JP2022136967A - 電気化学式ガスセンサ、オゾン発生器、及び加湿器 - Google Patents

電気化学式ガスセンサ、オゾン発生器、及び加湿器 Download PDF

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Abstract

Figure 2022136967000001
【課題】対象気体に含まれる被検知ガスの濃度が低濃度であっても、被検知ガスの濃度をより正確に検知することができる電気化学式ガスセンサを提供する。
【解決手段】電気化学式ガスセンサ10は、第1検知素子21が第1格納部31に格納される。第1格納部31の第1導入口31Aには、透湿膜24が設けられる。透湿膜24は、被検知ガスの透過を実質的に遮断する。第2検知素子22は、対象気体に含まれる水蒸気及び被検知ガスが入り込む空間に配置される。電気化学式ガスセンサ10は、このような構成により、0以上1ppm以下の濃度の被検知ガスが検知可能とされる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気化学式ガスセンサ、オゾン発生器、及び加湿器に関するものである。
特許文献1には、電気化学式ガスセンサの一例が開示されている。特許文献1に開示されるオゾンセンサは、隔膜ポーラログラフ法を利用した電気化学式センサであり、作用極および対極の両極間に流れる電流の大きさからオゾンガスの定量を行うものである。
特開2020-16593号公報
気体に含まれる被検知ガスの濃度を電気化学式のガスセンサによって検知する場合、湿度が変化する環境下では、湿度に起因する誤差が生じる懸念がある。特に、気体に含まれる被検知ガスの濃度が低い場合には、湿度の影響が相対的に大きくなるため、誤差がより生じやすい。
本発明は、上述した課題の少なくとも一つを解決するためになされたものであり、対象気体に含まれる被検知ガスの濃度が低濃度であっても、被検知ガスの濃度をより正確に検知することができる技術を提供することを目的とするものである。
本発明の一つである電気化学式ガスセンサは、
対象気体に含まれる被検知ガスの濃度を検知するガスセンサであって、
電気化学方式によりガスの濃度を検知する第1検知素子と、
前記対象気体に含まれる水蒸気及び前記被検知ガスが入り込む空間に配置され、電気化学方式によりガスの濃度を検知する第2検知素子と、
前記第1検知素子を格納する内部空間が自身の内部に構成される第1格納部と、
前記第1格納部の外側の外部空間と前記内部空間との間に設けられる第1導入口と、
前記第1導入口に設けられ、前記外部空間から前記内部空間への前記被検知ガスの透過を実質的に遮断する透湿膜と、
を備え、
前記第1検知素子の出力と前記第2検知素子の出力とに基づいて水蒸気の影響をキャンセルして0以上1ppm(parts per million)以下の濃度の前記被検知ガスが検知可能である。
電気化学式ガスセンサでは、素子内部と素子外部の水蒸気量に差が生じると水蒸気量の差に起因する起電力が生じ、水蒸気量の差に起因する電流が流れるという懸念がある。そして、被検知ガスの濃度が1ppm以下であるような低濃度の対象気体では、被検知ガスの濃度を検知する上で、水蒸気量の差に起因する電流の影響が大きくなりやすい。この点に関し、上記の電気化学式ガスセンサでは、第1検知素子が、対象気体から被検知ガスを実質的に除いた状態で被検知ガスの濃度を検知するため、水蒸気量の差に起因する電流の影響を評価することができる。一方、第2検知素子は、水蒸気と被検知ガスとを含んだ成分を対象として濃度を検知することができる。つまり、上記の電気化学式ガスセンサは、第1検知素子による検知結果(水蒸気量の差に起因する電流の影響を評価した結果)を、第2検知素子による被検知ガスの濃度検知に利用することができるため、被検知ガスの濃度が低い対象気体において被検知ガスの濃度を正確に検知する上で有利である。ゆえに、上記の電気化学式ガスセンサは、対象気体に含まれる被検知ガスの濃度が1ppm以下の低濃度であっても、被検知ガスの濃度をより正確に検知することができる。
本明細書において、「被検知ガスの透過を実質的に遮断する」とは、体積ベースで、被検知ガスの透過量が水蒸気の透過量の50分の1以下であることを意味する。
上記透湿膜は、前記外部空間から前記内部空間への水蒸気の透過を許容し、前記外部空間から前記内部空間への前記被検知ガスの透過を実質的に遮断する水蒸気透過フィルタであってもよい。
上記電気化学式ガスセンサは、上記外部空間から上記内部空間への水蒸気の透過を許容し、外部空間から内部空間への被検知ガスの透過を実質的に遮断する機能を、水蒸気透過フィルタによって実現できる。
上記電気化学式ガスセンサは、上記透湿膜の厚さが0μmより大きく60μm以下である構成をとりうる。
透湿膜が60μm以下の厚さで構成されれば、第1検知素子によって検知を行う上で、湿度変化に対する応答性の低下がより抑えられる。
上記電気化学式ガスセンサは、0以上かつ100ppb(parts per billion)以下の濃度の上記被検知ガスが検知可能であることが望ましい。
被検知ガスの濃度が100ppb以下であるような極めて低濃度の対象気体では、被検知ガスの濃度を検知する上で、上述された「水蒸気量の差に起因する電流」の影響が一層大きくなりやすい。この点に関し、上記の電気化学式ガスセンサは、「水蒸気量の差に起因する電流」の影響を正確に評価し、その評価結果を反映して被検知ガスの濃度を検知することができるため、被検知ガスの濃度が100ppb以下の気体を対象とする場合に、非常に有用である。
