JP2022136035A - 化合物、該化合物を用いた金属ナノ粒子複合体、及び標的分子の検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本開示はアフィニティーラベル機能を示す金属ナノ粒子複合体、該複合体を構成する金属ナノ粒子修飾能に優れる新規化合物、金属ナノ粒子複合体を用いた標的分子の検出方法を提供することを目的とする。【解決手段】例えば、下記式で表される化合物である。実施形態の金属ナノ粒子複合体は、金属ナノ粒子と、前記化合物と、リガンドを有する化合物との複合体であり、前記化合物と、前記リガンドを有する化合物とが前記金属ナノ粒子に結合している。TIFF2022136035000038.tif2599【選択図】なし
Description
特許法第30条第2項適用申請有り 1.掲載アドレス:https://confit.atlas.jp/guide/event-img/csj101st/P01-3pm-19/public/pdf?type=in 掲載日:令和3年3月4日 2.掲載アドレス:https://confit.atlas.jp/guide/event/csj101st/subject/P01-3pm-19/advanced 掲載日:令和3年3月21日 3.掲載アドレス:https://confit-files.atlas.jp/view/biosympo2021/abstract.pdf 掲載日:令和3年9月1日 4.掲載アドレス:https://confit.atlas.jp/guide/event/biosympo2021/subject/1P48-70-19/advanced 掲載日:令和3年9月8日 5.掲載アドレス:https://us02web.zoom.us/j/88588021866?pwd=d21FSEhGYmg2TCt2Mnh3Nzk3c0QrUT09 掲載日:令和3年10月8日 6.掲載アドレス:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/anie.202104347 https://doi.org/10.1002/anie.202104347 掲載日:令和3年6月1日 7.掲載アドレス:https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ange.202104347 https://doi.org/10.1002/ange.202104347 掲載日:令和3年6月1日 8.掲載アドレス:https://chemistry-europe.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/cbic.202100388 https://doi.org/10.1002/cbic.202100388 掲載日:令和3年9月6日
本開示は、化合物、該化合物を用いた金属ナノ粒子複合体、及び標的分子の検出方法に関する。
リポ酸にポリエチレングリコール(以下、PEGとも記す)を結合した、PEGリポ酸誘導化合物は、高い水溶性や優れた金属表面修飾能を有し、金属ナノ粒子安定化作用を有することが知られている。このため、PEGリポ酸誘導化合物は、金属ナノ粒子の修飾剤、被覆材として用いられている(例えば、非特許文献1及び特許文献1参照)。
PEGリポ酸誘導化合物は、適当な金属ナノ粒子合成反応またはリガンド交換反応により、金属ナノ粒子表面に共有結合を介して結合させることが可能であり、その製造条件に応じて、PEGリポ酸誘導化合物が単層膜上に高密度で修飾した金属ナノ粒子修飾体を得ることが可能である(例えば、非特許文献2~4参照)。
近年、PEGリポ酸誘導化合物のPEG末端部位にさらに適当な官能基(例えばタンパク質反応基)を導入することで、タンパク質で修飾された金属ナノ粒子修飾体を得る方法が開発されている(例えば、非特許文献5参照)。特定のタンパク質を修飾したナノ粒子は、検出試薬、診断薬、医薬品候補等としての応用が期待されている(例えば、非特許文献6参照)。
金属ナノ粒子上に導入されるタンパク質反応基の主な例としては、アミノ基、カルボキシル基、アルキン基、アジド基が挙げられる(例えば、非特許文献7~9、特許文献2参照)。これらのタンパク質反応基はいずれも、タンパク質との反応を起こすための活性化剤などの反応試薬の添加を必要とする。また、アミノ基、カルボキシル基は一般的に基質選択性や位置選択性を示さない。
Karakoti et al. Angew. Chem. Int. Ed. 2011, 50, 1980-1994
Susumu et al. Nat. Prot. 2009, 4, 412-423
Sakurai et al. Chem. Sci., 2016,7, 702-706
Sakurai et al, Bioorg. Med. Chem. Lett, 2018
Karakoti et al. Angew. Chem. Int. Ed. 2011, 50, 1980-1994.
Saha et al. Chem. Rev. 2012, 112, 5, 2739-2779.
Brennan et al. Bioconj. Chem. 2006, 17,1373; Zhang, et al. Langmuir 2010, 26, 10171
Narita et al. Bioorg. Med. Chem. Lett. 2019, 29, 126768
G. T. Hermanson, Bioconjugate Techniques 2nd Ed. Academic Press. 2008.
従来の技術では金属ナノ粒子複合体を用いて、特定のアミノ酸残基を修飾部位として選択することや、タンパク質の混合溶液中で特定のタンパク質を選択的に修飾することはできていなかった。すなわち、特定のタンパク質との共有結合形成による架橋反応を起こすことが可能な、アフィニティーラベル機能を持つ、金属ナノ粒子複合体は知られていなかった。
本開示はアフィニティーラベル機能を示す金属ナノ粒子複合体、該複合体を構成する金属ナノ粒子修飾能に優れる新規化合物、金属ナノ粒子複合体を用いた標的分子の検出方法を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、特定の化合物と、リガンドを有する化合物とが金属ナノ粒子に結合した金属ナノ粒子複合体は、アフィニティーラベル機能を示すことを見出した。
本実施形態の態様例は、以下の通りに記載される。
(1) 下記一般式(1)、(2)又は(3)で表される化合物。
(一般式(1)において、X1はO又はNHであり、Y1はO、NH、下記式(4)で表される基、又は下記式(5)で表される基であり、R1は下記式(6)~(14)及び(20)~(51)から選ばれる基である)
(一般式(2)において、X2はO又はNHであり、Y2はO、NH、下記式(4)で表される基、又は下記式(5)で表される基であり、R2は下記式(8)~(19)及び(21)~(51)から選ばれる基である)
(一般式(3)において、nは1、2、4、5及び7~12から選ばれる整数であり、X3はO又はNHであり、Y3はO、NH、下記式(4)で表される基、又は下記式(5)で表される基であり、R3は求電子基である)
(式(4)及び(5)において、aは、R1、R2又はR3との結合部位を示し、bは、CH2との結合部位を示す。式(5)において、xは1~10の整数である)
(式(10)においてmは1~17の整数であり、式(11)、(34)、(39)及び(40)においてqは0~14の整数であり、式(29)及び(30)においてrは1~9の整数である)
