JP2022087062A - スペクトル時間変調テストユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】スペクトロ時間的変調テストユニットを提供する。【解決手段】本本発明は、電気生理学に基づくスペクトル時間変調(STM)テストユニットに関する。STMテストユニットは、STM刺激生成ユニットと、出力ユニットと、を備え、STM刺激生成ユニットは、所定のSTMテストプロトコルにしたがって、出力ユニットを介してユーザに少なくとも1つのSTMプローブ刺激を含むSTMテスト刺激を提供するように構成されている。STMテストユニットはさらに、ユーザの電気生理的反応を測定するための1つ以上の電極と、提供された刺激に応答して測定されたユーザの記録された電気生理的反応を分析するように構成された分析ユニットと、を備える。本発明はさらに、ユーザを電気生理学に基づいてSTMテストする方法に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、電気生理学に基づくスペクトル時間変調(Spectro-Temporal Modulation:STM)テストユニットに関する。本発明はさらに、ユーザを電気生理学に基づいてスペクトル時間変調テストする方法に関する。
テストユニット:
STMテストは、最近、閾値を超える聴力のシンプルな言語に依存しない尺度として、より具体的には、複雑な補助的雑音中音声テスト(complicated aided speech-in-noise testing)の代用として大きな関心を集めている。
STMテストでは、スペクトル時間変調プローブ音(STMプローブ刺激)が、他の点では同様のスペクトルを有する非変調参照音(STM参照刺激)と比較される。参照音又はキャリアは、通常、広帯域ノイズ信号である(代替のキャリアを検討し得る)。適応規則により、プローブ音の変調度合は、患者の変調検出の閾値に達するまで変化する。閾値での変調度合がテストの結果である。
STM検出閾値と音声受信閾値(SRT:speech reception thresholds)との間の高い相関は、特に実際の音声で観察されたものと同様のSTM刺激パラメータについていくつかの研究で観察されている。
しかしながら、既知のSTMテストは、幼児やその他のテストが難しい集団では使用できない心理物理学的テストパラダイムに依存する。さらに、仮病者が心理物理学的テストパラダイムで不正をし、人為的に上昇した閾値を生成する可能性がある。
したがって、テストが困難なユーザのSTM検出閾値を提供し、テストの不正の可能性を排除できる、新しいSTMテストユニット及びSTM方法が必要である。
本発明の一態様では、電気生理学に基づくSTM試験ユニットが提供される。
電気生理学に基づくSTMテストユニットは、STM刺激生成ユニットを含み得る。
電気生理学に基づくSTMテストユニットは、出力ユニットを備え得る。
出力ユニットは、ユーザによって感知される刺激を提供するように構成され得る。出力ユニットは、処理された電気信号に基づいてユーザが音響信号(acoustic signal)として知覚する刺激を提供するように構成され得る。例えば、出力ユニットは出力トランスデューサを含み得る。出力トランスデューサは、(例えば、音響(伝音ベース)補聴器において、)ユーザに音響信号として刺激を提供するための受信器(スピーカ(loudspeaker))を含み得る。出力トランスデューサは、(例えば、骨に取り付けられた又は骨に固定された補聴器において)ユーザに頭蓋骨の機械的振動として刺激を提供するためのバイブレータを含み得る。例えば、出力ユニットは、人工内耳インプラント(CI型補聴器用)の多数の電極又は骨伝導補聴器のバイブレータを含み得る。
STM刺激生成ユニットは、ユーザにSTMテスト刺激を提供するように構成することができる。STMテスト刺激は、少なくとも1つのSTMプローブ刺激を含み得る。したがって、STM刺激生成ユニットは、ユーザに少なくとも1つのSTMプローブ刺激を提供するように構成することができる。STM刺激生成ユニットは、所定のSTMテストプロトコルにしたがって、出力ユニットを介してユーザに少なくとも1つのSTMプローブ刺激を含むSTMテスト刺激を提供するように構成されている。
必要なSTM刺激を提供することに応答して、STMテストユニットは、1つ以上の電極によってユーザの対応する電気生理学的反応を測定するように構成され得る。例えば、電気生理学的反応は、標準的な臨床的4電極モンタージュ又は例えば64若しくは128チャンネルのフルスカルプモンタージユ(full-scalp montages)を介して記録することができる。
対応する反応の測定することに応答して、STMテストユニットの分析ユニットは、ユーザの記録された電気生理学的反応を分析するように構成することができる。この分析は、電気生理学的反応が記録されるかどうかの指標(indication)を提供することを含み得る。この分析は、電気生理学的反応が、少なくとも1つのSTMプローブ刺激の変調の度合に依存して記録されるかどうかの指標を提供することを含むことができる。分析は、使用される各変調度合のそれぞれについて、記録された電気生理学的反応を平均化することを含み得る。分析ユニットは、分析に基づいて記録された電気生理学的反応の結果を提供するように構成され得る。
STMテストユニットによるテストは、どちらの場合も、モノラル、同時片耳式(one ear at a time)又は両耳式に行うことができる。
STM刺激生成ユニットは、STMプローブ刺激の音圧レベル(SPL)を形成するように構成されることができる。STM刺激生成ユニットは、周波数の関数として、STMプローブ刺激の音圧レベル(SPL)を成形するように構成されることができる。周波数の関数としてのSTMプローブ刺激のSPLは、ユーザの聴力閾値レベル(HTL)に基づくことができる。例えば、ユーザの所定のHTLは、所定のHTLの正確な測定値を得るために、例えば、標準的なオージオグラムの観点から、聴覚専門家(HCP)によって、より早い段階で決定され得る。例えば、HTLは、ユーザ(例えば、人)のために決定され得る。この所定のHTLは、電気生理学に基づくSTMテストユニットのメモリに保存されることができる。(電気生理学に基づくSTMテストユニットを使用して)ユーザに対して電気生理学に基づくSTMテストを実施する場合、STM刺激生成ユニットは、保存された所定のHTLを前記メモリから取得し/読み出すように構成されることができる。STM刺激生成ユニットは、STMテストユニットのメモリに保存された所定のHTLに基づいて、周波数の関数としてSTMプローブ刺激のSPLを成形するように構成されることができる。STM刺激生成ユニットは、ユーザの第2の(又はさらなる)所定のHTLがメモリに保存されるまで、第1の保存された所定のHTLユニットに基づいて、周波数の関数としてSTMプローブ刺激のSPLを成形するように構成されることができる。第2の所定のHTLは、メモリ内の第1の所定のHTLを置き換える(か、あるいは、前記第1の所定のHTLと共に保存される)ことができる。これにより、特定のユーザの電気生理学に基づくSTMテストを実施する前に、STM刺激生成ユニットによって、特定のユーザの第1又は第2又は追加の所定のHTLを、メモリから1回以上取得し/読み出すことができる。
