JP2022125673A - 草木灰を加工した土壌改良剤 - Google Patents
草木灰を加工した土壌改良剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2022125673A JP2022125673A JP2021023395A JP2021023395A JP2022125673A JP 2022125673 A JP2022125673 A JP 2022125673A JP 2021023395 A JP2021023395 A JP 2021023395A JP 2021023395 A JP2021023395 A JP 2021023395A JP 2022125673 A JP2022125673 A JP 2022125673A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ash
- fertilizer
- water
- plant
- wood
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02W—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
- Y02W30/00—Technologies for solid waste management
- Y02W30/50—Reuse, recycling or recovery technologies
- Y02W30/78—Recycling of wood or furniture waste
Landscapes
- Fertilizers (AREA)
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
- Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)
Abstract
【課題】草木の燃焼灰は、乾燥した粉末状の特殊肥料であるが、機械化農業での利用が困難な肥料である。その理由は、機械散布が困難な乾燥した粉末状の形状であるので、機械散布が可能な化学肥料の様な粒状に加工する必要がある。【解決の手段】乾燥した粉末の草木燃焼灰を粒状に加工する技術には、水分添加乾燥方式(湿式)と、圧縮成形方式(乾式)、転動造粒方式(乾式)等があるが、本発明は水分添加乾燥方式(湿式)を採用し、添加する水分(添加水)には、天然海水、又は調合塩水を使用する。【選択図】 なし
Description
特殊肥料に関する
木を燃やすと、必ず一定量の「灰」が出る。古来、「かまど」などで「焚き木」を燃やして出た灰は、肥料として畑に撒かれていた。灰の主成分はカリウムで、即効性のある「アルカリ性の土壌改良資材」であるが、法律上、肥料取締法で「特殊肥料」に分類されている。
特殊肥料とは、特別な肥料ではなく、「規格化がしにくい、魚かすや米ぬかのような有機質又は有機質に由来するもので、農家の経験や五感によって品質の認識が可能なもの」とされてる。
古くは800~900年前から農業生産資材(肥料)して使われていたという記述があるほどであるが、近年では化学肥料の台頭により農業生産現場での存在はなくなっている。
木灰は、1970年代まで生活用燃料として「焚き木」が使われていたことで大量に発生し、農業生産資材の肥料として貴重な存在であったが、化石燃料の普及と共に焚き木は使われなくなり、木灰の発生はなくなった。
然し、近年、木質チップ火力発電による木質チップ燃料の大量消費、家庭暖房用の木質ペレット・「薪(まき)」の需要の拡大に伴い、大量の木灰が発生しているが、現在は利用価値のない廃棄物として扱われているのが現状である。
その実態は、5,000kW級の木質バイオマス発電所では、年間約7トンの木質チップ燃料を消費する。この量は、1日当たり約190トンになるが、概ね、燃料の約10%の灰が排出される。年間7万トンの木質チップを消費すると、灰の量は約7,000トン、1日に約19.2トンの灰が出る。一概に「1日に19.2トンの発生」というが、10トントラック約2台分と言う膨大な量である。
現在、産業廃棄物としての灰の処理費は、1トン1万5,000円から1万7,000円かかるとされており、仮に1トン1万5,000円で計算すると、年間約1億円を超える灰処理費を支払うことになる。
現在この様に処理されている燃焼灰は、産業廃棄物として、100%が埋め立て処理されているのが現状であって、効果的な利用技術の開発が課題となっている。
法律で、樹木や、植物の茎・葉、種子・皮殻などを燃やして作る「純粋な草木灰」は、「特殊肥料」として扱われているが、1950年公布の法律では,特殊肥料(農林水産大臣の指定する魚かす、米ぬか、堆肥などの有機肥料、及び有機物に由来する無加工の肥料)と普通肥料(特殊肥料以外の科学肥料)に分類されている。
