JP2022083775A - ホットメルト接着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】アレグロ塗工が可能で、かつ、耐クリープ性に優れ、ヒステリシスロスが小さいホットメルト接着剤、そのホットメルト接着剤を用いて得られる使い捨て製品を提供する。【解決手段】(A)メタロセン系プロピレンホモポリマーと(B)メタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーを有し、(B)メタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーが、(B1)重量平均分子量70000未満のメタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーおよび(B2)重量平均分子量70000以上のメタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーを含む、ホットメルト接着剤である。そのホットメルト接着剤は、使い捨て製品を製造するために好適に使用することができる。【選択図】なし

Description

本発明はホットメルト接着剤に関し、さらに詳しくは紙おむつに代表される使い捨て製品分野の糸ゴムに塗布されるホットメルト接着剤に関する。
紙おむつ及びナプキン等に代表される使い捨て製品には、熱可塑性ブロック共重合体を主成分とするホットメルト接着剤が広く利用されている。
例えば、紙おむつは、ポリエチレンフィルムと、その他の部材(例えば、不織布、天然ゴム等の弾性体、及び吸水紙等)とがホットメルト接着剤で接着されて作製される。
ホットメルト接着剤は、様々の方法を用いて各種構成部材に塗布することができるが、いずれの方法を用いてもホットメルト接着剤が適当な粘度になるように加熱溶融し、ドット状、線状、筋状、螺旋状、面状等の形状で、各種構成部材に高速で塗布される。ホットメルト接着剤が高速塗布されることで、使い捨て製品の生産効率の向上が期待される。
使い捨て製品の生産効率をさらに高める手段の一つとして、高速塗工でも飛散し難いオレフィン系ホットメルト接着剤を用いることがある(特許文献1~3参照)。特許文献1~3は、オレフィン共重合体を含む使い捨て製品用のホットメルト接着剤を開示する。
特許文献1は、低融点プロピレンホモポリマーと、非晶性ポリオレフィンを有するホットメルト接着剤を開示する([請求項1]、[0135]表3、[0138]表4参照)。表3および表4に、ホットメルト接着剤のグリーンクリープの評価が記載されている。
特許文献2は、ポリプロピレンインパクトコポリマーとオレフィンエラストマーを含む弾性部材を製造するためのホットメルト接着剤を開示する([請求項1]、[0001]、[0035]表3、[0064]表2参照)。
特許文献3の実施例は、メタロセン系プロピレンホモポリマーと、メタロセン系プロピレン/エチレンコポリマーを有するホットメルト接着剤を例示する([0077]~[0079]、[0093]表1参照)。特許文献3のホットメルト接着剤は、高速塗工及び低温でのスパイラル塗工に優れる([0008]、[0015]参照)。
紙おむつ又は生理用品のメーカーは、ホットメルト接着剤を塗工する際の作業性及び環境面を考慮し、ホットメルト接着剤の低粘度化を強く望んでいる。
例えば、使い捨て製品の一種として、糸ゴムが組み込まれた紙おむつがある。糸ゴムにホットメルト接着剤を塗布する場合、アレグロ塗工という手法をとることがある。アレグロ塗工には、特殊なエアーノズルが用いられる。ホットメルト接着剤の粘度が高すぎる場合、ノズルから吐出されるホットメルト接着剤の量が一定にならず、糸ゴムへ塗布される接着剤の量が不均一となる。ホットメルト接着剤の粘度が低すぎる場合、ノズルから吐出されたホットメルト接着剤が飛び散ることがある。
さらに、糸ゴムへ塗布されるホットメルト接着剤には、優れた耐クリープ性が要求される。ホットメルト接着剤の耐クリープ性が不充分である場合、ホットメルト接着剤は収縮しようとする糸ゴムを紙おむつ本体の接着された位置に保持することができなくなる。つまり、紙おむつ本体を伴わずに糸ゴムのみが収縮してしまう。その場合、糸ゴムが収縮しても紙おむつ本体は折り畳まれず、紙おむつ本体に糸ゴムの伸縮力が付与されない。そうすると、紙おむつは身体にフィットすることができなくなる。近年では、より高い延伸状態で糸ゴムを保持することが望まれているので、ホットメルト接着剤には、より優れた耐クリープ性が要求されている。
紙おむつを身体にフィットさせる際、ホットメルト接着剤が塗布された糸ゴムには応力が加えられる。応力によって糸ゴムは伸縮するが、この時にエネルギーが消費される。このエネルギーをヒステリシスロス(履歴損失)と呼び、ヒステリシスロスが大き過ぎる場合、収縮しようとする糸ゴムが元に戻る力が弱くなる、又は、糸ゴムが元の長さに戻らなくなる。よって、糸ゴムに塗布されるホットメルト接着剤には、ヒステリシスロスが低いことも要求されている。
特許文献1~3のホットメルト接着剤は、プラスチックフィルム及び不織布等に塗布されるために適するが、伸縮性のある細長い弾性体(糸ゴム等)に均一に塗布されるために必ずしも適さない。さらに、特許文献1~3のホットメルト接着剤は、耐クリープ性が充分とは言えず、ヒステリシスロスも大きいので、高い延伸状態で糸ゴムを保持することも困難であった。
特表2020-512414号公報 特表2015-529706号公報 特開2013-64055号公報
本発明は、アレグロ塗工が可能で、かつ、耐クリープ性に優れ、ヒステリシスロスが小さいホットメルト接着剤、そのホットメルト接着剤を用いて得られる使い捨て製品を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意検討を重ねた結果、分子量分布が狭い特定のプロピレンホモポリマーに、2種類の分子量分布が狭い特定のエチレン系共重合体を配合すると、アレグロ塗工が可能で、かつ、耐クリープ性に優れ、ヒステリシスロスが小さいホットメルト接着剤が得られること、そのようなホットメルト接着剤が使い捨て製品用途に好適であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本明細書は、以下の実施形態を含む。
