JP2022088204A - 洋上塔型風力発電設備の解体方法 - Google Patents

洋上塔型風力発電設備の解体方法 Download PDF

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Abstract

【課題】洋上風力発電設備設置船の大型揚重機を用いることなく、全高に亘って上方先細りの塔体を解体することが可能な洋上塔型風力発電設備の解体方法を提供する。【解決手段】基礎部9から塔体重心位置より上方まで連続する内部支柱16を塔体1の内部空間3に構築すると共に、その下部を基礎部9に、上部を塔体1の上部内壁に結合固定し、予め設定された塔体切断高さより上側の全設備の荷重を、内部支柱16に設けられたジャッキ17で塔体1の内側から支持し、塔体1の外側に設置された作業台15に載って塔体1の下部の途中領域を塔体全周に亘って切断除去し、それより上側部分の塔体1をジャッキ17で支持しながら下降して、塔体1の下側部分の内部空洞3内で基礎部9上に着地させ、この塔体上側部支持、塔体途中領域除去、塔体上側部下降着地を繰り返して、分解された塔体1を同心円状に着地させる。【選択図】図1

Description

本発明は、風力発電設備の解体方法、特に洋上に立設された塔型の風力発電設備の解体方法に関する。
塔型の風力発電設備は、例えば下記特許文献1に記載されるように、多くの場合、立設された塔体の上端部に風力発電機を設置することで構成されている。この塔体は一般に断面が円形の塔であり、内部は空洞の構造を有している。こうした塔型風力発電設備は、風力発電効率を追求するため、平均風速が高く、風向が安定しており、乱れが少ない、いわゆる風況の良い地点、つまり山の上や洋上(海上や湖上など)などの場所に設営される。
この種の塔型風力発電設備の寿命は20~30年(日本国における耐用年数は17年)とされている。寿命又は耐用年数となった塔型風力発電設備は、他の発電設備と同様に解体される。また、落雷や台風などにより事故・故障となり、寿命以前に解体される場合もある。
従来の塔型風力発電設備の解体方法は、建設時にとった建設方法を逆に遡るものであり、塔の周囲に足場を組み、大型揚重機を発電設備の近傍に移動又は輸送し、この大型揚重機を用いて風力発電機及び塔体を解体するものである。塔型風力発電設備が洋上に設けられている場合、すなわち洋上塔型風力発電設備を解体する場合には、洋上塔型風力発電設備を設置するための巨大な洋上風力発電設備設置船に設けられた大型揚重機を用いて風力発電機及び塔体を解体している。
特開2012-102692号公報
しかしながら、大型揚重機を用いる塔型風力発電設備の解体工事には、例えば、大型揚重機の使用に伴うコスト高、大型揚重機の輸送、大量の足場等資機材の輸送などの問題があり、更に大型揚重機の広大な作業領域を必要とする。また、塔型風力発電設備は通常風の強い場所に設営されることから、強風の影響を受けやすい大型揚重機では、頻繁に解体作業を中断しなければならない。具体的に、クレーン等安全規則によれば、10分間の平均風速10m以上で作業中止とされる。こうした大型揚重機を用いた塔型風力発電設備の解体に伴う問題は、洋上塔型風力発電設備でも同様である。特に、洋上塔型風力発電設備を解体する場合には、周囲に十分な高さの足場を組むことができないことから、上記洋上風力発電設備設置船の大型揚重機を用いる以外の有効な解体方法がなく、この巨大な洋上風力発電設備設置船を用いた解体作業の頻繁な中断は更なるコスト増を余儀なくされる。
近年の高出力化の要請に伴って、洋上塔型風力発電設備は更に巨大化しており、寿命又は耐用年数となって解体が必要な洋上塔型風力発電設備の中には、塔体全体が上方に向かって先細りとなった形状のものが解体対象となっている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、大型揚重機、特に大型の洋上風力発電設備設置船を用いることなく、全高に亘って上方先細りの塔体を解体することができ、工事期間の短縮を達成することも可能な洋上塔型風力発電設備の解体方法を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明の洋上塔型風力発電設備の解体方法は、
洋中及び洋上の少なくとも一方に設けられた基礎部から上方に立設され、全高に亘って上方先細りで且つ中空の塔体と、該塔体の上端部に設けられた風力発電機と、を備えた洋上塔型風力発電設備の解体方法において、
下部が前記基礎部に固定され、該基礎部から所定高さまで伸長し、上部にジャッキが設けられた内部支柱を前記塔体の内部空洞内に構築する内部支柱構築工程と、前記内部支柱の上部を前記塔体の上側部分の内壁に結合固定して該塔体の上側部分を支持可能な状態にすると共に、該内壁の所定位置に係止される係止部材を介して前記ジャッキによって前記係止部材の係止位置より上方の全設備の荷重以上の支持力を前記塔体に上向きに加える塔体上側部支持準備工程と、作業者が載って作業可能な作業台を所定位置に設置する作業台設置工程と、前記作業台での作業により前記係止部材の係止位置よりも下部の所定領域を塔体全周に亘って切断除去する塔体途中領域除去工程と、該塔体途中領域除去工程の後、前記ジャッキによって支持されている塔体上側部分を下降させて残存する塔体下側部分の内側の前記基礎部上に着地する塔体上側部下降着地工程と、を有し、該着地された塔体に対して前記塔体上部支持準備工程を行い、以降、前記塔体途中領域除去工程、前記塔体上側部下降着地工程を順次繰り返し、前記塔体を順次低くしていくことを特徴とする。
