JP2022122289A - 植物体の水分ストレス制御装置及び植物体の水分ストレス制御方法 - Google Patents

植物体の水分ストレス制御装置及び植物体の水分ストレス制御方法 Download PDF

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Ryosuke Yamanaka
孝喜 矢野
Takayoshi Yano
恆 吉越
Hisashi Yoshikoshi
みのり 遠藤
Minori Endo
光生 和田
Mitsuo Wada
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Abstract

【課題】飽差の時間二次微分値を用いることで、植物体に対して水分ストレスが増大する施設内環境を回避することができる植物体の水分ストレス制御装置及び植物体の水分ストレス制御方法を提供すること。【解決手段】本発明の植物体の水分ストレス制御装置は、制御手段30は、飽差計測手段11で計測される飽差の時間二次微分値を算出する二次微分値算出部40と、二次微分値算出部40で算出される飽差の時間二次微分値に基づいて施設内の湿度を制御することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、施設内において栽培される植物体を対象とした、植物体の水分ストレス制御装置及び植物体の水分ストレス制御方法に関する。
施設園芸は、露地園芸よりも安定的に作物を生産でき、食料を安定供給できるため、国民の食生活を守ることができる。しかし、一方で施設園芸は、露地園芸と比較して生産コストがはるかに高く、経営を高位安定させるためには、単位面積当たりの収量を向上させる技術開発が求められている。
施設園芸では、まず温度制御とCO施用を行うことにより、収量向上が図られてきたが、温度制御とCO施用技術だけでは収量の伸びは頭打ち気味である。そこで近年では、葉の気孔開度を高めてCOの取り込みを高めて、光合成を促進する湿度(飽差)制御技術が実装されつつあるが、果菜類などの利用部が葉以外の品目では、光合成量の増加が収量向上に寄与しない事例が生じている。これは、同化産物の利用部への転流が向上していないことに起因すると考えられる。植物体の利用部への転流促進のためには、気温の他に植物体の水分ストレスを高度に調節することが重要であり、水分ストレス調節技術の開発が求められている。
施設栽培では、乾燥が強まる晴天日の日中に、葉の気孔開度を高めて植物によるCOの取り込みを向上させ、光合成を促進するために湿度制御(加湿)が行われる。
瞬間日射量0.2kW・m―2の条件で相対湿度60%以下で加湿し、相対湿度80%以上で加湿を停止する」方法で施設内の湿度を制御することにより、果菜類の収量が向上するという報告がある(非特許文献1)。
特許文献1から特許文献4及び非特許文献2では、湿度制御装置を有した栽培装置や湿度制御装置の機構の簡略化を実現した技術が開示されている。
特開2015-202059号公報 特開平09-271271号公報 実願平04-85408号(実開平06-086436号)の願書に最初に添付した明細書及び図面の内容を記録したCD-ROM(平成6年12月20日特許庁発行) 特開平01-264930号公報
木野本真沙江,他2名著,「細霧冷房装置利用による相対湿度の制御がトマト生体情報および収量品質に及ぼす影響」,栃木農試研報,2013年,71,p27-31 加藤賢治,他7名著,「イチゴ促成栽培におけるミスト噴霧とCO2長時間施用が生育・収量に及ぼす影響」.愛知農総試研報,2015年,47,p51-60
生産性を向上させるためには、光合成の促進だけでなく、光合成産物の利用部への分配促進も非常に重要である。
図5は、飽差制御を行った場合の飽差の変化を示すグラフである。対照区は飽差制御を行わない場合であり、飽差制御区及び対照区について気温変化と飽差変化を示している。
飽差制御区では、8時から12時までの間加湿を行った。
図5に示すように、飽差制御停止(12時)後に飽差が急激に増大し、その時に植物体に大きな水分ストレスがかかる。
図6は、図5による飽差制御を行った場合のイチゴ果実の肥大の変化を示すグラフである。
飽差制御を行った8時から12時までの間では、対照区に対して140%程度の果実肥大となっているが、1日で比較すると果実肥大の効果は認められず、飽差制御後の水分ストレスによって肥大促進効果が打ち消されていると考えられる。