上記電気化学式ガスセンサは、湿度センサが検知する前記対象気体の湿度に基づいて感度を設定する感度設定部と、上記第1検知素子の出力と、上記第2検知素子の出力と、上記感度と、に基づいて上記被検知ガスの濃度を特定する濃度特定部と、を有する構成をとりうる。
湿度が変化すると「適切な感度」が変化する懸念があるが、上記の電気化学式ガスセンサは、湿度の変化に合わせて感度を調整することができる。湿度センサは、上記電気化学式ガスセンサの一部として構成されるものであってもよく、上記電気化学式ガスセンサとは異なる湿度センサであってもよい。
上記電気化学式ガスセンサは、上記被検知ガスがオゾンであってもよい。
ガスセンサによってオゾンの濃度を検知する場合、水蒸気がノイズとなってオゾン濃度の正確な検知が阻害される懸念がある。特に、オゾンの濃度が低い気体を対象とする場合、上述された「水蒸気量の差に起因する電流」の影響が相対的に大きくなるため、このような問題がより顕著になる。しかし、上記電気化学式ガスセンサは、「水蒸気量の差に起因する電流」の影響を正確に評価し、オゾンの濃度を検知するために利用することができるため、オゾンの濃度が低い対象気体であっても、オゾンの濃度が正確に検知されやすい。
本発明の一つであるオゾン発生器は、上記被検知ガスがオゾンである上記電気化学式ガスセンサを備える。
このオゾン発生器は、単にオゾンを発生するだけでなく、簡易な構成でオゾンの濃度を正確に検知し得る。
本発明の一つである加湿器は、上記の電気化学式ガスセンサを備える。
この加湿器は、単に加湿するだけでなく、簡易な構成で被検知ガスの濃度を正確に検知し得る。
本発明は、対象気体に含まれる被検知ガスの濃度が低濃度であっても、被検知ガスの濃度をより正確に検知することができる。
図1は、第1実施形態の電気化学式ガスセンサの電気的構成を簡略的に示す回路図である。 図2は、第1実施形態の電気化学式ガスセンサの素子部を例示する断面概略図である。 図3は、第1実施形態の電気化学式ガスセンサにおける感度及び感度補正の概念を説明するための説明図である。 図4は、実験1の実験結果を説明するためのグラフである。 図5は、実験2の実験結果を説明するためのグラフである。 図6は、第1実施形態の電気化学式ガスセンサを備えたオゾン発生器を例示する説明図である。
1.第1実施形態
1-1.電気化学式ガスセンサの構成
図1に示される電気化学式ガスセンサ10は、対象気体に含まれる被検知ガスの濃度を検知するガスセンサである。電気化学式ガスセンサ10は、単にガスセンサ10とも称される。以下で説明される電気化学式ガスセンサ10の代表例では、被検知ガスがオゾン(オゾンガス)である。つまり、図1に示されるガスセンサ10は、オゾンガスの濃度を検知するオゾンガスセンサとして機能する。ガスセンサ10は、主に、検知部12と、制御部14と、を備える。検知部12は、素子部20と出力回路部16とを備える。
素子部20は、上述された「水蒸気量の差に起因する電流」を評価する信号である第1信号V1と、上記対象気体に含まれる被検知ガスの濃度に応じた信号である第2信号V2とを生成する部分である。図2に示されるように、素子部20は、第1検知素子21と、第2検知素子22と、第1格納部31と、第2格納部32と、第1導入口31Aと、第2導入口32Aと、透湿膜24と、第1防水フィルタ27と、第2防水フィルタ28と、ケース30とを備える。
ケース30は、第1格納部31、第2格納部32、第1検知素子21、第2検知素子22などを収容する収容部である。ケース30には、ケース30の外側の空間90とケース30の内側の空間92とを連通する開口部30Aが設けられている。図2には、開口部30Aの一例が示されているが、ケース30の外側の空間90に存在する気体をケース30の内側の空間92に導入し得る構成であれば、開口部30Aの構成は限定されない。また、図2の例では、第1導入口31A及び第2導入口32Aがケース30内に存在するが、第1導入口31A及び第2導入口32Aがケース30外の空間90に存在してもよい。即ち、空間90から透湿膜24、第1防水フィルタ27、第2防水フィルタ28に直接気体が入り込む構成であってもよい。
第1実施形態において、ガスセンサ10が被検知ガスの濃度を検知する「対象気体」とは、ケース30の外側の空間90に存在する気体であり、ケース30に形成された開口部30Aを介して、内側の空間92に入り込む気体である。図2の例では、空間90,92に存在する気体が「対象気体」の一例に相当する。空間90,92は、第1格納部31の外側の外部空間の一例に相当する。
ケース30の内部には、第1格納部31及び第2格納部32が設けられている。第1格納部31は、自身の内部に第1検知素子21を格納する部分である。第1格納部31は、第1検知素子21を格納する内部空間93が自身の内部に構成される。第1格納部31は、第1検知素子21の周囲を囲む側壁部31Bと第1検知素子21の下側を塞ぐ底壁部31Cとを有し、上部に開口部(第1導入口31A)が設けられた箱状の形態をなす。具体的には上壁部31Dと底壁部31Cとが上下に対向し、上壁部31Dが側壁部31Bの上端部に連結され、底壁部31Cが側壁部31Bの下端部に連結され、上壁部31Dに上記開口部(第1導入口31A)が形成されている。図2の例では、後述される透湿膜24の厚さ方向が上下方向である。第1格納部31において、上壁部31D側(第1導入口31Aが設けられた側)が上側であり、底壁部31C側が下側である。
第1導入口31Aは、第1格納部31に形成された開口部である。第1導入口31Aは、第1格納部31の一部をなす上壁部31Dにおいて、上下に貫通した形態で設けられている。
