JP2022102826A - 固体材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】固体材料の断熱性能を高める観点から有利な技術を提供する。【解決手段】本開示の固体材料1aは、三次元構造10を備えている。三次元構造10は、複数の凹部12と、固体部14とを有する。固体部14は、凹部12同士の間に形成されている。三次元構造10は、フォノンとの相互作用により固体材料1aの熱伝導率を調節する。三次元構造10の平面視において隣り合う凹部12同士の間における固体部14の最小寸法Nは、100nm以下である。固体部14は、参考サンプルの弾性率Erの80%以下の弾性率Epを有する部位14pを含む。【選択図】図1

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 1.刊行物にて公開 発行日:令和2年2月6日、刊行物:Nano Energy,2020,Vol.71,104581
本開示は、固体材料に関する。
従来、多孔質構造を有する材料を断熱に用いることが知られている。例えば、1マイクロメートル(μm)から1000μmの領域のマイクロメートルオーダーのサイズの空隙を有する多孔質構造は、熱伝導を阻害する。このような多孔質構造において、空隙率が高いほど材料の断熱性能が高くなると理解される。
一方、特許文献1、特許文献2、及び非特許文献1は、薄膜の熱伝導率を減少させる、複数の貫通孔により構成される周期構造を開示している。この周期構造では、薄膜を平面視して、1ナノメートル(nm)から1000nmの領域のナノメートルオーダーの周期で規則的に貫通孔が配列している。この周期構造は、フォノニック結晶構造の一種である。このタイプのフォノニック結晶構造は、貫通孔の配列を構成する最小単位を単位格子とする周期構造である。薄膜の熱伝導率は、例えば、多孔質化により低減できる。多孔質化により薄膜に導入された空隙が、薄膜の熱伝導率を減少させるためである。一方、フォノニック結晶構造によれば、薄膜を構成する母材自身の熱伝導率が低減可能である。このため、単なる多孔質化に比べて、熱伝導率のさらなる低減が期待される。
米国特許出願公開第2017/0047499号明細書 米国特許出願公開第2017/0069818号明細書
上記の技術は、固体材料の断熱性能を高めるために再検討の余地を有する。
そこで、本開示は、固体材料の断熱性能を高める観点から有利な技術を提供する。
本開示は、以下の固体材料を提供する。
固体材料であって、
複数の凹部と前記凹部同士の間に形成された固体部とを有し、フォノンとの相互作用により前記固体材料の熱伝導率を調節する三次元構造を備え、
前記三次元構造の平面視において隣り合う前記凹部同士の間における前記固体部の最小寸法は、100ナノメートル以下であり、
前記固体部は、前記固体部をなす材料と同一種類の材料によって複数の凹部を形成せずに作製された参考サンプルの弾性率の80%以下の弾性率を有する部位を含む。
本開示の固体材料は、高い断熱性能の観点から有利である。
図1は、実施形態1の固体材料を模式的に示す平面図である。 図2Aは、実施形態1の固体材料の製造方法の一例を示す断面図である。 図2Bは、実施形態1の固体材料の製造方法の一例を示す断面図である。 図2Cは、実施形態1の固体材料の製造方法の一例を示す断面図である。 図3は、実施形態2の固体材料を模式的に示す平面図である。 図4は、実施形態3の固体材料を模式的に示す平面図である。 図5は、サンプルの固体部における弾性率及びそのサンプルの熱伝導率と、サンプルにおける固体部の最小寸法との関係を示すグラフである。 図6は、サンプル1-A及び参考サンプルに対するナノインデンテーション試験により得られた荷重-変位曲線である。 図7Aは、弾性率の測定前のサンプルの走査型プローブ顕微鏡(SPM)像である。 図7Bは、サンプルにおける弾性率の測定箇所を示すSPM像である。 図7Cは、サンプルにおける弾性率の測定箇所を示すSPM像である。 図7Dは、サンプルにおける弾性率の測定箇所を示すSPM像である。 図8Aは、サンプルの走査型電子顕微鏡(SEM)像である。 図8Bは、サンプルにおける弾性率の測定箇所の測定前の状態を示すSPM像である。 図8Cは、サンプルにおける弾性率の測定箇所の測定後の状態を示すSPM像である。 図9Aは、サンプルのSEM像である。 図9Bは、サンプルにおける弾性率の測定箇所の測定前の状態を示すSPM像である。 図9Cは、サンプルにおける弾性率の測定箇所の測定後の状態を示すSPM像である。