(2) 前記R3が式(6)~(51)から選ばれる基である、(1)に記載の化合物。(3) 前記nが8~12である、(1)又は(2)に記載の化合物。
(4) 金属ナノ粒子と、(1)~(3)のいずれかに記載の化合物と、リガンドを有する化合物との複合体であり、
前記(1)~(3)のいずれかに記載の化合物と、前記リガンドを有する化合物とが前記金属ナノ粒子に結合している、金属ナノ粒子複合体。
(5) (4)に記載の金属ナノ粒子複合体と試料とを接触させることにより、試料中の標的分子と、金属ナノ粒子複合体との、架橋複合体を形成する工程を有する、標的分子の検出方法。
(6) (5)に記載の標的分子の検出方法を、ハイスループットスクリーニング方法の一部として行う、ハイスループットスクリーニング方法。
(4) 金属ナノ粒子と、(1)~(3)のいずれかに記載の化合物と、リガンドを有する化合物との複合体であり、
前記(1)~(3)のいずれかに記載の化合物と、前記リガンドを有する化合物とが前記金属ナノ粒子に結合している、金属ナノ粒子複合体。
(5) (4)に記載の金属ナノ粒子複合体と試料とを接触させることにより、試料中の標的分子と、金属ナノ粒子複合体との、架橋複合体を形成する工程を有する、標的分子の検出方法。
(6) (5)に記載の標的分子の検出方法を、ハイスループットスクリーニング方法の一部として行う、ハイスループットスクリーニング方法。
本開示の方法によれば、アフィニティーラベル機能を示す金属ナノ粒子複合体、該複合体を構成する金属ナノ粒子修飾能に優れる新規化合物、金属ナノ粒子複合体を用いた標的分子の検出方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<化合物>
本実施形態に係る化合物は、下記一般式(1)、(2)又は(3)で表される化合物である。本実施形態に係る化合物は、後述の金属ナノ粒子複合体を構成する化合物であり、これらの化合物を用いることにより、後述の金属ナノ粒子複合体は、アフィニティーラベル機能を示すことができる。一般式(1)、(2)又は(3)で表される化合物は、ジスルフィドを有する5員環構造を有しており、ジスルフィドが開裂することにより、金属ナノ粒子と結合することができる。
本実施形態に係る化合物は、下記一般式(1)、(2)又は(3)で表される化合物である。本実施形態に係る化合物は、後述の金属ナノ粒子複合体を構成する化合物であり、これらの化合物を用いることにより、後述の金属ナノ粒子複合体は、アフィニティーラベル機能を示すことができる。一般式(1)、(2)又は(3)で表される化合物は、ジスルフィドを有する5員環構造を有しており、ジスルフィドが開裂することにより、金属ナノ粒子と結合することができる。
(一般式(1)において、X1はO又はNHであり、Y1はO、NH、下記式(4)で表される基、又は下記式(5)で表される基であり、R1は下記式(6)~(14)及び(20)~(51)から選ばれる基である)
なお、一般式(1)においては、R1は下記式(6)~(14)及び(20)~(47)から選ばれる基であることが、好ましい態様の一つである。
なお、一般式(1)においては、R1は下記式(6)~(14)及び(20)~(47)から選ばれる基であることが、好ましい態様の一つである。
(一般式(2)において、X2はO又はNHであり、Y2はO、NH、下記式(4)で表される基、又は下記式(5)で表される基であり、R2は下記式(8)~(19)及び(21)~(51)から選ばれる基である)
なお、一般式(2)においては、R2は下記式(8)~(19)及び(21)~(47)から選ばれる基であることが、好ましい態様の一つである。
なお、一般式(2)においては、R2は下記式(8)~(19)及び(21)~(47)から選ばれる基であることが、好ましい態様の一つである。
(一般式(3)において、nは1、2、4、5及び7~12から選ばれる整数であり、X3はO又はNHであり、Y3はO、NH、下記式(4)で表される基、又は下記式(5)で表される基であり、R3は求電子基である)
(式(4)及び(5)において、aは、R1、R2又はR3との結合部位を示し、bは、CH2との結合部位を示す。式(5)において、xは1~10の整数である)
(式(10)においてmは1~17の整数であり、式(11)、(34)、(39)及び(40)においてqは0~14の整数であり、式(29)及び(30)においてrは1~9の整数である)
一般式(3)において、前記R3は求電子基であり、具体的には式(6)~(51)から選ばれる基であることが好ましい態様の一つであり、式(6)~(47)から選ばれる基であることが別の好ましい態様の一つである。これらの基は合成容易の観点、アフィニティーラベル機能を好適に示す観点から好ましい。
一般式(1)のR1、一般式(2)のR2、及び一般式(3)のR3は、それぞれ求電子基であり、求電子基を有することにより、金属ナノ粒子複合体がアフィニティーラベル機能を示すことができる。R2及びR3としては、(8)、(9)、(15)、(19)、(25)、(50)及び(51)から選ばれる基であることが好ましい態様の一つである。また、R1としては、(8)、(9)、(25)、(50)及び(51)から選ばれる基であることが好ましい態様の一つである。
一般式(3)において、前記nは1、2、4、5及び7~12から選ばれる整数であり、8~12であることが好ましい。一般式(1)、(2)又は(3)で表される化合物の中でも、nが8~12である一般式(3)で表される化合物は、分散性、水溶性が高い傾向にあり、結果的に金属ナノ粒子複合体の分散性を向上させることが可能であるため好ましい。
一般式(1)のX1、一般式(2)のX2、及び一般式(3)のX3は、O又はNHである。合成方法によっても異なるが、NHであることが合成容易の観点から好ましい。
一般式(1)のY1、一般式(2)のY2、及び一般式(3)のY3は、O、NH、式(4)で表される基、又は式(5)で表される基である。合成方法によっても異なるが、NH、式(4)で表される基、又は式(5)で表される基であることが合成容易の観点から好ましい。
式(4)及び(5)において、aは、R1、R2又はR3との結合部位を示し、bは、CH2との結合部位を示す。式(5)において、xは1~10の整数である。該範囲は分散性、水溶性及び回転自由度が高いため好ましい。
式(10)においてmは1~17の整数であり、1~8であることが好ましい。式(11)、(34)、(39)及び(40)においてqは0~14の整数であり、1~9であることが好ましい。式(29)及び(30)においてrは1~9の整数である。これらの範囲は分散性、水溶性及び回転自由度が高いため好ましい。
一般式(1)の-Y1-R1、一般式(2)の-Y2-R2、及び一般式(3)の-Y3-R3の構造(組み合わせ)としては、例えば以下に示す群((A-1)、(A-2)及び(A-3)或いは、(A-1)及び(A-2))から選ばれる構造が挙げられる。以下に示す構造は、Y1、Y2、Y3が、式(4)で表される基又は式(5)で表される基である。一般式(1)の-Y1-R1としては、R1が式(6)~(14)及び(20)~(51)から選ばれる基でない構造は除かれ、一般式(2)の-Y2-R2としては、R2が式(8)~(19)及び(21)~(51)から選ばれる基でない構造は除かれる。
(A-2)における、xは式(5)におけるxと同義であり、qは式(11)、(34)、(39)及び(40)におけるqと同義である。