透湿膜24は、第1導入口31Aに設けられるフィルタである。透湿膜24は、外部空間(空間90,92)に存在する水分を自身の内部(膜内)に取り込むとともにその水分に応じた水分を内部空間93に導く機能を有する膜体であり、且つ被検出ガスを実質的に透過しない膜体である。例えば、透湿膜24は、外部空間(空間90,92)に存在する水分を取り込み、自身の内部を通過させて内部空間93に導き得る構成であってもよい。或いは、透湿膜24は、外部空間(空間90,92)に存在する水分を取り込んで自身の内部でイオン交換を行い、このイオン交換で生じる水分を内部空間93に導き得る構成であってもよい。透湿膜24は、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルアルコール、ビニルアルコール共重合体、フッ素系イオン交換樹脂、繰り返し単位にプロトン性親水性基を有する樹脂、繰り返し単位に非プロトン性親水性基を有する樹脂などを用いることができる。フッ素樹脂系のイオン交換膜としては、例えば、Nafion(登録商標)、Flemion(登録商標)、Aciplex(登録商標)等が使用され得る。なお、透湿膜24は、疎水性多孔質膜に重ねて用いられてもよい。すなわち、第1導入口31Aに設けられた透湿膜24の存在によって内部空間93の絶対湿度と外部空間92の絶対湿度を同程度に近づけ得る構成であればよい。
本実施形態の代表例では、透湿膜24は、例えば、水蒸気透過フィルタによって構成され、外部空間(空間90,92)から内部空間93への水蒸気の透過を許容し、上記外部空間(空間90,92)から内部空間93へのオゾン(オゾンガス)の透過を実質的に遮断する。透湿膜24では、体積ベースで、オゾンガスの透過量が水蒸気の透過量の50分の1以下である。透湿膜24は、第1導入口31Aを塞ぐ構成で設けられている。従って、外部空間(空間90,92)から内部空間93へ入り込む気体は、透湿膜24を通過して内部空間93に入り込む。
透湿膜24の厚さは、0μmより大きく60μm以下であることが望ましい。透湿膜24の厚さが60μm以下であると、応答性の面で有利である。より望ましくは、透湿膜24の厚さが30μm以下であるとよい。透湿膜24の厚さが30μm以下であれば、応答性の面でより一層有利である。一方で、透湿膜24の厚さが1μm以上であることが、より望ましい。透湿膜24の厚さが1μm以上とされれば、製造上の観点から有利である。より望ましくは、透湿膜24の厚さが5μm以上であるとよい。透湿膜24の厚さが5μm以上であれば、製造面でより一層有利である。例えば、透湿膜24の厚さが1μm以上であって且つ30μm以下であると、製造面と応答性の面でバランスのとれたものとなる。
第1防水フィルタ27は、水蒸気やオゾンなどの気体の通過を許容し、液体の通過を実質的に遮断するフィルタである。第1防水フィルタ27では、体積ベースで、液体の透過量が気体の透過量の50分の1以下である。第1防水フィルタ27は、第1導入口31Aを塞ぐ構成で設けられている。従って、外部空間(空間90,92)から内部空間93へ入り込む気体は、第1防水フィルタ27を通過して内部空間93に入り込む。
第2格納部32は、自身の内部に第2検知素子22を格納する部分である。第2格納部32は、第2検知素子22を格納する内部空間94が自身の内部に構成される。第2格納部32は、第2検知素子22の周囲を囲む側壁部32Bと第2検知素子22の下側を塞ぐ底壁部32Cとを有し、上部に開口部(第2導入口32A)が設けられた箱状の形態をなす。具体的には上壁部32Dと底壁部32Cとが上下に対向し、上壁部32Dが側壁部32Bの上端部に連結され、底壁部32Cが側壁部32Bの下端部に連結され、上壁部32Dに上記開口部(第2導入口32A)が形成されている。第2格納部32において、上壁部32D側(第2導入口32Aが設けられた側)が上側であり、底壁部32C側が下側である。
第2導入口32Aは、第2格納部32に形成された開口部である。第2導入口32Aは、気体を導入するように機能し得る流路である。第2導入口32Aは、第2格納部32の一部をなす上壁部32Dにおいて、上下に貫通した形態で設けられている。第2導入口32Aは、第2格納部32の外側の外部空間(空間90又は空間92)と第2格納部32の内側の内部空間94との間において気体が通過する経路をなす。
第2防水フィルタ28は、水蒸気やオゾンなどの気体の通過を許容し、液体の通過を実質的に遮断するフィルタである。第2防水フィルタ28では、体積ベースで、液体の透過量が気体の透過量の50分の1以下である。第2防水フィルタ28は、第2導入口32Aを塞ぐ構成で設けられている。従って、外部空間(空間90,92)から内部空間94へ入り込む気体は、第2防水フィルタ28を通過して内部空間94に入り込む。
第1検知素子21及び第2検知素子22はいずれも、電気化学方式によりオゾン(オゾンガス)の濃度に応じた電流が流れる素子である。但し、第1検知素子21及び第2検知素子22はいずれも、素子内と素子外の水蒸気量の差に応じた起電力が発生する素子でもある。第1検知素子21は、第2検知素子22と同一の構成をなす。第1検知素子21及び第2検知素子22はいずれも、自身の周囲の空間にオゾンガスが存在すると、自身の検知電極(図示省略)において還元反応が生じ、自身の対向電極(図示省略)においては酸化反応が生じるため、このような反応によってオゾンガス濃度に応じた電流を流す。但し、第1検知素子21及び第2検知素子22はいずれも、オゾンガス濃度に応じた電流に加えて、「水蒸気量の差に起因する電流」も流す。具体的には、第1検知素子21及び第2検知素子22はいずれも、空間92から流入する気体の水蒸気量と素子内部(素子内部の空間又は素子内部の電解液)の水蒸気量に差が生じると、この差に応じた電流を発生させる。