(本開示の基礎となった知見)
絶縁体及び半導体等の固体材料において、熱は、主として、フォノンと呼ばれる格子振動によって運ばれる。絶縁体及び半導体等の固体材料の熱伝導率は、その固体材料におけるフォノンの分散関係により決まる。フォノンの分散関係には、周波数と波数との関係又はバンド構造が含まれる。絶縁体及び半導体等の固体材料において、熱を運ぶフォノンの周波数帯域は、100GHzから10THzの幅広い範囲に及ぶ。この周波数帯域は、熱の帯域である。固体材料の熱伝導率は、熱の帯域にあるフォノンの分散関係により決まる。
例えば、フォノニック結晶構造において、貫通孔の周期構造によって材料が有するフォノンの分散関係を調節できる。換言すると、フォノニック結晶構造によれば、薄膜の母材等の材料の熱伝導率そのものを調節できる。特に、フォノニック結晶構造によってフォノニックバンドギャップ(PBG)を形成することにより、材料の熱伝導率を大きく低減させうる。PBGの内部ではフォノンは存在できない。このため、熱の帯域に合わせて形成されたPBGは、熱伝導の障壁となりうる。また、PBGに対応する帯域以外の周波数帯域においても、フォノンの分散曲線の傾きがPBGによって小さくなる。これにより、フォノンの群速度が低下し、材料における熱伝導速度が低下する。これらの事項は、材料の熱伝導率の低減に大きく寄与する。
本発明者らの検討によれば、フォノンの群速度を低下させるためには、材料固有の物性値と考えられている弾性率を低減させることが効果的である。例えば、同一種類の材料からなる固体材料の弾性率を低減できる技術を開発できれば、固体材料に高い断熱性能を付与できると考えられる。しかし、そのような技術は、本発明者らが知る限り開発されていない。
G.L.W. Cross, "Isolation leads to change", Nature Nanotech 6, 467-468 (2011)及びD. Chrobak et al, "Deconfinement leads to changes in the nanoscale plasticity of silicon", Nature Nanotech 6, 480-484 (2011)によれば、Si(シリコン)の機械的特性がナノメートルサイズの構造においてバルクの状態と異なることが示されている。例えば、134nmから338nmの直径を有するSiナノ粒子又は114nm以下の直径を有するSiナノ粒子は、バルクの状態のSi材料と比較して、塑性変形又は相変態に関する機械的挙動が変わることが報告されている。
本発明者らは、上記の報告例を踏まえ、固体材料が所定の構造を有することにより塑性変形に至る前の段階である弾性変形領域において弾性率が低減され、弾性率の低減の影響が固体材料の熱伝導率にも及ぶのではないかという着想を得た。本発明者らは、このような着想のもとで試行錯誤を重ね、本開示の固体材料を遂に案出した。
(本開示に係る一態様の概要)
本開示は、以下の固体材料を提供する。
固体材料であって、
複数の凹部と前記凹部同士の間に形成された固体部とを有し、フォノンとの相互作用により前記固体材料の熱伝導率を調節する三次元構造を備え、
前記三次元構造の平面視において隣り合う前記凹部同士の間における前記固体部の最小寸法は、100ナノメートル以下であり、
前記固体部は、前記固体部をなす材料と同一種類の材料によって複数の凹部を形成せずに作製された参考サンプルの弾性率の80%以下の弾性率を有する部位を含む。
上記の固体材料は、固体部が上記の様に構成されていることにより、高い断熱性能を発揮しうる。
(本開示の実施形態)
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施形態は、いずれも包括的、又は具体的な例を示すものである。以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置、及び接続形態、プロセス条件、ステップ、ステップの順序等は一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。
(実施形態1)