前述の群((A-1)、(A-2)及び(A-3))で表される構造は、Y1、Y2、Y3が、式(4)で表される基又は式(5)で表される基であるが、群((A-1)、(A-2)及び(A-3))において、Y1、Y2、Y3をNHに置き換えた構造も、一般式(1)の-Y1-R1、一般式(2)の-Y2-R2、及び一般式(3)の-Y3-R3の構造(組み合わせ)の好ましい態様である。
一般式(1)、(2)又は(3)で表される化合物の合成方法としては特に制限はなく、公知の有機合成方法等に基づき合成することができる。例えば、α-リポ酸のカルボキシ基とポリエチレングリコールのヒドロキシ基とを反応させ、PEGが結合されたリポ酸を得て、PEGが有するヒドロキシ基と、所望の求電子基を有する化合物とを反応させる方法により、一般式(1)、(2)又は(3)で表される化合物を合成することができる。別の例としては、α-リポ酸のカルボキシ基と、少なくとも片方の末端がアミノ基となるように変性されたポリエチレングリコールのアミノ基とを反応させ、PEGが結合されたリポ酸を得て、PEGが有するアミノ基又はヒドロキシ基と、所望の求電子基を有する化合物とを反応させる方法により、一般式(1)、(2)又は(3)で表される化合物を合成することができる。なお、後述の実施例において、一般式(1)、(2)又は(3)で表される化合物の詳細な合成方法の具体例を示す。
<金属ナノ粒子複合体>
本実施形態に係る金属ナノ粒子複合体は、前述の化合物(前述の<化合物>の項で記載した化合物)と、リガンドを有する化合物との複合体であり、前述の化合物と、前記リガンドを有する化合物とが前記金属ナノ粒子に結合している、金属ナノ粒子複合体である。本実施形態に係る金属ナノ粒子複合体は、アフィニティーラベル機能を有するため、標的分子の検出方法への使用が可能である。金属ナノ粒子複合体が、アフィニティーラベル機能を有する理由は、リガンドが標的分子に結合、例えば通常は共有結合によらない水素結合等の結合を形成し、更に前述の化合物のR1、R2、又はR3が、標的分子と共有結合を形成し、標的分子と、金属ナノ粒子複合体との架橋複合体を形成することが可能であるためと推測される。
本実施形態に係る金属ナノ粒子複合体は、前述の化合物(前述の<化合物>の項で記載した化合物)と、リガンドを有する化合物との複合体であり、前述の化合物と、前記リガンドを有する化合物とが前記金属ナノ粒子に結合している、金属ナノ粒子複合体である。本実施形態に係る金属ナノ粒子複合体は、アフィニティーラベル機能を有するため、標的分子の検出方法への使用が可能である。金属ナノ粒子複合体が、アフィニティーラベル機能を有する理由は、リガンドが標的分子に結合、例えば通常は共有結合によらない水素結合等の結合を形成し、更に前述の化合物のR1、R2、又はR3が、標的分子と共有結合を形成し、標的分子と、金属ナノ粒子複合体との架橋複合体を形成することが可能であるためと推測される。
金属ナノ粒子複合体において、金属ナノ粒子に結合する前述の化合物の量としては、特に制限はないが、金属ナノ粒子の面積を金属ナノ粒子に結合する前述の化合物の分子数で除した値が、例えば0.24nm2/分子以上であることが好ましい。
金属ナノ粒子複合体において、金属ナノ粒子に結合するリガンドを有する化合物の量としては、特に制限はないが、金属ナノ粒子の面積を金属ナノ粒子に結合するリガンドを有する化合物の分子数で除した値が、例えば0.24nm2/分子以上であることが好ましい。
(金属ナノ粒子)
金属ナノ粒子としては、例えば、金ナノ粒子、銀ナノ粒子、白金ナノ粒子、銅ナノ粒子、パラジウムナノ粒子、及びこれら金属の合金ナノ粒子並びに量子ドットが挙げられる。金属ナノ粒子としてはコロイド状態の物を使用してもよい。金属ナノ粒子としては、比重の高い粒子、例えば金ナノ粒子を用いることが好ましい。比重が高い粒子を用いることにより、架橋複合体を、遠心分離等の容易な操作で回収することができるため好ましい。
金属ナノ粒子としては、例えば、金ナノ粒子、銀ナノ粒子、白金ナノ粒子、銅ナノ粒子、パラジウムナノ粒子、及びこれら金属の合金ナノ粒子並びに量子ドットが挙げられる。金属ナノ粒子としてはコロイド状態の物を使用してもよい。金属ナノ粒子としては、比重の高い粒子、例えば金ナノ粒子を用いることが好ましい。比重が高い粒子を用いることにより、架橋複合体を、遠心分離等の容易な操作で回収することができるため好ましい。
金属ナノ粒子のメジアン径(D50)は、例えば、5nm以上50nm以下であり、10nm以上30nm以下であることが好ましい。金属ナノ粒子のメジアン径(D50)は、動的光散乱法(DLS:Dynamic light scattering)によって測定した積算分布曲線の50%積算値を示す粒子径である。
量子ドットとしては、特に制限はなく、例えば、II-VI族化合物、III-V族化合物、又はIV族元素を成分として含有する量子ドット(それぞれ、「II-VI族量子ドット」、「III-V族量子ドット」、「IV族量子ドット」ともいう。)を用いることができる。
量子ドットの具体例としては、CdSe、CdS、CdTe、ZnSe、ZnS、ZnTe、InP、InN、InAs、InGaP、GaP、GaAs、PbS、Si、Geが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記具体例で記載した量子ドットをコアとし、その上にシェルを設けた量子ドットを用いることもできる。以下、シェルを有する量子ドットの表記法としては、コアがCdSe、シェルがZnSの場合、CdSe/ZnSと表記する。シェルを有する量子ドットとしては、例えば、CdSe/CdS、CdS/ZnS、InP/ZnS、CdSe/ZnS、InGaP/ZnS、Si/SiO2、Si/ZnS、Ge/GeO2、Ge/ZnS等を用いることができるが、これらに限定されない。
金属ナノ粒子としては、必要に応じて、有機化合物等により表面処理が施されているものを用いてもよい。
(リガンドを有する化合物)
リガンドを有する化合物としては、リガンドを有しており、且つ金属ナノ粒子に結合可能な化合物であればよく、特に制限はない。
リガンドを有する化合物としては、リガンドを有しており、且つ金属ナノ粒子に結合可能な化合物であればよく、特に制限はない。
リガンドとしては、試料中の標的分子(特定の生理活性物質)と特異的に複合化することができればよく、特に制限はない。なお、本実施形態において、生理活性物質とは、生理機能をもつ分子(例えば生体分子)全般を指し示す用語である。
標的分子としては、例えば、標的タンパク質が挙げられる。リガンドとしては標的分子と特異的に複合化する構造であればよい。リガンドとしては、例えば、低分子量の生理活性物質を用いることができる。標的分子とリガンドとの組み合わせとしては、例えば、以下の表1を示すことができる。
また、標的分子とリガンドとの組み合わせとしては、リガンドとして特定のリガンドを採用し、該リガンドと特異的に複合化する物質を、標的分子として規定することもできる。
リガンドを有する化合物としては、金属ナノ粒子に結合するための官能基を有することが好ましい。官能基としては、チオール(例えばアルカンチオール)、ジスルフィドを有することが好ましい。
(金属ナノ粒子複合体の製造方法)
金属ナノ粒子複合体の製造方法としては特に制限はなく、金属ナノ粒子に前述の化合物(前述の<化合物>の項で記載した化合物)と、リガンドを有する化合物とを結合すればよい。
金属ナノ粒子複合体の製造方法としては特に制限はなく、金属ナノ粒子に前述の化合物(前述の<化合物>の項で記載した化合物)と、リガンドを有する化合物とを結合すればよい。
