JP2022127074A - 車両用空調システム - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、容易に後付け可能としてコストを抑制するとともに、効率的にウイルスの不活性化や菌を死滅させること(殺菌)ができる車両用空調システムの提供を目的とした。【解決手段】本発明の車両用空調システムSは、空調ユニット10と、グローブボックス20と、紫外線を照射する光源32と、グローブボックス20の内部と内気吸込口12とを連通させる連通路50と、を有し、グローブボックス20には、内部に空気を流入させる流入口28が設けられており、光源32は、グローブボックス20の内部及び連通路50のうち、少なくとも一方に配置されており、光源32により紫外線が照射された空気が、内気吸込口12に流入することを特徴とする。【選択図】図3
Description
本発明は、車室内の空調を行うための装置に関する。
従来、車室内の空気から菌やウイルス、あるいは花粉などの除去を行い、空気の清浄化を行う車両用空調装置が提供されている。例えば、下記特許文献1には、光触媒モジュールを備えた車両用空調装置が開示されている。特許文献1の車両用空調装置は、HVAC(空調ユニット)のエバポレータ内に光触媒装置(UVランプ及び光触媒)が設けられており、流動空気に対する光触媒モジュールの抵抗影響を最小化して風量の損失を最小化し、騒音問題を解決することができるとされている。
特許文献1の車両用空調装置では、車室内空気を効果的に殺菌するため、HVAC(Heating Ventilation and Air Conditioning)内に殺菌ユニットが配置されている(UVランプ等はHVAC内に配置されている)。しかしながら、このような装置を後付けで車両に取り付けようとすると、HVAC全体を交換しなければならず、コストが高くなり経済的ではない。
また、車内に設置可能な空気清浄機(車載用の空気清浄機)では、ウイルスや細菌の除去効果(殺菌効果)が十分ではない上に、車載用の空気清浄機は空気を循環させるための専用のファンが必要となるため装置の体積が大きくなり、設置スペース(車室内のスペース)を大きく取ることとなってしまう。
ここで、昨今では、新型コロナウイルスの流行により、あらゆる商品やサービスに対して「ウィズコロナ」が求められており、ウイルス対策のニーズはますます高まっている。また、自動車に多人数が同時乗車した場合、「3密」の空間となりやすく、コロナウイルスなどのウイルスに感染するリスクが懸念されている。そのため、車室内の空気からウイルスや菌の除去を行うことができる技術に対して強い要望がある。
そこで本発明は、容易に後付け可能としてコストを抑制するとともに、効率的にウイルスの不活性化や菌を死滅させること(殺菌)ができる車両用空調システムの提供を目的とした。
上述の課題について本発明の発明者が検討したところ、HVAC(空調ユニット)に流入する室内空気の循環経路(内気循環経路)の前段となる位置にあるグローブボックス内やグローブボックスとHVACとを接続する連通路に殺菌を行うためのユニット(殺菌ユニット)を配置することで、効果的に車内空気のウイルスの不活化や菌の死滅(殺菌)ができるとともに、設置が容易で経済的な車両用空調システムを提供することができるとの知見に至った。
より詳細に説明すると、車両に搭載されているエアコンのHVACは、外気循環モードでは、外気を取り込むとともに室内エアの20%程度を取り込んで内気循環しているラインがあり、そこには常に車内エアが流れることになる(0.8立方メートル/分)。そのため、空調ユニットには、内気循環モードであっても外気循環モードであっても、空調ユニットが作動していれば常に室内エアが流入している。
そこで、グローブボックスとHVAC(空調ユニット)の内気吸込口とを連結路で直結し、かつグローブボックス内や連通路に光源(例えば3Wから60W程度のUV殺菌灯)を搭載し、内気循環エアを必ず紫外線による殺菌後に車室に供給して循環させることとした。これにより、光源(殺菌灯)や連結路だけを追加してウイルス等を除去可能とし、余分なファンやダクトが必要なく、省スペース、省エネ、及び低コストを実現することができるとの知見に至った。
(1)上述の知見に基づき提供される本発明の車両用空調システムは、車室内の空気を取り込む内気吸込口を備える空調ユニットと、グローブボックスと、紫外線を照射する光源と、前記グローブボックスの内部と前記内気吸込口とを連通させる連通路と、を有し、前記グローブボックスには、内部に空気を流入させる流入口が設けられており、前記光源は、前記グローブボックスの内部及び前記連通路のうち、少なくとも一方に配置されており、前記光源により紫外線が照射された空気が、前記内気吸込口に流入すること、を特徴とするものである。