図1は、実施形態1の固体材料1aを示す平面図である。固体材料1aは、三次元構造10を備えている。三次元構造10は、複数の凹部12と、固体部14とを有する。固体部14は、凹部12同士の間に形成されている。三次元構造10は、フォノンとの相互作用により固体材料1aの熱伝導率を調節する。三次元構造10の平面視において隣り合う凹部12同士の間における固体部14の最小寸法Nは、100nm以下である。固体部14は、参考サンプルの弾性率Erの80%以下の弾性率Epを有する部位14pを含む。参考サンプルは、固体部14をなす材料と同一種類の材料によって複数の凹部を形成せずに作製されたサンプルである。参考サンプルは、例えば、複数の凹部を有しないこと以外は固体材料1aと同様にして作製される。本明細書において、弾性率は、ヤング率を意味する。
固体部14の最小寸法N及び部位14pにおける弾性率Epが上記のように調整されていることにより、固体材料1aは高い断熱性能を有しやすい。特に、弾性率Epが上記のように調整されていることにより、固体材料1aの熱伝導率が低くなりやすく、固体材料1aが高い断熱性能を有しやすい。部位14pは、隣り合う凹部12同士の間に位置していてもよい。
固体部14の最小寸法Nは、90nm以下であってもよく、85nm以下であってもよく、80nm以下であってもよい。最小寸法Nは、70nm以下であってもよく、60nm以下であってもよく、50nm以下であってもよく、40nm以下であってもよい。固体部14の最小寸法Nは、例えば1nm以上である。
参考サンプルの弾性率Er及び部位14pにおける弾性率Epは、例えば、ナノインデンテーション法に従って決定される。ナノインデンテーション法の試験条件として、例えば、実施例に記載の条件を採用できる。
部位14pにおける弾性率Epは、弾性率Erに対し、75%以下であってもよく、70%以下であってもよく、65%以下であってもよく、60%以下であってもよく、50%以下であってもよく、40%以下であってもよい。部位14pにおける弾性率Epは、弾性率Erに対し、例えば10%以上であり、15%以上であってもよく、20%以上であってもよく、25%以上であってもよく、30%以上であってもよい。
固体材料1aは、例えば、10nm以上500nm以下の厚みを有する膜である。図1に示す通り、固体材料1aは、例えば、平面視において長方形状である。
三次元構造10は、例えば、フォノニック結晶である。図1に示す通り、三次元構造10における複数の凹部12は、例えば、面内方向において規則的に配列されている。
図1に示す通り、三次元構造10の平面視において、複数の凹部12は、所定の周期Pで配列されている。周期Pは、例えば300nm以下である。これにより、固体材料1aは、より確実に、高い断熱性能を有しやすい。
周期Pは、280nm以下であってもよく、260nm以下であってもよく、250nm以下であってもよく、200nm以下であってもよい。周期Pは、例えば1nm以上であり、5nm以上であってもよく、10nm以上であってもよい。
三次元構造10の平面視における凹部12の形状は、特定の形状に限定されない。図1に示す通り、三次元構造10の平面視において、凹部12は、例えば円形である。
複数の凹部12は、例えば、特定方向において周期Pで配列されている。三次元構造10の平面視において、特定方向に平行な方向における凹部12の開口は、所定の寸法dを有する。寸法d及び周期Pは、例えば、d/P≧0.5の関係を満たす。寸法dは、例えば、0.5nm以上195nm以下である。
図1に示す通り、例えば、三次元構造10の平面視において、複数の凹部12の規則的な配列により単位格子が構成される。この単位格子は、特定の格子に限定されない。三次元構造10の平面視において、複数の凹部12の規則的な配列により構成される単位格子は、例えば、六方格子である。三次元構造10の平面視において、複数の凹部12の規則的な配列により構成される単位格子は、正方格子であってもよく、長方格子であってもよく、面心長方格子であってもよい。
図1に示す通り、三次元構造10におけるフォノニック結晶は、例えば、単結晶である。三次元構造10におけるフォノニック結晶は、例えば、多結晶であってもよい。この場合、三次元構造10の平面視においてフォノニック結晶は複数のドメインを有し、各ドメインにおけるフォノニック結晶が単結晶である。換言すると、多結晶状態のフォノニック結晶は、複数のフォノニック単結晶の複合体である。複数のドメインにおいて、複数の凹部12は、異なる方向に規則的に配列されている。各ドメインにおいて単位格子の方位は同一である。三次元構造10の平面視において各ドメインの形状は同一であってもよいし、異なっていてもよい。三次元構造10の平面視において各ドメインのサイズは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
