JP2022123327A - Mox燃料物質、mox燃料集合体、mox燃料検知システムおよびmox燃料検知方法 - Google Patents

Mox燃料物質、mox燃料集合体、mox燃料検知システムおよびmox燃料検知方法 Download PDF

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Abstract

【課題】MOX燃料に関しての核セキュリティ性を向上させる。【解決手段】実施形態によれば、MOX燃料用物質10aは、核燃料物質としてのウラニウムと核燃料物質としてのプルトニウムとの混合酸化物と、中性子発生用金属における中性子源として中性子を生ずるキュリウム244を同位体として含有するキュリウムとを有する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、MOX燃料物質、MOX燃料集合体、MOX燃料検知システムおよびMOX燃料検知方法に関する。
発電用軽水炉から取り出される使用済み燃料にはプルトニウムが含まれている。使用済み燃料中のプルトニウムの同位体のうち、プルトニウム-239やプルトニウム-241は核分裂性の同位体であり、再処理工場での抽出を経て、混合酸化物(MOX)燃料として、軽水炉で再利用をすることができる。軽水炉はエネルギーレベルの低い熱中性子を利用することから熱中性子炉とも呼ばれ、プルトニウムを軽水炉で再利用することは、プルサーマルと呼ばれる。
ウラン燃料においては、ウランの同位体の一つである核分裂性のウラン-235は、軽水炉の場合、高々5%程度含まれている。一方、ウラン-235を核兵器に転用する場合には、ウラン-235を90%以上に濃縮する必要があるが、濃縮には遠心分離器などの高価で大規模な設備や高度な技術を要することから、ウランの濃縮は容易ではない。
一方、MOX燃料に含まれるプルトニウムは、プルトニウム中に60~70%の核分裂性プルトニウムを含む。また、プルトニウムの分離は溶媒抽出などの化学的操作で行えることから、濃縮に比べ、安価に行うことができる。
このように、MOX燃料からは核兵器に転用可能な核物質の抽出が比較的容易に行えることから、テロリスト等による核物質の盗取を防ぐ必要がある。これは核セキュリティと呼ばれる。
MOX燃料の核セキュリティを高めるには、MOX燃料の存在を常に監視できることが望ましい。また、MOX燃料に容易にアクセスができないことも核セキュリティ上の重要な観点となる。
MOX燃料の存在監視には、放射線検知が有効であるが、一般に新燃料の放射線レベルは低い。また、プルトニウムやウランの検知にはゲルマニウム検出器等を用いたガンマ線スペクトル計測が有効であるが、ゲルマニウム検出器は高価であり、使用時は常に液体窒素等による冷却を必要とする。エネルギーを弁別しないグロスガンマ線測定は、安価で容易に行うことができるが、汚染などによりガンマ線場が強いときは、バックグラウンドガンマ線との弁別などに注意が必要である。
MOX燃料の存在監視のための放射線検知では、ガンマ線と同様に中性子を利用することもできる。ガンマ線は鉛や鉄等の重い金属で遮蔽ができるが、中性子は鉄や鉛を透過しやすいという特徴がある。中性子は自然界にはほとんど存在しないこと、および、通常の汚染源となるCo-60やCs-137などの核種は中性子を発生しないことから、バックグラウンドとの弁別も容易である。また、中性子は同じ線量であればガンマ線より人体に対する影響が大きく、強い中性子場には容易に近づくことは困難である。
また、中性子は、グロスガンマ線と同様に、冷却の必要のない安価な中性子検出器を用いて容易に検出することができる。
特開2016-217876号公報
一般に、使用済み燃料は内部に蓄積された核分裂生成物のため、強いガンマ線を発生し、容易に人が近づくことはできない。それに対して、核分裂生成物を含まない新燃料の場合は、アクセスが容易であることから、核セキュリティ上の課題がある。
そこで本発明の実施形態は、MOX燃料に関しての核セキュリティ性を向上させることを目的とする。
上述の目的を達成するため、本実施形態に係るMOX燃料物質は、核燃料物質としてのウラニウムと核燃料物質としてのプルトニウムとの混合酸化物と、中性子発生用金属における中性子源として中性子を生ずるキュリウム244を同位体として含有するキュリウムと、を有することを特徴とする。