2つ以上のユーザの所定のHTLが、メモリに保存されることができる。これにより、STM刺激生成ユニットは、電気生理学に基づくSTMテストが実施されるべき特定のユーザの保存された所定のHTLを取得し/読み出すことができる。
電気生理学に基づくSTMテストユニットは、タイミングユニットを備える。タイミングユニットは、所定のSTMテストプロトコルの開始を決定するのに適している。例えば、タイミングユニットは、所定のSTMテストプロトコルの開始の開始点(starting point of the initiation)を決定するように構成されることができる。例えば、タイミングユニットは、所定のSTMテストプロトコルの開始の開始点の間の(between starting points)時間間隔を調節する又はタイミングを合わせる(time)ように構成されることができる。。例えば、タイミングユニットは、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月、12ヶ月の時間間隔を開始点の間に調節する又はタイミングを合わせることができる。例えば、STMテストユニットは、例えば、6ヶ月毎に所定のSTMテストプロトコルを開始するようにタイミングを合わせることができる。それにより、例えば補聴器ユーザの聴力は、STMテストユニットによって定期的間隔でチェックされ、それによって、聴力のさらなる低下の可能性の兆候が検出され、資格のあるHCPでさらに調査され得る。所定のSTMテストプロトコルの開始は、少なくとも1つのSTMプローブ刺激を含むSTMテスト刺激をユーザに提供するSTM刺激生成ユニットを含むことができる。所定のSTMテストプロトコルの開始は、対応する電気生理学的反応を測定する1つ以上の電極を含むことができる。所定のSTMテストプロトコルの開始は、ユーザの記録された電気生理学的反応を分析する分析ユニットを含むことができる。
例えば、STMテストユニット及び/又は分析ユニットは、ユーザの補助デバイス、例えばスマートフォン、タブレット、コンピュータにアラートを送信するように構成することができる。これにより、新たに聴力テストを受けるために、HCPに連絡することが勧められることができる。例えば、STMテストユニット及び/又は分析ユニットは、例えば補助デバイスを経由して、インターネットを介してHCPにアラートを送信するように構成されることができる。これにより、ユーザは自動的に連絡を受け、新たな聴力テストを行うためにHCPに訪問するように依頼され得る。
電気生理学に基づくSTMテストユニットはメモリを備えることができる。メモリは、STMテスト刺激を保存することができる。メモリは、所定のSTMテストプロトコルを保存することができる。上述のように、メモリは、ユーザの所定のHTL値を保存することができる。これにより、STMテストユニットは、テストプロトコルにしたがってSTMテストを実施するように構成することができ、また、テスト及び分析を実施する前に、外部デバイスと通信する必要なしに、測定された電気生理学的反応の分析を実施することができる。
電気生理学に基づくSTMテストユニットは、少なくとも1つの挿入イヤホンを含むことができる。
電気生理学に基づくSTMテストユニットは、少なくとも1つの補聴器を含むことができる。
例えば、少なくとも1つの挿入イヤホン又は補聴器は、STMテストユニットの出力ユニットを含むことができる。これにより、STM刺激は、挿入イヤホン又は補聴器の出力ユニットによって、ユーザの少なくとも一方の耳に提供されることができる。例えば、少なくとも1つの挿入イヤホン又は補聴器は、ユーザの電気生理学的反応を測定するための1つ以上の電極を含むことができる。これにより、STM刺激は、ユーザの耳の少なくとも1つに提供され、対応する電気生理学的反応は、少なくとも1つの挿入イヤホン又は補聴器によって測定されることができる。
電気生理学に基づくSTMテストユニットは、2つの挿入イヤホンを含むことができる。
電気生理学に基づくSTMテストユニットは、2つの補聴器を含むことができる。
例えば、2つの挿入イヤホン又は補聴器は、各々、STMテストユニットの出力ユニットを含むことができる。
電気生理学に基づくSTMテストユニットは、少なくとも1つの挿入イヤホンによって構成されることができる。電気生理学に基づくSTMテストユニットは、少なくとも1つの補聴器によって構成されることができる。
例えば、少なくとも1つの挿入イヤホン又は補聴器は、STM刺激生成ユニット、出力ユニット、1つ以上の電極、及び分析ユニットを含むことができる。これにより、挿入イヤホン又は補聴器は、ユーザの耳の一方に配置されている間に、所定のSTMテストプロトコルにしたがって、出力ユニットを介してユーザの耳にSTMテスト刺激を提供することができる。
STMテストユニットが、少なくとも1つの挿入イヤホン又は少なくとも1つの補聴器を備えるか又はそれらによって構成される場合、少なくとも1つの挿入イヤホン又は少なくとも1つの補聴器は、1つ以上の電極を備えることができる。例えば、1つ以上の電極は、挿入イヤホン又は補聴器がユーザに配置されたときに電極がユーザの皮膚に接触するように、挿入イヤホン又は補聴器上に配置されることができる。例えば、1つ以上の電極は、挿入イヤホン又は補聴器に、例えば有線又は無線経由で接続されることができ、その結果、電極は、ユーザの頭皮上の適切な部位に配置されてもよい。例えば、補聴器の耳掛け(BTE:behind-the-ear)部分は、1つ以上の電極を含むことができる。
少なくとも1つの挿入イヤホン又は補聴器の耳内部分は、1つ以上の電極を含むことができる。
1つ以上の電極は、耳内部分の外表面に埋め込まれてもよい。1つ以上の電極は、耳内部の外側表面の一部に配置されることができ、外耳道の内壁に接触することができる。これにより、ユーザが少なくとも1つの挿入イヤホン又は補聴器を装着している間、1つ以上の電極はユーザの皮膚に連続的に接触することができる。例えば、耳内部分は、例えば、補聴器の耳型又はドームであってもよい。
電気生理学に基づくSTMテストユニットは、スピーカー(loudspeaker)を備えることができる。例えば、スピーカは、STMテストユニットの出力ユニットを含むことができる。例えば、スピーカは、ユーザを囲む音場(sound field)としてSTMテスト刺激を提示することができる。例えば、スピーカは、ユーザを取り囲む領域にSTMテスト刺激を提示することができる。これにより、ユーザは、STMテストがSTMテストユニットによって実行される間、1つ以上の補聴器を装着することができる。
ユーザに提供されたSTMテスト刺激は、ユーザの既存の聴力損失又は難聴(hearing loss)を補償することができる。ユーザに提供されるSTMテスト刺激は、電気生理学に基づくSTMテストユニットのメモリに保存されている(特定のユーザの)所定のHTLによって、STMテスト刺激を調整することによって、ユーザの既存の任意の聴力損失を補償することができる。このことにより、STMテスト刺激の初期設定が特定のユーザのために最適であるため、STM検出閾値のより正確な及より速い可能性がある測定が達成されることができる。
