JP2022125810A - 空気調和装置の制御装置及び空気調和システム - Google Patents

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Abstract

【課題】空気調和装置の快適性の向上と省エネルギ性の向上の両立を図る。【解決手段】空気調和装置の制御装置は、予冷房運転又は予暖房運転を行う空気調和装置の制御装置であって、空気調和装置が設置された建物の夜間の気象実績データを取得する気象実績データ取得部と、気象実績データ取得部によって取得された気象実績データに基づいて、空気調和装置が処理すべき空調負荷の目標値を演算する空調負荷演算部と、空調負荷演算部によって演算された空調負荷の目標値に基づいて、空気調和装置の予冷房運転又は予暖房運転を開始する運転開始時刻を演算する運転開始時刻演算部と、を備える。【選択図】図6

Description

本発明は、予冷房運転又は予暖房運転を行う空気調和装置の制御装置、及び空気調和システムに関する。
特許文献1に記載の空調制御方法は、冷房、暖房及び送風の何れかの運転モードで動作し、空調対象空間を空調する風向制御可能な空気調和装置の空調制御方法である。この空調制御方法では、空調対象空間が設定時刻に設定温度になるように設定時刻前に空気調和装置を運転させる予冷房運転又は予暖房運転を行うにあたり、空調対象空間の使用者の在室時間幅と空調対象空間の負荷分布とに基づいて、予冷房運転又は予暖房運転の運転開始時刻と、空気調和装置の運転モードと、風向及び風量とを制御する。
この空調制御方法によれば、予冷房運転又は予暖房運転時の室内負荷状況を正確に把握し、適切に処理することで快適性の向上を図ると共に、予冷房運転又は予暖房運転と在室時の通常運転との両運転を通じて消費電力量の低減を図ることが可能とされている。
特開2013-204852号公報
予冷房運転又は予暖房運転の立ち上がり時に処理している空調負荷は、単純な空間空気だけではなく、躯体の蓄熱分(例えば、夏であれば夜間の外気温度の熱が躯体に蓄熱される分)の負荷が含まれ、相当量であると想定される。躯体の蓄熱量は、前日の夜間の外気温度に相関し、室内の空気温度も夜間の外気温度と相関があると考えられる。
ここで、空気調和装置が処理すべき空調負荷の目標値を、空気調和装置が設置された建物の外気温度及び躯体について予め設定された断熱係数等の設計情報から演算することが考えられる。しかしながら、このようにした場合には、空調負荷の目標値の演算精度が低下する虞があり、ひいては、空調負荷の目標値に基づいて、予冷房運転又は予暖房運転を行う場合に、精度の高い省エネルギ運転を行うことができなくなる虞がある。
本発明の目的は、このような課題を解決することであり、具体的には、空気調和装置の快適性の向上と省エネルギ性の向上の両立を図ることにある。
請求項1に記載の空気調和装置の制御装置は、予冷房運転又は予暖房運転を行う空気調和装置の制御装置であって、前記空気調和装置が設置された建物の夜間の気象実績データを取得する気象実績データ取得部と、前記気象実績データ取得部によって取得された気象実績データに基づいて、前記空気調和装置が処理すべき空調負荷の目標値を演算する空調負荷演算部と、前記空調負荷演算部によって演算された空調負荷の目標値に基づいて、前記空気調和装置の予冷房運転又は予暖房運転を開始する運転開始時刻を演算する運転開始時刻演算部と、を備える。
この空気調和装置の制御装置によれば、気象実績データに基づいて、空気調和装置が処理すべき空調負荷の目標値が演算される。したがって、例えば、空気調和装置が設置された建物の外気温度及び躯体について予め設定された断熱係数等の設計情報から空調負荷の目標値を演算する場合に比して、空調負荷の目標値の演算精度を向上させることができる。
また、この空気調和装置の制御装置によれば、演算された空調負荷の目標値に基づいて、空気調和装置の予冷房運転又は予暖房運転を開始する運転開始時刻が演算される。したがって、予冷房運転又は予暖房運転を開始する運転開始時刻を空調負荷の目標値に応じた適切な時刻に設定することができる。これにより、空調負荷の目標値に応じた適切な時刻に予冷房運転又は予暖房運転の運転を開始することができるので、空気調和装置の快適性の向上を図ることができ、かつ、予冷房運転又は予暖房運転と在室時の通常運転との両運転を通じて空気調和装置の省エネルギ性の向上を図ることができる。
請求項2に記載の空気調和装置の制御装置は、請求項1に記載の空気調和装置の制御装置において、前記空気調和装置が備える複数の室外機の運転台数について規定する複数の運転モードのそれぞれについてエネルギ消費量及び運転コストの少なくとも一方を演算するエネルギ・コスト演算部と、前記エネルギ・コスト演算部によって演算されたエネルギ消費量及び運転コストの少なくとも一方に基づいて、前記複数の運転モードのうち、エネルギ消費量又は運転コストが最低となる運転モードを決定する運転モード決定部と、をさらに備える。
この空気調和装置の制御装置によれば、空気調和装置が備える複数の室外機の運転台数を規定する複数の運転モードのうち、エネルギ消費量又は運転コストが最低となる運転モードが決定される。したがって、決定された運転モードで空気調和装置の運転を実行することにより、複数の室外機を備えるマルチ型の空気調和装置において、快適性の向上と省エネルギ性又は省コスト性の向上の両立を図ることができる。
請求項3に記載の空気調和装置の制御装置は、請求項1又は請求項2に記載の空気調和装置の制御装置において、前記空気調和装置の運転実績データを取得する運転実績データ取得部と、前記運転実績データ取得部で取得された運転実績データに基づいて、予め定められた設定温度へ到達させる目標時刻を演算する目標時刻演算部と、をさらに備え、前記運転開始時刻演算部は、前記目標時刻演算部によって演算された目標時刻と、前記空調負荷演算部によって演算された空調負荷の目標値に基づいて、前記空気調和装置の予冷房運転又は予暖房運転を開始する運転開始時刻を演算する。
この空気調和装置の制御装置によれば、運転実績データに基づいて、予め定められた設定温度へ到達させる目標時刻が演算され、演算された目標時刻と空調負荷の目標値に基づいて、空気調和装置の予冷房運転又は予暖房運転を開始する運転開始時刻が演算される。したがって、例えば、人感センサや入退室システムを用いて使用者の在室時間幅を検出し、この検出した在室時間幅に基づいて、運転開始時刻を演算する場合に比して、人感センサの設置や入退室システムとの連携が不要であるので、空気調和システムの構成の複雑化を抑えつつ、空気調和装置の快適性の向上と省エネルギ性の向上の両立を図ることができる。
請求項4に記載の空気調和装置の制御装置は、請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の空気調和装置の制御装置において、前記空気調和装置の運転実績データを取得する運転実績データ取得部と、前記運転実績データ取得部によって取得された運転実績データに基づいて、前記空気調和装置が処理した空調負荷の実績値を演算する第1空調負荷演算部と、前記第1空調負荷演算部によって演算された空調負荷の実績値に基づいて、前記空気調和装置の予冷房運転又は予暖房運転を開始する第1運転開始時刻を演算する第1運転開始時刻演算部と、前記気象実績データ取得部によって取得された気象実績データに基づいて、前記空気調和装置が処理すべき空調負荷の目標値を演算する前記空調負荷演算部としての第2空調負荷演算部と、前記第2空調負荷演算部によって演算された空調負荷の目標値に基づいて、前記空気調和装置の予冷房運転又は予暖房運転を開始する第2運転開始時刻を演算する前記運転開始時刻演算部としての第2運転開始時刻演算部と、前記第1運転開始時刻及び前記第2運転開始時刻のうち早い方の時刻を運転開始時刻として選択する運転時刻選択部と、をさらに備える。
この空気調和装置の制御装置によれば、運転実績データに基づく空調負荷の実績値に基づいて演算された第1運転開始時刻と、気象実績データに基づく空調負荷の目標値に基づいて演算された第2運転開始時刻のうち早い方の時刻が運転開始時刻として選択される。したがって、予冷房運転又は予暖房運転の運転開始時に使用者が既に在室することを防ぐことができるので、快適性が悪化するリスクを最小化することができる。
請求項5に記載の空気調和装置の制御装置は、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の空気調和装置の制御装置において、前記空気調和装置の強制部分負荷急風運転による予冷房運転又は予暖房運転を実行する急風運転実行部と、前記急風運転実行部によって強制部分負荷急風運転による予冷房運転又は予暖房運転が実行されている間に、予冷房運転又は予暖房運転の対象となる居室への使用者の入室が検知された場合には、強制部分負荷急風運転による予冷房運転又は予暖房運転を停止して通常運転を実行する通常運転実行部と、をさらに備える。