この構成によれば、まず下部が基礎部に固定された内部支柱の上部を塔体の上側部分の内壁と結合固定して塔体の上側部分を支持可能な状態にすると共に、係止部材を介した内部支柱の上部のジャッキによる塔体の上側部分の支持準備が行われる。その状態で、係止部材の係止位置よりも下部の塔体の所定領域、すなわち設置又は着地状態にある塔体の途中領域が切断除去される。その結果、切断除去領域よりも上側部分の塔体は、下部が基礎部に固定された内部支柱上のジャッキによって支持され、下側部分はそれと分離されて基礎部上に着地し、最下部は基礎部に固定されている。全高に亘って上方先細りの塔体では、この分離された塔体の上側部分はそれより下側部分の塔体よりも外径が小さいので、支持された状態の塔体の上側部分は塔体の下側部分の内側の空間を通って基礎部上に着地させることができる。そして、着地された塔体に対して、再度、上記塔体上側部支持準備工程、すなわち内部支柱の上部を塔体の上側部分の内壁に結合固定すると共に、ジャッキによって係止部材を介してそれより上側部分の塔体の設備全体の荷重を支持する支持力を上向きに加える工程を行い、順次、それ以降の工程を繰り返すことによって、着地状態の下側塔体の内側に上側塔体の下部を基礎部上に順次着地させていくことができる。
これにより、塔体は所定の高さで下側から順に基礎部上で同心円状に着地され、全体が低い構造物となる。その後、比較的低い位置での塔体の解体作業を行うことが可能となる。また、上記塔体高さの低下作業中や上記解体作業を行っている間、切断されて基礎部上に着地している塔体部分は、外側の塔体内に鞘状に収まっており、それらの倒れが防止される。また、上記解体作業時、上記内部支柱及びジャッキは上記同心円状の塔体部分の最内側に残存しているので、これを解体作業に用いることも可能である。以上のように、作業困難性の原因となる洋上風力発電設備設置船の大型揚重機を用いることなく、比較的低い位置での解体作業が可能となり、結果として工事期間の短縮や解体作業性の向上が図られる。
また、本発明の他の構成は、前記内部支柱構築工程は、少なくとも前記塔体の重心位置より上方の高さまで前記内部支柱を構築することを特徴とする。
この構成によれば、上記内部支柱の上部を塔体の重心位置より上方で塔体の上側部分の内壁と結合固定することができるので、上記分離された上側部分の塔体を下部が基礎部に固定された内部支柱によって重心より上方で内側から支えて安定させることができる。
前記作業台設置工程は、前記作業台を前記基礎部上で前記塔体の外周全周に亘って設置することを特徴とする。
この構成によれば、作業台に載って塔体の外周全周を塔体の外側から切断除去する際、作業環境が安定し、効率よく作業を行うことが可能となる。
本発明の更なる構成は、前記着地された塔体の上部内壁から前記内部支柱を吊り下げ、その状態で該内部支柱の高さ方向の一部を除去して該内部支柱の高さを低くする内部支柱短縮工程を前記塔体上側部下降着地工程の後で且つ前記塔体上部支持準備工程の前に含むことを特徴とする。
この構成によれば、内部支柱を塔体の内部空間内で短縮(低く)することができ、上記塔体が次第に低くなる際、塔体の上部や風力発電機が内部支柱やジャッキと干渉するのを回避することができる。
以上説明したように、本発明によれば、洋上風力発電設備設置船の大型揚重機を用いる必要も、解体作業を頻繁に中断する必要もなく、洋上塔型風力発電設備の解体工事期間を短縮することも可能となることから、洋上塔型風力発電設備の解体工事のコストを低廉化することが可能となる。
本発明の洋上塔型風力発電設備の解体方法が適用された洋上塔型風力発電設備の一実施の形態を示す概略構成一部断面正面図である。 図1の洋上塔型風力発電設備の説明図である。 図1の洋上塔型風力発電設備の解体方法の概要の説明図である。 図1の洋上塔型風力発電設備の解体方法の説明図である。 図1の洋上塔型風力発電設備の解体方法に用いられる作業台及び内部支柱の平面図である。 図1の洋上塔型風力発電設備の解体方法の説明図である。 図1の洋上塔型風力発電設備の解体方法における内部支柱短縮工程の説明図である。 図1の洋上塔型風力発電設備の解体方法の説明図である。 図1の洋上塔型風力発電設備の解体方法の説明図である。 図1の洋上塔型風力発電設備の解体方法の説明図である。 図1の洋上塔型風力発電設備の解体方法の説明図である。
