JP2022100200A - 車両用シート空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で乗員の着座を検知することができる車両用シート空調装置を提供する。【解決手段】車両用シート空調装置3は、シート1に内蔵される送風機30と、送風機30によって導かれた空気をシート1の表面から吸気する吸気ダクト、及び、送風機30によって導かれた空気をシート1の表面から吐出する吐出ダクトの少なくとも一方と、送風機30と電気的に接続される制御部60とを備え、送風機30は、送風機30の消費電流を検出する電流検出回路51を有し、制御部60は、電流検出回路51が検出した消費電流に基づいて、シート1への乗員の着座の有無を判定する。【選択図】図5

Description

本開示は、シートに着座する乗員に送風する車両用シート空調装置に関する。
特許文献1には、従来の車両用シート空調装置が開示されている。車両用シート空調装置は、車両のシートに設けられた空調装置と、シートに着座する乗員を検出する乗員検出手段と、空調装置によって導かれた空気を複数の吹出口に案内する空気ダクトと、乗員検出時の動作モードである通常モードと乗員非検出時の動作モードであって通常モードよりも動作出力が制限される制限モードとの間で切り替えつつ制御する空調制御手段とを備える。
特許第5146050号公報
しかしながら、従来の車両用シート空調装置では、シートに着座する乗員の検出を行うために、乗員検出手段としての乗員検出センサ等を設ける必要がある。このため、車両用シート空調装置の構成が複雑になるという課題がある。
そこで、本開示では、簡易な構成で乗員の着座を検知することができる車両用シート空調装置を提供する。
本開示の一態様に係る車両用シート空調装置は、シートに内蔵される送風機と、前記送風機によって導かれた空気を前記シートの表面から吸気する吸気ダクト、及び、前記送風機によって導かれた空気を前記シートの表面から吐出する吐出ダクトの少なくとも一方と、前記送風機と電気的に接続される制御部とを備え、前記送風機は、前記送風機の消費電流を検出する電流検出回路を有し、前記制御部は、前記電流検出回路が検出した前記消費電流に基づいて、前記シートへの乗員の着座の有無を判定する。
なお、この包括的又は具体的な態様は、システム、方法又は集積回路等の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本開示の車両用シート空調装置は、簡易な構成で乗員の着座を検知することができる。
図1は、実施の形態1における車両用シート空調装置が備えられたシートの外観を示す斜視図である。 図2は、図1のII-II線における車両用シート空調装置が備えられたシートの外観を示す斜視図及びそのシートの断面図である。 図3は、実施の形態1における車両用シート空調装置を備えた車両を示すブロック図である。 図4は、実施の形態1における車両用シート空調装置の動作例1を示すフローチャートである。 図5は、標準モード及び省エネルギーモードにおける送風機の消費電流と着座面積との関係を例示した図である。 図6は、実施の形態1における車両用シート空調装置の動作例2を示すフローチャートである。 図7は、実施の形態1における車両用シート空調装置の動作例3を示すフローチャートである。 図8は、実施の形態1における車両用シート空調装置の動作例4を示すフローチャートである。 図9は、実施の形態2における車両用シート空調装置の動作例1を示すフローチャートである。 図10は、体格と送風機の消費電流との関係を例示した図、及び、送風機の回転数と体格との関係を例示した図である。 図11は、実施の形態2における車両用シート空調装置の動作例2を示すフローチャートである。 図12は、実施の形態2における車両用シート空調装置の動作例3を示すフローチャートである。 図13は、実施の形態2における車両用シート空調装置の動作例4を示すフローチャートである。 図14は、実施の形態2における車両用シート空調装置の動作例5を示すフローチャートである。
本開示の一態様に係る車両用シート空調装置は、シートに内蔵される送風機と、前記送風機によって導かれた空気を前記シートの表面から吸気する吸気ダクト、及び、前記送風機によって導かれた空気を前記シートの表面から吐出する吐出ダクトの少なくとも一方と、前記送風機と電気的に接続される制御部とを備え、前記送風機は、前記送風機の消費電流を検出する電流検出回路を有し、前記制御部は、前記電流検出回路が検出した前記消費電流に基づいて、前記シートへの乗員の着座の有無を判定する。
例えば、シートに着座した乗員によって、吸気ダクトの吸気口又は吐出ダクトの吐出口が覆われると、吸気口及び吐出口を通過する空気の流量は減少する傾向にある。送風機の回転数が一定の場合、吸気口及び吐出口を通過する空気の流量が減少すると、送風機の消費電流も減少するという傾向がある。これは、覆われた吸気口又は吐出口と送風機との間の気圧が低下するため、つまり、空気と送風機のプロペラとの抵抗が低下することで送風機の仕事量が低下することによると考えられる。
そこで、本開示では、このような特性に着目し、制御部は、送風機を制御することで、電流検出回路が検出した消費電流の大小によって、乗員の着座の有無を判定することができる。例えば、乗員がシートに着座していない場合の消費電流に比べて、電流検出回路が検出した消費電流が小さくなれば、制御部は、乗員がシートに着座したと判定することができる。
したがって、この車両用シート空調装置は、簡易な構成で乗員の着座を検知することができる。
特に、従来の車両用シート空調装置ように、別途センサを設けなくても乗員の着座を検知することができるため、車両用シート空調装置の製品コストの高騰化を抑制することができる。
また、本開示の一態様に係る車両用シート空調装置において、前記制御部は、前記シートへの乗員の着座の有無を判定する場合において、前記消費電流が第1閾値よりも低い場合、乗員が前記シートに着座していると判定する。
これによれば、消費電流が第1閾値よりも低い場合、つまり、消費電流が、乗員がシートに着座していない場合の消費電流よりも小さくなれば、制御部は、乗員がシートに着座していると判定することができる。制御部は、乗員の着座の有無を精度よく判定することによって、送風機を制御することができるため、乗員がいない場合の送風機の消費電力を抑制することができる。
また、本開示の一態様に係る車両用シート空調装置において、前記制御部は、乗員が前記シートに着座していると判定した場合、前記送風機の回転数が定常回転数になるように前記送風機を制御する。
これによれば、乗員がシートに着座している場合、制御部が送風機に供給する電力を一定にして送風機の回転数を定常回転数に安定させることができるため、乗員に対して吹き付ける風量をより適切にすることで、乗員の快適性をより確保することができる。
また、本開示の一態様に係る車両用シート空調装置において、前記制御部は、前記シートへの乗員の着座の有無を判定する場合において、前記消費電流が前記第1閾値以上の場合、乗員が前記シートに着座していないと判定し、乗員が前記シートに着座していないと判定すると、乗員が前記シートに着座していると判定した場合における前記送風機の回転数よりも前記回転数が小さくなるように前記送風機を制御する。
これによれば、乗員がシートに着座していない場合、制御部が送風機に供給する電力を低下させた状態で送風機を制御することができるため、消費電力を省エネルギー化することができる。
また、本開示の一態様に係る車両用シート空調装置において、前記制御部は、車両の非使用時又は非使用時からドア開錠時に前記送風機を駆動させることで、前記電流検出回路が検出した前記消費電流を前記第1閾値として更新する。
これによれば、シート及び送風機の経年劣化が生じても、消費電流を第1閾値として更新することで、乗員がシートに着座しているか否かの判定の精度を確保することができる。
また、本開示の一態様に係る車両用シート空調装置において、前記送風機の駆動電圧を検出する電圧検出回路をさらに備え、前記制御部は、前記電圧検出回路が検出した前記駆動電圧に基づいて、前記送風機の前記消費電流を補正する。
これによれば、予め印加電圧の変動による送風機の消費電流を測定することで、消費電流を補正することができる。これにより、バッテリの劣化等に伴う印加電圧の変動があっても、乗員によるシートの着座の有無をより正確に判定することができる。
また、本開示の一態様に係る車両用シート空調装置において、前記送風機の駆動電圧を検出する電圧検出回路をさらに備え、前記制御部は、前記電圧検出回路が検出した前記駆動電圧に基づいて、前記第1閾値を補正する。
これによれば、予め印加電圧の変動による送風機の消費電流を測定することで、第1閾値を補正することもできる。これにより、バッテリの劣化等に伴う印加電圧の変動があっても乗員によるシートの着座の有無をより正確に判定することができる。
また、本開示の一態様に係る車両用シート空調装置において、前記電流検出回路は、前記送風機の過電流検出回路と兼用される。
これによれば、送風機の過電流検出回路を別途、設けなくても、電流検出回路が送風機の過電流を検知することができる。あるいは、もともと送風機に備わる過電流検出回路を用いて電流検出回路とすることができる。このため、車両用シート空調装置の構成の複雑化を抑制するとともに、製品コストの高騰化を抑制することができる。
また、本開示の一態様に係る車両用シート空調装置において、前記制御部は、前記消費電流が上限値を超えた場合、警告信号を外部装置に出力する。
このように、消費電流が予め決められた上限値を超えた場合、送風機が故障している、もしくは正常時よりも高い回転数で制御されている場合がある。このため、送風機の故障、吸気ダクト及び吐出ダクトの目詰まり、クッションの劣化が予測されるため、送風機の交換、掃除又はクッション交換等を乗客に報知することができる。これにより、乗客は、シートの状態を適切に保つことができるようになる。
また、本開示の他の態様に係る車両用シート空調装置において、前記吸気ダクトは、前記シートに人が着座する側の面である座面の中央部、及び、外縁部に形成されている。
これによれば、臀部及び大腿部と座面との間において、座面の中央部に形成されている吸気ダクトの吸気口から空気を吸気することで、人の臀部及び大腿部の蒸れを抑制することができる。また、座面の外縁部に形成されている吸気ダクトの吸気口は、人の臀部及び大腿部に覆われ難い位置に形成されているため、シート周囲の空気を吸気することができる。例えば、座面の中央部に形成されている吸気ダクトの吸気口から空気を吸気することができなくても、座面の外縁部に形成されている吸気ダクトの吸気口から空気を吸気することができるため、吐出口から空気を吐出することができる。
また、本開示の他の態様に係る車両用シート空調装置において、前記外縁部は、前記座面の奥部、及び、前端部の少なくともいずれかである。
これによれば、座面の外縁部でも、特に座面の奥部、及び、前端部は、人の臀部及び大腿部にさらに覆われ難い。したがって、吸気口から空気を吸気できる確度がさらに高まる。
本開示の一態様に係る車両用シート空調装置において、前記制御部は、前記電流検出回路が検出した前記消費電流に基づいて、前記送風機の回転数を制御する。