金属ナノ粒子に結合させる化合物の順番としては特に制限はなく、前述の化合物を結合した後に、リガンドを有する化合物を結合してもよく、リガンドを有する化合物を結合した後に、前述の化合物を結合してもよく、前述の化合物と、リガンドを有する化合物とを同時に結合してもよい。
一般にチオールやジスルフィドは、金属ナノ粒子、特に金ナノ粒子に対して容易に結合することが知られているため、前述の化合物は容易に金属ナノ粒子に結合可能であり、リガンドを有する化合物がチオールやジスルフィドを有する場合には、リガンドを有する化合物も容易に金属ナノ粒子に結合可能である。
金属ナノ粒子が前述の化合物、リガンドを有する化合物と結合を形成しづらい場合には、予め金属ナノ粒子の表面処理を行い、結合を形成しやすくすることも好ましい態様の一つである。
金属ナノ粒子複合体の製造方法の例としては、前述の化合物と、リガンドを有する化合物とをあらかじめ混合し、得られた混合物を、金属ナノ粒子を含む溶液(分散液)に添加することにより、金属ナノ粒子複合体を得る方法、前述の化合物を、金属ナノ粒子を含む溶液(分散液)に添加し、次いでリガンドを有する化合物を添加することにより金属ナノ粒子複合体を得る方法、及び、リガンドを有する化合物を、金属ナノ粒子を含む溶液(分散液)に添加し、次いで前述の化合物を添加することにより金属ナノ粒子複合体を得る方法が挙げられる。金属ナノ粒子複合体の製造方法の具体例としては、実施例に記載の方法が挙げられる。
<標的分子の検出方法>
本実施形態に係る標的分子の検出方法は、前述の金属ナノ粒子複合体と試料とを接触させることにより、試料中の標的分子と、金属ナノ粒子複合体との、架橋複合体を形成する工程を有する、標的分子の検出方法である。なお、金属ナノ粒子複合体と試料とを接触させることにより、試料中の標的分子と、金属ナノ粒子複合体との、架橋複合体を形成する工程を、架橋複合体形成工程とも記す。
本実施形態に係る標的分子の検出方法は、前述の金属ナノ粒子複合体と試料とを接触させることにより、試料中の標的分子と、金属ナノ粒子複合体との、架橋複合体を形成する工程を有する、標的分子の検出方法である。なお、金属ナノ粒子複合体と試料とを接触させることにより、試料中の標的分子と、金属ナノ粒子複合体との、架橋複合体を形成する工程を、架橋複合体形成工程とも記す。
試料としては特に制限はないが、通常は標的分子を含む試料、標的分子を含むことが期待される試料、標的分子を含むか含まないかを判断することが望まれる試料である。標的分子は、通常は特定の生理活性物質であり、例えば標的タンパク質である。架橋複合体形成工程を行う際には、試料としては、液体(溶液、分散液、懸濁液等を含む)であることが好ましい。試料としては、ヒト由来の試料であってもよく、ヒト以外の生物由来の試料であってもよい。ヒト以外の生物としては、哺乳類(ヒトを除く)、哺乳類以外の生物、例えば鳥類、魚類、昆虫、植物、藻類、菌類が挙げられる。哺乳類(ヒトを除く)としては、例えばマウス、ラット、ウマ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウシが挙げられる。また、試料としては生物以外に由来する試料であってもよい。例えば、標的分子が合成タンパク質である場合には、人工的に合成された合成タンパク質を含む試料であってもよい。また、試料としては、複数の物が混合された混合試料であってもよい。
試料としては、初めから液体の試料、例えば、血液、尿、汗、涙等の体液であってもよく、体液以外、例えば細胞(例えば動物細胞、細菌類細胞、植物細胞)に由来する試料であってもよい。
試料は架橋複合体形成工程を容易に行うための前処理が行われた試料であってもよい。例えば試料が細胞である場合には、予め前処理により、細胞抽出液を調製し、該細胞抽出液を試料として用いてもよい。
架橋複合体形成工程は、通常は、試料に金属ナノ粒子複合体、あるいは金属ナノ粒子複合体の分散液を添加することにより行われる。添加される金属ナノ粒子複合体の量としては、特に制限はないが、試料中に含まれると予想される標的物質量よりも、過剰量の金属ナノ粒子複合体を添加することにより、好適に架橋複合体を形成することができる。
架橋複合体形成工程は通常4~37℃で行われる。また、前記工程は通常は大気下で行われるが、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。さらに前記工程は通常は常圧下で行われるが、減圧下で行ってもよく、加圧下で行ってもよい。また、前記工程は、通常は添加後1~24時間行われる。
架橋複合体形成工程を行った後に、任意の工程を行うことにより標的分子の検出を容易に行うことができる。任意の工程としては、例えば、架橋複合体形成工程が行われた試料から架橋複合体を分離する工程、架橋複合体から金属ナノ粒子を除去する工程、標的分子を検出する工程が挙げられる。なお、各工程の間等で適宜洗浄を行ってもよい。
洗浄は、例えば洗浄バッファを用いて行うことができる。洗浄バッファとしては例えば、界面活性剤や、PEGを含む、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)、TBS(トリス緩衝生理食塩水)、HEPES緩衝液(4-(2-hydroxyethyl)-1-piperazineethanesulfonic acidの緩衝液)が挙げられる。
架橋複合体形成工程が行われた試料から架橋複合体を分離する工程としては、例えば、遠心分離を行い、金属ナノ粒子の比重が高いために沈殿した架橋複合体と、その上澄みとを分離する工程が挙げられる。
架橋複合体から金属ナノ粒子を除去する工程としては、例えば還元剤を含むバッファ(例えばPBS、TBS、HEPES緩衝液)を用いて、金属ナノ粒子とリポ酸に由来する構造との、結合部位(M-S)を切断する工程が挙げられる。還元剤としては、例えば、ジチオトレイトール、β-メルカプトエタノールが挙げられる。この工程では、還元剤を、架橋複合体に添加した後、温度を例えば25~100℃とすることにより、結合部位が切断される効率を向上させることができる。
標的分子を検出する工程は、例えば回収された標的分子をマススペクトルにより解析したり、ポリアクリルアミド電気泳動(SDS-PAGE)により解析したりすることにより、標的分子の存在や量を確認する工程が挙げられる。
<ハイスループットスクリーニング方法>
本実施形態に係るハイスループットスクリーニング方法は、前述の標的分子の検出方法を、ハイスループットスクリーニング方法の一部として行う、ハイスループットスクリーニング方法である。
本実施形態に係るハイスループットスクリーニング方法は、前述の標的分子の検出方法を、ハイスループットスクリーニング方法の一部として行う、ハイスループットスクリーニング方法である。
前述の標的分子の検出方法は、試料中の標的分子と、金属ナノ粒子複合体との、架橋複合体を形成する工程を有するが、該工程における最適な条件を迅速に決定するために、ハイスループットスクリーニング方法の一部として、前述の標的分子の検出方法を行うことが好ましい。ハイスループットスクリーニング方法では、架橋複合体の形成速度及び形成量の少なくとも一方を評価することが好ましい。
ハイスループットスクリーニング方法においては、例えば試料をマルチウェルプレート(例えば、96穴マルチウェルプレート、386穴マルチウェルプレート)に固定化し、各ウェルに金属ナノ粒子複合体の分散液を添加する方法が上げられる。この際に、ウェルに固定化する試料の種類や量、添加する金属ナノ粒子複合体の分散液における金属ナノ粒子複合体の種類や量(分散液中の濃度)或いは分散液の量、温度、反応時間等を適宜変化させることにより、標的分子を効果的に検出する条件、好ましくは最適な検出条件を決定することができる。なお、ハイスループットスクリーニング方法においては、温度は、50℃以下、例えば前述の4~37℃で行うことができる。