1つ以上の電極は、脳波記録(EEG)電極であることができる。例えば、電気生理学的反応は、標準的な臨床的4電極EEGモンタージユ又は例えば64又は128チャンネルを有するフルスカルプEEGモンタージユを介して記録することができる。例えば、1つ以上のEEG電極は、ユーザが挿入イヤホン又は補聴器を装着したときに、EEG電極がユーザの皮膚に接触するように、挿入イヤホン又は補聴器の外表面に取り付け(又は埋め込む)ことができる。1つ以上の電極は、ユーザの心電図(ECG:electrocardiogram)、フォトプレチスモグラム(PPG:photoplethysmogram)、眼電図(EOG:electrooculography)等の1つ以上の生理学的信号を測定する1つ以上の異なるタイプの生理学的センサをさらに含むことができる。
提供される刺激は、0.25Hz~32Hzの時間的変調を含むことができる。
例えば、時間変調は4Hzであることができる。提供される刺激は、0.25~16サイクル/オクターブのスペクトル変調を含むことができる。例えば、スペクトル変調は2サイクル/オクターブであることができる。これにより、STMテスト刺激は、実際の音声(real speech)に対して観察されるものとほぼ類似した特徴を有するユーザに提供され得る。
所定のSTMテストプロトコルは、一定のSPLの連続的に変調されたSTMプローブ刺激を提供することを含むことができる。所定のSTMテストプロトコルは、変調されたSTMプローブ刺激に対する電気生理学的反応を、STMプローブ刺激に課されたスペクトル時間変調に時間ロックされた(time-locked to the spectro-temporal modulations)方法で分析することを含むことができる。所定のSTMテストプロトコルは、変調されたSTMプローブ刺激の変調の度合を変化させることを含むことができる。例えば、STMプローブ刺激は、閾値を取得するためにトラッキング手順にしたがって変化させられ得る。このように、例えば、所定のSTMテストプロトコルは、聴覚器官の不変の反応(ASSR:auditory steady-state response)をテストする方法(paradigm)に基づくことができる。
STM刺激生成ユニットによって提供されるSTMテスト刺激は、少なくとも1つのSTM参照刺激(STM reference stimulus)をさらに含むことができる。
所定のSTMテストプロトコルは、STM参照刺激の連続的バーストを提供することを含むことができる。所定のSTMテストプロトコルは、不定期に変調されたSTMプローブ刺激を提供することを含むことができる。所定のSTMテストプロトコルは、記録された電気生理学的反応を分析して、提供されたSTMプローブ刺激に対する応答を決定することを含むことができる。所定のSTMテストプロトコルは、各変調STMプローブ刺激における変調の度合を変化させることを含むことができる。所定のSTMテストプロトコルは、閾値を取得するために、トラッキング手順にしたがってSTMプローブ刺激の変調度合を変化させることを含むことができる。STM参照刺激とSTMプローブ刺激との間の差異がユーザによって知覚されると、記録可能な電気生理学的反応(例えば、ERP)が存在する。変調の度合は、検出の閾値に達するまで変化させることができる。したがって、例えば、所定のSTMテストプロトコルは、ミスマッチ陰性(MMN:mis-match negativity)テスト方法に基づくことができる。
所定のSTMテストプロトコルは、STM参照刺激の間隔とSTMプローブ刺激の間隔との間で交替する(alternates)連続的な継続中の刺激を提供することを含むことができる。所定のSTMテストプロトコルは、例えば、2秒のSTM参照刺激間隔及び2秒のSTMプローブ刺激間隔に対応する、所定の時間に交替を提供することを含むことができる。あるいは、交替時間は、刺激間隔の一定パーセントだけランダムにジッタされて、全体的に予測しにくい刺激を生成することができる。所定のSTMテストプロトコルは、刺激遷移(stimulus transitions)に時間ロックされた記録された電気生理学的反応(例えば、EEG)の所定のセクションを時間領域で平均することによって、刺激遷移(すなわち、前記の交替)に対する反応を決定するために記録された電気生理学的反応を分析することを含むことができる。これらの電気生理学的反応は、主に聴覚皮質における脳プロセスに由来すると予想される。STM参照刺激からSTMプローブ刺激への遷移に対する電気生理学的反応は、収集され、STMプローブ刺激からSTM参照刺激への遷移に対する電気生理学的反応とは別個に平均化されること、又は、それらはすべて一緒に平均化されることができる。所定のSTMテストプロトコルは、変調STMプローブ刺激の間隔のそれぞれにおける変調の度合を変化させることを含むことができる。所定のSTMテストプロトコルは、トラッキング手順によってSTMプローブ刺激の変調の度合を変化させて閾値を取得することを含むことができる。変調の度合は、検出の閾値に達するまで変化させることができる。したがって、例えば、所定のSTMテストプロトコルは、音響変化複合体(ACC:acoustic change complex)方法に基づくことができる。所定のSTMテストプロトコルは、ACC反応を分析すると同時に、それらの聴覚定常反応(ASSR:auditory steady-state response)についてSTMプローブ刺激間隔を分析することをさらに含むことができる。
STM参照刺激は、広帯域ノイズ信号であり得る。例えば、広帯域ノイズ信号は、353~5656Hzに制限された帯域であってもよい。STMプローブ刺激は、所定のスペクトル時間変調が課される類似のキャリア信号(STM参照刺激として)に基づくことができる。あるいは、STM参照及びプローブ刺激は、トーン複合体キャリア(tone-complex carrier)に基づくことができる。
STMプローブ刺激の変調度合は、ユーザの変調検出閾値に達するまで、適応方法に基づいて変化させることができる。STM刺激生成ユニットは、分析ユニットによって分析された記録されたユーザの電気生理学的反応に基づいて、STMプローブ刺激を異ならせ/変化させるように構成することができる。STM刺激生成ユニットは、分析ユニットによって以前に分析された記録されたユーザの電気生理学的反応に基づいて、STMプローブ刺激を異ならせ/変化させるように構成することができる。例えば、適応方法は、最大限可能な変調で開始し、その後、例えば2dBステップで、反応が検出されなくなるまで降下するシンプルな階段式方法であることができる。
補聴器は、例えば、ユーザの聴力障害を補償するために、1つ以上の他の周波数範囲への1つ以上の周波数範囲の、(周波数圧縮を伴う又は伴わない)転位及び/又は周波数依存ゲイン及び/又はレベル依存圧縮を提供するように適応されることができる。補聴器は、入力信号を増強し、処理された出力信号を提供するための信号プロセッサを含むことができる。
補聴器は、音(sound)を表す電気入力信号を提供するための入力ユニットを備えることができる。入力ユニットは、入力音を電気入力信号に変換するための入力トランスデューサ、例えばマイクロホンを含むことができる。入力ユニットは、音を含む又は表す無線信号を受信し、音を表す電気入力信号を提供するための無線受信器を備えることができる。無線受信器は、例えば、無線周波数範囲(3kHz~300GHz)の電磁信号を受信するように構成されることができる。無線受信器は、例えば、光の周波数範囲(例えば、赤外線300GHz~430THz、又は可視光(例えば、430THz~770THz))の電磁信号を受信するように構成されることができる。
