JP2022136817A - 給水装置及び給水装置の通信方法 - Google Patents

給水装置及び給水装置の通信方法 Download PDF

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Masayuki Fujita
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Yudai Inagaki
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憲次郎 西野
Kenjiro Nishino
正之 井上
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Abstract

【課題】給水装置と管理装置との間で安定した通信を行い、災害等のトラブル発生時においても迅速な対応を可能とする給水装置を提供する。【解決手段】本発明の給水装置10は、ポンプ13と、ポンプ13を駆動するモータ14とを有するポンプユニット12を備える給水装置10であって、ポンプユニット12に関する情報を記憶する記憶部27と、記憶部27が記憶する情報を、移動体通信回線MNを介して送信する通信器25と、通信器25を制御する通信制御部24と、充電部43を含み、給水装置10の各構成に電力を供給する電源部42と、電力の供給停止を検出する電力停止検出部44と、を備え、電力停止検出部440が電力の供給停止を検出したとき、通信制御部24は、充電部43に残存する電力を消費して、無作為なタイミングで通信器25が情報を送信するように制御する。【選択図】図3

Description

本発明は、給水装置及び給水装置の通信方法に係り、特に、通信回線に接続する通信器を備える給水装置とその通信方法に関する。
集合住宅、商業施設又は工場等で使用する水を供給するために、給水装置が広く利用されている。そして給水装置は、私たちの日常生活で必要な生活水や、経済活動を実現するための工業用水等を安定的に供給する上で重要な役割を担っている。そのため、給水装置には、その運転状態や故障に関する情報を取得するために種々なセンサが取り付けられおり、センサによって取得された情報を遠隔の管理装置に送信している。これにより、管理装置のオペレータは、安定した運転状態を維持することができるように給水装置を監視し、必要に応じて作業員を派遣して部品の交換やメンテナンス等を行うことができる。また、オペレータは、センサにより取得した情報を遠隔の管理装置に送信することで、例えば停電の発生等によって一時的に運転を中止した場合にも、適切な復旧対応を迅速に行うことが可能となる。
特許文献1には、給水装置と通信装置とが近距離無線通信によって接続されて、給水装置の運転状況や故障に関する情報を遠隔のサーバに送信する技術が開示されている。通信装置としては、給水装置が設置された現場付近の情報端末、又は作業員が所持する携帯端末であって、PC、タブレット型端末、スマートフォン、ラップトップ型端末などが例示されている。
特開2019-128751号公報
給水装置をインターネット等の広域通信網と接続することによって、給水装置の運転状況や故障情報を遠隔の管理装置に送信することが可能となるものの、給水装置は、生活水や工業用水を供給するという重要な役割を担っていることから、通信の安定性及び天災地変等の災害が発生した際の迅速な復旧能力が求められている。
特に災害が発生したときは、被災者の安否を確認するための通信によって通信回線が混雑し、通信の安定性が低下する。このように、通信回線が混雑することにより通信性能が低下する状態を、輻輳という。災害が発生すると、輻輳によって給水装置と管理装置との間に通信障害が発生し、給水装置に対する迅速な対応が妨げられるおそれがあった。
そこで、本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、給水装置と遠隔の管理装置との間で、より安定した通信を行い、災害等のトラブルが発生した際に迅速な対応を可能とする給水装置及び給水装置の通信方法を提供することにある。
前記課題は、本発明の給水装置によれば、ポンプと、該ポンプを駆動する電動機とを有するポンプユニットを備える給水装置であって、前記ポンプユニットに関する情報を記憶する記憶部と、該記憶部が記憶する前記情報を、移動体通信回線を介して送信する通信部と、該通信部を制御する通信制御部と、充電部を有し前記給水装置の各構成に電力を供給する電源部と、前記電力の供給停止を検出する電力停止検出部と、を備え、前記電力停止検出部が前記電力の供給停止を検出したとき、前記通信制御部は、前記充電部に残存する電力を消費して、無作為なタイミングで前記通信部が前記情報を送信するように制御することにより解決される。
停電時、すなわち電力停止検出部が電力の供給停止を検知したとき、停止した給水装置の情報を管理装置等に送信することにより、管理者は給水装置が停止したこと把握できるため、給水装置に対する迅速な対応を行うことができる。しかしながら、停電時は周辺にある他の給水装置からも情報が送信されるため、複数の給水装置が一斉に情報を送信する状態となる輻輳が発生するおそれがあり、正常に情報を送信できない可能性があった。
本発明の給水装置によれば、通信器が無作為なタイミングで情報を送信することにより通信回線の輻輳が抑制され、電源断時においても確実に情報を送信することができる。
前記給水装置において、前記充電部は、平滑コンデンサ、電気二重層コンデンサ、一次電池、又は、二次電池であってよい。平滑コンデンサ、電気二重層コンデンサ、一次電池、又は、二次電池からなる充電部により電力を供給することで、電源断時においても確実に情報を送信することができる。
前記給水装置において、前記充電部は平滑コンデンサ及び電気二重層コンデンサから構成され、通常時は前記平滑コンデンサが使用され、前記電力停止検出部が前記電力の供給停止を検出したときに、前記平滑コンデンサから前記電気二重層コンデンサに切り替えられるとよい。
通常、電源部には平滑コンデンサが搭載されているが、平滑コンデンサで実現できる放電時間は数百ミリ程度であり、通信の開始時間が数百ミリ以上となる端末は電源が低下して通信が困難である。一方、電気二重コンデンサは、平滑コンデンサより多くの電荷を蓄積しておくことが可能で、数秒以上の通信時間が可能である。そのため、電力停止検出部が電力の供給停止を検出したときに、電気二重コンデンサに切り替えることで、より長い時間で、情報を送信するタイミングにばらつきを生じさせることができ、通信回線の輻輳が抑制され、より確実に情報を送信することができる。
また、前記給水装置において、電源断時又は復電時に前記電気二重層コンデンサの容量を測定し、測定結果に基づいて前記電気二重層コンデンサの寿命判断を行う寿命判定部を備え、前記寿命判定部が、前記電気二重層コンデンサが寿命に到達したと判定した場合、前記通信部は、前記電気二重層コンデンサが寿命に到達したことを示す寿命到達情報を送信するとよい。
電気二重層コンデンサの容量は、累積温度により著しく低下する。そのため、一般的には動作時間が保証されていない。また、電気二重層コンデンサが搭載される給水装置の温度環境は、設置環境が様々であることから、電気二重層コンデンサの寿命を予測することは困難である。そのため、従来は定格電圧に対して余裕を持って交換するか、ディレーティングにより寿命を延ばすことが行われていたが、コスト高になると共に余分なスペースも必要となる。
電源断時又は復電時に、電気二重コンデンサの容量を測定し寿命判断を行う寿命判定部を設け、通信部は、電気二重層コンデンサが寿命に到達したとき寿命到達情報を送信する。電気二重層コンデンサの容量を測定することで、例えば電気二重コンデンサによる放電時間に基づいて、情報を送信するタイミングを設定することができると共に、電気二重層コンデンサの交換時期を判定することができる。
また、前記給水装置において、前記寿命判定部は、電源断時において、放電される前記電気二重層コンデンサの端子電圧が所定の電圧に達するまでの放電時間を測定し、測定した前記放電時間に基づいて寿命を判定するとよい。
放電時間を測定することで、より正確に電気二重層コンデンサの寿命を把握することができる。