例えば、シートに着座した乗員によって、吸気ダクトの吸気口又は吐出ダクトの吐出口が覆われると、吸気口及び吐出口を通過する空気の流量は減少する傾向にある。送風機の回転数が一定の場合、吸気口及び吐出口を通過する空気の流量が減少すると、送風機の消費電流も減少するという傾向がある。これは、覆われた吸気口又は吐出口と送風機との間の気圧が低下するため、つまり、空気と送風機のプロペラとの抵抗が低下することで送風機の仕事量が低下することによると考えられる。
また、電流検出回路が検出した消費電流が小さければ、吸気口及び吐出口の少なくとも一方が体格の大きい乗員に覆われることで、普通の体格の乗員がシートに着座した場合よりも、吸気口及び吐出口を通過する風量が減少したと考えられる。また、電流検出回路が検出した消費電流が大きければ、吸気口及び吐出口の少なくとも一方が体格の小さい乗員に覆われることで、普通の体格の乗員がシートに着座した場合よりも、吸気口及び吐出口を通過する風量が増加したと考えられる。
そこで、本開示によれば、普通の体格の乗員がシートに着座した場合よりも、消費電流が小さければ、送風機の風量が低下することになるため、制御部は、送風機の回転数を上げるように制御することができる。また、普通の体格の乗員がシートに着座した場合よりも、消費電流が大きければ、送風機の風量が増加することになるため、制御部は、送風機の回転数を下げるように制御することができる。
したがって、この車両用シート空調装置は、乗員に対して吹き付ける風量を適切にすることで、乗員の快適性を確保することができる。
また、本開示の一態様に係る車両用シート空調装置において、前記制御部は、前記消費電流が第2閾値よりも低いほど、前記回転数が大きくなるように前記送風機を制御し、前記消費電流が前記第2閾値と等しい又は高いほど、前記回転数が小さくなるように前記送風機を制御する。
これによれば、普通の体格の乗員がシートに着座した場合よりも、消費電流が小さくなればなるほど、制御部は、送風機の回転数を上げるように制御することができる。また、普通の体格の乗員がシートに着座した場合よりも、消費電流が大きくなればなるほど、制御部は、送風機の回転数を下げるように制御することができる。このため、乗員に対して吹き付ける風量をより適切にすることで、乗員の快適性をより確保することができる。
また、本開示の一態様に係る車両用シート空調装置において、前記制御部は、前記シートに着座した乗員の状態に依存せず、前記シートの表面から吐出する風量が同じになるように前記送風機を制御する。
これによれば、乗員の状態である体格及び体位によらず、シートの表面から吐出する空気を均一にすることができるため、乗員に対して吹き付ける風量をより適切にすることで、乗員の快適性をより確保することができる。
また、本開示の一態様に係る車両用シート空調装置において、前記制御部は、前記消費電流に基づいて、前記シートに着座した乗員の体格を判定し、判定した結果である乗員の体格を示す信号を外部装置に出力する。
これによれば、制御部は、電流検出回路が検出した消費電流が小さければ、体格の大きい乗員がシートに着座していると判定することができる。また、電流検出回路が検出した消費電流が大きければ、体格の小さい乗員がシートに着座していると判定することができる。
また、制御部は、乗員の体格を示す信号を外部装置に出力することができる。これにより、外部装置が車両制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)等である場合、車両制御ユニットは、乗員の体格を示す信号を取得することで、乗員の顔が存在していると想定される方向に向けて撮像装置の向きを制御することもできる。
また、本開示の一態様に係る車両用シート空調装置において、前記制御部は、前記消費電流の変化に基づいて、前記シートに着座した乗員の体位が変化したか否かを判定し、判定した結果である乗員の体位に変化があることを示す信号を前記外部装置に出力する。
これによれば、制御部は、電流検出回路が検出した消費電流の変化量が大きければ、乗員の体位が崩れていると判定することができる。また、電流検出回路が検出した消費電流の変化量が小さければ、乗員がシートに正しく着座していると判定することができる。
また、外部装置が車両制御ユニット等である場合、車両制御ユニットは、乗員の体位を示す信号に基づいて、乗員の顔が存在していると想定される方向に向けて撮像装置の向きを制御することができる。
また、本開示の一態様に係る車両用シート空調装置において、前記送風機の駆動電圧を検出する電圧検出回路をさらに備え、前記制御部は、前記電圧検出回路が検出した前記駆動電圧に基づいて、前記送風機の前記消費電流に対応する前記第2閾値を補正する。
これによれば、予め印加電圧の変動による送風機の消費電流を測定することで、第2閾値を補正することもできる。これにより、バッテリの劣化等に伴う印加電圧の変動があっても消費電流に基づいて乗員の体格及び体位をより正確に判定することができる。
また、本開示の一態様に係る車両用シート空調装置において、前記制御部は、車両の非使用時又は非使用時からドア開錠時に前記送風機を駆動させることで、前記電流検出回路が検出した前記消費電流に基づいて前記回転数を制御するための前記消費電流と前記回転数との相関関係を補正する。
このように、シート及び送風機の経年劣化が生じても、相関関係を補正することで、均一な風量確保することができるようになる。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。また、以下の実施の形態において、略矩形等の表現を用いている。例えば、略矩形は、完全に矩形状であることを意味するだけでなく、実質的に矩形状である、すなわち、例えば数%程度の誤差を含むことも意味する。また、略矩形状は、本開示による効果を奏し得る範囲において矩形状という意味である。他の「略」を用いた表現についても同様である。
以下の説明において、シートの前後方向をX軸方向と称し、シートの上下方向をZ軸方向と称す。さらに、シートの左右方向、すなわちX軸方向及びZ軸方向のそれぞれに垂直な方向をY軸方向と称す。また、X軸方向における、シートの前側をプラス方向側と称し、シートの後側をマイナス方向側と称す。また、Y軸方向における、シートの左側(図1を見て右手前側)をプラス方向側と称し、その反対側をマイナス方向側と称す。また、右側とは、シートに乗員が着座したとき、車両の進行方向に対して乗員の右側であり、Y軸マイナス方向である。また、左側とは、シートに乗員が着座したとき、車両の進行方向に対して乗員の左側であり、Y軸プラス方向である。また、Z軸方向における、シートの上側をプラス方向側と称し、シートの下側をマイナス方向側と称す。図2以降においても、同様に適用する。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
(実施の形態1)
<構成:シート1>
図1は、実施の形態1における車両用シート空調装置3が備えられたシート1の外観を示す斜視図である。図2は、図1のII-II線における車両用シート空調装置3が備えられたシート1の外観を示す斜視図及びそのシート1の断面図である。図3は、実施の形態1における車両用シート空調装置3を備えた車両2を示すブロック図である。
図1~図3に示すように、例えば車両2等に装備されているシート1は、乗員に空気を吹き付けることで、シート1に着座する乗員を冷ましたり暖めたりすることができる。シート1は、シート1に着座する乗員の頭部、首、肩峰、背部、腰部、臀部及び大腿部等に空気を吹き付けることで乗員の身体を冷やしたり暖めたりすることが可能である。本実施の形態では、臀部及び大腿部に対応するシート1の座面11cから空気を吸気して、肩峰、背部及び腰部に対応するシート1のシートバック13の表面(シート1に着座した乗員側の面)から空気を吐出することで気流を発生させる。なお、シートバック13の表面から空気を吸気して、シート1の座面11cから空気を吐出してもよい。また、シート1の座面11c以外の個所、例えばシート1の座部10の下側、右側又は左側、シートバック13の後側、右側又は左側から空気を吸気して、シートバック13の表面、又は、シート1の座面11cから空気を吐出してもよい。このため、車両用シート空調装置3では、吸気箇所及び吐出吸気箇所は本実施の形態に限定されない。このため、図1等で例示した図は、あくまでも一例であり、図1等の例示に限定されない。
このようなシート1は、乗員が着座するための座部10と、シートバック13と、ヘッドレスト15と、車両用シート空調装置3と、電源部70とを備える。
[座部10]
図1及び図2に示すように、座部10は、シート1に着座する乗員の臀部及び大腿部等を支えるシートクッションである。座部10は、クッション材に相当する第1シートパッド11aと、その第1シートパッド11aを覆う第1シートカバー11bとを有する。
第1シートパッド11aは、例えばウレタンフォーム等からなり、座部本体を構成する。第1シートパッド11aは、厚みのある略矩形の板状であり、X-Y平面と略平行な姿勢で配置される。第1シートパッド11aは、着座する乗員の臀部及び大腿部等を支える。
第1シートパッド11aには、第1シートカバー11bのZ軸プラス方向側の面である座面11cの第1通気口12aから吸気した空気を導くための吸気ダクト31が設けられている。また、第1シートパッド11aには、車両用シート空調装置3の構成要素である吸気ダクト31、吐出ダクト32の一部及び送風機30等が設けられている。これらは、具体的には、第1シートパッド11aの直下にあるバネに固定されるが、図2ではバネの記載を省略している。なお、車両用シート空調装置3の構成要素は、バネに固定される構成に限定されるものではなく、第1シートパッド11aの前部にあるシートフレームに固定される構成としてもよい。送風機30の駆動によって、第1シートパッド11a内の吸気ダクト31に空気が流入する。
第1シートカバー11bは、第1シートパッド11aを覆うカバーである。第1シートカバー11bは、例えば革カバー、繊維カバー等である。
第1シートカバー11bには、空気を吸気するための第1通気口12aが形成されている。第1通気口12aは、座部10に乗員が着座する側の面(Z軸プラス方向側の面)である座面11cであり、車両用シート空調装置3の吸気口31aと対応する位置に形成されている。本実施の形態では、第1通気口12aは、第1シートカバー11bにおいてX軸方向に沿って複数形成され、かつ、Y軸方向に並ぶ複数の列が形成されている。図1では、実線の矢印が第1通気口12aに対応している。
第1通気口12aから吸い込まれた空気は、車両用シート空調装置3の吸気口31aから吸気されて吸気ダクト31に導かれる。このため、第1通気口12aは、車両用シート空調装置3の駆動による吸気口31aからの吸引力によって、座面11c上に対流する空気を吸引する吸気口ともなる。第1通気口12aは、吸気ダクト31の一部であってもよい。
[シートバック13]
シートバック13は、シート1に着座する乗員の肩峰、背部及び腰部を支える背もたれ部である。シートバック13は、Z軸方向に沿って長尺であり、座部10に対して立ち上るように配置される。シートバック13は、クッション材に相当する第2シートパッド13aと、その第2シートパッド13aを覆う第2シートカバー13bとを有する。
第2シートパッド13aは、例えばウレタンフォーム等からなり、シートバック13の下部に、姿勢に応じてY軸を中心に背もたれ角度を調整できる構成を有している。第2シートパッド13aは、着座する乗員の肩峰、背部及び腰部等を支える。