補聴器は、例えばエンタテイメントデバイス(TVセット)、通信デバイス、無線マイクロホン又は他の補聴器等の、他のデバイスからの直接電気入力信号を無線受信するための、アンテナ及び送受信回路(例えば無線レシーバ)を備えることができる。直接電気入力信号は、オーディオ信号及び/又は制御信号及び/又は情報信号を表すか、又は含むことができる。補聴器は、受信された直接電気入力を復調して、オーディオ信号を表す直接電気入力信号及び/又は、例えば、補聴器の動作パラメータ(例えば、音量)及び/又は処理パラメータを設定するための制御信号を提供する復調回路を含むことができる。概して、補聴器のアンテナ及び送受信回路によって確立される無線リンクは、任意のタイプであることができる。無線リンクは、2つのデバイス間、例えば、エンタテイメントデバイス(例えば、テレビ)と補聴器との間、又は2つの補聴器間で、例えば、第3の中間デバイス(例えば、遠隔制御デバイス、スマートフォン等の処理デバイス)を介して確立され得る。無線リンクは、例えば、補聴器が携帯型(典型的には、バッテリ駆動型)デバイスによって構成されるか、又はそれを備えることができるという点で、電力制約下で使用され得る。無線リンクは、近接場通信に基づくリンク、例えば、送信機及び受信機部分のアンテナコイル間の誘導結合に基づく誘導リンクであることができる。無線リンクは、遠電界の電磁放射に基づくことができる。無線リンクを介する通信は、特定の変調方式、例えば、FM (周波数変調)もしくはAM (振幅変調)若しくはPM (位相変調)等のアナログ変調方式、又は、ASK (振幅シフトキーイング)等のデジタル変調方式、例えば、オンオフキーイング、FSK (周波数シフトキーイング)、PSK (位相シフトキーイング)、例えば、MSK (最小シフトキーイング)、又はQAM (直交振幅変調)等のデジタル変調方式にしたがって調整されることができる。
補聴器は、異なるモード、例えば、通常モード及び1つ以上の特定のモード、例えば、ユーザによって選択可能であるか、又は自動的に選択可能であるように構成することができる。例えば、補聴器は、上記の電気生理学に基づくスペクトル時間変調(STM)テストユニットとして動作するように間隔を置いて(at intervals)構成することができる。動作モードは、特定の音響状況又は環境に最適化されることができる。動作モードは、補聴器の機能性が低下する(例えば、電力を節約するため)、例えば、無線通信を無効にするため、及び/又は補聴器の特定の機能を無効にするために、低電力モードを含むことができる。
補聴器は、補聴器の現在の物理的環境(例えば、現在の音響環境)、及び/又は補聴器を装着しているユーザの現在の状態、及び/又は補聴器の現在の状態若しくは動作モードに関する状態信号を提供するように、又はユーザの電気生理学的反応を測定するように構成された多数の検出器を備えることができる。代替的に又は付加的に、1つ以上の検出器は、補聴器と通信(例えば、無線)している外部デバイスの一部を形成することができる。外部デバイスは、例えば、他の補聴器、リモートコントロール、及び音声送出デバイス、電話(例えば、スマートフォン)、外部センサなどを含むことができる。
複数の検出器(the number of detectors)のうちの1つ以上は、全帯域信号(時間領域)で動作することができる。複数の検出器のうちの1つ以上は、帯域分割信号((時間)周波数領域)で、例えば、制限された数の周波数帯(limited number of frequency bands)で動作することができる。
複数の検出器は、順方向経路の信号の電流レベルを推定するためのレベル検出器を含むことができる。検出器は、順方向経路の信号の電流レベルが所与の(L-)閾値を上回るか下回るかを決定するように構成されることができる。レベル検出器は全帯域信号(時間領域)で動作しする。レベル検出器は、帯域分割信号((時間)周波数領域)で動作する。
STM刺激生成ユニットは、出力ユニットに接続されることができる。STM刺激生成ユニットは、メモリに接続されることができる。STM刺激生成ユニットは、メモリからデータを取得し/受信し/読み出す(obtain/receive/retrieve)ように構成されることができる。データは、STMテスト刺激及び/又は所定のSTMテストプロトコル及び/又は1つ以上のユーザの1つ以上の所定のHTLを含むことができる。分析ユニットはメモリに接続されることができる。分析ユニットは、1つ以上のSTM聴力閾値(STMテストユニットの分析ユニットによって決定される)をメモリに格納するように構成することができる。分析ユニットは、メモリから1つ以上のSTM聴力閾値を取得し/受信し/読み出すように構成されることができる。分析ユニットは、メモリ上に格納された1つ以上のSTM聴力閾値を、特定のユーザの直近に(most recently)決定されたSTM聴力閾値と比較するように構成されることができる。このことにより、直近に決定されたSTM聴覚閾値の信頼スコア(すなわち、妥当性)は、特定のユーザの2つ以上の連続的に決定されたSTM聴力閾値を比較することによって決定され得る。さらに、特定のユーザのSTM聴力閾値における進行(例えば、劣化)をモニターすることができる。分析ユニットは、1つ以上の電極に接続されることができる。分析ユニットは、1つ以上の電極からユーザの電気生理学的反応を受信するように構成されることができる。STM刺激生成ユニットは、分析ユニットに接続されることができる。STM刺激生成ユニットは、分析ユニットからの信号に基づいて、複数の所定のSTMテストプロトコルのうちの1つを実行するように構成されることができる。例えば、分析ユニットが第1の所定のSTMテストプロトコルに基づいてSTM聴力閾値を成功のうちに(successfully)決定した場合、分析ユニットは信号をSTM刺激生成ユニットに送信することができる。信号の受信に反応して、STM刺激生成ユニットは、必要に応じて、第2の所定のSTMテストプロトコルを実行することができる。代替的に又は付加的に、信号の受信に反応して、必要に応じて(例えば、最初の実行が成功しなかった場合(例えば、無効であった場合))、STM刺激生成ユニットは、第1の所定のSTMテストプロトコルを再度実行することができる。
使用:
ある態様において、「実施形態の詳細な説明」及び特許請求の範囲に記載されているような、電気生理学に基づくSTMテストユニットの使用もまた、提供される。使用は、1つ以上の挿入イヤホン、補聴器(hearing aids)(例えば、聴覚器(hearing instruments))、ヘッドセット、イヤホン、能動型耳保護システム、スピーカなどを含むシステムにおいて提供されることができる。
方法:
一態様では、ユーザの電気生理学に基づくスペクトル時間変調(STM)テストの方法が、本出願によってさらに提供される。
方法は、出力ユニットを介して、STM刺激生成ユニットによって、ユーザの少なくとも1つの耳に少なくとも1つのSTMプローブ刺激を含むSTMテスト刺激を提供するステップを含む。STMテスト刺激は、所定のSTMテストプロトコルにしたがって提供されることができる。
本方法は、ユーザに1つ以上の電極を提供するステップを含むことができる。例えば、1つ以上の電極は、耳の後方又は内側などの耳に及び/又はユーザの頭皮に配置されることができる。
