JP2022108413A - 研磨用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、ケイ素原子を含む材料を高速で研磨することのできる新規な研磨用組成物を提供することを課題とする。また、別の課題として、TiN等も同様に、高速で研磨することのできる新規な研磨用組成物を提供することを課題とする。【解決手段】砥粒と、ケイ素原子を含む研磨対象物の研磨速度向上剤と、液体キャリアと、を含み、前記砥粒は、その表面がカチオン修飾されており、前記研磨速度向上剤が、αケト酸を含む、研磨用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、研磨用組成物に関する。
LSI製造プロセスの微細化がもたらす高集積化によって、コンピューターをはじめとした電子機器は、小型化、多機能化、高速化等の高性能化を果たしてきた。このようなLSIの高集積化に伴う新たな微細加工技術において、化学機械研磨(CMP)法が使用される。
当該CMPは、半導体製造における各工程に適用されてきており、その一態様として、TiN等のチタン原子を含む材料や、単結晶シリコン、多結晶シリコン、酸化ケイ素、シリコン窒化物等のケイ素原子を含む材料を研磨することがあり、各材料の研磨レートを制御することが求められている。
例えば、ケイ素原子を含む基板を研磨するためのCMPスラリーとして、特許文献1では、塩、可溶性セリウム、カルボン酸、およびシリカ(特にヒュームドシリカ)を含む水性化学機械的研磨組成物が開示されている。
特表2001-507739号公報
各材料の研磨レートを制御することが求められている状況下、本発明においては、ケイ素原子を含む材料を高速で研磨することのできる新規な研磨用組成物を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明者は鋭意研究を積み重ねた。その結果、砥粒と、ケイ素原子を含む研磨対象物の研磨速度向上剤と、液体キャリアと、を含み、前記砥粒は、その表面がカチオン修飾されており、前記研磨速度向上剤が、αケト酸を含む、研磨用組成物によって、上記課題を解決することができることを見出した。
本発明は、ケイ素原子を含む材料を高速で研磨することのできる新規な研磨用組成物を提供することができる。
以下、本発明を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20~25℃)/相対湿度40~50%RHの条件で測定する。また、本明細書に開示されている全ての下限値上限値の値は、全ての組合せが開示されていると理解されなければならない。つまり、補正の根拠となりうると理解されなければならない。
<研磨用組成物>
本発明の一実施形態において、砥粒と、ケイ素原子を含む研磨対象物の研磨速度向上剤と、液体キャリアと、を含み、前記砥粒は、その表面がカチオン修飾されており、前記研磨速度向上剤が、αケト酸を含む、研磨用組成物が提供される。かかる実施形態によれば、ケイ素原子を含む材料を高速で研磨することのできる新規な研磨用組成物を提供することができる。
以下、研磨用組成物を構成する各成分の説明を行う。
[砥粒]
本発明の一実施形態において、研磨用組成物は、砥粒を含み、前記砥粒の表面がカチオン修飾されている。表面がカチオン修飾された砥粒を用いないと本発明の所期の効果が奏されない虞がある。
本発明の一実施形態において、当該修飾は、化学結合によるものである。
本発明の一実施形態において、砥粒の具体例としては、無機粒子、有機粒子、および有機無機複合粒子のいずれであってもよいが、好ましくは無機粒子である。無機粒子の具体例としては、例えば、シリカ、アルミナ、セリア、チタニア等の金属酸化物からなる粒子、窒化ケイ素粒子、炭化ケイ素粒子、窒化ホウ素粒子が挙げられる。本発明の一実施形態において、前記砥粒が、セリアを除く砥粒である。本発明の一実施形態において、前記砥粒が、シリカである。シリカとしては、ヒュームドシリカ、コロイダルシリカが好ましく、特に好ましいのはコロイダルシリカである。コロイダルシリカの製造方法としては、ケイ酸ソーダ法、ゾルゲル法が挙げられる。
本発明の一実施形態において、前記砥粒の表面がカチオン修飾されている。本発明の一実施形態において、表面がカチオン修飾されているコロイダルシリカとして、アミノ基または第4級アンモニウム基が表面に固定化されたコロイダルシリカが好ましく挙げられる。このようなカチオン性基を有するコロイダルシリカの製造方法としては、特開2005-162533号公報に記載されているような、アミノエチルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルジメチルエトキシシラン、アミノプロピルメチルジエトキシシラン、アミノブチルトリエトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤またはN-トリメトキシシリルプロピル-N,N,N-トリメチルアンモニウム等の第4アンモニウム基を有するシランカップリング剤を砥粒の表面に固定化する方法が挙げられる。これにより、アミノ基または第4級アンモニウム基が表面に固定化されたコロイダルシリカを得ることができる。本発明の一実施形態において、前記砥粒は、アミノ基を有するシランカップリング剤または第4アンモニウム基を有するシランカップリング剤を砥粒の表面に固定化させてなる。