図7は、果梗径変化速度、果実肥大速度、及び飽差の変化を示すグラフである。
図7に示すように、果実肥大速度は、果梗径変化速度の変化と似ていることから、果実肥大は植物体の水分ストレス状態の影響を強く受けているが、果実肥大速度と飽差との間では関係性を読み取ることはできない。
一方、図8は、果梗径変化速度と飽差の時間二次微分値の変化を示すグラフである。
本発明者らは、図8に示すように、果梗径変化速度と飽差の時間二次微分値との間に見られる関係性に着目することで、植物体に対する水分ストレスの増大を抑制できることを見出した。
本発明は、飽差の時間二次微分値を用いることで、植物体に対して水分ストレスが増大する施設内環境を回避することができる植物体の水分ストレス制御装置及び植物体の水分ストレス制御方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の実施の形態の植物体の水分ストレス制御装置は、施設内の飽差を計測する飽差計測手段11と、前記施設内を加湿する加湿手段20を制御する制御手段30とを有する、前記施設内において栽培される植物体の水分ストレス制御装置であって、前記制御手段30は、前記飽差計測手段11で計測される前記飽差の時間二次微分値を算出する二次微分値算出部40を備え、前記二次微分値算出部40で算出される前記飽差の前記時間二次微分値を二次微分設定値に基づいて前記施設内の湿度を制御することを特徴とする。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態の植物体の水分ストレス制御装置において、前記制御手段30は、前記二次微分値算出部40で算出される前記飽差の前記時間二次微分値を二次微分設定値と比較する二次微分値比較部41と、前記二次微分値比較部41で前記飽差の前記時間二次微分値が前記二次微分設定値以上であると判断されると前記加湿手段20を動作させる出力部42とを備えたことを特徴とする。
本発明の第3の実施の形態は、第2の実施の形態の植物体の水分ストレス制御装置において、前記制御手段30は、前記飽差計測手段11で計測される前記飽差の時間一次微分値を算出する一次微分値算出部37と、前記一次微分値算出部37で算出される前記飽差の前記時間一次微分値を一次微分設定値と比較する一次微分値比較部39とを備え、前記出力部42では、前記飽差の前記時間一次微分値が前記一次微分設定値以上であり、前記飽差の前記時間二次微分値が前記二次微分設定値以上であると判断されると前記加湿手段20を動作させ、前記飽差の前記時間一次微分値が前記一次微分設定値未満であると判断されると前記加湿手段20を動作させないことを特徴とする。
本発明の第4の実施の形態は、第2の実施の形態の植物体の水分ストレス制御装置において、前記制御手段30は、前記飽差計測手段11で計測される前記飽差を飽差設定値と比較する飽差比較部36を備え、前記出力部42では、前記飽差比較部36で前記飽差が前記飽差設定値以上であり、前記飽差の前記時間二次微分値が前記二次微分設定値以上であると判断されると前記加湿手段20を動作させ、前記飽差が前記飽差設定値未満であると判断されると前記加湿手段20を動作させないことを特徴とする。
本発明の第5の実施の形態は、第2の実施の形態の植物体の水分ストレス制御装置において、前記加湿手段20を動作させる動作時刻を設定する時刻設定手段13を備え、前記出力部42では、前記時刻設定手段13で設定された前記加湿手段20の前記動作時刻であり、前記飽差の前記時間二次微分値が前記二次微分設定値以上であると判断されると前記加湿手段20を動作させ、前記時刻設定手段13で設定された前記加湿手段20の前記動作時刻ではないと前記加湿手段20を動作させないことを特徴とする。
本発明の第6の実施の形態の植物体の水分ストレス制御方法は、施設内において栽培される植物体の水分ストレス制御方法であって、前記施設内における飽差の時間二次微分値を用いて前記植物体に対する水分ストレスを判断し、前記施設内を加湿することで、前記植物体に対する前記水分ストレスを低減することを特徴とする。
本発明の第7の実施の形態の植物体の水分ストレス制御方法は、施設内において栽培される植物体の水分ストレス制御方法であって、前記施設内における飽差が飽差設定値以上であり、前記飽差の時間二次微分値が二次微分設定値以上であると前記施設内を加湿することを特徴とする。