この方法は、提供されたSTMテスト刺激に反応して、使用者の電気生理学的反応を測定するステップを含むことができる。
方法は、分析ユニットによって測定されたユーザの電気生理学的反応を分析するステップを含むことができる。
STMテスト刺激は、さらに、少なくとも1つのSTM参照刺激を含み得る。STMテスト刺激を提供するステップは、少なくとも1つのSTMプローブ刺激及び少なくとも1つのSTM参照刺激を含むことができる。
方法は、さらに、ユーザの所定の聴力閾値レベル(HTL)に基づく周波数の関数として、STMプローブ刺激の音圧レベル(SPL)を成形するステップを含むことができる。
方法は、さらに、STMテストプロトコルが開始されるべきタイミングを合わせる又は調節すること(timing when)を含む。
開始は、STM刺激生成ユニットによってユーザへの少なくとも1つのSTMプローブ刺激を含むSTMテスト刺激を提供することを含むことができる。開始は、対応する電気生理的反応を1つ以上の電極で測定することを含むことができる。開始は、分析ユニットによってユーザの記録された電気生理的反応を分析することを含むことができる。
「実施形態の詳細な説明」又は特許請求の範囲に記載された電気生理学に基づくSTMテストユニットの構造的特徴の一部又は全部は、対応するプロセスによって適切に置換された場合に、本方法の実施形態と組み合わせることができ、その逆も可能であることが意図されている。本方法の実施形態は、対応するデバイスと同じ利点を有する。
音声オージオグラム(Speech Audiogram)
聴力診断目的及び補聴器装着を補助するために、パフォーマンス強度、音声バランス(PI-PB)ロールオーバー(Performance Intensity, Phonetically Balanced (PI-PB) roll-over)の測定が行われることがある。これは、複数の異なるプレゼンテーションレベルで、単一単語リスト(single-word lists)で静かな環境で音声認識を測定することを含んでいる。
その結果は音声オージオグラムと称されることがある。通常聴力の人及び伝音性難聴又は蝸牛性難聴の患者(patients with hearing loss of conductive or cochlear origin)では、典型的な結果のパターンは、特定のレベルで平坦化するレベルの増加を伴うパフォーマンス(正単語スコアパーセンテージ(correct word score percentage))の単調な増加であろう。
しかしながら、一部の患者では、ロールオーバー効果が観察されることがあり、ここでは、レベルが増加するにつれて(すなわち、dBの増幅が増加するにつれて)、パフォーマンスが増加し、ピークに達し、再び低下する。かかるロールオーバーは、典型的には、後蝸牛(retro-cochlear)に起因する難聴の徴候として解釈される。さらに、伝音性難聴と蝸牛性難聴を区別するために、上限(スコアのパーセンテージの最大値)での性能の差異を用いることができる。伝音性難聴の診断には通常、骨伝導聴力閾値の測定が必要であり、特に遠隔ケアのシナリオでは測定が困難である。
PI-PBロールオーバー(又は音声オージオグラム)のテストは比較的時間がかかり、再利用する単語リストがテスト結果を混乱させる可能性があるため、多くの単語リストを有する適切な音声素材を利用できる必要がある。
さらに、意味のある音声オージオメトリは、患者がクリニックの音声素材が作成される言語に精通していることを必要とする。これは、非ネイティブ患者では当然のこととは考えられない。
冒頭でも示したように、STMテストでは、少なくとも1つのSTMプローブ刺激を、他の点では同様のスペクトルを有する、少なくとも1つの非変調STM参照刺激と比較できる。STM参照刺激又はキャリアは、通常、広帯域ノイズ信号である。適応規則により、STMプローブ刺激の変調度合は、患者の変調検出閾値に達するまで変化させることができる。この閾値は、テストの結果であることができる。
STMテスト結果は、STMプローブ刺激のレベルを変化させると、単語認識に見られるのと同様の効果を示すことがある。しかしながら、STMの結果が仮定的な方法で提示レベルに依存するという、通常聴力の聴取者からの証拠がすでにいくつかある[1]。
PI-PBロールオーバーテスト(又は音声オージオグラム)を様々なレベルのSTMテストに置き換えることで、上記のすべての問題を解決することができる。
STMベースのテストはより速く、利用可能な単語リストの数に問題はなく、言語の精通さも問題ではない。さらに、PI-PBロールオーバーのためのSTMに基づくテストは、遠隔ケースのシナリオにおいてさえ、完全にユーザが操作する自動的な方法で容易に実装することができる。STMベースの「音声オージオグラム」は、PI-PBロールオーバーの評価と、伝音性難聴と蝸牛性難聴と区別との両方に有用である。
したがって、心理物理学に基づくSTMテストユニットがPI-PBロールオーバーテストを実施するために提供されることができる。
あるいは、電気生理学に基づくSTMテストユニットが、PI-PBロールオーバーテストを実施するために提供されることができる。
心理物理学及び/又は電気生理学に基づくSTMテストユニットは、STM刺激生成ユニットと、出力ユニットと、を備え、STM刺激生成ユニットは、所定のSTMテストプロトコルにしたがって、出力ユニットを介してユーザに少なくとも1つのSTMプローブ刺激を含むSTMテスト刺激を提供するように構成されることができる。
STMテスト刺激はさらに、少なくとも1つのSTM参照刺激を含むことができる。
心理物理学に基づくSTMテストユニットは、さらに、提供された刺激に反応して測定されたユーザの記録された心理物理学的反応を分析するように構成された分析ユニットを備える。
電気生理学に基づくSTMテストユニットは、ユーザの電気生理的反応を測定するための1つ以上の電極をさらに備えることができる。電気生理学に基づくSTMテストユニットは、提供された刺激に反応して測定されたユーザの記録された電気生理的反応を分析するように構成された分析ユニットをさらに備える。
また、「実施形態の詳細な説明」及び特許請求の範囲に記載されているように、心理物理学及び/又は電気生理学に基づく(psychophysically and/or electrophysiologically based)STMテストユニットは、少なくとも1つの挿入イヤホンを含むことができる。挿入イヤホンは、出力ユニットを含むことができる。心理物理学及び/又は電気生理学に基づくSTMテストユニットは、少なくとも1つの挿入イヤホンによって構成されることができる。例えば、STMテストユニットは、2つの挿入イヤホンを含むことができる。このことにより、一度に片方の耳又は両方の耳を同時に刺激することができる。
心理物理学及び/又は電気生理学に基づくSTMテストユニットは、少なくとも1つの補聴器を含むことができる。補聴器は、出力ユニットを含むことができる。心理物理学及び/又は電気生理学に基づくSTMテストユニットは、少なくとも1つの補聴器によって構成されることができる。例えば、STMテストユニットは、2つの補聴器を含むことができる。このことにより、一度に片方の耳又は両方の耳を同時に刺激することができる。
心理物理学及び/又は電気生理学に基づくSTMテストユニットは、スピーカを備えることができる。
