態を取得し、取得された積載状態に基づいて、積載物を含むフォークリフト1の重心位置を算出するとともに、上記式(4)に従って、積載物を含むフォークリフト1の重心周りの慣性主軸を含む慣性値を算出する。
ステップS112において、第2閾値比較部52は、各輪について、輪荷重検出値と第2閾値とを比較し、全ての輪荷重検出値が第2閾値より大きいか否かを判定する。全ての輪荷重検出値が第2閾値より大きい場合には、転倒防止制御を終了すると判断し、ステップS206へ移行する。一方、少なくとも1つの輪荷重検出値が第2閾値以下である場合には、ステップS114へ移行する。
ステップS114において、第1閾値比較部48は、各輪について、輪荷重検出値と第1閾値とを比較し、少なくとも1つの輪荷重検出値が第1閾値未満であるか否かを判定する。少なくとも1つの輪荷重検出値が第1閾値未満であれば、転倒防止制御を開始すると判断し、ステップS116へ移行する。一方、全ての輪荷重検出値が第1閾値以上であれば、ステップS126へ移行する。
ステップS116において、第1閾値未満となる輪荷重検出値が、前輪のものであるか否かを判定する。第1閾値未満となる輪荷重検出値が、前輪のものである場合には、ステップS202へ移行する。一方、第1閾値未満となる輪荷重検出値が、後輪のものである場合には、ステップS203へ移行する。
ステップS202において、前輪の左右輪の輪荷重の差の絶対値が、第3閾値より大きいか否かを判定する。前輪の左右輪の輪荷重の差の絶対値が、第3閾値より大きい場合には、ステップS204へ移行する。一方、前輪の左右輪の輪荷重の差の絶対値が、第3閾値以下である場合には、ステップS206へ移行する。
ステップS203において、後輪の左右輪の輪荷重の差の絶対値が、第4閾値より大きいか否かを判定する。後輪の左右輪の輪荷重の差の絶対値が、第4閾値以下である場合には、ステップS206へ移行する。一方、後輪の左右輪の輪荷重の差の絶対値が、第4閾値より大きい場合には、ステップS204へ移行する。
ステップS204において、制御量演算部280は、積載物を含むフォークリフト1の重心周りの慣性主軸を含む慣性値と、取得された各輪についての輪荷重と、運動状態の検出値と、タイヤ横力の検出値とを用い、式(27)、(28)に従って、ヨーモーメント制御量YMを算出する。
制駆動力算出部282は、図14に示すように、ヨーモーメント制御量YMが得られるように、前輪の左右輪の制動力又は駆動力の制御量FFL、FFRを求める。
ステップS124において、転倒防止制御が開始されたことを示すフラグFLAGに1を設定する。
ステップS126において、FLAG=1であるか否かを判定する。FLAG=1である場合には、転倒防止制御が開始されていると判断し、ステップS204へ移行する。一方、FLAG=1でない場合には、転倒防止制御が開始されていないと判断し、ステップS206へ移行する。
ステップS206において、前輪の左右輪の制動力又は駆動力の制御量FFL、FFRを0に設定する。
ステップS130において、転倒防止制御を終了するためにFLAG=0に設定する。
ステップS208において、制駆動力指令値設定部62は、上記ステップS122又はS128で得られた制動力又は駆動力の制御量FFL、FFRを、左右輪の制動力又は駆動力の指令値Fx(i)として設定する。制駆動力発生部26により、駆動輪の左右輪の制動力又は駆動力の指令値Fx(i)を発生させる。そして、ステップS106へ戻る。
以上説明したように、第2の実施の形態に係る車両制御装置によれば、取得された各輪についての輪荷重と、積載物を含むフォークリフトの重心周りの慣性主軸を含む慣性値と、運動状態の検出値とを用い、フォークリフトの横転防止制御を行うことにより、積載物の積載状態に応じて適切に転倒防止制御を行うことができる。
[第3の実施の形態]
<車両制御装置の構成>