第2シートパッド13aには、第1通気口12aから吸気された空気を吐出するための吐出ダクト32の一部が設けられている。第2シートパッド13aには、送風機30の駆動によって第1シートパッド11a内の吸気ダクト31に導かれた空気が、吐出ダクト32の吐出口32aから吐出される。
第2シートカバー13bは、第2シートパッド13aを覆うカバーである。第2シートカバー13bは、例えば革カバー、繊維カバー等である。
第2シートカバー13bには、吸気された空気を吐出するための複数の第2通気口12bが形成されている。第2通気口12bは、座部10に着座した乗員と対向する面(X軸プラス方向側の面)であり、吐出ダクト32の吐出口32aと対応する位置に形成されている。本実施の形態では、第2通気口12bは、第2シートカバー13bにおいてそれぞれ複数形成されている。図1では、破線の矢印が吐出ダクト32に対応している。複数の第2通気口12bは、乗員の背部、腰部、両腕、両脇又は両肩に対応する位置に形成されている。
複数の第2通気口12bは、車両用シート空調装置3の駆動によって吸気ダクト31及び吐出ダクト32に導かれて吐出口32aから吐出された空気が通過する。このため、第2通気口12bは、シート1の外部に空気を吐出する吐出口ともなる。第2通気口12bは、吐出ダクト32の一部であってもよい。
[ヘッドレスト15]
ヘッドレスト15は、シート1に着座する乗員の頭部を支える頭あて部である。ヘッドレスト15は、シートバック13のZ軸プラス方向側の端部に固定されている。
なお、複数の第2通気口12bのうちの一部は、ヘッドレスト15に形成されていてもよい。つまり、吐出ダクト32の一部がヘッドレスト15に設けられていてもよい。
[車両用シート空調装置3]
車両用シート空調装置3は、シート1に設けられ、シート1に着座した乗員に向けて、乗員の後ろから空気を吹き付けることができる空調装置である。車両用シート空調装置3は、シート1の周囲に対流する空気を吸い込み、吸い込んだ空気を吹き付けることで、送風を実行する。このため、シート1の周囲の温度が常温よりも高ければ温風となり、常温よりも低ければ冷風となる。なお、車両用シート空調装置3には、暖房及び冷房を実行できるエアコンディショナが搭載されていてもよい。
図2及び図3に示すように、車両用シート空調装置3は、送風機30と、吸気ダクト31と、吐出ダクト32と、電圧検出回路52と、制御部60と、記憶部80とを備える。本実施の形態では、車両用シート空調装置3は、吸気ダクト31及び吐出ダクト32を有している例を示しているが、吸気ダクト31及び吐出ダクト32の少なくとも一方を備えているだけでもよい。
送風機30は、シート1の第1シートカバー11bに形成された第1通気口12aから空気を吸気し、吸気した空気を第2シートパッド13aに形成された第2通気口12bから吐出することができる。具体的には、送風機30は、制御部60と電気的に接続され、制御部60に駆動制御されることで、第1通気口12aを介して吸気口31aから空気を吸気し、吸気した空気を吸気ダクト31及び吐出ダクト32を経由して吐出口32aを介して第2通気口12bから吐出したりする。
送風機30は、第1シートカバー11bの吸気口31aから空気を吸気するために、第1シートパッド11aに内蔵(本実施の形態では第1シートパッド11aの内部に配置)されている。なお、本実施の形態では、送風機30は、吸気ダクト31の経路上に配置されているが、吸気ダクト31及び吐出ダクト32を流れる空気の流路を形成できればよいため、吸気ダクト31の外側に配置されていてもよい。送風機30は、第1シートパッド11aの外側に配置されてもよく、配置位置は特に限定されない。
また、送風機30は、送風機30の消費電流を検出する電流検出回路51を有している。つまり、電流検出回路51は、制御部60を介して電源部70から供給された電流であり、送風機30の駆動によって消費された電流である消費電流を検出する。電流検出回路51は、検出した消費電流を示す情報を、所定期間間隔で制御部60に出力する。
電流検出回路51は、送風機30の過電流検出回路と兼用されている。電流検出回路51は、定格を超す電流から送風機30の損傷等を抑制するために、送風機30の過電流を検出する。電流検出回路51は、検出した過電流も、消費電流を示す情報として所定期間間隔で制御部60に出力する。消費電流を示す情報は、電流検出回路51が送風機30の消費電流を検出した時点のものであり、つまり実質的に送風機30における現在の消費電流である。
吸気ダクト31は、送風機30によって導かれた空気をシート1の表面(シート1に着座した乗員側の面)から吸気する。つまり、吸気ダクト31は、シート1の座部10に設けられる吸気口31aから吸い込まれた空気を吐出ダクト32に導くことで、吸気ダクト31内では、空気が流れる。吸気ダクト31の一端は吸気口31aを形成し、他端は送風機30に接続されている。吸気口31aは、座部10に乗員が着座する側の面(座面11c)から空気を吸気することが可能であり、第1シートカバー11bの第1通気口12aと対応している。Z軸方向に沿って見た場合に、吸気口31aは、第1通気口12aと重なっている。本実施の形態では、吸気口31aは、第1通気口12aを介して空気を吸い込むが、直接的に空気を吸い込む構成であってもよい。
本実施の形態では、吸気口31aは、複数形成されている。具体的には、吸気口31aは、シート1に人が着座する側の面である座面11cの中央部11c1、及び、外縁部11c2に形成されている。
中央部11c1の吸気口31aは、X軸方向に沿って複数形成されている。また、外縁部11c2の吸気口31aは、中央部11c1の吸気口31aに対してY軸プラス方向及びY軸マイナス方向側にそれぞれ配置され、X軸方向に沿って複数形成されている。つまり、第1シートパッド11aのZ軸プラス方向側の面には、X軸方向に沿って複数形成された吸気口31aが、Y軸方向に並ぶように複数列形成されている。
また、外縁部11c2は、座面11cの奥部11d、及び、前端部11eの少なくともいずれかである。本実施の形態では、外縁部11c2は、さらに、中央部11c1に対して第1シートパッド11aのY軸プラス方向側の両サイド部11f、及び、中央部11c1に対して第1シートパッド11aのY軸マイナス方向側の両サイド部11fも含んでいる。
座面11cの奥部11dは、座面11cの中央部11c1に対して後側である。座面11cの前端部11eは、座面11cの中央部11c1に対して前側である。座面11cにおけるY軸プラス方向側の両サイド部11fは、座面11cの中央部11c1に対して左側である。座面11cにおけるY軸マイナス方向側の両サイド部11fは、座面11cの中央部11c1に対して右側である。Y軸プラス方向側の両サイド部11f及びY軸マイナス方向側の両サイド部11fは、座部10の両峰部である。
奥部11d、前端部11e、Y軸プラス方向側の両サイド部11f及びY軸マイナス方向側の両サイド部11fに形成されている吸気口31aは、人がシート1に着座した際に、臀部及び大腿部によって塞がれ難い位置に配置されることになる。
吐出ダクト32は、送風機30によって導かれた空気をシート1の表面から吐出する。つまり、吐出ダクト32は、吸気ダクト31に導かれた空気をさらに導くことで、シート1のシートバック13に設けられる吐出口32aから吐出する。吐出ダクト32の一端は吐出口32aを形成し、他端は送風機30に接続されている。吐出口32aは、第2シートカバー13bの第2通気口12bと対応している。X軸方向に沿って見た場合に、吐出口32aは、第2通気口12bと重なっている。本実施の形態では、吐出口32aは、第2通気口12bを介して空気を吐出するが、直接的に空気を吐出する構成であってもよい。
本実施の形態では、吐出ダクト32は、第1シートパッド11a内の送風機30から第2シートパッド13aまで延びている。また、本実施の形態では、吐出ダクト32は、第2シートカバー13bにおけるZ軸方向の中間部分に形成されている複数の第2通気口12bまで延び、さらに、Y軸プラス方向に形成されている複数の第2通気口12bまで延びている。吐出口32aは、乗員の頭部、首、肩峰、背部、及び腰部のうちの少なくとも1以上の個所と対応する位置に配置されている。
なお、本実施の形態では、吸気ダクト31が座部10に設けられ、吐出ダクト32が座部10からシートバック13に跨って設けられているがこれには限定されない。例えば、吐出ダクト32が座部10に設けられ、吸気ダクト31が座部10からシートバック13に跨って設けられていてもよい。この場合、シートバック13の第2通気口12bが吸気ダクト31と直接的に連通することで、第2通気口12bから空気を吸い込んでもよく、座部10における第1通気口12aが吐出ダクト32と直接的に連通することで、第1通気口12aから空気を吹き出してもよい。
なお、吸気ダクト31及び吐出ダクト32が座部10だけ又はシートバック13だけに設けられていてもよい。例えば、これらが座部10だけに設けられる場合、空気を吸い込むための吸気ダクト31の吸気口が座部10の下面、右側面又は左側面に設けられ、座部10の第1通気口12aが吐出ダクト32と直接的に連通することで、第1通気口12aから空気を吹き出してもよい。また、これらがシートバック13だけに設けられる場合、吸気ダクト31の吸気口がシートバック13の背面、右側面又は左側面に設けられ、シートバック13の第2通気口12bが吐出ダクト32と直接的に連通することで、第2通気口12bから空気を吹き出してもよい。
[記憶部80]
記憶部80は、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリである。記憶部80は、制御部60と通信可能に接続されている。記憶部80は、乗員がシート1に着座していない場合である車両2の非使用時又は非使用時からドア開錠時における送風機30を標準モードで駆動させたときの送風機30の消費電流を示す情報等を記憶している。つまり、当該情報に示される車両2の非使用時又は非使用時からドア開錠時における送風機30の消費電流は、初期値である。
本実施の形態では、記憶部80は、制御部60に内蔵されていない。なお、記憶部80は、制御部60に内蔵されていてもよい。
[電圧検出回路52]
電圧検出回路52は、制御部60を介して電源部70から送風機30に供給された電圧であり、送風機30の駆動電圧を検出する。電圧検出回路52は、検出した駆動電圧を示す情報を、所定期間間隔で制御部60に出力する。
本実施の形態では、電圧検出回路52は、送風機30に内蔵されていない。なお、電圧検出回路52は、送風機30に内蔵されていてもよい。
[制御部60]
制御部60は、送風機30と電気的に接続され、送風機30の電流検出回路51から消費電流を示す情報を取得する。制御部60は、取得した情報に示される電流検出回路51が検出した消費電流に基づいて、シート1への乗員の着座の有無を判定する。具体的には、制御部60は、消費電流に基づいて、消費電流が第1閾値よりも低いか否かを判定することができる。制御部60は、シート1への乗員の着座の有無を判定する場合において、消費電流が第1閾値よりも低い場合、乗員がシート1に着座していると判定する。制御部60は、乗員がシート1に着座していると判定した場合、送風機30の回転数が定常回転数になるように送風機30を制御する。つまり、制御部60は、乗員がシート1に着座していることを判定すると、標準モードを実行することで、定常回転数で駆動するように送風機30を制御する。定常回転数では、送風機30のプロペラ及び回転軸の回転数が一定である。
