JP2022134561A - ポリオキシアルキレン系重合体及び硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な可使時間に相当する長い皮張り時間を示しながら、同時に硬度立ち上がり速度が速い、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体を含有する硬化性組成物を提供する。【解決手段】ポリオキシアルキレンの主鎖構造と、該主鎖構造の末端に結合した末端構造を有するポリオキシアルキレン系重合体であって、末端オレフィン基及び/又は内部オレフィン基を有し、加水分解性シリル基を1つの末端に平均して1.0個以下有するポリオキシアルキレン系重合体(A)、及び一般式(12):R53Siー(12)(式中、R5はそれぞれ独立に置換又は非置換の1価の炭化水素基又は水素原子)で示される基を含有し、加水分解によりR53SiOHを生成するシリコン化合物(B)を含有し、ポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して、シリコン化合物(B)を0.4~2重量部含有する硬化性組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体、及び、該重合体を含む硬化性組成物に関する。
加水分解性シリル基を有する重合体は、湿分反応性ポリマーとして知られており、接着剤、シーリング剤、コーティング剤、塗料、粘着剤等の多くの工業製品に含まれており、幅広い分野で利用されている。
このような重合体の主査骨格としては、ポリオキシアルキレン系重合体、飽和炭化水素系重合体、(メタ)アクリル酸エステル系重合体などが知られているが、特に、加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体は、室温において比較的低粘度で取り扱いやすく、また、反応後に得られる硬化物も良好な男性を示すなどの特徴から、その適用範囲は広い。
そして、このような重合体を用いた硬化性組成物は、十分な作業時間(可使時間とも表現する)のための適度な皮張り時間を持ちつつ、最終的に到達する硬度に対して短時間で到達すること(これを、硬度立ち上がり速度が速い、と表現する)が求められる場合がある。
特許文献1では、1つの末端部位に2個以上の加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体が開示されている。さらに、硬化物の柔軟性と復元率の両方を満足させる為に、特定のシリコン化合物を添加させることによって、速硬化性と硬化物の柔軟性と復元率の両方を満足させる方法が記載されている。
特開2015-105323号
しかしながら、本発明者らが鋭意検討したところ、前記特許文献1に記載の技術においては、速硬化性を目的にしており、皮張り時間が非常に短く、すなわち可使時間の点でさらなる改良の余地があることが判明した。本発明は、上記現状に鑑み、硬度立ち上がり速度が速く、十分な可使時間を確保できる長い皮張り時間を示す反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体を含有する硬化性組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリオキシアルキレンの主鎖構造と、該主鎖構造の末端に結合した末端構造を有するポリオキシアルキレン系重合体であって、該末端構造が、加水分解性シリル基と、末端オレフィン基及び/又は内部オレフィン基とを有し、加水分解性シリル基、末端オレフィン基及び内部オレフィン基の合計数が末端構造1個あたり平均して1.0より多く、前記ポリオキシアルキレン系重合体は加水分解性シリル基を1つの末端に平均して1.0個以下有するポリオキシアルキレン系重合体(A)、及び一般式(12):
Siー (12)
(式中、Rはそれぞれ独立に置換又は非置換の1価の炭化水素基又は水素原子)
で示される基を含有し、加水分解によりR SiOHを生成するシリコン化合物(B)、を含有し、ポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して、シリコン化合物(B)を0.4~2重量部含有することで、硬度立ち上がり速度が速く、十分な可使時間を確保できる長い皮張り時間を示す反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体を含有する硬化性組成物を提供できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、ポリオキシアルキレンの主鎖構造と、該主鎖構造の末端に結合した末端構造を有するポリオキシアルキレン系重合体であって、
該末端構造が、加水分解性シリル基と、末端オレフィン基及び/又は内部オレフィン基とを有し、加水分解性シリル基、末端オレフィン基及び内部オレフィン基の合計数が末端構造1個あたり平均して1.0より多く、前記ポリオキシアルキレン系重合体は加水分解性シリル基を1つの末端に平均して1.0個以下有するポリオキシアルキレン系重合体(A)、
及び一般式(12):
Siー (12)
(式中、Rはそれぞれ独立に置換又は非置換の1価の炭化水素基又は水素原子)
で示される基を含有し、加水分解によりR SiOHを生成するシリコン化合物(B)、を含有し、ポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して、シリコン化合物(B)を0.4~2重量部含有することを特徴とする、硬化性組成物に関する。
好ましくは、ポリオキシアルキレン系重合体(A)の末端構造が、末端オレフィン基を有するエポキシ化合物に由来する部位を含む。
好ましくは、ポリオキシアルキレン系重合体(A)の加水分解性シリル基が、一般式(2):
-SiRY (2)
(式中、Rは、炭素数1から20の置換または非置換の一価の炭化水素基、または、(R′)SiO-で示されるトリオルガノシロキシ基を表す。R′は、同一又は異なって、炭素数1から20の置換または非置換の一価の炭化水素基を表す。Yは、同一又は異なって、水酸基または加水分解性基を表す。)で表される。
好ましくは、さらにシラノール縮合触媒(C)を含有する。
好ましくは、前記ポリオキシアルキレン系重合体(A)及びシリコン化合物(B)を含有するA剤、並びに前記シラノール縮合触媒(C)を含有するB剤を含む2成分型以上を含有する多液混合型である。
好ましくは、ポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して、シラノール縮合触媒(C)を0.001~20重量部含有する。
好ましくは、ポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して、シラノール縮合触媒(C)を0.001~10重量部含有する。
さらに本発明位は、前記硬化性組成物を硬化した硬化物にも関する。
本発明によれば、良好な可使時間に相当する長い皮張り時間を示しながら、同時に硬度立ち上がり速度が速い反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体を含有する硬化性組成物を提供することができる。
以下に本発明の実施形態を詳細に説明する。
<ポリオキシアルキレン系重合体(A)>
本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)は、ポリオキシアルキレンの主鎖構造と、該主鎖構造の末端に結合した末端構造を有する。
前記主鎖構造とは、オキシアルキレン繰り返し単位から構成される重合体主鎖のことをいう。主鎖構造は、直鎖状のものであってもよいし、分岐鎖状のものであってもよい。前記主鎖構造は、オキシアルキレン繰り返し単位のみから構成される重合体主鎖であるか、または、オキシアルキレン繰り返し単位に加えて、重合時に使用される開始剤に由来する構造を含み、これらのみから構成される重合体主鎖であることが好ましい。ここで、オキシアルキレン繰り返し単位とは、ポリエーテルを構成する繰り返し単位を指し、例えば、炭素数2~6、好ましくは炭素数2~4のオキシアルキレン単位のことをいう。
ポリオキシアルキレンの主鎖構造としては特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリオキシテトラメチレン、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシプロピレン-ポリオキシブチレン共重合体等が挙げられる。好ましくはポリオキシプロピレンである。主鎖構造としては、1種のみを使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
前記末端構造とは、前記主鎖構造を構成するオキシアルキレン繰り返し単位を含まない部位であって、前記主鎖構造の末端に結合した部位を指す。主鎖構造が直鎖状の場合、末端構造は重合体1分子あたり2個存在し、主鎖構造が分岐鎖状の場合、末端構造は重合体1分子あたり3個以上存在する。また、主鎖構造が直鎖状と分岐鎖状の混合物である場合には、重合体1分子あたりの末端構造の数は平均して2~3の間の数値になり得る。前記末端構造は、酸素原子を介して、前記主鎖構造の末端に位置するオキシアルキレン単位に結合していることが好ましい。
本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)における末端構造は、加水分解性シリル基を有し、かつ、末端オレフィン基と内部オレフィン基のいずれか一方又は双方を有する。これは重合体の特定の一分子における末端構造に言及しているのではなく、多数の重合体分子を含む重合体総体において、末端構造が加水分解性シリル基と、末端オレフィン基及び/又は内部オレフィン基とを有していればよいことを意味する。即ち、重合体の特定の一分子における末端構造は、加水分解性シリル基のみを有し、末端オレフィン基又は内部オレフィン基を有しないものであってもよいし、また、末端オレフィン基と内部オレフィン基のいずれか一方又は双方を有するが、加水分解性シリル基を有しないものであってもよい。
前記加水分解性シリル基とは、加水分解及び脱水縮合することによりシロキサン結合を形成し互いに結合し得るシリル基をいう。本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)は当該加水分解性シリル基を有することで、脱水縮合反応に基づく硬化性を示す。当該加水分解性シリル基は、具体的には、下記一般式(1):
-SiR3-a (1)
で表される。この一般式(1)においては、Rは、同一又は異なって、炭素数1から20の置換または非置換の一価の炭化水素基、または、(R′)SiO-で示されるトリオルガノシロキシ基を表す。R′は、同一又は異なって、炭素数1から20の置換または非置換の一価の炭化水素基を表す。Yは、同一又は異なって、水酸基または加水分解性基を表す。aは1、2又は3を表す。
Rとしては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基、n-ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、n-ドデシル基等の無置換のアルキル基;クロロメチル基、メトキシメチル基、N,N-ジエチルアミノメチル基等の置換アルキル基;ビニル基、イソプロペニル基;フェニル基、トルイル基、1-ナフチル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基;R′がメチル基、フェニル基等である(R′)SiO-で示されるトリアルガノシロキシ基等が挙げられる。好ましくは置換又は無置換のアルキル基であり、より好ましくは、メチル基、エチル基、クロロメチル基、メトキシメチル基であり、さらに好ましくは、メチル基、エチル基であり、特に好ましくは、メチル基である。Rとしては、一種類の基のみを使用してよいし、二種類以上の基を併用してもよい。
Yとしては、例えば、水酸基、水素、ハロゲン、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。前記のアルコキシ基等は、置換基を有していてもよい。加水分解性が穏やかで取扱いやすいことから、アルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基がさらに好ましく、メトキシ基が特に好ましい。Yとしては、それぞれ、一種類の基のみを使用してよいし、二種類以上の基を併用してもよい。
一般式(1)で表される加水分解性シリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリス(2-プロペニルオキシ)シリル基、トリアセトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、ジメトキシエチルシリル基、(クロロメチル)ジメトキシシリル基、(クロロメチル)ジエトキシシリル基、(メトキシメチル)ジメトキシシリル基、(メトキシメチル)ジエトキシシリル基、(N,N-ジエチルアミノメチル)ジメトキシシリル基、(N,N-ジエチルアミノメチル)ジエトキシシリル基等が挙げられる。なかでも、メチルジメトキシシリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、(クロロメチル)ジメトキシシリル基、(メトキシメチル)ジメトキシシリル基、(メトキシメチル)ジエトキシシリル基、(N,N-ジエチルアミノメチル)ジメトキシシリル基は、高い反応性を示し、良好な機械物性を有する硬化物が得られるため好ましい。反応性の観点からは、トリメトキシシリル基、(クロロメチル)ジメトキシシリル基、(メトキシメチル)ジメトキシシリル基がより好ましい。安定性の観点からは、メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、トリエトキシシリル基がより好ましく、メチルジエトキシシリル基、トリエトキシシリル基がさらに好ましい。また、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基は、製造が容易であるためより好ましい。中でも、メチルジメトキシシリル基が最も好ましい。
前記一般式(1)において、重合体の貯蔵安定性および反応性と、硬化物の柔軟性を両立させるため、aは2を表すことが好ましい。aが2の時、前記一般式(1)は、下記一般式(2):
-SiRY (2)
で表される。式中、RとYはそれぞれ上述したものである。ただし、前記一般式(1)において、異なるaを有する2種類以上の加水分解性シリル基を併用してもよい。
前記末端オレフィン基とは、メチリデン基(HC=)を有する炭素-炭素二重結合のことをいい、具体的には、下記一般式(3):
C=C(R)-CH- (3)