ハイスループットスクリーニング方法では、架橋複合体形成工程を行った後、適宜洗浄等を行った後に、架橋複合体(例えば架橋複合体を構成する金属ナノ粒子複合体)に特異的に結合するタグを有する化合物で、標識することにより、容易に架橋複合体の形成を確認することができる。タグとしては、例えば蛍光発光性の基、化学発光酵素、色素等が挙げられ、タグを有する化合物は、さらに架橋複合体(例えば架橋複合体を構成する金属ナノ粒子複合体)と特異的に結合する部分を有していればよい。架橋複合体(例えば架橋複合体を構成する金属ナノ粒子複合体)と特異的に結合する部分としては、抗体、アビジン、レクチン等が挙げられる。一例としては、金属ナノ粒子複合体にビオチンを予め修飾しておくことにより、タグを有する化合物としてHRP(Horseradish Peroxidase)-アビジンを使用することができる。タグを有する化合物は、金属ナノ粒子複合体を構成する、リガンドの種類等に応じて適宜選択することができる。タグの種類に応じた蛍光解析、比色解析等の分析を行うことにより、架橋複合体の存在の有無或いは存在量を評価することができる。
以下、実施例を挙げて本実施形態を説明するが、本開示はこれらの例によって限定されるものではない。
[合成例1]
アジド-PEG(3)リポ酸アミド(下記式(I))を以下の方法で合成した。
アジド-PEG(3)リポ酸アミド(下記式(I))を以下の方法で合成した。
α-リポ酸(134mg、0.65mmol)の乾燥DMF(N,N-ジメチルホルムアミド)(1.5mL)溶液に、DIPEA(N,N-ジイソプロピルエチルアミン)(103μl、0.59mmol)、HATU(1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスファート)(247mg、0.65mmol)、HOAt(1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール)(40.8mg、0.30mmol)を室温で添加した。この混合物に、乾燥DMF(1.5mL)及びDIPEA(103μl、0.59mmol)に溶解した11-アジド-3,6,9-トリオキサウンデカン-1-アミン(128mg、0.59mmol)を添加した。
反応混合物を室温で19時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、次いで酢酸エチル(EtOAc)で希釈し、1M HCl水溶液、MilliQ水、5%NaHCO3水溶液および食塩水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH/AcOH=100/0/0~97/3/0.1)により精製して、アジド-PEG(3)リポ酸アミド(式(I))(209mg、0.51mmol、78%)を黄色液体として得た。
1H NMR(300MHz、CHCl3):δ6.09(s,1H),3.68-3.62(m,10H),3.54(t,J=3.8Hz,2H),3.45(t,J=4.8Hz,2H),3.39(t,J=4.8Hz,2H),3.21-3.06(m,2H),2.50-2.39(m,1H),2.18(t、J=7.2Hz,2H),1.93-1.84(m,1H),1.72-1.61(m,5H),1.53-1.39(m,2H)、13C NMR(75MHz,CDCl3):δ172.9,70.5,70.4(×2),70.0,69.9(×2),56.5,50.5,40.1,39.0,38.4,36.2,34.5,28.8,25.3.;HRMS(ESI-TOF)計算値 C16H30N4NaO4S2(M+Na)+:429.1606 実測値 429.1589.
[合成例2]
アミノ-PEG(3)リポ酸アミド(下記式(II))を以下の方法で合成した。
アミノ-PEG(3)リポ酸アミド(下記式(II))を以下の方法で合成した。
テトラヒドロフラン(6.6mL)に溶解したアジド-PEG(3)リポ酸アミド(209mg、0.51mmol)に、トリフェニルホスフィン(262mg、0.77mmol)を添加した。混合物を室温で30分間撹拌した。H2O(0.13mL)を添加し、反応混合物を17時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮して、アミノ-PEG(3)リポ酸アミド(式(II))を得た。
LRMS(ESI-TOF),C16H32N2NaO4S2(M+Na)+:計算値403.1701;実測値403.1556.
[合成例3]
3-フルオロスルホニル安息香酸NHSエステル(下記式(III))を以下の方法で合成した。
3-フルオロスルホニル安息香酸NHSエステル(下記式(III))を以下の方法で合成した。
3-フルオロスルホニル安息香酸(10.0mg,0.049mmol)とN-ヒドロキシスクシンイミド(6.20mg,0.054mmol)を乾燥CH2Cl2(150μL)に溶解し、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド(11mg,0.059mmol)を0℃で加え、反応混合物を室温で1時間攪拌した。溶液をEtOAcで希釈後、H2O、10%NH4Cl水溶液、食塩水で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ濾過し、減圧下で濃縮して3-フルオロスフホニル安息香酸NHSエステルの粗生成物(式(III))を得た。
[実施例1]
化合物1(下記式(IV))を以下の方法で合成した。
化合物1(下記式(IV))を以下の方法で合成した。
アミノ-PEG(3)リポ酸アミド(11.2mg, 0.029mmol)の乾燥DMF溶液(150μL)に、トリエチルアミン(TEA)(8μL,0.029mmol)および3-フルオロスルホニル安息香酸NHSエステル(10.5mg)を室温で添加した。
溶液を室温で3時間攪拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(CHCl3/MeOH=100/0 to 95/5)により精製して、化合物1(11.0mg,0.019mmol,収率66%)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.48(s,1H),8.31(d,J=7.9Hz,1H),8.12(d,J=8.3Hz,1H),7.74(t,J=8.7Hz,1H),7.37(s,1H),6.01(s,1H),3.70-3.62(m,12H),3.55-3.51(m,2H),3.41-3.37(m,2H),3.20-3.07(m,2H),2.49-2.41(s,1H),2.16(t,J=7.4Hz,2H),1.93-1.85(m,1H),1.70-1.58(m,5H),1.50-1.41(m,2H);13C NMR(100MHz,CDCl3):δ 173.0,164.8,136.5,134.8,133.3,130.9,130.2,127.0,70.7,70.6,70.4,70.3,70.2,69.8,56.5,40.3,40.3,38.6,38.5,36.5,34.7,29.0,25.4;HRMS(ESI-TOF)計算値 C23H35FN2NaO7S3(M+Na)+:589.1488,実測値 589.1510.