以下に、本発明の洋上塔型風力発電設備の解体方法の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、この実施の形態の解体方法が適用された洋上塔型風力発電設備の解体開始時の状態を示す一部断面正面図である。なお、図1では、後述するブレード6(図2参照)が省略されているが、このブレード6は、解体に先立って除去されてもよいし、残存されたままでもよいし、或いは、中間部で切断除去するなどしてもよい。この洋上塔型風力発電設備は、既存の洋上塔型風力発電設備と同様に、塔体1の上端部に風力発電機2を備え、一般に、塔体1の内部は断面円形の内部空洞3になっている。この塔体1の内部空洞3には、例えば風力発電機2の保守・点検を行う人が登れるように、元来は、図示しない梯子やエレベータなどが設けられている。塔体1の高さや大きさは、例えば風力発電設備の設営場所によってさまざまであるが、この実施の形態の塔体1の高さは、ハブ7の中心位置で、後述するベースプレート8から約110mである。この洋上塔型風力発電設備、特に塔体1のサイズについては後述する。なお、塔体1の内部空洞3が部分的に閉塞されているような場合には、内部空洞3が連続するように閉塞を除去する。
図2は、図1の洋上塔型風力発電設備の解体前の説明図であり、図2(a)は正面図、図2(b)は右側面図である。塔体1の頂部の風力発電機2は、ロータ4及びナセル5を有する。ロータ4は風力発電機2の回転子であり、ナセル5は、風力発電機2の主要機器を収納する収納部(筐体)である。ロータ4は、風車の翼を構成するブレード6、ブレード6を主軸に接続するためのハブ7などを備えて構成され、ハブ7はロータカバーで覆われている。ナセル5内には、主として主軸の回転速度を増速するトランスミッション、増速された回転軸から起電する発電装置などが収納されている。また、ナセル5の下部には、ロータ4の向き、つまりヨー軸をナセル5ごと調整する図示しないヨー調整装置などが設けられている。また、塔体1の下部には、上記発電装置で起電された電力を系統に適した電力に変換する図示しない変電装置なども配設されている。
この実施の形態の洋上風力発電設備における塔体1は、洋上に設置されたベースプレート8の上方に立設されている。洋上における塔型発電設備の重量を支持する基礎部9の構造は様々な形態があるが、凡そ着床式構造物と浮体式構造物に大別される。ここで、洋上は水面の上方、洋中は水面の下方を示し、凡そ水深60mを境界として、それより浅い水深洋域では着床式が、それより深い水深洋域では浮体式が採用される。浮体式は、文字通り、洋上に浮かんだ浮体式構造物を基礎部9とし、その上方に洋上風力発電設備の塔体1を立設する。浮体式は、更に、洋上に浮かんだ基礎部9をいかりで洋底に固定する固定式と、基礎部9が洋上を移動するセイリング式とに分類される。一方、着床式は、洋底に固設された着底型構造物を基礎部9とし、その上方に洋上風力発電設備の塔体1を立設する。この実施の形態の洋上風力発電設備の塔体1は、後述のように、着床式構造物を基礎部9として、その上方に立設されているが、本発明の洋上風力発電設備の解体方法は、上記浮体式構造物を基礎部9とする洋上風力発電設備にも適用可能である。
この実施の形態における着床式構造物からなる基礎部9は、モノパイルと呼ばれる単一の大口径鋼管杭11を洋底に打ち込み、凡そ水面近傍の洋上から洋中にかけて、その上端部にトランジションピースと呼ばれるジョイントスリーブ12を被嵌し、両者の隙間にグラウト材を充填して両者をグラウト接合して構成される。したがって、ジョイントスリーブ12は、洋上風力発電設備の基礎部9として水面から所定の高さまで洋上に突出し、その上端部に水平な天面を有するベースプレート8が設けられ、このベースプレート8の上方に塔体1が立設されている。このベースプレート8は、ジョイントスリーブ12、すなわち基礎部9に固設されている。この実施の形態では、ベースプレート8の天面の外周領域は、塔体1の下端部における回廊となっており、風力発電設備設置の際の構築作業場や稼働時の保守・点検作業場などとして使用される。また、この回廊には、図示しない桟橋も連結されている。そして、この実施の形態では、後述するように、このベースプレート8の回廊部分に円筒状に足場を組み、解体作業時の作業台15を構成する。
この実施の形態の洋上塔型風力発電設備は、図2より明らかなように、塔体1が全高に亘って上方先細りである。この実施の形態では、例えば、合計で6つの筒状塔体部材10-1~10-6を上方に積み上げるようにして塔体1が構築されており、全ての筒状塔体部材10は上方先細りの円筒形状、つまり外観が円錐台形状の筒体であり、その内部空洞3も上方先細りである。この実施の形態の塔体1の下端部の外径は約7.7m、塔体1の頂部、すなわちナセル5の直下における塔体1の外径は約5.1mである。ちなみに、上記ブレード6の回転直径は約164mであり、ブレード6を含む洋上塔型風力発電設備の最大高さは上記ベースプレート8から約190mである。これらのサイズ(寸法)は、あくまでも一例である。また、上記筒状塔体部材10は、20~40mm程度の鋼板からなる、いわゆる鉄皮構造である。なお、筒状塔体部材10は、その内壁の上下端部から筒内に突設されたリング状のフランジ23を介して連結・接続されている。具体的には、上側の筒状塔体部材10の下端部のフランジ23と下側の筒状塔体部材10の上端部のフランジ23を重ね合わせ、両フランジ23に形成された貫通穴23a(図5参照)にボルトを挿通し、その突出部にナットを螺合し締付けて双方の筒状塔体部材10を連結・接続する。なお、この実施の形態では、塔体1は、予め陸上で組み上げられ、前述の洋上風力発電設備設置船によって輸送・立設されている。