本発明の一実施形態において、前記砥粒の単位表面積あたりのシラノール基数(シラノール基密度)が、2.0個/nm超である。本発明の一実施形態において、シラノール基数が、2.1個/nm以上、2.3個/nm以上、2.5個/nm以上、2.7個/nm以上、2.9個/nm以上、3.1個/nm以上、3.3個/nm以上、あるいは、3.5個/nm以上である。かような下限を有することによって本発明の所期の効果を効率的に奏することができる。本発明の一実施形態において、前記砥粒の単位表面積あたりのシラノール基数(シラノール基密度)が、10個/nm未満、8個/nm以下、6個/nm以下、5個/nm以下、あるいは、4個/nm以下である。かような上限を有することで本発明の所期の効果を効率的に奏することができるとの技術的効果を有する。
本発明の一実施形態において、前記砥粒の単位表面積あたりのシラノール基数を2.0個/nm超にするためには、例えば、砥粒の製造方法を適宜選択することによる方法が挙げられる。砥粒の単位表面積あたりのシラノール基数が2.0個/nm超である市販品があればそれを購入してもよい。
本発明の一実施形態において、シラノール基密度は、以下の測定方法または計算方法により、各パラメータを測定または算出した後、以下の方法により算出することができる。
下記式中のCは、砥粒の合計質量を用い、下記式中のSは、砥粒のBET比表面積である。まず、固形分として1.50gの砥粒を200mlビーカーに採取し、100mlの純水を加えてスラリーとした後、30gの塩化ナトリウムを添加して溶解する。次に、1N 塩酸を添加してスラリーのpHを約3.0~3.5に調整した後、スラリーが150mlになるまで純水を加える。このスラリーに対して、自動滴定装置(平沼産業株式会社製、COM-1700)使用して、25℃で0.1N 水酸化ナトリウムを用いてpHが4.0になるよう調整し、さらに、pH滴定によってpHを4.0から9.0に上げるのに要した0.1N 水酸化ナトリウム溶液の容量V[L]を測定する。シラノール基密度は、下記式により算出することができる。
Figure 2022108413000001
上記式中、
ρは、シラノール基密度(個/nm)を表わし;
cは、滴定に用いた水酸化ナトリウム溶液の濃度(mol/L)を表わし;
Vは、pHを4.0から9.0に上げるのに要した水酸化ナトリウム溶液の容量(L)
を表わし;
は、アボガドロ定数(個/mol)を表わし;
Cは、砥粒の合計質量(固形分)(g)を表わし;
Sは、砥粒のBET比表面積の加重平均値(nm/g)を表わす。
本発明の一実施形態において、前記砥粒の平均一次粒子径が、5nm以上、10nm以上、12nm以上、14nm以上、16nm以上、18nm以上、20nm以上、あるいは、22nm以上である。本発明の一実施形態の研磨用組成物において、前記砥粒の平均一次粒子径が、50nm以下、40nm以下、38nm以下、36nm以下、35nm未満、34nm以下、32nm以下、30nm以下、28nm以下、26nm以下、あるいは、24nm以下である。35nm未満であることによって、本発明の所期の効果を効率的に奏することができる。本発明の一実施形態において、前記砥粒の平均一次粒子径の測定方法は、実施例に記載の方法によってもよい。
本発明の一実施形態において、前記砥粒の平均二次粒子径が、10nm以上、12nm以上、14nm以上、16nm以上、18nm以上、20nm以上、20nm以上、25nm以上、30nm以上、35nm以上、40nm以上、あるいは、45nm以上である。本発明の一実施形態の研磨用組成物において、前記砥粒の平均一次粒子径が、100nm以下、90nm以下、80nm以下、75nm以下、70nm以下、65nm以下、60nm以下、あるいは、55nm以下である。本発明の一実施形態において、前記砥粒の平均二次粒子径の測定方法は、実施例に記載の方法によってもよい。
本発明の一実施形態において、研磨用組成物中の砥粒の平均会合度(平均二次粒子径/平均一次粒子径)の下限は、1.3以上、1.4以上、1.5以上、1.5超、1.6以上、1.7以上、1.8以上、1.8超、1.9以上、2.0以上、あるいは、2.1以上である。特に、研磨用組成物中の砥粒の平均会合度(平均二次粒子径/平均一次粒子径)が1.5超、あるいは、1.8超であることによって本発明の所期の効果を効率的に奏する。本発明の一実施形態において、研磨用組成物中の砥粒の平均会合度の上限は、4.0以下、3.5以下、3.3以下、3.1以下、2.9以下、2.7以下、あるいは、2.5以下である。
本発明の一実施形態において、前記研磨用組成物中で、前記砥粒の含有量が、0.01質量%以上、0.05質量%以上、0.1質量%以上、0.5質量%以上、0.7質量%以上、0.9質量%以上、1.1質量%以上、1.3質量%以上、1.5質量%以上、あるいは、1.7質量%以上、1.8質量%以上、1.8質量%超、2.0質量%以上、2.2質量%以上、あるいは、2.4質量%以上である。本発明の一実施形態において、前記研磨用組成物中で、前記砥粒の含有量が、10質量%以下、8質量%以下、6質量%以下、5質量%以下、4質量%以下、3質量%以下、3質量%未満、2.8質量%以下、2.3質量%以下、2.1質量%以下、あるいは、1.9質量%以下である。
本発明の一実施形態において、前記研磨用組成物における前記砥粒のゼータ電位が、正であり、具体的には、2mV超、4mV以上、6mV以上、8mV以上、10mV以上、12mV以上、13mV以上、14mV以上、16mV以上、18mV以上、20mV以上、あるいは、22mV以上である。前記砥粒の表面がカチオン修飾されていないとゼータ電位が不十分となる虞があり、本発明の所期の効果を奏しない場合がある。本発明の一実施形態において、前記研磨用組成物における前記砥粒のゼータ電位が、40mV以下、38mV以下、36mV以下、34mV以下、32mV以下、32mV未満、30mV以下、28mV以下、26mV以下、24mV以下、22mV以下、20mV以下、18mV以下、16mV以下、あるいは、14mV以下である。特に32mV未満であると本発明の所期の効果を効率的に奏する。