次に、第3の実施の形態に係る車両制御装置について説明する。なお、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
第3の実施の形態では、タイヤ横力を計測していない点が、第2の実施の形態と異なっている。
図16に示すように、第3の実施の形態に係る車両制御装置の制駆動力制御部334は、制御パラメータ変更部42、輪荷重変動算出部44、閾値記憶部46、第1閾値比較部48、制御選択部54、第2閾値比較部52、タイヤ横力モーメント算出部332、制御部256、制御量切換部58、ローパスフィルタ処理部60、及び制駆動力指令値設定部62を備えている。なお、制御選択部54、制御部256、制御量切換部58、及び制駆動力指令値設定部62が、制御部の一例である。
タイヤ横力モーメント算出部332は、ヨー角速度Rの微分値Rと、フォークリフト1全体の重心位置及び構成要素の重心位置の差とに基づいて、タイヤ横力によるモーメントに関する物理量を算出する。
具体的には、式(27)のタイヤ横力FLFy,FRFy,RLFy,RRFyは一般的に普通車両で計測することは難しく、本実施形態では、その代替えを行う。式(27)右辺のタイヤ横力は2輪モデルに基づき簡易的に代用し、横転防止制御中のドライバ操作によるタイヤ前後力印加は停止(FDRV_L=0,FDRV_R=0)として、式(27)右辺のN 以外の項を次式で表す。
Figure 2022140324000030


(29)
以上説明したように、タイヤ横力モーメント算出部332は、ヨー角速度Rの微分値Rと、フォークリフト1全体の重心位置及び構成要素の重心位置の差とに基づいて、タイヤ横力によるモーメントに関する物理量-JzzRを算出する。
制御量演算部280では、式(29)を用いて、式(27)を次式のように書き換える
Figure 2022140324000031

(30)
式(28)と同様にYMを符号反転する。
YM=-YM
(31)
<車両制御装置の作用>
次に、第3の実施の形態に係る車両制御装置の作用について説明する。
車両制御装置を搭載したフォークリフト1のフォーク13に積載物が積載された状態で、フォークリフト1の電源がオンされると、コンピュータ24において、図17に示す転倒防止制御処理ルーチンが実行される。なお、第1の実施の形態及び第2の実施の形態と同様の処理については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
まず、ステップS100において、フォークリフト1が停止状態であるか否かを判定し、フォークリフト1が停止状態であると判定されると、ステップS102へ進み、フォークリフト1が停止状態でないと判定されると、ステップS106へ進む。
ステップS102において、輪荷重取得部32は、各輪の輪荷重を検出する。制御パラメータ変更部42及び閾値記憶部46は、フォークリフト1が停止状態における各輪についての輪荷重、及び左右輪の輪荷重の差を取得する。
ステップS104において、閾値記憶部46は、上記ステップS102で取得した、フォークリフト1が停止状態における各輪についての輪荷重、及び左右輪の輪荷重の差に応じて、各輪の輪荷重に関する第1閾値及び第2閾値、前輪の左右輪の輪荷重の差に関する第3閾値、及び後輪の左右輪の輪荷重の差に関する第4閾値を設定する。
ステップS106において、操作制駆動力取得部30は、操作検出部20によって検出したドライバ操作に基づいて、駆動輪の制動力及び駆動力の制御量FDRV(i)を取得する。
ステップS300において、運動状態検出部22は、IMUを用いて、フォークリフト1の運動状態として、ロール角速度P、ピッチ角速度Q、ヨー角速度R、及び横加速度Gを検出する。
ステップS110において、輪荷重取得部32は、フォークリフト1の各輪についての輪荷重を検出する。