三次元構造10におけるフォノニック結晶が多結晶である場合、平面視による各ドメインの形状は、特定の形状に限定されない。平面視による各ドメインの形状は、例えば、三角形、正方形、及び長方形を含む多角形、円、楕円、及びこれらの複合形状である。平面視による各ドメインの形状は、不定形であってもよい。また、三次元構造10におけるフォノニック結晶に含まれるドメインの数は特定の値に限定されない。
三次元構造10におけるフォノニック結晶が多結晶である場合、三次元構造10の平面視における各ドメインの面積は、特定の値に限定されない。三次元構造10の平面視において、各ドメインは、例えば25P2以上の面積を有する。フォノニック結晶によってフォノンの分散関係を制御する観点から、ドメインは、25P2以上の面積を有していてもよい。例えば、平面視において正方形のドメインでは、その正方形の一辺の長さを5×P以上に調整することにより、ドメインが25P2以上の面積を有する。
三次元構造10において、複数の凹部12は、例えば、複数の貫通孔をなしている。これにより、例えば、固体材料1aが膜である場合に、膜の厚み方向における固体材料1aの物理的特性がばらつきにくい。
三次元構造10において、複数の凹部12の開口の反対側の端部は閉塞されていてもよい。この場合、固体材料1aの機械的強度が高くなりやすい。
三次元構造10において、膜の厚み方向における凹部12の寸法である凹部12の深さは、特定の値に限定されない。凹部12の開口の寸法dに対する凹部12の深さの比は、例えば、1以上10以下である。
固体材料1aの固体部14は、単結晶で形成されていてもよいし、多結晶で形成されていてもよいし、アモルファスで形成されていてもよい。
固体部14の部位14pに含まれる物質は、特定種類の物質に限定されない。部位14pは、例えば、半導体又は絶縁体である。部位14pはシリコンを含んでいてもよい。部位14pがシリコンを含んでいる場合、部位14pの弾性率は、例えば、100GPaである。この場合、シリコンを用いて固体材料1aを作製でき、固体材料1aが高い断熱性能を有しやすい。シリコンは、単結晶であってもよく、多結晶であってもよく、アモルファスであってもよい。
固体部14は、三次元構造10の平面視における特定の凹部12の周囲の複数箇所において、異なる複数の弾性率を有する。この複数の弾性率は、同一であってもよいし、異なっていてもよい。この複数の弾性率は、例えば、複数の弾性率の最大値Emaxとの差が最大値Emaxの10%以上である値を含む。この場合、凹部12の周囲の複数箇所における弾性率のばらつきが大きくなりやすい。このような弾性率のばらつきは、固体材料1aにおける熱伝導率の低下に対して効果的に寄与しうる。このため、固体材料1aは、より確実に高い断熱性能を有しやすい。
実施形態1の固体材料1aを製造する方法の一例を、図2Aから図2Cを参照して以下に説明する。固体材料1aを製造する方法は、以下の例に限定されない。
図2Aに示す通り、最初に、シリコン基板41が準備される。次に、シリコン基板41の厚み方向における一方の主面側の熱酸化により、SiO2を含む絶縁膜42が形成される。このようにして、ベース基板40が得られる。次に、絶縁膜42の上に梁層43aが形成される。梁層43aは、例えば、化学気相成長法(CVD法)等の公知の薄膜形成法によって形成できる。梁層43aを構成する材料は、特定の材料に限定されない。梁層43aを構成する材料は、例えば、ドーピングにより第一部位13a及び第二部位13bに変化する材料である。なお、部位14pの弾性率及び参考サンプルの弾性率に対するドーピングの有無の影響は無視できるほどに小さい。梁層43aの厚さは、特定の値に限定されない。梁層43aの厚さは、例えば10nm以上500nm以下である。ベース基板40及び梁層43aを備えた部材としてSOIウェハを用いてもよい。
次に、図2Bに示す通り、平面視において規則的に配列された複数の凹部12が梁層43aに形成される。複数の凹部12の配列における周期Pが100nm以上200nm以下である場合、例えば、電子線リソグラフィーによって複数の凹部12を形成してもよい。複数の凹部12の配列における周期Pが1nm以上100nm以下である場合、例えば、ブロック共重合体リソグラフィーによって複数の凹部12を形成してもよい。ブロック共重合体リソグラフィーは、例えば、三次元構造10において多結晶状態のフォノニック結晶を作製するのに有利な方法である。
