JP2022104733A - ロボットアーム付き移動ロボット - Google Patents

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Abstract

【課題】ロボットアームが車体に搭載され、非接触型センサを用いて安全防護空間を形成したロボットアーム付き移動ロボットにおいて、車体の走行時やロボットの作業時の周囲に対する安全を確保し、かつ、非接触型センサが車体の走行の障害になることを解消する。【解決手段】ロボットアーム11が車体2に搭載され、非接触型センサ80A、80B、80Cが設置されているロボットアーム付き移動ロボット1Aであって、非接触型センサ80A、80B、80Cは検出区域Da、Db、Dcが鉛直面をなし、該検出区域Da、Db、Dcがロボットアーム11の安全防護空間Saを形成し、非接触型センサ80A、80B、80Cの水平方向の位置が移動可能である。【選択図】図4

Description

本発明は、ロボットアーム付き移動ロボットに関する。
工場、倉庫、病院等の施設内において物品移動を自動化するため、無人搬送車の導入が進みつつある。無人搬送車における自動走行の方式としては、近年の情報処理能力や周囲情報収集技術の向上により、従前の経路誘導式に対して自律移動式の無人搬送車が主流になりつつある。さらに、荷積みや荷下ろしを自動化するために、無人搬送車にロボットアームを搭載することも行われている。
ロボットアーム付き移動ロボット(即ち、ロボットの移動機能を実現する移動架台にロボットアームを搭載して自動走行する移動ロボット)においては、車体の移動とロボットアームの動きの双方の点から安全を確保する必要がある。
これに関し、搬送台車と呼ばれている移動架台の前部及び後部に超音波センサ、光学式センサ等の非接触型の台車用障害物検知センサを、検出区域を水平に設定して設けると共に、移動架台の周囲部に非接触型のアーム用障害物検知センサを、斜め上方を指向するように設け、台車用障害物検知センサの障害物検知距離を、アーム用障害物検知センサの障害物検知距離よりも長く設定することが提案されている(特許文献1)。この移動ロボットによれば、人、周囲の設置物、他の移動ロボット等の障害物が進行方向前方に存在する場合に、アーム用障害物検知センサが障害物を検知する前に台車用障害物検知センサが障害物を検知するので障害物をアーム用障害物検知センサが検知する前に移動架台を停止させることができ、さらに、台車用障害物検知センサが障害物を検知してもアーム用障害物検知センサが障害物を検知しない場合にはロボットアームに対する安全確保動作は実行されないので、移動架台が停止した後もアーム用障害物検知センサが障害物を検知するまではロボットアームによる作業を継続することができる。したがって、ロボットアームによる作業を効率的に行えるとされている。
また、ロボットの動作プログラムによって、移動台車と呼ばれている移動架台の平面投影範囲からのロボットのはみ出し量を規制すると共に、作業台を囲む衝立を設ける等のハードによってロボットの動作範囲を規制することが提案されている(特許文献2)。
特開平9-300252号公報 特開2018-111180号公報
しかしながら、特許文献1に記載のように台車用障害物検知センサとアーム用障害物検知センサで検知範囲や検知方向を異ならせ、台車用障害物検知センサが障害物を検知してもアーム用障害物検知センサが障害物を検知しない状態でロボットアームに作業を継続させると、障害物のロボットアームへの接近速度が速い場合には、ロボットアームと障害物が衝突する危険があり、例えば、ロボットアームの周囲で作業をしている人が負傷する可能性がある。
また、特許文献2に記載のように、ロボットアームの動作範囲を、移動架台の平面投影範囲からのはみ出し量で規制しても、その動作範囲に人が侵入してしまうことを防ぐことはできず、動作範囲に入った人が負傷する危険がある。
これに対し、安全を確保するためには、非接触型センサを移動架台に設置するにあたり、その設置位置を、ロボットアームの動作が許されている制限空間から安全距離だけ離したところにして安全防護空間を形成することが考えられる。この場合、非接触型センサの障害物の侵入を検出する検出区域が水平面をなすと人とロボットアームとの接触を防止するために必要な安全距離として通常1~3mが必要となるのに対し、検出区域が床面に対して鉛直方向に延びた鉛直面をなすと安全距離を0.5~1m程度に短くすることができる。
しかしながら、検出区域が鉛直面をなすように移動架台に非接触型センサを設置する場合でも、ロボットアームの制限空間から安全距離だけ離したところに非接触型センサを設置するとその非接触型センサが移動架台の走行の障害となり、従前の幅の通路を通れない虞がある。また、移動架台が角を曲がるときに接触型センサが周囲の構造物に接触して非接触型センサや周囲の構造物が破損する虞もある。
そこで本発明の課題は、ロボットアームが移動架台に搭載された移動ロボットにおいて、非接触型センサを用いて安全防護空間を形成することにより移動架台の走行時やロボットの作業時の周囲に対する安全を確保し、かつ、非接触型センサが移動架台の走行の障害にならないようにする技術に関する。
本発明者は、移動架台である車体にロボットアームが搭載されたロボットアーム付き移動ロボットに、障害物の侵入を検出する検出区域が鉛直面をなすように非接触型センサを設置し、その検出区域で安全防護空間を形成するにあたり、周囲に対する安全を確保しつつロボットアーム付き移動ロボットがスムーズに走行できるようにするには、非接触型センサの水平方向の位置を移動可能とすることが有効であることを想到し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、ロボットアームが車体に搭載され、非接触型センサが設置されているロボットアーム付き移動ロボットであって、