ステップS111において、重心慣性値算出部33は、フォークリフト1に積載された積載物の積載状態を取得し、取得された積載状態に基づいて、積載物を含むフォークリフト1の重心位置を算出するとともに、上記式(4)に従って、積載物を含むフォークリフト1の重心周りの慣性主軸を含む慣性値を算出する。
ステップS112において、第2閾値比較部52は、各輪について、輪荷重検出値と第2閾値とを比較し、全ての輪荷重検出値が第2閾値より大きいか否かを判定する。全ての輪荷重検出値が第2閾値より大きい場合には、転倒防止制御を終了すると判断し、ステップS206へ移行する。一方、少なくとも1つの輪荷重検出値が第2閾値以下である場合には、ステップS114へ移行する。
ステップS114において、第1閾値比較部48は、各輪について、輪荷重検出値と第1閾値とを比較し、少なくとも1つの輪荷重検出値が第1閾値未満であるか否かを判定する。少なくとも1つの輪荷重検出値が第1閾値未満であれば、転倒防止制御を開始すると判断し、ステップS116へ移行する。一方、全ての輪荷重検出値が第1閾値以上であれば、ステップS126へ移行する。
ステップS116において、第1閾値未満となる輪荷重検出値が、前輪のものであるか否かを判定する。第1閾値未満となる輪荷重検出値が、前輪のものである場合には、ステップS202へ移行する。一方、第1閾値未満となる輪荷重検出値が、後輪のものである場合には、ステップS203へ移行する。
ステップS202において、前輪の左右輪の輪荷重の差の絶対値が、第3閾値より大きいか否かを判定する。前輪の左右輪の輪荷重の差の絶対値が、第3閾値より大きい場合には、ステップS302へ移行する。一方、前輪の左右輪の輪荷重の差の絶対値が、第3閾値以下である場合には、ステップS206へ移行する。
ステップS203において、後輪の左右輪の輪荷重の差の絶対値が、第4閾値より大きいか否かを判定する。後輪の左右輪の輪荷重の差の絶対値が、第4閾値以下である場合には、ステップS206へ移行する。一方、後輪の左右輪の輪荷重の差の絶対値が、第4閾値より大きい場合には、ステップS302へ移行する。
ステップS302において、制御量演算部280は、積載物を含むフォークリフト1の重心周りの慣性主軸を含む慣性値と、取得された各輪についての輪荷重と、運動状態の検出値とを用い、式((30)、(31)に従って、ヨーモーメント制御量YMを算出する。
制駆動力算出部282は、図14に示すように、ヨーモーメント制御量YMが得られるように、前輪の左右輪の制動力又は駆動力の制御量FFL、FFRを求める。
ステップS124において、転倒防止制御が開始されたことを示すフラグFLAGに1を設定する。
ステップS126において、FLAG=1であるか否かを判定する。FLAG=1である場合には、転倒防止制御が開始されていると判断し、ステップS302へ移行する。一方、FLAG=1でない場合には、転倒防止制御が開始されていないと判断し、ステップS206へ移行する。
ステップS206において、前輪の左右輪の制動力又は駆動力の制御量FFL、FFRを0に設定する。
ステップS130において、転倒防止制御を終了するためにFLAG=0に設定する。
ステップS208において、制駆動力指令値設定部62は、上記ステップS206又はS302で得られた制動力又は駆動力の制御量FFL、FFRを、左右輪の制動力又は駆動力の指令値Fx(i)として設定する。制駆動力発生部26により、駆動輪の左右輪の制動力又は駆動力の指令値Fx(i)を発生させる。そして、ステップS106へ戻る。
<実験例>
図18に、3輪フォークリフトを対象に、上記の第3の実施の形態で説明した制御部256による横転防止制御による効果を、転倒防止制御なしと比較する。上記の第3の実施の形態で説明した制御部256による転倒防止制御により、制御なしに比べて輪荷重の低下(荷重抜け)が早期に抑制されて横転防止の効果が得られていることが分かる。
