JP2022135951A - 液処理方法、及び液処理装置 - Google Patents

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恵司 加茂川
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美和 ▲高▼田
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史朗 志保澤
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Abstract

Figure 2022135951000001
【課題】処理対象液中に含まれる難分解性物質を二酸化炭素及び水に分解する際に、電気分解のみを行うよりもエネルギー効率が高く、かつ、有害な中間生成物を生じずに難分解性物質を処理することができる液処理方法及び液処理装置の提供。
【解決手段】難分解性物質を含む処理対象液の前記難分解性物質を分解する液処理方法であって、前記処理対象液を電気分解するときに、前記処理対象液中に少なくとも酸素を含む気体を曝気する電気分解工程を有する液処理方法である。
【選択図】図2

Description

本発明は、液処理方法、及び液処理装置に関する。
ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS:Perfluorooctanesulfonic acid)、ペルフルオロオクタン酸(PFOA:Perfluorooctanoic acid)等の有機フッ素化合物は、テフロン(登録商標)製造時の乳化剤等の界面活性体や半導体工場の廃水等に含まれる難分解性物質である。前記有機フッ素化合物は、安定的なC-F結合の構造を有するため、微生物でも分解不可能な難分解性であることや高い生体蓄積性があることが知られており、発がん作用をはじめとした有害性が報告されている。PFOS及びPFOAに関する規制において、現在も議論されているが、現状では環境中の濃度が基準値以下となるよう希薄化されたうえで、工場排水等として河川に排出されている(例えば、非特許文献1参照)。
同様に難分解性物質である医薬品において、医薬品メーカーから出る排水処理では医薬品が除去しきれないことが問題となっている。また、抗生物質等の医薬品は、化粧品や塗り薬等の洗い流し後の排水、抗生物質を服薬している患者の排泄後の排水中に含まれており、環境中の微生物を殺し耐性菌を生むという悪循環を助成しているとの問題がある。
前記有機フッ素化合物、前記医薬品などの難分解性物質は、活性汚泥法などの生物的手法が有効ではないため、UV照射、電気分解などの物理化学的手法が研究されており、例えば、図7に示すとおり、処理対象液11に含まれる難分解性物質の分解において、陽極12及び陰極13と、前記陽極12及び前記陰極13が接続されている電源14と、オゾンを曝気する曝気装置17を有し、電気分解によって前記難分解物質を分解するときに、オゾン(O)を曝気する方法等が挙げられる(例えば、非特許文献2及び非特許文献3参照)。
前記方法において、前記陽極12では前記難分解性物質の直接酸化が起こり、前記陰極13では、曝気されたオゾン(O)が反応してヒドロキシラジカルが生じ、生じたヒドロキシラジカルによって前記難分解性物質の分解が起こる。
しかしながら、オゾンを曝気するときに放電するためのエネルギーが必要となるため、難分解性物質の分解におけるエネルギー効率が低いという問題があった。
経済産業省:ストックホルム条約第9回締約国会議(COP9),2019年5月14日(https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/int/files/pops/SCCOP9.pdf) 公益社団法人 日本水環境学会 電気化学的技術研究委員会編著、「環境エンジニアリングにおける電気化学的技術」、2020、pp.29-31 N.Kishimoto et al.,Advanced oxidation effect of ozonation combined with electrolysis,Water Research,39,2005,4661-4672