該非接触型センサは検出区域が鉛直面をなし、該検出区域が該ロボットアームの安全防護空間を形成し、該非接触型センサの水平方向の位置が移動可能であるロボットアーム付き移動ロボットを提供する。
また、本発明は、ロボットアームが車体に搭載されたロボットアーム付き移動ロボットにおいて、該ロボットアームの安全防護空間を、該ロボットアーム付き移動ロボットに設置した非接触型センサを用いて形成する安全防護空間の形成方法であって、
該非接触型センサによる検出区域を鉛直面とし、該非接触型センサの水平方向の位置を移動可能とすることにより安全防護空間の大きさを可変とする安全防護空間の形成方法を提供する。
なお、本明細書で「検出区域」とは、非接触型センサ自体の能力として物体の存在を検出可能な全範囲に限られず、該全範囲のうち、ソフトウエアなどによって使用者や設計者が定める一部の範囲でもよい。
本発明のロボットアーム付き移動ロボットによれば、安全防護空間を形成する非接触型センサの検出区域が鉛直面をなし、さらに、非接触型センサの水平方向の位置が移動可能である。したがって、例えば、ロボットアームの作業停止中に車体を走行させる際に、非接触型センサの設置位置を車体近傍とすると、通路幅が狭くても非接触型センサがロボットアーム付き移動ロボットの走行の障害になりにくく、また、車体を停止させてロボットアームに作業を行わせるときに、非接触型センサの設置位置を車体外周部から外側に離れた位置とすることにより、ロボットアームの作業に必要な安全を確保することができる。
こうして本発明によれば非接触型センサにより安全防護空間を確保しつつ、非接触型センサがロボットアーム付き移動ロボットの走行の障害になることを防止することができる。
図1Aは、ロボットアームが作業停止中で非接触型センサが車体近傍にあるロボットアーム付き移動ロボット1Aの上面図である。 図1Bは、ロボットアームが作業停止中で非接触型センサが車体近傍にあるロボットアーム付き移動ロボット1Aの正面図である。 図1Cは、ロボットアームが作業停止中で非接触型センサが車体近傍にあるロボットアーム付き移動ロボット1Aの側面図である。 図2Aは、ロボットアームが動作中で非接触型センサが車体近傍より離れているロボットアーム付き移動ロボット1Aの上面図である。 図2Bは、ロボットアームが動作中で非接触型センサが車体近傍より離れているロボットアーム付き移動ロボット1Aの正面図である。 図2Cは、ロボットアームが動作中で非接触型センサが車体近傍より離れているロボットアーム付き移動ロボット1Aの側面図である。 図3Aは、ロボットアームが動作中で非接触型センサが車体近傍より離れているロボットアーム付き移動ロボット1Aの上面図である。 図3Bは、ロボットアームが動作中で非接触型センサが車体近傍より離れているロボットアーム付き移動ロボット1Aの正面図である。 図3Cは、ロボットアームが動作中で非接触型センサが車体近傍より離れているロボットアーム付き移動ロボット1Aの側面図である。 図4は、ロボットアーム付き移動ロボット1Aの通路の説明図である。 図5は、物品を運搬箱に収納しているロボットアーム付き移動ロボット1Aの正面図である。 図6Aは、ロボットアームが作業停止中で非接触型センサが車体近傍にあるロボットアーム付き移動ロボット1Bの上面図である。 図6Bは、ロボットアームが作業停止中で非接触型センサが車体近傍にあるロボットアーム付き移動ロボット1Bの正面図である。 図6Cは、ロボットアームが作業停止中で非接触型センサが車体近傍にあるロボットアーム付き移動ロボット1Bの側面図である。 図7Aは、ロボットアームが動作中で非接触型センサが車体近傍より離れているロボットアーム付き移動ロボット1Bの上面図である。 図7Bは、ロボットアームが動作中で非接触型センサが車体近傍より離れているロボットアーム付き移動ロボット1Bの正面図である。 図7Cは、ロボットアームが動作中で非接触型センサが車体近傍より離れているロボットアーム付き移動ロボット1Bの側面図である。 図8Aは、ロボットアーム付き移動ロボット1Cの正面図である。 図8Bは、ロボットアーム付き移動ロボット1Cの側面図である。 図9Aは、ロボットアームが作業停止中で非接触型センサが車体近傍にあるロボットアーム付き移動ロボット1Dの上面図である。 図9Bは、ロボットアームが作業停止中で非接触型センサが車体近傍にあるロボットアーム付き移動ロボット1Dの正面図である。 図9Cは、ロボットアームが作業停止中で非接触型センサが車体近傍にあるロボットアーム付き移動ロボット1Dの側面図である。 図10Aは、ロボットアームが動作中で非接触型センサが車体近傍より離れているロボットアーム付き移動ロボット1Dの上面図である。 図10Bは、ロボットアームが動作中で非接触型センサが車体近傍より離れているロボットアーム付き移動ロボット1Dの正面図である。 図10Cは、ロボットアームが動作中で非接触型センサが車体近傍より離れているロボットアーム付き移動ロボット1Dの側面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。なお、各図において同一符号は、同一または同等の構成要素を表している。
<ロボットアーム付き移動ロボットの全体構成>
図1Aは本発明の一実施例のロボットアーム付き移動ロボット1Aであって、ロボットアームが停止中で非接触型センサ80A、80B、80Cが車体外周部で車体近傍にある状態の上面図であり、図1Bはその正面図、図1Cはその側面図である。また、図2Aはこのロボットアーム付き移動ロボット1Aのロボットアームが作業中で非接触型センサ80A、80B、80Cが車体から離れた位置にある状態の上面図であり、図2Bはその正面図、図2Cはその側面図である。