前述したように、塔型風力発電設備の寿命は20~30年、日本国での耐用年数は17年であり、寿命や耐用年数となった塔型風力発電設備は解体される。また、事故や故障などにより、寿命或いは耐用年数の以前に解体されることもある。この実施の形態の解体方法では、塔体1を支持するためのジャッキ17を搭載する内部支柱部材やジャッキ17自体などを塔体1の内部空洞3に搬入する必要がある。一般に、塔体1の下端部には、人が入れる程度の入口があるが、そこからでは設備(設備用部材)を搬入することは困難である。そのため、例えば上記入口を拡げて設備(設備用部材)を搬入可能な大きさの開口部を形成し、必要に応じてその開口部周辺の補強を行う。
図3は、この実施の形態の洋上塔型風力発電設備の解体方法の概要を示す説明図であり、図の左方から順に解体が進められる。この解体方法では、塔体1を構成する6つの上記筒状塔体部材10-1~10-6のうち、下から2番目の筒状塔体部材10-5の位置で、それより上側部分の塔体1、つまり上から1番目から5番目までの筒状塔体部材10-1~10-5及び風力発電機2の全荷重を支持し(塔体上側部支持準備工程)、その状態で、1番下の筒状塔体部材10-6の上端部(正確には上端部のやや下方の部分)の所定領域(塔体1としては下側部分の途中領域:以下、図のハッチング部分)を全周に亘って切断除去する(塔体途中領域除去工程)。この切断除去作業は、後述するように、塔体1の外壁の外側に足場部材を組み上げて設置された作業台15に載って塔体1の外側から行う。切断除去で生じた解体物は、例えば、作業台15に取付けられた図示しない揚重装置を用いて塔体1の外側から下降する。1番下の筒状塔体部材10-6の上端部を除去すると、残存する塔体1の上側部分、すなわち残りの塔体部材10-1~10-5が塔体1の下側部分、すなわち1番下の筒状塔体部材10-6から切り離される。この切り離された塔体1の上側部分の外径は塔体1の下側部分の外径より小さいので、その塔体1の上側部分を塔体1の下側部分の内部空洞3内に下降して内部空洞3でベースプレート8上、すなわち基礎部9上に着地させる(塔体上側部下降着地工程)。その結果、塔体1の上側部分は、その下部が塔体1の下側部分、すなわち1番下の筒状塔体部材10-6内に鞘状に収容され、そこから上方に突出しているので、例えば、下から3番目であった筒状塔体部材10-4の位置で、それより上側部分の塔体1の全荷重を支持し(塔体上側部支持準備工程)、その状態で下から2番目の筒状塔体部材10-5の上端部の所定領域(塔体1としては下側部分の途中領域)を切断除去し(塔体途中領域除去工程)、切り離された塔体1の上側部分を下降して下から2番目の筒状塔体部材10-5の内部空洞3内でベースプレート8上に着地させる(塔体上側部下降着地工程)と共に、それによって生じた解体物を、例えば上記揚重装置を用いて塔体1の外側から下降する。
そしてこれらの工程を繰り返すことにより、1番下の筒状塔体部材10-6の内側に下から2番目の筒状塔体部材10-5を収容し、その内側に下から3番目の筒状塔体部材10-4を収容し、その内側に下から4番目の筒状塔体部材10-3を収容し、その内側に下から5番目の筒状塔体部材10-2を収容し、その内側に1番上の筒状塔体部材10-1を収容するようにして塔体1を同心円状に大まかに分解することができる。この間、1番下の塔体部材10-6を除く全ての筒状塔体部材10-1~10-5は、その外側の塔体部材10内に鞘状に収容されているので、それら内側に収容される塔体部材10の倒れが防止される。このようにして、最終的に残存する塔体1の上端部がベースプレート8上に下降されたら、全ての筒状塔体部材10を比較的低い位置で解体する。なお、基礎部9上まで下降された全ての筒状塔体部材10は、十分に低く、或いは十分に小さいので、解体せず、クレーン船やクレーン付き台船などの重機を用いて搬出してもよい。また、塔体1の内部空洞3に設けられている前述の梯子やエレベータなどは適宜のタイミングで撤去する。
図4は、洋上塔型風力発電設備、具体的には塔体1の解体開始直前の構成を示している。上記塔体上側部支持準備工程において、上記切断除去領域より上側部分の塔体1は、塔体1の内部から支持する。そのため、塔体1の内部空洞3には、図1及び図4に示すように、上記ジョイントスリーブ12内のステージ14(図11参照)から塔体1の重心高さよりやや上方位置まで連続する内部支柱16を立てる(内部支柱構築工程)。この実施の形態では、上記ジョイントスリーブ12内のステージ14は、凡そ水面の高さ位置に設けられており、したがって内部支柱16の下部(最下部)は上記ベースプレート8より下方でジョイントスリーブ12(基礎部9)の内部に位置している。この内部支柱16に設けたジャッキ17で上記塔体1の上側部分の重量を支持する。すなわち、ジャッキ17は、塔体1の上側部分の全荷重を支持する支持力を塔体1に上向きに付与する。ジャッキ17は、例えば、内部支柱16の上端部に取付けられる。この実施の形態では、例えば、折り畳み型の足場部材16aを用い、これを、例えば内部空洞3の上方位置、例えばナセル5に取付けた図示しない揚重装置で吊り上げながら、その下端部に個別の足場部材16aを継ぎ足し、これを順次繰り返して、塔体1の内部空洞3に内部支柱16を構築する。したがって、内部支柱16が足場部材16aで構成されていることから、この足場部材16aに載って塔内から各種作業を行うこともできる。上記塔体1の上側部分の重量を支持する方法については、後述する。