[実施例2]
化合物2(下記式V)を以下の方法で合成した。
化合物2(下記式V)を以下の方法で合成した。
アミノ-PEG(3)リポ酸アミド(19.0mg,0.049mmol),1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド(EDCI)(9.3mg,0.049mmol)と4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)(0.4mg,3.4μmol)を乾燥CH2Cl2(243μl)に溶かし、フマル酸モノメチルエステル(7.6mg,0.058mmol)を加えた。混合物を室温で3時間攪拌した。溶液をCH2Cl2で希釈し、食塩水で洗浄後、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製(CH2Cl2/MeOH=100/0 to 95/5)し、化合物2(4.9mg,0.01mmol,収率20%)を得た.
1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.02-6.81(m,3H),6.4(s,1H),3.96-3.45(m,20H),3.15-3.11(m,2H),2.46(m,1H),2.22-2.20(t,J=7.6Hz,2H),1.94-1.91(m,4H),1.67(m,4H),1.46(m,2H);13C NMR(100MHz,CDCl3):δ 173.0,165.5,163.8,130.0,70.5(×2),70.1(×2),69.7(×2),56.5,52.2,40.4,40.3,39.2,38.6,34.7,29.0,25.4;HRMS(ESI-TOF)計算値 C21H36N2O7S2(M+Na)+:515.6395;実測値 515.6340.
[実施例3]
上述の合成例、実施例と、原料を変更した以外は同様に行い、以下の化合物を合成した。実施例1、2で製造した化合物と共に、合成した化合物を下記表2に示す。
上述の合成例、実施例と、原料を変更した以外は同様に行い、以下の化合物を合成した。実施例1、2で製造した化合物と共に、合成した化合物を下記表2に示す。
実施例3で合成した化合物3~12の同定データを以下に示す。
化合物3: 1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.01(s,1H),6.03(s,1H),4.06-4.02(m,2H),3.36-3.44(m,17H),3.20-3.07(m,2H),2.51-2.41(m,1H),2.18(t,J=7.3Hz,2H),1.98-1.87(m,1H),1.70-1.66(m,4H),1.50-1.45(m,2H);13C NMR(100MHz,CDCl3):δ 173.0,166.6,70.6(×2),70.1(×2),69.5(×2),56.5,42.8,40.3,39.7,39.2,38.6,36.5,34.8,29.0,25.5;HRMS(ESI-TOF)計算値 C18H33ClN2O5S2(M+Na)+:479.1520;実測値 479.1558.
化合物3: 1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.01(s,1H),6.03(s,1H),4.06-4.02(m,2H),3.36-3.44(m,17H),3.20-3.07(m,2H),2.51-2.41(m,1H),2.18(t,J=7.3Hz,2H),1.98-1.87(m,1H),1.70-1.66(m,4H),1.50-1.45(m,2H);13C NMR(100MHz,CDCl3):δ 173.0,166.6,70.6(×2),70.1(×2),69.5(×2),56.5,42.8,40.3,39.7,39.2,38.6,36.5,34.8,29.0,25.5;HRMS(ESI-TOF)計算値 C18H33ClN2O5S2(M+Na)+:479.1520;実測値 479.1558.
化合物4:1H NMR(300MHz,CDCl3):δ 7.05(s,1H),6.12(s,1H),3.88(d,J=3.1Hz,2H),3.72-3.56(m,12H),3.56-3.42(m,2H),3.40-3.38(m,2H),3.26-3.07(m,2H),2.51-2.43(m,1H),2.2(t,J=7.6Hz,2H),1.89(m,1H),1.71-1.60(m,5H),1.49-1.41(m,2H);13C NMR(100MHz,CDCl3):δ 172.9,166.1,70.6,70.5,70.3,70.1,69.9,69.5,56.6,42.7,40.3,39.6,39.2,38.6,36.5,34.7,29.0,25.4;HRMS(ESI-TOF)計算値 C18H33BrN2NaO5S2(M+Na)+:523.0912;実測値 523.0905.
化合物5:1H NMR(400MHz,CDCl3):δ 6.27(s,1H),6.22(s,1H),4.41-4.37(m,1H),3.90-3.85(m,1H),3.60-3.51(12H),3.43-3.39(m,4H),3.19-3.04(m,3H),2.82-2.80(t,J=4.4,1H),2.63-2.61(dd,J=2.6,1H),2.46-2.38(m,3H),2.24-2.14(m,4H),1.97-1.86(m,3H),1.71-1.58(m,5H),1.48-1.37(m,2H);13C NMR(100MHz,CDCl3):δ173.1,172.9,147.0,122.1,70.6(×2),70.3(×2),70.0,69.7,65.0,56.5,50.2,49.4,44.7,40.3,39.2,38.5,36.4,34.7,33.3,29.0,25.0,24.6;HRMS(ESI-TOF)計算値 C24H42N2NaO13S2(M+Na)+:573.2280;実測値 573.2289.
化合物6:1H NMR(300MHz,CDCl3):δ6.40(s,1H),6.34(s,1H),4.40-4.36(m,1H),3.91-3.86(dd,J=6.4,1H),3.62-3.60(m,40H),3.55-3.50(m,4H),3.42-3.39(m,4H),3.19-3.04(m,3H),2.82-2.80(t,J=4.35,1H),2.63-2.61(m,1H),2.46-2.37(m,3H),2.23-2.14(m,4H),1.97-1.83(m,3H),1.73-1.55(m,5H),1.50-1.36(m,2H);13C NMR(75MHz,CDCl3):δ172.9,172.2,70.6,70.3,70.0,64.9,56.5,49.4,44.8,40.3,39.3,38.5,36.4,35.3,34.7,33.2,29.0,25.5,20.9;HRMS(ESI-TOF)計算値 C40H74N2NaO16S2(M+Na)+:925.4377;実測値 925.4329.
化合物7:1H NMR(400MHz,CDCl3):δ7.50-7.47(d,1H),6.17(s,1H),4.51-4.48(t,J=5.04,2H),4.43-4.39(dd,J=2.8,1H),3.92-3.84(m,3H),3.60-3.51(m,12H),3.45-3.41(m,2H),3.21-3.06(m,3H),2.84-2.82(t,J=4.4,1H),2.78-2.74(t,J=7.6,2H),2.64-2.63(dd,J=2.8,1H),2.48-2.41(m,1H),2.19-2.16(t,J=7.3,2H),2.05-1.98(m,2H),1.93-1.85(m,1H),1.71-1.60(m,5H),1.52-1.39(m,2H);13C NMR(100MHz,CDCl3):δ173.1,172.9,147.0,122.2,70.6,70.3,70.1,70.0,65.0,56.7,50.2,49.5,44.8,40.4,39.2,38.6,36.5,34.8,33.4,29.0,25.5,25.0,24.7;HRMS(ESI-TOF)計算値 C25H42N4NaO7S2(M+Na)+:597.2393 実測値:597.2356.
化合物8:1H NMR(400MHz,CDCl3):δ7.47(d,1H),6.36(s,1H),4.48-4.46(m,2H),4.39-4.36(dd,J=5.0,1H),3.90-3.85(dd,J=6.41,1H),3.83-3.81(m,2H),3.62-3.57(m,44H),3.42-3.38(m,2H),3.19-3.04(m,3H),2.82-2.79(t,J=4.6,1H),2.75-2.72(t,J=7.6,2H),2.72-2.60(m,1H),2.46-2.38(m,1H),2.17-2.13(t,J=7.6,2H),2.03-1.95(m,2H),1.91-1.83(m,1H),1.72-1.55(m,5H),1.49-1.37(m,2H);13C NMR(100MHz,CDCl3):δ173.0,172.9,146.9,122.2,70.6,70.2,70.0,69.6,64.9,56.5,50.2,49.4,44.7,40.3,39.2,38.5,36.3,34.7,33.3,29.0,25.4,25.0,24.6;HRMS(ESI-TOF)計算値 C41H74N4NaO15S2(M+Na)+:949.4490 実測値:949.4524.
