JP2022138365A - 音響測深装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シングルビーム方式を用いて、マルチビーム方式の測深機に匹敵する深浅情報を取得する。【解決手段】3次元座標のz軸方向に対して所定の角度ずれた軸上に配置された、衛星測位システムの複数の受信機と、軸の方向に超音波ビームを放射するようになされた測深機振動子を有するシングルビーム方式の測深機とを備え、複数の受信機の測位結果から軸の傾きを求め、測深機のビームが垂直下から傾いた分を補正し、深浅を計測するようにした音響測深装置である。【選択図】図10

Description

本発明は、超音波を使用して例えば海底までの距離を計測し、海底などの情報を可視化して表示する音響測深装置に関する。
水中情報可視化装置の一つとして魚群探知機が知られている。図1に示すように、魚群探知機は超音波を水中に向けて発射し、水中に存在する水中物体(例えば魚や水中の浮遊物)や海底から反射信号をカラー液晶表示装置等に表示するものである。また、特許文献1には、広範囲の水深を探知するとともに海底面の底質を探知する底質探知装置が記載されている。
特許文献1に記載されているように、従来、深浅を探知する測深機として、シングルビーム方式の測深機と、マルチビーム方式の測深機が知られている。図1に示すように、シングルビーム方式の測深機は、送受波器から真下方向に超音波パルス信号を送信して、真下の海底面で反射した超音波信号を受信することで、この点での水深データを得るものである。マルチビーム方式の測深機は、海底方向の所定角範囲内に超音波パルス信号を同時に送信し、この所定角範囲内で互いに異なる探知方向とする複数の受波ビームを形成して、所定角範囲に応じた海底面領域の各区域における水深データを得るものである。シングルビーム測深が海底を送受波器直下の水深情報を線で測深しているのに対し、マルチビーム方式の測深は面的に詳細な海底地形を測深することができる。
マルチビーム方式において、一度に複数例えば256本の超音波ビームを照射できる範囲(スワス)の幅がスワス幅と称され、両端のビームのなす角度がスワス角と称される。例えばスワス角が90°から120°の範囲に設定される。マルチビーム方式の場合と比較してシングルビームの場合では、ビームの照射角が大きいので、対象物における照射範囲(以下、フットプリントと適宜称する)が大きくなり、このフットプリントの幅を探知することとなる。
マルチビーム方式の測深機は、ハードウエァ及びソフトウェアの規模が大きくなり、商品価格が高価である。一方、シングルビーム方式の測深機は価格が安いが一度に測深できるのは1点のみなので計測効率が悪く、粗い海底地形に関する3次元データしか取得することができない。さらに、従来の深浅測量では観測船の動揺補正と潮位補正の両方を行う必要があった。動揺補正のために、動揺を検出するための加速度センサーなどが必要とされていた。
特開2006-162294号公報
コストの点からは、シングルビーム方式がマルチビーム方式と比較して有利であるが、シングルビーム方式の測深機は価格が安いが一度に測深できるのは1点のみなので計測効率が悪く、粗い海底地形に関する3次元データしか取得することができない。さらに、従来の深浅測量では観測船の動揺補正と潮位補正の両方を行う必要があった。動揺補正のために、動揺を検出するための加速度センサーなどが必要とされていた。
したがって、本発明の目的は、シングルビーム方式を用いて、マルチビーム方式の測深機に匹敵する海底情報を形成することができ、また、動揺補正と潮位補正を同時に行うことができる音響測深装置を提供することにある。
本発明は、3次元座標のz軸方向に対して所定の角度ずれた軸上に配置された、衛星測位システムの複数の受信機と、
軸の方向に超音波ビームを放射するようになされた測深機振動子を有するシングルビーム方式の測深機とを備え、
複数の受信機の測位結果から軸の傾きを求め、測深機のビームが垂直下から傾いた分を補正し、深浅を計測するようにした音響測深装置である。
また、本発明は、3次元座標のz軸方向に対して第1の角度ずれた第1の軸上に配置された、衛星測位システムの複数の受信機と、