さらに、心理物理学的及び/又は電気生理学的に基づくSTMテストユニットによるPI-PBロールオーバーテストを実施する方法が提供される。
方法は、ユーザのPI-PBロールオーバーを決定するためのものであることができる。
方法は、伝音性難聴と蝸牛性難聴を区別するためのものであることができる。
コンピュータ可読媒体又はデータキャリア:
一態様では、コンピュータプログラムが、データ処理システム上で実行された時に、「実施形態の詳細な説明」及び特許請求の範囲における、上述の方法(のステップ)の少なくとも一部(例えば過半数又は全て)をデータ処理システム(コンピュータ)に実行(施行)させるプログラムコード手段(命令)を含むコンピュータプログラムを格納する有形のコンピュータ可読媒体(データキャリア)は、本発明によってさらに提供される。
コンピュータプログラム:
プログラムがコンピュータによって実行されると、コンピュータに「実施形態の詳細な説明」及び請求の範囲に記載された、上述の方法を実行させる命令を含むコンピュータプログラム(製品)が、さらに、本発明によって提供される。
データ処理システム:
一態様では、「実施形態の詳細な説明」及び請求の範囲に記載された、上述の方法のステップの少なくとも一部(例えば大多数又は全て)をプロセッサに実行させるプログラムコード手段及びプロセッサを備えるデータ処理システムが、本発明によってさらに提供される。
システム:
さらなる態様において、「実施形態の詳細な説明」及び特許請求の範囲に記載されているような電気生理学に基づくSTMテストユニットを含むシステム及び補助デバイスがさらに提供される。
システムは、STMユニット(例えば1つ以上のユニット及び/又は(1つ以上の)補聴器及び/又は(1つ以上の)電極及び/又は挿入イヤホン及び/まてゃあスピーカの間)と補助デバイス(制御及び状態信号記録された反応、STMテスト刺激、おそらくはオーディオ信号)との間に通信リンクを確立して、情報を一方から他方に交換又は転送できるようにするように適合させることができる。
補助デバイスは、遠隔制御、スマートフォン、又はスマートウオッチ等の他の携帯可能又は装着可能な電子デバイスを含むことができる。
補助デバイスは、システムの機能性及び動作を制御するための遠隔制御によって構成されるか又は遠隔制御を含むことができる。
アプリ:
さらなる態様において、アプリ(APP)と称される非一時的用途は、本開示によりさらに提供される。アプリは、「実施形態の詳細な説明」及び特許請求の範囲に記載されたシステムのためのユーザインターフェースを実装するために補助デバイス上で実行されるように構成された実行可能な命令を含む。アプリは、例えばスマートフォン等の携帯電話、又は、STMテストユニット及び/又はSTMテストユニットの1つ以上の別個の要素との通信を可能にする他の携帯デバイスで実行するように構成することができる。
本開示の態様は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明から最もよく理解することができる。
これらの図面は、明確にするために概略的で簡略化されており、クレームの理解を深めるために詳細を示しているだけであり、他の詳細は省略されている。全体を通して、同一又は対応する部分には同一の参照符号が使用される。各態様の個々の特徴は、それぞれ、他の態様のいずれか又はすべての特徴と組み合わせることができる。これらの及び他の態様、機能、及び/又は、技術的効果は以下に説明する図面から明らかであり、それらを参照して解明されるであろう。:
図1は、本開示によるSTMテストユニットの例示的な適用シナリオを示す。 図2は、例示的な先行技術の音声オージオグラムを示している。 図3は、本開示による電気生理学に基づくユーザのSTMテストの方法の例示的なフロー図を示している。
図面は、明確にするために概略的で簡略化したものであり、開示の理解に不可欠な詳細のみを示し、他の詳細は省略している。全体を通して、同一の又は対応する部分には同一の参照符号が使用される。本開示のさらなる適用範囲は、以下に与えられる詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、本開示の好ましい実施形態を示す一方で、詳細な説明及び特定の実施例は、例示としてのみ与えられることが理解されるべきである。他の実施形態は、以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。
実施形態の詳細な説明
添付の図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、種々の構成の説明として意図される。詳細な記述は、様々な概念を完全に理解するための具体的な詳細を含んでいる。しかしながら、当業者には、これらの概念は、これらの特定の詳細なしに実施され得ることが明らかであろう。装置及び方法のいくつかの態様は、種々のブロック、機能ユニット、モジュール、構成要素、回路、ステップ、プロセス、アルゴリズムなど(「要素」と総称する)によって説明される。特定の用途、設計上の制約、又は他の理由に応じて、これらの要素は、電子ハードウェア、コンピュータプログラム、又はそれらの任意の組み合わせを用いて実施することができる。
電子ハードウェアは、マイクロ電子機械システム(MEMS)、集積回路(例えば用途固有)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、ゲートロジック、ディスクリートハードウェア回路、プリント回路基板(PCB)(例えば、フレキシブルPCB)、及び、例えば、環境、デバイス、ユーザ等の物理的特性を検知及び/又は登録するためのセンサなど、本開示を通して説明された種々の機能を実行するように構成された他の適切なハードウェアを含むことができる。コンピュータプログラムは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語などと称されるかどうかにかかわらず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能形式、実行スレッド、手順、機能などを意味すると広く解釈されるべきである。
図1は、本開示によるSTMテストユニットの例示的な適用シナリオを示す。
図1において、STMテストユニットは挿入イヤホン1として示されている。
挿入イヤホン1は、ユーザ3の耳2のうちの少なくとも1つに配置することができる。STMテストユニットは、ユーザ3の耳2の各々に挿入イヤホン1を配置することができるように、2つの挿入イヤホン1を備えることができる。
STMテストユニット(挿入イヤホン1)は、STM刺激生成ユニット4と、分析ユニット5と、出力ユニット6とを備えることができる。
STM刺激生成ユニット4は、所定のSTMテストプロトコルにしたがって、出力ユニット6を介してユーザ3に少なくとも1つのSTMプローブ刺激を含むSTMテスト刺激を提供するように構成されることができる。STMテスト刺激は、少なくとも1つのSTM参照刺激をさらに含むことができる。
STMテストユニットは、ユーザ3の電気生理的反応を測定するための1つ以上の電極を備えることができる。
図1において、STMテストユニットは、額に1つ、頬に1つ、耳の後ろの各乳様突起に1つなど、ユーザ3の頭の4つの位置に取り付けられた4つの電極7を含み得ることが示されている。電極7は、有線又は無線接続によって、STMテストユニットの他の部分(例えば、STM刺激生成ユニット4及び/又は分析ユニット5)に接続されることができる。