この空気調和装置の制御装置によれば、強制部分負荷急風運転による予冷房運転又は予暖房運転が実行されている間に、予冷房運転又は予暖房運転の対象となる居室への使用者の入室が検知された場合には、強制部分負荷急風運転による予冷房運転又は予暖房運転が停止される。したがって、使用者が居室へ入室した場合でも、使用者に急風が当たることを回避できるので、使用者の快適性が損なわれることを防止できる。
請求項6に記載の空気調和システムは、予冷房運転又は予暖房運転を行う空気調和装置の制御装置を備える監視サーバと、前記監視サーバと通信可能に接続されたコントローラを備える空気調和装置と、を備え、前記空気調和装置の制御装置は、前記空気調和装置が設置された建物の夜間の気象実績データを取得する気象実績データ取得部と、前記気象実績データ取得部によって取得された気象実績データに基づいて、前記空気調和装置が処理すべき空調負荷の目標値を演算する空調負荷演算部と、前記空調負荷演算部によって演算された空調負荷の目標値に基づいて、前記空気調和装置の予冷房運転又は予暖房運転を開始する運転開始時刻を演算する運転開始時刻演算部と、を備える。
この空気調和システムによれば、気象実績データに基づいて、空気調和装置が処理すべき空調負荷の目標値が演算される。したがって、例えば、空気調和装置が設置された建物の外気温度及び躯体について予め設定された断熱係数等の設計情報から空調負荷の目標値を演算する場合に比して、空調負荷の目標値の演算精度を向上させることができる。
また、この空気調和システムによれば、演算された空調負荷の目標値に基づいて、空気調和装置の予冷房運転又は予暖房運転を開始する運転開始時刻が演算される。したがって、予冷房運転又は予暖房運転を開始する運転開始時刻を空調負荷の目標値に応じた適切な時刻に設定することができる。これにより、空調負荷の目標値に応じた適切な時刻に予冷房運転又は予暖房運転の運転を開始することができるので、空気調和装置の快適性の向上を図ることができ、かつ、予冷房運転又は予暖房運転と在室時の通常運転との両運転を通じて空気調和装置の省エネルギ性の向上を図ることができる。
請求項7に記載のプログラムは、予冷房運転又は予暖房運転を行う空気調和装置の制御装置としてのコンピュータに、前記空気調和装置が設置された建物の夜間の気象実績データを取得すること、前記気象実績データに基づいて、前記空気調和装置が処理すべき空調負荷の目標値を演算すること、前記空調負荷の目標値に基づいて、前記空気調和装置の予冷房運転又は予暖房運転を開始する運転開始時刻を演算すること、を含む処理を実行させるためのプログラムである。
このプログラムによれば、気象実績データに基づいて、空気調和装置が処理すべき空調負荷の目標値が演算される。したがって、例えば、空気調和装置が設置された建物の外気温度及び躯体について予め設定された断熱係数等の設計情報から空調負荷の目標値を演算する場合に比して、空調負荷の目標値の演算精度を向上させることができる。
また、このプログラムによれば、演算された空調負荷の目標値に基づいて、空気調和装置の予冷房運転又は予暖房運転を開始する運転開始時刻が演算される。したがって、予冷房運転又は予暖房運転を開始する運転開始時刻を空調負荷の目標値に応じた適切な時刻に設定することができる。これにより、空調負荷の目標値に応じた適切な時刻に予冷房運転又は予暖房運転の運転を開始することができるので、空気調和装置の快適性の向上を図ることができ、かつ、予冷房運転又は予暖房運転と在室時の通常運転との両運転を通じて空気調和装置の省エネルギ性の向上を図ることができる。
以上詳述した通り、本発明によれば、空気調和装置の快適性の向上と省エネルギ性の向上の両立を図ることができる。
空気調和システムの一例を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る監視サーバ及びコントローラの構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る監視サーバが備える制御装置の動作の流れを示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係るコントローラの動作の流れを示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る監視サーバ及びコントローラの構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る監視サーバが備える制御装置の動作の流れを示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る監視サーバ及びコントローラの構成を示すブロック図である。 本発明の第3実施形態に係る監視サーバが備える制御装置の動作の流れを示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態に係る監視サーバ及びコントローラの構成を示すブロック図である。 本発明の第4実施形態に係る監視サーバが備える制御装置の動作の流れを示すフローチャートである。 本発明の第5実施形態に係るコントローラの構成を示すブロック図である。 本発明の第5実施形態に係るコントローラの動作の流れを示すフローチャートである。
[第1実施形態]
はじめに、本発明の第1実施形態について説明する。
空気調和装置が処理した空調負荷の実績値を、空気調和装置が設置された建物の外気温度及び躯体について予め設定された断熱係数等の設計情報から演算することが考えられる。しかしながら、このようにした場合には、空調負荷の実績値の演算精度が低下する虞があり、ひいては、空調負荷の実績値に基づいて、予冷房運転又は予暖房運転を行う場合に、精度の高い省エネルギ運転を行うことができなくなる虞がある。
本発明の第1実施形態の目的は、このような課題を解決することであり、具体的には、空気調和装置の快適性の向上と省エネルギ性の向上の両立を図ることにある。
(空気調和システムSの構成)
図1に示すように、空気調和システムSは、監視サーバ10及び空気調和装置12を備える。監視サーバ10は、例えば、空気調和装置12を管理する会社に設置され、空気調和装置12の動作を制御及び監視する。空気調和装置12は、例えばビル等の建物に設置され、建物内の空気の温度を調節する。以下では、一例として、企業又はその類の団体が使用する建物に空気調和装置12が設置されている場合について説明する。
図1に示すように、空気調和装置12は、コントローラ30と、GHP室外機40Aと、EHP室外機40Bと、複数の室内機42と、複数のリモコン44を備える。GHP室外機40A及びEHP室外機40Bは、本発明における「複数の室外機」の一例である。以降の説明において、GHP室外機40A及びEHP室外機40Bを区別する必要が無い場合には、GHP室外機40A及びEHP室外機40Bを複数の室外機40と称する。空気調和装置12は、複数の室外機40を備えるマルチ型の空気調和装置である。
GHP室外機40Aは、ガスヒートポンプ式室外機であり、EHP室外機40Bは、電気ヒートポンプ式室外機である。GHPは、“Gass engine driven Heat Pump”の略称であり、EHPは、“Electric Heat Pump”の略称である。また、リモコン44は、リモートコントローラの略称である。
監視サーバ10及びコントローラ30は、例えばインターネット等のネットワークを介して相互に通信可能に接続されている。また、コントローラ30及び複数の室外機40は、相互に通信可能に接続されており、複数の室外機40及び複数の室内機42は、相互に冷媒を流通可能に接続されている。複数のリモコン44は、複数の室内機42の各々に対応して設置されており、複数のリモコン44及び複数の室内機42は、相互に通信可能に接続されている。
(監視サーバ10の構成)
図2に示すように、監視サーバ10は、制御装置20を備える。制御装置20は、コンピュータによって構成されている。この制御装置20は、ハードウェア構成として、プロセッサ22及びメモリ24を有する。プロセッサ22は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等によって構成される。メモリ24は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びストレージ等によって構成される。
ROMは、各種プログラム及び各種データを格納する。RAMは、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージは、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラムや各種データを格納する。
ストレージには、空気調和装置12の動作を制御及び監視するための管理プログラム26が格納されている。プロセッサ22は、管理プログラム26を読み出し、RAMを作業領域として管理プログラム26を実行する。管理プログラム26は、本発明における「プログラム」の一例である。
