JP2022129902A - 可搬式設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】電源確保が困難な地域においても運用可能で、電動移動手段の利用に好適な可搬式設備を提供する。【解決手段】搬送可能な可搬式設備1は天壁2、底壁3および周壁4を有するハウジング5と、ハウジング5に取り付け可能な風力発電装置6、太陽光発電装置7、および水力発電装置の少なくとも1つの発電装置と、発電装置で発電された電力を蓄える蓄電池と、蓄電池から電力の供給を受けて、電動移動手段8に搭載されるバッテリに給電する給電装置9とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、自然エネルギーを利用する発電装置および給電装置を備えた可搬式設備に関する。
従来、可搬式設備として、車両の荷台に店舗部分を設置し、商品を販売する移動販売車が知られており、車両の荷台に電気機器を搭載する場合、主に、その電源として車載蓄電池を利用することが考えられる。また、比較的長期間に渡って同じ場所に継続的に当該設備を設置する場合には、移動に用いる車両は不要であり、車両のコストなどを考慮すれば、設備を車両から分離して設置することが望ましい。しかし、その場合は車載蓄電池を利用することができなくなり、可搬式設備が特に必要とされる未電化地域や被災地域において電源の確保が困難となる。代わりに化石燃料を用いる発電機を設備に設置することも考えられるが、燃料補給が必要になる。
例えば、被災地域での可搬式設備の使用を想定した場合、災害により交通網が遮断されたり、地上インフラが破壊されたりすると燃料補給ができないため、化石燃料を用いる発電機を備えた設備では必要に応じた救助や支援ができなくなるおそれがある。
これに対して、高い輸送性を有するとともに電源確保が困難な地域においても運用可能な可搬式設備として、自然エネルギーを利用した発電ユニットを備えた可搬式設備が提案されている(特許文献1参照)。
また、被災地域への移動には、現在ヘリコプターが用いられることが多い。しかし、ヘリコプターは、高度な運転操作を要するため広く普及しておらず、離発着する場所も制限されるため、個人での利用はまれであり、その利用は限定的である。また、現在のヘリコプターは化石燃料により稼働するが、化石燃料を動力源とする移動手段から電動式の移動手段への移行が世界的に求められている。
近年、電動式の移動手段として、電動自動車が普及しつつあるとともに、ドローンや、いわゆる空飛ぶクルマと呼ばれる浮遊式移動手段の開発が盛んに行われている。これらの電気を用いて人や物が移動する手段である電動式の移動手段は、二酸化炭素排出量削減の世界的な潮流の中で、今後急速に普及していくことが予想される。特に、上記の空飛ぶクルマは、都市部での利用だけでなく、被災地域への交通手段や、過疎地の交通手段、離島間の交通手段、地域医療派遣用途としても期待されている。
空飛ぶクルマとしては、空と離発着場を垂直に昇降でき、滑走路が不要である垂直離着陸機(VTOL;Vertical Take-Off and Landing aircraft)が注目されており、この中でもバッテリとモータで飛行する電動式である電動垂直離着陸機(eVTOL)が開発の主流となっている。電動垂直離着陸機のバッテリの充電方法としては、例えば、給電設備を備える都市部などのハブ(拠点)において、充電または交換を行うことが想定されている(例えば、特許文献2参照)。
今後空飛ぶクルマの普及が進んだ場合、離着陸可能な場所が増え、機体が小型であることを活かしてよりピンポイントで着陸し、より自由な利用が可能となることが予想される。都市部の運用に際しては、拠点における充実した給電設備、照明設備、整備設備などを予め用意できるが、上述のような未電化地域や被災地域ではこれらの確保は容易ではない。このような地域において空飛ぶクルマなどの電動移動手段を有効に利用すべく、可搬式設備として、設備自体が備える電気機器などの稼働のためだけでなく、給電機能と、必要に応じて照明機能や整備機能などを有し、電動移動手段との連携可能な設備の開発が望まれている。
本発明はこのような背景に鑑みてなされたものであり、電源確保が困難な地域においても運用可能で、電動移動手段の利用に好適な可搬式設備を提供することを目的とする。
本発明の可搬式設備は、天壁、底壁および周壁を有するハウジングと、上記ハウジングに取り付け可能な風力発電装置、太陽光発電装置、および水力発電装置の少なくとも1つの発電装置と、上記発電装置で発電された電力を蓄える蓄電池と、上記蓄電池から電力の供給を受けて、電動移動手段に搭載されるバッテリに給電する給電装置とを備えることを特徴とする。
