JP2022098608A - 心拍変動指標推定装置、心拍変動指標推定方法、及び、心拍変動指標推定プログラム - Google Patents

心拍変動指標推定装置、心拍変動指標推定方法、及び、心拍変動指標推定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】ウェアラブル端末により計測した心拍数から心拍変動を高精度に推定できるモデルを構築すること。【解決手段】複数のウェアラブル端末50の心拍数時系列データを取得し、複数の心電計70の心電図データを取得する。心拍数時系列データを変換した拍動間隔時系列データから複数の心拍変動指標を算出して説明変数とし、複数の説明変数を組み合わせる。心拍変動を目的変数とする回帰モデルを複数選定し、選定した回帰モデル毎に、説明変数の組み合わせを用いて、心拍変動を学習する。心電図データから算出した心拍変動実値と、学習済みモデルから算出される心拍変動とに基づいて、選定した回帰モデル毎に評価指標を算出し、評価指標が最も優れた回帰モデルと説明変数の組み合わせとからなるモデルを、最適モデルに選定する。【選択図】 図2

Description

本発明は、ウェアラブル端末が計測した心拍数に基づいて心拍変動を推定する心拍変動指標推定装置、心拍変動指標推定方法、及び、心拍変動指標推定プログラムに関する。
心臓は、電気信号のリズムに従って収縮と拡張とを規則的に繰り返す。電気信号は、急激に収縮して血液を心臓から送り出す際に、一番鋭いピークを示すR波を発生する。心臓が鼓動する間隔(拍動間隔)は、一般的に、R波を用いて計測される。拍動間隔(RR間隔)は、安静時は長く、運動時には短くなるが、安静にしている間も周期的に変動する。拍動間隔の周期的な変動(心拍変動)には、高周波成分(HF:High Frequency)と低周波成分(LF:Low Frequency)とが含まれる。HFは、例えばリラックス状態にあるときにLFに対して相対的に高くなり、LFは、例えば緊張状態にあるときにHFに対して相対的に高くなる。よって、心拍変動から算出されるHFあるいはLF/HFに基づいて心理的ストレスを推定することができる(非特許文献1、非特許文献2参照)。
例えば、特許文献1には、過去の心拍データに基づいて定めた間隔時間内で、心拍を計測するセンサのセンサ信号から心拍を計測できない場合に、センサにより取得した拍動間隔データを補間し、補間されたデータに基づいてHFあるいはLF/HFを算出する技術が開示されている。
特開2019-103614号公報
「ストレスと自律神経の科学」(http://hclab.sakura.ne.jp/stress_novice_hartrate.html) 「ストレスと自律神経の科学」(http://hclab.sakura.ne.jp/stress_novice_LFHF.html)
スマートウォッチなど、体に装着して使用する端末(ウェアラブル端末)の中には、心拍数計測機能を備えるものが多数存在する。ウェアラブル端末の心拍数計測機能は、一般にトレーニングの強度評価、睡眠覚醒リズムのモニタリング等、健康管理のために活用されている。最近になって、リラクゼーションやストレス評価、感情推定、睡眠覚醒判定にも使われるようになってきた。
図10は、心電計(S&ME社製DL-5000、心電心拍センサDL-310)と腕時計型ウェアラブル端末の心拍計(Polar社製A370)で同期測定されたデータを比較したものである。縦軸は、拍動間隔(ms)を示し、横軸は時間(sec)を示す。ウェアラブル端末は、脈波(血圧の変化、脈拍)を計測しており、心拍を直接計測しない。これに対して、心電計は、収縮と拡張を規則的に繰り返す心臓から発生する電気信号を測定しており、心拍を直接計測する。また例えば、ウェアラブル端末は、1~1.5Hzの周期で脈波を計測するのに対し、心電図は、1KHzの周期で心拍を計測する。よって、ウェアラブル端末は、心電計に比べ、心拍数の計測精度が低く、心臓の実動に対するデータ欠損が多い。また、図10のP11,P12に示すように、ウェアラブル端末の心拍数時系列データWHRは、心電図に基づく拍動間隔時系列データECGに比べ、10数秒のタイムラグが生じることがあった。
データ欠損を補間する技術としては、特許文献1に開示されたものがある。しかし、ウェアラブル端末の心拍数時系列データにおける欠損データを補間した場合、欠損データが平滑化されてしまっていた。そのため、例えば、図10のP11,P12に示す部分にて、補間された心拍数時系列データと拍動間隔時系列データECGとの誤差が大きかった。
図11は、図10の拍動間隔時系列データECGから算出したHFと、図10の心拍数時系列データWHRから算出したHFとの相関を示すグラフである。図12は、図10の拍動間隔時系列データECGから算出したLFと、図10の心拍数時系列データWHRから算出したLFとの相関を示すグラフである。図11、図12の各横軸は、拍動間隔時系列データECGに基づく値を示し(HF_ECG、LF_ECG)、各縦軸は、ウェアラブル端末による心拍数時系列データWHRに基づく値を示す(HF_WHR、LF_WHR)。ウェアラブル端末の心拍計の心拍数時系列データから得られるLFやHFの値(LF_WHR,HF_WHR)は、心電図の拍動間隔時系列データECGから得られるLFやHFの値(LF_ECG、HF_ECG)に比べ小さく、寄与率(r*r=0.352)も低かった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、ウェアラブル端末により計測した心拍数から心拍変動指標を高精度に推定できるモデルを構築する技術を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、被験者の体の一部に装着されて前記被験者の心拍数を計測する心拍数計測機能を備える複数のウェアラブル端末毎に、前記ウェアラブル端末が計測した被験者の心拍数を時系列で示す心拍数時系列データを取得する第1取得部と、前記被験者に各々装着されて前記被験者の心臓が発生する電気信号を測定する複数の心電計毎に、前記心電計が計測した前記被験者の心拍変動を示す心電図データを取得する第2取得部と、前記第1取得部にて取得された前記心拍数時系列データを拍動間隔時系列データに変換し、前記拍動間隔時系列データから複数の特徴量を算出し、説明変数とする説明変数生成部と、前記説明変数生成部にて生成した複数の説明変数を組み合わせる説明変数組み合わせ部と、前記第2取得部にて取得された前記心電図データから心拍変動指標の実値を算出する心拍変動指標実値算出部と、心拍変動指標の実値を目的変数とする回帰モデルを複数選定し、選定した回帰モデル毎に、前記説明変数組み合わせ部にて組み合わされた説明変数の組み合わせデータに回帰モデルアルゴリズムを適用して学習するラーニング部と、前記目的変数生成部にて算出された前記心拍変動指標の実値と、前記ラーニング部にて学習した学習済みモデルから算出される心拍変動指標の推定値とに基づいて、前記選定した回帰モデル毎に評価指標を算出する評価指標算出部と、前記評価指標算出部にて算出された前記評価指標が最も優れていた回帰モデルと説明変数の組み合わせとからなるモデルを、最適モデルとして選定する最適モデル選定部と、を有すること、を特徴とする。