1.(A)メタロセン系プロピレンホモポリマーと(B)メタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーを有し、
(B)メタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーが、(B1)重量平均分子量70000未満のメタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーおよび(B2)重量平均分子量70000以上のメタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーを含む、ホットメルト接着剤。
2.(B2)メタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーは、重量平均分子量70000以上500000以下のメタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーを含む、1に記載のホットメルト接着剤。
3.(A)メタロセン系プロピレンホモポリマーと(B)メタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーの総量100質量部に対し、(B)メタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーが40~70質量部である、1または2に記載のホットメルト接着剤。
4 さらに、(C)その他のオレフィンコポリマー(成分(B)に該当しないα-オレフィンコポリマー)を含む、1~3のいずれか1つに記載のホットメルト接着剤。
5.さらに、(D)粘着付与樹脂を有し、(D)粘着付与樹脂が(D1)軟化点100℃以上の粘着付与樹脂を含む、1~4のいずれか1つに記載のホットメルト接着剤。
6.糸ゴムを使い捨て製品本体に固定するために用いられる1~5のいずれか1つに記載のホットメルト接着剤。
7.1~6のいずれか1つに記載のホットメルト接着剤を有する使い捨て製品。
本発明の実施形態のホットメルト接着剤は、成分(A)、(B1)及び(B2)を含むことによって、アレグロ塗工が可能な適切な粘度を有し、耐クリープ性が良好で、なおかつ、ヒステリシスロスを低く保つことが可能になる。
本発明の実施形態の使い捨て製品は、上記ホットメルト接着剤が塗布された糸ゴムを組み込んだ場合、糸ゴムを大きく延伸した状態で製品本体に保持できるので、身体へのフィット性に優れている。
本発明の実施形態のホットメルト接着剤は、(A)メタロセン系プロピレンホモポリマーと、(B)メタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーを含む。(B)メタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーは、(B1)重量平均分子量70000未満のメタロセン系エチレン/プロピレンコポリマー及び(B2)重量平均分子量70000以上のメタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーを必須成分として有する。
本明細書において、「メタロセン系プロピレンホモポリマー」はメタロセン系触媒を用いてプロピレンを重合して得られるプロピレンホモポリマーであり、「メタロセン系エチレン/プロピレンコポリマー」はメタロセン系触媒を用いてエチレンとプロピレンを共重合して得られるエチレン/プロピレンコポリマーである。
尚、本明細書では、「(A)メタロセン系プロピレンホモポリマー」を、単に「(A)プロピレンホモポリマー」(あるいは「成分(A)」)、「(B)メタロセン系エチレン/プロピレンコポリマー」を、単に「(B)エチレン/プロピレンコポリマー」(あるいは「成分(B)」)、「(B1)メタロセン系エチレン/プロピレンコポリマー」を、単に「(B1)エチレン/プロピレンコポリマー」(あるいは「成分(B1)」)、「(B2)メタロセン系エチレン/プロピレンコポリマー」を、単に「(B2)エチレン/プロピレンコポリマー」(あるいは「成分(B2)」)と略す場合がある。
<(A)メタロセン系プロピレンホモポリマー>
本発明の実施形態のホットメルト接着剤は、(A)プロピレンホモポリマーを含み、(A)プロピレンホモポリマーの分子量分布が狭く、分子構造が制御されて結晶性が高いことにより、耐クリープ性に優れる。(A)プロピレンホモポリマーは、メタロセン系プロピレンホモポリマーであり、本発明が目的とするホットメルト接着剤を得ることができる限り特に制限されることはない。
(A)プロピレンホモポリマーの融点は100℃以下であることが好ましく、60~90℃であることがより好ましく、特に65~85℃であることが最も好ましい。
(A)プロピレンホモポリマーの融点が上記範囲にある場合、本発明の実施形態のホットメルト接着剤の耐クリープ性がさらに向上する。
本明細書に開示された「融点」は、示差走査熱量測定(DSC)を用いて測定された値をいう。具体的には、SIIナノテクノロジー社製のDSC6220(商品名)を用い、アルミ容器に試料を10mg秤量し、昇温速度5℃/minで測定して、融解ピークの頂点の温度を融点という。
メタロセン触媒を用いてプロピレンを重合すると、(i)結晶性を有し、(ii)非常に分子量分布の狭いプロピレンホモポリマーが合成される。
(i)については、完全なアイソタクティック性、シンジオタクティック性を任意に制御できることを意味する。従って、結晶性に偏りを生じさせることが無く、メチル基の並び方や割合等について均一な重合体が得られ、付着力低下の原因となる低結晶性部位が生じる可能性が低い。