また、前記給水装置において、前記寿命判定部は、復電時において、充電される前記電気二重層コンデンサの端子電圧が所定の電圧に達するまでの充電時間を測定し、測定した前記充電時間に基づいて寿命を判定するとよい。
充電時間を測定することで、より正確に電気二重層コンデンサの寿命を把握することができる。
また、前記給水装置において、前記通信制御部は、疑似乱数を生成する疑似乱数発生器を有し、該疑似乱数発生器により生成した疑似乱数に基づき前記無作為なタイミングを設定するとよい。
無作為なタイミングを設定するために疑似乱数を用いることで、情報を送信するタイミングに、よりばらつきが生じるようになる。多数の給水装置が同時に情報を送信することが減少し通信回線の輻輳が抑制されるため、より安定した通信を実現することができる。
また、前記給水装置において、前記通信制御部は、システムログを収集し、該システムログを用いて前記疑似乱数発生器により前記疑似乱数を生成して前記無作為なタイミングを設定するとよい。
システムログは、給水装置ごとに固有の情報であって、かつイベントが発生するたびに更新される。システムログを疑似乱数の生成に用いることで、給水装置が管理装置に情報を送信するタイミングによりばらつきが生じるようになる。多数の給水装置が同時に通信することが減少し通信回線の輻輳が抑制されるため、より安定した通信を実現することができる。
また、前記給水装置において、前記通信制御部は、復電時に前記給水装置が起動した場合に、前記無作為なタイミングとは別の無作為なタイミングで前記通信部が通信接続を開始するように前記通信部を制御するとよい。
復電時においても、無作為なタイミングで通信接続を開始することで、例えば複数の給水装置から管理装置に通信接続するタイミングにばらつきが生じる。そのため、多数の給水装置が同時に管理装置に通信接続を行うことによる通信回線の輻輳が抑制され、より安定した通信を実現することができる。
また、前記給水装置において、前記別の無作為なタイミングは、通信接続する接続プログラムの起動が完了するまでの第一の待ち時間と、前記通信接続するプログラムにより通信接続を開始するまでの第二の待ち時間とから構成されるとよい。
無作為なタイミングを第一の待ち時間及び第二の待ち時間により構成することで、より無作為なタイミングで接続を開始することができ、多数の給水装置が同時に接続することによる通信回線の輻輳を回避することが可能になる。
また、第一の待ち時間と第二の待ち時間とにおいて、最小値又は最大値を個別に設定できるため通信回線又は運用に合わせて、「ズレ幅」を設定することもできる。
また、前記課題は、本発明の給水装置の通信方法によれば、ポンプと、該ポンプを駆動する電動機とを有するポンプユニットと、前記ポンプユニットに関する情報を記憶する記憶部と、該記憶部が記憶する前記情報を、移動体通信回線を介して送信する通信部と、該通信部を制御する通信制御部と、コンデンサを含み、電力を供給する電源部と、前記電力の供給停止を検出する電力停止検出部と、を備える給水装置の通信方法であって、前記電力停止検出部が前記電力の供給停止を検出するステップと、前記電力の供給停止を検出したとき、前記通信制御部が、前記コンデンサに残存する電荷を消費して、無作為なタイミングで前記通信部が前記情報を送信するように制御するステップと、を有することにより解決される。
電力停止検出部が電力の供給停止を検出したとき、通信制御部が、無作為なタイミングで通信部が情報を送信するように制御することにより、通信回線の輻輳が抑制され、より確実に情報を送信することができる。
給水装置と遠隔の管理装置との間で、より安定した通信が行われ、災害等のトラブルが発生した際に迅速な対応が可能になる。
本発明に係る給水装置及び給水装置の通信方法によれば、給水装置と遠隔の管理装置との間で、より安定した通信が行われ、災害等のトラブルが発生した際に迅速な対応が可能になる。
給水装置及び管理装置を備える給水装置管理システムの全体構成を示す構成図である。 給水装置を示す斜視図である。 給水装置の機能ブロックを示すブロック図である。 停電時の通信処理の流れを示すフロー図である。 第一寿命測定処理の流れを示すフロー図である。 起動時の接続処理の流れを示すフロー図である。 第二寿命測定処理の流れを示すフロー図である。 接続開始ウェイト処理の流れを示すフロー図である。 起動時の無作為化の概念を示す説明図である。 電源部の回路を示す図である。 回路の一部の別例を示す図である。 電源投入時から電源断後の電圧の状況を示す説明図である。
以下、本発明の一実施形態(以下、本実施形態)について図1~図12を用いて説明する。
<<給水装置管理システム>>
本実施形態の給水装置10を備えた給水装置管理システム1の概要について説明する。
給水装置管理システム1は、天災地変等の災害が発生し、通信回線が混雑した状態においても、適切な通信タイミングを行うよう設定されたシステムである。適切な通信タイミングで、給水装置10と遠隔の管理装置50とが通信することにより、給水装置10と遠隔の管理装置50との間に安定した通信回線を確保し、給水装置10に対する迅速な対応を可能にする。
図1は、給水装置管理システム1の全体構成を示す図である。給水装置管理システム1は、複数の給水装置10と、給水装置10の運転状態及び異常に関する情報を収集して給水装置10を集中管理する管理装置50と、から構成されている。
管理装置50は、例えばクラウドサーバであり、各給水装置10から、給水装置10の運転状態及び異常に関する情報を収集し、これらを集約して蓄積する。管理装置50は、蓄積した給水装置10に関する情報の利活用を行ってもよい。
複数の給水装置10と管理装置50とは、移動体通信事業者(携帯電話キャリア)が運用する移動体通信回線(携帯電話回線)MNと広域通信網であるインターネット回線INを介して通信可能に接続される。
移動体通信回線MNは、第四世代移動体通信規格(LTE)に準拠し、複数の基地局Bと、基地局Bの受信信号に対して通信制御を行うMME(Mobility Management Equipment)(不図示)及びSGW(Service Gateway)(不図示)と、インターネット回線INに接続するゲートウェイとしての役割を担うPDNG(Packet Data Network Gateway)(不図示)等を含んでいる。また、第三世代移動体通信規格や第五世代移動体通信規格に準拠した通信設備及び通信機器を含んでもよい。
図1において4台の給水装置10が示されているが、給水装置10の台数は4台に限定されることはなく、管理装置50は4台以上の給水装置10を集中管理してよい。同様に、図1において1社の移動体通信事業者によってそれぞれ運用される移動体通信回線MNが示されているが、2社以上の移動体通信事業者によってそれぞれ運用される2以上の移動体通信回線があってもよい。
また、複数台の給水装置10は、移動体通信回線MNを介さず、直接インターネット回線INに有線で接続して管理装置50と通信してもよい。
給水装置10は、後述するように、移動体通信回線MNを介して管理装置50と通信する機能を有している。また、停電等により電源断が発生した場合に、電源が有するコンデンサに残存する電荷を消費して、管理装置50に対して情報を送信する機能を有する。また、給水装置10は、停電が発生したとき自動的に情報を送信するが、複数の給水装置10が同時アクセスすることによる輻輳を回避するために、無作為なウェイト時間を用いて通信するタイミングを遅延させることが可能である。
これにより、給水装置10は、輻輳の回避を行いつつ、管理装置50に対してより確実に情報を送信することができる。停電発生時に給水装置10が、例えば停電時の運転状態、設定情報又は異常に関する情報を管理装置50に送信することで、管理者は給水装置10がどのような状態で停止したのかを把握することができ給水装置10に対して迅速な対応を図ることができる。
<<給水装置の概要>>
本実施形態の給水装置10は、集合住宅やビルにおける一般的な給水のために用いられる装置である。給水装置10は、例えば簡易水道や、農業用水、工業用水の給水のために利用されてもよい。