第1の実施形態に係るMOX燃料集合体の構成を示す断面図である。 第1の実施形態に係るMOX燃料集合体のMOX燃料棒の構成を示す断面図である。 第1の実施形態に係るMOX燃料集合体の中性子発生棒の構成を示す断面図である。 第1の実施形態に係るMOX燃料検知システムの構成を示す輸送容器の断面図およびブロック図である。 第1の実施形態に係るMOX燃料検知システムの判定装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係るMOX燃料検知方法の手順を示すフロー図である。 第2の実施形態に係るMOX燃料検知システムの判定装置の構成を示すブロック図である。 第2の実施形態に係るMOX燃料検知方法の手順を示すフロー図である。 第3の実施形態に係るMOX燃料検知システムの判定装置の構成を示すブロック図である。 第3の実施形態に係るMOX燃料検知方法の手順を示すフロー図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るMOX燃料物質、MOX燃料集合体、MOX燃料検知システムおよびMOX燃料検知方法について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重複説明は省略する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係るMOX燃料集合体10の構成を示す断面図である。
MOX燃料集合体10は、複数のMOX燃料棒20、2つの中性子発生棒30、およびこれらを収納するチャンネルボックス40を有する。MOX燃料棒20および中性子発生棒30は、MOX燃料用物質10aを収納している。MOX燃料用物質10aについては、後に図2および図3を引用しながら説明する。
複数のMOX燃料棒20と2つの中性子発生棒30は、長手方向に延びて、互いに並列に格子状に配されている。図1では、9行9列の格子の場合を示している。中性子発生棒30は、中央に位置するMOX燃料棒20を挟んで互いに対称の位置に配されている。
なお、MOX燃料集合体10のMOX燃料棒20と2つの中性子発生棒30は、9行9列の場合に限定されず、たとえば8行8列などでもよい。また、図1では、中性子発生棒30が2本の場合を示したが、これに限定されない。たとえば、中心位置に1本配されている場合でもよいし、3本以上の場合でもよい。ただし、反応度確保の観点からは、MOX燃料棒20の本数を確保することが望ましいので、中性子発生棒30の本数は、多すぎない方がよい。
図2は、第1の実施形態に係るMOX燃料集合体10のMOX燃料棒20の構成を示す断面図である。
MOX燃料棒20は、その長手方向に積層された複数の燃料ペレット21、これを収納する燃料被覆管22、燃料被覆管22の下部および上部をそれぞれ封印する下部端栓23および上部端栓24、および燃料ペレット21の抑えバネ25を有する。
燃料ペレット21のそれぞれは、たとえば円柱状であり、核燃料物質としてのウラニウムと核燃料物質としてのプルトニウムとの混合酸化物である。具体的な性状は、たとえば、ウラニウムとプルトニウムの混合酸化物の焼結体である。
ここでMOX燃料用物質10aは、燃料ペレット21の材料となる上記のウラニウムとプルトニウムの混合酸化物を有する。
図3は、第1の実施形態に係るMOX燃料集合体10の中性子発生棒30の構成を示す断面図である。
中性子発生棒30は、円柱状の中性子発生用金属31、中性子発生用金属31を収納する金属用被覆管32、金属用被覆管32の下部および上部をそれぞれ封印する下部端栓33および上部端栓34、および中性子発生用金属31の抑えバネ35を有する。
中性子発生用金属31は、キュリウム(Cm)である。ここで、キュリウムの性状は金属であり、円柱状である。ここで、Cmは、同位体としてのCm244を含有する。Cmには安定同位体は存在しないが、たとえば、使用済み燃料から分離されたCmを用いることができる。
ここで、 ここでMOX燃料用物質10aは、上記の中性子発生用金属31を有する。すなわち、MOX燃料用物質10aは、前述のウラニウムとプルトニウムの混合酸化物およびこの中性子発生用金属31を有する。
Cmの同位体であるキュリウム242(242Cm)、キュリウム244(244Cm)は、アルファ崩壊するとともに、自発核分裂をする核種である。キュリウム242は、アルファ崩壊による半減期が163日、自発核分裂による半減期が7.0×10年である。また、キュリウム244は、アルファ崩壊による半減期が18.1年、自発核分裂による半減期が1.3×10年である。使用済み燃料から分離されたものを使用する場合は、キュリウム242はアルファ崩壊による減衰が速いことから、半減期のより長いキュリウム244が有用である。