本発明によれば、室内の空気の経路形成(内気循環経路)について、既存の空調ユニットのファンを利用することができる。すなわち、車両用空調システムのために別途のファンを設ける必要がない。また、車室内の空気が空調ユニットに取り込まれる内気吸込口の前段の位置にあるグローブボックスや連通路に光源を設けることで、効果的に車室内の空気に含まれるウイルスの不活性化や菌の死滅を行うことができる。
さらに、既存の空調ユニットを空気の経路形成に活用するとともに、光源をグローブボックス内に設けることとすれば、後付けであっても設置が容易で経済的となる。このように、本発明の車両用空調システムによれば、容易に後付け可能としてコストを抑制するとともに、効率的にウイルスや菌の除去を行うことができる。
(2)本発明の車両用空調システムは、前記光源のオンとオフとを制御する光源制御装置を備え、前記光源制御装置は、前記空調ユニットの作動に応じて前記光源を制御するものであるとよい。
上述の構成によれば、空調の出力強弱に応じて、光源(UVランプ)の出力をオフとする、あるいは出力の強弱の調整を行い、光源の熱暴走や光源の周囲への熱害を抑制することができる。より詳細に説明すると、空調が作動していない状態で使用し続けると、光源(UVランプ)が熱暴走したり、周辺構造物へ熱害が発生したりするおそれがあるところ、本発明の車両用空調システムによれば、光源(UVランプシステム)と空調が連動するよう制御して、光源の熱暴走や周囲への熱害を防ぐことができる(例えば、空調スイッチがオンの場合にのみ、UVランプシステムがオンとなるなど)。
(3)本発明の車両用空調システムは、前記空調ユニットは、HEPAフィルタ又はULPAフィルタを備えているものであるとよい。
上述の構成によれば、グローブボックス内で除去(殺菌)できずに残存したウイルスや菌を除去することができる。これにより、本発明の車両用空調システムは、より高い殺菌効果を得ることができる。
(4)本発明の車両用空調システムは、前記光源から照射される紫外線を遮蔽する少なくとも一つの遮蔽体を備えるものであるとよい。
上述の構成によれば、グローブボックスから紫外線が漏れ出ることを抑制することができる。
(5)本発明の車両用空調システムは、少なくとも二つの前記遮蔽体を備え、前記グローブボックスには、前記流入口と流出口とを含む複数の貫通孔が形成されており、前記グローブボックスの内部空間のうち、二つの前記遮蔽体に挟まれた空間を紫外線照射領域とした場合、前記貫通孔が、前記紫外線照射領域から外れた位置に形成されているものであるとよい。
上述の構成によれば、グローブボックスに設けられた貫通孔から紫外線が漏れ出ることを抑制することができる。
(6)本発明の殺菌ユニットは、グローブボックスと、紫外線を照射する光源を複数備える光源ユニットと、を有し、前記光源ユニットが前記グローブボックスに収容されており、前記グローブボックスが、前記光源ユニットの収容体をなしていることを特徴とする。
本発明の殺菌ユニットよれば、既存のグローブボックスを殺菌ユニット(光源ユニットを備えたグローブボックス)に差し替えるだけで、既存の空調ユニットを活用して車両用空調システムを構成することができる。すなわち、殺菌ユニットをグローブボックスに差し替えるだけで、ウイルス対策のための装置として後付けすることができ、設置が容易で経済的となる。
本発明によれば、容易に後付け可能としてコストを抑制するとともに、効率的にウイルスや菌の殺菌(不活化)を行うことができる車両用空調システムを提供することができる。
以下、本発明の車両用空調システムSについて、図面を参照しつつ説明する。
車両用空調システムSは、車室内の空気に含まれる菌を死滅させ、あるいはウイルスの不活化を行うためのものである。
なお、本明細書中の「殺菌」とは、菌を死滅させることに加え、ウイルスの不活化を含み、菌及びウイルスの除去をも含むものとする。また、以下の説明では、菌及びウイルスを総称して、単に「ウイルス等」と記載して説明する場合がある。
車両用空調システムSは、車両1に設けられている。なお、図1に示すとおり、車両1は、インストルメントパネル4を備えており、インストルメントパネル4には後述するグローブボックス20が取り付けられている。