また、本実施形態では、給水装置10を、水道管から供給される水道水を一旦受水槽に貯めて、受水槽の水を揚水する貯水槽方式に採用している。しかしながら、これは一例であり、給水装置10を、水道管に直結して水道管から供給される水道水を直接揚水する直結方式に利用することもできる。
図2は、給水装置10を示す斜視図である。図2に示すように、給水装置10は、基台11と、基台11上に設置されたポンプユニット12と、ポンプユニット12の運転を制御する制御部22と、制御部22を収容した制御盤16とを有する。
ポンプユニット12は、互いに並べて設置された2台のポンプユニット(第一のポンプユニット12A及び第二のポンプユニット12B)により構成される。
2台のポンプユニット12A、12Bのそれぞれには、吸込口17(第一の吸込口17A、第二の吸込口17B)が設けられている。また、2台のポンプユニット12A、12Bはそれぞれの吐出口が、合流管18により接続されている。2台のポンプユニット12A、12Bは、吸込口17に連結される吸込配管から吸込まれる水を増圧し、合流管18において吐出水を合流し、合流管18の合流吐出口19から吐出水を吐出する。
また、合流管18には、合流管18内の水圧を所定の圧力に維持するための蓄圧タンク20が接続されている。
図3は、給水装置10の機能ブロックを示している。図3に示すように、ポンプユニット12A、12Bのそれぞれには、揚力を発生するポンプ13(第一のポンプ13A、第二のポンプ13B)と、ポンプ13に回転動力を伝えるモータ14(電動機:第一のモータ14A、第二のモータ14B)とが設けられている。また、ポンプユニット12A、12Bのそれぞれは、ポンプユニット12A、12Bの運転状況を検出する検出器15(第一の検出器15A、第二の検出器15B)を有している。
ここで、第一のポンプユニット12Aと第二のポンプユニット12Bとは同一の構成を有しているため、以下の説明において、第一のポンプユニット12Aと第二のポンプユニット12Bとを特に区別する必要がない場合には、単に「ポンプユニット12」として説明する。ポンプユニット12の構成部品であるポンプ13、モータ14、検出器15及び吸込口17についても、同様である。
制御部22は、第一のポンプユニット12A及び第二のポンプユニット12Bを単独で、又は同時に並列運転制御することができる。これにより、給水装置10から供給可能な水量を、1台のポンプユニット12の場合と比べて増量することができる。複数台のポンプユニット12A、12Bによって給水装置10を構成することにより、1台の大型のポンプユニットで給水装置10を構成する場合と比べて、所望の給水性能を、よりコンパクトに、かつ高い省エネルギー性と共に実現することができる。
ポンプユニット12は、所望の給水性能を得ることができればよく、その台数は2台に限定されない。給水装置10は、3台以上、例えば6台のポンプユニット12を有することとしてもよい。この場合、制御部22が6台のポンプユニット12を制御することができる。
<制御盤>
制御盤16は、ポンプユニット12(のモータ14)と電気的に接続され、ポンプユニット12を制御する。制御盤16は、各種センサからのセンシング信号に基づいてインバータ21を介してポンプユニット12のモータ14の駆動を制御する。
制御盤16に収容された制御部22は、供給すべき水量に応じてモータ14を回転制御し、複数のポンプユニット12が単独で、又は同時に並列運転を行うことによって給水を行う。すなわち、制御部22と共に制御盤16の内部に収容されたインバータ21から供給される電気エネルギーをモータ14が回転動力に変換し、この回転動力によってポンプ13内に配設された羽根車(不図示)が回転する。羽根車の回転運動は、ポンプ13の吸込口17から吸い込まれた水に対して遠心力を与える。この遠心力が揚力となって、吸込み水は増圧された状態で吐き出される。
<インバータ>
インバータ21は、ポンプユニット12(のモータ14)に所定周波数の交流電力を供給する装置である。インバータ21は、制御部22からインバータ制御信号を受け取り、このインバータ制御信号に応じて動作する。例えば、インバータ21は、運転停止信号又は運転開始信号に相当するインバータ制御信号を受信して運転を停止又は運転を開始する。インバータ21は、回転制御信号に相当するインバータ制御信号を受信して、モータ14の回転数を制御する。
インバータ21は、図示しないコンバータ回路と、平滑コンデンサと、インバータ回路とを有する。コンバータ回路は、交流電源から交流電力を取り込み、取り込んだ交流電力を整流することで直流電力に変換する。平滑コンデンサはコンバータ回路によって出力される直流電力の電圧を平滑化し、略一定電圧の直流電力にする。インバータ回路は、平滑コンデンサにより平滑化された直流電力を制御盤16からのインバータ制御信号に応じた所定周波数の交流電力に変換してモータ14に供給する。
<モータ>
本実施形態において、モータ14は永久磁石同期モータ(PMモータ)であるが、ポンプ13に対して必要な回転動力を伝えることができればよく、モータ14は例えば誘導モータ又は電磁石同期モータであってもよい。
<検出器>
検出器15は、給水装置10の運転情報を検出可能なセンサ類であって、圧力センサや流量センサ等が含まれる。検出器15の出力は、制御部22によりポンプユニット12を制御するために必要な情報として用いられる。
<制御部>
制御部22は、ポンプユニット12の運転制御を行うと共に、後述する運転情報取得部23を介して取得する信号等に基づいて異常の有無を判定する。具体的には、制御部22は、ポンプユニット12の異常及び受水槽の液面異常を判定し、判定結果を後述する記憶部27の履歴情報記憶部28に格納する。そして、災害等が発生した場合の停電及び復電に関する情報、及び、後述する通信制御部24が検出する通信障害に関する情報も、履歴情報記憶部28に格納される。
制御部22は、図示しないCPU、不揮発性メモリ及び揮発性メモリを有する。不揮発性メモリには、予めOS(Operating System)プログラム及びポンプユニット12の運転状態を監視してポンプユニット12を運転制御するためのプログラムが格納されている。CPUは、これらのプログラムを不揮発性メモリから揮発性メモリにロードして順次実行する。
また、制御部22は、電源部42から電源停止信号を受信し、電源が遮断されたことを検出する電力停止検出部44と、電源部42に搭載された電気二重層コンデンサ43bの容量を測定し寿命を判定する寿命判定部45を有する。電力停止検出部44と寿命判定部45の詳細については後述する。
運転情報取得部23は、ポンプユニット12の運転情報として、ポンプユニット12の検出器15が出力する各種センサ信号とインバータ21の運転情報とを取得する。そしてさらに、給水装置10に接続された受水槽の液面に関する情報を取得して、これを制御部22に対して出力する。
運転情報取得部23は、A/D変換器、LPF(低域通過フィルタ)、BPF(帯域通過フィルタ)を有しており、必要に応じてアナログ信号をディジタル信号に変換すると共に、不要な周波数帯域のノイズを除去し、所望の周波数成分を有する信号を出力することができる。
<記憶部>
記憶部27は、フラッシュメモリからなる不揮発性メモリであって、履歴情報記憶部28と、設定記憶部29と、給水装置識別情報記憶部31と、待ち時間記憶部32とを有する。
履歴情報記憶部28は、記憶部27が記憶する情報として、給水装置10の異常に関する履歴データを格納している。履歴データには、異常の発生日時、異常の種類、異常発生時のポンプユニット12の運転状況を含むことができる。異常の種類には、上述したように、ポンプユニット12の異常、受水槽の液面異常、停電及び復電を含む電源異常及び通信異常を含むことができる。
ポンプユニット12の運転状況には、インバータ21の運転周波数、検出器15が出力する吸込圧力センサ、流量センサ、そして吐出圧力センサの検出値、ポンプユニット12の積算運転時間を含むことができる。また、地震等の災害発生時に通知する「緊急停止通知」、水道管の破裂等を検知した場合に通知する「吸込み圧力低下通知」を送信したことが履歴データとして記憶されてもよい。