ただし、別の場所も予測されている。
分析ユニット5は、提供された刺激に反応して測定されたユーザ3の記録された電気生理的反応を分析するように構成されることができる。
図1では、挿入イヤホンの代わりに、STMテストユニットが、ユーザ3へのSTMテスト刺激の形態で刺激11を提供するためのスピーカ10を含むことができることが示されている。かかる場合、スピーカは、STMテストユニットの出力ユニット6を含むことができる。
STMテストユニットはメモリ12を備えることができる。
メモリ12は、STMテスト刺激、及び/又は所定のSTMテストプロトコル、及び/又はユーザ3の1つ以上の所定のHTL値、又は2人以上のユーザの1つ以上の所定のHTL値(STMテストユニットが使用されている又は使用される予定である)を格納することができる。STM刺激生成ユニット4は、記憶されたSTMテスト刺激、及び/又は所定のSTMテストプロトコル、及び/又はユーザ3の1つ以上の所定のHTL値、又は2人以上のユーザの1つ以上の所定のHTL値を、前記メモリ12から取得し/読み出すように構成することができる。
図2は、例示的な先行技術の音声オージオグラムを示している。
図2の、例示的な先行技術[2]の音声オージオグラムでは、スコアのパーセンテージ(正単語スコアパーセンテージ(correct word score percentage))は、増幅の関数(dB単位)として表示される。
4つの例示的な音声オージオグラム、すなわち、通常聴力の人(『NORMAL』)、伝音性難聴の人(『CONDUCTIVE』)、蝸牛性難聴の人(『COCHLEAR』)及び後蝸牛性難聴の人(『RETRO-COCHLEAR』)について、示される。
図2に見られるように、通常聴力の人及び伝音性又は蝸牛に起因する難聴の人の場合、結果の典型的なパターンは、特定のレベルで平坦になるレベルの増加を伴うパフォーマンス(正単語スコアパーセンテージ)の単調な増加があり得る。
通常聴力の人(『NORMAL』)の場合、パフォーマンスは約30 dBの増幅で平坦になることが示されているが、伝音性難聴(「CONDUCTIVE」)又は蝸牛性難聴の人(「COCHLEAR」)の場合、パフォーマンスはそれぞれ約70dBと75dBで平坦になる。
また、図2に示すように、上限(スコアパーセンテージの最大値)でのパフォーマンスの差異は、伝音性難聴と蝸牛性難聴を区別するために使用されることができる。伝音性難聴の診断には通常、特に遠隔ケアのシナリオでは測定が困難である骨伝導性聴力閾値測定が必要である。
後蝸牛性難聴(「RETRO-COCHLEAR」)の人には、ロールオーバー効果が観察される場合がある。ロールオーバー効果は、増幅が増加するにつれて、パフォーマンスが向上し、ピークに達し、再び低下することを特徴とする。かかるロールオーバーは、通常、後蝸牛に起因する難聴の兆候として解釈される。
したがって、STMベースの「音声オージオグラム」は、PI-PBロールオーバーを評価するだけでなく、伝音性難聴と蝸牛性難聴を区別するのにも役立ち得る。
図3は、本開示による電気生理学に基づくユーザのSTMテストの方法の例示的なフロー図を示している。
電気生理学に基づくユーザのSTMテストの方法は、所定のSTMテストプロトコルにしたがって、出力ユニットを介して、STM刺激生成ユニットによって、ユーザの少なくとも1つの耳に、少なくとも1つのSTMプローブ刺激を含むSTMテスト刺激を提供するステップ(S1)を含み得る。
電気生理学に基づくユーザのSTMテストの方法は、提供されたSTMテスト刺激に反応するユーザの電気生理的反応を測定するステップ(S2)を含み得る。
電気生理学に基づくユーザのSTMテストの方法は、測定されたユーザの電気生理学的反応を分析ユニットによって分析するステップ(S3)を含み得る。
ユーザの電気生理学に基づくSTMテストの方法は、本開示の電気生理学に基づくSTMテストユニットによって実行され得る。
詳細な説明及び/又は特許請求の範囲に記載されたデバイスの構造的特徴は、対応するプロセスによって適切に置き換えられた場合、方法のステップと組み合わせることができることが意図される。
使用されるように、単数形の「1つ(”a” ”an”)」及び「その(”the”)」は、特に明記されていない限り、複数形も含むことを意図している(すなわち、「少なくとも1つ」の意味を有する)。さらに、用語「含む」、「備える」、「有する」、及び/又は「持つ」(”includes” ”comprises” ”including” ”comprising”)は、本明細書において使用される場合、記述された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、これらの1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除しないことが理解されるであろう。また、要素が他の要素に「接続(connected)」又は「結合(coupled)」されていると言及されている場合、それは、他の要素に直接、接続され若しくは結合されていることもできるが、特に断らない限り、介在要素が存在することもできると理解されるであろう。さらに、本明細書で使用される「接続された(connected)」又は「結合された(coupled)」は、無線で接続又は結合されたものを含むことができる。本明細書中で使用される場合、用語「及び/又は(and/or)」は、関連する列挙されたアイテムの1つ以上の任意の及びすべての組み合わせを含む。開示された方法のステップは、特に断らない限り、本明細書に記載された正確な順序に限定されない。
本明細書を通じて、「一実施形態」又は「実施形態」又は「態様」又は「得る又はできる(may)」として含まれる特徴への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味することを理解されたい。さらに、特定の特徴、構造または特徴は、本開示の1つ以上の実施形態において適切であるように組み合わせることができる。前述の説明は、当業者が本明細書に記載の様々な態様を実践できるようにするために提供されている。これらの態様に対する様々な変更は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義される一般的な原理は、他の態様に適用することができる。
特許請求の範囲は、本明細書に示される態様に限定されることを意図するものではなく、請求項の文言と整合する全範囲を与えられるべきであり、単数形の要素への言及は、具体的に述べられない限り、「唯一無二の(one and only one)」を意味することを意図せず、むしろ「1つ以上(one or more)」を意図する。特に明記されていない限り、「一部又はいくつかの(some)」という用語は1つ以上を指す。
参考文献
[1] Magits, S., Moncada-Torres, A., Van Deun, L., Wouters, J., van Wieringen, A., & Francart, T. (2019).
The effect of presentation level on spectrotemporal modulation detection.
Hearing Research, 371, 11-18.