図2に示すとおり、車両用空調システムSは、空調ユニット10、グローブボックス20、光源ユニット30、遮蔽体40、及び連通路50を備えている。
空調ユニット10は、内気や外気を冷房あるいは暖房することで、適切な温度と風量の空調風として所定の吹出口に供給するものである。空調ユニット10は、ケース13の内部に、図示を省略したファン、エバポレータ、ヒータコア等を備えている。また、空調ユニット10には、空気を濾過して清浄するエアフィルタ(図示を省略)が設けられている。さらに、車両1には、空調ユニット10への外気や内気の通路となる複数のダクト(図示を省略)が設けられている。
図3に示すとおり、空調ユニット10には、車室内の空気を取り込む内気吸込口12が設けられている。また、空調ユニット10には、車室外の空気を取り込む外気取込口(図示を省略)が設けられている。
図1に示すとおり、空調ユニット10は、エンジンルーム5に配置されている。より詳細に説明すると、空調ユニット10は、エンジンルーム5内であってインストルメントパネル4の近傍となる位置に配置されている。吸引口から取り入れられた外気や内気は、ダクトを介して空調ユニット10に案内され、エアフィルタにより濾過されてウイルスや菌、あるいは花粉が除去され、さらにエバポレータによる冷却あるいはヒータコアによる加熱が行われた後、吹出口(図示を省略)を介して車室内に供給される。
空調ユニット10は、内気循環モードでは、車室内に設けられた吸引口から空気を取り込み、空調風を吹出口から車室内に供給する。また、空調ユニット10は、外気循環モードでは、車室外の吸引口及び車室内の吸引口の双方から空気を取り込み、空調風を吹出口から車室内に供給する。
なお、図3に示すとおり、内気吸込口12には連通路50が直結されており、内気吸込口12には連通路50のみから車室内の空気が供給されるようになっている。
なお、後で説明するとおり、空調ユニット10は、エアフィルタとして、HEPAフィルタ又はULPAフィルタを備えるものであってもよい。
グローブボックス20は、内部に空間が形成された収容体である。図2に示すとおり、グローブボックス20は、前面部22、背面部23、底面部24、及び側面部25を備えており、これらに取り囲まれた空間が収容部(内部空間)をなしているとともに、収容部に収容物を出し入れ可能な開口21が形成されている。
また、図2及び図3に示すとおり、グローブボックス20には、複数の(本実施形態では三つの)貫通孔26が設けられている。図2に示すとおり、前面部22に形成された貫通孔26は、取手部27をなしている。また、底面部24に形成された貫通孔26は、空気の入口をなす流入口28をなしている。さらに、背面部23に形成された貫通孔26は、空気の出口をなす流出口29をなしている。
上述のとおり、グローブボックス20は、インストルメントパネル4に取り付けられている。より詳細に説明すると、グローブボックス20は、インストルメントパネル4の助手席側であって、空調ユニット10の近傍となる位置に取り付けられている。
光源ユニット30は、複数の光源32が基台34に取り付けられたものである。基台34には、貫通孔として設けられた第一連通孔34cが形成されている。
本実施形態では、光源32は、紫外線を照射するランプ(UVランプ)とされている。図2に示すとおり、本実施形態の光源ユニット30では、基台34の上方面34aに対して六つの光源32が取り付けられ、基台34の下方面34bに四つの光源32が取り付けられている。すなわち、本実施形態の光源ユニット30では、10個の光源32が設けられている。
なお、本実施形態では、直管電灯タイプの光源32が用いられているが、本発明の車両用空調システムは本実施形態に限定されず、光源は電球タイプのものを用いてもよい。さらに、本発明の車両用空調システムの光源は、LED(UV-LED光源)を用いてもよい。また、光源ユニット30の出力は、車内空間の広さを考慮して光源32の出力や個数が決定されることが望ましい。例えば、光源ユニット30の出力は、総ランプ電力が10W以上あるとよく、さらに30~40Wの範囲内であることが好ましい。
また、グローブボックス20内には、紫外線を照射して活性化する光触媒を設けてもよい。例えば、グローブボックス20内の流路中に金属メッシュを設け、そのメッシュにアナターゼ型の二酸化チタン等を表面コートするなどすると、殺菌効果をさらに高めることができる。