このロボットアーム付き移動ロボット1Aは、自律移動方式(即ち、無人搬送車方式)で待機地点から作業地点へ走行し、作業地点で所定の作業を行う。ロボットアーム付き移動ロボット1Aの車体2には、垂直多関節型のロボットアーム11を2つ備えた双腕型ロボット10が搭載されている。双腕型ロボット10の肩の部分には警告灯14が設けられている。
また、車体2には、該車体2の左右の各側面から車体外側方向への水平方向の移動と復帰が可能なスライダー71を有する水平移動装置70A、70Bと、車体2の背面から車体外側方向への水平方向の移動と復帰が可能なスライダー71を有する水平移動装置70Cが設けられている。これらの水平移動装置70A、70B、70Cには非接触型センサ80A、80B、80Cとしてレーザスキャナを検出方向が上向きになるように取り付けられている。これにより、車体2の左右の側面側に位置する非接触型センサ80A、80Bの検出区域Da、Dbは車体2の側面に平行な鉛直面となり、車体2の背面側の非接触型センサ80Cの検出区域Dcは車体の背面に平行な鉛直面となる。レーザスキャナでは鉛直面内の検出区域を所定形状に設定することができるので、各検出区域Da、Db、Dcがロボットアーム付き移動ロボット1Aの安全防護空間Sa を形成するように各レーザスキャナを設定する(図1A)。
なお、本発明において鉛直面は、重力方向に対して厳密に平行な面に限定されることはなく、実質的に鉛直面であればよい。
また、本発明において非接触型センサの設置位置は上述の例に限定されず、ロボットアーム付き移動ロボットが走行する通路や作業エリアの周囲の構造物の配設状況等に応じて適宜変更することができる。例えば、水平移動装置のスライダー71が車体2の前後左右の4方から車体外側方向へ移動可能に設けることで、非接触型センサの検出区域を車体の前後左右の四方から囲む位置としてもよい。
また、本発明において非接触型センサの水平方向の位置を移動可能に設置する方法は、水平移動装置の使用に限定されず、例えば、後述するように旋回型移動装置(図9A~図10C)に非接触型センサを取り付けてもよい。
車体2には双腕型ロボット10の前方に作業台50が設けられている。車体2には荷物の搬送に使用する荷台、運搬箱60等が設けられていても良い(図5)。
(自動走行システム)
車体2にはロボットアーム付き移動ロボット1Aが自動で所定の通路を通ってピック地点、作業地点、プレイス地点、待機地点等に行けるように自律移動方式の自動走行システムが搭載されている。自律移動式における自己位置の推定方法や精度の向上方法は特に限定されず、例えば、レーザ測距式、レーザSLAM(Simultaneous Localization And Mapping)式、画像SLAM式などが挙げられる。また、周囲の物体の位置分布の検出にはLRF(Laser Range Finder)、別名Lider(Light Detection and Ranging)を使用することが一般的である。自動走行の精度向上の例として、RFID、QRコード(登録商標)、磁石などを使用した定点補正を行っても良い。
なお、本発明において自動走行の方式は自律移動方式に限定されず、例えば、経路誘導式、追従式等でもよい。このうち、経路誘導式としては、電磁誘導式、光学誘導式、磁気誘導式、磁性体誘導式等をあげることができ、使用可能なセンサや床の制約から適式なものが選択される。
(非接触型センサ)
上述のように本実施例では非接触型センサ80A、80B、80Cとしてレーザスキャナを使用しているが、本発明において非接触型センサの種類は特に限定されない。例えば、レーザスキャナの他、ライトカーテン、エリアセンサ、超音波式センサ、赤外線センサ等を使用することができる。安全面及び信頼性の点からはレーザスキャナ、ライトカーテンが好ましく、さらに、発光位置と受光位置が概ね同位置であることにより設置が容易であり、コンパクトに設置できる点からレーザスキャナが好ましい。
また、ライトカーテン、レーザスキャナに関し、ISO規格、SIL規格において、PLd、PLe、SIL2、SIL3等で表される信頼性の高い機器はそれぞれ、セーフティ・ライトカーテン、セーフティ・レーザスキャナと呼ばれる。本発明ではレーザスキャナとして、セーフティ・レーザスキャナを使用することが好ましい。
セーフティ・レーザスキャナは、レーザ光を放射状に走査するにあたり、正面や側面だけでなく、後方左右それぞれ45度を含む270°の水平スキャニングをできるものが一般的である。また、検出距離を任意に設定することができ、検出区域の形を任意に定めることができる。
セーフティ・レーザスキャナでは、一つのセーフティ・レーザスキャナに複数の検出区域を設定することも可能である。事前にいくつかの検出区域を設定し、ロボットアームの作業に応じて検出区域を切り替えて使用しても良い。設定した検出区域ごとの検出信号を、独立した複数端子から出力させることができるので、検出区域ごとの障害物の検出に高い信頼性を得ることができる。
本発明では、非接触型センサの検出区域が鉛直面をなすように非接触型センサを車体に取り付ける。即ち、レーザスキャナのレーザ光、超音波式センサの超音波等の検知要素が鉛直面を走査し、又はレーザカーテン等のレーザ光の配列面が鉛直面を形成するように非接触型センサを取り付ける。これは次の理由による。検出区域が水平面をなすと、検出区域に人が侵入した場合に、人の胴体のみが検出されることが多い。そのため、安全距離(JIS B 9715)の計算では、危険源となるロボットアーム方向に伸びる人の腕の長さを考慮することが必要となり、安全距離として通常1~3mが必要となる。なお、人の腕の長さは0.85mとすることが慣例であり、これに、センサの検知時間とロボットなど装置の停止時間の合計に対して人の接近速度を乗算して得られる距離を加えて、安全距離が算出される。これに対し、検出区域が鉛直面をなすように非接触型センサを設置すると、安全距離の計算で人の腕の長さを考慮することが不要となり、安全距離を通常0.5~1m程度に短くすることができる。