この内部支柱16の下部は、上記基礎部9に固定される必要がある。この実施の形態では、上記塔体1を上下に分離しながら解体していくのであるが、分離された塔体1の上側部分は、外部から支持することができない。したがって、この分離された塔体1の上側部分を塔体1の内側から内部支柱16で支持する。前述のジャッキ17は、分離された塔体1の上側部分(風力発電機2を含む場合もある)の重量を下方から支持するためのものであり、分離された塔体1の上側部分を径方向に支持(可能な状態に)するために内部支柱16を用いる。そのため、内部支柱16の下部を基礎部9、具体的にはジョイントスリーブ12に固定する(内部支柱構築工程)と共に、塔体1の上側部分は内部支柱16の上部と結合固定する(塔体上側部支持準備工程)。具体的には、内部支柱16の下部とジョイントスリーブ12の内壁の間に突っ張り機構のような固定装置31を介装し、この固定装置31によって内部支柱16の下部をジョイントスリーブ12、すなわち基礎部9に固定する(図11参照)。また、内部支柱16の上部と塔体1の上側部分の内壁の間に突っ張り機構のような結合固定装置32を介装し、この結合固定装置32によって内部支柱16の上部と塔体1の上側部分を結合固定する。なお、後述のように、分離された塔体1の上側部分を下降する際には、内部支柱16の上部と塔体1の上側部分の固定を解除する。
また、上記内部支柱構築工程に伴って、又は、それと前後して、塔体1の外壁の外側に作業台15を設置する(作業台設置工程)。この作業台15は、作業者がそれに載って作業を行うためのものであり、この実施の形態では、塔体1の外壁の外側で上記ベースプレート8の周縁部から足場部材を組上げて構築している。また、この実施の形態では、後述するように、作業台15を塔体1の外周全周に亘って設ける。すなわち、塔体1の下部は作業台15によって囲繞されている。この作業台15の高さ範囲は、少なくとも上記塔体1の切断除去領域の高さ位置、すなわち個々の上記筒状塔体部材10の高さ位置までの領域とし、必要に応じて、それより高く設定してもよい。このほか、例えば、作業台15を上記1番下の筒状塔体部材10-6の外壁の所定高さ(凡そ上端部の高さ)位置にのみ、その外壁に取付けるようにして設置することも可能である。また、図4は、塔体1が解体される直前の状態を示していることから、未だ塔体1は連結されているが、上記図3の切断除去領域、図4では、2本の一点鎖線の間の領域の外壁には、その領域を跨ぐようにして上下方向に伸長する連結部材18が取付けられており、その連結部材18は作業台15の上端部から吊り下げられている。この連結部材18は、例えばH型鋼などにより頑健に構成されている。なお、上記塔体1の上側部分の下降工程では連結部材18による連結を解除する。
図5は、図4の上端部において上記内部支柱16の上方の位置で塔体1を水平方向に切断して上方から見た平面図である。同図には、上記筒状塔体部材10同士を連結するためのリング状のフランジ23を合わせて示す。同図に示すように、上記作業台15は、方形板状の床板(布板)部材24を12個、塔体1の外壁の外側に等配し、それらの隙間を平面視三角形の隙間用床板部材24aで閉塞するようにして連結したものであり、前述のように塔体1の外周全周に亘って設けられている。この実施の形態では、図10に示すように、これらの床板部材24を上下に12段設け、それらを支柱部材25や手摺部材26で連結すると共に、壁繋ぎ部材27で塔体1(筒状塔体部材10)の外壁に固定している。なお、この実施の形態では、図5から明らかなように、上記塔体1の切断除去領域の上側と下側を連結する連結部材18は、塔体1の外周で計12カ所に等配されている。
また、図4、図5から明らかなように、内部支柱16の上端には、例えばH型鋼で構築した平面視略六角形の架台19の上面に計6つのジャッキ17が搭載されている。このジャッキ17は、上下方向に伸長するステップロッド20を伸長方向に継ぎ足したり取り除いたりすることで、例えば吊り下げられている重量物を上下方向に移動したり、その吊り下げ状態で維持したりすることができるものである。このステップロッド20の下端部には、例えばH型鋼で構築した支持台21が連結されており、この支持台21の上面に計5枚の円板状の係止部材22a~22eが重合状態で搭載されている。