上記構成の心拍変動指標推定装置は、ウェアラブル端末の心拍数時系列データを拍動間隔時系列データに変換し、拍動間隔時系列データから複数の特徴量を算出して説明変数とし、その説明変数を組み合わせたデータに回帰モデルアルゴリズムを適用して学習する。そして、心電図データから算出した心拍変動指標の実値と学習済みモデルから算出した心拍変動指標の推定値とに基づいて算出される評価指標が最も優れていたモデルを、最適モデルとして選定するので、選定された最適モデルにより算出される心拍変動指標の推定値が、心電図データから算出した心拍変動指標の実値に近似する。よって、上記構成の心拍変動指標推定装置によれば、ウェアラブル端末により計測した心拍数から心拍変動指標を高精度に推定できるモデルを構築することができる。
上記装置によって実現される制御方法、システム、プログラム、当該プログラムを格納するコンピュータにて読取可能な記憶媒体も、新規で有用である。
上記構成を有する発明によれば、ウェアラブル端末により計測した心拍数から心拍変動指標を高精度に推定できるモデルを構築する技術を実現できる。
本発明の一実施形態に係る心拍変動指標推定装置の概略構成図である。 心拍変動指標推定装置が実行する機能のブロック図である。 モデル構築処理の制御手順の一例を示すフローチャートである。 表5の各回帰モデルにおいてHFが最大となった決定係数の平均値を示したグラフである。 表5の各回帰モデルにおいてLFが最大となった決定係数の平均値を示したものである。 第1、第2ウェアラブル端末を用いて同時計測した際の心拍数時系列データを示すグラフである。 HF推定値の結果を示すグラフである。 心拍を説明する図である。 心拍変動を説明する図である。 ウェアラブル端末で計測した心拍変動間隔時系列と、心電図に基づく心拍変動間隔(RR間隔)時系列とを比較するグラフである。 心電図の拍動間隔時系列データから算出したHFと、ウェアラブル端末の心拍数時系列データから算出したHFとの相関を示すグラフである。 心電図の拍動間隔時系列データから算出したLFと、ウェアラブル端末の心拍数時系列データから算出したLFとの相関を示すグラフである。
以下に、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。本形態は、ウェアラブル端末により計測された心拍数から心拍変動指標を推定する装置について、開示する。
<心拍変動指標について>
まず、心拍変動指標について説明する。心臓は、右心室と右心房と左心室と左心房の4つの部屋と、三尖弁と肺動脈弁と僧帽弁と大動脈弁の4つの弁を備え、電気信号のリズムに従って規則的に収縮と拡張を繰り返す。電気信号は、心臓が収縮する時に心臓内に起こる電気の分布の変化によって引き起こされるもので、体表面から電位として検出される。心電計により計測される心電図データは、このような心臓の電気的活動を記録したものである。
例えば、図8(a)に示すように、心電計によって計測される電気信号は、山や谷に、P,Q,R,Tのような名前がついている。一番鋭いピークを示す「R」は、心臓の心室が急激に収縮して血液を心臓から送り出す時に発生する電気信号である。つまり、心臓が「ドックン」とするときに発生する信号である。拍動間隔は、R波を利用して計測されるのが一般的である。安静時のように心臓がゆっくり拍動している場合、図8(b)に示すように、拍動間隔Tが長くなる。一方、心臓が速く拍動する場合、図8(c)に示すように、拍動間隔Tが短くなる(例えば、非特許文献1参照)。
拍動間隔Tは、常に変動している。例えば、図9に示すように、拍動間隔は、安静時であっても、周期的に変動する。本明細書では、この拍動間隔Tの周期的な変動を「心拍変動」とする。心拍変動には、高周波成分(HF)と低周波成分(LF)とが含まれる。HFは、高周波帯域のパワースペクトルの合計量を示す。LFは、低周波数帯域のパワースペクトルの合計量を指す。
心拍変動へのHFの変動波とLFの変動波の現れる大きさは、交感神経と副交感神経の緊張状態のバランスによって異なる。リラックスしている状態、つまり、副交感神経が活性化しているときは、LFが現れる一方、HFが減少する。これに対して、緊張している状態、つまり、交感神経が活性化しているときは、HFが現れる一方、LFが減少する。よって、リラックス状態にあるときは、HFがLFに対して相対的に大きくなり、LF/HFが大きくなるが、緊張状態にあるときは、LFがHFに対して相対的に大きくなり、LF/HFが小さくなる。このような特性より、心拍変動の時系列から算出したHFやLF/HFは、ストレス指標等の心理状態の検討に使用可能な指標として使用される(例えば、非特許文献2参照)。
本明細書において、心拍変動指標とは、拍動間隔(R-R間隔)の揺らぎから算出される値と定義する。HF、LF、LF/HFは、心拍変動指標の一例である。
<心拍変動指標推定装置の構成>
図1は、心拍変動指標推定装置10の電気ブロック図である。心拍変動指標推定装置10は、例えば、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置であり、CPU21と、ROM22と、RAM23と、NVRAM24とを備えるコントローラ11を有する。コントローラ11には、通信部12と操作部13と表示部14とが接続されている。
通信部12は、ウェアラブル端末50や心電計70などの外部装置と通信を行うハードウェアを有する。心拍変動指標推定装置10は、例えば、被験者X(X1,X2,X3…)に装着された複数のウェアラブル端末50(50A,50B,50C…)及び複数の心電計70(70A,70B,70C…)と、通信部12を介して通信可能に接続される。通信部12の通信方法は、無線でも有線でもよい。
ウェアラブル端末50は、体の一部に装着して用いられる携帯端末であり、通信機能を備える。また、ウェアラブル端末50は、脈波に基づいて心拍数を計測する心拍数計測部51を備える。心拍数計測部51は、例えば、光学式心拍センサ(PPGセンサ)である。ウェアラブル端末50は、心拍数計測部51により計測した心拍数を時系列で示す心拍数時系列データを心拍変動指標推定装置10に送信する。
心電計70は、心臓から発生する電気信号を測定し、心電図を記録する装置である。よって、ウェアラブル端末50と心電計70とでは、心拍の計測方法が異なる。心電計70は、無線通信機能を備え、心電図を示す心電図データを心拍変動指標推定装置10に送信する。心拍変動指標推定装置10は、複数の心電計(70A,70B,70C…)に通信可能に接続される。心電計70(70A,70B,70C…)は、ウェアラブル端末50(50A,50B,50C…)を装着された被験者X(X1,X2,X3…)に各々装着され、ウェアラブル端末50(50A,50B,50C…)と同期して心拍を計測する。
心拍数時系列データと心電図データは、それぞれ、ウェアラブル端末50と心電計70から、心拍変動指標推定装置10に指定された時間、或いは、一定時間毎に、定期的に送信してもよいし、心拍変動指標推定装置10からの要求に応じてウェアラブル端末50と心電計70から送信されてもよい。心拍変動指標推定装置10が被験者や計測に用いられたウェアラブル端末50や心電計70を特定できるように、心拍時系列データと心電図データには、被験者を特定するユーザ情報や、ウェアラブル端末50に関する端末情報や、心電計70を示す心電計情報などが付されている。
操作部13は、例えばキーボードやマウスであり、情報等の入力操作を受け付ける。表示部14は、例えば液晶ディスプレイであり、情報を表示する。なお、操作部13と表示部14は、例えばタッチパネル等のように、操作機能と表示機能とを兼ね備える部品で構成してもよい。
ROM22とNVRAM24は、不揮発性のメモリであり、各種のプログラムやデータが記憶されている。RAM23は、揮発性のメモリであり、例えば、ROM22やNVRAM24に記憶されたプログラムを実行する際にデータを一時的に記憶するのに用いられる。