上記給電装置は、上記電動移動手段に搭載された給電ケーブルを接続するコンセントポール、充電コネクタおよび充電ケーブルを付属する充電スタンド、または、非接触式給電装置であることを特徴とする。
上記電動移動手段が複数の回転翼で飛行する電動垂直離着陸機であることを特徴とする。
上記可搬式設備は、上記電動垂直離着陸機の離発着場の位置を示し、かつ、上記蓄電池から電力の供給を受ける照明装置を有することを特徴とする。
上記可搬式設備は、上記電動垂直離着陸機に保存された運航に関するデータを取得するデータ取得装置を有することを特徴とする。
上記可搬式設備は、近隣を飛行する上記電動垂直離着陸機との通信を可能とする通信装置を有することを特徴とする。
上記可搬式設備は、上記電動垂直離着陸機が離発着可能な離発着場を有し、上記離発着場は、上記非接触式給電装置を備えることを特徴とする。
本発明の可搬式設備は、天壁、底壁および周壁を有するハウジングと、ハウジングに取り付け可能な風力発電装置、太陽光発電装置、および水力発電装置の少なくとも1つの発電装置と、発電装置で発電された電力を蓄える蓄電池と、蓄電池から電力の供給を受けて、電動移動手段に搭載されるバッテリに給電する給電装置とを備えるので、未電化地域や被災地域といった電源の確保が困難な地域においても、可搬式設備が有する電気機器を稼働できるとともに、電動移動手段への給電が可能になる。このように、本発明の可搬式設備は、電源確保が困難な地域における運用が容易であるので、電動移動手段の利用に好適である。
給電装置は、電動移動手段に搭載された給電ケーブルを接続するコンセントポール、充電コネクタおよび充電ケーブルを付属する充電スタンド、または、非接触式給電装置であるので、可搬式設備のハウジングから所定の距離離れた場所に停留した電動移動手段に搭載されるバッテリへの給電を容易に行うことができ、電動移動手段の利用に一層好適である。
電動移動手段が複数の回転翼で飛行する電動垂直離着陸機であるので、山間部などの未電化地域や、路面の荒れや建物の倒壊などによって自動車による到達が困難である被災地域に対して、可能な範囲でその地域付近に可搬式設備を移動させ、これを拠点とした電動垂直離着陸機との連携により、地域支援が可能となる。
可搬式設備は、電動垂直離着陸機の離発着場の位置を示し、かつ、蓄電池から電力の供給を受ける照明装置を有するので、電動垂直離着陸機を夜間でも安全に運行でき、電動垂直離着陸機の利用に一層好適である。
可搬式設備は、電動垂直離着陸機に保存された運航に関するデータを取得するデータ取得装置を有するので、電動垂直離着陸機の過去の運航に関するデータをバックアップできる。また、この運航データに基づいて、電動垂直離着陸機の異常発生の予測や、より電力利用効率の良い運航方法の分析・導出を行い、これをその電動垂直離着陸機や他の電動垂直離着陸機にフィードバックすることもできる。
可搬式設備は、近隣を飛行する電動垂直離着陸機との通信を可能とする通信装置を有するので、電動垂直離着陸機から、位置情報や気象情報を収集したり、インターネット通信の基地局となったりすることができ、近隣を飛行する電動垂直離着陸機の運航の効率や質を高めることができる。
可搬式設備は、電動垂直離着陸機が離発着可能な離発着場を有し、離発着場は、非接触式給電装置を備えるので、電動垂直離着陸機への給電のために人が行う給電の動作が不要となり、利便性に優れる。また、雨天時などにコネクタやコネクタ挿入穴へ雨水が接触するおそれも無くなるため、一層安全性に優れる。
(第1実施形態)
本発明に係る可搬式設備の第1実施形態を図1に基づいて説明する。図1は、本発明の可搬式設備の側面図である。可搬式設備1は、天壁2、底壁3および周壁4を有するハウジング5を備え、自動車、鉄道、船舶、航空機などによる搬送が可能である。
本発明に係る可搬式設備の第1実施形態を図1に基づいて説明する。図1は、本発明の可搬式設備の側面図である。可搬式設備1は、天壁2、底壁3および周壁4を有するハウジング5を備え、自動車、鉄道、船舶、航空機などによる搬送が可能である。
可搬式設備1は、ハウジング5に取り付け可能な風力発電装置6および太陽光発電装置7と、発電装置で発電された電力を蓄える蓄電池(図示省略)と、発電された電気を使用して稼働する電気機器(図示省略)を、ハウジング内部に有する。発電装置と電気機器とは、電力供給ケーブル(図示省略)で接続されており、電気機器は発電装置から供給された電力で作動する。さらに、可搬式設備1は、蓄電池から電力の供給を受けて、電動式の移動手段である電動移動手段8に搭載されるバッテリ(図示省略)に給電する給電装置9を備える。なお、電動移動手段は、電動自動車に限られず、電動垂直離着陸機などであってもよい。