また、後述するように、給水装置10の電源部42には電気二重層コンデンサ43bが設けられているが、この電気二重層コンデンサ43bの容量及び寿命の判定結果も履歴データとして記憶されてよい。
これらの情報は、システムログ41として履歴情報記憶部28に記憶される。
設定記憶部29は、記憶部27が記憶する情報として、給水装置10の設定情報を格納している。具体的には、給水装置10の納入日、設置日、設置場所の他、給水装置10の運転パラメータである運転圧力設定値、加速時間、減速時間と、を含んでいる。
給水装置識別情報記憶部31は、記憶部27が記憶する情報として、給水装置10の製品種別や製品型番と、給水装置10を識別可能な給水装置識別情報と、を含む情報を格納している。また、本実施形態の給水装置10のように複数のポンプユニット12A、12Bを有している場合、第一のポンプユニット12A及び第二のポンプユニット12Bをそれぞれ識別可能なポンプユニット識別情報を格納している。
待ち時間記憶部32は、通信器25が通信する際に実行するウェイト処理の待ち時間WTを記憶する。待ち時間WTの詳細については後述する。
<通信制御部及び通信器>
次に、通信制御部24及び通信器25(本発明の通信部)について説明する。通信器25は、SIM(Subscriber Identification Module)を搭載し、移動体通信事業者が運用する移動体通信回線(携帯電話回線)MNを介して通信可能な通信機器である。具体的には、通信器25は、eSIM(Embedded SIM)を内蔵すると共に、拡張カードとしてUSIM(Universal Subscriber Identification Module)を搭載することができる。通信器25は、移動体通信回線MNを介して遠隔の管理装置50とパケット通信を行うことができるLTEに準拠した通信モデムである。
通信制御部24は、通信器25とシリアル通信接続され、通信器25に対する通信制御を行う。具体的には、通信制御部24は、履歴情報記憶部28に記憶された給水装置10の履歴データを、給水装置識別情報記憶部31に記憶された識別情報及び設定記憶部29に記憶された設定情報と共に管理装置50に送信するように通信器25を制御する。これにより、管理装置50は複数の給水装置10の異常に関する情報を給水装置10の識別情報と共に集中管理することができる。なお、通信器25が送信する情報は、履歴データのみであってもよく、また、管理装置50からの要求に応じて識別情報又は設定情報のみを送信してもよい。
なお、制御部22と同様に、通信制御部24は、図示しないCPU、不揮発性メモリ、及び揮発性メモリを有する。不揮発性メモリには、あらかじめOSプログラム、通信器25が通信する際の無作為なタイミングを設定するプログラム等が格納されている。CPUは、これらのプログラムを不揮発性メモリから揮発性メモリにロードして順次実行する。
管理装置50のオペレータは、給水装置10の設定情報を確認し、必要に応じて給水装置10の運転パラメータを変更することができる。通信器25は、管理装置50から給水装置10に対して送信される運転パラメータを受信する。制御部22は、通信器25が受信した運転パラメータを上述した設定記憶部29に格納する。
<操作パネル>
操作パネル26は、オペレータの入力操作を受け付けて、給水装置10に対する設定情報を入力することができる。また、操作パネル26は、給水装置10の運転状態及び異常に関する情報を出力表示することができる。
<電源部>
電源部42は、給水装置10の各構成(制御盤16、ポンプユニット12等)に電力を供給する装置である。本実施形態の給水装置10は、上述したように、停電等により電源断となった場合、給水装置10の通信器25は自動的に情報を送信するが、複数の給水装置10が同時アクセスすることによる輻輳を回避するために、無作為なウェイト時間を用いて通信するタイミングを遅延させるよう構成されている。輻輳を回避するための通信するタイミングを遅らせる時間は長い方が好ましい。そのため、本実施形態の電源部42は、電源断となった後でも、内蔵する充電部43を用いてより長く通信可能に構成されている。
本実施形態の電源部42の構成について図10~図12を用いて説明する。図10は電源部42の回路を概略的に示した図、図11は回路の一部の別例を示す図である。図12は電源投入時から電源断後の電圧の状況を示す説明図である。
電源部42は、DCコンバータ61、平滑コンデンサ43a、昇降圧電源66を有している。通常動作時においては、DCコンバータ61により、商用電源からの交流を直流電流に変換し、平滑コンデンサ43aにより直流電力の電圧を平滑することで、経路Aにおいて矢印G方向に流れる略一定電圧(図12に示す5V)の直流電力を得ることができる。
平滑コンデンサ43aにより得られた直流電力は、昇降圧電源66により昇降圧されて、3.3Vの電圧を有する電力として、経路Cから制御盤16の各構成(制御部22、通信制御部24等)に供給される。
電源断時において、平滑コンデンサ43aに蓄積された電荷を消費することで、電力を各構成に供給することが可能である。しかしながら、平滑コンデンサ43aにより、実現できる放電時間は数百ミリ秒程度であることから、通信の開始時間が数百ミリ秒以上となると電圧が低下して、通信器25は通信できなくなる。
本実施形態では、電源が遮断された場合、平滑コンデンサ42aから、より多くの電荷を蓄えることができる電気二重層コンデンサ43bに切り替えることで、より長く(例えば数秒以上)の通信時間を確保し、通信器25による通信を可能にしている。
具体的には、図10に示すように、電源部42は、さらに、経路Bにおいて設けられた、電気二重層コンデンサ43bと、理想ダイオード64とを有する。電気二重層コンデンサ43bには充電抵抗62を経由して電荷が蓄積される。
電気二重層コンデンサ43bは、平滑コンデンサ43aより多くの電荷を蓄えるコンデンサであり、スーパーキャパシターとも呼ばれるコンデンサである。
また、2つの理想ダイオード64では、VINの電圧がVOUTの電圧より高くなった場合、VINとVOUTとが接続される。そのため、DCコンバータ61から電源断となった場合、電気二重層コンデンサ43bから経路Bにおいて矢印Hの方向に流れる電力が供給される。電気二重層コンデンサ43bから供給される直流電力は、昇降圧電源66により昇降圧され、3.3Vの電圧を有する電力として、制御盤16の各構成に供給される。
また、電源断となった場合、理想ダイオード64のVINとVOUTとが接続されるが、この時、理想ダイオード64のSTがHi(ハイレベル)となり、経路Dから制御部22(の電力停止検出部44)に電源断となったことが電源断通知信号として通知される。本実施形態では、このように電源停止を検出することができる。
なお、電源部42で設ける理想ダイオード64は、ダイオードをFET SWにすることで、VINとVOUTとの間の電圧降下をなくし電力損失をなくすものである。理想ダイオード64は一例であり、電力損失があってもよい場合は、図11に示すように、通常のダイオード64Aを用いても構わない。
また、電源部42には、電気二重層コンデンサ43bの容量を測定するために、二つのヒステリシス・コンパレータ65(上限電圧コンパレータ65A、下限電圧コンパレータ65B)を備えている。より具体的には、電気二重層コンデンサ43bの充電が完了した場合、上限電圧コンパレータ65AがLowとなり、充電完了信号が制御部22(の寿命判定部45)に通知される。また、電気二重層コンデンサ43bの放電が下限値に達した場合、下限電圧コンパレータ65BがHiとなり、放電終止信号が制御部22(の寿命判定部45)に通知されるよう構成されている(図12参照)。
電気二重層コンデンサ43bの寿命は、電圧と温度との関数により求めることが可能である(詳細は後述する)。しかしながら、給水装置10内の温度は安定していないことから、関数のみで寿命を予測することは困難である。そのため、本実施形態では、復電時において電気二重層コンデンサ43bの充電が完了するまでの時間(充電時間CT)と、電源断時から電気二重層コンデンサ43bの電荷が下限値まで放電される時間(DT)を測定することにより、電気二重層コンデンサ43bの実際の容量を計測している。そして実際の容量が所定の値よりも低くなった場合、寿命に達したと判定する。