一方、制御部60は、シート1への乗員の着座の有無を判定する場合において、消費電流が第1閾値以上の場合、乗員がシート1に着座していないと判定する。制御部60は、乗員がシート1に着座していないと判定した場合、乗員がシート1に着座していると判定した場合における送風機30の回転数よりも回転数が小さくなるように送風機30を制御する。つまり、制御部60は、乗員がシート1に着座していないことを判定すると、省エネルギーモードを実行することで、小さい回転数で駆動するように送風機30を制御する。制御部60は、省エネルギーモードを実行する場合、定常回転数で送風機30を駆動させる際に供給する電流よりも、送風機30に供給する電流を減少させる。
なお、制御部60は、乗員がシート1に着座していないことを判定すると、所定期間だけ、乗員がシート1に着座していると判定した場合における送風機30の回転数よりも回転数が小さくなるように送風機30を駆動させ、所定期間経過後、さらに乗員がシート1に着座していないことを判定すると、送風機30の回転数がさらに小さくなるように駆動してもよい。制御部60は、省エネルギーモードにおいて、段階的に送風機30を制御してもよい。
このように、制御部60は、送風機30を制御するモードである、標準モードと、省エネルギーモードとを有する。制御部60は、消費電流に基づいて、つまりシート1への乗員の着座の有無によって、標準モードと、省エネルギーモードとを適宜切替える。また、制御部60は、標準モードでは、定常回転数になるように送風機30を制御するため、乗員がシート1に着座したときに吹き付けられる風量を安定させることができる。
また、制御部60は、電流検出回路51から消費電流を示す情報を取得する度に、消費電流が上限値を超えたか否かを判定する。制御部60は、消費電流が上限値を超えた場合つまり過電流が想定される場合、警告信号を外部装置に出力する。制御部60が警告信号を出力することで、乗客は、定格を超す電流から送風機30の損傷等を認識したり、吸気ダクト及び吐出ダクトの目詰まり、及び、クッションの劣化等を認識したりする。ここで、外部装置は、車両制御ユニット61であるが、例えば、スマートフォン、タブレット端末等の端末装置であってもよい。
制御部60は、電圧検出回路52が検出した駆動電圧に基づいて、送風機30の消費電流又は第1閾値を補正する。例えば、送風機30に供給する電力を一定にする場合、電源部70から送風機30に供給する電圧値の変動(例えば電源部70の図示しないバッテリの劣化及び負荷の変動等に基づく変動)によって電流値が変動してしまう場合がある。消費電流が変動すると、シート1への乗員の着座の有無を精度よく判定することができなくなる場合がある。そこで、制御部60は、送風機30に供給する電力が一定になるように、電圧値の変動によって同時に変動した電流値(つまり消費電流)を補正したり、送風機30に供給する電力が一定になるように第1閾値を補正したりする。
また、制御部60は、車両2の非使用時又は非使用時からドア開錠時に送風機30を駆動させることで、電流検出回路51が検出した消費電流を第1閾値として補正する。つまり、制御部60は、車両2が停止状態であり、乗員がシート1に着座していない場合である車両2の非使用時又は非使用時からドア開錠時における送風機30を標準モードで駆動させたときの送風機30の消費電流(車両2の非使用時又は非使用時からドア開錠時における送風機30の消費電流ということがある)を示す情報を、電流検出回路51を介して取得する。制御部60は、当該情報の車両2の非使用時又は非使用時からドア開錠時における送風機30の消費電流を第1閾値として、記憶部80に記憶する。これにより、制御部60は、車両2の非使用時又は非使用時からドア開錠時における送風機30の消費電流を第1閾値として更新する。ここで、車両2の非使用時とは、例えば、乗員がシート1に着座していないときであり、エンジンスイッチがOFFの場合等である。
なお、制御部60は、車両2の非使用時における任意期間において送風機30を駆動させることで、任意期間において、車両2の非使用時又は非使用時からドア開錠時における送風機30の消費電力の平均値を記憶部80に記憶することで、車両2の非使用時又は非使用時からドア開錠時における送風機30の消費電流を第1閾値として更新してもよい。
[電源部70]
電源部70は、制御部60等を介して、送風機30に電力を供給する電源回路である。ここでは、電源部70は図示しないバッテリから直流電力が供給される直流電源である。電源部70は、制御部60によって制御されることで、送風機30等に供給する電流を調節する。
<動作>
本実施の形態における、車両用シート空調装置3の動作について例示する。
[動作例1]
図4は、実施の形態1における車両用シート空調装置3の動作例1を示すフローチャートである。このフローチャートでは、標準モードから開始した場合を想定している。
例えば、乗員が車両2に搭載された操作パネルを操作することで、車両用シート空調装置3が駆動する。車両用シート空調装置3の制御部60は、操作パネルから駆動の指示を受け付けることで送風機30を駆動させる(S11)。これにより、空気は、第1通気口12aから吸い込まれ、吸気ダクト31、及び、吐出ダクト32の順に導かれて第2通気口12bから吐出する。これにより、シート1に着座している乗員に空気が吹き付けられる。
次に、制御部60は、電流検出回路51から消費電流を示す情報を取得する(S12)。
次に、制御部60は、取得した当該情報に示される消費電流に基づいて、乗員がシート1に着座しているか否かを判定する(S13)。具体的には、制御部60は、消費電流に基づいて、消費電流が第1閾値よりも低いか否かを判定する。
制御部60は、シート1への乗員の着座の有無を判定する場合において、消費電流が第1閾値よりも低い場合、乗員がシート1に着座していると判定する(S13でYES)。
次に、制御部60は、所定期間、標準モードで送風機30を制御する(S14)。これにより、所定期間、シート1に着座している乗員に空気が吹き付けられる。そして、制御部60は、処理をステップS12に戻す。
一方、制御部60は、シート1への乗員の着座の有無を判定する場合において、消費電流が第1閾値以上の場合、乗員がシート1に着座していないと判定する(S13でNO)。
次に、制御部60は、乗員がシート1に着座していると判定した場合における送風機30の回転数よりも回転数が小さくなるように送風機30を制御する(S15)。制御部60は、車両用シート空調装置3の消費電流を減らすため、標準モードから省エネルギーモードに切替え、省エネルギーモードを実行する。
次に、制御部60は、電流検出回路51から消費電流を示す情報を取得する(S16)。
次に、制御部60は、取得した当該情報に示される消費電流に基づいて、乗員がシート1に着座しているか否かを判定する(S17)。具体的には、制御部60は、消費電流に基づいて、消費電流が第1閾値よりも低いか否かを判定する。
制御部60は、シート1への乗員の着座の有無を判定する場合において、消費電流が第1閾値よりも低い場合、乗員がシート1に着座していると判定する(S17でYES)。そして、制御部60は、処理をステップS11に戻し、省エネルギーモードから標準モードに切替え、標準モードを実行する。
一方、制御部60は、シート1への乗員の着座の有無を判定する場合において、消費電流が第1閾値以上の場合、乗員がシート1に着座していないと判定する(S17でNO)。そして、制御部60は、処理をステップS16に戻す。
なお、乗員が車両2に搭載された操作パネルを操作することで、車両用シート空調装置3の駆動を、どのステップにおいても自由に停止させることができる。
なお、省エネルギーモードから開始した場合は、ステップS15から開始するフローチャートであってもよい。このため、図4のフローチャートには限定されない。
また、本動作例において、乗員がシート1に着座していない状態で標準モードから開始した場合について、図4及び図5を用いて具体的に説明する。図5は、標準モード及び省エネルギーモードにおける送風機30の消費電流と着座面積との関係を例示した図である。着座面積は、標準的な体型の人が着座した場合を想定している。
図4及び図5に示すように、まずは、Aの地点から開始する。このとき制御部60は、取得した電流検出回路51の情報に示される消費電流に基づいて(S12)、乗員がシート1に着座しているか否かを判定(S13)する。
次に、乗員がシート1に着座していないため、制御部60は、消費電流が第1閾値以上になり、乗員がシート1に着座していないと判定する(S13でNO)。このとき、図5ではAの地点からBの地点に移動する。制御部60は、標準モードから省エネルギーモードに切替え、省エネルギーモードを実行し、乗員がシート1に着座していると判定した場合における送風機30の回転数よりも回転数が小さくなるように送風機30を制御する(S15)。
次に、制御部60は、所定期間間隔で取得する当該情報に示される消費電流に基づいて(S16)、乗員がシート1に着座しているか否かを判定する(S17)。乗員がシート1に着座すると、制御部60は、消費電流が第1閾値よりも低くなり、乗員がシート1に着座していると判定する(S17でYES)。このとき、図5ではBの地点からCの地点に移動する。
次に、制御部60は、省エネルギーモードから標準モードに切替え、標準モードを実行する。このとき、図5ではCの地点からDの地点に移動する。制御部60は、標準モードで送風機30を駆動させる(S11)。
次に、制御部60は、取得した消費電流に基づいて(S12)、乗員がシート1に着座しているか否かを判定(S13)する。乗員が降車したり、姿勢崩れ等によってシート1から離間したりすると、制御部60は、消費電流が第1閾値以上になり、乗員がシート1に着座していないと判定する(S13でNO)。そして、図5ではDの地点からAの地点に戻る。車両用シート空調装置3では、このように循環する場合がある。
また、本動作例において、乗員がシート1に着座している状態で標準モードから開始した場合も考えられる。この場合、図5ではDの地点から開始する。そして、乗員の降車と再乗車等に応じて上述したようにA、B、Cの地点に移動し、Dの地点に戻る。図4を用いた説明も同様であるため、説明を省略する。なお、省エネルギーモードから開始する場合もあるため、標準モードから開始する場合に限定されない。
また、図5においてAの地点からDの地点に進む場合もある。
例えば、乗員がシート1に着座していない状態で標準モードである場合、図5ではAの地点となる。このとき、乗員がシート1に着座すると、制御部60は、消費電流が第1閾値よりも低くなり、乗員がシート1に着座していると判定する(S13でYES)。図5ではAの地点からDの地点に移動する。このとき、制御部60は、標準モードを所定期間、実行し続ける(S14)。
また、図5においてCの地点からBの地点に進む場合もある。