遮蔽体40は、光源32から照射される紫外線がグローブボックス20の外部に漏れ出ることを抑制するために設けられてる。遮蔽体40は、アルミフィルム等の金属、UV耐性の高い塩ビやアクリル、シリコン樹脂あるいはシリコンゴム等が用いられることが好ましく、ETFEなどのフッ素樹脂であるとさらによい。
図3に示すとおり、本実施形態の車両用空調システムSでは、二つの遮蔽体40が設けられている。二つの遮蔽体40のうち、一方はグローブボックス20の開口21を覆う第一遮蔽体41とされており、他方はグローブボックス20の流入口28を覆う第二遮蔽体42とされている。なお、第二遮蔽体42には、貫通孔として設けられた第二連通孔42aが形成されている。
図3に示すとおり、グローブボックス20の内部空間(収容部)には、中間部に光源ユニット30が配置されており、光源ユニット30を挟むように上方側に第一遮蔽体41が、下方側に第二遮蔽体42が配置されている。言い方を換えれば、光源ユニット30は、二つの遮蔽体40に挟まれるように配置されている。そのため、光源32の紫外線は、第一遮蔽体41及び第二遮蔽体42に挟まれた空間内で照射されることとなる。なお、以下の説明では、第一遮蔽体41及び第二遮蔽体42に挟まれた空間を、単に「紫外線照射領域R」と記載して説明する場合がある。
また、図3に示すとおり、取手部27、流入口28、及び流出口29は、紫外線照射領域Rから外れた位置に設けられている。言い方を換えれば、第一遮蔽体41及び第二遮蔽体42は、取手部27や流入口28、流出口29など、グローブボックス20の内部から紫外線が曝露される部分を遮蔽するように配置されている。このように、車両用空調システムSでは、グローブボックス20においてランプ光(紫外線)が曝露される部分は、遮蔽体40で覆われている。
図3に示すとおり、グローブボックス20は、開口21が第一遮蔽体41により塞がれ、紫外線が漏れ出ないようにシールされている。また、グローブボックス20は、第二遮蔽体42や光源ユニット30が内部に収容された状態で開口21が第一遮蔽体41により塞がれ、簡単には分解できないようになっている。これにより、紫外線が照射されている状態でユーザが誤ってグローブボックス20を開けることを抑制することができる。
連通路50は、グローブボックス20の内部と内気吸込口12とを連通させるために設けられている。より詳細に説明すると、図3に示すとおり、連通路50は、グローブボックス20の流出口29に取り付けられており、グローブボックス20と空調ユニット10の内気循環口(内気吸込口12)とを連通させるためのダクトとして設けられている。本実施形態では、連通路50は、略矩形の断面形状を備える筒状の部材(角筒)とされている。なお、連通路50は、シリコンゴム製やフッ素ゴム製の小さなダクトとされている。
このように、本実施形態の車両用空調システムSは、グローブボックス20と空調ユニット10の内気循環口(内気吸込口12)がシリコンゴム製あるいはフッ素ゴム製の小さなダクト(連通路50)で直結され、防音性と耐UV性を兼ね、かつ効率良くグローブボックス20内に風を送る構造となっている。
上述のとおり、車両用空調システムSでは、グローブボックス20の内部に光源ユニット30が配置され、光源ユニット30の紫外線を遮蔽するように遮蔽体40が設けられている。言い方を換えれば、グローブボックス20は、光源ユニット30を収容する収容体をなしている。以下の説明では、グローブボックス20内に光源ユニット30や遮蔽体40が設けられたものを、単に「殺菌ユニット60」と記載して説明する場合がある。
<車両用空調システムの作動時の空気の流れについて>
続いて、車両用空調システムSの作動時の動作について説明する。
続いて、車両用空調システムSの作動時の動作について説明する。
空調ユニット10が作動している場合には、流入口28からグローブボックス20内に空気を流入させ、紫外線を照射してウイルスの不活化などが行われた空気を空調ユニット10に到達させ、再び車室内に供給する。すなわち、流入口28を介してグローブボックス20の内部に案内された空気は、連通路50を通って内気吸込口に流入し、空調ユニット10に到達する。
より詳細に説明すると、図3に示すとおり、空調ユニット10が作動している場合には、車室内の空気が流入口28からグローブボックス20内に流入する。流入口28から流入した空気は、第二連通孔42aを通って下方側の紫外線照射領域R(第一紫外線照射領域R1)に流入し、紫外線が照射される。