上述したように、上限電圧コンパレータ65Aでは、電気二重層コンデンサ43bの充電が完了しLowとなった場合、充電完了信号が経路Eを経由して制御部22(寿命判定部45)に送信される。制御部22の寿命判定部45では、電気二重層コンデンサ43bの充電時間を算出し、算出した充電時間から容量を求め、寿命であるか否かを判定する。
下限電圧コンパレータ65Bは、電気二重層コンデンサ43bの電圧が下限値(例えば、図12のグラフで1.9V)に到達した場合に、Hiとなり放電終止信号を、経路Fを経由して制御部22の寿命判定部45に通知する。寿命判定部45は、電源部42からの放電終止信号に基づき電気二重層コンデンサ43bの放電時間(DT)を算出し、容量を求め寿命であるか否かを判定する。
なお、図12に示すグラフにおいて、細線で示された電圧B1は、初期時における電気二重層コンデンサ43bの電圧を示しており、細線の一点鎖線で示された電圧B2は、容量が低下した場合の電気二重層コンデンサ43bの電圧を示している。容量が低下すると充電完了までの時間CT2は、初期時の充電完了まで時間CT1より短くなる。また、電源断時において、容量が低下すると下限値までの放電時間DT2は、初期時の放電時間DT1よりも短くなることがわかる。
なお、電気二重層コンデンサ43bと理想ダイオード64との間には、充電電圧制御用の定電圧ダイオード63が設けられている。定電圧ダイオード63により、電気二重層コンデンサ43bの充電電圧定格(5V)よりも低い電圧、例えば3.6Vで使用することができる。電気二重層コンデンサ43bの寿命は、定格電圧よりも低い電圧で使用することで、寿命を延ばすことができる。
制御部22は、寿命判定部45から電気二重層コンデンサ43bが寿命であると判定された場合、管理装置50に通知する。通知するタイミングは、電源断時の直後、又は、復電時に実行される。また、そのタイミングは定期通信時であってもよい。
<電力停止検出部>
本実施形態では、上述したように電源部42の電気二重層コンデンサ43bに接続する理想ダイオード64にVINの電圧がVOUTの電圧より高い場合に電流が流れ、電源断の電源断通知信号が制御部22に送信される。電力停止検出部44は電源断通知信号を受信することで電力の供給停止を検出することができる。
なお、電力の供給停止を検出する方法はこれに限定されず、例えば電力停止検出部44は、平滑コンデンサ43aの充電量が所定の閾値を下回ることにより、電源部42による電力供給が停止されたことを検出してもよい。電力停止検出部44は、平滑コンデンサ43aの両端に接続された電圧計(不図示)の検出信号に基づいて、平滑コンデンサ43aの充電量を算出することも可能である。
また、電力供給の停止は、電力停止検出部44が、電源部42において平滑コンデンサ43aよりも後段、すなわち電力を供給される側に設けられた低電圧検出用のオペアンプの出力信号の論理レベルに基づいて検出してもよい。電力停止検出部44は、電源部42による電力の供給停止を検出した場合、電力の供給が停止されたことを制御部22に通知し、制御部22は通信制御部24に対して、履歴データ及び給水装置識別情報等の情報を管理装置50に送信するよう指示する。
<寿命判定部>
上述したように、制御部22は電気二重層コンデンサ43bの寿命を判定する寿命判定部45を有する。本実施形態の電源部42は、上述したように、電気二重層コンデンサ43bを備え、電源断時において、通信器25は、電気二重層コンデンサ43bに残存した電荷を消費して通信する。そのため、電気二重層コンデンサ43bに充分な電荷を蓄積することが可能かどうか把握しておく必要があるが、電気二重層コンデンサ43bの容量は、累積温度により著しく低下する場合がある。とくに給水装置10内の温度環境は設置環境が様々であるため、給水装置10毎の電気二重層コンデンサ43bの寿命を予測することは困難である。
従来は、定格電圧に対して余裕を持って交換するか、ディレーティングによりコンデンサの寿命を延ばしていたが、コスト高になると共に、容量の大きいコンデンサを設置するため余分なスペースも必要があった。
そのため、本実施形態では、電源断時又は復電時に、電気二重層コンデンサ43bの容量を測定している。上述したように、電気二重層コンデンサ43bの容量は、電源部42のヒステリシス・コンパレータ65からの充電完了信号又は放電下限信号を用いて、放電時間DT又は充電時間CTを測定することで実現されている。そして、制御部22は、電気二重層コンデンサ43bが寿命に到達した場合、寿命に到達したことを示す寿命到達情報を管理装置50に通知するように構成されている。
電気二重層コンデンサ43bの電荷(Q)と、電流(I)及び時間(T)との関係は以下の通りである。ただし、Cは電気容量、Vはコンデンサの極板間電圧である。

Q=CV=∫IdT

この関係が示すように、電気二重層コンデンサ43bが劣化して、電気容量(C)が減少すると、電源断時の放電時間DTが短くなる(図12の放電時間DT1、DT2参照)。そこで、電気二重層コンデンサ43bの端子電圧が放電時に決められた電圧、例えば下限値である1.93Vに到達するまでの時間を測定し、その時間が所定の時間、例えば2秒以下の場合、寿命に到達したと判定し、不揮発メモリである記憶部27(の履歴情報記憶部28)に寿命到達情報を記憶する。通信制御部24は、寿命測定処理の完了時、又は、復電後に寿命到達情報を管理装置50に送信する。
また、電気二重層コンデンサ43bは、劣化して電気容量(C)が減少すると復電時の充電時間が短くなる(図12の充電完了時間CT1、CT2参照)。電気二重層コンデンサ43bの端子電圧が充電時に決められた電圧、例えば3.3Vに到達するまでの時間を測定し、その時間が所定の時間、例えば100秒以下の場合、寿命に到達したと判定し、記憶部27に寿命到達情報を記憶する。通信制御部24は、寿命測定処理の完了時、又は、稼働中において定期的に情報を送信する定期通信処理を行ったときに管理装置50に寿命到達情報を送信する。
<停電時の通信>
通信制御部24は、電力停止検出部44が電源の停止、すなわち電力の供給停止を検出した場合、無作為なタイミングで、通信器25が管理装置50に情報を送信するよう制御する。本実施形態では電力の供給停止を検出したとき、電源部42の平滑コンデンサ43aから電気二重層コンデンサ43bに切り替わる。通信制御部24及び通信器25は、電気二重層コンデンサ43bに残存する電荷を消費することで、管理装置50に情報、例えば給水装置10の識別データと、電力の供給停止及び運転状況を示す履歴データと、を送信する。
停電等により電力の供給が停止した後、給水装置10はそのまま通信不能に陥るおそれがあるが、電力の供給停止が検出された直後に管理装置50に電力の供給停止を示す履歴データを報告することは、管理装置50側において給水装置10が通信不能に陥る直前の運転状態を推測することに役立つ。運転状況のデータは、例えば、停電等により一時的に電力を取り込むことができなかったのか、地震又は火災等の災害により制御盤16が破壊されたのか推測するための材料となる。また、運転状況のデータと、給水装置10が設置された地域の停電情報又は災害情報等と、を組み合わせて利用することにより、給水装置10の運転状態をより正確に推測することができる。
また、停電時、複数の給水装置10が一斉に管理装置50に対して、運転状態データの送信を行うと、給水装置10と管理装置50との間の通信回線が輻輳して通信品質が低下するおそれがあった。
そのため、通信制御部24は、電源の供給停止が検出された場合に、無作為なタイミングを設定し、無作為なタイミングで通信器25が管理装置50に通知するよう制御する。これにより、複数の給水装置10から同時に管理装置50に対して通信することによる通信品質の低下を抑制することができ、より確実に情報を管理装置50に送信することができる。無作為なタイミングは、乱数を生成して、乱数に基づいて設定してよい。無作為なタイミングの詳細な生成方法については、後述する。
<復電時の通信接続>
通信制御部24は、復電時において給水装置10の運転を開始する際に無作為なタイミングで管理装置50と接続するように通信器25を制御する。