本発明の第8の実施の形態の植物体の水分ストレス制御方法は、施設内において栽培される植物体の水分ストレス制御方法であって、前記施設内における飽差が飽差設定値以上であり、前記飽差の時間一次微分値が一次微分設定値以上であり、更に前記飽差の時間二次微分値が二次微分設定値以上であると前記施設内を加湿することを特徴とする。
本発明によれば、飽差の時間二次微分値が二次微分設定値以下であると判断されると加湿手段を動作させることで、植物体に対して水分ストレスが増大する施設内環境を回避することができる。
本発明の一実施例による植物体の水分ストレス制御装置を機能実現手段で表したブロック図 本実施例による植物体の水分ストレス制御方法を示すフローチャート 本実施例の植物体の水分ストレス制御方法による強ストレス遭遇回数を示すグラフ 図3に示す「水分ストレス調節区」と「対照区」との結果を示す図 飽差制御を行った場合の飽差の変化を示すグラフ 図5による飽差制御を行った場合のイチゴ果実の肥大の変化を示すグラフ 果梗径変化速度、果実肥大速度、及び飽差の変化を示すグラフ 果梗径変化速度と飽差の時間二次微分値の変化を示すグラフ
本発明の第1の実施の形態による植物体の水分ストレス制御装置は、制御手段が、飽差計測手段で計測される飽差の時間二次微分値を算出する二次微分値算出部を備え、二次微分値算出部で算出される飽差の時間二次微分値に基づいて施設内の湿度を制御するものである。
本実施の形態によれば、飽差の時間二次微分値に基づいて施設内の湿度を、例えば加湿手段や除湿手段を用いて制御することで、植物体に対して水分ストレスが増大する施設内環境を回避することができる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による植物体の水分ストレス制御装置において、制御手段は、二次微分値算出部で算出される飽差の時間二次微分値を二次微分設定値と比較する二次微分値比較部と、二次微分値比較部で飽差の時間二次微分値が二次微分設定値以上であると判断されると加湿手段を動作させる出力部とを備えたものである。
本実施の形態によれば、二次微分値比較部で飽差の時間二次微分値が二次微分設定値以上であると判断されると、加湿手段を動作させることで植物体に対して水分ストレスが増大する施設内環境を回避することができる。
本発明の第3の実施の形態は、第2の実施の形態による植物体の水分ストレス制御装置において、制御手段は、飽差計測手段で計測される飽差の時間一次微分値を算出する一次微分値算出部と、一次微分値算出部で算出される飽差の時間一次微分値を一次微分設定値と比較する一次微分値比較部とを備え、出力部では、飽差の時間一次微分値が一次微分設定値以上であり、飽差の時間二次微分値が二次微分設定値以上であると判断されると、加湿手段を動作させ、飽差の時間一次微分値が一次微分設定値未満であると判断されると加湿手段を動作させないものである。
本実施の形態によれば、飽差の時間一次微分値が一次微分設定値以上で、飽差の時間二次微分値が二次微分設定値以上であると判断されると、加湿手段を動作させることで植物体に対して水分ストレスが増大する施設内環境を回避することができる。
本発明の第4の実施の形態は、第2の実施の形態による植物体の水分ストレス制御装置において、制御手段は、飽差計測手段で計測される飽差を飽差設定値と比較する飽差比較部を備え、出力部では、飽差比較部で飽差が飽差設定値以上であり、飽差の時間二次微分値が二次微分設定値以上であると判断されると加湿手段を動作させ、飽差が飽差設定値未満であると判断されると加湿手段を動作させないものである。
本実施の形態によれば、飽差が大きい施設内環境で植物体の水分ストレスが増大するため、飽差が大きくなる施設内環境を回避することで、植物体の水分ストレスを軽減できる。
本発明の第5の実施の形態は、第2の実施の形態による植物体の水分ストレス制御装置において、加湿手段を動作させる動作時刻を設定する時刻設定手段を備え、出力部では、時刻設定手段で設定された加湿手段の動作時刻であり、飽差の時間二次微分値が二次微分設定値以上であると判断されると加湿手段を動作させ、時刻設定手段で設定された加湿手段の動作時刻ではないと加湿手段を動作させないものである。
本実施の形態によれば、積算日射量の増加によって飽差が大きくなるため、積算日射量が増加する時刻をあらかじめ設定することで、飽差が大きくなる施設内環境を回避し、植物体の水分ストレスを軽減できる。
本発明の第6の実施の形態による植物体の水分ストレス制御方法は、施設内における飽差の時間二次微分値を用いて植物体に対する水分ストレスを判断し、施設内を加湿することで、植物体に対する水分ストレスを低減するものである。