次に、図2Cに示す通り、梁層43a及び絶縁膜42に対してフォトリソグラフィー及び選択的エッチングがなされる。これにより、膜状の固体材料1aが得られる。加えて、固体材料1aの下方に凹部45が形成され、梁43が得られる。梁43は、凹部45の上に懸架されている。梁43の両端部は、例えば、凹部45の側面に接続されている。凹部45が形成されていることにより、固体材料1aはベース基板40から離れている。選択的エッチングの条件は、例えば、複数の凹部12が複数の貫通孔をなすように調整される。これにより、複数の凹部12が凹部45につながっている。
固体材料1aにおける部位14pの弾性率は、例えば、図2Bに示す状態で、部位14pに相当する部位に対してナノインデンテーション試験を行うことによって決定できる。図2Bに示す状態において、梁層43aに複数の凹部12が形成されており、梁層43aの全体がベース基板40に接触している。部位14pの弾性率は、図2Cに示す固体材料1aの一部を切り取って得られた試料をシリコン基板等の基板に固定した状態で部位14pに対してナノインデンテーション試験を行うことによって決定されてもよい。
(実施形態2)
図3は、実施形態2の固体材料1bを示す平面図である。固体材料1bは、特に説明する部分を除き固体材料1aと同様に構成されている。固体材料1aの構成要素と同一又は対応する固体材料1bの構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。固体材料1aに関する説明は、技術的に矛盾しない限り、固体材料1bにも当てはまる。
図3に示す通り、固体材料1bの複数の凹部12は、三次元構造10の平面視において、矩形である。このような構成によれば、例えば、固体材料1bが平面視において矩形である場合に、複数の凹部12を広い範囲に配置しやすい。
(実施形態3)
図4は、実施形態3の固体材料1cを示す断面図である。固体材料1cは、特に説明する部分を除き固体材料1aと同様に構成されている。固体材料1aの構成要素と同一又は対応する固体材料1cの構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。固体材料1aに関する説明は、技術的に矛盾しない限り、固体材料1cにも当てはまる。
図4に示す通り、固体材料1cにおいて、三次元構造10は、第一部位13a、第二部位13b、及び第三部位13cを含む。第三部位13cは、例えば、第一部位13aと第二部位13bとを接合する部位である。固体材料1cは、例えば、上記のように作製された固体材料1aを含む梁43に対してドーピングを行うことによって作製できる。固体材料1cは、図2Aに示す状態で梁層43aにおける梁43に相当する部位に対しドーピングを行うこと以外は、固体材料1aと同様にして作製されてもよい。なお、この場合、固体材料1cの作製のためのドーピングと同一の条件でドーピングが行われて参考サンプルが得られる。
第一部位13a及び第二部位13bは、例えば、互いに異なる導電形を有する半導体である。第一部位13aは、第二部位13bの導電形とは反対の導電形を有していてもよい。半導体の導電形は、ドーピングにより調整できる。例えば、第一部位13aがp形半導体であり、第二部位13bがn形半導体であってもよい。例えば、単結晶シリコンからなる梁43に対してドーピングを行うことによって、第一部位13a及び第二部位13bを形成できる。単結晶シリコンに対する加工プロセス技術は確立されている。このため、この一例は製造性に優れている。
第一部位13aは、第一のゼーベック係数を有する。第二部位13bは、例えば、第一のゼーベック係数とは異なる第二のゼーベック係数を有する。第一部位13a、第二部位13b、及び第三部位13cは、例えば、熱電対素子を構成する。第一のゼーベック係数と第二のゼーベック係数との差は、特定の値に限定されない。その差は、例えば、10μV/K以上である。なお、本明細書におけるゼーベック係数は、25℃での値を意味する。
以下、実施例を参照しながら、本実施形態の固体材料がより詳細に説明される。ただし、本実施形態の固体材料は、以下の実施例に示される各態様に限定されない。
(弾性率測定用サンプルの作製)