従来、停電後の復電時に、複数の給水装置10が一斉に管理装置50に対して通信接続を開始するため、給水装置10と管理装置50との間の通信回線が輻輳して通信品質が低下するおそれがあった。
そこで、通信制御部24は、復電時に運転を再開した場合においても、無作為なタイミングを設定し、それにより無作為なタイミングで管理装置50に対して通信接続を行う。複数の給水装置10から同時に管理装置50に対して通信接続することが抑制され、通信品質の低下を防ぐことができる。無作為なタイミングは、乱数を生成して、乱数に基づいて設定してよい。
<無作為なタイミングの生成方法>
ここで、無作為なタイミングの生成方法について説明する。無作為なタイミングは電源断時の待ち時間WTとして生成され、通信器25は、情報の送信が可能な状態になってから、電源断時の待ち時間WTが経過した後、情報の送信を実行する。
本実施形態において、通信制御部24は、疑似的な乱数を発生する疑似乱数発生器40を備えており、通信制御部24は、疑似乱数発生器40を用いて、電源断時の待ち時間WTを生成する。具体的には、通信制御部24は、エントロピープールを収集し、収集したエントロピープールに基づいて電源断時の待ち時間WTを生成する。エントロピープールとは、通信制御部24が取得する不規則かつ予測できないイベント情報の集合である。本実施形態において、通信制御部24は、通信制御部24のOSが取得するシステムログ41からエントロピープールを収集する。
より詳細に述べると、システムログ41は、通信制御部24の機能を実行するCPUに搭載されたOSによって取得されるデータである。システムログ41には、通信制御部24の起動と共に発生した各種イベントに関する情報が記録されている。システムログ41には、例えば、制御部22や通信器25との通信メッセージ、通信制御部24の起動と終了、OSが取得する警告やエラー情報などが、その発生時刻と共に蓄積されている。
そのため、通信制御部24のシステムログ41は、複数の給水装置10のそれぞれに固有のイベント履歴データとなり、イベントの発生と共にその内容が更新される。
したがって、複数の給水装置10の通信制御部24は、それぞれ固有のエントロピープール(不規則かつ予測できないイベント情報の集合)に基づいて疑似乱数を生成することができる。
電源断時の待ち時間WTは、この通信制御部24のOSが取得するシステムログ41に基づいて生成されたエントロピープールを疑似乱数発生器40に入力することによって生成される。なお、本実施形態では、このシステムログ41は履歴情報記憶部28に記録されている。
疑似乱数発生器40が出力する疑似乱数は、所定の最大待ち時間を上限とする無作為な数値である。電源断時の待ち時間WTの最大待ち時間については、電気二重層コンデンサ43bに残存した電荷を用いて可能な通信時間を考慮して1秒~3秒の間で設定するのがよく、2秒とするの望ましい。これは一例であり、電源断時の最大待ち時間の設定は、設置された電気二重層コンデンサ43bの性能に応じて変更されてよい。
また、疑似乱数を生成する際、上述したシステムログ41と共に、給水装置10の固有情報を組み合わせてもよい。給水装置10の固有情報として、例えば、給水装置識別情報記憶部31に記憶された識別情報、制御盤16の製造番号、給水装置10の故障来歴、及び、給水装置10の位置情報等が含まれてよい。
なお、疑似乱数の生成方法は上述した方法に限定されない。例えば線形合同法など、公知の疑似乱数生成アルゴリズムを用いて疑似乱数を生成してもよい。
また、本実施形態では疑似乱数の発生にソフトウェアによる疑似乱数発生器40を用いているが、乱数を物理的な手法で取得してもよい。例えば、電気的にランダムノイズを発生させ、任意の時刻におけるノイズの値を時間に変換することにより、無作為なタイミングを設定する。電気的に発生させたノイズであるため定期的にその値を取得してもランダム値になる。このランダムノイズは、例えば定電圧ダイオードに電圧を加え、ダイオードのカソード側から発生させたアバランシェノイズ、所謂ホワイトノイズであってもよく、また、-3dBのフィルタを通したピンクノイズであってもよい。なお、ホワイトノイズ又はピンクノイズは測定機の周波数特性を測定する際にも使用される。
<停電時の通信処理>
停電時において給水装置10と管理装置50との間で行われる停電時通信処理について説明する。停電時通信処理は、停電時において、管理装置50に情報を送信されるまでに実行される情報送信処理と、電気二重層コンデンサ43bの寿命を測定する寿命測定処理とを含む。
以下では、まず、停電時に実施される情報送信処理について説明する。
図4は、給水装置10の停電時に通信制御部24によって実行される停電時通信処理の全体の流れを示している。停電時通信処理は、停電等により急な電源断が発生した場合に、給水装置10の制御盤16が情報を管理装置50に送信するときに実行する処理である。
ステップS10において、電力停止検出部44が電力の状態を監視する。停電等による電源断は突発的に発生する事象であるため、電力停止検出部44は、給水装置10が稼働している間は電力の状態を常に監視している。ステップS11で電力の供給停止の判定を行い、電力の供給停止が検出されない場合(ステップS11でNo)は、引き続き電力の状態を監視して、ステップS10に戻る。電力の供給停止が検出された場合(ステップS11でYes)、電源部42で使用している平滑コンデンサ43aが電気二重層コンデンサ43bに切り替わる(ステップS12)。電力の供給停止の判定は、例えば電源部42の理想ダイオード64から出力される電源停止信号を基に行う。
次に、通信制御部24は、無作為な電源断時の待ち時間WTを生成するためにエントロピープールを収集する(ステップS13)。具体的には、通信制御部24は、CPUに搭載されたOSが蓄積し、履歴情報記憶部28に記録されたシステムログ41を取得する。
次に、通信制御部24は、電源断時の待ち時間WTを生成する(ステップS14)。通信制御部24は、ステップS14において、ステップS13で収集したエントロピープールを疑似乱数発生器40に入力することによって、待ち時間WTを生成する。
続いて通信制御部24は、ウェイト処理を実行、すなわち電源断時の待ち時間WTが経過するまで待機する(ステップS15)。待ち時間WT経過した後、通信器25を用いて情報を管理装置50に送信する(ステップS16)。
本実施形態の給水装置10では、通信器25が情報を送信した後、さらに設置された電気二重層コンデンサ43bの容量を測定し、寿命であるか否かを判定する(第一寿命測定処理:ステップS17)。
<第一寿命測定処理>
以下、図5を用いて、電源断時に実行される第一寿命測定処理について説明する。まず、寿命判定部45は、電気二重層コンデンサ43bの放電時間DTを測定する(ステップS20)。寿命判定部45は、例えば、電気二重層コンデンサ43bの端子電圧が放電時に決められた電圧、例えば1.93Vに到達するまでの放電時間DTを測定する(図12参照)。電源部42は、下限値に達した時点でHiの放電下限信号を制御部22の寿命判定部45に通知する。
次に、寿命判定部45は、測定した放電時間DTと、所定の閾値DTH(例えば2秒)とを比較する(ステップS21)。放電時間DTが、閾値DTHより大きい場合は、まだ寿命に到達していないと判定(ステップS21でNo)とし、第一寿命測定処理を終了する。
測定した放電時間DTが、閾値DTH以下だった場合、寿命に到達したと判定する(ステップS21でYes)。その後、寿命判定部45は、測定結果を寿命到達情報として記憶部27に記憶する。通信器25により情報が送信可能である場合は、寿命到達情報を管理装置50に送信する(ステップS23)。送信できなかった場合は、寿命到達情報の記録のみを行い処理を終了する。そして、復電後、管理装置50に対して再接続したときに測定結果を送信する。
<起動時の通信接続処理>
次に、図6~図9を用いて、起動時において給水装置10と管理装置50の間で行われる通信接続処理について説明する。図6は、起動時の通信接続処理全体の流れを示している。
