JP2022124349A - 空気清浄装置 - Google Patents
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Abstract
Description
ケーシングの内部に吸い込んだ空気を浄化して外部に吹き出す空気清浄装置において、
前記ケーシングの上面部に上方吹出口が設けられ、前記ケーシングの側面部に側方吹出口が設けられ、
前記ケーシングの内部にて、前記上方吹出口および前記側方吹出口からそれぞれ空気を吹き出す風量割合を調整可能な吹出調整手段を備えることを特徴とする。
本実施形態に係る空気清浄装置10は、ケーシング11の内部に吸い込んだ空気を浄化して外部に吹き出す装置である。以下、空気清浄装置10を、例えば一般家庭やホテルの客室等、比較的限られた空間に設置する場合を想定して、全体的にコンパクトな大きさに構成したものを例に説明する。
図1は、空気清浄装置10の内部構造を示す縦断面図(図3中のI-I線断面図)である。図2は、空気清浄装置10の外観を示す斜視図である。図3は、空気清浄装置10の上面部16を示す平面図である。図1から図3に示すように、空気清浄装置10は、例えば四角柱状に形成されたケーシング11の内部に、フィルター20やファン30等の関連部品を収納して構成されている。
図2示すように、ケーシング11は、全体的に内部が空洞の四角柱状であるが、底面より上面にかけて、水平方向の正方形横断面が緩やかに大きくなっている。ケーシング11の底面側は、台座12上に支持されている。ここでケーシング11の底面側は、台座12によって設置場所の床面より上方に離隔する。台座12上に被らない底面側の周囲は、そのまま開口しており、外部から空気を吸い込む吸込口13となっている。なお、ケーシング11および台座12、それに後述する上面部16は、例えば合成樹脂により形成されている。
図1に示すように、ケーシング11の内部の底面側には、フィルター20が収納されている。フィルター20は、例えば不織布や樹脂製の網目状のシート等から円筒形に形成されている。フィルター20は、吸込口13,15から吸い込まれた空気が、外周側より内周側に向けて通過するときに空気中の塵埃を捕集するものである。ここで塵挨とは、綿ゴミ、糸屑、その他、除去されるべき粒子を広く含むものである。
ファン30は、モーター40によって回転駆動され、吸込口13,15から外部の空気が吸い込まれ、上方吹出口17ないし側方吹出口18から浄化された空気を吹き出す空気の流れを発生させるものである。ファン30は、例えば互いに対向する主壁31と副壁32と間に、複数の羽根33を円周方向に一定間隔で並べて支持した遠心式ファンである。なお、ファン30の材質は、例えば合成樹脂である。
図1に示すように、モーター40は、給電された電力によって回転駆動する電動式であり、その回転軸41に固定されたファン30を回転させるものである。モーター40は、筒状のケース43に収納された状態で、ファン30の主壁31の上側に取り付けられている。ここでモーター40およびケース43は、ファン30と一体に組み合わせてユニット化しても良い。また、ケース43の上側には、図6に示すように、平面視で略正方形のハウジング44が配設されている。ここでハウジング44は、上下方向に開口している。
図1に示すように、ケーシング11の内部にて、各側面部14の内壁と、ファン30の外周(送出口)およびケース43の外周との間は、上下に連通してファン30から送り出された空気が上方に向かう通風路50となっている。ファン30の外周(送出口)が対向する位置の各側面部14の内壁に沿って、例えば周方向に仕切ることで空気の流れを円滑にするガイド部材34を設けても良い。
図1に示すように、ケーシング11の内部には、上方吹出口17および側方吹出口18からそれぞれ空気を吹き出す風量割合を調整可能な吹出調整手段が設けられている。吹出調整手段は、ケーシング11の各側面部14の側方吹出口18に対応して設けられた4つのルーバー60を備えている。各ルーバー60は、ハウジング44に設けられており、それぞれ上方吹出口17および側方吹出口18の一方を閉じると共に他方を開く状態に開閉する。
図6に示すように、ルーバー60は、例えば合成樹脂により両側方向に長い板状に形成されている。各ルーバー60は、それぞれ上端縁の両端が略水平な回転軸(ネジ)61を介して、ケーシング11の内部で上方通風路51と側方通風路52とが分岐する箇所、すなわちハウジング44の四方の側壁下端に回動可能に軸支されている。各ルーバー60は、ハウジング44の側壁下端より垂下し、それぞれ下端縁がケーシング11の内方向(一方向)および外方向(他方向)に回動するように設定されている。
各ルーバー60は、開閉機構によって同時に回動可能に構成されている。各ルーバー60は、その上端側が開閉機構のアーム74に押し引き可能に連結されている。図9、図10に示すように、ルーバー60の上端縁の略中央には、開閉機構のアーム74と連結するための連結部64が上方に突設されている。連結部64は、ルーバー60の内面側に若干湾曲しており、その上端に横向きのピン65が突設されている。