図1は、可搬式設備の給電装置から電動移動手段である電動自動車に搭載されるバッテリへの給電する場合を示している。図1に示すように、可搬式設備1のハウジング5は、その周壁4の下方に後述するコネクタの接続が可能な給電装置9を有している。電動移動手段8に搭載されるバッテリへの給電は、電動移動手段8が搭載する給電ケーブルの先端に配置される給電コネクタを、給電装置9が有するコネクタ挿入穴へと挿入して接続することにより行われる。給電装置9は、例えば複数のコネクタ挿入穴を設けることで、同時に複数の電動移動手段に搭載されるバッテリへの給電が可能となる。
バッテリへの給電は、電動移動手段に搭載した状態で行わず、取り外した状態で給電してもよい。これにより、予め給電しておいたバッテリの交換により電動移動手段が稼働できるため、給電時間中の電動移動手段の停止を要せず、電動移動手段の利用効率に優れる。
給電装置を設ける位置は、ハウジングの周壁の下方に限られず、可搬式設備のいずれの場所に設けてもよい。給電装置は、給電の行いやすさと、大雨による洪水や大雪の際の積雪を考慮して、地面から30cm~200cmの高さに設けられることが好ましい。また、給電装置を設ける数も自由に選択できる。
電動移動手段への給電は、給電装置が充電ケーブルを搭載し、この充電ケーブルの先端に配置される充電コネクタを 電動移動手段の有するコネクタ挿入穴へ挿入して接続することにより行ってもよい。また、電動移動手段への給電は、可搬式設備の給電装置が有するコネクタ挿入穴と、電動移動手段が有するコネクタ挿入穴のそれぞれに接続可能な接続ケーブルによって給電装置と電動移動手段を接続して行ってもよい。
本実施形態における風力発電装置6は、風車と、風車によって駆動されて発電する発電機とを有する。風車は垂直軸式風車として構成される。具体的には、風車は、2枚の翼と、これら翼を支持する翼支持体とを有する。各翼は上下方向に延び、翼支持体は、軸受を介して支柱の上端に垂直軸心回りに回転自在に支持されている。
風力発電装置6の発電機は、支柱の上部に取り付けられた発電機格納箱の内部に設けられている。発電機格納箱には、軸受の固定輪が取り付けられ、翼支持体に上述した軸受の回転輪が連結される。風車の回転に伴って、発電機の回転子が回転し発電機が発電する。発電機として、例えば、誘導発電機または同期発電機を用いてもよい。
垂直軸式の風車は、比較的小型であっても風を受けて発電可能であるため、可搬式設備1に設ける風力発電装置6用の風車として好適である。風車は水平軸式風車でもよい。
本実施形態における太陽光発電装置7は、太陽光を受けて光電変換する太陽光パネルと、太陽光パネルをハウジング5に取り付ける取付台とを有する。この例では、太陽光パネルは取付台によってハウジング5の天壁2の上に取り付けられる。
なお、本実施形態では、可搬式設備の発電装置として風力発電装置と太陽光発電装置とを備える例を示したが、可搬式設備は風力発電装置、太陽光発電装置、および水力発電装置の少なくとも1つを備えればよい。水力発電装置は、水路の水に浸漬されて水流により回転する水車と、水車の回転によって駆動される発電機とを有する。可搬式設備が水力発電装置を備える場合は、例えば、ハウジングが水路の側方に設置された状態で、水力発電装置がハウジングの水路側の周壁に支持される。可搬式設備が風力発電装置、太陽光発電装置および水力発電装置のすべてを備えている場合には、気象状況や地形といった自然環境や、昼夜の時間帯による発電量の変化が抑制されるので、当該設備の利用可能な地域の選択の自由度が広がる。
さらに、発電装置は、系統電源から電力供給を受ける系統電源接続部を備えていてもよい。発電装置が系統電源接続部を有することにより、当該設備を系統電源と接続可能な場所に設置した場合、発電装置を電気機器の稼働のための主な電源として使用しながら、気象状況などにより発電量の不足が生じた場合には系統電源で補うことができる。停電時などには、系統電源を電気機器の主な電源として使用し、発電装置をバックアップ電源として用いることもできる。
本実施形態では、可搬式装置1の内部に、蓄電池(可搬式装置用バッテリ)および制御装置が設けられている(図示省略)。蓄電池は、風力発電装置6および太陽光発電装置7で発電された電力を蓄え、この貯えられた電力を電気機器および給電装置へ供給する。制御装置は、これら発電装置によって発電された電力の蓄電池への入力と、蓄電池からの電力の電気機器への出力を制御する。制御装置は、例えば、発電装置で発電された交流電力を蓄電池において蓄電可能な電圧に変換するAC/DCコンバータ、蓄電池で蓄電した電力を交流商用電力と同様の正弦波の交流に、または矩形波の交流に変換するインバータなどを有する。なお、制御装置は、発電装置が発電した電力を給電装置へ直接供給してもよい。