NVRAM24には、第1アプリ25と第2アプリ26が組み込まれている。第1アプリ25は、ウェアラブル端末50の心拍数時系列データから心拍変動指標を推定するのに最適なモデルを構築するためのアプリケーションプログラムである。第2アプリ26は、心電図データから心拍変動指標の実値を算出するための解析アプリケーションプログラムである。本明細書では、心電図データから算出される心拍変動指標を「心拍変動指標の実値」と定義する。また、本明細書では、ウェアラブル端末が取得した心拍数時系列データから算出される心拍変動指標を「心拍変動指標の推定値」と定義する。例えば、第2アプリ26により算出される心拍変動指数は「心拍変動指標の実値」である。そして、第1アプリ25にて選定された最適モデルを用いて算出される心拍変動指数は「心拍変動指標の推定値」の一例である。
第1アプリ25と第2アプリ26は、予め心拍変動指標推定装置10に組み込まれていてもよいし、アプリケーションストアや心拍変動指標推定装置10の製造元のホームページなどからダウンロードすることで心拍変動指標推定装置10組み込まれてもよい。第1アプリ25は、「心拍変動指標推定プログラム」の一例である。
NVRAM24は、第1アプリ25に用いられるデータを記憶する第1データベース(以下「第1DB」とする)27と、第2データベース(以下「第2DB」とする)28と、第3データベース(以下「第3DB」とする)29と、を備える。
第1DB27は、ウェアラブル端末50から受信した心拍数時系列データを、当該心拍数時系列データに付されたユーザ情報や端末情報等に関連付けて記憶する。第2DB28は、心電計70から受信した心電図データを、当該心電図データに付されたユーザ情報や心電計情報等に関連付けて記憶する。第3DB29は、学習済みモデルを、ウェアラブル端末50の機種を示す機種情報に関連付けて記憶する。
CPU21は、ROM22やNVRAM24に記憶されたプログラムを実行することにより、各種処理を実行する。第1アプリ25も第2アプリ26も、CPU21により実行される。なお、CPU21は「コンピュータ」の一例である。コントローラ11を「コンピュータ」の一例としてもよい。
図2は、心拍変動指標推定装置10の機能ブロック図である。心拍変動指標推定装置10は、第1取得部101と、第2取得部102と、心拍変動指標実値算出部108と、説明変数生成部103と、説明変数組み合わせ部104と、ラーニング部105と、評価指標算出部106と、最適モデル選定部107と、を備える。
第1取得部101は、複数のウェアラブル端末50毎に、ウェアラブル端末50が計測した被験者Xの心拍数を時系列で示す心拍数時系列データを第1DB27に記憶して取得する機能を有する。第2取得部102は、複数の心電計70毎に、心電計70が計測した被験者Xの心拍変動を示す心電図データを第2DB28に記憶して取得する機能を有する。
説明変数生成部103は、第1取得部101にて取得された心拍数時系列データを拍動間隔時系列データに変換し、拍動間隔時系列データから複数の特徴量を算出し、説明変数とする機能を有する。説明変数組み合わせ部104は、説明変数生成部103にて生成された説明変数を組み合わせる機能を有する。心拍変動指標実値算出部108は、第2取得部102にて取得した心電図データから心拍変動指標となるLFとHFの実値を算出する機能を有する。
ラーニング部105は、心拍変動指標となるHFとLFを目的変数とする回帰モデルを複数選定し、選定した回帰モデル毎に、説明変数組み合わせ部104にて組み合わされた説明変数の組み合わせデータに回帰モデルアルゴリズムを適用して学習する機能を有する。評価指標算出部106は、心拍変動指標実値算出部108にて算出されたHFの実値及びLFの実値とラーニング部105にて推定されたHFの推定値およびLFの推定値とを、選定した回帰モデル毎に比較して評価指標を算出する機能を有する。最適モデル選定部107は、評価指標算出部106にて算出された評価指標が最も優れていた回帰モデルと説明変数の組み合わせとからなるモデルを、最適モデルとして選定する機能を有する。
続いて、心拍変動指標推定装置10の動作を、図3を参照して説明する。図3は、モデル構築処理の制御手順の一例を示すフローチャートである。心拍変動指標推定装置10は、最適モデルを構築するモデル構築指示を受け付けると、CPU21が第1アプリ25を起動させ、図3に示すモデル構築処理の実行を開始する。
本形態では、第1DB27と第2DB28には、それぞれ、立位調理動作時のデータ456個、仰臥位時のデータ27個、立位時のデータ25個、立位スライド視聴時のデータ162個の計670個が記憶されているものとする。これらのデータは、いずれも健常大学生のものとする。また、これらのデータは、同一機種のウェアラブル端末50(Polar社製のA370)と、同一機種の心電計70(S&ME社製のDL-5000の心電心拍センサDL-310)により計測されたものとする。
心拍変動指標推定装置10は、通信部12を介して複数のウェアラブル端末50から、各ウェアラブル端末50が計測した心拍数の心拍数時系列データを受信し、第1DB27に記憶している。第1DB27は「第1記憶部」の一例である。また、心拍変動指標推定装置10は、通信部12を介して複数の心電計70から、各心電計70が測定した心電図データを受信して第2DB28に記憶している。心拍数時系列データを受信して第1DB27に記憶するのは「第1取得ステップ」の一例であり、心電図データを受信して第2DB28に記憶するのは「第2取得ステップ」の一例である。
まず、CPU21は、回帰モデルを複数選定する(S1)。回帰モデルには、それぞれ特徴があり、最も高精度な回帰モデルを選定するために、回帰モデルを複数選定する。例えば、CPU21は、表示部14に選択可能な回帰モデルを一覧表示させ、操作部13を介して複数の回帰モデルを操作者に選択させる。なお、各回帰モデルの目的変数は、心拍変動のLF,HFとする。
CPU21は、心拍変動指標の実値を取得する(S2)。つまり、CPU21は、第2アプリ26を用いて、第2DB28に記憶されている複数の心電図データについて、それぞれ、心電図データからLFの実値とHFの実値を算出させる。そして、CPU21は、算出されたLFの実値とHFの実値を、RAM23又はNVRAM24に記憶させる。なお、RAM23又はNVRAM24は「第2記憶部」の一例である。また、S2は、「心拍変動指標実値算出ステップ」の一例である。
CPU21は、ウェアラブル端末50の機種を選定する(S3)。ウェアラブル端末50は、機種によって、心拍数計測部51の計測方法等が異なり、心拍数計測精度が異なる。ウェアラブル端末50の機種による心拍数時系列データのバラツキを抑制するため、学習データの元となる心拍数を計測するウェアラブル端末50の機種を1つ選定する。本説明では、同一機種のウェアラブル端末50(Polar社製のA370)により心拍数時系列データが取得されているので、S3では、ウェアラブル端末50の機種として、Polar社製のA370が選定される。例えば、CPU21は、第1DB27に記憶されている心拍数時系列データに関連付けられた端末情報に基づいてウェアラブル端末50の機種を表示部14に一覧表示させ、操作部13を介してウェアラブル端末50の機種の選定操作を受け付けるようにしてもよい。
複数の回帰モデルとウェアラブル端末50の機種が選定されると、CPU21は、心拍変動指標を算出するために、第1DB27に記憶されている心拍数時系列データを、拍動間隔時系列データに変換する(S5)。例えば、CPU21は、抽出した心拍数時系列データを、下記数式1により拍動間隔時系列データに変換する。数式1において、心拍数時系列データ[hr(t)|t=1,…,n]、拍動間隔時系列データ[beat_i(t)|t=1,…,n]とする。