1gのキュリウム244は、1秒間に約10個のエネルギーの高い高速中性子を発生する。
図4は、第1の実施形態に係るMOX燃料検知システムの構成を示すブロック図および輸送容器1の断面図である。
まず、輸送容器1について説明する。輸送容器1は、ガンマ線遮蔽体2、中性子遮蔽体3、および鋼製容器4を有する。ガンマ線遮蔽体2は、複数のMOX燃料集合体10の周囲を覆っている。ガンマ線遮蔽体2の外側は、中性子遮蔽体3に覆われている。ガンマ線遮蔽体2および中性子遮蔽体3は、円筒状の鋼製容器4に覆われている。したがって、MOX燃料集合体10からガンマ線および中性子が放出された場合、ガンマ線は主にガンマ線遮蔽体2により、また、中性子は主に中性子遮蔽体3により減衰する。
次にMOX燃料検知システム200について説明する。MOX燃料検知システム200は、中性子検出系50および判定装置100を有する。
中性子検出系50は、複数の中性子検出器51、ケーブル52、無線送信機53、および無線受信機54を有する。
中性子検出器51は、中性子との反応により荷電粒子を放出する核種を有する。中性子との反応により荷電粒子を生ずる核種としては、たとえば、ウラニウム235、ホウ素10、ヘリウム3、リチウム6を用いることができる。
複数の中性子検出器51は、ガンマ線遮蔽体2の外側、すなわち、中性子遮蔽体3内の内側部分に配置されている。すなわち、中性子が中性子遮蔽体3により減衰する前に中性子を検出する位置にある。無線送信機53は、鋼製容器4の外側に取り付けられており、中性子検出器51と無線送信機53は、ケーブル52により接続されている。
無線送信機53と無線受信機54とは、中性子検出器51による測定結果を、無線によって送受信する。無線受信機54により受信した中性子検出器51による測定結果である計数率は、判定装置100に入力される。
無線送信機53は、移送される輸送容器1に設けられているが、無線受信機54は、監視所あるいは中継所に設置されていてもよい。監視所あるいは中継所自体も、移動するものであってもよい。
図5は、第1の実施形態に係るMOX燃料検知システム200の判定装置100の構成を示すブロック図である。
判定装置100は、たとえば、計算機システムである。あるいは、入力装置、出力装置、複数の演算器、複数のメモリー等が機能的に統合されているシステムでもよい。判定装置100は、演算部110、記憶部120、入力部130、および出力部140を有する。
演算部110は、相対比算出部115および比較判定部118を有する。また、記憶部120は、計数率記憶部121を有する。
入力部130は、無線送信機53および無線受信機54を経由して送られる中性子検出器51による測定結果、すなわち計数率を受け入れる。入力部130により受け入れられた計数率は、記憶部120の計数率記憶部121に記憶される。なお、計数率記憶部121に記憶される計数率は、計数率記憶部121のメモリー容量により決まる数が記憶され、新たな係数値が入力されると、最も古い計数率が消去される。あるいは、過去の履歴を確認できるように、バッチ的に、大容量の記憶装置に移送されることでもよい。
相対比算出部115は、今回の計数率の前回の計数率に対する比、すなわち相対比R1を算出する。ここで、前回の計数率としては、今回の計数率の直前に受け入れた計数率ではなくともよい。すなわち、ある回数だけ前に受け入れた計数率を用いてもよい。あるいは、今回の計数率および前回の計数率のいずれか、あるいは両者について、複数回の平均値、すなわち移動平均値を用いてもよい。
比較判定部118は、相対比算出部115が算出した相対比R1を所定の値以下か否かを判定する。ここで、所定の値とは、MOX燃料集合体10からの中性子の減衰分を考慮して、減衰比より小さな値に設定する。相対比R1が所定の値以下となった場合は、異常と判定する。
ここで、「異常」とは、MOX燃料集合体10の核燃料物質が、窃取により減少した状態を意味する。
図6は、第1の実施形態に係るMOX燃料検知方法の手順を示すフロー図である。
まず、中性子検出系50は、遠隔で、中性子計数率を取得し、判定装置100に出力し続ける(ステップS11)。なお、サンプリング間隔は、短い必要はなく、たとえば、1秒程度でもよい。
次に、判定装置100においては、入力部130が、中性子検出系50から出力された中性子計数率を受け入れて、計数率記憶部121が記憶、収納する(ステップS12)。
次に、相対比算出部115が、計数率記憶部121に記憶された計数率を読み出して、相対比R1を算出する(ステップS13)。