(ii)について、プロピレンホモポリマーの分子量分布の程度を、多分散度(Mw/Mn)で表すことができる。メタロセン系プロピレンホモポリマーの多分散度(Mw/Mn)は1.0~3.0であることが好ましく、1.0~2.5であることがより好ましい。メタロセン系プロピレンホモポリマーの多分散度(Mw/Mn)が1.0~3.0である場合、本発明の実施形態のホットメルト接着剤は、接着力により優れる。分子量分布とは、合成高分子の分子量の分布を示す概念であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(多分散度:Mw/Mn)が尺度となる。本明細書では、数平均分子量、重量平均分子量及び多分散度の測定は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)でなされる。
本発明の実施形態では、(A)プロピレンホモポリマーの重量平均分子量は、30000~200000であることが好ましく、40000~150000であることがより好ましく、40000~100000であることがさらにより好ましく、40000~80000であることが最も好ましい。(A)プロピレンホモポリマーの多分散度(Mw/Mn)は1.0~3.0であることが好ましい。
メタロセン系プロピレンホモポリマーとして、市販品を使用することができる。そのような市販品として、例えば、出光興産社製のエルモーデュS400(商品名)、エルモーデュS600(商品名)、エルモーデュS901(商品名)を例示できる。
本明細書では、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び多分散度(Mw/Mn)はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定した値を意味する。具体的には、東ソー社製のHLC-8321GPC/HTを用い、以下の条件で数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量を測定することができる。検出器として、東ソー社の示差屈折計(RI)を用いる。GPCカラムとして、東ソー社製のTSKgelguardcolumn HHR(S)と、2本のTSKgel GMHHR-H(S)HTを用いる。試料をo-ジクロロベンゼンに溶解して、流速を1.0ml/min、測定温度を145℃にて流し、ポリスチレンによる検量線を用いて分子量の換算を行い、数平均分子量、重量平均分子量及び多分散度を求める。
尚、数平均分子量、重量平均分子量及び多分散度の測定(算出)は、成分(A)のみならず、成分(B)についても同様に適用される。
<(B)メタロセン系エチレン/プロピレンコポリマー>
本発明の実施形態において、(B)エチレン/プロピレンコポリマーは、(B1)重量平均分子量70000未満のメタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーおよび(B2)重量平均分子量70000以上のメタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーを含み、本発明が目的とするホットメルト接着剤を得ることができる限り、特に制限されることはない。
本発明の実施形態のホットメルト接着剤は、成分(B1)及び成分(B2)の双方を含むことで、アレグロ塗工に適した粘度に調整され、ヒステリシスロスも小さくなる。
メタロセン触媒を用いてエチレンとプロピレンを共重合すると、(i)均一な構造を有し、(ii)非常に分子量分布の狭いエチレンとプロピレンのコポリマーが合成される。
(i)については、エチレンとプロピレンの共重合を任意に制御できることを意味する。従って、共重合体の構造に偏りを生じさせることが無く、エチレン基とプロピレン基の並び方や割合等について均一な共重合体が得られ、付着力低下の原因となる不均一な構造(低結晶性部位)が生じる可能性が低い。
(ii)について、エチレンとプロピレンのコポリマーの分子量分布の程度を、プロピレンホモポリマーと同様に多分散度(Mw/Mn)で表すことができる。メタロセン系エチレンとプロピレンのコポリマーの多分散度(Mw/Mn)は1.0~3.0であることが好ましく、1.0~2.5であることがより好ましい。メタロセン系エチレンとプロピレンのコポリマーの多分散度(Mw/Mn)が1.0~3.0である場合、本発明の実施形態のホットメルト接着剤は、接着力により優れる。
(B1)エチレン/プロピレンコポリマーの重量平均分子量は、10000以上70000未満であることが好ましく、20000以上70000未満であることがより好ましく、30000以上70000未満であることが更に好ましい。
(B1)エチレン/プロピレンコポリマーの重量平均分子量は、10000以上70000未満の場合、本発明の実施形態のホットメルト接着剤は、アレグロ塗工適正により優れ、ヒステリシスロスがより低下しえる。
(B1)エチレン/プロピレンコポリマーは、エチレン部分の含有量が5~15質量%であることが好ましく10~15質量%であることがより好ましく、10~13質量%であることが更に好ましい。エチレン部分の含有量が上記範囲にある場合、本発明の実施形態のホットメルト接着際は、アレグロ塗工適正により優れ、ヒステリシスロスがより低下しえる。
(B1)エチレン/プロピレンコポリマーは、2種以上の重量平均分子量70000未満のメタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーを含むことができる。いずれのメタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーも、それらの多分散度(Mw/Mn)は1.0~3.0であることが好ましい。
重量平均分子量70000未満のメタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーとして、市販品を使用することができる。そのような市販品として、例えば、エクソンモービル社製のビスタマックス8380(商品名)、ビスタマックス8780(商品名)、ビスタマックス8880(商品名)等を例示することができる。