シリコン基板、絶縁膜、及び梁層を備えた基板を準備した。この基板は、Separation by Implanted Oxygen(SIMOX)法により作製された。絶縁膜は、シリコン基板の一方の主面側を熱酸化することにより形成されており、SiO2を含んでいた。梁層は単結晶シリコンの薄膜であり、梁層の厚みは、100nmであった。シリコン基板の厚み方向において、シリコン基板と梁層との間に絶縁膜が形成されていた。次に、電子線リソグラフィー又はブロック共重合体リソグラフィーによって、梁層の面内方向において規則的に配列された複数の貫通孔を形成した。このようにして、弾性率測定用サンプル1-A、2-A、3-A、4-A、5-A、6-A、及び7-Aを得た。これらのサンプルにおいて、梁層は、図2Bに示すように、絶縁膜に密着した状態であった。これらのサンプルにおける複数の貫通孔の配列の周期P、梁層の平面視において隣り合う貫通孔同士の間における梁層の固体部の最小寸法N、及び複数の貫通孔の配列方向における貫通孔の開口の寸法dを表1に示す。また、複数の貫通孔を形成しなかったこと以外は、上記のサンプルと同様にして、平坦な単結晶シリコンからなる梁層を有する、弾性率測定用参考サンプルを得た。
Figure 2022102826000002
(弾性率測定)
上記の弾性率測定用サンプル1-A、2-A、3-A、4-A、5-A、6-A、及び7-Aと、弾性率測定用参考サンプルとの梁層の表面の特定箇所において、ナノインデンテーション試験を行った。この試験結果に基づき、各サンプルの梁層の表面の特定箇所の弾性率を決定した。ナノインデンテーション試験には、ダイヤモンド圧子を用いた。このダイヤモンド圧子の先端部は、40nmの曲率半径を有するように加工されていた。ナノインデンテーション試験において、荷重制御モードで5秒間かけて荷重が最大値20μNに達するようにダイヤモンド圧子を梁層の表面に押し込んだ。その後、荷重を最大値20μNで5秒間保ち、その後5秒間かけて荷重を0μNまで減少させて除荷した。ナノインデンテーション試験における環境温度は27℃に調節した。各サンプルの弾性率測定の結果を図5に示す。図5において、各サンプルの梁層の表面の特定の位置における弾性率は、弾性率測定用参考サンプルの梁層をなす単結晶シリコンの弾性率に対する相対値として示している。また、図6に、弾性率測定用サンプル1-A及び弾性率測定用参考サンプルに対するナノインデンテーション試験から得られた荷重-変位曲線を示す。図6において、弾性率測定用サンプル1-Aの5箇所におけるナノインデンテーション試験から得られた荷重-変位曲線が示されている。また、図6において、弾性率測定用参考サンプルの1箇所におけるナノインデンテーション試験から得られた荷重-変位曲線が示されている。
(熱伝導率測定用サンプルの作製)
弾性率測定用サンプル1-A、2-A、3-A、4-A、5-A、6-A、及び7-Aに対して、選択的エッチングを行い、それぞれ、熱伝導率測定用サンプル1-B、2-B、3-B、4-B、5-B、6-B、及び7-Bを作製した。選択的エッチングにより、梁層から梁を形成し、絶縁膜の一部を除去して凹部を形成した。これらのサンプルにおいて、梁は、図2Cに示すように、シリコン基板に懸架されていた。また、弾性率測定用参考サンプルに対しても同様に選択的エッチングを行って梁及び凹部を形成し、熱伝導率測定用参考サンプルを作製した。
(熱伝導率測定)
時間領域サーモリフレクタンス(TDTR)法に従って、熱伝導率測定用サンプル1-B、2-B、3-B、4-B、5-B、6-B、及び7-Bにおける梁の長手方向の熱伝導率を測定した。この測定は、27℃の環境温度及び0.5Paの圧力の条件にて行った。熱伝導率測定用参考サンプルにおける梁の長手方向の熱伝導率を同様に測定した。各サンプルの熱伝導率測定の結果を図5に示す。各サンプルの梁の長手方向の熱伝導率は、熱伝導率測定用参考サンプルの梁の長手方向の熱伝導率に対する相対値として示している。
(弾性率測定用サンプル1-C)
周期P、梁層の固体部の最小寸法N、及び貫通孔の開口の寸法dを、それぞれ、150nm、60nm、及び90nmに調整した以外は、弾性率測定用サンプル1-Aと同様にして、弾性率測定用サンプル1-Cを作製した。