起動時の通信接続処理は、例えば停電が発生した後の復電によって給水装置10が復旧し、管理装置50と通信接続を行うときに実行される処理である。また、起動時の通信接続処理は、給水装置10に対するメンテナンス作業の終了後に給水装置10を再起動して管理装置50と通信接続するときに実行される処理でもある。
復電した際、給水装置10は、制御部22及び通信制御部24を起動して、OSをロードする等の起動処理(ステップS30)を行う。次に、復電時に電気二重層コンデンサ43bの容量を測定し寿命を判定する寿命測定処理(以下、第二寿命測定処理:ステップS31)が実施される。
その後、管理装置50と接続する接続開始ウェイト処理(ステップS32)が実施される。管理装置50と接続が完了(ステップS33)した後、通信器25及び通信制御部24により情報が送信される(ステップS34)。
<第二寿命測定処理>
図7を用いて、第二寿命測定処理の詳細について説明する。まず、寿命判定部45は、電気二重層コンデンサ43bの充電時間CTを測定する(ステップS40)。寿命判定部45は、例えば、電気二重層コンデンサ43bの端子電圧が充電時に決められた電圧、例えば3.3Vに到達するまでの充電時間CTを測定する。
次に、測定した充電時間CTと、所定の閾値CTH(例えば100秒)とを比較する(ステップS41)。充電時間CTが、閾値CTHより大きい場合は、まだ寿命に到達していないと判定(ステップS41でNo)とし、第二寿命測定処理を終了する。
この所定の閾値CTHは、設置された電気二重層コンデンサ43bの初期の容量等によって設定される。測定した充電時間CTが、閾値CTH以下だった場合、寿命に到達したと判定する(ステップS41でYes)。その後、寿命判定部45は、測定結果を寿命到達情報として記憶部27に記憶する(ステップS42)。記憶された寿命到達情報は、管理装置50と接続した後、すなわち接続開始ウェイト処理(ステップS32)に送信される。なお、寿命到達情報は、給水装置10の稼働中に定期的に情報を送信する定期通信処理を行ったときに送信されてもよい。
なお、第二寿命測定処理は、接続開始ウェイト処理と並行して実行されてもよい。
すなわち、電気二重層コンデンサ43bの充電中に接続開始ウェイト処理が実行されてもよい。
<接続開始ウェイト処理>
図6に示すように、通信制御部24は、第二寿命測定処理の後、又は平行して、接続開始ウェイト処理(ステップS32)を行う。具体的には、複数の給水装置10が同時に管理装置50に対して通信接続することによる輻輳の発生を防止する目的で、給水装置10の通信器25が管理装置50に対して通信接続するタイミングを無作為に遅延させる処理を行う。すなわち、乱数に基づく無作為な待ち時間を算出し、その待ち時間を経過した後、管理装置50に対する接続処理(ステップS33)を実行し、接続完了後に情報送信処理(ステップS34)を実行する。
図9に接続タイミングの無作為化の概念を示す。図9に示すように、通信制御部24が起動してから管理装置50に対して接続を開始するまでの間に、2種類の待ち時間(第一の待ち時間WT1及び第二の待ち時間WT2)が設定されている。
<第一の待ち時間WT1>
第一の待ち時間WT1は、通信制御部24が起動してから、管理装置50に接続する接続プログラムの起動が終了するまでの時間である。言い換えれば、接続プログラムがメモリにロードされ、そのロードが完了するまでの待ち時間である。本実施形態では、最大の待ち時間を60秒とした無作為な時間が、第一の待ち時間WT1として設定されている。
<第二の待ち時間WT2>
第二の待ち時間WT2は、接続プログラムの起動が終了してから、実際に管理装置50に対して接続処理を開始するまでの待ち時間である。言い換えれば、接続プログラムのロードが完了してから、管理装置50への接続を開始するまでの時間である。本実施形態では、最大の待ち時間を600秒(10分)とした無作為な時間が、第二の待ち時間WT2として設定されている。
第一の待ち時間WT1及び第二の待ち時間WT2は、電源断時の待ち時間WTと同様に、疑似乱数発生器40を用いて生成される。具体的には、通信制御部24は、エントロピープールを収集し、収集したエントロピープールに基づいて第一の待ち時間WT1及び第二の待ち時間WT2を生成する。通信制御部24は、通信制御部24のOSが取得するシステムログ41からエントロピープールを収集する。
第一の待ち時間WT1の最大待ち時間については、接続プログラムの起動時間を考慮して30秒~90秒の間で設定するのがよく、60秒とするの望ましい。
第二の待ち時間WT2の最大値については、例えば管理装置50が管理する給水装置10の台数を考慮して設定するのがよい。本実施形態では、第二の待ち時間WT2の最大待ち時間を600秒(10分)とした。これは一例であり、最大の待ち時間の設定は、給水装置管理システム1の構成に応じて変更されてよい。
図8に、通信制御部24が実行する接続開始ウェイト処理の流れを示す。通信制御部24は、先ず、エントロピープールを収集する(ステップS50)。具体的には、通信制御部24は、CPUに搭載されたOSが蓄積し、履歴情報記憶部28に記録されたシステムログ41を取得する。
次に、通信制御部24は、第一の待ち時間WT1を生成する(ステップS51)。続いいて第二の待ち時間WT2を生成する(ステップS52)。通信制御部24は、例えばステップS51及びS52において、ステップS50で収集したエントロピープールを疑似乱数発生器40に入力することによって、第一の待ち時間WT1及び第二の待ち時間WT2を生成する。
続いて通信制御部24は、第一のウェイト処理(ステップS53)を実行する。すなわち、通信制御部24が起動してからステップS51で生成した第一の待ち時間WT1経過するまで待機する。第一の待ち時間WT1経過後、通信制御部24は、管理装置50に接続する接続プログラムを起動、具体的には不揮発性メモリ(不図示)から揮発性メモリに接続プログラムをロードする(ステップS54)。
そして通信制御部24は、第二のウェイト処理(ステップS55)を実行し、ステップS52で生成した第二の待ち時間WT2の経過後に、接続開始ウェイト処理を終了し、引き続き、管理装置50に対する接続処理(図6のステップS33)を実行する。管理装置50と接続が完了した後、通信制御部24は情報を送信する(図6のステップS34)。
このように通信制御部24を起動してから管理装置50との接続処理を開始するまでの時間を、2つの無作為な待ち時間(第一の待ち時間WT1及び第二の待ち時間WT2)によって遅延させる処理が、接続開始ウェイト処理である。2段階で無作為な待ち時間を設定することにより、1段階で無作為な待ち時間を設定するよりも、給水装置10から管理装置50に対する接続タイミングのばらつきの度合いが大きくなる。そのため、複数の給水装置10が管理装置50に対して同時に通信接続を行うことが抑制され、同時接続による輻輳の発生を抑制することができる。
また、第一の待ち時間WT1と第二の待ち時間WT2とにおいて、最小値又は最大値を個別に設定できるため通信回線又は運用に合わせて、「ズレ幅」を設定することもできる。
なお、本実施形態では2段階で無作為な待ち時間を設定して接続を開始しているが、これは一例であり、無作為な待ち時間を設けるのは一段階でもよく、第一の待ち時間WT1又は第二の待ち時間WT2のいずれか一方を無作為な待ち時間にし、管理装置50との接続を開始してもよい。また、2段階目の第二の待ち時間WT2の後に、さらに無作為な待ち時間を設定して、管理装置50との接続を開始してもよい。
<管理装置に対する接続処理>
次に、図6の管理装置50に対する接続処理(ステップS33)について説明する。管理装置50に対する接続処理は、移動体通信回線MNに接続する処理と、接続した移動体通信回線MN及びインターネット回線INの通信品質を測定する処理とを含む。具体的には、通信制御部24は、所定時間内に管理装置50から受信した通信パケット数又は通信時間に基づいて、通信回線の品質を測定する。
従来、通信品質については、無線電波の受信信号レベルに基づいて、すなわち、通信器25が接続する基地局Bによって送信される無線電波に基づいて測定されていた。
しかしながら、基地局Bから高い信号レベルの無線電波を受信することができても、基地局Bから先のインターネット回線INが輻輳状態にある場合、送信した通信パケットが、相手先(管理装置50)まで到達することなく失われる可能性がある。