以上説明したように、第3の実施の形態に係る車両制御装置によれば、タイヤ横力を計測できない場合であっても、取得された各輪についての輪荷重と、積載物を含むフォークリフトの重心周りの慣性主軸を含む慣性値と、運動状態の検出値とを用い、フォークリフトの横転防止制御を行うことにより、積載物の積載状態に応じて適切に転倒防止制御を行うことができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
例えば、上記の第1の実施の形態で説明した前後転倒防止制御と、上記の第2の実施の形態又は第3の実施の形態で説明した横転防止制御と、を組み合わせてもよい。具体的には、図19に示すように、車両制御装置が、輪荷重取得部32、閾値記憶部46、第1閾値比較部48、第2閾値比較部52、荷重差判定部50と、制駆動力制御部400とを備え、制駆動力制御部400が、前後転倒防止制御部402と、横転防止制御部404とを備えるように構成してもよい。その場合、前後転倒防止制御部402は、上記第1の実施の形態における、運動状態検出部22、圧力センサ23、操作制駆動力取得部30、重心慣性値算出部33、制御パラメータ変更部42、輪荷重変動算出部44、制御選択部54、制御部56、制御量切換部58、ローパスフィルタ処理部60、及び制駆動力指令値設定部62を備えていればよい。また、横転防止制御部404は、上記第2の実施の形態における、運動状態検出部22、圧力センサ23、操作制駆動力取得部30、重心慣性値算出部33、制御パラメータ変更部42、輪荷重変動算出部44、制御選択部54、制御部256、制御量切換部258、ローパスフィルタ処理部60、及び制駆動力指令値設定部62を備えているか、又は上記第3の実施の形態における、運動状態検出部22、圧力センサ23、操作制駆動力取得部30、重心慣性値算出部33、制御パラメータ変更部42、輪荷重変動算出部44、制御選択部54、タイヤ横力モーメント算出部332、制御部256、制御量切換部58、ローパスフィルタ処理部60、及び制駆動力指令値設定部62を備えていればよい。
また、フォークリフトを制御対象とする場合を例として説明したが、これに限定されるものではなく、積載物を積載可能な車両であれば、フォークリフト以外を対象としてもよい。例えば、積載物の積載状態に応じて車両重量が変動するトラック、トレーラ、バスに搭載される車両制御装置に、本発明を適用してもよい。
1 フォークリフト
2 走行装置
3 荷役装置
10 車両制御装置
13 フォーク
20 操作検出部
22 運動状態検出部
23 圧力センサ
24 コンピュータ
26 制駆動力発生部
30 操作制駆動力取得部
32 輪荷重取得部
33 重心慣性値算出部
34、234、334、400 制駆動力制御部
56、256 制御部
80、280 制御量演算部
82、282 制駆動力算出部
232 タイヤ横力検出部
332 タイヤ横力モーメント算出部
402 前後転倒防止制御部
404 横転防止制御部

Claims (9)

  1. 積載物を積載可能な車両の回転運動及び前後加速度を含む運動状態を検出する運動状態検出部と、
    前記車両の各輪についての輪荷重を取得する輪荷重取得部と、
    前記車両に積載された前記積載物の積載状態を取得する積載取得部と、
    前記取得された前記積載状態に基づいて、前記積載物を含む車両の重心周りの慣性主軸を含む慣性値を算出する慣性値算出部と、
    前記取得された各輪についての輪荷重と、前記慣性値と、前記運動状態の検出値とを用い、前記車両の前後輪の輪荷重の差分の増大を抑制する転倒防止制御を行う制御部と、
    を含む車両制御装置。
  2. 積載物を積載可能な車両の回転運動を含む運動状態及び横加速度を検出する運動状態検出部と、
    前記車両の各輪についての輪荷重を取得する輪荷重取得部と、
    前記車両に積載された前記積載物の積載状態を取得する積載取得部と、
    前記取得された前記積載状態に基づいて、前記積載物を含む車両の重心周りの慣性主軸を含む慣性値を算出する慣性値算出部と、