この円板状の係止部材22a~22eは、何れも、例えば40mm程度の厚さの鋼板で構成され、上記フランジ23と同等の径(半径又は直径)の円形外周面を有する。例えば、図4の状態で、この円板状の係止部材22a~22eを上記フランジ23の下方から上記ジャッキ17で支持台21と共に吊り上げていくと、係止部材22a~22eの外周部がフランジ23の下面に当接し、それ以上、上昇できなくなる(この状態で係止状態となる)。すなわち、ジャッキ17は、係止部材22a~22eの当接部分でそれより上方の全設備の荷重を支持する上向きの支持力を塔体1に付与することが可能となる(塔体上側部支持準備工程)。その状態で、上記1番下の筒状塔体部材10-6の上端部のうち、例えば図4の上下の一点鎖線の間の部分を切断除去すると、それより上方の全設備の荷重が上記係止部材22a~22e及び支持台21を介してジャッキ17で支持される。このようにフランジ23を介して上記塔体1の上側部分の荷重をジャッキ17で支持した状態で、後述するように、上記ステップロッド20を伸長して塔体1の上側部分を下降し、更に内部空洞3内でベースプレート8上、すなわち基礎部9上に着地させる。なお、筒状塔体部材10の上端部の切断除去領域は後述の条件を満たす限り適宜に設定してよい。
ここで、上記6つの筒状塔体部材10-1~10-6を連結するための5カ所のフランジ23は、塔体1が全高に亘って上方先細りであることから、上方のフランジ23ほど径(半径又は直径)が小さい。前述のように、重合された5枚の係止部材22a~22eを上から順に用いて、最初に下から2番目の筒状塔体部材10-5の下端部のフランジ23を支持しながら下降し、次いで下から3番目の筒状塔体部材10-4の下端部のフランジ23を支持しながら下降し、次に下から4番目の筒状塔体部材10-3の下端部のフランジ23を支持しながら下降し、次に下から5番目の筒状塔体部材10-2の下端部のフランジ23を支持しながら下降し、最後に1番上の筒状塔体部材10-1の下端部のフランジ23を支持しながら下降する場合、それぞれのフランジ23に当接される係止部材22a~22eの外径を少しずつ小さくする必要がある。そこで、最初に使用される1番上の係止部材22aの外径を下から2番目の筒状塔体部材10-5の下端部のフランジ23の直径相当とし、2番目に使用される上から2番目の係止部材22bの外径を下から3番目の筒状塔体部材10-4の下端部のフランジ23の直径相当とし、3番目に使用される上から3番目の係止部材22cの外径を下から4番目の筒状塔体部材10-3の下端部のフランジ23の直径相当とし、4番目に使用される上から4番目の係止部材22dの外径を下から5番目の筒状塔体部材10-2の下端部のフランジ23の直径相当とし、最後に使用される1番下の係止部材22eの外径を1番上の筒状塔体部材10-1の下端部のフランジ23の直径相当とした。
図4の1点鎖線間の切断除去が完了したら、前述のように塔体1の上側部分を上記ジャッキ17で支持しながらステップロッド20を伸長して下降すると、図6に示すように、塔体1の上側部分は塔体1の下側部分、具体的には1番下の筒状塔体部材10-6の内部空洞3内、すなわち内側に下降される。この塔体1の上方先細り形状の上方向への縮小率は、塔体1の高さ1mあたり、半径で12mm程度であり、図4の上下の一点鎖線間の高さ方向の距離は4m程度であることから、塔体1の上側部分の下端部の外径と塔体1の下側部分の上端部の外径の差は半径で約48mmである。前述のように、塔体1を構成する筒状塔体部材10の壁部、すなわち鉄皮の厚さは20~40mmであるので、この厚さ分より外径が小さい塔体1の上側部分は塔体1の下側部分の内部空洞3内に降ろすことができる。すなわち、分離された塔体1の上側部分を塔体1の下側部分の内部空間内に下降できるように切断除去領域の寸法を設定する。
このようにして塔体1の上側部分が塔体1の下側部分の内部空洞3内に下降され始めたら、塔体1の上側部分をジャッキ17で支持しながらステップロッド20を更に伸長して下降し、前述のように、分離された塔体1の上側部分の下端部を塔体1の下側部分の内部空洞3内でベースプレート8上、すなわち基礎部9上に着地させる。こうして塔体1の上側部分が内部空洞3内に着地されたら、フランジ23に当接されている1番上の係止部材22aを取り除く。1番上になっている係止部材22aを取り除く際には、例えば、ステップロッド20を少し伸長するようにして重合されている係止部材22a~22eを支持台21ごとジャッキ17によって少し下降する。こうして1番上の係止部材22aとフランジ23の間に隙間ができたら、その係止部材22aと当接する領域のフランジ23を切断除去する。これにより1番上の係止部材22aの上方に空間ができるので、この空間を利用して、例えば1番上の係止部材22aを切断するなどして取り除く。
この実施の形態では、内部支柱16を少なくとも塔体1に重心位置より上方の高さまで構築しているので、前述のようにして塔体1の上側部分を下降する際、内部支柱16の上端部が塔体1の上側部分と共に下降される風力発電機2と干渉するおそれがある。また、この実施の形態の塔体1は、その内部空間を含めて上方先細りであることから、塔体1の上側部分を下降する際、内部支柱16の上端部が塔体1の上側部分そのものと干渉するおそれもある。このような場合には、以下のようにして内部支柱16を低くする(短縮する)。この例では、例えば図7に示すように、内部支柱16の上端部よりも上方で塔体1の上側部分の内壁に梁部材などの強度部材28を取付け、この強度部材28に取付けられたワイヤロープ29とウインチなどの揚重機30で内部支柱16及びジャッキ17を例えば上記架台19ごと吊り下げる。