プロセッサ22は、管理プログラム26を実行することにより、条件設定部100、送信指示部102、運転実績データ取得部104、時刻検出部106、空調負荷演算部108、所要時間演算部110、運転開始時刻演算部112、エネルギ・コスト演算部114、運転モード決定部116、及び運転指示部118として動作する。これら複数の機能部による動作については、後述する。
(コントローラ30の構成)
図2に示すように、コントローラ30は、コンピュータによって構成されている。このコントローラ30は、ハードウェア構成として、プロセッサ32及びメモリ34を有する。プロセッサ32は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等によって構成される。メモリ34は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びストレージ等によって構成される。
ROMは、各種プログラム及び各種データを格納する。RAMは、作業領域として一時的にプログラム又はデータを記憶する。ストレージは、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラムや各種データを格納する。
ストレージには、GHP室外機40A、EHP室外機40B、及び複数の室内機42(いずれも図1参照)の運転を制御するための運転プログラム36が格納されている。プロセッサ32は、運転プログラム36を読み出し、RAMを作業領域として運転プログラム36を実行する。
プロセッサ32は、運転プログラム36を実行することにより、運転指示取得部200及び運転実行部202として動作する。これら複数の機能部による動作については、後述する。
なお、以降の説明において、GHP室外機40A、EHP室外機40B、及び複数の室内機42を備える空気調和システムSの全体的な構成については、図1を適宜参照することとする。
(監視サーバ10及びコントローラ30の動作)
続いて、図2、図3、及び図4を参照しながら、第1実施形態に係る監視サーバ10及びコントローラ30の動作について説明する。
監視サーバ10のプロセッサ22は、図3に示すステップS1~ステップS11を実行する。
ステップS1で、プロセッサ22(条件設定部100)は、予め定められた設定温度Tへ到達させる目標時刻t(すなわち、出社時刻)、及び最高効率出力Yを設定する。設定温度Tは、使用者によって任意に設定される。目標時刻tは、設定温度Tに到達すべき時刻であり、使用者に応じて任意に設定される。目標時刻tは、例えば午前8時00分に設定される。最高効率出力Yは、空気調和装置12の製造メーカが開示している技術情報に基づいて決定される。技術情報は、例えば、設備設計ガイドに記載されている性能、又は日本産業規格(JIS:Japanese Industrial Standards)で規定されている測定ポイントにおける実測値等である。最高効率出力Yは、例えば30kWに設定される。
ステップS2で、プロセッサ22(送信指示部102)は、コントローラ30へ前日の運転実績データの送信を指示する。運転実績データは、例えば、空気調和装置12の運転のオンオフ時刻、空気調和装置12の出力、複数の室内機42の設定温度、複数の室内機42の吸込み温度、空気調和装置12の消費エネルギ等である。運転のオンオフ時刻とは、運転開始時刻と運転終了時刻である。前日の運転実績データの送信がコントローラ30へ指示されると、コントローラ30は、前日の運転実績データを監視サーバ10へ送信する。
ステップS3で、プロセッサ22(運転実績データ取得部104)は、コントローラ30から送信された前日の運転実績データを取得する。
ステップS4で、プロセッサ22(時刻検出部106)は、前日の運転実績データから、運転開始時刻t1、及び運転開始後の設定温度Tへの到達時刻t2を検出する。例えば午前7時45分に運転を開始し、運転開始時の設定温度が24℃で、吸込み温度が30℃であり、その後、吸込み温度24℃に到達した時刻が午前9時00分である場合には、運転開始時刻t1が午前7時45分であり、運転開始後の設定温度Tへの到達時刻t2が午前9時00分であることが検出される。
ステップS5で、プロセッサ22(空調負荷演算部108)は、運転開始時刻t1から設定温度Tへの到達時刻t2までの間に処理した空調負荷の実績値Xを演算する。空調負荷の実績値Xは、空気調和装置12の出力の積算値である。出力の積算値については、空気調和装置12にて各種運転情報から推定及び演算した値が用いられる。
ステップS6で、プロセッサ22(空調負荷演算部108)は、過去に得られた同営業区分日における空調負荷の実績値Xと、上述のステップS5で演算された空調負荷の実績値Xに基づいて、同営業区分日における空調負荷の実績値Xの平均値X’を演算する。平均値X’は、例えば、予め設定された所定の日数での平均値である。例えば、月曜日から金曜日までが営業日で、土曜日及び日曜日が休業日(一部の社員は出社)である場合、営業日と休業日とで空調負荷が異なるため、プロセッサ22(空調負荷演算部108)は、空調負荷の実績値Xの平均値X’を同営業区分日毎に演算する。なお、営業日又は休業日が何かしらの作業を行ったなどの特異日である場合、プロセッサ22(空調負荷演算部108)は、例えば、特異日のデータを除外するなど、その特異日の影響を最小化する演算を行う。ここでは、一例として、空調負荷の実績値Xの平均値X’を252MJとする。
ステップS7で、プロセッサ22(所要時間演算部110)は、GHP室外機40Aの単機運転、EHP室外機40Bの単機運転、及び、GHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転のそれぞれの運転モードについて、最高効率出力Yで運転した場合に設定温度Tに到達するまでに要する所要時間Δtを、下記式(1)により演算する。ここでは、一例として、Δt=252MJ/30kWより、所要時間Δtは140分と演算される。
Δt=X’/Y ・・・(1)
ただし、Yは、以下のYg、Ye、Ywのいずれかである。
Yg:GHP室外機40Aの単機運転での最高効率出力Y
Ye:EHP室外機40Bの単機運転での最高効率出力Y
Yw:GHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転での最高効率出力Y
なお、GHP室外機40Aを単機運転させる運転モード、EHP室外機40Bを単機運転させる運転モード、及び、GHP室外機40AとEHP室外機40Bを併用運転させる運転モードは、本発明における「複数の室外機の運転台数について規定する複数の運転モード」の一例である。
ステップS8で、プロセッサ22(運転開始時刻演算部112)は、GHP室外機40Aの単機運転、EHP室外機40Bの単機運転、及び、GHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転のそれぞれの運転モードについて、最高効率出力Yで運転した場合の運転開始時刻(すなわち運転を開始すべき時刻)t’を、下記式(2)により演算する。例えば、目標時刻tが午前8時00分に設定され、設定温度Tに到達するまでに要する所要時間Δtが140分と演算された場合、運転開始時刻t’は午前5時40分と演算される。
t’=t-Δt ・・・(2)
ステップS9で、プロセッサ22(エネルギ・コスト演算部114)は、GHP室外機40Aの単機運転、EHP室外機40Bの単機運転、及び、GHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転のそれぞれの運転モードについて、所要時間Δtを運転時間とした場合のエネルギ消費量E及び運転コストCを演算する。このとき、プロセッサ22(エネルギ・コスト演算部114)は、運転コストCについては、時間帯別のエネルギ単価cを考慮し、下記式(3)により演算する。
C=E×c ・・・(3)
ただし、Eは、以下のEg、Ee、Ewのいずれかである。
Eg:GHP室外機40Aの最高効率出力Yによる単機運転でのエネルギ消費量
Ee:EHP室外機40Bの最高効率出力Yによる単機運転でのエネルギ消費量
Ew:GHP室外機40AとEHP室外機40Bの最高効率出力Yによる併用運転でのエネルギ消費量
ステップS10で、プロセッサ22(運転モード決定部116)は、GHP室外機40Aの単機運転、EHP室外機40Bの単機運転、及び、GHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転のそれぞれの運転モードについて、エネルギ消費量E又は運転コストCが最低となる運転モードを決定する。なお、プロセッサ22(運転モード決定部116)がエネルギ消費量E又は運転コストCが最低となる運転モードを決定する際に、エネルギ消費量E及び運転コストCのどちらを優先するかについては使用者によって事前に任意に設定される。
ステップS11で、プロセッサ22(運転指示部118)は、ステップS8で演算された運転開始時刻t’、及びステップS10で決定された運転モードをコントローラ30へ指示する。
コントローラ30のプロセッサ32は、図4に示すステップS21~Sステップ22を実行する。
ステップS21で、プロセッサ32(運転指示取得部200)は、監視サーバ10から指示された運転開始時刻t’及び運転モードを取得する。