第1の軸の方向に超音波ビームを放射するようになされた測深機振動子を有するシングルビーム方式の第1の測深機と、
3次元座標のz軸方向に対して第1の角度と異なる第2の角度ずれた第2の軸上に配置された、衛星測位システムの複数の受信機と、
第2の軸の方向に超音波ビームを放射するようになされた測深機振動子を有するシングルビーム方式の第2の測深機とを備え、
第1の測深機は、複数の受信機の測位結果から軸の第1の軸の傾きを求め、測深機のビームが垂直下から傾いた分を補正し、深浅を計測し、
第2の測深機は、複数の受信機の測位結果のズレから軸の第2の軸の傾きを求め、測深機のビームが垂直下から傾いた分を補正し、深浅を計測するようにした音響測深装置である。
本発明によれば、シングルビーム方式を用いて、マルチビーム方式の測深機に匹敵する海底情報を形成することができる。シングルビーム方式のために、マルチビーム方式と比較してコストを低くすることができる。さらに、動揺補正と潮位補正を同時に行うことができるので、測深の手間を大幅に削減できる。なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であっても良い。
図1は、従来のマルチビーム方式とシングルビーム方式の説明に用いる略線図である。 図2Aは、マルチビーム方式により取得される測定点を示す略線図であり、図2Bは、シングルビーム方式により取得される測定点を示す略線図である。 図3は、水深と計測位置の関係の説明に用いる略線図である。 図4Aは、シングルビーム方式により取得される測定点を示す略線図であり、図4Bは、シングルビーム千鳥足方式により取得される測定点を示す略線図であり、図4Cは、点群超解像により形成される水深データを示す略線図である。 図5は、シングルビーム千鳥足方式のシステム構成を示すブロック図である。 図6は、シングルビーム千鳥足方式の概略的構成を示す略線図である。 図7は、2個のみちびき受信機及びシングルビーム方式の測深機振動子の配置を示す略線図である。 図8は、シングルビーム千鳥足方式のシステム構成を示すブロック図である。 図9は、送受信部の一例の構成を示すブロック図である。 図10は、測深機のビームが当たった位置の水深の計算の説明に用いる略線図である。 図11は、船が傾いたときの位置関係を説明するための略線図である。 図12は、みちびき受信機による上下動の観測データの一例を示すグラフである。 図13は、シングルビーム千鳥足方式を用いた計測方法の説明に用いる略線図である。 図14は、シングルビーム千鳥足方式を用いた計測例の説明に用いる略線図である。 図15は、放射角と計測位置の関係の説明に用いる略線図である。 図16Aは、測深機振動子を10°傾けて設置した場合の計測位置を示す略線図であり、図16Bは、測深機振動子を15°傾けて設置した場合のスワス幅を示す略線図である。 図17Aは、マルチビーム方式の測深動作を示す略線図であり、図17Bは、本発明の一実施形態の測深動作を示す略線図である。 図18は、本発明の一実施形態の計測方法の説明に用いる略線図である。 図19は、観測船の両舷に測深機振動子を傾けて設置した本発明の他の実施形態の計測位置を示す略線図である。 図20Aは、マルチビーム方式の測深動作を示す略線図であり、図20Bは、本発明の他の実施形態の測深動作を示す略線図である。 図21は、本発明の他の実施形態の計測方法の説明に用いる略線図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において、特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施形態に限定されないものとする。
本発明の説明に先立って従来の測深方法について図2A及び図2Bを参照して説明する。図2Aがマルチビーム方式の測深方法を示す。矢印で示す方向に船が航行してスワス幅内の複数の位置の測深データが取得される。この水深か測定された位置を測定点と称する。測定点のフットプリントは、船の直下が最小で、スワス幅の両側に近づくほど大きくなる。一方、シングルビーム方式では、図2Bに示すように、船の航跡に沿った測定点となる。測定点のフットプリントの大きさは、深浅に応じて変化する。シングルビーム方式では、測定点が線状となるので、矢印で示すように、航行方向と直交する方向の測定点の密度を高くするためには、井桁状の航跡を描くように航行する必要がある。