次に、比較判定部118が、相対比算出部115により算出された相対比R1が、所定の値より小さいか否かを判定する(ステップS14)。比較判定部118が、相対比R1を所定の値より小さいと判定しなかった場合(ステップS14 NO)は、ステップS11ないしステップS14を繰り返す。
比較判定部118が、相対比を所定の値より小さいと判定した場合(ステップS14 YES)は、比較判定部118は、異常と判定する(ステップS15)。すなわち、核燃料が窃取された可能性があると判定し、出力部140が、その旨の警告を発報する。
以上のように、本実施形態によれば、MOX燃料集合体10は発生する中性子の量を増加させるように構成されている。MOX燃料検知システム200は、中性子の発生量を中性子の計数率により遠隔で監視することにより、核燃料物質の減少が生じた場合には、異常と判定、警報を発する。これにより、核セキュリティ性を向上させることができる。
使用済み燃料中には、マイナーアクチニド(MA)と呼ばれる核種が含まれ、ネプツニウム、アメリシウム、キュリウムが大部分を占める。これらは長い半減期を持つことから、使用済み燃料処分において、長期間の管理が必要とされている。したがって、キュリウムを再利用することにより、さらに、マイナーアクチニド(MA)の長期間の管理の負担低減の効果も得ることができる。
[第2の実施形態]
本実施形態は、第1の実施形態の変形であり、中性子発生用金属31に代えて中性子発生用金属31aを有する。その他の点では、第1の実施形態と同様である。
中性子発生用金属31aは、MOX燃料集合体10内において自発的に中性子を発生する中性子源の機能を有する。中性子発生用金属31aは、ベリリウム(Be)およびキュリウム(Cm)を含有する。具体的には、ベリリウム-キュリウム合金である。ここで、キュリウムは、同位体としてキュリウム244を含むものとする。
また、ベリリウムは、同位体としてベリリウム9(Be)を含むものとする。なお、ベリリウムは、自然界では、ベリリウム9の存在比が100%であり、天然のベリリウムを用いることができる。
このように、本実施形態においては、MOX燃料用物質10aは、前述のウラニウムとプルトニウムの混合酸化物である核燃料物質およびベリリウム(Be)とキュリウム(Cm)を含有する中性子発生用金属31aを有する。
キュリウム244は、第1の実施形態で示した自発核分裂をする核種であるとともに、α線を放出するアルファ線源である。このα線をベリリウムと反応させることで(α、n)反応のためのアルファ線源として利用することができる。
1gのキュリウム244は、1秒間に約3×1012のα線を発生する。ベリリウムとの(α、n)反応によるα線1個当たりの中性子発生量は、0.0001(n/α)程度である。この結果、中性子発生数は、約3×10個/gとなり、第1の実施形態で示した自発中性子より多くの中性子を得ることができる。
上述のように、キュリウム244をアルファ線源として用いるが、キュリウムとともに、アメリシウムをα線源として用いてもよい。アメリシウムの同位体としては、アメリシウム241(241Am)、アメリシウム242(242Am)、およびアメリシウム243(243Am)があり、いずれもアルファ崩壊が存在する核種、すなわちアルファ線源となり得る核種である。
以上のように、本実施形態によるMOX燃料集合体10からは、より多くの中性子が発生することから、アクセス性をさらに困難にするとともに、中性子の発生量の遠隔での監視をより確実にし、核セキュリティ性をさらに向上させることができる。
また、キュリウムおよびアメリシウムを再利用することにより、使用済み燃料中のマイナーアクチニド(MA)の長期間の管理の負担低減の効果をさらに高めることができる。
[第3の実施形態]
図7は、第3の実施形態に係るMOX燃料検知システムの判定装置100aの構成を示すブロック図である。本実施形態による判定装置100aは、第1の実施形態における判定装置100の変形である。
判定装置100aの演算部110aは、相対比算出部115および比較判定部118に代えて、理論計数率算出部112、相対比算出部115aおよび比較判定部118aを有する。
記憶部120aは、MOX燃料集合体10中の中性子源の崩壊定数λを記憶、収納する崩壊定数記憶部122をさらに有する。ここで、崩壊定数は、MOX燃料集合体10中の中性子発生用金属31の核種ごとに異なるが、主要なものを対象とすればよい。
図8は、第2の実施形態に係るMOX燃料検知方法の手順を示すフロー図である。