ハウジングには、輸送用のコンテナを用いてもよい。ハウジングが輸送に適したコンテナで構成されるので、様々な搬送手段を用いて移動させることができる。また、輸送用コンテナは堅牢なので、輸送中の損傷を防止できる。輸送用コンテナとしては、貨物輸送用の規格寸法のコンテナ、例えばコンテナを輸送する国内の標準規格の寸法のコンテナであることが好ましい。
第1実施形態の可搬式設備は、上記構成であることにより、未電化地域や被災地域といった電源の確保が困難な地域においても、可搬式設備が有する電気機器を稼働することができるとともに、電動移動手段の利用も可能となる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態の可搬式設備を、図2および図3に基づいて説明する。なお、図1を用いて説明した第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
本発明の第2実施形態の可搬式設備を、図2および図3に基づいて説明する。なお、図1を用いて説明した第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図2は、第2実施形態の可搬式設備の給電装置から、電動移動手段である電動垂直離着陸機に搭載されるバッテリへの給電を示す側面図である。電動垂直離着陸機18は、前後に2つずつ合計4つの回転翼を有しており、可搬式設備11のハウジング5から所定の距離離れた場所に停留される。電動移動手段が電動垂直離着陸機であるので、無人島、山間部などの未電化地域や、路面の荒れや建物の倒壊などによって自動車による到達が困難であったり、平坦な場所が少なかったりする被災地域での利用に、第2実施形態の可搬式設備は特に好適である。
図2に示すように、可搬式設備11は、第1実施形態の可搬式設備1(図1参照)と比較して、給電装置がコンセントポール12である点で異なる。コンセントポール12は、電動垂直離着陸機18に搭載された給電ケーブル14を接続するコネクタ挿入穴(図示省略)を有する。給電の際には、電動垂直離着陸機18から給電ケーブル14を延伸し、給電ケーブルの先端に配置される給電コネクタをコンセントポール12のコネクタ挿入穴に挿入して給電する。コンセントポール12の高さは、例えば約120cmである。コンセントポールの高さは、洪水や積雪を考慮して、地面から30cm~200cmの高さであることが好ましい。
コンセントポールのコネクタ挿入穴は、コンセントポールの同一の高さに複数設けてもよいし、異なる高さに複数設けてもよい。また、給電装置は、充電コネクタおよび充電ケーブルを付属する充電スタンドであってもよい。この場合、充電スタンドから充電ケーブルを延伸させ、充電ケーブルの先端に配置される充電コネクタを電動垂直離着陸機のコネクタ挿入穴に挿入して給電する。
電動垂直離着陸機18は、回転翼を高速回転させ、下方に風を発生することにより上方への浮力を得て垂直離着陸する。電動垂直離着陸機が離着陸する際には、下方に吹き下ろされる強い風を発生する。電動垂直離着陸機の近傍に壁があると、発生した風の反射の影響を受ける可能性がある。また、電動垂直離着陸機は気象条件によっては、横風の影響で揺れる可能性もある。そのため、電動垂直離着陸機の離発着場は、可搬式設備から一定の距離離れた場所であることが好ましい。給電装置として図2に示すようなコンセントポール12を用いる場合、電動垂直離着陸機18は可搬式設備から所定の距離離れた場所で離着陸でき、安全に運航できるので好ましい。
可搬式設備11は、第1実施形態の可搬式設備と比較して、照明装置13を有する点で異なる。照明装置13は、可搬式設備11の上部に固定されており、蓄電池からの電力の供給を受けて、電動垂直離着陸機18が離発着する離発着場に光を照射する。これにより、離発着場の視認性が向上するため、夜間に発着する電動垂直離着陸機が安全に運航できる。
図3は、第2実施形態の可搬式設備の上部に配置された照明装置が離発着場の位置の目印を示している様子を上方から見た平面図である。図3に示すように、照明装置13は、電動垂直離着陸機18の離発着場の位置を示すために、地面の上に円形の目印P1を描画する。照明装置13は、光源としてLEDを有し、夜間の視認性に優れる強力な光を照射する。なお、照明装置が表示する目印は円形などの図形に限らず、所定の範囲を面で照射してもよい。また、照明装置の光源としては、LEDに限られず、例えば、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ、有機EL、レーザーなどから自由に選択できる。照明装置の光源は、低消費電力の観点からはLEDが好ましく、視認性の観点からはレーザーが好ましい。