[2] https://www.otohub.com/pure-tone-test-and-speech-test/

Claims (20)

  1. 電気生理学に基づくスペクトル時間変調テストユニット(STMテストユニット)であって、前記STMテストユニットは、
    STM刺激生成ユニットと、
    出力ユニットと、を備え、
    前記STM刺激生成ユニットは、所定のSTMテストプロトコルにしたがって、前記出力ユニットを介して、少なくとも1つのSTMプローブ刺激を含むSTMテスト刺激をユーザに提供するように構成されており、
    前記STMテストユニットはさらに、
    前記ユーザの電気生理的反応を測定するための1つ以上の電極と、
    提供された前記STMテスト刺激に応答して測定された前記ユーザの記録された前記電気生理的反応を分析するように構成された分析ユニットと、
    を備える、STMテストユニット。
  2. 前記STM刺激生成ユニットは、前記ユーザの所定の聴力閾値レベル(HTL)に基づく周波数の関数として、前記STMプローブ刺激の音圧レベル(SPL)を成形するように構成されており、
    ここで、前記所定のHTLは、電気生理学に基づくSTMテストユニットのメモリに保存されている、
    請求項1記載のSTMテストユニット。
  3. 前記電気生理学に基づくSTMテストユニットは、前記所定のSTMテストプロトコルの開始を決定するためのタイミングユニットを備え、
    前記所定のSTMテストプロトコルの開始は、
    前記STM刺激生成ユニットが前記ユーザへの少なくとも1つの前記STMプローブ刺激を含むSTMテスト刺激を提供することと、
    前記1つ以上の電極が対応する前記電気生理的反応を測定することと、
    前記分析ユニットが前記ユーザの記録された前記電気生理的反応を分析することと、を含む、
    請求項1又は2記載の請求項1記載のSTMテストユニット。
  4. 前記電気生理学に基づくSTMテストユニットはメモリを備え、
    前記メモリは、前記STMテスト刺激及び/又は前記所定のSTMテストプロトコルを保存する、
    請求項1又は3記載のSTMテストユニット。
  5. 前記電気生理学に基づくSTMテストユニットは、少なくとも1つの挿入イヤホンを備えるか又は少なくとも1つの挿入イヤホンからなる、
    請求項1乃至4いずれか1項記載のSTMテストユニット。
  6. 前記電気生理学に基づくSTMテストユニットは、少なくとも1つの補聴器を備えるか又は少なくとも1つの補聴器からなる、
    請求項1乃至4いずれか1項記載のSTMテストユニット。
  7. 前記少なくとも1つの挿入イヤホン又は前記少なくとも1つの補聴器は前記1つ以上の電極を備える、
    請求項5又は6記載のSTMテストユニット。
  8. 前記電気生理学に基づくSTMテストユニットは、スピーカを備える、
    請求項1乃至7いずれか1項記載のSTMテストユニット。
  9. 前記ユーザに提供される前記STMテスト刺激は、前記電気生理学に基づくSTMテストユニットのメモリに保存されている前記所定のHTLにしたがって、前記STMテスト刺激を調整することによって前記ユーザの既存の任意の聴力損失を補償する、
    請求項1乃至8いずれか1項記載のSTMテストユニット。
  10. 前記1つ以上の電極はEEG電極である、
    請求項1乃至9いずれか1項記載のSTMテストユニット。
  11. 提供される前記刺激は、4Hz程度の時間変調及び2サイクル/オクターブスペクトル程度の変調を含む、
    請求項1乃至10いずれか1項記載のSTMテストユニット。
  12. 前記所定のSTMテストプロトコルは、
    連続的な変調STMプローブ刺激を供給すること、
    前記STMプローブ刺激に課されるスペクトル時間変調に時間ロックされた記録された前記反応を分析すること、
    トラッキング手順にしたがって前記STMプローブ刺激の変調の度合を変化させて閾値を得ることと、を含む、
    請求項1乃至11いずれか1項記載のSTMテストユニット。
  13. 提供される前記STMテスト刺激はさらに、少なくとも1つのSTM参照刺激を含む、
    請求項1乃至11いずれか1項記載のSTMテストユニット。
  14. 前記所定のSTMテストプロトコルは、
    前記STM参照刺激の連続的バーストを提供すること、
    変調された前記STMプローブ刺激を不定期に提供すること、
    記録された前記電気生理的反応を分析し、提供された前記STMプローブ刺激への反応を決定すること、
    トラッキング手順にしたがって前記STMプローブ刺激の変調の度合を変化させて閾値取得することと、を含む、
    請求項13記載のSTMテストユニット。
  15. 前記所定のSTMテストプロトコルは、
    前記STM参照刺激の間隔と前記STMプローブ刺激の間隔との間で交替する連続的な継続中の刺激を提供することと、
    変調された前記STMプローブ刺激の間隔のそれぞれの変調の度合を変化させることと、
    前記刺激の交替に時間ロックされた記録された前記電気生理学的反応の所定のセクションを時間領域で平均化することによって、 記録された前記電気生理的反応を分析し前記刺激の交替を決定することと、
    トラッキング手順にしたがって前記STMプローブ刺激の変調の度合を変化させて閾値を取得することと、を含む、
    請求項13記載のSTMテストユニット。
  16. ユーザを電気生理学に基づいてスペクトル時間変調テスト(STMテスト)する方法であって、前記方法は、
    所定のSTMテストプロトコルにしたがって、出力ユニットを介して、STM刺激生成ユニットによって、前記ユーザの少なくとも1つの耳に少なくとも1つのSTMプローブ刺激を含むSTMテスト刺激を提供するステップと、
    前記ユーザに1つ以上の電極を提供するステップと、
    提供された前記STMテスト刺激に反応する前記ユーザの電気生理的反応を測定するステップと、
    分析ユニットによって測定された前記ユーザの電気生理学的反応を分析するステップと、
    を含む、方法。
  17. 前記方法はさらに、
    前記ユーザの所定の聴力閾値レベル(HTL)に基づく周波数の関数として、前記STMプローブ刺激の音圧レベル(SPL)を成形するステップを含む、
    請求項16記載の方法。
  18. 前記方法はさらに
    前記STMテストが開始されるべきタイミングを合わせることを含み、前記開始は、
    前記STM刺激生成ユニットによって前記ユーザへの少なくとも1つの前記STMプローブ刺激を含むSTMテスト刺激を提供することと、
    対応する前記電気生理的反応を前記1つ以上の電極によって測定することと、
    前記分析ユニットによって前記ユーザの記録された前記電気生理的反応を分析することと、を含む、
    請求項16又は17記載の方法。
  19. 前記方法は、前記ユーザのパフォーマンス強度、音声バランス(PI-PB)ロールオーバーを決定するためのものである、
    請求項16乃至18いずれか1項記載の方法。
  20. 前記方法は、伝音性難聴と蝸牛性難聴を区別するためのものである、
    請求項16乃至18いずれか1項記載の方法。
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