ステップS22で、プロセッサ32(運転実行部202)は、ステップS21で取得された運転開始時刻t’及び運転モードで、予冷房運転又は予暖房運転を開始する。例えば、運転開始時刻t’が午前5時40分であり、監視サーバ10から指示された運転モードがGHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転である場合には、午前5時40分にGHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転が開始される。
(作用及び効果)
次に、本発明の第1実施形態の作用及び効果について説明する。
以上詳述したように、第1実施形態によれば、運転実績データに基づいて、空気調和装置12が処理した空調負荷の実績値Xが演算される。したがって、例えば、空気調和装置12が設置された建物の外気温度及び躯体について予め設定された断熱係数等の設計情報から空調負荷の実績値Xを演算する場合に比して、空調負荷の実績値Xの演算精度を向上させることができる。
また、第1実施形態によれば、演算された空調負荷の実績値Xに基づいて、空気調和装置12の予冷房運転又は予暖房運転を開始する運転開始時刻t’が演算される。したがって、予冷房運転又は予暖房運転を開始する運転開始時刻t’を空調負荷の実績値Xに応じた適切な時刻に設定することができる。これにより、空調負荷の実績値Xに応じた適切な時刻に予冷房運転又は予暖房運転の運転を開始することができるので、空気調和装置12の快適性の向上を図ることができ、かつ、予冷房運転又は予暖房運転と在室時の通常運転との両運転を通じて空気調和装置12の省エネルギ性の向上を図ることができる。
また、第1実施形態によれば、空気調和装置12が備える複数の室外機40の運転台数を規定する複数の運転モードのうち、エネルギ消費量又は運転コストが最低となる運転モードが決定される。したがって、決定された運転モードで空気調和装置12の運転を実行することにより、複数の室外機40を備えるマルチ型の空気調和装置12において、快適性の向上と省エネルギ性又は省コスト性の向上の両立を図ることができる。
なお、ステップS9で、プロセッサ22(エネルギ・コスト演算部114)は、GHP室外機40Aの単機運転、EHP室外機40Bの単機運転、及び、GHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転のそれぞれの運転モードについて、エネルギ消費量E及び運転コストCを演算するが、エネルギ消費量E及び運転コストCのどちらか一方のみを演算してもよい。そして、ステップS10で、プロセッサ22(運転モード決定部116)は、エネルギ・コスト演算部114によって演算されたエネルギ消費量又は運転コストに基づいて、複数の運転モードのうち、エネルギ消費量又は運転コストが最低となる運転モードを決定してもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
予冷房運転又は予暖房運転の立ち上がり時に処理している空調負荷は、単純な空間空気だけではなく、躯体の蓄熱分(例えば、夏であれば夜間の外気温度の熱が躯体に蓄熱される分)の負荷が含まれ、相当量であると想定される。躯体の蓄熱量は、前日の夜間の外気温度に相関し、室内の空気温度も夜間の外気温度と相関があると考えられる。
ここで、空気調和装置が処理すべき空調負荷の目標値を、空気調和装置が設置された建物の外気温度及び躯体について予め設定された断熱係数等の設計情報から演算することが考えられる。しかしながら、このようにした場合には、空調負荷の目標値の演算精度が低下する虞があり、ひいては、空調負荷の目標値に基づいて、予冷房運転又は予暖房運転を行う場合に、精度の高い省エネルギ運転を行うことができなくなる虞がある。
本発明の第2実施形態の目的は、このような課題を解決することであり、具体的には、空気調和装置の快適性の向上と省エネルギ性の向上の両立を図ることにある。
図5に示す本発明の第2実施形態では、第1実施形態に対し、管理プログラム26の内容が変更されている。また、本発明の第2実施形態では、第1実施形態に対し、管理プログラム26の内容が変更されることにより、プロセッサ22が、条件設定部100、気象実績データ取得部122、温度差演算部124、空調負荷演算部108、所要時間演算部110、運転開始時刻演算部112、エネルギ・コスト演算部114、運転モード決定部116、及び運転指示部118として動作する。これら複数の機能部による動作については、後述する。
なお、本発明の第2実施形態において、上記以外の構成は、第1実施形態と同様である。本発明の第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
(監視サーバ10及びコントローラ30の動作)
続いて、図5及び図6を参照しながら、第2実施形態に係る監視サーバ10及びコントローラ30の動作について説明する。
監視サーバ10のプロセッサ22は、図6に示すステップS31~ステップS39を実行する。
ステップS31で、プロセッサ22(条件設定部100)は、躯体蓄熱係数A、予め定められた設定温度Tへ到達させる目標時刻t(すなわち、出社時刻)、及び最高効率出力Yを設定する。躯体蓄熱係数Aは、空気調和装置12が設置された建物に関する躯体蓄熱係数であり、建物の設計情報等に基づいて設定される。目標時刻tは、設定温度Tに到達すべき時刻であり、使用者に応じて任意に設定される。目標時刻tは、例えば午前8時00分に設定される。最高効率出力Yは、空気調和装置12の製造メーカが開示している技術情報に基づいて決定される。技術情報は、例えば、設備設計ガイドに記載されている性能、又は日本産業規格(JIS:Japanese Industrial Standards)で規定されている測定ポイントにおける実測値等である。最高効率出力Yは、例えば30kWに設定される。
ステップS32で、プロセッサ22(気象実績データ取得部122)は、当日未明の気象実績データを取得する。当日未明の気象実績データは、例えば気象情報提供サービス等から提供されるデータである。気象実績データは、当日未明に実際に観測された気象データの他に、当日未明の気象予報データが用いられてもよい。当日未明の時刻は、監視サーバ10を管理する管理者によって任意に設定される。ここでは、一例として、当日未明の時刻を午前4時00分とする。
ステップS33で、プロセッサ22(温度差演算部124)は、ステップS32で取得された当日未明の気象実績データから夜間の外気温度実績データを抽出し、この夜間の外気温度実績データに基づいて、夜間の外気温度の平均値T’と設定温度Tとの温度差ΔTを演算する。夜間の時間帯は、管理者によって任意に設定される。ここでは、一例として、夜間の外気温度実績データを前日の午後10時00分から当日の午前4時00分までのデータとする。冷房運転の場合、温度差ΔTは下記式(4)により演算され、暖房運転の場合、温度差ΔTは下記式(5)により演算される。
ΔT=T’-T ・・・(4)
ΔT=T-T’ ・・・(5)
ただし、冷房運転の場合に、ΔT<0のときは、ΔT=0とする。
同様に、暖房運転の場合に、ΔT>0のときは、ΔT=0とする。
ステップS34で、プロセッサ22(空調負荷演算部108)は、躯体蓄熱係数Aと温度差ΔTに基づいて、空気調和装置12が処理すべき空調負荷の目標値xを、下記式(6)により演算する。ここでは、一例として、空調負荷の目標値xを252MJとする。
x=A×ΔT・・・(6)
ステップS35で、プロセッサ22(所要時間演算部110)は、GHP室外機40Aの単機運転、EHP室外機40Bの単機運転、及び、GHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転のそれぞれの運転モードについて、最高効率出力Yで運転した場合に設定温度Tに到達するまでに要する所要時間Δtを、下記式(7)により演算する。ここでは、一例として、Δt=252MJ/30kWより、所要時間Δtは140分と演算される。
Δt=x/Y・・・(7)
ただし、Yは、以下のYg、Ye、Ywのいずれかである。
Yg:GHP室外機40Aの単機運転での最高効率出力Y
Ye:EHP室外機40Bの単機運転での最高効率出力Y
Yw:GHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転での最高効率出力Y
なお、GHP室外機40Aを単機運転させる運転モード、EHP室外機40Bを単機運転させる運転モード、及び、GHP室外機40AとEHP室外機40Bを併用運転させる運転モードは、本発明における「複数の室外機の運転台数について規定する複数の運転モード」の一例である。
ステップS36で、プロセッサ22(運転開始時刻演算部112)は、GHP室外機40Aの単機運転、EHP室外機40Bの単機運転、及び、GHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転のそれぞれの運転モードについて、最高効率出力Yで運転した場合の運転開始時刻(すなわち運転を開始すべき時刻)t’を、下記式(8)により演算する。例えば、目標時刻tが午前8時00分に設定され、設定温度Tに到達するまでに要する所要時間Δtが140分と演算された場合、運転開始時刻t’は午前5時40分と演算される。