例えば、乗員がシート1に着座している状態で省エネルギーモードである場合、図5ではCの地点となる。このとき、制御部60は、所定期間間隔で取得する当該情報に示される消費電流に基づいて(S16)、乗員がシート1に着座しているか否かを判定する(S17)。乗員が姿勢崩れ等によってシート1に着座していないとき、制御部60は、消費電流が第1閾値以上になり、乗員がシート1に着座していないと判定する(S17でNO)。このとき、図5ではCの地点からBの地点に移動する。このとき、制御部60は、乗員がシート1に着座するまで、省エネルギーモードを実行し続ける。
[動作例2]
図6は、実施の形態1における車両用シート空調装置3の動作例2を示すフローチャートである。
制御部60は、車両2が非使用時であるか否かを判定する(S21)。例えば、制御部60は、エンジンスイッチがOFFか否かを判定することで、車両2が非使用時であるか否かを判定する。エンジンスイッチがOFFであれば、車両2が非使用時であると言える。この場合、主に乗員がシート1に着座していないと考えられる。
制御部60は、車両2が非使用時でない場合(S21でNO)、ステップS21に処理を戻す。
一方、制御部60は、車両2が非使用時である場合(S21でYES)、送風機30を標準モードで駆動させることで、電流検出回路51から車両2の非使用時又は非使用時からドア開錠時における送風機30の消費電流を示す情報を取得する(S22)。
次に、制御部60は、当該情報に示される車両2の非使用時又は非使用時からドア開錠時における送風機30の消費電流を第1閾値として記憶部80に記憶することで、車両2の非使用時又は非使用時からドア開錠時における送風機30の消費電流を第1閾値として更新する(S23)。つまり、制御部60は、記憶部80に予め記憶されている初期値を更新する。そして、制御部60は、図6のフローチャートを終了する。
なお、エンジンスイッチがOFFでも、乗員がシート1に着座している場合もある。このため、制御部60は、車両2に搭載されている表示装置等を介して、車両用シート空調装置3が駆動することを報知してもよい。
[動作例3]
図7は、実施の形態1における車両用シート空調装置3の動作例3を示すフローチャートである。
制御部60は、電流検出回路51から消費電流を示す情報を取得し、取得した消費電流が上限値を超えたか否かを判定する(S31)。上限値は、正常動作時の消費電流の上限値として予め決められている。
制御部60は、消費電流が上限値を超えたと判定した場合(S31でYES)、つまり過電流が送風機30に流れている場合、警告信号を外部装置に出力する(S32)。
一方、制御部60は、消費電流が上限値を超えていないと判定した場合(S31でNO)、図7のフローチャートを終了する。
なお、本実施の形態において、動作例1~3を例示したが、車両用シート空調装置3では、動作例1~3の全てを備えていなくてもよく、動作例1~3を適宜組み合わせることができる。また、動作例1においても、車両用シート空調装置3では、全てのステップが必須の処理ではなく、全てのステップを実行することに限定されない。
[動作例4]
本動作例では、車両2が非使用時からドア開錠されたか否かを判定する場合の動作について説明する。
図8は、実施の形態2における車両用シート空調装置3の動作例4を示すフローチャートである。本動作例では、図6と同様の処理については、同一の符号を付して処理の説明を適宜省略する。
制御部60は、車両2が非使用時からドア開錠されたか否かを判定する(S21a)。例えば、制御部60は、エンジンスイッチがOFFか否かを判定することで、車両2が非使用時であるか否かを判定する。さらに、制御部60は、車両2に搭載されているドア開閉センサからドア開錠されたことを示す信号である開閉信号を取得するか否かによって、ドア開錠されたか否かを判定する。なお、ドア開錠の判定は、車両2のキーに基づいてドア開錠操作が行われたか否かを判定することによって行われてもよい。
制御部60は、車両2が非使用時からドア開錠されていない場合(S21aでNO)、ステップS21aに処理を戻す。
次に、制御部60は、車両2が非使用時からドア開錠された場合(S21aでYES)、送風機30を標準モードで駆動させることで、電流検出回路51から車両2の非使用時又は非使用時からドア開錠時における送風機30の消費電流を示す情報を取得する(S22)。
次に、制御部60は、当該情報に示される車両2の非使用時又は非使用時からドア開錠時における送風機30の消費電流を第1閾値として記憶部80に記憶することで、車両2の非使用時又は非使用時からドア開錠時における送風機30の消費電流を第1閾値として更新する(S23)。そして、制御部60は、図8のフローチャートを終了する。その後、車両用シート空調装置3は、図4のフローチャートの動作に移る。
<作用効果>
次に、本実施の形態における車両用シート空調装置3の作用効果について説明する。
上述したように、本実施の形態の車両用シート空調装置3は、シート1に内蔵される送風機30と、送風機30によって導かれた空気をシート1の表面から吸気する吸気ダクト、及び、送風機30によって導かれた空気をシート1の表面から吐出する吐出ダクトの少なくとも一方と、送風機30と電気的に接続される制御部60とを備え、送風機30は、送風機30の消費電流を検出する電流検出回路51を有し、制御部60は、電流検出回路51が検出した消費電流に基づいて、シート1への乗員の着座の有無を判定する。
これによれば、制御部60は、送風機30を制御することで、電流検出回路51が検出した消費電流の大小によって、乗員の着座の有無を判定することができる。例えば、乗員がシート1に着座していない場合の消費電流に比べて、電流検出回路51が検出した消費電流が小さくなれば、制御部60は、乗員がシート1に着座したと判定することができる。
したがって、この車両用シート空調装置3は、簡易な構成で乗員の着座を検知することができる。
特に、従来の車両用シート空調装置3ように、別途センサを設けなくても乗員の着座を検知することができるため、車両用シート空調装置3の製品コストの高騰化を抑制することができる。
また、本実施の形態の車両用シート空調装置3において、制御部60は、シート1への乗員の着座の有無を判定する場合において、消費電流が第1閾値よりも低い場合、乗員がシート1に着座していると判定する。
これによれば、消費電流が第1閾値よりも低い場合、つまり、消費電流が、乗員がシート1に着座していない場合の消費電流よりも小さくなれば、制御部60は、乗員がシート1に着座していると判定することができる。制御部60は、乗員の着座の有無を精度よく判定することによって、送風機30を制御することができるため、乗員がいない場合の送風機30の消費電力を抑制することができる。
また、本実施の形態の車両用シート空調装置3において、制御部60は、乗員がシート1に着座していると判定した場合、送風機30の回転数が定常回転数になるように送風機30を制御する。
これによれば、乗員がシート1に着座している場合、制御部60が送風機30に供給する電力を一定にして送風機30の回転数を定常回転数に安定させることができるため、乗員に対して吹き付ける風量をより適切にすることで、乗員の快適性をより確保することができる。
また、本実施の形態の車両用シート空調装置3において、制御部60は、シート1への乗員の着座の有無を判定する場合において、消費電流が第1閾値以上の場合、乗員がシート1に着座していないと判定し、乗員がシート1に着座していないと判定すると、乗員がシート1に着座していると判定した場合における送風機30の回転数よりも回転数が小さくなるように送風機30を制御する。
これによれば、乗員がシート1に着座していない場合、制御部60が送風機30に供給する電力を低下させた状態で送風機30を制御することができるため、消費電力を省エネルギー化することができる。
また、本実施の形態の車両用シート空調装置3において、制御部60は、車両2の非使用時又は非使用時からドア開錠時に送風機30を駆動させることで、電流検出回路51が検出した消費電流を第1閾値として更新する。
これによれば、シート1及び送風機30の経年劣化が生じても、消費電流を第1閾値として更新することで、乗員がシート1に着座しているか否かの判定の精度を確保することができる。
また、本実施の形態の車両用シート空調装置3において、送風機30の駆動電圧を検出する電圧検出回路52をさらに備え、制御部60は、電圧検出回路52が検出した駆動電圧に基づいて、送風機30の消費電流を補正する。
これによれば、予め印加電圧の変動による送風機30の消費電流を測定することで、消費電流を補正することができる。これにより、バッテリの劣化等に伴う印加電圧の変動があっても、乗員によるシート1の着座の有無をより正確に判定することができる。
また、本実施の形態の車両用シート空調装置3において、送風機30の駆動電圧を検出する電圧検出回路52をさらに備え、制御部60は、電圧検出回路52が検出した駆動電圧に基づいて、第1閾値を補正する。
これによれば、予め印加電圧の変動による送風機30の消費電流を測定することで、第1閾値を補正することもできる。これにより、バッテリの劣化等に伴う印加電圧の変動があっても乗員によるシート1の着座の有無をより正確に判定することができる。
また、本実施の形態の車両用シート空調装置3において、電流検出回路51は、送風機30の過電流検出回路と兼用される。
これによれば、送風機30の過電流検出回路を別途、設けなくても、電流検出回路51が送風機30の過電流を検知することができる。あるいは、もともと送風機30に備わる過電流検出回路を用いて電流検出回路51とすることができる。このため、車両用シート空調装置3の構成の複雑化を抑制するとともに、製品コストの高騰化を抑制することができる。
また、本実施の形態の車両用シート空調装置3において、制御部60は、消費電流が上限値を超えた場合、警告信号を外部装置に出力する。
このように、消費電流が予め決められた上限値を超えた場合、送風機30が故障している、もしくは正常時よりも高い回転数で制御されている場合がある。このため、送風機30の故障、吸気ダクト31及び吐出ダクト32の目詰まり、クッションの劣化が予測されるため、送風機30の交換、掃除又はクッション交換等を乗客に報知することができる。これにより、乗客は、シート1の状態を適切に保つことができるようになる。
なお、上限値は第1上限値と、第1上限値より大きい第2上限値を設定してもよい。この場合、消費電流が第1上限値を超え、かつ、第2上限値以下であれば、吸気ダクト31及び吐出ダクト32の目詰まり、クッションの劣化が予測される。また、消費電流が第2上限値を超えれば、送風機30の故障が予測される。このように、上限値を2つ設けることにより、乗客に対し、掃除又はクッション交換等の警告と、送風機30の交換の警告とを分けて報知することができる。
また、本実施の形態の車両用シート空調装置3において、吸気ダクト31は、シート1に人が着座する側の面である座面11cの中央部11c1、及び、外縁部11c2に形成されている。
これによれば、臀部及び大腿部と座面11cとの間において、座面11cの中央部11c1に形成されている吸気ダクト31の吸気口31aから空気を吸気することで、人の臀部及び大腿部の蒸れを抑制することができる。また、座面11cの外縁部11c2に形成されている吸気ダクト31の吸気口31aは、人の臀部及び大腿部に覆われ難い位置に形成されているため、シート1周囲の空気を吸気することができる。例えば、座面11cの中央部11c1に形成されている吸気ダクト31の吸気口31aから空気を吸気することができなくても、座面11cの外縁部11c2に形成されている吸気ダクト31の吸気口31aから空気を吸気することができるため、吐出口32aから空気を吐出することができる。