草木灰は、昔は、農家で日常的に焚き木を燃やして作られ、肥料として使われてたが、現在は、焚き木も使われることがなくなり、「灰」も作られることがなくなったために、肥料として使えるという認識まで失われてしまった。
又、草木灰が肥料として使えると認識しても、昔の様な手作業で散布するという使い方では、現在の機械化農業での使用は不可能である。従って、現在の機械化農業で扱える形状に加工する必要があるが、加工の範囲は「草木灰」と言う法律上の定義から逸脱しない範囲で行わなければならない。
現在の機械化農業で扱える形状とは、肥料散布機での散布が可能な形状、つまり、肥料散布機で散布している化学肥料と同じ形状の「粒状」であるが、粒状加工にあたっては、化学反応などによって草木灰本来の性状が変わることがあってはならない。
純粋な草木灰の本来の性状は、pH12~13の強アルカリで、灰の色が白いほどアルカリ性が強く、石灰や苦土石灰の様に、酸性土壌をアルカリ性に改善する効果がある土壌改良剤であるが、石灰、リン酸、ケイ酸、カリウム等のミネラルを含んでいる
又、草木灰は、石灰や苦土石灰と同じような性状の微細な粉末であるが、土壌の酸度を中和するだけではなく、「石灰、リン酸、ケイ酸、カリウム」等ミネラルの補給効果がある。特に、カリ(カリウム)は水溶性で、効き目が素早く追肥としての使用にも利用し易い肥料として知られていた。
本発明はこの様な草木灰を、機械化農業に対応できる、粒状に加工する技術を開発するが、草木灰の利用で世界の先頭を走るとされる中欧や北欧の国ぐにの中で特に進んでいるスエーデンなどでは、既に、粒状化した木灰の森林還元の試験が行われているが、農業生産資材の肥料としての取り組みは行われていない。
従って、本発明は、日本の歴史が証明している草木灰の農業用生産資材(肥料)としての復活と利用の実現を目的とする、世界最先端の草木灰加工技術の開発である。
その技術開発の内容は、粉状の草木灰を粒状に加工することであるが、粉体の造粒技術は、水分添加乾燥方式(湿式)と、圧縮成形方式(乾式)、転動造粒方式(乾式)等があるが、本発明は水分添加乾燥方式(湿式)を採用し、添加する水分(添加水)には、天然の海水、又は合成塩水を使用することを特徴とする。
添加水分に海水を使用する理由は、「日本農業全書〔1697年(江戸時代・元禄10年)〕」によると、「海に囲まれた日本では、身近にある資源として海水や海藻が農業に使われている」と記されており、近世に於いては、以下のような事例の記録が紹介されている。
(1)寒中に海水を汲み取って、海水に風呂の残り湯を混ぜ、ムギ畑の肥料にする(16 巻,
百姓伝記,静岡・愛知)。
(2)ナスが青枯れするようなときは、塩汁や海水などをかけるとよい(41 巻続物粉,高知)。
(3)
ミカンの木の根元に海水をかけるとよい。ミカンの根に下肥を施し、5 月の頃には枯れたイネの苗を置き、寒中には海水をかける(16 巻百姓伝記,静岡・愛知)。
(4)ナシ栽培用の下肥、いわし肥、にしん肥の肥料などをつくるときは、塩を加える(46 巻,梨栄造育秘艦,新潟)。
(5)サツマイモを作る土地がやせていたら、海岸に打ち上げられた海藻を冬のうちに拾っておいて腐らせ、それを根元にひとつまみずつ置いて植えれば芋が良く出来る(33 巻,砂畠菜伝記,福岡)。
(6)山間の畑に植えたサツマイモには磯の付近に生えている海藻を取ってきて、乾燥してウネ間に入れると効く(29巻,農業巧者江御問下ケ並に御答書,山口)。
(7)ムギの肥料には水肥(下肥)の中に海水を2 割ばかり入れると良く、すべての肥料はたべものの塩味程度に塩分を加えたほうが良い(29 巻,農業巧者江御問下ケ並に御答書,山口)。
(8)海藻はすべての作物に効く。良く干して雨にあたらないように貯えておき、作物に施す(23 巻,農稼録,愛知)。
百姓伝記,静岡・愛知)。
(2)ナスが青枯れするようなときは、塩汁や海水などをかけるとよい(41 巻続物粉,高知)。
(3)
ミカンの木の根元に海水をかけるとよい。ミカンの根に下肥を施し、5 月の頃には枯れたイネの苗を置き、寒中には海水をかける(16 巻百姓伝記,静岡・愛知)。
(4)ナシ栽培用の下肥、いわし肥、にしん肥の肥料などをつくるときは、塩を加える(46 巻,梨栄造育秘艦,新潟)。
(5)サツマイモを作る土地がやせていたら、海岸に打ち上げられた海藻を冬のうちに拾っておいて腐らせ、それを根元にひとつまみずつ置いて植えれば芋が良く出来る(33 巻,砂畠菜伝記,福岡)。
(6)山間の畑に植えたサツマイモには磯の付近に生えている海藻を取ってきて、乾燥してウネ間に入れると効く(29巻,農業巧者江御問下ケ並に御答書,山口)。