弾性率測定用サンプル1-Cの梁層の固体部の複数箇所において、ナノインデンテーション試験を順次行い、それら複数箇所における弾性率を決定した。図7Aは、ナノインデンテーション試験前の弾性率測定用サンプル1-Cの表面を示すSPM像である。ナノインデンテーション試験には、ダイヤモンド圧子を用いた。このダイヤモンド圧子の先端部は、40nmの曲率半径を有するように加工されていた。荷重制御モードで5秒間かけて荷重が最大値20μNに達するようにダイヤモンド圧子を梁層の表面に押し込んだ。その後、荷重を最大値20μNで5秒間保ち、その後5秒間かけて荷重を0μNまで減少させて除荷した。
図7Bは、梁層の固体部における最初のナノインデンテーション試験の測定箇所を示すSPM像である。破線の円で囲まれた「1」の符号の近くの箇所が測定箇所に相当する。図7Cは、梁層の固体部における2番目のナノインデンテーション試験の測定箇所を示すSPM像である。破線の円で囲まれた「2」の符号の近くの箇所が測定箇所に相当する。図7Dは、梁層の固体部における3番目のナノインデンテーション試験の測定箇所を示すSPM像である。破線の円で囲まれた「3」の符号の近くの箇所が測定箇所に相当する。これらの測定箇所は、複数の貫通孔のうち特定の貫通孔の開口の周囲に位置している。符号「1」、「2」、及び「3」の近くの測定箇所における梁層の固体部の弾性率は、それぞれ、64.4GPa、52.3GPa、及び53.8GPaであった。このように、複数の貫通孔のうち特定の貫通孔の周囲の複数個所における複数の弾性率は、同一の値を示すのではなく、場所によって10%以上異なることが理解される。このような、連続体である梁層の弾性率の不均一さは、梁層の熱伝導率の低減に寄与していると理解される。
(弾性率測定用サンプル1-D)
周期P、梁層の固体部の最小寸法N、及び貫通孔の開口の寸法dを、それぞれ、1297nm、104nm、及び1193nmに調整した以外は、弾性率測定用サンプル1-Aと同様にして、格子状の弾性率測定用サンプル1-Dを作製した。図8Aは、弾性率測定用サンプル1-Dの表面を示すSEM像である。
(弾性率測定用サンプル1-E)
周期P、梁層の固体部の最小寸法N、及び貫通孔の開口の寸法dを、それぞれ、1259nm、67nm、及び1192nmに調整した以外は、弾性率測定用サンプル1-Aと同様にして、格子状の弾性率測定用サンプル1-Eを作製した。図9Aは、弾性率測定用サンプル1-Eの表面を示すSEM像である。
弾性率測定用サンプル1-D及び1-Eの固体部の特定箇所において、ナノインデンテーション試験を行い、その特定箇所における弾性率を決定した。図8Bは、ナノインデンテーション試験前の弾性率測定用サンプル1-Dの特定箇所付近を示すSPM像である。図8Cは、ナノインデンテーション試験後の弾性率測定用サンプル1-Dの特定箇所付近を示すSPM像である。図8Cにおいて、特定箇所が破線の円で囲まれている。図9Bは、ナノインデンテーション試験前の弾性率測定用サンプル1-Eの特定箇所付近を示すSPM像である。図9Cは、ナノインデンテーション試験後の弾性率測定用サンプル1-Eの特定箇所付近を示すSPM像である。図9Cにおいて、特定箇所が破線の円で囲まれている。SPMを用いた表面観察手法は、ナノインデンテーション試験において圧子の押し込みにより形成された圧痕の位置を正確に可視化できる点で有利である。
図5は、各サンプルの固体部における弾性率及び各サンプルの熱伝導率と、サンプルにおける固体部の最小寸法との関係を示すグラフである。図5において、縦軸は、各サンプルの固体部における弾性率及び各サンプルの熱伝導率を示す。図5において、各サンプルの固体部における弾性率及び各サンプルの熱伝導率は、それぞれ、弾性率測定用参考サンプルの梁層をなす単結晶シリコンの弾性率及び熱伝導率の相対値として示されている。図5において、横軸は、サンプルにおける固体部の最小寸法を示す。図5に示す通り、梁層の固体部の最小寸法Nが150nm以上のサンプルの固体部の弾性率と、弾性率測定用参考サンプルの梁層をなす単結晶シリコンの弾性率との差はそれほど大きくない。加えて、梁の固体部の最小寸法Nが150nm以上のサンプルの梁の長手方向における熱伝導率は、熱伝導率測定用参考サンプルの梁の長手方向における熱伝導率との差はそれほど大きくない。一方、梁層の固体部の最小寸法Nが100nm以下のサンプルの固体部の弾性率は、弾性率測定用参考サンプルの梁層をなす単結晶シリコンの弾性率に対して低い。例えば、サンプルの梁層の固体部の最小寸法Nが40nmである場合、そのサンプルの固体部の弾性率は、弾性率測定用参考サンプルの梁層をなす単結晶シリコンの弾性率の35%に過ぎない。