t’=t-Δt ・・・(8)
ステップS37で、プロセッサ22(エネルギ・コスト演算部114)は、GHP室外機40Aの単機運転、EHP室外機40Bの単機運転、及び、GHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転のそれぞれの運転モードについて、所要時間Δtを運転時間とした場合のエネルギ消費量E及び運転コストCを演算する。このとき、プロセッサ22(エネルギ・コスト演算部114)は、運転コストCについては、時間帯別のエネルギ単価cを考慮し、下記式(9)により演算する。
C=E×c ・・・(9)
ただし、Eは、以下のEg、Ee、Ewのいずれかである。
Eg:GHP室外機40Aの最高効率出力Yによる単機運転でのエネルギ消費量
Ee:EHP室外機40Bの最高効率出力Yによる単機運転でのエネルギ消費量
Ew:GHP室外機40AとEHP室外機40Bの最高効率出力Yによる併用運転でのエネルギ消費量
ステップS38で、プロセッサ22(運転モード決定部116)は、GHP室外機40Aの単機運転、EHP室外機40Bの単機運転、及び、GHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転のそれぞれの運転モードについて、エネルギ消費量E又は運転コストCが最低となる運転モードを決定する。なお、プロセッサ22(運転モード決定部116)がエネルギ消費量E又は運転コストCが最低となる運転モードを決定する際に、エネルギ消費量E及び運転コストCのどちらを優先するかについては使用者によって事前に任意に設定される。
ステップS39で、プロセッサ22(運転指示部118)は、ステップS36で演算された運転開始時刻t’、及びステップS38で決定された運転モードをコントローラ30へ指示する。
コントローラ30のプロセッサ32は、図4に示すステップS21~Sステップ22を実行する。
ステップS21で、プロセッサ32(運転指示取得部200)は、監視サーバ10から指示された運転開始時刻t’及び運転モードを取得する。
ステップS22で、プロセッサ32(運転実行部202)は、ステップS21で取得された運転開始時刻t’及び運転モードで、予冷房運転又は予暖房運転を開始する。例えば、運転開始時刻t’が午前5時40分であり、監視サーバ10から指示された運転モードがGHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転である場合には、午前5時40分にGHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転が開始される。
(作用及び効果)
次に、本発明の第2実施形態の作用及び効果について説明する。
以上詳述したように、第2実施形態によれば、空気調和装置12が設置された建物の夜間の気象実績データに基づいて、空気調和装置12が処理すべき空調負荷の目標値xが演算される。したがって、例えば、空気調和装置12が設置された建物の外気温度及び躯体について予め設定された断熱係数等の設計情報から空調負荷の目標値xを演算する場合に比して、空調負荷の目標値xの演算精度を向上させることができる。
また、第2実施形態によれば、演算された空調負荷の目標値xに基づいて、空気調和装置12の予冷房運転又は予暖房運転を開始する運転開始時刻t’が演算される。したがって、予冷房運転又は予暖房運転を開始する運転開始時刻t’を空調負荷の目標値xに応じた適切な時刻に設定することができる。これにより、空調負荷の目標値xに応じた適切な時刻に予冷房運転又は予暖房運転の運転を開始することができるので、空気調和装置12の快適性の向上を図ることができ、かつ、予冷房運転又は予暖房運転と在室時の通常運転との両運転を通じて空気調和装置12の省エネルギ性の向上を図ることができる。
また、第2実施形態によれば、空気調和装置12が備える複数の室外機40の運転台数を規定する複数の運転モードのうち、エネルギ消費量又は運転コストが最低となる運転モードが決定される。したがって、決定された運転モードで空気調和装置12の運転を実行することにより、複数の室外機40を備えるマルチ型の空気調和装置12において、快適性の向上と省エネルギ性又は省コスト性の向上の両立を図ることができる。
なお、ステップS37で、プロセッサ22(エネルギ・コスト演算部114)は、GHP室外機40Aの単機運転、EHP室外機40Bの単機運転、及び、GHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転のそれぞれの運転モードについて、エネルギ消費量E及び運転コストCを演算するが、エネルギ消費量E及び運転コストCのどちらか一方のみを演算してもよい。そして、ステップS38で、プロセッサ22(運転モード決定部116)は、エネルギ・コスト演算部114によって演算されたエネルギ消費量又は運転コストに基づいて、複数の運転モードのうち、エネルギ消費量又は運転コストが最低となる運転モードを決定してもよい。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
空気調和装置を使用する使用者の在室時間幅を得るために、例えば、人感センサを新たに設置したり、出入口における入退室システムと連携したりして使用者の在室有無を検出するようにすると、空気調和システムの構成が複雑化する虞がある。
本発明の第3実施形態の目的は、このような課題を解決することであり、具体的には、空気調和システムの構成の複雑化を抑えつつ、空気調和装置の快適性の向上と省エネルギ性の向上の両立を図ることにある。
図7に示す本発明の第3実施形態では、第1実施形態及び第2実施形態に対し、管理プログラム26の内容が変更されている。また、本発明の第3実施形態では、第1実施形態に対し、管理プログラム26の内容が変更されることにより、プロセッサ22が、送信指示部102、運転実績データ取得部104、運転時刻検出部132、在室時間推定部134、在室時間演算部136、目標時刻演算部138、条件設定部100、気象実績データ取得部122、温度差演算部124、空調負荷演算部108、所要時間演算部110、運転開始時刻演算部112、エネルギ・コスト演算部114、運転モード決定部116、及び運転指示部118として動作する。これら複数の機能部による動作については、後述する。
なお、本発明の第3実施形態において、上記以外の構成は、第1実施形態及び第2実施形態と同様である。本発明の第3実施形態において、第1実施形態及び第2実施形態と同様の構成については説明を省略する。
(監視サーバ10及びコントローラ30の動作)
続いて、図7及び図8を参照しながら、第3実施形態に係る監視サーバ10及びコントローラ30の動作について説明する。
監視サーバ10のプロセッサ22は、図8に示すステップS41~ステップS47を実行する。
ステップS41で、プロセッサ22(送信指示部102)は、コントローラ30へ一定期間の運転実績データの送信を指示する。運転実績データは、例えば、空気調和装置12の運転のオンオフ時刻、空気調和装置12の出力、複数の室内機42の設定温度、複数の室内機42の吸込み温度、空気調和装置12の消費エネルギ等である。運転のオンオフ時刻とは、運転開始時刻と運転終了時刻である。一定期間は、いわゆる学習期間であり、管理者によって任意に設定される。一定期間の運転実績データの送信がコントローラ30へ指示されると、コントローラ30は、一定期間の運転実績データを監視サーバ10へ送信する。
ステップS42で、プロセッサ22(運転実績データ取得部104)は、コントローラ30から一定期間の運転実績データを取得する。
ステップS43で、プロセッサ22(運転時刻検出部132)は、一定期間の運転実績データから各運転日の運転開始時刻t1及び運転終了時刻t3を検出する。
ステップS44で、プロセッサ22(在室時間推定部134)は、各運転日について、運転開始時刻t1から運転終了時刻t3までを在室時間Δtsと推定し、運転終了時刻t3から翌日の運転開始時刻t1までを非在室時間Δtnと推定する。
ステップS45で、プロセッサ22(在室時間演算部136)は、同営業区分日における在室時間Δtsの平均値及び非在室時間Δtnの平均値を演算する。在室時間Δtsの平均値は、運転開始時刻t1の平均値から運転終了時刻の平均値までの時間で演算され、非在室時間Δtnの平均値は、運転終了時刻t3の平均値から翌日の運転開始時刻t1の平均値までの時間で演算される。平均値は、例えば、予め設定された所定の日数での平均値である。
ステップS46で、プロセッサ22(目標時刻演算部138)は、在室時間Δtsの平均値及び非在室時間Δtnの平均値に基づいて、在室開始時刻を演算し、演算した在室開始時刻を設定温度Tへ到達させる目標時刻t(すなわち出社時刻)として設定する。在室開始時刻は、例えば、在室時間Δtsの平均値及び非在室時間Δtnの平均値を演算する際に用いた運転開始時刻t1の平均値で演算される。ここでは、一例として、在室開始時刻として演算された目標時刻tを、例えば午前8時00分とする。