このように検出区域を鉛直面とすることで水平面とするよりも安全距離を狭めることができ、その分、人がロボットアームの近くにいてもロボットアームの動きを減速させたり停止させたりすることが少なくなる。よって、検出区域を鉛直面とすることでロボットアームの作業効率を向上させることができる。
ここで、安全距離は、一般には上肢及び下肢が機械類の危険区域に到達することを防止するために保護構造物と危険区域との間に設ける適切な距離をいい(JIS B 9718)、ロボットアーム付き移動ロボットにおいては、危険源であるロボットアーム、エンドエフェクタ又はエンドエフェクタが把持しているワークに人が接触する前にこれらの危険源が危険でないようにすることを可能とする距離である。
図2A~図2Cに示すように、制限空間Srに安全距離Lを加えた位置が安全防護空間Saである。非接触型センサにより形成される安全防護空間に人等の障害物が侵入すると、ロボットアームは動きを減速又は停止するようにロボットアームの制御装置のプログラムにより制御される。したがって、ロボットアームの周囲にいる人は、安全防護装置の外側にいることで安全が保証される。
なお、安全防護空間は周囲の安全防護で定義される(JIS B 8433-1)。より具体的には、ロボットアーム周囲の非接触型センサ等の安全防護装置の他に、柵などによる機械的なガード、作業環境における周囲の構造物等によっても安全防護空間が形成される。
制限空間Srは、危険源であるロボットアーム、エンドエフェクタ、エンドエフェクタが把持しているワークの動きが超えることがないように制限されている空間である。制限空間は、JIS B 8433-1には「最大空間の一部であり、超えてはならない限度を設定する制限装置によって制限する空間」と定義されている。ここで「最大空間」はJIS B 8433-1にて「製造業者が定めたロボット可動部が届く空間に、エンドエフェクタ及びワークが届く空間を加えた空間。」と定義されている。
制限空間Srは、ロボットアームの制御装置のプログラムによるロボットアーム動作の制限と、機械的な制限で形成される。制御装置のプログラムによるロボットアーム動作の制限は、作業の開始に先立ってロボットアームの形状、大きさ、ワークのサイズ、各種作業動作及び作業環境等を考慮してロボットアームが人、周囲の設置物、他の自律型移動ロボット等の障害物と接触しないように作成される。
制限空間Srをロボットアームが越えないようにするため、ロボットアームの位置、速度、停止状態等がリアルタイムで監視され、ロボットアームが制限空間を超えそうな場合には、強制的にロボットアームの動きが停止となる。
このように安全防護空間Saと制限空間Srを設けてロボットアームを監視するロボットアームの制御装置のプログラムは、ロボットアームが各種作業を行うプログラムから独立していると、各作業のプログラムによって影響を受けることがないので信頼性が高まって好ましい。
ロボットアームを監視する制御装置のプログラムは特に限定されない。市販品の一例として、ロボットコントローラに追加するものとしては、ファナック(株)製のデュアル・チェック・セイフティ(DCS)、(株)安川電機製の機能安全基板DX200、三菱電機(株)製の安全拡張ユニット等が挙げられる。また予めロボットコントローラに内蔵されているものとしては、(株)デンソーウェーブ製のRC8Aコントローラ、UNIVERSAL ROBOTS e-Series、ファナック(株)製のロボットCR-7iA、CR-4iA、CR-15iA、CR-7iA、CR-35iA等が挙げられる。この中でも特にISO10218-1(JIS B 8433-1)に適合する協働ロボットであるファナック(株)製のロボットCR-7iA、CR-4iA、CR-15iA、CR-7iA、CR-35iA、CRXシリーズが特に使用に適している。
なお、本実施例では、非接触型センサ80A、80B、80Cとしてレーザスキャナを検出方向が上向きになるように取り付けているが、さらに検出方向が下向きのレーザスキャナを増設してもよい。これにより下方向の安全防護空間を拡張することができる。
(警告灯)
ロボットアームの周囲の作業者の安全を確保するため、警告灯14又は音響によって作業空間の存在や、安全防護空間への侵入に対して注意喚起することが好ましい。警告灯14の発光色を周囲の状況、例えば周辺との隙間が狭かったり、安全防護空間までの作業者の距離などに応じて変化させると、周囲の作業者がロボットアーム11の状況を判別できるので、誤って双腕型ロボット10に近づいてロボットアーム11が減速したり停止したりすることにより生産性に支障がきたされることを防止することができる。
(水平移動装置)
水平移動装置70A、70B、70Cは、電動式、空圧式等によって、非接触型センサ80A、80B、80Cが取り付けられているスライダー71を移動させることで非接触型センサ80A、80B、80Cの位置を水平方向に変化させる。水平移動装置70A、70B、70Cは、ロボットアーム11の作業状態によって非接触型センサ80A、80B、80Cの停止位置を任意に調整できるように、停止位置の変更が容易な電動式のものが好ましい。また、水平移動装置70A、70B、70Cには、ロボットアーム11の作業状態によってスライダー71を次のように移動させる制御装置が備えられていることが好ましい。