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、処理対象液中に含まれる難分解性物質を二酸化炭素及び水に分解する際に、電気分解のみを行うよりもエネルギー効率が高く、有害な中間生成物を生じずに処理することができる液処理方法及び液処理装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するべく鋭意検討を行った結果、難分解性物質を含有する処理対象液に対して電気分解を行い、前記難分解性物質を分解するときに前記処理対象液中に少なくとも酸素を含む気体を曝気することで、前記難分解性物質の分解量が上昇することを知見した。本発明者らは、通常の電気分解では陽極から酸素(O)が発生するため、酸素を曝気したとしても効果はないと考えていたが、予想外にも酸素を曝気することで、難分解性物質(特に、メトプロロール、クラリスロマイシン等の医薬品、ペルフルオロオクタン酸等の有機フッ素化合物)の分解量が上昇することを知見した。さらに、本発明では、前記難分解性物質を無機化(二酸化炭素と水に分解)することができる。
また、先行技術では、電気分解を行うときにオゾン(O)を曝気するが、オゾンを発生させるためにエネルギー(例えば、電力)を消費するため、前記難分解性物質の分解におけるエネルギー効率が低いという問題があった。これに対して、本発明は、オゾン(O)を発生させる必要がないため、前記難分解性物質の分解において、高いエネルギー効率を得ることができる。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 難分解性物質を含む処理対象液の前記難分解性物質を分解する液処理方法であって、
前記処理対象液を電気分解するときに、前記処理対象液中に少なくとも酸素を含む気体を曝気する電気分解工程を有することを特徴とする液処理方法である。
<2> 前記難分解性物質が、有機フッ素化合物、環状エーテル、有機ハロゲン化合物、医薬品及び農薬の少なくともいずれかである、前記<1>に記載の液処理方法である。
<3> 前記少なくとも酸素を含む気体における前記酸素の含有量が、20体積%以上である、前記<1>から<2>のいずれかに記載の液処理方法である。
<4> 前記少なくとも酸素を含む気体における前記酸素の含有量が、50体積%以上である、前記<3>に記載の液処理方法。
<5> 前記少なくとも酸素を含む気体が空気である、前記<1>から<4>のいずれかに記載の液処理方法。
<6> 難分解性物質を含む処理対象液の前記難分解性物質を分解する液処理装置であって、
前記処理対象液を電気分解するときに、前記処理対象液中に少なくとも酸素を含む気体を曝気する電気分解手段を有することを特徴とする液処理装置である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、処理対象液中に含まれる難分解性物質を二酸化炭素及び水に分解する際に、電気分解のみを行うよりもエネルギー効率が高く、有害な中間生成物を生じずに処理することができる液処理方法及び液処理装置を提供することができる。
図1は、本発明の液処理装置における前記電気分解手段の一例を示す概略図である。 図2は、本発明の液処理方法を用いたときの難分解性物質を分解するまでの反応経路の一例を示す概略図である。 図3Aは、難分解性物質としてメトプロロールを分解対象とした実施例1、比較例1及び2における0分間、15分間、30分間、60分間、90分間、120分間、及び180分間における処理対象液中のメトプロロールの濃度比率(%)を示す概略図である。 図3Bは、難分解性物質としてメトプロロールを分解対象とした実施例1、比較例1及び2のメトプロロールの分解における、分解開始から180分後のエネルギー効率を示す概略図である。 図4Aは、難分解性物質としてメトプロロールを分解対象とした実施例1、比較例1及び2における0分間、15分間、30分間、60分間、90分間、120分間、及び180分間における処理対象液中のTOCの濃度比率(%)を示す概略図である。 図4Bは、難分解性物質としてメトプロロールを分解対象とした実施例1、比較例1及び2のTOCの分解における、分解開始から180分後のエネルギー効率を示す概略図である。 図5Aは、難分解性物質としてペルフルオロオクタン酸を分解対象とした実施例2及び3、比較例3及び4における0分間、30分間、60分間、90分間、120分間、180分間、240分間、及び300分間における処理対象液中のTOCの濃度比率(%)を示す概略図である。 図5Bは、難分解性物質としてペルフルオロオクタン酸を分解対象とした実施例2及び3、比較例3及び4のTOCの分解における、分解開始から300分後のエネルギー効率を示す概略図である。 図6Aは、難分解性物質としてクラリスロマイシンを分解対象とした実施例4、比較例5及び6における0分間、15分間、30分間、60分間、120分間、180分間、240分間、及び300分間における処理対象液中のTOCの濃度比率(%)を示す概略図である。 図6Bは、難分解性物質としてクラリスロマイシンを分解対象とした実施例4、比較例5及び6のTOCの分解における、分解開始から300分後のエネルギー効率を示す概略図である。 図7は、先行技術の方法を用いたときの難分解性物質を分解するまでの反応経路の一例を示す概略図である。
