JP2022104472A - ヘリコプター用消火装置及びヘリコプター用散布装置 - Google Patents

ヘリコプター用消火装置及びヘリコプター用散布装置 Download PDF

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【課題】 安全飛行が可能な軽量、堅ろうな消火装置の開発。【解決手段】 ヘリコプターに吊り下げられた容器(2)に収容されている消火剤(M)を放出することで消火を行うヘリコプター用消火装置(1)において、前記容器(2)は、上部に設けられたリング状部材からなる前記消火剤(M)の収容口(3)と、可撓性を有する袋状の胴部(7)と、円形の底部(4)と、前記底部(4)から前記消火剤(M)を放出可能な放出口(5)と、前記放出口(5)からの前記消火剤(M)の放出を調整可能な放出扉(6)と、前記収容口(3)と前記底部(4)の周縁部分とを繋ぐことで前記底部(4)を吊り下げ態様で支持する複数の繊維索(9)と、を備え、前記底部(4)は、中心部が上方に突出し、かつ、周縁端部が上方に折り曲がった円形の板部材により構成した。【選択図】図2

Description

本発明はヘリコプターの機外に容器を吊り下げて容器に収容した消火剤や殺虫剤などの薬液や粉末、粒子などを上空で放出して散布するヘリコプター用消火装置及びヘリコプター用散布装置に関する。
ヘリコプター用消火装置として、ヘリコプターの機外に容器を吊り下げ、容器に収容した消火剤などを山岳や海洋などの現場に運搬するタイプのものが知られている。この種の消火装置は、一度に運搬できる量が限られる。そこで前線基地を設けて消火剤などを一度貯蓄し、ヘリコプターで一回に吊り下げられる量に限って消火剤などを前線基地から現場まで運搬し、現場上空で散布するやいなや前線基地に戻って空の容器に消火剤などを迅速に収容し、再び素早く現場に向けて飛行する。これを繰り返すというきわめて過酷な状況で使用される特殊な装置である。
そこで、ヘリコプター用消火装置は、先ずは重量が軽く、短時間で容器へ消火剤などを収容でき、フェリー飛行が安定にできなくてはならない。しかも、消火現場などの過酷な使用状況に耐える堅牢さと同時に、ヘリコプターが一回に運搬できる消火剤などの量を最大化し、飛行回数を最小化することでヘリコプターの運用効率を最適化できるよう、容器への積み込み、運搬、上空での放出などの各作業の作業性と確実性が求められる。
従来のヘリコプター用消火装置の一例として特許文献1には液体製品の投下又は噴霧用の航空輸送により運搬される装置が開示されている。ヘリコプターの下に吊されて運搬される取り外し可能な装置であり、水または液体を収容するのに適したタンクの下方には巻き取りエンジンが配置されており、一端が噴霧ノズルに接続され、他端がタンクに接続された可撓導管をエンジンで巻き取る構造である。
また、特許文献2の散布装置及び開口カバーは、散布装置の容器に収容した散布物が飛行中に意に反して開いた口から飛散してしまうことを抑制する散布装置の構造であり、散布装置の容器の開口形状が少々変った場合でも柔軟にカバーが対応して開口を閉塞できる構造である。
特表2002-513328号公報 特開2017-149356号公報
特許文献1の装置によれば、タンクの水や液体を噴霧するノズルの駆動のためにエンジンやウインチをタンクに備えなければならず、エンジンやウインチに燃料や電力を供給する配管や制御装置などが必要になるなどタンクの構造が複雑になり、タンクの重量が重くなる。一度に運搬できる消火剤などの量が制約され、あるいは、大型のヘリコプターが必要になる。基地では噴霧装置の整備や保管が厄介になるなどの課題がある。
また、特許文献2の散布装置等によれば、散布物を収容する容器にベルトやバックルなどで可撓性の開口カバーを密着固定し、開口カバーに設けた数か所の注入口のフックを解除して注入管の屈曲した先端部を差し込み、容器に散布物を注入可能にする。しかし、注入口に注入管を差し込む作業が手間取り、注入管から注入できる散布物の量も制約され、注入時間が長くなる。ヘリコプターのホバリング状態では機外に吊るした容器に散布物を注入することが危険で不可能であるなどの課題がある。
本発明は、ヘリコプターの機外に容器を吊り下げて消火や消毒、救難などを行う専門的観点から従来の未解決な課題に鑑みなされたもので、重量が軽く、消火剤などの収容が短時間ででき、機外に吊り下げた状態でヘリコプターの飛行(フェリー飛行)が安定にできる容器を備えたヘリコプター用消火装置、ヘリコプター用散布装置の提供を目的とする。
また、容器は、消火現場などの過酷な使用状況に耐える堅牢さを備えるだけでなく、一回にヘリコプターが運搬できる消火剤などの量を極力最大化することで、飛行回数を最小化してヘリコプターの運用効率を最適化でき、積み込み、運搬、上空での放出などの一連の厳しい環境での作業性と作業の確実性を実現できる装置を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明のヘリコプター消火装置1は、ヘリコプターに吊り下げられた容器2に収容されている消火剤Mを放出することで消火が可能なヘリコプター用消火装置1において、容器2は、上部に設けられたリング状部材からなる消火剤Mの収容口3と、可撓性を有する袋状の胴部7と、円形の底部4と、底部4から消火剤Mを放出可能な放出口5と、放出口5からの消火剤Mの放出を調整可能な放出扉6と、収容口3と底部4の周縁部分とを接続することで底部4を吊り下げ態様で支持する複数の繊維索9と、を備え、底部4は、中心部が上方に突出し、かつ、周縁端部が上方に折り曲がった円形の板部材により構成したことを特徴とする。
また、本発明は、胴部7の少なくとも一か所に胴部7の長さを調整可能に開放する胴長開放調整部8を備え、胴長開放調整部8は、線ファスナー81,82であることを特徴とする。
また、本発明は、放出扉6には、アクチュエータ13による牽引によって放出扉6を開扉するための牽引索11が接続されており、放出扉6は、人力による牽引索11の牽引によっても開扉可能に構成されたことを特徴とする。
また、本発明に係る放出扉6は、第1の扉22と、前記第1の扉22の内側に形成された第2の扉20と、により構成され、牽引索11は、第2の扉20に接続され、牽引索11の牽引により第2の扉20を開扉した後に、第1の扉22を開扉するように構成されたことを特徴とする。
また、本発明の容器2の内部には、消火剤Mの揺動を防止可能な膜部材14を取り付け可能であることを特徴とする。
また、本発明の容器2の内部には、容器2の姿勢を安定化可能なポケット10を設けたことを特徴とする。