例えば、第1検知素子21の検知電極と対向電極との間には、内部空間93のオゾンガス濃度に応じた電流と、第1検知素子21の内外の水蒸気量の差に起因する電流とが流れる。具体的には、内部空間93を介して第1検知素子21に供給されるオゾンガスによって第1検知素子21内の電解液において上述の反応が生じることでオゾンガス濃度に応じた電流が流れ、この電流に加えて、第1検知素子21の内外の水蒸気量の差に起因する電流が流れる。内部空間93のオゾンガス濃度と、第1検知素子21で生じる「オゾンガス濃度に応じた電流」との関係は、予め定められた演算式で特定される関係であり、内部空間93のオゾンガス濃度が大きくなるほど第1検知素子21で生じる「オゾンガス濃度に応じた電流」は大きくなる。但し、透湿膜24によって内部空間93へのオゾンガスの流入は実質的に遮断されるため、第1検知素子21では、オゾンガス濃度に応じた電流は流れないか、流れたとしても極めて微少である。
同様に、第2検知素子22の検知電極と対向電極との間には、内部空間94のオゾンガス濃度に応じた電流と、第2検知素子22の内外の水蒸気量の差に起因する電流とが流れる。具体的には、内部空間94を介して第2検知素子22に供給されるオゾンガスによって第2検知素子22内の電解液において上述の反応が生じることでオゾンガス濃度に応じた電流が流れ、この電流に加えて、第2検知素子22の内外の水蒸気量の差に起因する電流が流れる。内部空間94のオゾンガス濃度と、第2検知素子22で生じる「オゾンガス濃度に応じた電流」との関係は、予め定められた演算式で特定される関係であり、内部空間94のオゾンガス濃度が大きくなるほど第2検知素子22で生じる「オゾンガス濃度に応じた電流」は大きくなる。第1検知素子21の内外での水蒸気量の差と、第2検知素子22の内外での水蒸気量の差とが同程度であれば、第2検知素子22で生じる「水蒸気量の差に起因する電流」と、第1検知素子21で生じる「水蒸気量の差に起因する電流」とが同程度となる。
出力回路部16は、第1出力回路16Aと第2出力回路16Bとを備える。第1出力回路16Aは、抵抗R11,R12及びオペアンプOP1を有する。抵抗R11の抵抗値はRaであり、抵抗R12の抵抗値はRbである。第1出力回路16Aは、第1検知素子21で生じる電流Iaを電圧Vaに変換し、この電圧Vaを所定の増幅率(Rb/Ra)で増幅した電圧V1を出力する回路である。第1出力回路16Aでは、第1検知素子21で生じる電流Iaが抵抗R11に流れ、電流Iaに応じた電圧Va(Va=Ia×Ra)が抵抗R11の両端に生じる。電圧Vaと、第1出力回路16Aが制御部14に出力する電圧V1と、第1検知素子21で生じる電流Iaとの関係は、V1=Va×Rb/Ra=Ia×Rbである。
同様に、第2出力回路16Bは、抵抗R21,R22及びオペアンプOP2を有する。抵抗R21の抵抗値はRcであり、抵抗R22の抵抗値はRdである。第2出力回路16Bは、第2検知素子22で生じる電流Ibを電圧Vbに変換し、この電圧Vbを所定の増幅率(Rd/Rc)で増幅した電圧V2を出力する回路である。第2出力回路16Bでは、第2検知素子22で生じる電流Ibが抵抗R21に流れ、電流Ibに応じた電圧Vb(Vb=Ib×Rc)が抵抗R21の両端に生じる。電圧Vbと、第2出力回路16Bが制御部14に出力する電圧V2と、第2検知素子22で生じる電流Ibとの関係は、V2=Vb×Rd/Rc=Ib×Rdである。
湿度センサ15は、例えば、空間90の絶対湿度を検知する公知構成の絶対湿度センサとして構成されている。図6では、湿度センサ15の図示は省略されている。なお、湿度センサ15は、相対湿度センサとして構成されていてもよい。湿度センサ15は、省略されてもよい。
図1に示される制御部14は、演算機能、情報処理機能、制御機能などを有する情報処理装置として構成されている。制御部14は、AD変換器やMCU(Micro Controller Unit)などを備える。制御部14には、第1出力回路16Aから電圧V1が入力され、第2出力回路16Bから電圧V2が入力される。制御部14は、電圧V1,V2をデジタル信号に変換することができ、電圧V1,V2を用いた演算を行い得る。
1-2.オゾンガス濃度の算出方法
本実施形態のガスセンサ10は、例えば、Ra=Rc且つRb=Rdであり、第1出力回路16Aでの増幅率と第2出力回路16Bでの増幅率とが同一とされている。そして、第1検知素子21と第2検知素子22とが同一の素子であり、第1検知素子21では水蒸気量の差に起因する電流(第1検知素子21内外の水蒸気量の差に応じた電流)が流れ、第2検知素子22では水蒸気量の差に起因する電流(第2検知素子22内外の水蒸気量の差に応じた電流)に加え、外部空間92のオゾン濃度に応じた電流が重畳されて流れるように構成されている。従って、V2-V1の値は、第1検知素子21及び第2検知素子22で生じる「水蒸気量の差に起因する電流」の影響をキャンセルした値であり、空間92のオゾンガス濃度に応じた電圧値である。
検知部12では、空間92のオゾンガス濃度Y1が大きいほど、V2-V1の値が大きくなるように、V2-V1の値とオゾンガス濃度Y1との間には、相関関係がある。この相関関係は、例えば、Y1=β(V2-V1)+Bの関係式(直線式)で表すことができる。この関係式では、Bの値は、予め定められた固定値(定数)である。βの値は、予め定められた固定値(定数)であってもよいが、絶対湿度に基づいて定まる変数であってもよい。つまり、上記関係式(直線式)における傾きβの値は、絶対湿度に応じて補正されてもよい。