(液処理方法、及び液処理装置)
本発明の液処理方法は、難分解性物質を含む処理対象液の前記難分解性物質を分解する液処理方法であって、電気分解工程を少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
本発明の液処理装置は、電気分解手段を少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の手段を含む。
<難分解性物質>
前記難分解性物質とは、前記処理対象液中に含まれる物質であって、前記処理対象液が排水である場合は、従来から行われている活性汚泥法などの微生物を用いた手法では分解することが困難な物質のことである。
前記難分解性物質としては、例えば、有機フッ素化合物、環状エーテル、有機ハロゲン化合物、医薬品、農薬などが挙げられる。
前記有機フッ素化合物とは、炭素(C)-フッ素(F)結合を有する有機化合物のことであり、例えば、ペルフルオロオクタンスルホン酸、ペルフルオロオクタン酸などが挙げられる。
前記環状エーテルとは、エーテル結合を含む環状の有機化合物であり、例えば、1,4-ジオキサン、イソベンゾフラン、エポキシド、クラウンエーテル、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ピラン、フランなどが挙げられる。
前記医薬品及び前記農薬としては、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」に基づき、承認を受けたものである。
前記医薬品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジクロフェナク、メトプロロール、クラリスロマイシンなどが挙げられる。
前記農薬としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ネオニコチノイド系農薬などが挙げられる。
<処理対象液>
前記処理対象液としては、前記難分解性物質を含有する液体であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、飲料水、下水処理水、工業排水、医薬品メーカーから排出される排水などが挙げられる。
前記処理対象液中の前記難分解性物質の濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1mg/L以上が好ましい。濃度が低い場合は、前段に濃縮する手段を設けることができる。
<電気分解工程、及び電気分解手段>
前記電気分解工程としては、前記処理対象液を電気分解するときに、前記処理対象液中に少なくとも酸素を含む気体を曝気する工程である。前記電気分解工程としては、前記電気分解手段によって行うことができる。
図1は、本発明の液処理装置における前記電気分解手段の一例を示す概略図である。
本発明の液処理装置10としては、例えば、図1に記載のとおり処理対象液11に含まれる難分解性物質を分解するために、前記電気分解手段として、陽極12及び陰極13と、前記陽極12及び陰極13が接続されている電源14と、放電オゾン発生器15を介して酸素ボンベ16に接続されている酸素曝気装置17と、を有する。
前記酸素曝気装置17を前記処理対象液11中に配置し前記酸素ボンベ16を開栓することで、前記処理対象液11中に少なくとも酸素を含む気体を曝気することができる。
前記処理対象液中の溶存酸素量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5mg/L以上が好ましい。前記溶存酸素量が5mg/L以上であると、高い効率で前記難分解性物質の分解反応が起こる。
前記少なくとも酸素を含む気体の曝気量としては、前記処理対象液中の溶存酸素量を一定に保つことができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1Lの試料体積に対して0.30L/min以上が好ましい。前記曝気量が、0.30L/min以上であると、前記処理対象液中の溶存酸素量を一定に保つことができるため、前記難分解性物質の分解量の低下を防ぐことができる。
前記少なくとも酸素を含む気体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、空気、酸素などが挙げられる(ただし、オゾン(O)は除く)。
前記酸素の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記処理対象液中の溶存酸素量の一定に保ち前記難分解性物質の分解量の低下を防ぐことができる点から、20体積%以上が好ましく、50体積%以上がより好ましい。