図3は、シングルビーム方式において、ビーム照射角と照射範囲の関係を示している。一例として、水深が2000mの場合、ビーム照射角が1°であれば、照射範囲が約35mとなり、ビーム照射角が5°であれば、照射範囲が約175mとなる。
図4Aは、シングルビーム方式の場合の測定点の軌跡を示し、図4Bは、シングルビーム千鳥足方式の測定点の軌跡を示す。シングルビーム千鳥足方式は、後で詳述するが、3次元座標のz軸方向に配置された、衛星測位システムの複数の受信機と、z軸方向に配列された測深機振動子を有するシングルビーム方式の測深機とが船に備えられ、複数の受信機の測位結果のズレから船の傾きを求め、測深機のビームが垂直下から傾いた分を補正し、斜め方向の海底深度を計測するものである。シングルビーム千鳥足方式によれば、シングルビーム方式と比較して計測範囲を拡張することができる。
シングルビーム千鳥足方式によって得られたオリジナルの測定点の測深データを機械学習モデルに与え、機械学習によってノイズ除去と点群超解像を行い、図4Cに示すような解像度がオリジナルに比して高められた測定点が得られる。図4CにおいてXが機械学習モデルによって得られた測定点である。この図4Cに示す測定点の測深データを使用して海底地形の3次元データが形成される。
図5は、シングルビーム千鳥足方式の測深システムの構成を示している。船には、シングルビーム千鳥足方式の測深機が搭載されている。船の測深により得られた測深データが無線通信例えば携帯通信網201を通じて受信サーバー202に送信される。受信サーバー202は、船からの測深データを受信するためのプログラム及びコンピュータである。受信サーバー202で受信されたオリジナルの測深データがオリジナル測深データベース203に蓄積される。
オリジナル測深データベース208に蓄積された測深データを使用して人工知能204において機械学習が行われ、ノイズ除去と点群超解像の処理がなされる。人工知能204における処理の結果、AI補正測深データが得られ、AI補正測深データがデータベース205に蓄積される。詳細海底地形図自動生成システム206が補正測深データを使用して詳細な海底地形図を作成する。
作成された海底地形図がWEBサーバー207に保存される。予め登録されているユーザーは、例えばスマートフォン208によってWEBサーバー207に対してアクセスすると、WEBサーバー207がユーザーに対して希望する海底地形図のデータを提供する。WEBサーバー207は、ユーザーに対して海底地形図のデータを提供するためのプログラム及びコンピュータである。
以下、上述したシングルビーム千鳥足方式の測深装置について説明する。この方式の測深装置は、図6及び図7に示すように、2台の高精度GNSS(Global Navigation Satellite System /全球測位衛星システム)受信機101及び102と、シングルビーム方式の測深機110を含む音響測深装置である。GNSSは、GPS(Global Positioning System)、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System 準天頂衛星システム)等の衛星測位システムの総称である。GNSS受信機(例えばQZSSを利用するので、以下、みちびき受信機と称する)101及び102を使用する測位システムは、従来のGPSのみを使用する測位システムと比較して極めて高精度の測位を行うことができる。各みちびき受信機によって、それぞれ3次元座標の測位データが取得される。
2台のみちびき受信機101及び102が観測船100に設置され、各みちびき受信機が複数(4個以上例えば6個)の衛星からの電波を受信し、これらの衛星からの距離を同時に知ることによって自分の位置などを決定するようになされる。衛星からの距離は、衛星から発信された電波が受信機に到達するまでに要した時間から求められる。衛星から例えば(1/20)秒の周期で測位用電波が受信される。