ステップS47で、プロセッサ22は、上述の第2実施形態におけるステップS31~ステップS39と同様の処理を実行して、コントローラ30へ運転開始時刻t’及び運転モードを指示する。
すなわち、ステップS31と同様に、プロセッサ22(条件設定部100)は、躯体蓄熱係数A、予め定められた設定温度Tへ到達させる目標時刻t(すなわち、出社時刻)、及び最高効率出力Yを設定する。目標時刻tは、ステップS46で設定された時刻が用いられる。
次いで、ステップS32と同様に、プロセッサ22(気象実績データ取得部122)は、当日未明の気象実績データを取得する。
次いで、ステップS33と同様に、プロセッサ22(温度差演算部124)は、ステップS32で取得された当日未明の気象実績データから夜間の外気温度実績データを抽出し、この夜間の外気温度実績データに基づいて、夜間の外気温度の平均値T’と設定温度Tとの温度差ΔTを演算する。
次いで、ステップS34と同様に、プロセッサ22(空調負荷演算部108)は、躯体蓄熱係数Aと温度差ΔTに基づいて、空気調和装置12が処理すべき空調負荷の目標値xを演算する。
次いで、ステップS35と同様に、プロセッサ22(所要時間演算部110)は、GHP室外機40Aの単機運転、EHP室外機40Bの単機運転、及び、GHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転のそれぞれの運転モードについて、最高効率出力Yで運転した場合に設定温度Tに到達するまでに要する所要時間Δtを演算する。
次いで、ステップS36と同様に、プロセッサ22(運転開始時刻演算部112)は、GHP室外機40Aの単機運転、EHP室外機40Bの単機運転、及び、GHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転のそれぞれの運転モードについて、最高効率出力Yで運転した場合の運転開始時刻(すなわち運転を開始すべき時刻)t’を、下記式(10)により演算する。例えば、目標時刻tが午前8時00分に設定され、設定温度Tに到達するまでに要する所要時間Δtが140分と演算された場合、運転開始時刻t’は午前5時40分と演算される。ただし、目標時刻tは、ステップS46で設定された時刻が用いられる。
t’=t-Δt ・・・(10)
次いで、ステップS37と同様に、プロセッサ22(エネルギ・コスト演算部114)は、GHP室外機40Aの単機運転、EHP室外機40Bの単機運転、及び、GHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転のそれぞれの運転モードについて、所要時間Δtを運転時間とした場合のエネルギ消費量E及び運転コストCを演算する。
次いで、ステップS38と同様に、プロセッサ22(運転モード決定部116)は、GHP室外機40Aの単機運転、EHP室外機40Bの単機運転、及び、GHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転のそれぞれの運転モードについて、エネルギ消費量E又は運転コストCが最低となる運転モードを決定する。
次いで、ステップS39と同様に、プロセッサ22(運転指示部118)は、運転開始時刻演算部112によって演算された運転開始時刻t’、及び運転モード決定部116によって決定された運転モードをコントローラ30へ指示する。
コントローラ30のプロセッサ32は、図4に示すステップS21~Sステップ22を実行する。
ステップS21で、プロセッサ32(運転指示取得部200)は、監視サーバ10から指示された運転開始時刻t’及び運転モードを取得する。
ステップS22で、プロセッサ32(運転実行部202)は、ステップS21で取得された運転開始時刻t’及び運転モードで、予冷房運転又は予暖房運転を開始する。例えば、運転開始時刻t’が午前5時40分であり、監視サーバ10から指示された運転モードがGHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転である場合には、午前5時40分にGHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転が開始される。
(作用及び効果)
次に、本発明の第3実施形態の作用及び効果について説明する。
以上詳述したように、第3実施形態によれば、運転実績データに基づいて、予め定められた設定温度Tへ到達させる目標時刻tが演算され、演算された目標時刻tと空調負荷の目標値xに基づいて、空気調和装置12の予冷房運転又は予暖房運転を開始する運転開始時刻t’が演算される。したがって、例えば、人感センサや入退室システムを用いて使用者の在室時間幅を検出し、この検出した在室時間幅に基づいて、運転開始時刻t’を演算する場合に比して、人感センサの設置や入退室システムとの連携が不要であるので、空気調和システムSの構成の複雑化を抑えつつ、空気調和装置12の快適性の向上と省エネルギ性の向上の両立を図ることができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
図9に示す本発明の第4実施形態では、第1実施形態、第2実施形態、及び第3実施形態に対し、管理プログラム26の内容が変更されている。また、本発明の第4実施形態では、第1実施形態、第2実施形態、及び第3実施形態に対し、管理プログラム26の内容が変更されることにより、プロセッサ22が、送信指示部102、運転実績データ取得部104、運転時刻検出部132、在室時間推定部134、在室時間演算部136、目標時刻演算部138、時刻検出部106、第1空調負荷演算部148、第1所要時間演算部150、第1運転開始時刻演算部152、条件設定部100、気象実績データ取得部122、温度差演算部124、第2空調負荷演算部158、第2所要時間演算部160、第2運転開始時刻演算部162、運転開始時刻選択部164、エネルギ・コスト演算部114、運転モード決定部116、及び運転指示部118として動作する。これら複数の機能部による動作については、後述する。
なお、本発明の第4実施形態において、上記以外の構成は、第1乃至第3実施形態と同様である。本発明の第4実施形態において、第1乃至第3実施形態と同様の構成については説明を省略する。
(監視サーバ10及びコントローラ30の動作)
続いて、図9及び図10を参照しながら、第4実施形態に係る監視サーバ10及びコントローラ30の動作について説明する。
監視サーバ10のプロセッサ22は、図10に示すステップS51~ステップS55を実行する。
ステップS51で、プロセッサ22は、上述の第3実施形態におけるステップS41~ステップS46と同様の処理を実行して、設定温度Tへ到達させる目標時刻t(出社時刻)を設定する。
すなわち、ステップS41と同様に、プロセッサ22(送信指示部102)は、コントローラ30へ一定期間の運転実績データの送信を指示する。
次いで、ステップS42と同様に、プロセッサ22(運転実績データ取得部104)は、コントローラ30から一定期間の運転実績データを取得する。
次いで、ステップS43と同様に、プロセッサ22(運転時刻検出部132)は、一定期間の運転実績データから各運転日の運転開始時刻t1及び運転終了時刻t3を検出する。
次いで、ステップS44と同様に、プロセッサ22(在室時間推定部134)は、各運転日について、運転開始時刻t1から運転終了時刻t3までを在室時間Δtsと推定し、運転終了時刻t3から翌日の運転開始時刻t1までを非在室時間Δtnと推定する。
次いで、ステップS45と同様に、プロセッサ22(在室時間演算部136)は、同営業区分日における在室時間Δtsの平均値及び非在室時間Δtnの平均値を演算する。
次いで、ステップS46と同様に、プロセッサ22(目標時刻演算部138)は、在室時間Δtsの平均値及び非在室時間Δtnの平均値に基づいて、在室開始時刻を演算し、演算した在室開始時刻を設定温度Tへ到達させる目標時刻t(すなわち出社時刻)として設定する。
ステップS52で、プロセッサ22は、上述の第1実施形態におけるステップS4~ステップS8と同様の処理を実行して、第1運転開始時刻(運転開始すべき時刻)t1’を演算する。
すなわち、ステップS4と同様に、プロセッサ22(時刻検出部106)は、前日の運転実績データから、運転開始時刻t1、及び運転開始後の設定温度Tへの到達時刻t2を検出する。
次いで、ステップS5と同様に、プロセッサ22(第1空調負荷演算部148)は、運転開始時刻t1から設定温度Tへの到達時刻t2までの間に処理した空調負荷の実績値Xを演算する。
次いで、ステップS6と同様に、プロセッサ22(第1空調負荷演算部148)は、過去に得られた同営業区分日における空調負荷の実績値Xと、上述の第1空調負荷演算部148によって演算された空調負荷の実績値Xに基づいて、同営業区分日における空調負荷の実績値Xの平均値X’を演算する。