本発明の実施形態において、(B2)エチレン/プロピレンコポリマーの重量平均分子量は、70000以上、500000以下であることが好ましく、150000以上、450000以下であることがより好ましく、200000以上、400000以下であることが更に好ましく、250000以上、300000以下であることがさらにより好ましい。(B2)エチレン/プロピレンコポリマーの重量平均分子量が上記範囲である場合、本発明の実施形態のホットメルト接着剤は、耐クリープ性を保ちつつ、ヒステリシスロスが低くなる。
(B2)エチレン/プロピレンコポリマーは、エチレン部分の含有量が5~15質量%であることが好ましく、10~15質量%であることがより好ましく、10~13質量%であることが更に好まし。エチレン部分の含有量が上記範囲にある場合、本発明の実施形態のホットメルト接着際は、耐クリープ性を保ちつつ、ヒステリシスロスが低くなる。
(B2)エチレン/プロピレンコポリマーは、2種以上の重量平均分子量70000以上のメタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーを含むことができる。いずれのメタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーも、それらの多分散度(Mw/Mn)は1.0~3.0であることが好ましい。
重量平均分子量70000以上のメタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーとして、市販品を使用することができる。そのような市販品として、例えば、エクソンモービル社製のビスタマックス6502(商品名)、ビスタマックス6202(商品名)、ビスタマックス3000(商品名)、ビスタマックス3020(商品名)、ダウ社製バーシファイ4301(商品名)等を例示することができる。
成分(A)と成分(B)の総量100質量部に対し、成分(B)が20~80質量部含まれることが好ましく、30~75質量部含まれることがより好ましく、40~70質量部含まれることがさらに好ましい。成分(B)の含有量が20~80質量部である場合、本発明の実施形態のホットメルト接着剤は、アレグロ塗工により適し、耐クリープ性がより向上し、ヒステリシスロスがより小さくなる。
<(C)その他のオレフィンコポリマー:成分(B)に該当しないαオレフィンコポリマー>
本発明の実施形態のホットメルト接着剤は、さらに、(C)その他のオレフィンコポリマー(成分(B)に該当しないαオレフィンコポリマー)を含むことができる。
本発明の実施形態において、(C)その他のオレフィンコポリマーは、(B)メタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーに該当することなく、粘着付与樹脂にもワックスにも該当することもなく、本発明の実施形態のホットメルト接着剤に悪影響を及ぼさないオレフィンコポリマーであれば特に限定されることはない。
成分(C)として、チーグラナッタ触媒で重合して得られたその他のオレフィンコポリマー、メタロセン触媒で重合して得られたその他のオレフィンコポリマーが好ましい。
成分(C)として、具体的には、例えば、チーグラナッタ触媒で重合して得られたエチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/プロピレン/ブテンコポリマー、メタロセン触媒で重合して得られたエチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ブテンコポリマー、エチレン/プロピレン/ブテンコポリマー等を例示することができる。
その他のオレフィンコポリマーとして、市販品を使用することができる、そのような市販品として、例えば、メタロセン触媒で重合して得られたその他のオレフィン系コポリマーであるダウ社製アフィニティ1000R(商品名)、アフィニティGA1950(商品名)、インフューズ9807(商品名)、チーグラナッタ触媒で重合して得られたその他のオレフィン系コポリマーであるエボニックデグサ社製ベストプラストEP V2094等を例示できる。
その他のオレフィン系コポリマーは、単独で又は組み合わせて使用することができる。
本発明の実施形態のホットメルト接着剤は、成分(A)と成分(B)の総量100質量部に対し、成分(C)を10質量部以下含んでよく、1~10質量部含んでよく、3~10質量部以下含んでよく5~10質量部含んでよい。
<(D)粘着付与樹脂>
本発明の実施形態のホットメルト接着剤は、更に(D)粘着付与樹脂を含むことが好ましい。(D)粘着付与樹脂は、(A)プロプレンホモポリマーおよび(B)エチレン/プロピレンコポリマーの総量100質量部に対し、例えば、70~150質量部配合されてよく、80~130質量部配合されることが好ましく、特に90~120質量部配合されることがより好ましく、90~110質量部配合されることが特に好ましい。(D)粘着付与樹脂が上記割合で配合される場合、本発明の実施形態のホットメルト接着剤は、アレグロ塗工がより容易に可能になり、糸ゴムへより均一に塗布され、使い捨て製品を製造するためにより適する。
(D)粘着付与樹脂として、例えば、天然ロジン、変性ロジン、水添ロジン、天然ロジンのグリセロールエステル、変性ロジンのグリセロールエステル、天然ロジンのペンタエリスリトールエステル、変性ロジンのペンタエリスリトールエステル、水添ロジンのペンタエリスリトールエステル、天然テルペンのコポリマー、天然テルペンの3次元ポリマー、水添テルペンのコポリマーの水素化誘導体、ポリテルペン樹脂、フェノール系変性テルペン樹脂の水素化誘導体、脂肪族石油炭化水素樹脂、脂肪族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体、芳香族石油炭化水素樹脂、芳香族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体、環状脂肪族石油炭化水素樹脂、環状脂肪族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体を例示することができる。これらの粘着付与樹脂は、単独で、又は組み合わせて使用することができる。粘着付与樹脂は、色調が無色~淡黄色であって、臭気が実質的に無く熱安定性が良好なものであれば、液状タイプの粘着付与樹脂も使用できる。