また、本発明は、容器2に消火剤Mのみならず様々な散布剤を収容・散布可能なヘリコプター用散布装置としても機能する。
本発明によれば、ヘリコプターの機外に吊り下げた容器2に収容した消火剤M等を底部から放出でき、容器2は、軽量化でき、短時間で消火剤Mなどを収容ができ、機外に吊り下げてヘリコプター飛行するフェリー飛行が安定にできる。
また、容器2は、過酷な使用状況に耐える堅牢さを備えることができ、一回にヘリコプターが運搬できる消火剤Mなどの量をヘリコプターの燃料消費量に見合う最適な量に調整して往復運搬でき、これにより、トータルの運搬量を最大化でき、飛行回数を最小化してヘリコプターの運用効率を最適化できる。
また、厳しい作業環境のもとで、消火剤Mなどの積み込み、運搬、上空での放出などの一連の作業を作業性良く、高い確実性で実現することができる。
本発明の一実施形態であるヘリコプター用消火装置の使用態様を示す図である。 ヘリコプター用消火装置の全体構成を示す図である。 容器の上方斜視図である。 畳まれた状態の容器を示す図である。 容器の側面図であり、線ファスナーが縦方向に設けられた容器を示す図である。(a)はファスナーが閉じられた状態を示し、(b)は一部のファスナーが開かれた状態を示す。 線ファスナーが横方向に設けられた容器を示す図である。 (a)は消火剤の貯留地まで飛行し(上段)、飛行しながら消火剤を容器にくみ上げ(中段)、消火剤を収容した容器を消火現場まで搬送する(下段)様子を示した説明図であり、(b)はくみ上げた消火剤がファスナーの開いた部分からあふれ出る様子を示す図である。 ヘリコプター用消火装置の使用後の様子を示す図である。(a)は空の容器を吊り下げた状態で飛行している様子を示す図であり、(b)は所定の場所に着陸した後に容器を畳んだ様子を示す図であり、(c)は畳んだ容器をヘリコプターの機内に収納した状態を示す図である。 容器を上方から見た図である。 (a)は図9のA-A部断面図であり、(b)は(a)の部分拡大図である。 放出扉の第1例である二重丸形扉(上下動型)を示す図である。(a)は内側小扉及び外側扉が閉扉された状態、(b)は内側小扉のみが開扉された状態、(c)は内側小扉及び外側扉が開扉された状態をそれぞれ示す。 放出扉の第2例である二重丸形扉(上下動・水平スライド複合型)を示す図である。(a)は内側小扉及び外側扉が閉扉された状態、(b)は内側小扉のみが開扉された状態、(c)は内側小扉及び外側扉が開扉された状態をそれぞれ示す。 放出扉の第3例である箱型側面開放スライド扉を示す図である。(a)は閉扉された状態、(b)は開扉された状態をそれぞれ示す。 放出扉の第4例であるスライド方形扉を示す図である。 放出扉の第5例である円形可撓如雨露型放出口を示す図である。(a)は放出口リングが上部に位置した状態、(b)は放出口リングが(a)の高さよりも下方に位置した状態、(c)は放出口リングが最下部に位置した状態をそれぞれ示す。 放出扉の第6例であるバグナー降下型扉を示す図である。(a)は閉扉された状態、(b)は開扉された状態をそれぞれ示す。 放出扉の第7例であるスライド円柱扉を示す図である。(a)は閉扉された状態、(b)は開扉された状態をそれぞれ示す。 仕切膜を取り付けた容器の上方斜視図である。 仕切膜を取り付けた容器の上面図である。
以下、本発明のヘリコプター用散布装置の一実施形態として、水などの消火剤Mを容器2に収容して放出可能なヘリコプター用消火装置1について説明する。
なお、本実施形態として、容器2に収容した消火剤Mを容器2から放出することで消火を行うヘリコプター用消火装置1について説明するが、本発明は、消火の目的に限るものではない。
例えば、本発明を、海洋汚染や農地での播種、施肥、殺虫剤や除草剤の散布や噴霧に使用することができる。
このため、放出する物質は消火剤Mに限らず、殺虫剤や除草剤、種子のほか、海洋に流出した重油などの汚染物質の除去剤、救難活動での蛍光着色剤の散布など、液体に限らず粉体や粒体、スラリーなどのさまざまな流動性物質の散布に本発明の装置を広く利用することができる。
ヘリコプター用消火装置1を、単に消火装置1ともいう。
図1は、本発明の一実施形態である消火装置1及び散布装置の使用態様を示す図であり、ヘリコプターに容器2を吊り下げて森林火災を消火する様子を示す図である。
図2は、消火装置1の全体構成を示す図である。
図3は、容器2の上方斜視図である。
図4は、畳まれた状態の容器2を示す図である。
図5は、容器2の側面図である。
図1~5に示すように、消火装置1は、袋状(筒状)の容器2を備える。
容器2は、上部に設けられたリング状部材であって、消火剤Mの収容口である上部リング3と、可撓性を有する袋状(筒状)の胴部7と、円形の板部材により構成された鏡板4(本発明の底部(4))と、消火剤Mを放出可能な放出口5と、放出口5からの消火剤Mの放出を調整可能な放出扉6と、収容口3と底部4とを繋ぐことで鏡板4を吊り下げ態様で支持する複数のナイロンスリング9(本発明の繊維索(9))と、を備える。
この他、複数のスリング12が、それぞれ一端が上部リング3に結び付けられ、他端がカーゴリング15に結び付けられる。
これにより、容器2は、カーゴリング15をヘリコプターのカーゴフックに勘合懸下することで、ヘリコプターに吊り下げ可能となる。
このような容器2は、上部リング3からなる収容口が開いた状態のままヘリコプターに吊り下げられ(図1~3等参照)、森林火災などの消火現場Sでは放出扉6が開扉されることで放出口5から消火剤Mが下方に放出される(図1参照)。
上部リング3は、SUS製の中空パイプにより構成することができる。
上部リング3は、具体的には、容器2の容量によって直径34mm~65mm、肉厚2mm~4mmのSUS中空パイプを用いることができる。
胴部7は、防水性に優れ、かつ、可撓性を有する軽量かつ高強度のシート部材により構成した。
具体的には、カンボウプラス社のKT70E厚さ1mmのターポリン材を採用した。
このような胴部7によれば、消火作業などの過酷な使用環境に耐える堅牢さを備えつつ、ヘリコプターの運用効率の最適化と一連の作業を、確実、かつ、安全に行うことができる。
胴部7は、ターポリン材を、上部リング3により暖簾状に支える構造とした。
具体的には、ターポリン材の端部に50mm~200mm幅、長さ100mm~200mmの部材を6カ所設け、これをそれぞれ熱溶着して6個の支え輪を構成して暖簾状を形成した。溶着幅は50mmとした。
なお、胴部7をバグナーともいう。
胴部7の少なくとも一カ所には胴長開放調整部8を設けた。胴長開放調整部8の詳細は後述する。
放出扉6には牽引索11が接続されており、この牽引索11の牽引手段としてアクチュエータ13(ウインチ)を設けた。