まず、中性子検出系50は、遠隔で、中性子計数率を取得し、判定装置100aに出力し続ける(ステップS21)。判定装置100aの記憶部120aの計数率記憶部121が、この値を第1回目の計数率C1として収納する。
次に、判定装置100aの記憶部120aの計数率記憶部121が、第1回の取得値から、時間tだけ経過した時点で取得された計数率を第2回の計数率C2を第2回目の計数率C2として収納する(ステップS22)。
また、理論計数率算出部112は、理論計数率Cthを算出する(ステップS23)。具体的には、理論計数率算出部112は、崩壊定数記憶部122に記憶された中性子発生用金属31の核種の崩壊定数λを用いて、第1回の計数率の取得時点から、時間tだけ経過した後の減衰比を第1回の計数率に乗じて、次の式(1)により理論計数率Cthを算出し、出力する。
Cth=C1・e-λt ・・・(1)
キュリウム中のキュリウム244の中性子放出による半減期は18.1年であることから、キュリウム244の崩壊定数は、ln(2)/18.1、すなわち0.038(/年)となる。たとえば、経過時間tを1年とすると、1年後の計数率は、式(1)により、当初の0.96倍となる。
なお、MOX燃料集合体10にはプルトニウム-239、241、ウラン-235等の核分裂性物質が含まれるため、中性子の増倍により中性子が増えるが、体系が変わらない限り中性子増倍率は一定である。また、核燃料物質の盗取の可能性のある原子炉停止中、あるいは原子炉外に存在する場合には、運転中に比較して、添加されたキュリウムによる中性子の発生量は小さく、燃焼による核燃料物質の減少は無視できる。したがって、式(1)は実際を十分よく模擬している。
次に、相対比算出部115aは、第2回の計数率C2の理論計数率Cthに対する相対比R2を算出する(ステップS24)。
比較判定部118aは、ステップS24で得られた相対比R2が、所定の値未満か否かを判定する(ステップS25)。
ステップS25で、相対比R2が所定の値未満とは判定されなかった場合(ステップS25 NO)には、ステップS21ないしステップS24を繰り返す。
ステップS25で、相対比R2が所定の値未満と判定された場合(ステップS25 YES)には、比較判定部118は、異常と判定する(ステップS26)。すなわち、核燃料が通常の状態で減衰した量より有意に少なく、核燃料が窃取された可能性があると判定し、出力部140が、その旨の警告を発報する。
なお、以上のステップは、時間tごとのバッチ的に行われるのではなく、連続的に行われることでもよい。すなわち、第1回目の計数率C1と、これより時間tだけ遅い第2回目の計数率C2のセットを順次シフトし、それぞれの時刻のセットについて、理論計数率算出部112、相対比算出部115aによる演算および比較判定部118による比較、判定の実施を継続することでもよい。
本実施形態によれば、より正確な理論計数率との比較を行い判定することから、より正確な判定を行うことができる。
[第4の実施形態]
図9は、第4の実施形態に係るMOX燃料検知システムの判定装置100bの構成を示すブロック図である。本実施形態による判定装置100bは、第1の実施形態における判定装置100の変形である。
判定装置100bの演算部110bは、平均値算出部113および分散算出部114を有し、相対比算出部115および比較判定部118にそれぞれ代えて相対比算出部115bおよび比較判定部118bを有する。また、記憶部120bは、相対比記憶部123をさらに有する。
ここで、平均値算出部113および分散算出部114は、計数率記憶部121に記憶されたある時間幅Δtに含まれる計数率の時系列データの、それぞれ、平均値Cavおよび分散Cvarを算出する。
すなわち、時間幅Δtに含まれる計数率データをCi(i=1,2,…,n)とすれば、平均値Cavおよび分散Cvarは、それぞれ、次の式(2)および式(3)により与えられる。
Cav=(ΣCi)/n ・・・(2)
Cvar=(Σ(Ci-Cav))/n ・・・(3)
ただし、Σは、iを1からnとする場合の和を示す。
相対比算出部115bは、次の式(4)により分散Cvarの平均値Cavに対する相対比R3を算出する。
相対比R3=(分散Cvar)/(平均値Cav) ・・・(4)
相対比算出部115bにより算出された相対比R3は、順次、記憶部120bの相対比記憶部123に記憶、収納される。
以上の、n個の計数率データをCi(i=1,2,…,n)に基づく平均値算出部113、分散算出部114、相対比算出部115bによる演算は、n個の計数率データの処理の後に次のn個の計数率データの処理というようにバッチ的に行われてもよい。あるいは、連続的に、あらたな計数率を受け入れたら、n個を構成する計数率データを1つずつずらしていくことでもよい。すなわち、たとえば、平均値演算の場合であれば、移動平均をとる方法となる。