粘着付与樹脂の軟化点は、例えば、80℃以上であってよく、90℃以上であってよく、100℃以上であることが好ましい。また、軟化点は、例えば、140℃以下であってよく、130℃以下であってよい。ここで、本明細書において、軟化点は、JIS K 2207に基づき、石油アスファルト試験に準拠した自動軟化点装置(環球式)で測定された値をいう。粘着付与樹脂の軟化点が上記範囲にある場合、本発明の実施形態のホットメルト接着剤は、流動性がより安定し、アレグロ塗工により適する。
(D)粘着付与樹脂として、市販品を用いることができる。そのような市販品として、例えば、LUHUA社製のHD1120(商品名)、HD1100(商品名)、イーストマン社製のイーストタックC100W(商品名)、荒川化学社製のアルコンP100(商品名)、アルコンM100(商品名)、ヤスハラケミカル社製のクリアロンM105(商品名)、エクソン社製のECR5400(商品名)、ECR5615(商品名)、ECR179EX(商品名)、日本ゼオン社製のQuinton DX390(商品名)、コロン社製のスーコレッツSU210(商品名)を例示することができる。これらの市販の粘着付与樹脂は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
<(E)ワックス>
本発明の実施形態のホットメルト接着剤は、(E)ワックスを含むことが好ましい。尚、本明細書で「ワックス」とは、常温で固体、加熱すると液体となる重量平均分子量が10000未満の有機物であり、一般的に「ワックス」とされているものをいい、ワックス状の性質を有するものであれば、本発明の実施形態のホットメルト接着剤を得ることができる限り、特に制限されることはない。
(E)ワックスは、本発明の実施形態のホットメルト接着剤に悪影響を及ぼさない限り、特に限定されることはないが、(A)プロピレンホモポリマーと(B)エチレン/プロピレンコポリマーの相溶性を考慮すると、オレフィンワックスが好ましい。オレフィンワックスとして、具体的には、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレン/ポリプロピレンワックス、ポリエチレン/ポリブチレンワックス、ポリエチレン/ポリブテンワックス等を例示することができる。(E)ワックスは、未変性であっても、カルボン酸等で変性されていても良い。
<(F)可塑剤>
更に本発明の実施形態のホットメルト接着剤は、(F)可塑剤を含むことができる。本明細書において、(F)可塑剤とは、ホットメルト接着剤の溶融粘度低下、柔軟性の付与、被着体への濡れ向上を目的として配合される材料をいい、本発明が目的とするホットメルト接着剤を得ることができる限り特に制限されることはない。(F)可塑剤を含む場合、本発明の実施形態のホットメルト接着剤はアレグロ塗工により適する。
(F)可塑剤として、例えば、フタル酸エステル、アジピン酸エステル、リン酸エステル、トリメリット酸エステルが挙げられるが、ホットメルト接着剤には各成分との相溶性を考慮し、オイルが用いられることが多い。オイルとして、例えばパラフィン系オイル、ナフテン系オイル及び芳香族系オイルを例示することができる。
オイルとして、市販品を用いることができる。例えば、巴工業社製のPB950(商品名)、Kukdong社製のLP350(商品名)、Nynas社製のNyflex222B(商品名)、出光興産社製のダイアナフレシアS32(商品名)、ダイアナプロセスオイルPW-90(商品名)、プロセスオイルNS-100(商品名)、SK LUBRICANTS社製のファゾール35(商品名)、ペトロチャイナ社製のKN4010(商品名)、Kukdong Oil&Chem社製のWhite Oil Broom350(商品名)、DNオイルKP-68(商品名)、BPケミカルズ社製のEnerperM1930(商品名)、Crompton社製のKaydol(商品名)、エッソ社製のPrimol352(商品名)を例示することができる。これらのオイルは、単独で又は組み合わせて使用することができる。
本発明の実施形態のホットメルト接着剤は、必要に応じて、更に各種添加剤を含んでもよい。そのような各種添加剤として、例えば、安定化剤及び微粒子充填剤を例示することができる。
「安定化剤」とは、ホットメルト接着剤の熱による分子量低下、ゲル化、着色、臭気の発生等を防止して、ホットメルト接着剤の安定性を向上するために配合されるものであり、本発明が目的とするホットメルト接着剤を得ることができるものであれば、特に制限されるものではない。「安定化剤」として、例えば酸化防止剤及び紫外線吸収剤を例示することができる。
「紫外線吸収剤」は、ホットメルト接着剤の耐光性を改善するために使用される。「酸化防止剤」は、ホットメルト接着剤の酸化劣化を防止するために使用される。酸化防止剤及び紫外線吸収剤は、一般的に使い捨て製品に使用されるものであって、後述する目的とする使い捨て製品を得ることができるものであれば使用することができ、特に制限されるものではない。
酸化防止剤として、例えばフェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤を例示できる。紫外線吸収剤として、例えばベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤を例示できる。更に、ラクトン系安定剤を添加することもできる。これらは単独又は組み合わせて使用することができる。