[ケイ素原子を含む研磨対象物の研磨速度向上剤]
本発明の一実施形態において、研磨用組成物は、ケイ素原子を含む研磨対象物の研磨速度向上剤を含み、前記研磨速度向上剤が、αケト酸を含む。よって、本発明では、αケト酸を含む、ケイ素原子含有研磨対象物の研磨速度向上剤が提供される。本発明の一実施形態において、前記αケト酸が、以下:
Figure 2022108413000002
の一般式で示され、Rが、アルキル基、カルボキシルアルキル基またはアルコキシカルボニルアルキル基である。
本発明の一実施形態において、アルキル基の炭素数は、1~5、1~4、1~3、または1もしくは2である。中でも、本発明の所期の効果を効率的に奏する観点で、アルキル基の炭素数は、1または2であることが好ましい。本発明の一実施形態において、アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基等が好適である。中でも、本発明の所期の効果を効率的に奏する観点で、アルキル基としては、メチル基、エチル基が好ましい。
本発明の一実施形態において、カルボキシルアルキル基におけるアルキル基の炭素数は、1~5、1~4、1~3、または1もしくは2である。中でも、本発明の所期の効果を効率的に奏する観点で、カルボキシルアルキル基におけるアルキル基の炭素数は、1または、2以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましい。本発明の一実施形態において、カルボキシルアルキル基としては、カルボキシルメチル基、カルボキシルエチル基、カルボキシルプロピル基、カルボキシルブチル基、カルボキシルペンチル基等が好適である。中でも、本発明の所期の効果を効率的に奏する観点で、カルボキシルメチル基、カルボキシルエチル基が好ましく、カルボキシルエチル基がより好ましい。
本発明の一実施形態において、アルコキシカルボニルアルキル基におけるアルキル基の炭素数は、1~5、1~4、1~3、または1もしくは2である。本発明の一実施形態において、アルコキシカルボニルアルキル基におけるアルコキシ基の炭素数は、1~5、1~4、1~3、または1もしくは2である。本発明の一実施形態において、アルコキシカルボニルアルキル基としては、メトキシカルボニルメチル基、エトキシカルボニルメチル基、プロポキシカルボニルエチル基、イソプロポキシカルボニルエチル基、ブトキシカルボニルメチル基、イソブトキシカルボニルエチル基、第3級ブトキシカルボニルメチル基、ペンチルオキシカルボニルメチル基等が好適である。
本発明の一実施形態において、前記αケト酸が、ピルビン酸、2-オキソグルタル酸およびオキサル酢酸からなる群から選択される少なくとも1種である。
本発明の一実施形態において、研磨用組成物における、ケイ素原子を含む研磨対象物の研磨速度向上剤の含有量は、0.01mM以上、0.05mM以上、0.1mM以上、0.5mM以上、1mM以上、2mM以上、4mM以上、5mM以上、5mM超、5.5mM以上、6mM以上、8mM以上、10mM以上、10.5mM以上、12mM以上、14mM以上、16mM以上、あるいは、18mM以上である。特に研磨用組成物における、ケイ素原子を含む研磨対象物の研磨速度向上剤の含有量が5mM超であることによって本発明の所期の効果を効率的に奏する。本発明の一実施形態において、研磨用組成物における、ケイ素原子を含む研磨対象物の研磨速度向上剤の含有量は、200mM以下、150mM以下、100mM以下、80mM以下、60mM以下、40mM以下、30mM以下、25mM以下、20mM以下、20mM未満、19.5mM以下、18mM以下、16mM以下、14mM以下、12mM以下、10mM以下、9.5mM以下、8mM以下、あるいは、7mM以下である。特に研磨用組成物における、ケイ素原子を含む研磨対象物の研磨速度向上剤の含有量が20mM未満であることによって本発明の所期の効果を効率的に奏する。
なお、本発明におけるケイ素原子含有研磨対象物の研磨速度向上剤は、チタン原子含有研磨対象物の研磨速度の向上にも寄与しうる。その意味で、本発明では、αケト酸を含む、ケイ素原子含有研磨対象物およびチタン原子含有研磨対象物の少なくとも一方の研磨速度を向上する、研磨速度向上剤が提供される。
[酸化剤]
本発明の一実施形態において、研磨用組成物は、酸化剤を含んでもよい。
本発明の一実施形態において、酸化剤としては、過酸化物が好ましい。このような過酸化物の具体例としては、以下に制限されないが、過酸化水素、過酢酸、過炭酸塩、過酸化尿素、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、および、一過硫酸カリウムなどが挙げられる。上記酸化剤は、単独でもまたは2種以上混合して用いてもよい。
本発明の一実施形態において、研磨用組成物中の酸化剤の含有量(有効成分濃度)(2種以上の場合はその合計)の下限は、0.001質量%以上、0.005質量%以上、0.01質量%以上、あるいは、0.05質量%以上である。本発明の一実施形態において、研磨用組成物中の酸化剤の含有量(有効成分濃度)(2種以上の場合はその合計)の上限は、10質量%以下、5質量%以下、3質量%以下、2質量%以下、あるいは、1質量%以下である。
[液体キャリア]
本発明の一実施形態において、研磨用組成物は、液体キャリアを含む。液体キャリアは、各成分を分散または溶解させる機能を有する。本発明の一実施形態において、前記液体キャリアが有機溶媒を含む場合、当該有機溶媒の含有量が、7質量%未満、6質量%以下、4質量%以下、2質量%以下、あるいは、1質量%以下である。なお、有機溶媒としては、例えば、モノアルコール、ジアルコール及びセロソルブ類からなる群より選ばれる少なくとも一種等が挙げられる。本発明の一実施形態において、前記液体キャリアは、水のみである。本発明の一実施形態において、水は、研磨対象物の汚染や他の成分の作用を阻害するという観点から、不純物をできる限り含有しない水が好ましい。ここで、水の純度は、例えば、イオン交換樹脂を用いる不純物イオンの除去、フィルタによる異物の除去、蒸留等の操作によって高めることができる。具体的には、水としては、例えば、脱イオン水(イオン交換水)、純水、超純水、蒸留水等を用いることが好ましい。