以下で説明される代表例では、β=m×α+nの補正式によってβを求める。この補正式において、m、nは、予め定められた固定値である。αは、対象気体の絶対湿度である。具体的には、例えば、湿度センサ15が検知した空間90,92の絶対湿度がαである。βは、上記関係式(Y1=β(V2-V1)+B)の傾きに相当するため、βの値を調整することで、Y1とV2-V1との関係を補正することができる。例えば、βの値がβ1のときの関係式が図3で示される直線L1のようになる場合、βの値をβ2、β3に調整することで、関係式を直線L2、L3のように調整することができる。
上述された例では、βの値が感度の一例に相当する。そして、制御部14が感度設定部の一例に相当し、湿度センサ15が検知する対象気体の絶対湿度αに基づいて感度βを設定する。そして、制御部14が濃度特性部の一例に相当し、第1検知素子21の出力Iaと、第2検知素子22の出力Ibと、感度βと、に基づき、上記関係式及び上記補正式により、オゾンガス(被検知ガス)の濃度Y1を算出する。
なお、オゾンガスの濃度は、算出された濃度Y1をそのまま採用してもよいが、応答遅れを想定すると、移動平均を適用することが望ましい。例えば、所定の時間間隔でオゾンガスの濃度Y1を周期的に繰り返し検出する場合には、直近のn個のデータ(濃度Y1)の平均を求めるように単純移動平均を算出し、その値をオゾンガス濃度として採用してもよい。
このように、ガスセンサ10は、第1検知素子21の出力Iaと第2検知素子22の出力Ibとに基づき、水蒸気の影響をキャンセルしてオゾンガス濃度Y1を求めることができる。具体的には、上述のように、V1=Rb×Iaの式及びV2=Rd×Ib=Rb×Ibの式によって、V2-V1の値が定まる。そして、上述のように、V2-V1の値は、第1検知素子21及び第2検知素子22で生じる「水蒸気量の差に起因する電流」の影響をキャンセルした値であり、空間92のオゾンガス濃度に応じた電圧値であり、Rb(Ib-Ia)の式で表される値である。つまり、ガスセンサ10は、出力Iaと出力Ibとの差(Ib-Ia)に基づいて水蒸気の影響をキャンセルしてオゾンガスの濃度が検知可能であり、更に、0以上且つ1ppm以下の低濃度のオゾンガスが検知可能である。より具体的には、ガスセンサ10は、0以上かつ100ppb以下の極めて低い濃度のオゾンガスが検知可能である。
1-3.実験結果
(実験1)
次の説明は、ガスセンサ10の効果を評価するための実験1に関する。
実験1では、図1及び図2と同等の構成を有するガスセンサ10が用意され、エアーコンディショナーによって湿度や温度が調整される室内に、そのガスセンサ10の素子部20が配置された。そして、実験1では、ガスセンサ10により、上述された第1実施形態の方法でオゾンガスの濃度Y1が検知された。実験1での濃度Y1の検知結果は、図4において破線S3で示される。図4において、横軸は経過時間(min(分))であり、縦軸(第1軸)は濃度(ppm)である。
実験1では、濃度Y1の検知結果と比較するために、上記濃度Y1の検知と並行して、対象空間(濃度Y1を検知する空間である室内)のオゾンガス濃度が、分析計(荏原製作所 EG3000F)によって検知された。上記対象空間のオゾンガス濃度を上記分析計によって検知した結果は、図4において太線S2で示される。太線S2の検知結果は、左側の第1軸と横軸とに対応する。
実験1では、絶対湿度の影響(即ち、空間に存在する水蒸気量の影響)を評価するために、上記濃度Y1の検知と並行して、上記対象空間の絶対湿度の検知が行われた。上記対象空間の絶対湿度を検知した結果は、図4において点線S1で示される。点線S1の検知結果は、右側の第2軸と横軸とに対応する。第2軸は、絶対湿度(g/m3)である。
実験1では、電圧V1を用いない場合(水蒸気の影響をキャンセルしない場合)の測定結果を評価するために、上記濃度Y1の検知と並行して、上記対象空間のオゾンガス濃度を電圧V2のみによって検知した場合(第2検知素子22のみによって検知した場合)の測定結果を得た。電圧V2のみによってオゾンガス濃度を検知した場合の測定結果は、図4において実線S4で示される。実線S4の検知結果は、左側の第1軸と横軸とに対応する。
実験1の実験結果によると、電圧V2のみによってオゾンガス濃度を検知した場合、絶対湿度の変化の影響(即ち、水蒸気量の変化の影響)を大きく受け、特に、絶対湿度が大きく変動した場合には、オゾンガス濃度の検知結果が、分析計によるオゾンガス濃度の検知結果から大きくずれてしまう。これに対し、ガスセンサ10によって濃度Y1を検知した場合、絶対湿度が大きく変動しても分析計が検出するオゾンガス濃度から大きくずれないため、絶対湿度の影響が抑えられていることがわかる。
(実験2)
実験2では、図1及び図2と同等の構成を有するガスセンサ10が2種類用意された。2種類のガスセンサ10の相違点は、透湿膜24の厚さ(膜厚)のみである。一方のガスセンサ10は、透湿膜24の厚さが60μmである。他方のガスセンサ10は、透湿膜24の厚さが12μmである。実験2では、エアーコンディショナーによって湿度や温度が調整される室内に、2種類のガスセンサ10の素子部20がそれぞれ配置された。そして、2種類のガスセンサ10の各々により、上述された第1実施形態の方法でオゾンガスの濃度Y1がそれぞれ検知された。厚さ12μmの透湿膜24を用いたガスセンサ10による濃度Y1の検知結果は、図5において一点鎖線S5で示される。厚さ60μmの透湿膜24を用いたガスセンサ10による濃度Y1の検知結果は、図5において実線S6で示される。図5において、横軸は経過時間(min(分))であり、縦軸は濃度(ppm)である。