このようにして内部支柱16を塔体1の上側部分の上部内壁から吊り下げたら、内部支柱16の高さ方向の一部を除去する。このように内部支柱16を短縮(低く)する場合、この実施の形態では、内部支柱16の下部(最下部)はジョイントスリーブ12に固定されていることから、これよりも上方で内部支柱16を除去する。具体的には、例えば、上記ベースプレート8に載って内部支柱16の短縮作業を行うことができる。この実施の形態では、内部支柱16は折り畳み型足場部材16aで構築されているので、作業者がベースプレート8に載った状態で折り畳み型足場部材16aの連結を解除し、内部支柱16の該当部分の折り畳み型足場部材16aを取り外して折り畳み、例えば塔体1の外部に搬出する。このようにして内部支柱16の一部が除去されたら、上記揚重機30を利用して、それより上方の内部支柱16及びジャッキ17を下降し、それより下方の内部支柱16の上に降ろして連結・固定する。これにより、図8に示すように、内部支柱16の上端部を図6と比べて低く(短縮)することができるので、塔体1の上側部分を下降する際、塔体1の上側部分や風力発電機2と内部支柱16の干渉が回避される。
前述のようにして1番上の係止部材22aが取り除かれると、それまで上から2番目だった係止部材22bが1番上の係止部材となる。この係止部材22bの外径は、下から3番目の筒状塔体部材10-4の下端部のフランジ23の直径相当であるから、ジャッキ17によって支持台21ごと係止部材22b~22eを上昇させると、現在、1番上の係止部材22bが下から3番目の筒状塔体部材10-4の下端部のフランジ23の下面に当接する。そこで、ジャッキ17によってそれより上側部分の塔体1を支持するための支持力を付与し、その状態で、上記図4と同様に下から2番目の筒状塔体部材10-5の上端部の所定領域(図6の2本の一点鎖線の間の領域)を切断除去し、その切断箇所より上側部分の塔体1をジャッキ17で下降して塔体1の下側部分の内部空洞3内でベースプレート8(基礎部9)上に着地させる。塔体1の上側部分が塔体1の下側部分の内部空洞3内に着地されたら、前述と同様に、現在、1番上にある係止部材22bを取り除き、当初、上から3番目だった係止部材22cを1番上の係止部材とする。図9は、前述と同様にして、内部支柱16の高さ方向の一部を除去して短縮(低く)し、その状態で、当初、上から3番目だった係止部材22cで下から4番目の筒状塔体部材10-3の下端部のフランジ23を支持し、その状態で塔体1の図8の2本の一点鎖線の間の領域を切断除去し、ジャッキ17によってそれより上側部分の塔体1を下降して塔体1の下側部分の内部空洞3内でベースプレート8(基礎部9)上に着地させる。更に、図10では、内部支柱16の高さ方向の一部を除去して短縮(低く)し、その状態で、当初、上から4番目だった係止部材22dで下から5番目の筒状塔体部材10-2の下端部のフランジ23を支持し、その状態で塔体1の図9の2本の一点鎖線の間の領域を切断除去し、ジャッキ17によってそれより上側部分の塔体1を下降して塔体1の下側部分の内部空間内でベースプレート8(基礎部9)上に着地させる。図11では、内部支柱16の高さ方向の一部を除去して短縮(低く)し、その状態で、当初上から5番目、すなわち1番下の係止部材22e(それしか残っていない)で下から6番目、すなわち1番上の筒状塔体部材10-1を支持し、その状態で塔体1の図10の2本の一点鎖線の間の領域を除去し、ジャッキ17によってそれより上側部分の塔体1を下降して塔体1の下側部分の内部空間でベースプレート8(基礎部9)上に着地させている。なお、図11では、上記支持台21や架台19、ジャッキ17はベースプレート8(基礎部9)上に降下させている。また、ブレード6を含む風力発電機2は、適時に解体してよい。
なお、上記のように筒状塔体部材10の上端部の所定領域を切断除去するにあたり、その上の筒状塔体部材10の下端部のフランジ23の貫通穴23aに棒状の規制部材を挿通し、その下部を下側の筒状塔体部材10の上端部の内側に垂下させ、この棒状の規制部材を塔体1の倒れ防止の規制体としてもよい。すなわち、棒状の規制部材の垂下先端部は、塔体1の下側部分の内壁の内側に位置しているので、例えば塔体1の上側部分が傾斜したときに、それら規制部材が傾斜の規制体となるから塔体1の上側部分の傾斜がそこで規制され、結果的に塔体1の上側部分の倒れが防止される。また、着地された塔体1、すなわち分断された筒状塔体部材10の上端部同士を例えばねじ鉄筋及びロックナットで互いに連結するようにしてもよい。この連結された筒状塔体部材10により、その内側に着地された塔体1の上側部分の傾斜や倒れが防止されると共に、互いに鞘状に収容されている塔体1同士の間隔を適正に維持することもできる。また、塔体1の下側部分の内部空間内に塔体1の上側部分が下降される際、塔体1の上側部分が塔体1の下側部分内に円滑に収容されるような機構や構成を適用することも可能である。