[研磨用組成物のpH]
本発明の一実施形態において、前記研磨用組成物のpHが、2.5超、2.6以上、2.7以上、2.8以上、2.9以上、3.0以上、3.2以上、3.5以上、3.8以上、4.0以上、4.5以上、5.0以上、5.5以上、あるいは、5.8以上である。前記研磨用組成物のpHが、2.5以下であると、本発明の所期の効果を奏しない場合がある。本発明の一実施形態において、前記研磨用組成物のpHが、11以下、9以下、7以下、7未満、6.8以下、6.6以下、6.4以下、6.2以下、6以下、6未満、5.8以下、5.6以下、5.4以下、5.2以下、5.2以下、5以下、4.8以下、4.6以下、4.4以下、4.2以下、4以下、4未満、3.8以下、3.6以下、3.4以下、あるいは、3.2以下である。本明細書において、研磨用組成物のpHは、実施例に記載の方法に従って測定することができる。
本発明の一実施形態において、研磨用組成物は、pH調整剤を含む。かかるpH調整剤としては、酸、塩基、またはそれらの塩を使用することができる。
本発明の一実施形態において、酸としては、過ヨウ素酸、塩酸、硫酸、硝酸、フッ酸、ホウ酸、炭酸、次亜リン酸、亜リン酸、およびリン酸等の無機酸や、クエン酸、乳酸、ジグリコール酸、フランカルボン酸、メトキシ酢酸、メトキシフェニル酢酸、およびフェノキシ酢酸等の有機酸が挙げられる。
本発明の一実施形態において、塩基としては、脂肪族アミン、芳香族アミン等のアミン、アンモニウム溶液、水酸化第四アンモニウム等の有機塩基、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、第2族元素の水酸化物、ヒスチジン等のアミノ酸、アンモニア等が挙げられる。
本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物において、pH調整剤の含有量は、所望のpHとなるように適宜調整されうる。
[研磨対象物]
本発明の一実施形態において、研磨対象物は、ケイ素原子を含む。ケイ素原子を含む研磨対象物としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、酸化ケイ素、シリコン窒化物等である。本発明の一実施形態において、ケイ素原子を含む研磨対象物は、例えば、3価の元素(例えば、ホウ素、ガリウム、インジウム)の少なくとも1種がドープされてなる。本発明の一実施形態において、研磨対象物は、チタン原子を含む。チタン原子を含む研磨対象物としては、窒化チタンのほか、チタン、チタン合金等が挙げられる。
本発明においては、研磨用組成物が、αケト酸を含むことで、ケイ素原子を含む研磨対象物の研磨速度を向上させる。本発明の一実施形態において、研磨用組成物が、αケト酸を含むことで、チタン原子を含む研磨対象物の研磨速度を向上させる。よって、本発明においては、αケト酸を含むケイ素原子含有研磨対象物の研磨速度向上剤が提供される。また、本発明においては、αケト酸を含むチタン原子含有研磨対象物の研磨速度向上剤が提供される。
[他の添加剤]
本発明の一実施形態において、研磨用組成物は、他の添加剤を含んでも、含まなくてもよい。他の添加剤としては、具体的には、錯化剤、金属防食剤、防腐剤、防カビ剤、還元剤、水溶性高分子、難溶性の有機物を溶解するための有機溶媒等が挙げられる。なお、本明細書中で使用される「含まない」との用語は、該当成分が、研磨用組成物中に全く含まれない他に、0.5質量ppm以下含む場合もその範疇である。
上記他の添加剤のうち、錯化剤、金属防食剤、防腐剤、及び防カビ剤について説明する。
(錯化剤)
錯化剤は、研磨対象物の表面を化学的にエッチングする作用を有し、研磨用組成物による研磨対象物の研磨速度をより効果的に向上させうる。
錯化剤の例としては、例えば、無機酸またはその塩、有機酸またはその塩、ニトリル化合物、アミノ酸、およびキレート剤等が挙げられる。これら錯化剤は、単独でもまたは2種以上混合して用いてもよい。また、該錯化剤は、市販品を用いてもよいし合成品を用いてもよい。
錯化剤として、前記無機酸または前記有機酸の塩を用いてもよい。特に、弱酸と強塩基との塩、強酸と弱塩基との塩、または弱酸と弱塩基との塩を用いた場合には、pHの緩衝作用を期待することができる。
このような塩の例としては、例えば、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硝酸カリウム、炭酸カリウム、テトラフルオロホウ酸カリウム、ピロリン酸カリウム、シュウ酸カリウム、クエン酸三ナトリウム、(+)-酒石酸カリウム、ヘキサフルオロリン酸カリウム等が挙げられる。
ニトリル化合物の具体例としては、例えば、アセトニトリル、アミノアセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、ベンゾニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル等が挙げられる。