図7に示すように、みちびき受信機101及び102は、z軸方向(上下方向)に所定距離Δr1離して配置される。z軸は、標高の基準面(東京湾の平均海面)に対して直交する方向に対応している。みちびき受信機101及び102と同一位置で、それらの延長線上の下に、みちびき受信機101から所定距離Δr2離してシングルビーム方式の測深機振動子110が配置される。測深機振動子110は、観測船100の例えば片舷又は船底に取り付けられて海中に超音波の送信信号を送波し、海底で反射した超音波受信信号を受波する。超音波は、海底で反射されて散乱しながら海面に向かって戻る。シングルビーム方式の測深機振動子110としては既存のものを使用できる。
図8は、上述した測深装置を観測船100に搭載した場合の構成を示す。みちびき受信機101で得られた位置データとみちびき受信機102で得られた位置データが水深データ生成部112に供給される。測深機振動子110に対しては、送受信部111が接続され、測深機振動子110の超音波送波器に対して送受信部111から送信信号が供給され、測深機振動子110の超音波受波器からの受信信号が送受信部111に対して供給される。送受信部111においては、シングルビーム方式の測深機によって水深データが求められる。
水深データ生成部112によって求められた水深データが水深データ処理部113に供給される。水深データ処理部113によって生成された2次元又は3次元画像データが記憶装置114及び表示装置115に供給される。表示装置115は、カラー液晶等の表示装置であって例えば海底の形状を表す2次元又は3次元画像を表示する。なお、図5を参照して説明したように、水深データ処理部113,記憶装置114、表示装置115は、観測船100に搭載されている必要はなく、地上の設備に設置され、水深データ処理部113に対して水深データ生成部112で得られた水深データが無線通信を通じて送信される。
みちびき受信機101及び102が位置データを受信するタイミングを示すタイミング信号が送受信部111に対して供給され、位置データの受信のタイミングと測深機振動子110からの超音波の送信信号の発射タイミングがこれらのみちびき受信機101及び102の間で同期するようになされる。同期のためにみちびき受信機101及び102の一方のタイミング信号を使用してもよい。さらに、信号処理の遅延時間などを補正するようにしてもよい。要するに、みちびき受信機101及び102が位置データを取得するタイミングと測深機の水深データの取得のタイミングが同期するようになされる。
一例として、みちびき受信機101及び102が位置データを取得する周期をT例えば1/20秒=0.05秒とすると、測深機も周期Tでもって水深データを得ることができる必要がある。従来の測深機は、短いパルスを送信し、そのパルス信号が海中を伝搬し、海底からの反射エコーを1送信毎に1本の線として、反射信号の大きさに比例した色をつけて画面上に表示していた。その送信周期は、送信してから海底からの反射エコーが返ってきてから次の送信を行っていたので、海底までの距離の往復距離を水中音速で割った時間より短くできなかった。例えば、150mの深さの海底のあるところでは、その往復距離300mを水中音速1500m/sで割った値0.2秒よりも送信周期を短くできなかった。
かかる問題を解決し、上述した0.05秒のような短い周期の送信周期とできる測深装置が一実施形態では使用されている。図9は、送受信部111の一例の構成を示す。パルス発生器1は、みちびき受信機101及び102が位置データを受信するタイミングを示すタイミング信号が供給され、このタイミング信号と同期した一定周期のパルス信号の送信トリガパルスを発生する。
送信トリガパルスが送信信号生成部2に供給される。送信信号生成部2は、送信パルスとして疑似雑音系列信号例えばゴールドコードを発生し、送信パルスをパルス変調例えばBPSK(Binary Phase Shift Keying)によってデジタル変調する。搬送波の周波数は数kHz~数百kHzとされる。