即ち、車体2の停止中でも移動中でもロボットアーム11が高速で作業している間は作業の停止に時間を要するため安全距離が長くなる。そこで、水平移動装置70A、70B、70Cのスライダー71を車体外周部の外側方向に移動させ、非接触型センサ80A、80B、80Cを車体外周部から外側方向へ離れた位置にすることが好ましい。これにより十分に大きい安全距離を得ることができる。一方、ロボットアーム11が低速で作業している間は、作業停止に時間を要さないため安全距離が短くなる。そこで、水平移動装置70A、70B、70Cのスライダー71を車体2の内側方向へ移動させ、非接触型センサ80A、80B、80Cを車体に近づけることができ、ロボットアーム11が停止中はさらに車体に近づけ、車体近傍の位置とすることができる。
なお、非接触型センサ80A、80B、80Cの移動をロボットアーム11によって行っても良いが、非接触型センサ80A、80B、80Cの移動中にロボットアーム11やエンドエフェクタ20の一部が検出区域の外側に出てしまう虞をなくす等のため、上述のようにスライダー71によって移動させることが好ましい。また、非接触型センサを取り付ける移動装置としては、後述する実施例のロボットアーム付き移動ロボット1D(図9A~図10C)のように、移動装置の支柱76が旋回可能なものでもよい。
(ロボットアーム)
本実施例においてロボットアーム11としては、双腕型ロボット10の左右のアームとして垂直多関節型のロボットアームが設けられている。本発明においてロボットアームはこれに限定されず、水平多関節型、パラレルリンク型等としてもよいが、垂直多関節型とすることによりアームの動作範囲を広くすることができる。
また、本実施例のロボットアーム付き移動ロボット1Aでは図1Bに示したように、左右のロボットアーム11を基部12に取り付け、その基部12を車体2に取り付けているが、後述する実施例のロボットアーム付き移動ロボット1B(図6A~図7C)のようにロボットアームを車体2に直接取り付けても良い。ロボットアーム11を基部12に取り付ける場合には、基部12を車体2上で水平回転可能とすることが好ましい。これにより、ロボットアーム付き移動ロボット1Aの車体2の向きにかかわらず、種々の作業をロボットの正面で行うことで作業の最適化を図ることができる。また、ロボットアーム11の動作範囲を広げることができる点でも好ましい。
左右のロボットアーム11は相互監視されており、アーム先端部等のアームの各部同士等が干渉しないように制御されていることが好ましい。通常、双腕型ロボットのロボットアームは、そのロボットコントローラによって監視される。左右のロボットアームそれぞれが独立したコントローラを有する場合は、2つのコントローラの両方を制御や監視する特別なコントローラによって監視される。これにより、ロボットアーム11の動作プログラムに誤りがあり、双腕型ロボット10が備えるカメラが撮った画像の認識に基づく自律的な動作をロボットアーム11にさせるときに、左右のロボットアーム11同士が接触して破損することを防止することができる。
なお、本発明においてロボットアームは双腕型に限られない。3つ以上のロボットアームがロボットアーム付き移動ロボット1Aに設けられても良く、これにより多種多様な作業が可能となる。
(エンドエフェクタ)
左右のロボットアーム11の先端にはエンドエフェクタ20が設けられている。エンドエフェクタ20には、ロボットアーム付き移動ロボット1Aが扱う物品の素材、形状、物品に対する作業内容等に応じて物品を把持することのできる把持部や、物品に吸着することのできる吸着部、荷物を縛っている紐を切断する刃などを設けることができる。
作業の具体例としては、物品の積み下ろし、物品の整列、組み立て、ネジ締め、溶接、ハンダ付け、塗装などが挙げられる。
エンドエフェクタが扱う物品の具体例としては、箱、積層した段ボール等のシート、シートの積層物を紐などで束ねたもの、木材、金属材料、樹脂材料、ボトル、キャップ、又はロール状のフィルム、紙若しくは不織布といったものが挙げられる。
(作業台)
作業台50では物品への作業が行なわれる。作業台50は物品を運搬箱60に収納したり(図5)、運搬箱から取り出したりする場合に運搬箱を置いておく荷台としても使用することもできる。作業台50としては、物品を安定に保持できるものを使用する。作業台50そのものの構造は特に限定されない。平板状のもの、板材の左右前後に荷物落下防止の桟や壁を有するもの、カゴ状、孔空きの板からなるもの、物品のがたつきを防止するため物品を置く部分に凸状や凹状構造を有するもの等が挙げられる。
作業台50には、作業内容に応じて、電動又は空圧駆動のチャック等の物品を把持するための機構を設けてもよい。
(運搬箱)
ロボットアーム付き移動ロボットの使用例で説明するように、ロボットアーム付き移動ロボット1Aはロボットアーム11で物品を運搬箱60に収納したり、運搬箱60の中の物品をロボットアーム11が特定の場所に供給したりすることができる(図5)。運搬箱60としては、物品を安定的に保持できるものを使用する。運搬箱60は1個を使用しても良く、複数個を使用しても良い。運搬箱60そのものは特に限定されない。例えば、運搬箱60の形状としては、立方体状、直方体状、多角柱箱状、円柱状などが挙げられる。蓋があるものも無いものも使用することができる。運搬箱60の構造も特に限定されず、折り畳めるものであっても、折り畳めないものであっても良い。運搬箱60の具体例としては、段ボール箱、樹脂箱、折り畳み可能なコンテナケースなどが挙げられる。物品のがたつきを防止するには、物品を置く部分に凸状や凹状構造を有するもの、仕切り板があるもの等の方法が挙げられる。
運搬される物品も特に限定されず、一例として、ボトル、ジャー、袋、チューブ、箱、といった内容物入り容器や空容器、その他、本、食料品、機械部品などが挙げられ、さらにこれらの物品の詰め合わせ品といったものも挙げられる。
(画像認識)