安定化剤として、市販品を使用することができる。例えば、住友化学工業(株)製のスミライザーGM(商品名)、スミライザーTPD(商品名)及びスミライザーTPS(商品名)、チバスペシャリティーケミカルズ社製のイルガノックス1010(商品名)、イルガノックスHP2225FF(商品名)、イルガフォス168(商品名)及びイルガノックス1520(商品名)、城北化学社製のJF77(商品名)を例示することができる。これらの安定化剤は、単独で又は組み合わせて使用することができる。
本発明の実施形態のホットメルト接着剤は、更に、微粒子充填剤を含むことができる。微粒子充填剤は、一般に使用されているものであれば良く、本発明が目的とするホットメルト接着剤を得ることができる限り、特に限定されることはない。「微粒子充填剤」として、例えば雲母、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、酸化チタン、ケイソウ土、尿素系樹脂、スチレンビーズ、焼成クレー、澱粉等を例示できる。これらの形状は、好ましくは球状であり、その寸法(球状の場合は直径)については特に限定されるものではない。
本発明の実施形態のホットメルト接着剤は、成分(A)及び成分(B)、場合によっては、成分(C)~成分(F)を配合し、必要に応じて種々の添加剤を配合し、加熱して溶融し混合することで製造することができる。具体的には、上記成分を攪拌機付きの溶融混合釜に投入し、加熱混合することで製造することができる。
本発明の実施形態のホットメルト接着剤は、180℃の溶融粘度が2000~20000mPa.sであることが好ましく、2000~15000mPa.sであることがより好ましく、2000~10000mPa.sであることが更に好ましく、4000~8000mPa.sであることが更により好ましく、5000~8000mPa・sであることが特に好ましい。「溶融粘度」とは、ホットメルト接着剤の溶融体の粘度であり、ブルックフィールドRVT型粘度計(スピンドルNo.27)で測定される。
溶融粘度が上記範囲にある場合、本発明の実施形態のホットメルト接着剤は、種々の塗工方法により適するが、アレグロ塗工により適し、糸ゴムに、均一に塗布され、塗布の際に飛び散ることもないので、使い捨て製品を製造するためにより適する。
更に、本発明の実施形態のホットメルト接着剤は、実施例で記載する糸ゴムの弾性保持性(耐クリープ性)の評価方法において、保持率(40℃で2時間後、40℃で4時間後)が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%を超えることが更により好ましい。本発明の実施形態のホットメルト接着剤の保持率が80%以上である場合、紙おむつ等の使い捨て製品に組み込まれた糸ゴムの弾性をより良好に保持することが可能となり、本発明の実施形態のホットメルト接着剤は、使い捨て製品を製造する用途により好適である。
また、本発明の実施形態のホットメルト接着剤は、実施例で記載するヒステリシスロスの評価方法において、ヒステリシスロス(%)が35%以下であることが好ましく、30%以下であることがより好ましく、25%以下であることが更により好ましい。本発明の実施形態のホットメルト接着剤のヒステリシスロスが35%以下である場合、ホットメルト接着剤は使い捨て製品の糸ゴムに塗布され、糸ゴムを収縮して元の長さに戻ることを容易にする。従って、本発明の実施形態のホットメルト接着剤は、使い捨て製品を製造する用途により好適である。
本発明の実施形態のホットメルト接着剤は、紙加工、製本、使い捨て製品等、幅広く利用されるが、主に使い捨て製品に使用されることができる。「使い捨て製品」とは、例えばいわゆる衛生材料であれば、本発明の実施形態のホットメルト接着剤を使用することができる限り、特に限定されるものではない。衛生材料として、具体的には紙おむつ、生理用ナプキン、ペットシート、病院用ガウン、手術用白衣等を例示できる。
本発明の実施形態のホットメルト接着剤は、糸ゴムが組み込まれた上記使い捨て製品を製造する際に、引き伸ばした糸ゴムを製品本体に接着する用途に特に好ましく使用することができる。
本発明の別の実施形態において、上述のホットメルト接着剤が180℃以下で接触塗布又は非接触塗布されて得られる使い捨て製品を提供する。使い捨て製品は、織布、不織布、糸ゴム、樹脂、紙類からなる群から選ばれた少なくとも一つの部材と、ポリオレフィンフィルムとを本発明の実施形態のホットメルト接着剤を用いて接着して構成される。ポリオレフィンフィルムとして、耐久性やコスト等の理由からポリエチレンフィルムが好ましい。
ホットメルト接着剤を塗布する方法は、目的とする使い捨て製品を得ることができる限り、特に制限されるものではない。そのような塗布方法は、接触塗布、非接触塗布に大別される。「接触塗布」とは、ホットメルト接着剤を塗布する際、噴出機を部材やフィルムや糸ゴムに接触させる塗布方法をいい、「非接触塗布」とは、ホットメルト接着剤を塗布する際、噴出機を部材やフィルムに接触させない塗布方法をいう。
接触塗布方法として、例えば、スロットコーター塗工、ロールコーター塗工、アレグロ塗工等を例示でき、非接触塗布方法として、例えば、螺旋状に塗布できるスパイラル塗工、波状に塗布できるオメガ塗工やコントロールシーム塗工、面状に塗布できるスロットスプレー塗工やカーテンスプレー塗工、点状に塗工できるドット塗工などを例示できる。
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的かつ詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の一態様にすぎず、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
尚、実施例の記載において、特に記載がない限り、溶媒を考慮しない部分を、質量部及び質量%の基準としている。
ホットメルト接着剤を配合するための成分を、以下に示す。
(A)メタロセン系プロピレンホモポリマー