送信信号生成部2によって生成された送信信号が送信機3に供給され、送信機3において増幅等の処理がなされる。送信機3の出力信号が測深機振動子110の送波器に供給される。送波器から海中に対して超音波が送出される。発射された水中超音波のエコーが測深機振動子110の受波器によって受波される。
測深機振動子110の受波器からの受波データが受信アンプ5に供給され、増幅等の処理を受けて後、受信信号処理部6に供給される。受信信号処理部6は、受信信号を疑似雑音系列信号によって相関処理を行う。送信信号と受信信号の疑似雑音系列信号が一致する場合に大きな値となる信号を発生する。この大きな値となる信号を送信信号に対応する受信信号である。また、受信信号処理部6では、相関処理後に得られる水深データのA/D変換などの処理がなされる。
一例として、パルス変調において1ビットが4周期で構成されており、各周期が8サンプルでデジタル化される。したがって、ゴールドコードのコードが127ビットの場合、一つの受信エコー信号は、(127×4×8=4064ビット)となる。この受信信号と127個のゴールドコードのコードのレプリカ(レプリカは4064ビット)との一致検出によって相関が検出される。受信信号処理部6の出力が水深データ生成部112に対して供給される。なお、水深データ生成部112に対しては送信トリガパルスが供給される。ここで、送信信号(送信パルス)の周期は、水中の音波の速度をVuとし、測定対象までの距離をDとする場合に、(2D/Vu)以下とできる。
測深装置における水深データ生成部112の処理について図10及び図11を参照して説明する。観測船100が全く揺れていない場合では、みちびき受信機101及び102並びに測深機振動子110がz軸上で整列し、みちびき受信機101及び102のそれぞれによって得られる位置データは同一である。この場合では、測深機振動子110を含む測深機によって得られる水深データは、海底までの水深を正確に表している。
一方、観測船100が波などでローリングした場合には、図10及び図11に示すように、観測船100がθの角度傾いて測深機振動子110から超音波が斜めに海底に向かって送出され、海底からのエコーが斜めの経路で受信される。したがって、この場合では、測深機振動子110を含む測深機によって得られる水深データrは、海底までの正確な水深D(m)と相違したものとなる。しかしながら、シングルビーム千鳥足方式では、以下に説明するように、みちびき受信機101及び102によって取得された位置データを使用して補正処理を行うことで、正確な水深データを得ることができる。
みちびき受信機101が計測した位置をP1(x1,y1,z1)と表し、みちびき受信機102が計測した位置をP2(x2,y2,z2)と表す。これらの位置の差Δx及びΔyは、式(1)及び式(2)で表すものとなる。
Figure 2022138365000002
Figure 2022138365000003
図10に示すように、観測船100が傾いて、測深機のビームが船の真下(測深機振動子110の真下)ではなくz軸からθずれた海底を計測することになる。図11は、観測船100がθ傾いたときのみちびき受信機101及び102と測深機振動子110の位置関係を示したものである。このときの真の計測深度Dと、計測の位置Pi(xi,yi,zi)の関係は、式(3)式(4)及び式(5)で表すものとなる。
Figure 2022138365000004
Figure 2022138365000005
Figure 2022138365000006
傾きθ,角度φ,dx,dyは、以下の式(6)式(7)式(8)及び式(9)で表すものとなる。
Figure 2022138365000007
Figure 2022138365000008
Figure 2022138365000009
Figure 2022138365000010
また、図12は、観測船100が上下動した時にみちびき受信機101によって得られた位置(座標)のz軸成分(標高)の変化の一例を示す。標高の0は、東京湾の平均海面である。図12における白丸は、みちびき受信機101及び102によって位置が得られ、水深Dが求められる測定点を表している。みちびき受信機101で得られた標高の値をz1と、上述したように求められた水深Dを式(10)で示すように補正することによって真の水深ziを求めることができる。この補正によって、観測船100の動揺並びに潮位の変動の影響をなくすための補正を不要とできる。