で表すことができる。式(3)中、Rは、水素、または、置換または非置換の炭素数1~10のアルキル基、置換または非置換の炭素数6~10のアリール基、置換または非置換の炭素数7~10のアラルキル基を表す。前記アルキル基の炭素数は1~8が好ましく、1~6がより好ましく、1~3がさらに好ましく、1又は2が特に好ましい。前記アリール基の炭素数は6~8が好ましく、6~7がより好ましい。前記アラルキル基の炭素数は7~8がより好ましい。前記アルキル基、アリール基、又はアラルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては特に限定されないが、例えば、クロロ基等のハロゲン基、メトキシ基等のアルコキシ基、N,N-ジエチルアミノ基等のアミノ基が挙げられる。
としては、例えば、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基等が挙げられる。特に、Rとしては、水素、アルキル基が好ましく、水素、メチル基、エチル基がより好ましく、水素、メチル基がさらに好ましい。また、重合体中に複数存在するRは、互いに同じでも異なっていてもよい。
前記内部オレフィン基とは、メチリデン基(HC=)を有しない炭素-炭素二重結合のことをいい、具体的には、下記一般式(4):
C-C(R)=CH- (4)
で表すことができる。式(4)中のRは、通常、前記式(3)中のRと同じ基を表すが、Rの定義の範囲内で、式(3)中のRとは異なる基を表してもよい。また、重合体中に複数存在するRは、互いに同じでも異なっていてもよい。
当該内部オレフィン基は、後述するように、前記末端オレフィン基の内部転移反応により生成し得る基である。末端オレフィン基がアリル基(R=H)の場合、これの内部転移反応により生成する内部オレフィン基は、1-プロペニル基である。
本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)は、その末端構造中に、加水分解性シリル基と、末端オレフィン基及び/又は内部オレフィン基とを有するものであり、加水分解性シリル基、末端オレフィン基及び内部オレフィン基の合計数が、末端構造1個あたり平均して1.0より多いものである。前記合計数は、1.1以上が好ましく、1.2以上であることがより好ましい。前記合計数の上限値は限定されないが、経済性や該当構造の導入効率の観点から、10以下が好ましく、8以下がより好ましく、6以下がさらに好ましく、5以下が特に好ましい。
なお、末端構造1個あたりの加水分解性シリル基、末端オレフィン基及び内部オレフィン基の合計数は、主鎖構造の末端の数に対する加水分解性シリル基、末端オレフィン基及び内部オレフィン基の合計数の平均比率と言い換えることもでき、また、重合体1分子あたりの加水分解性シリル基、末端オレフィン基及び内部オレフィン基の合計数/重合体1分子中の主鎖構造の末端の数で表すこともできる。
本発明において、末端構造1個あたりの加水分解性シリル基、末端オレフィン基及び内部オレフィン基の合計数は、当業者が適宜決定することができる。一例として、後述のように水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体(D)に、末端オレフィン基を有するエポキシ化合物を反応させ、次いで、末端オレフィン基を有する有機ハロゲン化物を反応させる方法を経て本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)を製造する場合には、水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体(D)が有する水酸基に対する前記エポキシ化合物の当量数(前記エポキシ化合物によって導入されるオレフィン基の個数)に、1(前記有機ハロゲン化物によって導入されるオレフィン基の個数)を合計することで、前記合計数を算出することができる。その他、前記合計数は、本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)やその前駆中間体の、H NMRや滴定によるヨウ素価/水酸基価等の分析によっても算出することができる。
さらに本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)は、加水分解性シリル基、末端オレフィン基及び内部オレフィン基の合計に対して加水分解性シリル基が占める割合を、比較的低くすることによって、可使時間に相当する皮張り時間を長く確保しつつ、硬度立ち上がり速度が速い硬化物を形成することができる。即ち、本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)において、長い皮張り時間速い硬度立ち上がり速度を両立するために、加水分解性シリル基の1つの末端に対する個数は、平均して1.0以下が好ましく、0.99以下がより好ましい。前記加水分解性シリル基の1つの末端に対する個数は、本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)を含む硬化物の硬化性をより向上させるため、0.7以上が好ましく、0.8以上がより好ましく、0.9以上が最も好ましい。
本発明において、加水分解性シリル基、末端オレフィン基及び内部オレフィン基の合計に対して加水分解性シリル基が占める割合は、H NMRにより決定することができる。例えば、末端オレフィン基がアリル基であり、後述のように加水分解性シリル基を有するヒドロシラン化合物をヒドロシリル化反応させることで、加水分解性シリル基を末端構造に導入する場合、以下の各シグナルの積分値を用いて計算すればよい。
・加水分解性シリル基:シリル基に結合したCH(0.6ppm付近、2H)
・末端オレフィン基:メチリデン基のCH(5.2ppm付近、2H)
・内部オレフィン基:末端CH基に結合したCH(4.3ppm付近と4.8ppm付近の合計、1H)
なお、他のシグナルが重なる場合、そのシグナルの積分値については除外して計算する。
本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)の、末端構造1個あたりの加水分解シリル基の数は、前述した「末端構造1個あたりの加水分解性シリル基、末端オレフィン基及び内部オレフィン基の合計数」と、前述した「加水分解性シリル基、末端オレフィン基及び内部オレフィン基の合計に対して加水分解性シリル基が占める割合」を掛け合わせることで算出することができる。
本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)の末端構造は、加水分解性シリル基と、末端オレフィン基及び/又は内部オレフィン基とを有する限り特に限定されないが、加水分解性シリル基と末端オレフィン基とを有する末端構造の一例として、下記一般式(5):
Figure 2022134561000001
を示すことができる。また、別の例として、下記一般式(6):
Figure 2022134561000002
を示すことができる。一般式(5)及び(6)中の左端の酸素原子は、ポリオキシアルキレンの主鎖構造の末端に位置するオキシアルキレン単位中の酸素を示す。当該一般式(5)及び(6)では、加水分解性シリル基として前述した一般式(1)で表される基を示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。
一般式(5)及び(6)中、d及びeは、それぞれ、0以上の整数を表すが、dとeの合計は末端構造1個あたり平均して0より大きい。当該dとeの合計は0.1以上が好ましく、0.3以上がより好ましく、0.5以上がさらに好ましい。さらに、0.5より大きいことが好ましく、1.0以上が特に好ましく、1.5以上が最も好ましい。また、前記dとeの合計は9以下が好ましく、7以下がより好ましく、5以下がさらに好ましく、4以下が特に好ましい。
R及びRはそれぞれ上述したものである。各式中に複数存在するR又はRは、互いに同じでも異なっていてもよい。
一般式(5)及び(6)中、Rは、直接結合、又は、酸素原子を有していてもよい炭素数1~6の2価の有機基を表す。該有機基の炭素数は1~4が好ましく、1~2がより好ましく、2がさらに好ましい。Rとしては、酸素原子を有していてもよい炭素数1~6の2価の有機基が好ましく、-CH-、-CHO-、-CHOCH-、-C(=O)-O-CH-がより好ましく、-CHOCH-がさらに好ましい。複数存在するRは、互いに同じでも異なっていてもよい。
一般式(5)及び(6)中、Rは、直接結合、又は、酸素原子を有していてもよい炭素数1~6の2価の有機基を表す。該有機基の炭素数は1~4が好ましく、1~2がより好ましく、1がさらに好ましい。Rとしては、直接結合、炭素数1~6の2価の炭化水素基が好ましく、直接結合、-CH-、-CHCH-がより好ましく、直接結合、-CH-がさらに好ましく、-CH-が特に好ましい。
一般式(5)で表される末端構造は、(e+1)個の加水分解性シリル基を有し、d個の末端オレフィン基を有する。一般式(6)で表される末端構造は、e個の加水分解性シリル基を有し、(d+1)個の末端オレフィン基を有する。一般式(5)又は(6)中に示した、d個の末端オレフィン基含有単位と、e個の加水分解性シリル基含有単位が、それぞれ、後述する末端オレフィン基を有するエポキシ化合物に由来する部位に相当する
一般式(5)又は(6)で表される末端構造は、重合体主鎖の1つの末端に結合した1つの末端構造を表すものである。式(5)又は(6)中には複数個の加水分解性シリル基及び/又は末端オレフィン基が示されているが、式(5)又は(6)はそれぞれ、2以上の末端構造を示すものではなく、1つの末端構造を示すものであり、1つの末端構造の中に、複数個の加水分解性シリル基及び/又は末端オレフィン基が存在していることを示している。また、式(5)又は(6)中には、重合体主鎖を構成するオキシアルキレン繰り返し単位は示していない。つまり、式(5)又は(6)中にd個又はe個存在するカッコ内の構造は、重合体主鎖を構成するオキシアルキレン繰り返し単位に該当するものではない。
これらの一般式はあくまで説明のための例にすぎず、本発明における末端構造はこれらの化学構造に限定されるものではない。一般式(5)及び(6)に含まれる末端オレフィン基は、内部オレフィン基であってもよい。特に、複数存在する末端オレフィン基の一部は、内部オレフィン基であってもよい。また、d個の末端オレフィン基含有単位と、e個の加水分解性シリル基含有単位の結合順序は一般式(5)及び(6)で示した順序に限定されない。本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)が有する末端構造の具体的な構造式は、単一のものに限定されず、通常、種々の構造式が併存し得る。一般式(5)で表される末端構造と一般式(6)で表される末端構造も併存していてよい。
本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)の数平均分子量は、特に限定されないが、GPCにおけるポリスチレン換算分子量において好ましくは3,000~100,000、より好ましくは3,000~50,000であり、さらに好ましくは3,000~30,000である。数平均分子量を3,000以上とすることで重合体全体に対する加水分解性シリル基相対量が少なくなり、製造コストの点で都合が良い場合が多く、また数平均分子量を100,000以内とすることで、重合体の粘度を低くすることができ、作業性を良好に保つことができる。
本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)は特に限定されないが、狭いことが好ましい。具体的には2.0未満が好ましく、1.6以下がより好ましく、1.5以下がさらに好ましく、1.4以下が特に好ましい。分子量分布(Mw/Mn)は、GPC測定により求められる数平均分子量と重量平均分子量から算出することができる。
<ポリオキシアルキレン系重合体(A)の製造方法>
次に本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)を製造する方法について説明する。本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)は、水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体(D)に対し、水酸基の反応性を利用して、末端構造1個あたり平均して1.0より多い個数の末端オレフィン基を導入した後、該末端オレフィン基との反応性を有する加水分解性シリル基含有化合物を反応させて加水分解性シリル基を導入することで製造できる。
以下、本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)を製造する方法について、具体的に説明するが、これに限定されるものではない。まず、水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体(D)に対し、末端オレフィン基を有するエポキシ化合物(7)を反応させ、さらに、末端オレフィン基を有する有機ハロゲン化物(9)を反応させて、重合体の末端構造1個あたり平均して1.0より多い個数の末端オレフィン基を導入する。次に、該末端オレフィン基に対し、加水分解性シリル基を有するヒドロシラン化合物(11)をヒドロシリル化反応させることで、加水分解性シリル基を末端構造に導入して本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)を得る。以上の製造方法において、重合体の末端構造の反応は、例えば、次の反応式により表すことができる。なお、式中、Xはハロゲンを表し、Mはアルカリ金属を表す。
Figure 2022134561000003
本発明では、加水分解性シリル基を導入する際に、反応が可能な全ての末端オレフィン基と前記ヒドロシラン化合物を反応させるのではなく、反応率を抑制して一部の末端オレフィン基を未反応のまま残留させることで、加水分解性シリル基を1つの末端に平均して1.0個以下有する本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)を得ることができる。
内部オレフィン基は、前記ヒドロシリル化反応の際に副反応として、末端オレフィン基が内部転移反応(異性化)することで生成し得る。生成した内部オレフィン基はヒドロシリル化活性が低いため、ヒドロシリル化反応においてヒドロシラン化合物と反応することなく、本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)に残留することになる。
以下、本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)を製造する方法の一実施形態を詳述するが、本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)を製造する方法はこれに限定されるものではない。
(重合)
ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖構造は、従来公知の方法によって、水酸基を有する開始剤にエポキシ化合物を重合させることで形成することができ、これによって水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体(D)が得られる。具体的な重合方法としては特に限定されないが、分子量分布(Mw/Mn)の小さい水酸基末端重合体が得られることから、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体等の複合金属シアン化物錯体触媒を用いた重合方法が好ましい。
水酸基を有する開始剤としては特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、低分子量のポリオキシプロピレングリコール、低分子量のポリオキシプロピレントリオール、アリルアルコール、低分子量のポリオキシプロピレンモノアリルエーテル、低分子量のポリオキシプロピレンモノアルキルエーテル等の、水酸基を1個以上有する有機化合物が挙げられる。
前記エポキシ化合物としては特に限定されないが、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド類、メチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類等が挙げられる。好ましくはプロピレンオキサイドである。
(末端オレフィン基の導入)
重合体の末端構造1個あたり平均して1.0より多い個数の末端オレフィン基を導入する方法としては、水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体(D)に対しアルカリ金属塩を作用させて末端の水酸基をアルコキシド基に変換した後、まず、末端オレフィン基を有するエポキシ化合物(7)と反応させ、次いで、末端オレフィン基を有する有機ハロゲン化物(9)を反応させる方法が好ましい。また、アルカリ金属塩の代わりに、複合金属シアン化物錯体触媒を用いることもできる。
前記アルカリ金属塩としては特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、ナトリウムアルコキシド、水酸化カリウム、カリウムアルコキシド、水酸化リチウム、リチウムアルコキシド、水酸化セシウム、セシウムアルコキシド等が挙げられる。取り扱いの容易さと溶解性から、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、水酸化カリウム、カリウムメトキシド、カリウムエトキシドが好ましく、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシドがより好ましい。入手性の点で、ナトリウムメトキシドが特に好ましい。アルカリ金属塩は溶剤に溶解した状態で反応に供してもよい。
前記アルカリ金属塩の使用量は、特に限定されないが、水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体(D)が有する水酸基に対するモル比として、0.5以上が好ましく、0.6以上がより好ましく、0.7以上がさらに好ましく、0.8以上がより更に好ましい。前記モル比は1.5以下が好ましく、1.1以下がより好ましい。アルカリ金属塩の使用量を上記モル比の範囲内にすることで、目的の反応を十分に進行させることが出来、さらに副反応の進行を抑制でき、不純物となるアルカリ金属塩の量も減らすことができる。
前記アルカリ金属塩は、水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体(D)が有する水酸基をアルコキシド基に変換するために使用するが、この変換反応を効率的に進行させるために、水分や、ポリオキシアルキレン系重合体以外の水酸基を有する物質を予め反応系中から除去しておくことが好ましい。除去するためには、公知の方法を利用すれば良く、例えば加熱蒸発、減圧脱揮、噴霧気化、薄膜蒸発、共沸脱揮等を利用できる。
アルカリ金属塩を作用させる際の温度は、当業者が適宜設定できるが、50℃以上150℃以下が好ましく、110℃以上145℃以下がより好ましい。アルカリ金属塩を作用させる際の時間としては、10分以上5時間以下が好ましく、30分以上3時間以下がより好ましい。
次いで、前記ポリオキシアルキレン系重合体に対し、末端オレフィン基を有するエポキシ化合物(7)を開環付加反応させることで、末端オレフィン基を有するエポキシ化合物に由来する部位を含む末端構造(8)が形成される。
前記末端オレフィン基を有するエポキシ化合物は、前記反応式中の化学式(7)で表すことができるが、これに限定されない。該エポキシ化合物の具体例としては、アリルグリシジルエーテル、メタリルグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ブタジエンモノオキシド、1,4-シクロペンタジエンモノエポキシド等が挙げられ、アリルグリシジルエーテルが特に好ましい。
前記末端オレフィン基を有するエポキシ化合物(7)の使用量は、特に限定されず、目的の重合体の末端構造が有する加水分解性シリル基、末端オレフィン基及び内部オレフィン基の合計数や、使用するエポキシ化合物の反応性を考慮して、適宜設定すればよい。具体的には、エポキシ化合物(7)の使用量は、水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体(D)が有する水酸基に対するモル比が0.1以上が好ましく、0.2以上がより好ましい。また、前記モル比は9以下が好ましく、7以下がより好ましく、5以下がさらに好ましく、4以下が特に好ましい。
末端オレフィン基を有するエポキシ化合物(7)を開環付加反応させる際の反応温度は、当業者が適宜設定できるが、60℃以上150℃以下が好ましく、110℃以上145℃以下がより好ましい。反応時間は、10分以上5時間以下が好ましく、1時間以上4時間以下がより好ましい。
次いで、末端オレフィン基を有するエポキシ化合物に由来する部位を含む末端構造(8)を有するポリオキシアルキレン系重合体に対し、末端オレフィン基を有する有機ハロゲン化物(9)を反応させることで、ハロゲンの置換反応によりエーテル結合を形成し、重合体末端のアルコキシド基を、末端オレフィン基に変換する。これにより、末端構造1個あたり平均して1.0より多い個数の末端オレフィン基を有する末端構造(10)が形成される。
前記末端オレフィン基を有する有機ハロゲン化物は、前記反応式中の化学式(9)で表すことができるが、これに限定されない。該有機ハロゲン化物の具体例としては、塩化ビニル、塩化アリル、塩化メタリル、臭化ビニル、臭化アリル、臭化メタリル、ヨウ化ビニル、ヨウ化アリル、ヨウ化メタリル等が挙げられる。取り扱いの容易さから、塩化アリル、塩化メタリルが好ましい。
前記末端オレフィン基を有する有機ハロゲン化物(9)の使用量は、特に限定されないが、水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体(D)が有する水酸基に対するモル比として、0.7以上が好ましく、1.0以上がより好ましい。前記モル比は5.0以下が好ましく、2.0以下がより好ましい。
前記末端オレフィン基を有する有機ハロゲン化物(9)を反応させる際の温度は、当業者が適宜設定できるが、50℃以上150℃以下が好ましく、110℃以上140℃以下がより好ましい。反応時間は、10分以上5時間以下が好ましく、20分以上2時間以下がより好ましい。
(加水分解性シリル基の導入)
以上によって得られた末端構造1個あたり平均して1.0より多い個数の末端オレフィン基を有する末端構造(10)を有するポリオキシアルキレン系重合体に対し、加水分解性シリル基を有するヒドロシラン化合物(11)をヒドロシリル化反応させて、末端オレフィン基の一部に対し加水分解性シリル基を導入する。この際、末端オレフィン基の残部は、ヒドロシラン化合物(11)と反応せずに、重合体中に残留させる。また、該ヒドロシリル化反応では、前述したように、副反応により、末端オレフィン基の一部が内部オレフィン基に異性化し得る。以上によって、加水分解性シリル基と、末端オレフィン基及び/又は内部オレフィン基を有する末端構造(5)及び/又は(6)を有する本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)を製造することができる。ヒドロシリル化反応には、簡便に実施できることに加え、加水分解性シリル基の導入量の調整が容易であり、また、得られる重合体の物性が安定している利点がある。
前記加水分解性シリル基を有するヒドロシラン化合物は、前記反応式中の化学式(11)で表すことができるが、これに限定されない。前記ヒドロシラン化合物の具体例としては、トリクロロシラン、ジクロロメチルシラン、クロロジメチルシラン、ジクロロフェニルシラン、(クロロメチル)ジクロロシラン、(ジクロロメチル)ジクロロシラン、ビス(クロロメチル)クロロシラン、(メトキシメチル)ジクロロシラン、(ジメトキシメチル)ジクロロシラン、ビス(メトキシメチル)クロロシランなどのハロゲン化シラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、ジメトキシメチルシラン、ジエトキシメチルシラン、ジメトキシフェニルシラン、エチルジメトキシシラン、メトキシジメチルシラン、エトキシジメチルシラン、(クロロメチル)メチルメトキシシラン、(クロロメチル)ジメトキシシラン、(クロロメチル)ジエトキシシラン、ビス(クロロメチル)メトキシシラン、(メトキシメチル)メチルメトキシシラン、(メトキシメチル)ジメトキシシラン、ビス(メトキシメチル)メトキシシラン、(メトキシメチル)ジエトキシシラン、(エトキシメチル)ジエトキシシラン、(3,3,3-トリフルオロプロピル)ジメトキシシラン、(N,N-ジエチルアミノメチル)ジメトキシシラン、(N,N-ジエチルアミノメチル)ジエトキシシラン、[(クロロメチル)ジメトキシシリルオキシ]ジメチルシラン、[(クロロメチル)ジエトキシシリルオキシ]ジメチルシラン、[(メトキシメチル)ジメトキシシリルオキシ]ジメチルシラン、[(メトキシメチル)ジエメトキシシリルオキシ]ジメチルシラン、[(ジエチルアミノメチル)ジメトキシシリルオキシ]ジメチルシラン、[(3,3,3-トリフルオロプロピル)ジメトキシシリルオキシ]ジメチルシラン等のアルコキシシラン類;ジアセトキシメチルシラン、ジアセトキシフェニルシラン等のアシロキシシラン類;ビス(ジメチルケトキシメート)メチルシラン、ビス(シクロヘキシルケトキシメート)メチルシランなどのケトキシメートシラン類、トリイソプロペニロキシシラン、(クロロメチル)ジイソプロペニロキシシラン、(メトキシメチル)ジイソプロペニロキシシラン等のイソプロペニロキシシラン類(脱アセトン型)等が挙げられる。
前記加水分解性シリル基を有するヒドロシラン化合物(11)の使用量は、加水分解性シリル基の数が1つの末端に平均して1.0個以下に収まるよう、ヒドロシリル化反応前のポリオキシアルキレン系重合体が有する末端オレフィン基の量を考慮して適宜設定すればよい。
ヒドロシリル化反応は、反応促進のため、ヒドロシリル化触媒の存在下で実施することが好ましい。ヒドロシリル化触媒としては、コバルト、ニッケル、イリジウム、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等の金属や、その錯体等が知られており、これらを用いることができる。具体的には、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に白金を担持させたもの;塩化白金酸;塩化白金酸とアルコールやアルデヒドやケトン等とからなる塩化白金酸錯体;白金-オレフィン錯体[例えばPt(CH=CH(PPh)、Pt(CH=CHCl];白金-ビニルシロキサン錯体[例えばPt{(vinyl)MeSiOSiMe(vinyl)}、Pt{Me(vinyl)SiO}];白金-ホスフィン錯体[例えばPh(PPh、Pt(PBu];白金-ホスファイト錯体[例えばPt{P(OPh)]等が挙げられる。反応効率の点から、塩化白金酸、白金ビニルシロキサン錯体等の白金触媒が好ましい。
ヒドロシリル化反応の温度条件は、特に限定されず、当業者が適宜設定できるが、反応系の粘度を下げたり、反応性を向上させる目的で、加熱条件下での反応が好ましく、具体的には、50℃~150℃での反応がより好ましく、70℃~120℃での反応がさらに好ましい。反応時間も適宜設定すればよいが、意図しない重合体の縮合反応が進行しないように、温度条件とともに反応時間を調整することが好ましい。具体的には、反応時間は、30分以上5時間以下が好ましく、3時間以下がより好ましい。
また、ヒドロシリル化反応は、オルトカルボン酸トリアルキルエステルの存在下で実施してもよい。これによって、ヒドロシリル化反応時の増粘を抑制し、得られる重合体の貯蔵安定性を改善することができる。
オルトカルボン酸トリアルキルエステルとしては、例えば、オルトギ酸トリメチル、オルトギ酸トリエチル、オルト酢酸トリメチル、オルト酢酸トリエチル等が挙げられる。好ましくはオルトギ酸トリメチル、オルト酢酸トリメチルである。
オルトカルボン酸トリアルキルエステルを使用する場合、その使用量は特に限定されないが、本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して0.1~10重量部程度が好ましく、0.1~3重量部程度がより好ましい。
<シリコン化合物(B)>
本発明においては、特に硬化物の高伸び化および低粘着化を図るために、シリコン化合物(B)を添加する。シリコン化合物(B)は、下記一般式(12):
Si- (12)
(式中、Rはそれぞれ独立に置換又は非置換の1価の炭化水素基又は水素原子)で示される基を含有し、加水分解によりR SiOHを生成する。
その中でも、下記一般式(13):
TOSiR (13)
(式中、Rは一般式(12)におけるRと同一であり、Tは炭素数1~20の置換又は非置換の1価の炭化水素基)、あるいは下記一般式(14):
ZNHSiR (14)
(式中、Rは一般式(12)におけるRと同一であり、Zは炭素数1~20の置換又は非置換の1価の有機基)で示されるシリコン化合物を用いることが好ましい。
以下に具体例を示すが、(B)成分としてのシリコン化合物はこれによって限定されるものではない。
一般式(13)で示される化合物としては、Rがメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基、又はこれらの置換された基が挙げられ、例えば、
Figure 2022134561000004
などが挙げられる。
一般式(14)で示される化合物としては、例えば、
Figure 2022134561000005
などが挙げられる。
その他、上記一般式(13)や(14)には属さないが、
Figure 2022134561000006
Figure 2022134561000007
Figure 2022134561000008
Figure 2022134561000009
なども使用し得る。