アクチュエータ13は、所定のケーブル(アクチュエータケーブル)を介して機体内リレーボックス16と接続されており、機体内リレーボックス16に備えられたリレー等によってアクチュエータ13の駆動が制御される。
アクチュエータ13の駆動に応じ、牽引索11が上方に牽引され、この牽引に応じて放出扉6が開扉し、当該開扉に応じて放出口5が開放されることで、容器2に収容された消火剤Mが下方に放出される。
胴部7は、可撓性を有するターポリン材で構成されているため、簡単に畳むことができる。
図4は、畳まれた状態の容器2を示す図である。
図4に示すように、例えば、上部リング3を下方向に押し縮めることで容器2をコンパクトに畳むことができる。
このため、容器2を小さくして、ヘリコプター基地の倉庫や機内に保管することができ、搬送する際も、ヘリコプターの機内に容易に短時間で運び入れる(収納する)ことができる。
なお、容器2は、空の状態で機外に吊るして運搬することも可能であるが、空の容器2は軽いために揺動したり、その揺動により容器2が回転翼等に接触したりするなど、安全な飛行(フェリー飛行)を妨げるおそれがある。
これに対し、本発明の容器2は、コンパクトに畳むことで機内に収納できるため、このようなおそれがなく、安全なフェリー飛行が可能となる。
なお、胴部7は、ターポリン材に限らず、可撓性を有する他のシート部材を用いてもよい。
また、胴部7の全周をシート部材で囲む必要はなく、胴部7の一部だけを囲うことでも良い。
また、上下方向に多段にシート部材を分割し、これにより、胴部7を、蛇腹状に形成しても良い。
胴長開放調整部8について説明する。
図5は、胴長開放調整部を構成する縦型の線ファスナー81を示す図である。
図5に示すように、容器2の胴部7には、防水タイプの線ファスナー81が縦方向に設けられている。
このファスナー81によれば、スライダー(つまみ部分)を最上方まで上げるとファスナー部分は全て閉じられ、スライダーを最下方まで下げると、ファスナー部分はV字状に開放され、その途中で止めた場合、ファスナー部分は、Y字状に、スライダーの上方が開放され、スライダーの下方が閉じられる。
つまり、ファスナー81の開き具合をスライダーの位置により調整することができ、胴部7の長さを変更することができる。
このため、スライダーの位置を最上位の水位として、当該水位を超える消火剤Mをあふれ出させることができる。
これにより、容器2に収容できる消火剤Mの量を、ファスナー81の開閉調整によって適正に制限・調整でき、容器2への消火剤Mの過積載を防ぐことができる。
なお、ファスナー81を下げると開いた部分が揺れるので面ファスナーで固定してもよい。
また、ファスナー81は1カ所でもよく、胴部7の周囲に沿って等間隔で複数(例えば、本実施形態のように4カ所)設けることもできる。
ファスナー81を胴部7の周囲に沿って等間隔で設けることにより、重量のバランスがとれ、消火剤Mの収容時に容器2が傾かないようにすることができる。
また、ファスナー81を複数設けることで、消火剤Mがあふれ出る箇所を複数にすることができるので、消火剤Mがあふれ出す際にかかる負荷(荷重)を1カ所に集中させず、複数箇所に分散させることができる。
また、2つのファスナー81を所定の間隔を経て並行に配置し、2つのファスナー81を共に開くことでその間隔幅のターポリン材を下方に折り曲げることができ、この折り曲げによる開放部から消火剤Mをあふれ出させるようにもできる。
このようにすることで、余分な消火剤Mを短時間で排出することができる。
図6は、胴長開放調整部を構成する横型の線ファスナー82を示す図である。
図6に示すファスナー82は、前述のファスナー81と同様の防水タイプの線ファスナーであるが、ファスナー81と異なり、胴部7に対し水平方向に設けられる。
このようにすると、ファスナー82を開いた状態において、ファスナー82の高さを超える消火剤Mは、ファスナー部分から外部に排出される。
つまり、ファスナー82の開閉により胴部7の実質的長さを変更することができる。
このため、このような横型のファスナー82によっても、消火剤Mの容量を調整することができる。
また、ファスナー82を上下方向に沿って複数段配置することもできる。
このようにすると、任意のファスナー82の開閉によって消火剤Mの積載量を微調整することができる。
このように、ファスナー8を用いることにより、容器2に収容できる消火剤Mの量を適正に制限・調整でき、過積載を防ぐことができる。
特に、容器2は、ヘリコプターに吊り下げて使用するため、積載している燃料の消費状況によって容器2に収容できる消火剤Mなどの供給量を加減する必要がある。
これは、ヘリコプターの上昇力は、自重と搭載物重量の合算が制限となり、運航時の気温と自重によって搭載物重量の許容範囲が決まるからである。
つまり、燃料を満タン状態にし、かつ、最大限に消火剤Mを収容すると離陸ができなくなり、あるいは、離陸ができたとしても飛行が不安定になることを考慮する必要がある。
同様に、消火活動当初は燃料が満タン状態なので、その分、容器2に収容できる消火剤Mの量を減らさなくてはならない。
また、消火活動が進むと飛行時間や飛行距離に伴って燃料が消費されるので、その分、容器2に収容できる消火剤Mの量を増やすことができる。
本発明の消火装置1は、容器2の胴部7に胴長開放調整部8を設けているため、容器2そのものを取り替えることなく、このような課題を解決することができる。
図7(a)は、ヘリコプターが容器2を吊り下げた状態で、水などの消火剤Mが貯留された貯留地まで飛行し(上段図)、消火剤Mを容器2でくみ上げ(中段図)、消火剤Mが収容された容器2を消火現場Sまで飛行する様子(下段図)を示す図である。
この図に示すように、本発明の消火装置1によれば、貯留地上を飛行しながら容器2に消火剤Mを収容することができる。
なお、消火剤Mの収容・運搬方法は、この方法に限るものではない。例えば、予め消火剤Mを容器2に収容した後に、その容器2をヘリコプターに吊り下げて運搬することもできる。
図7(b)は、一部のファスナー8を開いた状態で消火剤Mを容器2でくみ上げる様子を示す図である。
図7(b)に示すように、ファスナー8を開いた状態で消火剤Mをくみ上げた場合、ファスナー8の開いた部分から消火剤Mをあふれ出させることができる。
図7(a)に示すように、消火剤Mをできるだけ多く収容したい場合は、ファスナー8を閉じた状態で使用すればよく(図5(a)参照)、図7(b)に示すように、消火剤Mを少なく収容したい場合は、ファスナー8を開けた状態で使用すればよい(図5(b)参照)。
なお、図7に示す活動の前段階として、容器2は、ヘリポート基地の倉庫などに折り畳んで保管されている。