Figure 2022138365000011
上述したように、みちびき受信機101及び102の計測間隔(例えば1/20秒)とシングルビーム方式の測深機の送信間隔を等しくし、且つ同期させることによって、真の水深ziを正しく求めることができる。
図13は、上述したシングルビーム千鳥足方式による音響測深装置による深度を測定動作の概要のイメージを示すものであり、観測船100に搭載した測深機振動子110からの超音波ビームが到達する位置の軌跡を示している。一例として、水深が30mの場合で+/-5°の揺れは、海底においては、+/-5.2mの範囲となる。図14は、表示装置115による海底の3次元表示の一例を示している。点線は、観測船100の軌跡である。水深の違いが表示色によって識別可能とされる。図14に示す以外の表示(例えば等深線の表示など)も可能である。なお、得ることができる水深は、離散的な値であるが、機械学習によって、ノイズ除去と点群超解像の処理がなされ、補正測深データが得られる。
上述したシングルビーム千鳥足方式によれば、みちびき受信機2台とシングルビーム測深機1台を組み合わせて、動揺補正と潮位補正を同時に解決し、安価な擬似的なマルチビーム測深機を実現することができる。例えば1台のマルチビーム測深機で調査できる海域に比べ、10台のシングルビーム千鳥足方式による装置で調査した方がより広い調査海域をカバーできる。しかも、動揺補正と潮位補正を同時に解決できることにより、浅深測量の手間を大幅に削減できる。
上述したように、シングルビーム千鳥足方式は、マルチビーム方式と比較して遥かにローコストで測深装置を構成することができ、調査船としても小型な船を使用することができる。しかしながら、シングルビーム千鳥足方式の測定範囲の幅は、シングルビーム方式と比較すれば大きいが、マルチビーム方式と比較すれば狭い。本発明は、この点を改良しようとするものである。
すなわち、本発明では、3次元座標のz軸に対して設定された傾きを有する軸方向に衛星測位システムの複数の受信機と、測深機振動子を有するシングルビーム方式の測深機が船に備えられている。すなわち、船の傾きが0°の場合でも、z軸に対して傾きを有する軸方向に超音波ビームが送出され、海底で反射して散乱しながら戻ってくる超音波が受信される。複数の受信機の測位結果のズレから船の傾きを求め、船の傾きに対して測深機振動子の傾きを加えた分を補正量とし、この補正量でもって補正し、海底深度を計測する。すなわち、上述したシングルビーム千鳥足方式の説明において、角度θが測深機振動子の傾きと船の傾きを加算した角度とされる。
超音波を放射する方向を以下の説明では、放射角と称する。放射角の0°は、オフセットが0で超音波の放射方向がz軸と一致していることを表している。測深機振動子の傾きの程度を設置角と称する。本発明においては、観測船が傾いていない時(すなわち、θ=0°)の測深機振動子から放射される超音波ビームの放射角がz軸から所定の角度ずれるように測深機が設置されている。
観測船100に対して1個の測深機振動子を設置して、放射角を0°,10°,20°,30°,45°,60°と設定した場合の計測位置を図15に示す。図15は、水深を1とした場合の計測位置を表している。
図16Aに示すように、観測船100に対して片舷又は船底に1個の測深機振動子を(設置角(放射角)=10°)でもって取り付けた場合、観測船100が傾いていない状態では、(指向角=5°)の超音波ビームが(7.5°~12.5°)の範囲に拡がる。観測船100の位置の水深を1とすると、超音波ビームの到達面では、(0.132~0.222)の直径を有するフットプリントが形成される。
観測船100が傾く場合、動揺角が(5°~8°)程度を想定している。例えば動揺角が8°の場合では、測深機振動子の放射角が(2°~18°)の範囲で変化する。したがって、測深機振動子を所定の設置角で観測船に傾けて取り付けることによって、測深機振動子を傾けないで設置するのと比較して計測位置を拡げることができる。図16Bは、例えば(動揺角=5°で設置角=15°)の場合に放射された超音波ビームの拡がりを示している。この例では、観測船100の位置の水深を1とすると、超音波ビームの到達面では、(0.222~0.315)の直径を有するフットプリントが形成される。