本実施の形態によれば、飽差の時間二次微分値を用いて植物体に対する水分ストレスを判断することで、植物体に対して水分ストレスが増大する施設内環境を回避することができる。
本発明の第7の実施の形態による植物体の水分ストレス制御方法は、施設内における飽差が飽差設定値以上であり、飽差の時間二次微分値が二次微分設定値以上であると施設内を加湿するものである。
本実施の形態によれば、飽差の時間二次微分値が二次微分設定値以上であると植物体の水分ストレスが増大するため、飽差が大きくなる施設内環境を回避することで、植物体の水分ストレスを軽減できる。
本発明の第8の実施の形態による植物体の水分ストレス制御方法は、施設内における飽差が飽差設定値以上であり、飽差の時間一次微分値が一次微分設定値以上であり、更に飽差の時間二次微分値が二次微分設定値以上であると施設内を加湿するものである。
本実施の形態によれば、施設内における飽差が飽差設定値以上であり、飽差の時間一次微分値が一次微分設定値以上であり、飽差の時間二次微分値が二次微分設定値以上であると植物体の水分ストレスが増大するため、飽差が大きくなる施設内環境を回避することで、植物体の水分ストレスを軽減できる。
以下本発明の一実施例による植物体の水分ストレス制御装置について説明する。
図1は本実施例による植物体の水分ストレス制御装置を機能実現手段で表したブロック図である。
本実施例による植物体の水分ストレス制御装置は、施設内の飽差を計測する飽差計測手段11と、設定値を入力できる設定値入力手段12と、加湿手段20を動作させる動作時刻を設定する時刻設定手段13と、施設内を加湿する加湿手段20を制御する制御手段30とを有している。飽差計測手段11では、間欠的又は連続的に飽差を計測する。
制御手段30は、飽差計測手段11で計測する飽差を記憶する飽差記憶部31と、設定値入力手段12で入力される飽差設定値を記憶する飽差設定値記憶部32と、設定値入力手段12で入力される一次微分設定値を記憶する一次微分設定値記憶部33と、設定値入力手段12で入力される二次微分設定値を記憶する二次微分設定値記憶部34と、時刻設定手段13で設定された動作時刻を記憶する動作時刻記憶部35とを備えている。
また、制御手段30は、飽差計測手段11で計測される飽差を飽差設定値と比較する飽差比較部36と、飽差計測手段11で計測される飽差の時間一次微分値を算出する一次微分値算出部37と、一次微分値算出部37で算出される飽差の時間一次微分値を記憶する一次微分値記憶部38と、一次微分値算出部37で算出される飽差の時間一次微分値を一次微分設定値と比較する一次微分値比較部39と、飽差計測手段11で計測される飽差の時間二次微分値を算出する二次微分値算出部40と、二次微分値算出部40で算出される飽差の時間二次微分値を二次微分設定値と比較する二次微分値比較部41と、二次微分値算出部40で算出される飽差の時間二次微分値を記憶する二次微分値記憶部43とを備えている。
飽差比較部36では、飽差記憶部31に記憶される飽差を、飽差設定値記憶部32に記憶された飽差設定値と比較する。
一次微分値算出部37では、飽差記憶部31に記憶される時系列の飽差の時間一次微分値を算出する。なお、時間一次微分値の算出にあたっては、例えば瞬時値や所定時間における平均値を用いることができる。
一次微分値比較部39では、一次微分値算出部37で算出される飽差の時間一次微分値を、一次微分設定値記憶部33に記憶された一次微分設定値と比較する。
飽差の時間一次微分値は、例えば、過去5分間における飽差データの変化量である。ただし、飽差の時間一次微分値の算出はこれに限らない。
二次微分値算出部40では、飽差記憶部31に記憶される時系列の飽差を用いて飽差の時間二次微分値を算出する。なお、時間二次微分値の算出にあたっては、例えば瞬時値や所定時間における平均値を用いることができる。
飽差の時間二次微分値は、飽差を時間で微分した時間一次微分値をさらに時間で微分して得ることができる。また、時間二次微分値は、例えば、過去1分間における時間一次微分値の変化量である。ただし、飽差の時間二次微分値の算出はこれに限らない。
二次微分値比較部41では、二次微分値算出部40で算出される飽差の時間二次微分値を、二次微分設定値記憶部34に記憶された二次微分設定値と比較する。
制御手段30は、加湿手段20を動作させる出力部42を備えている。なお、出力部42では、加湿手段20とともに除湿手段を動作させてもよく、又は加湿手段20に代えて除湿手段を動作させてもよい。