そして、火災の場合には容器2が倉庫から搬出されてヘリコプターの機内に収納され、被災地などの目的地の近くに設けられた前線基地まで搬送される。
前線基地では、容器2が機体から搬出され、カーゴリング15などを用いてヘリコプターの機外に吊り下げられた後、図7に示す活動が行われる。
消火剤Mが収容された容器2は、ヘリコプターに吊り下げられた状態で消火現場Sまで飛行により搬送され、現場上空で放出口5から消火剤Mが放出されることで火災に対する消火が行われる(図1参照)。
図8は、消火装置1の使用後の様子を示す図である。
(a)は、消火活動直後、ヘリコプターが空の容器2を吊り下げた状態で飛行している様子を示す図であり、(b)は、ヘリコプターが所定の着陸地に着陸後、容器2を畳んだ様子を示す図であり、(c)は、畳んだ容器2をヘリコプターの機内に収納した状態を示すである。
これにより、ヘリコプターは、機内に容器2を収容した状態で基地に帰投することができる。
このように、容器2は、小さく畳むことができるため(図4参照)、ヘリコプターの機内に容易に運び入れることができる。
このため、ヘリコプターは、空の容器2を機外に吊るして飛行・運搬することなく、安全に飛行・運搬することができる。
次に、鏡板4について説明する。
図3、5等に示すように、鏡板4の周縁部分と、上部リング3とは、複数のナイロンスリング9で繋がれており、これにより、鏡板4は、ナイロンスリング9によって吊り下げ態様で支持される構造となっている。
図9は、容器2を上方から見た図である。
図9に示すように、容器2は、円形の鏡板4により底部が構成されている。
鏡板4の中央部には、円形の放出口5を塞ぐことが可能な円形の放出扉6が設けられている。
後述するように、放出扉6には牽引索11が接続されており、飛行中に、牽引索11が牽引されることで放出扉6が開扉され、これにより、容器2に収容されている消火剤Mが放出口5から下方に放出されるようになっている。
ここで、鏡板4は、容器2に消火剤Mが収容された状態では、消火剤Mの重量によって板面に対し鉛直方向に荷重がかかるため、少なくとも、その荷重に耐え得る強度が求められる。ターポリン材は、胴部7のバケツ構造を形成する役割を担うものであり、消火剤Mを実質支えるものではない。
また、鏡板4は、ナイロンスリング9とは周縁部分を介して接続されており(図5、9等参照)、周縁部分に消火剤Mの重量による荷重が集中し易く、そのことに対する補強も必要である。
特に、本発明に係る容器2は、ヘリコプターに吊り下げられた態様で使用されることから、耐空性審査要領(航空法)などに規定される強度等に関する条件を満たす必要がある。
このような事情に鑑み、本実施形態の容器2は、最大5t(5リットル)の消火剤Mを収容可能であるところ、さらに4倍の重力加速度(4G)が加わっても鏡板4に座屈が生じない強度を備えるべく、以下の(1)~(2)に示す構造とした。
(1)鏡板4として、中心部がやや上方に突出し、かつ、周縁端部が上方に折り曲がった円形の板部材を採用した。
図10(a)は、鏡板4の断面図である。
詳しくは、鏡板4を、直径部分で切断した場合の断面図(図9のA-A部断面図)である。
図10(b)は、鏡板4の周縁部分の拡大断面図であり、図10(a)の部分拡大図である。
すなわち、図10(a)に示すように、鏡板4は、全体形状として、浅い摺鉢を上下反転したような逆摺鉢状(断面視アーチ状)のものを採用した。
このような鏡板4によれば、消火剤Mによる鉛直方向の荷重を、そのアーチ構造によって湾曲方向に沿って外側に分散させることができるため、曲げ応力を抑え、座屈を生じにくくすることができる。
言い換えると、消火剤Mによる鉛直方向の荷重が加わった場合、アーチ構造の両端支点には、鉛直力とアーチを押し広げようとする水平力が発生し、これらに対する鉛直反力と水平反力の合成力である圧縮力が湾曲方向に沿って働くところ、この圧縮力は、鏡板4の断面内に均等に加わるため、座屈が生じにくい。
これに対し、鏡板4が平面の場合には、鉛直方向に荷重が加わると、特に中心部分においては、断面上部には圧縮力が生じる一方、断面下部には引張力が生じるため、曲げ応力が大きくなり、たわみや座屈が生じ易い。
また、図10(b)に示すように、鏡板4の周縁端部を折り曲げること(折り曲げ部分を折り曲げ部41という)により、特に鏡板4の周縁部分における荷重強度を高めることができる。
つまり、鏡板4に対し、ねじれなどの応力が加わったとしても、折り曲げ部41によってその変形を抑えることができる。
構造解析によれば、折り曲げ部41を設けない場合、吊り下げ箇所と隣接する吊り下げ箇所との中間領域において座屈が生じ易いことがわかっている。
本発明に係る鏡板4は、中心部が上方に突出し、かつ、周縁端部が上方に折り曲がったものを採用することで、これらの座屈が生じにくい高強度を実現した。
また、このような鏡板4によれば、平面状の板材に比べ、厚みを薄くできるため、軽量化することもできる。
(2)鏡板4の周縁部分に、リング状のステンレスプレート17,18を配した。
具体的には、胴部7の下端のターポリン材を、鏡板4の周縁領域を覆う上ステンレスプレート17と鏡板4との間に入れ、さらに、下ステンレスプレート18を鏡板4の下部に重ねたものを吊り下げアイボルト19とナットにより締め付ける(図10(b)参照)。
これにより、ナイロンスリング9により吊り下げるための吊り下げ手段としての吊り下げアイボルト19を設けることができる。
なお、シーリング材を施すことで、底部から消火剤Mが漏れ出さないように密封することもできる。
本実施形態においては、6本の吊り下げアイボルト19を等間隔に設けた。
そして、それぞれの吊り下げアイボルト19について、ナイロンスリング9の一端を接続し、他端を上部リング3に接続した。
これにより、上部リング3と鏡板4の周縁部分とが6本のナイロンスリング9により繋がれることになり、鏡板4が、これら6本のナイロンスリング9により吊り下げ態様で支持される。
このように、鏡板4は、ナイロンスリング9により吊り下げ態様で支持されるため、何ら措置を施さない場合、各吊り下げ箇所に消火剤Mの荷重が集中するところ、本発明に係る鏡板4は、吊り下げ箇所を含む周縁部分の全体を上ステンレスプレート17と下ステンレスプレート18で挟みボルトで固定している。
このため、仮にステンレスプレート17,18を配さずボルト締めした場合には、吊り下げ箇所だけに集中する荷重を、ステンレスプレート17,18に係る面全体に分散させることができる。
これにより、鏡板4の吊り下げ箇所における座屈等を防ぐことができる。