また、特開平11-241029号公報に記載されているトリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールあるいはソルビトールなどの水酸基数が3以上の多価アルコールの誘導体であって加水分解によりトリメチルシラノールなどのR SiOHを生成するシリコン化合物を生成する化合物も好適に使用することができる。
また、特開平7-258534号公報に記載されているようなオキシプロピレン重合体の誘導体であって加水分解によりトリメチルシラノールなどのR SiOHを生成するシリコン化合物を生成する化合物も好適に使用することができる。さらに特開平6-279693号公報に記載されている架橋可能な加水分解性ケイ素含有基と加水分解によりモノシラノール含有化合物となりうるケイ素含有基を有する重合体を使用することもできる。
上記したシリコン化合物(B)の中では、
Figure 2022134561000010
などの1価のアルコールやフェノールの誘導体が好ましい。また、アルコールのトリメチルシリル誘導体であって分子量が140、好ましくは150以上の化合物が好ましい。特開平11-241029号公報に記載されているトリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールあるいはソルビトールなどの水酸基数が3以上の多価アルコールのトリメチルシリル誘導体、特開平7-258534号公報に記載されているようなオキシプロピレン重合体のトリメチルシリル誘導体が望ましい。特に、トリメチロールプロパンのトリメチルシリル誘導体とフェノキシトリメチルシラン((化10)の最初の化合物)の混合物も用いることがで
きる。
上記シリコン化合物(B)の含有量は、特に限定されるものではなく、硬化物の期待特性にあわせて含有量を自由に変えればよいが、通常は、反応性ケイ素基含有重合体(A)100重量部に対し、0.4~2重量部である。0.4重量部以上とすることで硬化の立ち上がり速度を早くすることができ、また2重量部以下とすることでコストと性能のバランスの点で好ましい
本発明の反応性ケイ素基含有重合体(A)とシリコン化合物(B)とを混合する方法については、大きく別けて3通りある。
一つは、シリコン化合物(B)を反応性ケイ素基含有重合体(A)に単に添加する方法である。シリコン化合物(B)の性状に応じて、加熱攪拌条件などを調整し、均一に分散、溶解させればよい。この場合、完全に均一な状態にする必要はなく、不透明な状態であっても、分散していれば充分目的は達せられる。また必要に応じて、分散性改良剤、例えば界面活性剤などを併用してもよい。
二番目の方法としては、最終製品を使用する際に、該化合物を所定添加量混合する方法である。たとえば2成分型のシーリング材として使用するような場合、基剤と硬化剤の他に第3成分として該化合物を混合し使用できる。
三番目の方法は、該化合物を予め有機重合体と反応させてしまうもので、必要に応じて、錫系、チタン酸エステル系、酸または塩基性触媒を併用し、必要量の水を添加し、減圧下、加熱脱揮することにより目的が達せられる。
<硬化性組成物>
本発明は、前記ポリオキシアルキレン系重合体(A)及び前記シリコン化合物(B)を含む硬化性組成物を提供することができる。
<シラノール縮合触媒(C)>
本発明の硬化性組成物は、本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)及びシリコン化合物(B)の加水分解性シリル基を加水分解・縮合させる反応、即ち硬化反応を促進する目的で、シラノール縮合触媒を配合することが好ましい。
シラノール縮合触媒としては、従来公知のものを使用することができ、具体的には、有機錫化合物、カルボン酸金属塩、アミン化合物、カルボン酸、アルコキシ金属、無機酸等を使用することができる。
有機錫化合物の具体例としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫フタレート、ジブチル錫ジオクタノエート、ジブチル錫ビス(2-エチルヘキサノエート)、ジブチル錫ビス(メチルマレエート)、ジブチル錫ビス(エチルマレエート)、ジブチル錫ビス(ブチルマレエート)、ジブチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ビス(トリデシルマレエート)、ジブチル錫ビス(ベンジルマレエート)、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ビス(エチルマレエート)、ジオクチル錫ビス(オクチルマレエート)、ジブチル錫ジメトキサイド、ジブチル錫ビス(ノニルフェノキサイド)、ジブテニル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジオクチル錫ビス(アセチルアセトナート)、ジブチル錫ビス(エチルアセトアセトナート)、ジブチル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物、ジオクチル錫オキサイドとシリケート化合物との反応物、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物などが挙げられる。近年の環境への関心の高まりから、ジブチル錫化合物よりジオクチル錫化合物を使用する方が好ましい。
カルボン酸金属塩の具体例としては、カルボン酸錫、カルボン酸鉛、カルボン酸ビスマス、カルボン酸カリウム、カルボン酸カルシウム、カルボン酸バリウム、カルボン酸チタン、カルボン酸ジルコニウム、カルボン酸ハフニウム、カルボン酸バナジウム、カルボン酸マンガン、カルボン酸鉄、カルボン酸コバルト、カルボン酸ニッケル、カルボン酸セリウムなどが挙げられる。カルボン酸基としては下記のカルボン酸と各種金属を組み合わせることができる。金属種としては二価の錫、ビスマス、二価の鉄、三価の鉄、ジルコニウム、チタンが活性が高く好ましく、二価の錫が最も好ましい。
アミン化合物の具体例としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、2-エチルヘキシルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ペンタデシルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミンなどの脂肪族第一級アミン類;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジアミルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジ(2-エチルヘキシル)アミン、ジデシルアミン、ジラウリルアミン、ジセチルアミン、ジステアリルアミン、メチルステアリルアミン、エチルステアリルアミン、ブチルステアリルアミンなどの脂肪族第二級アミン類;トリアミルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミンなどの脂肪族第三級アミン類;トリアリルアミン、オレイルアミンなどの脂肪族不飽和アミン類;アニリン、ラウリルアニリン、ステアリルアニリン、トリフェニルアミンなどの芳香族アミン類;ピリジン、2-アミノピリジン、2-(ジメチルアミノ)ピリジン、4-(ジメチルアミノピリジン)、2-ヒドロキシピリジン、イミダゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、モルホリン、N-メチルモルホリン、ピペリジン、2-ピペリジンメタノール、2-(2-ピペリジノ)エタノール、ピペリドン、1,2-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジン、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7(DBU)、6-(ジブチルアミノ)-1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン-7(DBA-DBU)、6-(2-ヒドロキシプロピル)-1,8-ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ-7-エン(OH-DBU)、OH-DBUの水酸基をウレタン化などで変性した化合物、1,5-ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン-5(DBN)、1,4-ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)、アジリジンなどの含窒素複素環式化合物;DBUのフェノール塩(具体的には、商品名:U-CAT SA1(サンアプロ製))、DBUのオクチル酸塩(具体的には、商品名:U-CAT SA102(サンアプロ製))、DBUのp-トルエンスルホン酸塩(具体的には、商品名:U-CAT SA506(サンアプロ製))、DBNのオクチル酸塩(具体的には、商品名:U-CAT 1102(サンアプロ製))などの含窒素複素環式化合物から誘導される塩、および、その他のアミン類として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、3-ヒドロキシプロピルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N-メチル-1,3-プロパンジアミン、N,N’-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、2-(2-アミノエチルアミノ)エタノール、ベンジルアミン、3-メトキシプロピルアミン、3-ラウリルオキシプロピルアミン、3-ジメチルアミノプロピルアミン、3-ジエチルアミノプロピルアミン、3-ジブチルアミノプロピルアミン、3-モルホリノプロピルアミン、2-(1-ピペラジニル)エチルアミン、キシリレンジアミン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどのアミン類;グアニジン、フェニルグアニジン、ジフェニルグアニジンなどのグアニジン類;ブチルビグアニド、1-o-トリルビグアニドや1-フェニルビグアニドなどのビグアニド類、などがあげられる。
これらのなかでも、1,2-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジン、DBU、DBA-DBU、DBNなどのアミジン類;グアニジン、フェニルグアニジン、ジフェニルグアニジンなどのグアニジン類;ブチルビグアニド、1-o-トリルビグアニドや1-フェニルビグアニドなどのビグアニド類は高い活性を示すことから好ましく、1-o-トリルビグアニドや1-フェニルビグアニドなどのアリール基置換ビグアニド類は、高い接着性が期待できることから好ましい。
また、アミン化合物は塩基性を示すが、共役酸のpKa値が11以上の値を示すアミン系化合物は触媒活性も高く好ましく、1,2-ジメチル-1,4,5,6-テトラヒドロピリミジン、DBU、DBNなどは共役酸のpKa値が12以上であり、高い触媒活性を示すため特に好ましい。
本発明ではシラノール縮合触媒(C)に使用されるアミン化合物として、アミノ基含有シランカップリング剤(アミノシランと記載する場合もある)、加水分解によって前記アミン系化合物を生成するようなケチミン化合物も使用できる。
カルボン酸の具体例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、2-エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、ネオデカン酸、バーサチック酸などが挙げられる。
アルコキシ金属の具体例としては、テトラブチルチタネートチタンテトラキス(アセチルアセトナート)、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトセテート)などのチタン化合物や、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテートなどのアルミニウム化合物類、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)などのジルコニウム化合物類が挙げられる。
その他のシラノール縮合触媒として、フッ素アニオン含有化合物、光酸発生剤や光塩基発生剤も使用できる。
シラノール縮合触媒は、異なる2種類以上の触媒を併用してもよく、例えば、前記のアミン化合物とカルボン酸を併用することで、反応性が向上する効果が得られる可能性がある。
シラノール縮合触媒の配合量としては、本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して、0.001~20重量部が好ましく、更には0.001~15重量部がより好ましく、0.001~10重量部が特に好ましい。シラノール縮合触媒の配合量を0.001重量部以上とすることで反応速度を十分に確保することができる。また、20重量部以下とすることで組成物の使用時間を十分に確保でき、作業性や貯蔵安定性を良好にすることができる。さらに、シラノール縮合触媒の中には、硬化性組成物が硬化した後で、硬化物の表面に染み出したり、硬化物表面を汚染する場合がある。このような場合には、シラノール縮合触媒の使用量を0.001~3.0重量部とすることで、硬化性を確保しながら、硬化物の表面状態を良好に保てる。
<その他の添加剤>
本発明の硬化性組成物には、その他の添加剤として、接着性付与剤、可塑剤、溶剤、希釈剤、シリケート、充填剤、タレ防止剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、物性調整剤、粘着付与樹脂、エポキシ基を含有する化合物、光硬化性物質、酸素硬化性物質、表面性改良剤、エポキシ樹脂、その他の樹脂、難燃剤、発泡剤を添加しても良い。また、本発明の硬化性組成物には、硬化性組成物又は硬化物の諸物性の調整を目的として、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。このような添加物の例としては、たとえば、硬化性調整剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、防かび剤等が挙げられる。
<充填剤>
本発明の組成物には、種々の充填剤を配合することができる。充填剤としては、重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、クレー、タルク、酸化チタン、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、カーボンブラック、酸化第二鉄、アルミニウム微粉末、酸化亜鉛、活性亜鉛華、PVC粉末、PMMA粉末、ガラス繊維およびフィラメント等が挙げられる。上記充填剤は1種類のみで使用しても良いし、2種類以上混合使用しても良い。
充填剤の使用量は、本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して、1~300重量部が好ましく、特に10~250重量部が好ましい。