また、第一紫外線照射領域R1に流入した空気は、基台34の第一連通孔34cを通って上方側の紫外線照射領域R(第二紫外線照射領域R2)に流入し、さらに紫外線が照射される。すなわち、車両用空調システムSでは、第一紫外線照射領域R1でウイルスの不活化等が行われたのち、さらに第二紫外線照射領域R2で紫外線が照射される。第二紫外線照射領域R2でウイルスの不活化などが行われた空気は、グローブボックス20の流出口29から連通路50を通って空調ユニット10の内気吸込口12に搬送される。
空調ユニット10では、エアフィルタ(図示を省略)により、さらにウイルスや菌などの除去が行われる。このように、車両用空調システムSでは、グローブボックス20内の光源ユニット30やエアフィルタにより清浄化された空気が、再び車室内に供給される。
このように、車両用空調システムSでは、室内の空気の経路形成(内気循環経路L)について、既存の空調ユニット10のファンを利用することができる。すなわち、車両用空調システムSのために別途のファンを設ける必要がない。また、車室内の空気が空調ユニット10に取り込まれる内気吸込口12の前段の位置にあるグローブボックス20に光源ユニット30(光源32)を設けることで、効果的に車室内の空気に含まれるウイルスの不活性化や菌の死滅を行うことができる。
なお、空調ユニット10内に光源32を設けるとすると、空調ユニット10内の部品にUV劣化対策を講じる必要がある。これに対して、車両用空調システムSでは、空調ユニット10の外部となるグローブボックス20内に光源32が設けられている。そのため、紫外線による劣化などの懸念が比較的少なく、また対策が容易となる。
ここで、上述のとおり、車両用空調システムSでは、殺菌ユニット60(グローブボックス20及び光源ユニット30)が、空調ユニット10の内気吸込口12の近傍に配置されている(図3参照)。すなわち、車両用空調システムSでは、光源ユニット30が空調ユニット10のファンの気流を最大限に活用できる配置(グローブボックス20内)とされている。
言い方を換えれば、車両用空調システムSでは、HVAC(空調ユニット10)に流入する室内空気の循環経路(内気循環経路L)の前段となる位置にあるグローブボックス20内に殺菌を行うためのユニット(殺菌ユニット60)が配置されている。そのため、効果的に車内空気のウイルスの不活化や菌の死滅(殺菌)ができるとともに、設置が容易で経済的である。
また、車両1に搭載されている空調ユニット10(HAVC)は、外気循環モードでは、外気を取り込むとともに室内エアの20%程度を取り込んで内気循環しているラインがあり、そこには常に車内エアが流れることになる(0.8立方メートル/分)。そのため、空調ユニット10には、内気循環モードであっても外気循環モードであっても、空調ユニット10が作動していれば常に室内エアが流入している。
従って、空調ユニット10が作動していれば、常にグローブボックス20内に空気が流れることとなる。また、グローブボックス20内に光源32(UV殺菌灯)を搭載し、内気循環エアを必ず紫外線による殺菌後に車室に供給して循環させることとしている。これにより、光源32(殺菌灯)や連通路50だけを追加してウイルス等を除去可能とし、余分なファンやダクトが必要なく、省スペース、省エネ、及び低コストを実現することができる。
なお、光源ユニット30をグローブボックス20内ではなく、例えば、インストルメントパネル4の裏側であってグローブボックス20の下方に配置しようとすると、周辺部材のUV劣化対策が複雑となりコストが高くなる、スペースを余分に取る必要があるなどの問題がある。
これに対して、本実施形態の車両用空調システムSは、グローブボックス20内で遮蔽された状態で光源ユニット30(光源32)を配置させるため、UV劣化対策が容易かつ安価となり、グローブボックス20内という既存の空間を活用して光源ユニット30(光源)を設けるため、スペースを余分に確保する必要がない。そのため、本実施形態の車両用空調システムSは、他の場所(グローブボックス20の下方など)に光源ユニット30を設ける場合と比較して有利となる。
また、グローブボックス20の開口21には第一遮蔽体41により蓋がされており、グローブボックス20の機密性を高めている。そのため、車両用空調システムSは、ファンの吸引力を十分発揮させ、グローブボックス20内に十分な量の風が流れるようになっている。
さらに、上述のとおり、空調ユニット10の内気吸込口12には、連通路50のみから車室内の空気が供給されるようになっている。これにより、内気吸込口12から取り込まれる空気の経路(空調ユニットに取り込まれる車室内の空気)をグローブボックス20内に集約させ、内気に含まれるウイルス等の殺菌をより効率的に行うことができる。