化合物9:1H NMR(300MHz,CDCl3):δ7.78-7.76(d,J=6.9,1H),6.20(s,1H),4.73-4.65(m,J=12.4),4.55-4.52(t,J=5.0),3.89-3.83(m,3H),3.62-3.52(m,10H)3.46-3.41(m,3H),3.21-3.06(m,3H),2.80-2.78(m,1H),2.62-2.60(dd,J=2.75,2.29,1H),2.48-2.40(m,1H),2.19-2.15(t,J=7.3,2H),1.93-1.85(m,1H),1.75-1.60(m,5H),1.50-1.41(m,2H);13C NMR(75MHz,CDCl3):δ172.9,144.7,124.0,71.2,70.64,70.58,70.5,70.3,70.0,69.5,56.5,50.8,50.3,44.3,39.2,40.3,38.6,36.4,34.7,29.0,25.5;HRMS(ESI-TOF)計算値 C22H38N4NaO6S2(M+Na)+:541.2130 実測値:541.2116.
化合物10:1H NMR(400MHz,CDCl3):δ7.47(s,1H),6.36(s,1H),4.72-4.63(m,2H),4.54-4.51(t,J=4.99,2H),3.86-3.80(m,3H),3.64-3.52(m,42H),3.47-3.40(m,1H),3.20-3.05(m,3H),2.79-2.76(t,J=4.5,1H),2.61-2.59(dd,J=2.4,2.8,1H),2.49-2.39(m,1H),2.19-2.14(t,J=7.4,2H),1.94-1.83(m,3H),1.72-1.58(m,5H),1.51-1.39(m,2H);13C NMR(100MHz,CDCl3):δ172.9,144.6,124.0,71.2,70.6,70.3,70.0,69.5,64.7,56.5,50.8,50.3,44.3,40.3,39.2,38.6,36.4,34.8,29.0,25.5;HRMS(ESI-TOF)計算値 C38H70N4NaO14S2(M+Na)+:893.4228 実測値:893.4258.
化合物11:1H NMR (300MHz,CDCl3):δ8.30-8.24(m,4H),8.11-8.08(m,2H),7.59-7.51(m,3H),6.33-6.31(m,1H),4.79-4.74(m,2H),4.59-4.53(m,2H),3.91-3.84(m,2H),3.72-3.59(m,44H),3.22-3.05(m,2H),2.51-2.37(m,1H),2.24-2.14(m,2H),1.90(d,J=2.8Hz,1H),1.74-1.60(m,5H),1.51-1.39(m, 2H);13C NMR(75MHz,CDCl3)172.9,166.0,165.6,144.3,138.8,135.2,130.9,129.1(×2),127.2,126.9,123.8,119.7,70.6,70.3,70.0,69.5,56.5,50.4,40.3,39.3,38.6,36.4,34.8,29.0,25.5;HRMS(ESI-TOF)計算値 C49H75N9NaO13S2(M+Na)+:1064.4823;実測値:1064.4775.
化合物12:1H NMR(300MHz,CDCl3):δ8.31(d,2H,J=8.3Hz),8.20(d,2H,J=7.6Hz),8.01(d,2H,J=8.3Hz),7.61-7.51(m,3H),6.26(s,1H),4.75(d,2H,J=5.2Hz),4.53(t,3H,J=5.0Hz),3.87(t,1H,J=5.0Hz),3.63-3.59(m,44H),3.55(s,2H),2.47-2.39(m,1H),2.17(t,2H,J=7.6Hz),2.01-1.83(m,2H),1.75-1.60(m,5H),1.49-1.40(m,2H);13C NMR(75MHz,CDCl3)172.9,166.0,165.6,144.3,138.8,135.2,130.9,129.1(×2),127.2,126.9,123.8,119.7,70.6,70.3,70.0,69.5,56.5,50.4,40.3,39.3,38.6,36.4,35.8,29.0,25.5;HRMS(ESI-TOF)計算値 C49H75N9NaO13S2(M+Na)+:1048.4323;実測値:1048.4317.
[実施例4]
金属ナノ粒子アフィニティープローブ(金属ナノ粒子複合体)を以下の方法で合成した。
金属ナノ粒子アフィニティープローブ(金属ナノ粒子複合体)を以下の方法で合成した。
BSPP(Bis(p-sulfonatophenyl)phenylphosphine dihydrate dipotassium salt;ビス(p-スルホナトフェニル)フェニルホスフィン二水和物二カリウム塩)(0.5mg)をクエン酸安定化AuNPs(金ナノ粒子)(12nm、18nM、1mL)の溶液に添加し、混合物をプレートシェーカー上で、50℃で1時間撹拌した。
得られた混合物を18,000×g、4℃で1時間遠心分離し、上清を注意深く除去した。BSPP安定化AuNPsをMilliQ水で3回洗浄し、MeOH(0.5mL)で希釈した。
得られた混合物を18,000×g、4℃で1時間遠心分離し、上清を注意深く除去した。BSPP安定化AuNPsをMilliQ水で3回洗浄し、MeOH(0.5mL)で希釈した。
化合物1のMeOH溶液(10mM)及びラクトースのリポ酸誘導体(リガンドを有する化合物)のMeOH溶液(10mM)を、1:2の比率で混合し原液(化合物1及びラクトースのリポ酸誘導体量:合計18nmol)を調製した。
原液をBSPP安定化AuNPs(18pmol)のMeOH溶液に添加し、混合物を室温で18時間撹拌した。得られた官能化AuNPs(金属ナノ粒子アフィニティープローブ)をMeOH/MilliQ水(1/1)で2回、次いでMilliQ水で1回洗浄した。AuNPの官能化を、UV-Vis、アガロースゲル電気泳動およびMALDI-TOF MSの分析によって確認した。官能化AuNPsは、化合物1と、リガンドを有する化合物とが、AuNPsに結合している金属ナノ粒子複合体である。
UV-VIS:官能化AuNPsはλmax=521nmであった。クエン酸安定化AuNPのλmax=518nmと比してわずかに高波長シフトを示したことから、官能化されたことを確認した。また、Haissらの方法(Haiss. W; Thanh. N. T. K; Aveyard. J and Fernig. D. G, Anal. Chem., 2007, 79, 4215-4221.)に基づいて、450nmの吸光度と極大吸収波長の吸光度の比から濃度を算出した。
MALDI-TOF MS:(化合物1)[M+Na]+ 計算値589.15,実測値589.14.(リガンドを有する化合物)[M+Na]+ 計算値676.22,実測値676.21.