(A1)メタロセン触媒で重合して得られた融点75℃のプロピレンホモポリマー(「エルモーデュS400(商品名)出光興産社製」 重量平均分子量45000 多分散度2.0)
(A2)メタロセン触媒で重合して得られた融点80℃のプロピレンホモポリマー(「エルモーデュS600(商品名)出光興産社製」 重量平均分子量70000 多分散度2.0)
(A3)メタロセン触媒で重合して得られた融点80℃のプロピレンホモポリマー(「エルモーデュS901(商品名)出光興産社製」 重量平均分子量120000 多分散度2.0)
(B)メタロセン系エチレン/プロピレンコポリマー
(B1-1)メタロセン触媒で重合して得られた重量平均分子量70000未満のエチレン/プロピレンコポリマー(「ビスタマックス8380(商品名)エクソンモービル社製」重量平均分子量65900 多分散度2.3 190℃溶融粘度7570mPa.s エチレン含有率12質量%)
(B1-2)メタロセン触媒で重合して得られた重量平均分子量70000未満のエチレン/プロピレンコポリマー(「ビスタマックス8780(商品名)エクソンモービル社製」重量平均分子量55200 多分散度2.1 190℃溶融粘度3980mPa.s エチレン含有率12質量%)
(B2-1)メタロセン触媒で重合して得られた重量平均分子量70000以上のエチレン/プロピレンコポリマー(「ビスタマックス6502(商品名)エクソンモービル社製」重量平均分子量177000 多分散度1.9 190℃メルトインデックス21g/10分 エチレン含有率13質量%)
(B2-2)メタロセン触媒で重合して得られた重量平均分子量70000以上のエチレン/プロピレンコポリマー(「ビスタマックス6202(商品名)エクソンモービル社製」重量平均分子量208000 多分散度2.0 190℃メルトインデックス9.1g/10分 エチレン含有率15質量%)
(B2-3)メタロセン触媒で重合して得られた重量平均分子量70000以上のエチレン/プロピレンコポリマー(「ビスタマックス3000(商品名)エクソンモービル社製」重量平均分子量273000 多分散度2.0 190℃メルトインデックス3.7g/10分 エチレン含有率11質量%)
(B2-4)メタロセン触媒で重合して得られた重量平均分子量70000以上のエチレン/プロピレンコポリマー(「ビスタマックス3020(商品名)エクソンモービル社製」重量平均分子量400000 多分散度1.9 190℃メルトインデックス1.2g/10分 エチレン含有率11質量%)
(B2-5)メタロセン触媒で重合して得られた重量平均分子量70000以上のエチレン/プロピレンコポリマー(「バーシファイ4301(商品名)ダウ社製」重量平均分子量213000 多分散度2.6 230℃メルトインデックス25g/10分)
(C)その他オレフィンコポリマー(成分(B)に該当しないコポリマー)
(C1)メタロセン触媒で重合して得られたエチレン/オクテンコポリマー(「アフィニティ1000R(商品名)ダウ社製」)
(C2)メタロセン触媒で重合して得られたエチレン/オクテンコポリマー(「アフィニティGA1950(商品名)ダウ社製」)
(C3)メタロセン触媒で重合して得られたエチレン/オクテンコポリマー(「インフューズ9807(商品名)ダウ社製」)
(C4)チーグラナッタ触媒で重合して得られたエチレン/プロピレン/1-ブテンコポリマー(「ベストプラストEP V2094」(商品名)エボニックデグサ社製)
(D)粘着付与樹脂
(D1)水素添加環状脂肪族石油炭化水素樹脂(「HD1120(商品名)LUHUA社製」 軟化点120℃)
(D2)水素添加環状脂肪族石油炭化水素樹脂(「HD1100(商品名)LUHUA社製」 軟化点100℃)
(D3)水素添加環状脂肪族石油炭化水素樹脂(「イーストタックC100W(商品名)イーストマン社製」 軟化点100℃)
(D4)水素添加環状脂肪族石油炭化水素樹脂(「アルコンP100(商品名)荒川化学工業社製」 軟化点100℃)
(D5)水素添加ジシクロペンタジエン系樹脂(「ECR5400(商品名)エクソンモービル社製」 軟化点103℃)
(D6)水素添加型脂環式石油炭化水素樹脂(「スーコレッツSU210(商品名)コロン社製」 軟化点110℃)
(E)ワックス
(E1)ポリエチレンワックス(「リコセンPE4201(商品名)クラリアントケミカルズ社製」)
(E2)マレイン酸変性ポリプロピレンワックス(「リコセンPPMA6252(商品名)クラリアントケミカルズ社製」
(F)可塑剤
(F1)ナフテンオイル(「KN4010」(商品名)ペトロチャイナ社製)
(F2)ポリブテン(「PB950(商品名)巴工業社製」)
(F3)パラフィンオイル(「LP350(商品名) Kukdon Oil&Chem社製」)
(G)安定化剤
(G1)酸化防止剤(「イルガノックス1010(商品名)BASF社製」)
成分(A)~成分(G)を表1~2に示す割合で配合し、約150℃で2時間かけて万能攪拌機を用いて溶融混合し、実施例1~7および比較例1~5のホットメルト接着剤を調製した。表1~2に示されるホットメルト接着剤の組成(配合)に関する数値は、全て質量部である。
ホットメルト接着剤の各々(実施例および比較例)について、溶融粘度を測定し、アレグロ塗工適性、糸ゴム弾性保持性(耐クリープ性)、ヒステリシスロスを評価した。以下、各測定及び評価の概要について説明する。
Figure 2022083775000001
Figure 2022083775000002
[溶融粘度測定]
ホットメルト接着剤を加熱して溶融し、140℃、160℃及び180℃において、ホットメルト接着剤の溶融粘度をブルックフィールドRVT型粘度計(スピンドルNo.27)で測定した。
[アレグロ塗工の適性評価]
ノードソン社製のアレグロノズルを使用し、ホットエア圧力0.04MPa下にて、ホットメルト接着剤を糸ゴムに接触塗布し、糸ゴムを延伸させて不織布に貼り合せたものを塗工サンプルとした。塗工温度は180℃とした。