そのため、測定した無線電波の受信信号レベルが高いときでも、管理装置50と正常に通信できない場合があった。
本実施形態では、確実に接続されているか否かを判定するため、無線電波の受信信号レベルではなく、管理装置50から受信した通信パケット数又は通信時間に基づいて通信回線の品質を測定する。所定の通信時間において実際に通信相手に到達した通信パケット数を算出することにより通信回線の品質を測定することにより、通信回線の信頼性を高めることができる。
管理装置に対する接続処理が実施された後、通信制御部24は、情報を管理装置50に送信する。送信する情報には、ポンプユニット12の運転情報、履歴情報記憶部に記憶された給水装置10の異常に関する情報の履歴データが含まれる。第二寿命測定処理(ステップS31)で電気二重層コンデンサ43bの寿命が検出された場合は、送信する情報に寿命到達情報が含まれる。
給水装置10と管理装置50とが上述した起動時接続処理によって接続した後、定期的に情報を送信する定期通知処理が実施されてもよい。定期通知処理によって、運転情報、履歴データ、及び設定情報は、給水装置識別情報と共に管理装置50に送信される。管理装置50のオペレータは、給水装置識別情報ごとに運転情報、履歴データ、及び設定情報を確認することができるため、複数の給水装置10を集中管理することができる。
また、管理装置50のオペレータは、履歴データに何らかの異常がある場合に、履歴データと共に受信した運転情報及び設定情報を確認し、設定情報の変更の要否を判断することができる。設定情報の変更が必要な場合には、新たな設定情報を給水装置10に送信する。給水装置10は新たな設定情報を受信し、受信した設定情報に基づいて設定を変更する。定期的に給水装置の運転情報等を確認できるため、管理装置50のオペレータは、給水装置10に異常が発生した場合に迅速な対応をとることができる。
以上、図を用いて本発明の実施形態及び変形例を説明したが、この実施形態及び変形例は、本発明の理解を容易にするための一例であり、本発明を限定するものではない。つまり、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
本実施形態では、充電部43を平滑コンデンサ43aと電気二重層コンデンサ43bとにより構成していたが、充電部43を、平滑コンデンサ43aのみ、又は、電気二重層コンデンサ43bのみで構成してもよい。また、充電部43を一次電池又は充電可能な二次電池で構成しても構わない。
1 給水装置管理システム
10 給水装置
11 基台
12 ポンプユニット
12A 第一のポンプユニット
12B 第二のポンプユニット
13 ポンプ
13A 第一のポンプ
13B 第二のポンプ
14 モータ(電動機)
14A 第一のモータ
14B 第二のモータ
15 検出器
15A 第一の検出器
15B 第二の検出器
16 制御盤
17 吸込口
17A 第一の吸込口
17B 第二の吸込口
18 合流管
19 合流吐出口
20 蓄圧タンク
21 インバータ
22 制御部
23 運転情報取得部
24 通信制御部
25 通信器(通信部)
26 操作パネル
27 記憶部
28 履歴情報記憶部
29 設定記憶部
31 給水装置識別情報記憶部
32 待ち時間記憶部
40 疑似乱数発生器
41 システムログ
42 電源部
43 充電部
43a 平滑コンデンサ
43b 電気二重層コンデンサ
44 電力停止検出部
45 寿命判定部
50 管理装置
61 DCコンバータ
62 充電抵抗
63 定電圧ダイオード
64 理想ダイオード
65 ヒステリシス・コンパレータ
65A 上限電圧コンパレータ
65B 下限電圧コンパレータ
66 昇降圧電源
WT 待ち時間
WT1 第一の待ち時間
WT2 第二の待ち時間
CT、CT1、CT2 充電時間
DT、DT1、DT2 放電時間
B 基地局
IN インターネット回線
MN 移動体通信回線

Claims (11)

  1. ポンプと、該ポンプを駆動する電動機とを有するポンプユニットを備える給水装置であって、
    前記ポンプユニットに関する情報を記憶する記憶部と、
    該記憶部が記憶する前記情報を、移動体通信回線を介して送信する通信部と、
    該通信部を制御する通信制御部と、
    充電部を有し、前記給水装置の各構成に電力を供給する電源部と、
    前記電力の供給停止を検出する電力停止検出部と、を備え、
    前記電力停止検出部が前記電力の供給停止を検出したとき、前記通信制御部は、前記充電部に残存する電力を消費して、無作為なタイミングで前記通信部が前記情報を送信するように制御することを特徴とする給水装置。
  2. 前記充電部は、平滑コンデンサ、電気二重層コンデンサ、一次電池、又は、二次電池であることを特徴とする請求項1に記載の給水装置。
  3. 前記充電部は平滑コンデンサ及び電気二重層コンデンサから構成され、通常時は前記平滑コンデンサが使用され、前記電力停止検出部が前記電力の供給停止を検出したときに、前記平滑コンデンサから前記電気二重層コンデンサに切り替えられることを特徴とする請求項1に記載の給水装置。
  4. 電源断時又は復電時に前記電気二重層コンデンサの容量を測定し、測定結果に基づいて前記電気二重層コンデンサの寿命を判定する寿命判定部を備え、
    前記寿命判定部が、前記電気二重層コンデンサが寿命に到達したと判定した場合、前記通信部は、前記電気二重層コンデンサが寿命に到達したことを示す寿命到達情報を送信することを特徴とする請求項3に記載の給水装置。
  5. 前記寿命判定部は、電源断時において、放電される前記電気二重層コンデンサの端子電圧が所定の電圧に達するまでの放電時間を測定し、測定した前記放電時間に基づいて寿命を判定することを特徴とする請求項4に記載の給水装置。
  6. 前記寿命判定部は、復電時において、充電される前記電気二重層コンデンサの端子電圧が所定の電圧に達するまでの充電時間を測定し、測定した前記充電時間に基づいて寿命を判定することを特徴とする請求項4に記載の給水装置。
  7. 前記通信制御部は、
    疑似乱数を生成する疑似乱数発生器を有し、
    該疑似乱数発生器により生成した疑似乱数に基づき前記無作為なタイミングを設定することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の給水装置。
  8. 前記通信制御部は、システムログを収集し、該システムログを用いて前記疑似乱数発生器により前記疑似乱数を生成して前記無作為なタイミングを設定することを特徴とする請求項7に記載の給水装置。
  9. 前記通信制御部は、復電時に前記給水装置が起動した場合に、前記無作為なタイミングとは別の無作為なタイミングで前記通信部が通信接続を開始するように前記通信部を制御することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の給水装置。
  10. 前記別の無作為なタイミングは、通信接続する接続プログラムの起動が完了するまでの第一の待ち時間と、前記通信接続するプログラムにより通信接続を開始するまでの第二の待ち時間とから構成されることを特徴とする請求項9に記載の給水装置。
  11. ポンプと、該ポンプを駆動する電動機とを有するポンプユニットと、
    前記ポンプユニットに関する情報を記憶する記憶部と、
    該記憶部が記憶する前記情報を、移動体通信回線を介して送信する通信部と、
    該通信部を制御する通信制御部と、
    コンデンサを含み、電力を供給する電源部と、
    前記電力の供給停止を検出する電力停止検出部と、を備える給水装置の通信方法であって、
    前記電力停止検出部が前記電力の供給停止を検出するステップと、
    前記電力の供給停止を検出したとき、前記通信制御部が、前記コンデンサに残存する電荷を消費して、無作為なタイミングで前記通信部が前記情報を送信するように制御するステップと、を有することを特徴する給水装置の通信方法。
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