なお、吊り下げ箇所を6カ所にしたのは、仮に、6カ所未満(例えば4カ所)にすると1カ所当りの荷重が過大になり、6カ所超(例えば8カ所)にすると部品点数が増える(製作の手間やコスト増)ことから、その中間値をとったものである。
ただし、これは、35mm幅のナイロンスリング9を用いた場合であり、ナイロンスリング9の幅や本数は、任意の幅や本数に変更してもよい。
放出扉6の例について、図11~17を参照しながら説明する。
本発明の放出扉6は、人力で開扉可能、すなわち、25kg程の力で放出扉6を開扉することができると共に、閉扉時には、完全な止水性を確保できるようにしている。
図11は、放出扉6の第1例である二重丸形扉(上下動型)を示す図である。
(a)は内側小扉20及び外側扉22が閉扉された状態、(b)は内側小扉20のみが開扉された状態、(c)は内側小扉20及び外側扉22が開扉された状態をそれぞれ示す。
図11は、円状の内側小扉20と、その周りを囲むドーナツ状の外側扉22との二重丸形に構成された二重丸形扉の断面模式図である。
なお、第1例の二重丸形扉の平面形状は、図12に示す第2例の二重丸形扉と同様であるため、図12を参照するものとして図示を省略する。
第1例の二重丸形扉は、内側小扉20と外側扉22とにより放出口5全体を塞ぐように形成されており、また、内側小扉20は、外側扉22の領域内に設けられることにより外側扉22より面積を小さくしている。
図11に示すように、内側小扉20(外円側)は、外側扉22(内円側)とはヒンジを介して回動可能に接続されており、当該ヒンジに対し内側小扉20を挟んで反対方向の外側扉22上に支柱21を設けている。
また、外側扉22(外円側)は、鏡板4と別のヒンジを介して回動可能に接続されている。
内側小扉20は、ヒンジと反対側において被牽引部材を介して牽引索11が接続されており、この被牽引部材は、支柱21から抜けない態様で支柱21に嵌合されている。
このような二重丸形扉によれば、牽引索11を引くことで、まず内側小扉20を上方に回動させて開くことができる(図11(b)上方矢印)。
ここで、内側小扉20は面積が小さく、当該内側小扉20に対する水圧(扉体に対する消火剤Mの圧力をいう)が低いことから、小さい牽引力で内側小扉20を開扉することができる。
具体的には、内側小扉20の面積を、25kgの牽引力で開扉できる程度の大きさにすることで、人力でも牽引索11を牽引できるようにしている。
この内側小扉20の開扉により容器2内の消火剤Mの一部が放出口5から放出される(図11下方矢印)。
これにより、外側扉22に対する水圧が低下するため、内側小扉20の開扉に続き、外側扉22が上方に回動して開扉することができる(図11(c)矢印)。
この結果、図11(c)に示すように、扉全体を開扉することができる。
つまり、人力によっても扉全体を開扉することができ、これにより、消火剤Mの全部を放出口5から一気に放出させることもできる。
このような放出扉6によれば、例えば、牽引力(定格荷重)の比較的小さい廉価なアクチュエータ13を採用することができ、また、アクチュエータ13に故障等が発生した場合でも、人力で放出扉6を開扉することができる。
図12は、放出扉6の第2例である二重丸形扉(上下動・水平スライド複合型)を示す図である。
(a)は内側小扉20及び外側扉22が閉扉された状態、(b)は内側小扉20のみが開扉された状態、(c)は内側小扉20及び外側扉22が開扉された状態をそれぞれ示す。
図12に示すように、第2例の二重丸形扉において、内側小扉20は、外側扉22上に回動可能なアーム26を介して接続されており、このアーム26はバネ24に接続されている。
このため、牽引索11を引くことにより、内側小扉20は、外側扉22の外縁に固定されている支柱滑車28の方向にスライドする(図12(b))。
このスライドにより、内側小扉20が開扉されて一部の消火剤Mを放出口5から放出される(図12(b)矢印)。
これにより、外側扉22に対する水圧を軽減することができることから、比較的小さい牽引力で牽引索11を引くことができ、外側扉22を、ヒンジ25を基点にして上方向に開扉することができる(図12(c)矢印)。
この結果、図12(c)に示すように、扉全体を開扉することができる。
なお、牽引索11を緩めることで外側扉22は自重により閉まり、内側小扉20はバネ24の復元力により閉じる。
第2例の二重丸形扉は、第1例の二重丸形扉とは、二重円形の扉体である点において共通するが、第1例に係る内側小扉20の移動方向は垂直方向であるのに対し、第2例に係る内側小扉20の移動方向は水平方向である点において異なる。
このため、第2例に係る内側小扉20の方が、開扉時において水圧の影響を受けにくい分、小さい牽引力で開扉することができる。
つまり、第2例に係る放出扉6も、人力により扉全体を開扉することができる。
図13は、放出扉6の第3例である箱型側面開放スライド扉を示す図である。
(a)は閉扉された状態、(b)は開扉された状態をそれぞれ示す。
同図に示すように、箱型側面開放スライド扉は、矩形状に開口した放出口5の上部に設けた箱型扉である。
箱型扉は、水平面を構成する放水箱30が固定されており、側面扉29が牽引索11の牽引により上下動可能に構成されている(図13(a)矢印)。
このような箱型側面開放スライド扉によれば、牽引索11を引くことで側面扉29を上げることができ、側面扉29が上がることで当該側面扉29と鏡板4との間に隙間ができるため、当該隙間を通して消火剤Mを放出口5から放出させることができる(図13(b)矢印)。
開扉時の牽引索11の牽引力は側面扉29の重量分であり、25kgに製造することで、人力での牽引により開扉することができる。
第3例の放出扉6は、上下方向に移動するものの、消火剤Mの荷重方向の対向面が細幅(側面扉29の上部辺線状)であることから開扉時において水圧の影響を受けにくい分、小さい牽引力で開扉することができる。
図14は、放出扉6の第4例であるスライド方形扉を示す図である。
図14において、バネ32は、一端がスライド方形扉に接続され、他端が鏡板4上のバネ固定部材33に固定されている。
なお、同図に示すように、スライド方形扉の所定箇所には、牽引索11が支点としての固定金具36に固定接続されている。
同図では、牽引索11が、複数の支柱38,39に設けられた複数の滑車34,35を経てスライド方形扉に接続されているが、このような態様に限るものではない。
同図に示すように、スライド方形扉は、牽引索11を上方に引くことでスライド方形扉31が、バネ32を押し縮めて右方向にスライドする(図14矢印)。
これにより、スライド方形扉31が開扉され、消火剤Mを放出口5から放出させることができる。