比較判定部118bは、相対比記憶部123に収納された各時点での相対比R3を読み出して、その時間的変化の有無を判定する。
図10は、第4の実施形態に係るMOX燃料検知方法の手順を示すフロー図である。
まず、中性子検出系50は、遠隔で、中性子計数率を取得し、判定装置100bに出力し続ける(ステップS31)。判定装置100bの記憶部120aの計数率記憶部121が、これらの値を中性子計数率Ciとして収納する。計数率記憶部121は、中性子計数率Ciのデータを記憶、収納する。
計数率データが連続してn個となったときに、計数率記憶部121は、中性子計数率Ci(i=1~n)のデータを出力する(ステップS32)。なお、n個のセットの判定は、演算部110bのたとえば平均値算出部113で行ってもよい。あるいは、判定装置100bに進行制御を行う装置を設けて、この装置が行うことでもよい。
次に、平均値算出部113が、中性子計数率Ci(i=1~n)に基づいて、この平均値Cavを算出する(ステップS33)。
また、分散算出部114が、中性子計数率Ci(i=1~n)およびステップS33で得られた平均値Cavに基づいて、分散Cvarを算出する(ステップS34)。
次に、相対比算出部115bは、分散Cvarの平均値Cavに対する相対比R3を算出する(ステップS35)。算出された各時点での相対比R3は、順次、相対比記憶部123に記憶、収納される。
「ある事象と別の事象の間に相関がなく独立」で、かつ「単位時間あたりの発生確率が時間的に一定」の条件を満たすとみなせる状況では、その測定量は統計学的にポアソン分布に従うことが知られている。放射性物質の崩壊の頻度は、この条件を満たし、ポアソン分布に従う。
一方、中性子が同時に複数個発生する場合や、核分裂性物質による連鎖反応が生じる場合は、前記の条件を満たさないため、ポアソン分布からずれることになる。
ポアソン分布に従う場合、中性子計数率Ciの分散Cvarの平均値Cavに対する比は1となる。
MOX燃料集合体10のように未臨界体系ではあるが、ある程度の核分裂反応が生じている体系にあっては、中性子計数率Ciはポアソン分布からずれるため、相対比算出部115bにより算出される相対比R3は、1より大きい値となる。しかしながら、MOX燃料集合体10の核燃料物質の量に変化がなければ、相対比R3は、維持される。
比較判定部118bは、ステップS35で得られた各時点の相対比R3に基づいて、相対比R3の変化が、大であるか否かを判定する(ステップS36)。相対比R3の変化については、たとえば、所定の時間幅だけ時間が遡った時点の相対比R3pと、最新の相対比R3qとの比から1を減じて、この絶対値が所定の値よりも大きいか否判定する。
ステップS36で、相対比R3の変化が大きいとは判定されなかった場合(ステップS36 NO)には、ステップS31ないしステップS36を繰り返す。
ステップS36で、相対比R3の変化が大きいと判定された場合(ステップS36 YES)には、比較判定部118bは、異常と判定する(ステップS37)。すなわち、核燃料が通常の状態で減衰した量より有意に少なく、核燃料が窃取された可能性があると判定し、出力部140が、その旨の警告を発報する。
以上のように、本実施形態によれば、第3の実施形態と同様に、より正確な理論計数率との比較を行い判定することから、より正確な判定を行うことができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
また、各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。たとえば、MOX燃料検知システムに関しては、第3の実施形態の特徴と第4の実施形態の特徴との両者を有することでもよい。
また、実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…輸送容器、2…ガンマ線遮蔽体、3…中性子遮蔽体、4…鋼製容器、10…MOX燃料集合体、10a…MOX燃料用物質、20…MOX燃料棒、21…燃料ペレット、21a…核燃料物質、22…燃料被覆管、23…下部端栓、24…上部端栓、25…抑えバネ、30…中性子発生棒、31、31a…中性子発生用金属、32…金属用被覆管、33…下部端栓、34…上部端栓、35…抑えバネ、40…チャンネルボックス、50…中性子検出系、51…中性子検出器、52…ケーブル、53…無線送信機、54…無線受信機、100、100a、100b…判定装置、110、110a、110b…演算部、111…相対比算出部、112…理論計数率算出部、113…平均値算出部、114…分散算出部、115、115a、115b…相対比算出部、118、118a、118b…比較判定部、120、120a、120b…記憶部、121…計数率記憶部、122…崩壊定数記憶部、123…相対比記憶部、130…入力部、140…出力部、200…MOX燃料検知システム