アミノ酸の具体例としては、グリシン、α-アラニン、β-アラニン、N-メチルグリシン、N,N-ジメチルグリシン、2-アミノ酪酸、ノルバリン、バリン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、サルコシン、オルニチン、リシン、タウリン、セリン、トレオニン、ホモセリン、チロシン、ビシン、トリシン、3,5-ジヨード-チロシン、β-(3,4-ジヒドロキシフェニル)-アラニン、チロキシン、4-ヒドロキシ-プロリン、システイン、メチオニン、エチオニン、ランチオニン、シスタチオニン、シスチン、システイン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、S-(カルボキシメチル)-システイン、4-アミノ酪酸、アスパラギン、グルタミン、アザセリン、アルギニン、カナバニン、シトルリン、δ-ヒドロキシ-リシン、クレアチン、ヒスチジン、1-メチル-ヒスチジン、3-メチル-ヒスチジンおよびトリプトファンが挙げられる。
キレート剤の具体例としては、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、N,N,N-トリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン-N,N,N’,N’-テトラメチレンスルホン酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,2-ジアミノプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミンオルトヒドロキシフェニル酢酸、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N-(2-カルボキシラートエチル)-L-アスパラギン酸、β-アラニンジ酢酸、2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、N,N’-ビス(2-ヒドロキシベンジル)エチレンジアミン-N,N’-ジ酢酸、1,2-ジヒドロキシベンゼン-4,6-ジスルホン酸等が挙げられる。
研磨用組成物が錯化剤を含む場合の、錯化剤の含有量(有効成分濃度)は特に制限されない。例えば、錯化剤の含有量(有効成分濃度)の下限は、少量でも効果を発揮するため特に限定されるものではないが、0.001g/L以上であることが好ましく、0.01g/L以上であることがより好ましく、1g/L以上であることがさらに好ましい。また、錯化剤の含有量(有効成分濃度)の上限は、20g/L以下であることが好ましく、15g/L以下であることがより好ましく、10g/L以下であることがさらに好ましい。このような範囲であれば、研磨対象物の研磨速度が向上し、また、研磨用組成物を用いて研磨した後の、研磨対象物の表面の平滑性を向上させる上で有利である。
(金属防食剤)
金属防食剤は、金属の溶解を防ぐことで研磨表面の面荒れ等の表面状態の悪化を抑えるよう作用する。
金属防食剤は、複素環式化合物または界面活性剤である。複素環式化合物中の複素環の員数は特に限定されない。また、複素環式化合物は、単環化合物であってもよいし、縮合環を有する多環化合物であってもよい。該金属防食剤は、単独でもまたは2種以上混合して用いてもよい。また、該金属防食剤は、市販品を用いてもよいし合成品を用いてもよい。
複素環化合物の具体例としては、例えば、ピロール化合物、ピラゾール化合物、イミダゾール化合物、トリアゾール化合物、テトラゾール化合物、ピリジン化合物、ピラジン化合物、ピリダジン化合物、ピリンジン化合物、インドリジン化合物、インドール化合物、イソインドール化合物、インダゾール化合物、プリン化合物、キノリジン化合物、キノリン化合物、イソキノリン化合物、ナフチリジン化合物、フタラジン化合物、キノキサリン化合物、キナゾリン化合物、シンノリン化合物、ブテリジン化合物、チアゾール化合物、イソチアゾール化合物、オキサゾール化合物、イソオキサゾール化合物、フラザン化合物等の含窒素複素環化合物が挙げられる。
さらに具体的な例を挙げると、ピラゾール化合物の例としては、例えば、1H-ピラゾール、4-ニトロ-3-ピラゾールカルボン酸、3,5-ピラゾールカルボン酸、3-アミノ-5-フェニルピラゾール、5-アミノ-3-フェニルピラゾール、3,4,5-トリブロモピラゾール、3-アミノピラゾール、3,5-ジメチルピラゾール、3,5-ジメチル-1-ヒドロキシメチルピラゾール、3-メチルピラゾール、1-メチルピラゾール、3-アミノ-5-メチルピラゾール、4-アミノ-ピラゾロ[3,4-d]ピリミジン、アロプリノール、4-クロロ-1H-ピラゾロ[3,4-D]ピリミジン、3,4-ジヒドロキシ-6-メチルピラゾロ(3,4-B)-ピリジン、6-メチル-1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-3-アミン等が挙げられる。
イミダゾール化合物の例としては、例えば、イミダゾール、1-メチルイミダゾール、2-メチルイミダゾール、4-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルピラゾール、2-エチル-4-メチルイミダゾール、2-イソプロピルイミダゾール、ベンゾイミダゾール、5,6-ジメチルベンゾイミダゾール、2-アミノベンゾイミダゾール、2-クロロベンゾイミダゾール、2-メチルベンゾイミダゾール、2-(1-ヒドロキシエチル)ベンズイミダゾール、2-ヒドロキシベンズイミダゾール、2-フェニルベンズイミダゾール、2,5-ジメチルベンズイミダゾール、5-メチルベンゾイミダゾール、5-ニトロベンズイミダゾール等が挙げられる。