組成物の軽量化(低比重化)の目的で、有機バルーン、無機バルーンを添加してもよい。バルーンは、球状体充填剤で内部が中空のものであり、このバルーンの材料としては、ガラス、シラス、シリカなどの無機系の材料、および、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリスチレン、サランなどの有機系の材料が挙げられる。上記バルーンは1種類のみで使用しても良いし、2種類以上混合使用しても良い。
バルーンの具体例は特開平2-129262号、特開平4-8788号、特開平4-173867号、特開平5-1225号、特開平7-113073号、特開平9-53063号、特開平10-251618号、特開2000-154368号、特開2001-164237号、WO97/05201号などの各公報に記載されている。
また、特開2004-51701号公報または特開2004-66749号公報などに記載の熱膨張性微粒中空体を使用することができる。熱膨張性微粒中空体とは、炭素原子数1から5の炭化水素などの低沸点化合物を高分子外殻材(塩化ビニリデン系共重合体、アクリロニトリル系共重合体、または塩化ビニリンデン-アクリロニトリル共重合体)で球状に包み込んだプラスチック球体である。本組成物を用いた接着部分を加熱することによって、熱膨張性微粒中空体の殻内のガス圧が増し、高分子外殻材が軟化することで体積が劇的に膨張し、接着界面を剥離させる役割を果たす。熱膨張性微粒中空体の添加により、不要時には加熱するだけで簡単に材料の破壊を伴わずに剥離でき、且つ有機溶剤を一切用いないで加熱剥離可能な接着性組成物が得られる。
バルーンの使用量は、本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して、0.1~100重量部が好ましく、特に1~20重量部が好ましい。
本発明の組成物には、接着性付与剤を添加することができる。接着性付与剤としては、シランカップリング剤、シランカップリング剤の反応物を添加することができる。
シランカップリング剤の具体例としては、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-β-アミノエチル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β-アミノエチル-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、(2-アミノエチル)アミノメチルトリメトキシシランなどのアミノ基含有シラン類;γ-イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ-イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、α-イソシアネートメチルトリメトキシシラン、α-イソシアネートメチルジメトキシメチルシラン等のイソシアネート基含有シラン類;γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類、が挙げられる。また、各種シランカップリング剤の反応物も使用できる。上記接着性付与剤は1種類のみで使用しても良いし、2種類以上混合使用しても良い。
また、各種シランカップリング剤の反応物も使用できる。反応物としては、イソシアネートシランと水酸基含有化合物、イソシアネートシランとアミノ基含有化合物との反応物;アミノシランとアクリル基含有化合物、メタクリル基含有化合物との反応物(マイケル付加反応物);アミノシランとエポキシ基含有化合物との反応物、エポキシシランとカルボン酸基含有化合物、アミノ基含有化合物との反応物などが挙げられる。イソシアネートシランとアミノシラン、アミノシランと(メタ)アクリル基含有シラン、アミノシランとエポキシシラン、アミノシランと酸無水物含有シランなどシランカップリング剤同士の反応物も使用できる。
シランカップリング剤以外の接着性付与剤の具体例としては、特に限定されないが、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、硫黄、アルキルチタネート類、芳香族ポリイソシアネート等が挙げられる。上記接着性付与剤は1種類のみで使用しても良いし、2種類以上混合使用しても良い。これら接着性付与剤は添加することにより被着体に対する接着性を改善することができる。
接着性付与剤の使用量は、本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して、0.1~20重量部が好ましく、特に0.5~10重量部が好ましい。
<可塑剤>
本発明の組成物には、可塑剤を添加することができる。可塑剤の具体例としては、ジブチルフタレート、ジイソノニルフタレート(DINP)、ジヘプチルフタレート、ジ(2-エチルヘキシル)フタレート、ジイソデシルフタレート(DIDP)、ブチルベンジルフタレートなどのフタル酸エステル化合物;ビス(2-エチルヘキシル)-1,4-ベンゼンジカルボキシレートなどのテレフタル酸エステル化合物;1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステルなどの非フタル酸エステル化合物;アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、コハク酸ジイソデシル、アセチルクエン酸トリブチルなどの脂肪族多価カルボン酸エステル化合物;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチルなどの不飽和脂肪酸エステル化合物;アルキルスルホン酸フェニルエステル;リン酸エステル化合物;トリメリット酸エステル化合物;塩素化パラフィン;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニルなどの炭化水素系油;プロセスオイル;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジルなどのエポキシ可塑剤、などをあげることができる。
また、高分子可塑剤を使用することができる。高分子可塑剤の具体例としては、ビニル系重合体;ポリエステル系可塑剤;数平均分子量500以上のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテルポリオール、これらポリエーテルポリオールのヒドロキシ基をエステル基、エーテル基などに変換した誘導体等のポリエーテル類;ポリスチレン類;ポリブタジエン、ポリブテン、ポリイソブチレン、ブタジエン-アクリロニトリル、ポリクロロプレン等があげられる。
さらに、反応性可塑剤を使用することができる。反応性可塑剤の具体例としては、加水分解性シリル基を1分子当たり平均して0.5個以上1.2個未満有する、ポリオキシアルキレン系重合体、飽和炭化水素重合体、(メタ)アクリル酸エステル系重合体、ポリオルガノシロキサン系重合体等があげられる。これらの中では、本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)との相溶性の観点から、反応性可塑剤の主鎖骨格としては、ポリオキシアルキレン系重合体が好ましい。反応性可塑剤を使用すると低分子可塑剤を使用した場合に比較して、組成物の粘度を低減しながら、可塑剤のブリードアウトを抑制することができる。
反応性可塑剤中の加水分解性シリル基は、分子鎖末端、側鎖、その両方のいずれにあってもよい。特に、加水分解性シリル基が分子鎖末端にあるときは、架橋点間分子量が長くなり、機械的物性が良好なゴム状硬化物が得られ易くなることからより好ましい。加水分解性シリル基の個数は、1分子当たり平均して0.5以上1.2未満であるが、硬化時の機械的物性の観点から下限は0.6以上であることが好ましく、また硬化物のモジュラスを効率的に下げるため上限は1.0未満であることが好ましい。また、反応性可塑剤は、加水分解性シリル基に加えて、末端オレフィン基及び/又は内部オレフィン基を有するものであってもよく、末端オレフィン基及び/又は内部オレフィン基を有しないものであってよいが、加水分解性シリル基、末端オレフィン基及び内部オレフィン基の合計数は、末端構造1個あたり平均して1.0以下であってよい。
反応性可塑剤である重合体は、GPCによるポリスチレン換算での数平均分子量が3,000以上15,000未満であることが好ましい。数平均分子量が3,000以上であれば、十分な機械的物性を得ることが出来る。また、数平均分子量が15,000以下であれば、粘度が低く、十分な希釈効果を得ることが出来る。
反応性可塑剤の分子量分布は特に限定されないが、2.0未満が好ましく、1.6以下がより好ましく、1.4以下が特に好ましい。
反応性可塑剤の主鎖構造は、直鎖状または分岐状構造、または1つの末端に加水分解性シリル基を複数個有する構造であってもよい。その中でも、1つの末端のみに加水分解性シリル基が導入された、直鎖状の重合体がより好ましい。また、主鎖構造は単一のものでなくともよく、それぞれの重合体は別々に製造したものを混合してもよいし、任意の重合体が得られるように同時に製造してもよい。
反応性可塑剤に含まれる加水分解性シリル基は任意に選択できるが、本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)と同じ加水分解性シリル基を有する場合、硬度や皮張り時間といった硬化物物性の調整がしやすく、特に好ましい。特に、メチルジメトキシシリル基であることが好ましい。
可塑剤の使用量は、本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して、5~150重量部が好ましく、10~120重量部がより好ましく、特に20~100重量部が好ましい。5重量部未満では可塑剤としての効果が発現しなくなり、150重量部を超えると硬化物の機械強度が不足する。可塑剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<溶剤、希釈剤>
本発明の組成物には溶剤または希釈剤を添加することができる。溶剤及び希釈剤としては、特に限定されないが、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂環族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、アルコール、エステル、ケトン、エーテルなどを使用することができる。溶剤または希釈剤を使用する場合、組成物を屋内で使用した時の空気への汚染の問題から、溶剤の沸点は、150℃以上が好ましく、200℃以上がより好ましく、250℃以上が特に好ましい。上記溶剤または希釈剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
<タレ防止剤>
本発明の組成物には、必要に応じてタレを防止し、作業性を良くするためにタレ防止剤を添加しても良い。また、タレ防止剤としては特に限定されないが、例えば、ポリアミドワックス類;水添ヒマシ油誘導体類;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム等の金属石鹸類等が挙げられる。これらタレ防止剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
タレ防止剤の使用量は、本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して、0.1~20重量部が好ましい。
<酸化防止剤>
本発明の組成物には、酸化防止剤(老化防止剤)を使用することができる。酸化防止剤を使用すると硬化物の耐候性を高めることができる。酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系、モノフェノール系、ビスフェノール系、ポリフェノール系が例示できる。酸化防止剤の具体例は特開平4-283259号公報や特開平9-194731号公報にも記載されている。
酸化防止剤の使用量は本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して、0.1~10重量部が好ましく、特に0.2~5重量部が好ましい。
<光安定剤>
本発明の組成物には、光安定剤を使用することができる。光安定剤を使用すると硬化物の光酸化劣化を防止できる。光安定剤としてベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、ベンゾエート系化合物等が例示できるが、特にヒンダードアミン系が好ましい。
光安定剤の使用量は、本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して、0.1~10重量部が好ましく、特に0.2~5重量部が好ましい。
<紫外線吸収剤>
本発明の組成物には、紫外線吸収剤を使用することができる。紫外線吸収剤を使用すると硬化物の表面耐候性を高めることができる。紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチレート系、置換トリル系及び金属キレート系化合物等が例示できるが、特にベンゾトリアゾール系が好ましく、市販名チヌビンP、チヌビン213、チヌビン234、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン328、チヌビン329、チヌビン571(以上、BASF製)が挙げられる。
紫外線吸収剤の使用量は、本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して、0.1~10重量部が好ましく、特に0.2~5重量部が好ましい。
<シリケート>
本発明の組成物には、シリケートを添加することができる。このシリケートは、架橋剤として作用し、本発明の硬化性組成物から得られる硬化物の復元性、耐久性、および、耐クリープ性を改善する機能を有する。また更に、接着性および耐水接着性、高温高湿条件での接着耐久性を改善する効果も有する。シリケートとしてはテトラアルコキシシランおよびアルキルアルコキシシランまたはそれらの部分加水分解縮合物が使用できる。
シリケートの具体例としては、たとえばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、エトキシトリメトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、メトキシトリエトキシシラン、テトラ-n-プロポキシシラン、テトラ-i-プロポキシシラン、テトラ-n-ブトキシシラン、テトラ-i-ブトキシシラン、テトラ-t-ブトキシシランなどのテトラアルコキシシラン(テトラアルキルシリケート)、および、それらの部分加水分解縮合物があげられる。
テトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物は、本発明の復元性、耐久性、および、耐クリープ性の改善効果がテトラアルコキシシランよりも大きい為により好ましい。