(7)ムギの肥料には水肥(下肥)の中に海水を2 割ばかり入れると良く、すべての肥料はたべものの塩味程度に塩分を加えたほうが良い(29 巻,農業巧者江御問下ケ並に御答書,山口)。
(8)海藻はすべての作物に効く。良く干して雨にあたらないように貯えておき、作物に施す(23 巻,農稼録,愛知)。
いずれも当時の農民の努力が偲ばれる秘伝の農法で、特に、(1)の「海水に風呂の残り湯を混ぜる」などは絶妙かつ奇抜な方法であり、何がどういう理屈で効いているのかは科学的に解明できないが、当時の農民は、「海の水に含まれる何かが効いている」ことだけは確信していた。
又、一説によると、「農作物への海水と塩の施用効果は、(1)ミネラル効果、(2)塩素効果、(3)塩ストレス効果によってもたらされるとされており、(1)ミネラル効果については、植物の生育にとって多量必須元素(炭素、水素、酸素、窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、硫黄)及び微量必須元素(鉄、マンガン、亜鉛、銅、ホウ素、モリブデン、塩素、ニッケル)が必要であり、海水および海水塩にはその多くが含まれている。従って、海水や海水塩を植物に施用することは、必須元素であるミネラル類を施肥することになる」とある。
又、海水のpH値は8.0~8.5(弱アルカリ)で、表層海水8.l±0.2(弱アルカリ)、深層海水7.5~7.8(中世)とされており、概ね、弱アルカリなので、草木灰の添加水としての相性は良好な添加水であり、ミネラル分の補給剤としての効果も大きい。
以上、海水の肥料的効果に関する説明は、植物と塩分に関する科学的学説「塩害」に反するものであり、科学的に効果のメカニズムの解明は不可能である。然し、海水は肥料の様な効果のある農業生産資材としての「特殊肥料に該当する可能性」がある。
従って、特殊肥料に該当する可能性のある天然海水、又は合成塩水を添加して造粒した草木灰は、特殊肥料の定義である「米ぬか、魚かす、のような農家の経験と五感によって識別できる単純な肥料や、堆肥のような肥料の価値又は施肥基準が必ずしも含有成分量のみに依存しない肥料」の範囲を逸脱しない肥料であって、特殊肥料の中の「土壌改良剤」として扱うのが適当である。
又、合成塩水を製造する際に原料として使用する「塩」は、ミネラル等の含有成分が天然海水と同等の「天然岩塩」を使用することが望ましい。
木質チップ火力発電をはじめとする、木質チップボイラーより排出され、埋め立て処分されている利用価値のない、膨大な量の燃焼灰を、農業生産資材である肥料として活用できる。
本発明の粒状草木灰の原料は、木質チップや薪、特許文献1,3のバイオマス燃料等の燃焼灰であって、建築廃材などを除く、純粋な天然植物の燃焼灰のみを原料に限定する。
前記原料の草木灰は、乾燥した粉末であるので、造粒には加工し易い湿式造粒技術を採用するが、湿式造粒には乾燥した粉末に水分を添加する必要がある。一般的に乾燥した粉末の成型のための添加水分は、天然の淡水又は専用溶液を使用するが、本発明の実施の目的が草木灰を原料とする特殊肥料の土壌改良剤の製造と言うことなので、前記天然の淡水又は専用溶液ではなく、天然の海水を添加水分として使用し、土壌改良剤としての品質の向上を図ることを特徴とする。
添加する水分は、天然海水を使用することを基本とするが、調整塩水を使用する場合に使用する原料の「塩」は、原則として「天然岩塩」を使用する。
農業生産資材の土壌改良剤(特殊肥料)としての利用が可能である。
Claims (3)
- 乾燥した草木灰に天然海水、又は調合塩水を添加して製造する粉末状の肥料の製造方法であって、添加水分に天然海水、又は調合塩水を使用することを特徴とする肥料の製造方法。
- 請求項1に記載の製造方法で製造された肥料を、造粒加工して製造する肥料の製造方法。
- 調合塩水製造の原料塩に天然岩塩を使用する請求項1に記載の肥料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021023395A JP2022125673A (ja) | 2021-02-17 | 2021-02-17 | 草木灰を加工した土壌改良剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021023395A JP2022125673A (ja) | 2021-02-17 | 2021-02-17 | 草木灰を加工した土壌改良剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022125673A true JP2022125673A (ja) | 2022-08-29 |
Family
ID=83058281