次いで、ステップS7と同様に、プロセッサ22(第1所要時間演算部150)は、GHP室外機40Aの単機運転、EHP室外機40Bの単機運転、及び、GHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転のそれぞれの運転モードについて、最高効率出力Yで運転した場合に設定温度Tに到達するまでに要する第1所要時間Δt1を、下記式(11)により演算する。
Δt1=X’/Y ・・・(11)
ただし、Yは、以下のYg、Ye、Ywのいずれかである。
Yg:GHP室外機40Aの単機運転での最高効率出力Y
Ye:EHP室外機40Bの単機運転での最高効率出力Y
Yw:GHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転での最高効率出力Y
次いで、ステップS8と同様に、プロセッサ22(第1運転開始時刻演算部152)は、GHP室外機40Aの単機運転、EHP室外機40Bの単機運転、及び、GHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転のそれぞれの運転モードについて、最高効率出力Yで運転した場合の第1運転開始時刻(すなわち運転を開始すべき時刻)t1’を、下記式(12)により演算する。ただし、目標時刻tは、ステップS51で設定された時刻が用いられる。
t1’=t-Δt ・・・(12)
ステップS53で、プロセッサ22は、上述の第2実施形態におけるステップS31~ステップS36と同様の処理を実行して、第2運転開始時刻(運転開始すべき時刻)t2’を演算する。
すなわち、ステップS31と同様に、プロセッサ22(条件設定部100)は、躯体蓄熱係数A、予め定められた設定温度Tへ到達させる目標時刻t(すなわち、出社時刻)、及び最高効率出力Yを設定する。ただし、目標時刻tは、ステップS51で設定された時刻が用いられる。
次いで、ステップS32と同様に、プロセッサ22(気象実績データ取得部122)は、当日未明の気象実績データを取得する。
次いで、ステップS33と同様に、プロセッサ22(温度差演算部124)は、ステップS32で取得された当日未明の気象実績データから夜間の外気温度実績データを抽出し、この夜間の外気温度実績データに基づいて、夜間の外気温度の平均値T’と設定温度Tとの温度差ΔTを演算する。
次いで、ステップS34と同様に、プロセッサ22(第2空調負荷演算部158)は、躯体蓄熱係数Aと温度差ΔTに基づいて、空気調和装置12が処理すべき空調負荷の目標値xを演算する。
次いで、ステップS35と同様に、プロセッサ22(第2所要時間演算部160)は、GHP室外機40Aの単機運転、EHP室外機40Bの単機運転、及び、GHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転のそれぞれの運転モードについて、最高効率出力Yで運転した場合に設定温度Tに到達するまでに要する第2所要時間Δt2を、下記式(13)により演算する。
Δt2=x/Y ・・・(13)
ただし、Yは、以下のYg、Ye、Ywのいずれかである。
Yg:GHP室外機40Aの単機運転での最高効率出力Y
Ye:EHP室外機40Bの単機運転での最高効率出力Y
Yw:GHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転での最高効率出力Y
次いで、ステップS36と同様に、プロセッサ22(第2運転開始時刻演算部162)は、GHP室外機40Aの単機運転、EHP室外機40Bの単機運転、及び、GHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転のそれぞれの運転モードについて、最高効率出力Yで運転した場合の第2運転開始時刻(すなわち運転を開始すべき時刻)t2’を、下記式(14)により演算する。
t2’=t-Δt ・・・(14)
ステップS54で、プロセッサ22(運転開始時刻選択部164)は、ステップS52で演算された第1運転開始時刻t1’及びステップS53で演算された第2運転開始時刻t2’のうち早い方の時刻を運転開始時刻t’として選択する。
ステップS55で、プロセッサ22は、ステップS9~ステップS11と同様の処理を実行して、コントローラ30へ運転開始時刻t’及び運転モードを指示する。
すなわち、ステップS9と同様に、プロセッサ22(エネルギ・コスト演算部114)は、GHP室外機40Aの単機運転、EHP室外機40Bの単機運転、及び、GHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転のそれぞれの運転モードについて、所要時間Δtを運転時間とした場合のエネルギ消費量E及び運転コストCを演算する。ここで、プロセッサ22(エネルギ・コスト演算部114)は、第1運転開始時刻t1’が運転開始時刻t’として選択された場合には、第1所要時間演算部150によって演算された第1所要時間Δt1を所要時間Δtとして採用し、第2運転開始時刻t2’が運転開始時刻t’として選択された場合には、第2所要時間演算部160によって演算された第2所要時間Δt2を所要時間Δtとして採用する。
次いで、ステップS10と同様に、プロセッサ22(運転モード決定部116)は、GHP室外機40Aの単機運転、EHP室外機40Bの単機運転、及び、GHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転のそれぞれの運転モードについて、エネルギ消費量E又は運転コストCが最低となる運転モードを決定する。
次いで、ステップS11と同様に、プロセッサ22(運転指示部118)は、運転開始時刻t’及び運転モードをコントローラ30へ指示する。
コントローラ30のプロセッサ32は、図4に示すステップS21~Sステップ22を実行する。
ステップS21で、プロセッサ32(運転指示取得部200)は、監視サーバ10から指示された運転開始時刻t’及び運転モードを取得する。
ステップS22で、プロセッサ32(運転実行部202)は、ステップS21で取得された運転開始時刻t’及び運転モードで、予冷房運転又は予暖房運転を開始する。例えば、運転開始時刻t’が午前5時40分であり、監視サーバ10から指示された運転モードがGHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転である場合には、午前5時40分にGHP室外機40AとEHP室外機40Bの併用運転が開始される。
(作用及び効果)
次に、本発明の第4実施形態の作用及び効果について説明する。
以上詳述したように、第4実施形態によれば、運転実績データに基づく空調負荷の実績値Xに基づいて演算された第1運転開始時刻t1’と、気象実績データに基づく空調負荷の目標値xに基づいて演算された第2運転開始時刻t2’のうち早い方の時刻が運転開始時刻t’として選択される。したがって、予冷房運転又は予暖房運転の運転開始時に使用者が既に在室することを防ぐことができるので、快適性が悪化するリスクを最小化することができる。
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
強制部分負荷急風運転による予冷房運転又は予暖房運転を実行している間に、予冷房運転又は予暖房運転の対象となる居室に使用者が入室する場合が想定される。この場合に、強制部分負荷急風運転による予冷房運転又は予暖房運転を継続させると、居室に入室した使用者の快適性が損なわれる虞がある。
本発明の第5実施形態の目的は、このような課題を解決することであり、具体的には、予冷房運転又は予暖房運転の対象となる居室に使用者が入室した場合でも、使用者の快適性が損なわれることを防止することにある。
図11に示す本発明の第5実施形態では、第1乃至第4実施形態に対し、コントローラ30の運転プログラム36の内容が変更されている。また、本発明の第5実施形態では、第1乃至第4実施形態に対し、運転プログラム36の内容が変更されることにより、コントローラ30のプロセッサ32が、運転指示取得部200、急風運転実行部202、入室判定部214、及び通常運転実行部216として動作する。これら複数の機能部による動作については、後述する。
なお、本発明の第5実施形態において、上記以外の構成は、第1乃至第4実施形態と同様である。本発明の第5実施形態において、第1乃至第4実施形態と同様の構成については説明を省略する。
(コントローラ30の動作)
続いて、図11及び図12を参照しながら、第5実施形態に係るコントローラ30の動作について説明する。
コントローラ30のプロセッサ32は、図12に示すステップS61~Sステップ64を実行する。
ステップS61で、プロセッサ32(運転指示取得部200)は、監視サーバ10から指示された運転開始時刻t’及び運転モードを取得する。
ステップS62で、プロセッサ32(急風運転実行部202)は、ステップS61で取得された運転開始時刻t’及び運転モードで、強制部分負荷急風運転による予冷房運転又は予暖房運転を開始する。強制部分負荷急風運転は、後述する通常運転よりも室内機42の風量が多い運転である。