本実施例のロボットアーム付き移動ロボット1Aには、双腕型ロボット10の基部12の上方、即ち、双腕型ロボット10を人型と見なした場合の頭部13に相当する位置に画像認識に使用するカメラ30が設けられており、双腕型ロボット10には画像認識システムが内蔵されている。カメラ30で撮った画像情報は、有線又は無線でロボットアームの制御プログラムに送られ、ロボットアーム11の高度な動作制御を行うことが可能となる。
即ち、ロボットアーム付き移動ロボットは、自動走行方式が経路誘導式、自律誘導式、追従式のいずれであっても、一般には目標の停止位置に精確に停止することはできない。通常、±50mm程度の位置誤差が生じる。補正装置を使用した場合でも±10mm程度の位置誤差が生じる。この補正装置としては、目的位置の床に貼った磁気テープを読み取るセンサ、目的位置周辺に設置した時別な形状の目標を検知するセンサなどが挙げられる。但し、荷積みや荷下ろしにおいて、ロボットアームと周囲との位置関係に高い精度が必要となる場合には補正装置が荷物の移載に支障をきたすことがある。
これに対し、画像認識システムによれば、荷積み、荷下ろし等の作業地点の周囲のマーカーや特徴的な対象物が画像認識されるので、目標の停止位置にロボットアーム付き移動ロボット1Aが到達すると、その情報が自動走行システムに送られる。あるいは、ロボットアーム付き移動ロボット1Aの目標の停止位置に対する実際の停止位置のズレ量や角度のズレ量を画像認識システムが推測し、ロボットアームの動作を補正する。このため、所期の動作を確実に行うことができる。
ロボットアーム付き移動ロボット1Aの停止位置の補正のために画像認識システムを使用するだけでなく、荷積み、荷下ろしといったロボットアーム11の動作を、画像認識システムで荷物、荷台、運搬箱、作業台などの対象物を認識することにより行っても良い。画像認識システムを用いて、物品のバーコードや色などの検査を行っても良い。また、画像認識システムを、走行時の安全性の向上のために使用してもよい。一方、物品のバーコード検査には、専用のバーコードリーダを使用してもよい。
画像認識に使用するカメラ30や画像認識システム自体には特に制限がない。2次元型画像や、ステレオカメラなどによる3次元型画像の情報を処理する公知の画像認識システムを使用することができる。また、拡張現実(AR;Augmented Reality)により、撮像した画像でマーカーの大きさ、向き、変形度合の情報を得、それによりロボットアームの位置のずれ量を推測するものを使用してもよい。画像認識する対象物、処理時間、コスト等に応じて適宜選択される。従来型の2次や3次元の画像認識システムに加えて、AI画像認識を使用しても良い。AI画像認識の方法は特に限定されない。一例として、OSARO社製の機械学習による方式、(株)エイアイキューブ製の商品Alliomの事前に物品積み上げシミュレーションを行っておくことで認識可能とする方式などが挙げられる。
カメラの設置位置も特に限定されない。例えば、後述する実施例のロボットアーム付き移動ロボット1B(図6A~図7C)のように、ロボットアーム11の基部12とは別個にロボットアーム付き移動ロボット1Bにポール状の背の高い設置具31を起立させ、その設置具31にカメラ30を設置してもよい。カメラ30の設置位置を高くすることにより、遠方から物品を確認することができる。そのため、カメラレンズによる画像の歪みを小さくすることができ、物品の位置の誤認を防止することができる。さらに、画像認識の視野をロボットアーム11が遮っていなければ撮像可能なので、ロボットアームの動作開始前に画像認識の演算を、時間的に余裕を持って行うことができる。一方、荷積み、荷下ろし等のロボットアームの動作に画像認識システムを使用する場合には、ロボットアームの先端にカメラを設置してもよい。この場合には、カメラが荷物に近づくことができるので、荷物の検査が容易になり、さらにカメラを支える設置具がロボットアームの動きを制約することもない。
(ロボットアーム付き移動ロボットの使用例)
ロボットアーム付き移動ロボット1Aの使用例として、ロボットアーム付き移動ロボット1Aが図4に示した通路Aを通って待機地点P1から物品のピック地点P2に向かい、作業地点P3で、ピックした物品に対して作業をすると共に作業を完了した物品をプレイスし、その後に待機地点P1に戻る例を、図1A~図1C、図2A~図2C、図3A~図3Cを参照しつつ説明する。
図4に示した待機地点P1に停止中のロボットアーム付き移動ロボット1A、及び待機地点P1からピック地点P2に向かう移動中のロボットアーム付き移動ロボット1Aは、図1A~図1Cに示したように、非接触型センサとしてレーザスキャナ80A、80B、80Cが車体外周部で車体2の近傍に位置している。各レーザスキャナ80A、80B、80Cは上向きに照射したレーザ光を鉛直面で放射状に走査することで鉛直面をなす検出区域Da、Db、Dcを形成している。この検出区域Da、Db、Dcにより、ロボットアーム付き移動ロボット1Aの左右の側面側及び背面側の安全防護空間Saが車体近傍に縮小した状態で形成される。したがって、ロボットアーム付き移動ロボット1Aは狭い通路の移動や、小回りが可能となる。特に、狭い通路の曲がり角などで周囲の構造物に衝突することなく向きを変えることができる。
なお、ロボットアーム付き移動ロボット1Aの前方は、本実施例の場合はロボットアーム11が前方の人が存在しない作業対象にエンドエフェクタ20を伸ばして作業するので、非接触型センサによって安全防護空間を形成することが不要であることにより、ロボットアーム付き移動ロボット1Aの前方には非接触型センサによる検出区域の設定がなされていない。また、床面方向及び天井方向は、実際上、安全防護空間への障害物の侵入を考慮しなくてもよいため、これらの方向に対しても非接触型センサによる検出区域の設定は省略されている。