前記テトラアルコキシシランの部分加水分解縮合物としては、たとえば通常の方法でテトラアルコキシシランに水を添加し、部分加水分解させて縮合させたものがあげられる。また、オルガノシリケート化合物の部分加水分解縮合物は、市販のものを用いることができる。このような縮合物としては、例えば、メチルシリケート51、エチルシリケート40(いずれもコルコート(株)製)等が挙げられる。
シリケートを使用する場合、その使用量は反応性ケイ素基含有重合体(A)100重量部に対して0.1~20重量部、好ましくは0.5~10重量部である。
<粘着付与樹脂>
本発明には、基材への接着性や密着性を高める目的、あるいはその他必要に応じて粘着付与樹脂を添加できる。粘着付与樹脂としては、特に制限はなく通常使用されているものを使うことが出来る。
具体例としては、テルペン系樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水素添加テルペン樹脂、テルペン-フェノール樹脂、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、キシレン-フェノール樹脂、シクロペンタジエン-フェノール樹脂、クマロンインデン樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル樹脂、水添ロジンエステル樹脂、キシレン樹脂、低分子量ポリスチレン系樹脂、スチレン共重合体樹脂、スチレン系ブロック共重合体及びその水素添加物、石油樹脂(例えば、C5炭化水素樹脂、C9炭化水素樹脂、C5C9炭化水素共重合樹脂等)、水添石油樹脂、DCPD樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
粘着付与樹脂の使用量は、本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して2~100重量部が好ましく、5~50重量部であることがより好ましく、5~30重量部であることがさらに好ましい。2重量部より少ないと基材への接着、密着効果が得られにくく、また100重量部を超えると組成物の粘度が高くなりすぎ取扱いが困難となる場合がある。
<エポキシ基を含有する化合物>
本発明の組成物においてはエポキシ基を含有する化合物を使用できる。エポキシ基を有する化合物を使用すると硬化物の復元性を高めることができる。エポキシ基を有する化合物としてはエポキシ化不飽和油脂類、エポキシ化不飽和脂肪酸エステル類、脂環族エポキシ化合物類、エピクロルヒドリン誘導体に示す化合物及びそれらの混合物等が例示できる。具体的には、エポキシ化大豆油、エポキシ化あまに油、ビス(2-エチルヘキシル)-4,5-エポキシシクロヘキサン-1,2-ジカーボキシレート(E-PS)、エポキシオクチルステアレ-ト、エポキシブチルステアレ-ト等があげられる。エポキシ化合物は、本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して0.5~50重量部の範囲で使用するのがよい。
<光硬化性物質>
本発明の組成物には光硬化性物質を使用できる。光硬化性物質を使用すると硬化物表面に光硬化性物質の皮膜が形成され、硬化物のべたつきや硬化物の耐候性を改善できる。この種の化合物には有機単量体、オリゴマー、樹脂或いはそれらを含む組成物等多くのものが知られており、代表的なものとしては、アクリル系又はメタクリル系不飽和基を1ないし数個有するモノマー、オリゴマー或いはそれ等の混合物である不飽和アクリル系化合物、ポリケイ皮酸ビニル類あるいはアジド化樹脂等が使用できる。
不飽和アクリル系化合物としては、アクリル系又はメタクリル系不飽和基を1ないし数個有するモノマー、オリゴマー或いはそれ等の混合物であって、プロピレン(又はブチレン、エチレン)グリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)ジメタクリレート等の単量体又は分子量10,000以下のオリゴエステルが例示される。具体的には、例えば特殊アクリレート(2官能)のアロニックスM-210、アロニックスM-215、アロニックスM-220、アロニックスM-233、アロニックスM-240、アロニックスM-245;(3官能)のアロニックスM305、アロニックスM-309、アロニックスM-310、アロニックスM-315、アロニックスM-320、アロニックスM-325、及び(多官能)のアロニックスM-400などが例示できるが、特にアクリル官能基を含有する化合物が好ましく、また1分子中に平均して3個以上の同官能基を含有する化合物が好ましい(以上アロニックスはいずれも東亜合成化学工業株式会社の製品である。)。
ポリケイ皮酸ビニル類としては、シンナモイル基を感光基とする感光性樹脂でありポリビニルアルコールをケイ皮酸でエステル化したものの他、多くのポリケイ皮酸ビニル誘導体が例示される。アジド化樹脂は、アジド基を感光基とする感光性樹脂として知られており、通常はジアジド化合物を感光剤として加えたゴム感光液の他、「感光性樹脂」(昭和47年3月17日出版、印刷学会出版部発行、第93頁~、第106頁~、第117頁~)に詳細な例示があり、これらを単独又は混合し、必要に応じて増感剤を加えて使用することができる。なお、ケトン類、ニトロ化合物などの増感剤やアミン類などの促進剤を添加すると、効果が高められる場合がある。
光硬化性物質は、本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して0.1~20重量部の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは0.5~10重量部の範囲である。0.1重量部以下では耐候性を高める効果はなく、20重量部以上では硬化物が硬くなりすぎて、ヒビ割れを生じる傾向がある。
<酸素硬化性物質>
本発明の組成物には酸素硬化性物質を使用することができる。酸素硬化性物質には空気中の酸素と反応し得る不飽和化合物を例示でき、空気中の酸素と反応して硬化物の表面付近に硬化皮膜を形成し表面のべたつきや硬化物表面へのゴミやホコリの付着を防止するなどの作用をする。酸素硬化性物質の具体例には、キリ油、アマニ油などで代表される乾性油や、該化合物を変性して得られる各種アルキッド樹脂;乾性油により変性されたアクリル系重合体、エポキシ系樹脂、シリコン樹脂;ブタジエン、クロロプレン、イソプレン、1,3-ペンタジエンなどのジエン系化合物を重合または共重合させて得られる1,2-ポリブタジエン、1,4-ポリブタジエン、C5~C8ジエンの重合体などの液状重合体などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
酸素硬化性物質の使用量は、本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して0.1~20重量部の範囲で使用するのがよく、さらに好ましくは0.5~10重量部である。前記使用量が0.1重量部未満になると汚染性の改善が充分でなくなり、20重量部を超えると硬化物の引張り特性などが損なわれる傾向が生ずる。特開平3-160053号公報に記載されているように酸素硬化性物質は光硬化性物質と併用するのがよい。
<エポキシ樹脂>
本発明の組成物にはエポキシ樹脂を併用することができる。エポキシ樹脂を添加した組成物は特に接着剤、殊に外壁タイル用接着剤として好ましい。エポキシ樹脂としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂類またはノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。
これらのエポキシ樹脂と、本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)の使用割合は、重量比で、ポリオキシアルキレン系重合体(A)/エポキシ樹脂=100/1~1/100の範囲であることが好ましい。ポリオキシアルキレン系重合体(A)/エポキシ樹脂の割合が1/100未満になると、エポキシ樹脂硬化物の衝撃強度や強靱性の改良効果が得られがたくなり、ポリオキシアルキレン系重合体(A)/エポキシ樹脂の割合が100/1を超えると、重合体硬化物の強度が不十分となる。
エポキシ樹脂を添加する場合、本発明の組成物には、エポキシ樹脂を硬化させる硬化剤を併用できる。使用し得るエポキシ樹脂硬化剤としては、特に制限はなく、一般に使用されているエポキシ樹脂硬化剤を使用できる。
エポキシ樹脂の硬化剤を使用する場合、その使用量はエポキシ樹脂100重量部に対し、0.1~300重量部の範囲であることが好ましい。
<表面性改良剤>
本発明の組成物には、表面性改良剤を添加することができる。表面性改良材としては、ラウリルアミンなどの長鎖アルキルアミン、リン酸2,2‘-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)ナトリウム、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイトなどのリン化合物、オキサゾリジン化合物などがあげられる。
表面性改良剤の使用量は、反応性ケイ素基含有重合体(A)100重量部に対して0.3~10重量部の範囲で使用するのが好ましい。
<難燃剤>
本発明の組成物には、ポリリン酸アンモニウム、トリクレジルホスフェートなどのリン系可塑剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、および、熱膨張性黒鉛などの難燃剤を添加することができる。上記難燃剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
難燃剤は反応性ケイ素基含有重合体(A)100重量部に対して、5~200質量部、好ましくは10~100質量部の範囲で使用される。
<発泡剤>
本発明の組成物は、発泡剤を使用して、発泡材料として使用することができる。例えばエアゾール用の噴射剤として、ブタン、プロパン、エタン、メタンやジメチルエーテルなどの液化ガスを使用できる。また空気や酸素、窒素、二酸化炭素などの圧縮ガスを使用してもよい。沸点範囲が10~100℃の炭化水素系溶剤としてペンタン、ヘキサン、へプタンを含有する噴射剤を使用することもできる。また、整泡剤としてシロキサン・オキシアルキレン・コポリマーを使用できる。発泡剤の使用量は、反応性ケイ素基含有重合体(A)100gに対して、5~100ml、好ましくは5~50ml、更に好ましくは5~20mlの範囲で使用できる。
<硬化性組成物の調製>
本発明の硬化性組成物は、すべての配合成分を予め配合密封保存し、施工後空気中の湿気により硬化する1成分型として調製することも可能であり、硬化剤として別途、シラノール縮合触媒、充填材、可塑剤、水等の成分を配合しておき、該配合材と有機重合体組成物を使用前に混合する多成分型(多液混合型ともいう。例えば、2成分型)として調製することもできる。
前記硬化性組成物が1成分型の場合、すべての配合成分が予め配合されるため、水分を含有する配合成分は予め脱水乾燥してから使用するか、また配合混練中に減圧などにより脱水するのが好ましい。また、脱水乾燥法に加えてn-プロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのアルコキシシラン化合物を添加することにより、さらに貯蔵安定性は向上する。
前記硬化性組成物が多成分型の場合、硬化剤等を含む配合材と有機重合体組成物は別で保管されるため、系中に水分が含まれていてもよく、脱水乾燥や減圧脱水などの工程を特別必要としない点で好ましい。また、前記硬化性組成物が多成分型の場合、系中に含まれる水分により混合後の深部硬化性に優れる点で好ましい。
脱水剤、特にビニルトリメトキシシランなどの水と反応し得るケイ素化合物の使用量は、本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して、0.1~20重量部の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは0.5~10重量部の範囲である。
本発明の組成物の調製法には特に限定はなく、例えば上記した成分を配合し、ミキサーやロールやニーダーなどを用いて常温または加熱下で混練したり、適した溶剤を少量使用して成分を溶解させ、混合したりするなどの通常の方法が採用されうる。
本発明の反応性ケイ素基含有重合体(A)を含有する組成物は、水分によって反応が進行する湿気反応型組成物であるが、熱硬化型樹脂や光硬化型樹脂、放射線硬化性樹脂と併用して用いる、いわゆるデュアル硬化型組成物として使用することもできる。具体的には、エン-チオール付加反応、(メタ)アクリル基のラジカル重合反応、エポキシ基の開環重合反応、ヒドロシリル化による付加反応、ウレタン化反応等を利用した硬化性樹脂を併用することができる。
<用途>
本発明の硬化性組成物は、粘着剤、建造物・船舶・自動車・道路などのシーリング材、接着剤、防水材、塗膜防水材、型取剤、防振材、制振材、防音材、発泡材料、塗料、吹付材として使用することができる。本発明の硬化性組成物を硬化して得られる硬化物は、柔軟性および接着性に優れることから、シーリング材または接着剤として好適に使用することができる。
また本発明の硬化性組成物は、太陽電池裏面封止材などの電気・電子部品材料、電線・ケーブル用絶縁被覆材などの電気・電子部品、装置の電気絶縁材料、音響学的絶縁材料、弾性接着剤、バインダー、コンタクト型接着剤、スプレー型シール材、クラック補修材、タイル張り用接着剤、アスファルト防水材用接着剤、粉体塗料、注型材料、医療用ゴム材料、医療用粘着剤、医療用粘着シート、医療機器シール材、歯科印象材料、食品包装材、サイジングボードなどの外装材の目地用シーリング材、コーティング材、防滑被覆材、緩衝材、プライマー、電磁波遮蔽用導電性材料、熱伝導性材料、ホットメルト材料、電気電子用ポッティング剤、フィルム、ガスケット、コンクリート補強材、仮止め用接着剤、各種成形材料、および、網入りガラスや合わせガラス端面(切断部)の防錆・防水用封止材、自動車部品、トラック、バスなど大型車両部品、列車車両用部品、航空機部品、船舶用部品、電機部品、各種機械部品などにおいて使用される液状シール剤などの様々な用途に利用可能である。自動車を例にすると、プラスチックカバー、トリム、フランジ、バンパー、ウインドウ取付、内装部材、外装部品などの接着取付など多種多様に使用可能である。更に、単独あるいはプライマーの助けをかりてガラス、磁器、木材、金属、樹脂成形物などの如き広範囲の基質に密着しうるので、種々のタイプの密封組成物および接着組成物としても使用可能である。また、本発明の硬化性組成物は、内装パネル用接着剤、外装パネル用接着剤、タイル張り用接着剤、石材張り用接着剤、天井仕上げ用接着剤、床仕上げ用接着剤、壁仕上げ用接着剤、車両パネル用接着剤、電気・電子・精密機器組立用接着剤、皮革、繊維製品、布地、紙、板およびゴムを結合するための接着剤、反応性後架橋感圧性接着剤、ダイレクトグレージング用シーリング材、複層ガラス用シーリング材、SSG工法用シーリング材、または、建築物のワーキングジョイント用シーリング材、土木用、橋梁用材料としても使用可能である。さらに、粘着テープや粘着シートなどの粘着材料としても使用可能である。