ステップS63で、プロセッサ32(入室判定部214)は、予冷房運転又は予暖房運転の対象となる居室への使用者の入室が検知されたか否かを判定する。居室への使用者の入室は、例えば人感センサ又は入退室システムによって検知されてもよく、また、その他の検知手段によって検知されてもよい。居室への使用者の入室が検知され、プロセッサ32(入室判定部214)によって判定が肯定された場合、プロセッサ32はステップS64に移行する。
ステップS64で、プロセッサ32(通常運転実行部216)は、強制部分負荷急風運転による予冷房運転又は予暖房運転を停止して通常運転を実行する。
(作用及び効果)
次に、本発明の第5実施形態の作用及び効果について説明する。
以上詳述したように、第5実施形態によれば、強制部分負荷急風運転による予冷房運転又は予暖房運転が実行されている間に、予冷房運転又は予暖房運転の対象となる居室への使用者の入室が検知された場合には、強制部分負荷急風運転による予冷房運転又は予暖房運転が停止される。したがって、使用者が居室へ入室した場合でも、使用者に急風が当たることを回避できるので、使用者の快適性が損なわれることを防止できる。
(変形例)
次に、本発明の第1乃至第5実施形態に共通の変形例について説明する。
上述の第1乃至第5実施形態において、空気調和装置12は、予冷房運転及び予暖房運転の一方を選択的に実行する構成であるが、予冷房運転及び予暖房運転の一方のみを実行する構成でもよい。
また、空気調和装置12は、一例として、GHP室外機40A及びEHP室外機40Bの2台の室外機40を備えるが、空気調和装置12が備える複数の室外機40の台数は、3台以上でもよい。
また、空気調和装置12が備えるGHP室外機40Aの台数は、2台以上でもよく、また、空気調和装置12が備えるEHP室外機40Bの台数は、2台以上でもよい。
また、空気調和装置12は、一例として、GHP室外機40A及びEHP室外機40Bを備えるが、複数のGHP室外機40Aのみを備えていてもよく、また、複数のEHP室外機40Bのみを備えていてもよい。
また、上述の第1乃至第5実施形態において、空気調和装置12は、企業又はその類の団体が使用する建物に設置されているが、例えば学校又はその類の団体が使用する建物に設置されるなど、種々の建物に設置されてもよい。
また、上述の第1乃至第5実施形態において、管理プログラム26は、コントローラ30のメモリ34に記憶され、コントローラ30のプロセッサ32がメモリ34に記憶された管理プログラム26を実行することにより、コントローラ30のプロセッサ32が、空気調和装置12の動作を制御する複数の機能部として動作してもよい。この場合には、コントローラ30が、本発明における「空気調和装置の制御装置」の一例に相当する。
なお、上述の第1乃至第5実施形態のうち組み合わせ可能な実施形態は、適宜組み合わされて実施可能である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
S…空気調和システム、10…監視サーバ、12…空気調和装置、20…制御装置、22…プロセッサ、24…メモリ、26…管理プログラム、30…コントローラ、36…運転プログラム、40…室外機、40A…GHP室外機、40B…EHP室外機、42…室内機、44…リモコン、100… 条件設定部、102…送信指示部、104…運転実績データ取得部、106…時刻検出部、108…空調負荷演算部、110…所要時間演算部、112…運転開始時刻演算部、114…エネルギ・コスト演算部、116…運転モード決定部、118…運転指示部、122…気象実績データ取得部、124…温度差演算部、134…在室時間推定部、136…在室時間演算部、138…目標時刻演算部、148…第1空調負荷演算部、150…第1所要時間演算部、152…第1運転開始時刻演算部、158…第2空調負荷演算部、160…第2所要時間演算部、162…第2運転開始時刻演算部、164…運転開始時刻選択部、200…運転指示取得部、202…運転実行部、202…急風運転実行部、214…入室判定部、216…通常運転実行部

Claims (7)

  1. 予冷房運転又は予暖房運転を行う空気調和装置の制御装置であって、
    前記空気調和装置が設置された建物の夜間の気象実績データを取得する気象実績データ取得部と、
    前記気象実績データ取得部によって取得された気象実績データに基づいて、前記空気調和装置が処理すべき空調負荷の目標値を演算する空調負荷演算部と、
    前記空調負荷演算部によって演算された空調負荷の目標値に基づいて、前記空気調和装置の予冷房運転又は予暖房運転を開始する運転開始時刻を演算する運転開始時刻演算部と、
    を備える空気調和装置の制御装置。
  2. 前記空気調和装置が備える複数の室外機の運転台数について規定する複数の運転モードのそれぞれについてエネルギ消費量及び運転コストの少なくとも一方を演算するエネルギ・コスト演算部と、
    前記エネルギ・コスト演算部によって演算されたエネルギ消費量及び運転コストの少なくとも一方に基づいて、前記複数の運転モードのうち、エネルギ消費量又は運転コストが最低となる運転モードを決定する運転モード決定部と、をさらに備える、
    請求項1に記載の空気調和装置の制御装置。
  3. 前記空気調和装置の運転実績データを取得する運転実績データ取得部と、
    前記運転実績データ取得部で取得された運転実績データに基づいて、予め定められた設定温度へ到達させる目標時刻を演算する目標時刻演算部と、をさらに備え、
    前記運転開始時刻演算部は、前記目標時刻演算部によって演算された目標時刻と、前記空調負荷演算部によって演算された空調負荷の目標値に基づいて、前記空気調和装置の予冷房運転又は予暖房運転を開始する運転開始時刻を演算する、
    請求項1又は請求項2に記載の空気調和装置の制御装置。
  4. 前記空気調和装置の運転実績データを取得する運転実績データ取得部と、
    前記運転実績データ取得部によって取得された運転実績データに基づいて、前記空気調和装置が処理した空調負荷の実績値を演算する第1空調負荷演算部と、
    前記第1空調負荷演算部によって演算された空調負荷の実績値に基づいて、前記空気調和装置の予冷房運転又は予暖房運転を開始する第1運転開始時刻を演算する第1運転開始時刻演算部と、
    前記気象実績データ取得部によって取得された気象実績データに基づいて、前記空気調和装置が処理すべき空調負荷の目標値を演算する前記空調負荷演算部としての第2空調負荷演算部と、
    前記第2空調負荷演算部によって演算された空調負荷の目標値に基づいて、前記空気調和装置の予冷房運転又は予暖房運転を開始する第2運転開始時刻を演算する前記運転開始時刻演算部としての第2運転開始時刻演算部と、
    前記第1運転開始時刻及び前記第2運転開始時刻のうち早い方の時刻を運転開始時刻として選択する運転時刻選択部と、をさらに備える、
    請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の空気調和装置の制御装置。
  5. 前記空気調和装置の強制部分負荷急風運転による予冷房運転又は予暖房運転を実行する急風運転実行部と、
    前記急風運転実行部によって強制部分負荷急風運転による予冷房運転又は予暖房運転が実行されている間に、予冷房運転又は予暖房運転の対象となる居室への使用者の入室が検知された場合には、強制部分負荷急風運転による予冷房運転又は予暖房運転を停止して通常運転を実行する通常運転実行部と、をさらに備える、
    請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の空気調和装置の制御装置。
  6. 予冷房運転又は予暖房運転を行う空気調和装置の制御装置を備える監視サーバと、
    前記監視サーバと通信可能に接続されたコントローラを備える空気調和装置と、
    を備え、
    前記空気調和装置の制御装置は、
    前記空気調和装置が設置された建物の夜間の気象実績データを取得する気象実績データ取得部と、
    前記気象実績データ取得部によって取得された気象実績データに基づいて、前記空気調和装置が処理すべき空調負荷の目標値を演算する空調負荷演算部と、
    前記空調負荷演算部によって演算された空調負荷の目標値に基づいて、前記空気調和装置の予冷房運転又は予暖房運転を開始する運転開始時刻を演算する運転開始時刻演算部と、
    を備える空気調和システム。
  7. 予冷房運転又は予暖房運転を行う空気調和装置の制御装置としてのコンピュータに、
    前記空気調和装置が設置された建物の夜間の気象実績データを取得すること、
    前記気象実績データに基づいて、前記空気調和装置が処理すべき空調負荷の目標値を演算すること、
    前記空調負荷の目標値に基づいて、前記空気調和装置の予冷房運転又は予暖房運転を開始する運転開始時刻を演算すること、
    を含む処理を実行させるためのプログラム。
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