なお、牽引索11を緩めることでバネ32は、その復元力により伸び、スライド方形扉31が放出口5を閉じる。
止水枠37は方形であることから閉扉状態で完全な止水ができる。
第4例の放出扉6は、水平方向に移動することから開扉時において水圧の影響を受けにくい分、小さい牽引力で開扉することができる。
図15は、放出扉6の第5例である円形可撓如雨露型放出口を示す図である。
(a)は放出口リング40が上部に位置した状態、(b)は放出口リング40が(a)の高さよりも下方に位置した状態、(c)は放出口リング40が最下部に位置した状態をそれぞれ示す。
同図に示すように、第5例の放出扉6は、胴部7を構成する可撓性シートが底部全体をも覆いつつ、放出口5に相当する底部開口部分は筒状のノズルを形成しており、このノズルの先端部に放出口として放出口リング40を設けて構成される。
このような放出扉6によれば、放出口リング40が容器底部より上方に位置する場合は、放出口リング40の高さが消火剤Mの水位となる。
このため、図15(a)に示すように、牽引力11により放出口リング40を上部に位置させることで、容器2に消火剤Mを最大に収容した状態で保持させることができる。
図15(b)は、牽引索11を緩めることで放出口リング40を、図15(a)に示す位置よりも下方に下げた状態であり、これにより、容器2内の消火剤Mの一部が、放出口5を介して外部に放出されている状態を示している。
図15(b)に示す態様で放出口リング40を固定した場合、放出口リング40の高さが消火剤Mの水位となる。
このため、牽引索11により放出口リング40の高さを調整することで消火剤Mの量を調節することができる。
図15(c)は、牽引索11をさらに緩めることで放出口リング40を最下方にまで下げた状態の図である。
これにより、容器2内の消火剤Mのすべてを放出口リング40から外部に放出することができる。
このように第5例の放出扉6においては、放出口リング40の高さを変えることにより消火剤Mの容量を調節したり(容量調節機能)、すべての消火剤Mを放出して消火を行うことができる。
図16は、放出扉6の第6例であるバグナー降下型扉を示す図である。
(a)は通常の状態、(b)は上部収容口が下部に下げられた状態をそれぞれ示す。
同図に示すように、鏡板4とカーゴリング15とは固定索41により繋がれており、これにより、鏡板4は、上下動不能に固定されている。
また、上部リング3はナイロンロープ41aに接続されており、このナイロンロープ41aは、アクチュエータ13により上下動可能に接続されている。
このため、図16(a)に示すように、ナイロンロープ41aをアクチュエータ13により引き上げておくことでバグナーにより容器2の状態を維持させことができる。
そして、図16(b)に示すように、アクチュエータ13によりナイロンロープ41aを緩ませることでバグナーを降下させることができるため、これにより、上部リング3から消火剤Mをあふれ出させる(放出させる)ことができる。
なお、上部リング3を固定索で固定し、鏡板4をナイロンロープで上下動させることでも同様の放出扉6を構成することができる。
図17は、放出扉6の第7例であるスライド円柱扉を示す図である。
(a)は閉扉された状態、(b)は開扉された状態をそれぞれ示す。
同図に示すように、スライド円柱扉は、横に開口を設け、鏡板4の放出口5の上部に固定される円形放水筒42と、当該円形放水筒42の開口を隙間なく塞ぐことが可能な円形止水筒43とにより構成される。
円形止水筒43を、円形放水筒42に重ねて設置することで容器2内に消火剤Mを溜めることができ(図17(a))、放出時には牽引索11を引き上げることで開口及び放出口5を介して消火剤Mを放出することができる(図17(b))。
牽引力はスライド円柱扉の重量で済むため、スライド円柱扉を25kgで製造することで、人力により開扉することができる。
(応用例・変形例)
図18は、内部に仕切膜14を取り付けた容器2の上方斜視図である。
図19は、内部に仕切膜14を取り付けた容器2の上面図である。
これらの図に示すように、容器2の内部、すなわち、バグナー内側に十字型にターポリン材でカーテン状に仕切膜14を取り付けることができる。
このようにすると、仕切膜14が壁となり、消火材運搬時に消火剤Mの揺動を防止することができ、安定した飛行を確保することができる。
なお、仕切膜14は、着脱可能に構成することができる。
本発明の消火装置1の特徴を列記する。
(1)目的:多用途ヘリコプターの機体下部に懸吊し火災を消火する。
(2)取り付け:機体への取り付けは改修せずに取り付けが出来る。
(3)操作:給水(容器2への消火剤Mの収容をいう)及び放水にかかわる操作は機内で行うことができる。操作スイッチ及びモニタリングカメラを設置することにより肉眼によらず安全に操作ができる。
(4)電源:充電式携行型電源で操作する。機上電源でも操作可能にしてある。
(5)収納:容器2は機内に収納(搭載)して空輸が出来る。
(畳んだ状態の寸法:幅(直径)2000mm×高さ650mm)
(6)給水(容量)調整:線ファスナー8で行う。(3500L~5000L)
(7)フック金具:多用途ヘリコプター専用品で直接篏合出来る。
(8)飛行:空事(水を積載していないとき)飛行時に放出扉6を開扉すること及び容器2の内側にポケット10を設けることにより容器2の姿勢が安定する。
放出扉6を開扉すると、放出口5が開口状態となり、飛行中における空気抵抗を受けにくくすることができる。これにより、飛行中における容器2の揺動を抑えることができる。
ポケット10は、詳細には、胴部7の内面に上部が開放された状態のものを容器2の片側にのみ非対称に設ける。
これにより、ポケット10の内部に水などの消火剤Mが収容されている状態では、その消火剤Mが重しとなり、飛行中は、容器2が、ポケット設置側が下方に傾いた姿勢が保持され易い。
このため、ポケット10を設けない場合やポケット10を対称に設けた場合に比べ、容器2の揺動を抑えることができる。
例えば、貯水池等において水などの消火剤Mを容器2に収容する際にポケット10の内部にも収容されるところ、容器2に収容された消火剤Mを放出口5から放出したとしても、ポケット10には消火剤Mが収容されたまま残るため、これを重しとすることができる。
なお、予めポケット10に砂や金属などの重しを入れて脱落不能に上部を閉口しておくこともできる。
つまり、このように放出扉6を開扉状態にしたり、容器2の内側にポケット10を設けることにより、飛行中における容器2の揺動を抑え、これにより飛行の安定に寄与している。
消火装置1の実際の使用例について説明する。
消火作業に出動する時には容器2をヘリコプターの機体に収納し、給水現場に近いヘリポートに出向く。