また、本実施の形態の車両用シート空調装置3において、外縁部11c2は、座面11cの奥部11d、及び、前端部11eの少なくともいずれかである。
これによれば、座面11cの外縁部11c2でも、特に座面11cの奥部11d、及び、前端部11eは、人の臀部及び大腿部にさらに覆われ難い。したがって、吸気口31aから空気を吸気できる確度がさらに高まる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、送風機30の消費電流を用いて、乗員の体格を判定したり、乗員の体位を判定したりする点で、実施の形態1の車両用シート空調装置3と相違する。本実施の形態における他の構成は、特に明記しない場合は、実施の形態1と同様であり、同一の構成及び機能については同一の符号を付して構成及び機能に関する詳細な説明を省略する。
以下、本実施の形態の車両用シート空調装置3と実施の形態1の車両用シート空調装置3との相違点について、図2及び図3を用いて説明する。
[記憶部80]
記憶部80は、第2閾値を示す情報、後述する消費電流と回転数との相関関係を示す情報等も記憶している。第2閾値は、普通の体格の乗員がシート1に着座した場合に送風機の消費電流で求められる。普通の体格とは、乗員の標準的な体格を意味する。
[制御部60]
制御部60は、送風機30と電気的に接続され、送風機30の電流検出回路51から消費電流を示す情報を取得する。制御部60は、取得した当該情報に示される消費電流を用いて、送風機30の回転数を制御したり、乗員の体格を判定したり、乗員の体位を判定したり、消費電流が上限値を超えたか否かを判定したりする。
制御部60は、取得した当該情報に示される消費電流に基づいて、送風機30の回転数を制御する。具体的には、制御部60は、記憶部80に予め記憶されている第2閾値を示す情報を取得し、取得した当該情報が示す第2閾値から電流検出回路51が検出した現在の消費電流を減算した値を算出する。制御部60は、算出した値に基づいて、消費電流が第2閾値よりも低いか高いかを判定することができる。
制御部60は、消費電流が第2閾値よりも低いほど、回転数が大きくなるように送風機30を制御する。その結果、送風機30に供給される電流は、普通の体格の乗員がシート1に着座した場合よりも増加する。これにより、送風機30の消費電流は増加するとともに、風量も増加する。なお、第2閾値よりも低い下限値が存在するため、制御部60は、下限値と第2閾値との間で、送風機30を制御する。
また、制御部60は、消費電流が第2閾値と等しい又は高いほど、回転数が小さくなるように送風機30を制御する。その結果、送風機30に供給される電流は、普通の体格の乗員がシート1に着座した場合よりも減少する。これにより、送風機30の消費電流は減少するとともに、風量も減少する。なお、第2閾値よりも高い着座判定値が存在するため、制御部60は、着座判定値と第2閾値との間で、送風機30を制御する。
このように、制御部60は、送風機30の回転数を制御することで、シート1に着座した乗員の状態に依存せず、シート1の表面から吐出する風量(乗員に吹き付けられる風量)が、同じになるようにする。ここで「乗員の状態に依存せず」とは、乗員の体格の大小及び乗員の姿勢に関わらずという意味である。このため、大柄又は小柄の乗員でも、乗員の姿勢が崩れていても、普通の体格の乗員が着座したときに吹き付けられる風量と同等となる。
なお、ここでは乗員の状態に依存せず風量を同等とする構成としたが、それに限定されず、乗員の体格に応じて風量が変わる構成、つまり、例えば体格が大きいほど風量が大きくなるような構成としてもよい。
また、制御部60は、消費電流に基づいて、シート1に着座した乗員の体格を判定し、判定した結果である乗員の体格を示す信号(体格信号ということがある)を外部装置に出力する。ここで、外部装置は、車両制御ユニット61であるが、例えば、スマートフォン、タブレット端末等の端末装置であってもよい。
上述したように、送風機30の消費電流が第2閾値よりも低いほど、乗員の体格が「大柄」となる。また、上述したように、送風機30の消費電流が第2閾値と等しい又は高いほど、乗員の体格が「小柄」となる。このため、制御部60は、電流検出回路51が検出した消費電流が第2閾値よりも小さければ、乗員の体格が「大柄」と判定する。また、制御部60は、電流検出回路51が検出した消費電流が第2閾値であれば、乗員の体格が「普通」と判定する。また、制御部60は、電流検出回路51が検出した消費電流が第2閾値よりも大きければ、乗員の体格が「小柄」と判定する。制御部60は、乗員の体格が「小柄」、「普通」、「大柄」のいずれかが判定できるような体格信号を外部装置に出力する。なお、体格信号は、上記した3段階の信号に限定されず、例えば消費電流に基づいた、どの程度の体格かを示す数値で出力するようにしてもよい。
また、制御部60は、消費電流の変化に基づいて、シート1に着座した乗員の体位が変化したか否かを判定し、判定した結果である乗員の体位に変化があることを示す信号(体位変化信号ということがある)を外部装置に出力する。具体的には、制御部60は、乗員がシート1に着座してから電流検出回路51が検出した消費電流の変化を算出し、消費電流の変化量が規定値以上であれば、シート1に着座した乗員の体位に変化があることを判定する。制御部60は、判定した結果である体位変化信号を外部装置に出力する。なお、制御部60は、乗員の体位に変化がない場合、乗員の体位に変化がないことを示す信号を外部装置に出力してもよい。
ここで、乗員の体位が変化した場合とは、例えば、乗員がシート1に着座していない場合(臀部及び大腿部が座面11cから離間)、乗員が足を組んでシート1に着座している場合、胡座をかいてシート1に着座している場合等のように、乗員がシート1に正しい姿勢で着座していない場合、当初の着座姿勢よりも深く座りなおした場合等である。
また、乗員の体位に変化がない場合とは、乗員の体位の変化が一切ない場合だけでなく、規定範囲内での変化が許容される程度の乗員の体位に変化がある場合を含む。
また、制御部60は、電流検出回路51から消費電流を示す情報を取得する度に、消費電流が上限値を超えたか否かを判定する。制御部60は、消費電流が上限値を超えた場合つまり過電流が想定される場合、警告信号を外部装置に出力する。制御部60が警告信号を出力することで、乗客は、定格を超す電流から送風機30の損傷等を認識したり、吸気ダクト31及び吐出ダクト32の目詰まり、及び、クッションの劣化等を認識したりする。ここで、上限値は、第2閾値よりも高く、後述する着座判定値よりも大きい。
また、制御部60は、送風機30の消費電流又は第2閾値を補正したり、消費電流と回転数との相関関係を示す情報を補正したりする。
制御部60は、電圧検出回路52が検出した駆動電圧に基づいて、送風機30の消費電流又は第2閾値を補正する。例えば、送風機30に供給する電力を一定にする場合、電源部70から送風機30に供給する電圧値の変動(例えば電源部70の図示しないバッテリの劣化及び負荷の変動などに基づく変動)によって電流値が変動してしまう場合がある。消費電流が変動すると、シート1に着座した乗員の体格を精度よく判定することができなくなる場合がある。そこで、制御部60は、送風機30に供給する電力が一定になるように、電圧値の変動によって同時に変動した電流値(つまり消費電流)を補正したり、送風機30に供給する電力が一定になるように第2閾値を補正したりする。
また、制御部60は、車両2の非使用時又は非使用時からドア開錠時に送風機30を駆動させることで、電流検出回路51が検出した消費電流を示す情報を取得する。制御部60は、取得した当該情報に示される消費電流に基づいて回転数を制御するための消費電流と回転数との相関関係を示す情報を補正する。具体的には、制御部60は、車両2が停止状態であり乗員がシート1に着座していない場合である車両2の非使用時における送風機30の消費電流に基づいて、乗員がシート1に着座していない場合における送風機30の回転数を算出する。制御部60は、車両2の非使用時における送風機30の消費電流及び回転数と、記憶部80に予め記憶されている消費電力と回転数との相関関係(相関テーブル)とを比較する。制御部60は、比較することで差異がある場合、車両2の非使用時における送風機30の消費電力と算出した回転数とを更新した相関関係を記憶部80に記憶する。
なお、制御部60は、車両2の非使用時における任意期間において送風機30を駆動させることで、任意期間において、車両2の非使用時における送風機30の消費電力の平均値を算出し、算出した消費電力に基づいて送風機30の回転数を算出することで、車両2の非使用時における送風機30の消費電流及び回転数を更新した相関関係を記憶部80に記憶してもよい。
<動作>
本実施の形態における、車両用シート空調装置3の動作について例示する。
[動作例1]
図9は、実施の形態2における車両用シート空調装置3の動作例1を示すフローチャートである。
例えば、乗員が車両2に搭載された操作パネルを操作することで、車両用シート空調装置3が駆動する。車両用シート空調装置3の制御部60は、操作パネルから駆動の指示を受け付けることで送風機30を駆動させる(S41)。これにより、空気は、第1通気口12aから吸い込まれ、吸気ダクト31、及び、吐出ダクト32の順に導かれて第2通気口12bから吐出する。これにより、シート1に着座している乗員に空気が吹き付けられる。
次に、制御部60は、電流検出回路51から消費電流を示す情報を取得し、かつ、記憶部80に格納されている第2閾値を示す情報を読み出し、当該情報に示される現在の消費電流に対して上述の第2閾値を減算した値を算出する。制御部60は、記憶部80に格納されている相関グラフを読み出し、算出した値に基づいて、普通の体格の乗員に対して吹き付けられる風量と同等となるような送風機30の回転数に変更して、送風機30を制御する(S42)。図10のaは、体格と送風機30の消費電流との関係を例示した図であり、図10のbは、送風機30の回転数と体格との関係を例示した図である。
具体的には、制御部60は、図10のaに示す相関グラフに基づいて、算出した値によって乗員の体格が普通の体格に対して小柄であるか、大柄であるかを判定する。制御部60は、乗員の体格を判定した結果から、図10のbに示す相関グラフに基づいて、送風機30の回転数を導き出す。例えば、制御部60は、乗員の体格を判定した結果が小柄であれば送風機30の回転数を下げ、乗員の体格を判定した結果が大柄であれば送風機30の回転数を上げる。このように、制御部60は、図10の相関グラフによって導き出された送風機30の回転数に決定し、決定した回転数に変更して送風機30を制御する。
より具体的には、上述したように、乗員の体格が「普通」のときの送風機30における消費電流(通常の消費電流)よりも、乗員の体格が「大柄」のときの送風機30の消費電流の方が小さくなる。つまり、送風機30の消費電流が第2閾値よりも低いほど、着座面積が大きいと判定できるので、乗員の体格が「大柄」となる。このため、制御部60は、電流検出回路51が検出した消費電流が第2閾値よりも小さければ、乗員の体格が「大柄」と判定する。制御部60は、通常の消費電流よりも送風機30に供給する電流を増加させることで、通常の消費電流を送風機30に供給したときの回転数よりも大きくなるように送風機30を制御する。このように、制御部60は、体格が「大柄」な乗員に対してシート1の表面から吐出する風量(乗員に吹き付けられる風量)が、普通の体格の乗員に対してシート1の表面から吐出する風量と同じになるように、送風機30の回転数を制御する。