第2実施形態の可搬式設備は、電動垂直離着陸機に保存された運航に関するデータを取得するデータ取得装置(図示省略)を有する。このデータ取得装置は、運航に関するデータとして、電動垂直離着陸機に搭載されるバッテリへの給電データ、運航時のモータ稼働データ、姿勢制御データ、異常検知データなどを記録し、保存する。データ取得装置が取得した過去の運航に関するデータは、電動垂直離着陸機の異常発生の予測や、より電力利用効率の良い運航方法を導出するための基礎データなどに利用される。電動垂直離着陸機として複数台を用いる場合、任意の1台または複数台の電動垂直離着陸機から得られたデータに基づいて、電動垂直離着陸機の運航方法や制御方法を導出できる。
第2実施形態の可搬式設備は、近隣の上空を飛行する電動垂直離着陸機との通信を可能とする通信装置(図示省略)を有する。通信装置は、地上からの高度150m~1000m程度を運航する電動垂直離着陸機と通信して情報の送信および受信ができる。具体的には、電動垂直離着陸機から、位置情報や気象情報を収集したり、インターネット通信の基地局となったりすることができる。山間部や離島などのエリアにおいては、飛行中の電動垂直離着陸機にインターネット通信サービスを提供できることは、電動垂直離着陸機の運航の効率や質の向上に寄与する。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態の可搬式設備を、図4および図5に基づいて説明する。なお、上述の第2実施形態と同様に、図1を用いて説明した第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
本発明の第3実施形態の可搬式設備を、図4および図5に基づいて説明する。なお、上述の第2実施形態と同様に、図1を用いて説明した第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図4は、第3実施形態の可搬式設備の給電装置から、電動移動手段である電動垂直離着陸機に搭載されるバッテリへの給電を示す側面図である。図4に示すように、可搬式設備21は第1実施形態の可搬式設備と比較して、給電装置が非接触式給電装置29aである点で異なる。
可搬式設備21は、電動垂直離着陸機18が離発着可能な離発着場29を有する、離発着場29は、その内部に非接触式給電装置29aを備える。非接触式給電装置29aは、給電ケーブルを接続することなく電動垂直離着陸機18に搭載されるバッテリへ非接触で給電できる。非接触式給電装置29aは、離発着場29の全面にわたり内蔵して設けられるので、電動垂直離着陸機18が離発着場29の目印の直上に着陸できなかったとしても、給電が可能である。
離発着場29は、可搬式設備21が備える離発着場29の格納箱30から引き出して使用される。電動垂直離着陸機18が離発着場29に停留している際には、非接触式給電装置29aは電動垂直離着陸機18が搭載するバッテリに自動的に給電する。給電は、急速給電により3時間~8時間で終了する。離発着場29は、シート状であるので、非使用時には巻き取って格納箱30の内部へ収めることができる。電動垂直離着陸機18の離発着は離発着場29の上で行われる。
離発着場29の表面には、夜間に離発着の位置を示すための照明装置としてLED15が設けられ、円形の目印P2(図5参照)を表示する。なお、照明装置は、離発着場に設けず、可搬式設備の上方に取り付けて、離発着場を照射してもよい。また、照明装置が表示する目印は円形などの図形に限らず、所定の範囲を照射してもよい。離発着場は、非接触式給電装置と照明装置の両方を備えていなくてもよい。離発着場が非接触式給電装置を設けない場合、非接触式給電装置は、例えば、電動垂直離着陸機の上や横から給電してもよい。
離発着場が、非接触式給電装置を備えることにより、電動垂直離着陸機への給電のために人が行う給電のための作業が不要となり、利便性に優れる。また、雨天時などにコネクタやコネクタ挿入穴へ雨水が接触することも無くなるため、一層安全性に優れる。さらに、離発着場が、非接触式給電装置と照明装置の両方を併せて備えることにより、可搬式設備自体の構造を単純化できる。さらに、離発着場は、太陽光発電装置を表面に備えてもよい。これにより、可搬式設備の発電量を増やせるのでより多くの電力を蓄電でき、連続的な給電や、複数の電動垂直離着陸機への給電などが可能となる。