さらに、上述のとおり、グローブボックス20は、光源ユニット30の収容体をなしており、グローブボックス20に光源ユニット30や遮蔽体40を収容させたものが、殺菌ユニット60をなしている。これにより、既存のグローブボックス20を殺菌ユニット60(光源ユニット30を備えたグローブボックス20)に差し替えるだけで、既存の空調ユニット10を活用して車両用空調システムSを構成することができる。すなわち、グローブボックス20を殺菌ユニット60に差し替えるだけで、車両用空調システムSを後付けすることができ、設置が容易で経済的となる。
さらに、上述のとおり、グローブボックス20の貫通孔(取手部27や流出口29、流入口28)は、紫外線照射領域Rから外れた位置に形成されている。そのため、グローブボックス20に設けられた各貫通孔から紫外線が漏れ出ることを抑制することができる。
<第一変形例>
次に、車両用空調システムSの第一の変形例について説明する。車両用空調システムSの空調ユニット10に設けられるエアフィルタは、HEPAやULPA等のフィルタを用いるとさらによい。
次に、車両用空調システムSの第一の変形例について説明する。車両用空調システムSの空調ユニット10に設けられるエアフィルタは、HEPAやULPA等のフィルタを用いるとさらによい。
HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)とは、JIS規格(JIS Z 8122等)に準拠したエアフィルタであり、JIS規格で「定格風量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルタ」である。
空調ユニット10内のエアフィルタとしてHEPAフィルタを採用することで、より車室内の除菌効果あるいはウイルスの不活化効果を向上できる。HEPAやULPA等のフィルタを用いると、光源ユニット30により約99%の菌の死滅あるいはウイルスの不活性化が見込まれ、これに加えて99.97%にできるため、99.9997%の菌の死滅あるいはウイルスの不活性化が見込まれ、効果が非常に高くなる。
より詳細に説明すると、UV除菌後のエア(紫外線照射後のエア)には、僅かに殺菌(不活化)しきれないウイルスが残存している(グローブボックス20を通過する前の菌数の1%未満)。フィルタをHEPAやULPA等のフィルタとすれば、そのエア中に含まれる残存した菌やウイルスをさらに99.7%以下にまで除去することができる。
すなわち、(1)グローブボックス20通過前のエア中には100,000個のウイルスが存在していたとすると、(2)グローブボックス20内を通過して紫外線が照射された後にはウイルスが1,000個にまで減少し(-99%)、(3)さらに空調ユニット10内のHEPAフィルタ(又はULPAフィルタ)により、約99.7%のウイルスを減少させることができる。
上述の構成によれば、グローブボックス内で殺菌できずに残存したウイルスや菌を除去することができる。これにより、本発明の車両用空調システムは、より高い殺菌効果を得ることができる。
<第二変形例>
続いて、車両用空調システムSの第二の変形例について説明する。車両用空調システムSは、光源32のオンとオフとを制御する光源制御装置(図示を省略)を備えるものとし、光源制御装置が空調ユニット10の作動に応じて光源32を制御するものであるとよい。
続いて、車両用空調システムSの第二の変形例について説明する。車両用空調システムSは、光源32のオンとオフとを制御する光源制御装置(図示を省略)を備えるものとし、光源制御装置が空調ユニット10の作動に応じて光源32を制御するものであるとよい。
具体的に説明すると、光源制御装置は、空調ユニット10がオフの場合には光源ユニット30をオフとするとよい。また、光源制御装置は、空調ユニット10の作動状況(強弱)に応じて光源32の強弱を制御する、あるいは空調ユニット10がオンとなると光源32をオンとする、などの制御を行うものであってもよい。
上述の構成によれば、空調の出力強弱に応じて、光源32(UVランプ)の出力をオフとする、あるいは出力の強弱の調整を行い、光源32の熱暴走や光源32の周囲への熱害を抑制することができる。より詳細に説明すると、空調ユニット10が作動していない状態で使用し続けると、光源32(UVランプ)が熱暴走したり、周辺構造物へ熱害が発生したりするおそれがあるところ、第二変形例に係る車両用空調システムSによれば、光源32(UVランプシステム)と空調ユニット10とが連動するよう制御して、光源32の熱暴走や周囲への熱害を防ぐことができる(例えば、空調スイッチがオンの場合にのみ、UVランプシステムがオンとなるなど)。