Figure 2022098608000002
なお、本説明では、S5において、第1DB27に記憶されている心拍数時系列データを全て、拍動間隔時系列データに変換するが、学習データとして使用される一部の心拍数時系列データのみを拍動間隔時系列データに変換してもよい。なお、第1DB27に複数機種のウェアラブル端末50の心拍数時系列データが記憶されている場合には、S3にて選定したウェアラブル端末50の機種に関連付けられた心拍数時系列データを抽出し、変換してもよい。
CPU21は、S5にて変換された拍動間隔時系列データから、説明変数(特徴量)を算出する(S7)。S7は、「説明変数生成処理」、「説明変数生成ステップ」の一例である。下記表1は、説明変数の一例を示す。
Figure 2022098608000003
表1の番号1に示す説明変数LF_wは、拍動間隔時系列データbeat_i(t)に対し、フーリエ変換で得た0.04~0.15HzのLFのパワースペクトル値である。説明変数LF_wは、交感神経と副交感神経の両方の活動を反映した指標である。
表1の番号2に示す説明変数HF_wは、拍動間隔時系列データbeat_i(t)に対し、フーリエ変換で得た0.15~0.4HzのHFのパワースペクトル値である。説明変数HF_wは、副交感神経の活動を反映した指標である。
表1の番号3に示す説明変数avgは、拍動間隔時系列データbeat_i(t)の平均値である。すなわち、説明変数avgは、時間領域心拍変動指標データのひとつであり、期間内の拍動間隔の平均値である。説明変数avgは、活動量の増減を示す。
表1の番号4に示す説明変数sdは、拍動間隔時系列データbeat_i(t)の標準偏差である。すなわち、説明変数sdは、時間領域心拍変動指標データのひとつであり、期間内の拍動間隔の標準偏差を示す。つまり、説明変数sdは、拍動間隔のバラツキを示し、緊張強度の指標を示す。
表1の番号5に示す説明変数cvは、下記数式2により求められる拍動間隔時系列データbeat_i(t)の変動係数である。すなわち、説明変数cvは、時間領域心拍変動指標データのひとつであり、期間内の拍動間隔の変動係数を示す。説明変数cvは、説明変数sdを無次元化したもので、説明変数sdと扱いは同じである。
Figure 2022098608000004
表1の番号6に示す説明変数ppは、拍動間隔時系列データbeat_i(t)の最大値と最小値の差である。すなわち、説明変数ppは、期間内の拍動間隔の最大変動幅を示す。
表1の番号7に示す説明変数rmssdは、数式1で示す、隣接拍動間隔時系列データbeat_i(t)の差の二乗平均値の平方根(下記数式3参照)である。すなわち、説明変数rmssdは、時間領域心拍変動指標データのひとつであり、迷走神経緊張強度の指標として用いられる。
Figure 2022098608000005
表1の番号8に示す説明変数dif_avgは、差分時系列beat_dif(t)の平均値である。ここで、beat_dif(t)は、拍動間隔時系列データで、次の項beat_i(t)から前の項beat_i(t-1)を引いた値である階差を示す。すなわち、説明変数dif_avgは、ベースラインとなる拍動間隔が除去された変動を表す。
表1の番号9に示す説明変数dif_minは、差分時系列beat_dif(t)の最小値である。すなわち、説明変数dif_minは、期間内のベースラインとなる拍動間隔が除去された変動の最小値を示す。
表1の番号10に示す説明変数dif_maxは、差分時系列beat_dif(t)の最大値である。すなわち、説明変数dif_maxは、期間内のベースラインとなる拍動間隔が除去された変動の最大値を示す。
表1の番号11に示す説明変数avg_30は、拍動間隔時系列データbeat_i(t)の30秒間(t=31~60)の平均値を、拍動間隔時系列データbeat_i(t)のその前の30秒間の平均値(t=1~30)の平均値で除した値である。すなわち、説明変数avg_30は、全データを30秒間隔に区切り、最初の30秒間の拍動間隔平均値に対するそれぞれの30秒間の拍動間隔平均値の比を取ったものである。説明変数avg_30は、開始時点からの大きな変動傾向を示す。
表1の番号12に示す説明変数avg_60は、拍動間隔時系列データbeat_i(t)の30秒間(t=61~120)の平均値を、拍動間隔時系列データbeat_i(t)のその前の30秒間の平均値(t=1~60)の平均値で除した値である。すなわち、説明変数avg_60は、全データを60秒間隔に区切り、最初の60秒間の拍動間隔平均値に対するそれぞれの60秒間の拍動間隔平均値の比を取ったものである。説明変数avg_60は、開始時点からの大きな変動傾向を示す。
表1の番号13に示す説明変数avg_90は、拍動間隔時系列データbeat_i(t)の30秒間(t=91~180)の平均値を、拍動間隔時系列データbeat_i(t)のその前の30秒間の平均値(t=1~90)の平均値で除した値である。すなわち、説明変数avg_90は、全データを90秒間隔に区切り、最初の90秒間の拍動間隔平均値に対するそれぞれの90秒間の拍動間隔平均値の比を取ったものである。説明変数avg_90は、開始時点からの大きな変動傾向を示す。
図3に示すように、CPU21は、S7にて説明変数を算出したら、算出した説明変数を任意に組み合わせる(S9)。S9は、「説明変数組み合わせ処理」、「説明変数組み合わせステップ」の一例である。説明変数を組み合わせることで、推定率を低下させる虞がある説明変数を予め排除しやすくする。例えば、CPU21は、表1に記載される番号1~13に示す説明変数の組み合わせから、任意の組み合わせを複数選定する。説明変数そのままの組み合わせ数は、n個の説明変数からr個取り出すこととなり、組み合わせ総数は、nCr個となる。それらの組み合わせの中から、選定基準に沿って組み合わせを選定する。本形態では、下記表2に示すように、説明変数を組み合わせた。
Figure 2022098608000006
表2の組み合わせ番号1に示す組み合わせは、表1の番号1に示す説明変数LF_wと番号2に示す説明変数HF_wとを組み合わせたものである。説明変数LF_wとHF_wは、ウェアラブル端末の心拍時系列データを、フーリエ変換で得た実値とする。
表2の組み合わせ番号2に示す組み合わせは、表1の番号3から番号13までの説明変数を組み合わせたものである。つまり、ウェアラブル端末50の心拍時系列データから算出した心拍変動指標データを集合(集約)させる。
表2の組み合わせ番号3に示す組み合わせは、上記組み合わせ番号2に示す組み合わせの中で、目的変数との相関関係の絶対値が0.5以上となる説明変数の組み合わせである。つまり、同一の被験者X(X1)について、第1DB27に記憶されている、ウェアラブル端末50(50A)の心拍時系列データから得た時間領域心拍変動指標データなどと、第2DB28に記憶されている、心電計70(70A)から得たLF及びHFとの相関係数を算出し、比較的相関の高い説明変数を集合(集約)させる。
表2の組み合わせ番号4に示す組み合わせは、上記組み合わせ番号2に示す組み合わせの中で、目的変数との相関関係の絶対値が0.5未満となる説明変数の組み合わせである。つまり、同一の被験者X(X1)について、第1DB27に記憶されている、ウェアラブル端末50(50A)の心拍時系列データから得た時間領域心拍変動指標データなどと、第2DB28に記憶されている、心電計70(70A)から得たLF及びHFとの相関係数を算出し、比較的相関の低い説明変数を集合(集約)させる。組み合わせ番号4に示す組み合わせは、組み合わせ番号3に示す組み合わせに対する検証に使用する。