また、制御部60は、電流検出回路51が検出した消費電流が第2閾値と実質的に同一であれば、乗員の体格が「普通」と判定する。制御部60は、通常の消費電流を送風機30に供給することで、送風機30を制御する。
上述したように、送風機30における通常の消費電流よりも、送風機30の消費電流が第2閾値と等しい又は高いほど、着座面積が小さいと判定できるので、乗員の体格が「小柄」となる。このため、制御部60は、電流検出回路51が検出した消費電流が第2閾値よりも大きければ、乗員の体格が「小柄」と判定する。ここで、送風機30の消費電流が第2閾値よりも大きく、かつ、第2閾値よりも大きい着座判定値を超えている場合、制御部60は、着座なしと判定することもある。制御部60は、通常の消費電流よりも送風機30に供給する電流を減少させることで、通常の消費電流を送風機30に供給したときの回転数よりも小さくなるように送風機30を制御する。このように、制御部60は、体格が「小柄」な乗員に対してシート1の表面から吐出する風量が、普通の体格の乗員に対してシート1の表面から吐出する風量と同じになるように、送風機30の回転数を制御する。
次に、制御部60は、ステップS42で変更した回転数で、所定期間、送風機30を制御する(S43)。
そして、制御部60は、処理をステップS42に戻す。
なお、乗員が車両2に搭載された操作パネルを操作することで、車両用シート空調装置3の駆動を、どのステップにおいても自由に停止させることができる。
[動作例2]
図11は、実施の形態2における車両用シート空調装置3の動作例2を示すフローチャートである。動作例2では、図9の動作例1と同様の動作については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
車両用シート空調装置3の制御部60は、操作パネルが受け付けた操作指示に応じて送風機30を駆動させる(S41)。
次に、制御部60は、電流検出回路51から消費電流を示す情報を取得し、取得した当該情報に示される消費電流に基づいて、乗員が着座しているか否かを判定する(S52)。具体的には、制御部60は、消費電流が着座判定値よりも小さいか否かを判定する。
制御部60は、消費電流が着座判定値よりも小さい、つまり乗員がシート1に着座していると判定した場合(S52でYES)、現在の消費電流に対して第2閾値を減算した値を算出し、算出した値に基づいて、普通の体格の乗員に対して吹き付けられる風量と同等となるような送風機30の回転数に変更して、送風機30を制御する(S42)。
そして、制御部60は、ステップS43を経てステップS52に戻す。
一方、制御部60は、消費電流が着座判定値以上、つまり乗員がシート1に着座していないと判定した場合(S52でNO)、送風機30の回転数を下げるように送風機30を制御する(S53)。これにより、車両用シート空調装置3は、制御部60が送風機30の消費電流の減らすため、省エネルギーモードとなる。
ステップS53の後に、制御部60は、電流検出回路51から消費電流を示す情報を取得し、再度、当該情報に示される消費電流から、乗員が着座しているか否かを判定する(S54)。
制御部60は、消費電流が着座判定値以上、つまり乗員がシート1に着座していないと判定した場合(S54でNO)、省エネルギーモードを維持するように、送風機30を制御する。
一方、制御部60は、消費電流が着座判定値よりも小さい、つまり乗員がシート1に着座していると判定した場合(S54でYES)、送風機30の回転数が下がった状態から回転数を上げるように、送風機30を制御する(S55)。これにより、車両用シート空調装置3は、普通の体格の乗員がシート1に着座したときの送風機30の回転数となるように、送風機30を制御する通常モードとなる。そして、制御部60は、ステップS42に進む。
なお、乗員が車両2に搭載された操作パネルを操作することで、車両用シート空調装置3の駆動を、どのステップにおいても自由に停止させることができる。
[動作例3]
図12は、実施の形態2における車両用シート空調装置3の動作例3を示すフローチャートである。
制御部60は、電流検出回路51から消費電流を示す情報を所定期間間隔で取得し、取得した消費電流の変化を算出する(S61)。
次に、制御部60は、算出した消費電流の変化に基づいて、シート1に着座した乗員の体位が変化したか否かを判定する(S62)。具体的には、制御部60は、乗員がシート1に着座してから電流検出回路51が検出した消費電流の変化を算出する。例えば、制御部60は、第1時点で取得した消費電流と、第1時点よりも後の時点である第2時点で取得した消費電流との変化量を算出する。変化量は、第1時点の消費電流と第2時点の消費電流との差分又は変化の割合等である。制御部60は、算出した消費電流との変化量が規定値以上であるか否かを判定することで、シート1に着座した乗員の体位が変化したか否かを判定する。
制御部60は、シート1に着座した乗員の体位の変化量が規定値以上である場合、シート1に着座した乗員の体位が変化したことを判定する(S62でYES)。
次に、制御部60は、乗員の体位に変化があることを示す信号である体位変化信号を外部装置に出力する(S63)。そして、制御部60は、図12のフローチャートを終了する。
また、ステップS62の説明に戻る。一方、制御部60は、シート1に着座した乗員の体位の変化量が規定値未満である場合、シート1に着座した乗員の体位が変化していないことを判定する(S62でNO)。そして、制御部60は、図12のフローチャートを終了する。
なお、制御部60は、乗員の体位に変化がないことを示す信号を外部装置に出力してもよい。
[動作例4]
図13は、実施の形態2における車両用シート空調装置3の動作例4を示すフローチャートである。
制御部60は、車両2が非使用時であるか否かを判定する(S71)。例えば、制御部60は、エンジンスイッチがOFFか否かを判定することで、車両2が非使用時であるか否かを判定する。エンジンスイッチがOFFであれば、車両2が非使用時であると言える。この場合、主に乗員がシート1に着座していないと考えられる。
制御部60は、車両2が非使用時でない場合(S71でNO)、ステップS71に処理を戻す。
次に、制御部60は、車両2が非使用時である場合(S71でYES)、送風機30を標準モードで駆動させることで、電流検出回路51から車両2の非使用時又は非使用時からドア開錠時における送風機30の消費電流を示す情報を取得する(S72)。
制御部60は、車両2が停止状態であり乗員がシート1に着座していない場合である車両2の非使用時又は非使用時からドア開錠時における送風機30の消費電流(上述の取得した消費電流を示す情報)に基づいて、乗員がシート1に着座していない場合における送風機30の回転数を算出する。制御部60は、車両2の非使用時又は非使用時からドア開錠時における送風機30の消費電流及び回転数を、記憶部80に予め記憶されている消費電力と回転数との相関関係を更新し、相関関係を記憶部80に記憶する。これにより、制御部60は、取得した当該情報に示される消費電流に基づいて回転数を制御するための消費電流と回転数との相関関係を示す情報を補正する。例えば、吸気ダクト31及び吐出ダクト32の目詰まりがある場合等では、図10のaのグラフ又は第2閾値を左側にシフトする補正をしたり、図10のbのグラフを上側にシフトする補正をしたりする。
次に、制御部60は、当該情報に示される車両2の非使用時又は非使用時からドア開錠時における送風機30の消費電流を第2閾値として記憶部80に記憶することで、車両2の非使用時又は非使用時からドア開錠時における送風機30の消費電流を第2閾値として更新する(S73)。つまり、制御部60は、記憶部80に予め記憶されている初期値を更新する。そして、制御部60は、図13のフローチャートを終了する。
なお、エンジンスイッチがOFFでも、乗員がシート1に着座している場合もある。このため、制御部60は、車両2に搭載されている表示装置等を介して、車両用シート空調装置3が駆動することを報知してもよい。
[動作例5]
本動作例では、車両2が非使用時からドア開錠されたか否かを判定する場合の動作について説明する。
図14は、実施の形態2における車両用シート空調装置3の動作例5を示すフローチャートである。本動作例では、図13と同様の処理については、同一の符号を付して処理の説明を適宜省略する。
制御部60は、車両2が非使用時からドア開錠されたか否かを判定する(S71a)。例えば、制御部60は、エンジンスイッチがOFFか否かを判定することで、車両2が非使用時であるか否かを判定する。さらに、制御部60は、車両2に搭載されているドア開閉センサからドア開錠されたことを示す信号である開閉信号を取得するか否かによって、ドア開錠されたか否かを判定する。なお、ドア開錠の判定は、車両2のキーに基づいてドア開錠操作が行われたか否かを判定することによってもよい。
制御部60は、車両2が非使用時からドア開錠されていない場合(S71aでNO)、ステップS71aに処理を戻す。
次に、制御部60は、車両2が非使用時からドア開錠された場合(S71aでYES)、送風機30を標準モードで駆動させることで、電流検出回路51から車両2の非使用時又は非使用時からドア開錠時における送風機30の消費電流を示す情報を取得する(S72)。
次に、制御部60は、当該情報に示される車両2の非使用時又は非使用時からドア開錠時における送風機30の消費電流を第2閾値として記憶部80に記憶することで、車両2の非使用時又は非使用時からドア開錠時における送風機30の消費電流を第2閾値として更新する(S73)。そして、制御部60は、図14のフローチャートを終了する。その後、車両用シート空調装置3は、図9又は図11のフローチャートの動作に移る。
<作用効果>
次に、本実施の形態における車両用シート空調装置3の作用効果について説明する。
上述したように、本実施の形態の車両用シート空調装置3において、制御部60は、電流検出回路51が検出した消費電流に基づいて、送風機30の回転数を制御する。
例えば、シート1に着座した乗員によって、吸気ダクト31の吸気口31a又は吐出ダクト32の吐出口32aが覆われると、吸気口31a及び吐出口32aを通過する空気の流量は減少する傾向にある。送風機30の回転数が一定の場合、吸気口31a及び吐出口32aを通過する空気の流量が減少すると、送風機30の消費電流も減少するという傾向がある。これは、覆われた吸気口31a又は吐出口32aと送風機30との間の気圧が低下するため、つまり、空気と送風機30のプロペラとの抵抗が低下することで送風機30の仕事量が低下することによると考えられる。
また、電流検出回路51が検出した消費電流が小さければ、吸気口31a及び吐出口32aの少なくとも一方が体格の大きい乗員に覆われることで、普通の体格の乗員がシート1に着座した場合よりも、吸気口31a及び吐出口32aを通過する風量が減少したと考えられる。また、電流検出回路51が検出した消費電流が大きければ、吸気口31a及び吐出口32aの少なくとも一方が体格の小さい乗員に覆われることで、普通の体格の乗員がシート1に着座した場合よりも、吸気口31a及び吐出口32aを通過する風量が増加したと考えられる。