図2は本実施例による植物体の水分ストレス制御方法を示すフローチャートである。
本実施例による植物体の水分ストレス制御方法は、施設内において栽培される植物体に対して、以下のステップで行われる。
まず、S1では、動作時刻記憶部35に記憶された動作時刻か否かを判断し、動作時刻でなければ飽差計測手段11を停止し(S2)、動作時刻になると飽差計測手段11による飽差計測を開始する(S3)。動作時刻は、例えば6時から18時までとする。時刻設定手段13で設定された動作時刻でないと加湿手段20を動作させない。積算日射量の増加によって飽差が大きくなる。従って、積算日射量が増加する時刻をあらかじめ設定することで、飽差が大きくなる施設内環境を回避し、植物体の水分ストレスを軽減できる。
飽差計測手段11による計測が開始されると、飽差比較部36において飽差が飽差設定値と比較される(S4)。
S4において飽差が飽差設定値以上であれば、一次微分値比較部39において飽差の時間一次微分値が一次微分設定値以上であるか判断する(S5)。
S5において飽差の時間一次微分値が一次微分設定値以上であると判断されると、二次微分値比較部41において飽差の時間二次微分値が二次微分設定値と比較される(S6)。
S6において飽差の時間二次微分値が二次微分設定値以上であれば、加湿手段20を動作させる(S7)。
なお、S4において飽差が飽差設定値未満である場合、S5において飽差の時間一次微分値が一次微分設定値未満である場合、及びS6において飽差の時間二次微分値が二次微分設定値未満である場合には、加湿手段20を動作させず、設定時刻内であれば、飽差計測手段11による計測を継続する。
本実施例による植物体の水分ストレス制御方法は、果梗径が急激に縮む場合のストレスを回避するものであり、施設内における飽差の時間二次微分値が二次微分設定値以上であると施設内を加湿することで、植物体に対して水分ストレスが増大する施設内環境を回避することができる。
また、飽差が増大している施設内環境で植物体の水分ストレスが増大するため、本実施例による植物体の水分ストレス制御方法は、施設内における飽差の時間一次微分値が一次微分設定値以上であり、飽差の時間二次微分値が二次微分設定値以上であると施設内を加湿することで、飽差が増大する施設内環境を回避して植物体の水分ストレスを軽減できる。
また、飽差が大きい施設内環境では植物体の水分ストレスが増大するため、本実施例による植物体の水分ストレス制御方法は、施設内における飽差が飽差設定値以上であり、飽差の時間一次微分値が一次微分設定値以上であり、更に飽差の時間二次微分値が二次微分設定値以上であると施設内を加湿することで、飽差が大きくなる施設内環境を回避して植物体の水分ストレスを軽減できる。
以下に、本実施例の植物体の水分ストレス制御方法による実証結果について説明する。
図3は、本実施例の植物体の水分ストレス制御方法による強ストレス遭遇回数を示すグラフである。「対照区」は、本実施例の植物体の水分ストレス制御方法によらない場合である。「水分ストレス調節区」は、本実施例の植物体の水分ストレス制御方法による場合であり、5日間のそれぞれの日における強ストレス遭遇回数を「対照区」と比較している。
本実施例の植物体の水分ストレス制御方法では、S4における飽差設定値を7hPa、S5における一次微分設定値を0.1hPa・h―1、S6における二次微分設定値を-0.004hPa・h-2としている。
植物体にはイチゴを用い、飽差が10hPa以上で、果梗径の時間一次微分値及び果梗径の時間二次微分値がゼロ未満の場合、すなわち果梗径が急激に縮む場合を、強ストレスとしてカウントした。
図3に示すように、「対照区」に対して「水分ストレス調節区」では、5日間のそれぞれの日単位でも強ストレス遭遇回数は減少しているが、5日間合計でも強ストレス遭遇回数は37%に減少している。
図4は、図3に示す「水分ストレス調節区」と「対照区」との結果を示す図であり、図4(a)は強ストレス遭遇回数と日積算日射量との関係を示すグラフ、図4(b)は果実の収穫時重量の比較を示す図である。
図4(a)に示すように、強ストレス遭遇回数について、「対照区」と「水分ストレス調節区」との間の差の自然対数(In(強ストレス遭遇回数差))を日積算日射量で回帰したところ、5%の有意水準で強い正の相関が認められた(p=0.025)。
このことから、本実施例の植物体の水分ストレス制御方法は、天気が良い日、すなわち日射量が多い日ほど、強ストレス遭遇回数を抑える効果が高いといえる。