電気泳動解析:0.5%アガロースゲルを用いた解析において、官能化AuNPはBSPP安定化AuNPと比して泳動度が小さくなったことから、BSPPより分子量の大きい化合物1やリガンドを有する化合物の官能化により金ナノ粒子表面の被覆状態が変化したことが示唆された。
MALDI-TOF MS:(化合物1)[M+Na]+ 計算値589.15,実測値589.14.(リガンドを有する化合物)[M+Na]+ 計算値676.22,実測値676.21.
電気泳動解析:0.5%アガロースゲルを用いた解析において、官能化AuNPはBSPP安定化AuNPと比して泳動度が小さくなったことから、BSPPより分子量の大きい化合物1やリガンドを有する化合物の官能化により金ナノ粒子表面の被覆状態が変化したことが示唆された。
[実施例5]
2pmolの実施例4で得られた官能化AuNPs(金属ナノ粒子アフィニティープローブ)を標的分子であるラクトース結合タンパク質PNA(Peanut agglutinin:ピーナッツ凝集素)を4pmol)を含む試料のHEPESバッファ溶液(40μL)と混合し、4℃で2時間インキュベートした。インキュベート後の標的分子と金属ナノ粒子アフィニティープローブとの架橋複合体を含む混合物を、2%SDSを含むPBSバッファで希釈後、18,000×g、4℃で15分間遠心分離し、上清を注意深く除去した。次いでPBSバッファで洗浄し、10%β-メルカプトエタノールを含むLaemmliバッファを添加して95℃で5分間加熱し、標的分子と化合物の架橋物を金属ナノ粒子から切断して溶出させた。溶出した標的分子を、SDS-PAGE及び蛍光イメージングで分析し、標的分子が金属ナノ粒子アフィニティープローブと共有結合で架橋された結果、濃縮精製されたことを確認した。
2pmolの実施例4で得られた官能化AuNPs(金属ナノ粒子アフィニティープローブ)を標的分子であるラクトース結合タンパク質PNA(Peanut agglutinin:ピーナッツ凝集素)を4pmol)を含む試料のHEPESバッファ溶液(40μL)と混合し、4℃で2時間インキュベートした。インキュベート後の標的分子と金属ナノ粒子アフィニティープローブとの架橋複合体を含む混合物を、2%SDSを含むPBSバッファで希釈後、18,000×g、4℃で15分間遠心分離し、上清を注意深く除去した。次いでPBSバッファで洗浄し、10%β-メルカプトエタノールを含むLaemmliバッファを添加して95℃で5分間加熱し、標的分子と化合物の架橋物を金属ナノ粒子から切断して溶出させた。溶出した標的分子を、SDS-PAGE及び蛍光イメージングで分析し、標的分子が金属ナノ粒子アフィニティープローブと共有結合で架橋された結果、濃縮精製されたことを確認した。
なお、前記実施例4において、化合物1を、前記化合物2~10に変更しても、同様に官能化AuNPsを得ることができた。
[実施例6]
5種類の官能化AuNPs(化合物1~5を使用して調製した官能化AuNPs)(金属ナノ粒子アフィニティープローブ)のそれぞれを2pmol含む試料の10% Protein free blocking buffer-PBSバッファ溶液(50μL)を標的分子であるラクトース結合タンパク質PNA、ECA(Erythrina cristagalli:デイゴマメレクチン)、及びRCA(Ricinus communis Agglutinin:トウゴマレクチン)をそれぞれ10μg/wellで固定化した96穴マルチウェルプレートへ添加し、4℃で一定時間(1,2,4,6,20時間)インキュベートした。インキュベート後の標的分子と金属ナノ粒子アフィニティープローブとの架橋複合体を含む混合物を、遊離のラクトース(終濃度0.5M)を含む10% Protein free blocking buffer-PBSバッファ(300μL)で3回洗浄後、10% Protein free blocking buffer-PBSバッファ(300μL)で3回洗浄した。次いで20μg/mLのHorse radish peroxidase(HRP)標識PNAを含む10% Protein free blocking buffer-PBSバッファ溶液(50μL)を25℃で1時間インキュベートし、10% Protein free blocking buffer-PBSバッファ溶液(50μL)で洗浄した。HRPの基質である3,3’,5,5’-tetramethylbenzidine(TMB)と過酸化水素水の1:1混合溶液(50μL)を添加し、5分後に2N 硫酸水溶液(50μL)を加えて酵素反応を停止し、プレートリーダーを用いた450nmにおける吸光度測定により架橋複合体量を定量した。これにより、各反応条件下での各プローブにおける反応効率を解析し、反応効率を最大化する反応条件を決定した。
5種類の官能化AuNPs(化合物1~5を使用して調製した官能化AuNPs)(金属ナノ粒子アフィニティープローブ)のそれぞれを2pmol含む試料の10% Protein free blocking buffer-PBSバッファ溶液(50μL)を標的分子であるラクトース結合タンパク質PNA、ECA(Erythrina cristagalli:デイゴマメレクチン)、及びRCA(Ricinus communis Agglutinin:トウゴマレクチン)をそれぞれ10μg/wellで固定化した96穴マルチウェルプレートへ添加し、4℃で一定時間(1,2,4,6,20時間)インキュベートした。インキュベート後の標的分子と金属ナノ粒子アフィニティープローブとの架橋複合体を含む混合物を、遊離のラクトース(終濃度0.5M)を含む10% Protein free blocking buffer-PBSバッファ(300μL)で3回洗浄後、10% Protein free blocking buffer-PBSバッファ(300μL)で3回洗浄した。次いで20μg/mLのHorse radish peroxidase(HRP)標識PNAを含む10% Protein free blocking buffer-PBSバッファ溶液(50μL)を25℃で1時間インキュベートし、10% Protein free blocking buffer-PBSバッファ溶液(50μL)で洗浄した。HRPの基質である3,3’,5,5’-tetramethylbenzidine(TMB)と過酸化水素水の1:1混合溶液(50μL)を添加し、5分後に2N 硫酸水溶液(50μL)を加えて酵素反応を停止し、プレートリーダーを用いた450nmにおける吸光度測定により架橋複合体量を定量した。これにより、各反応条件下での各プローブにおける反応効率を解析し、反応効率を最大化する反応条件を決定した。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願はそのまま引用により本明細書に組み入れられるものとする。
以上、本実施形態を詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲における設計変更があっても、それらは本開示に含まれるものである。
Claims (6)
- 下記一般式(1)、(2)又は(3)で表される化合物。
- 前記R3が式(6)~(51)から選ばれる基である、請求項1に記載の化合物。
- 前記nが8~12である、請求項1又は2に記載の化合物。
- 金属ナノ粒子と、請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物と、リガンドを有する化合物との複合体であり、
前記請求項1~3のいずれか1項に記載の化合物と、前記リガンドを有する化合物とが前記金属ナノ粒子に結合している、金属ナノ粒子複合体。 - 請求項4に記載の金属ナノ粒子複合体と試料とを接触させることにより、試料中の標的分子と、金属ナノ粒子複合体との、架橋複合体を形成する工程を有する、標的分子の検出方法。
- 請求項5に記載の標的分子の検出方法を、ハイスループットスクリーニング方法の一部として行う、ハイスループットスクリーニング方法。
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