曝気後の前記酸素を含む気体の気泡の平均気泡径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1mm以下が好ましい。前記気泡の平均気泡径が1mm以下であると、前記少なくとも酸素を含む気体が処理対象液中に溶け込みやすくなる。
前記酸素を含む気体の曝気方法としては、前記酸素を含む気体の気泡の平均気泡径を、1mm以下とすることができれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記酸素曝気装置の吹出し口に、網目を有するガラスフィルター、マイクロバブル発生装置、ナノバブル発生装置などを取り付けて、前記酸素を含む気体における気泡の平均気泡径を調節する方法などが挙げられる。
前記陽極12としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、BDD電極(Boron Doped Diamond電極)、白金電極、酸化鉛電極、酸化スズ電極、酸化タンタル電極、DSA電極(白金族金属酸化物型電極)などが挙げられる。これらの中でも、通常の電極では行うことができない酸化還元反応を行うことができる点から、BDD電極が好ましい。
前記BDD電極は、絶縁体のダイヤモンドが含まれており、ホウ素をドーピングすることで電気伝導性が付与されている。前記BDD電極は、電位窓が広いことから、通常の電極では行うことができない酸化還元反応を行うことができる。
前記陰極13としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Pt電極(白金電極)、グラッシーカーボン電極等の炭素系電極などが挙げられる。これらの中でも、酸素を還元して過酸化水素を生成する能力に優れるグラッシーカーボン電極等の炭素系電極が好ましい。
図2は、本発明の液処理方法の電気分解工程における難分解性物質を分解するまでの反応経路の一例を示す概略図である。
図2に示すとおり、陰極では、曝気した前記少なくとも酸素を含む気体(例えば、酸素O)の下記式(1)の反応によって、過酸化水素(H)が発生する。
[式(1)]
+2H+2e→H・・・式(1)
陽極では、水(HO)の下記式(2)の反応によって、オゾン(O)が発生する。
[式(2)]
3HO→O+6H+6e・・・式(2)
前記陰極で発生した過酸化水素(H)と、前記陽極で発生したオゾン(O)との下記式(3)の反応によって、ヒドロキシラジカル(・OH)が発生する。前記ヒドロキシラジカルは、活性酸素の一種であり、オゾン(O)よりも強力な酸化力を有する。
[式(3)]
+2O→2・OH+3O・・・式(3)
前記ヒドロキシラジカルは、微生物では分解することができない、難分解性物質及びその分解における中間生成物を分解して、無機物を生成することができる。また、反応速度が速いため、反応時間を短縮することができることから、高いエネルギー効率を得ることができる。
前記陽極では、下記式(4)の反応によって、直接酸化による難分解性物質(R)の分解も起こる。
[式(4)]
R→ROH→ROOH→HO+CO・・・式(4)
先行技術では、オゾン(O)を曝気することで、陰極においてヒドロキシラジカルが発生するが(即ち、陰極でのみヒドロキシラジカルが発生する)、本発明の液処理方法では、酸素(O)を曝気することで、陽極からのオゾン(水の酸化で生成)と陰極からの過酸化水素(酸素の還元で生成)で3次元的にヒドロキシラジカルが発生するため、オゾン(O)を曝気した場合よりも、難分解性物質(特に、メトプロロール、クラリスロマイシン等の医薬品、ペルフルオロオクタン酸等の有機フッ素化合物)の分解におけるエネルギー効率が上昇する。
<その他の工程及びその他の手段>
前記その他の工程及びその他の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機化確認工程などが挙げられる。
前記無機化確認工程としては、前記電気分解工程後の前記処理対象液中における前記難分解性物質が無機化されていることを確認する工程であり、例えば、全有機体炭素計を用いて前記難分解性物質が無機化されていることを測定することができる。
前記全有機体炭素計は、前記処理対象液中に存在する有機物の総量を、有機物に含まれる炭素量で示したものであり、「水の汚れ」を示す指標の一つとして用いられる。
前記全有機体炭素計としては、特に制限はなく、目的に応じて選択することができ、例えば、TOC-L(島津製作所製)などを用いることができる。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
<難分解性物質を含む処理対象液の調製例1>