    前記取得された各輪についての輪荷重と、前記慣性値と、前記運動状態の検出値とを用い、前記車両の左右輪の輪荷重の差分の増大を抑制する転倒防止制御を行う制御部と、
    を含む車両制御装置。
  3. 前記車両が停止状態における各輪についての輪荷重、及び左右輪の輪荷重の差を取得し、前記車両が停止状態における各輪についての輪荷重、及び前記左右輪の輪荷重の差に応じて、各輪の輪荷重に関する閾値、及び左右輪の輪荷重の差に関する閾値を変更する閾値変更部を更に含み、
    前記制御部は、前記取得された各輪についての輪荷重の、前記閾値との比較結果、前記左右輪の輪荷重の差の、前記閾値との比較結果、前記慣性値、及び前記運動状態の検出値に基づいて、前記転倒防止制御を行う
    請求項1又は2記載の車両制御装置。
  4. 前記制御部は、前記前後輪の輪荷重の差の、閾値との比較結果に応じて、前記転倒防止制御を行う請求項1記載の車両制御装置。
  5. 前記制御部は、前記左右輪の輪荷重の差の、閾値との比較結果に応じて、前記転倒防止制御を行う請求項2記載の車両制御装置。
  6. 前記各輪の輪荷重に関する閾値は、各輪についての、転倒防止制御の開始を判断するための開始判断閾値、及び各輪についての、転倒防止制御の終了を判断するための終了判断閾値を含み、
    前記制御部は、少なくとも1つの輪についての輪荷重が、前記輪の前記輪荷重についての開始判断閾値未満であり、かつ、前記前後輪の輪荷重の差の絶対値が、前記前後輪の輪荷重の差についての閾値未満である場合には、前記転倒防止制御を行い、
    全ての輪の各々についての輪荷重が、前記輪の前記輪荷重についての終了判断閾値より大きくなると、前記転倒防止制御を停止する請求項1項記載の車両制御装置。
  7. 前記各輪の輪荷重に関する閾値は、各輪についての、転倒防止制御の開始を判断するための開始判断閾値、及び各輪についての、転倒防止制御の終了を判断するための終了判断閾値を含み、
    前記制御部は、少なくとも1つの輪についての輪荷重が、前記輪の前記輪荷重についての開始判断閾値未満であり、かつ、前記左右輪の輪荷重の差の絶対値が、前記左右輪の輪荷重の差についての閾値より大きい場合には、前記転倒防止制御を行い、
    全ての輪の各々についての輪荷重が、前記輪の前記輪荷重についての終了判断閾値より大きくなると、前記転倒防止制御を停止する請求項2項記載の車両制御装置。
  8. コンピュータを、
    積載物を積載可能な車両の回転運動及び前後加速度を含む運動状態を検出する運動状態検出部、
    前記車両の各輪についての輪荷重を取得する輪荷重取得部、
    前記車両に積載された前記積載物の積載状態を取得する積載取得部、
    前記取得された前記積載状態に基づいて、前記積載物を含む車両の重心周りの慣性主軸を含む慣性値を算出する慣性値算出部、及び
    前記取得された各輪についての輪荷重と、前記慣性値と、前記運動状態の検出値とを用い、前記車両の前後輪の輪荷重の差分の増大を抑制する転倒防止制御を行う制御部
    として機能させるための車両制御プログラム。
  9. コンピュータを、
    積載物を積載可能な車両の回転運動を含む運動状態及び横加速度を検出する運動状態検出部、
    前記車両の各輪についての輪荷重を取得する輪荷重取得部、
    前記車両に積載された前記積載物の積載状態を取得する積載取得部、
    前記取得された前記積載状態に基づいて、前記積載物を含む車両の重心周りの慣性主軸を含む慣性値を算出する慣性値算出部、及び
    前記取得された各輪についての輪荷重と、前記慣性値と、前記運動状態の検出値とを用い、前記車両の左右輪の輪荷重の差分の増大を抑制する転倒防止制御を行う制御部
    として機能させるための車両制御プログラム。
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