また、梁の固体部の最小寸法Nが100nm以下のサンプルの梁の長手方向における熱伝導率は、熱伝導率測定用参考サンプルの梁の長手方向における熱伝導率に対して低い。例えば、サンプルの梁の固体部の最小寸法Nが40nmである場合、そのサンプルの梁の長手方向における熱伝導率は、熱伝導率測定用参考サンプルの梁の長手方向における熱伝導率の41%に過ぎない。このような結果から、材料固有の物性値と理解されている弾性率が固体部の最小寸法Nを調節することにより調整できることが示唆された。また、固体部の弾性率の固体部の最小寸法Nへの依存性及び梁の長手方向の熱伝導率の固体部の最小寸法Nへの依存性は、同様の傾向を示している。このため、固体部の弾性率を調節することにより、梁の長手方向の熱伝導率を調整できると理解される。
図6に示す通り、弾性率測定用参考サンプルに対するナノインデンテーション試験から得られた荷重-変位曲線において最大変位量は僅か7.2nmであった。このため、弾性率測定用参考サンプルの梁層をなす単結晶シリコンの弾性率は、150GPaであった。この値は、単結晶シリコンのバルクの弾性率の値に近い。一方、弾性率測定用サンプル1-Aに対するナノインデンテーション試験から得られた荷重-変位曲線において最大変位量は12.7nmであり、このサンプルの梁層の表面の特定箇所の弾性率は50GPaであった。このように、弾性率測定用サンプル1-Aの梁層の表面の特定箇所の弾性率は、単結晶シリコンのバルクの弾性率に近い値の約3分の1に低下していること理解される。
弾性率測定用サンプル1-D及び1-Eに対するナノインデンテーション試験の結果によれば、図8C及び図9Cの特定箇所における固体部の弾性率は、それぞれ、63.8GPa及び34.0GPaであった。微細加工によって材料の弾性率を調節できることが理解される。
上記の評価結果によれば、材料をナノメートルサイズに加工することによって、物質固有の物性値と思われていた弾性率を調節でき、このような弾性率の調節によって材料の熱伝導率を調節できることが示された。100nm以下のサイズでの材料加工技術、材料に対する精密な弾性率評価技術、及び熱伝導率評価技術を適用することによって初めて上記サンプルを作製できた。このようなサンプルは、従来技術では作製が困難であった。これらの技術は、熱型赤外線センサの断熱性能をさらに高める技術として有用である。
本開示の赤外線センサは、赤外線センサの用途を含む種々の用途に使用できる。
1a、1b、1c 固体材料
10 三次元構造
12 凹部
14 固体部
14p 部位
N 最小寸法
P 周期

Claims (8)

  1. 固体材料であって、
    複数の凹部と前記凹部同士の間に形成された固体部とを有し、フォノンとの相互作用により前記固体材料の熱伝導率を調節する三次元構造を備え、
    前記三次元構造の平面視において隣り合う前記凹部同士の間における前記固体部の最小寸法は、100ナノメートル以下であり、
    前記固体部は、前記固体部をなす材料と同一種類の材料によって複数の凹部を形成せずに作製された参考サンプルの弾性率の80%以下の弾性率を有する部位を含む、
    固体材料。
  2. 前記三次元構造は、フォノニック結晶である、請求項1に記載の固体材料。
  3. 前記複数の凹部は、前記三次元構造の平面視において、300ナノメートル以下の周期で配列されている、請求項1又は2に記載の固体材料。
  4. 前記凹部は、前記三次元構造の平面視において、円形である、請求項1から3のいずれか1項に記載の固体材料。
  5. 前記凹部は、前記三次元構造の平面視において、矩形である、請求項1から3のいずれか1項に記載の固体材料。
  6. 前記複数の凹部は、前記三次元構造において、複数の貫通孔をなす、請求項1から5のいずれか1項に記載の固体材料。
  7. 前記固体部の前記部位は、シリコンを含み、
    前記部位の弾性率は、100GPa以下である、請求項1から6のいずれか1項に記載の固体材料。
  8. 前記固体部は、前記三次元構造の平面視における特定の前記凹部の周囲の複数箇所において、異なる複数の弾性率を有し、
    前記複数の弾性率は、前記複数の弾性率の最大値との差が前記最大値の10%以上である値を含む、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の固体材料。
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