以下に実施例を掲げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例中の数平均分子量は以下の条件で測定したGPC分子量である。
送液システム:東ソー製HLC-8120GPC
カラム:東ソー製TSK-GEL Hタイプ
溶媒:THF
分子量:ポリスチレン換算
測定温度:40℃
実施例中の末端基換算分子量は、水酸基価をJIS K 1557の測定方法により、ヨウ素価をJIS K 0070の測定方法により求め、有機重合体の構造(使用した重合開始剤によって定まる分岐度)を考慮して求めた分子量である。
実施例に示す重合体(Q)の末端1個あたりへの炭素-炭素不飽和結合の平均導入数は以下の計算式により算出した。
(平均導入数)=[ヨウ素価から求めた重合体(Q)の不飽和基濃度(mol/g)-ヨウ素価から求めた前駆重合体(P)の不飽和基濃度(mol/g)]/[水酸基価から求めた前駆重合体(P)の水酸基濃度(mol/g)]
本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)の、末端構造1個あたりの加水分解シリル基の数は、前述のNMRにより算出される「末端構造1個あたりの加水分解性シリル基、末端オレフィン基及び内部オレフィン基の合計数」と、前述した「加水分解性シリル基、末端オレフィン基及び内部オレフィン基の合計に対して加水分解性シリル基が占める割合」を掛け合わせることで算出することができる。
(合成例1)数平均分子量が約2,000のポリオキシプロピレングリコールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキサイドの重合を行い、両末端に水酸基を有する数平均分子量14,500(末端基換算分子量9,100)、分子量分布Mw/Mn=1.17のポリオキシプロピレン(P-1)を得た。続いてこの重合体(P-1)の水酸基に対して1.0モル当量のナトリウムメトキシドを28%メタノール溶液として添加した。真空脱揮によりメタノールを留去した後、重合体(P-1)の水酸基に対して、0.3モル当量のアリルグリシジルエーテルを添加して130℃で2時間反応を行った。その後、0.28モル当量のナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加してメタノールを除去し、さらに1.79モル当量の塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。得られた未精製のアリル基末端ポリオキシプロピレン100重量部に対し、n-ヘキサン300重量部と、水300重量部を混合攪拌した後、遠心分離により水を除去した後、得られたヘキサン溶液に更に水300重量部を混合攪拌し、再度遠心分離により水を除去した後、ヘキサンを減圧脱揮により除去した。以上により、炭素-炭素不飽和結合を1つの末端に平均して1.31個有するポリオキシプロピレン(Q-1)を得た。得られた重合体(Q-1)500gに対し白金ジビニルジシロキサン錯体溶液50μlを加え、撹拌しながらジメトキシメチルシラン10.7gを5分かけて滴下し、混合溶液を得た。その混合溶液を90℃で2時間反応させた後、未反応のジメトキシメチルシランを減圧下留去する事により、ジメトキシメチルシリル基を1つの末端に平均して0.99個有する数平均分子量約15,000のポリオキシプロピレン(ポリマーA)を得た。
(合成例2)数平均分子量が約2,000のポリオキシプロピレングリコールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキサイドの重合を行い、両末端に水酸基を有する数平均分子量27,900(末端基換算分子量17700)、分子量分布Mw/Mn=1.21のポリオキシプロピレン(P-2)を得た。続いて重合体(P-2)の水酸基に対して1.0モル当量のナトリウムメトキシドを28%メタノール溶液として添加した。真空脱揮によりメタノールを留去した後、重合体(P-2)の水酸基に対して、0.3モル当量のアリルグリシジルエーテルを添加して130℃で2時間反応を行った。その後、0.28モル当量のナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加してメタノールを除去し、さらに1.79モル当量の塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。得られた未精製のアリル基末端ポリオキシプロピレン100重量部に対し、n-ヘキサン300重量部と、水300重量部を混合攪拌した後、遠心分離により水を除去した後、得られたヘキサン溶液に更に水300重量部を混合攪拌し、再度遠心分離により水を除去した後、ヘキサンを減圧脱揮により除去した。以上により、炭素-炭素不飽和結合を1つの末端に平均して1.25個有するポリオキシプロピレン(Q-2)を得た。得られた重合体(Q-2)500gに対し白金ジビニルジシロキサン錯体溶液50μlを加え、撹拌しながらジメトキシメチルシラン5.66gを5分かけて滴下し、混合溶液を得た。その混合溶液を90℃で2時間反応させた後、未反応のジメトキシメチルシランを減圧下留去する事により、ジメトキシメチルシリル基を1つの末端に平均して0.99個有する数平均分子量約28,400のポリオキシプロピレン(ポリマーB)を得た。
(合成例3)合成例1で得られた重合体(P-1)の水酸基に対して1.0モル当量のナトリウムメトキシドを28%メタノール溶液として添加した。真空脱揮によりメタノールを留去した後、重合体(P-1)の水酸基に対して、0.2モル当量のアリルグリシジルエーテルを添加して130℃で2時間反応を行った。その後、0.28モル当量のナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加してメタノールを除去し、さらに1.79モル当量の塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。得られた未精製のアリル基末端ポリオキシプロピレン100重量部に対し、n-ヘキサン300重量部と、水300重量部を混合攪拌した後、遠心分離により水を除去した後、得られたヘキサン溶液に更に水300重量部を混合攪拌し、再度遠心分離により水を除去した後、ヘキサンを減圧脱揮により除去した。以上により、炭素-炭素不飽和結合を1つの末端に平均して1.26個有するポリオキシプロピレン(Q-3)を得た。得られた重合体(Q-3)500gに対し白金ジビニルジシロキサン錯体溶液50μlを加え、撹拌しながらジメトキシメチルシラン10.28gを5分かけて滴下し、混合溶液を得た。その混合溶液を90℃で2時間反応させた後、未反応のジメトキシメチルシランを減圧下留去する事により、ジメトキシメチルシリル基を1つの末端に平均して0.95個有する数平均分子量約15,000のポリオキシプロピレン(ポリマーC)を得た。
(合成例4)合成例2で得られた重合体(P-2)の水酸基に対して1.0モル当量のナトリウムメトキシドを28%メタノール溶液として添加した。真空脱揮によりメタノールを留去した後、重合体(P-2)の水酸基に対して、0.2モル当量のアリルグリシジルエーテルを添加して130℃で2時間反応を行った。その後、0.28モル当量のナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加してメタノールを除去し、さらに1.79モル当量の塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。得られた未精製のアリル基末端ポリオキシプロピレン100重量部に対し、n-ヘキサン300重量部と、水300重量部を混合攪拌した後、遠心分離により水を除去した後、得られたヘキサン溶液に更に水300重量部を混合攪拌し、再度遠心分離により水を除去した後、ヘキサンを減圧脱揮により除去した。以上により、炭素-炭素不飽和結合を1つの末端に平均して1.20個有するポリオキシプロピレン(Q-4)を得た。得られた重合体(Q-4)500gに対し白金ジビニルジシロキサン錯体溶液50μlを加え、撹拌しながらジメトキシメチルシラン5.47gを5分かけて滴下し、混合溶液を得た。その混合溶液を90℃で2時間反応させた後、未反応のジメトキシメチルシランを減圧下留去する事により、ジメトキシメチルシリル基を1つの末端に平均して0.95個有する数平均分子量約28,400のポリオキシプロピレン(ポリマーD)を得た。
(合成例5)合成例1で得られた重合体(P-1)の水酸基に対して1.0モル当量のナトリウムメトキシドを28%メタノール溶液として添加した。真空脱揮によりメタノールを留去した後、重合体(P-1)の水酸基に対して、1.0モル当量のアリルグリシジルエーテルを添加して130℃で2時間反応を行った。その後、0.28モル当量のナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加してメタノールを除去し、さらに1.79モル当量の塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。得られた未精製のアリル基末端ポリオキシプロピレン100重量部に対し、n-ヘキサン300重量部と、水300重量部を混合攪拌した後、遠心分離により水を除去した後、得られたヘキサン溶液に更に水300重量部を混合攪拌し、再度遠心分離により水を除去した後、ヘキサンを減圧脱揮により除去した。以上により、炭素-炭素不飽和結合を1つの末端に平均して2.01個有するポリオキシプロピレン(Q-5)を得た。得られた重合体(Q-5)500gに対し白金ジビニルジシロキサン錯体溶液50μlを加え、撹拌しながらジメトキシメチルシラン16.80gを5分かけて滴下し、混合溶液を得た。その混合溶液を90℃で2時間反応させた後、未反応のジメトキシメチルシランを減圧下留去する事により、ジメトキシメチルシリル基を1つの末端に平均して1.62個有する数平均分子量約15,000のポリオキシプロピレン(ポリマーE)を得た。
(合成例6)合成例2で得られた重合体(P-2)の水酸基に対して1.0モル当量のナトリウムメトキシドを28%メタノール溶液として添加した。真空脱揮によりメタノールを留去した後、重合体(P-2)の水酸基に対して、1.0モル当量のアリルグリシジルエーテルを添加して130℃で2時間反応を行った。その後、0.28モル当量のナトリウムメトキシドのメタノール溶液を添加してメタノールを除去し、さらに1.79モル当量の塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。得られた未精製のアリル基末端ポリオキシプロピレン100重量部に対し、n-ヘキサン300重量部と、水300重量部を混合攪拌した後、遠心分離により水を除去した後、得られたヘキサン溶液に更に水300重量部を混合攪拌し、再度遠心分離により水を除去した後、ヘキサンを減圧脱揮により除去した。以上により、炭素-炭素不飽和結合を1つの末端に平均して1.94個有するポリオキシプロピレン(Q-6)を得た。得られた重合体(Q-6)500gに対し白金ジビニルジシロキサン錯体溶液50μlを加え、撹拌しながらジメトキシメチルシラン8.55gを5分かけて滴下し、混合溶液を得た。その混合溶液を90℃で2時間反応させた後、未反応のジメトキシメチルシランを減圧下留去する事により、ジメトキシメチルシリル基を1つの末端に平均して1.55個有する数平均分子量約28,400のポリオキシプロピレン(ポリマーF)を得た。
(合成例7)合成例2で得られた重合体(P-2)の水酸基に対して1.28モル当量のナトリウムメトキシドを28%メタノール溶液として添加した。真空脱揮によりメタノールを留去した後、重合(P-2)の水酸基に対して、さらに1.79モル当量の塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。得られた未精製のアリル基末端ポリオキシプロピレン100重量部に対し、n-ヘキサン300重量部と、水300重量部を混合攪拌した後、遠心分離により水を除去した後、得られたヘキサン溶液に更に水300重量部を混合攪拌し、再度遠心分離により水を除去した後、ヘキサンを減圧脱揮により除去した。以上により、炭素-炭素不飽和結合を1つの末端に平均して0.98個有するポリオキシプロピレン(Q-7)を得た。得られた重合体(Q-7)500gに対し白金ジビニルジシロキサン錯体溶液50μlを加え、撹拌しながらジメトキシメチルシラン5.85gを5分かけて滴下し、混合溶液を得た。その混合溶液を90℃で2時間反応させた後、未反応のジメトキシメチルシランを減圧下留去する事により、ジメトキシメチルシリル基を1つの末端に平均して0.80個有する数平均分子量約28,400ポリオキシプロピレン(ポリマーG)を得た。
(実施例1)
合成例1で得られた重合体(ポリマーA)100重量部に対して、シリコン化合物(B)としてAZ6170(東レ・ダウコーニング製:トリス((トリメチルシロキシ)メチル)プロパン)1.35重量部を混合し、硬化性組成物(E-1)を得た。得られた硬化性組成物(E-1)を実施例13で使用した。
(実施例2)
合成例1で得られた重合体(ポリマーA)100重量部に対して、シリコン化合物(B)としてAZ6170(東レ・ダウコーニング製:トリス((トリメチルシロキシ)メチル)プロパン)0.90重量部を混合し、硬化性組成物(E-2)を得た。得られた硬化性組成物(E-2)を実施例14で使用した。
(実施例3)
合成例1で得られた重合体(ポリマーA)100重量部に対して、シリコン化合物(B)としてAZ6170(東レ・ダウコーニング製:トリス((トリメチルシロキシ)メチル)プロパン)0.50重量部を混合し、硬化性組成物(E-3)を得た。得られた硬化性組成物(E-3)を実施例15で使用した。
(実施例4)
合成例1で得られた重合体(ポリマーA)100重量部に対して、シリコン化合物(B)としてAZ6170(東レ・ダウコーニング製:トリス((トリメチルシロキシ)メチル)プロパン)0.40重量部を混合し、硬化性組成物(E-4)を得た。得られた硬化性組成物(E-4)を実施例16で使用した。
(実施例5)
合成例2で得られた重合体(ポリマーB)100重量部に対して、シリコン化合物(B)としてAZ6170(東レ・ダウコーニング製:トリス((トリメチルシロキシ)メチル)プロパン)0.90重量部を混合し、硬化性組成物(E-5)を得た。得られた硬化性組成物(E-5)を実施例17で使用した。
(実施例6)
合成例2で得られた重合体(ポリマーB)100重量部に対して、シリコン化合物(B)としてAZ6170(東レ・ダウコーニング製:トリス((トリメチルシロキシ)メチル)プロパン)0.75重量部を混合し、硬化性組成物(E-6)を得た。得られた硬化性組成物(E-6)を実施例18で使用した。
(実施例7)