表2の組み合わせ番号5に示す組み合わせは、表1の番号3から番号13までに示す11個の説明変数を主成分分析し、固有値が1以上となった主成分である。番号3~13の11個の説明変数(特徴量)の数を減らすため主成分分析を行い、抽出された主成分に置き換えている。主成分のデータは主成分得点である。
表2の組み合わせ番号3と組み合わせ番号4について具体的に説明する。表3は、表2の組み合わせ番号3と組み合わせ番号4の説明変数の分類を示す。
Figure 2022098608000007
表3に示す組み合わせ番号3に示すように、LFの相関関係は、表1の番号3に示す説明変数avgと、表1の番号4に示す説明変数sdと、表1の番号6に示す説明変数ppと、表1の番号7に示す説明変数rmssdと、表1の番号10に示す説明変数dif_maxと、で高くなった。一方、HFの相関関係は、表1の番号3に示す説明変数avgと、表1の番号4に示す説明変数sdと、表1の番号6に示す説明変数ppと、表1の番号7に示す説明変数rmssdと、表1の番号9に示す説明変数dif_minと、表1の番号10に示す説明変数dif_maxと、で高くなった。
一方、表3に示す組み合わせ番号4に示すように、LFの相関関係は、表1の番号5に示す説明変数cvと、表1の番号8に示す説明変数dif_avgと、表1の番号9に示す説明変数dif_minと、表1の番号11に示す説明変数avg_30と、表1の番号12に示す説明変数avg_60と、表1の番号13に示す説明変数avg_90と、で低くなった。HFの相関関係は、表1の番号5に示す説明変数cvと、表1の番号8に示す説明変数dif_avgと、表1の番号11に示す説明変数avg_30と、表1の番号12に示す説明変数avg_60と、表1の番号13に示す説明変数avg_90と、で低くなった。
よって、相関係数が0.5以上となる説明変数には、時間領域心拍変動指標データを中心に選定された。組み合わせ対象となる説明変数を、時間領域心拍変動指標データに限定することができるので、説明変数の組み合わせの総数を減らして処理負荷を低減することができる。また、組み合わせ番号3の組み合わせでは、心電図データと相関が高い説明変数を集約させることができ、推定率の向上を期待できる。
表2の組み合わせ番号5について具体的に説明する。表1の番号3~13に示す説明変数を主成分分析したことにより、固有値が1以上になる主成分が3つあった。それぞれの主成分に対し主成分負荷量が大きい説明変数は、表4に示す通りであった。
Figure 2022098608000008
表4に示すように、第1主成分に対し主成分負荷量が大きい説明変数は、表1の番号8に示す説明変数dif_avgと、表1の番号11に示す説明変数avg_30と、表1の番号12に示す説明変数avg_60と、表1の番号13に示す説明変数avg_90と、であった。また、第2主成分に対し主成分負荷量が大きい説明変数は、表1の番号3に示す説明変数avgと、表1の番号7に示す説明変数rmssdと、表1の番号9に示す説明変数dif_minと、であった。さらに、第3主成分に対し主成分負荷量が大きい説明変数は、表1の番号4に示す説明変数sdと、表1の番号5に示す説明変数cvと、表1の番号6に示す説明変数ppと、であった。
表4に示す各主成分にて、主成分負荷量が大きい説明変数同士で置き換えることで、S7にて生成する説明変数の数を減らす。これにより、説明変数の組み合わせの総数を減らして処理負荷を低減することが可能になる。
図3に示すように、CPU21は、S1にて選定した回帰モデル別に、S13のラーニング処理とS15の評価指標算出処理を所定回数繰り返し、心拍変動指標(LF,HF)の推定に最適な推定モデルを選定する(S11~S21)。
すなわち、CPU21は、S1にて選定した4つの回帰モデルから、ラーニングと評価を行っていない未処理の回帰モデルを抽出する(S11)。例えば、S1にて、ガウス過程回帰、次数1次の線形重回帰、ランダムフォレスト回帰、SVM回帰の4つの回帰モデルが選定されている場合、その中の1つの回帰モデルを抽出する。
そして、CPU21は、S11にて抽出した回帰モデルについて、ラーニング処理を実行する(S13)。S13は、「ラーニングステップ」の一例である。ラーニング処理では、S7にて算出された特徴量のうち、70%分を学習データとして使用する。なお、残り30%分は、評価データとして使用する。拍動間隔時系列データの分割方法は、データの偏りがないように、ランダムとする。
CPU21は、S13にてラーニング処理を行った学習済みモデルついて、評価データを用いて評価指標を算出する(S15)。S15は、「評価指標算出処理」、「評価指標算出ステップ」の一例である。本形態では、下記数式4を用いて算出される決定係数を評価指標として用いた。R2は決定係数、HFバーは心電図データから得られたHFの平均値、弧HFはモデルによるHFの推定値である。
Figure 2022098608000009
なお、評価指標は、決定係数に限らず、平方平均二乗誤差(RMSE)、平均絶対誤差(MAE)、等であってもよい。
図3に示すように、CPU21は、S13のラーニング処理とS15の評価指標算出処理を所定回数行ったか否かを判断する(S17)。所定回数は、任意に設定可能だが、本説明では30回とする。説明変数の組み合わせを任意に変更しながらラーニング処理と評価指標算出処理を30回繰り返すことで、評価指標となる決定係数が、1つの回帰モデルにつき30個算出される。
CPU21は、S11にて抽出した回帰モデルについて、ラーニング処理と評価指標算出処理を所定回数行ったら(S17:YES)、S1にて選定した全回帰モデルについて処理を終了したか否かを判断する(S19)。例えば、S1にて選定した回帰モデルの中の一部しか処理を終了していない場合(S19:NO)、CPU21は、S11の処理に戻り、未処理の回帰モデルを抽出する。S13以降の処理は上記と同様なので説明を省略する。
CPU21は、S1にて選定した全回帰モデルについてS13のラーニング処理とS15の評価指標算出処理を所定回数行ったら(S19:YES)、最適モデルを選定する(S21)。S21は、「最適モデル選定処理」、「最適モデル選定ステップ」の一例である。
例えば、CPU21は、30回のラーニング処理と評価指標算出処理により得られた30個の決定係数の分散分析により統計的有意差を算出し、モデルの種類や説明変数の選択方法の比較を行うことで、モデル間の精度検証を行う。検証結果の一例を表5に示す。表5は、ガウス過程回帰、次数1次の線形重回帰、ランダムフォレスト回帰、SVM回帰の各回帰モデルにおいて、30個の決定係数の平均値が最大になった説明変数の組み合わせを、LFとHF別に表示したものである。
Figure 2022098608000010
表5に示すように、ガウス過程回帰は、表2に示す組み合わせ番号3の説明変数の組み合わせを用いると、LFの決定係数の平均値が最大となり、表2に示す組み合わせ番号2の決定係数の組み合わせを用いると、HFの決定係数の平均値が最大となった。次数1次の線形重回帰は、表2に示す組み合わせ番号2の説明変数の組み合わせを用いると、LFの決定係数の平均値が最大となり、表2に示す組み合わせ番号3の決定係数の組み合わせを用いると、HFの決定係数の平均値が最大となった。
ランダムフォレスト回帰は、表2に示す組み合わせ番号2の説明変数の組み合わせを用いると、LFの決定係数の平均値が最大となり、表2に示す組み合わせ番号3の決定係数の組み合わせを用いると、HFの決定係数の平均値が最大となった。SVM回帰は、表2に示す組み合わせ番号1の説明変数の組み合わせを用いると、LFの決定係数の平均値が最大となり、表2に示す組み合わせ番号5の決定係数の組み合わせを用いると、HFの決定係数の平均値が最大となった。