通常、移動ロボットおいて走行時の通路確認は自律移動型ロボットに備えられているカメラ(画像SLAM)やレーザセンサ(レーザSLAM)等によって行われる。本実施例のロボットアーム付き移動ロボット1Aにおいても、カメラ30は走行時に通路周辺に設置したマーカーや特徴的な対象物を確認することも可能なので前方を向いている。
図4に示したピック地点P2ではロボットアーム付き移動ロボット1Aは所定の物品をピックして作業台50に載せ、所定の作業を行う。ロボットアーム11の作業中は人の制限空間への侵入を確実に妨げられるように安全防護空間を拡張した位置に設定する。このため、図2A~図2Cに示すように、水平移動装置70A、70B、70Cのスライダー71が車体2の外側へ移動することにより、その端部に取り付けられていたレーザスキャナ80A、80B、80Cは車体外周部において車体近傍から外側に離れ、双腕型ロボット10の右側面、左側面、背面から離間した位置に移動し、この位置で検出区域が車体2の右側面、左側面、背面に平行な鉛直面をなすようにレーザ光による検出方向を走査させ、安全防護空間Saを形成する。
なお、双腕型ロボット10の前面の安全防護空間の境界は、壁面の存在により形成され、床面側の安全防護空間の境界は、レーザスキャナ80A、80B、80Cの下方向に設定された検出区域により形成される。また、ロボット10の頭上側には人の接近を考慮する必要がないため、安全防護空間の境界を設けていない。
車体2の左右及び背面のレーザスキャナ80A、80B、80Cの検出区域をそれぞれ制限空間Srからどの程度離すかは、双腕型ロボット10の向き、作業内容、ロボットアーム11の運転速度等に応じて適宜選択される。
そこで、ピック地点P2から作業地点P3に向かう途中は、図1A~図1Cに示したようにレーザスキャナ80A、80B、80Cの位置を車体近傍とする。また、作業地点P3において車体2の進行方向の左側が部品のピックを行う作業エリアDであり、正面側が、地点P2でピックした物品に、作業地点P3でピックした部品を取り付けたものをプレイスする作業エリアEである場合、図3A~図3Cに示すように車体2の進行方向右側のレーザスキャナ80Aと後ろ側のレーザスキャナ80Cをそれぞれ水平移動装置70A、70Cで車体2から離れた位置に移動させる。これにより、ロボットアーム11の左側と背面側に十分な安全距離を確保することができ、ロボットアーム11は安全に作業をすることが可能となる。
なお、地点P2で所定の作業を施した物品を地点P3に搬送するにあたり、図5に示すように、所定の作業を施した物品Bを運搬箱60に収納して搬送してもよい。
一方、地点P3でのロボットアーム11の運転速度が地点P2でのピック作業よりも遅い場合には、必要とされる安全距離は地点P2におけるピック作業での安全距離よりも短くなるので、レーザスキャナ80A、80Cの車体2の外側への移動量もピック作業時よりも少なくすることができる。図4の地点P3のロボットアーム付き移動ロボット1Aはこのような状態を表している。
なお、地点P3において、車体2の作業エリアD側では該作業エリアDを囲む壁面が安全防護空間を形成するため、作業エリアD側のレーザスキャナ80Bは安全防護空間の形成に使用しない。また、車体2の作業エリアE側では該作業エリアEを囲む壁面によって安全防護空間が形成される。
作業地点P3において作業を完了した後は、水平移動装置70A、70Cを車体2の内側に移動させてレーザスキャナ80A、80B、80Cを当初の車体外周の近傍の位置とし、ロボットアーム付き移動ロボット1Aの向きを反転させ、破線矢印で示すように待機地点P1に向かう。このとき、安全防護空間は縮小しているので、ロボットアーム付き移動ロボット1Aは、狭い通路でも通ることができ、角部では小回りすることもできる。
<ロボットアーム付き移動ロボットの変形態様>
本発明のロボットアーム付き移動ロボットは種々の態様をとることができる。例えば、図6A~図7Cに示すようにロボットアーム付き移動ロボット1Bのロボットアームとして、1本の垂直多関節型ロボットアーム11が車体2に固定されることで搭載され、エンドエフェクタ20には、ボトルの摘まみ上げと摘まみ下ろしに好適な挟持部材26を有するものでもよい。このロボットアーム11は荷積み地点でボトルを1本ずつ作業台50に載せ、所定の作業後に荷下ろし地点でボトルを1本ずつ所定の位置に下ろす等の用途に使用することができる。ボトルの搬送中にボトルの整列等の作業を行っても良い。
また、このロボットアーム付き移動ロボット1Bでは、画像認識に使用するカメラ30が、車体2から起立したポール状の高い設置具31に取り付けられ、作業台50の上方の高い位置に設けられている。これにより、カメラレンズによる画像の歪みを小さくすることができ、ボトルの位置の誤認を防止することができる。
非接触型センサとしては、図1A~図3Cに示したロボットアーム付き移動ロボット1Aと同様に、レーザスキャナ80A、80Bが、スライダー71を有する水平移動装置70A、70Bに取り付けられて車体2の左右の側面近傍に位置している。車体2の背面側にも、スライダー71を有する水平移動装置70Cに取り付けられたレーザスキャナ80Cが位置している。これらレーザスキャナ80A、80B、80Cの検出区域は鉛直面をなし、安全防護空間Saを形成する。
ロボットアーム11が作業をするときには、作業位置、作業速度等に応じて、図7A~図7Cに示したように、水平移動装置70A、70B、70Cによりスライダー71を車体の外側に突出させることでレーザスキャナ80A、80B、80Cを車体2の外周部の車体近傍から外側へ水平に移動させることができる。