合成例2で得られた重合体(ポリマーB)100重量部に対して、シリコン化合物(B)としてAZ6170(東レ・ダウコーニング製:トリス((トリメチルシロキシ)メチル)プロパン)0.50重量部を混合し、硬化性組成物(E-7)を得た。得られた硬化性組成物(E-7)を実施例19で使用した。
(実施例8)
合成例2で得られた重合体(ポリマーB)100重量部に対して、シリコン化合物(B)としてAZ6170(東レ・ダウコーニング製:トリス((トリメチルシロキシ)メチル)プロパン)0.40重量部を混合し、硬化性組成物(E-8)を得た。得られた硬化性組成物(E-8)を実施例20で使用した。
(実施例9)
合成例3で得られた重合体(ポリマーC)100重量部に対して、シリコン化合物(B)としてAZ6170(東レ・ダウコーニング製:トリス((トリメチルシロキシ)メチル)プロパン)0.80重量部を混合し、硬化性組成物(E-9)を得た。得られた硬化性組成物(E-9)を実施例21で使用した。
(実施例10)
合成例4で得られた重合体(ポリマーD)100重量部に対して、シリコン化合物(B)としてAZ6170(東レ・ダウコーニング製:トリス((トリメチルシロキシ)メチル)プロパン)0.80重量部を混合し、硬化性組成物(E-10)を得た。得られた硬化性組成物(E-10)を実施例22で使用した。
(実施例11)
合成例1で得られた重合体(ポリマーA)100重量部に対して、シリコン化合物(B)としてAZ6170(東レ・ダウコーニング製:トリス((トリメチルシロキシ)メチル)プロパン)0.90重量部、酸化硬化性物質としてキリ油4重量部、ヒンダードアミン系光安定剤としてアデカスタブLA-63P(ADEKA製)0.5重量部を混合し、硬化性組成物(E-11)を得た。得られた硬化性組成物(E-11)を実施例23で使用した。
(実施例12)
合成例2で得られた重合体(ポリマーB)100重量部に対して、シリコン化合物(B)としてAZ6170(東レ・ダウコーニング製:トリス((トリメチルシロキシ)メチル)プロパン)0.90重量部、酸化硬化性物質としてキリ油4重量部、ヒンダードアミン系光安定剤としてアデカスタブLA-63P(ADEKA製)0.5重量部を混合し、硬化性組成物(E-12)を得た。得られた硬化性組成物(E-12)を実施例24で使用した。
(比較例1)
合成例5で得られた重合体(ポリマーE)100重量部に対して、シリコン化合物(B)としてAZ6170(東レ・ダウコーニング製:トリス((トリメチルシロキシ)メチル)プロパン)0.90重量部を混合し、硬化性組成物(F-1)を得た。得られた硬化性組成物(F-1)を比較例8で使用した。
(比較例2)
合成例6で得られた重合体(ポリマーF)100重量部に対して、シリコン化合物(B)としてAZ6170(東レ・ダウコーニング製:トリス((トリメチルシロキシ)メチル)プロパン)0.90重量部を混合し、硬化性組成物(F-2)を得た。得られた硬化性組成物(F-2)を比較例9で使用した。
(比較例3)
合成例1で得られた重合体(ポリマーA)100重量部に対して、シリコン化合物(B)としてAZ6170(東レ・ダウコーニング製:トリス((トリメチルシロキシ)メチル)プロパン)0.20重量部を混合し、硬化性組成物(F-3)を得た。得られた硬化性組成物(F-3)を比較例10で使用した。
(比較例4)
合成例2で得られた重合体(ポリマーB)100重量部に対して、シリコン化合物(B)としてAZ6170(東レ・ダウコーニング製:トリス((トリメチルシロキシ)メチル)プロパン)0.20重量部を混合し、硬化性組成物(F-4)を得た。得られた硬化性組成物(F-4)を比較例11で使用した。
(比較例5)
合成例1で得られた重合体(ポリマーA)100重量部に対して、シリコン化合物(B)を一切添加せずに、硬化性組成物(F-5)を得た。得られた硬化性組成物(F-5)を比較例12で使用した。
(比較例6)
合成例2で得られた重合体(ポリマーB)100重量部に対して、シリコン化合物(B)を一切添加せずに、硬化性組成物(F-6)を得た。得られた硬化性組成物(F-6)を比較例13で使用した。
(比較例7)
合成例7で得られた重合体(ポリマーG)100重量部に対して、シリコン化合物(B)としてAZ6170(東レ・ダウコーニング製:トリス((トリメチルシロキシ)メチル)プロパン)0.50重量部を混合し、硬化性組成物(F-7)を得た。得られた硬化性組成物(F-7)を比較例14で使用した。
実施例1~12及び比較例1~7の硬化性組成物の配合を表1に示す。
Figure 2022134561000011
(実施例13~24及び比較例8~14)
実施例1~12及び比較例1~7で製造した各硬化性組成物を用いて、以下の評価を行った。
<組成物物性の評価方法>
各重合体は、次に示す各種添加剤のうち充填剤、可塑剤、タレ防止剤、エポキシ化合物、紫外線吸収剤、酸化防止剤、表面改質剤、溶剤、有機バルーンを混合して十分混合した後、2軸ミキサーを用いて分散させ、主剤を作製した。また、シラノール縮合触媒と助触媒を混合し、縮合触媒(硬化剤)を作製した。作製した主剤、及び硬化剤を十分混合し、自転公転ミキサーを用いて均一に混練脱泡して、各硬化性組成物を作製した。作製した各硬化性組成物を用い、23℃相対湿度50%の恒温恒湿雰囲気下にて各種試験体を作製し、以下の評価を行った。
(皮張り時間)
得られた硬化性組成物を厚さ約5mmの型枠にスパチュラを用いて充填し、表面を平面状に整えた時間を硬化開始時間とした。表面をスパチュラで触り、スパチュラに組成物が付着しなくなった時間を皮張り時間とした。
(硬度立ち上がり速度)
得られた組成物を厚さ約1cmの型枠に充填し、表面を平面上に整えた時間を硬化開始時間とした。開始1日目及び7日目に定圧荷重器 CL-150L型(高分子計器(株))へ、アスカーC硬度計(高分子計器(株))を取り付けて硬度測定を行った。硬度立ち上がり速度を比較するため、1日目の硬度値を7日目の硬度で割った硬度発現率を算出した。
以下、各種試験体における添加剤や配合及び試験結果を示す。
(組成物物性の評価に関する各実施例及び比較例で使用した各種添加剤)
実施例1~12及び比較例1~7の組成物物性の評価において、次に示す添加剤を使用した。配合量は、ベースポリマーである各重合体または重合体混合物100重量部に対する重量部数である。
「主剤」
充填剤:
(i)脂肪酸処理沈降炭酸カルシウム(カルファイン200M、丸尾カルシウム(株)製)、125重量部
(ii)重質炭酸カルシウム(ホワイトンSB、白石カルシウム(株)製)、70重量部
(iii)カオリン(ASP-170、BASF製)、1.2重量部
可塑剤:
(i)分子量10,000のポリプロピレングリコール系可塑剤(Acclaim12200、Covestro AG製)22重量部
(ii)分子量3,000のポリプロピレングリコール系可塑剤(アクトコールP-23、三井化学)、12重量部
(iii)反応性ケイ素基含有ポリプロピレングリコール系反応性可塑剤(SAT145、(株)カネカ)、50重量部
タレ防止剤:水添ひまし油(ディスパロン#308、楠本化成(株))、4重量部
エポキシ化合物:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(jER 828、三菱ケミカル)、5重量部
紫外線吸収剤:2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-tert-ブチルフェノール(チヌビン326、BASF製)、1重量部
酸化防止剤:ヒンダードフェノール系酸化防止剤(イルガノックス245、BASF製)、1重量部
表面改質剤:1,1,1-トリメチロールプロパントリアクリル酸エステル(アロニックスM309、東亞合成(株)製)、4重量部
溶剤:イソパラフィン系溶剤(IPソルベント 2835、出光興産(株))、18重量部
バルーン:有機バルーン(MFL-HD60CA、松本油脂製薬(株))、7重量部
「硬化剤」
シラノール縮合触媒:オクチル酸錫(ネオスタンU-28、日東化成工業(株))、3.15重量部
助触媒:ラウリルアミン(和光純薬(株))、1.12重量部。

得られた結果を表2に示す。
Figure 2022134561000012
表2で示した結果より、本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)及びシリコン化合物(B)を含む各実施例の組成物の硬化物は、同等の主鎖骨格を有するが末端構造1個あたりの加水分解性シリル基が平均1.0より大きいため本発明の要件を満足しないポリオキシアルキレン系重合体を含む比較例8、9の組成物の硬化物に比べおよそ1時間以上長い皮張り時間を示すことが分かる。また、硬度発現率に大きな差異は確認されなかった。
一方、本発明のシリコン化合物(B)の使用量が0.4重量部未満あるいは使用しない比較例10~13の組成物及び、加水分解性シリル基、末端オレフィン基及び内部オレフィン基の合計数が末端構造1個あたり平均して1.0より少ないため本発明の要件を満足しないポリオキシアルキレン系重合体を含む比較例14の組成物は、硬化物が長い皮張り時間を示すものの、硬度発現率が低すぎるため硬度立ち上がり速度が遅く、シーリング材としては適さないことが分かる。
実施例25,26及び比較例17,18の組成物物性の評価において、次に示すポリマーを含む主剤、硬化剤、カラーの3成分型の硬化性組成物を使用した。これらを混合脱泡して評価を実施した。配合量は、ベースポリマーである各重合体または重合体混合物100重量部に対する重量部数である。
「主剤」
充填剤:
脂肪酸処理沈降炭酸カルシウム(白艶華CCR、白石カルシウム(株)製)、120重量部
重質炭酸カルシウム(ホワイトンSB、白石カルシウム(株)製)、20重量部
可塑剤:フタル酸ジイソデシル(DIDP、(株)協和発酵製)、40重量部
タレ防止剤:水添ひまし油(ディスパロン#308、楠本化成(株)製)、3重量部
エポキシ化合物:エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ2-エチルヘキシル(酸素サイザー E-PS 、新日本理化(株))、20重量部
紫外線吸収剤:2-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-tert-ブチルフェノール(チヌビン326、BASF製)、3重量部
光安定剤:ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート(チヌビン770、BASF製)、1重量部
表面改質剤:1,1,1-トリメチロールプロパントリアクリル酸エステル(アロニックスM309、東亞合成(株)製)、3重量部
「硬化剤」シラノール縮合触媒:オクチル酸錫(ネオスタンU-28、日東化成工業(株))、3重量部
助触媒:ラウリルアミン(和光純薬(株))、0.6重量部
可塑剤:フタル酸ジイソデシル(DIDP、(株)協和発酵製)、6.4重量部
重質炭酸カルシウム(ホワイトンSB、白石カルシウム(株)製)、20重量部
カオリン(ASP-170、BASF製)、1.2重量部
「カラー」
可塑剤:フタル酸ジイソデシル(DIDP、(株)協和発酵製)、6.4重量部
カラー:酸化チタン(タイペールR820、(株)石原産業製、5重量部
Figure 2022134561000013
表3で示した結果より、本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)及びシリコン化合物(B)を含む各実施例の組成物の硬化物は、異なる配合処方であっても、同等の主鎖骨格を有するが末端構造1個あたりの加水分解性シリル基が平均1.0より大きいため本発明の要件を満足しないポリオキシアルキレン系重合体を含む比較例17、18の組成物の硬化物に比べ、少なくとも1時間以上長い皮張り時間を示すことが分かる。また、硬度発現率に大きな差異は確認されなかった。
以上の結果より、本発明のポリオキシアルキレン系重合体(A)及びシリコン化合物(B)を含む硬化性組成物の硬化物が、長い皮張り時間を示しながら、良好な硬度発現率を示すため、シーリング材のベースポリマーとして好適に使用できることが分かる。

Claims (8)

  1. ポリオキシアルキレンの主鎖構造と、該主鎖構造の末端に結合した末端構造を有するポリオキシアルキレン系重合体であって、
    該末端構造が、加水分解性シリル基と、末端オレフィン基及び/又は内部オレフィン基とを有し、
    加水分解性シリル基、末端オレフィン基及び内部オレフィン基の合計数が末端構造1個あたり平均して1.0より多く、
    前記ポリオキシアルキレン系重合体は加水分解性シリル基を1つの末端に平均して1.0個以下有するポリオキシアルキレン系重合体(A)、
    及び一般式(12):
    Siー (12)
    (式中、Rはそれぞれ独立に置換又は非置換の1価の炭化水素基又は水素原子)
    で示される基を含有し、加水分解によりR SiOHを生成するシリコン化合物(B)、を含有し、
    ポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して、シリコン化合物(B)を0.4~2重量部含有することを特徴とする、硬化性組成物。
  2. ポリオキシアルキレン系重合体(A)の末端構造が、末端オレフィン基を有するエポキシ化合物に由来する部位を含む、請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. ポリオキシアルキレン系重合体(A)の加水分解性シリル基が、一般式(2):
    -SiRY (2)
    (式中、Rは、炭素数1から20の置換または非置換の一価の炭化水素基、または、(R′)SiO-で示されるトリオルガノシロキシ基を表す。R′は、同一又は異なって、炭素数1から20の置換または非置換の一価の炭化水素基を表す。Yは、同一又は異なって、水酸基または加水分解性基を表す。)
    で表される、請求項1~2のいずれかに記載の硬化性組成物。
  4. さらにシラノール縮合触媒(C)を含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  5. 前記ポリオキシアルキレン系重合体(A)及びシリコン化合物(B)を含有するA剤、
    並びに前記シラノール縮合触媒(C)を含有するB剤
    を含む2成分型以上を含有する多液混合型である、請求項4に記載の硬化性組成物。
  6. ポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して、シラノール縮合触媒(C)を0.001~20重量部含有する請求項4又は5に記載の硬化性組成物。
  7. ポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して、シラノール縮合触媒(C)を0.001~10重量部含有する請求項4又は5に記載の硬化性組成物。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化した硬化物。
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