トリアゾール化合物の例としては、例えば、1,2,3-トリアゾール(1H-BTA)、1,2,4-トリアゾール、1-メチル-1,2,4-トリアゾール、メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-3-カルボキシレート、1,2,4-トリアゾール-3-カルボン酸、1,2,4-トリアゾール-3-カルボン酸メチル、1H-1,2,4-トリアゾール-3-チオール、3,5-ジアミノ-1H-1,2,4-トリアゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール-5-チオール、3-アミノ-1H-1,2,4-トリアゾール、3-アミノ-5-ベンジル-4H-1,2,4-トリアゾール、3-アミノ-5-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール、3-ニトロ-1,2,4-トリアゾール、3-ブロモ-5-ニトロ-1,2,4-トリアゾール、4-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)フェノール、4-アミノ-1,2,4-トリアゾール、4-アミノ-3,5-ジプロピル-4H-1,2,4-トリアゾール、4-アミノ-3,5-ジメチル-4H-1,2,4-トリアゾール、4-アミノ-3,5-ジペプチル-4H-1,2,4-トリアゾール、5-メチル-1,2,4-トリアゾール-3,4-ジアミン、1H-ベンゾトリアゾール、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール、1-アミノベンゾトリアゾール、1-カルボキシベンゾトリアゾール、5-クロロ-1H-ベンゾトリアゾール、5-ニトロ-1H-ベンゾトリアゾール、5-カルボキシ-1H-ベンゾトリアゾール、5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール、5,6-ジメチル-1H-ベンゾトリアゾール、1-(1’,2’-ジカルボキシエチル)ベンゾトリアゾール、1-[N,N-ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1-[N,N-ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]-5-メチルベンゾトリアゾール、1-[N,N-ビス(ヒドロキシエチル)アミノメチル]-4-メチルベンゾトリアゾール等が挙げられる。
テトラゾール化合物の例としては、例えば、1H-テトラゾール、5-メチルテトラゾール、5-アミノテトラゾール、および5-フェニルテトラゾール等が挙げられる。
インダゾール化合物の例としては、例えば、1H-インダゾール、5-アミノ-1H-インダゾール、5-ニトロ-1H-インダゾール、5-ヒドロキシ-1H-インダゾール、6-アミノ-1H-インダゾール、6-ニトロ-1H-インダゾール、6-ヒドロキシ-1H-インダゾール、3-カルボキシ-5-メチル-1H-インダゾール等が挙げられる。
インドール化合物の例としては、例えば1H-インドール、1-メチル-1H-インドール、2-メチル-1H-インドール、3-メチル-1H-インドール、4-メチル-1H-インドール、5-メチル-1H-インドール、6-メチル-1H-インドール、7-メチル-1H-インドール、4-アミノ-1H-インドール、5-アミノ-1H-インドール、6-アミノ-1H-インドール、7-アミノ-1H-インドール、4-ヒドロキシ-1H-インドール、5-ヒドロキシ-1H-インドール、6-ヒドロキシ-1H-インドール、7-ヒドロキシ-1H-インドール、4-メトキシ-1H-インドール、5-メトキシ-1H-インドール、6-メトキシ-1H-インドール、7-メトキシ-1H-インドール、4-クロロ-1H-インドール、5-クロロ-1H-インドール、6-クロロ-1H-インドール、7-クロロ-1H-インドール、4-カルボキシ-1H-インドール、5-カルボキシ-1H-インドール、6-カルボキシ-1H-インドール、7-カルボキシ-1H-インドール、4-ニトロ-1H-インドール、5-ニトロ-1H-インドール、6-ニトロ-1H-インドール、7-ニトロ-1H-インドール、4-ニトリル-1H-インドール、5-ニトリル-1H-インドール、6-ニトリル-1H-インドール、7-ニトリル-1H-インドール、2,5-ジメチル-1H-インドール、1,2-ジメチル-1H-インドール、1,3-ジメチル-1H-インドール、2,3-ジメチル-1H-インドール、5-アミノ-2,3-ジメチル-1H-インドール、7-エチル-1H-インドール、5-(アミノメチル)インドール、2-メチル-5-アミノ-1H-インドール、3-ヒドロキシメチル-1H-インドール、6-イソプロピル-1H-インドール、5-クロロ-2-メチル-1H-インドール等が挙げられる。
また、金属防食剤として使用される界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤の例としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル、アルキル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸、アルキルエーテル硫酸、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンスルホコハク酸、アルキルスルホコハク酸、アルキルナフタレンスルホン酸、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸、およびこれらの塩等が挙げられる。
陽イオン性界面活性剤の例としては、例えば、アルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルアミン塩等が挙げられる。
両性界面活性剤の例としては、例えば、アルキルベタイン、アルキルアミンオキシド等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、およびアルキルアルカノールアミドが挙げられる。