図17A及び図17Bは、従来のマルチビーム方式の測深装置とシングルビーム千鳥足方式の測深装置の測深時の測定点を概略的に示している。マルチビーム方式の測深装置は、航跡の両側の横方向に水深の1/2の幅で密に測定点(フットプリント)が分布する。これらの測定点は、同時に取得される。上述したように、片舷例えば右舷にシングルビーム千鳥足方式の測深機振動子を例えば(設置角=15°)でもって傾けて設置すると、計測範囲の最も外側の位置は、水深の約1/3となる。したがって、図17Bに示すように、航跡の片側に水深の1/3のまでの範囲の測定点で水深データを取得できる。図17Bでは、横方向に複数の測定点のフットプリントが示されているが、シングルビームであるために、一つの測定点でしか水深データを取得できない。このことは、後述する図18、図20及び図21においても同様である。一方、縦方向では、超音波の送信間隔を短くできるので、測定点の密度をマルチビーム方式と比較してより密とすることができる。
さらに、観測船100が図18に示すような航跡を描いて深浅測定を行う。すなわち、海面上を図の下から上に向かって直線方向に観測船100が測深を行いながら航行し、所定距離を航行すると、ほぼ直角に右側に曲がり、前回の航跡と平行する航跡を描くように、図の上から下に向かって観測船100が測深を行いながら航行する。前回の航跡と今回の航跡の間隔は、(水深の1/3)の2倍に設定される。
観測船100が上から下に向かって航行し、以前の航跡と等しい長さの航跡を描くと、急旋回して次の航跡(下から上に向かう航跡)を描くようになされる。観測船100が急旋回した後に、観測船100が下から上に向かって測深を行いながら航行する。以降、同様に観測船100が航行して井桁状の航跡が描かれる。観測船100が急旋回することは、測定点が存在しない空白海域をなるべく少なくするために必要である。測定点が存在しない空白海域では、点群超解像によって水深データを形成できる。
上述した一実施形態では、観測船の片舷に測深機振動子を設けるようにしている。これに対して本発明の他の実施形態では、図19に示すように、観測船100の両舷に測深機振動子110a及び110bをそれぞれ傾けて設置する。測深機振動子110a及び110bの設置角は、ほぼ等しい値で異なる方向(極性)とされる。図19では、測深機振動子110aの設置角が-10°とされ、測深機振動子110bの設置角が+10°とされている。図19に示す例では、観測船100が傾いた場合に、測深機振動子110a及び110bが測深できる範囲が示されている。水深をDとした場合、(0.728×D)の計測範囲を実現できる。
図20A及び図20Bは、従来のマルチビーム方式の測深装置と本発明の他の実施形態の測深時の測定点の分布を概略的に示している。マルチビーム方式の測深装置は、航跡の両側の横方向に水深の1/2の幅で密に測定点(フットプリント)が分布する。上述したように、両舷にシングルビーム千鳥足方式の測深機振動子を例えば(設置角=15°)でもって傾けて設置すると、測定範囲が水深の約1/3となる。したがって、図20Bに示すように、航跡の両側に水深の1/3の測定範囲内の一つの測定点で水深データを取得できる。一方、縦方向では、超音波の送信間隔を短くできるので、測定点の密度をマルチビーム方式と比較してより密とすることができる。
さらに、図21は、本発明の他の実施形態によって深浅測定を行う時の観測船100の航跡の一例を示す。すなわち、海面上を図の下から上に向かって直線方向に観測船100が測深を行いながら航行する。図21では、作図領域の関係で観測船100の左舷側で得られる測定点が省略されている。所定距離を航行すると、ほぼ直角に右側に曲がり、前回の航跡と平行する航跡を描くように、図の上から下に向かって観測船100が測深を行いながら航行する。前回の航跡と今回の航跡の間隔は、測定範囲(水深の1/3)の2倍とされる。なお、測定範囲の一部がオーバーラップしてもよい。