以上、本発明の実施形態に係る車両用空調システムSについて説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されない。
例えば、上述の実施形態の車両用空調システムSでは、光源32をグローブボックス20内に設けた例を示したが、本発明の車両用空調システムは本実施形態に限定されない。具体的には、本発明の車両用空調システムでは、光源はHVACの前段となる位置であればよく、連通路に設けてもよい。さらに、光源はグローブボックス及び連通路の双方に設けてもよい。ここで、連通路内は光源の設置スペースが限られる。そのため、連通路に光源を設ける場合、光源は、必要となるスペースが小さいUV-LEDを採用することが好ましい。
グローブボックス内に光源を設けずに連通路に光源を設ける構成とすれば、グローブボックスを従来の収納としてそのまま利用することができることに加え、グローブボックスに配置する遮蔽体を低減でき、構造を簡素化することができる。
本発明は、上述した実施形態として示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示および精神から他の実施形態があり得る。上述した実施形態の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また実施形態の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成してもよい。
本発明は、車両用の車両用空調システムとして、好適に採用することができる。
S 車両用空調システム
1 車両
10 空調ユニット
12 内気吸込口
13 ケース
20 グローブボックス
28 流入口
29 流出口
30 光源ユニット
32 光源
50 連通路
60 殺菌ユニット
1 車両
10 空調ユニット
12 内気吸込口
13 ケース
20 グローブボックス
28 流入口
29 流出口
30 光源ユニット
32 光源
50 連通路
60 殺菌ユニット
Claims (2)
- 車室内の空気を取り込む内気吸込口を備える空調ユニットと、
グローブボックスと、
紫外線を照射する光源と、
前記グローブボックスの内部と前記内気吸込口とを連通させる連通路と、を有し、
前記グローブボックスには、内部に空気を流入させる流入口が設けられており、
前記光源は、前記グローブボックスの内部及び前記連通路のうち、少なくとも一方に配置されており、
前記光源により紫外線が照射された空気が、前記内気吸込口に流入すること、を特徴とする車両用空調システム。 - 前記光源のオンとオフとを制御する光源制御装置を備え、
前記光源制御装置は、前記空調ユニットの作動に応じて前記光源を制御すること、を特徴とする請求項1に記載の車両用空調システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021025000A JP2022127074A (ja) | 2021-02-19 | 2021-02-19 | 車両用空調システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021025000A JP2022127074A (ja) | 2021-02-19 | 2021-02-19 | 車両用空調システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022127074A true JP2022127074A (ja) | 2022-08-31 |
Family
ID=83060028
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021025000A Pending JP2022127074A (ja) | 2021-02-19 | 2021-02-19 | 車両用空調システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022127074A (ja) |
-
2021
- 2021-02-19 JP JP2021025000A patent/JP2022127074A/ja active Pending
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