以上、各図などに基づき本発明の実施形態を説明したが、本発明の可搬式設備はこれらに限定されるものではない。例えば、可搬式設備のハウジングのサイズが大きく、天壁に十分な面積があれば、離発着場と非接触式給電装置を天壁上に設けてもよい。
本発明の可搬式設備は、未電化地域や被災地域といった電源確保が困難な地域においても運用可能で、電動移動手段の利用に好適な可搬式設備を提供できるので、過疎地もしくは離島間の交通のターミナルや、災害救助の拠点などとして広く利用できる。
1 可搬式設備
2 天壁
3 底壁
4 周壁
5 ハウジング
6 風力発電機
7 太陽光発電機
8 電動移動手段
9 給電装置
11 可搬式設備
12 コンセントポール
13 照明装置
14 給電ケーブル
15 LED
18 電動垂直離着陸機
21 可搬式設備
29 離発着場
29a 非接触式給電装置
30 格納箱
P1、P2 目印
2 天壁
3 底壁
4 周壁
5 ハウジング
6 風力発電機
7 太陽光発電機
8 電動移動手段
9 給電装置
11 可搬式設備
12 コンセントポール
13 照明装置
14 給電ケーブル
15 LED
18 電動垂直離着陸機
21 可搬式設備
29 離発着場
29a 非接触式給電装置
30 格納箱
P1、P2 目印
Claims (7)
- 搬送可能な可搬式設備であって、
前記可搬式設備は、天壁、底壁および周壁を有するハウジングと、前記ハウジングに取り付け可能な風力発電装置、太陽光発電装置、および水力発電装置の少なくとも1つの発電装置と、前記発電装置で発電された電力を蓄える蓄電池と、前記蓄電池から電力の供給を受けて、電動移動手段に搭載されるバッテリに給電する給電装置とを備えることを特徴とする可搬式設備。 - 前記給電装置は、前記電動移動手段に搭載された給電ケーブルを接続するコンセントポール、充電コネクタおよび充電ケーブルを付属する充電スタンド、または、非接触式給電装置であることを特徴とする請求項1記載の可搬式設備。
- 前記電動移動手段が複数の回転翼で飛行する電動垂直離着陸機であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の可搬式設備。
- 前記可搬式設備は、前記電動垂直離着陸機の離発着場の位置を示し、かつ、前記蓄電池から電力の供給を受ける照明装置を有することを特徴とする請求項3記載の可搬式設備。
- 前記可搬式設備は、前記電動垂直離着陸機に保存された運航に関するデータを取得するデータ取得装置を有することを特徴とする請求項3または請求項4記載の可搬式設備。
- 前記可搬式設備は、近隣を飛行する前記電動垂直離着陸機との通信を可能とする通信装置を有することを特徴とする請求項3から請求項5までのいずれか1項記載の可搬式設備。
- 前記可搬式設備は、前記電動垂直離着陸機が離発着可能な離発着場を有し、
前記離発着場は、非接触式給電装置を備えることを特徴とする請求項3から請求項6までのいずれか1項記載の可搬式設備。
Priority Applications (1)
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JP2021028771A JP2022129902A (ja) | 2021-02-25 | 2021-02-25 | 可搬式設備 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR3141679A1 (fr) * | 2022-11-03 | 2024-05-10 | Jean-Louis Montagné | Ensemble comportant un avion et une infrastructure ainsi que procédé de décollage de l'avion à partir de l'infrastructure |
WO2024122074A1 (ja) * | 2022-12-08 | 2024-06-13 | 株式会社辰巳菱機 | 電力供給システム |
WO2024181939A1 (en) * | 2023-02-28 | 2024-09-06 | İstanbul Geli̇şi̇m Üni̇versi̇tesi̇ | Flying car runway and charging station |
-
2021
- 2021-02-25 JP JP2021028771A patent/JP2022129902A/ja active Pending
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