研磨用組成物が金属防食剤を含む場合の、金属防食剤の含有量(有効成分濃度)は特に制限されない。例えば、金属防食剤の含有量(有効成分濃度)の下限は、0.001g/L以上であることが好ましく、0.005g/L以上であることがより好ましく、0.01g/L以上であることがさらに好ましい。また、金属防食剤の含有量(有効成分濃度)の上限は、10g/L以下であることが好ましく、5g/L以下であることがより好ましく、2g/L以下であることがさらに好ましい。このような範囲であれば、金属の溶解を防ぎ研磨表面の面荒れ等の表面状態の悪化を抑えることができる。
(防腐剤および防カビ剤)
さらに、研磨用組成物に必要であれば含まれうる防腐剤および防カビ剤としては、例えば、2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オンや5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン等のイソチアゾリン系防腐剤、パラオキシ安息香酸エステル類、およびフェノキシエタノール等が挙げられる。これら防腐剤および防カビ剤は、単独でもまたは2種以上混合して用いてもよい。
[研磨用組成物の電気伝導度(EC)]
本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物の電気伝導度(EC)の下限は、0.01mS/cm以上、0.1mS/cm以上、0.2mS/cm以上、0.3mS/cm以上、0.4mS/cm以上、0.5mS/cm以上、0.6mS/cm以上、0.8mS/cm以上、あるいは、1.0mS/cm以上である。本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物の電気伝導度(EC)の上限は、10mS/cm以下、5mS/cm以下、3mS/cm以下、2mS/cm以下、1.8mS/cm以下、1.5mS/cm以下、1.2mS/cm以下、1mS/cm以下、0.8mS/cm以下、あるいは、0.6mS/cm以下である。研磨用組成物の電気伝導度は、pH調整剤や研磨速度向上剤等の含有量を適宜変更することにより調整することができる。なお、研磨用組成物の電気伝導度は、卓上型電気伝導度計(株式会社堀場製作所製、型番:DS-71)により測定される値である。
[研磨用組成物の実施形態の特に好ましい組み合わせ等]
上述のとおり全ての実施形態の組み合わせが本願では開示されていると理解されなければならないが以下では研磨用組成物の実施形態の特に好ましい組み合わせ等について説明を行う。
すなわち、本発明の一実施形態によれば、前記砥粒の含有量が、1.8質量%超である。本発明の一実施形態の研磨用組成物において、前記砥粒の平均一次粒子径が、35nm未満、および、前記砥粒の単位表面積あたりのシラノール基数(シラノール基密度)が、5.7個/nm未満の少なくとも一方を満たす。本発明の一実施形態によれば、前記研磨用組成物のpHが、2.5超である。本発明の一実施形態において、研磨用組成物における、ケイ素原子を含む研磨対象物の研磨速度向上剤の含有量は、5mM超である。本発明の一実施形態において、研磨用組成物における、ケイ素原子を含む研磨対象物の研磨速度向上剤の含有量は、20mM未満である。
<研磨用組成物の製造方法>
本発明の一実施形態によれば、研磨用組成物の製造方法は、特に制限されない。研磨用組成物の製造方法は、例えば、砥粒と、ケイ素原子を含む研磨対象物の研磨速度向上剤と、液体キャリアと、を混合することを含み、前記砥粒は、その表面がカチオン修飾されており、前記研磨速度向上剤が、αケト酸を含む。各成分を混合する際の温度は特に制限されないが、10~40℃が好ましく、溶解速度を上げるために加熱してもよい。また、混合時間も特に制限されない。
<研磨方法および基板の製造方法>
本発明においては、上記の研磨用組成物を用いて、研磨対象物の研磨を行うことを有する、研磨対象物の研磨方法が提供される。また、本発明においては、当該研磨方法を用いて、研磨前基板を研磨することを有する、基板の製造方法が提供される。本発明の一実施形態において、基板としては、上記の[研磨対象物]で列挙した対象が好適である。
本発明の一実施形態において、研磨方法は、研磨装置を用いることで実施されうる。
研磨装置としては、研磨対象物を有する基板等を保持するホルダーと回転数を変更可能なモータ等とが取り付けてあり、研磨パッド(研磨布)を貼り付け可能な研磨定盤を有する一般的な研磨装置を使用することができる。
前記研磨パッドとしては、一般的な不織布、ポリウレタン、および多孔質フッ素樹脂等を特に制限なく使用することができる。研磨パッドには、研磨液が溜まるような溝加工が施されていることが好ましい。
研磨条件にも特に制限はなく、例えば、研磨定盤の回転速度は、10~500rpmが好ましく、研磨対象物を有する基板にかける圧力(研磨圧力)は、0.5~10psiが好ましい。
研磨パッドに研磨用組成物を供給する方法も特に制限されず、例えば、ポンプ等で連続的に供給する方法が採用される。この供給量に制限はないが、研磨パッドの表面が常に本発明の研磨用組成物で覆われていることが好ましい。
研磨終了後、基板を流水中で洗浄し、スピンドライヤ等により基板上に付着した水滴を払い落として乾燥させることにより、基板が得られる。
本発明を、以下の実施例および比較例を用いてさらに詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、特記しない限り、「%」および「部」は、それぞれ、「質量%」および「質量部」を意味する。また、下記実施例において、特記しない限り、操作は室温(25℃)/相対湿度40~50%RHの条件下で行われた。