実験2では、両ガスセンサ10による濃度Y1の検知結果と比較するために、両ガスセンサ10による検知と並行して、対象空間(濃度Y1を検知する空間である室内)のオゾンガス濃度が、分析計(荏原製作所 EG2000)によって検知された。上記対象空間のオゾンガス濃度を上記分析計によって検知した結果は、図5において太線S7で示される。
実験2では、電圧V1を用いない場合(水蒸気の影響をキャンセルしない場合)の測定結果を評価するために、上記濃度Y1の検知と並行して、上記対象空間のオゾンガス濃度を電圧V2のみによって検知した場合(第2検知素子22のみによって検知した場合)の測定結果を得た。電圧V2のみによってオゾンガス濃度を検知した場合の測定結果は、図5において二点鎖線S8で示される。
図5における期間T1のように、分析計によって検知されるオゾンガス濃度が大きく変化していないにもかかわらず、二点鎖線S8の測定結果(水蒸気の影響をキャンセルしない場合の測定結果)が大きく変化する場合、その期間T1は、オゾンガス濃度の大きな変化がなく、絶対湿度が急に変化した時間帯(即ち、空間の水蒸気量が急に変化した時間帯)であると言える。実験2の実験結果によると、このように絶対湿度が急に変化した時間帯において、実線S6の検知結果よりも一点鎖線S5の検知結果のほうが、太線S7の検知結果(分析計による検知結果)に対するずれが小さくなっている。つまり、透湿膜24の厚さが相対的に小さいガスセンサ10のほうが、絶対湿度の急激な変化が生じても、絶対湿度の影響を応答性よくキャンセルできている。
1-4.ガスセンサによる効果の例
電気化学式ガスセンサでは、素子内部と素子外部の水蒸気量に差が生じると水蒸気量の差に起因する起電力が生じ、水蒸気量の差に起因する電流が流れるという懸念がある。そして、被検知ガス(例えば、オゾンガス)の濃度が1ppm以下であるような低濃度の対象気体では、被検知ガスの濃度を検知する上で、水蒸気量の差に起因する電流の影響が大きくなりやすい。この点に関し、ガスセンサ10では、第1検知素子21が、対象気体から被検知ガスを実質的に除いた状態で被検知ガスの濃度を検知するため、水蒸気量の差に起因する電流の影響を評価することができる。一方、第2検知素子22は、水蒸気と被検知ガスとを含んだ成分を対象として濃度を検知することができる。つまり、ガスセンサ10は、第1検知素子21による検知結果(水蒸気量の差に起因する電流の影響を評価した結果)を、第2検知素子22による被検知ガスの濃度検知に利用することができるため、被検知ガスの濃度が低い対象気体において被検知ガスの濃度を正確に検知する上で有利である。ゆえに、ガスセンサ10は、対象気体に含まれる被検知ガスの濃度が1ppm以下の低濃度であっても、被検知ガスの濃度をより正確に検知することができる。
また、ガスセンサ10のように、透湿膜24が60μm以下の厚さで構成されれば、第1検知素子21によって検知を行う上で、湿度変化に対する応答性の低下がより抑えられる。
ガスセンサ10は、より具体的には、0以上かつ100ppb以下の濃度の被検知ガスを検知可能とされている。被検知ガスの濃度が100ppb以下であるような極めて低濃度の対象気体では、被検知ガスの濃度を検知する上で、「水蒸気量の差に起因する電流」の影響が一層大きくなりやすい。この点に関し、ガスセンサ10は、「水蒸気量の差に起因する電流」の影響を正確に評価し、その評価結果を反映して被検知ガスの濃度を検知することができるため、被検知ガスの濃度が100ppb以下の気体を対象とする場合に、非常に有用である。
ガスセンサ10は、濃度特定部の一例に相当する制御部14を有し、第1検知素子21及び第2検知素子22の出力と感度βとに基づいて被検知ガス(オゾンガス)の濃度を特定することができる。しかも、ガスセンサ10は、実測された対象気体の湿度に基づいて感度βを調整することができるため、検知時の対象気体の湿度に合わせて感度βの適正化を図ることができる。
ガスセンサ10は、被検知ガスがオゾン(オゾンガス)とされている。ガスセンサ10によってオゾンの濃度を検知する場合、水蒸気がノイズとなってオゾン濃度の正確な検知が阻害される懸念がある。特に、オゾンの濃度が低い気体を対象とする場合、「水蒸気量の差に起因する電流」の影響が相対的に大きくなるため、このような問題がより顕著になる。しかし、ガスセンサ10は、「水蒸気量の差に起因する電流」の影響を正確に評価し、オゾンの濃度を検知するために利用することができるため、オゾン濃度が低い対象気体においてオゾン濃度を正確に検知する上で、極めて有利である。
1-5.オゾン発生器
図6には、上述されたガスセンサ10を備えたオゾン発生器100が示される。オゾン発生器100は、加湿機能付きのオゾン発生器100である。オゾン発生器100は、加湿器の一例に相当する。
オゾン発生器100は、ガスセンサ10と、オゾン発生装置102と、ファン104と、加湿装置112と、ファン114と、ケース120とを備える。オゾン発生器100に組み込まれるガスセンサ10は、上述された検知部12及び制御部14以外に、通信部17、表示部18、記憶部19なども有している。
オゾン発生器100では、ケース120に開口部122が設けられており、オゾン発生器100の外部に存在する気体が、開口部122を介して検知部12内に導入され得る構成となっている。つまり、オゾン発生器100の外部の空間と素子部20の空間92は連通しており、相互に気体が出入りする構成となっている。
通信部17は、ガスセンサ10の外部に設けられた外部装置と有線通信又は無線通信を行う部分である。通信部17は、オゾン発生器100の内部の装置と通信を行い得る構成であってもよく、オゾン発生器100の外部の装置と通信を行い得る構成であってもよい。