このように、この実施の形態の洋上塔型風力発電設備の解体方法では、塔体1は上下に分離されながら所定の高さで下側から順に同心円状に基礎部9上に着地され、全体が低い構造物となるので、その後、比較的低い位置で塔体1の解体作業を行うことが可能となる。また、上記塔体高さの低下作業中や上記解体作業を行っている間、切断されて基礎部9上に着地している筒状塔体部材10は、外側の筒状塔体部材10の内側に鞘状に収まっており、それらの倒れが防止される。このように、この実施の形態の洋上塔型風力発電設備の解体方法によれば、作業困難性の原因となる洋上風力発電設備設置船の大型揚重機を用いることなく、比較的低い位置での解体作業が可能となり、結果として工事期間の短縮や解体作業性の向上が図られる。
また、少なくとも塔体1の重心位置より上方の高さまで内部支柱16を構築することにより、内部支柱16の上部を塔体1の重心位置より上方で塔体1の上側部分の内壁と結合固定することができるので、上記分離された上側部分の塔体1を下部が基礎部9に固定された内部支柱16によって重心より上方で内側から支えて安定させることができる。
また、作業台15を塔体1の外周全周に亘って配置することにより、作業台15に載って塔体1の外周全周を塔体1の外側から切断除去する際、作業環境が安定し、効率よく作業を行うことが可能となる。
また、着地された塔体1の上部内壁から内部支柱16を吊り下げ、その状態で内部支柱16の高さ方向の一部を除去して内部支柱16の高さを低くすることにより、内部支柱16を塔体1の内部空間内で短縮(低く)することができ、上記塔体1が次第に低くなる際、塔体1の上部や風力発電機2が内部支柱16やジャッキ17と干渉するのを回避することができる。
以上、実施の形態に係る洋上風力発電設備の解体方法について説明したが、本件発明は、上記実施の形態で述べた構成に限定されるものではなく、本件発明の要旨の範囲内で種々変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、筒状塔体部材10を連結するためのフランジ23の下面に係止部材22a~22eを当接させて、それより塔体1の上側部分を支持する構成としたが、この係止部材22a~22eが当接(係止)される部位は、塔体1、具体的には筒状塔体部材10の内壁部分であればどの箇所であってもよい。すなわち、本発明の洋上風力発電設備の解体方法は、フランジ23を介して筒状塔体部材10を積み上げる形態の塔体1以外にあっても、同様に適用可能である。しかし、係止部材22a~22eをフランジ23の下面に当接させることで、それより上側部分の塔体1を容易且つ確実に、また安定して支持することが可能となる。
また、上記全ての筒状塔体部材10を同心円状に着地させてからの解体作業時、上記内部支柱16及びジャッキ17はそれら同心円状の筒状塔体部材10の最内側に残存しているので、これを解体作業に用いることも可能である。
1 塔体
2 風力発電機
3 内部空洞
9 基礎部
15 作業台
16 内部支柱
17 ジャッキ
22a~22e 係止部材

Claims (4)

  1. 洋中及び洋上の少なくとも一方に設けられた基礎部から上方に立設され、全高に亘って上方先細りで且つ中空の塔体と、該塔体の上端部に設けられた風力発電機と、を備えた洋上塔型風力発電設備の解体方法において、
    下部が前記基礎部9に固定され、該基礎部から所定高さまで伸長し、上部にジャッキが設けられた内部支柱を前記塔体の内部空洞内に構築する内部支柱構築工程と、
    前記内部支柱の上部を前記塔体の上側部分の内壁に結合固定して該塔体の上側部分を支持可能な状態にすると共に、該内壁の所定位置に係止される係止部材を介して前記ジャッキによって前記係止部材の係止位置より上方の全設備の荷重以上の支持力を前記塔体に上向きに加える塔体上側部支持準備工程と、
    作業者が載って作業可能な作業台を所定位置に設置する作業台設置工程と、
    前記作業台での作業により前記係止部材の係止位置よりも下部の所定領域を塔体全周に亘って切断除去する塔体途中領域除去工程と、
    該塔体途中領域除去工程の後、前記ジャッキによって支持されている塔体上側部分を下降させて残存する塔体下側部分の内側の前記基礎部上に着地する塔体上側部下降着地工程と、を有し、
    該着地された塔体に対して前記塔体上部支持準備工程を行い、以降、前記塔体途中領域除去工程、前記塔体上側部下降着地工程を順次繰り返し、前記塔体を順次低くしていくことを特徴とする洋上塔型風力発電設備の解体方法。
  2. 前記内部支柱構築工程は、少なくとも前記塔体の重心位置より上方の高さまで前記内部支柱を構築することを特徴とする請求項1に記載の洋上塔型風力発電設備の解体方法。
  3. 前記作業台設置工程は、前記作業台を前記基礎部上で前記塔体の外周全周に亘って設置することを特徴とする請求項1又は2に記載の洋上塔型風力発電設備の解体方法。
  4. 前記着地された塔体の上部内壁から前記内部支柱を吊り下げ、その状態で該内部支柱の高さ方向の一部を除去して該内部支柱の高さを低くする内部支柱短縮工程を前記塔体上側部下降着地工程の後で且つ前記塔体上部支持準備工程の前に含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の洋上塔型風力発電設備の解体方法。
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