<研磨用組成物の調製>
研磨用組成物を、表1に示される組成の、表面にアミノ基が固定化された砥粒と、研磨速度向上剤(比較例は、その類似物質)と、pH調整剤と、さらに、酸化剤(31%H)3.0g/kgとを水中で攪拌混合することによって調製した(混合温度:約25℃、混合時間:約10分)。なお、表1中の「-」は、その成分を添加しなかったことを意味する。
<砥粒の平均一次粒子径>
砥粒の平均一次粒子径は、マイクロメリテックス社製の“Flow SorbII 2300”を用いて測定されたBET法による砥粒の比表面積と、砥粒の密度とから算出した。
<砥粒の平均二次粒子径>
砥粒の平均二次粒子径は、Microtrac社製の“UPA-UT151”を用いて測定された動的光散乱法により算出した。
<研磨用組成物のpH>
研磨用組成物のpHは、ガラス電極式水素イオン濃度指示計(株式会社堀場製作所製 型番:F-23)を使用し、標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液pH:4.01(25℃)、中性リン酸塩pH緩衝液pH:6.86(25℃)、炭酸塩pH緩衝液pH:10.01(25℃))を用いて3点校正した後で、ガラス電極を研磨用組成物に入れて、2分以上経過して安定した後の値を測定することにより決定した。
<砥粒のゼータ(ζ)電位>
研磨用組成物を大塚電子株式会社製ELS-Z2に供し、測定温度25℃でフローセルを用い、レーザードップラー法(電気泳動光散乱測定法)により測定を行った。得られたデータをSmoluchowskiの式で解析することにより、研磨用組成物中の砥粒のゼータ電位を算出した。
<研磨速度>
研磨対象物として、
・200mmウェハ(TEOS(酸化ケイ素膜))、
・200mmウェハ(SiN(窒化ケイ素膜))、
・200mmウェハ(TiN(窒化チタン膜))、
を準備した。
研磨用組成物を用いて、下記の研磨条件で研磨を行い、TEOSの研磨速度は、研磨前後の研磨対象物の厚み(膜厚)を、手動シート抵抗器(VR-120、株式会社日立国際電気製)によって測定し、研磨前後の研磨対象物の厚み(膜厚)の差を研磨時間(min)で除することによって求めた。TiN膜の研磨速度は、直流4探針法を原理とするシート抵抗測定器を用いて測定される研磨前後のTiNブランケットウェハの厚み(Å)の差を、研磨時間(min)で除することにより求めた。SiN膜の研磨速度は、光干渉式膜厚測定装置(フィルメトリクス株式会社製:型番Filmetrics F50)を用いて測定される研磨前後のSiNブランケットウェハの厚み(Å)の差を、研磨時間(min)で除することにより求めた。
(研磨条件)
研磨機:片面CMP研磨機(ENGIS)
研磨パッド:ポリウレタン製パッド(IC1010:ロームアンドハース社製)
圧力:3.4psi
プラテン(定盤)回転数:100rpm
ヘッド(キャリア)回転数:100rpm
研磨用組成物の流量:100ml/min
ドレス:Diamond Disk(in-situ condition)。
Figure 2022108413000003
Figure 2022108413000004

Claims (13)

  1. 砥粒と、
    ケイ素原子を含む研磨対象物の研磨速度向上剤と、
    液体キャリアと、
    を含み、
    前記砥粒は、その表面がカチオン修飾されており、
    前記研磨速度向上剤が、αケト酸を含む、研磨用組成物。
  2. pHが2.5超である、請求項1に記載の研磨用組成物。
  3. ケイ素原子を含む研磨対象物を研磨するための、請求項1または2に記載の研磨用組成物。
  4. さらにチタン原子を含む研磨対象物を研磨するための、請求項1~3のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  5. 前記砥粒の単位表面積あたりのシラノール基数が、2.0個/nm超である、請求項1~4のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  6. 前記液体キャリアが有機溶媒を含む場合、当該有機溶媒の含有量が、7質量%未満である、請求項1~5のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  7. 前記砥粒の会合度が、1.8超である、請求項1~6のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  8. 前記砥粒のゼータ電位が、正である、請求項1~7のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  9. 前記砥粒が、セリアを除く砥粒である、請求項1~8のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  10. 前記砥粒が、シリカである、請求項9に記載の研磨用組成物。
  11. 前記αケト酸が、以下:
    Figure 2022108413000005

    の一般式で示され、Rが、アルキル基、カルボキシルアルキル基またはアルコキシカルボニルアルキル基である、請求項1~10のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
  12. 前記αケト酸が、ピルビン酸、2-オキソグルタル酸およびオキサル酢酸からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項11に記載の研磨用組成物。
  13. αケト酸を含む、ケイ素原子含有研磨対象物の研磨速度向上剤。
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