表示部18は、文字や数字などの記号や絵柄などの画像を表示する部分である。表示部18は、制御部14と協働し、様々な情報を表示し得る。記憶部19は、様々な情報を記憶する装置である。
オゾン発生装置102は、オゾンガスを発生させる装置である。オゾン発生装置102がオゾン(オゾンガス)を発生させる方式は、公知の様々な方式を採用することができ、例えば、紫外線式、電気分解式、放電式などの公知方式を採用し得る。オゾン発生装置102は、自身が発生させたオゾンガスを供給管106に送り込む。
供給管106は、オゾン発生装置102にて発生したオゾンガスをオゾン発生器100の外部の空間へ誘導する管である。供給管106を流れる気体の流量及び流速は、ファン104によって調整される。ファン104は、ブロワー(送風機)として構成される。ファン104は、例えば複数の羽根を有する回転体(図示省略)と、この回転体を回転する動力部(図示が省略されたモータ等)と、動力部の回転を調整する駆動回路(図示省略)とを有しており、駆動回路は、回転体の回転数を制御部14から指示された回転数に制御する。ファン104を構成する回転体の回転数が大きくなるほど、供給管106を流れる気体の流量及び流速は大きくなる。
オゾン発生装置102が一定の発生速度でオゾンガスを発生させる場合、ファン104の回転数が大きくなるほど、供給管106を介して流れるオゾンガスの流量及び流速は大きくなる。従って、制御部14は、ファン104の回転数を調整することで、オゾンガスの供給速度(単位時間当たりに空間に供給されるオゾンガスの量)を調整することができる。
加湿装置112は、水蒸気又はミストを発生する装置である。加湿装置112が水蒸気又はミストを発生させる方式は、公知の様々な方式を採用することができ、例えば、スチーム式、超音波式、気化式、ハイブリッド式などの公知方式を採用し得る。加湿装置112は、自身が発生させた水蒸気又はミストを供給管116に送り込む。
供給管116は、加湿装置112にて発生した水蒸気又はミストをオゾン発生器100の外部の空間へ誘導する管である。供給管116を流れる気体の流量及び流速は、ファン114によって調整される。ファン114は、ブロワー(送風機)として構成される。ファン114は、例えば複数の羽根を有する回転体(図示省略)と、この回転体を回転する動力部(図示が省略されたモータ等)と、動力部の回転を調整する駆動回路(図示省略)とを有しており、駆動回路は、回転体の回転数を制御部14から指示された回転数に制御する。ファン114を構成する回転体の回転数が大きくなるほど、供給管116を流れる気体の流量及び流速は大きくなる。
加湿装置112が一定の発生速度で水蒸気又はミストを発生させる場合、ファン114の回転数が大きくなるほど、供給管116を介して流れる水蒸気又はミストの流量及び流速は大きくなる。従って、制御部14は、ファン114の回転数を調整することで、水蒸気又はミストの供給速度(単位時間当たりに空間に供給される水蒸気又はミストの量)を調整することができる。
オゾン発生器100では、上述された方法でガスセンサ10が検知したオゾンガス濃度Y1を利用することができる。例えば、制御部14は、表示部18と協働し、検知されたオゾンガス濃度Y1(オゾン発生器100が存在する空間のオゾンガス濃度)を数値として表示部18に表示してもよい。また、制御部14は、湿度センサ15によって検知される絶対湿度(オゾン発生器100が存在する空間の絶対湿度)を数値として表示部18に表示してもよい。湿度センサ15が相対温度センサとして機能する場合には、制御部14は、湿度センサ15によって特定される相対湿度(オゾン発生器100が存在する空間の相対湿度)を表示部18に表示してもよい。
制御部14は、通信部17と協働し、検知されたオゾンガス濃度Y1をオゾン発生器100の外部に設けられた外部装置に送信してもよい。或いは、制御部14は、通信部17と協働し、上記絶対湿度や上記相対湿度をオゾン発生器100の外部に設けられた外部装置に送信してもよい。
オゾン発生器100は、単に空間にオゾンを放出するだけでなく、その空間のオゾン濃度を正確に実測し、実測されたオゾン濃度を利用してユーザの利便性を高めることができる。
オゾン発生器100を加湿器として着目した場合、この加湿器は、単に空間を加湿するだけでなく、その空間のオゾン濃度を正確に実測し、実測されたオゾン濃度を利用してユーザの利便性を高めることができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上述した実施形態や後述する実施形態の様々な特徴は、矛盾しない組み合わせであればどのように組み合わされてもよい。
上述された実施形態では、被検知ガスがオゾンガスであるガスセンサ10が例示されたが、ガスセンサ10の被検知ガスはオゾンガス以外のガスであってもおい。例えば、エチレンガスが被検知ガスであってもよい。この例では、ガスセンサ10は、エチレンガスセンサとして機能し得る。
上述された実施形態の説明では、オゾン発生装置102と加湿装置112とが別体として構成されていたが、これらが一体的に構成されていてもよい。つまり、オゾン発生装置102が水蒸気又はミストを放出する加湿機能を有していてもよい。このようにオゾン発生装置102が加湿機能を有している場合、ファン114を省略し、ファン104によってオゾンの供給度合い及び水蒸気又はミストの供給度合いを調整してもよい。