ヘリポートでは容器2を地上に下ろし、ヘリコプターの前方に置く。
カーゴリング15をヘリコプターのカーゴフックに勘合懸下する。
アクチュエータケーブルを機体内リレーボックス16に接続する。
この状態で放出扉6を開けたまま給水地まで飛行し、放出扉6を閉じてホバリングしながら水(消火剤M)をくみ上げる。
(1)給水時
容器2を着水させて水をくみ上げる。容器2のバケツ構造の重量で水中に沈み、機体を前方に移動することで水を汲み上げる事ができる。
作業当初は機体に搭載されている燃料が多いために為に給水量を減らさなくてはいけない。
そのために胴部7に防水ファスナー8を縦型に設置してそれを上下することで給水量調整ができる構造としている。
(2)放水時
消火現場Sで放出扉6を開いて消火する。しかも、消火剤Mを放水した後は空の状態の容器2が飛行時に乱れない構造にしている。
消火剤Mの放出は放出扉6を開扉することで行う。放出扉6を開扉する際の牽引索11の牽引力は水高(容器2の深さ)と放出扉6の面積によって決まるが一般的に数百キロ単位になるため、開放する仕組みに工夫を施している。
具体的には、前述の放出扉6の例(例えば、第1例、第2例)を例示することができる。
アクチュエータ13の構造設計として既製品のウインチを改造して軽量で安価なアクチュエータ機構を設置する。
例えば、京セラAW162は60kgの牽引力がありリミットスイッチ機構を有しそのままの形で使用できる。但し電源は交流100Vの為インバーターを設置してヘリコプター電源24V(直流)で可動できるような改修が必要である。
放出扉6の開放牽引力は放出扉6を開くアクチュエータ13を用い60kg以下で作業を簡便且つ容易にする扉構造を設定して開放する仕組みが必要である。
ただし、アクチュエータ13が故障等、緊急時には人力で放出扉6を開放するために手動開放可能な牽引力25kgほどにしている。
機体内でオペレーションするのにカーゴリング下部に監視用カメラを設置し放水対象を正確に把握して機体内でオペレーションする事が可能になっている。
(3)放水後
1)放出扉6を開放して(吹き流し状態)飛行
バグナーの内側一か所にポケット10を設置する。水をくみ上げるときに、このポケット10に水が溜まりその重量が常にバグナーを下方方向に抑える力になり放水後、この水の重量によりポケット側が下側になり、安定した飛行を確保できる。
2)放出扉6を開けたまま給水地に飛行し放出扉6を閉じてホバリングしながら水をくみ上げる。
ヘリコプターの積載燃料状況によって給水量を加減しなくてはいけない。
ヘリコプターの上昇力は自重と搭載物重量の合算が制限となり、運航時の気温と自重によって決まる。消火活動当初は燃料が満タン状態であるのでその分給水量を減らさなくてはいけない。
消火装置1にはヘリコプターの自重変化に合わせて給水量制限できる構造を持たなくてはけない。燃料満タン状態で満給水をすると離陸ができなく出来たとしても飛行が不安定になる。
再度、消火現場Sまで飛行する。これを繰り返すことがヘリコプターでの消火ミッションである。
作業終了時には容器2を機体から取り外し、畳んで機体に収納し帰港する。
このように、本発明のヘリコプター用消火装置1は、ヘリコプターに吊り下げられた容器2に収容されている消火剤Mを放出することで消火を行うヘリコプター用消火装置1において、容器2は、上部に設けられたリング状部材からなる消火剤Mの収容口3と、可撓性を有する袋状の胴部7と、円形の底部4と、底部4から消火剤Mを放出可能な放出口5と、放出口5からの消火剤Mの放出を調整可能な放出扉6と、収容口3と底部4の周縁部分とを繋ぐことで底部4を吊り下げ態様で支持する複数の繊維索9と、を備え、底部4は、中心部が上方に突出し、かつ、周縁端部が上方に折り曲がった円形の板部材により構成している。
また、胴部7の少なくとも一カ所に胴部7の長さを調整可能に開放する胴長開放調整部8として、線ファスナー81,82を設けている。
また、放出扉6には、アクチュエータ13による牽引によって放出扉6を開扉するための牽引索11が接続されており、放出扉6は、人力による牽引索11の牽引によっても開扉可能に構成されている。
また、放出扉6は、第1の扉22と、前記第1の扉22の内側に形成された第2の扉20と、により構成され、牽引索11は、第2の扉20に接続され、牽引索11の牽引により第2の扉20を開扉した後に、第1の扉22を開扉するように構成されている。
また、容器2の内部には、消火剤Mの揺動を防止可能な膜部材14を取り付け可能にしている。
また、容器2の内部には、容器2の姿勢を安定化可能なポケット10を設けている。
また、容器2には、消火剤Mのみならず様々な散布剤を収容・散布可能にしている。
このような本発明のヘリコプター用消火装置1によれば、容器2を、軽量にでき、コンパクトにして倉庫に保管可能であり、ヘリコプターで運搬される場合に容易にかつ迅速に機内に収納できる。
また、容器2は、前線基地での消火剤Mの積み込みが迅速にでき、飛行中はヘリコプターの安定なフェリー飛行に寄与することができる。
また、容器2は、消火作業などの過酷な使用環境に耐える堅牢さを備え、ヘリコプターの運用効率の最適化と一連の作業を確実、かつ、安全に行うことができる。
以上、本発明のヘリコプター用消火装置及びヘリコプター用散布装置について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、容器2(上部リング3)を支持するためのスリング12と、鏡板4を支持するためのナイロンスリング9は、別々に設けたが、1つのスリングにより容器2の支持と、鏡板4の支持を行うようにしてもよい。
例えば、1本の長いスリングを用意し、一端をカーゴリング15に接続し、他端を上部リング3に結ぶなどして経由しつつ鏡板4に接続する。
これにより、その1本のスリングにより、容器2を支持しつつ、鏡板4を支持することができる。
また、上部リング3(収容口)は、SUS製の中空パイプに限らず、より強度の高い部材を用いて構成することもできる。
また、スリング12とナイロンスリング9は、それぞれ6本設けたが、5本以下でもよく7本以上でもよい。
また、スリング9の本数とナイロンスリング9の本数は同じでも異ならせてもよい。
また、容器2(胴部7)の形状は円筒状ではなく、多角形状でも楕円筒状でもよい。
また、仕切膜14は上述した実施形態のように4つの膜に限らず、5つ以上(例えば6つ)にしてもよく、3つ以下(例えば1つ)にしてもよい。
本発明は、ヘリコプターにより消火剤その他の散布剤を放出・散布可能な消火装置や散布装置に好適に利用可能である。
1 ヘリコプター用消火装置
2 容器
3 上部リング(収容口)
4 鏡板(底部)