よって、推定率が高い説明変数の組み合わせは、回帰モデル毎に異なることがわかる。つまり、複数の回帰モデル毎に、ラーニング処理と評価指標算出処理を実行することで、最も優れた推定を行う回帰モデルが選定されるようになる。
図4は、表5の各回帰モデルにおいてHFが最大となった決定係数の平均値と標準偏差を示したグラフである。図5は、表5の各回帰モデルにおいてLFが最大となった決定係数の平均値と標準偏差を示したグラフである。なお、各グラフの横軸は、Gはガウス過程回帰、Mは次数1次の線形重回帰、Rはランダムフォレスト回帰、SはSVM回帰を示す。各グラフの縦軸は、S13~S15の処理を30回繰り返して算出した決定係数の平均値を示す。
図4に示すように、LFの決定係数は、ランダムフォレスト回帰、次数1次の線形重回帰、ガウス過程回帰、SVM回帰の順に大きかった。また、図5に示すように、HFの決定係数は、ランダムフォレスト回帰、ガウス過程回帰、次数1次の線形重回帰、SVM回帰の順に大きかった。
このように、HFとLFでは、回帰モデルの評価が異なっている。そのため、説明変数の組み合わせを任意に選定しながら、複数の回帰モデルについてラーニング処理と評価指標算出処理を実行することで、LFとHFの最も優れた推定を行う説明変数の組み合わせと回帰モデルを選定することができる。最適モデルが選定されることで、ウェアラブル端末50により計測される心拍数から、被験者の心理状態を検討することが可能になる。
CPU21は、決定係数の平均値が最大となる回帰モデル(図4、図5ではランダムフォレスト回帰)と説明変数の組み合わせとからなるモデルを最適モデルに選定する。そして、CPU21は、S3にて選定したウェアラブル端末50の機種(Polar製A370)と、選定した最適モデルとを関連付け、第3DB29に保存する。これにより、CPU21は、図3に示す処理を終了する。
ところで、LFとHFの最適モデル構築にあたり、それぞれが異なる説明変数の組み合わせを用い、決定係数が最大となるモデルを採用してもよいが、できるだけ同じ説明変数の組み合わせを用いてモデル構築を行った方が、LFとHFの推定値を算出する複雑さや手間を回避できる。
そこで、20種類[回帰モデル4つ(ガウス過程回帰、次数1次の線形重回帰、ランダムフォレスト回帰、SVM回帰)と説明変数の組み合わせ5つ(表2の組み合わせ)]のモデル構築で得た30個の決定係数に対し、回帰モデル毎に説明変数の組み合わせ5つに対し一元配置分散分析を行い、表5のランダムフォレスト回帰の説明変数の組み合わせと同質のものとして扱える説明変数の組み合わせを抽出した。その結果を表6に示す。
Figure 2022098608000011
表6に示すように、決定係数が最大となったHFのランダムフォレスト回帰に用いた、表2に示す組み合わせ番号3の組み合わせに基づく決定係数と、同質として扱われた説明変数の組み合わせは、表2の組み合わせ番号2の組み合わせとなった。これより、LFとHFの推定モデルのアルゴリズムは、いずれもランダムフォレスト回帰で、説明変数の組み合わせは表2の組み合わせ番号2の組み合わせとなり、時間領域心拍変動指標データ(avg、SD、cv、rmssd)のすべてが含まれたものを採用すると、LFとHFの推定値の算出の複雑さや手間を回避できると考えられる。そこで、CPU21は、ランダムフォレスト回帰と、決定係数が最大となったときの説明変数の組み合わせ(組み合わせ番号3に示す組み合わせ)とを関連付け、最適モデルとして第3DB29に記憶する。
なお、S21の処理では、最適モデルを、S1にて選定したウェアラブル端末50の機種に関連付けて、第3DB29に記憶することが好ましい。ウェアラブル端末50の機種によって、心拍数の計測特性が異なるからである。
図6は、第1、第2ウェアラブル端末を用いて同時計測した際の心拍数時系列データを示すグラフである。第1ウェアラブル端末としてPolar社製のV800を用い、第2ウェアラブル端末として、Polar社製のA370を用いた。測定は、次の3条件に従って行った。第1条件は、第1ウェアラブル端末を左腕に装着する条件である。第2条件は、腕時計型の第2ウェアラブル端末を左腕に装着する条件である。第3条件は、腕時計型の第2ウェアラブル端末を右腕に装着する条件である。一般に、腕時計型心拍計は、利き腕とは反対側に装着することが推奨されている。
図6に示すように、第1~第3条件とも大きな動きは相似する。しかし、第1条件と第2条件に示すように、同じ左腕に装着した第1ウェアラブル端末と第2ウェアラブル端末は大きな動きが生じた時間帯の細かな変動はほとんど一致しておらず、機種によって誤差が生じていることがわかる。また、第2条件と第3条件に示すように、同じ機種でも、装着する腕によって誤差が生じていることがわかる。
例えば、第2ウェアラブル端末と同じ機種のウェアラブル端末50により計測した心拍数に基づいて構築された最適モデルに、第1ウェアラブル端末により計測した心拍数に基づく心拍数データを入力したとする。この場合、最適モデルから算出されるHFやLF/HFは、評価指標としての信頼性が低いと考えられ、そのまま従来の指標解釈を適用するのは結果を見誤る可能性がある。
そこで、最適モデルは、ウェアラブル端末50を1機種選定して行う(図3のS3)。これにより、ウェアラブル端末50毎に最適モデルが構築され、ウェアラブル端末50の機種の違いによる推定誤差を抑制し、心拍変動指標を高精度に推定することが可能になる。
<推定モデルの適用>
上記推定モデルの選定方法に基づき、周波数領域指標HFの最適モデルをランダムフォレスト回帰アルゴリズムで導出し、他の実験においてウェアラブル端末50により収集した心拍時系列データを用いて、その最適モデルからHF推定値を算出し、既往の結果と比較した。
検証データは、健常女子高校生11名のウェアラブル端末(Polar社製A370)により取得した心拍数時系列データである。11名はガスコンロ使用時の火の管理方法をVR(Virtual Reality)教材で学んでから調理実習に臨んだ。VR教材で学んでから調理実習に臨むと、調理実習中の火の管理について慎重な行動をとるようになり、調理実習前に比べ加熱調理時は緊張するようになることが知られている(例えば、河原ゆう子、伊藤久敏、清水彩子、丸山智美:VRを活用した「火」の学び教材の学習効果、日本調理科学会大会研究発表要旨集、31(0)、p.31、2019)。
HF推定値(HF_est)は、調理実習前(Pre)と加熱調理時(Heating)で切り分け、11名の平均値を算出し、調理実習前に比べ加熱調理時のHF推定値が低下したか否かを検証した。統計的な判定には、調理実習前と加熱調理時の平均値の差の検定を実施し、有意確率1%未満で判定した。HF推定値の結果を図7に示す。加熱調理時は調理実習前に比べ有意に低値となり、加熱調理時は緊張していたと解釈できる。これは、上記既往文献の論理展開を支持する結果になった。
<使用例>
例えば、上記のように算出された最適モデルは、講義等における情動判定に用いられる。例えば、最適モデルに対応するウェアラブル端末50(例えばPolar製A370)を、講義を受講する受講生に装着させる。ウェアラブル端末50は、講義中に、受講生の心拍数を計測し、例えばクラウドサーバに心拍数時系列データを送信する。クラウドサーバには、受講生の心拍数時系列データが蓄積される。クラウドサーバは、ウェアラブル端末50の機種を含む端末情報、あるいは、受講生を識別する識別情報に関連付けて心拍数を記憶する。