上述された実施形態の説明では、オゾンガスの供給度合いを調整する方法の一例として、ファンによって流量を調整する例を示したが、この例に限定されない。例えば、オゾン発生器100において、ファン104に代えて、又はファン104を併用する構成で、流量調整弁によって流量を調整する方法を採用してもよく、単に開閉弁による流路の開閉によってオゾン供給状態とオゾン供給停止状態とを切り替えるようにしてもよい。或いは、オゾン発生器100は、ファン104を省略し、又はファン104と併用し、オゾン発生装置102を動作させる状態と、動作を停止させる状態とを切り替えて、オゾン供給を調整してもよい。
上述された実施形態の説明では、水蒸気又はミストの供給度合いを調整する方法の一例として、ファンによって流量を調整する例を示したが、この例に限定されない。例えば、オゾン発生器100において、ファン114に代えて、又はファン114を併用する構成で、流量調整弁によって流量を調整する方法を採用してもよく、単に開閉弁による流路の開閉によって水蒸気又はミストの供給状態と停止状態とを切り替えるようにしてもよい。或いは、オゾン発生器100は、ファン114を省略し、又はファン114と併用し、加湿装置112を動作させる状態と、動作を停止させる状態とを切り替えて、水蒸気又はミストの供給を調整してもよい。
上述された実施形態の説明では、オゾン発生器の一例として、加湿機能を有するオゾン発生器100が例示されたが、この例に限定されない。例えば、加湿機能を有さないオゾン発生器が、ガスセンサ10を備えていてもよい。その一例としては、図6の構成から、加湿装置112及びファン114を省略した構成が挙げられる。また、ガスセンサ10を備えるオゾン発生器において、ガスセンサ10以外の構成は、既に例示された構成以外であってもよい。例えば、オゾン発生装置102及びファン104の部分は、公知の様々なオゾン発生器におけるいずれかのオゾン供給部と同様の構成とされてもよい。
上述された実施形態の説明では、加湿器の一例としてオゾン発生器100が例示されたが、この例に限定されない。例えば、オゾン発生機能を有さない加湿器が、ガスセンサ10を備えていてもよい。その一例としては、図6の構成から、オゾン発生装置102及びファン104を省略した構成が挙げられる。また、ガスセンサ10を備える加湿器において、ガスセンサ10以外の構成は、既に例示された構成以外であってもよく、例えば、加湿装置112及びファン114の部分は、公知の様々な加湿器におけるいずれかの加湿部と同様の構成とされてもよい。
上述された実施形態では、素子部20がケース30を備えていたが、ケース30を備えていなくてもよい。
上述された実施形態では、素子部20は、第1格納部31と第2格納部32とがケース30内に固定された形でこれらが一体的に構成されていたが、第1格納部31と第2格納部32とが一体的に構成されずに別々に設けられていてもよい。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
10…電気化学式ガスセンサ
14…制御部(濃度特定部、感度設定部)
15…湿度センサ
21…第1検知素子
22…第2検知素子
24…透湿膜
31…第1格納部
31A…第1導入口
100…オゾン発生器(加湿器)

Claims (8)

  1. 対象気体に含まれる被検知ガスの濃度を検知するガスセンサであって、
    電気化学方式によりガスの濃度を検知する第1検知素子と、
    前記対象気体に含まれる水蒸気及び前記被検知ガスが入り込む空間に配置され、電気化学方式によりガスの濃度を検知する第2検知素子と、
    前記第1検知素子を格納する内部空間が自身の内部に構成される第1格納部と、
    前記第1格納部の外側の外部空間と前記内部空間との間に設けられる第1導入口と、
    前記第1導入口に設けられ、前記外部空間から前記内部空間への前記被検知ガスの透過を実質的に遮断する透湿膜と、
    を備え、
    前記第1検知素子の出力と前記第2検知素子の出力とに基づいて水蒸気の影響をキャンセルして0以上1ppm以下の濃度の前記被検知ガスが検知可能である
    電気化学式ガスセンサ。
  2. 前記透湿膜は、前記外部空間から前記内部空間への水蒸気の透過を許容し、前記外部空間から前記内部空間への前記被検知ガスの透過を実質的に遮断する水蒸気透過フィルタである
    請求項1に記載の電気化学式ガスセンサ。
  3. 前記透湿膜の厚さは、0μmより大きく60μm以下である
    請求項1又は請求項2に記載の電気化学式ガスセンサ。
  4. 0以上かつ100ppb以下の濃度の前記被検知ガスが検知可能である
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電気化学式ガスセンサ。
  5. 湿度センサが検知する前記対象気体の湿度に基づいて感度を設定する感度設定部と、
    前記第1検知素子の出力と、前記第2検知素子の出力と、前記感度と、に基づいて前記被検知ガスの濃度を特定する濃度特定部と、
    を有する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電気化学式ガスセンサ。
  6. 前記被検知ガスは、オゾンである
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電気化学式ガスセンサ。
  7. 請求項6に記載の電気化学式ガスセンサを備えるオゾン発生器。
  8. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電気化学式ガスセンサを備える加湿器。
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