難分解性物質としてのメトプロロール酒石酸塩(東京化成工業株式会社製、濃度:98.0%)1.0159gを電子天秤で量り、1000mLメスフラスコを用いて超純水で1000mLに定容した(以下、1g/Lメトプロロール酒石酸塩水溶液と称する)。次に、電解質としての過塩素酸ナトリウム一水和物(富士フイルム和光純薬株式会社製)14.046gを電子天秤で量り、1000mLメスフラスコを用いて超純水で1000mLに定容した(以下、0.1MのNaClO水溶液と称する)。
得られた1g/Lメトプロロール酒石酸塩水溶液と、0.1MのNaClO水溶液をそれぞれ100mLメスフラスコで量り、1000mLメスフラスコを用いて超純水で1000mLに定容し、難分解性物質を含む処理対象液1(100mg/Lメトプロロール+0.01MNaClO水溶液)を調製した。
<難分解性物質を含む処理対象液の調製例2>
難分解性物質としてのぺルフルオロオクタン酸(東京化成工業株式会社製、濃度:98.0%)1.0068gを電子天秤で量り、1000mLメスフラスコを用いて超純水で1000mLに定容した(以下、1g/Lぺルフルオロオクタン酸水溶液と称する)。次に、電解質としての過塩素酸ナトリウム一水和物(富士フイルム和光純薬株式会社製)14.0532gを電子天秤で量り、1000mLメスフラスコを用いて超純水で1000mLに定容した(以下、0.1MのNaClO水溶液と称する)。
得られた1g/Lぺルフルオロオクタン酸水溶液と、0.1MのNaClO水溶液をそれぞれ100mLメスフラスコで量り、1000mLメスフラスコを用いて超純水で1000mLに定容し、難分解性物質を含む処理対象液2(100mg/Lぺルフルオロオクタン酸+0.01MNaClO水溶液)を調製した。
<難分解性物質を含む処理対象液の調製例3>
まず、電解質としての過塩素酸ナトリウム一水和物(富士フイルム和光純薬株式会社製)139.9970gを電子天秤で量り、1000mLメスフラスコを用いて超純水で1000mLに定容した(以下、1MのNaClO水溶液と称する)。次に、難分解性物質としてのクラリスロマイシン(マクロライド系抗生物質、東京化成工業株式会社製、濃度:98.0%)0.1024gを電子天秤で量り、HClOを20μL加えた超純水400mLの中に入れ、超音波洗浄機にかけて溶解させた。その後、1000mLメスフラスコに中身を移し、1MのNaClO水溶液を10mL加え、超純水で定容し、難分解性物質を含む処理対象液3(100mg/Lクラリスロマイシン+0.01MNaClO水溶液)を調製した。
(実施例1)
1Lビーカー中に50mmの撹拌子(スターラー)と、調製例1で調製した難分解性物質としてメトプロロールを含む処理対象液1(100mg/Lメトプロロール+0.01MNaClO水溶液)を入れ、電極及び酸素曝気装置を前記処理対象液中に浸した。電極としては、陽極にBDD電極(5cm×4cm、基体:Nb、端子棒:Nb、デノラ・ペルメレック株式会社製)、陰極にPt電極(5cm×4cm、基体:Ti、端子棒:Ti、デノラ・ペルメレック株式会社製)をそれぞれ用いて、前記陽極と前記陰極との電極間距離は5mmとした。また、酸素曝気装置としては、オゾン変換器(OZ0006 100、100V/80mA)を介して純酸素ボンベに接続されている。
図1は、実施例1に用いた装置の模式図の一例を示す概略図である。
次に、撹拌子の回転数300rpmで前記処理対象液を攪拌しながら、180分間、下記電気分解条件及び曝気条件にて難分解性物質の分解を行った。
[電気分解条件]
・電流密度 :20mA/cm
・電極間距離 :5mm
・陽極 :BDD電極
・陰極 :Pt電極
・スターラーの回転数 :300rpm
[曝気条件]
・曝気気体 :酸素(濃度:99.9体積%)
・気体流量 :0.35L/min
・曝気気体の平均気泡径 :1mm
・放電オゾン発生器 :電源オフ
(比較例1)
実施例1において、オゾン変換器の電源をオンにして、曝気気体を酸素からオゾンに変更した以外は、実施例1と同様にして、難分解性物質の分解を行った。
(比較例2)
実施例1において、曝気気体を曝気しなかった以外は、実施例1と同様にして、難分解性物質の分解を行った。
実施例1、比較例1及び2について、以下のようにして、分解開始から0分間、15分間、30分間、60分間、90分間、120分間、及び180分間の「メトプロロールの分解量」、「メトプロロールの分解におけるエネルギー効率」、「TOCの分解量」及び「TOCの分解におけるエネルギー効率」を評価した。
<メトプロロールの分解量>
実施例1、比較例1及び2において、分解開始から0分間、15分間、30分間、60分間、90分間、120分間、及び180分間毎に、処理対象液2mLを採取し、メンブレンフィルターでろ過後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて、下記分析条件にて各時間経過後の処理対象液中におけるメトプロロールの濃度を測定した。各時間における処理対象液中のメトプロロールの濃度比率(%)を図3Aに示す。