5 放出口
6 放出扉
7 胴部(バグナー)
8 胴長開放調整部
81 縦型の線ファスナー
82 横型の線ファスナー
9 ナイロンスリング
10 ポケット
11 牽引索
12 スリング
13 アクチュエータ
14 仕切膜
15 カーゴリング
16 アクチュエータ操作リレーボックス
17 上ステンレスプレート
18 下ステンレスプレート
19 吊り下げアイボルト
20 内側小扉(第2の扉)
21 支柱
22 外円形扉(第1の扉)
24 バネ
25 ヒンジ
26 アーム
28 滑車付き支柱(支柱滑車)
29 外縦型扉(側面扉)
30 放水箱
31 スライド方形扉
32 バネ
33 バネ固定部材
34、35 支柱
36 固定金具
37 止水枠
38、39 滑車
40 放出口リング
41 固定索
41a ナイロンロープ
42 円形放水筒
43 円形止水筒

Claims (8)

  1. ヘリコプターに吊り下げられた容器(2)に収容されている消火剤(M)を放出することで消火を行うヘリコプター用消火装置(1)において、
    前記容器(2)は、
    上部に設けられたリング状部材からなる前記消火剤(M)の収容口(3)と、可撓性を有する袋状の胴部(7)と、円形の底部(4)と、前記底部(4)から前記消火剤(M)を放出可能な放出口(5)と、前記放出口(5)からの前記消火剤(M)の放出を調整可能な放出扉(6)と、前記収容口(3)と前記底部(4)の周縁部分とを繋ぐことで前記底部(4)を吊り下げ態様で支持する複数の繊維索(9)と、を備え、
    前記底部(4)は、中心部が上方に突出し、かつ、周縁端部が上方に折り曲がった円形の板部材により構成した
    ことを特徴とするヘリコプター用消火装置。
  2. ヘリコプターに吊り下げられた容器(2)に収容されている消火剤(M)を放出することで消火を行うヘリコプター用消火装置(1)において、
    前記容器(2)は、
    上部に設けられたリング状部材からなる前記消火剤(M)の収容口(3)と、可撓性を有する袋状の胴部(7)と、円形の底部(4)と、前記底部(4)から前記消火剤(M)を放出可能な放出口(5)と、前記放出口(5)からの前記消火剤(M)の放出を調整可能な放出扉(6)と、前記収容口(3)と前記底部(4)の周縁部分とを繋ぐことで前記底部(4)を吊り下げ態様で支持する複数の繊維索(9)と、を備え、
    前記胴部(7)の少なくとも一カ所に前記胴部(7)の長さを調整可能に開放する胴長開放調整部(8)を備えた
    ことを特徴とするヘリコプター用消火装置。
  3. 前記胴長開放調整部(8)は、線ファスナー(81,82)である
    ことを特徴とする請求項2に記載のヘリコプター用消火装置。
  4. ヘリコプターに吊り下げられた容器(2)に収容されている消火剤(M)を放出することで消火を行うヘリコプター用消火装置(1)において、
    前記容器(2)は、
    上部に設けられたリング状部材からなる前記消火剤(M)の収容口(3)と、可撓性を有する袋状の胴部(7)と、円形の底部(4)と、前記底部(4)から前記消火剤(M)を放出可能な放出口(5)と、前記放出口(5)からの前記消火剤(M)の放出を調整可能な放出扉(6)と、前記収容口(3)と前記底部(4)の周縁部分とを繋ぐことで前記底部(4)を吊り下げ態様で支持する複数の繊維索(9)と、を備え、
    前記放出扉(6)には、アクチュエータ(13)による牽引によって前記放出扉(6)開扉するための牽引索(11)が接続されており、
    前記放出扉(6)は、人力により前記牽引索(11)を牽引することによっても開扉可能に構成された
    ことを特徴とするヘリコプター用消火装置。
  5. 前記放出扉(6)は、第1の扉(22)と、前記第1の扉(22)の内側に形成された第2の扉(20)と、により構成され、
    前記牽引索(11)は、前記第2の扉(20)に接続され、
    前記牽引索(11)の牽引により前記第2の扉(20)を開扉した後に、前記第1の扉(22)を開扉するように構成された
    ことを特徴とする請求項4に記載のヘリコプター用消火装置。
  6. ヘリコプターに吊り下げられた容器(2)に収容されている消火剤(M)を放出することで消火を行うヘリコプター用消火装置(1)において、
    前記容器(2)は、
    上部に設けられたリング状部材からなる前記消火剤(M)の収容口(3)と、可撓性を有する袋状の胴部(7)と、円形の底部(4)と、前記底部(4)から前記消火剤(M)を放出可能な放出口(5)と、前記放出口(5)からの前記消火剤(M)の放出を調整可能な放出扉(6)と、前記収容口(3)と前記底部(4)の周縁部分とを繋ぐことで前記底部(4)を吊り下げ態様で支持する複数の繊維索(9)と、を備え、
    前記容器(2)の内部には、前記消火剤(M)の揺動を防止可能な仕切膜(14)を取り付け可能である
    ことを特徴とするヘリコプター用消火装置。
  7. ヘリコプターに吊り下げられた容器(2)に収容されている消火剤(M)を放出することで消火を行うヘリコプター用消火装置(1)において、
    前記容器(2)は、
    上部に設けられたリング状部材からなる前記消火剤(M)の収容口(3)と、可撓性を有する袋状の胴部(7)と、円形の底部(4)と、前記底部(4)から前記消火剤(M)を放出可能な放出口(5)と、前記放出口(5)からの前記消火剤(M)の放出を調整可能な放出扉(6)と、前記収容口(3)と前記底部(4)の周縁部分とを繋ぐことで前記底部(4)を吊り下げ態様で支持する複数の繊維索(9)と、を備え、
    前記容器(2)の内部には、前記容器(2)の姿勢を安定化可能なポケット(10)を設けた
    ことを特徴とするヘリコプター用消火装置。
  8. ヘリコプターに吊り下げられた容器(2)に収容されている散布剤を放出可能なヘリコプター用散布装置において、
    前記容器(2)は、
    上部に設けられたリング状部材からなる前記散布剤の収容口(3)と、可撓性を有する袋状の胴部(7)と、円形の底部(4)と、前記底部(4)から前記散布剤を放出可能な放出口(5)と、前記放出口(5)からの前記散布剤の放出を調整可能な放出扉(6)と、前記収容口(3)と前記底部(4)の周縁部分とを繋ぐことで前記底部(4)を吊り下げ態様で支持する複数の繊維索(9)と、を備え、
    前記底部(4)は、中心部が上方に突出し、かつ、周縁端部が上方に折り曲がった円形の板部材により構成した
    ことを特徴とするヘリコプター用散布装置。
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