塗工装置のオープンタイムは0.4秒、塗工量は0.04g/M(吐出量12g/分),ライン速度は100m/分であった。
尚、糸ゴムは、620dtexのウレタン糸(ライクラ(登録商標))を使用した。糸ゴムの延伸倍率は3.0倍であった。
アレグロ塗工適性の評価基準は以下のとおりである。
◎:ホットメルト接着剤の飛び散りや、ぼた落ちがなく、糸ゴムへ均一塗工可能
(溶融粘度4000~8000mPa.s)
〇:ホットメルト接着剤の飛び散りはないが、吐出したホットメルト接着剤が糸ゴムへ均一に塗布されない
△:高粘度により、ノズルからのホットメルト接着剤の吐出量が一定でない
×:低粘度により、ホットメルト接着剤の飛び散りや、ぼた落ちがある
××:粘度が高すぎ、ノズルからの吐出が難しく、糸ゴムへの塗工が不可能
[糸ゴム弾性保持性(耐クリープ性)]
塗工温度を評価する際、糸ゴムを不織布に貼り合せたものをサンプルとし、このサンプルを250mm~300mmの長さにカットし、完全に延伸させた状態でダンボール板に試験体として貼り付けた。次いで、貼り付けた試験体(糸ゴム)の長さが200mmとなるような任意の2点に油性ペンで印をつけ、この印のところで糸ゴムをカットし、40℃で放置した。2時間経過後、4時間経過後にゴム長さを測定し、各経過時間後の保持率を算出した。保持率を算出する式を以下に示す。評価基準は以下のとおりである。
2時間後の保持率(%)=2時間後のゴム長さ(mm)×100/200
4時間後の保持率(%)=4時間後のゴム長さ(mm)×100/200
◎:糸ゴムの保持率が90%より高い
〇:糸ゴムの保持率が85%以上、90%以下
△:糸ゴムの保持率が80%%以上、85%未満
×:糸ゴムの保持率が80%未満
[ヒステリシスロス測定方法]
次のような伸長サイクル試験により得られた測定値から、下記の算出方法に基づいて、ヒステリシスロス%を算出した。
(試験片作成)
ヒステリシスロスを評価する際、糸ゴムを不織布に貼り合せたものをサンプルとし、このサンプルを横15mm、縦200mmにカットした後、縦方向に延伸させ、サンプルの長さ(縦方向)が150mmとなる2か所に油性ペンで線を引き、これを試験体とした。サンプルは、糸ゴム保持性試験と同じ塗工条件のものを使用した。
(伸張サイクル試験)
変位量0%から100%まで一定の速度(300mm/分) で試験片を伸張し、その後、除力により変位量100%から0%まで一定の速度(300mm/分)で収縮させた。この伸張サイクルを室温(23℃)で実施した。
試験機:島津オートグラフ AGS-J
初期値:50mm(チャック間距離) 0%伸張率
伸張時:100mm(チャック間距離)100%伸張率
伸張速度:300mm/分
伸張時間:20秒/1サイクル(1サイクルは、初期値→伸張時→初期値)
(ヒステリシスロス(%)の算出方法)
上記伸張サイクル試験から得られた「試験力-ストローク曲線」を積分することで求めた面積からヒステリシスロスを算出した。
ヒステリシスロス(%)=(伸張時の面積―除力時の面積)×100/伸張時の面積
評価基準は以下のとおりである。
◎:ヒステリシスロスが25%以下
〇:ヒステリシスロスが25%より高く、30%以下
△:ヒステリシスロスが30%より高く、35%以下
×:ヒステリシスロスが35%を超える
表1に示されるように、実施例のホットメルト接着剤は、成分(A)、成分(B1)および成分(B2)の3成分全てを含むので、アレグロ塗工が可能で、かつ、耐クリープ性に優れ、ヒステリシスロスが小さくなっている。
これに対し、比較例のホットメルト接着剤は、成分(A)、成分(B1)若しくは成分(B2)の少なくともいずれか1成分を含まないので、各性能のいずれかが実施例のホットメルト接着剤より劣っている。
本発明の実施形態のホットメルト接着剤は、成分(A)、成分(B1)および成分(B2)の全てを含有するので上記性能が向上する。本発明の実施形態のホットメルト接着剤が塗布された糸ゴムを組み込んだ紙おむつは身体にフィットし易くなる。
本開示は、ホットメルト接着剤及びそのホットメルト接着剤が塗工されて得られる使い捨て製品を提供する。本発明の実施形態のホットメルト接着剤は、使い捨て製品を製造するために適しており、特に、糸ゴムを高延伸状態で使い捨て製品本体に固定するために好適である。

Claims (4)

  1. (A)メタロセン系プロピレンホモポリマーと(B)メタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーを有し、
    (B)メタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーが、(B1)重量平均分子量70000未満のメタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーおよび(B2)重量平均分子量70000以上のメタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーを含む、ホットメルト接着剤。
  2. (B2)メタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーは、重量平均分子量70000以上500000以下のメタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーを含む、請求項1に記載のホットメルト接着剤。
  3. (A)メタロセン系プロピレンホモポリマーと(B)メタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーの総量100質量部に対し、(B)メタロセン系エチレン/プロピレンコポリマーが40~70質量部である、請求項1または2に記載のホットメルト接着剤。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載のホットメルト接着剤を有する使い捨て製品。
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