図6A~図7Cに示したロボットアーム付き移動ロボット1Bにおいて、エンドエフェクタ20として様々な物品の摘まみ上げと摘まみ下ろしに好適なフレキシブル挟持部材を有するものを使用してもよい。フレキシブル把持部材は特定のものに限定されないが、例えば、図8A、図8Bに示すロボットアーム付き移動ロボット1Cは、フレキシブル挟持部材27として、基部が旋回可能な多指の把持ハンドを備えている。この他、フレキシブル挟持部材27として、物品に沿うように柔軟に変形できる指部を備えた把持ハンド、1つの吸引部とその周囲に加圧部を設けて周囲が物品に沿って安定的に把持が出来る吸着ハンド等を挙げることができる。
図8A、図8Bに示すロボットアーム付き移動ロボット1Cのロボットアーム11は、荷積み地点で様々な物品を1個ずつまたは複数個を同時に荷台50上の運搬箱60に載せ、荷下ろし地点で物品を1個ずつまたは複数個を同時に所定の位置に下ろす等の用途に使用することができる。なお、運搬箱60は、車体2上の荷台50に載せても、車体2上に直接乗せても良い。
ロボットアーム11は、物品の入った運搬箱60をそのまま所定の位置に降ろしても良い。運搬箱60を荷台50上に載せたり、所定の位置に降ろしたりする場合に、物品の摘まみ上げや摘まみ下ろしをするエンドエフェクタ20をそのまま使用しても良いし、運搬箱60の取り扱いに適した別のエンドエフェクタを使用してもよい。
物品の入った運搬箱をそのまま所定の位置に降ろす際には、ロボットアーム11とは別の荷下ろし装置(図示せず)を使用しても良い。荷下ろし装置はロボットアーム付き移動ロボットに設置されていても良いし、荷下ろし位置に設置されていても良い。
荷下ろし装置としては特に限定されず、一例として、エアシリンダー先端に付けたバキュームパッドやフックで運搬箱60をロボットアーム付き移動ロボット1Cから引きずり降す、吊り上げて降ろす等の方式が挙げられる。このように、運搬箱60とフレキシブル把持部材27を使用することで、ロボットアーム付き移動ロボット1Cは、物流センターにおけるバラピッキングと呼ばれる、少量多品種の物品を運搬箱にまとめる作業に好適に行えるものとなる。
レーザスキャナ80A、80B、80Cの水平方向の位置を移動可能とするにあたり、図9A~図10Cに示すロボットアーム付き移動ロボット1Dのように、旋回型移動装置75を使用してもよい。この旋回型移動装置75では、支柱76の一端が回転中心となり、他端にレーザスキャナ80A、80B、80Cが取り付けられている。図9A~図9Cに示すように、支柱76が起立しているとき、レーザスキャナ80A、80B、80CはOFF状態で、レーザスキャナは安全防護空間を形成していない。
一方、ロボットアーム11に作業させるときには図10A、図10B、図10Cに示すように、旋回型移動装置75の支柱76を回転させて該支柱76を水平にし、レーザスキャナ80A、80B、80Cの検出区域が鉛直面をなし、これにより安全防護空間Saが形成されるようにする。
駆動装置を安価にできるコスト面の観点から、また短時間で非接触型センサを移動できる能力上の観点からは、このように回転で非接触型センサの水平方向の位置を移動させることが好ましく、非接触型センサ位置の微調整を容易とする設定作業面の観点や周囲にいる人がセンサの移動方向を予測しやすくするという安全上の観点からは非接触型センサを前述のように水平に移動することが好ましい。
この他、本発明は、非接触型センサの水平方向の位置を移動可能とする種々の態様をとることができる。
1A、1B、1C、1D ロボットアーム付き移動ロボット
2 車体
10 双腕型ロボット
11 ロボットアーム
12 基部
13 頭部
14 警告灯
20 エンドエフェクタ
26 挟持部材
27 フレキシブル把持部材
30 カメラ
31 設置具
50 作業台、荷台
60 運搬箱
70A、70B、70C 水平移動装置
71 スライダー
75 旋回型移動装置
76 支柱
80A、80B、80C 非接触型センサ、レーザスキャナ
A 通路
Da、Db、Dc 検出区域
L 安全距離
P1 待機地点
P2 ピック地点
P3 作業地点
Sa 安全防護空間
Sr 制限空間

Claims (6)

  1. ロボットアームが車体に搭載され、非接触型センサが設置されているロボットアーム付き移動ロボットであって、
    該非接触型センサは検出区域が鉛直面をなし、該検出区域が該ロボットアームの安全防護空間を形成し、該非接触型センサの水平方向の位置が移動可能であるロボットアーム付き移動ロボット。
  2. 前記非接触型センサが、前記車体外周部において車体近傍から車体外側方向への水平方向の移動と復帰が可能なスライダーに取り付けられている請求項1記載のロボットアーム付き移動ロボット。
  3. 前記非接触型センサがレーザスキャナである請求項1又は2に記載のロボットアーム付き移動ロボット。
  4. ロボットアームが車体に搭載されたロボットアーム付き移動ロボットにおいて、該ロボットアームの安全防護空間を、該ロボットアーム付き移動ロボットに設置した非接触型センサを用いて形成する安全防護空間の形成方法であって、
    該非接触型センサによる検出区域を鉛直面とし、該非接触型センサの水平方向の位置を移動可能とすることにより安全防護空間の大きさを可変とする安全防護空間の形成方法。
  5. 前記非接触型センサの設置位置を、前記ロボットアーム付き移動ロボットの前記ロボットアームの作業停止中は前記車体の外周部において車体近傍とし、前記ロボットアームの作業中は前記車体近傍から外側へ離す請求項4記載の安全防護空間の形成方法。
  6. 前記非接触型センサとしてレーザスキャナを使用する請求項4又は5記載の安全防護空間の形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116638515A (zh) * 2023-05-31 2023-08-25 重庆日联科技有限公司 一种用于铅房内机器人x光检测系统的防撞保护方法

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