そこで、本開示によれば、普通の体格の乗員がシート1に着座した場合よりも、消費電流が小さければ、送風機30の風量が低下することになるため、制御部60は、送風機30の回転数を上げるように制御することができる。また、普通の体格の乗員がシート1に着座した場合よりも、消費電流が大きければ、送風機30の風量が増加することになるため、制御部60は、送風機30の回転数を下げるように制御することができる。
したがって、この車両用シート空調装置3は、乗員に対して吹き付ける風量を適切にすることで、乗員の快適性を確保することができる。
また、本実施の形態の車両用シート空調装置3において、制御部60は、消費電流が第2閾値よりも低いほど、回転数が大きくなるように送風機30を制御し、消費電流が第2閾値と等しい又は高いほど、回転数が小さくなるように送風機30を制御する。
これによれば、普通の体格の乗員がシート1に着座した場合よりも、消費電流が小さくなればなるほど、制御部60は、送風機30の回転数を上げるように制御することができる。また、普通の体格の乗員がシート1に着座した場合よりも、消費電流が大きくなればなるほど、制御部60は、送風機30の回転数を下げるように制御することができる。このため、乗員に対して吹き付ける風量をより適切にすることで、乗員の快適性をより確保することができる。
また、本実施の形態の車両用シート空調装置3において、制御部60は、シート1に着座した乗員の状態に依存せず、シート1の表面から吐出する風量が同じになるように送風機30を制御する。
これによれば、乗員の状態である体格及び体位によらず、シート1の表面から吐出する空気を均一にすることができるため、乗員に対して吹き付ける風量をより適切にすることで、乗員の快適性をより確保することができる。
また、本実施の形態の車両用シート空調装置3において、制御部60は、消費電流に基づいて、シート1に着座した乗員の体格を判定し、判定した結果である乗員の体格を示す信号を外部装置に出力する。
これによれば、制御部60は、電流検出回路51が検出した消費電流が小さければ、体格の大きい乗員がシート1に着座していると判定することができる。また、電流検出回路51が検出した消費電流が大きければ、体格の小さい乗員がシート1に着座していると判定することができる。
また、制御部60は、乗員の体格を示す信号を外部装置に出力することができる。これにより、外部装置が車両制御ユニット(ECU:Electronic Control
Unit)等である場合、車両制御ユニットは、乗員の体格を示す信号を取得することで、乗員の顔が存在していると想定される方向に向けて撮像装置の向きを制御することもできる。
また、本実施の形態の車両用シート空調装置3において、制御部60は、消費電流の変化に基づいて、シート1に着座した乗員の体位が変化したか否かを判定し、判定した結果である乗員の体位に変化があることを示す信号を外部装置に出力する。
これによれば、制御部60は、電流検出回路51が検出した消費電流の変化量が大きければ、乗員の体位が崩れていると判定することができる。また、電流検出回路51が検出した消費電流の変化量が小さければ、乗員がシート1に正しく着座していると判定することができる。
また、外部装置が車両制御ユニット等である場合、車両制御ユニットは、乗員の体位を示す信号に基づいて、乗員の顔が存在していると想定される方向に向けて撮像装置の向きを制御することができる。
また、本実施の形態の車両用シート空調装置3において、送風機30の駆動電圧を検出する電圧検出回路52をさらに備える。そして、制御部60は、電圧検出回路52が検出した駆動電圧に基づいて、送風機30の消費電流に対応する第2閾値を補正する。
これによれば、予め印加電圧の変動による送風機30の消費電流を測定することで、第2閾値を補正することもできる。これにより、バッテリの劣化等に伴う印加電圧の変動があっても消費電流に基づいて乗員の体格及び体位をより正確に判定することができる。
また、本実施の形態の車両用シート空調装置3において、制御部60は、車両2の非使用時又は非使用時からドア開錠時に送風機30を駆動させることで、電流検出回路51が検出した消費電流に基づいて回転数を制御するための消費電流と回転数との相関関係を補正する。
このように、シート1及び送風機30の経年劣化が生じても、相関関係を補正することで、均一な風量確保することができるようになる。
(その他変形例等)
以上、本開示について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これら実施の形態等に限定されるものではない。
例えば、上記各実施の形態に係る車両用シート空調装置に含まれる各処理部は、典型的に集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
また、集積回路化はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後にプログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
なお、上記各実施の形態において、各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、上記で用いた数字は、全て本開示を具体的に説明するために例示するものであり、本開示の実施の形態は例示された数字に制限されない。
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
また、フローチャートにおける各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が、他のステップと同時(並列)に実行されてもよい。
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
本開示は、例えば車両等の移動体用シート、ソファー等に利用可能である。
1 シート
2 車両
3 車両用シート空調装置
11c1 中央部
11c2 外縁部
11e 前端部
11d 奥部
30 送風機
31 吸気ダクト
32 吐出ダクト
51 電流検出回路
52 電圧検出回路
60 制御部

Claims (18)

  1. シートに内蔵される送風機と、
    前記送風機によって導かれた空気を前記シートの表面から吸気する吸気ダクト、及び、前記送風機によって導かれた空気を前記シートの表面から吐出する吐出ダクトの少なくとも一方と、
    前記送風機と電気的に接続される制御部とを備え、
    前記送風機は、前記送風機の消費電流を検出する電流検出回路を有し、
    前記制御部は、前記電流検出回路が検出した前記消費電流に基づいて、前記シートへの乗員の着座の有無を判定する
    車両用シート空調装置。
  2. 前記制御部は、前記シートへの乗員の着座の有無を判定する場合において、前記消費電流が第1閾値よりも低い場合、乗員が前記シートに着座していると判定する
    請求項1に記載の車両用シート空調装置。
  3. 前記制御部は、乗員が前記シートに着座していると判定した場合、前記送風機の回転数が定常回転数になるように前記送風機を制御する
    請求項2に記載の車両用シート空調装置。
  4. 前記制御部は、
    前記シートへの乗員の着座の有無を判定する場合において、前記消費電流が前記第1閾値以上の場合、乗員が前記シートに着座していないと判定し、
    乗員が前記シートに着座していないと判定すると、乗員が前記シートに着座していると判定した場合における前記送風機の回転数よりも前記回転数が小さくなるように前記送風機を制御する
    請求項2又は3に記載の車両用シート空調装置。
  5. 前記制御部は、車両の非使用時又は非使用時からドア開錠時に前記送風機を駆動させることで、前記電流検出回路が検出した前記消費電流を前記第1閾値として更新する
    請求項2~4のいずれか1項に記載の車両用シート空調装置。
  6. 前記送風機の駆動電圧を検出する電圧検出回路をさらに備え、
    前記制御部は、前記電圧検出回路が検出した前記駆動電圧に基づいて、前記送風機の前記消費電流を補正する
    請求項1~5のいずれか1項に記載の車両用シート空調装置。
  7. 前記送風機の駆動電圧を検出する電圧検出回路をさらに備え、
    前記制御部は、前記電圧検出回路が検出した前記駆動電圧に基づいて、前記第1閾値を補正する
    請求項2~5のいずれか1項に記載の車両用シート空調装置。
  8. 前記電流検出回路は、前記送風機の過電流検出回路と兼用される
    請求項1~7のいずれか1項に記載の車両用シート空調装置。
  9. 前記制御部は、前記消費電流が上限値を超えた場合、警告信号を外部装置に出力する
    請求項1~8のいずれか1項に記載の車両用シート空調装置。
  10. 前記吸気ダクトは、前記シートに人が着座する側の面である座面の中央部、及び、外縁部に形成されている
    請求項1~9のいずれか1項に記載の車両用シート空調装置。
  11. 前記外縁部は、前記座面の奥部、及び、前端部の少なくともいずれかである
    請求項10に記載の車両用シート空調装置。
  12. 前記制御部は、前記電流検出回路が検出した前記消費電流に基づいて、前記送風機の回転数を制御する
    請求項1~11のいずれか1項に記載の車両用シート空調装置。
  13. 前記制御部は、
    前記消費電流が第2閾値よりも低いほど、前記回転数が大きくなるように前記送風機を制御し、
    前記消費電流が前記第2閾値と等しい又は高いほど、前記回転数が小さくなるように前記送風機を制御する
    請求項12に記載の車両用シート空調装置。
  14. 前記制御部は、前記シートに着座した乗員の状態に依存せず、前記シートの表面から吐出する風量が同じになるように前記送風機を制御する
    請求項12又は13に記載の車両用シート空調装置。
  15. 前記制御部は、前記消費電流に基づいて、前記シートに着座した乗員の体格を判定し、判定した結果である乗員の体格を示す信号を外部装置に出力する
    請求項12~14のいずれか1項に記載の車両用シート空調装置。
  16. 前記制御部は、前記消費電流の変化に基づいて、前記シートに着座した乗員の体位が変化したか否かを判定し、判定した結果である乗員の体位に変化があることを示す信号を前記外部装置に出力する
    請求項15に記載の車両用シート空調装置。
  17. 前記送風機の駆動電圧を検出する電圧検出回路をさらに備え、
    前記制御部は、前記電圧検出回路が検出した前記駆動電圧に基づいて、前記送風機の前記消費電流に対応する第2閾値を補正する
    請求項12~16のいずれか1項に記載の車両用シート空調装置。
  18. 前記制御部は、車両の非使用時又は非使用時からドア開錠時に前記送風機を駆動させることで、前記電流検出回路が検出した前記消費電流に基づいて前記回転数を制御するための前記消費電流と前記回転数との相関関係を補正する
    請求項12~17のいずれか1項に記載の車両用シート空調装置。
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