受講生の心理状態を評価するために用いられるパーソナルコンピュータ(心理状態評価装置の一例、以下「PC」とする)には、ウェアラブル端末50の機種毎に選定された最適モデルが記憶されている。PCは、最適モデルに対応するウェアラブル端末50の機種を1つ選定する操作を受け付ける。また、PCは、推定する心拍変動指標(例えば、LF、HF)を選定する操作を受け付ける。PCは、選定された機種に関連付けられた心拍数時系列データをクラウドサーバからダウンロードする。そして、PCは、選定された機種に対応する最適モデルを読み出し、ダウンロードした心拍数時系列データを読み込む。最適モデルは、構築時に用いた説明変数の組み合わせを含むアルゴリズムを用いて入力された心拍数時系列データから、選定された心拍変動指標の推定値を算出し、出力する。例えば、PCは、算出されたHF、LFの推定値をディスプレイに表示したり、描画したりする。なお、PCは、最適モデルから算出されたLFの推定値とHFの推定値との比を算出し、表示あるいはプリントアウトしてもよい。
講義を行った教授等は、出力結果に基づいて受講生の講義への関心度等を分析し、講義内容を見直すことが可能になる。
以上説明したように、本形態の心拍変動指標推定装置10は、ウェアラブル端末50の心拍数時系列データを拍動間隔時系列データに変換し、拍動間隔時系列データから複数の特徴量を算出して説明変数とし、その説明変数を組み合わせたデータに回帰モデルアルゴリズムを適用して学習する。そして、心電図データから算出した心拍変動指標の実値と学習済みモデルから算出した心拍変動指標の推定値とに基づいて算出される評価指標が最も優れていたモデルを、最適モデルとして選定するので、選定された最適モデルにより算出される心拍変動指標の推定値が、心電図データから算出した心拍変動指標の実値に近似する。よって、本形態の心拍変動指標推定装置10によれば、ウェアラブル端末50により計測した心拍数から心拍変動を高精度に推定できるモデルを構築することができる。これにより、ウェラブル端末の心拍数計測機能を用いて計測した心拍数を最適モデルに入力することで算出される心拍変動指標の推定値を、従来の心電図データから算出した心拍変動指標と同様に解釈して、被験者の心理状態を検討することが可能になる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。例えば、上記形態では、心拍変動指標推定装置10が、ウェアラブル端末50と心電計70から心拍数時系列データと心電図データとを受信して第1DB27と第2DB28に記憶させることで、心拍数時系列データと心電図データとを取得した。これに対して、ウェアラブル端末50と心電計70が、それぞれ、計測した心拍を心拍変動指標推定装置10に随時送信し、心拍変動指標推定装置10側で心拍数時系列データと心電図データを生成してもよい。
例えば、上記形態では、心拍数時系列データと心電図データを通信部12を介して取得した。これに対して、心拍数時系列データと心電図データは、クラウドサーバなどの外部記憶装置や、メモリカードなどの記憶媒体に記憶され、心拍変動指標推定装置が、それらから心拍数時系列データと心電図データを読み取って取得するようにしてもよい。
例えば、上記形態では、説明変数1~13を例に挙げたが、これ以外の説明変数を用いてもよい。また、上記形態では、組み合わせ番号1~5を例に挙げてモデル構築を行ったが、これ以外の方法で説明変数を組み合わせてもよい。但し、組み合わせ番号3の説明変数の組み合わせを用いることで、心電図データとの相関が高い説明変数を集約(集合)させて組み合わせを作ることができ、推定率の向上を期待できる。また、説明変数となる心拍変動指標データを時間領域拍動変動指標データに限定して、説明変数の組み合わせ総数を減らし、処理負荷を低減できる。また、組み合わせ番号5の説明変数の組み合わせを用いることで、組み合わせ対象となる説明変数の数が絞られ、説明変数の組み合わせの総数を減らして処理負荷を低減できる。
心拍変動指標の実値と推定値は、HFおよびLFの実値と推定値でなくてもよい。例えば、pNN50(percent of difference between adjacent normal RRintervals greater than 50ms)、rMSSD (rootmean square successive difference)、SDNN(standard deviation of NN intervals),SDANN(standard deviation of the normal-normal R-R period)などを、心拍変動指標の実値と推定値にしてもよい。つまり、心拍変動指標の実値と推定値は、心理状態の検討に使用可能な指標に限らず、疾病の重症度の予測に使用可能な指標などでもよい。
例えば、最適モデル選定部107にて選定される最適モデルは、HFを算出する回帰モデルと、LFを算出する回帰モデルとで、説明変数の組み合わせが同じでなくてもよい。但し、説明変数の組み合わせを同じにすることで、推定値の算出の複雑さや手間を低減できる。
例えば、図3のS1の処理を省略し、複数の回帰モデルを予め指定してもよい。但し、S1にて複数の回帰モデルを選定できるようにすることで、目的に合った回帰モデルを選定しやすくなる。
例えば、図3のS3の処理を省略してもよい。但し、S3にてウェアラブル端末50の機種を選定することで、複数のウェアラブル端末50を用いて心拍数を計測する場合でも、ウェアラブル端末50の機種毎に特性に応じたモデルを構築することができる。
例えば、最適モデルを選定する場合に、回帰モデル毎に評価指標(例えば決定係数)の平均値を算出しなくてもよい。但し、回帰モデル毎に評価指標の平均値を求め、評価指標の平均値が最も大きいモデルを最適モデルに選定することで、心拍変動指標の推定に適したアルゴリズムを有する回帰モデルを最適モデルとして選定できるようになる。
例えば、上記形態では、第2アプリ26が心拍変動指標の実値を算出したが、第1アプリ25にて心拍変動指標の実値を算出してもよい。
例えば、上記形態に開示されているフローチャートにおいて、任意の複数のステップにおける複数の処理は、処理内容に矛盾が生じない範囲で、任意に実行順序を変更できる、または並列に実行できる。
また、上記形態に開示されている処理は、単一のCPU、複数のCPU、ASICなどのハードウェア、またはそれらの組み合わせで実行されてもよい。また、上記形態に開示されている処理は、その処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体、または方法、システム等の種々の態様で実現することができる。
10 心拍変動指標推定装置
21 CPU
27 第1DB
28 第2DB
101 第1取得部
102 第2取得部
103 説明変数算出部
104 説明変数組み合わせ部
105 ラーニング部
106 評価指標算出部
107 最適モデル選定部
108 心拍変動指標実値算出部

Claims (11)

  1. 被験者の体の一部に装着されて前記被験者の心拍数を計測する心拍数計測機能を備える複数のウェアラブル端末毎に、前記ウェアラブル端末が計測した被験者の心拍数を時系列で示す心拍数時系列データを取得する第1取得部と、
    前記被験者に各々装着されて前記被験者の心臓が発生する電気信号を測定する複数の心電計毎に、前記心電計が計測した前記被験者の心拍変動を示す心電図データを取得する第2取得部と、
    前記第1取得部にて取得された前記心拍数時系列データを拍動間隔時系列データに変換し、前記拍動間隔時系列データから複数の特徴量を算出し、説明変数とする説明変数生成部と、