また図4(b)に示すように、本実施例の植物体の水分ストレス制御方法による「水分ストレス調節区」では、水分ストレスが緩和され、果実肥大が促進されて果実重が有意に大きくなっている。
本発明による植物体の水分ストレス制御装置及び植物体の水分ストレス制御方法は、果菜類や葉菜類の他、果樹や花きなど、施設内で栽培される植物体に適している。
11 飽差計測手段
12 設定値入力手段
13 時刻設定手段
20 加湿手段
30 制御手段
31 飽差記憶部
32 飽差設定値記憶部
33 一次微分設定値記憶部
34 二次微分設定値記憶部
35 動作時刻記憶部
36 飽差比較部
37 一次微分値算出部
38 一次微分値記憶部
39 一次微分値比較部
40 二次微分値算出部
41 二次微分値比較部
42 出力部
43 二次微分値記憶部

Claims (8)

  1. 施設内の飽差を計測する飽差計測手段と、前記施設内を加湿する加湿手段を制御する制御手段とを有する、前記施設内において栽培される植物体の水分ストレス制御装置であって、
    前記制御手段は、
    前記飽差計測手段で計測される前記飽差の時間二次微分値を算出する二次微分値算出部を備え、
    前記二次微分値算出部で算出される前記飽差の前記時間二次微分値に基づいて前記施設内の湿度を制御する、植物体の水分ストレス制御装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記二次微分値算出部で算出される前記飽差の前記時間二次微分値を二次微分設定値と比較する二次微分値比較部と、
    前記二次微分値比較部で前記飽差の前記時間二次微分値が前記二次微分設定値以上であると判断されると前記加湿手段を動作させる出力部と
    を備える、請求項1に記載の植物体の水分ストレス制御装置。
  3. 前記制御手段は、
    前記飽差計測手段で計測される前記飽差の時間一次微分値を算出する一次微分値算出部と、
    前記一次微分値算出部で算出される前記飽差の前記時間一次微分値を一次微分設定値と比較する一次微分値比較部と
    を備え、
    前記出力部では、
    前記飽差の前記時間一次微分値が前記一次微分設定値以上であり、前記飽差の前記時間二次微分値が前記二次微分設定値以上であると判断されると前記加湿手段を動作させ、
    前記飽差の前記時間一次微分値が前記一次微分設定値未満であると判断されると前記加湿手段を動作させない、請求項2に記載の植物体の水分ストレス制御装置。
  4. 前記制御手段は、
    前記飽差計測手段で計測される前記飽差を飽差設定値と比較する飽差比較部を備え、
    前記出力部では、
    前記飽差比較部で前記飽差が前記飽差設定値以上であり、前記飽差の前記時間二次微分値が前記二次微分設定値以上であると判断されると前記加湿手段を動作させ、
    前記飽差が前記飽差設定値未満であると判断されると前記加湿手段を動作させない、請求項2に記載の植物体の水分ストレス制御装置。
  5. 前記加湿手段を動作させる動作時刻を設定する時刻設定手段を備え、
    前記出力部では、
    前記時刻設定手段で設定された前記加湿手段の前記動作時刻であり、前記飽差の前記時間二次微分値が前記二次微分設定値以上であると判断されると前記加湿手段を動作させ、
    前記時刻設定手段で設定された前記加湿手段の前記動作時刻ではないと前記加湿手段を動作させない、請求項2に記載の植物体の水分ストレス制御装置。
  6. 施設内において栽培される植物体の水分ストレス制御方法であって、
    前記施設内における飽差の時間二次微分値を用いて前記植物体に対する水分ストレスを判断し、前記施設内を加湿することで、前記植物体に対する前記水分ストレスを低減する、植物体の水分ストレス制御方法。
  7. 施設内において栽培される植物体の水分ストレス制御方法であって、
    前記施設内における飽差が飽差設定値以上であり、前記飽差の時間二次微分値が二次微分設定値以上であると前記施設内を加湿する、植物体の水分ストレス制御方法。
  8. 施設内において栽培される植物体の水分ストレス制御方法であって、
    前記施設内における飽差が飽差設定値以上であり、前記飽差の時間一次微分値が一次微分設定値以上であり、更に前記飽差の時間二次微分値が二次微分設定値以上であると前記施設内を加湿する、植物体の水分ストレス制御方法。
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