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021023395A Pending JP2022125673A (ja) | 2021-02-17 | 2021-02-17 | 草木灰を加工した土壌改良剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022125673A (ja) |
-
2021
- 2021-02-17 JP JP2021023395A patent/JP2022125673A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Kumar et al. | Use of pressmud compost for improving crop productivity and soil health | |
Rahman et al. | Biochar and organic amendments for sustainable soil carbon and soil health | |
CN102807459A (zh) | 生物炭为基质的混配型设施菜田土壤调理剂及其制备方法 | |
CN105906456A (zh) | 园林绿化用高效保水保肥剂及其制备方法 | |
CN102153393A (zh) | 海洋生物钙多元素肥料 | |
CN102863277A (zh) | 一种双酸螯合型有机无机复合肥的生产方法 | |
Wierzbowska et al. | Sewage sludge as source of nitrogen and phosphorus for Virginia fanpetals. | |
CN107827561A (zh) | 一种番薯的缓释肥及其制备方法 | |
Damodar Reddy et al. | Effect of amending urea fertilizer with chemical additives on ammonia volatilization loss and nitrogen-use efficiency | |
CN100387553C (zh) | 利用赤霉菌培养基废渣生产颗粒商品有机肥技术 | |
CN102206108A (zh) | 一种花生专用肥的生产方法 | |
Korkmaz et al. | The influence of humic deposit (gyttja) application on some selected soil properties and yield-quality of hazelnut in acid conditions | |
KR100401247B1 (ko) | 무발효 퇴비, 유기질 비료 및 그의 제조방법 | |
CN105565950A (zh) | 一种花生专用肥的生产方法 | |
Gezahegn | Effect of organic fertilizers on maize (Zea mays L.) production and soil physical and chemical properties | |
JP2022125673A (ja) | 草木灰を加工した土壌改良剤 | |
Bakar Ijaz et al. | Alleviation of zinc deficiency from humans through plants by organic sources: A Powerful Tonic | |
CN107827650A (zh) | 一种花生专用肥及其制备方法 | |
CN103232291A (zh) | 一种水稻专用炭醋缓释生物肥及其制备方法 | |
Maruf et al. | Effect of humic acid and sulfur fertilizer levels on some physiological traits of maize (Zea mays L.) on calcareous soil. | |
Przygocka-Cyna et al. | Effect of bio-fertilizer amendment on agrochemical properties of soil cropped with vegetables | |
Tolescu et al. | Microencapsulated fertilizers for improvement of plant nutrition | |
CN107473901A (zh) | 一种微量元素生物菌肥及其制备方法 | |
CN107827562A (zh) | 一种阳桃的缓释肥及其制备方法 | |
CN108017441A (zh) | 一种甘蔗的缓释肥及其制备方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20220712 |