図1、図6に示すように、開閉機構は、ピニオン71を手動で回転させる操作部として、ピニオン71の回転軸70上に固定されたツマミ80を備えている。ツマミ80は、例えば合成樹脂により円筒状に形成されている。ツマミ80の下半部81は、大径で有底の円柱状であり、その底面にピニオン71が一体に固定されている。また、ツマミ80の上半部82は、下半側より小径であり、操作パネル47の中央にある円孔を貫通して外部に表出する上端には指で摘まめるリブが設けられている。
次に、本実施形態に係る空気清浄装置10の作用について説明する。
図1に示すように、空気清浄装置10において、モーター40の駆動によりファン30が回転すると、ケーシング11の内部で、空気はファン30の外周(送出口)より遠心方向に送り出される。ファン30から送り出された空気は、ケーシング11の内部の通風路50を通って上方に流れる。
図4に示すように、ルーバー60が、上方通風路51を全開状態とし、かつ側方通風路52を全閉状態とする最外側角度にあるとき、図4中の白抜矢印のように、ファンから送出された空気は、通風路50を通って上方通風路51に導かれる。そして、上方通風路51に導かれた空気は、上方吹出口17に到達してケーシング11の上方に吹き出される。
各ルーバー60は、開閉機構のツマミ80の回転操作よって同時に回動可能であり、最外側角度と最内側角度との間で任意の回動角度に無段階に変更して保持することができる。ここでツマミ80は、操作パネル47の中央の操作しやすい位置にあり、ツマミ80の上端にあるリブを摘まんで容易に回すことができる。
以上のように、手動によるツマミ80の回転操作によって、各ルーバー60の回動角度を変更することにより、上方通風路51と側方通風路52の開口面積の比率を任意に変えることができる。これにより、上方吹出口17および側方吹出口18からそれぞれ空気を吹き出す風量割合を、無段階に調整することができる。
上方吹出口17と側方吹出口18との具体的な風量割合は、空気を浄化したい空間における設置場所の状況に応じて適宜調整すれば良い。例えば、空気清浄装置10の設置場所において、直ぐ上方に遮る物がある場合(例えば机の下)、主に側方吹出口18から側方に向けて空気を吹き出すように調整する。これにより、遮蔽物のある上方への無駄な空気に流れを抑えことができ、側方吹出口18から吹き出された空気により、設置場所の空間の水平方向に広範囲に亘る気流を発生させることができる。
各ルーバー60やその開閉機構を含む吹出調整手段は、全てケーシング11の内部に設けられている。従って、上方吹出口17や側方吹出口18自体の構成は、当該部分においては、従来技術のような風向きを調整する風向板等は一切備えず、単なるスリットや小孔だけで足り、これらの開口より外部に露出する構造は存在しない。よって、これらの吹出口17,18が構造的に脆弱となる虞もなく、装置の外観品質を損なう虞もない。
吹出調整手段の主要部をなすルーバー60は、合成樹脂により両側方向に長い板状に形成した場合、強度的に問題があるが、ルーバー60の内外両面に補強用のリブ62,63を設けたことにより、剛性を高めることができる。ここでリブ62,63は、ルーバー60の基準面より凹凸をなすが、通風路50を流れてきた空気の旋回流と同一方向に沿って延びているため、空気の流れを損なうことなく整流も行うことができる。
また、本実施形態では、ケーシング11の四方の側面部14の全てに亘り側方吹出口18を設けたが、各側面部14の側方吹出口18のうち少なくとも何れか一つの側面部14の側方吹出口18を選択的に閉鎖可能に構成しても良い。例えば、四方ある各側面部14のうち特定の向きにある1つの側方吹出口18だけから空気を吹き出したい場合には、他の3つの側方吹出口18を予め閉鎖すると良い。ここで「閉鎖」とは、側方吹出口18を覆うことが可能な部材等で覆って、送風できない状態にすることを意味する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではない。前述した実施形態から導かれる本発明について、以下に説明する。
ケーシング11の内部に吸い込んだ空気を浄化して外部に吹き出す空気清浄装置10において、
前記ケーシング11の上面部16に上方吹出口17が設けられ、前記ケーシング11の側面部14に側方吹出口18が設けられ、
前記ケーシング11の内部にて、前記上方吹出口17および前記側方吹出口18からそれぞれ空気を吹き出す風量割合を調整可能な吹出調整手段を備えることを特徴とする。
前記吹出調整手段は、前記上方吹出口17および前記側方吹出口18にそれぞれ向かう各通風路51,52の一方を閉じると共に他方を開く状態に開閉するルーバー60を備えることを特徴とする。
前記側方吹出口18は、前記ケーシング11の周方向に亘って区画された複数の側面部14ごとに配置され、