観測船100が上から下に向かって航行し、以前の航跡と等しい長さの航跡を描くと、観測船100が左旋回して次の航跡(下から上に向かう航跡)を描くようになされる。この場合、上から下に描かれる航跡において、左舷側においても測定点の一つから水深データが取得できているので、次の航跡を描くために急旋回する必要がない。また、測定点が存在しない空白海域が生じない利点がある。
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の実施形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料及び数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料及び数値などを用いてもよい。例えば海底の反射強度データを検出して海底の底質を測定する底質探知装置の測深機に対して本発明を適用してもよい。また、衛星測位システムの3次元座標のz軸上に2台の受信機が配列されていないで、所定のオフセットでもって2台の受信機が配列されていてもよいし、測深機振動子がz軸に対して所定のオフセットでもって配列されていてもよい。また、衛星測位システムとしては、実施形態に挙げたシステム以外のシステムを使用してもよく、3台以上のみちびき受信機を使用してもよい。
101、102:みちびき受信機、110:測深機振動子、111:送受信部、112:水深データ生成部、115:表示装置

Claims (6)

  1. 3次元座標のz軸方向に対して所定の角度ずれた軸上に配置された、衛星測位システムの複数の受信機と、
    前記軸の方向に超音波ビームを放射するようになされた測深機振動子を有するシングルビーム方式の測深機とを備え、
    前記複数の受信機の測位結果から前記軸の傾きを求め、前記測深機のビームが垂直下から傾いた分を補正し、深浅を計測するようにした音響測深装置。
  2. 3次元座標のz軸方向に対して第1の角度ずれた第1の軸上に配置された、衛星測位システムの複数の受信機と、
    前記第1の軸の方向に超音波ビームを放射するようになされた測深機振動子を有するシングルビーム方式の第1の測深機と、
    3次元座標のz軸方向に対して前記第1の角度と異なる第2の角度ずれた第2の軸上に配置された、衛星測位システムの複数の受信機と、
    前記第2の軸の方向に超音波ビームを放射するようになされた測深機振動子を有するシングルビーム方式の第2の測深機とを備え、
    前記第1の測深機は、前記複数の受信機の測位結果から前記軸の前記第1の軸の傾きを求め、前記測深機のビームが垂直下から傾いた分を補正し、深浅を計測し、
    前記第2の測深機は、前記複数の受信機の測位結果のズレから前記軸の前記第2の軸の傾きを求め、前記測深機のビームが垂直下から傾いた分を補正し、深浅を計測するようにした音響測深装置。
  3. 前記第1の角度と前記第2の角度がほぼ等しい値で異なる極性である請求項1又は2に記載の音響測深装置。
  4. 前記複数の受信機の一つによって得られたz軸方向の位置を使用して水深を補正するようにした請求項1から3のいずれかに記載の音響測深装置。
  5. 計測データに対して人工知能による機械学習を行い、点群超解像の処理を行うようにした請求項1から4のいずれかに記載の音響測深装置。
  6. 前記シングルビーム方式の測深機は、
    疑似雑音系列信号を生成する疑似雑音系列発生回路及び送信タイミングの前記疑似雑音系列信号によって搬送波信号を変調して送信信号を形成する変調回路を有する送信信号生成部と、
    前記送信信号を超音波として水中に送出する送信部と、
    超音波のエコーを受信する受信部と、
    前記エコーを前記疑似雑音系列信号によって相関処理を行うことによって、前記送信信号と対応する前記エコーを判別する受信信号処理部とを備え、
    前記送信信号の周期は、水中の音波の速度をVuとし、海底までの距離をDとする場合に、(2D/Vu)以下とされた請求項1から5のいずれかに記載の音響測深装置。
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