    前記説明変数生成部にて生成した複数の説明変数を組み合わせる説明変数組み合わせ部と、
    前記第2取得部にて取得された前記心電図データから心拍変動指標の実値を算出する心拍変動指標実値算出部と、
    心拍変動指標の実値を目的変数とする回帰モデルを複数選定し、選定した回帰モデル毎に、前記説明変数組み合わせ部にて組み合わされた説明変数の組み合わせデータに回帰モデルアルゴリズムを適用して学習するラーニング部と、
    心拍変動指標実値算出部にて算出された前記心拍変動指標の実値と、前記ラーニング部にて学習した学習済みモデルから算出される心拍変動指標の推定値とに基づいて、前記選定した回帰モデル毎に評価指標を算出する評価指標算出部と、
    前記評価指標算出部にて算出された前記評価指標が最も優れていた回帰モデルと説明変数の組み合わせとからなるモデルを、最適モデルとして選定する最適モデル選定部と、
    を有すること、
    を特徴とする心拍変動指標推定装置。
  2. 請求項1に記載する心拍変動指標推定装置において、
    前記説明変数組み合わせ部は、前記説明変数生成部にて算出された前記複数の特徴量についてそれぞれ、当該特徴量と、前記第2取得部にて取得した前記心電図データから算出した値であって前記特徴量に対応する前記値との相関を分析し、前記複数の特徴量のうち、前記相関が高い特徴量を組み合わせること、
    を特徴とする心拍変動指標推定装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載する心拍変動指標推定装置において、
    前記説明変数組み合わせ部は、前記説明変数生成部にて生成された説明変数のうち、時間領域拍動変動指標データを示す説明変数を組み合わせ対象とすること、
    を特徴とする心拍変動指標推定装置。
  4. 請求項1に記載する心拍変動指標推定装置において、
    前記説明変数組み合わせ部は、前記説明変数生成部にて生成された説明変数を主成分分析し、固有値が大きい主成分に説明変数を置き換えること、
    を特徴とする心拍変動指標推定装置。
  5. 請求項1から請求項3の何れか1つに記載する心拍変動指標推定装置において、
    前記心拍変動指標は、心拍変動の高周波成分と低周波成分であり、
    前記最適モデル選定部にて選定される前記最適モデルは、前記高周波成分を算出する回帰モデルと、前記低周波成分を算出する回帰モデルとで、前記説明変数の組み合わせが同じであること、
    を特徴とする心拍変動指標推定装置。
  6. 請求項1から請求項5の何れか1つに記載する心拍変動指標推定装置において、
    前記ウェアラブル端末の機種毎に前記最適モデルを選定すること、
    を特徴とする心拍変動指標推定装置。
  7. 請求項1から請求項6の何れか1つに記載する心拍変動指標推定装置において、
    前記心拍変動指標の推定値及び前記心拍変動指標の実値は、心理状態の検討に使用可能な指標を示すこと、
    を特徴とする心拍変動指標推定装置。
  8. 心拍変動指標を推定する心拍変動指標推定方法であって、
    被験者の体の一部に装着されて前記被験者の心拍数を計測する心拍数計測機能を備える複数のウェアラブル端末毎に、前記ウェアラブル端末が計測した被験者の心拍数を時系列で示す心拍数時系列データを取得する第1取得ステップと、
    前記被験者に各々装着されて前記被験者の心臓が発生する電気信号を測定する複数の心電計毎に、前記心電計が計測した前記被験者の心拍変動を示す心電図データを取得する第2取得ステップと、
    前記第1取得ステップにて取得された前記心拍数時系列データを拍動間隔時系列データに変換し、前記拍動間隔時系列データから複数の特徴量を算出し、説明変数とする説明変数生成ステップと、
    前記説明変数生成ステップにて生成した複数の説明変数を組み合わせる説明変数組み合わせステップと、
    前記第2取得ステップにて取得された前記心電図データから心拍変動指標の実値を算出する心拍変動指標実値算出ステップと、
    心拍変動指標の実値を目的変数とする回帰モデルを複数選定し、選定した回帰モデル毎に、前記説明変数組み合わせステップにて組み合わされた説明変数の組み合わせデータに回帰モデルアルゴリズムを適用して学習するラーニングステップと、
    心拍変動指標実値算出ステップにて算出された前記心拍変動指標の実値と、前記ラーニングステップにて学習した学習済みモデルから算出される心拍変動指標の推定値とに基づいて、前記選定した回帰モデル毎に評価指標を算出する評価指標算出ステップと、
    前記評価指標算出ステップにて算出された前記評価指標が最も優れていた回帰モデルと説明変数の組み合わせとからなるモデルを、最適モデルとして選定する最適モデル選定ステップと、
    を行うこと、
    を特徴とする心拍変動指標推定方法。
  9. 情報処理装置に組み込まれ、
    前記情報処理装置は、
    被験者の体の一部に装着されて前記被験者の心拍数を計測する心拍数計測機能を備える複数のウェアラブル端末毎に、前記ウェアラブル端末が計測した被験者の心拍数を時系列で示す心拍数時系列データを記憶する第1記憶部と、
    前記被験者に各々装着されて前記被験者の心臓が発生する電気信号を測定する複数の心電計毎に、前記心電計が計測した前記被験者の心拍変動を示す心電図データから算出した心拍変動指標の実値を記憶する第2記憶部と、
    を備えており、
    前記コンピュータに、
    前記第1記憶部に記憶されている前記心拍数時系列データを拍動間隔時系列データに変換し、前記拍動間隔時系列データから複数の特徴量を算出し、説明変数とする説明変数生成処理と、
    前記説明変数生成処理にて生成した複数の説明変数を組み合わせる説明変数組み合わせ処理と、
    心拍変動指標の実値を目的変数とする回帰モデルを複数選定し、選定した回帰モデル毎に、前記説明変数組み合わせ処理にて組み合わされた説明変数の組み合わせデータに回帰モデルアルゴリズムを適用して学習するラーニング処理と、
    前記第2記憶部に記憶されている前記心拍変動指標の実値と、前記ラーニング処理にて学習した学習済みモデルから算出される心拍変動指標の推定値とに基づいて、前記選定した回帰モデル毎に評価指標を算出する評価指標算出処理と、
    前記評価指標算出処理にて算出された前記評価指標が最も優れていた回帰モデルと説明変数の組み合わせとからなるモデルを、最適モデルとして選定する最適モデル選定処理と、
    を実行させること、
    を特徴とする心拍変動指標推定プログラム。
  10. 請求項9に記載する心拍変動指標推定プログラムにおいて、
    前記コンピュータに、前記ウェアラブル端末の前記機種毎に、前記説明変数生成処理と、前記説明変数組み合わせ処理と、前記ラーニング処理と、前記評価指標算出処理と、前記最適モデル選定処理と、を実行させること、
    を特徴とする心拍変動指標推定プログラム。
  11. 請求項9又は請求項10に記載する心拍変動指標推定プログラムにおいて、
    前記ラーニング処理と前記評価指標算出処理を、選定した回帰モデル1つにつき、所定回数ずつ行い、
    前記最適モデル選定処理では、選定した回帰モデル毎に前記評価指標の平均値を求め、前記評価指標の平均値が最も大きい回帰モデルと説明変数の組み合わせとからなるモデルを、最適モデルとして選定する、
    ことを特徴とする心拍変動指標推定プログラム。
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