前記ルーバー60は、前記各側面部14の側方吹出口18に対応して複数設けられたことを特徴とする。
前記各ルーバー60は、それぞれ対応する前記側方吹出口18ごとに、一方向に傾いて側方吹出口18に向かう通風路52を閉じる一方、他方向に傾いて側方吹出口18に向かう通風路52を開くように回動可能に設けられ、
前記各ルーバー60を、それぞれ同時に回動させる開閉機構を備えることを特徴とする。
前記各ルーバー60は、それぞれ両端が軸支され下端側が内外方向へ回動し、
前記開閉機構は、正逆方向に回転するピニオン71と、前記各ルーバー60に対応した複数のラック72と、を備え、
前記各ラック72は、それぞれ前記ピニオン71に噛み合い、該ピニオン71の外周に亘って等間隔に並び接線方向に延びる状態に配置され、
前記各ラック72に、それぞれの外側に位置する前記各ルーバー60に向かうアーム74が設けられ、
前記各アーム74の先端側は、前記ピニオン71の回転による前記ラック72の直線移動に伴って、それぞれ対応する前記ルーバー60の上端側に押し引き可能に連結されたことを特徴とする。
前記開閉機構は、前記ピニオン71を手動で回転させる操作部を備え、
前記操作部は、前記ピニオン71の回転軸上に固定されたツマミ80からなり、
前記ツマミ80は、前記ケーシング11の上面部16の中央を貫通して配置され、
前記ツマミ80を、正方向へ回転させると前記ピニオン71も正方向へ回転する一方、逆方向へ回転させると前記ピニオン71も逆方向へ回転することを特徴とする。
前記ルーバー60の内外の少なくとも一方の面に、補強用のリブ62,63が設けられ、
前記リブ62,63は、前記通風路において空気が流れる方向に沿って延び、前記ルーバー60の面に対してアール断面に連なることを特徴とする。
11…ケーシング
12…台座
13…吸込口
14…側面部
15…吸込口
16…上面部
17…上方吹出口
18…側方吹出口
20…フィルター
21…仕切板
23…連通部材
30…ファン
40…モーター
43…ケース
44…ハウジング
45…支持部材
46…ボックス
47…操作パネル
50…通風路
51…上方通風路
52…側方通風路
60…ルーバー
70…回転軸
71…ピニオン
72…ラック
73…ガイド溝
74…アーム
80…ツマミ
Claims (7)
- ケーシングの内部に吸い込んだ空気を浄化して外部に吹き出す空気清浄装置において、
前記ケーシングの上面部に上方吹出口が設けられ、前記ケーシングの側面部に側方吹出口が設けられ、
前記ケーシングの内部にて、前記上方吹出口および前記側方吹出口からそれぞれ空気を吹き出す風量割合を調整可能な吹出調整手段を備えることを特徴とする空気清浄装置。 - 前記吹出調整手段は、前記上方吹出口および前記側方吹出口にそれぞれ向かう各通風路の一方を閉じると共に他方を開く状態に開閉するルーバーを備えることを特徴とする請求項1に記載の空気清浄装置。
- 前記側方吹出口は、前記ケーシングの周方向に亘って区画された複数の側面部ごとに配置され、
前記ルーバーは、前記各側面部の側方吹出口に対応して複数設けられたことを特徴とする請求項2に記載の空気清浄装置。 - 前記各ルーバーは、それぞれ対応する前記側方吹出口ごとに、一方向に傾いて側方吹出口に向かう通風路を閉じる一方、他方向に傾いて側方吹出口に向かう通風路を開くように回動可能に設けられ、
前記各ルーバーを、それぞれ同時に回動させる開閉機構を備えることを特徴とする請求項3に記載の空気清浄装置。 - 前記各ルーバーは、それぞれ両端が軸支され下端側が内外方向へ回動し、
前記開閉機構は、正逆方向に回転するピニオンと、前記各ルーバーに対応した複数のラックと、を備え、
前記各ラックは、それぞれ前記ピニオンに噛み合い、該ピニオンの外周に亘って等間隔に並び接線方向に延びる状態に配置され、
前記各ラックに、それぞれの外側に位置する前記各ルーバーに向かうアームが設けられ、
前記各アームの先端側は、前記ピニオンの回転による前記ラックの直線移動に伴って、それぞれ対応する前記ルーバーの上端側に押し引き可能に連結されたことを特徴とする請求項4に記載の空気清浄装置。 - 前記開閉機構は、前記ピニオンを手動で回転させる操作部を備え、
前記操作部は、前記ピニオンの回転軸上に固定されたツマミからなり、
前記ツマミは、前記ケーシングの上面部の中央を貫通して配置され、
前記ツマミを、正方向へ回転させると前記ピニオンも正方向へ回転する一方、逆方向へ回転させると前記ピニオンも逆方向へ回転することを特徴とする請求項5に記載の空気清浄装置。 - 前記ルーバーのうち少なくとも前記上方吹出口に向かう通風路を臨む面に、整流用のリブが設けられ、
前記リブは、前記ルーバーの面に対してアール断面に連なることを特徴とする請求項2,3,4,5または6に記載の空気清浄装置。
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