[分析条件]
・測定波長 :276nm
・移動相 :10mMリン酸+5mMペンタンスルホン酸ナトリウム塩:アセトニトリル=8:2
・流速 :1.0mL/min
・カラム :Kinetex C18(5μm,150mm×4.6mm)
・カラム温度 :35 ℃
測定したメトプロロールの濃度から、下記式(5)に基づき、メトプロロールの分解量を算出した。結果を表1に示す。また、各時間における処理対象液中のメトプロロールの濃度比率(C/C)(%)を図3Aに示す。
[式(5)]
メトプロロールの分解量(mg/L)=C-C
上記式(5)において、Cは、反応開始から0分後のメトプロロールの濃度(mg/L)を表し、Cは、反応開始から各時間経過後のメトプロロールの濃度(mg/L)を表す。
<メトプロロールの分解におけるエネルギー効率>
算出したメトプロロールの分解量から、下記式(6)に基づき、分解開始から180分後のメトプロロールの分解におけるエネルギー効率を算出した。結果を表1及び図3Bに示す。
[式(6)]
エネルギー効率(mg/Wh)=(C-C180)×V/E
上記式(6)において、Cは、反応開始から0分後のメトプロロールの濃度(mg/L)を表し、C180は、反応開始から180分後のメトプロロールの濃度(mg/L)を表し、Vは溶液量(L)を表し、Eは消費電力量(Wh)を表す。
<TOCの分解量>
実施例1、比較例1及び2において、分解開始から0分間、15分間、30分間、60分間、90分間、120分間、及び180分間毎に、処理対象液2mLを採取し、10倍希釈を行った後、全有機体炭素量計TOC-L(島津製作所製)を用いて、各時間経過後の処理対象液中におけるTOC(全有機炭素)の濃度を測定した。
測定したTOCの濃度、及び下記式(7)に基づき、TOCの分解量を算出した。結果を表1に示す。また、各時間における処理対象液中のTOCの濃度比率(TOC/TOC)(%)を図4Aに示す。
[式(7)]
TOCの分解量(mg/L)=TOC-TOC
上記式(7)におけるTOCは、反応開始から0分後のTOCの濃度を表し、TOCは、反応開始から各時間経過後のTOCの濃度を示す。
<TOCの分解におけるエネルギー効率>
算出したTOCの分解量から、下記式(8)に基づき、分解開始から180分後のTOCの分解におけるエネルギー効率を算出した。結果を表1及び図4Bに示す。
[式(8)]
エネルギー効率(mg/Wh)=(C-C180)×V/E
上記式(8)において、Cは、反応開始から0分後のTOCの濃度(mg/L)を表し、C180は、反応開始から180分後のTOCの濃度(mg/L)を表し、Vは溶液量(L)を表し、Eは消費電力量(Wh)を表す。
Figure 2022135951000002
(実施例2)
実施例1において、難分解性物質としてメトプロロールを含む処理対象液1を、難分解性物質としてぺルフルオロオクタン酸を含む処理対象液2に変更し、曝気気体を「酸素(濃度:99.9体積%)」から「酸素(濃度:20.0体積%)+窒素(濃度:80.0体積%)」に変更し、気体流量を「0.35L/min」から「0.40L/min」に変更した以外は、実施例1と同様にして、難分解性物質の分解を行った。
(実施例3)
実施例2において、曝気気体を「酸素(濃度:20.0体積%)+窒素(濃度:80.0体積%)」から「酸素(濃度:50.0体積%)+窒素(濃度:50.0体積%)」に変更した以外は、実施例2と同様にして、難分解性物質の分解を行った。
(比較例3)
実施例2において、オゾン変換器の電源をオンにして、曝気気体を酸素からオゾンに変更した以外は、実施例2と同様にして、難分解性物質の分解を行った。
(比較例4)
実施例2において、曝気気体を曝気しなかった以外は、実施例2と同様にして、難分解性物質の分解を行った。
実施例2及び3、比較例3及び4について、以下のようにして、分解開始から0分間、30分間、60分間、90分間、120分間、180分間、240分間、及び300分間の「TOCの分解量」及び「TOCの分解におけるエネルギー効率」を評価した。
<TOCの分解量>
実施例2及び3、比較例3及び4において、分解開始から0分間、30分間、60分間、90分間、120分間、180分間、240分間、及び300分間毎に、処理対象液2mLを採取し、10倍希釈を行った後、全有機体炭素量計TOC-L(島津製作所製)を用いて、各時間経過後の処理対象液中におけるTOC(全有機炭素)の濃度を測定した。