Claims (12)

  1. 核燃料物質としてのウラニウムと核燃料物質としてのプルトニウムとの混合酸化物と、
    中性子発生用金属における中性子源として中性子を生ずるキュリウム244を同位体として含有するキュリウムと、
    を有することを特徴とするMOX燃料用物質。
  2. 前記中性子発生用金属は、前記キュリウムから放出されるアルファ線を吸収して中性子を生ずる中性子源としてのベリリウムをさらに有することを特徴とする請求項1に記載のMOX燃料用物質。
  3. 前記中性子発生用金属としての前記ベリリウムと前記キュリウムとは合金化されていることを特徴とする請求項2に記載のMOX燃料用物質。
  4. 前記中性子発生用金属は、アルファ線源としてアメリシウムをさらに含むことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のMOX燃料用物質。
  5. 核燃料物質としてのウラニウムと核燃料物質としてのプルトニウムとの混合酸化物を内蔵し、長手方向に延びて互いに並列に配された複数のMOX燃料棒と、
    中性子源として中性子を発生する中性子発生用金属を内蔵し、長手方向に延びて前記MOX燃料棒とともに格子状に配列された複数の中性子発生棒と、
    を有することを特徴とするMOX燃料集合体。
  6. 核燃料物質からの中性子を測定し中性子計数率を出力する中性子検出器と、
    前記中性子検出器の出力の時系列データに基づいて異常の有無を監視可能な判定装置と、
    を有することを特徴とするMOX燃料検知システム。
  7. 前記中性子検出器は、ウラニウム235、ホウ素10、ヘリウム3、リチウム6の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項6に記載のMOX燃料検知システム。
  8. 前記中性子検出器の出力を無線送信する送信部と、
    常時監視用に前記送信部からの信号を遠隔で受信する受信部と、
    を有することを特徴とする請求項6または請求項7に記載のMOX燃料検知システム。
  9. 時刻の異なる前記中性子計数率から相対比を算出する相対比算出部と、
    前記相対比から異常の有無を判定する比較判定部と、
    を有することを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか一項に記載のMOX燃料検知システム。
  10. 前記中性子計数率から所定時間後のキュリウム244の減衰による理論値を算出する理論計数率算出部と、
    前記所定時間後の前記中性子計数率と前記理論値との相対比を算出する相対比算出部と、
    前記相対比から異常の有無を判定する比較判定部と、
    を有することを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか一項に記載のMOX燃料検知システム。
  11. 前記中性子計数率の時系列データから平均値を算出する平均値算出部と、
    前記中性子計数率の時系列データおよび前記平均値とから分散を算出する分散算出部と、
    前記分散の前記平均値に対する相対比を算出する相対比算出部と、
    前記相対比から異常の有無を判定する比較判定部と、
    を有することを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか一項に記載のMOX燃料検知システム。
  12. MOX燃料用物質からの中性子を測定し異常の有無を判定するMOX燃料検知方法であって、
    中性子検出器が中性子を検出し中性子計数率を出力するステップと、
    計数率記憶部が前記中性子計数率を記憶するステップと、
    記憶された前記中性子計数率に基づいて異常の有無を判定するステップと、
    を有することを特徴とするMOX燃料検知方法。
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