測定したTOCの濃度、及び下記式(9)に基づき、TOCの分解量を算出した。結果を表2に示す。また、各時間における処理対象液中のTOCの濃度比率(TOC/TOC)(%)を図5Aに示す。
[式(9)]
TOCの分解量(mg/L)=TOC-TOC
上記式(9)におけるCは、反応開始から0分後のTOCの濃度を表し、TOCは、反応開始から各時間経過後のTOCの濃度を示す。
<TOCの分解におけるエネルギー効率>
算出したTOCの分解量から、下記式(10)に基づき、分解開始から300分後のTOCの分解におけるエネルギー効率を算出した。結果を表2及び図5Bに示す。
[式(10)]
エネルギー効率(mg/Wh)=(C-C300)×V/E
上記式(10)において、Cは、反応開始から0分後のTOCの濃度(mg/L)を表し、C300は、反応開始から300分後のTOCの濃度(mg/L)を表し、Vは溶液量(L)を表し、Eは消費電力量(Wh)を表す。
Figure 2022135951000003
(実施例4)
実施例1において、難分解性物質としてメトプロロールを含む処理対象液1を、難分解性物質としてクラリスロマイシンを含む処理対象液3に変更し、曝気気体を「酸素(濃度:99.9%)」から「酸素(濃度:50.0%)+窒素(濃度:50.0体積%)」に変更し、気体流量を「0.35L/min」から「0.40L/min」に変更した以外は、実施例1と同様にして、難分解性物質の分解を行った。
(比較例5)
実施例4において、オゾン変換器の電源をオンにして、曝気気体を酸素からオゾンに変更した以外は、実施例4と同様にして、難分解性物質の分解を行った。
(比較例6)
実施例4において、曝気気体を曝気しなかった以外は、実施例4と同様にして、難分解性物質の分解を行った。
実施例4、比較例5及び6について、以下のようにして、分解開始から0分間、15分間、30分間、60分間、120分間、180分間、240分間、及び300分間の「TOCの分解量」及び「TOCの分解におけるエネルギー効率」を評価した。
<TOCの分解量>
実施例4、比較例5及び6において、分解開始から0分間、15分間、30分間、60分間、120分間、180分間、240分間、及び300分間毎に、処理対象液2mLを採取し、10倍希釈を行った後、全有機体炭素量計TOC-L(島津製作所製)を用いて、各時間経過後の処理対象液中におけるTOC(全有機炭素)の濃度を測定した。
測定したTOCの濃度、及び下記式(11)に基づき、TOCの分解量を算出した。結果を表3に示す。また、各時間における処理対象液中のTOCの濃度比率(TOC/TOC)(%)を図6Aに示す。
[式(11)]
TOCの分解量(mg/L)=TOC-TOC
上記式(11)におけるTOCは、反応開始から0分後のTOCの濃度を表し、TOCは、反応開始から各時間経過後のTOCの濃度を示す。
<TOCの分解におけるエネルギー効率>
算出したTOCの分解量から、下記式(12)に基づき、分解開始から300分後のTOCの分解におけるエネルギー効率を算出した。結果を表3及び図6Bに示す。
[式(12)]
エネルギー効率(mg/Wh)=(C-C300)×V/E
上記式(12)において、Cは、反応開始から0分後のTOCの濃度(mg/L)を表し、C300は、反応開始から300分後のTOCの濃度(mg/L)を表し、Vは溶液量(L)を表し、Eは消費電力量(Wh)を表す。
Figure 2022135951000004
10 液処理装置
11 処理対象液
12 陽極
13 陰極
14 電源
15 オゾン発生器
16 酸素ボンベ
17 酸素曝気装置

Claims (6)

  1. 難分解性物質を含む処理対象液の前記難分解性物質を分解する液処理方法であって、
    前記処理対象液を電気分解するときに、前記処理対象液中に少なくとも酸素を含む気体を曝気する電気分解工程を有することを特徴とする液処理方法。
  2. 前記難分解性物質が、有機フッ素化合物、環状エーテル、有機ハロゲン化合物、医薬品及び農薬の少なくともいずれかである、請求項1に記載の液処理方法。
  3. 前記少なくとも酸素を含む気体における前記酸素の含有量が、20体積%以上である、請求項1から2のいずれかに記載の液処理方法。
  4. 前記少なくとも酸素を含む気体における前記酸素の含有量が、50体積%以上である、請求項3に記載の液処理方法。
  5. 前記少なくとも酸素を含む気体が空気である、請求項1から4のいずれかに記載の液処理方法。
  6. 難分解性物質を含む処理対象液の前記難分解性物質を分解する液処理装置であって、
    前記処理対象液を電気分解するときに、前記処理対象液中に少なくとも酸素を含む気体を曝気する電気分解手段を有することを特徴とする液処理装置。
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